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38回国会参議院1961/02/14

農林水産委員会 第5号

発言数
149
登壇者
14
会派数
5
開催日
1961/02/14

会議録

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  農林水産政策に関する件及び昭和三十六年度農林省関係予算に関する件を一括議題といたします。  両件は、去る二月八日の委員会におきまして、周東農林大臣及び井原農林政務次官から、それぞれ説明を聴取いたしましたが、本日はこれら二件についての農林大臣への質疑を行ないます。質疑御要求の委員の発言は、委員長においてこれを順次指名いたします。なお、質疑は、理事会の申し合わせにより、一人、質疑と応答とを含めて三十分間以内に願います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 議事進行。農林水産委員会の開催にあたりまして、一言農林大臣並びに委員長に申し上げたいことがございます。  それは、この国会は重要法案が輻湊することは予想されているのでありますが、もし農林大臣がほんとうに審議の円滑を望まれるならば、当委員会の要求ある場合は必ず出席されるようにしていただかなければ、私は審議が円滑に運ばないと考えるわけでございます。最近の農林水産委員会の実情を見ますと、農林大臣が当委員会に出席される回数はきわめて少ないのであります。他の委員会に比較いたしまして、非常にこれは少なくなっております。そこで、こういう従来のようなやり方であったならば、この重要法案の審議は、大臣がお考えになっておるように、順調に審議をすることはできないと思うのであります。  それで、これに対して大臣のお考えを承りたいのでありますけれども、私がこら申し上げても、それは相当出席をしていると、こういうような御答弁があると思いますので、念のために、農林水産委員会にどのくらい農林大臣が出席をきれておるか、資料によって私が申し上げますから、とくと聞いていただきたいと思います。第三十三回国会におきましては、会期は六十三日間でございます、この六十三日間、地方行政委員会においては、委員会の開催は十二回のらち所管大臣の出席は四回、外務委員会は二十六回中二十回、文教委員会は十二回中九回、運輸委員会は十回中七回、逓信委員会は十回中八回、以上のようであります。これに対して農林水産委員会は、二十一回中五回であります。これは福田農林大臣のときでありますが、以上申し上げた他の委員会のいずれよりも、きわめて出席率が悪いわけであります。私は、出席したからいいというわけではありませんけれども、審議の内容でありますけれども、ともかく非常に少ない。さらに、第三十四回の国会におきましては、会期二百日でありますが、これは、地方行政委員会は二十七回中十五回、外務委員会は十二回中二回、文教委員会は十五回中十一回、運輸委員会は二十五回中十三回、逓信委員会は二十三回中二十回、これに対して農林水産委員会は、四十回開いたにもかかわらず、わずか五回しか出席されておらないわけであります。こういうように、最近の実情を見ましても、非常に農林委員会における農林大臣の出席が少ないことはおわかりになると思うのであります。  それで、私は、こういうことでは、この国会に提案される農業基本法その他の重要法案から考えまして、とうてい審議が十分行なわれない、こういうふうに考えますので、農林大臣は、私が申し上げましたように、当委員会の要求がありましたら、万障繰り合わせて出席をされる御意思であるかどうか。これは当然のことなのでありますけれども、従来この当然のことが行なわれておりませんので、重ねて大臣のお考えを承りたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 前の事例をお示しになりました。これにはそれぞれその当時における農林大臣のほかとの関係があったと思いますが、本国会におきましては、御指摘のように、大へん農林漁業関係につきましては、法案、予算等たくさんございます。この御審議を願いますときは、私は、言葉だけでなくて、あらゆる機会に努力をいたしまして出席をいたすつもりであります。もとより、これは同じ問題が衆参両方にあるわけであります。その関係における時間調整等をお願いいたしまして、どちらかにどういうふうに出席するか、あとう限り私は出席をいたす考えであります。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 この衆参両院の関係は、これはそれぞれ委員長においておやりになりますけれども、他にいろいろの都合もあるとおっしゃいますけれども、これは、たとえば予算委員会を見ますと、約二ヵ月にわたって大蔵大臣は朝から晩まで出席されておるのです。外務大臣も、たとえばベトナム賠償の審議等の経過を考えましても、ほとんど連日出席されておる。私は、この国会審議にあたっては、他の用件もあるとおっしゃいましたけれども、出ようと思えば現実に出られるのですから、必ず一つ出ていただきたい。さらに、この農業基本法の問題は、池田内閣の所得倍増計画と非常に密接不可分の関係にあるのでありますから、従来の慣例にとらわれることなく、総理大臣の出席要求にも応じて、積極的に農林大臣からも総理大臣の出席をお願いするように取り計らっていただきたい、こういうように思うわけでございます。重ねてお願い申し上げます。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 私は、小林委員のお言葉に対して先ほどお答えしております。ほかにもあるからということは申しておりません。前大臣も過去においてのいろいろ御関係があったでしょうけれども、私は、本議会におきましては農林漁業関係が重要な課題であり、法案であるから、衆参両院を調節しながら、私はあとう限り出席いたします、かように申し上げた次第であります。御了承願います。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) それでは、質疑を行ないます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 お尋ねする点が三つございます。いずれも、関係の法律案等を審議する際に、詳細に掘り下げてやるべき問題であると思います。本日は、その中の特に大事だと思われるような原則的な点を、若干確かめたいと思います。時間がきわめてわずかに制限されておりまするので、最初に三つの問題とも一括して問題を出します。一通り一つお答えを願いたい。なるべく簡潔に一つお願いしたいと思います。  その第一は、いわれておる農業基本法の実施、あるいはそれに基づく農業構造の改善計画の進行、これと関連して中小農、なかんずく小農ですね、これに対して農政上差別扱いをすることが現われてくるんじゃないか。それで、切り捨てるとか切り捨てないとか、言葉の使い方は別といたしまして、事実上そういう小農が半強制的に離農させられる、こういうふうな考え方を基本法並びに農業構造改善計画の中の一つの考え方として持っておるんじゃないか、というふうに思われるわけですが、そこら辺のところを、一つまずお答えを願いたい。  それから第二は、農水産物の価格という問題についての政府の基本的な考え方をここでお聞きしたい。せんだって予算の説明等もあったわけですが、政府は、米麦等のほか、畜産物なり、水産物なり、あるいは青果物等についてまで、価格の問題についていろいろ心配されておられることが現われております。その点は非常に私も賛成であります。しかし、価格の安定といっても、結局どういう線で安定させるのかという中身の問題が、農民としては一番関心を持っておるわけです。そこで端的に一つお聞きしたいことが、米価算定の際に使用されておる生産者所得補償方式ですね、これを全部の農水産物について原則的に認めるべきではないか。ほかにも価格決定の要因というものは考えられるでしょうが、原則としてはやはり生産者所得の補償、この点をはっきり認めてかかるべきじゃないかというふうに思うんですが、そこいら辺の御見解を一つ伺いたい。  それから、第三の問題は、農業災害補償制度の改革の問題ですが、このうち、まず今回の制度改正の運び方の問題でありますが、この問題を審議するために制度改革協議会を農林省がお作りになった。ここで小委員会の答申案というものが相当早い時期にできたわけです。ところが、その答申案、小委員会案というものが正式な答申案というふうにならないうちにですね、いろいろな改革を前提としての予算措置なり、そういうことを政府がおやりになったわけですね。これは私、この制度改革協議会を設けて、各種の農業団体、農民団体の代表の人に入ってもらい、いろいろ御苦労願った建前からいっても、はなはだそういう進め方はよくないと考えておるんです。そういう手続が一体妥当かどうか、大臣の一つ考え方をここで承っておきたい。  それから、これは中身に入りますと、切りがありませんが、一つだけお聞きしますが、今回の答申案によりますと、機構は二段制になっております。これはわれわれ、機構を簡素化したいという気持が表われたこととして、これは賛成でありますが、ただ、それが中央の機構が事業団を設ける、こういうことになっておるわけですが、これはやはり従来通り、農業共済再保険特別会計という形でやっていいのではないか。といいますのは、この制度はですね、何といっても社会保障制度的な性格も持っておるわけです。農民の気持からいいますと、やはり国がめんどうを見てくれなきゃ困ると、こういう考え方があるわけです。そういうときに、何かこう事業団というものを作って、国がなるべく手を引くような感じを与えることは、はなはだおもしろくないというふうに考えるのです。事業団を作らなければ、特別会計では困るのだという非常に積極的な理由等があれば、これは別ですが、そうでなければ、制度の趣旨からいっても、ここら辺のところはもう少し慎重であるべきではないか。これはすでに予算の説明の際にも、政府の考え方としても事業団を賢くということが出ておるわけなんで、一つこの点だけを中身の問題としてはお聞きしておきたいと思います。  以上三点申し上げましたが、一つ一通りお答え願いたい。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) お答えを申し上げます。  第一の農業基本法の制定、またそれに関連して、農業構造改善計画等を通じて小農に対する差別扱いが行なわれるのではなかろうか、そういう構想があるのではなかろうかとのお尋ねでございますが、これは私どもはそういうことは全然考えておらないのであります。現在の日本の農家というものの将来というものを考えまして、これらができるだけその生産を通じて所得を上げ得るようにするためにいかにするかという考え方から、出発いたしております。同時にまた、生産所得というものを上げる、特に生活水準というものがほかとの関係において引き上げられなければならぬ、それをいかにしてやるべきであるかという問題を目標に考えておるわけであります。従って、このやり方につきましては、あくまでも、申し上げておりますように、やはり今後の農村といえども、近代化あるいは高度化した形において農業の所得増をはかることが必要であります。また、各農家の生産性を向上させていくということが必要だと思いますが、それについては、原則として、やはり家族経営を中心とした、農業だけでもやり得る、自営の成り立つような農家を作っていきたいというのが一つの考え方であります。それには、現在の五反未満というような農家についても、でき得る限り基盤を大きくするということを考えますし、また、これはいかに考えましても、日本の置かれたる地理的な環境等によって基盤がそう大きくなり得ないということもありましょう。そういう場合においては、むしろ小農というような方々には、耕作その他の農業の協業化といいますか、法人を作って近代化、機械化をするためだけれども、資本の導入ということができやすいようにすると同時に、小農の所得を引き上げていくとか、生産性を上げていくとかいうことも考えているわけであります。どこまでも、農業というものに従事しておる人々の関係において、態様はある程度大きなのもありましょう、あるいは小さなのもありましょうけれども、その行なう農業というものについて、それが所得の引き上げになるような方策を考える、こういうふうに考えておるのでありますから、いずれ農業基本法等が審議をお願いします段階において、さらに詳しくお話を申し上げる機会があると思いますけれども、この点は御了承を願いたいと思います。  それから、第二の農産物価格についての問題でありますが、お尋ねの価格の支持の目標をどこに置くか、米等についても、同じように全農産物に対して生産費所得補償方式を目途に価格の維持、支持を考えるかということであります。御承知のように、今日米価につきましてはお話のような点が目途になっております。今日各農産物については個別になっております。個々に検討して考えておりますが、将来これらは農業基本法の制定とともに、基本的にどういうふうにやっていくかということについては、さらに検討してみたいと思いますが、要は、その目途とする価格の維持に関しましては、私ども、あくまで生産する農家の生産物が比較的小さ過ぎるということ、それからそれを外へ売る場合において力の弱いところがあるというようなことが、ことに畜産なんかがよく問題になりますが、少数の飼育をやって、そのものの生産物を集めるには非常な労力で各地を飛び回るというようなこと、こういうことはもう少し経営それ自体においても力強い形に強化する必要があろうし、またその生産したものの出荷というようなことについて相当に農民の団結をはかっていくというようなことが必要であろうというようなことを、各産物ごとに考えております。それから、御指摘のように、ことに畜産物、水産物等に予算的措置をかなり重点的に考えておりますのも、その点にあると思うのであります。  それから、第三のお尋ねであります農業災害補償制度改善にあたって、小委員会というものの案ができておりますのに、それを無視した形において予算的措置がなされたが妥当かというような点で、この点はまことにごもっともな点でありまして、昨年の十月十五日に小委員会の案がまとまっております。この点につきましては、超党派的に、また政治家以外の方々が各部門別に代表をお選びになって、大へん御苦心をいただいてお作りを願ったわけであります。これを早急に総会にかけ、いろいろとそれに対する答申を伺って処置すべきが順当であったと思います。御案内のように、十月二十三日には解散になり、選挙が行なわれ、また十一月二十日選挙が済みましたが、その後における内閣の改造というようなことがあったりいたしまして、引き続き臨時国会が開かれたというようなことで、なかなかその間に時を得ませんでした。また、引き続き予算編成というものが、新内閣といいましょうか、第二次池田内閣によって予算編成が行なわれるということで、時は年末年始にかかっており、大へん期日がございませんでした。その間この制度改正にあたっては、小委員会等のおまとめになった案の中にも、これは多数の農民層の方々からの要望が入っております。予算的な措置については、その要望を満たすについて早く予算をもらわきゃならぬというふうになっております。その要望されておる点を尊重しながら予算が盛ってあるわけであります。法律をいよいよ書くにあたりましては、昨日非常な御協力をいただいて答申の形が決定いたしました。今後その答申等を参考にいたしまして、そうして制度の実体の改正に着手いたし、皆さんの御審議をわずらわしたいと、かように考えております。その間大へん総会を開くのがおくれたりなんかいたしましたことについては、私もまことに恐縮に存じておりますが、実際上期間的にもこの間に余裕がなかった、やむを得ずその中に盛られた予算的に関連する事項については十分その意向を尊重して、予算を盛ったつもりであります。これは手続上少し遺憾な点があったと思いますけれども、予算的措置はかようにして進めており、相当に委員会の答申の内容を予算化しておるつもりであります。  それから、考え方につきまして一つお尋ねがありました。機構の二段制はいいが、今日の場合、特別会計をやめて保険事業団を作るということはいかぬじゃないかという構想でありますが、これはもともと小委員会の案等におきましても多年の要望であり、むしろ事業団を作って、そして二段制に持っていくということが要望されておったように思います。たまたま今度は、まあ今どういうふうになりますか、今日まで進んでおりますところが、共済連等が一部残りますのでその点においては多少の論議があると思いますけれども、一応事業団を作るということにつきましては、委員会等においても私は御要望のあったことだと思っております。この点につきましては、今日共済連が残るというような格好からどうかという御質問かと思います。これはやはり、保険事業と監督ということを引き離してものを考えてみてはどうかと。そこで、最も機能的にも敏速果敢に行なわれるような形として、監督は監督として政府は持つということではどうだろうかという考えと、さらにお尋ねの中に、政府がやっておれば非常に信頼が強く、何かしらたよれるが、民間に出るとその点いかがかというお尋ね、ごもっともでありますが、この事業団は、事業団という形で事業に関しては専属してやらせますけれども、大体これは国がやっておるのと変わらないと思うのです。今度その構成につきましても、職員についての待遇、取り扱いというようなことについても、できる限り官におるのと同様な格好に連絡ができるような形を今考究中でもありまするし、また予算的その他の措置につきましても、変わらざる形で動いていきたいとは思っております。要は、監督と事業とを別にし、また当初の要望に沿った形でございます。さらに、この制度改正に関しましては、これだけで終わりにならずに、なおきのうの委員会でも申しましたが、かなりまだ残されたる問題が多くあるので、引き続きそれが研究に進みたいと思いまするし、将来は、あるいは各方面の御賛成を得るならば、御要望の形に進めますについても、やはり今日一応事業団というものを作っておく方がよろしいと、かように考えておるわけでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 一通りお答えいただきましたが、まず第一の問題に関連して、今大臣の方から、小農に対するそういう差別的なお考えは持たないような意味のことを言われております。そこで、少しこまかい問題に入るかもしれませんが、すでに予算の説明のときにもありましたことですから融れてみたいのですが、自作農維持創設資金ですね、これにつきまして経営拡大資金としての機能を広げていく、そのために従来の金額をふやしていく、こういう説明がなされておる。ところが、そういたしますと、まあ具体的な数字でいいますと、百六十億のうち百億をそういう方面に回すと、こうなっておるのですが、昨年は百三十億のうち四十一億ですね、そういう方面の金額は。自作農資金の中の比率からいいますと、全く転倒してきているわけです。で、その経営拡大資金が今度は大農にも、あるいはまた予想される共同化の法人ですね、こういう方面にも出される、こういう説明もされておるわけです。そうなりますと、実際上やはり今まで中小農が世話になっていた資金、これが減らされる、こういう結果に私は必ずなると思います。ここら辺のところに、すでに差別していくという考え方が出ているように思うのです。政府のそういう考え方を若干地方の府県等が聞くのですかどうか知りませんが、地方の担当者などではもうそういう考え方が、来年からはっきりきまったのだというふうな気持で働いておる方も私は現に聞くわけなんです。そんなことはまだきまっていないよと言ったって、もうそう信じているんですね。で、こういう点に中小農に対する差別、極端な言葉でいえば切り捨て、こういうことが出ていると思うのですが、これはどういうふうなことに、大豆、なるのでしょうか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) よく切り捨てなんというおそろしい言葉をお使いになりますが、私どもはそういうおそろしい言葉をどうかお使いにならぬようにお願いをいたしたいと思います。決して私どもは小農をなくするという、追い立てるという考えを持っておりません。そういうことが簡単にできるくらいならば、苦労は要らぬと思います。いかにして小農をもう少しより高く仕上げるかということを考えているのが、農業基本法等の制定の中身の一つであります。たまたま、御指摘のような自作農資金に関して、維持資金と創設資金との割合が変わっておることは、一応そういう目安は立てております。しかし、私は、その金の関係におきましては相互彼此融通ができることでありまするし、維持資金の関係で中小農の関係に必要ならば、これを具体的の場合に応じて動かすことをした方がよろしい、動かすべきである、こういう考えを持っておりまして、事務当局にもさように命じておるわけであります。  たまたま、今度新しい方向として、いろいろな意味において自立経営をなし得る農家というものの考え方を中心にとっておりますが、これはおのずから今日の社会情勢は、農業を離れて鉱工業の方に動こうとしておる現実がございます。そういう場合に、それを買い取って経営面積を広げるという場合も起こってくると思います。そういうことも考えておりますけれども、しかし、あくまでも現実に即して、御指摘のような場合においては維持資金の方によって彼此融通し得る形をとりたい、かように考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 この資金の設けられた趣旨は、私から申し上げるまでもなく、ともかく苦しい農家に対する救済、こういう趣旨でこれは出発しているわけですね。これは国会の審議の中身なり、特にそういう点についての付帯決議等もついておりますし、これはもうはっきりしている。だから、この制度がある以上は、私は、この法律改正もしないでそのままこれを大農の経営拡大資金に持っていくということは、これはすりかえだと思うのですね。だから、経営拡大資金ということの意味が、これは多少はっきりしませんが、たとえば、先ほど大臣もこれは指摘されましたが、中小農であっても共同化のために土地を取得したい、こういう希望等がある場合があると思うのです。そういう場合にだけ大いに使っていくのだということであれば、私はこの制度の趣旨をそのまま生かしながら構造改善にも役立たせていくというふうなことに両立すると思うのですね。ところが、経営拡大だといって、今まで対象にされなかった大農なり大法人の方にそういうものがどんどん使われますと、結局は中小農が困ってしまう。今、維持資金と取得資金との関係を大臣は説明されましたが、取得資金自体についてもその点をよほどぴしっとしてもらいませんと、私は法律の趣旨に反すると思うのです。もう一度大臣の御答弁を願いたい。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 大体、私は御指摘の通りだと思っております。大農で相当大きな面積を持っている、これは制限がありますが、そんな大きな昔のようなものはありませんが、それをさらに拡大するためということは考えておらぬ。むしろ、中小農自体が法人経営ということまで、協業化経営ということに向かって自己の基盤を広げるというような場合は、もちろん中小農に行きますし、また、そのまま経営をしておるけれども、いろいろ苦しいので、農地を手離さない、それは手離さないで維持していくということに対する資金の融通は考えているわけです。たまたま御指摘の、内容について分野が少し変わってきたのじゃないかという御指摘でございましたから、そういう場合には彼此融通し得るような形に私どもは運用していきたい、具体的問題について決してそういうふうな不便が起こらないように考えていきたいと思っております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それじゃ、この点はこの程度にいたしまして、価格問題について、さらに確かめておきたいのですが、これは基本法の要綱ですね、昨年の十二月八日幹事会案というものができて、われわれ承知いたしております。この幹事会案に対してもいろいろ党内で意見が出ておるようでありますが、その意見も私たち若干は聞いておりますが、ともかく、この基本法案の要綱で価格問題を扱っておるのは、第十条と十一条ということになっております。特に第十条で価格決定に関する考え方ですね、要因といったようなものが並べてある。今それを読み上げることは省きますが、これだけを見ても、従来食管法等で考えられておる気持とは非常に異なるものがある。ほんとうに農産物の生産費・所得、これをしっかり守るのだ、こういう考え方というものは出ておらない。いろいろな価格決定の要因というものは、抽象的に並べられておりますから、実際問題にこれを適用しますと、どんなに低い価格をきめましても、それは説明は幾らでもつくことになるのです。先ほど農林大臣もおっしゃったように、ともかく農業者の方が弱いわけですから、そういう不明確な考え方でやっておりますと、結局は農産物価格というものは押されてしまうことになる。こういう考え方が農林省の幹事会案として出ているわけでして、私たちその点に非常な不安を持っている。  それともう一つは、私たちが要綱の第十一条で拝見をいたしますと、何か食管法で農民が米価については少なくとも現在は守られておる、そういうものをも事実上変えていく、現にそういう買い入れ売り渡しの施策をやっている、それにかわる施策をやるというようなことがここに入ってきているわけですね。食管の廃止というようなことは大へん刺激的ですから、政府でどんな考え方を持っていても、そんなことは口にする者はおらないわけですが、しかし、こういう大事な農民の立場を守るという基本法の中に、それを事実上廃止しかねないような言葉づかいが出ておるわけです。非常に私たちこういう点で疑問を持っているのです。  われわれは、ほんとうの気持からいうならば、基本法ですから、価格問題に対する基本的な考え方をはっきりさせなければならぬのですから、それがされないのみならず、逆行するような表現というものがずっと強く出ている。自民党内部の農政議員の諸君からもずいぶん批判は出ているようですが、しかし、なかなか政府はその通りにいかないようにも聞いている。ここら辺に非常な疑問をわれわれは持っているのですが、どうも、はっきりいうと、都合が悪いから言わないでというふうなことじゃなしに、実際はどういうところにあるのか。しっかり農民の立場を守るのだ、所得倍増とか何とかいっても、結局価格を通じて金を獲得するわけですから、そこをしっかり守ってもらわなければ、いや成長率がどうだ何が何だかんだいっても、そんなものはみな空の議論になってしまうわけです。そこら辺は一体、実際どうなんですか、もうすこしわかるように、要綱にこういうふうに書いてあるから疑問を持つわけです。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) これは私は亀田さんのお言葉とも思わないのだが、農業所得をいかにして伸ばしていくかということ、それで苦労しているわけです。そのときに、生産費を割っていいとはだれも思っておりません、生産費はもちろん確保しなければならない。所得について、大体生産費所得補償方式というようなことが内容の一つの守られるべき価格の目標にはなると思いますけれども、問題は、御承知の通り、米のような比較的計算しやすいものであっても、なおかつその所得方式として、生産費として見るべきものをいかに見るかということに問題のあることは、御承知の通りだと思います。これは現在の買い上げの方式をとっている場合にすら、どの点を主要生産費に持ってくるか、全国至るところ生産費が違ってくるわけです。それをどうするかということは、かなり問題のあることはおわかりだと思います。それを各農産物に当てはめてみると、一体そういう点についてどういうふうになるのかということが、しっかりつかまれなければならぬと私は思います。そういう意味において、農業基本法の制定実施にあたって、その問題については、何を目標にして価格については考えるのか、またそれは地方的にどうなるのかということを考えていかなければならぬ。抽象的に言うことは楽でありますが、青果物について・あるいは野菜等について、いかなる補償方式をとるかということになると、たとえば白菜をあっちでもこっちでも作って、たくさんできた。一体それをどれを生産費にするかということは、地理的に違ってくる。ここらに一つ、私は目標はいいけれども、その問題について一体何を生産費にし、何を補償して、全国の関係者に満足せしめるかということは、これは非常に困難がある。それだけに工業生産品と農業生産品とに違いがあるということをよく認識していかなければならぬと思います。  ただ、言えることは、これはここに書いてあるように、一番弱い者がせっかく苦労してやった物が、最終消費者に至るまでの間において非常に小売価格が高くなる。受け取り価格が低く、いろいろ中間的な関係費を非常に多く取られている、こういう点に問題がある。まずそういう点を改善するということを、非常にはっきりしたことを書いてあるわけです。  そういう点について、私どもは今基本法を書いているのでありますが、目標とするところは、生産費を割ってもいいとは思わないので、維持すべき価格はどこに置くかといえば、やはり生産費というものを守っていこう。その生産費というものをどういうふうに計算するかということがはっきりわからないと、抽象的にそういたしますと言っても、これは空になると私は思う。私は現実にその点について検討を加えつつ考えていきたい、かように考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 時間がありませんから、最後にいたしますが、生産費はどうしても守っていかなければならぬと、大臣は今はっきりおっしゃったわけですが、しかし、これは当然なことかもしれませんが、やはりそのことは、基本法なんですから、根本を明らかにするのですから、それがもっと強く出てきませんといかぬと思うのです。生産費計算の中で、ことに労賃計算なんか、非常にこれはどこにとるかといったような問題もずいぶん複雑でしょう。それから、物によって原則は同じであっても計算の仕方が相当違ってくることも、これは考えられる。だけど、根本が今大臣がおっしゃられるようにはっきりしとるのなら、私はそのことをはっきりさせてほしい。しとらぬから、疑いを持つわけなんです。まあしかし、ここであまりやっておってもなかなか時間もたちますから、この程度にいたしておきますが、また、基本法なるものが出た際に十分一つ御意見を承りたいと思います。一応これで。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 私は、数字にわたってのこまかい質問は、もちろん大臣でなく、政府委員にお尋ねする機会があると思いますから、きょうは、大臣が農林大臣として日本の農村をしょって、遠いことは申しません、この二、三年先に日本の農村をどこへ持っていくんだ、それについての大臣の基本的な私は方針なり態度を伺いたいと思うのです。  で、なぜ農林大臣ともあろうものに二年、三年先のことを私が聞くか、失礼じゃないかという御意見があろうと思いますから、私はこういうことを聞かなきゃならぬ一つ前提を申し上げますと、実はその道のエキスパートの周東農林大臣以前のことでございますけれども、過去の農政というものは、さっぱり見通しを持っていなかった。一つの例を申しますと、このごろやかましく言っている麦対策の問題であります。麦が今、大麦、裸麦が一年分余っております、大体。急に昨年の夏から秋にかけて一年分余ったわけじゃございません。一年分というようなたくさんな数量がたまるまでには、その経過として少なくとも二年なり三年の経過があったはずであります。その間に十分の見通しをつけて対策を立てておけば、農家も迷惑しないし、政府においてもこんな周章ろうばい、醜態を演じなくてもよかったわけです。この大麦、裸麦の対策はいつごろから始まったか。私についでに言わしてもらえば、昨年の夏ごろからであります。農林省が、大麦、裸麦が余って困る。何を初めにやったか。山本富士子さんというべっぴんさんを引っぱり出してポスターを作って、麦の消費活動をやった。麦を食え、麦を食え、とやった。山木富士子さんと麦と何の関係もありませんよ。それで、どんどん余っちゃった。その間にいろいろ、どうだこんにゃくだ言ったけれども、結局、昨年の九月でしたか十月ごろになって、農家に向かって新聞、ラジオを通じて、麦が余って因るから、作付をなるべく大麦、裸麦を減らしてくれ、というようなことを言った。わかり切ったことでありますけれども、作付転換なんというものはそんな、隣からまんじゅう買ってくるように簡単にいきませんよ。秋口に至って秋にまく麦の作付転換をやってくれなんということは、農業を知らない人の言うことなんだ。それが現実に昨年の麦に対する農林省の対策であったことは間違いない。  こういうことを考えますと、私はここで麦のこともイモのことも聞きたいのですけれども、それはそれとして、今から一つ私はこの速記がついているところで伺いたいのですが、一体、米の需給関係をどういうふうに見ておられるか。たとえば、来年の今ごろです、これから一年間に米というものの需給関係はどう変わってくるか。もっと具体的にいうと、来年の今ごろ、一年先には米というものはどのくらい余るか。こういうものは少なくとも、数字の問題でありますけれども、農林大臣が食糧対策を立てる上に、特に米の対策を立てる上に、大臣の腹づもりがあると思うのですが、一体、米の需給関係を今後一年間にどういうふうにごらんになっているか。これをまず私は伺いたい。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) お尋ねの点、御意見の点につきましては、多分に同感な点がある。で、私は、今お話しになったように、今後の農村対策として米の需給をどう見るかということは、結局、米の将来を、どういうふうに生産を考えていくのかということに関連すると思います。実は、御承知の通り、年々、五ヵ年間の豊作続きでありまして、今日におきましては、二合七勺を二十六日分配給をいたすことにいたしておりますが、それでもなおかつ政府に売ってこられるお米はそれの必要量を越えておりまして、来米穀年度へおそらく持ち越される政府の米は五百万石を上回ると思う。従って、大体政府の配給というものを現在のままで進めていった場合において、二合七勺二十六日分を計画しておりますが、それを全部三十日にいたしてみましても、大体三千八百万石くらいであります。今年も四千百万石の予約申し込みがあります。このことは非常にけっこうな話で、私は喜ぶべきことと思います。ここにおいて米というものだけを食べてもかなりゆとりが出てくると思いますが、将来戦前のように一人当たり三合ということになれば、戦前に返るわけであります。そういうことにするかせぬかは、政府手持ちの問題と相談しなければなりませんし、そう軽々にはいかないと思いますが、まず今二合七勺というものを考えましても、そのくらいが一つの見通しであります。  しかし、将来の問題からいいますと、私はやはり米を今心配されているように急に減らすことは考えませんが、それは年々百万人ずつ増加する人口の増ということは、何と申しましても、米食率の増の要因です。しかしながら、生活程度が上がるに従いまして、蛋白質、脂肪というもののとり方はふえて参ります。そうすることは、いわゆる食生活の改善ということは、米食率を減にする要因だと思います。その二つを、かりにラフな見積もりですが、組み合わせて考えても、米は今後十年後の数量においてはまだある程度要ると思います。ただ、その仕方というものが、結局増反していくか、土地改良によって単位面積における収穫量をふやしていくかということに出てくると思います。大体米についてはさような見通しを持っているわけであります。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 私は、農林大臣は食糧庁等からいろいろ数字を取り寄せてごらんになっている思いますけれども、私は自分のあとう能力での調べというと、結局私の生活の根拠である神奈川県の周辺の食糧の配給事情を調べているのですが、それをずっと拡大していきますと、あまりに私の結論と農林大臣とは大きな隔たりがある。時間がございませんから、私の申し上げたいことを先に申し上げますと、私はこういう調査をやった。一昨年の十一月から昨年の十一月までに、米の配給店で配給量がどういうふうな変化になっているかを、一軒や二軒ではございません、相当広範囲にわたって調べさせました。そうすると、大体二割五分減っております。しかも、人口増というものはそのファクターに入っておりません。神奈川県は、御承知のように、東京よりむしろ人口の増は比率が高い。その人口増を入れますと、大体年間に三割減っている。しからば一年間に一人当たりどのくらいの米の消費量になっているか、これを調べますと、神奈川県の田舎の小田原、平塚、藤沢という程度の十万前後の都市ですと、一人平均七斗にいっておりません。それから、横浜に次ぐ大きな横須賀、川崎の地区を調べますと、六斗前後でございます。消費量が。そうしますと、年間に一割というような数字で減ってきておる。しかも、一人当たりの消費量は、これは六斗とか七斗といわれるのである。一方、農村においては相変わらず一石単位の消費もあるのです。しかも、一石単位の消費の純然たる農民は非常に数が少ない。  それやこれやを平均いたしまして、九千三百万余の人間が一人当たり八斗消費したとしても、この八斗には問題がありますが、かりに八斗消費したとしても、七千五百万石くらいの米があれば年間の需要量が足りるという計算も出てくるのです。ところが、本年度の米作予想は、手がたく見積った農林省の統計調査部の発表によっても、八千六百数十万石になっておる。これは見ようによっては、従来の関係からいけば、実質は九千万石かもしれません。しかし、この場合は予想数字は入れないで八千六百万石ということをとっても、差引すれば一千万石前後のものは一年間に残るという計算になる。しかも、過去一年間の消費の減退、この率を加えないでいっても、そういうことになる。しかし、私のようなこういう見方をしておるものがあるかと思えば、一方農林省のように、現在でも四百数十万石の米の手持ちがある、約五百万石ほどの手持ちがあるわけです。それが依然としてこの年度がわりに五百万行程度の米の手持ち量があるという計算をされておる。それでいけばけっこうでありますけれども、かりに一千万石とか一千数百万石の米が余ったというときは一体どうなるのか。それは仮定の問題だからとおっしゃられればそれまででありますけれども、しかし、これは農林省でも必ずしも五百万石の手持ちで済むとは断言できないでしょう。また、今私が申し上げた数字が必ずそうなるとも断言できません。しかし、やはりこれからの農林行政をやっていく上において一番重要な米の需給関係等は、あちらこちらから角度をかえて資料を求め、それによって方針を立てられることが必要である。もし、私の言うようなことになれば、ちょうど本年度の麦と同じように、全く壁にぶつかってどうにもならなくなる。そうして今度対策を立てる場合には、麦の対策と違って、米の対策は全く私は困難だと思う。それやこれや考えながら伺っておるわけでありますが、農林大臣、ほんとうに五百万石ぐらいと思っておられるのでありますか。  農林大臣は、農林大臣であると同時に、われわれと同じように選挙区の事情も聞いておられるでしょう。また広く大衆に接しておられるのですから、役所の数字だけが農林大臣の判断の資料にならないはずですが、一年に三割も配給量が減っておる。これはうそじゃありませんよ。農林省にもこれはちゃんとあるはずです。一体この点をどういうふうにお考えになりますか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) お話の点ごもっともでありますが、いろいろ河野さんは熱心に御研究になっておることでありますから、その資料をどうこう言うのじゃありませんが、これは私が今申し上げましたのは、政府の取り扱う数量を一つの目安に買いてお話をしております。そうして五百万石の持ち越しになるだろうというのは政府の米で、民間を入れればもう少し多いと思います。しかしながら、現実に三千八百万石、二合七勺で配給しておると思いますが、これがだいぶ配給辞退になっておる。これが神奈川県等における、都会地における配給から見られた消費量が減ったのじゃないかという御指摘だと私は思います。これも一つの見方だと思いますが、大体政府の方の配給を辞退しておる分はやはり、何と申しますか、別のルートで入って、それだけは食べておると一応推計をしております。従って、政府の配給見込みであるところの三千八百万石を一つとってみたわけであります。もとより、政府といたしましては、もっと各方面を調査することは必要であり、ましょうが、この五万石の持ち越しということも、実はことしだけの問題でなくて、累積したものなんでございます。それと関連いたしまして、配給辞退等の関係で、民間手持ち米というか、農家手持もはその方に、辞退された数字というものはその方に流れておると思いますので、民間手持ちがどのくらいになりますか、まあ五百万石をこえた形が端境期には国全体においてはあると、かように考えております。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 やみ米だとか、配給米だとかいうものを区別して数字をはじくと、いろいろめんどうになって参りますが、とにかく、先ほど申しましたように、私の方の地区では、米の受配給は一人当たり六斗とか七斗ということである。それじゃ、それが減った分だけやみがふえているか。私の方はやみ米の高いところでありますから、配給米を辞退してやみ米をふやすということはありませんよ。絶対量が、消費量が減っていることは間違いない。この傾向は、しかもこれを日本全体から見ると、東京とか、大阪とか、名古屋とか、神奈川とかいうような大都市並びに大都市周辺の人口を引けば、これは日本全体を十分律するだけの数字になりますよ。そうしてみると、私はいかにも今の米の需給関係についての政府の見方は甘過ぎるといいますか、ちょっと実情とかけ離れているじゃないか。この結果はことしの麦のような結果が一年先に来るのじゃないかと思いますので、この点はなお、農林大臣、別の立場から、食糧庁を動員して、また統計調査部を動員して、よくお調べ願いたいと思うのです。  そこで、もう一つ米に関連して伺っておきたいのは、米の需給関係が緩和しているところに、外米輸入を考えておられますか。絶対に私は、数字の上からいけば、外米輸入の余地はない。しいていえば、通商関係、外交上の関係で一部あるかもしれませんが、大体、この点をもしこの機会にお漏らし願えれば、外米輸入に対してこれからの一年間どういうふうにお考えになるか、これを伺いたい。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 御指摘のように、今の国内における国内産米の需給状況から考えまして、外米の輸入は大体あまり多くを必要としないという御意見には、私も同感なんです。ただ、貿易上の関係、外交上の関係で一部入れておりますが、大体現在の状況におきましてはさような考えでおります。いろいろと御要求があって、外交上いろいろ困った問題がありますが、ただいまのところそういう考え方でおるわけであります。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 一言つけ加えますが、外米といいましても、朝鮮とか台湾の米は内地米とあまり区別がないが、需給関係だけでなしに、食生活の上からいっても、あまりまずいもの夕食わせないということを農林大臣は考えなければいけないと思う。現在、一昨年の米を二割、三割まぜて配給しているのですよ。もう一月を過ぎて二月の半ばになっているのに、一昨年の米を二割、三割まぜて配給している、こういう状態ですよ。まだ新米が食えない。しかもその上に、外米も相当持っている。その上に外米を入れるということは、よほど万々やむを得ざる外交上の問題以外は絶対に入れないというくらいのことを、私は大臣にここで一つ御言明願いたい、こういうふうに思うのです。  次に、私はもう一つ将来の農村について、いろいろ農相は考えておられるでしょうが、伺いたいのは、非常に時代の変化が激しい。農村は非常に激しく変わる。そこで、構造改善対策というようなものを立てられたのですが、スピード・アップして参りますから、よほどハンドルをしっかり握らないと、ハンドルを切りそこなうと、がけから落ちるから、この際私は一番大事なことは、農林省の試験研究の問題だと思うのですよ。エンジンの調整もしないで、いきなり飛び出されて、突っ走られてはかなわぬと思うのです。これは言葉をかえていえば、これからの農業構造の改善をやるのに、たとえば今の協業とか、法人化とか、いろいろな問題もどういう形の規模の法人化にして、その経営規模はどのくらいであって、そこには機械の導入をどういうようにやって、それから作物別にはどういう組み合わせをするというような、十分技術的にも経済的にも農林省が研究調査をした一つの固まったものがあって、これでいけばいいんだということで私はスタートしてもらわなければ困ると思う。それを、たとえば、けちをつけるわけじゃありませんけれども、昨年度予算で麦対策改善パイロット地区を二百三十何地区かきめましたね。あの経過はわかっておるはずですよ。ろくなことにはなっておりませんよ。それは要するに、エンジンの調整も何もできないで、いきなりすっ飛び出すから、そういうことになる。しかも、二百二十何ヵ所が大した成果も収めていないのに、また来年度は九百ヵ所にふやしてやる。試みはけっこうでありますけれども、あまり試験、研究、調査というものがコンクリートされないものをそのまま持ち出して、農民をまるでモルモットかなんかのように試験台にされたんじゃかなわないですよ。そのために試験場があるんだから、試験場で十分私は——急ぐのはわかりますけれども、急ぐからといってなまはんかな技術、研究というものを持ち出されては困ると思う。そこで、今後の、十年とは私はいいません、三年なり四年先に、協業化の問題ですけれども、一体何町歩くらいを単位にして一つのモデル地区を作っていかれるか、経営規模ですね、これは一体どのくらいをお考えになっておりますか、これをまず私は伺いたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 農業の協業化の問題につきましては、これは強制的にはやるあれは今のところないんです。ことに、これは地域的にも違いましょうし、また農業と一口に申しましても、あるいは果樹園芸とか、あるいは畜産経営とか、あるいは水田経営とかいうようなことから、態様によってもなし得るものとなし得ないものとあるわけです。そういう意味合いにおきまして、今どのくらいの大きさに協業をせよということは考えていないわけであります。むしろ、民間の希望によりまして、また地方的な希望、また農業の内容、業種によりまして、希望があればそういう形をとることも認めるし、またそれをやるためにそれに資本導入をさせるという必要があれば、それに対する設備その他に関して助成金を交付するという態様をとっていきたい、かように考えております。一面、それを希望にまかすとともに、一面には、御指摘のように、農業構造改善促進に関する計画の樹立というものを、大体このたび九十二ヵ所にわたっていろいろ計画を立てさせております。いかなる形に、地方別に何が協業化に適するか。それはまた協業化だけじゃございません。その地方における自立経営農家というものは、どういうふうな規模でどういうような形がよろしいかということも、その計画に考えられていくと思います。そういうことをやりつつ、慎重に進めていきたいと思います。御指摘のように、思いつきでばたばたと指導してやっていくという考えはとりたくございません。  御心配のように、そういう意味におきましては、従来はともすると各局がばらばらに指導したということもこざいましょう。ある時代にはそれでもよかったかもしれませんが、今度のように全体の農村に協業をどういうふうに入れていくかという場合におきましては、私は今農林省の中で言っておりますが、農林省が農業というものをどういうふうにもっていくかということをきめたならば、各局の担当部門において総合的な指導の一環としてこれから指導していくようにもっていきたい、そういう形でいこうということで、今後機構問題も考えていかなければなりませんが、さしあたって官房にそれらを総合統一する課をふやしたいというように思っております。行く行くはそういう問題につきましては、余談でありますが、地方における第一線における指導というものも、総合的な統一的な形に指導せられていくような体制をとっていくことが必要であろう、それはまあ次年度におきまして考えていきたい、かように考えております。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 協業についての経営規模の単位は幾らにしろ、私の質問の仕方も言葉が足りなかったですが、画一的に三町歩とか二町歩とかいうお答えを願おうとは思っていなかった。それはやはり作物別に、畑地、水田またはその土地の経済的の条件、こういうものでいろいろ三つにも四つにも五つにもなると思いますが、それはわかっているのですが、それにしても、畑作の場合東北地区ならどうとか、関西地区ならどうとかというものが、一つ農林省で、こういう形でこうやればいいんだというものが、すっかりコンクリートされたものがあって、その上で地方のパイロット地区を設定するならいいけれども、パイロット地区でそういうものを研究させるんだということは、これは私は考え違いだと思うのですが、どうなんですか。従来はそういうコンクリートしたものがなくて、いきなり出ていって、そこでやらせる。試験場と同じような扱いをする。それは私は聞違いじゃないかと、こういうふうに思うんですよ。今度官房に総合的なあれをやることは非常に私はいいと思う。  たとえば、具体的に一つ申しますが、今度の農業構造改善の一番大きな問題は機械化ですよ。いかに機械化して生産費を切り下げるかという問題。ところが、この機械化が、各局、各部に全部またがっている。そうしてばらばらなことをやっている。全然これでは動けやしませんよ。しかも、私はここで一つ、これはまあ大臣の質問には少しこまかいかもしれぬけれども、今、機械の大型化といっておるが、大型化ということを指導するには、一体大型で何をやらせるんです。大型といっても、三十馬力、五十馬力、二十馬力がありますよ。一体大型化して、この大型で何をやらせるのか。現在の農村を見れば、また世界中の農村を見れば、どこでもそうです。機械を大型化したからといって、機械を大型にしたら、大型の機械で何でも間に合うものじゃない。やはり小型もなくちゃいけない、畜力もなくちゃいけない。それらをどういうふうに組み合わせていくことが経済的になるか。どうもわれわれが見ていると、大型化というと大型の機械だけ、担当の農林省の人は、何でもかんでも大型でなければならぬと、その間には小型もなければ畜力も何もいらぬというくらいな極端なことをやっている。とにかく現在、よくても悪くても、八十万台ですか、小型の機械が農村に入っている。これを金にすると一千百億の金です。千百億の金を、農民が資金を投入して小型の機械を使っている。これをいかに有効に使うかということが農林省の大きな仕事だと思う。しかも、小型が要らなくなるわけじゃない。それを何か、小型から中型、中型から大型と、まるで自転車からオートバイに変わっていくように単純に考えているんですが、そういう点や、いろいろ複雑な問題がありますから、僕は冒頭に戻りますが、もう少し、何と何をして、こういうふうにやればこうなるんだという結論の出ないものを、いかに農業構造改造だといっても、不用意に地方に持ち出されることは、非常に私は農民の迷惑だと思いますが。  いろいろ、大臣は一体質問の要旨はどこにあるかわからなくなったと思いますけれども、要するに、私は、もっと表現を変えていえば、農林省の予算の中に、なぜもっと試験研究というものに重点を置かないんだと。試験研究というものに、予算もろくろく取らないで、そうして補助金だの、やれ指導費だのというものばっかり——ばっかりとは言わないけれども、そういうものに依然として従来の農政の惰性で予算を組んで、そうして予算が何%ふえたというのでは、私は農政本来の姿じゃないと思う。どうです、農林大臣、試験研究の予算というものは、今度のあれで十分だと思いますか。こんなことで農業構造の改善なんてできませんよ。私はそんなことを農林省叫ぶ資格ないと思いますが、どうですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) その点は、全く御意見ごもっともであります。私も、新しく農業を発展的に改善していくという新しい行き方の基本には、作付転換等に関しましても、その何をするかということについては、農業試験場その他の試験研究機関の研究に待ちたいし、またそれによって負うところが非常に多いと思います。また、機械化するについて、いかなる機械がどういうふうにいいかということも、試験研究機関の一つのデータをもとにすることがよいと思います。  今日の予算、三十六年度予算には、それだけを十分に盛ってあるかということでありますが、かなりその意味においては今度は増加をいたしておりますが、まだまだ試験研究機関を今後どういうふうに持っていくかということについては、十分まだ満足なる姿ではないと思いますが、しかし、三十六年度予算にはかなり増加をいたしたつもりであります。今後なお、予算だけの面でなくて、新しい農村をどうもっていくかということに対する技術的機械的な、あるいは作物的なあらゆる研究を、試験研究機関を通じてなされる予算については、今後ともなお考えていきたいと思います。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 時間もないようでありますから、もう一点、水産物の価格安定対策について伺いたいんですが、水産物以外の一般農産物につきましては、不十分でありますけれども、順を追って価格安定対策は漸進してきておりますけれども、水産物の価格安定対策というものはほとんどなかったわけです。今度初めてその基金の制度を設けて、わずかに八千万円ですか、政府が出資して、それに県が出し、水産団体が出して、何か三億くらいでしたか、数字を忘れましたが、その基金によって何か幾らか安定対策を立てるようになっていますが、これはもちろんこんなことで大きな水産物の価格安定対策にはならぬと、私は大臣も思っておいでだと思いますが、将来の問題として、水産物の価格安定対策に対する何か構想をお持ちですか。私は、少なくとも他の農産物やなんかとの比較におきましても、一面また零細な漁民の生活状態等を考ましても、何かやはりこの事業団的な価格安定対策機関を設けるという時期に、もうすでに来ておるんじゃないかと、こう思いますがね。私は、一番日本のというか、世界でもそうかもしれませんが、日本の漁業界で不思議なことは、魚をとる人に倉建てた人はいないですね。ところが、とってきた魚を、命がけでとってきた魚をちょこちょこと何かいじって、カン誌にしたり、何か加工して、これには金持がたくさんいるけれども、生産から配給、消費までのこの流通段階においてのバランスが、水産業界みたいなアンバランスは私はないと思うんですよ。そういうことから出発すると、どうも政府みずから魚価の安定に対してもう少し積極的であるべきでないかと思うし、またその時期が来ていると思うのですが、これは私よりも、出身地が山口県でありますし、下関は特に大臣の根拠地でありますから、水産のことは非常にお詳しいと思いますから、釈迦に説法になると思いますが、何かしかし水産物の価格安定対策についての構想をお持ちと思いますから、この点お漏らし願いたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 御指摘のように、一番水産に対する価格安定対策はおくれております。また、それだけ実はむずかしい問題であります。今御指摘のように、水産については今計画を立ててやってるの少ないじゃないかというお話であります。これはまた、水産の態様についても考えなくちゃならぬ点があると思うのです。御承知のように、今日までの水産というものは、その大部分が、種をまいて生まれさして飼育するのでない。しかし、農業の方は年々歳々種々まいて農業を営んでいく。水産の方は泳いでくる魚をとっているのです。魚がきげんが悪くなって、海流の関係で来なくなれば、とれない。逆にどんどん来れば、豊漁になって、一ぺんに始末しなきゃならぬが、腐敗せえへんかと、こういうところに漁業対策のむずかしさがあると思います。ことに、御指摘のように、大きな資本家、遠洋漁業、北洋漁業等に関しましては、カン詰にして外に出すのですが、一番大事な沿岸漁業及びそれに関連して大衆魚であるところの多獲性的な魚に対しては、とれるものはうんととれる。とれぬときにはさっぱり。とれるときには、何とかしなけりゃどうにもならぬというふうなことであります。  これに対しては、むずかしい点がありますが、おそまきながらですが、ことしは魚価安定基金関係で、今御指摘の八千万円の出資、これは民間の方の関係と合わせて大体二億ですが、これがある場合においては、さしあたってサンマ等について多獲されたときには、これを、サンマ粕についての調整をする、出荷調整をするという面を持たして、今制度を作っておりまして、同時に、今やはり配給関係から、今度少なかったのですが、産地にとれた魚を貯蔵をして、耐久性を持たせながら市場へ出荷の調整をするというようなことも今度予算に盛ったわけでありますが、そのほか水産事情というものの調査とか、これは三十ヵ所の消費都市について情報機関を設置いたしまして、出荷を調整する。場合によっては水揚げ地を変更させよう、この都市に持ってきても今一ぱいだからほかへ回せというようなことまでも、情報の設置をしてその措置を考えるというようなことを、今度の予算に盛っております。これでも十分だとは思われませんが、なお今後こうい言ふうにしてとらえていく。計画性がないといえばないが、そういうような漁業の実態に即して、主として市場の情報の調査通報を敏速にして、それに対処するような、あるいは保管設備、またそれに対する買い上げ調整というようなことも、さらに今後の状態においては拡大して安定をはかりたい、かように考えております。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 最後に、時間が参りましたから、すでに超過しておるかもしれませんが、えさの問題について一点伺いたいのですが、現在、数字はあまりつまびらかにしておりませんが、私の概算では、大体国外から飼料を仰いでいるものが二百五十万トン前後になりはしないかと思うのですが、飼料と称されるものは。すでに非常に莫大なものでありますが、さらに今後輸入に仰がなければならぬ飼料の職というものはどのくらい見込まれておりますか。これも私の推算でございますけれども——私がというよりも、人によると、農林省出身の相当よく勉強された方等に聞きますと、五百万トンの飼料を輸入しなければならぬ事態がきわめて近い将来に来るだろうというような計算をしておる人もあります。そういうふうに二百五十万トンが三百万トンになり、四百万トンになるというような事態が非常にきわめて近い将来にあるとすれば、現在のような中途半端な飼料価格の安定の法律では私はつじつまが合わないと思う。そこで、えさの需給見込みというものを一体どのくらいに見ておられるか。これがかりに四百万なり五百万にふえるということを近い将来に予想されるならば、そのときの対策は一体何か、前向きに一つお考えになったその結果を、私はお漏らし願えれば大へんけっこうだと思います。  もう一つは、えさの問題で伺いますが、麦作の転換をやりますけれども、まあ麦が一ぺんになくなるわけじゃありません。国内産の麦というものを飼料に回す、これについては十分積極的にお考えになっておると思いますが、数字の上からだけ見ますと、飼料用の麦の輸入が本年度は約四十万トン前後だと思いますが、来年度の計画では七十数万トンになっている、ように私は思います。足らぬものは輸入しなければなりませんが、飼料用の麦を入れるのは最後の最後の手段として、まず国内壷の麦、余っている麦、これを飼料に回すということについての対策が私は先じゃないかと思うのですが、ただ足りなくなったから輸入するということだけじゃなしに、国内産の麦と飼料の関係、これについての根本指導方針はどこにあるか、こういうものも伺いたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) こまかい点につきましては局長からお答えをいたさせますが、麦の転換について飼料化の問題を考えないのかということであります。これは十分考えて参りたいと思います。まだ発表する自信はございませんが、かなり麦に、ある種の設備を設けて、これに加工することに上って効率の高い飼料ができるということも進んでおる、ある特許に基づいて。これはまだ試験の時代であります。これができれば、かなり国内産の麦を飼料として、しかもそれがわずかな加工によって付加価値を生ずることができれば、これも一つの農家所得の増になると思います。その点はあわせ考えていきたい思います。  輸入等の需給問題につきましては、局長の方からお答え申し上げます。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 局長にはまたあらためてこまかく伺う機会がありますから、この際は答弁は求めません。ただ、私が久しぶりで、お世辞でなく、私が最も期待している農林大臣ができたのだから、農林大臣に一つ特に私はお願いしますが、ことにおられる農林省の各位にははなはだ失礼だけれども、過去の農政というものは、小便小僧みたいなものです。あとから気がつく寝小便ということがあるけれども、できたことをあとから気づいて、ああだ、こうだと言っている。たれた小便は、もう始末がつかないですよ。ですから、先ほどから米のことも、基本対策のことも、えさのことも、いろいろ伺いましたが、要約すれば、前向きに、こういうむずかしいときでありますから、三年も左年も先とはいいませんよ。来年になって、こんなになるつもりじゃなかったというような準備だけは、よほど農林大臣しっかりしてもらわないと。農林大臣だって、農林大臣である前に、農政に必ずしも十から十全部賛成でなかったと思う。私が御指摘申し上げるように、けっこうあとから気がついたものが多かったと思う。これを一つその道のエキスパートである大臣は、そういうことは絶対ない、少なくとも、見通しが狂っても、二〇%や二五%は仕方がないけれども、一〇〇パーセント見通しが狂ったという例がたくさんありますから、そういうことがないようにと思って、私ははなはだ貴重な時間をいただいて御質問申し上げたのですが、要するに前向きに、見通しを間違えないでやってもらいたいということでありますから、その点は特に御留意いただきたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) まあ、なかなかむずかしい問題で、至らぬ点がありますが、今度の農業の新しい転換期に向かっての対策を立てる問題でありますから、御指摘の点は十分に考えまして、今後新しく指導してもっていった計画が、あまり近い間にひっくり返らぬように、農家に迷惑にならぬように考えていきたいと思います。  飼料の問題、いろいろ御議論がありましたが、今後一番需要の伸びるものであって、農家に勧めて大丈夫だと思うものは畜産、酪農でありますが、これをやるにいたしましても、一番大事な飼料問題というものがうまく解決されなければいかぬと思います。国内における自給化の度合いを高めるとともに、必要な範囲を入れるにつきましても、量と質と価格というものに対して十分考慮をし、安定した価格によって、これから伸ばそうとする畜産について不都合の起こらぬようにいたしたいと思います。どうぞ今後とも、いろいろな点について御注意を願いたいと思います。  基本法については、一つの基本的な宣言法律になりますが、これを実行するにあたりましては、各種の法制がこれに伴って必要であります。それらの制定もいずれ御審議いただくことになると思いますが、それらと相待って、農村のよりよき発展に資したいと思っております。どうぞ御注意をいただきたいと思います。

東隆民主社会党

○東隆君 私は、麦作の転換について質問をいたしますが、私は麦作のないところに酪農はないと、こういう考え方を持っているわけであります。従って、国内で私はどうしても麦作は振興されなければならぬ、こんな考え方に立つので、第一点は、大裸麦の輸入は昨年から停止をされて一おりますが、この際小麦のうちのソフト小麦の輸入を停止をされる意思はないか、この点を伺いたい。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) ごもっともな仰せでありまして、私が先ほど申しましたように、輸入農産物の国産化をすることが必要であろう、こういうことを申し上げた。件物転換等についても、そういう点を考えつつ処置しておりますと申し上げたのはその点でありまして、まずハード小麦については、かなり試験研究、品種改良が必要でございます。ソフトについてもやはり同じように研究は要りますけれども、ややこの点は早いのではないか、こういう意味において国産化を進めたい。大裸にかおって、同じく裏作で、時期もやや似ている方面については、今後ソフトというものがはっきり出て参ると、かように考えておりますから、そういうことを進めるということは、ソフト小麦の輸入量を減じていきたいという考え方であります。

東隆民主社会党

○東隆君 私は、ソフト小麦の輸入をすみやかにやめた方がいいのではないか、こういう考え方で、先ほどの河野君が言った飼料小麦、これも私は輸入をやめた方がいいのではないか。そうして国内生産を急速に進めていく、こういう態勢をおとりになる必要があるのではないか、こういう考え方であります。この点は一つ、漸次減すという、ようなそういう考え方でなくて、前向きの考え方ならば、私は中止をされた方がいいのではないか。河野さんの言披米を用いま一すと、ネコの金玉ですか、そんなようなことになろうかと思いますから、私はおやめになった方がいい、こういうふうに思います。これは漸減をされるというお答えですけれども、もう少し強くお考えになった方がいいのではないか、こういう考えですから、もう一度お伺いします。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) なかなか元気のいい御支援をいただいて恐縮いたしますが、現在ソフトだけで八十万トン入れております。これを一ぺんにやめてしまって、すぐにかわるものができればけっこうでありますが、それにはやはり国内における需要状況を考え合わせて、国内の転換がなし得ることを考えていかなければ、これは農家にも御迷惑をかけるし、済費者一般にも迷惑をかける。その点は、御趣旨は前向きであります。御趣旨の点について前向きに考えておりますが、漸減と申し上げたのは、それに実際上、現実の問題として応じ得る態勢に即していきたい、かように考えております。

東隆民主社会党

○東隆君 麦作を進めていくのに、私は酸性土壌の改良を初めとして、非常に大きな仕事をたくさんおやりになる必要があるだろうと思います。それと同時に、相当機械化をしなければ、一時に小麦に非常に較換をされると、結局雨期に相当するときに、大量なものを同時に脱穀調製しなければならない、こういうような問題にこれは当然ぶつかるのでありますから、その方面における機械化その他の能率化、そういうような方面に非常に前もって用意をしなければ、簡単におやりになっては、これはとんでもない結果になる、こういうように考えますが、この点はどういうふうにお考えですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) だから、やはりやり得る範囲に前進していきたいと思います。御指摘のように、一ぺんにやるとなかなかむずかしい点もございます。ことに機械化というものにつきましては、どうしても生産費を引き下げつつ農家の手取りをふやすという面から申しましても、麦作について一番労力費がよけいかかっております。そういう問題も、まいたり刈ったりするときにも、かなり機械化的な考え方をもって指導していきたいと思いますが、御指摘のように、急速にそれがなかなか進まぬと思いますので、指導し、助成しつつ進めていきたいと思っております。

東隆民主社会党

○東隆君 麦作の転換の一つに、ビートに転換をする、こういうようなこともあるようであります。従って、その点についてお伺いをいたしますが、第一番目に、砂糖の消費税を今現にとっておるわけであります。しかし、私は、この砂糖の消費税はやめるべき筋合いのものじゃないか、こう思うわけであります。それは台湾が日本の領土であった時分に、実は関税をとるわけに参りませんから、従って、砂糖に消費税をかけた。ところが、今はそういうような状態でないのでありますから、従って、この際外国から入ってくるものに関税一本でやる、そして国内で生産されるものその他には砂糖消費税をかけない、こういう方針を確立をするのが、これが国内でもって砂糖を生産するという方面に非常に役立つと、こう考えます。また、塩に消費税をかけないと同じように、砂糖に消費税をかけないのも私は一理があると思う。そういうような意味で、消費税をかけるのは単に昔の遺産を相続をしておるだけでありまして、そしてその結果はかえって輸入精糖業者に利益を与えるだけではないか、こういうように考えるわけであります。だから、これは一つ一本に整理をすべきじゃないか、こういう主張でありますが、その点はどういうようにお考えですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 御意見はよく拝聴しておきたいと思います。現在のところ、直ちに廃止するという考えはございません。

東隆民主社会党

○東隆君 次は、てん菜生産振興臨時措置法という法律が、これができて、そうしてこれによって北海道のビート糖の生産、こういうようなもののまず礎石を置いた、こういうように私は考えておる。そこで、この法律は三十七年の三月三十一日で切れるのでありますが、しかし、今政府がお考えになっておるビート糖の問題については、西南暖地の方面にまで進めていくというような考え方もありますし、いろいろな考え方で、亜寒帯の作物としてのビートを中心にしてできたてん菜生産振興臨時措置法という法律は、期限が三十七年三月三十一日、先ほど申した通りでありますけれども、これを延期をするか、または法律の改正をする必要があるように考えますが、この点はどういうお考えですか。

斎藤誠農林省振興局長

○政府委員(斎藤誠君) ただいま御指摘になりましたように、てん菜生産振興臨時措置法は三十七年の三月三十一日で切れる時限立法になっておるわけでございます。また、テンサイ増産に関連いたしましては、御承知のように、北海道で八ヵ年計画の増産計画が樹立されておる次第でございます。農林省としましては、全般的な甘味資源の増強という面から考えまして、この北海道の増産計画を法的裏打ちをもって遂行するという意味合いにおきまして、ただいまお話しになりました一年延長ということについて目下検討いたしておる次第であります。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 関連して。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 簡単にお願いします。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 この間、今国会の提出予定法案の説明がありましたときに、ただいまの法律並びに農地保全、湿田単作地帯、その他ありましたね。これはみんな一括して今お話しのような趣旨で今国会に出すべく今準備をしておる。こういうように受け取ってよろしゅうございますか。

昌谷孝農林大臣官房長

○政府委員(昌谷孝君) せんだって提出予定法案で御説明いたしました通り、てん菜生産振興臨時措置法につきましては、単純な期限の問題のほかに、今振興局長が答えたようなテンサイをどう処理するかという問題をかかえております。その他の五つばかりあります明年の三月三十一日に期限の来ます立法につきましては、それぞれ個別に期限の延長の措置をとるか、あるいはこの際さらに何かもっと根本的な検討をやった上で対処するか、その点について検討いたしておりますというわけでございます。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 そうすると、そのままの延長にするか、根本的なものを加味したものにするかは、まだペンディングであるけれども、いずれにしても、期限が切れると同時にこの法律は廃案になると、なっていいというようなことは考えていないと、こういうことですね。

昌谷孝農林大臣官房長

○政府委員(昌谷孝君) その通りでございます。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 わかりました。

東隆民主社会党

○東隆君 臨時てん菜糖製造業者納付金法という法律があります。これは実のところ申しますと、日本甜菜糖会社から毎年−三十五年から三十九年まで、その受益のうちから吸い上げて、約十三億くらい吸い上げる法律なのであります。私は、この法律は非常にまあ憲法違反のような中身を持った法律じゃないかと、こういうふうに考えております。この法律によって吸い上げた金を基本にして西南暖地のビートの指導もやると、こういうようなことになろうかと思います。そういうふうに考えて参りまするというと、私はこういうようなものよりも、輸入の原糖を用いて精糖業をやっておる人たちは、これは非常に利益を上げておるのでありますから、そこから吸い上げて、そうして基金をこしらえて、その基金でもってビートの生産をやると、指導をやると、こういうような態勢を確立するのが、これはほんとうの日本における甘味政策の基本になると、こういうふうに考えるのでありますが、この点はどういうふうにお考えでありますか、お伺いいたします。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 原糖の問題については、新しい考え方として、余剰利潤といいますか、そういうふうなものの出ないような政策を今考えております。むしろ、余剰をこしらえておいて取って施策に用いるよりは、出ないように考えることがよろしい。これは内地の甘味資源対策として、テンサイ糖を作る人、またテンサイを栽培する人、あるいはブドウ糖の原料であるところのイモを作る人、そういう農民に対する保護は別個に考えつつ、まあ今の原糖輸入業者の余剰利益をたくさん出ないようにこれは考えていくことが政治である、かように考えて対策を考究中であります。

東隆民主社会党

○東隆君 豆を煮るのに豆がらをもってするという言葉がありますけれども、こんなやり方でなくて、私が今言ったようなやり方でもってやる方が、これはほんとうにビート生産を進めていく方面においても役立つと思いますので、この点を一つ十分お考えを願いたいと思います。  そこで、北海道の問題になりますけれども、前の大臣のときに、北海道にビート工場をこしらえるというので、九会社が殺到して、そうしてそれの処置に農林大臣がお手上げという形でありました。それに対して、九会社でもってまとめて、そうして会社をこしらえる、そうして将来それをまた会社に配分するのだと、こんなようなことになったようでありますが、これはもちろん、大臣もおかわりになって、そうしてそのお考え方を踏襲されておるのかどうか、それはわかりませんけれども、早急に私はきめて取りかかるべき筋合いのものではないかと、こういうように考えておりますので、この点についてどういうふうにお考えでありますか、お漏らしを願いたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 北海道のテンサイ工場設置の問題に関しましては、御指摘のように、歴代農林大臣三人が寄ってまだきまらないのです。よく三人寄れば文珠の知恵だというので、大ていきまりそうなものだが、きまらないで今日まで来ております。そこで、最近に来て、私に早うきめよ言うても、なかなかこれはむずかしかろうと思うのです。しかし、一方テンサイの奨励、内地の甘味資源の増大という考えで、テンサイの増殖を奨励する立場におきましては、工場能力というものを考えて、できるだけ早く設置を考えていきたいと思っております。まだ十分その工場設置に関しても、各方面の意見を聞いて善処いたしたいと思っております。

東隆民主社会党

○東隆君 だいぶお困りのようでありますから、私の意見も一つ申し上げておきたいと思います。  それは、すでに北海道に、三会社と、それから北連と、四つの関係のものが工場を設置をしておるわけであります。従って、この四つあれば、もう一つずつこしらえても四工場できるのですから、従って、経験を持っておるものが工場をこしらえた方が実は非常にいい成績を上げておるわけで、最初に芝浦がこしらえたときには、相当多額の金を要しておりますけれども、その経験を利用して作った北連は、だいぶ経済的に工場をこしらえておる。さらに、日甜は自分の工場建設の経験から、もっといいものを作り上げている。そういうふうに考えて参りますと、台糖にしても、その他にしても、一つ工場をこしらえておるのですから、これらの会社がもう一つずつこしらえる、こういうような考え方になりますると、北海道におけるビート工場の関係は私は簡単に片づくのじゃないか、こういうふうに考えておるわけです。これが一つ。  それから、さらに私は、ほかの会社でもって北海道に工場を作りたいというような会社がたくさんあるのでありますが、これは一つ東北あるいは西南暖地、そういうような方面に一つ大きく手を伸ばしていく、こういうような考え方で、それには相当な力を注いでやっていく、こういう形でもってやる方がいいのじゃないか、こういう考え方を持つわけであります。これが一つ。  さらに、先ほどお話を申し上げました日甜から金を吸い上げるあの法律を、私は非常に酷な法律だと思う。それで、あそこから吸い上げるような、そういうようなことをやめて、そしてあの会社に余力を持たして、そしてその余力を持っておるところの日甜が西南暖地あるいはその他の方面にビート工場をこしらえて、そしてそっちの方面の仕事を進めていく、こういう余力を日甜に与える、こういうような方法も私は経験を十分に生かしてやっていくという点から非常に賢明な考え方でないか、こういうふうに考えておるわけであります。  この三点を、私は北海道から実は見た考え方で、はなはだ少し偏したようなことになるかもしれませんけれども、しかし、ビートそのものはもう亜寒帯の作物なんでありますから、その亜寒帯の作物をどうやって南の方に持っていくかということで、これは米にしても何にしても、畑作関係のもの大てい北海道でもって仕上げた技術が南の方に今浸透しておるのでありますから、そういうような点で私は北海道農業の、寒地農業の価値を一つこの際農林大臣は十分に認めていただいて、そうして北海道の技術を一つ南の方に持っていく、こういう考え方を相当お取り上げになった方がいいのじゃないか。こういう考え方なんです。  以上申し上げまして、私の時間がなくなったようでありますから、これで質問は終わります。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) よく御意見を承っておきますが、なかなか、これ、社会党さんの方でもいろいろ考えて、あまり独占的になっちゃいかぬという話もあるし、あまり北海道モンローでもいけないと思います。しかし、私は東さんの御意見は十分よく拝聴いたしておきまして、今後の処置の参考にいたしたいと思います。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 速記を始めて。

東隆民主社会党

○東隆君 それでは、私は少し先ほど問題を端折りましたけれども、少し農地制度の問題についてお伺いいたします。  この前の国会のときに、農地法の一部改正と農業協同組合の改正法が出たわけでありますが、農業法人に関連して、その場合に質問をいたしましたときに、自作農主義があるから、従って法人に土地所有を認めない、こういうようなお話でもってお答えがあったわけです。そこで私は、自作農主義をもし主張をされるならば、農業法人が農業経営をやるのだから、従って、自作農主義からいくのならば、当然農業法人が土地を所有するのが、これが建前であります、こういうふうに私は反論をしたつもりでありますが、私はそういう考え方で進むべきじゃないか、こう考えております。この点はどういうふうにお考えですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) ごもっともなお尋ねでありますが、私は、家族経営を中心とした自作農といいますか、これは家族経営を中心とした自営農家を搾ることには、自作たると小作たるとを私は限る必要はないと思うのです。問題は、今までの農地制度が自作農主義をとって、耕さざる者は土地を持つべからずという方針があったようです。その点に関しましては、農業法人は、御指摘のように、形式的にいえばですよ、やっぱりちょっと今までの方向とは違っております。しかし、先ほども申しましたように、農業にもまたある程度近代化を進めていく、生産性なり所得を上げるということになれば、個人といいますか、家族経営の単位でも進められるものは進めていく、零細農等が必要があって農業法人を作っていくということは認めてもいいのじゃないか。これは一つの零細農を高めるゆえんになる、こういうように考えておりますので、その際におきましても、実質的にはその土地を提供する人、またその土地を耕す人、またその法人を運営していく人、これは大体旧来の農家であります。それで、全然資本と経営と労働と分離した形にはいかないのでありまして、その実質をとらえて、私どもは、農村の、あるいは零細農の、また必要な場合における資本、装備を持たせた近代化農業を進めていく上において、これを認めていったらよかろう、かように考えておる次第であります。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 速記を始めて。

東隆民主社会党

○東隆君 私の自作農主義の考え方を述べたわけですが、この問題を別にして、実は被買収農地関係のあの調査会法、あの法律ができまして、それを援用して、香川県でありますか、実は旧地主がもとの小作人に対して小作料を請求する訴えを出してきた。この点はあまりこまかくなりますから農林大臣お知りでないと思いますけれども、しかし被買収農地云々のあの法律が出たために、それを援用して、そうして旧地主が団体を作って、そうして元小作人に対して何年から何年までの小作料を請求する訴えを起こして、しかも裁判所がそれを受け付けた。こういうので大会を開催したりしてだいぶ大騒ぎをいたしておるので、これは私は受け付けるそのこともはなはだ問題であろうと思いますし、いろいろな点でそういうような問題を未然に防ぐ必要もあろうかと思いますので、この点はもしこの事件をお知りでありましたら、その点についてお考えをお伺いいたした

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) その話は聞いております。そのような旧地主の要求は農地法違反であるということの通牒、通達を農林省から出しました。なお、詳細もし必要ならば、農地局長からお答えさせます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 私はまず農林大臣にお伺いしたいのは、今度の池田内閣の方針として所得倍増計画、これは前々からすでに発表しておられる通りですが、ただこれは農民に及ぼす影響という点につきましてお伺いしたいのであります。特に農林省の所管でありますところの食糧特別会計に及ぼす影響、三十六年度の予算の編成にあたりましては、産米の買付に対しては、一応は三十五年の方式をとって大体三千八百万石、価格としましては百五十キロ当たり一万四百五円、こういう予算の計上をしておりますが、最近の状況を見ますというと、いろいろなものが値上がりしてきておる。たとえば輸送費の問題にしましても、あるいはおそらく三十六年度の産米を買い付けるころになりますというと、生産者の、いわゆる必要なものに対するところの物価の値上がりが相当考えられなければならない、そういうような事態が必ず生じてくる、私はそう考えるの、ですが、これに対して今度の予算の問題に対してはあまり触れておらない。そういうことを予想した場合に、一体どういうふうな方法によってこれを調整していくか、この点であります。いわゆる農業生産者が生産必需品の物価の値上がりによって及ぼすところの価格は、農林省の指示するような価格ではとうてい農民が売り得ないという現実に直面しました場合においては、何かその手を打つべきことを考えておられるのか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) お尋ねの点は食管特別会計における米の買い上げ価格が一万四百五円になるのですが、一体最近における各種の農業生産の必要な資材の値上がりがある。そういう値上がり等と関連して米の価格その他考え直すかというお尋ねであったかと思いますが、食管特別会計に計上しております一万四百五円というのは、あくまでこれは予算米価であります。本年産米というものの価格をいかに決定するかということは、この出来秋におきましてあらゆる条件を資料にいたしまして価格決定に臨みたいと思っております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 多分そうおっしゃるだろうと思っておりましたが、どうせ秋になれば米価審議会等の答申を待って農林省としての決定価格を出すでありましょうが、調整勘定の中にそういう問題を含んだことを一体考えておられるかどうか、もしもこれが物価が相当の値上がりを来たすというと、少なくとも食管会計におけるところの補正予算というものが新しく考えられなければならないのじゃないかということも予想されますので、そういうことについて今考えておらない、こういうお考えでありますかどうか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) これはあくまで出来秋の米の決定に応じまして、その後における処置を考えるべきだと、かように考えます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 もう一つは、最近農林省としてのこの米の生産の増加等に基づきまして、従来のような土地改良というようなものは一応これはもうたな上げである、あるいは国営開墾というような、大きな国の施策としての開発計画というものも、水田を開墾するのは、これは一応今までの方式をとらないのだという、ふうに、予算の上においてもそういうことが影響してきているようでありますが、これは今度どういうふうにやっていくか。これは早い話が、国営開墾を決定するものとみて、自治体が実際土地を買い上げて、農林省の施策に対応すべく計画をしているもの等が中途にして変更しなければならないという事態が方々に起きておるようであります。これらに対する対策はどういうふうに考えておりますか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 千田さんのお話のようなことがあっちこっちで流布されたようでありますが、政府といたしましては、今直ちにそういうことを考えておりません。従って国営開墾あるいは県営いうようなものにつきましても、今度の予算におきましても、相当にこれが計上をいたしております。事実開田をやめるのだというようなことを、どうしてああいうふうな話が選挙当時から流布されたのか、私は疑いを持つのでありますが、今度の三十六年度予算にはそういうことは考、えておりません。なお詳細は、農地局長から答えさせてもよろしゅうございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 農地局長、そういうことでよろしいですか。大臣の方針の通り実行しますか。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 予算をやります場合の開田等の問題でございます。一時予算やります前に、たとえば三分五厘の融資につきましても、開田地区は一切やめたらどうかというような意見が財政当局等から出たことは、経過においてはございますが、今きまっております予算では、そういうことではなくて、やはり自然条件なり、経済条件その他から考えまして、そういう米作というものが、やはりそこの地帯では経済的には一番有利だというようなところにつきましては、やはり考えていったらどうか。ただし従来のように、土地改良なり、開拓といいますと、すぐに米麦の増産ということにつながるわけではなくて、これからの成長作物であります畜産とか果樹とかいう毛のも、一つやはり大規模に取り上げて考えていったらどうかというような、並行といいますか、地帯によりましていろいろのことがございますが、新規開田は一切やめたというような形は実はとっておりません。これは国営の土地改良でことし新規に取りました地区、北海道と内地と実はございますが、北海道の羽幌というような地区につきましては、開田も入っているというふうなところを新規に取り上げております。北海道の鵡川でありますとか内地の長野平というものも水田地区の排水でありますとか、あるいは用水の補給をしておるというようなところも実は新規に取ってきておるわけでございます。開拓につきましても、実はことし新規を取りまして、これは先ほど申し上げましたように、できますれば、その地帯が水田よりは果樹とか、あるいは酪農の方がいいんじゃないかというようなところにつきましては、もう一回計画を検討しまして、そういうものをできるだけ入れていくというようなことにして考えていったらどうかというようなことで、事務的に進めております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 さらに私は別の面で伺いますが、先ほども河野委員からお尋ねがありましたが、農林省としましては、水産行政の上におけるところの無価安定対策というものを肝心立てておる。一方畜産関係は今も農地局長からお話のあるように、国内の開拓あるいは土地改良等の面におきましても、農業経営は水田からだんだん果樹あるいは酪農、そういう方に進んでいっている。そうなれば、必然酪農関係であれば、あるいはその他の関係からいいましても、飼料というものは必要であるから、これは飼料がある程度豊富に要るのだ、こういうふうなことになってくると思うのであります。先ほど、河野君からのお尋ねに対して、大体その輸入飼料がどれだけ必要であるかということに対するところのお答えがなかったようであります。三十六年度におきましては、現在の実態から考えまして、輸入するところの飼料はどれだけ要るのかという点を明らかにしていただきたいと思います。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) 数字にわたりますので、お許しを得まして、大臣にかわってお答えを申し上げたいと思います。三十六年度におきましては、飼料の計算は複雑でございますが、澱粉価で総体の需給、国内供給その他の供給需要等を押えまして、澱粉価という栄養分では、輸入は百六十八万トン強輸入を要すると思っております。これを供給するのに、その栄養価を与える原料の穀物あるいは油かすとか、魚かす等が要りますが、その国内供給を除きまして、輸入飼料といたしましては、二百六十六万トンの輸入飼料を入れまして、これを供給したいと思っているわけであります。品目を申し上げますと、ふすま、また、ふすまを作りますための小麦、トウモロコシ、コウリャン、大麦はありませんが、本年度はありましたが、大豆または大豆かす、魚かす、脱脂粉乳、糖密その他でございます。その内訳が必要でありましたら、御質問によりましてお答えを申し上げます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 それは安田局長のことでありますから、綿密に立てられたのだろうと思うのでありますが、そのへうちの魚かすですね、魚かすは国内産のものでは足りないから、もちろん輸入するでしょうが、この面は大体どれだけ要るのか。それからまた伺いますが、水産庁としましては、こうしたものに対する魚かすの生産、いわゆる畜産局で考えておりますように国内における飼料に供給するような一体無かすはどれだけできるのか、そういう点を局長明らかにしていただきたい。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) 魚かすの需要量につきましては、家畜の増産を基礎にいたしまして、また家畜の需要量、配合飼料によります公定規格、これは飼料の品質改善に関する法律に基づいたものでございますが、それらを基礎にいたしまして、三十六年は需要量が二十一万七千トン見積もっております、これは本年十八万五千トンであります。それに対しまして、国内供給    三十六年が十八万五千トンと一応見積もりまして、念のため三十五年度の需給推算上の国内生産を申し上げますと、十三万六千トンでございます。従いまして、差引供給不足が出てくるわけでございます。その不足量は、三十六年度三万二千トン、三十五年度は約五万トン、四万九千トン程度でございます。この輸入量につきましては、水産庁と常時打ち合わせておりますところに基づきまして見積もったものでございます。

高橋泰彦水産庁次長

○説明員(高橋泰彦君) ただいまの御質問は、魚かすの生産見込量はどの程度であるかという御質問でございましたが、三十六年度におきまする魚かす全体の生産見込みは、約三十四万五千トン程度だろうというふうに推定をしております。ただし、これは当然のことでございますが、サンマその他が通常の魚獲があった場合を想定いたしておるわけでございますが、この点がまだ三十六年度のサンマがどうなるかということにつきましては、まだ確定した見通しを持っておらないわけでございます。それからただいま畜産局長から御説明になりましたが、基本的な数字におけるそごはないわけでございまするが、ただ三十四万五千トンのうち、ミールとして使用できるものの兇通し及びミールとして使用できてない肥料その他に回る部分、これらの推定につきましては、ただいまいろいろと両者が寄りまして、調整中でございまするが、要するにサンマの漁獲いかんによりまして、また畜産の伸びいかんによりましては、輸入することもあり得るということにつきましては、畜産局と基本的な意見の差はないわけでございますが、また逆に言いますと、サンマの生産いかんによりましては、またミールにどの程度の品質が回り得るかということにつきましては、なお一そう畜産局との間に意見の調整を今後とも続けて参りたいというふうに考えておる次第であります。

千田正無所属クラブ

○千田正君 私、今質問しようとするのはその点なんで、安田局長のお考えからいえば、従来の状況から見て、本年度の状況から見て、どうしても三万二千トンは足りないようだから、計画にのっとって考えた場合は、三万二千トンの飼料を入れなければならない。ところがそれは水産庁としては、サンマあるいはイワシ等の漁獲のいかんによって、場合によっては輸入しなくても済むだけの量があるかもしれないと、こういうふうにも受け取られるのですが、そういう点はどうなんですか。やっぱり絶対量として三万二千トンくらい足りないと、こういうふうに畜産局長の方としてはお考えになっておられるのですが、水産庁としてはやはり三万二千トンというものは畜産局のお考えの通り足りないのだと、こういうふうに考えられますか。

高橋泰彦水産庁次長

○説明員(高橋泰彦君) 先ほど御説明いたしましたように、この需給の問題はなかなかむずかしい点があるわけでございますが、一つは畜産の伸びの問題、一つは漁獲の不安定な問題、二点あるように思います。従いまして、最終的に本年度が何トン足りなくなるかということを今確定することはむろん困難な問題ではないかと思いまするが、私のただいま説明しましたのは、通常の漁獲があり、またそのできました魚かすの中でも畜産の飼料に向くものと向かないものといったような問題もございますので、なおその点さらに具体的に調整をして参りたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 高橋次長は先ほど三十四万五千トンというお話ですが、かりにこういう数字が出てきたとするならば、これがいわゆる飼料に向くものが一体そのうちにあなたの方としてはどれだけ予定されておるのですか。

高橋泰彦水産庁次長

○説明員(高橋泰彦君) サンマがもし通常の普通の状態であるという仮定のもとにおきましては、これもかなり推定が入りまするけれども、身かす、ミール等を現在の段階で推定いたしますと、やはり十八万五千トンないし十八万八千トンぐらいではないかというふうに考えております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 大体そう大差のないようでありますが、そこで、この輸入しますところの飼料は、食管会計で実施するわけでありますが、大体どれぐらいの値段に輸入価格を考え、そしてそれをどれぐらいに売り渡して、その差額をどうするか、そういう問題についてのお答えをいただきたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 詳細は畜産局長なり食糧庁長官にお答えを願いますが、この点は私はそうあまり数字にこだわらないでいいんじゃないかと思います。これからわれわれが農村対策として新しい立場に立って畜産を大きく伸ばしていこうとする立場から言えば、これは一つ、国内生産のこれから生産される飼料はこのくらいになる。これくらいだからして一つ目標を立てておこう。それに関連してこれを自由にしておくより食管会計において買い入れをしようかという一つの計画であります。しかしそのことがおそらく、先回りをして恐縮でありますが、日本内地におけるフィッシュ・ミール製造業者に対する圧迫になりやせぬかという問題でありまして、これはあくまでも、内地における零細漁家等がフィッシュ・ミールをお作りになれば、それは内地の飼料供給業者の立場としてこれを保護していくことが必要だと思います。しかし実際上、畜産の奨励というものに関連して足りなくなった場合において、足らないままに置いておいて、価格が高くなって畜産をやります農家等に迷惑を及ぼしちゃいかぬ。そういう場合においては輸入をする一つの態勢をこしらえておこうというのであります。いかなる価格でいつ輸入するかということは、今後水産関係、畜産関係、またその他の方を入れてよく協議をして進めればいいことであって、私は畜産の将来というものを今後の農村対策として考るというならば、飼料については、先ほど河野さんから御質問がありましたように万全の策を、安くて品質のいいもので、そうして量を確保するような方策は立てておかなければ、輸入するからといって必要もないのにどんどん輸入するとは私は考えておりません。

千田正無所属クラブ

○千田正君 大臣のお考えはようわかりますが、これは今度食管会計でやるとしますと、飼料需給安定法に基づいての需給飼料として魚粉を入れるのでありましょう。大臣はこれを否定されているのですか、今度は。たとえば飼料需給安定法に基づいての輸入飼料としてこれは指定されるのでしょう。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 一応の計画としては指定をしようかと思っております。しかしそれも発動する場合においては、日本におけるフィッシュ・ミール製造業者、また製造業者といいますか、これには沿岸漁業、北海道の関係がたくさんいらっしゃる。それらの立場もよほど考えなくちゃなりません。同時に畜産の将来に関連いたしまして、今度は畜産農家というものに対して、めちゃくちゃに高い飼料を与えるということも考えなくちゃいけない。そういう場合に、その情勢を見つつ必要量を入れるという態勢を整えておきたいというのが今度の措置でございますから、御心配になるようなことは私は運用の上においてないと思います。

千田正無所属クラブ

○千田正君 これはなぜこういうことを私は聞くかといいますと、沿岸の魚価対策におきましては、この魚粉や無かすというのは、北海道、三陸の零細漁民が加工する場合が多いのであります。昨年も輸入された魚かすというものが、このフィッシュ・ミールの相当安いものがペルーから入ってきている。そういうことによって片方においては沿岸の魚価対策がよちよち歩いている。だから私は、畜産行政においてそれをやるのは大いにいいんですよ。足りなければ入っていい。だからその利益を食管会計でやられるというと、飼料勘定において一応赤字を補てんしたり、あるいは利益の勘定もその中に忍あるというのは、そういう零細漁民の作ったものに影響した場合において、は、水産行政の無価対策としてその方に振り向ける何らかの対策を考えておられるかどうか。その結論を私は聞きたい。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 関連してもう一つ。一緒にお答え願いたい。飼料需給安定法に基づく指定品目というのは、これは古いことで記憶違いかもしれませんが、主として輸入に仰がなければならぬ物資について指定品目にする、こういうことに私はなっておると思うのですよ。私の記憶に違いがないとすれば、一部輸入に仰ぐというのは、この種のものを指定品目に入れることは飼料需給安定法の精神に反するのじゃないか、これを指定品目の中に入れることに無理があるように思われないか、こういうふに思いますが、それはどういうように解釈しておられるか、これは事務当局でもけっこうです。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) 千田先生と河野先生の御質問は、大臣に対しての御質問でございますが、予算書特に食管会計におきまする数量、単価、それに伴いまする水産庁の魚かす対策としてとられておりまする支持価格と申しますか、最低価格の問題をお答えいたしまして、その次に河野先生の法的解釈を説明させていただきます。  今、魚かすの国内価格は、昨年の十一月ころから、サンマの不漁を主としましてトン当たり国内産で六万二千円くらいでございます。五万円台をこえておることは相当なものでありまして、ごく最近ではさらにこれが上がっておるのであります。過去について見ますると、昭和三十二年度において六万円台、一部一に七万円台をトン当たりでしたことはございますけれども、それ以外は戦後大体平均しましてトン当たりは五万円以下でありまして、三十二年と最近を除けば、最高は五万六千円ないし四万三千円程度の幅におさまっております。水産庁におきましては、昨年以来、魚価安定対策でこの部分の水産物について対策を講ぜられておりますが、これは私どももも見解を同じにいたしておりますが、産地価格では四万六千円、御承知の通りであります。消費地の東京あたりの卸売価格では三千円を輸送費その他で加味いたしまして四万九千円くらいを目安にしておることは御承知の通りでございます。この点は飼料の価格としましてもそれを採用いたしたいことで、従来もやっており、三十六年度の食管会計に輸入部分を魚かすについていたしまするが、その予算単価や考え方、運営の仕方もそういうようにいたしたいと思っておるわけであります。ところで、食管会計に新たに入れまする分は先ほど申しましたように、三十六年度は三万二千トン、それは輸入物でペルー物を予定いたしまして、トン当たり三万九千円を食管会計の買い入れ価格といたしまして、そうして売り渡し価格は四万九千円を予定いたしておるのであります。これは予算単価でございまするから、運営にあたりましては、上の方の部分をどういうように見るかということであるわけでございますが、畜産局、水産庁、需要者団体、国内の供給著団体、言いかえますと魚かすの生産者団体の全漁連、北海道漁連等でございますが、昨年度から魚かす、魚粉の需給対策協議会を設けておりますので、ここに去年から引き続いての対策協議会の意見を聞いて運営をいたしたい、実行単価にいたしたい。なお、飼料需給安定法に入れられるわけでございまするから、需給とともにその価格は法律に基づきまする飼料需給安定審議会にかけまして実行いたしたいと思っておるわけでございます。  次に、河野先生の御質問でございますが、趨料として輸入するものを取り扱いまする場合は、飼料需給安定法で大臣告示で指定をいたしますれば扱えるし、主として輸入飼料だけという釈ではおらないわけであります。主として輸入に仰いで日本の飼料需要に充てるものと限定しない考え、解釈でおります。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 それは当初からそうですが、そういうような解釈は当初からそういう解釈ですか。それとも最近の飼料の逼迫事情等からいってそういうふうに、私から言わせると拡大解釈に変わったのですか。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) 率直に申し上げましてこの法律が国会で審議になりましたときの解釈を読んでおりません。読んでおりませんが、第二条におきまして「この法律において「輸入飼料」とは、輸入に係る麦類、ふすま、とうもろこしその他農林大臣が指定するものであって、飼料の用に供するものと農林大臣が認めたものをいう。」ということでありまして、先生のおっしゃるような制約が書いてございません。

千田正無所属クラブ

○千田正君 ところで、今安田局長からお答えがありましたのでわかりますが、その飼料需給安定審議会というのがあって、そこの答申を待ってあなたが一応断を下すわけですね。この審議会のメンバーは、私の記憶に間違いがなければ、ただ生産者団体の水産関係の方からはまだだれも入っておらないというふうに記憶しておる、私はなぜこういうことを言うかというと、同じ農林省の管轄の中において、生産と消費の部分でお互いに相通ずものを持っておるのだから、話し合いの結果、十分に農林大直が行政を執行するにあたって万遺漏のないようにやってもらいたいと想うから、私はあえてこういうことを言うのであって、両方とも十分にこれは審議されたい。そして片っ方においては、零細漁民、あるいはその他の水産業そのものが年々衰微に向かっておる今田でありますから、魚価安定対策というものは、水産行政の大きな一つの問題として今取り上げられておる。一方においては、価格の安いものが外国から入ってきてそれがまた影響するということ、、またこれ非常に漁民にとっては芳しい立場になる、その調整を大臣がなさるおけですから、そこに、審議会の委員の中に生産を代表した者が入っておらないとすれば、これまたおかしい問題でありまして、そういう点の調整をなさる上においてどういう対策を持っておられるかということを、はっきりここに明示していただけば、私のお尋ねすることが大体わかると思う次第であります。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 委員会の構成に水産関係の方が入っていないということは、今度のようなことをやろうとする場合に片手落ちのように考えます。ぜひこれは水産関係の代表者を入れたい、そして公平な立場においての御意見を伺いつつ処理していきたい、かように考えております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 時間もあまりありませんから、はしょって一つ重点的にお伺いいたします。今、ラッコ、オットセイの会議が、すでに終わったのですね。オットセイの国際会議が東京において開催されたのでありますが終わっておる。そのオットセイの会議の結果については、一昨日水産庁長官から聞きましたが、さらに日ソ漁業の問題が今まさに開かれようとしている。本年は豊漁年に相当している。日本側はどうも毎年々々漁獲量でいじめられて、そしてやがては日本の漁業の育成というものは沿岸漁業に狭められてきている、沿岸漁業そのものが十分の対策がないというと、今に転落する以外にない。大きな大手の資本家の方は、やがては海では魚が十分に取れないから経営がまずいからというのでおかに上がってきて、養鶏をやったり、養豚をやったり、ミンクをやったり、こういう問題が起きてくる。そこで、私は大臣にお伺いするのですが、国際問題というものが水産行政のうちに大きなウエイトを持ってきている。でありますから、今の西村長官のように非常に外国語の堪能なエキスパートは、始終国際会議に出かけていっている。ところが、国内における沿岸対策や何かのようなことが必要になった場合に、水産庁内におけるところの沿岸対策なり、あるいは国内対策というものに、どこへ重点を置いておられるのか、さっぱりわけがわからないものが多い。早い話が、私がたずねていっても、長官もおらなければ、次長もおらない。水産部長もおらなければ、課長もおらない。国際会議に全部出張して、水産庁の中はからっぽなことが多い、これでは水産庁のほんとうの水産行政という冬のはできるかどうか、非常に私は残念に思うのであります。それで、もちろん水産の行政においては、一応は片方においては国際的な漁業の問題、一方においては国内の漁業の問題、この二つの面において十分に対策を練らなくちゃならないだろうと思うのでありますが、国際会議におけるところの日ソ漁業の問題におきましても、新聞の伝えられるところによるというと、本年は豊漁年度であるにもかかわらず、昨年の要求額と大して差がないような要求をしておる。こういうことであっては、やがてソ連から突っ込まれて、結局はまた昨年よりも一歩退いた結果に陥ることがありはしないかという杞憂をわれわれは持つのであります。でありますから、去年などもそうでありますが、会議が行なわれている間に一ぺんもこの水産委員会に報告がない、たまにそれとなく聞かせられることがありますが、およそて日ソ漁業なんというものは、単なる水産庁と漁業会社だけの問題じゃないのであります。日本の国力がどこに進展するか、日本の勢力が減退するか進展するかの大きな問題であって、単に魚を取るだけが問題じゃない、歯舞、色丹あるいは千島の問題、広く日本の運命を背負っておるところの問題でありますから、この点において一応当農林水鹿委員会等の、心配しておる国民の代表の諸君に対しては、前もってそういう問題は開陳してもらいたい。そうでなければ、幾ら水産庁と漁業会社だけが騒いでみても、国民の世論の背景のないところでソ連と太刀打ちして勝てっこありませんよ。こういう点は特に大臣から御注意願いたいと思います。  それから沿岸漁業の問題について私はお伺いしますが、最近、どうも方々で埋め立てが盛んに行なわれておる。下薬県などにおいては二千五百万坪というものを埋め立てておる。だんだん浅海増殖であるとか、あるいはそういうところに従事しておるところのノリ、カキの業者、ささやかなる漁民というものは、埋め立てによって自分たちの長年の生業を失い、わずかばかりの補償金で途方に暮れることが非常に最近は多くなってきておる。この対策に対してどういうふうにお考えになっておられますか。これも承わっておきたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 日ソ漁業に関する交渉は、ほかの方にも大きな影響を持つのであって、会社と水産庁だけの問題ではないという御意見、これはごもっともであります。ただ、御指摘のように、漁獲量を、去年より少ないものを出したかというお話がありましたが、まだそこまでいっていないのです。実は代表としてくるモイセーエフが病気になりまして、先月の二十三日から開かれるのがおくれました。そのおくれている間、じっと待っているわけにいかぬので、二月四日から、つまり科学者といいますか、学者グループの資源に対する見方というものを、一つ、両方科学的に話し合おう、これが大体この二十日までになっております。これが相当に前もってやられますから、そのあとに正式に本会議が開かれる段であります。まだ双方とも漁獲壁というものには触れておりません。この点は御了承いただきたい。なお、いろいろ今後本会議が開かれました経過等につきましては、必要があれば、また話し得る問題につきましては、私がお話しを申し上げてもよろしいと思います。  それから、第二点のお尋ねでありますが、なるほど最近は鉱工業の発展等によってあちこち埋め立てがあります。この場合におきまして、まあ第一にはその埋め立てられるところにある漁業者の意向というものが非常に大事なんでありまして、その際、所有者の了承のもとに、補償金によって他に転ずるということを了承すれば、これはまあ認めておるわけであります。さらに、埋め立てした後における地先というものをいかに利用するかという問題も関連しまして、処置をつけているのが現状であります。強制的に埋め立てをして追っ立てるということは、現在とられておらないのでありまして、当該漁業者の意向というものを十分に尊重して、その場合における埋立事業の許可というものが進められておる、またそういたしたいとかように考えております。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 千田君、もうだいぶ過ぎたから……。

千田正無所属クラブ

○千田正君 時間がありませんから、大臣におかれましてはその点を一つ十分御了承のようでありますが、なぜ私がこういうことを言うかというと、しばしば当農林水産委員会に、強制的な県なり、市なりの要請に基づいて、地先の沿岸を埋め立てをされるために、漁業権の賠償その他に対して、陳情その他、過去においても相当ありました。今日においても各地方において発表されております。それが、大臣のおっしゃるように、必ずしも漁民の十分なる納得のもとに行なわれておるわけではないのであります。私はこれは近代産業と原始産業の相違で、やむを得ないことであるかもしれません。近代産業が伸びるに従って、やがてはやはり縮められていくだろうが、これはやはり民主主義の国家においては、十分に納得づくの上において行なわれるべきであって、また、農林水産等を担当している現業官庁としては、そうしたみじめな人たちの立場に立って、これは考えていかなくちゃならない。特にこれはお願い申し上げます。時間がありませんから、その他の問題はまた次に譲ります。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 三点ほどお尋ねをいたしたいと思いますが、最初に少し毛色の変わった問題で、大臣の所信を、あるいは努力の経過をお伺いしたいと思いますが、そのことは、低所得階層の実質的な所得を増加させながら、産業間、地域間における所得のアンバランスを是正するということは、近代諸国家として、福祉国家として立っていく日本として、非常に政治土の重要な要諦だから、その方向に向かって一生懸命に努力をいたします、三十六年度の諸施策もそういう方向で配慮をしておる、これが総理大臣の施政方針演説に盛られておる要諦だと思うのです。このことは大臣も御肯定になると思います。そこで、その具体的な対策の一つとして、税制の改正を取り上げました。これも私けっこうだと思う。ところがここからそのあとは、農林大臣の立場での所信を伺うのですが、税の軽減是正を行なうと申しましても、大蔵省からちょうだいしておる資料によりますると、昭和三十四年度の農林漁業者約六百万戸中、課税を受けておるのは四十二万七千戸なんですね。そうすると、残りの五百六十万戸というものは、税の軽減という恩典には関係がないのですね。税を現に納めておる人は、税法改正によってその恩典にあずかりますが、現に税に関係のない、無関係の方は、これはいかにどう考えていただいたって、その恩典は受けられないということになると思うのです。ところが一方、公共料金を初めとして、諸般の物価は、これは所得倍増という一線からやむを得ず上がってくるといたしますると、税軽減の恩典に浴し得る人は、そういう公共料金その他の値上りというものをあるいはその減税によって吸収し得るかもしれませんけれども、五百六十万という農民のほとんど全部と申し上げてもいい大衆所得階層は、税の軽減恩典には無関係だと、これを放りっぱなしにしておいたのでは、産業間におけるアンバランスを是正するなんといったって、それはナンセンスなんです、これは取り組んでいかなければならぬ重要な課題だと思うのですが、僕林大臣はこの問題に一体どう取り組んで、おられるのか、国務大臣という立場でも公平にお考えになっておられるでしょうし、当面の関係官庁の長として、この問題を一体どう考えておられるのか、これはきわめて重要な問題だと思うのですが、いかがでしょう。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) お話の点はごもっともでありまして、今度の国税を中心としての減税というものがそのままには直ちに農家に及ばないということは一部にいきますが、大部分は国税を納めておらぬのだからいかない。ほかの点で考えて参りたいということであります。これは私はやはり残されている問題はいつも言い古されている問題ですけれども、地方税というものに手をつけなきゃならぬと思うのです。がしかしことしの改正におきましてはそこまでいっておりません。これは残念でありますが、しかしこの点は地方税の改正というもの、ことにその中に出てくる住民税、固定資産税等の減ということに関しての処置がとられなければ、税ということからくる低所得者の保護ということに、少し税金の面から見ますと足らないのです。これは御承知の通りそこまで手が伸びておりませんのは、地方公共団体の財政収入というものをいかにするかというものと関連しておりますために、まだそこまで根本にいっておりませんが、私は次の段階としては、どうしても地方税たるものについての改正がやられなきゃならぬとこういうふうに考えております。それに関連いたしまして、運賃とかその他の問題について値上がりはこれをどう処置するかという問題であります。この運賃等に関しましては、ことに農林水産物というバルキーな、かさの多い、そして遠距離から物を運ぶという問題が非常に大きな影響を持ちますので、ただいま農林大臣といたしましては、こういう農林水産物の公共割引制というものについては、やはり従来通りこれを存置していきたい、こういうふうに考えます。大体これは話がまとまると、かように考えております。さらに今電気等の問題については、まだ発表の時期でありませんが、かりに地域的な問題でありますが、一部値上げが行なわれるといたしましても、その農業用品等を製造する問題については特別に処置をできないかと、そういうことにして、製品を農業者に供給する場合における価格を引き下げたい。ことに飼料等に関する運賃は、先ほどの運賃問題に関連しますが、ただいま特別な例外が輸送に関して持てないかというようなことも相談中であります。しかしまだまとまっておりませんから、申し上げるのは早いのですけれども、そういうふうな点に努力をいたしております。それから固定資産税等につきましても、評価方法に関して今度ことしの三月はたしか改訂期になっておりますが、その評価方法についていろいろと類似価格といいますか、売買される土地の価格というようなものが問題になっております。これは農業者が耕作する農地がほかの用途によって売られる価格というものに影響されて高く見積もられることは、はなはだ迷惑千万ということで、そのことは中止してもらって、わずかに農業所得の増加というものの趨勢というものを考慮に入れつつ最低限の措置を講じておりまするが、ことに農家の家屋、土地というようなものは特別な必要があって大きなのをそのままの処置をとられては困るということで、これらの評価につきましても特別に行政指導の上においてこれを軽減をするという方向で話をいたし、大体自治省も了承でございます。船等に関しましては、従来評価した船の三分の一を除いていっておりましたが、これは大体今度は二分の一を免ずるという形に進む方針を相談中でございます。いろいろと問題がございまして、税金の面からする農林漁業に対する軽減問題も考えておりますけれども、今日直ちに十分満足する結果を得ておりませんことは遺憾でありますが、今後とも御趣旨を体して努力をいたしたいと思います。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 今の問題についての根本的な考え方は同感であるというようなふうに私は答弁を承わりました。そこで、ことしのような四千億に近い国税の自然増収があるときでなければ、こういう問題の是正ということは実は非常にむずかしい、来年度こんな自然増収というものがおそらく私は出てくれば仕合わせだと思うけれども、具体的にはなかなかむずかしいといたしますると、結局ことしの改正せられた税法でそのままずっと進んでいくというと、税法の面からだけは、少なくとも農業と産業との所得の較差というものは拡大の方向をたどってい、その面だけを見ますとそういうことになると思うのです。このことは非常に残念ですが、そこで国税の面でそれでは考える余地がないかどうか、免税の問題というと範囲が広がってきますから、国税の面だけで考える余地があるかないかという問題を検討していただいてけっこうだと思うのです。私はそういうような税の軽減のときに、その恩典に浴し得ない人々、そういう恵まれない方々が主として集まって組織をいたしておりますのが漁協であり、森林組合であり、農業協同組合なんですね。その組織が、計算上年末に生ずる剰余金は、過去におきましては、一般法人の利益と同じような観点において扱われてきております。ところが、今の総理が大蔵大臣のころに同様の質問をいたしました。そのときに総理の御答弁は、そういうことは非常に大切なことだけれども、私ははっきり記憶をいたしておりまするが、世界の政治家が税の問題を取り扱うときに一番悩みとする問題でありまして、そのことの解決の名案がないから実は困るのだ、名案があればそのことをやりたい、こういう御答弁がございましたので、今申し上げましたようなそういう特殊法人の税金は全部免除するということをおやりになれば、それが十分ではないが、一部の施策になるのではないかということを申し上げまして、その翌年に総理が大蔵大臣でございましたか、約束をしたので一部の軽減をしたということを積極的にお話になりました。私は今日もその趣旨は貫かれていっていいと思うのです。税改正法がきまりましたので、今この問題を取り上げてもなかなかこれはむずかしいことで、農林大臣だけでにっちもさっちも動かぬと思いますけれども、少なくともこれぐらいのことはやらなければ、ほんとうの公平な税法の改正ではないというように感じますが、いかがでございましょうか。来年度そういう努力をやっていただけるかどうか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 私は御趣旨の点はごもっともでありまして、今後とも農業協同組合、漁業協同組合、森林組合等に関する特別措置は考え、努力していきたいと思います。ただこれに関しましては、各農業協同組合、森林組合、漁業協同組合等も相当に体質を改善しつつ、ほんとうの意味における農山漁村の相互協力機関として他の営利機関とは違うという本質を、私は運用の上に現わしていきたい、これをひっさげていったらほかの営利会社とは違うのだ、これは一つの農村の大きな団体であって、これに対するいろいろな面においての国税、地方税等に関する減免税というものを、考えてもらいたいということの主張の根拠が、強くなると思うのです。この点は、ともにそういう面において、今後農村の対策を立てる上に、各種の協同組合を私は活用いたしたいと思うし、その活用するについては、あくまでも、これは他の機関とは違った相互共助機関であるということの実をうんと浮かび出させて、中心に持っていきたい。かように考えております。私はそういう本質を持つものに対する税の減免税に対しては、今後とも努力をする覚悟でございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 その次に、麦の対策については、少々具体的な質問もございますが、私は非常に日本の経済成長率が飛躍的な発展をしておる。他の諸外国に例を見ないほどの高度成長をしておるという点につきましては、非常にけっこうなことでありまして、今後もこの趨勢を伸ばしていかなければならないことと思いますが、こういうような、戦後十数年にして、世界にも比類を見ないような高度成長がなし遂げられておるということは、偶然の所産ではなくて、それにはそれ相応の原因があって、こういう結果が招来されておると思うのです。私は、その一番大きな原因は、戦後非常に日本の経済が困難をきわめ、食糧も不足、外貨も足りないというときに、低米価のもとに食糧増産に挺身をして、とにもかくにも国民を飢えしめずに参りましたこの農民の努力、あるいはこれは言葉をかえてお上手を申し上げれば、農林政策がうまくいったというふうに申し上げてもいいかと思うのです。ところが、そういうようなことの累積として食糧事情が、私は安定という言葉を使いたくはありませんけれども、非常に緩和してきておると見ております。そこで麦対策が考えられてきた。このことも、その考え方として私は異論はございません。あり余っているものをよけい作って、国民の血税でその始末をするというようなことは、感心すべきことではございませんから、その対策を考えることはけっこうでございまするが、きょう伺いますと、食糧管理法そのものは現在通りに据え置くけれども、別の法律で、実質的にその食糧管理法をゆがめてしまおうということが、考えられておるやに承わるのであります。まだ法律は出ておりませんから、今ここで具体的にどうこう申すのは早計かと思いまするけれども、そういうことを承わります。そこで私は、そういう法律が出てしまってからではいけませんので、その前に、一つ大臣に再考を促したいことは、もう過剰生産で因っておるものを、よけい作るということは、好ましいことではございませんから、これはやめたらいいと思うのです。そのことを強制的に、お前たちが作っても買ってやらぬぞとか、作ってどうしても買ってくれというなら、価格はこうだというように、からめ手から、端的に申しますと、あいくちを突きつけて、いやおうなしにそっちへ引っ張っていくという対策は、今申し上げました日本の経済成長の根源を完成した功労者である農民に、報いる道ではないと思うのです。それは自主的にそういうような方向が完成されるという態度に出ずべきだと思いますが、近く法律としてお出しになります対策はそういうことで考えていただきたいと思うのですが、いかがなものでございましょうか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) お話の点、ごもっともでありまして、戦後における食糧難のときに、ほんとうに食糧を挺身して作っていただいたその効果というものは、私どもは見のがすべからざるものだと思っております。今日私どもがそれに報いるといいますか、今後の農政に対して十分な保護政策をとりつつ、新しい農業の行き方決定した農業基本法を設定して、これに対処しようという点は、そういう事柄を考えつつ、新しい農業の方向をきめていこうという考えに基づいているにほかなりません。ただ、その前におきまして、私は農業者の方にも協力をしていただきたいと思うのでありまして、私どもはあくまでも、今需要のだんだんに減退している大、裸について、一面においては、それについての需要に合わせるように、転作をさせていくと同時に、残った麦作については、さらに先ほどもお話がありましたように、農業技術の改良等によって、生産費をできるだけだんだんに下げつつ、手取りを確保していく、こういうふうな方向に持っていって、生産を高める。こういうことの考え方、さらに大、裸というものの残ったものが、先ほども御指摘になりましたように、飼料というものに対して、いかなる処置を講じたならば、生産した大、裸に対して、付加価値を造成して、高く売れるかというようなことも考えつつ持っていきたいというのが、私どもそれに対処する一つの道だと思うのです。ただ、だんだんと申しますことは、やはり絶対の需要に合わないのに、たくさん食管会計において持つということも、これは国民経済の上にどうだということで、実際のこの取引関係においてマッチするような形に持っていくことが、一つの私は農薬者に対する保護にもなる。あまり暖めてかぜをひかぬようにと、厚着ばかりさせておくと、外へ出したら一ぺんにかぜをひくというようなこともよく言われますが、私はその点、徐々にそういう方向に持っていく必要もあり、国は、ほんとうに従来の農政のためにできる限りの政策をとるけれども、一部はだんだんに、農業者の側も一つそれについて協力をいたし、まあ農業の生産のあり方を転換さしていきたい、かように思っている次第であります。食管法との違った法律の内容についての御質問でありますが、いずれこれは提案をいたしまして、皆様方に御審議願いまするので、そのときまた十分に御審議をいただきたいと思います。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 大臣の説明はよくわかるのです。その通りなんです、気持は。そこでですね、今その法律が出てから十分審議と申しましても、今のその議会構成の状況では、これはおそらく出たものは通るという形にならざるを得ないのですね。実際のこの現実なんです。そこで、申し上げましたように、農民も十分協力することにやぶさかじゃございませんから、あまりその変な格好で結論を導き出そうとすることはやめていただきたい。私は前に六割切り捨てろというようなことは、これは言葉が足りなかったので誤解を生んだかと承知をいたしております。しておりますが、今度はいずれ麦の問題で、一年に十二万町歩よそへ持っていけ、そうすると生産数量は幾らになるはずだから、幾らにしか買わぬぞ、買う場合の麦の流通過程における市況もにらみ合わせて、幾らでなければ買わぬぞと、こういうことになりますと、どうも気分的に切り捨て論に通ずるようなものが、出てきてしまうような感じを持つのですね。そういう感じを与えることは、政治としては大功労者である農民に対する道ではない、こう思いますので、十二万町歩なり何万町歩なりに減らすということは、やるのですよ。やるのですから、あまり変なまねをせずに持っていくということをお考えにならなければ、政治にならぬと思うのです。それはどうですか。それは出てしまってからやるということをおっしゃいましても、党議できめてお出しになるということは、事実できませんよ。まさかすわり込みをするわけにいかないでしょうし、退席をしてしまって単独審査に追い込むという卑怯なまねもできませんし、そうすると困ってしまうのです。そのくらいで一つ、私の聞いていることが間違いでなければけっこうですが、お前の言うように一つ立案するということを、おっしゃってていただければありがたいのです。その辺、どうですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 御意見の点は、よく拝聴いたします。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 これはよく拝聴という言葉は、周東大臣の過去における業績あるいは行動というものから、私は御了解を願ったものと信じます。うそは申しませんという総理のもとにおける信頼される農林大臣としては、うそをおっしゃるはずはございませんので、仰せのことは肝に銘じて承わっておきますので、一つよろしく御善処を願います。  それからその次、もうあと一点だけですが、一昨年は蚕糸の不況のためにいろいろの施策を何百億か使ってやっていただきました。そうしてまた一面には、需要供給の関係からして桑園の整理をやりました。これは私はその予算のときに協力申し上げて、法律案の審査をさせてもらいしました。ところが、今年になりますと桑をもっと植えろという空気が出てきているし、養蚕団体の方でも、おそらくそういうことを原料繭増産を大臣のところへ申し入れておりはせぬかと思います。そうしますると猫の目の変わるように、桑を抜け、今度は桑を植えろ、どういうわけでそういう状況が生まれておるかというと、私は最近の糸価のある程度の値上がりと申しますか、高騰ということに関連して、製糸設備というものがアンバランスになっておる、ここに問題があると思います。ですからこういうようなちょっと糸価がよくなると増産が要求されたり、景気が弱いと桑を一抜け、補助金を出せ、こんな場当たり一のことをやっておっちゃだめなので、そういうことになりませんようにいたしますためには、何といたしましても製糸設備と長期経済観測に基づく需要の趨勢を察知した原料繭の生産をマッチさせる、ここまで持っていかなければ、蚕糸界におけるこういう状況というものが、毎年とは申しませんけれども、しよっちゅう繰り返しておる。この間も蚕糸関係の団体の方の集まりに参りますと決議をしまして、原料繭の増産を要求しろということを申しておりますが、これに対処するあれといたしましては、原料繭の生産の計画数壁と、これを処理いたしまする工場のかま数というものとのバランスがとれておりません現状を整備されるということにいたしませんと、景気のいい悪いによって、しょっちゅう頭を上げてみたり頭を下げてみたりということで混乱が起こってくる。それに呼応して政府は桑を植えろ、桑を抜けということをしょっちゅう繰り返しておると思いますが、そのかま数の合理的な整備についてお考えになりませんのかどらか、お考えになるとすればこれはある程度の規制を要求することですから、それに対する補助と申しますか手当をしてやろうというような道を当然開くべきであるとこう考えますが、いかがですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) ごもっともなお尋ねですが、もう少し需給なり、ことに需要の状況というものを調査してみたいと思うのであります。私はお詰のように今日非常に値がよい。そこで早く一つ桑畑をふやして増産せよというお話も聞いておりますが、今日こそ、私はもう少し慎重な態度をとるべきだと思います。一体二年ほど前に大、へん値が下がって弱って大へん苦労したことは御存じの通りで、私も党におりまして対策の委員長で大へん苦労いたしました。また二、三年たってこういうことになるとは思いませんが、私は考えなければならないことは、蚕糸対策において戦前における需要の態様と今日の需要の態様は変わっております。ことに輸出におきましては御案内の通り戦前におきましては八割強、九割弱というものが全部アメリカばかりへ行って女のくつ下になっておった。今日ではそういう形ではとてもいきませんが、幸いにしてくつ下としての原料としては出なくて、今日では向こうの需要は絹織物だ。または織物原料としての日本から見れば輸出、向こうから見れば輸入になっておる。しかも今日におきましては需要を地域別に見ると、アメリカだけでなくてヨーロッパとアメリカ、大体近似した形になっております。こういう面は今後における養蚕対策としても蚕糸対策として十分考慮に入れ、また今日の値上がりというものがかなり好景気に伴って国内需要が多くなっております。こういう点は私どもの政府の考え方から言えば、所得倍増という考え方から言えば、今後の景気もよいと見なければなりませんが、それに対してどこまで一体需要が伸びるかということの基礎のもとに徐々に供給の強化をはかっていくべきだと思っております。それらの見込みは大体十五万俵くらいに減っておったのがたしか三十五万俵くらいにふえてきた。しかもその桑園についてみますと、驚くべき進歩でありますが、増反しなくても単位収量というものは、われわれが若い農林省におった時代は七、八貫でしたが今日十七貫になっている。しかも、これはやり方によっては二十五貫まではふえ得るという可能性があります。そういう面から見ますと、何も増反しなくても、早くやらなくても、もう少し能率を上げるという方面に持っていけばふやせると思いますし、三十二万俵くらいになっておりますが、今後の需給、需要推移を見まして供給はこれに対処する方途を講ずるとともに、私は今日の好景気のときこそ養蚕家と製糸家と、それから今の織物業者と輸出屋さんくらいがほんとうに一緒になって景気が悪くなったときの対策を考えないと、せっかく政府としては産繭事業団に対して十億出資しておりますが、これは使わずに済んでおりますが、これに対してほんとうは民間も一つ考えてもらいたいという今呼びかけをいたしております。それにつきましても、その需給の問題から考えまして製紙設備の産繭に対するバランスのとれた形にどう持っていくかということを考えてみたいと思います。今日今直ちにどういうふうにするかということをまだ考えておりません。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 もう時間がありませんので、これでお尋ねをやめますが、まあ今の数字をあげての御説明は別といたしまして、その長期観測に基づく需要と原料とその原料を処理する工場と、この三つがうまく比例しておりませんと、国内の景気がちょっとよかったりなんかいたしますと、これはやはり人間ですからもうけたい。とするというと、その原料繭の取り合いが始まる。それからまた大へんな問題が起きてくる。こういう悪循環を繰り返して一きたのが今日までの経過です。それが一また海外に波及して輸出がとまってみたりする。ですからこれは今後考慮を一するということで尽きたようなことではありますが、早急におやりになりませんと、かま数と原料繭、私はその原料繭は長期経済観測に基づく需要趨勢を察知した、こういうことを申し上げているのです。そういうことをおやりになりませんと蚕糸界に大混乱が起こると思う。そのことは養蚕家のためにも決して好ましいことではない。しかし早急に一つ場合によっては、予備費を使ってでもやるというぐらいの勇気を持ってやっていただきたいということを要望いたしまして、私は時間が来ましたので、質問を終わります。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 この国会には農業基本法案を初めとして、これに関連する農政の根幹をなす制度の改廃、新設に関する三十数件の政府提出法案が予定されているわけです。そこでこれを通常国会で全部議了するということは、常識的に考えて非常に困難ではないか。その問題の重要性、あるいは広範性から見て困難であろうと思うのであります。またこの国会にはいろいろ重要な問題がほかの方面でもありますので、いろいろそういうことが影響いたしまして、この国会の審議が十分できない。さっき幸いに農林大臣は当委員会の要求に応じていつでも出てくるとおっしゃいましたけれども、それだけではなかなかこれを議了することは困難だと思うのです。なお総理大臣が六               一 一月に渡米されるという話もありますの一で、国会の会期延長も困難である。こういうことから考えて数多くの法案やその他の重要案件が審議が終わらないということが考えられるのであります。そこで、私たちは全力をあげてこの審議をいたしますが、ただいまの状態にかんがみて、農林大臣はこの通常国会のあと臨時国会を開催して、農政対策国会ともいうべき臨時国会の開催を考えられておるかどうか、お尋ねします。もっともこれは総理大臣にお尋ねすべきことではあろうかと思いますが、農林大臣は池田内閣の枢要なる閣僚ですから、総理大臣にかわってお答え願たい。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 総理大臣にかわってということでありますが、そういうことを申し上げなくてもまだ議会当初であります。私どもあらゆる力を尽くして、提案法律の通過をお願いをいたして、それでどうしてもいかんという事態が生じた場合に考えるべきことであろうと、かように考えております。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 私は農林大臣から、そういうおざなりの御答弁を聞くくらいなら、初めからお尋ねしないのです。もう実際問題としてこれだけの法案が出る、その法案の中には、憲法に抵触するのではないかと考えられるような法案も含まれている。しかも、その法案の予定日は、いつ提案されるか予定の日もまだ確定しておらない。こういう状態で全力をあげてとおっしゃいましても、非常に困難ではないかとこら思うのです。それで仮定のことは答えられないというような御答弁ですけれども、実際問題としてそういうことを考える必要があると思うので、もう一度お尋ねいたします。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) ただいまのところ全力をあげて提案を促進しております。非常に数も多いので、御迷惑をおかけすると思いますが、その中には比較的簡単なものもあります。私どもは重要な問題について、どれもこれも事の軽重はありませんけれども、そこに今後におけるやり方についてもいろいろ考えておりますので、きょうのところは、まことにお言葉を返して何ですが、私どもは全力をあげて通過をはかり、また皆様の御協力を得まして、その後に考えるべきことで、まだ初めからそういう予定をしてかかることは、いかがかと思います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 くどいようでございますけれども、私は結論としてそうなると思うのです。これは河野さんの先ほどの、この農林省の見込みが違うのじゃないかというお話があったのですが、まあそれと問題の性質は違いますけれども、私は確実にそうなるということを予言をいたしまして、これ以上追及いたしません。  それでこの機会にいろいろお伺いいたしたいのですけれども、米の問題について御質問いたします。農林大臣は、過般当委員会における説明において、従来のような米作依存度の強過ぎる農業を克服して、生産性の高い、今後需要の伸びが大きく見込まれる成長財生産に重点を置いた収益性の高い農業を目ざして、諸施策を展開していかなければならないと述べておられますや農林漁業基本問題調査会では、その答申において、生産政策の方向づけに当たっては、まず需要の限界からの制約、言い換えれば消費に対する総体的過剰生産のおそれが考慮されなくてはならない。米についても長期的見通しとして、生産過剰のおそれがないわけではないと述べております。なお厚生省の栄養白書によると、栄養欠陥による身体症候に触れて、わが国の食糧消費のあり方に反省の必要を感じさせると述べ、また同じく厚生省の厚生白書において、栄養改善対策として、粉食の増加と相待って、米食依存の食生活から脱却させるよう努力していると述べておるのであります。一方昭和三十年以降、米の年々の豊作によって、その需給は大いに緩和されました。かような事態に直面して、ややもすると米作はすでに時代に取り残された農業であり、農家経済の貧困は米作によるものであり、米を食うことは非文化人であるような印象を与える風潮が見受けられるのではあるまいかと考えられるのであります。しかし、米は何といってもわが国民の最も重要な食糧であり、米作はしわが国農業の大宗であって、米どころでは、農業は米作に依存しなければならないのである。簡単に作付の転換を行なうことはできない。米作に行き詰まるようなことがあれば、いかに選択的拡大といっても、果樹やら畜産だけでは簡単に救われないと思います。そこで、米の問題がこのように重大であるにもかかわらず、米に関する最近の風潮は、前に述べましたような事情にあって、問題があまりに軽率に取り扱われているのではないかと考えられるのであります。米作地においては、米作農民はかような風潮のうちにあって、米及び米作の成り行きに十分な関心を払い、はなはだしきは米作についても遠からぬうちに、今日政府が大麦、裸麦について考えているような悲惨な措置がとられるようなことが起こるのではあるまいかとおののきさえ感じておるのであります。米の問題については常に特に慎重かつ周到な用意をもって十分な検討を加え、適切な施策を講じ、大麦、裸麦のように馬を壁に突き当たらせてから切り捨てごめんというような措置を考えなければならないような事態に陥ることのないように、私はあらかじめ政府に対して警告を発せざるを得ないのであります。そこで、私はこの際農林大臣に米について幾多の問題をお尋ねいたしたいのでありますけれども、時間の関係がありますので、簡単に二、三の問題をお尋ねいたします。  まず第一に、わが国の主食の需給は、米については大体自給の域に達し、大麦、裸麦については国内の生産が過剰となったが、小麦については相当不足し、食糧用としてだけでも年間実に約二百万トン、五得数十億円の輸入が予定されております。そこで、この際私がお尋ねいたしたいのは、今後もこのように巨額の外国小麦の輸入に依存して、国内における米の生産改良に抑制を加えるような状態を是認していかれる考えであるかどうかをお尋ねいたしたいのであります。私はここで、国内における米の生産改良に抑制を加えるような状態と申しましたが、大臣はこれを否定されるかと思いますけれども、実際問題として農林省が最近とられておる態度を見ますと、こういう感じを農民全般に与え、また私たちもそういう感じを強く受けるのでありますので、特に農林大臣のお考えを承わりたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 私は、先ほども申し上げましたように、米についての将来の見通しについてやはりある程度は、十年計画においても増加する傾向にあると思います。しかしその増加の伸び率というものが、私は従来のような状況ではない、従ってそういう点はありますが、米作について今後どうするかというお尋ねでありますが、そういう面において私は生産改良等はやっぱり必要だと思います。そのことはかりに一例を申しますと、今の単位面積からあがる収量というものが、土地改良その他生産技術の改良等によって少ない面積で必要量をあげることができる、こういう方向に持っていくことが私は一つは必要だと思います。そうしておいて、他の残された面積の上に、これから伸びゆく作物を作らせていく、こういうふうなことをやることによって農家の所得は上がっていくのじゃないか、私はここにいろいろ計画を立てている中に、作物の選択的拡大といっているのは、今後における需要の伸びるもの、また先ほど御指摘になりました小麦のような、輸入している農産物を国産化していくという問題、こういうことが必要であり、また畜産の増大というものに関連して飼料をどうするかという問題、これらは新しい開墾あるいは拡大された農地にやるのも一つの方法でありますが、農家自体の所得を上げるためには、今まで作っている農地、それを最も効率的に使い、そうして生産性を上げつつその農地の一部においてそういうふうなものを作らせていくという方向が必要ではないか、かように思います。従っていろいろ需給推算に対しましては、先ほど河野委員からの御指摘もありました、が、しかし、今日はある程度やはり人口の増加に伴う米食率の増加、それから生活改善あるいは食生活の改善、国民生活の向上に伴って蛋白脂肪の需要はますます増加する一途にあります。これに対して畜産を奨励するとともに、そういう方面は米食率の減の要因だと思います。これらのものをよく見合わせつつ将来の米の必要量というものに向かって、ある程度今後とも米の生産を続けていかなければならぬ、そこにやはり必要な生産改良というものが挾まれてくる。これはあくまでも土地の効率的利用に関連する問題だと思います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 今農林大臣は食生活の改善に触れられましたけれども、食生活の改善といえば、その要件としてすぐ粉食を前提として、学校給食においてもパン食の普及に努めておるようでありますけれども、食生活の改善のため、米食について農林省としてはどういうふうに考えられておるか。世界各国いずれもその国でとれるその主食ですね、それの改善あるいはそれの食い方の改良というようなことに全力を上げておる。わが国の食生活の改善というのは、パン食を前提として考えられておるようでありますが、その点はいかがでございますか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 私の申し上げるのは 必ずしもパン食というものになにするんじゃなくて、従来の食生活というものが澱粉食料というものが非常な大きなウエートをもって扱われておった、現実の生活はとられておったわけです。そういう点はやはり蛋白脂肪というものと澱粉質食料というものが調和を得た形において食べられていくということが、一つの食生活の改善だと思います。その間におきまして、パンを使い、そこに蛋白脂肪の肉あるいは卵、牛乳がとられるということもありましょう。また米食というものをやりつつ蛋白脂肪を調和的にとるということによって米食率が減ることはありましょう、そういうこともまた同時に食生活の改善に入ると私は考えております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 食生活改善に関連いたしまして、草葉さんが厚生大臣のころ、だんだん畜産のようなものが、食生活の改善に従って伸びていく。これはやはり都会だけでなしに、農村にも体位の向上その他からそういうものを消費させるというように持っていかなければならぬ。ところが、牛乳が終戦後低温殺菌でないと処理まかりならぬと、こういうことになっているんですね、実際は暖めて飲んでいるんですから、何もしちめんどうくさいことをやる必要はないので、農村で学校給食で右から左へ持っていくとか、近所隣の農家では、どうせ殺菌はしなければなりませんから、高温殺菌を認めたらどうか。法律上認めてもいいことになっているけれども行政上いかぬ、変なことになっているんですね。そこで、この委員会では建前上は認めるということに厚生大臣ははっきりしたのですけれども、実際はちっともやってくれないのです。これは農林大臣、どう解決されますか。もっと自家消費というか、食生活の改善に伴って、学校給食で右から左へやるやつなんか、高温殺菌でどんどんやったらいいと思うのです。これは強力に政府として解決なさる所信がありますかどうか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) これは私もだいぶあなたと同感な点が多いのであります。かつてああいう問題が、アメリカの進駐軍等の関係で低温殺菌が出て参りましたが、これは一つの見方ではありますけれども、早く処理し得る形ならば、高温殺菌で私は十分だと思うのです。高温殺菌しておいて、しばらく置けばこれに腐敗性菌がつきやすいということだそうであります。こういう点については、各方面でそういうことに対する意見が多いのであります。現に今畜産局長から伺いますと、高温殺菌に関しての設備ということに対しての助成もしているようであります。これはむしろ私は農村においてせっかく酪農等を経営してやられるものが、農村では飲まれないで、外へ行っているということは、非常に残念なことであります。そういう意味におきましては、十分今後ともその点について考えたいし、今そういう運動が外からも起こりつつありますので、十分善処したいと思います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 私は、農林大臣が先ほどおっしゃったように、今後米の生産性の向上に一そう努力される、こういうことで米の生産はさらに上がることが考えられる。そうして一方では、米食の合理化に関するいろいろの施策が行なわれる。こういうことになりますけれども、その過程を通じて、米の需要を積極的に増大させる努力をされる必要がないかと私は考えるのですけれども、これに対する具体的の何か対策がありますか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) これはよくそういう話を聞くのでありまして、これから米をだんだんふやして、従来よりも一倍半も二倍も食わしたらどうかというお話ですが、これは消費需要というものの嗜好というものも考えられるので、これを一方的に奨励して、押しつけても仕方がない。これは先ほど河野委員の御質問にお答えしたのでありますが、まあ三合程度というのが戦前の平均の姿であります。こういうところまで持っていくかという問題も研究の対象にはなりますが、現に驚くことにといいますか、三十年から最近までの畜産の需要の状況を見ますと、一人当たり三十グラムであったのですが、最近は六十グラムになっている、つまり倍になっている。ということは、私は畜産製品というものが、今後における需要の伸びもありますが、やはり一つの蛋白脂肪の給源として、生活程度が上がり、そういうものが安くなり、安定した価格で供給されるというような形、そのことはあくまでも農家の生産費というものは考えなければならんと思うのですが、安定した価格で供給されて、今よりもコスト・ダウンされた形で生産されるように指導していけば、手取りは多くなりつつ、消費者に対しても今よりも安く供給できるということになれば、多くなると思うのです、そういたしますと、自然的にこれは減って参りますね、澱粉食料は。それを、強制という言葉はお使いになりませんでしたけれども、何か制度で奨励しても、これはやはり傾向といたしましては減っていくのじゃないか、かように考えます。私は先ほど申し上げたのは、人口の増ということに対してはこれはふえる要因だと申しましたが、これはなにも外国人みたいにバンとミルクと肉類だけということは日本の国民性が違っておりますから、そうは参らんと思います。それは人口の増というのはとにかくふえる要因である。しかし片方、食生活の改善という言葉よりも、むしろ生活水準の向上に伴い、それに供給すべき畜産製品その他の蛋白質給源というものがふえるに伴い、これは需要は伸びる。そこに私は農家の新しい所得を得る一つの業態の変化というものが出てくるわけだ。これはあまり米というやつにこだわらないで、農家をそこへ持っていって所得を上がる方法ができればいいのじゃないか。しかしこのことはなかなかむずかしい問題であります。一番手なれた米作というものが楽でありますけれども、そればかり作っておっては需要の伸びがない、これが外国にどんどん輸出ができるものだったら問題はないのです。そういうところにも日本の従来の農業の本質的な問題があると思う。そこらはみんな各方面が一致して一つものを考えていきたい、かように考えております。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 この問題は後ほどまた機会をあらためてお尋ねいたしますが、米作だけに頼らないで、ほかのものと言われても、米の新潟県その他の単作地帯では変えようと思っても、なかなか具体的に変えるわけにいかないのです。それで先ほどからお話を申し上げたようなことを申し上げているのですけれども、今申し上げたように、後ほどこれはお尋ねいたします。そこで米の統制は当然継続されると思いますけれどもいかがでございますか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 私どもは生産者のため、並びに消費者のためということを考えて、米の統制は撤廃する考えは今日のところございません。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 その米の統制を継続するとおっしゃいましても、一部では継続をするかどうかということでなくて、継続できるかどうかという問題であるという意見もあるのです。その点についてはどういうふうにお考えになりますか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) そういう点はごもっともな御意見でありますが、私はまだ当分の間そういうふうにはいかない、あなたのおっしゃいます、統制を継続するのは不可能という状態にはならぬのじゃないかと、こう考えまするし、また同時にそういう面がもし研究されるとすれば、それまでに農村に対して、米というものにかわるべき所得の上がる作物転作を考えなければならぬ、これはむずかしいことでありますけれども、それは同じ形にみんなが協力しなければならぬ。今お話になりました、新潟は米どころとおっしゃいました。私はそういう意味においては、物によって地域的に、あるいは作物別にどの地方にどうするかという問題は、ほんとうは考えられなくちゃならないと思うのです。全国一律に米の生産量を一割ずつ減らしてほかのものへ転換するという行き方は、これはあまりにも形式的なものだと思う。それだけにどういうふうな形に作物の選択的拡大をするかということに対する問題は、よほど各地方ごとに農家の方の理解を得、そうして協力をしていただかなければ、事柄はよくてもたなかなかむずかしいのじゃないかと思います。そこにはむずかしさがあります。私はよく例にあげまして、この間も言うのですが、川に馬を引っぱっていくのは楽だけれども、水を飲ますわけになかなかいかぬということわざ通り、ほんとにいいものでも、そうやって畜産にかわってもいいんじゃないかということについての不安があるために米作をやるということになるかもしらぬ。しかし地方にはすでに東北地方におきましても、われわれよりも先に作物転換して米作の一部を転換しているところもございます。また西の方にも米及び裏作の麦作というものをやって、それから上がる金銭収入よりも、その場所を一つは酪農経営をしていく、そうして裏作はないが飼料作物を植えつつ酪農経営をやって得る金銭所得とどっちが多いかということを実験的にやった農家がある。これは明らかに場所にもよりましょうが、明らかに酪農経営の方が多いとわかった農家は、米を一部やめて酪農に移っておるということであります。そういう事態がやはり地方的に物別にわかって参りますと、やはりおのずからそこに指導と相待って転換もできるのじゃないか、そういうふうな協力態勢をとることが必要でございまするし、今後もこういう問題をやって参りますについては、農業改良普及員の増加とか、あるいは地方における指導員の別の名目で、何でしたか、畜産の指導改良普及員というようなものも増加を考えつつ、これは一律一体になってやらないと大仕事だと思う。ことに私は責任者として心配しておりますのは、今までのように思いつきでやっておる時代は済むかもしれませんが、大きく農業の転換期に来ておって、これが十年後の一つの計画を立てようという場合に簡単に崩壊しては因ります。農家に迷惑をさせないように考えていくためには、やはり時間はかかりますが、農家の理解も得るためにいろいろな手段を講じて転換していきたい、かように考えます。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 今の小林委員の質問に答えて、大臣は選択的拡大ということを盛んに主張しておられるようだけれども、それでは一体米の今のそういう統制がはずれるような、はずしていかなければならぬというような危険性も一部にはあるという中において、一体米は選択側に立たせられるのかどうか、その点を一つはっきり答えていただきたい。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) ちょっとその点は誤解があるようであります。つまり米作だけではいけないから、ほかのものにかわるべき作物についてどういうものにかわるかということを指して今作物の選択的拡大と、こう申しているわけであります。米は先ほどから申し上げているように、まだ今計画生産をとめたり生産改良ということをやめる意思はなくて、あくまでもまだ人口の増というものが、米をこれからやはり増加していかなければならぬ要因になるのだ。その増加要因というものの増加の率というものが、従来とは変わってくるであろう。しかしまだ十年ぐらいの間は増加はもちろん必要であろう。これはこれとして健全に育てつつ、他のたんぼについてはもうかる作物といいますか、これからさらに需要が増加する、伸びる輸出のできるものというような形に変えていきたい。それは一番大事な作物であるからこれは十分によく選択し、そうして農家の了解を得つつ転作を進めていきたい、こういうことを申しているわけであります。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 今米の統制の問題で統制をはずす意思はない、こういうことをおっしゃいましたが、私は先ほど時間の関係でその問題に入れなかったのですが、今大臣が米の統制についていかに考えておるかということを聞きたいのは、生産者、農民ですね。もともと食糧管理特別会計というものは不足対策として始まった問題で、今はまさしく過剰対策に変わっている。だから法律ができた当時は、消費者の方にむしろ重点を置いて米の統制というものはあったのですが、今は消費者の方ではなくて、農民に向かって農林大臣は食糧の統制をはずさないから安心しろと、こういう農民に向かいての御言明であり、またまさしくそれがなくちゃいかぬと思うのですが、しかし米の統制方式そのもの全般にわたっては、過剰対策になってくればおのずと一部といいますか、大半といいますか、もっと別な角度からいえば配給流通段階の統制方式というものは、今合わない点がたくさんできておると思うのです。こういう面についてはもちろん今後の推移によって弾力的に買い入れ統制は続けるけれども、配給統制については適当に弾力性をもってやる、こういうことは幅のあるお考えだと思うのですが、ただ一般に考えますと、米の統制方式は続けるのだというと、買い入れも配給も流通段階全体について今の組織は全然動かさないのだ、こういうふうに受け取る向きもありますが、そういうかたくななお気持の言明じゃないと思うのですが、まあ私は仮定の問題で答弁を求めようと思いませんが、かりに将来相当量が余ってどうにも、ならなくなったときに、それでもなおかつ今の通帳制度による配給組織というものを持続するということは、これはそれでもやるのだという意味の統制方式を持続するという意味ではないと思いますが、はなはだ念入り過ぎているかもしれませんけれども、ちょっとこの点は明らかにしてもらいたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 先ほどからお尋ねが大体農民の保護の立場に立ってのお話でありますから申し上げたのでありますが、もちろん買い入れ統制という現在の問題は今はずす考えはございません。しかしその運用というものについては幅をもって考えたい。というのは、お話しのように配給制度をどういうふうにしたら一番いいかという問題は、ことに価格の問題なり数量の問題なり、いろいろの点については改善すべき点はあると思います。で、私は今日、生産者に対する問題としてかように申し上げるのは、非常に心配されておりますそれを、ただ言葉の先で言うているだけじゃなくて、もし今後における農村の米を初めとしてあらゆる問題についてしっかりした対策を立てていくには、おのずからそれが立たぬ限りは、買い入れ統制というものは続けていってよろしい、かように考えております。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 私は何も農民の立場に立って御質問をしているわけじゃないのです。私は実は、自分の原稿の中にも、わが国民経済を壊滅に導く原因になるからこの統制を継続しなきゃならぬとあるのだけれども、そんなことは余分なことだったから申し上げなかったのです。大臣は勝手に私の質問が農民の立場に立って質問をされている、ようにおとりになっていますけれども、私はそうじゃないのです。その配給の部面をも含めてこれはお尋ねしたのです。それで、さらに念を押して、そうおっしゃるけれども、今河野さんのような御意見が出てきて、継続するかどうかでなくて、継続できるかどうかということになるのじゃないかと、こういうふうにまた念を押したのに、そんなことはないと、こうおっしゃったが、河野さんが質問されたら、どうもあやふやになってきた。これはあなたの御言明によりますと、この米の統制に相当の改廃を加える意思があると、こういうふうにとられるわけなんです、それでも差しつかえございませんですか。今の御答弁だとそういうことになります。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 買い入れ統制については、ただいまの答弁の通りですが、配給に関しては、すでに今日までもかなりいろいろな点について改善を加えております。配給制度を扱う小売店の登録というような問題なり、あるいは数量の増加なり、あるいは価格というような問題、外米と内地米と立場をどうしていくかというようなことを今日までやっております、改善は。そういう、面は幅を持ってもちろん考えていきます。がしかし、あくまでも統制に関して、農家の立場と消費者の立場と両方あります。そういう問題について、いずれにいたしましても、それに対するしっかりした対策が立つまでは、買い入れ統制は続けていく。しかし、配給に関しては今までもやっているように、米がだんだんとふえて参るに従いまして改善すべき点はあると私は考えます。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 農林大臣はさっき、選択的拡大についてお話がありましたので、それに関連してお尋ねをいたします。今、政府は選択的拡大とか、構造改善というような問題を大きく取り上げておられます。それから受ける感じはどういうものであるかというと、ややもすると他の産業の成長率に便乗し、あるいは利用されて、農業人口の流出を前提とした、農業としては操短、すなわち縮小均衡的なにおいが非常に強いので、大いに警戒しなければならないとわれわれは考えているのであります。それに関連して、今回政府が考えております大麦、裸麦の作付の十二万町歩の縮小について、その転換作物として小麦、菜種、テンサイ、飼料作物等が考えられています。そこで、この転換について、先ほど農林大臣が米の転作まで将来考えておられるこの現状からいたしまして、当然、大麦、裸麦の作付の転換については、現在の段階でどの地方においてどういうふうに縮小するのか、どういう作物に転換するのかというような計画ができておると思うのですが、それは具体的にどういうふうになっておるのですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 大体、大、裸麦の地域というものは、御承知のように現在きまっております。そういうところにやはり地域的に小麦がいいのか、あるいはテンサイがいいのかということは、地方の実情に即して考えていきたいと思います。しかもそれに対して強制力を用いて、この中国地方はこれだけ、君と君とのたんぼはこうせいというのではなくて、やはり指導を裏に持ちつつ、転作に関する奨励金を出しながら進めていきたい、かように考えます。その点はやはり先ほども申しましたが、農家の了解、理解を求めることが必要である。今日、農家の方といえども、大麦、裸は実情に即せず、食糧としての需要が減ってきているということは、一番よく農家が知っておられるわけですね。それをただ、政府に買い上げてもらって、そうして腹からの満足は私はないと思うのです。まして積極的な意思を持てば、いい作物、今後伸びる作物、その方に転換したいという意図は私はあると思う。それらの実際上の指導なりができていかないと、やはりそれは実際上むずかしいのであります。私どもは一番やりやすいのは、同じ麦であります小麦なんかの方に、小麦はあなたの御指摘のように輸入を二百万トンも入れているのでありますから、それらに対して日本の土地に合うような小麦にまず転換させながら輸入を減していく、進んではパン用の小麦等につきまして農事試験場における品種改良等の計画と相待ってそれらに転換させていくということを考えるのが、私は農家に対しては親切なやり方じゃないかと思います。これは来年からすぐぱっとというわけにはいきますまいが、やはり品種改良等に伴う転換ということを考えますならば、多少時間がかかりましても、その方に徐々に持っていくということが一つの行き方じゃないか、かように考える次第であります。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 そうすると、十二万町歩を転換をするというのは、具体的に何年計画でこれをやられるのか、そして小麦、菜種、テンサイ、飼料作物に大体どれだけ転換をするのか。それを勧奨するとおっしゃいますけれども、これだけ大きな選択的拡大ということを取り上げられた以上は、そういう計画はあると思うのですが。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 大体今年の秋にまきつける大、裸麦について十二万町歩の減を考えて指導していきたいと思います。大体品目別にその指導を考えておりますから、事務の方からお答えをいたさせます。

斎藤誠農林省振興局長

○政府委員(斎藤誠君) ただいま御質問のありました来年度の転換面積につきましては、ただいま大臣からお話がございましたように、全体の転換面積は、今後の需要の減に見合う面積につきまして転換を予定いたしているわけでございます。その結果、大よそ十二万町歩と予定いたして予算等の積算の基礎にいたしたわけでございますが、これらの品目をいかなるものに転換をするかというのは、今お話がありましたような今後需要の伸びの予想される作物について、一応転換の見込みを立てた次第でございます。これらを今後地域別にあるいは種類別にどのような計画を立ててやっていくかということにつきましては、大よその推定をわれわれはいたしておりますけれども、具体的に今大臣からお話がありましたように、各県の意向を聞き、また、農民に具体的な実情に沿って指導を加えていく必要があると思うのであります。大体考えておりますのは十二万町歩が来年予定している主要な推定でございますが、小麦について四万町歩、菜種三万町歩、テンサイ五千町歩、果樹その他について二万煮干町歩、そのほか飼料について二万町歩というのが、一応の予定している推定の面積でございます。しかしこれは今申し上げましたように、需要減に見合う転換面積として推定いたしているわけでございますから、その地域々々によりまして、最も転換しやすい作物を選ぶことを指導していくということに当然相なるわけであります。従って今申し上げたような面積につきましても、当然異同があると想像できるわけでございます。その点御了承願いたいと存じます。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 大臣は、これは一年ではなかなかいかない、逐次やるんだと、こうおっしゃったんですが、来年度は十二万町歩でその次は今度は何万町歩になるんですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 三十七年度は八万町歩、それから三十八年度は六万町歩、こういう計画を考えております。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 そうすると合計二十六万町歩の転換をやると、こういうことですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) そうです。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 そこでお尋ねいたしますが、この菜種に三万町歩転換すると、こういうことでございますが、政府が考えております大豆の自由化によって、国内産の菜穂が非常な重大な影響を受けることになって、この対策が立てられておる、対策が急がれておるときに、さらにこの三万町歩の菜種を増反をするということは、政策の矛盾ではないかと思うのですけれども、この点はどうですか。一方では菜種の値段が下がる、大へんだというのでこれに対策をしている、この菜種に三万町歩もさらにふやすというのは、何か非常な矛盾をしているように思うのですけれども。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) この点につきましては、大豆及び菜種の生産性の向上をはからせる施策を持っておりますが、それまではやはりある程度差額補給というような関係でこれが助成をやっていくつもりであります。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 ともかく差額補給金まで出してこれを救わなければならぬ、こういう菜種に三万町歩も新たに作付の転換をするということが実際可能なのか、またそういうことをやらして不都合がないのかどうか、非常に問題だと思うのですけれども。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) これはやはり私は将来の食用油の需要というものを考えておるわけであります。現在の菜種生産に対する生産コストを引き下げながら、そうして将来の大豆の輸入なんかに対して損をせぬような施策を講じていこうという一考え方であります。何も菜種というものを作るということで損を与えちゃならぬわけであります。現在の食用油の需給関係でありますと、まだ大豆でも御承知の通り相量輸入して搾油しております。これは大豆だけによって食用油が供給されているのでなくて、菜種もあわせていっておるわけでふります。それを全部大豆にかえるということは、地域的にもむずかしい問題だろうと思います。そこで菜種の問題に転換させつつ、将来の食用油といいますか、植物油の供給を確保いたしたい、こういう考えであります。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 今の問題に関連しまして、大臣に一つはっきりさせたいのですが、それは福田さんが農林大臣のときに、大豆の自由化の問題に関連いたしまして、現在の国産大豆はどうなりましょうかという質問をいたしましたときに、国産大豆については現行の実勢価格三千二百円を保証することによって、大豆の自由化と大豆生産農民との経済関係に悪化を及ぼさぬようにいたします、こういう言明がございました。その後に南條農林大臣にかわりまして、南條農林大臣に御質問をいたしまして、こういう御説明を聞いてわれわれは安心をいたしておりますが、よろしゅうございますかと、こういう質問をいたしましたときに、三十五年産についてはその通りにいたしますが、三十六年産については主要農産物価格安定法で支持しておる三千二十円だけを保証いたしますという御答弁がございましたので、それではおかしいじゃありませんかと申し上げましたら、今大臣もお話ございましたように、生産性の向上なり生産費の低下なり、そういうことについて、三十六年度までに相当の政策をやる予算を盛り込むから、三千二十円を保証することによって、実質三千二百円の経済効果が農民に及ぼすように考えるから、それでよろしいのではないか、こういうお答えがありました。そこでそれはそういう施策をおやりになることについては賛成でございます。必ずしも三千二十円でなくて、二千八百円でもそれでよろしいということなら、その方がけっこうなことであります。それを拒否するものではございませんが、生産性の向上なり、生産費の低下ということは、やってみなければわからぬことで、そういう期待だけで、直ちに三千二十円でやるということは、あまりにもむごい措置であるし、福田農林大臣の言明とはいささか異なると思いますがいかがでしょうかと、こう質問いたしましたときに、どうもはっきりした答弁がなかったので、そこで少しえげつない質問をいたしましたが、ちょうど選挙前でしたから、自由化によって悪影響を与えないという大方針は、必ずしも堅持されるものではない、時によって悪影響がくるのだという政治をおやりになるということを伝えてよろしゅうございましょうかと言ったら、それは困る。それならはっきりしなさい。こう言ったところが、速記録をごらんになればわかりますが、生産性の向上その他によって、実質的に三千二十円に悪影響がないという見きわめがついたときのみ、三千二十円ということに下げるのであって、そうならぬ限りは、三千二百円を保証いたしますと、いう言明がございましたが、新大臣もその通りと私は思いますが、よろしゅうござますか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 南條農林大臣がどう御答弁になったかよく知りませんが、これは速記録で拝見いたしたいと思います。ただ私は、やはりその当時における時価というものをやはり頭に入れて、損をさせぬように保護するということでいくべきだと思うのです。農産物の価格安定法によりまして三千二十円という格好に最低保証しております。これはその範囲において保証するということを言われたことは、私は妥当であったのじゃないかと思います。ただ三十五年産につきましては、その時価ということを考えまして、三カ年の平均ということを考えて、三千二百円というものを保証していこうという考えで今もおります。  もう一つ私は、あくまでも内地産大豆の増産と、それが反当収量を上げ、品種も改良しつつ、取り引きにおいて優位性を持つような品種のものを作り出したい、そうしていくことが私はほんとうであって、今日におきましても内地滝大豆の、実は三十五年産大豆においても、相当分量というものは売れておるのですよ、現実に、残されている問題というものは、比較的半分といいますか、少ないと思う。少ない生産量、そこにもよほど物事を考えていかなければならぬ点があると思う。あくまでも私は大豆生産農家というものの保護というものは、私どもの信念でありますけれども、その保護さるべき大豆というものは、やはり市場に出てりっぱに取り引きされるものを作りつつ、それが外国と同じような品質、またはそれよりも安い価格で、内地の生産を圧迫しないようにする、そのことからは防波堤を設けて保護すべきだと思いますが、そういう点についても品種を改良し、反当収量を上げて、ほんとうに共存できるような形に持っていきつつ、生産費が外国と違っている閥はこれを保証していくという考え方でなければならぬ、かように考えている次第であります。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 いろいろ御説明伺って、わからないじゃありませんが、貿易の自由化に関連して、過去においても三千二十円が支持価格なんですね、実際三千二十円というのは実勢価格だ、従って実勢価格を割らないように親切な手当をしてあげましょう、こういうことをはっきりおっしゃったのですね。ですから、その内容のことはどうでもいいし生産性が上がって、反当収入がふえればこれは下げてもいいです。それから、生産費が肥料価格との関連で下がっていけばこれはいいです。三千二百円のときと生産農民に同じ経済効果が及ぶようにしませんと、大臣がかわるたびに変わってしまったのじゃ、これは困ってしまうので、それははっきりしていただきたい、生産性の向上、その他の政府の施策に上って進歩して参りますれば、その進歩の度合いによって、その実績を見たしで下げるということは、われわれも拒否いたしません。いたしませんが、ただ法定しておる三千二十円というものをここに持ち出されますと、それは私は二枚舌になると思うのです。それはそのときに議論したので、そんなことは知っておる、三千二十円を支持しておるのは知っておる、三千二百円をなぜ保証するのだ、それは実勢を保証する、三十六年度はどうだと、もたもたしておったけれども、しまいには三千二百円を堅持します、これは速記にはっきりそう御答弁になっておる。選挙の前はそうだが、選挙が済むと違うというのは因る。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 三十五年度については三千三百円というものでなにしましたが、お話しのように、三十六年産以降につきましては三千二十円をちゃんと確保していこう、こういうふうに思っております。ちっともも前の農林大臣のお話とは違っていない。この点はさようにお考え願いたいし、私どももそのように考えております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 その点違うのです。三十六年と、私は年度をさして議論をしたのですが、三十五年、三千二百円ははっきりした、よろしい、三十六年はいかがになりますか、三十六年度予算で農林省は生産性の向上、生産費の低下に関する万般の施策を講じます、それによって三千二十円をやれば三千二百円と同じ経済効果が及ぶのだからとおっしゃったから、それはやってみなければわからぬことで、やった上三千二十円に下がってもいいという事実が示されたら納得しましょう。事実が示されなければ三千二百円を保証しなければなりませんよ、押し問答の結果、事実が発生しなければ三千二百円は堅持します、こう答弁なさっておる。だから三千二百円いう点をおりちゃったらそれはおかしいですよ。この問題は関連質問ですから、小林さんに御迷惑ですからあとでやりますが、それは一つ速記録をお調べ願います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 私はとまかい数字をやろうとは思わない。繰り返して申し上げますけれども、非常に自由化で大打撃を受ける。これは政府がこれを保護されると言いますけれども、それに三万町歩も転換しなければならない、この実態は実際農民にそういうことは率直に受け入れられるかどうか、私は危ぶんでいる。と同時に、選択的拡大というけれども、意っていることは非常にいいけれども、それは一つのムードであって、その内容を見れば、こんな無理をしなければならないという点に問題があるのではないか。このこまかい数字を挙げて、 そういうことは可能であるかどうかという議論は後ほどいたしたいと思います。そこで今の森委員も言われたように、政府の方針というのはときどき変わるわけなんです。だから何べんも変わりますから、そういうことは大丈夫だとおっしゃいましても、最近みんなだんだんりこうになりましたから、はいそうですかというわけにはいかないのです。今この関連のテンサイについて申し上げますが、このふえる作物の中にテンサイがありますけれども、それで申し上げますが、この砂糖の自由化の問題だってそうなんです。この大豆の自由化の問題が最初に取り上げられたとき、私は予算委員会で、大豆の自由化をやるならば、私は反対ですけれども、大豆の自由化をやるならば、その理由から考えれば当然砂糖の自由化の方を先にやるべきだということを申し上げたわけです。そのこまかい理由は申し上げませんが、繰り返しませんけれども、そのとき池田通産大臣はいや砂糖の自由化はやらないのだ、大豆はこれはいろいろの措置をやってその被害を食いとめることができるから、これは大豆はやるのだけれども砂糖はやらないのだ。私は繰り返し繰り返し大豆の自由化をやるならば、理論上砂糖の自由化が先ではないか。砂糖の自由化をやらないのは、池田さん、福田さん、あるいは藤山さんというように前の岸内閣の主要閣僚が、いずれも糖業の資本に関係しておるからおやりにならないのじゃないかということを申し上げたのですけれども、それが昨年の十一月になりますと、南條、水田、追水の三大臣の間で砂糖の自由化の方針が決定されて、四月以降すみやかに砂糖の自由化をするといべきことになった。これは方針が違ったかと思っていたら、この二月七日になったら、今度は農林大臣を含めた五大臣が集まって、また自由化をとりやめた。この重大な砂糖の問題がこういうふうにどんどん変わっていくところをみますと、なかなか農林大臣がおっしゃってもその通りにいかないのじゃないかと思うのです。そこで、どうしてこの砂糖の問題はこういうふうに根本方針がときどき変わるのですか、また変わったのですか、その理由をお尋ねいたしたい。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) この点は、やはり自由化という問題については、内地における甘味資源対策というものがしつかり立って、テンサイ糖の保護またテンサイを作っておる農民の方、またイモを作る農家の方、また結晶ブドウ糖の需要の増進というようなものがしつかり立てられることが必要であります。その方の関係がテンサイ糖は相当進んでおりますが、結晶ブドウ糖の方が遅々として進んでおりませんので、ただ関税を上げることだけで自由化をするのはいかがかという問題が出て参りました。前に、十一月にきまったというお話ですけれども、大体やるとすれば関税をこうして、自由化の問題は時期によって関税をかけるという幅の広い問題を相談しておられたようであります。が、しかし、最近になりまして、御指摘のようにこれはあくまでも根本はやはり日本におけるテンサイを作る農家またはイモ澱粉を作る農家というものに対する対策をしっかり立ててからでないと、無制限に関税を上げたくらいではなかなか困難ではなかろうか、こういうような考え方で今のところちょっと考え直しているわけであります。しかし、私どもこれは今研究中でありますが、問題はこれらに対する方法として、いたずらに内地輸入量を割当制限して、そうして価格をつり上げるというようなことはいけない。問題は価格を一定価格に、安定帯を考えまして、しかも今日における国際間における原糖の相場等を考えつつ、国内における原糖の輸入には幅を持たして外貨の割当を考える。そうしてその安定された糖価の幅に対して結晶ブドウ糖の価格を考えつつ、それの範囲においての支持とそれから増産対策、需要増進のための宣伝対策というものをいろいろ考えあわせて、そうしてわれわれが考えておる内地産の甘味の増産対策を進め得る見通しを立てていきたい、こういうふうに今考えておる次第であります。まだ具体的になっておりませんから申し上げる時期でございませんが、これが確立いたしますればお話を申し上げたいと思います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 時間がありませんから、もうこれで終わりますが、政府は今の砂糖の自由化の問題は、国内の甘味資源の需給度向上ということを表看板に掲げていますが、その真実は、巨額の差益に群がる製糖資本に屈したものであるということは、これは政府はそうはお考えにならぬかもしれないけれども、まあ大部分のものは、そういうふうに考えているのですね。そこでですね、この今の自由化の問題も、農林大臣にかわってからは初めてでしょうけれども、方針がたびたび変わっている。これはそのたびごとに、その背後に強力なる製糖資本の動きがあるというふうに言われてるわけですからこれらの問題については、私はまたあらためていろいろお荷いしたいと思うわけです。本日はまあざっと問題だけをお尋ねしたわけですから、どうかよろしくお願いいたします。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 本日はこれをもって散会いたします。    午後五時四十二分散会

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