農林水産委員会 第4号
- 発言数
- 43 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/02/10
会議録
○委員長(藤野繁雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 昭和三十六年度農林省関係予算に関する件を議題といたします。 本日は水産庁関係について御説明を聞きます。説明は三十分以内に願います。まず説明を求めます。
○政府委員(西村健次郎君) 昭和三十六年度の予算要求のうち、水産庁の分につきましてその概要を御説明いたします。 〔委員長退席、理事秋山俊一郎君着席〕 お手元にお配りしてございますが、昭和三十六年度概算要求施策別概要、水産庁、三十六年二月九日というこの書類、便宜この書類によりまして、この順序によりまして御説明を申し上げたいと思います。 ここに第一に目次がございますが、これは便宜この分類によって御説明をする所存でございます。第一、沿岸漁業の振興対策、第二、中小漁業経営安定対策、第三、漁業協同組合の整備強化、第四、水産物流通改善、第五、資源及び漁場調査、それから次のページに参ります。第六、漁業調整及び漁業取り締まり、第七、場所、第八、その他、第九、漁港整備事業、第十、特別会計、第十一、公庫融資、こういうふうになっております。次は合計でございますが、これはまた便宜あとで御説明してもよろしゅうございます。 まず第一に、沿岸漁業の振興対策について御説明を申し上げます。この沿岸漁業の振興対策は、総額といたしまして、昨年三十五年度四億二千七十余万円に対しまして五億五千四百万円と増額をしております。その一つとしまして、新たに施策として取り上げて参りますのが、そこに(一)としてございます沿岸漁業構造改善特別対策でございます。その経費として千八百六十二万五千円が計上してございます。これは沿岸漁業の振興をはかるためにおきまして、一定の地域を定めまして、その地域について地域の構造改善促進計画を定めて、それに従って構造改善事業を推進して参りたい。その目標と申しますか、その内容は、新たな漁場の造成あるいは既存の漁場の利用関係の改善、あるいはこれらの利用関係の改善に伴って必要とする漁船、漁具その他生産手段の整備、あるいはその地域内において沿岸漁業の就業者またその子弟についての他産業への転換、そういういわゆる転業の促進というようなものを内容とし、さらにこれらの事業に関連しまして、漁港施設の整備あるいは漁獲物の処理あるいは畜養というようなものも整備して参る、こういうことでございますが、この計画は大体数ヵ町村、あるいは場合によりまして、これは地理的社会的条件によって必ずしも一定して参りませんが、相当広範囲な広域を一つの対策地域としまして、そこで構造改善計画を立てて参る。昭和三十六年度におきましてはそれのまず第一着手といたしまして、全国で十三地域についてこの調査を主として進めて参る。それに必要な予算としまして本庁費並びに調査指導費としまして府県あるいは市町村に対する補助金を計上いたしておるわけでございます。 次に、同じ第四ページの(二)の沿岸漁業等振興対策、これは前年度三億八千三百七十三万九千円に対しまして四億八千三百十五万七千円になっております。このうち特に御説明を申し上げたいのは、2の漁場改良造成及び種苗対策事業費補助金、これが御承知のように、築磯とか投石、あるいは大型、並型の漁礁の設置、あるいはノリの人工採苗施設というようなことについて補助をする、いわゆる沿岸の漁場の改良造成あるいは種苗対策をやっておる事業でございますが、このうち、これらの事業につきまして、従来は大型漁礁が二分の一、その他の漁場改良につきましては国庫補助率は三分の一でございましたが、今回はこの三分の一を二分の一に引き上げる。しかも、その引き上げた結果といたしましても、県の負担分は従来通り三分の一である。従いまして、地元負担は従来の三分の一から六分の一に軽減することになるわけでございます。従いまして、それによりまする総額の増及び事業分量の増加による増がございます。なお、この事業のうちに、新たに来年度から予定しておりますうちに、帆立貝の採苗事業費の補助金四百九十二万円、これが新たに加わっております。五ページの3の沿岸漁業振興対策事業費補助金、これは従来から五ヵ年計画をもちまして昭和三十三年から実施しております、特に低所得地帯に対する特別対策事業でございます。これは、計画に従いまして従来通りのペースでやって参る、従いまして継続が三十海域、新たに二十海域を実施して参る、こういうことになっております。 同じ項目の5の内水面資源維持費補助金というのがございます。これはアユの放流あるいはサケ・マスの放流補助金、あるいは種苗の供給施設というものでございますが、ここで内水面資源維持費補助金、昨年の三千万円に対しまして二千九百万円と、少し減額になっておりますが、昨年はこの費目の中に、十和田湖の孵化場を県に移管することに伴います経費補助金及び草魚の増殖施設の補助金合わせまして六百数十万円が入っておりましたので、実質は今回は昨年より増額しております。そのおもな内容は、ここにサケ・マスの次の行にありますように、サケ・マスの人工孵化放流の一匹当たりの単価を、従来十九銭でありましたのを二十五銭に増額しております、この結果でございます。 五ページの(三)、水産業改良普及事業。これにつきましては昨年三十四年度及び三十五年度において四十八人ずつ改良普及員が設置されまして、現在九十六名の改良普及員が設置されることになったわけでございます。来年度におきましては百名増員しまして、全体で百九十六名にする。なお、本年度オートバイ十台を改良普及員なり専門技術員のために助成いたしましたが、これをさらに新たに三十台追加する。これに要しまする経費としまして四千三百九万一千円、昨年の二千七百三十四万八千円に対して相当増額になっております。 次の六ページに入っていただきます。(四)の漁村青壮年実践活動促進対策。この2の水産技術交流費、これが技術交流のための補助金でございますが、これが昨年の百五十一万八千円に対しまして三百九十一万二千円と増額をいたしております。なお3の技術修練費、この中で新たな項目としまして、(3)の漁船乗組員の衛生担当者の技術講習会、この費目、これは金額としてはわずかでございまするけれども、漁船乗組員の衛生あるいは健康問題というものがなかなか看過できない問題でございますので、この衛生担当者の講習会というものを開いて参りたい。これによってそういう衛生なり、環境の改善ということを促進して参りたい、その経費が新たなものとしてここに入っております。 以上第一の項目につきまして御説明いたしました。 次に第二の中小漁業経営安定対策、ここの(一)の漁業生産調整組合制度の実施指導、これは今国会に漁業生産調整組合という制度を設けるべく法律の提出を準備しております。この法律によりまして、大衆性の多獲魚類につきまして、その生産が一定してないというようなものにつきまして、過度の漁獲ということに基づく不当なる価格の下落に基づく漁業経営の不安定というものを救うために、そういった漁業者によって自主的な生産調整組合を結成せしめ、そしてその事業実施によりまして、そこに生産調整といったことあるいは陸揚げの調整といったことによりまして、魚価の安定、漁業者の経営の内容の向上ということをはからんとするものでございます。ここでは、これは法律制度でございますので、法律実施のみの経費として計上してあるわけでございますが、この生産調整組合制度を実施するにあたりましては、現在中小企業におきましてとられているごとく必要に応じて規制命令を発するがごとくいたしたい。これはいずれまた別途法律案としまして御審議をお願いすることになろうと思います。 次に(二)の漁業共済制度の実施、これは前年度の三千四百七十九万八千円に対しまして五千八十三万四千円になっております。その中には、そのワク内にございますように漁業共済金支払不足金補助金千五百八十万一千円というものがございますために、それに基づく増額でございます。これは三十二年度に赤字が出ましたための支払共済金の不足額の補てんでございます。これは債務負担行為をオーバーしまして、この分だけが、この共済の赤字として残ったわけで、これを補てんしますために、ここにこの補助金を交付する、こういうことになったわけでございます。なお三十六年度の契約分に対しまする国庫債務負担行為は、共済掛金の一・四倍以内か、一億三千万円か、いずれか低い額を限度とする、こういうふうに定められております。 同じく第二の(三)漁業中央無線局の設置、これは全く新規の項目でありまして、従来から漁業無線局の海岸局は数多くございますが、中央に無線局がいまだない、これにはいろいろ技術的な問題もありまして、中央にないことによる非常な不便さがございますので、今回漁業無線協会が主体となりまして、中央に漁業無線局を設置して参る。これによりまして従来より一段と漁況、海況の通報、その他、漁業者の利便が増大することが期待されるわけでございますが、その補助金としまして三分の一の補助として一千万円を新たに計上しているわけでございます。次に同じく(四)の漁船再保険特別会計への繰り入れ、これは加入料の増大、加入件数の増大による一般会計からの繰り入れの増でございます。特にこれは御説明は要しないかと思います。 次に、第三漁業協同組合の整備強化、これは前年の一億五千三百万円余に対しまして九千百八十一万一千円となっております。その内容につきましては、そこに(一)として水産業協同組合の指導監督、これはほぼ前年通りでございます。多少減額になっておりますが、これは非常勤職員の定員化等に伴い、この経費が水産本庁経費に繰り入れられたということでこういうことになったわけでございます。 次の第七ページをめくっていただきまして、今の漁業協同組合の整備強化の第二番目の項目、(二)漁業協同組合整備基金貸付金、これが三十五年度予算におきまして、国からの貸付金が一億円出されたわけでございます。そこで民間の出資、これは系統団体あるいは農林中金等を含めます出資一億五千万円を合わせまして、二億五千万円の経費をもって発足したわけでございますが、来年度さらに政府からの貸付金が五千万円増額されます。従いまして来年度からこの漁業協同組合整備基金が三億円という資金量をもちまして系統組合の整備強化ということに当たるわけでございます。同じく漁業協同組合の経費のうちの(三)漁業協同組合連合会整備促進費、これは前年度二千七百万円が本年度千五百九十六万三千円になっております。これは漁業協同組合連合会の整備促進がだんだん進捗して参りまして、十四連合会が三十六年度の対象となるものは九つに減って参るということで、これは当然、何と申しますか経費が減額されるわけでございます。 次に、第四水産物流通改善、これが前年度千六百八万一千円に対しまして来年度は二億四百六十五万五千円と大きく増額を見ております。その第一としまして、新たに魚価安定基金というものを設けて参りたい。魚価安定基金の出資としましての八千万円というものが予算上計上されておるわけでございます。これも新たに法律をもちまして魚価安定基金を設置し、政府が八千万円、それから都道府県の出資が四千万円、漁業生産調整組合あるいはその他水産業の関係団体の出資が四千万円、合わせて一億六千万円の出資をもちまして魚価安定についての事業を実施して参りたい。その内容としましては、先ほど御説明いたしました漁業生産調整組合の行なう調整事業でありまして、この運用益をもって所要資金を交付する、あるいは水産業協同組合等が浜において行ないます調整保管事業に対しまして、その補助をして参る、こういうことを対象としております。とりあえずは、この魚価安定基金の活動の対象となります魚種は、サンマでございます。今後におきましてこれを母体としまして、流通改善及び価格安定の事業の推進のまず第一着手というふうに考えておるわけでございます。 なお、同じ水産物流通改善といたしまして、そこに最後にございます(二)の水産物流通対策事業、これが昨年一千六百八万一千円が、一億二千四百六十五万五千円と増額されております。この中には、第一にそこにあります冷蔵庫の建設、これに対する補助金としましての九千七百五十万円、これが全く新規でございます。これは漁価安定価格流通対策の一助としまして、まずその第一着手として生産地等二カ所を選びまして、冷蔵庫を設置して参る、これは設置主体は生産者の団体でございます。その経費に対しまして三〇%の補助をして参る、こういう予定でございます。 なおこれと関連しまして次の八ページにございますように冷蔵自動車、これはその何と申しますか水産物流通の一助としまして、冷蔵設備を持った自動車の購入に対しましても、これの三〇%の補助をして参る、これはわずか三台でございますが、冷蔵庫二カ所と関連しまして、これも本年から全く新しいものとして顔を出した経費でございます。 さらにそこに3としまして、水産物の市況産地受信費というのがございますが、これも全く新しい経費でございまして、全国で三十カ所の主要な産地に対しまして、そこの産地市場の開設者に補助をいたしまして、消費地及び他の市場における市況を迅速にそこに通報するというために、受信料の三分の一を補助して参る、これによりまして、その当該産地市場におきましては、消費地等の市場の価格の成り行き、その動向が迅速に把握できるということは、流通改善の非常なプラスになるかと思っております。この三つの、冷蔵庫及び冷蔵自動車購入、及び市況通報の受信費というのが、従来なかった新しい経費でございます。 次の水産物流通調整事業促進指導費、これは従来もございましたスルメイカに対しましてその調整保管に対する補助金でございます。特に御説明することはないと思います。 次に第九ページに入っていただきます。第九ページは第五、資源及び漁場調査、これは前年度経費一億二千三百二十二万九千円に対しまして総額一億五千三百三十四万五千円となっております。その一はそこにございますように、(一)都道府県水産試験場の試験調査、七百四十九万九千円の前年度に対しまして、一千六百十二万二千円でございます。ここで新しいものをちょっと御説明いたしますと、そこの2の指定試験研究事業費のうちのイの魚礁研究は従来もやっておりますが、ロ、ハ、ニ、は新たな研究項目でございまして、ロは最近非常に注目され、今後伸びていくであろうと考えられております漁類の養殖、増養殖に対しまして、卵から現在たとえばハマチの養殖等は種苗を海で取って来まして、それを大きくするということを大体やっておるわけでございますが、その卵からかえしてそれを大きくして参る、卵からかえすことにつきましては、これは国の試験場でやりますが、そのかえったものを、小さい生まれたばかりのものから相当程度まで伸ばすということを一貫して研究をさすということで、六県に対して技術研究をさせて参りたいという趣旨でございます。 次のハの漁獲物畜技術でございますが、これも今のに関連いたしまして、これら畜養につきまして研究をさして参りたい。それから二のマスの養殖技術研究は、これは十四県に対しまして、主として配合飼料をどういうふうに使ったらよろしいか、どういうふうに利用できるかという点を研究させて参りたい、こういう趣旨でございます。 なお同じワク内の3、幼稚魚の調査事業費、これは四百万円、経費は大したことはございませんが、これは幼稚魚の乱獲というものが相当資源の維持上問題であろうかと思います、ことにこれは沿岸の漁業との関連におきまして。従いましてその幼稚魚の採捕の実態調査、あるいは幼稚魚の生態の調査ということを、新たにこれは都道府県の水産試験場を使って実施して参る、そういうための経費でございます。 次に(二)の国際漁業生物調査、これはいろいろな国際漁業関係、いろいろな条約に基づくものもありますし、それらの点につきまして、従来からやっております調査でございますが、これはごく簡単に申しますと、1、サケ、マス生物調査費のうちのロの四十八度以南の調査、これは今の日ソ交渉で一番問題となっておるところでございますが、ここにつきまして、前年度は用船一隻をもって調査しておりましたが、もう一隻新たに増加いたしまして、用船二隻で調査して参る。さらに同じサケ、マスにつきまして、二、にあります沿岸のサケ、マス調査、これは北海道でございます。これが新たなものとして計上され、新たな事業としてされるわけでございます。 なお、この国際漁業生物調査のうちでは、純然たる新規のものとしまして、6の東支那海サバ、アジ漁業対策調査費五百十六万五千円というのがございます。これは水産庁の蒼鷹丸を使う。それと用船一隻を使いまして、東支那海におけるアジ、サバにつきまして、これを調査して参りたい、こういう経費でございます。 次にページをめくっていただきまして、十ページでございます。(三)新漁場開発、これはこのうちで一つ御説明を要しますのは、3、日本海北方冷水域新漁場開発調査費四百三十七万九千円、これが純然たる新規事業でございまして、日本海のいわゆる北方冷水域の新漁場というものが相当有望に考えられますので、調査船地方水試船三隻を使いまして、調査をして参る、こういうことになっております。 (四)は特別御説明を要すまいと思います。(五)のその他のうちでちょっと御説明を申し上げておきたいと思いますのは、4、ネズミザメ駆除調査費、これが新たな経費として一千万円計上されております。これは日ソ漁業に関連しまして、ネズミザメ、これは一名モウカザメと申しますが、これのサケ、マスに対する食害が非常に大きいということがいわれておるわけでございまして、これらのために日ソ漁業委員会の議事の項目にも一つ食害というものがあげられておるわけでございます。いずれにしましても、わが方としてこれをいろいろ主張していきます際におきましては、その調査が必要である、こういうことで調査費用の三分の一の補助という格好で、これは一千万円を計上しているわけでございます。 第六、漁業調整及び漁業取り締まり、これは前年度四億九千十万四千円に対しまして五億一千百八十七万一千円でございます。ここにつきましては特別に御説明を加えることもないかと思っております。これはほぼ前年通りでございます。(一)は漁業調整。次は沿岸漁業、これは十一ページでございますが、(二)の沿岸及び沖合漁業取り締まり指導費。(三)北洋漁業の指導監督及び取り締まり。(四)遠洋漁業の取り締まり指導監督費。(五)その他。こういうふうになっております。 次に、第七場所関係、これは前年度の経費七億七十九万一千円に対しまして三十六年度は八億五千七百三十六万三千円となっております。このうち、その中のワク内の2の水産講習所につきまして、施設としまして運動場の整備費、あるいは化学実験室の新設等によりまする相当な増額がこの中に含まれております。 十二ページをめくっていただきますと、最初の行に3としまして孵化場及び養魚場という項目がございますが、新たにサケ、マスの人工孵化場としまして、北海道の虹別及び札内の事業場を増設するということになっておりまして、これに伴う予算が新たなものとして計上されております。これによる経費の増額でございます。 第八その他、ここにつきましては特別に御説明をする必要もないかと思っておりますが、全体として経費が減額になっておりますが、これは水産庁所属船舶の建造が昨年に比べて経費が減額しておる、こういう関係でございます。 次に第九漁港整備事業、これにつきましてごく簡単に御説明をいたします。漁港整備事業につきまして、前年度予算は七十三億四十四万九千円でございます。三十六年度におきましては八十四億五千八百十八万四千円となっております。そのうち1、漁港修築、これは継続は四百二十九港、新規は十港ということを予定しております。従いまして、それに要する経費が三十八億六千七百万円に対しまして四十一億九千九百六十万円、この内訳はそこにございますように、内地は継続が三百五十二、新規が十、北海道、これはページをめくっていただきます。継続は七十七、新規はゼロ、こういうふうになっております。それから2、漁港局部改良事業、いわゆる局改事業でございます。これは前年度四億二千七百万円に対しまして、四億八千六百万円、増額されておりますが、これは継続は七十港ございますが、新規はこれは未定でございます。3、海岸事業、海岸保全の事業でございますが、これは前年度の二億四千百万円に対しまして八億七千五十万円、その内訳は、海岸保全整備事業が四億四千百五十万円。チリ地震津波対策事業が四億二千九百万円。こういうふうになっております。次に4の伊勢湾高潮対策事業、これは前年度五億五千万円に対しまして三十六年度は八億一千五百万円。5の災害関連事業につきましては、前年度九千四百六十九万一千円に対しまして五千二百二十二万一千円となっております。なお6の災害復旧事業につきましては、前年度の十八億七百四十三万一千円に対しまして十六億四千九百八十九万三千円となっております。これはここにございますように、直轄につきましては進捗率は三十三年災は一〇〇%、三十四年災も一〇〇%、三十五年災は八〇%というふうに見ております。 補助事業につきましては、三十三、三十四年災はともに一〇〇%である。三十五年災は六五%まで進捗させたい、こういう計画のもとにこういう予算を計上しております。 その他8の作業船整備費、あるいは9の調査費というようなものが増額されております。特に御説明をすることもないかと思っております。 次に第十特別会計、これは漁船再保険特別会計と中小漁業融資保証保険特別会計でございます。これにつきましても、前年度の三十九億一千八百二万五千円に対しまして、四十一億三千九百十万八千円でございますが、特に御説明を申し上げることもないかと思っております。 最後に、第十一公庫融資につきまして、融資ワクの水産分をここに掲げてございます。前年度の五十億六百万円に対しまして六十億一千一百万円、こういうことになっております。その中でごくおもなものを申し上げますと、まず漁船が増額になっております。これが、漁船が前年度三十四億六千二百万円に対しまして四十二億八千万円、これはカツオ、マグロの建造、あるいは底引きの北洋転換に関する資金、こういうことに対応するために増額をここに見込んでおるわけでございます。 その次の共同利用施設のうちの製氷冷凍、これが前年度二億五千三百万円に対しまして四億三千五百万円に増額になっております。これもやはり先ほど申し上げました冷蔵庫の新設というものと関連しまして増額を必要とするわけでございます。 さらに水産で新しいものとしましては、そこに主務大臣指定施設のうちの最後の行に協業施設(新規)とございます。これが新たなものとしまして一億円計上されております。 以上きわめて簡単でございましたが、三十六年度の一般会計並びに特別会計を御説明したわけでございますが、ここでこれを繰めくくりまして、最後に三ページにまた戻っていただきます。三ページでもって全体の予算、これを見ていただきますと、合計としまして、本庁分としまして三十六年度は、三十五年度の三十三億七千四十万五千円に対しまして三十五億四百二万八千円、場所が七億七十九万一千円に対しまして八億五千七百三十六万三千円、合計三十五年度の二十九億七千百十九万六千円に対しまして三十三億六千百三十九万一千円、こういうふうになっております。公共事業は、三十五年度の七十三億四十四万九千円に対しまして三十六年度は八十四億五千八百十八万四千円、合計いたしまして三十五年度に比較しまして、三十五年度の百二億七千百六十四万五千円に対しまして三十六年度は百十八億一千九百五十七万五千円となっております。 特別会計、公庫融資につきましても、ここにございますようにそれぞれ増額しております。これを大ざっぱに比率で申しますと、公共と非公共を合わせまして、特別会計を除きまして、三十五年度の当初予算に対しましては三十六年度は一五%の増、それから三十五年度のうち当然減の分を除いた場合につきましては、三十六年度予算は一七%増、こういうふうになっております。 以上をもちまして、簡単でございますが御説明を終わります。
○理事(秋山俊一郎君) ただいまの説明に対しまして御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○政府委員(西村健次郎君) それから表題の概算要求は予算要求の誤りでございますので、どうも失礼いたしました。 〔理事秋山俊一郎君退席、委員長着席〕
○櫻井志郎君 第四の流通改善のところで冷蔵庫を二ヵ所ですか、新しく生産地に建造する計画、非常にけっこうだと思うのですが、水産庁では冷蔵庫建設に対して年次計画を持っておられるかどうか。といいますのは、もちろん魚の種類、漁獲の時期、漁獲の量その他いろいろな事情からして、流通対策のための冷蔵庫を建設した方がいいか悪いか、経済的にどうだといういろいろの問題もあると思うのですが、それに対してどの程度の冷蔵庫の建設計画を持っておられるか、まずそれを伺わせていただきたい。
○政府委員(西村健次郎君) 冷蔵庫につきましては、これは調整保管、それによります流通改善という面で非常に役に立つと思います。ただ、これは漁業につきましてその地方々々、漁業の種類、あるいは漁場、そこにおける輸送の持つ条件、すべてを勘案します場合におきましては、港々で非常に違うわけでございます。従いまして私どもとしましては、この二ヵ所、本年度の予算の二ヵ所も含めまして今後具体的にどこの港をどうすればいいかというふうな計画を至急立てて参りたい。従いまして、その計画の一環としてこの二ヵ所を実施して参るようにいたしたい、こういうふうに思っております。
○櫻井志郎君 突き詰めて言うと、今のところでは全体計画はまだ策定されておらない、こういうふうに了解していいわけですか。
○政府委員(西村健次郎君) 率直に申し上げますと、全体計画というのはまだ完成しておりません。ただ、先ほども申し上げましたように、一つ一つの港によって特殊事情がございますので、抽象的でなしに具体的なものとして一つ計画を至急策定して参りたい、こういうふうに考えております。
○櫻井志郎君 もう一点。新漁場開発の項の日本海北方冷水域新漁場開発、これは大体どの辺になるのですか。それから今目標とされている漁族はおおむねどういう種類のものであるか。
○政府委員(西村健次郎君) これは日本海の能登半島の沖ですとか、大和堆、あれのまた沖の方にスケソウのいい漁場が発見されたというようなことでございまして、これをもう少し調査して参りたい、こう思っております。
○千田正君 きのう食糧特例会計の問題でここでも論議されたのでありますが、きょうの水産庁長官からの御説明でありますと、漁価安定政策の一環としましてフィッシュ・ミールの問題がある。それからいろいろ農林省の一つの対策としまして、あるいは畜産行政の方にある程度転換する問題等の農業政策が出てくる。そのときにこの飼料の問題を中心としましてフィッシュ・ミールの輸入の問題、それから生産の方の部門、いわゆる水産庁が担当しておりますところの水産物加工製品に対する調整の問題からしまして非常に疑義を持つ者がおられる。食糧特別会計で魚かすを輸入して、その輸入した魚かすの利益差というものを、それを食管会計の方の赤字補てんの方に使う。しかもそれは飼料の赤字補てんだというのですが、実際からいうと、水産業に携わっておるところの零細漁民の加工生産であるところのこのフィッシュ・ミールの犠牲の上に立って食管会計の赤字を補てんをされるということは非常に矛盾しておるのです。一体水産庁は何をやっておるかということをわれわれ議員としては痛感せざるを得ない。その間の問題について長官から説明していただきたい。何らの予算措置を水産庁はとっておらないじゃ、ないか。
○政府委員(西村健次郎君) フィッシュ・ミールの、これはペルー産でありますが、これの輸入の問題、これは国内における畜産と養鶏業との関連におきましていろいろむずかしい問題がございますが、私どもではっきり申し上げられることは、この輸入によって国内における魚かすの価格、ひいては大衆魚の価格安定を阻害するというような方向には絶対にそういう施策はとって参らないのであります、従いまして、今後どういう対策をとるかにつきましては、農林省の内部におきまして十分協議した上、適切な対策をとって参りたい、こう考えております。
○千田正君 そこで、将来のいわゆる自由貿易等によって影響するところの国内の産業に対しては、特に著しい問題に対しては、その面の補助政策を一方に掲げ上げなければならないというふうに政策を変えてあると私は思うのであります。でありますから、こちらの魚かすの問題を取り上げているならば、食管特別会計においてそういうふうな利益差を得た場合においては、少なくとも漁民の方の施設に充てるとか、あるいは漁価安定政策に役立つような方向に予算の計上をしなければならない。それを全然みておらないで、大豆かすの方の、マイナスの方にそれを持っていかれるということになると、どうもはなはだ漁民の方としては不満にならざるを得ないんですね。その辺の調整がうまくできておるかどうか。これからやろうというのでありますが、前もってそういうことを、水産庁としてはこの予算編成上、そういうことを十分に協議した上で、ああいう予算の計上をされておられるのか、その点はどうなんですか。
○政府委員(西村健次郎君) 私は食管特別会計につきまして答弁しますことは、ちょっと権限外でございますけれども、私の承知し、われわれが現在考えておりますところは、何も赤字補てんのために食管特別会計に入れるというようなことがきまったわけでもございません。先ほど申し上げましたように、ミールの輸入ということは、国内の魚かすの生産価格に非常に大きな影響ございますので、これらをたとい今後輸入する場合におきましても、これに悪影響を与えないという方向で、これが具体的な対策を内部において今後至急に樹立して参りたい、こう考えておるのでございます。
○千田正君 赤字補てんのことは考えられないというようなお話でありますけれども、日本の国内におけるフィッシュ・ミールの生産額というのは、大体あなたの方で計数的に考えても、年々の生産額というものはこの程度だということはおそらくわかると思う。もちろん、漁、不漁もありますけれども、昨年のようなサンマの不漁のときには、十分なあれができないと思うのですが、一応魚かすの生産というものに対しての見通しがつく、見通しがついておればこそ、畜産関係からいうと、こういうように日本の生産が少ないから、これだけのものを輸入しなければ飼料として足らないのだ。はなはだしいものにおいては、畜産業が盛んになるに従って三百万トンの飼料に対する輸入が必要である。とりあえず本年は三万五千トンだということを言っておる。そうなりますというと、年々、年々外国からのそうしたフィッシュ・ミールその他の輸入が増加していく、増加していくというその根底においては、日本の生産品よりも向こうの生産品はコストが安いのだ、安いから輸入するのだということになりますから、必ず輸入と同時に利益差というものが伴ってくる。この利益差をどこに持ってくるか、こういうことをきのうも質問したのであります。秋山委員も私も質問したところが、食糧庁長官は、それは飼料部門におけるところの赤字の補てんに使うのだ、こういう説明である。あなた方の方の生産者担当の、いわゆる魚価安定政策の方では、何らの考えを持っておらない。そういうことであっては、いわゆる零細漁民の犠牲の上に立って、一方ではそういう官僚的なやり方にしか民主化は持っていけない。これじゃ水産庁はまるで面目まるつぶれじゃありませんか。それで水産行政としてどういうふうに今後の魚価安定政策を持っていくのか。その安定政策の一環として、少なくともそういう利益差が生じた場合においては、それを魚価安定政策の方へ回して施設の改善であるとか、魚価安定の調整費の、飼料としての予算を計上すべきであるというのが私の議論なんです。それに対してどう思いますか。
○政府委員(西村健次郎君) ただいま千田委員のおっしゃるように、非常に国内におけるフィッシュ・ミール、魚かすの買付需要が今後増大して参るであろう。非常に現在強気であるといわれております。しかし、私どもといたしましては、これに対してはよほど慎重にならざるを得ない。はっきりしたものをつかんでおらない場合に、いたずらに入れたりすることによって、何がしなり国内の魚かすの価格を不安定ならしめる、暴落せしめる、ひいては業者に不測の損害を生ぜしめるということがあっては困りますので、従来とも、これは同じ省内でございますので、その点は十分協議して参る。今後どうやるかという問題につきましても、先ほど申し上げましたように、農林省としまして、内部におきましてその点は十分考慮しまして今後いかにしたら最もよくその両者の調和がとれるかという点について、適切な対策を至急樹立して参りたいと、こういうように考えております。
○秋山俊一郎君 関連して。今の問題に関連して、昨日も食糧庁長官に伺ったのですが、昨年といいますか、本年度ですね、本年度においても何がしかの輸入をしているはずなんです。これは食管でやっているわけじゃなしに一般にやっているのですが、それはどのくらい入れて、どれくらい輸入して、その差益金はどうなっているかということをお聞きしたいのです。
○政府委員(西村健次郎君) 昨年の春でございますか、ちょうど北洋の工船ミールが出る前に、非常に国内の飼料事情が逼迫しているという事情がありましたので、二万トンを輸入、二万トンそのままは入ってこなかった、今、これが必要ならあとで数字は提出いたします。入りました。それからこの年がかわりまして、工船ミール等も一わたり処理されましたけれども、依然として窮屈であるということで一万トンをさらに入れる。従いまして、本年度中は合計三万トンに足らざるところのものが輸入されるということになろうかと思うのです。この処理につきましては、その具体的な細目につきましては、私は今記憶しておりませんので、その処理の仕方はまた必要ならば御提出いたしますが、これらは実需者団体と輸入というものと関連いたしまして、国内の魚かすなりあるいは北洋の工船ミールの価格に悪影響を及ぼさないような方法でこれは処理されたというふうに承知しております。
○秋山俊一郎君 最近はどうですか。
○政府委員(西村健次郎君) 最近につきましては、これはその当時の、私今その詳しいこまかいデータを記憶しておりませんのでございますが、最近この生産者に直接還元する、こういう方向はとれなかったと思っておりますが、ただ全漁連の集荷したものにつきまして、実需者がそれを見合いとしまして、ある程度高値に買ったというふうな処置をとったふうに記憶しております。ただしこの点につきましては、私の記憶違いがあるといけませんので、具体的なことはまた後刻御提出いたしたいと思います。
○秋山俊一郎君 その点が大事なんですよ。ただいま千田委員からも質問がありますように、その差益金というものが全部が全部水産業者に還元しろとは申しません。これは一部畜産業者にも還元されるべきものかとも思いますけれども、少なくとも、食管会計に入れて、食管会計で足らぬ分を補うということは少し酷じゃないか。従来、従来と申しますか、本年度すなわち三十五年から入れたものに対して出ておる差益金というものはどういうふうになっておるかということは、水産庁は一つ十分検討して腹へ入れておいてもらわぬと今後の対策が立たぬと思うのです。そこで、昨日も食糧庁長官に伺いましたところが、食糧庁においても、この魚かす、魚粉を食管に入れたということについては、ほとんど知らなかったといったような説明でした。これは水産庁も知らなかったのだ。そうすると、畜産局が独断的にそういうところへ押し込んでしまったというような感じがわれわれはするのでありますが、いずれにしてもそこに入っておりますが、これを必ずしも食管会計で輸入しなくても、従来のような方法で輸入すればできると思うのです。ただその差益金というものを、せっかく漁業者に犠牲を払わしておるとするならば、それらに対しても生産上の助成をするとか何とかいう方法で還元していくということを、水産庁長官が考えてくれなければ、どこも考えるところがないのです。この点は一つ本年度に輸入された差益金がどうなっているかということをよく調べられて、そこに不満があるならば是正するような方法をとってもらいたいし、また今後の輸入につきましてもそういうような差益金の利用できるような方法……。これは足りなければどうしても輸入しなければならぬと思いますから、その際の差益というものは、国家が取ったって大したことはないので、それよりもむしろ産業の方に回して仕事を助成してやるということの方が私は適切だと思うのです。そういう点について水産庁はそういう過去のことを調べ、同時にそれをもって将来の対策に資するように、一つ検討をしておいていただきたいということを御注意申し上げます。
○政府委員(井原孝高君) ただいまいろいろごもっともな御意見だと存じますので、政務次官といたしましては、大臣にこの由を報告いたしまして、所管の部長等とも打ち合わせをいたしまして、御意見に沿えるような方向へ努力いたすように努めたいと思います。
○千田正君 もう一つは、オットセイの国際会議が先般ここで行なわれたのでありますが、その後水産庁から何らの報告を承わっておりませんけれども、年々オットセイの調査資料としまして、日本側としまして、三十六年度、ここにありますところの千九百万円ですか、組んでおられる。一体それによってどれだけの調査ができたのか。どれくらいの一体オットセイを捕獲して調査したのか。 それから、新鶴紙上によるというと、ソ連側が十万頭ですか、それからアメリカ側が九万幾らか取っているのですね。これは国際条約によるというと、取ったものの一五%は日本側にこれはよこすことになっておるのです、配分することになっておるのですが、一体その配分がもう来ておるのかどうか。来ておった場合に、それをうまい工合に、これはオットセイを禁猟にすることによって日本の漁民がこうむっておるところの、生活ができなかったり何かして、オットセイを取ることに従事しておった連中が、国内法の禁止によって生活が立たなくて、ほかの仕事に従事しておる。こういう人たちのあるいは何かの保護政策、または調査船の拡充とか、そういう方面にそういうものが計上されておるかどうか。この点は実際ほとんど不明なんですね。これは単に水産庁だけの問題でなくて、やはりこれは国力に関係する問題でありますから、この辺は明らかにしていただきたい。一体、この国際条約ができてから、ソ連が幾ら取り、アメリカが幾ら取り、カナダや日本がどれだけの配分を受けておるのか。その配分によって、日本のいわゆるそうした問題に対する調査の行動が順調に進んでおるかどうか、そういう点について御説明いただきたいと思います。
○政府委員(西村健次郎君) オットセイの現在の暫定条約によりまして、今、猟獲を行なっておりますアメリカ及びソ連からその商業的漁獲の一五%ずつの配分を受けるということは条約できめられております。ただしそれには条件がございまして、ソ連側の漁獲頭数について、今ここに条約を持ってきておりませんので忘れましたが、いろいろな条件がございまして、ソ連側は一五%配分の条件には現在はまだ達しておりません。たしか昨年の暮れに、コマンドルスキー島、ロッベン島の漁獲は二千頭に足らなかったと思います。従って条約の規定によりまして、その配分はアメリカから一五%にプラスして三百七十五頭分くれる、こういうことになっております。これはごく最近のことでございますが、条約実施以来、年々アメリカから、その一五%に相当するものは日本側に配分を受けております。ただしこれにつきまして、当初予定されておりましたより、アメリカの、ことにプリビロフ島における陸上の猟獲が雌が多かったために、雌の価格というものはほとんどただにひとしい、商業的価値がないということで、配分が、当初こちらで見込んでいたよりも減っていたように承知いたしております。その総額等につきましては、今手元に持っておりませんので、必要ならばまた後ほど提出いたしますが、しかしいずれにしましても、条約に基づく配分金は受け取るべきものはきちんと受け取っておるわけでございます。これが一体調査なりあるいはオットセイを取っていたものに対する補償というものとのつながりははっきりしないじゃないかということでございますが、これらの配分を受ける金というものは、論理的にそういうものに目的税のごとく出されるような仕組みにはなっておりません。必ずしもそこには両方の関連は明白ではありません。本来、明白であるものではないと思います。ただし御承知と思いますが、これは国会で議決をいただきまして、三十三年度におきまして第二次補正予算としまして五億円弱の予算をいただきまして、イルカを取っておった業者に対する転換の補助金にあてたということがございます。 なお、オットセイの調査につきまして、これは年々わが方としましては条約の規定に基づいて調査をしております。このオットセイ条約が一九六三年には失効になります。その場合において今後の条約をどうするかということにつきましての準備段階としての調査を、現在進行さしておるわけでございます。その場合におきまして日本側の主張すべき論拠は、現在やっております調査において十分これはできる、こういうふうな確信を持っております。
○千田正君 もう一つ私は聞きたいのですが、この沿岸の魚類は、このオットセイの回遊によって相当やられておる、こういうことは漁師の諸君はよく承知しておる、水産庁の方はどうかわからぬけれども。そうして今度はサケ、マスの資源の方については、ソ連側から日本の漁業が取り過ぎるから、これを全部日本の漁業の、いわゆる取り過ぎとか乱獲であるというふうに、日本だけが罪をきなければならないような方向に国際間の議論が持っていかれる。ところが現実において、今日において百万頭、おそらく最近は百万頭をこえておるだろう、百万頭になんなんとするこの魚を食う日本にすんでおらないところの動物が、日本の沿岸を荒し回っておる。それによって受けるところの被害の資料も十分ではない。こういう資料こそとって、資源が減退するというのは、必ずしも人的な問題ばかりでなく、こういう害獣を保護するような国際条約があるから、日本の漁業が年々衰微してゆくんだということの結論さえも出せないようじゃだめじゃないかと私は思う。オットセイやラッコは日本の動物じゃありませんよ、ソ連やアメリカの島に棲息するものをなぜ日本が保護をしなければならないか。私はそういう意味において零細漁民のために日本の水産庁は戦うべきであると思う。国辱法律ですよ、こんなものを国際法として禁止しているのは。でありますから毎年々々千九百万、千五百万という多額の金を投じて沿岸の業者のために調査をしている資料の結果はどうなんですか。どれだけ一体オットセイによって日本の沿岸を回遊するところの魚族がやられているか、そういうデータも出ておるはずです。どうなんです、どれくらいやられておるのですか。
○政府委員(西村健次郎君) 先ほど申し上げましたように、現在オットセイの暫定条約によりまして、日本及びカナダは海上猟獲をやめる。そのかわりにアメリカ、ソ連の陸上で商業的に猟獲したものについて日本へ一五%をもらう。ただしこの条約は暫定条約である。従って一九六三年に失効します場合に、今後はどういう条約、海上猟獲を認めるべきかどうかというような条約の立て方をきめなくちゃいけない。そのための調査を現在しておるわけでございます。そこにおきまして、その中の一つとしまして、今のオットセイの食害という問題も一つの項目としてあがっております。日本といたしましてはこれについては最も多くの力を注いでいるわけでございます。ただ現在の調査の段階におきまして、これがすぐどれくらいの魚族をどれくらい年々取っているかというところまでは、なかなかこれは究明ができておりません。ある程度の事情はわかっております。昨年から特に北洋のサケ、マスにつきましての食害というものもここであわせて調査をするべく船をそちらの方に出してやったわけでございます。この方は率直に申し上げまして、地域が、海域が非常に広いということと、大きな船を使ったためオットセイがなかなかとりにくかったというようなために、データも数として非常に少なかったということで、ただそのうちにたまたまとれたものは相当多くのサケ、マスを持っていた。しかし何と申しましても、先ほど申し上げましたようにこの条約はけしからぬとかいう御批判は別としまして、現在はこの条約を結んでおるわけでございます。海上猟獲は日本はできないわけであります。ただ一両年あとに控えております条約の失効、その後の事態に対処するために、日本側の主張を裏づけるために現在その方向に沿って調査を進めておるわけでございます。
○千田正君 現在の法律ができているからやむを得ない、その法律に従って日本としては国際法ですからやむを得ない、日本の動物じゃないもののために日本が保護をしなければならないというのは、敗戦国のまことにこれは情けない結果になっておりますが、そのために零細漁民がその法律のために仕事ができないのだ、生活が困窮しておるのだ、それを救うというわけで、先ほどあなたがおっしゃったように零細漁民の転換という一つの法律を作って、そうして一応作ったようなものの現実はどうもうまくない。これは私はここで言うまでもなくあなたは御存じだと思う。火薬を使用している者というようなことを一つの限定にした。ところが全然オットセイを取っていなかった者まで転換する中へ入ってきておる、いろいろな問題が起きておる。私はこういう国際法というようなものであるけれども、実際は国内の産業に大きな影響を及ぼし、実際また零細漁民がそのために苦しむというような法律であれば、これはもう改正しなければならないんじゃないか、国際法との関連上、国内法は改正を今のところはできないんだとするならば、それによって被害をこうむっておる人たちに対しては、少なくともやはり政府としてはあたたかい手を伸ばしてやるのが当然じゃないか、そのために予算がないというのは別としまして、これは外国から一五%のあれが来るんだから、この補償が金に換算しても相当のものじゃありませんか、それを禁止されることによって漁業ができなかった人たちに転換する方策をなぜとらないか、もう一ぺん水産庁は考え直して、予算編成期にあたっては、これによって転落した零細漁民に対して一応ある程度あと二ヵ年の間、国内の法律を守るために、国際法を守るためにも、無理をしないような方策を新しく打ち出して、予算計上のうちに出すべきじゃないかと私は思うんでありますが、長官はどう思いますか。
○政府委員(西村健次郎君) 今のお話は、イルカの転換に関連してのお話かと思いますが、オットセイは一九一一年にやはり四カ国国条約によって海上猟獲は禁止されておる。その後断層はございましたけれども、一般の猟獲というのはいまだかつて認められたことはないというふうに承知しております。ただイルカを取るという漁業者が東北におりまして、このイルカを取ることと関連しまして、これを転換しないと、まああやまってオットセイを取る、これが先ほど申し上げました予算をもちまして、五億円の予算をもちましてこの転換をいたしたわけであります。その際におきましてとにかくある時点、過去二ヵ年において正当なルートから火薬を一グラムでも買っておる者はこの実績者として転換の補助の対象にしたわけです。ところが、たまたまその後自分は正当なるルートで火薬は買っていなかったけれども、イルカは取っていたという人がこれは困るというようなことで、それに関連しまして国内法、ことに岩手県の規則におきましてイルカの猟獲を全面的に終年禁止したということにこの問題があったというふうに考えております。従いましてこれに対応する処置としましては、私どもとしまして現在国の規則としましては二月のたしか十五日から五月の終わりでございますが、その間だけ、オットセイの回遊時期だけをイルカの猟獲も禁止しております。これと平仄が合うように岩手県の規則も変えるということを、今県当局といろいろ相談しておりますので、そういう方向でこの問題を処置して参るべきじゃないか、こういうように思います。
○千田正君 今オットセイの問題、いずれ時間をかけてこういうことは論争したいと思いますが、次にもう一つサケ、マスの問題について、実際の漁業する人たちは、水産庁の許可を持っておる人からいわゆる看板借りをしなければ漁業ができない、いいですか、そうして実際許可を持っておる人からこの漁期の間何十万、場合によっては何百万という金を出して借りて、漁業をやっておる、こういう実情を水産庁は御存じでしょうか、御存じだろうと思う。実際漁業をやる者にほんとうの許可権がいっていないで、羽織漁師の方に許可権がいっているというような、そんな不合理なやり方は是正すべきじゃないか、これじゃ何年たったって漁業をやる者は決して収入はよくなりませんよ。池田内閣は所得倍増計画をやっていても、現実においては漁業権を借りて何百万、何十万というものを、わずかな漁期の間にそれだけの金を出さなければ実際に漁業ができないというような、そんな不合理な漁業制度はどこにありますか。今度の漁業制度の基本問題を改革するにあたって、こういう問題を検討するというような考えを持っておられるかどうか。その点を一言承わりたいと思います。ですからふところ手をして全然額に汗することなくして、金で船の許可権を貸してゆうゆうと遊んでおる漁民がいる。そんな漁業なんてどこにあるか、世界中探してごらんなさいよ。その間にブローカーは暗躍する、これじゃでたらめですよ、これに対して長官はどういうふうに考えるか。
○政府委員(西村健次郎君) 今御指摘の点はサケ、マスのはえなわ漁業につきましてと承知しております。サケ、マスのはえなわ漁業につきましては、これは日ソ漁業交渉との関連もありますので、毎年許可を切りかえております。しかも、これは実際の経営者に限り、いわゆる移転は認めないという建前をとっております。そこで今千田委員のおっしゃったように、実際の名義人と経営者と違うという事態があるやに聞いております。その場合におきまして、私は今千田委員の御指摘のように、許可権者が必ず羽織りであって実際の経営者、私は羽織りという定義はよくわかりませんけれども、実際の経営者は実際のほんとうの漁業者と言えるのかどうか。これはその許可を与えるに際しまして、県を通じまして、そのときにほんとうに漁業をやっておったのか、これを選択して私は許可をやったというふうに聞いております。従いましてその後の経済的な事情、はえなわには零細の漁業者も多いのでありまして、むろん相当な資力のある者がそれを取ってしまう、実質的に取っている。そこで名義が書きかえられないもので、現在はそのそもそもの零細の漁業者にかわって大きな漁業者はその経営をしておるという場合も私は相当あるやに聞いております。従ってこの問題につきまして、すぐそれじゃ名義書換を自由にするということにいたしました場合に、これは一体どういうことが起こるかというと、それは経済的に力のある者にとかくこういうものが集中するということも考えられますので、私どもとしましてはその問題をこのごろ聞いておりますので、これにつきましてはむしろ逆にそういったものにつきまして、はたしてわれわれの許可の条件に反するような事態がある場合においては、それを許可すべきじゃないのじゃないかと、こういうふうな考え方すら持っておるわけであります。いずれにしましても来たるべき漁期に備えまして、私の方としましてはえなわ漁業あるいは流し網漁業につきまして、今後どうやって対処していくか、どういう規制をやっていくかということについては、至急にしかも十分慎重に考慮して参る、こう思っております。
○千田正君 一方では非常に長官は要領のいいことを言っておるんだが、資金を持たない人たちは、やむを得ないから金を持っている人に頼んで、そうしてやっておるような状況だ。だからそれを厳密に調査するというと、金のない、資金繰りのないところの零細漁民は商売がやれそうもないじゃないか、こういうふうに受け取れるんですね。だからそうなるというと、水産行政というものは資本家にだけやらせるということなのかということになる。金を持っておる者だけが漁業をやれるということだけじゃないでしょう。金がないところの零細漁民が困っておるというならば、それに対してあらゆる措置を講ずるのが、いわゆる水産行政じゃないか。たとえば金がなければ、それを金融面において考えるとか、あるいはそうした団体の協同組合の力をもってそれをやらせるとか、いわゆる手を引いてやって、金がなくても漁業ができるんだ、父祖伝来の漁業をやっていけるんだという方向に考えてやるのが当然の施策じゃないかと私は思う。現在の漁業者は金のある者がうんといばっているんですよ。何人もの分の金を出してやっておるんですよ。今ここで問題は、さっき櫻井委員から質問のあった日本海の北の方の漁業だってそうですよ。捕鯨の問題だってそうだ。中小企業じゃやれないじゃないですか。全部あなた方と密接な関係のあるのは大資本の漁業です。そうじゃない、漁業の本体というものを突いていったならば、零細漁民というものをどうして救うかという根本的な施策というものは何かということを考えて下さい。今の問題だって、よく調査してやれば、ほんとうの漁業をやる人に対して水産庁は許可を与えるべきだ。私は曲がりかどにきていると思うんだから、この辺で考えなくちゃならないんじゃないですか。もう一回一つ考え直してお答え願いたい。
○政府委員(西村健次郎君) 私の申し上げた趣旨を、ちょっと私の御説明が悪かったかもしれません。私の言っているのは、全部が全部とは申しませんけれども、零細の漁業者が初め許可を持っているけれども、資力のある者が現実に経営している、それを取って。どういう理由か、いろいろの経済的な原因によって。そういった許可の条件に違反している場合において、そのままそれを放っておいていいのか。むしろその場合にはそういう条件、制限に違反した者については許可をやめて、新たにほんとうの経営者に新たな許可を与えるべきじゃないか、こういうことが申し上げている趣旨でありまして、千田さんの今の御指摘の点と全く別の、反対のことを考えているわけです。
○千田正君 今のお話しの通りだったら非常によろしいんです。ですからもう一つよく調査していただきたい。これは全然——かつてあなた方が許可を与えた県の漁業者は、現実においてサケ・マスをやっておるかというと、やってないものがたくさんあるじゃありませんか、その数が。漁期になるというと金を吸い上げて、現実において苦しい人たちは借金してその人たちに借り料、賃貸料を払って漁業をやっている。この漁業の実態をよく調べて下さい。そうしなければ、ほんとうのこの漁業の基本方策というものはできませんよ。ですからこれはきょうじゃなく、あらためてまた論じますが、その前に十分御調査願いたいと思います。
○河野謙三君 一点だけ伺いたいのですが、公庫融資のところで、漁船に対する融資四十二億八千万円というのがありますが、これは非常にしろうとで、笑われるかもしれませんけれど、船の種類は大中小いろいろあると思いますが、これは船の大きさに何か制限があるのですか。それで私はこの項目については、昨年度の三十四億六千二百万円という融資は、一体船種別に、大中小、企業形態別、どういうふうに公庫はこの金を貸したか、今度の四十二億八千万円についても融資についての何かの基準のワクか何かあるのですか。
○政府委員(西村健次郎君) これは融資の基準と申しますか、ワクとしまして、大資本漁業を除いてやっております。ただ、船の船型はいろいろ漁業種類によってございます。たとえば今度のサケ、マスとか、以西の底びき、カツオ、マグロ中型底びき、まき網、その他、あるいは沿岸の小型漁船というような、非常ないろいろの階層がございます。ただ本年度増額しておりますのは、先ほど御説明しましたように、北海道を主体とします底びき漁船の北洋底びきの転換の融資、これを大体十二隻分予定いたしております。それとカツオ、マグロの建造、これが主としてこの増額、こういうふうになっております。
○河野謙三君 融資の基準は、大企業は対象になっていないということですね。これはむしろ中小の漁業家に対しての融資のワクだと、こういうことですか、それだけわかればけっこうです。 それと同時に、別の機会でいいですから、昨年度の融資は実際どういうものを対象にしているか、この実績を一つ伺いたい。 それからもう一つこの機会に伺いたいのですが、予算と直接関係ありませんが、最近僕らがラジオや新聞を通じて見ていますと、漁船、漁民の海難というのが非常に多いように思いますが、これは一体この海難がふえているのか、減っているのか。ふえているとするならば、それに対しての対策というものは、むしろこれは気象庁なり海上保安庁なり、その方の予算になるかもしれませんが、水産庁として、その海難の救助、防除に対してどういう対策を立てておられるか。
○政府委員(西村健次郎君) 船の海難につきまして、漁船は割に件数が多いのです。ただしこの海難をただ隻数で比較して見ることは正確じゃないので、航海のマイル数で比較しますと漁船は必ずしも多くない。ところが、最近漁船が多い一つの特異な現象が生じております。それは四十トン未満の三十九トン九というぎりぎりの船が非常に遭難が多い。これは率直に申し上げて、こういう事態があるのじゃないかと私どもは考えております。現在カツオ、マグロ漁業は、四十トン未満は自由漁業であるわけです。そうしますと、三十九トン九の船を作りまして、それで作った際には、たとえば、船室を下に置いているものを、四十トン未満の小さい船で船室もデッキの上にやるというようなことで、魚倉を極端に大きく取るというようなことで、非常にトップ・ヘビーの船ができておると、こういうことでございます。ところが、そんなことは検査すればわかるじゃないかということで、われわれの方では設計等で押えております。あるいは、船舶の建造の際も、これは倉庫でございますとか、これは船員のクオーターでございますとか言っておりながら、現実に操業をする場合には、そこを魚倉にするというような事態がございます。これは一方では、従来と違いまして、漁船の装備というものが非常に進みまして、同じ四十トン未満でも、従来の四十トン未満とは比較にならないほど機動力を増した。こういうことで、今のような安定力の喪失ということと、それから航海が非常に長期にわたり、相当遠くまで出るというようなことで、この海難がふえているのじゃないかと思います。この問題につきましては、単に船舶安全法なり、あるいはそれらの励行のみで私はなかなか防げない問題ではないかと思いますので、率直に申し上げて、これは許可制なり現在の運用と関連しまして、もう少しこの問題は掘り下げて考えていかなければならぬと、こういうふうに思っております。
○河野謙三君 そうすると、海難は、数字はいただきませんけれども、必ずしも減っていない、むしろふえている場合があると、そういう場合に、今御指摘のようないろいろな原因もあるようですが、これに対して、たとえば今の四十トン未満というこの線が妥当であるかないかという研究もされなければいかぬでしょうし、また一面気象庁なり、海上保安庁等の関係のこれに対する対策もあると思いますが、こういうものが実はちっとも予算にも出て参りませんし、また他の省の予算については、何か特別に、あなたの方の所管ではないけれども、海上保安庁なり気象庁の方で、本年度においてどういう対策をとるかというようなことがあれば、お聞かせ願いたいのですが、いずれにしてもこれは放置しておくべき問題じゃないと思いますがね。
○政府委員(西村健次郎君) 一つは実は、航路標識、灯台その他、これは海上保安庁の所管でございます。本年度はたしか海上保安庁の所管で今額は承知しておりませんが、予算は充実したはずでございます。なお一つは、これは郵政省の方に計上されたと思いますが、漁船に対する無電の通信施設の拡充、今聞きましたら、郵政省で要求しておりましたが、これは今度は予算では成立しなかったそうであります。これは私の方でもそういう予算を要求してしかるべきはずでございまして、そういうことを所管にかかわらず、すべて漁船の安全に貢献するものについては、私どもとしても所管官庁にできるだけお願いしてやって参っておりますし、今後もやって参りたいと思っております。
○委員長(藤野繁雄君) 他に御発言もなければ、水産庁関係についてはこの程度にいたします。 以上をもちまして、昭和三十六年度農林関係予算の各局、各庁等よりの説明聴取を終わります。なお、河野委員要求の資料はなるべく早く御提出願います。 —————————————
○委員長(藤野繁雄君) 次に、今期国会農林省関係提出予定法律案に関する件を議題といたします。 本件について説明を求めます。なお、時間が予定をだいぶ過ぎておりますから、説明は重点的に簡単にお願いいたします。
○政府委員(昌谷孝君) お手元にお届けいたしました資料がございますが、これに基づいて簡単に御説明いたしたいと思います。 まず、表紙のところで念のために備考として書いておきましたが、このリストに集録いたしましたものは、現在農林省で提出を予定して検討中のものでございます。提出を予定しているものと、それからなお提出するかどうかはまだ最終的にきまらないが検討中のもの、そういったものを含んでおります。相当部分はまだ省内でも文書課審議その他を終えておりませんので、そういった検討の結果では、法律の件名、内容等にもある程度変更があることが予想されるわけでございます。その辺お含みの上でお聞き取りを願いたいと思います。件数にいたしますと、予算に関係いたすと思われますものが約二十件、それから予算に直接関係のございませんものが十六件というふうなことになっております。 以下内容についてと申しますか、資料の順序に従って御説明申し上げますが、農業基本法案でございます。これは、御承知のように、本国会に、今後の農政の指針、農業の進むべき道を明らかにするという趣旨で、一番重要な法案として提出を予定いたしております。それから設置法の改正でございますが、これは、御承知のように、内閣委員会の御審議の問題だろうと存じますが、そういった新しい農政を展開いたしますについての最小限度必要とする機構を整備いたしたい。ことに試験場の関係につきましては、今後の新しい農業の必要に備えまして、部門別の試験研究機関の整備等を重点に置いて参りたいと思っております。 それから中央卸売市場法の一部を改正する法律案は、御承知の通り、調査会が中間の答申をいたしておりまするので、その線に沿いまして、中央卸売市場の施設の整備、あるいは卸売人の監督の強化等を中心とし、なお今後の抜本的運営の検討につきましては、審議会を設けて検討を行なうというような趣旨の法律を出したらどうかというふうに考えております。 それから次の公庫法の改正でございますが、これは例年の政府出資の増額に伴います法律改正が主でございますが、なおこの機会に、貸付業務の拡大に伴います役員の増員等が予算にも計上されておりますので、その辺の法律改正等を中心に考えております。それから農林中央金庫法の一部を改正する法律案でございますが、これも前々から懸案でございまして、この国会に成案を得れば提出をいたしたいと考えております。 次の二件は、農業経営近代化資金融通法という実体法と、それからその融通法の近代化資金の運用をやって参ります際に必要となります信用保証の関係でございます。信用保証につきましては、在来の有畜農家創設特別措置法、あるいは改良資金助成法等にありました信用保証、あるいは債務保証の機能をあわせ、なおかつ府県等で自主的に行なっておられます信用保証の機能も吸収をはかりまして、府県別にこういった特殊の債務保証協会を作ることが系統資金の積極的な活用のために必要であろうという趣旨であります。 それから次のページに参りまして、肥料取締法の一部を改正する法律案は、葉面散布の新しい肥料が相当出回っておるわけであります。それらに関しまして、所要の規制措置を行なってはどうか、なお、規制と同時に品質の改善をはかってはどうかというような趣旨の法律であります。 それから災害補償法の一部を改正する法律案以下四つあります。これは、今回予算でも御説明いたしました農業災害補償法の改正に伴います一連の法律でございます。その災害補償法の改正で、通常災害の補償責任の末端集中でございますとかいったような任意加入制度的な要素の取り入れとか、農家単位共済方式の採用とか、そういったものを内容といたす、かなり技術的にむずかしい法律でございます。 それから次の保険事業団法は、明年度に備えまして、明年の二月から発足いたす予定の特別会計にかわるべき新しい中央の組織を規定する法律でございます。 それから共済基金法の一部改正、これは現在ございます共済基金をさらに強化いたしまして、中央におきます農業共済の基金その他共済事業の円滑を期するための法人を整備したらどうかという法律でございます。それから共済掛金標準率の改訂の特例に関する法律案は、これは御承知のように、三十六年度が現行法では料率の改訂期に当たっております。しかし、明年度からかなり抜本的な制度の改正を行ない、実施して参りますので、本年度一年のために料率改訂というのもいかがであろうかという意味で、三十六年度は、従来の料率をそのまま延長して使うという意味の特例法でございます。 次の協同組合の合併助成法、これは農協の整備強化、特に新しい農業のための基盤の整備という意味で、末端におきます農業協同組合の強化をはかりますために、小さな、経済単位としていかがかと思われますような農協の合併を助成して参る、そのための合併奨励措置、特に税法上の優遇措置を内容といたした法律であります。 次の協同組合法の一部を改正する法律は、基本法でうたっております新しい方向に即しまして、たとえば協業の促進でありますとか、あるいは農協におきます農地の信託制度の問題でありますとか、そういった一連の問題を処理するための改正であります。 愛知用水公団法の一部を改正する法律は、予算で説明いたしましたように、今回新たに、従来特別会計でやっておりました豊川用水の事業を公団事業として効率的にやって参ろうということになりましたので、それに伴いまして、従前の愛知用水公団の業務範囲、目的の拡大を内容といたしたものであります。 それから農地法の一部改正は、やはり基本法と関係をいたしまして、生産法人、農協あるいは有限会社等によります農業経営の場を、農地法上の取り扱い上の処置、あるいは農地の流動性を増すための信託制度の処置等を内容といたすものであります。 開拓融資保証法の一部改正は、例年ございます政府出資が本年度も五千万円ふえましたのに見合ったものであります。 次に、災害関係の暫定措置に関する法律は、連年災害を受けました場合の補助率などにつきまして、特例を設けるという趣旨のことを制度化してはいかがかというものであります。 果樹農業振興法は、前国会にも出ておりましたが、廃案となりましたので、この際多少在来の法律案に検討を加えまして、さらによいものにして提出したいと考えております。 それから次の家畜導入に関する法律案は、先ほどの家畜導入関係は、今後、従来の条件で近代化資金の貸付対象に統合いたしましたわけですが、その結果、有畜農家創設特別措置法で書いております府県別の家畜頭数の処理の問題とか、あるいは経営の指導の問題とか、そういった実態的な内容の問題が多少手薄になるのではなかろうか、近代化資金法だけで、あとは指導でよろしいのか、あるいは若干の法律措置を必要とするのか、その辺の検討の結果によってお願いいたすこととなると思っております。 次の畜産物の価格安定等に関する法律案、これは、畜産物事業団の設置に伴う関係の法律でございます。 家畜商法の一部を改正する法律案と申しますのは、現在の家畜商法の登録制度につきまして、多少資質の向上等を内容とした積極味のある法律に変えてはどうかという趣旨での検討の結果、お願いすることになるかもしれないと思っております。 それから家畜取引法の一部を改正する法律案は、現在あります家畜取引法の市場整備計画を、下からの自主的なものばかりでなく、もう少し積極的にやる場合に、場外取引の問題、あるいは取引方法についての弾力化の問題についての改正点を問題とするわけであります。 次の麦対策に関する特別措置法は、例の大、裸麦の作付転換に伴います今後の麦類の生産並びに管理を、合理化の方向に沿って一連の対策を講ずるわけでございますが、この場合、食糧管理法の麦に関する規定の特例を含めまして、大、裸麦の転換合理化といったような点を切り離して法律として規定したいという趣旨のものであります。 大豆の輸入自由化は、やはり例の三十億の交付金を交付して、自由化に伴う国内大豆及び菜種の保護をはかる、その関係を規制する法律であります。 国有林野特別会計法の一部を改正する法律案、これは、大蔵省の所管でございますが、在来制度的にはっきりいたしておりませんでしたこの特別会計に属します積立金の処理といたしまして、損失補償とそれからそれ以外の積極的な積立金と二本に分けまして、積極的にこの会計を一般の林業振興に寄与せしめる、それを制度的に確立いたしたいという趣旨の法律であります。 次の森林火災保険法の一部改正は、従来の火災保険に加えて、気象災害を加えるという趣旨です。特別会計法はそれに見合っての改正であります。 次の森林開発公団法の一部改正は、従来の官行造林、次の公有林野等官行造林法を廃止する法律案というのがございますが、従来特別会計が直接やっておりました官行造林をこの際打ち切りまして、今後は森林公団にもっと地元との連絡を密にして、地元の発意も取り入れて分収造林を強化していったらどうであろうかという趣旨の改正でございます。 沿岸漁業等振興法案は、先ほど予算でも説明のありました新しい生産調整と魚価安定というようなことを主たる内容とし、なお、沿岸漁業及び中小漁業の健全な発展をはかるための所要法律措置をまとめて考えたのがこの法律案であります。 それから漁業権の存続期間の特例法案、御承知のように、漁業制度調査会が漁業法について、あるいは協同組合法について抜本的な検討をしておられますが、その検討の結果が、まだ直ちに制度改正というところに間に合いませんので、準備期間を必要とするわけであります。その準備期間中に期限の来ます漁業権につきまして、当面必要な期間延長をはかるという趣旨のものであります。 それから漁業協同組合整備促進法の一部改正、これは、やはり農業協同組合でありましたのと同じ趣旨で、合併に伴う税法上の特例を中心としたものであります。 以上申し述べましたもののほか、なおこちらで検討いたしておりますものとして、次にありますように、天災融資法の貸付条件、被害対象農家の拡大等を内容としたものは、目下検討いたしております。 それから食肉取引特別措置法案と申しますのは、さきにも御説明申しました中央卸売市場法の一部改正の中で大体目的を達するのではないかと思っておりますが、食肉の取引に関して、中央卸売市場の規制によらない取引が現にございますので、そういったものをどうするかというようなことと関連をして、要否が決定される趣旨の法律案であります。 それから最後のてん菜生産振興臨時措置法の一部改正は、御承知のように三十七年三月末でこの法律の期限が来るわけで、期限延長の問題が一つございますほか、御承知のこの法律による保護助長の対象を北海道に限らず内地府県にも及ぼすべしという点についての検討でございます。その辺につきましては将来の企業化の可能性あるいは現段階の検討等とからみまして、今が時期であるかどうか、なお検討を必要とすると存じております。 それから最後に注として述べましたのは、麦対策なり大豆対策の法律が出まするが、当然と申しますか、それに関連をいたしまして大蔵委員会の方にかかります食管特別会計法の一部改正というものが必要になってくると考えております。それからやはりテンサイと同じような意味で三十七年三月三十一日に期限の参ります立法が、ここに書きましたように急傾斜地帯、湿田単作地域、海岸砂地、それから畑地農業改良等ございます。これらにつきましては、前例によりますれば、本国会で期限の問題を処理するのが通例でございます。これの取り扱いにつきまして、なお検討の結果、要すれば、法律措置を必要とするわけであります。 以上、簡単でございますが……。
○委員長(藤野繁雄君) ただいまの説明に対し、御質疑のおありの方は、順次御発言をお願いします。 御発言もなければ、本件については、この程度にいたします。 本日は、これをもって散会いたします。 午後零時十二分散会