内閣委員会 第30号
- 発言数
- 205 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/05/26
会議録
○委員長(吉江勝保君) これより内閣委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。本日、永岡光治君が辞任をされ、松本治一郎君が選任されました。 ——————————
○委員長(吉江勝保君) 防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案、以上両案を一括して議題といたします。 去る五月二十三日の上原君の両案に対する質疑終局の動議の取り扱いは、委員長に御一任願うこととして、質疑を続行いたします。 政府側出席の方は、西村防衛庁長官、加藤官房長、海原防衛局長、小幡教育局長、小野人事局長、木村経理局長、塚本装備局長、丸山調達庁長官でございます。 御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
○山本伊三郎君 それでは最初に、きょうは一松委員は出ておらぬですね。実は、この二十三日の本委員会においてああいう形になったのでございますが、本日再開されまして、この点まあ各方面の方に非常に御努力いただいて感謝いたします。あの打ち切り動議の出る前に、一松委員が、社会党の憲法論議に対して一席ぶたれた。何だかそれに関係があるやにあとで気づいたのですが、その際、社会党の自衛権に対する問題について、非常に論駁されたようなことを言われておる。しかも、防衛庁長官はそれに対して賛意を表するような答弁をされておりますが、この点を私まず最初に明らかにしておかなければいかないと思っております。一松委員がおられますればこの点は明らかになると思うのですが、明らかになるためには、一松先生の僕は出席を求めたいのですが、その際に、自衛権の考え方として正当防衛論を出して、これは社会党と自民党とは平行線であるから論議の余地がないというような発言があったと思う。われわれとしては、そういう簡単なことで考えておらないのです。なるほど一松委員は刑法の大家ですから、そういう意味から正当防衛論を出されたと思いますが、われわれはそう簡単に考えておらない。いなかにおける自民党の演説会で言う場合であればそれでいいと思いますが、少なくとも、この権威ある立法府において、しかも、当該委員会において、何だか社会党がそれに対していろいろ間違いをしておるような発言があったので、私は一松先生の論駁をいたしません。長官がそれに対して賛意を表されましたので、この点について私は質問をしたい。これは御存じですが、刑法の三十六条に正当防衛というものがある、これははっきりわれわれは理解できると思う。しかし、あの刑法の総則にある正当防衛の規定というのは前提があります。御存じのように、正当防衛といっても、これは違法行為であることは事実なんです。しかし、正当ということによって、違法行為の阻却原因によって罰せずということなんです。そういうことから考えて、前提がある。その前提とは一体何であるか、完全な正当防衛であるか、あるいは過剰防衛であるか、あるいは別な侵害行為であるかという判定をするいわゆる機関、すなわち判定機関——裁判所というものがなければそれは成立しない。それを直ちに国際間の問題の、国と国との間に正当防衛権があるかのごときことを言われておる。これを長官が賛成されておるんですが、それはいわゆる似て非なるものであることを私は主張したい。御存じのように、国際問題における正当防衛といっても、それを判定する機関が今日権威ある完備したものがない。もちろん国連はそれを求めるために努力されておることは事実なんです。現在国連でも、いわゆる安全保障理事会なり国際司法裁判所においてその機能をとるべく努力はしておるけれども、現状はそうはいかない。従って、刑法にいう個人間における正当防衛論をもって、直ちに国際間における同様な正当防衛論で、自衛権があるんだという論に対しては、私は、これは間違っておるという考えを持っておる。それに対して長官はこれに賛意を表されております。従って、その点について明らかにしてほしいのですが、しかし、私は、なおもっと顕虚な気持ちでものを言います。なるほどそうかといって、正当防衛論にあらざるけれども、似たものがあることは事実です。これが国連憲章の五十一条の、いわゆる個別的、集団的、固有の自衛権というものをうたっておるのです。一松委員も、おそらくそれをさして言ったと思いますけれども、何だかわれわれとしては理解しがたい。あたかも社会党が無理を言っているように聞こえたので、私はそれだけ言うのですが、しからば、私はこれから質問です。 現在、防衛庁が自衛隊運営の基本的な考え方として——私は憲法理論を言いませんよ、憲法論を言わない。自衛隊の運営の基礎として、国連憲章の五十一条で許されておる固有の自衛権ということで考えておるのかどうかということをまず長官にお伺いしたい。
○国務大臣(西村直己君) まず最初の議論、ちょっと申し上げておきます。先般一松委員からお話がありました自衛権の基礎づけの理論がございました。私も基本的に自衛権があることについて賛成をいたしました。その自衛権を今度自衛力で運用していく、ということについて賛意を表しました。その際の速記録をお調べになりましても、大体基本的においてということは、自衛権の存在というものを認めております。その事由づけにつきましては、いろいろと立場があろうと思います。学者としてもその意見があろうと思います。たとえば正当防衛、あるいはそれから非常に幅広く自衛権をおとりになる方もあり、いずれにせよ、自衛権かあるということは、私は一松委員と変わらない、この意味で賛意を表したのであります。 それから自衛権は何から出ているか、これは一つの国際間におけるはっきりしたものとしては、もちろん国連憲章がそれを明らかにしている面もありましょう。かりに国連憲章がなくても、私は、国際の一つの慣行を含めた国際間の政治といたしましては、各国がそれぞれ自衛権を持っているということは理解し得るのではないか、この意味で日本の憲法も自衛権を否定をしていない、こういうふうに私どもは政府として憲法の解釈をいたしておるのでありまして、一松委員のおっしゃることは、一松委員の立場におきまして、あるいはそういうお考えのもとに根拠づけられて自衛権を御主張になったのじゃないか、こういうふうに理解をいたしておるのであります。
○山本伊三郎君 それでは聞きますが、今言われた国連憲章はもちろんそれはあるが、いわゆる自衛権は固有の自衛権として判断しているのだ、いわゆるもっと具体的に言えば、戦時国際法の理念からきているのだ、こういう意味だと思う。その点どうですか。
○国務大臣(西村直己君) 私は、もちろん法律学者でありませんから、表現は十分でないかもしれませんが、その点は御了解をいただきたいのでありますが、もちろん国際法にもあるいは出ているかもしれませんが、他のよく規則にあります。はっきりした概念は国連憲章に出ております。それから戦時だからという意味ではなくて、一般の国際法なり、あるいは国際政治の概念、あるいは一般の国際法的な概念の中に、当然各国々はそれぞれ自衛権を持っていると、こういうふうに私は解釈します。それを憲法に当てはめ、憲法解釈を、政府といたしまして、憲法九条は自衛権を否定しているものではない、こういうふうにわれわれはとっているのであります。
○山本伊三郎君 この自衛権の解釈については、日本の憲法は一応差しおきます、解釈論ですから。戦時国際法理論、あるいは普通の平和的な国際法理論からいって、自衛権にはそういろいろあるわけじゃない、それを具体的に表わしているのは、国連憲章の五十一条が最も具体的に表わしていると思う。従って、それ以外に、これは憲法解釈は政府が有権的に解釈されているのだから、国際法学者であろうと、そういうことはわれわれ言っておらない、われわれしろうとなんであります。私は、国の平和を求めるために今質問しているのでありますから、政府が有権的に自衛権というものを今の憲法から導き出してあるのだ、それだから、それをどこに求めてやられておるのか、具体的には国連憲章の五十一条からきているのか、今またちょっと触れられましたけれども、国際法理論からきているのか、そういう点を聞いている。
○国務大臣(西村直己君) おそらく基本的には、私は国際政治概念から出てくるのじゃないかと思います。そうして、それを法理論的に言えば、一般国際法的な法理論、あるいはまた一つのはっきりしたものとしては、国連憲章が一つの具体的な事例になっている、こういうふうに私は解釈をいたしております。
○山本伊三郎君 私は、これについては法理論の論争はいたしません。いずれにいたしましても、いわゆる戦時国際法理論から言いましても国連憲章から言っても、今の日本の政府が解釈するような自衛権ではないのですね、これは私、自衛隊の運営でこれから質問しようということに影響があるのです。日本の自衛権の解釈は、これは間違っておれば間違っておるとおっしゃって下さい。いわゆる領土、領空、領海の侵犯に限定される、それ以上の自衛権はない、こういう解釈でいっておられると思いますが、その点はいかがですか。
○政府委員(加藤陽三君) 自衛権の根拠等につきましては、いろいろ大臣からお話がございましたけれども、やはりこれは私どもは国際慣例を含めました国際法上一般的に認められておる。もともと由来的にいえば自然法の理論にさかのぼるかもしれませんが、しかし、自衛権の存在そのものについては、私は認められておるというふうに考えていいんじゃないかと思うわけです。自衛隊の運営につきまして、しからばどういうふうに考えているかということでございますが、これはたびたびの委員会において御説明しております通り、私どもといたしましては、急迫不正の侵害があり、これを防ぐために他に手段がない場合に、必要な限度において認められる実力の行使であるというふうに考えておるわけでございます。これはその概念に従いまして自衛隊の行動も律せられる。従って、他国の領土ということは問題になりにくいと思いますけれども、領海等におきましては、必要な限度においては、自衛権の行使ということも認めらるべきであるというふうに考えております。
○山本伊三郎君 いよいよ私の質問の核心がわかってきたようですが、そこで、他国の領土に及ばない、領海、領空、まあ領土はもちろんのことですが、公海の場合はどういうお考えですか、公海の場合。
○政府委員(加藤陽三君) 今の私の言葉に誤りがございまして、領海でなしに、公海を言ったつもりでございます。
○山本伊三郎君 公海といえば、相手国のいわゆる領海は含まれておりませんですね、ちょっとそれを。
○政府委員(加藤陽三君) この点につきましては、なかなかむつかしい問題がありますることは御承知かと思います。と申しまするのは、兵器の発達によりまして、直接に公海等から攻撃を受けるおそれがあるという場合には、先ほど申し上げました自衛権の概念に基づきまして、それをたたく意味において、必要な限度の実力の行使は許されると思うわけであります。他国の領土の問題につきましては、これもまた衆議院の内閣委員会、参議院の内閣委員会でも問題になりましたが、一体、外国の基地から直接に日本に攻撃を加えられた場合に、日本は座して死滅を待つのかどうかという問題につきましては、政府としても一応の御答弁はしておるわけであります。
○山本伊三郎君 今言われた政府の答弁というのはどういう答弁ですか、もう一ぺん聞かして下さい。私は調べるのに時間的に節約のために。
○政府委員(加藤陽三君) これはたびたび答弁をしておられるのでございますが、昭和三十一年の二月二十九日の衆議院の内閣委員会におきまして、当時の船田長官の答弁はこういうことでございます。わが国に対して急迫不正の侵害が行なわれ、その侵害の手段として、わが国土に対し、誘導弾等による攻撃が行なわれた場合、座して死滅を待つべしというのが憲法の趣旨とするところだというふうにはどうしても考えられないと思う。そういう場合にはそのような攻撃を防ぐのに、万やむを得ない必要最小限度の措置をとること、たとえば誘導弾等による攻撃を防禦するのに、他に手段がないと認められる限り、誘導弾等の基地をたたくことは、法理的には自衛の範囲に含まれ、可能であるというべきものと思う。こういうことでございます。
○山本伊三郎君 そこで、だんだん明らかになってきたと思いますが、政府は、ずっと長い歴史の過程で、警察予備隊からずっと自衛隊に変わるたびに、いろいろと考え方、答弁が変わってきておるのです。私は現在の自衛権を容認する立場の人からいえば、これは当然だと思う。武器の変遷その他からいえば、そうしなければ自衛権というものは、最初はもう私の言ったように、領海、領土、領空を侵犯したものに対しては、これを撃滅、要激してわが国を守るという精神から出ておった、それがだんだんとミサイルその他の発達によって今言われたような形に変わってくるんです。従って、自衛権の本質的なものは、政府が今まで解釈しておったものでは自衛権ではないんです。国際法からいっても、あるいは国連憲章の五十一条からいっても、そういうものを規定しておらない。国連加盟の各国において日本のような解釈をしておる国がどこにあるかということを、それを一応答弁願いたい。日本のような、今言われた相当拡大された——相手方の基地が相手方の領土の中にあったところであっても、それをたたくことができるんだという解釈をかりに是認されても、その範囲だけのものの解釈をしておる国がどこにありますか、一ぺん聞かして下さい。
○政府委員(加藤陽三君) ただいまこの点に対するお答えをする用意をしておりません。よく外務省の方とも聞き合わせましてお答えをいたしたいと思います。
○山本伊三郎君 それはすぐ聞き合わせて下さい。私の調べた範囲においては、そういう自衛権をきわめて狭く解釈をしておるのは日本の政府だけで、自衛権というのは、今言われたもっと大きな解釈をしておる。そうでなければ——私はきょう実は制服の統合幕僚会議の議長に来ていただきたいという要請をしたんですが、これは来るのには相当問題があるというので、来られないようですが、実際もし領海、領空、あるいはその領土を侵犯したもののみを相手にして日本の国を守ろうと思えば、相手国の三倍の力を持った軍事力でも防ぎ切れない。軍事専門家の話を聞くと、相手の基地、いわゆるもう一つ大きく言えば、相手の軍事関係のすべてを破壊するだけの力を持たなければほんとうに守れない、自衛権というものは完全に守れないという大体の通説なんですが、この点については、いわゆる制服の方はおられませんが、長官は総指揮の方ですから、その点の見解を聞かしていただきたい。
○国務大臣(西村直己君) 自衛というものは、自衛権といいますか、自衛を概念的に申しますれば、今おっしゃるような概念も入って参りましょう。しかし、またそれをさらに別の角度から見ますれば、たといアメリカであろうとソ連であろうと、自分の自主自衛は困難である、そこに私は集団安全保障体制というものが、今日自由圏、共産圏を通じて置かれているゆえんではないかと思います。従って、わが国としましても、憲法上許された自衛というのは、自国、言いかえれば領空、領海、あるいは領土を守る。ただそれに付随をして、最小必要限度の公海上における、たとえばわが国の領土の延長である船団護衛をやるとか、あるいは近接したる公海からわが国に攻撃があった場合、必要最小限度の抵抗をする、こういうことは私は当然今の自衛の範囲内に入ってくると思うのであります。それから、従来政府が答弁をいたしましたのも、それじゃ敵基地からとにかく突然攻撃を受けた、他に防禦する手段もないという日本の場合においてはほうっておくのか、座して待つことは法理論上からはできないであろうから、そこでもってそういうことに対しても、最小限度の抵抗はしなければならない。言いかえますれば、かつて言われたように、自衛のために先制攻撃をかけるというような概念は、われわれ全然現在日本の自衛権にはとっておりませんし、もちろん主任務は領土、領空、領海、こういうことに限定されますが、たまたま多少公海においても一応考えられる場合がある。それから御設例のようなことは、万々ないと私は思っております。しかし、敵の基地から突然攻撃を受けた場合に、しかも、他に防禦の手段がない、それは自衛権そのものを否定するという段階においては、法理的には、基地に対しても抵抗しなければそれがやまないというようなこともあり得るんじゃないか、こういうのが従来の政府の解釈であります。
○山本伊三郎君 政府の従来の解釈は大体私も知っておるんですが、時代の推移に従って、いわゆる戦争時における様相というものは変わってくるんですね。私は憲法論議で言うんだったらこういうことは言わない。自衛隊の運営の上から今言っておるんですが、その場合に、今その敵の航空基地、爆撃基地はたたくこともこれはやむを得ないという解釈まで発展したということなんですよ、前からいうと。そうすると、敵の爆撃基地、これをつぶしても、今の戦争の様相からいって、一つや二つや三つじゃない。しかも、その基地をつぶすということよりも、その戦いの原動力を押えなければ実は安全を守れないのがわれわれしろうとの考える要撃作戦の結論じゃないかと思うんですね。そうすると自衛権の解釈が、今はミサイルなんかを撃つ基地をたたくんだ、これは飛行機で向こうをたたくのか、あるいはミサイルでたたくのか、これは別として、たたくんだ、今度は向こうの領土にまで派兵をして、そうしてそこを確保しなければ、ただ飛んでくるものを待っておってはいけないんですから、そういうところまで発展するんじゃないかと思うんですが、その点どうですか。
○国務大臣(西村直己君) 法理論よりは、むしろ実際の運用論であります、御質問も。運用論を土台にいたしますと、従ってわが国はあくまでも国土の自衛、そうすると自衛が十分できない場合です。たとえば御設例のような部分に入って参りますと、これは集団安全保障体制による他国の抑制力、時と場合によってはその戦闘力に依存していかなければならぬ、これがわれわれの自衛に対する考え方でございまして、あくまでも今の御設問のような部分は、運用上としては他の集団安全保障体制の力によるところの抑制力、時と場合によってはそれが万やむを得ず戦闘力に変わる場合があるでありましょうが、それに依存をして参る、運用上はそういうふうにわれわれはやっておるわけであります。
○山本伊三郎君 だんだんとまあ問題が発展していきますが、この集団防衛、これはいわゆる他国に依存する考え方ですね。それがために新日米安保条約が締結された、具体的にいうと。私の方からいうと、そういう場合はアメリカの力にすがってまあそういうところはやるんだと、こういう趣旨ですか、具体的に。
○国務大臣(西村直己君) もちろん日米安全保障体制、あるいは安全保障条約の趣旨は、そういう趣旨で締結されておるわけであります。日本の戦争そのものを、直接というよりは、戦争の抑止として、日本の平和、あるいは極東の安全というような表現のもとにその趣旨が現われておるわけであります。従って、共同で日本あるいは極東の安全を守る、こういうことになっております。
○山本伊三郎君 あの日米新安保条約を見ると、第五条から類推されると、なるほど外国に対して、いわゆる敵国に対してはアメリカが分担するんだと、こう一がいに役割分担を言われますけれども、あの協同作戦からいくと、まあ主たる任務はそうあっても、やはり日本も、これはもうアメリカだけやってくれというわけにいかないと思う。その場合はどうなんですか。やはり日本の飛行機でない、日本の飛行機でないが、あるいはアメリカの飛行機なり潜水艦なり、あるいは軍艦に日本の兵が乗って協同の作戦に応じなくちゃならぬと、こういうことになると思うんですが、この点どうですか。
○国務大臣(西村直己君) 第五条は、御存じの通り、「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が」と、こうなっております。その場合において自国の平和及び安全を危うくすることを認め、それに憲法上の手続あるいは規定に従って、こういうふうにしぼられております。従って、日本は海外に出ていくわけではないし、従って、アメリカはアメリカなりの一つの作戦の司令部を持って、自力で万一これが発動される場合には動くでありましょう。言いかえれば、アメリカの飛行機に日本の兵隊が乗るということは、一応今は考えていないわけであります。アメリカはアメリカなりで、この趣旨に従って行動する、日本は日本の自衛隊の趣旨に従って、憲法その他の手続に従ってと書いてあります。趣旨に従って行動する、こういうことであります。
○山本伊三郎君 そうすると、私、時間がたつたびにいろいろ解釈上変わってくる。解釈上というか、その自衛権の解釈から、ひいては自衛隊の運営にいろいろと変わってくるような気がしてしようがないのです。これははっきり言えますね。今の日米新安保条約は、今言われた日本の施政権の及ぶ範囲に対して武力攻撃を受けたということは、私が冒頭に申し上げました領土、領空、領海を意味しておるかということを最初に言っている。それに限定されますね。
○国務大臣(西村直己君) この安保条約も「領域」と書いてあるのはそうだと思います。ただし、国の自衛権の、じゃ日本の近接した公海において日本の船が沈められても、それを漫然と見過ごすか、これはやはり領土の延長であります。自衛をしなければなりません。こういうことは当然だと私は思うのであります。安保条約以前の問題でございます、自衛権は。
○山本伊三郎君 私は、安保条約が現在政府がとる自衛隊運営の限界だということで質問しておる。それを西村長官は、そういうものも固有の自衛権としてやれるのだということは、何らかそこにはっきりしたものがないので、少なくとも、今の日米新安保条約が十年間の効果がある以上は、その条約の有効期間は、これによって自衛隊を現実に運営するのだ、条約が変われば別ですよ。それを私尋ねておる。その点どうなんです。
○政府委員(加藤陽三君) 日米安保条約の発動の要件といたしましては、第五条に書いてあります通りです。わが国の領域に対する武力攻撃のあった場合に発動する。その後のことは安保条約そのものの中には具体的にはないわけであります。私どもといたしましては、自衛隊の運営に対しましては、これも前々から申し上げておるところでございますが、それぞれの部隊に対しまして任務を与えております。陸上自衛隊に対しましては、上着陸という侵略の形があった場合に、これに対してこれを防ぐと同時に、国内の治安維持にも協力をするのだという任務を陸上自衛隊には与えておるわけです。海上自衛隊に対しましては、まず海峡、港湾の防備、それから哨戒でございますね、日本の領域の近くに侵略するようなものがあるような場合に、これを哨戒するということ、それから機雷の掃海、それから内港と申しますか、日本の国土内における海上輸送及び外国からの海上輸送の護衛というようなことを海上自衛隊の任務としては与えております。航空自衛隊に対しましては、わが領空に対する侵略を防ぐという任務を与えて、こういう方針で自衛隊の整備をしてきておるわけでございます。
○山本伊三郎君 今、加藤官房長が言われたのは、平時における任務として分担されておることですか、あるいはこの防衛出動、いわゆる日本の領土あるいは領空の侵害、武力の侵害があった場合における任務ですか。
○政府委員(加藤陽三君) 今申し上げましたことは、いずれも有事の場合でございます。で、それに備えて平時から装備をし、訓練をしておるということでございます。
○山本伊三郎君 私しつこく聞くというのは、そういうあなたの言葉でいうと有事、有事という場合には、平静な、冷静な状態というものは変わってくるのですね。長官はきわめて冷静な人ですから、どうあってもそういうことはないと思うのですが、やはり国民の世論、感情も変わってくる。そういう場合には、そのはっきりした限界というものがなければ、不測の逆の災いがあるから私ははっきり言っておるのですが、従って、今まで国会で答弁された一番広いやつは、先ほど言われたように、敵国の——まあ敵国ということは今どうかと思いますが、一応敵国の航空基地からミサイル、誘導弾等で日本を攻撃した場合には、その基地をたたくことができる、こういう範囲を出ないのですね。日本兵が、陸上自衛隊の、あるいは海上自衛隊でもいいですが、向こうのそういう基地まで上陸するというか、そこまで行くという解釈は全然しておられないのですね。
○国務大臣(西村直己君) 有事の際の御心配はごもっともでございますが、私どもとしてははっきりいたしております。憲法の法理論としては、敵基地を万やむを得ない場合にたたくということは出てくる、自衛権そのものを証明されますから。ただ、実際の運用としてのお話でありますから申し上げますが、それは領空、領域の侵犯があった場合に、日米共同の指導があるわけであります。その場合でも、根本において指揮系統は、日本のものは日本で、それからアメリカのものはアメリカの方でという考え方になっております。従って、日本のいわゆる自衛隊員がアメリカの艦船に乗って、あるいはその他に乗って基地をたたいていくという形は、もちろん海外派兵の概念に抵触しますから、ない。いま一つは、共同防衛と申しますか、集団安全保障体制に入っていくことも、実はそういう意味から、わが国が座して備えなければならないような状態のときに、他に方法がなければ別ですが、他に方法というのがそこにできておる。すなわち、集団安全保障体制というのを結んで、それを平時には抑制力、いざという、わが国の自衛が破れるという状態には戦闘力となって現われることを期待し、また、その意味で安全保障条約というものを結んでいる趣旨であります。
○山本伊三郎君 将来いろいろと変還していくと思いますが、いろいろ極東の情勢も、必ずしも波静かだとは言えないのですね。今、長官がそういうことを言われますが、いわゆるそういうときになると、憲法の解釈がこうだからということで、私は、再びまた日本の自衛隊が、自衛隊員が、いわゆる他国の要請によってそういうところに派遣されていくのじゃないかという、実はきわめて不安がある。それを今長官が、憲法ではそういうことを許されておると言うが、私は、憲法に許されておる解釈というのは、先ほどの、その当時の船田防衛庁長官ですかが言ったその範囲のものだと理解しているのですが、今、長官の言われているのは、相手国へ上陸もできるのだという憲法の解釈だというのですか、その点はっきり一つ。
○国務大臣(西村直己君) これは誤解があってはいけませんので、もう一度申し上げますが、私自身の論旨は、船田長官の答弁と同じとお受け取りいただきたい。理論上、どうしてもわが国の自衛権そのものが抹殺されるのに、じっとそれじゃおまえは死ぬのかということは、理論上はあり得ない。しかし、実際上の運営は、そういうことはもちろんわれわれは考えておりませんし、平時の自衛力の増強のもとにおきましても、そういう力のある攻撃武器をわが自衛隊が備えようとはしていないのであります。言いかえれば、中距離、長距離の弾道弾ミサイルを備えつけようといたしておりません。先生の御承知の通り、有事の際、あるいは有事が近づく段階においてこそ、現在のほんとうの意味のシヴィル・コントロールがしっかり立たなければならない。これは憲法の問題以上に、政治の問題だと思います。政治の姿勢が十分慎重に、かつ冷静に、しかも、国民全体のしあわせ、平和のためにどう動かすかという政治の問題になってくるのじゃないか、単に法理論以上の問題のような受け取り方をいたしておるのであります。
○山本伊三郎君 まだ実はあいまいなことがあるのですが、私は冒頭、若干一松委員の話を引いて言ったんですが、固有の自衛権ということから解釈すると、これは今言った相手の基地だけをたたくという限定的な解釈は実は出てこない。ただ日本の憲法があるということから、いわゆる現に国際法からいう自衛権というものを限定して政府が言っておるということ以外にとられない。そういうことは日本の政府が考えておるが、これは国際的な問題ですから、外国の方ではそういうことをどこの国でも侵略といわない。自衛軍なり国防軍ということなら、国を守る軍隊であることはもちろんなんですよ。ところが、自衛権とか国防権とかいうけれども、現実の自衛権というものは、そういう限定されたものでは世界各国は考えておらない。ただ、日本憲法がああいう生成過程でできたものだから、それを解釈するから、そこで限定しようということになるのです。先ほど私が、諸外国でそういう限定的な解釈をしているその諸外国の憲法なり法律なり、実際やっているところがありましたらと言ったのですが、わかりましたか。
○政府委員(加藤陽三君) この点、先ほど申し上げました通り、ただいま答弁する用意がございませんけれども、おそらく各国の憲法でも、国の防衛とか自衛ということを書いておると思います。おっしゃる意味は、防衛とか自衛とかいうことは、どの程度までのことを考えておるのかということだろうと思います。これはやはり各国政府におきまして、議会等の答弁等を見ませんと、憲法とか法規そのものには私は出ておらないのじゃないかというふうに思います。それぞれ各国の憲法の規定に従い、それぞれの国情に応じまして、国の置かれている地位、状況ということから具体的な問題となっては考えてくるのじゃないか。法律その他の形におきましては、抽象的な規定じゃないかというふうに思います。
○山本伊三郎君 加藤さん、それは私はそれ以上追及はいたしませんが、自衛権ということでいろいろと問題になっていますが、実際問題ですよ。これは歴史を問わず、自衛権という言葉は、自分を守るということになっておるのですよ。自分を守るということは、部屋の中に入ってきたハエをたたき落としても、そのハエの巣を全然無関心におっては、これはもう絶えないのです。これは固有的な自衛権の概念というものははっきりしているのですね。これは皆さん方が、日本の憲法がああいう憲法だから、それを限定して解釈しておるにすぎないと私は考えておる。だからそれでよろしい。よろしいのだが、それ以上拡張するということは、今の憲法がある以上は、絶対やりませんね。これだけを聞いておきます。
○国務大臣(西村直己君) 私どもは運用上から考えましても、今御存じの通り、自衛隊が、実際問題として海外に派兵するそれだけの能力もありません。これはもうはっきりおわかりになっていると思います。また、他国の基地をたたくだけの攻撃武器を持っているわけでもありません。これは運用上の問題であります。また、今後も、われわれは他国を制約するような意味の武器を備えようという考えはないわけであります。あくまでも事柄は自衛でございます。ことにこの自衛という言葉は、とり方によっては、確かに他国を滅ぼしても自分の国を守るというエゴイスティックな考え方まで拡張すれば、これは自衛という言葉も言えましょう。あるいはまた、わが国のように海外に派兵しない、確かに設例のように、これはハエが室内に入ってくれば追わなければなりませんが、隣の家まで出て行って、ハエの発生する巣の部分までたたくだけの能力まではないし、われわれはそこまでの考えはないということであります。
○山本伊三郎君 きわめて常識的に答弁されますが、私の質問の要旨はわからないですか。僕は、その点を答弁でうまくのがれておられるかどうか知りませんが、この自衛の概念というものは、これは昔から正当な戦争という表現できておるのですよ。その場合には侵害が持続的であること、戦争が損害回復のための唯一の手段であること、外国の違法によって生ずる損害が、戦争のもたらす損害よりも大と判断するときというときには、この場合には正当な戦争として自衛権は認められておる。その場合の自衛権というのは、今言われた領海、領土、領空を少し拡大されておりますが、相手国のそういう誘導弾基地をたたくということには限定をされておらない。そこで私は冒頭に、国連の五十一条のそれによってやられているのかどうかということから出発したのですけれども、その点があいまいでならないので、私はそういう論争をしておっても、これはもう法理学者の論争ではないから、私は先ほど質問したように、その点をずばり答えてもらったらいい。日本の憲法が現在存在する以上は、先ほど言われた敵基地、日本の侵害を継続的にやる基地をたたくというこの限度以上にはゆけないのだ、こういうことを言えるかどうか。何か回りくどいことを言われたが、ゆけるならゆける、そういう点それだけはっきりして下さい。
○国務大臣(西村直己君) 船田長官時代から政府が一貫して答弁しておりますのも、だから他に方法がない、そうして座して死を待つということまでいくならば、自衛権そのものを自分で否定するのではないか。だからその限度においては、理論的には敵基地をたたく理論は出てくるけれども、運用の問題として、政治の問題として、憲法論は別としてお聞きになる以上は、われわれは現在の自衛隊にはそういう能力をつけるつもりもないし、現在その能力もないし、従って、万一そういうような場合が起こったときには、集団安全保障体制によるところの抑制力なり戦闘力で補って参る、こういう御説明を申し上げたのであります。
○山本伊三郎君 ちょっと長官、私は、敵国のミサイル基地とか、そういうものをたたく解釈がいいとか悪いとかは言っていないのです。今聞いていると、そういうことも今の能力ではやれない、能力が出てくるとそれをやるのだと、こういうことになるのですね、能力が出てきたらこれはやるのだと。そこで、私が言っているのは、どういう能力が日本の自衛隊にできても、最高限度の自衛権の範囲というのは、かつて船田氏が言われた、敵のいわゆる航空基地はたたくことができるが、それ以上には発展しないのかどうかということを私は聞いているのです。その点が理解できないのです。
○国務大臣(西村直己君) 私どもは、ですから憲法の解釈と、それから実際の政治方針、言いかえれば運用、これを分けて御説明しているわけです。憲法の解釈として、とことんまでそれでは他の基地をも全然たたけないというのじゃないので、座して死するような、自衛権そのものを否定するような、万やむを得ない場合には、理論的にはそういうことは憲法上不可能ではないのであります、自衛権というものを認める以上は。しかし、われわれとしては、かりにそういう理論を追い詰めていってやったにしても、実際の政治として、他国に脅威をすでに与えるような武器そのものは、現在自衛隊は攻撃的脅威を与えるようなものを持たないし、また、そういう運用もしません。その足りない部分は、主として安全保障体制でいく、こういう方針をとっているのです。
○山本伊三郎君 後段のあなたの言われることはそれはわかるのです。しかし、私の言っているのは皆様方が、政府が考える最高限度の自衛権というものはどの範囲かということを一応聞きたいのです。今のところは船田氏が言ったところが一番広いのです。どこが一番広いかということを聞いているのです。
○国務大臣(西村直己君) それは先ほどから申し上げているように、当時の船田長官が答弁された通りであります。また、私が繰り返して申し上げるのが限度だと思います。
○山本伊三郎君 これは池田総理がおられないが、自民党の委員の諸君もおられますが、これはこの範囲は現在現在でなしに、これが憲法の解釈であると、こういう断定をしていいのですね。
○国務大臣(西村直己君) それはその通りであります。
○山本伊三郎君 その問題は憲法論争をやるわけではなかったので、それだけ明らかにされれば、きょうは一応その問題は終わります。 それでは次に、その上に立って、今度の自衛隊法の改正の内容から、今の問題について関連をして質問をしてみたいと思います。陸上、航空については、この前に伊藤委員から詳細にミサイル問題について触れましたが、私は、海上自衛隊、あるいは陸上自衛隊について一つ質問したい。今度のこの改正の内容を見ますると、自衛艦隊の中で、護衛艦隊が一つですか、ふえておるのですが、その内容はどういう形にふえておるのか。たとえば第一護衛隊群、第二護衛隊群、第三護衛隊群、それの内容と任務を一つお聞かせ願いたい。
○政府委員(海原治君) 今、先生のおっしゃいましたように、護衛艦隊の一隊がふえております。これは第一次防衛力整備計画に基づきまして、古い船の代艦を逐次建造して参ってきておるわけであります。これらが進行いたしますに伴いまして、かつ乗員の教育訓練養成というものの進度が進むにつれまして、新しく一つの群を編成することが可能となりますために、新しく護衛隊群を作ったわけでございます。御参考までに申し上げますと、護衛艦隊で編成しております第一護衛隊群は、これは私どもDDと言っておりますが、いわゆる昔の駆逐艦級であります。 それから第二護衛隊群はやはりDDを六隻と、やや軽い駆逐艦程度を三隻、第三護衛隊群はアメリカから借りておりますいわゆるPFと申しますのが五隻及びDD級の駆逐艦二隻、こういうことで編成いたしております。新たにできましたのは、先ほど申し上げましたように、船ができて参りましたのと乗員教育訓練の進度が進みましたので、こういう編成が可能になったということがその理由でございます。
○山本伊三郎君 この護衛隊群の第一から第三、その他直轄部隊とあるのですが、この配置状況はどうなっておりますか、地域的な、海域的な配置は。
○政府委員(海原治君) ちょっと御質問に対するお伺いになりますが、直轄部隊と申しますと、そのほかにも航空部隊あるいは掃海隊群、それから個々の艦等もございますが、こういうことも一々申し上げましょうか。
○山本伊三郎君 一括して。
○政府委員(海原治君) 護衛隊群につきましては、今度の改正案によりまして、自衛艦隊を自衛艦隊司令部、それから船を集めました護衛艦隊、それから航空機を集めました航空集団、それからその他の直轄部隊、大別いたしまして四つのグループにいたします。自衛艦隊司令部は司令部でございますが、護衛艦隊の編成は、先ほど申し上げました三つの隊群のほかに、個艦として「てるづき」を編成に加えます。それから航空集団と申しますのは、現在鹿屋、八戸、館山等にございます航空機の部隊を再編成いたしまして、航空集団の司令部としましては、鹿屋に航空集団司令部を置きます。そのほかに、いわゆる実用機部隊としまして、第一航空群を鹿屋に、第二航空群を八戸に、第三航空軍を徳島に、第二十一航空群を館山に編成いたします。 それ以外の直轄部隊といたしましては、掃海隊群が一つと、それから「あかつき」、「おやしお」といいます単艦を自衛艦隊の中に編成いたします。 それ以外につきましては、従来からございました地方隊、これは横須賀、舞鶴、大湊、佐世保、呉、この五つの地方隊が現状通りで存在いたします。このほかに、従来航空隊の教育というものをそれぞれ分轄しておりましたのを、教育航空集団という一つのグループにまとめました。その司令部は岩国、その司令部の配下にありますものといたしまして、鹿屋に鹿屋教育航空隊、岩国に岩国教育航空隊、その他の直轄部隊といたしまして、徳島及び館山に第四、第六の教育航空隊というものを予定いたしております。さらに練習艦隊といたしまして、練習艦隊の司令部、第一練習隊、第二練習隊、その他の直轄部隊といたしまして、「けやき」という船、こういうものを持つことにいたしております。右のほかに、長官が直轄いたします部隊といたしまして、第五哨戒隊群等がございます。そのほかには、従来からございました学校、病院、こういうものでもって海上自衛隊の部隊の編成を、今度の法案が通りましたら実施いたしたいと、このように考えておる次第でございます。
○山本伊三郎君 今言われましたので、大体配置はわかったのですが、具体的に聞いていきますが、第一護衛隊群というのは、どういう防衛時における使命を帯びておるのですか。
○政府委員(海原治君) これは先生も御存じのことと思いますが、護衛艦隊というものは、一応三つの護衛隊群で編成いたしますが、先ほどからお話の出ておりましたような、いわゆる有事の場合の行動編成ということになりますと、それはそのときの状況に応じまして、それぞれ現在の一、二・三のグループごとに使う場合もございますし、あるいはその第一と第二の一部くらいを合わせて臨時の部隊を作ることもございましょうし、これは必ずこういう方向で編成をしていくのだというふうには限定できないというふうに御了解願いたいと思うのです。ただ基本的には、あくまで第一、第二、第三の護衛隊群というものの編成をなるべく——編成と申しますか、建前、編成をくずさないで運用していく、こういうふうに考えております。
○山本伊三郎君 私の聞いているのは、それも一つの中に入るのですが、有事の場合に、海上自衛隊といえども、ただ単に遊よくしておるだけじゃないと思うのですね、日ごろの練習からいっても。どういうものを想定してこの護衛隊群がやっておるのか。その性能、それから有事における使命はどういうものをもって考えておるのか。これはいろいろ国際上の問題があるからはっきり言えないのか理解できないのか知らぬが、どういうものを仮想して訓練し、有事のときにやろうとしておる使命を持っておるのか。
○政府委員(海原治君) ただいまの点は、先ほど官房長からお答えいたしましたと同じことでございますけれども、有事の場合に、わが国四つの島を守っていきますためのいわゆる内航の護衛、それから有事の必要でもございますが、外航護衛ということにつきまして、主としてDD、DEの駆逐艦というものが当たるわけでございます。その場合、何に対して護衛するかということになりますと、これはもちろん水上から他の船による攻撃ということも考えられますけれども、潜水艦による攻撃というものが非常に防ぐのに困難でございますし、あらゆるわが方に対する攻撃の可能性というものを考えましていろいろ平時の訓練をいたしておる、こういうことでございます。
○山本伊三郎君 それ以上追及するのは無理かと思うのですが、まあ自衛隊の存否は別として、相当の国費を出してやっておるのですね。相当有効適切にわが国を守ろうという考え方で皆さんおると思う。しかし、私も実は二、三の所を視察いたしました。私としては非常に不安な点があり、不安というよりも、こういうものを持つことによって、かえって餌を釣っておりがないような気がするのです。この表現が当たっておるかどうか知りませんけれども、従って、私はもっと追及したいのですが、主としてどの方面にこれが目標を置いて配置訓練されておるか、これはもうこれだけで皆さんから言うと十分でないことははっきりしておると思うのです。これをどういう方向に考えておるかということを実は聞きたいのです。演習をする場合にも、ただ遊よくして向こうの軍艦がくるのを待っておるということじゃないと思う。やはり仮想的なものがあると思うのです。そういう場合に、北方であるか南方であるか、そういうところをどう考えられて訓練されておるか、こういう点をちょっと聞きたい。
○政府委員(海原治君) この点も先ほど官房長からお答えいたしましたが……。
○山本伊三郎君 官房長は答えていないよ。
○政府委員(海原治君) 港湾防備、主要な海峡の防備ということも、当然に有事の際の護衛艦隊の任務になって参るわけであります。従来の海上警備隊の編成以来の訓練を見ましても、あるいは宗谷、津軽海峡あたりで演習をいたしております。あるいはまた対馬海峡でやったり、さらに土佐沖で演習いたしましたり、艦隊の練度と申しますか、これの進捗状況と見合いまして、毎年教育訓練計画を策定いたしまして、適当な訓練を実施いたしております。従いまして、主としてどこで訓練しておるということでございません。繰り返すようで恐縮ですが、日本のこの四つの島の防衛のために必要な地点、海面を選びまして所要の訓練を実施しておる、これが現実の姿でございます。
○山本伊三郎君 防衛局長では、私としては答弁はでき得ると思うのだが、無理だとは思う点もあると思うのです。それじゃ逆に聞きますが、先ほどちょっと言われましたが、第一護衛隊群と、それから第三その他を合わせて、艦数と総トン数はどのくらいあるのですか。
○政府委員(海原治君) トン数の方は、今計算いたしますが、護衛艦隊は、現在の予定いたしております編成になりますと、総隻数二十七隻、内訳を申しますと、DD一七隻、DE五隻、PF五隻、こういう予定に相なるわけであります。トン数の方は、今ちょっと計算いたしましてお答えさせていただきますが、ちょっと護衛艦隊だけのは急に計算いたしますから……。
○山本伊三郎君 全部でいいです。
○政府委員(海原治君) 全部でございますと、いわゆる護衛艦艇ということで備えております艦艇が、保有艦艇の隻数で申しますと四十四隻、その総トン数が七万三百八十トンほどでございます。これは三十六年度末でございます。そのうち就役いたしますものが四十一隻、六万四千八百六十トン、これがもし私の記憶が正しければ、七割程度護衛艦隊になると思いますけれども、これは今計算いたさせております。
○山本伊三郎君 航空集団について、第一から第四と、四つあるのですが、これについて機数と、それから、おそらく戦闘機が中心だと思うのですが、その機種についてちょっとお答え願いたい。
○政府委員(海原治君) 航空自衛隊に所属しております航空機は、対潜哨戒機というもので分類されますものがおもでございます。従いまして、先生がおっしゃいました攻撃機という分類ではございません。逐一申し上げますと、三十六年度末におきまして、第一航空群は定員千六百一名をもちまして、P2V十八機、S55ヘリコプター、これが二機。第二航空群につきましては、定員千八百一名をもちまして、P2V十六機、S2F二十機、TBM四機、T34連絡機一機、S55二機と、こういうことでございます。第三航空群は、定員千三百六十四名をもちまして、S2F三十二機、KAL一機、S55二機。第二十一航空群が定員五百八十名でございますが、これがヘリコプター十二機という編成でございます。なお、P2V、これは大型の対潜哨戒機でございます。S2Fは小型の対潜哨戒機、以上でございます。 第一航空群は、先ほど申しましたように、鹿屋、第二航空群は八戸、第三航空群が徳島、第二十一航空群が館山、こういうことで考えております。
○山本伊三郎君 大体海上自衛隊の現況がわかったんですが、実はこれは防衛庁も計画されておるやに新聞に出ておりますが、どうしても日本の国土を守るために潜水艦対策が必要であるということ、ヘリコプター母艦というものが問題になっておったのですが、大蔵省がきかないと言っている、しかも、その効果効能というものも非常に疑問があるということでやめられたようです。その真相を、これは第二次防衛計画には除外されたようでございますが、この点のいきさつを一つ聞かしていただきたい。
○国務大臣(西村直己君) 第二次防衛力整備計画は、まだ庁として正式には決定いたしていない段階でございますが、できるだけすみやかに庁の意見を決定いたしたいと思いますが、一応の段階的な経過として、特にCVHと申しますか、ヘリ空母の御質問がございましたが、率直に申し上げますが、ヘリ空母自体は、私どもの考えでは必ずしも欠点はない、なお、対潜哨戒としてヘリコプターによるところの捜索でございますか、哨戒と申しますか、これは相当な効果もあるわけでございます。それなりに、しかし、それじゃといってこれを一群で持っていて絶対いいかというと、むしろ一群以上あった方が安全度が高いことは事実でございます。しかし、それ以上に、問題は、今の御質問中にもありましたように、海上自衛隊の実勢力は、フリゲート艦、その他アメリカから供与を受けたものが多いので、むしろわれわれとしては代艦建造という問題に大きくぶつかっております。これも相当な財政負担を必要とすると思います。また、かたわら潜水艦が非常に数が少ないことは御存じの通りでございます。これも海上警備の必要上、ある程度必要になって参ります。これらを考え合わせまして、P2Vが、戦略上と申しますか、戦術上と申しますか、運用上むしろ害があるとか、あるいは能力がないという面よりは、それらを合わせまして——それらを合わせましてということは、代艦建造等とにらみ合わせて、いずれを先にすべきかというような観点から、われわれとしてはいずれを先にすべきかということになりますと、やはりこれは国家全体の長期にわたる財政負担というようなものも考えつつ検討を加えて参りたい。従って、まだこれを捨るとかやめるとかいうことは考えておりません。と同時に、それじゃ絶対にこれはやるのか、こういう場合におきまして、全体の財政能力等も見合わせて、時と場合によれば、五年の後年度において取り上げるとか、いろいろな方法を考えてやって参りたいというのが現状でございます。
○山本伊三郎君 実は、防衛庁関係の増強計画はいろいろ言われているのです。しかし、今言われたように、財政負担というものはきわめて大きいものになると思うのです。私は、きょうは航空自衛隊には触れないのですが、今後の、防衛庁の考える、あるいは政府の考える防衛計画というものは、空に重点を置かれていると思うのです。莫大な費用がかかってくると思うのです。しかも、今日の世界の軍事情勢から見ると、あれの百分の一に相当するものを持とうとしても、相当財政負担だと思う。それを逆に言いかえると、今日の防衛庁が持っている現有勢力というものは、今の世界の情勢、軍事上の情勢から言うと、ほとんどもう能力がない、自衛の能力がない。これはいわゆる他国の侵略に対してのことを私は言っているのですが、そういう考えに——私だけではなくて、一般もそう考えているのですが、その点防衛当局としてはどう考えているか。
○国務大臣(西村直己君) 私、自分がその職責の責に当たっているからではございませんで、客観的に見ましても、私は、日本の自衛隊は自衛隊なりの現状のもとにおいては、自衛力はある程度はあると思います。この極東の中におきましても、あるいは台湾、韓国、フィリピン等の比較的軍事力の小さい国々、北鮮、こういうものと比べましても、ある程度能力は持っていると思います。それで、これはそれじゃある程度の能力であるから、全部やめたらどうかという議論になりますと、私は違った考えを持っているのでありまして、この自衛隊の自衛力のあること自体でも、戦争の抑制力になることは平和への貢献であるというふうに私は考えております。防衛庁長官としてはそういう立場で、従って、ある程度の欠点のあることに対しては、今後国力国情に応じて、やはり補強と申しますか、補整をしていかなければならん、こういう考え方に立っているのであります。海上自衛隊のヘリ空母のごときも、その一つであることは申し上げるまでもないわけであります。
○山本伊三郎君 これは私は専門家でないから、常識論になると思いますが、総艦艇トン数が六万四千何百トンとかいう……。
○国務大臣(西村直己君) それは護衛艦艇だけです。全部合わせますと十一万トンになります。
○山本伊三郎君 十一万トンにいたしましても、これは世界各国の年艦を見ても、韓国とか台湾をよく例に出されますが、これは御承知のように、政治的にも軍事的にも経済的にも、もうアメリカに依存しているのです。そういうところとの比較は、私は、少なくとも池田総理が大国民といわれる以上、言われたくない。それは外国を侮辱しているようにいわれますが、実際はそうだと思うのですが、従って、実際問題として国民はそういう不安を持っている。不安は逆の不安なんです。今後いわゆる国防による財政負担が上がってくるのじゃないか、これを非常に心配しているのです。この観点で、私は実は質問の最後の要点はそこにあるのです、そういう意味から言って、今アメリカの援助によってどうやらこうやらいわゆる海上自衛隊の体裁をなしているのですが、これは完全にアメリカの援助がなくなって、しかも、今、防衛庁長官が自信があるように言われた。これでも十分とは言えぬけれども、役に立つのだという、そういう場合にどのくらい国防予算が要るか、この点を一つお示し願いたいと思う。
○国務大臣(西村直己君) 御存じの通り、日本は敗戦によりまして、一応直接の国防力はゼロになったことは御承的の通りであります。間接の国防力はいろいろな立場から計算できると思いますが、直接の国防力はゼロになって、十年の間は確かに米国側の援助を受けました。しかし、現在の段階における米国側の援助は、もう比較的低いものであります。たとえば三十六年度の期待額は二百十三億でございます。全体の予算は千七百十七億、それに対して二百十三億のアメリカの無償援助と申しますか、そういうものを期待している程度でありますから、必ずしも今後ドル防衛その他で米の援助がふえない、あるいは漸減して参りましても、日本の国防力というものは、私はある程度骨格はできたと思います。問題は、これに対して肉づけをする。言いかえれば、古い装備を新しくする、米供与のもので、日本で使えないようなものは更改して参り、更新して参る、こういうようなことは一つの方法であろうと思うのであります。そこで、これらを更改して参り、あるいは更新して参り、あるいは多少新しいその中に施策を入れて参ります。そうすればどの程度の国民負担になるであろうかという問題であります。なるほど国防というものは、考え方によれば警察と同じでありまして、幾らふやしても安全感がないと言えば安全感がないとも言えましょう。しかし、その安全感は、外交であるとか、他の内政の面でやはり国は埋めて参らなければならぬと思います。従って、ある限度で私は調整をはかっていく、内政全般、あるいは外交力との調整をはかりながらいく。その外交力の一つとして集団安全保障体制というものを理解させながら、国力国情に応じた防衛力をはかって参る。そこで、さしあたりそれじゃ現在から財政負担等を考えてどうしたらいいんだ、そうすると、現在は国民総所得の——計算によって違いますが、一・四少し切れているくらいであります。三十六年度が国民総所得に対して一・四切れて、正確に申しますと一・三八ぐらいかもしれません。それに対して、これから五年間のめどを大体立てようというのが次期防衛力整備計画でございます。五年間のめどの最終年度は、昭和四十一年度はどの辺におくのか。国民所得は、御存じの通り九%二とか、後年度伸びて参りますと、それに対して二%前後という標準を私はおいたわけであります。しかし、実際これを国の財政その他の面から合わせて参りますと、おそらく二%から一・五%の間ぐらいの線に落ちつけるところに妥当性を持つんじゃないか。それで絶対安全かと申しましても、私は、これは起こる状態——他の国情等考え合わせていかなければならぬし、それじゃ非常に国民負担にそれがどうなるかと申しますと、私は、それらの伸びならば、他の社会保障なり、あるいは建設、公共投資とも十分歩調がとれていくものではないか。従って、財政の面、他の内政の面とのからみ合わせを考え、それから各国は国民所得に対して相当なパーセンテージを持っておりますけれども、日本は必ずしも防衛力だけを中心というよりは、やはり国防方針が、民生を安定しながら、同時に、あるいはそれを第一義としながら国防力漸増という主義をとっておりますから、その基本方針にのっとって参ります。そうしますと、私は、これは国民生活の圧迫にはならぬ。同時に、むしろアメリカから供与を受ける武器よりは、国内において艦船その他が漸次生産されます。言いかえますれば、国産化がはかられて参ること自体は、国内のその産業を通しての開発も行なわれるでありましょう。また、それがいろいろな関連産業にも金を流して参る、こういうふうに私は考えておるのであります。
○山本伊三郎君 文民としての長官の考え方としては、これは理解できないこともないのです。しかし、これはもう各国の例を見ても、また、日本の歴史を見ても、作戦——実際その衝に当たる、まあ平たく言えば制服の人々は、やはりあなたが思うような考えではないのです。これはもういずれも一緒です。やはり自分らが担当する以上、責任を持とうというから、皆さんが考えているような、財政負担力とにらみ合わせてやるんだと言っても、やはりこの国防費というものは上がってくる。これは私今年の予算だけで論ずるのじゃないのですが、おそらくここ二、三年、五年たつ間に、私がここで論議しておる以上のものが出てくると私は思っているのですが、これは将来の問題ですから、これ以上時間の関係で触れませんが、政府としては、今言われた国民総所得のそのパーセンテージから割り出して、この整備計画というものはその限度で押えるのだ、こういう考え方でおられることは一応わかったわけです。それと同時に、最初問題になった日本の自衛権の行使にその財政負担力を抑止する。それと世界の軍事情勢等をにらみ合わせて、あなたが言う程度の自衛権が守り得るかどうかということも、これはまたきわめて疑問な問題になってくると思う。これは私が言ってもあなたはそうだと思わないかもしれませんが、ここ一、二年過ぎていく間にはっきり出てくるということを、私はここではっきり言っておきます。 そこで、私は問題を次に移しますが、陸上自衛隊の六管区隊と四混成団と十三個師に今度編成がえをする、これが今度の陸上自衛隊の改正の要点だと思うのですが、この趣旨については、この前から他の同僚委員の質問に答えて言われましたから、それは私はしつこく聞きません。ただ私が、いろいろ防衛庁から出る刊行物なりその他を聞きますと、やはり今度の陸上自衛隊でも、特に陸上自衛隊はそうですが、直接侵略に対する問題よりも、間接侵略、これがA・A地域においてもいろいろ問題になっておりますが、そういうところに一つの考え方を置いているやに言われておるのですが、それは私がここで答弁を求めても、あなたのする答弁はわかっておりますから、答弁は求めない。しかし、現実に今の世界の情勢から、やはり局地戦というよりも、いわゆる間接的な侵略と申しますか、そういうものが非常に多い状態ですね。これに対して私は、逆にこれに対して防衛庁はどういう考え方を持っておるか、防衛計画の本筋ではないけれども、そういうものをどういう防衛庁が感覚で把握したのか、これをちょっと聞いておきたいと思います。
○国務大臣(西村直己君) 自衛隊の任務は自衛隊法にきめられておる通りでありして、直接侵略及び間接侵略合わせまして、警察の自衛権としての治安維持、こういうふうになっておりまして、十三個師団に変わりましたからといって、自衛隊の範囲内で、われわれは改変を任務の範囲内でやっているのでありまして、この任務の遂行に、さらに言いかえれば、よりよい任務が遂行できるような趣旨から、十の単位を十三単位に分けたのであります。もちろんケネディのけさの教書——きのうでございましたかにも、局地戦あるいは間接侵略等をかなり論じております。われわれの自衛隊といたしましても、局地戦を考えますと同時に、直接防衛を考えますと同時に、間接侵略にも備えて参るということも、この考え方の中には当然入っておるのであります。特に間接侵略だけを抜き出してとか、こういう考えはございませんのです。
○山本伊三郎君 私は、特に間接侵略だけを抜き出してどうこうという、自衛隊の任務はそうだとは言っておらないのです。やはり世界の今の現状を分析すると、そういうものが各地域に起こっておるが、防衛庁長官として、自衛隊を総指揮するあなたとして、そういうものに対処する場合にどうかということです。まあ具体的に言うと、十三個師にふやされるが、間接侵略は、御存じのように、敵の——敵と言いますか、相手国の軍隊が直接こないのです。いわゆる国境に兵力を集中して、精神的あるいは軍事的の援助を与えて内乱を助長するということが間接侵略の定義だと私は思うのです。そういうことはない、日本にないと言ってしまえばそれでしまいですが、そういうことも防衛庁として、ある程度と言いますか、そういう考えを片りんでも置いてこういう改正をされるという気持があったのかどうか、これを聞いておきたいと思います。
○国務大臣(西村直己君) 先ほどから申し上げますように、自衛隊の任務に変更はございませんから、自衛隊の任務の中で、間接侵略を防御することも私ども一つの任務と考えております。従って、当然その十三個師団に改編の中には、自衛隊の任務の中の一つとして、間接侵略も考えつつ改編されておることは当然であります。それから、間接侵略というものは法律用語ではございませんけれども、一応概念としてわれわれ考えておるのは、外国の意思を暗々裏に受けて、そして何といいますか、組織的、計画的に撹乱をはかる、こういう趣旨だと思うのでありまして、時と場合によっては、正規軍は上がらぬにしても、不正規なる武器の投入、不正規なる軍隊の投入ということはあり得るわけであります。じゃ、間接侵略は予定がはっきりしているのかというと、私は、そういうよりも、やはりそういう事態に備えることによって、そういうことのないような抑制力としても効果があると、こういうふうに自衛隊を運用して参りたいと思うのであります。
○山本伊三郎君 そういう若干含みのあるような質問では、なかなか御答弁もはっきり出ないので、それはあまり追及せずにおきましょう。 そこで、今度の場合は、一応管区隊あるいは混成団が変わったが、三つの集団がふえたことは事実なんです。ところが、この防衛庁設置法の改正を見ると、陸上自衛隊は千五百名ぐらいしかふえておらないと私は見ておるのですが、そうすると、一単位においては相当減員になってくると思うのです。それは計算すればわかるのですから、それは質問しない。理の当然ですが、しかし、師団の単位がふえる、一応現在はそういう状態で、隊の数がふえるけれども、師団における所属隊員の数は減るのです。今後やはりふやすという意図が私はあるのじゃないかと思うのですが、この点どうですか。
○国務大臣(西村直己君) 陸上勢力は十七万一千五百を法案として御審議を願っておるのであります。そこで、千五百は建設隊方面に回ります。そうすると、従来通りの中で十単位の十個師、もちろん直轄部隊、学校とかその他を除きますから、師団編成は、たしか十一万か十二万の中でやりかえるわけでありますけれども、一単位の数が九千と七千の師団になるわけであります。将来これをどうするかというと、できれば、専門筋で検討しておるのでは、九千単位が基準ではないかということも一応想定はされると思います。さしあたりは、われわれは本年度において、十三個単位を、現在の十七万の与えられたる定員の中での管区隊あるいは混成団の部分をもって改編をして参りたい。将来はどうするかというと、二次計画等においては、陸上の勢力の目標は現在も十八万でありますから、これをおそらく保持して参るだろうと思います。その勢力の範囲内では、まだまだ多少の師団の充実は、人員的にも十分はかれる日もあるのではないか。これらは財政の負担を伴いますから、十分今後は検討して参らなければならぬと思います。
○山本伊三郎君 それでは、時間も相当たって、長官が予算委員会の方へ行かなくちゃならぬという知らせを受けておりますから、たくさんあるのですが、一応私もできるだけ集約をして質問を続けたいと思いますが、今度は演習場の問題でやりますから、丸山長官にかわってもらいたいと思います。これについてはくどくど言いませんから、もうすでにこれは二回やって、政府の見解も言われて、われわれこれは問題ないといっているのですが、それに到達した、皆さんが努力したと言うから、その努力をした過程を一つはっきりしてもらいたい。昨年の八月に北富士でああいう問題が起こって、沖繩の海兵隊が演習することにも差しつかえがあったというような事件が起こって、そうして江崎長官からああいう一札を入れて一応おさまった。今また問題になっているのです。その際に、施設特別委員会の中に、特にまた富士演習特別委員会というものを作って、そうして返還の問題についてアメリカ側と協議をしようということになって、これは三十五年の八月のことだと思うのですが、これは確かですか。
○政府委員(丸山佶君) その通りでございまして、三十五年八月二十三日と思いましたが、合同委員会のうちの施設特別委員会に返還問題の提案をいたしまして、この返還の内容は、この前御説明申し上げた通りの内容でございますが、これを鋭意専門的に研究させるために、その中に日米双方から成る特別なるグループを設けまして、富士特別委員会とでも申しますか、そのもとにおきましてずっと検討を続けて参っております。
○山本伊三郎君 その場合のアメリカ側の代表はどういう顔ぶれだったのですか、ちょっとそれを伺いたい。
○政府委員(丸山佶君) アメリカ側の首席は、海軍大佐のスパングラーでございます。それからなおゲールという空軍の大佐と存じます。ちょっとゲールは陸軍か空軍か、手元に内容がございません。ゲールという演習方面の専門の担当の大佐その他の米軍の者が参画いたしまして、当方からは、調達庁の真子次長を首席といたしまして、当庁の不動産部の専門家並びに防衛庁の施設関係の方及び農林省の施設関係の方も入っていただいております。
○山本伊三郎君 アメリカ側の代表のちょっと名前を。
○政府委員(丸山佶君) 首席代表はスパンダラー海軍大佐であります。
○山本伊三郎君 これはおのおのどこに所属しているアメリカ軍の将校であるか。
○政府委員(丸山佶君) スパングラー大佐は府中の司令部、すなわち在日米軍司令部でございます。
○山本伊三郎君 ゲールは。
○政府委員(丸山佶君) ゲールも同じく府中の司令部と存じます。
○山本伊三郎君 それは間違いないですね。
○政府委員(丸山佶君) 間違いないと存じます。
○山本伊三郎君 そこで、こちらから真子次長が、いわゆる首席代表と申しますか、やられたのですが、これは何回会を開いて返還について相談されたのですか。
○政府委員(丸山佶君) 正確な数字は調べまして申し上げますが、すでに十二月までに数回、本年に入りましても数回開いております。
○山本伊三郎君 数回といえば、三回も数回、五回も数回といいますが、一体いつといつと開いたか。
○政府委員(丸山佶君) 第一回が、議事録で見ますと九月三十日、それ以後正確のことをちょっと覚えありませんが、合わせて十回くらいになったと思います。今日まで十回くらい開いておると思います。
○山本伊三郎君 そこで、まあ長官は出ておられなかったのですが、一々報告を聞いておられると思いますが、その際の向こう側の主張、どういうところが主張の要点であったか、それを聞かしていただきたい。
○政府委員(丸山佶君) 問題点に関しましては、当委員会でも数回にわたり御説明申し上げたと思いますが、つまり演習区域の問題が一つと、それから演習する日の問題、これを裏返しますというと、自衛隊の演習の日との関係、また、地元の方に関しましては、演習場への立ち入り日の関係になるわけでありますが、こういう日時の問題、それからもう一つは、各地区それぞれいろいろな事情もございますが、総括して申しますと、使用条件の問題、この三つの問題が協議検討の主要点でございます。
○山本伊三郎君 私は議題になった問題を尋ねておるのではないのです。アメリカ軍の代表がどういう主張をしておるかということです、これに対して。区域、日時、両件に対してどういう主張をしておるか。
○政府委員(丸山佶君) 日米間の交渉事項の問題でございますので、具体的に詳細にまだ決定しておりませんことを申し上げることもいたしかねますが、総括的に申しますというと、米軍としては、従来の条件、つまり今日の状況条件でございますが、今日の状況条件において、今後においてもこの演習場の使用ができるようにというのが総合したところのものと見ております。
○山本伊三郎君 まあ私はもっと具体的に聞きたいのですが、現在在日米軍として使うということはほとんどない。ただ、その第七艦隊に所属する沖繩の海兵隊なり、そういうものがきて使っておるのですね。従って、そういうものがなぜ今後この区域を限って、日数をきめて、条件をきめて使わなくちゃならぬという向こうの理由をただしましたか。
○政府委員(丸山佶君) 御承知の通り、この演習場を使用している米軍の部隊は、第七艦隊の所属の海兵隊でございます。三十五年の末に、あそこに常時駐屯している部隊が引き揚げました以後、この演習場にくるものは、すべてこの部隊のわけでございます。これがこの前にも御説明申しました通り、条約の第六条の使命を持っておる米軍部隊である。こういうことで、しかも、この部隊の使命といたしまして、沼津に上陸の演習地、引き続いて山ろくに至って演習をすることが必要なことである。ほかにこの部隊の演習場として適当なものがない。こういうのが向こうがこの演習場を使用しておるところの事情でございます。
○山本伊三郎君 長官、あなたうまくぼけるといいますか、質問の要点をはずしているようです。私の聞いておるのは、一応アメリカも返還するという前提に私は立っていると思うのです。ただその後、これは単に一般の住民に開放すると、今後アメリカ軍が必要な場合に演習する場所がないから、それで自衛隊の方にこれがかわるならばよかろうという意思にあるやにあなたの答弁から聞いておるのです。長官の答弁はそうなっておるのですね。しからば、これは日本の領土なんです。向こうに地位協定で貸してあるのですから、その場合に、地主として主権を持っている日本の官庁のあなたが代表として、現実にもう使う必要がないというならば返してもらいたい。しかし、何のためにそれが存置するのか、第七艦隊の海兵隊が使うというのなら、それはどういうことで使うのだというところまでやっぱり聞きただす必要があると思うのですが、そういうことを尋ねていますか。
○政府委員(丸山佶君) 先ほど申し上げたと存じますが、この部隊の使命にかんがみて、その必要な演習をするのに最も適当だと考えられるこの演習場地域において行なう、これがこの部隊の演習場を要求する理由でございます。ただし、これは繰り返しますが、常時そこに駐屯しておって常時やるわけのものではない。従って、このものに関しては、その演習場というものは一般の施設、区域である現在の行き方ではなくして、地位協定の条文で申しますというと、二条の4項の(b)に当たるべきものとするのが適当である、こういうことからこの返還問題の交渉をいたしておるわけでございます。この基本原則に関しましては、米側は別に今のところ異議がないわけでございます。それになお関連いたしまして、先ほど申しました三点についての具体的なこと、これらの調整点について、今鋭意折衝努力いたしておるところでございます。
○山本伊三郎君 私は、これは察するのですが、防衛庁としては、やはりあれを自衛隊の演習用に残さなければならぬ、こういう基本的な考え方をもって私は返還の交渉をしておるのじゃないかと思う。これは私の推察ですが、従って、当たり方が非常に弱いと思うのです。とにかく私は筋を通してもらいたいということ、ああいうことでアメリカに接収されて演習地になったものは、一応日本に返してもらう、その上で自衛隊が使うということに住民が同意するならば、これは私は内政問題として、自衛隊としてやられるのがいいと、こう言うのです。アメリカの方からそういう条件をつけて、自衛隊が使うのでなければ返さないというような、そういうことでは主権というものが一体どこにあるのかと思う。それを筋を通してもらいたいというのが私の質問の根幹なんです。私は、自衛隊が使うのは絶対反対だということは質問しておらない。筋道を通して、政府はなぜアメリカと交渉しないのか、その点を私ははっきりしてもらいたいというのです。その上で自衛隊の演習場として住民の間でいろいろ話が出て、そこで自衛隊がアメリカの軍隊とあるいはまた契約でもしてそこを使わすということになれば、これはまた別問題である。こういう方向でなぜやれないというのですか。その点について防衛長官どうですか。
○国務大臣(西村直己君) もちろん現在は地位協定によっておりますが、同時に、米軍としては地位協定の二条4項(b)というもののやり方もあるわけであります。従って、一がいにただ返せという場合もありましょうし、また、それで話がつかない場合には、アメリカ側として譲らして、二4(b)と申します二条4項(b)の形で返させる、こういう形もあると思うわけでございまして、必ずしも私は筋を通さぬということではないと思うのでありまして、これは地位協定の中のやり方の問題、しかも、問題を前進させるには、その方が前進させやすい場合もあり得るのであります。
○山本伊三郎君 これで追及しても、政府がその腹にならなくちゃだめです。なるほどあの日米安保条約でも対等だと言われるが、地位協定も対等だと言われるが、対等でない。やはりアメリカ軍に主導権を握られていることは否定できない。それでわれわれ反対しておるのですが、それにしても、あなた方の主張というものが弱いのじゃないか。もっと強くやればアメリカ軍でも、今の極東の情勢からいって、そう固く言うものじゃないですよ。私は現場に立ち入ってないから、どういう話をされておるか知らぬが、やはり日本政府は、現在の段階ではアメリカ軍の言う主導権が強い、それがすべての基地問題にも影響していると思うのです。時間がないから、私はこの点ではっきり皆さん方に聞いておきたいのですが、これは地位協定からいっても4項(b)と言われますが、これから見ても問題点はありますよ。きょうは時間がないから反駁しませんが、あるのです。そういう条件をつけてアメリカが言うという、これはもう一つの向うのいわゆる優者のいやがらせですよ。そういう点で私は強く主張してもらいたい。それと、これは今後の問題になりますが、それが解決しない限りは、北富士の問題は解決いたしませんよ、住民は理解しておらないのですから。住民が理解せずしてあの問題は解決しないのです。ここを皆さん方も十分考えてもらいたい。住民の意向というものは、必ずしも自衛隊が絶対使ったらいかんということを、一部言う人もあるけれども、全般の空気ではそうでもないと思うのですよ。しかし、一応返してもらいたい、その上で自衛隊が使うかどうしようかということは政府と相談しようじゃないかというのが向こうの主張なんです。これは筋が通っていると思うのです。それをいろいろとやかく言いますけれども、地位協定はそういうことはありませんよ。返還について条件をつけるということはありませんよ。ただ、借りておるやつを返さないぞ、返すかわりにはこうしなさいといういやがらせを言うことは事実です。これは、優者のいつもやる手です。そういうことで政府が、ああそうですがと言って、何で日本の農民の利益になりますか。これは代表する政府の態度ではなかろうと私は思うのです。従って、私は、発表できるかどうかわかりませんが、富士演習特別委員会においてどういう向こうが主張をしておるか、こちらの代表がどういう主張をしておるかということをつまびらかに資料として出してもらいたい。これはどうですか。
○政府委員(丸山佶君) お話ではございますが、こういうような形式でなければ返さぬというのが米側の態度であると申しますよりも、むしろ日本の政府として、すでに三十三年の末ごろまでと思いますが、あそこの駐屯部隊が引き揚げました当時に、すでに自衛隊が共同使用をしておった地域でございまして、この引き揚げに関連して、向こうが、あとは随時ときどきやってくる演習の状況もわかりますので、その当時から政府としては、どういう演習場の地位、措置というものは、協定上の二条4項(b)によってやるのが至当だというのが私ども政府の考え方で、その考え方のもとにこの話を進めておるのでございます。それから地元の方、確かに今北富士の関係の方では、そのようなものはわれわれの要求する返還の趣旨ではないということを申しておられます。演習場全般につきましては、山梨県のみならず、静岡県にわたりますいわゆる東北合わせて一体として考えなくちゃならない問題でございますが、東の方面に関しましては、三十三年のその当時のこと、その当時の方針に基づきまして地元の方にも御了解を願って、それを前提とするすべての話し合いの措置を進めておるわけでございます。北に関しましても同様な方途でいくことの御了解を願うように、昨年の八月以降に関しましても、県を通じ、あるいは直接それぞれ申し上げて御了解を願い、なお、こういうものを前提として、いろいろ地元の民生安定、あるいは農村の再建、あるいは北は特に観光の関係がございますが、その観光に関する地元の利害というものを取り入れて、そのいろいろ演習のために御迷惑する点を緩和し、軽減していく措置に進む、こういう筋合いで進めたいと願っておりまして、県庁を通じてお願い申しておる次第でございます。
○山本伊三郎君 私の質問せないことをだらだら言われて、富士演習特別委員会のアメリカ軍の主張、その他こちらの主張の明らかになる資料を出してもらう、これだけでいいんです、出してもらうということであれば。
○政府委員(丸山佶君) 先ほども申し上げましたが、まだ交渉最中の事項でございますので、その具体的内容を一々資料として差し上げることはお許し願いたいのでございます。問題点は、先ほど申し上げました三点に関することであるということを御了承願いたいと思います。
○山本伊三郎君 法的に出せないと言われる根拠があれば、私はそれでよろしいんです。しかし、私は、皆さん方の交渉されておるものについて疑いを持っている。遺憾ながら今までの経過を見て疑いを持っている。従って、今説明されたことが事実であればそれでよろしいんですが、それでは納得できないんです。アメリカがどういう主張をしておるか、こちらがどういう主張をしておるか、この争点を私ははっきりとわからなければ納得できない。従って、それを出してもらいたい。何も済まなくてもいいんですし、今まで十回もやられておるが、十回の議事録がどうなっておるか、それを見せてもらいたい。
○政府委員(丸山佶君) 外国関係の交渉最中における事項に関しましては、従来の例によりましても、遺憾ながらそのまま差し上げることはお許し願いたいと思います。
○山本伊三郎君 外国関係というけれども、これはちゃんと富士演習特別委員会というものを設置をして、それのずっと会議を開いた委員会の会議はどうなっておるのかという、それを国会に事情を明らかにすることが、外国人がおるからといって、なぜそれだけ遠慮しなければいけないんですか。そういう発表を禁止する法律、条約でもあるんですか。それを聞かせてもらいたい。
○政府委員(丸山佶君) それはこの件に限らず、すべて従来の外国関係の交渉におきます事項に関しましては、国際信義上、双方ともこの内容は、妥結に至るまでは公表等のことをしない、こういう慣例になっております。それに従いまして、私どもといたしましても、これのみを具体的なことを差し出すということは御了承願いたい。
○山本伊三郎君 政府対政府の外交交渉、そうものについては私はわかると思うのです。しかし、それが一般地元の住民の権益なり権利なり、そういうものに影響しておる。そういうものがどういう交渉をされたかということが、私としてはわからぬ限りにおいては、それは納得できないんです。しかし、これでいろいろ追及しておっても時間がたつから、あなたがそれを出さない。国際儀礼上出さないということを言って断わられておるけれども、私としては、出さないという理由がその内容にあると見ておるんです。従って、私は、出さないというものを、無理にあなたを押えつけて、あなたの官庁に行ってひっぱり出すということになると、これは別の罪がありますからできませんが、私は出してもらいたいという要求をしておきます。出さなければ出さないということでいいと思います。
○委員長(吉江勝保君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(吉江勝保君) 速記をつけて。 防衛二法案に関する質疑は、都合により、後刻続行いたすことといたしまして、次に、国家行政組織法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。 政府側出席の方は、小澤行政管理庁長官、山口行政管理局長、森山郵政政務次官、曾山郵務局次長、今枝自治省行政局公務員課長でございます。 御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
○横川正市君 郵政政務次官がちょっとおくれているようですから、先に長官に御質問申し上げたいと思うのでありますが、先般ちょっとお伺いをいたしておりました定員法のワクがあるために、運用上として、制度的には、これも法律の解釈では非常にむずかしいことをやりながら、一部を請負化にし、その余った定員を都市等の定員に振り向けていく、そういう事実が出ている。郵政の定員事情について、行政組織法の改正をされるこの時期に、行政管理庁としては、その運用について何らかの意思表示をする考えはないか、こういうようにお尋ねをいたしておりましたが、事情調査の上で御返事申し上げたいということであったので、その後の調査の結果があれば、本日まず冒頭に御返事をいただきたい。 〔委員長退席、理事村山道雄君着 席〕
○政府委員(山口酉君) 郵政省の郵便物集配請負制度につきましては、これは戦前からあった制度でございますが、行政整理がありました機会に、相当ふえております。これは御承知のことでございますが、その方が経済的であるという場合には、郵政大臣はそのような管理方式をとれるというこれは法律の規定があるものですから、その事情を検討してやっておられるのでございますが、ただ、これは実は非常に僻陬の地に多いものですから、調査をするといたしましても、行政管理庁で実態を調べるというのは、そう手っとり早くはいかない事情がございます。郵政省と協議いたしましたところ、郵政省では、この問題はすでに前々から指摘を受けているので、目下実態を調べているということでございました。すでに問題点が出まして、そうして郵政省自身で再検討しているということでございますので、その結果を待ちまして、もし直営にする方が妥当であるということであれば、それについての相当する定員をみるということが当然考えられなければならない、かように考えております。
○横川正市君 これは今、山口局長の言うように、法的な根拠に基づいて大臣が業務上の定員操作をする場合、明確にきめられている法律とか規則とか、そういったものはないわけですよ。事実は、この郵便物運送委託法の第二条に、運送等を委託する場合の項目がありますけれども、その中には、いわゆる何々という項目は上がらないで、通常使われている「等」という字があって、「等」の中に含めて拡大解釈をしたということが、たまたまそういうような結果になって出てきている、こういうふうに私どもは考えておるわけです。そのほかに、この法律で、あなたが言うように、大臣がその操作上の権限範囲内でやれるんだと規定されているものが条文の中にあれば、一つ教えていただきたい。
○政府委員(山口酉君) お話のように、これは郵便物運送委託法でございますが、郵便物運送委託法では、郵便物の取集、運送、配達等を委託した方が経済的であるという場合には、そういう処置がとれるという規定がございますので、そういうまあ管理上、業務運営上、その方が適切であると郵政大臣が判断すれば、必ずしも直営せずに、そういう末端の作業業務については委託できるというふうに解釈しておるわけでございます。
○横川正市君 そういうふうには私はこの第二条はとれないのですよ。項目としては「運送等を委託する場合」と上がっておるので、集配というふうには上がっておらないのです、その項目としては。ただその中に、最後のところに、「郵便物の運送等に関する業務に支障がないと認めるときは、この法律に定めるところに従い、これを他に委託することができる。」という、この最後の項目に引っかけておそらく解釈をされたものだと考えるわけですね。ですから、そこまで拡大解釈できるかどうかという点にも疑問点があるのではないか、こういうふうにまあ思っておるわけです。ことに、郵便物運送委託法というのは、これはいわば運送業務を主体とした法律であって、個人の集配に関する規定にまで拡大するのは少し無理なところがあるのじゃないか。しいて言えばそういうことも言えないこともないかもしれないけれども、非常に法的な解釈とすれば、無理をしてこれを適用しておるという点があるのであって、いわばこういう点では、私は、行管として調査の結果一つの答えというものが出るんじゃないか、こう思っておったわけですが、この点については一つぜひ——これもそうでありますが、全体的な調査の結果を待って、早急に一つ態度を出していただきたい、こう思います。 そこで、郵政政務次官にお伺いいたしますが、先般この委員会を通過いたしまして、郵政には四千三百六十名の定員の増加をすることをきめたわけであります。その時点において、大体この本務者としなければならないと推定されておった数字というのは、これは一万七千七百名くらいだと承知いたしております。そういたしますと、現在一万二千五百名程度の者が、前回の増員によっても、なおかつ残っておるということになるのでありますが、その通りですか。
○説明員(曾山克已君) 御指摘のございました、問題のありました当時、一万七千七百人程度非常勤者がおりまして、そのうち今度お認め願えれば定員化されるものが、先生のお話では四千三百六十というお話でございますが、正確に申し上げますと、当時のこの一万七千七百人の中には、いわゆる短期の、文字通り臨時におる時点においてつかまえたものでありますから、その時点におきまして一週間とか十日とかいった、文字通り短期の非常勤職員の数もこの中にあるわけでございまして、従って、いわゆる身分の安定ということを称しまして本務化を要求しました方々の大部分は、今度成立しますところの郵政定員等の中に包含される次第でございます。残りましたものはきわめて短期の非常勤でございますので、それにつきましては、身分的な保障は一応必要がないかという工合に考える次第でございます。
○横川正市君 短期というと、これは郵便物の季節的増減に伴って、見通しのついた雇用をするというものについては、私は、これを本務者に切りかえるべき定員数だとは考えておらない。ある程度持続的に必要であって、それが非常勤の扱いを受けておった、こういう者が概略一万七千七百名と承知をいたしておったわけでありますが、その数で、もし一週間とか一カ月とかということで持続しないということになれば、この数字は大体四千五百名ぐらいということになるわけですか。
○説明員(曾山克已君) 私、郵便の点でお話がございましたので、たまたま郵務局の次長でございますから、郵便の点に限って申し上げますと、郵政定員といたしまして、成立しますであろう定員の中で、郵便関係におきましては、正確には五千五百三十三名が定員化されることになろうかと思うのでございます。さらに賃金者といたしまして、これはおそらく三十七年度におきましては本務化されるであろうと思われますものでございますが、三千八百九十三人おるのでございまして、総計いたしましたところ、九千四百二十六人おるわけでございます。これを、私ども、先生の御指摘になりました事業の増加につれてふやさなければいかん定員等を考慮いたしまして、幾ら必要かという算定をしましたところが、九千百二十八人が三十六年度において必要である、そのうち定員が——定員と賃金とございますが、これが九千百二十八人必要であるということになっております。従って、三十六年度におきまして成立しましたところのこの所要人員の数はそれと見合っておる。むしろ若干上回っておるということになる次第でございまして、御危惧の点はないやに考える次第でございます。
○横川正市君 実は政務次官に、郵便という関係だけでなく、全体の定数をお伺いをいたしておったのですが、事務当局は郵便の方だけのようですから、一応それで了承をいたしますが、今この予算定員としては、大体九千名ぐらいのものを全体として増加されておるわけであります。この増加は、郵政全体の定員とすれば、なおかつ四千五百名程度の本務者にしなければならない者が残る勘定になるわけで、これは先般の委員会でいろいろ論議をされた中にも、これらについて行政管理庁としてはいろいろ手を尽くして、できるだけ本務化するように努力をされることが約束されておるわけでありますけれども、郵政の場合には、一体この予算でとれた九千名を定員化しても、なおかつ四千五百名の定員化をしなければならない非常勤者が残る、こういう数字になっているのに対してどのような処置をせられるのか、こういう点なんです。まあこれは今ここですぐ答弁できなければ、いずれこれは——まあこの法律は実はきょう通ることになるのじゃないかと思うのでありまして、非常に逆にはなりますけれども、また後刻別な機会に聞きたいと思います。 そこで、その場合に要望を申し上げておきたいと思うのでありますけれども、私は、これはこの設置法と、それから政令で定員化していく場合に、実際上は業務量の増高に伴って定員が完全に確保できれば問題はないと思う。しかし、それができないということになりますと、非常に大きな問題として残るのは、先般来問題になっております行政整理、あるいは郵便の増高に伴って都市周辺に集約されるので、そこに幾らかでも定員を確保したいということから、山間僻地におけるところの集配人の身分の変更を行なって雇用条件を維持している。その人員は大体千五百二十三名ということになっておるわけであります。そのうち、行政整理その他で身分の変更をした者が六百四十四名、こうなっておるわけでありますけれども、これは私は、相当長い期間かかって郵政当局ではこれをもとの身分に返すということを、これをたび重ねて約束しているという事例もあるわけです。ですから、今回行政組織法の通過によって定員法が撤廃されたあとで、これらの救済措置というものはすみやかにとられるべきであると思う。こういうふうに私は考えるわけでありますが、その問題について、当局としての考え方をこの際明らかにしてもらいたいと思う。
○政府委員(森山欽司君) 先ほど来お話がありました事項のうち、約四千五百名程度の問題につきましても、勇退者その他が出て参りますので、これらの人間との繰り合わせによりまして当面処理いたしますし、また全体的には非常勤者の本務化という問題は、再び問題にならないような態勢をとるという決意のもとに、目下事態の処理に当たっておるわけでございます。 それから郵便集配請負人は、郵便物運送委託法の第二条に基づくが、これはどうもその法律に基づくということが適当じゃないようなお話でございますが、「運送等」というのは、第一条にもありますように、「郵便局の取集、運送及び配達」ということをはっきり書いてあるので、それを「運送等」というふうに簡略して読みならわしているわけでございます。問題の趣旨から申しまして、この郵便集配請負人という制度が、誤った法の解釈に基づいて存在するというふうには私どもは考えておらないわけでございますし、また、郵便集配人の制度は戦前もありましたが、非常に僻遠の地であることなどから、人事管理の問題とか、事業の経済性、作業能率の面というような面から見まして合理的な制度でもあるのでありまして、直ちにこれを全面的に廃止するというつもりはございません。ただ、請負人のうちには、昭和二十七年度の行政整理による切りかえ者で、現在請負区が、業務量等から見まして、本務者と同程度のものがないわけではございませんので、そういう点につきましては定員に組み入れなければならぬというふうには考えておるわけでございまして、郵政省といたしましては、先般実態調査を行なったようでございます。現在この資料は検討中の段階でありますが、ただいま申し上げましたような観点から、必要とするものについては、可能な限り、すみやかに定員化を実施したい、こういう考え方でございますから、現在総数千五百二十三名という多数に上っておるこの郵便請負人全般を、大量に御趣旨の線に沿うかどうかというところまでは申し上げがたいのでございます。必要とするものについては、可能な限り、すみやかに定員化を実施したい方針であるということだけをこの機会に申し上げたいと思います。
○横川正市君 この法律の解釈は、私もしろうとですから、どういうふうに解釈することがいいかは、自分の方に利益になるような解釈をされておったのじゃ困ると思うのですよ。そこで、この昭和二十五年の三月の郵政省告示第四十九号によれば、今、政務次官の言ったような解釈なんです。これは法律の正確な読み方をすればそういうふうにはとれないのだけれども、「等」というものの中にそういうものが含まっているというのが省の告示四十九号で明らかにされているのであって、そのことで身分の変更が勝手にされていることで不利益だということを言われるのは、私は当然だと思うのです。ですから、法律で違法だから云々ということは、私はさっきから言うように、言っておらないわけです。身分上の問題として、今度のこの行政組織法の改正ができれば、二十七年当時の理由というのは、これはやはり定員法と予算との問題でこういう措置がとられたわけですよ。便利だからとか何とか、昔からあるからそれをやったということよりか、そういうものがあったから予算と定員に縛られているので、それを適宜利用した、こういうことなんであって、事実上は、私はこの行政組織法が通れば旧に復するということの方が正しいというように思うわけなんです。そこで、旧に復するということは、今の政務次官の意見では、一がいにそういうふうに言えない。大体適時必要なものからしでいきたいと、こういう意見ですが、それでは私はちょっと満足いたしかねるわけでありますけれども、こういう事態の起こった事情については、これは政務次官よく御案内になっていないですね、郵政の二十七年ごろは。ところが、私どもはその当事者で、調印行為は行なわなかったけれども、当時は、事実こういう結果になったことに対して、やむなく了承させられたのはどういう理由かというと、郵便物の激増する都市に対する定員の配算という問題に中心を置いて、やむなくこれを実施することを了承したということになっているわけです。そういう点からいえば、私は当然今回はこれは旧に復すべきだ、こういうように考えているわけなんです。ところで問題は、予算が一番問題になるわけですが、大体この千五百二十三人を旧に復するとどのくらいの予算が必要だと計算になっているわけですか。
○説明員(曾山克已君) ただいまおりますところの集配関係の請負人千五百二十三名を旧に復しまして本務者にいたしますと、幾ら予算が要るかというお尋ねでございますが、現在この方たちの一人当たりの人件費の単価は、およそ一万四千五百円になっております、月額が。御承知のように、一般本務者の月額が約二万円くらいになりますので、その差の五千円ぐらいが現在の予算よりも加わるというふうになりますから、千五百二十三名に五千円かけましたものが、総額におきまして月額必要になる。従って、それを十二倍しましたものが全体に年間予算において必要になる、こういうことでございます。
○横川正市君 その曾山さんの数字はいささか違っていると思うのですよ。これは単価も幾らかこれよりも高くなるわけです。しかし、高くなっても、人員から掛ければ、年間予算にいたしましても、そう郵政省がひっくり返るようにびっくりするような金じゃないわけですよ。しかし、どういう実情にあるかというと、それはもう聞くも涙、語るも涙という実情ですよ。二十七年以来ベース・アップに伴わないで、そのままの請負料金で押さえつけられて、何回かはこの請負料金の引き上げをやっておりますけれども、それでもこれは全然問題にならない状況下です。ですから私は、それだけの金で、しかも、まあ郵便物の集配等に伴うほかに、貯金とか保険とか、それからラジオの集金とか、こういったものがあるのに、事実上これは兼務できないということで、郵便の集配だけに限って業務の請負をさせているわけですね。そうすると、その面からもくる業務上の問題も出てくると思うのですよ。だからそれらを勘案すれば、さほど大した予算も必要でないという、こういう実情で、私はこの問題は考えるべきだと、こういうふうに思うわけなんでありますが、政務次官としては、この点おそらくまあ検討されて出てきたと思うのでありますが、どうしてもできないという理由というのは一体何ですか。今回のこの行政組織法の改正の結果、定員法が撤廃されて運用されたとして、これを本務者にできないという大きな理由は、一体何に原因するのですか。
○政府委員(森山欽司君) 私は、横川議員のように、前の経過についてそう深く関与をいたしておりませんので、現在の状況から見まして、現に千五百二十三名の郵便集配請負人という制度があるという認識の上に立ってこの問題を考えておったわけであります。経過から申しますといろいろあるかと思いますが、郵便集配請負人の問題自体につきましての現在の見解は、先ほど来申し上げた通りでございますが、確かに本務者に比べますと、待遇の問題等について若干の差がございます。 〔理事村山道雄君退席、委員長着 席〕 できるだけのことを考えたいという気持においては横川さんと同一でございます。まあ郵政省としましても、わずかではございましたが、請負料の値上げとか、公務災害補償の適用、健康診断の実施、部内の医務機関の利用というような点について改善を加えて参りましたことは御承知の通りでございます。当面の事態といたしましては、先ほど申し上げましたような、必要とするものについて、可能な限り、すみやかに定員化を実施したいという基本方針のもとに、一般的に待遇の改善、ただいま申し上げましたような改善をはかっていくというのが現在の立場でございます。しかし、まあ年間一億足らずの金だから、すぐうんといったらどうだ、こうおっしゃられるかもしれませんが、御承知の通り、郵政会計は大へん貧乏でございまして、人件費が総予算の八割を占めております。これは他の三公社、五現業に比べますと、郵政は人件費の占める割合は予算の八割、国鉄が四五%、電電公社が四〇%、専売のごときは、実にわずか一五%というのに比べますと、人件費の問題につきましては、相当真剣に取り組んでいかなければならないような立場に置かれて参りますので、ただいま予算の見地から、大した額じゃないじゃないか、一億足らずの額じゃないかとおっしゃられるわけでありますが、総予算の八割が人件費である、しかも、財政状態必ずしも容易ではないような御承知のような状況でございますので、この問題につきましては、その観点からも十分一つ検討をさしていただきたいと考えておる次第でございます。
○横川正市君 私は、政務次官、財政上の問題ということになったらそれしかないと思うのです。それから郵便局というのは、これは人件費が八〇%かかると言うけれども、そのほかにかかるところはあまり多くないわけです。できればこれは六五%ぐらいにすれば一番健全経営だということになるわけですが、人件費で動いているのが郵便企業であって、事実上他の産業のように、私は、ほかのものに経費がかかるというものではないと思うのであります。だから、人件費が少しぐらいかさんだからといって企業が不健全だ、こういうことは、私は、郵便の事業に関する限りは、成り立たないと思う。やはり郵便というのは、人の手を借りない限り、動かない仕事なんですから、人の手の借りられないような企業の経営というのは考えられないわけですよ。機械化することもできないし、ですから、幾らか人件費がかさんでも、それは企業としては当然のことである、こういうふうに考えなければいけないというのが特質だというふうに思っているわけです。そこで、これはここでその千五百二十三名全部をやりますか、そうですと言わなければ私は引き下がりませんでは、これは何日たっても論議は尽きませんから、今あなたの言う、この制度については過去の実例もあるので、できるだけ本務者に切りかえたい、そういう考え方をもって調査をいたしておりますので、その調査は、少なくともこれは先般まで何回か調査をして、実態に伴ってその結論を出した上で何とかしますということよりは、形の上では違っているということはここではっきり言えますか。
○説明員(曾山克已君) 先般来、国会におきましてもいろいろとお約束して参りました調査よりも前進しておるかというお話でございますが、それはその通りでございます。具体的な数字につきましても、すでに郵政局から集まりました資料を検討いたしました結果、ほぼ今日のところ具体的な数字が出ておりますので、その数字につきましては、先ほど政務次官のおっしゃいましたように、定員法の成立がございましたならば、できるだけすみやかにこの一部を本務化したいと考えておる次第でございます。
○横川正市君 まあ一部ならば前進しておらぬということだが、大半やられるならば前進ということに私はなると思うのですが、これ以上はこの機会に私の方から御質問することはやめまして、最後に要望を申し上げておきたいと思うのでありますけれども、先ほど来の簡単な論議の中で私が説明をし、答弁を求めたようなものではなしに、もっと広く、底の深い問題として、長い年月この問題を取り上げて、郵政と、それから請負集配人との間では陳情をし、また、要求もされてきている問題ですので、その点を十分一つ考慮されて、この行政組織法の改正案が通過した暁には、抜本的にと言いたいところでありますけれども、私どもの期待をする改正ができるように努力をされるように要望いたしまして、私は質問をまず終わりたいと思います。
○委員長(吉江勝保君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(吉江勝保君) 速記を始めて。
○山本伊三郎君 それでは、本案にかかる問題で、地方公務員に関する問題について自治省当局に確かめておきたい。 この法律の内容は、これは国家公務員に関する問題ですが、それに準じて地方公務員のこの問題が出てくるのですが、地方公務員の場合、国家公務員と違った大体状態にあると思うのです。国家公務員の場合は、現業関係と一般職と区別をしておるのですが、地方公務員の場合はそういう必要がないと思うのです。すべて条例規定でいけると思うのですが、この点について自治省当局はどう考えておられるか。
○説明員(今枝信雄君) 今回の国家行政組織法等の一部を改正する法律案によりまして、国家公務員の定員規制について根本的な改正が行なわれる予定でございますが、地方公務員の場合には、従来、地方公務員制度については、国家公務員の制度に準じてこれを規律して参ったのでございます。御指摘のように、現在地方公務員の定数管理につきましては、地方自治法、あるいは地方教育行政の組織及び運営に関する法律等、地方行政に関する諸法令で、常勤の職員については条例で定める、こういう建前をとっておるのでございます。定員規制の方法といたしましては、国家公務員について行なわれようとしております定員規制の方法を、そのまま地方公務員に採用いたしまして全然差しつかえないわけでございます。そういう意味におきましては、地方公営企業の職員の定数をきめる場合に、条例によらないで、他の法形式、たとえば地方団体の附則等によってきめるという方法があろうかと思います。しかし、地方団体の場合には、条例の制定、改廃の機会は、国と違いまして、地方自治法上も、少なくも地方公共団体の議会は、年四回の定例会が法律上要求されております。その他臨時議会の招集も比較的容易でございますので、現在の段階においては、条例規制のままで国と同じような運営、国に準じた定数管理の運営ができるのではないか、もし実際の運営に支障があるようであれば、将来自治法あるいは地方公営企業法等の改正について再検討してみたい、現在ではさように考えております。
○山本伊三郎君 大体それで私も了解するのですが、なお一そう念のために、公営企業関係については、もう言われる通り、特殊な事情はあるけれども、条例によっても、あえて手続上も問題ないからそれでいい、これはどうなんですか。 なお、いわゆる単純労務者ですね。こういう関係で、それも国家公務員の現業というような観念でおるのじゃないかという、そういう心配をする人もあるのですが、われわれそういうことは絶対問題ないと言っているのですが、その点についてどうですか。
○説明員(今枝信雄君) 国家公務員の場合の現業も、現在の段階では企業関係に限られておるようでございます。もともと地方公務員の場合には、国家公務員の制度と違いまして、御指摘のように、単純労務者の制度がございまして、身分、取り扱いにつきましては、企業職員と同じ扱いをいたしております。定数管理の点につきましては、単純労務者でございましても、その職が恒常的な職であり、かつ、それを埋めておる人が常時勤務する者であるならば、これは本来定数内の職員として処遇すべきもので、従って、現在の段階では、やはり他の職員と同じように、条例をもって定数を定めるべきものと考えております。
○山本伊三郎君 それでわかりました。 それで、次に具体的な問題ですが、公共事業で支弁のいわゆる職員ですね、これがいつも問題になるのです。従って、この人々に対しても、いわゆる公共事業支弁だからといって別扱いせずに、恒常的に必要な職員については定員内にやる、こういうこの本法改正の趣旨というものも、そのまま地方公務員にも適用——準じてやるということは間違いないのですね。
○説明員(今枝信雄君) 地方公務員の場合に、その給与がどの種目で支払われておるかということと定数化の対象にすべきものとの間には、理論的には直接の関係はございません。私どもは、その給与がどこから支払われておるかということにかかわりなく、職の内容について検討して、定数内に入れるべきものは入れることにいたしたいと思っております。また、実際問題といたしましても、現在公共事業費で支弁をされております職員について、相当数のものが定数内の職員としておるわけでございます。ただ、若干のものにつきましては、公共事業費の中から支弁される給与の定め方が、国の補助予算で必ずしも統一はできておりませんので、若干の問題は残るかもしれないと思います。私どもも、今回国が定員規制の改正とあわせて、定員内の繰り入れの措置に準じてやられる方法で定数内繰り入れをやりたいと考えておりますが、なお若干の問題は残るであろう。その問題点については、引き続いて詳細な検討をいたしまして、根本的な解決をはかっていきたい、かように考えております。
○山本伊三郎君 次に、いわゆる地方公務員法の十七条採用の職員ということですが、これはもともといわゆる定員内にすべきものであるという私は法律解釈をしておるんですが、これが多くやはり定員外に残されて、非常に待遇上も実際困っているんですが、今度の改正については、この点はいわゆる恒常的必要な職員であることは間違いないのだから、あわせてこれはいわゆる定員内に入れるという方針には間違いないですね。
○説明員(今枝信雄君) 御指摘のように、地方公務員について、定数外職員として問題になっておりますものは、地方公務員法第十七条に基づいて採用されて、その採用の際に、期限付という形でやられておるものが問題になっておるわけでございますから、それらの職については、もう一度この機会に根本的に再検討をいたしまして、本来定数内職員をもって充てるべき職のものについては定数内に繰り入れて、期限を付さないで、十七条に基づいて採用する、そういう方式を確立すべきものだと考えております。
○山本伊三郎君 おそらく本法が改正されて、地方公務員にこれが準じられる際に、一番ここに問題が集約されてくるのじゃないかと思うのです。今言われた答弁は、その通りいいと思うのです。ただ、現実的な問題としては、やはり検討する場合に、除外される者が多く出るのじゃないかと思うのです。最初期限付そのものは、私は法律にかなわないと思っているんですが、たまたま期限付になっている人が多いですね。しかし、恒常的に必要のある職員であることは間違いない。この点は今の地方自治法なりその他の法令によって、自治省自身は直接命令権はないけれども、各法令に従って、強くこれを指導してもらいたい。でないと、この法律が改正されても、地方公務員は非常に恩恵と申しますか、法の改正の趣旨が徹底しない場合がありますから、この点強く私は要望したいと思うのですが、その点どうですか。
○説明員(今枝信雄君) 実は、国家公務員の定員外職員の定員繰り入れの問題が起こりました昭和三十三年以来、地方公務員の定数外職員の繰り入れにつきましても、国家公務員の場合に準じて例年措置をして参ったのでございます。今回は、定員規制の方法が根本的に変わることとあわせて定員繰り入れが行なわれるのでございます。従いまして、地方公務員の取り扱いにつきましても、この法案が成立をいたしますれば、その法律の趣旨、内容につきまして、あらためて地方団体に十分その趣旨を説明をいたしまして、従来とはまた違った新しい観点から行政指導を行ないたい、かように考えております。
○山本伊三郎君 それでよろしいと私はまあ言うわけじゃないですが、ただ問題は、国家公務員のように、法律が変わったら直ちにそういうことになるのじゃなくて、やはり地方自治団体、いわゆる地方自治の建前から各地方団体の方でやられるのですから、往々にして、やはり全国的な実情を見ると、相当文句のある自治体もあるらしいのです。その主としたる原因は、やはり財政上からくると思うのです。従って、財政さえある程度豊かではないが、それがいけるようであればやりたいという市町村が多いわけです。そこで一つの問題が出てくるのです。従って、私は、その点もあわせて、自治省として、せっかく国家公務員にこういう法律改正がされて、四万七千の相当多数の定員内繰り入れが実現するのだから、地方公務員の場合もそれに匹敵する人がおるのだから、そういう場合に、財政上の都合だからということでこれが除外されるということは、これは当人にとっても、また、地方行政の水準を上げる上からいっても、私はいけないと思うので、この点は十分指導してやってもらいたいと思いますが、その点確約をしてもらいたいと思うのです。
○説明員(今枝信雄君) ただいま御指摘のように、地方公務員の定数外職員を定数に繰り入れる場合には、御案内の通り、国家公務員の場合よりも、実は財源的には相当多額のものが必要になります。これはまことに申しわけないことでございますが、現在の定数外職員の処遇が、一般的に申し上げまして、定数内職員よりはかなり低いものになっております。そういう関係で、定数内に繰り入れる際に、処遇の改善をあわせてやるために、相当多額の経費を要することになると思います。そういうところから、御指摘のように、財政上の措置がこれに伴わないので、趣旨はわかるが、実現はなかなか困難だという声があることも事実でございます。そこで、昭和三十六年度の地方財政計画におきましては、国の措置に準じまして、定数外職員の問題を根本的に解決できるようにという財政計画は一応樹立をしてございます。従いまして、三十六年度の地方財政計画では、従来、定数外職員給与という一段を設けて計上しておりました経費はなくなっておりまして、本来の給与費の中に繰り入れ、また、一部は事業費等の中に繰り入れることによりまして、財政計画上は定数外職員はゼロだ、こういう仕組みの財政計画を樹立いたしておりますが、また、御案内のように、若干最近は地方財政も好転をしておる時期でございますので、この問題の根本的な解決をはかる時期としては最も適した時期ではないか、こういう際でございますので、自治省といたしましては、できる限りの行政指導をやりたい、かように考えております。
○委員長(吉江勝保君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(吉江勝保君) 速記をつけて。 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉江勝保君) 御異議ないと認めます。 それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。 なお、山本君から、委員長の手元に附帯決議案が提出されております。本附帯決議案は討論中にお述べを願います。
○山本伊三郎君 本案につきましては、十九条を中心に、幾多問題はございます。しかし、行政管理庁長官を初め、当局のいろいろの質疑応答の中で、相当誠意のある答弁もあります。従って、私は、次の附帯決議を付して本案に賛成したいと思います。 国家行政組織法等の一部を改 正する法律案に対する附帯決 議案 一、第十九条第一項の「恒常的に置 く必要がある職」については、職 種によって差別したり、除外した りしないこと。 二、この法律により定員繰入れに 当っては、職種、性別、年令、学 歴等にとらわれず、経験年数を尊 重して繰入れること。 三、第十九条第二項の職員は給与そ の他一切の勤務条件の上で同条第 一項の定員と差別しないこと。 四、本年度残された定員外職員の調 査に当っては調査様式、調査方法 等について関係行政機関及び関係 労組の意見を十分参考として行な うこと。 なお、国立大学及び附属病院、 研究所等の定員外職員について は、この際とくにその実情を明確 にし善処すること。 五、地方公務員の定員規制及び定員 外職員の定員内くりいれについて も、国家公務員に係る措置に準じ て行なうこと。 以上であります。
○委員長(吉江勝保君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉江勝保君) 御異議ないと認めます。 それではこれより採決に入ります。国家行政組織法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(吉江勝保君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。 次に、討論中に述べられました山本君提出の附帯決議案を議題といたします。山本君提出の附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(吉江勝保君) 全会一致と認めます。よって山本君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉江勝保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 次に、ただいまの附帯決議に対し、小澤行政管理庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。
○国務大臣(小澤佐重喜君) ただいま附帯決議にありました一項ないし六項につきましては、できるだけ御趣旨に沿いまして、遺憾のないよう期すつもりでおります。 ——————————
○委員長(吉江勝保君) 次に、先刻の防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案の質疑をこの際続行いたします。
○山本伊三郎君 ちょっと質問が中絶して腰を折られたようでありますが、あまり時間もないようですから、私、もう一つだけ。実は、これは普通であれば大きい声をあげて長官に追及したいのですけれども、一つこの点だけ明らかにしてもらいたいと思います。 実は、本年の三月二日の本委員会において、私が西村長官に質問した際に、これは御記憶もあると思うのですが、福井の地方連絡部の業務班長の例をとって、防衛庁の政治活動についてどうかという質問をしたことがあるのです。従って、これをいろいろ追及すると問題はありますが、私はこの点だけ明らかにしてもらいたいと思うのです。これは下村委員が賛成のいわゆる発言もしておられるのです、この議事録を見ると。まあそういうことは別として、私は、将来問題になるからこの人をどうこうせよ、こういう質問じゃないのです。自衛隊の運営上、政治活動にタッチできる限度について私は質問しておる、こういう趣旨でずっとやっておる。それがたまたまいわゆる具体的な問題に入って答弁されておる。私は今そういうものを問題にしようと思っておらない。そのときの国務大臣の答弁の中に、こういう一節があるのです。「紀元節復活運動は、これは一つの政治的なテーマでございます。従って、執務時間中にそれが音頭をとって非常に激しくやるならば、これは一つの注意すべき問題でございましょう。ただし、紀元節の運動自体も、個人の自由の面がございます。従いまして、職務執行中でありましても、社会常識で許される程度ならば、これはあえてかれこれ言うべきじゃないと思います。」云々と、こういう答弁があるのです。もう一つ、下へ下がって、私の質問に大臣は答えて、「私は、従いまして、具体的な事案になりますと、事実を認定して、しかもそれを一つの常識なり法令から限度をきめて参らなきゃなりません。従って、一般論としてここでは御答弁申し上げるわけであります。一般原則といたしましては、自衛隊員でありましても、政治上の問題に対して、発言の自由、行動の自由のある場合もあるのであります。その限度内で、しかも職務に支障がないならば、私はあまり異を立てるほどのことはない、これが私の解釈でございます。」こういう答弁があります。少なくとも、この当時の論争といいますか、情景を浮かび出さぬと問題は把握しにくいのですが、私は、もう過去のことはあまり言わないのですが、ただ、この前の池田総理が見えたときに、私は、自衛隊のいわゆる指揮監督の問題で質問したことがあるのですが、そのときに林法制局長官が私に答えて、これも一般公務員だがら、行政上の責任者である総理大臣がすべてを指揮監督するというのは憲法上の規定である、こういう答弁があった。そういうところから一応自衛隊の性格というものが明らかにされてきた。そこで、私が聞きたいのは、西村大臣が言われる「一般原則といたしましては、自衛隊員でありましても、政治上の問題に対して、発言の自由、行動の自由のある場合もあるのであります。」といいますが、これは一体どういうものを長官として予定されておるのか。これはたとえばでありますから、一つでけっこうですから、それをちょっとお答え願いたい。
○国務大臣(西村直己君) 自衛隊員でありましても、国民の一人であります。従って、憲法の保障はあるのでございます。もちろん憲法の保障の中で、今度は法律上の制約があるわけでございます。従って、自衛隊員の政治上の発言、あるいは政治上自由なる行動、一番端的な事例としては選挙権の行使であろうと思います。
○山本伊三郎君 私はそういうことを言ってない。選挙権はもちろん全部あるのですが、特に公務員、自衛隊員には一つの法律の規制がある。私はここで一般論を言っているのです。将来問題になると——自民党内部でも問題になっておるのです。自衛隊の問題ではなく、一般公務員の問題になっておるのですから、従って、私は、紀元節復活運動とか、そういうものは一つの政治テーマであるから政治活動だろうということは、これはだれにも認められるのです。それを、ただその時間中でも、いわゆるものによっては許せるし、時間外であれば、これは当然だという、こういう内容になっておるのです。それに間違いないかということさえ確認できたらいいのです。
○国務大臣(西村直己君) もちろん具体的問題として参りますと、現地でたとえば会合がございました。それが紀元節そのものの会合であるか、あるいは護国神社の祭礼というものをやっているとか、そういうものに対して列席したとか、そういう場合もあります。具体問題になりますと、先般申しましたように、具体的な実情に当たって見解をきめなければならぬのであります。一般論といたしましては、従って、政治上の行動は自衛隊法で制約を受けております。その範囲内しかできないと私は思います。それは当然のことだと思います。法律の範囲内においてということは、法律で認めた一つのものが、自衛隊員は一つのある制約を受けておりますから。
○山本伊三郎君 私、はっきりしておきたいのは、一応紀元節が問題になっているのですが、これの復活問題は、野党が反対、与党は賛成、自民党は賛成だということで運動を展開しているが、これは一つの政治問題だと私は解釈しているのですが、それについてはどうなんですか。この個々の問題ではなくて、一般的な問題です。
○国務大臣(西村直己君) 紀元節の問題でございますが、紀元節の問題につきましても、私は、個人として意見を持つということは許されたる自由だと思うのであります。
○山本伊三郎君 私は意見を言っておらないのです。そういう運動に参画し、行動するということがどうでありますかということです。
○国務大臣(西村直己君) ですから、その運動に参画することというふうに抽象的におっしゃるならば、たとえばそれが露骨な運動であって、はっきりそれ自体を目的にしているような運動は、法令上問題になろうと思います。政治の主義主張を直接実現するための運動、ただ、それがたまたま何と申しますか、人間ですからいろいろなつながりがありまして、その場合に、職務の合間をみて、たとえばその会合は、私はよく知りませんが、何か具体的に一つの護国神社の慰霊祭とか何かの場合に出て行ってそういうところで参加する。しかし、その運動には紀元節の問題も一つ入っているというような場合にまで、そこまで一々追及をすべきかどうかというと、ちょっと私は疑問があるのじゃないかというのが先般の答弁であります。
○山本伊三郎君 私は、個人の問題はどうこうということは私の趣旨ではない。自衛隊員の政治活動に対する場合の問題についての問題を言っているのですが、私はそれで具体的の問題をあげているのです。その場合に、あなたがいろいろ言われますが、紀元節復活運動というものは各地でやられる。二月十一日には、いろいろ復活ののぼりを立てて神社に示威行進をやられます。実際やっているのです。そういう中に入ってやることが、個人の問題ではない、そういうことが自衛隊として許されるかどうか、これを私は具体的に聞いているのです。それだけです。事実があるなしは別です。一般論でいいのです。
○政府委員(加藤陽三君) ちょっと私から、自衛官の政治的行為の点につきまして、大臣の御説明を補足して申し上げたいと思います。 これは先ほどから大臣もおっしゃっておりますが、今の自衛官は昔と違いまして、昔は軍人は、軍紀軍令に抵触しない限り、憲法を順行をするということになっておったのでありますが、今は一般的に基本的な権利を持っている。ただ、公務員という立場において、法律で制限された限度においてしか行なってはいけないということになっているわけであります。そうして自衛隊法の六十一条に、「政治的行為の制限」の規定がございます。これは、「隊員は、政党又は政令で定める政治的目的のために、寄附金その他の利益を求め、若しくは受領し、又は何らの方法をもってするを問わず、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除く外、政令で定める政治的行為をしてはならない。」そこで、この政令が自衛隊法施行令の八十六条、八十七条に書いてあるわけでございます。八十六条におきまして政治的目的の定義をきめておりまして、第一号から第八号まで書いてございます。そこで、この中で第一号、第二号、第三号、第四号、これは今の問題には関係ないと思います。六号、七号、八号も関係ないと思います。八十六条の五号が問題になるのじゃないかと思うわけです。第一号は、「選挙において、特定の候補者を支持し、又はこれに反対する」、これは関係ない。第二号は「最高裁判所の裁判官の任命に関する国民審査において、特定の裁判官を支持し、又はこれに反対する」、第三号は「特定の政党その他の政治的団体を支持し、又はこれに反対する、第四号が「特定の内閣を支持し、又はこれに反対する」、これは今の場合は問題にならないと思います。第五号が、「政治の方向に影響を与える意図で特定の政策を主張し、又はこれに反対する」、まあこれが問題になるんじゃないかと思うわけでございます。第六号は、「国又は地方公共団体の機関において決定した政策の実施を妨害すること。」、第七号は、「地方自治法に基く地方公共団体の条例の制定若しくは改廃又は事務監査の請求に関する署名を成立させ、又は成立させない」、第八号が、「地方自治法に基く地方公共団体の議会の解散又は法律に基く公務員の解職の請求に関する署名を成立させ、若しくは成立させず、又はこれらの請求に基く解散若しくは解職に賛成し、若しくは反対する」、これは関係がない。結局その第五号が問題になってくるわけでございますが、この第五号の解釈につきましては、人事院の方の解釈を見ますと、ここで「政治の方向に影響を与える意図」と申しまするのは、日本国憲法に定められた民主主義政治の根本原則を変更しようとする意思をいうというのが人事院の解釈でございます。それから、ここに書いてありまする「特定の政策」というのは、政治の方向に影響を与える程度のものであることを要するというのが人事院の解釈であるようでございます。そういたしますと、今の紀元節の問題は、八十六条の第五号に該当するかどうかということでございますが、まだこれはもう少し私自身もよく研究してみなければいけないと思いまするが、今一応の考え方といたしましては、もし人事院の解釈の方をとるといたしますれば、これはここに該当しないんじゃないかというふうに思うわけでございます。 それから、今の勤務時間内外の問題は、これは政治的行為の禁止の問題とは別でございまして、これは自衛隊法施行令八十七条の第二項、これは百十五ページにございますが、これは勤務時間外において行なう場合でも、やはり政治的行為についてはいけないということになっておるわけでございます。問題は、やはり今の運動自体が八十六条の五号に該当するかどうかということで判断すべき問題であろうというふうに考えます。
○山本伊三郎君 長官にお伺いしますが、今、官房長がこれに該当しない、こういう見解を明らかにされたのですが、こういう例は、単にこれは自衛隊だけじゃなく、いろいろ影響してくる問題ですから、われわれとしては紀元節復活の問題については、これは政治問題であるということは、これはもうだれしも私は理念されておると思う。それが政治問題じゃないんだ、これに該当しないんだという解釈で、そういう方針であるんだという政府の方針がはっきりすればそれでいいんです。それを一つ。
○国務大臣(西村直己君) 一つの私は政治上の問題ではあると思います、紀元節の施行というか、法制化をはかる、いなという問題は。私は法律に許されたる範囲あるいは抵触しない範囲においてといつも御答弁申し上げておりますのは、自衛隊法で制約を受けておりますから、それで自衛隊法の政令で、該当は何か、政令の八十六条の五号、この五号は、一応やはりこういうものは、公務員全般をいろいろな意味で統制している人事院の解釈というものを一応尊重して参るということになりますと、ただいま官房長が、人事院としての解釈でいくならこれには該当しないのじゃないか、こういう解釈になっておるのであります。
○山本伊三郎君 私は、その点については、これが公務員といえども、この民主憲法においては、広範なこういう解釈で意見を発表し、行動するということは、私は賛成なんです。政府はそういう見解に立っているならば、私はそうあってもいいと思う、限度の問題はありますけれども。ところが、一方ではそういうことのないような措置のとられる場合も往々ある。それが防衛庁の解釈はそうだということは、私は許しませんよ。政府の見解として西村国務大臣がそう言われるならば、私はそれでよろしい。従って、その点だけはっきり確認しておきたいと思います。紀元節復活の問題は、どうせこねは政治問題になってくるのです。当然なってくる。それだけがこれはそれに入らないのだという見解がはっきりすれば、私は、政府がこういう寛大な解釈でいくということであれば、それに類する行為というものはたくさん出てきますから、この点もう一回一つはっきりしておいて下さい。
○国務大臣(西村直己君) 私どもは、これは一つ公務員の立場で統制しております人事院の解釈というものの基準を一応とって御説明申し上げておるわけであります。そうなれば、政府としては、自衛隊に対して自衛隊法を解釈する場合に、人事院の解釈を基準にして解釈をしていく以外にないと思われます。
○山本伊三郎君 私は、人事院の解釈といいますけれども、これは処分する場合は任命権者である政府であり、あるいはその他の公務員を所掌している側が認定して処分するのですよ。人事院の解釈がこうだからといって、私はこれで済む問題じゃない。法的解釈だけでこの論争をしていない。これがそういうことであなたの方は、そういう行動が第五号に該当しないのだ。 しかし、これは後ほどこういう問題が出たときに、いろいろまた刑法上の問題も出てくるかもわかりませんから、その場合に、今の答弁を政府がどこまでもそれを主張してもらいたいということが保証できるならば、私はそれで納得します。
○国務大臣(西村直己君) 私、先ほど申しました人事院の解釈を基準に自衛隊法を運用して参る、この通りでございます。そう受け取っていただきたいと思います。
○山本伊三郎君 私は、もちろん西村長官は自衛隊の関係の国務大臣ですが、実は、これは池田総理にあのときに時間があればこれを一応聞いておきたかったのですが、今度のILO条約の批准をめぐって、政治活動については相当問題が出ておるのです。それが自衛隊という僕は一応の概念でいえば、一般公務員よりも、政治活動については、ある程度厳格に規制される自衛隊であると私は認識しておる。しかし、今の憲法上からいくと、それは区別できない。区別できないのだけれども、同等としても、そういう解釈でいかれるならば私はそれでよろしい。だからその点についてまあ答弁されましたが、紀元節復活という問題は、私は政治問題であると思うのですが、政府は、ないと、こういう見解である。そういうものについては容易にこの第八十六条第五号は適用されないのだ、こういうことのはっきりした答弁をされたら、それでけっこうです。
○国務大臣(西村直己君) もう一度申し上げておきますが、政治問題としては私も認めておりますが、この法律に該当するかどうかということになってくると、該当しない、これはそのためには人事院の解釈等もわれわれは援用していくわけであります。この政治目的とはややはずれている、こういうふうに解釈しておるわけであります。
○山本伊三郎君 それについては論争すればいいのですが、こういう寛大な考え方が政府の見解であるということであれば、それでけっこうなんです。私は、それを無理に、これは違反だということを押しつけようという考えでむないし、質問の趣旨じゃないのです。そういうことで一貫していかれるならば、これは間違いのないように、あのときはどうかということを言われないようにしていってもらいたい、こう思いますから、念のために一つ。 そこで、それについて、私はこういう問題はあまり取り上げたくないのですが、私はこの問題を取り上げたのは、そういう公務員の自衛隊の政治活動についていろいろ問題が出てくるし、それを心配してこの委員会で取り上げた。それに対して私は、従って議事録を見ていただくとわかりますが、名前は言っておらない。私は自衛隊の個々の一人々々をそんないじめたりする考えは毛頭持っておらない。ところが、本人は新聞を見たかどうかわからぬが、こういう投書をよこしておる。「三月二日参院内閣委員会に於て貴官は、小生が二月十一日、休暇も取らず一日中、建国記念日行事に当って居った旨、防衛庁長官に申されし由なるが、御承知の通り二月十一日は土曜日であり、午后は休務であり、小官は午后二時より三時までの間、個人として建国記念日奉祝祭に参加した者である。」これはまあ内容は私は何も調べてくれとは言いませんが、自分は時間外だけれども一時間やったということをここで言っておるんです。しかし、これはこの人は時間外ということを言うのが趣旨じゃない。時間外であったから、私は決してそんなことはないと、こう言っている。そのあとにこういうことを言っておるんです。そういう事実に反し、小官の名誉を傷つけられたものであるから、何らかの方法で取り消してもらいたい、訂正されたい、こういう文書がきておる。私はこういうものを追及しない。したくないんです。長官として一ぺん考えておってもらいたいのは、われわれは一つの−−これは自衛官であろうと大臣であろうと、どういう人であろうとも、国政に影響する問題であれば、どういうことでも、私は名前をあげないけれども、汚職の問題であれば、名前をあげてでも、裁判所の最後の判決が出るまではそれは罪人とは言えない。しかし、そういうものを私はそういう趣旨で名前を言っておらないけれども、こういう文書を投書として出しておる。で、私は、防衛関係の問題についてこういうことがある場合に、自衛官の問題でどういう問題があっても、触れるということは、われわれの言論を制約されておる、こう思うんです。私はだからといって何もこの人をあなたの方が処分せよとか、これをどうかせよとは言わないんです。そういうことを私はいろいろ言ったけれども、一般の公務員のことでも、大臣のことでも、次官のことでも、相当言っておりますけれども、こういうことを言った人はないんです。しかし、ほんとうに本人の全然無根な、要するに罪人なら罪人であるとか、そういうことを言って誣告したようなことであれば別ですけれども、一般自衛官の行動に対して、長官に対してこれはどうかということを質問するのについて、そういう制約を受けなくちゃならないか、この点についてどう考えますか。
○国務大臣(西村直己君) 具体的に私は事実は存じませんし、それからまた、その手紙の趣旨もどういう手紙であるか知りませんが、自衛官が新聞等を見まして、そして個人の意見をどなたかに手紙で送ることも、また個人の、本人の自由の範囲内じゃないかと私は思うのであります。それが恐喝に当たるとか、それがあなたの国会における言動を何かの力で制約するというんなら別でありますが、そういうことは、今お読みになった範囲内では感じないのであります。なだ個人の意思を言ったのじゃないかと思うのであります。
○山本伊三郎君 個人の意見を言うことは、これは自由でしょう。しかし、この国会で、自衛官の問題で問題にしているのに、現職のそういう人が、それが名誉棄損だからこれを訂正してもらいたい、これは一つの何ですよ、意見じゃない、要求なんです。そういうものがあり得ていいかどうかという問題です。自衛官の問題でわれわれがどういうことを言うかということは、これはもうわれわれとして、そんな人のことを罪に落とすために発言しておらない。自衛官のあり方についてどうかということを、われわれが審議する中で、それがたまたま新聞に載って、そうして自分だということを想像して、そうしていわゆるその当人にそういう手紙を出すということは自衛官だけですか、ほかからもたくさん投書がきますけれども、これは正常な民主主義の国会を運営する場合に妥当であるかどうかという問題ですね。こういう点で、もう依然としてそういうことがあっても、個人の権限であるから、もうそういうことはいいのだ、こういうことであれば、私はもう大体あなたの考え方はわかりますから、その点確認して下さい。
○国務大臣(西村直己君) 手紙をいただいて、その文章を精細に調べたわけじゃありませんけれども、私のお受けしました感じでは、あなたに対して、その特定の個人の意見を述べたと思うのでありまして、私どもが、国会を通じましても、名前を隠して、かなり脅迫的ないろいろな投書がよくあるのが例でございます。いわんや、本人がむしろはっきり自分の名前を出していわれたというのが、これは個人として正々堂々としていいのじゃないか。で、それに対して一つあなたの方で弁駁なさるなら、また大いに弁駁なさる節があるのじゃないか。私は、それがあなたの国会活動なり、言論の自由を束縛しておるとまでは了解しにくいのであります。
○山本伊三郎君 あなたが防衛庁長官でなくて、一般のいわゆる国務大臣、あるいはまた次官としてそういうことであれば、私はまあそれでいい。あなたの支配している部下が、そういろ問題が出たことについて、いわゆる言論をわれわれは押さえておるとは、そんなことは私は考えておりません。おらないけれども、そういうものに等しいような、訂正を求めるという行為が、私は本人が名前を出しておるかどうか、これは問題でない。そうだったら問題にしない——これは一般の無記名の投書というものはたくさんくるのです。脅迫がくるのです。それはあなたも同様だと思います。すなわち、そんなものは問題にしていない、それを正々堂々とやられることについては、むしろいいのじゃないか、こういうことを長官自身が奨励するようなことを言われておるが、私はそうとっていいですか。
○国務大臣(西村直己君) 私は、別に奨励をしているという意味じゃなくして、それが非常に圧力を加えてくるからけしからぬじゃないかというが、そこまでの問題じゃないのじゃないかと、こういうふうに私は受け取っております。普通の常識の範囲内で考えていただく以外にないのじゃないか、こう思うのであります。ことに、国会の発言は公開の席上でやるのでありますから、また、それに対して関係者なり、関係者外の者が幾らでも自由な発言をすることは、私は押さえるわけにいかないと、こう思うのであります。
○山本伊三郎君 国会議員の言論もだれが押さえるか、そんなことは問題にならぬ。私はそういうことを言っているのじゃないのです。脅迫の文書はどうあろうとも、国会議員として、国政に参加することを許されている一員とすれば、たといそれがどうであろうとも、やっぱり堂々と所信を披瀝して、ただすべきはただし、間違いであれば、これは間違いだとして言うのが、これは政治家の本領ですよ。私はそういうことを言っていない。私は、そういうことが認められるとすると、われわれとして自衛官の問題についていろいろ討議するが、そういう行為が、長官がそういう答弁をすると、そういうことを奨励しておるかのごとくこれは受けるのじゃないか。あなたがやはり総帥なんです。部下がそういうことをやることについては、それはもう当然個人の権利であるからいいのだと、そういうことを言っておられるかどうかというのです。
○国務大臣(西村直己君) 私は、これはきわめて常識的にお受け取り願いたいのでありまして、私の方からあえてこれを奨励するという意味じゃございません。また、これが私の言葉を通して速記録にも載り、また、あるいはマス・コミの手をもって本人の手に渡るでありましょう。私ははっきりそれを奨励する趣旨でもないが、同時に、また憲法上、各人は自分の意見というものを、特定の人または一般に述べる権利を持っております。それを防衛庁長官として押さえるわけにいかないのであります。この点は御了解いただけると思うであります。
○横川正市君 関連。これは私は、長官はちょっと事実を弁護するという立場じゃないけれども、いささか間違ってとられているのじゃないかと思うのですよ。いわば三才の童子が、自分のしたことに対して反省はしないから、親から何かたしなめられたらむくれてすねた、こういうようなものに該当する事項だから、そういうようなことがあっては困るという事実にのっとってあなたの答弁がされるならば、山本委員も私は了承すると思うのですよ。事実は、新聞の記事を読んで、「小官の名誉を傷つけられたものである。何等かの方法により訂正され度希望します。」、まあ希望意見を述べたといえばそれまでのことです。事の起こりというのは根が深いのですね。紀元節に賛成する者と紀元節に反対する者と、そうしてその結果が、まあ該当するかしないか、あなたの判断にまかせなければいかぬけれども、親が何かの形で誹謗されたら、その子供が逆の意味で報復手段をした、これが浅沼事件の結果ですよ、出てきたのが。しかし、その結果をわれわれはこのことによって生むとは思わないけれども、少なくとも、反抗する意思の中には、こういうものが自衛隊の中に少しずつでも育っているのじゃないか、この中からこういう考え方というものが持てるというのです。そこで、あなたは、今の自衛隊の育て方というものが、国内における自衛隊に対して反対する勢力に対しては、これは反抗しなさい、こういう考え方でものを考えているならば、すねた子供を、よし、もっとすねろ、すねろということになる。しかし、新聞記事を見てこういうことを書くこの人は、相当気持の上では、やるかたない気持というものを少なくとも書いたと思う。それをどう一体判断するかと聞いているのであって、その点は誤解をしないように私は答弁すべきだと思うのです。
○国務大臣(西村直己君) 私も防衛庁長官として、きわめて冷静に——ただ手紙の内容そのものを見ておりませんが、お読みになった限度におきましては、自衛隊員といえども、憲法上の保障された発言の自由はあると思う。その限度内においてやっていくことは差しつかえない。ただ、これを奨励すべきだとか、そういうことではございません。きわめて常識的なことだと思う。ただ問題は、もちろん事実が、それと違っているのを、それを隠してやるとかやらないとか、具体論になって参りますと、これは一つ一つのケースでその人の態度というものを長官として私は批判しなければなりませんが、一般論として、国会での自衛隊あるいは自衛隊員の行動についての批判が新聞に載ったという場合において、意見を何らかの形で発言することを、防衛庁長官は、それはいかぬのだ、こう言うわけには参らぬかと思うわけであります。
○横川正市君 私は、一般論としてこういう事実があるかどうか、しかも、その人の意見を述べてきたというのならば、この問題はあなたの言うように処理さるべきものだと思うのです。しかし、あなたの立場から、この問題を見たときには、隊内の中に、反抗的なそういう事実があるならば、常にすぐ文書をもって相手側に訴えなければ自分の気持がおさまらないという人間が育ってきているという点については、あなたはどうお考えになりますか。
○国務大臣(西村直己君) 私は、一般にそういう反抗とかという気持でなくて、これは私は防衛庁長官であり、自分が指揮しておる自衛隊員だからかばうというふうにおとりになるかもしれませんが、そうでなくて、客観的に見て、やはりそれに対して、自分は、事実はこうじゃないのだ、それでは困るのだ、こういって意見を言うことを私はいかぬのだ、そういうことはおれに言ってこい、相手には言うなというほど私は自衛隊員の自由を束縛しては、かえって悪い結果になる。逆に、極端なことをいえば、他の手段をもっていろいろ意見にかわるべき行動をとるとか、あるいはむしろ無記名でやたらに投書を出すよりは、むしろ自分の意思を、はっきり自分の名前において意思を訴える方が、より以上将来に向かっていいのじゃないか。ただ、あなたのおっしゃるように、そういうことを奨励すべきだということは実は考えておりません。これはあくまでも本人の道徳水準の問題で、しかも、これが社会一般の常識から見て不道徳であれば、これは私は自分の責任において、またこれを直させるのにやぶさかでありませんけれども、今私は、ここで議題に出されておる限度においては、そう不道徳であって、私が叱責する具体問題というまでの限界まではきてないように私は受けとるのでございますが。
○山本伊三郎君 僕は、長官が言われることについては、もうこの前から一つのものを想定しておるのです。これが、かりにあなたにこういうものが自分の部下の自衛官からくれば、これは一つ問題になるでしょう。あなたが国会におけるいろいろな発言についてこういう問題がくれば、これは本人の意見だから聞いてやるのだ、そういうほがらかな気持でやれますか。私は自衛隊の運営上の問題を言っているのですよ。私はずっと見ておるのに、やはり公務員も一緒でございますが、自衛隊の場合には、自分の意見に反対するという者に対する一つの何らかの意思表示だと、こういうものが私はここに根ざしておるという考え方におるのです。そうでなければこれは出さぬ。そういうことが現われてきつつあるということを心配して私はこの前も発言しておる。それが今の防衛庁長官は是認しておる立場、この前の官房長が言われた法律解釈についてもそういう解釈をしておる。私はそれに反駁しておらない。しかし、これもあわして、やはりそういうことは個人の権利であるから、そういう投書があったって、それは個人の権利である、そういう解釈でいって、将来そういう規制が自衛隊内部で行なわれていくかということを心配しておるから私は言っておる。私は個人をとらまえてどうこうしようということは一つも言っていない。そういうことになりはしないか、そういうことになった場合にどうなるのかということを私は懸念してこの前からも発言しておる。それをまた今防衛庁長官が是認されているような立場で言われるならば、私はそれでよろしい。これは私個人にきた問題ですから、私はあまりこれで論及したくない、おとなげないから論及したくないが、そういう考え方であれば、大体防衛庁長官の自衛隊に対する考え方というものがわかります。それでよろしい。
○政府委員(小野裕君) ただいまのお尋ねのうちで、自衛官という言葉がございましたのですが、ただいま問題になっております者は、自衛官ではなくて事務官でございまして、これは同じ職員でございますけれども、ただ、自衛官というと、非常に感じが強く出ます。防衛庁の職員でございますが、自衛官ではございません。その点だけ訂正しておきます。
○委員長(吉江勝保君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(吉江勝保君) 速記をつけて。 次に、法務省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては、すでに提案理由の説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。なお、本案は、お手元に配付しましたように、衆議院において修正されております。 政府側出席の方は、植木法務大臣、津田司法法制調査部長、羽山司法法制課長、福井矯正局参事官、高瀬入国管理局長、天野法務総合研究所次長でございます。 御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
○村山道雄君 ただいま議題になっております法務省設置法の内容につきまして、時間が迫っておりますので、一点だけお尋ねをいたしたいと思います。 今回の改正の重要なる一つの点は、国際連合と日本国との協定に基づきまして、犯罪の防止及び犯罪者の処遇に関するアジア及び極東研修所を設置するということにその最も大きな改正点があるようでございますが、この協定案の内容につきましては、先般の本会議におきまして審議決定をいたした次第でありまするが、この法案審議の前提といたしまして、このアジア及び極東研修所を設置されるに至りましたその国際連合との折衝の経過等について御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(津田実君) ただいまお尋ねの、この協定を結びまして、日本国内に、犯罪の防止及び犯罪者の処遇に関するアジア及び極東研修所を設けまするにつきましてのいきさつは、御承知のように、国際連合は、通常の技術援助計画の一環といたしまして、つとに犯罪の防止及び犯罪者の処遇に関する地域研修所を世界の適当な場所に設置し、その地域の研修所に対しまして研修を行なわせるという計画を持っておりまして、その一つといたしまして、アジア及び極東地域の適当な場所にその研修所を設置しようという勧告が決議されておったのでございますが、一九五四年の十一月にラングーンで開催されました犯罪防止及び犯罪者の処遇に関する第一回国連アジア及び極東地域セミナーにおきましてこの決議が採択されまして、その後具体化して参りまして、一九五七年、すなわち昭和三十二年に東京で開催されました第二回の国連アジア及び極東地域のセミナーにおきましては、この研修所をパキスタンのラホールに設置するということが内定されたわけです。でありまするが、その後。パキスタンの国内事情によりまして、昭和三十四年、すなわち一九五九年に至りまして、この研修所の招請を同国が撤回することになったわけでございます。そこで、国連当局におきましては、さらにこの地域におきまして招請国を求めておりまして、わが国にその設置を希望する旨の非公式の意思の表明がございました。そこで、いろいろ国連側と下相談をいたしました結果、この極東地域におきまする犯罪の防止に寄与するため、この地域に研修所を置くこと、並びにその置くのに適当な場所がわが国であるということにつきまして意見が一致いたしまして、わが国といたしましても、この地域の犯罪防止に関する諸種の研究をいたし、研修生の研修をいたすことは、非常にわが国にとっても有益であるという判断に立ちましたので、昨年の五月に、これを招請する旨の閣議決定が行なわれました。その後、国連側に交渉を続けまして、昨年の十二月、ニューヨークで正式交渉に入り、本年の三月十五日に、国連代表側と、日本のニューヨークにあります国連代表部との間に協定の署名が行なわれたものでございます。
○村山道雄君 予算書によりますと、この研修所のために約九千万円昭和三十六年度に計上されておるようでありまするが、この予算は、この研修所を設置した日本の国が全額を負担するのでありますか。それとも国際連合等よりその費用の一部分を負担される建前になっておりますか、その点をお伺いいたします。
○政府委員(津田実君) 本件のこの協定におきましては、日本側が提供すべきもの、それから国連側が提供すべきもの、すなわち、日本側の義務、国連側の義務を四条及び三条に規定しておるわけでございます。で、ここに資料に掲げております九千五十七万三千円と申しまする経費は、もちろん初年度の経費でございますが、これは、この日本の予算に計上されておるものでございます。それで、国連側の予算といたしましては、はっきり額をただいま申し上げられないのでございますが、一九六〇年にパキスタンに置く際に計上いたしておりましたところの、国連の過年度予算に計上しております額は五万ドルでございまして、この条約におきまして義務とされておるところは、この所長及び高級顧問の給与、それからこの地域の日本国以外の国からの五人ないし十人の者に対して奨学資金を与え、かつ、千ドルの専門図書その他の備品を出す、こういうことになっておりますが、これをおおむね換算いたしますと、約二千万円前後になると思います。今回この日本側が支出しておりまする経常費は二千万円程度でございまして、あとのものは初度設備費になっております。初度設備費につきましては、将来この条約がかりに効力がなくなりました暁におきましても、日本側が当然日本側の国有財産として使用し得るわけでございます。大体経常費は国連側と日本側とが見合った額になるというふうに考えております。
○村山道雄君 この研修所の構成でございますが、いただきました資料によりますると、まあ要員まで入れて全部で十九人となっておりますが、これは日本人の職員だけで構成されるものでありますか。それとも国連の方から派遣された外国人も入るわけでありますか。入るとするならば、この十九人の中に入っておるのですか、ほかにまだ外国の要員が何人か国連から派遣されてくることになりますか、その辺のところを御説明願います。
○政府委員(津田実君) この十九名の要員は、もちろん日本側の職員でございまして、日本の国家公務員として採用されるものでございます。で、国連側から参りまするのは、所長及び高級顧問各一名と、第二年度からは専門家三名ということになりますので、第二年度以降におきまして、合計五名ということになります。
○村山道雄君 いろいろの国の人が集まってきて研修を受けることになると考えるのでありまするが、その言葉などはどういう言葉を用いられますか。
○政府委員(津田実君) これは、この協定にございますように、用語は日本語と英語とを用いるわけです。日本語は同時通訳によって英語に直すということになっております。まあそういう意味におきまして、この地域におきまして、ことに研修にくる人は大部分英語を理解する人々と考えられますので、その程度で十分だというふうに考えます。
○委員長(吉江勝保君) 速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(吉江勝保君) 速記つけて。 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめ、残余の質疑は次回に譲ります。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時四十八分散会 ————・————