P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
38回国会参議院1961/03/28

内閣委員会 第12号

発言数
211
登壇者
23
会派数
3
開催日
1961/03/28

会議録

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) これより内閣委員会を開会いたします。  三月二十四日予備審査のため本委員会に付託されました連合国占領軍等の行為等による被害者等に対する給付金の支給に関する法律案を議題といたします。  政府から提案理由の説明を聴取いたします。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) 連合国占領軍等の行為等による被害者等に対する給付金の支給に関する法律案の提案理由及び概要について御説明申し上げます。  占領期間中における連合国占領軍等の行為により、死亡し、負傷し、または疾病にかかった被害者に対しましては、昭和二十一年五月、閣議決定により見舞金支給措置を講じ、さらに昭和二十七年五月、閣議了解により追給措置を講じてきたのでありますが、これについてその金額が少なきに過ぎるという理由をもって、被害者より、政府並びに国会に対し、しばしば救済の陳情並びに請願が行なわれてきたところであります。  政府は、昭和三十四年度に調達庁をして、全国的に実態を調査せしめました結果、被害者数は、占領時代前期において最も多く、なかんずく、死亡者数も同様であることが判明し、かつ、見舞金額も少額で、お気の毒な状況にあると考えますので、これらの者に対する救済を立法措置により講ずることが必要、かつ、適切であると確信するのであります。  以上がこの法律案を提出するに至った理由であります。  次に、この法律案の具体的内容について、その概要を御説明申し上げます。  まず、この法律案による給付金は、木邦内における昭和二十年九月二日から昭和二十七年四月二十八日までの占領期間中に発生した連合国占領軍等の行為等によって負傷し、または疾病にかかった者及び連合国占領軍等の行為等によって死亡した者の遺族であって、日本国籍を有する者に対し支給することとした次第であります。給付金の種類といしまたしては、療養給付金、休業給付金、障害給付金、遺族給付金、葬祭給付金及び打ち切り給付金の六種類となっており、また、その支給額は、療養給付金につきましては、一定の基準を政令によって定めることといたしましたほか、休業給付金につきましては、この法律施行前の休業期間六十日未満にあっては二千円、六十日以上にあっては五千丘百円、この法律施行後の休業期間にあっては一日につき百二十円を乗じた額とし、また、障害給付金につきましては、労働基準法に定める障害の等級に応じて定めた一万八千円から十七万八千円までの額、遺族給付金につきましては、定額十五万円、葬祭給付金につきましては、同様定額五千円とし、打ち切り給付金につきましても定額十八万円といたしております。  なお、これらの給付金を現実に支給する際には、すでに他の法令あるいは行政措置により、何らかの給付を受けた者あるいは受けることができる者に対しましては、この法律による給付金の額からこれらの相当給付金額を控除した金額を支給することとした次第であります。  さらに、この法律に基づく給付金の支給を受ける権利の認定は、調達庁長官が行なうこととしたのでありますが、調達庁長官の処分に対し不服のある者は、六十日以内に不服の申し立てを行なうことができることとし、再審査の方途を講じております。この再審査にあたっては、被害者給付金審査会を調達庁に設置いたしまして、調査審議せしめることとし、これによって万全を期することといたしております。  また、この法律による給付金を受ける権利の時効は三年といたしましたほか、この給付金は、すべて非課税とするとともに、給付金の権利については、譲渡、担保または差し押え等の行為を禁止し、権利の保護についても十分な配慮を講じております。  なお、遺族の順位その他手続に関する規定等、必要な措置を規定し、さらに細部の必要手続については、総理府令にゆだねることといたしております。  以上、この法律案の提案の理由及びその内容の概要を申し上げた次第であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛成あらんことをお願いいたします。

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 以上で提案理由の説明は終了いたしました。  自後の審査は、これを後日に譲ります。    ――――――――――

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 次に、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査を議題とし、公務員の寒冷地手当、薪炭手当及び暫定手当の人事院勧告に関する件の調査を進めます。  関係当局より出席の方々は、入江人事院総裁、瀧本人事院給与局長、中村国有鉄道常務理事でございます。  御質疑のおありの方は、順次御発言願います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 総裁に伺いたいのですけれども、またことしの勧告並びに報告のために民間給与の実態調査をやられるわけですが、もう調査要綱はでき上がっておるのではないかと思いますが、調査要綱は大体まとまってでき上がっておりますか。

入江誠一郎人事院総裁

○政府委員(入江誠一郎君) もう大体きまっております、ちょっと時間がかかるかと思いますけれども。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 ほぼでき上がっておる、こういうのですね。

入江誠一郎人事院総裁

○政府委員(入江誠一郎君) さようでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 その調査要網ができ上がりましたら、ぜひ一つ本委員会に御提示を願いたいと思うのですがね。

入江誠一郎人事院総裁

○政府委員(入江誠一郎君) 提出いたします。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 昨年の調査のやり方と変わったところがございますか。

入江誠一郎人事院総裁

○政府委員(入江誠一郎君) 詳細な点につきましては給与局長から御説明させていただきますが、大体の規模につきましては、昨年とあまり変わりません。たとえば職種が若干増加いたしましたとか、それから手当につきまして、今回は最終的に決定いたしておりませんけれども、通勤手当でございますとか、住宅手当でございますとか、あるいは扶養手当なんかにつきましても、公務員の方からいろいろ従来質疑等もありましたので、この際、参考に調査してみたいと思っております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 給与局長、何かこまかいのもありますか。

瀧本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(瀧本忠男君) 総裁から詳細なお答えが出ましたので、いずれ不日決定していただくことになっておりますので、その上で調査要綱をごらん願いたいと思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 続いて、今の総裁のお話しの中にありました通勤手当につきまして若干伺いたいのですが、御存じのように、これは三十二年の七月の勧告に基づきまして、翌年の三十三年の四月一日から公務員にも通勤手当が出るようになったのです。戦後ずっと民間におきまして通勤手当が出ておったのですが、公務員ははるかにおくれまして、三十三年の四月一日からこの通勤手当が出るということになったわけでありますが、しかし、この通勤手当は、その後やはり逐甲増加して参っておるようですね。日経連が三十二年に調査をいたしておりますが、これは日経連の関西経営者議協会、それから二年ほどおくれまして三十四年に、再度日経連の労務相談部が調査をいたしております。これなんかを見ましても、さらに、また労働省の調査なんかを見ましても、これは逐年増加をいたしておるようですが、さらに、またどうも政府の方では運賃、通勤定期等の大幅の値上げをはかっておられるわけですが、これは通勤手当につきまして四年間据え置いておかれるわけですが、根本的に検討をされるべきじゃないだろうか、こう思っておりますが、この点について。

入江誠一郎人事院総裁

○政府委員(入江誠一郎君) 通勤手当につきましては、御存じの通り、前回きめましたときにも、大体民間の支給状況というものを参考にいたしまして決定いたしました。ただいま申し上げましたように、今年民間の通勤手当の調査をいたしたいと思っておりますので、民間のその後の動き工合を見ていきたいと思いますから、それによって一つ検討させていただきたいと思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 通勤手当につきまして、全部補償するか一部補償するかという考え方があるわけですが、この日経連の調査をずっと見てみますと、全額補償というのが逐年増加していますね。今持っておりますのは三十二年の二月ですか、これは全部補償、これは三八%、それから二年後の三十四年の八月には五二%、全額補償がこういうふうになっておりますが、これはさらに増加をしているのじゃないかと思うのです。従って、通勤手当につきまして全額補償するという考え方を検討してもらいたいというふうに思っているのですが、これもどうも調査を待ってというお話しになるのかどうか、全額補償という点についての検討を要望したいと思うのです。御意見を聞きたい。

入江誠一郎人事院総裁

○政府委員(入江誠一郎君) その日経連の調査とおっしゃいますのがどういう調査でございますか、私どもまだつまびらかにいたしませんけれども、人事院の調査というのは、御存じの通り、従来の民間給与調査、あの方式によって通勤手当につきましても調査いたしたいと思っております。ここで調査の結果を見ないで即断いたすこともできませんのでございますけれども、われわれのこれまでの大体承知いたしておりました統計よりよほど違った統計――統計と申しますか、実績が出て参りません限り、全額通勤手当の補償ということは、現在の段階においては考えておりません。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 人事院としては、ちょうど四年間調査をなされなかったわけですが、労働省なり日経連といたしましては調査をやっておられます。そういう点からいって、今私が申し上げるように、相当全額補償というのがふえてきておる。この最後の五〇何%という全額補償、これは日経連の三十四年の八月の調査でありますが、相当大がかりな調査をやっておられます。従いまして、どうも不勉強のように思うのですが、全額補償という点についても、強く一つ御検討を願うように御要望申し上げておきたいと思います。  それから続いて、通勤手当は、自転車等の交通用具を使用することを常例とするもの、これにつきまして百円だけ支給している。「自転車等」というふうに書いてありますが、今日スクーターなり単車なりが非常な勢いで普及いたしておりまして、そうして通勤のための能率化、合理化が大へんはかられてきているのですよ。従って、自転車という交通の用具を使用する者の百円というやつにつきまして検討する必要があるのじゃないかというふうに思いますが、これもどうも調査待ちですか。考え方がなければお話しににならぬと思うのですがね。非常な発展ですよ。自転車なんていう時代じゃないのです。モーター・バイク、単車にしましてもスクーターにしましても、大へんな普及である。この人たちは二キロ以上の所から通っている。自転車が百円じゃどうにも話しにならぬ。こういう点も根本的の考え方を伺いたいと思うのです。

入江誠一郎人事院総裁

○政府委員(入江誠一郎君) ただいま御指摘の自転車の問題でございますとかスクーターの問題、あるいは中には自分で自動車を運転して通勤する者があります。こういう問題を、通勤手当への補給ということを考えます場合には、一体どういうふうに考えてよろしいものか、いろいろ御希望もありますのでございますけれども、現在ではそういう自動車に乗って参りますとか、あるいはスクーター、そういうふうなものまでも一つの通勤手当として特別に考慮すべきものかどうか、簡単には結論を得られませんわけでございます。なお、これの問題につきましても、今回の新しいことしの調査によりまして、民間の事情も一度調べてみたいと思っております。その上で一つ検討させていただきます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 どうも自動車なんというお話しをされたのでは、これは本省の中では、今の東京都の中では、これは三等級以上の人々は官庁の自動車で出勤、退庁しているわけですが、これが地方へ行きますと、地方にいる公務員というのは、自動車で通っている人はいないですよ。問題は、自転車というのが四年間の間に非常に発展して、スクーターなり単車の大へんな普及だ、そういう実情の中で、どうも百円支給しっぱなしという話しはおかしいじゃないか。だから百円についても検討する、こういう態度があってしかるべきじゃないかと思いますよ。ちょっと調査待ちじゃ……。

入江誠一郎人事院総裁

○政府委員(入江誠一郎君) これらの通勤手当全般につきまして、今回の民間給与調査の一つの結論を得まして検討させていただきたい。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 先ほど申しましたように、通勤手当につきましても、人事院は、長いこと公務員に対しては出さなかったのですよ。私どもは通勤手当を出すべきだと盛んに言った。それに対して人事院は、まあいろいろ考えられた末に、生計費調査か何か知らんですけれども、本俸の中に百円ほど通勤手当が入っている、だから通勤手当は出す必要がないと言って長年がんばられたのですよ。しかし、遂に三十二年の七月の勧告で、通勤手当、二キロ以上のところに最高限六百円というものを出されたのです。何かそういう手当等についての人事院の考え方というのは、非常にあいまいのような気がするのですがね、ですから、この百円という金額は検討すべきだ、しようと思っている、こういう発言があってしかるべきですよ、どうですかそういう点は。

入江誠一郎人事院総裁

○政府委員(入江誠一郎君) これはやはり通勤手当全般の問題として検討いたす必要がございますと考えますので、百円の問題だけをここで取り上げまして、これをどうこうするということでなくて、もちろんこの問題も検討いたしますけれども、民間の状況も調べまして、一つ検討させていただきます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 民間の給与の通勤手当の実情を調べて、額の問題についても考える、検討したい、さらに、今の百円というみすぼらしいやり方につきましても検討したい、こういうふうにとっていいわけですね。  もう一つ伺いたいのですが、徒歩のやつ、二キロ以上の徒歩の人たち、てくてくやっている人たち、これは支給してないのですね、民間を見ますと、徒歩についても支給するようなところがふえてきたのですが、日経連の三十四年の調査ですが、ふえておりますね、こういう点はどうお考えですかね。

入江誠一郎人事院総裁

○政府委員(入江誠一郎君) やはりこの通勤手当と申しますのが、一種のこういう交通機関を利用することによりまする一種の実費弁償的な給与とわれわれ考えているわけでございます。徒歩の者も、いろいろ徒歩による、何と申しますか、一つの失費というものはあり得るわけでございますけれども、大体通勤手当というものは、交通機関を利用することによる手当という観点に立っております関係上、徒歩の方には通勤手当は支給いたすように考えておりません。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 そういう新走的な話ができるのかどうか、総裁、少しばかり民間の給与の通勤手当の実情を調査の上でという御答弁をさっきからやられているのですが、民間の場合におきましては、私が今申し上げました徒歩に対して支給しているところはふえているということを私は申し上げているのですから、従って、調査をして、そういう傾向があるならば考えたいというふうに御答弁になるのがしかるべきじゃないか、こう思うのですがね。

瀧本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(瀧本忠男君) 徒歩者に通勤手当を出すかどうかということでございますが、ただいま総裁からお答え申し上げましたように、やはり手当の性格というものが、実費弁償的な性格が非常に強いわけであります。で、まあ徒歩で通勤するという場合には、これは一応靴がちびるとか、いろいろなことがあるかもしれませんが、一応通勤に要します費用が要るというふうには考えられない。従いまして、これは調査してみるとかどうとかいうことではないようにわれわれは思っているわけです。  なお、これはもちろん結論でございませんので、全体的な調査の結果、あるいはわれわれがやります調査以外に、ただいま御指摘のような調査もあるわけでございますし、そのほかにわれわれ部分的な調査の結果も持っておりますので、そういうものをあわせ考えなければなりませんが、大体の方向といたしましては、徒歩者には通勤手当というようなことは原則的に考えられないのではなかろうか、このように考えておる実情を総裁は御説明になったわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 この問題にどうも時間をとられがちなんですが、しかし、関心は非常にあるわけです。今私が申し上げましたように、民間におきましては、日経連の三十四年の調査によりますと、徒歩に対する通勤に対しても出しておるところが相当に出てきている、ふえてきておるという実情です。これは三十二年と三十四年と比べてみましてもそういう実情ですから、さっきからおっしゃるように、民間の通勤手当なんとおっしゃるけれども、それじゃそういう結果を待って検討するということですね、そういうことでしょう。

瀧本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(瀧本忠男君) 先ほど総裁がお話になりましたことは、民間給与調査の付帯調査といたしまして、事業所票で通勤手当も調べようということを申し上げたわけでございます。それはやはり交通機関を利用いたしまする場合、あるいは自転車等の交通用具を用いまする場合の実情を調査しようということにいたしておるわけでございます。徒歩者の場合につきましては、先ほども私が申し上げましたように、御指摘の日経連の調査もありましょうし、これはわれわれちょっと知らなかったわけでございますけれども、十分あとで調べてみたいと思っております。そのほかに、われわれといたしまして持ち合わせておりまする通勤状況の調査の資料もございますので、そういうものをあわせまして最終的には人事院として判断することになるだろうと思いますけれども、原則的に申し上げまするならば、やはり通勤手当というものは、通勤いたします場合の弁償ということが主であって、やはり交通幾関を利用するということが原則であろうというふうに思うのであります。自転車等の場合におきましても、これは用途が通勤用というだけでなく、いろいろな用途に使い得るわけでございます。多少話が広がると思うのでございますが、まあしかし、それにしても自転車等の場合は、これはまあ交通機関を利用するという場合に準じて考えるべきではなかろうかというように思っておりますけれども、徒歩の場合はおのずから限界もある問題であります、通勤の距離といたしましては。従いまして、これを原則的にやはり通勤手当を出すということは、ちょっとまあ考えられないのではなかろうか。しかし、今後十分検討はいたしてみたいと思うのでありますけれども、そのように考えておる次第であります。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 次に、住宅手当あるいは社宅、住宅という問題について伺いたいのです。私ずっと日経連の調査を検討してみますと、今、日経連が非常に注目して調査をしておるのは、住宅手当あるいは住宅、社宅政策ですね、それと福利厚生施設です。これはいろいろな理由があるのだと思いますが、非常に熱を入れて調査をしておりますね。調査は、同時に、そういう政策の推進の意味も持っているのだろうと思うのであります。従って、今住宅が非常な不満があるわけですね、御存じのように。本省でいいますというと、大体三等級以上の人たち、三十六万の職員の中で、大体四千人ぐらいの人たちですが、その四千人の人たちについては公営住宅に大体入っているわけですね。それ以外の人たちは、ほとんどそういう社宅、宿舎に入っていないのですね。従って、非常な不均衡がある。これは賃金高低以上に、公営住宅、国営住宅に入れるか入れないかというのは、非常な賃金の上に大きな差を作ってくるわけですね。従って、不満が大へんあるわけですよ。この日経連等の調査を見ますと、住宅手当あるいは社宅政策というのは非常に進んでおるようですね、ここ四、五年の間に。そういったものについて人事院としては検討しておられるかどうか、伺いたいと思います。もちろん国営住宅あるいは官舎、こういうものの政策はまた別な問題だろうと思いますけれども、しかし、それの中に住んでおる人と住まない人との間には、賃金の上に一実質生活の上に、大へんな差を作ることになります。東京都でいいますと、一畳借りますと千円、しかし、公営住宅は四部屋で千五百円くらいですから、大へんな差が出るわけですね。そういう面について検討しておられるのかどうか、これから調査して検討されようとするのか、その点伺いたいと思います。

入江誠一郎人事院総裁

○政府委員(入江誠一郎君) 従来におきましては、大体この住宅手当というもの、住宅問題が、御指摘のように、公務員の賃金に非常に影響があるということはお話の通りでございます。そこで、住宅手当というものをどういうふうに考えるか、前回の通勤手当のときにもいろいろ検討いたしたのでございますが、ことしの調査の結果がどういうふうに出て参りますかわかりませんけれども、今までのところでは、民間においては、全体として住宅手当を持っておりますところは非常に少ないのでございます。それで、まだ大体公務員の給与につきましては、民間の伏況を一つの重要な基盤としてきめておりますので、民間にもまだ少ない手当を、こちらでそれを創設するにつきましては、よほど慎重に考えなければならぬという関係もありまして、ことしはこの問題につきましても、そういうふうにここ数年ずっと調査いたしておりませんから、一度一つ調査したいので、調査要項に入れたいと思っておるわけでございます。どっちにいたしましても、今年の調査の結果を見ましてから一つ検討させていただきたいと思っております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 こういう住宅、官舎政策といいますか、あるいは住宅に対する考え方といいますか、非常に人事院はおくれているんじゃないかと思うのですがね。交通手当にいたしましても、十年たってから公務員に支給するという状態、今の社宅政策にいたしましても、あるいは官舎政策、あるいは住宅手当の政策にいたしましても、非常におくれておるように思うのです。これじゃ公務員の立場というものは非常にみじめなものじゃないかと思います。この日経連のやつは御存じないですか。三十三年の十月から三十四年の九月までの調査を出しておりますが、それを見ますと、家族持ちの従業員は三九%社宅を持っていますね、家族持ちの従業員に対しましては三九%。それから男子の独身者に対しましては三八%寮を持っておりますね。これは私は公務員の場合と比べますと、雲泥の差じゃないかと思うのです。産業別に見ますと、人事院の調査で一番給与が低く出るマイニングの方の鉱業一ですね、これは八〇%持っていますね。いろいろな理由があると思うのですよ。産業別に見ましても、社宅政策といいますか、あるいは住宅手当といいますか、こういう問題が相当に前進をしておるようですよ、この四、五年くらいに。どうもおくれていますね。やっとことしゃられるというわけですよ、本腰を据えて一つ検討してもらいたいのですが、よろしゅうございますか。

入江誠一郎人事院総裁

○政府委員(入江誠一郎君) 今回の調査によりまして、もちろん十分検討いたします。それで、まあ民間の方の関係の住宅は、最近住宅金融が非常に普及いたしましたので、こういうことは私らの知っている範囲のことでございますから、一がいに全体として申し述べるわけではございませんけれども、公務員の場合に、住宅を建設するとか、あるいはそういうふうになって参りますと、これはまた人事院としても簡単に結論が出ない。そこで、やっぱり住宅手当という問題になって参りまするけれども、住宅手当の問題は、一がいに、民間の一つの相当有力な社会の厚生施設のものとしていたします場合と公務員の場合と、簡単に民間に準ずるわけにもいかぬという点もございます。しかし、どっちにいたしましても、住宅問題が非常に重要な問題であることはわれわれ十分認識いたしておりますので、今後の調査を見まして一つ検討いたしていきたいと思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 もう一つ伺いたいのですが、これは人事院が、御承知の通りに、健康管理、レクリエーション、これを管理しておられる。従って、レクリェーションなり、あるいは健康管理という問題について伺いたいのですが、これも日経連が非常に最近なりまして福利厚生費の状況というものを四回にわたって調査しております。昭和三十年から四回、毎年こう調査しておりますが、これを見ますと、この福利厚生の状況というものが大へん伸展しているようです。その中で、文化、体育といいますか、保健、レクリェーション関係、これは大体月に従業員一人当たり六百円程度です。公務員の場合は、御存じの通りに、一年間に六百円、こういう点の考慮というのが人事院は不足しているんじゃないかと思うのですがね。そのほか、福利厚生関係の経費を見てみますと、これはもちろん法定経費であります失業保険とか、あるいは社会保険とか厚生年金とかの法定福利経費と、法定以外の福利厚生費というふうに分かれるのですが、これを二つ合わせて見ますと、ここ四、五年ずっと発展しているのは法定外の福利厚生施設、これは非常に発展してきている。平均従業員一人当たり四千二百三十一円という数字が出ているんですよ。それで産業別に見ますと、人事院の調査でいつも一番低いというふうに出ますところの建設業、これが一番高い。一人当たり八千六百五十二円ですよ、月にです。そのうちのレクリエーション、保健関係というのを見てみますと、一人当たり大体月六百円、公務員の場合は年に六百円。これじゃどうもひど過ぎやしないか。こういう諸手当についても、諸手当といいますか、実質的に生活を高めていくようなこういう問題について、配慮が非常に足りないのじゃないか。四、五年前から人事院は、どうも給与は一本化するんだ、簡素化するんだ簡素化するんだと、頭にこびりついてしまって、こういう問題についての詳細な検討が非常に不足しているのじゃないかと思います。こういう問題についても調査をやられて、そうして公務員のレクリエーション、保健というものをもっと留意される必要があるのじゃないかと思いますが、伺いたい。

瀧本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(瀧本忠男君) まあただいま御指摘の問題と、それから給与問題、これはまあ関係があるわけでございます。人事院が勧告いたしますと、御承知のように、いろいろな方面からいろいろな意見が出て参りまして、たとえば公務員の福利厚生施設であるとか、あるいは退職年金であるとか、一切のものを含めて考えなければならぬのじゃなかろうか。あるいは公務員の勤務時間なり定員配置の問題がどうだとか、いろいろな話が出て参るわけであります。われわれが、従来なぜ給与の問題から範囲を広げまして、ただいま御指摘のような、これはまあ非常に重要な問題であるわけでございまするが、やらなかったかというと、これはなかなかこういうつかみにくいという問題があるわけでございます。やはり給与問題を論じますときに、いろいろな条件をすべて取り入れて、そうして給与水準を決定するということが、はたして技術的にできるのか、また、そうやることが適切なのかというようなことがございまするので、やはり給与問題は給与の問題だけといたしまして、退職後の給与は、またこれは退職後の問題といたしまして従来人事院はやってきたということでございます。もとより健康管理の問題は非常に重要な問題でございまするので、人事院といたしましても、この問題につきまして十分な努力は払わなければならんということはあろうかと思いまするけれども、この問題を給与水準の問題とあわせて、同時に処理をするということが適当なのではないかというように考えているわけでございます。ただ、御指摘の点は非常に重要な点でございますので、人事院といたしましては、もちろんこういう問題につきまして今後も十分検討いたし、そしてより適切な方途を講じていくということは必要で、このことはもとより考えておることでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 もう一ぺん念を押しておきますが、人事院のあの民間給与の実態調査の中で一番低く出るといわれる建設業、その次に低いのは鉱山ですね、これが一番低く出るのです。この鉱山と建設業に対しましては、社宅、これは非常に完備していますね。それから今申し上げましたこの福利厚生施設費ですね、これは先ほど申し上げましたように、建設業が一番高くて月八千六百五十二円、従業員一人当たりですよ。公務員の場合はこれっぽっちですよ、話にならん。それから鉱山の場合、鉱業の場合、従業員一人当たり月七千五百四十六円という数字ですよ。こういうものと、やはりこの基準内給与というものは、これは関連して考えていかなければいけないのじゃないか。人事院の調査は一番低く出るのですよ、これがいつも。ですから、こういうところが一番社宅、あるいは福利厚生施設費というものにこんなに金が出ておる。さらに全体として見ました場合にも、先ほど申しましたように、一人当たり月に四千二百三十一円という数字、そのうちのリクリエーション、保健の経費というのが大体六百円という数字ですよ。だから、こういう点も一つ十分今度の調査にあたって検討していただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。

入江誠一郎人事院総裁

○政府委員(入江誠一郎君) ただいまの鉱業方面とか建設業の方面のいろいろな住宅その他の関係は、やはり業務の一つの地域的なあるいは特殊性に関連いたしておるかと思いますが、問題は、今給与局長から申し上げましたように、公務員の退職後の給与の問題、これはこれとして、厚生施設というものをどういうふうにして調査いたしますか、これは調査方法の問題もございまするし、今御発言のこともございまして、全般的に一つよく検討してみます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 これはおっしゃるように、なかなか調査しにくい問題だと思います。しかし、日経連は四回にわたりまして五百社、百人以下の企業、それから百人以上の企業というふうに分けまして、詳細一調査しているのです。それから日経連等が調査しますと、これはある意味ではそういう政策の推進というものを含めて調査しているのだろうと思いますが、相当な詳細な調査がされているのです。そういうものについて何ら人事院が今まで検討しておらない。何しろ毎年やっておるのです、これ。日経連としまして、五百社を選んで調査するというのは大へんな事業なんです。そういうものについて何らの検討を加えておらないというのは、はなはだ私は公務員に対して冷たい態度じゃないだろうかというように思うのですがね。ですから、至急何らかの調査を、専用家なんですから、しかし、まあ人事院がやりますとなかなかむずかしいせいもあると思いますが、常識的に考えまして。しかし、何らかの方法においてこれははっきりさせるべき問題だと思いますが、いかがですか。たった四百円ですよ、リクリエーション費は。公務員の場合は六百円のうちの二百円は健康診断費、四百円がリクリエーション費、一年ですよ。こういうものじゃどうにも話にならんと思います。

瀧本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(瀧本忠男君) 非常に勉強が足りなくて恐縮でございますが、日経連でその調査をやっておられるということも存じなかったわけですが、日経連の調査されますのは非常に限定された事業場の調査でございまするので、そういうものがわれわれが公務員の問題を考えますときに、参考資料にはなろうかと思いますけれども、一般的によりどころになる資料というほどでもなかろうかというふうに思うわけであります。それで、それでは公務員につきまして福利厚生の問題を考えます際に、民間給与の調査と同様の調査を非常に広範にそういう問題の調査ができるかと申しますと、これは従来もなかなかこの問題が取り組みにくいということがございまして、やっていないということもございます。ただ、ただいま御指摘のような福利厚生施設だけ入れて、それで給与と一緒にして比較しろという御意見、あるいはそうでないかもしれませんが、かりにそういたしまするならば、そのほかにいろいろな要素を取り入れて考えろというようなことが当然出て参るのです。それで、公務と民間とのやはり勤務の形態が違うのでありまするから、給与全体を比較するということはいいのでありまするが、ただ、その拘束されておる状態あるいは勤務の密度の問題、いろいろな問題がございまして、いろいろな議論があるわけでございます。それで、あえてそういう問題をこんがらがらせて、なかなか結論が得られないというのもいかがなものであろうかというようにわれわれ思っておりまするが、御指摘の点は大切な点であるという点はわれわれも十分認識しておりまするので、調査をいたすということは、これはなかなかむずかしいと思いまするけれども、十分今後検討をいたしたいと、まあ総裁が先ほどお答えになった通りでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 もう一つ、日経連の調査ばかり引くようで恐縮ですけれども、日経連の調査で非常に目立ちますのは、近年日経連で盛んに贈与慶弔の調査をやっておりますね。子供が生れたとき、死んだとき、入学したとき、結婚したときというような調査を非常に詳細にやっております。これを見ますと、非常に大へんな金額を出しておりますね。これはいろいろな意味があるのだろうと思います、労務対策上。この贈与慶弔というのは、近年日経連が力を入れて詳細な調査をやっているという点に関心を私ども持つのですが、その中で結婚貸付金というのがあるのですよ。五万なり七万なりを貸し付けるんですね。これは貸付けですけれども、日経連の説明を見ますと、これは五年なり六年そのまま勤務しますと、これは実質上贈与するということになっておりますね。公務員の場合におきましても、こういうような希望は非常に長年強いわけです。の贈与、それから慶弔というのは共済組合の方から――共済組合ももちろんありますから、企業にもありますし、労働組合もあります。労働組合も出すようです。それから共済組合も出すようです。そのほかに、もう一つ企業自身が慶弔をやっておるのです、贈与。こういう問題についての検討をなさったことがありますか。

入江誠一郎人事院総裁

○政府委員(入江誠一郎君) この公務員の給与につきましては、御存じの通り、一つの公務というものと関連いたしまするのか、あるいはその公務員の全体の一つの構造と申しますか、そういう点もあるのかと思いますけれども、従来、さっき御指摘の通り、なるべく本俸中心主義と申しますか、そういう一つの大きい線に沿ってやっておりますわけであります。しかし、やはりなかなかそうばかりも参りませんので、いろいろ手当の問題も考えておるわけでございますが、ただいまのようなお話の、たとえば結婚のときの一つの貸付金とか贈与費とか、こういう普通の給与とだいぶ何と申しますか、傾向の違う問題につきましては、公務員も、御存じの通り、共済組合とかその他については、これはまあ考えれば考えられるにしましても、共済組合以外の、給与の一種としてそういうことをどの程度考えたらよろしいものか、そこは給与体系全体として十分検討を要する問題だと思いますので、現在までのところでは、そういうものまでもわれわれが給与勧告のときに調査をいたすとか、今そういうことは考えておりませんのでしたが、そういう問題をどういうふうに考えますものか、一つ検討させていただきます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 この日経連の調査によりますと、これは二百四十三社調査していまして、二百人未満の企業が八十二社、二百人から五百人の企業が六十五社、五百人以上の企業が三十二社、千人以上の企業が六十二社、こういうふうな内訳になっておりますけれども、それで、その調査の結論によりますと、共済組合が一年間に一人に出すこの贈与あるいは慶弔の額、これは公務員の場合でいっても、共済組合は出していますね。この経費が一人当たり一万一千円、会社の一年間の一人当たりに出す金が五千四百円、こういうふうな数字になっておりますね。しかし、私はここで主張いたしたいのは、長い間結婚貸付金というようなことが問題になっておりまして、何せ結婚するときに相当な金が要るわけですし、今の給与の中では、なかなか結婚しにくい状態であります。民間の場合におきましては、どうもこれ見ますと、名目は貸付だが、実際は贈与と見られる、つまり一定の期間を経過すれば、一定期間勤務すれば返済を免除される、こういうことを書いておられますね。従って、この結婚貸付金という問題についても検討してもらいたいというふうに思っておりますが、これは先ほども検討したいと言っておりますから、くどく申しません。  それから、続いて扶養手当の問題につきまして伺いたいのです。この扶養手当は、御存じのように、昭和二十三年に創設してから金額を動かしていないと思うのですが、そうですがどうか、伺っておきたいと思います。

瀧本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(瀧本忠男君) 二十三年の十二月にきまりまして、その通りでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 それから約十余年経過しているのですが、具体的に人事院は、昭和二十七年からこの問題については全然触れていない。三十一年にちょっと触れましたかね。全く触れていないんですが、これについての御見解を一つ伺っておきたい。

入江誠一郎人事院総裁

○政府委員(入江誠一郎君) 扶養手当の問題につきましても、率直に申しまして、やはり従来一種の本俸中心主義と申しますか、手当というものは漸次本俸的なものに考え直すという関係上、扶養手当を、民間の状況を調べて、それによって対処していくという態度をとっておりませんのでして、しかし、大体この扶養手当の状況につきましては、いわゆる人事院の直接民間の給与調査ではございませんが、二十九年から現在までの大体の傾向といたしましては、民間の事業所の割合でございますとか、支給をされている労働者の割合でございますとか、あるいは一人の支給額というものが、どちらかと申しますれば漸減の傾向にございまして、この統計そのものがわれわれのやりました統計でございませんので、必ずしも権威があるものじゃないかもしれませんけれども、支給額におきましても、むしろ全体としては必ずしも民間の方が多くないという資料を現在持っているわけでございます。しかし、これはさっき申し上げました通り、この問題につきましても、一ぺん一つ調査いたしてみたいということで、今年は調査項目に入れようといたしているわけでございますが、人事院が今まで取り上げませんでございましたのは、そういう漸減の傾向にあるということもあったと思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 その漸減の傾向というのは、給与が、昭和二十三年のときのベースというのは三千六百円ぐらいのベースです。そのときに決定いたしました扶養手当というものは六百円と四百円です。この扶養手当というものは、その後漸滅の傾向にあるというが、その後給与が幾倍に――十倍近くなっているでしょう。八倍ぐらいですか、その中で占める地位というものは漸次低くなっているということでしょう。しかし、内容そのもの、額そのものはふえておりますよ。そんなことはないです。三千六百円ベースできめた六百円と四百円をそのまま動かさなければぐっと減ってくるのはあたりまえです。しかし、数字に現われて減っているようには実際の内容は減っていない。上がっております。私、公団の例を申し上げてもいいですよ。公団の例を申し上げてもいいし、民間の例を申し上げてもいいですが、これは十余年間放置したということからくる矛盾というものは大きいものがあると思います。

瀧本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(瀧本忠男君) ただいま総裁がお答えになりましたのは、給与総額中に占める扶養手当の割合が漸減しているということを申し上げたのではないのでございまして、労働省でおやりになっておりまする給与構成調査というのがございます。これは規模三十人以上につきまして、相当広範におやりになっておりますが、その給与構成調査で見て参りましても、そういう扶養手当、いわゆる家族手当を支給している事業所の割合というものも、二十九年度以降漸減をしておりまするし、また、労働者数につきましても、そういう家族手当を受けておりまする労働者の全労働者に対する割合というものも漸減しておりまするし、また、労働者が一人当たり受けます平均家族手当というものの額も、二十九年には、同調査によりますと、平均七百二十六円という数字でありましたのが漸減して参りまして、三十三年の調査では五百九十二円というようなことに相なっているのでございまして、この一人当たりの支給額について見ますると、むしろ公務員は現在一人当たり平均九百九十円、あるいは千円をこえているかもしれません。三十五年には九百九十円、こういう数字になっておりまするので、大勢といたしましては、やはり今扶養手当を増額するという傾向にはないようにわれわれ一応の判断をいたしているわけでございます。ただ、しかし、人事院自身がこの扶養手当の調査をやりましたのは、だいぶ前のことでございますので、やはり民間のそういう実情を人事院自身の手で明らかにしておきたいというので、今回は一応調査をやることにいたしておりますが、実情はそのような状況でございまするので、まあ方向としましては、扶養手当を増額するという方向にないように一応考えている次第であります。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 その考え方は、昭和二十三年に扶養手当という制度を作られましたときから今日まで十余年もたっているわけですが、その間、扶養手当については同じような考えをお持ちのようですね。どうも十余年たって、ここで扶養手当について考えなければならなくなっているのじゃないかと思いますが、所によっては、この間も非常に問題になりました製薬会社の塩野義、ここでは扶養手当を全部本俸に入れましたですね。その金額をそっくり本俸の中に入れた。何せ、扶養手当は大へんな額になりまして、千八百円とか千五百円という数字になりましたが、中に入れて問題になりましたが、しかし、どうも扶養手当を根本的に考えなければならないのじゃないかというように思います。御存じのように、人事院の給与の考え方は、職務と責任に応じてということですけれども、しかし、実際問題として、職員の扶養家族を、十分これによって生活できるという形にはなかなか今日まだなっていないというふうに思いますが、そこで伺いたいのですが、この人事院の一人当たり、これは高校卒初任給八千三百円、この八千三百円の人が十年たった場合に二十八才になります。そのころどれだけの金額になるというふうにお考えですか。それから子供が一人できる年令、大体二十七、八から九、ここらあたりの場合に、この高校卒の人はどれだけの給与になるというようにお考えですか。私がある省に依頼して作りました資料によりますと、十八才の人が十年たって一万四千八百円、子供が一人できる年令というころになりますと、大体千六百円、一万六千円ちょっとの金額です。人事院の標準生計費によりますと、二人世帯は一万七千円かかることになっております。それから三人、子供一人できますと二万三千円かかることになっております。そうですね。これは私たちが非常に不満な生計費調査であって、私どもとしては、総理府統計局のやっておる勤労者の生計費を使うべきだ。それによりますと、二人世帯は二万六千九百円、三人世帯が二万七千円という数字になります。それはともかくとしまして、人事院の東京都における生計費からいいまして、これでは生きていけないという数字です。ですから、結婚をし、あるいは一人、二人子供が生まれるという段階にある二十七、八から三十四、五という人が、非常につらい生活をしておる。こういう人たちをもっと――これはやはり一番活動時期ですから、物事を摂取するにしても、あるいは情操面を高める、知識を吸収するにしても、一番活動時期にある人たちです。二十七、八から三十四、五という人たちが、非常に子供が生まれるということで、みじめな生活をしなければならないという実情に今の俸給表はほうっておかれているのじゃないかというふうに思いますが、そこらあたりの給与を思い切って上げるということでありますれば、これはいいのです。それでも私は不十分じゃないかと思います。そうしますと、どうも私は、西ドイツあたりの家族養育手当というのは二十五才まで支給します。大学に入ると、日本の場合は十八才ですかで打ち切る。向こうの場合は、高等学校に入るとその手当がふえます。大学に入る子供がいると手当がふえる、それは養育手当です。ですから、おやじとかおふくろが入っている、妻ももちろん入っている。しかし、子供に対しては非常な養育手当を出しております。だから、こういうものでも考えなければ、一番働き盛りの二十六、七から三十四、五という人は大へんだと私は思いますが、どうですか。もともと扶養手当をお作りになったのは、給与全体のワクを上げないためには、扶養手当というもの、これで幾らかでも生計を一つみてやろうという考え方からこの扶養手当はできたわけですね。二十三年創設当時の理由はそうです。皆上げるには金が大へん要るから、子供を持っている者は非常に苦しいので、六百円、四百円という金を出して、そういう人たちの生計を幾らかでも緩和しようという考え方だったと思うのですよ。今私が数字を上げたこの等級でいいますというと、七等級、六等級、五等級、四等級、ここらあたりをぐっと思い切って上げるか、そうでなければ、こういう特殊な政策をとらない限りにおいては、非常に苦しい状態じゃないかと思う。アンバランスの状態に置かれているのじゃないかというふうに思いますが、いかがですか。

入江誠一郎人事院総裁

○政府委員(入江誠一郎君) ただいま御指摘の問題は、結局この俸給体系と申しますか、俸給のカーブの問題と、それからいわゆる生計費と申しますか、生計費の問題と、それから扶養手当という問題、その三つのからんだ問題になるのじゃないかと存じます。そこで、まず生計費の問題でございますが、これは先ほど御指摘の二人家族、三人家族それぞれの生計費というものが見ておりますのですが、生計費というものを公務員の俸給体系に結びつけます場合に、一体どういうふうにいたしたらいいのか。ただいま御存じの通り、人事院としては、標準生計費で独身男子の高校卒の初任給に結びつけているのでございますけれども、それ以外にも、二人家族、三人家族を俸給表のどこに結びつけるかということを考えます場合に、御存じのように、二人家族といいましても範囲が非常に広うございまして、年取った二人家族もあり、また、若い人もありというふうになります。私ちょっとここではっきり記憶はございませんけれども、たとえば二人家族でございますと、公務員の年令層でございますと、たしか二十年ぐらいに置いているというような関係もございまして、やはり生計費、 つまり二人世帯、三人世帯の生計費は幾らぐらいかということで公務員の上下の俸給のカーブに結びつけるということは、非常に技術的に困難のようでございます。そこで、人事院といたしましては、俸給のカーブといいますか、俸給の各等級あるいは各号俸の俸給のカーブにつきましては、ただいま民間の各職種あるいは各階層というものを基準にいたしまして、そこに結びつけて、俸給のカーブといいますか、大体その上下の系列を作っているわけでございます。しかし、大体この生計費の増加というものは、やはりわれわれ始終賃金及び生計費の趨勢、あるいは消費物価指数というものを見ておりますから、民間の全体としての生計費は、公務員の全体の賃金には現われてくると思いますが、そこで、まあ俸給のカーブという問題を離れて、今のお話の、現実に扶養家族を持っている者の一体生活をどう見るかということになるわけでございますが、そうなりますと、結局まあ扶養手当、今、西ドイツとかその他で御指摘がありましたような、他の考慮からする一つの児童手当とか、それは別といたしまして、給与の問題で考えますと、やはりこの扶養手当を考えます場合に何を基準にするかというと、民間の状況を基準にするより仕方がないのではなかろうか、それが個々の日経連とかその他の調査によりますと、ただいま御指摘のように、大きなものが出ているのじゃないかと思いますが、全体の、たとえば今給与局長の申し上げました労働省の三十二年度の調査では、民間の支給額につきましても、支給率あるいは支給事業所も、そう大きなものは出て参っておりません。現在それに準じて特に国家公務員のものを増額するほどの基礎が出ておりません。そこで、現在はそれで据え置いているわけでございます。まあしかし、ことしは一ぺんこういう問題も、民間の状況を少し根本的に調べてみたいところで、調査をいたしますわけでございますが、まあ結論によりまして一つ考えさせていただきたい。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 まあ結論によってというお話ですが、現実問題として、なかなかそういうゆうちょうなお話では済まない問題だと思うのですよ。私の質問の仕方が少しこんがらかりましたので、もう一ぺん整理して申し上げますが、二つの問題に分かれると思うのです。その一つの方で申し上げたいのですが、それは十八才八千三百円という人が十年たった場合にどれだけになるか、一万四千八百円になる、このころに。大体この前に結婚をする、子供が生まれる。そのころの一体公務員の十八才の人たちはどのくらいの給与を取っているかというふうに見ますと、これは一万五、六千円という数字なんですね。これじゃ人事院が非常に苦労して作っておられる東京都の標準生計費、これは私たち非常に不満でありますけれども、この東京都の人事院の標準生計費から見ましても、はなはだこれじゃ大へんじゃないかと思うのですがね。ですから、かつて人事院は、昭和二十五年までは二人世帯の生計費と俸給表と関連しておられたわけですね。それからはもうずっと一人世帯、しかも、それがたった八千人しかいない八の二というところだけしか関係さしていらっしゃらないわけです。もっとこういう実際の生活というものを考えて俸給表を作るべきじゃないかと思うのですがね。

入江誠一郎人事院総裁

○政府委員(入江誠一郎君) 詳細なところは給与局長から答えさせていただきますが、そこで、先ほど申し上げました、まあ十八才の八等級の一番下の方というところは、これはまあ一つの標準生計費とみておるわけでございますが、二人世帯、三人世帯の生計費、これは確かに一つの生活上の重要問題であることは事実でございますが、これを俸給表に結びつけた場合に、技術的にどういたしたらいいものか。これはいつも議論になるのでございます。けれども、公務員の給与といたしましては、職種ごとに等級の各号俸をどうするかということになりますから、その場合に、かりに二人世帯をとると非常に幅が広いものでございますから、大体のこの辺という見当はつきますけれども、やはり給与の一つの体系としては、民間の体系のそれぞれのいわゆるキー・ポイントと申しますか、そこで結びつけるより仕方がないんじゃないかと思います。この点はさらに一つの給与局長から答弁させます。

瀧本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(瀧本忠男君) まあ新制高等学校卒業生が職業試験を通りまして入って来た者が、十年後に一万四千八百円になる。これでは、かりに人事院のこの標準生計費、これはまあ不満という注釈がついているのでございますが、これで見ても、確かにこれは少ないじゃないかという御指摘でございます。われわれとしましては、もちろん御質問の趣旨は非常にけっこうな方向でありまして、給与全体が、これはまあ職務給的に考えられておるわけでございまするけれども、しかし、やはりこの生計費の観点が十分考慮されておるということが好もしいということは、これはもう申し上げるまでもないと思います。われわれといたしましては、やはり現実に民間の給与の状況というものと、それから生計費の状況というものをいろいろあわせ考えまして俸給表の改善を逐次はかつていくということをいたしておるのでございまして、方向としましては、御指摘のようなことを十分頭に入れておかなければならないというように思います。ただ問題は、二人世帯あるいは三人世帯ということになって参りますると、ただいま総裁からお話がございましたように、二人世帯といいましても、いろいろな年令層の方あるいは職務の方がおられるわけでございまして、従って、そういう統計から出て参りました二人世帯の平均というものを、直ちに、たとえば役所に入りました後に何年かたって結婚する年令、これはおおむね二十七、八才が中心になるでありましょうが、そういうところの金額と結びつけるということが、なかなか技術的にむずかしい問題がございます。従いまして、また生活の幅のある問題もあります。また、生活費自体が、民間の状況を見てみますると、いわゆる世帯主の収入というもののほかに、世帯の収入というものがございましてそういうふうに形成されているという状況もございます。従いまして、われわれといたしましては、御指摘の方向は十分頭に入れておかなければならぬと思うのでございますが、そういういろいろな、ただいま申し上げましたような問題を克服いたしまして、できるだけ実情に即したように今後とも考えて参りたいと思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 終わります。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 国鉄の中村常務理事がおいでになっておりますので、暫定手当について一点だけお伺いしておきたいと思います。  今政府の出しております一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律、この改正案が通りますと、暫定手当について、同一市町村内の不均衡が是正されることになるわけであります。この該当市町村は百二十五ということになっております。もちろんこれは公務員についての法改正でありますが、従来の例によって、公社である国鉄についても、当然に百二十五に関する限り、同一市町村内の不均衡が是正される、そういうふうに解釈しているわけです。国鉄当局としてはどのように現在お考えになっておるか、この点を確かめておきたいと思います。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○説明員(中村卓君) お答え申し上げます。  従来も、暫定手当につきましては、一般国家公務員と市町村や何か区域によって違っておりまして、それで組合と団体交渉をした結果、それで妥結いたしまして実施いたしたのでございまして、今回の人事院勧告が法律になって実施せられました暁には、いずれわれわれとしてもそれを尊重いたしまして、さらに組合と団交できめていきたいと思っておりますが、そのままやるかどうかということにつきましては、従来も若干違っておりましたので、やっぱり従来の経過、いきさつというようなことも考えまして団体交渉を進めていきたいというふうに考えております。精神は尊重いたしたいと思っております。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 従来、公務員と公社については違っておる。で、その違い方については、公務員の実施になっている面については、当然公社も実施になっている。むしろ公務員よりは少しはみ出るぐらいになっている。そういう例から言うと、今回百二十五の市町村について不均衡が是正されれば、公務員より従来も上回っているわけですから、当然にこの点今回も実施になってしかるべきだと思うのです。従って、あるいは団交をやる、最終的には団交ということになりましょうけれども、あるいは陳情、あるいは運動、あるいは団交、そういう手を経ないと国鉄はやらないのか、そこのところをお伺いしたいと思います。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○説明員(中村卓君) やはりこれは団体交渉によってきめることになっておりますので、やっぱり最終的な決定は、団体交渉の妥結という形でやりたいと思っております。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 たとえば百二十五の中に群馬の前橋が入っているわけですが、同じ前橋市の国鉄職員で、旧地域にある前橋駅勤務の国鉄職員については、現在暫定手当については一級地になっている。ところが、同じ前橋市内でありながら、電車区とか、あるいは新前橋駅、群馬総社駅、こういう駅の勤務の国鉄職員についてはゼロ級地になっている。明らかに不均衡があるわけです。これは今回法改正によれば、先ほど言っているように、最終的には団交できまるにしても、当然国鉄にその腹があるのかないのか、ここで確かめておきたいという、そういう意味で、最終的、形式的には団交できまる、こういうことはわれわれも了解しておるわけです。そういうふうに、たとえば前橋の例を申し上げましたが、百二十五の市町村に関する限り、団交はあくまでも形式的であって、実質的には国鉄は当然上げてしかるべきだと思う。従来の例からいって、当然そう考えられるのですけれども、ここのところをはっきりお伺いして、これが了解できれば私の質問を終わりたいと思います。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○説明員(中村卓君) 先ほど申し上げましたように、いろいろないきさつもございまして、若干公務員と違って、むしろ先生のお話のように、有利になっている面が、どちらかといえば多いかと思いますが、そこら辺のことを勘案いたしまして、精神としては尊重していきたいということを申し上げたので、具体的な問題につきましては、全部が全部そのまま必ず実施するということは、ちょっとこの席上では申し上げかねるのでございまして、精神的な問題といたしましては尊重していきたいというふうに考えております。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 さらにお伺いしますが、尊重という言葉の意味ですけれども、人事院勧告に対して、政府は、従来引き続き尊重する尊重するという言葉を使ってきている。国鉄は、政府と同じような尊重の意味で尊重と申しているのか。政府のようなああいう意味でなくして、ほんとうに実施する腹があるのか、ないのか。ほんとうに実施しようとするそういう意味がほんとうに尊重だと思う。政府は尊重々々といっても、ただ口頭禅であって、実質的には尊重してない。政府の模倣の意味の尊重では大へん困る。そこのところは一つはっきりと実施することが尊重だ、われわれはそういうふうに解釈するわけです。だから実施したい、そういう腹はあくまで持っている。しかし、形式的には従来の例によって、団交によって最終的には決定する。それはわれわれも了承しているわけです。この点を重ねてお伺いしておきたい。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○説明員(中村卓君) 大体先生のおっしゃる通り、尊重と申しましたのは、やはりやるということを前提といたしましてあれする。ただ、こまかい部分につきましては、さらに慎重に検討したいという意味でございます。

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 速記つけて。  次に、通商産業省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案につきましては、すでに提案理由の説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  政府側より御出席の方々は、椎名通商産業大臣、樋詰官房長、伊藤鉱山局長、今井石炭局長、伊藤企業局次長、吉田通商局輸出課長でございます。  質疑のおありの方は、順次御発言願います。

横川正市日本社会党

○横川正市君 まず最初に、通産大臣に私お伺いいたしますが、今度の案のと二と三は、それぞれ新設の審議会になっておるわけでありますが、四が前前国会で審議をいたしまして、これをば一年間延長しようという法律案、そこで、この三つの二と三と四を関連させて考えてみますと、産炭地域の振興審議会は、存続期間は三年として新設をされようとしております。それから石炭鉱害対策審議会は存続期間を一年として、これは新設。鉱業法改正審議会は、これは一年間を延長するということでありますが、この三つの中に、非常に私どもとしては納得しかねる、了解しかねる要素が非常に大きいと思うんです。ことにエネルギー革命の段階は、すでに深刻の度合いを増してきている現状にあって、産炭地域の振興審議会の新設を今から行なって、その結論を待って何らかの方策を立てたい、あるいは石炭鉱害については、先に鉱山監督官が自殺をするというような悲惨な問題まで惹起をいたしておりますのに、審議会の新設というのは、いささか時期はずれの感がなきにしもあらずであります。それから、この鉱業法の改正は、先般ここでずいぶん私ども審議をしたのでありますが、そのときに、期間は十分であるという当時の大臣から説明をいただきまして、私ども審議に参加いたしたわけでありますが、どうも全体的にながめて見まして、通産大臣、いわゆる通産行政を所掌する大臣として、行政の面が、起こりつつある事態に対して、いささか手おくれの感がないか、そういうことを私ども三つを通して考えておるわけです。もっとてきぱきと実は対策がほしいところでありますけれども、この三つの審議会、それから新設延長等を通じまして、率直にいって私はそういう感じを抱くわけでありますが、この点について一つ大臣から所見をいただいて、同時に、われわれ危惧するのは、この石炭鉱害問題なんかは、総理大臣が本会議で、絶対自後には起こしませんと約束をして、一月もしないうちにまた起こる。しかも、監督官が自殺をするという問題まで起こってきておる。私は、これは非常に遺憾な状態であり、言いかえれば、これは日本の戦時中の石炭の乱掘り、それから朝鮮事変の当時の無理ですね、さらには、企業がこの事態に対して非常に手おくれをしておった点の現われであるというふうに見ていいと思うのです。ですから、防ぐんだと約束したら、即刻防ぐ手段があってしかるべきだと思うのでありますけれども、それがこういう審議会にたよろうとするところに、私は、今の通産省の石炭行政に、非常に食い足りない消極的な退嬰的なものがあって、心配で仕方がないということが率直に言えると思うのですが、この点一つ大臣から明快な御答弁をいただきたい。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 産炭地域の振興審議会でございますが、これはもうすでに産炭地が非常に衰微しておって、これから審議会でもあるまいとおっしゃられることはごもっともでございます。この離職者対策その他につきましては、すでに手を打っておりますが、産炭地全体の問題でございまして、それを新しく地域的な振興方策というものを考えようというのでありますが、すでに産炭地においてその方策の確立しております場所については、特別交付金の交付等によりますとか、あるいは起債の問題等を考えて、そうしてその所在の地方公共団体を主体とする振興方策に着手ができるように考える、それから、まだ具体的に振興方策のきまっておらないところに関しましては、急速に問題を取り上げて、そして具体的な計画を立てて、それに対する立法上の施策を講じて参る、こういう意味でございまして、存続期間も三年間で十分であろう、それ以上ということになりますと、いささかタイミングを失するということになりますので、まあ大体において三年間でこの問題を仕上げる、こういう建前でございます。  それから石炭鉱害の問題でありますが、保安と鉱害とは隣合った問題でありますけれども、鉱害の復旧の基本法であります臨時石炭鉱害復旧法、これが昭和三十七年の七月に時限立法でこれが失効するということになっております。そこで、鉱害問題は今後とも重要な問題でありまして、この失効を前にして、一体鉱害の問題を今後どうするか、従来の旧制度のままこれを実行するというのでは、これは十分でない。この際、抜本的に鉱害問題を至急考えて、そして現行法の失効に引き続いて対策が立てられるようにしよう、こういうので存続期間を一年とするのであります。  鉱業法の改正審議会の問題でございますが、すでにこの期間内に改正案の作成を完了するという目途のもとに一応これは設置されたのでございまするけれども、何せ、この現行鉱業法なるものが、かなり古い制度でありまして、これを根本的に改正するということになりますと、いろいろな問題があるのでありまして、ついこの審議会の期間中に確定的な成案を得ることが実はできなかった、こういう関係でございまして、もう一年で十分に成案を得る確信を得ましたので、一年間延長する、こういう趣旨でございます。

横川正市日本社会党

○横川正市君 まあ産炭地域の振興審議会については、また他に論議が出ると思うのでありますけれども、石炭鉱害対策審議会の新設については、私はいささか異存があるわけなんです。私も、まあ不勉強のしからしむるところかもわかりませんが、大体制度とか、それからそのいろいろな論議をすれば新しい何かが生み出されるような、いわゆる三人集まれば文珠の知恵ということで、あらゆる民主的な方法でもって、審議会を通じて論議をすれば何らかの対策が生まれるというものと、この石炭鉱害の対策審議会というものの持っている任務というのは、実は実際は違うのじゃないかと思うのですよ。今盛んに中小炭鉱、零細炭鉱が、ガスやら、それから浸水やらその他で事件が起こっているわけです。現場を実際に見るのは、これは学術的に見るか技術的に見るかですね、私は、まあ少なくとも中小炭鉱の経営そのものが非常に無理をして、保安とか、それから採掘とかいろいろな問題で無理をしているということは認めているわけですから、それをどうすれば対策が立つかというのは、現場に行って、学者とか技術者とか、あるいは現場の働いている者とかが行って、具体的に一つ一つ見ることによってのみ解決する問題だと思うのです。それは何か学識経験者みたいな人やら何かが集まって、そして通産省の会議室で会議を開いたからといっていい知恵が出るのではなくして、現場に入っていって、具体的に一つ一つその危険というものを取り除いていくという、そういう直接行動が必要になっているのが現状じゃないか。そうなってくると、審議会を作って、一年間机の上で、ああでもないこうでもないということよりか、直接行動を起こしてしかるべきではないかというふうに思うわけです。そんな点で、学閥があるとか技術閥があるとか、あっちの意見は聞きたくないとか、こっちの意見は聞くとか、いろいろなものがあるかもわかりませんけれども、事実上は、机上の審議ではなくて、具体的な現地における対策だ、しかも、それは中小零細炭鉱の現状だということになれば、審議会を置くということが、はたして今当面妥当か、それよりか、通産行政の中で、人を得て直接に対策を立てる方が、これが当面とるべき対策だと、こういうふうに考えるのです。私は後者だと考えるわけでありますけれども、大臣の考え方を一つ聞いておきたい。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 鉱害と保安は一応別の問題でございますが、いずれにいたしましても、保安の問題につきましては、もちろん現場について十分に具体的な認識及び具体的な対策というものを考えていかなければならぬのであります。これらの問題をまた大きく取り上げて、そして保安の大きな対策を考えるということも、一面においては必要である。鉱害の問題につきましても同様でございまして、この鉱害の問題については、保安の一歩前のこと、これらの問題の対策をどうするかということにつきましては、これは制度の失効を前にして、根本的に考えるべき余地があるということを私は確信をしておるのでありますが、なお、詳細の点につきましては石炭局長から申し上げたいと思います。

今井博通商産業省石炭局長

○政府委員(今井博君) 私から若干補足説明さしていただきます。今、横川先生の御指摘になりました災害の問題と鉱害の問題は、一応別個の問題でございまして、ここで申しておりまする鉱害と申しますのは、御承知のように、石炭は地下を採掘いたしますので、地下を採掘いたしますと、上にある家が傾いたり、あるいは道路がこわれたり、農地が沈んだり、そういうことでいわゆる鉱害現象というものを起こしておるわけです。その鉱害をどういうふうにして復旧するかという点が、これはここ十数年以来非常に問題に実はなっておったのです。それで、現在ございます臨時石炭鉱害復旧法という法律が、ちょうどここ十年ほど前にできまして、政府も力を入れて、政府も金を出して、とにかくその鉱害について効用のある回復をやろうじゃないか、原状回復をやろうじゃないかということでこういう法律ができた次第でございます。従いまして、われわれとしましては、石炭を採掘します場合には、どうしてもこういう鉱害が起こる、これをもっと早く効果的に復旧する方法を何とか確立したいと思っていろいろ研究して参っておるのでありますが、たまたま昨年の秋に、最近の鉱害の現状を調査いたしました結果、今までの累積鉱害が二百五十億もあるという実は調査が出て参りました。さらにこれは馬力をかけてこの鉱害復旧をやらなきゃならないということになりまして、たまたま昨年の国会におきまして石炭関係の別の法律でございますが、これを審議いたしました際に、国会でもって附帯決議が出まして、この臨時鉱害復旧法については、すみやかに再検討をしろ、こういう附帯決議がついてございまして、われわれも審議会を作って再検討しろ、こういう附帯決議がついておりましたので、実は昨年来、事実上そういう鉱害部会というものを臨時的に作りまして審議をいたしておりましたけれども、ことしから部会を審議会というふうに正式のものに直して、ここ一年かかって一つ根本的な問題を討議したい、こういうつもりでございます。  それから、これは鉱業法とも非常に関連いたしまして、鉱業法の中にも鉱害復旧についての規定がございますので、鉱業法が改正されますと、必然的にそれに基づいて立てられております臨時鉱害復旧法についても改正しなきゃなりませんが、それをも考えまして、一応鉱業法との期間と合わせまして一年とした、こういう次第でございます。

横川正市日本社会党

○横川正市君 私は、爆発事故その他を例にとったのは悪いと思うのですが、ことし起こっている災害は、まさに鉱害といわれる理由によるところの意見が出ているわけですね。あれは川底を掘っていて、それに対する保安対策が十分でなかったということによるところの災害ですね、あの九州のやつは。ですから、そういう零細炭鉱の現状というのは、いわば突発事故でああいう悲惨なものの起こってくる中の鉱害として具体的の問題が起こってきているわけなんだから、それを審議会で審議をするということでは、いささか行政がおくれないか、こういうふうに考えられる点が一つなんです。  それからもう一つは、審議会に頼り過ぎると思うのですよ、実際上行政が。先般この審議会の件数、それから審議の日程、人員、内容等を詳細に検討をして当委員会に資料を出してもらいましたが、非常に多いですよ、行政部門で審議会とか調査会に頼っているのが。そうすると、行政というのは、何か都合が悪くなると審議会に頼って、そして問題をほおかぶりをしてしまう、こういう傾向があり過ぎないか、そういう点で、できれば私は審議会を作らないで、あなたの方で試案ができたら、当然国会で審議するわけですから、具体的な内容については。そこで、事実上は、だれか適当な専門家に聞いて、そしてすべての行政部門の中でこの処理をしていく、非常に急速に対策を立てていく、これは何回もこの委員会で言われていることなんです。それなのに三年も二年も審議会におまかせっきりにしてしまって、その間、あなたたちの行政上の手当というものがおくれてくる、こういうことで非常に私たちとしては不満を持っているわけですから、こういう点は、きょうは大臣、質問だけをずっとやっていきたいと思いますので、次回に譲りたいと思いますけれども、私どもの考え方は、そういう点で質問をいたしておるわけであります。  そこで第二の問題は、工業用水の確保の問題があるわけですが、北から言えば苫小牧、それから京浜、中京、阪神、さらに北九州、今度追加して千葉県の沿岸の工業地帯ということになっているわけですが、工業用水の問題では、非常に大きな僕は問題が起こりつつあると思うのです。ことに千葉県の場合は、あそこは利根川の水を引くか、あるいは霞ケ浦の水を引くかしてあそこの工業地帯をやろうというわけですが、そうなってくれば、当然農地の公害によるところの損失というものは非常に高くなって参ります。そういった点を勘案されて、今度それに対する部門として、分かれて課を持とうという意味だろうと思うのですが、この場合の補償や、それから将来の適当な農地その他についてのかえ地等を与えるという場合に、通産省としては、農林省その他とどういう連絡を持って対処しようとされておるのか、その点を一つお聞きいたしておきたいと思います。

伊藤三郎通商産業省企業局次長

○説明員(伊藤三郎君) 千葉の工業用水の場合でございますが、現在いろいろ計画を考えております。利根川の水を使うとか、あるいは印旛沼の用水を考えるとか、いろいろ計画を立てているのでありますが、まだ実施の段階には至っておりません。こういう場合の補償でございますが、工業用水を施設しますのは、普通地方公共団体、府県とか市等でございまして、工業用水を布設します土地、これについては、そういう施行体が買い上げをするわけであります。一方、農業用水を工業用水に回すというような場合がありとしますと、これは通産省の方で農林省と十分相談いたしまして、農業用水で余ったようなものを使うということをいたしております。工業用水に転換するために農地をやめたのだ、そのために補償するというような事例はございません。農業用水で余ったものを、ある場合に工業用水に使うという場合があるのでございます。現在やっておりますのは、そういうことよりも、新しく水のソースをふやしまして、それを工業用水に使うというような形式でございます。

横川正市日本社会党

○横川正市君 私は、これは行政機関というものがだんだん複雑になっていって、そうしてほんとうは一番行政組織と密接な関連のある住民、いわゆる国民との間に、非常に距離を遠くしてきている事実があると思うのですよ、今あなたのように国会では答弁をいたしておりますけれども、具体的な問題にぶつかったときに、どれほどの地域の住民が難渋し、政治と行政と生活と、この三つが分断されてしまって困難をしているかということを、あなたたち自身がおそらく知っているのじゃないかと思うのですよ。そこで通産省は、たとえば工業用地取得については熱心にやる、それから農林省は農地の保護、補償をやる、本来ならば、そう簡単に意見が一致するわけはないのに一致してしまって、そうして地域の人たちは、具体的実行に入った場合に、非常に大きな混乱にぶつかってしまう、こういう点がもうまま見受けられるのですよ。そこで大臣に、私はこういった問題については、きょうは根本問題として、行政の複雑化していく格好よりも、もう少し単純化していって、ことに農地の問題やら、それから灌漑の問題やら、沿岸の漁家の問題やらあるわけですから、そういう場合に、必ず補償その他については一つの窓口で、お前ここに来たらあそこの課に行け、あそこの係りに行け、これをやりなさいあれをやりなさいというような、いわば地域の住民が来て頭を下げて歩いたところが、あっちだこっちだといっているうちにわからなくなってしまうというような、こういうことのないような処置をとるべきだ、ことに千葉の工業用地指定でもって、今度はあそこへ旭ガラスがくる、八幡がくる、そのほかの工業、工場がどんどんやってくる。そうすると、今まで水利の全く不便だった千葉県では、もう非常に大きな補償問題が私は出てくると思う。その点一つ大臣のお考え方をこの際はっきりしておいていただきたいと思う

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 具体的にまだ問題が発展いたしませんけれども、従来の工業用水と灌漑用水との関係につきましては、まあ同じ水系から水を引くわけでありますが、先ほど申し上げたように、灌漑用水と工業用水と同じルートでチャンポンに用水を配給するというようなことは、ごく稀有の例でございまして、一方は灌漑用水、一方は工業用水、ただ、その工業用水、灌漑用水の源である水系は同一でありますから、はたして全体の量が足りるかどうかということを十分に研究した上で二つのルートを設定する、こういうことになるわけであります。従って、千葉県の海岸の工場地帯が将来だんだん造成されて、工場があそこに集まるという場合における工業用水を、いかなる地点からどういう方法で引くかというようなことにつきましては、まあさしあたり当該の千葉県において十分に具体的なデータを考え、また、県を越えてこの施設をするという場合には、関係府県との調整問題――もちろん国は国で大きな指導力を持ち得るわけでございますが、こういったような問題はまま見受けられる。地元住民、あるいは、ことに農地等に及ぼす影響等を事前に十分に研究し、考究して、最も適切な方法をとる、こういうことで参るより仕方がないというふうに考えております。

横川正市日本社会党

○横川正市君 もう一つ、これは通産大臣に直接の関係はないのですが、私は大臣のお考えをちょっとこの機会に聞いておきたいと思うのでありますが、工業用地の関係の中で、なまコンクリート製造の工場、これが設置に対して、条件といいますか、許可その他認可を受ける必要がなくて、随時準工業都市ないしは工業都市あるいは育成地等については建てられることになっておりますが、聞いてみますと、これは氷とか、アイス・クリームだとか、そういうものと同じような業種として見なされて、なまコンクリートの工場を法律から除外をした、こういうふうに聞いておるわけなんですが、これは一つ大臣は、アイス・クリームの工場と、なまコンクリート工場を一緒にして法律から除外をするということが妥当であるか妥当でないか、この際、意見をお伺いしておきたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 事務的に一応次長から御説明いたします。

伊藤三郎通商産業省企業局次長

○説明員(伊藤三郎君) ただいまお話の、なまコンクリートの工場建設の件でございますが、通産省の関係ではございませんで、首都圏整備委員会の関係でございまして、あそこで作っております法律に、首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律というのがございまして、それによって制限対象から除かれておるそうでございます。通産省の関係でございません。

横川正市日本社会党

○横川正市君 私は、またあとに保留しておきます。

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。速記をとめて。   〔速記中止〕

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 速記を始めて。  午後は一時半に再開することとし、これにて暫時休憩いたします。    午後零時四十六分休憩    ――――・――――    午後一時五十五分開会

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) これより内閣委員会を再開いたします。  公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。  関係当局よりの出席の方は、松田郵政省電気通信監理官、船後大蔵省主計局給与課長、谷川専売公社監理官、山口運輸省鉄道監督局参事官、須賀財政課長、吾孫子国鉄副総裁、中村常務理事、八木厚生局長でございます。  御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 この公共企業体共済組合法の運営の民主化、こういう点に問題をしぼって、主として大蔵省の給与課長にお伺いしたいと思います。  まず、最近この共済組合連盟を法人とするために、大蔵大臣に対して認可申請中というふうに聞いております。この件についてまずお伺いするわけですが、連盟を法人とする理由は一体どういうところにあるのか、この点からお伺いしておきたいと思います。

船後正道大蔵省主計局給与課長

○政府委員(船後正道君) 共済組合連盟を法人化することにつきましては、御指摘のように、現在申請が出ております。連盟当事者の説明によりますと、この法人化の目的は、現在連盟におきまして、機関紙の発行とか、あるいは図書の出版その他の事業をいたしておりますので、これらの事業を円滑にするためでございます。いま一つは、この共済組合連盟が発足いたしましてから満十年を経過いたしました。この際、将来の発展に備え、連盟の性格を明確にしよう、こういうような御意見でございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 今連盟を法人とすることについての理由は述べられたわけですが、今申し述べられたほかに理由があるのじゃないですか。それだけですか。

船後正道大蔵省主計局給与課長

○政府委員(船後正道君) 私どもが連盟の当事者から聞いておりますのはただいま申し上げましたこと、それ以外に、まあこれも理由でございましょうか、まあ現在各共済組合と社会保険の診療報酬支払基金等との間に、一括して契約を結んでおりますが、まあこの場合に、各組合を代表いたしまして、共済組合連盟の理事長個人の契約になっております。こういった関係を、法人化することによって、より明確化したいということも一つの動機と、かように承っております。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 この共済組合の所管課長がこの設立準備委員になっておるようですが、これはそれぞれ当該共済組合の意向を確かめてなっておるのかどうか。

船後正道大蔵省主計局給与課長

○政府委員(船後正道君) まあ従来この共済組合連盟は、各共済組合の事務当事者の種々の事業の遂行を円滑にするために、連絡機関としてやっておりました。給与課長といたしましても、この共済組合の監督官庁の立場でこれに関与いたしておりました。その関係で、一応設立準備委員になっておる、こういうことでございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 共済組合の運営審議会があるわけですが、この運営審議会で連盟を法人化することの適当という、そういう結論が出て、それに立脚して法人化しようとするのか、あるいはまた、労働組合関係とも十分話し合って、その結果法人化した方がよろしい、そういう結論に基づいて法人化しようとするのか、全然了解なしに、ただ一方的に各所管課長が単独にやっておるのか、その辺をはっきり願いたいと思います。

船後正道大蔵省主計局給与課長

○政府委員(船後正道君) 先ほど申しましたような目的で連盟の法人化を計画しておるようなわけでございます。この点につきましては、もちろん各組合の運営に関する問題でございますから、それぞれ運営審議会に付議して、その意思をまとめた上でかような結論に達しておる、かように承知しておるような次第でございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 いろいろ当たってみると、今各組合の運営審議会があるわけですが、そういうところで十分討議して、法人化することが適当である、そういう結論が出て、その意に沿う意味での法人化なら問題ないと思うのですがね。ただ、いろいろ事情を聞くと、一般の組合は、そういうことはあまり知らない間に今法人化の手続が進められておる。こういう面をお聞きしておるわけです。もしそうだとすると、これは非常に非民主的な進め方だと言わざるを得ないわけです。この点をはっきり一つ伺っておきたい。

船後正道大蔵省主計局給与課長

○政府委員(船後正道君) この連盟を法人化いたします場合には、民法の規定によりまして、主務大臣の認可を要するわけでございまして、現在そういった面の検討もいたしておる次第でございますが、いずれにいたしましても、私どもはこの連盟の法人化という問題が、各単位組合におかれましてそれぞれ意思統一された上でなければ、やはり法人化を遂行するということは、きわめて支障が多いと考えておりますので、各共済組合ごとに意見の一致をはかられるということが先決問題ではないかと、かように存じております。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 そうしますと、各組合にある運営審議会でそれぞれ決定をなされて、それに基づいて話を進めておる、そういうふうに了解していいわけですか。

船後正道大蔵省主計局給与課長

○政府委員(船後正道君) 共済組合の運営審議会の付議事項といたしましては、法定されております以外に、組合の業務に関係する重要事項は、原則としてやはり議を経た、かように考えますので、こういった問題は、私どもといたしましては、一々各単位組合の審議会に干渉する筋合いのものではございませんからそれぞれ自主的な判断にまかせておる。従いまして、各組合ごとにそれぞれ法人化するという意見が出ました以上は、これは運営審議会がおきめになったことであろうというふうに了解しておる次第でございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 この問題は、国家公務員共済組合法の第六条第一項第九号の、いわゆる「業務に関する重要事項」に該当すると思う。もしそうだとすると、それぞれ各組合の運営審議会の議を経なければ、これは非常にまずい結果になるわけですがね。ただ、今課長のお話によると、それぞれ運営審議会の決定に基づいてやっておるであろうというふうに、まだそこのところを正確に把握していないようですが、そこのところはどうなんですか。

船後正道大蔵省主計局給与課長

○政府委員(船後正道君) 仰せの通り、第六条の第一項の第九号、これは各組合ごとにそれぞれ判断されましておきめになる事項でございます。やはりこの法人化のような問題は、第九号に属する事項といたしましてわれわれとしては付議されているはずである、かように了解しているわけでございますが、その点について、特に確認いたしたものではございません。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 このことに関係のある事業計画ないしは予算、これは一体どういうことになりますか。

船後正道大蔵省主計局給与課長

○政府委員(船後正道君) 三十六年度の収支予算の見積もりでございますが、収入総額百六十二万円程度でございます。この範囲内で先ほど申しましたような審議に応じているわけでございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 そこで、今申しましたように、大蔵大臣に対して認可申請中のわけですが、この認可申請することの法的根拠は一体何なんですか。

船後正道大蔵省主計局給与課長

○政府委員(船後正道君) 民法の第三十四条に、「公益法人の設立」という規定がございますが、この規定をもちまして主務官庁の認可を要する、かように了承しております。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 次に、共済組合連盟の経理内容について一つ御説明いただきたいと思うのですが、経理の内容から大別すると、大体勤労者の競技大会への拠出、もう一つは事務担当者の費用、大別すると二つになると思うのですが、一体この連盟は事務関係者の団体なのかどうか。

船後正道大蔵省主計局給与課長

○政府委員(船後正道君) やはり共済連盟が今回性格をはっきりさせるという以上は、各単位共済組合の種々の事業に関連ある仕事をやるということになろうと考えております。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 経理内容について今お伺いしたわけですが、これを大別すると二つになると思うのです。今申し上げたように、勤労者の競技大会への拠出、それと事務担当者の費用、この二つに大別されていると思うのです。この勤労者競技大会への拠出は、組合員だから了承できるわけですが、事務担当者にも連盟の経費が使われているわけですね、これは一体どういうわけですか。

船後正道大蔵省主計局給与課長

○政府委員(船後正道君) 連盟におきましては、現在業務調査会、あるいは数理の研究その他の会合を持っておりまして、各共済組合に共通する問題、たとえば法案の改正の問題、あるいはまた運営の統一の問題、あるいは保険数理の計算の問題、こういった点につきまして、それぞれ連絡、研究、調査その他の業務を遂行しているが、そのための経費に充てられている次第でございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 各共済組合の負担金が、今申し上げたように、こういう面に使われているということについては、各共済組合の正式の機関によって了承されているのかどうか。

船後正道大蔵省主計局給与課長

○政府委員(船後正道君) 連盟の費用は単位共済組合が負担いたしておりますが、これは事業計画でそれぞれ計上いたしております。事業計画は、御承知の通り、各単位組合の運営審議会の議を経て成立いたしておりますので、従いまして、各運営審議会では御承知のことであろうと、かように考えております。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 まず、業務調査会の性格とか、あるいは構成メンバー、それから現在までの活動状況、これはごく概要でけっこうですが、一つ御説明いただきたいと思います。

船後正道大蔵省主計局給与課長

○政府委員(船後正道君) 手元に業務調査会のメンバーの名簿は持っておりませんが、大体各単位共済におきまする事務担当者がこのメンバーになっておりまして、現在までの活動状況といたしましては、定期に会合も開いておりますし、また、たとえば今回の法律改正の際には、業務調査会といたしまして種々の御意見も出しておりますし、あるいはまた制度の運営といたしまして、国家公務員共済組合審議会に付議するような事項につきましての細部の検討というものは、これまた業務調査会でおやりになっておる、かような実情であるのでございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 この業務調査会が、共済組合制度に関係して、いろいろ意見を具申しておるようでありますが、たとえて申しますというと、付加給付制度についてのかなり政策的な意見を述べておるというふうに聞いております。それから、最近事務的立場を逸脱したような傾向が見られるが、一体これでよろしいのか、こういう批判を聞いておるわけです。こういう点はどうなんですか。

船後正道大蔵省主計局給与課長

○政府委員(船後正道君) ただいまの御指摘のような点につきましては、私どもの方では耳に入っておりません。それから付加給付の点につきましては、もちろん、法律、政令にもございます通り、これの実施につきましては国家公務員共済組合審議会に付議することになっておりまして、この建前に基づいて、実は昨年審議会の御意見を聞いたわけでございます。その際に、実際の実施要領と申しますか、きわめて技術的な問題につきましては業務調査会から御意見の提出がございました。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 今申し上げたように、事務的立場を逸脱すると考えられるようなこういう面が行なわれておるとすると、一面、また組合員の意見、要望等についても十分取り入れる必要があろう、そうでないと片手落ちになる、こういう面については、なかなか制約があって、取り入れられていない、こういうふうに批判されているのですが、この点はどうですか。

船後正道大蔵省主計局給与課長

○政府委員(船後正道君) 特に御指摘のような問題が、具体的なことで問題になったように承っておりませんけれども、この業務調査会等の運営の精神につきましては、御指摘の通りと考えておりますので、このように配慮して指導して参りたい、かように考えております。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 その点について、一体定款はどうなっておるのか、連盟の定款について一つ説明願いたいと思います。

船後正道大蔵省主計局給与課長

○政府委員(船後正道君) 現在連盟の方で考えております定款案によりますというと、業務調査会は、この連盟の事業につきましての企画、調査、研究を行なうための機関である、かようにいたしまして、それぞれ委員を設けて検討するというようになっております。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 どうもこれだけじゃよくわからないのですが、説明はそれだけですか。

船後正道大蔵省主計局給与課長

○政府委員(船後正道君) この連盟の事業でございますが、これは定款案によりますと。「共済組合制度及び社会保障制度に関する調査研究、共済組合事務の連絡、共済組合機関紙の発行、共済組合に関する図書の発行、その他連盟の目的達成に必要な事業」と、かようになっております。この事業の企画、調査、研究を行なうために業務調査会が置かれておるという仕組みでございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 次に、総会の構成ですね、総会の構成は、会員及び役員となっておりますね。そこで、連盟の会員は、共済組合ですから、当然各省の大臣あるいは共済組合の代表者がなろうと思うのです。この点はどうなんですか。

船後正道大蔵省主計局給与課長

○政府委員(船後正道君) この連盟の構成員は各共済組合でございまして、共済組合の代表者は共済組合の木部長でございますから、一応仰せの通り、総会の構成員は、その代表である本部長ということになりますが、おそらくはその委任を受けた者ということになろうかと思っております。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 まあ総会の構成は今申し上げたようになっておるわけですが、実際問題として、主として主管課長が大体代行しておるのじゃないですか。もしそうだとすると、評議員会とそのメンバーは変わらぬということになるのですね。これじゃ意味がないと思うのですが、実際問題としてその点はどうなんですか。

船後正道大蔵省主計局給与課長

○政府委員(船後正道君) まあこれも運営上の問題でございますので、実際問題としまして、総会と評議員会は一緒になりますかどうか、ちょっとお答え申し上げかねるのでございますが。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 いや、実際問題を聞いておるわけですね。実際大臣など出ていないでしょう、この面には。結局主管課長が代理者として出席しておる、そういうふうに聞いておるわけです、実際問題として。そうだとすると、評議員会とそのメンバーは変わらないから意味がないではないか、こういう点をお伺いしているのです。

船後正道大蔵省主計局給与課長

○政府委員(船後正道君) 共済組合の代表は大臣ではございませんでして、それぞれ事務次官が本部長をやっておりますが、実際問題といたしましては、事務次官がそれぞれ総会に出席するわけのものではございませんで、その委任を受けまして、それぞれ担当の課長ということになりますので、あるいは実際問題は、御指摘の通り、総会の構成と評議員会の構成とは、ほぼひとしいという状態も考えられるのです。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 そういうことになりすと、結局連盟を法人とするなどの理由は成り立たない、そういうふうに思うのです。これは結局事務担当者が任意団体を法人団体として利用できる、こういうところにねらいがあるのではないのですか。そうだとすると、これを法人化することの理由が考えられないのですがね、この点はどうなんですか。

船後正道大蔵省主計局給与課長

○政府委員(船後正道君) まあ今回の法人化は、対内的な関係というよりは、むしろ冒頭に申し上げましたような対外的な関係におきましてこの連盟の人格を明らかにするという点にその重点があると考えております。いずれにいたしましても、現在大蔵省といたしましては、主務官庁の立場でこれの認可いかんを検討中でございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 まあ時間がないからこの辺でとめておきますが、結局事務担当者がこういう法人化は、この団体の力によっていろいろと権限を行使しよう、そういうところにねらいがあるように考えられるわけです。まあいろいろそうでないというふうに言われるかもしらんけれども、ねらいはその辺にあるのじゃないですか、率直に一つお聞かせを願いたい。

船後正道大蔵省主計局給与課長

○政府委員(船後正道君) 私が了解しております限りでは、やはり対外的な活動の場合も法人格性を明らかにするというところにねらいがございます。もちろん御指摘のようんな問題も、あるいは今後起こるかもしれませんし、私どもといたしましては、そのようなことがないように、十分に指導に配慮していきたい、かように考えます。

横川正市日本社会党

○横川正市君 私、国鉄の吾孫子副総裁が、公共企業体共済組合法を作ったときの大へんな努力をされた功績者だということをよく知っておる立場から、当然一歩前進した形で国家公務員共済組合法が作られたわけです。それで、一部改正が出されておる機会に、この際あなたの意見は、同時に三公社関係の意見に該当するのではないかと思われますので、それをただしておきたいと思うわけです。それは、国家公務員共済組合法の三十八条によれば、引き続いて他の組合の組合員となったときは、前組合の組合員期間をあとの組合の組合員期間とみなす。引き続いていない前後の組合員期間は、年金の資格がつく場合は合算するというように規定されておりまして、これは今国会に通算法といわれる問題が出まして、公的年金の通算法が適用されましても、固有の共済組合の中で解決しておかなければこれは解決のつかないものがあるわけです。もちろん退職いたしました後、中断をして再採用されて前後通算をする場合には、前の期間に対して一年に何%かの引き去りをして期間通算をした結果計算することになっておりますけれども、そういう措置が、かりに国家公務員共済組合法と同等にとられましても、前後の通算が必要だと考えるわけなんですが、あなたの方の考え方をちょっとお聞きしておきたいと思います。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○説明員(吾孫子豊君) 最近あまり勉強しておりませんので、ちゃんとお答えできるかどうかわかりませんのですが、公共企業体の共済組合法ができますときには、いろいろお手伝いを申し上げたことは、ただいまお言葉にございました通りでございますが、あの当時の公共企業体の共済組合法を作りましたときの根本的な考え方は、やはり従前のそれぞれの公共企業体が持っておりました共済組合の長い伝統と、恩給法の適用を受けておる職員とのバランスを考えて、一緒にするということで若干の修正を加えて発足した、こういうようなわけでございますので、古くからの、たとえば国鉄の場合で申し上げますと、国鉄共済組合のように、五十年からの長い歴史を持っておりますそういう組合の従前の根本的な制度というものは、なるべくくずさないように、それをくずしますというと、いろいろ波及する範囲も非常に大きくなって参りますので、恩給法の制度と、それまでの各企業体の共済組合制度とを一木にいたしますために、必要な最小限度と申しますか、新たな財源その他をできるだけ必要としない建前で、二つの制度の一本化をはかったというのが当時の実情であったと思っております。

横川正市日本社会党

○横川正市君 そこで、当時の公社関係の事情からいけば、暫定的に適用されておって、法施行が一日も早く実施されなければならなかった事情にあったわけですね。しかし、それを一つのきっかけとして国家公務員共済組合法案が作られたときは、大体国の方針として思想的な転換をはかった、そういう建前から法改正が行なわれているわけです。ですから、最初の法律を作られたときと、国家公務員共済組合法案が作られたときとは、時間的にも二年ばかり経過をいたしておりますから、そういう意味では、各項目で検討されて、一歩前進をして改正された点があるわけです。そういう点で、私は、修正賦課方式で五年ごとに経営の検討を行なうことになっておって、まだその検討の段階に入っておらないから、経営がどうなっているかわからないであろう、改正をすると足が出るのか出ないのか、あるいは組合員の掛金がふえるのかふえないのか、そういった点もいろいろ検討することは必要だと思うのだけれども、同時に、最初に作られたときの不備ですね、不備というか、組合員に対して幾らも利益にならない、なっておらない点、これを公社の作られた法律案に足並みをそろえて修正をしていくということは、これは心がけていることだと思うのです。ことに前国会で退職一時金制度のパーセンテージの引き上げを行なったのは、その趣旨に基づいて行なったと思うのです。だから私は、そういう大きな目に見えるもので、同時に、この三十八条あたりは、当然一時退職した場合の決済はついているわけですから、期間に通算したからといって、退職時の俸給に対してかける年限でもって退職年金を計算することは、これは経営上問題があるわけです。そこで、前期間の決済のついた分については、一年たしか百分の何%でしたかでもって計算をして引き去ることになっているわけですが、最終的には前後通算をやることで年金額というものはきめられてくると思う。こういうふうに国家公務員共済組合の場合にはなっているわけです。ところが、公共企業体等の共済組合の場合には、その前後通算が行なわれておらない。中断期間がありまして、前期間が十五年で中断されて、再採用期間が、たとえば十八年であっても、これは一時金でもって、年金にはならない。前後通算すると、最終三年で年金がついていく。しかし、年金額は前期間を控除していきますから、三十三年まるまるにはならない。そういう思想のもとで前後通算というものがあっていいのではないか。これは最小限そう考えるわけですが、そこで、それについてあなたの意見はどうでしょうか、経営の面から、まだ計算がついておらないから、検討してみてやれるのかやれないのかというような答弁じゃなしに、思想的にそれは改正すべきだとか、いや、する必要がないとか、こういう点が私は出てくるのじゃないかと思う。その点をお聞きしたい。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○説明員(吾孫子豊君) だんだんあとからできて参ります法律の方が、新らしいいろいろ進歩的な制度が入って参りますことは当然だと思うのでございますが、そういう意味で、前にできた法律の規定が、新しくできたものに比較いたしまして、組合員にとって不利な部面というものも、ないとは言えないと思います。で、まあそういうような点につきましては、根本的なと申しますか、基本的な考え方といたしましては、漸次直し得るものは新しい制度を取り入れて組合員の利益をはかっていくということは、当然やらなければならないことのように考えておりまするけれども、同時に、特にこれは国鉄の共済組合の場合について申し上げるのでありますけれども、国鉄の共済組合は、共済組合の中でも一番古い共済組合でございまして、それだけに、何と申しますか、長い間のいろいろな荷物みたいなものをたくさんしょっておるわけでございます。まあ計算上のいわゆる赤字というものも、やはり国鉄の共済組合が今一番大きいのでございまして、そこへもって参りまして、戦争の影響と申しますか、終戦後の広い範囲の組合員の身分の上におけるいろいろな複雑な問題を一番たくさんしょい込んでおるという点においても、国鉄の共済組合は、他の共済組合と比べて、きわだって多いのではないかと思うのでございます。そういうような事情がございますので、これは正直に申し上げるのでありますけれども、ある部分に手をつけますというと、それとの関連においていろいろバランスを考えなければならないものがたくさん出て参ります。そういうような事情がございますので、先生もよく御存じのように、たまたま三十六年が、発足いたしましてから五年目の最初の収支計算のやり直しをする年に当たっておりますので、この収支計算、収支作定委員会ですか、それの検討をしてもらった上でいろいろ問題のある点を解決していきたい。方向といたしましては、お言葉の通り、いろいろその後にできました国家公務員共済組合法等の規定において、従前の公共企業体共済組合法の規定よりも組合員にとって有利なものがいろいろございますが、そういうようなものを組合の財政状態とにらみ合わせつつ、どうするかということを検討さしていただきたい、そういうふうに思っております。

横川正市日本社会党

○横川正市君 今の答弁で、各項目おそらく一括答弁したみたいな格好になっているわけですが、七十六条の場合は、最高制限俸給額の制定、それから最低保証額の制定が国家公務員共済組合ではできておるのです。公共企業体関係の共済組合法ではこの視定がないわけです。これは私は、その後ベース・アップその他がありますから、ある年限がたった場合には、国家公務員共済組合法の最低保証額三万四千八百円というよりは、はるかに上回るという事実が出てくると思うのですが、そのときはそのときで、社会情勢は、それぞれ生活水準も、物価その他違うわけですから、比例して当時の水準で考えていいのじゃないか、思想的にいってですね。そういう意味では、この七十六条というのは、これは経営の面からいっても、高い方を押えて、そうして最低保証をやっておるということは、僕は共済組合の経営そのものも、一つの健全を保てるのじゃないか、無制限に高くする必要はないのじゃないかというふうに思われるわけですが、そういう点では、最高制限俸給額とか、それから限度額、それから最低保証額というものは必要だというふうに思うわけですが、これについてはどういう御意見ですか。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○説明員(吾孫子豊君) ただいま先生のおっしゃったようなことも、あるいは考えなければいけないかとも思いますけれども、この公共企業体の共済組合法ができましたときには、やはりそのときまでの組合員及び恩給法上の公務員、それらの人たちの既得権あるいは期待権というようなものをできるだけ保護しようという考えがございましたのと、とにかくこの公共企業体共済組合法ができました際には、恩給法上の公務員の場合に例をとって見ますと、それまでよりも掛金が倍以上にもふえてくる。それから、また受給資格の発生する年も先に延びる。それから、恩給法では十七年で年金のついた者は、今後は二十年たたなければならなくなるとか、いろいろ不利益になるような面も片一方で出て参りますので、また、他方においてはよくなる面もあるということもあわせてやりませんというと、なかなか皆さんの賛成を得られないというような状況にありましたので、従前よりも組合員としての負担がふえてくる点を、よくなる点と両方でバランスをとらせようというような考え方から、当時、年金額の最高限を置くというようなことはやらないで今日に及んだわけでございます。しかし、今後の問題といたしまして、それらのこともあるいは検討の対象にしなければならないかとも思いますのですけれども、これはまあ組合員にとりましては大問題でございまするし、それから、また組合自体にとっても非常に大きな問題でございますので、こういう点につきましては、さらに十分検討した上でありませんと、軽々にどうするのがいいということは、ただいま申し上げることはむずかしいように思うのでございます。

横川正市日本社会党

○横川正市君 まああなたの言っておるように、国鉄の場合には、非常にいろいろと複雑な要素を持っておって、どこまで広げていいか、あるいはどこで制限していいのかわからないような状態に置かれていて、大へん苦慮されておるという点は、これは私どももよくわかるのです。たとえば、満鉄とか、華北、華中等の職員の問題等もあるわけですが、そうすると、私は、国民皆年金という思想からいけば、どこかに所属して社会保障制度の恩恵に浴すべき立場にあるわけですね。だからそういう点では、国鉄企業からすれば負担能力がない、しかし、まあぜひ入れたい。また、そういう関連性もあったということになれば、これは私は国から国鉄に対して、その者に対する年金支給に必要な経費というものは、これは繰り入れてもらう、こういう処置をとって前進していくものだと思うのですよ。そうでなくて、苦しい国鉄経営の企業の中で、あれも抱えよう、これも抱えよというところに今の一番な問題点があるのじゃないかと思うのですね。そういうことも考えられますが、どこで負担するにしても、だんだん思想的に社会保障制度というのは前進しているわけですから、その立場に立ってみれば、どこで区切ろうかというふうに迷うようなものであれば、私は、年金の適用を受けたいという個人は、非常に期待権を持って要求してくるだろうと思うのですよ、形はですね。そういう立場から、個人の考え方は上に向かって要求するし、また、経営者にしてみれば、関係のあるものについては、なるべく自分のところで処理してあげたいと、こういう気持が相マッチして、僕はできれば満鉄とか、華北、華中の旧従業員の共済組合員への組み入れですか、組合員の資格取得といいますか、あるいは期間の通算といいますか、この面は早期に私は解決してやるべきではないかと、こう思うのでありますが、あなたとしては、最初に言ったように、国からでもみてもらわなければとてもだめだと、こういうふうにお考えになっているのか、それとも、五年の一応の経営の内容を計算した上でぜひ可能にしたいと、このようにお考えになっているのか、その点をお聞きしたい。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○説明員(吾孫子豊君) お言葉のように、国民皆年金ということは、確かに理想であると思います。そういう意味におきまして、公共企業体の共済組合員であった期間が、他の社会保険なり何なりと一緒に通算される、そして組合員の働いていた期間が保護されるということが望ましいことであると思うのでございますけれども、他の制度と一緒にするという際に、そう申しては何でございますが、国家的ないろいろな社会保険にいたしましても、現在の給付の程度というのは、率直に申しまして、公共企業体の共済組合や国家公務員共済組合の給付に比べますと、まだまだレベルが低いといって差しつかえないのじゃないかと思いますが、そういうものと一緒になります際に、現在の公社の組合員なり何なりに対する給付内容がレベル・ダウンになるというようなことがあっても困りまするし、また、そういう組合員に対する給付内容ということのほかに、組合自体のやはり財政の基礎というものにひびが入ってはもちろんなお困るわけでございますので、それらの点にいろいろな広い角度から十分検討を加えなければならないと思っております。それで、先ほども申し上げましたように、本年度収支計画を再検討する段階にきておりますので、それが済みました上で、できるだけ給付を改善できる面は改善するということを考えたいと、そのように思っております。

横川正市日本社会党

○横川正市君 私は、当初修正賦課方式という計算方式で、積立金のない共済組合をここまで一般的にしてきたわけなんですから、相当その間、理論づけその他でも大へん苦労されて、しかも、積極性があったからこそできたと思うのです。そういう意味では、今残された問題というのは、あまり当時から比べれば大きな問題ではなくして、非常に重箱のすみを突つつくような問題ばかりで、できればこれらの問題を要望された通りに解決されるように努力されるように私は要望しておきたいと思います。  そこで、これは国鉄にあまり職員はいないので、専売公社の方にちょっとお聞きしたいと思うのでありますが、先般も私はここで質問いたしまして、検討をすることにたしかなっていたと思うのでありますけれども、短期間ということよりか、まあ十年、二十年未満で退職をする女子従業員その他の場合の一時金制度ないしは年金額への切りかえ、この選択を法文上今回は修正しておいたらどうかという私どもは気持を持っているわけなんですけれども、非常にたくさん職員をかかえている専売公社としては、これに対してどうお考えか、もう一度明らかにしていただきたい。

谷川宏日本専売公社監理官

○政府委員(谷川宏君) 公社からきょう参っておりませんので、監理官としてお答え申し上げたいと思います。  ただいまのお尋ねは、まことにごもっともな点もあろうかと思いますが、専売公社におきましては、十年未満で退職する女子の職員もかなりおるわけでございますけれども、その数は年々ほかの一般の職場と同じような傾向で、在職期間が年々延びて参っております。女子職員におきましても、現在におきましては、十年以上勤続する者が相当多くなってきております。そこで、今回の年金の通算法におきましては、将来の問題としては別でございますが、さしあたりの問題としましては、まあ一時金で支給する人と、それからやめたときにおきまして、その財源を残しておいて、将来年金でもらう、それを暫定措置として選択を認めるということになっておるわけでございます。将来、女子職員で十年以下で退職する人が相当数多くなるというような事態になりましたならば、またその際検討して参ったらよろしいかと、かように考えております。    ――――――――――

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、大谷藤之助君及び下村定君が辞任され、井川伊平君及び後藤義隆君が選任されました。    ――――――――――

千葉信日本社会党

○千葉信君 事務当局にお尋ねするのは少し無理かと思いますけれども、大臣がなかなか出席できないので、一つ事務当局の方に質問をしてくれ、特に郵政政務次官も見えているのだから、まあやってみてくれという連絡がありましたので、お尋ねをいたします。  私は、公式には、郵政大臣が三公社にまたがるこの法律案の答弁をするという二月七日でしたかの閣議決定の内容を見ました。郵政政務次官が、時によっては代理するということになっておりますが、郵政政務次官の場合には、その資格は一応ないようですから、従って、これは全く事務的な立場での御答弁になろうかと思うのですが、問題の性質からいうと、少し無理がありますけれども、せっかくですから質問しておきます。  三十四国会に同様の法律案が出ますときに、社会保障制度審議会の方の諮問答申事項として、三十五年の三月十四日に、以下読み上げてみますが、「公共企業体職員等共済組合法においては、労使及び中立の三者構成による運営審議会の制度がとり入れられていないが、これは、他の同種制度の例からみても適切を欠くと思われる。従って、新たに、この種制度を設置するか、他の同種審議会において統一的に審議を行うことにするか等何れかの措置を早急に講じ、審議をつくされる途を開かれるよう要望する」こういう答申が出ております。政府としてはまことに怠慢しごくだと思うのだけれども、事務当局ではこの問題をどういうふうに考えておられるか。御答弁によっては大臣の来るまで質問は延ばしてもけっこうですが、一応御答弁を承りましよう。

加藤桂一郵政事務次官

○説明員(加藤桂一君) 大臣がほかの委員会に出席しておりまして、また政務次官もほかの委員会に出席しておりまして、まことに申しわけない次第でございます。いずれ大臣はこちらにお見えになることになっておりますので、私どもの御答弁で不十分な点は、また大臣からお答え申し上げると思いますが、一応先生のおっしゃいましたように、社会保障制度審議会の答申に、労使及び中立の三者構成による運営審議会を設けて、十分検討してから改正案を出すようにということで御答申をいただいておることは十分承知いたしておるわけでありますが、何分にも、この審議会の構成、あるいはどこに置くかというようないろいろな問題相当検討を要する問題があるかと思いますし、なお、また今回の改正案におきましては、早急に改正を要しまする長期給付の内容に関する改正だけをわれわれといたしましては急いでやったような次第でございまして、本法におきまする制度そのものの根本的な問題につきましては、いずれ今後また検討を加えていかなければならぬと思ってる次第でございますが、しかし、運営審議会の制度ということは、法律案の中に、御答申のように運びませんでしたことはまことに申しわけないと存じますが、現在におきましても、この改正案の作成につきましては、十分に三公社の共済組合に御連絡をとりまして、十分御意見を拝聴いたし、また、各三公社の組合におかれましては運営審議会に諮られまして、十分組合員の御意見を反映したものを出していただいておるようなわけでございますので、運営審議会ができてやれば理想的だと思うわけでございますが、そういったようなことで、現在のようなことで改正案を出したようなわけでございます。

千葉信日本社会党

○千葉信君 大体今の答弁を聞いておりますと、電電公社の共済組合の関係のように聞きましたが、あらためて国鉄、それから専売公社の方からも御答弁を伺っておいた方がいいと思うのですが。

山口真弘運輸省鉄道監督局参事官

○説明員(山口真弘君) 本法案の作成につきましては、さきに三十四国会に提出しましたときの運営審議会に提出いたしました社会保障制度審議会の答申の御趣旨を十分に尊重いたしまして、各共済組合から十分に意見を徴しました。共済組合におきましても、運営審議会におきまして、労働者側の意見を十分聴取した上で本法案を作った次第でございまして、労働組合並びに共済組合の意見は十分に取り入れていたした次第でございます。

谷川宏日本専売公社監理官

○政府委員(谷川宏君) 国鉄あるいは電電公社の関係と全く同様でございます。

千葉信日本社会党

○千葉信君 答弁が的を少しはずれているような格好ですが、私は、この法案を作成する過程においてどういう連絡があったかとか、どういう方法をとったということを聞いているのじゃないのです。私の聞いているのは、その共済組合の運営について運営審議会というものがある。その審議会の構成について、社会保障制度審議会の方から、他の共済組合の運営審議会のように三者構成でやるべきだ。三公社分だけやっておらんから、そういう三者構成のものを作るようにするか、さもなければ、どこかの三者構成の運営審議会で審議をするようにしたらどうかという要望が出ている。この要望をどうして取り入れてやらなかったかということが私の質問の第一点です。もちろんその中には、大いに政府としては不都合だという考え方をもってその点を聞いているわけです。ですから、今までこうだったとか、今回はこういう措置をとったということでは答弁にならないのです。私の最小限度ほしい答弁は、それじゃ将来そういう答申に沿って三者構成の運営審議会にするかどうかという点を聞いているわけです。その点の御答弁をあらためて三人に繰り返してもらいたい。

加藤桂一郵政事務次官

○説明員(加藤桂一君) ただいまの御意見はよく私どもわかりましたのですが、こういう点につきましては、大臣に私どもがよく申し上げまして、結論を早く出さなかったということはわれわれ事務当局のまことに遺憾とするところでございまして、申しわけない次第でございますが、しかし、この審議会を早急に作るかどうかというような問題につきましては、相当大きな問題でございますので、いずれあとで大臣と相談いたしまして、大臣からお答え申し上げたいのでございます。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○説明員(吾孫子豊君) 国鉄の労使というのは、はたからごらんになると、年中けんかばかりしているようにごらんになるかもしれないのでございますが、存外仲がいいのでございまして、運営審議会では、労使仲よく組合の重要問題については相談し合いながらやっておりまして、別に組合側の方からも、中立の第三者に入ってもらわなくちゃ困るじゃないかというような意見が出たこともございません。それで、また社会保障制度審議会のただいまの御決議のお話も、当局の方から私どもの方へ、そう強く勧奨もなかったように思いますので、今後も私どもとしては、今の状態では、中立の方にしいて入っていただかなくてもよろしいように感じております。

谷川宏日本専売公社監理官

○政府委員(谷川宏君) 社会保障制度審議会におきまして、労使のほかに中立の委員もまじえた三者構成の運営審議会を作るべきであるという答申があったわけでございますが、その後私ども検討いたしましたところ、国家公務員共済組合の場合におきましても、運営審議会におきましては中立委員は入っております。中立委員を入れた方がより適切な共済制度の運用ができるという意見ももっともでございますが、現在のところ、私どもといたしましては、現状において運営が適切に、また円滑に行なわれておるということからいたしまして、こういう中立委員を入れるという審議会を作るのは、もう少し慎重に検討すべきである、かように考えるわけであります。

千葉信日本社会党

○千葉信君 どうもやはり質問してみたところによると、要するに、行政府と、行政府が付属機関として作る審議会の関係の問題に発展することだし、その審議会の答申を政府がどう扱うかという根本の問題とも関係ある問題です。今の答弁聞いていますと、社会保障制度審議会の答申そのものを否定するかのような意見もあるんですね。また、一方では、できればそういう方向に持っていきたいという答弁もあるし、必ずしも一致しておらない。中には、おれの方はどうせ仲よくやっているのだから、なれ合いでいつもやっているから大して問題はないという印象を受ける答弁もある。これはやはりはっきりと大臣に最後に聞かなきゃならぬ問題ですから、これは保留します。大臣の出席の手はずをとって下さい。

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 呼びに行きましたから、もう見えます。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 速記をつけて。

千葉信日本社会党

○千葉信君 大臣の御出席の前にも、若干事務当局の方に質問した問題ですが、この法律案の前の法律案、廃案になった法律案、その法律案の出ます直前に、政府の方から社会保障制度審議会に諮問をして、その社会保障制度審議会から、三月の十四日、昭和三十五年ですが、答申が出ております。その答申の中に、この公共企業体職員等共済組合法においては、労使及び中立の三者構成による運営審議会の制度が取り入れられていないが、これは他の同種制度の例から見ても適切を欠くと思われる。従って、新たにこの種制度を設置するか、他の同種審議会において統一的に審議を行なうことにするか等、いずれかの措置を早急に講じ、審議を尽される道を開かれるよう要望する、こういうはっきりした答申が出ております。従来政府は、こういう審議会とか調査会等を設置する場合には、あくまでもその結論を尊重するという建前に立って設置をしてきたし、この政府の態度は今日も変わっているはずはないのです。ところが、この問題ばかりではなく、政府の方では、そういう付属機関の答申を自分たちの都合のいい方向にばかり利用しているきらいがある。その証拠に、自分たちの好まない、思わしくない答申についてはオミットする傾向がちょいちょいあります。だから政府のやっていることが、そういう審議会を設けるのは民主的な偽装であるとか、あるいはまた責任のがれにそういうものを作っておるという非難が出てくるのです。ですから私は、この共済組合の運営審議会一つだけの問題じゃなく、全体として、政府は、そういう答申は格別の支障がない限り尊重すべき立場をとるべきだというのが私の意見です。もちろん政府もそうでなくてはならぬと思うのです。で、事務当局からの答弁では、三公社とも、必ずしも一致した答弁ではない。私は、一致した答弁でなくても、大臣の立場としては、こういう答弁があったら、百%それをその通り尊重するという態度でなければ、これはいい政治はできないと思う。大臣になぜ作らなかったかということを追及しても、こまかいことは答弁できないと思いますが、従来これに対してどういう考えを持って作らないできたか、それから、大事なことは、それでは今後はどうするかという点についてはっきり御答弁を承っておきたい。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) ただいま御指摘になりました委員会あるいは審議会等の答申全般について、政府としては尊重すべきであるという考えは全く御同感であります。しからば、本件についての答申があったが、それを実行していないのはどういうわけかということにつきましては、これはいろいろ経過もあったことと存じます。また、三公社とも足並みがそろわなかったということもあるかと思います。しかし、今の御発言の通り、こういうような答申がありまして、大体においてそれを尊重して政府が措置して参ったように私は承知しております。  本件につきましても、十分検討いたしたいと思っております。

千葉信日本社会党

○千葉信君 検討ということはわかりますけれども、大臣の意見としては、これを尊重するという基本的な態度をとるつもりかどうか。この問題に関して個別に慎重検討の結果、こんなものは採用せんということになってはいかんので、その点はっきりここで答弁して下さい。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) そういう御答申をつぶさに私も研究いたしまして、大体それはそういうような委員会を作るべきであるという意見に到達すれば、もちろん尊重いたしますけれども、何分にもまだ私その十分な経過を知りませんが、原則として、こういうふうな答申はいつも尊重いたしておりますから、まあ尊重さるべきものだと私は申し上げているのであります。

千葉信日本社会党

○千葉信君 原則的な考え方については、これは大臣も異論はないと思うのですが、私は、こういう答申が出たら、政府の方で今度はそれを個々に検討するといっても、一年も二年もほったらかしておいてから、国会でつつかれたからといって、それじゃ検討しますでは、どうも筋が違うと思うのです。やはりこういう答申は、政府としては全部採用するという態度でなくては、審議会なんかを設ける意味がないと思うのです。そういう態度を政府がおとりになるなら、私は、今後設けられる行政機関の中の審議会に対して考えを変えますよ。答申の出ない問題ならば、私は、行政府の考え通り、意見通り仕事をやって差しつかえないと思う。しかし、一たん民間の有識者も集めて、一つの問題について、政府がどうしたらよろしいかといって聞いたことに対して出た答申に対して、政府が、それを設けることがいいか悪いかと、答申をまた検討を加えるということは、根本的な私は間違いだと思う。ですから私は、ここで大臣が、そういう三者構成のものを支持するなら支持するとはっきり答弁するか、一年以上もほったらかしておいて、今ごろになってからこれから検討しますでは、私は話の筋が通らぬと思う。あなたの決断ではっきりそこで答弁してごらんなさい。私はできると思う。どうですか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) これは、この今議題になっておりまする法律の改正案については、私は内閣を代表して参っておりますが、ただいまの三公社は、それぞれ所管あるいは関係の大臣がございますので、私だけでここで作りますということを断言するのはいかがかと思いますので、それだけは差し控えさしていただきます。

千葉信日本社会党

○千葉信君 そんなばかな話が、大臣、ありますか。あなたは、この法律案に関する問題について全権を委任されて出てきたのです。そういう閣議の決定だから、私は了承してあなたに対して質問を始めたわけです。この今私が聞いている問題も、この法律案に全然無関係のことならば別ですよ。いいですか、大臣。どうも今になってから大臣が、この法律案と直接関係を持っている、しかも三公社の共済組合自体の直接の問題について、おれは法律案に書かれた事項だけしか委任されていないから、法律案に書かれてない事項については答弁の限りでないなどという態度をとるのでは、これでは法律案は上がりませんよ。話が違うじゃありませんか。さんざん審議をしてきて、今ごろになってから、おれはその問題については閣議における委任は受けておらぬなんて、そんな答弁ありますか、どうですか大臣。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) この問題につきましては、三者に関係がございますから、あらためてよく相談いたしまして、御趣旨に沿うように努力いたします。

千葉信日本社会党

○千葉信君 それならよろしい。

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 速記をつけて。  他に御発言もなければ、本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。委員長の手元に、山本君から、修正案並びに附帯決議案が提出されております。本修正の御意見並びに附帯決議案につきましては、討論中にお述べを願います。なお、御意見のおありの方は、原案及び修正案並びに附帯決議案に対する賛否を明らかにしてお述べを願います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案について修正案を提出し、なお、附帯決議を付して賛成の意見を述べるものであります。  まず修正案について説明いたします。修正案の法文を読みます。  公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。   附則第十一条の改正規定中「改め  る。」を「改め、同項第二号中「昭和二  十三年六月三十日」を「昭和三十一年  六月三十日」に改める。」に改める。   附則第四条の見出し中「更新組合  員」を「更新組合員等」に改め、同  条第一項中「第十条」の下に「及び  第十一条(この法律による改正に係  る部分に限り、当該部分を新法附則  第二十六条第一項において準用する  場合を含む。次項において同じ。)」  を、「更新組合員」の下に「及び転  入組合員(以下「更新組合員等」と  いう。)」を加え、同条第二項中「更  新組合員」を「更新組合員等」に改  め、「第十条」の下に「又は第十一  条」を加え、同条第三項中「更新組  合員であった者又は更新組合員で  あった者の遺族」を「更新組合員等  であった者又は更新組合員等であっ  た者の遺族」に改める。   附則第六条第一項中「更新組合員  及び転入組合員(以下「更新組合員  等」という。)」を「更新組合員等」に  改める。  これについて、概略説明を申し上げます。  現行の公共企業体職員等共済組合法では、旧令共済組合の組合員としての期間は、同法附則第十一条第一項の規定により、昭和二十三年六月三十日までに職員となり、以後引き続き職員である者に限って、いわゆる資格期間として見られることとなっていたのであります。  この昭和二十三年六月三十日というのは、旧国家公務員共済組合法の施行日の前日でありまして、前述のような取り扱いは、この日までに職員となっていた者を特に救済しようという趣旨であったかと思われますが、現在、公共企業体職員のうちには、昭和二十三年七月一日以後職員となったため、旧令共済組合の組合員としての期間を有していながら、その期間が、いわゆる資格期間としても見られず、全く意味を持たない期間として取り扱われている者がおります。  このような者を救済するため、公共企業体職員等共済組合法施行の日の前日である昭和三十一年六月三十日までに職員となった者についても、旧令共済組合員の組合員としての期間をいわゆる資格期間として見ることとすることが妥当と考えられますので、公共企業体職員等共済組合法付則第十一条第一項第二号中、「昭和二十三年六月三十日」とありますのを、「昭和三十一年六月三十日」に改めることとするように修正する必要がございます。  また、右の修正にあわせて、この法律の施行前に退職しまたは死亡した場合についても、この趣旨に沿った措置を講ずることが妥当と考えられますので、この法律の付則第四条について所要の修正を行なう必要がございます。  なお、以上の修正に伴う若干の字句の修正を行なう必要がございます。  よって、ここに修正案を提出する次第でございます。  引き続きまして、附帯決議についても説明いたします。まず、附帯決議の案文を朗読いたします。    附帯決議案  政府は左の事項について、すみやかに検討し、その実現を期せられたい。  一、旧陸海軍工廠などから日本国有   鉄道その他の公社に引き継がれた   職員などの通算措置については、   本法修正において若干認められた   が、なおその期間の完全な通算並   びに通算期間の減額規定が残され   ているので、その他の期間の取扱   いをも勘案して適当な措置を講ず   ること。  二、日本国有鉄道はじめ三公社に再   採用された者について再採用前の   職員の在職期間を組合員の期間と   してすべて通算すること。   右決議する。  これについて若干説明したいと思います。  公共企業体職員等共済組合法は、昭和三十一年より実施されてすでに五年を経ております。その間、政府が、当然国鉄初め三公社に補償しなければならない政府負担のものがあることは、すでに質疑の中で明らかにされたと思います。しかし、この問題については今後追及するとして、この問題について政府に猛省を促しておきたいと思います。  なお、今回の改正の内容を見ますると、軍人恩給公務員期間の組合員期間への算入、遺族年金の支給要件の改正、遺族の範囲の整備措置等、若干の改正を見ましたけれども、このほかに、再就職による中断された期間の通算だとか、あるいは旧陸海軍工廠等から三公社に引き継がれた工員と軍人軍属との差別的通算措置、また、次には、女子職員等の短期在職を余儀なくされる者の年金と一時金の選択の措置、または外地鉄道その他外地において三公社の関連事業に勤務した者の通算の問題等、改正すべき点がたくさん残っております。今回の法律改正にあたり、これらの点も修正をしたいと思うのでありますけれども、今回は、先ほど申し述べましたように、修正と、次の附帯決議にありましたように、第一、第二の問題については附帯決議として本委員会で決定を願って、すみやかなる実現を要請し、第三、第四の問題は、他の法律の関係もございますので、引き続き政府においても検討し、適当な措置を考慮されんことを強く要望したいと思います。  以上、本案を賛成するものでございます。

村山道雄自由民主党

○村山道雄君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっておりまする政府提出の法律案、ただいま山本委員の御提案になりました修正案及び附帯決議案につきましての意見を申し上げたいと思います。  第一に、山木委員御提案の修正案について賛成をいたします。資格算定期間を昭和二十三年六月三十日から昭和三十一年六月三十日にまで引き下げるということは、きわめて妥当なる修正案であると考えるからでございます。  次に、法律案につきまして、ただいまの修正部分を除いた全体について意見を申し上げます。ただいまの修正点を除きました本案全体に対しまして賛成をいたします。これは恩給法、国家公務員共済組合法等の改正に伴いまする必要なる改正案でございまして、趣旨はきわめて適当だと思うからでございます  最後に、ただいま山本委員の御提案になりました附帯決議に賛成をいたします。それらの趣旨はいずれも適当でございまして、政府において、すみやかに検討して実現を期していただきたいと存ずるからでございます。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 私は、民主社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案に対する修正案に賛成し、また、修正部分を除く政府原案に賛成いたします。また、附帯決議についても賛成の意思を表明いたします。ことに附帯決議につきましては、先ほど来質疑応答中において明らかにされましたように、本年度はそれぞれの共済組合について再検討の時期に相当しておりまするがゆえに、財政の検討とあわせて、この附帯決議の趣旨をなるべく早い機会に実現するよう、政府並びに関係当局に強く要望して賛成の意思を表明いたします。

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 他に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案について採決に入ります。  まず、討論中にありました山本君提出の修正案を問題に供します。山本君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 全会一致でございます。よって、山木君提出の修正案は可決されました。  次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって修正すべきものと可決せられました。  次に、討論中に述べられました山本君提出の附帯決議案を議題といたします。山木君提出の附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 全会一致と認めます。よって、山木君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。  次に、ただいま決定いたしました附帯決議について、小金郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) ただいま御決議になりました附帯決議の趣旨につきましては、十分検討いたしまして、善処することといたしたいと考えております。

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 速記をつけて。  次に、運輸省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。前回に続いて質疑を行ないます。  関係当局よりの御出席の方は、辻運輸大臣官房長、吉行船員局長、中道港湾局長、國友自動車局長、津上観光局長でございます。  御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 伊勢湾港湾建設部、この設置につきまして若干伺いたいと思います。これは部になっておりますが、この局の内部組織はどういうふうになっておりますか、伺いたいと思います。

中道蜂夫運輸省港湾局長

○政府委員(中道蜂夫君) お答えいたします。港湾建設局の局の内部組織でございますが、港湾建設局には七つの課を置いております。庶務、人事、経理、用度、工事企画、機械。なお、次長が二人おりまして、一人は庶務、人事、経理、用度、の事務、他の一人は工事、企画及び機械の事務を担当する仕組みになっております。現在の既存の建設局の機構でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 この新設の部は、大体請負でやられる考え方ですか。

中道蜂夫運輸省港湾局長

○政府委員(中道蜂夫君) 大体請負でやる考えでおります。ただ、直轄事業でございますので、請負を監督指導して、ただ、技術的に困難な事業、特に直接この作業を指導しなければならないような事業は直轄でやる考えをしております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 この部を新設いたしまして、従来四日市、名古屋港にありました港湾の事業所、四日市にも名古屋にも港湾の事業所があったわけでしょう、今まで。ないですか、全然。

中道蜂夫運輸省港湾局長

○政府委員(中道蜂夫君) 名古屋と四日市には工事事務所がございます。これは横浜の建設局の下部機構としての事務所でございます。名古屋の方も、工事事務所が行なっております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 これはどういうわけで請負ということになるわけですか。臨時的な部の設置だから請負にするというようなお考えですか。

中道蜂夫運輸省港湾局長

○政府委員(中道蜂夫君) 御承知のように、この伊勢湾の事業は、伊勢湾台風の関係で起こしました災害防除及び港湾に関係する防波堤の作業でございますが、三十八年の台風時期を一応完成目標にいたしておりまして、予算的に見ますというと、大体約五十億でございまして、現在の第二港湾建設局の事業量とほぼ匹敵する事業量になるわけでございますが、ただ、今申しましたように、期間が制限されておりますし、予算的に急激に膨脹いたした関係で、組織といたしましても、一応臨時というふうにいたしまして、仕事はそのような内容でございまするので、まあ大部分を請負、ただ、直轄にどうしてもしなければならないものは直轄というふうに考えておるわけでございます。現在のところ、全部を直轄事業でやるというふうになりますと、膨大な人員及び組織を必要とするということになりますので、ただ、仕事の性質上、これが急速に施行することが必要でありますと同時に、事業が相当の困難性を持っておるということから直轄事業にするわけでございます。ただ、その指導監督につきましては、直轄機関として国が直接監督指導するというふうに考えております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 航路浚渫の事業は直営でやられるようですね。二千トンの浚渫船を回すということのようですが、それは直営でやられるわけですね、航路浚渫は。

中道蜂夫運輸省港湾局長

○政府委員(中道蜂夫君) お説の通りでございます。それは直轄の事業として、国の浚渫船を使って直轄でやります。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 その乗員はどこから持ってこられるのですか。

中道蜂夫運輸省港湾局長

○政府委員(中道蜂夫君) これは第二港湾建設局の中の船員の中から主として選定いたしまして、一部他から補充をいたしまして船員を充足いたしたわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 この航路浚渫の二千トンの新造船の浚渫船は、七十人程度の乗員が乗っているわけですね。その七十人というのは、第二港建から持ってくる、こういうわけですか、その他から持ってこられるわけですか。大部分第二でしょう。

中道蜂夫運輸省港湾局長

○政府委員(中道蜂夫君) 大部分が第二でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 その七十人という、非常に乗員としては大きな数字なんですが、そうしますと、第二港建の方は船が余ることになりませんか。遊んでおる船ができませんか。その船はどこかまた民間の港湾建設関係の会社にお貸しになるのですか。船は余りませんか。

中道蜂夫運輸省港湾局長

○政府委員(中道蜂夫君) 直轄工事でございまして、建設局の第二港湾建設局は、御承知のように、青森から三重県までの監督をいたしております。その間、いろいろな作業船を使っておるわけでございますが、工事の状況によりまして、全体的に、総合的にこれを船員、船の配分、あるいはそういった名古屋のような特殊な船ができますときには、局全体としての総合的な事業の配分から考えまして、船員をそういう方に回すようにいたしておるわけでございます。これは昔から、内務省の時代から直轄工事の一つの特性といたしましてそういうふうにやりまして、ただ、それによって他の船、あるいは船員に欠員なり補充ができますときには、それに対応した工事態勢を整えるというふうに考えておるわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 新しい船を作って、それに七十名の乗員を乗せる、そして伊勢湾の方に持っていく。そうし一まずと、この乗員としましては、第二港建の方は人員が足りなくなって、船は余りませんかと聞いているわけです。そういうことはありませんですか。乗員が足りなくなって船が余るということはありませんですか。

中道蜂夫運輸省港湾局長

○政府委員(中道蜂夫君) 浚渫船につきましては、順次古い型の能率の悪い船は切りかえをいたしまして、いわゆる代替建造と申しまして、能率のいいのに切りかえておるわけでございます。従いまして、それらのやり方によりまして、船員等についても、そういったやりくりのできるような態勢を作ってきておるわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 それじゃ、その二千トンの大きな浚渫船を作る、大へんな大きな浚渫船ですから、そしてそれに七十人の乗員を乗せる。そのかわりに、古い浚渫船は廃棄処分にするという話ですか。

中道蜂夫運輸省港湾局長

○政府委員(中道蜂夫君) 廃棄処分にするものでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 重ねて伺っておきますが、人間が減って船が遊ぶ、その船を民間に貸すということになりませんかと聞いているのです。

中道蜂夫運輸省港湾局長

○政府委員(中道蜂夫君) そういうことは全然いたさないつもりでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 そうですが。だいぶ請負に出されるというのですけれども、確かに三年ぐらいの短期間でありまして、そういうこともうなずけない点もないと思いますけれども、しかし、御存じのように、港湾建設の事業量、あるいは予算というものは飛躍的にふえておるのですね。飛躍的というよりは、三十六年度は二倍にふえておるのですね、大体二倍に。今後年次計画を立てて、非常に大規模な港湾建設をやっていかれるわけですが、その場合に、従来のこの港湾局のやり方でいきますというと、人員が足りない、あるいはその技術が不足をする、施設が足りない、間に合わないというところから、今回この伊勢湾の部についても、ほとんど請負に出すということになってきたんじゃないですか。その点を伺いたい。

中道蜂夫運輸省港湾局長

○政府委員(中道蜂夫君) 先ほど申し上げたのですが、この事業が台風の関係で急激に起こされてきたという関係がございまして、しかも、三十八年八月までという、三年そこそこの関係がございまして、従いまして、現在民間におきましても、相当の工事力を持っておる向きもございますが、それから直轄工事もできるだけもちろん活用をいたすわけでございますが、二建関係の建設事業にいたしましても、お説のように、事業量がふえておるわけでございます。従いまして、全般的に考慮いたしまして、最も工事の遂行が円滑に参りますように、請負あるいは直轄のやり方を考慮いたすわけでございますが、伊勢湾につきましては、やはり今のような事情で、相当部分が請負になる、請負と申しましても、それぞれの分野がございますので、それぞれの特徴を生かしまして、最も能率的に仕事をさせる、基本的なものはもちろんこれは国の直轄事業でやるということもあるわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 そういうふうに、原則的に今度の部の仕事というのが請負になるようですけれども、この請負にした場合、四十九億幾らという大へんな工事量ですが、この技術的な保証というものはどうなんでしょう。先般の伊勢湾台風の場合におきましても、請負事業というものについての欠陥が指摘されておるように思うのですが、この請負ということで、技術的な保証というのはあるのでございましょうか。

中道蜂夫運輸省港湾局長

○政府委員(中道蜂夫君) その点につきましては、これはまあ計画あるいは設計及び施行の技術の問題になるわけでございますが、計画並びに設計につきましては、従来の直轄技術のそれぞれの機関を総動員いたしまして、あるいは中央におきまして運輸技術研究所がございますが、その運輸技術研究所におきまして、防波堤あるいは護岸等の設計を詳細に検討をいたしておるわけでございます。なお、請負工事にいたします場合には、それの施行監督という面が非常に重要になってくると思うわけでございますが、それらにつきましても、十分監督職員を訓練いたしまして、疎漏のないようにいたす覚悟で進めておるわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 先ほど申し上げましたように、三十六年度も、港湾建設の事業量あるいは予算というものが、ほぼ二倍近くになっている。これから毎年年次計画的に大へんな大きな事業量を進めていかれるわけですが、その場合に、この伊勢湾の港湾建設部と同じような趣旨で、今後できるだけ請負に出していくというお考えなのか。どうも仄聞いたしますと、この港湾局のお考えとしては、港湾建設のパイオニア的な技術、あるいは採算の合わないところ、こういうものは直営でやっていくが、それ以外のやさしい工事、あるいは採算の取れるようなところ、こういうものは続々請負に回してしまう。そして、その会社には港湾局の幹部の方々が続々舞いおりる、降下する、施設も貸していくというようなふうに何か動いておるのじゃないかということを聞くし、そういうふうに仄聞するのですがね。で、港湾建設というような大へんな事業なんですが、とにかくちょっと民間のそういう事業を育成するというのはわかりますけれども、人的に、あるいは施設的に、どうも明治時代の官業払い下げ的な感じを受けるのですけれども、一体直営ということについてどういうふうに考えておられるのか。パイオニア的なもの、あるいは採算の合わないものは国がやるが、それ以外は、どんどんやさしい工事、あるいは採算のとれるような工事は民間に譲り渡し、民間の港湾建設事業というものに対して育成をする、さらに、それに対しては施設を貸与していく、こういう大きな方針をきめておられるのかどうか。今後非常に大きな事業をやられる関係で、その点は問題になると思いますけれども、どういうふうに考えておられますか、伺いたいと思います。

中道蜂夫運輸省港湾局長

○政府委員(中道蜂夫君) この国の直轄工事でございますが、まあこれは港湾建設局に限らないので、われわれ内務省時代から、河川、道路、港湾の直轄事業に関係をしてきたわけでございまして、国の直轄事業といたしましては、ただいまお話のように、非常に困難な事業でございまして、国がどうしてもそれに対してパイオニア的な意図をもってこれをやっていかなければならんという分もあるわけでございます。その点もございます。  それから、地方の港湾管理者、これは御承知のように、港湾事業は港湾管理者と相談をいたしまして、直轄あるいは補助等をきめるわけでございますが、港湾管理者において事業を施行する能力のない場合があるわけです。  それから、また地方に参りまして、僻地あるいは相当の遠隔の地になりますと、たとえば奄美大島とか、鹿児島の南の方に参りますと、民間でもなかなかできない場合があるわけでございます。そういった場合に国の直轄事業を行なっているわけです。まあ都会地になりますと、民間の工事力というものが相当に進んできておりますので、直轄事業と民間の事業というものをよく勘案いたしまして、最も工事が円滑に施行できますように工事担当者が考慮いたすわけでございますが、しかし、直轄事業でやります関係で、どこまでもやはり国の事業としての建前をくすさないように工事を遂行したい。ただいまお話のように、施設を貸与するというようなことは、これは特例でございまして、原則としてはこういうことは行なっておらないわけでございます。ただ、特に何かの事情によりまして、簡単なものが必要だというような場合には、一時便宜的に貸与するということもあり得るかと思いますが、原則として、基本的な施設を貸与して請負に便宜を与えるということは考えておらないわけであります。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 これから港湾建設事業というものが、年次的に大きく進められていくわけでありますけれども、その進め方も、今ここに出ました伊勢湾の港湾建設部と大体同じような形でどんどん請負に出していくというお考えなのかどうか、その点伺っておきたいわけです。

中道蜂夫運輸省港湾局長

○政府委員(中道蜂夫君) 今度の伊勢湾の建設部は、ただいま申し上げましたような性格でございますので、お説のような請負が相当の部分あると思いますが、その他の事業につきましては、今のところ、従来各建設局がやっておりますのを、ただいま申し上げたような方針で進めるわけでありまして、今後これと同じようなケースで進んでいくというふうには考えておりません。ただ、どういうふうな今後事業量になって参りますかわかりませんですが、今のところは、この伊勢湾建設部、この事業だけが当分出てきておりますので、当分の間、これ以上にどしどし請負に出すというふうなことは考えておりません。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 政務次官の話も聞いておきたいのですが、いかがですか。その点何かこういうものを出発点として今後港湾建設業を進める中で、どしどしやはり請負に回していくというふうに進められるお考えではないというお話ですが、そういった話でよろしゅうございますか。

福家俊一自由民主党運輸政務次官

○政府委員(福家俊一君) 鶴園委員にお答え申し上げます。  運輸省の港湾行政の根本方針としましては、できるだけ直轄でやりたい、伊勢湾の場合は、短期に早急に完成したい、こういうことで、基本的方策に多少は違うような結果になるかもしれませんが、請負にやらしておる、こういう状態にございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 その伊勢湾の方は、短期だということなんですが、しかし、今後の港湾建設事業というのは、そういうようなのが相当出てくるのじゃないでしょうか。できるだけ早い機会に短かくというような工事がふえてくるのではないかということを考えているわけです。そして、この伊勢湾のときには短期だ、だから請負に回すということのほかに、技術なりあるいは施設というものが間に合わないという点があるのじゃないかと思うのです。どうも港湾局の今までの考え方を仄聞いたしますと、新しい人間は採用しない、従って、非常に年令構成が高くなりまして、四十三、四という、公務員の中でも、変わった特殊に高い年令構成になっている。土木工法というのは非常な勢いで近代化している。職種も切りかえなければならない。その場合における訓練、教育といったような施設も、あるいはそういうようなことも十分お考えになっていらっしゃらない面があるのじゃないか。従って、技術がおくれる、施設がおくれる、だからこの伊勢湾台風のときにも外にまかしてしまう。施設が間に合わない、技術が間に合わない。今後どんどん新しく港湾建設がふえていきますが、その場合にこれと同じようなことになってくるのじゃないか。局長なり政務次官は、これは特殊だというお話で、特殊であればけっこうでありますが、どうもそのようになる可能性を考えておるわけなんですが、杞憂であればよろしゅうございますが、もう一ぺん一つその点について伺いたいと思います。

福家俊一自由民主党運輸政務次官

○政府委員(福家俊一君) ただいまの鶴園委員のお言葉も十分参酌し、今後十分検討注意を払いまして、御趣旨の点も港湾行政の上に成果の上がるように検討することを考えております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 先ほど申し上げましたように、年令構成が非常に高まっておりますし、あるいは職種の切りかえその他もいろいろ起こるだろうと思います。これは土木工法の非常な発展に伴いまして、従って、今持っておる施設、あるいは今持っておるところの技術、そういったものを近代化していく、そういうような計画はございますか。やっぱり今そういう具体的な計画を立てて進めなければならぬところにきているのじゃなかろうか、そうでない限りにおいては、どうも伊勢湾の港湾建設と同じように、これからの港湾建設事業をどんどん進めていきます場合に、こういうような例が次から次へと出てくるのじゃないか。いや、そうじゃないとおっしゃるなら、これは今国が持っておる、港湾局が持っておられる施設なりあるいは技術なり、こういうものを近代化していく、そういう具体的な計画をお持ちになっているかどうか。それがないというと、これはどうも先ほどの局長なり政務次官のお話を聞いて、さようであるかというふうにはなかなか納得できない。

中道蜂夫運輸省港湾局長

○政府委員(中道蜂夫君) 私からお答えいたします。技術関係の訓練でございますが、各現場において従来からもやっておりますが、船員等においては、船員の講習会をやっておるわけでございます。また、それぞれの各工事事務所等におきましては、各現場の技術者の訓練には、常に心がけて指導をしておるわけでございまして、港湾技術の今後の進展に対しましては、極力直轄技術の名に反しないように進めていきたいというふうに考えておるわけでございます。また、中央におきましても、年に数回技術講習会等を開きまして、全国から現場の技術者を参集させまして講習会等を行なっておるわけであります。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 各工事事務所等もいろいろ講習会をやっている、または各現場においてやっておられる、あるいは全国から幾らか集めてやつておられる、そういうことで足りるというふうに考えておられるのですか。どうも私はその点が非常に不満が多いのじゃないでしょうか。そういうようなやり方をやっておられる限りにおきましては、今後の港湾技術、港湾建設の進展に伴って、国の施設なり、あるいは人員なり技術というものは老朽化してしまって、使いものにならなくなってくるのじゃないかというふうに思うのですがね。私も長いこと役所におりましたから、今のようなお話では、そこらにあるありきたりのお話のように思うのです。あるいは技術訓練を土木工法の進展に伴って、もっと本格的な人材なり施設等を有効に使う訓練なり技術を高めていくという計画が要るのじゃないだろうかというふうに思うのです。

中道蜂夫運輸省港湾局長

○政府委員(中道蜂夫君) 全くお説の通りでございます。ただいま申しましたように、現場の機関、あるいは中央におきましても、そういった方向で現地を指導し、また、現場でもそれぞれの技術の訓練をいたしておるわけでございますが、なお、お話のように、今後港湾の建設事業が飛躍的に増加いたしますので、さらに一そうそういった面にいろいろと計画し、また、努力いたしていきたいと考えております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 一応これで終わります。

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時十三分散会    ――――・――――

国会会議録検索システムで原文を見る ↗