内閣委員会 第10号
- 発言数
- 155 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/03/16
会議録
○委員長(吉江勝保君) これより内閣委員会を開会いたします。 三月三日予備審査のため本委員会に付託されました恩給法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から提案理由の説明を聴取いたします。
○政府委員(藤枝泉介君) ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明いたします。 恩給に関する問題点につきましては、昭和三十三年法律第百二十四号によりまして、同年度から昭和三十六年度にまたがる四カ年の期間計画による恩給是正措置が講ぜられ、問題の大筋が解決せられましたことは、すでに御承知の通りであります。 しかしながら、当時、右法律審議の際、衆議院内閣委員長から、なお残された問題として善処方を要望された事項もあり、政府においてもその後検討を重ねて参りました結果、かねての懸案でありました旧軍人に対する加算の取り扱いその他制度的に補足修正を要するものについて、所要の措置を講じ、恩給給与の公平を期することが適当と認められましたので、今回これに必要な法律の改正を行なおうとするものであります。 その第一点は、旧軍人等に対する加算の問題であります。旧軍人等としての在職年につけられる加算年は、昭和二十一年勅令第六十八号施行前に権利の裁定を受けた者、すなわち、いわゆる既裁定者についてはこれを認め、普通恩給、扶助料を給与しているにかかわらず、いわゆる未裁定者についてはこれを認めないこととしているために、恩給上の処遇に開きがあることは御承知の通りであります。そこで、これら実在職年だけでは普通恩給年限に達しない旧軍人等のうち、戦地、擾乱地、その他外国、外地に認められていたいわゆる地域加算を認めたならば、この年限に達することとなる人々及びその遺族に対し、普通恩給、扶助料を支給する道を開こうとするものであります。 第二点といたしましては、恩給法上の公務員で外国政府職員または日本医療団職員の在職期間を持つ者につきまして、これらの期間を通算して恩給を給与しようとするものであります。 外国政府職員期間の通算につきましては、すでに昭和十八年恩給法の一部改正によりまして、日本国政府から外国政府に派遣され、再び日本国政府に復帰した者につき通算の道が開かれておりましたが、終戦後の特殊事情により、復帰し得なかった者があり、それがため通算の利益を受けることのできない人々がありますので、これに当時の制度を拡大して適用しようとするものであります。また、終戦による外国政府の解体及び日本医療団の業務の政府移管に伴い恩給法上の公務員となった者につきまして、退職後の処遇上、必要最少限度において、この外国政府職員または日本医療団職員の在職期間を通算することとしようとするものであります。 第三点は、いわゆる旧軍人遺族に対する特例扶助料に関する措置でありまして、この特例扶助料は、いわゆる営内居住の兵、下士官等が、大東亜戦争下において職務に関連して死亡した場合に支給せられるものでありますが、今回陸海軍学生生徒等の準軍人についても、同様の事情にある場合には、この特例扶助料を給与することとしようとするものであります。 第四点は、傷病恩給に関する是正の措置でありまして、その一つは、傷病恩給における間差、すなわち各項款症間の年金額の比率が、現在第四項症以下の項款症において比較的中だるみとなっております事実を考慮し、その是正をはかろうとするものであり、また、その二は、増加恩給を受ける者の退職後の子女の加給につきまして四人を限るという現行の制限は、これを撤廃いたそうとするものであります。 第五点は、昭和二十三年六月三十日以前に退職した文官の恩給についての措置でありまして、これら旧文官の恩給につきましては、過去両三度にわたって格づけの是正が行なわれたのでありますが、なお、一部旧高等官を含み、旧判任文官の層において若干の是正をすることが適当と認められましたので、所要の調整をいたそうとするものであります。 なお、以上述べました措置に基づく恩給給与につきましては、加算により旧軍人の普通恩給を受ける者については昭和三十七年十月から、増加恩給に関する退職後の子女加給については同年一月からといたしましたほか、すべて昭和三十六年十月からその給与を始め、または年額を改訂することといたしております。 何とぞ慎重御審議の上、御賛成あらんことをお願いいたします。
○委員長(吉江勝保君) 以上で提案理由の説明は終了いたしました。自後の審査は、これを後日に譲ります。 ——————————
○委員長(吉江勝保君) 次に、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査を議題とし、公務員の寒冷地手当、薪炭手当及び暫定手当の人事院勧告に関する件の調査を進めます。 関係当局よりの出席の方々は、入江人事院総裁、滝本人事院給与局長、船後大蔵省主計局給与課長でございます。 御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
○伊藤顕道君 暫定手当に関する人事院の勧告に関連して二、三お伺いします。 今回の勧告によって、人事院としては、同一市町村内における不均衡の是正ということに、これが法案が決定すればなるわけです。そのうち、百二十五の市町村については完全に不均衡が是正されるわけですが、なお五十四の市町村については不均衡が残るわけです。この五十四の不均衡をなぜ残したかという点をまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(入江誠一郎君) ただいまの御指摘の五十四の市町村につきましては、これを不均衡を最上位の段階まで是正いたしますると、隣接の町村との格差と申しますか、これが相当段階がつきますので、そういたしますると、またそこに問題が起こって参りまするし、大体において約三分の二と申しますか、三分の二のおもなところが解決いたしますので、それと、御存じのごとく、異動の際における六カ月の猶予期間と申しますか、それとかね運用いたしますれば、おおむね同一市町村内における問題というものは解決いたし得るのではないかということで先般の勧告を行ないました。
○伊藤顕道君 今回の勧告によっておおむね不均衡が是正される、そういうようなお言葉ですが、しかし、厳然として五十四の市町村については不均衡が依然として残るわけですね。これに対して今後どのような措置を講じられようとするのか、それとも、これは大体解決したからこれはほうっておくのだというのか、そういう考え方についてお答え願いたいと思います。
○政府委員(入江誠一郎君) 同一市町村内における不均衡問題といたしましては、ただいま御審議願っております線及びその中にありまする異動の際における措置ということで、現在の段階においてはこれでとにもかくにもごしんぼうを願って、いずれ全体の地域的給与と申しますか、問題につきましては、根本的に検討を要する問題であるかと思いますが、これは必ずしも早急には参らぬと思いますけれども、同一市町村内の問題自体としては、少なくとも当分の間この程度でやって参りたい、そう思っておるのでございます。
○伊藤顕道君 現行の暫定手当の支給地域の区分は、たしか昭和二十七年十月のものであったと記憶するのですが、そうだとすると、もうすでに九年半も大体たっておるのですね。従って、現在の支給地域の区分は実情に沿わないものとなっておるのではないか、そういうふうに考えられる、九年半もたっていますから。こういう点については人事院としてはどういうふうに考えておりますか。
○政府委員(入江誠一郎君) ただいまの御質疑の問題は、御存じの通り、大体従来は地域的な格差を、実情に沿うように、逐次生計費その他を調査いたしまして勧告させていただいております。ところが、先般非常にこれが実際問題として、人事の異動の関係でございますとか、単に生計費その他の関係というような、事務的と申しますか、給与上の問題を離れて、これが非常に紛糾いたしますので、国会においてもその点を御考慮になられて、三十二年度でございましたか、いわゆるそういう逐次人事院の勧告によって、生計費その他に基づいて地域を是正していくという一つの態度を打ち切りまして、いわゆる暫定手当と申しますか、一つの地域給の凍結ということに御決定になられたわけです。そこで、いろいろな紛糾する問題を、事実上ここで解決いたしましたと申しますか、ここで一応きめたわけでございますから、ただいま申されたように、九年以上になるといたしましても、ここでまたそれを地域ごとに是正いたしましたり、それぞれ区別をして参るということは、むしろ国会の御決議の趣旨にも沿わないという点もあると思います。やはりむしろ今後の問題としては、人事異動の問題も考慮し、かたがた暫定手当というものは残っておる。それに関連した問題についても、何らかの措置を一つ考えていく、これはなかなか困難な問題でございますから、そういう方向でいくことが実情に即し、また国会の御要望にも沿うのじゃないかと思っております。
○伊藤顕道君 御答弁のように、昭和三十二年、当内閣委員会で、各項にわたり附帯決議がなされたわけです。この暫定手当に関する限りは、二項目にわたって決議がなされたわけです。その一つは、今御指摘のあったような、「三十五年度以降における暫定手当についてはこれを速かだ整理しその本俸繰入れの措置を講ずることと。」いま一つは、今度勧告になりました同一市町村内における不均衡の是正、今度人事院は後者の同一市町村内における不均衡の是正、こういう点だけについて勧告しておるわけですけれども、決議については二項目あったはずです。この一項についてはこれを尊重して、まあおそまきながら今回勧告という段取りになったわけですが、前者について一体どういうふうにお考えになっておるのか。決議を尊重するという考え方に立つならば、何らかの措置を講じなけれぼならん、そういうふうに考えるのですが。
○政府委員(入江誠一郎君) この問題は、まさにお言葉の通り、二項目の御要望と申しますか、御決議がございまして、まあ同一市町村内の問題につきましては今回勧告さしていただいたわけでございます。そこで、残りのいわゆる本俸繰り入れの問題と申しますか、暫定手当の整理という問題、これは私どもといたしましては、もちろんこの国会の御要望の線に沿って、非常に深刻に考慮いたしておるのでございますが、なかなかこれがむずかしい問題がございまして、御存じの通り、先般の三十二年に御決議の趣旨に沿って一段階繰り入れたわけでございます。その結果は、現在残っておりますのが非常に限られた地方でございまして、都市で申しますと、全国市町村の中で約三百の市部が残っております。現在同じ府県内で全然暫定手当のついておりませんところが、ちょっと数字が間違うかもしれませんが、約八県、それから県庁の所在地のように、特殊な所だけに一段階つけておるところがたしか十八県でございましたか、そういう工合でございまして、何と申しまするか、地域的に申しますと、大部分の地域には、いわゆる暫定手当というような一つの突出した部分がなくなっておるわけでございます。そこで、この残っております約三百の市部というのは生計費、その他あるいは民間賃金というものにつきましては、やはり高位にある地域でございまして、それをもちろん申し上げるまでもなく、現在の暫定手当をほかの大部分の地域と均衡をとりますために打ち切ってしまうということは、これはまあ公務員としては現在の実質賃金の引き下げとなります。そこで、やはりそれを本俸に繰り入れる、いわゆる暫定手当の整理という御要望に沿いますために本俸に繰り入れるということにいたしますと、大部分の地域をそれとバランスをとりますためには、いわゆる一挙にその実質上のベース・アップをすることになるわけであります。これはベース・アップは公務員各位にとっては一つの利益になることでございますから、一がいにそれが好ましくないということを申すわけじゃございませんけれども、大体国家公務員で申しますと、それだけの大部分の地域のベース・アップをかりにいたしましても、約半数の国家公務員というものは市部に住んでおります関係上、いわゆる給与改善の結果、半数の国家公務員については、まあ何ら恩典に浴しないわけであります。そこが一つの市部の国家公務員としては、また若干の感想があり得るということも考えられる。大体は、申し上げるまでもなく、暫定手当のいわゆる繰り入れとか、あるいは底上げとか整理とかということは、一面、生計費、民間賃金等におきましては市部の方が高い。先般お入れになりました給与法の二条の六号でございますか、あれもまあ給与の地域的格差に応ずる合理的な措置として生計費などを調査せよという規定がありましたようなわけで、本来であれば、生計費、民間賃金その他の高いときは多少高くし、それによって給与の合理化をはかるべきでありますが、それが人事交流という関係から申すと、実際問題としてそれがむずかしい。そこにいわゆる暫定手当の整理問題ということが起こってくるのじゃないかと思います。そういう非常にむずかしい問題がございまして、まあそうかと申しまして、国会の御要望の線がございますので、これらの矛盾した線をいかにして調整してこの問題を解決するかということにつきまして、いろいろ苦慮しておるわけでございまして、決して今の御指摘の線を、何と申しまするか、あと回しにしておるわけじゃございませんので、その事情を一つ御了承をお願いいたしたいと思います。
○伊藤顕道君 この暫定手当の本俸繰り入れについては私どもとしても非常に簡単にできるものとは考えていないわけです。ただ、今のお言葉の中では、非常にむずかしい問題なので云々という言葉があったわけですが、しかし、人事院はそれでこそ専門で立っておるわけですから、むずかしいからおくれておるということは理由にならぬと思うのですね。しかも三十二年の決議であるので、もう相当年数がたっておるわけです。 そこで、さらにお尋ねしますが、その調査研究についてはどの程度進めておられるのか、まだ全然手をつけておられないのか、そういうことはないと思いますが、どの程度具体的に進めておるのか、その工程について大要をお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(入江誠一郎君) この問題は、調査の問題といたしましては、またこれは給与局長から説明させていただきますが、生計費その他の調査につきましては、いろいろな現実の統計その他によって調査いたしますわけでございます。調査もさることながら、ただいま申し上げましたような矛盾したいろいろな諸点をどう調整して、どう結論を出すかということが一つの問題でございまして、早く結論を出せとおっしゃるのはごもっともな話でございますけれども、なかなか決意がつきませんでおくれて申しわけないと思います。
○伊藤顕道君 そうしますと、調査研究は進めておるけれども、いまだ結論を出すに至らない、こういうふうに了解していいのですか。
○政府委員(入江誠一郎君) さようでございます。
○伊藤顕道君 人事院としては、最近における物価とかあるいは生計費、こういう点からながめて現行のいわゆる地域区分ですね、これをどういうふうにお考えになっておるのか。なお、具体的に言えば、現行通りで正当なものであるようにお考えになっておるのか、現行暫定手当が存置しておる限りは、不均衡について是正を要するように考えておるのか、この辺のお考えをお伺いしたいと思います。
○政府委員(入江誠一郎君) これは各地域と申しますか、各市町村別にと申しますると、これは非常に複雑な問題がございまして、なかなかその点は、たとえば隣接町村との関係とか、必ずしも一がいに申せませんけれども、全国全体として通観いたしました場合には、この地域的格差の原因といたしまして、物価と民間賃金と生計費というものを考えます場合に、最近は物価は都市あるいは地方におきまして、そう大した差はございません。まあいろいろ問題はむしろ生計費と申しますか、消費水準と申しますか、生計費なり民間賃金につきましては、都市部と地方部というものは、ある程度の差はございます。これは先般、昨年八月に勧告させていただきましたが、資料でもごらんにいれておりまするけれども、むしろ現在の暫定手当による格差というものが、最高三段階、約一五%が、現在十一点何パーセントかに事実問題として下がっておりまするけれども、その給与上の地域格差の最高一一・五%とかりにいたしまして、一一・五%に比べまして、民間賃金及び生計費においては、むしろもっと開きがございます。それにだけ順応すれば、むしろ給与の地域的格差が足りないということにもなりますのですが、しかし、これはそれだけに限って即応するわけにはいきませんので、現在の暫定手当の格差をさらに増額しようというようなことは考えておりません。いろいろの人事行政上の問題もございますし、国会の御要望はさらにございますわけでございますから、むしろ現在の暫定手当そのものの突出部分といいますか、これは何らかの方法でならしていくという方向に向かうべきじゃないかと思うのでございますけれども、それがまあ先ほど申したようないろいろな問題がございまして、結論を得ておりません。
○伊藤顕道君 そこで、具体的な問題でお伺いしますが、東京のような四級地と、高崎市だとかあるいは長野市、秋田市、これは現在暫定手当の支給を受けていない地域、こういう両者を比較してみて、その間における物価、生計費の地域差ですねこういうものは一体どの程度にあるか、どういうふうに把握されておるのか、人事院として。そういう具体的な問題について一つお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(瀧本忠男君) ただいま総裁からお答え申されたような賃金及び生計費につきましては、民間で相当な格差があります。これはただいま手元に持っておりませんので、次回にでも資料を御提出いたしたいと思いますが、民間賃金で、今具体的におあげになりました前橋、秋田というようなものが東京との格差がどれだけあるかという数字は、私は今数は覚えてはおりませんけれども、全体的に申しますと、民間賃金の地域格差というのは、もし東京を一〇〇といたしますと、四〇%ぐらいな格差があるという実情でございます。しかし、この中には、あるいは大きな事業場がある地域と、大企業の事業場でございます工場というようなものがある地域、そういうものがない地域というようなことがございますので、そういう大企業の事業場がありますような場合には、賃金格差が割合と開かないというようなこともございますので、一がいにそれのみで議論するわけにも参らないわけであります。 生計費につきましては、総理府統計局で出しておりまする生計費の地域別集計によって見ますると、やはり相当の格差がございます。従いまして、給与法二条六号の、やはりこの生計費の差等によって給与の地域格差を設けるような、そういうことを科学的に調査して勧告しろというような趣旨になりますると、これはやはり相当の格差をつけなければならぬことに相なろうかと思うのであります。ただ現在は、地域給というものは、もうこれは廃止するのだ、この暫定手当をどのように廃止するか、そのあとで地域格差の問題は考えろというふうなことにも考えられますので、ただいまのところ、直ちにこの暫定手当を何らかの形に動かしまして現在の実情に即応するということは、これは適当ではなかろう。これは何らかの形におきまして、早い機会に収束する必要があるのじゃなかろうか、このように考えておる次第でございます。 それで、この地域差という問題は、国家公務員並びに地方公務員のことを考えましても、やはり職員は、職務の性質上、異動するということがあるわけでございまするから、単にその地域における地域的な賃金の格差、あるいは生計費の格差というようなものにだけ着目いたしましてこれをやるというわけには事実問題として参らない。公務員の異動ということをあわせ考えて、その人事交流の円滑を阻害するようなことはやれないのではなかろうかというように思うわけであります。ちなみに、現在凍結されておりまする暫定手当の区分がございまするが、それがこの現在の民間賃金あるいは生計費の格差から見て、適正に現在のところなっておるかどうかという御質問がさっきあったわけでございまするが、この点につきましては、生計費につきましても民間賃金につきましても、全国あらゆる地域の調査があるわけでございません。従いまして、全国的にどういう傾向があるということしか言えないと思うのであります。で、現在の暫定手当として凍結されておりまするものも、これは動かすことが現在のところ法律上できない状態になっておるのでありまするが、それがはたして適正なものになっておるかどうかということも、これまた言えないことなのでございます。従いまして、現在におきましては、全体として傾向的なものの言い方しかできないような状況でございます。先ほど御質問のありました資料は、次回に提出さしていただきます。
○伊藤顕道君 現在の暫定手当の支給額ですね、これについては、御承知のように、三十二年の改正前においては、俸給月額に対して、四級地は一五%、以下一〇%、五%、そういう相当額が支給になったのです。ところが、その後これは凍結されて今日に至っておる。ところが、一方、俸給については、その後初任給の手直し、中だるみの是正、そして昨年の十月のベース・アップで、俸給の方はそのつど是正されておりまするが、暫定手当についてはそのまま凍結されて今日に至っておる。こういう点について、これは人事院としてはそうすることが適当だとお考えになっておるのか、それとも、この面についても、四級地については一五%、以下一〇%、五%というふうに、そのつどつどの俸給に対するパーセントを維持するのが適当と考えておるのか、この二者いずれが正しいと考えておるのか、この考え方についてお伺いします。
○政府委員(入江誠一郎君) この問題は、先ほど私なり給与局長から申し上げましたように、実はまあ何と申しまするか、理論的な給与制度の問題といたしましては、先ほどもお尋ねがございました、たとえばゼロ級地の青森とか、高崎、松本、今治、鳥取、都城というものは、生計費と申しますか、総理府統計局の家計調査による消費支出から申しましても、東京都を一〇〇といたしますと七〇%だという差がございます。これは一つの例でございますが、生計費その他に基づく給与の地に地域格差を合理的にするという観点から申すと、むしろ地域給といいますか、地域給を存続した方がいいということも考えられます。ところが、それが地域給においておきますると、そういう給与上の一つの理論的な問題と離れて、人事政策上と申しますか、そこにいろいろな問題がございまして、そこに国会で先般これを凍結され、定額化され、さらに現在の暫定手当も整理せよと、こういう御要望の線が出ておる点と思います。そこで、むしろ現在の段階におきましては、ただいまお言葉の通り、一五%が、現在基本給が上がりましたので一三・五%となり、一段階の五%が三・八%になっておりますけれども、むしろ一面にこれを申すと、先般の国会の御要望の線が実現して参った結果だとも言えますので、むしろさらに暫定手当を増額するということは、ますますこの問題を逆行させるように率直に申すとなりまして、いわゆる底上げとか暫定手当の整理ということはこれを縮小させるわけでございますから、人事院といたしましては、この一つの暫定手当の定額制による国会の決議による凍結をされた結果がこういうふうに現われているのだ、そういうふうに考えているわけであります。
○伊藤顕道君 時間の関係もございますから、最後に寒冷地についてお伺いしたいと思うのですが、このたびの勧告では、この前の決議に基づいた趣旨は守られてないので、支給率については何ら勧告してないので、一部地域を広げている。そういう点は、支給率についても十分人事院としては検討して、この線に沿う措置を講ずべきであったと思うのですが、これはどうして支給率については何ら触れていないのか、この点最後にお伺いしたい。
○政府委員(入江誠一郎君) 寒冷地の支給割合の問題も、国会の御要望なり、参議院において御決議がございましたことは十分もちろん承知いたしておりますので、先般の勧告の際にも、いろいろ研究いたしたわけでございますが、いわゆるまあ暖房増高費と申しますか、寒冷に伴う生計費の上昇、それからまた現業との関係、現業との関係と申しますよりか、むしろ現業とのつり合いから申しまして、現在の段階で支給割合を増すということには、どうも人事院として理論的な根拠が見出せませんで、支給地域区分だけにとどめたわけであります。
○伊藤顕道君 前の決議で、支給率については種々不合理があるから、これを是正するように、そういう趣旨の面ははっきり出されたわけですが、今申し上げるように地域をただ一部拡大しただけで、まだ今回は全然触れてない。そこでお伺いしたいのは、この支給率についても現在調査検討を進めておられるのか、そしてこの問題については解決しようと努力されておるのか、そのままにしておられるのか、将来に対する態度、決意について、お伺いしておきたい。
○政府委員(入江誠一郎君) この寒冷に伴う地域的な給与率全般の問題、これは石炭手当なり、薪炭手当なりを含めまして、これはなかなか現在のままではおさまりにくい点がございますので、もちろん十分検討いたして参りたいと思っておりますが、現在検討いたしておりますが、現在の段階におきましては、寒冷地手当と薪炭手当の今回の増額その他によりまして、いわゆる寒冷に伴う諸給与としてのバランスは一応とれているというふうに考えておりますので、今後さらに全般の問題として研究いたしたいと思います。
○鶴園哲夫君 暫定手当の本法繰り入れあるいは整理、この問題について伊藤委員の質疑に続いて伺いたいと思うのですが、御承知のように、また今、入江総裁もお話がありましたように、三十二年に地域給を暫定手当に切りかえまして凍結をして、そして整理計画を立てて、その整理計画というのは、三十二年に一級地分の四割を、それから翌年の三十三年の四月にまた残りの六割、そして三十四年の十月に合わせて一級地分全部本俸に繰り入れる、こういう整理計画を実施してきたわけでありますが、ただ三十五年以降の問題について、一年の段階で明らかでなかった点がありまして、従って、本委員会におきましては、三十五年度以降についても、すみやかに本俸に繰り入れるべきである、こういう附帯決議がついていることは御承知の通りだと思います。政府は、御承知のように——御承知のようにというのは、人事院のおられるこの委員会において、政府としては三十五年度以降についての暫定手当について整理方針を明らかにいたしておるところであります。要するに、過去三十二年、三十三年、三十四年という整理計画の方針に沿い、さらに本委員会におきますところの附帯決議の趣旨に沿って、もう一つ池田内閣の、地域格差、これを埋めていくという、あるいはそれを縮小していくという、そういう趣旨に沿って、三十五年度以降において、暫定手当については本俸に繰り入れていきたい、こういう整理方針というものを本委員会において明らかにいたしておるところであります。これは人事院も御承知の通り、確める必要はないと思いますが、二回ほどこの委員会において明らかにいたしておるところであります。そういう立場に立ちまして、先ほど伊藤委員が、種々整理あるいは本俸繰り入れという問題について質問をいたしたのでありますが、どうもごたごたして明らかでない。一体政府はこういう整理方針を明らかにしている、さらに本委員会においては、三十五年以降の整理方針についての決議もあるということを考えますときに、どうも先ほど以来総裁なり局長のおっしゃる話は納得がいきにくい。特に納得いかないのは生計費の問題でありますが、物価はあまり差がなくなったと言う。もともと物価は中心になっておったわけでありまして、物価は差はあまりないというお話なんですが、そこへもってきて生計費の問題を出されるのですが、これはもう明らかに滝本局長も言われますように、域地格差という問題よりも、むしろ地域における産業格差、東京とか横浜とか大阪とかあるいは名古屋とか、こういうところには大きな近代的な工場がある。それ以外のところにはそういうものがずっと少なくなってくるという、日本の特殊な工業立地条件というものから地域給与の格差というものが大きく出てくるのじゃないだろうかというふうに思います。また、生計費を見た場合に、一番やはり問題になりますのは、雑費とか、こういう問題が一番低いのですね、これはやはり医療施設あるいはその他の娯楽施設なり文化施設なり、こういうものに非常に不足しているという結果としてこういうものが半分近いくらいになるだろうと思いますね。非常に低くなっておるという点等からいえば、どうも物価差はなくなったというお話が立つならば、これはやはり政府の整理方針なり、あるいは本院の附帯決議の趣旨に沿って、三十五年度から今後繰り入れという方向に努力されなければいけないのだと思うのです。しかも、これは一年じゅう繰り入れるというようなことではないわけであって、御承知の通りに、一級地の三十二年のときの五%、その分も三年かかって出たのですから、計画的に繰り入れることについては、地域格差というものを逐次埋めていくということについては非常に重要な政策ではないかと思うのです。今申し上げましたことについて、総裁なり局長に一つ意見をお伺いしたいと思います。
○政府委員(入江誠一郎君) ただいまのお言葉のように、国会でも御要望があり、先般も私ここで列席いたしておりまして、給与担当大臣が御質問に答えて、暫定手当の底上げと申しますか、本俸繰り入れについて考慮するような御答弁があったことも十分存じております。そういうことで国会なり政府もいいというのだから、人事院は当然やっていいじゃないか、それは確かに仰せの通りなんでございますが、先ほどるる申し上げましたように、やはりまあ法律も、生計費というものが地域格差の重要な問題として加えられておりまするし、われわれ民間賃金なり生計費のことを全然無視するわけには参りません。そこで問題は、給与の均衡と申しますか、給与の均衡上から申せば、むしろある程度の地域格差があることが当然でございますが、しかし、そこへ人事政策上の問題とか、あるいは御要望の線もありますので、そこを先ほど申したようないろんな矛盾点を、なだらかと申しますか、まあ都会の公務員も納得し、地方の公務員も納得するという線で何とかなだらかにこれを解決したいということが苦慮している点でございまして、決して何ら努力せぬとか、このままでいいとか申しておるわけではございませんので、何らかの結論は出したいと思っております。
○鶴園哲夫君 暫定手当になりましてから、そしてまあ整理をするという、あるいは凍結するという、こういうことになってからまる四年たちますね。四年間も暫定手当ということでいつまでもほうっておくというわけにもいかないだろうと思いますね。ですから、すみやかにこの点については一つ本俸に繰り入れるという趣旨に沿って御努力願いたいと思うのです。なおまた、今申し上げましたように、これは物価差というものが中心になって考えられておった点が大きいのでありますから、物価差はなくなっているわけですし、また国の政策としましても、地域格差というものは、これを逐次埋めていこうというところに大きな方向があるわけでありますから申し上げておきますが、今までやりました整理方針なり、あるいは本院の附帯決議の趣旨に沿って、国のまた大きな政策という点も考慮されて、今後逐次本俸に繰り入れるという方向に向かって御検討になるというふうに考えてよろしゅうございますか。
○政府委員(入江誠一郎君) まあ具体的にただいまお言葉がありましたような方法と申しますか、方法についてはさらに十分検討いたしますが、とにかく、少なくともこの問題は、国会の附帯決議の大きい線に沿いまして十分検討いたします。
○鶴園哲夫君 少しばかりあいまいですけれどもね。本来の趣旨として、物価差というものが基準になっておったんですから、そういうものがなくなったというような入江総裁のお話、事実そうだと思うのです。ですから地域と都市部における生計費の差というものがあります。それは先ほど申し上げましたように、あるいは瀧本さんがおっしゃるように、これはやはり産業規模格差というものによる点が非常に大きい。さらに、また先ほど申し上げました娯楽施設なり、いわゆる文化施設なり医療施設なり、そういうものの不備という点が生計費の点に大きく響いてきている点等も考えなきゃならぬわけでありまして、ぜひ一つ今までの経過は十分御承知と思いますので、その方針に沿って、すみやかに暫定手当について本俸に繰り入れるように強く要望いたしておきます。よろしゅうございますね。 それでは次に、特別調整額について伺いたいのです。これはまず大蔵省の政府委員に伺いたいのですが、船後政府委員に伺いたいのは、この特別調整額というのは、これはまあ大蔵省にお伺いするのもちょっと変な気もするのですけれども、しかし、大蔵省の予算の組み方の中に管理職手当というお言葉が出ておりますししますので伺いたいのですが、予算の建前においては管理職手当という形になり、さらに地方自治法でも管理職手当という言葉を使っておるわけであります。また、学校関係についても、校長とか教頭とかというところに手当が出ておるんです。役所の中でも、一般にこれは管理職手当あるいは役付手当というふうに保証されておるわけでありますが、これは管理職手当あるいは役付手当、こういうようなものになるのかどうか、これを船後政府委員に伺いたいと思います。
○政府委員(船後正道君) なかなかむずかしい御質問でございますが、現在一般職の職員の給与法の第十条の二で、俸給の特別調整額という規定がございまして、この規定によりますると、管理または監督の地位にある職員につきまして、人事院の指定によりましてそれぞれ必要な特別調整額を支給する、この根拠によりまして、現在こういった管理監督の地位にある人には特別の手当を支給しているわけであります。これが通常管理職手当というふうに俗称されておりますけれども、予算上及び法律上の扱いといたしましては、俸給特別調整額ということで進んでいる次第であります。
○鶴園哲夫君 予算の名目で管理職手当という名前になって、目では調整額というふうになっているのでありますが、予算ではやはり管理職手当というふうになっておりますし、また、地方自治法でも管理職手当ということになっているわけですが、これは今おっしゃったように、管理監督の地位にある者の中で、人事院が指定するという人たちに支給する、そういう意味でやはり管理職手当、文字通り管理職手当あるいは役付手当というものに該当するのじゃないかと思うのですけれども、もう一ぺん一つ。
○政府委員(船後正道君) 予算の目でございますが、目の細分ということになりますと、やはりその経費の性質に従いまして、最もわかりやすいような表現の仕方というものをとる次第でございまして、御指摘のように、この俸給の特別調整額につきましては、目の細分になりますと管理職手当という文言を使用いたしておりますが、実態といたしましては、どこまでも先ほど申しました通り、一般職の給与法の第十条の二に基く俸給の特別調整額でございます。
○鶴園哲夫君 わかりよくということでありますが、要するに、内容はわかりよくということだと思うのですが、内容をわかりよくするには管理職手当、それは予算の中にも管理職手当と出ている、あるいは地方自治法の中にも管理職手当という言葉を使っている、従って、わかりよく言えば管理職手当あるいは役付手当というふうなものと解釈していいのではないかというふうに思うのですが、その点はいかがですか。
○政府委員(船後正道君) この俸給の特別調整額が、民間等でいわゆる役付手当そのものにずばり相当いたしますかどうか、これは人事院の方の御見解もあろうかと存じますけれども、予算的には、この十条の二にございます通り、管理または監督の地位にある職員に対して、その職員の特殊性に基づいて支給する調整額でありまして、しかも、これが俸給の特別調整額ではございますが、給与体系の上では、いわゆる諸手当というものと同様な扱いを受けておりますので、こういう点に着目いたしまして、予算の目の細分といたしましては、管理職手当という言葉を使っているわけであります。
○鶴園哲夫君 どうも、やはりわかりよく言えば管理職手当、まあ民間でよく言われる管理職手当あるいは役付手当というものに該当するように思える。一応その立場に立ちまして論を進めたいと思うのですが、もっと別な立場で進めてもよろしいのでございますが、一応その立場でこの特別調整額あるいは管理職手当というものを見ますと、問題が幾つもあるように思うのですが、まず第一は、そういう立場に立って管理職手当を見ました場合には、どうも私ども人事院の給与のきめ方から見て二重払いになっているのじゃないかという疑いを強く持っておるわけであります。 その第一としますところは、これは人事院はよく民間の給与との関連で、あるいはその反映として公務員の給与をきめられ、あるいは論議されるわけですが、民間の基準内給与、これが人事院が公務員と比較するものになるのですが、この民間の基準内給与という中には、役付手当というのを含まれて基準内給与になっている。従って、それとの反映で公務員の給与を考えておりますからして、従って、公務員の給与の中には役付手当というものが含まれておるというふうに見なければならない。にかかわらず、この基準内給与のほかに、もう一つ二五%の管理職手当、これを支給するというのは、これは二重払いという疑いが非常に強いのじゃないかと思うわけです。さらに、またこの給与の理論からいいまして、次官とか局長とか課長とか、こういう人たちが管理監督の地位にあることは、これはもう昔から今日まで変わらないわけでありまして、当然これは責任とその仕事という中に含れていなけまればならない。そうすると、そういう職責上の給与というものは、当然俸給表の中に加味されていなければならない。にかかわらず、それ以外に、もう一つ本俸の二五%という手当を出すということは、これは理論的にいっても二重払いであるということになるのじゃないかと思うのです。この二つの立場からいって二重払いでないというふうに明確にお答えいただければけっこうだし、しからずして、これは超勤にかわるものだ、超過勤務手当にかわるものだ、要するに、昭和二十七年にこの特別調整額を作りましたときのことを考えますと、創設の趣旨というのは超勤の形になっておるわけですが、それならそれでまたもう一つ大きな問題があるというふうに思っております。従って、今申し上げました二重払であるというふうな疑問を持たせるのだが、二つの理由からその点について一つ人事院の見解を承りたいと思います。
○政府委員(瀧本忠男君) ただいまの御質問の中の、人事院が民間給与と比較いたしまする場合に、民間では役付手当を基準内給与に入れており、それから公務員の方では特別調整額を基準内に入れないで比較しておるのじゃなかろうか、こういう御質問でございまするが、われわれがやっておりますことは、民間でも役付手当というものは基準内の中に入れておりません。同時に、公務員の基準内給与としてきめますものの中にも特別調整額を入れていない。両方とも基準内給与から除外して比較いたしております。こういうことになっております。
○鶴園哲夫君 これは人事院が去年出したやつですよ。この中に基準内給与として、うち役付手当としてある。
○政府委員(瀧本忠男君) ただいま御指摘になりました報告書は昨年の民間給与、これは毎年やっておることでございまするが、民間給与調査の総括的な、そうして勧告時に用いましたものよりも、さらに詳細に数字をあげました報告書でございます。それでごらんになっての御質問だと思いまするが、そこでは、うちこれこれといった表現を使っておりますけれども、勧告の際に使いました数字といたしましては、ただいま私が申し上げたように、役付手当は基準内給与に含ましていない、こういうやり方によりまして比較をいたしておるのでございます。
○鶴園哲夫君 しかし、これは勧告の資料をさらに詳細にして出されたものなんですよ。その資料の中に、基準内給与の中に明らかに役付手当が入った形で発表しておいて、いや、勧告の場合はそれは抜いているのだという説明は、一体愚弄しているものじゃないですか、どういうことなんです。基準内給与とちゃんと書いてある。基準内給与、うち役付手当、これだけこういう発表をされている責任を追及します。愚弄している一どういう意味ですかそれは。
○政府委員(瀧本忠男君) 先ほどから御質問が出ておりまするように、公務員の特別調整額というものが民間の役付手当に相当するのではなかろうか、あるいはこれは予算書におきましては管理職手当という言葉が使ってあるので、その関係はどうかというようなお話が出ております。民間で一般的に役付手当という言葉で言われておりますものが、これが単一な定義でこれを規定するということは非常にむずかしいわけであります。事業場によりましてそれぞれ違った意味に使っております。あるいは事業場等におきましては、公務員に比べまして職員の数が非常に少ない、組織も非常に簡単であるというようなところにおきましては、本俸といたしましても、やはりその職務と責任に応じてかっきりきまっているというような場合には、場合によっては役付手当を出していないというところもある。これは当然本俸の中に含まれた形において処理されておるというところもございます。それから、本俸だけでは処理し切れないから役付手当を出しておるという行き方もあるわけなんであります。また、役付手当に非常にウエートを置きましてきめておるという例もございます。また、役付手当を出しておるが、同時に超過勤務手当を出しておるというやり方もあるわけでございます。従いまして、一般的に民間でこれを考えまする際に、この基準内給与というものの中に役付手当をどのように表現するのが一番適当であるというのか、これは技術的に非常にむずかしい問題があろうかと思います。しかし、われわれの今御指摘の統計表の中には、これは一般的にやはり本俸と類似の性格で扱われておるものも相当あるわけでございまするから、従って、そこの表現におきましては、これを一応基準内給与ということで含めております。これは一般的な発表方法としてはそれが適当であろう、このように考えておるわけであります。ただ、公務員のこの特別調整額と対比してものを考える場合に、役付手当というものをどのように考えたらいいだろうか、これを基準内に入れるということがいいのかどうか、この辺には問題がございます。ことに、管理職には超過勤務手当も支給されていないという実情でございまするから、従いまして、比較の際におきましては、公務員の実態とあわせ考えまして、より適正な比較の方法をとった、こういう事情でございます。
○鶴園哲夫君 人事院は、こういう勧告のときの資料を、詳細に発表して、その中には、明らかに基準内給与の中に役付手当というものを含めている、こういう発表をしたことについて人事院としては謝罪をすべきじゃないか。
○政府委員(瀧本忠男君) ただいまの点につきましてそういう御見解をお述べになったわけでございまするけれども、われわれの方といたしましては、公務と民間を比較いたしまする際には、あくまでこれは人事院月報で発表いたしておりまする資料、すなわち、公務と民間とをどのようにして比較いたすか、そのときの付属資料に掲げております方法で、そこで資料を出しておるわけでございます。その報告書は、やはり非常な労力もかけ、また、民間もわずらわして作った表でございまするし、ことに、地方の人事委員会の協力も得ております。せっかく民間の調査をやりましたものを一般的に利用される場合のことも考慮いたしましてそういう報告書を作って、そうして一般の利用に供するということをいたしておるのでありまして、たまたま今ごらんになりますときに、多少の御混乱を起こさせるような要素があるというようなことにつきましては、これはまことに申しわけないと思いまするけれども、われわれの方といたしましては、官民比較をいたしまする場合には、月報に付属いたしておりまする資料で説明をいたしておることでございまするので、御了承願いたいと思います。
○鶴園哲夫君 あなたはこういうものを一般というが、国会議員にもちゃんと配っておるのですよ。私のところにちゃんときておる。人事院からもらってきたんじゃない。ちゃんと人事院が議員のところに配っておる。その資料では基準内給与の中に役付手当を含めて、しかし、実際にはそういう措置にしていないのだという話では非常に誤解を起こしますよ、そうじゃないですか。そういう説明を加えるか、あるいはもしそういう措置をとっておられるとするならば、そういう説明を加えるのがしかるべきですよ。そういうことをいっておかなければ、こういう問題を出されたのでは大へんな迷惑ですよ。
○政府委員(瀧本忠男君) 先ほど来申し述べておりまするような理由があったわけでございまするけれども、それをごらん願いまするときに、そういう御迷惑があったということにつきましては、はなはだこれは相済まぬと思っております。今後におきまして十分注意いたしまして、ごらん願うときに十分御理解願えるような措置をとるつもりでおります。
○鶴園哲夫君 そこで、今のそういうようなことで比較を出されたというところで、もう一つ大きな問題がある。それは、今、人事院がこの資料に出しておるのを見ますというと、役付手当が幾らかということが民間の場合には明らかになっておるのですね。一体この役付手当というのは、民間の場合においてはこの表に明らかなように、本俸なり、あるいは 〔委員長退席、理事村山道雄君着 席〕 基準内給与のどの程度を占めておるのか、それを伺いたい。
○政府委員(瀧本忠男君) これは事業場によりまして、先ほども申し上げましたように、役付手当、いろいろな名称が用いられておりますが、かりに役付手当という言葉で表現させていただきますが、役付手当というものを出しておるところも出していないところもある。支給しておる事業場もあり、支給していない事業場もあるということでございます。それにいたしましても、とにかく、たとえば支店長ならば、出ておるところも出ていないところもありましょうけれども、とにかく一人当たりの平均が本俸に対してどれくらいになるのかということをわれわれの方で計算をいたしております。それによりますると、大体一八%程度、こういうことになっております。
○鶴園哲夫君 人事院はおかしなことを言うですね、また。どうしてそういうおかしなことを言うのかなあ。ちょっと数字を明らかに出しておるでしょうが、ここに。あなたのところでいつも平均値でものを言うのでしょうが、出していないところもあるでしょうし、出しておるところもあるし、平均値として見た場合にどうなるのかという数字でものを判断されるのでしょう。明らかに出ますよ、この率はぴっしゃりと。管理職手当というものは、あるいは役付手当というものは本俸の幾らかということは明らかに出るのですよ。一八%というのは、どこからその数字が出るのですか。これから明らかに出てくるのは、大体一一%か一〇%ですよ。どうして一八%という数字が出るのですか。
○政府委員(瀧本忠男君) 鶴園委員がおそらく御計算になりましたものは、基準内給与に対しての額だというふうに思います。今私が申し上げましたものは、これはこの本俸に対しまする割合でございます。それで民間では、先ほど申しましたように、そういう人々の中で時間外手当をもらっておる人々もあるわけでありまするから、そういうものを加えまして、そして本俸に対する割合を計算してみますると、支店長あたりで一八%、こういう数字になる、こういうことを申し上げた次第でございます。
○鶴園哲夫君 それは確かにそうですか。
○政府委員(瀧本忠男君) その通りでございます。
○鶴園哲夫君 間違いありませんね。
○政府委員(瀧本忠男君) 間違いございません。
○鶴園哲夫君 どうしてそういうことを言われるのかな。確かに私は基準内給与から役付手当というものを引いて、その中から大体の数字を押えてみた場合に一一、二%じゃないか。おたくの場合は一八%とおっしゃるのですね。
○政府委員(瀧本忠男君) 今私が申し上げましたのは、支店長というところで申し上げたわけでございます。
○鶴園哲夫君 ああそうか、それは大へんなことだ。これは去年の資料しか人事院はまだ発表してないのですが、おととしになりますね、三十四年のときの資料しか発表してないのですが、支店長八千二百円ですね。それから事務部長、部長になりますと大体六千七百円、課長で大体四千円、こういう数字ですよ。 〔理事村山道雄君退席、委員長着席〕 それは本俸の一八%になるのですか。
○政府委員(瀧本忠男君) ただいま申し上げましたように、三十五年四月分におきまする資料につきまして計算いたした数字を申し上げた次第でございまして、支店長につきましては一八%ということになるわけでございます。
○鶴園哲夫君 それ以下は。
○政府委員(瀧本忠男君) 工場長で計算いたしてみますと一四%、事務部長で計算いたしてみますると一五%、技術部長が一六%、事務課長が一五%、技術課長が一六%、こういう数字でございます。
○鶴園哲夫君 そこで伺いたいのは、管理職手当について、一応これは管理あるいは役付手当という点から見た場合に、この率というのは非常に高いですね。公務員と比較しまして、公務員の方が非常に高いですね、民間よりも。支店長というのは大体二等級に該当するというふうに人事院は言っておる。あるいは事務部長というところ、あるいは事務課長というところが三等級に該当すると言っておられるのですが、大体二等級で一八%、それから三等級で一四から一五というような話ですが、これは公務員の場合は二五%、非常に高いのですがね。これは人事院として、いつも民間の給与との比較でごたごたと言われるのですが、そういう意味からいったら非常にこれは高いのじゃないですか。
○政府委員(瀧本忠男君) 先ほども私が申し上げましたように、民間におきましては役付手当というものを出しておるところもございます。また、そういうものを本俸できめておるところもある、いろいろなことがあるわけでございます。従いまして、公務員におきましては役づき、いわゆる特別調整額が出ておりますものは、御指摘のように、二等級の局長は二五%、三等級の課長はやはり二五%ということになっております、しかしながら、公務員におきましては等級のくくりというものが非常に大まかにできておるのでございまして、同じく三等級におきましても、管理、監督でないような方々もおられます。職務の性質上、やはりそれは本省の課長と同等に考えるべきであるというような場合におきましては特別調整額を出しておりまするけれども、そのほかのもので出ていないものもあるのでございます。従いまして、現在公務の三等級全体につきまして、この特別調整額が出ておりまする金額を本俸で比例を出してみますと、一七%という数字になるのであります。従いまして、これが的確にこの数字が先ほど私が申し上げました数字と合っていないという御指摘はあろうかと思いまするけれども、われわれとしましては、公務の特殊性というものを特に強調してありまする給与法第十条の二の趣旨から申しまして、それほどこれがとっぴなものであるというふうには考えていない次第であります。
○鶴園哲夫君 先ほど私が申し上げた二つの問題の中の一つは、大体今論議がここで中断しているのじゃないかと思います。第一番目の問題は、先ほど申し上げた給与論からいって、これは二重的な支払いになるのじゃないかという点ですね。これを伺いたいのです。
○政府委員(瀧本忠男君) 給与論からして、おっしゃる趣旨は、おそらく公務員の俸給表というものは、職務と責任に基づいて決定されているのであるから、従って、二等級の局長であれば、それは俸給表がこの二等級ということできまって、二等級の給与で支払われておればそれで十分である。その上に特別調整額という、まあその管理、監督ということにはなっておっても、特別調整額ということがついているのは、その職務の評価を二重にしているのではなかろうか、このような御指摘ではなかろうかと思うのであります。われわれといたしましては、先ほど来申し上げておりまするように、現在四十万の一般職の公務員がいるわけであります。その中の半分ぐらいが、この行政職の(一)と同様の扱いをされておりまする研究、医療あるいは教育というものを入れますと、相当の数になるわけです。そういうところで、この行政職(一)の二等級に相当いたしまする職務の範囲というものは、非常に現在のところ広いのであります。その点二等級といい、三等級といっても、やはりそれだけでは表現しきれないものがあるので、やはりこの俸給表上の職務と責任をさらに補完する意味におきまして特別調整額が設けられている。そうして、またそういう人には、一方におきまして時間外手当は支給されない、こういう規定に給与法でなっているわけでありまして、現在の規定が二重払いであるというふうには考えていないのであります。
○鶴園哲夫君 何か二等級というのは非常に幅が広くて、管理、監督という立場からはなかなか表現しにくいというお話でしたのですが、しかし、二等級で管理職手当をもらっていない人はいるのですか。皆もらっているのでしょう。
○政府委員(瀧本忠男君) 今私は端的に、ちょっとここで記憶いたしておりませんが、おるはずでございます。
○鶴園哲夫君 それはまことに微々たるものじゃないですか。そういうものを例にとって表現しにくいとかいうようなお話で、二重支払いになっていないというのは理屈にならないのじゃないですか。そういうふうなものがもしあるならば、ちょっと示してもらいたいのです。
○政府委員(瀧本忠男君) 私の表現が少し言葉が足りなかったかと思いますので、補足さしていただきまするが、二等級が必ず二五%の特別調整額をもらっているということにはなっていないのであります。私が主として述べさしていただきたいところは、むしろ三等級のことを申し上げるつもりであったわけです。
○鶴園哲夫君 いずれにしましても、今度論点を少し変えますが、これは管理職手当あるいは特別調整額ということは、これは本来二十七年に創設されましたときに、超過勤務手当というのは、管理、監督にある者についてはなかなか把握しにくい、なかなか実情に沿っていない。従って、超勤というものを廃止して、特別調整額というものを支給しよう、こういう趣旨だったのですね。それは否定されないでしょう。だから、何か超勤も入っているが、管理職手当、役付手当というものも入っているというような、もともといえば、これは超過勤務手当にかわるものだったのですというふうに言っているのじゃないですか。もしそうでないとおっしゃるならば、この大蔵省の当時の課長、それから当時の人事院の長、さらに公務員制度調査室の給与の専門家がちゃんと書いているのですから、間違いないでしょう。この点、そういう立場からいいますと、今ここに私、一表をお手元に差し上げてありますが、これは本省の場合だけです。これは地方へ行きますと、超過勤務手当はうんと減りますから、本省の場合だけをとってみた場合に、超過勤務手当と特別調整額は、非常に大きな差があるわけですね。四等級から三等級に移りますと、大へんなふえ方ですね。で、昨年上厚下薄だということでいろいろ論議がありました。この本俸、八の二を一とします場合は、一の五という場合は十一倍ということになりますが、超勤の場合は二十五倍になるのですね。大へんなこれは格差ですね。この点について、どうもおかしいのじゃないですかね、それを聞きたいのです。
○政府委員(瀧本忠男君) 特別調整額が最初に設定されましたときの経緯は、ただいま御指摘になった通りだと思います。で、現在人事院が運営いたしておりまするのは、給与法の十条の二に基づきまして特別調整額というものが支給されている、このように思います。
○鶴園哲夫君 いつの間にかそういうふうに変えたというわけですか。昭和二十七年から今日の九年の間に変えたというわけですか。超勤にかわるべきものとして出しているからして、超勤は支払わないということになっているのでしょう。さらにこれは恩給とか退職年金には加算しない。だから創設の趣旨からいえば、これは明らかに超勤にかわるべきもの、ただし、学校の教職員に出すようになったものだから、学校には大体超過勤務手当は出ておりませんから、学校の教職員に出すようになったものだから、少し解釈をねじ曲げてきたというふうに見ていいのじゃないですか。
○政府委員(瀧本忠男君) 先ほど、特別調整額を設定された当時は御指摘の通りだということを申したのでありますが、あの当時、特別調整額が設定され、その支給割合が決定されました当時のいきさつは、これは実際この超勤に要します予算がどういう工合になっているか、これに実績と言いかえてもほとんど間違いはないだろうと思うのですが、そういう事実を根拠にして特別調整額の率が決定されたという経緯でございます。しかしながら、人事院がこの給与の問題を実施いたしまする場合の基準になりますのは、あくまで給与法でございまして、給与法の十条の二というものが特別調整額の設定の理由になっているのであります。従いまして、人事院は、当初設定されました当時よりも、特別調整額の支給範囲を拡大して参っております。これは超勤の有無にもちろんかかわりなしに、その職務と責任の度合い、あるいは管理、監督の度合いというものを見まして、これを漸次増加して参る、こういうことに相なっております。
○鶴園哲夫君 この問題はまた別にいたしまして、次に、初任給の問題について伺いたいのですが、最近年功賃金というものが非常に問題になりまして、ここ数年でありますが、この年功賃金については、やはりいろいろ論議になって、考えなければならぬじゃないかというような意味のことが、大いに本委員会においても人事院が明らかにいたしていることでありますが、確かにこれは考えなければならぬような問題だと思うのであります。で、この年功賃金というものは逐次これから考えていくという場合に、一番問題になる点は、これはやはり年功賃金というものは、初任給をうんと低めるというところに問題があるのじゃないかと思うのですね。その意味で、もし人事院が、今後年功賃金というようなものについて考えていくということになるとすれば、これは初任給というものを大幅に、相当思い切って上げるという考え方が必要ではないかと思っておりますが、この点について伺いたいと思います。
○政府委員(入江誠一郎君) 年功賃金というものが、一体正確に申してどういう概念と申しますか、どういう性質のものかということはいろいろ問題がございますと思います。いわゆる年令給と申しますか、あるいは勤続給と申しますか、そういう勤続年数、あるいは年令の増加に伴って賃金が増額していくという意味のこともございますが、大体御存じの通り、この公務員の給与につきましては、元来が給与法その他によりまして、職務と責任に応じてきめるべきだという規定の趣旨に従って、元来、公務員の給与につきましては、職務と責任に応じて俸給体系を作るということを趣旨といたしておりますので、その意味においては、いわゆる年令給、あるいは勤続給とはまた違った観点に立っております。ただ、これがあるいは民間給与体系というものに公務員の給与体系というものを大きい線において合わせておるといった関係上、あるいはただいま御指摘のような一つの問題が起きるのじゃないかと思っておりますが、現在のそういう年令給、あるいは勤続給というものと、いわゆる職務給との関係においては、人事院は、元来、職務給の態度をとっておるのでございますから、その限りにおいては、現在直ちに俸給体系の段階において是正するような考えは持っておりません。問題は、やはり民関給与と合わす関係上、いろいろな段階において今後変化があるという問題、あるいはこの先般の国会の附帯決議も初任給について考慮すべきだという附帯決議もございますし、あるいは今後、ことしの民間給与調査においてどういう結果が出ますか、これによってもちろんわれわれは十分検討いたさなければならぬと思っております。
○鶴園哲夫君 この初任給につきまして、最近ことしの初任給あたりが日経連のタイムスあたりでも発表になっておりますね。見ますと、どうも公務員の大学卒の初任給というものは、日経連の発表なんか見ますと、どうしても民間の高等学校卒の初任給くらいになる、さらにまた、この公務員の高等学校卒の初任給というのは、民間のちょっとした会社の中学校卒の初任給というふうに見えますね。さらに政府機関ですね。公庫とか公団ですね、こういうようなところの初任給を見ますと、あまりにも公務員の初任給というのは低過ぎるのですね。こういうことは、これは新しい公務員が官庁に入ったときから親方日の丸というのですから、あるいは権力を持っているから何か給与が低くてもいいのだ、初任給が低くてもいいのだという考え方では、こんなに低くては入ったときから権力的な公務員というものを、そういう意識を誘発するのじゃないかという心配をするわけです。どうもあまりにもそこらにころがっている会社と比べた場合に、低過ぎはしないかという点を考えているのですが、どうですか。
○政府委員(入江誠一郎君) たとえば初任給を、一つの例をとりまして民間と比較いたします場合に、たとえば日経連の調査というもののいわゆる事業場の取り方というものが一つ問題、それは善悪は別といたしまして、公団、公庫につきましては、御指摘の通り、だいぶん違います。ただ、われわれ民間給与の取り方にいたしますと、ちょっと数字を申し上げて恐縮でございますが、昨年の勧告時におきまして、高校卒において、民間が約七千九百円に対して、公務員が八千三百円、八等級二号でございますが、短大が九千十四円ですが、約九千円に対しまして、公務員が八等級五号、九千三百円、大学はちょっと低うございまして、民間が一万二千二百二十五円に対して、公務員が一万二千円、ちょっと低うございますが、こういうことになっておりまして、われわれが調査する調査方法による官民の比較ということにおきましては、それほどの差はございませんです。これがただいわゆる大事業場といいますか、日経連なんかが出しておりますような大事業場と比較するとかいうことになりますと、確かにだいぶ差はございます。そこのところが、公務員全体の初任給を大事業場の初任給だけにさっそく合わすということも、なかなかこの点一般の国民的と申しますか、納税者と申しますか、そういうような御納得がいきにくい点もあるという関係上、人事院といたしましても、一定の平均事業場の、大体五十人以上の事業場について比較いたしておるわけであります。ただ、これが需要供給の関係で一番困っておりますのが科学技術方面でございます。そこで、先般初任給調整手当というものをお願いいたしましたわけでございまして、これは今後民間におけるいろんな関係上、初任給の問題もだんだん変化いたしておりますから、ことしの民間給与の調査の結果がどういうふうに出て参りますか、それによって善処いたして参りたいと思っております。
○鶴園哲夫君 日経連の、要するに日経連タイムスに出ましたのは五百人以上の企業、そこら一ぱいころがっている企業になるのですが、そういう企業の初任給の見込みを発表しておりまして、それなんかから見ますと、そこら辺にころがっている要するに会社という名称のつくところと比較しますと、公務員の大学卒というのは高等学校くらいの初任給になるのです。高等学校卒の公務員の場合は中学校卒というのです。公団とか政府関係機関の初任給と比べますと、非常に見劣りがするのです。これは役所に入ったときから公務員に対しまして、やはり権力的な公務員の意識というものを植えつける、こんな低い初任給では。先ほど入江総裁もお話しのように、昨年の十二月の本委員会で、初任給をやはり検討すべきだという附帯決議がついておるのですが、そういう意味で初任給については特殊な考慮を払われて、十分検討さるべきではないかと思います。 〔委員長退席、理事村山道雄君着席〕 お話しの、大学卒について甲乙に分けたり、あるいは初任給調整手当を出したりして苦慮しておられるようですが、これはそういうような弥縫的なやり方では処理できない問題になってきているのではないかと思います。ですから初任給については、すでに人事院としては勧告の準備をそろそろ始められるのですから、もっとお考えになったらどうかというように思うのですが
○政府委員(入江誠一郎君) 現実の問題といたしまして、初任給の問題のためにいろいろ公務員の採用その他においても、若干の困難——これは特殊な公務員のことでございますが、困っておることは事実でございます。それから国会の附帯決議もあり、もちろん初任給の問題というのは非常に重要な問題になっておるわけでございますが、ただ、これが具体的に俸給表の問題として解決いたします場合に、やはり全体として納得していただくといいますか、突如として、現在たとえば五百人以上という大企業に限らぬといたしましても、特別な民間の企業による実績とかけ離れた初任給を公務員の俸給体系について作るということも、また困難な問題もあると思いますし、まあしかし、どちらにいたしましても、この問題は重要な問題として今後検討したいと思います。
○鶴園哲夫君 お手元に私書いたのを出してありますが、その下の方の欄に、初任給を人事院がきめます場合に、人事院の東京都の標準生計費というのが作ってあるのですね、二人家族、三人家族、四人家族、五人家族。これは東京の場合ですが、東京都の標準生計費を作って、それから一人八千七百幾らという数字が出ているのですが、しかし、この委員会で非常にこの問題がたびたび論議されまして、私どもとしては、総理府統計局の作った東京都の勤労者の生計費というものをとって考えるべきじゃないか。これだけの差が出てくるのですね、大へんな差になるわけですね。総理府の統計局の東京都の勤労者の生計費というものが出て、二人、三人、四人……。それで人事院の作っておる東京都の標準生計費というものとの間には大へんな差があるのですよ。四人家族になりますと一万二千円という差が出てきますね。あまりこういうひどい差の出るような人事院の東京都の標準生計費というものから初任給を推定されるというやり方については、これはだれが見ても納得しにくいと思うのですが、その点についてちょっと伺っておきたいと思う。もっとこれは本格的にやりたいと思いますが、ちょっと伺っておきたい。
○政府委員(瀧本忠男君) ただいまの御指摘の勤労者世帯によるべきではなかろうかというお話でございますが、生計の問題を考えます場合には、やはり人事院といたしましては、一般消費者ということとバランスをとるということの方がいいのではなかろうかと一応考えております。しかし、御指摘の点につきましても、今後十分検討いたしてみたいと思います。 なお、従来、総理府統計局で世帯人員別の生計費の集計というものがなかなか発表されなかったのでありまして、ことに単身者の場合の生計費というものを発表されなかったのでありますが、たまたま二月ごろに報告書が出まして、それで一応計算いたしてみたいのでございます。全国消費者実態調査、三十四年の九月、十月、十一月というものにつきまして消費実態調査をやられたものを集計したものでございまするが、それによりますると、たとえば五人世帯が二万九千三百三十九円、四人世帯が二万七千百二十二円、それから三人世帯が二万三千二百四円、二人世帯が二万九百二円、単身者という場合には、これは非常に年のいった人もおりますし、幅が広いのですが、十八歳のところだけ集計をいたしてみますと、八千七百五十九円、こういう数字がたまたま出ております。われわれの従来の計算というものが、こういう数字から照らし合わせてみまして、それほどおかしいものではないのではなかろうかと思う次第であります。
○鶴園哲夫君 何がおかしくないですか。その数字は一昨年、昭和三十四年の数字でしょう、そうでしょう。三十四年の数字で、しかも、それは全国平均ですよ。これは東京都ですよ、人事院が出しておられるのは。
○政府委員(瀧本忠男君) 人事院がこの数字を計算いたしまするときに使いまするものは、これは資料として全国的では非常に信頼度が低くなるということから、東京の数字を使っておりまするが、今私が申し上げました主要点は、五人、四人、三人、二人、一人ということ、ことに十八歳の一人というものの生計費の割合というものが、全国消費者実態調査、統計局でお出しになっておりまするものと、われわれが標準生計費として計算しておるものと大体似寄っておる、こういうことを申し上げた次第であります。
○鶴園哲夫君 そういうことを言われるから困るのだ。それは昭和三十四年九月、十月だったと思いますが、約三万人の世帯を選んで調査したわけですね。ですからそれは全国平均が出ていて、東京都じゃないです。あなたここへ出しておられるのは東京都でしょう。
○政府委員(瀧本忠男君) 東京都勤労世帯生計費というようなことで人事院は出していないのでございまして、標準生計費を東京都において計算した、その計算の基礎に東京の資料を使っておるということでございます。従いまして、東京と全国で違いがあろうではないかというお話でございますが、そういうことはもちろん問題が残っておると思います。しかしながら、全体の傾向といたしましては、まあわれわれが計算いたしておりまする結果におきましては、それほど違ったものになっていないということを御報告申し上げた次第でございます。
○鶴園哲夫君 それはやめましょう。少なくとも東京都の標準生計費と全国二十八都市の生計費と、そう変わらないとおっしゃられてもこれは話にならないのですよ。全国平均はもっと下がります。東京都のやつは高いですよ。それがそう変わらないとおっしゃられると……。
○政府委員(瀧本忠男君) 今私が申し上げましたのは、五人世帯、四人世帯、三人世帯、二人世帯、それから十八才の単身者、そういうものの生計費の割合、この点が大体似ておるということを申し上げた。金額でお話するよりも、むしろ比率で申し上げた方がよかったのでありますけれども、たまたまこちらに御提出になっておりますものが金額でございますので、つい金額を申し上げた次第でございます。大体において世帯人員別の生計費の割合というものが、われわれの計算いたしましたものと、全国消費者実態調査、三十四年の九、十、十一月総理府統計局が行ないましたものと大体以ておる、このようなことを御報告申し上げた次第でございます。
○鶴園哲夫君 今生計費の問題については、人事院としましても十分検討したいというお話でありますし、また、初任給の問題については附帯決議がついている問題もあるし、さらに初任給調整号俸等の苦慮もなさっておるわけですからして、十分初任給の引き上げについては御努力なされるものと期待をして、また強くそういう要望をいたしまして初任給は終わりたいと思います。
○千葉信君 今朝来の質疑応答を聞いておりますと、大体要約して三つの問題ですが、そのうちの初任給の問題、もちろん年功賃金の問題等については時間を相当必要としますから、これは次の機会に譲りますが、暫定手当の問題と、それから特別調整額の問題について人事院の答弁を聞いておりますと、はっきりしないところもあるし、同時に、また人事院としてそういう考えを持っていいかどうかということについて疑念を持たせる点がかなり出て参ります。私は、この二つの問題に限って、人事院当局のお考えが、もし間違っていれば是正しなければならないと思いますので、二つの問題に限って質問を展開いたします。 そこで、最初に特別調整額の問題でございますが、大蔵省の主計局にお尋ねいたしますけれども、一般職の職員の場合の超過勤務手当の割合は、基準給に対してどれくらいのパーセンテージになっていますか。
○政府委員(船後正道君) 超過勤務手当の予算計上額につきましては、各官庁ごとにそれぞれ業務の量において計上しておりますので、一口にどの程度であるかということはちょっと申し上げかねるのでございます。
○千葉信君 その平均額わかりませんか。
○政府委員(船後正道君) 実は資料も用意いたしておりませんので、無責任な数字もあげるわけに参りませんが、私の記憶では、大体地方は十時間ぐらいでございます。中央でたしか十五時間前後、これはしかし記憶でございますので、正確な数字はいずれまた追って。
○千葉信君 大体昭和三十三年度、四年度等の状態からいっても、だんだん漸減の傾向にパーセンテージではあったのですが、来年度もかりにそれが増額されていないとすれば、私は四、五%平均のところに超過勤務手当の比率がなっておると思うのですが、その点はどうですか。
○政府委員(船後正道君) 先ほども申し上げました通り、数字を持っておりませんが、漸減と申しましても非常に微妙な差の問題でございまして、ここで責任ある数字をあげられませんが、やはり最近の状況ではおおむね横ばいではなかろうかと、かような感じでございます。
○千葉信君 人事院の方にお尋ねしますが、今正確な答えは得られませんでしたけれども、大体その超過勤務手当の予算計上額というのは、基準内賃金に対して四%ないし五%、現業官庁の場合でも六%には行っておりません。先ほど論議の中にもありましたように、この特別調整額というのは、今、瀧本さんの答弁によると一制定当時には超過勤務手当の振りかえという格好で出発したが、今では人事院は給与法第十条の二によってこれを処理しておりますという答弁で、何かその考え方の基礎が変わってきたような御答弁をされております。しかし、給与法上の表現としては「管理又は監督の地位にある職員の官職のうち人事院規則で指定するものについて、」と、こうあって、何もこれ最初から制定当時の考えと変わった規則ではない。つまり管理、監督の地位にある者に対して、一般の職員に対しては超過勤務手当を支給しているけれども、その管理、監督という仕事の性質からいって超過勤務ということはおかしい、自分の判断において、必要があれば超過勤務をやるし、従ってそれに対してどういうふうに超過勤務手当を支給するなんということになるとおかしいから、これは管理、監督の職にある者に対しては超過勤務手当は出さない、そのかわりに、総括的に何%という割合できめて、一般の職員に対する超過勤務手当にかわるものとしてこの制度が制定された、現在も、規則の状態からいっても、これはちっとも変更になっていないのです。そこで問題になることは、これは人事院でも御承知のはずですが、一般の職員に対しては、超過勤務手当の支給の状況を見ると、実際の状況は時間で区切って、たとえば二十時間、三十時間という超過勤務をやった場合でも、十時間しか予算がないとか、あるいは十二時間しか予算がないといって、実際の超過勤務に対して正確に支払われていない。従って、これはあくまでも予算額四、五%とうい格好でぶった切られて、非常に一般の職員は超過勤務手当の支給について、不合理で不当な扱いを受けている。今でもそれは現実の問題としてちっとも改善されていない。問題になることは、一般の職員ではそういう格好の超過勤務手当を支給しておいて、給与法の十条による特別調整額の場合には、鶴園君も問題にされたように、最高二五%それから二〇%、一五%というふうに、非常に高率の特別調整額が支給さてれいる。そのさっきの御答弁を聞いておりますと、これは管理、監督の職にあるものだからという理由ですが、この間の人事院の給与改定の勧告によりますと、管理、監督の職にあるという理由で、非常に大幅に賃金の改定が行なわれました。従来にない格差の増大です。管理、監督の職にあるという理由でそういう不当な引き上げが今回行なわれました。一方ではそういう格好の引き上げが行なわれて、しかも、それに対する基準給の割合に応じて支給する特別調整額の方はそのままでちっとも改善されない。これだから私は、鶴園君の言うように、二重払いという判断が出てくるのが当然だと思う。私は二重払いだとは言いません。しかし、一方でそういうふうに管理、監督の地位にある者に対して、それを理由として俸給の大幅な引き上げが行なわれた以上、この特別調整額の支給割合について人事院は全然手を触れないということは、私は不当だと思う。私はその既得権を侵せとは言いません。多いから削れとは言いません。多いから削れとは言いませんけれども、一般の職員との公平という立場からいうと、私は、一般の職員の場合の超過勤務手当の問題を、十分この際人事院は考える必要がありはせぬか。同時に、その支給割合についても、今のように五%刻みでやっていることは、管理職にある者の二割五分もらっている者と五分もらっている者との格差については、人事院としては十分検討を加えなければならぬ。こういう点について、人事院は、今度の勧告で全然その特別調整額の問題について目をつぶったということは、私は、人事院のほんとうの仕事のやり方をゆがめているというふうに批判せざるを得ないと思うのですが、この点について人事院はどういう方法で解決のめどを持っておられますか。
○政府委員(入江誠一郎君) この特別調整額の発生した経緯その他につきましては、千葉さんよく御存じの通り、ただいまお話になりましたけれども、ことに管理、監督の地位にある者につきましては、職務の性質上、超過勤務の方式によることが適当でないので、それをやめて、そのかわりにいわゆる特別調整額を出すことにいたしたわけであります。そこで、その特別調整額の性質と申しますか、性質と申しますのは、大体に申せば、先ほど来、鶴園さんと給与局長との間にいろいろとお答え申し上げましたように、民間の役付手当というようなものに類似しておるものと考えまして、給与の比較におきましても、民間も役付手当をとり、公務員も特別調整額をとりまして、そこの率につきましてもいろいろ御議論があると存じますけれども、現在の率が適当であるという人事院の判断のもとにこの制度を進めて参っておるわけでございます。そこで、ただいまお言葉のありましたように、それでは超過勤務手当につきましても、それとの均衡上といいますか、何か考えなければならぬのではないかという、そこに問題が起こるんじゃないかという御指摘があるように思いますが、大体人事院といたしましても、超過勤務手当というものは、元来時間外手当と申しますが、時間をこえて勤務した者に対する手当でございますから、かりに上司の許可を受けて勤務をしたにかかわらず、これが予算問題として、いわゆる打ち切られるということは、人事院としては、はなはだ不本意なところでございまして、だいぶ前でございましたが、行政措置の要求がございましたときにも、そういう趣旨のことを、大蔵省でございましたか、お願いしたこともあるのでございます。まあこれは、しかし、超過勤務手当の運用の問題は大蔵省の御所管でありますが、やはり趣旨としては、時間外に勤務した者に対しては支払うべきものでございますから、しかし、いわゆる時間外に勤務したということにつきましても、もちろん上司の許可を受けた正式の勤務でないといけませんけれども、これを予算上実情に即するようにしていただきたいということは、われわれ希望するところでございます。
○千葉信君 超過勤務手当の支給の割合とか、それから役付手当という言葉を使われますが、こういう言葉は、人事院として意識的に使ってはならぬと思う。役付手当などというのは、これは学校の校長もしくは首席訓導等に対して特別調整額を支給する必要上から、根拠がないために管理職手当というふうに名前を変えて当時の文部大臣が表現したものですが、そういう間違った言葉を、人事院自体も一緒になって役付手当などという言葉をこの特別調整額に使うということは、問題を混乱させるおそれがあるから、私はそういう言葉はやめるべきだと思う。ただ私は、この支給割合等の問題について、ここで長々論議していますと、きょうの時間がなくなるから、私はその点についてはこれ以上触れませんが、今御答弁の中にありました一般職の職員等に対して超過勤務手当を支給するその支給の仕方について、正確に支給されるように人事院がお願いしたという言葉は、私は非常に気にかかる。それはなぜかというと、人事院としては、公務員法なり給与法の建前からいって、正確に賃金が支払われているかどうかということに対して、人事院の責任においてこの問題を解決する立場にある。たとえば行政府で勝手な職員を置いて賃金を支払ったことに対しては、人事院は給与法第二条で、この問題に対しては厳重な監督をしなければならぬ立場にある。同時に、法律で許されない職員を不当に置いて支給することも、人事院で監督しなければならぬ権限があると同時に、当然支給しなければならない賃金が、不当な支払い方が行なわれておることについても、人事院として、私は、政府にお願いなんぞという立場をとるべきじゃないと思う。厳重にその点については政府に対して人事院から申し入れて、そういう態度を一刻も早くやるようにさせるのが、これが人事院の立場だと思う。そういう意味からいうと、二十時間超過勤務をやっても、予算がこれしかないという格好で平気でしょっちゅうぶった切られている現在の超過勤務手当支給の状態について、人事院がいつまでも手をこまねいていることは、私は許されないと思う。もちろん私は大蔵省に対してもこの点について文句があるけれども、人事院もまた共同の責任だと思う。従って、どこの職場でも行なわれている超過勤務手当のぶった切りというやり方に対して、人事院はどういう措置をとるつもりか、ここで一つはっきりと人事院のお考えを聞きたい。
○政府委員(入江誠一郎君) このお願いという言葉を申し上げましたのは、これはいわゆる勧告と申しますか、申し入れと申しますか、実はあのときには行政措置の要求がございまして、法律的な用語で申せば、あのときにどういう言葉を使いましたか、その点私失念いたしましたが、そういう言葉を使いましたわけでございますが、決していわゆるお願いするという言葉じゃございません。これはもちろん勧告というのでありましたか、何かそういう言葉であったと思います。そこで、将来の問題でございますが、われわれといたしましては、もちろんいわゆる超過勤務手当というのは、法律上から申しまして、超過勤務をいたした者には当然支給すべきものでございますから、超過勤務をしたにかかわらず、超過勤務手当を出さないということは困ることなのであります。しかし、なかなかこれは職場の運用上、人事院が、そこはやはり任命権者と申しますか、職場々々で公正な給与を出すように努力していただく、それを大蔵省に予算措置として十分考慮してもらうということでございませんと、これは人事院だけで具体的に個々の場合にこれを措置していくということは、実際問題としてなかなか困難じゃないかと思います。やはり一般的な一つの方針として、今後も人事院としてはそういうふうなことを望むという立場で善処したいと思います。
○千葉信君 私は、これはもちろん予算を編成する場合に、適正な予算が組まれていないからそういう事態が起こると思うのですが、それも明らかに不当な支払いが行なわれていることに対して、人事院が、あなたのおっしゃるような、そういうふやけた態度をとっているからいつまでも解決しない。人事院としては、やはり国家公務員法の命ずるところによっても、不当な賃金の支払いに対しては、国家公務員法上罰則があるのです。しかも、不当な職員を使用して賃金を支払った場合には、これも罰則があるのです。しかも人事院は、公務員法上、条文で明記されているこのことをほったらかしておくから、適正な予算がいつまでも組まれないで、公務員が不利益な扱いをされる。しかも、それが天下を堂々といつまでも横行しているということになるのです。ですから、人事院の方で勧告をしても聞かないという場合には、その勧告を聞かない実情を国会や政府に対して堂々と公表したらどうです。もしくは、また方法としては、そういうものに対しては、そういう不当な給与を支払った場合には、罰則を適用するくらいの厳格な態度をとるくらいにすれば、初めて僕は解決すると思うのです。今の入江さんのような答弁では、いつまでたってもこの問題は解決しないと思うのです。もう少しはっきりこの問題に対して、人事官の会議で態度をきめたらどうです。
○政府委員(入江誠一郎君) この問題は、もとより今に始まった問題でございませんで、ただ、これは超過勤務手当の運用の問題というのは、各広範な職場におきまする個々の運用の問題がございまして、われわれは抽象的と申しますか、一般的に大蔵省に対して要求はできまするけれども、その個々の場合を調査し、その結果によって、さらに現在の方法以上の措置をとるということにつきましては、なかなか困難な問題があるのじゃないかと思います。もとより、ただいまの御発言の趣旨につきまして、十分考慮はいたしまするけれども、われわれが個々にそれぞれのこまかい勧告その他の措置をとるということは、なかなか困難じゃないかと思います。
○千葉信君 人事院に教えてあげますが、方法はあるのです。方法があるというのは、あなた方の方から大蔵省に対して、どういう予算を組めとか、どの程度にしろとかいうことをなんぼ要求したって、これはあなたのおっしゃる通り、なかなか大蔵省は、はいそうですかと言って言うことは聞かぬと思うのです。しかし、現場で実際に超過勤務をした場合、これはあなたの表現と違って、命令されて超過勤務をやるのですから、あなたは、超過勤務をやる場合には、上官にお願いして超過勤務をやるような話を今されましたが、超過勤務というのは、これは命令でやっておるのですから、従って、命令で超過勤務をやった場合には、それに対する給与法上の正確な賃金を払うように、人事院の方がそれに対して厳重に監督するという態度を現場に対してとれば、私はこの問題は、そうごたごた論議しなくとも解決すると思うのです。問題は、人事院がそれだけの公務員法上の責任を果たすかどうかということに解決のかぎが私はかかっているのだと思うのです。それをようやろうとしないし、消極的だから、だんだんと人事院の影が薄れていく。人事院はこの法律の厳重な順守ということについて、条文でもちゃんと責任を持たされているのです。それをやらないところに問題の紛糾が起こってくるのです。あなたはせっかく総裁になられたのですから、こういう法律上はっきりしていることくらいは、明確な態度をとるような心がけになる必要があると思うのですが、どうですか、その点。
○政府委員(入江誠一郎君) 超過勤務の措置につきましては、その実情は千葉さんもよく御在じの通りで、それはまあ法律上から申して、確かにお話の通り、超過勤務をいたした者に対しては超過勤務手当を支出しなければならぬわけであります。まあ人事院としては、私ども当然これは公務員の給与上の国としても義務があるのでございますから、それを実施するように望み、それに努力いたすことは従来とも変わりませんのでございますが、具体的にこれをどういうふうにやって参るかということになりますと、これはなかなかそれぞれの事情に複雑な問題がございますから、もちろんただいまの御要望の趣旨に沿って努力はいたしまするけれども、特別な現在それに対して措置をとるということは、あるいは実情に即さぬ点も起こってくるかとも思います。十分研究いたします。
○千葉信君 まあ入江さん、盛んに僕の要望というふうに言うけれども、これは要望でなくて、むしろ人事院をしかりつけているのですから、あなたそのつもりで聞いてもらわなければ、僕の方からお願いでもしたかのような格好に受け取られたのでは迷惑千万です。人事院のだらしないことを僕はここでしかっているつもりなのです。そのつもりで一つ認識してもらいたい。 それからその次の問題は、例の暫定手当の問題いろいろその質疑応答はあったけれども、質問者のその質問の底を貫いて流れているのは、一刻も早くこの暫定手当の問題を解決しなければならぬということ、同時に、その解決する方法としては、どうしてもこれを全体的に解消する、本俸繰り入れの方法をとる以外に道がないのじゃないかという考えが一貫している。それは質問の中にもはっきり出ている。ところが、その人事院の答弁を聞いていますと、やれ地域的な賃金の差がどうだとか、物価の状態がどうだとか、あるいは都市の場合には、その他の地域に比べて賃金の工合等がどうだなどということを言って現在の暫定手当の状態をそのままにしておくのが何か正当な理由があるようないろいろな釈明をされておる。私は、その人事院の考えは根本から誤まっていると思うのです。どうしてかというと、もう人事院のそういう釈明やなんかは地域給の問題が頭にこびりついていて、そして地域給の考え方に立って民間賃金がどうの、物価がどうの、こういうことを答弁されておる。暫定手当に切りかえられたその理由ですね。それから切りかえられてしまった今日の暫定手当のあり方からいうと、たとい地域的にどういう条件の変動があろうと、あるいは物価や賃金の関係がどういうふうに格差があろうと、その問題を理由にしてこの制度をそのまま存置するという態度をとることは、私は根本から誤まっておると思います。といいますのは、暫定手当に切りかえてからあとの問題は、どうして人事交流、人事行政等に支障のない公平な方向へ一日も早く持っていかれるかということがこの問題の一番の問題点だと思うのです。従って、まあ今後人事院の方では、国会の決議の二つのうちの一つの方をとられて、各地域間の不合理、不均衡をなくすために、とりあえず同一市町村内の問題に手をつけられました。しかし、もう一つの、早くこの問題を解消するための根本の、一番大事な方針としての本俸繰り入れによる問題の解消については、人事院は全然自分たちの責任を果たそうとしなかった。この問題の解消の仕方は、本俸に入れるというやり方が必要だし、同時に、本俸へ入れてやる入れ方も、給与の原則からいって公平を欠いている、今ある暫定手当の格差をそのまま本俸に入れたりしたら、これは人事行政はとたんにストップしてしまう、人事交流も全然できない。そういう条件から考えても、また給与の大原則としての公平という原則からいっても、暫定手当に切りかえられた以上、一日も早くこの問題を解決しなければならぬし、解決する方法としては、どんなに論議をしてみても、本俸に逐次繰り入れていく以外に方法がないはずです。それ以外の方法があったら私は後学のために聞いておきたいのです。それ以外にないとすれば、なぜ人事院は今度の勧告でこれに対して手をつけようとしなかったのか。私はこの問題についての隘路というのは、何といっても予算の関係にあると思うのです。ところが、人事院の方としては、なかなか膨大な予算がかかるから、出してもこれは困難だろうなどという人事院独自の判断からこの問題に対して手をつけなかったというのが私は真相だろうと思う。しかし、そういう態度を人事院がとればとるほど問題の解決がますます困難になるし、ますます先に延びる、ともかくも人事院としては、本俸に繰り入れて引き上げていく以外に道がないのだから、その勧告を即時にも出すべきです。出して、予算上の関係がどう処理されるか、どう政府がこれに対処するか、国会はこれに対してどう判断を下すかということを人事院は待つべきだと思います。それを初めから人事院が出しもしないで、そうして委員会で質問されると、民間の賃金がどうの、物価の状態がどうのなどという地域給論議を繰り返して、人事院は、その本俸への繰り入れ、解消のための勧告をしなかったことを正当なような顔をしようとしている。けしからぬと思う。私は、これは人事院は一日も早く本俸に繰り入れ、そうしてこの問題の解消をはからなければならぬ。さっき瀧本さんも言われたように、地域間の格差に対してどう対処するかという問題は、もう暫定手当の問題ではないのですから、それはそれで、別な角度から、人事院の研究によってその格差をどう処理するかということについては、これから研究すればいい。今ごろ暫定手当の問題に関連して、あなたたちが地域間の格差などということをここでぬけぬけ答弁されるとは、あやまちもはなはだしいと思います。どうですか。
○政府委員(入江誠一郎君) 先ほど来申しましたように、民間賃金あるいは生計費その他におきまして、都市と地方とにおきまして格差があることは、これは事実でございます。そこで、給与上から申しますと、やはり生計費その他においてたくさんかかる公務員に若干の配慮をするという一つの理論的な根拠はあると思います。しかしながら、これがいろいろ人事行政上の問題から解消をはからなければならぬ、そこで、先ほど来申します通り、人事院といたしましても、何とかこれをなだらかな方法で解消いたしたいと思っているわけでございますが、予算の問題がいろいろお話しございましたが、われわれ予算がかかるからこれを勧告しないというわけではございません。予算がかかるから実現しないだろうと思って勧告しないわけではございませんが、ただ、卒直に申しまして、現在の暫定手当を一挙に底上げいたしますといたしますと、いわゆる四級地程度にいたしますと九百億かかるわけでございますが、九百億の金が多いか少ないかということは別問題といたしまして、われわれといたしましては、やはり予算は要るにしても、なるべく一つ都市の公務員も地方の公務員も納得する方法でこの問題を解消いたしたい、そこを念願いたしているわけでございまして、その方向がどういう方向で参り得ますか、これがいろいろ検討している問題でございます。
○千葉信君 予算の関係なんかを自分の方では考えてやらなかったのじゃないという口の下から、あなたは予算の関係を考えてという答弁をされている。あなたは市町村の職員と、あるいはいなかの職員との考えがどうであろうかなんということを考えていると言われましたが、そんなことをなぜ一体考える必要があるのです。私は、何もあなたが言われたように、一ぺんに九百億円出して解決をする勧告を行なえなんということは、ちっとも言ってないのです。その方向に持っていくための勧告を行なうべきだと言っているのです。だから段階を踏んで、現在三段階に分かれている、厳密には四段階ですが、その段階を一つずつ解消するという方法もあるじゃないですか。その一つの段階にまず手をつけないことには、次の段階なんか及びもつかん話で、一ぺんにやれなんてだれも言っていない。過去にやったような格好で、一段階ずつ底上げをするという方法もあるのですから、従って、その方法をとっていく限り、都市であろうと町村であろうと、そのために公務員間にトラブルが起こったり、不平不満が起こるとは私は考えられないと思う。その現在生じている、そしてまた歴然とある各地域間の物価の格差とか、ないしはその民間賃金との比較等の問題については、さっきも瀧本さんの言ったように、人事院としては、それに対する独自の解決の方法を考えればいいんですから、従って、その考え方としては、現在の暫定手当でもってそういう地域間の格差なんていうものを考慮するというやり方は間違いだと私は言っている。ですから、私は一ぺんにやれなんていうことは言わないです。一段階ずつでもけっこうだから、その一段階の勧告をするチャンスというのが、今回の人事院の出した勧告の中に入れるということなんです。それをやろうとしないでいて、一ぺんにやろうと思えば九百億かかるなんていったって、そんなことは通りませんよ。段階を経ていいんですから、一段階ずつでけっこうですが、それさえもやろうとしないところに私は人事院の態度に不満でしょうがない。とにもかくにも出してみて、それで解決するかしないかは、これは国会と政府の関係ですから、人事院はそこへ何も立ち入って考えて、なかなか解決せんだろうとか、一ぺんにやれば九百億円かかるなんていうおどかしをかけるような口まできくことは、私は不当千万だと思う。だれだってこの委員会で、印象として、内閣委員の諸君は、あなたのような態度で、九百億円かかるのだなんてぽんと出されると、はっとするに違いない。ところが、何も私の言っているのは、ぽんと九百億円かけてやれなんということは言っていないのだから、とにかく解決する方向は一つしかないし、その一つしかない方向へ、漸進的でもいいから、人事院としては勧告をすべきだし、この前の勧告に一緒にしなかったのだから、とり急いでそういう勧告を人事院はやるべきだ、そういう趣旨です。無理なことなんかはちっとも言っていない。一つ性根を据えて総裁答弁してもらいたい。
○政府委員(入江誠一郎君) 私が経費のことを申し上げましたのは、たとえば財政当局に別に遠慮しておるとか、そういう意味ではございませんので、やはり給与の、いわゆる生計費その他において格差があるということを前提として、それを解決するためにどういうなだらかな方法があるかということから考慮いたしておるわけでございます。もちろん先ほど申し上げました通り、この問題は決して無関心でおるわけではございませんので、何かの方法で国会の附帯決議その他の趣旨に沿うように検討いたしておるわけでございます。まあどういう結論を得ますか、そこが現在まだ御回答申し上げにくい段階でございますから、さよう御承知願いたいと思います。
○千葉信君 人事院がそういう態度をとる限り、私は問題の解決がないと思うし、何とかなだらかな方向で解決したいなんというと、一応もっともらしく聞こえるけれども、この地域間の物価だとか、それから賃金の格差だとか、あるいは地域給の際に、その根拠として採用したその地域間の文化の差だとか、いろいろな条件というものは、何十年待ったって何百年待ったって、それは解消しません。ですから、そういう条件に対しては、給与局長のいうように、それに対応する新しい制度で対応しなければならぬことになってきた。どうしてかというと、暫定手当はそういう要素を基礎としてできたけれども、制度の改正以来、そういうものを対象にして考慮するという態勢ではなくなってきている。凍結されているのですから、条件の変動に対応できないことになってきているのですから、従って、これはこれで一日も早く公平の原則に返るようにこの問題も処理する、そのためには解消しかない。解消というのは、既得権をとるわけにはいかぬから、上位に対して格づけするように、だんだんと底上げをしなければならない。その方法は一ぺんにやれとは言っていないのだから、人事院としては、帰ってこれを人事官会議で十分考えてもらう必要がある。人事官会議で検討される用意がありますか。
○政府委員(入江誠一郎君) もちろんこの問題は従来からも検討いたして参りましたが、今後も重要な問題として検討いたします。
○鶴園哲夫君 次に、特殊勤務手当につきまして伺いたいのですが、その前に、先ほど問題になりました超過勤務手当、特別調整額、この点について、人事院といたしましては根本的に考えるところにきているのじゃないかと思うわけです。第一、特別調整額についての考え方がどうもすっきりしていないように思いますし、また、もともとこれは超勤にかわるものとしてできたものであるし、その場合、これはもう人事院の中では常識になっておりますように、課長以上というものを特に上げたいのだけれども、上げるということになれば、これは全体を上げるベース・アップの際に上げなけれぼならない。その財政的な困難さもあることからして特別調整額というものを作って、超勤の大体三倍程度のものを支給する、こういうのが常識になっているわけですね。しかし、それは今度の給与の大へんな格差によって逐次解消しつつあるわけですけれども、この際、超過勤務手当、特別調整額について根本的に検討してもらいたいというふうに思っておりますが、その点について一言伺っておきたいと思います。
○政府委員(入江誠一郎君) もちろんこういう重要な問題でございますから、検討はいたします。ただ、特別調整額の現在の率というものを、たとえば変更といいますか、変更するということにつきましては、現在のところでは考えておりません。まあそれとの関連において超過勤務というものを、まあこれは大蔵省の予算上の問題、あるいは各省の運用上の問題でございますが、これについては、さらに十分検討はいたさなければならぬと思います。
○鶴園哲夫君 この役付手当、管理職手当、あるいは特別調整額、いろいろの言葉が使われるのですが、特別調整額においての率が、民間との関係からいいましても、非常に違う、差があるのです。そういう点、さらにこれは超過勤務手当につきましても、民間とにいろいろ問題があるように数字として出ております。また実情も、公務員の中には、先ほど千葉委員のお話のような面が強いわけです。その意味で、私は、この特別調整額並びに超過勤務手当等について、人事院としてはっきり根本的に検討するところにきているのじゃないかというふうに思っているわけです。よろしゅうございますか。
○政府委員(入江誠一郎君) これは給与制度の重要な問題でございますから、もちろんいろんな問題と関連いたしまして、今後も十分検討いたします。
○鶴園哲夫君 次に、特殊勤務手当について伺いたいのですが、これは御承知のように、昭和二十三年に創設された二千九百二十円ベースのときですね。それで、これが本俸繰り入れであるか、あるいは廃止するかという立場に立って、大体十四年間凍結されておったのですが、昨年、御存じのように、法律が改正になって、やはり恒常的な手当に整備するということに法律として改正になったわけです。従いまして、すみやかにやはりこの法の改正の立場に立って、特殊勤務手当については整備しなければならない、従来の凍結あるいは廃止という考え方とは違った立場に立って考えなければならないのじゃないか、こう思っておりますが、そういう立場から三点ほど伺っておきたいのです。 一つは、今申し上げましたように、二千九百二十円ベースのとき、今日二万四千二百八十円ベースになっておりますが、だからといって、すぐこのベースにどうこうという、これに合わして特勤手当を考えるという意味ではなくて、あまりにも二千九百二十円ベースのときに固定された金額が多過ぎる、たとえば死体の処理の取り扱い、これは文部省、大学でありますが、これが一日三十円、あるいは伝染病作業手当、これが一日三十五円だとか、あるいは非常に危険な放射線を扱っておるような仕事も、金額が非常に小さいと思います。あるいは水面下四メートル以下のところで作業をする金額が少ないとか、金額の面で非常に問題があるように思うのです。最近創設されました、たとえば南極探険に行っている人たち、これは最近創設されたのですが、これは一日俸給によりまして九百円から二千二百円という数字になっておる。大体今のベースとそう違わない。さらに、また最近改めて参りました航空手当一時間五百円、一カ月一万五千円の限度内、この数字も、そう無理な数字ではないと思うが、先ほど私が例として申し上げましたように、一日三十円というのは、二千九百二十円ベースのときはともかくとしまして、今日金額の点については非常に問題があると思っておりますので、これらについてどういうふうに考えておられるのか、まず一つ伺いたいと思います。
○政府委員(入江誠一郎君) 特殊勤務手当は、また今のお言葉にございましたように、従来政令できめまして、大体まあむしろそういう諸手当は本俸に繰り入れる、しかし、少なくとも凍結するという方針でございましたのでございますが、先般、なかなかこの特殊勤務手当にもいろいろ理由がございまして、これを一がいに、たとえば範囲を絶対に広げないとか、それも実情に沿わないのじゃないだろうかということで、ああいうふうに人事院規則でなし得るようにいたしたわけでございます。 まずこの金額の問題でございますが、これは現在の特殊勤務手当の金額が多いか少ないかということにつきまして、いろいろまあ御議論が起こり行るわけでございますが、これは申し上げるまでもなく、特殊勤務手当は、一つの勤務環境の難易でございますとか、あるいは勤務そのものの労苦の状況とかということが基本になって定められているわけでございまして、これが特殊勤務手当をもらっておりません公務員との関係ということも、なかなか勤労の度合とか特殊性ということは非常に算定が困難で、現在そのときそのときにそれを給与問題として適当な額をきめているわけでございます。はたしてこれが額そのものをそれぞれの特殊勤務手当につきまして増額するという根拠がございますかどうか、これはもちろん特殊勤務手当につきましても、始終検討をいたさなければなりませんけれども、現在の段階におきましては、直ちにこれを変更しなければならぬとも思っておりませんのでございます。しかし、それぞれの費目につきまして、もちろん十分検討いたします。
○鶴園哲夫君 どうもこれは少し時間がかかりそうなので、先ほど私若干の例としてあげておるようなもの、たとえば死体処理が三十円だ、それは確かに十四年間凍結されたような形になっておるのですが、どうも三十円で死体処理をずっとやらなければならぬ、これはやはりどうも二千九百二十円ベースのときはともかくといたしまして、今日非常におかしな数字じゃないかと思いますがね。さらに伝染病の防疫作業、こういうようなものも大へんだと思うのですが、これは一旦二十五円ですね、これも。あるいは危険作業手当というのがありますが、これなんかも三十六円という金額ですね。これはやはりどうも先ほどの入江総裁のお話ですと、何かあまり変えたくないようなお話なんですが、もしそういうことであれば、もっと時間をかけまして論議しなければならぬと思うのですけれどもね。ですから、根本的な考え方としては、やはりこういったものについてすみやかに検討すべきだ、昨年の五月に法律は改正になっているのですから、するべきだと思うのですが、もう一ぺん伺いたい。
○政府委員(入江誠一郎君) もちろん個々の問題につきまして、その合理性がございます範囲におきましては、これは改善いたさなければなりませんし、ただ、まあこれは一つつけ加えることになりますけれども、特殊勤務手当がついておりませんものにもそれぞれのまた事情がございますし、特殊の勤務そのものを特別に取り上げてここで金額を計算していくというのは非常に困難でございます。まあ十分今後も検討いたします。
○鶴園哲夫君 私は、先ほど申し上げたような額を具体的にここできめよとか何とか言っているのではなくて、二千九百二十円ベースのときの数字だから、若干この点についても根本的に考えておく必要があるのじゃないかということでありますから、方針を聞いているわけですから、よろしゅうございますね。
○政府委員(入江誠一郎君) まあこの法律は変わりましたと申しますか、人事院規則になりましたのは、将来の特殊勤務手当の範囲その他を従来のように凍結いたすということは実情に沿わないということでああいうふうに人事院規則にいたしたわけでございます。まあ金額の問題はそれと別の問題として、もとよりこれは給与の問題でございますから、そのときどきに応じて、放置すべき問題ではございませんから、十分合理的に検討いたします。
○鶴園哲夫君 次に、これは不均衡の問題なんですが、従来ありましたやつを昭和二十三年にこれを制定をした、そこで各省庁の間に非常に不均衡があった。それについて逐次人事院としましても改訂に努力しておられることは事実でありますが、なお、しかし凍結という、あるいは将来廃止をする、あるいは本俸に繰り入れていくというような考え方等もありましたために、この不均衡の面が相当残っておるのじゃないかと思うのですよ。たとえば放射線の手当というのがありますね、放射線を取り扱うお医者に対しては一日三十円、これは二千九百円ベースのときに三十円、しかし、今日これは人体に対する照射だけでなくて、動物や植物に対する照射もやって、そうして育種あるいは遺伝等の研究が広く行なわれつつあるわけですね。そうしますと、人体に対するX光線の照射だけではなくて、動物、植物に対する照射もやはり同じように取り扱っていかなければならぬという問題もありましょうし、高所作業というものがありますが、高い所で作業する手当、今非常に問題になっております。たとえば建設省の地理の関係で、断崖絶壁、非常に危険な所で測量をする、あるいは建設省あたりの道路工事等について、非常に高い所で測量をするという高所作業、こういう問題もやはり不均衡な問題として相当あるんじゃないかと思う。また、ここにあります海員学校実習授業手当というのもあります。海員学校の実習授業手当、これは一時間二十五円、これは運輸省だけでやっております。しかし、これも海員学校の問題は、文部省にも当然水産大学というものがありまして、やはりこういうのも不均衡じゃないかと思いますし、また、自衛隊との不均衡も、船の中の炊事作業ですね、これは自衛隊には炊事作業という手当が出ているのですが、公務員の場合においては、船の中の炊事作業には出ないという問題もありましょうし、まあ捨ってみますとあるんじゃないかと思いますが、各省の間における不均衡という問題が一つ。 もう一つありますのは、十四年間いろいろ努力はしてこられましたけれども、新しく創設しなければならぬという問題が出て参っておるんじゃないかと思います。たとえば用地取得あるいは補償のような問題ですね、これは公共事業が非常に膨大な発展をして参りまして、用地を取得する、あるいは用地の補償をするという場合に、たくさんの反対者の間に立って努力しなければならぬというような問題もありましょうし、新しく創設する問題としては、なお冷凍業が非常に発達しまして、冷凍室の中で検査をする、輸出品検査、あるいは水産物を検査する、こういう冷凍室の中で長時間にわたってしなければならぬというような問題も、これはやはり考えていかなければならない。これは従来各省が取り上げて人事院といろいろ折衝しておられるものにすぎない。ただ大蔵省との関係がありまして、船後さんがおられるか、よく一つ船後さんも聞いておいてもらいたい。私はこの間も申し上げたが、暫定手当、薪炭手当、寒冷地手当等も、財源の関係で大蔵省にけ飛ばされる、こういうふうなことが省内で非常に流布されておるところでありますから、船後さんにも聞いておいてもらいたい、こう思いますが、この不均衡と新設という問題についての見解を伺いたい。
○政府委員(瀧本忠男君) いろいろ御指摘があったのでございまするが、この特殊勤務手当を一体どの程度に押えて考えるかということは、非常にむずかしい問題であると思います。で、一般的に申しまして、どこまでが常態としての作業であるかどうか、その上を、それに付加されたる危険、あるいは困難、あるいは不快というようなことで把握するかというようなことは、事実問題としてはむずかしい問題であろうかと思うわけでございます。で、現在は俸給表は分かれておりますけれども、一つの俸給表の中に、かりに比較的職種を細分いたしまするといたしますれば、いろいろなものが入っておるわけでございます。その場合に、どこまでが標準的な業務であるかということを押えることは非常にむずかしい。ことに危険であるとか不快であるとかいうような要素で取り出せないような一般的作業で、しかも困難の度の高いものもあるというような状況でございます。従いまして、今後の問題といたしましては、やはり給与の本体は本俸ということで考えるというのが一番基本的な方針だろうと思うんです。で、特殊勤務手当はそれを補完いたしまする程度に考えていくということで考えなければならぬ。で、われわれは、従来、特殊勤務手当の支給されまする作業につきまして、ある省庁にはある、ある省庁にはないというものにつきましては、ずいぶん努力してこれをふやして参ったのでございまするが、同種の作業といいながら、その間にやはり作業内容が違っておるというものも実はたくさんあるわけでございまして、そういうようなものを一括的に取り扱うということもむずかしい。しかし、これは今後といえども、われわれといたしましては、つけるということになって、ある省庁ではその作業に手当がついておるという場合に、ほかの省庁では手当がついていないということは、これはアンバランスでございますから、それはできるだけそういうことのないように今後も努力して参りたいと思います。特殊勤務手当のこういうものにつけたいという要求は、毎年各省から、もうずいぶんたくさん人事院に出て参るのでございますが、実は一つずつ見ますと、それ相当の理由があるように考えられます。しかし、われわれとしましては、そういう一々のこまかい問題に一々対処するというのは実は困難であるので、やはりそれを取捨選択いたしまして、程度の高いというか、やはり特殊勤務手当を支給するにふさわしい作業というものだけに選別して参るということで従来もやってきたのでございまするが、今後もやりたい。そういう作業をする場合は、これをもちろん放置することはいたさない。ただ、特殊勤務手当が支給されまする作業を見てみまするというと、防護施設が十分できればその必要はない、給与表だけで処理する問題でないような問題が非常に多いように思います。従いまして、やはりそういう作業については、他の面の御努力も各方面にもちろんお願いしまして、そうしてわれわれの給与表の手当もいたして参りたい、このように考えております。
○鶴園哲夫君 どうも局長のお話を聞いておりますると、十四年間凍結という形になっておったんですが、そうして全廃をするから本俸の中に繰り入れていく、そういう考え方がまだまだ非常に強く残っておられるような気がするわけなんですよ。本俸の中にはなかなか繰り入れにくい問題として、整理しようということになったわけでしょう、法律としましてはね。人事院としましては、今までは長いこと十四年間凍結をし、将来は本俸の中に入れるんだというようなことになっておったために、いろいろな意味で不均衡の問題なり、金額の問題なり、あるいは新設の問題等について、幾らか足踏みの状態にあったことは否定できないと思うんですよ。しかし、昨年法律の改正によりここで態度をはっきりしたわけですから、そういう意味で、ある程度従来の考えと変わった形で処理していただかなければならぬのじゃないか。そこで私きょう取り上げまして、不均衡の問題新設の問題、金額の問題等々について伺っておるわけですから、そういうおつもりで検討していだきたいと、こう思っておるのです。
○政府委員(瀧本忠男君) ただいま御指摘のありましたような趣旨をわれわれも十分心得まして、検討いたしたいと思います。ただ、われわれといたしましては、現在ありまするような手当が、全部これを存置する必要があるのかどうかというようなことも若干考えております。まあ現在の手当は、先ほど御指摘がございましたように、従来凍結されてきておるというもので、必ずしも理論的に合理的なことばかりも言えないようなものもあろうかと思います。まあ全体的に特殊勤務手当の体系を今後整備する努力をいたしたいと思うのであります。
○理事(村山道雄君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(村山道雄君) 速記を始めて。 他に御発言もなければ、本件はこの程度にとどめます。午後は、二時から七号委員室において再開することとし、これにて暫時休憩いたします。 午後一時十一分休憩 ————・———— 午後二時十四分開会
○委員長(吉江勝保君) これより内閣委員会を再開いたします。 自治省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案につきましては、すでに提案理由の説明を聴取いたしておりますので、これより質議に入ります。府側出席の方々は、渡海自治政務次官、柴田自治大臣官房長、岸自治省行政課長、奥野自治省財政局長、以上の方々でございます。 御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○千葉信君 行政管理庁長官にお伺いいたします。今上程されている自治省設置法も、言うならば地方財務会計制度調査会の存続を企図しているのです。この法律案の具体的な審議に入ります前に、行政機関の中にある国家行政組織法第八条に基づく各種審議会もしくは調査会、それからその国家行政組織法の要請に基づく法律によらないで設置されている審議会ないしは調査会がかなりたくさんある。その総体の数というのは、法律に基づいたものが二百六十二あります。それから閣議決定に基づいて設置されたものが五つ、その他の条例に基づくものが二十七あります。この各種審議会ないし委員会、調査会等の問題については、非常に多過ぎて、行政簡素化に逆行している状態である。おまけに、この国会にも、また各種委員会が各省設置法の名のもとにたくさん作られようとしております。これが行政簡素化の趣旨に逆行していることとか、あるいはその各種委員会に兼任、重複している委員がかなり多過ぎやせぬかという問題、それから、その委員会に名前を連ねることによってもらっている手当や日当が、非常にばらばらで混乱しているということ、こういうことでは所期の成果を期待できないじゃないかという意見もあるようです。そういう問題については、これは衆参両院とも、機会を得てそれぞれその論議をすることになっているし、論議も展開されておりますので、私はそういう今申し上げたような問題については、きょうは敬遠いたします。私のお尋ねしたいのは、総体で二百九十四もあるこれらの委員会、審議会等の中で、国家行政組織法に基づく正規の委員会外に、勝手気ままに政府が存置しているという事実、これが法律違反であるということと、従って、それならば政府としては、はっきりけじめをつけて、法律に基づかない各種審議会、委員会等については、即時これを廃止する義務があるはずだ。かねがね労働運動等に対しても、法律を守れとか、民主国家として法律を守らぬのは不当だとか言って、盛んに順法精神を主張する政府が、そういう法律違反の事実を平気で存続しているということについては、私は、これは政府の態度としては絶対に了解できないと思う。 そこで、まず最初に法律の関係からお尋ねいたしますが、国家行政組織法第八条によりますと、行政機関の付属機関としての各種審議会または協議会、それが諮問的なものであろうと調査的なものであろうと、第三条に規定する行政委員会以外のこれらの機関の設置に際しては法律によれと明確に規定があるわけです。従って、この規定の解釈に関して、幅の広い解釈と言っても、法律に基づかないものの設置が認められていいものかどうか、まずこの点から大臣にお尋ねいたします。
○国務大臣(小澤佐重喜君) それは各種行政機関は第八条に基づくものであって、その内容は第二条の制限を受けるものである。ただ、今多少それに反するものというお言葉ではありますが、あるのは、その解釈に当てはまらないものというような意味で各省は設置しているようです。しかし、私としては、これは行政組織法二十条あるいは八条に違反するものであるから、極力中止するように各省へ申し越しております。しかし、各省は、その規定によるものじゃないというような意味で、残っておるのは多少あります。
○千葉信君 そうすると、長官の見解としては、各省ばらばらに、この法律に基づかずに、まあ異質のものであるという考えで各種委員会を持っている事実に対しては、やはり第八条違反だという見解をはっきりお持ちになっておられるかどうかということが第一点。 それから第二点は、まあ小澤さんも、大体今の答弁によると、まあ各省に対しても、そういうものは置かないようにしろということを表明されておられるようですが、国家行政組織法、それから行政管理庁設置法の第二条第一項第四号によると、今のような答弁では私は済まされないと思う。なぜかというと、この国の行政機関の設置に関する根本の方針なり基準というものは、行政組織法ではっきりと規定されている。同時に、その行政管理庁設置法によると、その行政組織法に基づく行政については、長官、あなたの権限に属している。しかも、二条の第一項第四号によると、「各行政機関の機構の新設、改正及び廃止並びに定員の設置、増減及び廃止に関する審査を行う」とあり、さらに「総合調整を行う」という任務を行政管理庁設置法にはっきり権限として規定されている。従って、今のような大臣の答弁で漫然と終始しておられることは、私は管理庁長官の責任として追及されなくちゃならない。おまけにこの問題は、今日始まった問題ではなくて、岸内閣のときにも、私は、行政の簡素化という観点に立ち、同時に、岸総理に対して、違法の存在については政府としては直ちに適切な措置を講ずべきだということを委員会ではっきり追及して、岸総理も、その措置をとるようにすると、こう答弁された。それは今日まだその措置がとられない。これは私は、各省の大臣にも責任はもちろんあろうけれども、従って、この委員会で各省設置法を審議する段階で、各省ごとに、シラミつぶしにやってはいきますが、大筋としては、私はやはりあなたの責任を追及しなければいかぬと思う。あなたは、まだ残存する法律に違反している審議会、懇談会、調査会等に対して、今のような答弁だけでは私は納得できませんから、もっと明確に具体的に、大臣から、どう処置するかということをお伺いしたい。これが第二点。一つお答え願いたい。
○国務大臣(小澤佐重喜君) それは三十三年だかに千葉さんから注意があって、極力法律に沿うたものでなければ許さないという方針を行政管理庁は立てておるのであります。現在残っておる二、三の協議会あるいは懇談会という名前をつけておるものも、これはやはり法律に矛盾するのじゃないかと言いますと、各省では、その精神によったものではない、つまり個々の意見を聞くだけであって、統一とれた答申を求めるのじゃないと、こう答えておるのでありますから、そこを、審議会でも開くときに立ち会えば別問題ですけれども、とにかく向こうの当事者としてはそういうように答えておりますから、私もその範囲で了承しておるわけであります。でありますから、まあ今これをどうこうという——なお、念のために再三調べてみますけれども、最後の措置として、これをつぶすとか、あるいはできないように各省の自発的な措置に待つよりほかないような始末であります。
○千葉信君 主務大臣たる長官がそんなあやふやな見解だから、私はこの問題はすっきり解決できないと思う。長官が、各省大臣から、これは第八条によるもの以外のものだと言われると、ああそうかなという、はなはだ自信のない、行政管理庁長官らしくない態度をとるから各省がのさばっておる。そこで私は、この際、大臣に対して、個個の問題を取り上げて、はたして第八条に適合する以外のものが存在することができるのかどうか、そこまで突き詰めて大臣に答弁してもらわなければならぬということになると思う。そこで、たくさんありますけれども、一例をあげると、外務省に外交問題懇談会というのがあります。これも私の言っておる違法な存在。何か今の大臣の答弁によると、答申をするのでないからいいのだなぞという、そういう見解に大臣が同意しておられるようですが、国家行政組織法の規定するところというのは、そんな懇談するのだからいいのだとか、ないしは、また、答申をしない委員会だからかまわぬという区別はないのです。第八条によると、「諮問的又は調査的なもの」という型をとっておりますが、それ以外のものについても、地方機関に設けられる付属機関の場合にも法律で規定しろ、はっきりこういっておる。そこで、一つの事実をあげると、たとえば外交問題懇談会等では、委員に対して日当を出しています。一日一回出ると二千円です。ところが、はっきりと行政組織法に基づいて設けられた正式の懇談会ならば、これはそういう手当を出しても日当を払っても、これは国家公務員法上何も疑義は起こらない。ところが、一方ではこういう行政組織法上の要請がある以外に、国家公務員法の建前からいくと、そういう勝手なものを政府が設けて、その職員に対して、もしくは委員に対して賃金や給与を払ってはならないという条文があります。そっちの方に抵触する。これは外交問題懇談会ばかりに限らず、たとえば労働省には労働問題懇談会があります。ここでもそういう不当なものを設けて千五百円の委員手当を払っている。委員手当といって、はっきり行政管理庁の方では認めている。そうすると、これは行政組織法上、第八条の要請は、そういう諮問をしないものとか、あるいは懇談をするもの等については何もこの法律に抵触しないという見解をかりにとって拡大解釈しても、国家公務員法の規定にははっきり違反してしまう。そうなると、これは大臣としても違法なものだという見解に立たざるを得ぬと思うのですが、どうですか。
○政府委員(山口酉君) ただいまの外交問題懇談会のことで、懇談をするだけでも第八条に違反するかどうかということでございますが、国家行政組織法の第八条の付属機関は、これは行政組織法の建前から申しますと、やはり一つの行政機関でございまして、行政機関は、明確な範囲の所掌事務と権限を有するものでなければならない、これは第二条の規定でございます。従って、懇談会というものが、明確な範囲の所掌事務と権限を持っているということであれば、これは第八条に該当することとなるわけでございますが、単に運営上の一つの手段としまして、主務大臣は運営につきましてその機関の事務を統轄する権限がございます。そういう統轄権と申しますか、運営管理権に基づいて、そのいろいろの手段方法をとり得るわけでございます。そういう権限に基づいて、明確な範囲の所掌事務を与えずに、また、それには何らの権限を与えずに、参考の一つの手段としてさような会合を開くということになった場合には、必ずしも第八条に該当する行政機関とは言えない、かように存じます。それから委員に対して日当を出すという問題でございますが、これはその機関と、職員に対する給与、手当、費用弁償というような問題が必ずしも一致するものではございませんので、たとえば講習会を開く場合に講師を雇う、それに対して日当を払うということがありましても、それはその講師が機関であるわけではございませんので、実は公務員法の二条にございます、「一般職又は特別職以外の勤務者を置いて、その勤務に対し俸給、給料その他の給与を支払ってはならない。」という規定がございますけれども、この規定において、給与を払ったものは行政組織法上の組織単位になるのだというふうには解釈できないのではないかと考えております。
○千葉信君 行政管理庁の管理局長ともあろうものが、そんないいかげんな見解を持っているからこんな不始末を起こす。あなたの言われる懇談会、調査会等が権限を持つから持たないからといって区別する根拠はどこにあるのですか。
○政府委員(山口酉君) 国家行政組織法は、第二条に、「国家行政組織は、内閣の統轄の下に、明確な範囲の所掌事務と権限を有する行政機関の全体によって、系統的に構成されなければならない。」ということになっております。国家行政組織は、その中に単位の行政機関を持っておるわけでございます。行政機関は、これは所掌事務を持っております一つの行政組織の中の単位でございます。そういう明確な範囲の所掌事務と権限を有しないものは行政機関とは言えないわけでございます。第八条におきましても、同じ規定が当然に適用されなければならないのであって、第八条で「附属機関その他の機関」というものを規定しておりますが、そこに「審議会又は協議会」、これは「諮問的又は調査的なもの等」であるということの規定がございますが、これはやはりその審議会、というようなものは、機関として、その行政組織の中における第三条にいわれるところの行政組織、すなわち、府、省、委員会、庁というような第三条の行政機関の中における一つの単位の行政機関として審議会、協議会というものが置かれるわけでございます。その場合には、行政機関であるからには、明確なる範囲の所掌事務を持ったものでなければならないというのが行政組織法の法律解釈上当然に考えられることであると思います。従って、それが単に運用上会合を開いているというにすぎないものは、組織上の単位の機関ではございませんので、それを八条の機関であるとは言えないわけでございます。 そこで、ただ現実にそういうことで行なわれておるものが、実体がどうかということに問題はなると思います。その実体が、私どもの解釈で、これは明確なる所掌事務を持って、責任を持って活動するものではないかというような考えをもって判断いたしましても、いや、そういうふうなものではない、実際運営をする場合においては、そういう機関として一つの所掌事務を与えて運営するのではなしに、責任範囲もすべて与えずに、ただ単なる参考に会合を開くだけである、こういうことになりますと、正面から八条に該当するからということでは、それを押える道は法律解釈上ないと思います。ただ問題は、従来からの国会審議の状況等に徴してみても、非常に疑惑のある、まぎらわしいものがある。そういうまぎらわしいものはできるだけ避けなければならぬというようなことで、実は私どもの方としましては、そういう性格の不明確なものはできるだけ作らせないようにしたい考えでおるのでございまして、外交問題懇談会につきましても、実はそういうものが次官会議にかかったり閣議にかかったりして参ります段階でそういうことを知りまして、この運営については、機関として設置するというようなことは困る、それならば法律で出すべきであるということを強く申したわけでございます。それについては、実はそういうものではなしに、単に軽い会合を開くだけのものであるというようなことで、外務省は運営上のものとして会合を開くということで、第八条の機関としての性格は付与しないということを約束している次第であります。
○千葉信君 本気でそんな答弁しているなら、これは天下の笑いものになるな。歴代の行政管理庁の政務次官等も、この問題については、はっきりこの委員会の席上で答えている。それを今の管理局長の答弁によると、第三条の場合の委員会と、第八条の場合の委員会、審議会等の場合とをごっちゃにして答弁している。そんなことじゃ他の省に対して行政管理庁の行政組織法上の規定等を押しつけて、すっきりした態度をとらせられなくなる。これは当然のことだと思う。これははっきり申し上げると、第三条に基づくところの委員会というものは、これは行政機関です。行政権限を持った委員会です。それは問題がないです。ところがその第八条の場合は、そういう行政権限を持たない各種審議会、委員会等の設置をする場合のことを規定している。その場合にも、法律ではっきりきめろというのが第八条の規定なんです。ですから、何か第八条の場合に、審議会、委員会が明確な範囲の権限なり行政権限を持つものだから、従って、それ以外の懇談会あるいはその他の機関とは違うというような答弁をされていますが、第八条に基づいて設けられる委員会というのは、一切の行政権限を持たないものなんです。初めから行政権を持たないで、調査をするとか、あるいはその諮問に応ずるとか、そういう仕事をするだけであって、その調査の結果なり答申を行政に反映するしないについては、その委員会が一切の権限がないわけです。ですから、日本政府の中に、たった一つあいのこの存在がある。本来そういうその行政権限を持ってはならない第八条に基づく委員会でありながら、ちょっぴりした行政権限を持っている委員会というのがたった一つある。それは何かというと、中央青少年問題協議会です。これは本来国家行政組織法第八条に基づいて設けられながら、この青少年問題に関しては、各省間の連絡調整事項を権限として取り入れている。いいですか山口さん、しっかり聞いてくれよ。そういう第八条によって設けられた行政権限を本来持ってはならない中央青少年問題協議会は、連絡調整という、総理府で所管すべき事項を肩がわりして持っているということで、委員会で大論議を起こしたことがある。とうとうこれには政府の方では完全に私の質問に手をあげた事実があるのです。一部改正の法律案がひっかかっちゃった。それ以外の日本の行政府の中における委員会等は、あとはすっきりと区別されていて、第三条に基づく行政権限を持った委員会、それ以外のものは全部第八条の規定に基づく諮問もしくは調査というような、それ自体が行政権限とは一応離れた形の権限だけを持つ委員会の場合、これを設けるのは法律によると、こうしてある。その二つがある。それ以外にあるというのは、閣議で決定、つまり政令でその組織を決定している審議会、懇談会、これは私に突っつかれた当時、岸内閣の当時にたくさんあったのです。十九あったのです。それが今では整理をされて、今あるのは、閣議決定に基づくものは外交問題懇談会、大蔵省にはみつまた需給協議会、労働省には労働問題懇談会、厚生省には原爆被害対策に関する調査研究連絡協議会、通産省には輸出会議という膨大な機関があります。運輸省には交通調査懇談会、これは訓令で設けておる。運輸交通問題懇談会、運輸行政顧問会議というものも訓令で設けておる。この運輸省の関係は全部訓令で設置されておる。それから農林省、厚生省等には、法律にもよらない、政令閣議にももちろんよらない、訓令にもよらない、何にも根拠なしに設けておるのが、これは調査してごらんなさい、二十以上ある。全然でたらめです。ところが、問題になるのは、正式に法律によって設けられている二百六十二の審議会、委員会等については、これは正式なものです、これには問題はない。それ以外の閣議決定の五つの委員会、それから訓令ないしは全然根拠なしに設けられたものが二十七あるのです。この法律に基づいて設けられた二百六十二の委員会、審議会も、本来これは行政権限は持っていないのです。持つべき筋合いではないのです。今山口さんの言われるように、何か行政権限の範囲内がどうのこうのと言うけれども、そんな行政権限の範囲云々の問題は、各省に設置される場合は、この第八条にいうように、「法律の定める所掌事務の範囲内で、」この「所掌事務の範囲内」というのは、その委員会の持つ所掌事務の範囲内というのではなくて、各省の持つ所掌事務の範囲内で、その省に付属機関として諮問もしくは調査の関係の委員会を持ってもよろしい、その場合には法律によれと、こういうことであって、その委員会が所掌事務を持つか持たないかによってやれ。法律によらなければならぬ、あるいは政令でもいいというような区別が出てくるという答弁は、これは小澤さんの部下の答弁だけれども、率直に言うと、これは昼間答弁する答弁ではありません。電気の消えた所で答弁すれば通るかもしれませんが、天下のもの笑いです。しかも、法律にはっきりしている。そういう委員会は法律にきめられているから、その委員に何ぼ今問題になっている日額を出そうと、二万円の月額を出そうと、一切問題でない。公務員法、給与法によって、これは一般職の非常職員としてということで規制されておる。従って、非常勤職員の給与法に基づく手当の額を出せるということです。いいですね。ところが、法律によらないで設けられた委員会、審議会は、もともと違法行為だから、金を出すのでも、こそこそ出さなければならぬ。出す金も、行政管理庁の提供した資料によっても、非常にこそくな態度です。たとえば外交問題懇談会の場合には、「手当」という言葉を使わないで、「一日謝金」という言葉を使っておる。謝礼金という言葉を使っておる。その他の場合には、大体みつまた需給協議会の場合には千円、労働問題懇談会は一日日当千五百円、原爆の関係では七百六十円出しておる。で、私の問題にするのは、政府の行政官連中を各省から何十人と集めて委員会を作ろうと審議会を作ろうと、これは行政府の権限に基づいてやるのだから問題は全然ない。私の問題にするのは、こういう手当、日当を払っている委員というのが、国会議員でもなければ、ないしはまた行政官でもない。民間の諸君を動員して、民間の諸君に行政に関する問題について意見を出してもらったり、懇談といっても、結局はその懇談の中から出てくる意向なり意見、それを徴して行政に役立たせるという立場から政府としては民間人に日当を払っておるわけです。だから、こういう民間人の入っておる組織の場合には、これは行政官だけで設けている会議とは違って、第八条に規定する通り、法律によらなければいかぬと、はっきり割り切ってある、筋の通った話なのだ。それを山口君の答弁によると、何かその委員会でも、行政権限がはっきりしていれば、その行政権限を持っているものは法律で規定しなければならぬ、それを設置するときには法律で規定しなければならぬ、行政権限を持たない委員会、審議会の場合には、何も法律できめなくてもいい、行政権限がないからと、とんでもない話だ。行政権限は、第八条に基づいて設けられた諮問委員会、調査会等には全然ない。あっちゃいけないのです。あるのは中央青少年問題協議会ただ一つ。第八条によって設置されながら、連絡調整という行政権限を持っていたために私に問題にされて、突っ込まれて答弁できなかった。第三条による委員会にするか、第八条による委員会にするか、すっきりしろということになってその論議が展開された。だから、山口さんに重ねて言っておくけれども、第八条にいう委員会とは、ここにいう、「第三条の各行政機関には、前条の内部部局の外、」これはだれでも問題は起こらない。その次に、「法律の定める所掌事務の範囲内で、」こう書いてある。これを勘違いして、行政管理庁の局長ともあろう者が、明確な行政事務の所掌範囲に基づいて設けられる場合には云々という答弁をされる。ここにあるこの「法律の定める所掌事務の範囲内」というのは、その委員会自体ではなくて、その委員会の所属する各省の所掌事務の問題だ。従って、各省のいかなる行政事務に基づく権限によって諮問されても、その委員会は行政行為は許されぬ。これが国家行政組織法のはっきりした精神だ。ですから、そこで問題になってくることは、今申し上げた外務省を初め、大蔵、労働、厚生、通産、運輸、こういうところに設けられている脱法行為の閣議で決定したというこの懇談会、これが問題なんだ。第三条にも関係しない、第八条にも関係のない——いずれも第八条ではっきりと法律でいろいろと規定しているのに、それによらないで閣議決定でやる。ですから、もう一つつけ加えておきますが、たしかこれは二十八国会ですか、この委員会で特にやかましく言われて、とうとう行政管理庁の方から、国家行政組織法の一部改正をして、その中に、第八条の法律で規定しろということを、国会のない、しかも緊急を要する場合には、国会の承認、つまり法律によらなくとも設けてもよろしいという国家行政組織法の改正を出してきた。衆議院の連中はそれをぽかっと通した。参議院では、がりっとそれを押えられておる。その法律は不成立に終わった。そこは削除をされた。そういう法律を出したという行政管理庁の立場からいって、今ごろになって、いや、こういう閣議決定のものも、所掌事務の範囲内云々の問題に関連して、これは違法であるとか違法でないとかいう、われわれとしては筋の全然通らない愚劣な答弁をしている。はっきりしていることなんですから、これは私はきょうここだけで、失礼な言い方だけれども、けじめをつけようとは思いません。最後の結論をここだけで終わろうとは思いません。今度の国会で政府の方からたくさん出ている各省設置法の中に、この審議会あるいは調査会等の設置が出ていますから、私はその前提として、政府のそれらの二百九十幾つもある各種審議会、委員会に対して、一体不要不急のもの、あるいはもうほとんど開店休業同様のものをどう処理されるか、同時に、こう脱法行為をやっている機関をそのままほうかぶりするつもりであるかどうかについて、内閣の責任者たる首相に私は最後のとどめをはっきりここで打たなければならない。しかし、いきなりそういう格好で出ては手荒ら過ぎるので、それを所掌している行政管理庁の方に、一応地固めの意味で話をしておく必要があるだろう。そこで行政管理庁長官の見解を聞いて、その結果によって総理大臣にはどういうふうに質問するか、その質問の内容は変わってくると思う。今私の申し上げたことについて、何か違っている点があれば管理庁長官として了承できない点があれば答弁願いたい。
○政府委員(山口酉君) ただいま千葉委員のお話の中に、私の申し上げたことと違う言葉を使われましたので、問題点が少しこんがらかって参りましたような感じがいたします。私は行政権限という言葉は使っておりませんで、これは所掌事務——この第三条に規定されております機関は、これは内閣のもとに直接置かれるところの行政組織、行政機関でございまして、これは府、省、委員会及び庁ということになっておる。これがまたそこで一つの府あるいは省、委員会、庁としては明確な範囲の所掌事務を持つわけでございます。 そこで、私が申し上げます所掌事務というのは、これは外部に対してどの程度の権限を持っているかということではございませんので、およそ行政組織というものは、組織の中における行政機関が単位をもって構成しており、この行政組織全体を見ましても、こういう八条の機関のほかに、内部部局を置いておりますし、地方支分部局を置いておりますから、特別の部所を置いおります。それぞれ行政機関でございます。これはその行政組織の中の単位機関として、やはり明確な範囲としてやるべき仕事の内容、ファンクションを持たなけれぼならないという意味で、これは行政組織法の解釈論といたしまして通説になっておるところであります。その意味の明確な範囲の所掌事務を持たなければならない。権限と申しましても、その対外的に発揮する権限と、内部の機関の相互間における指揮命令系統の権限というものもある。そういうものを全部二条にその精神を書いてあって、すべて行政組織の中というものは、それぞれの機関が仕事の範囲を明確にしておかなければいけない、こういうことを書いてあります。そういうことから、第八条におきますものは、もちろん第三条の所掌事務の範囲でなければなりません。その範囲の中で、その付属内部部局はどういうものを分担する、付属機関はどういう仕事を分担する、その分担の範囲、責任というものは明確でなければならない、こういう意味でございまして、その内部における単位としての仕事の範囲を明確にしていかなければならない。そういう一切のものが与えられていないということは、これは単位にはなり得ない、かような意味で申し上げたわけでございます。現在いろいろ懇談会等、不明確なものがございまして、私は、実は千葉委員が三十三年に委員会でお述べになりましたところを勉強してみましたのでございますが、その際におっしゃっておりました委員会等の整理につきましては、実はその後直ちに行政審議会に意見を求めまして、そしてその意見に従って整理方針を立てて、逐次整理をいたしております。ただ、今御指摘になりました二、三のものがまだ未解決になってております。しかし、これは適当な解決をはかるように、継続的に各省と折衝している段階でございます。
○千葉信君 行政機関内の各機関は、明確な所掌事務の範囲内で規定されていなければならぬ、これは当然だ。私の問題にしているのは、そういう行政機関の中で、本来の行政事務を直接担当せずに、行政執行上の方針なり意見を法律として、付属機関としてそれぞれの行政機関に設けられる審議会もしくは委員会、これは本来行政事務そのものを担当する筋合いではない。これは組織法上もはっきりしているはずだ。従って、そういう本来行政行為そのものを一切排除されている審議会、委員会というのは、この第八条によって、法律によって設けられなければならないし、同時に、名前は懇談会であっても何であろうと、たとえば外務大臣が、外交方針等について、日本政府の外交方針を決定するための手段として政府部内の委員諸君、政府部内の官吏諸君を集めて外交懇談をしたような場合には私は問題にしない。それを民間人を集めて、日当を払って懇談をしているその行為は、第八条にいう審議会、委員会と一体どこが違うのか、何も違わないじゃないか。従って、なぜそういうものを設けるならば、法律に明定するところに従って、国会の承認を得て第八条の通りに法律に規定しようとしないのか。閣議で決定してやったりするからこれが違法行為だと言われるのであって、従って、今だまって最後まで聞いていると、山口君の答弁は、各省に対して、それはやめてもらわなければならぬといって話をしているようだから、結論においては、これは違法行為だということを認めているような態度だということになりますが、私はそういういいかげんなことではいかぬと思う。行政管理庁が、これはいかぬといって各省にとめている事実から見ても、行政管理庁は、これが合法的な存在だとは考えていないはずだし、おまけに、その委員に対する謝金、日当等の支払いの関係からいうと、国家公務員法第二条に違反している。従って、行政管理庁としては、明確にその違法のものなら違法ということをはっきりここで答弁して、そしてそれに対する始末は、きょうのうちにやめろとは私は言わぬ。行政管理庁の責任において、その問題をできるだけすみやかに処置するという答弁があってしかるべきだ、どうですか長官。
○政府委員(山口酉君) 外交問題懇談会につきましては、ただいま千葉委員のおっしゃるように、外交方針を決定するためにその意見を求めるということであれば、名前は懇談会であっても、やはり八条に違反するものであると解釈いたしております。で、そういう疑いがございましたので、当初そういうものはいけない、こういうことを申しましたところが、そういうものでなくする、単に会合を開いて意見の交換をしてみるというだけの一つの場としてやる、機関としての扱いはしない、そういう意見を求めたりはしない、かようなふうに言っておるわけであります。ただ、その運営の実態について外務省がどのようにいたしておるか、現在までまだつまびらかにはいたしておりませんが、千葉委員のおっしゃるような、意見を求めるものであるということであれば、その点については同じ解釈でございますが、そういうようなものにはいたさないということを言っておりますので、それでもいけないということには言いかねておるわけでございます。
○千葉信君 やはり行政管理庁当局の見解そのものが、すこぶるいいかげんで不明確だから各省がのさばる。歴代の行政管理庁当局に質問して、この問題については委員会の審議としては明確になっている。ただいつまでたっても政府の方ですっきりと処理しないから、また問題が蒸し返される。現に三十三年のことを今山口君言われましたが、そのときには閣議で正式に決定したこういう違法の組織が十八か十九あった。それが今は閣議決定のものは六つに減ってきております。しかし私は、この際、行政管理庁当局として、もっとすっきりした見解をとらないと、今、山口君言ったように、ただ単に懇談をして、その懇談の中から意見を徴するのだから、第八条に抵触しないようにするからいいのじゃないかということを外務省では理由にしているようですが、私は、行政管理庁として、それでもいかぬということをはっきり言うべきだ、法律に違反している、もしどうしても外交懇談会をこれ以上やろうというのであれば、はっきりと国会に法律案を出して、外務省設置法の改正をすればいい。同時に、この中でも非常に役に立ってきているものがあることは私も認める。たとえば通産省の輸出会議、あるいは労働省の労働問題懇談会というように役に立ってきていることは私は認めるが、しかし、違法であるという理由を、私はほおかむりでこのまま政府がするということをゆるすことはできない。役に立っておれば立っておるだけ、政府としてはこれに対して合法性を持たせて、日陰の懇談会にしないで、正々堂々と意見なり懇談をやるべきだ。特に問題になりますことは、輸出会議のごときは年間三百二万円も予算を使い、これは大臣の小づかいでまさか出すはずがありません。正々堂々と予算で三百二万六千円を計上いたしております。その計上された予算の使い道というのは、ことごとく委員の日当です。それが今問題になっている法律によらない第八条の脱法行為でやっているのですから、これはこの際ぜひ行政管理庁としては、行政管理庁設置法の条文によっても、その権限もあり義務もあるのですから、ここで明確な答弁をされないと私は引き下がりませんよ。大臣の御答弁を求めます。
○国務大臣(小澤佐重喜君) だんだんお聞きいたしましたが、この問題は至急に調査して善処いたします。ただし、少しワクが管理庁と違うようでありますが、この八条の解釈、これもまだ検討しなくちゃならぬですが、たとえば講演を人に頼んで、その出したものにもどうこうという問題はちょっと疑問なんでありまして、その他は具体的に問題になったのははっきりしていますから、これは善処いたします。
○千葉信君 重ねて申し上げておきますが、たとえば講演会等を開いて、その講師に何円の日当を払おうと、何回やろうと、私はそれは問題にしません。そうではなくて、常設のこういう行政機関内に設けられる付属機関、これは行政府の限界というものがはっきりしなければならぬという立場から、国家行政組織法で明確にされているところです。従って、講演会なんというのは問題になりませんから、今私が申し上げた閣議決定の各省のもの、それから訓令でもってやっているもの三つ。それから、それ以外の何の根拠もなしに持っている、これは特に農林省と厚生省であります。それが二十七あります。明確に、存置するなら存置するで、はっきり法律で規定する方針をとってもらいたい。さもなければ、直ちにやめるという措置をとってもらいたい。この問題は、いずれ私は池田総理大臣にもその責任を追及しなければならぬので、大臣から努力をするというただいまの答弁の程度で了承しておきますが、それは大臣もはっきり約束して、実行して下さい。日にちがおくれればおくれるほど政府は不利になりますから、そのつもりで措置して下さい。
○山本伊三郎君 時間も相当過ぎましたので、せっかく自治大臣も見えましたが、審議会について、千葉委員は今法律上の問題から相当深く追及されましたが、私、実はこの前資料をお願いしておったのですが、行政管理庁長官、あなた、それで実は現実の問題で一つ認識を新たにしてもらいたい。提出されました調査から見ますと、十分でないのです。審議会、調査会の数と、それから各省の設置されておる状態なんか出ておりますが、私の要求しているのは、一昨年の秋にここで問題になったのです。そのときに益谷さんが長官をしておられた。大体二百九十幾つあるのですが、それに携わる人、延べで大体一万程度あると見ております。委員の延べです。相当重複しているのです。それを整理して名前をあげて、しかも、はなはだ失礼でございまするが、出席されておる状態、出欠を一つ出してもらいたい。これは私いやしい気持で資料を求めたのではない。と申しますのは、私がその当時聞いたところでは、実は特定の名前は言いませんけれども、ある委員によっては七つくらい兼務しておる。そうすると、一週間に一回会合があったら、一週間毎日一回審議会、調査会に出なければその人は勤まらない。どの審議会、調査会を見ても、大体週に一回くらい開くという大体の規定になっているのです。そういうふうになっている。その人は相当有力な人ですが、はたして毎日一週間七日出なければ、その人は七つ兼務しておりますから、できないのですね。そういう人が委員に選ばれておる。はたして何を審議しようとしておるのですか、私に言わせれば、その名前だけで政府が任命しておる。総理大臣が任命しておる。はたしてそういうことで審議会、調査会というものが設置される価値があるかどうかということを追及したのです。そういうことで、昨年益谷さんも調査をして、その点はないようにするということを言われておりましたが、実は今日まで資料がないから、的確にこの人はどうかと言えませんけれども、まだそれが解決されていないと思うのです。しかも、今度の国会では、またすぐ新しく設置されるのが相当できてきております。この点について行政管理庁長官は、法律上の問題は千葉さんが言われましたけれども、現実の運営でこれでいいのかどうか、この点ではっきりした答弁をいただきたい。
○国務大臣(小澤佐重喜君) それは実際を調査しませんければわかりませんけれども、おそらくそうなっておると思うのであります。でありますから、実情をよく調査いたしまして、そうしてできるだけ兼務の委員は少なくなるようにするつもりでおります。それで、私もそこまでまだ回らなかったのですが、よく調べてみます。
○山本伊三郎君 その答弁は益谷さんの答弁と同じだ。小澤さんも相当な政治家でございますから、大体その答弁は予測しておるんです。そういうことでいってこれでいいのかどうかという問題、本日は自治省設置法の一部改正の問題ですから、その内容を検討すれば、これはもう一年存続する、会計制度もこれをやるというのですから、法律の内容自体はこれは問題はないと思う。おそらく二年や三年やられておるのですから、やってきておられると思いますけれども、二百も三百も審議会を作って、費用の点は私あまり言いませんけれども、そんなものが何のために必要であるかと、国民の間から大きい世論として起こってくる。悪く考えれば、いわゆる政府の、何か民主主義に隠れて民間の意見を聞くんだということで、何か問題の引き延ばしのために利用するものとして設置されておるという誤解を受けてもその答弁の余地ないと思う。従って、その点を単に調べてやるということでなくて、大体一番多い人で七つ兼務しておる人があります、その当時の私の調査では。これは行政管理庁でやってもらった。五つ、三つ、三つくらいざらです。なるほど名前をあげておくと、その審議会、調査会の権威の上がるような名前です。いつも新聞に出てくるような名前なんです。そういう人の名前だけあってその審議会の価値があるのかどうか。もし価値があるんだったら、私はあなたの意見に従いますけれども、そういう人をどうしても入れなくちゃならぬかということ、この点を一つ聞いておきたい。
○国務大臣(小澤佐重喜君) それは最も注意しなければならぬことであるけれども、今任期があるというのにそれをかえるというわけにもいきませんから、任期更改するたびにそういう点を注意して参りたいと思います
○山本伊三郎君 それじゃ、行政管理庁長官をあまり責めるのは気の毒だと思います、実情を知っておりますから。各省の方で相当無理をしているんですから、これはよくわかりますが、しかし、ここで行政管理庁が、よほど小澤さんががんばってもらわんと、各省の言うままになっておっては、これは幾らできるかわからぬ。何か自分らでやることを失敗したらいかぬから、審議会を作り、その答申をうまくやるんだ、こういうことでやられますから、行政機関そのものに対する信用の問題もありますから、重ねて言いませんけれども、あなたの在任中にぜひこの問題に努力されて、ここまでになったという立証を一つ見せてもらいたい、その点どうですか。
○国務大臣(小澤佐重喜君) その通りいたします。
○山本伊三郎君 それじゃ、せっかく自治大臣が見えましたから、もう時間がないので、一問だけにとどめておきます。今いろいろ討論の中からお聞きになったと思いますが、今度一年間延長されるという法律案ですね、必要なことはよくわかるんですが、過去どういう問題が重点で討議されて、今どういう問題がまだ解決できなくて答申までいかないか、主要な点だけ簡単に答弁願いたい。
○国務大臣(安井謙君) 地方財務会計制度調査会につきましては、三十四年の十月に発足をいたしまして、地方の会計制度につきまして、あらゆる角度から一つ検討して、新しい世界の大勢に対応しようという意味で検討願っておるわけであります。内容といたしましては、会計年度あるいは歳入歳出の表わし方、金庫の制度、予算制度の立て方、これは現金主義あるいは企業体における複式簿記の適用の方法、繰越費、継続費、あるいは財産の管理、公有林、公共物等に関する規定、物品の管理、契約の方法及びその規制、財務会計の処理機構、こういったようなものを中心に、全面的な地方の財務会計制度の検討を願っているわけでありますが、何分複雑な団体でございますし、いろいろ細部にわたる資料を集めますのに、実は大体昨年の十月までおおむね一年この実態を調査するのにかかったわけであります。そこで、今問題を整理してもらいまして、目下のところ、大体これとこれとこれの問題について検討を進めようという整理の最中でございまして、あと、おおむね一年弱で、少なくとも来年の二月までには一つぜひ結論を出していただきたい。そうしまして、あと答申が出ましたら、これを至急検討いたしまして、その次の国会に間に合うようにぜひ改正を進めたい。これは地方会計制度の全面的な改正でございますので、相当多岐複雑にわたるものでございますから、ちょっと時間がかかるわけでございますが、そういう方針で進めております。
○山本伊三郎君 大体はわかりました。それであと一年間存続をするということですが、一年弱で結論が出る。まあ内容も相当必要性のあるやつでございますから、自治省にもその他にも、調査会、審議会はたくさんありますが、自治省に関してはそういうことは私はないと思いますが、まあ今後選挙制度の問題も出てきますが、この際それに触れると、あとの質問に困るから、言いませんけれども、ぜひ一つ結論を急がして——急がすということは、これは失礼でございますが、見通しをはっきりつけて結論を出してもらって、できるだけ早くそれを具体的に移してもらいたい。で、私も今調査中ですから、結論を言いませんけれども、三百に近い審議会、調査会がありますけれども、その結論を出さないわ、出してもそれは政府はとらないわ、こういうのはたくさんあるのです。例をあげればたくさんありますが、自治省関係でおそらくそういうことはないと思いますけれども、そういう例がたくさんあるのです。せっかく審議会を作り調査会を作って、ようやくできたやつをそのままたな上げ、それならばそんなものを作る必要はないのです。そういう点がありますが、これについてはそういうことはないと思いますが、実務的な問題がまあほとんどでございますから、その点は審議はこれからまだ就くと思いますが、きょうは時間の関係であまり申しませんが、一年以内にはぜひそういう点で結論を出して、法律改正まで持っていくように考えてもらいたい。きょうはこれで終わりたいと思います。その点、どうですか。
○国務大臣(安井謙君) お話の通りに、審議会というものがかなりあることは事実でございまして、自治省関係にも相当の数を持っております。われわれといたしましては、いわゆる官僚独善に陥らず、でき得る限り民間の有識者の御意見を伺って、それを法律制度の上に生かしたい、こういう趣旨でやっておるわけでございますが、今のような遊休委員会のようなものがありといたしますれば、これについては十分調査もし、そういったものは整理もしていくという方針でやっていきたいと思っております。
○山本伊三郎君 これは大体一年以内で、見通しは……。
○国務大臣(安井謙君) この方は、大体来年の二月までには一つ答申を出していただきたい、まあおおむね委員の方々もそういう方向でやろう、さらにその答申を十分尊重しまして法律化を急ごう、それからやっていこう、こういうふうに考えております。
○委員長(吉江勝保君) 本年の十二月ということになるのですか。
○国務大臣(安井謙君) 来年の二月ですね。来年の二月ごろまでにこの答申を出していく。そうなりますと三十七年です。これは三十七年の十二月、こういう意味でございます。
○委員長(吉江勝保君) 速記をとめて。 午後三時二十五分速記中止 ————・———— 午後三時四十一分速記開始
○委員長(吉江勝保君) 速記をつけて。 それではこれにて散会いたします。 午後三時四十二分散会 ————・————