逓信委員会 第26号
- 発言数
- 131 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/05/18
会議録
○委員長(鈴木恭一君) ただいまより開会いたします。 委員の異動についてお知らせいたします。 本日、柴田栄君及び最上英子君が委員を辞任せられまして、その補欠として谷口慶吉君、野上進君が委員に選任せられました。 —————————————
○委員長(鈴木恭一君) 郵便法の一部を改正する法律案を議題といたします。 前回に続いて御質疑のある方は順次御発言を願います。
○野上元君 郵務局長にお尋ねしたいのですが、「郵政事業長期計画」を一つごらんいただきたいと思いますが、この三ページに郵便物の伸びの状況が各年度別ごとに昭和四十年度まで出されているわけです。これをちょっと計算してみますと、総計において三十七年度は三十六年度より六・三%、それから三十八年度は六・〇%、三十九年度は五・九%、四十年度五・七%、こういうふうにだんだん下がっておるわけですが、今日政府が行なっておる経済成長計画から見て、この程度でよろしいのでしょうか。
○政府委員(板野学君) 三十六年度からの五ヵ年におきまする郵便物数の伸び方につきましては、前回ちょっと御説明を申し上げましたように、昭和二十六年度から三十五年度までにおきまする実質国民総生産の伸びが大体平均八・七%ということになっておるわけでございまして、一方、郵便物数におきましては、昭和二十六年度から三十五年度までの伸びが平均六・六%ということになっておる次第でございます。従いまして、今度の所得倍増計画におきまする増加率を、過去の実績に徴しましてこれを計算をいたしまするというと、大体六・一%程度になる。これを少しく修正をいたしまして、この長期計画におきましては平均六・二%、こういう工合にいたした次第でございます。三十六年度から逐年この郵便物数の伸びが低下していくというような計算を一応とっておるわけでございまするが、これは結局相当の物が年々伸びるわけでございますから、先に行けば、その増加率も幾分鈍化する、こういうような一つ計算を立てた次第でございまして、ただし、この前にもちょっと御説明申し上げましたように、一応これは平均が六・二ということ、また過去の実績が六・六ということに相なっておるわけでございまして、これは私どもの一応の理論的な計算の数字をここに出しておるわけでございます。しかし、若干これが違いましても、そう多くの違いはないのじゃないかというふうに考える次第でございます。
○野上元君 この計数の見方はいろいろあると思いますから、その点についてはあまり深く追及いたしませんが、この計画を見ると、三十七年度がすなわちピークであって、もう三十八年度から下降線をたどる、こういう見通しなんですが、日本における郵便物数の最も多い時期は、成長の多い時期は三十七年度で、それ以後はずっと下降線をたどっていく。そして成長率はいつのときかとまるのだ、こういうふうに考えられるのですが、そういう見方をしてよろしいですか。
○政府委員(板野学君) 物数の総体の伸びといたしましては、逐年、今も相当程度伸びていくわけでございまするが、これを計数的にいたしまするというと、三十七年度が一番伸びておるというような格好になるわけでございます。従いまして、先ほどからも申し上げましたように、私どもの物数は、一応理論的にはこういうことになっておりまするけれども、さらにこれを裏づける計画面におきましては、相当ある程度弾力的にこれを処理し得るというような考え方でこの計画自体はできておる次第でございます。
○野上元君 政府の高度経済成長計画の初年度は三十六年度です。そうすると、もう第二年度目には郵便物はそのピークになってくる。そうしてあとは下がってくる。こういう関係はどうなんですか、そういう見方はできるのですかね。
○政府委員(板野学君) 物数におきましては、大体逐年総体の絶対的な数字においてはだんだん上がってきます。しかし、これをいわゆる平均率ではじいていきますというと、この率においては下がってくるというような関係になるわけでございます。
○野上元君 その点はその程度にいたしますが、大体国民経済の成長が一〇%のときに、郵便物の成長率はどれくらいに見ればいいのですか。
○政府委員(板野学君) ここでちょっと計算はすぐできませんけれども、先ほど申し上げましたように、この六・一という今度の増加率を出しました場合におきましては、国民の総生産の伸び率が三十五年度で八・七でございましたので、その八・七を分母にいたしまして、先ほど申し上げました郵便物の伸びを六・六、今後の国民生産のやはり伸びが大体八%ずつ伸びていけば所得倍増の計画に合うということで、先ほどの計算が八・七を分母といたしまして、この八の伸び率に郵便物の六・六の過去の伸び率をかけました計算をしたわけでございますので、もし一〇%といたしますれば、それによってそういう計算が出るわけになるわけでございます。
○野上元君 その点はその程度でやめておきますが、次の二十三ページにあります「郵便物数予測表」というのがありますが、この中に、通常、小包、こういうふうに分けられておるのですが、通常の中の再区分が今日非常に私は必要じゃないかと思っておるのですよ。というのは、本委員会の審議の過程を通じても明らかのように、郵便事業の内容が大きな変貌を遂げつつある、こういうことが明らかにされたわけでありまして、そのことが今後の郵便事業の経営について重大な影響があるというふうに考えておったのですが、この資料を見ると、それが出ておらないのは、どういうことなんでしょうか。
○政府委員(板野学君) 実際のここにございます予測物数をもう少し詳しくここでやっていけば、先生のおっしゃいましたような数字が出るわけでございますが、大体私どもでこの計算をいたしておりまする数字におきましては、第一種におきましては、三十五年度を一〇〇といたしますると、これが一二〇%、二〇%伸びておる。これを三種についてみますと、大体三〇%程度の伸び、四種におきましては、むしろ少し減りまして九五%、三十五年度を一〇〇といたしますと九五、五種に至りましては、これが六二%程度伸びる。小包につきましては、ここに数字が出ておると思いますが、小包は大体六・五%程度の伸びがあるというような計算になる次第でございます。
○野上元君 私が言いたいのは、そういう内訳が今日非常に重要だと思うのです、長期計画を立てる場合に。ただそのことをちょっとあなたにお聞きしたわけでして、そのことをやはり相当力強くPRをし、考慮に入れて今後の長期計画を立てないと、また再び行き詰まりを来たすというようなことになると思うので、その点は一つ十分に検討を加えておいてもらいたいと思うのです。 次に、鉄道郵便車の計画なんですが、これは現在幾つあって、幾らが国鉄のものであり、幾らが郵政のものであるということがわかりますか。
○政府委員(板野学君) ただいまちょっと手元に資料がございませんので、後ほど申し上げます。
○野上元君 大体比率はどういうふうになっておりますか。
○政府委員(板野学君) 大体比率といたしましては、全車の分につきましては、大部分郵政省で作っております。半車とか三分の一車というものは、なお鉄道の方が率が高いのではないかと思いますが、ちょっと今手元に資料がございません。
○野上元君 そうすると、今後全車のものは郵政省で作る、しかし半車ないし三分の一車のものは、依然として国鉄のものを借り入れると、こういうことになるわけですね。
○政府委員(板野学君) 全車につきましては、使用のいわゆる目的からいたしましても、郵政省で全部作っていきたいというふうに考えております。しかし、二分の一車、三分の一車ということになりますると、半々の使用ということになりまするので、その点につきましては、なお国鉄等とも十分連絡をいたしまして、不経済にならないような措置を講じていきたいと思います。
○野上元君 全車の中で、国鉄のものを借り上げているものはないのですか。
○政府委員(板野学君) ちょっと今その数字がございませんので、後ほど計数を出したいと思いますが、大体全車で六百十四両の郵便車を使っておるわけでございますが、後ほど申し上げます。
○野上元君 数字は後ほど聞くことにして、全車の中でも国鉄のものを借り入れているものがありますか。
○政府委員(板野学君) 多分あると思います。毎年全車も相当製造をしておりますから。
○野上元君 多分あるというのは、あなたの言葉としては不穏当だと思うのだがね。あなたが最高責任者であって、その郵便車が、国鉄の借り入れがあるかないかわからぬというのでは、これは長期計画を立てるのに非常に私は不都合だと思うのですけれども、その点一つ注意してもらいたいと思うのですが、私が聞きたいのは、借り入れの方が経済的に上がるのか、郵政省で作る方がよいのか、その点はどちらがいいのですか。
○政府委員(板野学君) もちろん国鉄が作って借り入れをするという方が経済的ではございまするけれども、配車の関係と、また車内の設備等につきまして、やはり郵政省の希望が十分実現できるという意味におきまして、私どもは郵政省で直接作る方がよいというふうに考えておる次第でございます。
○野上元君 次に、今度新たに高層建築には郵便受箱を法律によってつけさせるということになるわけですが、これは三階以上の建物であって、二階左では配達するのですか。
○政府委員(板野学君) 大体上下に階段を一つ上って配達するという考え方でございまして、おっしゃる通りに、二階までは配達する。または地下がございますれば、地下は配達するというふうに考えております。
○野上元君 どうして思い切って全部一緒に配達するようにしなかったのですか。それは当然じゃないですかね。
○政府委員(板野学君) 今後できまする新しいアパート等につきましては、できるだけ一階に受箱を設置していただくようにいたす考えでございまするが、既存の建物等につきましては、大体二階程度のものを配達しておるというのが現状でございまするので、急激にこういうものに変化を与えるということが、やはりいろいろな意味で支障がございまするので、今後の考え方といたしましては、できるだけ一階に受箱を集中していくようにいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○野上元君 この法律が通過したら、新しい建築には、三階以上の高層建築には全部つけなければならない、こういうふうに法律で定められるわけですね。既存のものについては、その法律の適用はどうなるのですか。
○政府委員(板野学君) 六月一日からこれが実施されるということになりますれば、六月一日以降着工のものにつきましては、一階に受箱を置く必要を生ずる。ただし、既存の建物等につきましては、やはりいろいろな権利関係その他が錯雑をいたしておりまするから、当分の間これを実行しないというふうにいたしまして、その間極力一つ周知もし、かつ奨励もいたしまして、できるだけ早く郵便受けをつけるように勧奨をいたしました後におきまして、これを義務化していくというふうに考えておるわけでございます。
○野上元君 それは最終的にはやはり勧奨であって、法の適用は受けないと、こういうわけですか。
○政府委員(板野学君) 既存の建物につきましては、当分の間という条件がついておりますので、その当分の間を一年にするか二年にするか、そういう面につきましては、今後の推移をよく見まして実施いたしたいというふうに考えております
○野上元君 次に、現金封入の問題なんですが、現金を封入することを今後は禁ずるわけですね。しかし、別に罰則はないわけですね。そうすると、入れたものはどうなるのですか。
○政府委員(板野学君) おっしゃいますように、罰則はございません。もし入っておるということがわかりますれば、正規違反の郵便物として差出人に返すということになるわけでございます。
○野上元君 それは、発見されれば差出人に返す、発見されなければそのままだと、こういうことになるわけですね。
○政府委員(板野学君) その通りでございます。
○野上元君 そうすると、法を改正した効果というのはあまり認められないと、こう考えてよろしいですか。
○政府委員(板野学君) この面につきましては、一種の精神規定というような面もございまするけれども、よく一般の人に周知をいたしまして——そういうことが郵便の事業の運行上非常に妨げにもなりますし、かつ国民の方も、そういう利用方法をしていただければ、お互に利用者のためにもなるということを十分周知徹底することによりまして、この法律の効果が生まれてくるというふうに私どもは考えておる次第でございます。
○野上元君 一応これは、現金を為替で送ったり、あるいはまた現金封入の封筒を使って送ることを避けて、いわゆる一つの法をくぐってやるわけですね。そういうことが発見された場合に、罰則がないということになれば、従来とちっとも変わらないというふうに考えるのだが、これは当然罰則を設けるべきだと思うのだが、その点はどうねんですか。
○政府委員(板野学君) 以前は大体、当然支払うべき郵便料金の二倍をとって差出人に返すということにいたしておったわけでありますけれども、従来十年間引き続いて、こういう普通郵便にも現金が封入できるというような制度をとってきまして、その結果、郵便料金の倍額をとるということだけで、はたしてそういう効果が出てくるかどうかという点につきましても、相当疑問もございまするし、むしろ、私どもといたしましては、十分周知徹底することによってその効果は十分出てくるというふうに考えた次第でございます。
○野上元君 かりに現金封入をされた封書が紛失してしまったということになった場合には、その損害賠償請求権は、これは当然ないのですか。
○政府委員(板野学君) ありません。
○野上元君 そのことは、何か法律にうたってあるのですか。
○政府委員(板野学君) 六十八条の規定に、損害賠償のところで、損害賠償をすべき郵便物はこれこれだということがはっきりきまっておるわけでございます。
○野上元君 その法条によって適用を除外されておると、こういう解釈ですか。
○政府委員(板野学君) その通りでございます。
○野上元君 次には、僻地における郵便の取り扱いですが、あれは郵便法第何条でしたか、私は忘れましたが、これに対する対策というのは将来どういうふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(板野学君) 郵便法の四十六条を受けまして規則で、いわゆるこの交通非常に困難なようなところにつきましては、郵便を特に留め置いて交付するということが、この八十五条の規定に出ておるわけでございます。こういう面につきましては、従来この僻地におきまする郵便の配達につきまして、できるだけ一つ配達の方途を講じたいということを考えて、一部は実施して参りましたが、今後五ヵ年計画等をもちまして、一日一通程度の配達のある個所につきましては、郵便受箱を、たとえば途中にこれを設置するというような方法によりまして、逐次解消をいたしたいというふうに計画をいたしておるわけでございます。
○野上元君 今日この四十六条適用地域というのは、全国で何カ所あるのですか。
○政府委員(板野学君) 大体部落といたしましては、まあ部落と申しまするか、一軒、二軒のような非常に少数の家が集まっておりまするところが大体四千六百カ所ございます。
○野上元君 その法の適用を受けた四千六百カ所は、従来増減がありましたか。
○政府委員(板野学君) 開拓地等がいろいろ方々にできたりなんかいたしますので、少しはそういう増減が出てくると思います。
○野上元君 この四十六条適用地域の最高のときは何カ所ぐらいですか。
○政府委員(板野学君) 最高の年と申しまするか、大体私どもの二、三年前ぐらいの統計で大体四千六百ということになっておりまして、逐年これを配達するような個所を広げておりまするので、逐年減っておるということでございます。
○野上元君 その点については、先ほども将来の方策を述べられたんですが、非常にまあ困っておるという陳情を受けるわけです。一つできるだけ便宜をはかるように、ぜひ取りはからいを願いたいと思います。 それからこの二十七ページに「電気通信施設改廃実施予定計画」というのがございますが、これによると、三十七年度までのやつが、電電公社の計画に基づいて、ここに載っているわけですが、これを全部、実施すると、関係しておる従業員数はどれぐらいになりますか。
○政府委員(板野学君) ちょっと御質問の趣旨がよくわかりませんでしたけれども、この実施の予定計画は三十七年度まで出ております。三十七年度になれば、電気通信に従卒しておる従事員がどのくらいになるという……。
○野上元君 そうじゃなくて、この計画に載っておる局の自動改式、あるいはその他の方式に切りかえた場合に、そこに働いておる、関係しておる従事員の数はどれぐらいになるかと。
○政府委員(板野学君) 電気通信につきましては、三十七年度におきまして五万四百名ということになるわけでございます。
○野上元君 そうでなくして、私の聞いているのは、自動改式になったり、あるいはその他の方法で直営化された場合に異動しなければならぬ、いわゆる手あきになる人員です。は、どのくらいになるのかと聞いているのです。
○政府委員(板野学君) 大体これは概数でございまするけれども、三十七年度におきまして千四百三十五名の減が出ます。三十六年度で千三百七名でございまするので、これを合計いたしますと二千七百四十二名というものが——先ほども申し上げました、その増減に、よりまして五万四百ということになるわけでございます。
○野上元君 そうすると、三十六年度と三十七年度と合わせて二千七百名の従業員が電電公社の方に移転をする予定だと、こういうふうに解釈してよろしいですか。
○政府委員(板野学君) 大体概数としてはそういうことになります。
○野上元君 そのことについて電電公社との間に話し合いは成立しておるのですか。
○政府委員(板野学君) 大体原則といたしましては、できるだけ一つ人員につきましては公社の方で処理してもらう。またどうしてもこの配置転換等ができないものにつきましては、郵政の方で考えるということで、原則的の話はできておるわけでございます。
○野上元君 そうすると電電公社では、これは全部を引き、受けるという約束はしておらないので、電電公社の要るだけの人間は来てもらうが、余った人間は郵政省でこれは引き取る、こういう約束ができておる、こう解釈してよろしいですか。
○政府委員(板野学君) 直轄化されます場所によってこれはまあ違うと思いますが、できるだけ多くの人を電電公社に引き取ってもらう、全部が全部引き取ってもらうということには話はついておりません。
○野上元君 その点は、将来これは非常に大きな人員の異動になりますから、大問題になると思うのですが、今日郵政当局と全逓との間でその点についての話し合いは行なわれておりますか。
○政府委員(板野学君) 従来とも本省あるいは郵政局との間におきまして協議会が設けられておりまして、そこで具体的にはいろいろ協議をし、相談をしてやっておった次第でございまするが、さらにこれを一つ本格的に取り組み、かつその円満なる、一つ御協力を得るために、最近電気通信の委託業務に関する協議会をさらに別に作りまして、十分に検討をいたし、かつ協議を遂げるつもりでございます。
○野上元君 これは郵務局長でないかもしれませんが、その問題に関する組合との話し合いというのは、近々行なわれるという予定がございますか、人事部長いないか……。
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 一応話は決裂ということではございませんので、両者の意見の相違はございまするけれども、省側としましては、誠意を持ってこの趣旨に沿って配置転換の問題につきましては話し合っていきたい、こういう態度を示しておるわけでございます。
○野上元君 これは郵政省にとっては重要な問題ですから、郵政省当局としても、ぜひ誠意を持って、すみやかに交渉を再開して、妥結に至るようにわれわれとしては強く要望しておきます。 最後に私は、どなたに質問したらいいのかわかりませんが、この長期計画によって従業員の給与の上昇率というのは四・五%と計算してあるわけですか。
○政府委員(佐方信博君) さようでございます。
○野上元君 池田内閣が公約されておる所得倍増計画を逆算していくと、毎年大体七・二%の上昇がなければ、十年後に所得倍増にはならぬと思うのですがね。少なくとも長期計画を行なう場合には、あなた方は、どうも政府の一環として公約を果たされるという誠意があるならば、このベースアップは、やはり最小限度で七・二%を見込むのが正しいのじゃないですか。そうでなければ、あなたは忠実に政府の方針を実行しておらぬ、そういう気持がないというふうに見られても仕方がないと思うのだが、その点、なぜ四・五%としたか、その理由を聞かしてもらいたい。
○政府委員(佐方信博君) 人件費の見込みにつきましては、過去の五、六年間の経過を見ますると、定期昇給を含めまして八%上ってきておるわけであります。そこでわれわれ案を作りますときには、その八%の線を毎年伸ばしていきました。ところが、今年に限りまして定期昇給を入れますと一四・五%伸びがございました。そのあと全部八%見ていきますと、非常に先生のおっしゃいましたことからいってもおかしなことになるということでございましたので、とにかく最低のといいますか、必ず定期昇給していくというものだけを、ことしの一〇%アップのほかに毎年見ていくということで、一応の計算をいたしました。そのほかに、この表に出ておりませんけれども、いろいろな試算をしておるわけでございます。たとえば、本年度から起算しまして、一〇%と定期昇給の四・五%と合わせて一四・五%としますと、これからかりに、先ほどの八%を逆算していきますと、本年は定期昇給に六%でいいんだ、三十八年度は六%でいいんだ、そうしますと五五カ年間で八%という数字が出ているわけです。そこで平均七%という見方も、ちょうどことしの一〇%アップしたときに、そのあとすぐしていくのもどうかという気がいたしましたので、来年は一〇%のアップを見ますと、来年から四・五%という計算をいたしました。そのほかに別にいろいろと今の試算をしているわけでございます。
○野上元君 いずれにしても四・五%では所得倍増計画を完全に実施できないでしょう。その点はどうですか、数字で出せばすぐわかる。
○政府委員(佐方信博君) お説の通り、ことしを除きまして、毎年四・五%だけということでは倍になりません。しかし、本年は一〇%プラスの四・五%になっております。その計算で逆算していきますと、あるいは五・五%から六%ぐらいで倍になるかもしれない。従いまして、このまま、大臣も先般お話がございましたように、一応取りまとめた試案でございますので、かたいところで計算しまして、なお検討するために、いろいろな資料を目下作っておるというふうに御了解いただきたい。
○野上元君 そうすると、この計画を実施するとして、ベースアップの率を六%ないし六・五%ぐらいに押えるとこの計画は成り立ちますか。
○政府委員(佐方信博君) これはもう全くの算術の計算をいたしたわけでございますけれども、その場合には、いわゆる建設勘定への自己資金の繰り越しがほとんどなくなってしまうという形になってしまうであろうと思います。
○野上元君 時間が参りましたので、最後にお聞きをしたいのですが、この郵便法の一部を改正する法律を施行することによって、言いかえれば料金を改定することによって、国民経済に与える影響はどの程度ですか。
○国務大臣(小金義照君) この料金調整が行なわれた場合を予想して、これは国民生活にどう響くかという試算を実は経済企画庁にしてもらいましたところが、一種、二種が全然上がっていないというような関係もありまして、ほとんど生計費あるいは生活費の方には、この程度の料金の引き上げでは響かないという答えをいただいております。
○野上元君 私の質問はこれで終わります。
○森中守義君 これは今まで何回も問題になっておりましたので、町村合併に伴って、郵政省の方で局舎の統廃合がまだ正確に結論が出ていないように聞いておりますが、その後どういうふうになっておりますか。
○政府委員(板野学君) 市町村の合併等に伴いまする郵便区の統廃合につきましては、当初の計画におきましては、新設の市町村に集配局が二以上ある場合につきましては、地境の関係から非常に困難だという場合を除きまして、大体一局に整理するというような考え方で進んでおったわけでございまして、その考え方を実施いたしますれば、大体七百五十九カ所ぐらいは実施しなければならぬというふうに考えて実行して参ったわけでございまするが、その後この基本方針を貫くということになりますると、いろいろの支障が出てくるわけでございます。すなわち、地境等の理由で局員の配置転換がきわめて困難な地域もございまするし、また一行政区一集配区でなくても、そう郵便物の遅配また誤区分によるところの遅配が生じないというような地点もございますし、また郵便物の運送方法を容易に変更することができますようなところにありましては、この誤送、誤区分を解消し得るというようなところもございますので、そういうような所要の修正を加えまして、二百六十八件程度を今後実施していくということに計画上きめているわけでございます。しかしながら、大体、以上は私どもの原則でございまして、今後交通事情とか、いろいろなそのような外的条件が変化をしてきまして、それによって郵便物の誤送なり誤区分が生じないという点につきましては、若干のあるいは数の異同があるかと存じている次第であります。
○森中守義君 そうしますと、要するに基準をお作りになったけれども、それは必ずしもぎりぎりの線ではない、実情に合わせながら、多少弾力性を持っているというふうに考えてよろしいですね。
○政府委員(板野学君) その通りでございます。
○森中守義君 それから、衆議院の今回のこの改正案の際に公聴会がありまして、その際に、学術出販用あるいは公共出版用、こういうものが問題に提起されたようですが、御承知のようにNHKにおいても、たとえば身体障害者であるとか、あるいは生活保護法の適用を受ける者とか、こういう社会保障政策の一環としてテレビあるいはラジオの減免の措置が講ぜられておるようですが、国鉄でも多少内容は違っているようですが、やはり戦傷病者には国鉄のパス等を出しているということを聞いております。そういうような仕事にやや類似した郵政省の仕事なんですが、省の方ではこういう問題についてお考えになったことがありますか。たとえば料金を非常に軽減をしていくとか、あるいは免除するとか、そういうことはお考えになったことはありませんか。
○政府委員(板野学君) 御承知のように、現在学術出版物につきましては、定期刊行物におきましては第三種郵便物として低料の扱いをいたしておるわけでございますが、その他につきましては第五種郵便物として、あるいは小包郵便物として考えておるわけでございます。そこで第五種郵便物の制度は、やはり国民文化の普及、向上に貢献すると、こういう意味合いにおきまして、大体第一種よりも安く料金が設定をされておるわけでございますが、先ほどお尋ねになりました学術出版物という点につきましては、その意味では、大体外国と同じように少し料金が安くなっておるわけでございますが、いわゆる第三種なり第四種の郵便物と同様の低料金の扱いをいたしてはおらないわけでございます。これはなかなか印刷物、出版物と申しましても、何が学術的なものであるかということの判定も非常に困難でございまするし、また、第四種のように受取人の社会的な層が大体特定することができるというものは、直ちにこれがまあ郵便物の受取人のいわゆる利益を保護するということにもなるわけでございまするけれども、印刷物、出版物につきましては、そういう点がなかなか分明でない、はっきりわからないという点もございまして、あたかも第三種郵便物のごとく、いろんな種別判定上の困難、出版物の性質の判定上の困難性というものがございまして、私どもといたしましても、従来いろいろ研究はしてきましたけれども、今まだにわかにこの結論に達しないような状況でございまするので、今後この点につきましては、さらに検討をいたし、研究をいたしてみたいというふうに考えておる次第でございます。
○森中守義君 それから先般の予算の審議の際以来、省の方でお考えになっている今回の改定以降の料金の据置期間が、一説には五年といわれ、一説には三年といわれ、なかなかその辺のお答えが統一をしていないように考える。で、従って、今回五ヵ年計画が出て参ったわけですが、この五ヵ年計画は、一昨日も大臣にお尋ねをして、ほぼ概要が明らかになったのですが、この五ヵ年計画を基礎に置きながら、一体何年間ぐらい据え置きになるお考えですか。
○国務大臣(小金義照君) これはまあいろいろ前提がございまして、経済上の大した変化がなく、このまま成長していく場合においては一応五年間、しかも五年目には赤字が出るかもしらぬという試算ができ上がるのであります。けれども、どうしても何とかしなければ、にっちもさっちも動かぬというほどの数字は今までのところ出て参りません。そこで、大幅な特別のベースアップが今後五年のうちにある、しかも重ねてあるというような場合は別でありますけれども、まず、今日の経済上、あるいはまた国民生活上の状態が逐次上がっていくような場合におきましては、まあ五年間はこのままで一応やっていける。ただし、ただいま森中先生から御指摘のような学術雑誌、学術上の書物、印刷物、そのほか何か社会政策的あるいは科学技術の進歩発達をはかる上において特別の措置を講ずる必要がある、あるいはまた第五種について、あるいはまた年賀はがき等について特別の必要があって、部分的に改正するようなことはあるいはあり得るかもしれませんけれども、まず総括的な広範囲にわたっての料金は、手をつけなくても、一応見通しが五年の間に立っている、こういうふうな考え方のもとに五年の計画を作り上げたのであります。おとついも森中さんにお答えしたかと思いますけれども、これは一応の目安でございまして、これ以上の施設ができればけっこうなことであります。と同時に、先ほど野上さんから大へん大事なお尋ねとして私拝聴したのですが、郵便物数のふえ方、一体これでいいのかどうかということであります。これは見方でありまして、私自身は三十七年から四十年にかけてパーセンテージが落ちながらふえていくという見方が、はたしていいかどうか、これも重大な問題でありまして、ここらも研究すべき問題でございます。一応私どもの目安では、三年は確実である。それから先二年は十分な見通しが立たないながらもまあやっていけるだろう、こういう見通しであり、また試算を二、三やってみれば、そういう数字が出るという状態でございます。
○森中守義君 いろいろお尋ねしたいこと、また議論もしたいわけですが、今の大臣の御答弁でいけば、今後三年間というのは確定だ、あとの二年間は不確定だ、しかし希望的な省のお考えとしては、五年間は据え置きにしたい、こういうような内容の御答弁のようですが、その通りでございますか。
○国務大臣(小金義照君) 四年目、五年目が不確定という表現をしていただいていいかどうか、私は一応これで成り立つという、むしろ確定的な、多少不安定な要素がありますけれども、まず、われわれのところで二、三の別々のいろいろな試算をやってみまして、五年間はもつ、そのうち三年はもう大丈夫だ、四年目、五年目は不確定のような数字も出ますけれども、まず確定的の因子の方が多いと申し上げた方がいいと思います。
○森中守義君 非常に微妙なニュアンスでして、受け取る方も、あまりにも多面的の受け取り方を私はせざるを得ないんです。ただ、さっきのお話から受け取れますことは、この期間においてかりに五年なら五年が確定的なものである、あるいは三年だけが確定で、あとの二年は不確定な要素がある。その辺の受け取り方は別としまして、この期間において若干の手直し等は、先ほどのお考えからいけば、あり得るということですか。
○国務大臣(小金義照君) それは部分的に私はないとは申し上げられない。すなわち、いろいろな要請がありますれば、ただいま森中先生から御指摘になったような大事な、学術とかあるいは科学技術、あるいはまた特別の社会政策的な意味を加味したような問題が起これば、これは取り上げる場合があり得ると思います。なお、そのほかに、これと関連しておりまする郵便貯金あるいはまた、簡易化命保険というような事業の伸び方等によりまして、局舎の改築、新築、増築等が進められなければならぬ場合もございますが、そういうときには、また別の借り入れをどういうふうに加味していくかというようなことで、若干の、五年を一応目安とした計画の方については手直しをして進みたいという考えでございます。
○森中守義君 あと二つだけ伺いますが、先般来何回もお尋ねをしまして、一応検討しようということの答弁をもらっておりますが、かりに三年先あるいは五年先というように、料金の改定が起こる場合も、今回と同様な方式、従来の方針のもとに料金改定をおやりになりますか。それとも審議会に付されている細野委員のような公共料金としての原則的な方式をお作りになるお考えですか。
○国務大臣(小金義照君) それらの原則的ないろいろな理論と申しますか、御意見等も加味して、もし料金体系を改める場合においては研究して参りたいと考えております。どういう形式でやるかも、この期間に十分考慮すべきものであると考えております。
○森中守義君 私は、一昨日も多少の御意見を述べながら質問をしたわけなんですが、今回の長期計画は、どう考えてみて本郵政省の体質改善あるいは事業の前進のために、単なる目安あるいは目標ということじゃなくて、いかなることがあっても勇断をふるって実行に移すべきものである、こういうふうに私は考える。しかして大臣が言われたように目安あるいは目途、こういうことになりますと、実際の計画自体に迫力が私は非常に乏しくなってくると思うのです。ただ言われんとする意味はわかります。しかしこれは、どうしてもこういう方針を策定をした以上、あくまでも貫いていく、こういうように取り扱っていくのには、やはり経済企画庁あるいは通産省、大蔵省、こういうところの御相談も必要でしょうし、また、閣議決定というきついワクがはまっておることが、私はどうしてもとられるべき方法だと思う。一昨日、大臣は閣議にも出したいとか、こういう御答弁ですから、まあそれならばけっこうだと思うのですが、いま一度そういう方式を正確におとりになるのかどうか、この点をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(小金義照君) この委員会を通じ、またその他の機会にいろいろな点をお示しいただいております。つまり私から申し上げれば大へん未熟、不勉強ではございますが、まだまだ根本的に、あるいはまた他との関連において改変すべき個所もございますから、すみやかにこれを研究して、改めるところは改めて、確定的なものにいたしたい、こういう考えであります。その際は経済企画庁その他と相談いたしまして、今御指摘のような、これをどこまでも実行することが、国家、国民のためになるのだというような計画を仕上げて、その実現に邁進して行き得るようなものにいたしたいと考えております。
○森中守義君 ちょっと言葉が非常に私受け取りにくいのですがね。衆議院ではこの案がまだ審議されておりませんし、従って、今私どもがちょうだいしたのは最終案というふうに最初受け取ったのですが、今のお話からいけば、もう少し改善すべきところがあるようです。従って、私どもの受け取り方は、これが試案であろうと最終案であろうと、それが郵政省のためになるというならば、どっちだってもいい。問題は、これから先多少の手直し等もして、正確に閣議決定までやるという方針なのか、あるいは単なる希望であるのか、その辺もう少し正確にお答えいただけませんか。
○国務大臣(小金義照君) 単なる希望ではなくして、こういう方針を貫いていきたいという考え方でございます。
○森中守義君 そうしますと、閣議決定にかかるということになりますか、閣議にお諮りになるわけですか。
○国務大臣(小金義照君) その前に官庁間のまだ連絡もございますから、いろいろな手段を経屈して、閣議決定まで持っていきたいという考えを持っております。
○森中守義君 よくわかりました。
○光村甚助君 諸外国の例を見ましても、郵便を民間でやっておるところはないようなのです。外国のことは別といたしまして、日本で郵便制度ができた当時のいきさつと、どうしてこれをいつも政府がやらなければならないか、その理由と、できたときのいきさつをお聞きしたいと思います。
○政府委員(板野学君) 郵便事業はきわめて公共性の強いものでございまして、いわゆる全国津々浦々に至るまで、これをなるべく安い料金で公平に扱うということが、これは外国でもそういう考え方のもとでやっておりまして、そういう意味合いから郵便事業は例外なく国営にされておるというのが実情でございます。
○光村甚助君 公共性のある事業であって、安い料金でやるということになれば、どこかが犠牲をこうむらなければいかんわけです、実際上。外国でも、公共性でありますけれども、日本ほど料金は安くないですね、実際上。独立採算制といっても、新聞の輸送の例をとっても、十円以上とっている国もある。そういう料金のもとに独立採算をやられておるんですね。私たちは料金の安いことは非常にけっこうなんですよ。新聞なんかも文化の恩恵に浴さないいなかなんかに新聞を一円で送ってやるということはわかる。農村の人に種苗を安く送ってやるということも、これはわかる。しかし、今の日本の郵政事業のあり方を見ると、そのしわ寄せは、従業員と局舎ができないという面にきておる、実際上。公共性であって、安い料金で実際上はやらなければいけないというのなら、これは従業員にしわ寄せをせずに、ある程度政府の方でも見るべきが当然じゃないですか、どうですか、大臣。
○国務大臣(小金義照君) 必要があれば、もちろん一般会計からも見てもらわなければなりませんが、日本でこの特別会計制度、独立採算制を採用したいきさつ等から見まして、また、事業の運営に機動性を持たすために、私はやはり特別会計の方がいいと思います。そこで、今御指摘のように、何がしかの社会政策的な意味の低料金のものがあるとすれば、それをカバーさせる料金はどこに求めたらいいかというようなことも考えまして、今回の主として第五種等の郵便物の料金の調整をいたしたのであります。これは私は、働く人のために、働く人にしわ寄せをして低料金をやるべきものではない。従いまして、この事業を運営していく上におきましては、一般会計から必ずしも入れることだけが方法ではなくして、他の低金利の資金を誘導したり、また料金の合理化等をはかって、郵便を利用される人の間で、あまねく公平に、できるだけ安い料金で運営していきたい、こういう考えでおりまして、今御指摘のように、働く者あるいは局舎をそのままにしておいて、そこにしわを寄せるということは、よくない方法でありますが、ただ何分にも非常に長い間局舎なんかもそのままになっておるような傾向であります。これれらもできる限り計画的に早く改善、改築をして参りたいと思っております。
○光村甚助君 同じように郵政省の中にあった電信電話ですね、これは電信の方は今でも赤字ですが、電話なんというのは、自己資金が一千億以上もあるんですね。そうして今これは公社になっておるわけです。それじゃ一千億以上あれば……。電話料金は高いという声は起こってなかったですね、電話を使う人は金持が多いから……。いや、郵便料金一円を二円にすれば倍だ、三円にすれば三倍じゃないかといって、非常に世論の反撃を受けると、あなた方おっしゃるのです。実際上あとからできた電信電話がこんなに発達しておる。政府事業であった国鉄が今公社になっておる。そうすると郵政事業だけがいつまでたっても一つも発展しない。もちろん、これは人力によるせいもあるでしょうが、それならば思い切って一つこの郵便事業を公社にやらそうというような考え方はありませんか。これはまあとっぴな質問ですが、いつまでも政府事業で低料金で、公共事業だから低料金でやらなければならないということをやっていたら、働く人は迷惑だし、局舎はいつまでたってもおんぼろだし、一つも私は発展はないと思うのです。しかし、あなた方の五ヵ年計画でできるとおっしゃるのですが、われわれが計算すると、あなた方の五ヵ年計画は非常に甘いと思うのですよ。こういう面から私はもう少し何とか考えなければ、このままでは郵便聖業というものは行き詰まると思う。これはまあ私の意見になりますけれども、そんな復興計画なんていうものは甘いものじゃ私はないと思う。少なくとも、独立採算制を私は廃止しろとは言いませんが、さっき言いましたように、公共性で安い料金でやるのだったら、これはある程度私は政府の方が幾らか見るのは当然じゃないかと、こう考えている。それができないというのだったら、一つ公社なんていうことも考えて、もっと郵便事業というものを、ほんとうに今のような遅配の慢性ですか、こういうことのないように、解消ができないんじゃないかと思うのですが、どうですか。
○国務大臣(小金義照君) 私は、決して今の御意見はとっぴな御意見とは思っておりません。公社なり、その他の組織でやり得るものかということも、私、日は浅いながら考えておったことでございます。しかし、この電話だとか、まあ鉄道はちょっと違いますけれども、電話その他、それは国民の皆さんがお使いになる公共的なものでありますが、郵便というのは信書の秘密ということがございますので、もっとも、秘密だといっていながら、郵便物が外で盗まれるじゃないかというお小言は受けると思いますけれども、やはり一応国家が国民全部にわたって信書の秘密ということも保持してやらなきゃならぬというような仕事があるので、なかなか思い切った企業組織といいますか、企業体の変更にはまだ私は踏み切れないという考え方でございます。 それから同時に、今おっしゃいましたように、確かに先般も御指摘になりましたが、郵便法の第一条には、あまねく安い料金でということがうたってあります。ところが、電気通信法なんか見ますと、合理的な料金ということになっております。私は無理に曲げて読むわけではございませんが、郵便法の安い料金ということは、やはりその安いというのは合理的な安さであって、不合理な安さを意味してないと思いますから、私は次に郵便料金等の改定をなす場合においては、やはり相当思い切った合理的な安さを打ち出すべきであるというふうに考えております。従って、今これを直ちに公共企業体等のようなふうには持っていけないんじゃないかと考えております。
○光村甚助君 信書の秘密ということをおっしゃいましたがね。これは去年でしたか、手品先生の方からこういう意見が出ておりました。年賀はがきを見分けるのは、どうして見分けるか、あれには年賀と書いてある、そうするとそこへ書いてあるものを見なければ、年賀か一般かわからないじゃないかと、こういう意見が出たことがあります。これは先生ひやかしで言われたのかどうか知りませんが、はがきなんていうのは、ほとんどみんな見るのですよ。これは実際見ないなんていったって、それなら電信電話はどうですか。これもほとんど電報なんていうのは秘密も多いので、これは公社にやらしているのです。そうして確かに郵便ができた制度は、信書の秘密という点もあったでしょう。こういうものを民間にやらしたら非常に危険になりますので——しかし、今はどうなんですか、一種、二種なんというものはほとんど少なくて、ダイレクト・メールというのですか、あれと新聞の配達じゃないですか、小包と。それが郵政省の仕事でしょう。私に言わしたら、郵政省というのは、今ほんとうにいえば日通の下請機関をやっているような気がしてしょうがないのです。膨大な百貨店の広告を配って歩いている。信書の秘密を守らなければならないという段階は、私はそんなものは忘れられておる問題だと思っているのですよ、実際。郵便法を作ったときの、手紙やはがきをほんとうに配ってやるということはとっくに忘れられて、どっちが今多いかということなんですよ。ほとんど百質店の下請機関をやっているのが郵政省なんです。こういうものをいつまでも政府がやらなきゃならないというのは、私は非常に納得に苦しむわけです。日通の下請会社だとお思いになりませんか、最近の郵便局のあれを見て。
○国務大臣(小金義照君) 第五種が多く積んであるところを見ると、これはそういう感もいたすかと存じますけれども、しかしながら、やはり総体において第一種、第二種は非常なふえ方をしておると思っております。五種やその他のふえ方がなお激しいので、的に圧倒されております。しかし、これはたとえば、今日の特許法を見ましても、発信主義をとっております。政府の機関である郵便局で何日の何時に受け付けたかということが非常な重大な証明力を持っております。そのほか権利証書だとか、絶対に見せられないようなものが、やはりこの郵便制度によって輸送、配達されるのでありまして、やはり数が多くなったから、つまりオープンのものが多くなったからといいまして、直ちにそこまで私は踏み切れない、もう少し研究すべきものだと思います。
○光村甚助君 まああまりとっぴな質問をしてもちょっとお困りだろうからやめますが、とっぴでない質問を一つしますと、現在の小包ですね。私がもらう小包の中にはほとんど手紙が入っています。実際上これは今入れる制度に変わりましたか、郵務局長。
○政府委員(板野学君) 小包は通信文を入れてはならないということになっております。
○光村甚助君 実際上私なんかがもらう——大部分の人がそうだと思うのです、ほとんどが入っておる。本を送ってもらっても、いろいろなものを送ってもらっても入っておる。要らなければ返してくれ、こういうのを何とか取り締まる方法ないのですか。
○政府委員(板野学君) そういう点もいろいろ考えまして、実は小包はがきというような制度も設けておりますし、いろいろ今後十分周知徹底をいたしまして、そういうことのならないように私どもとして努力いたしたいと思っております。
○光村甚助君 徹底してならない……。世の中はだんだん進んできて、人間が知識をだんだんつけて、不道徳な人間がなくなるのがほんとうだけれども、そういう人間がどんどん多くなっておる。幾らあなた方がPRやったって、これはなくならないので、たまたま、いなかの郵便局で入っていませんかと、しつっこく聞いたら、これは入っておる。いなかあたりのひまな郵便局で聞けば、こういうことになっておる。都会なんかで何千何万と持ってくるところでそういうのを聞いたって、都会の人たちは不正直だから、入っておるとはいいませんよ。 それで私が一つ提案したいことは、小包には必ず封書が入っているのだということにしてしまって、それにはがきの代金を五円とるのだという考え方はないですか、非常にこれは増収の妙案だと思う。そのくらい頭を働かされなければ、一円のものを二円に上げるのだというようなことで、郵政事業の私は復興というものは成り立たないと思います。どうです、局長。
○政府委員(板野学君) やはりこの対人的な通信文を送るということは、郵政省の本来の仕事でございまして、小包は、いわば物件の輸送のいわゆる最右翼に属すると申しまするか、そのようなものでございまするので、やはり事業のやり方なり郵便事業の運営の基本的な考え方といたしましては、やはり通信文を送るということが主体でございまするので、小包の中に通信文が入っていいということになりまするというと、やはり経営のやり方なり経営の基本というものがくずれてくるのじゃないかというふうに考えておる次第であります。
○鈴木強君 簡単にお聞きしますが、さっき森中委員の御質問になりました学術関係の書籍のことですが、前回も私質問したのですが、これは大臣も検討していただくという御答弁いただいておりますが、この学術関係といいましても、約二千七百程度の種類があるそうでございまして、これを今直ちに、私もできれば、法律の修正ということも考えてみたのですが、なかなか数も多いし、それを選択するのに大へん困難だと思います。従って、この二千七百種類の中には、まあ同窓会の会誌に属するようなものとか、あるいは日本のあらゆる学界の、それこそ資料として必要なような、営利を目的としないような、そういう書籍もかなりあるようなんです。ですから、そういうものについては、何に特例を考えていただくような方法をとっていただきたいと思います。検討されると大臣もおっしゃいましたので、私はこれを期待いたしますので、この際、特にそういうふうな内容でもあるようでありますから、一つ、なるほどこれは国家社会のために低額料金でいいというようなものについて、その内容を御選択いただいて、できるだけすみやかな早い機会に一つ改正の方法を御研究いただきたいと思いますが、これは大臣に一つお願いしますが、どうでございましょう。
○国務大臣(小金義照君) 全く今御指摘になりましたように非常に数が多いので、どこで限界線を引いたらよいかというようなむずかしい問題がございます。しかし、むずかしいと言っても、また現実にその恩典に浴させた方がいいというものもあるはずでございますから、これは私のほんの私案でございますけれども、たとえば特別の学術の団体とか、そういうようなものを郵政大臣が指定して、そこで選択をして、これならばというようなものでも厳重にやっていただけば、そういうものには特別の何か証書みたいな証拠書類をつけまして、それをつけて出せば低額料金で運べるとか何とかいうような、具体的な方法があるのじゃないか、これは私の私案なのでございますが、こういうようなことも郵政審議会等にお諮りをいたしまして、具体的に今御要望の点を詰めていきたいと思います。
○光村甚助君 きのうの新聞を見ますと、書留郵便を何十通か盗まれた。東京では最近これが出て、きのうの朝の新聞には犯人の似顔絵が出ていますが、一体監察官何をやっているのですか。この前、郵便遅配のとき、監察官が郵便局あたりに行って、従業員がサボをやっていはしないかということで見張りをやっておった。こういうときに監察官を使うのか、そのために監察官がいるのじゃないでしょう。大臣、最近の犯人はまだあがりませんか。
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 犯罪の場合におきましては、予防をするということで平素から取り扱い上十分に注意するように通達もいたしますし、また、現場の監査等につきましても、郵便の実際の取り扱いにつきまして、細にわたりまして、屋内、屋外等の状況を十分に注意して、平素から見るところを見てきておるわけでございますが、何分にせよ、この種の突発的な窃盗犯罪におきましては、ちょっとした目の届かない間のこともございますし、また普通これで大丈夫だと思っていたにかかわらず、たとえばかぎをこわしてまで持っていくというような、予想以上の手口があったようでございます。従いまして、監察官は、労働問題だけにパトロールしておるという趣旨ではございませんので、平素から業務の正常運営を確保し、かたがた、防犯上の取り扱い注意も指摘しつつあるわけでございます。本件の場合におきましては、私の手元に入っておる話では、外務員が自転車を置いて、ビルの一階にあります事務所に配達して、そうしてさらに隣のビルの五階の方に配達に行ったというときのできごとでございまして、しかも荷台の上にはしっかりとしたかぎをかけた保管箱、しかも、その保管箱は、荷台にしっかりと施錠されておりまして、普通打ちこわすということはできないような、そういうような施設でございましたけれども、この場合におきましては、犯人が非常に計画的なのか知りませんけれども、私どもの予期した以上の手口でこういうことが起きたように聞いております。はなはだ遺憾だと思いまするので、監察方面は警察と合体になりまして、合議いたしまして、捜査体制をしいて、犯人の検挙に努力しておるという状況でございます。
○委員長(鈴木恭一君) ほかに御発言もなければ、本案に対する質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木恭一君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。 これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
○光村甚助君 私は、日本社会党を代表して、本法律案に反対の討論をいたします。 本改正案は、郵便料金の値上げを主たる内容とするものでありまして、その提案の理由とするところは、郵便の利用形態の変化、人件費の増高などによって、昭和三十六年度以降、郵便事業の財政が相当の赤字を生ずることが明らかになったので、これを補正するとともに、サービスの改善及び事業の近代化をはかるため必要な財源を確保するやむを得ない措置であるというのであります。 三種以下の郵便物及び小包郵便物など原価を大きく割っている郵便物が激増の傾向を示しているのは、すでに数年来のことであります。また、主として人の力によって運営せられている郵便事業が、人件費の膨張を伴うのは自明のことであります。これらの事情の圧迫が経営の安定を阻害しないように、その推移に留意して、随時適切なる方策を講ずることは、政府の当然の責任であります。しかるに、政府は、数年来この顕著なる事態の悪化を看過して、今日突如として値上げを行なうことは、行き詰まりの責任を利用者に転嫁するものでありまして、断じて許すことのできないものであります。 申すまでもなく、公共料金の値上げは慎重でなければなりません。政府もまた、しばしば値上げの意図のないことを言明しているにもかかわらず、先には国鉄運賃を引き上げ、今日また郵便料金の値上げをいたそうとしておるのであります。政府は、これらの値上げは国民生活にほとんど影響を与えないと言うのでありますが、たとえわずかであっても、政府が率先して公共料金を引き上げることは、今日、ほうはいとして起こっている値上げムードをますます刺激し、さなきだに、騰貴している物価の上昇に拍車をかけることは明らかであります。電力、私鉄、ガス、水道など、一連の公益事業が値上げを待機している現状において、政府事業の値上げを先行することがいかに危険であるかは、言を待たないところであります。世上、政府の所得倍増計画を物価倍増計画を非難するゆえんも、この無反省なる値上げ政策にあるのであり、私は政府の猛省を促すものであります。 続いて、本改正案の具体的内容について、その矛盾と無計画とを指摘し、さらに反対の理由を明らかにいたします。郵便事業は独立採算制のもとに、都市と僻地との別なく、あまねく同質のサービスを提供するものでありますが、その作業はほとんど人力によって行なわれ、機械化の範囲がきわめて狭く限られる特質を持っているのでありまして、人件費は従来おおむね事業費の八〇%を占め、その多少は直ちに事業の消長を左右し、常に独立採算を脅かしているのであります。値上げはいつもこの理由によって行なわれており、今回もまたその例に漏れません。事業の赤字は、常に人件費の膨張が原因であり、料金の引き上げは、常に人件費の調達を主眼とするもので、幾たびとなくこの悪循環を繰り返しているのであります。従って、郵便事業の業態は十年一日のごとく、とどまって動かず、旧態依然としております。政府はすみやかにこの悪循環を断ち切る方途を講ぜねばなりません。現行郵便料金は、昭和二十六年十月改正せられたものであります。政府は今日まで十年間値上げを行なわないで、もっぱら事業の合理化、増収対策の推進によって収支の均衡を維持し、事業の運営を続けてきたと言い、さも合理的改正があったかのごとく誇示しているのでありますが、一体事業の合理化とは何をしたか、具体的実績は何も存しないのであります。また、増収対策とはいかなる方策を実施したか。もとより何ら見るべきものはありません。もし真に政府の言うがごとく、具体的施策があったとすれば、今日見るがごときサービスの後退はなかったでありましょう。通信量が増大したのは、経済の伸長と国民生活の向上に伴って、起こった反射的現象であって政府当局の積極的努力や施策によって生じたものではありません。このことは、過去十年間における郵便の財政運営の状況を一見すれば明らかであります。郵便物増加に対する処理要員の確保ができなかったのみならず、定期昇給の原資や経常費の支出にさえ事を欠く窮状でありまして、ましてやサービスの改善、局舎の整備など、事業運営の根本条件の解決に至っては、ほとんど一指もそめていないのであります。かように、二十六年の値上げは、辛うじて人件費をまかなってきたというにすぎないのでありまして、長期計画を遂行する財政安定を企図するものでなかったことを立証いたしているのであります。 思うに、郵便事業は、各種公共事業中最も復興のおくれている事業であります。たとえば、サービスにおいてみますと、郵便物の配達回数は、戦前に比較してむしろ減少しております。特に、最近の遅配の慢性化は、郵便が創始せられた九十年の昔に、あと戻りをしたと言っても過言ではありません。郵便と同じく始まりました電話事業のめざましい成長発展には比ぶべくもありませんが、とかく経営難を伝えられている国鉄でさえ、すでに早く復興を終え、格段の改善が行なわれていることは、国民の等しく認めるところであります。ただ、ひとり郵便事業は、貴重な復興期を何らなすところなく過ごしたのであります。私は、当局の怠慢を責めざるを得ないのであります。 さらに、私は、郵便事業の独立採算について強い疑いを持っているものであります。オートメーション化のできない非能率的な郵便に安い料金、公平なサービスという公企業原則を厳格に適用すると、事業の現状が示すごとく、赤字にならざるを得ません。郵便物の増加、サービスの向上は、かえってますます赤字増大の傾向を強めるでありましょう。しかし、料金の引き上げには、公益的な限界があるのみならず、三種郵便物には低料金政策さえとられております。かように、いわば郵便は本来赤字的性質を具有する事業であります。かような観点からすれば、郵便事業には厳格なる独立採算の採用は事実上困難でありまして、諸外国の例にみるごとく、国家が所要の財政補助を行のうべきものであります。私は、この措置をとらない限り、郵便事業の積極的経営はできがたいと思うのであります。政府が、この明白な事実を顧みないで、あくまで独立採算を既定の原則として固守いたそうとする態度を、私は理解することができないのであります。 政府は、今回の値上げについて、郵政審議会が郵便事業の企業的経営の確立を目途として答申した三つの方針は確認したのであります。第一、料金の調整は、長期安定をはかるよう配意する、第二、政策低料金の決定にあたっては、原則として直接費をまかなうよう考慮する、第三、封書及びはがきの料金は引き上げない、というのでありまして、この三方針に基づく値上げ案により、五ヵ年計画を策定し、三十六年度以降四十年度に至る経営の安定をはかるものとし、三十六年四月一日より実施を決定したのであります。しかるに、ここに提案せられた改正案は、この方針を放棄し、はなはだしくその内容を改変しております。すなわち、政府が改正の重点とした三種ほか各種の料金の値上げ率は引き下げられ、ひいて各年度の増収見積もりは、相当低くなっております。私が最も奇怪に思うのは、この程度の引き上げによっても、なお今後五ヵ年間の経営安定が期待できるとしている点であります。さきには審議会の答申案によらなければ長期安定はできないといって強く世論に訴えたにもかかわらず、あとには、この後退案によっても、なお長期の計画経営ができるというのであります。いずれがまことであるのか、国民を愚弄するもはなはだしいと言わねばなりません。政府の無計画と無責任を遺憾なく暴露したのであります。聞くところによれば、これらの料金の決定については、まことに強力な圧迫があり、政府の改正意図はもろくも粉砕されたということであります。政府の提出法案が立案の過程において、とかく立法の趣旨がゆがめられ、合理性を失う場合の多いことを常に遺憾としているものであります。この種の料金は、社会、経済、文化の振興という国策を遂行するために、政府が明治三十三年以来伝統的にとってきた低料金主義によるもので、今回もまた、この政策を踏襲したものであります。いかに公共料金といえども、一円とか二円とかという料金は、物価の現状から見れば常識を越えたものと言うべきでありますが、独立採算堅持の建前のもとに、あえて政策的低料金を認めるならば、企業に課した公共負担は、国家が企業に対して補償するのが理の当然であります。特に収益力の弱い郵便事業においては、ますますその必要性が強いのであります。このように直接原価を割る極端な低料金政策の犠牲を企業に押しつけることは、はなはだしい不合理と言わねばなりません。政府は、この自明の理に目をおおうて、事業の総収入において、これらの赤字を吸収すると強弁しておりますが、従来、辛うじて赤字をカバーしてきた封書、はがきの料金は据置でありますから、今後ますます増大する低料郵便物の赤字をカバーすることは、とうてい不可能であります。政府が提案の理由において述べたように、最近における郵便物の増加状況は、異例の現象を呈しております。 そもそも郵便事業の本命は信書の送達でありまして、おおむね封書、はがきの増加率が大きくて、付帯業務であり、しかし原価割れの新聞、雑誌、印刷物及び小包などの増加率は小さいというのが、従来の例でありました。ところが、数年来この関係が逆転した結果、郵便の経営は、大きくゆすられたのであります。にもかかわらず、公共負担の補償も行なわず、赤字の原因の摘除も回避しているのでありますが、政府は一体、いかにして独立採算を維持し、経営の安定を図ろうとするのでありましょうか。はたせるかな、去る三月末の公労委の仲裁裁定によって、早くも破綻のきざしを見せたのであります。新予算が成立のとたんに四十八億円の補正を必要とする羽目になったのであります。ろうばいした政府は、本改正案の実施を一カ月繰り上げて補正財源の一部を調達する窮余の手段をとっております。さながら台風災害の予算措置と軌を一にするものでありまして、その不用意、まことに笑うにたえざるものがあります。本年度の増収七十四億円の六五%に相当するこの人件費の膨張によって、サービスの改善、近代化の推進などの諸計画が一斉に後退することは必然であり、政府がいかに強弁しようとも、五ヵ年安定計画は本改正案の実施に先立って、すでにくずれ去ったのであります。ただいま郵便遅配の問題が、世論を喚起しております。迅速確実を使命とする郵便が、往時の飛脚便を思わせるような状態を出現しているのは、まことに遺憾なことであります。政府は何をおいても、これが解消を図らねばなりません。遅配の最大のネックは、要員の不足と局舎の狭隘であります。昭和二十六年度と三十五年度とを比較してみると、物数の七四%増に対して、要員はわずかに七%増であります。すなわち、十年間に、郵便物が二十五億三千四百万通増加したのに対し、要員は五千四百九十九人の増加であります。業務量が、まことに増加いたしまして、これがために時間外勤務が常態となっているのであります。業務の運行は、まことに困難であります。これに加えて大型の郵便物が殺到する現状を打開し、作業の規律を維持することは、ほとんど不可能であります。要員の増加は、喫緊の問題でありまして、運行正常化の先決条件であります。局舎の問題も、また同様であります。現在も局舎狭隘のため作業の運行に支障を来たしております。大都会周辺の所在の郵便局舎は、軒並みに極端に狭くなって、このままでは、今後ますます増大する郵便物を能率的に取りさばくことは、とうていできないという状況に立ち至っております。これら遅配の先決条件の解決は、経営の安定のもとに長期の計画によって、初めて望み得ることであります。しかるに本改正案は、私が述べ来たったごとく、経営の根幹である料金政策、独立採算制、公共負担など、諸問題の合理的な解決を怠り、またしても政治的措置をもって当面を糊塗せんとするものでありまして、従来行なわれた改正の内容と何ら異なることがないのであります。政府のいうサービスの改善、近代化施設など、新規計画はもとよりのこと、遅配を解消して業務の運行を復元することさえ、多大の困難を伴うものであります。かかる改正案が国民の納得を得ることができないことは、まことに明らかであります。私は、政府が率直に世論に聞き、郵便事業の経営確保のための抜本的な対策を講ずることを要求して反対討論を終わります。
○手島栄君 私はただいま議題となっております郵便法の改正案に対し、自由民主党を代表して、賛成の意見を申し述べたいと存じます。 今回の改正案の主眼は、料金の改定でありますので、この点について賛成の理由を簡単に申し述べます。 その一つは、郵便料金は昭和二十六年十一月改定されまして以来、約十年間据え置きになっておりますが、その間電信電話、国鉄の小荷物、電灯等、他の公共事業料金は相当の値上がりを見ております。一般消費物価の指数も七一%の上昇を示しております。これらの実情に照らしましても、現行の郵便料金のもとでは、郵便事業の経営が困難であることは当然でありまして、新規事業の実施はおろか、必要な経費まで節約して、ようやく現状を維持することにきゅうきゅうたるありさまであります。従って、郵便事業運行上幾多の欠陥が現われておることは明白な事実であります。 その次に、郵便事業の運行は、そのほとんどが人力にたよるものでありまして、支出の約八〇%は人件費であります。従って、郵便事業において経費の節約をはかることは、人員の整理に直接に通ずるものでありまして、現状においては、実行不可能のことであります。なお、作業の機械化、合理化ということをよく言われておりますが、これらのことによって、人員の節約になる部分は非常に少ないというのが郵便事業の特質であります。反対に、人件費が増高するときには、新たなる財源を見出さない限り、これをまかなうことは絶対にできない実情であります。今回のごとく公務員の給与ベースの改定が予想される場合におきまして、料金の改定により新財源を求むることは、真にやむを得ないことと存じます。 第三に、郵便料金の調整の問題であります。近時郵便物の種類別の利用状況が著しく変革を来たしまして、郵便運行上大いなる支障を来たしております。すなわち一種、二種の信書の増加に比して、三種以下の増加が著しいのでありまして、昭和二十六年には、一種、二種の七一%に対し、三種以下は二九%であったものが、三十四年には五五%対四五%となり、おそらく今年度は、三種以下が半数以上に上るものと思われます。しかも、これらの三種以下の郵便物の料金は、すべて実費を償うことのできぬ低料金でありますので、このまま放置しますれば、経済面においても、また運行の面においても、郵便事業の破局を見ることは明瞭であります。今回の料金改定は、これらの問題を解決するには、いまだ十分だとは思いません。しかし、その方面に一歩を踏み出したものとして賛成の意を表します。 以上をもって、賛成の理由を終わりますが、ただ一つだけ希望を申し上げます。時代は、郵便事業に対しても高度のサービス改善を要求しております。郵便のサービスとは、事業運行の迅速と確実であります。これを実施するためには、多大の経費も必要でありましょう、また作業手続の困難もありましょう、しかし、急速にこれを実行しなければ、郵便事業は、公共事業としての使命に背き、その存立の基礎をさえ疑われると思うのであります。郵政大臣におかれましては、この際、事業全般に対し根本的な調査を行ない、真に時世に適合した事業体制を確立して国民の要望にこたえるよう、格段の御努力をお願い申し上げまして、私の賛成討論を終わりたいと思います。
○奥むめお君 私、参議院同志会といたしましては、個人々々が自由な意見がありますので、代表するとは申しませんけれども、同志会にも、私と同じ意見の人も少なくないわけです。それは、今度の郵便料金の改定につきまして、反対の表明をしたい。先ごろこの委員会で、専門家であられる手島先生が非常に詳細に、いろいろ専門の立場から御意見をお述べになりました、傾聴いたしました一人でございますが、その最後に、郵便の遅配の問題を、非常に重要な問題をお出しになりましたけれども、時間がなかったので、先生はその細論はおっしゃいませんでした。しかし私は、それを伺いながら、きっと遅配についても、苦々しい気持をお持ちで責任を感じていらっしゃると見ましたし、また労使の抗争、遅配の直接の原因である問題についても、先生としても、いろいろ苦々しいこととお感じになっていたことと私は拝聴いたします。私は、詳しいほかの問題は、ほかの方がいろいろおっしゃいましたから、主として郵便というサービス事業に対しまして、遅配のひどいこと、国民感情、非常に腹を立てているにもかかわらず、さかなでするがごとく、今料金値上げをなさるということは、これは国民に対する全くサービスの逆行でないか、そろばんが合わないから上げるという問題、合理化のためにお金が要る、あるいは要員をふやすためにお金が要るということは、よくわかります。できるだけ、そういうようなものを満たしていくことが、国会の真義でございます。しかしそれにも、時と限度があると思うのです。 今日は一般論といたしまして、現政府が所得倍増を打ち出しまして、まだ所得倍増が、一部の人にはそれはいきましたでしょうけれども、多くの国民は、倍増どころかという気持で、現実に悩んでおります。きょうの新聞だったと思いますが、収入が多くなったかどうかという世論調査をしておりますのが詳しく出ておりますが、それでも、多くならないというのが四四%、少なくなったというのが五三%、そうしますと、これは主として都会地でないかと判断したのですけれども、多くならないという人の方が、ずっと多い、家計に及ぼす影響が少ないということは、企画庁の統計にも出ておりますけれども、家計に及ぼす数字というのは、ただ一円の配達料が二円になったからという、その数字だけでは、これは感じとれないものなんです。ことに生活感情に及ぼします影響というものは、今日、公共料金を値上げするということは絶対なすべきことでないと思います。現に政府も、そう思っていた証拠には、公共料金を値上げしてはならぬと、何べんか閣議で言っているし、いろいろ発言をしております。にもかかわらず、次々公共料金が物価値上げの先頭を切っている。一種、二種が上がらないじゃないかと言われますけれども、速達料金が、速達の数があれだけふえている、五種がふえたといっても、速達がもっとふえている、なぜふえているか、間に合わないから、遅配で困るから速達で出さざるを得ない、こういう実情が郵便に対する不信として、よどんでいるわけなんです。で私は、郵便というものは、迅速に配達をしてもらわなければ用をなさないものである。年賀郵便なんて、ことしだけじゃない、去年も非常なおくれをとりました。もうだれも、年賀郵便が松の内に来るなんて期待できないと思っているくらいに遅配がひどうございます。郵便なんか、速達だって遅配している。これを質問いたしますと、遅配が解消するとは言っていらっしゃらない。私、質問いたしまして、労組の下部組織が、上の方の達しを聞かないでやってしまうところがあるので、遅配は解消しにくい。お金を幾らつんでもそれじゃ遅配は解消できないじゃないか、こう言うよりほかないと思うのです。そうしますと、それは、お金の問題、料金を上げたら直ることじゃなくて、労使の問題——企業体は、これに対してどういう責任をとろうとしていらっしゃるか、まず今日の問題は、郵便本来の使命であるサービス業としての郵便が、国民の納得のいくように、すみやかに配達されるということでなくては、ならないと思うのであります。その点で、私が反対する理由の第一がございます。 それから第二には、今度の仲裁裁定によりまして、大部分のお金が、ベースアップの方へ支出しなければならぬようになりまして、郵便の五ヵ年計画というものは、私も政府の考え方が甘過ぎて、そんなにうまいこといくものか、こういうふうに考えますと、第一に、今度値上げしなかったのだから、一種、二種が値上げになるという日が早かろうと思うのであります。そうしますと、商店や会社の広告郵便の中から、わずかに二通、三通と探し出すようにして、自分に用件の郵便を見ております私たちから言えば、郵便事業というものは、いろいろな問題を含めて、ここで考え直しませんことには、サービスの低下は、今日よりもっとひどくなるおそれさえ感ずるのでございます。 そういう意味で郵便料金の値上げをするという今日の法案に対しまして、私反対を表明したいと思います。
○委員長(鈴木恭一君) ほかに御発言もなければ、討論は尽きたものと認めて、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木恭一君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。 これより採決に入ります。 郵便法の一部を改正する法律案、(内閣提出、衆議院送付案)を問題に供します。 本案を衆議院送付の原案通り可決することに、賛成の方の御挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(鈴木恭一君) 多数と認めます。 よって本案は、多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成その他につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木恭一君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。 郵政大臣より発言を求められております。これを許可いたします。
○国務大臣(小金義照君) 郵便法の一部を改正する法律案について、この委員会におきまして、ただいま御採決いただいて、多数をもって賛成をいただきましたことに対して、まずお礼を申し上げます。 私どもの答弁がつたないために、まだ十分な御了解を得られなかった点があるかと存じますけれども、皆様方の御質問の展開中において、また御意見の開陳の途上におきまして、われわれにとって、参考になる事柄をお示しいただきましたことが大へんございます。これらを私ども執務のために、また今後の諸般の計画等を立てたり、実行していく際に、十分参考にし、また、できるものはどんどん実行に移して参りたいと思います。 一言、原案通過に際しまして、お礼申し上げます。ありがとうございました。
○委員長(鈴木恭一君) これにて、散会いたします。 午後三時八分散会