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38回国会参議院1961/05/16

逓信委員会 第25号

発言数
209
登壇者
9
会派数
2
開催日
1961/05/16

会議録

鈴木恭一自由民主党

○委員長(鈴木恭一君) ただいまより開会いたします。  郵便法の一部を改正する法律案を議題といたします。  前回に引き続いて質疑を行ないます。御質疑のある方はどうぞ順次御発言願います。

野上元日本社会党

○野上元君 前々回の委員会のときに質問を保留しておきましたので、若干これから質問を行ないたいと思います。  先般当委員会で参考人を呼んで本法案についての意見をいろいろと聞きましたが、その中で、特に二、三の点について郵政当局の考え方をお聞きしたいのですが、特に田島参考人が述べられた意見の中で、かりに今日の郵政事業が原価を償うものであっても、将来の発展を期待することができない、こういう御意見が出されたのを、当日御出席の政府委員の皆さん方はお聞きをいただいたと思うのですが、それについて、郵政大臣は当時出席されておらなかったので、特に郵政大臣から答弁を求めようとは思いませんが、どなたか適当な人がおりましたら、その田島参考人の意見に対する見解を披瀝してもらいたいと思いますが、その田島参考人の意見に同意なのか、あるいは反対なのか、その理由をあげて一つ御意見をいただきたいと思います。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) どの部分から田島先生のお話にお答えしていいのかあまり考えておりませんけれども、思いついた点二つ三つ、私に関係のありそうなことを申し上げますと、田島先生のお話の中で、一般会計からの繰り入れでなくて、やはり独立採算制をとっていくならば、いわゆる原価主義を相当徹底させて、少なくとも公共的な仕事であっても、直接費程度はまかなうようにしたらどうかという御意見がございました。これは特に第三種郵便物等についてのお話が主であると思いますけれども、私は今度の料金の是正によりまして、今まで総体として赤字でありましたところの第五種あるいは小包等におきましては、今度の値上げによって大体原価相償うことになっておると思いますけれども、第三種につきましてだけは、やはりまだ相当の赤字になっておる。そこで郵政省といたしましても、一応の見解といたしましては、第三種郵便物については、やはり機会をとらえましては、できるだけ直接費を償うだけの料金に持っていくのが、事業を経営する立場としては一番大事なことではないか、こう思うわけであります。いろいろ政治的な御判断、いろいろな論議は当然行なわれておりますけれども、立案する立場からいきますと、どうしてもそういう公共性のものにつきましても直接費だけはまかなっていくという点で、田島先生のお話はいいお教えだったと思うわけでございます。  それから第二点で私感じましたことでは、今郵政省で原価計算をいろいろやっておるけれども、その原価計算は、現在の建物を改修するのに足るだけのことであって、今後どんどん大きくなっていくところの仕事の量を処理するに必要な新しい局舎を作るだけの金は回収していないじゃないか、そういうことからいろいろ考えたらどうかという御意見があったように思います。いろいろ学問的な問題あろうかと思いますけれども、私たちといたしましては、確かに郵便局舎というものが、電話や国鉄のように、まず投資をいたしませんと収入があがってこないというものと違って、非常にその利益との関係がむずかしいのでありますから、できるならば自己益金で相当建てていきたいというふうに思いますので、先生のおっしゃったようなことができれば一番いいわけでございますけれども、今の原価計算の国のやり方としましては、やはり現在の建物の価値を回収するだけの原価計算になっておるわけでございます。そこで、私たちは、常に再評価をして、新しい建物の価値を回収する努力をするとともに、原価計算の中には入りませんでも、できましたならば、当該年度においてできるだけ益金を出して、原価計算の金のほかに、その益金を加えて、先生のおっしゃった趣旨の方に持っていったらどうだろうかという努力をいたしたい。  この二点が、私の直接お話をお聞きしまして感じた点でございます。

野上元日本社会党

○野上元君 今あなたの答弁ですと、少なくとも、公共性の立場から見ても、それであっても、やはり直接費だけはまかなうべきだと、こういう田島参考人の意見については同意されているわけですが、田島さんの言うのは、直接費だけではなく、間接費をも含めた、いわゆる限界原価といいますか、そういうものであっても、郵政事業の特質から見て、これは将来性を期待することはできない。ということは、一般のいわゆる製造業界におけるような経営というものは、郵政事業の場合は成り立たぬのではないかと、こういう意見だったと思うんですが、その点はどうですか。あなたの言われるのは、直接費だけでもまかないたいんだと、こう言われるんだが、直接費だけでは、もう当然これは経営としては成り立たないんで、間接費をも含めた限界原価でなければ、一般産業といえども経営は成り立たないということになると、あなたの御意見を聞いておりますると、郵政事業というのは永久に成り立たない事業なんではないか、こう考えるんですがね。その点はどうですかね。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 経営をやっていきます以上、当然原価主義を徹底してやるべきだということにおきましては、われわれとしては、全部原価をできるだけ表わしていきたいというふうに思うわけでございます。しかし、料金全体といたしましては、少なくとも、全国的な局舎を持って、全国的な立場で仕事をしていきます以上、なかなか個別原価主義には徹底しがたい点があろうかと思います。そこで、先生がおっしゃったように、できるだけ総体的な原価でやっていこうということでございますので、私たちは、あまり今まで理由もないのに原価を割っておりました小包とか第五種等については、総体的な原価をまかなうだけの料金改正をする。しかし、先生のお話は、私は聞き違いかもしれませんが、私の了解したところでは、かりにいわゆる政策料金をもってしても、直接費だけはまかなうようにすべきではないか、こういうお話だったように私は聞いたものですから、そういう点は、私たちとしては、最後の決定はいろんな論議はあろうと思いますけれども、少なくとも立案する方としては、そういう立場でいくようにすべきじゃなかろうかというお教えだったと私は了解したわけであります。

野上元日本社会党

○野上元君 私は、一般会計がいいのか、独立会計がいいのかという問題については、あなたの方はやはり独立採算でいくべきだと、こういうまあ固い信念を持っておられるようなので、それはそれとして、私はいいと思うんです。ただ、独立採算でやる場合には、当然経済法則を無視するわけにはいかぬと思うんです。企業的な経営が必要になることは当然だと思うんです。その点で私は、あなたの考え方が若干矛盾があるんじゃないかというような気がするんです。というのは、直接費の例をとってみても明らかなように、少なくとも直接費だけはまかないたいんだと、こう言っておられるんだが、直接費だけをまかなったんでは、将来の拡大再生産というのはできないはずなんですね。それだけでも赤字が出るはずなんです。そういうことを考えると、あなた方がいろいろと説明されるけれども、私は、将来の郵政事業にとって非常に経営上不安があるんではないかという疑惑がどうしてもぬぐい切れないので聞いておるんですが、その点はあなたの方はどういうふうにお考えになっておるのか。で、かりに今日、御承知のように個別的に原価を計算した場合には、著しく原価を割っておるものが相当あるわけなんです。にもかかわらず、黒字が出てくるということは、黒字が出るというような予算が組まれておるということは、どこかで間接費をも含めた、あるいはそれを上回るだけのいわゆる料金というものがあるはずなんですね。それがなければ、当然赤字のところを補わなければ、収支は赤字になるはずなんです。ということになると、どこかでその黒字を生むような経営がなされておる、料金がきめられておる。それが一種あるいは二種であって、その一種、二種の黒字を三種以下の郵便物の赤字に埋めていくというような経営が将来もとられ、今日もとられるということは、郵政事業として正しいのかどうか、この点が私は非常に疑問があるわけです。その点をお聞きしておるんですが、その点はどういうふうにお考えですか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 原価的に申し上げますと、お話のように、一種と特殊はもうかっておる。二種はほとんど、おそらく今度のベース・アップ等でトントンくらいだろうと思いますので、おっしゃった.ように、一種と特殊でもうけて、三種、四種、五種、小包等が相当赤を出しておる。しかし、四種は、御承知の通り、総体の額としましては小さいものですから、経営的に考えますと、三種の赤が非常に大きい。それから五種と小包の赤というものは、今度の料金改正で是正できる。としますと、一番大きな問題としては、第三種の問題になってくるだろうと思います。そこでそう結びつくのかどうかということですが、一種と三種が相償った形に、出た数字から見ますと出ておるのじゃなかろうかと、こういうふうに考えるわけです。  そこで、料金政策自体になってきますと、はたして経理局がお答えすべき条項なのかどうか、問題がございますけれども、私は、田島先生のお話では、どっかで収支償っておって、ある程度個別原価に徹底できないために、何か公共料金をきめるならば、そういうどうしてもきめにやならぬ場合には、少なくとも直接費はとっておくべきじゃないか、こういう御意見だったように私は了解したのであります。

野上元日本社会党

○野上元君 そこで、最終的には、少なくとも直接費をまかなわなければならぬというのですが、それはどの種類に当てはまるのですか、あなたの方はどういうふうにお考えですか、どの種類については、少なくとも直接費までは見なければならぬと、こういうようにお考えになっておるのか、どの種類ですか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) これは、どうもやっぱり私は料金をきめる立場でございませんし、あるいは郵務局長にお答え願った方がいいのかも存じませんけれども、私はしろうとなりには、一応第三種等がそういう御指摘のものでなかったかと思います。

野上元日本社会党

○野上元君 そうすると、現在の一種の黒字によって三種の赤字を埋めるという行き方は、郵政当局としては正しいあり方だと、こういうふうにお考えですか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 正しいといいますか、もう少し三種なんかの点では、経営だけ、あるいは事務的だけ考えますと、もう少し三種の方で収入をあげていったらいいというふうに思うわけでございまして、正しいというか、もう少し三種でとった方がいいんじゃないかという、これは全く私見でございますけれども、そういう感じでございます。

野上元日本社会党

○野上元君 あなたの言っているのは、比較的な問題なんですね。私の言ってるのは、そうじゃなくて、根本的な問題で、三種はやはり直接費でがまんすべきである、直接費をまかなうに足るものであるならばがまんすべきであるということになると、どうしても三種は赤字が出るはずなんです、これは間接費をまかなわないんですから。限界原価ではないわけですから。そういうことになると、どうしても三種の赤字を将来とも埋めなければならぬ。その埋める財源は一種の黒字によって埋めていかなければならぬという、一つの何といいますか、基本政策になるわけです。その基本政策が、はたして是認されるかどうかという問題については、どうなんですかね。これは料金の最高政策の問題なんですが、郵政大臣、何か特別に御意見ありませんか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 厳格な個別的な採算制度がとられれば、これは申し分ないんですが、ただいまの質疑応答にございましたように、私は、やはり一種、二種というのは、これにあまり負担をかけたくない、結局三種でどうしても当分赤字が出るというような状態を続けざるを得ない。それは文化のためとか、新聞、雑誌でございますから、そういうような使命を考えますと、これはせいぜい原価主義まで、あと総係費を、間接費を含むようなものをまかなうという意味において、私はやはり五種その他で特別の、特殊の郵便というようなもので、総括採算といいますか、つり合いをとるようにしていったらいいのではないかというふうに大ざっぱに考えております。すなわち、今野上さんの御指摘の点は、大体五種というようなものの性質が、プロパガンダとか、あるいは直接相当な負担力のある人たちの利用する郵便でありますから、これらが分担したらいいのではないかというふうに大ざっぱに考えております。小包その他は、これは一般庶民の利用でありますから、これにあまり負担をかけるわけにいかない。従って、もしでこぼこを調整して、総括的な採算主義をとりますと、大体一種、二種にあまり負担がかけられない。そうすると、五種あたりがふえる傾向にもありますし、ここらで収支を償うようにしていくのが当座の私は政策としてとらざるを得ないものだと考えております。

野上元日本社会党

○野上元君 郵務局長にお聞きしたいのですが、今回の料金の改定によって、五種は大体原価に見合う料金になるのですか。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) 三十五年度までの原価につきましては少し余裕が出ておる、わずかでございますけれども。そこで、このたび八円から十円、市内特別につきましては五円から八円、こういう工合に値上げをいたしますれば、ここ五カ年くらいの原価を償うというふうに私は考えております。

野上元日本社会党

○野上元君 私はこれからお聞きしたいのは、ただいま郵政大臣は、三種の問題については当分赤字経営はやむを得ない。従って、この赤字を一種、二種で埋めるというような行き方は、郵政当局としては必ずしもとりたくないのだ。従ってあとは、残る五種によって、今日増大しつつある五種の黒字によってこの赤字を補てんしていきたいのだ。こういうことになると、五年の間にそういう状況が出て参りますか。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) 御承知のように、一種とか二種のいわゆる高等信の分につきましては、これは大臣のおっしゃいましたように原価的になるべく安くするということが好ましい方法ではございますけれども、これにつきましては、各国とも単なる原価というよりも、その郵便のもたらす利用価値と申しますか、効果というものに相当の比重を置きまして、今すでに原価的に見てもそれを上回る料金をとっておるようでございます。しかし、これは先ほど申し上げましたように、なるべくこういうものに三種以下の赤字の負担をかけるということにつきましては、いろいろ問題がございますので、私ども五種、その他郵便の付帯事業と申しまするか、そういうような方面でこういうものが、総括原価の中における赤字が埋められていくということが、姿として非常にいいと考えております。  そこで、大体このたびの料金改正におきましても、大体五種のいわゆる増収分というものが約三十六億というような一応の計算になっておりますが、大体このくらいの料金で、このたびの改正料金でいきますれば、五種からあがる黒字の幅は相当幅があるというふうに私ども考えておる次第でございます。

野上元日本社会党

○野上元君 大体わかりました。今郵政省がやっておられる原価計算というのは、どういう目的でやっておられるのですか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) いわゆる標準原価を作るということまでいっておりませんで、実際に使いました経費が、大体どういう形になっておるだろうかということで、決算の出ました数字を、主として勤務時間等の実際かかった経費によって按分をして、実費がどのくらいあったろうかということを削り振りをしておるという形でありますす。

野上元日本社会党

○野上元君 そうすると、その原価をそのまま持ってきても、事業経営にはあまり役に立たないということですか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 事業経営にやっぱり役立てたいということでございますが、たとえば第三種等におきましては、相当事業を圧迫いたしておりますけれども、経費だけを見ますと、予想されたほどの赤字ではない。そういう点が、やはり実際の原価と標準原価としてあるものとの食い違いじゃないかというような気がいたしております。ただ何時間かかろうと、何日かかろうと、それに幾らかかったかということだけを今調べておるのでございますから、安定いたしましたら、そういう点をもう少し料金にそのまますぐ役立たせるようなものに改善していきたいというわけでございますが、ただいまのところは、いろいろな先生の御指導を得て、とにかくかかった経費を分計する方法、それからある程度安定した数字にどうしたらなるだろうかというようなことをして、決算を分けておるような次第でございます。

野上元日本社会党

○野上元君 そうすると、今あなたの方で資料を持っておられると思いますが、各種の原価は、そのまま料金にしても、それは収支が将来にわたって償うものであるかどうかということについては自信がないわけですね。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) やはりいろいろ研究いたしました数字でございますので、私たちといたしましては、そのままの数字を全部集計いたしますと、やはり相当長期の見通しに役には立つ。しかし、今申し上げましたように、仕事をどううまくはかしていくかという問題になりますと、もう少しいろいろな点を加味したらどうかと思っておりますので、これが全然役立たないとは思っておりません。少なくとも今までのところ、これだけしか特別の研究した成果がございませんから、私たちとしては、完全とは申しませんけれども、一応現状では幾らかかっておるかということは、これではっきりいたすのではないかと思っております。

野上元日本社会党

○野上元君 もう一つ聞きたいのですが、一般産業界については、原価は一ぺんきめると、あとはいわゆる生産性の向上あるいはまたマスプロによって、大体原価は下がっていく。そういう状態は郵政省には出ますか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 工場生産のようにはっきりは出て参らないと思います。相当手あきにでもなったところでございますと、そういうものが入ってくることによって、コストは安くなると思いますけれども、しかし、にわかに増高しなければならない、人を雇わなければならないということになりますと、そういう点では、必ずしも物がふえたとか、コストを安くするということにならないのではないかというふうに考えます。

野上元日本社会党

○野上元君 一般経済の、産業界における経営と郵政事業の経営とは全然違うと思う。一般の場合には、いわゆる損益分岐点を見るのは比較的簡単だ。そうして将来の限界生産力の落ちていく状況というのはすぐ計算できるのですが、郵政省の場合には、それは非常にむずかしいのではないか、困難じゃないですか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 仰せの通り仕事の複雑でございますのと、直接製品として出て参りませんので、全体として非常にむずかしいと思いますが、御説の通り、いろいろな御指導を仰いで研究いたしておりますが、非常にむずかしい面があるようでございます。

野上元日本社会党

○野上元君 そうすると、あなたの方の原価は、現在の施設の減価償却は含めてあるのですか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 減価償却は含めております。

野上元日本社会党

○野上元君 そうすると、将来予想される新設備に対する原価は、これには含まれておらないというわけですね。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) それは含まれておりません。

野上元日本社会党

○野上元君 そうすると、あなたの方の原価主義でいっても、新しく新設される局舎あるいはその他の設備、航空機等のチャーターですか、あるいはまた自動車線の新設とか、いろんな計画が五カ年計画の中に出ておりますが、そういうものはやはり自己資金ではまかない得ないということになりますか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 建設計画につきましては、私たちは、先ほどお話がありましたように、この料金是正によりまして、本年は年度途中からのことでございますから、自己資金は減価償却以外は一切考えておりません。しかし、次年度以降は、できるだけ収入をあげまして、収支差額をもってできるだけ建設勘定に財源を持っていきたいというふうに考えております。しかし、先日来申し上げておりますように、ベース・アップという非常に未定の条項がございますので、はっきり幾らという計算がなかなかしにくいということでございます。  それから、先ほどお話がございました航空機搭載でありますとか、あるいは自動車線を開くとかいう道は、一応われわれは建設勘定ではなくて、損益勘定の中の物件費の増大ということで考えておりますから、それは今後の五カ年間で相当程度の努力をしていって、郵便の近代化のために役立つようにしたい。その程度の金は残る見積りでおります。

野上元日本社会党

○野上元君 五種郵便物についてちょっとお聞きしたいんですが、五種というのは、郵便法によると、一種から四種に属せざるものを五種と、こういうことになる。だから何でも持っていった郵便物は扱う。一種から四種以外のものは全部五種、こういうことですか。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) 大体一種から四種に属せざるものであって開封したものということが条件になっております。しかし、ただし五種の中で、いわゆる一種に属しまする通信文というものは含まれてはならないということになっておるわけでございます。通信文はいけません。

野上元日本社会党

○野上元君 そうすると、各種類の郵便物と比較して公共性は非常に低いというふうに判断してよろしいですか。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) ただいま五種の中にも、いわゆるこの昔のと申しますか、この郵便法改正以前の無封書状というものが含まれております。それからまた請求書類というようなものがある。これはややこういうものよりも実は広義の意味の通信文というものに含まれておりまするので、全体がいわゆる一種、二種よりも非常に低いと、いわゆる公共性の低いと、こういうものではございませんで、その一部にはそういう性質のものも含まれておるわけでございます。

野上元日本社会党

○野上元君 比較的には低いという判断でよろしいですか。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) 大体まあ同文のものが印刷されておると、いわゆる印刷書状、大部分が印刷されておるという意味におきましては、まあ比較的、少しは一種、二種に比べまして公共性の点においては劣る、まあ公共性という意味におきましては、少し程度が低いというように考えていいかと思います。

野上元日本社会党

○野上元君 郵便法第一条に、郵便物はなるべく安い料金というものがあるわけですね。これは包括的にこういうようになっておるわけですね。その中にもやはり厚薄があると思うんですよ。その点がやはり従来はあまりそういう点には着目されておらない。大体平均的に何でもやっておられたというように私たちは見ておるわけですよ。いよいよまあ重大な段階にきたので、そういう点についても十分な検討が必要だというふうに私は考えるんですが、とりわけ、先ほど経理局長の御答弁のように、新しい施設を作っていく場合には、損益勘定の中からひねり出すということは非常にむずかしくなるということになると、勢い借入金を使わなければならぬ、あるいはまたその他の方法を講じなければならぬということになるわけですから、そういう点についても、十分に一つ御検討置きを願いたいというふうに考えるわけです。  それで、経理局長にお尋ねしたいのですが、この料金値上げが一般に認められる場合には、いわゆるその資本費をまかなうものであるというものである場合には、これは認められる。いわゆるその既設の施設が滅んでいくような状態にあるときには、これを保全するために料金の改定が一般に認められる。しかし新しい設備をどんどんやっていくというような場合には、これは料金値上げに求めるということは、いわゆる公共料金というのは一種の間接税だから、これは非常に不公平になる。従って、これらのものはおおむね貯蓄でやるべきだ、あるいは従って借入金でやるべきである、こういうことが一般にいわれておりますね。その点についてはどういうふうにお考えになっておりますか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 一般的なこととしては、おっしゃったように新規の施設につきましては借入金でやっていって、後年度その施設から生ずる利益によって返済をしていくということが、もう当然のやり方だと思うわけであります。ところが、通信事業なんかの場合には、まあ歴史的にもいろいろな問題がございまして、御承知の通り、かつては、戦前は電信電話につきましては公債の発行、借入金が認められておりましたけれども、郵便局舎を建設するためにはそのことが認められていなかったわけであります。戦後、やはり郵便局舎につきましても、どうしてもある程度借入金の道を開いてもらいたいということの結果、今日では借入金によって建設勘定をやっていくことが法律的にも認められ、われわれとしましては過去十年ほど、毎年五億から三十億までの、毎年、年によって違いますけれども、その程度の借入金をやって参っておるわけであります。しかし本質的には、やはり借入金は利子も要りますし、それから元本の償還もしなければならぬ問題でございますので、電話局舎のように、作りまして、局内施設をしなければ加入者がつかないというものじゃなくて、郵便局舎というものは、やはり局が非常にきれいになると、作業がよくなりますし、それから貯蓄、保険等、ある程度、本質と関係はございませんけれども、やはり一般の人の信頼が出てくる、それから労務関係が非常によくなる、そういう事情でございますけれども、直ちに局舎を作ったことが収入と結びつかないという面がございますので、この借り入れにつきましては、やはり将来何年か後にはどういうふうになっていくかという償還のことが非常にむずかしくなって参りますけれども、一般原則に対しましては、私たちの方はやはり道は開いてありますけれども、やり方としては、できるだけ自己資本でやっていくという努力をしていくのが健全なやり方じゃないか、こういうふうに考えております。

野上元日本社会党

○野上元君 そうすると、あなたの方で出された五カ年計画というものですね、長期計画というものは、それが絶対的ないわゆる至上命令なのかどうかです。この計画に合わせるためにあなた方の方の事業を運営していく、収入の方も考えていく、借入金も考えていくというのか、それとも収支が償わないで、かりに赤字になるようなことがあるならば、あるいはこの新計画が実施できないような場合には、この計画はほごになるのか、それはどちらですか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 実はこの長期計画の、主として郵便の部につきましては、郵便料金の値上げをいたしまするときに、いろいろと将来五カ年間のことを考えたわけでございますが、その内容とほぼ一致をいたしております。従いまして、私たちはこういうことによってこの長期計画はできておりますので、私たちの料金値上げもそういう観点でありますから、五カ年間はできるだけこういう線に一つのっとって予算も取っていきたいし、計画のできるように資金的な裏づけもしていきたいと思うわけであります。ただ、御承知の通り、いつも御指摘のように、八〇%が人件費でございますし、そのベース・アップ等の問題によって、この問題がどういうふうに影響してくるかと申し上げますと、一番大きなことは、やはり建設計画の場合に自己資金が回せるのか、それとも後年度に至る借入金だけで全部やらなければならないのかという点が問題になってくると思います。ただ四十年度だけ考えますと、ここにありますように、三百億の建設計画——五カ年で割りますと一年六十億程度でございますが、その支払い等が実は四十年までほとんど出て参りませんので、借り入れをやって参りますと、短期だけ見ますと影響ございませんが、四十五年ぐらいになってくると、相当負担が大きくなってくるというので、後年度の建設計画の問題は、ベース・アップの問題とともに大きな問題が残っておるんじゃないか、こういう気はいたしております。

野上元日本社会党

○野上元君 これは、この計画は、今回の郵便料金を値上げする反対給付として、国民に提供せられるサービスのあなた方の公約なんですね、郵政省の公約、こういうふうに考えてよろしいですね。この公約を実施するために、あなたの方はあらゆる手を打っている。途中で金がなかったからこれはやめたんだというようなことはないのだというように考えてよろしいですか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) この長期計画と申しますのは、今野上さんもおっしゃったように、大体私どもの仕事の基準と、そうしてある程度の先の年限を見越しての計画でありまして、これを実行するためにあらゆる努力をいたしますけれども、社会制度、社会生活、あるいはまた経済情勢の変遷等によりまして、幾多改変を加えつつこれを実行して参りたい。従いまして、今のような時代に即応した新庁舎の建設等をやって参ります場合においては、特別の資金の裏づけの工夫をしなければならぬと思っています。そういう意味でこれは目安でありまして、この目安を実行するために、あらゆる努力はいたしますけれども、時代の変遷、また経済状況あるいは生活態様の変化等をにらみ合わして順次変えていきたいと思っています。この前も野上さん御指摘になりましたように、郵便法の第一条の、あまねくできるだけ安い料金でサービスをするという精神が第一条にありまして、これは先ほど野上さんおっしゃったように、やはりおのずから安いといっても厚薄があり、電気通信法のごときは、合理的な料金でサービスをするというふうに書いてありまして、同じ公共サービスでありましても、郵便の方は、あまねくできるだけ安い料金というふうに書いておりますが、しかしその精神は、やはり時代の現実に即して解釈をし、また曲げるわけにはいきませんけれども、その時代の線に沿うて実現を期していく。この「郵政事業長期計画」なるものは、これは実はわれわれの努力の目標でありまして、どんどん時勢の変化に応じて変えて実行していくべきものであるというふうに、私どもが考えておる指針を特に定めたものであります。

野上元日本社会党

○野上元君 当然五年間の間にはいろいろな部面において長足の変化があるということは、私も当然わかりますが、あなたの言われておるのは、その情勢の変化に応じてベース・アップするのか、ベース・ダウンするのか、その点が問題だと思うのです。ダウンするような計画をされるのでは、国民に公約したとは言えないわけです。その点は一つ十分に考慮していただきたい。それから経理局長は独立採算制でいくというふうに、非常に強い信念を持ってやっておられるのはけっこうなんですが、郵政事業が独立会計になったのは昭和九年でしたか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) さようだと思います。

野上元日本社会党

○野上元君 そのときには、たしか当時の金で八千二百万円の余剰金を一般会計に繰り入れるという条件のもとに行なわれた。その八千二百万の内容はどうですか。当時は電信電話、郵便事業、あらゆるものが通信事業の中に含まれておった。その比率はどういうふうになっておるのですか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 特別会計になりますときに、十年間の最後の年に八千二百万円納めるということでございますので、最初はそれほどの額ではなかったのでございますが、そういうことで法律にもはっきり書いて発足いたしたわけでございます。どうもその当時の事情は私もつまびらかにいたしませんし、それからいろいろな本を読みましても、はっきりした文献はあれでございますが、私が聞いたところによりますと、やはり郵便はとんとんか少しで、やはり電話関係のものが多かったんじゃないかと思います。しかし、これは何分にもだいぶ前の話でございますし、直接当時のことも存じませんので、本で読んだ程度のお答えしかできません。

野上元日本社会党

○野上元君 私は、一般会計から特別会計になったとき郵政省は非常に喜ばれた。というのは、当時はこれだけの剰余金を生むほどの力を持っていた。これをいわゆる大蔵省に今まで握られておった。それが郵政省に返ってきたから、今度は思い切ったことができるというので、あなた方は非常に喜ばれたのだと思うのですよ。そうじゃなくて、赤字であったら、やはり独立会計もそう大して私は魅力がなかったと思うのですよ。そのことが私は聞きたいのですけれども、当時の状態と今日の状態では非常に違うと思うのです。当時の通信事業は、今申し上げたように電話事業を持っておった。しかし今日は電話を離しておる。しかも事業の内容が一種、二種は減っていって、三種以下がどんどんふえている、逆転しつつある。こういう事業形態の中で、あなたの独立採算制を非常にがんばられるのがあまりよくわからないのだけれども、これは私の考え方ですから答弁は求めませんが、そういう状態にあった。それからその後、たしかシナ事変あるいは満洲事変が起きて、軍事費をまかなうために郵便料金の値上げがされた。そしてその臨軍費の方に郵便料金の値上げによってつぎ込まれたというものが相当な額にあるわけです。当時は、しかも郵便料金は非常に総体的には安かったというふうな状況なんですが、なぜそういうふうな状況になったのか、そしてそういう余裕のある経営ができたのか、その点の分析をされたことがありますか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) ちょうど昭和十八年でありましたが、八千二百万円の納付金の十年目のときになりましたので、これを何とか改正して、そうして八千二百万円の納付金を削除したいという問題がございまして、私下働きでございましたが、資料を集めまして、その結果、結局、先ほどお話しのように、臨軍費繰り入れのために料金値上げの問題がございましたけれども、同時に一部やはり郵政事業従業員の給与の改善等にも、その料金値上げの中から保留するというようなことももちろんあったわけでございます。そうしまして臨軍費の繰り入れをいたしましたが、御承知の通り、臨軍費の繰り入れは資本勘定から貸した形になっております。八千二百万円の納付金は出しっぱなしになっておるというようなことでございましたので、いわゆる国へのいろいろな寄与ということは臨軍費一本やりでやるということにいたしまして、八千二百万円の納付金は、戦時中に、十年目を契機として廃止をされたということになっておる。それからその当時の経済全体としまして、私は責任の立場でございませんので、これもちょっとわかりませんけれども、特にこの席ではいろいろ権威者がおられまして、私たちもう全く下働きをしたものでございますので、事情をつまびらかにあまり申し述べるほどの自信はございません。

野上元日本社会党

○野上元君 当時郵政事業がそのように好調な経営をやっておったということは、これはやはり料金にあると思う。しかも比較的にはやはり依然として安い料金、しかし今日同じような状態にありながら、非常に経営が苦しくなってきておる、こういう状態なんですね。特に「郵政」の何月号でしたか、あなたも出ておったし、西谷さんも出ておったし、西村さんも出ておったし、石橋さんという大先輩ですかを囲んでいろいろと会談をやられておったわけです。当時はみずから進んで従業員のベース・アップ等を行ない得た、今から考えると全く夢のようだ、こういう述懐を漏らされているようですが、なぜそういうふうな状態になってしまったのか、その点はどういうふうにあなた方が分析されているか、なぜそういうふうに行き詰まってきたのか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 全体的に申し上げますと、やはり電話という非常に収入のある仕事と分かれまして、郵便業務がどちらかと申しますと一番経費を償う事業になってしまった。むしろ為替業務においても相当の赤字だという問題が一つある。同時に、やはり戦後はこういう時代になりまして、いわゆる基本的人権の問題あるいは基準法の問題等によりまして、勤務時間が相当確定してきたということが、特定局の経費等におきましては相当私は比重を増してきている、こういうふうに思います。

野上元日本社会党

○野上元君 そうするとやはり当時でも郵便だけでは、当時のような状態の中でも郵便だけではだめで、電話があったからと、こういうふうにお考えになっておりますか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 当時の記録によりますと、郵便はとにかく一応自給自足しているというふうに了解しております。

野上元日本社会党

○野上元君 次に、お聞きしたいのは、料金の問題なんですが、あの料金というのは、御承知のように、郵便料金というものについては非常に今各国とも性格をきめるのに論争があるようです。一番最初に日本ではたしか郵便賃と言ったのですが、その次は郵税と言ったのです。それから郵便料金というふうに、こういうふうな変遷をしてきているわけですね、その性格が。しかしながら、御承知のように、あなた方の再三強調されるように、やはり公共的な料金である。従って、これは料金ではなくて一種の税金のようなものだ、間接税の一種だ、こういう議論が非常に強いわけです。郵便税というのが正しいのじゃないか、こういうふうにいわれているのが非常に強いのですが、郵政当局としてはどういうふうにお考えですか。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) おっしゃった通り、明治の初年におきましては、いわゆる官業というような色彩が非常に強くて、これは郵便がそうであるというよりも、全般的にこういう新しいと申しますか、国家的な仕事はどんどん官が率先をしてやる。それからまた、郵便につきましては、特に農村のへんぴな地帯までもこういう一つ制度を普及させるというような意味合いもございまして、非常に官がやるのだというような色彩が強かったのでございまして、そういう意味におきまして、確かに郵税というような言葉が使われているようになったわけでございます。現在におきましては、私どもは決してこれは税金——いわゆる一般の方からある基準によってこれをとっていくという意味でなくて、やはり利用者の方から、それに相応する、サービスに相応する料金をいただく、こういう意味におきまして、これは税というような考え方でなしに料金、こういう一つの考え方を持っているわけであります。

野上元日本社会党

○野上元君 昭和二十六年の十一月に郵便料金の値上げがあったのですね。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) その通りでございます。

野上元日本社会党

○野上元君 これもあなたの方の「郵政要覧」かなんかに書いてあるのですが、それまで郵政事業は赤字に悩んで苦しんだ。しかしこの料金改定によってようやく黒字になってきた。こういうことを言っておられますが、その赤字に悩んでおったときに、どういうふうにやっておられたのですか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 終戦直後におきましては、あの異常なインフレのときでございますし、給与ベースを上げなければならぬ。一方その財源について、料金改正は国会の法律事項でございますので、その間に合わないというようなことから、大体借入金で処分いたしました。二十四年の郵政省の電通省の分離のときに、いわゆる通信事業特別会計は、郵政事業特別会計というふうにして新発足をいたしましたときは独立採算でいくのだということで、料金値上げを織り込んだ予算案が通過いたしました。しかし予算通過後、はがきが二円から四円になるような案で予算を組んだのに、はがき値上げの法律は日の目を見なくなりましたので、ちょうど約二十億ほど歳入欠陥が出て参りました。従いまして、年度途中の補正予算で一般会計から四億円ほどの繰り入れを受けました。それから二十五年度の予算を作りますときにも、料金問題が実を結びませんので、予算を組みます当初に、十二、三億円だったと思いますが、一般会計からの繰入金を財源にしたのであります。また二十六年におきましても、三十数億の料金の引き上げにかわるものとしまして、一般会計から繰り入れを受けました。これは将来余裕ができたら返さなければならぬという条文の規定により借り入れたのであります。それが二十六年十一月から現行の郵便料金に改定がなされましたので、当初の予定より少ない、二十三億程度だったと思いますが、そういう金を借りました。すなわち、郵政省発足の三カ年間は一般会計からの繰り入れを受けて運営して参りました。

野上元日本社会党

○野上元君 その場合は赤字は一般会計からの借り入れなんですか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 法律上は一般会計からの繰り入れという個々の法律が出まして、あとの方に、これは郵政事業の会計がよくなったら将来返さなければならぬというような文句がついているところの法律だったと思います。

野上元日本社会党

○野上元君 そういう方法は、将来はまずいと思われますか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) いろいろな条件によって異なってくると思いますけれども、私の三年間のその当時の経験によりますと、これはもう非常にまずい、受け入れたくないという私は気持でございます。

野上元日本社会党

○野上元君 しかし、赤字のときに一般会計から繰り入れてもらわなければどうにもならないのじゃないか。これは受け入れがまずいというのは、どういうわけですか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) まず昭和二十四年には郵政省が発足いたしましたので、独立採算でいろいろなことをやりたいということで、おそらく特別会計ができたときと同じような気持をもって進んだわけでございまして、いろいろな施策を経費の中に盛り込んだわけであります。翌年になりますと、補給金を受けておりますために、必要な経費は一般会計と同じ単価によって全部査定されてくる。そのために郵便物を処理しなければならぬところの、たとえば郵便局の床の基礎構造もそう強くならない。また、作業物であるのに、一般行政官庁と同じような修繕費で押えられる。また、庁費等も一般会計と同じように査定される。それに対しまして私たちは一々今度は反証をあげまして、これは違うのだ、これは違うのだと、全部言わなければならぬ。しかし、そのときでも郵政省はもう赤字で、これは貧乏でも何でもなくて、政策の問題で料金改定ができなかったのにかかわらず、あなたの方は赤字だというので非常な査定を受ける。同時に、補給金をもらっておりますと、予定以上の収入をあげても、それは補給金を減していくというようなことも出て参りまして、事々に、理屈では明らかにそれは料金値上げにかわるべき補給金でありますけれども、実際の運用といたしましては、弾力条項の発動等も困難になりますし、何かといえば、お前赤字ではないかというような話が盛んにいわれまして、事業を伸ばすためには、やはりこれはどうにもならぬ、せっぱ詰ったというときに、ほかに方法がないから、しようがないじゃないかという話でございますが、それはその通りだと思います。しかし、経営者の立場としましては、できるだけ自己収入をあげるようにやっていかないと、いわゆる企業運営はできないのじゃないかという気がいたしますものですから、そういうことを申し上げたわけであります。

野上元日本社会党

○野上元君 若干具体的な問題について御質問申し上げますが、この長期計画を見ると、航空機の利用ということがうたわれておるのですが、これは航空郵便料金というのは出さなくても済むのですか。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) 現在速達でもって、航空線路があるところにつきましては航空機に積むということになって、いわゆる航空料金を別にとるということでなしに、速達に一緒に含めてとっていく、こういうわけでございます。

野上元日本社会党

○野上元君 現在は航空郵便でやる場合には、航空料金というのがとられているわけですか。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) 現在は通常郵便物につきまして、速達になるものにつきまして、航空線路のあるところを飛行機に積んでおりまして、特別に航空料金としてはとっておらない次第でございます。

野上元日本社会党

○野上元君 航空料金をとらないで、航空機に搭載をして早く郵便物を配るということは、郵便法六条にある、国民はその不公平な取り扱いを受けないという条文には抵触しないのですか。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) これは六条にございますこの公平な扱いをするという点は、あるいは職業のいかんによるとか、地位身分のいかんによるということで不公平な扱いはしない、こういう意味でございまして、そういうような料金を特別に納めるものにつきましては、そういう扱いをするということは、その公平の原則に反しないというふうに考えている次第であります。

野上元日本社会党

○野上元君 それは現在でも速達料を払えば飛行機に乗せるところと乗せないところがあるから、今回このようなことをやっても、従来やっていることと同じだ、こういうふうに考えてよろしいですか。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) 大体そのように考えております。

野上元日本社会党

○野上元君 今回計画されている航空機は、大阪−東京の間だけですか。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) この五カ年計画におきましては、東京−大阪におきましても、航空機に積むことによって幾分その速度を増すということも可能でございますけれども、御承知のように、国鉄の新幹線等が完成いたすのも、その間には完成するというようなこともございまするし、特にこの輸送による速度につきましては、やはり長距離という方が非常に効果的でございまするし、また国鉄の集約輸送等によりまして、やはり北海道とか四国、九州あたりは幾分送達速度が落ちるということにもなりますので、この五カ年計画におきましては、大体東京から北海道、四国、九州あてのもの、それから二、三のローカル線であって非常に効果のある線につきましては、航空郵便に通常でも積んでいこうという考え方でございまして、速達につきましては、もちろん東京−大阪あるいは各航空線路のあるところには、できるだけ積んで速度を早めるということをいたしているわけでございます。

野上元日本社会党

○野上元君 郵務局長はあらゆる機会に、今後は郵便の配達は二十四時間主義でいくのだ、日本全国至るところに二十四時間で配達するのだ、それが私の理想だと、こういうふうに言われているわけです。そのことは非常にけっこうだと思うのですが、それを実現する場合に、大阪や京都や名古屋、仙台あたりは、これは汽車で運んだって一日でいくんですよ。そうでなくて、鹿児島だとか札幌だとか四国だとか、こういう遠いところこそまず現地に早く運んでやるということが必要なんだから、もしも航空機を利用するなら、遠距離からまず始めてこの郵便物の速度の均衡をはかる。それでなければ、二十四時間主義というのは大阪と東京間に限られて、ほかの方は一週間もかかるということであっては、これはあまり意味がないと思うのだな、その考え方はどうですか。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) ただいま先生のおっしゃいましたような考え方で、遠くの方から積むということにいたしておる次第でございます。

野上元日本社会党

○野上元君 今日の段階でも、現場に着くまではそう私はおそくないと思うのですが、問題は着いてからがおそいのじゃないですか、そのことはどうですか。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) 確かにこの途中の輸送の時間というものは、相当大差があるということではございませんが、特に速距離につきましては、やはり現在でも二日ないし三日ぐらいは、飛行機に積むと積まぬとでは相当時間がかかると思います。あと、おっしゃいますように回内で滞留と申しまするか、そこに局内にある時間というものは、相当速達には影響がございまするので、そういう面につきましては、特に速達の取り集めなり配達の度数を増していく、こういう方面につきましても、今後いろいろ航空その他、この五カ年計画におきましても、一ぺんに全国的にこれをやるということもいろいろ支障もございまするので、大都市等の必要なところにつきましては、そういう集配の度数も増していくというような計画を立てておるわけでございます。

野上元日本社会党

○野上元君 英国ではやはりあなたの言われる二十四時間主義というのが非常に確実に実施されておると思います。そして配達の何を見ると、土曜は一回になっておりますね、日曜日は全休です。それでも非常にうまくいっておるのだが、日本はどうしてそれがうまくいかないのですか。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) おっしゃいましたように、イギリスでは大体相当前からそういう二十四時間主義というような考え方で、大体非常にスムーズにいっておるようでございます。それからまた、ただいま日本では日曜日の配達減回ということはやっておりますけれども、日曜日を全部休むというようなことは実行いたしておらない次第でございます。これは御承知のように、昭和二十七、八年ごろの行政整理がありました際には、ぜひ日曜も集配をやめてみたらどうか、こういうことで、全国数十カ所の都市におきまして施行をいたしました結果、やはりその当時の日本の社会生活等に合わないのだ、やはり日本人といたしましては、日曜日にはまあ一つゆっくり手紙でも読もうか、あるいは手紙を出したい、そういう生活というものが大体の生活の態様でございまするし、なお今日におきましても、それが非常に改善された、改善と申しますか、非常に変わってきたというのにはまだ少し時期があるのじゃないか。私どもこういう面につきましては、外国の制度その他をいろいろ研究をしながら、今後日本のそういう集配のあり方等につきましても検討していきたいというふうに考えておる次第でございます。

野上元日本社会党

○野上元君 まあイギリスと日本では事情が違うと思うのですね。たとえばイギリスの場合は、御承知のように完全雇用というのが確立されております。従って労働者の移動というものが非常にむずかしい。求人することが求人難だというような関係で、勢い機械化に重点を置かざるを得ない、こういうことがいわれておるのですが、現実にイギリスでどのような機械化が行なわれてうまくいっているのか、その実情はおわかりですか。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) たとえばロンドン市内等におきましても、特別に小包郵便を送るために専用の地下鉄等を設けておるというような施設もやっております。また、この機械化等につきましては、これはもうここ二、三年でございまするけれども、非常にこの機械化に力を入れまして、区分の機械から、あるいは郵便の種類を取りそろえる機械から、あるいはこれを消印する機械とか、そういう新しい設備をどんどん採用いたしておりまして、大体今年度ぐらいは相当郵便局にはこういう機械が入ってきておるというような情報を受け取っております。  なお、航空機等、その他の輸送機関につきましても、御承知のように、イギリスのああいう地理的な状況もございまして、日本みたいに細長くないというような関係、または航空機等につきましては非常に今発展をしておるというようなことで、やはりこの輸送機関等につきましても、日本よりも相当利用する路線も、あるいは利用する回数も多い、こういうような事情があると思う次第でございます。

野上元日本社会党

○野上元君 国鉄の近代化がまあ計画に上って、近くこれが実現することになると思うのですが、それは御承知のように、速度を早めるために、郵便列車をつなぐことを非常にいやがっておりますね。郵便列車をつなげば各駅でおろしていかなければならぬというようなことで、国鉄のスピード化は、逆に郵政にとってはマイナスになるのじゃないか、こういうふうにわれわれとしては考えておるわけですが、それに対する打つ手というのですか、たとえば自動車便の専用路線を作るとかいうような、近距離におけるそういう問題については、どういうふうにお考えになっておりますか。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) ただいま先生のおっしゃいましたように、大体国鉄におきましては、ただいま幹線の電車化あるいはローカル線の気動車化というものを盛んにやっておる次第でございまして、そうなりますと、この駅の停車時分も非常に短くなるということで、これに郵便車をつないで、駅の積みおろしなり、あるいは電車内におきまする作業ということになりますと、非常にこれは困難になるわけでございます。また、貨物輸送方式の近代化ということも着手しておる次第でありまして、そうなりますと、やはり旅客と荷物の分離を計画しておる。お客さんはお客さんで専用の汽車で送る、荷物の方はまた専用の荷車列車というものを出す。郵便物につきましては、ただいまも申し上げましたように、駅の積みおろしというような作業がございますので、国鉄もこの旅客列車に郵便車をつなぐということをぜひやめてほしいということを言っておるわけでございまして、それらに対応いたしまして、私どもといたしましては、さきに申し上げましたように、九州、四国、札幌等、このような荷専列車に郵便車をつなぐという方式に伴いまして、やはり送達速度が鈍りますので、航空搭載を進めていきたいというふうに考えております。  それから二番目には、幹線区間のいわゆる電車化等によりまして、やはり専用郵便自動車を、幹線の駅等からまあ放射的に出るような専用自動車便をやはり設定していかなければならぬというように考えております。  それから三番目には、先ほど申し上げました国鉄のローカル線のやはり気動車化ということに伴いまして、やはりこれを専用自動車網でもって輸送をしなければ、サービスの維持をはからなければならないというふうに考えておるわけであります。それからまた荷専列車、荷物列車に郵便列車をつなぐということになりますと、やはり送達速度等もございますので、やはり車扱いの急行貨物列車を極力利用いたしていきたいというふうに考えるわけでございまして、それに伴いましてこのターミナルのやはり施設の新設をどうしてもはかっていかなければならぬということで、大体山陽線の荷専列車のターミナルになりまする汐留、それから東の方は東小倉というところに決定をいたしておりまするし、東北方面につきましては、まだどこにするかということははっきりきまっておりませんが、そういうところの施設を新しく増強するために、汐留につきましては、土地の決定等を国鉄と相談をしておりまするし、東小倉につきましては、すでに私どもの施設に着手をしておるような状況でございます。

野上元日本社会党

○野上元君 特に近距離といっても、中距離程度の輸送について、郵政省としては独自に専用郵便自動車を持って、これにまあお客さんも乗ってもらう、郵便も載せるというようなことですね、こういうことは考えておられるかどうか。スイスではたしか郵政省がバスを経営して、そのバスにお客さんももちろん乗せるし、郵便物を載せて運送しておるというようなことがあるのですが、そういう計画は、郵政省としては将来とられる計画はありませんか。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) ただいま先生のおっしゃいましたように、スイスとか、あるいはドイツにおきましては、同時にお客さんを送るいわゆるバス事業を兼営をしておりまして、こういう面につきましては、非常に輸送上便利でいい反面、あるいはこれは原価的に経営的にまかない得るやどうかという点につきましても、いろいろ問題はあるようでございます。私どもやはり現在、ただいまからこういう方法を始めるということにつきましては、いろいろ問題がございますので、将来の検討材料でございますが、とりあえず、大都市等におきましては、やはり配達の距離が非常に近郊におきましては遠いという点もございますが、そういう面につきましては、あるいは配達分室を置くということも一つの方法でございますけれども、フランスのように、集配員をこれに乗せて、配達個所まで送っていくというような方法を採用することも非常に有効かと思いますので、その面につきまして、まず私どもいろいろやり方を検討しておるというのが現状でございます。

野上元日本社会党

○野上元君 次に、配達の方でちょっとお聞きしたいのですが、特に大都市の集配につきましてお聞きしたいのですが、今日御承知のように郵便物が大都市に集中していきつつあるというような傾向が見られると思うのですが、それは交通の場面でも同じだと思うのです。たとえば、東京都における交通の状況を見れば一目瞭然であります。自動車はどんどんとふえていく、しかし道路はちっとも拡張できない。駐車場もないのに無制限に自動車がふえていく、人口も東京には無制限に集中していく、こういう傾向があるのです。従って、郵便の場合も同じだと思うのです。今日国鉄に、東京都内の通勤者を運搬する計画はもはや限度にきておると言われている。御承知のように環状線は二分に一回の割合で発車しておるのです。これをもう三十秒縮めるということは重大な問題なんです。従って、おそらくこれはできないだろう、こういうふうに言われておる。従って地下鉄を掘るか、あるいは高架線を作るか、あるいは道路を拡張してバスに切りかえるか、いろんな方法が考えられると思うのですが、そういう一つの曲りかどにきておると思うのですが、これは国鉄当局だけでは非常にむずかしいと思うのです。人口の制約は政府でやってもらわなければならぬし、道路の問題も政府でやってもらわなければならぬしというようなことで、公共施設の場合、社会施設の場合には、国でやってもらわなければならぬという場面もあると思うのですが、郵便の場合も同じように、あなたの方の意思とは無関係に人口はふえていくし、そしてどんどん、建設省の計画によると、高層建築が建っていくということになると、あなたの方にとっては非常にマイナスの現象ばかり起きておるのです。しかも町の番号といいますか、これは非常にむずかしい、専門家でなければちょっと配達ができない。ハウス・ナンバーというものも全然ありませんから、そういう不利な条件が重なってきつつある東京において、定員をふやしたから、郵便局をふやしたからといって、遅配がなくなるとは考えられぬのだが、その点はどういう抜本的な計画があるか、お聞かせ願います。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) ただいま先生のおっしゃいましたように、特に東京都の、大都市については集中的に郵便物が増加する、人口ももちろん増加する、交通関係も非常に輻湊いたしまして、なかなかその所要の時間内に人なり物なりを送達することができない、このような状況でございまして、ただいま東京地方を中心といたします専用自動車便でも、時によりましては末端局にいきまするのに二三十分おくれるような状況もあるわけでございます。  また、これは集配の面におきましては、自転車で集配したり、自動車、三輪車、スクーターで集配するにいたしましても、そういうことが非常に集配が困難でありますから、速度なり所要時間を高めておるような状況でございまして、こういう面につきましては、私どもは、特に東京都内等につきましては、いわゆる大取り集めの小配達、いわゆる大きく取り集めて小さく配達するというような方向に、逐次計画を進めておるわけでございます。  また、大都市内におきます輸送の関係でございまするが、これは、ただいま先生おっしゃいましたように、自動車輸送が非常に逼迫している。それで空からヘリコプターを使うというようなことも一つの考えの中に入れるべきものがと思いまするが、これもやはりいろいろな、ヘリポートのいろいろな条件等もございまして、たとえば、東京中央郵便局の上にはヘリポートが置けないというような現在状況になっておりまするので、今後建てます建物につきましては、大きな局につきましてはこのヘリポートが設置できるというような設計に逐次変えていきたい。たとえて申しますると、この秋にできます京都の中央郵便局の屋上にはヘリポートがつけられるような設計をいたしておるわけでございます。もちろん、東京都につきましても、第二中央の設計の場合には、そういうことも十分考慮に入れていきたいというふうに考えます。またヘリコプターによります輸送につきましても相当制約はございます。特に非常に輸送費が高いという点が非常に欠点でございます。  そういう面もございまするので、ただいま研究に着手をしているということではございませんけれども、従来長い間、郵政省におきましては、気送管の輸送という点につきましても相当資料がございます。現在地下鉄等がどんどん東京都内にはああいう工合にできて参りますると、あの地下鉄に気送管を敷設するということも、これは相当経済的にやり得るのじゃないか。たとえば、パリにおきましては、気送管郵便というような特別の種類の郵便もございます。これは下水道の中に敷設されておるようでございます。こういう面も積極的に今後やはり研究をしていかないと、なかなか大都市内の輸送を円滑にさしていくことはできないというふうに考えております。また、最近はモノレール等を利用したらどうかというような、いろいろな説もございます。私どもこの方面につきましては、今後さらに積極的にそういう方面の研究を進めていきたいというふうに考えておる次第でございます。

野上元日本社会党

○野上元君 あと一つ二つお聞きしたいのですが、今回原価を出されたときの一つの能率というものがありますね。その能率というのはいつ作られたもので、今回の原価計算に使われた能率というのはいつごろの能率を使われたのか、その点ちょっと聞いておきたいのです。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) 大体毎年この定員等を予算上要求いたします場合には、大体その年々の能率というものを、平均的な能率というものを算定をいたしまして、そうして物増に対応するような要員をはじくわけでございまするが、大体そのはじき方につきまして申し上げますると、御承知のように、郵便物にはいろいろ種類がございます、普通通常とか速達とか、書留あるいは小包、それからまた郵便物を扱いまするには、作業上のやはり区別がございまして、たとえば、引き受け、到着、差し立て、配達というような、いろいろな作業上の区別がございます。これらの点につきましては、たとえば、私どもはこれを同一種類の同一事務といいますか、そういうものを二つの点を加味いたしまして、一つの平均と申しますか、その各種類ごと、各事務別ごとに通ずる一つの作業の能率というものを出しまして、私どもはこれは郵便点数というものを一つこしらえておるわけでございます。たとえて申しますと、普通通常の引き受けにおきましては、大体百通を一点と換算をいたしまするというと、書留通常の引き受け値は三・一通が大体一点になる、こういう工合にいたしまして、これを郵便物の各種類ごと、あるいは引き受けではそうでございますが、差し立て、あるいは配達の局内作業等につきまして、そういうような作業をいたしまして、郵便局内の内務の要員につきましては、この郵便点数をもちまして大体作業職というものをきめておりますが、これは一種の逆算的なものになりますけれども、たとえて申しますと、そのような点数を換算いたしますると、昭和三十四年度におきましては一人の年間の平均の処理物数というものが百七十五万七千通、これが三十五年になりますと、百七十五万九千通、とのような換算を行なって能率をはじいたわけでございます。外務要員につきましては、この内勤と違いまして、局内の作業時間、これは郵便物数によるわけでございますが、局内の作業時間、それから配達交付の時間、これは配達個所数によってきまるわけでございます。それから走行時間、これも計算上、ある点を求めておりまして、この走行時間をきめておる。それからポスト等の開閉をいたします時間、これはポストの数によるわけでございます。それから無集配局に立ち寄りまして、郵便物を受け取り、また渡すというその時間、これは同数によるわけでございます。それから局外の停止時間、これは一定の率によって定めるわけでございますが、停止時間も考えております。それから集配、配達を終わりまして、局内に帰りまして、車等の清掃の時間、このようないろいろの要素を見まして、通常三日間の平均の集配の物数とか集配の個所数等を調査いたしまして、一日の平均を求めまして、その外勤の作業の能率をきめる。非常にとまかい計算をいたしておる次第でございます。

野上元日本社会党

○野上元君 そうすると、能率は、何といいますか、ただ単位だけは作ってあって、それが何ぼ一年間に配達されて、何人でやられたというものを逆に計算したものが能率になっておるのだ、こういうことですか。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) これは各普通局につきましては、大体毎年各郵便局ごとに三日間の物数の統計をとりましてやっておるわけでございます。

野上元日本社会党

○野上元君 今あなたが発表されたのが、大体標準能率ということになるのですか。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) 大体その通りでございます。

野上元日本社会党

○野上元君 最後に一つお聞きしておきたいのですが、集配請負人の定員化の問題はどういうふうになっておるのか、お聞きしたいのです。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) 先ほどの国会におきまして、集配請負人につきましては、いわゆるある郵便局から直接に配達をいたしておりますると同じような地域につきましては、いわゆる直接に定員をもって郵便局から直接に配達するということにいたしたい、このように御返事を申し上げておった次第でございますが、その調査を一応完了いたしまして、今度の増員の機会に、まだ数字をはっきりきめておりませんけれども、若干の一つ直接配達に切りかえていきたいというように考えておる次第であります。

野上元日本社会党

○野上元君 参考のためにお聞きしたいのですが、集配請負個所は何カ所で、現在働いている集配請負人は何名で、要定員化の人数はなんぼか、その点について明らかにしてもらいたい。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) ただいま集配請負人といたしまして、総数千五百七人が契約をいたしておるわけでございますが、これを終年契約をいたしておりますものが千三百八人、その他雪害期とか、あるいは季節的に契約しておるものが百二十五人ということになっております。  それから行政整理等によりまして、本務者から請負人に切りかえられたもので現在残っておりますものが六百六十二人この中に含まれておる次第でございまして、このうち一体何人ぐらいを、その直轄にといいますか、直接に配達、いわゆる定員化したらいいかという面につきましては、実は定員等の事情もございまして、現在まだはっきりこうだという申し上げるだけの段階に至っておりませんけれども、ともかくも若干名を一つこの機会にやりたいというふうに考えておるわけでございます。

野上元日本社会党

○野上元君 この機会にというのは、この五カ年計画という意味ですか。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) 三十六年度の定員の中からそれを認めていきたいというふうに考えておるわけです。

野上元日本社会党

○野上元君 それは三十六年度で終わるものですか、あと継続していくものですか。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) いろいろ地境等の変化もございますので、私どもはこれを継続してやっていきたいというふうに考えております。

野上元日本社会党

○野上元君 一応私の質問はこれで終了いたします。

鈴木恭一自由民主党

○委員長(鈴木恭一君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕

鈴木恭一自由民主党

○委員長(鈴木恭一君) 速記始めて下さい。    暫時休憩いたします。    午後零時十二分休憩    ————・————    午後一時三十三分開会

鈴木恭一自由民主党

○委員長(鈴木恭一君) ただいまより再開いたします。  休憩前に引き続いて、郵便法の一部を改正する法律案に対する質疑を行ないます。  御質疑のおありの方は、どうぞ順次御発言を願います。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 これは大臣にお尋ねするわけでございますが、私約九年間にわたりまして、国会に議席を持たしていただいておりますが、私の経験では郵便事業の問題が、これほど真剣に論議された国会はなかったと思います。特にこの委員会では、ときたまたま遅配の問題をめぐりまして、そういう原因はあったでありましょうけれども、いずれにいたしましても、これほど真剣に論議されたことはいまだかつてなかった、このことに、私は非常に敬意を表するのでございますが、同時に、不幸中の幸という言葉は適当でないかもしれませんが、禍を転じて福となすということわざもございますが、この時期が、まさにその表現にぴったりするものじゃないかと私は思うわけでございます。そういう観点から郵政財政の確立ということで、この一言に委員会の質疑は尽きるのではないかと思いますが、つきましては大綱の問題については、それぞれ先輩同僚各議員から、いろいろ質疑がありましたから、私はこれ以上は、重複して質問を繰り返そうとは思いませんけれども、しかしその中で、若干まだ補足して聞いておきたいことがございますので、それを中心にまず質問をし、そして当面する非常に小さな問題でありましょうけれども、二、三の問題に触れ、私の質問を終わりたいと思うのでございますが、その第一点は、長期計画を立てられまして一応作案もでき上がったわけでございますが、この財政の確立をはかるということは、この実施計画が実るか実らぬかということに尽きるわけでございますけれども、その際にあたって、財政の確立をはかるということになれば、特別会計を堅持する限りにおいては、どうしても私は料金の改定というところまで——時期は別といたしましても、いつがいいかは、これはいろいろありましょうけれども、しょせんは、そこに落ちつかなければならないと私は考えます。  そこで料金の改定に入るということになれば、国民の一人々々は、多くの議員の中からも発言がありましたように、サービスさえ確保してくれれば、料金の改定に必ずしも反対でないというのが、これが国民の大方の意見ではないかと思います。そこで、同僚の野上委員からも質問をしておりましたけれども、一体、償う料金の算定の基礎、いうなれば原価計算のとり方、これを一体、どこに置くかということになると思うのです。仕事がふえていけばいくほど赤字がかさむというような原価計算の立て方では、これは健全な財政は望み得べくもないわけでありますから、その原価計算のとり方を、どういう方向でとろうとしておるのか、この点を再度、私はお尋ねしたいと思うのです。  私の考えで言いますならば、一つの長期計画を立てる、たとえば、局舎の問題にいたしましても、五十年間で、たとえば普通局全部を一回りこれを改築していく、新築していくということになるとするならば、そのもとになる局舎予算はこれだけ要るのだという——あるいは今後のベース・アップの動向というものは、必ずしも的確にはつかめないでありましょうけれども、いうところの政府の所得倍増計画ありとするならば、その方向に向かっての大よその、少なくとも今後十年は、一応の計画は立つわけでありますから、そういう観点に立っての、やはり給与の見通しもつくであろう、あるいはまた設備の改善、施設の拡充にいたしましても、それぞれの所要財源が見積もられるわけでございますから、そういうものを見積もって、それでは一種は幾らにする、二種は幾らにすればいいかというふうに、そういうことが原価計算を立てる基本でなくてはならないと思うのでありまして、三十五年度は、これだけの決算で、金がかかったから、それを一通に割れば一種はこうなる、二種はこうなるという立て方では、長期にわたる原価計算は立たないのじゃないか、こう思うのでありますが、どういう原価計算のとり方をしようとしているのか、それを一つ承りたいと思います。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) まことに肯綮を得た御質問でありまして、私どもただ収支が償っていれば、そのまま進んでいくというような方向ではだめだと、特に経済の成長率を千年間に倍、あるいは国民の所得を総平均して倍にするというような経済政策のもとにおきまして、その一翼をになう郵政事業は、これは通信、交通ともども、最も重要な役割をいたすものでありますから、これに即応した長期の見通しを立てるのが至当でございます。  そこで、今まで私どもの郵政省でやってきたことを基礎にして、今後の経済成長率また国民生活の向上、国民の所得の増加率、そういうようなものを見合わせまして、できるだけ長期の見通しを立てて、その運営を確保していきたい。こういう立場から、先般お手元にお配りしたことと思っておりますが、郵政事業の長期計画というものを応策定いたしましたが、これはたびたび繰り返して申し上げました通りに、これに必ずしも膠着するものではない、逐次時勢の変化、また各方面の皆様方からいただく御意見等を加えまして、毎年実は改定していくような個所が多いと思います。そうして、そういう道程をたどりながら長期計画を実行していく、こういう心組みで作ったものでありまして、きわめてまだ不用意あるいは足らざるところが多いと思います。今お説の通りこの料金の策定の基礎となりましたものは、おおむね過去の実績から割り出して、将来の人件費の増高、これはなかなか人件費の増高は、計算するのがむずかしいのでありますが、一応年間を通じて平均八%くらいでいきますと、十年間で所得が倍増になるというような計算もございまするし、また相当大幅なベース・アップがあったあとは、その次は、そんなに大幅のベース・アップもなかったようでありますから、そういうのを大体の目安をつけまして、人件費と諸般の設備費、これは設備費は、今永岡さんの御指摘になりました局舎の新築改築、働く環境の改善、機械化、近代化というようなものを含めまして、こういう計画を実行するには、どれだけの経費と資金の裏づけを必要とするかというようなことを一応試算して参りましたが、きわめてまだ、その点は不確定な要素もございます。  そこで料金の策定は、過去の実績からいろいろなファクターを分析したり総合したりいたしまして、一応とにかく五年くらいの安定性を持った料金を立てようというので、実は私の就任前に郵政審議会に諮問いたしまして、その答えを得たのでありまして、これは必ずしも五年間万全の策とは、私どもも考えておりません。しかし、一応立てた年次計画といいますか、めどを基準にして、これから十年の計画を立てていきたい。とりあえず保険のほかは五年を目安に立てましたが、その計算の基礎等は、経理局長から説明させることにいたしまして、総合的な立場から、独立採算性を維持しつつ、人件費並びに施設費というようなものをまかなっていくという立場で作り上げましたもので、この算定の基礎は、おおむね過去の実績と、ごく手近な将来の見通しというような要素を総合調整して作ったものでありまして、数字的な問題につきましては、所管の局長から説明をさしていただきます。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 経理局長の御答弁は、もうしばしば聞いておりますから、一応了解することにいたしまして、次にお尋ねしたいのは、その長期計画を立てる際の、この郵便の速度と申しましょうか、サービス改善の基本になるものの考え方でありますが、まあ通信には、それぞれ電話があり電信があり、郵便——郵便の中でも速達があり、こういうことになっておりますが、先ほど郵務局長の答弁によりますと、全国二十四時間で末端までいけるものを理想としている、こういうお話でございますが、その基準は何か、私はお尋ねしたいわけでありますが、その前に、私のお尋ねしたいことは、その郵便の、通常郵便ですが、その速度は、どの程度をもって——必要にしてかつ十分と、こういう言葉がありますが、度合いにしているのか、たとえば一つの例を具体的に取り上げてお尋ねするわけですが、業務書類を一つの例にとりまして、会社等で四時ごろに、かりに仕事がしまう、その書類を大阪の商社に送るということになれば、東京でその日に済んだ書類が、翌日の仕事の初めまでに、時間までに配達されれば、初めにその仕事ができる、まず、これは必要にしてかつ十分と言っていいのじゃないかと思うのでございますが、そういう郵便の速度の基準、これはいろいろありましょうが、たとえば東京から大阪、あるいは東京−北九州、あるいは東京−札幌、あるいは東京・大阪・名古屋・仙台、いろいろありましょうが、またその地域のほかに、それぞれ第一種、二種、三種、四種、五種と、いろいろあるわけでありますが、その種別ごとに地域ごとに、大体の一つの必要にしてかつ十分という基本の速度の計画がなくては、このサービス改善という施設は、どの程度でいいかということは出ないと思いますが、そういう計画をお持ちであるのか、あるいはこれから検討していこうとおっしゃるのか、そういうことは、どういうふうになっておりますか。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) 郵便のサービスの改善の中心問題は、先ほど先生おっしゃいましたように、郵便の速度に関する点でございますが、私が午前中に野上先生に御答弁申し上げましたのは、やはり全国二十四時間と、こう申しましても、これは郵便のあらゆる種類について、こういうことが望まれるというように私どもは考えておらないのでございまして、大体通常郵便物におきましては、高等信といいますか、一種、二種というようなものは、やはり全国的にも、そういう速度が望ましいのじゃないか、それから速達等につきましては、まあ同時にこれは、地帯にもよりますけれども、やはり通常郵便物の高等信、速達というものを全国的な観点からいたしまして、一日程度で着くということに、将来の日本の交通機関の、特に航空機その他の発達の度合いからいたしまして、大体、私どもは、そういうところに目安を置いたらいいのじゃないかというふうに考えているわけでございます。  また先ほども申し上げましたように、これは郵便物の種類によりまして、それほど速度を必要としないものは、やはりこれが一定の時間中に正確に確実に送られていく、これはもう郵便の速度と同様に基本的なものでございますけれども、種類別によりましては、これが一日を必要としないというようなものもあると思うわけでございますが、しからば各種別ごとに、その地帯ごとに、どういう工合に送達日数があるべきかという点につきましては、先ほど申し上げましたように私どもの方の直接の運送機関もございませんし、その運送機関の発達の工合なり、各地帯におきまするいろいろな利用の要請等も勘案をいたしまして、今後そういう面の検討もいたしていきたい。ただ私ども目安といたしましては、高等信なり速達なりは、そういう方向で進んでいきたいということを申し上げているわけであります。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 まだはっきりしないのですが、私の質問しているのは、そういう地域別、種別ごとに、必要にしてかつ十分という一つの目標があって、それは一年にはできない場合もありましょうが、十年かかる場合もあるでしょうが、そういう基本計画をお持ちになって、施設の改善をやろうという計画で速度を想定しているのかどうか、想定していないとすれば、いつごろにそれをきめようとしているのか、そこを聞いたわけです。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) この五カ年計画におきましては、重点は、主として郵便の正確、確実なる運行という点に置いておるわけでございます。しかしながら非常に速度の要請の強い大都市におきまする速達あるいは国鉄の集約輸送に伴いまして、今よりも少し速度が落ちる、このような地帯につきましては、先ほど申し上げましたように、一、二種郵便物の航空搭載等をいたしまして、その速度の維持をはかる、こういうように考えておりまして、どのくらい郵便を早くするのかという基本的な計画につきましては、なお今後の検討を続けていきたい、現在、この種別についてはこうだという、確実なる資料を持ち合わせておらないわけでございます。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 今永岡さんの御質問で、私として申し上げたいことは、第一種、第二種は、日本の産業経済の中心地間、たとえば名古屋、大阪、北九州、東京あるいは北の方は仙台、札幌を含むかもしれませんが、それは暫くおくとして、経済の中枢地間の郵便の理想は、今永岡さんがおっしゃったように、私は、その日の仕事が終わって、翌朝その仕事の結果が、少くとも一種、三種の郵便は、翌日の午前中までに完全に着くようなのが理想でございまして、大体今の特別自動車の郵送をはかる、あるいは特別急行を利用するとかいうようなことによって、少なくとも五年の計画の間に、できるだけ早く、具体的に申し上げれば、ただいま御指摘になったような理想に到達いたしたい、こういう考え方を持っております。  ただ、じゃいつからやれるかとおっしゃいますと、先ほど申し上げましたように、実は悪くいえば素案のようなものでございますが、いろいろな御意見等を拝承いたしまして、逐次実現に努力して参りたい、こういうふうに考えております。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 大体大臣のお考えで、私たちが望んでおるおおよその必要にしてかつ十分の度合いというものをお示しいただいたことに、私は一応了といたしますが、通信は私から申し上げるまでもなく、やはり作業あるいは業務関係でありましょうか、そういう通信、従って大都市通信というのが、どうしても重点にならざるを得ないと思います。その際における、大都市内における輸送の問題は、たとえば東京−大阪間、東京−名古屋間という輸送の問題は、お話に聞けば、航空郵便も使うということになっておりますので、速達においては専用自動車を飛ばすということになると想像いたします。一応逓送部面では解決しますが、問題は、局に着いてからの配達の問題あるいは取り集め、集配の問題が、今一番大きなネックになっておるのではないかと想像いたしますが、このガンは一体どこにあるかということでありますが、これはややもすれば、労使関係の不良にしわ寄せして、こっちに理由を持っていこうとする傾向が強いようであります。私はもちろんそのファクターはあると思います。あると思いますが、そうでなくて、もっと根本的な運営といいましょうか、機構といいましょうか、従って給与、人員、そういう問題にも影響して参りますが、この問題が、非常に大きいファクターになっておるのではないかと想像いたします。東京地区のごときは、ほとんど郵便が停滞いたしまして困却をきわめておる状態でございまして、そういう理由から、小包の集配局を作ったらどうか、あるいは第二種局を作ったらどうかというような計画もあるように聞いておりますが、そういうことを考えてみますと、都市の郵便機構あるいは郵便のあり方というものに、相当に重点を注がなければなりませんし、待遇面を見ましても、非常にこれは画一的な支給をされておるようでございますから、この点についても、私は再検討すべき時期が来ておるのではないかと思うのであります。  そういう問題について、従って関連をするわけでありますが、非常勤の貸金ですね、妥当ではないじゃないかと私は思うのでありますが、そこで経理局長に、この際お尋ねをしておきたいと思うのでありますが、非常勤の賃金の単価は、予算の成立ではどのくらいになっておりましょうか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 本年度予算では、平均いたしまして三百五十円となっております。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 単価が予算の上では、三百五十円で成立をしておる。ところが実際に、これはもう日本全国で一番高い地域とされておる東京都内で、どのくらいで実際の現況の郵便局は採用しておるかといいますと、あるいは経理局長の耳まで達していないのかもしれませんけれども、実際に私たち、地方の子供を郵便局にお世話してよくわかるのでございますが、一日に二百八十円でございます。しかも一月まるまる働かせない。一月のうちに三十一日勤務だ。そういうような勤務の状況をしておるのでありますが、これでは、いかにかけ声を大きくして郵便を排送しろと迫っても、これは、できないところを無理にやれというだけにとどまって、私は、現実の問題としては解決にならないと思うのですが、この実際の状況をどうお考えになるのか。それをいつごろあなた方は、もしそれが不合理だとするならば改定をしようとしておいでになるのか、それをこの際、お聞きをいたしたいと思います。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 御承知の通り、前年度までの予算では非常勤の単価は大体二百八十円ということであったわけでございますが、単価におきましても、それから量的な面におきましても非常に不足があるというふうなこと、従いまして、成立予算の約倍ぐらいの物件費を流用いたしまして、非常勤のまかないをしておったわけでございます。そこで三十六年度におきましては料金是正を契機としまして、長くこげついておりますところの非常勤者の処遇を改善するということで、定員化をはかっておる。なお、残った非常勤者につきましても、単価を上げるということによって予算上の解決をつけたわけでございます。ただ、先生御承知の通り、いまだ定員法が上がっておりませんために、現場におきまして、長期にわたっておるところの非常勤者の本務者化がおくれておることは事実でございます。私どもは、長く本務者と同様の仕事をしておる人を、まず本務者にするということによって解決をつけまして、そのあとで、予算上残る者は、関連した者には、短期の人ばかりになるわけでございますから、短期の人ばかりでありますならば、相当の賃上げもできるわけでございますから、実際の運用を見まして、相当長くいる人がおりますと、その予算の範囲内で何と申しますか、賞与等の経費も考えなくちゃならぬというようなことになりますので、ただいまのところ、定員法の施行される日までに、いろいろな資料を整備いたしまして、そのあと急速に、そういう面を片づけていきたいということで省内寄り寄り相談いたしておる次第であります。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 時期は、大体わかりました。それで、一応今参議院段階にきておると思いますが、設置法の改正によって、これは解決を見るだろうと思いますし、そう長い時期ではないと思いますが、私のお尋ねしたいのは、残るであろう臨時者ですね、これも全く、季節を限って短期でというわけにも、おそらく参らないだろうと思います。そのうちの相当程度は、言うところの長期的な性格を持つ非常勤があるだろうと私は思う。その際に、非常勤というものの考え方でありますが、おそらく常在者の初任級の給与より安く非常勤職員の給与をきめるということはまずないのではないか。臨時者であれば、これは本務者よりは身分が保障されてないのですから、むしろ私は高い貸金を払うべきである。本務者であれば、その臨時者であったときの賃金を下げるのは一向差しつかえないでありましょうが、臨時の期間というものは、そういう賃金のあり方が正しいのではないかと思いますが、この点について、郵政当局はどう考えておいでになるのか、そうして先ほどの質問で漏れておりましたから、再度質問するわけでありますが、組織法等で解決するであろう——定員法が改正されて解決するであろうその時期には、臨時者というものについては、予算単価通りの三百五十円、地方を含めた三百五十円ですから、東京の場合、私は三百五十円が四百円になるか三百八十円になるかわかりませんけれども、その予算単価よりは高いものが、東京都——大都市ですね——には支給されるものと期待するのでありますが、そのように理解していいのかどうか、それをお尋ねしたいと思います。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 今の永岡さんの御発言は非常に重大な、しかも根本的な問題でありまして、特に郵政事業は、人件費が八割前後といわれておりますが、私は見方によっては一も人だ、二も人だ、三も人だというふうに考えて差しつかえないようにさえ考えております。そこで定員に組み入れられた人のほかに、いわゆる非常勤という名前でたくさんの人を使っておりますが、今まで一応積滞しておりました非常勤につきましては、定員法の中でも、これを大体解消する。そこで新年度の定員化が、比較的少ないと私も考えております。ところが、やはりこういう仕事は、翌年それを定員化することができれば補いはつく。従いまして今、永岡さんの御指摘のように、初め臨時に雇う人が非常に私は大事で、いい人をいかにして集めて、これをまた定員化して長く勤めてもらうかということに、私は人事行政といいますか、労務行政を持っていかなければならぬ、こういうことになりますと、これは非常に大事な問題でありまして、私はこの点については、特別の留意と努力をいたして参りたいと思っております。初任給よりも、むしろ非常勤の初めの雇いの口火を切るという、雇う口火を切るということが大事でありますので、これらにつきましては、私は、さらに来年度の予算においては、本年度以上の努力をいたしたいと考えております。特別会計は、その点は弾力条項もありまするし、また定員法のワクからはずすということができれば、もっと簡単にいきますが、幸いに一般国家財政のワクの中で締めつけられる限度から、特別会計で離れておりますので、その点は賃金給、日給といいますか、そういう点についても、努力次第によっては、また業績のあげ工合によっては、相当な私は思い切ったことができるというふうに考えておりますので、御趣旨を体して、私はこの労務行政について全力を尽くす考えでおります。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) あと、大臣のお話のほかに、単価の問題がございましたが、先ほど申し上げましたように、非常勤の処遇をよくするということが、ことしの眼目であったわけであります。ただ、現実に定員法が施行されて、長期の非常勤者が定員になって、予算上は、もうほとんど短期だけになるわけでございますけれども、個々の局所等を見まして過欠員の状況、いろいろなことからその状態をよく見まして、ある程度長期の者が残るといたしますと、そうするとボーナスも出さなければならぬ。短期の人だけでございますと、もうほとんど予算単価通り使えるわけでございますけれども、そういう問題もございますので、省としては非常に大事な問題でございますから、極力いろいろな努力はいたしたい思っておりますが、金額は、はたして幾らになるかということは、今のところ、まだ省全体としてきまっておらないということだけを御承知願いたいと思います。

長田裕二郵政大臣官房人事部長

○説明員(長田裕二君) ただいま経理局長からも申し上げましたように、非常勤のうち定数的非常勤とも言われております六千六百七十六人は、昭和三十六年度の予算におきまして定員化されておりまして、大きな問題が片づいたわけであります一予算の面としては片づいたわけでございますが、従いまして残る非常勤というものが、性質上は比較的短期の者ばかりということになるわけでございます。しかしながら実際におきましては、相当大きな郵便局になりますと、欠務のあと補充——年次休暇とか病気とか、その他欠務のあと補充のために、実は、絶えず欠務が発生しておりますために、数名の者、あるいは多いところによりますと、数十名の者が引き続いて働いておるというようなところがあるわけでございますから、事実上長期に働かなければならない非常勤というものも出るわけでございまして、そういうようなものは、数はだいぶ減って参りますし、また長期になりますと、事務補助員等としまして待遇も改善して参るわけでございます。  賃金のきめ方でございますが、事務補助員などにつきましては、組合の方とも話し合ったりいたしまして、きめて参る。お説の、お話のございました臨時の者につきましては、これはお話のように、一方では身分保障がなければ高くしなければならないというような事情もございますが、他方、その土地土地の労働力の需給関係も影響して参りますし、また一方同じ非常勤者同士でも、長く勤めている方が熟練度が非常に高いというようなことなどがございまして、なかなか複雑な事情も聞かされる次第でございます。それらは、ただいま申し上げました特に労働力の需給関係、あるいは長く勤めております非常勤との関係、あるいは身分保障がないこと等、いろいろ考えまして、今後きめて参りたいと思うわけでございます。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 期間を限ってのごく短い期間の、ほんとうの純粋の臨時者という意味で私は申し上げておるわけではなくて、やがては今、大臣から御答弁がありましたように、本務者に進む過程としての臨時者としてのことを私は申し上げているわけでありまして、この点は、物量が毎年ふえれば、当然私はその分に応じた何千名かの数は——何千名かどうか知りませんが、その者があがるに相違ないと思うのです。そのテストの期間として——また臨時であるということも、これは三カ月がいいのか六カ月がいいのか、一年がいいのか、それは私はわかりませんけれども、その臨時という制度も、これはあり得ると思うのです。けれども、あり得るが、その場合における賃金というものは、今も大臣がお答えになりましたように、相当程度、これは本務になるかどうか、まだこれは未確定の状態にあるわけでありますから、予算単価は、少なくとも確保していただかなければならぬと思うのです。  私が、なぜこういうことを申し上げるかといいますと、実際問題、お世話をして私たちが痛切に感ずることでございますが、やはり民間は、かなり景気がいいわけです、率直に申し上げますと。従って、安い賃金で郵便局に勤めようという人は非常に少なくなってきている。従って、質の悪い人が自然そこに集まってきているという現実の現象を来たしているということであります。もちろんこれは本採用になってから、郵政御当局の方で研修もさせる、訓練もさせるでありましょうけれども、素質の低下ということは覆うべくもないのでありまして、かつて私たち先輩のお話を承りますと、欧洲大戦当時の郵便局にお入になった方々は、比較的質が悪くて、ヒョウタン型の中くびれの状態があって、非常に困ったというお話を聞いたことがありますが、今その中くびれの縮んできているところにあるのではないか、素質的に見て。そういうことを、大切な事業と口で言いながら、実際それに携わる諸君が、そういう質の悪い人だったのでは困るわけでありますから、国家の営むこれは企業であります。他の企業官庁にも負けないだけのりっぱな素質の人が入ってくることが、国民の立場からも望ましいわけでありますから、私は賃金の問題について相当考えてもらわなければ困るぞということを申し上げているわけでありますから、どうぞ一つそのときには三百五十円の単価を、少なくとも大都市は割らないように、地方は、いなかの方に参りますれば、三百五十円なくてもいいわけでありますから、これは単価の平均でありますから、その点を一つとくとお考えおきをいただきたい。そうでないと、東京中郵にいたしましても、あるいは幾つかの局の例をとりましても、なかなか思うように——素質も低下しておりますと、これは仕事をやらぬわけですから、人間が横になってすねたほど、事業の上に私は困ることはないと思うのですから、その点を、とくと一つ考えてもらいたい、こういうことをお願いをしておきたいと思うのであります。  そこで賃金の問題は、その程度にとどめますが、次に、先ほど野上委員からも御質問がありましたが、日曜配達廃止の問題ですが、かつて進駐軍がおりました当時、今、郵務局長から答弁がありましたように、一度やめたらどうか、欧米諸国並みに日曜配達を廃止したらどうかということで、話がありました。郵政当局では、一応試験的にやるという話でありましたが、当時私は、組合の方に関係しておりまして、日本の実情としては、やはり欧米諸国と違って、日曜といえども郵便を必要とするのだということで廃止反対に、組合は反対しまして、私もそういう指導してきた一人でございますが、今にして思えば、やはりこれはやめた方がよかったのではないかということをつくづく思うわけです。と申しますのは、これは人員の配置の問題とか、その職員の労働関係と申しましょうか、待遇と申しましょうか、そういうものに非常に影響して参ってきておるわけでありまして、私は試験の結果、どうも国民が反対だというから、そこで、まあそれに国民の意向に従って日曜配達廃止は見合わせるというのではなくて、日曜配達は廃止するものだということを、指導的にそういう生活様式に改める必要があるのではないかと、こういうような気がして参りました。そこで外勤の方からつくづく苦情を承るのでありますが、人の休むときに、一生懸命働かなければならぬ。まあこれは年賀郵便と、これは別でありますが、普通の休みの場合に、家族そろって遠出したり、ピクニックに行くのに、郵便集配人なるがゆえに、どうもそれができない。家庭生活も非常にそういう意味では同情申し上げる状態でありますが、そういうことのないためにも、この際は、日曜という日は休むのだという慣行を作っていくということが必要ではないだろうかと実は思うのですが、民間の場合でも、大体日曜日は休むことは慣例になっておりますが、そういう一つ指導をするお考えはないのか。これはまあ大臣の方に、大きな問題でありますから関係するかもしれませんが、どのように、これをお考えになっておりますか。私の希望としては、やはり日曜は休むものだと、国民あげてこの日は翌日に備えて休みの日にするのだという、そういう方向に進んでいいのじゃないか。実際日曜日に郵便を配達されなければ困るというのは、そう私はたくさんないと思う。それが慣例として行き渡れば日曜に休まれては困るようなものは土曜日までに用を足すでありましょうし、そういう指導は、やはりとっていくべきではないかと思うのですが、この点は、どのようにお考えになるでしょうか、お尋ねいたします。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) まことに、ごもっともな御意見で、私どももそういう考えを持っております。しかし現実の経済生活、また国民生活、家庭生活等において、日曜は完全に休むのだという社会慣行ができるのに先立って、郵便だけ先頭を切って、それがいいかどうかという問題に、私どもは実はぶつかっております。交通事業に携わっておる者は、これはおそらく日曜日は、なかなか休めないと思います。しかし、この郵便等の通信事業は、今のような社会通念が、ほぼ完熟して参りますれば、私は可能であろうというような考え方を持っておる一人でありますが、横山町の問屋街でも日曜の休みをやってみた。ごく最近ですが、大阪の千日前というあの繁華街も、日曜の幾日かを、月全部じゃないかもしれませんが、休暇にしてみたということを最近私耳にいたしております。今、永岡さんの御指摘のこの問題は、将来の重要な問題として、事実の把握に努めまして、一つの重要な課題として研究いたしたいと思います。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 郵務局長にお尋ねいたしますが、日曜配達を廃止して困るというのは、具体的にどういうような方面でしょうか。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) 郵便を日曜日でも一つ受け取りたいということが、もちろんまだまだ日本の一般的な国民の感情の中に残っておるわけでございます。また、今、中小企業に、おきましても、日曜を一つ休む、日曜は休日になる、休みになる、このような習慣が、だんだんできておるようでございまするが、まだまだこれが一般的にはなっていない。こういうような面をいろいろ考えまして、また日曜集配を中止するということには、時期がまだ早いのではないかというふうに考えておるわけでございます。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 あまり具体的には御答弁いただけないので、これ以上質問することはやめますが、まあ私たちの例をとってみましても、皆さんの御家庭でもそうじゃないかと思うのですけれども、日曜日、郵便がこなくて非常に困るというのは、いうところの普通の人は、そうないと思うのです。特に最近においては、ダイレクト・メイルの発達した今日においては、特にその感を深くするわけです。こういうものを、なぜ日曜日に運ばなければならないかと、つくづく外部の方々がお気の毒にたえないわけです。従って、その点は一つ指導的に、経済、社会の慣行というものもありましょうけれども、これは官庁みずから率先するという、交通は、これは別でありますが、そういう方向に一つ進めていただきたい、特にお願いいたしたいと思うのです。特に、施設の改善について予算が取れない、なかなか取れない場合には、それじゃ日曜配達を廃止するというくらいの一つ決意を持っていただかなければ、この問題は解決しないのじゃないかと思いますので、この点を特に要望しておきたいと思うのです。  ついでに、話は飛び飛びになりますが、お尋ねしたいのは、年賀郵便の問題ですが、これも質問の中にあったかと思うのでありますが、この集、明確に御答弁いただきたいと思うのですが、郵政当局としては、この年賀郵便の料金は、普通ならば五円なのを四円にして、一円募金をつけておる。それからそうでない、募金をつけなければ四円で出せる、こういうのは、欧米諸国からいえば逆でありまして、むしろ年末時にこそ、お気の毒だからチップと言っては語弊がありますけれども、その労をねぎらうという意味で、年賀郵便は五円のものを十円くらいにしてあげる方が、私は至当な考え方じゃないかと思うのですが、にもかかわらず一円減額されているというのは、どうも郵便だけが、そういうものを負うというのはふに落ちないと思うのです。募金委員会の募金の問題は、協力して非常にけっこうだと思うのです。それを廃止しろというわけではございません。必要とあれば、その五円に対して一円を追加すればいいわけですから、それがまた、ほんとうの募金の精神じゃないかと思うわけですが、郵便に働いておる諸君が汗で募金に協力するという形でなくして、やはりその差し出される方の心からの協力ということが望ましいと思いますので、この年賀はがきの料金を元に返す改定のお考えを持っておるのかどうか、それを持っておいでになるとするならば、いつこれを改正されようとしておいでになるのかですね、これをお尋ねいたしたいと思います。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 私も実は、全く同感でありまして、そういう考えを持っておりましたが、今度は、一応年賀はがきについては据置になっております。従いまして、この問題をいつ解決するか、まあ私は、やはり場合によったら五円の上へプラス一円なり二円なりしても、年賀に関する限りはいいのじゃないかという考えを持っておりますが、何分にもこれを引き上げますと、実は相当の値上げ率になる、それにこだわる必要もないと思いますけれども、二割以上の料金の値上げにもなるし、かたがた年一回のあいさつ状であるからというような意見が多数でありまして、これは実は民主主義の原則に従いまして、私は、これをおりたのであります。お説の通り、私も、考え方はその通り実行すべきだと考えております。  従いまして、この原案、今御審議を願っております法律案では、一応こう御決定を願いまして、私は、次に、何かの機会におきましては、これは私としては、ぜひ改めたいという考えを持っております。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 くどいようでありますが、これは私は、まあ反対があるといえば、募金の方からの反対で、わけても一番反対されておるのは国会議員だと思う。特に衆議院の方々、いろいろお出しになるわけですから、被害をこうむる人々だと思うのですが、国会議員の方々は一枚について一円負けてもらわなければ困ると、そういう精神では私は困ると思うのですね。だから、これも、早急の機会に一つやってもらうし、やるならば、料金を下げてまで募金をつけるというのであれば、また、料金を下げなくても募金をつけるのであれば、ひとり郵便のみならず、たばこや切符、鉄道の発売する切符にも、あるいは酒を買う場合にも、とにかく、みんなつけるべきなんです。郵便だけが、ひとりこれに協力しなければならぬという理由は、私はないと思いますから、協力するならみんな仲よく、やめるなら仲よくやめる。そうして国会議員も、一円のことにあまりこだわらぬ、特に大臣、衆議院の出身でございますが、機会あるごとに一つ、特に大切なことは、与党の議員でございますから、与党の議員を説得していただいて、早急の機会に、これを、これは料金の値上げじゃないのです、いいですか、もとに返すのです、今まで負けておったのを、引き上げでも何でもないのですから、その辺のことを、とくと御研究いただきまして、早急の機会に、これを改定をしていただきたいと思う。私のこの意見には、おそらく衆参両院の逓信委員の諸君にも反対する人は一人もいないだろうと私は確信を持っておるくらいでありますから、勇気をもってお願いをいたしたいと思います。  それから次のお尋ねでありますが、先ほど、これも野上委員から触れられたと思いましたが、請負集配人の待遇の改善の問題です。  これも、歴史的に見ますと、昭和二十七年に大幅な定員法の改正がありまして、二万数千名の減員をしなければならなくなりました、郵政当局は、そのために、どこにこれを持っていくかということになりまして、行政整理もやりましょうし、同時に、へんぴなところの集配区を、今直轄でやっておるのを、それを請負に出したらどうか、そうすれば、定員法で縛られたその定員をのがれる一つの方法として、そういう制度をとったのであります。当時、私も組合の方に関係しておりまして、当時の人事部長とお話をして、非常に困るがどうしてくれる、協力してもらえば、やがて定員が増員になった際には、これは優先的に返そうじゃないか、こういう約束がございました。私は、その約束をその通りに受け取っておりました。しかし、中にはそれに反対をして、数人のものは請負にならずに今日まで残っております。ところが、その反対をして残った諸君は、ベース改定も一般職員並みにベース改定になります。期末手当も、その通りでございます。家族の扶養手当も、その通りでございます。今日は非常に増額して参りました。ところが、当時のベースにおいても、もちろん、それは扶養家族等も一応考慮して、地域給等も考慮したでありましょうけれども、一応の金額は、請負料という形で定められた後においては、一般の職員が、ベース改定になるから、それでは、その通りにベース改定になったかというと、その通りではないのであります。相当の開きがあるのです。そこで請負集配人になった人の言葉をもってすれば、お上の言うことに従ったならば、正直者は馬鹿をみないだろうと、こういうことで協力してきたのにもかかわらず、茂った人は、どんどんベース改定になるし、待遇も是正になるが、お上に協力した者は、一向に日の目を見ないじゃないか、これでは世の政治というものはないじゃないか。これは私は、もっともな言い分だと思うのでありますが、これは改善されていないのですね、改善されていない。少しは改定になったでありましょうけれども、非常に大きな開きがある。  そこで私は、この問題を大臣にお願いするわけでありますが、その後の請負集配人がかわりまして、請負人がかわりましたのと、新しく請負集配人になったところもあるでありましょうが、そういうものをこめて、この際考えていただきたいのは、やはり私、当時お約束をした人け今、部内にいないのでありますが、やはり責任を持ってやってもらう、それから郵政事業という、これはいろいろ問題があるでありましょう。それで、必ずしも反対できない部面もあるでありましょうけれども、大筋としては、やはり直轄事業でありますから、定員の許す限りは、これはやはり考えてやらなければならぬと思う。増員になれば、やはり優先的に、この人をその中から本務に切りかえてやるというのが親心だろうと思う。その人が、不幸にしてこの世になくなって、あらためて採用するということになって、そのときに請負にするかどうかという問題は、一応検討の対象になるでありましょうけれども、いやしくも、約束をして、それをもとに返さぬというのは不合理であると思う。これが第一点。  それから第二点は、その他のものを含めまして、やはり郵政は直轄事業でありますから、政府事業でありますから、原則として、これは郵便局の信頼を傷める上におきましても、これは郵便局で直轄でやるのだ、こういうことでなくちゃならないと思うのですが、同時にまた、待遇が、今日非常に低いのでありますが、待遇の是正をこれは行なって参らなくちゃならぬと思うのであります。この待遇の是正が、一向に改善されていない。期末手当にいたしましても、一方の方は二カ月分を年末にはどんどんもらえるけれども、しかも、山間僻地というところは御承知の通り、配達に非常な困難なところであります。にもかかわらず、その期末手当は六千円だとか八千円だとか、非常な低い金額で、そのまま据え置かれておるわけでありますから、若干の改定はありましても、非常な大きな開きがある。このことを、幸いにして七月一日の実施が六月に繰り上がったのですから、大臣、七億五千万円というものを、余分のものが出たわけでありますから、この際、そういうところにもやはり恩恵を、ありがたいということをみなに均霑させるという意味で、これは考えてやらなければいけないと思うのです。これは一つ、この点について、大臣は善処していただけるのか、この二点についてお尋ねしておきたいと思います。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) ごもっともな御発言でございまして、方針としては、私ども、その方向に向かって努力をいたします。具体的には郵務局長がまた答弁を、おそらく先ほどしたかと思いますけれども、御趣旨に沿うように努力をいたします。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) 私から、事務的に御説明を申し上げたいと思います。先ほど行政整理のときに請負集配人になりました人たちが、現在六百六十二人いるわけでございまするが、私どもの考え方といたしましては、八十五条の適用地と申しますか、そういうへんぴな地域に対しまする集配は、どうしても本務者でやっていくということが非常に経済でございまするし、そういう面におきまして、やはりこういう形を残さざるを得ないというふうに考えておるわけでございまするが、この地境その他等の発展によりまして、直接郵便局が配達すると同じような地点につきましては、逐次私どもも、これはこの本務者に切りかえていくというような方針のもとに、昨年いろいろ調査をいたしまして、そうして今年度の定員の増をもちまして、若干名をこれを本務化していくというようにいたす考えでございまするし、今後も引き続き、そういう措置をとっていきたいというふうに考えておるわけでございます。  それで、第二番目の請負集配人の待遇改善の問題でございまするが、これは先生のおっしゃいましたように、実は現在は一万二千二百円というのが、大体平均のベースになっておるわけでございます。もっとも、当時行政整理によって切りかえられたものは、これよりも高くきめられておるわけでございますが、大体このベースが、昭和三十二年四月に改善をされまして以後、改善されていない。このような状況でございまするので、私ども本年度の予算にも、いろいろ要求をいたしたわけでございまするが、十分これをやれるという程度の成立を見ておりませんけれども、大体、私どもの考え方といたしましては、いろいろのその後の常在員のベース・アップ等も尊慮いたしまして、今年度におきましては、大体若干、これを是正していかなきゃならぬというように考えておりまして、私ども、ただいまいろいろ検討をいたしておる次第でございます。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 これは、まあ若干の改定をされるというのでありますが、まあ大臣に、特に聞いておいていただきたいと思うんですが、歴代の大臣は、この外勤の請負集配人の方が代表が見えまして陳情しますと、それはもっともだ、何とかしてやると、こういう約束はしてくれるんです。結局、事務当局におりますと、全くこれは涙金に終わるわけですね。とうとう不幸にして、この委員長はなくなりました。私も、非常にまあ一生懸命にやっていたのを、気の毒に思っておりますが、この前も、この組合の会議がありまして、私出席しましたときにも、実際の実情を訴えられまして、私が大臣だったら、この場でもよろしいと御返事をすべきじゃないかと思うぐらいのお気の毒な状態でありまするが、大臣も、事務当局を一つ督励をいたしまして、思い切って、一つここで改善をしてもらいたいと思うんです。それから公企業に徹しようという——企業に徹しようという私たちの精神からするならば、請負も、これはもちろんあり得るわけでありますけれども、しかしその反面、またこの公企業という一つの使命もあるわけでありますから、私は、この請負集配区が直轄になったからといって、これがその企業精神を必ずしも否定するところまでいかないという考えを一応持っているわけです。  特にこの郵便の使命の、今私申し上げました一つの面を持っているとすれば、この程度のものは、やはり早急に解決していただくと同時に、この待遇の是正は、今の経済情勢に立って、特に私の主張したいことは、やはりこの働いて、その日の暮らしを立てているわけでありますから、まあいわば生活を保証してあげるだけの賃金は、やはり考えてあげなければならないという考えを持っているわけでありますから、そういう観点で、一つ大臣の方から事務当局を督励して、在任中に一つ解決をしてもらいたいことを強く要望しておきたいと思います。  それからその次は、これもこまかい問題でありますけれども、この際、年賀郵便と関連しますから、お尋ねしておきたいと思うのでありますが、オリンピックの財源の獲得のために、特に郵政に協力をお願いしている。オリンピックの切手を発売するというような話もあるようでありますが、これは、そういう計画はあるのかないのか。あるとすれば、どういう程度に進んでいるのか。その内容はどうなのか。この際、承っておきたいと思います。

荒巻伊勢雄郵政大臣官房長

○政府委員(荒巻伊勢雄君) オリンピックの資金のために、郵政事業として協力するということは、具体的に組織委員会側からの要請がございまして、いろいろと取り運び中でございます。法的な根拠といたしましては、現在のお年玉年賀はがきに関する法律に基づきまする寄付金という制度がございますが、これが寄付目的が限定されておりますために、オリンピックの資金のための寄付金の拠出を国民に願うことができませんので、この関係の法律を改正をする必要があるということの考えを省としては申し上げているわけでございます。なお具体的に、どの種類の切手を幾らの寄付金をつけて発行するかということにつきましては、郵務局におきましては目下検討中でございますけれども、まだ最終決定には至っていないという実情でございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 議事進行。

鈴木恭一自由民主党

○委員長(鈴木恭一君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

鈴木恭一自由民主党

○委員長(鈴木恭一君) 速記をつけて。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 あとでまあ、同僚議員その他から質問がありますから、私は、次の一言で終わりたいと思いますが、今の郵政事業、まあ見ますと、よく言われることでありますが、曲がりかどにきている。これは地方に参りまして、私たち現場におじゃまいたしましても、空気が沈滞していることはこれは事実でございます。人心の刷新と申しますと古い言葉になりますが、これはやはり施設の改善とともに、郵政事業にとって今解決をしなければならない大きな問題の一つだと私は考えておるわけであります。従って大臣も、この点については思いをいたしていただいておると思うのでありますが、人心の刷新ということは、やはり働いている人に希望を持たすということが一番大切だろうと思うのです。待遇の是正もその一つでありましょう。しかし同時に身分の、昇進と申しましょうか、ポストの昇進と申しましょうか、そのことも、事業の刷新にとって非常に大きなファクターになっていると思うのであります。  それで大臣にお願いしたいのでありますが、またぜひ、それは大臣も賛成してくれるものと思うのでありますが、働いている人に希望を持たせるという意味におきまして、そのポストの何といいましょうか、高い地位につけるという希望を持たすという意味で、大へん言いにくい言葉でありますけれども率直に申し上げまして、ある一つの学校を出ておる人々が、その主流を占めるというのではなくて、やはり、希望を持たせる意味においては、言うところのたたき上げでも、仕事ができれば、これは昇進ができるのだという実績を示してあげることが、何よりもこれは大切なことだと私は考えております。そういうことになりますと、地方に参りまして、やはり聞くことは、そういう点も、やはり出てくるわけでありますから、とりおけ企業官庁でありますから、能率をあげるという官庁でありますし、そういう励みを持たす官庁であれば、これは私は、少々無理をしても言うところの今までの慣例からいえば無理をしてもポストに大いにつけてやるというこういう人事がなされなくてはならぬと思うのであります。抽象的になりましたけれども、おおよそ私の主張しようという気持はおわかりであろうと思うのでありますが、具体的には申し上げませんけれども、そういう観点で、一つ大臣も人事の刷新ということを、この際、お考えいただきたいと思うのでありますが、いかがでございましょうか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) ごもっともでございまして、特に郵政省は現業が大部分でございますから、よくその点を心得まして、人心の刷新と申しますか、能率をあげる人、生産性を向上させてくれる人をできるだけ重く用いて、学閥その他のいろいろな弊害にとらわれないような気持で、この問題を処理して参りたいと思います。御趣旨はよくわかりました。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 そういう意味で、一つ具体的に、なるほど刷新されたという、印象を受けるような具体的な人事を一つお願いしたいのでありますが、同時に私は、先の委員会でも大臣に申し上げたのでありますが、郵政省に勤めておりますと、やめると行き場がなくて困る。これはひとり上級公務員のみならず、下級に類する方々もそうでありますが、大臣から、この前逓信記念日には表彰を受けた大勢の方々がおります。三十年の長きにわたって勤続、非常に長いということで表彰を受けております。これは表彰もけっこうでありますが、しかしこれは他面、もうお前は長くないのだぞという宣告状をもらったにも等しいわけでありますが、やめて、さてどうなるかといいますと、実際の例を見ますと、エンピツとかインキとか業務用のものを郵便局に売り歩いているやめている方もあるわけであります。まことに気の毒でありますが、こういうものも一つ、同時に退職の年限をきめるのもけっこうでありますが、これはどこでも生きる道があれば、そう長くはそこへついていないわけでありますから、そういう意味からいたしましても、どんどん行き得る部外は、どんどん人材を入れていただくと同時に、また郵政省自体が、そういう外郭団体と申しましょうか何と申しましょうか、そういうものを大いに作って、そういう救済も行なう必要があると私は思うのでありますが、小金大臣は、いうところの大ものでありますから、私は大いに期待しているわけでありますが、ぜひこれも実現していただきたいことを要望いたしておきたいと思うのでありますが、大臣の決意を、この際承りたいと思うのであります。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 先般も永岡さんから、そういう御発言がありましたので、その心組みで、いろいろな私、案を練っております。なかなか人頭というものはむずかしいものでありまして、急激にはゆかぬかと思いますけれども、着々できることから進めて参りたいと思っております。御趣旨はよくわかりました。

森中守義日本社会党

○森中守義君 今まで各委員からも、いろいろ質問が出たかと思います。もしかすると重複するようなことになるかもしれませんが、二、三お伺いしておきたいと思います。  私は大分長い間、事業計画の提出を待望しておりまして、やっとちょうだいいたしました。しかし、残念ながら、けさほどちょうだいしたので内容を十分まだ拝見しておりません。一読しまして、少し基本的なことという、よりも、この長期計画の性格を少し聞いておきたいと思います。十一ページの六項だけに郵政事業財政の安定、こういうことが示されている。「三十六年六月以後、郵便料金の改定が見込まれるので計画期間中の財政は安定するものと考えられる。」この一行が出ているだけで、他に、この長期計画を具体的に実施していくための財政の裏づけがどこにもないようです。ただ、言われている内容からするならば、料金改定があるから財政は安定する、従って、相当以上の資本投資ができるのじゃないか、こういうように受け取れる。  従って、そういうように考えていいのかどうか、それが一つと、この計画を今後五カ年間やっていくのに一体金は幾らかかるか。その資金計画はこの六項に示されていることの具体的な内容として、どういうような投資計画をお持ちであるから、その点を一つ、最初にお聞かせいただきたい。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) これは先般来、御説明申し上げました通りに、実はまあ未熟なるものでありまして、一応われわれの考えておりますることをまとめて目標を作ろうということで作成いたしたものでございまして、今後、郵政事業運営の途上において、また各方面の皆様方の御意見をいただきまして、逐次具体化し、また、これを改善して参りたい、こういう気持で作ったものでございます。  従いまして、幾多の欠陥また足らざるところもございますが、今御指摘になりました事業のもとともなるべき資金計画について御質問ありましたが、きわめてこれは大事な問題でありまして、私どもは、一応特別会計、独立採算制というような建前を取っておりますから、普通の経費は、収入によってまかなっていく。しかし局舎の新設だとか、あるいは相当程度の機械化というようなものについては、まとまった投資を必要といたすのであります。そこでまあ三百億ぐらい、あるいはまた六百億ぐらいというような数字が出ているかと思いますけれども、これらは、自己資金または借入金という程度の表現しかしておりません。取りあえず、この五カ年計画というのは、まあ簡易保険については十年を取ったと思いますけれども、これは、今申し上げましたように、きわめて未定稿的な部分がございます。資金は、通常運営はできるだけ特別会計、独立採算でやっていく。しかし、相当長期の営造物であるものの建設とか、そういうようなものについては借入金、また、その借入金をどういうふうにしてするかということは、実はこれから、年次計画で立てていくつもりであります。なお今、次にお尋ねになりました具体的な数字につきましては、経理局長から御説明さしていただきます。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 当初料金改定いたしますときにも五カ年間はなんとか持たしたい。五カ年間は持つだろうという計画で案を作っておりますので、前の方は、そういうことになっておりますが、収支の簡単な見通しにつきましては、二十ページに一応歳入歳出を考えて表を作ってあるわけでございます。ただ御承知の通りベース・アップの問題でありますとか、建設勘定の問題でありますとか非常に大きな問題が、ここにはっきり現われていないというおしかりのようでございますが、建設勘定につきましては、結局ワクだけきめまして、最低の場合は、減価償却と借入金でやっていくということがいえるわけでございますが、できるならば自己資金もそれに投入した方が健全だというので、結局ベース・アップを将来どう見ていくかということによって左右されてくるということでございます。  そこで、私どもといたしましては、今後のベース・アップを、どう見ていくかということでございますが、ベース・アップが定期昇給だけだということでございますならば、これは四十年度まで、相当の自己資金が建設勘定に回されるので、しかしそういうことは、全然ゼロだということはあり得ないことだと思いますので、そうなって参りますると、四十年度あたりになって参りますと、自己資金はほとんど出てこないのじゃないか。借入金だけで建設勘定をやっていかなければならぬじゃないかというようなことで、いろんな試算を今やっている最中でございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 それで私、二つの点からお尋ねするのですが、まず一つは、今回の料金改定を計画されるときに、この長期計画が、その想定の中に入っていたのかどうかということが第一点。その中に特に、この際私どもも注目しております今回の所得倍増計画の中で、大体今の、大量に生産投資をやっておる。従って、貿易と国内における有効需要を、どういうように見るかということになると、政府のお考えでは、おおむね国内の有効需要は一〇%を下らない、それだけ毎年有効需要を伸ばしていく、こういう計画。そうなると、一つの議論としては国内における有効、需要を一〇%ずつ伸ばしていくのには、最低二〇%ないし三〇%程度の大幅に賃金を上げないと、有効需要一〇%は保てない、こういう議論もありますし、また政府の方でも、おおむね有効需要を伸ばしていくにはその程度の賃金の支出をすると、こういう計画をお持ちのようです。そうなると、もうすでに三十六年度の予算で一〇%の賃上げになる、大体二千百円程度の賃上げになったところが、とたんに料金改定して、初年度において相当窮屈なものになるということになると、自己資本を投入しようといっても、どのくらいずつ伸びるかという問題もありましょうけれども、要するに、なかなか自己資本を投入しようとしても、そう簡単にいかぬのじゃないか、こういうように一つ考えられると思うのです。従って、今回の料金改定の中に長期計画はどういうふうに消化していくという見通しであったのか、これが第一点。  次の問題は、十カ年間の所得倍増計画の中で、おおむね十六兆の金を投入した、自己資本を入れて。それですでに第一次産業においては一兆、あと第二次を中心に第三次産業まで残金の十五兆を適当にあんばいするのだ、もちろんそれは大蔵省あるいは経済企画庁あたりも成案を得ていないようですけれども、とにかく十五兆の金は第二次産業、第三次産業に入れるという計画のようです。当然通信事業も郵政事業も所得倍増計画の一環という角度から考えることができるとするならば、当然十五兆の投資額のうち、何%かは投資の対象になるものだ、こういうふうに考えるのです。その辺は、どういうふうにお考えになりますか。

荒巻伊勢雄郵政大臣官房長

○政府委員(荒巻伊勢雄君) お尋ねの点が、二つあると存じますが、第一点の郵便料金の改定について長期計画の内容が含まれておるかという点でありまするけれども、一応本計画表に掲げられておりまするような施設の改善、人員の増加、局舎施設の改築、増築といったような改善計画を前提にいたしました今後の収支計画を立てております。  それから、第二の点でございますが、今後の国民所得の増加に伴って、郵政関係への資金の還元という点が、どうなるかというお尋ねのように思うのでございますが、現在の——現在のと申しますか、改定せらるべき予定の郵便料金を前提といたしまして、今後の国民総生産の増加というものを考えまして、それが郵政事業に、どの程度に物増となって現われ、収入の増加となって現われるかという意味におきまして、国民所得の増加が、郵政事業へ増収となっていかに現われるかという数字を一応算定いたしまして、本計画の中に入れた次第であります。

森中守義日本社会党

○森中守義君 私は、誤解のないように質問の前に申し上げておきますが、長期計画を単なるプランとして受け取りたくない。やはり実行できるのだ。ことに今までの事業の経過から考えますと、この際、体質の改善といいましょうか、あるいは近代化といいましょうか、こういうものが、やはりこの中に盛られていると思いますし、私は、そういうつもりで実はこの長期計画を早くから要請したわけです。ですから、先ほど野上君の質問に、大臣の方から一つの目安である、こういうようなお話だったのですけれども、私は目安としては受け取りたくない。やはり実行可能な、あくまでも五カ年計画を実行していく内容のものにしてもらいたいと思う。  そういう意味でお尋ねをするのですが、今官房長の言われるのも、なるほど国民総生産が上がってきて、それに対応して郵便物もふえていく、ひいては料金収入もだんだん上がる、そのことが間接的に一種の資本投資になる、こういうものの考え方のようでありますが、私は残念ながら郵便物の増加の状態が、ここに提出されておるような各般の、はたしてこの内容が十二分に事業の近代化のために、体質改善のためにオールマイティーであるかどうか、これはいろいろ議論もありましょうが、とにかくこれをやるには料金収入を自己資本として投入しただけで、はたしてこの計画が実行できるかどうかということは疑問だと思う。どうしても、自己資本あるいは減価償却だけに期待をしてやっていくには、少し無理じゃないか、ほんとうにこれを実行しようとするならば、無理であるだけに、他からの投資を仰がなければできない、その辺が、私は一番問題だと思う。もちろん、事業の合理化とか、あるいはそのサービスの向上によって俗に言われている生産性の向上による料金収入もありましょうけれども、それだけと減価償却だけで、はたしてこれをやっていけるというお考えですか、私は、そうは思っていない。やはり自己資本と減価償却だけでは足りない、そうなると、他からの、これは資本投資を求めないではできない。その辺が、はっきりしておかないと、やはりこれは大臣の言われるような、単なる期待であり、単なる目標であり、単なる目安だと、こういうふうに終わっていく心配がある。  私は、先ほど申し上げたように、これを単なる目安や目標としては終わらしたくない。体質改善あるいは近代化というようなことが、これは、もはや国民の大多数の要請ですから、その要請にこたえるには、この計画をじっくりと実行してもらいたい。そういうふうな角度から問題をとらえるならば、とても料金収入や減価償却だけでは間に合わない。これをどうするか。こういうことになってくると思うのですが、どうなんですか。間違いなく、これをやっていって、料金収入と減価償却で間に合うという、試算の結果、そういうことになっているのか。そういうことであれば、これは大へんけっこうなことです。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) この収支表は、一応損益だけを考えまして、そうして格別のベース・アップがないとするならば、この中に幾分の余裕金が出て参りますから、それは建設勘定の方に持っていきたい。もちろん減価償却等の金は、当然この中にみてございますけれども、そのほかに、ある程度の益金が出たならば、建設勘定に持っていきたい。建設勘定は、これとはまた別に、大体五カ年間で三百億円くらいの工事をやりたい。そうして、その中には自己資金が、おそらく減価償却としましては、毎年十二、三億円出てくると思います。ですから、三百億を五で割りますと、算出いたしますと、一年に六十億ずつ工事をやるわけでございますが、その中で減価償却の金十二、三億というものは、当然毎年予想しているわけでございますけれども、収益が出て参りませんと、残りは全部借り入れでやらなくちゃならないということになると、将来の負担が非常に大きいということでございますから、この損益勘定からの収益が幾らかでも出てきますと、その分だけ借り入れが少なくなるわけでございますので、そういうことを、先ほど来申し上げているのでございまして、一応建設勘定のワクは大体、二百億で五カ年間でやっていきたいというふうに考え、それから二十ページのところは、大体損益だけの収支を書いてある。こういうふうに御了解いただきたいと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 この二十ページといいますのは、この計画を実行するに必要な総額ですか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 建設勘定を除きまして、一応想定した全体の計画でございます。従いまして、集配関係の問題でありますとか、要員の増加でありますとか、そういうものは全部織り込んであるわけでございます。建設勘定は織り込んでいないということでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 ちょっと私、この表を、まだ全部拝見していないのですが、建設勘定が、これに幾ら加わりますか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 建設勘定といたしましては、五ページに「約三〇〇億円の資金を必要とする」ということで計画を練ってあるわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 今、経理局長のお答えからいきますと、建設勘定の三百億円を別にして、おおむねこの計画を遂行するには、二十ページの表によって損益勘定でまかなえる、こういうことですか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) さようでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 そういうことになりますと、あとはその建設勘定だけだ、こういう問題になりますね。ただ将来、この収支の見通しが、測定通りにいくという前提に立てば、もう議論をするところはありませんから、それはもう、この見通しを一応私も信用したい。しかし、あとの建設勘定の三百億はどういうふうにおやりになるのですか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 五カ年間でやりたいということでございますので、平均で割りますと一年間に六十億ずつやっていきたいということになるわけでございます。その財源としましては、毎年減価償却の金が十二、三億ございますから、当然それが充てられるわけでございますが、損益のいわゆる収支差が出て参りませんと、その十二、三億を除きました四十八億くらいは全部借入金でやらなければならない。そうなりますと、五、六年たって参りますと、借入金の償還ということが大きな問題になって参りますから、これは五カ年の収支の中で、できるならば、損益勘定の中から益金が出て参りますと、その益分を建設勘定の財源に持っていけますので、借入金の四十八億というものが、だんだん減ってくるというふうに考えるわけでございます。借入金は四十八億でありながら、損益の益金も加えて八十億、九十億ということになりますと、これは工事規模その他からいって、なかなか一挙に実際は困難でございますので、とりあえずは六十億のワクで、何にも益金がなければ借入金でやらなければならぬ。これは相当困難があろう。そこで、できるならば、益金から補充していった方がいいのじゃないかというようなことを考えているわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 三十六年度まで、これは局舎関係の分として百五十一億ですね。今言われたように大体十二、三億の益金を回していっても、四十七億ないし四十八億、これを四十七億に見て五倍、二百三十五億、五カ年計画をやろうとするには、今までの分と、これからの分を合わせて概算四百億ぐらい。そこで六分三厘の利率の場合には二十五、六億の利子、こういう勘定ですね。  そこで、一体こういうように、大量な利子を払ってやっていけるかどうかということが問題になってくるわけですが、これに、何か妙手はないのですか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 先ほど申しましたように、これは全く算術計算を実はいたしたわけでございまして、かりにそういう形になりますと、やはり経営としては、あまりいい格好じゃないと思います、と申しますのは、過去、これまで昭和二十四年以来、最低五億、最高三十億程度の借り入れをいたしておりまして、だんだん重荷になってきておりますので、できるだけ自己資金をもってやりたい。借り入れをしながら、何か妙手はないかといわれましても、ちょっと私は、そういう名案がみつかりませんし、そこで、建設勘定につきましては、先ほどから申し上げておりますように、電話でありますとか、鉄道のように、建設勘定をしなければ収益も上がらないという問題じゃございませんので、やはりその辺で、計画の再検討というような問題も相当出てくるじゃないかというように思っております。  実は、局舎関係につきましては、御承知の通り、三十七年度まで八カ年計画を大蔵省との間に話が進んでやってきておりますので、三十八年度以降のことにつきましては、まだ大蔵省や、いろいろな方面とも打ち合わせておりませんので、もう少しこまかく検討いたしまして、ほんとうの建設計画を固めていかなくちゃならない、こういうことでございます。  先ほど大臣からお話もございましたように、一応のめどを作ったわけでございますが、建設勘定は、当該年度でなくて、将来に大きな問題を残していきますので、今慎重に検討さしていただきたいと思っております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これは経理局長、算術計算といわれるが、実際は算術計算でなくて、実情であるということだと私は思うのです。  それでさっきの十六兆、十年間の資本投入、その中で、農業近代化のために一兆、十五兆は二次、三次、こういうことになっておるようですが、この分に期待しても、やはり六分ないし六分三厘程度の利子は払わなければならぬ。しかし、そういうふうな状態で、はたしてこの計画が実行できるかどうかということになると、幾ら話を煮詰めてみても、特別に妙案がない限り非常に困難じゃないか。従って、この三百億の、これから作る建設勘定をやっていくには、やはりこの場において、私は答をいただこうというわけじゃないのですが、何か回転していくような方法が講じられないと、事実問題として、この計画はくずれるじゃないですか。どうしますか、そういうときは。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 一般的な集配施設の改善でありますとか、そういうサービス面につきましては、これはもうできるだけ早く実行いたしていきませんと、せっかくの郵便の諸問題についての解決がおくれることがございます。これはどうしても、優先しなければならない。建設勘定については当てにする数字はございませんけれども——直接収益との関係がございませんので——しかし、従事員の環境をよくし、仕事の作業能率がよくなるということは、これは非常に大事でございますから、これもしておかなければならぬ。しかし、今申し上げましたように、直接収益の伴わないものでございますので、やはり慎重な検討をして、重点的に、まず実行していくということをやるほかないじゃないか。人から借りた金でございますので、やっぱり将来負担が残るということがございますので、そのとしどしに、やはり重点的によく考えて実行していかなくちゃならぬ。大きな計画を持ちながら、実行は重点的に考えていくというふうに考えなくちゃならぬのじゃないか。これは全く私見でございますが、そういうふうに考えております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 大臣、これは私はやはり大臣のお仕事になってくると思うのです。この内容においてかなり豊富なものがあります。ただこの計画をやってみて、それで今日要請されている完全に郵政事業が近代化されるかどうかということには、もう少し議論の余地があると思いますが、一応この段階において利子というものを私は期待します。そこで問題になるのは、建設勘定の問題ですが、今経理局長のお答えのように、特別に妙案はない、妙手もない。しかし算術計算でなくて実情がこうなっているということになりますと、何かあなたはお考えになりませんか。これは事業の合理化とか、いろいろやり方次第では益金もふえるでしょう。しかしそれには限界があると思うのです。とてもこれを損益勘定で大幅にカバーしていくようなそういうことは私はできないと思います。そういうことになりますと、考えられることは、やはり今まで投入されてきた百五十一億の金は財投の金である。しかも六分三厘という利子を要する。しかるにたとえば農業近代化の場合には二分、ないしは有畜農家を含めれば三分というような利子補給をやっております。あるいは造船の場合には六分五厘で貸して一分五厘の利子補給で五分だ、こういう方法が講じられておるようでありますが、六分三厘という利子をもう少し切り下げるとか、それが困難であるならば若干の利子補給をする、そういう方法を講じることが、もちろん益金は益金でうんとふやしていくけれども、もう一つの期待すべき方法としては利子補給だけである。あるいは財投の利子の切り下げをやる、利率の切り下げをやる、こういうことが考えられる一つの方法でもあると思いますが、どうでございますか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 御指摘の点は確かに一つの方法でございます。これは今年度作りまして、これを目安に逐次今、森中先生の御指摘のような点を検討して詰めて参りまして、そして一般会計から利子補給を受けるとか、あるいはまた料金の合理化をするとか、いろいろな次の段階の手段を講じなければ、これはやはり実行できませんから、ただいま御指摘のような点は十分留意いたしまして、まずこの計画の第一年度の出発にあたりまして、私どもこういう試算をいたしまして、幾多の御指摘のような問題点がございますから、これらを逐次解決の方向に向かって進めたい。  そこで局舎その他の建設でございますが、これは局舎を作ったから収入がふえるというわけにはこれは参りません。鉄道を引っぱってそこへものを運べば運賃がそれだけふえる、こういう計算は成り立ちにくいと思いますが、しかしサービスを本体といたしますから、これはある程度の金額がかさんで参りました場合には、場合によっては政治的な考慮を必要とすることもあり得ると思います。たとえば郵便貯金の方の特例会計で相当な赤字を重ねて参っております。これは一応切り捨てて参ろうというようなこともありますが、国家事業としての国民へのサービスでございますから、ある程度実行したときにしかるべき手を打つのも一つの方法でありまして、初めからこれだけの金を借りて、これだけの収支計算を作り上げるということも一つの方法でありますが、この長期計画の策定にあたりましては、ただいま経理局長から申し上げました通り、きわめて不確実な、確信がないような御印象をいただいたかと思いまするが、今のような段取りで御指摘のような点を解決して参りたいと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 ちょっと誤解を与えるといけませんが、確実であるとかないとかということは、私は言っておらない。計画そのものはけっこうだと思う。ただ問題は、これだけ形が整ったのだから、あと金はどうする、その辺が、要するに建設勘定だけが問題があるから、それに対する打つべき手は大臣としてないか、こう言っているのです。ですから、ここで最善のものが、最良のものが、どこともこことも話がきまったのだ、こういうお話でないから、現状においてはこれももちろん了承できるわけですが、今方法としては、利子補給もあろうし、あるいは利率の切り下げ等もあるんじゃないかということなのですが、さっそく一つ、これは実行段階に今から移されていくわけですから、関係の向きと折衝してもらいたいと思いますが、どうですか。その利子補給なり、あるいは利率の切り下げ等をお話しになりますか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) これはまだ実は政府としての案ではございませんので、まだ企画庁等に素案を示した程度でありまして、十年後の経済成長率、倍額の経済計画の一翼として、この案を確定する際には資金源をどうする、あるいはその利息その他の負担がかさんだ場合にはどうするかというようなことも、あわせてその際確定して参りたいと考えます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 それで私がお尋ねしようとするところまでお答えいただいたわけですが、この案は省の一つの試案であって、大蔵省、企画庁あるいは通産省、いわんや閣議決定にはなっていない、こういうことのようですが、そこまで持ち込まれますか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) これは経済成長計画を実行する場合に、交通と通信というのは非常に大事な問題でございまして、むしろこれがおくれておったのがおかしいくらいであります。これはどうしても交通と並んで通信政策を、経済成長率の計画を策定する場合には、詰めていかなければなりませんので、ただこれが大へんおくれて参りまして、私就任早々手をつけたのですが、今日のような状態で、まことにその点恐縮でございますけれども、これをその一翼として考えて参りたいと思っております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 考えて参りたいということは、善処されるということでしょうが、なるほど、倍増計画の中で三十万の一つの計画もあることはあるのです。そこで在来ややもすると、郵政関係の計画というのが閣議決定も見なかった、あるいは関係の大蔵省あたりに話もされないで、郵政省がただ一つの目安、目標ということに終わっている問題が今までたくさんあります。そういうことになりますと、これはどうも利率の問題にしても、補給金の問題等も、なかなか本物にならぬと思う。そういう意味で、ただ内輪の計画だけでなくして、これを一つもう少し政治的な広い場面に押し出していくという、そういう程度のことはこの際お答えできませんか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) これは単なる目標に終わらせたくないということは、私どもも念願いたしておりますが、これを閣議決定にする、あるいは経済企画庁とともにさらに検討を加えまして、ただ絵にかいたものに終わらせたくないというのが私どもの念願でございますが、何分にもこういうものが今までできていなかったものですから、初めて策定いたしまして、そうしてこれを経済成長率の実現の一翼としたいという意味で、政府部内の各方面とも連携をとりまして、ただこれだけで終わらせたくない、もちろんこれを実行して参りたい。ただ郵政事業には簡易生命保険と、それから郵便貯金がございますが、財政投融資の重要な一翼をになっておるわけでございますから、これらとの関連におきましても、これを実行するについては政府として決意をしてもらいたい、そういう考えで進むつもりでおります。

森中守義日本社会党

○森中守義君 そうしますと、結局三百億、建設勘定の問題は今取り上げてどうという妙案はないけれども、この計画が実施される段階において、そごのないようにおやりになる、こういうように了解してよろしいですか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) できるだけそのように努力いたしますから、そうお考えいただいてけっこうだと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 そこで、もう一つお尋ねしますが、これを拝見した場合、事業のサービス提供の状況といいましょうか、逆に言うならば、需要の状態が大都会に偏向をする、それに対応するための計画がかなり強く出ていると思う。それも需要と供給という見方からするならば、当然のことだと思うのですが、今回の排送計画によると、主として太平洋沿岸の一定のベルト地帯に相当力点が置かれて、それに対応してこれも組まれておるというような感じを印象として私は受けます。そうなると公共事業との関連においてどういうことになりましょうか。どうも山間部であるとかあるいは僻地であるとか、こういうところがこの事業近代化の五カ年計画の中に相当強く出ていないと思う。せいぜいこの中で拝見した場合に、たとえば開拓地に対する集配度数をふやすとか、その程度が見るべきものであって、その他山間僻地に対するサービスの向上、サービスの提供、もちろんその辺については大量に需要があるわけではありませんから、そのことはその関連において考慮されなければならぬでしょうけれども、公共事業という、こういう観点からものを見た場合には、やはり多少の矛盾があるんじゃないか、こういうように思うのです。どうでございますか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) これは同じ公共事業だから全部、あまねくという文字もあるし、平等というふうにあまねくをとったら実行できない。たとえば汽車は、あるいは電車は、公共的なものでありますから、やはり一番需要の多いところに主力を注いでおります。ですからこの郵便事業あるいは郵政事業全般につきましては、おのずから需要供給の多いところ、それに力が入るのは当然だと思いますけれども、しかし山間僻地をこれを切り捨てるとか、あるいはこれを軽視するというような考えは毛頭ございませんです。ただおのずから需要の多いところに力点が置かれる、と同時に、今最も国家あるいは国民として経済上、生活上需要の多いところに力点といいますか、重点が置かれておるのであります。今御指摘のような点も十分考慮はいたしたいと思いますけれども、おのずからそこに緩急——軽重という言葉はよくないかもしれませんが、差が出てくるのはやむを得ないと思っております。決してこれを軽視するとか無視するとかいう考えはわれわれは持っておりません。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これは内閣全体の倍増計画の中に言われている方針としては、たとえば経済の二重構造を破るために倍増計画をやる、こういうことを内閣としてはよく言われますね。ところが今大臣のお答えからいくならば、多少私は逆な御意見だと思う。ただ実体論としましては、やはり事業経営というものは、需要と供給の関係の上に成り立つというものの見方をすれば、これは私は肯定できないこともない。ただ需要と供給の平均をとっていきながらも、それならば需要度の少ないところに力を入れなくていいのかということになると、これは公共事業という点からかなり問題がございます。おのずからそこには一定の限度があるわけです。この中にうたわれている需要度の高いところには、いわゆる資本効率の高いところには、うんと金を注ぎ込んで、資本効率の少ないところにはできるだけ手を抜く、こういうことであれば、少し私は問題が残ると思う。これを実行されるにあたって、いわゆるどのくらいの地域的な格差が生まれてくるでしょう。また、その格差と、いわゆる限度であるという格差は、どのくらいであっていいと思いますか。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) お答えいたします。ただいま大臣から御説明がございましたように、主として郵便物が非常に増加する地帯というのは、やはり大都市その他を中心とするところでございまして、郵便物の確実なる、あるいは早くこれを送達するということになりますというと、勢いそういうところに重点が置かれがちでございますが、この案につきましては、農村とか、そういう地帯について一体考慮が払われているかどうか、それからその格差というものはどういうことになるかというようなお話でございまするが、個個のこの計画につきまして申し上げますと、いろいろ時間もかかりますけれども、一、二の例をとってみますというと、たとえば窓口機関等におきましても、無集配特定局につきましては、大体その三分の一ぐらいのものはむしろ農村地帯に置かれる、また従来もそういう方向をとってきているわけでございますが、簡易郵便局等はほとんどこれは農村の窓口機関になる、それからポスト等につきましても、大体一万一千本ぐらいを五カ年で置くということになりましたが、その中のやはり三分の一程度は農村地帯にいくような計画をいたしているわけであります。局舎等につきましては、大体今回は都市が中心になりますが、それでも特定同等につきましては、かなりの程度のものが都市以外の地帯にも置かれるということにしております。それから集配の運送施設の拡充という点でございますが、この中で、たとえば一、二種の郵便物の航空搭載等につきましては、これはもちろん北海道とか九州とか、あるいは四国等の速度を早めるわけでございますので、相当程度これらの地帯に対する速度が改善されることだというように考えておりまするし、また、ローカル線等の気動車化により、これを専用自動車に切りかえるというような問題につきましても、相当農村地帯のやはりこの速度の維持ないしは改善ということにこれが向けられるわけでございます。また、この機械化の点でございますけれども、集配運送用の機動化という点につきましては、特に農村地帯におきまする非常に距離の長い集配を機動化いたしまして、能率化をはかると同時に、また、この労働の負担の軽減をはかるという意味におきまして、相当の機動車を農村地帯に配分いたす考えでございます。また、電報等の送達用に必要な機動車は、ほとんど農村地帯を対象にしている、こういうような計画でございます。  また、先ほどちょっとお話がございましたように、僻地の集配につきましても五カ年をもちまして、相当程度ここで集配を開始する、また速達地域の拡張、いわゆる別配達制度を設けるというような点につきましても、これはほとんど農村地帯の便宜をはかるというような、こういう計画の内容を持っている次第でございまして、大都会にある点は重点を置かれておりますが、公共施設といたしましての郵便という点を考えまして、農村地帯におきましても、相当このサービスの維持なり、積極的なサービスの改善をはかっていきたいというふうに計画の内容が盛られているわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 そうしますと、おおむね都市と地方との施設の格差というものは三分の一対三分の二、こういう標準をおとりになっておるのですか。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) 私どもは、ただいま無集配の特定局につきましての大体の今までの方針の一つを申し上げたわけでございまして、この計画は決してそのようになっておるというわけではございませんので、ある計画につきましては農村地帯に重点が置かれる。たとえば、先ほど申し上げましたように、速達地域の拡張のごときは、ほとんどこれは農村地帯に置かれる。要するに私どもといたしましては、今後五カ年の郵便物等の増加の傾向等にかんがみまして、現在よりもいわゆるサービスが悪くならないように維持すると同時に、積極的に都市並びに農村地帯のサービスの改善をはかっていくということがねらいでございまして、ちょっと私どもの例の引きようが悪かったのでございますが、この格差がどういうようになるかということにつきましては、実はここに詳細な数字は持っておりませんので、今後具体的にそういう面も検討をいたしまして、お示しできるようにいたしたいというふうに思っております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 この問題は、さっき大臣から一応意見の開陳がありましたし、そういう原則的なものの考え方がいいか悪いかというのも多少私は議論があると思う。ただしかし、やはりこれから先の事業の発展拡張ということを考えていきますと、やはり需要と供給という問題にも一つの根本を求めなければなりませんが、やはり都市と地方とどの程度に標準を置くべきか、この点一つ格差の問題を検討していただきたいと思う。郵務局長の答弁でも、そういうお話ですから、これは後日に承ることにしておきますが、ただ計画そのものは審議会に諮られておりますか。また審議会の中では、この格差の問題で議論されたことありましょうか。

荒巻伊勢雄郵政大臣官房長

○政府委員(荒巻伊勢雄君) この計画の策定につきましては、特に郵政審議会にはかけてございません。しかし料金改定の諮問をいたしました場合におきまして、郵便事業の今後のあるべき点等につきましては、審議委員の御質問、その他審議のいろいろな過程におきまして検討はされておるというのが実際でございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 その中で都市と地方との格差の問題は議論されたのですか、議論されたことありませんか、審議会で。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) いろいろ料金等のきめ方等につきましては、たとえば新聞料金等につきましての農村地帯におきまするいろいろな負担増の問題、あるいはこの長期計画等におきましても、特に農村地帯での重量物の運搬については、やはりそういう自動車化をはかるような必要があるのじゃないかというような断片的な問題につきまして、いろいろ意見が出ましたけれども、これを系統的にしからばどういうふうにやったらいいかというところまで実はいっていないのでございますが、一応省といたしましても、こういう計画ができましたので、いずれは早い機会に郵政審議会の議題に付して、いろいろ検討をしていただきたいというふうに私どもは考えておるわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 私はこの問題にえらくこだわっておる理由は、政府の計画でも、今度法律が四つ出ておりますね、この種問題で、同じ都市と地方との格差の問題で。そうなると、経済企画庁あたりとよほど協議されなければ、少しこの計画そのものがずれてくるような気がする。もちろん、私どもの党としてそれらの法案に賛成じゃありませんけれども、やはり経済の二重構造を破っていく、これが池田政策であれば、当然都市と地方との格差は縮まっていく、こういう方向に進んでいくようですから、やはり都市と地方との郵便のサービスの提供あるいは施設の提供の状態等も、一定の結論が私は生まれてしかるべきじゃないか、こういうように考えますから、特に一つ御検討願っておきたいと思います。それからもう一つ承りたいのですが、制度そのものについては、この計画を促進をしていく過程において順次検討する。  たとえば機構とか制度とかいうように、どっか表現をされておるようですが、これについて何か具体的な御意見をお持ちですか。たとえば、いつかこの委員会で議題になったと思うのですが、どうしても事業経営していく中において、経済効果を求めなければならない。経済効果を求めていくには、制度そのものに多少手を加える必要があるのじゃないか、こういうことが議論されたことがあると思うのですよ。この辺何か検討された上で、この中に、計画を進めていく過程で、機構あるいは制度には手をつける、こういう表現ですが、それを意味しているのかどうか。

荒巻伊勢雄郵政大臣官房長

○政府委員(荒巻伊勢雄君) 検討の内容をここでどうかという点につきましてはお答えできないのがはなはだ残念でございまするが、たとえば郵便局、現業の郵便局制度が現在のままでいいかどうかというような点、あるいは中間管理機関としての郵政局、それから監察局、さらに本省の内部の機構というものがこれでいいかどうかということは、当然事業の今後の趨勢に応じて検討の対象になるということを一応考えて本計画を立てておるのであります。

森中守義日本社会党

○森中守義君 この場でお答えできないのは残念だと言われる。持っていて言えないというのですか、ないから言えないのですか。

荒巻伊勢雄郵政大臣官房長

○政府委員(荒巻伊勢雄君) 具体的にまだございませんので、お答えできません。

森中守義日本社会党

○森中守義君 そうしますと、私はその当時にこういうようなことをお尋ねしたと思うのです。経済効果を求めるということになれば、たとえば三名ないし四名等の無集配はどうするか。窓口に一日に四名ないし五名程度の客しかない、しかし局長、ほかに主事、局員二名、四名くらい人を配置する。月の人件費だけでも相当なものになる。一体そういうところは、公共事業という名のもとに配置されておるけれども、サービスをダウンしないというそういう建前に立ちながら、もう少し制度の改善、改革はできないのか、そういうことが経済の効果を求める一つの方法でもある、こういうことを聞いたことがあるんです。その際に特に私は主張しましたのは、現在の受け持ち指定局ですか、こういうところの出張所にするとか、あるいは支局にするというような方法を講じて、それで繁閑の度合いに応じて人をふやしていく。常時は一名しか置かないとかいうような、そういう管理運営の制度について再検討の余地があるか、こういうことを私はお尋ねをして、なお一つの検討してみたいというお答えをもらった記憶がある。これは私は、なるほど非常にむずかしい背景もあります。なかなか郵政省の方でも今すぐその問題をどうするという答えは出しにくいでしょう。しかし、こういうように少なくとも体質の改善、事業の近代化を促進をしていくということになりますと、さっき大臣の言われた資本効率の高いところと、そうでないところという、こういう問題とも関連をしながら管理運営の制度というものは一つの考究の対象になると私は思う。従って、当然そういうものがこの中に盛られておるという期待を持っていたのですが、残念ながら、抽象的に、計画を促進していく過程で検討したいという程度で、肝心なところに言及されていないのですが、検討されましたか。それと同時に、経済効果をあげていくという意味から手をつけたいという御意思がありますか。

荒巻伊勢雄郵政大臣官房長

○政府委員(荒巻伊勢雄君) 現業局の制度、ことに小局のあり方等につきましての問題は、かねて先生方からの御意見も承知いたしております。なお、小金大臣からは、省内のこういう現業局機構等、総合的に見るべき問題につきましては、総合政策委員会というようなものも設けて、積極的に検討するようにという御指示もあるわけでございまして、委員会といたしましては、これら制度、機構、ことに現業局の機構等につきましては重要な問題として、目下検討をするという態勢のもとにあるわけでございまして、具体的にどういう結論が出たか、あるいは現在どういう案があるかということにつきましては、まだここでお答えができないのでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 さっき申し上げましたように、かなりむずかしい背景を背負った中での計画でしょうし、また、聞く方もそれをよく承知しているのです。ただ、しかし、こういうふうにこれから先五カ年間の長期にわたる計画を策定をして、しかもその根本をなすものは事業の近代化であり、根本をなすものは、何といっても体質の改善である。むしろ私は今日喫緊の急務だと思うのはその辺にあると思うのですよ。小局の管理運営制度をどうするのか、そういうことが手を抜かれて、たとえば大都市の集配度数をふやしていく、高層建築物に郵便受箱を作る、これも一つの問題でしょうけれども、しかし、それは当然しなければならぬ問題だと思う、新しい施設としましてね。しかし、今まで相当根強く存在をしている組織制度の中で存在をする問題としては、もっと省の方では、多少問題はあっても、結果がどういうようなことが招来するのか、それもにわかに予測はできませんけれども、思い切って手をつけるというようなことが、実は長期計画の中に入れられてもよかったのではないでしょうか。これは一つの意見でもありますが、当然省が自発的にそういうお考えをお持ちになっても、私は体質改善、近代化するという意味からするならばいいようにも思のですが、そういうことはやはり非常に困難であったのですか、それとも忘れられたのですか。

荒巻伊勢雄郵政大臣官房長

○政府委員(荒巻伊勢雄君) 忘れたというわけではございませんが、そういう問題は当然取り上げて、今後五カ年間の過程におきまして具体的に検討し、改むべきことは改めるという意味で、前文の中に書かれたようなわけでございまして、今後逐次総合政策委員会といったようなもの、あるいはさらには郵政審議会の御意見もあるわけでございまするけれども、そういう面の御意見等も加味して、改善すべきものを改善していくという気持を具体的、はっきりとそこに書いたわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 非常にお答えがはっきりしましたが、この中に抽象的に表現されている言葉の中に具体的にそういう問題も入っている、当然対象になる、こういうように考えておいてよろしいですか。

荒巻伊勢雄郵政大臣官房長

○政府委員(荒巻伊勢雄君) さようでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 それから経理局長にちょっとお尋ねしておきますけれども、今回のベース改定が一〇%、おそらく来年は一五%か二〇%になるかもしれません。さっき申し上げたように、政府全体あるいは財界等の御意見が、有効需要一〇先伸ばす、こういうことだから、それをやるには二〇%、三〇%の大幅な賃金の値上げを行なう必要がある。そうなると今回の一〇%を加えてみて、どのくらいの率になりましたか。すなわち、今までは四・五%の定期昇給と四%のベース改定をやって、たしか八%を五カ年間の実績の中から出す、こういうことですが、今度のベース改定で幾らになっておりますか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) この案では本年度一〇%、定期昇給四・五%、一四・五%ことし上がって、あとは定期昇給だけするというのを最低の案にして考えておりますが、あとは、たとえばことしを除きました過去五カ年間が八%のアップでありましたから、八にするためには、ことしが一四・五%だから、あとは六でいいじゃないかという議論もあります。そういう計算もいたしました。それからことし一四・五%上がっておりますから、それを基礎にして毎年八%上がっていく、そういう計算をしなければならぬということで、いろいろな計算はしたわけであります。しかし算術といたしましては、一応四・五%ということだけでいたしました。  それから先ほど先生言われるように、来年も一〇%、二〇%というお話につきましては、まだそこまでちょっと事務的には想像いたしかねたものですから、いたしておりませんけれども、いろいろなパーセンテージの計算を今やっておるわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 まあこれは来年あるいは再来年も、上げようじゃないのですよ、上がりますよ。そうなるとずいぶん変わってくるでしょう。来年もまた一〇%上がる。あるいは二〇%になるかもしれない。だから実際お作りになるときに一応の想定というのか、最低でなくて、最高の予想をしておかないと、相当収益に狂いを生ずると私は思うのですが、どうでございますか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 仰せの通り、いろいろな場合を考えなくちゃならぬと思いますが、ただ過去五カ年間を見ましても、ことしのような大幅のようなことは少なかったわけでございますが、引き続いて同じ率でいくという計算は、ちょっと事務的にいたしかねましたので、それよりももっと小幅でございますけれども、いろいろな場合を想定した計算をいたしたというのが実情でございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 結局、この計画に対する先ほどの御答弁でよくわかりましたが、たとえば来年も仲裁裁定が一〇%ないし一五%出ても、再来年同様に出ても、この計画には狂いはこない、こういうように判断をしておいてよろしいのですね。五カ年は困らない。しかも施設は予定通り実行できる、借入金も要らぬ、建設勘定以外は。そういうような豊かな財政になっておる。こういうように見ていいのですか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 過去の昇給率等、いわゆるそう無理でないといいますか、過去の経験率に徴した成長を見た分につきましては、何とかやっていけるというふうに考えたわけでございまして、来年もものすごく上がるのだというようなこと、そういう場合にも借入金は要らないのだ、そういう案は実は考えていないのでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 きょうはあと一、二問で一つ終わりますが、郵務局長、この「郵便の現状」というのが昨年の十二月に出ておりますが、これの三十八ページに諸外国の料金の比較が出ておりますね。この中で新聞発行人差し出しで百グラムのもの、この比較が出ておりますが、スイスが二円四十八銭、フランスが二円九十二銭、わが国が今回の改定で二円ということになりますが、もちろん諸外国の料金比較によってわが国の料金設定ということも、これはどうかと思うのですが、どうもこの比較表からいくならば、わが国の場合には非常に低きに失する。これが政策料金だという意味なんですか。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) 新聞料金の決定につきましては、今までいろいろ御説明を申し上げたのでございまするが、私どもといたしましては、ぜひとも限界原価と申しまするか、直接費だけはこの料金の値上げによってカバーいたしたいというふうに考えておった次第でございまして、大体三円というふうにまあ審議会の答申案はございましたし、私どもも、まあ四円程度は一体どうだろうというような考え方も持っておった次第でございます。しかし、料金の値上げの幅を、たとえその単位料金は安くても、これは二倍あるいは三倍になるということは、相当影響が強い。特にまあ新聞料金につきましては、実は新聞社側のこれは負担がふえるというよりも、このような農村地帯とか、あるいは開拓地帯におきまして新聞を購読しておりまする購読者の負担が、一気に三倍ないし四倍に上がるということは、非常にまあ購読者にとっても工合が悪い、お気の毒だと、こういうような点もいろいろ勘案をいたしまして、漸進的にこのたびは二倍と、いわゆる二円という案に落ちついた次第でございます。御承知のように、新聞の購読料は、都会地におきましては三百九十円、農村地帯におきましては、郵送料を別にいたしまして二百九十円という料金をとっておるわけでございまして、そのほか、いわゆる農村地帯におきましては、一人一日一円でございますので、月平均三十円、二倍に上がりましても六十円、もし三倍に上がりますと九十円というものを支払わなければならぬ。このような現状を考えまして今回、私どもも一応不満足ではございますけれども、この値上げの幅を二倍ということに押えた次第でございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 ちょっと郵務局長、言葉を返すようで大へん恐縮ですが、現行料金に対して二倍ないし三倍、それで困るんだというのが一つの理由のようですが、それならば現行料金はどうなのか、そこを考えないで、ただ現行料金に対して三倍ないし四倍になるのが悪い悪いという、この考えは、私は少し適当でないと思う。やはり現行料金がはたして原価に合うのか合わぬのか、このことが議論をされないで一がいに現行料金に対して三倍、四倍は悪いという、この省側のお考えというものは、少し私はいただきかねる。むしろ、現行料金がはたして適当なのか適当でなかったのか、原価に合わしてみてどうなのかということの方が、むしろ省当局としては主張されるべき一つの問題点だと思うのです。極端に私は申し上げるならば、現行料金が適当でない、原価をはるかに割っておるまあこういうように思うのですが、あなた方は、終始そういう見解のもとにこの問題を進めてこられたのですか。

板野学郵政省郵務局長

○政府委員(板野学君) ただいま先生のおっしゃいました通りでございまして、現在、三種は原価が三十五年度で換算いたしましても、六円九十銭、収入が一通当たり一円一銭でございますので、一通当たり五円八十九銭、これを総額にいたしますと約四十億の赤字ということになっておる次第でございまして、私ども、これはあまりに低きに失すると、こういうことで、当初少なくとも原価をまかなう程度ぐらいまでは、これは料金を上げたいという、こういう気持で、まあ郵政審議会におきましても、すでに御承知かと思いまするが、大体四円案というものを持っていったわけでございますが、郵政審議会ではこれは三円、それからなおいろいろその後検討いたしました結果、まことに私どもといたしましては、これは不本意ではございますけれども、先ほど申し上げましたように、この料金のはね返りが経営者である新聞社にくるというよりも、むしろ農村地帯あるいは開拓地帯におきまする購読者にすぐはね返ってくる。しかも、これが月の料金にいたしまするというと、従来三十円のものが、四円に上がりますれば、四倍の百二十円になる、こういう点をいろいろ考慮いたしまして、やはり漸進的にこういう料金の改定をはかるべきものであるというふうに考えまして、不本意ではございますけれども、こういうことに落ちついた次第でありまして、先生の御意見は私ども十分そういう点も考えまして、いろいろ原案等につきましてはなお考慮をして参ったわけでございます。結果といたしまして、先ほど申し上げましたように、購読者のそういう面もやはり漸進的に一つ考えていかなければならぬということで、二円に落ちついた次第であります。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これはさっき野上委員からもちょっと質問があったようですが、国鉄の場合と郵政省の場合を比べてみるのが一番早道だと思う。もとより国鉄の行き方がすべて正しいという、そういう見解では私はもちろんありません。しかし、比較論として考えた場合に、たとえば国鉄の政治路線、赤字路線といわれておりますが、この赤字を埋めるために、先般の運賃改定は、もちろんそれ全体ではございませんけれども、赤字路線の穴埋めのためにも料金改定が必要だ、こういうことは運輸大臣も言われておった。国鉄の総裁もそういうことを言っておりました。そうなると、公共事業であるから原価を割ってもいい、他の部面でもうかるから、損する方にもうかった分を回すのだ、こういう議論もありましょうが、それを逆からいうならば、もうかるところはもう少し低目にしてもいいのじゃないか、こういう理屈も私は一つの理屈として成り立つと思うのです。そこで考えてみれば、国鉄は政治路線、赤字路線を、それに充当するために料金の改定をやる。郵政の場合には一挙に三倍、四倍にされるのは工合が悪いから押えておく。そうなると、現行の料金はどうかといえば、すでに五円八十九銭のコスト割れになっている。年間四十九億の赤字になる。こういうことでいいか悪いかということになりますと、もうこれは私は思い切って、料金改定というものは毎年できるものじゃありません。むしろ、こういう際におやりになる必要があるのじゃないか、いわゆる適正な料金化という意味で、そういう意味で、私は局長なり、あるいは大臣等の、いわゆる購読者負担になるから、できるだけ購読者負担を避けたいという気持はわかりますけれども、ただ、内容において少し適当でないというように考えるのですが、どうですか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 御議論はごもっともでございますが、まあいわば普通郵便は大体五種に分かれておりますが、三種、四種は、これは赤字路線であります。しかも、距離が短いものですから、まず総合的な採算がとれればということで、一応まあ郵務局長あたりは、少なくとも三円ということを主張したのですけれども、もとが安いからというので一ぺんに上げる——たとえば税金でも、ある種のものは安いから上げるという場合に、一ぺんに三倍、四倍にというようなのは、ちょっとこれはどうも負担者からいくとどうかと思われる。逐次これは直すべきものでありまして、今まで一体十年間ほうっておいたのがおかしい。これほど赤字が出ておるならば、とうにこれは直すべきものであります。そこは一つの社会政策と申しますか、新聞を郵便配達によって購読される人たちの負担になるというのでありますから、まあ私は、倍の料金を払うということはやはり相当なショックだという陳情も実は受けております。あれやこれやを勘案いたしまして、三種、四種についてはいろいろな御意見もございます。御議論も承りましたけれども、一挙にこれを収支償う線に近づけるということは、私はまあ非常に困難である、困難であるというよりも、少し酷であると考えたのであります。乗り手が少ないところだから、汽車賃を一キロ単価を上げて償うように持っていくということができないと同じように、これはやはりある程度他の五種なり、その他で負担を分担し得るという見通しが立つ以上は、まあ一応倍額程度の値上げでよろしいのではないかというふうに考えました。まあ一種の社会政策でもあるし、新聞という文化、教養というような内容のものを運ぶのでありますから、まあこれは私もむしろ森中先生の意見に賛成したいのでありますが、こういうふうに落ちつけたのでありまして、御意見のほどはよくわかります。  先ほどの永岡さんから御指摘の年賀はがきもまあ同様なものでございましょうが、一応この程度にとどめておいたことについての御批判はもちろん私はあろうと思いますけれども、一ぺんにとにかく今まで安かったからということで持っていくことは、なかなか困難じゃないか。ちょうど学生の定期乗車賃が非常に安い、これじゃもうどうにもならないということを国鉄の当局はよく言っておりますけれども、しかしそれじゃこれをペイするというラインまで上げられるかというと、なかなかそれができない。そこで第四種の通信教育はそのまま、農産物の種子もそのまま、これはもちろん赤字でありますが、第三種の郵便物につきましても、まあ新聞その他、購読者の負担であるという現状からいきますと、この程度で一応この際はまあ御賛成をいただきたいという趣旨で、別段採算性からいってこういう理論でこうだという厳格な理論から割り出した郵便料金ではないので、との点は筋が通らぬとおっしゃれば、まさにその通りでありますが、ほかにも、まあ道連れというと語弊がありますが、まあ赤字を出しているのもありまして、総括的な採算の点においてまあここまで持ってくれば倍になるのであります。まあまあというところで、私もこの原案を作ったような次第でありまして、筋道からの御議論はごもっともでございますけれども、ここらで私は落ちつけていただきたいと、こういう考え方であります。

森中守義日本社会党

○森中守義君 いや、まあそれはむやみに賛成されても困る、私はそうじゃないんだから。(笑声)ただ、これはまあ少々大臣をひやかすようで恐縮ですが、今日の物価の状態ですね。これはもう、今経済企画庁からも出されていますが、かなり高物価になっているんですね。いわんや予算あたりの審議の際に、生産コストも一定に押える、卸売価格も押える、小売価格も押える、その必要があるんだ、あるんだということを言ういながら、それはいっとき待っといてくれというような、いわゆる放任にされていた結果、明らかにもう四・八%以上に物価が上がり、奥先生もいられますが、主婦連合会から出されている、一月の末から三月の末まではもう二千五百円家計の支出もふえた、こういうことが出ているんですね。これは閣僚の一人としまして、大臣が、これについては社会政策としてその辺も考慮したんだと言われるけれども、政府施策の全体の角度から問題を見れば、だいぶ私は見当はずれの政策がとられている、こういうように思う。  そこで私は、こういうことをもう一度言えば、以前の議論に逆戻りしますけれども、なるほど赤字なんだ、それをあえて行なうところに郵便事業の、公共事業の妙味がある、まあ極端に言うならこういう表現だと思う。そこで問題になってくるのは、それならば一体郵政の特別会計、独立採算という制度はこれでいいのか悪いのか。すなわちある特定の地域については非常に黒字だ、しかしその部分の人たちから言わせると、郵政事業はおれの方から少しもうけ過ぎておる、だから料金を下げろと、こういう議論も、私はさっき申し上げたように出てくる可能性もあると思う。そんなに大都会でもうかっておるなら、そっちの方は少し押えてくれ——しかしそういったように考えますと、赤字の問題については黒字の方から回していくという、それも総合的な事業運営の面からは一つのやるべき方法でしょうけれども、何ら補給金制度もとられない。あるいは一般会計からの繰り入れも好まない。それならば、黒字のところがある限りにおいては多少持つにしましても、今回こういう計画もしなくちゃいかぬ、あるいは人件費も増高している、そういうことになると、結果的には郵政事業は、料金改定の初年度あるいは二年度ぐらいはいいにしましても、だんだん窮屈になっていくのじゃないか、こういうようなことが当然予想される。  それで私は先般来、会計制度はこれでいいのか悪いのか、あるいは料金を適当に是正する場合においては、もう少し変わった方法はとれないものか、そのことを細野さんの郵政審議会に出された答申の例の意見書を中心にして一、二回御意見を聞いたことがありますが、その当時非常に貴重な意見だから一つ研究さしてほしい、こういうことだったのですが、それから多少時間がたっておりますが、何かお考えになったことありますか。もちろん私は、年間四十九億、しかも一通当たり五円八十九銭という赤字を出しているんだから、だからこれを赤字を、割らないようにせい、むやみに料金を上げろ、そういう意見は私は述べているのじゃない。これらの部分については、もっとやるべき方法がほかにないのか、制度はこれでいいのか、こういうことを実は聞きたいわけですがね。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) これは物価が上がるから、これだけは一円を二円程度で押えたというような、そういう大きな立論の基礎ではございません。ただ、先ほども申し上げました通りに、幾ら低くても十年間も慣行でそのまま続いたものを、一ぺんに三倍に上げるということは、これは私はなかなか、その負担者の方の側見ますと、特に毎日配達を新聞店から受けることができないような人たちのこれは負担でございますから、まあ社会政策的な考え方から、まずこの程度ということできめたものでありまして、別段ほかに深い意味はございません。そういう意味で二円ということにしたのでありまして、これが四十億ぐらいの赤字になっていまして、これをこの際ほぼ解消するところまで一挙に持っていくということには、私はどうしても賛成できない。負担者が不便なところに住んでおられる方々で、郵便によってでなければ新聞等が読めないという方々のふところ工合といいますか、その負担を考えますと、まず今回は倍ぐらいのところで総合的な収支勘定ができるならば、まあがまんしてもいいのじゃないか、こういう立場をとりましたので、ほかに特別の理由があってどうのこうのということではございません。もっぱらそういうところで二円にきめたようなわけであります。

森中守義日本社会党

○森中守義君 ちょっと大臣、私がお尋ねしている一つの結論はですね。その会計制度を現状のままでいいのかどうなのか、それと、料金を今までのような方式で、会計がどうも窮迫状態になったから、また料金を上げるのかというような仕組みでいいのか、それとも細野さんあたりの御意見に出ているように、一つの公定料金をきめる場合にはもっと正確に原則をはっきりさせる必要があるのじゃないのか、こういう意見が出ていますから、これらのことについては、今まで検討をするということですが、御検討されたかどうか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 郵政事業の特別会計については、社会政策を加味したものは、一般会計から繰り入れるという方法もございますが、これはまあ政府の部内にお入りになるとよくおわかりになるのでありますが、一般会計から、すなわち一般の税金からこれを補給するというようなことについては、非常な大きな制約がございまして、なかなかむずかしい問題であります。そこでいろいろなことが、先ほど野上さんからお話があったように、また先般手島さんからも話があったように、いろいろないきさつを経て特別会計になったものですから、私は郵便制度を利用する方々の中における相互の、これは何といいますか、利害の分担といいますか、そういう態度で解決したらいいだろう、こういうように考えておりますので、まあ今のところ一般会計から、赤字が出た、あるいは赤字が出た種類についての補給を求めようとしない方がいいというふうに考えております。なお、赤字が出てくる、窮屈になってくるから、そのときは値上げをしていくというようなことでは、これはあまりその場限りであるから、少なくともここに比較的長期の見通しを立てまして、今後何年か先に料金の改定あるいは会計制度の改善をする場合の用意をしたらいいんだと、こういうような意味で、森中先生あたりからしばしば御要求があったそうでありますが、こういう長期計画というものを一応作ってみたのであります。これを種に今勉強いたしておりますから、いろいろ御意見を拝聴さしていただけばありがたいと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 なかなかこの問題、少し質疑をかわしておりますと長い時間かかりますし、もちろん、もう少しある線までは一致できるものならば意見の一致をさせた方がいいと思いますが、一応きょうはこれで終わっておきますけれども、ただ誤解のないようにしていただかなければ困るのですが、私が料金値上げにえらく積極的で大臣が反対だというような、そういうことでははなはだ……、(笑声)私はそういう意味じゃない。話の一つの断片として言ったことであるから、その点一つ料金値上げは賛成ということではありませんから。

鈴木恭一自由民主党

○委員長(鈴木恭一君) ほかに御発言もなければ、本案に対する質疑は本日はこの辺にとどめておきます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時三分散会    ————・————

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