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38回国会参議院1961/05/12

逓信委員会 第24号

発言数
88
登壇者
8
会派数
4
開催日
1961/05/12

会議録

鈴木恭一自由民主党

○委員長(鈴木恭一君) ただいまより開会いたします。  郵便法の一部を改正する法律案を議題といたします。  前回に続いて質疑を行ないます。御質疑のある方は、どうぞ順次御発言願います。

奥むめお参議院同志会

○奥むめお君 ただいま郵便料金の値上げの問題を審議しておるわけでございますが、郵便の大衆の感覚といたしましては、遅配ということが非常に強くあるわけでございまして、やはりさすがに郵政省も気がとがめたと見えて、一種、二種は上げなかったのだというふうに考えられるわけですけれども、しかし、遅配の結果が、速達あるいは電話、電報というものにたよらなければならないというわけでございます。ですから、この方の収入はずいぶんふえなさっただろうと思うのです。遅配は、きょうの新聞では遅配はなくするのだと書いてございますが、それは五年後の四十年のことらしいので、現実の遅配について、現況も聞かしてもらいたいし、また、どういう対策をどうなすったかということを聞かしていただきたいと思います。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 今、御指摘のように、私どものところへも、郵便の一種、二種を通じまして、一種、二種は上げないと言われるけれども、今大半な問題は、料金問題じゃないのだと、正確に、常識通り配達してもらえるかどうかということが大事だという御感見も、だいぶ私も伺っております。そこで、この遅配または欠配が慢性化した傾向がありますので、その点について非常に私ども重大視いたしまして、原因をいろいろ探究しておりますが、原因はなかなか一言にして尽きない、いろいろな関連性を持ったものがございます。いずれにしても、この遅配、欠配の是正と申しますか、早く正常に復するように努力をすることが、私どもの最大の務めであると存じます。  なお、ここに提案して御審議をいただいておりまする郵便法の一部改正法律案の骨子となっております事柄は、昨年の十二月の二十八日に郵政審議会から御答申をいただいたものが骨子になっておりますが、その中にも、すみやかに郵政事業の正常化といいますか、遅配、欠配等をさして、これをすみやかに直せというような御趣旨がございまして、今、奥先生のおっしゃった郵便の遅配、欠配、あるいは、その他の最近の専横につきましては、郵務局長から具体的な説明をさせていただきます。

板野學郵政省郵務局長

○政府委員(板野學君) それでは、私から最近の遅配状況について御説明申し上げたいと思います。  五月十二日現在で、全国の集配普通局、七百五十二局ございますが、そのうちの十六局で遅配をいたしております。その物数が通常で四十九万、大体これが一日平均の全普通局の配達物数の二・九%に当たっております。小包が約一万、これが全一日の配達物数の三・三%ということになっております。その内訳を申し上げますと、東京管内では十局で、普通通常で三十四万八千、小包で八千二百七十、それから名古屋管内は三局で、普通通常で五万八千、小包で四百五十個、それから大阪管内では三局でございまして、普通通常で九万、小包で千三百十個、こういう状況でございます。  それで、これらの遅配の原因でございますが、一つには、御承知のように、やはり三六無協定ということになりますというと、どうしても何と申しますか、士気がやはり弛緩をすると申しますか、あるいは仕事の能率が上がらない、このような現象が見えるわけでございまして、特に、個々に遅配を生じております局につきましては、ずっと以前から、この二年ぐらい前からこういう状態が絶えず続くというような、いわゆるあまりにもよくない局でございます。そこで、現在は三六協定が締結し得るという状況になっておりまして、全局の大体九四%というものが三六協定を結んでおります。ただ、先ほど申し上げましたこれらの遅配の局の中におきまして、東京では神田、大阪では城東、守口というところがいろいろな、なお原因がございまして、三六を結んでおらないという状況でございます。特に、東京管内におきましては、京橋が現在十五万通滞留を起こしているわけでございまして、これらの原因等につきましては、従来私どももいろいろ検討を加えているわけでございますが、どうしてもやはり平素、いわゆる平常の能率が上がらないということが一つの大きな原因でございます。また、最近は御承知のように、株式関係の郵便物がどかどか一ぺんにたくさん出てくるというような現象が、ちょうど五月とかあるいは十月、十一月の終わり、三月というような、決算期を控えておりますというと、どうしてもそういう物数が出てくる。こういう方面に対しましては、常時こういう、ときどきと申しますか、こぶになって出てくるような物をさばくような要員を配置しておくということは、やはり事業の経済上から見ましても不利でございますので、こういう場合におきましては、あるいは超勤をしましたり、あるいは非常勤をもってその補充をするということにいたしまして、物をさばいておりますけれども、やはりこういう時期には少し滞留しがちであるということはどうしても避けられない。と申しますのは、これらが速達になり、あるいは書留になって参りますというと、やはりこれには処理の能力というものの限界があるわけでございます。しかしながら、個々に滞留を起こしておりますような局につきましては、やはりそういう平常の能率が上がらないという原因が一つの大きな要素をなしているわけでございまして、私どもこの京橋につきましては、さっそくここに監視班をただいま派遣をいたす準備をいたしておりまして、早急にこれらの原因を確かめる、そうして遅配の解消に努めたい。それからまた、さきに大臣から御説明のございましたように、やはり五カ年計画をもちまして、先ほども申し上げましたように、一時に多数出る郵便物を能率よく処理するための局舎あるいは機械化の問題等につきましても、早急に手をつけまして、そして遅配の解消と申しますか、郵便物の正常の運行に努めたいというように考えております。  そこで現在四十九万通滞留を起こしておるわけでございますが、この面につきましては、私どもも現在三六協定もほとんど結ばれておる状況でございまするし、また、これらの中には、滞留を起こしておりまする局には三局ばかり結んでおりませんけれども、これらも極力結びますように、いろいろ努力をいたし、かつ賃金要員等の手配もいたしまして、速急にこれを解消いたしますように、現在も努力をいたしておりまするし、また今後も最大の努力を傾けていきたいというふうに考えておる次第でございます。

奥むめお参議院同志会

○奥むめお君 大臣に伺いますが、まだ協定を結ばないところが幾分あるらしいと、ことに郵政事業のように八割が人間の力でしなきゃならない事業でございますと、働く人との交渉がスムーズにいくということが、私一番大事だと思う。一番大事な郵政事業が、それがうまくいってない。そしてまた、最も全般的に大衆のサービス事業である郵政事業においてそうであるということは、何としてもこれはがまんのならないことである。料金値上げを持ち出すどころじゃなくて、まずサービスの向上と、それから働く人との話し合いが円満に解決するということがなければ、遅配の解消もできないということが一般の心配がございますね。前にもこんなに遅配で困るじゃないかといって私ども質問したことがございましたけれどもね。今おっしゃいました、係の人がおっしゃいましたけれども、大臣にはその点で確かな確信と、きっとやっていけますというふうに、何か方策がございますのか、二つの面で伺いたいと思います。大臣の御答弁を聞きたいと思います。努力するというだけでは安心がなりませんですね。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 幾らお金が十分ありましても、努力しなければ全くこれは結果は得られない問題でありまして、郵政当局が中心になるのでございますが、しかし多数の従業員を使っておりまする関係と、他の社会的、経済的ないろいろな変化に応じた、やはり処遇なり設備の改善なりをしていかなきゃならぬものですから、やはりもとは資金が大切でございましてその解決の一つのかぎといたしまして、十年来そのままになっておった郵便料金の調整をしようというので、この答申案を基礎にして法律案を作りましたが、今御指摘のように一体これは遅配、欠配を解消する確信があるのかという御質問でありますが、私はとりあえず、この法律案を法律にしていただきまして、これによって得る収入を基礎として、とにかく次のいろいろな改革の基礎となし、さしあたっては、これによって待遇の改善、それから局舎、その他働く環境の整備というようなことを、機械化も一部やりまして、この足固めをしていく。それからやはり勤労意欲を持ってもらうような、管理者の立場といいますか、行政方針といいますか、そういうものと労働関係の人との呼吸を合わせていかなければならぬので、それは話し合いを続ける。あるいはまた、具体的な環境あるいは労働条件の整備というようなことをやっていけば、私は今回の料金の調整、これに関連するいろいろな私どもの施策を実行させていただけばこれは必ず私は遅配なり欠配なんということは解消できると、今までそういうことはあまりなかったのですから、最近の現象として日本人の間だけで起こった現象ですからこれは私は解決できないはずはないと思います。何か欠陥は、待遇が悪いとか、人が少ないとかいうことだと思うのです。待遇が悪ければ待遇をどこまで改善できるかを話し合う。人が足りなければ、これを補うに人をもってしなければならぬものは仕方がありませんが、他のものは機械化する、あるいは一人の人手でスピードを早めれば何人かの仕事ができるというようなことをしていけば、必ず直る。ただ、すべての、諸般の郵便物がふえるのに追っついて人とお金が足りないということがわかれば、それをやればいい。また、勤務時間を充実して働いてもらえないならば、その点を私は指摘して話し合って解決をしていけばよろしいというふうに、具体的なことをやっていくには、何はさておいても、このままほうっておけば、三十六年度は数十億の赤字になってしまうというようなところまできた郵政事業の会計は、とりあえず、この程度のアンバランスの激しくなった料金の調整をさしていただきたいというのでこれを差し出したのでございますが、今先生からの御指摘のように、確信があるのかとおっしゃれば、これは確信がなければこういうものを出すべきじゃないと私は確信して、ただいま申し上げましたようないろいろな条件を一つ一つ解決していくべきである、その努力をするつもりございます。

奥むめお参議院同志会

○奥むめお君 仲裁裁定によりまして、郵政当局としても予想以上に金額が張ったので、予算の上でだいぶ御無理があるようなことをこの前おっしゃいましたが、幾らくらいの御無理があったのか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) この仲裁裁定制度といいますか、公務員と申しますか、戦後こういう政府機関の労働関係ができまして、いつも要求があるとゼロ回答をしておったそうでありますが、ことしはまあ郵政事業につきましても、料金の改定といいますか、調整もあって、増収もはかってありますから、まあゼロ回答はやめようというので、一応の回答を出しましたけれども、仲裁裁定はそれを相当上回った裁定が出ました。それで一応われわれが覚悟しておりましたよりも上回りましたけれども、まず何とかこれは予算を補正して、あちらこちらやり繰りをしてもらえば、大した無理をしないで済むように一応考えておりまして、本日も、まだ国会に提出にはなっておりませんが閣議で大体補正方も決定いたしましたので、その具体的な数字は経理局長から一つ申し述べさしていただきます。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 六十七億郵便料金の値上げをいたしまして、その使途が人件費と物件費とどうかというようなお話がありまして、大体半々くらいな見当でいたしましたけれども、今度四十八億の郵政会計としてのベースアップに対する経費を持たなければならぬことになりましたので、大ざっぱなことを考えますと、十億以上の金が予定したよりも少し無理しなければならぬのじゃないかというふうに思います。

奥むめお参議院同志会

○奥むめお君 ほんとうをいえば、それだけだいぶ郵政事業としては大きいのですからね。予算を立て直して、今値上げをするのだから、私どもからいえば、びっくりして、仲裁裁定が高くなったからやりくりして、今も壁にぶち当たっちゃったとおっしゃっているのですから、そこで十億以上の、この前はたしか二十億近いとおっしゃったと思うんです。そうしたら予算を立て直すと、今度値上げするのに、またすぐ値上げをされるのじゃあ、とても不安でしょうがないと思います。その点どうですか。なぜ立て直さなかったのですか、少しおくれてでもちゃんと立て直して、安心して見通しが立つように説明していただいた方がいいと思いいます。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 御承知の通り、料金値上げの案を作りますときには、実は仲裁裁定が出ておりませんものですから、全く見当をつけるよりほか手がなかった。そこで普通でございますと今までの例は、これほど大きな額じゃございませんけれども、年度を少し過ぎまして、秋ごろの臨時国会等で補正を今までしておったわけでございます。今度は予算が成立いたしまして直ちに仲裁裁定が出ましたものですから、非常に大きな金になった。そこで大至急補正予算を組まないと、相当大きな金のやりくりを実行でやったということでは、非常に公明を欠くだろうというふうなことが、今度急いで予算を補正された一つの理由だと思います。特に郵政省の場合ですと、補正予算を組みませんと、貯金会計、保険会計等から金の入る道がなかなかございませんので、そういう意味で手続を、これは非常によく組まれたんじゃないかと、私はこういうふうに考えております。そこで先生のお話のように、この予算を実行いたしますために、それだけの金がよけい要るならば、料金体系を変えろというお話だったでしょうか、それとも……。

奥むめお参議院同志会

○奥むめお君 安定した見通しの料金にしなければ、また上がるんじゃしようがない。困ったものです。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) そこで、ことしだけの問題からいきますと、御承知の通り年度内、まあフルには四月一日からという形に最初案は出ておりまして、衆議院の方は六月一日になっておりましたけれども、そういう操作によってことしは片づく。それで今後五カ年間はどうかということにつきましては、非常に大幅なことがない限りにおきましては、たびたび大臣がお話しになりますように、五カ年間の見通しとしては何とかやっていけるんじゃないか、ことしだけが年度最初からの値上げになっておりませんものですから、そこは全体の体系に影響なしに、ことしだけ別途見てもらえば、体系全体としてはそう考えなくてもいいんじゃないかというようなことで、とりあえず予算の補正だけをはっきりしていくということにいたした次第でございます。

奥むめお参議院同志会

○奥むめお君 大臣に伺いますが、ここ五カ年計画をお立てになりまして、物価の上昇とかベースアップとかいうふうなことはそんなに織り込まなくてもいいとお考えになっていらっしゃいますか。たびたび野上委員の質問にも、まあ五年ぐらいは大丈夫だと、こういう御答弁でございまして、そうありたいと思いますけれども、まあ私の考えからいえば、これからの五年というものは、日本経済の成長にも従いましょうけれども、また政治のあり方によって非常に物価が上がる、また生活も変わってくるというふうに考えてみますと、持たないんじゃないか、近いうちに値上げしなければならないんじゃありませんかということを私は非常におそれているわけなんですね。いかがでございますか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○政府委員(小金義照君) まことにこれはごもっともな御心配で、私ども実はそれを考えております。考えておりますが、それじゃあこの案で一体すぐ来年、また御来年上げなければもうならぬのかという点でございます。私は最小限三年ないし五年は安定しておるという、いろいろな方面から試算をして、見方をいたしまして、その間にもっと根本的ないろいろな、野上委員からも数回出ました点等について工夫をしていかなければならぬ。ただ漫然、赤字になりそうだから、あるいはなったから、何かの料金を上げていって、それでつじつまを合わせていけばいいんだというような考え方ではなく、もっと総合的といいますか、いろんな方面から工夫をこらしまして、それで基本的な、たとえば長期の建設物等については特別の考慮を加える必要があるとかないとか、それからまた今御指摘になりましたような経済の変化がどうなっていくか、物価はどう変わっていくか、ことに、ここで一番の問題は、機械を利用する場合において特殊な機械が多い。あとは運搬機械と思いますが、これらの値段がどうなるか。もう一つは、官公労の一体労働賃金がどういうふうになっていくかというふうな見通しをいろいろ立てなければならぬと思いますけれども、まあ一番大きなファクターは、やはり今御指摘になったように、人件費が七割ぐらいを占めておるといいますか、やはりこの労働賃金が一番大きなファクターだと思うので、これらの見通しが甘いのじゃないかという御意見もございますが、これはまあ過去大体七%ぐらいに上ってきておるそうでありますから、その程度のものならば、郵便物の利用の増加等によってまかなっていけるというふうに考えております。  そこで、根本の問題としては、これは郵便事業の、野上さんも宿命だとおっしゃいましたが、機械化の余地が少ない、そうして郵便物がどんどんふえていく、これに対処してどういうことを考えていくか、生産性の向上によって吸収される部分が非常に少ないので、私はやはりある時期がくれば、郵便料金というものはこれは宿命的にやはり改定していっていいのじゃないか。それが一年置きとか三年目ごとじゃ困りますけれども、まずある期間——五年とか十年の一応の見定めをして、それは維持されていくような方向がいいのじゃないか。これで私の今考えておりますのは、大体五年ぐらいはこれで収支償う、その間にできるだけのいろいろな方策を考えて、逐次修正していくものにしていくというので、心配な点はないということは、私はここでははっきりは申しません。心配な点はございますが、しかしまた増収というような点、すなわち利用増というような点を考えて、そんなに私は無理な収支計算だとは今のところ思っておらないような状況であります。

奥むめお参議院同志会

○奥むめお君 私、まあ安易に値上げをしてつじつまを合わせるということを繰り返していれば、また値上げを近いうちにしなければなるまいという点を申し上げたかったのですね。一体この公営の事業というもの、国営の事業ですかね。日本のいろいろな事業、みんな利用者におっかぶせてはつじつまを合わせてきているのですね。そうしていつまでも会計が独立しない、こういう事業が多すぎるのですね。そうしてまた安易な気持で値上げを持ってこられては困るから、根本的に実際郵便事業というものは、まあ野上さんのおっしゃる、御質問なすっている意見を、私よくわかりませんけれども、私は私の立場として、実際ここで郵便事業というものが、立て直しを考えていかなければ、安易なことで消費者におっかぶせればいいというふうにしたら、また値上げ、また値上げという、この官業独占のやり方というものに私は反省をお願いしたい、こう思っているわけなんです。で、これはきょうあすの問題じゃございませんけれども、五カ年計画にもそういう点がどの程度盛られているかということを、この印刷物で拝見しまして不安がございました。ことに一審国民に触れていることが多い事業でございますから、私そういう点を早急に抜本的な考えをまとめていただきたい、これが私の質問でもあり、お願いでもあったわけです。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) よく御趣旨はわかりました。われわれが今とりあえず、まあ一応作り上げてみた五カ年計画、これは一つの目標でありまして、今の先生の御注文とおっしゃいましたが、それはおそらく国民の声だと思います。それらを対象といたしまして、実行に移す際には、常にその根本を忘れないようにして参りたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 関連。七月から料金改定をしたとしまして大体六十七億円の増になっておりますね。私はきのう郵政省が御発表になった長期郵政政策というのですか、それを拝見しまして、われわれ長い間大臣にだいぶお願いしておったのですが、それが出て参りましたので、それを拝見しました。それとの関係でちょっとお尋ねしますのは、六十七億の増収ということは、あの長期白書の中によりますと、これが取り扱い数約五億と書いてありますね。年間五億増ですね。ですから、ことしの問題は七月、多分六月になりましょうけれども、どの程度の物の増を見込んで六十七億という増収になるのか、これはどういう算定になっておりますか。

板野學郵政省郵務局長

○政府委員(板野學君) 物増の点でございますが、大体長期計画の点におきましては、六・二%の物増が平均してあるという考え方を持っておるわけでございます。これはこの長期計画の刷り物にもございますように、過去の物増の平均の伸びと、それからきますところのその計数に基づきまする今後の物の伸びというもの、それから国民総生産の今後の伸び方というような比率をかみ合わせまして、大体六.二という計算をここでは立てておるわけでございますが、とりあえず、三十六年度におきましては、大体この過去の率からいたしまして、六・七%ぐらいの伸びを一応三十六年度は見ておるわけであります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そこで、今の先生の御質問と関連がありますが、郵政事業は、あの長期計画によりますと、将来は郵便とか、普通郵便ですね、これも飛行機でやろう、これもかなり機械化を進めておるようですが、局舎も建てていく、従って六百億程度の金が必要だ、こういうふうに述べていますね。従って今ここで料金改定をして、そうしてその現行料金によってこれからあの長期計画を進める場合に、経済成長の伸び、それに従う取り扱い物数の増加、もろもろの要件を考えた場合、現行料金をそのままにしていった場合、六百億という設備投資のために必要な経費というものは、見込んでそれでいけるというふうにとっていいんですか。その間、もちろん大臣も言われているように、ベースアップがかなり出てくるということになると、これは確かに問題になると思いますが、そういう要素を一応除外して、とりあえず、現行料金においては、あの長期計画というものは遂行できる、こういうふうに判断をされたものでございますか。

板野學郵政省郵務局長

○政府委員(板野學君) 大体ここにございます長期計画に必要といたしまする資金は、今後郵便事業の値上げによりまする収入によってまかなっていけるというふうに私ども考えておるわけでございましてただ御承知のように、局舎の建設計画等につきましては、やはり従来のごとく、若干の借り入れも従来通りやる。あるいはこの借入金をまた少しふやしていくかというような問題は若干残っておるのでございますが、大体これでまかなっていけるというわけであります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうしますと、われわれが一番問題にしようとしている、近くまた再度引き上げがあるんではないか、こういう心配があるんですね。それは郵政審議会の出した答申から見ると、かなり後退をしたものになってきておる。それは政治的な考慮があったことですから、少なくなることはけっこうです。それに対して私は文句をここで言いませんが、健全な郵政事業の発達ということを考えれば、また一面においてはかなり心配があるわけです。従って、この料金引き上げをして、これによって当面やっていくのだが、五年ぐらいは大丈夫だという大臣のお考えは聞いておりますが、しかし、ときどきの表現によると、そうでもなさそうなことが出てきているので、そうすると、一番大きな要素になるのは、再度の値上げの要素になるのは、ベース・アップという、職員の待遇ですね。こういうものがない限りにおいては五年間は大丈夫だと考えていいか。それから今の六百億の金をこの料金値上げによって捻出をしていけるという計画なのだから、もし上げようとするならば、そういう要素以外にもうすでに考えられない、こう判断していいわけです。長期計画というものが示されたわけですから、物に伴う定員増というのはどの程度か、相当考えて増員配置をしているようですから、上げる要素というのは大体増していると考えていいんですか、それがない限りは大体いいと……。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 一般的に考えて、物増に伴うところの定員は約四千人くらいふえている。物件にしましても過去数年の実績というものが、経常的な経費としまして三%かふえているわけです。それも織り込みますと、そのほかに、たとえば飛行機の、搭載の問題とか、大都会の特に困っております集配地を改善する経費とか、そういうものは三%のほかに新規として織り込んでおります。それで、その問題は、建設勘定の経費をどう見るかということでございますが、これにでき得れば郵政事業の本質から考えまして、いわゆる料金値上げの中の益金から相当持っていきたいという気持がございますけれども、その辺は今後の人件費の帰趨等によりまして、後年度に至りますと自己資金を持っていけないと思います。それで外部資金に頼っていく。しかし建設勘定の場合には、これは御承知のように、国鉄や電電等のように、まず局舎を作らなければ事業が伸びないというものではございませんので、電電や国鉄に比べますと、まだ少しの弾力性はあるのじゃないか、一面絶対延ばせないかという問題はあろうと思いますので、その点は今後の推移をもちろん考えていかなくちゃならぬだろうということでございますので、この物件費並びに建設費につきましては、およその発展を見込んでこの料金でやっていきたい。かかって問題は、非常に大幅な、ベースアップがあるかどうかということによって、五カ年が持つか持たぬかという議論が出てくる。それも来年からとたんにどうしてもいかぬというようなことじゃございませんので、五年目あたりをどう見ていくかということが、ベースアップのいかんによって問題が出てくるのじゃないかというようなことを考えておるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 経理局長の御答弁よくわかりましたが、一番大平な点は、今あなたの触れられた建設計画がかなり進むわけでしょう。主要電報局、東京、大阪、その他かなり思い切った局舎も建設するようですがね。そういう建設資金の調達は年度計画でやるから無理のないようにやると思いますけれども、その建設資金の捻出がかなり僕は困ってくると思う。その場合に、この料金の、あなたの方の郵便事業全体としての益金の中からはたして出るかどうかということが問題になると思いますが、その場合にはやはり政府のある程度の資金の援助というものがなされなければならぬと僕は思うのですよ。だから郵務局長の言われることをちょっと私は誤解しているかもしれぬ、言い回しが足らぬかと思いますが、そうではないと思う。郵務局長の言っているのは、われわれ委員会としては考えておりますけれども、郵政当局もそう判断をしておられると思いますけれども、おそらく今後も料金値上げの問題と絡んで必ず出てくると思います。その点はかなり大臣も心得ておいてもらわないと、そういう配慮をして、できるだけその料金を上げないと、そういう郵政のやりくりをしてもらいたいと、強く期待しております。

山田節男民主社会党

○山田節男君 昨日私らの手元に届きました「郵政事業長期計画」、この内容を見まして、実は私意外に思いましたことは、大体今回の郵政事業の諸般の、たとえば郵便料金、それから為替貯金の手数料、それから簡易保険、郵便貯金の保険額の増加、こういったようなかなり郵政興業としての画期的な今回の措置をとられるのですから、この長期計画はむしろ初めからわれわれに示されるべき問題で、非常に末期になってこういうものが出たということは、どうも私、よくわからない。この間の事情はどういう事情があったのか、これはこれからの私の質問に関連がございますので、その事情を大臣から承りたいと思います。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) お手元に最近お配りしたかと思いますけれども、今山田先生の御指摘のは五月という月付が入っております。「郵政事業長期計画」のことだろうと思いますが、実はこれは私が就任いたしまして、何か総合的な考え方を郵政事業、また貯金、保険、その他についてまとめてみる必要があるというようなことで勉強してもらってきた。その前からも、すでに郵政省ではやはりこういう勉強をしておられましたが、その後いろいろな新しいファクターを取り入れまして、至急取りまとめてもらうように私、指示しておきました。従いまして、ここに大体集録したものは、衆議院及び参議院において各法律の改正案等が御審議になったときに、それぞれ説明申し上げてあるものばかりでございます。別段こういうふうに集録したから、目をそばだてるような新規な構想が出ておるわけではないのでありまして、まあいわば今日までの私どもが、政府委員並びにわれわれとして御説明申し上げましたことを総合いたしまして、さらに今後の目標となるべき事項、その目標に向かってわれわれは努力していかなければならないというような意味でこれをプリントにして差し上げたものでございまして、大へん時期がおくれたことについては、私も責任がございますが、そういうようないきさつをあわせて、大へんおくれたことを御了承願いたいと思います。

山田節男民主社会党

○山田節男君 そうしますと、郵便事業に関する限りにおいて考えてみました場合に、今般のこの郵便料金の一般的価上げによる増収というものが、今回の郵政事業の五カ年計画に示されておる諸般の施設の拡充、また合理化、機械化、こういうことの具体的裏づけというものを十分お考えになってこの郵便料金の値上げの率をおきめになったのですか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 大体そういう心組みできめてございます。

山田節男民主社会党

○山田節男君 そういうことになりますと、これは今私示されまして、ここにあるいろいろな計画の数字を見まして、たとえば郵便局の数字のいわゆる改善と申しますか、普通局、特定局、鉄道郵便局舎等を、これの建設を五カ年でやるにいたしましても、約三百億円の資金を必要とする。そういたしますと、これは先ほど経理局長の御説明がありましたが、建設勘定としての三百億円、これは自己資金並びに借入金でやるのである、こういうような御説明でございました。これは郵政事業の全体からいえば、たとえば電電公社にいたしましても、今建設勘定の借入金を加えました中で、ほとんど八割というくらいのものは自分の利益金で建設勘定に繰り回しているわけです。そういたしますと、健全な郵便事業の財政ということから考えますと、いきなり普通局、特定局、こういう郵便局舎の改造に三百億円、五カ年に要るんだという所要経費を、少なくとも借入金にいたすにいたしましても、自己資金というものをもちろん健全な財政からいって入れなければならない。そういたしますと、今回の郵便料金値上げによっての増収は六十七億である。その中で今回の仲裁裁定によるベースアップによって負担しなければならないものが四十八億ある。こういうことになりますと、この局舎の改築、増設、新築というようなことから考えましても、どうもバランスがとれていないのですけれども、こういうものは一体五カ年計画全体から見てどういうお考えでこういう数字を出されているのか、これは経理局長でもいいし、御説明願いたいと思います。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) お話の通り、郵便局舎の建設は、筋といたしましては、できるだけ自己資金でやりたいというふうに考えられるわけでございます。戦後郵便局舎の建設のために借入金の道が開かれて参りまして、ごく最近におきましては二十億から三十億程度の借入金をしております。たとえば三十六年度を考えますと、建設勘定が五十六億あります中で、借入金が三十億というふうにいたしておりまして、減価償却、設備負担金等を除きますと、いわゆる損益勘定の益金の繰り入ればほとんどできなかったというのが実情でございます。そこで今度の料金価上げに関連いたしまして、どこまで見ていくかということでございますが、五カ年間安定させるということを考えますと、筋としては当然本年度並びに来年度等におきましては、少しの建設勘定に回せる益金が出てくるような建前になってくるわけでございます。ただ、ことしは、御承知の通り料金値上げだけではなくて、郵便法の中に相当いろいろな制度の改変がございましたので、その準備のために時期を要するということで、施行期日をおくらしたわけでございますので、本年は建設勘定に回す財源は全然見ておりません。従って施行を四月一日でなくておくらした形になっております。これが単に料金値上げだけでございますならば、当然五カ年間を見通しますならば、本年も二十億ぐらいの財源は建設勘定に回し得たと思います。先ほど申し上げましたように、制度の改変等を考えておりますので、一応見送らざるを得ない。そこで将来のことを考えまして、三百億ということになりまして、それが五カ年間で見戻すと、一応一年平均六十億でございます。これは主として郵便局でございますので、貯金局、保険局等を入れて考えますならば、おそらく規模として八十億程度になるだろうと思います。そうするとことしが五十六億で、三十億借りておりますから、自己資金を入れませんと、ちょっと三、四十億の借入金になる。たまたま四十年度までは償還期が参りませんから、あまり影響はございませんけれども、そういう借り方をしていきますと、四十五年度程度になりますと、非常に大きな、五十億ぐらいの借金を返さなければならないというようなことになって、借金を返すためにまた百億ぐらい借りなければならぬということになりますと、非常におかしなことになりますから、できるならば自己資金をできるだけ持っていきたいというふうに考えまして、私たちとしては、来年あるいは再来年程度までには、ある程度そういうことができはしないかと思っております。五年目になってきますと、今申し上げましたように、そういうことは全然ございませんけれども、そういうつもりでおります。そこであまり大きな借りをしますと将来の償還から見て大きな問題になりますので、五カ年間は出て参りませんけれども、十年、十五年後には非常に大きな負担になりますので、自己資金の捻出ともにらみ合わせて、五カ年間の計画に少し伸縮性を持たせなければならぬというような見当をつけておるの次第でございます。

山田節男民主社会党

○山田節男君 大臣がちょっと衆議院の方においでになるそうですから、一つだけ……。あとはまた政府委員から御説明願いたいと思います。大体長期計画、いわゆる郵便事業に関しては、五カ年計画でありますが、私これを見て一番不安にたえないことは、これに対する財政的な裏づけを一体どうするのだろう。少なくとも数千億の金がなくては、ヨーロッパ、アメリカ並みにならないということになりました場合、一体自己資金は、あとからまた尋ねますが、きわめて軽微なものだろうと思いますが、問題は借入金です。幸いといいますか、郵政大臣としては、例の簡易保険、郵便年金、郵便貯金、これまた数千億の運用に充てるべき金があるわけです。これを今日なるほど資金の運用審査議会がございまして、郵政大臣がその会長であられるけれども、従来この運用資金というものは、郵政事業に対してはきわめて僅少なものしか割り当てられない。こういう画期的な経済成長率にマッチしょうという、一つの革命的な革新を行なおうということになれば、私は郵政省の今預かっておられる、また運用し得る、ことにこの簡易保険、郵便年金ですね、この金を何か国民のためになることですから、国民の要望していることに使うのですから、これは従来のワクとか、慣例に従わないで、この長期計画にマッチするように、あの運用資金というものは郵政省に、従来のように三十億とか五十億ということでなく、少なくとも五カ年計画において五百億ないし一千億を使い得るというような、こういったような、郵政大臣が政治的折衝によって、閣議であるいは大蔵大臣と、こういうことに対しての裏づけし得る見通しが立ったからこういう案をお作りになったのかどうか、この点をお伺いしたい。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) これは大事な問題で、この長期の計画というようなものを作るのに三つの要因がありまして、その一つは、私はいかにりっぱな従業員を選ぶか。どんな手続をしてどんな給料を出しても、この従業員が働かなければ、働いてくれなければ、もう遅配、欠配立ちどころということをいやというほど見せつけられました。これは人をとることが大事であると同時に、やはり再訓練といいますか、やはり国家サービスに徹するような一つの訓練が大事だと思っております。それがなければ、どんなりっぱな殿堂のようなものを作っても、これはだめなんで、働いてくれる、サービスに徹してくれるという、管理者から従業員までの精神を貫くということが大事なんです。  もう一つは、具体的に今御指摘の一体、資金の裏づけがあるだろうか。これは非常に重要な問題でありまして、私はこの五カ年計画をこういうふうに、これはまあ一種の試案みたいなもでありまするが、一応策定してお目にかける以上は、これはその点がやはり一番重大な問題だと心得ております。従いまして、これは閣議で、この三百億なら三百億、あるいは何がしかの資金を必要とするということを取りつけてあるわけではございません。これはそういうふうにしますと、いろんなほかの大事なわれわれの考えていることを盛り込んでも、一つの故障で全部が流れる場合もございますので、この点は私は今御指摘になりましたような政府関係の財政投融資である程度まで確保する、あるいはそのほか長期の資金を獲得するという見込みを立てまして、こういうふうな数字にいたしましたので、別に閣議でこれはこういうふうにするという、また、長期の計画案は、まあほかの経済計画——計画と申すのはよくないのですが、成長率に対するいろいろな資金計画も、長期のものを講ずるときに、その年度ごとにきめていきますので、きめてあるわけではございませんが、少なくともこの程度の資金を確保するという一つのまあ確信をといいますか、一つの考え方を持ちまして、まあ今この案を策定したわけでございます。

山田節男民主社会党

○山田節男君 これは御承知のように、池田内閣はいわゆる所得倍増計画というものを、所得倍増十カ年計画で、経済成長率も、非常に控え目に見ましても、大体九%成長率を持たせる。その一環として一その一環じゃなく、そういったような経済成長率の非常なるスピードの上がっている、これ自体にこれをミートしよう、こういう案であるように私は了解するのでありますが、そういたしますと、やはりこの経済企画庁なら経済企画庁がやる国民所得倍増の十カ年計画ということになりますと、これに即応すべき郵便事業ということになりますと、これはもう当然経済企画庁がその資金の調達に責任を持たなくちゃいけない。御承知のように、池田内閣は所得倍増十カ年計画においては、ことにこの公共投資というものに対して重点を置いているわけですから、本年度におきましても七千三百億という金を出しているのです。そうすれば、やはりその公共計画の投資の中に、これはもう当然郵政大臣の政治力をもって、閣議におきましてもこれを織り込むことができると思うのですね。ところが、今の大臣の御答弁によりますと、その郵政事業の五カ年計画というものは、そういう経済企画庁でやっている所得倍増十カ年計画の一環としてのいわゆるオーソライズした長期計画じゃないというふうに、かように私とってよろしゅうございますか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 今までは確かにその通りでありました。これから経済企画庁にこれは入れさせるつもりでございます。

山田節男民主社会党

○山田節男君 そういたしますと、これは郵政大臣としては非常な決意をなさるべきです。これがたかが五カ年計画で一千億ぐらい程度のものならよろしゅうございますけれども、少なくとも国民の要望に沿って遅配、欠配その他をなくし、能率を上げて合理化するということになれば、これは莫大な金が要るだろうと思うのです。ですから、一応この点をあなたが経済企画庁あるいは総理大臣、大蔵省と相当ただいま具体的な数字に入ってまでの折衝をなさいまして、そうしてこの案を目安となさいませんと、これは画餅に帰するのじやないか。これは目安ということは画餅に帰するという意味じゃ私はないと思いますから、私非常にこの点、この案を見まして不安に思ったのですが、今の大臣の言うような経過ならば、これは一つその裏づけを十分御努力なさらないと、これは少々の郵便料金の値上げくらいのことでは結局画餅に帰して、国民を失望に陥し入れるのじゃないか、こういう憂いを持ちますので、この質問をあえてしたわけです。大臣ちょっとよろしゅうございます。

鈴木恭一自由民主党

○委員長(鈴木恭一君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

鈴木恭一自由民主党

○委員長(鈴木恭一君) 速記を始めて下さい。

山田節男民主社会党

○山田節男君 それでは他の政府委員に一つお伺いするのですが、この簡易保険事業は十カ年計画——前期の五カ年計画を入れまして、郵政事業の五カ年計画全体としての所要経費を幾らに見積っておられるか、数字があれば一つお聞きしたい。

荒巻伊勢雄郵政大臣官房長

○政府委員(荒巻伊勢雄君) お手元の資料に書いてございまする長期計画の内容を概略申し上げますと、本計画は三十六年度から四十年までの五カ年間を対象の期間といたしておりますし、郵政事業のうちでも重要な最も当面の問題となっております郵便、それから貯金、保険の三事業を対象といたしております。公共聖業としてはこの三事業は共通のものもございまするけれども、それぞれ若干特徴がございまするし、ことに郵便事業は収支相償い、事業の経営の合理化、サービスの改善、今後予想される所得倍増計画に伴いましての郵便の増高ということをしさいに検討いたしまして、これに対処する要員計画並びに施設計画、局舎改善計画というものを出しておるわけでございます。  貯金事業は、今後の所得倍増計画に伴いましての実質国民所得に対応いたしまして、どの程度に資金が確保できるかということと、これにあわせての郵便貯金事業としての経営の赤字を解消するということで経営の健全化、合理化ということを骨子といたしております。  簡易保険事業につきましては、近く予想せられますところの戦後の短期簡易保険契約——養老保険の事業の満期に伴いましての大黄の契約の消滅に伴いまして、これに充てるべき保険の確保資金の確保ということを目標いたしまして、今後十カ年間の見通しを立てつつ、極力契約量の確保をはかり、あわせて加入者に対するサービスの改善というような施設を計画いたしておるわけでございます。こうして、この三事業におきましては、今後五カ年もしくは十カ年におきまして、経営はすべて黒字であるということを目標といたしておるわけであります。それから、局舎改憲計画につきましては、今後自己資金と借り入れ資金を合わせまして、五カ年間におきまして約三百億程度の資金を予想いたしております。  それから収支関係でございますが、郵便事業におきましては、初年度の七百九十五億から三十七年度八百七十六億、三十八年度九百五十八億、三十九年度千十一億、四十年度千六十四億という増加を示しまして、一応五カ年間は黒字である。貯金事業につきましても、三十六年度以降、傾向といたしましては、三十六年度は七百六十八億に対しまして支出は七百八十三億で十五億の赤字でございますが、三十七年度に入りまして、収入が八百六十四億に対しまして支出は八百七十一億、七億の赤字、三十八年度以降におきましては、九百六十六億に対しまして九百五十九億といったように、三十八年度以降は七億ないし四十億といったような黒字を予定いたしておるわけでございます。簡易保険事業につきましても相当の資金が確保せられまして、収入超過といたしまして、黒十六年度、千二百六十六億の収入超過ということになるわけでございまして、もっとも契約の解消いたしまするところの三十九年度は百十五億円の収入超過ということになるわけでありますが、四十年度になりまして五百九十六億の収入超過というような見通しを立てているわけでございます。  なお、経済五カ年計画との関連に貫きまして、どういうふうに物増の傾向を見たかということにつきまして、さらにつけ加えて申しますが、過去の国民所得の伸びの割合と郵便の場合におきましては郵便の物数増加との相関計数をとりまして、今後所得倍増計画に伴いましての国民の実質国民所得の増加割合というものを見まして、過去の郵便の伸びる工合を按分でかけ算いたしまして、伸びる率を六・一%といたしたわけでございます。なお貯金の場合におきましては、過去の比率から大体八・一%の貯金の増、簡易保険の場合におきましては、契約金が過去の比率と比較いたしまして、今後十年間におきまして五・八%の増ということを積算の根拠といたしておるわけでございます。  なお、本計画実施に伴ないましての要員でございますが、お手元の資料の十八ページ以降にございまするが、三十六年度におきましては、要員は八万七千、非常勤職員が四千ということになるわけでございまして、大体一年間におきまして四千名程度の増加ということが郵便事業の今後の要員の増加の状況でございます。貯金事業におきましても取り扱い量の増加に伴いまして、おおむね千ないし二千名程度の要員の増加ということに予定いたされます。為替、振替事業につきましては、今後の取り扱い状況というものが必ずしも大きな増高を見ておりませんので、若干の増加はございますけれども、これは五百名から一千名前後の要員の増加ということになるかと思われます。保険関係につきましても、今後の取り扱い量に合わせまして算定いたしましたところ、おおむね五百名ないし千名程度の増加ということが予想されるわけでございます。要員の大体の内容につきましては以上の通りでございます。なお、この間に電気通信の委託業務の関係でございますけれども、これは公社側の五カ年計画との関連におきまして計画が示されるものでございますので、本計画におきましては三十七年度までの分しか載っておらないのでございます。  はなはだお聞き苦しかったかと存じますけれども、大体おもなところはさようでございます。

山田節男民主社会党

○山田節男君 今の官房長の御説明はわかるのですが、今回示された五カ年計画、ことに郵便事業の五カ年計画ですね。三十六年度の収支予算を見ますと七百九十五億円、この中に、そうしますと今回示されている郵便事業の五カ年計画のたとえば局舎の新築、増築、これで年間六十億要る、これも入っているんだろうと思います。それからさらに重要なことは、これは能率を上げるためには機械化、集配運送施設の機動化、窓口事務の機械化、局内施設の機械化、さらに今日非常に不足している窓口機関、それからポストを増置するということ、それから郵便配達地域の拡張、こういうふうになりますと莫大な金が要るんじゃないかと思うのですが、この七百九十五億という三十六年度の収支予算ですね、そういうものが織り込まれているのかいないのか。いるとすれば、たとえば今局舎の建設については三百という具体的な数字が出ている。その他の五カ年計画の総額、並びに年間計画の一般経常予算に入るべき数字ですね、これが幾らくらいになってこの中に含まれているのか、これを一つお示し願いたいと思います。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 先ほど申し上げましたように、三十六年度の中には建設勘定は入っておりません。年度四月初めからの実行でございませんので、減価償却の経費、それから設備負担金、それから借入金の三十億でやることになっておりますので、三十六年度の中には建設勘定は入っておりません。しかし遅配等を解消いたしますための、たとえば大都市の集配運送施設等の経費、それから簡易郵便局を放置する経費、それからポストを作る経費、集配運送施設関係で十五億、それから高層アパート関係で一億四千万円、それから簡易郵便局を五百局作る、それからポストを四千六百個作る、そういう経費は、これに全部見込んでおります。そのままの姿でこれは全部五カ年間伸ばしておるわけでございます。これは建設勘定を全部一応これからワクを外にしておりまして、ただ実行上、特別のベースアップがありませんと、三十七年あるいは三十八年等は少し自己資金が出せるのじゃないか、四十年になってくると少し困難じゃないか、こういうことを申し上げたわけでございます。

山田節男民主社会党

○山田節男君 これはもちろんこの法律が通れば郵便料金は六月から実施されるわけですから、三十六年度に関してはいわゆる十カ月の、七月ですか——いずれにしても十二カ月予算にはこれはならぬわけですから、そういたしますと、どうしてもいわゆる補正予算という問題が起きてこなければ、この五カ年計画は実施に非常な支障を来たすのではないかと思うのです。そうしますと、かりにこの法律が六月から実施されるとしましても、補正予算というものを、この五カ年計画を実施するためには一体どのくらい組むという目安でやっておられるのか。具体的に何百億か何十億か、この数字は出ていますか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 五カ年計画と実は補正とは、私たちは一応区別いたして考えておるわけでございます。と申しますのは、ある程度のベースアップは最初から予想いたしておりましたものですから、その計画をずっと伸ばして計算をしたわけでございます。そこでこの経費としてあくまで郵便に要る経費だけを五カ年間検討いたしておるわけでございます。補正予算のことしの問題につきましては、御承知の通り、郵政事業は簡易保険、郵便貯金、それから電信電話公社からの委託業務等がございますので、これは補正を組みませんと正式に入ってくる道がないわけでございます。そこで郵政会計としましては、今度の仲裁裁定を実施するためには百七億の金が要るし、郵便としましては四十八億さえ用意すればいいのだ、郵政会計としては四十八億さえ用意すればいいのだということでございますと、補正を組みます第一の目的としましては、他の会計から金を入れてもらうということでございます。もう一つの目的は、郵便料金の値上げを含んだ予算が通過をした直後に、それが行政部内だけでどうも人件費の操作になってしまったのではまずいというので、郵政固有の分につきましては四十八億円の経費を成立した予算の中から正式に人件費に振りかえていくというやり方をする必要がありますので、本年は補正をいたしております。しかし五カ年計画の今後の実行につきましては、幾分の影響は出て参りますけれども、予想よりも少しベースが大きかったわけですから、絶対影響がないとは申し上げませんけれども、何とか自己資金が少し減るとかいうような問題は当然出て参りますけれども、五カ年計画そのものは補正予算と関係なく、大体最初考えた程度の線で少し進めていったらどうだろうか、こういうふうに考えております。

山田節男民主社会党

○山田節男君 そうしますと、今の長期計画の二十ページに示されている、今官房長が説明されたように、郵便事業の収支は五カ年計画内で全部とんとんにいく、収支差額ゼロだと、こういうように書いておられるのですけれどもね、今の佐方経理局長の御説明だと、さらに五カ年計画の初年度において、もうベーズアップにおいてのこれだけの予想を裏切ったかなり高額な赤字、赤字といいますか、支出が増してきているわけですね。そうすると、ここに示されておる五カ年計画の収支というものは、これは根本的に変えなくちゃいかぬ。加うるに、なぜそういうことを言うかというと、なるほど五カ年計画の局舎の建設以外の機械化、窓口機関及びポストの増置、郵便配達地域の拡張、こういったようなものは織り込んでおられると言われますけれども、今言ったように、自己資金というものが、これは何といいますか、今回の郵便値上げで増収されるだけのものではこれはカバーできないという、これはまあ一見した私の感じですけれどもね。それを五カ年間で次々赤字々々で残していって、これは借入金で結局は処分するのだということなら、これはいざ知らず、私は借入金にしても、現在のいわゆる郵政省のことに大蔵省に対する地位から見ると、あれほどの簡易保険、郵便年金の積立金を持っておりながら、もうスズメの涙しか使わしてもらえないという、これは私先ほど大臣に質問したのはそこなんですね。それを一つ今回こういう一つの、これは国民として欠くべからざる公共投資になるのだから、そのワクを五倍なり十倍にしろという一応の政府の、大蔵省なりあるいは閣議での了解があってやるならば、この計画は画餅に帰したわけじゃない。ところが、先ほど大臣の御答弁によると、まだ正式に閣議でこれはきまったものでもないし、それから経済企画庁の所得倍増十カ年計画の一環としてのオーソライズした計画でもないのだということになると、しかもこれは末期に出された案というものを見もというと、非常に私はさっきの奥さんの言われたような、同じような意味において、これは安定を加えない単に希望的観測による案じゃないか、こういう気が——はなはだ失礼だけれども、私はファースト・インプレッションを受けたわけです。しかし、少なくともこうして天下に公表された以上は、この財政的裏づけというものを責任を持ってやらなくちゃならぬわけです。今、佐方局長の御説明だけでは、どうも計画初年度、三十六年度の十カ月予算においても、このわずか、まあそういうようなきわめてこれは謙遜した、第一種、第二種の郵便の料金値上げにはタッチしないというような、きわめてハンブルな建前でやっておっていいのかという問題。過日も私は参考人を呼んだ場合も、ある一参考人に質問した条項の中に、アメリカにおいては第一種、第二種も値上げすると言っている。いかに政策的といいながら、これはもうほんとうに郵便が昔。官僚時代と違って、できるだけ自主独立採算でいくということになれば、受益者がこれを負担するというよな建前、これが原則です。そこに郵便料金あるいは電話料金のように、いわゆるジャスト・アンド・リーズナブルでなくちゃいかぬという、これは天下の原則なんです。何がジャストで何が妥当であるかというこの基準の持ち方です。これは政策の問題じゃないのです。これは郵便事業そのものを国民にいかにサービスをよくするかということになれば、これはかりに手紙が十円が二十円になろうとも、そうしなくちゃならぬならば、国民に訴えれば国民はわからぬことないのです。今特に第一種、第二種に触れないでおいて、そうしてここに五種というものに非常にパーセンテージの高い急増を示しておるこの問題に対して、二四〇%の値上げをすると、こういうやり方が根本精神として私はどうも郵便事業に対する経営者の心的な心の態度というものがどうも私はふに落ちないのですね。これはまあ大胆に質問することでありますから、私はあえて政府委員に責任ある答弁求めませんけれども、これじゃやはり従来のこれは官営主義のサービス業ということになりまして、その伝統が依然として払拭されてないという非常な時代錯誤的な機関になっておるのじゃないか。非常に酷評になるかもしれないが率直に申せばそういう印象を受けるわけです。  そこで私はお伺いしますが、これはやはり天下にこれだけの公表をなさって、国民も現在の郵便、サービスのきわめて悪い、また郵便ポストにしましても、郵便局にしても、少なくとも欧米の一流国家に比べれば半分に満たないという、そういうきわめて不完全な立場、それを至急にそれ並みにしていこうというならば、それぐらいの決意を持っておるならば、もう少し私は大たんな、大たん率直な案を出された方がむしろいいんじゃないか。そこでこれは、私、郵務局長にお伺いしますが、大体今の、ここに示されておるような郵便事業の五カ年計画の七百九十五億、昭和四十年の最終年度においてすら一千億をわずかに出たくらいのこの予算でもって、一体このあなたの所期の目的が達せられるとお考えになっておるのかどうか。私はたまたまこの一九六一年のデイリー・メールのイヤー・ブックを見まして、これは一九六〇年における、これは今のイギリスの例になりますが、イギリスにおきまして郵便事業だけでもって、日本の金にしまして約二千三十億円くらいの金を使っておるわけです。今日におきましては、二分の一以下の七百九十億でもって約七十億通の引き受け郵便物を能率のある、遅配のないサービスができるかどうか、この点を一つばく然としたなんですが、お伺いしたいのです。

板野學郵政省郵務局長

○政府委員(板野學君) 郵便の五カ年計画におきましては、大体の総額の資金が約六百億程度、これでいけるということで私ども考えておるわけでございますが、先ほどから経理局長からいろいろ御説明をいたしましたように、この中でいろいろまだわからないところの要素、その一番大きなものはベースアップでございまするし、またもう一つの点は、局舎の建設計画につきまして、これを自己資金で一体どのくらいまかなっていけるか、あるいは借入金はどうするかというような問題でございまするけれども、私どものこの計画を実行いたしまする資金につきましては、そういう面を一つの前提条件にいたしますれば、大体この計画は五カ年で実行に移し得るというふうに考えておるわけでございます。  そこで、一つには局舎の改善の計面でございますが、大体三百億ということになりまして、これを平年に平均的に割れば六十億ということになるわけでございまするけれども、三十六年度におきましては、すでに予算等におきましてはそれほど多額のものが郵便局舎では成立しておりませんので、これは勢い三十七年度以降にある程度しわ寄せしていかなければならないというふうに考えておるわけでございます。  その次は集配運送施設等の拡充でございますが、大体総額八十三億円というような考え方でこれは進んでおるわけでございまして、これも今年度の三十六年度の予算も含めまして、この面は十分に予算的措置ができるというふうに確信をいたしております。特にこの中で、国鉄等のいわゆる近代化計画に対応いたしまする運送施設の改善という面でございまするけれども、この中にもございまするように、一、二種の航空搭載ということがございます。これは最初私どもの考え方では、やはり東京−大阪間というふうに一番物量の多いところを載せれば、なるほどこれは早くはなりまするけれども、この面につきましては、この東京−大阪間を三時間ないし四時間で走るような新国鉄幹線もできることでございまするので、私ども五カ年計画におきましては、一応九州あるいは北海道あるいは四国というような地方に行きまするこの一、二種の郵便物を航空で搭載していく、こういうようにいたしますれば、大体年間まあ四億程度ですが、いろんな経費も含めまして大体四億程度の金があればいいんじゃないかというように私ども考えておるわけでございます。また、この国鉄の集約輸送に伴いまするこの経費等も、大体この中の収入でまかなっていけるというふうに考えております。  それから高層建築物の受箱の設置でございまするが、これにつきましても、本年度総額四億二千万円程度でございまするので、これを本年度の予算にも十分これは確保してございまするから、来年度以降におきましても、これは三カ年計画でございまするけれどもやっていける。  それから機械化の点でございまするが、屋内の機械化、いわゆる郵便局舎内におきまする機械化、すなわちこの区分機と、それから分類取揃機、あるいはこの書留等の自動引受機械というようなもの、あるいは切手の販売あるいは料金計器、こういうようなものにつきましては、大体この四十億程度を五カ年で見ておりますが、これは先ほど申し上げました、これはこの局舎計画の三百億円の中に一応含めて考えておりまして、これはもちろん資金的にもこの程度のことはできるというふうに考えております。また屋外、いわゆる郵便局外におきまするこの集配施設の機動化という点でございますが、これも五カ年で三十二億七千万円程度考えておりますが、これも今までの予算の成立状況あるいは今後料金の値上げ等からいたしまして、十分これは予算も確保できる、また資金的にもこれはやり得るというふうに考えておる次第でございます。それからこの窓口機関の増置等につきましても、資金面は心配は要らないというふうに私ども考えております。

山田節男民主社会党

○山田節男君 所要費用幾らと考えておるのですか、コスト。

板野學郵政省郵務局長

○政府委員(板野學君) 窓口機関につきましては、大体これも郵便、貯金、保険、三事業でこの経費を持つわけでございまするが、総額にいたしまして、これは約八億の金があれば、郵便関係につきましては八億あれば、大体これは、もちろんこれは人件費等は別になっておりまするけれども、八億あれば、指定局なりあるいは簡易郵便局の施設ができます。人件費は別に要員の方で、これは人件費が見積もってあるわけでございます。  それから、ポスト等の、先ほど経理局長からもお話がございましたように約三億円からの金で一万一千本増していくということでございまして、これは十分資金的にもやっていける。それから、最後にございますこの郵便配達地域の拡張の点でございますが、一の僻地集配対策、これは約二億円ぐらいはここにございますように四百八十二地区に対しまして、これは受け入れ方式に大部分がよることと思いますが、受箱の、配達受箱で受け取るという方法によりましてこれを五カ年で解消していく、これも資金的には問題はないというふうに考えております。  それから速達地域の拡張の点でございますが、大体四キロ以上のところにつきましては特別料金を徴しまして別配達、これは外国の郵便制度ではございますが、大体別配達の形でやっていく、特別の料金を徴収いたしまするので、この資金といたしましても約七億五千万円かかりますけれども、収入も別に、この収入の計画、ここにございまする郵便料金の全体の計画、料金全体の収入以外に特別にこれまた収入も得られまするので、こういう施設をいたしましても、資金的には十分まかなっていけるというふうに私は考えておる次第でございます。

山田節男民主社会党

○山田節男君 この五カ年計画で立てておられる郵便物数予測表ですがね、まあ昭和二十六年度一〇〇とします。たとえば三十五年度現在見まして、第三種、第四種、第五種、それから特殊郵便物、小包郵便物、これにもう三〇〇%以下二三〇%の増加率を示しておりますが、これは先ほどおっしゃったように東京−大阪間の幹線鉄道ができたり、それからこの文化といいますか、経済成長率が今日のように異常な発展をすればするほど、特に第三種、四種、五種、特殊郵便物、小包郵便物等の増加率は、現在の率よりも、もっと高度の率をもって増加するのじゃないか。これは一つの予想ですけれども、そういう予想の上に立ちますと、この五カ年計画に基づいて、三十五年度から四十年度までの六年間をずっと見ましても、大体年間五億通の増加、大体アメリカの数字を見ますと十分の一です。郵便物を扱っている数が、大体これはアメリカの十分の一という規模から参りましても、五カ年計画でお立てになっての郵便物の引き受け数が、かなり下目に見積もってあるのじゃないか、かように考えておる。この点はどうでしょう。先ほどの経理局長の説明では、大体六二%ぐらいの増加というように、いわゆる郵便事業の成長率という、そういうふうに見積っておられますが、これは少し甘過ぎるのじゃないか。これは外国のドイツ、西ドイツあるいはアメリカ、フランス、イギリス等を見ましても、少しこれは甘過ぎるのじゃないかと思いますが、しかし、これは相当確かな根拠でこういう数字を、こういう予測をなすっておるのですか。

板野學郵政省郵務局長

○政府委員(板野學君) 先ほどちょっと御説明申し上げましたように、過去の五カ年の平均をとってみますというと、大体六・七%ぐらいの増加になっております。それと、いわゆる私ども過去の五カ年の平均の伸び率、そういうものと、それから実質国民総生産の過去の伸び率、それから今後の昭和三十六年から五カ年の伸び率との比率をとりまして、算術的にやりますというと、大体六・一%、それを長期計画におきましては六・二と一応私ども考えておるわけでございまして、先生のおっしゃいますように、過去の平均率は六・六でございまして、これから見ますと、あるいは六・二という平均率が少し甘過ぎるのじゃないかという先生のお考えもごもっともだというふうに私ども考えておりまして、この点は一応の私どもそういう一つの計算で出しました目算でございまするけれども、なおこれに対応いたしまする局舎施設なり、あるいはこの要員のいろいろな施設などというものは、ある程度は弾力性をもって措置し得る事項でございまするので、あるいはこの六・二という一つの予測が、これは狂いましても、過去の比率から見ましても、〇・一%以上には大体いかないというふうに考えておるわけでございまして、そういう面の措置は十分にさらにこの計画の多少の手直しによってやっていくのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。

山田節男民主社会党

○山田節男君 これは今回の郵便料金の値上げでは、もちろんこれは増収ということを目当てとなさっておるのですから、まあかりに第一種、第二種は政策的にこれは上げない、これは私から申せば邪道です。邪道ですが、しかし郵便の遅配があるなしにかかわらず、一刻もすみやかに集配がされるということは、これは利用者の切なる望みなんです。今日速達、書留速達というのがありますが、それ以外に航空郵便——エア・メールですね。それから特に緊急を要するときには、いわゆる特別配達——スペシャル、デリバリー、これはアメリカでも相当料金高いけれども、これは利用されている少なくとも今日の国民の一般の利用の中には、そういう制度があるなしにかかわらず、やはり国民としてはこの中に一刻もすみやかに、料金が高くなってもいいから、すみやかに配達してもらいたい、こういう私は要望はかなり強いと思うのですね。そうすると、今度のような郵便料金の値上げの場合には、増収をはかる意味から見ても、エア・メールの制度、国内のエア・メール、それからいわゆる外国でいうスペシャル・デリバリーというものをやれば、これは私はまた増収はかなり期せられるのではないかと思うのですが、こういうことは全然お考えになっていないわけでありますか。

板野學郵政省郵務局長

○政府委員(板野學君) 郵便物を早く配達するという面につきましては、一つには運送施設、できるだけ早い運送施設を利用するという点でございまして、この面につきましては、従来私どもも速達等につきましては、航空路線が開設いたしますれば、直ちにこれに積んで、できるだけ早く途中の運送をやっていく、このような考え方も持っているわけでございますし、また国鉄の集約輸送に伴いまするどうしてもおくれがございますので、こういう面につきまして、先ほど御説明いたしましたように、北海道、九州、松山等につきましては、一日も早く航空搭載をしていく、またローカル線等も、今後五カ年に航空局でもいろいろ計画があるようでございまして、そういうローカル線ができれば、私どももできるだけこのローカル線も利用いたしまして、航空搭載をしていく。それからまた、この集約輸送に伴いまして、どうしても郵便物がおくれるというような路線につきましては、専用自動車を用いて送達をはかるというふうに考えておるわけでございまして、また配達郵便局に到着いたしましたあと、これを早く、配達の回数をふやし、あるいは取り集めの回数をふやすということも、非常に必要なことでございますので、お手元の資料にございますように、大都市等、非常に郵便物の多いところにつきましては、取り集めの回数なり、あるいは配達の回数もふやしていく。また速達の取り集めなり、配達の回数もふやしていく、このように考えておる次第でございます。  また、いわゆる別配達の問題でございますが、実は私ども五カ年計画につきましては、三十六年度からこれを実施いたしたいというふうに考えておったわけでございまするが、予算等におきましても、私どもこれが認められなかったという点もございまして、今年度は見送りましたけれども、来年度はこれは一つぜひ実現をいたしたい。特に市町村の合併等によりまして、今までの既存の集配等の方法によって、既存のものにつきましては、四キロ以上のところも特別に配達はいたしておりまするけれども、やはり相当の配達区域等の変動もございますが、この別配達制度はぜひ採用をしていきたいというふうに考えまして、この計画におきましても、三十七年度からはぜひやっていきたい、こういうふうに計画をしている次第でございます。

山田節男民主社会党

○山田節男君 今の私の第一の質問は、少なくとも今回の郵便事業五カ年計画の中には、国内の航空郵便の制度を私は設けるべきだと思うという観点から質問申し上げた。アメリカは国内の普通郵便、いわゆる手紙が四セント、そうして封書のエア・メールが七セント、これが今回値上げ案としては、手紙が五セント、それから航空郵便が八セント、倍ですから、日本でいえば郵便——手紙が十円に対して、国内航空郵便は二十円というふうに、かりにそういうふうにしましても、航空便というものは、国内のローカル線も順次これが開発されてきているのですが、少くとも今日、およそ文明国で国内航空郵便制度のない国はないと思う。文房具屋にいっても航空郵便用の封筒を売っている。また、紙も軽い特定のものを売っておりながら、外国宛てに使って、国内でのエア・メールの封筒が使えないというのは、非常に私は遺憾なことだと思うのです。  ですから、少なくとも五カ年計画において、文明国として自負するわが国において、国内のエア・メールがないということは、一体どういうことかということなんですね。これはもう少し商売的にお考えになっても、今申し上げているように、航空郵便ということになれば、汽車の速達より早い、これは、先ほど申し上げたように国民の要望なんです。料金の問題ではないということです。昨今のように遅配の常習化した今日では、速達でなければ皆不安だという気持ちを持っている今日ですから、たとえ遅配、欠配がなくなりましても、一刻も早く受け取りたい、また受け取らしていきたいというような立場を考えれば、もうこれは、すでに航空郵便制度は、今日の航空ローカル線についても始めるべきじゃないかと思う。この点、どうですか。

板野學郵政省郵務局長

○政府委員(板野學君) 私の御説明、ちょっと足りませんで、まことに申しわけなかったと思いますが、昔は、航空郵便制度がございまして、この航空郵便というものをやっておったわけでございますが、航空郵便制度、私どもも日本の国内で、これをやります場合には、どうしてもやはりその制度だけでは、なかなかスピードが上がらない。配達の速度が上がらない。こういうわけで、現在ではこれを速達と併用いたしまして、速達になっているものは、航空郵便線路のあるところは、全部飛行機に積む。航空郵便線路のないところは、やむを得ず汽車なり、あるいは専用自動車なりに積んでおる、こういう状況でございまして、速達即航空郵便線路のあるところは、航空郵便に積んでおる、こういう状況でございます。  なお、先生のおっしゃいましたように、ローカル線等につきましても、現在定期的に、ある程度動いておるものにつきましては、この速達は、全部これに積んでおるわけでございまして、将来、この次の三十七年度からの計画といたしましては、特別のいわゆる料金をとらずに、航空に積むということを考えておる次第でございます。

山田節男民主社会党

○山田節男君 これを別の角度から申しまして、速達はもとよりですけれども、一般の郵便物、普通の料金の郵便物につきましても、できるだけ早く配達するというのは、これは郵政省、郵務局の絶対義務なんですから、これまたアメリカの例になりますけれども、アメリカでは、普通の郵便でも航空会社と契約して、荷が軽いときには、それを積んでやろう、こういう条件で、郵政省と航空会社が特定の契約をしまして、そうして荷物が少なかったら、それを運んでやるという条件で、しかしながら一日に何便もあるから、大体その日に配達する。そうして相当これは向こうの郵政省も、航空会社に対してこれに対するかなり多額の料金を払っている、日本の郵政省としても、そういう特定の航空会社と、そういう契約をして、荷物がなければ、普通の郵便物でも飛行機で運ぶ、アメリカに比べて非常に面積の狭い、国土の狭小の国として、そういうことが必要でないといわれればそれまでですが、しかしスピードということを考えるサービスの本質からいえば、やはり日本でも航空会社と、今のような契約を結ぶことによって、この集配のスピード・アップを期するというようなことを考えられないことはないと思うのですけれども、こういう点についての何らか今までお考えになったことはありませんか。

板野學郵政省郵務局長

○政府委員(板野學君) 日本におきましては、いまだ航空線路が、アメリカあるいはヨーロッパ等に比較いたしまして、そうたくさんの航空線路はない。また便数も非常に少のうございますので、どうしても一種、二種の郵便物でも、余地があれば積むという段階にまで、なかなか到達をしておらないわけでございます。どうしても余分に積めば、やはり余分の料金を請求される。また余分の、それに必要な飛行機も用意しなければならぬというのが、ただいまの現状でございます。  従いまして、国内航空が始まりました初期におきましても、あるいはそういう積む余地があったというようなこともございましたけれども、私ども、どうもそのときは気がつきませんでしたので、そういうような措置をとらなかった次第でございますが、現状におきましては、やはりアメリカ、イギリス等でやっておりますような航空便の余地があれば、通常の郵便も積んでいくというようなことをやる余地が、現在ではないようでございまして、やはり一定の料金を支払って、そうしてそういう飛行機を別意するということが必要になっている現状でございます。

山田節男民主社会党

○山田節男君 これは御承知のようにアメリカに対しては、もう貨物専用の飛行機も定期便が飛んでいるんですから、国内におきましては、やがては、ここもう一両年の間に、やはり貨物専用の飛行機が飛ぶようになるということは、これは必ず私は夢じゃないかと思う。  ですからやはり、そういったようなことの一つの準備はしていただきたいと思うんです。現在、たとえば三十五年度において、郵政省からの託送のために、日航なりあるいは全日空に対して、どのくらいお金を払っておられるか、金額がわかれば、一つお知らせ願いたいと思います。

板野學郵政省郵務局長

○政府委員(板野學君) 大体三十六年度の予想としまして七億六千四百万円支払う予想でございますが、三十四年度におきましては三億九千七百万円支払っております。

山田節男民主社会党

○山田節男君 次に、高層建築物に対するポストの問題ですが、ことに大都市におきましては、不燃化をして、土地の狭い関係から建物が高層化してくるということは、これは当然な傾向でありまして、今回こういったような高層建築物に対する郵便配達の新らしい制度が設けられるということはいいと思うんですけれども、現在のものはそのままにしておいて、将来のものに対して、一つの義務づけをやる、こういう一つの制度ですけれども、これは、私はやはり集配に従事している人のための、あるいは配達を受ける人の立場からみましても、これは全部とは申しませんけれども欧米諸国におきましては、これはもう配達を受ける方が義務づけられて、これを設けなくちゃならない。初めからこういった高層建築物の人に対しては元値を割ってでも郵便箱を配付する、こういうようなことは、先ほど来申し上げましたように、郵便事業も独立採算の企業形態であるということから考えますと、そういうことはしないで、むしろこういう場合には、国営の郵便サービス業であるという建前から、漏れなくいわゆる初めから徹底させるという意味からいえば、私はこういう今回のような、非常な寛大といえば寛大ですが、そうでなくて、実際の集配にあずかる者の労力の点からいけば、これははかり知らざる重労働を課せられるということになっているから、そういう労務管理の面からみましても、これは当然法律によって強制化するというくらいの措置をとるべきことが当然じゃないかと思うんですよ。今回の措置によって、一体どのくらい、これは大まかな目安になりますけれども、どのくらいなポスト——郵便受け箱ですね、予想しておられるのか。  それから、現在、これは相当な高層建築物、アパートも含めてありますが、そういったものが、どのくらいあるかという数字がもしあなたの方でおわかりになっておればお示し願いたいと思いますが、わかっておりますか。

板野學郵政省郵務局長

○政府委員(板野學君) 今回の改正法律の附則にございますように、既存の建物につきましてはいろいろ権利関係が輻湊しておりまするので、今直ちにこれを新しく建設されるアパート等と同じように扱うわけにもなかなかいきませんので、これは当分の間、適用しないことにいたしておりまして、いろいろ今後周知なり、あるいは話し合いなりによりましても既存の建物につきましても、できるだけ早く建物の所有者なり、あるいはこれの使用者との間におきまして、そういう了解を得てやっていきたい。  こういう考え方でおるわけでございますが、そこで現在どのくらいのアパートと、それから受け箱の設置状況になっておるかと、こう申しますと、大体三十五年の八月現在におきまして、このアパート等の総数が一万七百二十六棟ございます。またビル等が四千二百七十棟ございます。この中で、すでに受け箱を設置いたしておりますものがアパートでは、大体二六%で、ビル等につきましては四六%、世帯数にいたしますれば、アパートにつきましては二七%、ビル等につきましては四一%程度でございます。  そこで、今後大体毎年九万三千世帯くらいがアパートとして建設されるものがあるというふうに予想いたしまして、大体、今後九万三千くらいの世帯につきまして、三年間受け箱の半額補助を実施いたしたい、このように考えておる次第でございます。

山田節男民主社会党

○山田節男君 大臣は、まだお見えになりませんか。

鈴木恭一自由民主党

○委員長(鈴木恭一君) ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕

鈴木恭一自由民主党

○委員長(鈴木恭一君) 速記を始めて下さい。

山田節男民主社会党

○山田節男君 大臣がお見になりましたので、御質問いたしたいと思いますが、実は、この長期計画にも出ておりますように、郵便サービスの能率化のためには要員の点においてもかなり増員を予定されておるわけです。  で、先ほど来、大臣も常に言われておるように、郵便事業は機械化、オートメーションに限度がある、七五%くらいのものは、やはり人でやらなければいかぬ。これは、各国とも郵便サービス業の現段階における共通の現象です。そこで大臣もおっしゃったのですが、郵便事業に関する限りにおきましても、約九万の従業員が、これに従事しているわけです。いかに金が自由になっても、やっぱり労務管理と申しますか、従事している人々の、何といいますか、働く意欲と申しますか、これがやはり最も重要な点である。これはもう大臣がよく申されることで、私から今申す必要はございません。特にこういったような現在の遅配ということが、国民全般の大きな問題になっておるときにおきまして、郵便事業五カ年計画の初年度において郵便料金改定を、かなり反対があるにかかわらず敢行して、そのサービスをよくしよう、この御意図も私はよくわかるんです。われわれとして、やっぱり一番不安に感じますことは、大臣とやっぱり同感でありまして、こういう人的要素の管理というものは、これをどうするかという問題、大臣はこれはもう再訓練をするんだ。この五カ年計画を見ましても、従業員のかなり丁寧な再訓練の計画を立っておるわけです。これは非常に私はいいことだと思うのです。  しかしながら、先ほど郵務局長からの御答弁の中にもありますけれども、郵便物の滞留している地区は全部じゃなくて、ある特定の場所にそういうものが著しく滞留しているという状況です。これは私は労務管理の問題じゃないかと思うんですね。  そこで五カ年計画を実施されるにつきましては、これで遅配がなくなるということを大臣は言明なすっておるんですが、もちろんそうして下さることを、われわれは国民として要望するんですが、就業規則、それから組合との団体協約、それから、それによりまする職場規律と申しますか、そういったようなものに対しまして、これは私、過去十数年間、ことに郵政省関係の労働組合あるいは経営者、雇用者側の立物を見ますと何か欠けている点がある。これは労働組合だけを非難することは私はできないと思う。この労使関係というものは、やっぱり相互の信頼関係、従ってその根本になるのは労働条件であり、その労働条件には、また社会保障的なものも書いておりませんと、やはり職場規律というものは、やかましく言えない。これは、よく外国の例を出して申しわけございませんが、アメリカにおきましても、遅配が非常に問題になっておる。おりますが、では従業員が怠けておるのかといったらそうじゃない。アメリカにおきましても、あらゆる職場に、これは共通した現象ですけれども、非常に職場規律は厳重であります。職場規律を乱す者があれば、首切られてもしょうがない。いわゆるジョブ、自分の職務に対する労働時間というものは、絶対にこれは働くという、こういうことは、これはヨーロッパ、アメリカの労働者は、そういう観念を持っておるわけです。日本におきましても、日本人は、勤勉な国民ですから、自分の与えられた職務に対して、何も怠けるという、こういう怠けぐせの国民じゃないと私は思う。しかるに、これは単なる郵政事業だけの従業員じゃないと思うけれども、他の一般産業あるいは公社卒業にしましても、いわゆる職場規律というものがとかく乱れがちだというこの現実ですね。これは私は労働者をけしからぬという前に、一歩さがってこの経営者の側に立つべき人あるいは管理の職に当たる人が考える必要が多々あるのじゃないかと思います。  こうして要員に対して再訓練をなさるということは、もちろん、管理職にある者に対しましても、いわゆる今日のマネージメントの講習をやる。こういったようなかなり複雑な多岐にわたる労務管理というものは、管理職にある者も、従業員の立場にある者も、これは一体となってやりませんと、いつまでも悪循環がここに生じまして、絶えざる一つの悪循環を追うということになると思います。で、こういったような五カ年計画を天下に御公表なさって、要員に対する対策もございまするけれども、しかしこの五カ年間で、年平均四・五%の賃金値上げを認めるとか、あるいは年に特別手当三カ月、こういうようなことだけで、従業員が、常に職場において意欲を持って、責任のある仕事をなし得るということは、これは従来のままですと、非常にむずかしいと思うのです。こういう五カ年計画をお立てになれば、労使関係につきましても、新しい一つの形といっては非常に不明瞭ですけれども、お互いに腹を割って話し合いをしてやるということを、やはり新しくお立てにならないと、この遅配という問題が、そういう面から、どうも根絶できないのじゃないかという不安があるのです。  この労務管理といいますか、この点について、こういうふうにしようという、何か具体的なお考えはございますか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 大へん有益な御意見を交えての御質問でありますが、先ほど、私は要員の問題について、訓練が非常に大事だと申しましたけれども、要員ばかりでなく、実はもっと大事なことは、管理者側の訓練と精神だと思うのであります。それらについてどうするかという具体的な労務対策としては、私は何としても、やはりこの経済の荒波の中で、従業員が安心して働けるだけの給料、また将来の組合年金といいますか、そういうものがもらえるんだという基礎をやはり作っていかなくちゃならぬ。  そこで給料と、それからもう一つは働く環境、あるいは厚生福祉のいろいろな施設というようなものをもう少し、今までもずいぶんやっておりますけれども、きめをこまかにしていくことと、根本は、やはり賃金の問題だと思います。これに対しては、四・五だけでは少ない。確かにそういう見方もありますけれども、大体それを基礎にして、あとは仲裁裁定等が出まして、郵政事業においてまかない切れないというときには、私はそのときは、予算を改定してもらうのが適当であって、いつ上がるかわからないというピークを目当てに、こういう計画はできないという立場をとっておりますから、いささかその点は不安があり、なまぬるいという感じをお持ちになるかもわかりませんが、私はこの労務管理としては、大体働いてもらうということ、これが最大の内容になりますから、今アメリカ等の実例もお示し下さいましたけれども、日本の今の郵政従業員が、きわめてまじめで、一生懸命働いてくれる。不意に私が、小さな郵便局に全然予告なしで行きましても、それはわかるのです。ただ、先ほど郵務局長が御説明申し上げたと思いますけれども、ごく少数の局で、しかも少数の人が、組合の命令にさえ従わない人たちがありまして、それがいろいろな指図をして事をなさいますと、有機体でありますから、ちょうど指の先をけがしたようなもので、全身がやはり痛むというような感じだと私は心得ておりまして、いかに労務対策がむずかしいか、今後とも省をあげて、これに十分努力して参りたいと思っております。

山田節男民主社会党

○山田節男君 遅配の大きな原因の一つは、やはり職場規律、それから就業規則、これが厳重に守られないということもあると思うのですね。その原因は、どこにあるかということになりますと、たとえば職場大会を開いて、勤務時間に食い入って、業務を阻害する、そういうことをしたから、これを処分するのだ、これは公労法においては当然できるわけです。ですから、職場の規律を維持しようということになれば、そういうことになるかもしれませんけれども、しかしその前に、私は何か一つ、よく考えてもらうべきものがあるのじゃないかと思うのです。そこに何か欠けるところがあるのじゃないか、忘れられているものがあるのじゃないか。これは郵政省だけじゃございません、全産業に、今日そういうことがいわれると思いますが、特にこういったようなことがあると思います。  これを除去する方法、これを、私はいろいろの方面から考えるべきじゃないか。たとえばNHKであるとか電電公社の場合、これは予算総則において弾力条項というものがあって、非常に能率をあげて働き、そうして純益があった場合には、これをいろんな福祉施設に回すとかいういわゆる弾力条項、これは官営事業としては、そういうことは私はできないことはないと思いますけれども、現行法としては、これはむずかしいかもしれぬと思う。それにしましても、少なくともそれと精神を同じゅうするような労務管理上の、そういう精神なり態度というものを、そういうヒューマン・リレーションとしての、経営者あるいは管理者という立場にある者が持てば、日本人は、ことにに感情的に支配されますから、こういうデリケートな部面に、今の日本の労務管理ぼ非常に欠けているのじゃないか。これは労働者の方も、そうでしょうけれども、管理者の方も、公平に見ますと非常に欠けていると思う。  ですから、せっかくこういう遅配をなくしようという非常に国民の要望するこの目的に邁進されんとする大臣としては、これは従来の郵政大臣が、ことごとく私は従業員に対して敵視した態度をとったとは申しません、またあなも、荒木文部大臣が日教組に対するような態度をおとりになっていないことも了とするのです。しかしその上に、何か忘れられているものがあるのじゃないかと思う。これは労働者を責めるとかなんとかいうのじゃなくて、もっと公平に一つお考えになりまして、やはり働く者の立場、たとえば先に申し上げましたこういった高層建築というものがふえた場合に、先ほど郵政当局の御説明によりますと、今日この法律を改正されましても、郵便を受ける場所、受け箱を持っていないビルディングなりアパートがかなりあるのです。そういうものによって起こる労働の過重といいますか、こういう点が、やはり労働者が言わなくても、経営者の方で、十分それを気にかけて、たとえば今回の場合でも、命令でもって、全部受け箱を置けというような態度をとるのが、労働者に対する一つのそういう思いやりだと思いますが、そういう理解を持つこと、こういう点についても、どうも足りないのじゃないか。そこにやはり郵政省の管理職にある者の労務管理に対する精神的な要素において、何か欠けている点があるのじゃないか。ですから、この長期計画を実現なさるためには、どうしても悪循環を断つということを、何をおいても、私は先におやりにならなくちゃいかぬと思う。ですから、  こういう職員の再訓練ということは、同時に労務管理にも関係がございますけれども、今日の生産性向上本部——日本におきましても生産性向上本部が提唱しておりますように、少なくとも管理職、係長くらいから上の者は、全部一つ、今日の非常に進歩している生産向上の科学的な労務管理、いわゆるマネージメントに対する再教育を早急に、これはされるべきだ。最高の地位にある次官、ことに人事部長などの職にある者は、その方面の発達しているマネージメント、労務管理というものを、これこそ再訓練される必要があるのじゃないか。私はこの点に関する大臣の御方針というよりも、お気持はどうなのか、この際、承っておきたい。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) まことに、ごもっともな御意見でありまして、私もマネージメントがほとんど中心の、半分といいますか、半分以上を占めるものではないかというぐらいに考えております。従って、大臣はもとよりでございますが、事務当局が、上から下まで管理者としてのやはり十分な修練と勉強を積んで、そして要員ともども、一体となって仕事に当たっていただきたい。同時に、われわれのサービスを受けられる方の国民の側においても、協力していただきたい。たとえば不必要に犬を放し飼いにしたり、また所番地、氏名等が不明であるとか、あるいは従業員に非常な厄介をかけるようなことをなるべく省いていただいて、協力をしてもらいたい。  この三者の歯車がそろったところで、そこで初めて、私は正常な運営になると思いますが、今御注意の点は、数々まことにごもっともだと思いまして、部下とともに、これを実行するように努力して参りたいと思います。

山田節男民主社会党

○山田節男君 この今回のような、かなり画期的な郵政事業の長期計画をお立てになりまして、かなり規模、施設等も拡大するのでありますが、これはもちろん従業員に対しての労働という点から考えれば、これは重大なもちろん関心を持っておりまするししますから、大体、こういう長期のプランをお立てになるとして、組合とも、これは、こういうような今度プランを実行するんだと、組合の方でも、このプランをさっそく分析研究して、将来の労働協約をどうすべきか——これはまあ、当然私はやっておられるだろうと思う。また、そうしなければいかぬと思う。  そこで、全逓の労働協約を見ましても、これはアメリカあるいはフランス等の郵政従業員の組合の団体協約と比べますと、非常に日本の労働協約は簡単なんですね。団体協約条文の字句解釈の相違、対立によってストライキをするというような、普通の産業もあるようです。ですから、こういうふうな長期の計画をお立てになる場合におきましては、労働組合に、あらかじめ了解を求める必要はないかもしれませんが、やはり天下に発表されれば、それに対しての労務管理に関しては、こういうようなことになるということを予想すると、これは、管理職の義務です。同時に労働組合の方でも、これに対する一つの分析研究の結果、組合はこういうふうにしていかなくちゃならぬというとは方針が立つだろうと思います。  そういうことは、当然起きるのでありますから、今の不要な争議、不要な不安感を起こさないようなためには、労使のいわゆる理解のもとに協調させるという、こういう本心からの協力を呼び起こすためには、これは私は、最高責任者の大臣が、やはりこのプランに対しては組織組合に対しまして、やはり親切に、こういうようになることを予想するということを、これは私は、もう大臣から進んで組合の代表に了解を求める、あるいは今後どうするかということは、これはもう労働協約を結ぶ一つの準備行為としては、私は当然おやりになるべきものじゃないかと思うのです。そういう御気持がございませんか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 先ほど私申し上げました通りに、これは私どもの今日まで、各委員会その他の場所において、いろいろお答えを申し上げ、御説明申し上げたことを整理統合したものでございまして、まだこれをオーソライズすべき実は十分な手続をとっておりません。最小限度において、こういう計画を経済企画庁において経済成長率の具体案とともに取り入れてもらうということを、まだやっておりません。これは実は、私どもの何と申しますか、原案のようなものでありまして、これをいよいよ政府の一部の政策として取り上げてもらうと同時に、今山田さんから御注意がありましたように、従業員関係の方にも、これを示して意見を求めるというようなことも私は考えていいと思っております。管理者側から、お前らついて来いというような格好は、私はとりたくないと思います。

山田節男民主社会党

○山田節男君 どうも長くなりますから、これ以上私は申しまんが、要は、一つ新しい機運を労使間にわかすこと、これは、もし郵政事業の労使関係に、そういう前例が開ければ、あと他に波及する影響は非常に大きいわけです。  この点は、特に御留意願いたいことと、もう一つは訓練計画ですが、このお示しの資料の十八番目を見ますと、初等部、中等部、研究部、専修部、監督者訓練、労務管理者訓練、こういうように区別されております。この訓練期間を見ますと、たとえば労務管理者の訓練は六日間、長くて研究部の人員が二カ年、こういったように非常に対訓練期間が短いのですね。御承知のように今日経理方面が複雑になってくると、一般の産業経営におきましては、過日新聞にも出ておりましたように、全く初歩の訓練から少なくとも六カ月ないし一年間、これは金がかっても、一つの試用期間である。試みに使うのだといういわゆるアプレンティスの使い方、会社は金を使って、ほとんど経営に参加できないような地位に置いて、もっぱら訓練をするということなんですね。今度この郵便事業だけで見ましても、これは単に集配するといえば、何も技術は要らぬ、からだ張っておればいいんじゃないかと、こう言われるかもしれませんけれども、しかしそんなものじゃない。そういたしますと、この訓練期間というものが、どうも私は短いのじゃないか。これはたとい長くても、長い目で見れば、必ずペイするのだという建前の、いわゆる経営上における長い目で見た、何といいますか、ペイするという、そういう感じが非常にないような気がするので。もちろんこれは過去の経験で、この訓練期間は、これが妥当だということで、こういうことになったろうと思うのですが、これは私は訓練期間というものが、あまり短かきに失するのじゃないかという感じがするのですが、これは大臣からでなくても、人事部のどなたか、従来の訓練の経験のある人から、一つ答弁を願いたいと思う。  少なくとも、これだけ複雑多岐にわたる従業員の訓練期間というものが、これだけのことで、十分であるかどうかということを私非常に不安に感じているのですけれども、この点について、どうです。

荒巻伊勢雄郵政大臣官房長

○政府委員(荒巻伊勢雄君) 山田先生のお話の通り、訓練期間が、相当長く充実したものであることが望ましいのでございますけれども、従来やって参りました労務管理者訓練の場合におきましては、何分にも現業局の局長とか、特定局長あるいは課長、こういった直接の課、部でございますので、あまり長期にわたって局をはずすというわけにはいかないという意味もございまして、そういうような意味の労務管理者訓練ということになっておったものでございまするから、従って、期間も短かったわけでございます。なお労務管理者、現業局のそういう管理者ばかりでなく、労務管理に、いろいろと携わる者の知識経験をほんとうに充実すべきだと思いますので、訓練対象の今後の選択によりましては、できる限り、さような意味におきまして充実した、期間も相当見込んだ訓練になるべきだと思いますので、なお、十分に研究さしていただきたいと思います。

山田節男民主社会党

○山田節男君 これは、そういう官房長の御答弁ですから、今さら私申したくはありませんが、これはもう、どの産業部門におきましても、生産性向上ということは、要員の訓練といいますか、これも根本的な条件になってくるわけですね。私郵政事業全般にわたる仕事の内容は存じませんけれども、概念的に申しましても、やはり官営の、こういう現業である以上は、要員の、ことに最初に受ける訓練、それからこれは、ほかの産業と違って技術の革新のあまり影響のないものにいたしましても、再訓練ということは、精神にも技術的にも、これは必要なことですから、これは、他のものと比較してみて非常に短いということを痛感しますが、この点は一つ、終局において訓練はペイするのだという立場にあれば、これは私実行なさっていいと思う。十分これは、もう一ぺん御研究なさっていただきたい。それが将来の労務管理というものに対する一つの、先ほど申しましたように新しいムードを作るという意味におきましても、やはり上の者が下の者を知っておらないと……。アメリカのいいことは、社長が郵便配達もやっておる、あるいは新聞の売子もやったというものが社長であるところに、いわゆる人民資本主義として、非常な民主的な資本主義が発展しているという現実から見ても、私は、従来とかくネグレクトされておる。トップにおる者が下部の者の勤労というか、そういうものをよく知ってないところに、非常なギャップが生じてくる根本があると思いますから、一つ訓練計画を、そういう角度から、十分さらに検討していただきたいということを強くお願い申し上げて、きょうの御質問をこれで終ります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 時間の関係もありますので、私二、三だけできょうは質問をとどめますが、大臣、郵政事業の長期計画の、まあ長期計画というのですが、五年間ですから、非常に短期の計画だと思うのですが、これは閣議の報告とか了承とか、そういうものは得ているのですか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 先ほども申し上げましたように、これは、まだ正式な政府の決定にまでは持ち込んでおりません。資金の裏づけその他重要なことがありますので、十分さらに皆さん方の御意見等も伺いまして、改めるところは改めて、しっかりしたものにして決定機関に持ち込みたいと考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それから、まあこれから池田内閣の出している十年間の経済成長政策というものとの関係で、この第一次といいますか、そういうふうに考えていませんが、長期計画と称するこの五カ年計画の完遂があれば、大体これで郵政事業というものは満足にいく、こういうことに御判断を持っていますか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 私は、これを計画の線に沿うて、いろいろなことができていれば、まあそれで、満足すべき状態が生ずるかという御質問ならば、必ずしもそうはいかないと思っております。実は、毎年やはり新しい工夫をこらし、現状に沿うような施策をしていかなければなりませんが、とりあえず今までもずいぶん事務当局は勉強しておったようでありますが、何がしかの長期の、その場限り、その翌年限りでなく、ある程度の先を見通してからの施策を実行するのだという意気込みと、また要員、従業員ともども手を携えて、この国家サービス事業に精進するのだという一つの目安——目標といいますか、そういうようなものを持ちたいというので、これを策定いたしました。不十分なところは、十分改めますから御指摘、また御推挙をいただければありがたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 この中には、いろいろさっき山田委員の指摘されたような、一面における労務管理、まあ定員の問題については多少考えておりますね、それから職員の訓練の問題については多少考えている。しかし、大臣も強調されておるように、労働者の待遇改善というものについて、郵務局長の御説明によりますと四・五%程度のものを考えているので、そのほか職員の住宅をふやす厚生福祉施設の問題についても、実は遺憾ながらこの中にないんですよ。従って私は、ちょっと指摘しますと、簡易郵便局の方を見ましても、十ページにあるように、この今の簡易郵便局法によりますと、受託者というものは、公共団体ほか四団体になっておるんですが、その範囲を個人に拡大するというようなことが、ここに書いてある。  これは今まで一度、改正法が出たと思いますが、たしか成立を見ないで終っておると思います。そういったことから見まして、多少現行法からいって郵政省自体でお考えになりますと、国会との関係で、ちょっと問題になるとは思いますよ。ですから、これは委員長にもお願いしたいんですが、私はこの際、郵政小委員会のようなものを本委員会の中に作って、そうして大臣のおっしゃる趣旨も、わが委員会においてこたえるようなものを、この示された計画案について検討する機会を持っていただくように、これはあとで、理事会ででも御相談いただいて、まあ、よりよいものを作るようにしたらどうかという考え方を持っておりますので、これは、委員長に対してもお願いをし、郵政省としても、そういう方向でいくことについては異議ないと思いますので、私はその提案を、この際しておきたいと思います。  それから、先ほどからですね、どうも私、ちょっとわからないのは、この経済成長との問題で、たとえばですね、郵務局長のお話によりますと六・一%ですか——物数の増加ですね。そういう計算をされておりますが、これは過去五年間の平均値をとって、それに〇・一くらいのパーセンテージを加えたというように受け取れますがね。  しかしてこれは、最近における経済の成長性が、過去五年から見ると、かなり伸びてきておる。まあ一三%とかというような実績もあるように、昨日来の農林水産委員会での首相のお話を聞きますと、そういうこともおっしゃっておるので、かなり高度に伸びておると思いますね。ですから、これらの物の見方にしても、かなり山田委員の御指摘のように甘いと思うのですよ。ですから、必ずしも今後、ある程度の賃金の引き上げがあるから、そのときは、料金値上げをしなければならんというような、そういう理屈には私はならんと思う。かなりそういう点のゆとりは出て来るんじゃないかというように考えるわけですがね。ですからそういうような見通しに対する甘さといいますか、これらは大臣、どうでございましょうかね。もう少し、あなたも閣僚ですし、池田内閣の経済成長率というものと見合った場合に、過去五年の平均値をとるということは、ちょっと私は納得できないんですよ。もう少し伸びがあると思いますが、これは、どうして内輪に見たんですか。

荒巻伊勢雄郵政大臣官房長

○政府委員(荒巻伊勢雄君) 計数の積算をいたしました立場にあるものとしてお答え申し上げますが、過去五年間におきまして、実質国民生産の成長率が経済企画庁の資料によりまして八・七%となっております。この間におきましての郵便の伸びの平均が大体六・六%。そこで今後の国民総生産の所得倍増計画によりまする今後五カ年の平均を見ますと八%になっておるんでございまして、この数から八%対八・七%の比率と過去の六・六%の郵便の伸びた率とを比較いたしまして、この計画におきましては六・一%というように根拠づけた見通しでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それはちょっと、官房長の八・七%ですか。それは、何年度のことですか。昨年のこと——昭和三十五年度のことですか。

荒巻伊勢雄郵政大臣官房長

○政府委員(荒巻伊勢雄君) 昭和二十六年度から昭和三十五年度までの平均の郵便の伸び率を見たものと、また同じ期間におきましての、昭和二十六年度から昭和三十五年度までの実質国民所得の総平均、十年間の見通しでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それは一応データーをおとりになる根拠としてはわかりました。しかし、これからの経済成長というのは、そうでないでしょう。思い切った経済成長を政府は考えておるのですから、おそらくそういう経済の成長に伴って郵便物の取り扱い通数、あるいは簡易保険なり年金なり何なりの扱いというものについては、かなり伸びてくるでしょうというようにわれわれは判断するわけですね。従って六・一%に今度一応とったということが、どうも過去の実積だけにこだわって、新しく伸びようとする新経済政策にマッチしていないのじゃないか、こういうことを私は言っておるのですよ。そこらに政治的な配慮があるのじゃないかと思うのですよ。過去のことを言うのはおかしい。

荒巻伊勢雄郵政大臣官房長

○政府委員(荒巻伊勢雄君) その場合におきまして、じゃ今後の六・六%の郵便の伸び率をどういうふうにするかという批判につきまして、よりどころが、国民総生産の今後の倍増計画におきまして示された数字が今後五カ年間におきまして八%という数字が示されておるわけでございます。これをとりまして、私どもの郵便の伸び率は六・一%程度が妥当ではないだろうかと、こういうふうに考えたわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは論争になるようですから、私はさらに小委員会を持ってもらった機会に、もう少しじっくり討議してみたいと思いますので、きょうは、この程度にとどめておきます。  それから最後に、一つお尋ねしたいのは、今度の郵便料金改正の中で、学術出版関係の料金がだいぶん上がっておるのですが、これは、第五種に扱っておるのですか。

板野學郵政省郵務局長

○政府委員(板野學君) 大体、いわゆる月刊のものは、三種の低料以外の郵便物で送るようになっております。それ以外の一般の出版物は、第五種で送るようになっております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 この第五種の中でも——ダイレクト・メールなんかは、この第五種の中に入っていくわけですね。学術関係の出版物というのは、月刊でないのが多いようなんですね。たとえば年に四回とか、あるいは二回とか三回とか、そういうふうに季節を切って出版しておるものが多いと思うのですが、こういうものは、特に学術関係の出版物としては、何といいますか、公共団体とかあるいは公益法人とか、おもに利益を相当目的にしないようなところの団体が多いと思うのです。ですから、こういうものを一般の商業通信のダイレクト・メールと同じように扱うことは、ちょっと酷じゃないでしょうか、非常に大幅な引き上げをするのは。第五種で相当上がっておりますからね。  これらについて、もう少しその配意ができなかったものでしょうかね。

板野學郵政省郵務局長

○政府委員(板野學君) 大体書籍等はそういう月刊のものが三種、それからその他のものが五種ないし小包でございますが、小包で送れば、もちろんこれは相当商い料金を払わなければならないわけでございます。五種という種類は、御承知のように、このたびにおきましても、重量の点におきまして安く扱われておるわけでございます。従いまして、まあ一、二種に比べては、あるいは小包に比べては優遇されておる、しかし三種に比べては、少し高い、こういうふうな状況になっておるわけでございますが、この出版物等につきまして、特に学術上の出版物というものが対象になるわけでございますが、現在では、御承知のように、これは郵送されるというようなものは、割合現在では少ない。これを第五種の重量等で見ましても、百グラム以上になるものは全体の約一%しかない、五十グラム以上が大体九〇%、五十グラムと百グラムの間が一〇%、このような状況でございまして、大部分は、地方の書店に鉄道便を利用して送られ、そこから購売者に行く、こういうような状況ではないかというふうに思うわけでございます。  またこの出版物につきまして、全体的に少し安くするというような考慮はこの出版物の内容等もございますので、これは非常に困難です。学術等の出版物につきまして、これをあるいは特別な種類を設けるとか、あるいはこれを安くするというようなことにつきましても、いろいろこれは、まあ考慮すべき点もございまするけれども、何が学術出版物という判定も、非常にむずかしいことでございまして、ちょうど私どもが、第三種の認可の基準につきましては、非常に現在でも苦しんでおるわけでございますが、そういう点も、またこの出版物のものに持ち込んでくるということも、これはどうも、扱い上も非常に困りますし、また、そういう範囲が非常に広がってくるという可能性も考えられますし、また種類、種別を多くするということも、取り扱いの手数等もございますので、今後私どもは、十分に研究はいたしますけれども、今回、やはり第五種として置いておくというふうにいたしたいというふうに考えている次第であります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 郵務局長の御答弁で、なかなか取り扱い上、分別もむずかしいとおっしゃいますが、その点わかりますが、しかし、お話にもありますように、扱い数としては、そう多くない——現行のですね、ですから、何か学術出版物として特殊な規定等もおやりになった上で、これがまあ学校法人とか、ほんとうの学術研究に役立つようなものに限っては、特殊な例外措置を認めてやるとか、そういう点の考慮をしてやっていいと思うのですね。  あなた方が盲人のものだとか、やれ何だとか、ああいう特別なものを無料で扱うとかいうことも、一つにはそういう点もあると思うのですよ。ですから、これは私は、できるならばこの際も修正等もしたいと思いますけれども、いろいろ審議の期間も少ないようですから、今直ちにということも無理かとも思いますけれども、将来、これは大臣も、一つ十分御検討していただく余地はあると思いますので、できるだけすみやかな機会に、これらの問題に対する措置をお考えいただきたいと思いますがどうでございましょうね、大臣。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) それらの問題は、考慮研究すべき問題だと思いますので、直ちに、これを今取り上げてどうかということは、ちょっとお答えを申し上げかねますけれども、十分研究いたしたいと思います。

鈴木恭一自由民主党

○委員長(鈴木恭一君) ほかに御発言もなければ、本案に対する質疑は、この辺で、本日のところとどめます。  本日は、これにて散会いたします。    午後四時五十八分散会

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