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38回国会参議院1961/05/09

逓信委員会 第22号

発言数
100
登壇者
5
会派数
2
開催日
1961/05/09

会議録

鈴木恭一自由民主党

○委員長(鈴木恭一君) ただいまより開会いたします。  郵便法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  前回に引き続いて質疑を行ないます。御質疑のある方はどうぞ順次御発言願います。

野上元日本社会党

○野上元君 まず大臣に基本的な問題について二、三御質問いたします。  大臣としては、最近における発言の中で、郵便事業は今ちょうど非常に曲りかどにきた。経営的に見ても非常に危機の状態にある。こういうふうなことをしばしば言われ、かつ抜本的な措置を講じなければならぬと、こういうふうに言われておるのですが、その郵便事業の危機というものについてどのように把握されておるか、その点について一つ御所見を承りたいと思います。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 郵便事業の危機という言葉を使ったか使わなかったか、正確に記憶いたしておりませんけれども、私は確かに今にして郵便事業のもとを明らかな方針を立てて、これに基づいて労使間の問題の調整、あるいはまた局舎の改善、その他いろいろな設備の近代化というようなことをやらないと、今後経済の発展に伴いまして、なかなか人が必要だからといっても簡単にいい人が得られないというようないろいろな点から考えまして、この際、料金もさることながら、労使関係あるいは設備、働く環境というようなものについて総合的な、しかもある程度の、五年と申しますか十年と申しますか、そういうような見通しを立てた政策を立てたいという念願を持っておりまして、この今御審議を願っております郵便法の一部改正法律案の中に盛ってあります、五つの種類にわたる郵便料金のうち、第一種、第二種を除きまして、小包をも含めたいろいろな料金の調整をやっておりますけれども、私はこれは必ずしも万全ではない。しかし値上げをして、またすぐ上げるかというようなことになりますと、それはやはり三年ないし五年くらいは落ちついたものにいたしたいという考えを持っております。  なお、どういうふうに今後もこの郵便事業を運営していくかということについては、なお幾多の研究すべき点があると思いますけれども、さしあたって、今申し上げたような点について考慮を払っております。

野上元日本社会党

○野上元君 そこで危機の概念についてあなたは述べられたわけですが、それを直すにはどういうふうにしたら一番いいと思いますか、たとえば経営の根本をどういうふうに考えたらいいかということを聞きたいのです。料金を改正するだけでそのものが解決できるのかどうか、私の申しておることが具体的におわかりにならぬように思うのですが、あなたの意図はわかるのです。事務当局がいろいろと考えられておることもわかるのです。しかし幾ら言ってもできないじゃないかということですね。というのはあなた、しばしば郵政事業は独立採算制である。こういうことを言われておるのですが、それはどこの根拠に基づいてそういうことが言われるのですか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 独立採算制というのは、おそらく日本でいう三公社、これは独立採算制であります。一種の企業体であります。郵政事業は公社ではありませんけれども、これに準じて扱っておりまして、特別会計、その他の郵便事業の建前から、特別会計で独立採算制をとっておりますので、これは郵便を利用する人の拠出する料金によってまかなうという建前でありますから、これを国営事業として、一般会計に入れたらどうかという問題も考えられます。また、一般会計から特定の繰入金を考慮して収支を償って、また諸般の計画を立てていくという考え方もありますけれども、私は、今の独立採算制が採用されておって、今これを変える意思はございませんので、どうしても合理的な料金の改定によって収支をまかなう。それには時代の変遷、また需要の変化等もありますので、その著しい変化のない限りは、利用する人の拠出する料金によって総合的な経営、経理を行なっていくというような建前で、私はこれでいろいろな計画を立て、また、郵便料金が他の物価、その他の生計費、または交通通信費等と比べまして著しく高くなって、とうていそれではやっていけないという事態が起こらない限りはやっていけるのではないかという考えで、いろいろなこういう考えを基礎にして立案をいたしております。

野上元日本社会党

○野上元君 私の聞いておるのは、完全なる独立採算制でやれという法律的根拠はどこにあるかということを聞いておる。どこにもそんなことは書いてないじゃありませんか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) それはどこの特別会計にも書いてありません。非常の場合には、通常予算から繰り入れる場合もありますし、あるいはまた、ほかの事業を見ましても、独立採算制でなければならぬということは書いてありませんが、特別会計にした建前はそうだと私は心得ております。

野上元日本社会党

○野上元君 あなたが先ほどから言われておるように、立て直しするためには、今の状態ではいい職員がなかなか得られないし、経営状態も円満ではない。従って料金を改定をして、この際収入をふやすのだということを言われておるわけですが、やはり根本的には、何といいますか、郵政事業の収入が十分に使えるような状態でなければ、あなたの言われる抜本的対策にはならぬのじゃないか、そういうふうに考えるんですね。ところが、今そう言われながら、その次には、しかしまあ事業がぎりぎりやれればいいのだ、こういうことを言われておるわけです。たとえば今上げたら、また二、三年後に上げるということはできないのだ、それは。そういうことになると、どうも言われておることについて筋が通っておらぬのじゃないかというような気がするんですがね。  それで、さらに聞きたいのですが、郵便法第一条と、この郵政事業特別会計法の第一条とを、どちらを重く見てあなた方は郵政事業を経営されておるのか、その点をお聞きしたいのです。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 私は、法律の建前から言えば、郵便そのものを中心にすれば、それは郵便法の第一条になります。けれども、いずれの法律を重くしていずれの法律を軽くするかという考え方は、私はとらない方がいい。従って両方を勘案して運営していくべきだと考えております。  なお、私が今この値上げをしたことによって、抜本的なものはできないかもしれぬと言われますけれども、それは抜本的というのは必ずしも一がいにできるものではない、何年間かの計画でやっていくべきものである。その計画を総合的に今研究させておるというような状態でありまして、必ずしも抜本的なことをやるのにこれで十分だとか、三年か五年でいいという意味ではございませんから、その点は御了承願います。

野上元日本社会党

○野上元君 私は、おそらくそういうふうに答弁されると思っておったんですがね。そのどちらも重視してやるんだ、どちらも勘案しながらやるんだということはわかるんですが、それだからこそ今日の危機を招いたんじゃないか、私はそこが言いたいんです。企業的にやるのか、郵政事業特別会計法にうたわれておるように。ところが郵便法の方には、なるべく安い役務を提供するんだというような、古くさい文字が使ってあるんだが、これは二律背反的な精神じゃないですかね。だからそれを両者を勘案しながらやっていったところに今日の私は郵政事業の危機がきた、こういうふうに考えるのですが、将来どちらかに踏み切っていかなきゃならぬのじゃないか、そうしなきゃあなたの言われたような、抜本的な対策はとうてい出てこないのじゃないか、こう私は考えるんだが、郵政大臣としてはどうですか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 私は郵便法第一条にいう「なるべく安い料金で、」ということは、社会情勢から考えまして安いのでありまして、今日の国民の収入がこれだけ上がっておるというような場合には、これはある程度の値上げをしてもいいというようなことを考えまして、どちらかに踏み切るということで、今からここで割り切って、会計法に重きを置くか、郵便法に重きを置くかということで割り出すところまで、まだ私はいってないのです。ここで両方、二兎を追うから変なものになると言われましたが、私は今郵便事業の危機という言葉を使ったかどうか記憶にありませんけれども、とにかく今何らかのここで手を打たなければ、このままで行ったらあと困るだろう、困る状態が生ずるだろうという考えは持っておったのでありますが、どちらかに今ここで割り切って進んでいこうということについては、しばらくまだ研究をいたしたいと思っております。

野上元日本社会党

○野上元君 執拗なようですけれどもね、両方勘案していったところに、今日の私は危機がきたような気がするのですよ。将来の郵便事業の展望から考えてみると、そういうふうな態度で臨んでいくと、再び二、三年のうちに危機がくるのではないかと考えるのだが、その点はあなたの方は自信がありますか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 今の経済状態、また今後の経済状態の推移から見て、また生活水準等から見まして、ここ一、二年は危機がくるとも私は思っておりませんが、その間、この問題については根本的なやはり検討を加えたいと思っております。

野上元日本社会党

○野上元君 それじゃ具体的にお聞きしますが、先般仲裁裁定が、郵政省の従業員に対して賃金アップの仲裁裁定が出たわけですが、当初あなた方が考えられておられたのは幾らですか、大体どれくらいのものが出ると考えておられたのですか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 私は、仲裁裁定の希望としては一応千円程度と考えておりました。しかしながら、余裕があればもっと出せないかというような考え方を持っておりましたが、あの一〇%というのは少し高いと思いました。従来のいろいろな実績から見ますると、まあ八分くらいずつ年間上がっているようでありますから、そうすると十年もたてば所得が倍以上になりますので、そのくらいだと思っておりましたが、先般のは少しまあ高かったように私どもは感じましたけれども、しかし、これは事業の経理内容から許されるものならば、完全実施をしようということで、もちろん、あれにはわれわれは服さなければなりませんが、感じは、今申し上げたように少し高いという感じを持ちました。

野上元日本社会党

○野上元君 具体的にお聞きしたいのですがね、大体あなた方が予想されておった千円と一〇%の差は、全部で幾らくらいになるのですか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 計数にわたりますから、経理局長からお答えいたさせますが、大体倍をこえていると思っております。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) およそ倍でございます。

野上元日本社会党

○野上元君 どれくらいの金額だと聞いているのです。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 総体でございますか……。総体といたしましては、今度の一〇%によりまして百七億の経費が要ることになったわけであります。そのうち、郵政会計の負担する分が四十八億という計算をいたしております。従いまして一〇%ということになりますと百七億でございますけれども、今の何といいますか、千円ということになりますと、大体五%弱くらいだろうと思いますものですから、大体およそ半分だというふうに考えております。

野上元日本社会党

○野上元君 そうすると、総体的な数字でいえば五十億近い余分な金が必要になる、こういったわけですね。それはこの郵便料金を改定をする計画の中には十分入っておったですか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 郵政会計全体といたしましては、百七億、一〇%で要ったわけでございます。しかし、そのうち郵政事業では四十八億見ればいいわけでありまして、保険事業、それから郵便貯金事業、それから電信電話公社から委託された仕事については補正予算を組みまして、残りの五十九億の金は向こうから入れてもらおう、こういうふうに考えておりました。従いまして、一〇%と千円との差額につきまして議論いたしますときには、郵政事業がみずから考えなくちゃならぬ四十八億の中で、千円といいましたときには大体二十四億ぐらいを用意すればよかったわけでありますけれども、今度の一〇%を実行いたしますためには四十八億を用意しなければならぬ。だから二十四億くらい千円と比べますとよけいな金が用意しなければならぬようになった、こういうことでございます。

野上元日本社会党

○野上元君 そうすると、いつの委員会だったか知りませんが、今回の料金改定によって五年は持つと言われたことは、そのことによってだけでもくずれたと見ていいですか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) それは今の郵政の固有業務から出します金を今四十八億と申しましたが、これは郵便物の利用の増加、これの見方もいろいろありまして、また値を上げた場合の利用減、それから経済及び生活の向上による利用増というような、いろいろなファクターのとり方によってきまるのでありまして、たとえば四十八億円をどうして補正予算で組みかえるかということになりますと、大体公債の借入金の償還を延期するとか、あるいは予備費をそれに回す、あるいは物件費の節約というようなことがあります。そこで問題は物件費の節約等によっていろいろな事業に支障を来たしはしないかというようなことで、この場合物件費の節約等が一番大事な問題になるのですが、こういうようなことで、まあ余裕が、余裕と言うと語弊がありますけれども、今回の裁定のようなものが毎年あれば、これはもうまた根本的にやりかえなければなりませんが、今回の裁定については、まあ余裕を見ておいたというとちょっと言葉が過ぎますけれども、やりくりは十分ついているというふうなことでありますから、この郵便料金の今回の調整によりまして直ちに狂ったとは私は考えておりません。

野上元日本社会党

○野上元君 そうすると、端的に言って、五年は持つというあなたの考え方ですか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 五年目には少々の赤字になるかとも思いますけれども、まず大体は五年いくだろうという見通しを持っております。

野上元日本社会党

○野上元君 五年を持たせるためには、今あなたが言われたような節約だとか、いろいろなやりくりをやらなければ五年は持たないということになると、先ほど言われたようなサービス改善の点についても抜本的な対策を講ずるということは、非常に困難を来たすのじゃないでしょうかね。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 従って私は、抜本的なものは急激にはできない、五年なり十年なりかかって、もとを正していかなければ抜本的なものはできない。しかしながら、じゃ今からそれを見ておるかというと、今からでも着手できるものはしていきたい。節約の額から申しましても、ただ借入金の返済の延期だとか、あるいは予備費等を相当多額に出しておりますから、そういう点で私はそう不合理な経理にはならぬ。大体五年、いろいろな試算の方法がありますけれども、五年目ぐらいには非常に窮屈になるのじゃないかという考え方でございますが、この五年の間に私はもっと基本的な考え方を進めていって、何らかの具体的案を、具体的な方法をとらなければならぬというふうに考えております。

野上元日本社会党

○野上元君 まああなたが答弁されることはわかるのですけれども、しかし実際にはそれはできぬのじゃないですかね。もう五年後にはすでにあなたの方としても赤字を見込まれるというような状態の中で、それを毎年々々繰り返していったのでは、抜本的な対策どころか、やっと食いつないでいくという程度で、今までの状態はちっとも改善されないじゃないですか。その点はどういうふうにあなた方は考えておられますか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) その抜本のとり方でありますが、一がいに全部ほとんど今困っている局舎をかえちまうとか、あるいは待遇を一そうよくするとかいうことを一時にやらなければ、まず四、五年は大体持つ。その間にさらに検討をすべき点を私どもは具体的に立案していきたいと、こういう考えでありまして、必ずしもこれですぐに最初の計画の五年案が、今度の仲裁裁定によってくずれたとは、私は考えておらないのでございます。

野上元日本社会党

○野上元君 そうすると、あなた、しばしばやはり発言の中には、この際、郵政事業は抜本的対策を講じなければならぬということを述べておられるのです、あっちこっちで。しかしながら、実際にはできない、こういうことになるのですよ。たとえば朝日新聞を読んだのですが、郵便のおくれという、朝日新聞でずっと連載されたその中でもこういうことが出ておりました。これは局長の言葉だったか、あなたの言葉だったかちょっと記憶しておりませんが、せっかくいい案を作っても、いい予算を作っても、大蔵省にぶった切られてしまって、どうにもなりません。従って、われわれとしては手の打ちようがないのだ、こういうことが出ているのです、新聞に。見せましょうか、そういう考え方なんですよ。それをまだ今後も五年間また続けていこうということ、そういうことをですよ、そういうのを何回繰り返しても、抜本的な対策はできやしないと思うのですよ。この際思い切った方針をあたの方で確立しなければ、どうにもならぬような気がする。そこで私の言いたいのは、今までは確かに独立採算制、独立採算制でよかったかもしれません。しかし今後の郵政事業の発展状況から見ていって、それは先ほど言ったように、郵便法の第一条と郵政事業特別会計法の一条とが、これは自己矛盾を来たすのではないか、自己撞着をきたすのではないか、そのことを私は実は心配しているのですよ。その点についてはどうですか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 根本方針は、大臣お述べになったかどうか存じませんけれども、対大蔵との関係、その他予算内容については、今度の料金是正によりまして相当改善できるだろうと思います。と申しますのは、これまでも独立採算をやって参りまして、いろいろなことをいたしましても、この二、三年来の収入状況はあまりよくないということのために、要求いたしましても、実は裏づけする金が足りないという問題が一面にあったと思います。同時にまた、成立いたしました予算の中で、御承知のように急激な物増と定員とのアンバランスが残っておりましたために、実際問題といたしまして、成立いたしました予算の中で、非常勤者の経費の方に成立予算の倍以上の物件費を流用しなければならない問題があったわけでございます。そこで予算通りに執行しておりましたならば、まだよかったと思いますけれども、相当の施設等に回すべき経費も賃金等に回さなければならなかったという実情で、あわせまして、実行上と予算上、二つの面から相当郵政会計というものに困難を来たし、一方労使関係が安定していなかった、こういう条件が重なり合っておったわけであります。ところが、何とかこの状況を改善したいということのためには、御承知のように、非常勤職員の定員化、相当の物件費を食っておりますところの非常勤の長期の人は本務者にしようということを第一の眼目といたしました。それは御承知の通り、要求通りの定員化ができたわけでございます。従いまして、残りましたいわゆる賃金予算等につきましては、相当実行に近いままの賃金が残ってきたわけでございます。そういうことで、予算要求の際におきましても、この料金是正によりまして、今までのどうにもならなかったものが豊かになりますし、同時にまた、実行上も現実の姿に非常に近い面になってきておりますので、本年度に関します限りは、抜本的な郵便の対策の基盤は、とにかくここでしかれるというふうに私どもは思っておるわけでございます。今後の五カ年計画につきましても、要員等も大体必要なものは相当見ていこう、物件費等も在来の増加率のほかに、特にこういうのをやりたいというようなことにつきましても、相当織り込むことができておりますので、今後五年間というものは、全体的に考えますと、これまでの三、四年とはもっと違ったものになるだろうと思います。理想から言いますと、郵政会計の性格からいきまして、建設勘定の資金は、実はこの損益勘定の益金で相当まかないたいわけでありますけれども、そういう点はなかなか一挙には、特に後半期に至っては望めないだろうというととはありますけれども、内容的にはそういうことを織り込んで収支を作ったわけであります。ただ一番問題になりますのは、御承知の通り給与関係をどう見ていくかという問題が一番大きいのでございます。非常に大幅なものがありません限りは、先ほどお話のございましたように、ことし基盤を作りまして、今後四、五年間は相当の需要増に応ずるところの、また物増に応ずるところの施設をしながらやっていきたい。特別のいろいろな突発的な、あるいはまた非常に大幅なことがない限りは、何とかやっていけるのじゃないか、こういう今気持でございます。

野上元日本社会党

○野上元君 あなた方の説明としては、私もよくわかるのですよ、説明される意図は。しかしその意図通りにいかないのじゃないかという気がするのだ、どうしても僕は。それはもうこれから上げようと思われるのだけれども、今郵政大臣は、今日の一つの曲がりかどは、郵便料金の問題もあるし、さらにまた収入をふやすことによって、優秀な従業員もどんどんと採用しなければならぬ。そのためにはどうしても待遇をよくしなければならぬし、勤労環境もよくしなければならぬ。こう言っておられるのだが、建設勘定を見れば、ほとんど損益勘定の方からは出ておらぬのですよ。おそらく二十億か三十億でしょう。こういう状態で勤労環境がよくなるとは考えられないし、今後五年間あるいは十年間このまま続けていくならば、私は百年河清を待つにひとしいと思うし、収入だってあなた方が考えるようにふえないと思うのです。それは郵便法第一条にぴたっときめられておるわけだ。できるだけ安い料金でサービスしなければならぬと、こういうことになっておる。にもかかわらず、企業的に経営しなければならぬ、こういうふうに二つのワクが締められておる今日においては、あなた方がどう言われても、その点はうまくいかないのじゃないかと思うのですよ。これはまた、しろうとが考えても私はそう思うと思うのですよ。  従って、具体的に質問しますが、少なくとも局舎建設くらいは、損益勘定からではなくして、どっか別な方途を講ずる必要があるのじゃないか。そうしなければ、いわゆる国営事業の中で郵政だけが取り残されてしまう、こういう懸念だって十分にあるのです。そのことがやはり従業員の士気にも大いに影響するでしょうし、そういうことを考えると、私は抜本的な措置を講じなければならぬ段階にきているのじゃないかと、こう申し上げるのだが、郵政大臣は、いやいや、そういうことは心配ないのだと、五年の間に十分それはやっていけますと、こう言うのだが、やっていけないじゃありませんか、自信がありますか、あなた。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 私は、まあ昔ですが、国の予算に関係したこともあるのですが、全くもう特別会計と、それから、一般会計、問題にならない。今新聞を御引用になりましたが、私はそんなことを言った覚えはないのです。ほかの人だと思いますが、大蔵省にいろいろなことを制約されてしまう。その点は特別会計の方がはるかにいいのです。もう一般会計ですと、それはひどい場合が出てくる。しかし大蔵省は、何も悪い結果を期待してやっておるわけじゃないと思いますけれども、やはり制肘はひどいものがある。特別会計でいきますと、収人さえ見合いができれば、これはまあ私の体験からいきましても、それはわれわれの考え方が通る。そこで問題は、今野上さんの言われた郵便法の第一条と特別会計法の問題でありますが、このなるべく安くということは、これは法律にはなるほどうたってありますけれども、これは安いということは、比較の問題でありまして、場合によったらこれは値上げをしてもいいということが含まれておる。値上げといいますか、当然その経済状態なり生活状態に即応して考えて安いというもので判断ができればいいと思うのです。今おっしゃいました局舎なんかの特別の建設の点は、私は非常にこれは大事な問題だと思いまして、同時にこれについては、何か長期の安定した資金なり、あるいはまた特別のこういう環境をよくし、局舎の近代化をはかるということは、これはもう十分考えていい問題だと思っております。そういうような根本問題がございますが、これを値上げしたからこのままでもうほうっておくという意味じゃなくて、今のような、御指摘のような点は、十分これから研究して、直ちに実行に移せるものは移していこうという考えを持っています。これで私は五年間にやればいいんだという意味ではございません。やはり努力と工夫を続けていかなければならぬと思っています。

野上元日本社会党

○野上元君 その郵便料金の問題については今この新聞——これは新聞正しいかどうか知りません。しかし、こういうふうに述べておる。今や郵便料金というものは、安いのが目的ではなくて、早く、正確に着くことこそ今日の郵便の使命だと、こう言っておられる。もう安い料金ということは非常にむずかしくなったというのですよ。それは独立会計だからそういうことを言う。安い料金でやらなければいかぬのですよ、一条によると。ところが、安い料金じゃなくて、正確に、そうして早く配達することが、今日の郵便事業の使命だというふうにあなた自身自覚されている。それが独立会計の中でそういうふうに押えられてしまってはどうにもならぬ。郵便法の第一条をたてにとったとしても、安い料金でやらなければならぬというなら、別の会計制度を作らなければならぬのじゃないか。それでなければやっていかれない。今言われているように、たとえば同じ公益事業でも、電電公社をごらんなさい。あの建設勘定の資金なんというものは莫大なものです。これはどんどん、どんどんと違っていきますよ、庁舎が。ところが郵政の方はわずか四十八億、五十億の金で一年間やらなければいけない。向こうは千億近くの金をつぎ込む。そういうことになると、郵便事業だけが取り残されてしまうのじゃないですか。それは今日の段階においては、独立採算制が大きな災いをしておるのじゃないかと私は言うのです。この点は私も、一般会計から独立会計に移ったときの状況も聞いて知っています。しかし、今日の段階ではそんなことを言っておってはますますおくれをとりゃしないか。それよりもっと別の方法を考える必要があるのじゃないか、こう言っている。なぜ同じ公益事業である電信電話事業と郵便事業がこう差が開いていかなければならぬ、その点はどういうふうにお考えですか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 日本の電信電話事業ほどおくれておった、国の国力に相応して、比較しておくれておった事業はない。こんなにひどい電話の普及率の悪い国はない。そこで、これをまあ大急きでよくすることは大事でありますが、ところが、電話の方は近代化という場合には、ほとんどが機械化であります。いわゆる近代化というのは機械化であります。郵便の方は、野上さん百も御承知のように、人件費が八割前後、これは人であります。そこにまあ根本的な違いがあるから、そうして郵便はおよそ今までおくれておるというのは、配達がおくれておるだけで、あとのほかのいろいろなことからいえば、普及率からいえば、そうおくれてない。だから電信電話と比較して私は本質的な違いがあるから、今のような特別の考え方、たとえば庁舎なら庁舎については特別の考え方をする、収入だけでやっていっていいか、あるいはまた、相当の長期の借り入れをして、その締めくくりをどうするかというようなことが考えられるのであって、ちょっと電信電話と一緒に所管されておりましたけれども、これはまあよほど質が違ったものでありますから、他の公社の事業も、専売にしても国鉄にしても、そういう性質が違いますから、これはいろいろな問題点があるので、今申し上げたように一がいに——私は就任しましてまだ五カ月、すでに予算もみんなできておったときに来たのですから、この予算を、また、この法律制度をまず基盤として、これからいろいろな考え方を郵政省において作ってもらうという考え方でして、御意見のほどはよくまあわかりますから、参考にいたしたいと思います。

野上元日本社会党

○野上元君 電電事業はやはり料金で成り立っておるわけですよ。これもいわゆる独立採算制です。しかし、あなたが認められておるように、電電公社の場合は生産性向上は相当あがる、事業の性格上。ところが、郵便の場合、生産性向上を望むといってもできない。できないのに、料金を柱とする独立採算制をやっておったのでは、ますます窮屈になっていきゃしないかと言うのです、私は。五年後飛躍を望むとか、十年後飛躍を望むとか言ったって、それは逆だ、ますます苦しくなっていくのじゃないか。おそらく建設資金なんというものは生み出せないのじゃないかと思う。ますます人件費に食われていくのじゃないか、こういう宿命的な性格を持っておるのじゃないかというのです、郵政事業が。だから、あなた方が一通りの答弁をされても、私は了解ができないのです、その点は。だから、一つの具体案としては、一つ建設勘定ぐらいは別の資金を持ってきて、郵政の借金にならないように、真に公共のための施設なんですから、そういう金を持ってきたっていいのじゃないかというのです。そういう道を考えなければ、今後やっていかれないのじゃないかという私は心配をしておるのです。それで、あなたは、電電事業はおくれておった。従ってこれを進めなければならぬと、こう言っておられるけれども、郵便事業だっておくれておる。やはりこれは新聞にも書いてあるのですが、今日の郵便局内における作業状況を、一八四五年の絵がかいてある。その絵と今のやっておることと、ちっとも変わらぬのじゃないかというのです。一八四五年——もう相当たっています。百何十年たっておる。変わったことは、昔の人はフロックコートを着ておった、今の人は事務服を着ておる、これだけの相違じゃないか。どこに郵便の進歩があるか。こういうふうに新聞に言われておる。それを改善していくには一体どうすればいいかが問題でしょう。結局、収入にひっかかってくる。その場合に、やはり私は、郵便法の第一条が非常に大きなワクになる。この第一条が絶対的なものであるならば、絶対的なものであるような郵便事業のやり方をしなければ、郵便事業の改善はやるべくしてできない、それは口頭禅に終わるのじゃないか、こう考えております。五年後を見なければわからぬのですが、あなたは、五年後になったらりっぱにしてみせると、こう言っておるが、私はならぬと思う。ますますきつくなる。確信がありますか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) これは五年までほっておくという意味ではありませんから、その間になすべきいろいろな施策をなしていく、こういう意味であって、料金は大体五年ぐらいを目途にして作った、諮問してその回答を得たということでありまして、郵便事業に対する政策としては、これで五年計画だということではございません。今おっしゃいましたように、第一条を金科玉条として安く——これはもう安ければ安いほどいいでしょうけれども、安いというのは、私は時代に即応した、比較的な意思表示だと思いますので、必ずしもこれを取ってしまわなければならぬ、あるいはまた、これを置いたら他に補給の道をすぐに講じなければならぬというふうには考えておりません。現に私のところへいろいろな御意見が参りますけれども、その中にはもう、あるいは北海道から鹿児島まで五円のはがきは安い、これは上げてもいいから、そのかわり、三日なら三日、四日なら四日の間に必ず着くようにしてほしいという意見が非常に強かったものですから、私は、そういう考え方で、考え方というか、そういう国民の声もあるということは申し上げたことがあるのです。今のような基本的な問題もなおこれと並行して研究していかなければならぬし、また、検討、実行に移さなければならぬ問題があると考えておりまして、局舎の問題とか、あるいはまた、いろいろな運送その他の機械の利用、それから区分する機械だとか、いろいろなまだ機械利用の道もあるようでありますが、しかし、まあまあ、冒頭あなたも申された通りに、宿命的に、生産性の向上というのは非常にこれはむずかしい問題だと思っていますから、これらについても根本的な考え方を私はなすべきだと思っております。

野上元日本社会党

○野上元君 あなた、私の意見に同意されているところもあるのだが、根本的に立て直すことを考える必要があるのだというけれども、その根本的に立て直すというのは、どういうふうに立て直すのですか、今のままで幾らあなたが頭をひねっても、根本的には立て直りませんよ。人間はますますふえていくばかりだし、収入はもう制限があるし、その中で根本的なことをやると言っても、それはどうにもならぬのじゃないですかね、あなたがまあここで一応の答弁されても。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 根本的な問題については、まだ私はここで申し上げない方がいいと思っております。

野上元日本社会党

○野上元君 それでは郵便料金改正によって幾ら増収になって、幾らが施設改善に使われ、幾らが人件費に使われるのか、明らかにしていただきたい。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 本年度だけ考えますと、一応今のところ六十七億の増収ということになっております。それで最初、御承知の通りベースアップが直接きまっておりませんものでしたから、一体これが幾らどうなるのかということは非常にまあむずかしい事情になってしまいますけれども、今度の仲裁裁定の実施等によりまして、当初まあ半々ぐらいの見当でおりましたけれども、少し物件を節約等いたしまして、この料金是正の数字の六割ぐらいは人件費の方に回っていく、ベースアップの実施の方に回っていくというふうに考えてもいいと思います。それから七百億の元金がある上に六十七億ふえるわけでございますから、その六十七億が何に向けたかということは、実は非常に分け方がむずかしい問題であると思いますけれども、補正予算を組む段階に至りますと、そういうふうに六割以上のものが人件費に回っていくだろうと、こういうふうに御了承いただきたいと思います。

野上元日本社会党

○野上元君 まああなたのところは金持だから七百億もあるかもしれない。しかしそれは全部ほとんど給料に払われるわけでしょう。ほとんどが人件費に食われてしまうわけです。六十七億全部施設改善に使われるとしても、局舎が幾つ建つんですか。もう十か十五かしか建ちゃせぬじゃないですか、大きい局舎なら。それで改善をやるといっても無理でしょう。それにさらにベースアップが予算が狂って大幅に食い込まれるということになると、もう見るべきものがないということですよ、要するに。その点はあなた方はっきり言ったらどうですか。見るべきものがあるんですか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 施設の改善と申しましたのは、私は局舎のことを申し上げたのでなくて、今の郵政事業におきましては、局舎等の改善は建設勘定でいたしておりまして、財源は御承知の通り、減価償却費のほかに、貯金、保険両特別会計からの設備負担金、それから借入金をことしは三十億借りるという計画をしております。従いまして、今度の仲裁裁定の実施によりまして、今まで当初予算で考えましたところの建設勘定には何ら影響はございません。八カ年計画の第七年度目の予算といたしまして当初予算に計上いたしておりますが、それはそのまま実行いたすつもりでございます。で、私が施設と申し上げましたのは、東京都内等におきまして、いわゆる根本的な局舎改善計画と相待ちまして、一方で大きなものができ上がるまでの間の暫定的な措置もしていかなきゃならぬ。あるいはまた、コンベア・ベルト等を少しふやすとか、それから専用自動車便を増すとか、そういうことに相当大幅な金を使うつもりでございましたが、これはある程度できるだろうというふうに私は思っております。従いまして、当初予算から、そう局舎としては全然影響がない、一般の施設等もある程度はやっていきたいというふうに考えておるわけでございます。

野上元日本社会党

○野上元君 それほどの意欲があるならば、あなたの方は当初四月一日から料金値上げをするということを宣言されておったのに、なぜそれを七月一日にしたのですか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) これは主として、何といいますか、郵便の料金値上げだけでなくて、郵便法の中に今度はいろんな改善の計画が立てられたわけでございます。そういうことで、郵務局としてもおそらくまあ準備の関係がいろいろあったと思います。一方、予算面でも、仲裁裁定がいつ出るかはっきりわかりませんでしたので、大蔵省ともいろいろ話して、まあ四月一日から実施いたしますと、当該年度ある程度自己資金も建設に回せるんじゃないかという面もありましたけれども、今のように、法案が相当大きな料金是正以外のたくさんの事項を盛り込んでおりますので、準備期間も相当要るんじゃないかということとあわせまして、同時にまた、自己資金によるよりは、その余裕期間の間だけは今度も借入金をしていった方が安全じゃないかという二つの意見がありましたので、四月一日実施はしないということに相なったわけであります。

野上元日本社会党

○野上元君 その四月一日にしないということは、少なくとも料金値上げによって月に六億ないし七億の増収があることは明らかですね。その増収をあなたの方は捨てたということなんです。捨てるだけのあなたの方に余裕があったのかということです。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) それは金でございますから、建設勘定で借り入れまでしてやるわけでございますので、借り入れするよりは自己資金を使った方がもちろん経理面としてもありがたいわけでございますけれども、今申し上げましたように法律の準備期間等も相当ございましたし、いろいろな関係で施行時期をずらさざるを得なかった、というわけでございます。

野上元日本社会党

○野上元君 結局まあ新聞に、大蔵省にぶった切られてどうにもならないのじゃないか、こういうふうな発言になってしまうのじゃないの、あなたの方はいろいろ苦しい答弁をしているけれども。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) これは特別会計の歳入でございますから、大蔵省も郵政会計の財政の豊かになることについては何ら反対はしない、それはそう言っているわけでございます。

野上元日本社会党

○野上元君 そうすると、大蔵省としては、料金は幾ら上げようが、それは関与しない、こういうわけですか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 幾ら上げようが関与しないといいますか、結局料金値上げいたしますときには、経済企画庁等で、やはり一般の物価等の関係ございまして、大蔵省として予算編成いたしまして、最低限度どうしてもこれだけの金は郵政省として値上げしなければ困るだろうとか、あるいは値上げする必要はなかろう、そういう意見が出てきて、関係各省のいろいろ意見を持ち寄って、最後的には大臣におきめいただく、こういうことになるだろうと思います。

野上元日本社会党

○野上元君 そうすると大蔵省は、郵政省の増収を必ずしも快く思っていないということじゃないのですか、増収になることについては、大蔵省はとやかくいう筋合いじゃないというふうにあなた言われたが、そうでなくて、結局これは上げるか上げないか、大蔵省がやはり相当関与するのだ、こういうふうに言われているのか。これはどっちがほんとうですか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) 私申し上げましたのは、両方ともほんとうでございまして、郵政会計が苦しいわけですから、郵政会計の財政が豊かになることについては大蔵省ももちろん賛成いたします。これは御承知の通り、四、五年前の料金是正のときに、非常に苦しくなって参りますと、郵政省としては当然一般会計から補給金でやらなければやっていけないということをいうわけでございます。大蔵省としては、なけなしの一般会計の金は、できるなら独立の採算のところで料金の裏づけがあるならば、そっちの方でやってもらいたいということでございますから、大蔵省としては、郵政会計が豊かになり、歳入をふやすことについては、原則的に反対一つもしていないわけでございます。同時にまた、今度は幾ら値上げするというときに、郵政省としては、郵便政策の面あるいは財政政策の面、いろいろな面から料金の値上げをするわけでございますから、一方また関係のところから、大蔵省として、一体郵政会計の予算は料金値上げでもしなければ持たぬのかどうか、こういう意見は当然聞かれると思います。私たちは郵政省としての意見も申しますが、大蔵省から財政当局としての意見をまあ当然出してくるというふうになるわけでございまして、どの費目をどうするということについては大蔵省はあまり文句言う筋はございません。郵政会計全体として幾らぐらいはほんとうに苦しいだろうという意見は、当事者であるわれわれの意見と同時に、財政当局としての意見も当然聞かれるだろう。従いまして、どちらが正しいかと言われましても、どちらも正しいのじゃないか、こういうふうにお答え申し上げたいと思います。

野上元日本社会党

○野上元君 それは郵便法一条と郵政事業特別会計法一条、どちらも正しいのだというのと同じだと思うのであります。それも非常に大きな制約になってくるように思うのですが、この際聞いておきたいのですけれども、大蔵省が、郵政事業の予算が苦しいのだ、これくらいならいいのだ、こういうのは一つのワクがあるのですか。

佐方信博郵政省経理局長

○政府委員(佐方信博君) もうずっと自分で——毎年御承知のように各省から概算要求をいたしますと、大蔵省はそれに対して査定をいたします。そこでそれに対して案を作っていくわけでございますが、大蔵省自身といたしましても、相当のベースアップがあったならば三十六年度はやっていけないのじゃないか、そういう点は当然考えております。あとは電電あるいはまた郵政その他と、ずっと見まして、一応の査定の基準といたしておりますから、そういう基準でまあ見当をつけていくということになると思います。

野上元日本社会党

○野上元君 あまりすっきりした、よくわからない話なんですけれども、あとでまた同僚の議員からいろいろと質問があると思いますから、その点は……。  私はずっと最近の郵政事業ながめておって、何か私もよくわからぬが、抜本的な手を加えなければ、郵政事業はなかなか立ち直らないじゃないか、立ち直らぬというよりも、著しい改善は困難じゃないか、こういうふうに実は考えておるわけです。今後それらの点について、具体的な問題について触れていきたいと思うのですがれ。  まず第一に、最近における郵便事業の内容が非常に変化されておる。その前にお聞きしたいのは、郵政大臣、この間山田委員の質問に対して、郵政事業は包括的な原価計算主義をとっているのだ、こういうふうに答弁された。包括的な原価主義ということになると、どういうことを言われたのかしりませんが、ある種類は原価を割っておるし、ある種類は原価よりもはみ出ている、総体的に見て原価主義をとっているのだ、こういうふうに私は理解したのですがね。そうすると、その内容にでこぼこがあるのですがね。どういうものについてきびしい原価主義をとり、どういう種類のものについては、比較的原価主義のワクをゆるめたか、その種類別を一つ教えてもらいたいのです。どういう性格に基づいて、そういうことをやったか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 今私が、山田委員にお答えしたようなことを、具体的に郵務局長から答えていただこうと思いますけれども、大体第一種、第三種第五種の値上げが、この普通郵便物では中心になっております。社会政策的と申しますか、いろいろな立場から四種が据え置きと、盲人用の点字については、これを今まで一キログラムまで一円をこれをただにした。これは国際条約その他の関係からいってただにしたというのでありますが、この第四種は一番の問題で、農産物の種子、それから通信教育用の郵便物を、そのままたしか据え置いたと思っておりますが、ここらに、総額があまり大きな金額にならないので、手を加えなかったというのでありまして、包括的な、まあ総合的な原価主義という意味で申し上げたのであります。郵務局長から答弁させます。

板野學郵政省郵務局長

○政府委員(板野學君) それでは私から、補足的に御説明申し上げたいと思います。このたびの料金の決定にあたりましては、先ほど大臣がおっしゃいましたように、大体総括的な原価をとにかくまかなっていくということが一つの建前でございまするし、また料金といたしましては、やはり国民の利用上の関係もございまするし、また私どもの事業の関係からいたしまして、やはりなるべくは長期に安定をするということも、一つ考慮の中に入れたわけでございまするし、また三番目には、やはりできるだけ合理的な料金でなければならぬじゃないか、こういう点も、いろいろ考慮いたしたわけでございます。また、今日の物価の政策からいたしましても、この値上げムードと申しますか、そういう点も考慮の一つに加えたわけでございまするが、具体的に申し上げますと、先ほど大臣おっしゃいましたように、一種、二種につきましては、ずいぶん国民のいろんな利用上の、単に利用するという点をも考慮いたしまして、これは据え置くということになったわけでございます。三種の郵便、新聞その他の雑誌等の料金につきましては、実はこれは原価から申しますると約七円、一通当たり七円かかっておりますけれども、これが現在一円でございます。相当これは赤字を持っておりまして、総額四十億くらいの赤字があるわけでございます。この点につきましては、私どもも、当初まあ三円程度にすれば、でき得ればこの原価をまかない得ると、このような建前をとっておったわけでございまするけれども、一気に料金の値上げが三倍になるということは、たとえ低い料金であっても、これは相当問題があるわけであります。また、この三種の郵便物を利用しておりまする山間僻地の方たちのやはり料金と輸送料というものが、三十円のところが三倍上がれば九十円に一ぺんになってしまう。こういうことも考慮に入れまして、漸進的に一つ考えていきたいという意味で、将来なるべくこれは、限界原価を少なくともまかない得るものにいたしていきたいというふうに考えておるわけでございます。  それから四種につきましては、ただいま大臣からお話がございましたように、勤労青年その他に、いろいろな政策的な意味も含めまして、これを現行料金に据え置いたわけでございますが、これは利用通数も非常に少ないわけでございますから、大体総体的な収入には影響が非常に少ない、こういう点も考慮したわけでございます。  それから第五種につきましては、御承知のように非常にこの郵便物がふえまして、そうしてまあ原価も、ほとんどすれすれ、あるいは少し赤字にだんだんになってくるような傾向でございまするので、この点につきましては、現在の八円を十円、市内特別の五円を八円に上げますると同時に、重量の非常にかさばるものが多いのでございまして、こういう点が一種、二種を非常に圧迫いたしまして、その扱い上非常に困るという面もございまするので、重量の単位も、百グラムから五十グラムきざみに落としたわけでございます。大体、これによりまして原価を償い得ると同時に、これによって約三十六億ぐらいの増収になり得るようにいたしておるわけでございます。それから書留とか速達の特殊料金でございますが、これは実際は原価を十分償ってはおりまするけれども、一般のやはり通常郵便物の調整と同時に、少しくこれを調整をいたしたわけでございます。この原価につきましては、いろいろこれも問題でございまするけれども、要するに手数等を考えましても、やはり通常郵便物の各種の料金に比べまして、この程度の料金の値上げは妥当ではないかというふうに考えた次第でございます。それから小包郵便でございまするが、これも現在一通当たりの原価が、これは三十五年度の大体予想原価でございますが、百八円六十銭につきまして、これが七十一円十七銭しか収入がない、こういうことで、これが、また非常な赤字になっておりますと同時に、国鉄の小荷物料金等の比較によりましても、あまりにこれが安過ぎるものですから、だんだんこの利用が二十六年以来二倍になっており、これがまた、非常に重量も大きくかさばるわけでございまするので、非常に人手も要しまするし、また、局舎の狭隘ということも非常に影響を及ぼしているわけでございまするから、こういう点につきましても、やはり通信本来の一、二種郵便物を、なるべく円滑にこれを処理していくという意味合いからいたしましても、やはりこれを国鉄の小荷物料金との比較、あるいは原価との比較を考えまして、今回これを値上げをいたしたわけでございまして、これによりまして、大体原価を償っていける、こういうようにいたしておるわけでございます。  従いまして、先ほど申し上げましたように三種、四種のものにつきましては、これは原価割れをいたしております。四種につきましては、非常に通数が少ないものですから、全体に影響はあまりございませんけれども、三種は相当原価割れをいたしまして、影響がございます。  なお、今回の値上げによりましても、なお三十億見当の赤字になりますが、これは将来、これからやはり限界原価というところまでは、将来とも持っていきたい、こういうように考えておる次第でございます。

野上元日本社会党

○野上元君 そうすると、今原価割れをしているのは、この料金改定によって原価割れをしているのは、三種と四種だけ、こういうことですか。

板野學郵政省郵務局長

○政府委員(板野學君) 三種、四種は、大体現在のところ原価割れということになります。

野上元日本社会党

○野上元君 この三種、四種、五種、それから小包ですね、これらのものは、その物数がふえればふえるほど生産性が向上し、原価は低くなっていきますか。

板野學郵政省郵務局長

○政府委員(板野學君) この面につきましては、五種あるいは小包等のごときは非常に重量その他が、容積も非常に大きいものでございまするので、これはやはり物数がふえたからといって、必ずしも原価は低くならないというように私どもは考えております。

野上元日本社会党

○野上元君 そうすると、この料金改定によって、原価を償うものでも将来あまり希望が持てない、こういうわけですね。

板野學郵政省郵務局長

○政府委員(板野學君) 先ほど申し上げましたように一応、やはりこの四、五年というものは、料金をこれで変えなくてもいいじゃないか、済むというような考え方から、この料金がきめられているわけでございます。

野上元日本社会党

○野上元君 三種はそれならば、いつごろこの原価を償うような方法を講ずるのですか。

板野學郵政省郵務局長

○政府委員(板野學君) この面につきましても、大体これも先ほど申しましたように、なるべく料金というものは安定をさしておきたい。もちろん三種につきましては、先ほど申し上げましたような、いろいろな不合理な点もございまするけれども、また一面この利用者の階層という面も考えてみまするというと、必ずしもこの二年、三年の後に、すぐこれを限界原価まで持っていくべきであるかどうかという点につきましても、かなり問題がございます。  従いまして、私どもといたしましては、やはり各種の料金とのこのつり合いといいますか、そういう面も考慮いたしまして、一応この四、五年は、これで安定をさしていきたいという考え方でございます。

野上元日本社会党

○野上元君 三種の中の大宗をなすものは、日刊新聞ですか。

板野學郵政省郵務局長

○政府委員(板野學君) 大体物数から申しますと、日刊が四〇%でございましてその他が六〇%ということになっております。大体全体の物数といたしましては七億八千万通ございますが、そのうちいわゆる低料のものが六億四千万通ございます。六億四千万通のうち、いわゆる日刊のものが四〇%、それから週刊あるいは旬刊のものが六〇%、それから月一回、二回発行されるものが一億四千万通、このようなことになっております。

野上元日本社会党

○野上元君 そうすると、これを五年間ほっておくと、相当な赤字が出るということは明らかですね。

板野學郵政省郵務局長

○政府委員(板野學君) やはり現在相当この三種の物数も増加いたしておりまするので、やはりこの面については、赤字がふえていくということは考えられます。

野上元日本社会党

○野上元君 この新聞の性格ですね、当初新聞が育成、助長される時期において、こういう低料金制度というのができた。最近は、もういわゆる日刊新聞あるいは週刊雑誌等は、その基礎は非常に固まっているわけですね。これらについて恩恵的な措置をとらなければならぬという理由は、今日でも認められているのですか。

板野學郵政省郵務局長

○政府委員(板野學君) おっしゃいますように、当時は国民の文化あるいはいろんな知識を広めるというような、こういうものが、いわゆるそういう役目を持っておりましたので、この低料金政策はとられておったわけでございますが、今日におきましても、必ずしもこれはすぐそういうものを政策料金をとらんでもいいじゃないかというところまでも、なかなかいかないじゃないか。と申しますのは、すでに都会地におきましては、これらの新聞雑誌その他あらゆる通信機関も相当多うございますけれども、やはり農村地方に行きますと、まだラジオがない、テレビがない、いわゆる文化の、そういう意味の文化の恩典に浴するような手段は、やはり新聞雑誌というものが相当大きな役割を果たしておるようなわけでございまして、そういう意味におきましては、必ずしも今この料金政策そのものが、または第三種等にとられます政策そのものが、もう要らないのだというところまでは、私はいっておらないというふうに考えておるのでございます。

野上元日本社会党

○野上元君 あるいはその面は、あなたの言われるような状況があると思いますがね。ある一面では全く考慮を払う必要がない場面があるんじゃないかと思いますが、たとえば週刊雑誌等の内容を見ると、これが文化的に貢献しておるかということになると、必ずしもそうは言えない雑誌が相当出ているわけですね。これらもやはり依然として低料金制度がとられておる。こういう点についても、私も若干の研究の余地があるような気がしておる。最近における大新聞の経営状況から見て、当初のようないわゆる育成、助長しなければならぬというような意味は、今日においてはほとんどなくなっておる。特に最近の新聞資本の進出は目ざましいものがあって、御承知のようにプロ野球のオーナーになっておる。そうして莫大な金をつぎ込んで有名選手をスカウトしておる、というような金も、ここから出ておる。そういうことを考えると、研究の余地があると思う。そういう点についてはあなたの方は、考えられたことはありますか。

板野學郵政省郵務局長

○政府委員(板野學君) 最近、やはりPRと申しますか、そういう広告、宣伝というような技術も、相当進歩いたしまして、これがはたして、ほんとうに個々の会社の宣伝なのか、あるいは文化的な非常に有意義な、そういう報道をしておるのかという点、あるいは記事そのものの内容につきましても、相当問題があるようなものも、先生のおっしゃいますようにございます。しかしこれらをいろいろ判定を下す、判別をするということが、なかなか困難な事情にございまして、これを、いわゆる三種から除いていくということも技術的に非常に困難な面がございます。しかし私どもといたしましても三種の低料金扱いにする趣旨が、いわゆる国民文化を高めるというような趣旨のものでございまするので、今後のこの郵便規則等の改正にあたりましては、できるだけ一つPR活動に出すもの、あるいは三種としての認可の対象にならないようなものは、できるだけこれを排除していくことに努めていきたいというふうに考えております。

野上元日本社会党

○野上元君 最近の郵政事業の内容を見ますと、一種、二種と、それからその他の郵便物とのバランスが非常にくずれておる。昭和四十年ごろになると、全くその逆になる、こういうことが郵政要覧の中に書かれておるわけですが、これらに対して、どういうふうな対策をとられておるか。

板野學郵政省郵務局長

○政府委員(板野學君) 先生もおっしゃいましたように、三種以下のもの、あるいは小包郵便物というものが、相当大幅に増加いたしておりまして、おそらく四十年に至りますと、一、二種と三種以下のものが大体半々か、あるいはその逆になるというような状況になるわけでございまして、そういうような状況に対処いたしまして私どもといたしましては、やはりどうしても一種、二種の、いわゆる通信事業本来の、この仕事を円滑にやっていくためには、やはり三種以下の郵便物というものが、一、二種の運行を妨げるというようなことになってはいけない、こういう意味におきまして、料金その他の面につきましても、今回も一部考慮を払っておりまするし、また郵便物の重量、容積等につきましても、制限を加え、あるいは小包のごとく、一定の容積あるいは容積以上のものは、料金を倍とするというような方法もとっております。また一面、これらに対応する施設なり、あるいは要員の面、あるいは局内の施設の近代化の面につきまして、今後五カ年の間に十分考慮いたしまして、これらの取り扱いをできるだけスムーズにいたしまして、この一種二種の取り扱いの円滑を欠くということのないように、そういう面で配慮をいたしているわけでございます。

野上元日本社会党

○野上元君 郵政省としては、その基本的な政策なんですが、将来そういうバランスが逆になってもいい、とにかく一種も二種も、あるいはその他の郵便物も、どんどんふやしていけばいいんだ、一種、二種が、バランスがくずれて、逆に少なくなっても、それはやむを得ないんだ、こういうふうにお考えになっているのか。三種以下の郵便物は抑えようとされているのか。その点は、どちらですか。

板野學郵政省郵務局長

○政府委員(板野學君) 三種以下の郵便物につきましても、これは一つは競争企業になるような対象の物件でございまするけれども、やはり郵便物として出されるのが、国民にとりましても利便であるという面もございます。従いまして、先ほど申し上げましたように、努めて抑制する、意識的に抑制するというような考え方は、現在とっておりませんけれども、いろいろな、料金の面、あるいは容積とか、あるいは重量の制限の面、あるいはこれを取り扱いますのに、できるだけ画一的な扱いをするとか、あるいは扱いの点におきまして、一、二種よりも異なった簡単な扱い方法をとる、こういうことをいたしまして、一、二種というような、いわゆる独占の対象になっておりますような仕事に影響のないように、ちょっと消極的のようでございまするけれども、そういうことを考慮しながら、いろいろな計画を立てているわけでございます。

野上元日本社会党

○野上元君 郵便局で、これらの郵便物が取り扱われるというのは、先ほど来郵政大臣が言っておられるように、比較的安い料金だから、どんどん郵便局にくるわけですね。それをあなたの方は、抑制するなにはないんだ、考え方はないんだということになれば、やはり郵政要覧で述べているように、昭和四十年になると、これが逆転してくるということは、これは、とめようがないと思う。  そういうことになると、先ほどあなたが言われたように、三種、四種は、もう原価割れなんだから、今後五年間は値上げされないというのだから、そうすると、一種、二種は、比較的に減って、三種以下のものがどんどんふえていく。そうして三種、四種は、原価割れしている。五種も、将来伸びるということによって希望は持てない。むしろ逆になる。こういう心配があるならば、ますます窮屈になってきやせぬですか、郵政事業は。その点はどういうふうにお考えになっておりますか。

板野學郵政省郵務局長

○政府委員(板野學君) 私どもの気持といたしましては、なるべく三種以下というようなものは、あまりふえないようにという点を気持の上としては持っておりまするけれども、さらばといって、積極的にこれを規制をするという段階にまでは考えていないわけでございまするが、先ほど申し上げましたように、これらの物がどんどんふえまして、原価割れしていくというようなときにおきましては、ある程度そういうような措置も考えなければならぬと思いまするが、私どもは、やはりこと四、五年の間は、相当原価割れがするということにはならぬのじゃないか。三種、四種につきましては、これは別でございまするけれども、そのように五種、小包については、やはりそういう考え方で料金をきめておるわけでございます。特に小包郵便につきましては、私どもは、この機会におきまして、政令に委任をしていただくように法案を作ってございまするので、特に重量、容積の重くて大きい小包郵便物の増加につきましては、ある程度臨機の措置がし得るように考えておる次第でございます。

野上元日本社会党

○野上元君 あなたの答弁を聞いていると、五年後も何とかやっていけるという程度の答弁ですね。何とかかんとか、やりくりできるだろう、こういう答弁ですよ、やっぱり。ますます郵政事業が、その事業内容が改善されるというような答弁は一つもないのですよ。その点が私は危ないと思う。もしも将来三種以下の郵便物がうんとふえて、一種二種が減っていくということになると、ますます経営が苦しくなるということは明らかです。それはもう原価割れしているのですからね。その原価割れしている郵便物がふえる。あるいは原価とんとんの郵便物がふえる。しかも生産性向上によって、この原価を下げていくということは不可能だということになれば、これはもう、ますますその面だけでも赤字になる。さらにまた、重量があり、かつまた大きい容積の郵便物が一、二種を上回るような物数が出てくるということになれば、勢い施設も改善しなければならぬ。局舎も大きくしていかなければならぬ。こういうことが、私はもうすぐ出てくると思うのだが、それらに対する郵政事業の抜本的対策がない。  これでは、やはり郵政事業の経営内容というものは全然改善されないのじゃないかと思うのだが、郵政大臣は、それでもまだ、なおかつ五年後は、りっぱなものになると言われますか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 私は、これで手放しでいいということは、一つも考えておりません。ただこれは、一応五年間ぐらいの見通しを立てて、この程度の料金でどうでしょうかという諮問を出して、その郵政審議会からの答申をいただいたので、それを骨子にして、この調整案を作りましたので、これで私はいいとは考えておりません。  今、見通しについていろいろな質疑応答がございましたが、三種がふえた場合には、なるほど相当な赤字になると思いますけれども、三種も、片一方は倍に上げ、片一方は五割上げておりますから、これはふえても、ある程度までカバーできるようになっておるし、まあ問題は、やはり五種がおそらく一番激しい勢いでふえてくる。こういうようなものがふえてきますと、確かに私は今の庁舎とか、あるいは郵便物の区分け、仕分けの機械とかいうようなものを利用しなければならぬ機運になってくると思います。そういうようなときに、やはり庁舎の改善だとか改築だとかいう問題が起こってきますから、そういうようなものをあわせて考える。その場合の一番の問題は、経理の裏づけであります。これをただ単に料金だけによるか、あるいはまた、何らか長期の建設勘定というようなものを考えるか、いろいろな工夫がございますが、これは五年間のさしあたっての郵政事業の経理の合理化ということでありまして、経営の合理化というよりも、赤字をなくするということが主眼でありまして、抜本的なといいますか、基本的な問題には、そうたくさん触れていない。しかしながら、基本的な改善の基礎になるいしずえは、この中に相当入っておる、こういう見方でありまして、これで私は、いいということは決して考えておりません。

野上元日本社会党

○野上元君 そうすると、五年の間には、やはり抜本的な対策を必要とするという時期が必ずくるだろう、こういうふうに予想される、それについては、この法案が通ったあと、すぐ準備を始める、こういうことですか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 五年の間は、長過ぎますので、もうすでに、きょうからでも事務当局には総合的な基本方策を研究してもらっております。  ですから、この値上げは一応四、五年はもつだろうという見通しでありますが、今の経済上あるいはまた社会生活上の相当な変革があって、第一種、二種に他の種類の赤字を負わせるというようなことが、不合理な事態がくれば、やはりこれは考えなければならぬ、その間においても考えなければならぬと思います。

野上元日本社会党

○野上元君 あなたは、事務当局に命じて長期計画を立てておられるというのだが、われわれが何回要求しても、その長期計画はいまだに出てこないのだ。それはなぜかというと——私はできぬと思うのです、郵政省は。電電なんかは、さっさと作って、法案を作って、十三カ年間の計画を立てて、昭和四十七年までの青写真を作って、それで計画を立てて実施してしまっている。郵政省の場合には、来年のことがわからぬのですから、それが現実の郵政事業の実態じゃないですかね。それとも長期計画が、すぐ出ますか、できますか。

小金義照自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小金義照君) 長期計画と申しましても、それは今申したような電電公社のような案は、これは立ちません、これは性質がまるで違うのでありますから。ということは、近代化、機械化の、または生産性向上の余地がある事業と、そうでない郵政事業、今あなたが宿命的だとおっしゃいましたそういうものを背負っている事業でありますから、きわめて平凡なものしか考えられないと思いますが、それを基礎に各方面の——国会なり民間なりの御意見を十分取り入れまして、具体的な計画にしていく、こういうことで事務当局が、まあ私の前から、そういう御要求があったかもしれませんが、私としても事務当局なりの、今のような宿命を背負ったままでもよろしいから、素案でもいいから出して、それを基礎に、どういうところに大きな工夫を加えていくかというような意味で素案を作らしておりますから、素案程度のものなら、提出というとおこがましいかもしれませんが、御参考までに出せると思っております。しかし、これは今申しましたような電電公社の青写真のようなわけには私は参らないと思います。

野上元日本社会党

○野上元君 私が、何回も要求しながら、出さないでも文句を言わないのは、おそらくできないだろうと見ているのですよ。無理だというんです。現在のような状況で、それは長期計画を立てろといったって、ただ何ぼ収入があって、何ぼ給料を払うかということを毎年繰り返しておる。その中に、ほとんど見るべき施設はない。そんな金は生んでいない。そんなところに、長期計画は私は立たぬと見ておるのだが、そこが私は問題だという。  そうすると、昭和四十七年度になると、電電公社と郵政事業との間には非常に大きな開きが出てきます。たとえば局舎の問題を取り上げただけでも、私はそういうことが言えると思う。今日、郵政事業に緊急を要する局舎というのは、改善の要のある局舎というのは、どれくらいありますか。だれかわかる方はいますか。

板野學郵政省郵務局長

○政府委員(板野學君) お答えいたします。私ども五年間におきまして、普通局におきましては、大体百五十三局を新築いたしたい、また増築におきましては百五十四局、土地買収におきまして百三十三個所、特定局におきましては五百六十局の新築、同じく土地買収も五百六十局をやっていく、緊急に措置する必要のある局舎は、普通局、特定局合わせまして、大体そういうような状況でございまして、大体、現在まで八カ年計画で措置しておりましたけれども、最近の郵便物の内容等の変化に即応いたすために、東京都を初め大都市につきましては、相当大規模の局舎改善をいたしたい。総ワク約三百億の資金をもちまして、五カ年で、これを実現いたしたいというふうに考えている次第でございます。

野上元日本社会党

○野上元君 ちょっと今、あなたの答弁の中で聞き漏らしたのですが、普通局の中ですみやかに改善をし、あるいはまた新築をしなければならない局数というのは幾つあるのですか。

板野學郵政省郵務局長

○政府委員(板野學君) 五カ年で、大体百五十三局ほど考えております。

野上元日本社会党

○野上元君 それは五カ年計画ですか、それで全部終わるのですか。

板野學郵政省郵務局長

○政府委員(板野學君) とりあえず五カ年をもちまして、これを実行いたします。さらに今後引き続いて、この局舎の改善の計画を立っていくように考えております。

野上元日本社会党

○野上元君 特定局の集配局では、どれくらい要改善局舎があるのですか。

板野學郵政省郵務局長

○政府委員(板野學君) 大体五百六十局を五カ年で、ただいまのところやっていこう、この中には、少しはあるいは無集配局も含まれるかもしれませんが、大体ほとんど集配局でございます。

野上元日本社会党

○野上元君 そうすると、五百六十局やれば、何%くらい完了するのですか。

板野學郵政省郵務局長

○政府委員(板野學君) ちょっと今数字が見当たりませんから、後ほどすぐお答えいたします。

野上元日本社会党

○野上元君 数字はあとでもらえばいいので、別にあなたを困らせるために質問しておらないので、あとでもらいますが、おそらく何%でもないと私は思う。それを全部をやるということになると、相当、年数が必要だと思う。しかも今日、予算の関係かどうかしりませんが、新しい局舎が建っても、すぐ翌年あたりに狭隘を訴えられる、増築を訴えられるような状況で、非常にひんぴんとしてあちこちから陳情を受けるわけですが、そういうことのないように、今後は一つ十分に計画を立ててもらいたいと思う。それでなければ、毎年々々、そういう陳情を受けるということでは、あなた方の計画が、いかにもずさんだと言われても仕方がないので、その点は、十分に検討してもらいたいと思う。  さらに質問したいことはたくさんあるのですが、きょうは時間の関係で、この程度にしておきます。

鈴木恭一自由民主党

○委員長(鈴木恭一君) ほかに御発言もなければ、本案に対する質疑は、本日のところ、この辺にとどめておきます。  ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕

鈴木恭一自由民主党

○委員長(鈴木恭一君) 速記をつけて。  本日は、これにて散会いたします。   午後三時五十分散会    ————・————

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