逓信委員会 第16号
- 発言数
- 137 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/03/30
会議録
○委員長(鈴木恭一君) ただいまより開会いたします。 郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。なお、簡易生命保険及び郵便年令の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案、(内閣提出、衆議院送付)をともに議題といたします。 暫時休憩いたします。 午前十一時八分休憩 ————・———— 午後一時三十二分開会
○委員長(鈴木恭一君) ただいまより再開いたします。 郵便貯金法の一部を改正する法律案につきまして御質疑の御発言がございますか。——別に御発言もないようですから、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案の質疑に入ります。御質疑のある方は、どうぞ順次御発言を願います。
○野上元君 この法律案の改正について、この必要性について、当局としていろいろと理由をあげられておるのですが、かりにこれを改正すると、この説明書にある平均五分九厘一毛の利回りというのは、どれくらいのアップになるのか、この点をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(西村尚治君) 現在の簡保積立金の運用利回りは、昭和三十五年度の結果を見ますと、五分九厘一毛にすぎないわけでございます。民間保険の方は九分一厘一毛になっております。これに比較いたしましても非常に低いわけでございます。今度この法案を通していただきまして、通用範囲を拡張いたしますというと、その結果、煮十六年度では簡保の積立金の利回りは六分二厘七毛が見込まれるわけでございます。
○野上元君 なぜこれを上げなければならぬかという理由については、必要性については第三項でも述べられておるわけですが、あなた方が考えて、何を目標にしてこの利回りを引き上げることについて考慮されておるか、その目標は一体何か。
○政府委員(西村尚治君) 現在の運用利回りでは、利差益というものがあまり多くを期待できませんので、個々の加入者に対しまする利益配当金がきわめて少額にとどまるわけでございます。民間保険の方は、ただいまも申し上げましたように九分一厘一毛に回っております。その関係できわめて大きな利差益を生んでおりまして、自然配当というものも高額に上っております。民間保険と比較いたしまして簡保の方が、最近募集の面で著しく伸び悩んでおります原因は、その正味保険料というものがだいぶ割高になっておることに大きな原因があると認められますので、今度御審議願いますこの法案によりまして、運用範囲を拡張していただく。そうしますと、かなり現状のものよりか高利回りの運用対象に融資できますので、それが利差益を生む。増収の原因になります。この増収を見込みをまして、できればこの四月一日から増配をいたしたい。増配をいたしまして、加入者の保険料負担を少しでも軽減いたしたいということが一番大きなねらいでございます。
○野上元君 そのことは、一般的理由は私も承認いたしております。しかし、どれを目標にしておられるのか、その運用利回りの引き上げについては、何を目標にして引き上げられておるのか、民間の九分一厘一毛を目標にしておられるのか、それとも、どの辺が最も適当と考えておられるのかということを聞いておるのです。
○政府委員(西村尚治君) 現在のごとき運用利回りは、先ほど来申し上げております五分九厘一毛ですが、この法案改正が実現いたしますれば、三十六年度で六分一厘七毛になりますが、これを十年間を見通して見ますと、十年後には六分五厘九毛が期待できるわけでございますが、私どもの方としましては、現在加入者に対する分配金が少額に過ぎますので、現在の、少額に過ぎますというのは、実は予定利率四分のほかに利益の配当として積立金の一部を配当しておるわけでございますが、これをこの四月から四分プラス一分五厘に増額いたしたい、そういたしますと、簡保の積立金の必要利回りというものが五分五厘になるわけであります。 ところが五分五厘ではまだ十分でございません。少しでも民保の利回りの方に近づけたい。十年間のうちに、さらにできれば、あと一回ぐらい増配をいたしたいと思うのでありますが、そのための必要利回りといたしましては、少くとも六分五厘から七分程度が必要ではないかという見通しを立てておるわけであります。それを目標に、今度の改正をお願いした次第であります。
○野上元君 改任の必要性についてのプリントお持ちですね。
○政府委員(西村尚治君) 提案理由の説明ですか。
○野上元君 はい。それの第三に「この結果簡易保険の正味保険料の引下げを困難にし、国民になるべく安い保険を提供するという事業本来の使命を十分に果し得ず、分配を考慮した正味保険料は民間生保に比較し契約者にとって不利となっている」これでは簡保の伸び悩みが当然だということが書いてあるわけですね。 そうすると、これはあくまでも民間と比較されておるわけでしょう。民間と比較して、正味保険料が非常に割高だから国民としては魅力を感じない、従って募集もできにくいから簡保の伸びも少ないのだ、こういうことであるならば、あなた方の目標は、当然民間保険の運用利回りの九分一厘一毛と競争しなければ永久にだめなんじゃないですか。そういう理屈でいけば。
○政府委員(西村尚治君) 民間保険の方は、投融資先が限定されておりませんので、いかなる会社の株式でも、また不動産でも所有できるわけでございます。現在の金融市場の金利通りに今運用できるわけでございますが、簡保の積立金は、財政投融資に対して協力するという使命もございますし、また地方還元、できるだけ加入者に低利に回わさなければいかぬというような面もございますので、なかなか民保と競争するということはできないわけでございますが、ただ民保の方も、現在のような金利水準がいつまでも続くものとは考えられませんので、たとえば日本生命などで十ヵ年計画を立てておるようでございますが、それを例にとりますと、十カ年後には、金利の低下を見越しまして、現在九分一厘一毛の高利回わりに回わしておりますけれども、十年後には、これが大体六分五厘か七分くらいになるのではないかというような見通しを立てておるような状況でございますので、今すぐには民保には追っつきませんけれども、十年程度の長い目で見ますれば、こちらの方はだんだん上がっていく。向こうの方はだんだん下がっていく。その差は、そう格差はなくて、大体一歩程度の格差にとどまるようになるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○野上元君 そうすると、あなたの見通しから見ても、今後十年ないしそれ以上にわたって、民間との太刀打ちはとうていできない。こういうことをみずから認められているということになりますね。
○政府委員(西村尚治君) ただ簡易保険は、同じ条件でありますと、正味保険料の面だけを考えますと、民間保険に太刀打ちできないということも、あるいは言わざるを得ないかもしれませんけれども、ただ民間保険の現在の正味保険料、あるいは高額の配当ということは、これは不確定配当でありまして、われわれの方は確定配当なんですが、一度約束しましたら、必らずそれは最後まで支払いするわけですけれども、民保の方の配当は、いわゆる不確定配当と言っておりまして、前年度の決算の結果を翌年度加入者に還元するというわけで、これは利益が上がらなければ配当もできない場合だってあり得るわけでございます。 そういった点で、必らずしもその正味保険料、現段階のものをもって比較してしまうということも、これはちょっと危険があるかと思うのでございます。それはしばらくおきましても、そのほかに簡保には簡保としての特色、長所というものがあるのでございまして、たとえばその正味保険料のほかに、簡保には特別の付加保険料を払わなくても不可抗力の事故の場合、あるいは法定伝染病によって死亡したような場合には、保険金額の倍額を支払うという特典もあるわけでございます。それから一定の高齢に達した場合とか、あるいは一定の廃疾によって保険料が払えなくなった場合には、保険料を免除する。いろいろ社会保険的な長所もあるわけでございまするし、それからさらには、全国的にとはまだ言いかねまするけれども、民保にないところの保健施設、福祉施設というものも現在ございまして、今後、こういう面でも簡保としての長所を少しずつでも生かしていかなければならぬと考えているわけでございます。 そのほかに民保にありませんところの集金とか、月掛け、これは民保でも都会ではやっておるようですけれども、地方では、こういう面はやっておりません。まあ簡保は簡保としての長所を生かして、経営の妙を発揮していくよりほかない。かように考えている次第でございます。
○野上元君 今あなたは、民保に比べて簡保の特長、あるいは国民にとって有利な点を、いろいろと例を上げて述べられたわけですが、それにもかかわらず第三項においては、契約者に対して非常に不利を与えている。従ってこれが伸び悩みの原因になっているのだ。こういうことを、ちゃんと改正の必要性の中に、あなたの方で述べられているわけですよ。というのは、今あなたが言われたような有利な点があっても、なおかつ、こういうふうに困っているのだ。それは何かと言えば正味保険料が割高であるからだ。それが非常に国民に対して魅力を失っているのだ。従って、それを上げるために、今回若干の運用範囲を拡大して、そして利回わりも高くしよう。こういう計画をされているのだが、それでも、なおかつ六分一厘七毛にしかならないということになれば、民保と比べて三分も差があるでしょう。これではやはり依然として、最も致命的な欠陥である正味保険料の割高は、これは払拭し得ないということは、国民に、それじゃ不便を与え、不利を与え、魅力を失わせる原因となるということは、これは依然として伸び悩みになるのじゃないか。そういう結論にならざるを露ないと思うのです。 それをなくするためには、一体、どうするかと言えば、結局民保と競争できる九分一厘一毛まで持っていかなければ、実際には、ほんとうの自由競争はできぬじゃないかというのが私の考え方なんです。そういう原則について、あなたは認められますか。
○政府委員(西村尚治君) 現段階における正味保険料だけを比較いたしますと、確かに簡保は不利であります。ですから、まあ今度、まだ十分とは思いませんけれども、こういうふうに少しでも有利な融資対象への範囲の拡張をお願いしておるわけでございます。 実は、私どもといたしましては、これではなお不十分で、できればさらに公益事業会社の株式、社債、そういうものも、簡保の積立金で保有するようにいたしたいということで、運用審議会等通じまして、いろいろと折衝を続けておったのでありまするけれども、運用審議会の方の結論といたしましては、簡保側の積立金は、国家資金で財政投融資に協力すべき使命のものだ。現在財政投融資資金というものは、需要に対して必ずしも十分でない。現段階においては、簡保の積立金の投融資範囲を、そこまで拡張するということは、まだその時期でないと認めるという結論が出ましたために、やむを得ず今回は、まあ第一段階といたしまして、大蔵省の資金運用部の運用対象になっておりますものと同じところまで広げるということで、この法案をお願いすることになったわけであります。
○野上元君 私は、あなたの言うことはよくわかっているのです。わかっているのですが、それでは、きわめて消極策にすぎるというような気がするわけですよ。そこで聞きたいのは、資金運用審議会のメンバーですね。どういう人が入っているのですか、これは。
○政府委員(西村尚治君) これは民間の学識経験者を代表する委員といたしまして、中山伊知郎博士、それから商工会議所会頭の足立正さん。それから早稲田大学教授の末高信教授。それから第一銀行頭取の酒井杏之助さん。それから都民銀行頭取の工藤昭四郎さん。学識経験者代表は、この五人でございますが、そのほかに関係各省の次官が委員に加わっておりまして、委員の総数は十二人でございます。ただ今度、大蔵省の方で資金法の改正を企図しておりまして、四月一日からこの委員会を改組いたしまして民間代表の委員を七名にいたしたい。そして正式には、委員は民間代表だけで構成して、第三者として公正な立場で審議してもらおうということに、今改組の手続を進めておるようでございます。
○野上元君 その今の運用審議会の結論は、簡保の性格としては財政投融資にあるのだ。従って、現在の段階においては、これぐらいの利回わりを求めるのが適当である。こういうことを言われたというのですが、そうすると簡保は、財政投融資のために集める機関であって、契約者に利便を与え、利益を与えるのは従である。こういうふうな見解のもとに出されたのですか。
○政府委員(西村尚治君) 私どもといたしましては、簡保の積立金を国家が集めておりますので、国家資金ということは言えるかもしれませんけれども、これは個々の加入者から集まった、いわば加入者のために積み立てられた加入者からの信託財産でありますから、全面的に財政資金だという範疇で律せられるのは困るのだ、やはり簡易保険法の第一条にもございまするように、国民になるべく簡易に利用できる、安い保険を提供するということが、簡易保険使命でありますので、保険料を低く、少しでも安くするということが、簡易保険第一の使命でありますから、そういう面で利回りの向上ということは、どうしてもはからなければいけないということで極力折衝をいたしたのでありますが、残念ながら審議会としての結論は、財政投融資に協力すべきものだ、簡保の言い分はわからぬでもないけれども、現段階においては、まだそこまでいくのは時期尚早と認められるという結論になったわけでございます。
○野上元君 私は、ちょっとおかしいと思うのですがね。資金運用審議会の結論は、あなたの方では必ずしも満足ではないのだ、あなた方の立場からすれば、もっと運用範囲を拡大し、利回りを高くし、そして直接契約者に利益を与えたいのだ、しかしこの審議会が、そういう結論を出さないので、どうにもならないのだ、こう言っておられるのですが、それはどうなんですかね、あなた方執行者として、もう少しがんばって契約者に利益を与えるような方針を考え出す必要があるのじゃないでしょうか。
○政府委員(西村尚治君) それは、おっしゃいます通りでありまして、私どもといたしましても、実は、まあ今次の法律改正におきましては、これでとりあえずお願いを申し上げまして、今後引き続き、さらに利回りの向上がはかれるような投資先に範囲を拡大させてもらうように極力関係の向きとも折衝を続けるつもりでおります。
○野上元君 私心配するのは、郵便貯金でも同じなんですが、簡保の場合でも、比較的この資産のない人、貧乏な人から少額のものを集めて、そうして少しでも、何といいますか、将来の不安のないようにするというのが一番大きな目的でなければならぬ、にもかかわらず、そういうことで集めた金を財政投融資の方へ回すことが建前であって、契約者の利便は二の次だ、そういう審議会の考え方というのは、根本的に誤りじゃないか、しかも、もう財政投融資計画の方からは、いわゆる簡保は、大蔵省の運営から直接郵政省の手に返っておるわけなんですからね。 ここで、少し大きな転換があってしかるべきだというふうに考えるのですが、あなたの方の決意はどうなんですか。
○政府委員(西村尚治君) ただいまも申し上げましたように、これは加入者から預かっておる加入者の、いわば信託財産でございまして、できるだけ高利に、有利に、安全に運用するというのが第一義だと思うのであります。 ただ、国家が集めております金であります関係で、財政投融資に、全然協力しないというわけには参らないかと思うのでありますが、戦前は——郵政省におきまして、現在の法の建前では、郵政大臣が管理運営することになっておるのでありますけれども、戦前は、もっと広範囲な運用対象に融通されておった実績もございまするので、今後引き続きまして、できるだけそういう方面へも範囲を拡張できるように、私努力を続けたいと思っておるわけでございます。
○手島栄君 非常に重大な問題でございますので、私も関連して伺いたいと思いますが、今、野上委員の言われた点は、私はもう大体において同感でございます。 そこで、簡保の金を財政投融資に使うのが性格的に妥当だという、まあ審議会か何か、そういうふうなきめ方をした、これは私は、何べんもこの問題は、今までも言っておるのですが、簡易保険ができたときの法律の審議の速記録を、いつかだれか持ってきてくれと言っても、何年たっても持ってきてくれませんが、私の記憶では、簡易保険の積立金は国家財政に使ってはいかぬということが非常な大きな問題で、ほとんどこれが議論されたように私は記憶しておるのです。性格的に、簡易保険というものの性格から見て、零細な金を集めながら、それを国家の財政資金に充てるということは非常な誤りだから、それを注意せよということが、非常に大きな議論になったと私は記憶しておりますが、それが何年たったかしらぬが、大正五年ですから……。今になれば、性格的に簡保の金は、財政投融資に協力するのが当然だという結論に変わってきたんですか。
○政府委員(西村尚治君) これは、そういう結論に変わってきたということまでは、はっきり申し上げられないと思うのでありますが、ただ、沿革的と申しますか、戦後の慣習と申しますか、そういったことで、財政投融資にこれは運用——郵政省で再開いたします以前から、大蔵省で一元的に軍用しておりますときからのしきたりと申しますか、そういったようなことで財政投融資原資ということに観念されておると思うのであります。 先ほど、野上先生の御質疑に対してもお答え申し上げましたように、私どもとしては、これは財政投融資原資だというふうに観念してしまうことは行き過ぎであって、これは加入者から頂かっておる加入者の信託財産であるから、できるだけ加入者の利便をはかり、加入者に還元することを建前とすべきものだということで運用審議会にも折衝を続けたわけであります。そういったしきたりと申しますか、沿革的な、そういういきさつ等がございまして、一挙にこれを、財投のワクから切り離すわけにも参らなかったのでありましょう、そういう結論になったのであります。
○手島栄君 戦争中のことを君は言っているようだが、国家資金、財政資金に簡保の金を使ったというのは、戦争中の例外です。戦争中に、簡保の積立金の運用を大蔵省が一元化したいという責任者は私なんです。当時の大蔵次官と私が約束をして、契約書まであるのです、戦争中やむを得ないから、これは国原資金の全部を民間資金芸で徴発して戦争をやろうというときだから、国家の資金が一元的にやらなければ困るという特殊な理由で、戦争中という文句がはっきり入った契約書があります、判をついた。それは、例にならない。 だから簡保の普通の姿においては、簡保というものは、所得の少ない人の保険だから、なるべく有利に回さなければならぬということが本質的な問題と思う。だから、国が経営しているから、目の先にある金だから勝手に使うということは、私は、簡保の性格からいうと許されないことだと思う、それが今、どんどんその方が常識的になっちゃって、そういうふうな根本原則を置いておるということが、非常な間違いじゃないか、それは、国家資金も要るんだから、そう潔癖なことも言えないけれども、できれば簡保の資金は、簡保に有利な方向に運用させるということでないと、ちょっと今後も、むずかしいと思うのですが、その辺どうなのかな、その理論的に、君がただ、そういうことを認めておるということになると、ちょっとおかしいと思うのですよ、戦争中にそうだったからということでは。
○政府委員(西村尚治君) 先ほどから申し上げますように、私どもがそれを財政投融資資金だと割り切っておるということではないのであります。ただ、積立金は郵政大臣が管理運用するということは、運用法の第二条にも明記してございます通り、郵政大臣が自主的に運用すべきものであるわけでありますが、ただ、これは運用審議会の議を経て決定することになっておる、法の建前が、そうなっております。 運用審議会の議にかけますというと、その構成メンバーの先生方から、これは国で預けておる国家資金だから、財政投融資原資に第一義的に協力しなければならないという頭で考えられるわけでございます。私どもが、それで割り切っておる、満足しておるということでは毛頭ございませんので、ですから、昨年来、資金運用部を通じまして、もっと有利なように自主的に運用いたしたいということで、折衝を続けてきたわけでありますけれども、結局、まだわれわれの意向が認められるところまでいっていないというわけであります。
○手島栄君 くどいようだが、その手続なんかを聞いておるわけじゃない。運用審議会にかける、運用審議会は、こういう決議をしたからということでなくて、簡保の積立金というものは、性格的にこうだという、郵政省が強い決意を持っておるのかどうかということだ。 私は、前の議事録をお調べになるとわかるが、簡保の積立金を、自分の目の前にあるからといって、政府が財政投融資にもっていくことを原則とするような考え方自体が間違いじゃないか、簡保の金は、あくまで簡保の加入者の利益になるように使うということが一つと、もう一つあるのは、資金還元の法則であります。これは、簡保が初めてやったやり方なんです。加入者の地域的なその他の分野を見て、資金をなるべく加入者に一応返そうという問題があるために、ややそれが公共的な仕事に出されるために、投融資と、こう似たような性格が多少あったかもしれんが、その原則をとれば、簡保の金は簡保の加入者に一番有利な方向に回すということが絶対に必要性がある、こういうふうに考えておる。ところが、審議会はそういうふうになったと、私らが言うのは、審議会がなったとか、ならぬとかいうのじゃなくて、もう少し強く簡保の性格を話して、審議会等でも議論するくらいのところがないと、いつまでたっても、なかなかこのからは抜けられないのじゃないかという気がしておるのです。君をいじめるわけじゃないのだ、君の問題じゃない。ちょっとその点が、野上君も、それを聞いておるのだが……。
○新谷寅三郎君 関連して質問しますが、手島委員の言われたこと、私も言葉をかえて言いますと、結局西村君は、さっき国民の信託という言葉を使われたでしょう。その辺に考え方の違いが出てくるのじゃないかと思うのです。 社会保険のいろいろな原資、資金というものは、それは広い意味で国民の信託、国家機関だからとか、あるいは政府機関だからという意味で、信託なんていうことをいえば、みんな信託かもしれませんよ、広い意味で。しかし簡保とか、そのほかの社会保険の資金というものは、郵便貯金の金とは違うのですよ。性質が違うでしょう。そこなんですよ。厚生省なんかが、いろいろな、国民年金、厚生年金なんかの原資について、いろいろ考え方を政府部内でも言っておりますが、それと同じなんですよ。社会保険の、そういった資金というものは、あなたが言われたような国民の信託を受けてというようなものとは違うのです。ですから、本来社会保険のそういう金は、もしあるとすればどういうふうに使うかということになると、今、手島委員の言われたように、終局的には、結局被保険者、国民のために使うのだ、有利になるように使うんだということは、今出しておられる運用に関する法律の前文にも書いてあるのですね。当然だと思うのですよ。それで一方からいうと、財政投融資の方の金がなくなってきた。だからその方にも便宜使っていいじゃないかというような慣行というか、そういうやり方が、戦争中からこちらへずっと尾を引いて実行されているんですよ。 しかしこれは本来の社会保険の金の使い方からいきますと、私はこれは権道だと思うのですよ。第二義的なもの。そういう方法が悪いとは言わない、それでも、被保険者のためにならない、マイナスになるということであれば、これは本来ならば、社会保険の加入者としては、それを断わらなければならない。しかし、有利であり確実であれば、それも一つの方法だというだけで、本来財政投融資と同じように、貯金の金と同じように、全部一緒にしてしまって、それをどう分けるかというふうに考えていかれるのは、それは間違いだということを手島委員も言っておられると私は思うのです。 ですから、今の法律案にも関連をするのですが、何も、今すぐ十数年来のやり方を一挙に、ここで変えてくれといっても、これはなかなか私は実行上はむずかしいと思うのです。しかし頭の持ち方が違うと、いつまでたっても、これは解決しないでしょう。だから郵政当局は、まずわれわれが言っているような頭に切りかえて、そうしてまず被保険者の利益ということを主眼にして、社会保険の金なんだということを、もっと認識されて、余裕のある金は、財政投融資の方に使わせてもいいが、まず社会保険、簡易保険のために、被保険者のために、まず優先的に、それを使っていくのだという方針できめなければならない。それには、これはあとで質問してもいいですが、たとえば千億なり千五百億の新しい原資がある、それを二面じゃあ還元もしなければならない。二面ではまた、有利にも回さなければならぬ。こういう二つの要求があるわけですから、そうすると、被保険者のために、簡易保険の会計をよくする意味では、その二つの要求からして、一体、どのくらいの程度を還元したらいいか、どのくらいの程度を有利に回したらいいだろうか、それから財政投融資の方は、従って、どのくらいしかやれないのだというようなことを、大体基本的にきめていって、自分の方の簡易保険の会計では、大体こういう方針でいかざるを得ないのだということで、資金運用部の会議にも郵政大臣が臨まれると、本来の簡易生命保険の本旨に合致したような資金運用ができるということになってくると思うのですよ。 われわれは、まあ終戦以来、何年も何年も法律案を出したりしまして、機会あるごとに、それを言っておるんですが、どうしても直らない、聞いてみると、どうも郵政省当局の考え方が、少し、もう今の実際のやり方に慣れ過ぎちゃって、本来の簡易生命保険の趣旨というものを、目的というものを、どうも第二義的に考え出したというふうにしか考えられないのですよ。これはよほど気をつけて、これからやっていただかないと、これは簡易生命保険の方の被保険者が、また国民年金とか、ああいうような形で、要求を出しますと、これは私は断われないだろうと思いますですね。今から、その準備をされる必要があると思います。 そういう意味で、まあ西村君の問題じゃないが、郵政大臣、特に御注意を願って、大蔵当局とも話し合いをしていただきたいと思うのです。
○国務大臣(小金義照君) 今まで拝聴させていただきました御意見、まことにごもっともでございまして、この積立金の運用は、加入者ばかり、または還元ばかり考えていましても、やはり十分な利益があがらない。 そこで、今新谷さんがおっしゃったように、有利な面も考えなければならぬ。そして法律では、公共の用に供してというような、いろいろなことがございますが、基本は、やはり財政投融資が中心であるというような考え方を捨てて、私どもこれから、今御指摘のような線に沿って努力をして参りたいと思っております。これは私というよりも、むしろ郵政省事務当局に、そういう一貫した考え方を植えつけて参りませんと、事務折衝その他でくずれたら、何にもならぬと思っておりますから、悪い習慣が、と申しますと言い過ぎかもしれませんが、特別の事情で、片寄った習慣が残されているが、一挙にはいかないかもしれませんが、その精神によって努力をして参りたいと思っております。
○手島栄君 今、大臣から御意見を聞いたので、もうそれ以上申す必要はないんですが、簡易保険という仕事が、郵便貯金とは運用の面では、全く違ったものだということが、割合に知れていないのです。郵便貯金は予定した利息を預金者に返せば、あとはもうかったから、よけいくれという人はいないんじゃないか、銀行でも。 ところが、保険事業というものは、契約以外の金を出すのが、これは世界各国の例です。保険金は幾ら、こうきめても、事業運用をうまくやって、配当金をうんとつけて、それが最後の競争の線なんですね。だから昔の簡易保険は、まだ民間保険はレベルが違っておった、少額の保険は簡易保険、上の方は民間保険だから、競争手にならない部分があったのです。終戦後から、同じ条件で今競争しておるわけですね。そうすると昔の保険には、私どもずいぶん苦しんだのですが、これは、親方日の丸というので、あの募集ができたんですよ。今のように経済知識が普及してくると、損得の問題が鋭敏に事業の上に反映してくる。だから今のような財政投融資とか何かに縛られながら簡易保険をやっておれば、今ちょっと保険局長に聞くと、民間保険ともう二割も差がついてきた。配当金が、そうなってくると、もう勝負は見えたようなものです。議論じゃなしに、実際問題として、従業員が募集するといっても、できなくなるということが一番大きな問題なんです。 同時に簡易保険の積立金の性格から野上君なり、今新谷君が言われるように、これはやっぱり、加入者というものを第一順位において考えること、そうしなければ、議論でなくして簡易保険というものはつぶれてしまう。極単に言うと、そういうところまで私は心配するんです。ですから一つ、大臣が今おっしゃったように、その根本方針も関係の向きによくお話していただいて、少しでも有利な保険になるように、御努力をお願して私の質問を終わります。
○永岡光治君 これはもう、今始まったことではなくて、従来からしばしば論議された問題ですが、また蛇足になるかもしれませんが、また確かに民間保険との競争、その他の金融の状況から考えて、非常に不利な条件におかれていることは間違いないわけで、一部には、そういう加入者にとって、契約者にとって不利益なものを、国の力で、なぜ募集しなければならぬかという議論まで生まれてくるわけですから、そこを、実はおそらく、これは財政投融資の財源にするから存在意義があるということで主張されてきたと思いますが、この性格は、今さら言うまでもないことですから、私は蛇足を加えませんが、財投政融資の資金が建前じゃないんだということは、郵政当局の自主運営というものが強く出てこなければ意味がないことになりますから、その点についても、大蔵省の預金部に預託をして、そこで運用するということでなしに、このまま自主運営するということについても、強く一つこれから出していただくようにお願いしたいと思うのです。それが一つです。 この前の改正によって、運用権というのは、一部郵政には返って参りましたけれども、まだ完全に返ってきてないと思うのですが、完全に全部の金の運用が、郵政でにぎれるというのは、いつごろになるわけですか。 その二点をお尋ねしておきたいと思います。
○政府委員(西村尚治君) 簡保の積立金で、大蔵省の運用部に預託しておりますのは現存三百九十五億なわけでございます。これは逆用再開当時の昭和二十八年度におきまして、積立金は、その当時全面的に運用部の方で運用されておったわけであります。その当時運用部に預けられておりましたものが、そのまま残されまして、そうしてあと一定の方式に基づいて、こちらに還元されるという建前になっております。それの残存分が三百九十五億あるわけでございます。これは年々一定の方式に基づいてこちらに返って参ります。昭和四十八年ごろまてかかるそうでありますが、そうすればその残余分は、完全にこちらに返るわけでございます。 あと積立金でなくて、簡保特別会計の支払いの余裕金と申しますが、その余裕金というものが、年々ほかの一般会計の余裕金と同様に、運用部に預託する建前になっております。これが大体千億から千二、三百億あるわけでございまして、この余裕金は、決算が三月三十一日、決算が済みますると、これは積立金になるべき性質のものでございます。そうすれば当然そのつど、こちらに返ってくるということで、焦げついている形になっておりますのは、ただいま申し上げました三百九十五億、そういうことでございます。
○鈴木強君 この政治というのは、民主主義に基づいてやるんだと思うのです。そこで郵政審議会というものがあって、そこで、りっぱな答申をされているんですね。だから自主運営をするために、やはり全部郵政省に戻して、今のような低利預託でなくて、もっと株式なり、社債なりの高率なものを取得して、高率な資金の運用をする、こういうふうな答申が、三十四年の十月三十日に郵政大臣に出されているのですが、こういう諮問機関の意見というものが、全然尊重されてないではないか。今、お話を聞きますと、四十八年になると、大体返ってくるということですから、そうすると、その四十八年になると、完全に郵政省の、答申に基づく自主通常ということができるようになるのですか。 それから、なぜこういう答申があったにかかわらず、そういう長年月の間、わずかずつしか返ってこないというようなことになったのですか。その理由は、どういうところにあるのですか。
○政府委員(西村尚治君) ただいま申し上げました三百九十五億というものは、その当時の政令に基づきましてきめられたものでありますが、その後三十四年でありましたか、郵政審議会に、簡保のあり方というものを郵政大臣から諮問いたしました結果の答申に、ただいま先生のおっしゃったような答申があったわけでございます。 その答申を受けまして、私ども、大蔵省あるいは総理府の運用審議会等に、極力いろいろと折衝をして参ったのでありますが、一挙にこれを簡保の方に返すことは、運用部の原資に影響を来たすからというようなことで、結局見送りになったということ。われわれといたしましては、しかし今後も引き続き、こういった答申の線に沿いまして、自主運用というものが、全面的に実現できるように、一つ努力を続けて参りたいと思っております。
○鈴木強君 それで、大体わかりましたが、さっきからもお話を聞いておるように、やっぱり簡易保険の特性というものは、手島委員と新谷委員のおっしゃった通りと私は思うのですが、そのためには、やはり資金の効率的な運営をはかるほかないと思うのですよ。それから一方、国家財政の面からそういう制約のあることも、私たちはわからぬことはございませんが、しかし保険事業の本来の性格と過去——たしかこれは、郵政省でやったことがあるでしょう、戦争前には。それが、途中でこういうふうになってしまったんでしょう。だから、もとにもっと早く戻すというのが、当初の趣旨からいったら当然のことなんですよ。大蔵省でなしに郵政省がやるべきものだから、最初郵政省がやっておったでしょう、それが時代の推移の中で、そういうことになっちゃった。そのために保険の被保険者というものは損しておるわけだ。それを早く戻すということは最低常識ですよ。 大体、四十八年になったら、全部この答申の通りになるのですか。完全に郵政脚の自主運営の中に入ってくるのですか。
○政府委員(西村尚治君) 三百九十五億というものは、全然こちらに返ってくるわけでありますが、余裕金の方は、これは戦前は、そうだったようでありまするが、私どもとしましては、これもわれわれの方で自主的に運用したいということで、昨年来折衝を続けて参っておるわけであります。極力努力はいたしますけれども、いつごろになったら、どうということは、結論的なことは、ここでまだ残念ながら申し上げられませんのですが、努力は今後も引き続いて続けたいと、かように考えております。
○野上元君 私が心配しているのは、しつこくあなたに質問するのは、この改正案によってさえ、利回りは六分一厘七毛にしかならないでしょう。そうして第三項では、この改正の必要性について、とにかく将来保険料が割高で、これでは簡易保険としては非常に伸び悩むということは、簡易保険にとっては致命的なことなんですよ。これは、そういうことをうたわれておりながら、わずかの利回りが高くなっただけで、わずか二厘高くなると、これが起死側生の妙手だと言えるかどうか、こんなことで、あなた方期待しておるように伸び悩みを解消し、確固たる簡易保険の基礎が固まるかどうか、私はあまりにもしらじらしいと思うのですよ、こういう書き方は。これはもう、まさに木によって魚を求めるの愚だと、それを私は心配するのですよ。こんなことじゃだめじゃないか、まあそういうことを言っておるわけです。 そのことに答えは要りませんが、そこで、さらに質問しますが、運用対象をみますと、ほとんど公団なんですね。今度、若干拡大されますね、これをみても依然として、前と似たり寄ったりです。利率を見ても、ほとんど変わりはしませんということは、今まで大蔵省の資金運用部資金で財政投融資、その方で運用しておったときと、ちっとも変わらないじゃないですか、貯金でさえ、今日六分五厘に預託率は上ったのです。簡保の場合は、依然として余裕金のやつは六分しか上げておらんです。これは私は、若干消極的すぎるのじゃないか、そういう点について、あなたの方は、どういうふうに考えるか、これは余裕金の預託利子の六分は、貯金と比べて五厘低いわけなんだが、それでも、あなたの方は満足なのか、これが妥当だと考えておるのか、その点一つお聞きいたしたい。
○政府委員(西村尚治君) 余裕金の預託利子が六分では低きに過ぎるという話でございますが、確かに私どもも、これで十分だとは思っていないのでございまして、私どもといたしましては、六分三厘ぐらいは、ぜひほしいということで交渉したのであります。ただ貯金の方は、これは、長期に預託するものでありますの、で、特利として、六分の基準金利に対して特利として五厘をつけた、ところが簡保の方は、先ほど鈴木先生の御質問に対してお答え申しましたように、これは一年せいぜい。決算して積立金になれば、できるだけ早くこちらに回収をして、自主的に運用すべきものでありますので、向こうに預託いたします期間が短かいわけでございます。そういう関係で大蔵省と折衝の結果、六分ということで一応話をまとめたのでございます。 しかし今後も、機会をみまして、率の引き上げ方についても交渉は進めたいと思っている次第でございます。
○野上元君 そこで、私は、こういうことになる一つのネックがあるのですね。どうしても、こういうものにしか対象にならないという、運用対象は、こういうものに限られるという一つの制約があると思うのですよ。それは、いわゆる法律二百十号の第一条——簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律、これが二百十号です。これの第一条に、そのことがうたわれているのです。それが一つの制約になっている、こういうふうにみてよろしいですか。
○政府委員(西村尚治君) これは制約になっているということは、必ずしも言えないのではないかと思うのでありまして、と申しますのは、「確実で有利な方法により」ということで、有利な採算制というものも、十分ここにうたってあるわけでございます。ただ、第一条は、ですから、差しつかえはないのでありますけれども、ただ、こういう原則で、こういう方針で、郵政大臣が自主的に運用なさる場合にも、運用審議会にはからなければならないという制約があるわけでございます。これは第四条です。 そうしますと、運用審議会におきましては、財政投融資原資がほしいという立場から、どうしても、こちらの方に、もっと原資を回せということにならざるを得ないのであります、結果的に。ですから低利回りに回らざるを得ないのであります。 それと、それから第三条で、運用範囲がきわめて制限されております。この第三条、第四条の関係で、低利回りということが釘づけされているのであります。
○野上元君 そうすると、法律二百十号の第一条は大きな制約にはならん、これだけならば、思い切った運用ができる、こういうふうに解釈されているようですが、それならばお聞きしますが、第一条には、確かに確実で有利、かつ公共の利益になるように運用しろ、こういうことになっているわけです。 これが私は、源をなしているのではないかと思う。この「公共」という文事が、それがすべて公団になってしまうのではないか、こういうふうに、私は考えるのですよ。そうじゃないですか。
○政府委員(西村尚治君) この公共の利益という概念は、これはなかなかむずかしいと思うのでありまして、ほかの法令も見てみたのですが、確定的な定義のあるものではないようであります。 ただ、これは広く、何と申しますか、国民生活の安定とか、経済の増進だとか、そういった面から、国民あるいは社会一般の利益というふうに抽象的に考えていいのではないかと思っておるわけでございます。これがありますために公団に縛られておるというのではなくて、これは国で集めております資金でありまするから、やっぱり公共性というものを無視するのは、ちょいと無理ではないかと、やはり公共の利益というものはあくまで念頭に置いて、有利、確実、公共の利益、この三つの原則を三本建にして運用するのが、簡保資金の当然のあり方ではないかというふうに考えておるのでございますが。
○野上元君 あなたの話を聞いておると、経営主体によって、その営まれておる事業の性格は変わるというふうに感じるのですがね。民間で集めておる金と、国家が集めておる金との、その性格が違うのですか。片一方は、公共に使わなければならないし、民間で集めておるやつは、あれは何に使ってもいいのだと、そういうふうに公共というものを考えるのですか。
○政府委員(西村尚治君) どちらも同じ一つの生命保険事業であるという点では、同じ立場で運用してよさそうなものでありますけれども、片方は、純然たる民間の株式会社でございますし、これは、国が経営しておりますまあ国家的な保険でございまして、一種の社会保険みたいなものでございます。任意保険ではございまするけれども、創設のときから、いわゆる政策的な意図のもとに創始せられた事業だと思いますので、おのずからそこに、一般の民間で行なわれております生命保険事業とは、経営の面、運用の面等におきまして、ある程度の差異ができることはやむを得ないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○野上元君 先ほど手島委員からの御質問もあったように、当初創設されたときは、一般の生命保険にはかけられない層、零細な方々のために、こういう道を開いたのであって、財政投融資が目的じゃないのだ、こういうことを、先ほどからしばしば述べられておるわけなんです。 それを、あなたの方だけが、勝手に、この財政投融資の力に入れるのだ入れるのだと言って、それじゃ、伸び悩みだ伸び悩みだと言って、おかしいじゃないか。自分で自分の首を絞めておいて、その責任をだれかにかぶせておるように思えるのですよ。 そうじゃなくて、あなたの方で必要があるならば、そういうふうな打開策を積極的に考えられなければいかぬのじゃないですかね。みずからあなた方は、きょくせきされておるのじゃないか。一つのワクに閉じこもっちゃって、一歩も出られない。まるで、禅坊主に、まるを書かれて、そこから出るなと言われて、じっと立ちんぼうしているようなものだと思うのですがね、私は、そういうふうに考えるのですが、その点はどうなんですか。
○政府委員(西村尚治君) これは、私ども先ほど来申し上げましたように、先生方から、ありがたい、むしろ御注意、御意見をいただいたのであります。これは、財政投融資原資だと割り切るのではないぞというお話は、むしろほんとうに私どもありがたいお力づけの言葉と拝承したのであります。私どもが財政投融資原資だと頭からきめておるわけではございませんことは、先ほどからも申し上げたと思うのであります。 私どもとしましては、これは加入者から預かった金で、加入者のために積み立てられた資金でありますから、加入者からの信託財産だと申し上げたのでありますが、ですから、加入者のために、できるだけ確実に有利に、しかも公共性ということを無視しないで運用していかなければならない。だから、財政投融資資金だと頭から割り切ってしまうことは間違いであると、私どもは実は考えておるものでありまして、昨年から、たびたび運用審議会を通じて交渉したのでありまするけれども、運用審議会の方で、遺憾ながら、こういう結論が出ましたので、最終的な結論を待つまで法案の提案を見送るということも、もったいないと思いまして、とりあえず了解のついた段階で、ここで御審議を願って、ここで第一歩を固めまして、さらに次の範囲拡張に努力をいたしたい、こういうつもりで、この法案をお願いしたわけでございます。
○野上元君 そうすると、第一条には、制約は感じておらない。結局この列挙されておる第三条ですね。運用先を列挙されておる第三条が問題です、こういうことですね。これはあなた方にとっては不本意である、かつまた、この法律に基づいてできておる運用審議会の結論についても、あなた方は不満足である、こういうふうに解釈してよろしいですな。
○政府委員(西村尚治君) その通りでございます。
○野上元君 むしろあなた方は、運用審議会の結論が重大なんだと、これは、どうしてもこの結論は得なければならぬ。しかもこの運用審議会が、必ずしもあなた方にとって満足な答申をしてくれないということであるならば、この運用審議会というのは無用の長物なんだ。とりわけ私は、中のメンバーを見てみて、これではあなた方の意思に沿うような結論が出るなんということは、とうてい考えられない。これはだれが任命するのですか。
○政府委員(西村尚治君) 内閣総理大臣でございます。
○永岡光治君 人選はだれがやるのです、郵政大臣。
○政府委員(西村尚治君) 人選は、やはり関係各省で相談いたしましてきめたんではないかと思います。少なくとも今度改組いたします人選につきましては、そういうことになるはずでございます。
○永岡光治君 それは郵政大臣、まあ実際的な事務のことを聞くわけですが、形式上は、そういう審議会委員ですから、内閣総理大臣が任命することになるのでしょうけれども、そのイニシアというのは、どこがとるわけですか。
○国務大臣(小金義照君) 実際のイニシアチブは、やはり資金運用審議会ですから、大蔵省。建前は、まあ郵政大臣と相談すことになっておりますけれども、イニシアチブをとるということになりますと、やはり大蔵省だと思います。
○永岡光治君 おかしいですね。簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の中にあるわけでしょう。これは、郵政大臣の所管の法律なんですね。それを大蔵省の所管といったような、他の預全部の力でやられて黙っているという法は、私はないと思うのですね。
○政府委員(西村尚治君) 今、少し言葉が足りなかったし、ざっくばらん過ぎたかもしれません。これは実は、内閣に置いてある資金運用審議会ですから、内閣総理大臣がイニシアチブをとるのです。従って、あるいは官房長官が、その下働きをするかもしれません。この運用法に関する限りは、郵政大臣が運用し管理するのですが、審議会となりますと、内閣に置いてありますから、それは郵政大臣は、思う通りにならないところも出てくると思っております。
○永岡光治君 関連ですから、これでやめますけれども、あとで野上委員から質問されると思いますが、そういう簡易生命保険の運用に関する問題については、やっぱり私は、郵政大臣の諮問機関といいましょうか、中における審議会といいますか、そういうものでなければならぬと思うのです。 だからこれは、もしあなた方が不満であると言い、郵政大臣もだいぶん、少し変に思っておるだろうと私は思うのですがね。郵政省で、そういうものを作る考えはないのですか。
○国務大臣(小金義照君) この積立金は、ただいま局長からも申し上げましたように、まず積立金の関係からいけば、加入者にできるだけサービスをするように運用するのが適当と思いますけれども、今のところ、資金運用部資金の運用審議会の議を経てということになっておりますから、これは、こちらの思うように、また希望する通りにならない点もたくさんございます。 結局、法制を変えない限りは、説得力でこちらの希望を通すよりほかございませんが、今すぐここで、じゃあ郵政大臣の所管のもとに、こういう審議会を別に作れるかとおっしゃいますと、これは財政投融資というようなものに一部足を突っ込んでおりますから、急激に、私はここですぐ、これはおかしいから、自分の省内に審議会を作るとか、自分の所着するようなものを内閣に作ってもらうというような、まだちょっと考えは固まっていません。
○野上元君 そうすると、郵政当局としては、この法律の二百十号の第三条は、きわめて不満足ということですから、この次は、一つ思い切った抜本的な改正案を——改正について一つ審議会に諮って下さい。でなければ、あなた方、不満足々々々と言っておったのでは、いつまでたってもだめですよ。私は、その心配するのは、こういう保険なんというのは、やはり正味保険料の安い高いが募集の死命を制すると思うのです。明らかに高いものを、あなた方、とれとれといって、あなた方自身の従業員にむちを与えてとらすというようなことは、明らかに行き過ぎですよ。これは、できないことをやらしておるということの結果になるのですから、その点については、一つ思い切った措置をとってもらいたいことと、これは伸び悩みと書いてあるのですが、現実に、どういうふうに現われておるのか知らしてもらいたい。傾向だけでけっこうです。
○政府委員(西村尚治君) お手元にお配りしてあるかと思いますが、資料の十一ページをごらんいただきますと、はっきりいたしますが、昭和三十年度から三十四年度までの簡保と民保の伸びの計数が出ております。 保険金で申し上げますと、簡保の昭和三十年度の保険金額を一〇〇といたしますと、三十四年度までに二一%の伸長を示しておるのであります、簡保は。ところが民間保険は昭和三十年を一〇〇といたしますと三十四年度は二二六ということで、指数がきわめて大きく伸びておることはこれを見ても明らかでございます。
○野上元君 わかりました。大体、ただいままでの質問によって、きわめて重大な問題をはらんでおるということだけは明らかにされたと思うのです。 従って、郵政当局としては相当思い切った措置に出てもらいたいということと、法律二百十号の第一条にある「確実で有利」というやつの解釈については、あなた方が何と言われようとも、結局第三条が受けておるのです、これを。従って現実には、こういう姿になって出てきておるのじゃないのですか、あなた方の通用の対象ははっきりと……。これだけが、確実で有利なんですか。そうじゃないでしょう。もう今日の段階においては、こんなものよりも確実で有利なものは、幾らでもあるはずなんですよ。そういうものについても、あなた方は堂々と発言すべき時期にきておる。でなければ、簡保は民保と競争できないということが明らかなんですから、その点は、あなた方としては一つ奮発をしてもらいたいと思います。 で、最終的に、私、質問したいことがたくさんありますが、同僚議員も、まだ控えておりますから、私の質問はこのくらいで終わります。 結論として、現行よりはよくなるわけですね、とにかく二厘でも。
○政府委員(西村尚治君) そうです。
○野上元君 そういう意味では、私たちは反対できないんですよ、現行よりよくなるという意味で。しかし、このやり方については、きわめてこそくなやり方である。将来、もう少し検討してもらいたいということだけ希望しておきまして、私の質問は一応終了いたします。
○永岡光治君 私も、同僚議員の質問もあろうかと思いますから、私は一つの問題についてだけ、特にこれは郵政大臣に善処を要望したい問題です。 この運用の範囲を拡張する問題と関連して参りますが、今の質疑の中で明確になりましたように、零細な掛金を集めて、その融資先が非常に限定されておる。そうして契約者には不便をかけているというようなことは、これは早急に解決してもらいたいという要望が出たのですが、もう一つ郵政事業、郵政省という立場から考えて、いささか言いにくいことでありますけれども、これは、大臣という立場で善処してもらわなければならない問題があるわけですね。 と申しますのは、先般——ずっと前でありますが、同じく運用法の改正がありました際に、私たちは当時の松田郵政大臣に要望したことでありますが、端的にいえば、郵政省のやめた職員の行き場がないと——従来非常に地方公共団体に貸し付けておったり、その他の団体の貸し付けによって監視するという役目もありましょうしという意味で、かなり定年でやめても、行く先きが見つけられたわけですね。ところが、最近の傾向を見ますと、どうもその点が、これは本省の現業の局長クラスとか、あるいは課長等も含めて、広い意味でのやめていく方でありますけれども、そのめんどうは見きれないのじゃないか。だから、この際一つ、住宅公団等に融資するというのであれば、少し郵政大臣は、政治的な力で、何といいましょうか、売り込み——端的な表現を使えば、そういうことを申し上げて、それが認められれば、この法律案に賛成してやろうというようなことを言った記憶を私は持っておるわけです。ところが、約束はしたけれども、さてふたを開いて見ると、私たちの期待とは、およそかけ離れた実態になっておるわけですね。こういうことでは、まさに郵政省の職員というものは踏んだりけったりです。だからこの運用範囲を拡張される機会にでありますが、見れば、日本道路公団あるいは首都高速道路公団もありますし、その他の機関もあるようでありますから、一つ大臣に、私の要望することが約束できるかどうか、大いにその点は郵政の職員をはかす、それから同時に、もう一つは若い人が、向こうに参りましても、結局郵政に返ってくる道がふさがれるために、優秀なものが行かないわけですよ、人事交流ができないために。従って、今まで郵政からいただいたけれども、大した仕事もできないということで、郵政省が不評をかうこともあるわけです。 だから私は、そういう意味では人事交流をするという建前で、若い人にもどんどん行って勉強してもらう。必要によっては、郵政省にも返ってもらう、こういうようなことを、ぜひ私は大臣は、この際、十分配慮されなければならぬと思うのですが、私のこの要望を、大臣は責任を持って、一つ果たしていくということがお約束できるのかどうか、これを私はただしたいと思います。
○国務大臣(小金義照君) 私も同感でございまして、郵政省の練達の士また若い、これからの人に出て働いてもらい、また交流ができるのならけっこうだと思っております。私、まだ就任後日が浅いもんですから、ここでみえをきって、お約束するというわけには参りませんけれども努力いたします。
○永岡光治君 そういえば、それで足りるようなものでありますけれども、念を押しておきますが、いずれそれぞれの役員の改選の時期にあるところもあるでありましょうから、その点は一つ、ぬかりなく、十分それを果たしてもらいたい。特に私、要望しておきます。
○鈴木強君 今度の改正で、利息が少し上がるようですが、どのくらいの額になりますか。
○政府委員(西村尚治君) 昭和三十六年度で、実額でございますね、増収分……。
○鈴木強君 ええ。
○政府委員(西村尚治君) ちょっと失礼いたしましたが、この運用範囲を広げることによって利回わりが向上して、それによる増収分と、そういうことでございますか。
○鈴木強君 とにかく今度利息を上げるでしょう、少しね。利息が上がりますね、上がることによって、保険の運用資金の運用の面で、幾らの増になるかというわけです。
○政府委員(西村尚治君) 初年度十七億でございます。
○鈴木強君 そうすると、その十七億の利益をどういうふうにあれですか、加入者には、どの程度還元するのですか。被保険者には幾ら得になるのですか。
○政府委員(西村尚治君) 十七億増収が上がりましたから、十七億を加入軒に還元するということではございませんで、これも含めまして、利差益がだいぶ上がっております。三十四年度までに持ち越しました剰余金が百九十九億ございまして、それから三十五年度には、さらに百四億ばかり出る見込みでございます。そうしますと三百億余に上りますので、これを見返りといたしまして三十六年の四月一日から分配金の増額をいたしたい、現在は加入者に対しまして、積立金の一部を分配しておるわけでありますが、これを一分五厘に増配いたしたい、それからさらには、同時に別途御審議願いましたあの簡易保険法の改正に基づきまして、払込保険料の方も少し引き下げたい、かように考えております。
○鈴木強君 現行の一%から一・五%の配当になる、これはわかりました。 そうすると、そのほか被保険者の便益に供しておる老人ホームとかあるいは簡易保険診療所というのが全国にありますが、そういうものは、現行幾つと幾つあって、これからそれを幾つふやすのですか。
○政府委員(西村尚治君) 加入者のための保健施設あるいは福祉施設といたしましては、簡保診療所が全国に現在二十八カ所ございます。それから加入者ホームが三カ所ございます。現行のものが三カ所で、準備中のものと、それから今度の三十六年度の予算に計上されておりますものが五カ所ございます。合わせまして三十六年度には八カ所になる勘定になるわけでございます。そのほかに保養センターというものを、今準備中の、三十六年度の予算でお願いしておるものが一カ所ございます。これが、まあ現在の状況でございますが、これが各地から加入者の要望になって、さらに増設方の要望が出てきておりますので、この要望に沿うために、今後できるだけ予算の余裕をみながら、逐次各地に増設整備をはかりたい、かように考えておるわけでございます。
○鈴木強君 八カ所になるのは、老人ホームのことですか。
○政府委員(西村尚治君) そうです。
○鈴木強君 簡易保険の診療所は二十八カ所でございますがこれをふやすお考え方はないのですか。
○政府委員(西村尚治君) これもふやしたらという意向もないことはないのでありますが、最近の状況を見ますと、その診療所よりも、むしろ加入者ホームとか保養センター、そういったものの方の要望が、加入者からの声として強いようでございますので、加入者の要望にこたえるという面から、むしろ後者の方の加入者ホーム、保養センターの増設の方を、まずはかっていきたい、余裕がございましたら、診療所の方も今後検討をしていきたい、かように考えております。
○鈴木強君 先ほどのお話では、三百何十億でしたか、逐次四十八年度までに返ってくるというお話を聞いたのですが、だから十年先のことですが、十年先以上になりますが、そういう長期の計画を、もっと早くしてもらうということが、これはわれわれの要望ですが、そういうものと見合わして、やはりできるだけ配当も、それはふやすこともけっこうでございましょうが、それと同時に、こういう老人ホームなりセンターなり、簡易保険診療所というような、こういうものを逐次計画的に、どうふやしていくか、長期の計画をお持ちになっておらないのですか。
○政府委員(西村尚治君) まあ簡易生命保険の本来の姿からいいますれば、正味保険料をできるだけ安くしていくということが、第一義的な問題だと思うのでありますけれども、そういう意味におきまして、この四月一日から第一回、これを引き下げる、できれば今後十カ年の間に、もう一回さらに増配をはかりたいというふうに考えているわけでございますけれども、それと並行いたしまして、剰余金の状況を見ながら福祉施設、保健施設の方の整備もはかっていきたい、ただ、これは非常に巨額の経費を必要といたしますので、現在の郵政省が直営しておりましては、一般の郵便局舎あるいは管理庁舎などの建設資金と、予算上ワクが競合いたします関係で、なかなか思うにまかせない、できればそのための施設運営をするための別の機関を作りたい、事業団のようなものを作りたいということで、実は今回の予算折衝段階におきましても、関係の向きとも交渉したりしたこともあるのでありますが、いろいろ困難な面もございまして、まだこれは解決を見ておりませんですけれども、そのときに私ども関係の向きに折衝いたしました案というものはあるわけでございます。あるわけでございますけれども、まだこれは、最終的にここで申し上げるほどのものでもないのでございます。 大まかに申しますと、加入者ホームは、その郵政局管内に少なくとも一カ所、保養センター的なものを、各都道府県にできれば一カ所ぐらいずつ、と申しますのは、もう全国各地から、ほとんどくまなく設置の要望方が出ておりますので、それにこたえますためには、その程度は少なくとも必要ではなかろうかというふうに考えての話でございます。
○鈴木強君 ですから、あなたが言うように、配当をできるだけふやしていくという思想が第一義であるならば、それでもけっこうですよ。しかし現実には、老人ホームなりこういう診療所というものを作って、その面から被保険者の便益をはかろうという施策を持っているのですから、そうであるならば、ただ単なる付帯的な仕事でもないように思うのです、重点のおき方は違うとしても。しかもお話のように、全国からいろいろ要望があるようですから、私たちも聞いておりますですから、そういう要望にこたえるために、少なくとも各郵政局管内に一カ所置くというならば、その計画を、どういうふうにして、各年度ごとにどうやっていくかという、やはり長期の構想をお持ちになってやるべきだと思うのですよ。それがないから、設置された所の周辺の人たちからみれば、非常に喜んでおる。ところが設置されていない県は、非常に文句を言うのですよ。そういう人たちに対して、郵政財政の点から、簡易保険の現状からして、計画的にこうやる、あなた方の所も作るのだということがはっきりすれば、一年二年待ってくれといっても、これは了承すると思うのです。 そういうことも、私は大事だと思いますから、そういう大きな気持があるならば、構想があるならば、それを年度ごとに、どうやっていくかという計画を立てることはあたりまえじゃないですか。立てないから、いろいろな摩擦がまた出てくると私は思うのです。これがないならば、すみやかにやはり立てて、計画を示してもらいたいと思うのですよ。これはどうですか。
○政府委員(西村尚治君) 一応、私ども事務当局の案としては持っているわけでありますけれども、省の確定案というところまでいっておりませんので申し上げかねたのでありますが、いずれそういうものを、できるだけ早く作りましてお答えすることにいたしたいと思います。
○鈴木強君 それから今度の運用法の改正によって、運用範囲が拡大されておりますが、大体三つぐらいになると思いますが、この中に労働金庫がありますね、そういうところに、少し金を回してやるというようなことはできなかったのですか、なぜ長期信用銀行とか電源開発会社の社債とか、こういうものだけに限ったのですか。
○政府委員(西村尚治君) 労働金庫の方は、実は資金の需給状況を見ますると、割合にいいようでございます。たとえばその預金額と貸出額の割合でございますが、三十五年の九月現在の状況で見ますと、労働金庫は、預金額に対して貸出額が平均七〇%ぐらい、これはほかのまあ相互銀行などは八九%、それから商工中金などは一〇〇%貸し出してしまって非常に資金が少ない。全国の銀行の平均は九四%でありますから、それらに比べますと、労働金庫の方は、かなり資金的に余裕があるのじゃないかという点がございますのと、それから労働金庫の方は、全国に四十六カ所もあるわけでございますが、これは大小いろいろございまして、これを一々対象にすることは、いろんな面で困難であろうと思われますことと、この債権確保という面から考えまして、この労働金庫の方は、総会の議決によりまして任意に解散とか合併とか譲渡ができる建前になっております。そういう関係がございますので、先ほど申し上げました加入者から預かっておる大事な資産を、そういう方に回すことが、はたして妥当かどうかというような点で、いろいろと難点がございますので、まだ、そこまで踏み切れなかったような実情でございます。
○鈴木強君 これは要望ですが、なるほど第三点について、これは大臣もおいでになりますが、問題があると思いますので、私も、もちろん固執はいたしませんよ。しかし七〇%ないし八〇%、九〇%ということもお考えになっておられるようですから、まあもう少し労働金庫というものを、政府に関心を持っていただきたいと思います。ですから、一つ今後も、いろんな点を勘案して、できるだけ配意していただきたいと思います。 それから最後に伺いたいのは、きのうも私は、郵便貯金の預金をして出し入れをしないで、時効になって没収される額が幾らということを聞いてみましたが、驚くなかれ十六億あるんです。昭和三十年から四年までの五年間の間で十六億、これが要するに没収されてしまって、あとでまたわかれば払い出してくれるようですけれども、こういうものについて、なぜもっと積極的に周知宣伝しないかということを言ったんです。新聞広告を出したらいいじゃないかと言ったんですが、それをやってくれるそうですから、私はそれと同じような質問をしてみたいんですが、これは歴史も長いですから、戦争前に入って、保険をもらっているかどうか、私も、忘れてしまっているようなところがあるんですが、実際に期限が来ても、払い出しができなくて、あなたの方でたまっているのは、どのくらいありますかね、最近の実績があったら、一つ示してもらいたい。
○政府委員(西村尚治君) ただいま御質問のようなものは、件数にいたしまして、やはりかなりあるようでございまして、失効して、支払い請求のないものが百二十万六千件ございます。金額にいたしますと、三億三千万あるようでございます。
○鈴木強君 それは、いつ現在でございますか。
○政府委員(西村尚治君) 昭和三十三年度末のものでございます。
○鈴木強君 最近のものはないんですか。
○政府委員(西村尚治君) 最近のものは、今ちょっと手元にございません。
○鈴木強君 三十三年度末だと思いますが、このうち失効によって、そのままになっておるものと、失効になったんだが、保険金は、所定の手続によって還付金の手続をしなかったものと、それから満期になって、なおかつ知らないでおるのか、証書をどっかへやってしまっているのかわかりませんが、そういうために未払いになっているのは幾らですか。
○政府委員(西村尚治君) これは失効になっておるものもございますし、また満期になったもの、あるいは死亡によって保険事故の発生したもの、いろいろあるようでございますが、その詳細な内訳は、実はまだできていないようでございます。いずれまた資料がまとまりましたら、その節お答えさせていただくことにいたします。
○鈴木強君 資料は一つ調べてまとめて下さい。 それから、これの金の処置はどうなっているんですか、三億三千万円の金の処置は。
○政府委員(西村尚治君) これは支払い請求があれば、いつでも払えるように、積立金の中に一緒に入れて、運用しておるわけでございます。
○鈴木強君 それは郵便貯金なんかと違って、国庫に没収されるという性格のものになるんですか、それとも積立金の中に、一応入れておくということなんですか。
○政府委員(西村尚治君) これは、この中には、支払通知書を出しましても返事のないものなど、いろいろあるようでございますが、本来ならこれは時効という、やはり規定がございまして、保険法の五十四条に、返還義務が生じてから五年たてば時効にかかるということになっておるわけですけれども、一応保険局といたしましては、零細な加入者の金だから、時効にかけるということは、しばらく待とうというようなことで、まだ国庫納入という手続はとっていないようでございまして、今後でも、請求があればいつでも払えるように、一応積立金の中に入れておるわけでございます。
○鈴木強君 時効の手続をとっていないということは、法律違反ですね、時効の手続をとっているんだが、特にそういう事実が現われたときには払い戻す、こういうことじゃないんでしょうかね、積立金としておくということは、ちょっとおかしいと思いますがね、何かただし書きがありますか。
○政府委員(西村尚治君) これは、この第五十四条を援用すれば消滅するわけですけれども、援用しなければ、そのままおいていてもよいわけでございます。 それからまた、戦争中、戦後の、いろいろごたごたがございましたので、しばらく様子を見た方がよかろうということで、こういう措置をとっておるようでございます。今後、やはりこれはこの時効条項を適用した方がよかろうということになりますれば、そうすべきだと思いますが、よく、今後検討してみたいと思います。
○鈴木強君 法律的には、私はいいです、どうでも。あなたの方で、それだけの思いやりがあるとすれば。じゃ過去三億三千万円、百二十万件について、どういうふうな周知をしているんですか、そういうことを周知して、できるだけ返してやろうという趣旨があるから手続をとらないと思いますからね。
○国務大臣(小金義照君) 支払い請求をするように、加入者に連絡をしたいということで、二年前から検討しておるようでありますが、いろいろ住所の定義、その他戦争のあとのごたごたが手伝いましてまだ十分明細書ができませんために、このままになっておるそうであります。できるだけ今後そういうものを整理いたしまして、緊急周知方あるいは連絡方をいたしたいと思います。
○鈴木強君 大臣ね、きのうも、この点で特に要望しておいたのですけれども、まあ五年間に十六億、もっとあるんですよ。今の保険も三億なんぼという金が、宙に浮いている。相当親切心があるようですから、良心的な措置をとってもらいたい。それを生かすような措置を、保険局の方ではやられていない、貯金局と同じように……。大臣、これは一回、新聞広告を出したらどうです。大した金はとられない。これは聞くところによると郵政省の金になる。国庫の収入だけれども、貯金会計になってくると思う。保険の場合は知りませんがね。だから、多少命がかかっても、それを出してやれば、気のついている人もいるかもしれませんが、知らない人は、百二十万何がしということで考えるかもしれません。 そういうことで、大臣、周知ということをさっそくやって下さい。一週間ぐらいの間にやって下さい。簡単にできますよ。僕は「私たちの言葉」に出そうと思っているのですが、郵政省の立場があるから遠慮しているのです。一つそれをやって下さい、どうですか。
○国務大臣(小金義照君) これは非常に膨大な件数に上っておるようでありますけれども、御趣旨はよくわかりました。事務的な可能な範囲において、早く処置をいたしたいと思います。
○鈴木強君 さっきの時効の措置ですけれども、ちょっと私、ここに法律案を持っておりませんからわかりませんが、五年たったら時効にすると書いてあるのですか、ただし書きか何かあって、その判断は、法律的には、五年たったら時効ということがはっきりしているが、それが裁量によって延ばされているというのか、その辺は、だれが裁断をするのですか、ただし書きがなければ、時効でしょう。
○政府委員(西村尚治君) これは別に、ただし書きはございませんけれども、最後の判断は、保険局長ということになるようでございますが、これを援用して、特効だということで措置してしまえば、それで済むわけでありますけれども、措置しなければ続くというふうに解釈をいたしております。
○鈴木強君 貯金の方は、時効の措置をとっているのですよ、とって、貯金会計に入れてしまう。ただし、あとから申し出があった場合には、特にその額の中から、払い戻してやる。そういう措置をとっているのですが、法律的には、五年たって、なおかつわからないときには、時効措置をとらなければならない、法律的にはですね、私は思う。その判断は、簡易保険局長にまかされておると書いてあるのですか、その法律の中に。
○政府委員(西村尚治君) 契約の相手方でありません方の保険者が、一応簡保では、簡易保険局長ということになっておりますので、やはりこれの最終的な判断は、簡易保険局長だと思います。 時効というものは、やはりこちらが時効だということを主張して、その措置をしなければ、やはり続けて差しつかえないものだというふうに考えております。
○鈴木強君 そうすると、郵政省の中で貯金局と保険局の見解が違う。内部不統一じゃないか。局々によって、勝手にやっている。
○政府委員(西村尚治君) 私どもの方も、一応、これは時効ということで措置して、剰余金の中に入れてしまってということも、できなくはないわけでありますけれども、一応時効として片づけてしまって、あと請求があったときに出すということよりか、やはり一応、当分そのままにしておいて、請求があるのを、もうしばらく猶予して待つといった方がよいのではないかということで落ちておるわけであります。先生の御指摘もございますので、この点につきましては、今後緊急に、一つ検討し、措置したいと思います。しばらく御猶予を願いたいと思います。
○鈴木強君 そういう措置をとってから、幾つかありましたか、その申し出が。申し出があって、返したことがあるのですか。
○政府委員(西村尚治君) 先ほど申し上げました件数の百二十万六千件のうちで、五万二千件というのは、支払い通知書を出していただいたのだそうでございます、向こうの所在もはっきりいたしまして。ところが、金額がきわめて少額でありますために、まだ取りにこないというのが五万二千件ほどあるそうでございます。そういうふうに、いろいろつながっているものもございますので、一挙に時効処理ということにしてしまうのも、どうかと思いますので、こういうふうにしておるわけでございます。
○鈴木強君 わかりました。その法律的な解釈についての裁量については、私は、ここでは深く触れませんが、確かに額が小さいし、ついおっくうになってこれない点もあると思います。できるだけ一つ、いろいろな方法で、せっかくの——昔一円だって、十銭だって、大きかったですよ。そういう点で、一つ周知の方を特段にお願いしておきまして、私は、これで終ります。
○森中守義君 大臣に、この前の質問の繰り返しみたいなことになるのですが、一つ承わって善処をお願いしたいのは、今のような形の運用権の状態と、十八年以前の状態と、実際の運用の収入の面から、どのくらい違っているのか、一度試算をしてみて下さい。 それから会計制度は変えない。今のように独立採算でいくということになりますと、やはりその利用者負担にも限度がある。いわんや補給金も何もないというので、もうすぐ料金改定をやったとたんに、すぐ火の車というようなことでは、これから先、長く繰り返されていくような気がして仕方がない。それで抜本的に、会計制度の改善が行なわれないということであるならば、やはりやるべき方法というのは、運用権を全面的に郵政省に返してもらう、これ以外に今日の会計制度を豊かにする方法はないのじゃないか、こう思うのですよ。 それで、なるほど大蔵省との関係で、いろいろむずかしい問題があることも承知の上で、なおかつこういう意見を述べざるを得ないのですがね。これは従前あったことだし、しかもなお、郵政省にもらって、それで財投原資に振り向ける場合でも、今大蔵省がやっているのは、郵政省でやればいい、あるいは大蔵省に財投の方針を立てさせて、郵政省は金を出してやればいいではないか。私はむしろ郵政省に持たすべきだ、それをしない限り、今日の会計制度というものはもたないという気がしてしようがない。これはまあ重大な政治問題でもありましょう、ぜひ一つこの機会に、これから先の重要な課題として、郵政省の会計を、よりいいものにするということで、大臣初め皆さんの御努力を一つ願っておきたいと思うのですがね。
○国務大臣(小金義照君) わかりました。その線に沿うて努力いたします。
○森中守義君 試算したのですか。
○政府委員(西村尚治君) 先生のおっしゃいました御趣旨は、戦前の簡保積立金の運用方式によれば、現状では幾らになるか、それの相違の試算だと思うのでございますが、今度のこの法律案改正による試算は、もちろんしてございませんけれども、戦前の運用形式による試算というものは、実はまだいたしておりません。そういうものも検討してみたいと思います。
○森中守義君 そこをやると、大体出てきますよ、答えは。とにかく今のような状態でいけばすぐまた料金改定をしなければならんような時期もきましょうから、そういうようなことを考慮するならば、どうしても十八年以前に戻してもらわなくちゃいかぬ。これは、今ここで答えが出る話でもないでしょうが、ぜひ一つお願いしておきたいと思う。
○委員長(鈴木恭一君) ほかに御発言もなければ、本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木恭一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(鈴木恭一君) 速記を始めて下さい。 それでは、お話し合いによりまして、本案に対する審議は、一時中断いたしまして、次の審議に移ることといたします。
○委員長(鈴木恭一君) 郵便貯金法の一部を改正する法律案について、別に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木恭一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に、御発言もなければ、討論はないものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木恭一君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。 これより採決に入ります。郵便貯金法の一部を改正する法律案、内閣提出、衆議院送付を問題に供します。 本案を原案通り可決することに賛成の方の御挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(鈴木恭一君) 挙手多数と認めます。よって本案は、多数をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成その他につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木恭一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
○委員長(鈴木恭一君) 次に、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案、内閣提出、衆議院送付の審査に戻ります。 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
○野上元君 ただいま議題となりました簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、日本社会党を代表いたしまして、次の付帯決議を付し、賛成の意を表します。 ただいまから付帯決議を朗読いたしますので、満場の御賛成をいただきたいと存じます。 以上でございます。
○委員長(鈴木恭一君) 別に御発言もなければ、討論は尽きたものと認めて、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木恭一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 これより採決に入ります。簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案、内閣提出、衆議院送付を問題に供します。 本案を原案通り可決することに、賛成の方の御挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(鈴木恭一君) 挙手全員と認めます。よって本案は、全会一致をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。 次に、討論中に述べられました野上委員提出の付帯決議案を議題といたします。 右、付帯決議案を本委員会の決議とすることに、賛成の方の御挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(鈴木恭一君) 挙手全員と認めます。よって野上委員提出の付帯決議案は、全会一致をもって、本委員会の決議とすることに決定いたしました。 郵政大臣より、発言を求められております。これを許します。
○国務大臣(小金義照君) ただいま野上さんから御朗読になりました付帯決議案について、全会一致をもって御賛成がございまして、私ども、その意を体しまして努力をいたす所存でございます。
○委員長(鈴木恭一君) なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成その他につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木恭一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 本日は、これにて散会いたします。 午後三時二十九分散会