逓信委員会 第13号
- 発言数
- 142 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/03/24
会議録
○委員長(鈴木恭一君) ただいまから開会いたします。 参考人の出席要求に関する件を議題といたします。 付託案件の審査及び調査事件の調査のために、今期国会開会中、日本放送協会理事業務局長首藤憲太郎君を参考人として決定することにいたしまして御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木恭一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 —————————————
○委員長(鈴木恭一君) 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件を議題といたします。 前回に引き続きまして、御質疑のある方はどうぞ順次御発言を願います。
○森中守義君 少しく順を追ってお尋ねいたしたい。私がいただいている資料はあるいは多少古いのかもわかりません。といいますのは、予算の非公式の説明の際にいただいた資料のようですから、もしこれに誤りがあれば、そういうように御指摘をしていただけばけっこうでございます。 そこで第一にお尋ねをしたいのは、計画の中で、有線放送が三十六万人分について、今までの半免を全免にする、こういうことがここにあげられておりますが、この免除の対象三十六万人というものは有線放送施設者の中のどの程度の範囲を占めるのか、それを一つ最初に承っておきたいと思います。
○参考人(春日由三君) 森中先年のお尋ねは、有線放送の全施設のうち今免除する三十六万人はどの程度のパーセンテージかという御質問でございますか。
○森中守義君 そういうことでございます。
○参考人(春日由三君) そうしますと、有線放送施設と、それから自分のうちに選択聴取可能のラジオを持っている世帯は約百万と推定されます。そのうちで有線放送のスピーカーだけに頼っている数がその三分の一強で三十六万人という計算になるわけであります。
○森中守義君 それではその百万の中の三分の一である三十六万人ということのようですが、放送法の三十二条の一項、二項、これを基礎にして考えた場合に、ここに言われているのは有線放送のみによるラジオ受信者三十六万に対して、その特殊事情にかんがみ全額免除する、こういう表現を用いております。そこで、三十二条の規定には、明らかに法律によらなければ聴取料の免除はできない、こういう規定なんですね。しかるに、ここに表現されている文言をそのまま解釈すると、放送法三十二条のいわゆる法律しの規定に基づく免除ではなくして、特殊な事情という、いわば認定といいますか、あるいは状況の判断というか、そういうことで三十六万人の全免が行なわれておるとするならば、三十二条との関係はどうなるのか、この辺がちょっと私わかりませんが、お尋ねしておきます。
○参考人(春日由三君) 先生御指摘の放送法三十二条の二項に「協会は、あらかじめ郵政大臣の認可を受けた基準によるのでなければ、前項木文の規定により契約を締結した者から徴収する受信料を免除してはならない。」、こういう二項がございます。従いまして、従来とも、たとえば生活保護法の適用を受けている貧困の方々、それからたとえば義務教育の対象になっておる小学校、中学校の施設、そういうものは一々大臣の認可を受けて免除しているものでございます。従いまして、この有線放送のスピーカーのみによる部分も、当然これは私どもの事業計画を御承認いただいた瞬間に、大臣の認可を受けて免除基準の中にそれを入れていただくわけでございます。それによって法的根拠を求めるわけでございます。
○森中守義君 そこで、大体そういう御説ですと、要するに基準に該当するからそれでいいんだ。その限りにおいては問題ない。しかるに有線放送の二条の定義の中の一、二、三という項目がありますね。この一、二、三いずれをとってみても、有線放送とはこういうように定義されておるということになりますと、私は有線放送でこういうように明確に、たとえば第一号の場合には「一区域内において公衆によって直接聴取されることを目的として、放送を受信しこれを有線電気通信設備によって再送信すること。」、それから三号では、前段は省略しますが、「又は放送を受信しこれを有線電気通信設備によって再送信すること。」というように一号、三号、に有線放送の規定がある。この規定はこの三十二条に私は該当しないんじゃないか、こういうように思うのですが、その辺どうですか。
○参考人(春日由三君) 先生御指摘のように有線放送には、今先生がお読み上げになりました有線放送のつまり定義と申しますか、それと、それから今の放送法の三十二条と比べて考えます場合に、いろんな方法があると思います。たとえば先先のさっきも御指摘になったうちで、それの受信施設とみなすものは何だという規定がございます。その受信施設のいろんな規定を見ますと、スピーカーだけの分を受信施設という解釈をしているわけです。そうするとその条文をそのまま置いておきまして免除するためには、この三十二条の二項の免除基準によって免除する、こういうことが解釈上出てくるわけです。
○森中守義君 これは非常に、もう少し明確にしませんと、私は何もことし限りじゃない。予算全体を見ましてかなり豊富な予算なんです。その意味は、昨年値上げがあったんだから、値上げをした翌年にもうすでに資金が枯渇するとか、財政が窮迫を告げるということじゃ値上げの意味はないから、まあこれはこれで一応別な問題としまして、長い先を考えた場合に、よほど免除の問題は明確にしておかないと困ると思うのです。 もう一つ、そういうことで関係がありますからお尋ねしますが、昨年は半免にしてことし全免にするということになりますと、今春日局長の御説明では、なるほど二条はどういう態様のものかという態様によってきまるんだ。だから三十二条ではこの免除基準に照らして免除できるんだ、こういう御説のようですけれども、昨年は半免にした、ことしは全免にする。その辺がどうも私はおかしいと思う。もちろん法律の施行されたのは有線放送業務の運用規正に関する法律、これは二十七年ですからずいぶん古い歴史を持っているのですよ。たとえば昨年この法律ができたから、昨年の半免には適用されていなかったということであればいいのですけれども、だいぶ古いそういう歴史を持っておる法律が存在しておるのに、昨年まで半免、今年は全免、一体法律的な根拠はどこに求めておるのですか。
○参考人(春日由三君) 御指摘の昨年半免、本年度は全免、いかにも率直に申しまして手ぎわ的にまずいと申しますか、そういう御指摘を受けるという点はあろうかと存じます。しかしこの問題は率直に実情を申し上げますと、すでに一昨年以来、有線放送のいわゆるスピーカーのみによる部分が、これはホーム・ラジオというものが非常に発達し、それから選択聴取が非常にたくさんできるようになった時代において、それをまるまる受信料をそういうようなものからとるのはいかがかというようなことが、国会の御審議のたびごとに出た事実はございます、そういう御意見が。そういたしましたものですから、実は昨年度は予算を国会へ提出いたします場合に、これは今先生の御指摘の条文によりまして、やはりわれわれは受信料の対象とはすべきものだ、しかし明らかにそういう御意見も出ておりますので、有線放送のスピーカーのみの分については施設に対する援助をできるだけいたしまして、そのかわりに受信料はまるまるいただきたいという実は考えを持っておりました。昨年度の実情で申しますと、一億八千万円はこの有線放送のつまり施設に対する助成として予算的に計上したわけでございます。それが御審議の際にそこまで組んであるなら、たまたまその金額がいわゆる半分の受信料に該当するということから、予算を編成し直すことなしに、本年度はそれではわれわれの要望を入れて半免にしろ、しかし次の機会には考えを改めて出てこいよというふうな御意見が御審議の際にございましたものですから、昨年度は予算の許す限りにおいて、可能な限りにおいて半免をいたしまして、次の年度まで実はお預けを願ったような形が実情なんです。それで今年度は先生御指摘のように何とやかっていけるというふうな状態にございますものですから、初めからこれは全額免除しようという思想を持ってこの予算を編成いたしました。ただ御指摘のようにそう言われたから毎年受信料の免除範囲をどんどん拡大するのか、これは私どもとしても十分考えなければならぬ問題で、率直に申しますと、今年度はそのほかに身体障害者、特に盲人については全免の措置をとって、社会政策的な措置をとっております免除という問題につきましては、この辺を限度としていただきたいというような考えを持っておりますので、この際、今まで御議論のあった、御意見のあった部分は、これは全部予算的に見て可能である限りにおいて計上して、こういう予算を提出いたしましたわけであります。従いまして、御指摘のように今後どんどんその範囲が拡大するというと、受信料だけにたよって仕事をしておりますNHKという企業体の財政にも影響することでございます。私どもが見ます限り、このほかに免除しなければならぬ対象というものはもうここまできたらなかろうというふうな判断をしておるわけであります。
○森中守義君 私がこの質問をあえてここに提起しましたのは、これから先の収入の見通しというようなことにも影響するし、それからもう一つの問題は、多少議論が飛躍するかもわかりませんが、今御指摘になったように今年の場合には貧困な身体障害者の対象四十五万、いろいろここに載せてあります。そこで今までのことを顧みてみれば、昨年も一昨年も逐次いわゆる免除の対象が拡大されてきておるわけですね。そういうことになると、たとえば三十二条によって明らかにこれは免除すべきものであるということが法律上規定されておる。あるいは貧困者、身体障害者等についても同様なことがある。しかし法律できまっておるのに、協会の財政を理由にして今年はこれまで、来年はこれまでというような拡げ方がはたしていいことかどうか。やはり法律で規定してあることは、財政がどうあろうとしなくちゃならない。だけれども、さっきの御答弁からいくならば、私はやはり協会の財政を基礎にして拡大もする、あるいは中途半端な——こういうような印象が非常に強い。その辺についてもう少し正確にこの問題がなっておらないと、いろいろ影響するところがあると思う。ですから、もう少し端的に、実は免除すべきであったけれども、財政の理由でできなかったとか、そういうことをもう少しはっきりこの際お聞かせいただいておく方がいいんじゃないかと思う。
○参考人(春日由三君) 非常に御親切な御指摘で、まことにありがたいと思うのでありますが、率直に申しまして、私どもは財政の許す限り何でもかんでも免除を拡大していくという考えは毛頭持っておりません。当然法律で認められまして、私どもの仕事の基礎になっております受信料というものは、できるだけたくさんきちんといただくべきことが筋だと思いますが、やはり全国普及ということを考え、しかもNHKの使命というものを考えますときに、そのうちで、たとえばいわゆる義務教育施設あるいは公共の病院とか、あるいは特に貧困な方々とか、そういう方々にはやはりこういう仕事をしております性質上、仕事がその中でできるならば、免除した方がいいという一つのポリシイを持っているわけです。しかしそのポリシイが、御指摘のように、どこまでも人に言われたら拡げるのかということになりますと、当然協会の将来に響くわけでございますので、この際もう一度繰り返して申し上げますが、本年度の、少なくとも郵政大臣の認可を受けて受信施設があるものから免除するというものは、本年度のこの施策が限度だろうと考えて、そして若干付け加えさしていただければ、割合に受信者の増加が多かったために、まずやり得るという機会をつかまえて、これで正直申し上げますと、ピリオドを打ちたい。そういう最後的の施策と御判断願えれば大へんありがたいと思います。
○森中守義君 西崎局長にお尋ねしておきますが、今春日局長の答弁によりますと、要するに三十六万というものは免除の対象になる、基準の対象になる、こういうお話なんです。しかし私は、有線放送業務の運用の規正に関する法律の、いわゆる定義をしている二条ですね、この一号と二号によって、はたしてそれが該当するかどうかというのは、その実際の態様をよく見ておりませんから、ここで即断は多少危険であるかわかりませんが、いわゆる電波局においては、NHKがおっしゃるように、全免の対象になるというようにお考えですか。
○政府委員(西崎太郎君) 今森中先生から御指摘のように、有線放送業務の運用の規正に関する法律ということで、有線放送業務の定義が第二条にございまして、第一号はいわゆる共同聴取の施設、第二号は告知放送、第三号は街頭放送、ごく平たい言葉で言えば、そういうカテゴリーになるわけでございます。これで今NHKが全額免除の対象と考えているのは、そのうちの第一号に該当する共同聴取のものだと思います。というのは、この経済的な態様というものを考えてみますと、社会政策的に最も考えなければならないのはこの第一号であります。そういうふうに考えているわけであります。そういう意味からしまして、放送法の三十二条の二項によりまする受信料の免除の対象として考えられるものは、その有線放送の業務の規正に関する法律の二条の第一号に該当するものだけであります。こういうふうに考えている次第であります。
○森中守義君 この問題は、いろいろ実際の状況と、この法律を基礎にした見方によっていろいろ研究の余地は私は残されていると思います。従って、その限りにおいて、電波局長あるいは春日局長の御答弁は、無条件にその通りであるというように了承できません。ことに、先般も申し上げましたように、協会の財政を基礎にして半免にする、全免にするという、こういう行き方は、多少私はその根拠において、もちろん協会の財政というものを考えた場合に十分理解できますけれども、この辺はもう少し当事者相互間において明確にしてもらいたいと思う。それと、この際付言しておきますが、やはり規定されたものは、協会の財政がゆるんでいようと、きびしかろうと、やはりすべきである。半免にこの年をした、次は全免だと、協会の財政次第で法律の運用がゆるくもなり、からくもなるということでは、ちょっと私はまずいと思います。この辺特に要望をいたしておきたいと思います。 —————————————
○委員長(鈴木恭一君) ちょっとここでお諮りいたしますが、委員変更についてお知らせいたします。 本日、委員坂本昭君が辞任せられまして、その補欠に鈴木強君が選任せられました。 —————————————
○鈴木強君 関連して。春日局長の御答弁ですと、協会の財政その他の見地に立って、減免の措置については、今回提案をされているものをもって限度としたい、こういうお話でございますが、ちょっと関連をしてお聞きしたいのは、すでに問題になっておりますラジオ、テレビの両方を聴取している方に対する料金の減額措置と申しますか、衆議院段階でも、また本委員会でも昨日問題になったようでございますが、大平官房長官等の発言はどうかと思いますが、少なくも主管の大臣の意見として出されるならばわれわれもわかりますが、そうでない限りにおいては、ちょっと私は行き過ぎだとわれわれ思っているんですが、そういう一連の動きが片方にあるわけでございます。われわれが心配するのは、NHKはあくまで聴取料によって経営をまかなうのが建前ですから、これから拡大飛躍する電波行政について、放送行政に対して、どうやっていくかということは、この経営の面からわれわれ心配するわけでして、そういうことが必ず私は出てくるような気がするんですね。そういうものを除いてほかの減免措置、そういうものはこれが最後だとおっしゃったのか、前者も含めて、私の申し上げたことを含めておっしゃったのか、これは非常に大事な問題でありますから、協会としての立場でいいと思うし、これが政策的に動くことについては、われわれまた国会の立場から十分に意見を申し上げたいと思います。協会の会長以下の執行部の立場からすれば、さっきお話しのあったような態度であるかどうか、その点を明確にしておいていただきたいと思います。
○参考人(小野吉郎君) 先ほど減免の問題につきまして、今回のこの措置が限界と心得ている、このような春日経理局長の答弁はその通りでございます。鈴木先生のただいまの御指摘の受信料をもって企業を運営しております、この財源の根源をなします問題につきましては、これは今の減免の問題とはまた別でございまして、財政上非常にゆとりがあれば、これは料金全体として考えるべきものと思いますし、また、いろいろ事業計面上財源に不足をどうしても来たすということになれば、前々年お願いいたしましたような料金の引き上げというようなこともあろうかと思います。減免の関係といたしましては、先ほど森中先生も根本問題に触れられまして御質問があったわけでございますが、財源の問題ももちろん関係はありましょうが、理念といたしまして、どの程度のものを減免すべきか、この限界は明確にしておかなければならない問題であろうと思います。それがその理念通りにやれるかどうかは、財政の状況にもよるわけでございますが、これは漸次一定の線を、そのように確定いたしますると、財源の状況をにらみながら、一気にできなければ、漸次そのような方向をとるように努めなければならないということになろうかと思います。そういうことで、そのような減免の対象といたしましては、今回考えました在来のものに加えまして有線放送のスピーカー受信者、身体障害者、盲人の方、こういった方面も入れますと、一まずこの辺のところが減免の対象として限界ではないか、このように考えておるのでございまして、料金全般、その他の問題につきましては、これが減免ではなく、料金をどのように財源とにらみ合わせまして設定し得るか、こういう、将来問題であろうと考えております。
○鈴木強君 放送法によってきめられた放送料、テレビ三百円、ラジオ八十五円というこの料金をどう減免するかということについては、別途規定によって適宜やられておる。今度二つの加入者が、聴取者がどういうふうに、八十円にするか七十五円にするか、ひっくるめて三百円にするか、三百五十円にするか知りませんけれども、そういうふうな措置をする場合には、予算総則に書く書かぬは別として、減免措置ではなくして、法律改正を伴ってくる、こういうふうに理解していいわけでしょう、この点は。
○参考人(小野吉郎君) ただいまの問題は、減免の関係でなく、料金政策といたしましての非常に重要な問題であろうと思います。これがいろいろ課題になっておりまして、昨年、昭和三十五年度の予算を御承認をいただきます場合にも、審議の過程でもそのような面について問題点を指摘せられ、これに対して検討をする必要があるというような御質問も受けましたし、また附帯決議をいただいたわけでございます。そういうことで、現在の状況から見ますと、ラジオとテレビを両方持っておられる向きに対しましては、これは両方それぞれ三百円にラジオ八十五円を加えましたものをいただいておるわけでございますが、そこにやはり現実にはもうラジオの受信機は持っておらない、あるいはもうテレビがあるからこれはしまい込んで全然聞いておらぬのだということで、三百円だけ、こういうような料金しかいただいておらない向きもできております。との辺のところに、実態のいかんはともかくといたしまして、いろいろ問題があるわけでございます。料金の負担の構成を変えようというような現象も一部出ておるわけでございます。この点につきましては、ラジオ料金、テレビ料金と、それそれ別のものにしないで、ラジオ、テレビ両方持っておる向きにつきましては、これを合理化した一つの放送料金、こういうものの設定をいたし、その料金の中にはテレビ分幾ら、ラジオ分幾ら、こういうような区分けをしないで、料金設定をするということによって、初めてラジオだけの人は八十五円、テレビとラジオ両方持っておられる向きに対しましては、これはその統一した料金、こういうようなことになれば、これは諸外国もそのような制度をテレビの放送開始にあたってとっておるのが大体の通例でございますし、受信料の問題に対するいろいろな複雑な事情あるいはこの点に関する料金の一般上の疑念が解消できるのではないかというようなことでございまして、この点は将来の検討問題の大きな一つであろうと考えております。
○鈴木強君 だから端的に法律改正をすべきだというようにあなた方の方も考えておるわけでしょう。その点だけ。
○参考人(小野吉郎君) 法律問題といたしましては、もちろんこの方法をいろいろとります場合に、受信料全体の徴収の根拠をどうするかということになりますと、現在のような建前でもありますし、またその辺をもっと明確にする点もあろうかと思います。ということは、料金の承認主義を現在とっておりますので、予算を承認いただきます際に、ラジオ料金はなんぼなんぼ、テレビの料金はなんぼなんぼに承認しよう、こういうようないたし方で御承認を得ておるわけでございますが、これをかりに法定料金主義をとることがいいということになりますと、立法問題になりますが、現在のところでは、やはり予算の承認に関連いたしまして、これの一つの大きな要素といたしまして御承認をいただく、こういう現状を変えた方がいい、こういうようにはまだ考えておらないわけでございます。
○鈴木強君 政務次官、ちょっと今の問題でお尋ねしておきたいんですが、公共事業ですから、NHKのような場合は、予算主義に対して、聴取料というものをきめておるわけですね。これを三本建になると思うのです。私は今の思想からいいますと、テレビはしいておる者から幾ら、ラジオが幾ら、それから今度はテレビ、ラジオの両方の聴視者は幾らというように、そういう三本建になると思うのですよ。その際に、今のような形で国会承認と同時にそれが認められているという形をとるか、あるいは法律にそういう点を規定していく方がいいのか、これは大いに論議があると思うのですが、その辺はまだ検討はなされてないのですか。
○政府委員(森山欽司君) 昭和三十六年度のラジオ及びテレビジョンの受信料の問題につきましては、額自体につきましてもいろいろな御意見が各方面からあったことは御承知の通りでございます。またこの額のみならず、これに関連いたします放送法上の問題、そういう中に、今おっしゃった問題等いろいろあるようでございます。この際は、昭和三十六年度につきましては、従来の形においてこれを実施して、昭和三十七年度については、従来のあり方に再検討を加えて、あらためて出発するということで、郵政省としても意見書を取りまとめておるわけでございます。今回の公共企業体、三十六年度の収支予算ということにつきましての郵政省の関係は、そういう方針のもとにやっておるわけでございます。そういうことで、それらの問題については三十七年度予算編成に間に合うように検討いたしたいということで、現在の段階において明らかにどうしたい、こうしたいということについては、郵政省といたしましてはまだ確固たる結論を得ておらないわけでございますし、また事柄の性質上は、従来の見地から申しますれば、NHKがその基本ですね、きめないということでもございますから、手続としてはNHK内部としても料金問題、またこれに関連する事項についての調査は早急に進められるはずでございます。これと並行し、あるいはこれの結論を待って、郵政省としてこの問題をあらためて検討して参りたい。こういうような状況でございます。
○鈴木強君 もう一つ簡単に、もうこれで終りますがね。私はこのNHKというのは、御承知の通り公共企業体でありましても、かなり自主性と独立性というものを協会に与えておると思うのですね。という本来の立場だと思います。ですからこの料金設定については、特に公共的な立場にあるわけですから、法律によって縛るか、あるいは現行でいくかということについても、御検討中でございますようですが、その際に一つ協会側の意見もまだあまり固まっておらないようですから、十分に一つ当事者の意見もお聞きになった上で、慎重に一つ決定していただくようにこの際お願いしておきます。
○森中守義君 それから調査研究費の問題ですがね、これは予算の中では八億五千四百四十七万ですか、計上されておりますね。で、この中に例の放送法の三十五条によって政府の交付金は幾ら出ておりますか、一つ両方から御答弁願いたい。
○参考人(春日由三君) この調査研究費の予算の中には、政府の研究命令がございませんですから、当然政府からいただく金は一銭も入っておりません。
○森中守義君 これは多少議論になりますが、ことしのように全体を通してみて協会の予算が割に潤沢である、昨年の料金改定によってですね。ことしあるいは来年くらいまではそれでもいいと思うのですよ。しかし調査研究命令というのがはたしてどういうようなものに出るのか、それはよく知りませんが、在来この中で審議をしてきた経緯からいえば、別段国際放送と同じように命令によってやる、やらないと、こういうことよりも、政府としては、協会を大いに発展をしてもらい、公共放送の進展に寄与するということで、国際放送といい、あるいは調査研究の命令といい、出ておるように私は承知しておる。従って、ことしのような場合にはいいいにしても、やはり協会の財政がいい悪いにかかわらず、するべきものは多少ともやっておかないと、事実上放送法というものは死文になるのじゃないか、こういうように私は意見としては思うのです。それで郵政省の場合に、一般会計の予算を要求される際に、そのことは考慮の中に入っていられるのかどうか、幾ら出そうとお考えになったのか、その辺の経緯を西崎局長から承っておきたいと思います。
○政府委員(西崎太郎君) お説のように放送法第三十四条に基づきまして放送に関する研究命令、これが出せるような道が開かれておるわけでありまして、過去におきましても、郵政省としましては、この関係の予算の要求をしたことは何回かあったわけでありますが、遺憾ながら微力にしましてその予算の獲得に成功できなかったわけでありまするが、われわれの方としましては、もちろん、この協会の放送に対する研究というものに対しましては重大な関心を払っておるわけでございます。まあ、この関係の予算の成立するしないは別としまして、常にこの研究の取り上げる問題につきましては、いろいろわれわれの方の考え方と意見をお話しする機会は持っておるわけであります。なお将来われわれの方としましても、この三十四条に基づきます研究費の獲得というものにつきましてはできるだけ努力して参りたい、こういうふうに思っております。
○森中守義君 その問題はこれ以上触れませんが、できるだけそういう趣旨のもとに、将来は大いに一つ法律が空文にならないように、当局の善意ある実行を特にお願いしておきたいと思います。 それからもう一つ聞きますが、この中に僻地の小中学校に対してテキストの無料配付、こういうことがあります。もちろん協会の財政の許す限り、教育の振興といい、各般の文化の向上のためにこういう措置をおとりになることは、私はけっこうだと思います。ただしかし、問題なのは、僻地に限定をしてテキストを送るということが、はたしてどういうことなのか、きょう私は文部省の関係者に来てもらうようにしておりましたが、衆議院の関係で来れないそうですから、これはやむを得ないにしましても、第一に聞いておきたいのは、教育放送というものは各小中学校、義務教育の中の正規な課程に入っておりますか。
○参考人(春日由三君) 御質問にサイドからお答え申し上げますと、NHKのラジオ、テレビジョンの学校放送というものは、義務教育の教材及び教具として文部省が使うことを認めている形で入っているわけでございます。つまりNHKのラジオ及びテレビジョンの放送を教科課程において利用することが可能なようにきめられているというのが正しいお答えの仕方だと思います。そういたしまして、第二番目に、今の森中先生の御指摘になった僻地になぜ限るのかということでございますが、私どもの方が考えておりますのは、もちろんラジオ、テレビジョンの学校放送は全国あまねく小、中学校で教材及び教具として使われることが好ましいことでございますが、都会地のいわゆる小学校、中学校——ほかの文化財、教財、教具をたくさん持っているところと、それからほとんどラジオ、テレジビョンにたよる以外は教材、教具というものを手元で集められない僻地の場合では、著しく教育の手段において差があるわけであります。そういう意味からいいまして、私どもは小学校、中学校のラジオ及びテレビジョンの施設は、受信料の対象にはなりませんけれども、教育の地域格差をなくするためのやっぱり教育をしなければならぬというふうな考え方から、実は試験的に昨年は三十五周年の記念事業として若干この方法を採用してみたその結果、一年間の実績を見まして、やはり一番必要なのはこの教材、教具に恵まれない僻地のラジオ、テレビジョンにたよる以外に何もないところを優先的に考えるべきではないかということに思いをいたしまして、この僻地というものをまず優先的にきめました。その参考までに申し上げますと、この計画の中には、そのほかにNHKのラジオ、テレビジョンの学校放送を計画的に利用しまして、その結果をNHK及び学校放送教育の全国連盟に資料として提出してくれまして、私どもの翌年度の事業計画やプログラムを作るのに非常に参考になっておりますこの研究指定校というものに限りまして、三十六年度はテキストの無料配付を考えた。この総額はこの予算の中で約三千四百万円年間計上しております。
○森中守義君 大へん協会がその性質上教育に重点を置かれることはけっこうです。しかしここで問題になりますのは、今説明によれば、文部省と大体話がついておる、こういうお話なんですね。しかも予算の額は幾らかといえば三千万円程度、だから協会にしてみても、逆にまた文部省にしてみても、五千万足らずの金だから、それはそれで私は特段に問題に供すべき問題ではないと思う。しかしやはりこの種のことが文部省との間に一応正規の課程の中に入れてもいいというような話であれば、当然これは文部省と話をして、文部省がこの金は出すべきじゃないですか。私はそういう意味で、何もこれは特定の商業ベースに乗せて金を出すわけではないのですから、別にいけないというのではないのですよ。しかしものの道理として、この種のことはやはり学校教育を所管する文部省の方に協会としては、どうでしょう、学校放送にはうんと力点を入れます、しかし教材程度については文部省の方で考慮してもらえないか、額は三千万程度ですから、それそのものを問題にするのではなくて、ものの順序として、そういうふうな措置がとられていいのではないか。これはあとにも私はいろいろ問題を出しますけれども、何しろ昨年のあの料金の問題のときに、ずいぶん皆さん御心配になって、私とももいろいろ気を使いました。ことに、前の野村会長は、ここに来られて、料金の値上げということはこれは一つの悪である——まだ私はそれを忘れない。そのくらい真剣に考えて、聴取料というものは上がっておるのですよ。そういう経過から考えていけば、やはり出すものについてはおのずから筋がなければならない。こういうふうに見て参りますと、やはりこの教育関係に対しては文部省とお話し合いされて、文部省の予算の中に計上していくべきじゃなかろうか、こう思うのですが、多少議論めいてきましたけれども、こういうことに対する協会の御意見を一つ聞かしてもらいたい。
○参考人(春日由三君) 私の答弁のまずさから若干先生に誤解がおありのようでございますが、ラジオ及びテレビジョンのいわゆる学校放送という番組そのものが、学校教育の教材、教具として使われることは文部省の認めるところでございますが、この僻地にテキストを無料で配布するということ自体は、文部省の了解を得たとか相談をしたという性質のものではないわけでございまして、NHK自体が、日本の小、中学校義務教育の振興のためとか、あるいは率直に申しますと、小、中学生というものは、将来の受信者として最も大切な要素にもなっておりますので、普及発達を兼ねて、NHKだけがやっております教育放送の利用促進をはかる一つの手段として考えたわけでございます。従いまして、御意見のように、NHKのラジオ、テレビジョンの教育放送を積極的に利用させるために、文部省自体がそれに必要なテキストを、たとえば予算を組んで買い上げて配布したらどうかというふうな御意見も、もちろんあると思うのでございますが、私ども計画いたしましたこのテキストの無料配布の問題は、そういう意味でなされたことでございまして、文部省の指示を受けたとか、文部省と御相談したとかという性質のものではございません。
○森中守義君 わかりました。それからその次に聞きたいのは、演奏所整備計画として三十二億四千七百万円、組んでありますね。この中に、東京においては来たるべきオリンピックを目標として施設の整備を進める、こういうことですが、三十二億の中に、オリンピック関係の設備改善費は幾ら入っておりますか。
○参考人(春日由三君) 直接オリンピック関係の四年後を目ざしまして、たとえばビデオテープレコーダーの用意をするとか、そういうふうな予算は二億四千万円入っております。しかし、これは、今先生が御指摘になりました演奏所整備計画の中といいますよりも、むしろ、その次の放送設備整備計画の中に入っている金でございまして、この三十二債四千七百万円の内訳は、簡単に申しますと、東京ではオリンピックを目ざして、新しい土地に外国からきた場合に利用できるようなラジオ、テレビジョンの総合施設を作りまして、これは三カ年計画で、ただいま土地の、国有地の獲得を交渉中でございます。ほぼ目鼻がついておりまして、これは昔の三連隊の跡といいますか——にテレビ・センターというものを建設する計画でございます。それとか、あるいは名古屋のスタジオの建設とか、あるいは地方におきましては仙台、金沢、新潟、松本、盛岡、室蘭、鹿児島、青森、防府といった、木造で老廃している施設とか、あるいは戦災を受けた施設とか、そういうものを建てかえて、それからテレビジョンのローカルをやるスタジオを作る、そういったような種類の、主として演奏所整備計画というのはスタジオ施設を中心にした予算でございます。
○森中守義君 そうしますと、今のお話ですと、半分がオリンピックのために計画をする。しかし半分は、協会の五カ年計画の一環として総合的な整備計画による、こういう二段がまえのように受け取ったのですが、その通りですか。すなわち、オリンピックはオリンピックとして特別に設備をしなくちゃならぬから、その関係の予算は別個に計画上立てる、こういうことになっておるのか、各年度の中にそういうものを織り込んでいくというのか、その辺がはっきりいたしません。
○参考人(春日由三君) 主体はあくまでも協会の五カ年計画に基づいた事業拡充のための計画でございます。その中に、たまたま四年後のオリンピックというものが、日本放送協会としても非常に大きな一つの要素でございますから、で、逐年、三十六年度からオリンピックまでの間に、オリンピックに使い得る機械または施設を、一挙にその際獲得するというわけには参りませんから、当然それを本来業務として使えるものを、早期手配的な要素を入れまして、四年計画で完成していく、こういう考え方でございますから、本体はあくまでも協会自体の使命達成のための施設でございます。
○森中守義君 それから、今度はその要員の関係ですが、現行人数の一万一千八百六十五名に対して一万三千百三十五名ということで、約二千名近く人がふえるようですが、これはきのう私がお願いした職員の配置基準という資料をちょうだいしておりますけれども、どういうことなんでございましょうか。要するに、この施設がうんとふえていったとか、あるいは聴取者がふえていく、そういうようなことで、こういうように二千名と、いきなりぽんと数字が出るのですか、それとも、何か積算の根拠があるのですか。
○参考人(春日由三君) いずれも積算の根拠がございますわけで、今御指摘のように、いろいろな要素が入るわけであります。たとえば具体的に申しますと、三十六年度計画でテレビジョンの放送時間を、いわゆる総合テレビジョンで二時間増す、それから教育テレビジョンも一時間半増すということになりますと、このために必要なプログラムの要員、それから技術の要員、そういうものが、お手もとに出しましたいわゆる積算の資料によってふえてくるわけでございます。さらに、三十六年度、全国で通信網を三十カ所増すという場合には、それに見合う記者の増員というものが必要になって参るわけで、それからテレビジョン局では、最初は全中番組だけ見られればいいという施設をしておりましたのが、逐次各局でローカルをやるようになりましたので、ローカルの瞬間に対応するカメラマンその他の増員というととも必要になって参るわけであります。そのほかに、今御指摘になりましたように、受信者の、受信契約者の数が変わって参りますれば、それに応じて、昨日申し上げましたように、たとえば二カ月集金で、一人当たりの集金員が五千二百を持つということになれば、それの倍数をかけていって、たとえば受信契約関係だけで申しますと、二百四十三人という計算が出て参ります。そういう一切の数を入れましたものが、御指摘の三十五年度と三十六年度の定員の差でございます。
○森中守義君 それから、要するにまあこの収支予算の中でこういうものがありますね。ラジオの場合に、欠損の見越し額が二億九百三十六万七千円、テレビの場合が四億三百八十三万円、こういうように、要するに欠損見越し額が出ております。で、これは全部もう打ち切るのだというように、この中で言われておりますが、この欠損というものはどういう意味のものですか。
○参考人(春日由三君) この受信料の、受信契約者の数がまず確定いたしますが、その数から全部所定の受信料を百パーセントとれる場合には、この数字は出て参らないのであります。しかしながら、予算を組みまして、年度末までに、ラジオ、テレビジョン、それぞれにおきまして、若干の、契約はしておるのだがお金を払ってもらえない、つまり先方から見れば一種の借金になる体のものがございます。これは一応この欠損償却の見込額として計上いたしておりまして、打ち切るわけではございません。翌年度——今までの実例によりますと、約半数以下でございますが、回収可能なわけでございます。ですから、三年間にわたりまして、ここで見込んだ数字が、来年度正確な数字となって、半数なら半数が入ってさましたら、それはつまり収入に入れまして、それでもう一年待って、三年目にそれのほんとうの欠損のときに落ちていく、いわゆる回収不能の金額になる。そういうやり方で従来ともやっておるわけでございます。でございますから、あくまでも一応ここに載っておりますのは、来年度ラジオ、テレビジョンの受信料は幾らだけれども、そのうちの具体的に申しますと、おそらくラジオにおきましては二・一%くらいテレビジョンにおきましては一・五%くらいが年度末までに回収することができなかろうという推定に基づく数字でございます。
○森中守義君 そういうことになりますと、結局予算総則の七条に使ってよろしい、七条の一項、二項、これに充当することができるということになりますか。すなわち二億九百三十六万円のラジオの場合、テレビの四億三百八十三万円の場合、これが三十六年度の中に全部とれないとは思えない。要するにいわば一種の不確定といいますか、不確定な収入の要素のようなことになっている。一種の債権でしょう……、債務でしょう。そうなるとこの中からラジオへ一億入った、あるいは欠損から二億入ったというような場合には、予算総則の七条一項、二項に充当することができる、こういうことになりませんか。
○参考人(春日由三君) そういう解釈ではないのでございます。未収金というものは、さつき申しましたように、これはとれないであろうという数字でございます。今度その次の予算を組むときには、未収金の中からこれくらいが入るだろうということは、年度当初の予算で組んでおる。でございますから、それは当然入ってくる金の予測も同時にしておるのであります。七条一項、二項の適用をする場合には、この予算書に組みましたラジオが幾ら、テレビジョンが幾らという見通しをさらに上回って入ってきたお金をどう使うかという使い方が、七条の一項、二項の規定でございます。つまりこれによりますと、来年度はテレビジョンが二百万ふえるであろう、それからラジオは百六十万減るであろうという推定に基づきまして収入を見た予算を組んでおるわけでございます。それを上回って受信者が期の中途にふえたことによって収入が、この予算に組みました収入よりも上回った場合に、それは一々国会に承認を得るわけにいきませんですから、経営委員会の議決を経て、どういうところに使うかというその使い方をきめましたのが一項、二項でございます。
○森中守義君 私はちょっとこれをこのまま受け取っておるわけですが、ラジオの場合とテレビの場合、三十六年度の協会の収入見積りには入れない、控除すると書いてある。そういうことになりますと、今春日局長の言われたのは、それも一応収入見積りは入っているのだ、こういうお話ですから、これはこの文書がほんとうなのか、どっちがほんとうですか。
○参考人(春日由三君) 先生の御指摘の点は、予算を組みます——事業計画と、それから御指摘になっておりますのは、おそらく三十六年度の資金計画のところだと思うのでございます。ですから予算的には、受信者の数のふえたものは全部お金が入る計算で予算を組む。ところが資金計画の場合は、現実のお金の動きでございますから、そのうちのおそらく何%とれなかろうというものは初めから抜いて資金計画をしているわけであります。でございますから、予算書と資金計画の数字が合わないというのは、これはいつの場合でもそうなんでございます。
○森中守義君 それからもう一つこまかいことですけれども、三十六年度の長期借入金が十三億六千万円、それからこれに対して返済金——長期借入金の返済金が九億三百十六万、こういうふうになっておりますね。そこでこれを文言通りに解釈していくならば、いわゆる実際上の借入金による使用額というものは、その差額である四億弱、こういうことになるようですが、そういうように私は考えるならば、十三億借りて九億返すのだから、残り四億しかないんじゃないか。それならば何もぎょうぎょうしく長期借入金というものを借り入れする必要はないんじゃないか、こういうように思うのですが、この関係はどうなんですか。
○参考人(春日由三君) まず最初の方の返す方のお金でございますが、この十ページの予算書の資本支出の方をごらん願いますと、諸返還金十億九百九十六万円とございます。この十億九百九十六万円の内訳は、来年度償還期限が来ております放送債券の返さなければならぬ分の一億六百八十万と、過去において借金をいたしまして来年度に返す時期にきております九億三百十六万、これがその内訳でございます。従いまして、予算でございますから、来年度新しい建設をするために必要な金はこれだけある。そのうち放送債券によるものが四十億、借入金によるものが十三億、これはどうしても建設に必要なお金でございますから、それをまず資本収入の方に立てるわけでございますから、これは返還金の方は、いずれも来年度三十六年度返還期限の来ております過去の借金及び過去の放送債券の来年度返還期限の来ておりますものの集積でございますから、ですからこっちからこっちを引いたらという議論もございましょうけれども、これは予算上、返す方は過去に借りた借金の返す時期の来ている金でございます。それから借りる方は、将来返すのでございますが、何年間か建設に使って、やはり一定の返還計画を立てて返していくお金でございます。そういうふうに御理解願いたいと思います。
○森中守義君 それでわかりました。結局十三億借りたけれども、今までの借金があるから、その分として九億返さなくちゃならぬ、こういうことなんですね。そこで、これはもう実際問題としてわかりますよ。わかるけれども、借入金がだんだんふえていけば、ことしは九億と十三億で四億開いております これから先だんだん借入金がたまっていけば、要するに逆に返す方が多くなるというようなことも起こり得ると私は思うのですがね。そういうことではたして借入金という価値があるかどうか、どう思いますか。
○参考人(春日由三君) 建設が著しく進みます段階においては相当お金を借りまして建設をいたします。建設をいたしました結果受信者が伸びて参る。その受信者の収入をもちまして一定のやはり返還計画を立ててお金を返していく、こういう長期財政のやり方をしているわけでございますから、ある年度をとらえてごらんになりますと、なるほど建設費も、お金が要らなくなっているから借りる方は少なくて、返す方が多くなるという時期もございます。しかし、これはいずれも長期借金の場合も、放送債券の発行の場合も、各年度においてどの程度借りてどの程度返していき、それが受信料収入から見て可能であるという財政的な見通しを立てて予算を組んで執行するわけでございますから、ある年度をつかまえますと、御指摘のような場合が現象としてはあるのでございます。しかし、長い見通しとしては、それが借り入れで建設する分と、それから将来建設が進んだことによって受信がふえて、それが返す分とが見合っているような組み方をしておれば安全だ、こういうふうな考え方をとっているわけでございます。
○森中守義君 多少議論になりますが、できるだけこういう現象は好ましくはない、財政上は。しかも、ことしの協会の予算を一べつした場合に、すこぶる窮迫している予算と私は思わない。非常に潤沢な予算です。ことに郵政の予算等に比べますと殿様予算、私はあえてそう思う。そういうような、協会のことし、あるいは来年もこういう状態がおそらくは続くでしょう。従って、やはり建設には借入金というものは往々にしてこれはあり得ることですけれども、いいときにはいいように、できるだけ借入金の方を押えておいて返還に充てていく。自己財源でそっちの方に向けるという方針がことしあたりはとられてよかったのじゃないか、こう思う。ただその取引の銀行等の関係もございましょうから、一応借りるものは借りなくちゃいかぬのだということであれば別ですけれども、やはり協会のことしのような財政は来年も続くでありましょうが、そういう特定の時期には時期にふさわしいような私はやり方がよかったのじゃないか、こう思うのですが、どうですか。
○参考人(春日由三君) 実は御指摘のように、三十五年度と三十六年度と比較いたしまして、三十六年度の財政はおかげさまで非常に飛躍的に伸びております関係から、三十六年度はできるだけお金を借りずに建設させていただきたい。しかも将来建設するものはなかなか収支相償わない。リレー・ステーションみたいなものを作るのですから、必ず作っても受信者がそれに応じてふえてくるものでもないという諸般の事情を考えまして本予算書ではその事業計画の中に、二十五ページに書いておきましたように、受信料収入から九億三千万円を地方のリレー・ステーションその他の建設に充てるために回しまして、その分借金をしないで済むようにし、将来の財政の安定もはかった、こういう予算を組んでおりますので、全くその点は先生の御指摘になられたように予算を組んだわけです。
○森中守義君 それは後ほどもう少し詳しくお尋ねすることにしまして、もう一つ聞いておきますが、お出しいただいた五カ年計画の進捗状況、この最後のページに三十六年度、七年度いわゆる建設の予定局がある。しかるに、これは何もあげ足をとるわけじゃありませんが、五カ年計画はおおむね順調である、こういうことが昨日大臣からも、あるいは会長からも提案理由の説明のときに述べられております。しかるにこの内容を見ると、もちろん第一放送、第二放送、FM、総合、教育、小電力局というようにそれぞれ工事の内容が違いますから一がいには言えませんけれども、大体計画の総数が二百七十六なんです。これに対して三十六年度、三十七年度、五カ年計画の終了年度まで百六十残っております。これをただ数字として見た場合に、二百七十六に対して百六十残っておるということは、やはり正しい状態における進捗工程ではないんじゃないか。もちろんこの中に言われているように、三十四年までは予定されていないで三十五年度以降の予定局が多いようですから、それはFM等の出現によりましてやむを得なかった措置であったかと思いますが、特に三十七年度は小電力局で五十八、それから教育放送で二十七、総合で二、FMで九、第二放送で十一、第一放送で十二、こういうように相当予定局が多い、こういうように見てきた場合にはたして、五カ年計画は来年度で終わるわけですが、終了の見通しはありますか。
○参考人(春日由三君) 先生のただいま御指摘になりました資料が、若干違っていると思うのでありますが、きのう御要求をいただきまして本日お手元に提出いたしました提出資料の最初のページをごらん願いたいと思います。それで御説明申し上げます。三十三年度に置局五カ年計画を立てましたときには、ラジオの第一放送、第二放送の全国難聴地区の解消とテレビジョンの教育の基幹局四十九局を作るということは、五カ年計画の主たる目的でございました。そしてそこに一覧表で出ておりますように、ラジオの第一、第二につきましては、ほぼ計画通り進んで参りましても、なおかつ三十七年度に七局ずつ赤い数字が残っておりますが、その一番下の二本の線を引きました下をごらんいただきますと、カバレージというところがございます。そのカバレージのところで、五カ年計画では計画通り作りましても、第一放送で九九・四%しかカバーできないという計画でございましたのが、置局だけではございませんで、増局その他を一緒に実行いたしましたために、実行上は九九・七%のカバレージになっておりますから、五カ年計画を上回った効果が出ている。第二放送においても〇・九%くらいの大体同じような数字が出ております。それからテレビジョンにつきましては、ただいま申しましたように、総合テレビジョンの基幹局の四十九局のうち、すでにそれまでに九局できておりましたから、三十三年度の当初では四十二局が頭でございますが、それを予定通りやりまして、カバレージにおいてはほぼ一致しておる。ところが教育テレビジョンにつきましては、御承知のように私どもは四十九局、総合と同じような場所に基幹局を作る予定でございましたのが、チャンネル・プランが、つまり教育テレビのチャンネルがもらえない地域が非常にございまして、一昨年の暮れに至りましてようやく四十九局のうち三十局いただきましたので、電監局長からお話がありましたように、今度十二チャンネルを使うことによりまして、NHKの教育テレビジョンが基幹局が総合と同じようにできるような目標がつきましたものですから、教育テレビジョンにつきましては、当初の何もないときに計画いたしましたものに若干おくれております。これは取り戻しをいたします。こういうようにお読みいただきたいと思います。 それからテレビジョンの小電力局につきまして、実はこれも電監局長からきのうお話がございましたように、教育テレビジョンのあとに地方のいわゆるブースター、サテライト局として、第二次チャンネル・プランに入るわけであります。ですから、先生の御指摘になった局数では、ほぼ第二次チャンネル・プランが実行できれば、三十六年度を起点として約三年間に全部作り得ると、こういうことになるわけでありまして、五カ年計画は、チャンネル・プランによりますものはほぼ順調に進み、チャンネル・プランになかったものは若干おくれておりますが、これは取り戻しするために努力いたします。こういうお答えを申し上げた方がよいと思います。
○森中守義君 それで細部にわたる答弁を一応これで承ったわけですが、総体的な問題としまして、お出しいただいている内容からいきますと、ラジオは大体三十六年度の予算規模の中に九十六億入っております。しかも廃止が三百三十万、相当膨大になっておる。それに新規が九十九万で、結局一千百十五万人程度がこの年度初頭に織り込まれておるようです。これらをずっと差し引いていけば、やや八百万ということになりますね。かなり減少からいくならばひどい。しかも冒頭にお尋ねいたしました有線放送を全部引いていく、いわゆる全免の対象者が漸次拡大をされた影響にもよりましょうが、すでに一千万台をはるかに割って八百万台になっておる。しかもテレビの方が急激に伸びたということからすれば、ラジオはこれから先どういうようになっていくのか、大よそどの程度——八百万台でとまるのか、八百万割って七百万に下るのか、さらに下って六百万、五百万台ということになるのか、その辺の見通しはどうなんですか。
○参考人(春日由三君) なかなかむずかしい問題でございますが、率直に申しまして、テレビジョンの地域におきましては、いわゆるラジオとテレビジョンの両方持って両方利用しておる世帯というものは圧倒的に多かったわけであります。ところがテレビジョンの受信契約者が月収二万五千円から二万、来年あたりは一万七千円というふうに下がって参りますと、現実問題といたしましては、御指摘のようにテレビジョンを持った世帯はラジオの契約を廃止していく、その中に実際ポータブルを持ったりいろいろな方々があると思いますが、現実にはテレビジョンを持ったことによって、たとえば非常に小さな家なんか、テレビジョンが全時間放送になれば、ラジオの代用ができるというような現象もあるということになりまして、私たちの長い間の見通しでは、テレビジョンが今後契約が伸びるに応じましてラジオ受信契約者は減っていくだろうと、こういう見通しを立てておりますので、ただいま先生のおっしゃられましたように、ラジオはどういうように減っていくかという見通しでございますと、三十六年度は滅が百六十万で、ほかに今言いますように七十万程度——有線放送の三十六万程度ございますので、二百三十万減るというふうに計算を出しておりますが、三十七年度も百六十万くらい、努力しても減るのじゃないか。三十八年度は若干それより少なくなって百三十四万くらい減るのじゃなかろうか、三十九年度あたりで八十万くらい減るのじゃなかろうか、四十年で七十万くらい減るのじゃなかろうかというふうな見通しをいたしますと、四十年度の当初では、ラジオは五百万世帯程度であり、四十年度の末では四百三十四、五万世帯になるのではなかろうかという一応の見通しを立てております。 テレビジョンにつきましては、今御指摘のように、三十六年度に二百万、それからあとはそう著しくはふえないと思いますが、百六十万、百四十万、百万というふうにふえて参りまして、四十年度の最後には千三百二十四万世帯ぐらいになるのではなかろうかという見通しを立てておるわけであります。そういたしますと、昨秋の国勢調査で、日本の全世帯数が約二千万という数字が出ておりまして、毎年その若干ずつがふえていくというので、今申しました四十年度末のテレビジョンの千三百万と、ラジオの四百三十万あたりを足しました千七百万から八百万というのが、ラジオ・プロパーの時代の全世帯に対する普及率、マキシマム八〇%くらいをかけたところが一応見通せるのではなかろうか。こんなふうな一応の見通しを持っておるわけでありますが、これはもちろん、非常に長い先のことでございますので、受信料のあり方とか、あるいはNHKのいろいろの施策とかということと見合う形になるわけでありますので、正確な数を申し上げるわけにいきませんが、一応部内で持っております手持ち資料によればそういうことを考えておるわけであります。
○森中守義君 今の御説明で非常にはっきりいたしましたが、それによりますと、たとえラジオが五百万を割り、三百万台になっても、逆にテレビが伸びていくということで、昨年あるいは本年の予算が大体四百億ですね。しかも老朽施設の改善とか、その他各般の施策をやっていっても、四百億程度の予算の中で十分消化し得る。しかも所得倍増とか、いろいろ問題がありますが、そういう経済情勢と見合っても、大よそ今お話しになりましたようなラジオ、テレビの状況が持続する限りにおいては、協会の予算というものは、さして窮迫状態には陥らない、こういうふうに私は思いますが、そういう見通しでございますか。
○参考人(春日由三君) この見通しは非常にむずかしいわけでございますが、先ほども申し上げましたように、今度の第二次チャンネル・プランがテレビジョンの場合きまりますと、全国百二十カ所ぐらいいわゆるブースター局、サテライト局を建設しなければならぬ。それでもなおかつ八六、七%の普及率で、それからあとの三%とか四%を獲得する、いわゆる全部見えるようにするために、おそらく第三次チャンネル・プランがやはり必要になってくるであろうと思います。従いまして、この百パーセントを実現するために、将来の置局計画をどうするかということと、収入との見合いがございます。かたがた、受信料の額そのものが今のままでいくという見通しでございますれば、御指摘のように、さっきの数字をお金に直しますと、三十四年度末は五百億くらいの収入があるという見通しがつきますけれども、これは五年先でございますから、たとえばテレビジョンが全時間放送になり、番組み単価がどういうふうに変わるか、給与がどういうふうに変わるか、さらに一番大きい問題は、今後の置局をどうするかというふうないろいろのものと見合って立てなければならないと思いますので、さっきから御説明いたしておりますように、三十三年度を起点といたしました五カ年計画は三十七年度で一応終わるわけでございます。その計画には、今申しました第二次チャンネル・プラン、第三次チャンネル・プラン、あるいはFMというようなものは一応入ってない計画でございますので、当然私どもといたしましては、この予算を御承認願ったら、すぐに受信料の安定的なあり方を研究すると同時に、やはりそれをやるためには、三十七年度を起点とした、一年オーバー・ラップした第二次五カ年計画というものを作りまして、それによって長期の見通しを立てなければならぬ、こんなふうに考えているわけでございます。
○森中守義君 そこで、先だって官房長官が参議院の議運で発言をしたり、あるいは方々で、もうすでにラジオの料金はとらなくていいんじゃないか、こういう話が方々に出ているようです。それで具体的な問題になりますが、今経理同長のお話からいけば、大体ラジオの場合には五百万にもうなるだろう。そうしますと四十億にしかならないのですね。かりにことしのように財政規模が四百億であるとすれば、十分の一しかない。そういうことになれば、おそらく、まあこれから先議論がどういうふうに展開していくかわかりませんが、全体の十分の一あるいは十二分の一になるかもわからない。そういうことになると、いっそ思い切ってこの際もうラジオをとらないというような意見は協会の方ではお考えでないのですか。
○参考人(春日由三君) 非常にむずかしい御質問でございますが、原則的に申しますと、先生から冒頭に御指摘を受けましたように、NHKの仕舞というものは、ラジオとテレビジョンの受信料収入でまかなう以外にほかに収入がないわけでございます。収入がただで仕事が残るという形が、それは総体のワクの中で、そういう考え方もあり得るかと思いますが、今の御質問に端的にお答えすれば、仕事をしながらその仕事のもとになるものがただだという考え方は、ちょっと立ちにくいのじゃなかろうかと思うのでございます。しかし、これはラジオ、テレビジョンというものが、やはり一つの企業体でやっておりますいわゆる兄弟みたいな、一心同体の仕事であるということから考えてみますれば、受信料の立て方あるいは将来の仕事の計画、その他とにらみ合わせまして、この一年間慎重に検討させていただいて結論を出したい。こんなふうに考えているわけでございます。
○森中守義君 よくわかりました。まあ私もそのことに対しての意見は留保することにしまして、ただ実際問題としては、全体の予算規模の中に占めるラジオの収入というものは十分の一ないしは十二分の一というように非常に小額である。この事実は今お話しになった経過からしても動かすことができないと思う。まあ、しかしそのことは議論になりますからここでは保留いたしますが、最後にもう一つ承っておきますけれども、大体ことしのこの予算の中に示されているラジオ及びテレビの状態からいけば、ほぼテレビの場合に八百万を越しますね、ことしは。おそらく来年は一千万になるだろう。さっき言われた通り。それで一千万になればまず三百億の収入があるわけです。テレビの場合ですね。三百円だからそうでしょう、三百億の収入になる。大体三百億の収入と借入金あるいは放送債券、こういうものを比べていけば、大体協会の財政というものは、ここ数年間の展望の中から出るものはいわゆる健全財政である。こういうふうに私は思うのですが、どうですか。
○参考人(春日由三君) もし一千万になったといたしますと、テレビジョンだけで、御指摘のように月額三百円でございますから、年間三千六百円でございますから、三百六十億ということになると思うのでございます。本年度の受信料収入はほぼ同じような、ラジオ、テレビジョン両方を足しますと、同じような数字が出ております。現在のままの仕事をし、現在のままの給与で足踏みをし、人をふやさないでというような考え方でございますれば、御指摘のような点もわかるような気がいたしますが、何と申しましても、まだこれから何百局もテレビジョン局を作らなければ、放送法に命じられております全国普及の責任は果たせないわけであります。それから放送の時間が増したり、ローカルをやることによって、ローカル放送を充実することによって、職員の教もまだ若干ふえていくと思います。当然その人たちのいわゆる経済情勢の変化で、定期昇給あるいはベース・アップというような事態が出て参ると思うのですが、御指摘のように三百六十億なら当分やっていけるかという御質問ならそういうわけには参らないという御返事を申し上げなければならぬと思うわけであります。
○森中守義君 そこで私はお尋ねした最初に返るわけです。結局あれもこれもたとえばその文部省関係でも、それはそれなりに私はいいと思うのですよ、あるいは有線放送もうんとそういうことをおやりになっていい。しかし問題になるのは、やはり協会の財政がどうなのか、これが基礎になっていろいろお考えにならないと、やはり私は先行きは行き詰まってくる、また料金値上げをしなければならないようになってくる、そういうことを実は多少気にしておいてもいいんじゃないかとこう思うのです。もちろん今年のような場合に少なくとも非常に窮迫財政じゃない、さればきのう野上君から質問がありましたように、職員の処遇の改善等もこういうような際にもう少し考慮をされてもいいんじゃなかろうか、こういうふうにも思うのですが、どうですか。
○参考人(春日由三君) まことにありがたい御注意でございまして、確かに遠い将来を考えますと、著しく受信料の免除とか、それからいわゆる社会政策というものを、いいからといって無制限にやるわけには参らない。しかし、やはりテキスト無料頒布とかいろいろなことも、しょせんは将来の受信者獲得への道でございますので、大いに現在はサービスだが将来を目ざしてというふうな施策はとり続けていきたいと考えております。しかしそういうわけでございますので、実は過去におきましてNHKが著しい物価の変動のない際に、一二%という大幅なベース・アップを給与改定の基礎に計上いたしましたことも、これもまた珍しいケースなんでございまして、この給与の総額をごらんいただきましても、昨年度に比べてもちろん人間もふえておりますが、十九億近い金額を計上いたして、ほかの仕事のどの分よりも比較的多くのパーセンテージを注ぎ込んでおりますのは、御指摘のように、近い将来の協会の財政は、そんなに急激によくなっていくとは思えないというわけで、今年のような際に将来の職員の安定賃金を目ざして、職員制度を新しく指向し、そして安心して働らいていけるような給与体系をとりたい、そのために一二%という相当大幅なベース・アップでございますけれども、そういう考え方でこの給与予算を御承認願いたい、こう考えているわけであります。NHKの総予算とのバランスから見ましても、必ずしも少ない給与原資ではない、こういうふうに考えているわけでございます。
○森中守義君 大体わかりました。電波局長に最後に承っておきますが、これは協会の予算と直接関係があるわけじゃありませんが、この放送局の設置基準ですか、そういうものがありますね、これは内容を見るとかなり重要なところがある。ですから二、三回この委員会でも問題になったようですが、これは近い将来に法制化する必要があるのじゃないですか。
○政府委員(西崎太郎君) 御指摘のように、この放送局の免許というのは、電波法を受けまして、ただいま御指摘の放送局の開設の根本基準という規則によって実際は処分をいたしておるわけでございます。この内容をごらんになりますとおわかりのように、非常に重要な規則でございまして、そういう意味でいろいろな方面から、こういった規則はむしろ法律の中に入れるべきでないかというような議論も承知いたしております。そういう関係で将来電波法とかあるいは放送法改正の場合には、そういう点も一つ十分考慮いたしたい、こういうふうに考えておりま
○森中守義君 この開設の根本的基準を基礎にして皆さんが仕事をやられる際に、これはやはり法制化する必要がある、これで拘束力が弱いというようなことは、具体的な事実問題として感じられたようなことはありませんか。
○政府委員(西崎太郎君) まあ御承知のように放送局の免許というような場合には、ほとんど例外なしに電波監理審議会というところに諮りまして、そこの答申を得まして、またその答申の結果を最大限に尊重して処分いたしておるわけなんで、まあそういう意味でわれわれの方としては、相当万全のかまえで免許をやっておるわけでありまして、特にこれで拘束力が弱いというふうには考えてはおらないのであります。しかし先ほど申し上げましたように、なおこういった重要なものは当然法律事項にすべきだという御意見ももっともだと思いますので、そういうことで今度法律改正の場合には考えて参りたい、こういうふうに考えております。
○委員長(鈴木恭一君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(鈴木恭一君) 速記を始めて。
○山田節男君 ただいま議題になっておるNHKの三十六年度の収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、私は大臣がお見えになりませんから、阿部会長に主として御質問申し上げたいのであります。 過日NHKの三十六周年記念が盛大に行なわれたわけでありますけれども、私この議案を見まして、かつ三十六年のNHKの歴史の中において、何と申しますか、一面においてはNHKの一つの転換期を示しておる、それは転換期と申しますのも、見ようによってはこのままでいけばNHKがもう財政的に行き詰まるのじゃないか、従って五カ年計画の第四年度に入りまして、はたして所期の目的を達せるかどうか、これは私は非常にこの議案を見、またこれが策定されて郵政省の、郵政大臣の承認を得て出せるまでの経過、これはもちろん私は新聞その他で仄聞した範囲で判断するのでありますけれども、この予算の編成については非常に難産である、しかも政党の方からいろいろ圧力もあったというようなことで、これはこういう重大な、もう四百五十億に余る予算案が三月、年度末十日を控えて出されたというようなことから見まして、私はその感をますます深くするわけです。特に阿部会長はこの第一次五カ年計画ができました三十三年度には、やはり経営委員長として御在職であり、そして今度会長として初めてのこの予算をお出しになったわけであります。今これだけ申し上げこの範囲で、阿部会長はこの予算案、収支予算案、事業計画あるいは資金計画で、一体、最高責任者としてどういうお感じを持っていらっしゃるか、これを率直にお伺いしたい。
○参考人(阿部真之助君) お答えいたします。ずっと長い将来の見通しからいいまして、まだ今のところではテレビが増していますからそう不自由は感じないでおりますが、やがてはそのテレビも頭打ちするときがくるだろう、こういうことを考えてみますと、料金を今後きめることについては十分相当長期な見通しをもって、かなりの程度の安定感を持ち得るような、そういう計画を立てなければならぬと思っております。今年度はまだそこの根本的な計画を考えるまでに至らなかったのでありますが、明年度においては十分に一つ衆知を尽くして考えていきたい、かように思っております。
○委員長(鈴木恭一君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(鈴木恭一君) 速記を始めて。
○永岡光治君 官房長官に特に出席を願いましたのは、実はNHKのラジオの聴取料の問題についてですが、先般参議院の議院運営委員会の席上におきまして、わが党の岡委員の質問に対しまして、ラジオの聴取料金というものは廃止の方向に努力すると、こういう趣旨の答弁があったわけですね。これはしかし重要な問題でありまして、後ほどまたちょっと触れてみたいと思うのですが、今同僚の山田委員からも質問されておりますような今日のNHKの財政状況からして、長期の展望に立っての策定もしなければならぬと思うのでありますが、おそらく官房長官があのような発言をする以上は、全然根拠なくして私は発言したものではないと思うのです。何かやはりそういう少なくとも気持がしたのか、それが正しいと考えたのか、あるいはもっともっと根拠があって御発言なさったのか、いずれにしてもやはり当時の池田総理のもとにおける官房長官の発言である以上は、間尺はもとよりでありますが、国会議員のわれわれとしても重要に考えておるわけでありますが、どのような御見解を持っておいでになるのか。あの通り実施されるとすれば、いつごろからやろうというお考えをお持ちになっているのか、その点をお尋ねしたい。
○政府委員(大平正芳君) 永岡委員のお尋ねの点でございますが、NHKのラジオの聴取料の減免という問題は、事実を申し上げますと、政府部内におきましても、自由民主党内におきましても、一つの話題に上っておったことは事実でございます。そこで本日お見えになっております阿部会長御就任のときに、総理大臣のところにごあいさつに参られまして、私も同席いたしまして、その席でこういう問題があるので、と御相談を申し上げたことは事実でございます。しかしNHK側といたしましては、今永岡委員御指摘のように長期の展望に立ちまして、本年度は少なくとも難聴地域の解消、あるいは聴取料の減免範囲の拡張、こういうところが精一ぱいであるということでございまして、明年度以降におきまして検討すべき問題じゃないかと、こういうような御見解を承ったと記憶いたしております。従いまして、そういう事実の過程がございましたので、この間の参議院の議院運営委員会におきまして岡委員から御質問を受けたときに、そういう事実を申し上げて、もしそういう減免の方向に事態を招来できるならば幸甚だ、という心境をもちましてお答え申し上げたわけでございます。しかし、もとよりNHKの予算は国会の所管でございまするし、郵政大臣が御意見をつけられて国会の御判断に待つということになっておりますので、政府の一員である私が独断でそのようなことを公の委員会で申し上げましたことは、顧みて非常に軽率であったと私は存じておるわけでございます。以後そういうことのないように厳に慎んで参りたい、そう考えております。
○永岡光治君 私は軽率であるとか軽率でないとか、そういうことを申し上げているのじゃなくて、今もお話がありましたように、池田総理とNHKの会長がお会いになった際に、池田総理の方からはそういう話があったわけですね。こういう話があるがどうかという話があったというあなたの御説明です。それに対してNHKの会長さんは、すぐはどうもむずかしいだろう、こういう話があったように今のお答えでは受けるわけです。してみると時期は別としてそういう方向に池田総理がお考えを持っておる、考えておる。自民党の内部にも新聞でもしばしばありましたように、そういう何と申しましょうか、値上がりムードだからこれだけはやりたいという気持があったのかどうかしりませんけれども、いずれにしてもそういう空気があるということは事実のようですね。これはきわめて私は重大だと思うわけです。従いまして昨日も郵政大臣に私はただしたわけです。もとよりこれはNHKの会長は、責任を持って料金の問題について検討されることは当然でありましょうが、性格からいたしましてこれは国会の承認を必要とする結果になると私は思う。ですから私はこの点を非常に重大視しているわけです。そこで軽率であるとか何とかいうことじゃなしに、発言の機会がよかったとか悪かったということでなく、そういうお考えを持っているかどうか、これを私はただしているわけです。そういう方向に今行こうとしているのかどうか。昨日の話では、どうも池田総理からは何も話がなかったというNHK会長さんのお話のようでしたけれども、今の官房長官のお話を聞くと、そのことを池田総理から諮問という形式ではなかったでしょうけれども、どうかという話があったということになると、やっぱりこれは大きな問題として考えてみなければならぬと思うのです。それで池田内閣の官房長官——女房役ですから、そういう池田内閣の政策の方向があるのかどうか、こういうことをただしているわけですから、これは率直に一つ話してもらいたいと思うのです。いい、悪いは別の問題ですね、これは。まあ国会として今後審議をしていかなければならぬ問題でありますが、そういう考えを持っておるのかどうかということですね。もう一度はっきりと。
○政府委員(大平正芳君) 事情が許しますれば、NHKのラジオの聴取料につきましては減免の方向に事態が進むことを願望いたしております。
○永岡光治君 そこで郵政大臣にお尋ねしたいわけですが、まああなたも池田内閣の郵政担当大臣ですが、今官房長官のようなお考えでありますが、どのような御見解でございましょうか。
○国務大臣(小金義照君) テレビジョンといわずラジオといわず、料金がなるべく安くあがればこれにこしたことはないのです。ところがNHKというこの放送を担当しておる一つの公共的な機関の経営の源泉ともなるべき財源は、ラジオ及びテレビジョンの受信料がもとでありますので、このただいまの願望なりあるいは希望なりというものはございましても、現実にはNHKの自主的な資金計画とか、あるいは事業計画というようなものと照らし合わせまして、願望は願望として現実の問題として私は取り上げて参りたい、そのためにこの三十六年度の諸般の計画を国会において御承認になりましたならば、三十六年度中に基本的にこの問題を検討してもらいたい、こういう私は立場をとりまた考え方を持っております。
○永岡光治君 そういうまあ見解がありますと、これはまあ私たちも相当関心を持ってこの料金問題は審議して参らなければならぬと思うのでありまするが、三十六年度の予算は自然成立、この四月二日か三日になると思うのですがね。成立を間近に控えているわけですが、いずれにしても予算通過直後において郵政当局としてそういう点について検討される、こういう御答弁のようですが、それについての何か諮問機関か調査機関かを設けられるお考えを持っておいでになるのでしょうか。そのあなたの言う検討というのは、ただ言葉の上で抽象的に言っているのか、何か真剣にそのことを考えようとしているのか、その点を一つはっきり御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(小金義照君) これは今、私NHKが自主的と申しましたが、NHKにそういう機関を設けてもらう、政府としては放送法あるいは電波法というようなものについては適当な機関を設けたい、しかしこれには法的根拠を持った委員会、あるいはまた予算を伴う委員会となると今考えておりますので、これも三十六年度中にこれは別の立場から、あるいは電波というような行政官庁としての立場からそれをやっていこうとしておりますので、NHKの経営関係からはNHKに具体的にやってもらう、政府は特別なものを持とうとは考えておりません。
○永岡光治君 そういたしますと、今大臣のお考えにも、またこの中にも出て参りましたものは、電波法、放送法の改正についての調査機関を持ちたい、それと料金との関係はあるのでしょうか、ないのでしょうか。
○国務大臣(小金義照君) それは直接ございません。これは電波行政の方が主でありまして、NHKは経営の主体でありますから、どこまでもやはり経営主体に主体性を持たしていきたいと思っております。
○永岡光治君 そういたしますと、今度NHKの会長さんにお尋ねするわけですが、池田総理とお話し合ったということですが、あなたそういう話はなかったということですが、その言葉じりはどうでもいいと思うのですけれども、今官房長官なりあるいはまた郵政大臣からこの今の御答弁がありまして、政府全体としては廃止される方向を望んでおる、それから三十六年度の予算ができたならばそういう方向に向かって検討してもらいたい、という意向を郵政大臣は持っておられる、ただしこれは自主的にNHKの方で検討してもらおう。こういうことでありますが、NHKの会長さんとしては、三十六年度の予算が通過した暁において、この料金問題について検討される用意、そしてそれがもしありとするならば、どういう方法で検討されるかということをお尋ねいたしたいと思います。
○参考人(阿部真之助君) ただいま、池田総理とお会いしたとま、私はこの前のときそういう要請をした事実はないとお答えしたのですが、ちょっと話がこんがらがっているように思うのです。というのは、たぶん私がごあいさつに上がったとき雑談でそういうような話が出たと思うのです。私は池田総理にこちらからお会いしようと思って申し出たときは、こちらの事情をお話しただけで、池田総理から何らの意思表示はなかったのです。それでおわかりだろうと思いますが。
○永岡光治君 それはいいです。問いません。
○参考人(阿部真之助君) それから料金体制のことですが、これはNHKにとっても重大な一つの死活にかかる問題でありますから、われわれ当事者自身としても真剣に考えなければならぬ問題ですが、同時にまたNHKは国民、日本のものですから、自分勝手にものをきめるというわけにもいかぬかと思います。できるならば、というよりかも、むしろ私自身にすれば、この予算が通るとすぐ局外の有識者を集めて諮問機関をこしらえて、それのもとに十分一つ調査研究してやろう、それらの結論を尊重して。そしてまたわれわれの考えることをそこからきめて、一つ来年度は新しい立場に立って料金対策を考えてみたい、かように存じております。
○永岡光治君 そこで郵政大臣にもう一度かえってお尋ねしますが、あなた監督の衝にある郵政大臣であるわけでありますが、みずからのところで機関を作るのではなくて、NHKの方にそういう諮問機関を作ってもらいたいという意向があるようでありますが、NHKの会長におきましてもそういう機関を設けたいと、こういうことでありますが、そうしますと、郵政大臣の意向は、NHKの自主性を尊重しようと、NHKの、これは非常に重要な問題だと思うのですよ、その決定……高く自主性を尊重しようというお考えであるのか。その料金についても、やはり郵政大臣は郵政大臣なりに相当の検討はしてみたいと、こういう考えを持っておいでになるのか、それは言葉の上ではわしは一応検討してみるとおっしゃるでしょうけれども、自主性とおっしゃるその気持ですね、気持と……これもはっきりしませんけれども、尊重というのは非常に極端にいえば、そのものずばりの言い方をすれば、全部まかして、その結論をNHKがそのまま尊重するんだと、こういう考えなのかどうかということです。
○国務大臣(小金義照君) 私は郵政大臣としての立場から、責任のある意見を付して国会にこれを提出して御承認を求めなければならないのでありますから、その責任のある意見書を付する際に、これは自分の郵政省の立場としての検討を加えますけれども、諸般の計画なりあるいは収入支出の計数等は、これはやはり、まあ言葉じりではなくしてできるだけ自主性を持たせたい、こう考えております。
○永岡光治君 今度NHKの会長さんにかえってもう一度お尋ねするわけですが、会長の気持としてはそういう調査機関をお持ちになるということは、長い長期展望の上に立ってのおそらく検討だろうと私は理解いたしますが、その際に期待されるあなたの気持ですね、その調査委員会を設けられる、調査会に期待されるあなたの気持ですね、これはやはり料金が安くなることを期待する、国民のために料金を安くしようというお考えなのか、その経営というところに重点を置こうとしているのか、そのウエートの置き方ですね。どちらでございましょう。
○参考人(阿部真之助君) ちょっとお答えがむずかしいのでございますが、むろんこれは経営に重点を置かなければ将来の経営がくずれる、そういうようなことでは困る。しかしよくNHKの経営の真相について、もし私が委託をした諮問委員会にお諮りしたら、われわれの期待するような結論を出していただけるだろうと考えております。むろん委員会をわれわれがリードするとか何とかする、そういう意味じゃないのであります。
○永岡光治君 これ以上お尋ねしませんが、しかしやはり委員会を持ちますと、おたくの方からやはり原案を出されると思うのですね。ただ単にむちゃくちゃにどうぞ研究して下さいというような調査会ってあまり例はないと思うのですね。一応のNHKの立場なりを持ちつつ資料を提供して、その上であなた方の意向がその調査会でいれられるかどうか、これは別の問題でありましょうが、そういう意味で私はちょっと聞いてみただけですから、これは答弁要りません。要りませんが、そうするとやはり料金をできるだけ国民のために安くしたいという気持でおると、そういう観点に立っての調査機関を持ちたいと、こういうように理解してよろしいんでしょうか。
○参考人(阿部真之助君) 原則とすれば別にNHKは余分に取ってふところを楽にする気持はちっともないのでございますから、できるだけ聴取者の負担は少なくしたい、かように考えております。結論はどう出ますか、いましばらく一つお待ちを願いたいと思います。
○森中守義君 官房長官に、別にここで議論を展開するというわけじゃありませんが、実は昨年協会の料金の改定が行なわれたわけです。その際にも実は今官房長官がお答えになったような議論も確かに一部にあったことは私ども知っております。しかしそれらのことも含めていま一応現行のままの方がよかろう、何となれば時々刻々と伸展をしていく放送文化といいますか、あるいは放送技術といいますか、そういうような趨勢に対応する時期においてはやはり存置せざるを得ないというようなことが、両院の関係委員会におけるほぼ全会一致の意見であったわけです。それで今ここで実は三十六年度の協会予算を審議しているわけですが、協会予算の内容を見ましても、やはりこれから先数年間の展望を試みた場合に、お説のようなことがかりに実施されるということになりますと、相当これは衝撃を受けるわけです。ことに郵政大臣御不在だったので政府関係の者に承ったのですが、実はたとえば国際放送の問題あるいは研究費の問題、こういうのも元来ならば協会に対して交付あるいは助成すべき内君のものが法律的にはあります。しかし実際問題としては、たとえば国際放送に約四億程度協会の予算は組んでいるようですけれども、それに対して政府の方は幾ら出しているかということになりますと、約一億二千万、だからそれは何も政府命令によって国際放送をする場合と、自主的にする場合があるわけですから、政府が全額出さなければならぬということはこれはあり得ません。しかし郵政省から大蔵省の方に要求された国際放送のいわゆる経営費というものは大幅に査定をされておる。こういうような状況であったり、あるいはオリンピックが来るわけです、三十数年の歴史を持つ協会の施設あるいは局舎というようなものは相当長期にわたって経費をかけないと、国民の満足するような放送施設にはならぬというようなことが、部分的にずっと克明に事実問題としてあるわけですね。ですからそういうような、今までの経緯等を考えていくならば、突然に官房長官の言われるような議論が出てきたとは私は思いませんけれども、いましばらくはこの種の問題は現状のまま一応体制としてとるべきではないですか、というようなことを私はこれは個有の意見として考える。しかも一応の建前としますと、郵政大臣といえども協会の財政に実際干渉できないのですね。ただ意見書を付して、それじゃ意見書を付する際にどうするかということは、これは非常にむずかしい問題であるけれども、実際問題としては、協会は自主的に財政を組み財政措置を講ずると、こういうことが建前であり、加えて経営委員会というのがあるわけですから、これはもうやはり政府機関の干渉の余地は実際法律的にはありません。しかし内閣の重要な地位にある官房長官あたりが、ぽかぽかっとああいうことを言われると、相当話題を呼びますし、しかも私どもあの新聞を見たときに、政府は不当に協会に干渉しているのではないかというような印象すらも受ける。ですからそういった諸般の情勢等も十二分に考慮の上に、私は協会の自主性にこの問題はまかせる、別に商業ベースに乗っているわけではありませんし、不当に利潤を追求する性格のものでもありませんから、そこはそれなりに協会の善意と良識に期待をして、官房長官の言われるような意見もあるというようなことで、当分は協会のとられる措置におまかせいただく方が私はいいのじゃないかと、こう思うのです。それで衆議院の方では、参議院の議運における発言をお取り消しになったということで私も実はもう、それならばわざわざここへお越しいただく必要はなかろうとこう思ったのですが、何分にも事が事だったので、ことに永岡委員の方からお越しいただくようにされたようですけれども、ぜひ一つそういうようなことを勘案の上、ぜひ前回の答弁については衆議院でどういう形でお取り消しになったのかしれませんが、とにかく自主性にまかせて、いわんや所管大臣の郵政大臣がおられるわけですから、その辺にすべてをおまかせになる方がいいのじゃないかと、こう思うのですが、御所見いかがでございますか。
○政府委員(大平正芳君) 御注意いただきましておそれ入りますが、私の心境もそうなんです。ただそういったもし事情が許せば、そういう願望を持っておりますということを申し上げた、その申し上げた時期、場所等が適切でなかったということにつきまして、十分今後反省いたしますということを申し上げて、御了承を得ておるわけでございます。
○森中守義君 ここでも同様な御趣旨でございますね。
○政府委員(大平正芳君) 同様に考えております。
○鈴木強君 まあいい機会ですから、ちょっと私からも官房長官に意見を承っておきたいのですが、議運委員会における発言か、協会の何か聞くところによると、経営委員の手当の問題から話が出たそうですね、今協会の経営委員については報酬を出しているわけです。報酬が高いか安いかの論議はあると思いますけれども、現行たしか一回出席して二万円ですか、その程度を出しているそうですけれども、しかしこれは公共放送としての使命を遺憾なく発揮するために経営委員会を設けているのですから、経営委員として迎える場合、二万円程度のものが、あなたは高いと思って、そういう二万円出すなら料金は負けたらどうかと言ったら、そうするというようなことを言ったようですがね。そういうところが根本的に、政府の協会に対する認識といいますか、そういうことが欠けているように思うのです。これはあなたが官房長官になった以後の状態でなしに、従来からもよくあることです。たとえば協会の会長は大臣が任命できるがごとき錯覚を起こしている人もあるが、これは特に私は名前を伏せますけれども、これは経営委員会の推薦を得て内閣が任命することになっているのだが、その手続すら知らない、会長は大臣が任命できるがごとき錯覚を起こしてやった人もある。こういうことは根本的に現在の公共機関であるNHKの性格と政府との関係、国会との関係というものを理解していないからだと私は思う。その辺の認識というやつをもう少し政府が持っておいでになっていただきたいと思うのです。あなたのように内閣の大番頭という立場に立っておられる人が、議運委員会で、そういう質問があったから、直ちにそういうふうな発言をするということは、やはり国会に議席を置くわれわれからすれば、これは与党の立場で、そういうことを話されるような場合はあり得るかもしれませんけれども、官房長官という立場から、質問されて、その人の吐く意見というものは、やはり政府の意見になると思うのですから、やっぱり意見の権威と言いますか、そういうものをお考えになって、慎重にやるべきだと私は思うのですがね。そういう点、NHKに対する理解というものを、もう少し持っていただきたいと思うのです。たとえば、放送の中立性ということが一つの使命ですからね、協会の場合は。それに対してああだ、こうだと、何か聞くところによると物言いをつけるというようなこともなきにしもあらず。放送の仕方がよかったとか、悪かったとか、これは明らかに行き過ぎだと思う。 そういう点で、特に私は、内閣全体として、先の森中委員もおっしゃったように、現在の協会の自主性、独立性というものを、あくまでも侵害しない、経営者にまかしていくという立場に立って、予算の承認だけをしているわけですから、そういう立場に立って、放送法というものを考えてやっていただきたいと思うのですがね。あまりにもいきさつを聞いてみますと、軽率なような気がするのです。 ですから、はっきり取り消すとあなたは言うのですか、どうですか。その点も含めて一つ……。
○政府委員(大平正芳君) ちょっと誤解があるようでございまして、NHKの経営委員の手当が高いからということと、全然関係はないのでございます。NHKの経営委員のお手当につきましては、政府関係各省庁並びに外部団体の審議会の委員のお手当につきましては、今衆議院の議運の方から要求がございまして、それを調査して両院に差し上げたわけでございます。それにつきまして各委員から御意見がありましたことは事実でございますが、NHKの経営委員のお手当につきましては、NHKが自主的にきめられることでございまして、私がそれに対して何らの批判を加えておりません。 その点、もしそうであると御認識いただければ御了承いただきたいと思います。 それから全体として、NHKの経営については、自主性を認めて不当に介入してはならぬということにつきましては、仰せの通りでございます。その点、私もそのように心得ておるものでございます。 従いまして、私のこの間議運における発言が、不用意のために、いろいろの憶測、誤解を生んでおることは非常に私としまして残念でございますので、この前の私の議運における、その部分における発言は、ここで取り消しさせていただきたいと思います。
○森中守義君 ちょっと会長に、この際承っておきますが、先刻の永岡委員の質問に関連をして、諮問機関的なものを協会の中で、この問題について作りたい、こういう御答弁になったようなんですが、その通りでございますか。
○参考人(阿部真之助君) その通りでございます。
○森中守義君 私は、もしそういうようにお考えであるとするならば、会長は、お変わりになったんだから、前の野村さんは野村さん、私は私だ、こういうおつもりなのか。あるいは、委員会の質問に対する答弁だから、はずみということで受け取っていいものか。その辺が、ちょっと私は疑問がある。 と言いますのは、昨年の料金の問題が出たときに、会長さんは野村さんでした。あなたは経営委員長をおやりになっておった。そのときに、やはりこの問題は議論の一つとしてあったのです。おそらく協会の中でも、その種の意見はあったのではないかと、推論ですけれども私は考えておるのです。しかしそういうことをも、十二分に検討の上、昨年あの種の料金改定が行なわれたということが、もうその問題に対して、協会は一つの結論を出している、答えを出している、こういうように私は思うのです。 そこで、一年たった今日、官房長官が今取り消されましたから、それ以上追及する必要はもちろんありませんけれども、そういう議論があるので、その議論を中心に、また協会の中で特別に諮問機関をお作りになるというのは、どうも私は協会の方針というものが問題が提起されたたびごとに変わっていく。こういうようなことは、あまり好ましいことではあるとは思いません。昨年の料金改定の質問の際にも、いろいろな角度から問題を検討して、ああいう格好になったわけですから、そのときの答弁が、今日になって、突然に検討をしなければならぬというような、そういう状況に私は協会はおかるべきじゃなかろう、そういうように思いますので、貴重な意見あるいは一つの議論ということでお考えになる程度で、特別に諮問機関を作るというような必要ないと思うのですが、どうでございますか。特にこれは経営委員会等もあることですから、その辺にも、十二分に御相談をされなければならないでしょう。 要するに、特別にその問題に限って即刻諮問機関等をお作りになって検討を加えるということであれば、昨年の料金改定のときに至る経過と、その審議の内容からしても、ちょっと私は問題が残ってくる、こう思うのですがね。 ですから、ただ質問に対する答えとして、いわばはずみというようなことで受け取っていいものか、どうなのかですね、その辺、ちょっと明らかにしておいてくれませんか。
○参考人(阿部真之助君) 私、野村会長が実はどういう御説明をなされたか存じておらないのでございますが、たぶん野村会長といえども、私の承知する限りでは、値上げの問題の際だろうと思うのです。値上げは、この程度でしない。しかし、料金制度については、やっぱり時の情勢に応じて考えるというような御返事をなされたものだと理解しております。 そうだとしますと、私が、今あらためて非常に皆さんから問題にされているような、料金制度というようなものが問題になっている際ですから、あらためて一つ、私自身の考えを固める手段として、私の諮問機関というものをこしらえて、そして会長としての意見を固めたい、かようなことで、経営委員との関係においては、決してこれが経営委員の権限をどうするということではなしに、むろん最終的には、経営委員会の決定によってきまるわけであります。われわれとしては、その越智に基づいて、執行面に当たるということになるのでございまして、結局は経営委員と密接な関連を持ちながら、この問題の解決に進んでいきたい、かように存じておる次第でございます。
○光村甚助君 官房長官に一つ聞きたいのです。 私は官房長官が、ああいうところで、適当な場所でないのに、ああいうことを失言したというのは、遺憾の意を表するとおっしゃるのですが、ラジオの聴取料免除に努力するという考え方は私はいいと思うのです。これは私は、あなたよりはNHKの予算を知っているので、あのときに、しろうとで、とんでもないことを言うなと私は思っておったのですけれども、あなたが努力すると言われたので、非常にけっこうなことだ、国民の間でも、非常にあれは人気になっているのです、ラジオがただで聞けると言って。その場合にですよ、免除してやれば、予算の裏づけは政府がやるつもりだったのですか、それとも、テレビのもうかったやつで、ラジオをただにしようという意見だったのですか。大体、その本音はどちらなんですか。約百億のラジオの聴取料をとっているのです。免除に努力するという裏は、その百億を国庫で負担してやるという考え方だったのですか。あるいはテレビの料金でまかなえという考え方か。池田さんも会長に、そういうことをお話になったそうですが、池田さんの腹を、あなたに聞いたってわからないのですけれども、ただ、何も腹がまえがなしに、たた国民を喜ばすようなことは、これは、うその政治になりますから、何か私は、根拠があったと思うのです。その根拠を、ちょっと聞いておきたいと思うのです。これはいいことなんです、ただにしてやりたいということは、国民側からすればね。その裏づけをちょっと聞いておきたいと思うのです。取り消したから言わぬでもいいじゃないかということじゃなしに、あなたもやっぱり政治家だから、池田さんもあなたも、裏づけがあったのじゃないかと思うのです。それをちょっと聞かしていただきたい。
○政府委員(大平正芳君) ただいま取り消しましたので、それに関連しての私の心理、留保の部面をこの委員会で申し上げることは適切でないと思いますので、御遠慮をさしていただきたいと思います。
○光村甚助君 それは取り消したから言わぬでもいいじゃないかと……。あなたは、やはり池田内閣の官房長官で、池田さんも、聞いてみれば、会長にそういうことを言われたというのです。何とかこれを免除する方向にできないか。それは一国の総理大臣が、そう言う裏には、何か考えがなければ——政府が出してやるとか、テレビの……、それでなければ、何も裏づけなしに、免除してやったらどうかと、こんな政治家のあり方というものは私はないと思うのだ。まだ実際は議院運営委員会では、あなたは取り消しておらないのです。ここでは取り消された。しかし、私があそこで聞いたのは——聞いているのです。それを、裏づけなしに国民を喜ばして、何か、ここでは追及されて取り消したからできないのだという印象を国民に与えたら非常に困ると思うのです。非公式でもいいから、速記をとめてもいいから、何か裏づけがあったら、それを聞かしていただきたい。
○政府委員(大平正芳君) 先ほど各委員からの御質疑の方向も、NHKの自主性を尊重する、これに不当に介入してはならぬ、こういう御趣旨の御発言がございました。私全く同感でございますので、今、光村委員からお話がございましたようなことについて、私がまた付言いたしますと、またそういう誤解を生みかねないと思いますので、重ねて、実に恐縮でございますけれども、お許しをいただきたいと思います。
○山田節男君 官房長官にはよろしいです。 先ほど郵政大臣がお見えにならなかったので、阿部会長に御質問申し上げたのですが、重ねて、私今の質問を繰り返しますが、今回の三十六年度のNHKの収支予算それから事業計画、資金計画、これを見まして、過去三十六年間のNHKの歴史の中におきまして一つの、何と申しますか、歴史的なものだ、一つの転換期に立っておるということを明らかに表明したこれは予算である。しかもそれは楽観でなくて、むしろ悲観といいますか、非常に憂えざるを得ない状態にあるということ、この一点、この点に対する郵政大臣並びに阿部会長の御所見。 それから並びに、この四百五十六億に余りある予算が、年度末を控えて旬日足らずの間にこれが出されたということ。その間、新聞等により、自民党の、与党の政調の方のNHKの予算に対するいろいろな意見、その他、非常に難航したように私は伺っているのですが、もとよりこれは、大臣の承認した意見書をつけなくては出されませんから、郵政省当局、ことに大臣とNHKとの、また大平官房長官の意見によれば、池田総理の意見等もあって、与党等の意見もあって、非常におくれたのじゃないか。こういう問題を控えた予算を、わずか旬日で衆参両院の委員会で、これを済まそうというようなこと、これは、とうていできない。非常にこれは、先ほど申し上げたように、重要性を持った予算である。どうしてこういうふうにおくれたのかということ。これを、今、郵政大臣並びに会長に御質問申し上げたわけですが、この点を一つ、大臣並びに阿部会長から明らかにしていただきたい。
○国務大臣(小金義照君) 私も、就任あまり日も長くないし、初めての手がけた問題でございまして、いろいろ部下とともに検討いたしましたが、この電波関係の問題としては、第二次チャンネル・プランとか、今、今日迫っておる問題もございまして、ことに、日本放送協会の性格またその立場から、難聴視地区の解消が第一義であるというような点に重点を置きまして、まあキャバレージからいきますと、九十何パーセント、テレビジョンでも八〇%にはいっておるというお話ですが、できるだけそこに重点を置いて、ひとしく公平に日本放送協会の放送が聞こえたり、見えたりするようにしていきたいというようなことを基本に置きましたものですから、それらの点について、いろいろな検討を加えまして、まず公平に、すなわち難聴視地区の解消を対象に置いたというような観点から、私自身も、日本放送協会に、もっとそういう点に、何とか工夫がないかというような注文をいたしました。そういう点でおくれた……私はその点が、まあ何といいますか、御了承を得られると思って、できるだけ勉強したのであります。
○参考人(阿部真之助君) ただいまの御質問の御趣旨は、遠い将来の見通しは、非常に悲観的だという御趣旨だと思うのですが、それらの——先ほど私が申し上げておる通り、テレビの聴視者の数が頭打ちになったときは、それ以上増収がなくなるということを考えれば、そのときは、何とか考えなければならないと思いますが、まあ長期の安定といったところで、二十年も三十年も先のことを、実際、どんな経営だって、ちっとも心配がないということは、これはちょっと人間わざじゃないと思うので、まあ相当程度の長期間安定し得る、そういうふうなことだろうと思います。 そういう意味では、私は特に楽観はしておりませんが、それほど悲観もしておらない、かように申し上げるわけであります。
○山田節男君 それは、私、なぜそういうことを申し上げるかというと、昭和三十三年にNHKの五カ年計画を立てて、しかも三十三年の初年度におきましては、NHKが赤字財政で、にっちもさっちもいかぬ……あなたは経営委員長だったから、よく御承知だと思いますが、どうするかというので、長期の借り入れを非常にふやして、しかも減価償却も、これを全部ゼロにして、そうして債務の支払いを繰り延べするという非常手段をとってスタートしたのです。そうして、それと同時に三十三年には、例のラジオの聴取料六十七円を八十五円か、あるいは百円に上げてもらわなければ、とてもNHKは財政危機に迫っておる、こういう状態なんです。 ところが、当時の国会におきましては、ラジオの受信料を値上げすることには反対だ、しかし、もう明らかにラジオの経済というものは、NHKに関して全く危機である。このときの記録もありますが、全くお先まっ暗だということを、当時の会長は言うのです。われわれは財政を見まして、これは一体どうなるか。そうしてその当時に、五カ年計画の初年度に、一体五カ年の経過は、どうなるか。ラジオの聴取料は、ここに出ておりますが、第一次の三十三年度——五カ年計画の初年度におきまして、三十六年度にラジオの聴取料の見込みはどうであるか、ラジオの受信者は幾らであるかということを見ますと、三十三年度におきまして、三十六年度は一千四百六十七万である。ところが現在、こうして出されておる三十六年度におきまして一千百十五万、実に三百五十万というラジオ聴取者は減っておる。従って、このことは何を意味するかといえば、この約三百五十万、三十五億の減収になっておる。そうしてテレビは、これは非常にうれしいことには違いありませんが、テレビにおきましては、五カ年計画の初年度におきましては、三十六年度には三百三十万六千あるだろう、これが今回におきましては六百三十三万ある。だから三百万のテレビの増加、この事実を見ましても、ラジオがもちろん減るということは、これは客観情勢から当然なわけです。これは、当委員会におきまして、私を初め各諸君が、NHKの将来はどうあるべきか、ことにラジオ経済がどうなるか、これは御承知のように、民間の放送ができ、ことにテレビジョンが普及すればするほど、もうラジオというものは減る。ことに放送法の三十二条のあの建前におきまして、NHKの放送を聞かないような受信機を持っておれば、受信料払う必要はないという状態になると思うのです。 その点を憂えて、本委員会におきましても、それを何とかしないというと行き詰まりますぞ、こういうことを、私どもは真剣にここで論議したわけです。ラジオに関する限りにおいては、わずかもう三年で、すでに予想よりも三百五十万も減っておる、こういう状況ですね。ですから昨年の、これは野村会長が御在任中でしたけれども、昨年の予算委員会にも、やっぱりこの受信料の収入、ことにラジオの収入というものが問題になったときに、野村会長は委員会におきまして、NHKの受信料、すなわち放送法の第三十二条の受信料の問題については、一つ真剣に考えます。そうして特別委員会、今阿部会長、諮問機関ということを申しておられますが、そういう特別のものを設けて、抜本的なものを一つ研究をいたしますと、委員会でも明書をされておる。ところがもうすでに半年以上たって、かつて経営委員長であった阿部委員長が、今回、会長として御就任になった。これは当然その当時の事情をよく御存じであろうと思います。 ところが三十六年度のこの収支予算を見ますと、依然としてラジオはそのまま、のみならず先ほどの大平官房長官の放言にありますように、ラジオも全免しろという、これは私は、一つの今日では常識だと思う。テレビジョンが普及すればするほど、ほんとうにラジオを聞くというのは、われわれの家庭における例を見ましても、ニュースぐらしか聞かないんですから。ですから今の与・野の政調会で問題になり、あるいは池田総理が、もうラジオは全部受信料を免除しよう、また今回出されておりまする有線放送のみの受信者に対して、三十六万のものは、これは全額免除する。これなんかも趣旨から申しまするというと これは大体無電灯地帯に、初めこれを適用、普及したものです。今度は有線放送、今度電話とかねたものが普及し始めたのですけれども、以前からいえば、これは無電灯地帯、僻地でありますからもちろんこれは貧農の人も多いのには違いありませんけれども、しかしこれを全免するというようなことは——私少なくともこれは、初め減額すべきだということを八、九年前に申しました。ところが、最近におきまして、与党の方の圧力、意見によって、これが半額された。これは私は妥当だと思う。 ところがこれを全免するということになりますと、たとえば都会の細民街、細民窟なんかに住んでいる賃金労働者あたりが、とにかく生活保護を受けていなければ、ラジオの受信料というものは免除されない。しかしこの共同聴取をやっておる、いわゆる有線放送でやっておるところの家庭の生活の内容を見れば、これは都会におけるいわゆる生活保護を受ける線上にうろうろしておるような家庭と比べてみて、これは経済的に平均して申しますといいんじゃないか。そういう、私は実際不公な点があると思うのです。 そういうこともあえてして、この三十六万の有線放送のみの受信料を全免するというような、こういうようなこと、こういうような空気、意見が出てくるのも、現状の、今の放送法第三十二条の受信料という、この規定から申しまするというと、これは聞かなければ払わなくてもいいのです。そういうような点を見ましても、もうすでに、第一次五カ年計画の初年度でお考えになったことが、非常なるそごを来たしておるのです。ラジオにおきましても、もうすでに三十六年度におきましては、年間三十五億というもう違算がある。ただ、テレビというものを、昨年三十四年度におきまして、彼此流用ということに、共同プールにしたものですから、片方で三百万とすれば、百八億円の増収がある。プラス、マイナス七十数億円の黒字ということになりますけれども、ここに私は、NHKの現行法における受信料の、現行制度における基礎というものは、もう非常にこれは、われわれが予想した以上に急テンポで、一つの危機に直面している。これは今阿部会長は、そう長いことは見通しがつかないとおっしゃいますけれども、この五カ年計画が、もうすでに初年度から、また四年度におきまして、こういうふうな誤差を生じてきている。一体この時日、この四年という時日は、決して長うはございません。 こういうような状況から見て、毎回委員会で問題になりますのですが、一体NHKの聴取料、受信料というものに対して、阿部会長並びに郵政大臣は、どういうような実際お考えをもっておられるのか。これは、ずるずるやっておきますと、今のラジオに関しましては、こういう状況では、おそらくこれはゼロになるでしょう。テレビが、あるいはかりに一千万でピークにくれば、ラジオと同じように、今後NHKのテレビを見ないから、民間放送見ているんだからして、金を払う必要はない——同じことになるのです。ただ、そのピークがいつくるかという問題、二年か、三年かの問題です。決して阿部会長が言われるように、十年も十五年も先の見通しをしなくても、数年で、はっきりそういうことが予見できるんですね。 そういうような事態というものを、そういうように御認識になっているのかどうか。なって、そういう御認識をおもちなら、これは郵政大臣なり阿部会長が、一体NHKの経済を、どういうふうにするんだ——まず放送法の改正をいたしまして、受信料というものを、何らかの形でNHKに確保せしめるという方法が、まず第一だと思います。現行じゃ、もうできないんです。民間放送が発達し、テレビが普及すれば、ラジオなんか聞きやしません。テレビも一千万になれば、必ずラジオと同じようにNHKの、現行法の中では、もう受信料徴収というものが減るということは当然の帰結だと思います。 その点に対しまして、これは所管の郵政大臣として、あるいは実際経営の最高責任者の阿部会長として、そういう点をどういうふうにお考えになっているか、どこまで真剣にお考えになっているか、この点一つ、私ははっきり率直に言って下さい。
○参考人(阿部真之助君) ただいまラジオなんか聞き手がなくなるというような御質問でありますが、実は、これはそこまでラジオというものに対して、悲観的な見方を私はしてないのであります。テレビにはテレビの特徴がありますが、ラジオにはまたテレビにない特徴があるので、あれが、だれも聞き手がなくなるときがくるとは、私は考えておらない。 現に、私はよく存じませんが、アメリカあたりでも一時、そういう情勢で、テレビが入ってきて、ラジオが要らなくなるだろうというような心配をされたことがあるそうでありますが、現在では、だんだんラジオの聴取者が多くなってきた。だから一定限度までラジオというものが、テレビに押されて減るような事態が起こるかもしれませんが、やはりラジオというものにはラジオで、やはりそれはテレビにないいい特徴をもっているので、これを生かしていくならば、相当数の私は聴取者を有することができるであろうと思いますが、だからラジオなんか、もうだれも聞き手がなくなるから、あんなものは、ただにしてしまえというふうには簡単に考えていない。 しかし、現在の情勢はどうかというと、今まで御説明申し上げた通り、ラジオが急激に減っているということは、これはもう、疑うべからざる事実なんでありまして、従って、まあ今ちょうど変わり目のようなところで、むずかしいところなんでありまするが、とにかく、まあこういう事態に処するためには、一つ来年度には、しっかりよく調査して、この料金態勢というものは考えなくちゃならぬ時にきた。だから明年度においては、別の意味でもって、皆さんに別な意味の聴取料を私ども考えて見て、皆さんの御協賛をいただかなければならぬ時がくるだろうと思います。今、料金をどうする、こうすると言ったところが、今ここで、明確にお答えすることはちょっと困難だと、かように御了承願います。
○山田節男君 郵政大臣、どうですか。
○国務大臣(小金義照君) 日本放送協会の経営の、経費の骨組みが受信料にございますから、これは三十何条ですか、受信契約をしたものと見なして、そういう何といいますか、受信機をつければ、必ず契約したものとして支払いの義務が生ずるというふうな解釈をとっております。そして、まあ私も、それで今までやってきておりますからいいと思いますけれども、もっとはっきりする必要があれば、これは法律上、はっきりさせた方がいいと思っております。 今このラジオが非常に減少を見つつある、テレビジョンが非常なふえ方をしておりますが、ピークの点を考慮されまして、そこへいくと、行き詰まるんじゃないか、こういう御説で、これも私は、全然杞憂だとは考えておりません。その前に私どもも、法律に手直すべき点があれば、これを直すために努力をする。それからラジオにつきましても、今、阿部会長も言われましたが、私のところへ寄せられた意見として、テレビジョンというものは、瞬間的にある映像が出て感興をそそったりなんかするけれども、しかし、いろいろな自分の教養だとか、あるいはものを知るためには、やはり静かな、目に見えない耳だけに聞こえるラジオがいいから、ラジオの方をよくしてくれ、という意見も、私のところへ参っております。そういうようなことで、一概に片一方がゼロになってしまう、また聴取料をゼロにしていいまで落ちてしまうということは、それを前提としては、私どもは考えておりません。 いずれにしても、今御指摘のように、現在の段階においては、ラジオは減る、テレビジョンはふえるというのであるから、そこに受信料の調整問題といいますか、どちらに重点を置いて経営関係を、経費をまかなうかというような、いろいろな工夫があると思います。そこで、私もそういう点を考えて、法律は、にわかに直せませんし、また、いろいろな知識を借用して、これを改めなきゃなりませんから、この一年間NHKで、十分NHKとしての立場から考えていただいて、私どもの方も、また放送法の、あるいは電波法の改正という観点から、今御心配のような点を、私どもは解決すべく対処して参りたいというふうに考えております。
○山田節男君 先ほど来、これは、まあ取り消されましたけれども、大平官房長官がNHKのラジオの受信料を全免してしまえと、こういう御意見が出て、これは明らかに、日本に民間放送が非常にたくさんできまして、何もNHKのを聞かなくても、ほかので間に合う、ダイヤルを、NHK聞かないんだということにすれば、金を払わなくてもいいんですから。ですから、そういうような状況から、ラジオの聴取料は減るのは事実ですけれども、先ほど阿部会長の言葉がありました。これは、いわゆるアメリカでいうことであって、実際からいえば、ラジオ聴取者は減っております。FMのラジオ聴取者はふえてますよ。音楽とかニュースとか、特殊な何でふえてますけれども、しかし最近の状況は、阿部会長の言われることは、一昨年くらい前の意見である。現在トランジスターあるいはダイオードの発達で、テレビは自動車の中に設置し得るということになってきている。ポータブルではなくポケッタブルになる。ポケットへ入れられるようなテレビが作られることになると、ラジオの分野というものは、これは比較的に申しますと、減る勢いにある。これは当然のことなのです。 そこで、今のNHKは公共放送、国民のものである。これを経済的安定の基礎の上に置いて、そして、もう後顧の憂いなく国民文化放送の発展のために寄与させるということになれば、今言う放送法の第三十二条の……NHKというものは金を払わなくてもいいんだという、こういう法律のもとに置きますと、現実に、こういう問題が起きている。これは、ラジオに現実に現われている。テレビも数年にして、そういう現象が現われてくる。これは、はっきりしている。ですから、政府としては、NHKももちろんでありますけれども、政府として今のように、本年度一千百万のラジオ受信者を予定しております。百十億円の予算です。それをなくして、取らなくてもいいじゃないかというような、こういうような言葉が吐かれるということは、これはただ、政治的なゼスチュアのみならず、民間放送がふえればふえるほど、ラジオはただにしていいんじゃないかという、きわめて皮相な考えですけれども、そういう考えが出てくる。これは一つの世論だと私は思います。ですから、そこにNHKというものを特殊法人、一種の公共事業体、これについての基礎をちゃんと固めてやるということにすれば、受信料というものに対して、政府はいち早く考えてやらなければいけないと思う、まじめに。この点、どうでしょう、今まであなたは、大臣をおやりになって、そういうことを、いろいろお聞きになり、あるいは御研究になったことがありますかどうか。
○国務大臣(小金義照君) これは、どこまでも日本放送協会の、すべての事業のもとになって参ります。これは、もっとはっきり法律なり制度なりで、これが確保できるようにした方がいいと考えております。 ただ、外国の例等も研究中でございますが、テレビジョンと抱き合わせて取ったらいい、あるいはまたトランジスター、ポータブルというようなものが、うんと普及したような場合においては、これに物品税を課して、それを公共放送の財源にしたらいいとか、いろいろな考え方があるようであります。そういうようなことを考えておりますが、差しあたっては、今のように法律の改正あるいはまた受信料の取り方の点について、それぞれの立場で研究いたして結論に持っていきたいと思います。具体的にはただいまのところ、まだ持っておりません。
○山田節男君 この、今日NHKが置かれておる民間放送との共存の立場からいって、現行法ではラジオも現実にいって、どんどん減ってくる。NHKに対して、受信料を払うラジオ受信者というものはゼロになっていくということも、極言すれば言えると思う。テレビも、おそらく三年ないし五年すれば、現在のラジオの受信者に対すると同じような問題が起きてくると思う。 そこで、これは具体的に申しますけれども、これは宿命的なものです。ここに、世界に百十数カ国ありますが、この民間放送、商業放送と公共の放送が併存しているところが七、八カ国ございます。それはまたそれで、いろいろな制度を持って公共放送を保護している。これは、公共放送と民間放送と共存しながら、使命を果たしていく道はどこにあるか、結局収入を安定させなければならぬ。その安定さすのは、どこにあるかといえば、結局受信機というか、あるいはそういう無線放送を受信する一つの受信者に免許をするという考え方です。いわゆる一種の税金的な免許料として受信料を取る。これはテレビの場合でもそうでしょう。この二つしかないのです。ですから、これは本委員会でも、私は、他の諸君も申されておりますが、この二つしかない。これえなぜ踏み切れぬかということは、ここ五、六年言っている。NHKにも郵政省にも言っておりますが、依然として、はれものに触れるがごとくして、その根本に触れない。そうしてただ、今テレビで金が入ってくるから、どうにかやっていけるのだ、これは極端に言いますと、金が入ってくる間は、どうにかなる、こんな大きなものだから、国がつぶしはしないだろう、こういうような、私は悪く解釈すると、そういったイージー・ゴーイングな気持から出てきておるのじゃないか。このことは、これは経営とすれば非常に危険なことである。ですから、この際思い切って——すでにやるべきそのときは過ぎている。今日、こういう予算を出してくるというところに、先ほど申し上げたように、三十六年度が、最も転換期に立っている。この予算は、NHKの悩みを現わしている予算を、収支予算を見ましても、そうして長期の借入金はふえる、短期の銀行からの融資もあるというようなことで、一方におきましては、民間放送との共存の立場、あるいは公共放送の建前から万難を排して、あまねくこの放送をしなくちゃならないというようなことから、その使命と現実のいわゆる経済的基礎というものがマッチしないところに、こういうことが出てくる。この根本的な打開策というものは、私は受信料の問題を解決しない限りは、もうこれは、NHKは財政的に行き詰まってしまって、どうにもこうにもならなくなるのじゃないかと思うのですが、先ほど阿部会長としては、受信料の問題について、諮問機関を作るということをおっしゃいましたけれども、これは、単なる諮問機関ではありません、法の改正ですからね。法の改正ですから、むしろ郵政大臣がイニシアティブをとられて、これは、他の放送法の改正の点もございましょうが、NHKに関する限り、この受信料の問題を根本的に考え検討する。これは政府としていわゆる法律による委員会、スタチュトリ・コミッティをお作りになって——これはNHK自体がやるべきものではありません。これは公共放送ですから、国の政策として、経済的安定を与えるのは、これは国の政府のやるべきことである。これは、NHKがイニシアティブをとるのではなく、郵政大臣がイニシアティブをおとりになって、そうしてNHKが好もうが好まないだろうが、根本的な荒療治をしていただきたい。 そうして、それをNHKに実施せしめるということになりませんと……。これは私過去七、八年見ておりますと、根本的な問題はどうも避けているような状況にある。不幸にして、歴代の郵政大臣の任期も短いし、従って、また公共放送の直面するであろういろいろな問題について、ほんとうに真剣に考えていただいて、それを実施していくという、私は今日までその機会がなかったと思うのです。小金郵政大臣としては、私は今回の予算編成の経過を見まして、郵政大臣が、これをここにお出しになる経過を、私はアウト・サイダーとして仄聞し、新聞等で見まして、NHKとしたならばこの次はどうなるか、われわれをして非常に危惧の感をもたすような状況にあったと思うのです。 そういう点で、私は特に郵政大臣に、あなたの御在任中に、だれかが一刻も早く手をつけなくちゃならない問題ですから、一つ大臣が自発的に、具体的にいえば、NHKの受信料というものをどうするか、その方法というのは、二つしかないのです。これを至急に、具体的に決定するように、郵政大臣が努力されてくれることを私は強く要望いたします。同時に阿部会長も、三十七年度の予算を編成するからには、抜本的にお考えになる、諮問機関を設けるというようなことをおっしゃいましたが、これはNHKが、こうしてくれ、ああしてくれというようなことは、これは具体的にはなかなかむずかしいと思うのです。ことに受信料の問題に関しましては、これは、NHKの今日までの伝統なり、歴史から申しますと、受信料の現行法を変えるということにつきましては、これは精神的にも悩まれる点だとわれわれ思う。しかし、重大な使命を持っておるこの公共放送として、経済的に安定を得られないような、そういう基礎でやるということは、これは国民に対しても非常に私は申しわけないことだと思う。やがてはこれは荒療治をしなければならぬのですから、阿部会長並びに副会長、あるいはその他専務理事の諸君は、一つ至急に、三十六年度は、これでいくにしましても、三十七年度からは、今の制度を根本的に変えてから、ぜひお出しになるように……。これは郵政大臣あるいは阿部会長としても、三十六年の歴史を持つNHKの将来の発展に対して非常に大きな貢献をされることでもあるのですから、ただ個人的な感情とかでなくて、国の将来という立場から、ぜひ一つ、私はこれは実現に邁進されることを御両者に切にお願い申し上げておきます。非常に演説的になりましたが、この点は、また問題に触れて、具体的に御質問申し上げたいと思いますが、大臣に対するきょうの質問は、これで私は終ります。 それから次に、難聴地域の解消の問題ですが、昨日要求申し上げた難聴地域の資料を提出されておりますが、ここに出してある難聴地域の、これは一体外国からの混信による難聴地域なのか、あるいはNHKの放送のカバレッジが不十分だから難聴地区なのか、この点一つ、この資料によってお答え願いたい。
○参考人(田辺義敏君) 御提出いたしました資料は、今まで私どもがカバレッジ九十何パーセントといっておりました、それに相当する残された地域でございます。お出ししました資料は、いわゆるカバレッジ九十何パーセントあるいは八十何パーセントといっておりますが、それによって示されております難聴地区がおもでございます。このほかに、いわゆる法定電界強度は満足しておりまして、昼間は十分に聴取できますが、夜間になりますと、外国電波の混信等によりまして、難聴になる地域がこのほかにございます。
○山田節男君 そうしますと、この難聴地域の解消という問題プロパーから考えまして、ラジオの中継局といいますか、サテライトあるいは中継的な方法をもって解消する地区と、それから外国の混信による難聴地区と、この二つだけと見てよろしゅうございますか。
○参考人(田辺義敏君) 外国の混信もございますが、螢光燈その他によります雑音が、夜間におきまして、昼間よりも受信状態が悪化する場合も若干あると思います。
○山田節男君 これは西崎電波監理局長にお聞きしますが、たとえば今回発表せられたテレビの第一次チャンネルの修正、それから第二次チャンネル・プランのあれですが、このテレビに関する限り、難聴地域の解消という目的だろうと思うのですが、ラジオを含めまして、ラジオのいわゆる周波による面における周波数帯というのは、今いったようにまだ僻陬な地で、カバレッジの範囲についても、いつも聞こえない、見えない、これを解消する、たとえば、ラジオとテレビですね、テレビには、UHFを使うとしても、一〇〇%カバレッジの範囲内においては難視聴地域がないというだけの余裕があるのかどうか、この点を一つお伺いしたい。
○政府委員(西崎太郎君) お答えになるかどうかわかりませんが、テレビの第二次チャンネル・プラン、お手元に資料届いておると思います。もしそのプランが、かりに実施されるといたしますると、全国で、いわゆる難視聴地域の中に包含される世帯数というものは一〇%、言いかえますとカバレージが九〇%になるということになるわけでありまして、残されたあとの一〇%を、どうやって救済していくかということにつきましては、今、われわれの方で、引き続き、第三次チャンネル・プランあるいはその他の方法によって、どういうふうにして、これを救済していくかということを検討いたしておるわけでございます。 それからラジオの問題でございますが、今、NHKからのこの資料にありますように、まあ外国混信によらないでも、ここに記載されておる地域は、まあ難聴地域に属するということでございますが、われわれの方としましては、もしNHKから、こういった地区への中継局というものが申請されますれば、当然優先的に免許すべきである。また、従来もそういった考え方で参っておるわけであります。
○山田節男君 そうすると、ラジオの難聴地域の解消、これはまあパーセントでは非常に少ないですけれども、その残部に対して、難聴地区を解消するだけの中波放送においては周波数帯の余裕があるという意味ですか。
○政府委員(西崎太郎君) まあ具体的には、もうちょっと検討してみないと、確答は申し上げかねますけれども、おそらくこういった場所は、いわゆる中継局、すなわち比較的電力の小さな局を、いわゆる中継用の電波によって救済できるのではないかというふうに考えられますので、その限りにおいては、電波の割当は可能だと思います。
○山田節男君 今の御説明、NHK当局の御説明によると、難聴地区は外国電波の混信、混信と言いますか、インタフェアランスで非常に難聴地区になっている、こういうのですが、郵政省電波監理局として、この外国電波の混信に対して、ことにラジオは中波、この標準放送に対しては、電力を増大すればいい。向こうを今後克服するだけの強いものを放送するようにすればいいという、いわゆる増力政策でいくのか、あるいは残された他の方法は、この妨害する外国電波を発射する諸外国に対して、たとえば日本で言えば韓国、北朝鮮、ソ連、中共、こういう国に対して、ことに韓国のごときは、これはITUのメンバーですから、これは交渉の道がありますが、まだ国交の回復していない中共あるいは北鮮等に対しまして、これは一種の何と言いますか、交渉と言いますか、公の外国交渉じゃなくても、これは相互の利益を守るという意味から、一種のそういう外国との交渉によるよりほかに道はないと思うのでありますが、郵政省としては、かなりこれに示されている地帯を見ますと、この外国電波の混信による難聴地区という地域の人口というものは、相当私は多いと思うのです。 この二つの道、方策しかないと私は思うのですが、当面、郵政省としては、どういう対策に重点を置かれているのか、この点を一つ。
○政府委員(西崎太郎君) 実は、外国混信の問題につきましては、われわれの方も非常に頭を悩ましておるわけでございますが、今お話がありましたように中共、北鮮、そういったいわゆるITUに属しておらない国からの混信というものの排除につきましては、特に頭痛の種なんでありますが、まあわれわれの方としましては、外務省方面への了解も得て、そのときの情勢によりまして、この混信の排除につきましては、そのつど申し入れはいたしておるわけでありますが、実効は、ほとんど上がっておらないというのが現状でございます。 従いまして、そういった場合に、一体どうやって対処するかということでございますが、これにつきましては、従来は電力の増強であるとか、あるいは周波数のそのつどの変更であるとか、あるいはまた、場所によりましては、局の設置といったようなことで対処いたしておるわけであります。
○山田節男君 増力による外国混信の防止対策に対する方針は、どうなんですか。
○政府委員(西崎太郎君) まあ増力と申しましても、いわゆる大電力化の問題、それから現在使っておるところの電力を多少増大させるといった二つの種類のものがあると思うのでございます。 まあ、そのうちの前者につきましては、今度NHKの予算の中にも、いわゆる強大電力局の設置ということで頭を出しておるわけでございますが、もし、こういった強大電力局が、おそらく四カ所、国内に四カ所ほどできますれば、特に外国混信の発生します夜間におきましては、まあ大体において全国的な、いわゆる第二次サービス・エリヤによって、ある一定限界以上のサービスが確保できるようになりますので、そういう点で、相当聴視状況が改善される、こういうふうに考えております。 それからある特定の局が、外国の電波によって混信を受けました場合には、それに対処できるだけの電力を増大する、こういった方法も、従来ケース・バイ・ケースでとっておるわけでございます。
○山田節男君 これは、テレビの場合もそうですけれども、ことに中波の放送の場合は、なるべくパワーを大きくしないというのが常識であり、また行政的見地から見ても、経費からいっても、なるべくパワーは小さく規制する、これは各国の通信法、放送法の常識になっているわけですから、ふやさない方がいいと思うのですが、そこで、そういう見地から申しますと、これは、もし政府で了解すれば、NHKの出先、たとえばソ連のモスコーであるとか、あるいは中共の北京、あるいは北鮮の平壌、韓国の京城、こういった諸点は、もう平素NHKの中波放送を聞いておるのであります。単に国際放送でなくて、中波の標準放送を聞いておるのですから、ですからNHKの、これは私、向こうに行きましての感じですが、非常にNHKの放送については関心を持ち、またそれによって、彼らも非常にエンジョイしておるということはわかるのですから、郵政省が理解すれば、NHKとしては、やはりそういう所に代表者を出して、向こうの団体あるいは政府と、外国混信をお互いのために、これを防止する実際的な交渉をするというととは、これは非常に実際的じゃないかと思うのですが、政府は、そういうようなことに対して黙認して、それをやらせる意思があるかどうか。 これは郵政大臣がおられませんから、監理局長としてのお考えでもいいですが、それとNHKとして、いまだかつて、そういうような非公式な交渉を、たとえば中共、韓国等とやったことがあるかどうか、この点を、一つお伺いしておきます。
○政府委員(西崎太郎君) 今お尋ねの件は、非常に時局柄、事がデリケートな問題でございまして、またいろいろと差しさわる向きもありますので、もしお許しを得られますれば、次回に大臣の方からお答えさしていただきたいと思います。
○山田節男君 NHKの方は、どうですか。
○参考人(田辺義敏君) ただいまの御質問の点につきましては、一昨年のITUの会議の際に、韓国側からいろいろ増力ないし新設局の提案がございまして、その問題につきましてITUの会議の会場で、いろいろ韓国の代表と日本の代表とが話し合ったことがございますが、その他の国とは、今までそういうふうなことはございません。
○山田節男君 次に、今回の収支予算におきまして、三十六万の有線放送受信者、ラジオ受信者の受信料を免除する。これは先ほど春日経理局長から、有線放送を聞いておる、施設を持っておる者が百万ある、そのうちの三分の一強のいわゆる有線放送だけで聞いておる者を免除する、こういう内容に承ったのですが、これは先ほど、大平官房長官の放言に関連して考えれますることは、私も先ほど申し上げましたように、この有線放送を聞いている地帯というものは、これは起源的にいうと、無電灯地帯ですから、有線で、こういうものをつけて共同で聴取する。それが今度は、有線放送電話と併置するようになりまして、これが今日百万以上に伸びておるわけでありますが、先ほど申し上げましたように、都会のたとえば細民窟、これはそういう極貧な、いわゆる生活保護を受けないけれども、その線上にあるような人は、やはり月八十五円取られる。 しかるに有線放送だけ受信しておるこの地帯を、大体考えてみましても、都会におけるそういう極貧者の人々に比べれば、相当レベルが高いにもかかわらず、ただ有線放送であり、またプログラムの選択が自由でない、こういう見地から半額にしたのを、さらにまた全額免除するということは、さなきだにラジオ経済が逼迫しつつあるNHKとして、あまりこれは、思い切りがよすぎると思うのです。ただ単に、この貧困な身体障害者とか、あるいは盲人の人々に貧富を問わず免除するというのとは、私は内容が違うと思うのですが、どうして、こういう思い切りのいいことをやられたのか。三十六万といいますと、半額にいたしましても、幾らになりますか、五百円ですから五百円の者が三十六万というと一億何ぼになるのじゃないですか。そういう、思い切りがいいと思うのですが、その間に、何か事情があったのか、それを承りたい。
○参考人(春日由三君) 山田先生の御指摘のように、有線放送のスピーカーだけの施設に対する半免または全免という措置は、貧困者あるいは公共施設とは、若干違うように私どもにも考えられるわけでございます。 実情を申し上げますと、先生が御指摘のように、発生過程におきましては、無電灯地帯でNHKだけの時代に、NHKのラジオを聞くためにラジオ共同受信施設というものがごさいました。この時代には、共同受信施設の方々から受信料はいただいておりますが、同時に共同受信施設は、電灯のないためにやっておる施設でございますので、若干の技術助成や、施設助成をやり続けて参ったわけでございます。ところが、今御指摘のように、戦後の、ことにこの数年来の有線放送電話施設の発達は、比較的ラジオそのものの、いわゆるホーム・セットの普及している地帯に発達してきました大きな理由は、これが一種の簡易な、秘話装置はございませんが、簡易な電話にも使えるというような施設でございまして、それが先ほど申し上げましたように、全体百万あるうちの三十六万で、その残りの人たちはホーム・セット、別に選択自由のホーム・セットを持っている方々のわけなのであります。もう一つ、この有線放送電話施設というものは、急激に将来、近い将来電話プロパーのものになっていって、やはりラジオの受信者としては、私どもは選択自由のホーム・セットを持っている人たちをふやすことに力を尽くすべきだろうという考え方も持っているわけでございます。 で、現実には、先ほど来御説明いたしましたように、ここ数年来、NHKの予算を御審議いただきますたびごとに、もう選択自由聴取のできない、特殊なスピーカーだけのもので、しかも電話に非常にたくさん使うものを、普通のホーム・セットと同じように受信料を取ることはいかがか、これを全免または大幅に減額すべきではないかというふうな御意見が数年来繰り返されて、御審議のたびにございましたものですから、先ほど、実情そのまま申し上げましたように、三十五年度は、先ほど申しました共同受信施設に対する助成というふうな考え方から約半額の——御指摘の通りの一億八千万円の支出を組んだわけでございますが、その財源があるならば、半免にしたらどうかということで、半免の措置をとったわけでございますが、そのときの審議の過程におきまして、これは一年間の措置だが、来年はこういう施設に対しては、全免をすべきではないかというふうな強い御意見もありまして、かたがた私どもは、この際、こういうふうな、つまり完全な、ホーム・セットと同じようなサービスを受け得ないもので、特殊な形態であり、しかも将来、それが刑の機械に軟化していくものであるならば、この際、これを利用している方々の御要望に沿って全免して、こういうふうな問題は、連鎖反応を起こすことを断ち切った方が長い目で見て有利である。そのかわり、積極的にその地帯に、受信料をまるまる払っていただくホーム・セットを導入するような努力を別に考える。こういうふうな考え方に立ちまして、この措置をとったわけであります。
○山田節男君 時間が迫りましたから、もう一問だけ。——今回のこの予算において初めて受信料の徴収方法をお変えになったのですが、まあこの三カ月分を二カ月分ずつ取ると、こういうことは、その趣旨はわかるのですけれども、一年分全納したら一割ですか、半年全納した者には、またその半額ですか、五分が割り引きされるという、こういう一つの方法ですがね。NHKの国民放送、しかも国民的な放送ということになれば、この徴収の方法ですね。これは金のある者は、一カ月分ただになったと、貧乏な者は、一カ月八十五円まるまる——まあ三カ月分が二月になった、二月分を一回に納めるのだ、それだけの利点はありますが、私は公共放送として、こういうようなやり方をするということは、やはり、金のある者は、十二カ月分を十一カ月分払えばいい、一カ月分ただと、こういうやり方は、私はNHKの性格からいって、どうかと思うのですけれども、なぜ、こういうような措置をとられたのですか。集金方法が非常に成績がよくなるという見通しで、こういうことをおやりになったのか、この点、一つお伺いしたい。
○参考人(小野吉郎君) 集金方法の改善につきましては、まず二カ月集金の関係は、受信者のほとんど全面的な切なる要望もございまして、そういった意味合いにおきまして、サービスの改善をはかる意味合いにおきまして、三カ月集金を二カ月に短縮しようということでございます。これに合わせまして半年並びに一カ年前納に対しましては、それぞれ、ラジオにつきましては、ラジオの半年前納については四十円を割引をいたし、また一年の前納に対しては一カ月分の八十五円を割引する。テレビジョンにつきましては、それぞれ半年一年につきまして、半年のものは月額の半額でございます百五十円、一年前納に対しましては一カ月分の三百円を割り引くと、こういうことにいたしたわけでございますが、この点につきましては、いろいろ現在の集金の状況から申しまして、かなりむだ足を運ぶようなことが出て参っております。そういうような方面の非常なむだもございますし、一面には、ラジオの受信契約が、いろんな事情はありましょうけれども、その主たる原因は、テレビの普及に伴うものでございますが、廃止の申し出が、御承知のように多うございます。そういった面から、相当長期にわたって前納してもらうことは安定した契約になる。こういう利点もございますし、同様な趣旨によりまして、国家事業であります簡易保険につきましても、同様な率の割引で前納制度を設けております。これはかなり、そういうような意味合いにおきまして、能率的にも、また財源的にも、また有料契約の維持の面から申しましても、非常な利点を示しておる状況でございます。 そういった面もあわせ考えまして、今回このような措置をとらしていただくということでございます。公共機関としてのNHKの性格上、そのような割引を設けることが、はたして機関の性格に反するのではないだろうか、どうだろうか、こういう御意見でございましたが、そのようには私どもは考えておりませんので、いろいろ税金につきましても、所得税につきましても、そのような、それは報奨金、こういうような名目でいたしておりますが、区民税を年四回分割でなく、一ぺんに支払えば、税金のそれを割引いてくれるというような制度もございますし、また簡易生命保険におきましては、ずいぶん古くから、この制度を十分に活用しておられるようであります。たまたまNHKも、現在の安定契約を多く取りたい、こういうような現下の情勢にかんがみまして必要も考えられますので、今回——在来もなかったわけではございませんけれども、制度上、この方面に大いに努力をしてみようということで、真正面から予算の中に、一つの項目として上げたような次第でございます。
○山田節男君 もう一つ。こういう制度をおとりになって、小野専務理事が言われるように、収入が安定する、前取りだから、それだけ安定するという意味だろうと思うのですが、こういう制度で、従来の経験から見て、ラジオに関して減収をチェックしむしろ増収が可能である、こういう確信でお始めになったのかどうか。これを最後に、ちょっとお聞きしておきたい。
○参考人(小野吉郎君) そのような利点を、大いに期待をいたしております。
○委員長(鈴木恭一君) 本件に関する質疑は、本日は、この程度にとどめておきます。 本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十二分散会