地方行政委員会 第8号
- 発言数
- 61 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/03/14
会議録
○委員長(増原恵吉君) ただいまから委員会を開会いたします。 昭和三十六年度地方財政計画に関する件及び新市町村建設促進法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。 御質疑のある方は順次御発言を願います。
○加瀬完君 財政局長に伺いますが、昭和三十五年度地方財政措置要領というのを示されましたね、国の予算計画に見合って、昭和二十五年地方財政において措置さるべき要領、そういった通牒を——通牒でございますか、要綱を昨年説明されたこともございましたね、その中に、本来公費の負担とすべきもので、不当に住民に転嫁されておる、たとえばPTAの負担金等、県等の税外負担は、順次解消の措置をとっていくという一項目が掲げられているわけですね。それは今年度の財政計画でどういうように結びつけられておりますか。ことしの財政計画の要綱の中には、それは省かれておりますけれども、計画の内容としては、引き続いて盛られているわけですか。
○政府委員(奥野誠亮君) 三十五年度の地方財政計画を策定いたしました場合には、今お話の趣旨を織り込みまして、それに関連する措置をとったわけでございます。三十六年度はことさら税外負担を解消するのだという趣旨の表現は使っておらないわけでございます。ただ、御承知のように、いわゆる規模是正、本来地方財政の一部としては、もっと大きなところで財源措置がなされるべきであるけれども、それが見のがされて、そういう意味の是正を行なっておるわけででございます。
○加瀬完君 昨年度の説明では、これは引き続き三十五年以降——三十五生だけではまだ解決のつかない問題もあるから、この措置は次年度に続いて行なわれるのだ、こういう説明があったはずですけれども、三十六年度の計画では、そういたしますと、三十五年度のような重点は、この税外負担の解消措置に対しては、とられておらないわけですか。
○政府委員(奥野誠亮君) 御指摘になりました地方財政措置要領、これは国の予算編成について留意してもらいたい事項を申し入れるために作成しているものでございます。昭和三十六年度の国の予算編成と並行してとられるべき国の財政措置要領の中には、実は税外負担の問題は取り上げていないのでございます。三十五年度においては取り上げました。しかし、同時にまた、地方財政計画に計上をし、基準財政需要額に算入し、地方交付税法を改正し、負担転嫁禁止の規定を置いたわけでございます。いわゆる三段がまえであの措置をとったわけでございます。しかし、地方交付税法の改正の効力は三十六年度から発効することにいたしておるわけでございます。従いまして、この結果を見まして、さらに税外負担解消の方途を進めていくべきではなかろうか、こういうように思っているわけでございます。計画に計上しただけで問題は解決しないと思っているのでありまして、やはり地方財政計画に計上いたしまして、財源措置を明確にいたしますとともに、個々の団体にそれだけの財源を与えるために、地方交付税法を改正いたしまして、基準財政需要額に算入し、同時に、負担転嫁の禁止の範囲を拡げていくべきじゃないだろうか、そう考えるのでありまして、それには今申し上げましたように、一応とった措置が三十六年度から効力を発生するということにいたしておるわけでございます。それらの推移を見ました上で、さらによりよい方法を考えていくべきではなかろうか、こういう考えをもってやっております。いずれにいたしましても財政規模の是正、その他を通じて相当に財源の確保に留意して参っておりまして、不合理な財政負担は私は相当に解消されるだろう、こう期待しているわけでございます。ただ、そういう名目を使っての措置はいたしていないわけでございます。
○加瀬完君 この問題はあとでまたこまかい具体例を出しまして伺いますので、次に移ります。 やはりその三十五年度の国の予算編成と並行してとらるべき地方財政措置要領の中に、地方公務員の退職年金制度の実現というのがありまして、これは一年延びた。去年の重点が今年になっても実現できないということは、これはどういうことなんですか。
○政府委員(藤井貞夫君) 地方公務員の恒久的な退職年金制度の整備につきましては、過去二年間にわたりまして鋭意検討を続け、大体の成案は得ておるわけであります。地方制度調査会の答申も得ておりまして、その点では大体の方向というものはきまっておるわけでございますが、ただ問題になりますのは、給付の費用につきまして、その一割は国庫負担をすべきだという点と、事務費については国庫の補助を確保すべきである、この二つの点が財政措置としては残ったわけでございます。これは私たちの立場といたしましては、今や全分野を通じて、退職年令については、社会保険の一環としての法的年金制度として確立すべきである。なかんずく、国民年金についても拠出制についても発足をするという段階に至っております今日では、法的年金制度として、社会保険の一環としてこれを確立するということが建前であり、筋であるというふうに考えておるわけであります。その点からいえば、国の責任ということは明確にすべきであって、その国の責任を明確化する手段といたしましては、給付費の国庫負担と事務費の国庫補助というものは、どうしても必要な条件であるというふうに考えております。この点予算折衝の段階においても要求をいたしたのであります。遺憾ながら、私たちの努力も足りませんで、この点が国の財政上の問題——将来これが制度的に確立されますと、永久的について参る問題でもございます。さらには他の三公社関係へのはね返りというような点も危惧されたのでありますが、予算折衝の段階でこれが本年も見送られた形になっておるのでございます。ただ、今の現況そのままを引き継いで参りますことは、諸般の事情でいろいろの問題が起こって参っておりまして、新陳代謝の促進の上から申しましても、また雇用員と吏員との通算の問題にいたしましても、種々難点が生じて参っております。できるだけすみやかにこれを解決をいたさなければならぬと考えております。私たちといたしましては、一年間見送っている間に研究をするという閣議の方針に相なっておりますので、その線に沿ってやって参りますが、予算編成にからませないで、できるだけすみやかな機会に今後の方針というものを確定して、その線に沿いましてすみやかに地方公務員退職年金制度の整備確立をはかりたい、かように考えておるのでございます。
○加瀬完君 これは局長に聞いてもお気の毒ですけれども、政府の方針として三十五年度に示されたものが、三十六年度になっても実現できないという政治責任は一体どういうことなんですか。内容はわかっています、御説明のような内容は、政府の方針として三十五年度に示して、三十五年度にだめになった、また三十六年度にもそれが実現できない。措置要領として示したこの責任は一体どうなるのか。で、三十七年度に——六年度の途中あるいは七年度にそういう見込みが立つのですか。しかも一方、予算の措置はできている。実際の予算の進め方をはかるべき法律そのものは発効しない。一体この責任はどういうことになるのですか。
○政府委員(藤井貞夫君) この制度が実施されます時期が延期になりましたために、いろいろな点で迷惑をかけておりますという点については、私自身痛切に責任を感じております。ただ、その責任を感じておりますことについて、どのようにその責を果たしていくかということにつきましては、ただいまの心境といたしましては、何としてもこの制度を実現することだ。そのためには、やっぱり障害を一つ一つ打破していかなければならぬ。それをできるだけすみやかにメドをつける、これがただいまの私の気持といたしましては、責任を果たす手段じゃないかというふうに考えておるのであります。
○加瀬完君 あなたの責任は別にありませんよ。事務的に何もとどこっているわけじゃないのです。大臣がおりませんから、局長から大臣にいずれかの機会に、去年示された要領を、本年になってもさっぱりから手形、この責任をどうとるのか、どうお考えになっているのか、適当な機会に御説明を本委員会でしていただくようにお願いをいたします。 次に、直轄事業に対する全額国庫負担の原則というものもやはり去年示されました。国と地方団体との行政責任の帰属を明らかにするため、直轄事業については、原則としては全額国庫負担によるものとする、こう示されたわけでありますから、三十五年度計画よりは、三十六年度計画がこの傾向がもうはっきりと打ち出されなければならないはずですけれども、具体的にことしの財政計画の上でどう内容に盛られておりますか。
○政府委員(奥野誠亮君) 直轄事業についての財政負担について今回特に変わったというような点は、一つは、交付公債制度を全廃したということでございます。もう一つは、後進地域の開発事業につきまして、赤字の有無にかかわらず、国庫負担を引き上げていくというような措置をとったということであります。全額国庫負担の考え方は、私はやはり責任の帰属を明確にするという意味においては、それが好ましいのじゃないかと思います。その場合には、補助事業につきまして大幅に整理して、全額地方団体の負担において多くのものを行なっていくという考え方でなければならないと思います。そういう考え方は一つの考え方として持っておるわけでございますけれども、政府としては、いろいろな反対の考え方もございまして、そういう考え方を採用するに至っていないということでございます。しかし、今申し上げましたように、公共事業のあり方につきましては、相当な前進を見ているのだ、かように考えておるわけでございます。
○加瀬完君 交付公債制度をこの間、御説明のように改められたからといって、直轄事業は全部原則として国が負担すべきだという、去年お示しになられた要領の筋と合致してこないと思うのです、すぐには。直轄事業の全額国庫負担の原則というものは、交付公債なんかの問題ではなくて、もっと幾らでも残されておると思うのです。今度直轄事業のために地方が負担しなければならない額というものは、相当なものが盛られておる。この中には、地方団体におりて参りますれば、相当単独事業を押えなければ直轄事業の負担金が納められないという事実が、例年のごとく三十六年度もまた生じてくるおそれがある。そういう地方負担というものを軽減していくというために、全額国庫負担の原則というのが進められなければ、去年の説明とは私は合致しないと思う。これはただ自治省としてこういう方向に持っていきたいという考え方を示されたものなんですか、昨年の措置要領は。こういうものを示されるからには、少なくも次の年度あたりでは、幾分かでも国の予算あるいは地方の財政計画の上に示された内容というものが具体性をもってこなければ、私はただぬか喜びだと思うのです。かりに、おそらくこうなるであろうからといって、今各都道府県は当初予算をやっておりますけれども、その当初予算に、単独事業などを目一ぱいに盛ったような団体がありとすれば、それは公共事業のうちの直轄事業と、あるいは今度はそれらに関係のない単独事業の予算とがかみ合ってきますね。それが赤字の原因をもたらすということにもならないとは限らない。奥野さんの主張されるように、あなたの主張の通りだと私たちも思うわけですけれども、なぜ一体直轄事業の負担金というものを、もっと地方に負担がかからないような方法というものをとられないわけなんですか。財政計画の上にも、私はあんまりはっきりしておらないので伺ったわけです。
○政府委員(奥野誠亮君) 私が交付公債制度の廃止を申し上げましたのは、交付公債制度を廃止する結果は、直轄事業の地方負担額について、そのつど財源措置としていかなければならないことになるわけでございます。地方財政計画にも、地方の所要の負担額を計上いたしておりますし、同時にまた、地方交付税制度の改正を通じまして、関係の負担額を基準財政需要額に算入するというような方法をとっておるわけでございます。そういう意味において、従来と違いまして、直轄工事の地方負担額をなくするかなくさないか、あるいは残しておくけれども財源措置をその際するか、若干関連のある問題でございますので申し上げたわけでございます。 なお、地方財政措置要領の中に示しておりますことが、年々実現していく、それは私たちとしては最も望ましいことでございます。私たちがその方向がよろしいと考えているわけでございますけれども、自治省以外にも、大蔵省その他政府各省があるわけでございまして、これら私たちの提案を基礎にフランクに議論してもらう、フランクに研究討議をしてもらう、そうして国政をよりよい方向に持っていきたいという真摯な願いでございます。従って、この中に実現されないものがあるからけしからぬのだという気持はお持ちいただかないようにお願いいたします。しかしながら、まあこの措置要領で世人を惑わすということがあってはならないことは言うまでもないことであります。私たちは常に新しい提案をしながら、それをめぐって大いに議論してもらう、各省においても、学界においても論議してもらいたい、そしてみんなよいと判断したら、その方向に向かっていけばよいと思っておることを御了解いただきたいと思います。 直轄事業の地方負担をどんどん少なくしていくという方向、それにつきましは、今回、後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律案を提案しております。そのことがやはり直轄事業の地方負担額についても相当な軽減——最高の軽減額は、国庫負担額の二五%増しということになるわけでございますので、相当な軽減になるわけでございます。直轄の道路事業なんかにつきましては、一割しか地方負担が残らないというようなことになっていくわけでございますので、やはり私たちは相当な前進を見ているということはいえると思うのでございます。しかしながら、もとより直轄事業の地方負担をなくするということは、単に負担を軽減するというような見地から申しておるわけではございませんので、負担を軽減する、軽減しないは、これは財源措置さえすればよろしいというものの考え方もあり得ると思うのでございます。それよりも行政責任を明確にする方が民主的な批判をしていく場合にも穏当ではなかろうかという気持から強く出て、そういう主張をして参ってきておるわけでございます。
○加瀬完君 これは一昨年か、本委員会で道路五カ年計画が問題になりましたときにも、直轄事業に対する負担金の問題が論議されたわけでありますが、それは局長の言うように、確かに便法ではありますよ。原則として国が全部負担をするということが不可能ならば、地方の負担を幾分かでも負担しやすい条件を満たしてやるために補助金の制度を変えたり、あるいは財源措置を講じたりすることは、一つの便法かもしれませんけれども、性格は違うと思う。少なくとも、直轄事業の中でも、地方の負担をして至当な性格なものも若干あるかもしれませんけれども、かりに国の直轄事業が推進されるために、その地方には経済的にも、社会生活の上にもマイナスになるような面を生じても、具体的に言うならば、その田畑をつぶされて大きな道路を作られることは、その地方にとっては、別にその道路は必要でない、しかも、田畑もつぶされる、個人にとっても、その地域にとっても、経済的に非常に負担だという場合にも、やはり現状においては直轄事業に対しまして地域が負担をしなければならない、そういう不合理が当然あるわけです。そういう純粋に国だけが負担してしかるべきようなものだけでも、この直轄事業に対する全額国庫負担の原則というものは貫かれてしかるべきではないか。便法ばかりが表に出て参りますと、財源措置だけすればいいじゃないかということになりまして、財源措置はしてもらわなければなりませんが、その財源はまだまだ幾らでも地方独自の計画で使わなければ、また使いたい要望もあるわけです。財源があり余っているわけではないのです。そういうところに財源措置してもらって、税収以外のいろいろの財源がふくれ上がったところで、地方独自の計画では何にも使えないということになったら、自治体としての存在理由ははなはだ希薄なものになる。何もこれに因縁をつけるわけじゃありませんが、少なくもこういう方針を出したら、これはこの方針について一歩でも進むような方法をとってもらわなければ困ると思う。一歩でもというのは、実現しないものがあまりにも多い。たとえば消防施設令というのを去年も出している。ところが、消防施設令というのは、ことしになったら影を没してしまった。しかも、消防組織法というのが新しく提案されて、消防組織はもっと拡充され、強化されなければならないという形になっている。その財源はない。相変わらず地域に帰れば消防のための寄付というのがそのまま行なわれておる。で、そういう寄付などをなくするために消防施設令というものは必要だと自治省では考えて、昨年から主張しているわけでありますが、ことしになったら、その主張というのはどこかへ消えちゃった。やらなければならないと、やった方がいいと私たちも考えて、非常にいい意見を去年何項目か出してくれましたけれども、それらがことしになったら影を没している。これではあまりに出された措置要領というものはから手形過ぎるんじゃないか。そんなに来年になって一項目もわれわれの要望するおもなる項目が実現できないものならば、発表そのものももっと手控えるべきじゃないか。から手形——まあ手形としては何千万円くれるみたいなことを書いてあっても、しかしながら、受け取るときになったら、それはみんなからだった、こういうような感じを私たちは受けます。まあさらに説明を加えるならば、自治省が去年出された措置要領はまことに至当なものであるし、りっぱなものだとわれわれは敬意を表した。ところが、その実現の方法に至っては、はなはだ情熱を欠くんじゃないかと思いますので、あなた方の主張を私たちは強く支持をいたしますから、重ねて伺っているわけです。
○政府委員(奥野誠亮君) 直轄事業の地方負担額をなくする、全額国庫負担で行なうという考え方に対しまして、そういうような制度をとった場合には、地方団体では、ただ直轄で仕事をやれというような要求ばかりが強くなって、無責任に仕事を取り合いっこするというような風潮を強くしやしないだろうかと、こういう懸念を持っておるわけでございます。国庫財政に関係する人たちは、もっぱらそういう懸念を持っているわけでございます。そういうことからこのような主張がなかなか実現できないということになっておるのでございます。多くの公共事業につきましては、国と地方団体とが共同で負担する仕組みをとっておるわけでございまして、地方団体が行ないます場合にも、あるいは国が工事を実施します場合にも、共同で負担するという仕組みをとっておるわけでございます。どちらかといいますと、大きな規模の公共事業は企画を中央で行なうけれども、実施は地方団体が担当する、あるいは国が実施を行なっても地方団体にある程度の負担を持ってもらうことによって、その工事についての批判を強めていきたい、民主的な運営ができるように持っていきたいというような配慮がなされておるわけでございまして、こういう行き方も、もちろん従来から行なっていますので、一つの行き方だと考えておるわけでございます。 消防施設令の問題は、三十六年度の地方財政措置要領には掲げなかったわけでございます。掲げましたことが実現できないことについて、自治省の関係者には能力が不足しているということでお責めいただくことは、これはけっこうなことでございますが、ただ実現できなかったことからすぐ責任をとれ式の議論にはお考えいただかぬように私はお願いいたしたいと思うのでございます。一度提唱いたしましたことも、その後の客観情勢がそれを許さないというような場合にまで、あえて引き続いてそういうような項目を堅持ししゃにむに努力をしていくということも適当ではないじゃないだろうかという感じを持っておるわけでございます。毎年々々同じことばかりを繰り返すばかりが能ではない、こう思っているわけでございます。財政措置要領に掲げてあったことが大へんたくさん実現していないように御指摘になったのでございますけれども、私たちは相当大きく毎年々々実現してきているというように考えておるわけでございます。この点が見方が非常に隔たりがあるように感じたわけでございます。三十六年度、国の予算編成と並行してとられるべき地方財政措置要領にとられました相当大きな部分が私たちは実現したと考えておるわけでございますし、今後もまた、そのつど方向を考えながら措置要領に掲げまして、各省にも呼びかけると同時に、その実現には努力して参りたい、かように考えておるわけでございます。
○加瀬完君 その措置要領の全部が全部から手形だったとは申しません。私が先ほど申しました通り、われわれが要望をいたしております重要な点が、これはから手形に終わったのじゃないか。いつもいつも同じようなものを掲げるのが能じゃないというのは、その通りでありますけれども、少なくも財政計画は大臣が説明されるわけでありますから、政府の方針として。自治省の試案としてわれわれは説明を聞いているわけじゃないのですから、それに付随していろいろ討議の間で説明されたり、資料として配られたりした、たとえば今の問題になっている地方財政措置要領についても、昨年はこういう点を主張したけれども、この点とこの点は今年度のこういう情勢でここに掲げなかった、経過はこうなっておる、こういうふうな説明が補足説明としてあってしかるべきです。去年書いた、去年書いたことは、ことしは責任は持たない、そういう理屈は通らない。われわれは責任を追及しているわけじゃないけれども、責任をとれと言っておるわけじゃないけれども、少なくも委員会において説明ざれたものが、一片のほごとして葬り去られて、次の年度においては何も結論のつながりとしての説明がなされないということでは不満だということなんです。ですから、これも奥野さんの責任を私は言っているわけじゃありませんから、閣議において約束したことが主張できなかったことは大臣の責任であることには間違いありません。大臣の御出席のときに、昨年度いろいろお述べになられたことがことしどういう経過によって一片のほごとなったか、これは大臣の御見解を聞かしていただきます。 具体的にそれじゃ奥野さんのお答えいただける点で伺います。ことしは特別、地方財政計画の発表がおくれたわけであります。その御説明の中にも、三十四年度の決算と見合うように財政計画を立てたということでありますが、この地方財政計画が、非常に素朴な質問ですけれども、発表になるころには、すでに地方の予算は案としてはまとまっちゃった。ですから、三十六年度の地方財政計画でこれだけの裏づけ、これだけのワクというものが大まかに示されても、それを忠実に参考にして地方では予算を組むという作業ができないわけです。地方財政計画というものはそんなものでいいものかどうなのか。で、決算へ来て、地方財政計画と決算が違う、違うと言っておりますが、初めから地方財政計画というものは重要な参考にされないで予算が作られたものなんですからね。地方財政計画を発表することなんかナンセンスみたいな、極端な言い方をすれば、私は受け取り方ができないではないと思う。そうであってはいけないと思う。もっと地方財政計画を早く発表して、少なくも地方の予算というものがある程度のよりどころを地方財政計画に求めていくというやり方をするならば、決算と財政計画がばか離れをするというようなことは防げるのじゃないか、今のままでは財政計画と決算が離れてくることはあたりまえなことなんです、初めがら財政計画を考えて予算を作らないから。そういう不合理を感ずるわけですけれども、この点いかがです。
○政府委員(奥野誠亮君) 毎年八月の末ないし九月の初めに出しております地方財政措置要領は、実は委員会では別に正式には説明はいたしていないわけでございます。そうすることがいいか悪いか多少問題があろうかと、こう思います。 それから地方財政計画の発表がおくれて地方団体にも迷惑をかけていると思いますが、そういうこともございますので、一月の末には全国の総務部長を集めまして、国の予算においてはこういうことを考えている、どういうような姿になるわけだから、それを頭において地方団体でも予算編成に当たってもらいたい、こういう努力はいたしておるつもりでございます。それだけで計画がおくれたおわびにはならないと思いますが、そういうことをやっていることだけ御報告さしていただきたいと思います。なお、地方財政計画を早く発表いたしましても、御指摘になりました地方団体の予算に全体を盛り込んでいくということは、私はやはりむずかしいと思うのであります。国の補助予算、この配分が団体別にきまりますのが大体夏のころではなかろうかと、こう私は考えておるわけでございまして、傾向はわかりましょうけれども、具体的の団体の姿というものがなかなかはっきりしてこないと、こう思うのでございます。そういうこともございますので、三十五年度の地方財政措置要領には掲げたのじゃないかと思うのでございますが、国の会計年度と地方の会計年度を変えるべきだ。私はやはり根本的には国の会計年度を一月から十二月までにしてもらいたい。地方の会計年度は現状に置くというのが一番いいのじゃないか。今日では私はそう一思っております。しかしながら、これにつきましては、会計年度を変えることによって起こるいろんな混乱、あるいはまた必ずしもそれで全部が解決されるわけではないというような考え方の向きもございまして、なかなか私たちの希望通りにはなって参らないわけでございます。三十六年度の地方財政措置要領にはそのことは掲げておりません。しかし基本的には、私は会計年度を変える以外にこの問題の解決はないのじゃないだろうかという気持を持っておるわけでございます。国と地方の財政の結びつきが日本ほど大きな国は私は少ないだろうと、こう思うのでございます。国の予算に計上されている金額の半ばに近いものが地方団体に交付されまして、地方団体の手によって使われていくわけでございますので、国の予算がどう執行されているかということが、地方の財政運営にも非常に大きな影響を与えて参るのでございます。ただ地方財政計画ということだけで申し上げますと、私は国の予算を作成しますときに、地方の財政がどんな姿になるだろうかということを頭に置いて編成されておるはずだと思います。地方財政計画を作って参ります私たちとしては、国の予算を頭に置いて地方財政計画を作っておるわけでございます。相互に編成作業の過程においては話し合いもいたしておるわけでございますので、その点はある程度矛盾のないような努力はされているとこう思うわけでございます。しかし、今御指摘になりました点は、そういうことだけでは解決されないと私も同様に感じておるわけでございます。
○加瀬完君 具体的な問題を伺いますが、後進地域開発のために国の施策と地方計画がマッチするといいますか、つり合いといいますか、そういう関係がうまくいかなければならないと思うのです。ところが、こういった国と地方の密着した関係の上で地方財政計画というものは作られてはおらない。わかりにくいようですからもう一度申しますと、後進地域の開発というものについて、財政計画でも国の方針でも、特別に財政の援助をする形が一つの特徴になっておりますね、ことしの財政計画の。しかし、後進地域の開発というものは国の計画だけで進められるべきものじゃない。地方の計画だけで進められるべきものじゃない。国と地方とが一つになって密着した関係で開発計画ができて事業項目がきまって、それにいろいろの財政計画上の援助というものが流れていくという形にならなければほんとうのものにはならないと思うのですよ。しかし、三十六年度の財政計画ではそういう形では私は財政計画はできてないと思う。その点はどうですか。
○政府委員(奥野誠亮君) 御承知のように現在では地域ごとに総合開発計画を策定いたしておるわけでございます。従いまして、また国が予算を編成いたします場合に、それぞれの地域においてどういう事業を実施するか、それから公共事業の予算がきまってくるわけでございまして、きまりました予算は当然きめたときの考え方に基づきましてそれぞれの地域の開発事業として配付が行なわれて参るわけでございますので、その開発計画と国の予算とは密接に結びついている、こう私たちは考えているわけでございます。同時に、後進地域におきましては、なかなかそれが受け入れにくい問題でもございますので、今回後進地域に限りまして国庫負担を引き上げるという特例法案を提出いたしておるわけでございます。同時に、地方債それから交付税両者を通じまして、そういう地域において事業執行が可能なように運営をいたして参るわけでございます。具体的なことで申し上げますと、たとえば港湾の仕事のようなものが特定の時期に特に多額に執行しなければならない、そういう場合には、そういう地域に特に地方債を多く配分をすればよろしいじゃないか、こういう考え方をしておるわけでございます。そういうことを頭に置きながら地方財政計画を策定し、地方財政資金を準備をするというような配慮をいたしておるつもりでございまして、国の計画と地方の財政計画と後進地域の開発と関係がないのではなくて、やはりそういうものを頭に置きながらこれらの作業を進めてきておるつもりでございます。
○加瀬完君 たとえば今、奥野さんの御説明のように、国の後進地域開発とのいろいろの計画がありますね、それの直轄事業の予算なり事業項目なりというものがきまりましてスムーズに流れていくということはわかりますよ。その関係でははっきりしておりますし、それに伴って交付税その他の算定の有利な条件というものを与えていろいろの補助的性格の財源が流れてきておることもわかります。その間が密着しておるということもわかりますよ。しかし、直轄事業と単独事業において地方はこれだけの単独事業を開発計画としてやりたいのだ、直轄事業はこういうものをやってもらいたいのだ、こうかりに地方としての考え方が固まったとしますね、しかし、そういう地方の意思というものは現在まで生かされてこなかった。今度の財政計画でもそういう密着性というのは私はないと思う。この点はどうですか。
○政府委員(奥野誠亮君) 総合開発計画を作りますときには、どちらかというと、地方団体が原案を作り、そうして各省との間で協議をする、それが国の計画として作り上げられるというようなことで行なって参ってきておるわけでございます。同時にまた、直轄事業でやるか単独事業でやるかということは、道路で申し上げますと、一級国道の改修が直轄事業になりますし、二級国道の改修は府県工事になって参るだろうと思うのでございます。けれども、一級国道の改修の場合は地方負担が少ないわけでございますので、その部分については、基準財政需要額の算定につきましてもその程度で算定すればよろしい、こういうことになろうかと思います。ただ工事のスピードその他の関係かございますので単純には申し上げられませんけれども、そういうことを頭に置いて交付税の計算をいたしておるわけでございます。ただ単独事業につきまして一々国が府県別に査定を加えて財源を与えていくというような方向は、これは穏当ではないと思うわけでございます。開発関係の単独事業もございまするし、それ以外の単独事業もたくさんあるわけでございます。ただ後進地域は租税収入も乏しいわけございますので、そういう意味の財源を相当多く与える必要がある、こういう意味で人口を測定単位にする、あるいは面積を測定単位にいたしたりしながら投資的経費の財源を与えて参るというようなことをやって参ってきておるわけでございます。相当のそういう意味の財源を与える。しかしながら、それを一時、ひもつきと言うと語弊があるかもしれませんが、特定の仕事を個々に積み上げて算定をする、こういうやり方をいたしておらないわけであります。むしろ総合的に地方団体に考えてもらう、また総合的に財源を賦与していくという行き方の方が好ましいのではないかと、こう考えておるのであります。
○加瀬完君 私の伺っておるのはそういうことじゃないのです。具体的にいうと、岩手県なら岩手県、青森県なら青森県という一地域を押えますと、その団体の地方財政計画では、国庫補助金を伴うものが前年度に比べて二二%増、補助金を伴わない普通建設費が七四%増、こういう数字が出ております。これは間違いありませんね。しかし、岩手県なら岩手県で、直轄事業なら直轄事業というものをばんとかぶせられて、その直轄事業のあおりで、補助を伴わない普通建設費の七四%増という仕事ができるかというのです。できなくなるんじゃないか。ですから、補助制度——いや、いろいろの後進地域開発のための財源措置をしたことは私は大賛成で、これを別に問題にしているわけじゃない。しかしながら、それにはもっと直轄事業に対する、あるいは単独事業に対する地方の意思、岩手県なら岩手県の意思、青森県なら青森県の考え方というものを押えて、その計画に基づいていろいろの財源措置をするということでなければ、それは後進地域の開発という名のもとに、事実は後進地域が財政負担にあえぐ今までの状態を一挙に解決することにならない心配があるのではないか、こういう点を伺っているのです。
○政府委員(奥野誠亮君) 御指摘のように、特定の団体にある年度においては莫大な事業分量が執行されなければならない、こういう状態が起こるわけでございます。従いまして、そういう場合には、当該団体はある程度地方債による部分が多くても私は差しつかえないのじゃないか、かように考えておるわけでございます。従いまして、そういう団体については、特に直轄事業の地方負担額についての地方債資金を多く充当していくというふうなやり方をいたしたい、かように考えておるわけでございます。もっと具体的に申しますと、たとえば河川の総合開発事業で非常に大きな地方負担が起こってきた、それをほうっておいたんじゃ、御指摘のように補助事業までできなくなってしまう、そういう場合には、その地方負担額から関係の基準財政需要額を控除した差額に相当する額を目途に地方債の許可を行なったらどうだろうか、こういうふうなことを考えておるわけでございますが、そういうことを頭に置いて地方債計画を作っておりますし、交付税制度の改正も行なっているわけでございます。計画にはどの団体の分、どの団体の分といたしておりませんけれども、それは総体的に地方団体の負担額が出て参りますので、それとにらみ合って地方債計画なども策定いたしますので、今申し上げたようなことで運用をすれば、その問題の解決もはかれるんじゃないかと、かように考えております。
○加瀬完君 解決にならないでしょう。地方債をかぶせていけば、地方債は将来累積されて、また赤字の形で残るわけです。それが、まあ後進地域も開発されるんだから、税源も拡大されるから、将来は税収等でまかないがつくという見通しは一応立ちますけれども、それは何年先かわからないでしょう。しかも、その地方債というものが、ここにある程度の、干拓事業などに向け得る余裕財源というものを目一ぱいに見ておいた上で地方債を政府が与えるなんということはほとんどないでしょう。まず単独事業を押えるでしょう。どうしたって今までの例からいえば、あるいは単独事業を押えないようにすれば、ほかのいろいろの行政費用というものを節約した形で、どうしたってあとう限りにおいて直轄事業の費用というものを捻出するということは、当然これは好むと好まざるとによらず考えさせられます。だから、一つも後進地域の財政負担の軽減にならないと思う、私は野放しの今のような制度では。この点どうでしょう。
○政府委員(奥野誠亮君) 加瀬さんは解決にならないとおっしゃるわけで、何をどういう具体案をお持ちなのか、私にはわからないのですが、私たちは解決になる方法を考えておるわけでございます。恒久的にそれだけの大量の事業がその団体を向けられるといたしますならば、私は根本的に基準財政需要額を改正すべきだと思います。恒久的にそれだけ大量の事業がその団体に突っ込まれるわけでもないのに、基準財政需要額をその団体に多くするというのは、不当に将来にわたる財源を与えてしまうことになる、かように考えておるわけでございます。ただ、臨時に大量の事業が持ち込まれる、そういう場合には、私はその団体のさしあたりの負担は、資金繰りの問題として、地方債を大量にその団体に持ち込めばよろしいのじゃないか、こういうふうに考えるのであります。将来にわたっての元利償還額がその団体の圧迫になるというような姿のことであります場合には、おそらくその団体にとっては、基準財政需要額に算定されている以上に事業分量を必要とする団体になっていくだろうと思うのであります。その際には、当然そういうこともにらみ合わしまして、基準財政需要額の算定方法を私は改正すべきだ、こう考えるわけでございます。要するに、直轄事業が大量に持ち込まれたために、単独事業を圧迫する、こうおっしゃるわけでございますけれども、もし、その直轄事業をどうしてもやらなければならない、地方負担額が莫大で、とても財源の出しようがない、それを私は地方債資金で充当してしかるべきであると、こう申し上げているわけで、単独事業までしわ寄せされるべきではないと考えるわけであります。しかし、当該地方の直轄事業に伴う地方負担額がどの程度の分量になるかということは、将来にわたの問題でございますので、将来にわたってそれが大きな問題になりますならば、これは私は地方交付税制度の改正につながっていく問題だろうと、こう考えるわけでございます。財政的に大きな額になる、それは一時の資金繰りの問題として取り扱うことが至当であろう、こう考えるわけであります。
○加瀬完君 それは今まで自治省のやってきた考え方だ。借金ができちゃってから、交付公債などというインチキなもので、一時の資金繰りを糊塗させておいて、そして、交付公債が問題になって、それを今度は交付税の制度でもって交付公債を返していこうとか、借金を作らしてしまってから赤字を解消するいろいろの方法を考える。そのためには、再建団体などという法律まで作って、一般の行政効果というものをある程度制限しても、まず借金を返せ、こういう方法を地方団体に押しつけられてきたわけです。逆じゃないですか。そういう経験をわれわれは積んできたわけだから、当然同じことで、それは限度もありますけれども、やがてその団体が大きな赤字を背負うような地方債をかぶせて、これで一時を糊塗していくという方法は、これはやはり今後は警戒をしなきゃならないと考えるのが私は至当だと思うが、直轄事業というものはどういう形できめられますか。地方がこれだけの直轄事業はやれますという認定の上に直轄事業がきめられておるのじゃないのですよ。今までは、直轄事業は直轄事業できまっちゃって、それが地方にかぶさってくる。今度のまあ三十六年度予算もそうですけれども、三十五年度予算などの性格から見ても、公共事業というものは非常に広がっちゃっている。国の公共事業の広がった幅が、そのまま何分の一かの形をとって地方におりてくる。それを地方は、好むと好まざるとにかかわらず、背負い込まなければならない。財政負担のあるなしということは問題じゃないでしょう、ここでは。かぶさってくる直轄事業というものは背負わなければならないじゃないですか。地方の意思というものは、これだけは背負います、これだけは財政処理できます、こういう認定の上で直轄事業を持ってくるわけじゃないでしょう。ですから、杞憂かもしれませんけれども、心配し過ぎかもしれませんけれども、私たちが現状を視察して、後進地域といわれるところの府県においては、どうしても今のような直轄事業の天下りのやり方では背負い切れないということをたびたび訴えられてきたわけです。それを解決する方法を、一応後進地域に財源をある程度流していく方法を考えたわけですけれども、それはいいというのだ、私は。しかし、それだけでは地方の後進県は浮ばれない。もう一つ、直轄事業の中に後進県の意思をはっきり生かす方法を考えてくれなければ、どうしても財政負担に耐えられない状態が尾を引いてくると、僕は思うのですよ。あなたは、何かお前はいい解決方法を持っているかと言っていますけれども、私は解決方法を持っているわけじゃない。あなた方のやり方が悪いから、やり方を直せと言っているわけだ。このやり方が悪いと認めないかどうか。これは自治省だけの関係じゃありませんが、それを答えてもらえばいい。
○政府委員(奥野誠亮君) ちょっとその他方債のことを強調したので、加瀬さんに誤解を与えているように私には思われるわけでございますが、大へん抽象的に申し上げたわけでございます。根本的には今回の開発、後進地域開発のための公共事業の国庫負担の特例法を、これを提案しておるわけでございます。今までの国庫負担額をさらに二五%増額するということになっているわけでございます。三十六年度の事業につきましては、大体百七十億円ぐらいの国費をさらに後進地域に追加して交付する、こういうかなり思い切った措置がとられることになっているわけでございます。同時にまた、後進地域開発の総合計画を作るということで、年々地方団体と政府各省とが相談し合いながら具体的の計画を作り上げて参ってきているわけでございます。その際に直轄事業だから、ただ地方団体の意見も聞かずに国が押しつけているというような誤解を——あるいはそう思っておられないのかもしれませんけれども、もし誤解をお持ちになっているとすれば、それは違うのではないかと思うのであります。むしろ地方団体としては、開発のために積極的に事業を起こしたいわけでございまして、同時にまた、直轄事業になりました方が、地方団体の負担が少なくなるのでございますから、できるだけ直轄でやってもらいたいと、こういう格好で希望を述べてきておるわけでございます。押しつけたわけではなしに、むしろ国が地方団体の希望に基づいて、それを国がその事業を国の事業として取り上げるというのが現実の姿でございます。同時に、地方財政法には、これらの直轄事業については、工事に着手する前に、あらかじめ地方団体の意見を聞かなければならない、こういう規定を置いているわけでございます。たまたま交付公債制度をとっていた時代には、さしあたり地方団体から金を出してもらいませんで、一方的に国が仕事を進めていくというきらいが多分にあったわけでごいます。しかし、これからは現実に金を当該年度に当該地方団体から納付してもらわないと仕事ができないわけでございますから、自然地方財政法の規定が忠実に守られるようになっているわけでございます。そこで地方団体の意見を聞かなければならないということになっておりますので、地方団体は当然全体の事業とにらみ合わせながら、その希望も伝えてくるわけでございますので、私は一方的な押しつけには毛頭なっていない、こういうふうに判断をいたしておるわけでございます。さらに地方交付税制度を改正いたしまして、後進地域には基準財政需要額を傾斜的に増額するというような措置もあわせてとっているわけでございまして、地方分量が多くなって後進地域の地方団体が単独事業もできなくなってしまうというような現象は、私起こらないと思います。後進地域に対するかなり手厚い財源措置が今回とられて参ってきておると、こういう考え方をしておるわけでございます。多少抽象的に地方債でかりに困難な事態の団体が起こった場合には、資金源の手当をするということを申し上げました結果が、ただいまの誤解が生じたのではないかと思いますので、繰り返し申し上げておきます。
○加瀬完君 それは誤解ではない。あなたがそういう説明をされるから、私はその解釈を正しくしたつもりなので、誤解ではない。資金繰りを全部公債でやるというが、公債でやることは危険だ。今までよりはいいということは認めます。しかし、昭和三十四年度の国の公共事業が非常にふくれたときに、東北六県あたりの知事は、これは直轄事業はしょい切れないから国にこのままお返ししようじゃないかという議論が起こりました。これはもう奥野さん御承知の通りです。公共事業の予算が、国の予算がきまってしまって、それで項目がきまって流れてくるのであって、一々ここのところを公共事業にしますけれども賛成ですか、というような手続は踏まれておりませんよ。それがみな地方がかぶっている。そのために直轄事業、公共事業そのものも、国の公共事業計画そのものも、地方の財政貧困のためにスムーズに進まないようなたくさんの事態があるわけです。だから根本は直轄事業の費用というものを今のような負担金制度で一部を地方にまかせるというところの問題が解決されなければ、どうしたって国の事業のために地方が好むと好まざるとにかかわらず財政負担をしなければならないような問題も起こるわけです。それから今、後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律案ですか、この内容をいろいろ御説明になりました。後進地域は確かに、たとえば鹿児島ですと二五、徳島が二五、鳥取が二五、こういう形で財政力指数に引上率が加えられたのでありますから、そうすると、ねらっている四六よりもはるかに高い四八何ぼというものが出てきますよ。ところが、後進地域は一応それで解決——今よりは解決されて参りますけれども、財政の指数からいえば、割合に高いところの中間の県は、給与でいうならば中だるみみたいにかえって条件が悪くなる。しかも、直轄事業はかえって条件が悪くなるというのは、現状よりも悪くなるということよりは、比較的にこういう県が恵まれているような形よりは、恵まれない条件になって、ちょうどまん中のへこみができてくる、こういうところへ直轄事業が流れてくるわけですから、これはやはり骨が折れるということになって、これをどのようにやったところで、今言った直轄事業の負担金制度そのものの制度を変えていかない限りは、私はこれだけでは解決できない。むしろこの補正の引上率を加えたものは、主として単独の建設費用に後進地域が使えるその財源を与えたということにとどめて、この中からそのまま負担金はもろに出すという考え方は、やはり地方に財源をほんとうの意味で与えたことにならないのじゃないか、地方住民に直接サービスするような単独事業のようなものには、そう財源を与えたことにならないのじゃないか、こういう心配がある。なぜかと申しますと、直轄事業がふえてくるわけですから、負担金もふえる。この引上率によって単独事業の費用までふやすほど残りが残るかどうか、この計算は私はいたしておりませんので、残るというなら今よりはいいということになりますけれども、残らないということであれば、これは国の計画のために地方から文句が出ると困るので、ただ地方に補助率を引き上げるという形で国の公共事業をやりいいような地方負担の方法を考えたということにすぎない。これは地方自治の意義を第一次的に育成することにならないのじゃないか、そういう心配がありますけれども、そういう心配はありませんか。
○政府委員(奥野誠亮君) 直轄事業の地方負担額をなくする方向で地方財政を健全化すべきだという御趣旨は、私たちもよくわかるのでございます。ただ直轄事業がだんだん少なくなってくる、あるいは開発促進に関する国庫負担の特例を作る、それだけでは単独事業などをやる財源まで与えたことにならないのじゃないかという御意見、こういうことは私は地方財政計画の姿がどうなっているかということをごらんいただいて御判断いただければいい、かように思うわけであります。直轄事業なり補助事業なり、相当な割合でふえている、その地方負担額もまかないまして、かなり、地方団体が単独で行なわれます事業の分量も相当増加して、その財源の裏づけはできているというのが今回の地方財政計画でございますので、三十六年度に関する限りは、御心配のようなことはないのではないか、かように私たちは思っているわけであります。数年前には、御指摘のような公共事業まで返上するという事態がございまして、当時の地方財政計画では、直轄事業の地方負担額というものが、地方財政計画に計上されておりませんから、当然財政措置が行なわれておりませんでした。同時にまた、単独事業の規模を増加するというようなことは、きわめて微々たるものであったわけでございまして、そこまでの財源措置は、もとより手が回っておりませんでした。それから考えますと、この二、三年かなり地方財政は毎三冬改善されて参ってきている、こう考えるわけでございまして、それからの状況の判断は一応地方財政計画をござんいただくことによって御判断いただけるんじゃないだろうか、こういう気持を私たちとしては持っているわけでございます。
○加瀬完君 ことしの方針の中に、産業の発展、生活の向上に対応する産業関連施設、文教施設、環境衛生施設等計画的整備拡充をはかるための投資的事業経費の財源の充実という項目がありますね。それから昨年、地方行政水準における道路、橋梁、河川、学校施設、都市計画、環境衛生施設等、地方行政施設整備の年次計画の樹立という一応の方針を立てた、これは自治省独自でできることですから、自治省の各局課でそれぞれ地方行政水準の最低標準というものはそれぞれ作られていると思う。本年の財政計画でも、たとえば文教施設とか、あるいは産業関連施設とか、こういうものを引き上げるということを言っているわけです。そうすると、財政計画の上で後進地域の財源がふくらんでも、何もそれは直轄事業の負担金とか、あるいは直轄事業に伴う単独事業ばかりに金を使うわけにもいかなくなる。他府県に比べてそう劣った文教施設、劣った環境を放任するわわけには参りませんから、橋もかけなければならない、道路も直さなければならない、学校も作らなければならないということになりますと、その費用だって幅をとってくる。今度の後進地域開発補正が、それらの劣っている行政水準の条件まで引き上げるほど財源措置が講じられているかということになると、私はやはりそこまでは手が届かないのじゃないか。そうなってくると後進地域の県は開発計画に目下のところは全財力を投資するという形になって、一般行政水準というのは、いわゆるストップという形に置かれる心配を生じないか、この点はどうですか。
○政府委員(奥野誠亮君) 後進地域が開発計画を推進していかなければならない関係から、他の一般的な行政水準があと回しになるという御心配がおありのようでございます。これはやはり地方団体は総合行政を行なっているわけでございます。そういう意味の責任を住民に対して持っているわけでございますので、御指摘になるようなことは、実際問題としてやれないでしょうし、また、そこまでその団体に公共事業を持ち込むというほど莫大な公共事業が計画されるものでもあり得ないのじゃないだろうか、こう思っておるわけでございます。開発の促進——道路にしましても、河川にしましても、あるいは教育施設にしましても、整備するのには、おくれたものを取り返すのにわずか数年で取り返せるという性格のものではないと思うのでございまして、多年にわたる積み重ねがおくれて参ってきているわけでございますので、やはり相当な期間そういう方向の努力をしていかなきゃならないだろうと思うのでございます。御心配になりました開発計画を推進する結果は、他の行政水準のおくれも取り戻さなければならないのに、逆にそれがひずみを生じてしまうというようなことの起こらないように、財政措置は講じて参らなきやならないと思いますし、また講じておるつもりでもあるわけでございます。
○加瀬完君 たとえば地方教育費の小学校児童一人当たり教育費の都道府県間の開きという調査を文部省が出してまります。最高と最低を比べますと、昭和三十一年には六千五百四十六円、三十二年には七千九百四十二円も開いているのですね。最高と最低の児童一人当たりの教育費を各府県別に調べて見ると、三十一年は最高最低の差が六千五百四十六円、三十二年は七千九百四十二円、だんだん格差が大きくなってきている傾向があるのです。一つの教育というふうなものをとってみても、こういうふうに各府県間に格差がある、これはやはり一般の負担に、低いところにはね返って参りまして、ある県のある市の調べですけれども、校費に組み入れられた寄付金が、ある市の小学校の費用のうち二二%となっております。中学はやはり二二%という数字を出している。ですから、これはあとで質問しますけれども、一つの負担軽減が配慮されない面がたくさん残っている。しかも、地域によっては、義務教育であるべき児童一人の教育費の開きがそんなに大きい、こういうところにしわ寄せがいかないとは私は保証できないと思う。保証できない。まあ悪い計画を国が作る、そういう前提に立っていろいろ計画が進められたことは幾らでもある。ところが、地方にとってはその負担に耐えられなかったことは、今、局長御説明の通りであります。今度の財政計画も、補正をするから一応はよくなるかもしれぬけれども、開発計画に伴って事業量もふえるわけです。そうすると、それをまかなうに十分かということになりますと、やはり私は問題が生まれてくるのじゃないか、こういう心配がある。ですから、この点は将来もう少し各地域の御意見もお伺いの上で進めていただきたいと思います。 次に、開発計画その他の問題はわかったのです。どういう筋で財政計画が作られておるか。ところが、この財政計画は、今までの累積赤字というものを解決するのにどういう方法がとられているか、三、四年前は財政計画のたびに累積赤字の解消というものが一つの問題点になったのであります。ところが、再建団体でも、今は割合再建団体のワクというものをゆるめてしまっている。これは反対しているわけじゃない、けっこうですよ。しかし、公共事業がふえれば、災害事業なんかでも、われわれの経験では必ずこれは地方債がふえるし、支出が増加するし、赤字の心配が形式上出てくる。そうすると、今までの赤字というものをこのままにして、これに重なっていくような形をとると、また問題が起こるようでありますから、累積赤字の解消というものを、この三十六年度の地方財政計画ではどのようにお考えになっておりますか、それを御説明いただきたい。
○政府委員(奥野誠亮君) 児童一人当たりの教育費の最高と最低の開きが、むしろ三十一年から三十二年にかけて大きくなっているという指摘がございました。私たちはそういうことのないように努力をして参ってきているつもりでございまして、御指摘のような事例があるのでありましたならば、いろいろお教えをいただきまして、どういう事情であるか、積極的に検討さしていただきたいと、こう思います。あるいは校舎の改築費などもそれに加わっているのじゃないだろうかというふうに思うのですが、もしそうであるとするなら、都市の児童はどんどんふえて参っておる、農村では逆に減って参っており、すし詰め教育の解消なんということをやはり大きく取り上げて参っておる、そういう影響もあるのじゃないかと思いますが、いずれ具体的にお教えをいただきたいと思います。 それから累積赤字の解消の問題は、これは実は、赤字団体の赤字額は地方財政計画には一応計上していないのでございまして、国が別な意味の財政援助もいたしておるわけでございますけれども、これも財政計画には計上していないわけでございます。しかし、そういうことに無関心であるわけじゃございませんで、一方ではこれは行政水準を引き上げながらも、将来にわたってはそれをある程度解消できるような努力をしてもらいたいという気持を持っておるわけでありまして、そういう意味では、ある程度地方団体の積立金もふえて参ってきておるわけであります。積立金がふえるということは、私は、赤字が解消されたというように考えていいのではないか、こう思うわけであります。一般財政計画もかなりふやしておるわけでありますけれども、そういう意味の期待を持っておるわけであります。個々の団体のそういう努力を期待するわけでありませんで、今回は、特に先ほど御指摘のような退職年金の延期とも関連があるわけでございますけれども、百六十億円程度の財源が将来に留保をいたしますために、それをもって昭和三十七年度以降に償還すべき地方債をこの際償還してもらおうと考えておるわけでございます。そのことが、ある意味においては、地方団体全体の赤字をそれだけ解消するというような言い方もできないわけではなかろうと思うのでありまして、そういう意味の努力は、今回の措置として考えているわけでございます。
○加瀬完君 それから三十四年度決算を押えて三十六年度の財政計画を作っていったという御説明なんですね。ところが、この普通建設事業、失対事業費の三十四年度決算と三十六年度財政計画を比較してみますと、普通建設事業では三千六百七十五対二千八百六、それから失業事業では四百一対四百、まあこれは近いですけれども、少なくも普通建設事業では、三十四年度に使っただけの比率に見合った数字はあげられておらない。だから裏を返せば、地方は単独事業でもっとたくさんやりたいけれども、財政計画は、そんなに地方の要望するような単独事業をやれるだけの幅を持たしてないということになりそうなんです。これは三十五年度の決算が出れば、この三十六年度の財政計画と三十五年度の決算は、もっと広がってくると思う。そうすると、三十六年度の財政計画そのものは、これは地方の要望をはるかに割り引きした計画しか数字の上には盛れなかったということになると思うのです。この点はどうですか。
○政府委員(奥野誠亮君) 三十四年度の純計決算と地方財政計画との間の開きはたしか二千八百億円内外ではなかったかと思います。その中には財政計画では取り上げていないような、たとえば電力会社が電源開発をやり、道路を開かなければならない、それを電力会社が全額財源を持ちまして、工事は府県にやってもらう、そういうふうな性格のものも大量にあるわけであります。そういうものは歳入としては雑収入に上がって参るわけであります。それから、歳出としては御指摘のような建設事業費に上がって参るわけであります。私は、こういうふうなものも毎年相当あるわけでございますので、歳入の雑収入を増額し、歳出の単独事業費を増額するという方がいいのではないかと思うのでございますけれども、そこまでの話し合いを政府部内でつけることができませんでしたので、その分は一応今回取り上げなかったわけでございます。要するに、地方税収入なり、地方交付税収入なり、一般財源をもって充てていかなければならない歳出規模の是正ということに重点な置いたわけでございますので、御指摘のように、決算と財政計画との間の数字の開きは今後もなお相当に残っていくと思うのであります。ただ一般財源でまかなわなければならないようなものは、地方税収入にしましても、地方交付税収入にしましても、毎年々々根っこから払って参るわけでございますので、歳出規模に見合う財源を用意していかなければならない。従いまして、また、その歳出規模もそのまま是正すべきものは是正していかなければ、不当に地方財政を圧迫して参ることになります。ただ雑収入と歳出規模と、このうらはらになっているものはそう心配する必要はないのではないか。なるほど、規模も大きくなっていくだろうけれども、同時に雑収入もふえていく。国が特に歳出として出す性格のものではございませんので、これを見送ったからといって別に地方財政に迷惑をかけるものではない。ただ決算と財政計画との間に食い違いがあるわけでございますから、世人を惑わしやすい、十分の理解を得にくい、こういう結果を生じてくるのではないかと思うのであります。なお将来も、一般財源をもって充てられるような歳出規模についての検討を一そう続けていきたいと思います。しかし、三十四年度決算の基礎としましては、相当な是正をはかることができたというふうに私たちは考えているわけでございます。
○加瀬完君 そうすると、今八百億ぐらい違いがある。三十四年度決算と三十六年度の財政計画では八百億のほとんどが電力会社なんかの雑収入分の建設事業費ということになりますか。
○説明員(松島五郎君) 御指摘の通り、単独事業並びに普通建設の補助事業の、継ぎ足し単独事業と通常言っておりますけれども、合わせましたものが、三十四年度決算と計画の相違が七百八十六億円ばかりございます。一方維持補修費の中に入っております経費が、百四億円ばかり計画の方が上回っております。これは、たとえば道路の維持修繕費のようなものは、地方団体ではむしろ投資的経費として建設事業の方で取り扱っている関係の入り組みの関係であると思います。従いまして、それを差し引きますと、決算と計画との相違が六百八十億円ばかりございます。で、この決算と計画との違いを財政計画のベースで是正をいたして参ります場合に、私どもいろいろ決算の結果を分析して、大体、決算と計画との相違が、おおむね三つの相違点があるというふうに考えております。 その一つは、計画と決算とがそもそも建前が違うわけでございまして、計画の方は標準的な行政経費を計上するという考え方でございます。決算の方は現実の地方団体の財政活動の結果でございまして、必ずしも財政計画そのものに個々の団体があわせて財政活動を行なっているのではございませんので、従って、その間の相違というものはある程度出るのはやむを得ないと考えます。ことに、たとえば先ほど御指摘になりました再建団体の赤字償還というようなものにつきましては、償還金も財政計画には乗せておりません。一方、赤字再建団体に対しまする国からの援助、公共事業の特別の割増し補助、あるいは財政再建債の弾力分というようなものも、歳入として一応計上をいたしているわけでございますので、そういう意味の相違もございます。それからまた決算の方は、繰り越し等の関係もございます。前年度からの繰り越し、翌年度への繰り越しという関係が決算の方へは入り組んで参りますので、その関係の整理もいたしていかなければなりません。そういった決算と計画との建前の相違からくる違いが一つございます。 もう一つは、いわゆる皆増皆減的経費と申しますか、ある年度に特殊の事情のもとに起こった経費というのがございます。ことに昭和三十四年度は、御承知の通り第七号台風を初めとしまして伊勢湾台風というような大規模な災害が相次いで起こっております。従いましてもちろん災害復旧事業がそのために計画と決算とは違っておるのでありますけれども、そのほかに災害に関連をいたしまして、地方団体が多少単独的な災害救助とか、そういったものをやったものもございます。そういったものも違うわけでございますが、これはその年限りの問題でございますので、新しい計画を立てます場合には、それをその前提としなくてもいいのではないかという問題もございます。 もう一つの違いは、昭和三十四年が、今の災害にも関連いたす問題でございますけれども、たとえば、補正予算が組まれたわけでございます。その際に、地方交付税も増額交付になったわけでございますが、財政計画をそのつど補正予算等を勘案いたしまして修正をして参れば違わなかったであろうという部分もございます。それを財政計画の方は念のために当初に立てただけでその後修正をいたしておりませんので、その関係で違っておるという部分もございます。 もう一つの違いは、問題になります点でございますけれども、要するに計画が過小であると申しますか、計画自体が実態に即していないという面がありますときに、そういう特殊な原因を除きまして財政計画自体のベースに立っていても計画が小さ過ぎたのではないかという問題があろうかと思います。新しく計画を立てます場合には、今申し上げました最後の点は是正をして参りませんと、年々計画が現実の決算に即しない。逆にいえば、地方財政計画に反映しないという形になりますので、その分については可及的に是正をいたしたいという考え方のもとに、先ほど単独事業で申し上げました六百八十二億円のうちの、そういった特殊のものを整理いたしまして四百四十八億円を今回修正をすることにいたしたわけでございます。
○加瀬完君 四百四十八億円というのは、かりにあなた方の推計のように正確な数字としても、それは三十四年度に見合う数字ということになりますね。三十五年度に見合う数字ということにはなりません。ましてや三十六年度に見合うかどうかということはさらに疑問が生まれてきまして、三十六年度の計画に見合うようにするためには、少なくとも三十五年度の増減の傾向というものを加味して三十六年度分の数字というものをはじき出さなければ、私は計画にはならないと思うのです。しかも、三十四年度においてはるかに違っている。三十五年度にはなお違う。そういうものを押えても、どうしたって、これはまた単独事業等は財政計画上からは狭められておるわけです。さらに財政計画と決算とが離れてくる。離れたのは財政計画の形でもう起債のワクがあるわけですから、おりてくる財源のワクがあるわけですから。しかも、それを飛び抜けてやらなければならないという最小限のものなんですよ、はみ出たものは。だから、何と言いましょうか、地方団体にとっては単独事業などは相当自分の方で減らしてかからなければ、この財政計画とは合わなくなってくる。もっと手っとり早く言うならば、補助金とか、その他いろいろの国から財源を求めても事業計画というものはやろうとしてもやれなくなる、こういう形になろうかと思うのです。ですから、どうも三十四年度に合わせるということは、三十四年度の傾向を見ながら三十六年度に実際実行予算としてうまく合うようなあんばいというものをしてもらわなければまずいのじゃないかというように感じられるわけです。 次にまた質問を移しますが、行政局長、今財政面をいろいろ伺ったわけでありますが、一応普通の行政水準を確保するだけの財源措置はしてあるということに結論をいえばなると思うのです。そうであるならば、これはしかも昨年はさらに財源措置を給与の問題なんかでしてあるわけですけれども、この前占部君が質問をいたしましたけれども、市町村の給与というものは国家公務員の線から見ると低い。しかし、その低い給与というものを自治省の指導では引き上げるように指導されているはずだけれども行なわれていない。低い給与だけではありませんで、低い高いにかかわらず、門司、戸畑、小倉、若松、八幡といったような北九州の中堅都市では、このほとんどの地方団体がやっておるように、十月に遡及して給与表を改正するということをやらなかった。今年度は見送って来年度に延ばしてしまうという傾向がある。これは一体どういうふうに自治省としては内容をつかんでおり、あるいはまた、どう御指導なさろうと考えておりますか。
○政府委員(藤井貞夫君) 市町村、なかんずく非常に給与の低い町村の段階におきましては、これの是正をはかるということで、本委員会においても強い御要望の次第もあり、われわれといたしましては再度にわたり通達を出しまして、この面に沿って改善の指導を強力に実施をいたしておるつもりでございます。御指摘のように、従来の市町村等につきましては給与水準が低いという点も重要問題でございますけれども、それ以上に給与制度自体、全体の初任給の問題とか、あるいは昇給昇格の問題とか、そういう給与制度の運用自体の体系が十分に整備されておらぬというような点もこれは見のがすことのできない点でございますので、それらの点をも合わせてこれが是正をはかっていくということでなければ、落ちついた方向が出てこないのではないかという方針でせっかく指導を続けております。急にはなかなか参りがたいのでございますけれども、私たちの見方から見ますれば、漸次その方向に向って改善をはかられて参るのではないかというふうに見ておりまするし、その方向に向かって今後とも指導を強力に推進をしていくつもりでやっておるわけでございます。今具体的に御指摘になりました北九州の五市の関係の給与の問題でございますが、これはまだ私自身といたしまして正式に報告を受けておりません。ただ、そういうような問題があるということは承知をいたしております。組合側の方からも大体の話は入っておるようでございます。きようあたり五市の当局者も上京しておるという話を聞いております。それらの点につきましてなお従来の経緯なり、どういうことでそういうことをやるのか、そういうような点につきましても詳細に事情を聴取いたしました上でしかるべき指導を行なう必要がある、指導をやっていきたいと思っております。従来北九州の場合は、給与水準自体がほかと比べてかなり高いというような点はあったように承知をいたしておるのであります。しかし、それはそれといたしまして、給与の実施時期を、国が十月さかのぼってやる、また他の地方団体においても十月からということでわれわれの方も指導をしております。それが一般方針であるにもかかわらず、十月にさかのぼらないで、新年度から実施するということを合理化するために、これはよほどの理由がないというとわれわれの従来の指導方針とも食い違って参りますので、それらの点につきましても、よく両者から言い分を聞きまして、必要があれば私どもといたしましても実態を十分把握した上で結論を出し、その線に沿っての指導をやっていきたい、ただいまのところはそういうように考えておる次第でございます。
○加瀬完君 本年度は三十一日も間近に来ているわけですが、三十六年度になって前年度の十月から支給するということが法律的に可能ですか。
○政府委員(藤井貞夫君) 法律的には可能であると思います。
○加瀬完君 そうすると、自治省としては、三十一日は期日が切迫しておりますので、かりに本年度中に市の決議機関で議決が行なわれないにしても、三十五年の十月一日から行なわれるように行政指導をしていく、こう了解してよろしゅうございますね。
○政府委員(藤井貞夫君) ただいま申し上げましたように、なぜそういうふうに市の当局としては決議をしたかということ等につきまして、よく事情を聞いてみたいと思っております。その上で判断を下したいと考えておりますけれども、一般的に申せば、従来の指導方針から申して、よくよくのことがない限りにおきましては、国の例に準じてやるのが建前でございますので、一応の筋というものは、それはやはり十月にさかのぼってやるのが当然だということになると思いますけれども、この場合においては、よく事情を調査いたしまして、われわれの確信を得たところで一つ方向を打ち出したいと考えておる次第であります。今この席上で、必ずあの関係について十月からさかのぼってやるということを、絶対方針としてやるのだということをあらかじめここで申し上げることは、今の段階ではちょっと差し控えさしていただきたいと思います。
○加瀬完君 奥野さん、また重ねて伺いますが、歳入構成で、交付税が三千七百七十三億円、前年度に比べて九百八十億円の増と計上されておりますね。しかし、これは臨時特別分といいますか、補正増額分などの繰り越し等が二百七億円ありますから、これは三千七百七十三億円と正確には本年度の交付税を見るわけにはいかないと思うのです。というのが、三千七百七十三億円の金額は別ですよ。交付税のもとに対する率で三十七年度の財政計画を同様に考えるわけにはいかないと思う。この点はどうですか。
○政府委員(奥野誠亮君) 歳入構成の比率を出しております場合の絶対額は、三十六年度地方団体の収入になる額でございます。従いまして、地方交付税は御指摘のように、三十五年度から繰り越してきた金がございます。三十七年度には自然そういうものが起こらない場合には、率は若干下がるという問題になろうかと思います。それは御指摘の通りであります。
○加瀬完君 少し見ても二百四十四億円が加算されておるわけですか。同じくらいの三税の収入とすれば、来年は二百四十四億円というのが交付税の収入額といいますか、財政計画上の数字としては低くなるわけですね。そこで、ことしは二百四十四億を含めて、これが一部の財源となって歳出の計画ができておるわけでしょう。二百四十四億円の交付税の増分も含めて歳出がふくらんでいるわけですね。そうすると、来年三十七年度になりますと、これは交付税の、厳格にいえば率を変えない限り、ことしと同じような計画で歳出を構成するわけにはいかなくなりますね。この点はどうお考えですか。
○政府委員(奥野誠亮君) 三十五年度は年度中途で給与費の増大を見ておるわけでございます。若干その他の要素も加わってくるだろうと思いますけれども、とにかくこの比率は年度当初当初の比較でございますので、三十六年度中におきましても、あるいは当初計画が若干変わるというような面も生じて参ろうかと思います。要するに、当初々々の計画として御判断いただきたいと思いますし、また実績との比較ということになって参りますと、交付税の繰り越しでありますとか、給与費の増大とかいうことのあったこともこれもおっしゃっている通りだと考えております。
○加瀬完君 ですから、お示しになったように、昭和三十五年度と三十六年度の比較が一九対二〇という数字をお示しになっておりますけれども、まあ額面上は増ですよね。しかし、三十七年度以降というものを考えたとき、あるいは交付税の制度そのものを考えたとき、一九対二〇という、交付税によるところの構成比が一%ふえたんだという考え方は私は成り立たないと思うのです。この点どうでしょう。
○政府委員(奥野誠亮君) 今まで申し上げましたように、年度当初と当初との比較でございますので、実績見込みと実績見込みとの比較を出せと、こうおつしゃればまたそれなりに研究しなければならないだろうと思います。こういうふうに歳入構成が変わって参りました一番大きな点は、私たちは地方債を歳出規模の伸びておる割には伸ばしていない、やはり将来のことを考えまして、できる限り一般財源で所要の財政需要を充足していくことという態度をとっておることに大きな原因があろうと思うのでございます。そのほか経済情勢がよろしいものでございますから、地方税収入等の面も多いことも原因しておりましょう。歳入構成の面は今申し上げますような地方債の比重を特別には伸ばしていないというようなところに大きな原因があるんじゃないかと、こう思っております。また、それが健全化を推進していく場合には重要な問題点ではなかろうかと存じておるのでございます。
○加瀬完君 時間がありませんから先に質問いたします。 雑収入は三百四十三億円増となっておりますがね、これによりますと値上げ風潮に乗って、手数料とか使用料とかいったものを、やはりある程度地方団体は上げてくる傾向が生ずるのではないかと思いますが、この三百四十三億円雑収入増を見た理由は何ですか。
○政府委員(奥野誠亮君) ネット増を見ましたのは五十億だけでございます。先ほど歳出規模の是正を財政課長から詳しく御説明申し上げたわけであります。その中には一般財源でまかなわれておるものと、雑収入を財源としてまかなわれておるものと両方あるわけでございます。規模是正を行ないました四百四十八億円というものを単独事業全体についてどういう比率で一般財源と雑収入でまかなわれておるか。その比率を乗じまして一般財源でまかうべきものと、雑収入でまかなわれるべきものとに振り分けをしたわけでございます。その意味の雑収入の増加がこの中に入っておるわけでございます。
○加瀬完君 大へん時間を取りまして恐縮でございますが、住民負担の軽減の問題ですね。この文部次官通牒が三十五年の十二月五日に出ております。これは三十六年の四月から、さっき局長の説明された事項について、寄付を集めるのだということでありますけれども、それとともに文部省はこの父兄負担の教育費だけでも二百三億がまだそのまま残されておるという説明もしております。で、学校建物の建築費、教材、教具の購入費、教材用消耗品の購入費、これが一番父兄負担の大きなものとしてあげられておるわけですが、こういうたくさんの中で、また当然公費で負担しなければならないものが父兄負担になっておりますものが、今年度は、三十六年度の財政計画では、三十五年度の財政計画で主張されたような点を削ってしまってありますね。末解決のまま残っておる。これらについては、財政計画上は今後は何も考えない方針ですか。
○政府委員(奥野誠亮君) 先ほどもちょっと申し上げたわけでございますが、一般財源の裏づけがだんだん十分になって参りますと、自動的にこういう税外負担が本来の公費負担に振りかわってくる面がかなり大きいだろうと思います。三十六年度の地方財政計画につきましては、単独事業費をかなり増額いたしましたり、あるいは規模是正を行ないまして財源の裏づけを重ねて行なうなどの措置をとっておりますので、相当漸減していくだろうと、こう考えているわけであります。税外負担解消の問題を三十五年度の措置で完全に終わったとは毛頭考えていないわけでありまして、今後の推移を見た上で必要な方法を講じて将来取り上げて参りたいと、こういう考え方では今日もおるわけであります。 三十六年度は三十五年度と同じような方法をやるには、もう少し三十五年度の結果を見るべきじゃないかという問題、同時にまた、ここで税外負担の解消の問題につきましても、一般財源は充足していかなければならない問題があるわけでありますが、規模是正等の形において取り上げることが今回の措置としては穏当ではないかと、かように思ったわけであります。御心配の点につきましては、将来にわたりまして極力私どもは努力して参りたいと考えておるわけであります。
○加瀬完君 去年の税外負担の解消のときには、今私があげたような内容は、税外負担の解消の内容としては考えておらなかったわけですか。
○政府委員(奥野誠亮君) 考えておったわけでございまして、そういう部面も基準財政需要額の増額として恒久的に財源を地方団体に与えてきているわけでございます。
○加瀬完君 財源を与えているとおっしゃいますが、今一生懸命探しているのですが、統計を忘れてきてしまったので具体的な数字があげられませんが、基準財政需要額で想定した、たとえば教育費——小学校の費用なら小学校の費用というものを基準財政収入額で一応いろいろ算定されて補助金その他が整いますね、その数字と決算額の数字の開きというものは相当大きなものがあるわけです。ですから、財源はある程度ふやしておりましても、ふやした財源には追いつかないのです。支出というものにきめられているわけです。それが収入だけでは、収入といいますか、一般財源だけではまかなえませんから、こういった税外負担の収入というものまでも待たなきゃならないという実情に置かれているわけです。たとえばこの近県で埼玉なんか割合に財政的には中流の県といわれておる。しかし、高等学校を建設するときに、父兄から幾ら負担をとっていますか。千葉なんか二分の一ですよ。建設費の二分の一寄付ですよ。小学校なんかでも実際、たとえば講堂なら講堂を建てると、ひどいところこでは、ある町では七百万の講堂を建てて二百万が町、五百万が寄付、こういうようなところがあります。ですから寄附そのものを禁止して、それに見合う財源というものを与えていただかなければ、一般財源をふやすだけでは、この消防もそうですが、消防とか教育とか道路とか、こういうものに対する当然税金で負担すべきものの寄付というものがなくならないと思うのです。この調査なんかありますか、どんなものか。当然税金でまかなわれるべきものが、あるいは一般財源ででまかなわれるべきものが寄付によって行なわれているかという統計なんか資料でございますか。これを調べていただかないと、今おっしゃるように一般財源なんて軽くいなされるようなことになるけれども、事実をお調べいただければ、そういうことはおっしゃれないはずだと思う。
○政府委員(奥野誠亮君) 昨年税外負担の解消を取り上げました場合には、前年の決算に基づきまして諸調査を行なったけでありますので、なかなか大がかりなことになりますので、引き続いて調査をすることは断念をいたしたわけでありますが、しかし、将来税外負担の問題をまた新しく取り上げる場合には、しさいに調査をせざるを得ないと、こう考えておるわけであります。やはり解消する場合には、地方財政計画に計上いたしまして、その考え方を明確にいたしますと同時に、財源を基準財政需要額に織り込んで、さらに地方財政法を改正して特定のものについては、住民負担を別途に徴収するというような措置を禁止する、あるいは負担転嫁を禁止するということにしてもらわなければならないと、かように考えておるわけであります。三十五年度に一応地方財政法を改正いたしまして、御承知のように、高等学校のことをおっしゃいましたが、国道の改修でありますとか、あるいは適用河川の改修でありますとか、そういうものについて、府県はその負担を市町村に転嫁してはならないと、こう変えたわけであります。この法律の改正だけで、静岡県では一億二千万円でしたか、正確な数字は忘れましたが、それだけのものを今までは転稼しておったけれども、県自身が払わなければならなくなったということを言っておりました。ほかの県の具体の例を聞きますと、相当な額のようであります。しかし、そのことを私たちは期待して法律改正をやったわけであります。反面、市町村その他の立場からいいますと、非常に無理な負担を押しつけられて参ったということになるのであります。さらに残されておる問題として、御指摘になられました府県立の高等学一校の経費を市町村あるいは同窓会、後援会、父兄会に持たせるということは穏当でないという考え方を強く持っておるのであります。しかし、一挙に法律で禁止規定を置くだけであらゆる問題がスムースにいくとは考えないのであります。さしあたり三十五年度には河川、道路等についての禁止規定を置きましたが、将来、税外負担の問題について詳細に検討した暁には、府県立の学校などの負担を市町村に持たしてはいけないという法律改正にもって行かなくちゃいけないのじゃないかというふうに考えております。ぜひ、そういう点につきましても十分工夫検討いたしまして、税外負担の減少を強く進めて参りたい覚悟でおるわけであります。
○加瀬完君 これで終わります。地方税の収入を見ますと法人税、法人関係は軽減されておることははっきりしておる。個人の方は、具体的な数字としては、減額されておるものというのは非常に少額なんです。これは数字の上ではなくて、法人は事業税にしても、住民税にしても、国の方からきちんときまってきますので、その恩恵に浴しておる。地方においても、国の減税に伴う当然の減税というものが与えられますけれども、住民税あるいは個人事業税は、そういう形でなくて、査定をきびしくして実質的には何らの減税じゃなくて、かえってはね返りの増税ということになりかねない危険というものがあると思う。この前の地方税の改正のときにも、個人事業税というものはむしろ査定をきびしくしてよけい多く取られておるところもあります。それから準拠税率なども住民税についてきめましたけれども、準拠税率を自治庁が制定してもあまり守らない。いろいろ他の減収分というものを住民税をよけい取る方式に変えていったという地域もあります。今度第二方式の本文で大体それを標準にしておやりになると言うけれども、そうなって参りますと、第一方式の非常に低い率でかけておったところは上がらない、上がる傾向は起こらない。第三方式のただし書きで取っているところは、これはそのまま認めるわけですから、一つもそれは減税になってこない。こういう国が減税されても、地方はさっぱり減税されないという、との前の税制改正のときの矛盾がそのまま残っておると思う。この点をこれは財政局長じゃなくて、税務局長に伺うべきですけれども、財政計画では、個人事業税もそれから個人の住民税もあまり減らしていない。法改正によって減額分というのは、一億か何か個人事業税か何かにあるだけで、全然減らしてない。減らしてないというのは、よけい取れるということなんです。まあ率直な言葉でいえば、よけい取る方向になる危険が私はあると思う心これは税務局長がおりませんから、政務次官、そんなでもないということをはっきり……。
○政府委員(渡海元三郎君) 御承知の通り、このたびの税制改正による減税で、国の減税措置がそのまま地方税に及ぶことなきよう自主性をもってやれるように、いわゆる住民税の方式をただいま御指摘になりましたように、第一方式をやる、第二方式本文並びにそのただし書きに統一するというようなあり方で改正を加えていきたい、かように考えております。なお法人の場合は、現年度課税ということが考えられるのでございまして、税制改正によるところの減税がそのまま三十六年度に出ておりますが、事業税の場合におきましても、確かに個人の場合も減税になるようにいたしております。しかしながら、現年度課税が翌年度課税になってくるものでございますから、法人の場合は現われますが、個人の場合は現われないというふうな姿になってここでは出ているのではないかと思っております。なお、法人の場合は、所得の算定におきまして、国が行ないましたやつを遮断しがたい状態にございますので、こういうふうにいたしましたが、住民負担の均衡化と申しますか、国税と地方税の本来の性格の相違等を願慮いたしまして、このたびの、住民税の自主性と地方税の自主性というものからこういった方向をとっていたのでございます。 なお、第一課税を廃止して第二課税の本文に吸収することによって増税になるようなことはないか、こういうことでございますが、少なくとも準拠税率等、増税にならないように作りかえる法案を検討中でございまして、近く提出したいと思っておりますが、これに移行する際にも、増税になるようなことのないよう十分の行政指導を加えていきたい、かように考えておる次第でございます。
○委員長(増原恵吉君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(増原恵吉君) 速記を起こして。 本日は、これにて散会いたします。 午後零時三十二分散会