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38回国会参議院1961/05/19

大蔵委員会 第25号

発言数
146
登壇者
12
会派数
4
開催日
1961/05/19

会議録

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) ただいまから委員会を開きます。  委員の異動について御報告いたします。本日付をもって委員荒木正三郎君が辞任され、その補欠として田中一君が委員に選任されました。   —————————————

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) 会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより本法律案について参考人の方々から御意見を述べていただくわけでございますが、その前に、委員会を代表いたしまして、委員長から参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。  当委員会におきましては、目下本法律案について審議を重ねておりますが、さらに慎重に審議を進めるため、今回関係業界の御意見を拝聴することに相なった次第でございます。本日は御多用中のところ御出席をいただき、厚くお礼を申し上げます。  それでは、これより順次御意見を述べていただくことにいたします。時間の関係上、お一人十五分程度以内で御意見をお述べ願えれば幸いと存じます。  まず、有森参考人からお願いいたします。

有森三雄日本航空工業会専務理事

○参考人(有森三雄君) ただいまから意見を申し述べます。  私は、この会計法の一部改正案は現実に即した改正であると考えまして、このような意味で、この改正案に賛成をするものでございます。  その理由を申し述べます。私どもの最も関心の深いのは、この改正案の中の契約の方式に関する事項でございます。航空機やその部品あるいは装備品等の契約は、従来ほとんど随意契約または指名競争入札でありまして、一般競争入札に付されることはきわめて少なかったのであります。これは現在の会計法は競争入札を原則といたしておりますが、特例して、一般競争に付することが不利と認められる場合その他政令で定める場合におきましては、指名競争入札または随意契約によることができるということになっておりますが、航空機等の契約は一般の契約に付することが不利であったり、あるいは政令で定められた競争を許さない場合・あるいは競争に付する必要がない場合等の場合が適用せられておるために、このようになっておるものでございます。この改正案では、一般の競争入札に付する必要がない場合またはそれを不利と認める場合におきましては、指名競争入札に付するということになっております。また、競争を許さない場合、競争に付することができない場合、及びそれが不利と認められる場合におきましては、随意契約によることとなっております。また、この二つの場合を除きましては一般競争入札に付さなければならない。こういう三つの原則が定められてございます。ただし、特例として、政令の定めるところにより、さらに指名競争入札または随意契約によることができる余地も残されておるのでございます。すなわち、この改正案では、指名競争入札及び随意契約による重要なる場合を法律の上に明示をし、かつ従来は「することができる。」という表現が「付するものとする。」というふうに決定的に述べております。従いまして、現在の政令に定められている航空機に対して適用せられます指名競争入札または随意契約ができる場合、これが法律に明示せられ、かつその上に必ずそういうふうにするのだということになっておりますから、一そう明確なる法的根拠に基づいてこれが適用せられるものと、こう考えるのであります。このような見地から、私はこの改正案に賛成をするのでございます。  なお、この機会に航空機等に関する特殊事情について若干申し述べたいと思います。  航空機等の製造・修理の事業を行ないます者は、法律その他で非常に限定せられますので、たとえ自分でその事業を行なおうと思いましても、それだけで簡単に事業を行なうことはできないような状況になっております。これは航空機が直ちに人命に関するものであること、またその技術的水準が非常に高い、さらにまた航空機工業につきましては、事業活動の調整をすることが必要であるというような事情から来る当然の帰結であるものと考えるのであります。  それらの事情につきまして、もう少し申し述べさせていただきたいと思いますが、まず第一に、航空機等の製造・修理事業に対しましては、航空機製造事業法が適用せられます。そうして航空機と特定機器、これは許可事業となっております。その他の航空機用機器は届出事業というふうになっておるのでございます。この許可の対象となります特定機器というのは、原動機、プロペラ、回転翼、発電機、回転変流機及び航空計器の各品種でございまして、届出の対象になる品目は、着陸緩衝装置、車輪、電気通信機器、燃料タンク、アクチュエーター、油冷却器、ポンプ、気化器、始動機、点火装置の十種類の品目でございます。  さて、許可の場合でございまするが、この申請に対しましては、その特定設備が生産技術上の基準に適合しておること、製造・修理の能力が著しく過大とならないこと、ざらにまたその事業を適確に遂行するに足る経理的基礎と技術的能力があること、この三つの条件に照らし合わして、これに適合していると認められましたときでなければ許可をされないのでございます。現在航空機または特定機器の製造・修理の許可事業を受けておる者が二十社ございます。うち、航空機製造事業は三社、同じく修理事業は八社でございます。また、航空機用機器の認可事業を受けておるものは二十八社でございます。  次に、現在わが国で製造をせられております航空機等はほとんど大部分が外国会社との技術提携に基づいて製造せられており、また修理につきましても外国と技術提携をしておるものがあるのであります。この技術提携につきましては、外資に関する法律が適用せられますので、当該会社相互の間で話し合いが成立した後に政府に申請して認可を得なければなりません。現在航空機等の製造・修理につきましては、約三十社に対し約八十件に上る技術提携が認可せられております。  次に、第三といたしまして、防衛庁との契約の場合には、このほかにさらに工場認定というものを受けることが必要でございます。この工場認定は、その工場が生産を行なうのに必要な条件を備えているかどうか、こういうことを確認するのが目的でありまして、それはさらに認定試験の確認、品質管理方式の審査、及び業態調査、この三つの内容に分かれております。認定試験と申しますのは、温度とか圧力とかというような気象条件、あるいは使います使用時間、これらに関しまするいろいろな条件のもとで十分それが機能を発揮することができるかどうかということを審査するのが目的でございまして、技術上非常に過酷な条件で試験が行なわれます。そうしてこの試験に合格しておらないとその品目を製造・修理することができないのであります。このようにして工場認定を受けました会社の数は約百五十社に上っておりまして、その品目は二千件以上にも達しておるのであります。  以上述べましたような理由によりまして、航空機等の契約の場合には競争を許さないために随意契約となり、あるいはまた一般競争入札に付する必要がないなどの理由のために指名競争入札になっておるのであります。  意見を終わります。

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) ありがとうございました。  次に、大林参考人にお願いいたします。

大林芳郎全国建設業協会会長

○参考人(大林芳郎君) 大林でございます。私は、全国建設業協会の会長をただいまいたしておりまするので、協会長という立場で意見を申し上げたいと存じます。  今回の会計法の一部を改正する法律案は、国の行なう各種の契約の制度について改正を行なおうとされているものでありまするが、私ども建設業者の数多くのものは国を相手として請負契約を行なっておりまするので、請負を含む国の契約制度の改正に関しましてはきわめて大きな関心を持っておるのでございます。また、これにつきましては、私ども協会はたびたび意見を関係方面に申し上げてきたところでございます。  現行の会計法におきましては、国の行なう売買、貸借、請負などの契約に関する条項は、わずかに会計法第二十九条の一条で規定されているのみでございまして、これに関するその他の具体的な規定はすべて予算決算及び会計令で定められておりまして、また実際の運用がなされておるという現状であります。が、その制度の内容が大正十年に制定されました旧会計法の内容をそのまま受け継いだものでありまするので、その後の社会・経済事情の変化にかんがみ、今回国の契約制度をさらに整備し、その運営の円滑化をはかることにしたいということがこの法案を提出する動機であるとのことでございます。今回の法案の内容が真にその趣旨に沿ったものに改正されまして、それによりまして私ども業者が従来以上により公正に、適正に、対等に国と請負契約をすることができるようになるものでありまするならば、原則といたしましては今回の改正に反対するものではございません。しかしながら、私ども建設業者が扱いまする建設工事の請負契約に関しましては、長年の実際の経験の結果、原則とは違った運用がなされておるのが現状であると思います。今回の改正によりまして、現行の運用の実情がどのように変化するのかは改正案の案文のみでは十分につかみがたい点がございます。また、今回の改正でも実際の運用にあたっては政令にゆだねられている点が少なくないのでありまするので法自体の運用のいかん、あるいは政令の定め方いかんによりましては、業者にとりまして現行の状態より著しく不都合な事態が生ずるのではなかろうかという不安を感ずる個所が本改正案の中にも見られまするので、この点に関しまして、またその他につきましても、以下に具体的な意見を申し述べたいと存じます。  第一に、第二十九条の三でございまするが、契約担当官は、売買、貸借、請負その他の契約をする場合には、別に規定する場合を除き、公告して申し込みをさせることにより競争に付さなければならないとされておりまするが、元来請負契約というものは部品の買い入れなどとは契約の性質が相当異なったものでございまするので、わが国におきましては、現行の会計法におきまして原則として公開入札制度と規定されておりまするにもかかわらず、これを実施しました結果、戦前より実際には国及び地方公共団体等におきましても大部分の請負工事が一般競争入札に付することを不適当とし、指名競争による入札制を採用しておられ、かつその運用がおおむね現在円滑に行なわれている現状でございます。従いまして今回の改正にあたりましては、建設工事の請負契約に関する限り、わが国の実情に合った指名競争入札の制度を原則とすることがむしろ現実に合致して適当ではないかと考える次第でございます。しかし、一歩を譲って、もし、たとい今回の改正案のように改正せられる場合におきましても、実際に第二十九条の三の適用にあたりましては、その運用、特に第二項及び第三項によって別に定める政令の内容によりまして、現在国の行なっておりまする請負方式が実質的に急激に変更され、ひいては国との契約に際しましても、また業界間にありましても、無用の混乱と摩擦を生ぜしめることが絶対にないように、特に御留意を願いたいと思うものでございます。  第二に、第二十九条の三の二項にいう「必要な資格」というのは、現行の予算決算及び会計令第七十八条、第七十九条の規定と同性質のものであるか、あるいは、そのほかに先般改正せられ近く施行せられることになりました建設業法第二十七条の二に規定せられております業者の「経営に関する事項の審査」と同様ないわゆる業者の能力審査を会計法によっても行なえるようにしようと考えておられるのであるか。もし後者のようなお考えがあるとしまするならば、公共性のある施設または工作物に関する建設工事に参加しようとする業者は、二重の書類手続が必要となることになりまするが、こういうようなことがないようにお願いしたいと存じます。  第三は、第二十九条の六でございますが、現行の会計法では、請負工事の入札の場合、いかなる価格のものがあろうと、最低のものが落札者となることになっておりましたが、今回の改正では、価格によりましては、契約の内容に合った履行が危ぶまれるときや、その者と契約することが公正な取引の秩序を乱すことになるおそれがあって、著しく不適当であると認められるときは、他の者と契約することができるといたされましたことは、今日の日本における請負工事の入札の実情にかんがみまして適当なことであると考える次第でございます。ただ、いかなる価格が契約の内容に適合した履行がされないおそれがあるものであるか、また公正な取引の秩序を乱すこととなるおそれがあって著しく不適当のものであるかの認定は、きわめて重大な影響を関係業者あるいは業界全体に及ぼすものでありまするので、慎重な取り扱いを望むものでございます。また、一定の認定基準が設けられるものであるとしますならば、その決定につきましては慎重に取り扱っていただき、かつ適正なものにしていただきたいと存ずるものでございます。  第四に、第二十九条の四及び第二十九条の九についてでございます。入札保証金、契約保証金に関する条文でありまするが、工事の発注を指名競争入札に付する場合は、発注者は指名業者を多くの業者の中から選定し、これを信頼して入札させるのでありまするから、その指名業者及びその中からきめる落札者から保証金を徴収する必要はないかと思うものでございます。現在でも指名競争入札の場合保証金を徴しない場合が多くあり、今回の改正案でもただし書きによりその考えは織り込まれておりまするが、保証金の必要な場合は一般競争入札の場合のみにしていただきたいと思うものでございます。  以上をもちまして私の意見を終わります。

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) ありがとうございました。  次に、小川参考人からお願いいたします。

小川耕一全国建設業協会理事

○参考人(小川耕一君) 私も、ただいま申し述べられました大林参考人と全く同意見でございます。それにつきまして、私が感じておりますことを二、三申し上げたいと存じます。  まず、入札を一般競争入札にする、これは現在におきましても原則としてそうすべきことになっておるのであります。しかるに、わが国においてはこれをほとんど現在は実行しておりません。現在実行しておりますことは、指名競争入札あるいはものによっては随意契約というような形をとっておるのでございます。なぜそういうことか。もちろん、これは理想としては一般競争入札にすることがあるいは理想かもしれません。しかし、理想ではあっても現実に沿わないということを、私ども実際業者として痛切に感じているのでございます。  なぜしからばそういうことになるかと申しますと、一般競争入札に付する場合、はたして現在の建設業法によって請負業者の資格能力というものの実態を把握しておられるかどうか。現在の状態は、御存じのことだとは存じますが、一片の届出制にすぎないのでありまして、大臣登録あるいは地方登録ということにはなっておりますが、これを取り扱っている職員の方がごく少数の人であります。とうてい現在の状態で請負業者の実態を把握するということは、もう至難なことであります。これは外国などの例を聞きますと、相当大規模な組織をもって、そうしてあらゆる角度から請負業者の能力、実態というものを調査しているそうでございます。そういうような基礎があって初めて一般競争入札というものは可能なのじゃなかろうか、私はかように考えております。もちろん、理想としてはそうあるべきかもしれませんが、まず、現在の状態としては、現在行なっている指名競争入札を採用することが、最も国家的に考えましても、これは利益のあることじゃなかろうかというふうに考えております。  それから、今の入札の最低価格の者に落札をきめずに、事情によっては他の順位の者にもきめるのだ、これはまことに当を得たことではなかろうかと思っております。大体私どもの建設業、これは工事によりましては数カ月あるいは数年を要して、そうして調査、設計しているものでございます。しかるに、私ども業者にこれを見積もれといってきて、見積もり期間というものはまず数日あるいは十数日、この程度のものでございます。ものによってはとうてい実際の見積もりの不可能なものがあるのでございます。そこで、往々にして見積もり違いというようなことも出てくると思います。こういうような点を考えまして、これに相当の時日と相当の経費をかけるんでしたら、それは実態もつかめるかもしれませんですが、そういうような危険が間々あるのでございます。そういう点をしんしゃくしまして、まずお役所がこの線が妥当だ、しかも現在の技術陣というものは相当高度に発展、伸びているのでございますから、そういう面を取り入れて、そうしていくことが実態に沿ったことじゃなかろうかと、かように感じております。  以上二点を申し上げて終わります。

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) ありがとうございました。  最後に、岡参考人からお願いいたします。

岡保三瑞穂産業株式会社社長

○参考人(岡保三君) 私の会社は、大蔵省の委託によりまして、主として物納財産の払い下げについての仲立ち業務をやっているものであります。従いまして、本会計法の改正につきましては、会社の仕事自体としては、これはすべて随意契約でやっておりますので、あまり関係の少ないものでありますが、かつて私は旧会計法のもとで契約担当者として仕事をやっておった関係で、全般につきまして簡単に意見を述べさしていただきたいと思います。  まず、改正の第一点でございまするが、契約の方式、これが一般競争を原則にしておりますことは、従来の方式とあまり変わっておりませんが、これは提案理由にも説明されてありまするように、公正にして、また機会均等という建前から、国の行なう売買、貸借、請負その他の契約の制度としてやむを得ないものであろうと存じます。元来一般競争の方式につきましては、その可否について議論のあるところでありまして、私といたしましては、理論としては一般競争は国の制度としてはいいが、実際問題といたしましては、売り払いの場合のほかは適切でない場合が多いと思います。従いまして、実際問題として、購買、請負等の契約実施にはほとんど適用し得ないので、指名競争または随意契約によっておるのが実情と思います。この点、立法者の企図しておりまするような一般競争の成果は得られていないのであろうと思考されます。本改正案ではこれらの点を勘案されての上かと存じまするが、指名競争、随意契約に広く幅を持たせて適用し得られるようになっておりますることは、実情に即した適切な改正であると存じまして、賛意を表する次第であります。  第二の改正要点は、落札方式の点でありまするが、一番札の価格が契約の履行に不安があり、あるいは公正な取引の秩序を乱すおそれがあって、著しく不適当と認めた場合、予定価格の制限内の価格で最低の価格を持つ申し込み、すなわち二番札以下の採用の場合を法規化されて、その道を開かれたことは一大改善で、大いに賛意を表するところで、これによっていわゆるダンピング防止等の上にもきわめて有効であろうかと存じます。契約担当官として落札決定の上に好都合になろうかと存じます。本改正案中で最も私の関心を引きましたのはこの点でありまして、今回改正法案中の最重点とも申すべきものではないかと存ずる次第であります。  第三の改正点でありまするが、この監督、検査に関する問題は、契約履行の確保の上から当然の処置でありまして、従来実行されておったことと存じまするが、これを契約の基本条項として明確化されたことは、非常にけっこうであろうと思います。  次に、契約書の作成、入札保証金、契約保証金の問題等につきましては、いずれも予算決算及び会計令中にありましたものを契約の基本事項として会計法中におさめたことは、法制の整備上当然のことと存じまして、これには特別の意見はございません。  次に、長期継続契約の問題は、契約の能率化の点から見て異論のないところでございます。その他の改正点につきましては、法規の整備上至当なものと存じます。  以上、私の本法案に対する意見を申し上げましたが、終わりに、本改正で契約の基本事項が会計法中に一括整備されて、制度として明確化されますることは、通覧に非常に便宜でありまして、契約担当官としても、その事務執行に好都合であり、能率的契約の実施に効果を期待し得られるものと存じます。本案に対して全面的に賛成するものであることを申し上げまして、私の陳述を終わります。

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) ありがとうございました。  以上をもちまして、それぞれの立場よりの参考人の御意見の開陳は終わりました。  これより参考人に対して質疑に移ります。  なお、政府側よりは、上林法規課長、建設省より高田参事官が見えておりますから、質疑のある方は順次御発言を願います。

田中一日本社会党

○田中一君 大林さんに伺いますが、会計法の改正に伴う契約約款というものが、会計法の問題は今いろいろ御意見があった通りの内容でございますけれども、契約としてはどういう形の契約を行なっておるのですか。また、契約約款というものは、現在国並びに公共団体との契約は、偏務契約か双務契約かという点です。それから、たとえば不可抗力によるところの損害というものは、どちらがどう負担しているか、一つ実情をお述べを願いたいと思います。

大林芳郎全国建設業協会会長

○参考人(大林芳郎君) 国との契約の場合は、中央建設業審議会におきまして打ち合わせをいたしましてでき上がっておりまする標準契約約款に基づきまして——もっとも建設省はほとんどそれによっておられますが、官庁によりましては、それによらないで独自の契約約款で私ども契約をしておる場合もございます。一応官公庁の場合は、大半は標準契約約款によって契約をさせていただいておりますが、最近はこの標準契約約款も何回か改正を重ねまして、そのつど、業者といたしましては、戦前はずいぶん偏務契約をしいられておりましたと申しまするか、甘んじておりましたものが、だんだんと双務性を持つようになって参りまして、今日ではそう著しく偏務契約であるということはないことになっておりますが、なお、現在も審議会におきましてこの検討がさらに進んでおりまするが、私どもとしましては、より双務性になるように努力をいたしておる次第でございます。ただ、発注者によりましては、現在のところ、まだ私どもとしては十分でないと思っておりまする契約を、いろいろな請負工事というものの性質上、やむを得ずその契約によって工事を進めなくちゃならぬという場合もないわけじゃございません。

田中一日本社会党

○田中一君 その不可抗力の損害に対しては、どういう扱い方をしておりますか。

大林芳郎全国建設業協会会長

○参考人(大林芳郎君) 不可抗力の問題は、大体は甲乙当事者が協議をしてきめるという場合が多いのでございますが、契約によりましては、どの程度まで——たとえて申しますと、水力工事のような場合、相当危険がございまするので、出水をいたしました場合、一時間何トンまで水が出れば、これ以上は発注者が負担をする、それ以下であれば甲乙協議をしてきめるという条項の場合もございます。そういうふうに一定の基準をきめまして、それ以上の場合、発注者が負担をしていただくという場合もございます。

田中一日本社会党

○田中一君 先ほど、この政令にゆだねる格付けの問題を、各発注官庁が独自の立場で指名競争にする、業者の選定を行なう場合、これはおのおの、先だっても委員会で、よい慣行というものは尊重する、各省の慣行というものを尊重するというような発言がありました。そこで、大蔵省の方でもこれと同じような形の格付けをしなければならぬ、国との取引を契約をする者に対する格付けの基準を考えておるのかどうかというようなことを、あなたはおっしゃっておりましたですね。で、これについてあなたもお聞きになりたいものと思うのですが、今の点について法規課長から答弁を一つ願いたいと思うのです。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) ただいまの御質問につきましては、前にも御説明を申し上げましたが、この会計法の運用にあたりまして、ことに建設工事につきましては、現在でも先ほどからお話がありまする建設業法に基づく能力審査及び格付けにつきましては、建設省におきましてはもちろんそれに応じてやっておりまする実情でございまするし、また各省におきましてもおおむねそれを活用いたしまして、それぞれの各省の特徴に応じまして若干の修正はいたしておりまするけれども、それを利用いたしまして実施しておるわけでございます。私どもも今後こういう制度をさらに活用いたしまして、この会計法の運用に当たっていきたいと思っておるわけでございますが、大蔵省がさらに別に会計法の見地から能力審査をし、何をするというもちろん余力もございませんし、そのつもりもないわけでございまして、運用にあたりましてはよく建設省と御相談をし、お打ち合わせをしながら、またいろいろの各省の間のバランスその他の問題もございましょうし、そういう問題になりますと、これはまた大蔵省の問題でもございまするので、そういうことをよく配慮をいたしまして、具体的には建設工事につきましては現在の建設業法に基づいてやっていただきまする能力審査、格付けというものの上に立ちまして的確なる運営をはかっていきたい、こういうふうに考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 それから、小川さんと大林さんの両方に伺います。小川さんのところは、これははなはだ失礼ですが、もしいやだったら御答弁下さらなくてけっこうですよ。資本金どのくらいで、一年間どのくらいの仕事をなさっていらっしゃいますか。

小川耕一全国建設業協会理事

○参考人(小川耕一君) そうですね、資本金一億一千万円で、工事は大体十五、六億でしょう。

田中一日本社会党

○田中一君 格付けがきまり、そうして格付けによるところの指名業者が決定される。まあ大体五、六人から多いものでは十人くらいはいるでしょう、その際。まあ大へんお忙しい業種、繁栄企業ですから、今は大体何でしょう、自分でおのおの一応自分の経験と、それからそれぞれの持っておりまするところの機械的な判断のものがあると思うのですよ。そういうものを入れながら落札価格をきめようとするのでしょうけれども、その際、何ですか、大体においていわゆる古い型の談合という——不正談合というものを言っておるのではないのですよ。話し合いによって、お互いによい仕事を早く発注者の御意見、注文通りのものを作るのだという場合には、業者間の話し合いはむろんなすっておるでしょうね。

小川耕一全国建設業協会理事

○参考人(小川耕一君) それはありますですね。

田中一日本社会党

○田中一君 その場合、何か金銭なんかのやり取りはあるのですか。

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) 速記をつけて。

小川耕一全国建設業協会理事

○参考人(小川耕一君) そういうことは今は絶対ありません。昔はそういうようなことも、これはもうあったようですが、現在は私どもの業界においてはそういうような不正な談合というようなことは全然耳にしておりません。

田中一日本社会党

○田中一君 大体何ですか、入札指名された場合にはその工事の大体の大づもりの、このくらいの予定価格だろうということは、あなた方自身が経験でこう考えられるというもの、それを今度は自分の社員に命じてこまかい積算をきせて、一つの計算が出るという行き方をしているんですか。それとも、仕様書、図面等をつぶさにこまかく積もってこれを入札しようとしているんですか。これをやろうとする場合ですよ。

小川耕一全国建設業協会理事

○参考人(小川耕一君) もちろん、予算というものに拘泥せずに、積算をあくまでも基礎にしてやっております。

田中一日本社会党

○田中一君 ほしい仕事の場合には、予算を探るために、予定価格を探るために、何かやっぱりそういう動きをするものなんですか。

小川耕一全国建設業協会理事

○参考人(小川耕一君) そういうところもあるかもしれませんですがね。

田中一日本社会党

○田中一君 大体予定価格というものは、今までの経験で、大体の勘でもって、押えられるでしょうね。その点はどうですか。

小川耕一全国建設業協会理事

○参考人(小川耕一君) 大体もう同一くらいの工事でして、同じような場所でしたら、いろいろな前の例あるいは物価の上下、そういうような点から押えられますですね。

田中一日本社会党

○田中一君 五名の指名業者が相談をして、あれは一億円の予算らしいから一億二千万で取ってやろうなんという謀議はするような慣習はないのですか。

小川耕一全国建設業協会理事

○参考人(小川耕一君) そういうのはどうもあまり聞いていませんですな。

田中一日本社会党

○田中一君 小川さんのところでは、大体、官公庁ではどこに大いに仕事をなすっていらっしゃいますか。

小川耕一全国建設業協会理事

○参考人(小川耕一君) 私のところは、今あまり一般官公庁の仕事はやりません。

田中一日本社会党

○田中一君 大林さん、セメントにしても、どういう産業にしてもですね、大体において自分のところの能力、生産能力ですね、それから立地条件等によって、大体の配分というものは協会とかあるいは業者間でもって話し合って、この地方は君がやってくれ、この地方は何々会社に持っていこうじゃないかというようにやっているように聞いているんですよ。大林さんなどは全国的に網のように支店、出張所を持っていらっしゃるんだから、その際はどうですか、やはり地域々々に、今小川さんに質問したと同じように、地域々々によってそれぞれ自分の手持ちの工事並びにその消化力というものを勘案しながら、やはり札を逃げる場合もあれば進んでもらいにいく場合もあるように聞いておりますが、そういう行き方をしているんですか。

大林芳郎全国建設業協会会長

○参考人(大林芳郎君) 全国的に各地で工事が発注されておるわけでございますが、まあこれは私自分の会社のことを申し上げることになりますけれども、私の会社では全国的に支店、出張所を相当数持っておりまして、全国的に工事をいたしておりまするので、年間の工事量も相当ございます。また民間の工事、官公庁の工事も両方いたしております。また建築工事、土木工事両方いたしております。大体まあ大都会——東京なり大阪、名古屋には相当建築工事の発注数が多うございまするし、規模の大きい工事が相当ございまするので、全体の量から申しまして、地域的にはそういうところの占める工事の量が相当ございます。従いまして、その他の地方の支店、たとえば福岡であるとかあるいは仙台であるとか広島であるとか、そういう地域におきましては、大体は民間の、長年こちらが注文をいただいておりまする民間からの工事は、これはまあどうしてもやらなくちゃなりませんから、厄介になっておりますから、その地方で発注されまする県なり市町村の工事につきましては、やはりその地元々々の地方の業者の方がおられまするので、やはり大業者、中業者、小業者、それぞれその仕事を適当にやりまして、建設業界というものも円滑にいくわけでございまするから、当然これは地方の業者の方々がやられるべきものであるというようなふうに判断いたしました場合は、支店長も十分その点を心得まして、そういうものは地元の方にやっていただけるように自主的に判断さしておるわけでございます。あらかじめ全国的に、あるいは地方の方々と十分計画を打ち合わせしまして、どの工事をどうするというような打ち合わせはいたしておりません。あくまでも私ども大林としましては、自主的に判断しまして、工事の獲得ということに努めておるわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 最近大阪方面では、官公庁の仕事というものは単価が安いというので、何といいますか、不調に終わるような傾向が強いということを聞いておるのですがね。全然単価が安いから仕事をしたくないといって逃げておるのが現状か、あるいは仕事が一ぱいなんで逃げておるのが実態なんですか、どっちなんですか。

大林芳郎全国建設業協会会長

○参考人(大林芳郎君) 比較的に規模の大きい業者の方は、先ほど申しましたように、大都会などでは相当工事の量を今消化しておられまするから、ある程度、自主的に判断して、そう規模の小さい仕事を数多く取るようには努めてはなさっておらぬと思います。ただ、そういう大都会にありましても、中小の建設業者の方々は、主として官公庁の仕事を長年やっておられる業者の方がずいぶんおられます。そういう方々は、にわかに民間の工事をやられるわけに参りませんので、現在非常に労務者の労賃、それから幾つかの種類の建築材料のコストが、価格が非常に高騰してきておりまするので、一方自治体の発注の仕事、国の場合もございますけれども、主として自治体の発注されまする公営住宅であるとか、それも国庫補助を受けてやっておられます公営住宅でありますとか、学校建築などのような工事は、大体昨年の夏ごろから本年にかけまして相当発注がございましたけれども、残念ながら非常に発注者の予定価格と中小の方方の見積もります見積もり価格とが食い違いまして、これは大阪とか東京の大都会だけじゃございません。ほとんど全国的に入札が不調に終わりまして、そのためにそういう種の工事を主としてやっておられる中小業者の方々は今非常に困っておられる。これはどう申しますか、そういうところにしわが寄ってくる。こういう点を非常に私は憂慮いたしまして、先般来各方面にこの点をぜひ一つ是正していただくようにお願いをしておるような事情でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 たとえば、大林さんに大阪府庁が指名してよこした。十回について十回とも落札しなかったという場合に、十一回目あたりは今度は大林に指名しまいということになるんですか、なるようなことが多いのですか、あるいは大林さんは非常に良心的に見積もりして、とてもそれじゃ赤字になるからできないのだというところから、十回が十回までまじめに応札をしているのだけれども取れない、あるいはもう初めからこの仕事は指名を受けるのだから札を入れるのだ、逃げ札というやつを入れるのだということになるのか、あなたの方の場合は。短い言葉でいいですから。

大林芳郎全国建設業協会会長

○参考人(大林芳郎君) 大体、自治体の仕事は、先ほど小川さんがおっしゃいましたように、大体設計の内容がほぼきまっておりまするから、図面をちょうだいいたしますれば、毎回ちょうだいいたします図面を拝見しておりますると、そう、よほど特殊の仕事でない限りは、まあ一般建築あるいは病院建築あるいは住宅工事なども、木造ならばどの程度のもの、コンクリートのアパートであればどの程度のもの、ほとんどきまっておりまするし、それから大体、その前後の入札状況によりまして、大体発注者の単価というものも推定ができまするので、まあ御指名をいただきましたもの全部を取るつもりで真剣に見積もりをするということは、これは別に今日を限らず、また私ほかの業者もおそらくそうじゃないかと思いますけれども、そういうことはないと思うのでございます。しかし、大体は当初よりこれをやるつもりで見積もりをする。どうしてもそのときの技術者の、見積もりをいたしまする人の関係でできません場合は、先ほど申しましたように、大よそ標準の価格というものはわかっておりまするから、まあその点安全を見まして応札するということは、全然ないとは申し上げません。

田中一日本社会党

○田中一君 大体、一億円の建築工事なら建築工事の普通のものを見積もる場合には、どのくらいの費用がかかります。

大林芳郎全国建設業協会会長

○参考人(大林芳郎君) 見積もりの費用でございますか。

田中一日本社会党

○田中一君 ええ。

大林芳郎全国建設業協会会長

○参考人(大林芳郎君) これはちょっと、そういう原価計算は実はしたことがございませんので、非常にむずかしいのでございますが、まあ一応この設計図をちょうだいしまして、大ていは十日ないし——一億くらいの工事でございますと、十日ないし二週間くらいの見積もり期間でございますね。これにかかりまする費用、費用と申しまするより人数が、数量を拾いまするいわゆる積算要員でございますね、これはおそらくそういう程度のものでございますと、まあ最近ですと二、三人でございましよう。それから、見積もりの単価を入れますのは、これは一人でできます。営業に携わっております者が、そういう者がそういう日数かかるものでございますので、そういう者の給料と申しまするか、その他の諸費用を按分して、その人数に日数をかければそれが出てくるのでございますが、今その一億円くらいのものならば、見積もり費用が幾ら正確にかかるかということの具体的な数字は、ちょっとお答えができませんのでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 大体官公庁というか、大阪府なら府にしましょうか。この見積もり指名をちょうだいして、どのくらい見積もりをして、応札をして、どのくらい落ちるのです、正確にやっていて、今までの例を、あなたのところではむろん標準にならぬかもしれない、何十億という仕事をやっているから。小川さんに伺いますか。小川さん、その点はどうです。入札して、競争入札をやって、幾つぐらい札を入れて、どのくらい落ちます。

小川耕一全国建設業協会理事

○参考人(小川耕一君) 私のところでも、今は土地造成が主たる事業になっておりまして、一般のゼネコンはやっておりませんから、そうですな、ただ私がやっておりました、まあ五、六年前ですと、大体十本に一回くらいのものだろうと思いますね。   —————————————

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。  ただいま岡崎真一君が辞任され、その補欠として徳永正利君が委員に選任されました。   —————————————

田中一日本社会党

○田中一君 大林さん、お宅でやはり積算、応札、札を入れるために相当な費用がかかると思います。費用が、人員がかかると思いますが、あなたの方の営業全体から見て、どのくらいの比率になりますか。札を入れるための積算、そういうものは社員構成でいうとどのくらいのパーセンテージになりますか。今伺っておるのは、あなたの方の営業の中には、注文を契約して仕事を立ち上げるという、契約通りに立ち上げるという職務と、もう各層の日本人全体のお客さんからこれをやってくれという、いわゆる見積もるという商売、これは大きなものです。見積もり商売に対してはお宅は報酬もらっていないのでしょう。

大林芳郎全国建設業協会会長

○参考人(大林芳郎君) 私ども工事の見積もりをいたしますときに、見積もりのための費用というものを別に計上はいたしておらないのでございます。それは当然、私ども、社員は何人かおりまするから、そのものの全体の給料でございますね、そういうものを月々払っていかなければならない。それは各工事に、本店でございますると、総経費と申しますか、総かかり費と申しますか、給料だけじゃございません、その他の諸費用でございますね、それから支店でございますと、支店の営業費というものが必要なわけでございます。そういうものとして工事の見積もり価格の中に入ってきておるわけでございます。その営業費なり総かかり費の一部として、それに含まれておるわけでございます。そういう工事費の見積もり方をするわけでございますから、設計、施工なんかの場合も、当然設計費用というものは入っておるわけでございます。その中に含まれておるわけでございます。それを特別出して、その中にまた含めてということはいたしていないのでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 今、小川さんが言っておるように、十ぐらい応札の札を入れて、一つぐらい落ちるということ、私はもっと今ひどいと思う。二十か三十たくさん注文をやって、好きなものを取るから三十に一つぐらいしか契約にならぬと思う。そうすると、二十九見積もるという積算費用というものは、三十番目に落札するとすれば、二十九までの費用というものは全部その三十番目の一つの工事にかかってくるということになるわけですね。ずいぶんサービスのいい業種だと思います。業態だと思います。むろん指名する以上、発注者はいかにいい条件で——資格は今言う通り格付けして、この人ならば安心だという信頼のもとにやるのでしょう。二十九の仕事に対してはサービスして、その費用も全部三十番目に取った一億の仕事にぶちかけていくというから、利益はどのくらい見ておりますか、利潤というものは。二十九の人にはサービスして、三十番目の一つに仕事を契約できた。その費用というものはみなその一つにかかってくるわけですね。利益はどのくらいです。三割ぐらいですか。

小川耕一全国建設業協会理事

○参考人(小川耕一君) 建設業というものは、実にはた目ではよい商売なんですが、実際にやってみると、実に悲惨な商売でして、まず建築などでしたら、平均いって二%か三%に回ったら上等じゃないですか。それは何といいますか、現在のような価格が暴騰してくる、こういうときのものはもう全部自分でしまわなければならない。

田中一日本社会党

○田中一君 全くそうだと思います。二十九の人にサービスして、一つでもって——そんなにもうかるものじゃなかろうと思います。どうもサービスが多過ぎるのじゃないかと思います。  そこで、格付けの問題ですが、大林さんのところは一年におそらく四、五百億ぐらいの仕事をやっておるのだから、問題になりませんが、ほかの中小業者は、小川さんのように十五、六億やっておる。地方に参りますと、中ぐらいのうちで五億から十億の間をやっておる。そういうところは、五回か六回指名して取らないと、その次からその人を指名してくれない。たとえば住宅公団のこの間の問題でも調べたのですが、大阪でとうとう不調になって受け手がないという仕事が出てきた。なぜかというと、三十五年度の予算でもって三十六年度に出てくるのです。その予算を組むときにはもう前年の七、八月ごろに組んだ予算が、翌年の一年間が過ぎた十五カ月目ぐらいに発注されてくる。そのときには、御承知のように、池田内閣の所得倍増計画でもってわっと値上がりになった、全部、運賃その他が。受け手がない。受け手がないから断わると、よし、あの業者は再び指名してやらぬぞと、こうどうかつするのですね。これは目に見えてきているのです。これはいわゆるサービスの、応札というサービスをしなければやってくれぬから、泣き々々また出血を覚悟の上で仕事を取る。ところが、業者というものは妙なもので、ちっとも損をしたような顔をしていないのですね。どっかで埋め合わせしている。それは経験と持っている機械の損料なんかで落として、何とかつじつまを合わせるということがあるでしょう。いろいろなことがあると思うんですが、末端の労働者に、一応五億、六億の仕事をしているときには、お手上げのときは労賃を払わない。逃げてしまう。会社だからどうにもしようがありません。きれいに財産なくして。その場合に、銀行等がぱっと差し押えてしまって、何にもないということが間々あるのですね。何かこの会計法の一改正のみならず契約という問題をもう少し合理的に、たとえばあなたさっきお話しのように、十も応札をして大ぜいの社員が、一億の仕事を二週間ぐらいかかる。何人かの職員が二週間ぐらいかかる。これはほんとうのサービスです。それを合理的にそういうサービスというものに対する当然の報酬を払うような仕組みにしたら、したとするならば、大林さん、どうお考えになりますか。当然あなたの営業のうちですよ、契約して仕事を始めるときから。あなたの営業じゃないのです。大ぜいの人のやはり見積もりをしてあげるということですね。適正な、一部安くていい材料なり、技術なりを求めようというのが指名入札なんですから、その場合に、その分くらいの実費くらいは払ってくれるというような制度になったら、どうお考えになりますか。

大林芳郎全国建設業協会会長

○参考人(大林芳郎君) それはけっこうでございます。私ども、現状は、田中先生おっしゃいますように、私どもの経費の中で見まして、そういう費用を入札金額の中に込めまして工事をやっているわけでございますね。まあおそらく官公庁の方のお仕事はそういう費用は見込んでおられないと思います。しかし、民間の御発注者の場合は、見積もりをしただけで、その費用を払っていただける場合もございます。

田中一日本社会党

○田中一君 そこでね、あなたの方の末端で使っている建設の労働者というものの賃金が安過ぎるのです。とにかく工場労働者は団交その他ストライキをやっても賃金かち取りますけれども、日雇い的な、一般のあなた方が末端に何千人、何万人と日々使っている労働者の賃金が安過ぎるというととなんですね。そうして一方発注者に対するサービスは十分にする。しないと、これまたこの次お前は指名しないぞと言われると困るから、はいはいとやっている。出血するものでもかまわず、肩たたかれば、はい、受けますという。あなたがまた今度は下請の肩をたたいて、やらせる。下請はまた労働者の肩をたたいて、この次はもうけさせるからこれでがまんしてくれということでやる。結局、建設労働者というものは向上しない。それから建設労働者がふえないのはなぜかというと、賃金が安いからです。  御承知のように、これだけの大きな事業、明年度は二兆三千億というものを建設工事を消化しなければならない予算のつけ方をしているんです。今日、民間、官庁を見てですね。で、技能労働者が全然ない。だれが中学を出て大工や左官になるばかいませんよ、ほんとに。安いからですよ。そういう安い賃金の労働者を使っていて、あなた方が利益がない利益がないと言うなら、発注者に対してそれを出してもらう以外にないと思うんですが、そういう末端の労働者の賃金等の実態も考えられて、もっといい法律の改正、並びにその契約に織り込むような問題をこうしてやらしてくれという御注文はないわけですか。末端の労働者の賃金がこれでいいと思いますか、安いと思いますか。御承知のようにPWがございます。これが妥当な標準賃金だと思いますか。

小川耕一全国建設業協会理事

○参考人(小川耕一君) 全く今の田中さんの意見に私同感です。建設労務者の賃金というものは、他の産業の労働者に比較して非常に安いです。ということは、もちろん請負業者の数も多い。それとまた、技能労務者は別としましても、一般の土工あるいは人夫というようなものは、季節労務者とかあるいは失業者とかいうものでもすぐに取りつけるという面にあるのじゃなかろうかと思うんですが、現在のような状態で置きましたら、全くこれは大工とか左官とかにはなり手がなくなっちゃうと。今、その辺の守衛をやっている人でも、月に相当の収入があって、しかも盆暮れの賞与とか、あるいは将来の退職手当とか、いろいろな面で優遇されているわけです。しかるに、われわれのこの建設労務者に限っては、そういうようなものは一つも現在のところない。これをこのままにしておいたら、おそらくこれは需要と供給の関係で、大工の手間が一日一万円なんて時代が来るのじゃなかろうか。そうなってきたときに、日本の建設というものはストップしてしまうんです。今のうちにこれらの対策を、これはあなた方にも考えていただかなきゃならぬことです。われわれとしても十分これは考えておるんですが、これはもう諸先生方にも十分考えていただかんとならぬと思うんです。今、日本の衣食住のうちで一番おくれているのは、これは建設です。住の問題です。これを解決つけるには、もうわれわれの手でやらなきゃならぬという責任は非常に感じておるんですが、ただ請負業者というものはもうかるものだというようなふうに片づけられておったんでは、なかなかこれは日本の建設というものは成り立たないんじゃないかと考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 有森さんに伺いますが、あなたの方では全部随契ですか。先ほどお話があったように、工場認定その他、工場認定に伴ういろんな提示条件を見て、全部随契ですか。

有森三雄日本航空工業会専務理事

○参考人(有森三雄君) 主要なるものはほとんど随契だと思いますが、しかし、指名競争入札になるものもございます。

田中一日本社会党

○田中一君 ロッキードかグラマンかといってえらい騒ぎましたね。あのときには、どういう——政治献金でもやってロッキードになったんですか。これもやはり会計法上いろいろ問題なんです。契約の問題ですしね。そして、大いに運動すればロッキードが随契で来るんだとなると、これまた問題なんです。われわれ考えなきゃならぬのです。あなたは工業会の専務理事をなすって、そういうところはつぶさに、調停の立場に立ったり、いろいろな面でもって一番あなたが活躍したんだと思うんです、ロッキードにきめたことについては。それをちょっとお話し願いたい。

有森三雄日本航空工業会専務理事

○参考人(有森三雄君) ただいまのお話は、航空工業会、つまりメーカー側の立場から申しましたならば、私は絶対にないと確信をしております。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると、そういう修理あるいは製造等の随契をする場合には、何か格付けがあるんですか。あるいは、これはまあ機種が違うんですから、だから、建設業者と同じような形にならぬと思うんですよ。

有森三雄日本航空工業会専務理事

○参考人(有森三雄君) 先ほど申しましたように、たとえば航空機の機体の場合で申し上げますと、おのずから、まず第一段的には、製造事業法の事業許可という問題、二番目に、その機種を製造するために外国の製造会社と技術提携をしているということから、極端に申しますると、好むと好まざるとにかかわらず、もう業者というものはおのずからきまってくるという段階が非常に多いと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると、外国の特許権なりその他、みな持っている人の決定によって、あなた方のメンバーの商売がよくなる、悪くなるということになるのですね。

有森三雄日本航空工業会専務理事

○参考人(有森三雄君) ただいま御質問になりました決定によってというのは、どういう意味でございますか。

田中一日本社会党

○田中一君 発注者がグラマンを採用するときめれば、グラマンと技術提携をしているところに仕事が来るということですね。

有森三雄日本航空工業会専務理事

○参考人(有森三雄君) それはいろいろな場合がございます。すでにそういう技術提携をしてやっている会社がございまして、その技術提携に合うような注文が出るから、おのずからそこにいくという場合もございます。そうでなくて、まず特定のある会社が作っている機種なり部品を製造するということになって、そのあとに技術提携を会社がやる、こういうような場合と、両方ございます。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると、航空工業会のメンバーには今までに指名競争入札はなかったのですか。

有森三雄日本航空工業会専務理事

○参考人(有森三雄君) そういう場合もございます。

田中一日本社会党

○田中一君 そういう場合は、どういう場合で、どういう形の指名競争入札をいたしましたか。

有森三雄日本航空工業会専務理事

○参考人(有森三雄君) たとえば飛行機の場合で申しますると、特定の機種がきまりますので、これの製造の場合等にはおのずからもう一社に決まってくると思いますが、修理の場合とかあるいはもっとこまかい部品等で、いわゆる技術提携のないものもございます。そういう場合には、工場認定を受けてパスした会社たとえば四社なり五社ございますと、そういうところを選択されまして、その全体、四社なり五社なりに対して指名競争入札をする、こういうことがございます。

田中一日本社会党

○田中一君 その場合、四社なりがあなたの手元に集まって、どこにしようかという相談をするのですね。

有森三雄日本航空工業会専務理事

○参考人(有森三雄君) そのような談合のようなことを航空工業会でやる、あるいはまたその他の場所を使ってやるというようなことは、私は工業会に関する限り全然ないと思いますし、他の場合でもそういうことはないものと思っております。

田中一日本社会党

○田中一君 私はやるべきだと思うのですよ。やるのが当然です、そんなことは。たとえばAの会社が手持ちが一ぱいあって、もう受けられないという場合には、Bの方に、あなたおやりなさい、私は困るから。——これは最もいい慣行ですよ。それを無理にやらさせては、いいものはできないということになるのです。そういうことを工業会はすることが役目じゃないですか。

有森三雄日本航空工業会専務理事

○参考人(有森三雄君) 違います。航空工業会のやる仕事というのは、業者の親睦をはかり、それから業者の共通的意見あるいは要望というものを関係の官庁その他にお伝えする、また官庁等の考えられましたことを会員の各社に伝達する、こういったような何といいますか、媒介的、中間的の機関でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 岡さんに一つ伺いますが、あなたの方と管財局というのですか、管財部ですか、それとの何かそうした下請的な払い下げの業務に関する契約をやっているのですか。

岡保三瑞穂産業株式会社社長

○参考人(岡保三君) 私のところでは、関東財務局長と仲立ち委託契約というものをやっております。それに基づいて仕事をやらさせてもらっている、こういう形式でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 ちょっと私知らないのですが、それは法律で仲立ち何とか業というふうに、法律に何かありましたか。質屋か何か、バタヤですか、そんなものがあるんですか。どういうのです。法律の何か……。

岡保三瑞穂産業株式会社社長

○参考人(岡保三君) 業種としては仲介業であります。

田中一日本社会党

○田中一君 どのくらいの手数料をもらっておるのです。

岡保三瑞穂産業株式会社社長

○参考人(岡保三君) 今私のところでは、みんなこまかい物件をすべてやる。金額の小さいもの。従いまして、東京都例によって制定されまする仲立ち委託手数料ですね、それに基づいた金額をいただいておるわけであります。従いまして、買い受け人から五%、政府手数料として五%、合わせて一割というものをいただいております。これは二百万円までは五分、それからさらに二百万円をこえて二百万円まで、いわゆる四百万円になりますが、その二百万円までは四分、それから四百万円をこえた額に対しては三分というふうに東京都例できめられております。その範囲をこえない額でやらなければいけないということになっております。それに従ってやっております。

田中一日本社会党

○田中一君 これは法規課長にちょっと。あなた知らぬと言うかもしれぬけれども、そうすると、今の不動産ですね、まあ何というんだか、物納した国有財産は一般公開入札をやらないで、全部こうした中間の業者を指定して随意契約によって払い下げをしておるのですか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) そのことは管財局でやっております。総務課長が参っておりますので、総務課長からお答えしていただくことにいたします。

向井正文大蔵省管財局総務課長

○説明員(向井正文君) 物納の財産と申しましても、大体沿革的には三つございまして、一番古いのは戦補税、戦時補償特別税、これがございます。それから、そのあとに財産税がございます。それから恒久的なものとしては相続税、この三つあるわけでございます。で、現行法では大体、物納財産につきまして、現に物納当時にすでにその財産を利用している者がある場合、その利用者に売るという場合は随意契約できる、こういうことになっております。この場合は、それによって随意契約をいたしておるわけであります。ただし、売り払い等は、現在財産価格百万円以下のものに限ってだけ売り払い委託をやっておりまして、それ以上のものは役所で直接契約をするというやり方をいたしております。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると、百万円以上のものは全部国と払い下げを受ける方の側との契約になるということなんですか。その瑞穂産業というものの存在はどこにあるんですか。

向井正文大蔵省管財局総務課長

○説明員(向井正文君) ですから、ただいま申し上げましたように、委託いたしますものは財産価格百万円以下のものに限っておりますので、従って瑞穂産業のものも百万円以下のものを出しておる会社である、こういうことでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 そういう瑞穂産業のような会社は幾つぐらいあるのですか。

向井正文大蔵省管財局総務課長

○説明員(向井正文君) この制度が発足しましたときは相当たくさんあったのでございますけれども、ただいま申し上げましたように、非常に金額の少ない、小さいものに限定しております関係上、当初入っていました信託会社、信託銀行はその後辞退されまして、現在はたしか十五ぐらいだと思います。

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) ちょっと速記をやめて。   〔速記中止〕

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) 速記をつけ  て。  参考人の方におかれましては、御多忙中にもかかわらず、長時間に御出席をいただきまして、委員会を代表して厚くお礼申し上げます。  速記をやめて。   〔速記中止〕

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) 速記をつけて。  引き続き、政府側に質疑のある方は御発言願います。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 建設省、どなたか来ておりますか。

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) 建設省は高田参事官です。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 それじゃ、高田参事官に伺いますが、今田中君の質問で、参考人に対していろいろなことをただされたわけですが、私、それに関連して、最近非常にダム建設等が多いわけでございますが、戦前の私どもの調べでは、ああしたダム建設をするような場合は、地質調査、 いわゆる予備的な調査、ボーリング、こういうようなものは別個の業者に請け負わして、そうして地質等から来る危険というものを防ぐ措置を講じてきた。しかるところ、どういういきさつか知りませんけれども、最近になりますると、これが一括請負という形をとっておられるようであります。私どもがこの会計法を審議するには、何としても国と国民がこの法律によっていかに利益が守られるか、こういうところに焦点を合わせて考えるわけございますが、今例をあげましたダム建設の場合などを見ますると、ボーリング調査においては不適格な地帯である。こういう判定を下して、また不適格なるがゆえに、それをあえて行なうならばかかる施工をしなければならない、まあ言うなれば排水墜道等あとで仮締め切りをしたりなどしますが、ああいうふうなものについては施工法などでも注意を喚起をする、こういうことになっておるわけなんです。ところが、さっきも言うように、戦前はこれらが別個の請負でありますために、その工事を請け負う業者になんぞ何ら遠慮することなしに、この基礎調査の業者は、かくかくの危険がある、かくかくの施工をしなければこの工事には無理である、こういうことを施行者に言うわけなんです。このごろは一括工事になっておりますために、それを一向注意を喚起しない。しようとする良心的な業者があったとするならば、それはまあ施行者側からもにらまれるし、また一括請負をしている親会社とでもいいますか、親業者、そういう者からにらまれて、次の仕事はもらえない、こういうような結果になっておるのです。  私は実は、たまたま非常に関東地方で危険な例をこうした良心的な業者から聞いて知っておって、あそこの墜道のどこに行ってハンマーでなぐれば、これはもう穴があきますということまで承知をしておるんだけれども、技術者は同級生が数が少ないから、自分の同級生はどこに勤めているというふうなことまでわかるので、その業者はとても良心にたえないからやめますというので、やめる準備をしているけれども、仕事をやらせる方はやっぱり同級生などおるために、これを言うことができないという事実さえ私は実は知っておるのです。ですから、建設省は、これは国としていろいろな工事をやる場合もそうでありますし、また最近は、地方自治体におきましても、多目的ダム、こういうようなものを盛んに作られる際に、やはり国がやることが右へならえになりますから、この点はどうなんですか。昔通りに別個にやらせるということの方が、国としても利益であるし、国民も不測の災いが生じないということに私はなると思いますが、この点、御見解どうですか。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) ただいまお尋ねございました地質調査、これにつきましては、もちろんお話のごとく、設計を行ないます前の段階で相当基礎調査をいたします。その際に、もちろん契約をいたしました上で調査をやるのが建前でございます。ただ、工事をやります性質によりましては、施工の途中である必要が起こって、調査をしなければならぬという場合もございます。その場合には、工事の請負契約の中で、工事の施行上の必要な調査をやらせる場合もございます。建前といたしましては、別にいたしておるわけでございます。お話の具体の事例がどういう場合でございましたか、よく承知いたしておりませんが、私どもといたしましては、できるだけ適正な契約をいたすように努めておるつもりでございます。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 適正な契約をするようにというお話があったけれども、なるほどやる仕事は別なんです。参事官の御指摘の通りなんです、それは私も承知しているのです。ところが、初めは基礎的な調査を、いわゆるボーリングでやるのです。ところが、御承知の通り、ボーリング業者というものは、小さいながら全部独立しているのです。ところが、そういう仕事は別にやると言っても、請負それ自体は大きな業者に一括してやらせる。その一括した中で別にボーリングをする、こういうことなんです。そのボーリング自体は、今言ったボーリング専門の業者にやらせることでありますから、請負自体は大きな業者に総括的にやらせまするがゆえに、この下請業者であるボーリング業者は、この地帯にダムを作ったら危険である。あるいは排水隧道などでもいわゆるコンクリートの巻き方一つでもかくかくしなければ危険であると承知をして、これに言うたり、また地方官庁が発注者ならば、それに言うても、それは目をつむれと、こうなっちゃうのです。一括請負だから、そうなんです。私が今指摘をしているのは、仕事を別にやっているということではなくて、請負業者一つにしたら、その下請業者たる者は、いかに危険がここに予測されても、それを指摘することができない。これが昔であれば、全く別個に、国でもやったし、国がやるから地方官庁もそうやった。だから、そこに危険が生じなくなる、こういうことを指摘しておる。この点どうなんですか。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 今の先生のお話でございますと、ボーリングとかそういう基礎調査に必要な、またそれに適する専門の業者に直接仕事を発注したらどうか、こういう御趣旨のように承っておりますが、まあこの業者選定につきましては、やはり今の場合でございますと、その仕事の、当該の調査の事務の内容に適合するものを選ばせることにいたしておりまして、もちろん、そういうことがわかっておりまして、特にそういう業者が最も適当であるということがはっきりわかっておりますときは、お説のごとく、そういう業者をも、必要がありますれば随契ということもあるいは会計法の適用上もちろんできるわけでございますが、具体の場合、あるいは先生のおっしゃったような事例を現在私のところでは存じておりませんが、もしそういうようなことがございましたら、十分注意いたしたいと思っております。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 私が今例をあげているのは、随意契約にせいとか、あるいは指名競争にせいとか、そういう発注のやり方を云々しているのではない。私自身が実は承知しているのです。これは私の県が危険だといえば、どこの県が危険かということは皆さんも想像がつくと思うのですけれども、現実に隧道でも、どこの地点でハンマーでたたいてごらんなさいと私は言われているのです。そういうことになれば、ことによれば関八州水浸しという事態も出てきますし、そうなれば、二十二年の例から見てもわかる通り、もともと徳川の初めのころまでは利根川の水は江戸に流れてきたのですから、その道をまたまた流れてくる、こういうことになる。私はその場所も、それを施工した者もみんな実は知っているのです。その業者が良心に耐えかねて、よそうとさえ実はしている。ですから、言いたいのはやまやまだけれども、その者の了解を得てきませんので、名前を言うことはできないけれども、私の言うのは、ある特定の業者に指名せいとか、そんなことを言っているのではなく、もともと戦前においては別個にやらしたものなんです。基礎調査ですから、それは請負額というものはきわめて少ないでしょう。少なくても、別個にやらせれば、たとえばあなた方の役所側に、これは危険でございます、この危険を避けるためにここにはこういう施工法をしなければ、これは水が漏れますとか、あるいは漏れないにしても将来くずれますとか、こういうことになると思うのです。  たとえば御母衣なんか、私ども藤田進君と一緒に行きましたからあれですが、あすこの地点なんかは非常に地盤が悪いから、よい地点を見出すために非常に骨をおって、特に当時本院におきましても、八億円という金が全くむだに使われた、こういうことが指摘されまして、当時私も社会党におりましたが、社会党としては藤田進君と私が院の派遣で行った事態もあるのです。こういうのも、たまたまあすこのは一括調査でありましたけれども、わかったからよい。今言ったように、下請のような形で、ボーリング業者が口をふさがれる。やむを得ないから、まあこれでよろしゅうございますなんということになって、排水口を作ると、そこから水が漏れ始まる。そうすると、初めはよいけれども、洪水のごとく一定の湛水よりも越えてしまうと、そのときの水位はものすごいですから、そうなればダムなんか一挙に決壊しますよ。ですから、これは僕は、むしろ与党全体にも考えてもらいたいし、政府全体としても考えていただきたいので、きよう私はこの法案をあげるというからその程度しか言いませんけれども、そういうことを直さなければ、一体会計法の手続くらい直したって、国や国民の利益は私は守れないと思っているのです。  おそらく参事官も、ずいぶん手がけておられるから、御承知だと思うけれども、ダムの排水口なんかはフクベ型で、まん中ごろはコンクリートがうんと薄く、両方の出口だけはきりもなく厚くしておって、何というのか、鼓型とか何とかいって、業者の普通の言葉にさえなっている。こういうやり方でやられますと、どこの業者がやり、また中央官庁である建設省が発注なさらないで、最近の多目的ダムで地方庁が施行主になられましても、結局それは普通の水量を越えるオーバーの状態になったときには、そこがもとになって全部が決壊するということが起きるのです。だから、それは全部そういうものをあらかじめ防ぐということは人間のことですからできないにしても、少しでも防ぎ得るようにやるのがしかるべきである。そうすれば、契約法にしても、要するにボーリング業者はボーリング、その施工の業者は施工業者、こういうふうにやられる方が、もともとそうだったのですから、戦前もともと。どうしてそういうふうに今は一括請負みたいな形にしたのか、もしお知りなら僕はこの際お教え願いたいし、どうしてそういうことをやったのか理由も聞きたいところです。いかがですか。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 戦前のお話と比較いたしまして、今日特にそういう一括して大きな業者にやらせというようなことは、今日建設省といたしましてそういう方針を立てているわけではありません。やはり建前といたしましては、分離いたしまして、設計前の調査につきましてはボーリング業者に直接調査させるということを建前といたしております。具体の例でいろいろ御注意のございました点につきましては、私ども十分調べまして、遺憾のないようにいたしたいと思っておりますが、建前といたしましては、やはり従前通り分けまして施工をいたしております。工事の実施の際に、御承知と思いますが、おそらくよく御存じのことと思いますので、今さら申し上げるまでもないと思いますが、工事施行の途中で調査をやります場合には、若干業者にやらせるという場合がございます。なお、一括下請と申しますか、一般に大きな業者に仕事をやらせて、その結果いろいろな弊害がある、御指摘の点もおそらく一つのそういった角度からのお話かと存じますが、建設業法の建前からいたしましても、なるべく一括下請をやらせない建前でございますので、一括下請をいたします場合は特別な規定を置いて、その規定の範囲内でしか執行させないということにいたしております。具体の点について種々お示しがございましたので、十分その点は注意をいたしたいと存じております。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 この際、こういう大きな問題ですから、私は政府側からも大臣に来ていただいて、注意を喚起しておきたいと思うのですけれども、この法律案自体が本院の先議で、衆議院に送らなければならないという関係もあるそうですから、一つ田中次官がおられますから注意を喚起しておきたいのですが、もともとこの種のものは、民間会社でありまするあの各電力会社におきましても、そういう将来の危険をおもんぱかって、ボーリングはボーリングで別にやらした。そうすればボーリング業者は会社側に、これこれの危険があります、こういうことをちゃんと指摘して、昔の方がどちらかというと、人命尊重という言葉はないけれども、尊重したと見えて、そういう危険なところをやめたり、やめないならば、それに耐え得る工事をボーリング業者から指摘させて、その通り注文をつけて、今度は新しくダム工事の業者に渡す、こういうことなんです。ですから、そういう場合の検査というものは非常に厳重をきわめたものです。しかるところ、役所側がこのごろ一括請負などというのをしばしばやるものですから、各電力会社の戦後作ったダムで、おそらく一、二です、昔のように厳重にやっておるのは。あとは全部一括請負ですから、請け負った業者がその下請たるボーリング業者にボーリングをやらせる。ちょっとここに危険が出ても、請負業者同士ですから、まあまあと、あまりそんなこと言うなというようないい加減なことになってしまって、それで施工されているのですよ。だから、私がさっき言ったように、役所におる人だって技術者ならば大てい承知しておる。隧道を鼓型にして、真ん中の方はうんと薄いのです。だから、どこをたたいたら必ず穴があきますからというのは、われわれにも自然にニュースが入ってくるのじゃなくて、それをやった業者が知らせるということさえある。入口と出口の両側だけ厚い。だから、鼓型の隧道になる。これは請負を別個にさせて、どっちがもうかるのかというけちな問題じゃないんでしょう。あと必ず一定の年限が来れば人命の危険になるのですから、ですから、こういう問題については、会計法は建前としていいとしても、もっと奥深いところを政府側においても一つ全体として注意を喚起してもらいたいと私は思うのです。これは注文でありますから、それだけでやめますけれども……。  ところで、委員長、今度は議事進行ですがね。過日来私はこれに関連して、この前本院でこの会計法が問題になったとき以来指摘して、いろいろな資料の提出等も要求しておるわけです。きのう大蔵省側から聞いたところによりますと、どうやらきょうか明日あたりのうちに清書して私の手元までは要求した資料が出るようであります。ところが、過日も指摘いたしましたように、不法占拠などやられてしまって、そうして今度はにっちもさっちもいかなくなって、またもやこの税金で立ちのき補償をやる、こういうようなことで会計法を改正してみたって、その事態は、この前も指摘し、今度もそうだけれども、何も改善されないんですね。それで政府部内では、今度そういう場合に会計検査院から措摘をされて、無契約で占拠されるのはけしからぬじゃないか、金を取れ、こうやられるから、仕方がない、金を取ってしまう。金を取ってしまうから、そこに不法占拠がちゃんと合法的になってしまって、そこでとほうもない立ちのき料を要求される。要求されるのは役所だからいいでしょうけれども、それはみな国民の税金で出すわけです。近ごろ、これは戦後に三公社なんということになったけれども、鉄道の駅の拡張のできないのなんか、実に枚挙にいとまがないのです。この間も私言った。それもどさくさに、要するにごね得のやつがすわり込んでしまって、そうして会計検査院が指摘した。それで契約書を取りかわせというから取りかわした。それで居住権ができて、もともとは不法占拠なのに合法であると追認、こういう形で、今度は何とか始末するには国民の税金ということになっておるのです。悪循環でしょう。それではまじめなものが税金を払うばかりで、やり切れたものではないのですよ。  そういうことについても、会計検査院等も私は呼んでもらいたいと思うので、きょうまあ各派においてこの法案をどうしてもあげるということならば、これは継続の調査の案件にしていただくなりなんかしないと、これはとんでもないことになると思うのです。この点どうですか、そういうふうに調査案件にしてもらって、委員長の手元でしかるべくこれらが審議できるように手配してくれますか。

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) 承知いたしました。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 それじゃ、これだけにします。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 同僚諸君がずいぶん質問なさった。また、私が留守中に質問があって、私の質問がダブるかわかりませんが、その点お許しを願って、二、三ちょっと聞いておきたいと思うのですが、政府の説明書の中に、一般入札が必要がない場合と不利な場合ということがあるのですが、ちょっと参考までにその例を示して説明をしていただきたいのです。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 契約の性質からいいますと、あるいは目的なりからいいますと、たとえばパテントを持っておる人が一人しかいない、あるいは先ほど話がありましたように、認定工場が三つしかないというような場合は、これは一般競争といいましても一般競争になじまない場合でありまして、そういうところから物を買いますというような場合、そういう場合には必然的に一人しかない場合には随意契約にならざるを得ませんのでございますし、数が限られておりまするときには、その範囲内におきます指名競争という格好にならざるを得ないということでございまして、そういう場合におのおのの性質なり目的に従いまして、随契なり指名競争によるわけでございます。また、たとえば契約の事柄によりましては、人命にかかわるようなものであるとかいうような場合に、あるいは特殊な構造であって、それをやります者がごく限られておる、またほかに一般の人から一般公開入札でやりますると、技術の点からいってもあるいは特殊なそういう構造の性格からいっても不適当であって、不利であるというような場合には、これはそれぞれの目的に応じましたその十分の資格を持っておる者の指名競争なりあるいは随意契約なりということで契約を結び得るということになっております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そうすると、一般入札した場合、不利だという認定は政府でやるわけで、一般入札から漏れた人たちはそういうふうに考えない場合が起こってくるのじゃないですか。政府の考えと一致しないような場合が起こってくるのではないのですか。それはだれが認定するのですか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 今申しましたのは、現在の予決令、今後また同じような格好で規定されるわけであります。それによりますると、その契約担当官自体が判断をいたしましてやるわけであります。何が不利であったかどうかというのは、なかなか議論がある場合もあるかもしれませんけれども、実際問題といたしましては、そういうことでやります場合を含めまして、会計検査院がその契約の執行を含めまして予算の執行の一環といたしまして審査をいたすわけでございまするので、会計検査院の検査の監督を受ける、こういうことになるわけであります。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そういうことをやった場合に異論は出ませんか、どうですか、業者間に。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 先ほどからも参考人の方にいろいろ、たとえば指名競争が適当であるというようなことをおっしゃっておられましたが、確かに指名競争自体のすぐれた面もあるかと思います。しかしながら、たとえば指名基準が非常に確立されていなくて、あの人が入って私が落ちたというような不平は、それはときどきはございますが、そういうことのないようにできるだけ公正にやっていきたいというのが実は私どもの考えているところでございまして、実際問題といたしましては、契約の制度の運営、契約制度につきましては、制度自体の問題のほかに、それをいかに運営していくかという問題が非常に大切なことでございまして、そういう面につきましても、なお今後配慮を私どもはいたしていきたいというふうに考えております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それはあなたたちはそういうふうに考えるでしょうけれども、やっぱりそういうやり方ではいわゆる官僚独善で、漏れた人たちから不平が起こるだろうと思うのですね。そういう不平をなくするために、一般入札、公開入札で、何ていうか、事がきめられているわけでしょう。それを全然無視して、今後はそういうことをやっていこうといえば、やはりそれは私は無理が起こってくるだろう、こう思うのですが、それをどういうふうに処置していく腹ですか。ただ私たちが公正にやるつもりですというだけでは、納得しないだろうと思うのですが。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 現在の会計法におきましても、一般競争を原則といたしております。また今度の改正法案におきましても、一般競争契約を原則として掲げておるわけでございます。理念的には、前に申し上げましたように、国の契約の性質上、公正な競争をし国民に機会の均等を与えるという意味におきまして、一般競争契約が理想としてはすぐれた制度であることは、私どもも確信をいたしておるわけでございます。世界各国の場合を見ましても、同様の方針でやっておるわけでございます。ただ、現実の運営の問題といたしましては、技術の進みましたこともございまするし、その他の経済事情も進歩いたしておりまするわけでございまして、観念的な一般競争という問題はなかなかむずかしいという面もございます。要は、いかにしてできるだけ広い範囲内におきまして公正な競争を行なっていくかという問題であるかと思っておりまして、従いまして、この法律案を制定いたして参り、それに基づきまする運営にあたりましては、そういうような趣旨で、前回も申し上げたわけでございまするが、たとえば請負工事におきましては、現在建設業者自体の能力審査などをやっておりまして、それに基づきまする公正な競争をできるだけはかるように努めておるわけでございますが、そういうような制度を活用いたしまして、できるだけ広い範囲で公正な競争に努めていきたいというふうに考えておるわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 僕は、一番公正な価格を出すことはやはり一般入札だろうと思っているのですよ。その原則だと思うのですがね。これがうまく運営されない点があるならば、そのうまく運営されない点に問題があるのであって、やはり原則としては一般入札が正しいと思うのですよ。ところが、指名入札にする方が公正な価格が得られるような御意見が、先ほどからあったように思うのですが、指名入札とか随契で公平な価格が出されるという根拠はどこにあるのですか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 一般競争か指名競争かという議論の実は焦点は、むしろ価格の問題よりも、不信用、不誠実な者が入るかどうかという議論でございます。確かに理念的には、一般競争というものは正しい制度であろうということは、先ほどの参考人の方々もおっしゃっておられたわけでございます。ただ、現実の姿といたしましてよく議論になりますることは、一般競争でございますと、不信用、不誠実な方が競争に参加する、従って、結果的には能力のない人が競争に参加した結果、あるいは工事の途中で投げ出したり、手抜きをしたりすることによって、かえって国の不利益になる。従って、十分な能力を備え、かつ誠実に工事を履行してくれる業者の人を選定して、それによって、その人たちだけで競争をするという理念から生まれたものが指名競争でございます。確かに今申しましたような理念からいえば、指名競争も意味があるわけでございまして、問題は、その指名の際に行政官庁の恣意があまりにも入りますと、これが問題になるわけでございます。従って、確かに今いわれておりますことは、指名競争の際の指名基準の確立と申しますか、指名業者の選択ということのところに問題があるわけでございます。そういう点に力を置いていきたいという意味におきましても、先ほどから問題になっておりまする建設業者の能力審査というような問題、あるいは格付けというような問題、これを適正に行ないまして、それに基づいて公正な競争をやっていくという制度が確立されることが望ましいわけでございます。そういうような意味で、私どもも建設省の方で今やっておられますが、そういう資格審査の制度とも相待ちまして、できるだけ公正な、しかも機会均等というような面までも含めました競争を確保して参りたいというのでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 この指名入札、随契によってある人が仕事を始めるという場合、その指名入札を受けた人などがやはり下請をさせるというようなことはあるでしょう。もう一つ小さい業者に下請をさせるというような場合、そういうことがあるのですか、どうですか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) そういう場合はあるけわけでございまするが、ただ、建設業法にも、一括して引き受けをすることは原則として禁止をされております。といいまするのは、仕事だけを取りまして現実にはすべてを次の下請業者にだんだんまかしていってしまう、そういうことになりますと、ある意味では中間搾取というような問題も起こりまするし、いろいろの問題を起こすわけでございますので、原則としては今の建設業法では一括引き受けを禁止いたしておるわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そうすると、大きな業者は指名入札を受けて、そうしてそれをもう一つ自分たちのいわゆる子飼いの業者ですか、それに分割して事業をやらせるということは、これは認められているでしょう。認められないのですか、どうなんですか。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 建設工事につきましては、工事の内容が非常にいろいろの面にわたっておりまして、専門専門にそれぞれ分かれております。それで、お示しのような下請という問題が実際多いわけでございます。と申しますのは、今申しましたような事情で、まあ建築にいたしましても、相当たくさんの職別の業者がそれぞれの部門を担当してやっております。そこで、下請自体を全部禁止するということは、工事の性質上困難でございますので、実際の工事にあたりましては、非常に下請の業者が多いわけでございます。これはそのために特に弊害があるという場合はございませんでして、大体それでうまくいくわけでございます。ただ問題は、中間搾取と申しますか、工事全体を一括して他の業者にまかせる、全くのトンネルの機関としてやるという場合は、そういう場合は非常に弊害がございますので、建設業法におきましては二十二条というのがございます。原則として一括下請はしてはならぬ、こういう規定を置いているわけでございます。しかし、特別の個個の事情で、今申しました通り、分割いたしましてやらなければならぬという場合もあるわけでございます。そういう場合は必ずしも一括下請じゃない場合もございます。一括下請につきましては、相当従来から建設省といたしましては、建設業法の建前から、極力そういう弊害が起こらないように注意をいたしております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 その場合、下請工事に対して監督は、いわゆる指名を受けて入札をした業者が監督するのですか、それとも直接国が監督していくんですか。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 建前はやはり元請の業者の責任でございますので、下請業者に対します監督は当該元請の者がいたしているわけでございます。しかし、注文者といたしましては、その工事全体がうまくいきますことを監督をいたします上において最も注意をいたしているところでございます。もちろん、実際の場合いろいろの場合がございますけれども、もちろん現在やっておる当該の現場の職員に対しても注意、指示を与えることができるということはきめておるわけではございませんが、必ずしも下請業者に直接監督ができないというわけではございません。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 私はそこらに少し不合理の点があるのじゃないかと思うのですが、信用のできる指名業者に請け負いさせる、そうしたら信用のある業者が自身の手ですべてのことをやって初めて効果があるのであって、その指名で入札をした者がこれはまた下請業者に仕事をまかしていくというのでは、何のために指名入札さしたかわからないのじゃないかと思うのですよ。その間いろいろな問題が起こって、ちょっと水が出ればすぐ決壊していくような堤防があったり、川があったりしてくるような原因が、そういうところにあるのではなかろうかと思う。それなら、いっそ初めから指名入札などしないで、一般に公開入札をやったって同じじゃないか、こういう議論も成り立ってくる点だろうと思うんですよ。そういう点、どういうふうに考えていらっしゃいますか。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) お示しになりました点、確かにそういう点もございますわけでございますが、ことに建設工事の場合一般公開入札をいたしますことは、現在建設省だけでなく、広く請負の場合には例が少ないわけでございます。と申しますのは、官公庁工事については、かりに競争入札という形をとっておりますが、実際は……、これは一般論でございますが、むしろ民間工事等につきましてはほとんど随契でございます。これは非常にその点建設工事というものの性質が当該業者の信用を重んずると申しますか、注文者としては責任のある者にまかせたいという気になるわけでございます。従いまして、もちろん指名の際に、一般論として建設工事の場合でも中小業者に直接仕事を出すという要請があるわけでございます。建設省の工事を注文する際なりあるいは建設業者という建前からいたしましても、なるべく中小業者の方に仕事が行くようにという方針を立てております。なかなかこれ、実は残念ながら注文者の立場になりますというと、自分が絶対信用が置ける者、万が一工事にミスがあったという場合に責任を追及し得る財的能力その他のいろいろな性質があるわけでございますので、自然そういう傾向になるわけでございまして、しかし、そういう点がございますけれども、なるべくそういう入札制度の合理化という見地からいろいろそういう方策をとって勧奨いたしております。ただ、先ほど申し上げました通り、工事というものの性質が、他のでき上がった品物を買う場合と違いまして、製造販売ともさらに違いまして、工事のできばえその他いろいろな微妙な点がございますので、その信用を重んずる。技術的な信用だけではございません。万が一いろいろな事故が起こりました場合、途中で工事を投げ出すということのないようにということなんでございます。その要請がございます点で、実際なかなかむずかしいのでございます。まあ、しかし中小業者の方に仕事が極力参りますようなことは、いろいろな角度からいろいろな機会をとらえまして進めているような次第でございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 きよう呼ばれた参考人ですがね、これは私はどなたがお選びになつたかわからないんですが、私の希望としては、中小業者の代表を一人実は呼んでほしかったんですよ。というのは……。

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) 須藤君に申し上げますが、小川さんという方が中小企業の代表でございます。これは請負高からいいますと、年間十五、六億ですから、最も小さい請負者でありますので、あなたの趣旨は入れられていると思います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そうですか。私が中小企業者から聞いた話によりますと、従来とも地方へ参りますと、指名入札というか、随契が多くて、一般入札がなかなかないのだ、それでわれわれは仕事をやりたくてももらえないのだ、そうして指名を受けた業者のワクから結局われわれは下請をもらつてくるのだ。そうすると、中間搾取されてしまって、自分たちの収益は非常に少なくなってしまう、従って満足な工事ができないような結果になる。結果的にはそういう回り合わせになっているんだと。だから、やっぱり指名とか随契ということをやめて、入札は一般公開入札にしてもらいたい。そうしたら自分らも良心的な入札をして、良心的な工事ができるんだが、現在そういうふうな制度になっていない。そういうことを私はこれまで再三聞くわけです。  それともう一つ、こういう指名とか随契ということが今度は比重が非常に大きくなるわけです。そっちに比重が移っていくということになると、従来ともこの建設事業というのはずいぶん大きな金が動くところですね。そして建設事業というものは汚職の伏魔殿だとまで、これまでずっと言われているわけですよ。皆さんもそういうことを耳になさるだろうと思うのですがね。こういうことになってくれば、そういうことがよけい行なわれるような条件ができてくるんじゃないかと、こういうように私は考えるのです。そういう点、どういうふうに考えていらっしゃいますか。  その二点を伺いたい。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 建設工事の仕事の性質が他の売買と違います関係上、まあ先ほども申し上げました通り、どうしても信用のある者、頼んで間違いなくやってくれる者と、こういうものになりますわけでして、そういう点でほとんど一般公開入札というものが実際行なわれた例がないと言ってもいいくらいだと存じております。そこで、その場合といたしましても、随契もやはり公正でない。そこで指名というまあ中間的な形、両方かみ合わせたような格好で、極力工事が平等に行くようにという制度をとって実際実行いたしておるわけであります。しかし、それにいたしましても、実際問題といたしましては、建設業の業態が非常に多うございまして、ことに中小業者が非常に多うございますから、お話のような点かございますので、これはやはり中小業者に仕事が参りますことについて、先ほど申し上げましたような方法をとるほか、中小業者自身の力も十分つけてやる、こういった方法で実力をつけまして、そこへ自然と仕事が流れていくような条件を作ろうというような多角的な方策をとらなければなるまいというふうに存じております。

永末英一民主社会党

○永末英一君 一点だけ伺いたいと思うのですが、指名競争入札で落札者がそれを下請にする場合、その指名競争入札に加わっておった者が下請になっておる場合があるのですが、法律上いいのですか。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 下請自体は、この法律の上ではこれを全部禁止しておるわけではございませんのでただ、全部を一括して下請と普通申しておりますが、これが非常に弊害がございますので、これは禁止しております。しかし、一般論はそうなっておりますが、ただ注文者が諸種の事情でそれを認める場合がございますので、その場合はよろしいというふうに法律の規定の上ではいたしております。しかし、一括下請自体は相当問題がございますので、そういう点は工事注文の際、発注の際にくれぐれもそういう点がないように注意いたしておるような次第であります。

永末英一民主社会党

○永末英一君 そうしますと、今度最低価格の者に落とさずに、そのもう一つ上の者に落とすという幅を作られる。ところが、その場合、その受けた者がはずされた最低の価格をつけた者にまた下請をしてしまうということになると、この法律の規定と実際行なわれることの精神を考えると、はなはだおかしい事態が起こると思うのですが、そういうものをやらせる、やってもいいというつもりで、この会計法の改正をやられているのですか、それをちょっと伺いたい。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 私の承知いたしております範囲では、ただいまの建設標準約款におきましては、下請に出します場合には注文者に相談があるようになっているふうに記憶いたしております。従いまして、その契約を結びまする際に、あるいは下請業者自身といたしまして適当でないような下請業者が入って参りまするような場合には、御相談によっていろいろと直していくというようなことができ得るのではないかというふうに考えておりまするけれども、具体的なことにつきましてはただいまちょっと承知いたしておりません。

永末英一民主社会党

○永末英一君 私の聞いているのは、この会計法を改定してうまく一つ請負契約をやろうとする場合に、その同じ競争に参加した者が下請をすると、たとえばそれが高い札を入れた場合には、下請をやれるくらいなら、もっと初めから安い札を入れたらいいじゃないかということになるし、この二十九条の六の場合で、もし契約担当官が一番下のやつはいかぬのだ、信用ならぬのだといって上のやつに落とした。ところが、今度下のやつがその下請をしておった、そんなことを認めるぐらいなら、その契約担当官の判断は間違っておったということになりますね。その辺のところを一体法律で整理ができるのか、できないのか。それは事情事情によってやっていいという御方針か、その点を伺いたい。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 現在の法律でも、また予決令におきましても、そこの点につきましては規定はございませんで、実際の運用にまかされているわけでございます。ただ、確かに御趣旨の場合、結局もう少しせんじ詰めて申しますと、不信用、不誠実な者であると契約担当官自体が判断した場合において、その者が下請という形式を通じて実際国の契約に参加するということが適当であるかどうかという判断であるかと思うわけでございまするが、その問題につきましては、先ほど申しました建設の場合の標準約款の規定によりまする下請の場合の相談があるわけでございますので、契約担当官自身としてはその相談にあたってそういう下請業者を使うことは適当ではないのではないかということを申し上げるべきではないかというふうに考えているわけでございます。

永末英一民主社会党

○永末英一君 私思いまするのに、この契約の指名競争入札をやらせようというような場合に、非常にその資格等を厳重にするということであるならば、その競争にいやしくも参加するものは下請にはなれないのだということがはっきりしていると、非常に慎重にやるだろうと思うのです。ところが、いや、別に落ちなくても下請に回るのだということであれば、そこにいわゆる談合の発生する余地も起こってくるし、実際そういう点に対する配慮をしなければ、今まで業界の中でごたごたと起こっている問題は、ちょっと法律を変えてみたところで直らない。その辺に対する御用意はあるかないかということを伺っている。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) お示しの例でございますと、一括下請ということでないかと存じておりますが、一括下請につきましては、先ほど来申し上げました通り……。

永末英一民主社会党

○永末英一君 それは聞いておりますよ。一括下請は原則として禁止していると法律に書いてあるとあなた言われているのですが、耳が開いておりますから聞いておりますが、そうでなくても、部分々々でも下請している例があるのであります。だから、そういうものを認めるならば、談合というものはなくならぬのじゃないか。法律改正をするならば、そういうものを認めて、法律上できるのだから、事情々々によってはよろしいのだという心組みなのか。それとも、そういうものを整理をしてこの入札をもっと厳格にやらせようという御趣旨なのか、そこを聞いておるわけです。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) お話の点、部分下請でございましたので大へん取り違えましたですが、部分下請の場合は、これをまあ具体的の案件の場合について審査をいたしまして認める場合がございます。工事の現場が非常に山奥であるとか、その他道路工事についていろいろ事情がございますので、部分下請を全然禁止するいうのもむしろ実情に沿わぬ場合も起こって参りますので……。

永末英一民主社会党

○永末英一君 答弁中ですが、よろしいですか、一般的なことを聞いておるのじゃないのだ。ただ、指名競争入札に参加した者に下請させるということを認めるか、そういうことを答えて下さい。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 一般的に、そういう点はこれを全部いけないということは、これは制度を立案されましたむしろ大蔵省の問題だと思いますが、一般的にそれを禁ずるという実際上の必要が私どもとしては必ずしも言えぬように存じております。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) ただいまの点につきましては、実は同じような規定が今の予決令にございまして、その一定の不正行為をいたしました場合には、その業者は、二年間でございますが、国の契約といいますか、入札工事に入ってはいかぬという規定がございます。その中に、そういうことをやった人自体を自分の代理人なり使用人なりにしている場合は同じようなことであるという規定がございます。今おっしゃいましたのは、もう少しそれが広まりまして、それが下請業者である場合であるということになるわけでございますが、実際は、今の予決令はそういう者を使用人にしたり代理人にしたりしちゃいかぬという規定がございますけれども、その範囲をどの程度まで広げるかという問題でございます。今おっしゃいました点、確かにいろいろ問題があると思いますので、今の予決令の規定を改正いたしますときには、十分検討いたしまして、建設省とも御相談いたし、実情に即するように処置いたしたいと思っております。

永末英一民主社会党

○永末英一君 これでしまいますが、答弁が少し質問とはずれておるのですがね。私が聞きたかったのは、いろいろと指名競争入札に対して厳格な資格もきめ、そうしてこういういろんな配慮をしてやっておるのだ。ところで、いよいよ落札者がきまった場合に、同じ指名競争入札に参加した者に下請せしめる、部分下請、これをも法律は禁止していないと解しますが、よろしいか、これで一言だけ答えて下さい。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 今の部分下請の問題は、会計法では何ら規定がございません。

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) 速記をつけて。  他に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認めます。  これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 私は、これは手続法規でありますから、賛成はいたしますが、本法案の審議にあたりまして各委員から指摘された点は、全部これは他の法律なり、あるいはできるならばこうした会計法の改正によって織り込んで、この国の不利というものを防がなければならない問題だと思います。かつて本院及び衆議院の決算委員会で大きな問題になるとともに、本院の社会労働委員会で大へん取り上げられましたたとえばこの不法占拠の問題等につきましても、時が過ぎますと一向これが解決されざるままに見過ごされがちであります。ごく最近私の聞くところによりますと、決算委員会で相沢重明委員が虎ノ門公園事件を取り上げられた。私はまことにけっこうだと思うのでありますが、あの虎ノ門公園問題でも、今やどこにももう公園はございません。それは永久建物である鉄筋コンクリートで、実は一業者によって占拠されておる。こういう事例もあるし、それに対して会計法といい他の法律としても、何ら処置なしという状態であるし、また本院の近くにおきましても、かつて陸軍の高級副官などが十数年にわたって不法占拠しておる事実もある。やむを得ないからこれを追認という形で、三十三年三月三十一日まではおることを認める、こういうような処置さえとられておって、いかにまじめにわれわれがこうした法律案を審議しても、また一般の国民がまじめに納税をしておっても、そういうところへ抜けていっておるという状態を、私どもは何としても是正しなければならないと存じます。  ただ、この問題につきましては、先ほど委員長にもお願いし、こうした抜本的な問題はさらに本委員会の調査案件として調査をするということになっておりますから、私はその機会にさらにいろいろ指摘した点については取り上げて参りたいと、こう存じます。政府におかれても、この会計法は前の現行法よりいささかでもよくなる、こういうことでありますから、よろしいと思いますが、本委員会において指摘された点につきましては、本委員会において検討するのみならず、政府においても積極的に一つ検討されまして、さらに一よき法律を提出されるように要望いたしておきます。(「賛成」と呼ぶ者あり)

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 私も、この法律案に反対をするものです。(「もじゃない」と呼ぶ者あり)反対をするものです。  この国の売買、貸借、請負、こういうことは原則としてやはり一般公開入札が原則だと思うのです。で、この原則はあくまでも尊重しなければならないものだと私は考えておりますが、この改正法律案によってこの原則がゆがめられて、指名入札、随契に比重がずっと移っていくように思うわけです。これは非常に問題だと思います。こういうふうになれば、ある特定の業者の利益が非常に守られると同時に、一般の中小業者の生活がおびやかされる結果を招来すると私は考えるわけです。それと、なおこういう状態が続いていくならば、いわゆるおもしろくないいろいろな問題がこれに付随して起こってくるおそれがあると思いますので、私はこの改正法律案に反対をするものです。

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) 他に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認めます。  これより採決に入ります。会計法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) 多数でございます。よって、本案は多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十一分散会

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