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38回国会参議院1961/05/16

大蔵委員会 第23号

発言数
147
登壇者
10
会派数
4
開催日
1961/05/16

会議録

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) ただいまから委員会を開きます。  会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、補足説明を聴取することにいたします。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 会計法の一部を改正する法律案の補足説明を申し上げます。  この法律案は、提案理由に御説明いたしましたように、国の契約制度につきまして所要の改正を加え、その整備をはかろうとするものでございます。  現在、国の契約制度は、会計法及びこれに基づく予算決算及び会計令で規律し、運用されておりますが、その制度は、大正十年制定にかかりまする旧会計法の内容を大体そのまま受け継いだものでございますので、会計法自体には御存じのように第二十九条に基づくものがあるのみでございます。従いまして、その後の事情に照らしまして再検討する必要がございましたので、昨年以来財政制度審議会におきまして御討議を願って参りましたが、このほど結論を得ましたので、所要の改正を加え、御審議をお願い申し上げている次第でございます。  おもな点は三つございます。  第一には、二十九条の三にございますように、契約方式に関する問題でございます。提案理由で御説明いたしましたように、現行会計法は、一般競争を原則といたしまして、指名競争及び随意契約を例外といたしておりますが、その運営の実際は、一般競争を実施している場合がきわめて少ない状況でございます。財政制度審議会におきましても、当初は、そういう現状であるならばむしろ現実に即した制度を考えたらどうかという意見もあったわけでございまするが、もちろん、また一方におきまして、一般競争の方式は国の契約方式としては公正及び機会均等の観点からすぐれた制度であり、一般競争原則を維持すべきであるという意見が強うございまして、種々御討議を願いました結果、現行法はすべての場合に一般競争原則となっておりますが、契約の性質や目的により一般競争を許さないような場合等のごときときには当然に指名競争や随意契約によるべきものであろう。しかし、それらのものについては、従いまして、それぞれの契約方式によることといたしまして、それ以外のものにつきましては、現在のごとく原則として一般競争によるという建前をとることにいたしております。  第二の点は、二十九条の六にございまする落札方式に関する問題でございます。現行会計法によりますると、公告は学説及び判例によりまして申し込みであると解されております。従いまして、予定価格の範囲内におきまして開札により自動的に落札が決定されることになってるわけでございます。従いまして、たとえば、その申し込みによりまする価格によっては、その者によりその契約の内容に適合した履行がなされないおそれがあると認められるような場合あるいはその者と契約を締結することが公正な取引の秩序を乱すということになるおそれがあるような場合でも、その入札を排除する道がないのでございます。従いまして、このような場合に対処いたしまするために、このような場合には、一定の手続を経まして、次の順位の入札者を契約の相手方とするという道を開きますのが二十九条の六でございます。  それから第三は、二十九条の十一にございまする監督及び検査に関する規定でございます。従来監督及び検査に関しましては、予決令の七十五条に、契約代価支払い前に監督及び検査をした者が調書を作らなければならないという旨の規定があるだけでございまするので、監督及び検査に関する規定の整備が必要であったわけでございまするが、財政制度審議会におきましても、監督及び検査の適正な執行がある意味では契約制度の核心である、これを整備することにより国の利益も確保せられるゆえんであるという御意見がございましたので、監督及び検査の規定の整備をはかったものでございます。  そのほか、契約に関しまする事務管理及び委任の規定の整備をはかりましたこと。それから電気、ガス、水、電話などの役務提供契約につきましては、その契約の性質にかんがみまして、翌年度以降にわたる契約も締結し得る道を開き、事務簡素化をはかることが適当であると考えましたので、そのような規定を設けております。  なお、入札保証金、契約保証金あるいは契約書というようなものは、大体今までにおきましても同じような内容が予決令に規定されておったわけでございまするが、これらの規定を設けまして、従来学説なり判例でもっていろいろと議論がございましたので、こういう点を法律の地位にまで高めまするとともに、規定の明確化をはかっておるわけでございます。  以上が大体御審議を願いまする内容でございます。

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) 質疑のおありの方は順次御発言願います。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 最初に、法律案をちょっと見て、政令というところがどのくらいあるのでございますか、勘定し切れないくらいたくさんあるんです。この政令全部できているとは思いませんけれども、どのくらい準備されておりますか、あるいは政令要綱ですか、そういうものがあるなら御提出願えるものかどうか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) この会計法の一部を改正する法律案は主として手続規定でございまするので、その手続につきましては、現在におきましても予決令で相当詳しく規定をされております。そういうような意味で、その手続を規定いたしまするために、政令でもってその規定を設けていくということが必要になって参るわけであります。大体どのようなことを考えておりますかは、お手元にお配りをしていることと思いまするが、その法律と、それからそれに基づきまする政令、予定しております政令につきまして、財政制度審議会で御議論を願いましたプリントをお配りいたしております。それでごらんをいただきたいと思うわけであります。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 資料というのは、法律案等要綱というその中にあるわけですか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) はい。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 今もらったばかりですから、ちょっと検討する時間がございませんですが、そうしましたら、また内容に触れて御質問申し上げたいと思いますが、最初に、今回改正を提案された大きな理由として、一般競争が原則であったけれども、一般競争の行なわれているのはきわめて少ない実情にありますと、こういうふうに書いてあるのです。一般競争が原則であるのに随契または指名競争の方に重点が行ってしまって、原則がじゅうりんされておった理由は、どういうところにあるのですか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 先ほど申し上げましたように、一般競争方式というものは、国の契約方式といたしまして、公正なかつ国民に均等の機会を与えますという意味におきまして、非常にすぐれた制度であると考えているわけでございますが、これは扱いまするにあたりまして、一般競争入札でございますると、不信用、不誠実な、現にその能力を有しないような人が競争に参加するといろおそれがあって、かえって国にとって不利益になるという場合があるというふうなことが一番大きな今まで一般競争を避けられておった理由かと考えております。で、なおそのほかに、一般競争でありますと手続がめんどうである、むしろ随契でやるあるいは指名競争でやった方が簡単であるというような議論もございます。あるいは入札でございますると、急なときに間に合わない。公告をいたしまして、原則として十日間、十日前に公告しなければならないということになっております。そのようなことでむしろ指名競争あるいは随契の方が便利である、あるいは早く簡単にやれるというような意見もあったわけであります。従いまして、今度の制度を考えるにあたりまして、まず第一には、一般競争価格と申しますか、できるだけ広い範囲でもって競争をし、公正なかつ機会均等な競争を与えるという意味におきまして、また一方におきましてはそれによりまして不信用、不誠実な競争の参加者が制限されまするように、今後の運営にあたりましては適当な資格制限を各省各庁がいたして参りまして、それによりましてできるだけ広い範囲内で公正な競争ができるように配慮いたしたい。  それから、第二の手続その他の点につきましては、これは実際の運用の問題でございます。運用上できるだけ事務の手続を簡素化いたしまして、一般競争といえども簡素にその方式をとって契約を締結していくことができるように配慮いたしたいというふうに考えております。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 私たちはあまり、建設関係のことで、特にこういう契約方式のことについてはよくわかりませんから、相当具体的に実は御説明願うと非常にいいわけです、抽象的ではなくて。そうしますと、要はあまり一般競争というものは行なわれておらなくて、むしろ指名競争や随契の方が多かったのだから、今度は一般競争を原則としてやるのだという、その原則をやるために条文を整理して簡単にやれるようにしたのだ、こういう趣旨にとっていいわけですか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 現行の会計法におきましても、一般競争を原則といたしております。ただ、今申しましたような実情でございまするので、国の契約方式を一般競争原則にするのがよろしいか、あるいはこの際実情に即して指名競争をむしろ原則の競争方式として採用した方がいいのではないかという議論があるわけでございます。従いまして、そのどちらの原則をとるべきかということは、国の契約の方式の問題といたしまして相当古くから議論されてきたところでございます。同じような議論は、実はわが国だけではございませんで、世界各国でも一般競争方式を原則とすべきか、あるいはそうでないかということについて議論がございます。問題は、共通の問題点は、確かに理念としては一般競争原則が正しいということでございます。各国におきましても大体一般競争を原則といたしております。ただ、一般競争ということになりますと、その資格ないし能力のない人が入ってしまうという心配があるわけでございます。それをどう防ぐかということが、もちろんわが国の場合もそうでございまするが、各国とも同じように苦慮をしておるところでございます。  先般、国際行政学会というのがございまして、マドリッドで開かれたわけでございますが、各国とも同じような悩みを打ちあけておりました。結論といたしましては、確かに、国の行ないます契約といたしましては、公正なり機会均等なりという観点から一般競争方式が一番正しい。しかし、その場合に、不誠実、不信用のものが入らないようにいかなる制度を作ったらよいかということに議論が集中されまして、その場合に、その国際行政学会の結論的な答えは、むしろ予備的な選握ということによってその問題を解決したらどうだろうというような議論が出ておりました。予備的選択と申しますのは、広く一般から入札者を募集するけれども、資格制限というか、そういうような格好で、むしろ能力のない人を排除する予備的な選収の段階を設けるべきであるというような議論であったわけでございます。  そういうようなあれもございまして、この契約の方式改正におきましても、一般競争を原則といたしまして、しかしながら不信用、不誠実な参加を制限できますように、現在でも建設請負の工事につきましては、別途設省が中央建設業協会などの答申によりましてある程度の格づけを含みまする資格審査をやっております。そういうようなものにも乗っかって参りまして、適当な資格制度を含めました公正な競争をやっていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。  ただ、これによりまして一般競争を強化するかどうかというようなことを議論なされる方があるわけでございますが、確かに現実の姿は相当指名競争を中心に動いて参っておりますし、各省の実行におきましても、それぞれ相当努力をいたしまして、それぞれの実情に応じて改善をして参っておりますので、との制度の運用にあたりましては、そういうような実情を無視して一般競争を強化しようという気持は持っておりませんので、できるだけ広い範囲で公正妥当な競争を行なっていきたいというふうな考えを持っておるわけでございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 どうも原則論ですか、そういうようなことが、一般競争が中心だけれども、しかしそれについては資格のない者が入ってくる。従って、資格制限をやるということは、逆な言葉でいえば、指名競争に近いような形になりますから、一般競争の悪い点を是正しながら、その一般競争を重点的にやっていく。言葉をかえていえば、指名競争、従来やってきたような方式をやっていくのだから、それに対しての今回は条文を整理したのだ、そういうふうに了解していいですね。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 気持の上からいいますると、先ほどから申し上げておりまするように、できるだけ広い範囲の公正な機会を与えて競争をしていきたいということでございます。ただ現状は、先ほどから申し上げておりまするように、これはわが国だけでございませんで、各国とも同じような問題がございます。そこで、その現状に即しながら、今申しましたような気持で運営をして参りたいと思っておるわけでございます。制度の立て方といたしましては、先ほどから申し上げておりますように、一般競争を原則といたし、特定の場合には指名、随契の競争契約をすることができるということにいたしておるわけでございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 関連して。実はしばらく大蔵委員会に顔を出しませんでしたから、あるいは私のいない間にそういう資料が出たかとうかは存じませんけれども、この説明の中にも、一般競争を原則としているけれども、実情としては指名競争あるいは随契というものが多いのだというふうな話でございますが、問題は、そうすると、従来の実績というものが一体とうなっているかということが、ある程度法案審議の根拠にならなければならぬと思うのです。従って、従来、結果というものが、各省別に見た場合に、一体一般競争でやった部分は件数としてどのくらい、金額としてどのくらいあるのか。あるいは指名、随契等は同様に、件数と金額は省別にどのくらいあるのかというようなことが、比率の上で明らかにならないと、ちょっと論議しにくいのですが、それは資料として今まで出されたことがあるかどうかということと、ないとすれば、これなかなか各省別にそういうものを出してくるとなると、そこで読まれてもちょっとわれわれもわからないわけです。資料として出していただけないかどうか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) ただいまの資料でございますが、実は官庁が行ないまする契約件数は非常に多うございまして、これを調査いたしますのに非常な時日を要するのでございますが、昭和三十二年度の分につきましては、実は手元に持っておりますのでございますが、簡単に申し上げますと、物を売ります場合と買います場合とございます。売ります場合、要するに歳入原因の場合でございますと、金額にいたしまして、この調査の対象になりましたのは、これは売ります場合が七百六十九億円ございますが、そのうち一般競争契約によりましたものが二六%、百九十七億円でございます。それから指名競争によりましたものが一五%、金額でございますと百十六億円、それから随契によりましたものが五九%で、金額では四百五十五億、それから歳出原因、要するに買いまする場合でございますが、調査の対象になりましたのは三千三百九十三億でございますが、そのうち一般競争契約によりましたものが約十億程度でございます。指名競争契約によりましたものが千八百八十七億、五六%、随契によりましたのが四四%で、千四百九十五億円、こういうような程度でございます。歳入原因の場合には若干パーセンテージは高うございますが、歳出原因の場合にはほとんど一般競争によっておらないということでございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 これは課長さん、あなたの言われたのは、部分的に摘出してやったものですね。今のあなたの言われたのは、全部ですか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) これは各省に調査をお願いいたしまして、原則といたしましては全部を対象にいたしました。ただし、水道料とか通信料とか、相手が特定いたしておりまして、現実には随契にしかなりませんものは除外いたしまして、そのほかは大体全部を網羅して調査をしてもらったわけでございますが、件数から申しますと、ちょっと言い忘れましたが、歳出原因の三千三百九十三億に見合う件数は三百九十万件でございまして、相当大きな件数になっておりまするので、あるいは落ちがあるかもしれない点、御了承いただきたいと思います。

大矢正日本社会党

○大矢正君 これはいつの調査ですか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 昭和三十二年度の実績でございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 具体的には、この三十二年の実績でいいんですが、各省庁別に区分けをした資料を出してもらえますか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 承知いたしました。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 ただいま大矢委員の質問によって、大体比率がわかったのですが、もうあれでしょう、一般競争入札は、ほとんど、実に微々たるものですね。ことに政府の歳出原因、買う方のあれは十億ですか、三千何百億に対して十億。問題にならぬ程度ですね。それでも、そういう実情である場合、今度競争参加者の資格制限をやっていくという話ですが、そうなると、一そう競争入札というのは、今でさえそうなんでしょう、現在でさえ。一そうそれが制限されてくる。さっきのお話は、原則として一般競争が建て前になっているから、それをむしろはっきりいえば拡大するような配慮をしているようにも見えるのですね。一応資格制限をして、そうして一般競争をもっと広範囲にできるように、機会均等を与えるようにということですけれども、現状でさえそうなんでしょう。それなのに、今度はそれを制限したら、なおさら一般競争原則というのは、実際的にはくずれていく。  特に私、心配するのは、競争参加者の資格を制限する場合、制限の仕方が、たとえば中小企業なんかを排除するということになってくると、最近では中小企業に対しても官需を与えるような立法もしようと考えているわけですね。自民党でも考えているようですし、社会党でも考えている。そういう場合、どうですか、資格制限の仕方によって中小企業にずいぶん影響が出てくるのじゃないかと思うのですよ。この競争参加者の資格制限のうち、予決令規定事項の中の、いただいた資料の中で、イ、ロあたりは、これは問題ないと思うのです。しかし、ハ、ニあたりになってくると、これは問題が出てくるのじゃないですか、制限の仕方いかんによっては。ですから、それは具体的に資格制限をする場合の内容が明らかでない。経験年数、信用、技術、その他必要な資格条件というものがどういうものであるか、その内容いかんによっては、中小企業なんかに対して影響が出てくるのじゃないか。最近中小企業に官需をなるべく与えるようにしようというその傾向と逆のものになるのじゃないかと思うのですが、そういう点はどうなんですか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 先ほどから申し上げておりまするように、契約方式につきましては、理念的に確かに一般競争が一番進んだ制度であるというのはだれも疑わないかと思いまするが、問題は、そういう理由によりまして無信用、不誠実な者がその競争に参加するという難点があるわけでございます。そういうような理由で、現実には一般競争が行なわれておらない。むしろ指名競争が競争といえば中心の制度になっている。その間をどういう格好で解決していくかという問題でございます。先ほども申しましたように、国際行政学会でもそういう議論がございまして、それに備えるためには、一般競争原則で、かつ予備的な選択の制度をより強化していった方がいいのではないかという議論でございます。現実には各国でやっておりますことも、実はその資格制限につきましてあまりいい模範にするような例がないわけでございます。現行の制度におきましても、予決令に、大蔵大臣が必要な資格制限を定めることができることになっております。それに基づきまする現行の省令におきましては、単に一定の期間その事業に当たっておることとか、それからあるいは一定の税金を納めていること、資本金が一定の金額であることとかというような、ごく抽象的な規定がございまして、ある意味ではその実効を果たしておらない状況でございます。といいまして、適当な資格というものを一律に政令その他で規定することも非常にむずかしゅうございまして、一方におきまして各省各庁におきまして契約をいたしまするときに、それぞれ今までの経験その他から、指名その他の場合におきましての一定の契約を結びます相手方についての基準などを持っておるわけでございます。  問題は、指名競争がきわめて公正に行なわれる場合におきましては、ある意味では、かくのごとく技術が進みまして、あるいは物事の専門化というような体制もできて参りましたようなときには、一般競争の理念と申しましても、これは観念上の問題であるということがいえるわけでございます。それぞれの資格に応じました適正な競争ということが望ましいのではないか。今行なわれております指名競争が、いろいろの問題を起こし、あるいは議論をされまするところは、その一定の資格を持った人から、適当にその人々を抽出して指名をして、その抽出をして指名をした人々だけの競争をやらしているというところに問題がある。そこに行政官庁の恣意が入って、この業者を今回は入れてやろう、この業者は今回は落としてやろうというような恣意性があるというところに問題がある。そういう資格を持った人が全員で公正な競争ができれば、むしろ観念的な一般競争よりも正しい競争になるのではないかという議論があるわけでございます。そういうような制度に近づけて、公正な競争が確保されるようにという配慮がここに書いてあるような条文でございます。ただ、その資格の基準というものを政令で書けということになりますると、これは非常に業種も多いわけでございますし、対象も多いわけでございまして、なかなかできませんわけでございますので、現実には各省各庁が過去の経験に応じましていろいろな適当な基準を設けて、資格制限をやっていけるという道を開きたいということがここに書いてある趣旨でございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 これまでの経験に基づいて、各省それぞれ実情に合うようにきめていますけれども、実際問題としてそういうところにやはり問題があるわけですね。もう一つ問題なのは、さっきの三十二年の実績を見ますと、随契が圧倒的に多いのじゃないですか。指名競争というよりも、むしろ随契の方が圧倒的に多いという実情なんでしょう。ですから、今の実情をもとにしてみますと、どっちの方向ですか。随契に非常に重点を置かれているのですか。それはむしろ、一般競争は実際問題として、さっきのお話のように不適当な人が入るおそれがあるということで、これについて制限をする必要があるとすれば、大体指名競争の方向に行くわけでしょう。しかし、それが中心になるのか、随契が中心になるのか。今まで、少なくとも三十二年の実績では、随契が圧倒的に多いのでしょう。その点についてはどういうふうに考えているのですか。この実績をもとにして、今後やはり随契というものにウエートを大きく置いていくのか。それとも、だんだんこれは指名競争の方に重点、ウエートを置いていこうとしているのか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 観念的にいいますと、先ほどから申し上げているように、一般競争が原則で、まあ指名競争と随契とどちらが望ましい制度であるかと申しますと、やはり競争をいたしまして、できるだけ機会を与えるということと、それから国といたしましても、競争によりまする利益を享受したいということでございます。ただ、随意契約の場合におきましては、現在の予決令にもいろいろな場合を規定いたしております。たとえば金額の相当小さい場合におきましては、これは競争に付しまする不便といいますか、手続の繁雑さをのがれまするために、随契でできることになっております。あるいは事柄の性質上、随契によらざるを得ない場合もございます。それからさらに、たとえば先ほど中小企業の問題が出ましたが、中小企業協同組合の保護契励のために、一定のものにつきましては随契によることができる、いわば一種の産業の保護奨励というような政策目的のために随契をするにつきましては随契によることができる、いわば一種の産業の保護奨励というような政策目的のために随契をするということもございます。そういうような点で、件数的にはことに随意契約が相当多うございますのは、今申し上げましたようないろいろな理由からでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 今随契による場合のケースについてお話がありましたが、金額の小さい場合、あるいは随契によらざるを得ない場合、それから産業保護とか……。しかし、先ほどの実績から見ると、全体の中で随契の占める比率が非常に多いのでしょう。そうして原則は一般競争の原則であって、実際はそれと正反対の随契が圧倒的に多い。その中間の指名競争が多いというのなら話はわかりますが、現実は、原則と全く逆の実情が現状でしょう。だから、そこで、今いろいろ御説明がありましたけれども、われわれはわからないわけです。競争原則というものを建前にすれば、指名競争も競争原則ですから、一般競争に対して不適格な人を排除するということもわかります。しかし、その排除した場合、やはりウエートは競争原則を主とすれば、指名競争が多くなければならないと思います。ところが、随契が非常に多い。だから、随契というものに対してどういうふうに考えているか。今の御説明だけでは納得がいかない。だって全体の中でウエートが非常に大きいのです。それはやはり現状のままでいくのかどうか、今度の改正は一体どういう点をねらっているのか、方向として。そこのところがよくわからない。そこをはっきりさしてもらいたい。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) ただいまの御質問ごもっともでございますが、この法律を作りました趣旨は、先ほど申しましたように、いろいろ議論がございましたところでございますけれども、気持といたしましては、できるだけ公正に広い範囲において競争をしていきたいというつもりでございます。ただ、現実の姿は、いろいろ過去の慣行その他によりまして、またその中におきまして各省各庁ともいたずらにやっておったわけではありませんので、そういう現状に即して一番いい制度を選んでやって参ったわけであります。それなりの理由もあるわけでありますので、そういう過去の現状、従来の慣行をも十分考慮いたしまして、しかし、気持といたしましては、できるだけ公正に広い競争をやっていきたいという気持で今後運営をして参りたい、こういうことであります。  先ほど指名競争と随契の割合が出ましたが、先ほど申しましたように、金額的には三十二年度は五六%が指名であり、随契が四四%でございます。ただ、件数から申しますと、確かに指名の件数が非常に少のうございまして、四%程度であります。随契の契約は九六%の件数を占めております。これは先ほど申しましたように、金額が小さいものが非常に多いのであります。先ほどちょっと言い忘れましたが、一般競争と指名競争をやりましたのですが、入札が不調に終わりまして、随契に移ったものも相当あるかと思います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 さっき御説明になった一般競争と随契とそれから指名競争の方、比率ですね、資料として出していただけませんか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) わかりました。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 どうも財政制度審議会の答申が、公開入札制度を貫け、一般原則をやれ、こういうことで答申が出てきた。それを受けてやろうとするのだけれども、実情としてはなかなかいい工合にいかないのだから、そこで今木村委員から発言があったように、あるいは実績を見ましても、指名より随契が多いのだ、従って原則は原則としてあるのだけれども、今度の改正は、原則は、現実はこうだという、その点に立脚をして条文を整理したのだというふうに受け取っていいのか、その辺のわれわれは了解が一つしにくいのですよ。あなたは原則は原則はとおっしゃるけれども、実情はこうだという御説明を聞いて参りますというと……。どうも実情がこうだということをおっしゃる、やはり制限制度ということをやらなければならないのだとおっしゃっている。どうもわかりにくいのだが、私たちも形式的なことを聞くのじゃなくて、実情あるいは——業界その他の人たちもいろいろ関心を持っているわけです。そういう点について、ざっくばらんにこうなんだ、一口にいえばこうなんだというところを聞かしてもらわないと、持って回ったような議論じゃどうも納得しかねるのです。どうなんですか、それは。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) この問題は、実はむしろ業界からは指名競争が原則の方がいいのじゃないかという議論がずいぶん、私の記憶によりますと明治三十五年ごろからございます。この問題につきましては、先ほど申しましたように、わが国といたしましては相当の議論があるところでございますし、世界各国でもその制度につきまして議論があるところでございます。特にアメリカなどの場合におきましても、ボンドというシステムを使いまして、その保証金を積みますと、これは一定の保険会社、わが国でやっておりますが、ああいうボンドを積みますと、積むことを要件として完全に一般競争をやっている。アメリカでは、それによってわが国は完全な公正競争であるという誇りを持っているということを聞いております。わが国の実情におきましては、必ずしもそういうところになじまないところもあろうかと思いますが、そこまでいっておらないと思います。確かに理論的には、一般競争というのはすぐれた制度であると考えております。さればとて、実行いたします場合には不信用、不誠実の者が入るおそれがある、手続も繁雑でありいろいろなことがあって、使われておらないのが実情でございます。  たとえば、私の記憶によりますと、フランスにおきましても同じような議論がございまして、結局、一般競争が原則であるけれども、ほとんど一般競争が使われておらない。そこで、フランスでは、コール・ホオ・ビッツと申します制度がございます。一般の人からとにかく入札をとります。その場合、二枚の封筒を出しなさい、一枚には自分の資格その他を書いた封筒を出しなさい、二枚目の封筒には幾らで納めますということをお書きなさい。まず一枚目の封筒をあけてその人の資格審査をして、その資格審査に合格した人だけが二枚目の封筒をあけていく。その人たちだけが競争をする。いわばわが国で申しますと、指名に近いようなものでございますが、そういう制度を開きましたところが、それが半分くらいのパーセンテージを占めたというようなことを聞いておりますが、しかし、それも確かに、一枚目の封筒の資格審査の公正性というところが問題があるようでございます。従って、予備的に適当な資格の審査を経た人たちの公正な競争ということが、理念的には、あるいは実際もうまく運用できますれば、これが一番いい方法ではないかというふうに考えられるわけでございますが、ただ、これを運用いたしまするのは、おのおのの実情に即しまして運用をして参らねばならぬわけでございまして、頭だけの問題で必ずしもうまくいくかどうかという議論は、これまた非常に別の問題もございまするので、今後の運用といたしましては、先ほどから申し上げておりますように、できるだけ公正な、機会均等のある競争の方法によって、しかも一般競争契約による弊害が防げるような方法をやっていきたいというのが実情でございます。ただ、法文上から申しますと、特に現在の、現行法の二十九条の若干論理的な矛盾がありますところを整備いたしました程度でございまして、実際は今後の運用の問題になっていくというふうに考えているわけでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 私は、今お話しになった、一般公開の競争原則を、ある資格制限をやって、そうしてそれに重点を置いていく、それが一番正しいのじゃないかと言われたのですけれども、その場合に、随契の方はどうなんですかね。実情は随契においては相当大きいというものがあるでしょう。これは、だから、随契に問題があるのじゃないか。現状としては、随契にかりに——一般業者の人が指名競争が望ましいと言っているというお話ですね。それで実情が、実績が、指名競争のウエートが大きく占めているかというと、さっきのあれで、随契が非常に大きい率を占めているのです。だから、その随契について今後どういうふうな方針でいくのか。今度の改正についても、随契について、指名競争を原則としていけば、随契はだんだんなくしていくというような立場をとるのか。そうでなければこれは理屈に合わないと思うのですね。だから、どうも実情と、さっき実情を伺ったものですから、この改正の趣旨とが、非常にそこに距離があると思うのです。考え方によっては矛盾しているような点もあるのですね。その点、わからないのですよ。その点、もう少しはっきり考え方を、政府が民間と契約する場合の基本的な方針について伺いたいと思うのです。  それから、ついでですが、各省の中で随契の多い省はどこが一番多いですか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) まず、最初の方の御質問でございますが、随意契約につきましては、現在の予決令に随意契約による場合が詳細に規定されているわけでございまして、この法律の改正に伴いまして予定いたしております政令におきましても、ほぼ大体今の予決令の場合と同じようなものを踏襲したいと考えておるわけでございます。  随意契約が多うございますのは、金額が小さい契約が非常に多いこととか、まあいろいろ先ほど申し上げた通りでございまして、要件といたしましては相当しぼられておるわけでございますが、現実にいろいろ契約をいたして参りまする場合に、随契によらざるを得ないとか、あるいは諸般の情勢にかんがみまして随契によりたいという御協議があるわけでございますが、むしろ問題は、その運営の問題であるかと思っております。気持といたしましては、先ほどから申し上げておりますような方法で運営をしていく、そしてその制度の改善をはかっていきたいというふうに考えているわけでございます。  なお、今各省庁の内訳の点につきましては、ただいま資料を持っておりませんので、後刻、各省ごとの資料を御提出申し上げたいと思います。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 話が、随契も出て参りましたし、それから資格やいろいろなもので出てきたのですが、原則的なことはどうもわかったようなわからぬようなことですから、政令にゆだねておる指名競争に付す条件が三つあげられているわけですね、提案理由によりますと。で、この契約の性質、目的、それから一般競争にすると不利と認められる、この三つの場合は指名競争だと、こう書いてあるのです。それから随契の方でいいますと、契約の性質または目的が一般競争はいかぬと、もう一つは緊急の必要により云々の場合は随契にするのだと、こういう二つの条件があげられている。あとは一般契約にするのだと、こうなっておるのです。ずっとこう見てくると、どうも指名と随契になってくると、一般の方が小さくなっちゃうのですが、そのことは別として、あげられておる、たとえば指名競争に付す三つの場合、たとえば契約の性質とはそれじゃどんなことを内容としておるのか、具体的に。あるいは目的、あるいは不利という、具体的に一つ御説明を願えればいいし、あるいは、もしこの政令にあるとするなら、そのどこに——こちらの方の資料ですね、あなたの方からいただきました法律案等要綱、ここにあるのだということを指摘しながら御説明願うと、非常に幸いなんですが。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 現行の会計法におきましても、一般競争が原則であると、ただし一般競争によることが不利と認められる場合その他政令で定める場合には、指名競争あるいは随意契約によるととができるということになっておりまして、それを受けまして、現在の予決令におきまして、たとえば指名競争でございますると、現在の予決令の九十二条でございまするが、「契約の性質又は目的により競争に加わるべき者が小数で一般の競争に付する必要がないとき」というようなのが一号としてあがっておりまして、そのほか「予定価格が百万円を超えない工事」云々というような一定の金額が載せられております。こういうような今の指名競争契約の場合を大体踏襲するつもりでおりまするが、先ほども申しておりますように、現在の会計法におきましては、ありとあらゆる場合が一般競争が原則であるというふうに書いてあるわけでございます。そこで、今、契約の性質または目的上競争に加わる人が少ない、あるいは特殊な工事をやる契約をしたい、しかしその工事をやれる人はたった三人しかおらない、あるいは五人しかおらないというような場合でも、一般競争契約といって広く一般から競争を求めるのが今の会計法の建前になっておったわけでございますが、初めからそういう工事能力を持っている人は五人しかおらないということがわかっておりますときには、その五人だけの競争をしてもよろしいという、やるべきであるという意味におきまして、今の会計法の建前を変えたわけでございます。そういう場合には、従ってむしろ競争をする人は五人しかおらない、あるいは非常に特殊な工事でございまするので、一般に競争いたしました場合に、その特殊な工事をやり得る能力のない方が入ってくるという場合には、むしろその特殊な工事をできる人だけに範囲をしぼって競争をさせる、あるいは競争をしていくという道をここではっきりと開いたわけでございます。  そのほかに、実はう一つ条文といたしましては、今度新しい二十九条の三でございますが、そういう場合のほかに、必要な場合におきましては、政令で定めるところにより指名競争または随意契約によることができるという規定がございまして、これによって、金額がたとえば小さい場合には指名競争にし、あるいは随意契約にし得るという規定を政令で書くつもりでおります。今申し上げましたような趣旨のことが、この差し上げました資料のところの二ページでございますかに、指名競争手続イのところに、「会計法規定事項(4)により、指名競争に付することができる場合は、現行予決令に規定する場合をおおむね維持することとする外、金額については再検討すること。」というふうに書いてございますが、大体指名競争のできる場合に現行の制度を踏襲したい。ただ、先ほどちょっと申しましたように、予定価格が百万円をこえない工事については指名競争に付することができるというふうになっておりますが、この百万円というのは、昭和二十三年に作りました金額でございまして、その後予算規模も相当ふえておりまするし、そういうような観点から、ことにこの金額についてはもう少し上げたらいいのではなかろうかという議論もございますので、この金額については修正をいたしたいと考えておりまするが、その他はおおむね現行の制度を踏襲をしたいというふうに考えているわけでございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 あなたのおっしゃるように、たとえば鉄砲のたまをやるとか、あるいはタンクを作るとか、軍艦を買うというような特殊なものは、その一般公開入礼ができぬということもわかります。それから特殊工事のこともわかりますが、不利と認められるというのはどういうことなんですか。一般競争に付することが不利と認められる場合は指名競争に付すると、提案理由の二ページのまん中よりも少し終わりの方にあります。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 今の一例といたしましては、予決令の百二条に規定があるわけでございまするが、たとえば「特殊の構造の建築物等の工事若しくは製造又は特殊の品質の物件等の買入であって検査が著しく困難であること」というような例があげられております。あるいは「契約上の義務違反があるときは国の事業に著しく支障をきたす虞があること」というような例をあげておりまするが、これでもおわかりいただけますように、特殊な構造の建築物などの工事で、それをその構造などを確保いたしますために、特に検査を厳重にやりませんといけませんという場合がございます。そういうような場合には、むしろその技術を、非常に優秀な技術を持っている人たちを指名いたしましてやった方が、むしろ一般競争よりも有利であるという場合には、この法の条件に該当いたしまして、指名競争でやれるということになるわけでございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 それね、具体的にちょっと説明して下さい。どんなものがありますか。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 関連して。さっきから原則と非原則の関係が盛んに各委員から指摘され、私は具体的に聞こうと思ったのですが、今の話に関連しますが、何かむずかしい法律用語でかくかくで明らかなようになんて言われたって、実際は明らかでない。私は今聞きながらこういうふうに腹のうちで思っておるのです。それでいいのかどうかを確かめたい。こういうことじゃないのですか。不利という分に入るかどうか知らないけれども、官庁である建造物を作る、そのとき相手がおそろしく小さい業者だという場合に、もし材料の値上がりが急に激しくなった、そういうような場合にはとても自分の能力にたえないから途中で放棄してしまう。放棄するから、それは契約金額を十分に受け取らないかもしれないけれども、しかし放棄されたということで非常に不利になる、こういうことが一つ予想されるのじゃないか。私はこう一つ解釈しておる。それからもう一つは、たとえば国宝建造物の修理などをする、こういうような場合には、これは逆に大きな資本を持っておる業者であってもその場合には不可能である。あえて今度は一つその業者の名誉というか、こけんというか、そういうものを上げようとして契約をする。しかし、その場合には実際にはできないのだし、もしできたとしても、この国宝の再現ということは不可能なんだ。そういうふうに今度の改正案でも、前の原則からしても、そういう点は同じだというふうに私は了解していいのかどうか。次に今度は歳入原因の場合、かりに山をどういう都合かして払い下げを受けた。けれども、これがあまり信用もない男で、その従業員にはさっぱり金を払ってやらないというようなことは、国自身は損じゃないかもしれないけれども、まあ不適正だ。こういうようなふうにいろいろ例を上げればあるのですが、そういう解釈をしていいのかどうか。具体的にはどうなんです。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 先生が前におっしゃいました点は、まさにその通りでございまして、趣旨といたしましては、今までやっておりましたことをそのまま踏襲をいたしていくということでございます。なお、下請業者に金を払わないということにつきましては、実は会計法の分野ではございませんので、そこの問題につきましてはむしろ一般的な資格制限の今後の問題になるかと思っておりますが、そういう下請の企業にも金を払わない方が一般競争に入ってくるというような場合は、今までは実は特に資格制限において排除できるという規定を置いていなかったわけでございますので、一般競争をやりますとそういう方が入ってきてしまうという場合があったわけでございます。そういうような適正な資格制限というものを今後できるような道を開きたい、こういうことも一つの方法でございます。なお、今の下請業者に対します支払い遅延防止につきましては、支払い遅延防止法にも規定があるわけでございます。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 今、成瀬さんが言われた不利になるとは一体なんだということを、私はそれに関連して聞いておるわけですが、今私があげた例の解釈で一体いいのかどうか。いいのですか、それで。それが国の不利というように解釈していいのですか。その後段は別として。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) さようでございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 若干法文に入りますけれども、今木村委員が指摘されました、たとえば必要な資格は政令で定めるとか、そしてあなたの方でいただいた資料によりますと、(1)にイ、ロ、ハ、ニ、ホ・ヘまであげてある。これで参りますというと、木村委員からの発言もありましたように、政府が物を購入する場合に、中小企業の人たちから、まあできたら二〇%とか三〇%ですね、物を一つ買い上げるような制限をやったらどうだろうというような、中小企業を擁護するために立法したらどうだろうかというような意見があるわけですよ、私たちの党の内部には。で、やって参りますと、ハの経験年数、あるいは信用、技術、どこからやってもレベルが上に上がってしまって、むしろ大企業の方に有利なように受け取る方があるわけですよ。こういう場合には、これは中小企業の方から買った方がいいのじゃないかといって、逆な制限を加えるようなことも考えてもいいと思うんです。そういう点について全然配慮がされておらない。実は今いただいただけの資料ですから、全部を検討したわけではないのですが、ざっと読んでそういうふうに受け取るわけですが、そういう点で全然配慮されておらないのか、いるのか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 会計法は国の会計事務に関しまする手続を主体といたすわけでございまするので、今仰せのございました点につきましては、その内容といたしまするのに適さないものであると、こう考えております。従いまして、ここに書いてございますように、純粋に契約を結びまする場合に何が一番合理的な制度であり、どういう手続を経てやるかということを主たる内容とするものであると考えているわけでございます。今おっしゃいましたような点につきましては、確かに御提案がありました点でもございまするけれども、まあ私どもといたしましては現在まだ十分調査ができておりませんが、相当の官公需につきまして中小企業が受注をいたしておるというような実績があるように承知をいたしておりまするし、それからたとえば先ほど申しましたように、むしろ予決令の随意契約の規定の中には中小企業協同組合の保護奨励のためには随意契約によることができるというような規定もあるわけでございますので、会計法の規定分野としてはそこが精一ぱいの規定ではないか。かつまた、合理的な国の契約制度を運用いたして参りまする上からいいましても、また国といえどもやはりこれは国民の税金を財源として使って参りまするわけでございまするから、最も国としても有利な契約を結ぶ、予算の適正な執行もやっていかなきゃならぬという面もございまするので、今仰せられました点については、なお十分検討を要する問題ではないかというふうに考えておるわけでございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 趣旨はおわかりいただいていると思うのですが、あなたがおっしゃるように、それは随契でやればいいんだ、随契の方でいけばいいんだということではなくて、中小企業の人たちが一般公開入札に参加できるような道をあけておくためには、私は資格で、たとえばこういう中小企業の人たちも入れるのだというような資格がなければならぬと思うのですが、これはじゃ逆にお尋ねしますが、現行法の政令があると思うのですよ、現行法で。それで変わっておりますか。あるいは現行法で政令があるかないかまた聞かなくちゃなりませんが、あるとするなら、今度ここに出されているへまでのは変わっているのか、変わっていないのか。変わっているのなら、どこが変わっているのか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 現行法では、ただ予決令に、競争に参加する者の資格を大蔵大臣が定めるというだけでございます。それで、それに基づきまして大蔵省令が出ておりまして、その大蔵省令の中身といたしますところは、一定の期間その供給をする物品を作る事業に従事しておるという期間の制限と、それから税金の制限、たしか納めております税金の千倍の金額まで受注ができるというような規定があったかと思います。それから資本金額についての制限があるだけでございます。現実にはあまり役に立っておらない実情でございます。従いまして、そういうような規定をここに書いておりますような趣旨に、今度の法律改正が御審議いただければ、こういうような、今ここにございますような中身に予決令を変えて参りたいというふうに考えておるわけでございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 そうすると、あなたが言う資本金額の制限と税金の千倍までやれたのだ、こういうことになっていたのですが、今度はちょっと見てそう大した基準がないようにも思われるのですが、資本金のことなんかが、「その他必要な資格要件」とかなんとかというところに入るのか、どういうふうなんですか、これは。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 今までの規定は、資本金につきましても、見積もり額と同額までの資本金を持っていなければならぬというような規定があったわけでございますが、これはあまり意味をなさない規定でございまして、むしろ資格基準といたしましては、もちろん要素といたしまして資本金も一つの参考の要素になるかと思います。そのほか経験年数とか、信用とか、技術とか、いろいろな要素が基準になるわけでございます。御存じと思いまするが、建設業法によりまして、建設省は中央建設業審議会の議を経ましていろいろな資格要件の点数表を作っております。それらを総合いたしました。もちろん資本金も加味されておりますが、それによりまして、一定の点数がありますると、これはその点数の者は幾ら幾らの金額以上の工事をやるのに適当するものであるというような格付けを含めました資格審査を現にやっておるわけでございます。その格付表は、もちろん建設省もそれを活用いたしておりまするし、現実には各省各庁におきましても多少の修正を加えまして、と申しますのは、たとえば文部省でございますと、教室の工事をいたしまするのに、非常に熟練をいたしました業者もあるわけでございますから、そういう意味で若干の修正を加えましていろいろな基準の総合評定の結果である資格基準というものを持っておるわけでございます。そういうようなものを活用いたしましてやっていきたい。従来はただ、そこに出ておりますそういうような有資格者というものの中から適当にピックアップをいたして、指名をいたしておったということになるわけでございます。もちろん、工事の都合その他からいって順番があることはある程度必然的なものもありまするけれども、むしろ逆にそういう有資格者の方々が全員で競争をするということになれば、ある意味では一般競争と言い得るほど公正なものになってくるのではなかろうか。  要するに、指名基準というところに、今まで公正であるとかないとかという議論があったわけでございます。あの人が、ほかの業者が入っていて自分が落っこちたのはおかしいというようなところで、議論があったわけでございますので、そういう資格基準に該当する人たちが全員で競争をするという制度がもし開かれるならば、相当制度的には改善されたものになるのではなかろうかというふうに私どもは考えております。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 条文の逐条についてはまた問題になると思いますが、どうもお聞きしておって、原則はよくわかりましたですが、何にしても日本のようにどこに実際の能力のある人があるとか、資格があるとかないとか、いろいろな議論があるのですが、建設省は今後応募者の資格とか、あるいは資力とか能力、信用、そういうような業者に対してのいろいろなランクを付しているのですが、そういうようなものを今後整備されて、そうして一般公開原則が貫けていけるような体制をとろうとしておられるのか。こういうことで今度法律改正をここでやれば、主務官庁なりあるいは各官庁が適当にいろいろ運営、運用面で配慮してくれるのだから、これは手続規定だからこのぐらいの改正でいい、こういうふうにお考えになっておるのか、その辺はどうなんです。これは建設省がやることになっているから、あるいは大蔵省の問題にならぬかもしれませんけれども、そこら辺のところは建設省とどういうふうにやろうとするのか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) ただいまの点は、よく建設省と御相談しながらこの案も進めて参っております。建設業法によります資格審査、格付けというものは もちろん建設省がおやりになることでございます。従いまして、また各省各庁も、現実に建設省がやっておりますそういうものを十分活用いたして、今までやってきているわけでございます。ただ、制度的には、建設業法の分野ではそういうことになっておりますが、会計法には必ずしもそこにつなげて今まで制度がなかったわけでございますので、今度の改正におきましては、よく建設省とも相談をいたしまして、ことにここの今差し上げました資料の中に、こういう資格基準については大蔵大臣に御協議をいただくことになっておりまするが、その場合におきましてはよく建設省と御相談をいたしまして、そこらの資格基準あるいは格付けというものがばらばらになりませんように、あるいはうまく運用がされますように、大蔵省としても配慮をいたして参りたい、こういうふうに考えているわけでございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 配慮するだけではなくて、財政審議会で一般公開入札制度を貫けという答申が出ておると思います。それに基づいて今度法改正をされ、手続規定を改正されるとするならば、私は、現状は先ほどお聞きしたように、指名や随契が圧倒的に多い、また随契でなければならないものがあることも私たちはわかりますが、そういう方針でいこうとするならば、建設省と大蔵省と十分打ち合わされて、それが実行をされるような態勢というのですか、準備というのですか、そういう方向に進まれなくちゃならぬと思うのです。打ち合わせぐらいで終わるのか、それとも何かそれに対する審議会ですか、何かそういうようなものを設けて、抜本的な対策をやられようとしておるのか、そうではなくて——今の御答弁のようにこれはやらぬということになると思うのですよ。そういうものはどうですか。まあ建設大臣に質問するのがほんとうかもしれません。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 特にこのために審議会を設けるというようなことは考えておりませんけれども、常時建設省と連絡をいたして今までもやって参っておりますし、今後ともよく打ち合わせをいたしましてこの運営を十分円滑にやれるようにはかっていきたいという気持でございます。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 ちょっと二、三お聞きしたいのですが、私、各委員がそれぞれ資料を要求されて、また出てきたら質問するとして、きょうのところは二、三確めておきたいのですが、だんだんこう制限がつきますと、どうしても大業者に自然有利にならざるを得ない。さっきの指名制限の問題にしても、資本金の問題とか、あるいは一定の年限ある物資を生産しておるとか、そういう制限があっても、片やそれらのものが不渡りを出したというようなことがあってもその制限はないということになれば、ますますもって大業者有利と、こういうことになるのです。ところが、建造物を例にとりますると、大業者というのはその配下に多くの組を持っておって、その組の下にまた組があるといったような工合で、実際には小さい工事などの実情を見ますと、実はその下請の下請のまた下請といったようなものが現実には施工しておるということなんです。でありますから、そういうことを認めること自体国は不利になる。それは技術的に制限を加えることの必要な面も確かに私はうなずけます。たとえば変電所を作るという場合に、手がけたことのないような者がこれをやるということは、これはやがては国の不利になるから、そういう場合には随契もやむを得ないということになるでしょうが、別段特殊なものでないもので、ただ大きな工事か小さな工事かということになると、小さい工事の場合は、むしろ実際にやるのは小さい業者がやっているのだから、実態に合わせる意味からもこれに直接やらした方が国の利益になる、こういうふうに私は考えるのですが、そういう考慮はこの改正案には何らなされていないようですが、なされているのですか、いないのですか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 先ほど申しましたように、会計法は主としていかなる手続が一番合理的な手続であるかという、いわば会計経理の手続でございますので、そこまではこの会計法の分野ではないのではないかというふうに考えておりますので、手当てはいたしておりません。ただ、今の問題につきましては、建設業法の規定に基づきまして、資格審査あるいは能力格付けという問題にもつながる問題でございまして、そちらの方でいろいろ議論があろうかと思います。一定金額のものはAランクのもの、Bランクはその次の金額のものというように、位置付けをいたしておりますので、それとのからみ合いということになるかと考えております。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 私が指摘したのは、その手続のことに関連してなので、別に会計法のワク外だという筋のものではない。今度示されておる要綱によっても、いわば下の基準はみなこういうふうに出ておるわけですね、競争参加者の資格制限というところに。ですから、ただ下の方をずっとだんだん条件を上げたいという配慮ではなしに、ただ私が今例をあげたように、一定額以下の小さいものについては直接小さい業者にやらせる、こういうことも手続でやれるのではないか、こういうふうに解釈をしておるのです。できるでしょう。結局それはこの改正案にも、また実際あなた方が扱う場面においても、ないということですね。要するにそういう配慮はどうなんですか。むずかしくいえば中小企業の参加分野の確保、こういうことになるかもしれないが、どうなんですか、手続でできるのか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) ただいまの問題につきましては、建設業法の資格審査の問題のときにもいろいろ議論があったところではないかと思っておりますが、要するに一定の金額以下のものは低いランクで、要するに資本金が小さいとか人数が少いとかというような人が独占的にそれを取り得るというような制度にすべきかどうか、あるいは大きい人はもちろん大は小をかねるという議論がございます。そこまでいけるのだという議論もないわけではないと思っております。そういう意味の問題ではないかと思っております。ただ、予決令の問題につきましては、金額の少ないものについては随意契約でやらせるということになっておりますので、当面のあれではおのおのの金額に応じて適当な業者を各省の選択でやっていける道が開かれております。また実績におきましても、相当の件数が中小企業者に発注されておるようなことも承知しておりますので、そのようなところで御趣旨のようなところはあまり大差なく運営されておるのではないかという感じがいたしておるわけでございます。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 次に、予算執行職員等の責任に関する法律の第二条のところで、予算執行職員は現行では八号まであって、それを十号までふやして、特に六号以下はずっと今度改正されておるわけです。ところが、この改正の方では契約担当官とか代理官、分任官、補助者、いろいろのそういう都道府県の職員ですか、こういうものがずっと書かれてあるわけですが、会計手続だから別に技術者は必要ないのだ、こういうお話がたぶんあると思いますけれども、実際には国が不利になるという場合は大かた私は技術的なものだと思うのです。からの議論をしてもしようがないので、一つ例をあげましょう。  私はちょいちょい参議院の場合を例にあげるのですが、私のおる参議院会館の四号館、これはもう明瞭に検査も何も受かった、そうして賞状も出した。しかるところ、四号館のあの詰め所の流しの水が一向引かない。不思議だと思って私は掘らしてみた。しかるに、一メーター先にマンホールがあるにかかわらず、その間鉄管はつながっておらない。流しから縁の下の外にじかにささっておった。それが縁の下に全部広がってくるまでは水が引かないわけだ。直しましたが、そういうことをやっても、あれをやった大業者はその後もいかなる官行工事も施工しておりますよ。そういうのが、さっきの資格要綱の中のもっぱら排除しなければならない業者に当たるのではないかと思うのだけれども、そういうのはどこで、一体会計法なり、会計法には関係がないというならば、他の法律で排除されますか。現実に排除されておりませんから、これはどうなんですか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 法律的に申し上げますと、今のような場合には、予決令の七十九条に「契約の履行に際し故意に工事若しくは製造を粗雑にし又は物件の品質数量に関し不正の行為があった者」に対しましては、「二年間競争に加わらしめないことができる。」という規定があるわけでございます。これがどの程度運用されているかというにはいろいろ問題がございます。ことに現行制度でございますと、各省各庁が特に悪い業者に対して何しましても、名簿を自分だけが持っておりまして、その名簿をほかの官庁に知らせない。ある官庁でそういう悪い業者から粗雑な工事なり物品の納入を受けてしまった。そしてまた他の違った官庁に行って同じことをしたという事例があったわけでございます。そういうことを回避しますためには、今度この法律の改正に伴いまして、お互いにそういう不正な業者を相互通報制というような制度を設けてみたいと、こういうふうに考えているわけでございまして、この差し上げました資料の中にも、ブラック・リストによる相互通報制度を設け、国に対して不正行為等があった場合は競争参加を二年間原則として禁止するという規定を置きたいというふうに考えております。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 今あげた例はだれが責任を持ちますか。会計法のいかんを問わず、だれが責任をとりますか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 今の問題は、おそらく工事の監督並びに検査の問題であるかと思っております。先ほども御説明いたしましたように、現在の予決令では検査、監督の規定が不十分でございまして、ただ金を払いまする場合に、検査、監督した人が調書を作ったら払いなさいという規定があるだけでございます。この法律案では、検査、監督について規定の整備を行ないまして、十分検査、監督を履行し、そういう工事に疎漏がないようにはかっていきたいというふうに考えております。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 そういうことは従来の予決令だって何だっていけないはずでしょう。いけないんですね。いけないけれども、事実はだれも責任を負っていませんね。そしてその業者は、大業者ですから、その後も官庁営繕、建造等はどんどんやっておりますね。だから、業者の方へも何ら制限は実は加えないし、監督した者はだれも責任を負わない。こういうところを今度の会計法の改正で是正するというんなら話はわかりますけれども、そういうところは全然ないわけですね。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 規定的には、先ほど申しましたように、整備をいたしております。ことに責任の問題につきましては、従来も契約、支出負担行為担当官及びその補助者ということになりますと、予責法の規定によりまして予算執行職員としての責任を負ったわけでございますが、特に検査、監督を命ぜられた者につきましては、必ずしもそういう規定はございませんでしたので、そういう規定の整備をはかりますることによりまして、この契約担当官及び検査監督官という者は、予責法によりまして予算執行職員としての責任をここに整備されたということになるわけでございます。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 それは、まあ端的にいいますと、この予算執行職員という者は、たとえば懲戒免職とか、そういうことになるということですか。かつて見たことがないんだが、そういうことを。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 予責法の規定によりまして弁償責任も課せられることになっております。なお、たしか、たとえば会計検査院から各省各庁の長にそういうものがありますときには通知をし、それぞれの行政処分もできることになっておったと考えております。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 いかにも法律を作ったり改正したりするときは、非常に責任を重くするという趣旨がいつも言われるんですが、実情がないから、私はこういうことを言いたくなる。これは何回もこの委員会で言ったんですが、ちょうど今これから申し上げるのも、今の実例も、私は浪人中だったのでその点はここでしゃべることはできなかったんですが、この前も大蔵政務次官にもお願いしておいたけれども、従来参議院会館の敷地内にあった旧陸軍の無電塔、今作ったら何億するかわからぬ、まずおよそもってできないと僕は見てもいいくらいですが、あれを二カ月かかって盗んじゃったやつがいる。まっ昼間ですよ。とにかくあんな大きな塔を夜陰ひそかに持っていくわけにはいかない。二カ月かかって盗んだ。その盗んだやつは裁判にかかりました。けれども、それを管理しておるのは管財局です。だれが責任とりましたか。とらないでしょう。とらないんですよ。どうですか、それは。ほれ見てごらんなさい。とらない。とっていないでしょう。政務次官、お調べになりましたか。

田中茂穂自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(田中茂穂君) はあ、調べました。この前御指摘になりました例の会館と本院との間にある三角地帯の家屋敷地等の問題につきまして、調査をさしております。責任の問題をただいま言われましたが、責任をとったということは私はまだ聞いておりません。なお、あの敷地の中に大蔵省の所有の敷地がありまして、そこに大蔵省関係者が入っておるというふうに私は聞いておりまするので、それを立ちのき方につきまして、ただいま管財局の手元で検討をさしておりまする経過でございます。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 あの本院と会館との周の三角地帯ではないのであって、あの三宅域寄りの、あれは電車道に沿うて今でも残っております。一部にれんがのへいがありますが、あれが旧陸軍と道路との境なんです。道路の終わったところにそれがあるわけなんです。それを、今ありますように不法占拠をしてしまったのです。それと同時に、これはやった者は全く別でありますけれども、あの鉄塔を窃盗を働いた者がある。そういう者に対して、結局どこでも責任を負わない。それがかりに管理の手続上において、本院の事務局に移ったというならまた移ったで、それはまた別途だれかが責任を負わなくちゃならない。大蔵省の管財局が扱っておるものとすれば、それは大蔵省の管財局が国有財産の管理を怠っておったと、こういうことになるのですね。それを今また持ち出したのは、との前の会計法のときに、私がたまたま持ち出して、それで結局どこに責任があるやらわからない、よってその会計法などを幾らいじってみたところで大した価値はないじゃないか、こういうことを言うたことがある。ですから、関連してこの点は頼んでおきますが、管財局の方にも連絡をとって私ははっきりしていただきたいと思います。これはまあその点はお願いいたしておきます。

田中茂穂自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(田中茂穂君) 先ほど申し上げましたのは、私、会館と本院との間の三角地帯のことかと思っておったわけでございますが、なるほど先般御指摘になりました会館と三宅坂との間にありまする不法占拠の家屋等の問題につきまして、さらにこれは調査を早急に進めまして、できるだけ早い機会に御回答をいたしたいと、かように考えております。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 それから、これも例としてはあるいは唐突な感があるかもしれませんが、今一般の民衆の目につく国の資産というものは、鉄道用地なのです。私どもと隔絶したのが国の用地だったりするのですが、鉄道はいつでも、どの町に行ったって中心地にあるのですから、一番国民の目につく。それがもともと、国有鉄道だって運輸省で管理している。あるいは鉄道省。国の機関です。たまたま戦後になって公社という幾らか別建のように見えるけれども、そのもとをただせば、全部これはまあ国の財産なんです。ところが、その駅の付属地に、大かたのところに不法占拠者がおります。で、それに対する、今度は会計検査院の方からすれば、何らの契約もなしに不当にそれを使用さしておるのは不都合だと、こういう注意が来ているのです。そこで、まあイージー・ゴーイングできて、これはやむを得ないということですね。いいかげんの契約を作って、きわめて一般よりも安い賃貸契約を結んでいる。どんな安い賃貸契約でも、結んだ以上は居住権が発生して、当然居住しておる土地で、そこを広げることは鉄道の都合というよりもそこの乗降客の国民の便宜というものははかり知れない、そこを広げれば交通も緩和されるし。そういうものが居住権が発生してどうにもならぬという実情が、ちょっと目ぼしい市には大ていあると言っていいぐらいなんです、今。そういうことが、それこそ目につく国の損失でもあるし、国民の損失なんですね。そういうものは今度の会計法を改めたことによって何かよくなりますか、どうでしょう。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) この会計法は国を規律いたしますもので、直接には国鉄を規律いたすものではございません、まあこれは国の制度でございますから、これが成立いたしますれば、国鉄その他の政府関係機関におきましてもこれに準じたようないろいろな措置をとっていくことと考えまするけれども、それにいたしましても、今のような御指摘の問題につきましては、実は法律でどういう規定を置くのが適当かどうかということは非常にむずかしい問題でございます。むしろ運用の問題ではないかと考えるわけでございます。会計法を運用いたして参ります場合におきまする国の利益を確保し、公正にかつ国が不当の損害を生じませんようにやって参りまするととは、これは当然のことでございまするし、もし予算執行職員がそのようなことをいたしますると、国鉄も同様でございますが、責任を問われるというようなことになっておるわけでございます。制度といたしましてはそういうことで運営をし、問題はむしろ運営の問題ではないかというふうに考えます。御趣旨の点は私ども会計法規をあずかっておりますものといたしまして、御趣旨に沿いまして今後国鉄の会計職員その他ともよく話をいたし措置いたしたいと考えます。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 もうこれでやめますけれども、今あげた例のごときは、今こそ三公社五現業なんて分けて多少違った扱いになっておりますけれども、もともと国の大蔵省や商工省と同じような機関が持っていたものなんです、もともと。ですから、そのときの会計法がすでに不備であるはずなんです、私から言えば。不備だから、そういう問題が起きた。そして今は一方においては、法規課長のように、あれは公社ですから、政府機関といったって行政機関が違うのだ、こういう答弁は答弁としては成り立つけれども、国の損失、国民の損失というものは変わりはない。そこへ持ってきてやはり同じ国の機関である会計検査院の指摘によって、どちらかといえば不当者を追認するという格好で、それで結果はその居住民、乗降客というものはえらい迷惑をこうむっている。これが国の損失でなくて何が損失だということになるか。ですから、私はこの問題については、との会計法をあげるというこのまぎわではなかなか困難な問題でありましょうけれども、これは何としても各省庁で連絡をとってよく調べて、そういうものについても国民が損をしないような会計法の整備をしてもらう必要があるのじゃないか。この機会に間に合わなければ、この次までにそれはできるようにしてもらう必要がある。この点は私が言い放しでよろしゅうございます。次に、それじゃそうするとかしないとか、どういう処置をとったとか、どういう予定だと言ってくれればいいんですから。そういうことです。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 資料の要求です。それはブラック・リストの問題なんですが、もしブラック・リストというものがあって、今度の政令の中には、予決令七十九条に規定するというようなことが出ておる。現在こういうブラック・リストがあるなら、これは公表するわけにいきませんか。あれば、それにのっとるリストがいただきたい。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 実は予決令七十九条にそういう規定があるわけでございますが、先ほど申し上げましたように作っておらないわけでございまして、ある省でひっかかりましたのにまた同じようなことで違った省がひっかかったという実情がありますので、今度はそういうようなブラック・リスト、そういうものを設けたいと思っておる次第であります。現在はないわけでございます。あるいは各省でそういう名簿を作っておるかもしれませんが、そういうものを私どもまだ承知いたしておらないわけであります。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 そうすると、今度はもしこれができますと、どこでそれじゃそのブラック・リストを集約するんですか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) ただいまの考えでは、各省から大蔵省に通知をいただきまして、大蔵省で取りまとめまして各省に全部の表を通知をしたい、こういうふうに考えております。   —————————————

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) この際お諮りをいたします。  本法律案審査のため参考人の出席を求め、意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないと認めます。  なお、参考人の人選及び日時等は、委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。  これにて休憩いたし、午後は一時半再開いたします。    午後零時二十七分休憩    ————・————    午後二時十九分開会

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) ただいまから委員会を再開いたします。  午前に引き続き、会計法の一部を改正する法律案について質疑を続行いたします。  この際、お諮りいたします。田中一君から委員外発言を求められております。これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないと認めます。  なお、政府側の出席は田中大蔵政務次官、上林法規課長、建設省より高田参事官が見えております。  田中君。

田中一日本社会党

○委員外議員(田中一君) 今回のこの会計法の一部改正の法律案を提出することに踏み切った最大の理由を、一つまず最初に伺いたいです。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 提案理由でも御説明申し上げましたように、改正の会計法自体は、御存じのように、二十九条という一カ条だけでございまして、その内容といたしまするところも、大正十年に作りました会計法のそのままをほとんど受け継いで参っておるわけでございまするので、これを時代の進展に伴いまして直す必要があるということは前から議論のあったところでございます。そういうような意味におきまして、財政制度審議会でも御議論いただきました結果、政府といたしましても結論を得ましたので、ここで契約制度につきまして改正を行なう審議をお願いしておるわけでございます。

田中一日本社会党

○委員外議員(田中一君) 一つの例ですが、昨年——一昨年になりますね、もう。例の皇太子の屋敷が入札になった場合、落札者間組は一万円の札を入れた。従って、これは会計法二十九条に照らして、当然間組が最低なはずです。ほかはみな数千万円という額ですから、当然間組に落札すべきものとわれわれ考えておったのですが、それが途中のいろいろな政治的な当時の動きもあって、辞退をしたという形になりましたが、ああした会計法二十九条によるところの決定を見ずして。あなたの方の考え方としてはどうですか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) この契約制度の改正にあたりましては、いろいろな問題点を考えまして、御検討を財政制度審議会にもお願いしたわけでございますが、その中の一つの問題といたしまして、今御指摘のございましたような点も、財政制度審議会におきましては議論があったわけでございます。その財政制度審議会におきましても、今御指摘のございましたような問題につきましては、もうそうめったに起こるものではございませんし、きわめて特異な例であるから、会計制度の契約制度としては考慮をしなくてもいいのではなかろうかという御議論も、中にはございました。しかしながら、あの当時に、いろいろとあの問題をめぐりまして議論があったわけでございます。ことに現在の会計法が、御承知のように、もし公告があり、申し込まれて、入札をいたしまして、開札をいたしますと、自動的に契約が締結される。従って、どんな場合であっても、それを排除する道がない。ことにその入札自体が公益的な観点からいっても適当でないというような場合に、これを排除できるような道がないということは、会計制度としてもあまりに無防備ではないか、それに対する備えをやはり置いておくべきではなかろうかという議論が強うございまして、実際の運営といたしましては、しかしそれが乱に流れてはいけませんので、それの運用にあたりましては、一定の手続を経、一定の責任を課して、その者と契約を締結することが公正な取引の秩序を乱すこととなるようなおそれがあって、著しくその者と契約を結ぶことが不適当であると認められるときには、最低、最高の落札価格、入札価格のものに落札させないで、次順位のものに落札させることができるという道を開くということに、この法律ではいたしているのでございます。

田中一日本社会党

○委員外議員(田中一君) 一体、この工事の請負のことを中心に伺いますが、各発生官庁は一定の規模による予定価格を持っております。そうしてこの予定価格に見合って、最善なる、最良なる落札価格というものがどの辺か——どの辺というか、どれが妥当だというように、発注者の方で主観的に判断するのは、どの程度だというようにお考えになっておりますか。そうしてまた、どの程度のものならば、まず大体発注者の考えているような製品ができ上がるのではなかろうかというような見通しを立っておると考えているか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 御質問の趣旨は、今度の改正におきまして、原則としては最低、最高のものに落とす。しかし、二十九条の六のただし書きの規定によりまして、その「申込みに係る価格によっては、その者により、当該契約の内容に適合した履行がされないおそれがあると認められるとき」は、次順位のものに落とし得るという規定を設け得るということにいたしておりますが、その場合一体どういう基準でそれを処理していくかという御質問と承りましたのでございますが、それにつきましては、先生御知のように、都道府県などにおきましては、一定のローア・リミットという制度を設けておりますけれども、私どもの結論といたしましては、ローア・リミットの制度自体は、各国におきましても採用いたしている国が例がございませんし、また現に行なっております都道府県におきましても各般の批判があるところでございまするので、一律なそういうローア・リミットの制度はむしろ賛成しがたいと思っているわけでございます。むしろ、ここに書いてございますように、そのものの価格によってはその当該契約の内容に適合した履行がなされないおそれがあると考えられるときに、要するに国も私人と同じような立場で、ことに国民の税金を使って契約をいたすわけでございますので、あまりにも低い価格であって、従って、それが投げ出されたり、あるいは工事の手抜きがあったりということが起こるおそれがございます場合には、一定の加重されました手続を経てそれを排除していく、こういう考え方をとっているわけでございます。  で、具体的には、実はお配りいたしました中にもその手続を書いているわけでございますが、このただし書きの規定によりまして、契約の相手方として決定しないその基準につきましては、各省々々が必要がありますときに、その契約の相手方となるべきものの入札価格が低いことによってその契約内容に適合した履行がなされないおそれがあると認める場合の基準を作成いたしまして、その基準に該当をいたします場合には、そういう事情があるかどうかということを具体的に審査をし、それによってその結論に従い、またそれによって排除いたしまする場合には、別途契約審査委員というようなものを設けまして、それの意見を聞きまして処理を進めていくという手続をとりたいと考えているわけでございます。

田中一日本社会党

○委員外議員(田中一君) 私は手続を伺っているのじゃなくて、かりに予定価格が一億のものなら一億円で落札されれば、少なくとも発注者がねらっているところの製品ができるだろうというふうに考えておりますか、それとも場合によれば二割、三割低くてもそれはいいんだというか、その点はどういう今日までの、法律改正前のですよ、慣行と申しますか、それは大蔵省として、各省が契約をやりますがね、その場合にどの程度のものはいいという考え方を持っておったんですか。従来までですよ、この法律改正に踏み切るまでの考え方です。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 現在の制度は御存じのように自動的な落札方式でございます。従いまして、予定価格の範囲内で一番低い、請負でございますと一番低い価格を入札いたした者に自動的に契約が成立することに相なるわけでございます。で、確かに過去におきましても、相当予定価格よりも低い入札がございました。従って、何と申しますか、あまり低い値段であると、工事を手抜きをしたり、あるいは投げ出したりするおそれが多いのではないかという御議論もあるところでございますけれども、私どもで調べました範囲におきましては、必ずしも低い入札価格の者が工事の手抜きをやったり投げ出したりという例はむしろ少のうございまして、そういう実績もあるわけでございます。ただ、あまりにも低い価格であり、さらにそれによりまして——おそらく低い値段で入札いたしますときには、それぞれの理由が存在するかと思います。たまたま安い資材を持っておったとか、あるいは工事の受注量からいってこの際、利潤その他を考えないで工事を取りたいという場合もあるかもしれませんし、そのほかいろいろな理由によりまして、正当な理由によって安い価格で入札をした場合もありますわけでございまするし、それによりまして工事の手抜きその他工事の遂行に支障がないという場合ももちろんあるわけでございます。必ずしも値段だけで問題をきめるということではなくて、むしろここに書いてございまするように、契約の内容に適合した履行がなされないかどうかという判断に基づきまして、その契約を締結するかどうかを決定をして参りたい、こういうふうに考えております。

田中一日本社会党

○委員外議員(田中一君) その判断はどこまでも主観的な判断なわけですね。そこで、今度、建設業法の一部改正を行なって、御承知のように、客観的な要素を当人から出さしておいて判断する。判断をするのはこれは当然発注者がすべきものであるけれども、これを中央建設業審議会に委任をして、その判断をもととして判断しようという考え方になっているわけなんです。そこで、その建設業法のそれに関する改正法律案は通りましたけれども、大蔵省としてはそれらの書類というものは、何も中央建設業審議会に調査を依頼して、その判断をもとにして判断しないでもいいというお考えに立っているか、あるいはその判断を待ってするのが正しいというお考え方ですか、どっちですか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) ただいまの御質問は、競争に参加する者の資格の問題かと承知いたしますが、現在でも建設業法によりまして中央建設委員会でございますかの諮問を経ました基準によりまして、ある程度の格付けと能力審査をやっておるわけでございます。今回の改正法律でそれが法律の地位まで高まりまして、さらに適正な運営を期していこうということになっておるわけでございます。現在におきましても、建設省はもちろんでございますが、各省におきましても、建設省が作っておりまするそういう資格審査あるいは格付けを活用いたしまして、建設工事につきましては施行をやっておるわけでございます。今後、建設業法の改正に伴いまして、そちらの方の資格審査というものがより円滑に運営されて参りますれば、私の方も、国の会計制度といたしましてもそれを十分活用できる道が開けて参りまするわけでございますので、今後の運営につきましては建設省ともよく御相談をし、もちろん実行に当たりまするのは各省でございまするから、各省が実行いたすにあたりましてその基準が円滑かつ統一的に運営されるようにはかっていきたい、こういうふうに考えております。

田中一日本社会党

○委員外議員(田中一君) この客観的な提出される書類によるところの判断、それから主観的にそれをもとにしたところの判断でもって、現在行なわれているところの指名競争入札制度が運営されておりますけれども、そのほかに何か重要なファクターと申しますか、考慮しなければならぬというものは考えられておりませんか。ということは、私はそこにもう一つ慣行ということがあると思う。たとえば関東地建の行き方、中部地建の行き方、あるいは国鉄の行き方とか、いろいろな各省各庁のおのおの今までの慣行があるわけです。その慣行は悪い慣行をそのまま持っていっているわけではなくして、最善なる慣行であるという見方でもって判断してやっているのですが、その際大蔵省としては、各省の慣行として行なわれているところの要素、たとえば指名する要素、資格をきめる要素等について、何か基本的な共通的な要綱あるいは政令でも示していこうという考え方に立っているのか、それとも従来の各省庁のやっておりますところの制度の慣行というものを尊重してやっていこうという考え方なのですか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) ただいまの御質問につきましては、先生おいでになります前にもお答え申し上げたのでございますが、私どもはこの会計法の改正に伴いまして、いろいろ議論がございます点もできるだけ改正をし、公正なかつ機会均等な競争というようなことができるだけ確保されるようにと考えておりまするが、現実に今までやって参りました各省の慣行あるいは取引の慣行、そういうようなものを無視してこれを実施していこうというような気持はないわけでございまして、また各省庁におきましても、現在いろいろ批判がありまするが、現在の制度のもと、それからおのおの実情に応じまして、それぞれ改善に努力を加えて参りました結果の産物でもございますので、そういう制度につきましては、十分過去の慣行等を尊重いたしまして支障のないように運営をして参りたいというふうに考えているわけでございます。

田中一日本社会党

○委員外議員(田中一君) まあ公開入札というのは、日本の憲法からいってこれは一番正しい姿だと思う。機会を均等に国民に対して与えるということは当然だと思うのですが、そこで今申し上げている慣行が、公開入札、いわゆる純粋な競争入札制度というものを戦後行なった例は私はあまり知らないのです。各省でもって純粋な厳密な公開入札を行なったという例が戦後あったでしょうか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 先ほども実はその御説明を申し上げまして、後刻また資料を提出いたすことになっているわけでございますが、三十二年度の数字でございまするけれども、一般競争入札で行ないました契約は、歳入原因の場合には、金額的に申しますと、売り払いの場合でございますが、二六%ございます。件数からいきますと、わずか二%でございます。歳出原因の場合には、これはほとんどないと言ってよろしゅうございます。皆無に近いわけでございまして、パーセンテージからいいますと、一%以下でございます。が、金額的には、三十二年度の歳出原因の契約のうち、この調査の対象になっておりますのは約三千三百九十三億でございます。そのうち約十億が一般競争入札で実施されておるわけでございます。

田中一日本社会党

○委員外議員(田中一君) 各省各庁のいろいろな独自の慣行等があって、むろん指名競争入札という形で適格者の何人かのうちから落札者を選ぼうということになると思うのですが、そういう方針、今までの方針に対して、あなたの方で、そのうちの大部分を公開入札に持っていこうというような考え方は持っておらぬでしょうね。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 一般競争入札と申しましても、これは確かに理念的に非常にすぐれた制度でございまするけれども、よく言われておりますように、不信用、不誠実な者が参加するおそれがあって、かえっていけないのではないかという議論がございます。あるいは手続が繁雑であるという議論もございます。従いまして、理念といたしましては、できるだけ公正に、できるだけ機会均等にそういう公正な競争をやっていきたいということでございますが、一方、もちろんこれだけ技術が進んで参りますし、また専門体制といいますか、おのおの得意とします分野なども確立して参ります時代には、必ずしも一般競争自体が公正であるということも言いがたい点もございますし、要は公正な機会均等な一般競争ということでございますので、形式的に一般競争でなければならないということは必ずしも言いがたいと思います。もちろん、先ほど申しましたように、取引の実情あるいは各省各庁の慣行もございます。そういうものを十分配慮いたしまして、円滑に目的が達せられるように努力をいたしたいと思っております。

田中一日本社会党

○委員外議員(田中一君) 随意契約の限界は、払い下げの場合、あるいは工事請負等の場合、いろいろありますが、各省各庁並びに国に準ずる機関ですね、これらのものは全部同じで扱っておりますか。その額。指名競争入札が不調になった場合の随意契約ということは、これは行なわれておりますが、それはもうこれにきめようとして、値下げ交渉ですか、値下げ交渉によるところの随意契約は行なわれておりますが、そうでない、ある一定の限度以下のものはそのような繁雑な仕事をしても、これは同じである。あるいはまた継続的にそれを当然次の仕事はこれにやった方がいいのだと。かつて、戦争中——戦争中というか、新憲法前は、過程的な請負工事というものがあったわけです。百のもののうち、一ずつ出していく。そうして百億のものでも一億ずつ切っていけば、それが随意契約の対象になるという形でやった場合もある。百億なんというのはありませんけれども、当時でどのくらいでしたか、額は、全工事で百万円くらいになるものを一万円ずつ切っていけば、そうすればこれは決して会計法上の違法ではないというような限度があるわけですが、それはどのくらいと考えておりますか。各省各庁で違う場合には——同じならば同じでけっこうです、違う場合はどこがどう違うか、説明してほしいと思います。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 国の場合におきましては、予決令で随意契約あるいは指名競争契約のできまする場合が規定されております。その中に、限度につきましては、たとえば工事でございますると、指名競争契約につきましては百万円以下のもの、それから随意契約のものにつきましては五十万円以下ということが予決令で定められております。従いまして、この予決令によりまして各省各庁全部一律に適用を受けるわけでございます。  なお、この問題につきましては、予算の規模も相当ふくらんでおりますることでもありまするし、また事務簡素化というような観点もございまするので、この法律の御審議をいただきますれば、それに伴いまして予決令の改正で金額の点につきましては再検討をしてみたい、こういうふうに思っております。

田中一日本社会党

○委員外議員(田中一君) 今の段階で、この点はどのくらいの額が妥当だというような考え方に立っておりますか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) いろいろと研究はいたしておりますが、まだ実は法律案の御審議をいただいておりませんので、各省各庁と相談をする必要がございます。これが成立いたしましたときには、各省各庁とも御相談をいたしましてきめたいと思っております。従いまして、今どの程度ということをちょっと申し上げかねるわけでございますが、たとえば予算規模で申しますと、昭和二十三年の——この百万円、五十万円というのは昭和二十三年に作られたものでございます。それからその当時の予算規模が約五千億、今は御承知のように約二兆でございます。従いまして、過去の経緯をたどってみますと、予算規模、あるいは場合によりまして物価指数などに応じて引き上げていきます。必ずしもその倍率をかけたままということではございませんけれども、そういうようなものも一つの参考になるのじゃなかろうかと考えております。具体的にはなお検討いたしまして、また各省各庁ともよく御相談いたしまして決定をいたしたい、かように考えております。

田中一日本社会党

○委員外議員(田中一君) こういう場合があるのですがね、これは現にこういう例があったのですよ。たとえば藤原ダムだったと思うのだが、あそこの工事は間組が準備工事を請け負ったのですね。入札して落札になりました。そうすると、それが下回っておったわけです。予定価格より。それでも、とにかく契約した。それで大型機械等も全部持ち込んで仕事が進んだ。それから本工事に入った場合には、間組というものはもう指名をしないわけです。それで他の業者が……。そのために、間組は全工事が全部もらえるものと思って、これは業者間の慣行ですが、と思っておったところが、指名をしない。機会をくれなければ、これはとてもだめです。そのために大型機械を、えっさほっさと山の中から持ち帰ったという例がある。これは大体において、今まではそういう慣行はないわけなんですよ。業者間の慣行ですよ、これは御承知のように。私は不正だとは思っておりません。不当な利益を受けるために、搾取するために、強奪するために、詐欺するために業者間の話し合いをするということは、これは不正でありますけれども、客観的条件によってその方が安くて妥当で、いい技術ができるという場合、これはもう、一つ田中さんにお願いしましょうといって政務次官のところに持っていくのは、これは一向差しつかえないと思う。従って、そういう場合、ことさらになぜそれを指名しなかったかということになると、その理由がどこかにあるらしいのです。それで、こういう場合、これはいたずらに、国民の、国の財産ですね、個人の持っておる財産と国の財産をむだ使いするということにならざるを得ない。こういうような問題については、大蔵省はどう考えておりますか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) ただいまの具体的な問題につきましては、私存じ上げておりませんのでございますが、従いまして、その場合にどういう理由があって指名の外になったかということは存じません。今の予決令の建前から申しますと、むしろ逆に、そういう場合の指名なり随契の対象の適格になっておわけでございますので、何か格別の理由があったのではないかというふうに感ずるわけでございますが、詳しいことは私存じておりませんので、これで……。

田中一日本社会党

○委員外議員(田中一君) 最近——最近といってもここ数年来、継続事業を認めております。大体において一定の、ことに発電等、立地事件の悪いところに大型機械を持ち込んで、そこでもって仕事をしておる場合、同じような入札制度をとっておる。むろん、それには前の工事、第一期工事から施行しておる者も含まれておる。指名入札制度をとっておりますけれども、そういう際には、もう指名をしないで、一定の一つの予定価格を持ってるんですから、よく話し合ってものをきめるというようなことになれば、むだなことはしないで済むわけです。おそらく、その機械持ち帰るのは当然としても、また持ち込むだけその分だけ高くなるわけです。そういうところの便法等は考えられていいんでしょう、随意契約の条件として。というのは、随意契約の条件というものを明確に政令等でもって示すかどうかということを伺いたいのですよ。随意契約の金額はわかるのです。金額はこれまた検討しなきゃならぬという話ですから、検討していただくとしてですよ。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 現在におきましても、ただいまの随意契約及び指名契約、随契及び指名のできまする場合につきましては、予決令に相当詳細に規定がございます。今御指摘のような場合につきましては、予決令の百二条の中に、指名競争または随契によろうとする場合にあらかじめ大蔵大臣に協議していただくことになっておりますが、協議していただかなくて各省各庁限りでおやりいただけまする中に、「現に契約履行中の工事、製造又は物品の供給に直接関連する契約を現に履行中の契約の締結者以外の者をして履行させることが不利である」場合に、これはむしろ一般競争に付することを不利と認めて随意契約に付することができるというような規定もあるわけでございます。この規定を適用して随意契約、もちろん指名競争入札もできるわけでございまするが、そういう道が開かれているわけでございます。

田中一日本社会党

○委員外議員(田中一君) 戦前は大体三年、四年の継続工事というものは一括入札してやったもんです。最近は単年度の工事、単年度の予算ということに縛られる傾向が強くて、あとは債務負担行為等で若干の伸びは見られておりますけれども、大体においては単年度の工事になって終わっておるような現状なんですよ。私、非常にむだがあると思う。たとえば五名なら五名の指名、応札する人間の指名をしておる。これはもう全部、五名が五名とも適格者なんですね。そうして辞退しない限りそれにやっぱり継続してやらしていった方が、おそらく私は安いんじゃないかと思うのですよ。で、そういうことが今の予決令であるとするならば、それは大体実行しておらないわけですよ。やはり同じような指名入札の制度をもって発注しているのが現状なんです。これに対しては、大蔵省はそういう予決令十九条ですか、今あなたの説明したのは。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 百二条。

田中一日本社会党

○委員外議員(田中一君) 百二条の判断で、一括一枚一筆で五年目も契約して、それを年次において単年度予算なら単年度予算でそれを出していくというような形式はとられるわけですか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) ただいまの問題と予算の単年度の問題とは、ちょっと違う問題でございまして、やはり財政法あるいは憲法の規定によりまして、予算は毎年度作られるわけでございまするし、単年度の原則上、予算の執行は単年度を原則としておるわけでございますから。ただ、例外といたしましては、債務負担行為なりあるいは継続費なりの制度はございます。従いまして、むしろ継続費あるいは債務負担行為を活用すべきものはそれによることにし、その他のものにつきましてはやはり単年度ごとの契約ということになるわけでございます。ただ、その単年度ごとの契約の場合におきまして、私の承知しております限りでは、むしろ最初の年度に契約を締結しました者はむしろ逆に有利な立場に立つのでございますので、後年度以降にはむしろその人の手によって完成されていくのが通例の例だというふうに承知いたしております。むしろ逆にそういうことがあまりに弊害があるんじゃないかというような議論さえ、何か聞いたようなことがあるわけでございます。と申しますのは、どうせそういうことになるので、初年度はわざと低い値段を出しておいて、あとで高いといいますか、むしろあとの年度の方の価格によってその工事を埋め合わせをするということがむしろおかしいのじゃないかという議論も聞いたことがございます。従いまして、むしろこの規定を十分使って、各省各庁はやっているのじゃなかろうかという感じがいたしております。  いずれにいたしましても、この規定はそういうことよりも、むしろ論理的に申し上げますれば、最初の年度契約を結びまして機械を入れたり、あるいは設備を作りました場合には、むしろその人がやった方がより安く、工事に手戻りその他もないということで、合理的である場合にそういう方にお願いする、そうして随契でやっていくという道を開いていくのであります。

田中一日本社会党

○委員外議員(田中一君) 現在の入札制度では、頭金一枚の金額によって契約するわけです。これは各省でそれで無事だといってやっているのですが、私ども非常に不安に思うのは、全部こまかい詳細の図面までつけて入札する、積算を、見積もりをするわけです。その場合の見積もり方によって、要するに狂いがあって損をしたり得をする。まあ得をすることはめったにないが、損をすることがある。こういう内訳明細をつけるような入札制度にしたらどうですか。そういうのは、札を入れます。その札が全部一枚札です。おそらく内容の検当というものは今後なされると思いますが、その場合に、内訳明細を提出せよということにさせようというつもりなんですか。今までは御承知のように、一枚の紙一つでもってきまるわけです。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 現行制度は、御存じのように、国が公告いたしまする場合には、たとえば予決令にもございまするけれども、その仕様書とか設計書というようなものを詳細なものを作りまして、国の需要するものはこういうものであるということをはっきり明示いたしまして、それに基づきましての価格を入札していただくことになっておるわけでございます。しかも、この制度といたしましては、各省庁とも相当長い間やってきております制度でございますので、今後、この改正後におきましても、大体同じことを踏襲して参りたいというように考えております。

田中一日本社会党

○委員外議員(田中一君) 金額が低いとか安いとかということによって判断される危険ということは、あなたさっき言っていました。おっしゃったでしょう。ある場合には安くても、これは正しい工事が完成するという場合もある。まれです、まれですがあり得る。そうすると、頭の金額だけで、一枚の紙でもって、総金額の一枚の紙でもってきめるということよりも、内容がどうであるか。むしろ図面並びに仕様書によって積算された結論がその一枚の紙になるわけですが、その場合に内容を検討するという制度はとれないということなんですか、これは。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) ただだいまの問題につきましては、実は各国でもずいぶん議論があるわけでございます。ある国によりまして、たとえば内容競争というような、今おっしゃいました価格だけではなくして質と申しますか、そういう競争を試みておるところもございます。ただ、現実の問題といたしましては、どれが一番いいのであるかというその質の問題になりますと、相当議論があるところでございまして、そのために、たとえばフランスであったかと記憶しておりますが、特別審査委員を作ってやっておる国があるようでございます。しかしながら、わが国の場合におきましては、御存じのように、相当契約件数も多うございますし、それから各末端におきましても、少さな官庁においていろいろな契約をいたしておりますので、そういう普遍妥当的な手続、簡素な手続というようなことも考えられなければならない一つの問題でございまするし、ことに今申しましたように、制度自体の立て方といたしましては、国の利用いたしまするたとえば工事なら工事の内容はこういうものであるということをはっきりと設計書なり仕様書などによって明示をしていただきまして、それによりまして応札をしていただくことになるわけでありますが、問題としては、従って、価格の問題になってくるというふうに考えているわけでございます。

田中一日本社会党

○委員外議員(田中一君) 住宅公団その他の団体はおおむね入札の審査会、審議会というようなものを部内に持って一切のものを処理しているのですが、政府の機関ではそういうものが比較的ないわけなんですが、その点はどう考えておりますか。あった方がいいと考えておりますか、それとも今のような慣行でやっていいと考えておりますか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 一律にそういう審査会とかなんとかいうのを作りますこと自体は、先ほど申しました官庁の契約の実態に応じまして非常にむずかしい問題ではないかと思っておりまするが、ところによりましては、その審査会というような名前をつけてはおりませんけれども、一定の手続と申しますか、何人か寄り集まりまして慎重にその契約の内容を検討いたしましたり、縦覧をいたしましたりしてやっておるという所は相当あるように私承知いたしております。

田中一日本社会党

○委員外議員(田中一君) 非常にむずかしい問題でして、とにかく五名なら五名の応札者を指名すると、これは全部適格審査しなければならないのですね。ですから、これは紙一枚でいいのだということは当然なんですよ。  それで、もう一つ別な観点から伺いたいのは、格付けというものの客観点要因というものはおのずから出て参ります。今度は、主観点要因の内容というものは何と何と何に求めるかということ。このほかにもう一つ慣行があるということを申し上げたのですが、慣行は別として、今度は主観的要因というものは、要素というものはどういうものが入らなければならないか。これだけは入らなければならないということは考えておられるのか。私は建設省の方の実態はもうよく知っておりますから、あえて高田参事官に聞かないわけです。あとで痛いところを聞くかもわからぬが、今のところは聞かないわけです。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) よく御存じで御質問なさっておられますんで、あれなんでございますが、何と何と何かという全部をちょっと今網羅できないかもしれませんが、たとえば契約の種類や金額に応じまして、経験年数とか、信用、技術、資本、あるいはその従事いたしております人員とか、いろいろあるかと思います。ことに工事の場合におきましては、御存じのように、ただいま建設業法に基づきまして先ほど御説明申し上げましたような資格審査も行なわれておるわけでございます。なお、今後さらにそれがいいものになっていくことを私ども期待いたしておるわけでございまするので、そういうようなものを適宜に活用させていただきまして、やって参りたいというふうに考えておるわけでございます。

田中一日本社会党

○委員外議員(田中一君) 一番危険なのは、今、あなたが、課長が説明したやつは、それはもう客観的な、はっきりしたものなんですよ。信用があるかないかということは、金の信用、技術の信用、いろいろあります。しかし、格付けの場合の一番大きな主観的な要因というものは、それはまあ実績と申しますか、自分のところの実績です、発注者の。その発注官庁、関東地建なら関東地建におけるところの信頼度というものが、各面から見られたものが、判断されたものが主観的な要素になってくるのです。たとえば、地建では大きな失敗をしたがほかでは実にいい仕事を続々やっている。竹中工務店という組は役所の仕事なんかしやしませんよ。みな民間の優秀な仕事をしている。おそらく関東地建等にこれが格付けされる場合には、一ぺんも指名した経験も何にもない。おそらく非常に低いところに置かれると思うのです。使った経験がないのだから、わからない。ところが、これは歴史的ないい建築をたくさん、続々残しているというところがあるわけなんです。そこに狭い範囲の、地建なら地建段階における発注者というのは、権限を持っているわけですね。入札制度という一般的な、ことに今度の法律の改正によってもう落札ふだ、それが契約に移行するのじゃなくて、一つのクッションが入るわけです。主観的な判断というものがすべてを支配しているのが今度の法律の改正になるわけです。いいとか悪いとか言ったところが、これはもう、中部地建ではよかったかもしれないけれども、自分の方ではこれはよくない。かつてどこそこの工事でもって、一カ月工期が延びた。これがマイナスの口になる。そうなってくると常に、ことに官僚諸君と言っちゃ言葉が荒いかもしれませんけれども、権力、行政権の上に乗っている人たちのする仕事というものは、やっぱりそれをかさに着るというよりも、かさにかかって相手に見えるということなんです、相手が。そうすると、そこに一番の欠点は感情が入るということ、北海道を入れて九つの発注官庁、発注部署の中でもって、八つは非常に成績がいい、一カ所だけが失敗したということによって、それが指名から除外されるということがあっちゃならぬということを言いたいのです。だから、主観的要素というものが最善のものじゃないということなんですね。ましてや、最近の工事なんというものは、政治家が相当な支配力を持ってやっているのを知っているでしょう。あなたも知っているでしょう。野党の人間にはいません。野党の言うことなんか聞きませんよ。与党の諸君の政治的圧力でもって、どうにでもなるということはあなた知っているはずなんです。まあ知っているとは言えぬでしょうからね。そこで、そういう点を非常に心配するのですよ。  そこで、そういうような感情論とかそういうような別の面の事情でもって、不幸な目にあうということがあってはならぬと思うのです。私は一つの例を知っているのですよ。それは奈良県。奈良県で、知事選挙に、その建設業協会の会長秋田というのが社会党の知事を応援したが落ちた。社会党が落ちた。ところが、その建設業協会の会長は一番実績を持っている人。それが知事が、これは今も続いていますが、初め当選して四年間、一切指名をしない。とうとう、かわいそうに、この人つぶれてしまいました。一年ぐらいでつぶれてしまいました。県庁の仕事でもって今まで自分のうちの仕事をやっておったのが、ああいう狭い区域ですから、山の中ですから、大阪とかどことかへ行かれないわけです。とうとう一年でつぶれちゃった。つぶされた。私は国の場合にはそんなことはないと思う。けれども、えてして選挙にからむとそういう問題が起きてくるおそれが多分にあって、そういうような問題を何とか、どこかでもってはっきりと指名をするという、格付けがされた後に指名をするという、主観的な判断というものをどこかでチェックするようなことにならないものだろうかという考え方をするのですが、どうでしょう。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) お説のような点は一番私どもが研究もし、また財政制度審議会でも議論になったところでございます。抽象的なことを申し上げて恐縮でございますけれども、マドリッドで国際行政学会が開かれましたときにも、国の契約制度としては、恣意が入らない、自動的に落札が決定するという方法というものがなるべく望ましいものであるというようなことを言っております。その意味からいいますと、実は現行の制度で公告が申し込みであり、開札と同時に自動的にきまるということが、恣意が入りません制度としては一番公正を期し得るということでもございます。しかしながら、その点につきましては、御存じのように、いろいろ議論がございましたので、こういう特定の場合にはそれを排除する道を開いたわけでございます。これはあくまでも例外でございまして、そういう場合には慎重な手続を経てやって参りたいというふうに考えているわけでございます。  第二の指名の基準の問題につきましても、たとえば財政制度審議会の席上におきましてもいろいろ議論がございまして、指名基準が確立をされて、公正な指名競争、ほんとうに公正な指名競争というものができるならば、あるいけ指名競争を原則とするという原理も成り立つのではなかろうか。しかしながら、いろいろの議論のあるところでもあるし、むしろたとえば指名願いを出しまして、資格が認定されたような方々の全部の、いわば指名簿に載りました人たちの全部の競争というものも概念的にはあり得るのではなかろうか。あるいはそれを逆に一般競争の面から推し進めてくれば、そういう適当の資格を持った方々の全員の公正な競争ということも考え得るだろう。さらにひいては、指名競争の場合には、その指名基準というものが確立されて、公正な業者の指名ということがでれきば、それは一つの大きな進歩であるというふうな御議論もあったわけでございますが、今度の改正に伴いましての運用にあたりましては、そういうような点につきましても十分考えながら運用をして参りたいというふうに考えているわけでございます。

田中一日本社会党

○委員外議員(田中一君) そういう政治的圧力、公務員の感情的な考え方を排除するために、外部から一人公正な第三者をその場合には一緒にさせる。外部というのは、建設省の場合には国鉄から一人入れるとか、そういう部内の交流ですね。本来なら民間人を入れるのが一番いいと思うのです。これは予定価格というものも作らなければならぬし、いろいろそういう秘密が漏洩するということがあるかと存じますけれども、何か指名をきめる場合にはもう少し独善的な発注者だけの範囲だけできめるのじゃなくて、第三者を入れてきめるというような制度は考えられませんか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 今の問題は非常にむずかしい問題でございまするし、ことに国の契約でございまして、それに伴いまする責任というものも予責法その他で規定がされておるわけでございますし、国の会計手続というものの上にのって参るわけでございます。また、それが契約即行政にもつながる面もございまするし、民間の方をそこに入れて契約の責任者というか、一端を負っていただくという場合には、あまり適さないのじゃないかという感じが実はいたしておるわけでございます。

田中一日本社会党

○委員外議員(田中一君) 契約保証金制度というものは、どういう範囲の、どういう面にそれを使うつもりで考えているのですか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 現在でも契約保証金の制度がございます。この契約保証金の制度自体は実は現在予決令に規定されておりまして、法律論といたしましては、予決令を適当としない、会計法の地位にまで高めるべきだという議論が法律的にはございます。今度の改正は契約保証金に関する規定を会計法まで高めたわけでございます。実際の運用等につきましては、現在の運用をそれほど変えるつもりはございません。ただ、保証金にかわるべき範囲というものが、もう少しこの保証金の制度を活用していただくという意味からいいましても、広げていった方がいいのではなかろうかという感じを持っておりまするので、保証金にかわりますべき確実な有価証券というようなものにつきましては、その範囲を広げたいというふうに考えて努力しております。

田中一日本社会党

○委員外議員(田中一君) 大体、指名するということそのものが保証金以上のものだということなんですね。公開入札の場合にはそういう制度のものが必要かもしらぬが、指名するということになれば、これは保証金以上ということなんです。これは高田君に聞くんだけれども、地建で採用しているか。採用していないだろう。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 現在建設省では契約保証金を取っている例はございません。

田中一日本社会党

○委員外議員(田中一君) そうすると、法文上こういうものを取ったらどうですか、そんなような場合はですね。実態とそぐわないものをあなた方が理論的な立場から、置くということは、おかしいです。それはもう原則論は別ですよ。どうもそういうところに、あなた方がやはり場合によれば開き直って、取るぞといっておどかすようなことがね。もっとも、日本の国民の財政をあずかっている立場にいるから、やむを得ぬ場合もあるかもしれぬが、法律というものは国民のものなんです。あなた方が使うためにあるんじゃないんですよ。一番国民の実態に即したところの、国民の生活を豊かにするためにあるのが法律なんですから、実態にそぐわないものはどんどん改正していけばいいじゃないですか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 現在でも、実は先ほど申しましたように、契約保証金の規定がございまして、指名競争の場合には、お説の通り、指名をしたのだから確実であるという前提のもとに免除をすることができることになっております。従いまして、建設省ではその規定によりまして免除をしているのだと思います。その指名競争の場合において免除ができるということは、この改正をいたしました後におきましても、同じように踏襲をいたすつもりでございます。ただ、指名競争じゃなく、一般競争になるわけでございますけれども、この場合には、個人的に申しますと不信用、不誠実の者が入り得るということもあるわけでございますし、そういうような場合、ここの規定にあります百分の五以上の保証金を納めていただくということになるわけでございます。

田中一日本社会党

○委員外議員(田中一君) 高田参事官には、建設業法の改正のときにもあなたにいろいろ質問したんですが、格付けをどういう形でするかということなんです。これは大蔵省の方では格付けにあたって、君のところはこういう方法、君のところはこういう方法というようなことを各省に対して示さないつもりですか。それとも一定の基準というものを、たとえば建設省の方では、中央建設業審議会にその基準を作らして格付けするといっております。ほかの省庁ではどうですか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 現在でも、御存じのように、建設省が作っておりますが、格付資格審査表というものを各省が活用しております。それを各省実際にあたりましては若干修正をして使っている。文部省でございますと、教室を作るのが非常な上手な業者の方なんかは格付けが上がっているようでございます。そういうわけで、若干の修正をいたしておりますが、各省庁とも、建設省で作っております資格審査表というのは相当活用されているわけでございますし、今後におきましてもそれを活用して参りたいというのが私どもの気持でございまして、ただ、その間におきまして、各省におきまするバランスその他を考えまして、それぞれ今後そういうような資格の基準につきましては、少なくとも、当初は各省から大蔵省に協議を願うという建前にいたしたいと思っておりますので、その際におきましては、建設省ともよく御相談をいたしまして、もちろん各省ともその結果いろいろ話し合いをいたしまして、円滑な運営をはかって参りたいというふうに考えております。

田中一日本社会党

○委員外議員(田中一君) これはやはり入札と関連があるのですが、たとえば前払金保証会社というのができているのですね、前払保証法で。これは当時の、何年前でしたか、六年か、七、八年前の、あの金融がむずかしい時分に作った法律で、だから、国鉄はこれを利用していないのです。これは使われない。前払保証会社が保証しても前渡金を出してくれないということをやっておるのですが、これはやはりそういう措置は、入札価格に相当な違いが出てくるわけですね。片方はそれこそ安い金利で、一銭だったかな、一銭くらいの金利でもって契約金の三割の金が使えるけれども、片方は自分で市中銀行その他でもって資金の調達をしなきゃならぬということになる。これはやはり単価に影響してくるわけですね。こういうような制度も、やはりいい制度は活用することです。それをしないところもあるわけです。そういう点については、大蔵省は何ですか、掛け捨てのものにせよとはいいません、決して。しかしながら、よい制度は活用するようにしなければならぬと思うのですよ。単価は影響あります、どっちみち。どう考えますか、そういう点は。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 国につきましては、御存じのように、予決令におきまして前金払いその他の制度が設けられております。私ども実は直接タッチいたしておりますのは、国の会計制度の問題でございまして、今その前払保証会社を利用していないのは国鉄と東京都ということのようでございますが、これは直接は国の会計制度の中には実は入っておりませんので、これは国鉄につきましては、大体財政法、会計法に準じた制度でもって運営をしていくという建前になっておりまするが、その間、もちろん国鉄の事情に応じまして独自の会計規則を定められることになっておるわけでございます。また、国鉄につきましては、それぞれ、まあ私よく実はその問題につきまして存じておりませんのでございますけれども、国鉄自体の考え方もあるのではないかと思っております。なお、よく研究をいたしまして、国鉄ともよく相談していきたいと思います。

田中一日本社会党

○委員外議員(田中一君) 御承知のように、この数年来、建設業界はもうブームです。もうどんな中途半端な株でも、店頭売買を始めればすぐに十倍、二十倍というふうな値上がりになってくるわけです。その実、内容はよくないのです。結局大業者に集中しているのが現状なんです。これは地方の中小業者の倒産というものはおそろしいものですよ。たくさんある。年間五、六億程度のものは、これは食っていけるんですね。食っていけるものなんですよ、そのくらいやっているなら。ちょっとそれより、まあまあ一億程度の仕事ができるというような業者は、もう倒産です。実に最近激しくなってきているのですよ。何かというと、これは結局指名の問題と金融の問題、もう大業者にはこんなこと心配ありません。手形なんか出す業者は減ってきております。そして仕事はよほどお願いしなければ受けてくれないような現状なんです、今は。そして、一面中小業者はつぶれていく。こういう点を考えると、このやはり指名という問題が、一番大きなこれを左右する問題にならざるを得ないのですね。  で、どうなんです。これはあなたにもこの前から言っているように、いろいろな問題を政令できめようとしている。どれもこれも政令できめようとしている。これは何かあなた方の独善——あなた方の独善というのはおかしいけれども、大蔵省は全然実際のこと知らぬですよ、あなたの方は。基本的な一つの政令をきめるのでしょうと思うのですよ。各省は各省の慣行によるところの独自なものをきめて出されるのでしょうが、もう少しこれを国民の前に出して政令案というものをきめるというような考え方はありませんか。どうも最近の、この所得倍増計画の政府の発表以来というものは、何かしらん、皆こうやっていれば、今に自分も楽になるのだというような錯覚に陥っているのです。あなた方自身だってそういうことがあるのじゃないかと思うのです。そのふわふわした景気のよさというものが、町に流れている。こういう、今度初めて——私はもうずいぶん大蔵省に対しても促進方を要請したものでありましたけれども、その時代には、もう六、七年前の話なんですよ、こういう好景気の波のない。これは建設界は好景気ですよ、今は。波のない時分の問題で、いわゆる金融的な潤滑油としてのダンピングですね、過当競争というものが行なわれている時代に、質をよくしなきゃならぬという考え方から、ローア・リミットという方法を強要しておったのです。今は逆な現象になってきているのです。今度は逆な現象になりながら、単価の問題は、御承知のように、三十五年度据置の単価の予算を組んでいるのですね。これはまあ法規課長に言ってもしょうがないけれども、これは宮崎君あたりに常に文句言っているのだよ。いい仕事できっこありませんよ、契約の問題じゃなくて。  そこで、そういう点を一つ皆が納得するような形の政令にしてほしいと思うのでね。おそらく、あなたの方でどういうものを出すか、おそらくは建設省の方でも言い分があると思うのだが、言い分は言えないような立場にあるのじゃないかと思うのですよ。建設業者そのものは建設省が持っておりますけれども、何といっても、それは各省各省の発注者が持つ発注の権利、発注者の、契約の相手方の権利ですからね、こいつは。名前は全部、国民の利益を守るのだということになりますから、もうだれもものは言えるものじゃないのです。これは政令全部、いつごろまでに出すつもりでおるのです。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 政令にだいぶ委任があるという御指摘でございまするけれども、どうも会計法の性質から申しまして、手続規定が非常に多うございまして、従いまして、予決令で今までも相当の手続規定を欠いておりまする関係もありまするし、また今まで予決令でありましたものをここにあげたものも多いわけでございます。そういうような意味で、政令で手続規定を相当書かざるを得ない法律の性質もございまして、政令が多いわけでございますから、先ほども実はその政令を含めましたところの要綱をお配りいたしたわけでございますけれども、大体このお配りいたしました要綱は、財政制度審議会でも御議論をいただきましたそのものでございまして、それにあたりましては、実は建設省の方も委員の中の一人に加わっていただいて議論を願ったわけでございます。今後この要綱に基づきまして政令を立案して参りますときには、建設省はもちろんのこと、各省各庁、実際の衝に当たる各省各庁とも、全官庁と御相談をして作って参るわけでございまして、その意味におきまして、各省各庁の御意見を十分承りまして検討して参りたい。ただ、それにつきましては相当の時間が要るかと思っておりますが、もちろん、この法律を成立さしていただきますれば、できるだけすみやかに政令を出し、施行をいたしていきたいというふうに考えております。

田中一日本社会党

○委員外議員(田中一君) そうしますと、大体会計法二十九条をもう少し、予算決算会計令のある部分を織り込んで一つの契約という形のものにまとめた、そうして一般公開入札の原則というものはこれはくずしておらないと、しかしながら実態に応じた方法で、いわゆる指名入札制度あるいは随意契約等によって従来通りの方法で取りきめる、という以上の何ものもないというふうに理解していいのですか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) その何ものでもないという、前のところまではその通りでございますが、もちろん今までの制度の改善をはかっているわけでございますし、それからまた制度の改善と申しましても、現在の契約制度自体は明治以来行なわれて参りました慣行のもとに築かれた制度でございまするので、一挙にこれをどうのこうのというわけにもなかなか参りませんわけでございます。さりとてまた、現在の制度がそれで完璧であるとも言いがたい点があるわけでございます。徐々に改善すべきものは直していくという必要もあるかと思います。  で、契約方式の問題は、今申しましたようなことでございまするが、あるいは落札方式のところにつきましては、これは明治会計制度以来のある意味では大改革と申しますか、公告を契約の申し込みの誘引に改めまして、それによって二番札以下に落とし得る道を開きました。あるいは検査、監督の規定を明定いたしまして、この履行の確保をはかるというようなところも、これは制度といたしましては、従来の制度になかったといいますか、もちろん検査、監督をやっておったわけでございますが、予決令では非常に簡単な規定しかなかったものを整備さしたというような点、そのほかいろいろ学説とか判例とかで予決令時代に問題になりました規定の整備をいたしておるようなところとか、そういうような意味におきまして、実体的にはそう大した問題ではないではないかというあれもございましょうが、私どもの意味ではそういうような意味で契約制度自体を相当整備したものであるというふうに考えているわけであります。

田中一日本社会党

○委員外議員(田中一君) あと、この次いつですか。

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) この次は十九日、参考人……。

田中一日本社会党

○委員外議員(田中一君) 十九日に参考人が来るそうですから、参考人に質問しながら、もう一ぺん伺います。

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) 速記をやめて。   〔速記中止〕

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) 速記をつけて。  お諮りいたします。武藤君より委員外発言を求められておりますが、これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないと認めます。武藤君。

武藤常介自由民主党

○委員外議員(武藤常介君) おそく参りまして相済みません。私は建設委員の方をやっているものですから、この入札には関係が深いものですから、一、二お伺いいたしたいと思うのであります。  先年この問題が出まして、予定線を引いてそれの範囲内でないと落札しないと、こういう問題がだいぶ持ち上がったのでございますが、その当時、私は外国の大体例なんかもずいぶん調べまして、ローア・リミットの弊害というものを指摘いたしまして、パンフレットを出したことがあるのでありますが、なるほど工事を完全にやるにはこの方法がいいとは私は思うのでありますが、これには非常な弊害が私はあると思うのであります。つまり、ややもすれば、これが種々なる方面に展開いたしまして、汚職的な問題も相当起こってくる。また官庁工事ならば、官庁に接近しない者はこれに対して非常な不利益をこうむる、こういうふうなことがありまして、こういうことをやることは、私は長年の国の会計法に、ここにきてこういう特例を作るということは、国の将来に対して私は非常な汚点を残すようになりはしないか、かように存ずるのでありますが、これに対しましてお伺いをいたしたいと思います。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) お説の点は、非常にごもっともでございまして、私どももその点につきましては、特に研究をいたしましたわけでございます。ことに先ほど申し上げましたように、ローア・リミット制度そのものは、各国にもそういう例はございませんし、またローア・リミット制度そのものにつきましては、都道府県等において行なっておりますけれども、今御指摘のような汚職事件その他が起こりましたためにやめた都道府県もあるわけでございます。従いまして、国の契約制度につきましては、先ほども申しました国際行政学会などにおきましても、できるだけ自動的に公正に落札者が決定される方法が望ましいわけでありますが、また考えてみますると、非常に値段が低いために、どう考えてもその値段では公正に国の契約を履行していただけない、あるいは手抜きをするとか投げ出すというような場合には、あえて今の制度のまま契約をいたしまして工事を進めて参りますときに、どうも不測の損害を招くことがあるという議論もまたうなずけるところでございますので、財政制度審議会におきましてもずいぶん議論があったところでございますけれども、そういうような一律のローア・リミットの制度は適当ではないけれども、今申しましたような事態に対処するために、国の会計制度自体に備えがないということも不適当であろうということで、こういうような道を開いたわけでございます。ただ、この運用にあたりましては、今御指摘がございましたような懸念もございまするので、それをやって参ります場合には、一定の手続を経ましてこの規定を運用していく。また、たとえば外国におきましても、こういうような制度が開かれております例がありますが、そういう場合には、たとえば会計検査院その他にも通知をし、即日その批判を仰ぐという制度も作っている国が多いわけでございますが、それに準じました手続を課しまして、この規定の取り扱いにつきましては慎重を期して参りたいというふうに考えているわけでございます。

武藤常介自由民主党

○委員外議員(武藤常介君) ただいまの御答弁でございますが、一体この入札というものは、選挙か何かのように全く経済的見地を忘れて、ダンピングをやるものではないのであります。ちょうど一昨年ですか、一昨々年ですか、宮中の造営の問題につきまして特殊な問題ができたことは私も承知いたしておりますが、ああいう例は全く少ないのでありまして、これは全く特別な場合でありますので、現在の制度においても政府はこれに対処することは私はできると思うのであります。それよりもむしろ毎日行なわれるところの入札等におきましても、こういう制度は、これは要訳すればやはりローア・リミットに通ずるものでありまして、弊害が非常に私は多い。大体において大業者はこういうことを非常に喜んでおりますが、小業者というものは、一般にこういう線を引かれたのでは、小業者が将来進んでいく道がない、こういうことで非常にこれに対しては小業者は反対をしておるのでありますが、こういう制度はやはり政府でもよほど考えて、国の財政を乱すような基礎を作るならば、またあるいは汚職あるいは綱紀を紊乱するような問題が相当生じて参ると思うのでありますが、こういう点についてどうかいま一応私は御考慮の必要があると思うのでありますが、重ねてお伺いいたします。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) やはり同じことになるかもしれませんが、今の御指摘の点、重々私どもも心配をいたしておるところでございますし、この運営にあたりましては十分配慮をいたして参りたいと思っております。このただし書き以降の規定によりまして二番入札以下に落ちるような場合におきましては、私どもとしては例外的な措置であるというふうに考えておりますので、それほどひんぱんに使われるものとは思っておらないわけでございます。この点につきましてもいろいろと議論を財政制度審議会等におきましてもしていただきました結論としましては、また論理的なあるいはあれであるかもしれませんけれども、ここに申し述べておりますような事態があり得るであろう、そういう場合に国の会計制度自体として備えがないということは、やはり制度の手ぎわからいえば整備をすべき問題であるというような御議論でございましたので、私どもはこういうような規定を設けることにいたして審議をお願いをしておるわけでございまして、ただ、この運用につきましては、御指摘のような点は重々よく注意いたして運用して参りたいというふうに考えておるわけであります。

武藤常介自由民主党

○委員外議員(武藤常介君) 大体わかりましたが、まあ特例としてそういうものを設けておく必要はあろうと思いますが、一般的にこういうふうに、たとえば不適当と認める場合とか、あるいは公正な取引の秩序を乱すというふうな条件で、このたとえば入札の内容を検討するときに、甲の者はこれは適正である、乙の者は適正でないと見るような場合が相当起こるでありましょう。たとえば建築の入札にしても、物の価格というものは大体きまっておりますけれども、やはりその人の取引、その人の入札の方法等によりまして、相当の価格の差もあるし、またその人の技術によりまして相当の差が生じて参ります。また労賃等の支払い方法によりましても相当違いがありますので、これらをただ書類の上から見て、簡単に一括して適当であるないというようなことになるというと、一体どれを適当とし、どれを不適当とするか、きわめて判定が困難な場合が相当あろうと思うのであります。こういうことになりますというと、結局それを判定する側において種々なる将来いまわしい問題が起こるのではないか、かように私は心配して、実は先般法案をちょうだいいたしたものですから、きょうは念のために一つ皆さん方にいま御一考を願いたい、かように存じまして、お伺いをしたわけでありますが、同じ答弁でしょうが、もう一度。どうですか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 繰り返すことになりまして恐縮でございますが、その問題につきましては前からいろいろ議論がありましたところでございますし、むしろ経過的に申しますと、御存じの通りに、こういうローア・リミット制自体を作ったらどうかという実は議員提案の立法もございます。それにつきましては、政府といたしましては、今御指摘のございましたような趣旨から、むしろ賛成いたしかねるということを申し上げたわけでございます。しかしながらローア・リミット制自体は今申しましたような理由で賛成いたしかねるわけでございまするが、観点を変えまして、その価格が非常に低いというようなことで適正な履行がなされない、かえってそのために国にとって不利益となるということがはっきりしている場合でも、現在の会計法によりますると、そのものと自動的に契約が締結されることになるわけでございまして、そういうような制度自体がおかしいのではないか、そこを合理的な範囲内において二番札に落とし得る道を開くのが適当ではないかという御意見もごもっともであるかと私ども考えたわけでございまして、いろいろ迷いました結果、財政制度審議会にもお諮りをいたしました結果、結論といたしましてこういう案ができましたのでございますので、私どもも適当と考えまして、御審議をお願いするに至ったわけでございます。もちろん、御指摘のような点につきましては、十分注意しなければならない点であると私どもは今思っております。運用につきましては十分慎重に運用し、かつまたその手続につきましても、先ほど申し上げましたように、一定の加重された条件のもとに運営をして参りたいというふうに考えているわけでございます。

大竹平八郎参議院同志会

○委員長(大竹平八郎君) 本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十二分散会    ————・————

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