大蔵委員会 第19号
- 発言数
- 85 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1961/03/31
会議録
○委員長(大竹平八郎君) ただいまから委員会を開きます。 まず、法人税法の一部を改正する法律案、所得税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案(閣法第二四号)、以上三法律案を議題といたします。 質疑のある方は御発言願います。−別に御発言もなければ、これにて三法律案に対する質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認めます。 これより三法律案の討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
○荒木正三郎君 ただいま議題になっております法人税法の一部を改正する法律案、所得税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案、この三案に対しまして、社会党を代表いたしまして反対の意見を申し述べたいと思います。 池田内閣は、三十六年度予算において、減税問題、社会保障問題、公共投資の問題、これを重点施策として内外に明らかにしたのであります。今論議されている減税問題は、池田内閣の重点施策の最も重要な一つの政策であります。しかるに、本法案を通じまして検討いたしました結果、第一に指摘しなければならぬ点は、公約を完全に実施していないという点であります。過般の総選挙を通じて、いわゆる池田内閣並びに自民党は、千二百億円の大幅減税を国民に約束をいたしたのであります。しかし、今度の法案を検討をいたしますと、結局、ガソリン税の増徴等を差し引きますと、三十六年度において六百二十二億、これを平年度に直しましても七百五十六億円の減税にすぎないのであります。これは明らかに千二百億減税の公約を無視したものといわざるを得ないのであります。 さらに、三十五年度は、経済の成長に伴いまして、税の自然増収が四千百億円をこえておるのであります。また、三十六年度の自然増収におきましても、三千九百億円が見込まれるのであります。この二年間の自然増収は少なくとも八千億円に達すると思われます。こういうような自然増収があるのにもかかわらず、そのわずか一割にも足らない六百二十二億円でこれを糊塗しよう、そういう態度は、われわれとしては承服しがたいのであります。また、これは明らかに公約違反であり、国民を欺瞞するものである、かように考えるのであります。 それから、税の内容の問題でございますが、われわれ社会党は、税制の改正にあたりましては次の三点を最も重視し、これを強く主張してきたのであります。その第一点は、生計費に課税をしてはならない。 第二点は、租税特別措置で大資本並びに高額所得者に不当な擁護をしてはならないという点であります。第三点は、酒、たばこ、砂糖等の重税で大衆収奪をしてはならない、こういう基本的な考えを持っておるのであります。 こういう立場から今度の減税内容をしさいに検討をいたしますと、第一の、生計費に課税をしてはならない、こういう立場から今度の所得税の減税内容を見ますると、明らかに生活費に食い込むような部面にまで課税をしておるということが言い得ると思うのであります。すなわち、総理府の調査によりますと、昨年十月の全国都市の消費調査によりますと、五人家族で一カ月の生計費が約三万五千円と出ておるのであります。昨年の十月以来、物価が相当値上がりをいたしておりますので、それを三%、それから不時の病気等のための支出、そのことを考えて約四%と見ますと、大体一カ月の標準世帯五人家族の生活費は、年収にいたしまして、年額にいたしまして四十五万円、これが最低の生活費である、かように考えられるのであります。そういたしますと、今度の政府の課税限度は標準世帯で三十九万円になっております。これは従来の三十二万七千円に比べまして、六万三千円の引き上げになっております。この点は認めます。認めますけれども、なお三十九万円では生活費に食い込んでおるという点を、私どもは了承することができないのであります。従って、総理府統計の示すごとく、少なくとも課税の最低限度を四十五万円までに引き上げる必要があるというふうに考えるのであります。そういう点から考えて、生計費に課税しないというわれわれの考えが、今度の減税案においては実現しておらないという点に、非常な不満を持つものであります。 次に、第二点の問題として、いわゆる大資本と高額所得者を擁護する租税特別措置法の問題でございますが、これは三十五年度当初予算において千四百七億円の減税措置が見込まれておったのであります。その後、自然増収等で約四百億円、地方税の自動的減税で約四百億円、昭和三十五年度において計約二千三百億円の減税優遇措置がこの法律によって行なわれてきた、かように考えるのであります。これは税の公平な負担、適正な負担という見地から見まして、こういう大資本に対する課税の恩典、これは従来問題になってきておったところであります。しかるに、政府提案では、三十六年度においてはわずかに百十八億円を整理したということにとどまっておるのであります。私どもは、この租税特別措置法については、英断をもって大きな整理統合を行なう必要があると考えております。そういう点から、今回の処置はまことに微温的であり、とうてい了承しがたいものであります。 次に申し上げたい点は、所得税をかける水準に達しない低額所得階層に対する税制上の配慮が全然ないということであります。言いかえていうならば、間接税に対する改正というものが全然行なわれていないということは私どもとしては了承しがたいのであります。間接税の中でも、最も大衆的な生活に密着していると思われる酒、たばこ、砂糖、これは非常な重税が課せられておるのであります。このことはとりもなおさず大衆収奪であり、大衆の生活を非常に苦しめておるのであります。今日減税問題を考える場合、どうしてもこの大衆課税である酒、たばこ、砂糖の減税をすることが最も重要な問題であると思うのであります。政府はこれを来年度以降において考慮すると言っておりますが、そういうのん気な性質のものではないと思うのであります。酒税において二千七百四十二億円、砂糖税において七百六十六億円、たばこの税において二千百十七億、この数字を合計いたしましても、昭和三十六年度において約五千六百二十五億円の税収を見込んでおる。これが大衆に負担されておるのであります。今度の減税措置の恩典に浴さない国民の七〇%近い大衆は、この間接税の重圧に苦しんでおる。こういう実態をそのまま放置するということは、私どもとしては了解に苦しむところであります。少なくとも政府はこの大衆課税である酒、たばこ、砂糖の重税を緩和するという措置をすみやかにとるべきであるというふうに考えておるのであります。最近、国民の生活は、鉄道運賃の値上げ等一連の公共料金の値上げによりまして、非常に苦しくなっておるのであります。今回六百二十二億円の減税をしたと言いますけれども、公共料金の値上げによってこうむる国民の負担はそれを越えているのであります。全く相殺されてしまったのであります。 こういうふうに考えますと、今度の減税案は国民の期待に著しく反するものである。また国民の生活の不安を解消するものではない。そして一方では大資本、高額所得者を擁護する、そういう考え方が依然として残っておる。こういう点を考えますときに、私どもはこの税法三案に対して賛成することができないのであります。私は、反対意見を述べ、今後大衆課税である間接税に対して早急にその改善の措置を講ずることを要望いたしまして、反対討論を終わります。
○須藤五郎君 私は、日本共産党を代表しまして、ただいま上程されております三案に対しまして反対の意見を申し述べたいと存じます。 池田内閣は、一千億円減税をやると言い、さらには来年度から中央地方を通ずる税法の根本的改正をやるということを表看板にしておりますが、その一千億減税の内容を見ますると、実質的には主として大独占資本のための政策であり、労働者、農民、中小業者その他低所得者への減税は雀の涙ほどで、全くごまかしにすぎません。 租税特別措置法の改正案には、大独占企業のための配当課税の特例措置、価格変動準備金、輸出所得控除、交際費、利子所得等に対する特別措置を残し、配当課税を引き下げて、大独占資本に対する優遇をしているだけでなく、さらに新たに技術の振興及び設備の近代化、産業助成等の名によりまして、大独占企業のための減税を行なっております。その一方、農民の供出米についての特別措置とか、お医者さんの社会保険診療に対する特別措置はこれを廃止しようとしておるのであります。中小企業にも一見恩恵を与えるかに見せかけ、実は大独占資本の利益擁護に終始している。これが租税特別措置法の実体であります。 法人税法の改正案では、法人の形をとっている中小企業に対しても若干の減税措置が講ぜられているかのように見えますが、これは全くの欺瞞であり、経済発展の実情に合わず、中小業者の要求とはきわめて大きな隔たりがあるのであります。中小企業法人は大部分はいわゆる同族会社であります。政府は従来、この同族会社を個人企業と見なして、その内部留保を非常に苛酷な税率で収奪し、中小企業の資本の蓄積を圧迫し、事業の発展を阻害してきました。その中小企業に対する今回の法人税の改正は、政府のそのような苛酷な税収奪に反対している中小業者の要求、すなわち法人税率を年所得二百万円以下二〇%にせよ、内部留保に対する課税の廃止等の要求を全く無視したものであります。 所得税法の改正では、個人の中小業者に対して専従者控除をやっとしかもごくわずか認めざるを得なくなっているが、百貨店その他の大資本に圧迫され、独占の集中系列化のしわ寄せをますます強化されている中小業者の要求、すなわち、基礎控除、配遇者控除などの大幅引き上げ、青色申告者の専従者控除を二十才以下九万円、二十才以上十二万円とすること、白色申告者の専従者控除を無条件七万円とすること、扶養控除、配遇者控除、専従者控除の重複控除を認めることという、このささやかな要求すらもいれようとはいたしておりません。労働者の勤労所得税に至っては、戦時中の税収奪の手段であった源泉徴収をますます強化しながら、わずかの控除と税率の緩和でお茶を濁そうとしております。そもそも源泉徴収は、私がさきの大蔵委員会の質疑の中で明確に指摘したように、憲法、財政法、会計法、所得税法に違反し、労働者の基本権、すなわち賃金は通貨で直接労働者にその全額を支払わねばならぬと規定した労働基準法二十四条をまっこうからじゅうりんするものであります。大蔵大臣は源泉徴収は国民から歓迎されていると述べられておりますが、総評はこれに反対し、違憲の訴訟を提起しておるではありませんか。特に労働者にも当然認められるべき必要経費の控除が全くなされていないのであります。労働者の場合、交通費、被服費、部屋代、飲食費、子弟の教育費等は当然必要経費として認められるべきものであります。政府は基礎控除の中にこれらの費用は含まれていると答えておられますが、基礎控除はあくまでも必要経費ではありません。政府は当然労働者の必要経費を認めるべきであります。私は大蔵委員会において法に違反した源泉徴収を即刻やめるべきであると主張しましたが、これに対しまして大蔵大臣は、もしもこれが法に違反するならば法改正をしても源泉徴収をやめる意思はない旨答えておられます。これは全くあきれ果てた反人民的な態度と言わなければなりません。同時に、この言葉は政府は憲法違反、法違反をさらに重ね、拡大しようとしていることを示すもので、全く許すことのできない放言と言わなければなりません。 政府は、さきの総選挙に際して千二百億の減税をわめき立てました。しかし、あけてくやしき玉手箱、その中身は総額六百三十億にすぎませんでした。税率においてごくわずか下げられたが、それ以上に物価が上がってしまいました。しかも、このごくわずかの税率引き下げの恩恵にもあずかれない多数の低所得者のあることを忘れてはなりません。それでは、この低所得者は税を払っていないのだろうか。とんでもないことであります。しょうちゅう一ぱい飲んでも、その四割は税であります。一箱四十円の新生を買えば、その八割、二十七円が税であります。全く政府のやり方はローマのみつぎ取り以上のものであると言わなければなりません。間接税は天下の悪税であります。一日も早くこれを撤廃しなければなりません。 以上述べました理由によりまして、日本共産党はこれら三案に対しまして断固反対をするものであります。
○委員長(大竹平八郎君) 他に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認めます。 これより採決に入ります。 まず、法人税法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大竹平八郎君) 多数でございます。よって、本案は多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 次に、所得税法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大竹平八郎君) 多数でございます。よって、本案は多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案(閣法第二四号)を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大竹平八郎君) 多数でございます。よって、本案は多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 ただいま本会議におきまして炭鉱災害防止に関する決議案が上程されておりますので、その間委員会を休憩いたします。 午前十一時四分休憩 ————・———— 午後零時二十六分開会
○委員長(大竹平八郎君)休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。 物品税法等の一部を改正する法律案を議題に供します。 御質疑のある方は御発言願います。——別に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認めます。 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。−別に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認めます。 これより採決に入ります。物品税法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を衆議院送付案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大竹平八郎君) 多数でございます。よって、本案は多数をもって衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大竹平八郎君) 速記をつけて。 ——————————
○委員長(大竹平八郎君) 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案(閣法第一三八号)を議題に供します。 質疑のある方は御発言を願います。——別に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認めます。 これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。なお、修正意見のある方は討論中にお述べを願います。
○上林忠次君 ただいま議題となっております法律案に対しまして、自由民主党を代表いたしまして賛成いたします。 この法案につきまして、修正案を提出いたします。修正案はお手元に配付されておりますので、朗読を省略いたしまして、修正の理由を御説明申し上げますと、まず低開発地域工業開発促進法案、次に鉱工業技術研究組合法案、その次が農業協同組合合併助成法案、右の三法案は成立していないのでありますが、議題になっております措置法案の施行期日は四月一日であります。このため措置法案のうち未成立の三法律案と関係する部分はこの三法案が成立して施行される日から施行されることとする等の修正をしようとするものであります。御賛成をお願い申し上げます。
○委員長(大竹平八郎君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者仰り〕
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認めます。 これより租税特別措置法の一部を改正する法律案(閣法第一三八号)の採決に入ります。 まず、討論中にありました上林君提出の修正案を問題に供します。上林君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大竹平八郎君) 多数でございます。よって、上林君提出の修正案は可決されました。 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大竹平八郎君) 多数でございます。よって、本案は多数をもって修正すべきものと議決せられました。 なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。
○委員長(大竹平八郎君) 次に、郵便貯金特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。 ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(大竹平八郎君) 速記をつけて。 質疑がある方は御発言願います。——別に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認めます。 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
○須藤五郎君 私は、党を代表しまして、この法案に反対をいたします。 第一、郵便貯金などというものは大衆がごくわずかな金を貯蓄するものです。その貯金の利子をまず第一に引き下げるなどということは、私はなすべきことじゃないと思います。その証拠に、引き下げが決定するや引き出しがどんどんふえまして、最近の記録によりますと、利子引き下げ決定以来、預けられた金が十七億に対しまして引き出しが七十億と、こういうことになりまして、資金運用部資金に大きな脅威を与えておるということになっております。第一、こういう結果から、今後貯金局の労働者に対しまして無理な預金集めをさせたり、合理化の名によって首切りを来たすというような結果が招来されはしないか、私たちは大きな危惧の念を持っておるものでありまして、こういう立場から、私たちはこの法案に反対をいたすものであります。
○委員長(大竹平八郎君) 他に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないと認めます。 これより採決に入ります。郵便貯金特別会計法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大竹平八郎君) 多数でございます。よって、本案は多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。 暫時休憩いたします。 午後零時四十九分休憩 ————・———— 午後四時四十五分開会
○委員長(大竹平八郎君) ただいまから委員会を再開いたします。 沖繩における模範農場に必要な物品及び本邦と沖繩との間の電気通信に必要な電気通信設備の譲与に関する法律案を議題といたします。 質疑のある方は御発言願います。 なお、政府側よりは藤枝総理府総務長官、大竹特別地域連絡局長、それから郵政省より岩元電気通信監理官、電電公社より平山施設局長が出席をいたしております。
○荒木正三郎君 この沖繩の経済事情並びに沖繩の人たちの生活事情、こういうものについては私ども非常に関心を持っておるわけです。特に、ああいう軍事基地下に置かれて、しかも資源の乏しい小さい島で、非常に困難な生活をしておるというふうに考えておるわけであります。そういう意味で、沖繩に対する援助、これは私ども双手をあげて賛成をするわけですが、若干沖繩の事情について説明をしてもらいたいと思うのですが、沖繩における食糧の需給状況ですね、どういうふうになっているのか、概略説明をいただきたいと思います。
○政府委員(大竹民陟君) このたびお願いしてございます法案の第一条関係が農業に関係いたすものでございますが、沖繩におきましては、御承知のように、戦前におきましても食糧の自給度ということは非常に低かったわけでございます。土地が狭い、十分な耕地もないというふうな関係でございます。その同じ関係は今日まで依然として引き続いておりまして、主食におきまして大体今日自給度が、年によって異なると思いますが、ほぼ四〇%程度の自給度、残りの六割は海外から毎年輸入をいたしておる、こういうふうな状況であります。
○荒木正三郎君 沖繩の耕地面積ですね、それから農家一人当たりの耕作面積、どういうふうになっているのか、そういう点を。
○政府委員(大竹民陟君) 戦前の状況は、大体六万町歩と記憶いたしております。今日は、戦後非常に一時減った時代がございます。農地が荒廃したときがございますが、その後漸次回復して参りまして、ほぼ四万五千町歩ほどというふうに見ております。農家一戸当たりの耕作反別、これも昔から非常に零細でございまして、大体六反半くらいでございまして、今日農家の数は依然として減っておりません。耕作反別はますます狭くなりまして、四反五畝——四反七畝程度の耕作反別になっておる、こういうことであります。
○荒木正三郎君 私は開拓の余地というものが非常に少ないのではないかと思うのですが、将来開拓の余地があるのかどうか。開拓の余地がないと、農業に依存するということが非常に困難な事情にあるんじゃないかと思うのですが、まあ軍用地として相当な面積が接収されたというような点から、将来耕地面積を広げるということは非常に困難な事情にあるのではないかと思うのですが、そういう点はどういうふうになっておりますか。
○政府委員(大竹民陟君) 私も、実はその点、詳細に申し上げる資料を持ち合わせておりません。軍用地に相当の面積を取られておりますことは事実でございまして、終戦以来大体三万町歩台に減っておりましたものが、今日四万五千町歩程度に増加いたして参りましたけれども、御案内のように、非常に土地の条件の悪いところでございまして、目下表島でございますとか、あるいは宮古方面でございますとか、こういう方面におきまして主として新しい農地を開拓していくという努力が続けられております。これができますならばどの程度のものが広がるということは、数字的にはよく存じておりません。その方面に対しまして努力が払われておるという事情を承知をいたしておるわけであります。 おな、農業によって生活を維持できるかということでございます。先ほど申しましたように、一戸当たりの耕作反別が非常にわずかでございまして、一町歩以上を耕作しておる農家というのは非常に数が少ない状況になっております。おしなべまして、沖繩におきましては、農業と同時に他の職業も営みまして、それによって家計を維持しておるというふうな格好になっておるわけでございます。しかしながら、さらに農業を振興するという道は残されておるわけでございまして、特に農業技術の改良によりまして収穫高をふやしていく、またこれによって所得をふやしていく、こういう余地はまだ相当に多いと。先般実は農林省からも何人か派遣して、よく現地の事情を調査をいたしてもらいました。こういう専門家の意見によりましても、さらに相当改善の余地があるものである、かように承知をいたしております。
○荒木正三郎君 現在平坦地ですね、いわゆる耕地として利用できるような土地、そういうところで軍用地として接収されている面積はどれぐらいに及んでおりますか。
○政府委員(大竹民陟君) 軍用地が非常に多いことは事実でございまして、しかも、それが沖繩本島の中部から北部にかけまして相当の面積をとっておる。先ほど申しました八重山、宮古、あるいは西表、こういう方面にはほとんどそういうものはないようでございます。少し古い資料でございますが、軍用地問題がやかましかった時分の資料でございます。軍用地の面積といたしまして大体一万七千町歩程度、かように考えております。これはしかし農耕地だけでなくて、山林その他すべてを含んだ面積でございます。
○荒木正三郎君 今度模範農場を建設する、日本が積極的に援助をするについて、これは非常に私はよい計画だと思うのですが、さらに進んで、総務長官が出席しておられますから、どうですか、沖繩と日本との関係を文化面、それから経済同等との関係を、もう少し密接にするような工合にアメリカと交渉できないものかどうか。まあ施政権を日本に渡してもらいたい、こういう要求がまあ前からあるわけです。しかし、なかなかこれがいかない場合でも、施政権全般といわないまでも、いわゆる文化的な面あるいは経済的な面、そういう面について日本ともっと密接な関係、いわゆる日本内地と変わらないような関係を作っていく、そういうことについてアメリカ側との折衝をして希望がないのかどうか。私は、沖繩というのはおそらく力を入れなければいけませんが、力を入れてもなかなか容易でないというふうに考えます。そういう意味で、そういう点のアメリカとの折衝、こういう点については希望があるのかどうかですね、あるいは政府に何か考えがあればおっしゃっていただきたい。
○政府委員(藤枝泉介君) 現在におきましてアメリカが施政権を持っておりまして、従いまして、沖繩住民の福祉の向上、文化面の向上、あるいは経済の向上というようなことについては、アメリカ自体が相当な関心を持ち、また力を入れておりますが、しかしながら、何と申しましても、いわゆる潜在主権と申しますか、日本国民なんでございまして、そういう面では実はここ数年来経済的な援助、すなわち技術の援助、その他あるいは教育面におきましてもやって参りました。あるいは無医村における医療医師の派遣というようなことも、日本政府がやって参ったわけでございます。結局は、ただいま御指摘のような点につきましては、沖繩と日本内地間のあらゆる面の交流を盛んにする、従ってこちらからもいろいろ指導面あるいは資本的な面におきましても参りますし、また沖繩の人たちに内地に来てもらいまして、技術の面や文化の面におきましていろいろ内地の水準の高いところを学んでいただくというような必要があります。 最近におきましては、沖繩へ渡航する数も非常に多くなりましたし、また沖繩から内地へ参る数も非常に多くなっております。しかしながら、まだ決してほんとうの意味において円滑だとは言えません。そういう面につきましては、将来とも日米間の折衝によりましてその交流がさらに拡大して、そうしてその結果が沖繩住民の生活の向上や経済の発展のために役立つようにして参りたい、またそういう希望は十分持てるものと考えております。
○委員長(大竹平八郎君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大竹平八郎君) 速記をつけて。 委員長からお尋ねをいたしたいのですが、これは郵政省関係と思うのですが、最近沖繩に沖繩テレビができて、それからラジオは前より相当盛んにやっておられるのですが、こういうテレビあるいはラジオ等に対して直接の監督と申しますか、そういう点は米国自身がやっておるのですか、あるいは自主的に琉球政府にまかしているのですか。
○政府委員(大竹民陟君) いずれも、テレビ、ラジオともに民間の企業でございます。内地におきまして、それぞれ電波の関係あるいはその他で、政府の監督その他の関係があると思いますが、沖繩におきましてもほぼ同様な状態でございまして、特にアメリカ側が番組の編成を指図する、こういうふうな関係は今日行なわれておらないと思います。
○委員長(大竹平八郎君) 普及率は、テレビ、ラジオはどういうような程度ですか。
○政府委員(大竹民陟君) ラジオの方を申し上げますと、大体十九万戸ぐらいの総戸数に対しまして七五%程度の戸数に普及をいたしております。それから、テレビの方は、一昨年の終わりに初めて民間放送局ができまして、昨年の中ごろ第二番目の放送局ができまして、今日まで一年余りを経過したばかりでございますが、大体一万台程度の普及率でございます。これを二年後には大体三万程度に普及する見込みである、かように承知をいたしております。
○委員長(大竹平八郎君) 今度の電気通信の施設によって、日本側からのなまのテレビというものは向こうで映写されるようなことにはならないのですか。
○政府委員(岩元巖君) お話の通り、この施設が三十七年度末に完成いたしますと、内地からのなまのテレビ中継というものが可能になるわけでございます。
○須藤五郎君 私も二、三聞きたいと思うのですが、この農業に対する、模範農場に対する援助ですね、これは費用にして総額どのくらいな費用になるのですか。
○政府委員(大竹民陟君) 初年度予算に計上いたしましてお願いしてあります分が千三百万円、その下に数字がつきますが、大体千三百万円、別に沖繩側の負担があるわけでございますが、本土側政府といたしましては千三百万円。これは一年だけでは十分な効果が期待し得ない性質のものでございますので、ただいまの考えでは、大体五年程度継続して援助をする必要があるというふうに考えておりますが、二年度以降の経費の状況につきましては、はっきりした確定したものはございません。大体、そのときの農場の経営の状態を見まして、援助を続けていくという考えでおるわけであります。
○須藤五郎君 アメリカが行政権を持っておるのだから、アメリカも相当私は援助をしておるはずだと思うのです。なお、日本からこういう援助をしなければならないような条件がほんとうにあるのか、するならば、援助を一体どの程度のものをアメリカはしておるのか、その点をお聞きいたしたい。
○政府委員(藤枝泉介君) 先ほど荒木先生にもお答えいたしたのでございますが、もちろん、施政権を持っておるアメリカが直接沖繩住民の福祉の向上や経済の発展のための支出をすべきであり、また支出しておるわけでございます。大体、一九六一年度で、これは全体でございますけれども、この模範農場だけではございませんけれども、千三百四十万ドルくらいの支出をいたしております、いろいろ項目ございますけれども。 それで、模範農場についてなぜ日本がこういう援助をするかということでございますが、これはやはり沖繩の農業については、アメリカ式の農業でなくて、日本の内地の発達した農業を持っていって、それを導入してやるということが一番必要であるというような観点に立ちまして、日本式の沖繩に適するような農機具でありますとか、家畜でありますとかをこの模範農場に譲与いたしまして、しかも日本の技術者も参りまして、沖繩の農業の発展に資したいというふうな観点から、これをいたしたわけでございます。 一方、マイクロ回線の問題につきましても、沖繩住民と日本内地とのあらゆる面における交流をさらによくするという意味において、電話回線あるいはテレビを持っていきたいという観点に立ちまして、援助をしたいというわけでございます。
○須藤五郎君 そうすると、今の沖繩の農業のやり方と申しますのは、それはアメリカ式でなく、今日までやはり日本式をずっと続けておる、だから、日本の農耕法を持っていって指導した方がいいと、こういうことですか。
○政府委員(藤枝泉介君) さようでございます。ただ、長い占領期間、そしてその後の期間がございまして、日本内地のような農業技術が発展をいたしておりませんので、少なくとも日本内地の農業技術の水準まではもっていってあげたいというふうに考えておるわけであります。先ほど特連局長から荒木先生にお答えいたしましたが、二月当たりの耕地面積は相当小さいものですから、そういう面においてはやはり日本式の農業の方がいいんではないかということでございます。もっとも、内地も同様でございますが、今後米の輸入は相当多いのではございますが、しかし米作にたよるというばかりでなくて、あそこの特産であるサトウキビであるとかパイナップルであるとか、そういう方面に、いわゆる換金作物を盛んにするということの方がより適切ではないかとは考えております。
○須藤五郎君 アメリカの占領は相当長期に続くものだと考えます。あるいは永久に、半永久的になるおそれもあるわけです。アメリカはそういうことを希望しております。そうすると、今日本が指導に行ってやることが将来むだになるということも起こり得るのじゃないかと思うのですが、そういうことはどういうふうに考えておりますか。
○政府委員(藤枝泉介君) 沖繩の本土復帰ということは、申し上げるまでもなく、沖繩住民の非常な熱願でありますし、また日本国民全体としても念願をしておるところでございまして、この点についてはしばしば政府がお答えをしておるようなことでございます。ただ、現実には、ここ早急に施政権の返還というのが行なわれるかどうかということは、相当困難祝しなければならぬ。しかしながら、これはアメリカ側の、特に沖繩におりまする高等弁務官その他も同様でございます。いずれの日かということは、非常に遠いかもしれませんけれども、いずれ日本に復帰するという観点に立っておるものでございます。従いまして、日本国民でありますし、日本が潜在主権を持っておりまする沖繩の経済的な発展というものは、やはり日本政府自体も考えるのが妥当でないかという意味におきまして、各種の援助等を行なっておる次第でございます。
○須藤五郎君 僕は、沖繩におけるアメリカが、施政権を持ちながら、現在は沖繩人に対しておるやり方というものに対して僕は怒りを感ずるわけなんです。十分なことをしていないということを沖繩の人たちから聞いておるわけです。それで、日本からこういう援助をしなければ沖繩の人が幸福になれない、こういう現在のアメリカの占領状況で沖繩人が苦しんでおるということは、はなはだ僕ら不満にたえない。ところが、せっかく日本がそういう援助をしたことが将来むだになるようなことが起こりはしないだろうか、こういうことも僕たちの懸念の中にあるわけです。それで、今のような質問をしたわけなんですが、そういう懸念は私は残るだろうと思うのです。将来相当長い期限ですから、その期限はわからないのですから、そういうことも起こる可能性がある、そういうことなんです。 そこで、まあその問題はそれでいいですが、このテレビ、ラジオの問題ですが、一体沖繩人は今テレビやラジオはどのくらい台数は持っているんですか。人口比率はどういうことになっておりますか。
○政府委員(大竹民陟君) 人口は大体八五万程度、戸数にいたしましてほぼ十九万戸でございます。ラジオの普及率は大体七割五分ということを承知いたしております。それから、テレビの方は、日坂近一万台、これはテレビ放送が始まりまして一年数カ月をたった今日でございます。大体在一万台程度というふうに聞いております。
○須藤五郎君 ラジオ、テレビというのは、ここではまあ沖繩人の生活のため、幸福のためということになっておりますが、しかし、これは何かあればすぐ軍関係にも利用される向きがあるのではないかと思うのですが、アメリカ軍施設との関係ですね、これから起こる、それはどういう関係になっておるのですか。
○政府委員(藤枝泉介君) ラジオが二局、テレビが二局でございますが、これはいずれも株式組織でございます。民間のあれでございまして、ちょうど日本と同じように、向こうの沖繩にありまする電波法によって認可を受けているわけなんです。従いまして、これはどこまでも民間の施設でありまして、これを軍がすぐに接収するとか、そういうことはちょっと考えられないのではないか。ただ、別に軍の通信施設はほかにあるわけでございまして、このラジオ、テレビ等を米軍が接収して軍用に使うというようなことは、ちょっと考えられない状態だと私は考えております。
○須藤五郎君 私たちは、平和を愛するわけです。もし日本から贈与したものが、何かの場合に、いわゆる、たとえていえば戦争状態などが起こった場合などに、アメリカ軍の施設として接収されると、こういうことが起こるならば、私ははなはだ遺憾と思うわけなんです。そこで、そういう心配はないだろうというあなたの御返事ですが、しかし、そういう心配がないという保障はあるのですかどうですか。何も保障がない、戦争があればもちろん軍政がしかれる、軍政のもとではいわゆる琉球の、沖繩の電信電話公社の施設であろうが何であろうが、全部それは単に接収されるおそれがあると思うのですが、そういう場合に日本から寄贈したものが戦争用の道具に接収されるという危険を防ぐ何か保証があるのですかどうですか。
○政府委員(岩元巖君) 今回日本から贈与いたします通信施設は、これは内地から奄美大島を経まして琉球に至る一つの系統としての通信施設の一部を贈与するわけでございます。従いまして、沖繩に贈与いたしました施設だけをどっかに持って行って使うとか、そういったことは私どもは考えていないわけでございます。ただ、相手がなければ当然これは役に立たない施設なのでございます。両方の施設があってこそ一つの通信線ができるわけでございまして、片一方だけ持っておっても、ちょっとそのままでは使えないというような施設でございまするので、まあそういった面から、私どもはそういった事態は予想はいたしていないわけでございます。
○須藤五郎君 私がこういう懸念を持つのは、二年ぐらい前だろうと思うのですが、日本の電電公社が、二十数名、アメリカ軍から頼まれまして、そうして南ベトナムに出かけたわけです。百数十日かかってマイクロウェーブ、超短波のそれの設計の調査、設計をやったという事実を私は暴露したことがあるのです。ひた隠しにしておりました、そのときに。それを暴露したときに、日本の電電公社は、これは商取引でやったんであって軍関係のものじゃないということを極力言ったわけです。しかし、私は、向こうの書類を、契約書から何から全部押えておりましたので、はっきりと軍関係だということがその中に書いてあるわけですよ。それを私は暴露して責めたことがあるのですがね。 そういうふうに、表面はほんとうに平和な民間用のような様相を呈しながら、しかし、その裏にはやはり軍事目的というものが隠されておる場合が非常に多いのですよ。だから、今度の場合にもやはりアメリカとしては、いざというときには軍事用にこれを使う、接収することができるんだと。それを日本人が何というのですか、沖繩人の幸福のためだという純な気持で贈与する。贈与したものが、軍事目的に使用されるんじゃ、これはもうばかげたことで、私たちはがまんのならないことなんですよ。しかし、それは危険がないかというと、絶体危険がないということは言い切れないのではないかと思うのです。何もアメリカ軍が戦争のときにそれを接収するときに、私たちそれを拒否することも、そういう力もないでしょう、実際のところ。だから、やっぱりそういう危険はこの問題に私はつきまとう問題じゃないかと思うのですね。日本人こそいいつらの皮だということになるおそれがあるように思うのですが、そういう保証をどこかでされておるのですか、絶対そういうことないという
○政府委員(藤枝泉介君) 先ほど郵政省からもお答え申し上げましたように、今度の施設は日本から沖繩までのやつ、その中の沖繩分を沖繩電電に贈与するわけでございます。従いまして、こちらの奄美大局までの施設は日本の電電公社が管理運営しているわけなんです。そういう関係から、向こうだけの、沖繩分だけをつかまえたところで、これは役に立たないものだと私は考えておるわけでございます。ただ、須藤先生のおっしゃる中の最初の御質問の、沖繩内地のテレビとかラジオというものをつかまえて、沖繩だけの放送とかテレビというものは、あるいはそれはむちゃなことをやればそういうことも起こるかもしれませんけれども、この施設はそういうことでございますので、向こうだけ押えても役に立たないのじゃないかというふうに考えております。
○須藤五郎君 そこでですね、あなたたち少し考えが甘いのじゃないかと思うのは、新安保条約によって、そういう戦争状態になったときは、日本本土そのものも戦時状態に入るわけですよ。アメリカとの新安保条約によってそういう義務を負わされておるということになりますね。そうすれば、沖繩はアメリカが押えて、こちらは日本の自衛隊が押えるということになれば、これはもう問題なしにつうつうになるわけですよ。だから、現在平和利用という、沖繩人の幸福のためだというようなことを表面に掲げて、沖繩と日本とのいわゆる軍事施設の一環としてこれがなされるのではないかという疑いも、持てば持てるわけです。そういうことはどうですか。
○政府委員(藤枝泉介君) この技術的な面、私も全然しろうとでわからないのでございますが、今度のマイクロ回線の贈与の問題は、どこまでも沖繩と、沖繩住民と日本内地との交流をさらに円滑にしようということでございます。おそらく、戦争とかそういう事態になっての通信を、こういうものを利用しなくとも十分他に持っているので、これを利用するというようなことはちょっと考えられないのじゃないかというふうに考えております。
○須藤五郎君 あなたが、今沖繩人と日本人との間をより円滑にするためにこういうことをやるのだと言う、それをすなおに私も受け取っていいと思いますが、それならば、こんな、の指導者を送るとか、それでラジオ、テレビの施設を贈るということ、これも悪いことではないかもわからぬ。しかし、もっとなさるべきことが僕はあると思うのですよ。それを日本の政府はなさずしておいて、そしてこういうことで沖繩人と日本人との間を結びつけていこうというような、そんなことは私はごまかしだと思うのですよ。ほんとうに沖繩人のことを考えるなら、沖繩人が今日本復帰を心から望んでいるわけです。何で日本政府はもっと積極的に、沖繩の返還ですね、これをアメリカに要求しないかというのです。それを一つもせずにしておいて、こういうことをやっているというのは、日本人をごまかし、沖繩人をごまかすという、そういうふうな印象を私たちは受けるわけです。これは私の意見ですから、答弁を求めません。答弁を求めても答弁できないだろうと思いますから、答弁を求めませんが、そこでもう一つ私聞いておきますが、このラジオ、テレビの今度の施設ですね、これは大体総額どのくらいになるんですか。
○政府委員(大竹民陟君) 総額で申し上げますと、三億五千九百万円でございます。負担区分を申し上げますと、政府が負担いたします分が一億八千百万円でございます。日本電電公社が負担いたします分が一億三千六百万円、琉球電電公社、向こうの電電公社が負担いたします分は四千百万円でございます。
○荒木正三郎君 一言だけ。私、前からお尋ねしておきたいと思っていたんですが、沖繩の教育ですね、小学校、中学校、高校で使っている教科書ですね、これは日本のを使っておるのか、あるいは向こうで特別に編さんしているのか、この機会にここで聞いておきたいと思います。
○政府委員(藤枝泉介君) 日本内地で使っておりますものを向こうでも使っております。
○前田久吉君 ちょっと電波のことで聞きたいんですが、さっき第二の何が出るという話がありましたが、沖繩ではまだ何か第三も第四も出るということになりますか、またそれに使うマイクロウェーブになるわけですか。この点はどうなんですか。
○政府委員(大竹民陟君) 現在、ラジオの民間放送が二つと、テレビの民間放送が二つございます。今回施設いたしますマイクロ設備は、内地と沖繩との間の電話通信に利用いたしますのと、それから沖繩にあります二つのテレビ局に日本のなまテレビを送る、こういう目的に使われるわけでございます。先ほど私が何か申し上げました中でお聞き取りにくかった点があろうかと思いますが、実情はそういうことでございます。
○前田久吉君 二本というのは、アメリカ軍のやつが一つと、それから民間のやつが一つなんですか、民放が二本テレビはあるわけですか。
○政府委員(大竹民陟君) 民放が二つございます。
○前田久吉君 そうすると、あと三本にも四本にもなってゆくという可能性はあるわけですか。
○政府委員(大竹民陟君) 非常に狭い場所でございますから、内地の府県あたりと比較いたしまして、これ以上今後ふえるということは企業的にちょっと可能性がないんじゃないかと思います。
○委員長(大竹平八郎君) 他に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認めます。 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
○須藤五郎君 簡単にさしていただきます。 私たちは、この法案に反対をするものなんです。 この法案のみを見るときは、一見反対の理由もないように見えますが、これは全く日本人並びに沖繩人をごまかすものだと考えるわけです。政府はこのような小手先のごまかしをやめて、真に沖繩人のためを思うならば、彼らの心からの要求である日本への復帰をアメリカに向かって堂々と要求すべきだと私は考えます。この見地に立ちまして、私はこの法案に反対をするものであります。
○委員長(大竹平八郎君) 他に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認めます。 これより採決に入ります。沖繩における模範農場に必要な物品及び本邦と沖繩との間の電気通信に必要な電気通信設備の譲与に関する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大竹平八郎君) 多数でございます。よって、本案は多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十六分散会 ————・————