大蔵委員会 第18号
- 発言数
- 196 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1961/03/30
会議録
○委員長(大竹平八郎君) ただいまから委員会を開会いたします。 まず、租税特別措置法の一部を改正する法律案(閣法第一三八号)について、簡単に補足説明を聴取することにいたします。
○説明員(塩崎潤君) 簡単に、第二次・租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして御説明を申し上げます。 まず、なぜ租税特別措置法を二回に分けて出したかという御質問がときどきございますので、この点について若干の説明を加えたいと思います。 過去の先例におきましては、私どもは税制法案を予算関係法案といたしましてできる限り早目に提出し、しかもまた、租税特別措置法も一本の法律案の形で提出して参ったのでございます。特別措置法でございますが、税法の規定はやはり衆参の大蔵委員会におきまして統一的に審議すべきである、しかもまた税法の中にすべて税制に関する規定は網羅されておる、それが国民が便利でありまた税務官吏も理解が容易である、こういうふうにまあ言われてきたのでありますが、まあ過去の先例等から見ますと、税法の確定後に税制に関係しますところの他法律案がきまるのが普通でございます。まあそのために、往々にいたしまして、他の法律の中におきまして税制に関する規定が挿入され、あるいは他法律の附則の中で税制に関する規定が挿入されて、税法が修正されるということがございます。そのために他の委員会にかかったことがしばしばあったのでございます。今回はそういった欠陥をなくする意味におきまして、他法律案の確定を待ちまして、他法律案の目的といたしますところの政策に対しまして援助する意味の税制関係の規定はすべて租税特別措置法において規定するという見地から、租税特別措置法を一次分と二次分と分けて出した次第でございます。 代表的な他法律案は、御存じのように、低開発地域工業開発促進法、鉱工業技術研究組合法、機械工業振興臨時措置法、あるいは農業協同組合合併助成法で、この第二次の租税特別措置法に規定されておりますところの他法律の規定はきわめて多いわけでございます。そういった考え方におきまして、租税特別措置法を一次分と二次分とに分けたのが、二回に分けまして提出いたしました最も大きな理由でございます。もちろん、その他にも他法律に関係のないところの修正点はございますが、これは第一次の法律案確定後に生じました新しい事態、あるいはまた事務の便宜上と申しますか、間に合わないために第二次に盛り込ましていただくものが若干ある程度でございまして、大部分は他法案の確定を待ちましてそれに必要な税制関係の規定を第二次の租税特別措置法に盛り込んだ、こういう趣旨でございます。 前置きは以上にいたしまして、例によりまして、お手元に御配付されておると思いますが、租税特別措置法の一部を改正する法律案新旧対照表によりまして、内容につきまして簡単に御説明申し上げたいと思います。 まず第一は、第十三条の改正でございます。これは所得倍増計画の一環といたしまして、低開発地域の所得の水準の向上、そのための工業開発の促進、こういう趣旨から税制におきましても特別措置を講じようとするものでございまして、内容は、青色申告を提出する個人につきまして、低開発地域におきまして新増設されましたところの機械、装置または工場用建物につきまして、普通償却のほかに、別ワクといたしまして機械、装置につきましては取得価額の三分の一、工場用建物につきましては五分の一の特別償却を認めようとするものでございます。 低開発地域は、御存じの通りに、低開発地域工業開発促進法のうちにおきまして、低開発地域開発審議会の議を経て産業の開発度の低い地域、経済発展の停滞的な地域、しかもその地域におきまして工業開発をいたすならば全体の工業開発ができる地域、さらにまた立地条件も工業開発に適しておるといったような条件がついておりますが、具体的には先ほど申し上げました低開発地域工業開発審議会の議を経て個別的に決定されることになろうかと思います。 その次は十八条でございます。今申しました低開発地域工業開発促進法と同様に、鉱工業技術研究組合に対しますところの支出金の特別償却を認めようというのがこの十八条の趣旨でございます。ねらいは言うまでもなく、試験研究の共同化の促進でございます。単独企業の研究も大事でございますが、だんだん研究規模が大型化いたしますと、中小企業では特に共同化してでもやっていかなければ試験研究はなかなかできないということになるかと思いますが、そういった共同研究を促進するために鉱工業技術研究組合法が今国会に提案されております。ここで承認を受けました特別な試験研究設備を取得するために、各企業が研究組合に対しまして費用を支出するわけであります。賦課金を、いうならば支出するわけでございますが、その賦課金は税法上はいわば繰り延べ費用でございますが、この繰り延べ費用を、重要な試験研究用機械の取得のためでありますれば、企業合理化促進法の第四条の試験研究用機械設備に対しますところの初年度三分の一の特別償却と同じようなバランスから、まず一年目には支出いたしました費用、いわば繰り延べ費用の金額に対しまして七〇%の特別償却、二年目、三年目には一五%ずつの特別償却を設けよう。これで繰り延べ費用は一〇〇%まで償却されるわけでございます。これによりまして単独企業の試験研究用機械設備の特別償却と同じような効果が期待され、なおそれ以上の効果が期待できることを私どもは考えておる次第でございます。 それから次は、三十一条でございますが、これは若干技術的な修正でございまして、今まで土地区画整理法に伴いますところの特例におきましては清算金にだけ「取得する」ということはございませんでした。必ず換地処分によりまして他の代替地がもらえたのでございますが、最近の事情ではなかなか代替地の取得がむずかしい、換地ができないというような事情を反映いたしまして、清算金だけもらう場合がございます。この清算金をもらう場合にも、他の収用等の場合と同様に、代替地を取得するならば譲渡所得がないように見よう、こういう規定を入れたのでございます。これが三十一条でございます。これに伴いまして収用関係の条文に若干の技術的な当然の修正がございますが、この点は重要性が少ないので省略させていただきます。 その次は、第三十八条の三でございます。ただいま収用の事例を申し上げましたが、収用まではいかないにしましても、収用に類するような、自分の意思によらない要素が相当入って参りますところの、土地の譲渡所得が発生する場合が最近多々あることが言われているのでございます。まず第一は、三十八条の三の第一項の一号の事例でございます。現在住宅公団が都市計画に基づきまして住宅団地を造成する場合には、土地収用の規定が働きます。御存じのように、収用は所有者の意思にかかわらず譲渡所得を実現せしめるという点から、あるいはまた公共政策の側面からの推進という見地から、代替資産を取得した場合には譲渡所得がないものと見て、その次に取得いたしました代替資産をその次の機会に譲渡した際に譲渡所得を実現したものと見るという考え方、あるいは代替資産を取得しない場合にはいわゆる四分の一課税をする、こういった特例が担税力を考慮いたしましてあるのでございますが、工場団地につきましてはその収用等の規定が働いておりません。そこで、一般的にはもちろん収用とは違った要素はございますけれども、やはり市街地開発のために地方公共団体あるいは住宅公共団体が団地造成のために土地を買い上げるような場合、この場合には公共的な面もございますし、大きく団地で買い上げますと、その中に土地を持っている人は半ば強制的に買い上げられるという面もあるかと思います。そこで、この公共用地の取得につきましての土地収用関係の整備につきましては、御存じのように、公共用地取得調査会におきまして種々の検討をなされておりますが、この点工場団地につきましての検討はなおその調査会の検討にゆだねるわけでございまして、税法におきましてさしあたり収用等とのバランスをとりまして、代替資産を取得した場合には、その土地を買われた人の譲渡所得を、その代替資産をその次の機会に売ったときに譲渡所得を実現したものと見よう、こういった考え方をとったのが第一でございます。 第二は、これは御案内のように、首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律によりますと、首都圏の中におきまして、既成市街地におきましては、御存じのように作業場の新設増設を制限されておって拡張がなかなかできません。そこで、拡張するためにやむを得ずその土地を売って、ほかに拡張のできるところに引っ越していくといった場合も、やはりこれは社会的な理由からの、半ば強制的な土地の譲渡所得とも考えられる面があるのでございます。そこで、そういった要件に該当いたしますところの土地につきましては、やはり今と同様に譲渡所得の実現を次の機会に延ばす、出て行った引っ越し先の土地を売ったときに初めて譲渡所得の実現と見たい。市街地の譲渡所得はこの際は実現しないと見る、こういう考え方でございます。 第三点は、中小企業振興資金助成法の関係でございますが、これも御存じのように、わが国の中小企業は大部分いわゆる町工場から発展して参ったと言われております。だんだん町工場から発展いたしまして参りますと、都市計画の観点から見ましても、あるいは商業地域、あるいは住宅地域にありますと弊害もありますし、また中小企業の立場から見ましても、拡張がなかなか思うようにいかない。そこで、中小企業が相寄りましで団地を作って新天地を開いていこうではないか、こういうことが最近言われるのでございます。そういった場合もやはり社会的な理由からの譲渡所得の実現と考えますと、これも同様な考え方をとっていいのではないかと思うのであります。 第四の機械工業振興臨時措置法、これも同じように中小企業の機械工業振興、しかも日本で輸出を増進するために最も大事な機械工業振興においても合理化促進のために種々の政策がとられておりますが、その中の一環といたしまして、新天地を求めるような土地の取得譲渡があるのでございますが、その場合にも今申し上げましたと同様な考え方をとりまして、譲渡所得の実現をこの機会におきましてはないものと見て、その次の機会まで譲渡所得は実現を待とうという考え方をとったのが四号でございます。 以上が三十八条の三の趣旨でございます。 三十八条の四、三十八条の五は、いずれもこれに伴いますところの技術的な手続関係の規定でございます。 その次が第五款の海外移住の場合の譲渡所得等の課税の特例。三十八条の六でございます。海外移住もわが国の大きな政策の一つでございます。海外移住の、移住と申しましても種々の移住がございますが、いわゆる計画移住につきまして今回特例を認めようとするものでございます。海外移住に出かける方々の大部分は、農民が非常に多いわけでございます。従いまして、農地を持っている場合が相当多い。従いまして、どうしても外国に行きまして農地を外国において取得する場合には、その取得資金の一環といたしまして、日本の農地を売って参る場合が相当多いのでございますが、その際の譲渡所得につきまして特例を認めようと、こういう趣旨でございます。譲渡所得全般的に種々の担税力を考慮いたしまして、これらを特別措置ということ自体問題もあろうかと思いますが、これにつきましては百万円を譲渡所得の中から控除いたしまして、その残りにつきましては、収用と同様に、いわゆる四分の一課税を行なおうという趣旨でございます。収用との担税力の相違は、収用の場合には代替資産の取得が日本国内で容易であるということ、代替資産を取得する場合には譲渡所得の実現が全く将来に延ばされますので、この面から有利な面がある。ところが、海外移住の場合にはやはり自分が売って参らなければなりません。代替資産は国外でございますので、その規定も働かない、こういったような要素もございます。しかも、渡航費も向こうにおける営農資金も含めまして九十万ばかり要る。こういうようなところに着目いたしまして、百万円を別途に控除する。海外移住の問題は三十二年ころの参議院の国会におきましてもすでに問題になった点でございますが、最近だんだんと農地の譲渡といった事例がございますので、こういった規定が時宜に適するのではないか、かように思う次第でございます。 その次は四十五条の改正でございますが、これは先ほど申しました低開発地域の特別償却の規定で、法人に関するものでございます。先ほど申し上げましたのは個人に関するものでございましたが、これは法人に関するものでございます。 五十二条の鉱工業技術研究組合に対しますところの支出金の特別償却でございますが、先ほど申しましたのは個人に関する規定でございましたが、五十二条は法人に関する規定でございます。おのおの所得税法の特例、法人税法の特例となっておりますので、このように規定するのが特例法の慣例でございます。 それから、六十四条の改正でございますが、これも先ほど申し上げました土地区画整理事業におきまする土地の清算金の取得の場合だけの特例でございます。 ずっと参りまして、六十五条の三、四がございますが、これは市街地開発等にかかる資産の買いかえの場合の課税の特例で、先ほども個人の例について申し上げましたが、同様に法人につきましても買いかえの規定を、市街地開発の場合、首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する場合、それから中小企業の団地造成の場合、機械工業振興法に基づく場合、おのおの法人についても同様な買いかえ資産の特例を設けようと、こういう趣旨でございます。 第七節、合併等の場合の課税の特例。六十六条の二でございますが、これは法人だけの特例でございますが、先ほど申しました機械工業振興臨時措置法におきましては、日本の機械工業の多種少量生産をできる限り大量生産、専門生産の態勢に持っていきたい。そのために合併を促進したいという意図をもって作られておるようでございます。さらにまた、農業協同組合の合併助成法で、基盤の弱い農業協同組合におきましては合併を促進さして基盤を強化するという意味で、法律で合併が助成される、こういうことになっております。さらにまた、漁業協同組合につきましても、これはすでに漁業協同組合整備促進法という法律によりまして、合併が促進されることになっております。さらにまた、四号にありますように、中央卸売市場法によりまして、中央卸売市場について合併促進が行なわれておる。過当競争を排除する意味におきまして合併が促進されておりますが、これら法律に基づきまして合併の促進が企図される際に、税法がこれに対しまして障害的な要素にならないように、この点を排除しようというものが六十六条の二でございます。 趣旨は、御存じのように、資本金はたとえば百万円、資産は土地を百万円で帳簿価額をつけておった法人が、一番簡単な例でありますが、あるといたします。ところが、だんだん土地が値上がりしまして千万円になった。実際の時価は千万円である、こういった法人がどっかの法人に合併されようとする。単純に合併いたしますと、千万円と百万円の差の九百万円は清算所得といたしまして課税されるのでございますから、合併されてもその土地を百万円で合併法人が帳簿につけておきまして、先ほど来申し上げておりますように、その合併法人がその土地を売ったときに税金を取れるような経理をとるならば、合併の際の課税はやめよう。合併自体を法律によって促進しておるのであるから、法律によって促進したものを無理に税を取るのもどうかということで、合併法人がその資産を売ったときに税金を取ろう。こういうふうにいわば、圧縮記帳と私どもは言っておりますが、そういうような技術的な方法によりまして合併促進に対する政策を税制面から妨害しないようにしようというのが六十六条の二でございます。 六十六条の三は、そのために積立金に対しますところの二〇%の課税を見合わそうというのが六十六条の三でございます。これはやはり圧縮記帳をするためと、もう一つはやはり合併の機会に税を取らない、合併なかりし状態にして、そのまま減価償却におきましても、減価償却した資産につきましては、帳簿価額におきましてももと通りつけさせようという趣旨ならば、積立金を一応免税にしておかなければ技術的になかなか困難な面もございますので、そういうふうな趣旨から積立金分の二〇%の清算所得税を課さないようにしようというのが六十六条の三でございます。 六十六条の四は、そのための、その結果といたしまして、被合併法人の株主側のいわばみなし配当に対します配当控除の規定でございますが、技術的になりますので省略さしていただきます。 次は六十六条の五でございます。わが税法におきまして、商法にもそういった措置が有力かと聞いておりますが、合併に対する考え方は、いわゆる現物出資と申しております。資本充実の見地から、被合併法人の欠損は合併の際には引き継がれないという考え方をとっております。いわば完全に清算いたしまして純資産だけを出資するという考え方をとっておりますが、事農業協同組合、漁業協同組合につきましては、過去におきまして赤字の引き継ぎを認めた事例が再建整備法その他にございますので、この伝統を尊重いたしまして、農業協同組合及び漁業協同組合につきましては欠損金の引き継ぎを認める。まさしく合併なかりし状態の欠損金の引き継ぎを認めようというのが六十六条の五でございます。 六十六条の六は、これは特定機械工業を営む法人の共同化の促進のための税制上の措置でございます。先ほども申しましたように、機械工業は多種少量生産でございますが、これをできる限り共同化して専門的な生産を助長するというような趣旨から、共同化がやはり機械工業振興臨時措置法によって促進されることになっておりますが、これに応じまして、先ほど買いかえ資産の特例で申しましたような思想をこれに盛り込んだらどうであろう。現在帳簿価額百万円の機械を出資いたします。ところが、時価は千万円であったといたします。従いまして、共同化となりますと、向こうからその機械の出資に対しまして株式が来るのでございますが、帳簿価額は百万円とはいえ、時価は千万円いたしておりますから、株式といたしましては千万円の株式になります。そうなりますと、その機械は譲渡所得が実現されたとみなされまして、本来ならば九百万円の譲渡所得に対しまして法人税が課税になるのでございますが、共同化促進の政策的意味合いから、その株式を百万円で帳簿につけたならば、その出資者について九百万円を損金に算入する。従いまして、その株式を次の機会に売ったときに初めて取る。機械は株式に化体しまして、百万円の帳簿価額でそのままついておるというふうに見たらどうかという、きわめて技術的ないわゆる圧縮記帳の方法でございますが、これによりまして特定機械工業の共同化の要請にこたえたらどうか、こういう趣旨でございます。 二項以下は、それらの際の抜け穴ができないような種々の技術的な抜け穴封じの規定であります。技術的にわたりますので省略させていただきます。 その次は、六十六条の七でございます。これは鉱工業技術研究組合自体の所得計算の特例でありますが、鉱工業技術研究組合は、出資のない、しかもまた配当のない法人でございますが、この法人の性格をどう見るかはなかなかむずかしい問題でございますが、少なくとも現行税法の規定では、賦課金を受け入れまして、それで資産を取得いたしますと、それは益金になりまして、課税になる場合が出て参ります。試験研究の目的のために賦課金を徴収し、それによって試験研究用の固定資産を取得したときに課税されること自体問題でありますので、これも先ほどから申し上げておりますように、いわゆる圧縮記帳の方法によりまして、百万円賦課金を課しまして、その百万円で機械を取得した際に、鉱工業技術研究組合は百万円を一円につけさせて益金と見ないという方法で対処したらどうかという特例でございます。 その次は、六十六条の八でございます。これは「硫安製造者の売掛金の損金算入による欠損金の処理等の特例」となっておりますが、内容は二つばかりでございます。一つは、硫安製造メーカーが会社計算におきまして売掛金を資産に計上して、日本硫安輸出株式会社に対する売掛金を資産に計上しておりましても、税務計算におきましては損金と見ようという特例でございます。これが第一点。第二点は、さらにまた四月一日以後の硫安輸出株式会社に対しまする売掛金も同様に見るわけでございますが、これによって生じましたところの欠損金は、法人税法の原則によりますと、繰り越しは五年でございます。これを十年に見ようという、こういう特例であります。六十六条の八は大体二つの特例からなっております。 この趣旨は、言うまでもなく、肥料二法によりまして、硫安メーカーは硫安を輸出します際には、硫安輸出会社に対しまして国内価格と同様な価格で硫安を売る。しかしながら、硫安輸出会社はそれをはるかに下回わる値段で輸出せざるを得ない。いわば初めから欠損の出ることを、売掛金の回収ができないようなことを予定しましたところの売掛金でございます。これはやはり架空利益と見てもいいのでありますが、この架空利益と見られるものを会社が計上いたしまして七、税法では損金に算入しておるのでありまして、もちろん会社もおそらく当初におきましては、回収は将来できるのではなかろうかという意図があって計上した場合もあるかと思います。しかしながら、だんだんと輸出競争が激化しまして、硫安の輸出価格は四十ドル前後になりますと、そういった不良債権部分の回収ということはとても見込みがないということがだんだん最近明らかになったわけでございます。そこで、そういった架空利益は、税法上資産に計上しておきますと、貸し倒れ準備金の計算に関しましても種々の弊害も出て参ります。そこで、この機会におきまして税法上だけは一ぺんに損金に見ようというのがこの趣旨でございます。 そこで、そういうふうに一度に損金で見ますと、架空利益といえども会社で種々の無理が生じます。会社は今までこれを一つの資産と考えて配当とか種々の政策を考えておったわけでございますが、この面あまりに、税法によりまして損金算入したときに直ちに追随していくこともできない。しかも巨額の百数十億の、百十五億の売掛金を落とすとなりますと、五年の普通の欠損の繰り越し期間の償却ではとてもその損失を防ぐこともできない。しかも、その税法上で損金に落とすこと自体会社の責任でもない、やはり肥料二法によりますところの肥料政策の責任が多分にあるということになりますと、普通の欠損の繰り越しの五年では不十分ではなかろうかというのでございます。そこでこれを十年にしよう。これが硫安製造者の売掛金の損金算入による欠損金の処理等の特例に関する内容でございます。 その次は、第七十七条の二でございます。これはいわゆる不振開墾地とかあるいは過剰入植開拓地といわれております場合に対処いたします登録税の特例でございます。過剰入植地におきまして開拓者がとてもやり切れないというわけで離農いたします。残った者が土地を買って初めてその開拓地に健全な経営の基盤ができるといった場合、本来なら、初めから国の造成しました開墾地を個人農民が取得いたしますと、保存登記は千分の六で済んだ。ところが、一たん個人に帰属いたしまして離農する者から取得いたしますと、現行の登録税法では普通の取得の登記になりまして百分の五になる。十倍の差があるということになりますので、ここでは初めから個人が取得したものだというふうな考え方がとれないでもろう小。そこで、今申しましたように、開拓者の離農に伴う所有権の移転の場合には、初めから国あるいは地方公共団体から取得したものといたしまして、保存登記並みの千分の六の税率にしよう、こういう趣旨でございます。 その次は、第八十一条の勧告等によってする登記の税率の軽減でございます。これも現行ある規定でございますが、若干の整備合理化を行ないましたほか、先ほど来、機械工業振興臨時措置法、中央卸売市場法に基づきますところの合併促進、これらに対処いたしまして、合併促進のための登録税の軽減を行なおうとするものであります。一号におきましては、会社の合併勧告等によりまして、会社の設立資本もしくは出資の増加があった場合には、千分の七を千分の三・五にしょう、半分くらいにしようという趣旨でございます。二号は、合併の場合でございますが、この合併も、先ほど来申し上げておりますように、政府の勧告あるいは承認によるような場合には千分の一・五という税率を千分の一にしよう、こういった趣旨でございます。三号、四号はおのおの不動産、船舶等に対しますところの登録税のやはり軽減でございます。 その次は、第八十一条の二でございますが、農業協同組合につきましては、すでに設立の登記が軽減されております。合併の場合も、もちろん合併登記の軽減と申しますか、非課税となっております。これは協同組合の育成から出ておると思いますが、不動産の取得の場合には、やはり普通の登録税が課せられることになっておりますが、この合併の際にも、協同組合の特殊性を考慮いたしまして、農業協同組合の合併の場合における不動産の権利の取得の登記につきましては、合併助成法によりますところの合併奨励期間中に取得したものに限りまして登録税を免除いたそう、こういう趣旨でございます。 第八十三条は、石油資源開発株式会社の登記の免税でございますが、これは民間出資まで免税する趣旨ではございません。石油資源開発株式会社のみならず、日本航空、電源開発株式会社、いずれも株式会社ではございまするが、政府出資が相当ございますと、この政府出資部分に対しては登録税を課さないという特例があるのでございます。これを特例というかどうか、むしろ政府の出資に対して税を取ること自体、再びまた税に舞い戻る危険もございますので、特例というかどうか疑問でございますが、今まで租税特別措置法ではこういった考え方をとっております。その政府の出資分は取らない、政府の増資分は取らないということですが、石油資源だけは過去におきまして設立の日以後五年以内に行なわれる場合に限るというふうに限定がついてございまして、これもやはり日本航空、電源開発とバランスをとってみますと、どうも合理的ではないというふうに考えられますので、この五年の期限をはずしたのでございます。 その次は鉱業権の設定の場合、これも経過的な意味におきまして、鉱業政策の見地から、五年以内に取得されるものにつきましては免税となっておりましたが、なお石油または天然ガスに対しますところの鉱業権の設定につきましては、育成の見地からなお三年間だけ免税しよう、こういう特例でございます。 なお、以下は附則でございますが、これはもうこの法律は昭和三十六年四月一日から施行する。ただし、鉱工業技術研究組合の規定だけ鉱工業技術研究組合法の施行の日から施行する、こういうふうになっているのでございます。 以上、長くなりましたが、第二次の租税特別措置法の一部を改正する法律案の内容の概要でございます。
○委員長(大竹平八郎君) 速記をちょっととめて。 〔速記中止〕
○委員長(大竹平八郎君) 速記つけて。 —————————————
○委員長(大竹平八郎君) ただいま補足説明のありました租税特別措置法の一部を改正する法律案(第二次分)のほか、揮発油税法の一部を改正する法律案、地方道路税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案(第一次分)、物品税法等の一部を改正する法律案、郵便貯金特別会計法の一部を改正する法律案を議題と一いたします。 水田大蔵大臣に対し質疑のある方は御発言願います。 なお、政府側よりは水田大蔵大臣、田中大蔵政務次官、村山主税局長、塩崎税制一課長、志場税制二課長、建設省より前田道路局次長が見えております。
○天坊裕彦君 揮発油税法に関連して大臣に少しお伺いしたいと思うわけでありますが、ほとんど毎年々々揮発油税法が提案されて、増税に増税、またかまたかという格好でございまして、問題はほとんど出尽くしておって、蒸し返しになるという格好でございますが、なるべく蒸し返しにならないようにしながらお伺いしたいと思います。この蒸し返しになって、またかまたかと出てくるところが私は問題だと思うのです。今度の税法の改正によりまして、揮発油税が昔の昭和二十九年一万三千円であったものが、今度の改正で二万六千百円ということになるわけです。倍以上になる、ほとんど倍になるわけです。昭和三十年ごろに揮発油税の全体の収入が大体三百二、三十億といわれておったものが、今度の増税で千三百五十億、四倍強という格好になるわけです。一方いろいろ日本の税が高いということで、減税の措置がずっと続けられて参っておるわけです。税制調査会の報告等を見ますと、直接税におきましては七千二百億近くの減税をやった、間接税におきましても七百億近くは減税をやったということが書いてある。そういう中でこのガソリン税というか揮発油税だけが、とにかく片方でこれが目的税だということだけの理由で、しかも税制調査会ではいろいろと税体系というものは今調査中、全体を根本的に、特に間接税については根本的に検討したい、こう言われておるまっ最中に、その検討の中に加えられないで、とにかく目的税だからというので四倍以上の税金を取ることになるわけです。五億や十億が二十億、三十億になるのと違って、三百億の税が千三百五十億と四倍になるのです。非常に私は、何というか、まだ負担力があるんだ、ないんだという言い方だけでは済まされない、こう思うのです。その点はどういうふうにお考えになるのか、どうですか。 〔委員長退席、理事上林忠次君着席〕
○国務大臣(水田三喜男君) 道路計画の最初からの立て方の問題でございますが、私どもは、将来の道路をよくするために、今の道路受益者である車にこの税をみな負担させるということはどうかと。やはり道路がよくなるに従って、将来受益者がたくさんふえていくんですから、将来の受益者にも順を追って負担をさせていくのがいいんじゃないかという考え方を実は持っておりまして、従ってガソリン税というものはやはり順を迫って上げていってもいいと、一度に上げるということはどうかという問題で十分検討しましたが、結局五カ年間一兆八千億円くらいの計画で出発するのなら、そうしなくても済むということで計画を立てましたが、しかし、現実の事態はそうのんきなことを許さない。今の交通事情から見て急速にこの道路整備はやらなければならぬ。将来の問題じゃなく、この四、五年の間に思い切った計画の強化をやらなければ事態に対処できないという意見が非常に強くなりましたために、やむを得ずそれなら目的税のガソリン税を上げる以外には方法がないというところに落ちついたわけでございます。 その場合、今度のような改正の、上げる余裕があるかどうかの検討もいたしましたが、国際価格から見てガソリン税の増徴の余裕というものはある。日本のガソリンは国際的に見てまだ安いというようなことから、この際一五%程度の値上げはやむを得ない、これによって二兆一千億円計画を達成するというのが現実に対処し得る道だということで、当初私どももあなたのお考えになったようなことから出発して低目の計画でございましたが、結局計画自体を直さざるを得ないということになったために、この目的税であるガソリン税の増徴によって財源を確保すると同時に、ガソリン税によってもなお必要とされる二兆一千億円の計画の達成には財源的な穴が八百六十億ですか、これだけ計画じゃあきますので、これは一般会計から負担するという方針でこの計画を決定したわけでございまして、一般会計が持つ分と、ガソリン税の増徴分、これによって今後の道路計画を立てたと、こういういきさつでございますので、私は道路対策は必要であるという以上はガソリン税の増徴もこれはもうやむを得なかったことと思っております。
○天坊裕彦君 とにかく大臣のお気持の中には、やや無理だと。やむを得なかったのだと、こうおっしゃっている意味は、逆にいえば相当無理もあるのだというような意味もあるというふうに理解するわけでありますが、全く道路整備というものが緊急な必要な問題であるということから、すぐにこれが目的税だと、これが完全に目的税であるかどうか私は疑問があると思うのですが、それに大きくかぶさっていることは事実なんで、これはやむを得なかったと言われればそれまででありますけれども、やはり税全体の公平問題が残っておる。もし上がらなければ、それだけガソリン、揮発油を使う人たちからいえば、利益があるわけなんです。それがその分だけかぶってくる。しかも、今お話しのように、将来ずっと大きく受益者が出てきて、その人たちにその応益分をかぶせてもいいのを、現在の利用者に全部かぶせてしまう、こういう行き方に無理があることは事実だと思うのであります。 私自身も、道路の整備が緊急必要だということに全く賛成でありまして、決して今の二兆一千億が多過ぎるなんということは思っておりません。もっとやった方がいいじゃないかとも考えるわけであります。しかし、この今までの五カ年計画でやっておられた四年目に、また新五カ年計画に切りかえられるわけなんですが、移り変わりの時期にどれだけ道路に使っていくのがいいのか、今までの計画と比べてどの程度使っていくのが大体妥当であるかということは、五カ年間に二兆一千億要るか要らぬかという問題とは別に、初年度はどの程度がいいかということも別に考えられるわけです。そこで、私は実は大臣の御出席の前にいろいろ建設省の方々にもお伺いしたいと思っておったわけですが、その時間がなかったのでありますが、一体五カ年計画の年度割り配分というものは、二兆一千億の年度割りの配分というものはおきまりになっておるものでありますかどうですか。
○国務大臣(水田三喜男君) まだ初年度の、今年度の予算をきめただけで、年次割りの計画は立てておりません。
○天坊裕彦君 どうも非公式に聞いてみたところでも、まだ年度割りの計画がないようなのでありますが、そういう意味からいうと、なおさらこの初年度の道路整備の金が今のあるがままの姿でなければならぬかどうかという点は疑問になると思うのであります。しかも一方で、御承知の通り、各種の道路整備計画というものの進捗は必ずしも四カ年過ぎただけきっちりいっているということも言えない実情であるわけであります。それがとにかく今年一挙にして五割程度の増になる。普通の経費で一ぺんに五割ふえるということはなかなか大へんなことなので、これだけできるかどうかという点が一つ問題がある。 しかも、片方で税の自然増というものは相当の伸びを示している。せんだっていただきました二月末の租税の徴収の実績調べというものを見ましても、二月末でガソリン税は第二次補正の九百五十一億に対して九百四十五億と、九九・三%というふうに上っているわけなんです。ですから、一ヵ月分はまるまる、おそらく百億近くはふえてしまうという格好になるわけなのであります。それに見合って来年度は私はもっと伸びるのではないかと考えるので、そこら辺の伸びから見ますと、しかも片方での道路整備の金が初年度においては五割増しなんということを考えなければ、まあまあ自然な姿の格好で三割増しとかいう程度のものでやっていける姿になる。そうしてだんだん五カ年計画の中ほどにいくほど仕事が急ピッチに伸びていくという格好でやっても、二兆一千億の計画の達成は十分にできると思うのであります。 しかも、もう一つの問題は、今年この国会でガソリン税を値上げなさるということは、一方でいかにも道路整備が必要だというお話はよくわかりますけれども、選挙のあとで、選挙の最中に結局道路整備が必要だということをおっしゃって、同時に、片方で減税々々だと、こうおつしゃっておられた。道路整備がすぐその部分だけ増税に続くということは、必ずしも皆知っていたわけではない。道路整備であれば、目的税であるかもしれない、ガソリン税は上がるということは一応考えておりましたけれども、同時に一方で抜け道が逆にあって、一般財源からも金を出すのだ、今度は大きく出すんだ、こういう声と一緒に、揮発油税が、選挙のすぐあとでこういう格好になって出てくるとは、国民の皆も考えていなかったことだと思う。そういう点からいうと、事務的な面は別として、いやしくも政治的な手としては今年はやるべきではなかったんじゃないかと私は思うのです。これは今から言ったってどうにもなりませんけれども、その点は先ほどのお話のように、大蔵大臣は初めのお考えで、この国会は税金なしで、増税なしでやった方がいいんだというようにお考えになっておったことは、政治家として私は非常に宣伝の方の線に負けないでやっておられた。しかし、おしまいにはとうとう負けられたということになるわけなんですが、その点は大臣の前の気持の方が私は政治的なあり方としては正しいと思うのですが、この点の御所見を伺いたい。
○国務大臣(水田三喜男君) 五カ年一兆八千億円計画でしたら、私は、ガソリン税を増徴する場合には、二年度、三年度にいってやっても財源的に心配ないという考えでございましたが、二兆一千億円計画ということに変更になりますというと、この初年度を非常に低く出発しましたら、この五カ年の後年度の財政需要の増大ということは非常に大きいものでございますので、それを見通しますというと、二兆一千億円計画ということが決定した以上は、初年度から少なくとも本年度盛った程度の予算をもって出発しなければむずかしいと思いますので、従ってこの金額の計画が変更された以上は、本年度から踏み切るよりほかに私どもとしては方法がなかったということでございます。
○天坊裕彦君 道路の整備が、とにかく五カ年でもすぐ過ぎてしまうと思います。そうしてまた、一方あの五カ年計画が従来の一級国道整備とかいう格好たけでいっておりますから、さらに新しい問題が起こって、もっと大きな金か要るということは私は目の前に見えていると思うのであります。そうした場合に、今度は道路整備といったらこれは増税だということになるわけであります。そういうことで道路整備をやるのだ、増税をやるのだという話になれば、私は新しい道路整備が将来必要なときに非常にじゃまになる、こう思うわけなんです。その点で今大臣は、基本的には道路の将来の受益者にも持たせるという考え方も持っておったというお話がございましたが、私はその考え方を捨てないで、やはり今後もその問題とまっ正面に取っ組んでいただきたいと考えるのですが、大臣はその問題どうお考えになりますか、道路公債の問題。
○国務大臣(水田三喜男君) 道路公債の問題がいろいろ出ておりますが、今の二兆一千億円計画というものそれ自体は、もういわば道路公債的な考えを織り込んでおるものでございまして、従って、公団がする部門をこの計画の中で五年間に四千五百億円と一応きめまして、その四千五百億円というものはもっぱら、ガソリン税じゃなくて、民間の資金、政府資金というようなものを当てにしてやるというふうな構想でございますので、この部分で相当公債的な考えを取り入れた計画でございますので、一般の公社債の消化というようなものと比較して、やはり道路部面の持つ公債的なものの消化限度というものもございますので、そこらを考えますと、五年間四千五百億円の公団の計画というものも大体、私は財政的に見たら、金融界の情勢から見たら、そこらがやはり限度ではないかと考えておりますので、限度一ぱい公債的な考えを取り入れているというふうに私とも思っておる次第でございます。
○天坊裕彦君 現在の道路公団等がやり、その他一般の財源でやっておる分が、ある程度まで道路公債的な意味を持っておるのだというお話、私もその通りだと考えますが、その点もう少し幅を広げることも一つあわせて将来お考えを願いたいと思うわけであります。あるいはさらに、直接に、道路特別会計というようなものからの直接な道路公債というものにまで発展するようなことも御研究願いたいと思うわけでございます。 ところで、先ほど揮発油税につきまして、負担力の問題として日本の揮発油税が外国に比べて安いというお話があったわけでありますが、なかなか国際的な値段を、なまの値段といいますか、パーセンテージといいますか、比較して高いとか安いとかいうことは私は必ずしも簡単に言えない、いつの年もそういうことが、揮発油税を上げるときの理由にそういうことを書いてお出しになっているのですけれども、どうも私はその点すっきりして日本の税金が安いとは言い切れないのであります。その点もう少し詳しく、事務当局でけっこうですが御説明願いたい。
○政府委員(村山達雄君) もちろん、外国に比べまして、ガソリン税がどの程度余裕があるかと比較する場合には、単純には参らぬと思います。しかし、一応の、各般の角度から検討しなくちゃなりませんが、一つの行き方といたしましては、こういう揮発油のような国際商品でございますので、ほとんど税抜き価格が消費国においてはほとんど同じ程度である、こういう事実があるわけでございます。従いまして、単純には比較できないと申しましても、他の物品における負担——算術計算した増合の割合というものは、国際商品であるだけに、よりその数字は他の商品に比べては妥当するであろう。そういう意味で、あるアローアンスを置いてながめておるわけでありますが、そういうものから見ますと、だいぶ今度は国際価格に近づいて、まだ若干余裕はある。それから国民所得に対する揮発油税の比率から申しましても、なお若干余裕がある、こういうような大づかみな負担面からの感触を一つ持っておるわけであります。 それと同時に、実際には増税による今度はプラス、マイナスの影響というものの日本におけるその見通しと、それからおそらく考えられるであろう外国におけるそれらのプラス、マイナスの影響、この両方面を考えていかなくちゃいかぬだろうと思いますが、われわれは、今度の増税のようなものがどれくらい小売価格に響くか、それから小売価格に響いた場合に運賃にどのくらいの影響を及ぼすか、あるいは農業で使っているときにどれくらいになるか、あるいは中小企業で使っているときにどのくらいコスト高になるか、かりに物価にはね返るとすればどのくらいのパーセンテージになるか、いろいろ前提がございますが、その辺も、一方御案内のように、道路に対する効果は経済効果が大きいといわれている、日本のような状況だと、他国と比べて、正直に考えてみて、道路の整備が非常に不完全なんで、そういう経済利益も相当多いであろう。そういうふうにいたしまして、現在の時点で達しておるいわば税額の絶対額というものと、今度の増税による若干のマイナス面というものと、それからプラス面、こういったものを総合的に考えまして、今度の増税はやむを得なかったのではないか。そういう観点からいうと、なお若干国際的に見ても、これは感触の問題でございますが、若干の余裕はあるのじゃないか、こういう判断をしているわけであります。単純にある機械的な一つの尺度をもって必ずしも判断しているわけではございません。
○天坊裕彦君 非常にあれやこれやとおっしゃって、その点ごもっともなんですけれども、まあまあ妥当だと言われているのですけれども、私はそう簡単にもいかぬと思うのです。ことに、今のお話のように、国際的な商品だからということも私はよくわからないのですが、結局たとえば割合で、国民所得と税の割合というような言い方をしてみて、それで比較してみた場合にでも、そういう割合を比較した場合でも、揮発油税の問題じゃない、とにかく国民の税負担の割合というようなことが各国において比較されて、日本はとにかく二〇%だとかなんとか言っておって、ここで日本が安いのだとすぐ言えるのかという点についてもはっきり、いろいろな税制調査会のお話の中にも簡単にも言えないと書いてある。ですから、私は必ずしも簡単にそう言えないと思うのです。しかし、今のお話で、今度かりに上がって、なおかつ、それでもまだ今のお話の国際的な比較とかなんとかという要素を加味して、日本の税はまだ安いとお考えになるかどうか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(村山達雄君) 率直な感じでございますが、揮発油税はなお若干余裕はあるのじゃないか。軽油引取税は、その点はまだだいぶ余裕があるのじゃないか、率直に申しましてそういう感じがするわけであります。
○天坊裕彦君 私は、むしろ数字でお教え願いたいと思いますけれども、大臣に対する質問はあとからほかの、税法に関してほかの方々からも御質問があるそうですから、そういう点には触れないのでありますが、将来まだ余裕があるというお話になると、これはまた道路の整備が必要だという問題とからんで、またまた揮発油税増税、軽油引取税増税の問題が目先にちらついてくることになるわけです。毎回この法律が出ましたときには、その点が問題になって、この次はやりますかという質問に対しては、決してやるとはおっしゃらないのですけれども、今のお話のように、余裕がある、まだ取れるというようなお話から見ると、どうもそのにおいがするわけでありますが、この次のまた増税というのはすぐお考えになることになりますかどうか、一つお伺いしたいと思います。
○政府委員(村山達雄君) これはおそらく、税金は安ければ安いほど、それに越したことはないと思いますし、必要もないのに増税することもないと思いますが、そういうときに、道路のほか経済効果を考えて、歳出面である程度の規模が必要だということにかりになった場合に、それをどういう財源でまかなうかという問題としては、いろいろな考え方があると思うのです。その際に、かりに税でもってそういう総合政策の一環としてある程度割り振りをせざるを得ない、受け持たざるを得ないという場合に、おのずから税においては、ただいま申しましたような角度から、限度があるのじゃないか。そういう総体的な意味における限度で考えて、ただいまの小売価格の絶対額、その中に占める比率、それから税抜き価格をずっと各国比較してみますと、すでに申しましたような点が一応言えるのじゃないか。しかし、そうかといって、それならその次の機会にすぐ増税をやるのか、また揮発油税に財源を求めるのかと、こう言われますと、それらの関連事項を総合的に検討しないと、なかなか申し上げられないのじゃないか、かように考えております。
○天坊裕彦君 今のお話は、私は大臣からもお答え願いたいと思うのであります。しかし、その点、大臣に申し上げましても、すぐやるともおっしゃらないと思うのですが、その前に、今の負担力の問題とからんで、これだけ大きな税金なんです、実際問題として。それを、今のお話のように、負担力があろうがなかろうが、とにかく安い方がいいにきまっているのですが、ほかの税が下がるときにこれだけ上がるのだという、こういう話がそのままで楽に通用するとは私は絶対に考えられない。しかも、その大きな税についての取り上げ方が、今のお話のように、道路整備に金が要るんだから、目的税のこれがひとりでに上がるのだ、これはやむを得ないことだというような非常にアプリオリな考え方になっているという気がするのですが、それにしても、私はもう少し慎重に考えてもらわなければ困ると思うのです。 一体、揮発油税に限らず、自動車関係のガソリン税に関する問題ですが、私は、ほんとうは自動車というものを使っている一般の中小企業全体の問題が一つあると思うのです。そういうところが自動車にどの程度依存したり、どういうふうに使っているかという統計は、なかなかこれは得られない。しかし、車両は相当大きなものである。しかし、その中で、自動車を使って、それを商売にしている自動車の交通事業者というものについては、調べようと思えばある程度調べがつくと思う。その交通事業者の公租公課というもの、これは正式に大蔵省にもそういうものをお調べになった材料があるかないかは私は知らないのですが、あるいは運輸省等でもそういう材料があるかないか、一般産業の諸会社が背負っている公租公課というようなものと比較して、自動車関係の交通事業者が負担しているそういう公租公課というものは、何かお調べになった材料があるかどうか、お伺いしたい。
○政府委員(村山達雄君) 特に、すべての国税、地方税を通じて、業種別に調べたものはございません。ただ、考えられますことは、自動車運輸業者について特異の税として考えられますものは、今おっしゃいました揮発油税あるいは軽油引取税、それから自動車税はありますが、御案内のように、たしか自動車には固定資産税はかかっておりません。従いまして、これは固定資産税の身がわりとして考えれば、若干の技術的な問題はございますが、大体バランスはとれている。そうだとすれば、その業態に関する特殊な税というものは、揮発油税あるいは軽油引取税に尽きるだろうと思うのです。 その観点で、今度の増税が運賃に対してどれくらいな比率になっているか、こういうことは調べてございます。それによりますと、今度の増税によりまして、揮発油税の方では大体運賃に対する比率が一・六%、それから軽油引取税が〇・八%、この程度のものに当たっておるということでございます。
○天坊裕彦君 私がお伺いした意味は、必ずしも今の御答弁のような線ではなくて、つまり営業収入に対して諸会社が負っている負担、諸税の割合、こういうふうなものを、これはオーソリテイがあるかないかわからないのですが、私どものところで調べたものを見ますと、交通事業者が負担している公租公課の額が非常に高いのです。それはあなたの方からおっしゃれば、今の揮発油税みたいなものは通り技けみたいになってしまうから、そこのところで計算するのがいいかどうかという問題があるかもしれません。が、私は高いような気がするのです。これは私だけの材料で申し上げましても議論が尽きないと思いますから、申し上げませんが、とにかく一千何百億という税金を取るようになってきたのですから、諸産業一般という突っ込みの格好でなくて、その揮発油税の対象になる、あるいはそれを大きく負担する者についての調べがつく分だけでも、これから相当材料をかかえて絶えず調査するという態勢をとってもらいたい。これはむろん酒税に次ぐ税金になると思う。酒税に対しては、非常に厳重ないろいろな材料があるわけです。私は非常にその材料が不足であるというふうに思う。それが一つ。 それから、もう一つ、今お話しになりましたように、自動車に関する税金というものは、いろいろな種類があり過ぎる。これをもう少しわかりやすくできないものか。地方道路税にいたしましても、最近ああいうふうに分けたのですけれども、軽油引取税との関係の問題もございますし、それからあるいは今のお話の地方税の自動車税との問題もありますし、数があまりにも多過ぎる。何かもう少し簡明にしていただけないかと考える。ことに自動車税などの中で、今のお話のように固定資産税的な考え方でおやりになるということは、私は非常にけっこうだと思うのですが、その中でも、片方でこの揮発油税の道路応益分担という性格のものを出しながら、やはりその分を残して、ある特定の営業トラックというようなものについては税をふやすというような考え方が、非常に私は混淆しておると思うのですが、あれもこれもでこぼこしているのじゃよくない。もう少しすっきりしてもらいたいと思うのですが、その点どうですか。
○政府委員(村山達雄君) ただいまの前段の御質問に対する直接のお答えになるかどうかはわかりませんが、売り上げに対する純益率、これは要するに公租公課は全部引いたものでございます。そういうものとして運輸業とその他の全産業の比較をとってみますと、運輸業の方が若干高いように出ております。ただこれは、運輸業と申しましても、バス、トラック、タクシーその他いろいろございますし、いろんな問題があると思いますが、全般の傾向としては、そういうことが言えるのではないか。なお、業種別に個々の公租公課を積み上げて、その状況を分析するということは今後努めて参りたい、かように考えております。 また、後段の方の、非常に税の種類が多くて、いたずらに複雑ではないか、むしろ簡単にすべきではないかという考え方でございますが、これはいろいろの見地から、現行の制度ができ上がっておるような次第でございまして、その間地方税として適当なもの、あるいは国税として適当なものというものがおのずからございます。それからなお、税源配分の一つの考え方として、従来はおっしゃるように一万三千円を一本とっておったわけですが、それが一万一千円と二千円に分かれている。これは結局、道路譲与税として地方に交付するその交付の仕方も、道路の面積に応じてやるという、いわば財政調整的な見地が相当含まれております。そういう見地から再検討を要するというものの、現行はそういう建前で一応できておる。 それから、固定資産税をかけないで自動車税という形でかけることがいいかどうか。全体の負担で見ますと、ほとんど同じようでございます。どちらがより実際の所有者の負担に適合しているかどうかという点は、議論の多いところだと思いますが、われわれ常識的に考えまして、今の制度は、なるほど見る方からいうと複雑でございますが、その持っている人の負担力に即応するという面からいえば、一つの考え方ではないか。 それから、営業トラックと自家用自動車のバランスの問題でございますが、これは従来区別しておったのが、はたして理由があるのかないのか。特に地方税のような応益的な色彩の多いものから申しますと、その道路に対する損傷分その他を考えまして、税の理論としても、それは自動車税のようなものについて従来区別しておったのがむしろおかしかったのじゃないか。また、税率の高さについてはそれぞれ御関心があろうかと思いますが、税率の区分という問題についてはさように考えております。
○天坊裕彦君 今のお答えの中で、運輸関係、運輸業者にいうもので調べれば余裕があるというお話については、いつかも議論したことがありますが、あの運輸業という調査の中身は、会社とか、日本通運とか、でかいやつばかりです。大体自動車の事業者はそんなに大きなものは数えるほどしがなくて、そうでない分が大部分です。この点は今申しません。 しかし、大臣にお伺いをしたいのですが、結局そういうふうな非常に雑多な関係で、完全に調べるということは非常にむずかしいのですけれども、私はこのガソリン税は非常に大きな額に上っておるということ、しかもほかの方は減税々々と言っておるのに、ここの方はどうしても増税という方向をたどっておりますから、その点について一つ資料を十分に取れるだけ取るという態勢をとっていただきたいということが一つ。 それから、税制調査会あたりの御検討も、私は非常に初めから道路整備計画でこれくらいというワクができて、それに見合うというか、一般財源の入ってくる話は陰に隠れてしまって、この揮発油税だけが問題になって、議題に提供されるということで、税制調査会に提起されるされ方自身に私は非常に無理があって、それに対する答は私からいえばはなはだおざなり的なものになっているのじゃないかというふうに思うわけです。衆議院の委員会で中山先生が参考人でおいでになって、やはり揮発油税の問題についてとにかく十分検討したとは言っておられない。不十分だということを認めておられるけれども、一応ほかの部分との割合とか、まあ影響するところはそう多くもないというようなことと、結局目的税に関連してということでお茶を濁しておられるような感じがしますが、税制調査会での検討の仕方も私は考えていただきたい。特に、これだけ大きな税で、関連するところは非常に幅が広いのですが、そういうふうにこうした問題についての理解のある調査会のメンバーが一体おられるかどうかという点も非常に私は疑問に思います。そうした点も、ほかの税はだんだん下がっていくけれども、これだけは上っていく。三百三十億が千三百五十億、四倍にふえていくというような税金ですから、その点についてのそういう配慮をぜひ一つ、これは大臣にお願いしておきたいと思いますが、大臣一つ……。
○国務大臣(水田三喜男君) それは御要望の通りにしたいと思います。
○天坊裕彦君 ほかに御質問があるそうですから、一応大臣に御質問するのはこの程度にしておきます。
○成瀬幡治君 簡単に一つお尋ねしますが、バスの運賃は一体どうなのです。国務大臣としてお答えを願いたい。認めますか、認めませんか。
○国務大臣(水田三喜男君) 政府の認可を要するような料金の値上げというものは当分認めないというふうに、政府の方針をきめております。
○成瀬幡治君 当分ということには非常にこだわるわけですね。今度ガソリン税を値上げしたら運賃にはね返るかどうかということは、十分検討するだろうと思う。従って、今年度、予算年度ですよ、予算年度中ははね返らない。運賃はそれはほかの理由もあるだろうとおっしゃるけれども、まあ大体ベース改訂はどのくらいになるとかなんとかいうことは、あなたの方がおおよその見通しも持っていると思うのですが、そういうものは織り込み済みで、運賃に対してはどういう見解を持っているか。当分の間上げないというのはどういうことですか。 〔理事上林忠次君退席、委員長着席〕
○国務大臣(水田三喜男君) 今主税局長からお答えいたしましたように、全部このガソリン税の値上げが、この料金その他にかりにはね返るというものとすれば、一・六%か一・七%程度のものだということになろうと思いますが、この計算通りにはいきませんで、実際の状況を見ますというと、たとえばバス業者というような大きな業者については、ガソリン業者の方が特定の値段で契約するとかいろいろなことを行なっておりますし、過去ガソリン税を上げたときも、そういうことでほとんど吸収されているというような事情もございますので、今回も、特に今ガソリンの値下がり傾向のときに、競争の激しいときでございますから、この計算通りの一・六%の響きも実際は私どもはないと見ておりますので、そうしますというと、その程度のことから直ちに運賃料金の値上がりには、これは続かないものだというふうな私どもは一応考えを持っておりますので、従って、運輸省の行政としましては、ほかの理由で特に料金が不均衡で、許可するというようなものが、あるいはあるかもしれませんが、しかし、このガソリンの値上げによるための料金の値上がりというようなものは大体ないという見通しから出たものでございますので、それを理由にした値上げというものを許可するということはおそらく運輸省ではしないと思いますし、政府の方針も大体そういう方針をとっておる次第でございます。
○成瀬幡治君 まあ立場をかえていえば、そういうことになると思いますが、たとえば運賃を値上げしない、物価の値上がりムードがあるから運賃をやらぬということは、新聞に出されました。閣議でもそういう結論が出たようでございますが、また国鉄の運賃が上がったというようなことで、大体あまり当てにならぬというのですか、だろうと思いますけれども、前に上げたとき、あるいは三十二年、三十四年でやったときには、私もしっかりした記憶はございませんけれども、あれはバス会社に対するところの課税がたしか収益課税に変わったというようなところも、運賃値上げにならない一つの大きな理由だと思うのですが、ところが、今度はそういう措置がないように思います。従って、運賃が値上げされるのがあたりまえじゃないか。響いてくるのは当然の結果だと考えている。従って、当分の間やらないとおっしゃるのは、たとえば国会が終わるときとか、あるいは何かのときというような時期をお考えになっているような気がしてならないのです。だから、もう少し、上げないならどういう理由で上げない。上げる理由はないのだ。じゃ、その理由と申しますか、その説明を承りたい。あるいは上げるということになれば、また話は簡単ですが。
○政府委員(村山達雄君) 今、三十二年当時あるいは三十四年当時、五千三百円あるいは四千四百円増税したわけですが、それがほとんど響かない、運賃値上げにならなかったのは他の事業税の課税方法の改訂がからんでいるのじゃないかというお話でございますが、事業税において純益課税から収益課税に変更いたしましたのは二十九年でございます。従いまして、直接は関係がなかったと思います。
○国務大臣(水田三喜男君) この料金の許可の官庁は御承知のように運輸省でございますので、運輸省の行政ですから立ち入ったことは差し控えたいと思いますが、政府の方針としては今言ったような方針でございますので、あるいは個々に別の事情によって、このガソリン税の値上げの理由によらない、このほかの総合的な問題から、運輸省があるいは許可するという事態もあるのではないかと思いますが、全般として、この今度の一五%程度のものが全般的に運賃値上げをしなければならぬようなところまで響かないというふうに私どもは考えておりますので、これを理由とした値上げというものはおそらくないと思っております。
○成瀬幡治君 運輸大臣とおっしゃいますから、私もわかりますが、一応大蔵大臣としては少なくとも、ガソリン税の増税によって値上げの理由にはならぬ、こういうふうのことは、そういう受け取り方をしてよろしゅうございますか。従って、会社等が申請をして参りますね、ガソリン税が上がったからという理由で。それは一つの理由にはならぬ、こういうふうにお考えになっておるか。
○国務大臣(水田三喜男君) これは、たとえば運輸業に従事している労働者の賃金というものは一般から見て低いということで、この賃金の改訂が行なわれるとかいうようないろんなことによって、現在の料金は運輸業者にとって非常にペイしない料金であるというような問題とかいろんな理由から、収支の問題を検討して、運輸省が別の理由から許可することはあり得ると思います。しかし、私どもは、このガソリン税の値上げがすぐに料金値上げを結果するようだということでございましたら、これはこの上げ方が問題であって、当初のことをいいますと、まあ二〇%ぐらいは上げても影響がないというようないろんな見当もございましたが、私どもは内輪に、そういうところへ影響するようでも困ると、こういういろんな考慮から、一五%にとどめたといういきさつもございますので、これを理由にしたこの料金の値上げというものは一応理由が立たないだろうと私どもは考えております。
○成瀬幡治君 だろうという話ですから、これ以上やってもまた時間の空費になりますから……。 次にお尋ねしたい点は、今度これで三べん目の改正になるわけですが、たとえば後進地域の開発とか、それとからんで、あるいは北海道開発であるとか、あるいは東北開発、いろいろなことがあると思いますが、そういう後進地域の開発と今度の道路計画とは、一応資料は年度別の資料で過去の資料は出ておりますが、今度はそういうような点について配慮されるのか、そういう地域的なことについては全然考慮されていないのか、どういう点で今度こういうふうにさきの十カ年計画というものが改められてきたか、という大きな理由ですね、柱になっておるものを項目別に一つ御説明を願いたいと思います。
○政府委員(石原周夫君) ただいま成瀬委員がお尋ねになりました地域別の関係でございまするが、これは現在二兆一千億円のワクの中におきまして、国道が幾ら、地方道が幾ら、そういうような内訳、有料道路におきまして首都高速の関係が幾ら、あるいは道路公団の関係が幾ら、こういうようなことを建設省において案を練っておる最中でございます。成瀬委員が仰せられましたような点も当然考慮の一点であろうと思います。それがどういう形になって参りまするか、これは建設省が案を作りました上でわれわれも相談をいただくかと思っておりますが、現在のところはまだ私ども承知しておりません。
○成瀬幡治君 いやいや、私は改正されたその理由を一つ、たとえばその一つの例として地域差も何とかしなければならぬのじゃないかというようなことが一つの理由だろうと思いますが、まだほかに理由があるんだろうと思いますが、そういうことはないわけですか。ただ単に道路をよくしなくちゃならぬという理由で、さきの十カ年計画が今度修正されたと、これだけの話なのか。
○政府委員(石原周夫君) 御承知のように、一兆円の道路計画ができましてまる二年を経過いたしまして、そして新計画に切りかえようというわけでございまするが、今お尋ねの点につきましては、その後の自動車の増加の関係、あるいは道路の関係、そういうものを見てみますると、当初に前提といたしました自動車のふえ方、あるいは道路のこみ方というようなものが、どうも一兆円計画をもってしては十分に解決できないんじゃないか。従いまして、一兆円計画の前提といたしました、基礎になりました諸資料がその後の状況によりまして相当程度動いてきておるということで、それをいわゆる自動車一台当たりの道路試算というようなことをやらなければならぬわけでございますが、道路一つにつきましてどの程度の投資をいたす、その計算を今後の自動車の増加状況等とにらみ合わせまして、二兆一千億にふえたわけでございます。
○成瀬幡治君 計画はないとおっしゃれば、それまでですが、一応私たちとしては、地域差のアンバランスという面ですね、今度の所得倍増計画も所得格差の是正ということが大きな問題だと思う。やはりそれには道路行政というものが大きな役割をなすだろう、従ってそういうような点から逆算されてきて、こういうことになったというなら、これは大きな柱が立つ、理由が立つと思いますが、それならそれとして、それの遂行を文字通りしてもらわなくちゃならぬ。従って、それが今建設省で検討中とおっしゃるならば、そのアイディアはそういうことが大きな柱になって実は検討されておるんだというのか、そうじゃなくて、前の続きでもってして、どうもこの第何号の国道をただ単にやればいいんだ、舗装をすればいいんだということなのか、もう少し親切に御説明を願えればいいと思うんです。言葉じりを何もとらえるというわけじゃございません。
○政府委員(石原周夫君) 詳細につきましては、いずれ建設省が案を検討され、立てられましてから、ごらんをいただくことだと思うんでありまするが、ただいまのお尋ねの点につきましては、国道のうちでも一級国道、二級国道の優先順位をどういたすか、あるいは府県道をどういたすか、あるいは地方単独道路をどういたすかという問題でございますが、この点につきましては、一級国道を大体五年、二級国道を合わせまして十年、地方の主要道路を合わせまして十五年ということに大体の目標を立てておるわけでございまするが、特に地方財源につきましても、一応道路税の増徴、軽油引取税ということを合わせまして相当に力を入れておるわけでございまして、御承知のように、千九百億の地方単独道路を三千五百億に引き上げたということをやっておるわけでございます。 ただ、その具体的な地域配分につきまして、成瀬委員がお尋ねになりますように、地域開発のどういうところをねらっておるのかということでございますれば、これは長期計画の建前といたしましては、やはり全体の道路投資額というものをねらって二兆一千億円という数字をきめているということを申し上げざるを得ません。ただ、具体的に地方道路にどう配分するか、さらに国道、地方道の中で、おっしゃいますように、後進地域の開発に主眼を注ぐというような点につきましては、先ほど申し上げましたように、建設省において十分そこら辺を頭に入れていただきまして、ただ御承知でありますように、現在道路問題の非常なネックが大都市の周辺に起こっておることは事実でございます。従いまして、一級国道、二級国道ということを申しましても、これは大都市を中心にします地域にもございますし、あるいはいなかにもございます。従いまして、そういうような一級国道に重点を入れるから地方に手が回らないんだということでもございません。そこはやはり、幹線になりまするものと支線になりまするものとの間のバランスの問題であります。別しては、地域的な配分の問題だと思います。そこら辺につきましては、先ほど来申し上げておりますように、建設省におきまして、いわゆる大都市周辺の交通問題をどう解決するかという問題ともあわせまして、十分に検討していただくということになると思っております。
○成瀬幡治君 建設省、建設省とおっしゃいますが、少なくとも国策として所得倍増計画をやられる、そうしてその格差を縮めるというのが私は大きな柱だと承っておるんです。従って、それは所得の地域格差も当然その中に入っておる。従って、そういうような点について十分な配慮なり十分な計画があって、こういうものが出ておると思う。どうもそのアイデアがはっきりしないから今のようなお尋ねをしたわけですけれども、それは別としまして、どうももう一ぺん問題を蒸し返すようで悪いのですが、目的税との関係ですね。今度の二兆一千億の財源を見てみましても、一般財源というものは、二兆一千億を占めるのに、八百五十九億かと思いますが、この数字が間違っておれば別ですが、それくらいしか一般財源は入らないわけです。従って、このほとんどがガソリン税でまかなわれるということです。そうすると、ガソリン税というものはどう見たって目的税というようなものに受け取られる、解釈されてもやむを得ないじゃないかと思います。一〇〇%じゃないじゃないかとおっしゃられれば、それまでかもしれませんが、非常に占めておるわけです。従って、こういうものに対して、税制調査会等でこの揮発油税そのもののあり方、そういうものを私はうんと討議をしていただく。あるいは大蔵省として税制調査会というもので一つ討議をしてもらいたい。こういう目的税のようなものが私たちは今の税体系からいっておかしいと思います。大蔵省としては結論が出ておるからもういいとおっしゃるのか、税制調査会に大蔵省自身が持って出て、目的税の可否について、特にこの揮発油税みたいなものについて議論をしてもらう用意があるのか、諮問されるだけの用意があるのかどうか、その点のところを一つ承りたい。
○政府委員(村山達雄君) 今その税体系論が出ましたので、その点に限ってお答えいたしますと、この点は政府の税制調査会でも相当検討が行なわれたわけでございます。ただ、道路政策の関係はこれは税制調査会の範囲外でございますので、主としてもし必要がある場合にさらに揮発油に財源を求めることがいいか悪いか、それから可能であるかどうか、こういう観点から行なわれたわけであります。この際問題になりました諸点は、先ほども申しましたように、現在こういう国際商品としての石油について、その税込み価格並びに税引き価格の両方から見て担税力の余地があるかどうか、国民所得に対する比率はどうか、上げることによる経済的なプラス面、マイナス面、こういう点の観点、それから諸外国における道路支出を揮発油税収入との割合、こういう各般の要素を検討いたしまして、現在揮発油税が厳密な意味では目的税ではないと思います。実際上、道路緊急措置法によりまして財源に使われておるわけでございます。そういう点も十分考慮の上で、なお増徴の余地あり、こういう結論を出したわけでございます。
○成瀬幡治君 あなた、税制調査会で議論されたというけれども、税制調査会からお配りになったこれには載っておりますか、そういう経過のものは。
○政府委員(村山達雄君) それにはごく概要が載っておるわけでございます。
○成瀬幡治君 一つ私たちはこの目的税の問題について疑点を持っておりますが、これはここで議論をしてみても追っつかないことだし、時間のあれになりますから、私はやめますけれども、十分一つ検討をしていただかなければならない問題であります。 次に、予算編成前に道路公債の話が少し出たことがある。今後この五カ年計画あるいは十カ年計画を遂行される上において、道路公債は出す必要はないと、少なくとも四十年までのこの前五カ年計画においては必要はないという結論に達せられたのかどうか、三十六年度は出さなくてもいいというような含みがあっての話なのか、その辺のところを御説明願いたいと思います。
○国務大臣(水田三喜男君) 今度の二兆一千億円計画で、これをこの五カ年の間にやっていくということでしたら財源的な関係から見て、道路公債の必要は一応ないと私どもは思っております。
○成瀬幡治君 一応の結論としては、道路公債は発行する必要はない、こういうふうにお考えになった。あと野溝先生おやりになるということですから、私はこれ最後で終わりますが、どうもガソリン税を見ていると、大体二年置きに上がっているのですよ。今度はやらぬぞよとおっしゃっても、一回あることは三べんあるということで、三べんでおしまいかもしれませんが、どうも不渡りのような気がしてしようがない。その辺のところを一つ心にとめ置いて、政党政治でございますから、大臣がかわっても、人がかわったといっても、政党がかわったというわけではないのですから、どうぞその点は、自民党内閣が続く限りにおいてはこの次は出さぬというような決意なのか、何かまた二年たったらやるわいという考えなのか、決意を一つお聞きしたい。
○国務大臣(水田三喜男君) そこでこの計画のワクが問題になるわけですが、二兆一千億円計画、これが三兆億円計画というようなことでしたら公債の問題も出てきましょうし、またガソリン税の値上がり問題ということも出てくると思いますが、この二兆一千億円という計画の範囲内でございましたら、一般会計の負担分も大体きまっておりますし、ガソリン税の増徴とか、あるいは公債発行というようなことにならなくてやっていけると私は思っております。
○成瀬幡治君 あなた、ワクにこだわるからおかしくなるのです。前は一兆円を、五年前ですか、三十四年のときにおきめになったと思うのですが、三十三年ですか……。そして今度二兆一千億円、四兆九千億のワクをきめておいでになる。ワクが変わればまた変わる、これではどうにもならぬ。今度私たちは二兆一千億円、四兆九千億円の十カ年計画を樹立されたという点は、経済成長、所得倍増計画等いろいろとにらみ合わせられて、十分長期計画に対して見通しをもってお立てになったと思う。ところが、今までは二年くらいのところでぶらぶら変わってきたということなんです。これは初めのうちは十カ年計画、五カ年計画といってみても、いろいろな基礎的な数字、いろいろなものが不足であったから、変わった。一ぺんやそこらは見のがしてもいい。ところが、三べんになるから、今度お変えになれば四へん目です。そう長期計画がしばしば変わってはいかぬと思う。従って、一兆のワクが二兆になったら知らぬ、三兆になったら知らぬ、しかしまた四兆になるかもしらぬぞということは、どうにも話として受け取りにくいのですよ。あなたの方の長期計画というものは長期計画じゃなくなってくる。その場その場の政策のように受け取れてならないわけです。その点はどうですか。
○国務大臣(水田三喜男君) 所得倍増計画で見ましても、大体道路投資十カ年で四兆九千億円、約五兆億円という一応の目標が出ておりますが、一応その目標に合わせて私どもも前期の五カ年計画をきめております。それで、財政的に見ましても、また経済効率、いろいろな点から見ましても、五兆計画の中の前期の計画として二兆一千億円というのは大体計画のもうこれは限度というふうに思っておりますので、この計画を変更することは五カ年はないと私は思っています。
○野溝勝君 成瀬さんや天坊さんから詳細にわたるガソリン税の引き上げの問題について質問がございました。私は重複を避けて、この際二、三お伺いしておきたいと思うのです。 私の考えは、倍増、自由化の線に沿って、この政策が裏づけとなっているんじゃないかということです。今質疑の内容を聞いておったのでございますが、どうもそれとも関係があるような、ないような御答弁でございます。それでは、所得倍増、貿易の自由化と直接的には関係はございませんが、ガソリン税の引き上げの財源処理に対する問題は、一連の関係はあるんですかないんですか。
○国務大臣(水田三喜男君) 今の御質問の意味は、将来石油輸入の自由化というようなこととの関係でございますか。
○野溝勝君 そういう意味です。
○国務大臣(水田三喜男君) これは今、自由化については一応去年できた政府の自由化計画というものがございまして、私どもはその順によって実施していくというつもりで、今回のガソリン税の値上げと直接にそれを関係させて考慮したものではございません。
○野溝勝君 ちょっと私も受け取れなかったのですが、関係あるものとしてガソリン税の引き上げをしたというのですか。
○国務大臣(水田三喜男君) そうではありません。
○野溝勝君 間接的にも考慮をしなかったのですか。
○国務大臣(水田三喜男君) まあ大体そうです。
○野溝勝君 私どもはこういうように考えておるのでございますが、いかがなものでございますか。国際的な性格を持っている品物である。よって、アメリカでは御承知のごとくドル危機で、その影響で日本の財政などについても国際収支の赤字が出てきたわけなんですが、これについてはいろいろ理由も言われておりますが、大体私どもそう受け取っておる。そうすると、アメリカでは国際商品としての価値のあるこの石油の販路というものを相当に拡大して、ドルを引き揚げなきゃならぬ、そういうような考えがあって、日本に対しましては相当売り込みの幅を広げておるわけなんでございますが、先ほど政府の方々の御答弁によりまするというと、一方においてはさようなにおいがし、一方においてはそれを関係がないごとく言っておるのでございますが、この税を引き上げた結果、貿易の自由化との間に矛盾が来るような気がするのでございますけれども、そういう点は私は貿易自由化は、いい悪いは別でございますよ、別でございますが、主張しておる政府の自由化の方針とは少し食い違いが来るように思うのでございますが。その点はどうなんでございますか。
○国務大臣(水田三喜男君) この石油の自由化は、政府のプログラムでは、御承知のように今後三年間という中にもまだ入っていない問題でございますので、将来の問題として考えるということになっておりますから、今回のこの問題は直接には私どもはその問題と離れたものでございまして、関係はございません。
○野溝勝君 どうもおかしいですな。先ほど、日本産業の開発の基幹となる道路計画については、十カ年計画からさらに五カ年計画としてその促進をはかっておる。そのためには膨大なる財投予算ができておるわけだ。二兆一千億、さらに四兆九千億というような計画、構想を持っておるわけでしょう。こういう大きな予算を持っておるこの構想の一つである石油産業の政策を、そう簡単に三カ年でどうとかこうとかいうことの御答弁だけでは、抽象的な気がするのでございますが、もっと日本石油資源開発との関連において不動の態勢が検討されておらなければならぬと思うのでございますが、これは大臣でなくてもよろしゅうございますけれども、一つ主税局長の石原さんの方から骨のあるようなお答えを願いたいと思うな。
○政府委員(石原周夫君) 本来、貿易自由化の問題でございまするから、通産省の方からお答えをいたすべきところでございます。大蔵省といたしましては、先ほど大臣がお答えいたしましたように、一、二、三というように三つに分けまして、なお将来の自由化の問題を検討するというカテゴリーに入っておるというところまででございまして、五年、十年という今の道路計画のプログラムでございますけれども、それでは何年目にどういうふうにして自由化をいたすかということは、まだ政府としても結論を得ておりません。従いまして、ただいまの野溝委員のお述べになりましたような点で、この五年計画、十年計画のどの辺で自由化を考えるかということに相なりますると、これはなお十分検討した上でございませんと、現在は第三のグループと申しますか、将来の問題を検討するというグループということでお考えをいただきたい。従いまして、さしあたりとしては現在のベースを前提としたところで計画を立て、その上に御判断をいただくという以外にはないと思います。
○野溝勝君 私もあまりとやかく議論走りをするわけではないのでございますが、道路整備費として膨大な計画の財源となるべきこのガソリン税が、税体系の中で目的税的なもので、問題のあるような税金徴収には反省すべきである。農林予算が一千九百億ぐらいでしょう。それに近いガソリン税の取り立てをするんですな。さらに先ほど天坊さんは酒税に次ぐと言いましたけれども、酒税も大衆課税ならこれも大衆課税。こうした大衆課税を、使い道が計画的にかつ具体的にまだ成案を得ておらぬらしいのでございますが、私どもは単にこれが道路の開発とか道路の拡張は経済効率云々というだけでなくて、それの及ぼす影響というものを十分考えていかなければならぬと思うのです。そういうような点について、運輸業者の一方的見解というだけで簡単に取り扱うべきではない。間接的には大衆課税として物価の値上がりという形になって参りますので、特にこの点、業者ばかりの反対でなくて、農民あるいは一般商人の方々も強く反対しておるのでございます。この事情に対して当局は、先ほどの同僚意見もありましたごとく、国民から反対を受けておるような税目に対しましては、これは一応検討をするということではなくて、私は最小限の課税額にしてはどうかと思っておるのでございますが、財源がある、財源があるといいましても、やはり国際上から見ても限界点に来ておるということがもう一般的にも資料の中で示されておるわけでございます。こういう点について、先ほど主税局長のお話によるというと、国際的にはまだ低いとかなんとか言っていますけれども、日本の経済事情ですね、ただ政府のいうところの、自民党のいう経済成長率でなくて、資源もなけりゃ領土もない、ただ加工貿易によって少しく黒字を得ておる程度の今の日本の内容でございますから、そういう点から見て、この案を作るときも有能なる官僚諸君は無理な増税だと悩んだと思うのでございますけれども、今後まあどういうような考え方で進めようとするのか、先ほどの大臣の気持は、この程度で、あとはやるような、またやらぬような、さっぱりわけがわからぬ。まあ要領のいい大臣でございますから、その点はむしろ大臣初め事務当局からも答えてほしい。ここで一つ相談をして、はっきりお答えを願いたい。
○国務大臣(水田三喜男君) まあ御参考に……。もう御承知だと思いますが、揮発油の小売価格、今度改正後キロ当たり四万六千円、日本は。英国が四万七千百十八円、西独が五万一千四百三十二円、フランスが七万二千百八十一円ということになっております。主税局長が余裕があると言いました軽油の方は、今度日本が三万二千八百円になる。英国が四万七千八百十一円になる。西独が四万六千二百八十九円、フランスが四万八千六百三十一円というふうに、国際商品でありながら、各国の小売値段は、これだけ開いておって、日本に余裕がある、外国に比べて日本の軽油、揮発油が安いということは言えると思います。で、かりにこれが目的税でなくても、これが一般歳入に入る税金であったとしても、やはりこのガソリン税の値上げというものは私はこれは行なわれるべき趨勢にあるものだと思っています。 で、今ほかの方からは、これを道路に特定財源にされることが困るのだ、一般財源にみな入れて、そして公共事業費全体の割り振りをしてくれ、非常に伸びる税源を道路だけに取られるのは困るという予算編成上のいろいろな問題が出ておるのでございますが、私どもは各国の例から見ましても、この道路費というものはガソリン税を特定財源にして、その範囲内で道路整備をやるのがいいというふうに考えて、道路の特別会計を作ったといういきさつもございますが、従って、これが一般会計の財源ということになりますというと、まだガソリン税、軽油は余裕があるということは言えるんだと思いますが、特定財源になっているからこそ、道路計画というものに縛られて、不必要な増税はしなくてもいいということになりますので、そういう意味でこの道路計画というものは非常に慎重を期さなきゃならぬ問題で、私どもはこの中には、さっき申しましたように、民間の金も使う計画になっておりますし、それから地方財政に相当の負担を負わせて、三千五百億円の単独事業も見込んでありますので、いたずらに大きくすれば地方財政が負担し切れないという点も出ますので、そういう点も全部勘案して二兆一千億円という計画の幅を作ったのでございますから、この計画をその通りに実施していくという限りでは、揮発油税のこれ以上の増徴というようなことはしなくて済むというのが私どもの考えであります。
○野溝勝君 今の国際価格との問題についていろいろとお話がございましたが、確かに石油については表向きはその傾向があると思うのですが、しかし、石油といってもガソリンもあれば重油もあるのでございまして、重油の方の国際価格というのは割高でございますから、そういう点はひた隠しに隠しておいて、増税に都合のいいところばかりぽんと答えている。そういうことはきょうは議論になりますから、私はやめましょう。 さらに、所得関係などにおいても、日本は、各国と比較してみてごらんなさい、ぐっと低いのです。それらの点からも、大臣は先ほどその点を正直に告白したようですから、本税のごとき大衆に転嫁されることが非常に心配というか、すでに具体的に現われているのです。業界なども当然大衆に転嫁するよりいたし方ないと言っているのです。成瀬委員の質問に答えて、ガソリンに関連して物価を引き上げる、あるいは運賃を引き上げるということはしないと、こう言いますけれども、それに関連をしないと言いましても、裏をのぞけばみんな関連しているのでございますから、これが一つの政治答弁でなくて、事実がそういう動きにあるという点は、こんなことはもう三才の子供でもわかることなんです。特に賢明なる大臣は、答弁技術だけでなく、十分反省し、もっと野にあった当時の気持を示してはどうか。国民全部が反対をしている悪税なんですから、実際。ですから、これは絶対もう増税はいたさぬということ、さらに大衆課税であるから、近い機会に十分検討してこれを引き下げるというような努力をするという誠意ある御回答があれば、私はこの程度で打ち切りたいと思います。
○国務大臣(水田三喜男君) 問題は、特定財源でございますから、計画に縛られておるということでございますので、この計画を変更しないでやっていくということと同時に、ガソリンの使用というようなものが日本の経済の伸びにおいて非常に多く伸びておる、そこまでの税収をしなくてもやっていけるというようなことでございましたら、これは下げべきものでございますし、その点は、私どもの今度の値上げは計画に縛られた一つの値上げでございますので、この事態が変わってきますれば、ガソリン税においても私は非常に使用が多くなる、財源が計画に対して多過ぎるというような事態は、これはもう引き下げをするのが当然だと思っております。
○成瀬幡治君 大臣、ガソリン税とは別ですけれども、租税特別措置法について無理に関連させれば関係するわけですが、今度の銀行の大資本への、何というのですか、くちばし入れの問題です。大臣はどういうふうにお考えになっておるのか。あるいはこれは資本金の充実の問題ともからんでくるわけですが、何としましても、自己資本が足らぬということは一つの特徴だと思います。従って、外部資本ということは結局銀行に会社が負う、そうすると、銀行の発言権というものが非常に強くなってくる。銀行がどうやるかというと、結局まあ自分の貸しておる金を保障するために指図するような形で、重役を非常に派遣をしておる。こういうことに対して、大臣として、銀行局長見えておりませんが、大臣はそういうことは好ましいとは決してお考えになっていないと思うのですが、このことに対して大臣は今後どういうような行政指導をやろうとしておるのか、お考えを一つ承っておきたい。
○国務大臣(水田三喜男君) そういう姿が好ましいとは思っておりません。で、銀行のそういう企業支配といいますか、そういうような問題がしばしば問題になっていることでございますので、行政官庁としては、そういうことの指導を十分やって参りましたが、しかし、問題は、企業が自己資本の充実ができなくて、ほとんど銀行資本に依存しているという実態から来るやむを得ない面というものも今まではございましたために、こういう姿をやはり直すということから、御承知のように、今度公社債信託というようなものを許可いたしまして、それによって企業が従来全部銀行に依存しておった長期資金を新たにこういうことで調達できるというような道が開かれたことによって、銀行の企業支配というような形が事実上薄らいでくるというような方向に今後進んでいくと思いますので、そういう事態に対応して、こういう弊害は私は漸次是正されていくものと思っております。
○成瀬幡治君 まあ将来の方向というようなことは別として、今どんなふうになっておるかというと、私も詳しく勉強しているわけではございませんけれども、少なくとも百億ぐらいの会社が、これは総資本ですが、百二十八社、これは大蔵省発表の統計によるのですが、そしてその総資本が大体五兆八千六百六十五億を占めておるという数字が出ておる。こういう会社の内訳を見てみますと、ほとんど借入金が主たるものです。自己資本ではない。自己資本ではないというと、どういうことになるかというと、今申しましたように銀行の発言権が強くなる。銀行の発言権というのはどうして強くなるかというと、先取り特権があるわけですから、銀行が金利を取る。大したものです。そのためにどうしたってより高い水準の余剰価値というものを追求するというような形になってくる。それからまた、銀行が貸す場合は、選別融資というものが当然行なわれる。このような形で独占体制というものが固まっていくと思うのです。 その一つの方途として、派遣政策というものが片一方には出てくる。将来は公社債信託というものが銀行にかわって長期金融をしていくからいいじゃないか。——そういうことは私は納得します。しかし、今の姿ではやはり何としても銀行が企業支配をしていることは事実です。支配することがいいとしても、派遣重役があまり多過ぎるというのはおかしいと思うのです。今私は一億以上の一流会社がどのくらいあるかを調べてみましたら、千五百五十六社あるのです。それに対して銀行が派遣重役を出しておらないところはないと言っていいのです。こういうことが何としても私は納得のいかない点だと思うのです。これは大臣も同感だと思うのです。これからは公社債信託でそういう長期金融を見ていくからいいのだということでは、問題は解決しないじゃないかと思うのです。 今のこの現状に対して、何か私は行政指導をやる必要があると思うのです。あるいはやっておいでになるのだったら、こういうことをやってきたと。しかし、銀行は預金者の保護という名目でやっているのだといえばそれまでですが、一体どういう努力をされて、どういう方向で行政指導をされたか。今私の申しましたように現になっているのですから、私はこれまではこうやった、これからはこうと、二つに分けて伺いたいと思うのです。
○国務大臣(水田三喜男君) きょうは銀行局は来ておらぬようですから、こまかい指導については私詳しく御説明できませんが、私の聞いておりますところでは、この問題はいろいろ世間から過去において言われてきた問題ですが、問題は、今言ったように、企業が銀行資本に依存しなければならぬというのが、過去の実態でありましたために、銀行が押しつけるということも過去にはございましたでしょうし、反対に、そうではなく、企業運営のためには金融というものが一番大事だ、各社の経営の中心が金融事務ということに移ってきている以上、やはり専門家として、また融資銀行との関係をよくしようという意図もむろんあると思いますが、企業側が自分の方にこういう人に来て金融事務を見てもらいたいというようなことがあって、個人が承知し、そうして会社の株主総会でこれを承認するというような形をとってくるものに対して、役所がそこへ行っちゃならぬという干渉というものはできませんので、その会社がきらい、株主総会もなかなか承知しないというものを押しつけるというような事態で問題になったものについては、そういうことはといういろいろな指導はしておると思いますが、自発的に民間会社が銀行に人をくれといって重役を迎えるというようなものを、政府がみとめるということはできませんので、今行なわれているいろいろなそういう現象というものも、無理にやったものか、そうじゃなくて、企業側の要望によってそういうふうな役員構成ができ上がるということも考えられますし、その点は非常にむずかしい問題だと思います。結局そういう形がどう出てくるかということは、日本の資本蓄積のないときに、経済復興が急ピッチであったということから、ほとんど各企業が自己資本を充実させないで、銀行資本に依存している、また今日までそれできたという実態からそういう現象が現われたのだと思いますが、目に余るようなことという事例は私は少ないのじゃないかと思います。一、二問題を起こしたものについては、役所が当然中に入って今までいろいろ指導をしておるはずでございます。
○成瀬幡治君 大臣にあまりこまかいことを伺ってもどうかと思いますが、好ましくない姿だけはお認めになると思う。従って、そういう方向で問題が起こらない事前の措置をおとりになるのも、私は大臣としては意義のあることです。従って、あなたが先ほどおっしゃった、株主総会できめたなどとおっしゃいますが、今、過小自己資本ですから、株主の発言権というものはないのですよ。外部資本の発言権、いわゆる銀行の発言権で事がきまってくるのです。だから、それに対して大臣としてはあるリミットというものが——いわゆる銀行というものは一つの社会的な、公共的な倫理、道徳があると思うのですよ。法律的にどうこうというのではなくて、銀行の果たすべき倫理、道徳に反するようなことについては好ましくないというような私は指導をしてもらわなければならぬ、こういうことを大臣に申し上げているのであって、あなたにあまりこまかい行政的な注文をするのはいかがと思いますが、そういう方針から見られたときに、今の銀行局がやっていることを私はまだ聞いておりませんから、中身は知りませんが、もし不十分であるとするなら、大臣が十分一つそういう方向に努力をしてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(水田三喜男君) それが弊害があるような形は、そういう姿は好ましいとは思いませんので、そういう点の指導はしたいと思います。
○成瀬幡治君 この問題は私は銀行局長にまたいろいろと伺いたいと思いますが、大臣にお願いしておきたいのは、私は、公取委で問題になるとかならぬとか、そういうことを言っているんじゃないんですよ。ですから、資産償却の問題としても大蔵省としては提案をされて、なるたけ自己資本を大きくするようにという努力をされておる点も認めます。認めますけれども、やはり目に余るものがあるというのが、一般企業側から見ても、国民の側から見てもそうだと思うのです。大臣も大体そうだとお思いになると思うのです。今のものが問題がないから非常にいい、これでいい工合にいっているわいということじゃなくて、何か銀行倫理にもとるものがあるというふうにお考えになっていると思いますから、そういうことについては積極的な私は御指導を賜りたいと、こうお願いしておるわけです。どうです、その点は間違いないように積極的な一つ御指導を水田大蔵大臣のときにやってもらいたい。今までの大臣はどうも銀行資本とあまりつながりがあって、どうもいかぬ。これを大臣に一つお願いしたいと思います。
○国務大臣(水田三喜男君) 御趣旨は了承いたしました。
○野溝勝君 大臣が時間の関係もありますので、私は先般有価証券取引税法の一部改正の法律案の中で質問を留保して委員長の了解を得ておりますので、この際直接には関係ございませんが、租税特別措置法の中で一、二お伺いしておきたいと思います。 先ほど大臣のお話によりますると、公社債の投信ができたから今後心配ないと、特に言われておるんでございますが、私は非常に心配しておるんです。全金融機関に関連の問題でございます。特に政府の方針によりまして低金利政策が打ち出されたんですが、この低金利政策を打ち出されたその理由は、今日の国際的な動きに沿っていかなければならぬというにある。国際性とは、この裏を返せば貿易の自由化が大きな因になっておると思うんです。一体、低金利政策もよろしいんでございますが、産業界は系列再編成で、だんだんと整理されてくると思うんです。表向きは低金利で産業界がやりいいように思うのですけれども、生産と販路消費の見合いが不十分である。むしろこれから融資をする対象は、いわば巨大なる産業界に集約されるものと見られ、相当の力関係といいますか、そういうのがないというと、なかなか撰択融資が厳重になってきまして、弱小の事業家は系列に参加するか漏れた者は整理されてくると思うのです。こういう点に対して配慮はどういうふうにされているのでございましょうか。
○国務大臣(水田三喜男君) たとえば、公社債というようなものの消化が、個人消化というものが非常に従来少なくて、ほとんど大部分銀行引き受け、銀行消化というような姿でございますというと、国民の蓄積した資金の大部分がこういう公社債を発行できる大きい企業に使われるというようなことで、中小企業の金融というものもいろいろ苦しくなるというようなことはございましたが、今回のような措置によって、この長期資金というものが銀行資金によらなくて大衆資金によってまかなわれるというような姿が出て参りますというと、これはいわば銀行にとってはそれだけ肩がわりしてもらったということになりますので、こういう姿が今後中小企業の金融を圧迫するという方向ではなくて、逆な方向へ行くことが考えられますので、そういう意味で従来いろいろ非難された金融のあり方というものがこれによって是正される私は一歩を作ったものだと考えておりますので、将来中小企業の金融というようなものは私は今までよりは非常によくなってゆくというふうに見ておりますし、またそういうふうな指導をしたいと思っております。
○野溝勝君 大臣の言われるのは、中小企業は今後よくなる見通しだと、こう言われるんですが、もう一つ具体的に低金利政策なりあるいは社債金利の引き下げと歩率の引き下げですね、そういうことによって、具体的にいえば、中小企業の方がよくなると言うんですが、どういう状態でよくなるのか、その具体的な根拠、考え方をもう少しこの際明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(水田三喜男君) 今言ったような事情が過去にございましたために、大銀行からの中小企業への金融が非常に少ないというようなことかございましたために、中小企業については、特に中小企業の金融機関として政府はいろいろな配慮をしております。で、政府関係機関も中小企業のために幾つかできておりますし、そのほか信用金庫、相互銀行、不動産銀行もそうでしょうが、特に中小企業に配慮するための機関を幾つか作り、その資金量を増すという方向で今までやって参りましたが、今後その資金量をさらに増すと同時に、金利を引き下げてゆくということをあわせて、大銀行側が中小企業に貸していく、金を貸せる余裕を持つという方向への指導をあわせて私どもはやるつもりでありますので、それによって中小企業の金融というのは今までよりは相当改善されると私どもは思っています。
○野溝勝君 大臣はそう言われますが、三十六年度の財政投融資の中で中小企業に関係した資金ワクを見ても、大臣の言われるように大きく計上してないですね。その配慮はどこに出ておるんですか、国民公庫でも中小公庫の方でも、財政投資のワクは前年度より一二%ないし一三%ふえただけです。この数字が間違っておるのか。
○政府委員(石野信一君) 数字の問題でございますから、私からお答えいたします。ただいまの政府関係機関の財政投融資の金額でございますが、国民公庫、中小公庫につきましては、当初計画に対してたしか一七、八%の増加を見込んでおります。これで十分じゃない、少ないじゃないかという御意見はもちろんおありだと思いますが、先ほど来の御質問の点は、そういう意味で中小金融を今後ますます重要視していかなければいけない、こういう点は私どももそういうふうに考えております。従いまして、先ほど大臣からのお話もありましたように、ある程度直接投資が進むというようなこととも関連しまして、今後できる限り中小金融についても実質的に、金利を下げるという問題とか、あるいは資金量を金融債等の面で、まあたとえば商工中金の金融債をどうするというような問題につきましても、できるだけそういった点で配慮をいたしまして努力して参りたい、そういうふうに考えておる次第でございます。
○野溝勝君 銀行局長は、国民金融公庫が一七%多くなるとか、あるいは中小金融公庫が多くなったとか言っておりますが、公団、公社、巨大産業の費目と比較してみて下さい、それは問題にならないのですよ。ですから、私はそういう点をきょうここであまりこまかく質問をいたしませんが、今大臣の言われたような配慮がただ低いという点でございまして、全体の中から見ると、そういう点の配慮というものは実に欠けておるわけなんです。一々ここで数字をあげませんが、そういう点は、特に大臣が答弁としてさようなことを言われても、内容的にはそれを示されておらない。 さらに、私が心配することは、金利政策の結果、財政資金というものが、円滑を欠き、下請業者にしわ寄せされる心配もある。さらに民間の収支は大幅に支払い超過の状態なんです。そうすると、今後国際収支の悪化から見て、コールは軟化するものと見なくてはならないと思う。これは一般的な世論です。そういう点に対しての対策といいますか、考え方をお伺いしておきたい。 それともう一つ、現在国際収支の赤字というのが一、二月で二億ドル近くある。今後さらに非常に不安である、こういうことも言われておりますが、一部の学者によっては別にこれは差しつかえないのだというようなことも言われております。この点に対する考え方を一つお伺いしておきたい。
○国務大臣(水田三喜男君) 国際収支の問題は、御承知のように、これは貿易外の支払いを除けば経常収支で六千万ドル前後の赤字でございます。三月も、総合収支はむろん黒字でございますが、経常収支では四、五千万ドル赤字になると予想しています。この傾向は五、六月ごろまで続くのではないかと思いますが、それならこれがどういうことになるかと申しますと、結局この赤字を見ますと、輸入のふえたことによる赤字ということになりますが、それでは輸入のふえ方が不健全であるかどうかを見ますと、大体上半期が輸入期で下半期が輸出期ということでございますので、季節的なふえ方がむろんあると同時に、経済の伸び方に対応して必要な輸入であったかどうかというのが問題でございますが、大体経済の伸び方、鉱工業生産指数の伸び方、それに対応した必要な輸入であるということと、それから去年の下半期に非常に日本は輸出が伸びたために、原材料の在庫というものが相当減っておりますので、この上期に原材料在庫の補充という意味の輸入がふえておる。この輸入のふえ方を一つ一つ検討してみますと、この中には不健全な要素というものはない。まして思惑的な要素というものはないということが考えられますので、そうしますと、輸入の姿はこれは日本の経済が進むに従ってあるべき姿だということが言えましょう。 そうしますと、問題は輸出がにぶっているのだということになろうかと思いますが、この輸出の伸び方を見ますと、前年に比べて減っているわけではございません。前年の一月とか二月に比べて輸出が減っておるわけではございませんが、伸び方が足らないということは事実でございます。どこが足らないかと申しますと、西欧向けの輸出が前年同期に比べて七〇%以上も伸びている。しかし、反面輸出の一番大きい相手国であるアメリカにおいて二〇%も減っておる。そうして東南アジアヘの伸び悩みというものが出てきておるということが問題でございますので、結局アメリカ経済の不景気が日本の輸出に響いておるということは確かでございますので、そうしますと、問題はアメリカ景気の見通しということにもなろうと思いますが、これはなかなか見方がむずかしゅうございまして、現地の見方は二月が底であって三月からアメリカ景気は立ち直るというふうに情報を私どもは得ておりますが、また別の見方によると、やはり下半期から立ち直るので上半期はそう立ち直りというわけにいかぬであろうという見方もございますが、二月の対米輸出の信用状の工合を見ますと、今までずっと減ってきたのが、二月からこの信用状がふえているという事実が出てきましたので、これは一つの注目すべき問題で、この調子でいくのか、そうでないのか、この点は私どもははっきりつかめませんが、問題はそういうことによってまだ将来日本の輸出を伸ばす余地というものは、われわれの努力で十分あると考えておりますので、そうしますというと、輸出を年間において九%以上伸ばし、輸入を今政府の考えておる去年よりも%伸ばすくらいのところで押えたいというような計画が今のところ大きく狂うとは思えませんので、まあ季節的な問題もあって、上半期の赤字というものは続くと一応見なければならぬと思いますが、下半期から輸出期へ入ったあとでこの国際収支の改善というものは私どもはできると今考えているところで、そういう心配すべきいろいろな基調の変化が現在日本経済に出ているとは私ども今のところ考えられません。
○野溝勝君 大臣、初めに注意しておきたい。大蔵委員会は、大体政府の大蔵省を中心とする委員会ですから、日本の財政経済の微妙な動き、特に国際的に反響ある金融問題等、大臣が告白された通り、たとえばアメリカ経済の不振というようなことが日本の貿易初め経済上すぐに影響してくる。経常収支においての赤字の点、われわれが心配すると、その点、政府は心配ないということを言われておるのですが、最初の予想がはずれたことは当然心配するのが政府の責任だ。それを時には心配がない、時には心配がある、どこをつかんでいいかさっぱりわからない。こういうような動きは衝にある大臣承知のことだ。それを予算委員会で問題になる前に、内輪の大蔵委員会にみずから進んで出席し、当初計画からは少しズレが出るのじゃないかというようなことに対して懇談するため、大臣、時間をさいても本委員会へ来て、今のような動きを示してはどうですか。そうすれば、われわれとしても安心ができ、かつ国民にPRを努めて、政府の意のあるところも曲解なく理解をするにやぶさかでないものです。私は新しい委員会運営を今後強く委員長を通して希望しておきます。 そこで、関連をした私の質問に入るのですが、今大臣が輸入上において赤字の問題を生じたと述べられた。数字はきょうは時間の関係で避けますが、対アメリカ貿易の不振を、日本政府はどこで補うのですか。具体的に申せば、今中国では第三次貿易から第四次貿易協定の話し合いをやっておるわけなんです。この問題については、問題の内容を検討してみると、通商部設置、決済、指紋、わずかの違いだけで、そんなことを口角あわを飛ばすほどのことはない。日本経済を立て直すなら、政府としてももっと思い切った手を打っていいんじゃないか、こう思いますが、そういう点については、政府間において、特に経済の所管大臣である大蔵大臣としては何か努力のため意見を吐いたことがございますか、また総理との間に相談されたことはあるのでございますか。
○国務大臣(水田三喜男君) きょうも経済閣僚懇談会を朝から開いておりまして、こういう問題の討議を私どももしておりますが、結論としては今言ったようなことでございます。で、そうしますというと、今生産が順調に伸びており、消費が順調に伸びておりますので、ここで日本の輸出が順調に伸びるという事態になったら、この成長政策も動揺しなくて、この安定した成長を見込めるということになりますので、今後政府の努力すべき問題はこの輸出政策ということになろうと思いますが、これは一面国内のやはり産業の体質とも関連する問題でございまして、そういう意味におきまして金利政策にしろ、税制にしろ、いろいろ関係することでございまして、国内政策を十分にやっていくことと同時に、この対外政策としては、これから経済援助という政策とからんで輸出政策をわれわれは強化していきたい。輸出金融の問題も起こりましょうし、いろいろな問題もございますが、一応国会がもう少しいって各閣僚に時間ができたときにおいて、こういう問題の本格的な政府対策を立てるということになっておりまして、今それぞれ関係の官庁がそういう問題を検討しているということでございますので、この問題については私ども今後真剣に取り組むつもりでおります。
○野溝勝君 そのお心持はわかるのでございますが、しかし、現実にもうすでに明らかになっておるような問題に対して、取り組み方はどうやるのでございますか。たとえば、今後大いに輸出をふやさなければならない。アメリカ貿易においては限界に来ていると思う。今日その見通しがまだつかぬ。今中国との間に問題が提起されておる際に、具体的な話に乗り出すべきだ。一体あなた方はどうしておるのでございますか。
○国務大臣(水田三喜男君) アメリカの、日本の商品を制限するとかいうような運動に対しましては、外務省を通じていろいろな交渉をやっておりますし、その見通しも大体今ついてきておるところと思います。対米問題は、いろいろ具体的交渉もあわせて現在やっておるときでございますし、さらに東南アジアそのほかのいわゆる低開発国に対する問題は、単なる貿易政策では済まない問題がございまして、いわゆる開発援助計画というものとからんだ根本的な対策も立てなければなりませんし、またそういう長期的な対策でなくても、当面の問題としましても、この外貨の使い方に関係する問題がございまして、従来の方針によってわれわれは輸出振興策をとっておりましたが、必要によればそういうものの考え方を変えることによって日本の輸出の伸びる余地というものも十分考えられますし、そういう点もあわせて私どもはこれから関係省で相談して、今後輸出を伸ばすということについては十分検討するつもりですが、今のところ、私どもはある程度これはりっぱにやっていけるという自信を今持っておりまして、悲観するような事態では全然ないと思っております。
○野溝勝君 やっていけるという見通しと、現にやれば日本の経済に有利になるという事実が出ておると思うのと、この場合には二者択一、どちらをとるのですか。この明らかな展望の上に立って、政府はちゅうちょすることなく、日本が経済的に有利になるという政策と取り組んでもらいたい。私がこう申すのは、思想と経済とは別だと思うのですよ。ソビエトとは相当の貿易をどんどんやっておるのじゃないですか。なぜ隣邦中国との貿易にそうこだわっておるのですか。アメリカとの関係もあるでしょう、国府の関係もあるでしょう。しかし、そういう点は、日本の国の政治家として割り切っていったらよいと思う。特に政府としては、英独仏と同じく、もっと大胆になってもらいたいと思う。こまかい点は議論もありますが、政府は日本の政府であるということを強く要望する。思想と経済とは別に考えてやってみて下さい。そうすれば、おのずと道は開けていくと思う。 次に、私はもう一つ聞いておきたいことは、これでいよいよ公社債の投資信託が発足したということになりますと、銀行の資金の余剰金というものはコールの方面に流れていくと思うのでございますが、こういう問題に対する対策、考え方はどういうふうにお持ちなんですか。
○政府委員(石野信一君) コールの問題につきましては、今コールが非常に高い。特にこの三月の年度末ごろは、非常に高くなっております。これは若干特殊の事情がいろいろ重なっておる関係がございまして、特に財政の流れが激しいことと、それから公社債投資信託等で金融の流れに変化が生じたというような問題、証券業者もコールを出しておりますが、同時にコールを相当強くとっておるというような問題が重なっておって、今非常に異常な状態にあるわけでございます。 それで、今後をどういうふうに見通すか、今後どういうふうにやっていくかという点のお尋ねかと思いますが、公社債投資信託との関係では、むしろ公社債投資信託に地方の金が集まって、地方銀行は従来はむしろ出し手としての関係でまあ考えられておったわけですが、それが出し手としての関係が減って取り手としての関係がふえるというように変化を来たしております。結局、コールの金利が異常になりますことが、やはり金利体系の実質的な問題として問題がございますので、これはぜひ下げるように指導していきたい。この指導の問題でございますが、これが実際上自由市場として規制というようなことは非常にむずかしい本質をもっている問題でございますが、やはり関係者がみんな一緒になって下げるという気持で当たることによって、だんたんに下げていく、またいくべき問題であるというふうに考えているわけでございます。関係者と申しましても、従来はむしろ金融機関というものが大部分を占めておったわけでございますが、今後は証券界というものが非常に大きなウエートを占めてきているわけでございます。従いまして、申し合わせ等の関係も証券界は入っておりませんが、証券界、金融界、それから政府の揚超、払超の関係が非常にコールに影響するわけでございますが、三月中は非常に揚超が大きいわけでございます。四月に入りますと、来年度は歳入見積もりも正当に見てあるわけでございますから、そういう意味で財政の揚超関係も減って参る。四月から特に払超期にも入るわけでございますから、そういう時期に関係者、これは大蔵省も日本銀行の政策も関係して参るわけでございます。いわゆるオペレーションの活用とか、こういったことは日本銀行がやることであって、大蔵省が干渉するという建前ではないわけでございますけれども、そういう点も話し合いまして、みんなでとにかくこのコールを下げて正常化に向かおうという努力を指導して参りたい、こういうふうに考えておるわけでございます。まあ地方の金がコールに集まるというような面も、金利が下がって参りますと、そういう面もなくなってくるというふうにも考えられるわけでございますから、そういう点から中心を置いて努力をいたして参りたい、こう考えております。
○野溝勝君 今たまたま局長の答弁の中で、証券界のウエートの話が出ましたが、私は日本金融界の再編成の時代が来ていると思うのです。金融寡頭時代ということを言っておったが、あるいは金融寡頭政治というようなことが言われておったが、今までは銀行、その銀行の中でも都市銀行が中心になっておった。しかし、これからは証券会社、特に四大証券を中心とする金融集中化の時代といいますか、そういう時代になる。だから、先ほど同僚委員からもお話がございましたが、今までの会社に対する重役の分布などについては、相当銀行などの発言権が強かったのです。今度は証券会社ですね、証券会社が巨大産業に対する役員布陣の分布、任免に対し非常な威力を持ってくる。こうなってくると、金融界のトラブルが起こって参ります。私ども、それはどうなろうといいといえばそれまでのものでございますが、特に気をつけなければならぬのは、大衆から資金を集めておいて、それが大衆の気持と反したような方向に金融が扱われるということになるというと、これは実際問題だと思うのです。しかし、先ほどの大臣の答弁では、株式会社法によるところの見解のみを表明されておりまして、日本の金融財政に対する監督官庁であることを忘れておるような御答弁でございますから、どうかと思って聞いておったのですがね。これから先は、政府はもっと高い感度に立って金融行政を総合指導しないと、これはとんでもないことになるのじゃないかということを心配しております。 特に問題は、先ほどからお話のありましたごとく、産業界の異変、国際的には行き詰まってきて、国内的にどういうふうに転換するか、そのときに設備過剰で、さらに財政投融資でもってまた巨大産業界を支配する。そうすると、ますます過剰設備の競争ということになってくる。一体どこへ行ってしまうのですか。私は何も社会党だから社会主義的の意見を出すのじゃないのですよ。そういう意味でなくて、もっと民族産業の将来という高い感度に立って一つ考えていかないと、これはえらいことになるということを心配しておるのでございますから、そういう点については素朴な大臣の考えをざっくばらんに聞かしていただきたい。日本の金融行政というもののあり方についてなんですよ。
○国務大臣(水田三喜男君) 先ほどのお言葉の中に、政府の財政投融資が云々ということがございました。これはしょっちゅう言われることでございますが、この内容はぜひ一つ見ていただきたいと思いますが、政府が財政投融資を大企業中心に張っているという例は今のところございませんので、そういうことは、今のお話とは無関係だと思いますが、このままやっていったらどうなるかということでございましたが、これは国の全体の計画と申しますか、見込みと申しますか、その点からいいますというと、設備投資がどれだけ行なわれるかということになるわけでございますが、三十三年から四年までは一年の間に三割伸びました。三十四年から五年は三割、同じような伸び方をしていますが、この調子でどんどん設備投資が行なわれるということでしたら、これはなかなか大へんな事態だと思いますが、今まで日本の技術の革新期という関係で、こういう今まで設備投資が行なわれましたが、もう三十五年度の設備投資の実態を見ますと、非常に堅実化しておりまして、従って、今の様子でいくんなら、三十六年度の設備更新を含めた設備投資は大体三兆一千億円前後だろうというのが私どもの見方でございましたが、これはもう少し今のままで推移すれば多くなるのではないかというふうにも思われますが、その程度の設備投資で進むということでしたら、今の金融界のあり方から見て、これはある程度順調にこれを消化できる。経済の大体成長に見合った金融の円滑な供給というものは私はできるというふうに考えております。ただ、円滑な供給をするためには、今までと違った、資金の流れとか金融のあり方というようなものが漸次正常化へ向かわなければなりませんので、その方途を今いろいろ考えて、昨年以来約半年かかって、まず金利水準の引き下げの仕事をし、今後そういう方面、市場の育成というような方面へ漸次向かっていこうというのがわれわれのプログラムでございまして、そのコースを今順調にとっているときでございますので、私は、今のまま推移すればそう御心配になるようなことはなかろうと考えております。
○野溝勝君 もう一つ、四大証券を中心にする証券会社金融と、いわば銀行等を中心とする金融界の調整などについては、どういうふうにしてやっていこうかという、それに対するお答えを願いたい。金融政策について、どうもまだ政府の方針が一定化しておらぬような、具体的にいえば、低金利政策をやる。その中でもって四厘三毛の決定をするまでには、やはり四大証券と金融界とが相当論争を重ねてきたらしいんです。さらに実施する機関と不実施のとある。そういうような点で、将来あらゆる方面に金融競争といいますか、いろいろの動きが出てくると思うんです。そういうものに対する政府の政策、考え方、これを一つ聞いておきたいと思う。
○国務大臣(水田三喜男君) それは金利問題を中心として……。
○野溝勝君 だけでなくても、それももちろんのことですがね。
○国務大臣(水田三喜男君) 金利問題を中心としましたら、私どもは一般の預金金利の引き下げも、貸し出し金利の引き下げも、均衡をとった姿でなければならぬということを中心にいろいろの調整をいたしまして、たとえば今の四厘何毛と言われた問題にしましても、預金金利の引き下げの均衡をはかるということでございましたら、もう少し多く引き下げるのが妥当でございましょうが、しかし、これはやはり金融界側の長期資金の金利の問題、短期資金の金利の問題とも関連した事項でございますので、そういう点の調整をとる必要がございますし、これは業界においてその点を円満に相談で妥結したということでございますので、これを中心とした今後の問題というものは大体私はなく、両方が均衡とれた形で今後調整をとってやっていけるのじゃないかと思っております。
○野溝勝君 どうも、あまり時間もないようですし、もの足りないのでございますが、この程度で終わります。
○委員長(大竹平八郎君) これにて暫時休憩いたし、午後は二時半より再開いたします。 午後一時二十九分休憩 ————・———— 午後二時五十五分開会
○委員長(大竹平八郎君) ただいまから委員会を再開いたします。 午前に引き続き、質疑を続行いたします。まず、揮発油税法の一部を改正する法律案及び地方道路税法の一部を改正する法律案について、質疑のある方は御発言願います。 なお、政府側よりの出席者は田中大蔵政務次官、村山主税局長、志場税制第二課長、国友自動車局長、前田道路局次長であります。
○天坊裕彦君 午前中は、まあ大臣にいろいろほかの問題も聞かれる方もあったので、少し端折ったところもあるのですが、少し漏れたことをお伺いしたいのですが、ただ、午前中成瀬委員がこれの影響という意味で自動車の運賃の問題に触れられたのですが、その問題をもう一ぺん蒸し返すようで恐縮なんですが、このガソリン税増徴によってどういう影響がいろいろな分野においてあるかということですが、自動車に関して自動車事業者に対する影響、それから自家用車といいますか、そういうものと分けられると思うわけですが、まず自家用車関係で、これは車の数なりというような点から、どういう程度に影響があるということになるか、一つ自動車局長から何か材料をお持ちならお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(国友弘康君) 自家用自動車に関しまする影響に関しましては、たとえばガソリン税におきまして一五%増ということでありますれば、その程度の影響ということを考えておりまするが、特に私どもの方で、自家用車にそれ以外に全収支についてどういう影響があるかというようなことにつきましては、まあ私どもの方として資料も現在とっておりませんのですが、値上がりのことだけについての影響が確かにある。そのことは営業者について計算してみました影響と同じように、あるいはそれ以上にあるかもしらぬ、こういう推定をいたしておるのでございます。
○天坊裕彦君 非常に抽象的なんですが、これはいろいろ材料の不足なところもあろうと思いますが、自動車を大別して自家用車と営業車と分けてみると、大体七割ぐらいが自家用車で、営業車と称するのは三割と、こういうふうにいわれておるのですが、これはその割合でガソリンの消費がそうなるかどうか私はよくわかりませんが、そういう点何かおわかりですか。
○政府委員(国友弘康君) この点について調査したものはございませんのですが、もちろん営業用の自動車、運送事業者の使用しますガソリン及び軽油の数量の方が、一台当たりの平均にしてみますればずっと多いということは申せます。と申しますのは、自家用車におきましては一日の走行キロの平均が一七キロから二十キロぐらいでございまするが、営業車の方でありますると、たとえば東京のタクシーあたりになりますと、三百キロ以上走るということでございますので、まあ非常に消費量は多いということはいえるようでございますが、自家用車と営業用の比率が全国的にどれくらいという計算は私の方ではまだいたしておりません。
○天坊裕彦君 とにかく自家用車といいましても、乗用自動車というようなもの、こういうようなものはもう少々ガソリン税が上がってもどうということはないのですが、問題はトラック、小型の荷物を運ぶもの、画数で見ますと大体それが自動車全体の半分を占めておる、小さいものも入って。今お話しのように、走っている距離が非常に短いということは言えると思いますが、それにしても、相当私は今のお話よりもう少し長いのじゃないかと思うのですが、五割、これは一番多いのは中小企業者というようなところで使っている、八百屋さんなり魚屋さんなりが使っておる車、これが数からいうと非常に多い。両数でいうと半分を占めておる。それから、そのほかの営業用のトラック、バス、乗用車、こういうものに結局かぶってくる影響の問題になろうと思う。魚屋さんとか八百屋さんとかというところの方に響いてきて、これが店で売る物価にまで転嫁させることに持っていけるかいけないかということがあるわけです。一方、ものが上がらないとすれば、その中小商業者がしょい込んでしまうということになるのですか、そこら辺の材料はもちろん今の運輸省にはおありにならないのであるが、これは大蔵省の方でその点はどういうふうに……。つまり八百屋さん、魚屋さんが持っている三輪車とか四輪車というもの、こういうものが相当かぶってくる、額は少ないと思いますが。これは結局買う揮発油そのものの値段が、大手の業者というものは安い値段で買っておる。ところが、ガソリン・スタンドで買うような値段の比較的高いものは、上がったら上がったまま、そのままをしょい込まなければならない。それがもう一つ次の、店で売る物価にまで転嫁できるかどうか非常に問題がある。結局、そういう中小商業者がかぶってしまうのじゃないかと思うのですが、その点はどういうふうになるか、その点を調べたものがありましたら……。
○政府委員(村山達雄君) 今度の改正に際しまして、これはサンプル調査をやった結果でございますが、日本橋の問屋筋、この辺では相当トラック、あるいはところによりましては自家用を持っているところもございます。で、そういう自動車を持っているところだけを抽出いたしまして、そこでの現在のガソリン税の負担が全コストの中の何%を占めておるか、営業コストの中に。今度の増徴分が従ってそれに対して、全コストに対してどれくらいの割合を占めておるか。小売価格がもし今度の増徴分だけまるまる上がったとすれば、それだけコスト増になるはずでございますので、その計算をしてございます。それによりますと、〇・〇二六%、大体〇・〇三%近くのコスト・アップにとどまるのではなかろうか。中小企業につきましてはその辺でございます。 なお、それから営業用と自家用消費量、これは三十四年度の実績推計でございますが、営業用が三割程度、それから自家用が七割程度、消費量からいうとその程度になっております。
○天坊裕彦君 今〇・〇二何ぼという数が、大きいというか小さいというか、何ですけれども、結局合理化というようなことが簡単にできる企業者ならいいのですけれども、中小商業者というものはなかなかそこいら辺が問題になるところでもあろうと思うのです。 そこで、今度は営業用の車の問題に関してですが、これはやはり今のお話のように〇・〇二幾らということになるんでしょうけれども、この問題が運賃を上げる理由になるかならぬか。午前中大蔵大臣は、非常に率が少ないのだから、これだけを理由にして上げるということはないはずだ、こういうお話があった。それともう一つは、当分の間は公共料金というものは上げないというようなお話があったのですが、その点について直接担当しておられる自動車局長から、どういうお考えを持っていらっしゃるか、一つ。
○政府委員(国友弘康君) 今度のガソリン税の改訂によりましての自動車運送事業の輸送原価に及ぼします影響等につきましては、いろいろ計算をいたしましたのでありますが、たとえば区域トラック等につきまして昭和三十二年の原価が私の方では出ておりますのですが、その昭和三十二年の原価に対しましての今回の増徴による影響率を計算してみますと一・四%、これは原価に対しましてそういう計算が出たのでありますが、これにつきましては、この前のガソリン税の改訂のときには、自動車運送事業の企業自体及び石油販売業者等において吸収して、ガソリン税のガソリン税値上げに伴う運賃改訂ということはいたしませんで、たとえば路線トラック等につきましては、昭和二十七年からずっと運賃の改訂をいたしておらないわけでございますが、そういう関係から、私どもといたしましては、ずっと最近の傾向を見まして、このような何回かのガソリン税の改訂におきまして、それを運賃改訂に見込まなかった。あるいは車両、あるいは部分品、修理品等の変動あるいは部品費の増嵩等というようなものがございまして、私どもとしてはそういう運賃原価の構成費目の変動ということについては関心を持ち検討を加えておるわけでございますが、従いまして、そういう運賃の改訂というようなことを考えまする場合には、そのような運賃の原価の構成費目、構成要素全体について検討を加えた上で、申請を待って審査をし決定をするということ、その場合にはもちろん国民生活及び物価に与える影響を十分慎重に考慮しなければならない、こういう方針のもとにおったわけでございまするが、先ほど大蔵大臣からも御答弁があったかと思いまするが、本年の三月七日の閣議におきまして、公共料金の値上げは当分の間一切行なわないという閣議了解がございましたので、それらの点、すなわち閣議におきます考え方の点等を勘案いたしまして、今後の取り運び方については関係官庁とも十分に打ち合わせていきたいと思っておりまするが、現在の段階におきましては、閣議了解の線を守っていかなければならない、こう考えておるわけでございます。
○天坊裕彦君 今のお話で、三十二年のときの資料があるというお話ですが、この四、五年の間の変化というものは非常に大きく変わってきている。ほかの事情が同じでガソリン税の上がり分が今の〇・〇二何ぼということだけならば、これはいろいろまた企業の合理化その他でのめる場合もあろうし、いろいろまたのめない場合もあろうと思うが、しかし、御承知のように、自動車の運転手というものは非常に引き抜きがあって、そのために人件費というものは非常に上がってきている。これはいろいろ物の値が上がるときの話で、サービスに関連するようなものは上がるのだというお話ですが、これはどういう意味だか、なかなかむずかしくて私はわからないが、結局人件費があまりかかる仕事については上がってきてもやむを得ないという話だったと思うが、この自動車の運送事業などというものは特に人件費がかかる仕事である。ほかの事情でもうとにかくそれだけのことのためにでもほかの原価が上がってきたので、改訂をしてもらわなければならぬということ、そういう情勢のところにもってきて、この〇・〇二か幾らか知らぬが、とにかくガソリン税という、少なくとも理論的には消費税として消費者のところまでもっていってもいい筋道のものが出た。それがきっかけになって、結局一ぱいになったからというチャンスには、業者としてはそういう言い分があり得ると思うのです。それが何でもかんでもひっくるめて公共料金を押える、しばらく、当分の間やらないのだというのですが、ずいぶんそれだけでは無理があると思う。それで耐えられる業者のところもありましょうし、耐えられないところもありましょうし、そこのところ少なくとも非常に問題があろうと思うのですが、当分の間という話で、先ほど答えのないままに、国会が済んだらというお話もあったようですが、大体当分の間という考え方について、どういうふうに、非常に業態によってはそういう改訂が切迫しているところもあるという前提において、どうお考えになりますか、もう少しお話を願いたいと思います。
○政府委員(国友弘康君) 先ほど申し上げましたように、三月七日の閣議了解は、公共料金の値上げは当分の間一切行なわない方針をとるという御決定、了解があったわけでありまするが、私どもとしまして、今当分の間はどれくらいなのかということについての検討は実はついておりませんので、これらの点に関しましては、経済企画庁その他とも十分に打ち合わせて参りたいと思っておるところでございまして、まあ今後の社会情勢その他を十分勘案し、国民生活あるいは公衆の利便、影響というようなことを十分に考えました上で、この問題について対処していきたいと思っておるところでございます。
○天坊裕彦君 お話はよくわかるのですけれども、非常に第三者の話、そのほかの事情、あるいは閣議の了解の問題等よくわかるのですけれども、それは自動車輸送産業というようなものについての特別な監督権を持っておられる運輸省としては、その事業の、これからこれだけの大きな金をかけて道路がだんだんよくなって、そうすればますます自動車事業は盛んになるという、非常に見通しのいい事業であるにかかわらず、この生い立ち、育ちからいうと、中小企業、ほんとうに程度の低い産業が多い。この際これをうんと育てていってもらいたい。そういう役目を持っておられると思う。同時に、それが公共的な性格からいろいろ監督される面も多いこともわかりますけれども、その実態について、非常に強い親近感を持って、よく実態にふれた監督をしていただかなければならぬと思う。そういう意味で、この運賃の問題がかねがね三年間、四年間据え置かれておったというようなことで、いろいろ改訂をお願いしようという矢先に、ガソリン税の値上げになって、それがさらに、いろいろな鉄道運賃の値上げと同時に、公共料金の値上げのストップというところにひっかかっておるのですが、そこら辺の事情は十分おわかりだと思うので、よく実態に即して善処されたいと思うわけです。 同時に、今申し上げたこうした産業の育て方ということについて、たとえば、いろいろ事業拡張の設備投資という面についての金融的な面についての指導の仕方というようなことについても、運輸省の現在のやり方についてはもう少し積極的にやっていただきたいという希望も私ども持っておるのですが、その点はどうお考えになっていますか。
○政府委員(国友弘康君) 自動車運送事業、特にトラックのような小企業も含まれておりますもの、ことに最近非常にトラック輸送による需要というものがふえて参っておりますような状況から考えまして、問題はそこにあるわけでございまするが、私どもとしては、この自動車運送事業の育成ということは真剣に考えていかなければならないと思っておりますので、これらはわれわれ事務当局といたしましても考えますと同時に、現在自動車運送審議会等におきましても、この自動車運送事業の近代化、合理化の問題を取り上げて検討していただいておるのでありまするが、そういう面、その他積極的にこの育成をはかっていきたいと思います。と同時に、金融面その他におきましても、従来自動車関係におきましては免許とかその他の問題に忙殺された感があるのでございまするが、金融その他の面におきましても関係官庁その他と積極的に大いに連絡をとって、そういう方面の、この自動車運送事業の育成ということをぜひはかっていきたい、こう思っております。 それから、先ほど私の答弁の中で、トラック等につきましての一日の走行キロ数を申し上げましたが、ちょっと訂正させていただきたいと思いますが、自家用トラックにつきましては、普通車は五十九キロ、一日に五十九キロ、これは三十四年度の実績でございますが、小型は二十八・四、こういうことになっておりますので、御了承願いたいと思います。
○天坊裕彦君 今、自動車局長から、いろいろ自動車交通事業の育成についてめんどうを見ていかなきゃならぬというお考えなんですが、これは賛成していただいておるのですが、たとえば開発銀行とか、中小企業金融公庫とか、商工中金とかいうところから、設備投資、融資を受ける際に、特別にある程度のワクでも将来お考え願って、優先して貸していただくということもできるのではないか。現在トラック業者というものの大部分は、三台か五台持っておる業者ばかりなんです。自動車を買いかえのときは大へんなことになる。それができるだけ組合を作ってというようなことを考えて、今やっておるところもある。そういう点で便宜を特にはかっていただきたいと思いますが、大蔵省にもよろしくお願いいたしたいと思います。
○政府委員(田中茂穂君) ただいまの天坊委員の御要望でございますが、自動車業界にも便宜をはかるような融資の方途について特別に大蔵省としても配慮願いたいという御要望の趣旨であったと存じますが、この問題はやはり各銀行自体の問題でもございまするし、大蔵省が指示するということも、なかなか指示通りに銀行が貸し出しをするかどうかということも、これはやはり銀行自体の問題でございまするので、なるたけ御趣旨に沿いまして、できるだけトラックの購入その他についての長期低利の資金が流れるように御協力を申し上げるように、理財局あるいは銀行局側と相談いたしまして、できるだけ便宜をはかるようにいたしたいと思います。
○天坊裕彦君 とにかく揮発油税という大きな税金を負担する関係で、それに対する、これはどんどん揮発油の消費が伸びていくのですから、そういう伸びていく産業についてはできるだけめんどうを見て、伸びをもっと大きくしていくというふうに、ぜひそうしていただきたいと思うわけであります。 それから、きょう午前中、いろいろこうした大きな税の負担者に関するいろいろな資料を整備してもらいたいということを大蔵省の方にお願いしておいたのですが、特に今の関係で、事業者の面等についても、直接監督されている自動車局ではいろいろな問題が起こるたびに、今でも三十二年度の資料しかないというような格好では非常に困るのです。この点は一つ大蔵省にお願いしておいたのですが、運輸省ではぜひそうした格好で絶えず事業の実態についての把握ということをお考え願って、資料が取れるようにしていただきたい。一つぜひお願いいたしたいと思います。よろしゅうございますか。
○政府委員(国友弘康君) 御趣旨のように、資料が取れるように配慮いたしたいと思っております。先ほど昭和三十二年の例を申し上げましたのは、バス、タクシー、トラック等につきましても、平均のものを出します場合、三十二年に大体バス等が改訂になりましたので、それを基準にして計算しました数字を申し上げたわけでございまして、その後の調査の数字、三十四年度のものも持っておるのでございまするが、今申し上げましたように、十分資料につきましては取るように努力をいたすつもりでおります。
○天坊裕彦君 まあ揮発油税に関連しては、大体私はそれだけお聞きしてみたわけなんですが、ちょうど自動車局長さんと大蔵省の方と一緒になったので、一つだけお聞きしておきたいのですが、オリンピックがだんだん近づいてくるというようなことで、外国人の旅行者が非常に多くなってくる。ことしは例の外国人の旅行者が非常に多くなってくるんですが、ロータリーがあるというようなことで、いろいろ外人が多くなってくるのですが、この外人の中には、自分の乗っている自家用の自動車を持って日本に入ってきて、日本を二週間、三週間旅行して、それからまたその自動車を持って帰るという、こういうお客さんが相当あるようにうかがえるわけです。そうしたお客さんが、いきなり日本に着いて税関にその車を揚げて使うというのに、いろいろ手続がむずかしい。御承知のように、外国の領土が接近しておるところでは実に簡単な協定ができているわけなんですが、その通りにはいかなくとも、そうした態勢が日本でとれるというのが、私はまず観光客その他にとってもその第一歩が非常に気持がいい格好になる、そういうような制度がぜひあってほしいと思うのですが、その点に関して、そういう事情が何とかスムーズにいくようなことにぜひお願いいたしたい、こう思うのです。この問題に対して、やはり大蔵省の税関関係、あるいは運転許可の免状が国際的に通用するというような意味で、警察庁その他の関係もあろうと思うのですが、主体としてはそういう自動車を持ってきて旅行するというようなことで一番自動車局関係の仕事が多いと思うのですが、そういう点に関して自動車局長さんの御意見があれば承りたいと思います。
○政府委員(国友弘康君) この点に関しましては、私どももその必要性を痛感しておるのでございますが、その御趣旨の方向に従いまして、関係官庁と打ち合わせを進めていきたいと思っております。
○天坊裕彦君 けっこうです。
○委員長(大竹平八郎君) 他に御発言もなければ、これにて両案に対する質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認めます。 これより両案の討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
○天坊裕彦君 私はこの案に反対するものでありますが、道路整備が必要なことは十分認めるわけでありますが、その道路整備の財源をただ一本やりにこの揮発油税にたよって、一般財源をもう少し増加さすとか、あるいは道路公債を何とか考えるとかいうことなしに、とにかく先ほど申し上げましたように、減税のムードの中でこれだけを大きく取り上げていくという点が、まず第一に私は問題であろうと思うわけであります。さらに、そうした税の負担者というものが、先ほどのお話がありましたように、ほかに転嫁することが一番困難な中小商業というようなところに七割程度も負担がかぶっていくというふうなことを考えますると、その影響は非常に大きく、弱い者いじめという結果になるということが考えられます。そういうような点を考えまして、本案には反対するものであります。
○成瀬幡治君 両案に反対であります。 理由は、長期展望計画、あるいは所得倍増計画、あるいは所得格差をなくする等々の基本的な問題に対するところの青写真を示してもらいたい。青写真がなくて、ただ頭で二兆一千億というような数字をきめてきておる。いわゆる積み上げ方式ではなくて、上からこう来ておる。だから、この長期計画というものが過去三べんも変わっておるようなわけで、この根のない計画というものは、またやがてはくつがえってくるものだというような感じがしてならないわけでございます。今度の値上げを政策から割り出してくるというようなそういう態度にしてもらわないと、またまた値上げが繰り返えされるものとしか思えません。もう少し足のついた計画で、少なくとも物の値段を引き上げるというようなときには慎重にやってもらいたいと思います。その慎重味がないという点が第一の反対の理由です。 第二番目は、所得倍増が唱えられておるときに、物価倍増の方が先行をしておるということは事実です。この中で、またこの揮発油税が、これは国民大衆課税でございます、こういうものが値上げされてくるという点は、これがひいては運賃にはね返ってくるでしょうし、物価の引き上げにはね返ってくると言わなければならないと思います。結局、国民大衆の生活を脅かすことになると思う。こういう観点に立ちましても反対をしなければならないと思います。 以上反対の理由であります。
○永末英一君 民主社会党はこの両案に反対をいたします。 その第一の理由は、これらによって増収される部分が特に道路造成のための費用に充てられると、主としてそうだということでございますけれども、その計画に対しては、この委員会の審議を通じましても、確たる年次計画もなく、しかもまたそれがどの部分にどのように使われるかということの計画はついに明らかにならなかった。しかるにかかわらず、ここで税制の改正を行なえばそれだけの収入がずっといわば恒久的に入ってくる。いわば金をつかみ取りしておいて、あとの実施は勝手にやるのだ、こういうようなばかげたことが目的税的に使われるということであっては、理由は成り立たぬとわれわれは考えます。従って、その点において反対をいたす次第であります。 第二点は、道路造成とはいいますけれども、確かに今は造成しなくっちゃならぬところもございます。また、損傷していくところもある。ところが、これによって税金を多く取られる者が必ずしもその道路を損傷したり、あるいはまた造成せられる道路によって利益を受けていくということには限らないのであります。先ほどのことにも関連いたしますが、特にこの改正によって負担を多く受ける者は、むしろ逆に、かえって当面考えられておるような道路造成計画とは違った方面に走っておる。ガソリンを使っておるから税金を多く払わされるというような結果に長らく置かれていくのではないか。こういう点について、私どもは、ガソリンを使っておるから一律に賦課するのだというような考え方については、大蔵当局のみの責任ではないとは思いますけれども、これは池田内閣全体の計画性の不備という点においてわれわれは賛成しがたい。 第三の点におきましては、いろいろの御説明はございましたが、今までのそれぞれの小さな業者の経営内容について条件が変わらないとすれば、この程度のはね返りしかないんだというような数字は示されました。しかし、現在の池田内閣の一番欠けているものは、いわゆる物価値上がりに対する大衆の社会心理的な反応の測定というものについて非常に欠けておる。一体、これだけの値上がりがあれば、零細なガソリンを便り業者がどのように反応するか、しかも、その反応が一般の、またそれを利用して商いをし、あるいはまた最終消費者の部面にどのように反応していくかということについては、ついに総合的な見通しというものはこの委員会において与えられなかった。この点について、単に公共料金は当分押えるんだというような答弁や、あるいはまた、池田内閣の事務局でございます経済企画庁が物価値上げに対しては対処いたしますとは申しましても、現にこういう一つの大きな増税が行なわれれば、それが一つの値上げムードを起こす拠点となって広がっていく。これらについての配慮が実に不足しておるということをわれわれは認め、ざるを得ない。そういう点について、この際こういうような形で、他のことで池田内閣が言っておることとうらはらのことをやるような増税案には反対である。 以上三点の理由を述べて、両案に反対いたします。
○上林忠次君 最近におけるガソリンの消費の状況、また道路計画、一応大きな計画に対しまして、われわれとしてはこの財源に対しましてガソリンの増税によって充てるということをやったのでありますが、これで税金におきまして増税の分は、ガソリン一キロリットル当たりに対しまして二百円、平年度これを総計しますと約百八十五億円、初年度は百五十四億円でございますが、またこれに伴いまして、地方道路税の引き上げをやっている。これも道路整備計画に作用して、これらの財源が、一キロリットル当たり五百円引き上げまして四千円となっておりますが、平年度約三十二億円、初年度二十六億円というような増税の案であります。私は、日本の道路なんというのは日本産業開発の一番の根本問題でありまして、今さら道路をやかましく言っているのはおそいんだと。二兆一千億円と五カ年間の計画をしておりますが、これもすでにおそいんだと。そういうようなところからいきますと、何とかしで早く道路を整備しなくちゃならぬ、こういうような点からいきまして、まあ今回の引き上げにおきまして税金は相当課せられますが、ガソリンの最近の値下がりの状況、現在の国際価格に比べまして日本のガソリンがどういうような地位にあるかというような点、またこれの今回の値上げに際しまして物価に対してどういうはね返りがあるかというような点、また一般の商品コストとの比較がどういう工合になるかというような全般を考えますと、案外小さい犠牲だということを考えるのであります。かような点で、まあ日本の生産拡張の大目標のためにやむを得ずやらざるを得ないんだ、今の国の財源としてはこれにおぶさらなくちゃならぬ。おぶさられてもガソリンとしては、そうガソリンの消費に関しては犠牲をかけなくても済むんだというような気持でおります。そういうような点で、まあやむを得ない現在の次第で、しかもほかにあまり影響しないのだという点で、私は賛成したいと思っております。
○委員長(大竹平八郎君) 他に御意見もなければ、これにて討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認めます。 これより採決に入ります。揮発油税法の一部を改正する法律案、地方道路税法の一部を改正する法律案を一括問題に供します。両案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大竹平八郎君) 多数でございます。よって両案は多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大竹平八郎君) 速記を始めて。 —————————————
○委員長(大竹平八郎君) 次に、法人税法の一部を改正する法律案、所得税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案について、御質疑のある方は御発言願います。 なお、租税特別措置の第二次改正案は、ただいま衆議院本会議で可決され、本付託となりましたので、この際御報告いたします。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大竹平八郎君) 速記をつけて。 なお、あわせて物品税法等の一部を改正する法律案も議題といたします。
○永末英一君 租税特別措置法の改正案の中で、譲渡所得についていろいろの特別措置がとられております。そのいろいろの特別措置がとられているということは、一体、譲渡所得というものが今まで取り扱ってきたような課税の対象として不適当な点がやはり強行すれば認められるというので、特別措置を講じなくちゃならぬということが現われたものではないか。もちろん、提案をされている内容は、主として法律法令等によってまあいわば本人の意思に反して譲渡されているものだから、一年待ってやろう、こういう場合のようですけれども、本質的に一体譲渡所得について課税する場合、考え方について少し伺ってみたい。
○政府委員(村山達雄君) 所得税の体系としまして、毎年心々いわば回帰的に発生する所得だけを課税するか、あるいは一時所得、一時に発生する所得、それから譲渡所得もその一時所得の一形体でございますが、そういうものまで課税するかということにつきましては、非常に論争のあるところでございます。しかしながら、世界の税制の大勢を見ておりますと、漸次所得税というものはやはり全体の所得を総合して初めて担税力がわかる。ただ、累進税率でございますので、それぞれの所得の種類に応じまして、それぞれ適当な調整をつけるということはもちろんでございますが、一般的に申しますと、全部の所得を課税するという方向でございます。ただ、英国は伝統的に一時所得には課税しない、こういう方式をとっておりますが、その他の国では大体総合の方向に向かっているわけでございます。 わが国において譲渡所得が問題になりますのは、お話の通り、これは主としてその本人の意思にかかわらず譲渡が強制され、譲渡所得がいわば本人の意思とは無関係に発生するというところにあるわけでございます。御案内のように、最近地価は非常に上がって、譲渡所得のうち非常に大きな問題になるのは土地でございますが、地価は今上がっておりますが、これがまた現在の資産再評価法によりまして、土地を売りました場合には自動的に再評価法の適用がございまして、もとの取得原価ではなくて、再評価倍数をかけたものを取得価額にするということになっております。譲渡所得の課税に関しましても、すでに基本法たる所得税法におきまして十五万円の特別控除をして、さらに残りの金額を半分にするという措置がとられておりますので、値上がりの関係を考えましても、ただいま申し上げた再評価法の関係、それから譲渡所得における所得税の手当をもってすれば、通常の場合はそれでまかなえるのじゃないか。ただ、今回第二次あるいは第一次でもって提案いたしましたように、本人の意思にかかわらず譲渡が実現される場合のこの措置はまた特別考えねばならぬ、かように考えているわけでございます。 これはまあ個人に対する問題でございますが、法人につきましては、これは実は再評価は自動的には働かないわけでございます。この前の再評価法当時、本人に希望があれば、ある限度額をきめましてそこまでは再評価できる、こういうことでございました。しかし、普通の減価償却資産等とは違いまして、法人税はそれを売る予定のないものについてはこれは再評価する実益はございませんですり減価償却資産ですと、再評価をすると、その翌事業年度から直ちにその分を償却に含めて資本回収することはできるわけでございますが、土地につきましては償却という問題はございません。そういった意味で、法人については再評価は自動的に働かないし、この前の任意再評価の際にもやられていないというものが相当あるわけでございます。この法人につきまして、やはり同じように、本人の意思にかかわらず譲渡という問題が起きますと、これはかなり問題でございますので、今度の第一次、第二次いずれも通じまして、もとの取得原価で圧縮記帳を認めまして、いわば今度任意にその代替資産を売るときまで課税を留保するという措置をとった次第でございます。
○永末英一君 その譲渡所得に課税するという思想は、つまり国並びに地方団体、こういう公共団体側からすれば、固定資産には固定資産の税金を取っている、いわば潜在的な価値があるけれども、それが一応潜在的な価値部分について表われてくるところは、固定資産税なら固定資産税で取っている。それがよそへ譲渡される。それをまた受け取った者が固定資産税を払うわけであります。たまたま、そこで潜在的な価値が貨幣価値に表われてくるので、これを個人のふところ工合の所得とみなしてそれに一定の税金をかける。何か非常に不合理なような感じがする。今までその人はその潜在的な価値に対しては、保有している国に対する責任か何か知りませんけれども、国ではなくて今の税制では地方団体に対して、一応責任も固定資産税の形で果たしているわけです。譲渡は別に固定資産税にはかかわりないかもしれませんが、ところが、それを譲渡をした瞬間に貨幣価値で出てくれば、それに税金をかける。今のお話では、不動産の価格が値上がりして不当に利得をとっておるという角度からのみごらんになっておりますけれども、そうではなく、普通の値段で売られているものもあると思いますので、そういうものを追及していくということになると、税金を払う側からすれば別に利得をそれで生じたのでないにかかわらず、国がそれを追及して譲渡所得を取っていく、はなはだ不合理な感じを受けておりますが、諸外国はどうだということではなくて、あなたは日本の現在でどういう制度がいいと思っておりますか。
○政府委員(村山達雄君) これは言葉が足りなかったかもしれませんが、税体系における所得税の系統の問題と、それから固定資産税の系統は、別個の理由によって創設しておるわけでございます。ただいま申しましたのは所得税の体系として申し上げておるわけであります。もちろん、値上がりがあって、それだけ利益がよけい出ますれば、それだけ高い税金がかかる。値上がりがなくて、その利益の幅が狭いということになれば、それ並みである。損があればかからない、これが所得税体系でございまして、そういう意味の譲渡所得税を課税するのがいいか悪いかという論議に関連して、所得税一般の考え方を申し上げたわけであります。 別途、今お話のございました固定資産税につきましては、これは固定資産を持っておるということ自体に担税力を認めておる。これは特に地方税でございますので、応益的な部分も多分に加味してございます。現在百分の一・四という税率で課税しておるわけでございます。従いまして、所得を計算する場合には、もちろんその税金はコストとして差し引かれるわけでございまして、これは全然別個の観点で起こされている税金でございます。
○永末英一君 譲渡所得はおかしいという一つの例を申し上げたいと思います。つまり、村でも町でも、家屋敷を売り払ったというような段階に立ち至りました場合は、経済窮迫で、しょうがないから売り払う、いろいろな関係でそうなると思うのです。しかしながら、たまたまある人がそれを売って、そして泣きの涙で自分の土地を離れてよそへ行ってしまうと、税務署は譲渡所得が生じたからといって、その人を追っかけて日本国じゅう探し回っておる例が、おそらくあなたの方でお調べになれば相当大きな件数を占めておるんじゃないか。あなたの方から譲渡所得をそうやってやれやれと言うから、税務署の職員が靴の底の皮を減らして探して、どれくらい件数ありますか。なかなかつかまらない件数……。
○政府委員(村山達雄君) まあ譲渡所得は、その取得原価、それから個人の場合は再評価額とそれから売り値との差額、それから譲渡に要する経費を引いたものをもって所得といたしまして、それでさきに申しましたように、普通の場合は十五万円を引いて半分にいたします。租税特別措置法の方の強制的な譲渡の場合は、最初半分して、さらに十五万円を引いて、また半分にする、そして他の所得に合算して累進税率で課税するというやり方でございます。おっしゃるように、はなはだ気の毒な場合が、単にいわば当該資産についてそういう所得が出たかどうかという計算だけでは気の毒な場合があるだろう、強制以外の場合でも、そこの家がだんだん没落していってやむを得ず売る場合が気の毒ではないかというようなお話でございます。今回、実はわれわれの方もその特に気の毒と思われる場合については御提案をしておるわけでございまして、この租税特別措置法の第二次で、本人の居住用の財産を売った場合、この場合は特に控除の金額を十五万円ではなくて五十万円にしておるというところは、その辺をねらったわけでございます。実際問題としてわれわれが経験いたしますのは、相続が起きまして、それで御主人がなくなられると、未亡人の方があとの子女の教育のためにいろいろ考えていかなければならぬ。今後の生計を考えていかれる。今までの家に住んでおることができなくて売られるというような場合が多いわけでございます。もちろん、所得計算から申しますと、所得には違いないわけでございますが、しかし、そういう場合が多いことを考慮いたしまして、今回特にこの第二次の特別措置法でその点を御提案している次第でございます。
○永末英一君 譲渡所得は、譲渡した行為の所得をいろいろあなたの言われるように現在の税制では計算するわけですが、それのみで所得ありとしてそこに税金をかけるというのではなくて、やはり所得は総合所得、その人が年間に所得ありやいなやということでやはり考えていくことを建前として、あなたの方ではそれを貫いているつもりかもしれませんが、実際にその譲渡をすることによって所得を得る場合は千差万別なのです。そういう点をやはり勘案していかないと間違える。基本的には、一体一時所得というものについてどう考えるかということの整理をしていかなければならぬのじゃないかと思いますが、これはこの程度でやめておきます。 低開発地域における工業用機械等の特別償却の特別措置の法案が出ておりますけれども、これはその事業所得の計算上償却率をこう考えるということですが、これは地方税に関係することです。国税ではこうやって特別の減免のやり方を考える。ところが、償却資産あるいはまたその他の場合もあろうと思いますけれども、地方税では償却率をかけた場合にもまるまるかかってくるということであれば、低開発地域において租税の減免を考えている統一性が保たれないのではないかと考えますが、その点はいかがですか。
○政府委員(村山達雄君) 償却の問題につきましては、地方税も国税に全部乗っかることになっておりますので、従いまして、地方税におきましてもこの特別償却が認められますと、住民税——個人も法人もそうでございますが、住民税、それから事業税、それぞれその限度において軽減になるわけでございます。
○永末英一君 現行地方税でそういう取り扱いをしていますか。
○政府委員(村山達雄君) 現行もその通りでございます。
○永末英一君 物品税についてお伺いしたいのですが、今度の物品税の改正は自動車等に限られておりますけれども、大体その物品税というものができましたのが戦争まぎわにできたので、大日本帝国時代に何でも税金をかけるというので大日本税国になったような感じがしたのでありますけれども、政府では今度直接税においていわゆる中小所得者の税金を安くするということで、何千億減税した、こういうのです。ところが、今一般にいろいろの形で物価値上がりが起こっておる。ところが、その物品税についてこのままにしておけば、値上がりしたものについてはやはりこれは税金がかかってくるでしょう。ところが、この物品税の内容を見れば、確かに奢侈品だと思われるもの、あるいはまた不急不要のごときものもありますけれども、また大衆の日常生活に密接したいわば必需品のごときものもたくさんあるわけで、それをこのままの形で物品税としてやっていくとすれば、その分だけは少しもこれは減税になっていないということになると思うのです。一体この物品税を当初作られたような基準のままでどの程度今後続けていかれるつもりか、その点をお伺いいたしたい。
○政府委員(村山達雄君) 御案内のごとく、物品税につきましては、三十四年にかなり大幅の減税を講じたわけでございます。しかしながら、なお今日のその後における消費の推移あるいは消費水準から見て、現行の物品税の体系が実情に即しているかどうかという点については、さらに詳細な検討を要するとわれわれも考えているわけでございます。ただ、今回は検討の期間の関係もあり、なお財源の関係もございまして、冒頭に述べましたように、中小企業を中心とする所得税あるいは基盤強化という点を中心とする法人税の改正にとどめたわけでございます。政府といたしましては、来年度からこの問題を本格的に検討して、いずれ来国会に成案を得て、その成案を提示して参りたい、かように考えております。
○永末英一君 来国会に物品税に対する大幅な一つの新しい税制の法案を提出するということで、非常にけっこうだと思う。現在の物品税法上いろいろな免税点がつけてある。つけてあるけれども、実は免税点というのは非常に安過ぎて、ほとんどそれにかからないいろいろな物品があろうと思いますが、一体現状でどの程度この税法がいわば効力を実際上持ち得なくなっているかということがおわかりであれば、お知らせ願いたい。
○政府委員(村山達雄君) これは個々の物品によってかなり違いますが、われわれが課税最低限、あるいは別表に掲げておりますものをずっと通観しての感じは、物によってはもちろん違いますが、通観していわゆる当該物品、たとえば机なら机というようなもの、そういったものを全部通しで見ますと、実際には課税になっているものが一割とか二割にとどまっているのが大部分で、もちろん自動車のようなものは全部課税になっておりますが、一般的に申しますと、それくらいになっている。しかし、それだからといって、現在の免税点がこれでいいということではないと思います。その点は個別に現在における消費水準あるいは品物の今日における用途等を勘案いたしまして、この次の国会あたりにはそれらの個々につきましての答えを出した上で、一つ御検討をいただきたい、かように考えております。
○永末英一君 物品税の品目の大部分は、つまり免税点というものを金額で評価している。ところが、自動車については気筒容積と輪距等でやっている。自動車について気筒容積並びに輪距というのでありますから、たとえば税率において問題になる部分が起こってくる、あるいは無税と税金のかかる部分についても、自動車を製造する方が、いわば無税部分の気筒容積あるいは輪距等の制限をされた車を作っているということを聞くのでありますけれども、一体自動車について基準を気筒容積や輪距に置いた理由を聞かせていただきたい。
○政府委員(村山達雄君) これは道路運送車両法、運輸省の所管しておりますこれが、交通政策の観点でいろいろな区分を、自動車の区分を作っているわけです。われわれの方は、それと同時に、それぞれの値段、税抜きの値段というものを見ながら、その税率をいかにきめたらいいか、両方の要素をにらみ合わせてやる。今までは原則として、道路運送車両法による登録区分のうちで千五百ccと、輪距だけを取っておったというわけでございます。今度はそちらの方が変わりましたので、全面的に、そういうのはただ従来幅の制限はありませんでしたが、今回は気筒容積二千ccまで上げるということになりますと、幅の制限を置かざるを得ない、こういうようなことでございまして、両方、値段の方と運輸政策上きめられている自動車の区分と、この両方にらみ合わせて、最後は税の理論で割り切っているわけです。
○永末英一君 物品税ができました当初の考え方からすれば、その道路政策というものが物品税の税額を定める基準の中に入ってくるということがどうもおかしい感じがするのですが、あなたの方でおやりになりたければ、金額において押えて、そうしてやっていけばそれでいいじゃないか。それをわざわざ道路政策と物品税とどういう関係か知らないが、それは道路政策は道路政策上いろいろな基準を設けて登録をやっていることは、それはそれなりの考えとして当然だと思う。それを物品税でも援用しているというのには、一体どういうところに積極的な理由があるか、お伺いしたい。
○政府委員(村山達雄君) これは自動車に限らないと思いますが、規格で押えていくやり方と、それから値段で押えていくやり方と、技術的には両方可能なわけでございます。で、もちろん規格で押えていく場合には、その裏側のものとして値段は絶えずわれわれは見ている。そのことは取り締まりの便宜上、あるいは他の政策との調整という意味で、便宜規格をとることはございますが、絶えず値段は検討しておるということでございますので、必ずしもそこが税の理論を離れて、規格によるべきものは規格によっておるというわけではございませんので、やはりそれは規格によろうが値段によろうが、その間は統一した見解で通しておるということが言えるんじゃないかと思います。
○永末英一君 ほかにも規格によるいろいろなことが書いてありますけれども、規格によって税金の段落をつければ、それを作る者が、税金がかかるから、そのかかるところ以内の規格にわざわざとどめる、こういうことが実は大きくわが国基幹産業の発展上支障をなしておるというような面はありませんか。
○政府委員(村山達雄君) これは税率に差等を設けますと、それが規格であろうが値段であろうが、ある程度の合法的な回避的の傾向が見受けられるということは事実でございます。そういう場合に、政策判断の問題になりますが、その値段にしても規格にいたしましても、そのいわゆる免税点なり税率区分を現在の産業構造から変える必要があるかないかということは、われわれの方としては絶えず検討して参るわけでございます。
○永末英一君 最後に、もう一問。来年いろいろ御準備なすって物品税に関する新しい税制をお作りになる場合に、つまり大衆の日常生活に密接な関係のあるものと、それから先ほど申しましたいわばそれほど密接な関係のないものと分けて、大衆の日常生活に密接な関係のあるものは物品税をかけない、ここまでやれますか。
○政府委員(村山達雄君) できるだけその方向でやりたいと考えております。
○永末英一君 しっかりやって下さい。
○成瀬幡治君 この前、村山さんに大臣が出席されたときにお尋ねをし、村山局長からお答えをいただいたのですが、私が主張したい点は、ほんとうのことをただしたいのは、今度の減税の恩典はいわゆる低所得者階級には全然ないじゃないか、むしろガソリン税のような値上げははね返ってきて、増税の方は来ておるけれども、減税の恩典はないじゃないか、こういうことが実は言いたかった。そのことについて尋ねましたら、あなたの方からは、いや、今度の所得税等を含めたいろいろな所得税の減税は、大体世帯戸数の四六%ある、これが大体国民の恩典に浴したものだというような御答弁がございました。そこで、あらためて私の方から申し上げたい点は、現に勤労者で所得税の全然かかっておらないものが、全勤労者から見て約五五%ある。個人事業主で約八四%、農家に至っては九二%というものが所得税はかかっておらないじゃないか、こういうような実は資料もあるわけでございます。従って、今度の減税の恩典は、何といっても、国民は全然影響のない人たちの方が多いじゃないかということを私は言いたい。それに対してあなたの方は、そうじゃないのだ、やはり九千万の国民のうちと申しますか、そういうものに対して約半数が——世帯主の方ですからそれは別といたしましても、かりに標準世帯五人といたしましても、その二〇%なら二〇%のものが恩典に浴するがごとき説明があったわけですが、どうしても納得がいかないわけです。その辺のところを御説明願いたい。
○政府委員(村山達雄君) これは所得者に対する納税者の比率で見るか、それを所得種類別に見るか、そういう考えもございます。この前申し上げましたのは、所得者を含む世帯数の全世帯数に対する割合、所得税の納税義務者を含む世帯数の全世帯に対する割合、それを総括して申し上げますと四六%程度になりますということを申し上げたのでございます。所得者に対する納税者を、これは三十六年度の推計でございますが、給与所得につきましては四七・二%、これは実はこの前お話ししましたように、全部ひっくるめて二百万人くらいのものが失格するといったその失格者を引いた残りのパーセンテージでございます。それから、農業所得については三・四%程度、それから農業以外の事業所得、これは営業諸業その他いろいろございますが、これが一三・二%程度ということになってございます。これが多いと見るか少ないと見るか、現在こういう比率が非常に少ないというのは、現在所得税を納めている納税者が少ないということでありまして、裏から申しますと、免税点が比較的高い、国税において高いということを表わしているのだろうと思いますが、今度は国税を中心にいたしまして減税をやりましたものでございますから、所得税のかかっていないところまでは減税の恩典の及ばないということは事実でございます。
○成瀬幡治君 だからこそ、逆な言葉でいえば、大衆課税のようなものは減税をしなければならないということになるわけです。あなたのお話を聞いていると、税金を納めぬ者は何らかの形で税金を納める、たとえばたばこを吸うとか、砂糖をなめ石とか、あるいはしょうちゅうを飲むとか、あるいは映画館に入るとか、いろいろな形で税を納めているわけであります。そういうものに対しては減税の恩典がなくて、いわゆるそういう人たちは低所得者であります。低所得者に対する今度の減税の恩典は少しもなくて、持てる階級に言っちゃおかしいですけれども、そういう人から見れば持てる階級に対する減税でありまして、一般低所得階層に対しては全然減税の恩典がなくて、むしろ増税の被害者だけだということを言いたいのであります。そういうことに対して、いや、そうじゃないのだ、みんな減税の恩典があるのだということがあなたの方で言えるならば、逆に一つお聞かせ願いたい、こういうことであります。
○政府委員(村山達雄君) もし低所得者というのを従来から所得税がかからないような低所得者という意味で、そういう人には減税の恩典がないのじゃないかとおっしゃられれば、その通りであります。それは先ほど申しましたように、今度の減税は国税を中心とした減税でございまして、主として所得税の納税義務者のうち中小所得者を中心にやりましたということでございます。おっしゃるように、所得税の納税者以外の方でも間接税その他を納めていることは事実でございますので、この点は来年度の改正を待っていただきたい、かように考えているわけでございます。
○成瀬幡治君 だから、減税のやり方というのは、なるほど所得税の減税をしなければならないということは私たちもわかります。わかりますが、少なくとも低所得階層に対するところの減税というものに対して配慮してもらいたい。今度の減税では全然そういうところが配慮されておらない点が遺憾だ、ということを申し上げるほかないと思います。まだ実際行なわれていないのですから。その点については、税制調査会の答申を待って、来年度一つ物品税の改正、あるいは他のものもやるということになれば、来年度を待とうということになるのかもしれませんが、逆にいえば、今申しましたように、ガソリン税の値上げは何といっても被害者なんであります。だから、国民の低所得階層に対する愛情のある政治でなくて、むしろそういう人には増税しか行っておらぬということは非常に遺憾だということを申し上げておいて、これは答弁していただいてもどうにもならぬのでありますから、私は意見だけ申し上げることにして、この問題についてはやめておきます。 次に、所得税の点でありますが、なぜ税率もなぶらずに、基礎控除というのですか、それもなぶらずに、定額控除というものをつけたのでありますか。そうしますと、その境目になる人、議論すればそれは運命とあきらめろということになるかもしれませんが、入学試験のときに八十五点の人は及第して八十四点の人はすべったということになるかもしれませんが、税率でなぶるというようなそういう考え方は出てきませんか、所得税の問題について。
○政府委員(村山達雄君) いや、今度も実は税率の引き下げを行なったわけでございます。年間における所得税の減税額が六百三十億のうち、税率の引き下げによる分二百三十三億を見込んでございます。これもこの前御説明したかと思いますが、課税所得七十万円以下の者だけの税率を引き下げたわけでございまして、税制調査会におきましては課税所得二百八十万までの者について税率を引き下げたらどうかという案でありましたが、いろいろな施策との関連からいたしまして、この際としては中小所得者に中心を置く減税をやろうというのでいたしたわけでございます。で、そのほか配偶者控除の創設、扶養控除の引き上げ、専従者控除の拡大、給与所得控除の引き上げ、これらはいずれも中小所得者に多く恩典の及ぶという減税をやっているわけでございます。 いつかお話し申し上げたと思いますが、今度の減税率を収入金額別にずっと見て参りますと、夫婦子、三人の給与所得者の標準世帯をとってみますと、年間収入四十万円の人は、今までの負担を一〇〇といたしますと、今度の減税割合は八七%、つまり一三%だけは残るという、こういう格好になります。五十万円の人は四二%、それから七十万円の人は三二%、百万円で二三%、それから飛びまして、一千万円になりますと一・一%しか及ばない、こういうことになりまして、この減税割合は非常に大きな傾斜を持っているということは、かなり技術的ではございますが、それぞれ税率の改正におきましてもその他の改正におきましても、中小の方に多く響くような形にしたという結果であるわけでございます。
○成瀬幡治君 私が間違えて、それは失礼いたしました。 税率の改正でございますが、私はちょっと局長にお尋ねしたいのですが、よその国ではこういうふうに基礎控除だとか、定額控除だとか、扶養控除だとか、こういうややこしいことをやっているのですか。そうじゃなくて、たとえば一定水準以下の者は無税、一定から、最低このくらいから最高何万まで、この間はたとえで所得金額の二割なら二割、あるいは一五%というようなもので、簡単にしているのか、やはり日本みたいに複雑な所得税の課税方式をとっているのか。
○政府委員(村山達雄君) どこの国も大体近代の所得税体系でございますので、どこの国もやや似たようなものでございます。基礎控除、扶養控除を持っていることはどこでもみな同じでございます。そのほかに、ただ日本の方としては、非常にこういう国柄でもありますし、特に戦後のいろいろな事情がございまして、その他非常にこまかい配慮が、控除全体を通じて各種の控除がある。雑損控除、医療費控除、生命保険料控除、社会保険料控除、そのほか税額控除としてたとえば障害者控除であるとか、寡婦控除であるとか、老年者控除であるとか、まあ大体各国が持っております控除制度は、日本の場合はほとんど網羅的にある。なお、忘れましたが、雑損控除、医療費控除等あるわけでございます。
○成瀬幡治君 ちょっと法人税法のこの附則のところで、第二項のところでちょっと御説明をしてもらいたいのですが、よくわかりませんから、こういうことが聞きたいわけです。決算期がたまさか、三月三十一日ならよかったけれども、途中で決算になったものは、一年に一度しか行なわれないところで、たとえば六月決算というようなところは、この恩典に六月一日以降でなければ浴さないのかどうか、こういうことがお尋ねしたいのです。
○政府委員(村山達雄君) これは原則といたしまして、これは規定によって違いますが、原則としては、今度の改正は四月一日以降終了する事業年度分から適用する、こういうことでございます。これは例年ともそうでございます。ただ、配当の課税について今度は非常な改正をしたわけでございますが、これは主として増資促進を通じて自己資金を充実させるという方向でございます。従いまして、こういう分につきましては、四月一日以降開始する事業年度分から適用する。こういうことになってございます。 ただいまおっしゃいましたように、これはある時期をもって切るのはどうかというようなお話もあるかと思います。思いますが、これは御案内のように、事業年度の選択は法人それぞれにまかされておるわけでございます。で、法人が一年決算にするか、あるいは半期にするか、全くその事業年度をいつにするかということは、法人側としましては、税法の改正というものは普通四月一日以降終了する事業年度があるものと当然予定して、それぞれの会社の都合を考えて事業年度を選択しているというわけでございますので、これによって特に不公平が起きるというふうには考えていないわけでございます。
○成瀬幡治君 大体、そうしますと、六月なら六月決算のところは、二カ月は旧法が適用されて、新法が適用されない、こういうことなんですか。
○政府委員(村山達雄君) そうではないのでございまして、この改正は四月一日以後に終了する事業年度でございますから、その始まる事業年度はずっと上の方に行っている場合があるわけでございます。かりに五月決算の一年決算をとってみますと、前年の六月一日からずっと事業年度が続いているわけでございまして、五月末に終了するわけです。で、今度改正が四月一日になりますと、五月になりますと実は期間が一月しかかかっていないわけでございますが、それはずっと去年にさかのぼって及ぶということでございます。さかのぼると申しますか、終了事業年度で押えるというやり方でございますので、今先生がおっしゃったような意味では、期間としてはさかのぼるということでございます。 〔委員長退席、理事佐野廣君着席〕
○成瀬幡治君 ついでに、銀行局長お見えですから——先ほど大臣に、どうも私の方の見解ですから、まあ大体当たっておると思うのですが、何といったって、このごろ会社に対して、会社が自己資本が少ないために、外部資本、いわゆる銀行の発言権が強い。銀行はしかも株式を片一方では一割をこえて持ってはいけないということですが、実際は第二会社というようなものを作って、それを通して取得しているというようなものもあると思うのです。しかも、大きな会社というのは大体百ないし二百ぐらいしかないわけです。そういうようなところに対して銀行派遣重役というものがたくさん行っている、派遣している理由は、預金者の金を預かっている以上、そこに人を出してやるのはあたりまえじゃないか、この理屈は成り立つと思うのです。しかし、銀行本来の倫理、道徳からいって、そういうことを好ましい姿とは決して思われないと思いますが、この意見に対して局長はどういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(石野信一君) 銀行が会社に対する支配をするという関係の問題でございますが、これにつきまして、今お話しの株につきましては一〇%をこえて持っちゃいけない、こういう法令の規定があるわけでございます。それがさらに第三者を使って持っているのじゃないかというような問題、また人を派遣するという場合につきましても、相手方からも実際上いい人だからぜひほしいという意味で、円満に普通の関係で銀行の人が行っている場合もありましょう。また、そこに支配関係があるのじゃないかというような問題でお尋ねだと思うのでございますが、実を申しますと、私どもの銀行行政の立場というものは、預金者保護という観点から、銀行の内容等について非常にやかましく検査をするわけです。今のような独占禁止法に違反するかどうかという問題になりますると、実質的に違反をしているかどうかという検査になりますと、形式的に一〇%こえて持っておるというならばすぐ見つかるわけですが、第三者を通して持っているのが事実上の支配であるかどうかとか、あるいは人が行った場合に、それがいやいやなのを無理に押しつけたのかどうかという話になりますと、銀行だけの検査ではわかりませんのみならず、私どもとしては、まあそういう観点からの検査というようなものは、やはり公正取引委員会の、独占禁止法の所管をいたしております公正取引委員会の、まあ判断によらなければ、実質的な点がわからないということもなるわけでございます。従いまして、今お尋ねの問題は、抽象的には法令に違反しないということは大切なことであるということで、一般的には行き過ぎないようにという指導はできますけれども、具体的な問題になりますと、やはり結局、公正取引委員会の判断に待つ以外いたし方がないと、こういうことになるわけでございます。
○成瀬幡治君 形式論は私はどちらでもいいと思います。現にまあ今度の、戦後の新しい形式としては、やはり銀行独占の形に来ておるわけです、実際は。そこで、これは好ましい方向じゃないとあなたはお考えになりませんか。銀行というものは、本来特別な、いろいろな税法上からも、いろいろな法規上からも恩典があるわけです。従って、そこには法律がないけれども、法律以前として銀行の倫理、道徳というものがある。そういうのからいって、あなたの方は、いやここは法律なんかにないから、まあそういうようなことは伏せておくのだと、こういう態度なのか、行政指導として、法律以前の問題として、何か私たちはそこに指導というものがなくちゃならぬと思う。
○政府委員(石野信一君) 倫理、道徳と申しますか、精神と申しますか、そういう意味において支配感が非常に強い立場にあるために、その自主的な力を利用して支配をするというようなことはよくないということの御意見については、ごもっともと考えるわけでございますが、先ほど来申しましたように、それは結局、まあ公正取引を侵すかどうかという判断になるわけでございまして、そういう意味の判断というのは、やはり公正取引委員会での判断に待ちませんと。法律にはおのおの所管がございます。従いまして、個別に問題が起こりました場合に、私どもが、これは行き過ぎだからこうしろああしろというようなことで処理をいたしますのは、実際問題としては非常にデリケートな話になりまして、会社の中の勢力争いとか、いろいろな場合もありますから、そういう場合に片方の肩を持つとかという結果になってもいけませんので、やはり公正取引を害したかどうかという意味の問題を所管しております公正取引委員会での判断に待つという考え方をいたしております。ただ、おっしゃるように、倫理、道徳として、精神として、抽象的な話としてどうかということになりますと、それは力があるものが必要以上に支配権を持つというようなことのないようにすべきだということは、私どもも御趣旨に賛成でございます。
○成瀬幡治君 事が起きてしまってから公取でそのようなことはやられるからいいじゃないかというのですが、事の起きない前に銀行局長としては善処されるといいますか、手が打ってなくちゃならぬ。今まで何らそういうことに対して内面的な指導とか、そういうようなことについては全然やっておいでにならないのか。ということは、御承知のように、株主総会できめればいいとおっしゃるかもしれませんけれども、何といったって、株主が持っておる資本金よりも借入金の方が多いということになれば、銀行の発言権の方が強いわけです。それは当然、銀行の意思というものが大きく反映するということになるのです。ですから、形式的なことを私は申し上げておるわけじゃないのです。実態的にどうだ、そういうことがないように、事前に銀行局としては何らかの内面指導というものがなされてしかるべきじゃないか。今まで何にもやらずに、起きてきたら、それは公取の方でやってくれればいいわい、こういう態度であったかどうかという点を明確にしていただきたい。
○政府委員(石野信一君) 決してそういうことをやっておっていいということを申しておるわけじゃございませんですが、ただ、実際問題として、銀行にいた人が非常に円満な形で、いい人だから会社へもらおうというようなことで、正常な関係で行く場合もあるわけでございます。それから、無理やりに入れるという場合もあるかもしれません。あるいは無理やりに入ったわけではないけれども、会社の方としては今までいた会社の人との関係で利害関係が生じて、銀行から押し込まれたのだという意見も出てきたり、具体的な問題としては、私どもの方では、そういう意味で相手方との関係も調べるわけでもありませんし、またそこまで銀行に干渉するわけにいかない問題でございます。従って、抽象的に法令に違反しないということは、これはもう当然のことでございますから、おっしゃるような精神の問題としては、これは銀行に抽象的には指導いたしておるわけでございますけれども、実際問題としてなかなかそれはむずかしくて、それじゃ、お前のところじゃ、こういうことをやっておるのはどうだ、ああいうことをやっておるのはどういうことになりますと、また、私どもの行政の範囲を越えた問題にもなるものでございますから、その辺は御了承いただきたいと思います。
○成瀬幡治君 これ以上は私は質問をやめますが、少なくとも、総資本百億以上の会社が百八十二社あるとあなたの方から報告されておる。これを調べてみなさい。銀行からの重役というものがどのくらい占めておるかということは、およそパーセンテージが出てくると思う。そうすれば、これは好ましい姿かどうかということは、すぐ結論が出てくると思う。ですから、あなたの方でどの機会をとらえようとしたって、早急に機会をとらえることができると思う。一度そういう趨勢において、なるほど会社から要請をされたのだから喜んで行ったといえばそれまでかもしれませんが、少なくとも、出ておるスタイルは好ましい姿じゃないから、こういう点は一つ自粛してもらいたいということを言っていいと思う。あなた、そういうやる意思がございますか、ないですか。
○政府委員(石野信一君) 先ほど来申しておりますような意味で、法令違反になると申しますか、公正取引を害する、そういうことをやらないようにという一般的な指導としては、私どももなお今後ともいたして参りたいと思います。ただ、重ね重ね申しますけれども、個別問題になりますと、そういう点は非常に私ども所管の域を脱して、かえって弊害が起こると思いますから、その点をよく御了承いただきまして、一般的な方針の問題としては、御趣旨の方向で今後も注意して参りたいと思います・。
○成瀬幡治君 私も、個々の銀行のケース、ケースでとやかく言っておるのじゃない。私は一般論として申し上げておるわけです。一つ、一般論として、そういう銀行の方を集められていろいろな会議をおやりになる機会もあると思いますし、あるいは通達をやる方法もあると思います。 〔理事佐野廣君退席、委員長着席〕 そういうことは私はとめませんけれども、少なくとも、一般論として、一つ、あなたの方で行政指導されるようなふうにしてもらいたい、こういうことを希望として申し上げます。
○委員長(大竹平八郎君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大竹平八郎君) 速記をつけて。 —————————————
○委員長(大竹平八郎君) なお、郵便貯金特別会計法の一部を改正する法律案を議題に追加いたします。質疑のある方は御発言願います。 なお、政府側よりは郵政省より大塚貯金局長が見えております。
○須藤五郎君 ここ数年来一般的傾向といたしまして、郵便貯金の伸び率が鈍化してきたと言われておりました。その大きな理由の一つは、郵便貯金の利用者のほとんどを占めている一般大衆の生活水準が低いということであります。また、郵便貯金は資金運用部資金の原資の有力な柱の一つであります。このような郵便貯金の伸び率の鈍化傾向は、資金運用部資金そのものの大きな穴になっており、ひいては政府の財政投融資政策、財政政策に大きな支障を来たすということで、かねがね問題になっておったと思うのであります。この矢先に、一般的金利引き下げの中で郵便貯金の預金利子を引き下げるというようなことをやりましたので、郵便貯金の引き出しが急激にふえ、この傾向はますます大きくなっているということが言われております。資金運用部資金にもますます大穴があいていくということは必至だと私は考えるのであります。政府は低所得者層に対する社会保障その他生活改善の施策をろくにやらず、その上、その中から大衆が無理して貯金した預金の利子さえも引き下げるというような暴挙をやっております。こういうようなことが今日の事態を引き起こしたものと考えるのであります。郵便貯金の伸び方がおくれ、その上引き出しの傾向が大きくなって、資金運用部資金にますます大穴があいてきているのは、郵貯の金利引き下げにあると思いますが、これに対して政府はどういう対策を持っておりますか、伺いたいと思います。賃上げ、社会保障その他大衆生活の改善措置はこの際一応別といたしましても、少なくとも普通郵便貯金の金利引き下げはしないという措置を講ずべきであると思いますが、政府の考え方はどうですか、伺いたいと思います。
○政府委員(大塚茂君) 郵便貯金を集める立場にあります私どもの立場から申し上げますと、金利は高い方が集めやすいということになりますし、また預金者の保護という面から見ましても、そういうことが望ましいわけでありますが、国の方針としまして低金利政策がとられたという場合に、国家機関として郵政関係だけが協力しないというわけにも参りませんし、そういう高い見地から、両方の立場をにらみながら今回の郵便貯金の利下げが決定になったというふうに私ども考えているわけでございます。 その結果、郵便貯金の伸びが鈍化をしたということはある程度事実でございますが、利下げだけの理由によるのか、あるいはその他の公社債投信等の影響もあるのか、そのほかにまた影響、何らかの原因があるかというようなことは、なかなかむずかしい問題でございます。いずれにいたしましても、二月以来相当減少いたしましたことは確かでございますが、ただ、それによりまして今年度の財政投融資に穴があくというところまではいっておりません。まあ、私どもが最近に、予想した額は下回りましたけれども、資金運用部に私どもが預託をいたします金は、予定以上に昨年度からの持ち越し資金等がございましたので、預託金額においては減少いたしておりませんので、財政投融資に穴をあけて御迷惑をかけているという点は、目下のところはないわけでございます。来年度の財政投融資計画にどういう影響があるかということは今後の問題でございまして、私どもとしては、一時的に利下げの影響はこれは避け得ないけれども、まあ来年度中にはその影響も次第に薄れて、年度を通算するならば大体私どもの予定している程度の預金は集め得るのじゃないか、またそういうふうに努力をいたさなければならぬというふうに考えているわけでございます。
○須藤五郎君 利下げが決定して以来、預金のふえ方とそれから引き下げの額と、どういうバランスになっておりますか。
○政府委員(大塚茂君) ただいま詳細な数字は持ち合わせておりませんが、預金額においてば大体例年とそう変わりはございませんが、払い戻しの方がふえたために、増加額としては減ってきているという状況でございます。その減り方は、一月までは順調でございまして、二月に入りましてから、昨二年度は二月で十七億増加がございましたが、今年度は逆に七十九億減少した、赤字になったというふりな数字が出て参っております。
○須藤五郎君 わずかの間に七十億も減少してきているということは、これはそう楽観をしていることができないのじゃないでしょうか。こういう状態が今後もずっと続いていくとするならば、資金運用部資金にも相当な大穴があいていくと私たちは考えますが、そういうふうな、あなた先ほど非常に楽観的なことを言っていたが、そんなことでやっていけるのですか、どうですか。
○政府委員(大塚茂君) 私どもも楽観しているわけではございませんが、いつでも利下げがありますときは、その当座は相当の影響がございますが、すべての金利の引き下げというものがまた均衡をとりますと、平常に戻るというのが大体の傾向でございますので、今回におきましても、何か、いち早く郵便貯金だけが引き下げを決定した、あるいは現実に引き下げたというふうに誤解を受けた点等もございますので、この四月一日からほかの金利も一緒に下がるんだということがはっきりいたしますと、郵便貯金に対する影響等ももう少し緩和されてくるんじゃなかろうかというふりに考えているわけでございます。
○須藤五郎君 これは意見ですが、郵便貯金の利子なんというものは、そう簡単に下げたりすべきものではないと思うのです。というのは、ほかの預金と違って、郵便貯金は零細な金の集まりですから、それを下げるなんということは、実際国民の貯金意欲をやはり失うことにもなりますし、零細な金を貯金している人たちに対して与える影響は相当強いと思いますので、私たちはこういうことはやるべきでないと思っているのです。これは私の意見ですから、従って、あなたから答弁をしてもらう必要はないと思いますが、私たちはそういうふうに考えておる。そういうことを今度やったことに対して私は反対をしているわけです。 それで、今度何でしょう、今度の郵便貯金特別会計法の一部を改正する法律案によって、これまで出ておった赤字四百何十億ですか、それをたな上げするということになりますが、今後、それから引き続いて起こってくる問題に、いわゆる合理化運動というものがこれまでよりもきびしく起こってくる。そうして従業員に対して無理な預金のかり集めをさせるようなことが起こってくる。従って、労働強化というものがこれから起こってくるし、従っては、人員の整理とか、いろいろな問題が起きてきはしないかという不安が私たちにはあるのですが、そういう点はどうですか。
○政府委員(大塚茂君) いろいろ御心配の点、わかるわけでございますが、私どもといたしましては、貯金を集めますのに、人員の整理あるいは合理化というようなことは考えておりませんで、むしろ従業員諸君の働きやすいようにその環境を作るという意味で、来年度予算におきましては、三十五年度よりも周知宣伝費等をよけいに見まして、そういう面で働きやすく集めやすいような周知宣伝等に努めまして、目標額の達成をはかりたいというふうに考えているわけでございます。
○須藤五郎君 もう一度念を押しておきますが、こういうことの結果、合理化運動をやる、そうして人員を淘汰するというようなことは絶対ないということを、あなた、ここで確約できますか。
○政府委員(大塚茂君) 絶対ないと申し上げてよろしいと思います。
○成瀬幡治君 主税局長に、これは希望になると思いますが、何と申しましても、今度の税制改正は低所得者階層には減税の恩典が浴しておりません。増税の恩典、というわけじゃないけれども、増税のしわ寄せだけになっている。それで、どうしても私は物品税の改正というものが必要だと思う。ところが、大蔵当局の方としては、税制調査会にかけて、その答申案を待って来年度やろう、こういう大方針ということなんです。私もまたそれを認めましょう。しかし、その間このままでいい、このまま進めておいていいというものじゃないと思う。とするなら、法律ではもうできなければ、これは政令の範囲内においてでもあなたの方は努力する義務がある、大蔵当局に。いろいろのアンバランスというようなものがあって、それに気づかれたとするならば、一つ善処してもらいたい。それが私は愛情のある、思いやりのある姿だと思う。ぜひ一つそういうことについても考慮しながら、もう物品税の問題については来年しかやらぬという、そういうかたくななことではなくて、できる範囲内においては、大蔵当局において政令等でやれる問題になったら善処していただきたいということを強く希望として申し上げておきます。
○委員長(大竹平八郎君) 答弁ありませんか。
○政府委員(村山達雄君) ただいま成瀬先生、御希望だということでございますので、よく伺っておきたいと思います。ただ、政令段階といい、法律段階と申しましても、非常にデリケートな関係がございまして、しかもこれは全般的に検討しないと、その全般的検討の中で、バランスをとりながらやらないと、非常にむずかしい問題があるということでございます。われわれ、国会でも済みましたら、さっそく検討は始めたいと思いますが、そういう非常にデリケートな問題があるという点だけを申し上げておきます。
○成瀬幡治君 青色申告の専従者控除で二十五才以上十二万、二十五才未満九万と、こう言っているのですが、片方で、法的年令というのは大体二十才、そういうことになっておる。これをなぜ二十五才というところでおきめになったのか。それに対する説明と申しますか、根拠と申しますか、一つお願いします。
○政府委員(村山達雄君) これは別に法律的にどうしても二十五才で……。他の法律の関係で、二十才、二十五才でなければならないということは、おっしゃるようにございません。ただ、この専従者控除を設けました意味が、主として法人、しかも個人類似の同族法人、それとのバランスからスタートしているわけでございます。そういった関係から見まして、現在同族法人がその家族にいろいろな給与を出しておりますが、どの辺の金額を出しておるか。それから、年令によってどんな傾向が認められるかというふうに見て参りますと、どうも結婚をしている家族にたくさん出しているという事実なんですね。これは、何といっても、結婚年令といいますと、平均二十才か二十五才かということになりますと、やはり二十五才以上であろうというふうに一般的に推定されるわけでございます。それから個人の——個人もそうでございますが、中小企業の賃金統計をずっと見て参りまして、年令別に五才刻みにずっと見ていきますと、年令が高いほど賃金が高いことはもちろんでございますが屈折点がどこが一番大きいかと見て参りますと、やはりちょうど二十五才あたりが多い。統計上そういうことが認められるわけでございます。そういったことからいいまして、世間の評価もその辺で考えるのが妥当ではなかろうか、こういうふうに考えて、ごく常譲的にきめているわけでございます。
○成瀬幡治君 十二万円、九万円とおきめになったことも、どうも腰だめのようだし、二十五才をおきめになったのも腰だめのようだし、それから、この前のときに指摘いたしましたように年間所得九十万円で、父親夫妻、長男の夫妻、次男ぐらいまで働いておる、そういう家庭として、これがもし三人分離されるという場合と、一家総合して納める場合だと、大体年間所得税が七千七百円ぐらい多くなるということはどうもおかしいじゃないかというような点も指摘しました。しかし、これを何べん言っておってみても、らちのあかない問題だと思いますが、まあ所得税全体が何といっても高いということは言えると思うわけです。従って、税制調査会の答申案をもって今度やったのだから、当分改正はしないということよりも、もう少し今申し上げましたような、指摘したような点等を勘案をされて減税の方向に努力される。しかも、自然増がべらぼうに多かったというようなこともあるわけですから、来年の経済成長率の問題も、大きくなりましょう、しんしゃくしなければなりませんけれども、しかし今申し上げましたような、指摘したような点は、ぜひ直すような方向に御努力が願いたいと思います。これも希望でございます。
○政府委員(村山達雄君) 今後とも、何分にもこの所得税というのは特に負担感の強い税金でございますし、税体系の中におきましても、税収入の高とはまた関係のない性質上基幹的な税金でございますので、今後とも検討を続けて参りたいと思います。 ただ、いわゆる課税単位という問題、非常にむずかしい問題でございまして、戦前のように家族の所得はすベて合算する、これが非常に比判の対象になって、現在それぞれ原則として所得者を独立して課税単位としているわけでございます。ただ、その場合に、非常な弊害も多い。資産所得につきましては、御案内のように合算制度をとっておる。従って、大部分のそうした常識的の感覚から来ます課税単位の問題は解消しておると思うのでございます。ただ、おっしゃるように、夫婦が共かせぎする場合と、それからそうでない、一人で働いておる場合、その金額は同じ場合、その総額が、総所得が同じの場合の税額の違いがあまりにも日本では多いではないか。この議論については、これはおっしゃる通りだとわれわれも実感として感ずるわけでございますが、その調整方法というものが非常に理論的にも実際的にもむずかしい。それで、きのうもお話ししたと思いますが、外国でも非常に悩んでおるわけでございまして、それぞれある妥当な解決——妥当と申しますか、ある解決方法を持っておるわけでありまして、各国の制度もいろいろ検討しましたが、われわれとしては、とうてい日本の実情に照らして満足すべき解決策でもない、全部を解決を与えるわけではありませんが、今度配偶者控除というものを創設いたしまして、配偶者には一人当たり七万幾らを今度九万にしたということも、そこの間隙をある程度薄めようというつもりでやったわけでございまして、しかし、この問題非常にむずかしい問題でございますので、引き続き検討して参りたい、かように考えております。
○委員長(大竹平八郎君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大竹平八郎君) 速記をつけて。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十三分散会