大蔵委員会 第15号
- 発言数
- 170 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1961/03/27
会議録
○委員長(大竹平八郎君) ただいまから委員会を開きます。 衆議院から提出されておりまする一般国民年金税法案、労働者年金税法案、国民年金特別会計法案の三法案、並びに、国民年金特別会計法案、大阪港及び堺港並びにその臨港地域の整備のため発行される外貨地方債証券に関する特別措置法案、税理士法の一部を改正する法律案を一括議題とし、順次提案理由の説明を聴取することにいたします。 八木衆議院議員。
○衆議院議員(八木一男君) 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題に相なりましたわが党提出の一般国民年金税法案、労働者年金税法案、国民年金特別会計法案の三案を一括して、提案の趣旨理由並びにその内容の大綱を御説明申し上げるものであります。 本三法案は、本三法案が、大蔵委員会に付託されると同時に、社会労働委員会に付託になりましたわが党提出国民年金法案、国民年金法の施行及び国民年金と他の年金との調整に関する法律案、国民年金の積立金の運用に関する法律案の三法案と一体をなすものでございますので、御説明中右の内容にも及びますことをあらかじめ御了承いただきたく存じます。 申し述べるまでもなく、現在の国民年金法は、昭和三十四年、第三十一国会において成立し、同年十一月一日施行、昨年三月三日より、その無拠出部分、すなわち福祉年金の支給が開始され、本年四月一日よりその拠出年金の部分の保険料徴収が予定されております。そのうち福祉年金につきましては、きわめて不十分であり、給付要件等に相当不合理な点もありますけれども、とにもかくにも、今まで年金制度に関係のなかった老人、母子家庭、障害者に年金が支給され、これらの人達の生活を幾分でも明るいものにしたことは一つの大きな前進というべきでありましょう。このことは国民の要望にこたえ、自民党内閣よりも先に何回も国民年金法案を提出して無拠出年金制度発足の原動力となったわが日本社会党の喜びとするところでありまして、われわれはさらにこの制度を急速に飛躍的に改善すべきものと考える次第であります。これに反して、拠出年金制度に関して、現行法ははなはだしく不十分であるばかりでなく、その組み立てはきわめて不合理であり社会保障の名にそむくものでありますがゆえに、わが党は審議当時これを強く指摘し、その意味をもって政府案に反対したのであります。この拠出年金の保険料徴収の時期が近づくに従って、国民各層から強烈な批判が燃え上がり、拠出年金制の抜本的改正、その改正の実現までの拠出制実施延期等の声はほうはいとして全国に高まるに至ったことは、各位の御承知の通りであります。 この世論にろうばいした政府は、幾ばくの改正意図を発表いたしておりますが、その内容は改正を要する本質的な点には全然触れておらず、死亡一時金等給付金額増加も、総体から見ますれば九牛の一毛にしかすぎない僅少なものでありますために、政府の行なわんとする拠出年金制に対する批判の声はますます高まり、厚生省の高圧的なやり方をもってする必死の努力にかかわらず、その登録は本年二月十五日現在全国で七三%、特に東京、大阪等の六大都市においてはわずかに平均三〇%前後の状態であります。 元来、国民の大きな期待と完全な理解のもとに、その協力を得て発足すべき国民年金制度において、このような状態の発生したことは、全く現行拠出制年金の重大な欠陥によるものでありまして、それを根本的に是正するために、わが党は本国民年金関係の六法を提出したわけであります。 従って、提出の具体的な理由を御説明申し但上げるためには、現行法、特に拠出年金制の欠点を指摘することが最も必要と存じますので、以下要約して申し述べてみたいと存じます。 まず第一に、現行拠出年金制の最大の欠点は、その組み立てが社会保険主義で貫かれ、社会保障の精神と全く相反する点があることであります。 その一は、定額保険料主義であります。このために、保険料は大衆にとって割高に相なります。その二は、年金支給額が拠出期間比例制によっていることであります。このような制度では、割高な保険料を納入することの困難、すなわち年金をより必要とする国民大衆は、きわめてわずかしか年金の支給を受けられないことに相なります。その三は、老齢年金受給資格がきわめてきびしいことであります。通常の場合、二十五年間免除適用を受けた人でも、十年間の保険料実際納入がなければ年金を支給されないことになっており、これでは、年金保険料納入が最も困難な、そして年金を最も必要とする人に、年金が支給されないことに相なります。その四は、受給資格に達しない人々に対する保険料返還制度、今回の政府改正案では、特別年金という期限付減額年金制度となっておりますが、いずれにしても、それらの制度の要件は最もきびしく、大部分の人がその適用を受けられないことであります。保険料納入期間と免除期間の合計年数が三十年に満たない人の保険料は、この制度の適用がなく、かけ捨てになることであります。政府は、かけ捨て反対の世論にびっくりして、死亡時のかけ捨てには、死亡一時金という一時しのぎの制度を作ることによって、批判を避けようとしておりますが、最も苛酷な生存時のかけ捨てについては、本質的な対処をしようとしておらないわけでありまして、この点まさに社会保障の名において生活困難な大衆から収奪をするものであります。その五は、現行法の免除制度が、対象者にとって実効がほとんどないことであります。政府は、国民の批判に対して免除制度をかくれみのに使っておりますが、この免除は実に無意味なものであります。元来、免除を考えた場合、免除が保険料実際納入と同じ効果をもつものでなければ意味がないのでありますが、現行法の免除はそうではなく、保険料を実際に納入した場合のように老齢年金額を増大する要因にはならないのでありまして、従って、免除を受けましても、保険料強制徴収を受けないというだけのことであり、貧困な国民大衆がその部分だけ年金制度から締め出されるということになるだけであります。さらにひどいことは、この免除期間には、国庫支出がされないことであります。具体的に考えてみますれば、六十五才、月三千五百円の場合、そのうちの三分の一、すなわち月千百六十六円の原資は、一般会計から国庫負担として出るわけでありまして、保険料実納可能な中間層以上の人は、この国庫負担を自分のものとすることができますが、最もこれを必要とする人々には、国庫支出分も支給されないという結果になります。社会保障の一つの大きな柱である年金に対する国庫支出は、所得再配分という性質を持つべきものでありますが、この場合それとは全く逆な作用をするわけであり、金持ちの土持ちに用いられることに相なっているのであります。 以上五点を要約して考えれば、現行拠出年金制は、なき浅沼委員長がなくなられる寸前まで国民に訴えられたように、保険制度として組み立てられているのであって、社会保障では断じてないのであります。社会保障なら、その給付を必要とする人に必ずその必要の度合いに対応する給付がなされなければなりません。保険料納入困難な、すなわち年金が特に必要な人の年金が減り、支給がなくなるのでは、社会保障ではないのであります。それらの人が・年金の支給を受けたいがために苦労して納めた貴重な保険料が、わずかのところで息が切れて、要件に達しないばかりに、政府に没収されたり、大切な国庫支出が所得再配分の逆になったりする欠点は収奪であり、金持ちの土持ち政策であって、断じて許すことのできないものであります。このように、組み立てが全く不合理である点が、現行拠出年金制度の最大の欠点でありますが、それ以外にも大きな欠点が枚挙にいとまがないのであります。 第二に、指摘しなければならないことは、年金額があまりにも僅少であることであります。三千五百円というのは、現行制度立案当時の生活保護基準一人分を大体の基準とし、わが国の経済成長をきわめて過小に、すなわち年率二%と見、さらに大事をとって、年金額は、下五%ずつ増大すべきものとして計算して、四十年後に三千五百円という金額を設定したわけであります。その金額実施をさらに五年延ばされて、国民が四十年間保険料を納めて、四十五年後に現在の生活保護を受けている人々と同じような意味の生活がやっと保障をされるというのでありますから、全く所得保障の名に値しないことは明らかであります。経済成長九%を豪語する池田内閣としては、後日年金額を改訂するというような逃げ言葉は許されないのであって、この目標年金額は、ただいま直ちに改訂されなければならないと信ずるものであります。 第三の点は、老齢年金開始時期のおそ過ぎることであります。六十五才という開始年令では、生活が困難で苦労した人の場合、残念ながら早く年をとり、長生きをする人が比較的少ないことから見て、適切ではありません。もちろん、そのような状態は急速に是正されなければなりませんが、そのころには各産業ともオートメーション化が進んで、年配の人はある程度で生産点を若い人に譲ってもらわなくてはならないし、従って、六十才くらいからは、完全な老齢保障が必要な時代が来るわけであります。これらの両面からして、六十五才開始は断じて不適であり、六十才開始にすべきであります。 第四は、貨幣価値変動に対する処置、すなわちスライド規定があいまいな点であります。戦後のインフレの苦い経験を持つ国民は、現行法のようなあいまいなスライド規定では、安心して拠出年金制に協力できないのはむしろ当然であります。 第五は、障害年金及び母子、遺児、寡婦年金等の年金の内容のきわめて貧弱なことと、その適用要件が過酷きわまるととであります。死亡時のかけ捨てに対して政府が死亡一時金制度を作ろうとすることは、ないよりはましでありますが、元来死亡時かけ捨て論は、現行法の遺族年金の不完全、不十分なことから来た議論であり、遺族関係の年金について根本的に改正をしないところに大きな怠慢があります。 第六は、通算制であります。政府は、今回通算年金通則法、通算年金制度を創設するため、関係法律の一部を改正する法律案を提出してこの問題を解決しようといたしております。この改正点は、自民党政府としては比較的努力したところが認められますが、完全なものとは断じて言い得ないのであります。 第七は、積立金運用の問題であります。社会保障制度審議会、国民年金審議会の答申を無視し、特別勘定を作ろうとしないのみか、厚生年金の新しい積立金も合わせて二五%は還元するという宣伝をしながら、福祉資金に直接に用いられるものはそれよりはるかに少なく、被保険者団体に還元されるものは話にならないほどの少額であります。これに反して、資金の大部分は依然として大資本に特に軍需に関係ある産業に融資されているのでありまして、このような政府の態度は全く国民を愚弄したものと言わなくてはなりません。 現行拠出制には、以上のように枚挙にいとまがないほどの欠点があり、政府の数点の改正点も、その本質的な欠点を補い得るものではありません。これに対して、わが日本社会党の国民年金六法は、以上現行法拠出制の欠点を一切解決し、全国民に期待をもって迎えられる内容を持つものであり、無拠出年金においても、現行法の欠点をなくし、その給付を飛躍的に増大する内容を持つものであることを正しく御理解いただきたいのであります。 以下、わが党六法案の内容について申し述べるわけでありますが、詳しく申し述べますと数時間を要しますので、その要点のみを抽出して、できる限り簡潔に御説明を申し述べたいと存じます。 本案の内容は、大別して特別国民年金と普通国民年金の二つの部分で構成されています。特別国民年金はいわゆる無拠出年金であり、現行法の福祉年金に相当し、普通国民年金はいわゆる拠出年金でありますが、労働者の年金制度を含んでおりますことが現行法との大きな相違であります。 まず最初に、特別国民年金の方から御説明申し上げます。これは、さらに養老年金、母子年金、身体障害者年金の三制度に分かれており、おのおの現行法の老齢、母子、障害の三福祉年金制度に対応したものであります。養老年金は、本人の年収十三万円以下の老人に支給されるものでありまして、六十才から年二万二千円、六十五才から年二万四千円、七十才から年三万六千円を支給することを基本といたしております。ただし、七十才未満の老人には、年収三十六万未満の家庭の場合に、七十才以上の老人の場合は年収五十万円未満の家庭の場合に支給することとし、そのうち、世帯収入の少ない方に基本額を、多い方にその半額を支給いたすことに相なっております。基本額で現行法と比較いたしてみますと、六十九才現在で、現行法では支給額ゼロであるのに対して、本法案では通計十八万となるわけであります。七十二才現在の比較では、現行法三万六千円、本法案二十八万八千円と、大きな開きがあることを御理解いただきたく存じます。母子年金は、年収十二万円未満の母子世帯に年三万六千円、多子加算は、一人当たり年七千二百円とし、年収十八万円未満の世帯には、それぞれその半額を支給することにいたしてありまして、もちろん準母子家庭、生別母子家庭にも支給いたすわけであります。 現行法と本法との違いは、まず、現行法に対し、本法案が年金額及び加算額が三倍であること、第二に、現行法では、子供が十六才を越えれば適用要件がないことになっておりますが、本法案では二十才に達するまでは要件たり得ること、並びに、現行法では所得制限が約十三万円であるのに対し、本法案では十八万円と、その制限が緩和されていることでありまして、わが党案の内容が心あたたかいものであることを御理解いただけると存じます。身体障害年金は年収十二万円未満の身体障害者に対し、一級の場合は年四万八千円、二級の場合は年三万六千円、三級の場合は年二万四千円、配偶者並びに子女に関して支給加算は、等級にかかわらず、家族一名につき年七千二百円ずつ支給することに相なっており、年収十八万円未満の障害者には、それぞれその半額を支給することに相なっております。現行法は、障害者に最も冷酷であり、二、三級障害には支給せず、内科障害の場合は一級でも適用しない、家族加算がない、所得制限がきつ過ぎる、等々の欠点を持っておりますが、これらの欠点をすべて本法案で解消しようとするものでありまして、支給金額より見ても大きな違いがあります。すなわち、一級障害、家族三人の場合、現行法では年一万八千円、本法案では年六万九千六百円に相なるわけでありまして、その間に大きな差がありますことを御理解いただきたいと存じます。 以上で、特別国民年金の御説明を終わり、次に、普通国民年金、すなわち拠出年金について申し上げます。この制度は、一般国民年金と労働者年金に大別され、それぞれ老齢年金、障害年金、遺族年金の給付があります。主として、老齢年金給付につき御説明申し上げることとし、まず、一般国民年金より申し上げます。 この制度は、すべての自営業者無職者に適用されるものであり、言いかえれば、労働者本人以外の全国民が対象となるものでありまして、その対象者は現行国民年金法の対象者と大体において見合うのであります。年金額は全部一律で、制度が完成した場合は六十才から年八万四千円であります。この六十才開始、年八万四千円は、現行法の六十五才開始、年最高四万二千円とは、金額から見て大きな開きがあるのでありまして、かりに、六十四才現在で比較すると、現行法ゼロ、本法案通計四十二万円であり、六十七才現在では、現行法最高十二万六千円、本法案一律六十七万二千円と、数十万円の違いがあることを明らかにいたしておきたいと存じます。六十才開始を基本といたしてございますが、この場合、もし本人が六十才より早く、また、おそくから支給を受けたいと希望する場合、五十五才から六十五才までの間において、希望の年からそれぞれ減額あるいは増額した年金を支給出来ることにいたしております。国は、この八万四千円の年金給付の五割を一般財源より負担し、支払いの年に特別会計に払い込みます。また、別に、特別会計で積み立てておくため、対象者の属する世帯より一般国民年金税を徴収いたします。拠出期間は二十才から五十四才までの三十五年間、税額は大体一名平均月百六十六円に相なる計算であります。国民健康保険税の場合と似た方法で、均等割五、所得割三、資産割二、という割合で徴収することになっておりますので、収入資産の少ない人はずいぶんと安くなる見込みであり、さらに、納入困難あるいは不可能の人については、減額あるいは免除をすることにいたしております。免除は、五人家族の場合において、月収一万七千円、すなわち、年収二十万四千円以下の場合適用することに相なっておりまして、現行法で政府が考えておりますものよりははるかに範囲が広いのであります。減額の範囲は、五人家族の場合、月収二万二千円、年収二十六万四千円以下の場合であり、これまた相当多数の該当者が見込まれております。 特に申し上げておかなければならないことは、何回減免を受けた人でも、極端な場合は、全期間免除適用を受けて、一円も年金税を納めない人でも、六十才になれば他の人と同じ金額の年金が無条件で支給されるということであります。このように、所得比例の年金税、完全な減免制度によって、現在のような拠出年金制度に対する疑惑批判反対の根拠の主要な部分が解消されるものと信ずるのであります。 障害年金の場合は、一級年八万四千円、二級年六万三千円、三級年四万二千円が基本額でありまして、現行法よりはるかに多額でありますとともに、現行法と違って、内科障害にも支給するわけであり、現行法のように給付を受けるには三年以上、保険料納入後の原因によるものでなければならないというような苛酷な要件は一切ないことを明らかにいたしておきます。 遺族年金は、老齢年金の半額、すなわち、基本実額は四万二千円、子供一名につき一万四千四百円の加算をつけることに相なっております。現行法の母子年金よりはるかに多いのであります。また、現行法では、遺児年金は母子年金より年金額がはるかに少なく、寡婦年金は適用要件がはなはだしく苛酷でありますが、本法案ではそれらの遺族がみな母子と同様の給付を受けるわけであり、さらに、男性の遺族にも支給の道を開いているわけであります。 以上一般国民年金全般についてさらに申し上げておきたいととは、年金額に課税がないこと、並びに年金額が、消費者物価または生計費のいずれか一方の一〇%以上の変動の際に、それに応じて必ず改訂されることであります。現行法第四条の規定が、はなはだしくあいまいでありますが、本法案のごとく、はっきりと規定してこそ、国民は信頼して拠出年金制度に協力してくれるであろうと確信するものであります。 次に、労働者年金について申し上げます。本制度は、あらゆる職種の労働者本人に適用されるものであって、五人未満の事業所の労働者、日雇労働者、山林労働者等にも適用されます。 老齢年金は、六十才から支給されることが原則でありますが、炭鉱労働者、船員、機関車労働者等は、五十五才開始といたしておりますことは現行厚生年金保険と同様であります。老齢年金額は、制度が完成された場合、一般国民年金と同額の八万四千円を基本額として、それに標準報酬額に比例した金額が付加されます。その金額は、現在の賃金水準では平均年六万三千円になる計算でありまして、合計平均年十四万七千円に相なります。従って、将来賃金水準が上がった場合には、この平均額が上昇いたします。 労働者年金税法案に規定されている労働者年金税は、もちろん標準報酬の高低に従って定められております。一般国民年金の場合より年金額が多いのでありますから、年金税はある程度高くなりますが、この場合、使用者が半分以上負担することに相なっておりますので、労働者負担はあまり重くなく、平均して月二百円程度であります。低賃金労働者の負担は、標準報酬が少ないため、右の平均よりはるかに少額に相なることは当然であります。国庫負担については、実質上、一般国民年金と同額程度が確保されるようになっており、その他、拠出期間、繰り上げ減額年金、繰り下げ増額年金制度非課税及びスライド、免除、また障害、遺族給付については、一般国民年金と同様の内容、あるいは仕組みに相なっております。 そのほか、特に申し上げておかなくてはならないことは、通算について、完全な方法が取られることであります。本国民年金法内の両制度間は、もちろん既存の年金との通算の場合も、途中の職業転換、制度転換によって、一切損をしない仕組みになっていることを明らかにいたしておきます。 以上、一般国民・労働者、両年金制度について申し上げましたが、そのおのおのの年金税は、減免に対する国庫補てん分を加えまして、厚生大臣の管理する国民年金特別会計において、積み立てることに相なっております。この積立金は、当然受給資格者のものであるとの観点に割り切って、その運用の方法を定めてあります。すなわち、積立金のうち相当の部分を福祉施設建設等のため、運用することとし、その中で、需給資格者の団体に対して貸し付ける道を大きく開くことにいたしてあります。残部は、全部の予定利率六分を維持するために、資金運用部に七分で貸し付けることにいたしておりますが、資金運用部のこの資金の運用についても、国民の福祉に役立つ方面に用うべき旨の規制を加えることにいたしてあるわけでありまして、軍需産業資金に用いられるようなことは断じていたさせないわけであります。実際の運用については、国民年金積立金運用審議会において審議決定した方向に従い、厚生大臣が行なうことにいたしてありまして、この審議会の構成は、一般国民年金、労働者年金の受給資格者の代表、おのおの五名、学識経験者五名、官庁代表三名という使用主代表を加えない画期的な構成にいたしてあります。 以上が、本国民年金制度の内容の大綱であります。 本法の施行期日は、昭和三十六年四月一日、年金の支払い開始及び年金税の徴収開始は同年十月一日からであります。 国民年金法施行に要する一般会計よりの経費は、平年計算にいたしまして、その第一年度約二千百二十四億円であり、その内訳は、養老年金約一千三百三十億円、母子年金約三百十六億円、身体障害者年金約四十五億円、国民年金税減免の補てん分約二百十億円、普通国民年金の障害並びに遺族年金給付に関する国庫補助金、労働者年金の使用主としての国庫負担分等約百十億円。年金支払に要する事務費、約六億円、労働者、一般国民、両年金税法施行に要する経費それぞれ十五億、八十七億、小計約百二億円であります。 以上の国庫支出の大部分が賦課方式でありますので、自後、逐年逓増をいたします。本年金制度、完成時すなわち、四十年後には約年九千億円に達し、それ以上は、大体増加を停止し平準化されます。 以上のごとく、国庫支出は相当の程度に達しますが、その最初の金額は、最近の財政状態から見て、政府が社会保障をほんとうに推進しようとするならば、直ちに実現可能であり、後々の支出増も財政上はいささかの心配のない程度であります。と申しますのは、各位の御理解のごとく、わが国の経済が逐年拡大、国家財政もまたそれに従って拡大するからであります。ただいま、各党とも、経済拡大に自信をもって、おのおのその成長率を発表しておるわけでありますが、かりに故意に各党の態度よりはるかに控え目に、明治以降のわが国経済成長率四%で考えてみましょう。との率でわが国の経済が拡大すれば、四十年後には、約五倍に相なりまして、同じ率以上で財政が拡大し得ることは当然でありますが、これも大事をとって同率と見て、約十兆の財政のワクが考えられるわけであり、相当の減税でワクがそれより縮まったとしても、九千億くらいの程度の国庫支出は容易なことであり、それが全国民に対するものである限り、その支出は国民に理解賛成されるものであると信ずる次第であります。 以上、大体の御説明でございますが、賢明なる同僚各位には、との国民年金関係六法案が、国民から批判を受けている現行法の欠点のすべてを解決し得る内容を持ち、憲法第二十五条の精神をほんとうに実現することのできる社会保障に徹した案であることを、しかも直ちに実現容易な案であることを、御理解いただけたと信ずるものであります。それとともに、このような案であってこそ、所得保障という本来の大切な目的を果たすとともに、他の重要な面に非常な好影響を与えるものであることをも御理解いただけると存じます。すなわち、本制度を通じての所得再配分によって、国民生活の不均衡が相当程度是正され、これによって継続的な有効需要が確保されることによって、諸産業の振興安定に資するところ大なるものがございます。このことは、雇用の増大と安定を招来するものでありますが、さらに、完全な所得保障によって不完全就労を減少し、労働力化率が低下するという好ましい効果の面も加えまして、完全雇用への道を進めるものであります。さらに、十分な年金制度は、雇用労働力の新陳代謝を促進し、鉱工業生産力を増大せしめるとともに、農業、中小商工業の経営権を若き世代に移すことによって、その近代化、協同化への原動力と相なるわけであります。以上の諸点をあわせ、御理解をいただきたいと存じます。 以上きわめて簡単でございましたが、社会党国民年金六法案に関する全般的な点の大綱を御説明申し上げたわけであります。 これより三法案の内容の大綱について御説明申し上げます。 まず、一般国民年金税法案より申し上げます。この法案は国民年金法案第四十条第四項の規定に基づきまして、一般国民年金税の賦課徴収その他一般国民年金税に関する事項を定める法律案であります。 まず第一に、一般国民年金税は毎年世帯主より、世帯主及びその世帯に属する一般国民年金の受給資格者につき均等割額、所得割額、資産割額の合計額により課するものでありまして、均等割額は一般国民年金の受給資格者一人につき年一千円であります。所得割額は世帯主及びその世帯に属する一般国民年金の受給資格者の前年の合計所得金額の合計額を課税標準とし、それに百分の〇・二八を乗じて算定いたします。世帯主が労働者である場合、その状態に見合うべき程度の控除をいたすことにいたしております。 資産別割は、世帯主及びその世帯に属する一般国民年金の受給資格者が所有する固定資産(これは居住用の財産を除きます)の固定資産課税台帳に登録されたものの合計額に百分の〇・二四を乗じた金額であります。この場合世帯主が労働者ある場合はその状態に見合う程度の控除をいたします。 右は普通の場合でありますが、徴収不能または困難な世帯では、減免、すなわち税額控除あるいは非課税いたしますことは前に述べた通りであります。前年の世帯の所得合計から二万四千円を控除した金額を世帯員数で除した金額、三万六千円をこえ四万八千円以下の場合第十一条の税額控除が適用され、その控除率は百分の十から始まり、九段階に分かれ、一番多いところは百分の九十に達します。 右の金額が三万六千円以下、あるいは生活保護法適用家庭は非課税に相なります。納期は毎年六月から翌年三月まで毎年十分の一ずつ徴収することに相なっており、農家の場合は、政令の定めるところにより、申請により七月末、十一月末に、二回に分けて納入することができるよういたしてございます。 民主的構成による中央国民年金審査会、地方国民年金審査会を置き、不服の際に審査を受けることができるよういたしてございます。事務は、市町村長がつかさどることになっており、国税局長がこれの監督をすることに相なっております。その他税法上必要なことすべてにつき細目の規定をいたしてございます。 本法案の施行期日は昭和三十六年十月一日、本法案施行に要する費用は前に申し述べました通りであり、税収入額は初年度百六十二億円、平年度約三百二十三億でございます。 以上で、一般国民年金税法案の御説明を終わり、次に、労働者年金税法案について申し上げます。 この法案は、国民年金法案第四十六条第四項の規定に従いまして、労働者年金税の課税標準、税率、その他労働者年金税に関する事項を定める法律案であります。 まず第一に、労働者年金税の課税標準は、事業主の使用する事業所ごとの労働者年金の受給資格にかかるその月の標準報酬の金額の合計額といたしてございます。標準報酬については、国民年金法案第四十九条において、第一級三千円より第三十級七万二千円まで三十等級に分けてございます。 次に、労働者年金税の税率は百分の二・七であります。ただし、生活保護法の適用を受ける労働者が、国民年金法第四十六条第五項ただし書きの規定により同項本文に規定する労働者負担をしない場合は、納税義務者である事業主はその分だけ税額の控除を受けられることに相なっております。この労働者年金税は、毎月納入されるべく規定されております。不服ある者が、地方国民年金税審査会、中央国民年金税審査会の審査を受けることができますことは、一般国民年金税法案の場合と同様であります。事務については、税務署が直接当たり、市町村長に委託はいたしません。その他税法上必要なことのすべてにつき細目の規定をいたしてございます。 本法案の施行期日は、昭和三十六年十月一日、本法施行に要する費用は前に申し述べました通りであり、税収入額は初年度約六百三十七億円、平年計算にして第一年度約一千二百七十四億円であります。 以上で、労働者年金税法案の御説明を終わり、次に国民年金特別会計法案について申し上げます。 この法案は、国民年金法による一般国民年金事業及び労働者年金事業に関する政府の経理を明確にするため国民年金特別会計を設置し、一般会計と区別して経理する目的を持ったものであります。この会計は一般国民年金勘定、労働者年金勘定の二つに区分され、それぞれの勘定においては一般国民年金税あるいは労働者年金税、一般会計からの受け入れ金、積立金から生ずる収入、借入金及び付属雑収入をもってその歳入とし、一般国民年金あるいは労働者年金の給付金、借り入れの償還金及び利子、一時借入金の利子、業務取扱費並びに、付属諸費をもって歳出とすることに相なっております。この会計は厚生大臣が法令に従って管理するものであり、厚生大臣は毎会計年度歳出歳入予定計画書、歳出歳入決定計画書を大蔵大臣に送付しなければならないことといたしてございます。内閣は毎会計年度、この会計の予算、決算を作成し、一般会計の予算決算とともに国会に提出しなければならないことにいたしてございます。 其の他、余裕金の預託、借入金等について規定をいたしてございます。 厚生年金保険、船員保険中年金部分、農林漁業団体、職員共済組合等は、労働者年金に即時統合されることに相なっておりますので、従って以上の制度の積立金等の権利義務は、本特別会計に承継されるべき旨を定めているわけでございます。 本法案は昭和三十六年十月一日から施行され、昭和三十六年度予算から適用されることに相なっております。 以上で、国民年金特別会計法案の御説明を終わります。 これで日本社会党の国民年金制度に関する考え方とそれを実施するための具体的な法律案としての三法案の御説明を申し上げたわけでございます。 何とぞ三法案を建設的に十分に御審議賜わり、一日も早く御可決あらんことを切に御要望申上げて、御説明を終わる次第でございます。
○政府委員(田中茂穂君) ただいま議題となりました国民年金特別会計法案外二法律案につきまして、提案の理由と概要を御説明申し上げます。 まず、国民年金特別会計法案について申し上げます。 老齢、廃疾または死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し、もって、健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とする国民年金制度につきましては、第三十一回国会において成立した国民年金法により創設され、すでに発足いたしておりまして、そのうちのいわゆる経過的福祉年金につきましては、昭和三十四年十一月一日からその給付が行なわれており、さらに、いわゆる拠出制年金につきましては、本年四月一日からその保険料の徴収が開始されることとなっておりますことは、御承知の通りであります。しかして、政府といたしましては、国民年金法に基づく国民年金事業を経営して参りますためには、政府管掌の各種の保険事業におけると同様に、国民年金事業に関する歳入歳出はこれを特別に経理いたしまして、その収支を明確にし、将来にわたってその財政の均衡が保持されるよう運営することが必要であると認められますので、ここにこの法律案を提案し国民年金事業の健全な発達をはかることといたしました次第であります。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一に、この特別会計におきましては、国民年金法に基づく国民年金事業に関するすべての経理を行なうことといたしております。従いまして、同法に基づく拠出制年金に関する経理に限らず、同法に基づく福祉年金に関する経理につきましても、この会計において行なうこととなります。 第二に、この特別会計は厚生大臣が管理することとし、その経理は、国民年金勘定、福祉年金勘定及び業務勘定に区分して行なうことといたしております。しかして、国民年金勘定の歳入は、国民年金事業にかかわる保険料、国民年金印紙により納付された保険料に相当する額の業務勘定からの受け入れ金、拠出制年金の年金給付に要する費用に充てるための一般会計及び積立金からの受け入れ金並びに積立金から生ずる収入等とし、同勘定の歳出は、拠出制年金の年金給付費及び国民年金事業の福祉施設に要する経費に充てるための業務勘定への繰入金等とすることといたしております。次に、福祉年金勘定の歳入は、福祉年金の年金給付に要する費用に充てるための一般会計からの受け入れ金等とし、同勘定の歳出は、福祉年金の年金給付費等とすることといたしております。また、業務勘定の歳入は、国民年金事業の事務の執行に要する費用に充てるための一般会計からの受け入れ金、国民年金印紙の売りさばき収入及び国民年金事業の福祉施設に要する経費に充てるための国民年金勘定からの受け入れ金等とし、同勘定の歳出は、国民年金事業の業務取り扱いに関する諸費、国民年金印紙により納付された保険料に相当する額の国民年金勘定への繰入金及び国民年金事業の福祉施設に要する経費とすることといたしております。 第三に、以上のほか、この法律案におきましては、この特別会計の予算及び決算に関する事項その他の会計経理に関し必要な事項について規定することといたしております。 なお、国民年金の保険料は、国民年金印紙により納付することが原則とされておりますのに伴いまして、当該印紙の形式及び売りさばき等に関する規定を整備するため、この法律案の附則において印紙をもってする歳入金納付に関する法律の一部を改正することといたしております。 次に、大阪港及び堺港並びにその臨港地域の整備のため発行される外貨地方債証券に関する特別措置法案につきまして申し上げます。 大阪港及び堺港の港湾整備並びに臨港工場用地の造成等の総合整備事業計画は、かねてより関係地方公共団体により検討されて参りましたが、このほどほぼ成案を得るに至りました。その起債対象事業規模は約七百七十億円に上る予定でありますが、関係地方公共団体におきましては、その一部を外貨地方債証券の発行により調達することとし、昭和三十六年度におましては、九十億円に相当する外貨地方債証券の発行を計画しております。 政府といたしましても、この総合整備事業計画は、時宜を得た適切なものであると考えましたので、この計画のために発行される外貨地方債証券の発行を円滑ならしめるために、この法律案により特別措置を講ずることとした次第であります。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一に、政府は、当分の間外貨地方債証券にかかる債務につきまして国会の議決を経た金額の範囲内で保証契約をすることができることとしているのであります。しかして、昭和三十六年度におきましては、保証契約をすることができる金額の限度を、この法律の附則において定めることとし、その限度額は、大阪府及び大阪市が共同して発行する外貨地方債証券につきまして、発行時における基準外国為替相場または裁定外国為替相場で換算した金額が九十億円に相当する券面表示の外国通貨の金額並びにその利子及び発行に関する契約に基づくその他の支払金の額に相当する金額といたしております。 第二に、外貨地方債証券の消化を円滑にするために、その利子等に対する租税その他の公課については、これまでの外貨公債の例にならい非課税措置を講ずることとしているのであります。 ————————————— 最後に、税理士法の一部を改正する法律案について申し上げます。 政府は、昭和二十六年に税理士法が施行されて以来の税理士制度の運営の経験に顧みまして、今後早急に税理士のあり方その他税理士制度の全般について根本的な検討を加える方針でありますが、その結論を得るにはなお時日を要しますので、今回は、税理士の登録事務の移譲及び税理士特別試験の存続期間の延長等当面必要な事項について税理士法の一部を改正しようとするものであります。 以下改正案の内容につきまして簡単に御説明申し上げます。 第一に、税理士の自主制を高めるため、税理士の登録事務を日本税理士会連合会に移譲することとし、所要の規定の整備をはかっております。 税理士制度の適正な運営をはかるためには、個々の税理士が、その職責を自覚し、自主的にみずからの規律を守る態勢が確立されることが望ましいことは言うまでもありません。このような観点から、さしあたり従来国税庁長官が行なっていた税理士の登録事務を日本税理士会連合会に移譲することとしております。 この移譲に伴い、登録事務の公正な運営をはかるため、日本税理士会連合会に、同連合会長のほか、税理士、国税または地方税の行政事務に従事する職員及び学識経験者からなる資格審査会を設け、問題のある事案については、同審査会の議決に基づいて処理することといたしております。また、登録を拒否された事案及び登録事務が相当期間遅延している事案については、国税庁長官に対して異議申し立てを行ない、その救済を求めることができることといたしております。 なお、従来税理士会の会則の変更は、すべて大蔵大臣の認可を要していたのでありますが、税理士会の自主性を高めるため、できる限り、届け出制に改めることといたしております。 第二に、税理士の特別試験の制度について所要の改善をはかった上、その存続期間をとりあえず延長することといたしております。 この特別試験の制度は、計理士及び会計士補については十年以上、国税に関する行政事務または事業税もしくは固定資産税に関する行政事務に従事した職員については二十年以上、その他の地方税に関する行政事務に従事した職員については二十五年以上の実務経験を有する者について認められているものでありますが、このような者については、一般の理論中心の試験によるよりも、むしろ実務を中心とした特別な試験を行なうことにより税理士の資格を与えることが実情に即しているものと考えて昭和三十一年に設けられたものであります。税理士試験については、現在行なわれている普通試験につきましても、そのあり方について各種の疑問が提出されており、税理士の業務に照らし、その資格試験にふさわしい試験のあり方について総合的な検討を行なう必要が認められております。このように税理士の試験制度全般について、税理士制度の基本的な問題の一つとして早急に検討を行なうこととしておりますが、その結論を得るにはなお時日を要しますので、今回は、本年六月三十日にその適用期限の到来する税理士の特別試験制度について所要の改善をはかった上、その存続期間をとりあえず延長することとしているのであります。 なお、税理士試験の受験資格、税理士試験における試験科目の免除資格及び特別試験の受験資格中、現在一定期間国税または地方税に関する行政事務に従事したことを要件としているものについて、今回これを若干拡張し、国または地方公共団体における国税または地方税に関する事務に従事した者にその資格を認めることとする等所要の規定の整備をはかることといたしております。 以上この法律案につきまして、提案の理由と内容の概要を申し上げましたが、何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
○委員長(大竹平八郎君) 補足説明並びに質疑は後日に譲り、一応休憩いたし、午後一時から再開いたします。 午後零時二分休憩 ————・———— 午後二時三十分開会
○委員長(大竹平八郎君) 休憩前に引き続いて、委員会を開催いたします。 まず、港湾整備特別会計法案を議題といたします。 質疑のある方は御発言願います。 なお、申しおくれましたが、政府側からは田中大蔵政務次官、上林法規課長、中道港湾局長が出席いたしております。
○成瀬幡治君 私としては、特別会計をあまりたくさん設けるようなことは、一般会計との関係もありまして、あまり好ましくない方向だと思う。今度の法律案は、いや、そうじゃなくて、特別会計を設けるんじゃなくて拡大したのだという、こういう御答弁かもしれませんけれども、一体特別会計全体について、大蔵当局と申しますか、政府当局と申しますか、まあ政務次官に御答弁願うことでもないかとも思いますけれども、それはそれといたしまして、一応そういう問題についてのお考えをこの際お聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(上林秀男君) 特別会計につきましては、財政法に規定がございまして、国が特定の事業を行ないまする場合、あるいは国家資金をもちましてその運用を行ないます場合、その他特定の歳入をもちまして特定の歳出にあて特に区分して経理する必要があります場合に限りまして、特別会計を設け得ることになっておるわけでございまして、御指摘がございますように、予算はできる限り統一的にこれを編成いたしまして、通覧の便に供しまするとともに、財政紊乱を招かないように、特別会計につきましては特にそういうような観点から、今申し上げましたような財政法の規定があるわけでございます。 で、今回の特別会計は、今お話がございましたように、前にございました特定港湾施設工事特別会計を改組いたしまして、一方三十六年度から発足いたしまする予定にいたしておりまする港湾整備緊急五カ年計画をもって計画いたして参りまする港湾整備事業を計画的に遂行いたすために、今申しました特定港湾整備特別会計を改組いたすものでございます。ことに、これにつきましては、そういう今後五カ年間に二千五百億の大きな額の港湾投資を考えておるわけでございまして、これを緊急かつ計画的に整備をしていくという事業でございまするので、そういうような趣旨から、これを行ないまする事業といたしましてこの特別会計に適用いたしたいと、こういうふうに考えるわけでございます。
○成瀬幡治君 五カ年間で二千五百億になる。だから、もう一つ金額も大規模だから、何とかこの際規模を大きくしようじゃないかということも、われわれにわからぬこともないのです。しかし、大筋の話として、これも重要なことであり資金も大きいことだと、こういえば全部が特別会計でいいということになる。そういう議論は私は本末転倒をした議論になると思う。従って、およそ、全部それじゃ特別会計は否定をしようというわけじゃございませんけれども、おのずからそこには限度と申しますか、尺度というものがあるのではないか。従って、そういう事柄に基づいて、およそこれくらいの問題については一般会計でやってもいいというのと、そうじゃなくて、これは一つ特別会計にしようじゃないかというものがある。そこで、あなたの方としては、これ以上特別会計をふやすということは何か納得いかないのですが、この辺のところをどういうふうに今後御処置されていく一お考えですか、承りたいと思います。
○政府委員(上林秀男君) 特別会計につきましては、今御指摘ございましたように、これがみだりにふえますと、財政法その他の原則に規定されます原則から申しまして好ましいことでないことは、御指摘の通りでございまするので、いかなる事業を、あるいは対象を特別会計で処理するかというのは、私どもといたしましては慎重に検討をして参っておるつもりでございます。ただ、いろいろと国家活動がふえて参りまして、内容によりましては、あるいは特別会計で処理する方が事業の実施なり事務の計画的な遂行なりにかんがみまして適切な場合には、特別会計を作るという場合もあるわけでございまするが、その基本的な気持は、今、成瀬先生おっしゃいました通りでございまして、その通りに運営をやって参っておるつもりでございます。
○成瀬幡治君 今現に特別会計で行なうものはどのくらいあるのですか。
○政府委員(上林秀男君) 特別会計の数は、ただいま四十一かと考えております。その中には本年度新しく二つほど特別会計の法案をお願いいたしておりますが、一つは国民年金特別会計法案、もう一つは機械の不払いのための特別会計法案、この二つがふえるわけでございます。
○成瀬幡治君 年々ふえているかどうか、この点一つ参考に承りたいと思いますが、昭和二十六年というとおかしいことになると思いますけれども、およそ特別会計がこうふえてきたのもおかしいことになるので、一応年次別のあなたのところに資料があれば、お聞かせ願いたい。資料がなければ、これは後刻資料として御提出願えれば幸いだと思います。
○政府委員(上林秀男君) ただいま御質問のような資料を持ち合わせておりませんので、あとで作成してお届けいたしたいと思います。
○成瀬幡治君 これは本委員会に関係がないといえばない点ですが、今、地盤沈下の問題が非常にやかましいわけですが、地盤沈下に対する港湾の整備、そういうようなことに関するのは入るのか、別のところで扱われるのか、そこはどうですか。
○政府委員(中道峰夫君) 港湾局長でございますが、私からお答えいたします。地盤沈下対策事業は特別会計の対象になっておりません。
○成瀬幡治君 そうすると、これはどういう——一般会計でやることになるのですか。それとも、運輸省のどこでやることになるのですか。
○政府委員(中道峰夫君) 一般会計でやるわけでございますが、これは御承知のように、地盤沈下対策事業につきましては、運輸省だけではなくて、建設省あるいは農林省と、他省との関係もございますので、一般会計でやるようになると思います。
○成瀬幡治君 そうしますと、これは法律案の、整備五カ年計画の内容に入って悪いわけですが、少なくとも政令で定めるところのいわゆる重要港湾あるいは避難港、そういうところが地盤沈下になっているわけですね。それだけれども、それは対象にせずに、地盤沈下の問題に関しては別途一般会計の方でやっていくのだ、こういうふうに解してよろしいわけですか。
○政府委員(中道峰夫君) その通りでございます。地盤沈下対策事業といたしまして、現在、新潟あるいは尼崎等に起こっております対策事業で取り上げております。あまりそうたくさんはございません。
○成瀬幡治君 私はよくわからないといけませんので……。港湾法の中に、「港湾施設とは」として、一号から十一号まで、あるいは十二号及び十三号に掲げる施設をいうというところの中に、いろいろなところが入っておるわけです。で、そういうところを今度直轄なりあるいは委託としておやりになるのか。しかし、それがよってくるところの原因が地盤沈下だというふうにあなた方の方で認定をされれば、それは一般会計でやると、こういうことになるのですか。
○政府委員(中道峰夫君) 大体お話の通りでございますが、この特別会計法の対象になっております五カ年計画は、改修関係の事業を対象にいたしております。今の地盤沈下の事業と申しますのは、たとえば地下水のくみ上げとかあるいは地震の関係とかいうことで、原因がまあそういう関係で地盤沈下を起こしておるという事業でございますので、一般改修とは区分して、それに対する対策事業を立てておるわけでございます。
○成瀬幡治君 これは災害復旧事業あるいは災害関連事業は除かれることは、私たちもわかるわけです。で、そうしますと、地盤沈下というのは災害なんかにというようなワク内に入るわけですか、解釈は。
○政府委員(中道峰夫君) まあワク内に入る。考え方といたしましては、一種の防災事業というふうに考えておりますが、この分け方といたしましては、それぞれ地盤対策事業あるいは災害復旧事業、関連事業というふうにやっておるわけでございます。
○清澤俊英君 ちょっと、今、地盤沈下の問題が出ましたので、それでお伺いしますが、新潟の地盤沈下ですね。昨晩の新聞を見ますと、科学技術庁の池田という長官がこういうことを言っておるのです。大体新潟の地盤沈下はもう結論が出ていると、こういうのです。もう結論が出ておるのに、このままにどうも同じようなことを繰り返して金をかけてみても、金をかけるだけ損じゃないか。ということは結局、それはもう今のままでおいて、幾ら金をかけていろいろな施設をしてみましても地盤は下がっていくんだ、だから金をかけたととが何にもならぬじゃないか、こういう説明だと私はとっております。これに対してあなた方の方ではどういうふうに考えておられるか。
○政府委員(中道峰夫君) 新潟の地盤沈下の問題だと思うのでございますが、この点につきましては、原因が地下水のくみ上げ、つまりガスの採取をしておるわけでございます。そのガスは地下水の中に含まれておりまして、その地下水をくみ上げてその中のガスを採出するということで、結局まあ地下水をくみ上げることになる。その地下水のくみ上げによりまして、新潟地区の地盤が急速に沈下を来たしたわけであります。従いまして、まあこれについては科学技術庁が中心になりまして、各方面の権威者を集めまして原因探究の委員会を作って調査をいたしました。まあそれの結論といたしまして、地盤沈下の原因が地下水のくみ上げにあるという結論が出ておるわけでございます。 で、それに対しまして、これはまあ通産省の関係でございますが、ガスのくみ上げにあるということで、このガスのくみ上げを極力規制をするということで、ガスの規制をいたしまして、その結果、地盤の沈下の速度がこれまた減少いたしまして、大体半減をしたわけでございます。で、今後もさらにその沈下に対する対策を考えられると思いますが、大体科学技術庁の方でお調べになった結論といたしましては、今後、大体見通しといたしましては、一メートル二〇程度の沈下が予想される。それ以上はあまり進まないだろうという結論が出たわけでございます。われわれの方といたしましては、との沈下に対する対策といたしまして二段がまえをいたしたりつまり、原因を探究しております期間においては応急村策をしたわけでございます。どうしても沈下しております地区について応急に対策をいたしませんと、浸水等の危険がございますから、応急対策。それから、その根本対策といたしましては、今申しましたように、根本原因というものが、科学技術庁の結論が出たものでございますから、それの根本対策、それの見通しといたしましては、今のように将来一メートル二〇程度の沈下になるだろうということで、つまり、その見込みが立ちませんと、一体幾ら沈下するのかわからないでは対策が立たないわけでございます。それに対しまして、今のように一応結論が出たものでございますから、それを目標にいたしまして根本対策をする、そういうことで、新潟の地盤沈下に対しましては一応そういった対策が樹立されたという形になっておるわけでございます。
○清澤俊英君 あまりたくさん言われて、個が何だかわからない。全くわからない。あのね、お聞きするのは、もう原因はわかっておるのでしょう。そして、今現在規制しましても、まだ幾らかガスを許しているために現に下がっているのでしょう。これは事実でしょう。下がっているとお認めになるでしょう。そうしますれば、いっときも早くこれは規制してしまった方がいいじゃないですか。問題はそれが一番早いのじゃないですか。それを酒田という人が言うておるのじゃないかと、こう思っておるのですがね。あなた方はどうかといったら、港湾さえ守っておればいい方ですから、一番そういうことにはがっちりした考え方を持つのが正当じゃないかと思う。通産省はいろいろ産業上の問題がありますから、従いまして、ちょっと無理なことを言うことも考えるかもしれませんが、あなた方には何にも遠慮は要らないと思うのです。この点はどうなんですか。 何が何だかさっぱりわからない。ああでもない、こうでもないとくだくだ言っておったって片づきません。その点をはっきりしてもらいたい。ちゃんと技術庁のお方がそう言っておられるじゃないかと言うのです。もう、水のために地盤が下がっているのだとはっきり原因がわかっているのに、それを早く規制しないでいることは、幾ら金をかけても損じゃないかと、こう言っているわけです。その点、どうなんですか。
○政府委員(中道峰夫君) ガスの規制につきましては、これは通産省の関係でございます。先ほど申しましたように、ガスの規制をいたしまして、従来の地盤の沈下は約半減しておるわけです。
○清澤俊英君 半減しても、下がってることは事実でしょう。下がらぬのならいいですよ。今現在、四十センチづつ年々下がってるのでしょう、半減しても。規制しなければ、それはとまりっこない。これはどうもおかしいと思うのです。港湾をあずかるあなた方としては、港湾の管理が中心になればいいんですから。通産省が言うことならわかると思うのです、言われることは。それで、今下がっているのに、それで差しつかえないとあなた方言っておるのですか。
○政府委員(中道峰夫君) 先ほど申しましたのですが、この原因についての科学技術庁の結論が出まして、それとさらにこの沈下の見通しでございます、これが将来一メートル二〇程度で、大体それ以上はあまり沈下しないだろう、こういう科学技術庁の結論が出ておるわけですから、従いまして、私の方はその結論に従って対策を立てたいと、こういうことでございます。
○清澤俊英君 結論に従って対策を立てるということは、どういうことになります。結論に従って対策をお立てになるというのは、どういうことをおやりになるのですか。
○政府委員(中道峰夫君) 先ほど申しましたように、この地盤が沈下しておりますのは、ガスのくみ上げを行なった。それで、そのくみ上げをしておる最中は相当の沈下が起こったわけでございます。それが規制をされまして、沈下の量がどんどん減ってきた。われわれの方は対策をいたしますのに、との見通しがつきませんと対策が立たないわけでございます。どこまで下がるかという見通しが立たないと、それに対する対策を立て得ない。つまり、たとえば岸壁なら岸壁を、必要な高さがあるわけでございますが、それが地盤沈下のためにどれまで下がるかという見通しが立てば、その下がった量を目標にしてその岸壁に対する高さの対策が立つと、そういうことでございます。それぞれの施設に対してそういった対策が、沈下の見通しが立つことによって対策が立てられる、そういう趣旨でございます。
○清澤俊英君 今、さっきも何べんも言いました通り、今現在四十センチ以上は下がっているのです。これはお認めになるのでしょう。それで問題を起こしているのです。幾らあなた方が骨折って防潮堤を作ってみたり、排水をやってみたり、いろいろのことをやっても、次から次へと災害がふえてきておる。今度は西護岸で何しましたことはあなた御存じでしょう、西護岸が崩壊してきたことは。ああいう形になるのですよ。それに対してどう考えておいでですか。私は、あなた方ならば、少くとももう、あの通産省と話はつけて全面規制していただくことがほんとうじゃないかと、こういうことなんです。問題は、私はいろいろ事業上の関係があって、それがために通産省が言われることならわかるのだが、いろいろ関係があるからなかなか無理はあると、こう思うのです。あなた方にはそんなことは何にも遠慮することはありはしない。それをお聞きしているのです。
○政府委員(中道峰夫君) 私の方で実は地盤沈下の観測をしておるわけでございます。その観測によって、この従来の沈下の量、また規制後の量、そういうものを調べております。今お話しのように、現在まだ沈下を続けておるわけでございますが、従来のような沈下の量ではなくて、相当これが減っておる。それがどこまで進むかということが、今の、私申しましたように、科学技術庁の結論によって一メートル二〇という目標が出ているわけです。一メートル二〇以上はあまり下がらないだろうということで出ておりますから、それを目標に対策を立てざるを得ない。それから私の方は、お話のように、どっちかといえば被害者の方の立場になりまして、通産省に対しましても、この原因であるガスの規制を実は強く前々から要請しておったわけでございます。
○須藤五郎君 今、清澤君が質問していましたので、私も実は新潟に行って見てきたのです。これは非常な問題だと思ってるのです。市民の一般の考え方としては、もう掘るのをやめてもらいたいという希望が非常に強い。これは市当局にもこの希望はあるわけです。ところが、事業をそれじゃもうやめなくちゃならぬということになると、経済的な問題で事業主などが非常に反対するので、これはできないんですが、実は私も少し視察した結果、自分なりの結論を出したんですが、それによると、今後ずうっと事業を続けていくならば、いつかはあの町はそれこそ何メートルという高い堤防で周辺を囲まれた都市になってしまうか、あるいはあの都市は放棄しなくちゃならぬような段階に来るのではないだろうかという感じを受けたんです。で、清澤君は今そういう心配があるから、市民も心配しておるから、だから運輸省としては利害関係が伴わないんだから、即刻あの事業をやめて、ガスを出すことをやめてしまえ、そういう決意をしろというのが清澤君の意見だろうと思うのです。ところが、あなたの方では、一メートル二〇でとまるから、だからその事業は続けていいだろう、こういう御意見だろうと思うのですが、一メートル二〇というのは、今日よりもなお一メートル二〇下がるというのか。一メートル二〇下がった後は、それから先はもう取っても下がらぬということならあのガスを取るのか。地下水からとっているんでしょう。水と一緒に取っているんでしょう。これからずっと続けて水を取っても一メートル二〇でとまるわけではないだろうと思うのですが、とまる根拠を示してもらいたい。学者が言ったからと、すぐそれを私たちうのみにするわけにはいかぬ。もう一メートル二〇下がったら、もう下がらぬということならわかります。その点がはっきりしないので、やっぱっり不安がずっと続くと思うのです。その点、あなたにもう少しはっきり意見を聞いてみたいと思うのです。 同じ条件が尼崎にもあるわけです。尼崎は私も行って見てきました。これは建設委員会の問題だと思って、私は建設委員会でいつかはやらなくちゃならぬと思っておるんですが、現在もう満潮時になるとこの辺になる。自分らの背くらいになっている、満潮時のときにもう。ジェーン台風のようなのが来れば、尼崎の町は全部水につかってしもう。そのくらい尼崎は下がってきているわけです。これを一体どうするのか。この港湾設備の方は港湾関係であって、地盤沈下は一般会計でおやりですが、ああいう港湾と接続したところ、あすこをどういうふうに分けて、ここからここまでは港湾整備の方でやって、いくんだ、ここからここまでは一般会計だというように、はっきり区別をしてやっていけるものか。そういう区別したやり方がはたしてあるのかどうかという点ですね、そういう点について聞いておきたいのです。
○政府委員(中道峰夫君) 私の運輸省の所管だけでございませんので、十分御説明できないかもしれませんが、今の地盤沈下につきましては、先ほどから御説明いたしておりますが、いろいろな方法で調査をいたしたわけでございます、原因につきまして。と申しますのは、実は私の方であそこに、現地に第一港湾建設局という現地機関がございまして、港湾の関係が非常に大きな影響を持つものですから、私の方でそれらの調査、原因探究の調査を引き受けましてやって参っておるわけです。先ほどからお話しのように、この原因がいろいろと論議されまして、結局地下水のくみ上げということで、通産省の方もそれに対して地下水の規制を順次強めてきたということでございます。従いまして、私の方としては原因の探究に努めると同時に、その原因除去につきまして、通産省あるいは関係方面にもそれぞれの機関を通じて強く要請をして参ってきたわけでございます。
○須藤五郎君 あまりこまかしいことじゃなしに、今聞いた要点だけをきっぱり言って下さい。一メーター二〇下がったらとまるという根拠を示してもらいたいことなんですよ、問題は。
○政府委員(中道峰夫君) これは地盤沈下対策審議会が経済企画庁に設けられております。それの答申によりまして、今後の最終沈下量をとりあえず一メーター二〇というふうに目標を定められた、こういうことでございます。
○須藤五郎君 その科学的な根拠は何ですか。一メーター二〇しか下がらぬというのは、口で言ったって住民は信用しないんですよ、そんなこと。現在でもなお四十センチぐらいずつ下がっているのですから、一メーター二〇下がったらもうガスはなくなるから、それ以上事業はしないんだ、こういう見解なのか。一メーター二〇でとまるという理由が、地下水がなくなるということなのか。そこのところをはっきり科学的に示してくれないと、住民は安心しませんよ。ただ学者がそう言ったからといって安心しておるわけにいかぬです、理由がなければ。
○政府委員(中道峰夫君) これは経済企画庁が答申をしておりますので、それによって数字が出されておる。経済企画庁のこれは権威のある答申案だというふうに考えるわけでございます。
○清澤俊英君 ちょっと、あなたのおっしゃることと、通産省の鉱山保安課長ですか局長ですかの言うことと、ちょっと違うのだな。と申しますことは、保安局長はそういうふうに言うておりません。今ちょうど帝石などでは水の注入等のいろいろな試験研究をやっている。ただ、その効果を今調べているので、今しばらく待って下さい、七月ごろまでには結論を出します、こうはっきり言うているのです。これは長く放置することができない問題だから、それまでには何とか考えます、結論を出したい、こういうことを言うておるのです。ところが、あなたのおっしゃるところを聞いておりますと、そういう点に対してはさらに考えておられないで、一メートル二〇かこれから下がるのだから、それに対する防備さえしておったらそれでいいのだ、こういう考え方のようなんです。それではだれも納得ができないですよ。
○政府委員(中道峰夫君) 今の圧入水の注入あるいは構造性ガスの切りかえとか、いろいろそういった方法があることは聞いておりますが、これは所管が違いまして通産省の関係でございますので、私直接でないものですからお答えできないわけですが、そういうことでなるべく、できるだけ沈下現象をなくしていくというふうに努力をされておると思います。従いまして、私の方といたしましては、沈下に対してはもう一日でも早くとめていただきたいと考えておるわけでございます。しかし、それに対してはやはりその目標がなくちゃできませんので、ただいま申しましたような経済企画庁の答申によってその目標を立てておるということで、それに対する予算措置等も考えておるわけでございます。
○須藤五郎君 私の最後の質問に答えてもらいたいことがもう一つあるのですが。
○政府委員(中道峰夫君) 尼崎の問題ですか。
○須藤五郎君 ええ。
○政府委員(中道峰夫君) 尼崎の関係につきましても、お話のように、従来からこれはやはり地盤沈下現象を起こしておりまして、これもやはり主たる原因は地下水のくみ上げです。これについては工業用水等別途その水源を求めまして、地下水のくみ上げをだんだんそういった他の水源から求めるように切りかえておるわけでございます。そういうことで、これに対する地盤沈下の勢いは幾らか漸減の傾向をたどっておりますが、私の方といたしましては、昭和二十四年だと思いますが、ジェーン台風ですが、大きな被害を受けたものですから、そのときに尼崎の外郭を囲みます堤防を築造いたしまして、建設省の方では神崎川の堤防を作った。それらとあわせまして、この尼崎地区を高潮あるいは地盤に対しての防備をいたしたわけでございます。それで、将来地盤の沈下量もそのときに一応見込みましてやっておりますが、その後やはり地盤沈下が続けられておる。今申しましたように、いろいろな対策等も、工業用水の切りかえ等も考えまして、それらもあわせて対策を立てたいと思っております。
○委員長(大竹平八郎君) 須藤君、長いですか。
○須藤五郎君 もう二点だけ、せっかく見えておりますから。 今、私の質問したのは、要するに港の防波堤などだんだん下がっていく傾向があるわけですね。それは運輸省の管轄なんですか、それとも建設省なのか、それとも港湾整備、この関係でなさるのか。そうして地盤沈下は一般会計でやるとなると、その間が非常に関係が複雑で、うまくいくのかどうかという質問をしておったのですが、こちらから聞くことにいたします。
○説明員(宮崎仁君) ただいま御指摘の点につきましては、運輸省、建設省、両省の所管の関係になりますが、御承知のように、この尼崎の地盤沈下対策事業は二十五年からやっておりまして、現在実施をいたしますのは、すでにでき上がりました堤防のかさ上げでございます。こういったものにつきましては、それぞれ所管がはっきりいたしておりますし、それからこれをどれだけかさ上げするかという事業も全体計画がはっきりいたしております。もちろん、この港湾特別会計などでやります岸壁の新設、改良などとは全く性格を異にする事業でございまして、計画が非常に明確に分かれております。従いまして、特別会計との関係で混乱を起こすとかいう問題は全然ございません。また、運輸省と建設省の所管関係も、これは運輸省の方は港湾区域の堤防、建設省は神崎川、中小河川でございますが、準用河川の神崎川の堤防ということではっきり区分をいたしております。その点は全然問題なく計画的に事業が進められることになると思います。
○須藤五郎君 今度港湾整備特別会計は、私はいわゆる自民党の所得倍増の一環として十カ年計画の一本の柱だろうと思うのです。そこで、今度五カ年計画の内容として二千五百億の予算をもってこれをやるというのですが、この五カ年二千五百億の予算をつけた事業計画のあらましをちょっとここで説明してもらいたいのです。
○政府委員(中道峰夫君) 概略を申し上げます。大体、項目的に分けまして、外国貿易港湾の整備、たとえば横浜でありますとか神戸でありますとか。それから産業基盤を強化いたします……。
○須藤五郎君 できるだけ具体的に言って下さい。
○政府委員(中道峰夫君) 順序として、簡単に御説明いたしますが、産業基盤を強化いたします港湾といたしまして、鉄鋼関係の港湾でありますとか、あるいは石油関係、あるいは石炭の積み出しをする関係とか、それから沿岸輸送を強化するという関係で、地方の港湾あるいは地方に工業港がございます。それらの拠点になる港湾、あるいは離島とか僻地とか、そういう内海連絡とか、大体そういうような三本の柱を立てて、それぞれの港湾について五カ年間の計画を立て、それを立てますには、港湾審議会の議を経て閣議決定する、こういうような段階で進んでおります。
○須藤五郎君 それじゃ、現在まで計画の中にどことどこの港をどれだけの予算でやる、そういう小さいところまではまだ計画は立っていないのか、もし立っているなら、ここで述べられるのは大へんだろうと思うから、それを資料として提出していただきたいと思います。
○委員長(大竹平八郎君) よろしゅうございますね。
○説明員(宮崎仁君) 港湾問題ですから、運輸省の方からお答え願うのが筋かもしれませんが、話の経過もございますので、ちょっと申し上げます。こういった五カ年計画につきましては、昨年度の治山治水十カ年計画でございますが、すべて同様の手続をとっておりまするが、この特別会計法と表裏一体をなします港湾整備緊急措置法が現在国会の審議をお願いいたしておるわけでございます。これによりまして、この法律が通りますと、この港湾五カ年計画の案を運輸省で作成いたしまして閣議の決定を経る、こういう段取りになります。現在まあこの基礎となります法案が御審議を願っておる最中でございますので、まだそういったものに対するこまかい作業というものができておらないわけでございます。もちろん、運輸省の中といたしましてはいろいろ御検討なさっておられると思いますが、手続といたしましてはそういった法律が通ったあとで閣議決定に持ち込む。去年の治山治水などの例で申し上げますと、大体夏ごろまでに具体的な案をきめるというふうに取り運んでおります。
○天田勝正君 ちょっと、この問題について委員長を通じてお願いしておきたいのですが、私はきょう特別に郵政大臣の御出席を求めておるので、この法案については言及したくないのですが、午前中提案されました大阪、堺港等の外貨債の特別措置法の場合も必ず私は地盤沈下の問題が出てくると思います。ですから、今のうちから資料を要求しておったわけですが、地盤沈下の問題は、東京、大阪、尼崎、新潟、こういうところが最も新聞等でも指摘されておるところであります。外貨債などかりに募集したとしても、一体その実効があがるのかどうかということははなはだ危ぶまれるわけでありまして、きょうの答弁だと、この法案の趣旨は多分皆さん賛成されるだろうと思うけれども、どうも承認しがたい気持も私としてはある。そこで、すでに本法の審議の場合に、すべて私は資料を当局は提出されておると思う、運輸委員会の中には。これを、きょうかりにこの法案が通過するにしても、私はそういうものはぜひこの委員会にも提出してもらいたい。これを委員長にお願いしておいて、次に移りたいと思います。よろしゅうございますか。
○委員長(大竹平八郎君) よろしゅうございますね、政府側。
○政府委員(中道峰夫君) 運輸委員会に提出いたしております資料は提出いたします。
○委員長(大竹平八郎君) 全部。
○政府委員(中道峰夫君) はい。
○須藤五郎君 さっきの資料、要求した。それを六、七月ころにはできると言ったが、もしできたらやはり資料として出して下さい。
○委員長(大竹平八郎君) 大蔵省、よろしゅうございますね。
○説明員(宮崎仁君) 提出いたします。
○委員長(大竹平八郎君) 他に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認めます。 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないと認めます。 これより採決に入ります。港湾整備特別会計法案を問題に供します、本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大竹平八郎君) 多数でございます。よって、本案は多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認めさよう決定いたしました。 —————————————
○委員長(大竹平八郎君) 次に、資金運用部資金法の一部を改正する法律案、郵便貯金特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑のある方は御発言願います。 なお、政府側より小金郵政大臣、大塚貯金局長、岸本貯金局経理課長、大蔵省田中政務次官、上林法規課長、吉田理財局次長が出席されております。
○天田勝正君 大臣のここにおられる時間が四時までだそうでございますから、主として簡保資金のことについてお伺いするわけでございますが、国の財政投融資の原資は、産投資金、資金運用部資金、簡保資金、公募債借入金、こういうふうになって、これが相互に関連をいたしておるわけでございまして、この今提出されておる法案自体には、簡保資金として表面に出ておるものは資金運用部の中で預託金のところでありますが、私はまず第一に、この郵便貯金特別会計におきまして累年赤字がたまって参りまして、最初は一般会計から入れておりましたものを、実は資金運用部特別会計から繰り入れてずっと今日に来たって、総額は四百九十三億円になります、こういうことでありますが、その処置をたな上げするということを書いてありますけれども、しかし、どうしてこんなにもの赤字が一体たまってきたのか、まずこれから伺っておきたいと思います。
○国務大臣(小金義照君) 数年来郵便貯金特別会計に赤字がたまりまして、すでに一般会計から繰り入れを受けたものが四百九十三、四億ということになった原因でございますが、これは郵便貯金のコストに比較して、これを預託して受け入れる方の利息が少なかったというようなことに原因をいたしておると思いますが、数字のいろいろないきさつにつきましては、局長から説明さしていただきます。
○政府委員(大塚茂君) ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、コストが六分五厘あるいは六分八厘程度かかりますのに、資金運用部に預託した郵便貯金資金に対して私どもが収入として受けました率は六分ということになっております。従って、あとの五厘あるいは八厘が不足をいたしまして、それを赤字の繰り入れという形で受けてきた額が積もり積もって四百九十四億になったということでございます。
○天田勝正君 ですから、私は聞かざるを得なくなるのですが、そういうことは、これはもう二十六年以来十年間、十年も前から理由ははっきりわかっておるはずなんです。わかっておりながら、なぜそのまま放置しておいたのか。しかも、資金運用部から繰り入れるようになって、赤字が出たけれども、その分は資金運用部からまた持ってくる。何にもなりはしないのですね。実にここらのところが私はお役所仕事だと思わざるを得ない。どうしてこの十年間も——今の大臣ばかりに書ってみたところでしようがない。実は事務当局としてもどうしてこういう原因が——しろうとでわかるほど明らかなことなんです。なぜこれをほうっておいたのですか。
○国務大臣(小金義照君) まことにごもっともな御意見で、私どももこれは納得がいかない。何べんも主張を繰り返しておったようでありますが、話がつかなかった。今回この話がついたので、ただいまのような一応筋の立った特別会計にようやく持っていくことができたと御了承願えればしあわせだと思います。
○天田勝正君 私、大臣からでなくてもよろしゅうございますから……。大臣は聞いていてくれてもいいのですが、どこと話がつかないのですか。結局、資金運用部は大蔵省が所管されておる。赤字の方は結局資金運用部からまた持ってきて埋めてまかなっておるのです。そうしてお互い国の機関なんですから、結局最後には今度のようにたな上げするよりほかに道がない。民間のように差し押えすることもできず、どうにもなるものじゃない。ですから、話し合いのつかないということ自体が、およそどなたも納得が私はできないと思うのです。どこがそれほど政府機関の中で頑迷なのですか。
○政府委員(大塚茂君) これはいろいろ見通しの問題がございまして、いずれは、郵便貯金資金がふえるに従いましてその資金コストも次第に低下するという傾向をたどるわけでありまして、六分でまかなえるという時代が来るのではなかろうかという見通しを持たれたといいますか、持った時代もあるわけでございます。その辺多少見込み違いもあったということもございますし、郵政省としては、要るだけの資金は当然もらうべきだという考え方を持っておりましたが、しかし、形は変わっても、やはり資金運用部からもらうことにおいては変わりはなかったという点で、多少その主張に弱さといいますか、迫力が欠けておったというような点もあるのではないかと思います。いずれにしましても、いずれは六分で何とかやれる時代が来るだろうというような見通しが、その根本原因じゃなかったかというふうに考えるわけでございます。
○天田勝正君 まあ考えるというような話で、てんで他人事みたいな話で、いやになっちゃうんですが、コストが幾ら下がったって、それは普通の金融機関にしたって、相互銀行のコストは一般市中銀行よりも高いにきまっておるんだし、郵便貯金なら郵便貯金なりのやっぱりコストというものは、これだけ長い年月もうやっておれば、わかっておるはずです。結局その赤字分は資金運用部から取ればいいんだと、とんとんだという私は安易な考え方から今日になったと思う。そういうことを今後放置しないようにまず要望しておきます。 それで、次に伺いますが、この同じように預託金が、簡易生命保険と郵便年金特別会計法ですか、これに規定する、預託された資金で一年以上のもの、こういうものを預託金としてこれこれの処置をする、こういうふうになっておるわけです。そこで、私は簡易生命保険なるものが、一体掛金と保険金額と、必ずしも大衆に私はサービスしていないんじゃないかというふうに考えておる。それはおかしなことには、私の計算したところによりますと、保険金二十五万円で、十年満期で十年掛け、これでやりますと、零才から五才までの人でも十年掛けるには二十五万八百円掛けなければその二十五万円はもらえないんですよ。二十才の人だと二十五万五千円掛けないと二十五万円もらえない。これはずっと年令ごとに私は計算していますが、時間がありませんから省略いたします。四十五才ぐらいの人だと、二十六万三千四百円掛けないと二十五万円もらえない。最高が五十才ですが、それだと二十七万一千二百円掛けないと二十五万円もらえない。こういうことになっておる。ほかの計算も全部ありますよ。そこで、こういうことで一体大衆のサービスだが、成り立つのかどうか。今現在のこの掛金率というものはいつ作ったものなのか。 日本の平均寿命が、御承知の通り、一九〇〇年に三十三・一才です。日本の平均寿命がそれから数年して四十四・六才になって、そうして戦争が始まる時分には四十六才になった。その平均寿命というものが、四十四・六か四十六才ごろに作ったものじゃないかと思う。今なんかにはおよそ適用しませんよ。今日男だって大十五才です、寿命が。この間に危険というものはないんだ、五十ぐらいの十年掛け。ことに二十で十年ですよ。そういうときには死なないはずです。その死なないときであっても、二十五万円よりもよけい掛けなければもらえないというのは、一体どういうわけです。まずこれを聞きます。
○国務大臣(小金義照君) 国営と申しますか、郵政省で行なってきました簡易生命保険は、これはその出発のときから民間生命保険の補完的作用をするというようなことで、掛金の方が多くなった。初めからそういう仕組みになっておりました。しかし、今御指摘のように、生命はだいぶ伸びておりまして、無鑑査、無審査の生命保険でも成り立つということもございますが、今の御指摘の点は、現在今日では第九回生命表で保険料率をはじき出しております。今簡易生命保険法の改正案を出しまして、昨年ですか発表いたしました厚生省作成の第十回生命表を基準にして、保険料率をはじき出しますから、少し安くなると思います。その掛金は出発の当時からもうすでに、満期になってもらえれば、途中で死亡等の事故があれば問題はございませんが、満期まで待つと掛金の方が多くなるということは、これは一応の建前でございましたが、今日ではすでに福祉センターとかあるいはまたいろいろな形で加入者にサービスをする。こまかい数字を計算いたしますと、どのくらいの率になりますか、今局長はきょうおりませんので申しかねますが、そういう意味で、やはり民間と同様のサービスをお返ししているという実情でございます。
○天田勝正君 もともと私の質問は、大臣を責めあげようという考えではない。これは長期のものですから、一人の大臣をとやこう言っても仕方がない。しかし、不合理は大臣もよく聞いておいてもらって、そして直ちに是正できることは是正してもらいたい。大臣が今、昨年の厚生省平均寿命生命表ですか、それによって云々と言って、今幾らか下がるはずでございますと言うけれども、そうじゃない。私はここに郵政省から出ているこういう文書を持っている。ちっとも下がっていない。これによっても、今現在去年から下がりも何もしない分がこれなんだという。私はそういうことで、しかも貨幣価値が全く移動しなくて、こう損するのです、移動しないで。確かに簡易保険でありますから、普通の生命保険会社のように、厳密な体格検査などいたしません。しかし、ものによってはやはりいたすのです。長い病気をしたとかというものは排除される。そういうことでありますから、若干これは政府所管といってもいい、政府所管のものは掛金が高いというのはうなずける。うなずけます、若干ならば。ところが、民間の方は幾ら年をとったって、入る以上は、掛金よりももらい金の少ないというのは一つもないのです。これがまず不思議なんです。 それから、日本の貨幣価値の変動はおそろしく年を追うごとに軽くなっていっていることは御承知の通り。スイスあたりなら、千九百年の銀貨が今だって通用している。同じ価値で、ちっとも変わらない。日本は、政府は誇っておりますが、ここ数年間しょっちゅう卸売物価が横ばい、弱含みだとか、ちょっとした強含みだとか、こういう表現をしている。私らも確かに、貨幣価値が下がらないというのは、これは今が一番だと思う。物が下がったのは、私の記憶では昭和の初めの数年間、このときに明らかに物価の方が下がりましたけれども、その他は物価の方が上がり貨幣価値が下がっておる。この一番平であるこの数年間でも、五年間に八%物価は上がっておる。これは政府の統計ですから、私はあえて、抗議じゃない。八%だけは、だから通貨の価値は下がっている。一番動かないときで五年間八%だから、一応まあこの次に申し上げます十五年満期の十年掛けだとか、あるいは十年掛けの五年間据置だとか、こういうようなことになれば、大体まあ四分の一ぐらいは通貨価値は下がっておるのですね。そういうふうに見ざるを得ないのです。日本で今まで、明治からにすればもっと貨幣価値の下がり方はひどいのですよ。一番安定したという今で、二十年もたてば三分の一ぐらい貨幣価値はどうしても下がってくる。そうすると、その分は一体どうするのだということになる。これは結局この簡易保険というものは大衆のものじゃないじゃないか。もう一つ逆にいえば、さっきの、郵便貯金もそうですが、コストが高いのだというけれども、およそ世の中にこれくらいコストの低いものはないはずなんだ。それがどうしてやれぬかと、こういうことなんです。二つ今質問しましたが、どういうことですか。
○国務大臣(小金義照君) 簡易生命保険の不合理性と申しますか、そういうような御納得のいかない点と、貨幣価値との関係でございますが、これは非常にむずかしい問題で、一般の民間保険にも貨幣価値の問題はあり得るので、この両方を比較いたしてみますと、これは掛金の方からいきますと、そう大差はないように私は承知しております。ただ、民間保険の方は、毎年掛けていきますと、配当があるから、それを差し引いてずっと安くなるというので、私どもの方もその配当を十分にするわけにいかない、これを補うために健康維持のための加入者へのサービスでこれを補っていくというような方法をとっておりまして、今根本的な貨幣価値の変動に対する年金だとか、あるいはまた保険金というようなものについては、なかなか根本的な問題があると私は考えております。
○天田勝正君 どうも、これはとてもあまりいい答弁を私は期待できないだろうと思っているのですが、参考に、大臣、申し上げておきますが、十五年満期で十五年掛けだと、五十五才の人だと三十万二千四百円掛けなければ二十五万円来ないのですよ。かりに五十才ぐらいだと、今の平均寿命からすれば十五年掛けられるわけなんです。それでも二十七万六千三百円掛けなければ二十五万円来ないのです。そしてこの十五年間にさっきの五年八%しか物価は上がらないといたしましても、なお二四%は貨幣価値が下がるという計算になるのです。いいですか。掛けた金よりも少なくもらって、そして貨幣価値は二割四分と下落している、その間の利息はどこにもないという理屈は、ちょっと考えなければならぬ。私は初めに断わったように、あなた個人を、急にあなたがこれを、制度を作ったわけじゃないから、決して責めておるのじゃないのだが、どうも私はこれは不合理だと思う。どう考えられますか。
○国務大臣(小金義照君) 非常に技術的な問題がございますので、それは現実には還付金という制度がありまして、それを差し引いてお払いしますから、差し引くことになるそうでありますから、現実にはその二十五万なら二十五万よりもよけい払うことにはならないそうでございます。なお、詳しい技術上の問題は私承知いたしておりませんので、必要があれば責任者に説明をさせます。
○天田勝正君 まあ電電公社は今は別個になりましたけれども、依然として郵政大臣の監督下に置かれておる。で、電電公社の電話債券は十年間で倍になります。十万円払って、二十万円の債券をよこします。ただし、十年間持っていなくちゃならぬから、くじに当たれば別のことですけれども、それでなければ十年間たてば倍になる。倍になるというのはどういうことかといえば、七分四厘九毛ぐらいになるはずです、複利ですから。ですから、今おっしゃるように、還付金があるから、どういう場合でももらう金額よりも多くかけるということは結果においてないんだとおっしゃるけれども、政府の、同じあなたの所管の電電公社で出しておるものは七分五厘の複利でやっているんです。複利というのはそれほどおそろしいんだよ。七分五厘といいながら、十年たてば倍になっちゃう。三十年たつと四分でもたしか八倍ぐらいになるはずです。しかも、これはあなたの、今、十年と十五年だと申し上げたんですが、これが二十年複利だったら六倍になるんです。元金の六倍になる。その複利の分は一体どこへ行っちゃったのかということなんです。これほどにコストの安いおよそ資金というものは、私は世の中にないと思うのですがね、不合理だとお思いになりませんか、大臣。
○国務大臣(小金義照君) まあ、保険は死ぬ人がありますから、その方の補てんをしなきゃなりませんので、その数字的な基礎がないとどうもわかりませんので、今呼んでおります。
○政府委員(大塚茂君) 実は私も今直接担当でございませんので、いささか何でございますけれども、保険は、御承知のように、生命に万一の場合がありましたときの保障というのがその第一目的でございまして、貯蓄ということはむしろ保険としては第二義的な意味しか持たないということでございます。従って、保険の掛金といたしましても、掛金のうち大体二割ぐらいはいわゆる付加保険料と称しまして、これは事務費その他の経費に充てる部分でございます。あとの保険料の八割ぐらいが純保険料としまして、その本人のために積み立てていくべき純粋な保険料になるわけでございます。この純保険料に対しましては、年利四分でこれを計算しまして、まあ利息がつくといいますか、四分の計算で利息がつくような計算になっております。しかし、実際は四分以上に回っておりますので、その差額がございます。それが利差益でございますが、それと、死亡率が予定されたよりも少なくて済むという点からしまして、死差益というものが出て参ります。それから付加保険料の方も、大体二割程度ございますが、それも二割かからなかった場合には、そこへ費差益というものが出てくるわけでございます。それらを合わせまして、いわゆる民間保険では毎年、配当としまして、それをかける保険料から差し引くという操作をいたしておりますが、簡易保険におきましては、これを毎月の保険料から差し引くということは非常に手数がかかってできませんので、これを蓄積しておきまして、満期の保険金を支払います場合に保険金にプラスをして、その分をいわゆる長期還付金という名前でお払いをしております。従って、保険金は二十五万円でございましても、実際満期になってもらいます場合には、これは三十万をこえる金額が実際にはお払いされるということになるわけでございまして、保険料だけから見ますと御計算のようなこともございますが、実際に受け取る金額は常に掛金を上回っておるという結果になっておるわけでございます。
○天田勝正君 私がたまたま比較に持ち出したので、言葉じりをとらえるような答弁をされては迷惑なわけです。私だって、保険と普通貯蓄と違うくらいのことは、初めから承知して質問しているのです。ただ、もののたとえだから、電話公債の話を言っただけにすぎない。私が申し上げたいのは、今提出されている法案でも、預託金というのはここにちゃんと書いてある、簡易生命保険及び郵便年金特別会計のこれの預託金なんでしょう。そして今まで赤字が出たから、そのことのために、その預託金についてはとれこれの条件の場合に、「三十六年度以後当分の間、次に掲げる利率により利子を附する。」、この「利率により利子を附すると」いうことは、結果において六分五厘になるように予定しているのでしょう。だけれども、私の言うのは、この預託金の中に簡保の資金も人っているのだから、そうだとすれば、簡保の資金が加入者にはそうプラスでないにしても、政府資金はどこかにえらくプラスが出てこなければならぬと思う。なるほどあなたのおっしゃるように、満期になれば結局還付金があって、二十五万円のものなら、三十万円掛けているけれども、五万幾ら還付金があるから、それだけもらえる、こうおっしゃるかもしれないが、それはあなた利息というものは、先払いとあと払いではおそろしく違うのであって、あと払いでいいならば、同じ利率で預かって貸しておいて、どんな人でも商売になるのです。これは全然利息というものの私は実態をむしろ御承知じゃないのではないかと思う、こんな答えをしているのは。十五年たったら、全部払わせるだけは全部払わせてしまって、二十五万円のものを三十万円とって、そしてあと五万円返す。五万円なんか、十五年たてばひとりでにどんな安い利でも五分くらいは浮いてくる。だから、どうしても五万何がしよけいとったということになるとともに、十五年の経過によってどうしたって二割や三割は日本では貨幣価値は下がっている。過去において下がってきている。もっとそれ以上下がってきている。その分は結局利用者の犠牲なのです。利用者の犠牲だとすれば、国の資金運用部の資金はコストが非常に低いのだから、国全体としてどこかしらがプラスになる、こういうことがなければおかしいのです。それを私は指摘している。もしきょう担当の何がいなければ、委員長にお願いするのだけれども、ちゃんと説明のできる人に来てもらいたい。大臣は、さっきから言うように、どうもこれは確かに大蔵委員の指摘したようにおかしいとお考えになるならば、これを直す措置をどこか研究機関を使ってやってもらうか、何かしてもらえばいいのですが。
○国務大臣(小金義照君) 今貨幣価値の下落をどういうふうに織り込むかということは、非常にむずかしい問題だと思う。しかし、十年か二十年たって五万やそこらの余分の金では、貨幣価値の下落を勘定に入れると、不合理だとおっしゃる。それはよくわかります。しからば、どこかで得をすることがあるじゃないかというような仰せはごもっともで、これは資金運用部の運用資金なりあるいは財政投融資というような形で地方公共団体あるいはその他の貸付のような形になってこれが働きますから、保険料として集められたお金がやはりその時代々々の公共的な役に立っておるというような点は、私は明らかに取り上げていただきたいと思うのであります。
○天田勝正君 私の今質問したのは、この資金運用部の中の預託金というところに関連するから申し上げたんですけれども、私は、同様に郵便貯金の関係であっても、この零細な大衆の貯金を、何も現行利率がそう高いものではないんですよ。三分九厘六毛です。それを三分六厘に引き下げようという。それで今まで累積した赤字が出てきて、その累積赤字というのは、この大衆の資金の利息は高過ぎるからよりも、資金運用部に貸すときの利息が安かったからなんですよ。で、そのことのために、一方においては五厘特別な卸増し利息をつけたり、あるいは片一方においては改訂利率で、ことにまあ積み立ての分ならば四分二厘のやつを二厘下げる。たった二厘ですけれども、そういうことで相殺しようとしておる。一体こんな零細な資金に、これはまあむしろわずかな率のようですけれども、政府の施策の一つなんです。ですから、大臣、答えていただかなければならぬと思うのですが、どういうわけでこんな零細な資金を下げなければならぬのですか。
○国務大臣(小金義照君) これは今までの金利政策と申しますか、いろいろな日本の経済政策から参りまして、いつも貯蓄機関全般にわたって利子を上げたり下げたりするときには、国営でございますので、これはまあ一般のものとほぼ歩調を合わせて上げたり下げたりしております。そういう関係もございまして、今回も一般の利下げをいたしますので、すべての金融機関おそらくこの春から下がるというそれに歩調を合わせて動かしたと、こういうことでございまして、日本の金利政策を国際金利にさや寄せするという大きな政策から来た一環のこれはは作用として私どもしてきた。別に零細だから引き下げてはいかぬ、大きいから引き下げろというようなこと、なかなかむずかしいもので、ことに郵便貯金、あるいはこういうものは地方に還元する場合がございますので、そこで地方へ還元して使うときにはやはりコストが高いよりも安い方がいいというので、そういうことからこれは一般の金利に従ったような次第であります。
○天田勝正君 ここへ書いてありますように、本委員会に日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案というのが出ています。これはもっぱらプラント輸出に融資しておるわけですけれども、それだって、むしろ日本の輸出入銀行に対しては、国際水準ということをよく政府は使うけれども、国際水準よりも——やはり金を貸している、これに金々貸したっても、この大衆の積立貯金くらいの四分以下というものを持っていくならば、十分に償えるのですよ。平均して四分五厘で貸しておった。そして輸入までそれを適用するのはひどいじゃないかというので、ここで大いに議論があったところなんですけれども、追って直しますというので、政府側も若干改訂をいたしたわけなんです。その一番低かった平均の四分五厘だっても、何もこういう大衆のわずか十万か二十万しか貯金できない者の金利を下げる必要は私はないと思っておるわけなんです。何もよそが下げたから下げなければならぬという筋のものじゃないと私は思う。そういう点はどうなんですか。 それでは、ほかは、大きなこういうところは、われわれがいつでも指摘する大企業には云々ということは、現実に現われている。こういう点が政府全体として、これは零細をそういじめなくても、しかも大企業に助ける方は、言葉は悪いけれども、助ける方はこれで困るかというと、困らない。その資金を持っていっても、なおその安い金利で貸すことができるという。同じ政府の提出した資料でそうなっているのだから。どういうことになりますか。
○説明員(吉田信邦君) ただいまの点でございますが、資金運用部といたしましては、輸出入銀行にも六分五厘の金利で貸付をいたしております。これは私どもの資金運用部の立場といたしましては、今回の改正点、今まで郵便貯金特別会計から六分で預かっていたものに対しまして、できるだけ採算の許す限り最高限の金利を付そうということで、現在大体五厘程度を予定しておるわけでございますが、同時に資金運用部の貸付金利も大体六分五厘というのを基準にいたしておりまして、またわれわれの貸し先は従来からも地方団体その他あるいは国の特別会計というようなものもございますので、その中に六分五厘以下の金利のものもございます。また現在も長期の金利でお預かりしたものも、全部そのときに長期の貸し出しに充てられるとは限らないで、事実上短期の運用をしばらくしていなければならないという部面もございます。そういった場合には、大体食糧証券とか外為証券とかという年利六分程度のものを持つようなことにもなっております。そういった意味で、現在貸付金利を前提といたしましてぎりぎりと申しますか、そのところまで郵便貯金あるいはその他の長期の預託者に金利を付そうというのが今回の改正案を提出した理由でございまして、そういう意味では、ただいま御指摘になりましたような問題について、実行上可能な限りのことをしていく。いえば、どこか政府は途中でもうかっているのじゃないかというようなことのないようにいたしたい、そういうふうな心配の起こらないようにいたしたいという趣旨でございます。
○天田勝正君 きょう主計局長が来ておりませんから、また本来きょうの質問は輸出入銀行の問題じゃないのですが、政府が特別ネコばばしていると私は思わないけれども、あなたがおっしゃるように、六分五厘で現に資金運用部の資金を輸出入銀行に貸しておるならば、なおさらこちらの郵政貯金なんという零細なものを、年利わずか二厘ないし五厘ですよ、この今度の改訂では。その程度のものを切り捨てなくったって、六分五厘で貸すならば十分やっていけるということが一つ。いいですか。けれども、それは政府がもうけているのじゃない、どこでだれがやっているかということになれば、輸出入銀行の例をとれば、輸出金融のうちの半分以上が船舶でしょう、船舶のプラント輸出、それでもまだ民族資本が助かるというなら多少がまんもできる。ところが、そうではなく、プラント輸出だから外国船主だけが助かって、日本の海運業者の方は割高な船を作る。外国の船主だけは日本のこの金利政策によって安い船が手に入る、こういうことは、一体これは国務大臣として郵政大臣も来ておられるし、政務次官もおられるので、おかしいとお思いになりませんかね。その主計官の説明は、何も不当に安い金利で輸出入銀行に貸しているのでない。——そうであれば、六分五厘だから、何も二厘や五厘こちらは下げなくてもいいということになるでしょう、繰り返しですけれども。どこももうけるものがなくて、結局輸出入銀行なんかへ行って、外国船主ばかりが助かる、そんなべらぼうな金利政策がどこにありますかね。どうですか、この点は。政府側、どなたでもいいが……。
○説明員(吉田信邦君) これは私どもの立場といたしましては、郵便貯金、簡保、その他零細な預貯金を私どもお預かりしておりますので、そういう上から申しまして、私どもの方からお貸しする限りにおいては六分五厘という標準金利以下で貸し出すということは予定もしなければ、また実行もいたさないわけでございます。ただ、別な立場から、いわゆる輸出振興というような立場から、国際的な金利へさや寄せするという意味で、輸出入銀行が国際的に活用し得るような金利にするために、別途産業投資特別会計から出資をいたしまして、従って借りた金だけだったら六分五厘以上にどうしても貸さなければならないわけですが、別途産投特別会計からの出資等を合わせて貸し出しますことによって、その程度の低金利の貸し出しを行なっておるつもりでございます。
○天田勝正君 これは結局、最後は小さい問題のようですけれども、事務当局と議論してもしようがないのです、実際に。明日大蔵大臣も来ますし、きょう郵政大臣はもう時間が来たようだから、こっちも紳士的に約束を守らなければなりませんから、この程度にやめておきますけれども、きょうこれは、委員長、上げないでしょう。
○委員長(大竹平八郎君) 上げないです。
○天田勝正君 上げるのでなければ、次の別な機会に政府側もちゃんと用意をして来てもらいたい。お願いします。
○成瀬幡治君 大臣に一言。時間でしょう。ですから、一言だけ。今までとにかく赤字が出たことは事実です。そこで、今度六分五厘のものに大体預託の金利をする。そうして片一方の方では預金者の金利を下げる。これで、もう絶対に赤字は出ない見込みですか。それとも、まだどうも出そうだ、こういう見込みなのか。そこのところは、責任をもって一つお答えを願っておきたいと思います。
○国務大臣(小金義照君) ただいまの御質問はなかなか重大な問題で、私どもそれは十分見通しをつけたのでありますが、法案の方からいきますと、郵便貯金の積立貯金の方は、お約束した通り、十年間は前の金利で二年を越えたものは払うというお約束もしておりますから、払う金利は相当ございます。ところで、六分五厘を預金部の方からいただくといたしまして、今度の利下げによりますと比較的低い貯金をいただけるわけなんですが、そこでまず大体三十六年度からはとんとんにいくという見通しをつけております。しかし、万一いかなかったような場合には、今度は別の形で、前のような四百九十何億とかたまったような形でなく、一時の借入金という形でこの特別会計をまかなっていく、こういう計画でございます。
○委員長(大竹平八郎君) なお、質疑は後日に譲ります。 —————————————
○委員長(大竹平八郎君) 次に、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑のある方は御発言願います。 —————————————
○委員長(大竹平八郎君) なお、日本輸出入銀行副総裁舟山正吉君を参考人として、その発言を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 —————————————
○天田勝正君 舟山さん、今私の質疑、多分しまいの方はお聞きになっておると思うのです。ですから、お聞きするわけですが、今年度も今までと同じように輸出金融については大よそこの比率で、そうしてこれらの貸されておるそれぞれの品目にお貸しになる、こういうことですか。つまり、言いますと、船舶五百四十五億、車両七十三億、以下こういう数字……。
○委員長(大竹平八郎君) 舟山参考人。
○参考人(舟山正吉君) 輸銀の輸出目標につきましては、予算をいただく関係もありまして、次の年度の輸出品目について、従来からの実績等を考えまして、ある程度の見込みはつけなければならない。そうしてそれに対して幾ら資金をいただくという計算をしておりますが、過去の例によりますと、これは輸出は相手があることでございますので、必ずしも見込み通りにいかぬということが相当ございます。また輸銀の輸出品目といたしましてはプラント類でございまして、金額が張るものが多く、また投資等になりますと、資金の予測を上回るということもしばしばございますが、大体最も近い時期におきまして見込みを立てまして、それによりまして融資をしていく方針でやっております。
○天田勝正君 もう四月も間近ですが、その近い機会に検討されて、そして区分をするという時期はいつごろになりますか。
○参考人(舟山正吉君) 予算をいただく資料はやはり昨年の秋ごろからこしらえまして、その後適宜補正はして参りますけれども、実際実施の時期とは半年くらいのズレがあるのだと思います。新年度に入りますと、それは新しい資金の需要によりまして、それに応じて融資をきめていくわけでございます。
○天田勝正君 まあ一月末の実績によれば、さっきもちょっと申し上げましたように、輸出金融一千四十六億のうちの五百四十五億は船舶、その次が八十八億の繊維機械、その次が車両の七十三億、次が電気機械の七十一億、鉄鋼製品の六十六億、こういう順序になっていますね。それで通信機械などはわずかに三億七千九百万円、こういうことですが、これが私は品目によってそれぞれわれわれが考える重さというものが違うのであって、たとえば通信機械などであれば、保護的な金利で融資をいたしましても、特段日本の民族資本が圧迫されたり、外国資本だけが有利になる、こういうことはない。私はいつもここで問題にいたしますのは船舶の問題で、船舶はプラント輸出ですから、外国資本の船主だけがこの低金利の恩恵を受けてしまって、これに対抗する日本の海運業界の船主というものはプラント輸出ではない、自国で買うのでありますから。この低金利の恩恵にはちっとも浴さない。よってその船価はおそろしく高くなる。そしておまけにこういうものは償却は二十五年くらいでしょう、大てい。多分まあそうなっていると思う。副総裁の方でどう償却を計算されておるかわかりませんが、そういうことになる。そうすると、二十五年間も、三分五厘なり六分ぐらいの一般だから、九分ぐらいに回りましょうか。普通の船主の場合の金利は九分か、おそらく一割だと思う。片方が四分五厘だ。こういうことになれば、五分ないし六分というものが外国船主が得をして、日本の船主が割高の船を買う。そういたしますと、二十五年もたつということになれば、これは資金が全部輸出入銀行でまかなわれるわけじゃないのだ、ないけれども、かりに全部輸出入銀行の低金利でまかなわれるとするならば、二十五年ぐらいたつと日本の船の方が大体三倍ぐらい高くつくということになりはしませんか。どうなのか。
○参考人(舟山正吉君) 輸出船舶に関します金融と国内船舶建造との権衡の問題がしばしば問題になっておるのでございますが、輸銀の船舶金融は造船業者に対して金融するのでございまして、大体延べ払い、期間は七年程度になっております。ところが、輸銀の方の船舶融資の方は、期間はたしか十五年ぐらいになっておると思いますので、その点から見ましても、船主の金利負担というものは、必ずしも銀行から出たままの金利で比較はできないと思います。その辺は非常に複雑な関係を生ずると思いますが、輸銀といたしましては、船舶の輸出が従来外貨をずいぶんかせいで参りました。これにつきまして金利上の優遇を与えるということは適切であろうと思いまして、それはやって参ったのでございまして、国内船舶建造との権衡の問題になりますと、ちょっと輸銀の手の及ばない点もあるかと考えます。
○天田勝正君 舟山さんは大蔵省にいた時分から答弁が上手だから、なかなかうまく答弁しているのですがね。けれども、私が指摘しているのは、片方は七年が期限で、開銀が十五年が期限といったって、次へ次へと借りかえでつながっていくんですよ。企業というものはそういう性質のものなんだ。ですから、五年であろうと十五年であろうと、そう関係はないのだ、長期金利とすれば。そうすると、つまり私は外国船主と日本の船主とが、どうも金利負担において、それはプールすればそうならぬだろうけれども、この金融に関する限りは五分くらいの開きが出てしまうのじゃないか、金利負担について。そうすると、五分の開きということになれば、その船が償却される全期間を読んだ場合には、復利計算になりますから、どうしてもこっちの方がえらい倍以上の船を使っているという結果になりはせぬかと思うのですが、そういことになりませんかね。どうなんでしょう。
○参考人(舟山正吉君) 輸銀から出します金の償還期限は延べ払い期限を七年ときめれば、必ずそれを実行さしておりまして、期限延長というようなことや、借りかえというようなことはございませんです。その点ははっきりいたしております。 それから、実際船主の金利担負になりますと、船主が自己資金をもって調達するとか、あるいは銀行からの借入金をもって調達するとかというような要素がからみ合いまして、なかなか普通では幾らぐらいの金利を払うかという計算は出て参らないのでありますが、開銀から出ます場合と、輸銀から出ます場合と、あまり金利負担に相違はないような見方をいたしております。
○大矢正君 実は私は予算委員会であなたに来ていただこうと思ってお願いしていたけれども、あなた来られないのだけれども、予算委員会には法案がかかっていないから、法案のかかっている方には顔を出すけれども、法案のかからないところにはあまり顔を出したくないらしいので、私はやはりそういうことじゃ困ります。予算委員会にも出てもらうべきは出てもらって、はっきり答弁をしてもらわないと。あなたはずるくて、法案のないところにはさっぱり顔を出さないで、法案のあるところに顔を出すということをしないで、今後は予算委員会にも顔を出してお答えをしていただきたいと思います。 そこで、さっき私予算委員会の分科会で、具体的な問題は酒井さんを通じていろいろ話しましたけれども、輸出入銀行として、これから日本の国は貿易の拡大をしなければならない、そういう意味においては、輸出金融というものの重要性というものは私どもも大いに認めますけれども、あなた輸出入銀行の副総裁として、これからの輸出入銀行の運営、あるいは考え方において、何らかの希望意見がないのか。将来の日本の輸出というものは伸びていくのだが、しかし、自分としては現在の内容ではこういう点は改善する必要性があるのではないかというような、そういうような意見がありませんか、副総裁として。
○参考人(舟山正吉君) 輸出入銀行の仕事は、法律にもうたってございます通り、輸出入市場の開拓、確保、それから外国との経済交流の促進ということにあるのでございますが、この事柄の重要なことはあらためて申し上げるまでもございません。ところが、輸出入銀行の融資をいたします対象になりますプラント類になりますと、船舶とかプラント類になりますと、各国との輸出競争が激烈でございまして、従って、今の日本の金融状態におきましては、輸出金融に対しまして、あるいは量的に、あるいは質的に、補完をしなければならないというわけでございます。そうしてそれが輸出入銀行の任務になっておるのでございますが、将来の希望は何かあるかというお尋ねに対しましては、まあ輸出入銀行はこういうような使命を持っているのであるから、今後いろいろ所得培増計画というような関連におきましても、あるいは各国との輸出競争に勝つためにも、ますます出輸入銀行の機能を充実していただきたい。これは言いかえれば、資金を十分にちょうだいしたい。それからまた、その融資の度合いにつきましても、実情に即して日本の輸出を援助するような方向に考えていくことについて御援助を得たいと、こういうことだろうと思います。
○大矢正君 まああなたは、政府の財政投融資の計画の中に、輸出入銀行に対する融資ないしは出資というものを大幅に増大をしてもらうことが、将来の輸出振興に対しては非常に重要な役割を果たすのだ、こういう話です。もちろん、私もある意味ではそれは認めますけれども、現状のような低金利で逆ざやの状態を輸出入銀行がやっている限りにおきましては、融資はもう成り立たないわけです。ですから、出資というものをどんどんやらなければならぬことになってきますね。輸出金融が安いでしょう、金利が。その安い輸出金利をどんどんこれからもやろうとすれば、これはもう相当な国の出資をしなければ逆ざやの解消にならないわけでしょう。ほかの公庫や何かのように、かりに資金運用部から六分なら六分、六分五厘なら六分五厘で金を借りてきて、それを九分で貸すと。その二分五厘ないし三分でもって経費として使うということであれば問題ないけれども、あなたのところで四分や四分五厘でもって金を貸せば、逆ざやですから、毎年々々大幅な出資ですね、政府の出資がなければ金が貸せなくなるでしょう。そうした問題について将来どうしたらよいとあなたはお考えになりますか。
○参考人(舟山正吉君) プラント数の輸出は、世界的な傾向を見まするというと、輸出から投資と申しますか、出資と申しますか、そちらの方に移っていく傾向がございます。しかし、それは融資では金利が低いから赤字になるといったような見地ではございませんので、各国の輸出競争が激化いたします結果、品物を渡しただけでは、その相手国が後進国であればあるだけ、これを逆転していく資金が足りない。従って、資金もつけてこの経済援助をしてくれと、こういう要望が強くなり、各国が競争してこれに応じておるということからして、単純なるプラント輸出よりも、プラント輸出に資金を加えた、もの、あるいはさらに経営も加えた投資なり出資なりというものがふえる傾向にあるのでございます。まあ輸出入銀行は輸出の助成機関でございますから、金利について十分考えなければならぬ点はもちろんでございますけれども、こういうような世界の大勢にかんがみまして、単純なプラント輸出よりも、さらに投資、出資というものがふえていくというようなことは十分考えられるのでございますが、それに応じて金利等につきましては、むしろそういう事態に応じて考えていかなければならない問題ではないかと考えております。
○大矢正君 あなたの答弁は抽象的で、つかみどころが一つもない。具体性が一つもない。どうすれば一体いいのかということに対して、あなたの副総裁の立場でもって、私は、その金利なら金利を引き上げるべきであるとか、あるいは金利はむしろもっと下げて、政府の出資をふやすべきならもっとふやしてやるべきであるという具体性が一つもないんだが、あなた方そういうことに対して、こうすればいいとか、こうすれば悪いとかというような要望はないのですか。何かあなたの話を聞いていると、具体性が一つもないのです、率直の話。
○参考人(舟山正吉君) 日本が輸出金融について、特に輸銀のようなものをこしらえまして助成策を講じますことは、各国との競争の関係においては、日本は金利が割高であるから、場合によっては政府資金を使って金利を安くすると、こういうことでございます。絶対にこの点だけを金利を上げ、この点だけを下げるんだと、こういうような絶対的な目途というものはつきかねるのでございます。従って、とかく抽象的になるかもしれませんけれども、また金利というのは世界の水準も変わって参る。ですから、そのときそのときに応じて具体策を立てるべきでものであろうと思います。
○大矢正君 酒井さんね、年度別の輸出金融の内容を検討してみて、大体アメリカ——北米向け、あるいは南米、あるいは東南アジア、ヨーロッパ、こういう各国に、各地域に対する輸出金融があると思うのですが、大体比率からいうとどのくらいの比率になっておるのですか、大別してみると。 —————————————
○委員長(大竹平八郎君) 日本輸出入銀行理事酒井俊彦君を参考人として、発言を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(大竹平八郎君) 酒井参考人。
○参考人(酒井俊彦君) 最近一月のもので申し上げますと、総体の貸し出しに対する地域別の貸し出しの割合でございますが、東南アジアが三〇%でございます。それから中南米、これが二一%四、それからあとヨーロッパが一二・二、それからアフリカが一六・五、このアフリカにはリベリア籍の船もございます。それからあと極東地域が二・八、中近東が七・八、北米が九・五、それから大洋州、オーストラリア、ニュージーランドが、これが〇・一、そんな割合になっております。大体の傾向といたしましては、東南アジア、中南米が非常に大きい。これは今まで、昨年の状況から見ましても、こういうふうになっております。
○大矢正君 私は、予算委員会の分科会でも酒井さんに質問しましたね、一つの企業に対して百億以上の金を貸すということは、本来おかしいのじゃないかと。たとえばアラスカ・パルプは、二十五億円しか資本金がないのに百十八億の貸付残高がある。三菱造船は、百億円の資本金に対して、これもまた百億をこえる貸付残高がある。浦賀船渠に対しては、四十億の資本金しかないのに、これも百十何億の貸付残高がある。これはもちろん協調融資であるから、それだけの資産があるのだからかまわないじゃないかというならば、話は別だけれども、一つの会社に対して百億も百何十億も金を貸す。資本金の二倍も三倍も金を貸すという姿はおかしいのじゃないかということを、さっき予算分科会で具体的に私は酒井さんに質問したのですが、これは一体、舟山さん、限度をどのくらいに考えておりますか。貸付残高の最高限度は、大体今の情勢から見て、今の資金量から見て、どの程度が限度だというふうにお考えになっておりますか。これはもう、私さっき毛質問したのですが、業務方法書や、あるいは法律等からいって、何億までしか金を貸せないという法律や業務方法書がない限り、三百億一つの会社に貸そうと、五百億一つの会社に貸そうと、あなた方の裁量次第で、資産があるから金を幾らでも貸すことができると。資産があるから金を貸すということではいけないのじゃないか。やはり一つの企業体に対してはおのずから限度を持って貸し出すべきだと私は思うのですが、いかがですか。
○参考人(舟山正吉君) 輸出入銀行の融資先は、一つの企業体に対しましてある程度まとまった金額が出ていることは御指摘の通りで、またこの点は予算分科におきまして私の銀行からお答え申し上げたところでございますが、まあその金額のかさみます理由といたしましては、一つはアラスカ・パルプのような投資というようなことになりますと、これはなるほどアラスカ・パルプという一つの企業体でございますけれども、これは日本の化繊繊維の確保という意味から申しましても、業界の方が資金を持ち寄りまして会社をこしらえている。従って、形は一つの会社を助けているように見えるかもしれませんが、これはこのまとまった業界のためのものであると考えなければならないかと存じます。それから、造船会社につきましては、金額が相当累積しているのでございますけれども、これは船が大型化するに伴いまして融資額というものも相当大口になっている。過去四、五年の間、日本の造船界が非常に輸出活況々見ました結果、これだけ貸付残高がふくらんでいるのでございます。これは扱い商品と申しますか、その性質上ある程度金額がまとまるのでございます。その他のものにつきましても、プラント類の輸出は単位が大きいので、従ってまた輸出競争いたします貿易商社にいたしましても、またメーカーにいたしましても、これは世界的に有力であり、かつ著名な会社でないと対外競争上なかなか勝っていけないので、どうしても仕事がそとに集中するということになるのでございまして、ある程度やむを得ない現象ではないか。まあ、しかし、こういうことによりまして、結局外貨をかせいでいるのだというふうに考えているのでございます。 そこで、次に、何か一つの企業について融資限度でも考えているかというお尋ねに対しましては、まあ国内の普通の金融機関につきましては、それぞれの監督法規におきまして、自己資本の何倍といったような限度の例はあるのでございますが、これは一方において預金等を預かる、それを貸すのであるから、その資金運用の安全性というものも考えるわけでございますが、まあ輸出入銀行につきましては、そういうふうに、ただいま申しましたように、まあ金額がどうしてもかさむということはやむを得ない事情もございますので、あまりに一つの企業体について金額がかさむことは避けていきたいと思いますけれども、まあ現在程度のことでありますれば、これはもうやむを得ないのじゃないかと考えております。今法規的に、あるいは運用の上におきまして、どのくらいで押えるかということは、ただいまのところ考えておりません。
○大矢正君 あなた今、考えていないと、こうおっしゃるのですけれどもね。そうすると、資産さえあれば幾らでも金出しますか、その会社に。現状でですよ。二百億でも三百億でも出すのですか。全然めどがないのですか。大体、しかし今の状態の中では、一つの会社に貸し出す金額というものはこの程度だと、一つの会社に投資する金額はこの程度だという大よそのめどというものがないわけはないでしょう。全然ないのですか。しかも 申し込みをした場合には、それはすべて一〇%でしょう、貸し出しは。たとえば中小企業金融公庫だなんだというところでは、必ず何割です、歩どまりが。ところが、申し込みに対して一〇〇%貸すのでしょう。もちろん、資産の裏づけがあるところ。資産の裏づけのないところは、金の申し込みも何もしないですからね。先ほど酒井さんにも聞きましたけれども、それは比率の取り方にも問題がありますけれども、大体申し込んだものには貸しますと。そうすると、一〇〇%でしょう。その一〇〇%貸すのに、どの程度の限度というものを全然持たないで金を貸すということはないじゃないですか。
○参考人(舟山正吉君) この一つの企業体に対しまする貸付額を制限するかという問題につきましては、ただいまの程度でありますれば、まあ差しつかえないものと考えておりまして、法規的に、あるいは内規的に最高限度をきめておりません。また、この輸出全体がふえて参りますれば輸銀の資金もふえて参りますので、まあ一つの企業体に著しく片寄るといったようなことも総体的には緩和していくのじゃないかと考える次第でございます。 それから、借りる申し込みは一〇〇%貸すんじゃないかというお尋ねに対しましては、これは厳密に審査をいたしまして、必要限度に限って貸すことになっております。まあ手続の上におきまして、内談の段階におきまして相当指導いたしまするので、表面的に借りる申し込み額となって参りました金額と、実際の融資額とは、比較的近いものがあるかもしれませんけれども、その以前におきまして相当しぼっております。
○成瀬幡治君 舟山さんにもちょっとお伺いしますけれども、まあ貿易の自由化ですね、あるいはIMFの総会で大体八条に移行勧告をされることになっていますね。これからまますますあなたの方は忙しくなって、大事なととろだと思いますので、そこで大きく輸銀としての施策ですね、政策と申しますか、そういうことについても十分お考えになっておると思うわけですが、そういうようなことは内閣できめることだと、これだけで済まされないで、輸銀自体として私は受け入れられる今態勢を整えておるんだろうし、そういう政策ももちろんあると思いますが、その辺のところ、一つ参考にお聞かせ願えれば非常に幸いだと思います。
○参考人(舟山正吉君) その各輸出奨励につきましては、それぞれ政府が援助的な政策をとっておるのでございまして、特に日本の企業が戦後復興したとはいえ、資本の蓄積等が足りない。外国であれば自己資本で十分なる競争をなし得る場合にも、日本はそれがなし得ないという、いわゆる底の浅い経済のもとにおいて、個々の企業体の底も浅いのでございますので、その面は輸銀がカバーして援助していかなければならないと考えておるのでございます。それから、具体的に何を考えておるかという点は、御質問の点もはっきりいたしませんので、重ねておっしゃっていただきますれば、お答え申し上げたいと思います。
○成瀬幡治君 実は時間も迫っておりますし、まだ天田さんの質問もあるようで、承ろうとすれば、どうもないようにも受け取れますから、それはそれとしまして、もう一つのお尋ねしておきたい点は、貸付残が大体一千三百七億あるようです。そのうちにいわゆる四分の金利で貸し出されておる残が一千四十六億のようです。しかも、その貸付になっておみえになる会社はどこであるかということについては——残がどのくらいあるかということについての資料は出してもいい、こういうお話ですけれども、それは資料も出ておらないわけですが、大体僕らが想像と申しますか、あるいはほかの面から見ますと、大体四、五十社に貸し出されておると見て差しつかえないんいじゃないかと思う。とにかく中小企業の人たちでは考えの及ばないような大体額になるんです、平均で見れば。あるいは先ほど大矢委員が指摘したように、社に対して資本金から見ましても莫大な金が貸されておるわけです。しかも、その金利は何かというと、四分じゃなくて、六分のもの、投資の思惑からか七分になっておるもの、あるいは六分五厘の金利もありますとおっしゃるかもしれませんけれども、片一方では非常に利潤を追求しておって、もうかっておるじゃないか。一つは国策上必要であるということも私たちにはわかります。しかし、片一方では、そういう低利資金を受けておったものが、非常にその会社というものは恩典を受けておるじゃないか、もうけておるんじゃないかというような点の疑惑は持たれておると、片一方では思われる。そこで、ただいま大矢委員から指摘されたような問題もあるかと存じますが、どうしたって、四分の金利で、片一方では妥当じゃないかという意見もあるかもしれませんけれども、この金利を若干でも引き上げるというようなお考えはないのかどうか、そういう点についてお答え願いたいと思います。
○参考人(舟山正吉君) 現在の輸出入銀行の貸し出し中に、四分という金利をつけておるものが相当大きな部分を占めておることは事実でございます。この取り扱いをどうするかということについては、ただいま申し上げたいと思いますが、その前に、輸出金融といっておりますが、船舶なりプラント類を輸出する場合にこの四分という金利を適用しておりますが、これは私どもでまた本件主義といっております、一つの注文がございましたときにそれだけを切り離しまして、その会社のほかの金繰りとは別に、その物件、一体となっておる物件を製造し輸出するための金融ということをやっておるのでございまして、それに対して四分という金利を出しておる。もっとも、輸銀からこの四分で出るんでございまして、そのほかに市中銀行が市中の利率で協調融資をいたしますから、業者の実際払います金利というものは高くなる、五分前後になるのでございますが、そういう行き方でございますので、どの会社に対して四分でたくさん出しておるということではございませんで、つまり輸出を扱っておるものが多い会社には、結果として四分の金がたくさん行くということになるのでございまして、金の出し方はあくまで一つ一つの物件、この単位となっております輸出案件、これを単位に金融するわけであります。その結果として、輸出そのものの輸出価格がまあ国際競争にたえ得るものになる、こういうことでございます。 お話を伺っておりますと、特定の会社に四分の金を、特に一般金繰りにも使うような意味合いを持ちまして、低利の金を出しておるというふうにもとれるのでありますが、そういうことではないとことを御了承願いたいと存じます。この四分という金利は、ある程度前から輸出振興の必要上、輸銀がとってきた金利でございますが、最近の情勢にかんがみまして、少し上げるべきであるという結論に達しまして、ただその度合いなり、あるいはその実施の時期なりについて、ただいま検討しておるような次第でございます。
○成瀬幡治君 私は、資料が正確かどうか知りませんが、貸付残千三百七億のうちで千四十億というのは、大体八割以上四分の金利なんです。そこで、今お聞きしますと、四分の金利を少し上げようじゃないか、ただし実施あるいはどのくらいの度合いにするかということは別途だと、こうおっしゃるが、これは最終的にはどういう形でどういうような格好でおきめになるのか。あなたの方だけでぽんとおきめになりますか。いろいろな全体の金利とにらみ合わせておやりになるのか。ただ単に、四分という金利が少し低く過ぎるのだから、これを上げるんだという態度で出ておみえになるのか。日本全体の金利政策から考えてからの結論になるのか。
○参考人(舟山正吉君) 輸出入銀行の金利を決定する要素としては、いろいろのことを考えなければならないのでありまして、一つには、先ほどお話も出ましたように、輸銀の経理が赤字になってはいけないといったような点も考えるべき重大な点であろうと思います。しかしまた、輸銀の資金は市中の資金と一緒に協調融資として適用されるのでありますから、市中銀行の取る利率、すなわち市中利率というものの動向ということもあわせて考えなければならないと思います。この点につきましては、近く市中の貸し出し利率も下がるのでございますから、まあそれに応じて輸銀の金利を考え直しても、非常に金利が高騰したということがないことも考えられる次第でございます。それから、まあ世界各国が大体輸出に対してどのくらいの金利を適用しておるかということも、一つのめどとなると思います。それからさらに、金利に関連いたすのでありますが、協調融資比率という問題、これは現在では、船舶等につきましては輸銀の資金八に対しまして市中の資金二を融資しておるのでありますけれども、この比率を変えますれば金利に響いて参る、実効金利に響いて参るのでありますが、資金の不足を告げられております日本の現状におきましては、この比率は変えるべきものではないというふうに一応考えられますが、それらもなおあわせて考える必要がある。そのように考えるべき要素はいろいろあるのでございまして、ことにアメリカあたりがドル防衛のためにどういう措置をとるかといったようなことも十分にらみ合わせて考えなければならぬことであろうと考えております。
○成瀬幡治君 協調融資する場合、あなた、今船舶に対して大体四対一の比率だ……。
○参考人(舟山正吉君) 八対二です。
○成瀬幡治君 逆にいえば四対一になるわけです。こういうようなことは、船舶はそれでよろしいですが、あとのプラント的なもの、いろいろなものがあるのですが、それは業務方法書の中に明記されているのか。あなたの方で、何というのですか、そのときどきによっておきめになっているのか、どうでしょうか。
○参考人(舟山正吉君) 業務方法書には原則が定められております。それに対しまして、ある時期ある時期に一定の利率をきめまして、それをきめた以上は、ある品目については共通に適用しております。
○大矢正君 今の成瀬さんの質問に対して、あなたの答弁はちょっとわからないのだが、私はこういうふうに解釈するんだ。八対二とか七対三とかいうことは、あなたの方の自由裁量でしょう。最終的にはこれは何も縛られるものはなくて、あなたの方はあなたの方の判断で、八まで貸して二は協調融資、九まで、貸して一は協調融資こういうふうにきめるということはあなたの方の自由裁量でしょう、そうじゃないのですか。
○参考人(舟山正吉君) 業務方法書に一応の基準が示してございます。それを時期に応じましてどうきめるかは、私の方が市中の資金状況等も勘案してきめます。
○大矢正君 業務方法書というのは、どういうふうに書いてあるのですか。
○参考人(酒井俊彦君) 私、かわって読みましてよろしうございますか……。これは業務方法書の第二章第七条というところにあります。それの一、二、三、四、五、六とありまして、その四番に「銀行との協調融資の貸付割合」という項がございまして、「イ、協調融資の総額に対し、本銀行の貸付金額が七割をこえない割合とする。ロ、輸出入市場の開拓又は確保のため特に緊要と認められる場合においては、貸付金の償還期限その他の事由を勘案してイに規定する貸付割合を増加することができる。」、かように原則を書いております。
○大矢正君 むずかしいことを言わないで、簡潔に結論を要約すると、どういうことになるのですか、今のあなたの答弁は。何かものを読まれたけれども、僕はあまり頭がよくないから、読まれただけではわからない。要約するとどういうことになるのですか。
○参考人(酒井俊彦君) 私、原則だけは業務方法書に規定してあるという副総裁の御答弁でございましたので、どういうことを書いてあるかというお尋ねでございましたから、それをただ読んだだけでございます。原則は、協調比率は七割とするけれども、しかし必要な場合にはこれを変えてよろしい。要するに原則を書いてある、あとは実情に沿ってやるということでございます。
○大矢正君 そうすると、協調融資の限度は、輸銀が七割で協調の分は三割だというのが原則だけれども、現状はその逆に、もっと輸銀の方をふやして八にして、他に市中銀行の融資を二にしている、こういうことですか。
○参考人(舟山正吉君) ただいまのお話の通りでございます。七割は原則であるが、過去においては六割まで下がった例もございます。しかし、ただいまは八割になっている、輸出金融につきましては八になっているということでございます。
○大矢正君 これは百億の金をかりに九分で借りるのと四分で借りるのじゃ、五分も開きがあった場合には、年間利子は五億ですね。そういう計算にならないですか。 それじゃ、その前にもう一つ質問いたしますが、協調融資を市中銀行がやる場合に、金利というのは、大体年利にするとどのくらいになるのですか。
○参考人(酒井俊彦君) 私からお答え申し上げますが、大体市中の貸し出し金利は日歩でやっておりますが、これを換算いたしますと、大体八分五厘程度というのが中心であろうと思います。八分五厘から、非常に長いものになりますとあるいは九分というものも出て参りますけれども……。
○大矢正君 輸出だけですね。
○参考人(酒井俊彦君) 私の方の金融協調しております銀行の貸し出し利率でございます。
○大矢正君 これは八分五厘とあなたはおっしゃるけれども、九分以下の市中銀行の金利なんというものはそうないですね。かりに九分にすると、四分の金利と九分の金利の差は五分です。年五%違う。そうすると、百億に対する年五%というのは一体どのくらいになりますか。かりに三菱造船の百十何億、アラスカ・パルプの百十何億、浦賀船渠の百十何億とかいうふうに、大口の貸付残高を持っているのだから、これを年九分にするのと年四分にするのと五分違うから、一年間総合したらどのくらい金利の違いが出てきますか、一つの会社で。
○参考人(酒井俊彦君) これを全額船を、輸出入銀行で貸したといたしますれば、差額は五分でございますから、答えは簡単でありまして、五億ということになります。しかしわれわれの貸しておりますのは、市中と協調しておりますから、二割の部分は九分、八割の部分は四分といたしますと、大体五%、こういうことになります。なお、その場合に契約額全額を貸すわけじゃございませんので、いろいろなものを査定いたしまして、実際の輸銀からの貸付額というものは契約額の八〇よりずっと下がっております。いろいろな経費を査定して資金の手当がそんなに要らないだろう、自己資金でいけるだろうというようなものを全部除いておりますから、実際はそれより多くなると思います。
○大矢正君 あまり一人で質問していると自民党さんにきらわれるから、この辺でやめますけれども、一つの会社で五億、実際にあなた一つ一つの企業の内容を、会社の経理内容から当たっていけば、それだけのある程度普通一般並みの配当をしていて、そして利益をあげておって、別に特段そんな政府から低利の金を借りなくてもいいような状態に経理内容ができているのに、なおそこで年間三億だの五億だのという金利のおまけがつくのだから、大へんな話ですよ、一つ一つの企業から見れば。全体の企業を通して見れば、国の輸出政策に沿うているかもしれないが、一つ一つの企業から計算していけば大へんなものですよ、五億の金は。さっきから言っておるけれども、すみやかに輸出金融については、僕はきょう予算委員会で大蔵大臣にはっきりそのことを言っておきましたけれども、やはり輸出金融に対する金利のあり方というものについて再検討して、すみやかに結論を出すべきだと思うし、それから舟山さんどう考えておるかしらぬが、輸出入銀行というものは、大蔵省から行った人と、通産省から行った人と、古いお役人さんが集まって、意見が合うとか合わぬとか、ずいぶん新聞に書かれておった今までの実例がありますから、舟山副総裁、すみやかに金利の問題についてどうするか、引き上げるとすればどうするか、結論を出して、むしろ積極的に大蔵大臣に御自分の意思を述べるべきじゃないかと私は思うのですがね。
○成瀬幡治君 私は、先ほどあなたが読まれた七条四項イ云々というところがございました。それから舟山さんの御答弁を聞きますと、業務方法書にはそういうふうに書いてある、しかし協調融資をした場合にこういうことになっておる、それが前例になっておるのだというお話でしたが、そうしますと、それはたとえば船舶の輸出の場合ですね、その場合はそういうことがずっと前例になっていく、あるいは車両はこうだ、電気機械はこうだ、こういうふうに前例になっておって、それが破られておらない。一つ一つが業務方法書には書いてないけれども、大体書いてあるような効力を持っておる、生きておる、こういうふうに受け取ったら間違いですか。それとも、どうですか。
○参考人(舟山正吉君) 前例となっておるとは申し上げたつもりはないのでありまして、基準は七割である。しかしその他は国内における金融市場の状況と申しますのは、輸銀の融資は、この国内における資金が足りないときにその量的補完をするという面もございますので、国内金融市場の状況や、国際競争における価格の問題、外国における金利の問題等勘案いたしまして、弾力的に運用しておるのでございます。現に船につきましては、業務方法書で七割になっておりますけれども、過去において六割まで下がったことがあり、最近においては八割になって、これはやや長く続いておりますけれども、現在は八割になっておる、こういうことでございます。
○天田勝正君 輸銀の問題は、融資額と、それから結局金利の問題にしぼられてくるのですが、さっきも大矢委員が指摘されましたけれども、アラスカ・パルプの一社に対して百十八億。ところが、そのものさしはない、こういうわけなんで、これは資本金に対しては六倍なんですからね。だから、普通の考えならば、どうしてもおかしいと、こうなるに違いない。資本金の六倍貸すなどというのは、一金融機関でありようはずがないのです。そういうものの基準に従わなければ、普通の場合ならば、信用状況——十年、二十年取引して、現実に一時的にはえらい融資をしても、それがちゃんと年末には返ってくるという実績が、十年、二十年と積み重なった、こういうのが大方の信用で、資本金と関係のない部分なんだ。ところが、アラスカ・パルプは、私が言うまでもなく、数年前にできたばかりだ。そんな取引のあるはずがない。おまけに、ああいう基礎産業というべきものですから、早急に利潤があがるはずはこれもまたない。ところが、資本金によらないとすれば、どこにものさしがあるのだろう。そうしますと、それは輸出入銀行にものさしがあるのだ、こうなってくるわけだ。説明によれば、輸出入銀行の一職員がそんなことに参画するわけがないのだから、偉い人のところだ、こうなる結果、そのものさしを持っている、アラスカ・パルプならアラスカ・パルプに、資本金の六倍貸してもいいんだというその判定をする人は、だれなんですか。まずこれから聞いていきます。
○参考人(舟山正吉君) 輸出入銀行の金をどれだけ出していいかという判定の責任者は、やはり輸出入銀行の総裁でございますが、まあ幾らくらい出すかということにつきましては、その前提となるプロジェクトと申しますか、事業規模をまずきめるのでございます。これにつきまして、アラスカ・パルプの例を申しますと、もう四、五年前になります、当時は国内の繊維資源の枯渇が心配されたので、化繊用の繊維はどのくらい、アラスカにおける資源を開発してどのくらい日本に輸入したならば日本の需給を調整し得るかという計算もくろみを立てまして、これにつきましては、政府当局におきまして、つまり通産省あたりも十分御検討になりまして、その計画をきめるわけでございます。きめた後は、それに対して融資をするということにつきましては、まあ資金の効率的使用ということをねらいまして、必要最小限度の金を出しておるということでございまして、全くめどもないのに、ただ輸銀の恣意によりまして、のんべんだらりと資金を出しているということでは決してございません。
○天田勝正君 まあ、のんべんだらりかのんべんだらりでないか、これから質問してい、又から明らかになってくるのですが、しかし、数年前の会社ですから、その資本金をきめるときまでに、すでに事業量というものは私は明らかになっていなければならない。これが普通の考え方だと思うのです、私は。で、日本の業界が必要とするというふうに先ほど舟山副総裁が幾たびか答弁された。それはけっこうです。しかし、そうだとすれば、その資本金に足らざるものを六倍も借りなければならないとすれば、それは逆に、必要性がそれだけあるというならば、業界がはなからもっと資本金を出すべきなんです。出さないこと自体が、一体計画が粗雑であるか、何か理由がなくてはならない。先ほど来、大矢さん等が質問されて、資産内容が幾らあるからと、こういうお話がありましたけれども、もし資産内容があって、二十億プラス百二十億、かりに百四十億ばかりの資産内容があるとするならば、その会社はここ数年間に六倍の資産を蓄積したということになる。どこに蓄積したかは別として、とにかく蓄積したことになる。もし国内ならば、それだけの蓄積があればえらい税の対象にならなければならない。 委員長、今主税当局はいないのでしょう。
○委員長(大竹平八郎君) 主税はおりません。
○天田勝正君 とにかく、おれば、私はすぐ聞きたいと思うのだけれども、いないそうですが、もし国内に資本金のほかに六倍の資産内容が生じたということは、それだけ利益が生まれたということなんですから、これに対するものすごい税金がかからなければならない。アラスカにその資産がみんなあるのであれば、向こうの税法は知りませんけれども、やはりアメリカといえども、それだけの膨大な利益がもしあがれば、これは大へんなやはり向こうでも税金がかかっていなければならない。だから、数年間に資産内容が充実したということ自体が、そもそもおかしいということになりはしませんか。
○参考人(舟山正吉君) アラスカ・パルプの現状につきましては、これまで出資なりあるいは輸銀からの借り入れによります資金を、現地において工場建設に使って、金額に見合うだけの施設ができたということでございまして、まだ収益は生んでおりませんから、従って、課税の対象にもなりませんし、またその含み益を云々する域にも達しておらないのではないかと思います。
○天田勝正君 私は、できたばかりの、しかも国策的な会社である限りは、今の答弁の方がほんとうだろうと思う。そうすると、何をめどに貸したか。借金があるから、その借金で資産ができたから、それをまた借金の基礎にできると、こういうことだったら、ものはもう際限がないと私は思うのです。それにもかかわらず、さっき舟山さんのおっしゃるには、この程度は差しつかえないと判断して貸しましたと、こういうお話ですが、その程度は差しつかえないというのは、具体的にはどういうことを意味するのですか。至って僕ら不安だという気がするのですが、どういうものですか。
○参考人(舟山正吉君) アラスカ・パルプの例につきましては、現在百億ちょっとこえたところの貸し出しをしておりますけれども、その程度は、輸銀の貸し出しとしまして、一つの会社に大きく片寄っておるということはないじゃないかという意味でございます。
○天田勝正君 私がお聞きしているのは、輸出入銀行全体の貸し出しのうち、一会社にその程度はいい、バランス上そうだといっても、アラスカ・パルプというその会社自体は、二十億しか資本金はないのでしょう。だから、普通の状態なら——利潤を隠せば別ですけれども、今の答弁によると、利潤はあがっておらない。だから、資産は二十億あってしかるべきなんです。ことによれば、利益があがれば、人件費などに払うということもあり得るのですから、むしろ資本金よりも以下しか資産はないということだって大いにあり得るのですね。それでも、二十億あるから二十億貸したというのなら、話はわかるのです。ところが、二十億のものに六倍貸したと、ここにわからなくなる。その程度は当然だとおっしゃるけれども、その当然というのは、今お聞きしてみると、輸銀としてバランス上一社にそのくらい貸したって大したことはないのだと、こういうおっしゃり方なんだから、アラスカ・パルプというその会社自体の業績からいえば、どう考えても不当のように考えられるけれども、あなたはそう考えませんかね。どうですか。
○参考人(舟山正吉君) アラスカ・パルプの事業につきましては、その設立の当時、これは国策として必要な事業であると、従って国としても何分の援助をするという閣議了解があったわけでございまして、そういうような事情でございますから、市中一般の私企業が海外に進出するといったような場合とはいささか趣きの異なる点があっても、これはやむを得ないことかと思います。
○天田勝正君 そうすると、結局その融資の妥当性という根拠は、ついつい答弁では聞かれないわけなんだが、ただ最後には、閣議決定があるからこれはまあ一般の常識とは別だというふうに私には聞こえるのですが、そうすると、結局、この融資をする場合に、政府側から何かあなたの方に注文がつけられるわけですか。その点はどうなんですか。
○参考人(舟山正吉君) 閣議了解等におきまして、大体その案件が国の政策上重要であるといったようなお墨付は与えられることはあるのでございますけれども、個々の条件につきましては、輸銀の裁量できめていくことになっております。
○天田勝正君 そうすると、まあこれはあなたに質問するということがどうも妥当かどうか知りませんけれども、われわれが考えると、日本の業界が必要とする資金であるけれども、そうでないと原材料が供給できませんから、必要な産業であるけれども、業者全体とすれば百四十億の金が要る、ところが、業界はそんな危険負担をするのはいやだから、とりあえず二十億ということにしておいて、結局政府から融資という格好で百十八億出さして、危険の場合には六分の一しか業界は負担しないと、こういうふうに私は了解せざるを得なくなってくるし、それでは業界が株式という形で資金を調達すれば、これはとても、配当だって一割二分くらい出すでしょうから、それではどうも利益率が工合が悪いということで、政府のだったら、これは七%ですか——四・五%以上と書いてあるが、具体的には七%でしょう。
○参考人(舟山正吉君) 四・五%です。
○天田勝正君 それでは、なおさら大へんだ。ここでは七%通常と書いてあるけれども、どっちかなあと思ったのだけれども、四・五%ですか。そうすると、資金調達の道が二つある。措入金でやるという場合、株式という場合、そのほかに社債等もあるけれども、社債だって、借入金ですから、借入金と株式という場合があるが、株式で調達すれば一割二分かかる、普通の借入金にすれば七分五厘かかる、政府の税金による資金からすれば四分五厘だと。それでは四分五厘の方がよいと考える方が当然だと思うのですね。私はそう解釈するが、結局そういうことではないのですか。
○参考人(舟山正吉君) 私がこれまでお答え申し上げましたことは、このアラスカ・パルプの出資と借入金との比率が世間の例と違っているじゃないかと、こういう点で、これは特殊案件であるから変わっているのだということを申し上げたのでございますが、ただいまおっしゃいました危険負担の点になりますと、実は輸銀からの融資の分につきましても、化繊メーカーは保証しておるのでございます。それですから、最後に損失が出ました場合はかぶるので、それは業者に出資しておる場合と変わるところはないのでございます。ただ、特殊の案件でございますので、補助金の集め方は民間の事情等も考えて必要な程度にとどめておりますが、あとは輸銀からの融資をしておるのであります。
○委員長(大竹平八郎君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大竹平八郎君) 速記をつけて。 なお、質疑は後日に譲りまして、本日はこれにて散会いたします。 午後五時十四分散会 ————・————