大蔵委員会 第3号
- 発言数
- 19 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/02/10
会議録
○委員長(大竹平八郎君) ただいまから委員会を開きます。 まず、委員の異動について御報告いたします。二月三日付をもって委員佐野廣君及び清澤俊英君が辞任され、その補欠として二見甚郷君及び武内五郎君が委員に選任されました。二月七日付をもって上林忠次君が委員を辞任されましたが、二月八日付をもって委員に選任されました。 ——————————
○委員長(大竹平八郎君) 右の結果、理事が一名欠けることになりましたので、委員長は、この際、成規の手続を省略し、先例に従い、理事に上林忠次君を指名いたします。 ——————————
○委員長(大竹平八郎君) これより、国有財産特別措置法の一部を改正する法律案外十一件を一括議題とし、順次、提案理由を聴取することにいたします。
○政府委員(田中茂穂君) ただいま議題となりました国有財産特別措置法の一部を改正する法律案外十一法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。まず、国有財産特別措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。 地方公共団体において水道施設として公共の用に供するため、普通財産を必要とする場合には、国有財産特別措置法の規定により、無償貸付ができることとなっておりますが、現在この規定により無償貸付中の水道施設は、大部分が旧軍用財産でありまして、建設以来すでに相当の期間を経過し、抜本的な施設の改良を必要とする時期に立ち至っております。これらの施設の改良を促進し、水道事業を助成するためには、当該地方公共団体に対し、水道施設として公共の用に供する普通財産を譲与することが適当であると考え、この法律案を提出した次第であります。 なお、この法律案の内容は、さきに第三十四回国会に提出いたしました法律案の内容と同じであります。 次に、この法律案の概要について御説明いたします。 地方公共団体において水道施設として公共の用に供するため、普通財産を必要とする場合には、その施設の経営が営利を目的としたり、または利益をあげるものでない限り、水道施設の用途に供する等のいわゆる用途指定をいたしまして、当該地方公共団体に対し、土地を除いて普通財産を譲与することができることとするものであります。 —————————— 次に、今次の税制改正のうち、所得税法の一部を改正する法律案等について申し上げます。 政府は、国民の租税負担の現状に顧み、合理的な租税制度を確立するため、一昨年税制調査会を設けて、国税地方税を通ずる税制改正の諸方策について鋭意検討を加えて参りましたが、昨年末にその中間答申を得、その後さらに検討を重ねた結果、昭和三十六年度におきましては、中小所得者の負担軽減をはかり、企業の経営基盤の強化に資するため、所得税及び法人税を中心として、国税について、平年度約一千百三十億円の減税を行なうとともに、最近の情勢に応じ、租税特別措置について整理合理化を行ない、新道路整備計画の財源に充てるため揮発油に対する消費税の増徴をはかる等所要の税制改正を行なうことといたしております。これらの税制改正諸法案のうち、今回、所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、有価証券取引税法の一部を改正する法律案及び通行税法の一部を改正する法律案を提出した次第であります。 まず、所得税法の一部を改正する法律案について、その大要を申し上げます。 第一は、給与所得者、事業所得者等各種の所得者を通じ、中小所得者を中心として税負担の軽減合理化をはかることとしております。すなわち、配偶者については、新たに配偶者控除を設けて、基礎控除と同額の九万円の控除を行なうとともに、扶養控除については、その控除額に年令差を設け、満十五才以上の扶養親族についての控除額を三万円から五万円に引き上げることとし、事業所得者については、家族専従者の実情、法人の負担とのバランス等の見地から、専従者控除を拡充し、白色申告者の場合は、新たに家族専従者一人につき七万円の控除を認め、青色申告者の場合は、現在八万円の専従者控除額を、家族専従者の年令が二十五才以上であるときは十二万円、家族専従者の年令が二十五才未満であるときは九万円に引き上げることとし、給与所得者については、給与所得控除を引き上げ、給与の収入金額から新たに一万円の定額控除を行ない、その残額について四十万円まで二〇%、四十万円超一〇%、最高十二万円の控除を行なうこととしているのであります。また、税率につきましては、課税所得七十万円以下の税率の緩和をはかっております。 以上申し述べました控除及び税率の改正により、夫婦及び子供三人計五人家族の給与所得者の場合を例にとりますと、所得税を課されない限度が現在の約三十三万円から約三十九万円に引き上げられるとともに、百万円以下の中小所得者の所得税の負担は著しく軽減され、かつ、各種所得者を通じてバランスのとれた減税が行なわれることになるのであります。 次に、定年退職者の実情にかんがみ、退職所得の特別控除額について、現在の百万円の控除限度額を廃し、現行の年令及び勤続年数に応ずる控除が無制限に与えられるようにしております。 さらに、公社債投資信託の創設に伴いその利益を利子所得とすること、事業譲渡に類似する有価証券の譲渡による所得を非課税の対象外とすること、配当所得または趣味もしくは娯楽に伴う所得の計算上生じた損失については他の所得との通算を認めないものとすること、原稿料、自由職業者の報酬等についての源泉徴収の税率を一〇%に統一すること等税制の整備合理化をはかることとしております。 —————————— 第二に、法人税法の一部を改正する法律案について申し上げます。 法人税につきましては、来年度の法人税に関する重要な改正である企業の株式資本の充実に資するための配当課税の改正及び耐用年数の改訂は、別途租税特別措置法の改正等により措置し、法人税法の改正では、主として同族会社の留保所得に対する特別課税の軽減合理化のための改正を行なうこととしております。 現在、同族会社の留保金が、一定の金額以上に達する場合には、毎期の留保所得に対して一律に一〇%の特別課税が行なわれることとなっていますが、この制度が中小法人の税負担を重くし、資本蓄積を妨げているという意見があります。そこで、この際この制度に改正を加え、個人所得者との負担のバランス、非同族会社にこの特別課税がないこととのバランス等を考慮して、毎期の留保所得から一定の控除々行なった後の金額に対して税率を課することとして、中小法人の負担を軽減する反面、個人事業者との負担のバランスから高額の留保所得に対する税率を若干引き上げることとして、制度の合理化をはかっております。 すなわち、毎期の留保所得から毎事業年度の所得の一〇%相当額が年五十万円かいずれか多い金額を控除した金額を課税留保所得とするとともに、その課税留保所得のうち年三千万円をこえる金額に対する税率を一五%、年一億円をこえる金額に対する税率を二〇%に引き上げることとしております。なお、この場合におきましても、その事業年度終了の日における積立金額と当該事業年度の留保所得との合計額が、期末資本金の四分の一相当額に達するまでは、従来のように留保所得に対する課税をしないことといたしております。 以上のほか、非出資組合である商工組合及び商工組合連合会については、その性格に顧み、第五条第一項の公益法人と同様に、その収益事業以外の事業には法人税を課さないものとすること、及び重要物産免税の名称を制度の趣旨に合うよう新規重要物産免税と改めること等所要の規定の整備をはかっております。 —————————— 第三に、有価証券取引税法の一部を改正する法律案について申し上げます。 今回、わが国における社債市場育成策の一環として、新たに公社債投資信託が創設され、所得税法においても、その収益の所得の種類を定めたのでありますが、これが取引された場合の有価証券取引税の税率について公社債の場合の税率に準じたものとするため、所要の改正を行なうこととしているのであります。 —————————— 第四に、通行税法の一部を改正する法律案について申し上げます。 この改正は、最近における生活水準の向上、旅客サービスの改善に伴い、二等寝台の利用状況が相当大衆化されていることに顧み、二等寝台料金に対する通行税を非課税とするとともに、日本国有鉄道が等級呼称の変更を行なったことに関連して、通行税における等級区分について規定の整備をはかることとしているのであります。 —————————— 次に、国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例に関する法律案について申し上げます。 この法律案は、最近における国債及びその償還財源の状況にかんがみ、一般会計から国債整理基金特別会計に繰り入れるべき償還資金の額について特例を設けようとするものであります。 国債の償還財源としましては、財政法第六条の規定による前々年度の決算上の剰余金の二分の一以上の額と国債整理基金特別会計法第二条第二項の規定による前年度首国債総額の一万分の一一六の三分の一相当額とがそのおもなものとなっております。 このうち、後者の前年度首国債総額の一万分の一一六の三分の一という額は、大正四年度及び昭和七年度の国債の状況等を基準にして定められたものでありまして、その額は現状にそぐわない点もあり、また、従来決算上の剰余金の二分の一の金額の繰り入れにより国債償還の円滑な運営を行ない得る状況でありましたので、昭和二十八年度以降毎年度、特別の法的措置を講じてその繰り入れを臨時的に停止してきたのであります。 このような状況にかんがみまして、政府といたしましても、この際、最近の国債の償還状況等にも適合した合理的な減債基金制度につきまして、慎重に検討をいたしたのであります。 しかるに、ここ数年間に満期の到来いたします国債中には、交付国債、外貨債など借りかえ困難なものが多く、かつ、年によりその額の高低が激しいので、画一的な減債基金制度になじみがたいものがあるのであります。また、国債総額の財政に占める比重は戦前並びに諸外国に比べきわめて低いものとなっております。さらに、わが国よりも国債の比重の大きい他の諸国の減債基金制度についても種々検討をいたしましたが、適当な制度を見出すことは困難でありました。 一方、財政法第六条の規定により剰余金の二分の一以上の額が国債の償還に充てられることとなり、これが主たる償還財源となって円滑な運用を見てきている状況であります。 このような状況でありますので、現在のところ、減債基金に繰り入れる額を画一的な一定率等により特定することは、技術的に見ても困難であり、また、国債の総額等から見ましても、今直ちにこれを特定しなければならぬとも考えられないのであります。 従いまして、当分の間、一般会計から国債整理基金に繰り入れるべき金額については、国債整理基金特別会計法第二条第二項の規定による前年度首国債総額の一万分の一一六の三分の一に相当する額の繰り入れを停止し、財政法第六条その他の法律の規定により国債の償還に充てる金額と合して毎年度の予算で定めることとしております。しかして、その金額の決定につきましては、国債整理基金の状況、国債償還の見込みその他の事情を勘案し、将来の国債償還に支障を生じないようにすることにしております。 なお、この法律案に伴って、昭和二十八年度から昭和三十五年度までの各年度において国債整理基金に充てるべき資金の繰り入れの特例に関する法律を廃止しますとともに、廃止法律に定められていた日本国有鉄道及び日本電信電話公社からの法定債務の償還元利金の国債整理基金特別会計の歳入への組み入れに関する措置は、経理の簡素化をはかるため、従前と同様今後も継続することとし、本法律案の附則において必要な規定の整備をはかっているのであります。 —————————— 次に、補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。 政府は、昭和二十九年、補助金等の整理合理化の一環といたしまして、特に法的措置を講ずる必要がある補助金等につきまして、補助金等の臨時特例等に関する法律により特例措置を講じたのであります。その後、その処理につき結論を得た補助金等につきましては、逐次、別途の法的措置をとりつつ、一方この特例法の有効期限につきましては、毎年これを延長して今日に至っておるのでございます。 現在、この法律により特例措置が講ぜられている補助金等につきましては、今後も、引き続き検討を進めて参る所存でありますが、その検討により結論を得た上、しかるべき法的措置が講ぜられるまでの間、特例措置を継続することが適当であると存ぜられますので、今回、この法律案を提出いたした次第でございます。 —————————— 次に、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。 産業投資特別会計の財源は、御承知のように、貸付金の回収金及び利子、納付金、余裕金の運用利益金、特定物資納付金処理特別会計からの受入金等をもって、これに充てることになっております。しかしながら、これらの財源は弾力性に乏しいものでありますので、これら財源のみをもって投資の需要を充足して参りますときは、将来において、経済の状勢に応じた適時適切な投資を行なう上に財源の不足が見込まれることもあるわけであります。従いまして、このような場合に備えまして、この財源の不足を補てんするための資金を、あらかじめ財政の事情が許す時期において準備しておき、この資金をもって、将来、その都度の財政事情にとらわれることなく、産業投資財源の不足を見た場合にこれを補うこととするのが、財政経済の調査を推進する考え方からきわめて必要であると認められます。このような理由に基づきまして、さきに、昭和三十一年度において産業投資特別会計に資金を設置し、同年度において三百億円の繰り入れを行なったのであります。この資金は、その後昭和三十二年度、三十三年度及び三十四年度において投資の財源に充当し、財政投資の計画的、弾力的な運用に資してきたのであります。 しかして、今後の経済状勢に対処いたしまして産業投資特別会計の投資を円滑に行なうためには、この際この会計の資金を充実しておくことが是非とも必要であると認められますので、昭和三十五年度補正予算により、一般会計から三百五十億円をこの資金に繰り入れることとした次第でありますが、これに伴いまして、産業投資特別会計法に所要の改正をしようとするものであります。 —————————— 次に、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案について申し上げます。 日本輸出入銀行は、昭和二十五年十二月日本輸出銀行として設立されて以来、プラント輸出金融を中心として輸出入並びに海外投資に関する金融を行ない、わが国貿易の振興並びに経済協力の推進に格段の寄与をいたして参っておりますことは、御承知の通りであります。 日本輸出入銀行の業況は、わが国貿易の進展に伴って着実に伸びてきており、その融資残高は、昨年十二月末において、千二百五十億円に達しております。海外からのプラント輸出等の引き合いは、東南アジアを初めとして、今後さらに増加していくことが予想されますとともに、東南アジア諸国との経済協力もまた一そう、その実をあげていくものと思われ、日本輸出入銀行の融資を必要とする事案はますます増加する見通しであります。 このような状況にかんがみまして、昭和三十六年度の財政投融資計画において、政府は、日本輸出入銀行の融資見込み額を九百七十億円と推算し、このため必要な資金として同行に対して新たに五百七十億円の資金を供給することといたしております。このうち百二十億円は産業投資特別会計からの出資金を予定いたしておりますので、日本輸出入銀行の資本金五百八十三億円を百二十億円増加して七百三億円とする必要があります。 これが、この法律案を提出する理由であります。 —————————— 次に、国民金融公庫法の一部を改正する法律案について申し上げます。 国民金融公庫は、銀行その他一般の金融機関から資金の融通を受けることを困難とする国民大衆に対して必要な事業資金を供給することを目的として、昭和二十四年六月に設立を見たのであります。その後公庫の資金量は逐年増加し、業務量も益々増大して、昭和三十六年度におきましては千二百億円をこえる貸し出しを予定しているのであります、かかる情勢に即応しまして、職員の増加、支所の増設等所要の措置を講じ、機構の整備拡充に努めて参ったのでありますが、このような業務の著しい増大と機構の拡充にもかかわらず、その運営の衝に当たる役員は総裁一人、副総裁一人、理事四人、監事二人、計八人でありまして、公庫発足以来増員されることなく現在に至っております。今後におきましても、さらに業務の増大が予想されますので、この際、公庫業務の円滑な運営に資するため理事二人を増員することができるよう所要の措置を講ずる必要があります。 これが、この法律案を提出する理由であります。 —————————— 次に、港湾整備特別会計法案につきまして申し上げます。 政府におきましては、港湾整備事業の促進をはかるため、港湾整備五カ年計画を樹立いたしまして、事業の緊急かつ計画的な実施に努めることとし、別途、今国会に港湾整備緊急措置法案を提案して御審議をお願いいたしております。 この方針に伴いまして、港湾整備事業に関する収入支出並びにその事業の成果を明らかにするためには、その事業に関する経理を一般会計と区分することが適当であると認められますので、ここにこの法律案を提案いたしました次第であります。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一に、この特別会計においては、国が施行する港湾整備事業に関する経理を行なうことを主たる目的とし、あわせて、これに関連のある受託工事の施行並びに港湾管理者の行なう港湾整備事業に対する国の負担金または補助金の交付等に関する経理を行なうことといたしております。 第二に、この会計は運輸大臣が管理することとし、港湾整備勘定と特定港湾施設工事勘定に区分して経理することとしております。 港湾整備勘定は、特定港湾施設工事等以外の直轄港湾整備事業及びこれに関連のある受託工事並びに港湾整備事業費に対する国の負担金または補助金の交付等に関する経理を行なうものでありまして、この直轄事業費または国の負担金もしくは補助金等の財源に充てるための一般会計からの繰入金及び直轄事業費に対する港湾管理者の負担金並びに受託工事納付金等をその歳入とし、直轄港湾整備事業及びこれに関連のある受託工事に関する費用並びに国の負担金または補助金等をその歳出とすることとしております。 特定港湾施設工事勘定は、特定港湾施設工事及びこれと関連して施行する特定の直轄港湾工事並びにこれらの工事に関連のある受託工事に関する経理を行なうものでありまして、特定港湾施設工事等に充てるための一般会計からの繰入金、港湾管理者の負担金及び特定の事業者からの受益者負担金並びに受託工事納付金をその歳入とし、特定港湾施設工事等及び受託工事に関する費用をその歳出とすることとし、これらの歳入及び歳出並びに資産及び負債を工事別等の区分に従って経理することといたしております。 以上のほか、この法律案におきましては、この会計の予算及び決算等に関して必要な事項を定めることとしております。 なお、本特別会計の新設に伴って、特定港湾施設工事特別会計法を廃止することといたしております。 —————————— 最後に、厚生保険特別会計法等の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。 政府は、第二十二回国会において、政府管掌健康保険の給付費及び船員保険特別会計の療養給付の部門における給付費の異常な増高等に伴いまして、厚生保険特別会計の健康勘定及び船員保険特別会計の療養給付の部門におきまして、財源に不足を生じましたので、これが措置として、厚生保険特別会計にあっては、昭和三十年度以降七カ年度間、毎年度、一般会計から十億円を限度として、この会計の健康勘定へ繰り入れることができる措置を、また、船員保険特別会計にあっては、昭和三十年度以降六カ年度間、毎年度、一般会計から二千五百万円を限度として、船員保険特別会計へ繰り入れることができる措置を講じたのであります。その後、諸般の情勢にかんがみ、昭和三十一年度以降昭和三十三年度まで毎年度法的措置を講じ、一般会計からの繰り入れを昭和三十四年度以降に繰り延べたのであります。 今回、これらの勘定または会計の財政状況等から、この一般会計からの繰り入れをさらに昭和三十七年度以降に繰り延べることとしようとするため、この法律案を提出いたしました次第であります。 なお、昭和三十四年度及び昭和三十五年度におきましては、この一般会計からの繰り入れを昭和三十六年度以降に繰り延べるための法律案を第三十一回国会及び第三十四回国会に提出いたしましたのでありますが、諸般の事情によりまして審議未了となったものであります。 以上が国有財産特別措置法の一部を改正する法律案外十一法律案についての提案の理由及びその概要でございます。何とぞ御審議の上すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
○委員長(大竹平八郎君) ただいまの説明に対し、御質疑はございませんか。 ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(大竹平八郎君) 速記を起こして。 ——————————
○委員長(大竹平八郎君) 補足説明並びに質疑は次回に譲りまして、この際、議題に追加をいたし、関税政策に関する件を議題といたします。 御質疑のある方は御発言願います。 なお、関係官は田中大蔵政務次官、村山主税局長、稲益税関部長が出席されております。
○大谷贇雄君 去る六日の日に、神戸の税関で、日本の貿易商社二十数社のアメリカ向けのトランジスター・ラジオの不正輸出事件を調査をした。そこで、これはもう昨年ぐらいからそういう不正な問題があって、それで神戸の税関がそれを発見をして、で、この六日の日には東京の田村町の松下電器の東京営業所、また丸の内の三菱商事本社というようなところを、関税法違反の疑いで調査をした。東京と横浜で十一社に上っておる。そこで、これらの会社は、もうさっき申したように、去年の初めぐらいから、トランジスター・ラジオを輸出する場合に、実際の輸出価格よりも一、二割高く税関に不正申告をしている。そうして米国の商社と決済をする。その差額を蓄積外貨として残しておった疑いがある。伝えられるところによると、これらの不正輸出額というものは、二十数万台に上っておる。それは三十億円になっておる。こういうことが一部の新聞に出たわけでございます。これは日本の貿易の非常な重要な今日の段階において、影響するところが非常に大きいと思う。で、これについて詳細を一つ御説明願いたいと思う。
○説明員(稲益繁君) ただいまお話のございましたトランジスター・ラジオの不正輸出でありますが、新聞に報じられましたのは、ただいまお話しの通りでありますが、実はただいま神戸税関で各地に係官を派遣しまして、証拠の収集その他に当たっており、まあ、申しますれば、捜査の非常に初歩の段階である。従いまして、仰せのように、商社がどこどこでありますとか、あるいは件数がどれくらいであるとか、あるいは金額でどれくらいであるといったようなことが、実は全貌が全くつかめておりません。と申しますのは、一つは、こういう違反の関係でありますが、非常に実は認定がむずかしい点もあるわけです。 私どもで現在つかんでおりますと申しますか、神戸税関から聞いております限りでは、例のチェック・プライスをくぐるという意図があるんではなかろうか。そういたしますると、例の為替貿易管理法の違反という容疑が出て参ります。あわせまして、私どもの方で直接所管しております関税法上の虚偽申告という問題が出て参るわけでございます。そういう関係で、ただいま捜査を進めておるという段階でありまして、現在の段階では全貌がどういうものだということをここでお話し申し上げるところまで、まだ参っておらないわけでございます。一般には、こういたしました、何と申しますか、秩序犯的な虚偽申告というものが、ここ一、二年非常に累増して参っておるわけで、いわゆる密輸出あるいは密輸入といわれるものと若干形態を異にいたしまして、いわゆる秩序犯といったような形の虚偽申告事犯というものが非常に多くなっているわけでございます。原因はいろいろございますが、要するに、為替管理法なり貿易関係の統制法規をくぐろうというところに、何と申しますか、原因があるわけでございます。こういった事犯につきましては、私どもも常日ごろ、直接の行政官庁であります通産省方面とも十分連絡をとりまして、現場においてはいろんな内偵を進めまして、こういう違反を防ぎたいということで努力はいたしておるわけでございます。御指摘の具体的な件につきましては、今日の段階ではまだそういう段階だということを御了承いただきたいと思います。
○大谷贇雄君 それは捜査の今最初であり、従ってまだ全貌が明らかでないというお話ですけれども、しかし、朝日新聞の七日の朝刊によると、はっきり会社の名前も書いてある。三菱商社系の十一社だということがはっきり書いてあるわけであります。また、他の新聞によると、さっき申したように、この二十数万台、三十億円に上っているということがあって、大体つかんで、報道陣としては大体のこの全貌をつかんでいるからこういう発表がされるのであって、それをあなた担当の部長さんが知らないというのは、そんなあほらしいことはないですよ。いかがですか。
○説明員(稲益繁君) おしかりでございますが、新聞に出ましたのは七日付の朝日新聞だと思います。(大谷贇雄君「内外タイムスにも出ているよ」と述ぶ)これは御承知だと思うのでありますが、取り調べをやります税関としましては、調べの当初の段階で特にこういうものが出ますことは、非常に支障があるわけであります。従いまして、まあ捜査の便宜のために極力こういうことが漏れないように努めているわけでございます。私の想像でありますが、何らかのはずみでこういうことが一部にまあ漏れたと申しますか、他に税関としてこういうことをもちろん積極的に発表ということはいたしませんし、あるいは一部に漏れまして、その方面からいろいろなまあ推測記事といった形で出たのではなかろうか、かように判断しているわけでございます。
○大谷贇雄君 わかります。それはわかるが、東京で、あなた、調べた一つの会社のごときは、この一件だけでなしに、まだ八十件も虚偽の申告をしておったということがいわれているが、一体どうなんですか。
○説明員(稲益繁君) 一社で八十件と申しますのも、まだ私そこまで承知いたしておりません。ただ、何と申しましても、まあ実はその係官が一部はまだ東京で調べ、あるいは横浜で調べというような段階にありまして、はたしてまあどの程度まで広がりますか、件数、金額ともに。私申し上げます意味は、取り調べが一応進みませんと、はたして仰せのような件数であるのか、あるいはそれよりも大きな件数であるということも場合によってはあり得るわけであります。さような意味で、今日ただいまにはちょっと申し上げる段階ではない、かようにまあ申し上げているのであります。
○大谷贇雄君 そこで、まあ東京では九社捜査したわけでしょう。そういうふうに聞いておりますが。そこで、その中の一つは何も違反事件はなかった、こういうことも聞いているんです。そうすると、こういうことはやはり早く調査をいたしませんと、善良な会社はそのために非常に迷惑をする。また、これは聞くところによると、アメリカ人からそういうことが知らされたというのですが、そこはどうですか。
○説明員(稲益繁君) アメリカ人と申しますか、ある外人から投書があったということは事実であります。
○大谷贇雄君 そこでですね、まあまだ捜査に影響があるという段階であれば、あえて今日はその問題について深くお聞きをすることは、かえってそのために捜査が進まぬということが出てきては、かえって御迷惑ですから、きょうはそれを深く申しませんが、これはやはり日米貿易のみならず、ほかの国と日本との貿易の問題について非常なこれは悪影響を与える。非常に悪い影響を与えると思う。 私はこの間、ワシントンで上院のフルブライト外交委員長に会った。そうしましたら、こういうことを言った。日米安保条約を結んで防衛の問題について協力をするということは当然のことだけれども、それだけじゃ、だめなのだ。どうしても経済的な協力をしなければならぬ。それで、大谷さんは名古屋のベニヤ板のアメリカ輸出の問題について、私どもは、非常にアメリカの業者がこれを阻害するというようなことがある。そういうことはやはり業者の一利益、業者同士の利益のためにやっておるのだが、そういうことであっては、ほんとうの国と国との心からの経済協力はできないのだ。従って、政治家の私は、そういう業者に対してはもっと大きな立場から、ほんとうに日本とアメリカの親善の立場から協力をするように、私はアメリカの業者に指導を、実は私は説得もしておるし、これからも指導をするのだ。こういう非常に、こっちが言い出さぬうちに、私が名古屋だというので、ベニヤ板を取り上げて、そういう誠意を持った、心打たれるような好意を持った話をしたわけなんです。それから、ロスアンゼルスで、前の日米修好百年で日本の政府がお招きした、元のロスアンゼルスの商工会議所会頭のイーストマンさんと一緒に、今の商工会議所会頭に会った。それで、ロスアンゼルスと私どもの名古屋とは姉妹都市になっている。従って、業者と業者との接触も多いわけですね。それで懇談をしてきた際に、この人は国務省におったのですよ、それで日本の貿易の問題については、国務省の商工関係をやっておって、非常に心配をして努力してくれた人です。従って、日本に対する理解というのは非常にある人なんです。それで、私がフルブライトとの話をした。フルブライトさんのおっしゃるように私どももそのつもりだ、どうしても西の沿岸と日本とは距離的にも近い。それで日本の在留邦人もたくさんおられるし、日米貿易もここが窓口になるのだから、異常な関心を持って実はおります。そこで、業者と業者の間にいろいろな問題があるが、それはどうしても利益中心で動いてはいかぬのだ。結局、貿易というものの根底は心の問題、従って精神的な理解、要するに善意の心に立った上でなければほんとうの貿易というものはできるものじゃないのだということを言って、私は大いに共鳴をしてきたわけです。従って、金さえもうければ何でもいいのだというような昔の日本の品物、安かろう悪かろう、それですりみたいにぜにさえもうかればいいのだ、もうかりまっかだけでは、これはあきまへんわ。だから、そういう点から考えて、この問題を私は日本とアメリカとの貿易、やはりいいものを正しくやるという商売、そういう貿易でなければだめですよ。でなければ、なんじゃ、日本みたいなものはごまかしばかりようやる、こういうことになって、日本の正しい善良なる商社というものが非常な影響を受ける。また国際的な信用を落とす。そういう重大な私は問題だから、きょうお尋ねをするわけです。 従って、そういう点から、きょうはまあ今お話しのようなことで差しさわりがあるといけませんから、これ以上質問いたしませんが、この次また十七日に委員会あるそうですから、そのときにまた、わかり次第のことを一つ御報告をお願いいたしたいと思います。よろしゅうございますか、どうでしょうか。
○説明員(稲益繁君) 先ほど申し上げましたように、事件が非常に捜査の当初の段階なんです。広がりようによりますると、かなりな時間を実は要する問題でございます。必ず十七日のときにその全貌がということは……。そのときにまた支障がございますれば延ばさしていただくというようなことで、お願いをいたしたいと思います。
○大谷贇雄君 事そういうような私の観点から非常に重大な問題だと思いますので、逐次一つ、お差しつかえない限りにおいて、全貌がわかるようにお知らせを願いたい。
○委員長(大竹平八郎君) ほかに御質疑はございませんか。——なければ、本日はこれをもって散会いたします。 午後二時二十七分散会 ————・————