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38回国会参議院1961/04/27

商工委員会 第21号

発言数
186
登壇者
10
会派数
2
開催日
1961/04/27

会議録

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) これより商工委員会を開会いたします。  本日は、鉱工業技術研究組合法案及び新技術開発事業団法案の審議を行なうことといたします。  それでは鉱工業技術研究組合法案、新技術開発事業団法案、以上二案を便宜一括議題として質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 先日、ここで決議されました航空機法案のときにもちょっと申し上げましたが、同じような法案が三つ続けて出されておる。しかもこの事業団と技術組合法案は、ほとんど私は性格は一緒だと思うわけなんです。この前もその点は質問いたしましたが、中断されておりますので、その続きをまあ質問さしていただくわけなんですけれども、たとえば事業団の方にも政府の手厚い保護があって、しかも研究組合の方にもある。一つの研究されたものを企業に移すために、開発事業団の方にそれが移される。そういたしますと、開発事業団は自分のところでこれを研究あるいは企業化する仕事をするわけじゃない。どこかの企業に対してそれを委託するわけなんですね。そういたしますと、これは中間のただ政府の息のかかった金をどこかの企業にやらせる、それだけのことなんです。先日の航空機のやつは、百二十三人でありますから、一応下請けさせておいて、組み立てくらいやるでしょう。しかし、この場合はそういうことも一切やらない。ただ政府と企業家の中間に立って、そうしてこれが企業のコマーシャル・ベースに乗るか乗らないかという研究をさせる。乗れば君のところでやりなさい、乗らなかったら損害は全部こちらで引き受ける。まことに企業家には都合のいいものなんです。ところが一方組合の方は、自分のところで研究をしたいということで、三つ以上の企業が集まってそうして組合を作るのですね。そうすると、その組合に対してはまた政府から補助がある。そうしてそこでも研究なり——名前は研究にもなっております。しかしこれは企業化するための研究なんです。そうして企業がコマーシャル・ベースに乗るとなればそこもやるでしょう。そうすると、同じことを両方でやる、こういうことになるわけなんです。同じことをそこでやるとするならば、これを一本にしてしまって、そうしてそこに、二つの道から金を流してやる、あるいは損失を補償してやる、そういうようなやつを一本にした方がかえっていいではないか、こういうことになるわけなんです。だから、本質的に言えば二つとも同じものだ、こういうことになるわけなんですね。  この前もう一つ言っておりましたのは、この開発事業団が理研から分離されたというのは、理研の方はこれは研究である。だから企業のベースに乗る、乗らないという開発の問題は、これから分離するのだ、こういうことを言われておるわけです。そうしますと、それは科学技術庁の問題じゃなくて通産省の問題になってくるわけだ。それから今度は組合法の問題を見てみますと、これは研究から企業に至る実験までやるわけなんですね。これは逆に言えば、これこそ科学技術庁がやるべき問題である、理研でやるべき問題である、こういうことも言えると思うのです。だから混同されておる。一本で当然できるべきものだと思う、こういうふうに考えるのですが、いかがですか。どちらからでもよろしゅうございますが……。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(池田正之輔君) 阿具根委員のそういう意見を差しはさまれる点もあるいはあろうかと思います。これは観念的にあり得ると思う。しかし実際問題としては、研究組合法というものは、これはもっと平たく申しますと、たとえば自転車業者でありますとか、あるいは何とか業者といったような個々の同業者が集まって研究組合を作る、そういう性格のものなんですね。従ってその人たちが研究いたしまして、そうして研究の成果によってはその人たちがやる、これは当然であります。それからもし万一その人たちが研究成果があがったけれども、企業化まで踏み込んで、はたして企業価値があるかどうか、ペイするかどうかということが問題になった場合に、場合によると事業団がこれを開発の面だけを担当する、そこのところ違いますね。研究の成果をこちらが開発するということも、これは観念的に成り立つのですね、あり得るのですね。しかし事業団のねらいといたしましては、そういう組合や何かがやっておるようなものはどっちかというと第二義、第三義的のものでございまして、事業団の目標は、あくまでも国の研究機関でありますとか、あるいは大栄の研究室でございますとか、そういう面で、そういうところの研究の場におきましては、成果がそれが企業化するまでには危険がありますので、ほったらかされて、逆にそれがアメリカやイギリスに持っていって開発されて企業化されたというような、まことに残念なみっともない過去にそういう苦い経験をしばしば日本としてはなめてきているわけなんですね。その弊害をここで救わなければならない、そうして日本の産業の育成に役立たせなければならぬというのがねらいでございます。その場合もちろんこれは私企業での研究の場で研究をした成果であるから、これは合わないとかというようなことは言わないで、建前としてはどんな研究の場であっても、研究の成果がはっきり出まして、ただ企業化までの間の危険負担ができない、それを国が事業団で、すなわち国がその危険を負担して事業の段階まで持っていく、そうしていよいよこれはペイするのだという段階になると、それじゃだれかに渡して、こっちは引き下がってしまう。あくまでも何と申しますか、そういう中間的の役割を果たすのでありまして、従っておのずから組合自体とは、つまり同業組合の性格を持っている組合の研究機関とは似て非なるものというふうに私は解釈しておるわけです。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そういうように解釈をされるのはわかるのです。しかし逆になぜそれじゃ企業化されなかったかといえば、企業家が損失した場合、その補償するところがなかったからなんですよ。この事業団が自分でそれを企業化するまでの事業をやるなら、私はわかるというのですよ。これは何にもできない。ただ金をあっせんするだけなんです。ただ企業家に委託するだけなんです。企業のペースに合うか、合わないかということは、ここで研究するのじゃなくて、企業家にさせるのです。そんならそういうのを置かずに、直接企業家にまかす、そうすると企業家は喜んでやりますよ。これはただ国の金を動かす、だれかに選定をして、研究をさせるのだというだけのことなんですよ。そうしてそれがペースに乗ったら、それは大企業にあんたのところやりなさい、こういうことなんですね。だから、それならばその企業家自体に最初からこれは研究したらどうだ、研究費はこれくらい出します、そしてペースに乗ったら君のところで企業をやりなさい、そうする方がかえって能率もあがってくるし、御心配になっておるような外国にとられることはないと思うのですよ。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(池田正之輔君) これはですね、今あなたおっしゃるようなこともあるかもしれませんけれども、これは研究費、たとえば研究自体に補助を与えておる場合も御承知のようにあります。しかし、それだけではいわゆる企業化までにはいかないのですね。だからといって、それじゃ研究をやりなさいと、それで事業化まで損害は全部こっちでしょってやるからおやりなさいというて勝手に、勝手といっては弊害があるかもしれませんけれども、それぞれの私企業やなんかにそれをやったとしたならば、それこそいろんなそこに弊害が伴なうだろう、どうしてこの弊害を除去するかということも、これは行政の立場から申しますと、当然に考えなければならない。従って、これは無条件にそういったような形で私企業に研究費なり助成金を出すということは、無制限に出すということはこれはよくない。そこで研究成果がはっきりして、この研究成果がはっきりしたというこの前提を一つお考え願いたい。研究成果がはっきりした、ただし企業に持ち込むまでにはまだ若干の危険性がある、その危険を負担して、しかもその危険を国が負担をしてやらせることがいいかどうかというようなことも、それからそれがただ単に私企業を、特定の私企業だけを援助するような形になるというような弊害をまで十分考慮して、そういうことのないようにするために、それぞれの審議機関を設けまして、そして合理的に、合法的にやっていこうというところに大きなねらいがあるので、つまり言いかえますと、研究成果ということがまず第一段階である。それからそれを企業に持っていく場合のその危険を負担する場合には合理的にやる。特定の私企業の資本家といいますか、それの手先になって、それだけの利益をはかるという弊害をなくする、それでも若干出てくるかもしれませんけれども、全然ないとはいえませんでしょうけれども、そういうものをとにかく可及的にこれはなからしめるというのが、この事業団の公共的なねらい、この二つの大きなねらいの上に立ったのが私は事業団と、こういうふうに御解釈願えれば御理解願えるのじゃないかと思います。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうしますと、その機関は今、理化学研究所の中の開発部というのでやっておるのですね。これは開発事業団が独自に勝手にやれるものではないのです。やはり研究の成果その他を全部見てやろうじゃないか、その研究する機関というのは理化学研究所にはちゃんとあるわけですよ。たとえば学校で研究されたのでも何でも消化されておる。そして消化されたやつで、これは非常に大きな資金も要るし、これは将来のために非常にいいやつだという場合に、その部がそういうことをあっせんをしておるわけですね、開発をやっておるわけですね。わざわざそれを別個に離して開発部として作る必要は何もないのじゃないか、今十分やれておる。しかも内容を見てみますと、この資金源もはっきりしておるわけなんですね。理化学研究所の中で、これだけ別個の会計になっておるのでしょう。そういうことになっておるのをなぜこれをわざわざ別個に離さなければならぬのか、これでいいじゃないか、こういうことがいえるわけですね。そこで仕事をするとするならば、理化学研究所が組織があまり大き過ぎる。だからここじゃやれない、工場も作らなければならぬ、施設もしなければいかぬというようになったら、それもわかります。しかし、これはそうするのじゃなくて、ただそこで研究された成果をもってどっかにこれを企業化を実現をしてもらいたいというだけの機関なんです。それならば別個にこれは出す必要は何もないんじゃないか、こう言える。  それからもう一つは、今度は通産大臣にお尋ねしますが、組合の方の研究組合ですな、これでやる場合には、たとえば今言われたが、自転車なら自転車、そういう小さな問題だけやるのか。たとえば石炭なら石炭が今日斜陽になっておる。石炭を原料にして何かできるだろうか。今理化学研究所ではカーボンならカーボンができておる。これを、カーボンをわれわれやりたいという陳情をした場合に、申請をした場合に、許可しますか、許可しませんか。この前の方から……。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(池田正之輔君) 阿具根委員から、この前から現に理化学研究所にあってそれがそういう仕事をしておるから、それを離す必要はないんじゃないかとおっしゃいますけれども、これはそもそも成立の当時から申し上げますと、最初から理化学研究所でやらす意思はなかった。別個にこれをやらすつもりであったのですけれども、予算も小さいし、これはとりあえずこの成果がよくあがるかどうか。たとえそれが若干であろうとも、国家財政を使ってやることでございますから、そういう見通しがよく立たないと……、そういう意味だろうと私は思うのであります。そういう意味で、とにかく、一応理化学研究所に付置して、そこで若干やってみようじゃないかということでスタートしたのでございます。従って、これは理化学研究所というものは、御承知のようにあくまでも研究機関でございまして、そういう仲介的な役割をいたすところではございません。そういう目的はないはずでございます。研究それ自体が理化学研究所の目的でございます。従って、目的外のものがそこに付置された。従って、いつかは、これは廃止するか、それとも分離するかという最初から想定のもとに作ったものなんです。その後御承知のように三年間やって参りました。ところがこれならば、これは国家の財政を投入してやっていくことがよかろうという結論に到達いたしまして、大蔵省もその予算を認め、そうして今度そういうことになったということでございまして、いわゆる研究機関である理化学研究所は、そういう仲介的な役割までやるということは、理化学研究所それ自体も、これは非常に迷惑だ、私の方に置いてもらっては困るというので、御存じかもしれませんけれども、研究所は御承知のように本郷にございます。そうしてその開発部というものは有楽町に別にオフィスを持ちまして、そこにおったのでございます。早くこれは切り離してもらいたい、われわれの方も煩瑣で困るし、目的も違うからという強い理化学研究所の要望もございました。それで過去の経過にかんがみまして、大蔵省といたしまして、また科学技術庁といたしましても、当然これは分離して独立さすべきものであるという考え方に立ってやったものでございまして、理化学研究所とはそういう意味で、これは全く似たようなものでございますけれども、違っておる。これを一つぜひ御理解願いたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 同じ研究を対象にするものでありますけれども、研究組合の方は、実際の企業化がこういうことがもしできたならば、われわれ業界としては非常に能率も上がるし、生産性も向上するし、非常に仕事をする上において便利であるというような問題があるわけでございます。何かここに研究がある、これを一体何に、どういうふうに活用すべきかということよりも、活用するその目的はちゃんときまっておる。だから、こういうことがわからぬかというような研究課題がございまして、それを協同研究する。でありますから、一般炭を利用してカーボンを作り上げるということがもしできたら、石炭業界においては非常に福音でございます。そういったようなものを一つできそうだから協同研究しようじゃないか、こういうことでこの協同研究というものの気運がだんだん熟し、それが実際の組織となって現われるということになると思うのであります。それから事業団の方は、これは私の所管ではありませんが、こういうとにかく大学の研究室その他研究機関で、こんなものができたというものがずいぶんあるのであります。山梨の大学で人工水晶というものを製造した。さてこれは、実際に事業になるかならないか、こういったようなことで出どころが違っているのですね。実際の企業家の方からそういうことがあれば大へんけっこうだというのが協同研究、一人でやればそれは協同研究の必要はございませんけれども、たくさんの人たちがそれに共通の利害を感じ、一人ではとても手につかないというようなものは、どうしても協同研究をやらなければならぬ。それから事業団の方は、そういう何に、利用活用の側からじゃなくて、研究機関の方から生まれてきたものを、これを実際に仕事にし得るかどうかというそこまでの今度は試みですから、すぐ金をただつぎ込んだからといって、そいつがすぐ事業化するわけじゃない。さらにさらにいろいろなそれに関連する研究なりあるいは工夫なりというものが必要であるというものだろうと私は思うのであります。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(池田正之輔君) これは特に申し上げますが、敷衍して申し上げたいのでございますが、たとえば、研究組合は、自転車業者が集まっている自転車組合というものがございますが、たとえば、ギアーがどうもすぐこわれやすい、外国の様子はどうかしりませんが、実際問題は、そこでこれは何とかもう少し丈夫なものにしたい、これは材質が悪いのかあるいは規格が悪いのか、これは一つ協同研究してみようじゃないかというて研究して、よければすぐ自分たちがそれを作ってやっていく、つまり、それが通俗的に申し上げますと、それが目的なんですね。目的は今通産大臣から言われましたように、目的がはっきりしておって、この分を一つここがおかしいから研究しようということで行くのです。ところが事業団の方は、国立あるいは大学のその他の研究機関において、こういうものができた、これは何か事業化できないか、何か活用の道がないかというふうで、もともと目的はないのです。何か変わったものを作ろうというのでいろいろなものを研究した結果、成果が出た、それを何か事業化して、これを事業化すればどういう方面に使えるか、水晶なら水晶というものは、これを何に使ったらいいか、どういう方面でこれは活用できるかといったような、最初はわかりやすくいえば、目的なしに、それ自体を研究していく、その成果を見て、それを事業化まで持って行くというのでございますから、先ほど私が申し上げましたように、事業団は研究組合のその研究成果までも観念的には一応その中にワクに入るということにはなりますけれども、実際問題としては、研究組合でやる仕事というものは、最初から目的を持って、それぞれの目的を持ってあるいは今おっしゃいました石炭業界がその結果の問題を取り扱いますとか、いろいろなこれを、この点を改善する、改良するというような意味で、目的を持って自分たちのために研究をやる。従って、その研究成果が出たら、自分たちでそれをすぐ直ちに実施してみるというような方向にいくべき性質のものなんです。そこに非常に大きな……観念的な理屈を私申し上げましたように思われるかもしれませんけれども、実際の面におきましては、これは全く違う。これは阿具根さんのように頭のいい方がおわかりにならぬというのは、私どうかと思うのですが。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 今の問題で、通産大臣の御意見を聞けば、今の山梨大学の人工水晶にしたところで、カーボンにしたところで、これは事業団でやる計画のやつでありますけれども、たとえばこれが組合でやられた場合には、当然それも組合の対象になるでしょう。こういう話なんです。それから技術庁長官のお話を聞いておれば、自転車のお話が再三出ましたから、これを一つ反論してみたいと思いますが、たとえば自転車のギアーが非常に弱くて困る。何とかほかのものがないだろうかというので研究する。それもあるでしょう。それは一方でいえば、理化学研究所でやるでしょう。あるいはどこかの研究所でやるでしょう。あるいは事業団でやるのと研究所でやるのと分離されている——今のお話では混同しておられるけれども、これは別個です。組合ではできるけれども、事業団ではできないわけです、この研究は。ところがたまたま研究してみたところが、りっぱな材質のものができた。しかしこれは非常に高く金がつく。企業に合わない。コマーシャル・ベースに乗らない。そうした場合に一つこれは乗るためにはどうしたらいいか、という企業を目的にした場合、これはやれるかやれないか、組合はどうですか、やれますか、やれませんか。当然やるでしょう、そこまで。

堀坂政太郎工業技術院調整部長

○説明員(堀坂政太郎君) お答えいたします。たとえば今人工水晶のお話が出ましたが、人工水晶の場合等におきまして事業団が取り上げられる場合は、研究成果がもう山梨大学の先生の研究の結果十分に出ておりまして、これはもう企業となるはずであるということで、見込みが九九パーセントついておるというものでございまして、しかるにこれをだれも企業家が取り上げてくれないということで、先般池田長官がお話になりましたように、そのまま放っておくというと、日本で企業化されずに、場合によればよそで取り上げられるかもしれないというようなものを、これはもうできているのだからやろうということで、取り上げられた。もしこれを研究組合が、そういうものをかりに水晶関係の業界が取り上げるといたしました場合においては、それはその九九パーセントを実施できるであろうという段階でありましたときには取り上げないのでございまして、雑水晶というものを利用して何か人工水晶ができるのではないか、理論的にはできるはずであるが、というような段階で、それではできるようにするためにはどういうふうな一つ装置なり、どういう工程でやったらいいかというようなことに、非常に科学的に問題が残っているという場合において、初めて研究組合が取り上げるのでございます。従って、人工水晶という一つの例をとりますと、事業団で取り上げられたときには、もうすでにその問題は科学技術的にはほとんど解決されてしまっているのだということでございますので、その段階に非常に違いがあるわけでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 その段階に違いはあるけれども、組合は研究もできるかわりに企業化する実験もできるわけです。ところが事業団は研究はできないのです。ただ実験ができるだけです、極端に言えばば。企業のベースに乗るか乗らぬかということを調べるだけです。ところが企業家がやる場合、企業家はただ専門的に研究して、理化学研究所でやるような研究だけをして、あとは事業団にお願いしますというのではない。自分で事業をやりたいから研究するのだ、自分で事業をやりたいから。そうすると、人工水晶の場合は、研究する段階が過ぎているから自分のところでやりたい、自分のところで研究したい、こう言うに違いない。また事業団がこれを実験される場合でも、企業に乗るか乗らないかをやられる場合に、そういう水晶の専門家にやらせるはずです。人にやらせる。自分のところでは何もやる能力はないのですから、何回も言うように。そうすると結局同じ人間がやるのではないか。水晶の問題だったら、たとえば事業団が取り上げても、やらせるのは同じ水晶の専門の人にやらせるわけです。そうすると研究をしてその人が実験をする。組合を作るといっても同じ業者です。同じ業者に両方から矢を向けてくるのではないか、こうなるわけです。そうでしょう。

原田久科学技術庁振興局長

○政府委員(原田久君) 今人工水晶の問題が例にあがっておりますが、人工水晶の研究は、山梨大学でやりました。それがいわば研究の段階では、一番最後の段階、九九%という段階です。そういう段階のものを実際に委託して開発したのはどこでやったかというと、東洋通信機株式会社というところであった。そこは御承知かと思いますが、水晶屋じゃございません。いわゆる電気関係の通信機器を作っているところであります。そこの会社は、むしろ水晶の消費者でございまして、ブラジルとか、あるいは国内でできた天然水晶を加工したものを使う、そういう形でやる。しかし、これではだいぶ高い。それから天然水晶を加工しますと雑水晶ができる。非常にたくさん雑水晶ができるが、これはスクラップで何もならぬ。それを再生することができれば、非常にありがたい。安くいけばいいというので、水晶の加工技術を持っているわけです。ところが加工というのは、切ったりすることでございますが、そういう大学でできた新しい研究、いわゆるオートクレーブの中に入れまして高い温度で、高圧で種水晶を入れまして、それがだんだん成長しますと、ちょうど持って参りましたが、ここにありますように、こういうものに成長するものであります。そういうものである程度できる。しかし、これを商品として価値があるかどうかということは、大学ではそこまでやり切れない。それから工場ではまだそういう実験をやるには自信がない。これからこういうものに作り上げてみて、実際通信機の部品として役立つかどうか、それから原価がどれくらいになるか、輸入の天然水晶に比べてどれくらい安くなるかということをやってみたいが、会社としてはそれをやるだけの研究はないというような問題が新技術開発事業団が取り上げる問題である、そういうことであります。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そういうことだと思う。電気であろうと水晶であろうと同じことです。水晶屋がやろうと電気屋がやろうと、水晶屋がそういう技術を持たないならば、電気関係の技術者がそういう組合を作るわけですよ。そういう組合を作って水晶の研究をしたい、その技術を持っているのはどれかきまっているわけですよ。石炭に水晶屋をやらしてもできないのです、おそらく。そうすると、電気なら電気がそういうことをやるなら、電気技術者が組合を作るわけです。そうしてその組合が水晶を研究したい。山梨大学で実験九九%まで終わっておりますれば、企業に乗るか乗らないか私どもの方で研究します、こういうことを言うことができるわけです。だから同じことなんです。水晶屋でやろうと電気屋でやろうと同じなんです、問題は。

島村武久科学技術庁長官官房長

○政府委員(島村武久君) 先ほど来伺っておりまして、私、先生のおっしゃることごもっともだと思います。そういう御質問が出るのは当然だと思います。そういう場合が理論的には私はあるのじゃないか、そういうふうに考えます。ただし先ほど来両大臣その他から御説明申し上げておりますことも間違いはないことで、どこに問題があるかということを横で伺っておりましたのですが、一番ポイントは、やる意思の問題です。書きました平面的な場合から見ますと、非常に似たものになってきますけれども、実体は非常にかけ離れた問題であろう。この法案がもし同時に御審議にならなかったならば、おそらくはそういうしいて結びつけましてその違いを論ずるような御審査というものはなかったのではなかろうかと、私ども考えるくらいでございます。と申しますことは、一方事業団の取り上げます問題というものは、だれもやり手がないというところに問題があるわけです。実は先ほど来先生がおっしゃいました理研からなぜ分離するということにつきましては、長官からお答え申し上げた通りでございますけれども、先生の御発言の中で、何もあげ足をとるわけじゃございませんけれども、自分で事業もやらず、単にいわば金貸しみたいなものだというような御発言もございましたけれども、実はそれがなかなか大へんな仕事です。いかにして、つまり人が顧みない技術であって、しかもそれが非常な貴重な技術であるということを、何と申しますか、スカウトする仕事というものは、これはなかなか大へんな仕事でございます。と同時に、どこもやりたがらない仕事をどっかにやってもらうということ、つまり適格性ある企業を、一般的にはやりたがらない企業を探し出して頼み込むという仕事はまた大へんな仕事なんです。  そういうふうな背景のもとに生まれました事業団に対しまして、研究組合の方が取り上げます題材はこまかい問題もございましょうし、あるいは先生のおっしゃいますように大きな組合もできるかもしれません、業界から。しかしそれは結局同業者間等におきまして、それをやりたいという意思は最初からあるわけです。そこから出発するわけなんです。そこに私は一番大きな違いがあると思いますのと、もう一つは、この研究組合というものは、これは通産省の側で御説明になるのが当然だと思いますし、あるいは申し上げておるかとも思いますけれども、国の金を当然研究組合に注ぎ込むような仕組みになっておるのでなくて、広く一般的に同業者間におけるそういう研究の組織というものを進める。それに対して税の面で幾分の国家的な援助をするということでございまして、特定の場合にもちろん補助金は出ますのでございますけれども、すべての研究組合で、できましたときに補助金がいくというものではないわけであります。ところが事業団の方にいたしますと、これはもう当然その組織、そういうところがあっせんする——と申しますか、ことだけを仕事とするのでなくて、頼み込んでやるような仕事でございますから、いわば補助金と委託金との関連の差異は少なくともあるわけであります。  そこで、非常に何か業界にとってうまい話だというお話もございましたのですけれども、やりたがらないところに頼むのでございますから、これは委託の形にならざるを得ないし、うまくいきました場合は、なるほどうまいということがございますが、そこに危険負担ということがあるわけでございます。私どもの気持といたしましては、先生の御質問は、両案並んで出ますものですから、そこにどういう関係があるのかということで御質問の出るのも当然でございますし、また観念的にはそういうケースもあり得ると思います。気持の上からいいますと、一番の出発点がそもそも違っておるものでございますからして、具体的に取り上げます問題等につきましても、自然に差異が分かれてくるというふうに考えるわけです。  それから、なお今すぐの御質問ではございませんけれども、ちょっときょうの初めのところにございました問題でございますけれども、実は事業団の構想というものは一朝一夕にできたものでございませんで、先ほど長官から申し上げましたように、数年がかりで研究いたしておりまして、このための調査というものは三年以上も前に海外の実情を調査いたしました結論としても出ておったものであるわけでございます。  で、なぜ、この理研の間は科学技術庁でいいけれども、独立してやるようになったらもう通産省でやった方がいいじゃないかという問題、それから逆に、研究組合はこれは科学技術庁でむしろやるべきじゃないか、こういう問題でございますけれども、これも御説明の仕方によってはいろいろ言えると思うのでございますけれども、一番はっきりした違いと申しますものは、まあ大部分のものは通産省関係になると思いますけれども、やはり運輸省、郵政省、その他厚生省も医薬の関係と、いろいろ必要性というものは各省にあるわけです。それを事業団の場合には各省にばらばらに作るということは、これはナンセンスでございます。そうしますと、どうしてもニュートラルな立場にあります科学技術庁というところがやはり一応窓口になってやるという考え方が出てくるわけです。研究組合の方になりますと、これは通産省から御提案になっておりまして、そして御説明も申し上げておりますけれども、研究組合の方にありますように、所管の大臣というものは通産大臣だけじゃないわけです。運輸の関係になりますと運輸大臣が所管大臣になります。医薬の関係でございますとこれは厚生大臣ということになるわけでございます。従いまして、これは研究組合の関係は一手に通産省がおやりになるわけでもございません。もし研究組合を科学技術庁長官が、あるいは内閣総理大臣がということになりますと、医薬、運輸それぞれの省との関係がまた出て参りまして、いたずらに繁雑を来たすだけで、それぞれの業者がはっきりしておる問題でございますから、それはそれぞれの所管大臣がやるのが当然であります。ただ一番関係が深いし、発案せられたのも通産省です。通産省関係が一番多かろうということで、各省異議なく通産省が窓口になられまして御説明申し上げたのであります。しかし法案が通りまして実際に実施に移されれば、この法律に基づいて各省がそれぞれ研究組合というものを見ていくということになるわけでございます。その際は、つまりそういうふうに、ばらばらと申しますと何かマイナス面のようでございますが、それぞれの省がやれることでございますので、研究組合の方はこういう形になっております。事業団の方は各省でやるわけでない、一つの団体でございますから、機関でございますから、従ってそれを各省寄ってたかってというわけにはいきませんから、いわばニュートラルな関係にあります科学技術庁がこれの窓口になるという関係を持っておるわけでございます。  私の申し上げましたのがすべての理由ではもちろんでございませんけれども、先ほど来の御説明に漏れましたところを補足の意味で申し上げたわけでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 非常にあなたは自分の都合のいい解釈ばかりされて答弁されておるようですが、実は、やりたがらないものを事業団がやるのだ——なぜやりたがらないのですか。なぜやりたがらないかというと、これは企業のベースに乗るか乗らないかわからないからやらないわけでしょう。乗るというなら企業家など金さえもうかるのなら何ぼでもやりますよ。乗るか乗らないかわからないからやらないのだ、それを事業団がやるのだと、こうおっしゃる。それなら研究組合でも、乗るか乗らないかわからないようなやつにはその損を国が補償をしてやりますよと言ったら、みんなやりますよ。あなた方それをやらないからやらないのですよ。あなたの言うように、これはみんなあまり好まないのだ、好まないというのは何回も言うように、これは企業に乗るか乗らないかわからない、損する、だからやらない。ところが一方は、損した場合国が補償します、あなた方に損はさせません。これだったら事業団でなくて、だれでもやりますよ。ただそれを、だれもかれもやらせるというわけにいかぬから厳重な査定をして、たとえば研究所なら研究所、大学なら大学で出たやつで、これは将来大きなものだ、大へんなものだというものを厳選するだけのことなんです、事業団は厳選するだけのことなんです。金さえ、事業団にやるだけの金をやったら、研究組合も喜んでやります。  それから二番目のやつも、事業団の場合はこれは各省にまたがっておるからやるのだとおっしゃる。研究組合の場合もこれは各省にまたがっているのです。その場合はばらばらでやらせる。この場合はこれが一つしかないので、足は何本でもあるから各省でやるのだ、こうおっしゃるわけです。同じことなんです。研究組合の場合でも、一カ所に一つの頭を作りさえすれば、そうすれば各省がばらばらでやってもいいわけなんです。同じことなんです、どっちかに踏み切りさえすれば。それを都合のいいところに分けておられるだけのことで、これが一本でできないという理由は何にもない。一本でやれるはずなんです。やれないとすれば、それは省というものがあって、お互いに持ち場持ち場があってそれを食い合うから、だからやらないだけのことなんです。一本でやれと言ったらやれるはずなんです。そうでしょう。僕はそう思うのですがね。

原田久科学技術庁振興局長

○政府委員(原田久君) ただいまの御質問のうち前段の方が事業団関係でございますので、その方を主にお答え申し上げますが、お説のように、研究というものは大学でもやり、国立研究機関でもやり、それから民間の企業体等もやっております。で、そのやっているのは、確かに将来必ずこういう成果ができるという見通しがあるなしにかかわらず、やっていると思いますが、そのうち、おおむね企業が取り上げます研究というものは、企業の経営の線に沿いまして、若干の負担は、危険はあるかもしれぬけれども、ともかくこういうことをやっていないと国の企業が他との競争、国際的な技術競争等にも打ち勝てないというので研究をやっておるわけでございます。そういう研究のたぐいと、そうでないたぐいもございます。それは、国立の研究機関あるいは公益法人の研究機関、特殊法人の研究機関等、主として公共的——といいますか——な機関の研究というものは、必ずしも企業的な面とつながっておりません。ことに、大学の場合ですと、そういう必ず企業と結ぶとは限っておりません。しかし、そういうたぐいの、いわゆる公共的な研究機関というものが研究を完成したものにつきましては、これを企業に移しかえることをしなければ、研究のままで埋もれてしまう。わが国では、非常にたくさんな大学の研究だとか、あるいは国立研究機関が研究を出しておりますが、なかなかそこに結ばれないというのは、企業の研究といささか性質の違う仕組みになっておる。要するに、研究の段階から応用というか、実際の段階の一つのレールが敷かれてない。そのレールが敷かれてないので、つなぎ目がほしいということで、すでに御説明いたしましたように昭和二十五年以来、日本学術会議、あるいは経済団体連合会等々で、こういう案が出てきたわけでございます。これを外国の例で申しますと、わが方は、イギリスの例をとったわけでございますが、やはり前回御説明いたしましたように、ペニシリンというものを発明した。しかし、それは学問的な発明に終わって、実際にはアメリカで企業化され、それをチャーチルが肺炎になったときに使ったというようなことがあって、イギリスとしては、研究成果というのが、単に学問的な領域の中にとどまることは非常に遺憾である。そこで現在は百億ほどの資本を出し得るような体制で、ナショナル・リサーチ・ディベロプメント・コーポーレーション、研究開発公社というものが発足しておるわけでございます。で、こういうような体制を持っておるにもかかわらず、一方イギリスには研究組合がまた発達しておるわけです。これは同業者間で、それぞれ、一企業だけでは力が弱い、そういうものが、目的は事業化して自分たちが利用するわけでございますが、協力することによって、力が倍化し、三倍化するというようなものは、協同してやろうじゃないかというので、ナショナル・リサーチ・ディベロプメント・コーポレーションがありながら、リサーチ・アソシエーション、研究組合というものがある。そういうことでございますので、両者が併存していくという形がやはりあり得べき姿じゃないかと考えておるわけでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 今、英国の例が出ましたが、英国では、事業団は相当な実績をあげているし、黒字を出しているわけなんです。それから組合は、私は国家の援助ということよりも、その事業自体がお互いに分担をしてやっておるように聞いておるのですが、そうじゃないですか。

堀坂政太郎工業技術院調整部長

○説明員(堀坂政太郎君) 英国の場合におきましても、研究組合につきまして政府も非常に大きなやはり援助をやっております。その援助でスタートいたしまして、さらにその後の研究につきましても援助を行なうというのが実情であります。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 英国の事業団の方はどのくらいの黒字ですか、どういう成果ですか。

原田久科学技術庁振興局長

○政府委員(原田久君) 事業団は、一九四八年発明開発法の施行に伴いまして一九四九年から発足いたしております。すでに十二年ほどの歴史を持っております。構想といたしましては、当初は五十億円の政府からの借入金で、それを借り受けまして開発委託というような構想でやっておりまして、一九五四年には法律を改正いたしまして、借り受け限度額を百億円に拡大いたしております。実質的に借り入れました金額は、延べにいたしまして、延べというか、積算いたしまして、昭和三十四年で申しますと約三十億円に当たっております。そのほかに回収金が延べにいたしまして十二億ほどでございますので、総計今までの委託開発等に使った金は四十数億という金額になる、こういうふうになっております。ただ、若干新技術開発事業団と違う点は、こういう構想が入っております。それは、国の特許などを一括して研究開発公社が引き受けておりまして、それを責任をもって開発するという責任を持っております関係上、国の特許権が開発公社の所属になっておりまして、その実施料等もあがっております。その金額も年間数億というような金額で、そういう収入も別にございますから、これはわが方とちょっと違うところだと思います。以上であります。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 組合の方の研究には相当国が支出している。英国が支出しているといっておられるのですが、無条件で支出されているのですか、英国のは相当の規制があると私は思っておりますが、どういう何があるか、ただ研究に金を出しているのだ、莫大な金を出しているというだけではちょっと因るのです。規制がちゃんとあるはずです。

堀坂政太郎工業技術院調整部長

○説明員(堀坂政太郎君) やはり研究組合の行ないます研究の内容によりまして、国が補助いたしているということであります。研究組合であるからということで補助するのではなくて、研究組合の行ないます研究の内容に従って補助をいたしているというふうに聞いております。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 それはどういう基準に基づいてやっているのか、日本はどういう基準でやるつもりか、それをはっきりさせて下さい。

堀坂政太郎工業技術院調整部長

○説明員(堀坂政太郎君) 英国の基準につきましてはよく存じませんが、日本の場合におきましては、法律の十四条であったかと存じますが、いわゆる主務大臣及び大蔵大臣が、その研究組合が行ないますところの研究の内容が国家的に重要であるというふうに認定をいたしました場合におきまして、それに対する・その研究のために出しますところの賦課金に対しまして税制上の減税を行なうということがまず直接的なものでございまして、さらにその研究の内容が国家的に資金を出して補助する必要があるというふうに認めた場合においてのみ研究補助金を出す、こういうシステムになっているのでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうしますと、事業団の方がこれは大きいウエートがあるのですが、もちろん事業団としては、一般企業がやれないような大きなものだけを取り扱うということがその目的ではありますけれども、中小企業等に対してどういうふうな考えを持っておられるか、これはほとんど大企業でなければできないようなものばかり今日列挙されていると思うのですけれども、これは国家的な見地から中小企業等が行なうようなものは、事業団としては考えておらないということなんですか、どうですか。

原田久科学技術庁振興局長

○政府委員(原田久君) 実績で申し上げますと、過去三年間に七件ほど開発委託をしております。そのテーマは、人工水晶、球状黒鉛鋳鉄、石炭を原料とする炭素材、質量分析装置、石炭ガス化燃焼装置、ニッケル電鋳製品、多層薄膜という七つのテーマでございます。最後の七番目は、お手元の資料にはないかと思いますが、この委託先の規模を申し上げますと、人工水晶は東洋通信機株式会社、これが一億二千万円ほどの資本金のところでございます。一々例は省略させていただきますが、おおむね数千万、多くて一億二千万、あとは数千万、数百万円という程度でございまして、委託先はむしろ小さ過ぎはしないかという御懸念があろうと思うぐらいであります。と申しますのは、取り上げますテーマというものが万能選手と申しますか、総合的な大きな企業体に委託するよりも、テーマが片寄っております特殊なものになりますので、やはり特殊な技術についてそれを消化できるような専門家ということになって参りますと、勢い小さくなって参ります。ただし、さればといって小さいところばかりにお願いするというわけじゃございませんが、考え方としましては、十分その技術をそしゃくでき、かつ熱意をもってやれる、それから経理的にも安定性はもちろんあるということはよく調べて委託はいたしますが、そういうたぐいでございますので、大企業中心主義ということには考えていないわけでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうしますと、たとえば水晶の場合に東洋通信機と言われたが、こういうものを分析し企業化する能力を持っておる東洋通信機に匹敵するような企業はどのくらいになりますか。それ以上あるいはそれ以下でもいいです。

原田久科学技術庁振興局長

○政府委員(原田久君) 私の貧弱な知識でございますが、人工水晶そのものをそしゃくできる会社というものは他にない、今までなかったわけでございます。ただし、水晶を使っておる、いわゆる天然水晶を使っておって一生懸命やっておるというところは、御承知かと思いますが明電舎でございますね。あそこは同類の会社だろうと思います。あと通信機関係のメーカーたくさんございますが、これはみんな小さなメーカーで、天然水晶をカットしたものを利用するというものでございまして、思い出すようなものはない、こういうことでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうしますと、中小企業ということよりもこれしかないということですね。大企業だ、中小企業だということじゃなくて、これしかないからこれに頼んだということになるのですね。カーボンの場合はどうですか。東洋カーボン以外にカーボン作っておるところはないのですか。

原田久科学技術庁振興局長

○政府委員(原田久君) カーボンを作っております会社は御承知の通りございます。大手筋はたくさんございます。そのところでなくて、東洋カーボンに頼んだゆえんのものはどうかということであろうかと思いますが、これは研究の段階におきまして、まだ資源技術試験所で研究された成果でございますが、その段階におきまして、研究を進めていく段階においても東洋カーボンの御協力も得ながら進められたと私は聞いております。技術の実態をよく知っておられるということ、まずあらかじめの研究の進んでいる段階において知っておられるということ、それから他のカーボンを作る会社にもいろいろ呼びかけたわけでございますが、最も熱意のあるのは東洋カーボンであるということで、この会社を選んだわけでございます。他にないというわけではございません。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうしますと、われわれはその衝に接しておるわけじゃないのだから、いずれの場合でも自分がやったことが一番いいのだと、それが一番いいと思って委託されるのだけれども、その基準は一体どういうふうに考えておられるか。逆にいえば、ただいまおっしゃったように、常にもうカーボンの問題は東洋カーボンといろいろ話もしてきて進んでおるのだ、そういうことになれば、東洋カーボンとちゃんと最初からくっついている。たとえば東洋通信機なら東洋通信機と最初から話ができておるのだ、こういうふうにもとればとれぬわけはない。逆に業者から言わせると、おれのところは通産省の役人に顔がないからだめだ——あとでその問題に触れますけれども——きのうも問題になりました、おとといも問題になりましたように、これは即業者とつながっておる。いつも業者とつながっておる。だから一部の業者が非常な反対をするのです。だからその基準があるわけです、その基準がぴしゃっと。一応どれだけの機械を設備しておる、どれくらいの資本を持たなければ、こういうものはやれないと一応基準がなけらねば、ただあの会社には熱意があるとか熱意がないとかということは、客観的な問題であって、ある人から見れば、熱意があるかもしれぬけれども、他の人から見れば、熱意がないかもしれぬ。そういうことじゃなくて、何かのはっきりした基準がなければ業者にへんぱなものになりやしないか、こういうことなんです。

原田久科学技術庁振興局長

○政府委員(原田久君) 開発テーマそれ自身をきめるにあたりましても、従来の経過で開発委員会というところで、どういうテーマを取り上げるかということを、そこでやります。そのテーマを出す場合、これは理化学研究所の開発部というのが中心になりまして、各大学、国立研究機関等に問い合わせをいたしまして、あるいは実際に出向いて参りまして、そういうテーマを集めて参ります。そういう形で集まったもののうち、国家的にどれが一番大事であるかということで、まずテーマをきめます。それから次の段階になりまして、委託先でございますが、委託先につきまして、試験的な角度から、資本金どれぐらいの会社でなければならぬというような、上限及び下限をきめたようなきめ方はいたしておりません。  で、どういう観点からきめておるかといいますと、現在技術の開発に関して高い技術能力を持ち、かつ開発について熱心な意欲を持っておる。この熱意があるかどうかという点の目安でございますが、これは実際問題といたしますと、なかなか口では表現できませんが、十分契約をいたします。開発委託をするにあたっては契約をいたしまして委託をいたしますが、その委託をする段階におきまして、十分技術的な能力あるいは施設等も調べます。そういう調べる段階におきまして、おのずと熱意があるかどうかは反映してくると思いますが、そういうものを一つの目安にしております。それからその委託をする先の経営が安定をしていること、これは当然のことだと思いまするが、そういう点。それから、開発期間中は研究成果を生み出しました発明者と、それから開発を実施する受託者との間の連絡がうまくとれないと——連絡といいますか意思疎通が十分でないと思うようにいきませんので、そういう機関ともうまく意思疎通がとれるという見通しがある。こういった条件を調べまして委託をするということにしておりますが、委託をするにあたりましても開発審議会に——今までは開発委員会でございますが——開発委員会にかけまして公正な御批判を受けた上で決定をするという手続を踏んでおります。  今まで委託先を各方面でスカウトしてくる、その委託先のスカウトでありますが、スカウトにつきましては、職員が、職員なり役員が出向きましていろいろ御懇談したり相手方のお話を聞くというようなこともいたします。そのほかに特殊な業界のグループがあるというようなところがありますれば、そういう業界団体にこういうテーマを委託したいが、このテーマにぴったり合うような委託者があれば御推薦願いたいというような手続も踏みまして、公正を期するということもやっております。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうしますと、この事業団でやろうとしておられるほかに、科学技術庁に発明実施化試験の助成金ですね。実験試験の助成金で二千五百数十万円組んでおられる。また通産省では鉱工業技術研究費補助として六億ばかりの金を組まれておる……五千九百万ですか組まれておるわけです。こういうのとこれとはどういう関係になります。同じようなことに結果はなってくると思うのだけれども予算は別個に組まれておる。一体これはどういうことになります。

原田久科学技術庁振興局長

○政府委員(原田久君) 発明奨励実施化補助金の方からお答えさしていただきますが、これは個人または中小企業が主として対象になりますが、発明をいたしました、特許は取った、しかし実際のものを作ったことがない。何とかこれを実現してみたい。しかし他から資金を借りてくるとか、そういうことはできない。それじゃ他に権利を譲渡するなり何かほかの企業者にやってもらえばいいわけでございますが、そういう委託をしようとしましてもできない、委託といいますか、権利を他に移せば、その人がやれぬわけでございます。そういうことをしては発明者個人のアイデアというものが、そこに生かされないわけでございますので、どうしてもそういう中小企業あるいは個人というものの段階におきましては、その本人が自分の労力において創意をこらして試作をするというような段階が必要じゃないか、そういう経費の一部を補助するというので、おおむね平均しまして五十万円くらいのささいな金額でございますから、そういうものを交付いたしますと、その個人の努力において試作をしてみるということで案外いい、まあ見本みたいなものができる段階まででございますが、ほんの小さな見本ができるということで、その自分のアイデアというものが具現化されるということ、一歩前進していくという段階まで進もうというのでございます。きわめて小規模な初歩的な研究の助成と考えていただいたらいいと思います。

堀坂政太郎工業技術院調整部長

○説明員(堀坂政太郎君) 鉱工業試験研究補助金につきましては、産業界におきましてこの研究の成果を産業に移すことを目的といたしまして、基礎的にできておる理論、こういうものを実際に応用する研究を行ないますとか、あるいはそういう応用研究ができておっても、まだ中間的な規模の研究をやらないというと企業化についての見通しもつかないというようなための工業化試験というようなものを実際に行なうために、必要なものに対しまして補助をいたすのでございまして、こういうふうな、まだ試験研究的要素が非常に多いものを対象にいたすのでございまして、このような性質の対象は、新技術開発事業団の委託の対象にはならないものでございます。その前の段階のものということでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 非常に前の答弁とだいぶ食い違ってきましたがね、たとえば二千五百四十七万九千円ですが、少ないのだから、事業団としては問題にされておらないかもしれないけれども、先ほど私が質問いたしましたときに、理研というところは研究するだけであって、発明をするだけであって、事業その他の実験は一切やるべきところではない。だから当然企業化できないということで事業団ができたわけです。ところが実施化試験というのは、これは研究じゃない。理研でやるべきところじゃないのです。その理論からいくならば、当然これは開発部で、離されなければいかぬやつです。ただ大か小かということだけなんです。これは科学技術庁の中にあって予算もその中にとられるというなら理屈に合わない。今まで長官が言われたのと理屈が合わない。それから鉱工業技術研究補助としても、これも同じことが一章えるわけです。こういうやつは個々で出せるとするならば、何も組合を作る必要はない。しかし組合を作って奨励しないといかぬとするならば、こういうやつも組合に回したらいいんです。できるでしょう。同じようなことが二つも三つも重なったりしませんか。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(池田正之輔君) それは阿具根委員も御承知のように、一口で研究と言いますけれども、研究の内容には幾多の内容があるわけです。たとえば基礎研究あるいは応用研究、あるいは実施面までの開発の、何といいますか、いろんな段階があるわけです。だから今私のところの局長が申し上げましたように、いわば開発法で対象としております零細な研究——これは研究というよりもむしろ創意工夫といった方があるいは妥当かもしれません。そういうものをも含めて研究といわれておりますけれども、ですから研究内容というものは、いろんな意味で段階があり、また内容が非常に違うと、これを一つお考え願えば御理解願えるのじゃないかと、こう思います。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 ちょっとそれはあとで質問します。  それだから池田長官に私がこの前からくどく質問しておりますのは、理化学研究所からこれを開発部として取り除くのは、ぴしゃっと線を引くのは、それは無理じゃないか。これは一貫して続いておるはずだ、こういうことを言っておるのです。これも発明はされておって実施化試験です。ということは、同じことなんです。だから理化学からこれを無理々々離すことはできないじゃありませんか、一貫しているのだということをこの前から言っているのを、ここは発明の場所であって、実験は別だとはっきり言われるから、そんならこれは発明したやつの小さい問題を実施化研究するところです。実施に伴う研究をするところです。そしたら事業団でやっても何ら差しつかえない。ただし、これが小さい事業で小さい金だから、ここにくっついておるんだと、これは現実問題としてはわかるけれども、理論からいえば、これも事業団に持ってくるべきものじゃないか、こういうことを言っておるわけなんです。それができないとするならば、理論上はやはり研究から実施までは一貫したものであるから、切り離すことができないのだという理論が成り立つわけなんです。鉱工業の方はどうですか。

堀坂政太郎工業技術院調整部長

○説明員(堀坂政太郎君) 先ほどの、鉱工業試験研究補助金があるならば、研究組合は要らないんじゃないかという御説でございますが、実はこの鉱工業試験研究補助金は、これは民間の会社が個々にやります場合におきましても、協同研究をやります場合においても、そのいずれをも対象にするのでございます。従って研究組合法を必要といたします第一の理由は、その協同いたしまして研究いたしました場合におきまして協同の研究の場所を作りますと、そこでいろんな研究成果ができました場合に、その発明がかりにできて、特許権が生じたという場合に、その特許権をどこに帰属さすか。これは当然発明者がまず特許権を持つわけでございますが、また特許法の関係からその発明者を雇用しているところが優先実施権を持つようになっているわけです。今の任意の組合、任意の団体でやりました場合においては、そこにある会社から研究を出向させておりますと、その特許の実施権というのは、その出向した親会社が優先的に持つというような形になってくるわけです。そういたしますと、協同で研究したというのにかかわらず、その特許の実施権というものは親会社にいくというようなことで不都合ができてきて、協同で研究する意味が生じないというようなもの、あるいはたとえば非常に高圧の装置を必要とするような、協同の研究の場所というような場合におきまして、この高圧の研究から生じて参りますところの災害に関しますところのいろいろな法規上の適用をどういうふうにするかというような問題、あるいはその協同の研究の場所に出しますところのその経費の負担に対する形式を、どういうふうな法的な形で出すかというようなところにいろいろ問題がございまして、任意でせっかく協同研究をしようというにかかわらず、現在の制度では非常に不便があるというようなことからいたしまして、協同研究をするために最も適当と思われるような、こういう研究組合という法人格を持った一つの組織を与えようということが根本の問題でございます。そういうふうな協同の研究に対する最も適当な組織ができて、そこで幾つかの今度は会社等が協同で研究をいたしました場合におきまして、それが非常に国家的に重要な研究、国民経済上重要であるという研究をした場合においては、それに対しては減税を認めてもらえるし、さらに必要があれば先ほど御説明申し上げました鉱工業試験研究補助金から補助をいたそう、こういうふうな仕組みになっておるものでございまして、ただいま先生がお話しになりました御趣旨に沿った実は動き方をしておるものと実は私ども存じております。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうすると何ですか、個人でやる場合には減税その他の処置はしてやらないけれども、法人でやった場合にはしてやるんだ。三つ以上個人が集まって法人を作った場合には減税をしてやる、こういうことなんですね、そういうことですね。

堀坂政太郎工業技術院調整部長

○説明員(堀坂政太郎君) 個々の企業が研究をいたします場合におきましても、これは企業合理化促進法におきまして、非常にその研究が国民経済上必要な研究であるというふうに認定をせられました場合においては、その研究施設の償却につきましては、五年間の償却を認める。そうして初年度約七〇%で、五年間に九〇%を、その固定資産については償却をしてもよろしいという、こういう優遇措置があるのでございます。普通の一般の研究でございました場合におきましては、その研究施設につきましても、これはその資産の耐用年数等によって償却しなければならないんでございますが、重要研究については今申し上げましたような優先的な取り扱いがあるわけでございます。これをさらに今度は協同で研究をする、しかもそれが国民経済上必要な研究を協同でやろうという場合においては、その研究成果をみんな共有する形に一般になるのでございますから、そういうふうな協同でやることを、少ない助成で個々でやるよりも、もう少し助成をしようという場合におきまして、先般御決定に相なりました租税特別措置法によりまして、そのような重要研究を協同でやります場合におきましては、さらにその有利な償却を認めようということで固定資産につきましては三カ年間で一〇〇%を償却できるようになっております。そしてそのうちの七〇%を初年度に、二年度及び三年度にそれぞれ一五%ずつ償却を認める、こういうような優遇措置があるのでございます。従って個人の場合におきましても、この重要研究につきましてはこの税法上の優遇措置があるが、それをさらに協同研究の場合においてはもう一歩有利な取り扱いをしよう、というふうになっておるのでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうしますと、この研究組合法案の中には技術研究費の補助金の中から、これを流用することができるというようなことが入っていますか。

堀坂政太郎工業技術院調整部長

○説明員(堀坂政太郎君) 研究組合法案の中では補助することができるという規定は入っておりません。これはなぜならば企業合理化促進法の第五条におきまして重要なる研究につきましては補助することができるというようなことになっておりますので、この現在の鉱工業試験研究補助金は全部その制度によって実は運用しておりますので、この協同研究組合がいたします場合も、その補助につきましてはそれによって行なうことができるのでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 それはこういう研究組合ができる前のやつでしょう。こういう研究組合があとからできても、そういうことは適用されますか。あとからできた法律に適用するなら何か入らにゃいかぬでしょう。

堀坂政太郎工業技術院調整部長

○説明員(堀坂政太郎君) それは企業合理化促進法では試験研究——国民経済上重要と思われる試験研究を行なう者に対して補助することができるということになっておりますので、この組合に対しましても当然にその規定は準用できるというように考えております。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうすると組合でやった場合も補助する、その組合の一員が研究した場合も補助対象になるのですね。

堀坂政太郎工業技術院調整部長

○説明員(堀坂政太郎君) ある一つの研究を一つの会社が自分の単独でやったという場合におきまして、それが大事であれば補助することができるわけでありますが、ただ今度はそういうような研究を協同でやろうとしておる、それと同じものをある一つの会社がまたやろうとしておるというような場合におきまして、じゃ両方に一緒に同じテーマについて補助するかというと、決してそういうことはわれわれ運用上いたさないのでございまして、協同で研究をいたして、それが広く同じ利益を持った研究のグループに参加している者に対して補助をすることが適当であるというふうに認めました場合におきましては、むしろその協同研究の方を優遇して、協同研究をする組合、団体の方に対して補助をするということにいたしたいと考えておるのでございまして、ことしの鉱工業試験研究補助金の交付に対しましても、協同研究に対する試験研究というものを非常に重視して扱うという方針をきめて、一般に今テーマの募集をいたしておるという状況でございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 それは運用によってそうしないのだ、それはもちろんそうなんでしょうけれども、法律によってはそういうことはできるでしょう、それは。法によってはこれは今まで個人で研究して非常にむずかしい問題がある。金もたくさんいるし、深刻な場面もあるので、だから組合法というのを作って、この組合に対してこれこれの優遇をしてやるんだというふうになれば、これは別個になるはずなんですね。それがやはりこの鉱工業試験研究費の補助が出される、企業合理化法の中からこの金が支出されるということになれば、これは法の解釈からいくならば、両方ともこの補助を受けていいということになるでしょう。これはそういうことはできないかわりに、別にこれこれの優遇をするんだ、だからなるべく組合でやりなさいという、これは理想でできた法律案じゃないですか。

堀坂政太郎工業技術院調整部長

○説明員(堀坂政太郎君) 組合でやりなさいというように協同で研究をすることを推奨はいたしておるのでございますが、個々の企業におけるところの研究それ自体を否定するものでは決してないのでございます。研究補助金を出す場合において、個々の企業の研究よりも協同研究の方を優遇する——政府の補助の面において優遇をするのだというような法律的な規定は必ずしもなくてもいいのじゃないかというふうに実は思っているわけであります。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうしますと、個々でやる場合と、これと違っているのは一体どこなんですか。たとえば個人でこういう試験研究をする場合には償却期間なんかを長くするとか、ただいま言われましたように、七〇%を五年間に払うとか、そういう優遇をされている、この場合は減免措置をされている、そこだけの違いなんですか、これは一体どこなんですか。

堀坂政太郎工業技術院調整部長

○説明員(堀坂政太郎君) 先ほど申しましたように、まずこの研究組合法案の目的といたしまして、その協同研究を行なうために最も適当と思われるところの組織を、作りやすい環境を作る、そういう組織を与える、その協同の研究をやるグループに対して法人格を与えるということがまず第一でございます。そういうふうにすることによって協同研究しやすいということが第一でございます。これは一般的に非常に大きな効果のあるものと私どもは考えております。それで協同でやったからといって、これをすべて補助してしまう、あるいは減税をしてしまうというふうにできれば、なお一そう協同化を促進することになるかと思うのでございますけれども、これは税制の面からもいろいろ問題がございまして、協同でやったからといっても、やはりその内容が問題であるということになりますので、その協同でしました場合において、その研究の内容がいいというものについては、まず減税というものを一つ認めてやる、そうしてさらにそれが国家的に補助する価値があるというものについては補助しても、その研究を一つ促進をしてもらおうという、こういう仕組みになっているのでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうしますと、研究をやってみなければわからない、研究をやるまでは金が出ないのだ。研究をやってみて、いいものができた場合には、まずその減免をしてやろう、こういうことなんですか。

堀坂政太郎工業技術院調整部長

○説明員(堀坂政太郎君) 研究をやって成果ができてからというのではございませんで、その取り上げようとしておるところのテーマ、それが国としてこの技術はどうしても開発してもらわなければならぬかどうかというところに問題があるのでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 それを今度は個人でやる場合はどうなりますか。

堀坂政太郎工業技術院調整部長

○説明員(堀坂政太郎君) 個人でやります場合におきましても、それが個々の企業で取り上げてはおるけれども、国民経済上必要なテーマであるかどうかということで、大体それぞれの分野におきまして、こういう種類の技術的問題というようなものは国家的補助をしなければならないという基準を大体作りまして、それに合致するテーマを取り上げる、そういう研究施設に対しては、先ほど申し上げましたような五年間の償却を認めたり、さらに必要があるときには補助をいたす、かようになっているのであります。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうすると、一方は法人格を与えて減免をしてやるだけだと、一方は五年間の減価償却を認めてやるだけだと、それだけの差ですか、これは。

堀坂政太郎工業技術院調整部長

○説明員(堀坂政太郎君) その差は、差といたしましては、協同研究をやります場合におきますところの施設に対する減税の率が非常に違うということでございまして、個々の場合におきましては五年間で九〇%の償却でございます。協同研究の場合におきましては三年間で一〇〇%、しかも初年度七〇%、それから次年度、三年度が一五%ということになっております。その点で差があるわけでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうしますと、技術研究所への補助が出る場合には、個人でやっても法人でやっても、同じ金額が出るわけですね、一つの問題については。

堀坂政太郎工業技術院調整部長

○説明員(堀坂政太郎君) 同じテーマを組合とそれから企業で同じように取り上げたといたしました場合におきまして、一般論といたしましては、その補助する金額は同じであるということになろうと思います。ただ、われわれといたしましては、先ほども御説明申し上げましたように、協同研究体制によって試験研究を行なうものの方を優先して、この補助の対象にするという考えでおるのでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 まあこういう場合、どうなりますか。たとえば、中小企業のそういう業者が三人集まって法人を作ったと、そうして研究を皆さんの方に申請されたと。ところが大企業が一つで、そんな人様からやってもらわなくても、これは私が研究します——施設もりっぱなものを持っている。この人が申請した場合、どうなりますか。

堀坂政太郎工業技術院調整部長

○説明員(堀坂政太郎君) これは、具体的な問題についてでないと非常にお答えしにくい問題でございますが、中小企業者が協同で取り上げようとしているような問題が、個々の大企業で自分の方で一つやれるというようなものについては、おそらく大企業が——今の日本の中小企業の現状からいいまして、中小企業の場合であるならば、これはやはり何とかめんどうを見なければならないという性質のものであっても、大企業がそのようなテーマを取り上げるという場合において、これは自分の力でおやりなさいということになるのは、一般的な傾向であると、われわれといたしましては、大体そういう従来の経験から見まして、そういうふうになっているように考えます。が、組合で考えるようなテーマというものは、大企業のベースから見ました場合には、それは大体十分に資金力もありますし、それから技術的に見ても、今の中小企業の技術の現状から申しますと、そんなに政府の補助を受けてまでやらなければならない、補助をしてまで大企業にやってもらわなければならぬということにはならないと私は思います。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 大企業というのはちょっと語弊があるのですけれども、同じ中小企業であっても、法人格でやった場合には、特許権の問題とかあるいはその他の企業の問題とかいろいろな問題が起こってくると思うのですよ。そういうわずらわしい問題が起こるよりも、これはもうわずかな差だから——まあわずかといっても語弊があるかもしれませんが、事業によっては多くなるかもしれませんが、そう差がないとするなら、これはもう自分個人でやった方がかえってあとくされがないですね。それで、減価償却は五年間で九〇%だとすれば、もうあとくされがないようにこちらで自分でやりたいというような場合はどうなりますか。

堀坂政太郎工業技術院調整部長

○説明員(堀坂政太郎君) 大企業の場合は、今、阿具根先生のお説のようなふうな形で取り上げました場合におきまして、その研究の内容が国民経済上重要であるという場合においては、あるいは減税の対象にはなるかもしれませんけれども、それは補助の対象にはならないと考えます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 補助の対象にならない、そんな補助を受ける必要のないような大企業はおそらくまた申請をせぬかもしれませんけれどもですね、いわゆる法人格を持っているよりも大きいと——大企業と言わないまでも、これに匹敵するような連中になったら、それは補助金をほしいと言うでしょう、補助金をもらいたい。そういう場合、当然それはやるでしょう。

堀坂政太郎工業技術院調整部長

○説明員(堀坂政太郎君) 先ほども申し上げましたように、その中小企業が三社なり四社なり集まってある一つのテーマを取り上げ、そうしてそれに匹敵するような、一つの企業を三つ合わしたと同じくらいの規模の会社が同じテーマをかりに取り上げたといたしました場合において、われわれといたしましては、同じテーマについて補助金を二つ出すということは全然やる気もございませんし、やったこともないわけでございます。従ってわれわれといたしまして、そのテーマがいいというふうになりました場合においては、協同で研究をするという方向に補助金を出す必要があるならば出すということになるわけでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 あまりこまかくは尋ねませんが、そうした場合に、たとえば個人の企業で一つの試験研究を申請をしてやっておった。そのあとで法人格の方から、自分らの方でもっと進んだ研究をしたいといってきた場合は、法人格に切りかえますか、それは。同じように補助金が出ればいろいろなケースが出てくると思うのですよ。

堀坂政太郎工業技術院調整部長

○説明員(堀坂政太郎君) これはどの程度——もっと進んだというのはとの程度のものであるかによると存じますが、これは非常に進んだ研究、もっと非常に改良されたものであって、すなわち今まで自分一人でやっておったんだけれども、これを数社でやって、もっと一つ進んだ研究をやろう、そうしてしかもその研究の成果を数社に及ぼそうというような場合におきましては、これは補助する場合もあり得るというふうに考えております、協同研究の場合。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうじゃなくて、私の言っているのは、たとえば私なら私がそういう申請をしてやっておった。ところがその他の三社が一つの法人格を作って、あれにだけやらせるのじゃなくて、自分たちは三社でやるから、自分たちの方が早いのだ、自分たちにそれをやらせろ、こうした場合には先願権があるだろうと思うのですけれども、こちらの方は早いかもしらぬと思うが、切りかえることがあり得るか。一ぺん先願で許した場合にはあとのものは許さないのか。逆の場合もあるわけなんですな。

堀坂政太郎工業技術院調整部長

○説明員(堀坂政太郎君) 補助金の交付につきましては、一年に一回全国に募集をいたしまして、そうして締め切りをいたしまして、同じベースの上に立って実は審査をするのでございますから、それで同じ年度内にはそういうふうな問題は出てこないと思います。ことし、あるAというところに補助しておった。翌年度同じテーマを数社がやるのだというような場合におきましては、その数社が合同でやるからといっても、それは同じテーマであるという場合においては、まず出さないのが一般原則でございます。ただ前の研究が、テーマは同じであっても研究成果があがっていないということで、この方法でいけばいい成果が出るだろうという、何か科学技術的な裏づけがありますというような場合においては、これは出す場合があるかもしれません。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 今度は、事業団の方、だいぶお休みになったから事業団の方に質問したいと思うのですがね、開発部として今日までやってこられた——仕事は同じだけれども、企業化が著しく困難である場合に、これは開発部で今日までもやってきた。今度はそれを事業団でやっていく、そういうことになるわけですね。そうすると、今まで成功したものは何回もお聞きしましたけれども、失敗したものはどのくらいありますか。

原田久科学技術庁振興局長

○政府委員(原田久君) 過去三年間に七件委託をしております。そのうち昭和三十三年に委託をいたしました二件が成功と認定されております。残りの五件につきましては、ただいままだ開発中でございまして、結論は見ておりません。しかしその間の情報によりますと、これはおおむね成功し得るというふうに考えておりますが、まだ結論は出ておりません。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうすると、三十三年だったですかね、それから成功したやつで企業のベースに乗っておるのはどのくらいですか。すでに企業化されておるやつは。

原田久科学技術庁振興局長

○政府委員(原田久君) 人工水晶の製造と、それから球状黒鉛鋳鉄と二件ございます。それぞれ事業化いたしております。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 これは、事業の種類にもよると思うんですが、大体期間はどのくらい考えて、一つの企業に対して、どのくらいの期間を与えてということですか。

原田久科学技術庁振興局長

○政府委員(原田久君) おおむね二年ぐらいを考えております。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうすると、予算も極端に多いわけでもないんですが、おおむね二年で、そうして非常に企業に困難だということになれば相当多額の金の要るものもあると思うんですね。その何というか基準ですね。期間は、大体二年間のうちに完成するか失敗であるかをきめる。無制限じゃだめだから。金額においては、一体どのくらいをベースにおいてやるのか。それによって、どのくらいの企業を幾つぐらい考えておられるかということがわかるので、基準を一つお示し願いたい。

原田久科学技術庁振興局長

○政府委員(原田久君) ただいまの御質問でございますが、委託金額の方で申し上げてみたいと思います。  委託金額で申しますと、今までの実績で言いますと、七千万円ほどのものが最高でございます。最低は、表に載っておりませんが、約二千万ほどのものであります。その範囲に属するものを今までやっております。  で、今後でございますが、今までの経験でみますと、資金量が、年間第一年度が八千万円、第二年度が一億三千万円、第三年度が一億三千万円、そういうようなわけでございまして、余裕もございませんので、金額がのすような大きな開発をやろうとしましても、そういうテーマは取り上げられないという実情もございます。最近の技術革新の趨勢からみますと、一つの開発をいたしますにも、億の単位のものも必要になってくるということも言われておりますので、ことしは三億円の新規の予算がついております。そういう観点からも、億の単位のものも含めた開発をしたいと考えております。まあ億の単位までいくような規模のものも取りしげたいということでございます。  もう一つ、御質問で、いささか了解し切っておりませんが、事業化の規模はどれくらいかということでございます。これは、人工水晶と黒鉛鋳鉄と二件でございます。会社としましては、人工水晶の方で申しますれば、開発で若干の規模の製品が、こういうふうにできるというような段階になりまして、需要もあるということになりますれば、設備も拡大していきたい。これは、自分の資本で借り入れをするなり株式を募集するなり、あるいはその他の融通によってやっていきたいという意向もございます。そういうわけでございますが、さらに第二、第三の実施希望者が出てくるかと思います。  というのは、先刻の人工水晶で申しますれば、たとえば明電舎なら明電舎が、外国で買っておるよりも、自社で作りたい、技術も確立したから、それをやりたいという希望が出てくれば、それには特許の実施料をちょうだいいたしますということで、再実施という形に参りたい。それが具体的に話があるかというと、それは私、まだつまびらかにしておりませんが、そういうものを期待しておりまして、第二、第三のそういう実施者をふやしまして、その実施者がふえることによる実施料の収入というものも拡大して参り、それを発明者の方にも還元していきたいし、それから事業団としては、運転資金の中に、それをつぎ込んで参りたいというふうに考えております。現段階では、そういうところでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 それから、開発部には、今まで開発委員会というのがありましたね。この開発委員会を、そのまま開発審議会に横すべりにするんでしょう。これは、通産省のほうもお答え願います。審議会は、いったいどういうふうにお考えになっておるか。

原田久科学技術庁振興局長

○政府委員(原田久君) 興化学研究所の理化学研究所法に、「開発委員会」という項目がございまして、新旧対照表があるかと思いますが、そこに掲げておった文章と、新しい法律によります「開発審議会」とは、いささか掲げてございます審議事項も変わっております。どういう点が変っておるかと申しますと、まず第一に、本法におきましては「新技術の開発に関する基本方針を決定するとき。」というのがございますが、理化学研究所法の中には、それがございません。その点が違います。それから「新技術の開発を委託する企業の選定に関する事項」というのが理化学研究所法の開発委員会の三十四条の第二号にございましたが、この法律ではそれがはずしてございます。それから「開発を実施すべき新技術の選定に関する事項」でございますが、これは変わりございませんで、理化学研究所の「開発委員会」にもございましたものが、そのまま入っております。それからその次に「新技術の開発に関する実施計画に関する事項」というのがございましたが、これは載せてございません。それから「開発実施計画の実施の結果の成否の認定に関する事項」、実施した結果について、その成否を認定するということは、前回と同様に載っております。それからその次に、「新技術の開発の成果を実施させる企業の選定及び実施条件に関する事項」、これは載っておりません。  こういうふうに、載っておるものと載ってないものとございますが、趣旨といたしましては、まず「開発委員会」を「開発審議会」に変えた点でございます。これは、どういう点かと申しますと、従来は、理化学研究所法の中で規定されておりましたが、理化学研究所に開発部を置いてやるということで、まあ新しい試みであるというので、政府もある程度監督をしなきゃいかん。それで、そういう角度から、委託先だとか、それから実施条件だとか再実施をさせるというような細かい業務的なことまで、委員会にかけるという形をとっておりましたが、そこまで審議会に、そういう審議をお願いする必要はないだろう。これは新技術開発事業団が発足いたしますと、理事機関というものができまして、責任は理事機関に負ってもらう必要がある。そういう責任を負う人たちが、審議会に細かい御審議を仰いで、またそれに拘束される必要はないだろう。そういう趣旨から、開発審議会の任務といたしましては、はっきり審議機関といたしまして、「理事長は、あらかじめ審議会の意見を聞かなければならない。」という、意見を聞くという、諮問機関という形にしたことでございます。そういう形に変えた点が実質的な変更でございますが、第二項のほうに、「審議会は、前項各号に掲げる場合のほか、理事長の諮問に応じて、新技術の開発に関する重要事項を審議することができる。」と掲げてございますので、今回削除いたしましたようなことにつきまして、理事長がやはり不安である——不安であるというか、諮問したほうが、なお万金が期せられるという判断の上に立つならば、やはりそういうことも諮問もできるという態勢は残してございますが、実質としましては、大方針を決め、新技術のテーマを決める、それから成否の判定をすることにとどめようじゃないか、こういうことに変えた次第でございます。

堀坂政太郎工業技術院調整部長

○説明員(堀坂政太郎君) 鉱工業技術試験研究補助金の審査につきましては、これはまず通産局を通じまして、申請者の募集をいたすわけでございますが、それを一度とりまとめまして、工業技術院長が長になりまして、各物資を担当いたしておりますところの原局、それから科学技術関係をやっております工業技術院及び特許庁より、それぞれ専門の職員を出しまして、そうして合同の審査をいたすのでございます。その審査をいたしました結果につきまして、さらに日本学術会議に御推薦をいただきました学識経験者、これは主として大学の先生でいらっしゃいますが、この先生方に、もう一度これを御審査をいただきまして、その結果によりまして決定いたしましたものを、通産省の省議にかけまして、そして省議決定の上に決定する、こういうシステムでございます。これは個々の企業に対しましても、協同研究に対しましても同様でございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうすると事業団の方の審議会のメンバーは、これは全部変わるわけですね、事業団の方は。

原田久科学技術庁振興局長

○政府委員(原田久君) 開発審議会の方は、一応かりにお願いいたします。で、新しい角度から委員をお願いする形になろうかと思います。建前としては変わりますが、御専門の角度その他から、まあ重ねてお願いする方もあられるかと思います。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 「組合」の方は、大学その他の専門の方々を通産省の方で、いろいろ検討するというようなことなんですけれども、「事業団」の方はそうじゃないようで、今までのメンバーを見てみましても、これは会社の重役が大部分のようですが、この選考範囲というのですかね、そういうのは、どういうようにお考えになっているのですか。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(池田正之輔君) これは、そういうへんぱなことできるわけでもないし、また公平でなければなりませんし、それから、とにかく十人でありますけれども、できるだけの知能を集めるという建前でいきたいと思っております。従って、今までのことはよくわかりませんけれども、これからは、きわめてフレッシュな、清新な感じを持ったりっぱな人たちを集めよう、こう思っておるわけであります。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 それは長官の言を私は信頼いたしますが、それでは今度は、ただいま説明のありましたように、委員会のときのまあ権限といいますか、それと今度の審議会というのは、ずいぶん違ってきたわけですね、非常に権限が薄れてきた、こういうことになるわけですね。そうした場合に、「審議会の意見を聞かなければならない。」ということは、審議会の意見を聞かなければ、実施に移すことができないのか、一応聞けば、あとは理事長の裁断によってやっていいのか、どっちかで出すな、「聞かなければならない。」ということは、これは審議会の意見を入れなければならないというのか、ただ聞くだけでいいのか、どっちですか。

原田久科学技術庁振興局長

○政府委員(原田久君) 形式論で、聞きさえすれば内容を尊重しなくてもいいのかということであれば、そうでないとお答えしたいと思います。やはり実質的に意見をお聞きし、かつ尊重していくようにしていくべきであろうかと考えております。しかし、さればといってその意見通りにならなければならぬと、理事長というものが拘束されるかどうかという点につきましては、まあその通りにならなければならぬとは考えませんが、おおむね意見を尊重していかれる、こう考えております。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 いわゆるこれは諮問機関ですね。

原田久科学技術庁振興局長

○政府委員(原田久君) さようでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 諮問機関ですね。そうすると、ここで問題になってくるのは、理事の職権というのが、非常に大きく今度は浮かび上がってきたわけですね。これはもう諮問機関であって——これの言うことは聞かなければならぬと、最近は聞くようになって、聞いたこともあるが、——諮問機関の言うことを聞いたことはない、諮問機関で、諮問機関で何を言っているのだということで、今日までやられたわけなんです。非常に弱くなってきた、これが。そうすると今度は理事の諸君が非常に強くなってきた、こうなってくるわけです。  そうしますと、この事業団の中の理事の問題で、ちょっと私は疑問に思うところがあるのですが、これには、はっきりしてないけれどもその代表者は理事長だと、これは聞くまでもない理事長ですね、この理事長は、これは常任じゃないのですね、この姿から見てみますと。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(池田正之輔君) その通りでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうすると、それだけの権限を持っておる理事長が、常任でない、そうすれば、実際の責任者は専務理事になってくるのですね、そうすると機構はあって、実際の運営は、これは別な人がやってくる、別な人ということではないけれども、審議会は諮問機関である、最高の責任者は非常任である、非常におかしいようになってきやしませんか。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(池田正之輔君) これは仰せのように、政治的に内閣やなんかに置かれます諮問機関においては、あなたのおっしゃるように、しばしば諮問機関から答申されたものが無視されている、結果的に、そういうことはあり得ることです。またあったのです。しかしこういったような特殊法人といったような、特殊な使命を持った機関において、諮問機関である審議会から答申を得て、それを全然無視してやっておるという事例はあまりないのです。またやるべきじゃないのです、運営の面において。ですからもしそういうことがあって、それがまた、そういうために非常に国家目的と反する、あるいは国家の利害と反するというような結果がもし出ておったとすれば、それこそ国会で皆さんからやられるのであって、これは、やりたくてもできないのです。これは私は実情だと思います。法理論は別といたしまして実態だと思います。  それから今の理事長が非常勤であるという問題でございますが、これは現在は御承知のように、ことしは三億、前は三億幾ら、合わせても規模としましてはまことに小さいです。これを最初から大きな規模にしておいて、りっぱな人を迎えてやるという実施面におきまして、そこに実は私ども非常に苦心があるのです。といってちゃちなものにしてしまって、非常に幅の狭い、官僚出身といっては、官僚の諸君がおられますが、幅の狭いというようなことでも、これは困る。  そこで、いろいろ苦心した結果は、何といってもやはり理事長は、たとえ常勤じゃなくても、にらみをきかして、そして常に責任の立場に立って指導されるような人を得たい、そして実務は、仰せのように専務理事にこれをやらしますけれども、あくまでも責任の所在は、理事長であるその人にある、こういう建前でいきたい、ですから、これは実際はごらんのように、御承知のように、決してわれわれは最もいい制度とは思ってない、やがてこれが成長いたしますれば、当然にそれに即応した、それにマッチさした機構というものをさらに考える段階がくるだろう、そういうことを私どもは期待いたします。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 長官の言われるのは、私はよくわかるのですが、こういう機構を作ると、こういうところでは言いにくいのですが、作ったところに必ず官僚の方が中にいて、実権を持っておられる、その方は、必ず企業と密接な関係にあられるわけです。これは日本の今の大きな会社をごらんになったらおわかりのように、ほとんど官僚の方が中枢にはすわっておられる、それが政府との連絡をやるとか、あるいは企業との連絡をやるとか、これをやっておられるのです。これで見てみますと、理事長はおそらくどっかの企業家の大物を持ってこられると思うのです。専務理事は、おそらく官僚出身か、あるいはそれに似たような方がくるのではないかと思うのです。その人が実質上の実権を握っておる、これは専務理事が。しかも、これは私の常識から言うならば、間違いだと思うのですが、——法制局で作ったのだから間違いないだろうと思うのですが、法制局お見えになっておったらお聞きしたいと思うのです。十一条で「理事長は、事業岡を代表し、その事務を総理する。」これは当然ですが、その次に、「専務理事は、事業団を代表し、定款で定めるところにより、」云々とある。事業団を代表する者が二人あるのです。これは私の常識で考えるならば、専務理事は理事長を補佐し、定款で定めるところにより事業団の業務を掌理する、こういうことになってくるのがあたりまえだと思う。一つの事業団に事業を代表するというのが頭に二つくっついてくるというのは、私はどうもおかしいのです。これは法制局長がおられたら、法制局長にお尋ねしたいのですが、私は、これは常識からすれば間違っておると思うのだが。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(池田正之輔君) これは民間会社でも、会社を代表する者は代表取締役で、二人以上の場合があり得るのですね。あります、現に。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 それは代表取締役というふうなものが、二人ならばそうなるでしょう。しかし社長がおる。副社長がおる場合は、副社長が会社を代表しというふうには言わないのです。副社長は社長を補佐し、社長がいないときはこれを代行する、こうなるのがあたりまえです、副社長であっても。専務理事の場合は、そうなるのが私はあたりまえじゃないかと思いますが。

島村武久科学技術庁長官官房長

○政府委員(島村武久君) お言葉でございますけれども、会社等におきましても、最近では、代表権を持った役員というものが非常にふえていくような傾向も看取されて参りまして、おそらくはそういうような事項は、定款できめるのがならわしになっておりますけれども、最近では、代表権を持った副社長あるいは専務取締役というような形できめられるところが多いようでございます。  なお会社でございませんで、政府関係の、法律をもって作りました場合の役員の例でございますが、一番手近の、たびたび問題になっております理化学研究所、現在ございます理化学研究所におきましても、これはなるほど非常勤の理事長でなくて、常勤の理事長もおるのでございますけれども、さらにそれ以外にも、代表権を持った理事も置いてあるわけであります。これは便宜でございませんで、法律上にも明瞭にしてあります。従いまして今度の新しい事業団の例は、非常に特異ではございません。すでに御審議になりました過去の法律の例にも、さようなことがあるわけであります。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 なぜそうせないといけないのですか。だから、私は法律論じゃなくて常識論で言って、私の知っておる範囲のこういうものは、理事長なり、組合長なり、社長なりが、その団体を代表する。その次の副社長あるいは副組合長、あるいは専務理事という者は、社長不在の場合、あるいは欠員の場合は代行する。理事長を補佐し、あるいは社長を補佐し、あるいは組合長を補佐しというのが、その任務だと私は思う。なぜ「事業団を代表し」と、代表が二人おるのですか。私はおかしいと思うのです。

島村武久科学技術庁長官官房長

○政府委員(島村武久君) 代表権を持った者が何人もできました場合の、その間の調整等につきましては、これはあくまで正式には、会社で申しますと、社長でありますとか、場合によっては会長であるかもしれません。そういう者を補佐する立場にある者であることは間違いないことでございます。その他の者が社長を補佐するという仕事にあることは、これは当然でございますけれども、代表権というものを持つ者をふやします理由は、これは従来でございますと、委任状等の形におきまして、特別に一件々々授権いたしまして、その者に権限を与えることはできるわけでございます。あるいは内部関係で、さようなルールを作っておくこともできますけれども、最近ふえていく傾向にありますのは、やはりそういうことよりも、正式に代表取締役としておいた方が、便宜な点があるということから出発しておるものだと思います。  会社はさておきまして、従来の理化学研究所におきましても、理事長以外に、副理事長に代表権を持たせておりますけれども、内部的な関係におきましては、あくまで理事長を補佐するという仕事が副理事長にあるわけでございます。従いましてその代表権というものも理事長との間におきます取りきめがなされて、こういうことについては副理事長が代表してやるというような形を内部でとっていたします。全く対等の関係において代表するということでなくて、運用上は、やはりこまかい問題でありますとかいうような問題について代表してやっていくということで運用されておるようでございます。またそうすることの方が、より便宜であるという観点から置かれておるというふうに私どもとしても考えておるわけでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 私はその理論には、どうしても服しかねるのです。理事長を補佐して事業団の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理する、これでできないという理由は私は見つからない。あなたのおっしゃるのは、会長制のときは、それはわかるでしょう。たとえば、会社の場合、会長と社長と別にいる場合には、私はそういうことも言えると思います。しかし理事長としてただいま言ったように、審議機関でも、これは諮問機関になっておるわけです。そうすると、理事長というのは、相当な権限を持っておらなければいかぬ。その理事長が非常勤であるから、これは会長と同じように、一応社長からずらしておるんですよ、こういうことならわかるのですよ。それなら、それに対する質問がありますよ。そうでなくて、大臣の御説明では、これはわずかな金額だから、大物を持ってきてこれを専務に置くわけにいかぬ。しかしにらみをきかして、この人が理事長があくまでやるのだ、最高責任者だという答弁があるなら、専務理事は、これは理事長を補佐する人でなければいかぬのですよ。それが何か代表権を持っておられるというのはおかしいと思うのだね。

島村武久科学技術庁長官官房長

○政府委員(島村武久君) 理事長が非常勤であるということのために、こうしたわけでは絶対ございません。これは過去の例にもございますように、現在あります理研でも、副理事長までは代表権を持たしてあります。この新しい事業団そのものも、今、現在におきましてこそ、長官が申し上げましたように、ことしはまだ、何倍にふえたと申しましても三億でございますけれども、先日御説明申し上げましたように、私どもといたしましては、できるだけ大きなものに持っていく、仕事も当然ふえて参ります、新しい委託の仕事ばかりでなくて、委託したあとの始末も、だんだんふえて参る。そういたしますれば、いつまでも非常勤でいいという考え方は全然持っておらぬわけでございます。当然に専務の理事長がほしい、欲をいいますと、ほんとうに初期からほしいところなんでございますが、従いまして、法律上に非常勤だから副理事長に代表権をという観念は、全然持っておらぬわけです、もっぱら将来にわたって考えてみましても、副理事長あたりまでは代表権を持たしておいた方が、業務の遂行に便利であろうという考えに基づいて、副理事長まで代表権を持たすことにいたしたわけでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 これは意見の相違ですけれども、それは、私は全く反対だ。そういうことをやるから、こういういろいろな問題が起こってくるのだ。やはり指揮系統というのは、一本であるべきなんです。それなら大臣がおらぬからといって、そんな大臣の権限を全部次官が持っておりますか。そんなことないでしょう、事実問題として。何も専務理事を理事長の代行をさせるのだということであって、不合理なところが何も出てこぬのですよ。これは一つおあずけしておいて、あなたが、専務理事なり、あるいは副社長が、代表権を持っておるやつを全部調べてきなさい。私が、持たないやつを調べてくる。法律論として別だけれども、こういう問題をきめる場合に、特殊な人間を当てはめようとする考え方が浮かび上がってくる。特に一方は非常勤ですよ。そうすると、この権限というものは、専務理事がほとんど握る、これは事実問題として。だから、あくまでも代表権は理事長が一人持っているんだ、理事長がおらぬ場合には、もちろんこれがやるのだ。そうしておかなければ、事実問題として、専務理事が代表として全部やれますよ、これでいくならば。あなた方は非常に優秀な方々でされてきておるけれども、僕ら実地でやってきたのだ、こういう仕事を。それで組合長と副組合長と、同じ権限を持たしたら、代表権を持たしたら、その組合は成り立っていきません、現実問題として。そういうおそれがある。何もないときは心配ないですよ。何もなかったら、こんなことをきめなくていい。理事が七人で合議制でやっていきなさい。なぜ理事長や副理事長や専務理事をきめるかというと、やはり指揮系統を明らかにしておかなければ、問題が起きてくるからきめておるわけです。何もあなたのおっしゃるように、代表権を二人も三人も持たすというなら、全部持たした方が——常務理事でも。それがまずいから、代表権というものが、最高責任者一人、最高の責任者は二人おらないわけです。  だからあなたは、それを固執されるならば、あなたは、あなたの法理論として成り立ちますよ、あなたのやつも。成り立ちます、こうして法制局で作っているのだから。しかし、一般常識として、実際どちらが正しいのか、私も、これから一つ研究してみましょう。あなたも研究してみて下さい。こんなものにこだわる必要はないが、何か問題が起きてくると困る、そういうことがなければいいが、これでは……。

原田久科学技術庁振興局長

○政府委員(原田久君) 代表権が二つになっておりますが、理事長につきましては、「理事長は、事業団を代表し、その業務を総理する。」こうなっております。専務理事につきましては、「専務理事は、事業団を代表し、定款で定めるところにより、」とこうなっております。それでこういうたぐいの実例を申し上げたいと思いますが、特殊法人におきまして、理事長あるいは会長、名称はいろいろございますが、そういう最高責任者と、副理事長ないしは専務理事等の名称でございますが、そういった方々の代表権を持っている例は、十指に余るほどございます。そういう実例はございます。実際上運用に当たりましても、対外的に契約を結んでいくような場合に、理事長一人ということでございますと、円滑な事業の執行ということができないというような点もございますので、私どもといたしましては、代表権は、理事長及び専務理事が持つ、しかし、専務理事の方は、明らかに定款でどういう場合に、そういう代表権を持つかということを明らかにするという形で、法制局とも十分審議した上で、こういう案を作った次第でございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 その十指に余るというのは、自分たちの都合のいいものばかり持ってきているのであって、会長制じゃないのですよ。会長制を抜かして、幾つあるか。それから理事長制で、専務理事が代表権を持っているのは、十指でなくて何百ありますか。大部分持たないはずです。これは会長じゃないですよ。会長と社長なら厳然と違います。理事長や専務理事は、会長や社長と違う……。

島村武久科学技術庁長官官房長

○政府委員(島村武久君) 会社の実態の例につきましては、たまたま資料の持ち合わせがございませんし、先生も、実際におやりになった御経験等も何でございますから、一応省略いたしまして、今までに御審議願っておりました法律の例で申しますと、理研の例は申し上げましたが、それ以外にも、原子燃料公社にいたしましても、情報センターにいたしましても、原子力研究所にいたしましても、いずれも理事長だけでなく、その他の副理事長あるいははなはだしい例におきましては、先生のおっしゃいましたように全理事にも代表権を持たした例もございます。その点が今特別に問題にせられますゆえんが、ちょっと了解に苦しむわけでございます。  そういうわけでございまして、これは何も、この事業団に限って、こういうことを考え出したわけではございませんということを御了承いただきたい。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 あなたの言われる原子力研究所とか、その他言われるのは、利害関係にくっついていないのですよ。こういうものは、利害関係に直接くっつくわけですよ。だから僕は、重要視するわけです。特に研究機関とか、理化学研究所というものはそうあってもけっこうです。これは直接どこの会社に委託するとか、あるいはあなたがおっしゃるような三億、五億のものでなく、年々ふえて五十億までもいくでしょうが、いろいろの問題が起きてくるから責任者を一人にして、責任の所在を明らかにしておかなければいかぬというのです。だから、そういうのと比較しなければだめですよ。そんな研究所なんか何もなりませんよ。だから、これと同じようなものと比較しなさいというのです。  ここで論争すれば、私は、あなた方がどんな例を出されても、私の常識としては納得できないから、私もこれに似たようなものを調べてくるから、あなたは十指に余ると言われるが、どちらが多いか調べて下さい。

原田久科学技術庁振興局長

○政府委員(原田久君) 手元の調べたもので申し上げますと、私立学校振興会、日本学校給食会、国立競技場、社会福祉事業振興会、南方同胞援護会、農業共済基金、日本中央競馬会、アジア経済研究所、日本住宅公団等でございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 日本銀行総裁はどうですか。副総裁は日本銀行を代表していますか。あなたは都合のよいものだけを持ってきて、そんなことじゃだめですよ。朝僕が言ったから、調べてきて言ってもだめだよ。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて。  暫時休憩いたします。    午後一時十六分休憩    ————・————    午後三時十八分開会

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) これより商工委員会を再開いたします。  初めに、委員の異動について報告いたします。  本日、委員椿繁夫君、古池信三君及び山本利壽君が辞任され、その補欠として秋山長造君、梶原茂嘉君及び徳永正利君が委員に選任されました。   —————————————

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) それでは、休憩前に引き続き新技術開発事業団法案及び鉱工業技術研究組合法案の質疑を続行いたします。御質疑のある方は、順次御発言を願います。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 前回、両法案のいわば序論的な質問があり、それから午前中、新技術事業団と研究組合に関連して質問がございました。これを取り巻いておる科学技術政策全般について、まずお尋ねをいたしたいと思います。  科学技術会議の答申が、最近二つ出ているようでありますが、この科学技術会議の答申について、これを全面的に強力に実施する意思があるのかどうか、あるいはどの点から手をつけていこうとされておるのか。二つの案だけでなしに、これを取り巻いておりまする全般的な問題についてお尋ねをいたしたい。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(池田正之輔君) 第一号案と第二号案と出ておりますが、今日直接に問題になっておりまするのは、主として第一号案でございまして、一号案の答申は非常に膨大なもので、御承知のように諸般の事項にわたっております。そしてこれはいずれも、各省にそれぞれ関係のあることでございまして、各省にこの趣旨を徹底せしめて、この答申案の趣旨を体し、各省がそれぞれこれに協力してもらいたいというのが答申案の趣旨であり、従って科学技術庁としても、そういう趣旨に従って、各省とも連携をとりながら進めていくというのが現在の状態であります。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 具体的には何もおっしゃいませんでしたが、私が伺うところでは、もう少し広範な科学技術振興の構想があったように聞いた。それを、この答申に基づいて、その中の一つが取り上げられておりますが、その他の点については、あるいは全般的にどうするか。その中で、そういう部分をやりたかった、それも、こういう構想を持っておったけれども、そういう部分的なものになった、あるいは小さくなった、予算についても云々という点があるだろうと思うので、その点をお尋ねしておったのです。

島村武久科学技術庁長官官房長

○政府委員(島村武久君) ただいま長官から申し述べました通り、第一号の答申が「十年後を目標とする科学技術振興の総合的基本方策について」という形で答申せられております。これをいかに実現していくかということが、当面の課題になっておるわけでございます。長官から申し述べました通り、この答申の触れております点は非常に広範でございますと同時に、十年というような長期にわたるものもございますので、全部、この答申に盛られた点を尊重すると言いながら、その実現にはおのずから順序があり、また程度の問題があろうかと考えております。  たとえば研究投資等につきましても、科学技術会議の答申では、わが国全体の研究投資が国民所得に対して二%程度になることを期待しておるわけでございます。もちろんこのような点に即応しまして、できるだけ早くその方向に持っていくということが大事でありまして、三十六年度の予算の際にも、科学技術庁といたしましては、関係各省庁におきますところの国の研究投資という面から、それをお願いしているわけです。また具体的な例、特に最近におきまして科学技術庁として大きく取り上げております問題は、科学技術者と申しますか、研究者も含めまして科学技術者の養成も、十年後を目標といたして算定いたしますところによりますと、理工系の学生に対する需要量と申しますか、十七万人あるということに対しまして、それに対応するところの政策ということが貧弱ではなかろうかという観点から、科学技術庁長官が異例ではございましたけれども、文部大臣に対して勧告するというような措置を実施いたしましたのも、この勧告を尊重いたしまして、これに即応する態勢をとっていきたいという考えもあるわけでございます。  今後に残されております問題といたしましては、この答申におきましては、科学技術振興のための基本法を作ることの必要性を述べておりましたし、あるいはわが国の科学技術行政のあり方というような点についても触れております。これらの点につきましては、三十六年度において直接これを実施に移すというような計画を具体化する段階まで達しておりませんので、今国会において御審議を願うという段階には達しておりませんけれども、科学技術庁といたしましては、これらの答申に盛られました、あるいは指摘せられました点の実現についても、三十六年度内に準備をいたして参りたい、かように考えておるわけでございます。オール・オーバー的に、科学技術会議の答申の全体について申し述べますことは、いささか範囲が広過ぎますので、具体的な例をもって、お答え申し上げた次第でございます。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 大臣からは、各省の所管にまたがっておるというお話があり、それから官房長からは、基本法、それから行政のあり方といった勧告もある、それは三十六年度において研究していきたい、あるいは基礎作りをしていきたい、こういうお話ですが、この勧告は、これは総理大臣を会長とする科学技術会議が総理大臣に答申をする、こういうことになっておりますが、今の大臣の答弁によると、必ずしも科学技術庁がこの勧告を全面的に受けて、その実現のために努力をするということでもないようです。実は、どこが責任を持つのですか、あるいは科学技術会議が、もう少し具体的に案でも作らなければ、各省庁あるいは科学技術片も動き出しにくいというのですか。それとも項目が指摘されておるから、基本法なり、あるいは行政のあり方等についても、科学技術庁が中心になって、どういう構想で研究していくのだ、こういう御意図があるのですか。ちょっとこれは大臣に……。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(池田正之輔君) これは当然、科学技術庁として責任を持ってやらなければならぬ問題であります。ただその場合に、これをやっていく上には、たとえば行政機構の問題、科学行政の問題にいたしましても、あるいは研究機関の推進と申しましょうか、そういう問題にいたしましても、それには、もっと具体的な立案が必要であります。つまり科学技術会議で示されたものは、一つの方向を示されたものでございまして、従って、それに基づいて、これからそれぞれ一つ一つ具体的に、科学技術庁が中心になって、さらに掘り下げ、あるいは推進するというのが、これは当然でありまして、今後そういう意味で、これから本年度から、これを着々と実行に移していけるという考え方であります。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 着々やっていきたいというお話ですが、着々やっていく具体的の方法は何もない。そうすると、たとえば先ほど官房長があげた基本法なら基本法を、どういう工合に制定するか、あるいは科学技術行政のあり方についての再検討をし、それを総合する事務的の推進は科学技術庁がやられるにしても、これは科学技術庁だけではできないでしょう。あるいは科学技術会議のメンバーでも少し狭い。あるいは各省の代表も必要でしょうし、あるいは学者のもっと広範な意見というものも伺わなければならぬでしょう。あるいは学術会議等の意見も徴さなければならぬと思うのですが、それらの点について、これを実施していくについて、どういう構想を持っておられるか、その中の一部分だけあるいは一項目だけ取り上げられたが、それでは科学技術の開発あるいは企業化という、二つの法案に関係する問題にしても、全体的の構想がないから、納得ができにくい。それからあるいは重複があるのじゃないか、あるいは二つの法案に関連する問題にしても、科学技術庁ですか、あるいは通産省等についても、もっと広範な構想があった、こういう話を聞けば、その中における現在考えられておるところ、あるいは勧告の方針に従っても、全体的の構想とそれからこれはこうするのだ、基本法についてはこうするのだ、あるいは行政のあり方については、こうするのだ、こういう一般的の希望にしても方向があって、その中で技術開発あるいは企業化等についても考えられなければならない。それからそこで考えられてない問題、欠陥等についても、全体の構想の中から批判をしなければ、十分のものは出てこないのだと思うのですが。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(池田正之輔君) それは吉田委員の御指摘のように、全体的の基本的の方向というものが当然なければならぬ、もちろんであります。それに従ってやっているつもりであります。  というのは、さらに具体的に申し上げますと、たとえば科学技術者あるいは国立研究所のようなものを、これをどういうふうに扱っていくか、現存、各省ばらばらになっている。これを一本化していくのがいいのか、今の姿でいいのか、どっちがいいかということになってきますと、これはやっぱり国立研究所というものは、英国やその他でやっているような一つのデパートメントのような姿で一体化していくことが、これはベターだと私は思います。しかし、だからといって直ちに通産省で持っている、あるいは農林省で持っている国立研究所を、あるいは科学技術庁に一本にまとめる。理想としてはあるいは形としてはいいとしても、そういうことをすることによって生ずる摩擦なり、その間の若干の期間の空白といったようなものを、実際の行政の責任を持つわれわれといたしましては、そういう点も考えなければなりません。いわゆる政治的考慮というものを当然考えなければなりません。従って方向はわかっておりますけれども、直ちにそこへ持っていくということは、これはまた別の問題になると思います。  同様に、たとえば科学行政の問題につきましても、今申し上げたような理由で、一つの方向としては科学行政というものは、これはやっぱりできるだけ一体化しなければいかぬという方向は、これはだれが考えても同じだと思います。しかし、いろいろのそのときの国内情勢なり社会情勢に応じて、実際行政、実際政治というものは行なっていかなければなりませんから、理想通りには急にはいかない。そのテンポなり、やり方なんというものを、いつどういう方向で、どういうふうに持っていくかということは、これから検討していく、一つの方向は、あの答申によって示されているように、大体、私はあの方向でいいのじゃないか、こういうふうに考えております。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 方向というのは、一つの意見でありますが、答申に出ている基本方向についても、あるいは基本法を制定する必要がある、必要があるとは書いてありませんけれども「制定を検討する。」ということで、検討すべきだということで、基本法が必要であろう、それから行政についても「科学技術行政を一貫した体制でおこなう方途について検討する。」というんですから、一貫する体制を考えるべきだ、こういうことで、その一貫という方向はわかる。これは実際には、そういうものとの関連も何もなしに一部分だけ出てきているから、それじゃ基本法については、どういう構想でこれから進もうと考えておられるのか、あるいは行政のあり方については、私はそういう科学技術会議のメンバーだけでなくて、行政の問題は、各省にまたがるであろうし、各省の代表あるいは科学者についても、もっと広範な科学者の意見も徴すべきであろうし、あるいは学術会議のとにかく意見も反映するように考えなければならない。その一般的な方向がある程度あって、そうして私の聞くところでは、二つの問題についての開発云々の点についても、もっと広範な案があったやに聞くだけに、そういう中で、この開発問題については、こういう構想でするのだ、こういうことがなければ、これは法案の審議の基礎になるものが、今までのところ全然出ておりませんから、そこでお伺いするのですが、基本法なり、あるいは行政のあり方について検討をする何の構想もないんですか、あるいは私見にしてもあるんですか、答申があって、科学技術庁長官として技術者の養成については、文部大臣に勧告した、それから技術の開発については一つの方向を出した、しかしあとは何もないということでは、私は科学技術庁長官として、資格にも関連する問題ですけれども、とにかく池田長官のとにかく答弁とも思われません。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(池田正之輔君) どうも資格の問題になりますと、私も弱いのでありますけれども、しかし基本法は、これは基本法のようなものを作って、はっきり打ち出す必要があるのじゃないか、方向は打ち出すべきであるというのが科学技術会議の意見でありまして、従って、どういう基本法を作ったらよいかということになりますと、これはまだまだ、相当これは論議を尽くしてみないといけないことじゃないかと、こう思います。  それから今の学術会議なり、そういう各方面の意見を徴する必要がある、これはもちろんでございまして、従って、御承知のように、科学技術会議には、当然そこに学術会議の会長が、これに正式メンバーとして参加しております。そのほかに専門委員その他に学術会議から二十名足らずの委員が、それぞれ参加いたしておりますし、そういう点は、吉田さんが御心配するような決して一方的な人の集め方できめ方をしているようなことは絶対にありませんから、その点は御心配ないと思います。ただ、それでもなおかつ、こういう点はという、もし御指摘があれば、私どもも、それに従っていくことに決してやぶさかじゃありません。考え方は、あくまでもあらゆる方面の人たちの御意見を徴していくというのが、われわれの考え方であります。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 二つの法案の中に、やはり現在の科学技術庁、それから通産省、これが中心になって法案が考えられ、あるいは制度が考えられ、科学技術開発の具体的な方法を考えられておるのですが、これは批判として免れることができない。たとえば事業団の役員の構成の問題について、午前中もこの委員会でやりましたが、それは科学技術の振興について全般的な構想がなくて、そうして部分的に着手をし、それが各省割拠主義がまだ残っておる中で具体的な問題が取り上げられ、これをどうするかという、こういう小さな視野で、あるいは小さな構想でいかれるから、私はそれが出てくると思う。そういう意味で全体的な構想はどうですかということをお尋ねをしたゆえんです。  それからもう一つ、それじゃ先ほどから質問をして答弁をされないのは、答申についての全部について、どうするという方向がないが、しかし科学技術の開発の点については、もっと大きな構想があったやに聞きますだけに、この具体的な法律——事業団と研究組合の助成というものを含めて、もっと大きな構想があったというお話ですが、それは、どういうものがあったのか一つ伺いたい。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(池田正之輔君) お答え申し上げます。まず最初の問題から申し上げますが、二つの法案が、ここでつまり一つの方向なしに、あるいはあっても、こういうようなへんぱなものを途中で出すというようなことの御意見じゃなかったかと思うのでありますが、先ほど来申し上げますように、理想的なあり方というものは、実は今のところまだ出ていないのであります。だからといって、そういう研究助成、あるいは企業化といったようなものを、そういうものができるまで、あるいは基本法なり、あるいは行政の一体化なりできるまで、それじゃほったらかしていいかというと、そうはいかないのですね。従ってそういう角度からすれば、どうも不完全じゃないか、不都合じゃないかという御議論も出るかもしれませんけれども、とりあえず今急いでやらなければならぬものは、とにかくやっておくと、これが実際の、やはり私ども政治を担当する者の責任だと、そういう意味で二つの法律案が出まして御審議を願っておるというわけでございます。  それから、他に大きなとおっしゃいますが、どの点を御指摘なさっておるのか私わかりませんが、私は実は、めんどくさいと言っては失礼ですけれども、簡単に申し上げたのですが、科学技術会議から出された答申の大きな柱といたしましては、科学技術研究予算の増額、それから科学技術者及び技能者の養成、その次には大学教官及び研究公務員の待遇の改善、それから科学技術振興のための税制の改革、こういったようなところが大きな一つの柱となっておるのであります。その中にはいろいろなものが含まれておりますが、これらの大きな柱それぞれに従って、私どもはこれから可及的にやれる面からというので手をつけている、まあ努力をいたしておると、こういうわけであります。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 前半の問題は、まあ具体的にあとでまたお尋ねをすることにして、答申の柱は、先ほど予算以下あげられましたが、私がお尋ねをしたのは、後半でお尋ねをしたのは、そうじゃなくて、全般についてじゃなくて、科学技術の開発に関連をして、事業団ではないですが、まあその、公団方式でやるのかどうか知りませんが、もう少し開発は開発についても、一貫性のある構想があったかのように聞くものですから、どういう構想であったのかという点をお聞きしたわけです。

島村武久科学技術庁長官官房長

○政府委員(島村武久君) 午前にも御説明申し上げました通り、この事業団に対しまする構想自体は、数年前から実はあったわけであります。当初は、かりに名称を公団ということで考えておりました。公団方式ということで、私どもの間では新技術開発公団というようなことで、まあいわば思想の統一もはかって参ったわけであります。折衝の過程におきまして名称の点は、何べんか変転いたしまして、最後に事業団と呼ぶことに落ちついたわけであります。  それから名称以外に内容の点でございますけれども、予算の要求といたしましては、大蔵省に対する要求——大蔵省に対する当初要求といたしましては、私どもは約十億を要求いたし、それが結論的には、政府原案として国会の御承認を得ます段階におきましては三億ということになったわけであります。これは本年度の予算としてでございます。しかしながら、そういうような意味におきまして、大きな構想と申せば申し得ると思いますけれども、吉田委員が御指摘になりましたように、他に何か、もっといろいろな事業をやるというような意味におきましての構想というものはあったわけではございません。やはり性格的には、このようなものを考えておりましたわけでございます。ただ規模が、いきなり十億ということじゃなくて、三十六年度には三億程度ということでいくという意味において縮小をしたということは言い得る。ただ、最終の段階に到達いたします目標は、やはり当初から五十億程度、今日におきましても、逐次ふやして五十億の線に持っていくという意味におきまして、構想が変わっておるというわけではないわけであります。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 そういたしますと、予算の規模が十億という規模が三億になったというだけで、あるいは名称が公団方式が事業団ということになったというだけで、国が直接技術開発をやると、それも理化単研究所の一部と申しますか、に付置されたものを、独立した組織にして、国で直接やるという方式だけで、問題になっておりまするその組合のごとき民間の研究、あるいはそれから基礎研究であれ、応用研究であれ、あるいは企業化であれ、そういうものまで総合して云々ということではなかったわけですね。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(池田正之輔君) 要するに問題は、日本の科学技術産業というものは、御承知のように、終戦後極端に外国の技術を導入して、それに依存しておった。これを、どうしてもとにかく、急にはやめられませんけれども、国内の技術を開発して、そしてそれによって置きかえていくのでなければ、日本のほんとうの産業の発達というものは望めない。そのためには何をやるか、こういうことになるのですね。そのためには、それでは国が、科学技術庁が、一々そういうものをやるかというと、科学技術庁は、そういう性格でございません。それをやるためには、科学技術庁としては、研究機関の助成なり、あるいは税制の改革なり、そういったようなことを、それに要する各種の条件を、それぞれに助成し、推進していく。これが一つの私どもの建前だと思っております。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 直接の質問にはお答えはいただけませんでしたが、先ほどの答弁、官房長でしたから、官房長から答弁願いたいのですが、わかりますね、質問の点は。

島村武久科学技術庁長官官房長

○政府委員(島村武久君) 先ほど申し上げました通り、いろいろ他に、こういう仕事もやらしたい、ああいう仕事もやらしたいと考えておりましたものを、だんだん縮小して、ここにお出しいたしましたような事業だけをやるための事業団に変化していったわけではございませんで、当初からこのことだけをやらせるための何らかの機関ということを考えて参ったわけでございます。その意味におきまして、性格的な変化はございません。  なお、この事業団というところまで、政府案として最終に固まります段階におきましては、単に公団を事業団というふうに変えたということだけでございませんで、この目的を達しますための、いろいろなやり方につきましても、検討を加えたわけでございます。たとえば、国みずからが、特別会計でも作ってやるかというような構想も、中間段階ではもちろん比較検討されたわけでございます。その結果といたしまして、やはりお出しいたしておりますような事業団構想が、最もよかろうというところに落ち着きまして、出しましたわけでございます。  従いまして、繰り返しますが、仕事の範囲あるいは性格というようなことにつきましては、決して縮小したわけではございませんということでございます。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 せっかく御答弁をいただきましたから、科学技術庁長官に、重ねて、先ほどの御答弁に関連して、お尋ねしたい。  長官は、海外の技術にのみ依存しておる、その依存度、あるいは従属性といってもいいですが、それを日本みずからの科学技術を育てたい、こういうことで、科学技術の開発について考えておる。こういうお話ですが、国内に輸入をされております技術、これは日本の経済、社会全般の荒廃の中で、科学技術についても同様、ほとんど科学技術の、何といいますか、あれは導入に待った。そうして現状外国に対して支払っておるロイアルティも、昭和二十五年以来一千億に達しておるという状況だといわれる。そうすると、各この事業団なら事業団、あるいは前には公団方式であったというのですが、それだけでは、外国依存度あるいは輸入に待つ云々ということを、すみやかに克服するといいますか、あるいはしようとするには不十分である。取り上げられておる開発の具体的な例を顧みると、午前中もそうですし、前回でもあげられたように、七件幾ら、これには国の技術開発もですが、全般的にもっと、民間においても、あるいは学校においても、あるいは学者においても、これは、その問題だけを考えてみても、科学者あるいは技術者を総動員しなければならないでしょう。そういう態勢ができている中で、国もこれだけをやっていくのだということならば、私どもも納得するのですが、公団方式あるいは事業団方式の中にも、今までの、まだやはり官僚性というのですか、官庁主義もあり、あるいは役所中心の弊害というものもあるのではないか。あるいは国で直接やるのか。それから民間の研究を助成していく、あるいは総合していくという点も、科学技術政策としては、足らぬ点があるのじゃないか、論理的に。あるいは何といいますか、新しい技術の開発だとか、あるいは基礎研究だとか、あるいは応用研究だとか、あるいは企業化だとか、いろいろ言われるけれども、論理的な解明だけでなくて、実際に、この海外に依存している技術を克服する点については、これは総合的な施策も必要でしょう。その施策に対しては、予算も不十分だが、あるいは具体的に助成をするという、これからあれしていく件数からいって、七件幾ら、そうするともう少し何というのですか、長官の答弁からいえば、ほんの部分的な構想だけじゃなくて、もっと、この問題だけに限ってみても、総合的な施策が必要ではないか。そういう面でも、科学技術行政の総合、これは何も科学技術庁に、全部とってしまわなければならぬという問題じゃありませんが、少なくとも検討をしなければならぬ。そうして方向を出していかなければならぬ問題だ、こういうことがいえると思います。  そういう点について、この今までの制度あるいは出されている法案がめざしている制度においても、足らぬところがあるのじゃないか。官僚性あるいは割拠主義等も、なおこの法案についてもあるのじゃないかということが、いえるのじゃないでしょうか。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(池田正之輔君) 今出ている法案、これによって日本の技術導入が阻止されるというような、そんな大それた考えは、私ども持っていない。その一助ということになると思うのです。平たく申しまして、これからの日本の科学技術の伸展ということになりますと、結局は物と人、たとえば研究費の予算を増すにいたしましても、これは結局物と金と、それと、それを動かしていく研究要員——結局は人と、こういうことに要約されるのじゃないか。  それを、どういうふうにして運営し、組み合わせていくかというところになるのでありますけれども、そこで私は、まず物よりも先に人を作らなければいけない。そうして人を得た上に、それと並行して、当然これは研究費なり、研究機関の拡充なり、研究の場を、いわゆる研究環境をよくするとかいう、もろもろの施策がなされて、そうして日本の全体の科学水準というものを高めていく、こういうことになるのだと私は思います。  そこにいくまでの間において、それじゃわれわれは黙っておいていいのかというと、そうはいかないから、そこで、われわれの手の届くところから、まずやっていく。そのためには、今度出ているこの二つの法律は、これは全体からみたら、まことにちゃちなものでございますけれども、せめてこういうものでも、手っとり早いところから、われわれは始めていく。そうして日本の文化及び科学技術というものを、あるいは産業というものを推進していくというのが、私どもの考え方でございます。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速記をとめて下さい。    午後三時五十九分速記中止    ————・————    午後四時二十一分速記開始

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 午前中論点になりました代表権の問題で、政府の答弁では、十指にあまるこの種の法律があるということでございました。だから、私約束いたしましたように、今まで時間をいただいて調べて参りました。ところが、十指にあまるどころか、この専務理事というのは、ただこれ一つだけです。専務理事が冒頭代表権を持っておるというのはこれだけです。私は当初申しておりますように、会長制とか、あるいは理事長、副理事長制というものは別です。しかしそれにおいても、理事長、副理事長にしても、五指に足らないくらいのものです。あとは全部定款の定めるところによりとか、あるいは総裁、理事長の定めるところにより云々ということなんです。頭から代表権を認めたのは、これが一つなんです。十指にあまるというのは、どこを指してお言いになりましたか。私の資料が誤まっておれば訂正していただきます。私は、三十種の数を調べてみました。これは、全部ありません。だから、答弁の場合に、そういうお坐なりの答弁をされるならば、本気になって審議ができない。どこに十指にあまって専務理事が代表権を持つのがあるか、御説明願います。

原田久科学技術庁振興局長

○政府委員(原田久君) 私が先刻発言をいたしましたのは、名称がいろいろございますのをひっくるめまして、そういう表現をいたしましたために——理事長があって専務理事があるというような場合に、代表権が両者にあるという場合は、御指摘のようにないかと思いますが、私の申しましたのは、名称は理事長、あるいは会長、副会長、副理事長、そういったたぐいのものではございます。ただし、その場合でも、定款の定めるところにより、というふうになったものが大部分でございまして、定款に定めるところということが書いてなくて、いきなり法律で副理事長はとか、副会長は、その会なり、機関なりを代表するというような例は、私どもの調べましたところでは理化学研究所でございます。これは理事長、副理事長という表現でございまして、頭から代表権を持っておるように書いてございます。それから首都高速道路公団も、理事長、副理事長制でございますが、代表権を持っております。なお、私の調べは不十分でございますが、中小企業金融公庫、ジェトロ等も、そのたぐいではないかと思います。そのほかには、先刻申しました国立競技場は、会長という表現と、理事長という表現でございますが、代表権を持っております。それからアジア経済研究所は、「会長は、研究所を代表し」、「所長は、研究所を代表し」、こういうふうになっております。  従いまして先刻の私の答弁は、いささか言葉が足りませんために、全面的に十指にあまるものがあるかのごときふうにとられましたことは、重々おわび申し上げたいと思います。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 その通りなんです。私が今調べて参りましたのも、今読み上げられた通りでありまして、理事長と副理事長、総裁と副総裁、これは四つございます。そのほかの会長と理事長、会長と所長、こういうのはあります。これは御承知のように、会長は、一応たな上げになっている、実際は理事長がやるのです、実際は社長がやるのです。会長は別です。これは当然です。だから、そのときの論議にもなったわけなんです。会長制というような考え方で、理事長は非常勤であるからたな上げと、実際の仕事は、専務理事がやるのかということを再三質問しておるわけなんです。ところが、そうじゃなくて、今後大きくなるのだから、理事長というのは非常勤じゃない、常勤にしなければならないと、しかし今出発の当初であるし、基金も少ないことであるから、だからこうするのだということであったので、意味が全然違うわけなんです。  それからもう一つ、法制局の方お見えになっておりましたね。代表権が先に入ったのと、あるいは総裁、あるいは理事長、あるいは定款の定むるところによるといった場合は、非常に大きな差があると思うのですが、いかがでしょうか。

関道雄法制局長官総務室主幹

○説明員(関道雄君) 仰せの通り、たとえば定款で定めるところによりといった場合には、定款で全面的に代表権を認めます場合もありましょうし、あるいは非常に制限をする場合もありましょう。そういうものがなくて、代表権を法律自体で、何のかぶりもなくて認める場合は、その可能性において違うわけでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうしますと、代表権を持っておる人が二人おる、もちろん先ほど申し上げましたように、四カ所の、そういうところもあります。しかし、ほとんどのものは、代表権は一人です。その人が欠員になった場合とか、不在になった場合は、もちろん次の人が、その代表権を持つようにきまっているわけなんですね。  ところが、この場合に限って、専務理事が代表権を頭からうたってある。代表権を持っておる。こういうことは常態であるかどうかです。もちろん四つありますよ。先ほど言われたジェトロ、中小企業、高速道路、理研、そういうものはあります。ありますけれども、これは、私は例外だと思うのですが、いかがですか。

関道雄法制局長官総務室主幹

○説明員(関道雄君) 仰せのごとく、例としては、少ない方に属するということは確かでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そこで長官どうですか、こういう例の少ない、しかも、私が午前中から論争しておりましたように、常識的にはそれは考えられぬということで、いろいろ御質問申し上げたわけなんです。しかも何百とおそらくあるでしょう、そのうち短かい時間で調べたやつだけでも、三十数カ所私はここに持ってきております。それがほとんど代表権というものは、一名の人が持っている。その人がおらなかった場合には、定款に定める、あるいは理事長の定めによって代表権を譲るということになっておるのですが、それでいけない理由はどこにあるのでしょう、専務理事に代表権を持たせなければならない理由なんです。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(池田正之輔君) 一件、この役員の権限の問題やなんかのきめ方は、先ほど私、ちょっと触れましたように、一体、この事業団そのものが、実は私どもの考えから申しますと、月足らずみたいなものなんですね。これが最初から五十億なり百億という予算をもって、そうしてりっぱなスタッフを持って発足したい、しかし今、現在の段階においては、それができないというので、実は暫定といっちゃはなはだ相済まんのでございますけれども、そういうふうな考えが基本的にあるわけなんでございます。従って、理事長も専任でなしに、つまり非常勤でこれをお願いして、と言ってこれを、ただ単に会長のようにたな上げしちゃってやるということも、将来のことを考えますと、それでもいけない、そこで、折衷案のようなものができたのであります。  従って、あなたが御心配なさるような点も、これは十分私どもとしては、注意しなければならん点でございまして、と言って、そうすれば、そのことによって、それなら全然違法であり、あるいは運営に差しつかえるかというと、これは運営の仕方でいけるのじゃないかというような考えに立って、こういう案ができた、こういうことなんでございまして、まあ例外中の例外と言われれば、そういうふうなことになるかもしれませんけれども、この際は、将来これは完全なものにして、なったときに、これを法律案も当然修正して、これらの点を完全な、完璧なものにしたい、現在の段階においては、この程度でやむを得ないのじゃないか。ただ、あなたが、阿具根委員が御心配になるような点は、私どもとしても、当然これは全然心配していないわけじゃないので、十分考慮に入れながら今後の運営をしていきたい、こういうふうに考えております。できるならば、そういうことで、一つこの際、御了解願えれば、大へんありがたいと思います。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 もう一つ、私の意見を言う前にお伺いしますが、先ほどそちらから言われました四つの理事長と副理事長の代表権の場合の理事長は常任ですか、非常任ですか。

原田久科学技術庁振興局長

○政府委員(原田久君) 常勤か非常勤か、そこまでよく調べておりませんが、私どもがわかっている限りで申し上げますと、理化学研究所でございますが、理事長、副理事長は常勤でございます。それから首都高速道路公団でございますが、私の想像で申し上げてもいけませんと思いますので、はっきり申し上げかねます。あとのジェトロとそれから中小企業金融公庫につきましては、通産省の方がよく御存じじゃないかと思いますので、そちらから……。

堀坂政太郎工業技術院調整部長

○説明員(堀坂政太郎君) ジェトロと中小企業金融公庫についてお答え申し上げますと、中小企業金融公庫は常勤であられることは確かでございます。ジェトロの方につきましては、杉さんが理事長をしておられまして、常勤であると存じますけれども、この点、あらためて調べましてお答えを申し上げたいと思います。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうしますと、私が一番心配している問題が浮かび上がってくるわけなんです。この四つさえも、今お聞きしますと、これは常勤なんです。常勤であって、しかも副理事長その人が代表権を持っているのです。今度は、片一方は、非常勤の理事長が代表権を持っておるかわりに、常勤の専務理事が代表権を持っておるとするならば、これは理事長はたな上げです、実のところ。非常勤で、おらないのに専務理事がばたんばたん代表の判を押したら、理事長はおらんでいいんです。極端に言えば、何も相談する必要はないのです。だから、この法案に問題があるのでしょう。だから、これを変えるのに、非常に私どもが修正したいといっても応じられないのです。そうじゃなくて、ただ便利がいいからということだったら問題はないはずなんです。相手は非常勤でいないのです、毎日。それならば、専務理事が、ほとんどの責任者になってしまう、事実問題、専務理事の手元で解決できるのだ。私はこう思うのです。  そうすると代表というものは、理事長じゃなくて、専務理事が代表になる。そうは思いませんか、私は、そう思う。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(池田正之輔君) これは事実問題のようでございますから申し上げますが、事実問題といたしましては、そういう、今阿具根さんが御指摘になったような危険は、全然ないとはこれは言えないと思います。こういう形が生じやすいと思って、こういう、まだ小さな事業団ではございまするけれども、そこでにらみのきく、にらみのきかされる人選をいたしたいというのが、私どもの考えでございまして、そこでにらみのきくような人を持ってくるということになってくると、自然これは、相当いわゆる世間で言えば大物と、大物ということになってくると、これは常勤はできない、そういうところに、実際上の悩みはございまして、でありますから、先ほど来申し上げておりますように、常勤ではないけれども、にらみのきく、顔のきく大物を持ってきて、この方にも、当然理事長としての代表権を認めておれば、専務理事でやっておる人が、たとい代表権を持っておっても、そう勝手なことはさせないでいけるのじゃないかというふうな考え方でございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 法制局の方に、もう一つお尋ねしますが、私が聞いたところによっては、これは原案は、定款の定めるところにより云々とあったと、それを法制局の方で、代表権を頭に持ってこられたと聞いておるのですが、そうですか。

関道雄法制局長官総務室主幹

○説明員(関道雄君) 法制局が審査しました原案においては、すでに定款の定むるところによるというのはあとになっております。その審議の経過におきましては、事務的には下審査の段階においては、いろんなことが考えられたのでありますが、今聞き及びのように、当分は非常勤になるかもしれない、また将来そうでなくなった場合においても、日常業務においては専務理事をしてやらせるような御方針のような御説明で、そうして、全面的に両方の代表権を認めるという原案に結局固まったのでございまして、法制局としては、そういうことであるならばよろしかろうということで、実は審査を可としたわけでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうしますと、もうこの理事長も専務理事も、一応腹案があるのですな。それ教えて下さい。腹案があるでしょう。だれを理事長にするか、だれを専務理事にするか。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(池田正之輔君) これは腹案と申しましても、具体的なものを持っておりません。ただ方向としては、理事長ははっきりと申し上げますと、財界の、しかもつまり片寄らない中正な、だれがみても、この人ならばといったような中正な方を選びたい。あと専務理事につきましては、これはどこから持ってきようが、これはまだ、そう言っちゃあなんですけれども、小物ですから、そう今から私が、そう頭を痛めて考えておくようなものじゃないと、こう思っております。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 小物に大物と同じ代表権を与えたのですから、小物と言っても、相当なものだと思うのだが、私が心配するのは、これは科学技術庁関係か、通産省関係からおいでになるのじゃなかろうかと、私はそう思いますが、そういうことはございませんか。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(池田正之輔君) 結局は、これは私どもが最近——最近ばかりじゃない、そういう人事をやる場合に、どうも民間に、なかなかいい人が得られないのです。こっちでほしいような人は、みんなそれぞれポストを持って、重要なポストで働いておるのですね。それ、こういうところに来ませんよ。そうすると、仕方がないから役所の中の、役人でも比較的この人なら、頭もいいし、比較的公平だと、悪いこともあまりしない、こういう人を選ぶというようなことにあるいはなるかもしれません、ならないかもしれません。そこまでまだ考えておりません。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 言葉のやりとりでは、おもしろくなりますが、頭のいい公正な、能率のある人を出すから、あとに残るのは、それならかすばかりだという結果になるのじゃないですか。皆さん、そういうりっぱな方ばかりでしょう。だから、いずれにしても、それは専務理事になられる方は、りっぱな方だと思うのです。それは官界から出られようと、業界から出られようと、私はりっぱな方だと思うのです。りっぱな方だと思うけれども、その大物が、陰になってしまって、名目だけは大物であって、実際の判を押すのは、その専務理事がみな判を押して、すべてができるということがこわいというのです。やはり大物をたな上げする、せぬは別として、定款に定めるか、あるいはその大物の名を入れたいならば、理事長の定めるところによるとすれば、ちっとも差しつかえはないじゃないか。そうすると、なられた理事長も、気持ちいいでしょう。なられた理事長も、自分の指名するところで自分の代行をするのだから。ところが同じ代表権といわれるのなら、大物と小者と並べられると、小者の方もかた苦しいだろうし、大物の方もおもしろくないだろうと思うのですよ。やっぱり指揮系統というものは、一本にしておかなければ、フランスのアルジェリアも、元帥が何人もおってついにあんなことをしてしまったでしょう。それは、一つのあれでも、大将が二人おれば、必らずけんかするでしょう。やっぱり大将は一人ですよ。その方がスムーズに行くと思いますが、いかがでしょうか。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(池田正之輔君) 私、ちょっと説明が足りなかったんですが、当然、理事長をきめますれば、理事長が専務理事を自分が使いいいと言っては悪いのですけれども、自分の意思に沿うような人を選ぶと、こういうことにいたすべきだと思います。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 それはそうなんだけれども、実際きめるのは大臣でしょう。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(池田正之輔君) 形式的には内閣総理大臣ということになっておりますけれども、事実上は科学技術庁長官といいましても、私が、そんなにそういうところわかりませんから、これは理事長をどなたかにお願いして、理事長に選んでいただく、少なくとも私はそう思っております。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 この代表権問題は、これ以上やっても平行線なんです。今までの質疑で、十分委員の方もおわかり下さったと思うのです。そこで、もうこの代表権の問題については、このくらいで質疑やめたいと思うのです。これで一応これが問題になるとすれば、速記をとめていただいて話し合いをしたいと思うのです。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速記をとめて。    午後四時四十五分速記中止    ————・————    午後五時五分速記開始

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) それじゃ速記を始めて下さい。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 事業団の関係について、役員の構成のいかんによっては、あるいは官僚制が強化されるのではないか、あるいは、研究の委託について、特定の民間会社に利をもたらすのではないかという心配に対して、従来の答弁では、十分法上の保障が見出しにくいではないか、こういう趣旨の質問がございましたが、理事長の問題について、先ほど来、科学技術庁長官は、民間の経済人をという答弁がございました。それでは、阿具根委員の心配も、これは防ぐわけには参らぬと思うのであります。そこで人選にあたっては、学者なり、あるいは広く官民の中から、技術開発あるいは技術促進の最高の適任者を選ばなければならぬ、こう考えます。先ほどの答弁は、これは再考を願わなければならぬと思う。  それからもう一つは、非常勤で理事長があり、専務理事が同じような代表権を持つということになりますと、理事長たな上げになる危険性もございますので、理事長の常任については努力をせられなければならぬと思うのであります。ジェトロの例もございますし、努力をする用意があるかどうか。  それから専務理事の点について、専務理事は、人が得られない云々ということで、先ほどの長官の答弁では、有能な役所の公務員が出向するのではないかという疑問が起こるわけです。理事長問題と関連をして、専務理事の人選についても、従来答弁で示された方向に再考慮を加えられ、この科学技術庁あるいはその他についても、りっぱな研究者もおられ、あるいは学者もおられるわけでありますから、これにふさわしい、行政的な事務能力というだけでなしに、科学技術推進の中心になられる方、それらを広く再検討せられると思うのでありますが、以上の、理事長の人選の基準、それから理事長の選任問題、それから専務理事の人選にあたっての考慮について、従来の答弁を取り消して再考慮をせられる御余地があるかどうか。科学技術庁長官にあらためて質問をしたいと思います。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(池田正之輔君) 私が先ほど来申し上げましたのは、実は少し言い過ぎなんで、実際は全く白紙なんでございます。これは、まだ法律案もできないうちから、たれかれにするとかいうようなことはない。大体、そんなところじゃないかといったような、実は常識的な答弁を申し上げたのですが、今、阿具根さんも吉田さんも、一番御心配になっておるのは、つまり研究を委託する場合に、そこに特定のあるいは結びつきがあったり、情実があったら、これは御心配になるのはごもっともなんで、私も、それは十分、それだけは政党人の出身として、一番心配しておるつもりであります。従って、そういう点については、私も特に留意をしていきたいと思っております。御承知のようにそれを決定する前には、単なる諮問機関であり、権限はないとは申しながら、少なくとも十人の学識経験者、そこには、りっぱな方々を御委嘱申し上げまして、それらの方々の御審議の結果によって、それに基づいて決定されることでございますから、基本的に、そういうような制度を設けておるわけなんで、従って、なお今御注意がありました理事長の選任につきましても、これは先ほど来申し上げておるように常勤であることが望ましいので、一日も早く常勤にする方向に持っていかなきゃならぬことは当然でございます。さように私も考えております。  それからまた現実に、理事長を選ぶ場合には、私は、先ほど経済人と申し上げましたけれども、要は、日本の科学技術に対する高い識見を持っておる人ということであり、従って、これには学者の中から、あるいは民間の中から、あらゆる方面から広い範囲を考慮して、そして十分に経営能力もあり、そして科学に対する十分な理解もあり、そういう人を選んでいくのが当然なのでございまして、何も経済人ということは、できれば経済人を、そういう公的な機関にあまり入れることは好ましくない、これはお説の通りなんです。そういう考えで進みたいと思います。  それから専務理事につきましては、当然理事長が選ばれましてから、その理事長が、むしろ決定することなのでございまして、私どもがとやかくそういう小さな人事にまでくちばしを入れる筋合いじゃない、そういうふうに当然その場合も、これは御注意がありましたように、りっぱな科学技術に対する識見と理解と推進力を持つような人という方向でいくのは、これは当然のことでありますから、さようにいたしたいと考えております。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 科学技術者の養成については、勧告がなされたりいたしておりますが、科学者の高い水準を維持しなければならぬ、上げなきゃならぬという点については、勧告にはございますけれども、具体的に現われているところは、若干大学の教授の給与が引き上げられた、こういうことがあるだけで、裁判官と比べてみても、格段の差があるし、それから大学を卒業したものが、大学には、実質上最高のものは残らぬ、こういう実態であるわけでありますが、大学の機構の拡充整備あるいは理工系の教育の充実、それから基礎研究の重視、産学共同などの問題について、これは文部省とも密接な連絡をとる必要があろうと思うのでありますが、科学技術庁は、この科学全般の水準の引き上げについて、どういう工合に考えておられるか承りたい。というのは、これは名前を今覚えておりませんが、数学の基礎研究をやっている方で、助教授の時代にアメリカに行って、教授もあとから贈ったと、それから日本の表彰もやったけれども、呼び戻すことができない、こういう事例等もあるようであります。科学技術振興の基礎問題にも関連をして、お尋ねをいたします。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(池田正之輔君) これは、せつかくのお尋ねですから、私は、はっきり申し上げますけれども、何と申しましても、先ほど私がちょっと触れましたように、科学技術の振興をはかっていく上には物と人で、まず、しかもその中で、何が先かといえば人なんですね。そこで、その人が基本的に、大学教授が質が落ちるとか、あるいは外国に吸い上げられるとか、いろいろ申されますけれども、そういう現象が出ております。  これをもっと具体的に申しますと、私がこの間来、文部省に勧告していることも、ついでだから御参考に申し上げますが、これは失礼ですけれども、ほかには、あまり私が持っているようなデータはないはずであります。それはどういうことかと申しますと、現在日本の理工科系の大学の卒業生が、一年間に幾らあるかと申しますと、大体文部省の統計によりますと、二万二、三千人ということになっております。医学部、農学部を入れて三万幾らございますから、それを差し引きますと二万二、三千と、しかし水増しが若干ございますから、それを入れますと三万近いものがある。それじゃ三万近いものが、どういう職場についているかといいますと、ことしあたりのたとえば研究所を見ますと、三十四年度の民間の研究所において働いておる理科系統の人が約一万一千あまりあった、一万一千幾らです。それが三十五年には四万二千になっております。三万一千の開きがございます。それだけふえたのです、急激に。しかしこの数字は、残念ながらそのままとるわけにいきません。というのは、三十四年度において調査したときに、調査漏れになったものや何かございますので、これは正確な数字つかまりません。結局ふえた分は、純粋に三十四年度よりも一年間にふえた分は、大体二万人前後じゃないかと私は思っております。それだけつまり民間の、御承知のように各会社とも、地方研究所ブームといわれているように、研究所がどんどんできまして、そういう方面に吸収されていっておる。これはまことに一面においては喜ばしい傾向でございますが、それと、もう一つの現象は、理工科系の出身者というものは、それぞれ今までは現実の職場で、工場なりその他の職場で働いておったのですけれども、ところが最近の傾向といたしまして、第三次産業にこれが吸い上げられておる、たとえば一例を申しますと、御承知のように、いわゆる何といいますか、貿易商ではどの商社を見ましても、今年の学生、卒業生の採用の仕方をみますと、ある商社においては、半分まで理工系を採っておる。少くとも二割、三割というものは理工系の卒業生です。すなわち一社あたり少くとも三十人、五十人、多いところは七、八十人を採用しておるというのが現状でございます。すなわちセールス・エンジニアというものに注目されまして、これは当然でありますが、一体、日本が立ちおくれておりますから、セールス・エンジニアは非常な勢いで求められております。と同時に、また銀行その他証券会社に至るまで、専門家がいないと、これは判定ができないというので、これらの方面で、どんどん理工系の卒業者を採用するようになっております。またデパートでも、そういうようになってきたのです。あるいは新聞社、雑誌社、そういうようなあらゆる第三次産業の面で、理工系の卒業者をどんどん吸収しているのです。この数が、一体どのくらいになるか。実は、日経連やその他に今お願いをしまして、なるべく正確に近い数字をつかみたいと思って、私の方で、今努力をしておりますけれども、まだはっきりしたものが出ておりません。そういうものを見ますと、今三万人足らずの卒業生が、民間の研究職あるいはそれらの第三次産業にどんどん吸収されている結果、いわゆる大きな一流のメーカーでも、なかなか大学の卒業薪のええのを採用することができない。おそらく産業界におきましても、最近非常に理科系統の学生の卒業者を採用するのに困難を来たしておる。なぜこんなように窮屈になったろうかということについて、私がただいま申し上げたような、さようなこまかい分析は、おそらくそういうデーターは出ていないだろうと思います。  それでありますから、現在の卒業者だけでも、その方面だけで足りない。でありますから現在の文部省の増員計画、科学技術会議から答申されました、あの答申案による十年間に十七万人足りないという、この十七万人という数字は、私に言わせるとまだ足りない——まだ足りないのです。ところが、いわゆる文部省の増員計画によりますと、実際はこの十年間に大学を卒業する者は五万幾らしかないのです。入学した者が全部卒業するとみまして、正確にいうと五万六千九百三十二人という数字でございます。これでは、一年に割りますと一体幾らになるか、五千人余りしかないということになるのであります、大ざっぱに申し上げまして。ところが需要は、どんどんどんどんふえてくる。とうていこれは満たされない。その他、今吉田さんが御指摘になりましたように、外国からも吸い上げられておる、こういうような、いろいろな問題がここに出てきまして、絶対数において足りないのでありますから、これを、どうしても何とかせなければならない。もちろん質の面においても考えなければなりませんけれども、量の面において、絶対に足りない。これを世間も案外——これはあまりにも、はっきり認識している人が少ないのじゃないか、これを私は指摘しておるわけなんです。ですから、まずとにかく大学教員というものを、どんどんふやさなければいかぬ。  そこで私が申し上げたいことは、文部省やその他の人たちが心配されるのは、どんどんあまりふやすと、質が低下するのじゃないか。こういうことを言われるのであります。しかし、この質の低下というものは心配ないんです。質の低下しないようにしてふやす方法はないかというと、あるのですね——ある。どうしてやるのだ。現にドイツやソビエトでは、このマスコミの大量教授をやっております。現にモスクワ大学に参りまして見ましても、物理学の教室などに行ってみますと、とにかく五百人というものを一つの教室で、それには当然御承知のように、いろいろな設備をいたしております。そういう教育の仕方があるのであります。それを全然やらないで、そういう方法は全然考えないで、ただ教員が足りないとか、教室が足りないとか、いろいろなことを言って、今までの惰性に流れて、新しい前向きの態度をとってない。これを、私は指摘しているのでありまして、そういうことを基本的に、とにかく量を増す。同時に質の面においても、これは十分に考えながらいかなきゃならぬ。これがまず先決だ。  そして、そういうものができ上がって、りっぱな研究室を作り、そこにつまり物量、すなわち予算の裏づけをして、研究を十分に達成できるように、国家が当然これは助成すべきだ。そういうことによって科学技術の育成をはかる。こういう考え方をいたしておる次第でございます。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 今の答弁の中に、幾つかの問題がございますが、先の質問でいたしました具体的な点について御答弁を願いたいのですが、この科学技術会議の答申の第二号の中に、「大学教官および研究公務員の待遇の改善について」という一項があるのですが、これについては、あまり触れられませんでしたが、これについて勧告でも、あるいは審議をして方針を出すというおつもりがございますか。人間を、科学技術者をふやすことについては、大へんまあ御熱心で、質の問題も心配をしながらですが、勧告を出されましたけれども、放っておきますと、この点はどこも、自発的に取り上げるという点がないと思うのです。大学教官と、それから研究公務員の処遇の改善について、勧告でもする御用意がおありになるかどうか。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(池田正之輔君) これは御指摘のように、私ども一番心配している一つなんでございまして、当然にこれは何とかせなければならぬ問題でありますが、現在、実はその問題について検討中でございます。その結論は、少なくとも私はおそらく吉田さんが御希望されるような方向に向かって検討し、そしてその結論を、この国会中に私は出したい。かように考えております。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 その前の答弁の中で、これは大学あるいは民間の研究所を問わず、技術陣の養成の点について、力点をおいて答弁をされたんですが、その前後にございました研究費の増大、あるいは研究施設の増大なり、これは民間については、あるいは租税上の措置や何かで助成するという方向が出ておりますが、モスクワ大学の例も話されましたけれども、これは国立あるいは私立、それから国立の研究所、大学と、それから研究所を問わず、予算が少ない。あるいは設備が不十分だという点は、これは何人も否定するわけに参るまいと思うのです。私立はもちろんのこと、私立よりもいいと考えられる国立の大学にしても、具体的な例をとれば、キリスト教大学の設備に比べても、これは不十分。外国の例に比べれば、なおさらだと思うのですが、そういう点についての勧告と申しますか、あるいは充実向上の施策は、どういう工合に考えられておられますか。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(池田正之輔君) これは、なかなかむずかしい問題でございまして、一体、日本の大学の制度そのもののあり方というものを、もう少し検討する必要があるのじゃないか。今のように文化系統に偏重したようなあり方及び科学万能といったような、まだ封建的な物の考え方というものが残っておる。そういう中でございますから、これを急激にどうということも、同時に、これを予算化するという場合になりますと、残念ながら——最近は非常におかげで、国民の方々からも、国会内におきましても、科学技術に対する御論議も活発になり、この傾向でいきますと、来年度は相当予算もふくれてきまして、研究費やなんかも増額できるのじゃないか、またさような方向に進めたい、かように考えております。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 先ほど国産技術と申しますか、外国の技術導入に対する基本的な態度というもので、一応質問をいたしましたが、十分な答弁をいただけませんでしたけれども、これは従来のような企業合理化促進法や、あるいは今後とられるであろう特別措置法、租税特別措置法、あるいは二法案というようなことでは、これは十分解決ができないと思うのでありますが、具体的に、さらにどういうことを、この二法案のほかにやられようとするか伺いたい。  特に基礎研究については、先ほど来、待遇それから施設補助等を含んで御質問申し上げましたけれども、今現われているものだけでは十分でないという点は、先ほどもちゃちな施策云々ということで、お認めになったのですが、さらに一つ、どういうことについてやろうという御抱負がおありになるか承りたい。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(池田正之輔君) 基礎研究は、これはあくまでも大事なことでございまして、その上に立って、初めて科学技術の開発が行なわれるのでございますから、あらゆる施設を、これから考えなければならぬ。何をやるかといわれましても、これといって今特に……その前に、実は現在の大学及び国立の研究機関というのは、前に進むよりうしろへ下がるのを一生懸命になって押えるというのが実態じゃないか、残念ながら、それはどういうことかと申しますと、人の面であります。先ほど申し上げましたように、国立や大学の研究機関から、どんどん引き抜かれまして行っている。私の役所などでは、研究機関の上の方が引き抜かれていくのを化学的に蒸発といっている、中堅を抜かれるのをこれを沸騰といっております、なかなか化学的な用語を使っているのでありますけれども、蒸発は、それほどおそれないのでありますが、沸騰になりますと、これは処置がないのです。今のような状態でいきますと、やがて東海村の火が消えるのではないか、これを私は心配しているのです、そういうような実態です。  でありますから、とにかくこれを食いとめる、それには吉田さん、先ほどあなたが御指摘になりましたように、待遇の改善でありますとか、環境の整備とかいうことを、まずもって私どもは焦眉の急としてやらなければならない、かように考えます。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 なお基礎研究の重視あるいは助成等について、国立のこれは大学でも、あるいは研究所についても考えられなければならんですが、事業団の構想の中にも、基礎研究についての助成は十分考えられてない。それから民間の研究を助成する意味において、研究組合の中には——研究組合助成の方向の中には、基礎研究重視あるいは助成という点は、ほとんどないようです。  これらの点については、どういう工合にお考えになっておりますか、その具体的な今後の助成方法について、これは両大臣から承りたい。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(池田正之輔君) これは民間の、すなわち産業界の研究というものにつきましては、助成方法といたしましては、御承知のようにいわゆる税制の改革、まあ若干今度は、それがなされましたが、まだ十分とは私ども考えておりません。従って、その点を十分にやっていくということと、それからお考え願いたいことは、産業界が自体で持っておる研究所というものは、基礎研究ももちろんやっております。りっぱな基礎研究もやっておるし、りっぱな学者もおります。しかし目ざすのは、何といっても基礎研究よりか、応用研究ということに主眼が置かれておるということでございますので、政府といたしましては、むしろ民間に対するそういうものよりも、まずもって直接の国立なり大学の研究機関を拡充していくというところに重点を置いてしばらくはいきたいと、かように考えておる次第であります。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 研究組合の助成について、基礎研究の助成といいますかあるいは助長といいますか、そういう面は、ほとんどないようですが、この点については通産大臣、どういう工合に考えられておるか、その点を通産大臣から御答弁願いたい。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 国立の研究所では、将来の産業の基本となるような指導、先導的と申しますか、そういう科学技術を開発する長期的観点から、これを推進して参りたいと、こう考えております。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 時間がございませんから質問答弁も、繰り返す点はやめますが、きわめて不十分な、あるいは不誠意な答弁ですけれども、先へ進んで参りますが、科学技術行政の一元化問題について、ちょっと触れて先ほど質問をいたしましたが、まあ現在のあれは申し上げません、これは御承知のところでありますから。そこで科学技術会議といういわば諮問機関があるけれども、これは、総理が議長になっておられる云々ということで、これは科学技術全般については、内閣の問題である、あるいは国の強力な施策がなければならないという点が、総理が議長になっておられる点からいっても認められていると思うのでありますが、実際には、そうなっていない。各省各庁、あるいは国立の研究所も、各省別にということで、実際に分立をしております。  そこで、その総合の施策について、答申にもございますが、これは役所でなければならぬ——今までのような役所でなければならぬというようなことはないはずなんで、委員会式の役所でもいいわけであります。あるいは科学技術庁なら科学技術庁の下に統合しなければならないということでもないでしょうし、科学技術庁が事務当局になるにしても、科学技術を振興する全般的な総合的な行政機関を考える、あるいは審議会なら審議会を委員会にするということもあると思います。あるいは構成を、もっと広範にするということも一つの方法だと思いますが、再検討をする、答申に基づいて考えるということですが、その方向を科学技術庁必ずしも中心でなくてもいい、内閣全体として取っ組んでいく態勢と決意とはないか。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(池田正之輔君) 御承知のように科学技術会議というものは、御指摘のように総理が議長でございまして、これに配するに閣僚六人ですか、それから学術会議の議長とか、そういう方々がなっておりまして、これは最初科学技術最高会議と、いわゆる閣議に準ずる権威のあるものというような構想のもとに生まれたものでございます。  従って、この科学技術会議の答申というものは、あくまでも政府が、これを尊重しなければならないということを明記してあることは御承知の通りであります。しかし、また別の角度から、これを見ますと、こういうものを作ってやらなければならぬということ、それ自体は、日本の科学技術が若干おくれておる。それからまた、行政機構その他の研究機関も不十分である。それだから、こういうものを作って、これを是正しなければならぬ。そういう意味で作られたものであると、これを一つ逆にお考え願っていただくとよくわかると思うのですが、従って、この科学技術会議の答申に基づいて、これに盛られた諸般の事項については、われわれは最善の努力を尽くして、これから努力をいたしていきたい、かように考えております。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 科学技術会議のような構成で……あるいは科学技術会議を諮問機関でなくて、行政委員会のようにするのも、一つの方法であろうと思うのでありますが、答申に基づいて、急速に科学技術全般の総合を実現するように要望をいたしておきます。  それから、これは答申の中にもありますし、それから二つの法律の基本的な精神も、そうだと思うのですが、従来、まあ合理化というものが大きな目標だった。それから最近は国際競争力と、こういうことで、科学技術の振興の柱というのですか、目標が、そういうところにある。  ところが、それが具体的に現われて参りますと、企業が量産をしていくのに、あるいは企業目的に合するという合理化なり、あるいは国際競争力、端的にいえば利潤本位、あるいはもうけ本位ということになりかねない。科学のほんとうの目的は、私は科学が人間に役立つにある。あるいは自然に対する人間の闘争が科学の使命である。あるいは人間の苦痛、あるいは人間の生命に対する危険、こういうものを救うのが、科学の持っておる使命である。人間に直接役立つというのが、ほんとうの科学の使命ではないかと考えるのですが、その点は答申の中にも、あるいは二法案の基本精神の中にも、合理化やあるいは国際競争力云々という点では、これはほんとうの科学者の力を出す、あるいは科学の振興をはかるゆえんではないのではないか。具体的に、たとえば開発をするときに実用化云々ということで、企業化というのが、大きな指標になっておる。あるいは研究組合の場合についても、現実の当面の最大の問題が、あるいは合理化とか、あるいは国際競争力ということですから、結局、これを使ったらもうかる。そのめには実用化なり、あるいは採算に乗るように云々ということに、これはなるわけです。ところが、あなたの科学技術庁長官の今国会における最初の抱負からいっても、あるいは科学技術会議の答申の中にも、これは最後でありますけれども、災害——台風の防災、あるいは宇宙科学技術、電子工業、あるいは海洋科学技術、あるいは対ガン研究というような項目が出ており、いわば科学の人間への奉仕性、あるいは営利性のない公共の福祉というのが、科学のほんとうの使命ではないか。  そうすると、台風からいかに守るか、あるいは台風を、どうして避けることができるか、あるいは最近大規模の災害等が鉱山においても、炭鉱においても、あるいは工場等においてもあるわけでありますが、こういうのを、どうしたら避けることができるかということが、この科学振興のバック・ボーンにならなければならぬのじゃないか。公害の問題についてもそうであります。汚水処理とか、あるいは海洋の利用だとか、こういうものも、その一つに入ってくると思うのですが、そういう要素が科学技術のバック・ボーンにもならざるを得ない、あるいはこの二つの法案の中心目標にもなって参るわけでありますが、これらの点については、どういう工合に考えておられるか。あるいはこれらの人間のために奉仕をする本来の科学の使命を発揮させる施策としては、どういうものを考えるかという点については、どういうふうに考えておりますか。

後藤以紀工業技術院長

○政府委員(後藤以紀君) ただいまの御質問にお答えいたします。  ただいまお話になりましたことは、私ども国立研究所の重要なる研究項目として常に考えておるところでございまして、現在におきましても、いろいろな項目におきまして災害の防止、それから国民の全体の福祉の増進に関する件、あるいはまた、企業とは関係なく、その全体の基準となるべき技術等につきまして、重要研究項目として研究をいたしておりますが、今後ますます、そういう点に力を入れる所存でございます。また研究の助成等におきましても、そういう点を徹底することにして参りたい、かように存じております。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 技術院長は、そう言われますけれども、実際に事業団の研究委託の中、あるいは研究組合への助成云々という中に、そういう問題があまり入っておらぬ。  そこで長官と、それから通産大臣にお尋ねをいたしたいのですが、事業団の実際の委託あるいは研究組合の事業の助成の場合、さらに一そう、そういう人間に対する災害、あるいは危険というものを救うために、今、院長が言われたような方針を、どういう工合に生かしていこうとされるか御説明願いたい。特に最近炭鉱における災害の頻発にかんがみて、国会で議決をいたしました、あの議決を受けて保安施設の拡充、その他について予算措置をなされましたけれども、あの中に、そういう研究助成、科学が本来奉仕すべき人間に対する危険を守る云々という点は、一つも入っておりません。口では言われるけれども、いざ実際の委託だとか、あるいは予算の要求には、一つも出てこない。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 前にちょっと申し上げましたが、主として今のお話の、ヒューマニズムに直接関連するような基本的な研究は、国立研究所の使命である。そうして研究組合が、これは自発的に民間から、そういう要望が出てくるのでございますが、組合の方は、そういうものは単独では研究しにくいから、そこで協同してやりたい、こういうことで、結局企業に関連する問題が取り上げられる。いわば応用研究という面なのでございます。しかし災害の問題についても、国立研究所においては、どうしたら災害を防止するかという研究をいたしておりまして、本年度の国立研究費が一億三千万円を計上しておる、こういったような災害に関連する研究の結果を、場合によっては協同研究の方に、それをさらに実際の応用面において研究する問題が残っておれば、その方面で取り扱うということになると思うわけでありますが、そういう場合には、われわれとしては、他の研究目的と比較して、割合にそのウエートを重く見て、そうして、そういう問題を優先的に取り上げるというふうなことも考えられると思います。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 通産大臣の所管から言うと、それは国の研究所でやっているということで逃げるんじゃなしに、この間のような決議もあることだから、民間の研究についても助成をし、あるいは税金の特別措置云々というんじゃなくて、この借りる金でやらせると言ってはなかなか実現しないから、半額助成をするとか、あるいは無利子の金を貸すとか、こういう方策も講ぜられておるのだから、自発的な研究、いわゆる防災あるいは危険の排除、こういうためにするには、研究を助成する意味においても、ただ租税の点で考えるということだけでなくて、助成の点も考える、あるいは指導の方法によっては、自発的にしろこれは研究され、さらに拡大する、研究組合についてもやらせるという方法は、これはあろうと思う。そういう決意でおやりを願いたいということを申し上げておきたいと思います。  それから最後に、これは国の研究、あるいは民間の研究の助成のみならず、科学全般について、これは長官も認められていると思いますけれども、ちゃちな費用あるいはちゃちな研究助成ということでなくて、もっと抜本的な助成あるいは飛躍的な予算の拡大というものがなければ、これだけ遅れている科学技術というものを、これは促進するといいますか、あるいは追いつくわけには参るまい。追いつけ追い越せということであろうと思うのでありますが、追いつき追い越すためには、もっと根本的な施策が必要である。しかももうけ云々ということでは、ほんとうの科学者を踏みとどまらすということにはならんので、待遇の問題もある、あるいは施設の拡充ということも必要ですが施策については、答申に基づいてもですが、飛躍的な助成も必要であろうし、それから、それを貫くものとして、人間の幸福あるいは人間の苦痛、あるいは危険というものを救うという点が強く貫かれなければならないのであります。こういう点はこれは感じておられることだと思いますけれども、先ほど長官は多少学者に対する評価の点について問題のあるような御発言もございましたから、さらに鞭撻をして、今後御努力を願いたいという要望を申し上げて質問を終わります。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 他に御質疑はございませんか。——他に御発言がなければ、両案の質疑は終局したものと認め、これより両案を一括して討論に入ります。  御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言がなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。  まず新技術開発事業団法案を問題に供します。  本案に賛成の方は挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 全会一致と認めます。  よって本案は、全会一致をもって、可決すべきものと決定いたしました。  次に、鉱工業技術研究組合法案を問題に供します。  本案に賛成の方は、挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 全会一致と認めます。  よって本案は、全会一致をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、ただいま議決いたしました二案について、議長に提出する報告書の作成等につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じます。  本日は、これにて散会いたします。    午後五時五十六分散会    ————・————

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