商工委員会 第19号
- 発言数
- 33 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/04/20
会議録
○委員長(剱木亨弘君) これより商工委員会を開会いたします。 本日は、新技術開発事業団法案及び鉱工業技術研究組合法案の審議を行ないます。 最初に、委員の異動について報告しておきます。 昨十九日、後藤義隆君が委員を辞任され、その補欠として、鈴木万平君が委員に選任されました。 —————————————
○委員長(剱木亨弘君) それでは新技術開発事業団法案、鉱工業技術研究組合法案、以上二案を便宜一括して議題といたします。 まず、新技術開発事業団法案について補足説明を聴取いたします。
○政府委員(原田久君) 新技術開発事業団法案の提案理由につきましては、すでに長官から御説明をしておりますので、本日は、私から、補足説明をさしていただきたいと思います。 資料といたしましては、法案もございますが、新技術開発事業団法案要綱の方が簡潔でございますので、それを元にして御説明をさせていただきたいと思いますが、その前に、一応新技術開発事業団法案を提出するに至りました経過を御説明させていただきたいと思います。 わが国には非常に研究成果というものが多いといわれております。たとえば特許の出願件数なども、最近に至りましては世界で第一位というほど数が多く出願されております。それから学者の論文でございますが、これも世界にも見劣りのないほどたくさん出ております。そういうような角度から見ましても、わが国の研究成果というものはかなりあろうかと思いますが、残念ながらそれが実用化されていないということは、古くからいわれておるところでございまして、外国技術の導入などを例に申し上げましても、昭和二十五年以降一千億円を突破するほどの外貨を支払っております。これに対しましてわが国の研究成果として外国に技術を輸出しておるのは十億内外というような数字で、きわめて振わない状況にございます。そういうような点から、すでに古くから研究成果を何か事業化するための橋渡し機関が必要であるという要請が叫ばれておりまして、御承知のように、昭和二十五年以来、日本学術会議、経済同友会、あるいは経済団体連合会等からもいろいろな案が提案されたこともございましたが、ついに日の目を見ないで時日を経過いたしましたが、昭和三十三年度に至りまして、理化学研究所が発足いたします際に、そういう新しい技術の開発を担当してみたらどうかということに相なりまして、理化学研究所法の中に開発に関する事項が盛られまして、現在まで三カ年間でございますが、新技術の開発の事業をして参ったような状況でございます。 その間、理化学研究所にそういう開発の事業を担当させるに至りました経緯として御報告しておきたいのは、調査団を諸外国に派遣いたしまして、イギリス、アメリカ、ドイツ、カナダ等のこの種機関の実情も調査いたしました結果、イギリスの研究開発公社というのがございますが、これがわが国で実施するための最も参考になるだろうというような結論から、イギリスの研究開発公社を亀鑑といたしまして、その内容のものを理化学研究所の中で実施することになったわけでございます。 理化学研究所におきましては、開発部という組織を設けまして、なお、審議機関といたしまして開発委員会というのを設けまして——お手元に差し上げてあります青刷りの印刷物の四ページにございますが、開発委員会を設けまして、開発すべき新技術の選定、開発を委託する企業の選定、開発実施計画、開発実施結果の成否の認定、開発の成果を実施させる企業の選定及びその実施条件等につきましてここに諮りまして、その結果、開発を委託する等の事務を進めて参ったわけでございます。その構成は、そこにありますように、各界の権威者に開発委員をお願いして現在に至っております。 取り上げました内容としまして、三十三年から三十五年にわたります新技術開発事業は、六ページから八ページにわたって書いてございますが、三十三年度は、簡単に申しますと、球状黒鉛鋳鉄というものを東北大学の音谷博士が御発明になりましたものがございます。これは原特許権者は金属材料研究所でございますが、そういう研究成果がありまして、この種の技術につきましては、非常に大事だというので、諸外国からの技術導入を盛んにしておるようなテーマでございますが、わが国の新しい技術がでまた、これを一つ実施する必要がある。ただしそこにはまだ中間段階と申しますか、企業規模でやった経験がないために、企業が研究成果をそのまま受けて実施することができないというような段階で足踏みをしておりましたので、その足踏み状態をなくす意味で東北特殊鋼に、開発の規模及び期間等も、そこにありますような条件で、必要な開発を委託いたしまして、そうして開発をしたところが、ごく最近に至りまして、これは成功をしたということの、開発委員会の認定があったわけでございます。そういうような黒鉛鋳鉄の研究及び右の欄にありますように、人工水晶の製造、これは山梨大学の国富教授がくず水晶を用いまして、それを熱化学的に処理をいたしますと、りっぱな人工の水晶ができる、これは通信機方面の用途に使われますが、従来外国から輸入しておりました水晶にも、十分太刀打ちができる、値段も安いというようなことになりまして、これも成功というような認定が下ったものでございます。 これが三十三年度の開発でございまして、三十四年度は、次のページにありますように、石炭を直接原材料とする炭素材の製造、これは工業技術院の資源技術試験所で研究を完成されたものでございます。これを東洋カーボンに委託をしておりますが、目下開発中でございます。固体分析用二重集束質量分析装置、これは京都大学の佐々木申二教授が発明されたものでございまして、世界的水準にあって、非常に純度の高い質量分析装置でございますが、これも企業的にやってみるには心配があるというのでございましたけれども、日本電子光学研究所に委託をいたしまして、目下開発を進めておるというような状況でございます。 次に八ページに参りまして、三十五年度の開発でございますが、これは石炭ガス化燃焼装置の製造、これは東京工業大学の川下教授が発明したものでございまして、相当規模の基礎研究から、中間工業化試験というような段階と経ましたが、さらに本格的な大きさに持っていくには、まだ不十分であるということでございましたので、これを大東工業所に委託をして、目下開発中でございます。それからニッケル電鋳法による製品の製造、これは理化学研究所の大越博士が発明されたものでございますが、これを池上金型工業という会社に委託をいたしまして開発しておりますが、この用途は、非常に微細な鋳物ができるわけでございまして、ラジオのいろいろな部品だとか、いろいろなものに使われるというので、業界でも関心の高いものでございます。そういったような委託計画につきまして開発を進めております。 こういうような次第でございまして、過去二カ年にこのほかにもう一件三十五年度はございますが、ここに印刷はしてございませんが、過去三カ年にわたりまして、資金量として三億四千万円ほどの委託開発費の中から七件こういう開発を進めております。 こういう状況で三カ年理化学研究所の開発部として開発をして参りましたのでございますが、御承知のように、貿易の自由化という方向に進みますと、わが国の技術というものもいつまでも安易な姿ではいられない、特に海外と太刀打ちするには、わが国のせっかくの研究成果というものをさらに早く実用規模に持っていく必要がある、そのためには資金ワクを拡大するということが必要ではないかということと、それからもう一つは、理化学研究所に開発部を置いておりますが、理化学研究所の開発部といいますと、外部から見ますと、理化学研究所の研究成果だけを開発するように受け取られまして、いわゆる開発のテーマに何か制限があるかのようにとられ、また広くいいテーマを見つけ出すという点にも欠ける点があるのではないか、この際、理化学研究所に属せしめるよりも、独立した方がいいのじゃないかという意見も出て参りました。まず、そういうような関係で、独立をさせたいという気運になりまして、開発委員会にもお諮りをいたしましたところが、従前のような形でやっていては十分な仕事もできないだろう、特に理化学研究所は本来研究をするところである、研究をするところと、他の研究所から出てきた研究成果を開発することを主とする仕事とが一つの組織の中に入っておるのは、勢力の集中というか、効果的な発揮という角度からいっても望ましくない、この際、独立した方がいいだろうというような御意見が各方面から上がって参りました。なお、理化学研究所法が施行されるにあたったときも、初めは独立した新技術開発機関というものを考えておりまして、独立させるべきであろうという構想を政府部内では持っておりましたが、大蔵当局の意見としましても、わが国初めてのことであるから、初めから独立してやって、場合によって失敗するようなことがあってはいかぬから、理化学研究所で一応試みてみる、その上で見通しがついたならば独立することもあるいは考えられるかもしれぬというようなこともございまして、三年間の実績を積んだところが、おおむね見通しが立ったという段階になりましたので、今年はこれを独立させる機関として新技術開発事業団法というものをお願いしておる次第でございます。 この新技術開発事業団のやります仕事は、そういったような次第で、理研でやっておりましたことをそのまま踏襲いたしまして、ただ独立をするにあたりまして起こります若干の修正といいますか、改造をしなければならんという点はございますので、そういう点は法案の中に若干そういう訂正を、訂正といいますか修正を加えておりますが、やります仕事は変わりがないというふうなものでございます。 で、説明が少し不足いたしておりますが、やる方法といたしましては、時間を拝借いたしまして、若干御説明さしていただきますが、わが国にあります研究成果のうちで、研究段階が終わったというようなものを、理化学研究所の手によりまして各方面にお問い合わせをし、あるいは調査をいたしまして、集めまして、その中からこれはもう研究も終わっている、一つ次の段階へ入るべきだというようなテーマで、国民経済上重要であるというような観点のものを開発委員会に資料とともに提出いたしまして、開発委員会ではそれをやってみろということになりましたものを取り上げるような手続きを踏みましてやります。この趣旨といたしましては、研究は終わっておるが、企業的規模において実施した場合に成功するという見通しが必ずあるというわけにも参りません。そういう観点から、この研究成果を他に委託をすることに考えております。委託と申しますのは、その会社に技術的な能力もあり、またそういう委託を受けて開発してみるという熱意のある、また経済的にも安定性のある、そのために大へん不安なところに委託するということになりましてはいけませんので、そういうような角度で委託先も十分調べまして、そうして従来で申しますと、理化学研究所の開発部と委託される企業者との間で十分打ち合わせをして、それじゃ引き受けましょうということになりました場合に、委託先がいいかどうかということを開発委員会にもかけまして、必要な条件についてもかけまして、御了承を得た上で、実際的には両当事者間の契約を結んで委託をお願いするという形をとっております。その結果、成功する場合と失敗する場合とがあろうかと思いますが、成功と申しますのは、所定の技術的な目標と経済的な目標に到達する、市場的な角度から見ても需要が発生し、またそのコストからいっても、需要を呼び起こすに足りるというような目標に到達したかどうかは、開発委員会で認定をいたしまして、そういうふうになった場合には、開発は一応成功したというふうになりますと、今まで委託費でやっておりました技術と設備等を、委託を受けておったすなわち受託者が受け取りまして、そうしてそれを生産等の事業に持っていくという形をとります。それからもし失敗をした、たとえば経済的に引き合わぬものしかできないというような場合になりましたときには、その委託料はもうそれでやむを得ぬということで、これは従来でいうと、理化単研究所の損失だということになります。その際、設備をしましたものにつきましては、理研がしかるべく処分をするというふうな形をとっております。こういうことによりまして、危険のある開発という仕事が、今回の法案で言いますと、事業団の責任において開発をされるということに相なるわけでございます。 なお、その間、発明者と事業団、委託者との関係でございますが、発明者即特許権者である、あるいは実用新案権者でない場合もございますが、そういう工業所有権の権利者と事業団との間にはやはり契約を結びまして、開発が成功して実施に移った場合には、実施料を企業者からもらうということになっておりまして、その実施料を事業団に払う。その事業団が受け取った実施料のうち、従来の経験でいきますと、半額は特許権者の方へ払うというようなこまかい契約もいたし、原則としてはそういうようなことで従来進めておりますし、今後もそういう形をとって進めていきたいと考えております。そういう形で、今回理化学研究所から独立した新技術開発機関を設立したいというのが、本事業団法を提出したゆえんであり、経過でございます。 次に、いささか事務的になりますが、事業団法案要綱に従いまして、その重要な点だけ御説明させていただきます。まず第一の目的でございますが、これは従来の理化学研究所法にありますうちの新技術開発に関する事項を、そのまま引き移して参りまして世的としておりますので、特に御説明は要しないかと思います。 第二の法人格も、これは説明を省略させていただきます。 第三の資本金でございますが、事業団の資本金といたしましては、過去三カ年間に計三億四千万円ほど開発に充てる資金として、理化学研究所に出資しております。そういったものがすでに七件の開発委託に使われると同時に、管理経費的な事務経費は、それだけ消費しておるわけでございますが、この際三億四千万のうち開発の部としてあります資産のうち負債が若干ありまするが、負債と申しますのは、まあ、あと支払わなければならぬという、品物を買ったけれども、それを支払わなければならぬというたぐいのきわめてわずかな経費でございますが、そういったものを差し引きましておおむね三億四千万円弱のものでございますが、その金額と三十六年度予算の三億円でございますが、合わせました金額のものを資本金とするということが第三の一項に書いてございます。 第二の二項は、「政府は、必要があると認めるときは、予算に定める金額の範囲内において、事業団に追加して出資することができる。」と書いてございますのは、この第一項の計六億四千万円ほどの資金量で事業団が将来ずっと継続して運転できるかというと、私の方はそう考えておりませんで、私どもの方の一応の目標といたしましては、今後経年十億円ぐらいずつ政府が出資して参りまして、総額五十億に達するまで出資を続けて参りたいと思います。そういう出資を続けて参ります間、開発等も、開発の委託も毎年やりますが、そういうふうにして研究成果の開発を続けて参りますると、資本金五十億になりました段階におきましては、すでに開発をいたしまして成功して返ってくる、年賦で返って参りますが、委託を受けたところから返って参りますが、そういった金の回収金と、それから実施によって特許の実施料が入って参ります。その実施料、そういった収入によりまして、資本金五十億になりますと、自後はおおむね年間十億円ぐらいの、あるいは十億円以上の開発事業が行なえるというような自立体制を今考えております。で、そういったような方向に向かって、今後政府はおおむね五年ないし六年にわたるかと思いますが、出資を続けて参りたいと思いますので、その出資をするということが資本の項目の第二項に書いてあるわけでございます。 第四の定款は省略させていただきます。 それから第五の名称使用の制限、これは事業団の名称を他で乱用されますと、いろいろ信用上もあるいは公益上といいますか、も不測のトラブルを起こすようなことがあってもなりませんので、この際、新技術開発事業団という名称につきましては、法律で他のものが乱用しないように名称の使用の制限をしたいという項目でございまして、類似名称までは制限をしないという考え方をとっております。たとえて申しますと、新技術開発会社というものができたり、あるいはこれに似た新技術何々というものができましても、それはやむを得ぬという考え方をとっておりますが、新技術開発事業団ずばりを使われることはお断わりでございますという考えでございます。 第六の役員及び職員でございますが、このうち御説明をしておきたいのは、役員といたしましては、理事長一人、専務理事一人、理事四人以内及び監事一人を置くことにしております。それだけ御説明させていただきます。それからこの理事長及び監事は内閣総理大臣が任命する。それからこれは六項に書いてございますが、専務理事及び理事は、理事長の意見を聞いた上で内閣総理大臣が任命をするということでございます。その他の説明は省略させていただきます。 次に第七の開発審議会でございます。これは従来理化学研究所法では開発委員会と呼んでおりましたが、この事業団法では開発審議会という名称を用いております。これは従来の開発委員会といささか性格を変えている点でございます。従来の開発委員会はどういう性格であったかと申しますと、理化学研究所において新技術開発に関する重要事項を進める場合には必ず——必ずといいますか、開発委員会の議を経なければならない。議を経てきまったものでなければ従来の理化学研究所ではこれを実施することができないというような、まあ制限の規定であったわけでございます。それで、そういうような審議会を従来は委員会としておりましたのは初めての経験でもありますし、あまり理化学研究所が独走してしまうのもどうだろうかというような観点もございましたので、一応そういうような形をとりまして、審議する事項といたしましても、旧理化学研究所法には五つばかり項目を掲げておりまして、簡単に申しますと、新技術開発としてはどういうテーマを選ぶかというその選び方、それから今度は委託をする企業の選定についてもここにかけなければならぬ。それから新技術開発に関する実施計画、どういうような計画で開発を委託するかというような計画もかけなければいかぬ。それから成否の認定、実施計画を実施した結果、成功したか成功しなかったかというような認定、これもかけなければいかぬ。それから新技術開発の成果を実施させる企業の選定及び実施条件に関する事項、これもかけなければいかぬというようなことで、非常に詳しく十分審議をしてもらうようになっております。しかし三年間の経験に照らしてみますと、こういったあまり微に入り細にわたったことまで開発委員会にかけるというよりも、大綱的にこういうところの開発審議会にかけて、そうして対抗視しないようにして、そのかわりこの事業団の理事機構といいますかに、十分責任を持たして、その責任で処理する方がいいだろうというような観点から、この点は独立にあたりまして過去の経験を生かしつつ若干の修正をしたわけであります。 その結果次のページにありますように「理事長は、あらかじめ審議会の意見を聞かなければならない。」という、今までの「議を経なければならない。」とありましたのを「意見を聞かなければならない。」というふうに若干緩和いたしまして、しかも項目としましては「新技術の開発に関する基本方針」、どういうような新技術、どういう分野の新技術を、どういうような順序で開発していくべきかというようなたぐいの基本方針はここにかけてもらう。それから次に「開発を実施すべき新技術を選定」、これは従来もあったことでございますが、どういうテーマをそれでは選ぶかというようなこと、それからその次に「開発を実施した結果」、それが成功したかどうかという認定をするとき、このときはまた開発審議会の意見々聞いて理事長がその判断をして処理するというふうに改めた点でございます。ただしその三項に「審議会は、前項各号に掲げる場合のほか、理事長の諮問に応じて、新技術の開発に関する重要事項を審議することができる。」とございますので、必要があれば、従来の理化学研究所の開発委員会にありましたこまかいことにつきましても、たとえば企業の選定だとか、それから実施計画だとか等々につきまして、必要があればかけることもできるという余裕を取ってございます。そういうふうな表現に改めたという点でございます。あと委員の構成等につきましては従来とかわりございません。 それから第八の業務でございますが、これも従来と変わりございませんが、この点は大事な点でございますので説明をさせていただきますと、その業務の一つとしましては「企業化が著しく困難な新技術について企業等に委託して開発を実施すること。」、ここで「企業化が著しく困難な新技術について」ということをつけておりますのは、企業化が比較的安易にできるようなものまで、限られた原資しかない事業団が引き受けまして、開発委託をいたしますと、資金の有効利用という角度からいっても困りますし、いろいろな問題も起きるかと思いますので、開発を委託してやるものは企業化が非常に困難であるというようなことが明らかなものを取り上げるというふうにしておることでございます。 それから第二の「前号に掲げる業務に係る新技術の開発の成果を普及すること。」、ここでちょっと御説明しておきたいのは、「普及する」という意味がいわゆる世上で言われておりますPRではございませんで、ここで考えられておりますのは、もちろんPRをしないというわけじゃございませんが、実体的には開発いたしまして成功した技術というものを、その委託した企業だけが利用しておるというのでは、公共的な資金を使って開発した価値もございません。できるだけ広く多くの人に利用してもらうことが必要であろうという観点から第二、第三あるいは第四と広くそういうものを実施してもらうようにすることをここで普及といっております。 それから第三の「新技術の開発について企業等にあっせんすること。」、これは特に委託開発などをしなくとも、ただあっせんすれば新技術の開発ができるというような問題につきまして、やはり事業団といたしましては、そういう機能も持たしておく必要があろうかと思います。 それから「前各号の業務に附帯する業務」、これはいろいろ調査したり、いろいろなことでございますが、そういったようなことということでございます。これは従来と変わりございませんが、重要なところでありますので、説明をさせていただきました。 それから次に、第九、財務及び会計、これも普通の文章でございますので、説明を省略させていただきます。 第十の監督、「事業団は、内閣総理大臣が監督し、必要と認めるときは、」云々と書いてございますが、監督を内閣総理大臣としております。この点について若干説明さしていただきますが、諸外国の例を調べましたところが、イギリスにおきましても、インドにおきましても、カナダにおきましても、おおむねその対象とする新技術といたしましては非常に広い分野にまたがっております。これを日本の行政組織から申しますと、通産省、農林省、厚生省、運輸省、建設省等々にまたがる範囲のものを一カ所で総括的にやっておる機構をとっておりまして、イギリスの例など申し上げますと、イギリスでは第二次大戦中に有名な話でございますが、ペニシリンがイギリスで発明されたけれども、工業化することをイギリスでは不得手であってやらなかった。ところがチャーチルが肺炎にかかったときに、アメリカからペニシリンを持ってきて、そうしてなおったという話がございますが、そういうようなことで研究はあっても、事業化されていないのは非常に遺憾だという角度から、一九四八年にディベロップメント・オブ・インベンション・アクト——発明開発法という法律を一九四八年に公布いたしまして、一九四九年に研究開発公社——リサーチ・ディベロップメント・コーポーレーションというものが発足いたしました。その取り扱う対象といたしましては、今申しました医薬品関係、それから農業関係、土木関係、それから通信関係、その他製造関係というようないろいろなものをやっております。そういうようなこともございますので、わが国でやる場合にも、これがばらばらに各省でこういう機構を置くよりもいいだろうということで、理化学研究所法のときから、理化学研究所の事業として内閣総理大臣の監督下に置いておったわけでございますが、そういった形態を受け継ぎまして、監督は内閣総理大臣とするということにしたわけでございます。 あと雑則、罰則、関係法律の一部改正、これは税の関係等でございますが、説明を省略させていただきまして、骨子だけを述べまして、これで補足説明を終わらせていただきます。
○委員長(剱木亨弘君) 次に、鉱工業技術研究組合法案について補足説明を聴取いたします。堀坂工業技術院調整部長。
○説明員(堀坂政太郎君) それでは、鉱工業技術研究組合法案につきまして、補足説明を申し上げます。 技術革新下におきます日本の技術の状態等につきましては、ただいま原田振興局長が説明をされた通りでございますが、この鉱工業技術研究組合法を必要といたします条件といたしましては、ただいまお手元に参考資料としてお配りいたしましたように、日本のこの技術研究の現状は国際的な観点から検討をいたしますというと、研究投資がまだ非常に過小である、あるいは研究投資が非常に分散をしており、また、試験研究が重複しておるという傾向が認められるのでございます。さらに、基礎研究から企業化への一貫して均衡ある展開が行なわれていないという現状もございます。あるいは産業間あるいは企業間の技術水準の格差が非常に大きい、こういうような諸種の欠点があるのでございます。日本におきまして最近は非常に新しい技術がどんどん創設されておりまして、世界的にはかなり誇るものがあるのでございますけれども、相対的に見ました場合におきましては、まだ非常に不振と言って差しつかえないのでございまして、外国技術への依存の傾向が非常に強いことは御高承の通りでございまして、本年におきますところの外国技術導入は約八千万ドル程度に達するかと思います。それに対しまして、日本からの外国への技術の輸出は、その一%をちょっと上回わるというような現状でございます。そういうような現状からいたしまして、最近研究は非常に活発にはなってきておりますけれども、まだでき上がった外国の技術を買うということに依存した方が、早く企業として安定するというような状態になっておることは疑う余地のないことであろうかと存じております。で、このような現状を直して参りますためには、諸種の手を打たなくてはならないことは申すまでもないのでございますが、その一つの方法といたしまして、私どもはこの民間の研究を推進をすることが必要であると存じておりまして、そのために必要な最も格好な制度というものを作っていく必要があろうというように存じております。最近におきましては、協同研究を進めていくという傾向が非常に高まってきておりまして、今日におきましても、任意団体においてあるいはその他の法人の形態によって協同研究を行なっておる例が多々あるのでございますが、そのいずれにも、その協同研究を行なうという観点から見ますならば、必ずしも満足すべきでないような条件があるのでございます。 そこで、なぜ協同研究をそんなふうに進めるかという点につきましては、もし民間が協同して研究をするということが今よりさらに活発になりますならば、研究費あるいは研究者、研究設備等が効率的に活用されるということはいうまでもないことでございますが、御高承のように、最近の産業技術は一つの分野だけの技術だけで完成するというものでないものが大部分でございまして、各種の方面の技術。科学枝術というものが総合化され、さらにそれを実用規模にまで持っていく、いわゆる工業化あるいは企業化過程の段階におきましては、この装置あるいは設備の製作、そうした方面までの協力を得て、初めて総合的な研究が効率的に遂行されるのでございますが、そういうようなことのためには、現在のわが国の一つの会社だけで、あるいは一つの企業だけでは完成しにくいというものが多々あるのでございます。さらにそれが非常に大規模になりましたときには、この協同研究が必要であることは言うまでもないのでございますが、こういうような協同研究を推進することによりまして、企業といたしまして、その成果の利用が間接的でありあるいは長期的な目から見れば非常に大きな効果を来たすというような部面の研究というものが容易になるということが言えると存じます。そうすることによって技術それ自体が高度化されてくる、かように存じておるのでございまして、その意味からこの民間の協同研究を推進するということによって、日本の研究投資が小さく、あるいは総合的でないというような欠点を相当補うことができるのではないかと存じておるのでございます。現在その協同して研究を行なうという制度として考えられますのは、あるいは公益法人、あるいは協同組合、あるいは株式会社というような、いろいろな組織が考えられるのでございますが、公益法人として協同研究をいたしました場合におきまして、公益法人は御高承のように不特定多数者の利益というものを目的といたしまして存在するものでございますが、協同研究、研究の性格からいきまして、そのいわゆる利害関係者、それ自体が自分で利用したい、そういう研究というものを遂行していく上におきましては、必ずしもこの公益法人という組織はその目的に合致しないものでございます。また事業協同組合、今度の中小企業の事業協同組合におきましては、これは中小企業のみを対象として構成されるものでございまして、このような研究というものの性格から考えまして、企業規模によって制限される、組合員の資格を制限するということは適当でないというような問題があるのでございます。また株式会社につきましては、株式会社は営利を目的とした法人でございますので、研究をやって参ります上において、必ずその利益が出るという見込みがつかない場合が非常に多い、特に初期の段階におきましては多いのでございまして、そのような事業というものを初めから株式会社の形でやっていくということには適当でないというような問題もございますし、あるいは株式会社におきましては、その出資の、資本金の率によりまして議決権に差があるのでございまして、相互扶助組織としてこの協同研究を進めていこうというような場合においては適当でないというような問題もあるのでございます。 このような状態でございますが、従って相互扶助組織といたしまして、今日すでに任意の研究組合ができておりますが、その任意の研究組合におきましては、どのような問題があるかと申しますと、その研究組合でできました特許権の帰属というものが非常に問題になりまして、任意の組合で研究をいたします場合におきましては、その組合の会社からの職員としてその協同の研究の場に出向いたしておりますが、その研究の結果できました特許権というものは、現在の特許法からいきまして、当然その出向した会社の発明として、その研究者の所属する会社に実施権が移るというような問題もございます。あるいは労災法の関係、高圧ガス、取締法の関係、あるいは課税上の問題といたしましても、そのような協同研究に費やした経費の処理等に非常に問題があるのでございます。 このような状態でございますので、この鉱工業技術研究組合法によりまして、このような研究体に一つの法人格を与えまして、そしてただいま申し上げましたような問題をなくしますとともに、そのような協同研究体に対しまして、先般国会を通過いたしました租税特別措置法によりまして税制上の優遇措置を与えまして、さらに必要に応じては政府から補助金も出すような形で組合を育成していくことができると、かように存じております。この研究組合の特性といたしましては、いわゆる出資制をとらなかったということ、それから加入の制限を可能にした。これはその技術というものの機密の保持の必要性、研究能力等から、最も協同研究ができるもののみを加入者に、組合員にするというようなことを可能にした、そして剰余金等の分配を禁じまして、そして最終的にこの目的を達するまで資金的な基盤というものを確立しやすくしたというような点。あるいは設立認可の要件というものを厳重にいたしまして、事業協同組合法等を運用いたしまして監督を強化する。このような特性をこの法案の中に持っておるのでございます。 助成措置につきましては、先ほど申し上げましたように、租税特別措置法の改正によりまして、組合員が分担いたしましたその賦課金につきましては、この組合が使いますところの経費的な支出分に相当いたします分は、全額損金として認められますほか、あるいは研究用の固定資産に相当いたします賦課金につきましては、三カ年で、初年度七〇%、二年度、三年度それぞれ一五%という特別償却を認めていただくことになっております。なお、そのほかに従来から通産省の工業技術院におきまして鉱工業試験研究補助金といたしまして持っておりました補助金を、本年度はさらに一億五千万円追加をしてもらいまして、その予算をもちまして、この協同研究に対する援助をいたしたい、かように存じておるのでございます。 それでは引き続きまして法案につきましてごく簡略に御説明さしていただきたいと思います。 第一条は、目的を書いてあるのでございますが、まずこれを申し上げます場合に、先ほど原田振興局長から御説明のありました新技術開発事業団のやることと、それから研究組合の目的としておるところとに、あるいは御疑問が生ずるかと思いますので、あらかじめ申し上げておきたいと思いますが、先ほどの説明にもございましたように、新技術開発事業団は、試験研究がすでに終わって、これはもう実用化できるという見込みのついたもの、それがなかなか企業家の方において取り上げられずに、企業にならないというものを取り上げまして、そしてこの事業団の事業といたしまして、これを民間の企業者に委託をしてやらせるということをねらいといたしておるのでございまして、このような事業を行ないますのは日本で唯一の機関として考えておるものであります。今御審議を賜わっております研究組合法は、これはそれぞれの技術の種類、あるいは企業等におきまして協同して研究をするということを促進しようとするものでございまして、このような研究組合は各種の産業技術の分野におきまして数多くできるものでございまして、まずその技術の研究からやっていく、いわゆる広い意味の技術の開発をやっていって、そうしてその研究が将来企業にまで適用されるようにするということをねらいにしておるものでございまして、事業団と違いまして、この研究組合は数多くできるものであるということでございます。従ってこの研究組合は鉱工業技術の向上をはかることを目的とし、またその研究については協同して行なう、そのような組織を定めることを目的といたしておる次第でございます。 第二条については、特に御説明申し上げるまでもないと思いますが、本法に基づきまして、このような協同研究体に法人格を与えて、そうして本法に定めるところの範囲内の権利能力及び行為能力を有することになると存じます。 それから第三条は、研究組合の要件でございますが、組合の要件といたしましては、すなわち、協同して研究を行なうということ、それから議決権及び選挙権を平等に持つということが要件となっております。さらにこの第二項で、「特定の組合員、」——すなわち、組合という形式をとるけれども、一人の組合員の利益だけを目的として事業を行なうというようなことを禁じております。これは、先ほど申し上げましたように、この組合に対しまして特に税制上の優遇措置があるわけでございますが、この組合という形式だけをとって税制上の恩典を受けようという偽装組合を排除しようとする目的のものでございます。 それから第四条は名称でございまして、研究組合には「技術研究組合」という文字を用いるということをきめておりますとともに、「技術研究組合」という名称を他のものが利用することを禁じております。 それから第五条は組合の行なう事業でございまして、「試験研究を実施し、及びその成果を管理する」ということ、それから「組合員に対する技術指導を行なう」、それから、組合員のためにその施設を使用させるということ、そうしてそれに関連する付帯事業をやるということで、その事業を制限列挙いたしまして、この組合が技術研究に専念をするということを要請しておるものでございます。 それから第六条は、組合員の資格でございまして、この組合員になり得るには、その研究の成果を直接あるいは間接に利用するものときめております、直接に利用するというものは、組合の試験研究の成果であります生産技術をそのまま利用いたしまして、製品の製造を行なうというようなものを考えております。間接の利用者は、そのようにしてできた製品というものを利用して事業を行なうというようなものと考えております。 それから第七条は、発起人でございますが、これは三人以上となっております。事業協同組合の場合の四人よりも少しく軽減をいたしておりまして、このような協同研究組合というものの結成をできるだけ容易にしようという趣旨から三人といたしたのでございます。 第八条は、設立の認可についての要件を定めたものでございます。 それから第九条は、組合の定款に必要な記載事項を定めたものでございます、これにつきまして二、三の点を御説明申し上げますというと、加入につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、加入自由の原則はとっていないという点でございます。それから脱退につきましては、中小企業等協同組合法第十八条が準用されまして、組合員は九十日から一年の範囲内で定款で定める予告期間をおきまして、事業年度内に脱退することができるようになっております。それから組合の事業に要する経費は、原則として組合員から賦課金を徴収することによってまかなうことといたしております。定款には当然費用の賦課割合及び手続、徴収方法等の基本的事項を定める必要があると考えております。それから第七号の組合の損失につきましては、組合員から賦課金を徴収して埋め、あるいは次の事業年度に繰り越す等、幾つかの方法が考えられるのでありますが、その処理方法について具体的に定める必要があると考えております。それから第八号の組合への技術者の派遣は組合の試験研究成果の利用、技術の提供等、組合員の権利義務の基本的事項及びその行為手続等について定める必要があると考えております。 それから第十条は定款の変更でございますが、定款につきまして、定款及び定款の変更は主務大臣の認可を受けなければその効果は生じないということになっております。 それから第十一条は規約でございまして、これは定款に定める以外の事項につきましては、これは主務大臣への届け出の義務を課しております。この点は協同組合法の場合よりもやかましく実はできておるのでございます。 それから第十二条で事業計画及び収支予算、これは主務大臣への届け出を要求いたしております。 十三条では定款の定めるところによりますところの費用の賦課が規定されておるのでございますが、この組合は、先ほど御説明申し上げましたように、出資制をとっておりませんので、非出資制でございますので、組合の事業に必要な経費につきましては、組合員に賦課することができるようになっております。 それから第十四条で、(試験研究用固定資産の取得等について納付した費用に対する所得税又は法人税の課税の特例)と書いてございまして、「主務大臣及び大蔵大臣は、組合に対し、その行なおうとする試験研究が国民経済上重要なものであり、かつ、その取得し、又は製作しようとする機械及び装置並びに工具、器具及び備品が当該試験研究のために必要なものである旨を承認することができる。」ことになっておりまして、そのような承認を受けました場合におきましては、租税特別措置法で定めるところによりまして、その費用についての特別償却が行なえるようにいたしております。先ほど申し上げましたように、固定資産、これは重要研究の固定資産につきましては、初年度七〇%、二、三年度、それぞれ一五%で、一〇〇%償却できるというようにいたしております。なお、企業合理化促進法におきますところの個々の企業の重要研究につきましては、償却は九〇%しか認められておりません。初年度は約七〇%でございますが、あとの分をあと四カ年で償却するということになっておりまして、その点、協同研究の方は非常に優遇されておるのでございます。 それから第十五条は、剰余金の処理について書いてございます。先ほど申し上げましたように、「組合は、毎事業年度、剰余金を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額は、翌事業年度に繰り越さなければならない。」、こういうふうに規定をいたしております。この組合の研究遂行能力を確保する趣旨において、このように規定されております。 なお、第十六条におきまして、この組合の設立と解散に至るまで等の事務につきましては、相互扶助組織であるという点におきまして、中小企業等協同組合法の規定を準用いたしておりますとともに、さらに、業務改善命令等も準用いたしまして、この組合に対する監督を厳重にするようにいたしております。 以上、概略御説明いたしました。
○委員長(剱木亨弘君) それでは両案を一括して質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。
○阿具根登君 両案を一括して審議ということですから、その基本的な点を一、二お伺いしておきますけれども、両案の説明を聞きますと、聞くほどどうもわからなくなってくる。たとえば事業団の方は、理研に事業部があって初めて私は開発部というのが生きてきたと思うのです。ところが、もう研究されて、そうして企業に移すために、非常にそれがむずかしいから、その企業に移す間の仕事をするのだ。そうなってくると、すでにもう科学技術庁の手を離れたものになってくるのじゃないか。今度は逆に、ただいまの組合法を聞いてみますと、ここは研究をやるのだ。そうしてまた実施をやるのだ。これであったら、これは理研の関係じゃないか。どうも衆議院の附帯決議を見てみましても、何か所管がごちゃごちゃになっているような気がするのです。私は、開発部ができたときも、これは直接研究に関係があるから、だから理化学研究所の下に置くのだ、中に置くのだ。それがむずかしいからそう置くのだということできまっておったと思うのです。それが今度は分離された、そうしてまた、今度は、組合は組合法でこれは通産省の方から出てきて、まるで理研で研究するようなことをここでやるのだ、これにも国が補助するのだ、こういうことで、同じようなことを別々の所管でやっていって成果があがるだろうか。こういうものは、もっと大局的な立場から一本にするなら一本にする。そうして、もっと多くの国が援助するならするというようにしなければ、結局小さいものが幾つもできてきてしまって、今度は所管争いをするというような弊害があるのじゃなかろうか、こういうふうに感ずるのですが、これは長官お見えですから、長官はおそらく私の説に御賛成だろうと思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(池田正之輔君) ただいまのお説でございますが、これは解明して参りますと、行政機構そのものの基本的な問題に触れてくると思うのでありまして、そうなりますと、行政機構そのものは、御承知のように、これは絶対的なものはないので、そのときそのときの社会情勢なり国内情勢なりあるいは産業機構なりに適応したものが一番いいと、こういうことになると思うのです。そこで、現在の日本の、特に私どもが担当いたしております開発研究といったような問題になってきますと、いろいろな面がございまして、私どもの立場から見ますと、現在の日本の各省で所管しております研究機関なり、そういうものにもわれわれは若干の疑義を持っているのであります。従って、これも何とかした方がいいのじゃないかという説をなす方もあるし、私自身も、若干そういう考え方で実は今考えておりますが、さて、それではそれを、たとえば一例を申しますと、各省にありますところの研究機関というものは、これはイギリスやその他でやっておりますように、国立の研究機関に一本にして、いわゆるデパートメントを作って、そこでやっていくという形が望ましいのじゃないかというのが私の考え方であります。だからといって、これをすぐそれではその方向に持っていくということになりますと、それがいいからといって、直ちにそれでは一カ所に集めてやるということになりますと、そこに若干の摩擦が出たり、いろいろな不備が出ていたりいたしますと、そのためにかえってその間一年なり二年なり足踏みをする、あるいは弊害が出てくるとか、いろいろなマイナスの面も出てくるのでございます。従って、理想案といたしましては、私の申し上げましたように、一つのデパートメントという形が私は望ましいと思いますけれども、だからといって、現在の日本の国の各省にまたがっている研究機関を全部一緒にするということは、これは急にはできないことであります。それぞれ伝統もあり、しきたりもあって、あるいは発生の歴史等もございまして、でき上がっているものでございますから、なるべく抵抗の少ない、そうしてマイナスの面の生じないような形において、自然にそういうような方向に持っていくことが正しいのである、私の考え方としては、そういうふうに考えております。
○阿具根登君 これは、私の考え違いかもしれませんが、大臣でなくてもけっこうですが、かりに、との組合法を見る場合に、中小企業等協同組合法で中小企業は一応の組合ができているわけですね。そうすると、これは組合員の構成から見ても、私は大体大企業が中心になってきていると思うのです。中小企業等協同組合法を作ったときには、大企業には、それだけの資本と力があるのだ、こういうことで、そこまでしなくてもいいのじゃないかという意見があったと思うのです。今度のやつはそれを考えておられる。そうなってきますと、この大企業が三人以上の届け出で法人になって出てくる。そういたしますと、この法案と、それから事業団とが問題を起こさないように、おそらく組合に対して委託をすることは僕はできないと思うのです。そういうふうになってくると思うのです。たとえば、これは委託をするのが仕事でしょう。事業団の非常にむずかしいやつを委託をする。ところが、それを試験研究をする。ところが、組合ができておる。その組合であるということは、これは二重投資になってくるからできないでしょう。二重投資という言葉はまずいですけれども、できないでしょう。そうすると、今度はその組合員であって一つの企業にこれはそれならやらせることができるか。極端に言えば、組合に入っておらない者でなければこの事業団からの委託はできないという結果になるわけです。そうすると、組合を作るなということになるのじゃありませんか。私の考え違いかもわかりませんが。
○国務大臣(池田正之輔君) これはお考え違いじゃないかと私は思われるのですが。というのは、組合に私の方から委託をするのじゃなくて、私どものねらいは、先ほどあなたの御指摘のあったように、理化学研究所の一部にできて、そして当時は主として理化学で研究をしたものをその事業部がこれを事業化するまでの段階をめんどうを見てきた、これを今度独立さして、そしてこれは理化学研究所だけでなしに、あるいは他の事業場、あるいは研究所等において、あるいはその場合は今度できる組合自体がいろいろ研究をなさって、その研究だけではこれは事業としてペイするかどうかわからない。そこで、事業するまでのその危険負担はできないからと旨って、私の方に、この事業団の方に頼んでくるのです。組合の研究成果を事業団がこれを受けて、そしてこれを企業化まで持っていく、そしていよいよ企業化してペイするようになれば事業団から離れてそのほんとうの企業家がこれをやっていく、こういうことになるのです。ですから、事業団から組合に委託するのじゃなくして、組合の研究成果を受けて事業団がこれを企業化までの危険負担をやる、こういうふうに御解釈願いたいと思います。
○阿具根登君 そうなると、それは私もわかるのです。ところが、それはちょっと違うのですが、事業団が今度は委託会社に委託するわけです。これは事業団が、事業団と公団という問題も僕は疑問があるのですが、きょうは時間がないから細部に入りませんけれども、基本問題だけ今質問しているのですけれども、この事業団というのは理化学研究所その他で研究されたやつが先ほど説明にもなったように非常に企業化が困難である、それを政府が今度三億円を出資して、将来は五十億も出してやろう、そしてその金で企業が黒字になるかならないかを研究するわけなんですね。ある企業一会社に、実力のある会社に審議会できめてその会社に委託するわけたんです。事業団がやるわけじゃないのです。そうすると、委託する会社が今度は今の組合法による組合であった場合どうなるかということを聞いておるわけです。会社は全部組合を作っておるでしょう。そういう組合であったならば、組合では研究費その他国からちゃんと補助を受けているわけですね。衛生措置までしているわけです。それがもう別の形から今度は委託を受けてやる。極端に言えば、自分が研究をしたやつを事業団に持って行った。事業団がまた、お前のところでそれを企業化してみい、こういうことができるわけです。それができるかできないかということです。
○国務大臣(池田正之輔君) 私の承知しているところで間違っているところは政府委員から訂正してもらいますが、私の承知いたしておるところでは、組合はあくまでも研究が主体でございまして、事業化するところではないのであります。ですから、組合で研究をいたしまして、それが直ちに企業化されない。その場合にその企業化されるまでの中間を事業団が受けてこれを企業化まで持って行く。そこで企業化されるようになりますと、これはその組合にはやらないのです。組合はあくまでも研究機関でございますから、事業をやる主体は……私は見ておるのですが、ちょっと……。
○阿具根登君 説明員の方説明して下さい。
○説明員(堀坂政太郎君) それでは僣越でございますが、私から御説明さしていただきたいと思います。 およそこの科学技術が研究から企業化へ至る経過を考えてみますると、これは非常に基礎研究、特に大学等でやられます基礎研究、これが発展をいたしまして産業に適用される研究に入りましたときに、これをわれわれはよく応用研究と申すのであります。そうして、その応用研究ができまして、それを企業まで持っていきます場合に、さらにこの研究の種類によりましては、ここで開発研究とかあるいは工業化試験というようなことを行なわなければならない。そうして、それが工業化試験をやってみて、はたしてこれならばもう企業で実際にやれるという見当がつくというのが普通のコースであろうかと存ずるのでございます。その場合におきまして、この研究は、それじゃ大学が基礎研究だけをやるかというと、そうでなくて、基礎研究をやって、それを実際の企業に適用しようという場合に、その中間的な応用研究あるいは工業化試験をやる場合もございますが、まあ大体応用研究の段階にとどまっておる。それで民間研究をいたします場合に、基礎研究の分野というものを全くやらないかというと、必ずしもそうじゃなくて、若干基礎研究もやりますが、主としてこの大学の研究とかその他の理論をあれして、これを事業にするための応用研究をやるわけでございます。そしてその応用研究をやりましたときに、たとえば機械等でこの応用研究の結果がいいからすぐ企業に移そうという場合もございますが、そうでなくて、もう一つ中間プラントの施設を作りまして、そうして、工業化試験をやる。そうして相当企業的に準ずるような規模で試験をやる。そういうふうにやって、それから初めて企業に移すというようになるわけでございます。そこで、この鉱工業研究組合法がねらいといたしておりますのは、ただいま申し上げました応用研究あるいは工業化試験、そうしたようなところを個々の企業でやっておったのでは総合的にもできないし、金も足りないということになるのでございまして、ただいま非常に問題になっておりますポリプロピレンでございますとか、その他の高分子化学の例とかが一番御説明しやすいので申し上げますが、そうしたものの研究は数億あるいは十億以上金もかかるというようなことになってくるわけであります。それで、そういうような、すなわち応用研究から工業化試験、そうしたところの研究を一つ協力をしてやろうというのが、実はこの研究組合法がわらっておるところでございまして、従って、研究が、民間も当然やるべきことでございますが、その部面を促進しようというわけでございます。そういうふうにしてできましたものが、今度はこの工業化試験が済んで、その結果がうまくいきますと、そのまま企業に移す場合が大部分であろうと私どもは考えております。で、片方はこの新技術開発事業団につきましては、大学の先生やあるいは私どもの試験所等で研究をいたしまして、これはもう研究としては大体完成した、企業化に持っていったらいいのだというふうに研究者として十分に確信を持っておる、または他の専門家がごらんになられましても、これはそういうふうに見られる。しかし、その研究から企業化に持っていく場合に一ぺんに自分の責任でやってしまうのに、まあ外国でそういうものをやっているから、あれをやればいいのだというようには安心してかかれないという場合がある。そういうようなものについて、これを政府が取り上げて開発をさせようというのでございまして、すなわちそういうふうに研究が基礎研究から応用研究、それから工業化試験、企業化というふうに発展する中の、その企業化の直前の中において、そういうようなトラブルのあるものだけをつかまえて、それを委託という形式で一つ開発をさせる、そうすることによって日本の今まで研究が実用化されない一番ネックのところを取り上げて解決されようというのが事業団であるわけです。従って、これはそういうような機関というものはそういうふうな種類のものがもう相当数あるとしましても、毎年そうたくさん取り上げなければならないものはないわけでございますので、そうしたものを一つの機関として政府が取り上げてやろうということでございます。従って今阿具根先生の御質問の、この事業団が、そのできた研究成果というものを委託する場合に、民間の会社のみならず、こういうふうな研究組合に委託をするというようなことはありはしないかというようなお話がちょっとあったように存じますが、そのような場合は大体ない。すなわち、この研究組合といたしましては、自分で応用研究と工業化試験をやって、そうしてもう事業にできるものは自分で、それぞれ今度は企業に移していく、あとは組合員である企業者に移していくという行き方をするものでございます。従って、この事業団が委託をされるのは、民間の企業者であるということでございます。どうも話が不十分だと思いますが……。
○阿具根登君 もちろんそうですよ。しかし、あなたの言ったことは私の言った通り言っておられるだけなんですよ。組合でも研究もできます。試験もできます。しかしこれは企業化する前提でやっておるんです。自分たちで組合を作っておるんだから、ただ研究するだけじゃないんで、それをやっておるわけなんですよ。そうすると事業団というのは、これは研究過程はそういうところで済んだやつなんですから、これは研究する必要はない。しかし、これは事業が成り立つか成り立たないか、企業としていけるかいけないかをやるわけなんです。そうして事業団がやるならわかりますよ。事業団はやらずに、企業にそれをやらせるおけなんです。それで組合に対してこれを委託することができないけれども、その組合の一員である事業に対して委託することができるわけなんですよ、そうでしょうが。そうすると同じことになってくるわけなんです。同じことを二度やっているということになる。たとえば今例を引かれたから、たとえばポリプロピレンならポリプロピレンは組合でやっている、事業団がやることはできないというが、事業団がやることもできるでしょう。ポリプロピレンを取り上げて、そして事業団で、これをおい君のととろでやってくれぬかということはできるでしょう。たとえば炭素の問題を事業団が取り上げられている。その炭素の問題は、それなら石炭会社なら石炭会社が三つ以上で組合を作って、そして石炭を原料にしてそこで研究しようじゃないか、それはできることでしょう。そしたら何のために二つの法案が要りますか、同じことじゃないですか。
○政府委員(原田久君) 研究組合法の方におきまして、利害関係のある組合員が集まって研究をして、そして基礎研究から始まるものもあろうし、応用研究から始まるものもあろうし、工業化試験をやるものもあろう。そういう段階を経まして、いよいよ企業に持っていくというところまで成長したものをやるような過程、まあ組合員になる企業者が仕事をやっておるその過程において、一方同じようなテーマが新技術開発事業団の方で取り上げられて、そして委託をすることがあるかどうかという問題であろうと思います。両方あり得るというふうにお考えだろうと思います。その点ちょっと御説明させていただきます。 新技術開発事業団の方では、開発ということを法律の第二条にも定義をつけておりまして、「この法律において「新技術」とは、国民経済上重要な科学技術……に関する試験研究の成果であって、企業化されていないものをいう。」、まあこういうふうに書いてございます。その趣旨、それとその次に、「この法律において「開発」とは、科学技術に関する試験研究の成果を企業的規模において実施することにより、これを企業としうるようにする」、まあこう書いてございます。その移り変わりの過程のところがあろうかと思いますが、このうちで、特に業務のところで御説明いたしましたと思いますが、「企業化が著しく困難な新技術について企業等に委託して開発を実施すること。」、こういう「企業化が著しく困難な」という判定について申し上げますが、企業の方が、ともかくこれは一つやってみる価値がある、やりたいという意思を持って、そうしてかりに組合員になるなりあるいはならないなりしまして、やりかけておるような問題、すなわち、企業が、今後自分の企業を成長させていくためにどうしてもやりたいというようなものまで、新技術開発事業団は、著しく困難とは考えない。要するに企業の方でやりたいという意思を持つようなものは、一応テーマからはずしておこう。一応といいますが、考えていない。で、結局、先刻も御説明いたしましたように、大学とか国立の研究機関あるいは省庁の研究機関で研究したが、どうも見通しについて不安がある、企業の方ではまだやる意欲が出ない。やる意欲が出ないというのは、企業規模も最小限度の企業規模でやりますが、それを開発とわれわれ呼んでおりますが、やってないために、やる意欲が出ないというようなものを、事業団の負担において、経費はまるがかえというような形でやってみるというのが開発でございますので、そういうような角度から見ますと、組合員になられる企業者が取り上げるような問題が、事業団が取り上げる問題とはならないだろう、そういうふうに考えるわけでございます。
○阿具根登君 どうもそれが、どこまで企業が非常に苦しんだというのは、だれが判定するか。実際に、ポリプロピレンと炭素とどちらがどうだという問題になってくると、ポリプロピレンを事業団で取り上げないという理由はないと思うのです。私は取り上げられると思うんですよ。ところが、企業家もそんな簡単にできるようなやつは、組合まで作って試験研究せぬでもいいんですよ。非常にむずかしいから組合まで作って、国の助成を受けて試験研究するわけです。だから、それだったら事業団にやらせるか、あるいは事業団の金をそのままそっちに流した方が多くの研究ができるわけです、もっとですね。これをあなた方は文字に書いて、非常に企業化が困難であると、そういうものは事業団がやるんだというけれども、事業団はやる能力はないんです。ただ事業団は国の金をそれに回してやるだけのことなんです。そうして、損した場合は国が損しますよというだけのことなんです。これが企業が成功したらその金を年賦で返しなさい。この金を扱うだけのことなんです、これは。そうしますと組合の方も今度はそれ以上のことをやるわけです。これは今度は研究、試験からやっていく、それも企業化が成るかどうか、事業として成り立つかどうかを前提にしてやるわけです。結局同じことなんです。同じことを所管が違うから二つの法律案が出て、税制の措置をするとか、あるいは補助金を出すとか、こういうことをやっているわけです。私は同じことだと思うんです。
○国務大臣(池田正之輔君) これはあまり理論的にお考えになると、かえってこんがらがってくるんじゃないかと思う。もっと簡単にお考えになって、研究というのは事業団はやらないんですね。つまり産婆役なんで、研究した成果——そんなむずかしい言葉を使うからかえってわからない。つまり研究の結果、特許なり新案なりを得たもの、そうしてそういうものが、企業化まで危険があるから企業家はなかなか手を出さない。そうしているうちにアメリカへ持っていかれて、外国で開発されておるという事態が、御承知のように今まで幾たびかあるわけです。そういう事例があって、これを防ぐというのがこの法律の事業団のねらいでございまして、そういう企業家が、今局長が言ったように企業化する意欲を持たない、それはなぜ持たないかというと、これは、はたして企業化してペイするかどうかということを当然に事業家は考えますから、そういうものを特にこっちが取り上げて、これは国家的に重要だというような問題を審議会で十分審議した上で、それを企業家に委託して、こっちの事業団の危険負担においてこれを委託して開発まで持っていく、それで成功ということになれば、そこでこっちはすぐ手を引いてしまう。いよいよ事業として成り立つ、事業として出発するという段階になればこっちは手を引いてしまう。つまり産婆の役といいますか、つまり研究の段階はこっちは手を入れない。そこまでのところだと思います。
○阿具根登君 そんならそういうように簡単に、池田長官のように割り切っておいきになれば、理研からわざわざ持ってくる必要は何もないんです、産婆役だから。理研は自分で研究したやつをこの開発部に置いておるのでございますよ。だから理研で直ちに、この組合なら組合で私はいいと思うのですよ。その組合に対して、こういう理研の研究結果が出ておる、これを企業化するために君のところでやってくれ、それだけの金をやってやれば、金がないからやらないということはない。損失した場合は理研が引き受けましょう。こういうことになれば、何もこんなことせぬでいいのです。わさわざ、あなたのおっしゃる通り単純に考えれば、何のためにこんな事業団なんか作るのか、理研にやらせればけっこうなんです。産婆役は理研で十分できますよ。金だけのことじゃもの、どこが悪いのですか。
○国務大臣(池田正之輔君) 理研は元来研究所でございまして、研究が主体でございます、御承知のように。従って理研は事業所じゃないのです。事業をやる団体じゃないのでございます。そこでやむを得ず、変則ではありますけれども、これを理研の一部にして、特にしかも建物の別なところへ——実は理研の中にないのです。よそのところに置いてある。そういうことで、理研としてもこういうものは性格が全く違うから、いつまでも置いてもらっちゃ困る。早く独立さしてどこかへ持っていってくれ、これが理研の言い分なんです。だから性格が全く違うのです。理研は純粋の研究機関でございまして、片方は事業まで持っていく、その上の段階、こういうことでございまして、従って、もう一つの考え方としては、理研は研究だけでなしに、国立の研究所なり、あるいは民間の研究所なりで、あらゆる研究機関で研究をした研究の成果、すなわち特許を得たならば、これは間違いないということがはっきりした研究成果を見て、これを逃げられないように、企業化すれば国家のためになるというようなものを取り上げてやっていくという性格のものでございますから、そういうものは純粋研究を目的とする理研と、企業まで持っていくことを目的とする事業団とは、これは全く性格が違うと思います。
○阿具根登君 あなたのそういう単純な割り切り方もいいと思うのです。頭で考えたやつは、手は手、足は足、勝手にしなさい、そういうものじゃないのです。頭で研究したやつが、実際企業に役立つかどうかということまで責任を持ちたいから理研にこの開発部ができたのです。私はそう思う。研究だけしたから、自分は子だけ持ったから、あとはだれが育ててもいいというものじゃないと思うのです。やはり一貫しているものだと私は思うのです。それだったら組合法違反ということになると思うのです。組合では、研究したり試験をしたり、その企業の採算に合うかどうか、これを三つやるわけです、全部。そういうふうに割り切ってしまうならば、何も組合を作る必要はないのです。組合は自分の企業をやるためには研究する、しかも研究したやつが、これが企業として役立つかどうか、そこまでやっていくわけです。一貫しているわけです。ところが、片一方では一貫しておらぬ。わざわざ打ち切ってしまって、これは頭で考えたのは、これはあとは企業になるかどうか、おれは知らぬぞ、そういうことじゃないと思う。かりにそうであったら、組合にやらしたらいい。どっちか一本でいいわけです、組合に。たとえば私がさっきから言っているように、この組合の中の一企業が委託を受ける会社だと思うのですよ。そのくらいの会社でなければ推薦なんかしませんよ。その組合の中のだれかに委託するのですよ。また産婆さんは、池田大臣が言われるように、産婆さんは自分で企業をやるのじゃないのです。これは委託をするのですよ。ここでまた組合は試験研究から開発までやられるわけですよ。だから二つ同じやつを今度作ってどうなりますかというのです。これだけ国が金を出して、組合に力を入れてもらうのはけっこうです。もっと金を出してもらって私はけっこうだと思うのです。しかし、こういうように複雑化してしまって、そうして何か所管争いのようなみっともない法律案のようなものが作られはしませんかということを言っているのです、私は。一本でもすっきりした線ができるはずです。所管が違うからでしょう、これは。
○国務大臣(池田正之輔君) 役所というものは御承知のようにしょっちゅう所管争いをしておるけしからぬところです。それはその通りなんです。しかし、この問題に関する限り、少なくとも私が主管する限りにおいては、そういうような子供のけんかのようなことは断じてやらせない。またする意思もないということを申し上げておきます。それから今の組合が、そういうふうに考えれば考えられないこともないのです。それから最初に私申し上げたときに、私も実は少し、組合の方はよその省の所管でございますので、ぴんとこないところがありますので、若干ぴんとこないところもあって、常識論で見当はずれしておったような答弁をいたしたところがあるかと思いますが、組合の方は、最初から企業意欲を持って研究し、そうしてそれを企業化しようというその意欲を持っておるのですね。だから企業意欲のあるようなものは、私どもの事業団の目標にはならない。これを一つはっきりしていただきたいと思います。理論的にはあなたの今おっしゃるようなこともあり得ると思います。全然ないとは理論的には言えないけれども、実際問題としてはそういうものはあり得ないのだから、つまり企業意欲のないもの、研究成果はあがっておっても、研究成果までできて、それで先ほどあなたのお話のように、研究だけした、あとは勝手にしやがれというものではないので、研究者は当然研究して、それをまた発展させたいという意欲はあるわけです。いわゆる企業意欲とは違った意味で、研究成果を発展させたいという意欲はありますけれども、それはおのずから別個の問題であります。そうなるとそれを取り上げる人がないわけです。そこで現実に今まであなたも御承知のように、今までの結果をごらん願えるといいと思いますが、御参考までに申し上げますが、今まであなたの方で取り上げました事業団の前身であります事業部で取り上げましたものは、東北大学で研究したもの、山梨大学で研究したもの、工業技術院で研究したもの、京都大学、東京工大、理研、これだけのものは私どもの方で実は取り上げております。そういう研究所の研究成果を、主としてそういったもの、時には民間のものも入るでしょうけれども、そういうものを取り上げていくということになりますから、最初から企業意欲の上に立って研究開発をやっております組合の研究成果というものは、おそらく例外としては出てくる場合も理論的にはありますけれども、実際問題としてはあり得ない。同時に今わずかばかりの金であっちもこっちも、これはとうてい実際問題としてこれは手が及ぶことではないので、当然これは法律の御審議でございますから、あらゆる場合の角度から御検討を願わなければなりませんけれども、これは当分の間そういう御心配はないということだけは言えるのじゃないかと、こう思います。
○阿具根登君 私が心配しているのと、長官が解釈しているのとちょっと違うのです。私はそういう心配をしているわけではないのです、極端に言えば、今おっしゃった東北大学あるいは山梨大学あるいは工業技術院、こういうところで研究したやつを今日までやってきて、三億四千万使ってやってこられたのだ、成果はあるのです。一つ一つわざわざそれを抜き出してきて、独立させ、そうして一方には組合を作りなさる、それがおかしいのじゃないかと私は言うのです。今までなぜやれなかったか、先ほど言われましたように、科学者は自分が頭で考えたことが事業化されるまで、もちろん責任もあるし、やはり関心も持っておられると思う。それならば理研に置くべきだという説が成り立つわけです。理研に置いて、今日三億四千万の金を使って、山梨水晶では成功している、こうおっしゃっているのです。ところが、これは企業意欲がないからこれは理研で取り上げたのだとおっしゃるけれども、企業意欲がないのじゃないのです。自信がないからこれはやっていなかったのを、理研が取り上げたのだと私は思う。ということは、損害をした場合国がそれを受けるのだ、それだけのことなんです。だからこの事業団ができなくても、できても、こういう制度ができさえすれば、金を出すルートさえできれば、喜んで企業家はやりますよ。何も開発部ができたからとたんによくなるということはないのです。それが一つと。これは局長さんでもどなたでもいいのですが、かりに事業部で取り上げておる、これは競合しますから、これはおそらく組合ではやらぬでしょう。しかし、この東京大学で研究しておる、山梨大学で研究しておる、工業技術院で研究した。それを企業化するために、組合で試験研究できますか、できませんか。
○国務大臣(池田正之輔君) 前段の方を私から申し上げますが、金があればどんどんやるだろう、それはごもっともです。しかし、御承知のように、国家の貴重な金をやたらにやるということにはなりませんし、そこにもいろいろな弊害も出てきますから、おのずからそこには制約をして、規制してやらなければいけない。そういう意味で、こういうものは必ずしも完全とはいえないでございましょうけれども、そういう意味でこういうものはできておる。とういうように御解釈願っていいのじゃないかと思います。
○政府委員(砂原格君) 先生、あなたのお話はしごくもっともだと思うのですが、今度この組合——私の方で作らしていただこうという組合の方は、従来の企業家が、個々において研究をやっております。ところが、その研究をやっておりますことが、もっと幅広く研究したいという場合に、やはり他の知能、科学者の知能を入れていかなければならぬ場合がある。そうすれば、その自分の方だけでは十分にうまく行なわれない。従って、業界の、中小企業まで入れて、それぞれ専門の方をやっていこう、これを掘り抜いて、研究をどんどんやる。そうすると、科学者の知能を集結しながら、一つ編み出していって、その自分たちの事業の中へ、やはり還元していこうという考えなのであって、理研やその他でお考えになっておる科学的研究をなさる機関とは、ちょっと趣きが違うと思うのです。そこで、ここでの研究が、理化学の方まで進んでいって、向こうの権益まで侵すことはないという、向こうさんの知能をもらってくることはあるかもしれませんが、さような考え方であって、先ほども池田長官からも言われました、私もそう思うのですが、役所というものが縄張り争いなんということは、やはりわれわれも認めます。そうだと思います。これはない方がいいのですけれども、一朝一夕にして、なかなか縄張りがないようにはならぬと思う。そして——よくわかっておられて質問をしておられるのだから、答える方も骨が折れます。そこでまあこの程度で一つ御了承いただきたいと思います。
○阿具根登君 どうですか、きょうはこのくらいでやめて、またこの問題は、私は反対のための質問をしておるわけでないのです。何とかこういう科学の問題、これは池田長官、盛んに文部大臣とけんかしてまでやっておられるが、僕は賛成なんです。だから、やはりみんなでうんと審議して、いい成果を得るようにしたいと思う。反対のための質問をしておるわけでないのですから、きょうはこの程度で……。
○委員長(剱木亨弘君) 他に御質疑がございますか。
○吉田法晴君 資料の要求をしておきます。新技術開発事業団関係については「新技術開発制度のあらまし」の中に若干出ています。しかしこれは今まで取り上げられてきた例、これから取り上げられようとする例、たとえば石炭なら石炭の問題についても、これは資源技術研究所なり、あるいは各大学に石炭化学あるいは応用化学分野があって、いろいろありましょう。研究されて、今後問題になる部分は出ておりません、今までの研究のあれは出ておりますが。それと、それでは組合で研究する部分とが重複するかせぬかという、今の問題にも関連いたします。考えられる今後の技術開発のテーマと申しますか、そういうものがありましたら、資料として出してもらいたい。 それから鉱工業技術研究組合関係につきましては、全然そういう資料が出ておりません。そこで、工業技術院にあるのかもしらぬと思うのですが、過去における共同技術開発の実例、それから今まで共同研究組織を実施して、国で補助金を交付しているかもしらぬですが、それらの実例、これは予算が組まれると、すぐこの補助の対象として、研究課題が皆さんの頭の中にはある。あるいは要求としては出てきているか、あるいは出てくるだろうと思う。そういう技術開発の実例、組合法に関連をする実例、これは両方一ついただきたい。 それからもう一つ、そこで青色の写真版で、何か大臣、局長とやりとりしているが、そういうものが別の資料としてあるのなら、これは今の問題のかきだと思うのですが、資料で出されるものであるならば、出していただきたい。
○中田吉雄君 私も、科学技術振興費ですか、そういう予算の中で、基礎研究と応用研究といいますか、そういうふうに分けられますか、理論的な研究と——全体の予算で基礎研究と応用研究というように。それから最近出た資料を見ると、ソビエト関係の何がないのですがね、いただいた資料に。ところが、なかなかこの無視するわけには最近の人工衛星等を見てもいかぬのですが、そういうものを一つ出していただきたい。次の機会でいいですから。
○委員長(剱木亨弘君) ただいまの資料につきまして何かありましたらちょっと……。
○政府委員(原田久君) 科学技術振興費という費目でいただいているものがございますが、それを基礎研究と応用研究とに分けるという作業は非常にむずかしい、ということは、研究のテーマだけを見まして、それがどういう性質のものなのかということは、非常に判断しにくい。おおむねいいますと、国立大学の研究といいますか、文部省関係の研究というものは、基礎研究に属するということが一般にいわれておりますが、その中にも応用研究、工業化という面が入っているものもございます。非常に複雑でございますが、そういう所管別の程度の資料でしたならば、御提出できるかと思いますので、一応申し上げておきます。
○中田吉雄君 大体その境界線はなかなかめんどうだと思うのですが、大体の傾向は出ると思うのです。やはり、よりどちらに面しているかというのです。そういうことで私はやれると思うのです。それは最近われわれが、ソビエトとアメリカのミサイル、人工衛星その他の、まあ大学教授にヒアリングを受けた際に、これはもう理論物理学の相違の問題である。理論物理学、基礎研究の問題で、そういうことを別にして、ミサイル開発費あるいはそういう開発費をぶち込んでみても、その根本の問題をつちかわなければどうにもならぬ問題だと言う。そういうピラミッドの頂点の、非常に広い、そういう問題の積み重なった何だからという説明を、一流の理論物理学の先生にヒアリング受けたりしている。そういうことはやはり遠いようですが、相当意味のあることじゃないかと思うのです。まあよりどっちが理論研究に面し、応用的な色彩がより強いかというようなところで、農業でも第一種兼業、第二種兼業、どっちが兼業種類によりよく依存しているかということで分けておりますが、そこは科学技術庁ですから、一つお願いします。
○委員長(剱木亨弘君) 委員長から申し上げます。ただいま資料の要求がございましたが、資料提出についていろいろ困難な点もあるかと思いますが、ただいまの御要求のございました意図は、大体ごそんたくできると思いますから、この次の委員会までに一応説明のできるような御準備をお願いいたします。 他に御質疑はございませんか。——他に御発言がなければ、両案の質疑は本日はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十一分散会