商工委員会 第13号
- 発言数
- 133 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/03/31
会議録
○委員長(剱木亨弘君) これより商工委員会を開会いたします。 機械工業振興臨時措置法の一部を改正する法律案を議題として、質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。
○椿繁夫君 昨日に引き続いて若干お尋ねをいたしますが、通産省が二月中に受け付けた輸入申請は四千件をこえておると聞いております。機械の輸入申請。これはきのうもちょっと申し上げたんですが、輸出の方は停滞ぎみにあるが、この機械輸入の方は二月だけでもすでに四千件をこえておる。相当な金額にこれは上るに違いないと、こう思うのでありますが、通産省としては、機械のこういうふうな輸入の趨勢をどういうふうに解釈しておられますかね。
○政府委員(佐橋滋君) 現在は、御承知のように、機械類はことごとく輸入許可品目になっておりまして、従来の通産省の方針といたしましては、国内でできないもの、あるいは国内でできるにしても、きわめて納期が遅延するものというような点を基準にいたしまして、輸入の許可をケース・バイ・ケースに行なっておるわけでありまして、逐年機械輸入はふえておりまして、三十四年に約三億五千万、こういうのが、三十五年に通関ベースでは大体四億ドルに達するものと考えております。今後も機械輸入の趨勢は逐次上昇をいたすつもりでおります。しかし、まあそれ以上に機械関係の輸出はふえておりまして、この輸入自身が日本の機械工業の体質改善に寄与をするところが大であり、それによって合理化した機械工業をもって輸出に転じよう、こういうことでありまして、四十五年後には、現在の四億ドル内外のものが大体九億八千万ドルくらいの輸入になる、こういうように現在は見通しを立てております。これに対応します逆の機械輸出は、さらにその四倍以上の三十八億五千万ドル、こういうふうに考えております。
○椿繁夫君 昨年度でも、設備の投資計画は、大体政府としては二兆八千億程度の予定であったのが、三兆円をこしているのですね、三十五年度に。そこでですね、三十六年度は三兆一千四百億程度の設備投資を見込んで所得倍増計画の初年度の計画を立てておられるようでありますが、二月の現状において、国際収支の赤は九千三百万も出ておる。そういう際に、この輸入の申請が四千件をこえている、こういうのに対しては、どういうふうな調整を政府としてはお考えになっているのですか。
○政府委員(佐橋滋君) ただいま御指摘の、二月の申請件数が四千件だといり点について、私この数字はちょっとつかんでおりませんが、御承知のように、アメリカと、輸銀からの中小企業向け借款の話が確定いたしましたので、現在その関係の申請を受け付けております。これが非常な件数に上っておるわけでありますが、これもこの機械工業振興法の基本計画によりまして、企業別に基準を示しまして、これを洗い直すわけでありますし、先ほども機械輸入全般につきましては、国内ででないようなもの、あるいは納期の著しく国内ではおくれるといったようなものについて、各ケース・バイ・ケースに全部総洗いをいたしますので、この二月以降急激に機械輸入が増加するというふうには考えていないわけであります。
○椿繁夫君 この三十五年度の国民総所得が、政府の基準年次が三十五年度になっているわけですが、数千億の国民所得の増加がすでに見込まれておる。でありますから、この倍増計画の十カ年を目途とする所得倍増計画が、ここ三年ばかりの間は年率平均九%の成長を見込まなくともいいことになるのじゃないか、こういう議論がある。七・三%程度の成長で、政府の所得倍増計画というものは、三十六年度からは達成されるのじゃないかということが一部で言われている。それに、一方、こういう機械類の輸入が、何といいますか、各社の競争意識、あの会社に負けちゃならぬ、この際に設備を充実し近代化しなければならぬということで、競争が盛んに行なわれているように思うのだが、この基準年次の三十五年度ですでに政府の計画を上回ること数千億、三十五年度は。この調子でいけば、この年九%の成長を見込まなくとも、七・三%程度の成長として考えていっていいのではないかということに数字上なるわけですが、そういうことと関連いたしまして、この設備増強競争といいますか、こういうものに対する調整、規制というものを何かやはり政府としては考えていくべきじゃないか、こういう気が私はするのですが、この輸入申請の金額を私ちょっと不用意に持っておりませんが、二月ですでに四千件をこえているというようなことは、新聞などにおいて報道しております。で、今言われるように、政府としてもいろいろ調整はされるのでしょうけれども、今までのちょっと局長さんの御説明ではまだ納得しかねるものがあるので、続いて一つ御方針を承りたいと思います。
○政府委員(佐橋滋君) ただいま椿先生の御質問は産業全般にわたっての御質疑だと思いますが、御承知のように三十五年度の設備投資は、三十五年度の当初に考えておりましたのよりは相当増加しております。で、われわれがまあ昨年末、大体三十五年度の見通しをはじいたときに、二兆八千億という数字になっておったわけでありますが、実際はさらに上ってたしか先生がおっしゃいますように、おそらく三兆近いか、あるいはこえるくらいの設備投資になっておることは御指摘の通りでございます。来年度の、三十六年度の設備投資は一応二兆八千億とはじきましたときの一割増しということで、三兆一千四百億ということになっておりますが、これは企画庁長官の御答弁にもありますように、それよりはまあ若干上回るのではないかというふうに言われておりますが、私の方——機械関係だけの設備投資を見ますと、三十五年度が、二千五百六十億、三十六年度の見通しが大体まあ三千億近い、二千九百億くらいだ、こういうふうに考えておりますが、この産業全般に対する設備投資の動向につきましては、来月に入りますと、御承知のように企業合理化審議会の資金部会がありまして、ここで特定業種——十三業種だと思いましたが——について各業種別に設備投資の動向を押えて、資金計画をきめることになっておりますので、そこでまあ調整を受けますと、ただいま先生が御指摘になったようなふえ方にはならぬのではないか、こういうふうに考えております。
○椿繁夫君 まあきのう実は私通産大臣か、経企長官にこういう話は伺うべきだったと思いますけれども、きょうは不幸にして御出席ないものですから、私の心配しておる点をお伺いして、まことに恐縮なんでありますが、去年の七月でしたか、貿易・為替自由化計画大綱というものを政府がきめられて、まあ私どもも簡単に説明だけを伺ったのですが、この機械数の自由化、すなわちこの機械の種目別にほんとうに自由化していくというのは、どういうふうな計画で進めていかれるつもりであるか、自由化計画大綱というものはもう一つありまして、機械の種日別に一体いつごろから自由化していくのかというようなことについては、あの大綱は全く大綱でございまして、了承ができないのですが、御説明いただけましたら、はなはだけっこうだと思います。
○政府委員(佐橋滋君) 昨年政府できめました自由化対策大綱はただいま御指摘の通りにきわめて抽象的でありまして、直ちに自由化し得るもの、一年以内に実施し得るもの、三年以内に実施し得るものその他、というようなことになっておりまして、機械に関しましても、各業種別にそういったような抽象的な表現で自由化対策大綱には述べられておるわけであります。われわれの考え方自体は、現在すでに国際的に十分競争力のあるものは現存もうすでに全部自由化しております。今後の自由化のスケジュールでありますが、これにつきましては、自由化自体がわれわれの昨年の八月考えておったよりもなお時期的に早まるという見通しが現在の段階では濃くなっておりますので、私の力は各業種別にそれぞれ自由化会議を開きまして、そこで各業種別に自由化のスケジュールを現在せっかく作らせておりますので、ここでまだ業種別にどうと申し上げるあれはありませんが、非常に困難な事態ではありますが、外部的にどうしても自由化に踏み切らざるを得ない情勢にありますので、できるだけ混乱を少なくして自由化に対処して参りたい、こういうふうに考えているわけであります。
○椿繁夫君 ただいま御説明の機械の種目別の由化の時期、スケジュールの決定等についでは同様業界の意向も十分にしんしゃくした上でおきめになる御方針ですか。
○政府委員(佐橋滋君) ただいま申しましたように、各業種別に全部業界を集めてスケジュールを検討いたしておりますので、業界の意向は十二分に反映し得ると思います。ただこの自由化自身がIMFその他の勧告を受けて、為替上の理由によって制限ができないということになって、なおかつその場合に、相手国から自由化のスケジュールを要求された場合、現在までは御承知のようにドイツあるいはイタリアが為替上の理由で制限をしてはならないという勧告を受けたにもかかわらず、自由化のスケジュールは相当おくれているようでありますが、今後日本がそういった勧告を受けます場合には、おそらく一年とか二年とかいう期間を置いて自由化に踏み切るということを要請されると考えられます。そこでまあ国内の問題といたしましてウエイヴァーをとるという方法があるわけでありますが、この自由化スケジュールを強制された場合に、機械工業のような高度の製造工業について相手国からウエイヴァーをとるということは非常に困難だと考えられます。これは前例に徴しましても、ほとんどそういうケースでウエイヴァーを各国が与えた事例はないわけでありまして、農産物とか、あるいは鉱産資源だとかいうようなものに関してはウエイヴァーを与えるということがあるようでありますが、私たちが持っておりますような機械工業についてはそういう点が非常に困難と思います。そこでそういう意味で、スケジュールを強制された場合に、業界の考えております線にできるだけ近づけるようにわれわれの方は努力いたしたいと思いますが、ややその点については無理がかかってくることがあり得るとこういうふうに考えております。
○椿繁夫君 機械工業の対外技術提携電気関係などが最も多いのじゃないかとこう考えられますが、どのくらい諸外国との技術提携を現在やっているか、その総件数などはどういうふうになっておりますか。
○政府委員(佐橋滋君) ただいま資料を持っておりませんので、至急に資料でお届けいたしたいと思いますが、機械関係は電気あるいは新しい電子機器等、日本が非常に立ちおくれておりますもの等について、相当広範囲に行なっておりますので、おそらく全部の各産業のやっております技術提携の中で、機械関係のウエートは非常に大きくて、おそらく件数その他でも八割ぐらいは機械関係の技術提携だと、こういうふうに考えておりますが、件数及びロイアルテイの支払い状況等については資料でお届けいたします。
○椿繁夫君 あわせてお願いをいたしますが、特許使用料の支払い総額なども同時に資料としてお願いをいたしておきます。
○政府委員(佐橋滋君) 承知いたしました。
○椿繁夫君 最近工作機械などについてアメリカからの中古の機械が大量に輸入されるということを聞くのですが、このアメリカの中古の機械を輸入しようとする意義について、一つ御説明をいただきたい。
○政府委員(佐橋滋君) 御承知のように自動車にいたしましても、アメリカあたりは相当耐年数がまだ残っておるにもかかわらず、新鋭機械に順次切りかえておりますので、自動車を初め機械につきましても、中古市場というのは非常に大きいわけであります。それで御承知のように新しい自動車でも、年式が一年でもおくれればもう無条件で二割下げるというようなことになるのと同じように、中古の値段というのは非常に安いわけであります。それでしかもなお耐用年数は十三分残っておるということで、日本の業界の中では、この工作機械の発注等があって、なかなか時期的に早く納入されないといったような問題もかねあわせ、かつまた値段が安いというような点で、中古機械に対する要請が強いわけでありますが、現在の段階では貿易の自由化に備えてできるだけ新鋭の機械、アメリカが新しい機械を入れて古い機械を出す、その古いものをもらってくるというようなことでは、先進国に太刀打ちする機械工業のレベル・アップは期待できませんので、できるだけ新しい新鋭の機械を日本のメーカーにも備えさせるという意味におきまして、中古の機械の輸入については、きわめて制限的な態度で臨んでおるわけであります。
○椿繁夫君 この最近アメリカからの中古の機械の輸入はできるだけ制限をして、新鋭なものの輸入の方に力点を置きたいという御方針はわかりましたが、現在進められておりますアメリカの中古機械の輸入の趨勢というものは、これは工作機械関係に大体限定されておりますか。
○政府委員(佐橋滋君) 大体の趨勢は——趨勢と申しますか、ただいま申しましたように、ほとんど輸入を認めておりません。ただ、たとえばヘリコプターなどのように、日本で、まだ生産かきわめて微々たるものだというようなので、アメリカの中古のヘリコプター等を輸入して農薬の散布だとかいうようなことで農林省での他からの要請があったものについて若干認めた事例があります。
○椿繁夫君 国内のメーカーに発注をしてもなかなか早急に間に合わないものだから、必要に迫られてアメリカの中古機械の輸入をしたい、こういう傾向がやっぱりあると思うのです。そういうものでもやはり輸入の制限をする御方針ですか。
○政府委員(佐橋滋君) この納期の問題につきましては、先般申し上げたと思いますが、工作機械自身は非常に景気、不景気の波に影響されるところが多いものですから、従来は設備の増強に非常に逡巡しておったわけでありますが、昨今の情勢から工作機械業界も設備拡充に果敢に踏み切りまして設備、工作機械の製造能力というものは飛躍的に増大して参りまして、従来のような納期は、順次縮小しておるわけでありますので、この納期だけの関係でという問題は、比較的切実性が少なくなって参りましたのと、ただいま申しましたように、国内に装備するならばできるだけ新鋭の機械で、という両方の点から、これは極力制限をいたして参りたい、こういうふうに考えているわけであります。
○椿繁夫君 改正法案の第二条の第二項の二号によると、特定機械について政府は「目標年度における製品の生産若しくは加工又は輸出の目標」を定めて公示することになるように……、これ、二条の二項の二号はそういうふうになると思うのですが、現行法では目標年度を三十五年度と明示しているが、改正法案では単に「目標年度」となっていることの理由、この際における数量などの達成ができなかった場合、政府はどういうふうにお考えになりますかね、責任を。
○政府委員(佐橋滋君) 現行の機械工業振興臨時措置法は、御承知のように三十一年に制定をいたしまして、その当時は国内の機械工業の市場というものは制限を受けておりまして、輸入機械というものは原則として入ってこない、国内の市場を確保されておった状況下においで五年間の目標を切って、基礎部品、基礎機械というものを一斉に合理化させるために、全部の特定機械について五カ年間という計画を立て、たわけであります。ところで今度の改正法は業種自身がふえ、基礎機械、基礎部品ばかりでなく、輸出競争力をつけさせるための機械も追加をいたしておりまして、業種が非常にふえて参りまして、業種によりましては必ずしも五年とか、あるいは四年とかいう期限を切る必要がありませんので、業種別に三年で目標を立てべきか、あるいは四年で立てべきかというようなふうにそれぞれの業種について目標年次をきめて、これによって振興基本計画を立てて参りたい、こういう、ふうに考えましたので、一律でなく、本改正法では「目標年度」、こういうふうにしたわけであります。
○椿繁夫君 申すまでもないことでありますが、この改正法によりで、貿易・為替自由化の政策におくれた機械工業を対処させるために、設備の近代化なり適正規模に引き上げることによって国がそれを助成してやらしていこうということは、これはまあわかるのでありますが、大体この恩典を受けますものは中小企業側が私は多かろうと思う。また、政府のねらいもそういうところにある。本法のねらいもそこにある。ところが、今中小企業におきましては、学校の新卒などというものはほとんど求めることかできない状況にあります。で、設備はよくなるわ、適正な規模に生産できるように百五十億円の金をつけて助成を考えるんだが、さて、その労務をどういうふうにマッチさせていくかということになると、なかなか私は心配でならない。そういう中小企業における政府の雇用対策というものがマッチして初めて本法の改正の目的というものを達成することができると、私はこう思うのでありますが、政府の雇用対策ですね、中小企業の雇用対策というものについてどういうふうなお考えを持っておられるか。これは局長より大臣から二つ御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 中小企業の部面においてだんだん人を獲得することが困難な事情になりつつあることは、ひとしくみんなの認めるところでございますが、割合にその影響の多いのは小売店なんかの出前じゃないかと考えられます。中小企業のうちで機械工業につきましては、現在そう深刻に労務者獲得難に見舞われておるという状況ではない。全然ないとは言い得ないと思いますが、しかし、御指摘のように、新卒なんかはなかなか入ってこないということも、これもまた事実かと存じますが、まあいずれにしても、従来より楽ではないということは、これは認め、ざるを得ない問題であります。そこで、結局、人手不足というものを補うためには、やはり機械力の補充によって、これを補う。それからまた、一面においては、待遇条件が悪いためでございますから、その待遇改善をしなければならぬ。そうするには、やっぱり生産性の向上という根本から積み上げていかないと問題は解決しない。まあいずれにしても、中小企業の近代化、機械化ということになるわけでございまして、一般に中小企業の人手不足という雇用対策といたしましては、消極的な対策のようでありますけれども、生産性向上という点をやはり基本にして考えていかなければならんと思うのであります。しかる上において今度は雇用条件等に関して、労働奉準法を守らないとか何とか、いろいろな中小企業には共通の問題があるようでありますが、根本はどうしても経済力を強化する、生産性を向上する、そうしておいて、その末端において待遇条件、そういうものの基準を守らせる、こういうことにあると思うのでございます。
○椿繁夫君 私は、昨日上がりました例の中小企業の団地造成の法案の際に、実は申し上げようと思っていて、その機会を失ったのでありますが、機械工業の振興臨時措置法の一部改正、これが通りますと、入れものはできる。入れものはできるけれども、入れるものがこれに伴わないということでは所期の目的を達成することができないと思いますので、これは申し上げるのでありますが、なかなかかねや太鼓をたたいて人を集めようとしましても、待遇などが大企業に比べまして五割四分程度しかなっていない、中小企業では。そういうなにがありますから、なかなか人を集めることができないのです。ですから、大臣言われますように、労働基準法の完全実施、あるいは最低賃金法の改正による賃金の底上げ、あるいは不足しておりますところの厚生施設の拡充、特に都市におきます中小企業におきましては工員寮のごときものが不足しておりますため、この間の団地造成法のときも私は感じたんですが、助成の対象に小経営者の個人の住宅を認めないということはわかりますけれども、工員寮のごときものは助成の対象にしていくというふうな政府の方針を実は承っておきたかったのであります。けれども、その機会がなかったので、この機会に、全国で三億程度の金を小心に議論してみても、これは始まりませんけれども、今後の通産省の中小企業対策の大きな前進を期待いたしますがゆえに、この機会に、本法の改正に関連して、設備は近代化する、小さい規模を集中して適正規模に指導していく、百五十億の金を裏づけする、こう入れものの方だけをお考えにならないで、そこへ入るものが入ってきて、初めてこれは生産体制と言えるわけでありますから、そういう方面についても十分お考えをいただきたいということを希望しながら、重ねて大臣から御答弁をいただきたい。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 設備だけできても結局働く人の受け入れ態勢が不完全ではないかというお話しでございますが、ごもっともでありまして、もちろん十分ではございませんけれども、団地の制度の中に工員寮の施設あるいは中小企業の工員のその他の福祉施設を補助の対象にすることにしております、これは十分ではございませんけれども、とにかく人に対する受け入れ態勢の整備等につきましては、今後も十分に注意を払って参りたいと思っております。
○中田吉雄君 時間もありませんのでできるだけ簡単にやりたいと思いますが、今椿委員の、工場だけでなしに住宅もという問題ですが、実は一昨年国会議員団として欧米各国を回りまして、ロンドンに参りまして、大野大使が、どうしてもイギリスのニュータウンを見てくれと、こういうことで、ハローというニュータウンを見たんですが、これはさきに椿委員が指摘しましたように、工場と住宅いうものを全体としてロンドン郊外に移しておるわけであります。これはちょっと日本の三億なんかとけた違いでして、六カ所ロンドン郊外に人口六、七万の人を一カ所に移して、そうして一カ所に約年次計画で六百億、そうしてまず主要な道路作り、学校を作り、教会を作り、百貨店を作り、劇場を作り、同時に住宅と、住宅の阻害にならぬ煤煙の出ない、音響の激しくない中小企業といいますか、加工業、煤煙の出ないのをやって、また主としてロンドンのスラム街をそこに移してきておるんですが、この数年計画で一カ所六百億、大体六カ所ということでしたが、われわれニュータウン・ハローを見てきたんですが、そういうふうに住宅と交通難というような問題も考えて、全体としてやはり工場と、そこで働く工員、それに付随する諸施設、こういうことをやっているので、一つ団地の問題等と関連して将来研究してみていただきたいということを申し上げておきます。 だいぶ椿委員と重複するかと思いますが、総選挙後の第二次池田内閣の施策が盛られた……この国会では、国民所得倍増計画がほとんど一つと言ってもいいほど中心的な政策で、十年間に国民所得を倍にする、そのためには輸出を九十三億ドルに伸ばさなければいかんということで二兆円近い予算と七千億の財政投融資で超大型予算が組まれているわけであります。国政全般でこの所得倍増計画の位置づけそのものは別といたしまして、九十三億二千万ドル、年率一〇%ずつ伸ばしていくことができるかどうか、特に九十三億二千万ドルで重工業局の相当されていますこの三十八億五千万ドル、これは池田内閣の政策へ成否いかんは、ある意味では九十三億二千万ドルの中の四割も占める機械工業を十年間に四倍にし得るかどうか、こういうことがこの政策の成否を決定するキイ・ポイントだと思うのですが、昨日御無理願っていただきました資料では、基準年度と最終年度の結果しか出ていない。私も若干これまでこういう統計的な作業をやった経験も持つのですが、特に今度の改正では、さきに椿委員も指摘されましたように、輸出の目標とか、そういうことをやはり計画に盛られなくちゃならんようになったのですから、一そうこの問題をもっと具体的に、ただ九十三億ドル伸ばす、年率幾らというようなことだけではいけないと思うのですが、企画庁でこの作業をやられたと思うのですが、基準年々から四十五年度に三十八億五千万ドルに伸ばしていくとすれば、年率は幾らで、これについてもっと少し計数的な確かさ、確率といいますか、そういうことについて、局長さんの力で、けっこうですから、説明いただきたいと思うのです。 特にこういうことをお尋ねいたしますのは、中小企業の関係法案を審議します際にも、必ずしも国民所得倍増計画に盛ったいろいろな裏づけが、初年度のことですから十分ではなかったと思うのですが、計数的な裏づけが不十分じゃないかというようなことがありましたので、一つ特に輸出振興の中心である三十八億五千万ドルの確率について、もう少し、これだけじゃどうにもわかりませんので、昨晩いただいただけではわかりませんので、もう少し計数的なことを御説明いただけませんか。
○政府委員(佐橋滋君) 輸出の目標につきましては、公式に決定をしておりますのは、御承知のように目標年度であります四十五年度の数字だけでありまして、その間の推移について、まだブレーク・ダウンを完全にやっておりませんが、それぞれ業種別に現在調査中でありまして、作業のでき次第御報告申し上げると思いますが、御承知のように機械は現在のところ十億ドルをややこした程度の状況でありまして、そのうち船舶の輸出というものがかなりの大きなウエートを占めております。その二、三億ドルが大体船舶の輸出でありますが、残り七億近いものの過半は、御承知のようにカメラ、それからミシン、トランジスタラジオといったような軽機械類であります。残余が一般機械、こういうことになっておりますが、今後の輸出の趨勢は、船舶の輸出というものは大体一億ドルから三億ドルの間で、そう大きな飛躍は期待しがたいわけでありまして、それから軽機械の面につきましても、これはそれほど大きな伸びも期待いたしておりません。結局、今後三十八億五千万ドルの輸出目標を速成するには、一般の作業機械及び電気機械類がこれにかわって輸出されなければならないわけであります。それに付け加えまして輸送機械であります。そこで後進国に対しましては経済協力その他の関係もあわせまして、新しい後進地域におきます機械工業のための工作機械なり、あらゆる農業機械その他の産業機械が出ていくわけでありまして、あるいは後進地域に対しまするあるいは通信機械、重電機といったようなものが出ていく、それから先進国に対しましては、先ほど申しました軽機械とそれから車両、自動車あたりが伸びる、こういう趨勢的なことは申し上げることができるわけでありますが、各三十六年、三十七年、三十八年の年次別にどの地域へどういう機械がどうだという点につきましては、目下作業中でありますので、作業のでき次第、先生のお手元へ御報告ができると、こういうふうに考えております。
○中田吉雄君 今、経済の計算に高等数学を使ったりして、だいぶやっているようですが、その程度で、九十三億ドルに伸ばさにゃいかぬ、過去こうだったからというようなことで、それに見合うだけのことでただ逆算といいますか、そういうはじき方で一体この経済計画というものが——生きたものですからしょっちゅう変わることはよくわかるのでありますけれども、もう少しやはり通産省とされても、企画庁がああいう結果をされるまでには、資料を出されてあらゆる角度から専門家が検討されたと思うのですが、もう少しわれわれが、これはなるほど相当正確さをもっているいうようなものは、ないんですかね。これは局長さんお忙しいでしょうが、実際その作業をやっておられるところで、そういうものはどうなんですか。
○政府委員(佐橋滋君) 経済企画庁が目標年度の数字をはじきますときには、通産省もこれに関与していろいろの目標年度における業種別の試算を出して、その結果、ああいう数字が公表されておるわけでありますので、目標年度における業種別の資産というものは一応持っておるわけであります。ただこれはいろいろ市場の状況その他によりまして、不確定要素がありますので、われわれとしては試算にとどめておるわけであります。これはまあ目標年度については大体持っておりますが、各年次別にはもよりの年次について計画を具体化して、この線に沿って目標速成の努力をいたして参りたいと考えておりますが、ただいまの試算については、場合によりましては先年のお手元へお届けいたしたいと、かように思います。
○中田吉雄君 いずれ企画庁の迫水さんが出られたら、また別な角度からお尋ねしたいと思うのですが、昨年いただきました機械類の輸出金額の三十一年度から三十五年までのずっと趨勢を見ると、ただいま佐橋局長の言われたようなことはわかるのです。一番大きな十億五千四百万ドルの輸出に対して、船舶が非常に高い割合を占めているが、それはまあ二、三億ドルということで、しかも割合高い比率を占めているカメラ、トランジスターというようなものもある程度限界があるんじゃないか、こういうことですが、そうしますと、最終年度であります四十五年に、三十八億五千万、ドル機械を輸出するとすれば、この機械類全般の年率は幾らになりますかね、その点と、その部門別の伸び率が違うわけですからね、一般機械は幾ら伸びる、電気機械は幾ら、輸送機械幾らというような内訳ぐらいはわかりますか、輸出の年率の、伸びの内訳ですね。
○政府委員(佐橋滋君) その一応の試算を申し上げますと、機械全般といたしますと、三十五年度、四十五年度の対比倍率は三・八倍になるわけでありまして、一般機械はそのうちで大体四・八倍であります。それから電気機械は四・一倍、それから輸送機械は三倍、精密機械は四・二倍、大体大ざっぱに分けますと以上のような倍率になる、かように考えております。
○中田吉雄君 ずっとまだ国会があるわけですから、試算ができましたら一つ御説明をお願いしたいと思うのですが、輸出に対しまする、あるいは日本経済発展のために、機械産業の持つ比重は非常に高い。そのために国際競争力を高め、そうして貿易自由化に対しても十分対抗できるようにする。そういう点でこの機械、工業振興臨時措置法も、その一環をになうものだと思うのですが、私ははたしてこれだけでいけるかどうか、そこでお聞きしたいことは、そのためにこれも必要だが、もっと別な問題もありはしないかというので、代表的なこの機械的なコスト分析で、材料費が幾らで労賃費が幾らでというようなコストの分析を見れば、およそどこに国際競争力を高めなければならぬポイントがあるかということが、私はわかるのじゃないか、これはまたあとでこの問題は、通産大臣にもお伺いしたいと思うのですが、実はきのういただいて、だいぶきのうときょうとで、日本の機械工業という膨大な、書面をめくるだけでも大へんですが、やってみて、それに完全に合ったというのはなかなかないのですが、労働省からはよく全体の、たとえば万年筆なら万年筆の千円なら千円、この材料費が幾ら、何が幾らというような——そうしてわれわれが知り得ることは、労賃費が想像以上に少ないという、ものにもよりますが。そこで私が聞きたいのはそのことなんです。一体どこに、そういう国際競争力を高め、自由化に備えるキー・ポイントがあるかというのは、最もたくさん輸出されようとする機械の全体の価格は幾らで、そのコストはどうなっておるかということを見れば、そうしてまたこれは通産大臣が椿委員の質問に対して、鉄鋼価格の国際的な値段は必ずしも高くないと、なかなか自信に満ちた答弁をされたが、通産省の御指導で作られたこれで見ると、三十三年までですが、どうも大臣の資料はどこから出たのかというふうに思うほど違うのです、これは。機械産業全体でもいい、平均でもいいのですか、ともかくコスト分析のあらましを。
○政府委員(佐橋滋君) 昨日の大臣答弁に関連して、鉄鋼の価格につきましては、私も大臣の答弁と同様でありまして、日本か、一応海外の出しております建値と比べますと、日本の鉄鋼その他は決して高くはないのでありますか、これは各国がそれぞれ機械工業なら機械工業が入手しておる鉄鋼の価格がはたして市場建値通りであるのか、相当デイスカウントされておるかどうかということにつきましては、これはいろいろ調査を行なっておりますが、われわれの方もあるいは業界の方も、全然先進諸国が、それぞれの工場が受け入れておる値段というものをつかむわけに参りませんので、一応市場の建値から申しますと、日本の価格は各鋼種とも必ずしも高いということにはならぬというふうに申し上げたわけであります。機械工業は御承知のように付加価値率の非常に高い産業でありまして、原材料費の占める割合いが比較的少いというところに、今後日本のような資源の乏しい国で、しかも貿易で国を立てなければならないというような国柄のところで、しかも国民の、技術能力が高いというような国に最も適した産業である、こういうふうに考えておるわけでありますが、たとえばアメリカと自動車などについて比較いたしますと、材料費あたりはまあまあおつかつでありますが、日本の場合間接費が非常に高いことになっております。この間接費が高いというのは、一にかかって量産態勢ができていないというころに起因をするものだと考えておりますので、こういった自動車につきましては、品種を特定いたしまして、多量生産に持っていくということによって、海外との競争力を強めようというように考えておりますが、業種別によってそれぞれ事情が違いますので、ただいま中田先生の御指摘のような点は特定機械につきまして業種別にそれぞれ原材料費あるいは加工費あるいは設備費といったような目標を定めて参りたい、こういうように考えておるわけであります。
○中田吉雄君 この昨日いただきました本の中に、主要各国の普通鋼材国内価格比較表というのがあります。これは大臣の言われたものとは違うのですね。これは椿君が先ほど言われたのはどういう取り方が、やや大臣の言われたことに合っているようですが、われわれはどの資料を信憑したらいいか……それはいいです。しかし、この資料ではっきりしますことは、主要な機械製品で、労務費が費用中に占める割合というものを機械工業でずっと出してある。最新のものがないので、三十三年の上期が新しいのですが、これは種類によって違いますが、光学機械が一番で全体の三割、あとずっと低くなって、機械、工業全般としては十二・九%となっているのですが、しかし、いずれにいたしましても、一二、三%から三〇%内外で、紡績のような労賃費の高いものでも、最近非常に合理化されて低くなった。それで、この材料費というものが、原材料費というものが非常に高い比率を占めているわけなんです。そういう点で、やはり今回のような立法措置をされることも必要ですし、やはり、どうしてその一番高いコストを占める原材料を安く入手するかということとあわせて、やはり並行的に、総合的にやっていただかなくては、私は完璧じゃないじゃないか、こういうふうに考えるわけであります。特に申し上げたいのは、昨年も椿委員が申されましたが、海南馬の鉄鉱石なと、これは大臣に御質問したいのですが、実は私も戦前企画院に依頼されまして、海南島の天然資源をいろいろ調査をしたことがあるのです。なかなか良質の鉄鉱石がかなり多量に埋蔵されているわけである。何も、日本の所要の鉄鉱石をそこだけに依存するようなことを、われわれも無鉄砲には申し上げませんが、可能なものはできるだけ近いところから、また日本の貿易構造を変える上からも、やっぱり改めていくことが必要じゃないか。特に先日来から、日本の外貨事情にからんで、だいぶ通産大臣も御苦心されているようですが、何といっても日本の輸出の三割もアメリカに依存しているから、アメリカがくしゃみをすればかぜを引く。ほとんどアメリカの景気如何が池田内閣の死命を制するというようなことになるのも、やはり貿易がアメリカに過度に、アメリカに輸出を伸ばすことも必要ですか、やはりそういう意味からも、原鉱石の安く入るところに大胆に措置をされたら、どうかと思うのですが、椎名大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(椎名悦三郎君) もちろん海南島の鉄鉱石は非常に良質なものでございまして、その埋蔵量も数億トンというふうにいわれておるのでありますから、日本の製鉄業にとって非常に好個の資源であるということは、これはもう何人も否定できないと思います。でありますから、両国の間の貿易を盛んにいたしまして、そうして日本の欲する重要資源を手に入れるということにつきましては、これはもう全く賛成でございまして、ただ日本の製鉄事業というものは、非常に今日大きくなっているのであります。それにもかかわらず、地球の裏側からも持ってこなければならぬというような状況にあるということだけを申し上げて、近いところからりっぱな資源はどんどん手に入れたい、こう考えております。
○中田吉雄君 昨日のように、シンガポールからこちらは日本の内海のようだし、地球の裏側からという趣旨にはわれわれも賛成でございますが、あんまりアメリカを気がねし過ぎておられて、アメリカのいろんな、最近のケネディ政策の転換の糸口になっているいろんな報告を見ても、日本が中国と貿易することに対しては、もう全然干渉すべきでない。アメリカの方の意向が変わっているのに、まだこういうふうにすればアメリカが喜ぶのではないかというような、そんたくをして、いつまでもちゅうちょ逡巡されて、踏み切らず、日本の国際貿易の三割をアメリカに依存して、池田内閣の使命はもうアメリカの景気の立ち直りいかんにあるということでなしに、一つもっと私は踏み切っていただきたいと思う。特にアメリカの外交はもうこれは歴史的に見ても、非常に硬直した外交をとる、伝統的にそういう国なんです。一九一七年労農政府ができた際にも、日本は八年後の一九二五年に独立国としてアメリカよりずっと早く承認している、これが八年かかっておる。アメリカは一九三三年に、ロシアからできてから、労農政府ができてから十六年目に承認しておるんです。そういうことでもう顔色ばっかし見てやるので、なしに、むしろアメリカは今は日本政府の態度に期待して、そうしてアメリカの政府に反対する力を牽制しようとすら考えておるのですから、もっと大臣に、特に日本の所存倍増計画を完遂するためにも、もっと積極的な態度をとっていただきたいと思うのですが、この通商関係をもっと前進させるような方途はないですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) もちろんきのうも申し上げましたが、政府間協定に達しない段階において、いろいろ考える方法というものか、前向きの施策というものがたくさんあると思っているわけであります。今これということをはっきり申し上げる段階ではございませんが、そういう問題につきましては、十分に考究を続けているような状況でございまして、しかしまあこれはいずれにしても相手の占める問題でありますから、呼吸が合致するということも必要でございまして、いろいろそういう点は客側情勢、あるいはまた相手国の出力等を十分に注意いたしまして、そうして適切な手を打っていかなければならぬものだと考えております。いわゆる前向きの態勢で考究しているわけであります。
○中田吉雄君 これはほかの際に申し上げることとしたいと思うのですが、とにかく通産省からいただいたこの資料によっても、機械全体に占める労賃費は一割二分から三割程度で、原材料費が一番たくさん占めているわけなんです。ですからもう原材料を……どう安く作るかということも、二十八億五千万ドルの輸出を遂行する、この法律の憂愁の美をなさせる有力な問題で、アメリカだけ自由化して、日本は不自由化をしておいて、そうしてそのワクの中で国際競争を……自由化に耐えてゆこうとすれば、もう労賃費にしわ寄せをしたりする以外に手はないと思うので、私はそういう点もコスト分析に示すところで、原材料費の高い比重にかんがみて、そういう点では今度いろいろな障害があったでしょうが、日ソ貿易をかなり意欲的にやっていただいたことは、われわれとしても大へんけっこうだと思っているのですが、御考慮をいただきたいと思う次第であります。 それからこの法案の説明に、機工業の体質改善をはかる上に顕著な功績があったと言って、手放しでこの功績、あたかも十億ドル輸出できるような機械産業の伸びというものは、あげてこの法案のせいだというふうに、私はいろいろな提案理由の説明を見ても、これほど礼賛をきわめた手放しの——顕著な功績があったと言って、一体この顕著な功績とはどうして測定されているか。ただ言葉のあやですか。実際、それじゃこれまでのいろんな測定制措置、その他として一体これがどれだけの役割りを機械産業の伸びに果たしたか、これは一体どうして顕著な功績を測定しているのですか。
○政府委員(佐橋滋君) 現行法規は、三十一年に制定されまして、そこでまあ二十一業種について、各業種別に生産の合理化の目標を立てたわけでありますが、その合理化の目標につきましては、大体所期通りの成果を現在にはあげているわけであります。ただいま先生の御指摘のように、十億ドルに伸びた輸出の功績は、全部これのような御指摘がありましたが、そういうようなふうに考えているわけでは決してありませんので、五カ年間の目標を十二分に達したということ。それから機械業界がこの法規による助成措置につきまして、非常に有意義な法律であったということを、まあわれわれしょっちゅう耳にしておりますので、表現が過多でる点については、ここで頭を下げさしていただきますが、そういうふうに非常に評判のいい法律であったということ。それから目標を十二分に達して、十億ドルの、功績の達成にあずかって力があった、こういうつもりで申し述べた点fであります。
○中田吉雄君 もとの法案を見ましても、結局百二十億円の政府関係の融資をしたというのがたったの骨子ですよ。それはいろいろな規制措置とかはありますかね。そうすれば、たったそれだけがてこになったかということになるかと私は思って質問したわけですけれども、これはもうそれなしだって伸びているかもしれない。その返はむしろわずらわしかったかもしれない。それはもうそういう伸びを機械産業自体がもっておったかもしれない。これはまあ大蔵省と折衝されて、この輸出産業に占めねばならぬ高い比重から、大いに財政投融資を一つ確保してやろうというような、対大蔵省折衝としては意味を認めるのですが、これから言うと実際あとのことはまあつけたしじゃないかと思うほどです。実際はっきりいたしていますのは百二十億円、そして三十六年度百五十億ですか、この投資がてこみたいに思える。それほど資金の作用というものは大きいものだろうかということを思ったものですから質問したんですが、それならこの十カ年間に三十八億五千万ドルにするのに三十六年度はまあ開銀、中小企業、その他ドル借款等を百五十億円されるんですが、民間は大体これに対してどの程度で設備投資をするんでしょうか。
○政府委員(佐橋滋君) この現行法によりまして過去五カ年間に政府の財政投資として百億円を出したという点はその通りでありますが、これはまあここに指定しております機械の中のきわめて基礎的な部分だけに、それだけのものが出ておるわけです。で、同時にまあこの業種につきましての合理化を促進するために、政府が合理化計画で認定した工事で、しかもまあ政府の財政資金がつくということに伴いまして、そのほかの民間の融資もこれに付随してふえておりまして、その点大体何といいますか、そのほかにも土地、建物等につきましては、この財政資金とは別に中小企業金融公庫その他の力からこれに数倍する金が出ておるわけでありまして、まあ百億だけというよりも、非常にいい看板になったということがいえるのではないかと考えております。と同時に、機械工業全般としましては、こういった基礎機械以外の、それ以外の機械につきましては、大企業あるいはそれに準ずるような大きな機械工業がありまして、これは別途自力で資金を調達いたして、それでまあ現在のような盛況を来たしておるわけでありますが、機械工業全般の設備投資は、三十四年には約二千億円でありましたのが、三十五年は二千五百六十奥、来年度の見通しは大体三千億と、こういうふうに私どもは考えておるわけでございます。
○中田吉雄君 そうしますと、そういう意味ではあるいは顕著な功績が——百二十億なりというものが通産省の太鼓判を押して、看板を、烙印を押してもらうから、市中銀行その他も信用をして、そこに所要の設備投資の資金調達ができたというふうには、まあそういうさそい水のような功績は顕著であったかもあるいはしれませんが、そこで昨日も問題になりましたが、このさそい水をつけてもらうか、つかぬかということは、われわれもいろいろ実際業界に関係しても、非常に違うと思うんです。それでただ一つお聞きしておきたいのは、適正規模とかいうことを言われましたね。今は適正規模でないかもしれぬが、非常に将来の可能性を持っているというようなものもあると思うんです。そういうものを現在だけでなしに、十分救い上げていけるようなことがなされる配慮があるかということをお聞きしたい。
○政府委員(佐橋滋君) 振興基本計画では、適正規模を業種別に作りますが、それは指針であり、目標であるわけでありまして、それにできるだけ近づけ、それ以上にするように配慮をして参りたいと考えております。それで、ただいま先生御指摘のように、現在それに達しないとかいうことであっても、将来それに達すると見込みがあるというようなものは、もちろん救い上げて参りたい、こういうように考えております。
○中田吉雄君 今度開銀がこれに融資する利息等も昨日質問があったようですが、少し高くなっていますが、これは一体どういう理由ですか。開銀はもう利率の問題よりかワクの問題だというような考えかどうか。それから一体この利率をきめる権限はだれが持っているのか、だれに法的権限があるのか、こういう問題。
○政府委員(佐橋滋君) 利子の問題につきましては、まだ最終的に決定はいたしておりませんが、昨日申し上げましたように、大蔵省と折衝をいたしました結果、大体実質金利が七分五厘ないし七分六厘の間でおさまるようにということで、実質的に落着するのではないかと考えておりますが、私の方の考え方とすれば、資金量が最も重要でありますのと同時に、この政策金利という点に重点をおいて交渉をしました結果、まあ六分五厘では落ちつきませんでしたが、一分上げの七分五厘になっております。利率自身は開銀がきめるわけであります。おそらく事実上大蔵省の承認を得てきめる、こういう段取りになると考えております。
○中田吉雄君 そうしますと、権限は開銀の総裁が持っているのですか、どうなのですか。
○政府委員(佐橋滋君) 最終的には開銀がきめますが、実質問題とすれば大蔵省の了解をとった上でやっている、こういうのが、実情でございます。
○中田吉雄君 昨日ですか、一昨日ですか、経済閣僚懇談会ですか、椎名大臣といろいろ最近の外貨事情について輸出振興の問題、設備投資の問題等についていろいろ話し合われたようですが、国会では強気なようですが、いろいろ新聞等の報道を見ると、実際には、松尾企業局長ですか、いろいろ通産省の主要十二業種、千五百社については産業合理化審議会の資金部会でいろいろ調整すると、国際競争に備えねばならぬし、かたがた自由化も迫っておるので、八条国等の問題もあり、設備投資を手心を加えることはしないが、しかしなおそれでも若干行き過ぎたものがあるかもしれぬ、そういうものは調整するのじゃないかというふうに新聞などではうかがえるのですが、それはどうなんですか、通産大臣。
○国務大臣(椎名悦三郎君) これは権限的にどうというものではございませんけれども、実際問題として、通産省は所管の鉱工業の設備投資につきましては指導をしておるわけであります。業界の話がつかなくて、通産省の調整を申し出ているところもありますし、それからしからざる場合でも、産業合理化審議会の金融部会等におきまして、十分これらの問題をたえず研究しております。その結論に従って指導をしている、こういう状況であります。
○中田吉雄君 それじゃ具体的に、石油化学とかあるいは電気の関係ですね、ああいうふりなのはどうですか。少し電気なんかには、他社との競争というようなことで少し行き過ぎもあるのじゃないかというような意見もあるのですが、そういうようなのはどうですか、具体的には。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 電気機械ですか。
○中田吉雄君 いや、電気製品いろいろあるでしょう。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 石油化学の問題は、よく聞くことでございますけれども、もうあっちでもこっちでも石油化学ということで、石油化学大ばやり、少し乱設ではないかというような意見も聞くのでございますが、この問題についての規制の方法といたしましては、外国の技術というものを導入して、日本の石油化学に関する技術が非常におくれておりますので、従って海外の技術と提携するという場合がほとんど全部でございますので、外国資本の点からこれの規制が可能になっておるようなわけであります。それで、それでは現状において設備過剰ではないかというような、もし御意見でございましたならば、これは過剰ではないのでありまして、諸外国と比べて、まだまだ日本の全体の化学界における石油化学の地位というものは非常にウエートが小さ過ぎる。五、六%のもので、イギリス、アメリカ等においては六〇%あるいは七〇%にも達するのではないかというようなことを言われておりますが、まあそれくらい石油化学というものは非常に今日先進国において進歩しており、日本はまあ非常に立ちおくれて、よちよち歩いておるというような状況でございます。 それから電気機械の設備問題につきましては、重工業局長、担当局長から御説明を申し上げます。
○政府委員(佐橋滋君) 電気機械につきましては、過剰投資と言いますか、という点はあまりないと考えております。と申しますのは、電気の中で特にまあ重電機関係は、御承知のように、最近、電力会社が装備いたします火力機器が、新鋭火力と申しまして、だんだん容量が大きくなって参りました関係上、既存のメーカーの設備ではこれが作り切れないという点から、特に新鋭火力と技術提携をいたしております会社におきまして大容量のものを作り得る設備に切りかえておるというような点はございますが、おそらく、まあ御指摘の点は、電子機器の関係かと思いますが、大臣が申しましたように、資金部会の特定部門として電子機器が取り上げられておりまして、これについての調整はやっております。ただ、昨今、御承知のように、従来、日本のまあ機械工業、その他化学部門につきまして、研究部門投資というものが非常に少なかったわけでありますが、昨年あたりからようやく、まあ専門的な機器あるいは新しい機器を開発するためには、自分で相当な研究部門を持たなければならぬというような見地から、研究部門投資がかなりふえて参っております。で、これはまあ金かさは相当増しますけれども、新しい今後の技術開発に備えての各会社の態勢でありまして、いわゆる生産財その他の供給設備として出てくるものではありませんので、こういったものは当然今後の資金需要の点から考えましても除外して考えるべきものだと思っておりますが、その他のいわゆる供給設備の増加につきましては、需要曲線に合わして、今後とも調整をして参りたい、こういうふうに考えております。
○中田吉雄君 椎名大臣は、まあ石油化学の外国に比べてのことはよくわかりますが、今、しかし既存設備はみなフルに操業しているのですか。だいぶ、石油の割当もなし、いろいろなことでずいぶん遊んでいるのじゃないですか。それはどうなんですか。これはもう大へん遊んでいるでしょう。
○国務大臣(椎名悦三郎君) まだ建設中のものが多いのではないでしょうかね。でき上がって遊んでいるというのはあまり聞きませんが。
○中田吉雄君 なるほど岡山の水島港に建設中のはあります。しかし、あれは建設したらすぐ割当がありますか、フルに動かすだけの。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 大体了解をとって建設しておりますから、建設して遊ぶようなことはないつもりでおります。
○中田吉雄君 私聞いておるのはそうではないのですよ。これは具体的には名を言いませんが、相当五、六百億投じてやったって、実際、この秋にはできるが、どうしたものだろうというようなところがあるのですよ。これは実際。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 石油精製の方は確かにフルに動いておりません。これはだいぶ、日本のエネルギーの消費がどんどん伸びておりますから、先の方を読んで、そうして現在は設備は確かに過剰でございます。しかし石油化学の方は私はそういうものはないと承知しておりますが。
○中田吉雄君 時間がありませんので、規格の統一ですね、私も一昨年……たびたび例を引いて恐縮ですが、ドイツ等ではなかなか大量生産できるよりに、たとえばやかん等が、ふたがなくなればもうすぐに取りかえがつく、まあ具体的な簡単な例で言うと。非常にそういうのができているのですがね。それからフォルクス・ワーゲンにしましても、きのう重工業局の熊谷さんに聞くと、若干変わってくるのじゃないかというのですが、われわれいろいろ研究しましたのでは、ヒットラーがフォルクス・ワーゲンを作って以来、ボデーは全然変えないという、そういう規格を一定しているのですよ。ですからドイツではもう中古車が非常に高いという、これはまあアメリカなんかと比べて顕著な例ですがね。非常にマス・プロダクションができるような措置をしているのですが、これは一体政府のいろいろな勧めでできたものでしょうが、民間の多年の経験からそういうふうになったものでしょうか、私もよくその点不案内なんですが。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 規格統一の問題でございますが、これはやっぱり民間と政府と意気が合いませんと、なかなか政府だけでは規格統一の仕事というものは効果をあげにくいものでございます。やはり民間の自覚と申しますか、それと認識ですね、規格統一という事業に対する認識、これを活用する熱意といいますか、そういったようなものと相伴って初めてほんとうに実効があがるのではないか、こう考えております。その意味において、日本の規格統一の問題もまだまだ遜色がありまして、これはまあ大きな機械のアッセンブルをやっている甲乙丙丁がおのおのその自分の仕事を下請をいたす、そういうことで下請の方は大企業の注文ごとに同じものでいいはずなのを、まちまちな規格の製造を強制せれるというようなことで、これはいずれにしても、日本の産業全体の発達のためには多分に遺憾の点があるように思われます。この点は将来十分改善すべき問題であるということを考えております。
○中田吉雄君 この問題は、親企業と下請関係の企業と根本的に調整を要する問題等もありますから、時間がありませんので、最後に一つだけこの機械産業を振興する上に、さきに椿委員も質問されたように、大へん外国から技術が導入されて、たしかこのあと、まだ審議しておりませんが、提案理由では過去五カ年間に特許料や技術提携のため一千億円ですかを払うというような、大へんなものが数カ年間に出ているのです。ところが、会社が研究所を作っていろいろやっても、課税上の恩典がまだきわめて不十分です。これはもう日本の科学技術を振興する根本的な制約で、しかもそういうことをやっておる諸君がみんな技術屋なんです。税法の面に暗いものですから、大蔵省の諸君にころりとやられて、弱って、最近私の聞いたのでは、前の国税庁長官をしておりました渡辺さんに顧問になっていただいて、どういうふうにして、この科学技術を振興するために、収益の中から研究技術開発に使っても、税法上の恩典を完全に浴せるようにするかということを、去年ですか、こういうものを作ってある。これはやはり日本の立ちおくれは、政党でしたら政治資金規正法で完全に免税の措置が与えられておりますが、そういう措置がないのです。私も昨年関係したのがありますが、これについては通産大臣に一つ、たしか数年間一千億も外国との技術提携その他で支払いをせねばならぬ、そのための振興対策も出ておるというようなことですから、一つぜひとも科学技術を振興するような税法上の画期的な措置を作っていただくことが必要でないかと思うのですが、大臣の御所見を伺いたい。
○国務大臣(椎名悦三郎君) この試験研究の施設に関しては、従来あまり税法上の恩典がないので遺憾に考えておりましたが、今度の租税特別措置法におきまして特別償却を認めることになりました。その方面に力を入れてもまたすぐ税金でいじめられるというよりなことのないように、だいぶ軽減されましたのでございますが、なお、十分とは考えませんが、しかし今回の改正によってその点はやりやすくなったというふうに考えております。
○中田吉雄君 その点は従来もあったのですが、今後はそれはどの程度ですか。全免になるのですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 今鉱工業技術研究組合法案を御審議願っております。これに対する各企業の拠出金につきましては、早期償却を認めるというのが第一点、それから一般の試験研究用の機械設備につきましても、初年度に普通償却をやりますほかに、取得価格の一割を特別償却してよろしい、こういったようなことになっておりますし、それから耐用年数を非常に短縮した、こういったようなことで、研究施設に対すす負担を非常に軽減した、こう思っております。
○中田吉雄君 研究に名をかりて脱税するのもたくさんありますから、財団法人という美名で。しかし、その程度で、どの程度までほんとうの良心的な科学振興に面的な免税措置になっているか。これは少し検討せねばわかりませんが、ぜひともこの点は外国の大会社が研究部門、開発部門に投じているのに比べれば話にならぬと思いますので、ぜひとも機械産業発展のために御尽力を期待しまして私の質問を終わります。
○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。 他に御質疑はございませんか。——他に御発言がなければ、質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
○椿繁夫君 私は日本社会党を代表して、この機械工業振興臨時措置法に賛成をいたします。 ただ、本法の実施にあたりまして、特に意を用いてただきたいことを申し上げます。規格の統一でありますとか、生産数量の制限、企業の統合、自由化のスケジュールなどを策定されます際には、十分業界の意向を聞いて尊重して実施に当たっていただきたい。第二は、この法律によって設備近代化の資金の裏づけあるいは租税特別措置法による税の減免等の恩典がありますから、これが補助の対象にならない企業との間に大きな格差の起こらないような配慮が望ましい。その具体策としては中小企業協同組合などにアウトサイダーがないように指導されることも、その対策の一つではないかと思います。さらにこのようにして貿易・為替自由化計画の進行に対して本法の改正を行なうのでありますから、設備は近代化し、生産の規模は適正になりましても、雇用の対策がこれにマッチいたしませんと実をあげることは不可能だと考えますので、従業員の待遇の格差などを縮めるように十分な配慮をしつつ本法の運用をやっていただきた 以上のことの希望意見を付しまして本法に賛成いたします。
○川上為治君 私は、自由民主党を代表いたしまして、この法案に賛成をいたします。
○委員長(剱木亨弘君) 他に御発言もなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。 本案に賛成の方は挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(剱木亨弘君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、議長に提出する報告書の作成等につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じます。 ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。 —————————————
○委員長(剱木亨弘君) 次に、核原料物価、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、事務当局より補足説明を聴取いたします。
○政府委員(杠文吉君) さきに、長官から本委員会におきまして、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由並びに要旨につきまして御説明申し上げましたが、私から補足説明を申し上げたいと存じます。 今回御審議をお願いいたしておりまする法律案の要点は、大略いたしまして五項目ございます。 まず第一は、国際規制物資の使用等に関しまして必要な規制を行なうこと等でございます。そのために第一条に「原子力の研究、開発及び利用に関する条約、その他の国際約束を実施するために、国際規制物資の使用に関して必要な規制を行なう」という条項を加えました。 次に、その国際規制物資とは何かという定義をいたしまして、第二条の追加といたしまして、「国際規制物資芝は、原子力の研究、開発及び利用に関する条約その他の国際約束に基づく保障措置の適用その他の規制を受ける核原料物質、核燃料物質、原子炉その他の資材又は設備であって、内閣総理大臣が告示するものを言うという定義を設けました。 次に、国際規制物資の使用の許可及び届出を規定いたしまして、第六十一条の二から八まで、同じく第六十二条、第六十八条にそれぞれ一項を加えましで、「国際規制物資を使用しようとする者は、政令で定めるところにより、内閣総理大臣の許可を受けなければならない。」ものといたしました。ただし、この法律に基づき製錬事業の指定または加工事業、原子炉の設置もしくは核燃料物質の使用の許可を受けた者は当該指定または許可を受けた事業などに使用する場合はこの限りでないということにいたしました。 第二項に前項ただし書きに規定するものは、国際規制物資を使用しようとするときは、そのつど、あらかじめ内閣総理大臣に届け出でなければならないものといたしました。許可には条件を付することができるということを第六十二条の二項に追加いたしました。また同じく国際規制物資につきましては記録をつける。そうして、それをその工場または事業所に備えておくという規定を六十一条の六として設けました。また国際規制物資の使用者に対しましては内閣総理大臣に報告をさせるというのを第六十七条の中に挿入いたしました。同じく国際規制物資につきましては返還命令ということを設けまして、内閣総理大臣は、次の各号の一に該当する場合には、国際規制物資を使用している者に対し、国際規制物資の返還または譲渡を命ずることができるということにいたしましたが、どういう場合かと申しますと、第一号に「国際約束が停止され、若しくは廃棄され、又は国際約束の期間が満了したとき。」には返してもらう。第二号は「国際約束に基づき国際規制物資の供給当事国政府が購入優先権を行使したとき。」、このときには返してもらいますということでございます。また国際規制物資につきましては立ち入り検査をすることができる。これを使用している工場または事業所に立ち入り検査ができるという規定を新しく設けました。それが第一点でございますが、次に、第二点といたしまして臨海実験装置ということを今回新しく規制の中に加えるということにいたしました。従来は臨界実験装置というものは、原子炉の規制でございまして、はずしてございましたが、原子炉の中に臨界実験装置ということを新しく入れることにいたしました。これが第二点でございます。 第三点は定期検査をする、毎年一回定期検査を行なうという規定を設けております。 第四点は、核燃料物質のうちのプルトニウムと使用済み燃料とかいうものは従来は日本にはございませんでしたから規制の対象として直接にこれを取り締まっておりませんで、したけれども、新しく輸入され、あるいは使用済み燃料が日本にも生ずるようなことになって参りましたので、規制の対象にいたしたわけでございます。これは第五十三条の第四号において追加いたしております。同じくこのプルトニウムあるいは使用済み燃料等を扱う工場等はその施設の検査をするということにいたしております。 次に、これに関連いたしまして、原子炉の保安規定を設けさせる、あらかじめ届けさせまして、保安上十分の注意をするということにいたしておりますので、同じくこのプルトニウム等も非常に磁性の強いものでございますから、記録をつけさせて、そうして、それを工場または事業所に備えつけておかせるということにいたしております。 次に、第五点といたしまして、原子力施設検査官を科学技術庁に設けるという規定を置きまして、定期検査その他随時検査等にこの検査官が当たるという体制を終えております。そのための必要な資格等は政令で定めるという考え方をいたしております。第六十七条の二として一個条を追加しております。 そのほか関係規定、これに関連します罰則だの関係規定をそれぞれに整備いたしました。 次に、付則といたしまして施行期日をきめておりますが、「この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。」というので、猶予期間を設けましてその間に準備をしていただく。事業所、工場等においても準備をしていただくという考え方でございます。ただし原子力施設のこの検査官の規定というものだけは昭和三十六年の四月一日から施行するということにいたしております。 その他事業所等に従来使っていたものをどういうふうに考えるかどうかということについての経過規定を設けております。 以上きわめて簡単でございましたけれども、本改正法案の概要について御説明申し上げました。
○委員長(剱木亨弘君) 引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
○椿繁夫君 ただいま御説明を伺いましたが、この改正案の審査に入る前に、最近の原子力問題について、二、三大臣の答弁を願いたいと思います。 その第一は、日本原子力研究所の第二号炉の問題であります。新聞紙上でも、また衆議院の予算、決算委員会でも取り上げられたようでありますが、問題は、政府もすでに御存じのように、この原子炉はアメリカのAMF会社によって製作させ、そのときの契約では熱出力か一万キロワットを保証したにもかかわらず、当初はわずか一キロワットの出力しか出ないで、最近にやっと千キロワット程度まで、それこそおそるおそる出力を上げたようであります。しかし、これとても保証出力にははるかに遠いものであります。無理をして出力を上げると炉が暴走したり爆発したりする危険があるとも言われております。その理由として、炉の設計が悪いとかあるいは部品が不良であるとか、あるいは燃料が悪いとか、いろいろ言われておるようですが、そとから見ておりますと、責任のなすり合いのような形になっておるが、この経緯と政府の御見解をこの機会に伺いたいのであります。
○国務大臣(池田正之輔君) 椿委員が御心配になっての御質問たと思いますが、御承知のようにCP5を日本がアメリカに注文いたしまして、アメリカの会社と契約いたしました契約の内容を見ましても、今から見ますと、まことに幼稚なあるいは不完全な妙なことになっております。これは否定できません。しかし、なぜそういう結果になったかと申しますと、これは日本側にもまたアメリカの会社側にもお互いに私は欠点があったんじゃないか。ということは、原子力科学そのものがつまり未発達のために、日本の学者の方々が集まってそれがよかろうというてやったんですけれども、それがいけなかった。それからアメリカの相手の会社にいたしましても、その会社だけじゃなしに、一体そういう形の原子炉を作ったというのは、大体あまり経験がないことをやっておる。そういう会社がやっておる。これは原子科学が新しい学問でございますから、従ってそういうために単にCP5だけでなく、現在ある炉でさえもいろいろ故障が起こったりいろいろしておるのでございまして、つまりそれほど原子力科学というものはまだ発達していない、固まっていないということが言えると思います。ですからよけいな話になりますけれども、私はまだ原子力科学というものは神代の時代だと言って笑われましたけれども、私は今でもそう信じておる。従って、それだからこそ、われわれは大いに努力もしなければならぬし、その取り扱いのためには非常な注意をしなければならぬ。従って、原子力を取り上においてはまず最大に考えなければならぬことは安全性、そのために今度新しく補償法というような法律もお願いして御審議を願っておるというような経過でございます。ただこの際特に申し上げたいことは、新聞や雑誌などによりますと、おもしろ半分に、東海村にあれだけのばく大な金を注ぎ込んで、ゼロ回転をやっておるというふうに、盛んに悪口を言われたのでありますけれども、これは当たらないのでありまして、ただ単に燃料棒が悪いために、燃料棒を取りかえるのは、こんなもの一千万ばかりあればいいんです。大したものじゃない。そのためにおくれたと。おくれた理由はいろいろあるのでございますけれども、つまり要するにわれわれ今日考えて、私、ことにこの問題は大事でございますから、就任以来いろいろな角度から検討したのでございますが、どうもふに落ちない点がたくさんあります。あなた御指摘の通りでございます。しかし要するに、これは新しい学問で新しい技術でありますので、そういう点に私は欠陥があったということは言えるんじゃないかと思う。幸いに三月六日から、今までゼロ回転のやつが、六日から上昇をさせまして二十二日には一千キロという結果を生んで、あそこの専門家に言わせますとまだまだ上げられると、上げてみたいと言っておるけれども、これは危険性を伴いますから、それはまだいかぬと言うて実は押えておるような実情でございます。それでしばらくまたこの状態を続けまして、毎日のデータを見ながら研究をいたしまして、やがては燃料棒も取りかえて、より安全度の高い、効率の高いものに、燃料棒をかえていけば、ほかの面はいいんですから……。現在の段階ではほかの面には支障がないのでございますから、そういう形でいったらよかろうと、かように考えております。
○椿繁夫君 神代時代ということですが、具体的には国費を出してそうしてやってもらっておるわけですから、さらにお尋ねをするわけですが、この第二号炉の契約の責任の所在、それから熱出力が二万キロワットを保証されておるのにかかわらず、最近になってようやく一千キロワットの出力しか出ない。大臣に伺いますと、原因は燃料棒の不良であることが原因であるということでありますが、その予算の措置などはすでにとられておるのかどうか、そうしてこの保証出力が出るようになるまでには、一体現在の見通しとしていつごろになれば、このせめて保証出力程度の機能を発揮し得るようになるのか、その見通しいかん。
○国務大臣(池田正之輔君) お答えします。前の方から申し上げますが、契約の責任者といいますと、当時のこれに関係した人ということになるんでありますけれども、これは契約書の内容なりその間の事情をこまかく申し上げないと、これはおわかり願えないと思いますが、実はこれを申し上げるのはなかなか骨が折れる。簡単に申し上げますと、つまりアメリカと日本との習慣の相違という点もございます。それはどうかというと、期限をつけていたんですね。その期限のつけ方が期限内よりも早くできたら、アメリカの方は、それじゃボーナスを出すかとこういう、また、それじゃおくれた場合には、お前の方で罰金を出すかという。ところが、日本には、ボーナスを出すという制度はないのですね。そういったようなこともございまして、まあそれにしても、少しとぼけたような契約だと私は思いますけれども、しかし諸般の事情から検討いたしまして、日本のつまり当時の当事者の中で、特定の人が特定の目的をもって、もっと率直に言えば、何らかの悪い意味で特定の目的をもって処置したということであれば、これはあくまでも責任を追及しなければならぬ、私どももそう思います。しかし当時の日本の、これに関係した学者や専門家が集まって、それならよかろうということできめたことでございますから、従ってこれはだれが悪かったんだというような結論にはなかなか出てこないのじゃないか、私もこういう性格ですから、実は相当詰めてみたのでありますけれども、要するに日本のこれに携わった人たちの、その当時の考え方なり研究過程において未熟であった。その結果、そういうことになったというふうに、私は実は解釈しておるのであります。 それからあとの燃料関係その他については、専門的になりますので、局長から説明いたさせます。
○政府委員(杠文吉君) 燃料についてのお尋ねでございますが、現在入れております燃料は、運転の仕方にもよります、要するに燃やし方でございますね、燃やし方にもよりますが、通常運転いたしまし三、四カ月かかるということになっております。そこで第二次の、すなわち取りかえ——燃料の取りかえをしなくちゃなりませんですが、これは現在の予定からいたしますと、三十七年の一月ごろに入荷する予定で、現在原子力研究所が設計をいたしております。また発注先ははっきりときまっておりませんが、来年の一月に入るという予定を立てて設計をしておるというところでございます。その予算的措置は、大約三千六百万円ということに相なっております。 また、一万キロワットがいつごろ出るかということでございますが、現在の状況をもっていたしますならば、一年半くらい後には、一万キロワットに達するのではなかろうかと考えております。これは諸外国の例におきましても、一万キロワットを出すということは、どんなに設計がりっぱであり、どんなに燃料がよくても、直ちに出すという例はございません。大約一年半から二年かかるというのが通例になっております。ですから、われわれも、そのように大体考えております。
○椿繁夫君 伺いますと、燃料炉の発注するところは、まだきめていない。金額は三千六百万円程度、そうして一年半くらいすると、一万キロワットくらいの出力は出せるのじゃないかということなんですが、先ほど大臣が言われました一千万円というのは、これは三千六百万円の方が正確なんですね。
○政府委員(杠文吉君) 大臣が先ほど一千万円と申し上げられましたのは、現在使用しておるところの燃料が十五本入っておりますが、あと四本ついておりまして、十九本ございます。それに最近新しく三本また燃料が到着いたしまして、総計二十二本ということに相なっております。そこで、そのうち取りかえ分を二千万円と申し上げましたのは、さっき申し上げました現在入れておる第一次送荷と考えておる二十二本につきましての金額でございます。
○椿繁夫君 わずかなことですからいいけれども、わずか一千万円程度あれば直るんですと、こう大臣は言われるし、あなた方の話を聞くと、三千六百万円ないと出ませんのやと、こういうふうに言われぬように御注意を願っておきます。 第二点は、これはあるいは通産省の所管かもしれませんが、池田大臣何でも御存じの方ですから伺いますが、日本原子力発電会社のコールダーホール型の原子炉の問題であります。これはわが国史書の原子力発電で、電機出力が十六万キロワットといわれ、運転の開始は、三十九年末ないしは四十年の初めということになっておるようでありますが、最近この炉の一部品に不良品があったことが発見されたため、工事認可がおくれておるということを伺います。コールダーホール型発電炉につきましては、その経済性と安全性についてたびたび問題となったものでありますが、これらの問題について政府はどう考えておられますか。
○国務大臣(池田正之輔君) ただいまの御質問にお答えする前に、先ほどのことで御理解願いたいためにもう一言申しまするが、私が一千万円と申しましたのは、つまり御承知のように今CP5に使っておる原子燃料等は、これはウランの含有量が二〇%でございます。従ってそこに問題があるので、その当時アメリカは二〇%以上濃度の強いものは、外国に出さなかった、やむを得ず日本がこれを使って、現在九〇%以上になっております。九〇%以上になってきますと、これは非常に安全度の高い火で、より進歩したものになってきておる。そういうような関係で、従ってまた値段も若干高くなっておる、こういうことでございます。これを一つ御了解願いたいと思いいます。 それから今の発電炉のことでございますが、これは、確かに契約として、そういう大事な機械でございますから、東海村に到着してから検査の上で受け取るという契約になっておるはずだと思います。たとえば、アメリカの現地渡しというようなことになりますと、途中で故障が起こったりなんかしますと、これは問題になりますから、そういうわけから、そういう契約になっておりまして、この前のCP5の場合も、横浜へ来てから若干不良品を発見したり、いろいろそういうようなこともあったのです。そういうために、今度の場合も、これを精密に検査いたしましたところが、若干不良な、途中でひびが入っているというようなものがあったということでこれを取りかえた、こういう慎重な態度でやっておりますから、その点は御心配かけないようにいたしたいと思います。
○椿繁夫君 今御説明のように、この慎重な態度で検収をしたところ、部品の不良などに気がついた。そこでこの工事認可がおくれておるのですが、それは、その取りかえをさせて、いつごろになるとその工事認可を出せるような段階になるのですか。
○政府委員(杠文吉君) 新聞でもすでに御承知の通り、工事認可は、それぞれ分けておりまして、そして第一次の工事認可は、ごく最近通産省としてはいたしております。で、その今の鋼材のきずの問題は、鋼材は英国のGECが注文を受けておりますから、GECの責任において、もうすでに取りかえをいたしております。
○椿繁夫君 それでは、次に進みますが、日本原子力発電会社では、発電用の原子炉を、第一号炉として関西方面に建設しようとしておりますが、日本の原子力の見通しですね、これを伺いたい。
○政府委員(杠文吉君) 本年の二月八日に、原子力委員会におきまして、原子力利用開発の長期計画を決定いたしました。その際、各方面の権威ある方々に委員になっていただきまして、ほぼ一年に近い検討を加えた結果でございますが、十年後には百万キロワットまでの発電量にしたいということに相なっております。従いまして、先ほど椿先生から御指摘を受けております、東海村にもりますところの日本原子力発電会社の十六万六千キロワットの発電も、その百万キロワットの中に入っておりますし、今回日本原子力発電株式会社が会社といたしまして決定いたしております、関西方面に設置しようという考えを持っている二号炉でございますが、二号炉、これはまだどのくらいの容量になるかきめてはありませんが、おそらくは、二十万キロワット以上には、採算の関係もございましてなるだろうと予定されておりますが、それも、今の百万キロワットの中の内数というふうにお考え願いたいと思います。
○椿繁夫君 次に、国際規制物資について伺いますが、現在わが国で使用される原子炉やその燃料、たとえば日本原子力研究所の原子炉、あるいはその日本原子力発電株式会社の建設中のコールダーホール型の発電用原子炉、これらの濃縮ウラン、天然ウラン、燃料等は、アメリカとか英国とかカナダとの間に結ばれた原子力一般協定により、わが国に導入されているものと聞いておりますが、大体そういうことですか。
○政府委員(杠文吉君) その通りでございます。
○椿繁夫君 改正案で、特に国際規制物資なるものを告示して規制せにゃならぬ理由を伺いたい。
○政府委員(杠文吉君) 国際規制物資は、ただいま椿先生からも御指摘がございました通りに、外国との間の協定に基づく物資でございまして、協定の中にはすでに規定されておりますけれども、その規定が、日カ、日米、日英等におきまして明確さを欠くうらみがございました。従いまして、今回は、告示をいたしまして、どういう範囲のものであるかということを明確にいたしたいということでございます。そして、告示することによって明確化すると同時に、その規制を行ないたい。それは保障措置が御承知の通りにございます。で、その協定国からの査察を受けるというようなこともございますので、その物資の使用等につきまして、はっきりと記録をとっておき、そうして計量をするものは計量し、記録をとっておくというようなことをいたさせたいというような考え方でございます。従来は、電電公社等におきまして主として使われておったものでございますが、だんだんと各大学等の炉、その他民間におきましても炉を建設中でございますので、どうしても法の上にはっきりと規制ということをうたいたい、そうしてその安全性をはかりたいという考え方でございます。
○椿繁夫君 この改正が行なわれないと、具体的にはどういう不都合がございますか。
○政府委員(杠文吉君) 具体的には、従来とも燃料の使用ということで、規制法上でございますね、規制の対象として扱っておったわけでございますけれども、ただいまも申し上げました通りに、保障措置でそれがだんだん強化いたされまして、すなわちその保障措置というのは、これは平和目的のために微量な物資といえども使われているかどうかというようなことを相手国側から査察するというような状況でございまして、いわゆるアカウンタビリティ、こまかい量まで、非常な微少な量まで計量しなければなしらぬというようなことにだんだんと相なって来ております。従いまして、そういうことを明確に、その物資を使用しておる工場または事業所等の責任者に義務づける必要が、絶対に協定を守る、完全に守るという意味において起こってくるということでございます。
○椿繁夫君 この規制物資は、二条の八項で、「条約その他の国際約束に基づく保障措置の適用」を受けておるものとなっておりますが、この保障措置とは具体的にはどんなことを言うのでしょうか。
○政府委員(杠文吉君) 保障措置と申しますのは、ただいまも御説明申し上げました通りに、相手国から査察を受けるということでございますから、記録をとっておくし、また報告もいたさせる。また国内の移転の制限をいたします。また供給政府の同意がない場合には国外に移転することを禁止いたします。それからまた、協定の停止または廃止等がございましたときには、返還をさせる。それからまた、使用目的の制限をいたしまして、これは原則としては、原則と申しますか、共通的な事項としては、全く日本においては平和目的に限られているというようなことが内容となっております。
○椿繁夫君 この条約以外の国際約束というものがあるようですが、その重要なものは一体どういうものでしょうか。 それから、さらに国際規制物資については、内閣総理大臣が告示することになっております。二条の八項でいうこの「その他の資材又は設備」とは、重水や黒鉛を指すものと思うのですが、その他にどういうものがございますか。
○政府委員(杠文吉君) 第一問でございますが、現在のところは、国際条約以外における約束はございません。将来起こることがあるかもしれないということを予想しておりますけれども、ただいま特定国のどことの間にそういう約束が起こるという状況ではございません。 それから第二問でございますが、第二問は、いわゆる核原料物質、核燃料物質、それからまた原子炉、それから原子炉に使いますところの重水でございます。従来は重水というものは対象外でございます。今回重水というものも対象の中に含めたいということでございます。
○椿繁夫君 黒い鉛——黒鉛というのは入っていないのですか。
○政府委員(杠文吉君) 黒鉛は入っておりません。
○椿繁夫君 臨界実験装置というのは、核燃料に中性子を当てて核分裂及び連鎖反応を起こし、エネルギーを生じさせるためには、燃料をどのように入れるかまたは炉の形は何がよいかということを実験する装置だと私ども聞いております。これについては今まで核燃料物質の使用についての規制を適用していたものを、改正案では、運転計画を除いて、原子炉を同様の規制をやることとして規制の強化をはかっておりますが、その理由はどういうことか。
○政府委員(杠文吉君) 臨界実験装置というものが従来はございませんでしたが、最近になりまして臨界実験装置というような、原子炉に準ずるところの装置が日本原子力研究所におきましてもできましたし、また現在申請されまして審査中のものに、日立製作所が作っておるところのものが出て参っております。従いまして、その装置は原子炉ではございませんが、原子炉にきわめて近いところの装置である。従いまして、一歩これを取扱いを誤らんか、原子炉におけるところの事故のごときものが、すなわち爆発の事故もございますが、そういうような事故が起こらないとも限りませんから、燃料を使う、その中に入れる、挿入する燃料の面からのみとらえるのは適当でない。すなわち装置そのものが安全の面からどうなっているかというようなことを原子炉と同様に検査してみる必要があるという理由から、今回臨界実験装置というものを原子炉と、運転計画は除きまして、同じ扱いにしたということでございます。
○椿繁夫君 第五十三条の核燃料物質の使用の許可基準に、今度新たに「核燃料物質の使用を的確に行なうに足りる技術的能力があること。」という一項が入っておりますが、その「技術的能力」とはどういう基準が、またどうして制定する必要があるか、こういう点について……。
○説明員(井上啓次郎君) 技術問題にわたりますので、私から御説明を申し上げます。 今のお尋ねの使用の施設につきまして、技術的能力をどうして見るかということでございますか、従来核燃料物質を使う場合には、すべて使用の規制でやっていたのでございますけれども、最近の研究の進み方によりまして、プルトニウムを使うあるいは使用済み燃料を使う、こういうふうな特殊な物質を扱うということが出てきたわけでございます。従いまして、これを扱う場合には、普通の天然ウランを使う場合と技術的に非常にハイ・レベルのものを必要とするわけでございます。従って、それを扱う場合には施設の整備もいたさなければなりませんし、それを扱う技術的な水準というものも高いということが必要であります。たとえて申しますと、プルトニウムは一グラム程度のものを使う場合には相当の設備を要します。具体的に申し上げますと、フッドといいまして、具通の部屋の中にさらにもう一つ密閉された部屋を作りまして行なうようにしなければなりませんので、そういうふうな意味において、技術的能力を見るあるいは設備を見るということを今度の改正で明記したわけでございます。
○椿繁夫君 定期検査についてちょっとと伺いますが、二十九条の二に新たに定期検査の規定を設け、「原子炉施設のうち政令で定めるもの」については毎年一回定期検査を受けなければならぬということになっております。原子炉施設の検査については現行法上、施設検査あるいは性能検査及び必要に応じて立ち入り検査をやることができるようになっておると思いますが、原子炉災害の防止上、現行のやり方でも十分な措置と思うが、今回定期検査についでの規定を加えた理由は、何か特にそういう必要がありのであれば御説明を聞きたい。
○政府委員(杠文吉君) 従来も、御指摘の通りに検査はできることになっておりますけれども、毎年一回定期検査をするといことは、いわゆる定期検査をやる側の検査官でございますね、科学技術庁に置かれる検査官も義務づけられますし、また検査を受ける対象の事業者の方におきましてもやはり定期検査を受けるという義務づけがございますから、従来よりも完璧に検査が行なわれるのではないかということが理由でございます。
○椿繁夫君 そういう御方針であればけっこうだと思います。で、さらに施設について定期検査の必要があるとすれば、核燃料物置の使用施設、それから貯蔵施設及び廃棄施設などについても定期検査をやる必要があるのじゃないかと思いますが、いかがでしょう。
○説明員(井上啓次郎君) お説のように、そういうふうな施設におきまして定則検査をするということももちろん考えられますけれども、今までの経緯から申しまして、原子炉のような場合とそういうような核燃料を使う使用施設は、非常に検査の対象にいたしましても、技術的に見ましても、その危険度におきましても、大へん差がございますので、今申し上げましたように、原子炉及び臨界実験装置は定期検査を行ないますけれども、使用施設におきましては、半年ごとに、年いわゆる二回でございますが、そういうふうな放射線防止についての報告もございますので、それを十分検討すれば所期の目的が達せられるという観点から、使用施設については、定期検査を行なわない方針にしておったわけであります。
○椿繁夫君 臨界施設については、定期検査の必要はあるが、その他のものについては、それほど定期検査を法定してやらなければならぬほど危険度が高くないという考えですか。
○政府委員(杠文吉君) 危険度の判定でございますけれども、これは半年ごとに報告がございます燃料使用の状況というものから判断いたしまして、放射線障害が防止の観点から、安全性を確保できるという意味でございまして、施設それ自身の危険性というような意味ではございません。
○椿繁夫君 五十五条の二で、政令で定める核燃料物質の使用施設などの工事については、総理大臣の検査を受け、それに合格しなければ、その使用施設の使用はできないことになっておりますが、今まで使用施設についての検査規定を置かないで、今度新たにこの規定を置く理由を聞きたい。
○政府委員(杠文吉君) それはただいままでは、プルトニウムないしは使用済み燃料というものは、日本には存在いたしておりませんでした。しかし東海研究所の原子炉が、現に二基運転いたしておりまして、使用済み燃料等も出るようになってきております。そういう状況になってきております。またプルトニウムは、なかなか日本には入手できなかったものが、最近は少し外国も輸出をゆるめまして、入ってき得るような状況に置かれております。従いまして、今回法定の対象にしたいということでございます。
○椿繁夫君 次に、そういう検査を必要とするために、原子力施設検査官を、科学技術庁の職員として置くことになっておりますが、原子力研究所や民間で次々と原子炉が設置され、今後も増加するようでありますが、三十六年度はどの程度の検査官をおく予定であるか。さらに検査官の資格につきましては、政令で定めるということになっておりますが、検査官は原子力災害の防止の点からも、高度の学識経験者をもって充てる必要があると思うが、その資格、待遇などについて、政令で定める内容とは、一体どういうものか。こういう点について伺っておきたいのです。
○政府委員(杠文吉君) 検査官を三十六年度に置きます予定は、八名ないし十名程度と予定しております。またその資格でございますが、資格は御指摘の通りに相当最高の学識を備えなければならぬということは、もちろん理想としてその通りでございますが、現在政令の内容としてわれわれ考えておりますのは、大学におきましては理工科系の課程を終了いたしまして、原子力に関する一定の経験を有しておる等の者をもって充てるという考えでおりますし、また待遇につきましては、特別に検査手当を与えるとか、あるいは給与の面において、他の者よりも高い給与を与えるとかいう措置をとる考えはございません。これは科学技術庁の中でただいま申し上げましたような高度の知識経験々有する人を、この検査官に必ず充てるという考え方をとっております。
○椿繁夫君 この検査官は、相当危険な個所にやはり立ち入ることが職務になっておりますが、この来年度八名ないし十名を技術庁の職員として置くということになっていますが、特別に待遇を考えぬという高姿勢で、人が集まりますか。
○政府委員(杠文吉君) 現在その資格を備えておる者と目される者が、五名程度おります。そのほかに三名ないしは五名という人を、他から持ってくるなり、あるいは内部の他の部課に他の仕事において従事している者を充てなければならぬと考えておりますが、その危険の関係からの待遇ということは、ただいまのところ考えておりません。と申しますのは、原子炉の施設ないしは臨界実験装置は、厳重に認可に当たりまして検査をいたしておりますし、今まで動いておりますところの東海研究所における二基につきましても、何ら危険ということが起こっておりません。従いまして、ただいまのところ、危険に対するところの待遇ということは考えておりませんが、将来とも何らか、その危険と申しますのは、その検査に従事することによって、身体的障害等が発生するというような事態が起こるとするならば、当然に待遇についても考えなければならぬだろうというふうに考えております。
○椿繁夫君 この改正案の施行日は、「公布の日から起算して六月をこえない範囲内において」と、こうなっていますが、規定だけを四月一日からにしなければならぬという理由は、ほかにこういう事例たくさんありますか。
○政府委員(杠文吉君) 私の方が所管しております限りにおきましては、障害防止法というのがございまして、やはり施設につきましては、猶予期間をおいて整備させるという関係から、六カ月をこえない範囲内において、指定する日から施行するということでございますが、検査官というような人の任命関係につきましては、やはり四月一日を施行日とするというような先例を持った法律がございます。
○椿繁夫君 衆議院の特別委員会では、こういう附帯決議がこの改正案についております。「政府は、原子炉の設置に関する許可をなすにあたっては、原子力委員会において、必ず原子炉安全専門審査会の意見を徴し、その意見を尊重するよう措置すべきである。」という付帯決議がついていますが、大臣、この付帯決議、もっともな付帯決議だと思うのですが、最高の長官として、安全専門審議会ですか、この意見を徴し、その意見を尊重するよう措置すべきである——これはもっともなことだと思うのですが、重ねて長官からこういう心配に対する解明を最後に一つお願いをしたい。
○国務大臣(池田正之輔君) 先ほど来いろいろ椿委員から御質問があったように、これはみな、つまり、安全性を御心配なさっての御質問なんで、従って私はこれを拝聴しておったんでありますが、先ほども申し上げましたように、原子力を扱う上においてはまずなんといっても最大の関心をわれわれ安全性というところにまず置いてやっていくというのが、私の基本的な考え方であります。従って先般、衆議院においてただいまお読み上げになりました付帯決議、十分私はこの付帯決議の趣旨を体しまして、尊重いたしまして努力いたしたいと考えております。
○中田吉雄君 この法律改正とは少しそれているのですが、世界の知名な軍事評論家の意見は一様に、アメリカやソビエトの原水爆の保有は、もう万一最悪の場合は世界戦争が起きて人類を片をつけるのに必要な限界以上に持っている、これはもうほとんど共通した軍事評論家の意見です。そういうことが核原料物質の国際的な需給に若干影響しているのじゃないかと思うのですが、この二十九年に開発利用等、まあ出発された当時に立てられた——そういうものは、その後の変化等があっても、原子力、原子燃料公社の国内のウラン鉱の開発等は既定方針通りやられるかどうか。実は私は鳥取県ですが、少し深い関心を持っているわけなんですが、その点はいかがなものなんですか。
○国務大臣(池田正之輔君) これは既定方針通りにやるつもりでございます。先般あるアメリカの評論家も私のところに参りまして、そのときも実は——よけいな話になりますけれども、ついででありますから申し上げますが、現在の原子力による発電の単価というものは火力発電より高いのです。そこで将来はそれじゃどうなるかといいますと、将来の見通しとしては、どうもまだ火力には追いつきそうもない。追いつくと言っている人もおりますけれども、そうかと思うと世界の石油需給の関係から見まして現在の石油というものはまだ下がる。そうしますと、火力発電が今二円幾らかになって、おりますが、二円以下になる。そうなってくると、ますます開きが大きくなるのじゃないか。それをなせ日本はそういうむだなものをやるのだと、こういう実は御質問を受けた。そこで私はそのときにお答えしたのでありますが——話は飛びますけれども、私の考え方としては、原子力科学というのは、何と申しましても、これは近代科学の総合的なもので、基礎的な面でございまして、そういう意味から、技術開発という意味からいっても、科学開発という意味からいっても、これは日本は持ち続けなければならぬ。コストが高かろうが安かろうが、これは絶対に持ち続ける必要があると同時に、日本の国内にウラン鉱がどのくらいあるということも、まだはっきりいたしておりません。今一番有望なのは鳥取県なんでございますが、あの地帯なんでございますけれども、従ってこれはあくまでも続けていく。これは一貫してそういうふうに考えていきたいと思っております。それでそれによってまた国内で核燃料を作る方向に今進めておりますので、これだけは絶対にやめるという意思は持っておりません。
○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。 他に御質疑はございませんか。——他に御発言がなけけば、質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
○椿繁夫君 私は日本社会党を代表して本改正案に賛成をいたします。ただ発電用原子炉にいたしましても、研究川の原子炉の設置にいたしましても、今後施設されます場合には、まだやはり原子力の現状に対して十分な知識がないためもあろうかと思いますけれども、相当各地で反対の運動があるやに聞いております。そういう際は、国民の納得と了解ということがやはり大切だと思いますので、十分この住民の意向を尊重して設置する、了解納得の上で設置をするというふうな方針をとっていただきたいということを希望いたしまして賛成の意を表明いたします。
○川上為治君 私は自由民主党を代表いたしましてこの法律案に賛成をいたします。
○委員長(剱木亨弘君) 他に御発言もなければ、討論は終局したものと認めこれより採決に入ります。 本案に賛成の方は挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(剱木亨弘君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、議長に提出する報告計の作成昨につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じます。 —————————————
○委員長(剱木亨弘君) なお、国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案についての運輸委員会との連合審査会は、明四月一日前十時から開くことになりました。御了承願います。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十五分散会