商工委員会 第8号
- 発言数
- 126 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/03/16
会議録
○委員長(剱木亨弘君) これより商工委員会を開会いたします。本日は、最初に計量法等の一部を改正する法律案の質疑を行ない、次いで通商産業省及び経済企画庁の施策についての一般質疑を行ないます。 それでは計量法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては、すでに提案理由並びに内容の説明を聴取いたしておりますので、これより質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。
○椿繁夫君 計量法の一部改正について、前回御説明をいただき、またなかなか難解なものですから、現地の方で御説明を承ったりしたのですが、なかなか専門的な用語が多いものですから、質問するといいましても、ちょっととんちんかんのようなことがあるかもわかりませんが、その点は一つ御了承の上御答弁をいただきたいと思います。まずお願いいたしておきます。 メートルの定義を変更したり、温度の単位を入れかえたり、数点にわたって今度の改正案の骨子になっているわけですが、提案の説明を伺いますと、このように定義は変わっても、一般的な実用面では大した変わりはないんだという説明があったのですが、そういうことが予想されるにかかわらず、なぜ今回このような難解な改正を行なわなければならなかったか、その理由について一つ御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(佐橋滋君) ただいまの御質問でありますが、今度、メートル及び温度について定義が変更になるわけでありますが、これは、日本が加盟しておりますメートル条約に基づきます国際度量衡総会で決定になりまして、これに準じて国内法を整備しよう、こういう提案であります。 このメートルの定義が変わったことによりまして、何ら一般の実用面には影響がないと、この前御説明申し上げましたのは、メートルの定義は変わりますが、メートルの長さが変わるわけではありませんので、メートルの長さを測定する方法が変わってきたわけであります。従来のメートルといいますのは、この前も御説明申し上げましたように、メートル原器によってはかっておりましたのを、光の波長ではかる、こういうことになりまして、従来のメートル原器ではかります精度と申しますのが大体五百万分の一の精度しか得られないのが、今度の光の波長ではかるという方法で参りますと、一億分の一程度の精度で正確さを期し得るという意味で、いわゆる測定の正確さを従来よりも増したということでありまして、われわれの日常生活で使います、たとえばメートルで言いますと、長さ計、ものさしといったようなものは大体精度が五百分の一以下くらいなものでありまして、われわれの日常生活で使う場合には全然従来と変わりがないわけでありまして、これが、最近の学術、科学の進歩によりまして、そういった面では非常に高精度を要求されるわけでありまして、そのときに、こういったメートルの定義の変更ということが生きてくるわけでありまして、われわれの生活にはいささかの影響もないというふうに考えております。温度につきましても、従来も絶対温度と摂氏度というのが二つあったわけでありますが、摂氏度が基本単位であり、ケルビン度が補助単位であったわけでありますが、今度は、それを入れかえるわけでありまして、絶対温度のかわりに、絶対温度と全く同じであります。ケルビン度というものを用いまして、従来の絶対温度も当分の間は使用してよろしいということになっておりますし、それから摂氏度につきましては、これを補助単位として使用いたしますので、日常生活では摂氏度が用いられることになります。ただ、この摂氏度の定義が、ケルビン度からいきまして、ケルビン度から二七三・一五を減じたものを度というふうに定義を変えただけでありまして、日常の生活にはいささかも変更はない、しかし計量法自身が国の内外に計量の些末方針を示すものでありますので、国際度量衡総会で決定されました趣旨に従って、各国ともそれぞれの国の計量法を改正するわけでありまして、日本の国におきましても同じような趣旨で正確な定義を採用した、こういうことであります。
○椿繁夫君 御説明を伺いますと、メートル原器によると、たとえば長さの場合、五百万分の一の誤差で、今度の改正案のように光の波長を基準としてはかると、同じ一メートルでも一億分の一の誤差で済むという話なんですが、これは確かに宇宙科学とか月のロケットを打ち上げる場合の測定とかいうような場合には大きい影響があるかもしれませんけれども、計量法本来の目的である国民生活あるいは社会生活の安定を期するという計量の安全とかということについては、なかなか縁の遠い話のように私どもうかがえるのですが、国際度量衡総会ですか、そこでそういう決議が行なわれたので、国際的に基準を統一する必要上本法の改正を必要とする、こういう御説明なんですがね、ただそれだけでございますか。国際度量衡総会の決議があるから基準統一のために本法の改正を必要とする、こういうことでございますか。
○政府委員(佐橋滋君) 日本はもう数十年前からメートル条約に加盟しておりまして、国際度量衡総会というのは数年置きに行なわれるわけでありますが、ここで専門家が寄りまして、メートルというものの定義を順次より正確を期するために議論されるわけでありまして、ここへ加盟しておりますと、決議に従うのが道議上も当然でありますのと同時に、そこできまったから従うというばかりでなく、われわれの日常生活といいましても、われわれが今言いましたように、ものさしとかあるいは看貫を使うということばかりでなくて、いわゆる産業面その他におきましても最近はいろいろの機械の精度も非常に上がりまして、長さあたりでもミクロン単位で正確さを期すというようなことになっておりますので、計量単位の正確さをより増すという方向が打ち出された場合には、それに従うのが社会生活あるいは産業政策もろもろの面からいって適当ではないか、こういうふうに考えておるわけであります。
○椿繁夫君 どうも私ざっくばらんに申し上げるのですが、誤差の大小を問題にし、それを使用するのは、一部の学者それからそれに類する関係者の間でこれは事足りるんじゃないか、わざわざその法律を改正して、実際にこれを長さにせよ温度にせよ、またそういうものを変えることによって、実際は、これは何でしょう、国内では証明をいたします場合でも何の場合でも、これにはずれると罰則規定があるのでございましょう。ただ輸出の際とか何とかに当分の間大目に見るという何はございますけれども、この罰則規定までついている法律を、一部の先生方の学問的な得心のためにわざわざ法律を改正する、実際の社会生活の上では、それほどの必要がないという御説明を聞きますと、どうもこれがなかなか了解ができぬのですが、もう少し得心のできるような御説明をいただけませんかね。
○政府委員(佐橋滋君) 先ほども御説明申し上げましたように、定義が変わりましても、長さ自身が変わるわけではないわけでありまして、この計量法というのが一切の計量関係の基本的な法律でありますので、ここで定義は、非常にこういうふうにむずかしい定義方法になったわけでございますが、われわれの一般国民生活については、長さが変わるわけではありませんし、従来のものさしが不要になったりどうということではありませんので、たとえば現在竹尺のものさしを売り出します場合でも、その竹尺が正確であるかどうかというのを期するためには、基準器で検査を各都道府県でやっているわけでありますが、その基準器自身も変わるわけじゃなくて、その基準器も基準器自身が正確さを期するために、さらに中央検定所の保管いたしております度量衡の長さの原器ではかっている、こういう数段を経てわれわれの使用いたしますものさしあたりは手に入るわけでございまして、この定義が変わったということでは何にも影響がありませんので、先ほど申しましたように、計量法自身が基本法である、計量の正確さを期して、それを内外に示す指針であるという意味において定義はできるだけ正確なのがいい、こういうふうに考えてやっているわけであります。
○牛田寛君 関連。メートル原器の問題が出ているようでございますが、実際私たちの普通の生活では、どのような原器をどのような精度に作ったかということは直接関連がないわけでございます。しかしわれわれの生活のいろいろな計量の一番基礎になるものは原器であると思いますので、この際メートル原器を今までの国際度量衡原器から新しく光の波長に変えるという意義ですね、原器を新しく変えるということ。それから原器それ自体もわれわれの生活の中にどういう意義を持っているか、その点をもう少し具体的に御説明を願いたいと思います。
○政府委員(佐橋滋君) メートル原器といいますのは、現在までの定義で言いますと、フランスにあります白金イリジュウムで作った原器、これが親原器でありましてそれを各国が写してきてそれぞれ一つずつ保管いたしているわけであります。日本におきましては、中央計量検定所がこれを保管いたしております。原器というのは、私もほんとうの原器は見たことがありませんが、X字型になったある長さがあるのであります。その中の両側に三本目盛りがありまして、その真ん中の目盛りの中間から中間までの長さが一メートル、こういうふうに表示されているわけであります。ところが目盛りをつければ当然目盛りには一定の、どんな細い線を引きましても幅があるわけでありまして、その幅の中間から中間までを一メートルということになっておったわけであります。これはまあだからフランスにあります親原器から写す場合にも、その通りに全く同じにとるということは、どうしてもできないわけであります。若干ずつの誤差が出てくる。これがまあ五百万分の一の誤差と言っているわけでありまして、光の波長ではかりますれば、それが一億分の一の精度までの長さを現示できる、こういうことでありまして、日本の場合はそれをそこで写してきました原器に照らしまして、さらにそれからいわゆる副原器式なものを各都府県が持っておりまして、それによって、今度はまた長さ計を作るメーカーができ上がった製品をはかってもらって、その精度を確認した上で一般に売り出す、こういうことになっておりまして、何段も計器が、何といいますか、を通って、われわれが使用する長さ計、ものさしが手に入るわけであります。これはまあこういった原器から比べれば、非常に精度の悪いものであるわけですが、それでわれわれの日常生活は十分に用が足りているわけです。で、今後も、その光の波長で一メートルの長さを定義いたしました場合でも、この現在の原器というものは非常に精度の高い原器として残るわけであります。
○椿繁夫君 この定義の、メートルの定義の変更に伴いまして、パリにあるという国際的な権威のある原器——この間も見せていただきましたが、日本のメートル原器ですね、こういうものは、この基準の変更に伴いましてちょっと権威のないものになるわけですね、そうしますと。その五百万分の一の誤差がこの原器によってはもうあるのだということを、今度国際度量衡総会なり、わが国においては法律の改正によってきめるわけですから、このパリのメートル原器も、今大臣が保管義務を持っている日本の原器も、今度は権威のないものになるわけですか、これはどうでしょうか。
○政府委員(佐橋滋君) 現在までの計量法では、その原器で現示するものが一メートルということになっているわけでありまして、今度まあ波長によって一メートルという長さを現示する、こういうことになりますと、今、椿先生が言われましたように、確かに権威がないといいますか、この法律に基づく一メートルというものは原器によるのだという根拠がなくなるわけでありますので、まあ言って見れば、従来のような法的にも確認された権威のあるという意味はまあなくなるわけでありますが、しかし、まあ先ほども説明しましたように、一メートルを現実に目で見まして正確さを期する長さ計としてはきわめて精度の高いものでありますので、これはその意味において意味がある。法律的には、何といいますか、メートルがそれに依拠するという意味での意味はなくなるわけでありますので、多少その意味において、あるものがなくなると言われれば言われることになりますが、しかし今申しましたように、最も正確な一つのメートルを現わす基準器としての存在価値は十分ある、こういうふうに考えております。
○椿繁夫君 どうもただいまの説明を聞いておりますとなんですが、この法律によって五百万分の一の誤差が、国際原器でも日本で保管しておる原器でも、誤差があるのだということを確定する、さらにこの改正案を見ますと、日本にある原器の保管義務を通産大臣が持っておりますが、これも削除されているのですね、今回の改正で。いよいよ原器の権威というものを私は国家意思としてなくしてしまうようなことになると思うのですが、原器の大臣の保管義務が削除されると、今後どういう取り扱いをこれはしていく御方針でしようか。
○政府委員(佐橋滋君) ただいまの御質問のように、計量法からはこれを削除いたしますが、これは今後物品管理法に基づきまして、通産大臣が責任をもって保管するということになると、こういうふうに考えております。
○椿繁夫君 物品管理法によって通産大臣が新たに保管義務を持つ、こういうことになるのですか。
○政府委員(佐橋滋君) その通りであります。
○椿繁夫君 それでは次に進みますが、光度の、光の度の単位カンデラを誘導単位から基本単位に変更した理由はどういうことでありますか。
○政府委員(佐橋滋君) 先般御説明申し上げましたように、まあ世界各国とも計量の基本単位と申しますのは、長さをはかりますメートルと、それから質量をはかりますキログラムと、それから時をはかります秒と、それから温度をはかります度と、同時にそれからもう一つ電力の強さをはかりますアンペア、それから光の強さをはかります光度という六つの単位が基本になっておるわけであります。で、従来はわが国におきましては、このカンデラを誘導単位にいたしておりまして、基本計量単位にはいたしていなかったのでありますが、今度まあ定義その他いろいろの点で改正をしますついでと言っては誤弊がありますが、世界各国並みにこの基本計量単位にあげたということでありまして、まあ実用面では何も変化がありませんが、そういう立法のついでのときに、世界各国並みに基本単位に誘導単位から変更を加えたというのであります。こういうことであります。
○椿繁夫君 そうすると、これも実用面では大した変化はないけれども、法律改正のこの機会に、国際度量衡総会の決議もあるわけだから、この機会に改正をしておくことがよかろう、単なるこういう理由でございますか。
○政府委員(佐橋滋君) 今までまあ誘導単位というのに入っておるわけでありますが、誘導単位というのは、基本計量単位から誘導し得る単位が誘導単位ということになっておるわけでありますが、カンデラ、光の強さというものは元来ならば誘導単位であるべきものでは私はないと考えております。まあ今説明を申しましたように、世界各国のにあわせて、この法規をいじります機合に、あわせて基本計量単位にして、誘導単位からはずした、こういうことであります。
○椿繁夫君 この光度の単位の変更ということは、これはまあ専門的な野分に、実際に使います場合は限られると思いますが、工率の計量単位としてのキログラムメートル毎秒という単位を法律で定めて、これは過般大臣から説明のありました仏馬力を当分の間、法定計量単位として内燃機関等に限って使用することに改正を今度しようとしていますが、これは業者の陳情を学術会議に諮問して、その答申に基づいたこれは結果なんでしょうか。
○政府委員(佐橋滋君) この前計量法を改正いたしますときに、仏馬力については、ことしの終わりまでという暫定期間を設けたわけでありますが、その後、もう業界からもしばしば陳情がありまして、ことし一ぱいで切れるということでは、いろいろの、世界各国が現在まだ仏馬力を盛んに使用しております関係上、取引上その他に非常に支障がくるということで延長方の陳情があったわけであります。役所の方では、各国の仏馬力の使用状況等も調べました上、学術会議の意見を求めまして、学術会議からは、当分の間仏馬力を残すのが適当ではないかという答申を得て実施しておるわけであります。
○椿繁夫君 もしそうだとすれば、この答申のうちの馬力を、まあ英馬力、仏馬力とあるようでございますが、それを補助の計量単位として認めるような措置をなぜとられなかったんでしょうか。
○政府委員(佐橋滋君) この仏馬力につきましては、まあ行く行くは廃止する運命にあるわけでありまして、この計量法という、まあ基本法の方に補助単位としてあげずに、計量法施行法にこれを規定する方が適当ではないかという、学術会議の答申もありましたので、計量法の補助単位とせずに、計量法施行法でこの使用を当分の間認める、こういうふうにしたわけであります。
○椿繁夫君 答申の中には、馬力は、世界のおもな国がこれを使用しなぐなる場合には廃止する、こう学術会議の答申ではなっていますが、改正の部分でも、当分の間、これを認める。これ、たしか、本年末をもって廃止されることになっているのを、当分の間認めることに今回改正をしようとしておられますが、一体、世界のおもな国がこれを使用しなくなる時期というのを、通産省はいつごろとお考えになっているんでしょうか。
○政府委員(佐橋滋君) いつまあ世界各国が大勢として仏馬力の使用を廃止するかということについては、現在の段階では明確に答弁はいたしかねると思いますが、最近の情報によりますと、フランスで計量法の改正を準備しておるようでありますが、これには仏馬力の使用を廃止するというような条項が盛り込まれておるように聞いております。英米等の何といいますか、軍関係でもメートル法を採用いたしまして、逐次、仏馬力の使用を廃止するというような方向に動いておるようでありますが、世界の大勢がいつになったら仏馬力をやめてしまうかということについては、現在の段階でははっきりと答弁はいたしかねることであります。
○椿繁夫君 そういたしますと、世界の主要な国がいつ廃止するようになるかわからぬ、その廃止されるような時期までをこの改正案でいう当分の間と解してよろしゅうございますか。
○政府委員(佐橋滋君) 世界の大勢がまあ仏馬力廃止の方向に動くというころ合いを見計らってというつもりで考えておりますので、今、椿先生の御質問のような考え方でけっこうと思います・
○椿繁夫君 きょう、「計量法第七十八条の計量器等を定める政令要綱案」というのを資料にいただきましたが、なぜ、これを法律改正案の中に入れないで、相当これございますが、政令にゆだねたのか、それからまた、これまでこういうふうに列記してなかったのを、特に今回、このように政令要綱の中に列記をする必要が生じたのか、これまではあいまいであったのではないかというふうな疑点を、要綱をいただいてみますと感じがするのですが、なぜ、この政令にゆだねて、法改正の中にこれを入れなかったか、こういうようなことがこれまでなかったのを、わざわざ今回列記をして政令要綱をきめようとしておるのは、今日まで計量法に不備があったのではないかという感じを持たせるが、こういう点についてはいかがですか。
○政府委員(佐橋滋君) 従来の法律に使用制限の規定があるわけでありますが、従来の法律によって現在規制しておりますのは、どの度量衡計器にも当てはまる、たとえば、水平にしてはからなければならぬとか、あるいは看貫などで言いますと、ゼロ調整というのがありまして、われわれがふろ場その他でやりますときにも、針が少し動いておる場合には、ゼロに戻した上でなければ正確にはかれないというような、ほとんどあらゆる計量器に共通する問題といいますか、使用方法だけについて規定しておったわけであります。ところが、昨今、計量法というのは、いろいろな型式、いろいろな計量に使われる新しい計量器が頻々と出てくるわけでありまして、この各計量器に通ずる一般的な使用方法というものはとても予測もできませんので、これを法律でなければ規定できないということにいたしておきますと、非常に時宜に適した使用方法の規制ができませんので、今後計量器の発展に伴いまして、計量器を正当に使用する方法を政令に譲ることにいたしたわけであります。
○椿繁夫君 この政令案の内容について御説明いただけませんか。
○政府委員(佐橋滋君) 私もこまかいことを十分存じませんので、その担当官が参っておりますので、担当官の方から説明させたいと思います。
○説明員(山崎雄一郎君) お手元にございます要綱につきまして御説明いたしますれば、まず第一は用途の制限をどういう計量器について定めようかということの現在考えられる点をそこに列挙いたしておるわけでありまして、木製の穀用ますというものは、これは穀用にしか使ってはいけないわけであります。その次にあります木製の穀用ますで液体をはかっては正確にはかれないわけでありますので、木製の穀用ますは最初に書いてございますように、米とか麦とかそばのような穀類あるいは豆類、そういうものの計量に使うというふうに規定したい。それから木製の液用ますにつきましては液体の計量に使う。それからオイル量器というものがございますが、これはオイルはこれは潤滑油をはかる量器でございますが、これはオイルは非常にねばねばいたしておりまするから、これをねばねばしていない、たとえば酒とか醤油とか、そういうものをこのオイル量器ではかりますと非常に不正確になりますので、オイル量器は潤滑油の計量に用いる。それからオイルメーターというのがありますが、これはその器物に表記されは被計量物しかはかってはいけない、そういうふうな規制にいたしたい。それからコンベアスケール、ホッパースケール、その次の目盛付タンク、目盛付タンクローリー、こういうものは、そこに表記された被計量物をはからなければ正確にはかれないわけでございますので、そういうふうに表記された被計量物の計量にのみ使えるというようなふうに規制を加えたいということでございます。 その次は、これは使用方法の制限についての規制でございまして、コンベアスケールというのが最初にございますが、これは御承知かとは思いますが、ベルトを走らせまして、その中間段階にはかりがつけてあるわけでございます。そのベルトの走行速度というものが一定の走行速度でないと正確にそのはかりが働かないというふうな性質のスケールでありますので、この場合は表記された走行速度でベルトコンベアを走らせるというような規制を加えたいというわけでございます。それからオイルメーターとかガスメーターに取りつけ姿勢というものが表記されているものがございますが、これらのものにつきましては、表記された取りつけ姿勢で使用するというふうなことが必要でございますので、このような規制をしたい。それからオイルメーター、ガスメーター、水道メーターにつきましては、これはやはりその表記された流量によって計量いたしませんと正確な計量ができないわけでございますので、その点を規制するために表記された流量により計量することというふうにいたしたいわけでございます。 それからその次の第三番目は、使用範囲の制限でございまして、天びん以外のはかりにつきましては十キログラムをこえる質量、またはそのはかりの最小目盛りの十倍以上の質量、これははかり方につきましては一定の範囲ではかる、一定の範囲ではかりませんと正確にはかれないものでございまして、その目盛りの最小目盛りの十倍以下の質量をはかるという場合には非常に不正確になりますので、そういうふうな規制を加えたいと考えているのでございます。それからその次にもう一つはかりで、そのはかりの秤量以下の質量、こうなっておりますが、これはたとえば例を引くと指示ばかりというのがありますが、これはたとえば一キロという秤量が書いてある指示ばかりに一キロ以上のものをはかろうとすると、それは非常に不正確でありますので、そういう場合は秤量以下ではからなければいかぬというような規制を加えたいわけであります。それから粘度計、動粘度計というものにつきましては、その器物に表記されました粘度、動粘度の範囲内ではからないと正確な粘度、動粘度が測定できないというわけでございますので、そういうふうな規制をする。それから使用範囲の表記のある力計につきましても、その器物に表記されました力の大きさの範囲をはかれというふうに規制を加えたいわけであります。 それで現在の計量法では、木製のますとそれからはかりについては規制が加えられておりますが、先ほど局長が申し上げましたように、最近ではこの上に種々雑多な計量器が取引、証明に使用されて参っておりますので、こういうものを新たに取り上げて規制をいたしまして、正確な計量を行なわせるというふうに持っていきたいと考えておるわけでございます。
○椿繁夫君 この政令が生れることによって、実際にこういうものを使用いたします際に、特に今までよりもやかましくなったというようなことはございませんか。
○政府委員(佐橋滋君) ただいま課長から説明しましたように、計量器というのは必ず販売する場合に検定を受けて販売するわけでございまして、検定のときに、こういうふうに使用しなければ、はかりの正確さは期しがたいという条件が全部ついておるわけでありまして、その方法に従わなければ正確な計量はできない、こういうことは周知のことではありますが、それをインチキな方法ではかられては、せっかく検定をいたしまして売り出しましたはかりも正確を期しがたいので、そういうことを法的にも規制をするということでありまして、従来もこういうここに示されておりますように、その政令あるいは方法に従ってやるということは当然のことであるわけでありまして、従来よりもきびしくなるということではなくて、これを正確に使用させるように法的にも規制しよう、こういうことであります。
○椿繁夫君 この計量単位の変更とか入れかえとかいうのは国際度量衡総会の決議及び指示、を受けるとともに、日本学術会議に諮問をし、その答申を待って大体これは行なわれることになって、この法改正ができておるかものと解してよろしゅうございますか。
○政府委員(佐橋滋君) その通りであります。
○椿繁夫君 そういたしますと、この改正案が成立すると、基本単位はメートル、キログラム、秒、ケルビン度それからカンデラ、こう五つになるわけですね。いろいろ御説明を伺いますと、こういうふうに法律によって変わるのではあるけれども、実際の社会生活には何らこれまでと変更をきたすものではない、特に罰則の規定などもあるけれども、こういうふうに変わることによって罰則が特に強化されるとか何とかという心配は全然ないというふうに理解してよろしいのですね。
○政府委員(佐橋滋君) 全くその通りであります。
○中田吉雄君 局長は中央計量検定所を見られましたか。
○政府委員(佐橋滋君) 最近は見ておりませんが、以前に見たことはあります。
○中田吉雄君 このメートルの原器から光の波長、それからケルビン度を基本単位にするということ、これは実物を見ぬとなかなか理解も困難だし、ましてや他人を説得するということは、椎名大臣はお忙しいでしょうから、少なくとも提案の実際の説明をされる佐橋局長としては、光の波長に変わったそういう説明でも受けて十分な理解のもとにやはり法の改正をやるという心がまえは私は非常に必要じゃないかと思って、今からでもおそくないから、私はそういうやはり心がまえが、一つの法案の提案をする際には、これは簡単に通るのだから、もう何にもないのだからというようなことはどうかということを一応申し上げておきます。 それから委員長以下私も中央計量検定所を見せていただいたのですが、あそこでいろいろ感じたのです。原器から波長、それから度からケルビン度に、国際度量衡総会で変わったのですが、一体こういうふうに変えた方がいい、最も誤差が少ないし、いいということは、国際的にどこが発意して、どこが主張して、そういうことが採択されたのかということなのですね。私は先般検定所を見ても、いろいろな何か精密な施設がありますが、大体外国のものを導入していて、実際日本人の創意でクリエートしてあるものは何があるだろうか。先般も昭和二十五年から、提案された法案では、外国技術を導入して昭和二十五年から一千億ぐらい技術導入料を払って大へんだというようなこともありまして、特にその感を深くしたのですが、検定所の皆さんが黙々とやっておられることには敬意を表するのですが、一体これは日本人が何を、ただ外国で、総会でこうきまったから導入するでなしに、何を一体こういうことに貢献したか、どこの国の発意でこういうふうに変えた力が一番誤差が少ないということになったのか。貢献したのはどこなんですか。
○政府委員(佐橋滋君) 日本もこのメートル法条約に明治以来参加しておりまして、これには代表着を派遣いたしております。こういうメートルの定義だとかあるいはケルビン度に切りかえるというようなことは、各国から委員が出まして長い間検討をした上で結論を出して、それが総会に採択ということになっておりまして、どこの国が発案したとかいうことは私も承知しておりませんが、詳細なことについては中央計量検定所長が参っておりますので、そちらの方から答弁いたさせたいと思います。
○中田吉雄君 私はやはり日本の光学というのですか、相当進んでおると思うのですが、しかしいろいろ聞いてみるとどこかの国がそういうことを言って、また日本の検定所あるいは理論物理学その他で研究してそうなったと思うのですが、一番端緒的な形でそういうことを持ち出した、この方が五百万分の一から一億分の一ですか、誤差が少ないのだというふうなことを言い出してイニシアチブをとったところはどこか、こういうことです。
○説明員(玉野光男君) 私からお答えいたしたいと思います。メートル条約の中におきまして、その条約が施行されまた改善されるということにつきまして、実際的の仕事を担当いたしておりますのは国際度量衡委員会でございまして、これは各国からそれぞれ国籍の異なっております十八人の委員が選出されております。日本からは現在慶応大学の山田二郎博士がその委員になっておりまして、二年ごとに会合が開かれまして、いろいろな問題を検討いたしております。 しかしいろいろ今の問題になっておりますような専門的の事項に関しましては、さらに専門的の委員会が作られておりまして、それが諮問委員会という名前でございます。メートルの定義に関する諮問委員会、その諮問委員会というものがございまして、そこで国際的に改善すべき問題を検討いたすわけでございます。 それで今問題になっておりますメートルの定義も国際度量衡委員会で国際的に改善すべきではないかということになり、それがメートルの定義に関する諮問委員会というところに専門的に検討しろということで検討させまして、すでにその委員会が二回開かれまして、これは私が二回ともそれに参加いたしておりますが、光の波長でメートルに変えるという考え方は、メートル自身をきめようといたしましたときに、すでに学者の間では問題になって、できれば変えたい、変えるという意味はメートル原器というような、人が作りましたものでは破壊しあるいは年月がたてば変化するのではないか、そういうふうなものでない自然物によって変えるということが適当であろうという考えのもとにこの問題を国際的に取り上げまして、どこが特にイニシアチブをとったということはいえない問題だろうと思います。
○中田吉雄君 委員会があって十八名から構成されて、そうして諮問委員会に付記されても、どこかが——しかし、当初からそういう問題はあったということですが、どこかがやはり出して、そうして各国に持ち帰ったりして、それをいろいろ検討して、よかろうということになったと思いますが、そういうことも降って湧いたわけでもないでしょうし、どこかあったでしょう。
○説明員(玉野光男君) しいて申しますれば、こういうことに関連いたしまして、従来から研究いたしておりました西ドイツ、それからアメリカ、ソ連というような国々がそれぞれその必要性を認めまして、また国際度量衡局自体も、そういうふうなことに関しまして、前から研究をやっておりましたので、その研究成果がまとまりまして、今度の結果になったわけでございまして、中央計量検定所といたしましても、このメートルの新しい定義につきましては、国際的の課題といたしまして、研究いたした結果を諮問委員会の方に出しまして、その結果が非常に優秀な結果でございましたので、その結果が採用されまして、中央計量検定所で作られ測定されました成果が、そのまま今度の定義に移されておるような次第でございます。
○中田吉雄君 原器から光の波長に変えたりするので、検定所の経費はいるのですか、新しく。その点はどうなんですか。
○説明員(玉野光男君) 今まですでに研究を続けておりますので、このメートルの定義が変更されれば、特に新しい予算がいるということはございませんのです。
○中田吉雄君 今回の改正の内容については椿委員の直間がありましたので、私計量産業の概要について一つ御説明を、たとえば種類別、年次別、どういう地域に計量産業は発達しているかというようなことについて、一つ御説明をいただきたい。それからもし、日本が足りなくて輸入しているものがあれば、どういうものをどこの国から輸入しているかというようなことについて御説明をいただきたい。
○政府委員(佐橋滋君) 計量器の種類と申しますのは、非常に先ほども申しましたように千差万別でありまして、一番ポピュラーな長さ計、はかり、瞬間計、温度計、体温計というようなものから、面積計。体積計——ガスメーター、水量メーター、ガソリンメーターとか目盛付タンク、ガスビュレット、肺活量計。——速さ計、騒音計、屈折度計といったような千差万別なのがありまして、大体その生産数量、生産額を申し上げますと、全体で大体三十三年度が六千万個、金額にいたしまして二百九十三億円の生席額、三十四年度では五千四百六十万個、金額にいたしまして三百四十五億というような国内生産をいたしております。これに伴いましてまた輸出もかなり行なわれておりまして、三十三年度の実績では六百四十八万ドル、三十四年では七百八十二万ドル、三十五年度ではまだ確定数字はわかりませんが、大体九百万ドルをこしておる、こういうふうに考えております。で、新しい計量器ができます関係上、輸入もありまして、三十三年度では大体輸出と見合うような金額でありますが、六百六十万ドルの輸入、三十四年度には九百九十万ドルの輸入があったわけであります。これに関係いたしております業者の数でありますが、許可制になっておりますので、現在のところ事業許可を受けております業者数は、メーカーが千八十九であります。修理業が四千三百七十、それから売販業者が五が五千六百八十七、合わせまして六万一千百四十六、計量器の製造販売に従卒しておる実者がおるわけであります。
○中田吉雄君 あとから一つただいまの一覧表のようなものをいただきたいということと、それからこれに従事しています労働者数と、それからおもにこの生産の盛んな地域ですね、そういうことについて。それから輸入先はどこからおもに輸入しておるかという点、それから九百万ドル輸出しているのですが、体温計でしょうか、何でしょうか、そういうことについて一つ。
○政府委員(佐橋滋君) 御要求のありました資料については、後ほど先生のお手元にお届けいたします。
○中田吉雄君 その九百万ドル輸出しているというのは、おもに何ですか。それからこの工業の立地は、おもにどの辺で、それから直ぐわかるでしょうが、ベスト・テンくらいまで、ベスト・ファイブくらいな大きなメーカーは、これは中小企業のカテゴリーのものでしょうが、そういうことについて少し御説明願いたい。
○説明員(山崎雄一郎君) 計量器の輸出でございますが、先ほど申し上げましたように、三十五年度におきましては約一千万ドル近い、一千万ドルの輸出が見込まれるわけでございますが、そのうち大きいものといたしましては体温計がございまして、これが百万ドル以上の輸出になる予定でございます。それから測量器がやはり百万ドル以上でございます。それから試験機器の関係が約百万ドル、それからタクシー・メーターというのがございますが、これがやはり百万ドル程度、そういうものがおもなものでございまして、その他は、四、五十万ドル程度のものが、長さ計とかあるいは精密測定機等がございます。それから計量器産業のおもな地域といたしましては、東京都が第一でございまして、それから大阪、兵庫、神奈川、それから愛知等がベスト・ファイブに入るわけでございます。 それから計量器のメーカーにつきましては、これはそれぞれの器種によりまして違うわけでございまして、まあ、大きい方からと申されますと、これはそれぞれの器種ごとに申し上げないと、ちょっと一般的には申し上げかねると思います。
○中田吉雄君 これはさきにも申されましたように、製造の方は十三条ですか、許可制になり、大臣。それから修理の方は三十五条で知事ですかね。そうなって、ある意味では制約があるわけですが、計量器産業に対して助成策というようなものはとっていないのですか。私は、その大きな輸出品目というようなものについての強力な発展策も重要ですが、やはり落穂を拾うように、日本の国情に合ったいろいろな産業を発達させるというようなことで、特に手先の器用な日本なんかでは計量器産業というようなことも無視できぬと思うのですが、許可制になっておるのですが、こういうことについて助成策はどうなっていますか。
○説明員(山崎雄一郎君) 助成策といたしましては、現在機械工業振興臨時措置法というものがございますが、これに工業用の長さ計と、それから試験機、この二つの業種を取り上げまして、開銀の融資というようなものを行なっております。それから今度この法律が改正されますと、さらに精密測定機器とかあるいは工業用計軍機、分析機器、それから試験機、工業計機、こういうものにつきまして、この測定機械ということにいたしまして、開銀なり中小公庫からの融資の対象にいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○中田吉雄君 値段はこれは自由にきめるのですか、どうなっているのですか。
○説明員(山崎雄一郎君) 自由でございます。
○中田吉雄君 この計量士ですね、計量士というのはあるのですか。この検定の行政指導、簡単に言って計量士の資格の試験があるようですが、そういうことの希望者はどうなんですか。
○説明員(山崎雄一郎君) 計量士は現在全国で三千八百三十八名が登録されております。それで計量士の国家試験は、計量士につきましては国家試験を行なっておるわけでございますが、現在までに十回の試験、昭和二十八年以降昭和三十五年三月まで十回の試験を行なっておりまして、受験者は三千四百名余りでございます。それで合格者は約八百名程度と記憶いたしております。
○中田吉雄君 これは何か恩典があるのですか。どうなんですか。
○説明員(山崎雄一郎君) 計量士は、御承知のように計量管理という仕事をやっておるわけでございますが、この計量法におきましては、現在定期検査という制度がございまして、市部では一年に一回、郡部では三年に一回使用しておる計量器につきまして検査をやっておるわけでございますが、その際に計量士が、これは検定所、都道府県、それから特定市においてやっておるわけでございますが、計量士の資格を持っておる人は、その定期検査にかわる検査を行ないまして、定期検査と同じ効果を与えるという制度ができておりますので、そういう面で計量士の方々が全国的にいろいろ活躍していただいておるというようなことでございます。
○中田吉雄君 市ではただいま御説明の通り毎年一回ですか、市以外の区域では三年に一回、ところが店によって、繁昌しておるところは、市の繁昌しないところよりもっと計量器をたくさん販売で使うわけでしょう。実際にこの狂いというものがどの程度起きるものか私は知りませんが、ただ市と市以外の区域、毎年と三年に一回とでは、これは使う度数は必ずしも市が多くて、市以外が少ないというふうには考えられぬわけです。その辺狂いが起きたりしたときには、非常に消費者なんかな、まあ正しい量目の売買ができないということになるんですが、それはどうなんですか。
○説明員(山崎雄一郎君) 定期検査につきましては、申し上げましたように、市以外の地域におきましては三年に一回でございますが、その定期検査以外に立ち入り検査というのを行なっておるわけでございます。そういうことによりまして、できるだけ正確な計量器を使い、正確な計量が行なわれるように努力いたしておるわけでございます。
○中田吉雄君 重さをはかるはかりですね、あれの誤差というものは、どっち向きにでもあるものですか、機械に。これは一体どうなのですか。
○説明員(山崎雄一郎君) それは両方にございます。
○中田吉雄君 両方にある。それは度数をとってみると、メーカーによって……、それはどうなんですか。——こういうことを言っているのですよ。たとえば一キロの目盛りが出ますね、一キロないのに一キロ出るか、一キロ以上入って一キロの目盛りになるか、そういうことを言っているのです。その狂いは一体どういうふうな頻度になるかどうか、こういうことを言っているのです。
○説明員(山崎雄一郎君) その点は両方ございますので、ちょっとどちらが多いかというのはわかりかねます。
○中田吉雄君 しかし金属性のはかりでしたら、いろいろ季節によっても違いますわね。膨張、収縮、まあ季節的な変動はあるでしょう。そういうことはどうなんですか。定期検査をやることは、正しい量目で売って、相手に損害といいますか、そういうことを与えないためにやるのでしょうから、そういうことができておらぬと……、少なくとも検定所なんかではそういうことがはっきり出ないのですかね、これはどうなんですか。
○説明員(山崎雄一郎君) 多くのはかりにつきましては、整温装置と申しまして温度を補整する装置がついておりますから、暑いとき、寒いときでも差がないというふうに考えております。
○中田吉雄君 そうですか。それでは私はいいです。
○委員長(剱木亨弘君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。 他に御発言がなければ、本案の質疑は本日はこの程度にとどめます。 —————————————
○委員長(剱木亨弘君) 次に、経済の自立と発展に関する調査を議題とし、通商産業省及び経済企画庁の施策一般についての調査を行ないます。 御質疑のある方は順次御発言を願います。 〔委員長退席、理事古池信三君着席〕
○椿繁夫君 私、この閥経済企画庁長官に、政府及び自民党の方で水資源開発促進法ですか、これが所管の役所が大へんもめていたのが、経済企画庁になったという話を伺ったのですが、それに関連して、まだ水の利用公団法というようなことが所管争いといいますか、何かこう扱われるお役所がきまっていないというふうに聞いておりますので、これはその後政府部内で水資源開発促進法は経済企画庁にきまった、水の利用公団法のごときものの扱いの官庁はその後一体どこにきまったのでしょうか。同町にその公団法のごときものを今国会に提案される御意思であるか、もしあるとすれば、それいつごろになりますか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 水資源の開発促進法はお説のように経済企画庁において所管することになりまして、公団の問題については所管に関する調整がなかなか整いませんのでしばらく見送るということになっておりまして、今国会におきまして、はたしてそれが提案できるかどうか、私ただいま見当がつかない状況でございます。
○椿繁夫君 これはちょっと坐ったままで一つ失礼いたします。この前にも私ちょっと経済企画庁長官に御質疑をいたしたのですが、そのときには一つ研究しようということでありましたが、通産大臣は地下水の管理、保全というようなことについてどういうふうにお考えになっておりますか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 地下水の過度の汲み上げによりまして地盤沈下を各所において招いている状況でございますので、昭和三十一年工業用水法というものを制定して、そして地域を、そういう地盤沈下のおそれのあるような、あるいは現に沈下しつつあるようなところの地域を指定いたしまして、新しい地下水を汲み上げる場合には許可を要すると、こういったようなことで現在まで七つの地域を指定しておるのでございます。今後またそういうおそれのある地点がもし出て参りますれば、同様の規制を加えたいと考えます。
○椿繁夫君 三十一年に工業用水法が制定されまして、そして地下水資源の保全並びに地盤沈下の防止対策の一環として法の制定されたことは私も承知いたしておりますが、その後依然として沈下が停止されないで進行いたしております。そこで地下水の管理、保全ということについては、私は国土保全の見地からも非常に重要な問題ではないかと、こう思うのですが、地上を流れておる水の重要さは申すまでもありませんが、これについては先ほども御説明のありました水資源開発促進法などが用意され、水の利用公団のごときものも政府の構想の中にあるようでございますけれども、どうも重要な地下水の問題についてはあまり今日まで研究が進められていないように思います。そこで私は工業用水法の施行並びに各条項で定めております規制というようなものを強化していかなければならぬと思うのですが、その前にまずお聞きしたいのは、たとえば炭鉱のごとき地下資源でありますと、これは地下資源というものは公有物であるという考えの上にいろんな立法が進められておるように思うのですが、一体地下水というものは一体だれのものだろうかということから一つ考えを定めていきませんと、法律ができましてもやはり微温的にならざるを得ない。地下水は 一体だれのものでしょうか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) だれのものと、こういう何かむずかしいのですが、鉱業法におけるこの鉱物の指定では、お説の通り地下の資源はこれは公けのものである、その見地から規制を加わえられておりますが、地下水は御承知の通りそれにも適用となっておりません。だれのものかと言われると、ちょっと当惑いたしますが、まあ地下水の問題は最近非常に世の中の注目の的になって参りまして、今申し上げたような地盤沈下等の見地からこれを規制しているという状況でございますが、しからざる地下水の問題につきましては、特別の規制を行なっておらない状況でございます。ただ国としてどの程度にこれに触れているかと申しますれば、工業技術院の地質調査所におきまして全国的に地質の状況を調査している。同時に地下水の状況も調査しておりますし、それから通産省の企業局が各都道府に委託して、そうして工業立地の調査を行なって参っておりますが、その一環として地下水の状況も同時に調べて、立地の見地からこの問題を取り上げ、これを公表しているという状況でございます。
○椿繁夫君 大臣のせっかくの御答弁でありますけれども、その地下水は一体だれのものだろうということをこれは確定いたしませんと、工業用水法あるいは工業用水道事業法といういろいろ法律ございますけれども、やはりこの法のこの条章がどうもあいまいになってくると思いますので申し上げるのでありますが、最近地盤沈下が進んでおります。特に工業用水の汲み上げによって沈下の進行しております地域は、東京あるいは最近では名古屋、大阪、尼崎などですね。大きな河川あるいは臨海地区に工場を有します地域の沈下は年々減少しないのみか、もちろん停止はいたしません、進行しているのであります。そこで三十一年に工業用水法のごときものが立案され施行されているわけでありますが、この大阪の臨海地区のごときでも、最近年間十センチ程度の沈下がございます。尼崎方面になりますとやはりまだ工業用水を補充することによって沈下の度合いというものはだんだん減少はしつつありますけれども、停止しておる状況ではない。こういうことから考えますと、国土保全の意味からも、また臨海地区における工業、産業というものを維持、保全していく見地からも、非常にこれは重要な問題だと私は思うのであります。 そこで去年の何月ころでしたか、国連が、これはひとり日本だけのなにじゃないようでありまして、国連の専門委員会で地盤沈下の原因を地下水の汲み上げだけ、こう確定するわけにはいくまいが、少なくとも九〇%以上の原因は地下水の汲み上げにあるということで、地下水は公有物であるという考えを国連が持ちまして、それぞれ加盟の各国に対してそのような考えで立法を進めるように勧告をするだろうというふうな外電を見たことがございますが、地下水は一体だれのものかということについて、私は政府が地上を流れておる水のことについてはいろいろ御心配でありますけれども、地下水のことはちょっと忘れておられるような気がいたしますので、それを一つ通商産業大臣のお考えを承り、また政府の見解もそのように地下水は公有物であるというふうに意見統一をされる必要があるのじゃないかということを考えますので、重ねて大臣の御見解をただすわけです。
○国務大臣(椎名悦三郎君) お説ごもっともでございます。国土保全上の見地からは、きわめて高度の公共性を持っておるものと私も考えるのでございますが、そういうような考え方のもとに関係者と協議いたしまして、大体のその思想統一をして参りたいと考えております。
○椿繁夫君 それは地下水は公有物であるというふうに思想を統一するように努力をされるというふうに大臣の御答弁を解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 土地所有権に伴って地下水の処分権があるというような考え方を従来持たれ、そしてまたそれを支持する判例等もあるようでございますが、そういうことではっきりと公有物であるという断定もちょっといたしかねる状況ではないかと思いますが、いずれにしても高度の公共性を持っておるものである、こういうふうに解釈したいと思います。
○椿繁夫君 地下水は土地所有者のものであるという判例がございますか。
○政府委員(松尾金蔵君) 私、この問題はあまり十分検討しておりませんですが、今私どもの承知しております限りでは、もしこれはあやまちがありますればまた訂正さしていただきますが、土地所有権に基づいてその所有権の地下の地下水は利用できるというようなことに従来判例等の内容はなっておったように聞いております。この点は必ずしも正確でございませんので、もう少し調査をいたしまして、もしあやまちがありましたら訂正さしていただきます。
○椿繁夫君 これは、松尾さん、工業用水法の第一条に、人の財産であるものを政府が法律で地盤沈下のために汲み上げを規制したりなどすることが、そういう思想であるならば、私は工業用水法の第一条は誤っている。第十四条は、通産大臣は、汲み上げについて、井戸を掘ったりすることについて、「採取量を減少すべき旨を指示することができる。」というようなこと、これはきめられないはずである。そういうことであれば。その点いかがですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 所有権があっても、つまり一般公共の利益というものに反するという場合には、この地下水のみならず、いかなる場合でも特に制限を受けるわけではないか、そういう意味の規制であると解釈しています。
○椿繁夫君 公共のために、私有物であっても、その汲み上げ量の制限などはできる、それはそうだと私も思います。汲み上げることによって、そのために地盤が下がる、迷惑しているものは数知れない。しかも国土保全の上からも九〇%以上の場合が原因になっているということが学者の定説になってきている、であれば、私は制限だけではなくて禁止することも可能ではないか、こう思うのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(松尾金蔵君) 法律的には、今のお話のように公共の利益に著しく反するような地盤沈下等のはっきりした因果関係がございますれば、そこまで制限が、さらに禁止まで及ぶということは可能であると思います。ただ現在までの検討の結果では、地盤沈下の原因となるということがはっきりしておりますれば、それはその地域におけるある一定の深さ以内の水を汲み上げると地盤沈下が起こるということがはっきりいたしておりますれば、その意味である一定の深さまでのところで地下水を汲み上げることは禁止するという意味で、ある程度のところまでは禁止をする。あとはさらにそれより深いところで地下水を取ることは地盤沈下に影響はないという科学的な判断で、その部分は制限を免れている、しかしそれは許可制という形で制限されている、そういう仕組みになっておるわけでございます。
○椿繁夫君 私はよく存じませんが、炭鉱が採掘権を申請いたします場合は、この山に椎名悦三郎の所有の山であるけれども、炭層を椿が発見をして、そうしてそこを役所の方へ届け出ると鉱業権者にかわる、その場合に、山の所有者である椎名さんは何も容喙することはできない、鉱業権者はその認可を申請した椿繁夫のものになる。そこで採炭をやる、鉱害が起こる地上に、その場合に鉱害の損失補償というものは、鉱業権者、採掘をやるものがこれを弁済しなければならぬことになっている。国もこれに対して補助を出すことになっている。ところが地下水をどんどんくみ上げることによって、これはデータはちゃんと出ているのですが、年間十センチも、新潟はもっとひどいでしょう。そしてたくさんの人が、人だけじゃない国土まで、非常な損害を受けておる。こういう場合の損失補償というふうなものは、地下が土地所有者のものであるという考えがどっかにあるとするならば、その損害の責任というものはその土地所有者が争わなければならぬことに、炭鉱の場合などと比較対照して考えますと、そういうことになるわけです。だから私はどうしても一定の深さ以上の地下水をくみ上げると、それが原因となって地盤が下がるのであるから、これはやはり禁止をしていくというような、強い私は国が方針をおとりにならないと、どうも理論が首尾一貫しないように思うのですがね。重ねて一つ政府の御見解をお聞きしたいのです。
○政府委員(松尾金蔵君) 先ほど申し上げましたように、ある深さ以上の、ある深さまでのところで地下水をとることが原因で地盤が沈下するという因果関係がはっきりいたしますれば、当然今やっておりますような禁止ができるわけであります。従いまして、今後地盤沈下の原因につきまして、地下の構造その他の科学的研究によりまして、現在禁止をしております以上の深さのところで地下水をくんでも、なおそれがやはり地盤沈下の原因になるということが、ある程度科学的に立証されますれば、禁止は当然その深さまで及んでいくということは、現在の工業用水法の建前からいっても当然そういう考え方になると思います。
○椿繁夫君 工業用水法が施行されましてから、すでに五年を経過いたします。なるほどこの施行規則などによって深さの制限、それからポンプの口のインチによって制限をしておりますけれども、年々、大阪にいたしましても、東京の江東地区にいたしましても、兵庫県の尼崎にいたしましても、制限はされておるのですけれども、依然として沈下が続いておる。こういう地域に対して、一体工業用水法による、また施行規則による制限では、沈下の停止はもちろんしていないし、その減少さえも起こっていない。この状況でなおくみ上げの全面禁止に踏み切る決意がつかないのでしょうか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 大体において地盤沈下の原因がもうはっきりしておるのでありますから、理想的にいえば、その点から申しますれば、全面禁止ができれば、これは一番いい方法であろうかと私も考えますが、しかし、やはり既成事実というものを一ぺんに変えるということも、これはなかなか大問題を起こしますので、できるだけこれを規制し、制限し、そうして一方においては他の方法によって工業刑水を供給し得る、こういう施設を速度を早めて遂行する、こういうことによって漸次その弊を排除するということにいくよりしようがないのではないかという考え方でございます。
○椿繁夫君 大臣としては、そういう程度の答えしかあるいはできないかもしれませんけれども、現に新潟の場合には、日産二百万トンばかりの水のくみ上げを水溶性ガスのためにやっておりましたのを七十万トンに規制をされた。それだけ沈下の度合いというものが減少しておる。それから大阪の場合でも、炭業がほとんど停止した状態になったし昭和二十一年、一十二年には、工業用水というもののくみ上げをやっていないものですから、ほとんど地盤の沈下ということが停止しておるデータが出ておるのであります。そういうふうに明らかに原因がなっておるのにかかわらず、この今の程度の微温的な工業用水法また工業用水道事業法ですか、地盤沈下の原因を除去する、少しでも少なくしていくというための国家の意思というものは、この二つの法律以外にはないんですよ、残念ながら。ですから私は地盤沈下の、しかもそれが日本の産業、経済に重要な影響を持つ地域のことでありますだけに、私は思い切った措置を国としてとる、しかも急迫にとる必要があるということを感ずるのですが、一ぺんにそういうことをやると影響するところが大きいのでという大臣の御答弁ですが、なるほど大きいでしょう。大きいけれども、それはやはりいろいろ対策があるはずである。建物などが、工業用水じゃなくて、今くみ上げておりますのを禁止しますれば、かわるべき施設というものはちゃんとできておるのですから、それに対して転換資金の低利の長期の融資を考えるとか、あるいは工業用水道というものをもっと急速に建設を速進させるとか、そのためにこの工業用水道の料金が地下水のくみ上げより高うつくというのなら、現在建設費の四分の一の国庫補助になっておりますのをそれを二分の一に増額していくとか、何か積極的な対策がなければ、私は下がるのは下がりっぱなし、そういうところにいるのが悪いんだというようなことでは、あまりにも原因が明らかでありますだけに国の微温的な態度に対して不満を持っておる国民が相当多いと思います。それについて一つ。
○政府委員(松尾金蔵君) 地盤沈下の原因といたしまして、工業用水のための地下水くみ上げの問題以外に、今御指摘のございましたビルの用水について問題があることは、私どもよく承知いたしております。工業用水法はそこまでは及ばない建前になっておりますので、ビルの用水くみ上げの問題は、現在一部の地域では、地方公共団体の条例で制限をしておるところもあるのでありますが、やはり最終的には法律をもって制限するということが必要であろうと思っております。その点は、直接には政府部内で申しますれば、建設省を中心に検討されておるというふうに伺っておりますが、問題を工業用水に限定して考えますと、工業用水につきましては、先ほど申しましたように、新たに地下水をくみ上げることにつきましては、地盤沈下の原因にならぬという、そういう地層からのくみ上げを制限することは、これは原因は別でありますから、科学的にはっきりしておりますれば、必ずしもそれは必要ないと思いますけれども、問題は、むしろ新たな地下水のくみ上げではなくして、既存の井戸に対する問題が残っておるわけでございます。これにつきましては、今御指摘のように、やはり工業用水道の事業を拡大いたしまして、そういう面から工業用水の供給を十分に確保して、既存の井戸の制限に及んでいくということを建前としてしなければならないわけでありますが、もちろん工業用水の値段が地下水のくみ上げの値段、価格と全く同じであるというところまで必ずしもやりませんでも、できるだけ安い工業用水を供給するということで、地下水よりも若干高いところでも、これは今お話のような地盤沈下という重要な問題がございますから、その辺は企業にしんぼうしてもらわなければならないと思います。しかし、水の絶対量が足らないということで工場をとめるわけには参りませんので、この辺はやはり水の方を、工業用水道により工業用水の水の供給をふやしまして、漸次既存の井戸についても転換していただくということでいかなければならないと思いますが、現在でもたとえば一番問題になっております大阪、尼崎等におきましては、既存の井戸の約半分程度は現在くみ上げを休止、とめてもらっております。大阪で申しますと、現在二百十七本の既存の井戸がございますが、そのうち百二本は現在すでにくみ上げを停止されております。尼崎で申しますと、六十六本のうち三十四本のすでに既存の井戸につきましては、くみ上げの停止という行政指導でやっておりますので、工業用水の供給をふやすことと相伴いまして、既存の井戸についてもくみ上げを制限していくという方法を今後進めて参りたいというのが、私どもの考えでございます。
○椿繁夫君 三十六年度の予算で、工業用水道に対する事業計画というのは何か百三十億くらいと承り、政府としては二十五億程度の補助金を出すというふうに予算が組まれておると承知いたしておりますが、この程度の計画で、一体既存の井戸の全面的な停止というのは何年後にできるのですか。
○政府委員(松尾金蔵君) ただいま御指摘のございました工業用水道の計画は、実は国の補助金の対象事業になっておるものについてのお話でございますが、工業用水道としては補助金なしに、いわゆる起債ベースで工業用水道事業が、建設されるものはほかにございます。しかしもちろん補助金対象になっておりますもののうち、何カ地点かは今御指摘の地盤沈下に関係のあるところでございますが、現存大阪、尼崎、東京等につきましては、それぞれ六十億ないし百億くらいの事業費で今工業用水道の建設が進んでおりますが、大阪、尼崎につきましては、現在の工業用水道の建設が、大体三十七年度に現在の実施しておりますのは完成を見る予定であります。東京につきましては、三十九年度に現在の着工しておりますのは完成をする予定でございますが、今申しましたような年次に工業用水道が完成をいたしますると、大阪につきまして八万トン、尼崎につきまして十四万トン、東京地区につきまして九万七千トンまでの工業用水の供給が新たにできるようになっております。これにつきまして、大阪について若干、ごくわずか残ると思いますが、これらが完成いたしますと、大体既存の井戸につきましてほとんど全部転換ができる、既存の井戸のくみ上げも切りかえをしてもらうということが可能な状態になるということに予定されております。
○椿繁夫君 そういたしますと、大阪、尼崎地区は三十七年度、東京の江東地区で大体三十九年度まで既存の計画を進行させれば、すでに使っている井戸からくみ上げている程度の水量の供給は工業用水道によってできると、こういうふうに解してよろしいのですか。
○政府委員(松尾金蔵君) その通りでございます。
○椿繁夫君 その場合に、一体現在くみ上げておる地下水の価格と、工業用水道を使用した場合の価格との差、これはどういうふうに私言うのかよく存じませんが……。
○政府委員(松尾金蔵君) 御承知のように、現在地下水のくみ上げによる水のコストは大体二円、あるいはもう少し以下のものも多いと思います。それに対しまして、工業用水道による工業用水のコストは、補助金をもちましても、なお大体四円五十銭から五円くらいに当たりますから、その差額はまあ企業として忍んでもらわなければならないということに相なるわけであります。
○椿繁夫君 忍んでもらわなければならぬということはわかりますけれども、二円とか五円とかいうのは、水のどのくらいの容量ですか。
○政府委員(松尾金蔵君) 一立米当たりです。
○椿繁夫君 一立米で三円見出も違うような状態で、そうして新たな井戸を掘ることを法毎の力をもって規制ができないというようなことでは、私はやはり、工業用水道の建設を今非常な情熱をもって進めておられるようですけれども、やはり地下水のくみ上げというものは私は根絶できないと思う。まあ地方によって条例などで制限規制あるいは行政指導などで協力を求めておるようでありますけれども、こんなに、一立米当たり三円も違うというようなことでは、私は全工業者に対して全面的な協力を求めることは不可能ではないか、そのためには、もっと工業用水道の施設費に対する、事業費に対する国庫補助というふうなものが考えられなければいかぬのじゃないかと思う。伺いますと率のいいところで四分の一、それ以下のところがずっとある、こういうことでは地盤沈下の原因である地下水のくみ上げというものを強力に規制したり、制限を加えるというふうなことが、この程度のことでは私はできないように思うのですが、企業局長どうですか。
○政府委員(松尾金蔵君) 私ども工業用水等につきまして事業をできるだけ進めて、しかも企業になるべく迷惑のかからないようにという立場から申しますれば、当然先生のお話の通りでございます。ただ問題は、国庫補助金でございますので、やはり財政上その他の制約がございまして、御承知のように、工業用水道の国庫補助金は最近年々倍々というふうに増加して参っております。三十六年度二十五億、大体昨年度の倍の補助金の額でございます。そういうことで増加をいたしておりますが、そういう制約のもとに、国庫補助金で、できるだけまあ何と申しますか、広い範囲で工業用水の事業を拡張して参りたい。先ほど申しましたように、まず、量の確保が現状ではやはり一番急がれる問題だというふうに私どもも考えまして、その辺は財政上の制約と相対的に今考え合わせて、できるだけの努力をして参りたいというのが、まあ私どもの現在の立場でございます。
○椿繁夫君 それは言われる通りですが、だから私は、二十五億の国庫補助が去年に比べて倍額だと言われますけれども、全体の工業用水道の事業費のあれから見ますと、一番高率な補助を受けるところで四分の一じゃありませんか。それからずっと下になる。そういうことだから、最初に申しました、一体地下水というものはだれのものか、国連でさえ公有物であるということを最近では考えて、そうしてその沈下の状況を示している各国に対して勧告をしようというようなところにまでなってきているのに、一本政府が、まだ地下水の一体その所有はだれのものかわからぬというようなことでは、財政補助を企業局長が主張されましても、一体地下水はだれのものかということの考えをまず確定しないから、あなたがどんな情熱を示されても、大蔵省へ行くとぽんと削られてくるか、けられるということになる。だから私は、大臣に当初に申しました、一体地下水の所有はどこに帰するのか、しかもこれが無制限に、工業のみならず、水溶性ガスのために、あるいは土地、建物などが多〜、なってくるのに従って、だんだんと新たなものができてきて、これを規制さえもできない、こういうことでは非常に大へんな問題でありますから、地下水に対するこの管理、規制をもっと私は強力に政府において意思をすみやかに統一されて、これらの事業が短期間の間に進むように、さらに工業用水ばかりじゃありません、建物で使っております用水に対しても規制のできるような措置を急速にとられることを私は望みます。きょうは瞬間が大へん過ぎておりますから、この程度で私の質問を打ち切ります。
○赤間文三君 関連して。質問よりも、この際お願いを申し上げたいのですが、椿委員からいろいろありましたが、非常にこれは市大な問題でありまして、まあこれは理屈は抜きまして、もしこの工業用水法のようなものが戦前から出ておったら非常に効果が上がるじゃないか。実をいうと、大阪も戦前からずいぶん地盤沈下があった。それが三十一年から法律ができて、あるいは補助の道を講ぜられるとか、一部それが禁止される。これは非常にいい。私はありがたく地元としては思っている。ただ私の希望としましては、とにかくどんどん土地が下がるということは、これは非常に国土喪失の重大なるものです。そのために莫大な金をかけて防潮堤といいますか、そういうものを築いている。ところが、この事業がおくれると、一たん築いた防潮堤が下がって、また防潮堤のかさ上げをしなければならぬ。ある意味から言うと、さいの河原のような工合に、非常に国家的にみても不経済な点が多いと思う。まあ三十七年までにこれができれば、これは非常なありがたいことに思うが、ただこの際思い切って一つ工業用水の行き渡るようにお願いをしたい。 それともう一つやっぱり重要なのは、工業用水でありますので、工業の経営者が大体計算が合わないとこれは工合が悪いですね。やっぱり思い切って……四分の一の補助は国としては大奮発やが、地元から見ると私は足らない。何と考えてもまだ補助率が低い。まああまり堂々と言うわけにいきませんが、井戸の水をくむのと工業用水を引くのが大体そろばんを置いてみて引き合う程度にやってもらいたい、御努力願いたいと思う。これは、通藤省がこのものに力を入れて予算の倍になったという点も非常にこれは地元としてはありがたいが、思い切ってさらに来年あたり、またこの倍くらいに予算をふやしてもらうということが大事だと思うから、私は特にこの際お願いを申し上げておきます。 —————————————
○吉田法晴君 先般来、炭鉱災害が相次いで起こり、特に上清炭鉱の七十一名の災害にあたりましては、院の決議に従って私どもも派遣をされて調査に参りまして、そのあと、こうした人命を軽んずる風潮を防止するために、人一人の命が地球よりも重いといわれるこの民主主義の精神が生かされるためにいかにすべきかという点について相談をしております際に、きょうまた炭鉱災害があったと聞きました。大辻炭鉱で十二時過ぎにコンプレッサー室から発火をして、十名重軽傷にあわれた。それが救援なり消火に入坑した所長以下二十六名のうち二名は死体で搬出された。しかし、残り二十四名はまだ連絡がとれぬ、消息不明という、これは非公式ニュースでありますが、私ども伺がうわけでありますが、まず、その真相を御報告願いたい。
○説明員(小林健夫君) かわりまして御報告申し上げます。 現在まで福岡の鉱山保安監督部から入っております連絡によりますと、大辻炭鉱株式会社の新大辻坑、所在地は福岡県八幡市香月町、そこで本日の午前一時三十分ごろ火災が発生いたしました。発生側所は第二巻き卸し右三方コンプレッサー室ということであります。現在、監督部の方から監督部長、監督課長以下係官が出張して救助に当たっておりますが、今までに入りました罹災者の状況につきましては、ガス中毒で罹災した方が十名。連絡によりますと、火災発生当初入っておられた方、この人員は、問い合わせましたが判明いたしませんが、一応全部脱出された、ただしガス中毒で十名の方が入院加療しているということでございます。その後消火作業のために鉱業所長以下三十六名が入坑をいたしました。ところが現在までのところ連絡がとれていないのであります。これは十時半ころ連絡がありまして、また三十分ばかり前に連絡が福岡からございましたが、そういう状況でございます。現地と福岡の間の連絡がなかなか——監督部長が行って、おりませんので、多少とれていない面もあるかと思いますので、あるいはあとで訂正することになるかもしれません。 状況を申し上げますと、火災の煙が入気坑口から二百五十メートルの位置まで上がってきたということでございます。それで排気坑の一酸化炭素含有量が〇・三%ということでございますので、事態を憂慮している次第であります。 現在までに入りました情報は以上の通りでございます。
○吉田法晴君 ちょっと今の報告でわからない点をもう一ぺん重ねて御報告願いたいのですが、鉱山保安監督部からはこれは部長とおっしゃったが、横田部長ですか。つまり現地へ行っているのは。
○説明員(小林健夫君) そうです。
○吉田法晴君 それから入院加療中の十名のガス中毒はどういう程度ですか。 それからもう一つ、全部救出したということですが、消火のために入った二十六名、そのうち私が聞いたところでは二名死体で搬出された云々ということですが、あなたは二十六名全員が連絡がとれぬという十時ごろの報告云々ということですが、それ以上は、その二十六名の動静あるいは罹災の程度等についてはわかりませんか。
○説明員(小林健夫君) 最初のだれが行っておるかという問いに対しまして、横田鉱山保安監督部長、そのほか末吉課長その他が行っております。 それから第二点の十名の状況ということでございますが、一番最初の連絡でガス中毒で重症ということでございまして、相当重いガス中毒ということでございます。 それから第三点の二十六塩のうち、二名死亡して搬出されたかどうかという点につきましては、現在までのところ連絡が入っておりません。
○吉田法晴君 そうすると、あとの二名の点はあなたの方は未確認ということですが、二十六名が十時現在連絡がとれない、福岡と現地の連絡が不十分だということですが、二十六名について、二十六名の安否それから救出の見込み等についてはどうですか。
○説明員(小林健夫君) 二十六名の見込みにつきましては、確実なことは申し上げられませんが、状況から判断いたしますというと、相当濃厚な一酸化炭素が出ておる状況でございまして、その奥に二十六名が入っておるわけでございますから、相当憂慮される状態にあるというふうに考えます。
○大川光三君 ちょっと関連して伺いますが、消火作業に入ったという時刻はいつごろなのですか。
○説明員(小林健夫君) 消火に入った時刻については全然聞いておりません。不明です。
○吉田法晴君 報告はないのですか。
○説明員(小林健夫君) はい。
○吉田法晴君 私ども重ねての災害で、しかも一二十六名、きわめてその安否が気づかわれる情報を聞いて、ほんとうに胸の痛い思いがするのですが、前回の災害のときにも、総理からあるいは通産大臣から、これは政府を代表して災害の発生防止については最善を尽くすと、あるいは遺体の搬出についても最善を尽くすという御言明があった、鉱山保安局長を呼んで質疑を続け、災害の発生防止のために最善を尽くすべき方策についていろいろ論議をいたしましたのは、しきりに論議をいたしましたのは、おとといのことであります。その方策を考えております際になおこういう事件が起こる。そうすると、私はこの委員会の途中で中小企業を中心とします石炭鉱業連合会の決議なりあるいは陳情等も聞きましたか、それらを聞いても、こうした災害の再発を防止できるという保証はないような気がする。実際にこの炭鉱の現状は、あるいは合理化政策が進められ、そのしわ寄せを労務者あるいは保安部員等にして行なっております現状からすれば、再発の防止はなかなか困難だという感じがするのですが、政府を代表して大災害の発生防止に最善を尽くすといわれた通産大臣から、その決意とそれから対策をお伺いいたしたい。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 再び三たびかような災害が相次いで起こりまして、まことに申しわけないと考えております。かような状況にかんがみまして、今後重大なる決意をもってこの炭鉱災害の問題に対処したいと考える次第でございます。 なお、十分にこの状況を調査いたしまして、そうしてただ表面に現われた原因のみならず、その奥にいかなる遠因んが潜でいるかというような点にも深く考慮を払いまして、これらの問題に対処し、かような災害が今後起こらざることを期して参りたい、かように考える次第であります。
○吉田法晴君 重大な決意とか対処したいとかあるいは調査したいとか、今までに変わらない通り一ぺんの答弁をしておられるような決意では、再発防止にほんとうに効果をあげるわけに参らぬと思うが、たび直なる災害、しかも貴重な人命がそのたびに数十名と仇なわれる、この事態に対しては、これは総理といえども、私は本会議の言明からするならば、総理が飛んでいって、そうしてこの問題の真相を究明し、そうして再発防止のために全力をあげるという態勢をとられるべきだと思うが、少なくとも通産大臣は人命の重大さを考えられるならば、あるいは遺体の問題についてもあるいは災害の原因についても、みずから乗り込んで調査をし、あるいは原因を究明し、そうして再発防止をされるだけの決意が必要だと思うのでありますが、それだけの決意がございますかどうか、重ねて承りたい。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 十分にこの事態に対処して私のとるべき処置を考えたいと思います。
○理事(古池信三君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○理事(古池信三君) それじゃ速記を起こして。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時三十四分散会 ————・————