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38回国会参議院1961/08/01

商工委員会 閉会後第2号

発言数
78
登壇者
11
会派数
2
開催日
1961/08/01

会議録

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) これより商工委員会を開会いたします。  初めに、佐藤通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許すことといたします。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) このたびの内閣の人事異動に際しまして、私、通商産業大臣の大任を仰せつかることになりました。森政務次官も今日参りまして、皆様方にごあいさつ申し上げる次第であります。  ただいまの状態は経済界におきましても幾多の大きな問題を控えておる際でもございます。私、もちろんわが国の経済のために、また国のために御奉公いたしたいと思います。どうかこの上とも御支援、御鞭撻賜わりますよう、開会に当たりまして、よろしくお願いいたします。(拍手)

森清自由民主党通商産業政務次官

○説明員(森清君) 私、森清でございます。このたび通商産業省の政務次官を仰せつかりました。ごらんの通り、若輩、不徳非才でございますが、渾身の努力を傾倒いたしたいと思います。何とぞ皆さま方の御指導をお願いいたします。(拍手)   —————————————

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) それでは経済の自立と発展に関する調査を議題といたします。  これより公定歩合引き上げに伴う中小企業金融問題、その他当面の諸問題についての調査を行なうのでありますが、通商産業大臣がよんどころない御用件のため、午後二時ごろには退席されますので、初めに大臣に対する質疑を集中的に願い、事務当局に対する質疑はその後にお願いすることにいたしたいと存じますので、御了承願います。  それでは御質疑のある方は順次御発言を願います。

中田吉雄日本社会党

○中田吉雄君 本日、主として公定歩合の引き上げに伴う中小企業に対するその影響というようなことについてお伺いしたいと思うのですが、その前に、池田内閣の中心であります所得倍増計画の中心になります一番その政策のスムースにいくために重要な国際収支の見通しについて、時間がありませんので、詳しいことは他日に譲りたいと思いますが、特に私は最近の輸出入貿易の構造といいますか、それがちょうど少なくとも対米貿易に関する限りは、昭和三十二年のときとほとんど同じ様相を呈しておるというふうに、最近の非常な国際収支の毎月の一億ドル近いあるいはそれ以上の逆調というものは、ちょうど昭和三十二年の石橋内閣のときに一千億減税、一千億施策、その政策がつまづきを来たした当時とほとんど同じ様相を呈しておるんじゃないか。ですから、私は特に日本の国際収支の問題は、ほとんど対米貿易の関係じゃないか。特に最近いただきました最近の貿易の、三十六年の通商白書をずっと拝見して、問題がほとんどそこにあるように思いますので、その点について、設備投資の規制その他も、ほとんど国際収支の見通しからきておると思いますので、佐藤大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 国際収支の状況、ことに最近輸入が非常に多くて外貨も減っていくんじゃないか、で、これが経済の拡大にどういう影響を持つか、その場合に特に重点は対米貿易じゃないかと、こういうお尋ねのようでございますが、今日の状況についての見方はいろいろあると思いますが、確かに私ども政府が予想したより以上の経済拡大、これを現出している。それが最近特に輸入がふえておるということでもあろうかと思います。しかし、先月と今月とを比較してみますと、非常に短期の問題ではありますが、機械受注なども少し減っております。これも月々の模様で、いろいろ心配をいたしましても際限のないことでありますが、少なくとも経済に関する限り、ある程度の長期見通しの上に立って、国際収支の状況を見ていかなければならぬ、かように思います。そこで、そういう観点に立って見ました際に、最近の輸入超過、これが当初予定したような輸出入貿易の総額、これの変更を来たすかどうかという問題であります。大体御承知のように輸出は四十二億ないし四十二億ドルというものを予定している。この数字が、輸出目標を達成できるかどうかというのが一つのポイントでありますし、もう一つは輸入が四十六億五千万ドル程度のものを考えられるのが、さらにその金額が非常にふえるかどうかという問題だと思います。そこで、最近の問題として設備投資がやや予想を上回っているということで一割減の話が進んでおる。もう一つは、基本的にアメリカ自身のドル防衛の施策からも出ておると思いますが、アメリカ自身が非常に輸出ドライブをしている、輸出奨励をしている、そうして輸入をある程度抑制するというような考え方をやっている、これもやはり影響しておると思います。わが国の輸入意欲は、先ほど来申しますように、設備投資拡大、経済拡大、それについて非常に強いわけであります。そこへもってきてアメリカ側からのドライブがかかっているということでありますから、輸入は特別に工夫しないとどんどんふえていく危険がある。その一面輸出ムードが、輸出意欲がもし小さいと、アメリカ側の方ではなるべく輸入は押える気持でおりますから、輸出は思うようにいかないというようなことになろうかと思います。そういうことを考えますと、ただいまの状況そのものでもちろん楽観するわけじゃない、心配の面もございますけれども、私どもが必要な輸出奨励対策を進めていき、設備投資についての抑制方策をとり、しかも冒頭に申しますように、経済の拡大が予想以上でございますから、ある程度ただいまのような設備投資についての抑制を加えましても、いわゆる所得倍増計画は十年にはもちろん達成し得る、こういう見通しも立っております。この際必要なのは輸出を特に奨励する。また財界自身に輸出意欲を高めるように、こういう方法をとるべきじゃないか、かように実は考えておる次第であります。  いろいろお尋ねがその次に出て参るだろうと思いますが、こういう点が、あるいは公定歩合の一厘引き上げ、これが一体どう影響するか。さらにまた産業構造の面から見て、輸出を担当している中小企業——中小企業そのものは輸出担当の面においてばかりではございません。各方面で非常に金利の引き上げについても心配をいたしております。輸出奨励という場合において、中小企業にも非常な影響がある、こういう意味で私ども中小企業の金融の円滑化は特にそういう意味からも注意しなければならぬ、かように思います。

中田吉雄日本社会党

○中田吉雄君 大蔵省から出ています財政金融統計月報で、ずっと三十一年から日本との関係のあります国別の輸出入調べ等で見ますると、私は初めにも申しましたように、問題が起きましな三十二年と同じ、程度は違いますが、様相があるのじゃないかと思うのですが、佐藤大臣も御案内のように、六月二十四日に前の政調会長でありました福田さんが京都で、この赤字は一時的なものでない。慢性的なものであって貿易の基調も変わっているというようなことを申されて、だいぶ池田さんの逆鱗にふれたやに仄聞しているんですが、他の方の質問もありますのではぶきたいと思うのですが、大体私の計算では終戦以来三十年まででは倍、半分で、日本が輸出するちょうど倍くらいアメリカの品を買って、必ずしもアメリカとの関係のアンバランスだけで判断をすべきでないと思うのですが、これにあります三十一年度からのをずっと見ますると、ちょうど三十二年が日本が五億九千六百万ドル対米輸出をして、そうして輸入が十六億一千七百万ドルで、十億ドル対米貿易のアンバランスなんです。十億ドル・アンバランスであります。三十六年の一月から五月まで、私計算してみたのですが、大体アメリカに対しまして、この五カ月間に八千万ドルの輸出をしまして、輸入が平均一億六千万ドル、倍で、この調子でいくと七月から本格的なクリスマスを控えての輸出シーズンにもなるでしょうし、これからふえることは予想されるのですが、ひょっとすればアメリカからの輸入は二十億ドル台に乗せるのじゃないか。一番多かった十六億ドルというのは先に申し上げましたが、私、今の傾向から、特に設備投資の機械輸入、そうして十一、二億ドル輸出というようになると、ちょうど三十二年と同じくらいならば、対米貿易が三十二年、池田さんが大蔵大臣でしたか、問題のあったときと同じような、今の趨勢からいけば、優に二十億ドルになる。今の趨勢からいくと、対米輸出は十二億ドルにはとてもならぬと思うのです。そうすると、結局貿易のアンバランスになる。そうして最近ベルリン問題等にからみまして、三十数億ドルですか追加軍事支出をしたりしまして、インフレを招き、いろいろな問題が起きて、きざしはありますが、対米輸出が伸びるきざしはまあ否定はいたしませんが、私は結局この白書並びに最近の動向をみせていただきまして、ほかの方はまあ大体順調にいっているのです。設備投資の旺盛なこと等が、ほとんどアメリカに集中し、そうして輸出はアメリカの御案内の情勢で、出ないのですから、私は日本の国際収支をどうするかという問題については、やはり対米貿易をどうするかという問題が、非常に中心にならざるを得ない。どこも軽んじてはいけません。落ち穂を拾うように丹念にやらねばいけんでしょうが、そういうふうに思うのですが、いかがでしょう。私は二十億ドル台に近く輸入は乗せるのではないかと思うのですが。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 数字は、今ちょっと私、そこまで検討しておりませんが、ただ、今中田委員のお話のように在来の、三十二年の場合、日本の対米貿易は御指摘のように輸入が非常に多くて輸出はとてもその半分、ときには三分の一だという、こういうような非常な逆調であった。ところが三十二年以後初めて輸出の方がふえる傾向になった。アメリカ側から見ると大へん心配をしたと見えまして、私ども大蔵省にいた時分、マッカーサーから一体日本はどうしてアメリカの物を買わぬのかという話を聞いたことがあります。アメリカは非常に真剣に数字に取り組んでいる。私は今回の貿易の状況を見ると、今御指摘のように、対米貿易において日本からの輸出をふやすこと、これは私どもが特に力を入れなければならない。かつてアメリカ自身が考えた、心配したと同じように、私どもも真剣に数字に取り組んでいく、それが必要だろうと思います。ただ、今お話になりましたように、これから輸出がふえていく材料が全然ないわけではない。それを私どもが一体どういうように取り上げていくか、ここに一つのポイントがあるのではないかと思うのです。しかし今後ほとんど同額になるかということはとても考えられない状況でありますから、できるだけ輸出入の差を小さくするように、私どもが輸出努力をして参りたい、かように思います。御指摘の点は、私どももそういうような懸念を持っており、よく理解しておるつもりでございます。

中田吉雄日本社会党

○中田吉雄君 さっき申し上げましたように、戦前もそうですし、終戦以来三十年ごろまでも大体倍、半分ぐらいであった。それが御案内のように三十四年はほぼ対等に輸出が伸びたのですが、その後またアメリカのドル防衛等で非常に減ってきて、そして、これは佐藤さんが通産大臣になられる前のなんですが、この通商白書と最近の貿易動向、これには世界貿易におけるアメリカの地位が相対的に非常に減ってきた、低下してきた、そういう問題を指摘しながら、相対的に非常にドイツ、イタリア、日本等が伸びて、アメリカの地位が相対的に非常に低下した。これは重要な問題だ。国際経済におけるアメリカの地位が相対的に減ったという規定を、いろいろな資料でやっている。ところが七月十三日に出された経済白書には、貿易収支の改善を対米貿易にかけている。それはこちらの方にも書いてありますが、高い経済成長に乗って、いま大きな循環変動のちょうど谷間に来ている。それが最近急激な景気回復その他等で、この六十五ページには、短期的な見通しでは、六一年後半から対米輸出の回復上昇になっていくことは確実で、そしてアメリカの景気回復がアメリカ輸入の増大、わが国の対米輸出がその関係で伸びていくのだと、こういうことで、この方にはアメリカの国際的な地位は相対的に非常に低下してきた、これは重要なことだ、という規定をしながら、こちらの方では、あげてもう大体ほかの貿易は順調に行っている。アメリカの関係だけだというふうにして、後半にはとにかくアメリカの景気が上昇し、そのためにアメリカの輸入がふえ、そしてわが国の対米輸出は非常に密接な関係があるので、第一・四半期から第二・四半期と順次上昇していくのだという、まあ相当楽観的なことを述べてあるのです。しかしこの見通しがはっきりしない限りは、政府が設備投資をどれぐらいやったらいいか。公定歩合を引き上げるべきか、いや、やらざるべきか。あるいはそのかわりに一割の規制でいくかというようなことになって来まして、私はやはりこの測定は、アメリカの今の経済の置かれた状況、そうしてきびしいジュネーブの国際繊維会議を見ましても、全く業界でも裏切られたシビアな点を見ましても、なかなかそういう点が私は非常に問題じゃないかというふうに思います。特に二十億ドル近くも輸入をしようとしているのに、いろいろな制限措置をしたりしておりまして、そういう点で、私は相当確固たる対米交渉をされぬと……池田さんのように自由世界との共同歩調というようなことで、なんでも聞くようなことでは、日本はなんでもついてくるからというので、ボール次官が来て、あれほど言っておって——数年間の自主規制は高く評価する、期待に沿うというようなことを言っておって、全く背負いなげを食わされて、何のために自主規制をやって大きな期待をかけておったのか。私はそういうアメリカのとっている諸政策というものは……そうみな同じ比率とは言いませんが、少なくとも二十億ドル近い輸入をすれば、もっと高い比率の……アメリカの船でアメリカの国産品を運搬するとか、いろいろな制限措置——そういうものに対して相当な措置がとられ、またこの貿易のきずなこそ、ほんとうの日米の友好の基礎だと思うのです。うまいことを言われてボールに乗せられて、みんなアメリカのペースに乗せられてしまう、こういうことでは軽く見られて、ボール次官があれほど数年間の自主規制は高く評価する、期待に沿うと言っておったが、全く二十かの品目を五十かの品目にして、ほとんど実質的には最大のアメリカの綿花を買う日本に対するそういう政策について、強い折衝をされぬと……。これは佐藤大臣がなられる前に、書かれたのですが、これを見ますと、あげて日本の下半期の貿易の期待を対米貿易にかけていると思う。そういう点では、私はアメリカのドル防衛が、最近のあれなんかを見ましても、カラチの米国の国際協力等のことを見ましても、日本の入札を拒否しております。なかなか徹底しておるので、私はアメリカの景気もよくなりつつあることは了承しますが、アメリカのドル防衛措置がきびしい、そういうことで私は期待するほど出ないのではないか、その点をやはり佐藤大臣に私は相当腰をすえた折衝をしていただかんといけぬのじゃないか。そうして結局、とにかく昭和三十二年は十億ドルの対米逆調だったが、ちょうどそのときと同じようなことになりはしないか。これは手持ちドル等も違いますが、私はその点を心配するのですが、どうでしょうか。その用意です。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 今の通商白書、それから大蔵省で出したものについての御批判がありますが、私はこういう見方をしておるのです。対米貿易、これが占める日本の貿易における地位、これが日本にとりましては、輸入は大体四割近くアメリカのものが日本の総輸入のうちで占める、そのくらいのものを占めておる、過去において。また輸出の場合におきましても、対米輸出というものは、相当大きいパーセンテージのように思います。またアメリカ自身から日本向けの輸出は一体どうなっておるか、日本品の輸入が、アメリカ貿易における地位は一体どうだ、これまた相当のところにきておる、一割近いのじゃないかと思います。そういうことを考えてみますると、日米間の貿易というものは、日本にとりましても非常に大事なものであり、アメリカ側から見ましても、一国でそれだけのパーセンテージを占むるということになりますと、これは非常に大事な相手国だということになると思います。先ほど国際経済におけるアメリカの地位が低くなったというお話が出ておりましたが、これは在来のアメリカの経済だけでなくて、欧州の経済が非常に拡大し域内貿易も非常に大きくなっておりますから、そういう点を指摘したものだと思います。でありますから、本来から申しまして、国際経済の変動もさることながら、わが国経済といたしましては、輸出入の点において大きなパーセンテージの部分を占めておる対米貿易を、日本としては日本に有利になるように最善の努力をする、これは私どものポイントだと思います。そこでただいま国際繊維会議のお話が出ております。私どもも就任中々でありますが、国際繊維会議の経過などを聞きまして、大へん当方の主張として十分のものを尽くしてないような感じがするということで、さらに日米間においての貿易についての取りきめをぜひともしたい、具体的にさらに掘り下げたい、こういう努力をいたすつもりでありますし、もうすでにそういう手を実はとっております。で、問題は、先ほど御指摘になりましたように、対米貿易がわが国の輸出入に占むるパーセンテージの大きい点から、やはりこれとは真剣に取り組んで、そうして問題の解決をわが方に有利にしていくということを考えたいと思っております。あるいはカナダに対する貿易であるとか、豪州に対する貿易であるとか、あるいは東南アジアその他の低開発地域に対るす貿易等、将来の発展性はもちろんあると思いますが、ただいまのところでは、総額としては特に取り上げて、声を大にするほどの成果はまだ期待できない、こういう状態にある、かように考えております。

中田吉雄日本社会党

○中田吉雄君 まあ私たち日本社会党も国際貿易におけるアメリカの比重を正当に評価すべきであるという点では、そしてまた非常に大きい比率を占める、しかも戦前からの構造から見ても、日本がたくさん買ってもらうということは、まあこれは不可能でしょう。しかしそれにしても、ちょうど昭和三十二年と同じようになると思うのです。そうして自国船主義だとか、あるいは最近の国際協力局の入札に日本を入れないとか、いろいろな制限措置がたくさんとられておるようです。特に今問題になっておるアメリカに対しまする日本の綿布の輸出のごときは、一九五八年に七一%をアメリカに入れておったのでございます。自主規制で去年は一八%になってしまった、そのときに一・五であった香港のごときは一七・五に、結局池田さんが言われたように正直者がばかをみる、しかも今度の措置は——アメリカがあの会議に諮ったのは、アメリカが作った試案だということですが、ほとんどそれを中心にしてやられて、なかなか日本は池田さんが行かれるときに——まああれは池田さんの造語ではない、チャーチルがアメリカに行った際に、私はベッガーとして来たのではない、こじきとして来たのではない、ものをもらいに来たのじゃないというせりふが、これはかつてチャーチルが言ったのですが、大豆の自由化をして特に四億九千万ドルのガリオア、エロアの話をつけ、防衛二法案を通し、そしてアイクを来させなんだということで政防法を手みやげにして、至れり尽くせりの意中をそんたくした政策をひっさげて行って、結局、日米貿易合同委員会というものに逃げられてしまって、しかもそれがもう秋で、一年に二回くらいですか、間に合わぬと思います。そういう点で私たち日米関係をほんとうに強固な友好的な関係に置きますには、どうしても貿易が互恵でなくちゃいかぬと思うので、そういう点日本もアメリカの市場を混乱するようなダンピング的なものは慎まなければいかぬでしようが、やはりカナダに次ぐ最大の市場ですから、私は二十億ドル台に乗るかもしれぬというアメリカの日本に対する対日輸出からすれば、相当強力な発言権を持ってもらってもいいのじゃないか、そのことは決して日米関係をそこなうものではない、私はまあこの白書も、これも先に佐藤大臣が言われたように、他の方は潜在的な市場でそうすぐに間に合わぬ、なぜならば国際収支をよくするためには、日本の過度な輸入を規制することも必要でしょうが、何といっても一番大きなウエートを占めるアメリカとの関係を正常なルートに乗せることが必要で、ちょうど三十二年に、十億ドルのアメリカとの逆調が石橋内閣の政策の是正を迫ったのですが、私はもう今度は、ちょうどそれくらいの差に、今の推計からすれば、今後どれだけ出るかはわかりませんが、少なくとも七カ月の推計からいけば十億ドルくらいのアンバランスが、あるいは八億ドル、固く見ても、その程度出るのではないかというので、私はそういう点を非常に……これはどういうふうに見ておられるか、これを見ない限りは、それは政府の設備投資の規制もいろんな政策は出てこぬと思うのですが、一体対米貿易の今後の伸びはどういうふうに見ておられますか、私は今のトレンドをずっと伸していくと、それの傾向にはなるのではないか。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) あまり先の数字ですから私ども十分検討しておりませんので、ただいままだ御返事申し上げるわけに参りませんが、今中田さんの御指摘のように、今日までのトレンドからそういう数字が出てくるかと思います。問題は今後の輸出振興なり輸入をします場合に、とにかくわが方がどうしたら有利になるか、それを考えていくことであります。今の現状自身について私楽観しておるわけではありません。同時に非常に心配をするという、これも経済に及ぼすメンタリな面を考えますと望ましいことではないので、やはり実態を十分把握いたしまして、そうしてわれわれの努力の方向を示すことが必要なんじゃないか、かように思います。

中田吉雄日本社会党

○中田吉雄君 この問題は私希望だけ、とにかくどうも対米関係をいつも、長い間の占領時代のコンプレックスかどうかしりませんが、他国に対しては割合に強靱な折衝をしても、アメリカに対しては、野党の社会党から見ると、話にならぬほどどうも腰が弱いのではないかと思います。二十億ドル近くも輸出するんですから、相当強い、いいお客さんとして私は強い折衝をしていただくことが、これは非常に必要じゃないかと思いますので、その点ぜひ大物大臣としての佐藤さんの実力を一つ示してもらいたいと思います。  それからこの公定歩合の——あまり時間がありませんので、引き上げ並びに一割の設備投資が主として中小企業にしわが寄ってくるのではないかということを心配するわけであります。私たち、実は剱木委員長と当委員会で、あちこち日本の重化学工業地帯を見て参ったんですが、なかなか、やりかけたことを、それを九割でしまうと、生産費が非常に高くついたり、むしろ土地なんかを買っておかぬと、来年は倍になるというようなこともあり、なかなかこれは言うべくして困難じゃないか。私の知っているある日本の尿素の、最も新しい施設をやったんですが、自主規制で六割ぐらいしかやらぬで、あと四割やらぬために、やったところは非常にいいんだが、敷地を買ったりして、結局赤字につく。もう四割やれば、日本の最も低いコストで作れるんだが、というようなこともありまして、これはなかなかいかんじゃないかと。特に、運転資金なんかを借りて、もう長期資金に回し得るほどの大企業は力がありますし、そういう点で一番弱い、まあ三十二年にもそういう傾向があったと思うのですが、非常に心配しているわけですが、新聞でも佐藤大臣、その点非常に気を使っているようですが、これは本格的な対策を一つ講じていただきたいと思うのですが、それについて。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 御指摘のように、中小企業は本来、とかく忘れがちというか、忘れがちと申すと極端な言いようですが、経済発展の最後の谷間にあるような事態でございますので、あらゆる機会に目をかけることが必要であります。別に、金利引き下げだとかいう、あるいは引き上げだとかいう点だけで心配だというわけじゃなく、あらゆる機会に注意しなきゃならないと思います。そういう意味のいわゆる産業構造の改造と申しますか、そういう意味では基本的に取り組まなきゃならない問題であると思います。そして、政府としても、本格的な問題は一つ相当の時間をかしていただいて、そして、中小企業の実態も十分把握し、これに対する対策を考えて参りたい、かように思います。しかし、これはもちろん半年や一年で結論が出るというふうな簡単なものではないだろうと思います。しかし、それができないからと申しましても、現在当面しておる問題をないがしろにするつもりはございませんので、時々刻々に変化して参ります経済情勢に対処して、あやまちなからしめる、そういう処置をとるつもりでおります。ただいま御指摘になりました、たとえば設備投資の一割削減、あるいは金利の一厘引き上げ、これがどういうふうに影響するか。過去におきましてしばしばこういう場合には痛めつけられるものが中小企業であるという、そういう苦しい経験を幾度もなめておりますから、従いまして、今回もかよううな措置がとられて、直ちに中小企業はどうなるかということで、私ども中小企業の立場に立って十分その助長政策をとりたい、かように思っております。ただいまのところまだ具体的にこういう事態ができたというものには接しませんが、私ども非常に心配いたしますのは、設備投資の面で考えてみますると、設備投資の面で一割削減いたしました場合に、現在の工業生産はいわゆる中小企業に負うところのものが非常に多いのであります。そういうような産業部門の設備投資の削減が、まあ系列産業としても、もしも設備投資の削減ということをやり、そして中小企業にそれがしわ寄せされるとしたら、近代化のおくれている中小企業、同時にその企業系列の産業自身が非常に苦しい立場になる。これは私どもすぐわかることでありますから、そういうこともないようにしたい。そこでこの設備投資の削減に当たりましても、一律に一割削減というようなことは考うべき筋じゃない。これは現に通産省として堅持しております態度も、一割軒並みに削減するという措置はこれは避けたいと努力いたしているわけであります。また金融の面から見ましても、大きいものであれば、比較的目も届きやすいのでありますが、中小企業はなかなかそこまでのめんどうが見られておらないということであります。すでに大蔵省に対しましても、必要であるならば、三公庫に対する資金の量をふやすとか、直ちにその処置をとってもらいたいという申し出をしております。またその意味においては、大蔵省も資金確保には最善を尽くすと申しておりますから、私はただいまのところ懸念しなくとも適宜の処置をとれやせんか、かように実は考えております。  また公定歩合の一厘の問題にいたしましても、これは一厘引き上げということが、設備投資、金融の面から見まして、比較的金利が高くなったことで、融資を自粛さすというか、そういう意味もあるだろうと思いますが、特殊のものについての金利の扱い方、これは特に考えてもらいたいということで、輸出貿手なども輸出振興ということで、むしろさらに一厘下げる措置を実はとったわけであります。こういう点は、これはもちろん大企業ばかりでなく、中小企業まで均霑するわけでありますから、中小企業に対する限り、きめのこまかな措置を考えないと、十分効果をあげられないのではないか、ことに中小企業の実態というものをいろいろ勘案して見ますると、系列化のできるものもありますし、中小企業は中小企業のままで産業としてそのまま進んでいくものもあります。中には中小企業から大企業へ伸びるものもありますが、本来中小企業のままで終始するというようなものもありますので、実態を十分つかみまして、それに対する対策を講じて参りたい、かように実は考えております。ことに経済拡大の際におきまして、ともすると、競争の結果落後者を生じますが、落後者を生じないようにすることが、私どもは政治の眼目であると思います。そういう意味から中小企業についてお尋ねをいただきましたが、私どもの考えの足らない点もときにはあるかもしれませんが、そういうことを今後御指摘いただきまして、私どもの万全の措置が、さらに十二分の効果をあげるように御鞭撻いただきますようお願いします。

中田吉雄日本社会党

○中田吉雄君 池田総理は施政方針演説や予算委員会、その他で高い成長政策をとれば、その中でおのずから大企業と中小企業、地域格差あるいは農業と他産業のアンバランスがなくなる。高成長政策の中でおのずからなくなるということを、施政方針でも、高い成長政策をとることによって、そういういろいろな格差がなくなると言われたのです。最近の動向を見ますと、地域格差にしましても、あるいは大企業と中小企業とでも、なかなか池田さんの言われる通りにはなっていないので、やはり高成長政策だけに格差の是正を期待することは私できぬので、これはすぐというわけにはいかぬでしょうが、これはやはり通常国会等でも中小企業等の根本についてはぜひやってもらわなければいけませんし、特に今度の経済白書を見ましても、大企業の社内加工が非常に少なくなっている。これは先きに言われましたように系列化して、そして下請に出す部分が非常に高い比重を示している。これは最近の日本の代表的な自動車、テレビ等でも、社内加工はたった一〇%から一五%くらいで、あとは材料費と下請に出してしまう。あるいは重電機のようなものでも、昭和三十年は社内加工が三五%であったものが、三十五年は二〇%、あるいは産業機械のごときも三十年には三二%であったものが二三%になっている。あとはほとんど下請、材料になっている。そういう意味からいきましても、日本の国際競争力を強めたりするには、大産業と同時にそれに耐え得るような……。ですから非常に大産業が社内で合理化する場合が少なくなったということが大きな特徴だということを経済白書にも言っていますが、そういう点から考えましても、相当画期的な手を打っていただかぬといかぬと思うのですが、そういう問題は将来に譲りまして、この公定歩合の引き上げ、設備投資の一割規制ですが、七月十二日に、大月銀行局長ですか、これは大蔵省でしょうが、とにかく設備の規制をやるということで、地銀に対しても……。ところが、私たちの郷里あっちこっち遊説等に出て銀行に聞いてみましても、かなり、私の印象では、響いてくるのじゃないかという……。特に大企業は調達能力がありますから、どうしてもやりかけたことはやってしまう。短期資金を借りて、運転資金を借りてでも設備投資をやってしまうというようなことで、結局しわが寄ってくるというふうに思うのですが、そういう点で、やはり、当面の対策としてはそういう政府の指導も必要でしょうが、実際、中小企業金融公庫、商工中金、あるいは国民金融公庫というようなものに対して、四半期ごとに貸し付けすることになっていますので、そういうのを繰り上げてでもやはりやらしていただくとか、それは将来追加するというようなこと等も必要だと思うのですが、具体的な点はまだきまっていないでしょうが……。それと同時に、一割の規制がどれだけ中小企業に——ある人は、実際に三千億くらい中小企業にしわが寄るのじゃないかと。実際、政府のこのあとの調査では——大蔵省と日銀ですか、調査したのでは、三兆八、九千億ということで、三兆六千億くらいするということですと、もっとそれが上回っておって、もしかりに一割やるとすれば、三千億くらいは中小企業にしわが寄ってくるのじゃないかというようなことも言っているのですが、一体そういうことは、まあ引き上げをやられてからまだ間がないので何ともわからぬでしょうが、どうなんでしょうか。それと、具体的な、そういう繰り上げても、手を打って、それをあとから補う。あるいは、特に商工債券等は大へん消化が困難なようですが、そういうものに対して何らかの、消化を促進する措置をとられるか、あるいは日銀の余裕金を市中銀行に預託するというような、いろいろな手を早急に打っていだきたいと思うのですが、時間がありませんので、私だけで大へん恐縮でしたが、とにかく強力な具体的な応急の手を打っていただきたいと思うので、一つ……。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 金融の面——中小企業対策は金融と労務と二つの面があるわけですが、この労務の方はお尋ねがありませんが、これも大へん困っている問題でございます。技術者の面で非常に参っております。同時に、これはまた賃金格差もずいぶん違っておりますから、労務者確保が非常に困難である。この方はまたそれに対する対策を通産省としても十分労働省に対して要求して参るつもりでおりますが、ただいまお話しになりました金融措置、これは、国会開会中であればまた別の措置がとれますけれども、開会でないときにどうしたらいいか。ただいま御指摘になりましたように、三公庫の資金は四半期ごとに計画いたしておりますから、繰り上げ使用ということを考えられるということをまず指摘しておきます。また、債券の消化が非常に悪い。これは政府の財政資金で可能じゃないか。それぞれの急場に間に合うような処置は、もちろん私どももとります。また、日本銀行自身が国の金融の実態そのものをみまして、オペレーションを行なうということもしばしば論議されておりますが、ただいま、やるとかやらないということは申し上げるわけではありませんが、そういう方法のあることを御指摘するわけであります。問題は、中小企業に対しての対策として万遺憾なきを期しておる、この決意がありますならば、おそらく中小企業の方々にもまあり御心配をかけなくて済むのじゃないか。ただいまのところでは、政府指導というか、日銀と大蔵省で話し合っての一割削減の指導でありますし、また公定歩合の一厘引き上げはすでに決定し、地銀等もこれに追随しておりますが——同じようなことをしておりますが、この方はすでに影響が出ております。そういうことを考えますと、中小企業の面に必ずしわが寄るに違いないと思います。そういう害があれば、ただいま申し上げたような処置をとる。今その実態というか、経過について私どもは注視しておるという段階でございます。せっかくお話が出ておりましたが、具体的に考えるといたしましても、新しいものは、そうたんとあるわけでございません。中田委員が御指摘になりましたような点を私どもも取り上げるということになろうかと思います。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 二つお尋ねしたいのですが、時間がございませんから、こまかく分けて御質問をしないで、一括して質問をいたします。  一つは、電力料金の値上げ問題と、それから三月七日の閣議了解との矛盾。東京電力の値上げ申請がなされましてから、私も予想されましたから、国会中ですから、経済企画庁長官あるいは通産大臣等に質問をいたしました。その際には、三月七日の公共料金抑制に関する申し合わせというものを尊重しながらやっていきたい、こういうお話。東電の電力料金値上げを自民党の総務会等を通じて再審査をさせられるという結果、若干下回りましたけれども、全部でみますと一三・七%、電力料金は平均をいたしますと二〇%をやはりこしております。なお引き続いて水道、バス、私鉄等の値上げ申請が予想される。一般消費者への波及を電灯料金等、なるべく押えようとした努力はわかりますけれども、あるいは中小企業者あるいは鉄鋼、機械、肥料等の電力料の値上がり等からして、これが消費者に転嫁されるのじゃないか。今まで続きました公共料金値上げに引き続いての話でありますから、一般物価の値上がりムード……所得倍増計画の前に、実際には物価倍増の方が先にきておる、こういう印象を国民一般が持っておる。特に主婦等は、私どもは休会中いろいろな会合に出ましても、そういう印象を持っておるわけであります。そこで、閣議了解がどうなったのか。七月二十五日、東電の料金値上げを認めた際に、三月七日の閣議了解に追加されたものもあって、実際には骨抜きになっておるのじゃないかという感じがするのでありますが、引き続いて行なわれました休会中の東電料金の値上げ問題に関連をして、三月七日の閣議了解はどうなったのか。それから所得倍増前には物価倍増が先行しておる。あるいは消費者への転嫁が今後行なわれ、あるいは水道、バス、私鉄等の値上げが引き続いて、物価値上げムードに拍車をかけはせぬか、こういう心配をしておるわけでありますが、これに対する通産大臣の所見をお聞きしたい。  なお、再度の値上がり防止をするためには、申請の理由にあります発電の原価の高騰を抑制するために、財政資金の援助等が、これは前から論議されておることでありますが、なされなければならぬのでありますが、それらの点についてどういう工合に考えられるか。  それから東京電力の値上げ問題に関連をして、熱効率の向上があり、炭価の値下がりがあるにもかかわらず、燃料費全体の値上がりがあるとして、重油専焼を認める方針がとられようとしておる、かように聞くのであります。そうすると、これはあとでお尋ねをいたしますが、土屋氏等、民間の石炭等の調査の御報告の中にも、石炭政策の再検討、特に欧米の場合に、重油専焼が発電の動力資源として使われておる傾向にはない。石炭も依然として使われておるし、それから日本の場合に、産炭地の発電等を含めて、低品位炭発電その他産炭地の発電を強力に推進すべきじゃないかという意見等もあるわけであります。石炭政策との関連が起こって参りますが、この東電値上げに関連をして、あるいは今後とられるかもしらぬという重油専焼を認める方針と、今後とられる石炭政策というものとの間には、明らかな矛盾があるのではないか。もう少し石炭政策の観点から、これらの点については、東電の値上げを通じて認めたのかどうかわかりませんけれども、検討すべき重要な問題があると考えるのですが、これらの点について御答弁を願いたい。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 幾つもお尋ねがございましたので、あるいは答弁を落とすかもしれませんが、その点また重ねてお尋ねをいただきたいと思います。  第一の、三月七日の閣議了解は一体どうなったかというお尋ねでございますが、三月七日の閣議了解は、厳にこれを守っていく考えでございます。今回も、東電の値上げをいたしましたために、三月七日の閣議了解が非常に例外を認めた、その例外が幾つも出て、こわれるのではないかというような御心配のように伺いますが、同時に、この東電の値上げをいたしましたに際しまして、あらためて三月七日の閣議了解、これを、厳にその趣旨を守っていくということを申し合わせをいたしました。ただ、問題は、東電のような問題が幾つあるかということでありますが、東電の場合におきましては、まことに事情やむ次得ないものとしてこれを許可いたしたわけであります。事情やむを得ないということはどうかと申しますと、電力料金は、九電力会社ができまして、一律ではないわけであります。ことに、東京の場合は、今まで他の電力会社に比べまして非常に安い電力料金である。安いことは望ましいことでありますが、同時に、そのことが経営内容におきましても非常に憂慮する状態になった。退職積立金などもほとんど使わざるを得ない状態でありました。そういう意味で、経理の状況から見て、外資導入等をいたしますに際しましても、あのままの料金で放っておくわけにはいかない。やはり健全な会社経営にすることが望ましい。同時に、それが公共の電力を供給するゆえんでもある。実はかように考えたわけであります。その話は、電力審議会等においても、消費者の方なんかにもしばしばそういう話が出ておりました。このままでいって、そうして電力が家庭生活にまで脅威を与える。御承知のように、これはもう電気洗濯機なりあるいはクーラーなり、全部が家庭電化をいたしておりますから、電力自身が供給に非常に支障をきたすとなると、家庭生活をも乱す、そういうような意味で、ある程度のものを上げることは、賛成ではないけれどもやむを得ないだろうというような答申まで出た、そういうようなところから、私どもも、望ましいことではないが、やむを得ない仕儀だといたしまして、認可いたしたわけであります。そういう点で、申請は一五・三六%の申請でありました。それを、ただいま御指摘になりましたように、一三・七%で認可いたしたわけであります。その際におきましても、特に小口消費、また大衆消費の面の値上げ率はできるだけ押えるようにということで、その措置をとったわけであります。これは、この種の扱い方としてはやむを得ないのだと思いますので、何とぞ御了承いただきたいと思います。  また、ただいま御指摘になりました東京の水道料金の問題がございましたが、水道料金は、これは都庁自身が処理する問題でありまして、政府がこれには関与しないのだそうです。ただ、バス料金になりますと、これは運輸省が任可権を持っているわけであります。これは運輸省においていろいろ審査していることだと思います。東京都議会といたしましては、バス料金や水道料金の値上げについて非常な論議がかわされたことは、新聞等で伝えた通りであります。先ほど申しますように、三月七日の閣議了解は、そのまま存置し、また、その趣旨は厳に守っていく、こういう申し合わせを重ねていたしております。いわゆるこれによりましてムードを生ずるということはないだろうと思います。  それから、これが物価との関係でございますが、私どもといたしまして、物価との悪循環を断つということ、これは一番大事なことだと思います。あるいは公務員の給与も引き上げなければならないし、あるいはサービス業に従事する者のサービス料金等も引き上げざるを得ない、そういうような事柄はございますが、いわゆる悪循環をしないように、今回の電力料金の値上げにおきましても、そういう意味でこれが産業に及ぼす影響等いろいろ工夫もいたしまして、そうして先ほど申すように、一三・七%という引き上げ率を最終的に決定いたしたわけであります。私は、物価構成の面で、しばしばお話がある通り、最近は産業の合理化が非常に進んで参りました。産業の合理化の利益というものが、それを物価の面でどういうふうに取り扱ったらいいか、今までの考え方からみますると、とかく合理化を進めて参りますと、それが資本や労賃というような分配がありますけれども、最終需要者に対する分配というものがあまり考慮されておらない。もしも、最終需要者、消費者ということを念頭において、そうしてその合理化の利益を考えていけば、必ずしも物価は高くしないで済むのじゃないか、こういうことを実は考えるわけであります。もうすでに皆さん御承知の通りであり、今私どもも非常に苦心しておりますものに、いわゆる肥料の価格の問題があります。肥料などは、農民に安い、いい肥料を提供するということで、合理化のメリットを全部あげて値下げの方向に持っていっている、こういうことでありますから、これも少し、議論とすれば、非常にへんぱなものになっているのじゃないかと思います。肥料やなんかは、合理化を進めるのには、どうしても大量生産をやらなければならない、大量生産をやれば、やっても、そのメリットというものを全部消費者である農民に還元する、そうしますと、国内消費以上に生産しておりますから、その肥料はどこかへ持っていかなければならない。外国へ輸出する。国際競争で値段はたたかれる、そこに赤字がある。こういうことでは肥料産業自身も参ると思いますが、私は、ただいまの合理化のメリットがうまく資本と労働と、さらに消費者と、三つに分配するような方法が考えられれば、物価は引き上げなくても済むのじゃないか、また、そういうふうにあるべきものだろう、合理化というものはそうなくちゃならぬのじゃないか、こう実は思うわけであります。なかなか思うようには、これは適正な分配方法は議論がありますので、なかなか思う通りになりませんが、やはり努力目標はそうあるべきではないか、かように思います。また、ただいまの電力料金そのものの値上げは、ただいま申すような意味合いから、悪循環を断ち切るというような立場において適正な料金率を考える、かように御理解を賜わりたいと思います。  それから、最後の問題で、エネルギーの総合対策のお話が出ておりました。このエネルギーの総合対策は、これは大へんな問題であります。通産省も、特別調査団を外国にまで出して、そうしていろいろ検討さしております。これは、その報告等も伺っておりますが、いわゆる経済理論だけでは片づかない面が多分にあるわけでありまして、現在あります産業そのものについての転換方法なり、救済方法を考えないうちに、理論的にこの方が進んでいるとか、この方が安いとかと言って、簡単な結論を出すわけにいかないのであります。御承知のように、石油と石炭との関係の問題、あるいは電力用炭あるいは電力発電用の重油というような問題で、いろいろ議論をされております。従いまして、私どもは今後の問題として、総合エネルギー対策を立てて参ります。が、今日あります国内産業に対する影響、これに急激な影響を与えることはもちろん避けなければなりませんし、また各方面で納得のいくような処置をとるべきだと思っております。御承知のように、石炭につきましては、石炭の価格等について、過去においても持別に留意が払われ、石炭産業の確保と申しますか、ということで、いろいろな政策を具体的に進めて参りましたが、ただいまそれに重大なる変更を与える考えはございません。従いまして、電力用炭については、——石炭の今大口需要者は電力会社でありますから、長期の引取契約をさす、こういうことで、採炭業者も十分信頼のおける採炭計画を遂行できるように進めておりますし、また重油と石炭との専焼の問題、あるいは混焼の問題等、一時よりかやや緩和した形にはなっておりますけれども、十分今後私どもも、指導の問題といたしましては、理論だけで片づけない、これは十分政治的な考慮を払っていくのだという、この一事で一つ御了承いただきたいと思います。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 時間がないということで、たたみかけて質問をしたから多少あれでしたが、エネルギー問題について、あるいは石炭と重油との問題については、今後検討をしていきたいということですが、先ほど申しました資本費の高騰をカバーする方法として、電力料金の値上げだけでなしに、財政投融資を考えるべきじゃないかという議論は前からございました。それから九分断されて、九社それぞれ云々という点が再編成すべきじゃないかという議論もある。それからむしろこうなったら、もっと公益性を高めて国でやるべきではないか、こういう議論もある。これらの電力産業あるいはエネルギー産業のあり方をも含めて根本的に検討を願いたいという要望を付して、その電力問題のこまかいことはあとに譲ります。  ただ、最後にお触れになりました石炭政策については、この前の国会で産炭地振興法等——これはまあ下降にある石炭あるいは産炭地の振興方策等について考えて提案なされたわけで、こういう点についていろいろあります。私ども下降をする石炭のあとという問題でなくて、石炭産業それ自身の安定のために基本的な方策を立てなければならぬとこう考えて、今案も出しておるわけです。この前の国会で、ああいう工合で産炭地振興法等成立いたしませんでしたが、通産省でも審議会を発足をし、意見等も聞き、あるいは調査もしていただいているようですが、先ほどのお話のような根本的な石炭政策の検討と石炭産業安定のために政策の確立をしてもらいたいと考えるのですが、なお、臨時国会を目ざして用意もされているようですけれども、産炭地振興法等についてもぜひ鋭意施策を急いでもらいたい、あるいは施策の確立を願いたい。それから先ほど政府としても調査をされた、あるいは審議会もあったようですが、これらは石炭産業安定のために今後の施策に重大な関係もございますので、産炭地振興法だけでなくて、石炭政策の基本的な安定政策を確立するために格段の努力を願いたいということを要望を申し上げ、あるいは産炭地振興法その他についてその後なされております通産省の努力の段階、あるいは調査の結果等は、大臣が立たれるので、あとで聞きたい、要望だけ申し上げておきます。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 臨時国会、そのうち開催されることだと思いますので、前国会で不成立になりました法律案はもちろん引き継いで御審議をいただくつもりでございます。今回はぜひとも成立させたいと思います。よろしくお願いいたします。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 速記とめて。   〔速記中止〕

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) じゃ速記を始めて下さい。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 さる七月三日に、愛知県の西加茂郡猿投町森本鉱山で発生した爆発事件について若干お尋ねをいたします。  そのいきさつというものは、同鉱山の十八坑、三十メートルぐらい奥で、従業員の江口君というのが、ガスの臭いがするからこれはおかしいということで、従来の慣例になっておったのでマッチをすった、そうしたところが、たまたまメタンガスが発生をしておって、引火して爆発した、そこで近くにいた従業員数名が重傷を負った。それで今地元の豊田警察署においては、その江口君を業務上過失致傷罪、こういうことで取り調べをしているわけなんです。そこで、これは粘土鉱なんですね。それで、問題は、メタンガスが沈滞しておったということは、保安上のいろいろな点で注意がされていなかったのではないか、こういうことが考えられるわけなんです。というのは、通風設備がなってない、不十分である。横坑の奥から送風をするのがほんとうであろうと思うのですが、それをやらずに、縦坑の下から上の方に向けて風を送っておる。こういうふうな不備な通風設備の結果、メタンガスが沈滞しておったのじゃないか、こういうふうに考えられるわけなんです。そこで、地元名古屋通産局でも、この問題についてはいろいろと折衝しておるのでありまするけれども、なかなか今までにいろいろな点からこれが完備されておらない。そうなりますると、やはりこれは保安上の注意が不足しておったのじゃないかというふうに考えられるわけなんですが、この点はいかがですか。

八谷芳裕通商産業省鉱山保安局長

○説明員(八谷芳裕君) この災害は、ただいまも御指摘がありましたように、七月の三日に起こったのでございますが、入坑中の従業員が酸素欠乏による危険性の有無をマッチをすってみたということから発生したものではないか、こういうふうに考えられるのであります。この、耐火粘土の鉱山におきましてガスが発生するというようなケースは、たとえば坑木の腐敗とか、非常に近接した断層というようなものの影響があったのじゃないかというふうに考えられますが、この耐火粘土鉱山におきましては、特にこの坑内におきましては従来ともに可燃性ガスが存在したことがございません。従いまして、そういう点につきましては十分今まで心配なく過ごしてきたわけでございます。また火気の使用も認められております。保安監督官なんかもカンテラを下げて坑内を巡視しておる、こういう状況でございまして、私どもの調査におきましては、鉱山保安法上の責任は認められないのじゃないか、こういうふうに考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 今、局長が言われましたように、従来この粘土鉱には鉱山保安監督官の方でアセチレン・ガスのカンテラを持って中へ入っておるというふうな関係で、炭酸ガスがあるかどうかという場合、いつも従業員はマッチをすってみて、消えたら炭酸ガスがあるというふうなことで注意した。今度は、監督官すらカンテラを持って入っているから、マッチをすって、それがたまたまメタンガスが発生しておって爆発した。警察はこれは過失致傷罪ということで取り調べをしている。従業員から言わせれば、そんなばかなことはない、監督官すらアセチレン・ガスのカンテラを持って入るのに、マッチをするのは従来の慣例になっておるから、もしこれが過失致傷罪ということになれば、監督官自身がそういうことを指導しておったということは、これは監督官に責任があるのではないか、こういうことを従業員諸君は言っておるわけなんです。この点の見解はいかがですか。

八谷芳裕通商産業省鉱山保安局長

○説明員(八谷芳裕君) ただいまも申し上げましたように、保安巡視の場合すらカンテラを持っていっているわけでございまして、監督官庁の方といたしましても、これに可熱性ガスの危険は考えてなかったわけであります。そういうことから申しまして、先ほども申しましたように、現在までの調査におきましては、保安法上の責任は認められない、こういうふうに考えざるを得ないと思います。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 たまたま今度はメタンガスの発生で爆発をして、そういうような事件が起きたけれども、実際現地には粘土鉱の坑口なんかが非常に多い。しばしば落盤なんかも地元ではあるそうです。表面に出ていないだけのことであって、そういう点なんかも、やはり今まで表面に出ずに泣き寝入りみたいになっているというのが事実らしいのです。そういう点なんかについても、もう少し監督の方においても、そういう落盤等についての問題なんかを十分調査をして、そうしてそういうことのないように、事故のないような指導といいますか、監督を強化しなければならないと私は思うのですが、この点はどうですか。

八谷芳裕通商産業省鉱山保安局長

○説明員(八谷芳裕君) 特に可燃性ガスにつきましての耐火粘土の鉱山に対する措置、これは今度こういう災害が起きまして、今後十分検討いたしてやらなければなりませんが、たとえ可燃性ガス以外の災害につきましても、非常に坑口が数多くあって、零細な掘り方、タヌキ掘り式の掘り方をしている、そういう中で、災害が、十分な監督が行き届かないために災害が起こるというようなことがあってはいけないわけでございまして、ただいま御指摘がありましたように、十分今後監督を強化いたしまして、その種の災害をなくしたいと考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 まあ九州や北海道のような石炭の炭鉱に比べると、そんな危険は微々たるものだと思うのです。しかし実際働いている従業員の気持になってみれば、あぶなくて仕事ができぬという穴もたくさんあるということですから、こういう点はもう少し地元の監督官の方で厳重に注意をしてもらいたい、こういう点を一つ要望しておきます。  それから今度は鉱業権者の問題についてですが、今度この事故の起きた鉱山というのは、大体経営責任者は第三国人です。名義は日本人になっているけれども、実際にやっているのは森本という韓国人なんです。ところがこの事件が発生してから、鉱業権者、それから経営者等がお互いに責任のなすり合いをしているわけです。というのは、森本仙太郎というのが責任者ということになっているが、もう一つ下があるわけです。実際にやっているのは宮脇という人がやっているわけです。名義人は日本人で、やっているのは韓国人、それからもう一人の下請けさしているのは、これまた韓国人ということで、事件が発生して、いろいろな問題が起きて、どちらにその責任があるかということが十分でないということが一つと、それからもう一つは非常に中間搾取をやっておるという点ですね。というのは従業員にはトン当たり三百五十円で掘らしておる。それから運搬がトン当たり百五十円、ところがその下請の宮脇という人は、これをトン当たり千六百五十円で森本というこの鉱業権者に渡しているわけなんです。名義人じゃないのですがね。そうすると、今度は森本はこれを業者にどれだけで売っているかというと、トン当たり三千三百円で業者に売り渡しておる。実に大きな中間搾取をしておるということ、こういうふうな経営を放任しておくと、やはりそこに乱掘、盗掘ということが従業員の中でも非常にやかましく言われてくる、実際こういうことが許されるのかどうか、この点、いかがですか。

土屋正雄通商産業省鉱山局鉱政課長

○説明員(土屋正雄君) 本件につきまして、私の方でも事情をただいま調査中でございますが、なお確定いたしておらない点もございますが、現地からの報告によりますと、森本某なるものが河地某——鉱業権者でございます、その方の鉱業代理人といたしまして今まで仕事をしておられた。いわゆる鉱業代理人と申し上げますと、鉱業法に定められましたいろいろの事務手続を鉱業権者にかわってするということで、これは法規上認められておるわけでございますが、そういう資格で森本某なるものが河地鉱業権者にかわって諸手続をしておった。しかしながら御指摘の通りどういう関係で下請に出しておるか、その辺がまだあいまいでございますが、さらにこれを請負に鉱業権者が出したか、あるいは森本某が出したかわかりかねますが、これを請負に出しまして耐火粘土を掘採しておったというふうな事情でございますが、法律的に申しますと、鉱業代理人という制度もございますし、また鉱物の掘採につきまして請負にこれを出すということも現在認めておるわけでございます。ただ問題になります点は、鉱業代理人は先ほど御説明いたしました通り、あくまで鉱業法上の手続上の事務を代理するということでございまして、地中から掘採いたしました鉱物を取得し、これを処分する権利を持っておるものでないことは事実でございます。この点につきまして、ただいま現地で森本某と請負業者との関係を調査中でございまして、判明次第鉱業法の規定に照らしまして処置をとりたいと考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 私の調べたところによると、河地島三郎という人がこの鉱山の名義人になっておる。それから経営者が森本仙太郎、それからさらに宮脇という人は鉱業代理人ということになっておる、この点が非常に僕はあいまいじゃないかとこう思うのですがね。この点いかがですか。名義人と経営者と鉱業代理人と、こういうふうに区別されているのだが……。

土屋正雄通商産業省鉱山局鉱政課長

○説明員(土屋正雄君) ただいま御指摘の名義人、経営者、鉱業代理人の関係でございますが、先ほど申した通り私の方でも調べておりますが、いわゆる名義人と申しますのは鉱業権者であろうと思いますが、鉱業法でいう鉱業権者——鉱業権者は法に照らしまして一定地区の鉱物を掘採する権利を持っておるというふうなことでございまして、これを請負に出して掘らせることもございますが、請負に出して掘らせる場合にも、あくまで地中から出てきました鉱物はいわゆる鉱業権者、ここでいう名義人の所有権でございまして、鉱業権者がこれを処分するというふうな建前になっております。その辺の私契約上の関係がいかようになっておりますか、ただいまわかりかねますが……。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 そういたしますると、労務管理の関係はどうなっておりますか。

土屋正雄通商産業省鉱山局鉱政課長

○説明員(土屋正雄君) 労務管理の方、実は私の方は法規の方をやっておるものですから、よくわかりかねますが、現地からの報告によりますと、資料が古うございますが、労務者は五十二名というふうになっておりまして、生産の状況も三十三年、三十四年、三十五年とほぼ同量を生産いたしておるような状況でございまして、ただいままでのところ、労務管理上特別の問題もなかったように聞いております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 ところがこういう事件が発生して責任の所在というものが不明になっておるのですね。というのは、森本鉱山の雇用関係が宮脇という人が、あなたが先ほど言われました、たとえば鉱業代理人ということになれば、この宮脇が責任があると思うのですけれども、これを宮脇に交渉しますと、おれは単なる下請なんだから、従業員の関係は森本対従業員だ、こういっているわけなんです。ところが今度森本にこの始末をどうするのだと、こういいますと、おれの方は宮脇に全部やらしているのだから、その問題は下請業者の方の宮脇に責任があるのた、こう言って、いずれも責任をとろうという結論が出てこないわけなんです。そうすると、一体この一切の責任というものはどっちにあるかということで、今従業員対会社ということで非常に行き詰まっておる、交渉の問題でそういう関係になっております。この点いかがですか。

土屋正雄通商産業省鉱山局鉱政課長

○説明員(土屋正雄君) 鉱物の掘採につきましては一切の責任は鉱業権者とただいまの法律上なっております。官脇某なる者あるいは森本某なる者が請負の形で掘りましても、あるいは鉱業代理人という資格で掘りましても、もろもろの事件が起きました場合には、第三者に対する責任者としては鉱業権者河地某ということになります。ただ御指摘の点につきましては、鉱業代理人なり、あるいは請負業者なりが地中から掘採いたしました鉱物を自分の所有権なりとしてこれを売るとか、そういうふうな形になりますと、また別の見地から鉱業法違反ということになるわけでございまして、鉱業権者以外は掘採してはならない、売ってはならないということになっておりますから、さようなことが発覚いたしますれば、鉱業法違反といたしまして別途これらの人々を告発する必要が生ずるのではないかと思っております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 そういたしますると、実際の責任はこの鉱業権者である名義人の河地という人が責任を負わなくちゃならぬと、こういうことになるわけですか。

土屋正雄通商産業省鉱山局鉱政課長

○説明員(土屋正雄君) そうです。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 そういたしますと、今従業員諸君が森本それから宮脇、これらの諸君と話をしておっても、この二人とも、おれには責任がないのだと言ってお互いに責任を回避しておる。そうすると結局全然関係していない鉱業権者、名目だけの鉱業権者ですね。これがこうした事故等の責任を負うということになると、これからの交渉相手というものは名義人である河地島三郎、これを相手にしてやらなければならぬと、こういう結果ですね。

土屋正雄通商産業省鉱山局鉱政課長

○説明員(土屋正雄君) ただいまの鉱業法の建前といたしますと、鉱業権者がみずから掘るという、いわゆる鉱業の自営主義と申しますか、そういう建前になっておりまして、これをみだりに人に貸したり、あるいはその権利をいわゆる譲ったりいたします場合には、それぞれの手続をふんでしなければならないと、かようになっておるわけでございまして、もちろん賃貸いたす場合もございます。これは別途租鉱権制度というものがございまして、その法に照らして、森本某なり、あるいは宮脇某に鉱業権者である河地某が手続を踏んだ後に掘採させなければならないことになっておるわけです。鉱業権者といたしましても、その点手続上問題もあろうかと思いますが、いずれにいたしましても、鉱業権者はみずから地上あるいは地下のものを掘るのだという建前でございますので、それにから見まして一切の責任を鉱業権者が持つ。しかし法で認められたような租鉱権につきましては、それぞれ租鉱権者も同様に責任を負う。かような建前になっております。これは一口に申しますと、いわゆる石炭産業等におきます斤先掘りの禁止をこの法によってただいまやっておるわけでございます。さような違法な掘採をいたしましたものについては、別途法はこれを罰するという建前で進んでおりますから、さよう御了承願いたいと思っております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 そういたしますると、これは先ほど私が申しましたように、実際その鉱業権者は手をつけてない、やっていない、こういう事実は明らかだと思うのです。この掘った粘土の値段の問題からいっても、これは全然この河地という人の手には金は入らないことになっておる。いわゆる宮脇が従業員に掘らして、さらに宮脇がこれを森本に売って、森本がこれを業者に直接販売をしておる。こういう関係になっておるわけなんですが、そうすると、これは明らかに、今あなたが言われました鉱業法違反、こういうことに私はなってくるのじゃないかと思うのだが、この点、そういたしますれば、やはり地元の通産局の方でも何らかとる処置があるのじゃないかと私は思うのですが、この点はいかがです。

土屋正雄通商産業省鉱山局鉱政課長

○説明員(土屋正雄君) 御指摘の通りでございまして、いろいろ現地といたしましても、ただいまこの解決について苦慮はいたしておるようでございますが、詳報をまだ私受け取っておりませんが、現在鉱業代理人であります森本某を中心といたしまして、鉱業権者であります河地某より鉱業権の譲渡をしてもらうか、あるいは租鉱権の設定によるか、法的にはっきりした内容のもとに今後とも掘採を続けていかれるように、通産局の方としてもただいま現地でいろいろ関係者と相談中でございまして、事件が一日も早く解決するようにわれわれ念願いたしております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 実際これは中央では現地のこまかいことはわからぬから、これはこれ以上お尋ねしても無理だと思います。  ただ私の要望としては、従来やはりこういう問題が起こるといけないからということで、従業員、それから業者——経営者、それから通産局でずっと話し合いを何回も今まで続けていっておるんですが、ところが一向にこの問題は解決点に到着しないわけです。そういう交渉の過程においてこういう今度の事件が勃発したわけです。非常に地元の従業員としても将来のいろいろな点で、他にもいろいろこういうのがあるから心配なんだから、この点をはっきりしたいというのが要望なので、この点はあなたの方から地元の通産局になお厳重に言って、こういう点の責任の所在というものを明らかにしておくべきだということを、こういうことを一つ厳重に言っていただきたい、かように要望しておきまして終わります。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 ちょっと関連して質問しまますが、よくわからなかったのですが、鉱業権者は租鉱権を設定しておらないから、その法違反の責任は鉱業権者にあるが、今度の事故の責任者は代理人にある、こういうことなんですか。

土屋正雄通商産業省鉱山局鉱政課長

○説明員(土屋正雄君) この場合租鉱権を設定いたしておりませんから、一般的な責任は鉱業権者にあるわけでございます。ただ、ただいま問題になっております、いわゆる鉱業代理人の森本某、あるいはその下請の宮脇某でございますか、こういうふうな方々がどのような態様で鉱物を掘採しておったか、これをあたかも自己の所有のようにし、他に売っておるか、さようになりますと、いわゆる単なる下請であれば鉱業権者の所有物でございますが、さようでない形で鉱物を掘採して処分しておるといたしますと、別の意味の鉱業法違反ということになるわけでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 先ほど言っておられたように、鉱業権者が直接掘らなければならないのだと、そうでない場合は租鉱権を設定して、そうしてその人にやらせるというのが建前であるけれども、租鉱権も設定しておらなかった、直接本人も掘っておらない。そうして一般いわゆる下請のような格好で粘土を掘っておったというようなことになると、今度の問題の起こった直接の責任は一体だれにあるかというようなことになってきますと、これはその観点からいくならば、鉱業権者の河地某ですか、その人が一番の責任者と僕は思うのだが、あなたの言葉を聞いておると、今度の下請をやっておる人の責任だというふうに言っておるようだが、そうすると認めた結果になりはしませんか。

土屋正雄通商産業省鉱山局鉱政課長

○説明員(土屋正雄君) 責任はただいまの場合、鉱業権者でございます。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 関連して伺いますが、今あなた、森本某というのは第三国人、それに正規に租鉱権を認めるようにして解決するとかなんとかおっしゃったように聞いたのですが、するとその点は、第三国人に鉱業権は認められないのでしょう。だからそういう解決法はできないのじゃないですか。

土屋正雄通商産業省鉱山局鉱政課長

○説明員(土屋正雄君) 鉱業権者は法律によりまして、日本国民または日本国法人でなければならない、かようになっております。ですから第三国人が個人といたしまして鉱業権を取得することはできません。ただ日本国法人といたしまして、日本国において設立されたものでありますれば、鉱業権を取得する権利、能力を有しておるものでございまして、現地の方では何かさような方法を考えておるとか、ただいまのところは聞いておりますが……。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 今雑談の中に出たように、非常に私は法を巧みにくぐって、二つも三つも法を犯しておると思うのです。これを一つ厳重に調査してもらいたい、こう思うのです。  それから八谷局長にこれは要望なんですが、先ほどの御答弁でもわかっておりますように、当然指定されておらない所であって、たばこものんでもいい、マッチもすってもいい、そういう火気類を持って入坑してもいいというところで、たまたまそれがガスに引火したというのが、何かその人の過失だということで非常に苦境に落ちておるようであるし、何かそういう人をいじめておるような印象を受けるわけです、そうするならば、何もそれは罪でないのであって、たまたまだれかするものであって、当然今日まですってきておったし、しかもそれが許されておるとするならば、それは過失ということにならないと私は思うのですよ。そういうことで、その責任者が何か現場の人に責任をすりかえよう、また弱い人はそういうことで非常に精神的な動揺があるでしょう。精神的な責任はあるでしょう。それに持ってきて、そういうことで押しつけられれば、非常な苦しさを増してくるし、また同僚間にも非常な問題が起こってくると思うのですから、これはその責任はないのだということをはっきり一つ示達してもらいたいと思うのですね。そうして責任の所在は、あくまでもそういう鉱業権者がからまっておる問題であって、直接現場でマッチをすった、すらぬというのは、これは今日まで許されておることであって、ガス検定器も何も持っておらぬ所だと思うのです。また、そういう設備もしておらぬと思うのですから、そういう点もはっきりした御指導をしていただきたいと思うのです。

八谷芳裕通商産業省鉱山保安局長

○委員長(八谷芳裕君) ただいまの御要望でございますが、一つは私も、現地の警察関係の状態を、よく連絡が参っておりませんので、詳細ここでお答えすることはできませんが、おそらくそちらの方の関係がそういうふうにでも進んでおるか——私どもの方の保安法上の関係、鉱山保安監督部の関係では、ただいままでの調査では、保安法上の責任はないと、こういうふうに考えて進めておるところでございます。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速記をやめて。   〔速記中止〕

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。   —————————————

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 御質疑の問題は一時中断いたしまして、派遣委員の報告に関する件を議題といたします。  先般、産業並びに電源開発等の事情調査のため、長野県、富山県に一班、和歌山県、大阪府に一班をそれぞれ派遣いたしましたので、これより各班の報告を聴取することといたします。  まず、第一班の報告をお願いいたします。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 まず、第一班について概要を申し上げます。  派遣委員は、古池理事、向井委員と私の三人で、去る七月十一日から五日間にわたって、ヤシカと三協精機製作所の諏訪工場、養命酒の岡谷工場、関西電力の大町骨材採取所と黒部川第四発電所建設現場、富山では、不二越鋼材、機械工業センター、富山新港、広貫堂などを視察いたして参りました。  諏訪地方はもともと製糸業を中心としたところでありましたが、戦時中の工場疎開で機械工業がこの地に始められ、戦後はこれら疎開工場の定着と、斜陽化した製糸工場の機械工場への転換等によって、機械金属工業、特に精密機械工業が著しく発展してきております。  今回視察いたしましたヤシカのカメラ、三協精機のオルゴール一工場は、その代表的な工場でありまして、どちらも輸出に重点を置き、輸出産業として外貨獲得に貢献していることは高く評価されてよいと思うのであります。  関西電力・黒部川第四発電所は、黒部峡谷の御前沢地点に東洋一の大容量のアーチ・ダムを作り、その下流約十キロメートルの地点に、最大出力三十五万八千キロワットの発電所として建設されているものであります。山岳地帯である黒部の秘境に大規模な発電所を設けることは、電源開発史上いまだその例を見ないところでありまして、三十一年に着工以来、その工事がいかに困難であったかは想像にかたくないのであります。この発電所の設備は全部地下式となっております。他の電源開発地点にも地下発電所の設けられているところもありますが、ここのように発電所の他に変電所と開閉所まで含めて全部地下に設けられておりますのは、わが国に初めてのことで、おそらく世界にも類例を見ない画期的なことであろうと思うのであります。ここに据え付けられる発電機三台のうち、すでに二号機までの据え付けを終わり、本年一月から十五万四千キロワットだけ営業運転を行なっておりました。  この黒部川第四発電所の完成の暁には、ダム調整がなされ、このため、特に冬期には豊富な水量となりますので、この増加流量を有効に利用するため、下流に総出力九万六千キロワットの新しい発電設備を建設する計画で、目下着工準備が進められております。このことは、一河川一会社による総合的電源開発の利益と効果を最も端的に表わしているものと思うのであります。  不二越鋼材は、鋼材から工具、軸受、機器類を一貫して生産し得る体制を整備しているところに特色があるとされております。わが国の産業構造が重化学工業化しているときだけに、この会社でもその体制に即応するため、設備近代化、合理化に意を用いて生産性の向上をはかっております。  富山県の中小企業団地化の構想は、去る三十三年から不二越協力工場会、富山県精密機械工業協同組合が推進母体となって進められていたのでありますが、県当局を初め、関係市町村の協力のもとに、昨年に至って富山市向新庄、八尾町、大沢野町の三カ所に機械工業センターとして設置が確定したのであります。  私たちが視察いたしましたのは、このうち富山市内に建設中の富山機械工業センターでありましたが、ここには不二越鋼材の下請関係三十九事業場が集団移転する予定であります。このセンターの計画の中には、もちろん共同事業が織り込まれており、共同施設を利用することにより、団地としての成果が期待できるのであります。  この団地化について、国の助成の対象となるには、二十以上の企業が集団化することが条件となっているが、地方では二十以上の企業を一カ所に集めることは困難であるから、基準を十五企業くらいに引き下げてほしいとの現地での要望がありました。  富山新港の計画は、まず富山湾に臨んでいる放生津潟に港湾を築造し、その背後地域に四百十万坪に及ぶ大臨海工業地帯を造成しようとするものでありまして、この地域に石油精製、石油化学、鉄鋼、火力発電所、その他の工場を誘致しようとする構想で、コンビナートの型をとろうとするものであります。  この新港の計画は、日本海沿岸における本格的な臨海工業地帯の造成を目ざしており、北陸地方の産業が今後飛躍的に発展するための重要なかぎとして、現地ではその実現を大いに期待しておりました。  以上で視察の報告を終わりますが、今回の視察にあたって種々御協力下さいました関係各会社、東京通産局、名古屋通産局及び公益事業富山支局、長野県、富山県の関係者の方々に対し、この席をかりまして厚く御礼申し上げる次第であります。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 次に、第二班の報告をお願いいたします。

中田吉雄日本社会党

○中田吉雄君 第二班について申し上げます。  第二班は、剱木委員長と私の二人で、十一日から十六日までの六日間にわたって電源開発株式会社の北山川建設現場であるクチスボダム、尾鷲第一発電所、坂本ダム、池原ダム予定地、七色ダム予定地、奥瀞ダム予定地及び東亜燃料和歌山工場、丸善石油下津製油所、最後に大阪で赤間委員、岸田委員、椿委員の現地参加を得まして、堺臨海工業地帯を視察して参りました。  まず、北山川電源開発から申し上げますと、北山川開発計画は、尾鷲分流計画と、北山川本流計画とからなっており、尾鷲分流計画は、北山川の支流の東の川を、坂本に高さ百三メートルのアーチ・ダムを作ってせきとめ、その水を三重県へ分流し、尾鷲第一で四万キロワット、尾鷲第二で二万五千キロワットを発電して海へ放流するもので、現在工事は順調に進んでおり、尾鷲第二は本年秋、尾鷲第一は明年一月から発電開始の予定でございました。  本流計画は、池原に高さ百十六メートルのアーチ・ダムを築き、池原発電所で十四万キロワット、七色地点で七万キロワット、奥瀞地点で七万キロワットの発電を行なうものであります。現在、池原地点は計画が決定しており、工事の準備を進めていましたが、七色、奥瀞の両地点はいまだ計画が決定していません。  私どもがこれら計画の各地点を視察して感じて参りました点を御紹介いたしますと、第一点は、七色、奥瀞の計画が電源開発審議会で決定していないのは、この両地点が国定公園に属しているため、自然公園審議会から、七色については、予定地点のやや下流にある七色の滝からダムが見えないようにするとともに、観光放流をするように、また奥瀞については、瀞八丁は水没しないのですが、予定地より上流にある北山峡の部分を水没させないよう相当上流部に移すように希望されており、いまだ公園審議会と電発との間に意見調整を見ていないからであります。私どもは、電源開発の経済性と国定公園の景観の保存との調整に十分配慮して、早期に解決する必要があると思われました。  第二点は、電源開発工事に伴って施設される道路等についてでありますが、ここでは電発の手で国道百六十九号線及び県道の改良並びに新設工事が随所に行なわれておりますが、これらの道路等は、工事終了後も一般に公共用施設として利用されるものであり、その上、最近水力地点の経済性が限界に近づきつつある今日、電源開発会社の特殊性にもかんがみまして、少なくとも国または地方公共団体の計画道路と重複しているような場合などは、相応の国庫補助なり、公共事業費の振りかえ等も考え得るのではないかと思われました。  次に、堺の臨海工業地帯について申し上げますと、大阪府の行なっている造成計画は、約三百七十万坪にも及ぶ大規模なもので、ここに鉄鋼、石油化学などの重化学工業と、その関連産業を誘致しようとするもので、すでに造成の済んだ区域には、おおむね二十社が来て、操業ないしは工場建設中であり、他にも希望会社が百十八社に及んでいるとのことでありまして、土地造成は順調に進んでおり、またこの地域に工場を建設している八幡製鉄は、大阪府から譲渡を受けた約三十万坪と、自分で造成する土地を合わせて約百五十万坪の用地を整備して、さしあたり二千五百トンの高炉二基、四十二年には三基を持つ銑鋼一貫作業工場を作る計画で、工場の一部は九月から十月ころには操業の予定で進めておりました。  私どもは、すでに操業を始めている工場や、これから操業を開始する工場が順次ふえていく見通しにもかかわらず、工業用水道、臨港線、道路、住宅等の関連施設の工事がいまだ着手されていない現状から、これら関連事業が、工場の本格的操業におくれないように実施できるよう一そうの努力を期待するものであります。  このほか、現地では、工業用水道事業費の国の補助率が、本年度から新規事業に対して引き下げられたことについて、地盤沈下とか、工業地帯の整備を急ぐ地区には、何らかの優遇措置を考えるべきであるとの意見も聞かれました。  以上、第二班の派遣報告を終わりますが、終わりにあたって、今回の視察に御協力下さいました関係各位に、この席をかりて厚くお礼申し上げる次第であります。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 別に御発言もなければ、本件はこの程度にとどめます。   —————————————

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 次に、中小企業金融問題について調査を行ないます。  御質疑のある方は順次御発言を願います。

川上為治自由民主党

○川上為治君 先ほど中田委員の質問に関連しまして、私も一言強く中小企業庁長官に要望しておきたいことがあるわけなんですが、私は中小企業金融というのは、おそらくこの下半期、特に秋ごろにおいては非常に深刻な問題になってくるのじゃないか、そういうふうに考えております。先ほども話がありましたように、金融の引き締めによる影響というのは、いろいろ日銀なり、あるいは大蔵当局なり、あるいは通産省なりが調整をいたしましても、実際その窓口のところでは、しわが寄ってくるのは中小企業関係に相当大きく寄ってきて、大企業に対しては、一応締めたとはいいながら、現実の問題としてはそれほどでなかったというような結果になりはしないだろうかということを非常におそれているわけであります。先ほど通産大臣の意見として、具体的な計画はまだできていないけれども、今までの三公庫の計画を繰り上げて一つ出そうというようなお話もありましたが、これは早期に一つそういう計画を実施していただきたい、こういうことをお願い申し上げると同時に、あのとき話が全然なかったのですが、中小企業信用保険公庫ですね、これを通して保証協会に出す金、これは本年度は二十億足らずの政府の財政支出になっておるのですが、それくらいの金は何も十月以降に出すというようなことじゃなくて、もっと早く出してしまった方が、はるかにそれは効果的じゃないか、こう私どもは考えるわけなんです。二十億足らずのものを全国五十幾つかの保証協会に振り分けてみても、一件当たりきわめてわずかな金、大したことはないのですが、ところが効果については、その十倍の融資ができるわけなんですから、そうしますというと相当大きな力を持っておるというふうに考えられますので、大蔵省といろいろ相談をしておると思うのですが、こういうものこそ一つ早く大蔵省が保険公庫に出資して、そうしてその金を各保証協会に出すことを実行してもらいたいということを、特にこの際お願い申し上げておきたいと思うのです。  いろいろ中小企業金融の問題は、方法はあろうと思うのですが、なかなか一般の金融機関、一般の銀行等に対する規制というのは、簡単にはいかないと思うのです。ですからどうしても政府関係の金融機関なりあるいは保険公庫なり、こういうようなものに国が相当その金を出し、同時にまた、今まで出すべきものは、これは早急に出しておくということが、一番大事な問題じゃないか、そういうふうに考えますので、この点大蔵省に対して、通産省としては強く要求して、一日も早くこの問題を実行し、同時に非常に危険な状態に中小企業金融がならぬように、特にお願いをしておきたいと思います。

大堀弘中小企業庁長官

○説明員(大堀弘君) 先ほど大臣からお答え申し上げました点が基本的な線でございますが、ただいま川上先生からの御注意がございまして、公庫に対する資金投入の問題、特に保険公庫について下半期に出すことになっているものをこの際繰り上げたらどうかというような御注意でございまして、私ども全く同感でございます。この点につきましては、御趣旨の線に沿ってできるだけ努力いたしたいと考えております。

中田吉雄日本社会党

○中田吉雄君 大蔵省と日銀で、十七業種、百五十社について、一体ことしはどれだけの設備投資をするだろうか、前年対比はどれだけふえるかということから計算をして、前年対比で大体四九%の設備投資の増で、大体三兆八、九千億、こういう報告が出ておるのですが、この十七業種、百五十社というものには、いわゆる中小企業も入って、大体これは代表的なものをピック・アップして、この調査なら日本の全体の投融資を把握できるということになっているのですか、これはどうなんでしょう。

大堀弘中小企業庁長官

○説明員(大堀弘君) 私どもは直接の所管でございませんので、全体の数字について、ただいまの数字は、日銀の方のお調べの数字でございましたでしょうか。

中田吉雄日本社会党

○中田吉雄君 日銀と大蔵省で共同でやっているのですが、それは全産業になっているか、十七業種、百五十社について調査して、それから全体の投融資を類推しているのです。

大堀弘中小企業庁長官

○説明員(大堀弘君) 十七業種、百五十社につきましては、これは個別の調査でございましょうが、それからあと、その他のものは類推して計算を出しておるわけでございますが、私も実は一応どの資料によっておりますか、拝見しませんとはっきり御報告申し上げられません。

中田吉雄日本社会党

○中田吉雄君 長官もなられてから間もないと思うのですが、一体、三十六年度は日本の設備投資が幾らで、そのうち中小企業分が幾らでというくらいな把握をされないと、一割規制がどう影響するかということは十分つかめぬと思うのですが、一体一割をしゃくし定木にかりに中小企業にも適用すれば、企業庁でやっておられる分類からして、中小企業分は幾らか、かりに設備投資の一割を規制するということをやれば、中小企業分はなんぼぐらいですか、幾らですか。

大堀弘中小企業庁長官

○説明員(大堀弘君) 私は実は経済企画庁のときに自分でやっておったことでございますが、全体の投資計画三兆八千億というのは、全部民間の設備投資の総額でございますが、その中で実態把握ができておりますのは、やはり通産省の産業合理化審議会あたりで把握しておりますもの、運輸省の船舶関係等はかなり大企業が中心でございますから、個別に積み上げてつかまえておりますが、それ以外はおおむね従来の実績及び動向から類推して、及び機械受注なり、その他の統計から類推して出しております。大企業と中小企業というふうに、その分を分類した数字が出てないように思いますけれども、私なお不勉強ですから、よくその点は今後十分調査をいたしたいと思っております。

中田吉雄日本社会党

○中田吉雄君 まあ三兆六千億にしようというのですが、実際中小企業関係の政府関係機関、名前を言いませんが、理事の人ですが、三千億ぐらい実際しわ寄せちゃうのじゃないか——私は四兆円以上の投資だと見ておるのです。設備投資は。政府の今度修正しようとする計画等から見て、実際寄るのは三千億ぐらいです、まあ結局中小企業に寄っちゃうのは。たとえば私鳥取県ですが日本パルプ、興和紡、中国電力以外にはほとんど大企業がないのです。いわゆる中小企業のカテゴリーに属するものばかりですが、地銀の六十幾つかの中で三十番目ぐらいの、割合中堅どころの銀行ですが、かなり意を受けて設備投資を規制しているのですよ。そういう点から見ても、私はかなり寄るのじゃないかというふうに心配しておるのですがね。それから地方銀行の銀行協会なんかで公定歩合一厘引き上げになっておるのです。中小企業向けの金利は据え置きでやろうじゃないかというようなけっこうな話もあるのです。どうせ私は上げちゃうと思うのですが、これは見通しはどうなのですか。貸付コストからいえば高いわけですね、小口でもあるし、実際私は上げちゃうと思うのですが、その点はどうでしょう。

大堀弘中小企業庁長官

○説明員(大堀弘君) 中小企業専門の金融機関、相互銀行その他は中小企業中心にやっておりますから量の面でも圧迫を受けるといいますか大企業の方へ金を吸い上げられて、中小企業の方の量をしぼっていくというような形は出てこないというか、地方銀行もある程度中小企業に重点が置かれておる。都市銀行あたりがとかく大企業の方へ金を引きずられていくという傾向がありはしないか、これはまあ三十二年のときの実績等を分析してみまして、そういったカーブが多少出ておりますが、その点あたりはわれわれとして注意していかなければならないことであると考えております。しかし今回は特に大蔵省、日銀あるいは全銀協等に対してわれわれも要請をいたしておりますが、その当事者も、できるだけ中小企業にしわを寄せないようにという申し合わせをいたしておりますので、われわれとしてはその努力に期待をし、また今後の動きを十分監視していきたいと考えております。  金利の点につきましても、中小企業のものについては、できるだけ上げないでいくようにしようという方向で話し合いが行なわれておりますが、これは法的に統制する方法はございません。個別にあるいはそういう先生の御指摘のようなことがあり得るかもしらぬと思いますけれども、中小企業向けの金利そのものが本来は多少高くなっておりますから、今度一厘上げたからといって直ちにそちらを一厘上げていくというようなことのないものとわれわれは期待して、できるだけその線でいってもらえるものと思っております。あるいは多少そういう事態が出ないとは言えないかと思いますが、できるだけその線に沿ってやっていただきたい、もらうようにわれわれとしても要請をして参りたいと思います。

中田吉雄日本社会党

○中田吉雄君 この先にも、三十二年のことを言われましたが、まあいろいろ将来のことは、これはやってみなければわからないのですが、一番参考になるのは三十二年だと思うのですが、結局前年対比でほとんど三十二年は大企業に対しては倍です。あのときは二厘引き上げですかやって、結局中小企業向けだけが減って、そういう結果に——掛け声になってしまうおそれが私はあるんじゃないか。これは私は中小企業庁の調べだと思うのですが、三十二年は、大企業向けは前年対比で倍くらいだったが、中小企業は逆に減ってしまったという苦い経験があるので、特に中小企業が持つ、非常な重要性からしてです、そういうことにならぬように、よほどやってもらわなければいかぬと思うのですが、三十二年の調査はやってみられることは、私は非常に参考になると思うのですが、その点はどうですか。

大堀弘中小企業庁長官

○説明員(大堀弘君) 一応私も三十二年当時のことは参考になりますので、ぜひ調べておけということで、多少現在でも調査はできておりますが、やはり数字から見ますると、大企業向けの貸し出しは三十二年度各期とも減っておりません。ふえております。それに対して中小企業向けの貸し出しがマイナスになっております。そういった結果、やはり先生が御指摘のように、なかなか設備投資やりかけますと、どこまでもやってしまおうという動きがございます。途中でとめると、かえって金利負担がふえるからということで、何とか金を集めてやるという動きになりますので、まあそのしわが中小企業に寄ってくるおそれはあるだろうと思います。それに対して、われわれとしては、前回の結果にならないように、できるだけ最大限度の努力をして参りたい、かように考えております。

中田吉雄日本社会党

○中田吉雄君 もう時間がありません。最後に、そういう設備投資の一割規制、公定歩合の一厘引き上げのしわが寄らぬように強力な手を、主として金融だと思うのですけれども、その手を打っていただくと同時に、この最近の高成長政策は、中小企業にかなりの構造の変革を来たしつつあると思うのですが、国民経済にどういう位置づけをしていくかというような問題も非常になんですが、まあむしろ中小の小がなくなって、中企業にだんだんやっていくとか、いろいろあると思うのですが、それとからんで、通常国会にでも中小企業の基本法でも準備されるような作業をやっているのですか、その点はどうですか。私の党ではなかなか準備しておるのですが、その点はどうなんですか。

大堀弘中小企業庁長官

○説明員(大堀弘君) 私は、また中小企業庁長官を拝命して間もないことでございますので、この際やはり中小企業の基本的問題に取り組んで、根本的な対策というものを練っていかなきゃならぬというふうに考えておるわけでございます。基本法といった形、その他取扱いにつきましては、なお十分検討いたしまして、上司の御了解を得て事柄を進めていきたい。現在まだ検討中でございますので、御了承いただきたいと思います。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 他に御質疑がなければ、本件の調査はこの程度にとどめます。  本日は、これにて散会いたします。    午後三時三十二分散会

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