商工委員会 第2号
- 発言数
- 39 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/02/09
会議録
○委員長(剱木亨弘君) これより商工委員会を開会いたします。 最初に、委員の異動について報告いたします。 昨年十二月二十六日、栗山良夫君及び阿部竹松君が委員を辞任され、その補欠として中田吉雄君及び岡三郎君が委員に選任されました。 —————————————
○委員長(剱木亨弘君) 次に、理事会において申し合わせました事項について報告いたします。 まず、本委員会の定例開会日についてでありますが、当分の間、火曜日及び木曜日の二日とし、議案審議の都合その他情勢に応じ、適宜増加することといたします。 次に、本日の委員会の議事についてでありますが、本日は、理事補欠互選の後、昭和三十六年度の通商産業省、経済企画庁、科学技術庁の施策及び予算、並びに公正取引委員会の業務概況について各大臣及び政府委員から説明を聴取いたします。 以上、御了承を願います。 —————————————
○委員長(剱木亨弘君) それでは、まず理事補欠互選の件を議題といたします。 先刻報告いたしました通り、栗山良夫君が委員を辞任されましたため、理事に欠員を生じましたので、その補欠を互選いたしたいと存じますが、先例により成規の手続を省略し、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(剱木亨弘君) 御異議ないものと認めます。それでは理事に吉田法晴君を指名いたします。 —————————————
○委員長(剱木亨弘君) 次に、経済の自立と発展に関する調査を議題といたします。 議事の都合により最初に経済企画庁の施策について所信を聴取することといたします。
○国務大臣(迫水久常君) 私は経済企画庁長官として、今国会においても、引き続き皆様方のお世話になることになりました。私としては、経済企画庁は、長期経済企画の策定及び推進、経済運営の基本方針及び毎年度の経済見通しの策定、その他経済に関する基本的総合的な政策の調整あるいは内外経済動向の調査分析等経済に関する総合企画官庁としてきわめて重要な任務を帯びておりますので、誠心誠意ことに当たり、その責務を全うしたいと思っておりますが、皆様方におかれましても、何とぞよろしく御指導御協力下さるようお願い申し上げる次第であります。 つきましては、この機会に経済企画庁の所掌事務について若干私の考えておりますところを申し述べさせていただき、皆様方の御理解に資したいと思います。 まず、わが国経済の今後の見通しでありますが、わが国経済がここ数年来まことに目ざましい成長を遂げつつあることは御承知の通りでありまして、政府といたしましては、昭和三十六年度においてもこの趨勢は続き、安定した基調の上に経済は依然として順調な拡大を続け、実質九・三%の成長は可能であると考えているのであります。 従って、経済企画庁としては、このような見通しに立ち、これを実現するための総合官庁としての役目を十分に果したいと考えているのでありますが、以下、その主要なものについて申し述べたいと思います。 その第一は、国民生活の充実、向上であります。政府はさきに、経済審議会の答申に基づき、国民所得倍増計画を決定いたしましたが、その目的とするところも、究極的には、国民生活の充実、向上ということにあるのであります。現在の状況を見まして、これがためまず考えねばならぬことは、率直に申しまして、物価の安定ということであろうと思います。この点については、先日の経済演説においても申し上げたところでありますので、詳しくは申し上げませんが、私としては、何としても、値上げムードとも称すべき安易な物価値上げの風潮からくる便乗的値上げは、これを抑制しなければならぬと考えているのであります。経済企画庁としましては、昨年から消費者物価対策連絡協議会を設置し、物価の安定に努めているのでありますが、今後ともこれを一そう活用し、関係各省との緊密な連絡協調のもとに、独禁法をはじめとする現行の制度及び各省の行政指導能力をフルに活用することに努め、遺憾なきを期して参りたいと考えているのであります。 それと同時に、国民生活の充実向上をはかるためには、現在の国民の消費生活内容のアンバランスと生活環境施設整備の必要性等にかんがみ、消費者の側に立った総合的な行政を展開する必要もきわめて大きいのであります。このため、経済企画庁としては、今回新たに国民生活向上対策審議会を設置し、国民生活向上のための重要政策を調査審議し、消費者の立場よりする行政を総合的に推進しようとしているのであります。 第二は、わが国経済に内在する三重構造の解消、特に地域間の所得格差の是正であります。この点については、全国的な観点に立って、総合的に施策を推進する必要がありますので、経済企画庁としては、特定地域の開発、離島振興、低開発地域の開発を引き続き促進するとともに、全国総合開発計画をできるだけ早く策定したいと考え、現在国土総合開発審議会の全国開発部会において検討中であります。さらに、この全国総合開発計画を今後ますます完全なものとするとともに、この計画の実施を促進するためには、地域経済開発に関する基本理念を産業立地及び地域的格差是正等あらゆる見地から検討して明らかにするとともに、これが実施に関する有効な方策を研究し確立する必要があるのであります。このため、経済企画庁としては、特に地域経済問題調査会を設置し、これらの問題に関する重要事項を調査審議することにしているのであります。 また、低開発地域の開発を促進するためには、地方団体に対する補助率の引上げ、低開発地域に工場を設けようとする企業に対する税制上の特例等の優遇措置も必要でありますので、これが具体化をはかりたいと考えているのであります。 なお、地域経済開発にあたって一つの重要な問題となる水の確保については、水資源の総合的な開発とこれが有効な利用に資するため、水資源開発基本計画等を策定するのに必要な措置を検討いたしているのであります。 第三は、輸出の振興と海外経済協力の促進であります。最近の海外経済の動向を見ますと、各国の輸出競争は今後ますます激化するものと予想されますと同時に、世界経済交流を促進するための貿易為替の自由化の趨勢も一段と強まるものと思われます。また米国のいわゆるドル防衛措置の影響もありますので、輸出振興には今後一そうの努力を払う必要があり、このためには、あらゆる面から対策の強化をはかる必要がありますが、将来の貿易の伸長にとって特に重要な問題は海外経済協力の促進であると思います。これがため、先般の国会において海外経済協力基金法の制定をみたのでありますが、経済企画庁としては、この基金を増額し、今後これを積極的に活用して参りたいと考えているのであります。 第四は、人間能力の向上についてであります。経済の安定的成長を維持しつつ、国民所得倍増計画の目標を実現するためには、科学技術の振興、産業構造の高度化が要請されるのでありますが、このためには、人間能力の向上が重要な問題となるのであります。特に、今後のわが国経済の成長過程においては、産業間、地域間の労働力の円滑な移動が要請される事情を考えますと、その必要性が強いのであります。このような事情にかんがみ、経済企画庁といたしましては、今後特に経済成長のための人間能力の開発育成のための長期の方針を検討し、今後における経済成長の円滑な達成に資したいと考えているのであります。 わが国経済が政府の企図しておりますような高度の成長を達成するためには、国民全体の創意と努力に負うところが大きいのでありますが、政府の使命もまた極めて重大であることを痛感している次第であります。つきましては、今後とも一そうの御協力をお願いする次第であります。
○委員長(剱木亨弘君) 次に、通商産業省の施策について所信を聴取いたします。
○国務大臣(椎名悦三郎君) ここに第三十八回国会の休会一明けにあたり、通商産業政策の重点について御説明申し上げたいと存じます。 本年度のわが国経済は、前年度に引き続き、きわめて安定した拡大基調をたどり、消費の堅調な上昇、設備投資の増加、輸出の順調な伸びに支えられ、年度間の経済成長率は実質で一一%に及ぶものと見込まれ、鉱工業生産も前年度に比二二・六%の上昇を見るものと思われるのであります。しかもこの間、国際収支は順調に推移いたしておりまして、年度間の国際収支は、経常収支のみでも一億二千万ドル程度の黒字が見込まれ、資本取引をも含めた総合収支では六億ドル程度の黒字となり、年度末の外貨保有高は二十億ドルに達するものと見込まれております。他方物価につきましても、一部食料品及びサービス料金について若干の値上がりをみたのでありますが、卸売物価はほぼ横ばいとなっており、全体として安定した状況のうちに推移いたしております。 昭和三十六年度の経済につきましても引き続き順調な発展を続けるものとみられ、さきに閣議決定をいたしました経済計画におきましては、国民総生産は実質で約九%増加し、鉱工業生産は約十五%上昇するものと見込み、また国際収支に関しては輸出の増加を九%と見込んで経常収支はほぼ均衡し、資本収支の黒字により、全般として黒字基調には変化がないものといたしておるのでありますが、かかる計画の達成は、日本経済のたくましい成長からいたしまして、十分可能であるものと存じます。 このようにわが国の経済は、ここ数年まことにめざましい発展を遂げているのでありますが、その水準は欧米の光進諸国と比較いたしますと、いまだはるかに及ばないのでありまして、この際さらに一段と国民経済の高度成長を実現することが必要であることは言をまちません。先般政府におきまして、国民所得倍増計画を決定し、今後十年間国民総生産を倍増せしめることを目標として所要の施策を強力に推進することといたしましたのも、この趣旨にほかなりません。 かかる所得倍増を先導するものは、申し上げるまでもなく、重化学工業を中心とする鉱工業部門であります。所得倍増計画におきましても、鉱工業生産は、目標年次である昭和四十五年度には、基準年次である昭和三十一年度から三十三年度の平均の四・三倍(本年度推定の二・六倍)に達するものと計画し、特に機械工業については七・七倍(本年度推定の三・三倍)の成長を期待いたしておるのであります。また、同計画におきましては、経済成長に伴って拡大する輸入需要をまかなうため、目標年次においてはわが国の輸出を本年度の二・二倍に当たる九十三億ドルの規模に拡大することを計画し、特にその伸長の中心を重化学工業品中心の方向に向かいつつある世界の貿易市場の大勢に即応して機械類の輸出の伸長に求め、この部門により本年度の三・五倍に相当する三十九億ドルの外貸を獲得することを期待いたしております。 このように、所得倍増計画達成の鍵は、機械工業等の重化学工業を中心とする鉱工業部門の生産上昇と輸出の伸長にあると申すことができるのでございますが、これら部門の成長発展と貿易の振興をはかることを任務とする通商産業省といたしましては、倍増計画達成のため、十分の力をいたす所存でございます。 わが国経済が現在当面いたしております貿易自由化の推進の問題も、わが国経済の高度成長を実現するための重要なステップであると存じます。貿易自由化は、世界の自由経済体制の進展に即応して、わが国の貿易を今後一そう拡大するために不可欠な前提であるとともに、企業の合理化意欲を刺激してその体質改善を促し、今後の経済発展の基礎固めをなすものであります。 政府といたしましては、かかる見地に立ちまして、貿易自由化の円滑な推進をはかるべく、昨年六月貿易為替自由化計画大綱を決定いたし、着々自由化品目の追加などの措置を進めておる次第でございますが、今後とも自由化計画大綱の線に沿い、内外の諸情勢の推移に十分考慮を払いながら、自由化に伴って生ずべき諸問題に対処するため、わが国産業の国際競争力充実のための施策を講ずるほか、関税率及び関税制度の改正を行なうとともに、輸出入取引法の改正により後進諸国との輸出入調整と過当競争防止のための措置を講ずるなど、万全の対策の確立と相待って、手順よく自由化の推進をはかって参りたいと存じます。 なお、最近物価問題について若干議論があるようでありますが、これについては、私は次のように考えております。卸売物価は、昨年来ほぼ安定しており、特に基礎物資については、今後も技術革新、合理化の進展による生産性の向上により、十分吸収し得るので、大体弱含み横ばいで推移するものと思われます。 消費者物価につきましては、経済の発展に伴い労務費等の上昇は避けがたいので、サービス料金等人件費のウエートの高い分野において、ある程度の値上がりをみることは、やむを得ぬことと存じております。また、公共料金のように従来相当長く据え置かれたため、一般の物価水準より低位にあるものについては、ある程度手直しをすることが必要かと考えております。もちろん通商産業省といたしましては、今後とも企業の合理化を援助促進することにより、価格の引き下げを期待するとともに、便乗的な値上げは極力抑制に努め、消費者の福祉の確保をはかる所存でございます。 本年は、所得倍増計画推進の第一年度でありますとともに、貿易自由化を本格的に推進する年でもあります。通商産業省といたしましては、貿易自由化を円滑に推進しつつ、経済の高度成長を実現するという日本経済の当面の課題達成に施策の重点を置き、所要の対策を強力に推進して参る所存であります。 今国会において御審議いただく明三十六年度の予算案の編成にあたりましても、ただいま申し上げた観点から、中小企業振興対策の強化充実、貿易の振興と経済協力の推進、産業構造の高度化及び産業基盤の強化、鉱工業技術の振興、石炭対策の推進に重点を置き、必要な予算の計上を行ないました。この結果、通商産業省の一般会計予算につきましては、本年度の約百七十九億円に対しまして、約五十五億円、比率にいたしまして三割強増の約二百三十四億円を計上いたしますとともに、通商産業省関係の財政投融資計画につきましても、総額一千九百四十四億円を計画し、本年度当初計画に比べまして、三百三十二億円、三割の増額を行ないました。 また予算案の決定とあわせて決定いたしました明年度の税制改正大綱におきましても、中小企業の租税負担の軽減と、わが国産業の体質改善の観点から、耐用年数の短縮等を中心として産業関係租税について、大幅な減税を実施することといたしました。 これらの措置によりまして、今後通商産業施策の一そう積極的な推進を期することができるものと考えておる次第でございますが、以下重点項目ごとに施策の概要について御説明申し上げます。 施策の重点の第一は、中小企業の振興であります。 所得格差の是正は、経済成長と並んで経済政策の基本的な目標であります。わが国の中小企業は、生産、輸出、雇用等の諸般の面においてきわめて重要な地位を占めておるのでありますが、大企業に比して生産性や賃金等その水準が著しく低いのが現状であります。 このため、これが近代化合理化を一そう強力に推進し、貿易自由化の進展に伴って激化する国際競争に打ち勝つ実力を培養いたすとともに、進んでわが国経済の高度成長の過程において、中小企業の地位を向上せしめ、大企業との間の格差是正をはかることが必要であり、この際中小企業振興のための施策については、従来に倍する規模をもって強力に推進いたしたいと存じます。 かかる見地から、明年度の一般会計予算におきましては、中小企業対策費を約四十四億円計上し、本年度予算に比べて約二十億円の増、比率にいたしまして約八割増という画期的な増額をはかりました。この中心をなしますものは、設備近代化補助等の中小企業近代化促進費でございまして、本年度の二倍以上に当たる約三十億円を計上いたしますとともに、その運用につきましても、中小企業団地の造成のための対策を講ずるなどの新たな施策を打ち出すことといたしました。この構想は、中小企業の中には立地的な制約からその発展と合理化が阻害されている面もありますので、集団的に新しい工場適地に移転するものに対して積極的にこれを助成せんとするものでありまして、中小企業の生産性の向上と体質の改善に寄与するところ大なるものがあると期待いたしております。このほか、本年度より実施いたしております商工会等を通ずる小規模商工業者のための経営改善普及事業に対する助成のための小規模事業対策費につきましても、本年度の二倍をこえる八億二千万円を計上し、その充実をはかることといたしました。 一方、財政投融資計画におきましても、中小企業金融の円滑化を期するため、中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工組合中央金庫に対する財政融資を本年度当初計画に比し二百五億円増に当たる八百四十億円を計上いたしました。御承知の通り、三金融機関の金利引き下げは本年年初来実施されておりまして、これと相待って低利資金の潤沢な供給が可能となるものと存じます。中小企業金融に関しましては、このほか、零細企業金融に重要な役割を果たしております信用保証協会に対する融資基金として、中小企業信用保険公庫に対し、政府出資二十億円を行なうことといたしております。 中小企業振興のための施策といたしましては、このほか、税制面からも専従者控除の拡充、同族会社の留保所得課税の軽減、特別償却制度の拡充等平年度百二十億円をこえる減税措置を講ずることといたしておりまして、これら各般の施策を通じて中小企業振興のための施策は著しく強化されたものと存じておる次第でございます。 重点の第二は、輸出の振興と経済協力の推進であります。 御承知の通り、わが国の国際収支はここ数年順調に黒字基調をたどっておりますが、経済の高度成長を実現するためには、先ほども御説明申し上げました通り、さらに大幅な輸出の伸張を実現することが不可欠の前提であり、今後とも輸出振興のための努力を傾注する必要があることは申すまでもありません。特に、世界各国の貿易競争はますます激化する大勢にあり、加えて昨年未発表された米国のドル防衛措置により、わが国としては直接特需収入及びICA資金による輸出の減少の影響を受けるとともに、米国の輸出努力の強化に伴ってわが国の輸出との競合が激しくなることは避けられない状況にあるのでありまして、この際かかる新情勢に対処いたしまして、輸出の振興、経済協力の推進のための施策を一そう拡充強化する必要があるのであります。 このため、明年度の一般会計予算におきましては、貿易振興及び経済協力費を三十一億円計上し、貿易振興のため、日本貿易振興会の事業活動に対する助成を拡大する等の措置を講じますとともに、見本市専用船の建造に対して別途の助成措置をとる方針を決定する等、一段とその施策を充実することといたしました。また経済協力施策に関しましては、低開発国に対する経済協力の強化についての要請がきわめて強い状況にかんがみ、海外経済協力基金に対して五十億円の出資の増額をはかるほか、今回新たな予算上の措置として、低開発国の一次製品の買付促進のための現地調査、品質改善の施設の設置等の助成を行なうとともに、これら諸国における中小企業の設立に対する技術の援助を行なうため、日本ブラント協会の行なう中小企業の設立、運営に関する技術供与の事業を補助する等経済協力施策に万全を期しつつある次第でございます。 さらに、財政投融資計画におきましても、日本輸出入銀行に対して出資百二十億円、融資四百五十億円を投入することとして、その貸付規模を九百七十億円に拡大し、ブラント輸出の促進と経済協力の推進に遺憾なきを期することといたしました。 重点の第三は産業構造の高度化であります。 わが国経済の高度成長を達成するためには、企業の体質を改善し、激化する国際競争に打ち勝ち得るよう産業の国際競争力を強化、培養することが必要でありますが、特に、世界の貿易構造が重化学工業品を中心とする体制に移りつつある情勢にかんがみ、機械工業を中心とする重化学工業を急速に育成して、わが国の産業構造をこの方向に誘導することが必要であります。しかしながら、将来その大きな成長を期待される機械工業等の部門は、概していまだ国際競争力に乏しいのが現状でありまして、この際、これらの産業について、多種少量生産の体制を打破するとともに、老朽設備を急速に更新して国際競争力の強化培養をはかり、これらの産業の成長発展を中核として産業構造の高度化を推進することはまさに急務と申さなければなりません。 このため、今国会において、本年六月で期限切れとなる機械工業振興臨時措置法につき、その延長と拡充強化を行なうとともに、さらにその財政的裏づけとなります特定機械向けの財政資金につきまして、日本開発銀行の貸付ワクを本年度の二十五億円から七十億円に大幅な増加を行なうほか、新たに中小企業金融公庫に三十億円程度の融資を期待し、合計百億円の財政資金を確保することといたしました。このほか、米国輸出入銀行よりの借款が明年度において五十億円余供与されることが期待されますので、約百五十億円の資金が特定機械を中心とする機械工業の合理化、近代化に投入されることとなり、その国際競争力の充実に資するところ大なるものがあると確信いたしております。 またこれと相待って明年度予算におきましては、新たに二億円を出資して機械類賦払信用保険制度を創設し、機械工業の需要拡大による量産体制の確立と中小企業の設備の近代化に資する所存であります。 重点の第四は、産業基盤の強化であります。 わが国経済の高度成長を実現するためには、産業の発展し得るための条件を整備し充実することが必要であることは申すまでもありません。このため、政府におきましては産業基盤の強化充実をはかるため、道路、港湾、工業用水等の産業関連施設に対する公共投資を積極的に行なう方針をとった次第でございますが、通商産業省関係の予算及び財政投融資計画におきましても、かかる見地から、経済規模の拡大に伴って大幅な需要増加が見込まれる工業用水及び電力の確保に重点をおき、工業用水道事業費を本年度の十三億円から二十五億円と約倍額に増額することといたしましたほか、電源開発株式会社向け財政融資四百十億円、九電力等向けの日本開発銀行貸付ワク二百五億円を計上いたしました。 産業基盤の強化にあたって重視すべきことは、低開発地域の開発を促進して地域格差の是正をはかることであります。御承知の通り、わが国における地域間の格差は著しいものがあり、企業間の格差とともに、経済成長実現の過程において、これが是正をはからなければなりません。政府といたしましては、これがため、財政投融資計画におきまして、北海道東北開発公庫に対する財政投融資を百四十億円とし、その貸付規模を本年度に比して三十億円増の百九十億円といたしますとともに、日本開発銀行の低開発地域振興のための貸付ワクを本年度の七十億円から百七十億円に増額いたすほか、税制面でも特別優遇策を講ずることとし、さらに必要に応じ低開発地域の開発の促進のための立法措置を講ずるなど、各般の施策を進める方針であります。 これとともに産業基盤の整備強化を背景として経済の画期的発展を期するためには、各地域の立地条件に即して産業の適正な配置をはかることが必要であります。通商産業省といたしましてはかかる見地に立って長期にわたる工業立地の目標を策定するとともに、工業立地の誘導を一そう積極化するよう立法措置を検討中でございます。 重点の第五は鉱工業技術の振興であります。 わが国産業の国際競争力を強化するためには、先進諸国に比して著しく立ちおくれている鉱工業技術の水準を飛躍的に上昇させる必要があることは申すまでもありません。特に今日世界的な技術革新の趨勢の中にあって、先進諸国の技術の進歩は目ざましいものがあるのでありまして、民間の研究投資を積極化することと並んで、政府のこの面に対する施策も強力に推進しなければならないのであります。 このため、通商産業省といたしましては、明年度予算におきまして、総額五十八億円の鉱工業技術振興費を計上し、本年度に比し十億円の増額をいたしました。これによりまして国立試験研究所の重要研究等を強化充実するとともに、民間の鉱工業技術研究の助成の拡充、工業標準化事業の促進、特許の審査審判の促進等従来の施策を強化いたす所存でございますが、特に民間の鉱工業技術研究の促進につきましては今回新たに共同体制による技術開発を積極的に推進するため、予算上の助成措置を講ずるほか、税制面の優遇措置を講ずることとし、所要の法律案を準備しておる次第でございます。 最後に、石炭対策でありますが、石炭鉱業につきましては、エネルギー消費構造の変革に伴う不況の現状を急速に打開する必要がありますので、総合的なエネルギー対策の一環として、その合理化を強力に推進いたしますとともに、鉱害復旧対策の推進、産炭地域の振興等各般の施策の円滑な実施に努めることとし、明年度予算におきましては、三十三億円の石炭対策費を計上いたしました。 この中心となりますものは、炭鉱の合理化を促進するための石炭鉱業合理化事業団への出資金約二十二億円でございますが、このほか今回新たに炭鉱整備に必要な長期運転資金の借り入れ保証に必要な基金として三億円の出資を行なうことといたしますとともに、産炭地域振興のための特別の施策を講ずることといたしました。石炭不況による産炭地周辺の疲弊を救うためには、これを多角的な鉱工業地帯として発展せしめることが必要であり、今後工業用地、工業用水の開発、工場誘致などの施策を進めるとともに、汚水処理、ボタ山の管理、利用等産業公害の処理にも資する事業を興して参る所存でございますが、さしあたり明年度はその第一歩として筑豊を初めとする全国産炭地域を総合的に調査するとともに、とくに緊急を要する事業については具体的な事業調査を行なうことといたしました。 以上によりまして、今後における通商産業政策の重点事項に関しまして、基本的考え方と具体的施策の概要を申し述べたのでありますが、私といたしましては、これらの方策を中心にわが国の経済発展のため全力を傾注する覚悟でございますので、今後とも一そうの御協力をお願いいたす次第でございます。
○委員長(剱木亨弘君) 次に、科学技術庁の施策について所信を聴取いたします。
○国務大臣(池田正之輔君) 最近における科学技術の進歩発達はまことに目ざましく、政治、経済、文化等各般の分野に大きな影響を与えており、およそ近代国家及び民族の繁栄の基本でありバロメーターであると称しても過言でありません。このような技術革新の趨勢のもとでわが国経済の高度成長の維持と国民福祉の増進を期するため、なかんずく政府が経済運営の指針として採択しました所得倍増計画を効果的に達成するためには科学技術の振興に格段の努力をいたさねばならないことはいうまでもないところであります。 かかる見地に立って、政府におきましては、科学技術の振興を重要施策として取り上げ、三十六年度予算編成に際しては、特段の考慮を払うこととし、必要な予算の計上を行なったのであります。私といたしましても、科学技術はわが国のよって立つ基盤となるものであるという確信のもとに、先進諸国に対する立ちおくれを急速に取り戻すためわが国情にふさわしい科学技術振興政策を確立し、その具体化に努力して参る所存であります。三十六年度は特に所得倍増計画の初年度でもあり、また科学技術会議より答申のありました科学技術振興基本方策の具体化に踏み出す年でありますので、この答申に盛られた重要課題のうち早急に解決しなければならない問題に重点を置いて、次のごとき諸施策を強力に実施して参りたいと存じます。 まず、科学技術振興方策につきましては、今後一そう科学技術会議の活動に期待し、その意見を尊重して参りたいと考えますので、その機能を強化するため今回同会議の学識経験関係議員を二名増員することとし、所要の法案を今国会に提出する方針であります。 次に、わが国技術の海外依存体制からの脱却をはかり国産新技術を育成するためには、国内の研究開発体制を強化拡充する必要があります。そのため、明年度におきましては、国立の試験研究機関についてその施設の更新近代化を促進することといたしましたが、特に申し述べたいことは、かねて懸案となっておりました新技術開発機関の新設に踏み切ったことでありまして、現在まで理化学研究所の開発部門において実施しておりました新技術開発の事業を分離独立せしめ、政府出資による特殊法人として国産新技術の企業化を強力に進めていきたい考えであります。またわが国試験研究の総合的機関ともいうべき理化学研究所につきましては、この際その画期的拡充強化を行なうため、その移転を実施することとし、新たな敷地を獲得し得る目算も立ちましたので、三十六年度から新しい敷地に建設を開始することといたしております。これにより新技術開発機関の分離独立と相待って理化学研究所の一そうの発展を期待し得ることとなったと信じます。 また、三十五年度より一億円の予算で実施いたしました宇宙台風、海洋、基礎電子、核融合、対ガン等の重要研究に対する特別研究促進調整費制度につきましては、今後この制度を拡充し、不測の事態に対処する重要研究の総合的推進に遺憾なからしめたいと存じます。 なお、すでに具体化しております宇宙科学技術の推進につきましては、本年度に比し約二倍の予算をもって推進をはかることとし、海洋に関する科学技術につきましては、その研究開発の総合的推進をはかる必要がありますので海洋科学技術審議会を設け、わが国の進むべき方途を明らかにしたいと考えております。 第三に、科学技術者の確保養成とその地位、待遇の改善についてでありますが、今回の予算編成におきましても人間能力の向上の問題が科学技術の振興と並んで重要項目として扱われ、理工系学生の増員等科学技術者養成のための経費が相当程度関係省予算に計上され、また昨年末公務員のベースアップの機会に研究公務員についても待遇の改善が実施されました。しかしながら私といたしましては、特に科学技術者の地位、待遇の改善問題につきましては、制度的にも実際的にもいまだ必ずしも十分であるとは考えられませんので、その抜本的改善策の実現のため今後とも尽力して参る所存であります。 第四に、科学技術関係税制改正の問題についてであります。三十六年度税制改正にあたりましては、研究準備金制度の創設等五項目にわたる改正案を作成し関係当局と折衝して参りましたが、試験研究設備についての特別償却制度の改善と寄附金制度の拡充の二点について実現されることとなり、民間研究活動の推進に大きく寄与するものと期待している次第であります。今後さらに税制面よりする科学技術振興策を強力に推進していきたいと考えております。 第五に、原子力平和利用の推進についてであります。昭和二十九年にその緒について以来、わが国における原子力の平和利用は大きな前進をみせておりますが、この間原子力をめぐる国内外の情勢の変化もまた著しいものがあり、このような情勢の変化に対応し原子力委員会におきましては、さきに策定した原子力開発利用に関する長期計画を改定することとし、広く各界の衆知を結集して作業を進めました結果このたび新長期計画を決定いたしました。この新長期計画の線にそって研究開発になお一そう力を注ぎ、日本原子力研究所、原子燃料公社その他研究開発機関の施設の充実と研究体制の整備をはかり、原子力発電、原子力船、放射線利用等原子力の開発利用を強力に推進いたしたい所存であります。特に原子力研究所につきましては、三十六年度から原子力船の遮蔽用原子炉を建設し、核融合による直接発電方式の研究を開始させたい所存であります。 また、原子力の開発利用を推進するにあたっては、その安全を確保することが最大の前提とならなければなりませんが、そのため原子炉安全審査機構の確立等、特にその安全性の確保に万全の措置を講ずるとともに、万万一の災害に対処して原子力災害補償制度を確立することとし、今国会に所要の法案を提出したいと考えております。 最後に、科学技術に関する普及啓発と情報活動の強化その他についてであります。国民各層に対する科学技術思想の普及啓発を行なうため日本科学技術振興財団に力強い援助を行なうとともに、科学技術情報の収集提供の中枢機関としての日本科学技術情報センターの機能の増強をはかる方針でありますが、その他資源の総合利用方策調査の強化、発明奨励活動の充実、科学技術関係国際交流の推進等につきましても充分配慮して参りたいと存じます。 以上、当面の施策の大綱について申し述べましたが、わが国科学技術振興政策の重要性にかんがみましても、その施策に万全を期して参りたいと考えております。委員各位の御支援御協力の程、切にお願いしてやまない次第であります。
○委員長(剱木亨弘君) 次に公正取引委員会の業務概況について説明を聴取いたします。
○政府委員(佐藤基君) 昭和三十五年中の公正取引委員会の業務につきましては、お手元にお届けいたしました資料にその概要が記載してありますが、そのうちおもな点について概略を申し上げます。 まず総括的な業務といたしましては、私的独占禁止法に関係を有する繊維工業設備臨時措置法、航空法、輸出入取引法の各一部を改正する法律案につきまして、関係官庁から協議を受け、それぞれ調整を行ないました。 なお、機械工業振興法案を行政事件訴訟法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案につきましては、現在鋭意調整中であります。 経済実態の調査につきましては、昭和三十三年度の主要産業における生産集中度の調査を行ないました。 次に、私的独占禁止法の施行に関する業務について申し上げますと、まず、不公正な取引方法の指定に関する業務につきましては、昨年度以来問題となっております、いわゆる牛カン事件につきまして、レッテルと中身の違うような行為を不公正な取引方法として指定するため、「畜肉、鯨肉等のかん詰業における特定の不公正な取引方法の指定案」を作成いたしまして、公聴会を昨年十二月二十日に開催、本年二月一日付官報をもって告示いたしました。 次に、昨年中における企業の合併、営業譲り受け等はそれぞれ四百二十五件、百四十四件となっており、一昨年と比較いたしますと、若干の増加をみております。また金融機関の株式保有につきましては九件について認可いたしました。 次に、不況に対処するための共同行為として新たに認可したものは、合成染料の販売数量の制限に関する共同行為の一件でありまして、その他の不況に対処するための共同行為及び企業合理化のための共両行為には目立った動きはなく、三十四年から引き続いて実施されている各三品目の実施期間延長について認可いたしました。 次に、私的独占禁止法違反被疑事件としては、熊本魚株式会社に関する件、全日本教脚出版販売組合及び同佐賀県支部等に関する件の二件に対して勧告、審決を行ないました。 次に、下請代金支払遅延等防止法の施行に関する業務につきましては、下請代金の支払い状況を中心に約千社の親事業者を調査し、そのうち百三社に関しましてはさらに精密検査を行なうなど、下請代金の支払い改善につきまして必要な掛買を講じました。 次に、私的独占禁止法の適用除外法に関する業務のうちおもなるものについて申し上げますと、まず、輸出入取引法の規定に基づく共同行為に陶するものの処理件数は百七十五件であり、また中小企業団体の組織に関する法律の規定に基づく共同行為等に関するものの処理件数は、同意九十七件、協議八百六十五件の計九百六十二件にのぼりました。 このほか、環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の規定に基づく業務につきましては、美容業及び興業場営業の適正化規準の設定について厚生大臣から協議がありましたが、慎重調査の上異議ないむね回答いたしました。 以上簡単でありますが、昭和三十五年における公正取引委員会の業務のあらましを申し上げました。次に、昭和三十六年度予算でありますが、当委員会といたしまして今国会の御審議をお願いいたします予算は、総額一億四千四百七十七万七千円で、昭和三十五年度の一億二千八百五十一万五千円よりも千六百四十六万二千円増となっております。同予算のうち注目すべき点は、公正取引課の新設を計画する点であります。これは昨年夏以来問題となっておりますいわゆる牛カン問題に見られるような欺瞞的取引等を厳重に規制するために計画されたもので、今後の独禁法の運用にあたりまして、従来にも増して多事と予想されるのでありますが、委員各位の御支援を得て重賞を果たしたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○委員長(剱木亨弘君) 次に、通商産業省の昭和三十六年度予算について説明を聴取いたします。
○政府委員(樋詰誠明君) お手元に横に書きました昭和三十六年度一般会計予算要求重要事項表というのが差し上げてあると思いますので、簡単にこれについて御説明申し上げます。 この中の大きな項目、非常に重要な意義を持っておりますものにつきましては、先ほど大臣の所信表明の中で相当詳しく触れておりますので、できるだけ重複を避けさしていただきます。また、例年と同じようなものは、これも説明を省略さしていただきまして。一ページから順次補足的な御説明をさしていただきます。 まず、Iの貿易振興及び経済協力費関係でございますが、この中でさらに1のジェトロ(日本貿易振興会)、この関係は大体十五億四千万円ばかりになったのでございますが、このうちで新しいものと申しますのは備考の2にございます国内の中小企業者に対する海外情報の提供及び取引のあっせん指導を行なうために貿易相談所を拡充して国内態勢の強化をはかることにしたわけでございます。海外におけるいろいろなジェトロの機構というものは逐次整備して参りましたが、今年からはその成果をできるだけ早く国内の中小企業者に反映さして、そして態勢を整えさせるということのために、実は今月中に十一カ所ばかり相談所を作るということで準備を進めておりますが、さらに三十六年度七カ所ふやしまして合計十八カ所に相談所を置くつもりでございます。この経費二千四百万円は新しい経費として三十六年度につけられております。 それから雑貨センターの関係では、3の専用機械の試作、大体これはさしあたり万年筆のペン先の先割り機械でありますとか、あるいは鉛筆の自動包装機械といったものを考えておりますが、こういう雑貨関係に専用機械というものがまだ不十分でございますので、そういうものを逐次試作させて普及させていきたいと思って、千百万円ばかり新規に組んでおるわけでございます。 それからあと二ページ関係に参りまして、ブラントの輸出促進その他、例年少しずつ拡充して参っております。 四番目の生糸絹織物の振興費補助のところで、備考の2にあります輸出絹製品品質改善費、これはわずかでございますが五百五十七万円、これは最近フランスあるいはイタリアというところの絹織物に比べまして、同じ絹織物でも、日本の絹織物は値段その他の点において、どうも非常に不当な格安な扱いを受けておりますが、それは確かに品質の点その他におきましても、さらに日本として勉強すべき点が残っておると思いますので、海外から見本を収集し、そうしてどこが一体違うのだといったようなことを研究した上で、フランス、イタリアに負けない品物を作りたいということで、新たに試作の補助金を計上することにいたしました。 それからアジア経済研究所は、昨年に引き続きまして、今年も一億円出資金を増加いたしまして、人間を三十名ふやすということで、アジア地域の経済の基礎的な総合的な調査に遺憾なきを期したいと考えております。 それから三ページでございますが、三ページの上から二番目の(3)にございます海外中小企業技術協力費補助金、これは先ほど大臣の御説明の中にもございましたが、海外経済協力基金、これが今ついておりますのは、三十六年度で五十億御審議いただくということになっておりますが、その経済協力基金を活用する一つの方法といたしまして、低開発地域に中小規模のモデル工場を作ってやる。そうしてそれを動かしてみせて、なるほどこれはいいものだということになれば、それと同じような工場をあちこちに国内で作ろうという機運が、それぞれの国で起こって参ると思われます。そこでまずこれは日本からの今後の輸出を引き出すという誘い水にもなりますし、またかたがたそういう国のおくれているのを振興させてやるという経済協力開発の関係から非常に意義があると思われますので、経済協力基金の中からそういう工場の建設資金等を出していきたいと考えておりますが、ここにございますのはそういう協力基金を使うということに先立ちまして、まず現地を調査し、企画し設計し、そうして建設を指導するといった関係の協力基金を現実に使うに先立っての調査関係の金でございまして、金額はわずか一千万円でありますが、とりあえずパキスタンあたりが一番第一に上ってくると思いますが、適当な国に対しまして、三十六年度は二工場くらいの建設ということを行なうということで調査を進めていきたいと思っております。 それからその下にございます10の低開発国一次産品買付促進費、これはタイの塩でありますとか、あるいはトウモロコシといったようなものは、その塩の海水の取り入れ口を少し直してやる。あるいはトウモロコシの乾燥施設というものを作ってやる。あるいは栽培技術を指導してやるということによりまして、今よりもはるかに品質がよくなって、経済的に日本で買える商品になると思われるものは若干ございますので、そういうものにつきましてどういう栽培方法をやればもっと商品価値が上がるか、あるいはせっかくできたものを、どういうふうな方法で保管すればいいかということにつきまして指導してやる、それから乾燥機械等につきましては、所要の設備に対して政府の方で半額程度の補助をしてやりたいというものでございます。 それからあと四ページあたりは、ほとんど今までと同じことで、特に目新しいものはございませんので省略さしていただきます。 それから五ページに、中小企業対策費というものがございまして、これは先ほど大臣から申し上げましたことでほとんど尽きておるわけでございますが、近代化関係で十四億七千五百万というものが薫十億余りになりまして、これが今回の通産予算の一番大きな、ふえておる項目の一つと相なっております。なお、こういうふうに中小企業の近代化に今までの倍の金を投ずるということに関連いたしまして、ここの(4)にございますように、できるだけそういう金を効率的に使うということのために、貸付対象工場を診断いたしまして、そうしてこういうふうにやったら一番効果が上がるぞといったような具体的な指導方針というものを立てると同時に、この金を使っていきたいと考えております。 この2の小規模事業対策費の方は、これは四億円から八億円にふえておりますが、ここにございますように、大体三十五年度の二千四百五十一人から四千三百十七人に指導員を増員するということと、それからそれに補助者を置く、二人の指導員につき一人の補助者を置くということのほか、給料を、二万円となっておりますが、それではなかなかいい人が集まりがたいので、六大都市では二万三千円、それからその他の都市では二万一千円というふうに手当を上げるということにいたしました。 それから六ページは、これは大体従来と同じでございますが、この7にございますように、政府の中小企業関係の施策というものが、まだ十分に中小企業関係に浸透されておらないということのために、せっかくいろいろなことを政府が考えましても、から回りしている点等もございますので、隔週くらいにラジオで、こういうことをやっておるからこういうところに相談にいらっしゃいというようなことについてもPRをやって、中小企業の振興をはかっていきたいと存じております。 それから七ページに鉱工業技術振興費がございますが、これは先ほど大臣から申し上げましたし、またここに各項目に分けて書いておりますので、特に御説明要らないと思いますが、全体といたしまして約十億円ばかり技術振興費がふえております。この関係では八ページの備考のちょうど真ん中あたりに、共同研究の強化促進のための助成というものが一億五千万、これは別途この国会におきまして、鉱工業技術研究組合法といったようなものの御審議を願いたいというふうに考えて、現在準備いたしておりますが、研究組合を作らせまして、一つの企業ではなかなか行ないがたい基礎的なもの、あるいは非常に長期を要するものといったようなものにつきましては、業界の総力をあげて、設備と研究者を出し合って、一つ研究を促進させたい、そのためには税制上の優遇というようなものも考えたいということで、今国会に法案としても御審議願いたいということで、大体共同研究というものに一億五千万というものをつけております。 それから九ページに参りまして、産業構造高度化及び産業基盤強化費の関係で、1に産業構造調査費というものが一千万円ばかりついております。これは自由化というものが大体三十八年を目標に今進められておりますが、その自由化を実際に行なうまでの段階におきましても、あるいはいよいよ自由化して参りましてからでも、日本経済は、今のままではどうなるかというようなことにつきまして、根本的な一つ分析、総合といにものをやってみる必要があろうと思われますので、官民の識者に知恵を出していただきまして、そしてまずデータの分析から、将来、日本産業はどう進むべきであるといったようなことについての指針になるような、いろいろな材料を研究したいということで、三十六年度から、こういう本格的な調査に乗り出したいと考えて一千万円ばかり計上させていただきました。 工業用水道事業は、継続の十五カ所のほかに、十ページにございますように、新規七カ所ございますので、大体約倍額二十五億程度にふえております。 それから十ページの一番下にございます機械類の賦払信用保険特別会計基金、これは先ほど大臣から申し上げましたように、機械類の割賦販売、これを進めるとともに、その専門化ということを慫慂いたしまして、精度を高め、またコストを安くする、同時に買い手の方からいたしますと、少ない金でいい機械が買える。大体現在中小企業関係は、少し金ができて機械を入れるという場合にも、大企業で使い古したようなものを、中古機械を安く買ってきて備えつけるというような例が多いわけでございますが、それでは最近のように国際競争がますます激化し、機械の精度等も非常に精密なものを要求されるという時代には、必ずしもそぐわないという面もございます。そこで、そういう現金ですぐ金は払えないといったような中小企業あたりが新鋭の工作機械、あるいは鍛圧機械というものが容易に手に入るようにということで、この月賦払いで機械を買えるような道を講じ、最終的には、万一起こるべき損害も大体二分の一は国で見ようということで、金額は少ないのでございますが、とりあえず二億円で特別会計で発足させることにしたいということで御審議をお願いするわけでございます。 それからあと十一ページが、これはほとんど昨年通りでございまして、十二ページの事項といたしまして(4)の炭鉱整備保証基金出資金、これは先ほど大臣から申し上げましたが、炭鉱で離職のやむなきに至ります方々に対する退職金の支払いを円滑ならしめるよう、今のままでおりますと、炭鉱は苦しまぎれに人間は整理したけれども、なかなか退職金が払えないというようなことで、非常に不幸な上にさらに不幸な目にあわせるといった面がございますので、事業団に対して三億円の出資をいたしまして、この事業団がこれを基金にいたしまして退職資金を借り入れようとする企業に保証を与えるということによって、退職金が円滑に離職のやむなきに至った方々の手に入るようにしたいということで、これが新しい制度でございます。 それから大きな2の産炭地振興対策費、これも先ほど大臣が申し上げましたように、とりあえず三千万円の調査費ということになっております。これを名産炭地につきまして、どういうことをやればどういう産業が一体そこに興こり得るかというようなことについての一般的な調査をいたしたい、こう思っておりますが、実はこのほかに、さしあたり工業用地の造成というようなものを急いでやれば、適当な機械工業等が興こるであろうというふうに考えられております。北九州筑豊に近い苅田、あるいは門司市というところで工業用地を作るということにつきまして、資金的に不足する部分は、一つ地方公営企業公庫からの特別起債による資金の融通ということを考えて、そしてできるだけ早く産炭地に近いところに新しい工業が興こるようにということを、別途これは起債の関係で大蔵省、地方自治省と大体話をつけておりまして、九億程度のものを両地区につけるということで、今、現在、具体的な折衝を進めております。 大体、以上が三十六年度の予算で、三十五年度に、今までなかったもの等につきましての説明でございますが、総額はこの一番しまいにございますように、また先ほど大臣からのお話にございましたように、百七十九億から二百三十四億、約三割強の増加となっております。
○委員長(剱木亨弘君) 次に、財政投融資計画について御説明を聴取いたします。
○政府委員(松尾金蔵君) 三十六年度の通産省関係財政投融資計画につきましては、それぞれその産業政策目的の関係では、先ほど大臣からの所信表明の中に、ある程度織り込んで御説明をいたしたと思いますが、今お手元に配付いたしております資料につきまして、財政投融資の機関別の数字をまとめておりますので、これについて概要御説明を申し上げます。 最初に日本開発銀行でありますが、開銀につきましては、本年度六百六十億の運用額に対しまして、来年度運用額は八百二十五億ということに増加いたしております。この開発銀行の資金の使途別の一応の予定は、もう一枚の次のページに書いておりますが、ここにございますように、電力関係は本年度並みの二百五億ということに相なっております。 海運は、これは直接通産省所管じゃございませんが、次に来年度の一つの特色といたしまして、地域開発につきまして、本年度の七十億から百億増加をいたしまして百七十億を来年度予定をいたしております。 御承知のように三十五年度におきましては、四国、九州を中心にいたしまして七十億のいわゆる地方開発向け資金を出されたのでありますが、来年度はさらにそのほかに、たとえば中国地方でありますとかあるいは北陸地方というような地域に拡大をいたしまして、いわゆる地域格差是正という線に沿いましてこの資金のワクをふやすことに相なったわけであります。 その他のものの中でおもなものといたしましては、石炭は本年度並みの一応八十億を予定をいたしますが、特定機械、これは御承知の機械工業振興法に基づきまして、業種を指定をして合理化をはかりたいという気持でございますが、これは本年度二十五億に対しまして来年度七十億、開発銀行でここまで増加をいたしております。このほかに、後ほど御説明をいたします中小企業金融公庫におきまして、やはり特定機械向けに三十億程度のワクを用意をいたしておりますし、さらに先ほど大臣からの説明にもございましたように、アメリカ輸銀から、さらにこの特定機械向けを中心として資金の借り入れをし得るような仕組みになっております。結局最終的に特定機械向けに総合計で百五十億程度の資金を用意をしておるということに相なります。当然特定機械の種類につきましては、その指定の種類の範囲を来年度かなり広げて拡大をして運用をされることに相なる予定であります。 次に、中小企業関係に参りまして、中小企業金融公庫でございますが、これは本年度運用額の七百十五億に対しまして、来年度八百三十五億の運用に拡大をいたすのでありますが、そのために融資べース——運用部資金からの投入を、本年度の三百十五億に対しまして来年度四百二十五億に投入額をふやしております。先ほど御説明いたしましたが、この中に三十億程度は特定機械向け、もちろんこれはいわゆる中小企業の特定機械向けであります、三十億程度予定を立てておるのであります。 次に、商工組合中央金庫でございますが、これはいわゆる純増ベースにおきまして本年度二百五十億の純増、運用における純増でありますが、来年度それを三百十億にふやす予定であります。資金の形といたしましては、運用部資金で商中値の引き受けという形で四十億を投入いたしまして、それに自己資金を合わせて三百十億ということに純増額が相なるわけであります。 その次の中小企業信用保険公庫でございますが、これには特に出資によりまして、二十億の財政出資を産投会計からいたしまして、この出資によります二十億の資金を中心といたしまして、いわゆる信用保証協会に対する貸付金、いわゆる融資基金の増加をいたしまして、これを信用保証協会に対する貸付金として運用をされる。当然それが各地の信用保証協会の保証ワクの増大という形で出て参るわけであります。中小企業の信用補完の機能を拡大をしたということでございまして、来年度二十億の出資を予定いたしております。 次の日本輸出入銀行でございますが、これは御承知のように、三十五年度、本年度におきましても輸銀の資金はかなり窮迫をして参りました。と申しますのは、その主たる原因は、日本のブラント輸出による、いわゆる繰り延べ払いが相当大幅にふえて参りました。まあ日本の輸出振興の、輸出が伸びた一つの現われであると思いますが、来年度におきましても、やはり同じような資金の要求の増大がございます。そのために、特に出資におきまして百二十億をふやしまして、百二十億の出資をいたしまして、さらに四百五十億の運用資金による融資を加えまして、来年度九百七十億の運用額ということに相なるわけでございます。輸銀につきまして、特に出資という、むずかしい財政投融資の面で出資金という形を、百二十億という幅の広い出資要求が出ましたのは、これは御承知のように、輸銀の資金の性質上、かなり長期に寝る資金でもありますし、また輸銀の金利が、これが国際金利水準と見合いまして金利の問題がございますので、輸銀に供給される資金は質において特に出資を要求することに相なったわけでございまして、百二十億の出資が予定されることに相なりました。 その次の電源開発会社でございますが、これはその大部分が継続事業を中心とするものでございますが、本年度に引き続きまして四百十億の融資の投入が行なわれまして、来年度自己資金を合わせまして四百四十億の事業に相なるわけであります。 その次の石油資源開発会社でございますが、これは本年度十九億の出資と借入金五億を合わせまして二十四億の財政投融資が行なわれておるのに対しまして、来年度は出資で四億、借入金で五億という程度にとどまっておりますが、これは御承知のように、石油資源のいわゆる国産原油の開発につきましては、いわゆる五カ年計画は一応形式的には、形の上だけでは三十五年度で一応五年を通ってきたのでありますが、その開発目標達成には、もう一歩の努力が要るというので、特に日本海の海底油田の開発等も引き続きやる必要がございますので、その意味で財政面からの援助は三十五年度に比べますと縮小いたしておりますが、こういう形でもう一歩、もう少し石油資源に対する政府の援助をいたしますれば、石油資源としては、一応事業の目標を達成し得るであろうという意味でございます。 なお最後に、日本航空機製造に対すを出資と融資を掲げてありますが、これを、この表の形を別の欄に掲げておりますのは、これまでの日本航空機製造以外の財政投融資は、いずれも産投会計からの出資である運用部資金からの融資でございますが、この航空機製造はいわゆるMSA資金から出る資金でございます。この資金から、十億の来年度出資と、なお政府保証による借入金の三億を予定いたしまして十二億円、いわゆる中型輸送機の設計がこれで進められる予定に相なっております。 以上、合計をいたしまして、通産省の関係で財政出資におきまして百五十四億、融資におきまして千七百九十五億、そのほかに公募債借り入れ、政府保証借り入れによりまして八億、これだけが来年度の財政投融資の額であります。
○委員長(剱木亨弘君) 次に、経済企画庁の予算について説明を聴取いたします。
○政府委員(川村鈴次君) それでは昭和三十六年度経済企画庁の予算を御説明いたします。お手元にお届けしております昭和三十六年度予算事項別内訳表によりまして御説明いたします。 昭和三十六年度歳出予算の要求総額は五十九億四百八十四万九千円でありまして、これは前年度予算額に比較いたしますと、十二億六千百九十六万一千円の増額となっております。この増額となっておりますおもな理由は、あとで御説明いたします離島振興事業費が八億六千五百三十九万五千円増額されておりますし、それと国土総合開発事業調整費が一億八千万円の増額となったからであります。 次に、経費の内訳を項別に申し上げます。 まず第一は、経済企画庁の項でありますが、要求額は四億五千二十万六千円でありまして、前年度に比較いたしますと六千九百七十九万五千円の増額になっております。これを事項別に内訳を申し上げますと、初めの一から四までは人件費と一般庁費の運営経費であります。そして五番目以下がいわゆる事務費でありまして、その内容を簡単に御説明いたします。 まず、本年度新たに要求しておりますのは、五番の国内開催国際会議、それから七番の地域経済開発調査、十一番と十二番の国民生活に関する事項であります。 五の国内開催国際会議費の経費九十七万九千円は、本年度国内において開催しますところのECAFE総会と、アジア経済計画者会議に要する資料費と会議費であります。 七番の地域経済開発調査の五百万円は、地域的にも均衡のとれるような経済の成長をはかりますために、産業及び人口の適正な配置、地域間格差の是正等、地域的側面から見た経済の重要問題を調査審議するために設けますところの調査会の経費とその事務費であります。 十一番の国民生活審議会の経費百四十万六千円と、十二番の国民生活充実対策費の九百九十三万一千円は、国民生活の向上をはかりますための基本的な政策を企画立案するに必要な経費と、それの審議会を運営する経費であります。 六番の経済審議会、八番の肥料審議会、九番の経済基本政策及び年次計画の策定、十番の国民生活白書の作成、十三番の木材資源利用合理化、十四番の経済協力、十六番の長期経済計画策定、それの各経費の合計額は、九百七十四万九千円となっておりますが、これは前年度とあまり変わっておりませんので、省略させていただきます。 それから、十五番の公共用水質保全に要する経費が三千百二万円要求されておりますが、これも前年度とほぼ同額でありますので、省略させていただきます。 それから、十七番の国内経済調査、十八番の海外経済調査、十九番の国会図書館支部、以下二十三までの合計は、三千五百二十六万五千円となっておりますが、これらの経費は、申すまでもありませんが、内外経済の動きを調査しまして、経済白書等の報告書や、経済統計を作成するために要する費用であります これらの経費も、前年度とあまり変わっておりませんので、省略させていただきます。 次は、国土総合開発に必要な経費でありますが、これは番号の二十四番から三十七番までの項目があります。この経費の合計額は三千四百八十九万三千円でありまして、前年度に比較いたしますと、六百十六万七千円の増額となっております。この中で前年度と異なっております主な事項は、三十一番の九州開発の二百三十二万四千円の減額と、三十二番の四国開発の十九万三千円の増額、三十三番の中国開発二百十三万九千円の増額と、それから、本年度新たに要求しております三十四番、三十五番、三十六番、三十七番の経費であります。それぞれにつきましてさらに御説明申し上げます。 三十一番の九州開発の二百三十二万四千円の減額は、委託調査費が減額されたことによるものであります。本年度は屋久島の電源開発についての委託調査費といたしまして、三百万円を要求しております。三十二、三十三の四国、中国開発の増額は、それぞれの開発促進法が、前年度に成立いたしましたので、本年度から本格的に開発事務を促進することになったことによる増額であります。(山本利寿君「調査ですね。これは調査費ですね。」と述ぶ)ええ。主として委託調査費でございます。 それから、本年度新たに要求しております、三十五の総合開発費用振分基準調査の百六十四万四千円ですが、これは多目的ダムのような総合開発に要しました費用を、それぞれの関連部分に振り分けする基準を調査するための必要経費であります。 三十六番の低開発地域工業開発課在の百二十万円は、開発の特におくれております地域の工業開発を促進いたしまして、国民生活の均衡ある発展をはかるために必要な調査費であります。これにつきましては、法案が提出されることとなっております。 三十七番の水資源開発の二百七万三千円は、最近におきます産業の発展、都市人口の増加に伴う水の需要の増大に対処いたしまして、水資源を確保するために開発調査いたしますから、そのために要する経費であります。 以上が経済企画庁の項の内訳でございます。 第二としまして、経済研究所の項でありますが、要求額は六千一百八十四万二千円でありまして、前年度に比較いたしますと千八百九万二千円の増額になっております。研究所の各事項につきまして御説明申し上げますと、一、二は研究所の人件費と研究所の運営諸費でございます。三の電子計算機運営の二百三十五万八千円は、電子計算機を設置しますにつきまして必要とされる経費でございます。四の経済分析の三百九十万八千円、五の国民経済計算整備の百四十二万五千円、七の国民所得調査の六十七万三千円、これらはまあわが国経済の構造と経済の循環その他経済の基本的な事項を国民所得計算やその他の経済指標によりまして調査研究するために必要な経費であります。 六番の昭和三十五年国富調査の経費は、一千七百四十七万五千円と、前年度より一千百七十万七千円の増額になっておりますが、これは国富調査が昭和三十年に戦後初めて調査いたしまして、次の本格的な調査は四十年を予定しておりますが、ちょうど本年度は、その両調査年度の中間に当たりますので、簡易な中間調査を実施することになりました。それに伴う経費による増額であります。 第三としまして、土地調査費の項でありますが、本年度の要求額は二億六千八百七十九万七千円でありまして、前年度に比較いたしますと、七千八百六十七万九千円の増額になっております。この増額になったおもな理由は、六番の地籍調査が八千万円増額になったためでありまして、その他の項目は、まああまり変わっておりません。地籍調査が大幅に増額されましたのは、地籍事務を増進するために地方公共団体の土地改良地区などに与える補助金が八千万円増額されたからであります。 第四としまして、国土総合開発事業調整費の項でありますが、要求額は九億五千万円であります。前年度に比較いたしますと、一億八千万円の増額になっております。この経費は国土総合開発法に基づく開発事業が各省各庁によって、それぞれ所管を異にして実施されておりますので、開発事業相互の間に進展の度合いの不均衡が生ずる場合もあります。そういう場合に、企画庁が調整しまして、その総合的な開発効果を発揮させようとするために要する経費であります。同調整費は特定地域及び調査費並びに東北地方、四国地方、九州地方並びに北陸地方及び首都圏地域における開発事業を対象といたすものであります。 第五に、地域経済計画調査調整費の項でありますが、五千万円を要求いたしております。この経費は、各省各庁の実施しまする地域経済計画を立てます際の調査に対しまして調整をはかりまして、総合的に行なうために必要な経費であります。 第六に、離島振興事業費の項と、揮発油税等財源離島道路事業費の項でありますが、両方を合わせまして四十一億二千四百万四千円を要求しております。前年度に比較いたしますと、八億六千五百三十九万五千円の増額になっております。この経費は離島振興法に基づきまして、国が行ないますところの、治山治水、道路整備、港湾、漁港、食糧増産等の公共事業に必要な経費と、地方公共団体等が行ないますところの、公共事業、農山漁村電気導入事業、簡易水道事業などに必要な事業費を補助するために必要な経費であります。この経費は経済企画庁に一括して計上されておりますが、その使用に際しましては、実施にあたり、各省の所管に移しかえて使うようになっております。 以上で、経済企画庁の予算の説明を終わらせていただきたいと思います。
○委員長(剱木亨弘君) 次に、科学技術庁の予算について説明を聴取いたします。
○政府委員(島村武久君) お手元に配付いたしました昭和二十六年度科学技術庁予算要求総表と申します簡単な資料によりまして、科学技術庁関係の予算の概要を御説明申し上げたいと思います。 二枚目の一番最後の欄をごらんいただきたいと存じますが、昭和三十六年度科学技術庁関係一般会計予算の歳出予算総額が百十九億三千二百十七万円、別に国庫債務負担行為額二十四億四千八百八十八万三千円が計上されております。これを次の欄にございますが、前年度の歳出予算額百十三億九千万円余り、国庫債務負担行為額四十三億九千六百六十四万円に比べますと、歳出予算額におきましては五億四千百七十六万四千円の増額となっております。ただし国庫債務負担行為額におきましては十九億四千七百七十五万七千円の減額となっているわけであります。 第一ページに戻りまして、事項別に御説明申し上げたいと思います。 まず第一に、新技術開発機関の設置についてでございますが、その機関の設立のために必要な法案につきましては別途審議をお願い申し上げる予定でございますけれども、この機関を設立いたします目的は、わが国において発明されましたいわゆる国産新技術のうち、技術的内容は優秀であるけれども、危険負担の観点から民間が独力でこれを企業化することをちゅうちょいたしますようなものを、この機関で取り上げまして、これを育成し、企業化しようとするものであります。国産新技術の企業化につきましては、全然明年度は新しい試みというわけではございませんで、すでに昭和三十三年度以来三年間にわたりまして、小規模ながら試験的に理化学研究所において実施して参ったところでございます。その経験の上に立ちまして、この際、この仕事を一段と強化いたしますため、理化学研究所から分離いたしまして新しい特殊法人として独立せしめようとするものでございます。ここにございますように、三十六年度予算案に計上されております三億円は出資金でございまして、この機関が研究開発のために民間に委託いたします開発委託費と一部が管理運営費になる予定でございます。なお設立に際しましては、政府は昭和三十三年度以来、理化学研究所の開発部門に別途出資して参りました出資金三億四千万円を引き継がせることにいたしておりますので、この機関の資本金に対する政府の投入金額は六億四千万円となる予定でございます。なお木経費につきましては、大蔵省所管の部に計上いたされております。 第二番目に、所管試験研究機関の整備について申し上げます。最初の航空技術研究所におきましては、昨年完成いたしました遷音速風洞等の設備の整備をいたしますほか、機体関係の試験研究施設の整備を行なうことにいたしております。これらの諸施設の整備と航空技術に関します試験研究に必要な経費といたしまして歳出予算額十九億四千四百八十四万二千円と国庫債務負担行為額三億二千二百万円が計上されております。次の金属材料技術研究所でございます。金属材料技術研究所におきましては金属材料の試作研究を行なうための基本的な諸設備に重点を置いて整備をはかっている最中でございますが、金属材料の物理的、化学的試験研究装置が、まだ整備途中にございますので、引き続いてこれらの設備の充実に努める経費も含めまして、全部で七億七千四百七十三万円を計上いたしたわけでございます。 三番目の放射線医学総合研究所につきましては、原子力の御説明のところで申し上げることにいたしまして、大きな三番目の理化学研究所の移転及び設備拡充について申し上げます。理化学研究所は民間におきます唯一の総合研究所として特色ある研究活動を続け、種々の業績をあげて参っておりますが、何分にもその施設は狭隘かつ老朽化いたしておりますので、明年度は郊外に新しい土地を求めまして移転させたいと考えております。このため一部の建物あるいは土地造成関係の契約を結べるように措置いたしました次第でございます。また研究活動の強化と研究室の拡充につきましては、ほぼ前年と同額を政府側から出資するということに計画いたしております。この理化学研究所に対しまする明年度の政府出資金総額は四億三千万円、それに国庫債務負担行為額は二億八千八百三十万七千円、これも大蔵省所管として計上されております。 第四番目の原子力平和利用研究の推進でございますが、(1)日本原子力研究所から最後の(12)その他原子力行政費まで合計いたしまして七十五億七千九百十三万六千円が歳出予算額となっております。別に国庫債務負担行為額は十八億三千八百五十七万六千円でございます。これは前年度と比べますと若干減少いたしておりますが、後に御説明申し上げますように、初年度的な施設整備費の減及び八番目の核燃料物質等の購入費の減が響いておるわけでございます。 まず、日本原子力研究所でございますが、原子炉の開発につきましては、昭和三十三年度より建設を行なって参りました国産一号炉は、三十六年秋ごろには完成させることといたしております。これにより原子炉の数は三基完成いたすことになりました。目下建設中の動力試験炉は昭和三十七年度に完成する予定といたしております。さらに明年度は新たに原子力船に関する研究を進めますために、遮蔽研究用の原子炉の建設を開始することにいたしております。また半均質型原子炉につきましても臨界実験装置の運転等、その研究開発を進めて参りましたが、その成果はわが国独自の研究といたしまして期待されておりますので、明年度引き続き工学的分野も含めて総合的にその推進をはかって参りたいと考えております。このほか原子炉特別研究室の新設を初め、原子力の基礎研究並びにこれらに関連する各種試験研究、技術者の養成、訓練等の業務を強化して参る予定でございます。このため原子力研究所には四十四億四千万円の歳出予算額と、十一億一千二百七十六万一千円の国庫債務負担行為額を要求いたしております。 次に原子燃料公社について申し上げます。核原料物質の探鉱は人形峠、あるいは倉吉地区等に重点を置きまして探鉱を実施し、鉱量、品位の確定に努力するとともに、山形県小国地区と新規有望鉱床の探鉱にも力を注いでいくことにしております。金属ウランの製造につきましては、東海製錬所の精製還元試験設備によって試験を続行いたしまして、明年度は約十二トンの金属ウランを製造する予定にいたしております。 なお核燃料の再処理につきましては、所要の調査と準備を明年度にいたしたいと考えております。これらの事業を行ないます経費といたしまして、政府出資金は十三億二千万円を計上いたしております。 放射線医学総合研究所につきましては、第一期整備計画の最後として、残っておりました付属病院の建設も今月中には完成いたしますので、明年度からは本格的に診断治療等の研究が実施できる運びとなっております。しかしながら、放射線による人体の障害及びその予防の研究、並びに放射線の医学的な利用等の試験研究はきわめて重要であると痛感いたしておりますので、引き続き研究施設の設備の拡充整備をはかりまして、その研究を推進いたしたいと考えるのでございます。このために五億四千四百七十九万四千円を計上いたしております。 国立機関の試験研究とございますのは、関係各省の行政機関に所属いたしますところの研究所の原子力平和利用に要する経費でございます。国が行なわねばならない固有の研究分野に関連いたしまして、核融合あるいは原子力船の研究、原子炉用材料等の研究あるいは放射線標準の確立、放射線利用核原料物質の調査等、原子炉の開発利用等に直接関係いたします研究テーマに対しまして、それぞれ研究機関の特色に応じました研究活動を期待することといたしまして、六億三千二百七十二万九千円と、国庫債務負担行為額九千六百二十二万四千円が計上されております。 次に民間企業等の原子力平和利用研究の助成でございます。原子炉及び付帯的材料等の国産化をはかりますための試験研究、及び核燃料、放射線障害防止機器材料、放射線化学等の試験研究を促進させるために、民間企業に対して前年度に引き続いて補助金を交付いたしますとともに、核融合、原子力船、ウラン濃縮、核燃料等につきましては、これまた前年同様民間に研究委託費を交付いたしまして、試験研究の開発をはかる予定にいたしております。このために補助金といたしまして一億八千三耳九十万円、委託費といたしまして一億二千六百十万円、合計三億一千万円が計上されております。 六番目の核原料物質の探鉱奨励につきましては、民間鉱業権者の行なう核原料物質の探鉱の奨励でございます。千二百万円を補助金といたしまして計上いたしております。 七番目は放射能調査でございます。大気、海洋、土壌、上下水、動植物及び食品中に分布されております自然放射能または人工放射能につきましては、これを定期的、組織的に測定調査いたしまして、放射能障害防止対策等の資料とする必要がございますので、前年に引き続き国立機関及び公立の衛生研究所に対しその調査を実施させることといたしました。四千七百十六万五千円が計上されております。 八番目は核燃料物質等の購入等とございます。これは日本原子力研究所を初め大学及び民間等の原子炉が漸次完成して参りますので、これに使用いたします濃縮ウラン等の燃料の手配は政府が一元的に行なうことになっておりますために、アメリカ合衆国よりの購入または賃借に必要な経費、並びにこれら燃料の一部のものにつきまして加工、再処理等に必要な経費といたしまして、歳出予算額一億二千九十七万円と国庫債務負担行為額六億二千九百五十九万一千円が計上されております。 その他、原子力技術者の海外留学、放射性廃棄物処理事業助成、原子力委員会及び原子力事務処理のため一億五千百四十七万八千円を計上いたしました。 なお、第三十四回国会におきまして、衆参両院の付帯決議をいただきました原子力委員会の原子炉安全審査部会のことにつきましては、別途原子力委員会設置法の一部を改正する法律案の御審議を願うことにいたしております。所要経費についても増額をはかることといたしております。 なお、この表に出ておりませんけれども、原子炉等の運転及び核燃料物質の使用等によりまして、原子炉事業者が原子力損雷を賠償することによって生じます原子力事業者の損失を補償いたしますために、別途原子力損害賠償補償契約に関する法律案の御審議をお願いすることにいたしております。政府は昭和三十六年度におきまして、二十億円までをかような契約を締結できる限度額に定めたいと存じまして、予算書の一般会計予算総則にその旨掲記いたしてございます。 次に二ページに移りまして、宇宙科学技術開発の推進について申し上げます。米ソ両国を中心に最近目ざましい発展を遂げて参りました宇宙科学技術の研究につきましては、わが国におきましても宇宙の利用及び宇宙科学技術に関する重要事項を調査審議する機関といたしまして、昨年四月総理府に宇宙開発審議会が設置されまして、ようやく開発の緒につきかけたところでございます。三十六年度は前年に引き続きまして、内外の開発状況の調査及び日米両国間の科学者会議の開催等、基礎的の調査研究ということを行なわねばならないと考えております。三十五年度に研究委託費を交付いたしました気象観測用ロケットにつきましては、本年度中にその設計ができ上がりますので、明年度はこれを基礎にいたしまして、ロケット本体の試作をいたすべく計画をいたしております。次に、人工衛星等に装備される計測装置等の技術はわが国では先進国に劣らず進んでおります。国際協力の一環といたしまして、これらの計測機の有機的装備の研究を民間企業等に委託いたしたいと考えております。これら宇宙科学技術開発の経費といたしまして七千三百九十五万二千円が計上されております。 六番目の特別研究促進調整費について申し上げます。各省各庁の所管にかかわります研究業務の総合的の促進をはかり、かつまたその相互間の調整をはかりますために、前年度初めて特別研究促進調整費一億円が計上せられました。従来年度中途において新しい研究を行なわなければならないような事態が発生した場合、及び各省各庁の協力による試験研究の遂行にあたって、研究機関相互の施設資材等の不均衡の計画のため、研究の促進を阻害する要因になっておりました予算的措置という問題が、この経費によって解決することになりました。きわめて有効適切の研究促進策であるという確信を得ましたので、明年度はその範囲も特に促進する必要のある特別の研究に拡充することにいたしまして、一億三千万円の要求額を計上いたしました。 七番目の多数部門関連試験研究の助成について申し上げます。多数部門の協力を要する試験研究、及び各種部門に共通する試験研究を、総合的に実施しようとする者に対しまして、補助金または委託費を交付いたしますことにつきましては、明年度は水質汚濁防止、大気汚染防止、水温利用及び実験用純系動物の研究等を継続研究といたしますほか、新しく人工降雨の研究を取り上げる予定にいたしております。この研究の成果は単に人工による気象の制御にとどまらず、水資源の開発、台風防災等の研究にも関連いたすものでございます。大いに期待をかけておる次第でございます。これらの研究に対します補助金及び委託費といたしましては、六千七百十万円が計上されております。 第八番目に資源の総合利用方策の調査について申し上げます。資源調査会を中心といたしまして、土地資源、水資源保全、防災及びエネルギー等、資源の基本的問題について利用方策の調査を継続的に行ないますとともに、特定の河川の治山治水についての総合的調査、並びに資源開発の進展に伴ない生じます資源構造の変化等につきまして、特別の調査を計画的に行なう予定にいたしております。これらのための調査に必要な経費といたしまして二千六百六十二が四千円が計上されております。 九番目に日本科学技術情報センターの整備について申し上げます。理工学部門及び原子力関係の情報の収集及び提供業務につきまして、着実な発展を期することに努力して参りましたが、まだ情報の収集数、提供内容等につきまして不十分な点が多々見受けられますので、明年度は質と量との向上に一段の改善を加えて参りたい考えでございます。このために補助金及び出資金といたしまして一億四千八百万円を計上することにいたしました。 十番目の日本科学技術振興財団整備の項について申し上げます。昨年三月発足いたしました日本科学技術振興財団は東京本部のほか、大阪、名古屋等にも地方本部を設けまして、その事業たる科学技術の普及宣伝、開発等、科学技術振興の国民的基盤培養のための諸事業もようやく緒につきまして、今後の発展が期待されております。政府といたしましても、明年度も引き続き補助金を交付いたしまして、ますます事業の拡充をはかり、特に産学連繋のための諸施設等を整備させる予定にいたしております。このための補助金として一億円を計上いたしております。 次に国際技術交流の強化でございます。海外先進諸国と科学技術の交流をはかりますことは、当面わが国海外技術の振興上きわめて重要なことと考えますので、毎年派遣いたして参りました研究公務員の海外留学生を増員いたしました。また日豪両国科学技術者の交流でありますとか、各種国際会議への積極的の参加とをはかる予定にいたしております。またアジア地域の電子科学技術の交流をはかりますために、本年秋東京で開催されます第一回アジア電子技術会議、これはまだ仮称でございますけれども、これにつきましても開催費の一部の経費に充てますために補助金を交付する予定にいたしております、なお、この表に数字が出ておりませんが、このほかに科学技術アタッシェの増強につきましては、明年度一名を増員することにいたしまして、その経費は外務省所管に計上されております。以上のような国際技術交流の強化をはかる経費といたしましては、外務省所管分を除きまして七千四百九十四万六千円が計上されております。 その他科学技術一般行政関係といたしましては、二億八千二百八十四万円が計上されておりますが、そのおもなものは発明実施化試験の助成がございます。優秀な発明考案であるにもかかわらず、経済的の理由からその発明の見本を試作することもできないというような個人または中小企業に対しまして交付いたします、発明実施化試験補助金及び開放発明機関に対する設備補助金は前年度と同額を計上いたしました。また地方発明センターでございますが、発明に関する諸施設を総合的に運営いたします、いわゆる発明センターを設置したいという要望が各地方に相当ございますので、昭和三十五年度に広島及び京都を中心とします地方に発明センターの設立されますに際しまして、補助金を交付いたしたわけでございますが、明年度は兵庫地方及び新潟地方に設置を予定されております地方発明センターに対しまして、その施設整備のための経費の一部を補助いたしまして、その育成をはかりたいと考えております。その他科学技術会議の運営費といたしまして約一千万円、海洋に関します調査研究のうち、重要事項を調査審議いたします海洋科学技術審議会の設置に必要な経費として七十万円、その他一般行政事務処理費として二億一千七百九十二万九千円を計上いたしたわけでございます。これらは科学技術長期計画の策定費「内外科学技術調査費、技術士法の施行費、科学技術の普及啓発費、各種審議会の運営費、内部部局の事務費、人件費等となっております。 以上が概要でございますけれども、科学技術庁関係の三十六年度予算につきまして御説明申し上げました。
○委員長(剱木亨弘君) 以上で説明は終わったわけでありますが、質疑の通告がございますので、これより通商産業大臣に対する質疑を行ないます。
○吉田法晴君 質問に入ります前に、資料でお願いをしたい点がございます。科学技術庁の大臣の所信表明の中にも、研究公務員の待遇を改善し、科学技術の振興に資したい、こういうあれがございますが、方々で予算の説明を聞いておりまして、研究機関、研究所等のいろいろ説明がございましたが、この研究公務員の給与一覧表といいますか、比較表、それに所管の部分のほかに、大学の先生等比較し得るものを添えて提出していただきたい。 それからもう一つ、通産省の財政投融資計画総括表について説明をいただいたのですけれども、これは実績は一件当たり幾ら云々という点が、これは過去のものでございますから、ございましょう。それに多少の説明をつけて、各項目別の、金融機関別の平均貸付融資の一覧表を、過去の実績と、それから予定といいますか、この表の説明として、平均を出していただきたい。これは専門調査室でもできるでしょう。お願いをしておきます。
○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて了さい。
○吉田法晴君 通産省の政策の中で、説明にもございましたが、産炭地振興については相当大きな決意をもって臨まれたかのようですが、結局調査費ということに終わったようです。そこでこの実際の政策あるいは仕事というものはどういう工合に進められるのか、それを承りたい。ということは、この予算のきまったと申しますか、大蔵省できまったあれによりますと、調査をするという、それから実際に進んでいるのは、官房長の説明にもありましたけれども、門司だとかあるいは苅田とか、あるいは若松等のいわば地域開発でありますかとの関連において、産炭地開発振興が進められている。そうしますと、これは筑豊、九州並びに全国的な石炭の現況は、私が申すまでもございませんが、現実に出ているこの縮小、あるいは閉山をし、あるいは失業者が出ているこの産炭地の実情に対する対策としては、いわば百年河清を待つというわけではないでしょうけれども、相当に時間がかかる。現実はとにかく放置できない実態にあるが、その放置できない実態に対して、この産炭地振興政策をやろうという意図が、その予算自身では必ずしも十分できないのではないか。そこで普通のような調査を進めておったのでは、その実態に即応できないから、あるいは県だとか市町村とかというような協力も得ながら、調査も、実際に今の融資とか補助の実態の中で、着手し得るものから着手しなければならぬという実情もあろうかと思う、従って産炭地振興という構想が、予算の曲では、あるいは法律の面では、制度の面では、若干くずれたようですが、それをどういう工合に緊急な実情に対して進めていかれようとするか、それを伺いたい。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 産炭地におきましては、御承知の通りだんだんと疲弊して参るのであります、これらに対して、当初は産炭地振興事業団というものを構想いたしたのでありますが、まだ未熟な点もありまして、この問題については追って研究をすることにいたしまして、さしあたり、産炭地振興対策について、まずもって疲弊を防止するとか、あるいは出てくる失業対策をどうするか、あるいはまたほうっておけばだんだん効率が低下する、石炭ですから、それを現地についてどうすればこれをある程度まで食いとめていけるかということでありますが、結局は多知的な工業の地帯としてこれを振興させるという、そういう大きなねらいになると思うのであります。その調査をいたしたいと考えておるのであります。 これはお説の通りゆっくりやったのでは間に合いませんから、大急ぎで、各地方団体を中心にいたしまして急速に進めたい。また主として筑豊を中心といたしまして、全国の産炭地おおむね十四地区にわたってそれぞれの振興のための調査をいたしたい、かように考えるわけであります。そうしてその大体の振興計画を樹立いたしましたならば、それぞれ産炭地方の各現地に審議会を設け、また、さらに中央におきましてもこれを総括する審議会を設けまして、その振興計画というものをまたさらに審議、検討を加える、こうして具体的な計画を漸次樹立するように進めたい、こう思っておるのであります。しかし、すでにもう計画の樹立されておる地方につきましては、たとえば裏門司でありますとか、あるいは苅田等の地方において、土地造成の問題がかなり計画が進んでおりますが、これらの問題につきましては、あらためて調査する必要もないのでありまして、その事業をスタートさせるという意味におきまして、これはそれぞれその地方自治団体に起債ワクを設定いたしまして、そして事業を具体的に振興せしめるということにしたい。かような考え方から大蔵省及び自治省とただいま交渉を継続している状況でございます。なお、産炭地振興に必要な法律の制定も、これも必要であろうかと存じますので、目下検討中でございます。
○吉田法晴君 あの調査をやっていく審議会を作っていく、そうすると普通でいいますと、これは幾ら急いでも一年かかるのですね、着手するのが。調査費ですから、予算をつけるわけにいかない。そうすると少なくともことし一ぱいはかかるということで、そして実際に進んでいるのは裏門司とか、あるいは苅田とか、その説明は先ほど官房長からも聞いたのですが、原計画がある。あるいは土地の造成されているところに低品位炭発電を作っていくといったような計画だけが進む。そうすると筑豊なり、あるいは下り坂にあります炭鉱地帯あるいは町村の対策にはならぬ。それで急がなければならぬ。まあ事業団の構想はくずれたが、審議会でやっていきたい、あるいは法難を作りたい、計画をこしらえたいと言われるのだけれども、超党派で事業を進める、調査を進める、あるいは法律を作るという話が進んでいるのは承知しております。承知しておりますけれども、まだそれも目鼻がついておらない。そうすると現地の実情は、先ほども申し上げましたように、あなたの言われるように一日を争う状態です。委員会が始まります前に委員長は、田川の添田で炭鉱を不法閉鎖しようという話があるということで、これに対する対策、石炭はあるのだが、どうするのだという陳情を受けられて、現実にとにかく火がついている、各地において。そうすると調査を進めるのと、それから対策を進めなければならぬ。石炭はある、今までの掘り方では高くつくから云々というならば、そこでやはり総合開発というものを考えなければならぬ。それから重工業地帯の新らしい造成ということも進めなければならぬ。調査をしながら進めなければならぬ。それをどういう工合にやられるか、今のような一般的な方針では、これはなかなか間に合いませんよ。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 御説の通り一日を争う問題だと思います。しかし、ただそうかと言って、めくらめっぽうに進めるというわけにもいかぬので、やはり現実には実態を十分に調査をして、そしてそれに対して一年なら一年の後に力強い対策を講じていくという段階ではあるまいかと思いますので、さしあたりは、従来の離職者対策というものでこれに対処するということになろうかと思います。
○吉田法晴君 離職者対策というのは、出てきた離職者をどうするかということで、離職者を出さないように、あるいは総合開発だとか、あるいは調査を進めながら、自治体の協力を得て進めていく、こういうことでなければならぬのじゃないかということをさっきも申し上げている。総合開発の点について石炭局長から……。それからあとの調査を進めながら、自治体の協力を得て、ことし中にもとにかく進められるものは進めていく、こういう方策がとれないものか、具体的なことですが。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 調査が非常に進みまして、まあこれならばということになりますれば、必ずしも来年度からというそれまで待つ必要は私はないと思いますから、それらの場合には追加予算等でできますから、あらゆる実現の方法について考究して、早く調査ができたものはそれに応じて実施をするということにしたいと考えますけれども、まあ実際問題としては相当やっぱり準備をしてかかる必要があるので、そう手早くいくかどうかということにつきましては多少危惧を持っております。もちろん、手早くめどのついたものは何とか方法を発見してその実現に進みたいと考えます。
○吉田法晴君 その審議会の出発はいつぐらいになるのですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) この法律が施行されましたならば、できるだけ早く手順を進めたいと考えます。
○吉田法晴君 それでは、審議会の設立、法律案の起案あるいは通過を急いでいただくように要望いたしておきますけれども、自治体あるいは関係者の協力も得て調査を急ぎ、そして調査、成案が進んだところから、現在の融資あるいは起債等のワクでも具体化し得るところもありましょう。土地もある、それから建物もある、人はあるのですから、土地を作って提供するくらいの方策は市町村でもやるべきじゃないかと、こういうことを私は今言って、いるのですが、そういう自治体、市町村なり県なりの協力を得て調査立案を進めながら、着手し得るところから着手していく、その方針で進んでいただくことと、それから案を得れば追加補正予算でも組んでやりたいというようなお話ですから、急いでいただくことを要望いたしまして、きょうはこれだけにしておきます。
○向井長年君 きょうの通産大臣の産業政策の重点についての説明に直接関係あるわけじゃないのですが、ちょうど昨年の末の特別国会で、私が予算委員会で通産大臣に、あるいは総理大臣に質問をいたしました電気、ガス税の問題でございます。その後いろいろと聞いておりますけれども、非常に最近の情勢では、何と申しますか、通産省の意図が、地方自治の財源、こういう立場から、自治省とその見解が非常に違うように聞いております。従って、私はあの予算委員会で大臣なり、あるいはまた総理大臣に質問いたしましたときに、こういう悪税は一日も早く撤廃をすべきである——これはもう総理大臣も言っておりますし、通産大臣も言われました。で、そういう意味から、しかし今直ちにはできないから、できるだけのいわゆる減税をいたしたい、こういう趣旨で言われたと思う。これはもっともなことだと思う。そこで、しからば減税はどれくらい考えているのか、こういう意図からいろいろ質問いたしましたところが、最終的には、池田総理も、五百円程度は免税をしなければならぬと思う。これは明確に答弁された。その免税の仕方につきましても、いわゆる基礎控除あるいは免税、こういう二つの方式があって、本来であるならば基礎控除をやるべきではないか、こういう意見も私は出しましたけれども、これについて最近どういう情勢にこれが発展しつつあるか、 この点をまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 電気、ガス税の免税につきてましては、家庭用の電気、ガス税につきまして、低額——ごく低いものについては免税措置をぜひとりたい、少なくとも低い方から免税措置をとりたいと、こういう考え方で関係方面と協議を進めておるのであります。総理がいつのどの機会に五百円ということを申し上げたか、私も今ここで初めてお聞きするのでございますが、とにもかくにも、低い方からこれを免税していこうじゃないかというので、われわれの方は自治省にかけ合っておる状況でございます。しかもわれわれの主張としては、いわゆる基礎控除の方式によるといういき方で、ある一定の金額以上のものについても基礎控除を認めていく。ところがこれに対して免税点でいこう、免税点をこえるものについてはさかのぼって全部課税の対象にするというような考え方と対立しておるような状況でございまして、ただいまのところは、まだどういう結論に落ちつくか、予断を許さない状況でございます。
○向井長年君 今、大臣が明確に言われましたが、通産省としては、大体基礎控除が現在の中では最も適当である。しかしまあ自治省筆で、やはり一応財源の確保という立場から問題がある。こういうことだと思うのです。自治省は。ただしかし、ここで明確にしておかなければならぬ問題は、御承知のごとく非課税の産業があるわけですね、業種が。特に鉄鋼とか化学肥料あるいはアルミ、こういう業種に対しては完全な免税をしておる。しかも国民が生活がするのに最も必要であるあかりとか光熱に対しましては、今の自治省でいう案であれば三百円までは、それはもう低所得者にはこれはかけない、それ以上はかけるのだというこの考え方は、当初総理大臣なり通産大臣が言われましたように、悪税であるから撤廃するという趣旨には反する。だからその趣旨から考えるならば、少なくとも最低生活と申しますか、そういう人たちにはすべて免税しなければならぬ。それは基礎控除をしなければならぬ、こういう方式になると思いますが、この点どうも通産省は腰が弱いのじゃないかと思います。やはり国民生活を考えるならば、これは地方財源の問題もありましょうが、こういう本筋はもっと堂々とやはり通産大臣は主張をしてもらいたい。 これは国民生活の上から考えて、電力は御承知のごとく毎年需要が伸びていく、それによって自治財源はどんどんふえていくわけです。そういうものを無制限にふやし続けて、そうしてそういう問題は三百円までの免税だと、こういう全く、これは私たちから考えるならば、税の公平の原則から考えておかしいと思う。そういう立場が——どうもこれは私は質問というより、通産大臣に一つこういう問題は常々とがんばってもらいたい、こういう意見から言うわけなんですが、従って三百円の免税というような形になった場合に、一番多いのは、これは電気の場合は、御承知のごとくメートルでいえば五十キロですね。電灯の場合においてこういうところが平均なんです。そうすれば大体五、六百円というのが料金なんですよ。これが全般の現在の一応の何といいますか、水準というような、生活に必要な何と見なしていいと思います。僕は三百円では少ないと思う。そういう点から考えるならば、われわれは撤廃を要求しますけれども、現在の一段階として考えるならば、やはり基礎控除をするということ、しからば今の額はどれくらいにするかといえば、一応全国平均の五十キロなり五百円程度のワクをとっていくことによって、文化生活とはいいませんが、一応の最低生活的な、若干文化を取り入れた生活基準に合うのじゃないか。こういう立場から先般の予算委員会でも総理大臣もそういうことを言っておられますし、また通産大臣もそういう意向があるのだから、こういう点はまだ決定いたしておりませんので、今後税制改革の中で、これは十分一つ通産省として主張していただきたい。これは私は特にこれ以上質問いたしませんが、いずれまた問題が提起された場合にはいろいろと意見を申しますけれども、強い要望として通産大臣がんばっていただきたい、こう思います。
○岸田幸雄君 今の話に出ております電気、ガス税の免税の問題ですね。やはり通産省においては、これは悪税とお考えになっておるのでございますか。あるいはすでに現行の税である以上、そこに税源ありとしてとるべきであるとお考えなのか。それから今お考えになっておる減税問題は、定額灯だけについて考えておられるのか、あるいは従量制についても考えておられるのか、その辺のことをちょっと伺ってみたいと思います。
○国務大臣(椎名悦三郎君) この前、参議院の予算委員会で御質問がありまして、私その際にはっきり、これは、いわゆる悪税というものだろう。電気、ガスというものは、これは生活必需品でありますから、それに漏れなくかけるなんということは、これは税金としては全くよろしくないと、こういう考え方は今でも持っております。ただ、いつの間にか地方財源として相当何官億か占めるという現状において、かわり財源がないからどうしてもいかぬというので、これはしがみついておるのですね。それでしょっちゅう議論が起こるのでございます。今後大いに努力して参りたいと存じます。それから定額のほかに、やはり従量制であっても、低い方はやはり基礎控除、あるいは免税という、定額制と従量制との区別にかかわらずやるべきものであるというような考え方をとっております。
○委員長(剱木亨弘君) 他に御質疑はございませんか。——他に御質疑がなければ、本日の質疑はこの程度にとどめます。 本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十四分散会