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38回国会参議院1961/05/23

社会労働委員会 第30号

発言数
264
登壇者
13
会派数
2
開催日
1961/05/23

会議録

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。  この際、委員の異動について御報告をいたします。  五月二十二日付山本杉君辞任、田中茂穂君選任、以上であります。   —————————————

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 国民健康保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。これより質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。  ちょっと速記やめて。   〔速記中止〕

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は、国民健康保険の今度の改正点があまりにもワクが狭過ぎるし、そして厚生省自身は、国民皆保険というものをどう見ておられるか、私は非常に疑問でならぬのです。この予算作成にあたりまして、今の地方自治体の国保に対する国庫負担の要求、それから被保険者の非常に苦しい状態、これは私はやはり市町村単位で国保をやっていますから、だから、市町村の長としては自分の自治体の財政も苦しい。しかし、それとあわせて住民の所得の多い人はいいけれども、所得の少ない人の現状は見ていられない、こういう立場から、全国市町村長会、議会において少なくとも四割ぐらい上げてくれなければ今の負担に、四割ぐらいの国庫負担をしてくれなければ市町村の財政がもたない。あわせて、少なくとも七割・七割の給付ぐらい最低必要だという要求があるわけです。で、まあ政府は、国民の世論の上に立って政治をやるとおっしゃるのですから、政党間における、国会の論議における問題を乗り越え、この地方自治体の苦しみというものをどうして採用するかというところに心をいたさなければならぬと私は思っている。厚生省としては五分の一、七・七で一割上げてやろうということで一応はお出しになりました、予算要求のときに……。ところが、一応知らぬ間に消えてしもうて、結核と精神病の、それも世帯主負担だけをこれをやる、七・七に上げる。私はそれは少し、せっかく国保によって日本の医療制度、保険制度の残ったところを皆保険でやろうということは、全くもって私は根本的にはずれてしまったのじゃないか、こういう工合に思っているわけです。だから私は、一番先に聞きたいことは、厚生省は、この皆保険の今は経済面それから給付の面と言っていますけれども、もっとたくさんの問題があります。無医地区もあり、無薬局地区もあり、そういう問題もわれわれ明らかにしなければなりませんが、まず第一に申し上げたいことはこの問題ですね。保険経済がどういう工合にして維持していくか、それから国民生活の関係において給付をどういう工合にやっていくか、この問題を私は、予算を出したのだから厚生省はしようがないということでなしに、厚生省としては、将来国保を具体的に進めていくのにどうすればよい、どういう覚悟があるかということを初めに聞いておきたいと思います。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) ただいま藤田委員から、国保についての基本的な考えについての御質問がございました。それでまず、国保につきまして、厚生省として第一に考えておりますことは、本年の四月一日までに全国に国保を普及させるということが第一の目標でございます。これは先般も御報告申し上げましたように、五つの村を除きまして皆保険という実績を上げたのであります。これが第一の目的でございます。  それからそれと並行し、あるいはそれに続きます問題としましては、ただいま御指摘のございましたような、現在の世帯主、被保険者を通じて五割という給付率は少ない、低過ぎる。これをもう少し引き上げねばならぬという問題でございます。昨年の予算編成の過程におきましても、一応厚生省の事務的な案としましては、一律に五割給付に引き上げるというような積算もしてみたのであります。結果におきましては、財政上の問題その他の点からいたしまして、今回提案いたしましたような世帯主について、結核、精神の給付率を七割に引き上げるということをまず第一歩として進めたいと思うのであります。従いまして、単に世帯主についてのみ結核、精神の七割の給付率引き上げということでは不十分でございまして、今後これを他の疾病について、また、家族につきましても引き上げねばならぬという問題は当然残っておるわけでございます。この点につきましては・今後十分その方向に努力したいと思います。  それから国庫負担の問題でありますが、現在の給付率のままにおきましても、なお国保の財政が困難であるので給付率の引き上げをしてもらいたい、あるいは最近におきましては医療費の引き上げに伴いまして、保険者負担、さらに患者負担をなくするための国庫負担の要望等もございます。この目的につきましては、ある程度の措置をいたしたのでありますが、なお、要望のあることは承知いたしております。それから給付率の引き上げをいたします場合につきましては、当然国庫負担の引き上げも考慮しなければならぬということは予定いたしております。いずれにいたしましても今後給付率の引き上げ、これに伴いまするところの国庫負担の増額という点は、今後におきます国保の一番大きな問題であると思いまして、来年度以降におきまして実現の方向に努力して参りたいと思います。

安藤覺自由民主党厚生政務次官

○政府委員(安藤覺君) 藤田先生の御質問に対しまして、ただいま保険局長から事務的立場においてお答えいたした次第でありますが、事実ただいま保険局長の申しましたように、給付率あるいは地方財政への考慮等について、昨年十二月の予算編成にあたりましては、大臣ずいぶんと努力いたされまして、また、私も若干お手伝い申し上げたのでございますが、何分にも、かように申しては大臣にはお気の毒でありますが、当時あまりにも多くのものが殺到いたしまして、端的に申しますれば、政治力の不足ということを反省せざるを得ないのでありますが、来年度予算編成に当たりましてはそう一そうの努力をいたしまして、万々御期待下さいます方向に向かって実現を期したい、かように存じている次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 国民皆保険をことしの三月三十一日までに実施する。それはわれわれもまことにけっこうだ。問題は内容なんです。それで、今の安藤政務次官のお話を聞いて、まあ率直なお話があったと僕は思ったのですが、しかし私はあなたに申し上げるのが適当かどうか知りませんけれども、これは池田内閣自身の政務次官ですから申し上げたいと思うのですけれども、昨年と今年の税の自然増収、三十五年度の税の自然増収、金が余って持っていきどころがなくなって一千億以上の金が三十七年度に持ち越されているという、この現実です。三十六年度においても、私は今からとやかく言いませんけれども、当初予算に組んだ三千九百三十億どころか、二千億ももっとの自然増収が見込まれているというのは、これは国民一般の常識なんです。それでいてこのところに金が回らぬ、まことにもって政治力の不足と思いますが、労働行政、厚生行政が今の池田内閣の政治の中で一番底に置かれている。こういうことでいいのかということを私たちは申し上げたい。たとえば今度の皆保険の、大都市が残っていました。大都市が残っていましたけれども、皆さん実施状況を厚生省の方は御存じだと私は思うのです。名古屋においては本人八割、それから家族五割です。大阪もその通りです。それから東京、横浜は七・五です。京都は家族を含めて六・六なんです。この現実ですね。地方財政が困難な中においてもそれだけのことをやらざるを得ないという、この現実というものを私はやはり見てもらいたい。そういう中から少なくとも七割、七割にこの国保を上げなければ住民の生活や所得の関係で耐えられないということ、あわせて、それを見でいられないから、地方自治体がアンバランスな、非常に豊かなところもありますけれども、豊かでないところも無理をしてこれだけのことをやっているのです。やらざるを得ない。他の問題を削減してでも、この国保の給付の問題について地方自治体が相当な財源をつぎ込んで実施をしているのです、政府が皆保険で命令しているから。この命令という形がいい悪いは別として、皆保険自身が行なわれるということは私たちはいいことだと思っています。思っていますけれども、このような状態に置いて、単に政治力の不足ということだけでは片づけられないと私は思う。衆議院においてもこれが議論になりました。しかし、だんだん発展した姿の結論において、何とか考えようということで終わっているようであります。その考えるということは、どこで裏づけられているか、どういう工合に裏づけするのかということは、やはりこの衆議院から回ってきた参議院の委員会で明確にならなければ私は非常に問題だと思うのです。ここに法案に出てきている問題では、今までなかったところに精神、結核の世帯主を七割給付にするということですから、この法案自身を見ていたら、これは一歩前進の形でいいでしょう。一歩前進の形でいいけれども、根本的な問題にやはりメスを入れなければいけぬ段階に今来ているのじゃないか。この基本的な問題を議論せずに国保の問題を、ちょっとでも前進したのだからいいだろうということだけで私はこれを片づけられる問題ではない、こう思う。だからその点はもっと具体的だから、次官や保険局長にそういう動きをどう把握しているかということを一つ御意見を聞かしてほしい。今の一連の動きについてどう把握して対処しようとしておられるか。

安藤覺自由民主党厚生政務次官

○政府委員(安藤覺君) お答え申し上げますが、かねて来大臣も申しておられるんでありますけれども、健康保険の問題に限らず、厚生政策というもの、また行政というものが、従来散漫に、分散的に施設され発達してきた、そこでまことに制度同士の間において短いのがあり、長いのがあり、あるいは矛盾がありというような姿もありますので、ここらで厚生関係の施策について根本的に調整もし、考え直しもしなければならぬ時期に到達したと思う、ということを申しておられまして、これが第一着手として審議室を設けて、そこにいろいろいと研究を命ぜられておられるようでございます。これらのものは少なくとも七月一ぱいか八月中ごろまでには一応の案を得せしめられて、さらに大臣のもとにおいてこれを検討され、しこうしてそこに来年度予算に向かっての方策が立てられることはもとよりでありますが、今後における厚生行政の上においての基本的な長期計画を立てていこうという意図を持っておるのでございまして、これらのものが大よそ固まりましたならば、適当な機会に御披瀝申し上げて御批判もいただき、そして実現に進むことに相なろうかと存じております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は、もう少し根本的な問題に触れておきたいと思います。私は、国保ばかりとは言いません。国保ばかりとは言いませんけれども、これだけ日本の経済が高度成長しているわけです。ことしは四兆をこえるような設備投資があって、生産増強も行なわれている、じゃこれをどこで需要するのか、国民経済全体の問題から見たら、これをどこで需要するのか、需要の場というものは何といっても勤労国民の購買力の向上ですよ。これ以外にないんです。一つは完全雇用という問題がございます。やはり勤労者の生活水準を引き上げて、購買力を作るという問題がございます。もう一つの問題は労働の谷間におられる方々の社会保障を通じて、やっぱり生活水準、購買力を引き上げるという問題がございます。この問題を真剣に考えない限り日本の経済はどうなるんだ、厚生白書にも訴えられることは訴えられておる、貧富の差が大きくなってきて、どうにもならぬから、もっと社会保障を、国民生活の保護に力を入れなきゃならぬということを厚生白書でも訴えることは訴えられているけれども、この根本の問題というものが議論にならないで、ただ出てきた金の数字をどれだけこっちへやるかやらぬかという基本的な問題が議論されないで、そこんところで政治力があるとかないとかというととで、私は社会保障の問題を見ていてはいつまでたっても解決しないと私は思う。厚生省にはたくさんの有能な官吏がおいでになるわけですから、だからそういう基本的な問題からあわせて、いかに今の日本の高度成長というものを維持し、経済繁栄をするにはどうあるべきなんだという問題が大いに議論されないと、今のような結末に全部終わってしまうわけですよ、そこらまで考えておられるのかどうか、私はそれが聞きたい。どうも厚生省のいろいろの説明を、法案の説明をずっと聞いていると、そういう基本的な問題には触れておられない、そういうことが頭の中にあるのか知りませんけれども、表の議論として、表の問題として現われてきていないというところに、社会保障全体の私は鈍化がある、これだけ経済成長しておりながら出てきていないのじゃないかと私は思うのです。池田さんは非常に今度の予算で、社会保障については大きく踏み切ったとおっしゃっておりますけれども、新規にどれだけふえたのか、ことし一年で自然増を引いてしまえば、政府の計画からくる自然増を引いてしまえば、社会保障費の費用というものは、どれだけ予算というものはふえたのかという議論までしなければならないことになってくると私は思うのです。だからむしろ、社会保障を進めるのは、困った人に金を与えるということじゃなしに、これはもう憲法に明らかな通りであります、一つの論理としては。しかし、もっと乗りこえて日本の経済を維持するのだというところまで論議を進めていいのじゃないですか、そこらあたりの考え方を、次官とそれから局長から伺いたい。

安藤覺自由民主党厚生政務次官

○政府委員(安藤覺君) ただいまの藤田先生の経済繁栄論、需給方策からくる社会施策の御意見には大きく啓発をいただくものがございます。私もまことにしろうとでございまして、あまり大きな口はきけないのでありますが、おぼろげながら先生のおっしゃっておられることが理解できるわけでございまして、全く困った人を救うという考え方のもとにおける社会保障制度というものの考え方が、すでに前時代と言いましては大げさになるかもしれませんけれども、過去のものでなければならぬ、この人々に大きく刺激と基礎とを与える、そうして産業経済の上に立ち上がって、それがやがては購買力の増大ともなるというようなことによって、よりよき意味の循環法則によっていくものであるとするならば、直接目の前に見る社会保障制度というものは、全くのただ消費ということのように考えられますけれども、根深く考えてみればそれが大きな生産の根であるというところに着眼していかなければならぬのじゃないかと思います。かように考えてきますときに、池田総理におかれましてもおそらくこの意見には同調して下さることであろうかと思います。こんなような観点に立ちまして、今せっかく大臣は長期計画を立てよと言って事務当局に命じて、専門の人々十人ばかりをして研究をさしておられるようでありますが、まだわれわれはその席に加わっておりませんので、残念ながら、その中において今の先生のお話のようなところから出発して、意見が交換されているかどうかは聞いておりませんが、折りをみましてというよりは、むしろ積極的に、こういうお話もあったが、御参考までにあなた方の勉強の中に加えられたらということを、私からも審議室の人たちに申しておこうと、かように存ずる次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 保険局長どう見ているか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) ただいま政務次官からお話がございましたと同じでございまして、特に申し添えることはございませんが、ただいま先生の御指摘ありましたことは、最近における経済力の伸張、また、具体的には所得倍増計画等があって国の所得、国民の所得、経済力が伸びていって、それに応じてこの社会保障の施策をどういうふうにしたらいいか、それを根本的に考える必要がありはしないかという議論のようでございますが、ごもっともでございまして、この点につきましては、厚生省におきましても、事務的に、ここ数年来、社障保障の長期計画というものを内々検討いたしておりまして、気持といたしましては、政府が所得倍増計画を発表するのと同時に、それに見合うところの社会保障長期計画というものを策定いたしたいということで作業を進めておったわけでございますが、やってみますと、非常に困難でございまして、また、一面からいいますと、所得倍増計画というものがはっきりしないと、社会保障計画というものも作りがたいと、マッチしたものができがたいというような事情もございまして、作業がおくれております。しかし、最近におきまして、所得倍増計画の内容もはっきりいたしましたし、それから最近の経済の伸びといいますか、その状況もある程度把握されて参りました。そういう前提がある程度はっきりいたしましたので、目下、それに見合いますところの長期計画の策定を検討しておるところでございます。完全なものができますのは、これは相当ひまがかかると思いますけれども、さしあたりの具体的な問題といたしましては、大体の基本的な構想をなるべく早く策定いたしたい。具体的な点は別といたしまして、基本的な構想は早く策定いたしたい。  それから政務次官からお話のございました、その一環としての社会保障制度の総合調整、さらに狭く申しますと、社会保険の総合調整という問題でございますが、そういう問題も、とりあえず取り上げてみたい。最終的な考え方がまとまりますのは、若干ひまが要るといたしましても、来年度の予算編成と申しますか、予算編成に役立つ程度の中間的な結論を、少なくともここ数カ月の間に出したい、こういう気持で作業をいたしておるわけでございます。  それからなお、御存じのように、厚生省内部におきまして、こういう検討と同時に、内閣にありますところの社会保障制度審議会というのがございますが、ここにおかれましても、来年の三月を目標に、この社会保障の総合調整の問題について、結論を出すという方向で御検討願っております。なお、最近におきまして、厚生省からの、特に来年度予算編成について参考に資したいから、できるだけ早く、来年度予算編成に間に合うように、中間的な御意見でもお聞かせ願いたいと、こういうようなお願いもいたしておるわけでございまして、完全なものじゃございませんが、一応ここ数ヵ月の間に、中間的な考え方なり、目標を作りたいと、こういう気持で、ただいま厚生省におきましては、官房の総合審議室を中心にして、検討を進めておるような状況でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は、保険局長に、その政治的な問題の議論までせよとは言いません。しかし、少なくとも、あなたは、一般人よりか秀才の官吏ばかりがお集まりになっておるのだから、日本経済がどう動いているか、どういう工合に伸張していくかということは、一般国民より何倍か知識の吸収がいいのだから、わかると思う。経済の成長が確定いたしましたらとか、見通しがつきましたらというような今お話がありましたけれども、そういう一般論は私は申し上げませんけれども、今日、一昨年、昨年今年という工合に、日本経済は伸びていく。その経済が成長した中で、五分の一ずつの、七、七の問題をお出しになった。そうでしょう。そういうふうにピントを合わされたなら、日本経済が伸びてきたなら、五分の一じゃなしに、三分の一、二分の一にすべきだといって、事務的な面から主張するのがあたりまえじゃないですか、国保の問題一つとってみたって。そういう私は心がまえを聞いている。だから、その数字のいじくり合いとか、予算の取り合いとかいうところに問題のピントが合っているのじゃなしに、根本的に日本の経済の中における、国民生活の中における国保を初めとして、いろいろ社会保障制度が、社会保障全般についてあなたに質問しませんけれども、その一つとして、国保についてもどうすべきかという問題は、あなたは経済の問題の関連においてとおっしゃるなら、なぜそういう工合にすぱっと案をお立てになって要求されないか、今時分経済の見通しについて云々というようなことを議論されるのがおかしいじゃないですか、これは政治的な問題は別ですよ、大臣、次官を通じておやりになることです。しかし、あなた方の事務当局として、経済の問題というものの中に社会保障をどういう位置づけをすべきかということになってくれば、そういうことは事務当局でもっと考えるべきじゃないですか、私はそう思うのです。医療問題しかり、あらゆる社会保障の問題については、そういう日本の経済の動向の中における国民生活ということを考えてみたら、事務当局がそのくらいの心がまえと案をもって、そうして行政に生かしていくというところに力を入れるべきじゃないか、ここへおいでになったら、この法案がきまったのだから、この法案の説明だけ、これはしようがないと私は思います。思いますけれども、心がまえというのはもっとしゃんとしてなければ、国民の見ている目とは行政の面は大きな食い違いが出てくる、貧富の差が大きくなったからこれを何とかしなければならぬということは、口で言うだけであって、現実に貧富の差がだんだん大きくなるような政策が厚生省のあなた方によって作られているということを、そこのところを認識しなければいかぬ、それを言っているのです。あなた方の手によって貧富の格差の拡大をやっているという以外に何ものもないじゃないですか。厚生白書で訴えていることと、あなた方が今やろうとしていることはどうなんだということを一ぺんこれは考えてごらんになったらどうですか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 先ほど抽象的なことを申し上げたわけでございますが、医療保障という問題について考えてみますと、これは世界的な各国の医療保障の問題に対する考え方、あるいはILO、国際社会保障会議の原則、こういうものに照らして見ますと、ともかく医療につきましては、現在の日本の医療保障の内容というものは不十分である、レベルに達しておらぬということは言えると思うのでございます。特に国保でございますとか、それから被用者保険の家族につきましては五割という給付でございますので、これが医療保障としての目的、性格からいいまして十分であるかどうかというと、これはだれしも十分でないという見解を持っているわけでございます。それでどの辺を目標にやるかという問題が一つございます。これもなお十分詰めてみなければなりませんが、一応大づかみの勘といたしましては、最低限七割給付と申しますか、七割程度の給付を保障するということが、医療保障という精神からいって少なくとも必要じゃないだろうか、こういう傾向は世界の各国を通じましての一応のレベルであるという認識を持っております。従いまして、昨年の予算編成におきましても、一応の目標を七割給付というところにおきまして、これを一挙に実現するということは、これはやはり最近の経済事情と申しましても困難な事情がございます。その方法として、いろいろな方法が考えられるわけでございまして、五分の一、市町村から始めていくとかいう問題、あるいは重い疾病、たとえば結核とか精神というような長期にして、かつ、経費を要するような病気について先にこれを七割給付に持っていくというような、いろいろな方法論がございます。その方法論の一つとしまして、昨年考えましたのが五分の一ぐらい市町村はやっていく、あるいは長期、かつ、多額の経費を要する疾病を先に取り上げるという段階論があるわけでございます。そういうような方向で一応検討したわけでございますが、具体的に折衝した結果が、その一部でございますが、ほんの段階の一部かもしれませんが、今回提案いたしますような、長期かつ、多額の経費を要しますところの結核、精神について七割という一つのスタートを切った、こういうような気持でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は、この今の法案に出てきている考え方について、このことだけ自身について、これに反対するとか何とかという議論をしているわけじゃないのです。あなた方の心がまえとしていかにあるべきか、社会保障や国保その他の問題がいかにあるべきかということは、経済との関連、国民生活との関連において、それが考えられなければならぬということを言っておるのです。だからもっと端的に言えば、三十四、五、六年と、これだけ経済が急角度に外国にも例を見ないほど成長しているのだから、国民の要求というものは、私たちの気持からいったらもっとこれを高度にすべきだと思いますけれども、あなた方がことしの予算に、五分の一ずつで七、七にしていこうというこの気持を出して来られた。それでは私たちは今日の経済の中から言ったら不満だと思っております。しかし、それが、その日本の経済がダウンをしたとか緩慢になったとかいうならともかくとして、どんどんと成長している中において、それは政治力云々で下げられたかしれぬけれども、あなた方の気持というものは五分の一じゃなしに、三分の一とか二分の一やらなければいかぬのじゃないかという私は決意と信念があってしかるべきだということを言っている。そういうことの問題にピントを合わして、最終的にどうなったとかこうなったとかという問題はありましょう。それは大蔵省の関係でありましょうけれども、その心がまえの問題を聞いているのです、心がまえの問題を。そういうことが基本的に厚生省の中で議論をされて、総合的な問題の議論をされて、その中でこの取り扱いというものをきめなければ、私がさっき言ったように、貧富の差が拡大するから何とかしなければならぬということじゃなしに、結果的にはあなた方のこういう法案をお出しになることは、貧富の差の拡大にあなた方が力をいたしているという結果になりますよということを、こう言っているのです。そこらあたりの理解はどうですか、もう一度聞かして下さい。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) まあ言葉じりになるかもしれませんが、この法案の内容自体は、やはりおっしゃるようなこの貧富の差を拡大する方向へ持っていくというような内容じゃなく、むしろ反対の方向だと思います。先ほど申しましたように、長期多額の疾病については、これは経費を要する疾病につきまして給付率をよくしようということでございますから、方向としてはこれは悪い方向じゃない。貧富の差を拡大する方向じゃない。むしろそれを少なくする方向に向かったはずだと考えております。  それで、先ほど申しましたように、経済力の発展ということもございますが、それから医療給付と医療保障という問題自体につきましては、今の五割給付じゃこれは非常に不完全であるということは、これは認識しておるわけでございます。それで、一応、昨年来、七割という目標を国保につきましては置きました。それからこれを最後的に確定するにはやはり各保険の総合調整という面が出て参るわけでございますが、まあおそらくそういう検討の過程におきましても七割あるいは八割というふうな線が一つの目標線としては出るだろうと思います。その方向にともかく持っていく。いいものは、たとえばこれは被用者保険の本人でございますれば十割でございます。これはそういう状態であって、ともかく悪いものを上の方に持っていく。給付率をよくする。その目標をどこに置くか、七割になりますか八割になりますか、ともかくこれは詰めて検討する必要がありますが、とにかくそっちの方向に持っていかなければならぬという気持で検討しておるわけでございます。

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 速記をやめて下さい。   〔速記中止〕

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 だから私は、あなた方は事務官吏なんだ、そういう立場はよくわかります。しかし、その事務官吏なんだという立場はよくわかりますけれども、やっぱりあらゆる行政面の基本をおきめになるのはあなた方の能力なんですからね。一年や半年——場合によっては半年で大臣や次官がどんどんかわっていかれるのですから、だから行政の責任は——責任は大臣、次官にありますけれども、あなた方が立案してあらゆる行政の基本をきめそうして実施をしていくということになるわけですよ。だからあなた方の考え方というものががっちりしていないと、単に事務的な数字いじくりになったり、バランス調整ということになっては、現実の行政というものはなかなかうまくいかないのじゃないかと思う。あなた方がお考えになったことが百パーセントそれは政治の面に反映しないことがあるでしょう。これは私はそれまであなた方を責めようとはいたしませんけれども、しかし、事務当局としてですよ、そういう基本の行政からほんとうに大臣や内閣の手足として動かれるのであり、立案をされる立場にある方々の考え方というものが、その基本的な問題というものを皆さん方の議論——作成される母体で議論されていないでおやりになるのでは今のような結果になりますぞということを言いたくなってくるわけですよ、実際問題として。だから私は、この法案自身についてとやかく言っているのじゃありませんけれども、そういう私が今議論したようなものじゃありませんかと、国保の問題にしても社会保障の推進にしても、そういう立場でそういう問題の議論をして進めていかなければならぬことになりはしませんか。こっちは大蔵省に予算要求をした、それは、これだけの金のバランスがあってしようがないのだと言えば、これはそのままそうでございますかといって政治力不足で引き下がるような簡単なものじゃありませんよ、こういうことを言っているわけです。そこらあたりをやっぱり少し考えてもらわないと、この問題解決しないと私は思うのです。だから、私たちは衆議院におきましても、市町村の方々は四割国庫負担をして七、七に上げてくれと言われるけれども、医療費の値上げやその他を含めて、少なくともこれだけ財源  結局何が最後の締めくくりになるかというと財源措置ですよ。その財源はこの日本の経済の中においても相当な余裕があるということも皆さん御認識があるのだから、だから少なくとも一割ぐらいを引き上げてこの医療費の被保険者負担の問題と、それからこの国保の給付の引き上げの問題とを考えるべきではありませんかということを衆議院でも私は主張したと思うのです。私たちもそれを主張したい、具体的な問題に入ってきたら。今の論議については、大むねそういう考え方にはまあ賛成だと、私の議論には賛成だと言っておられる。そうして具体的な問題になってくると、政治力云々とか何とかでこの結末がつくということでは話にならぬじゃありませんかということを言いたい。だから私たちは、その問題はまあ国の予算が通ったのだから、だからきょうからというわけにはこれは参らない問題だと思います。しかし、少なくとも一番早い機会に実現というものをはかっていかなければ、私はこの国保全体の、国民の問題もあわせて、日本の経済が成長していく問題との関係においても、重大な問題でありまするので、だからそういう点を内閣の中において大臣をして言わしめる、池田内閣によってそういう方向を明らかにするように厚生省あげて努力をしていただかなければ私はならないのじゃないか、きりっとした心がまえが、皆さん方が十分に議論されて、経済の成長の中における社会保障の実現というものを皆さん方が議論されて、おおむねいいというなら、そういう議論がされるなら、この問題の解決については私たちもそんな無理なことは言いません。好き勝手のことは言いませんよ。しかし、そういう方向というものは自然に出てくるのじゃないか、しかし、基本的の心がまえがないと、要求は一応してみた、それはこうだといって言われれば引き下がっていって、事務的の折衝から一歩も出ていないというようなことでは、私は社会保障というのは進まないのじゃないかということをさっきから少し議論したところなんです。

安藤覺自由民主党厚生政務次官

○政府委員(安藤覺君) 藤田先生のお話し、だんだんに承っておりまして、事務当局からあとで怒られるかもしれませんけれども、正直に申しますと、最近の経済の発展、成長というもの、そうして池田内閣において政策の三本の柱の一本に取り上げたという、この社会施策の考えの大きく浮かび上がった問題については、今まで何か余りものがあったらやろうというような態度で、往々にして厚生予算というものを見られた、その中に育ってこられた厚生省の事務当局の方々としてはかなり驚きでもあったと同時に、戸まどわれたことがあるのじゃないか、こんなふうにも私は実は考えます。そうして考え方の基本とされましては、先ほど来保険局長も申しておりますように、一応基本的にはそういうものを持っておられるのでありますけれども、あまり急激の成長、変化に対して、今先生のお話を承りましたが、現在の森本局長の考え方なりものの見方というものは、先生のお話に十分に共鳴できる立場を持っておられるようでありまして、過去においてはそこまであえて厚生省の事務当局のみならず、一体にこの委員会に御出席賜わるような諸先生方におかれましては、これを十分持っておられたのでありましょうが、一般世間、一般政治家というものの間においてはそこまでいっておらなかったところに、やはり今おしかりをいただき、あるいは御忠告をいただき、御警告をいただくような面が多々あったと存ずるのでありまして、こうした一般世間の傾向というものに乗って、今後御要望のような線に事務当局も十分沿うでありましょうし、私たちも微力ではございますけれども、ともどもに努力をしていただきたい、かように考える次第でございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 関連して。ただいま安藤先生の告白を聞きまして、いろいろと感慨深いものを感じました。  そこで安藤次官に伺いますけれども、厚生白書というものは、これは厚生省が責任持って出しておられるものであり、これに対しては安藤次官も責任をお持ちになられるのでございましょう。

安藤覺自由民主党厚生政務次官

○政府委員(安藤覺君) その通りでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 三十五年の厚生白書は、これは中山厚生大臣が最初に序文を書いておりますが、「厚生省におきましては、これまで所得保障および医療保障を中心として、各種の福祉施策、公衆衛生諸施策などを推進してまいりまして、ほぼ社会保障制度の骨格を整えたのであります」云々と出ております。これはもちろん中山厚生大臣が書かれたのでありますが、今安藤次官は、この白書については、たとえ大臣がかわり、次官がかわっても、責任を持つものであると言われることは、当然にこの白書の中に盛られたところの施策は、厚生当局として責任を持っていくところのデータである、そういうふうに理解いたします。先ほど来、藤田委員が指摘せられた点を厚生省の白書でも一面こういうふうに書いてあります。これは「経済の二重構造の反映」という節で「われわれは、人口の状態、一般経済情勢、賃金と所得の水準、消費生活など国民生活の種々相にふれてきた。そしてそこに見いだされることは、国民生活における明暗二相の姿である。すなわち、総体の経済成長率は高いが、産業別に見ると相当の格差が存在し、その格差は、各産業における生産性の相違に基づくものであり、特に農業と中小零細企業が問題である。」、これは厚生省の一つの結論的なデータであり、認識である、四十九ページのところに書いてあります。つまり「国民生活における明暗二相の姿」、この認識のもとに立って森本局長もこの格差を拡大しない方向に厚生省の諸施策は行なわれているし、今度の国民健康保険法の一部改正も行なった、この格差を広げるような方向に厚生省の施策をやっておったら、これはとんでもないことで、今さらそんなことを言ってもらったんでは困るので、われわれが問題にしているのは、明暗二相の姿をどの程度まであなた方が認識されておって、それに対して厚生白書に盛られたようなこのデータに基づいて皆さん方がどこまで熱意をもってこの法律改正に従事しておられ、また、予算獲得に邁進しておられるかということが問題だと思う。今特に農業と中小零細企業が問題である、そうしてこの問題であるところの対象がまさに国民健康保険の対象なんですよ。この点はいかがでございますか、安藤次官。

安藤覺自由民主党厚生政務次官

○政府委員(安藤覺君) お説の通りと存じております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 それではですね。私の考えに全く同感であるならば、一体厚生省は、この明暗二相の中で、今度は国民皆保険を行なうために健康保険法の改正もしましたし、この四月からそれに基づいて国民皆保険が行なわれているんですが、一体この農業と中小零細企業に分けて、この人たちの国民総所得の中における所得は一体どの程度であるか、その点を一つ伺いたい。今即答できないならば企画室を呼んで答えさせて下さい。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) ちょっと数字でございますので、ただいま私即答いたしかねますが、あとでまたお答えいたします。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 今の点は非常に大事な点なんで、これが一番大事な点なんです。これがなかったらこんな国保の推進なんということはできません。ですから今の点は、官房の企画室ではもちろんのこと、もうすでに社会保障制度の骨格は整えたと厚生省自身が言っておりますから、その数字は後ほど明確に説明をいただきたい。特に農業の中でも富農、貧農、そうした区別がされている、また、中小零細企業は中、小、零細と分けて、その間の国民健康保険の保険料の負担とのにらみ合いにおいてどういうふうな所得をもっておるかということ、その点を一つ私ははっきりと指摘していただきたい。そこでその点が明らかになりましたらあとでまた伺いますが、概括的に言っても、安藤次官に伺いたいのだけれども、これらの人々が明暗の部分を占めている人だという点については、安藤次官も今お認めになられましたが、それではこの暗を明るくするのには一体どうしたらいいか、これは安藤次官にお伺いいたします。一つ総理大臣になったつもりで御返答いただきたい。

安藤覺自由民主党厚生政務次官

○政府委員(安藤覺君) お答えいたします。現在農業につきましては、もとより社会保障の面からも手を十分に差し伸べにゃなりませんけれども、それだけでは救い得ない。所得を増大させるということから、内閣におきましては、農業基本法を出して、これによってだんだんに施策していこうと思っております。それから中小企業につきましては、資金の潤沢な供給とかその他いろいろな施策をしているようであります。しかし、それのみによってはいけない部分があるのだ。それがまた私どもの所管いたしておりまする線で大きく出てこなければならぬだろうと、かように考えておるわけであります。しこうしてただいま御指摘の厚生白書を作りました当時におきまして、これだけのことを言い得るほどに厚生事務当局も勉強をしておられたわけであります。で、これをさらに具体化していくについて、先ほど来いろいろ藤田先生からも御論議がありましたし、また、保険局長からも私からもお答え申し上げましたように、長期計画というようなものを立てて、そうして今までの社会保障制度に対するわれわれの考え方から飛躍いたしまして、むしろこれは再生産の基本をなすものという意味においての経済産業上における一つの大きな要素を培養するものとして考えていかなければならぬと、こんなふうに思っておるわけでございます。   —————————————

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) この際、委員の異動について御報告をいたします。  本日付をもって田中茂穂君が辞任せられ、山本杉君が選任されました。以上御報告を申し上げます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 安藤次官のお話を承っておると、国民皆保険を推進しておる現在において、この明暗の姿を社会保障の面で解消するためにも、農業基本法あるいは中小企業に対する融資、こうしたことが大事な役割を果たすということを言われましたからには、農業基本法の審議については、当社会労働委員会においてもこれは当然触れなければならないことを次官が直接言われたと私は解釈をいたします。が、そこで、私は安藤先生にはもっと簡単なことで明確にお答えをしていただきたいのは、明暗二相といいますかね、一方は螢光灯がごうごうと輝いて、一方はろうそくもなくて暗い、これが明暗二相だと言うのですよ。そうしたらこれをどうしたらいいかということは、電気のない、螢光灯のない暗いところへ螢光灯を持ってきて、私は電灯で言えば、電灯の配置転換をやる、暗いところへ電気をたくさん持ってきてつけるということだと私は思うのです。このことを、これは年来のこの厚生白書では、国民所得の再分配という言葉で厚生省当局自身が多年主張してこられた。安藤次官は、一体この明暗二相をなくす処置として、今の国民所得の再分配というこの厚生事務当局の今までの考えをあなたはどうお考えになりますか。

安藤覺自由民主党厚生政務次官

○政府委員(安藤覺君) 簡単に答えろということでございますので簡単に答えますが、いろいろ方法手段はございましょうけれども、厚生当局の言う再分配という基本的な考え方に私は同調いたします。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 それでは一体分配するときにですね、今のように電灯のついているところからないところへですよ、電灯のついてないところへついているところから持ってこなければ再分配できませんからね。一体電灯のついているところから、つまり明暗の明から暗へ持っていく手段として、厚生省当局としてはどういう手段を考えますか。

安藤覺自由民主党厚生政務次官

○政府委員(安藤覺君) この国民健康保険のごときはその尤なるものの一つだと思っております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 もっと具体的に言って下さい。あまり簡単過ぎる、もう少し……。

安藤覺自由民主党厚生政務次官

○政府委員(安藤覺君) 先ほど来御議論がありましたように、五割給付を七割にし、あるいは七割給付を完全給付にするというような面にまで事を運んでいくべきだと、かように考えております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 その場合に、今の明暗の明に属するものは何々だとお考えになりますか。

安藤覺自由民主党厚生政務次官

○政府委員(安藤覺君) いろいろございましょうが、たとえて一つ取り上げて申しますならば、現在の時代の脚光を浴びているいんしん産業に所属し、従事せられる人々は、明らかにそれが三百燭の燭光のもとではないかもしれませんけれども、百燭か百五十燭か知りませんけれども、一応明るい線におられると思います。それからこの時代産業から置き去りにされておられる産業に従事しておられる方、あるいは資本的に圧迫を受けておられる中小企業だとか、あるいはまた、同じ第一の場合に申し上げましたでありましょう近代科学の力をもってしても何にしても天候支配等によってどうすることもできない産業に従事しておられる、すなわち農業に従事する部面の方々、こういった方々が暗い陰に置かれた方々であろうと、かように存じます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 ちょっと私は非常な大事なことだと思いますので少しこまかく伺いますが、今の近代のいんしん産業に従事しておられる人々と言われましたが、その近代のいんしん産業を経営している人、これは入らないのですか、企業家、大資本家は入らないのですか。

安藤覺自由民主党厚生政務次官

○政府委員(安藤覺君) 言葉が足りませんでしたかもしれませんが、もちろん経営者はこれに加わっております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 それは今日の資本主義ではもちろん安藤先生も御否定にならないと思うのですね。だからですね、私たちはこの明の中でも一番の基本をなしている大企業からその電気をはずしてきたらいいと思うのですよ。そしてその手段は私は税、課税の手段だと思うのですよ。何もどろぼうしてくるに及ばない。正当に課税という措置によって取ってくるべきだと思う。そうして実際には租税特別措置法というような法律で一千万以上の大企業の人たちはこの特別な租税の措置を受けている。私はこういうことは、今の日本の明、暗が強ければ強いほど厚生省が率先してこういう措置をやめて、そしてその金を暗の方に回すべきことを主張しても当然だと思うのですよ。安藤次官はどういうふうにお考えになりますか。

安藤覺自由民主党厚生政務次官

○政府委員(安藤覺君) 坂本先生の御意見が、また御質問が、だんだん私の立場と私の能力でにない切れない方向に進めておられるので、ちょっとおそろしくなりましたが、(笑声)特別措置法までいきますともうさばきかねるのでございますが、この明暗の間を消していくためには、先生のおっしゃるような方向はまた一つの大きな、きわめて平和的な大きな方向であろうと存じております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 ですから先ほど藤田委員も、この税の自然増収が三十五年さえも二千億以上、また、三十六年度ではおそらく四千億こえるのではないかと言われている。そしてその四千億の、これは主として源泉徴収になる分、言いかえれば大企業に働いているこの労働者の源泉徴収の分でさえも四千億ぐらいになるであろうと言われている。で、こういう人たちのこの四千億というもの、この四千億あれば日本の医療は全部ただでできるのですよ。日本の総医療費というのは約四千億ですからね。ですからやろうと思えばそれでさえできます。いわんや、さらにその労働者よりも親元の大企業主がおるということは、もう先刻安藤次官も御承知のことですね。   〔委員長退席、理事高野一夫君着席〕 そしてその租税特別措置が去年で千四百億ぐらい措置されている。従って、こうしたものを合わせたら五、六千億というものはいつでも出てくるのですよ。その五、六千億を全部使って医療を全部ただにするとは私はここでは言わないのですよ。言わないけれども、その明の部分には金はずいぶんあるのですよ。先ほど事務当局は、厚生白書を通じてかなりわかっているはずだと安藤次官言われましたけれども、先ほど森本局長は、経済の実情にかんがみなかなかむずかしいということを言っておったのですがね、どこが一体その経済の実情にかんがみているかということです。ほんとうに経済の実情にかんがみておったらもっと金を出すことができる。その点が結局藤田委員も指摘されるところであり、私も指摘するところであり、その点が皆さんの熱意を疑っているところなんです。その点一つ、安藤次官どう考えられますか。

安藤覺自由民主党厚生政務次官

○政府委員(安藤覺君) ただいまの点になりますると、森本局長は経済財政の事情等もありまして、と言っておったということでございますが、それも確かにありましょうけれども、もっと森本局長が正直にぱっと言いたかったのは、やはりわれわれの情熱を真に生かしてくれる政治力がほしいと、こう言いたかったのでありましょうけれども、私がそばにおりますから少し遠慮して、経済と、こう言ったことであろうと思っております。その点について、ほんとにわれわれ大臣を初めとしてずいぶん努力をいたしましたけれども、残念ながらまだ全般的な空気には、うちの大臣や私どもが手伝ったぐらいではなかなか切り破れないものがございますし、(「大蔵省呼んでこい」と呼ぶ者あり)いいえ、大蔵省の問題だけじゃないのでございまして、全体の問題であります。党内外すべての問題からいきましてそれを切り破るだけのまだ努力が足りなかったといいますか、力が不足だったと申しますか、そういう点にあろうと存じております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 ここに表がありますね、森本さん。保険料の収納率というのがこれに出ているわけですけれども、非常に悪くてだんだんよくなってきていますね。しかし、三十四年度でも九二・三三%なんですよ。そうすると、あとの七・七%ぐらいは、これはどういうことになっておるわけですかね。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) これは、当該年度で収納できた数字でございまして、当該年度で収納できないものは、翌年度で収納すると、一応滞納の形になっておるわけでございます。まあ滞納になっておるのがすべて処理できるかどうかという点はやはり問題でございまして、中にはほんとうに保険料をかけないときは払う能力があってもその後払えなくなってしまうという人もあろうと思います。従いまして、後年度繰り越しについてどれだけ収納率が上がるかということは問題でございますが、一応後年度に繰り越している。それが次年度以降においてどれだけ徴収できるかということはなかなかむずかしいのでございますが、一応そういう実情でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 だから、要するに、徴収のできなかった分はどこが負担しているんですか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) これは保険者が負担することになるわけでございますが、保険の財政を立てますときには、徴収率というものを大体見込みまして、おそらく他の社会保険においてもそうでございますが、租税等においてもそうでございますが、完全百パーセントの収納ということは、こういう租税でありますとか保険料においては困難であります。従いまして、財政計画を立てますときには、収入の見込みにおきまして、本年度でございますれば、前数ヵ年間の収納率というものを頭に入れまして財政を立てるわけでございます。従いまして、支出の面といいますか、その面におきましてバランスの合うようにこの収納率を基礎にして作っておるということでございまして、理屈の上から言えば保険者のこれは負担になりますが、計算の上におきましては、予算を立てますときにこれを見込んで編成しておる、こういう実情でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 だから、回り回って結果はどうなるかということになると、これだけの税の収納の欠損は保険者が負担をする。保険者というのは地方自治体ですね。そうでしょう、国がめんどう見ないんですから。地方自治体が負担をする。負担がかなわぬから、次は制限診療ということにいく。制限診療というところで、これが来年度の予算を組むときにはそこでコントロールをする。そして、それがそのとき一〇〇%になるだろうとコントロールしたけれども、そのあくる年また制限診療という格好にいく。その根本は、先ほど議論があった貧富の差の問題から出てくるわけですけれども、まあそれは一つおくとしても、今の制限診療を市町村別に行なっている表がありますか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 最初の点でございますが繰り返して申しますと収納率というのはかりに九二%見込みます。支出が百万円あるとします。そうすると、それに見合うところの百万円の収入を得なきゃいかぬわけでございますが、その百万円の収入を得ます場合に保険料の収納率を九二%と見込んで予算を組むわけでございますから、具体的に決算においてこれだけの八%の差が出るというわけには参らない。最初予算を組むときにおいて収納率は九二%である、こういう組み方をしておりますので、この八%の不納欠損分がすぐに赤字になる、保険者の負担になるということは現実にはないわけでございます。これが一点でございます。  それから二点の、制限診療をどれだけしておるかという点でございますが、これは御存じのように、国保におきますところの給付の範囲は健康保険と同じのが建前でございますが、当分の間、往診、それから入院におきますところの給食、寝具、それから歯科の補てつと、この四項目については、最近におきますところの国保の財政から見て一挙にこれを撤廃する必要はない、当分の間はやむを得ぬところは給付制限してもよろしいという規定がございますが、おそらくそのことだろうと思いますが、そうでございましょうか。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そうです。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) これにつきましては、従来の資料としては、本年の四月一日を目標にできるだけこの給付制限を撤廃するようにということで指導して参りました。それで、目下四月一日におきますところの給付制限の実情を各府県から報告を求めて集計をいたしておりますが、大体の見当を申し上げますと、往診につきましては、約九〇%の市町村においては制限を撤廃したという状況でございます。それからそれ以外の項目につきましては、約八〇%が給付制限を撤廃しておるという状況でございまして、現在給付制限しておりますのは一割か二割程度の市町村が、全部の項目じゃございませんが、それぞれの項目としてやっておるという状況でございます。詳細な数字は目下報告を求めて集計をいたしておりますが、今まで集まりました、あるいは断片的に各府県からの話を聞きましたところによるところの大体の推測が今申したような数字でございまして、今後給付制限撤廃ということにつきましてはできるだけ早く済ましたいというように考えております。   〔理事高野一夫君退席、委員長着   席〕

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は、ちょっと給付制限の点について具体的な問題でお聞きしたいのですが、まああなた方の直接関係があるかないかは別としまして、国民健康保険でたとえば病院、診療所を持っている市町村があります。それからそれもないところもあるわけです。ところが、われわれが地方を歩いてみて何とかトントンにいっているようなところは、いかなる処置で何とかトントンにいっているかというと、地方財源の負担というものが非常に高いということですよ。地方財源の負担が非常に高く持たれているところで初めて何とかやっていける。それでも給付制限はしていますよ、幾らか。そういうのが今の国保の基礎条件になっているのじゃないかと私は思うんです。そういうことを実際に私は行政の事務的な面から把握しても、そういう状態だということを厚生省は把握しておられないですかね。普通の状態でおやりになっておる国保というものは私はそんな簡単なものじゃない。今のような格好で、五五の問題、維持ができないというのが現実です。先ほどお話し申し上げましたように、八、五とか、七、五とか、六、六までやっていこうというのは、見ていられぬからそうやっている現実です。しかし、今の五五でやっているところでも、何とかいっているというのは、地方財源の負担が非常に大きい。診療所を建てる。病院を建てる。ベッドをこしらえる。これは保険財政から一つも出ていませんよ。みんな地方財源から負担してやっている。保険経済から支出してそういうものを建てているというのは非常に少ない。私の見てきたところではそうなんですが、厚生省ではどう見ておるか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 御存じのように、国保は、市町村におきまして特別会計ということでやっておりまして、建前としましては、保険料と国庫負担金、それから一部負担金、これでまかなうのが建前でございます。ところが、実情は、御指摘のように、国保が発足以来財政上の問題がございまして、一般会計の繰り入れというものをやっておりました。一番、過去におきまして高いときは総予算の一割五分、それから一割程度負担、こういう実績でございます。最近におきましては、これがだんだんと減って参りまして、昭和三十四年度実績をやってみますと、一般会計の繰り入れが国保会計の予算に占めます割合が五・四%ということになっておりまして、だんだん一般会計の繰り入れが減少して参っておるような傾向ではございますが、しかしなお、この繰り入ればあると思います。また、それがなければ収支のつじつまが合わぬというのが現状でございます。それで建前としましては、これは特別会計でやっていくのが普通でございますが、従来からの経過もございますし、現実に独立採算が困難でございまして、当分の間は、市町村の一般財源の繰り入れということもやむを得ないという考え方でございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 今藤田委員の質問されているところ、もう少し数字的に明確にしていただきたい。つまり国民健康保険の経理状況について、今回のこの資料の中にもついていないので、少し明確にお尋ねしたいのは、今の一般会計の繰り入れの率が五・四%ということですが、私が今ここにある資料で見ると、これは社会保障年鑑の昭和三十三年度、これを見まして、収入合計五百六億のうちに、一般会計繰り入れが三十四億程度です。従って、五・四%というふうな率よりももっと高い。これは全体の数なのですが、これをもう少し明確に、全般としてはこうだが、各組合別、市町村別にどうなっているかということ。それからまた、これに関連して、都道府県費補助、これもこれは少額とはいいながら、一人当たり何十円というようなことで、一応都道府県が補助金を出しております。これも広い意味では一般会計繰り入れとは違いますが、これなども、私は少しおかしな支出だと思うのです。これが一体どうなっているか。それからさらにこれは全部国民健康保険の経理状況に関連していきますが、事務費の補助、事務費の補助が今度は単価が百十円ですが、実際一体各市町村が幾らの事務費を使っているかということは、これは前に国民健康保険法を通すときに確かに、公聴会開いたときに、藤沢の市長が来て参議院で説明したことを私覚えていますが、大体半分くらいだということを藤沢の市長は説明しておりました。これなども、事務費の補助の金額は出てくるのですけれども、一体あなたの方では、実際の事務費というのは幾らかかっているのか、どういうふうにつかんでいるのか、それに対する事務費の補助が一体何パーセントくらい占めているか。今申し上げた諸点について、もう少し計数をあげて説明していただきたいし、また、もしそれがそこで説明しにくければ、午後に一つ表でも作って御説明をいただきたい。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) ただいま昭和三十三年度の決算状況を、社会保障年鑑か何かでお話ございましたが、一応私手元に持っておりますところの三十四年度の決算状況で概要を申し上げます。主として収入の面が問題になっているようですから、収入総額を億で切って概数で申し上げます。六百二十一億、順次申し上げますと、保険料が三百十億、これは五〇%くらいに当たります。一部負担金が約六億、これが一%。国庫の支出金、これが二百二十八億で三六%。都道府県の支出金、これが約四億で〇・六%。一般会計の繰り入れでありますが、いわゆる市町村の一般会計の繰り入れでございますが、これが三十三億、五・四%。繰越金二十八億、約四・五%。その他といたしまして、これが約八億、約一%。こういうような状況でございまして、特に御指摘になりました都道府県の支出金というのは約四億ほどで〇・六%、一般会計の繰り入れが約三十三億でございまして、五・四%。こういう状況でございます。これが三十四年度の一応決算でございます。  それから次の事務費についてのお尋ねでございますが、これは先ほどお話しございましたように、昨年度は被保険者一人当たり百円の単価でございましたのを、今年度は百十円に引き上げたわけでございます。それでこの程度の金で事務費が足らぬじゃないかという御指摘でございますが、これは国保の職員はいわゆる市町村の公務員、地方公務員でございますが、六大都市、あるいは相当な都市でございますとか、あるいはいなかの村でございますとかいうように給与の差がございまして、一律の給与じゃございません。従いまして、六大都市でありますとか、あるいは大きな都市におきましては、これは被保険者一人当たりにならしますと、二百円とか二百五十円とかいう実際の支出が出ております。それからいなかの方に参りますと、被保険者一人当たりならしますと、百円未満のところも出てくる、いろいろございます。従いまして、現実にその市町村が事務費として出したものを一様に合うように出すということは、これは非常に困難なことでございまして、私どもといたしましては、大体標準的な事務費というものを想定いたしまして、六大都市あるいは市、町、村というものに分けまして、それぞれの標準的な事務費を算定いたしまして、それによって国庫補助をいたしておるのであります。従いまして、実際の支出額と合わぬというのはやむを得ぬということになります。その標準的なものは高いか安いかという問題でございますが、これは非常にむずかしい問題だと思います。ただいまやっております算出の基礎と申しますのは、昭和三十一年だったと思いますが、大蔵省、厚生省で共同してこの国庫の事務費を調査いたしました。そこで一つの基礎的な数字ができました。それをその後の物価でございますとか、あるいは特に人件費の伸びというものにスライドをいたしまして、毎年の事務費を算定いたしておるのでございます。まあこれが完全なものであると、あるいは間違ったものと申し上げることはできません。一応そういう方法でやっております。しかし、この事務費の算定につきましてはいろいろ要求もございますので、昭和三十一年の実態調査の引き伸ばしだけでなくて、近いうちにまたもう一度見直しをしなきゃならぬだろうという考えを持っております。大体以上のようでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 今の事務費のところで、昭和三十四年度の事務費の補助総額は幾らになっておりますか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 事務費の国庫支出額は三十七億、それから全体の収入に対しまして六%。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 それで私はもうちょっとこのところ関係を聞いておきたいと思うのですが、制限診療というものを今後どういう計画でやめていこうとされるかということが一つです。で、この制限診療をやめるには、結局財源の問題が具体的には市町村で重なっていくわけですから、それには調整交付金があるのですから、調整交付金というものをどういうあんばいで交付されているか、それは市町村の財政を基礎にしてやっておられるのか、市町村というよりか各保険、国保の組合の会計を基礎にしてやるということになるのでしょうけれども、どういうことでおやりになっているかということが二つ。三番目は、今の市町村の保険の会計、一人当たりの会計が年間どれくらいになっているか。それから特別国保の全体の診療費ですね。入ってきた診療費がどれだけになって、今般政府が一つの基準をこしらえて支給しているのにはどうなっているか、その関連を一つ説明して下さい。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 第一問のこの制限診療撤廃に対する考え方並びに措置でございますが、これは先ほども申しましたように、四月一日現在におきましては制限診療を給付範囲の診療をいたしておりますのは、全保険者の中の約一割ないしは二割程度であろうと考えております。まあこれは大体気持としましては、本年度内に撤廃されるように指導いたしたいと考えております。それで撤廃した場合に、何か特別の措置をするかどうかという問題でございますが、給付制限の範囲を撤廃いたしますこと直接についての措置はいたしておりませんが、給付制限を撤廃いたしますと医療費が伸びて参ります。それに応じまして調整交付金それからあるいは二割の国庫負担金が増額して参ります。こういう方向に対しまして、間接的ではございますが、財政的な裏づけをしておるというのが従来からのやり方でございます。今度も残りのものにつきましては同様の取り扱いをして参りたいと思っております。それから、失礼ですが予算の医療給付ですか。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 国保の医療費の市町村の水準がどうなっているか。要するに給付ですから、それに二割負担するのですから、すぐ政府に出てくるわけでしょう、市町村のやつは。それから特別国保の今の医療費が何ぼあって、どこで押えて二割の給付をやっているか、二割の国庫負担をするのに金額をどこで押えてやっているかということです。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 被保険者一人当たりの療養給付費の額でございますが、昭和三十六年度の予算におきましては市町村につきまして、一般の市町村でございますが、二千六百二円、それから六大都市は非常に医療費が高うございますので、特に区分けをいたしまして、六大都市については三千七百三十円、それから組合につきましては三千三百八円、こういうふうな見積もりをいたしております。

小池欣一厚生省保険局国民健康保険課長

○説明員(小池欣一君) ただいま御質問のありました中で、特別組合の医療費でございますが、予算はただいま局長から申し上げましたように三千三百八円で三十六年度は組んでおります。ただ、特別組合につきましては、従来から二割の国庫補助ではございますけれども、市町村と性格が違いますので、医療費の非常に高いところがございます関係上、療養給付費の二割の補助をいたします場合に、その金額の高いところにつきましては、全額補助をしないという建前をいたしております。ただ、ここ数年来、毎年組合の財政等の関係がございまして、そういう面を検討いたしました結果、三十五年度は四千八百二十三円というところまでにつきましては、完全に二割の給付をする、こういう建前にいたしておりまして、前年度に比べますとほぼ九百円程度引き上げております。そういう事情でございますので、組合の財政といたしましても、おおむねこれでやっていける、まかなっていけるというように考えております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 それで市町村が二千六百二円、六大都市が三千七百三十円、今、組合のことはわかりましたけれども、これは予算を立てられるときに、おおむねここらあたりにいくだろうという数字ですね。だからこれが、実際の医療費がよけいかかると、それに応じて二割は出されるわけですね、それはどうですか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 二割の分につきましては、これは国庫負担でございますから清算した結果この見積もりを超過すれば増額いたします。それから満たなければ減額する、こういうことでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこで特別国保に今のような措置が四千八百二十三円ですね。そこまで三十五年はとられておるということであれば、だいぶこれで救われたと思うのですね、特別国保は。問題は私は、ここのところの今の保険料の収納割合ということがよく飲み込めないのですが、九二・三三というのは、もう一度ここのところを説明して下さい。予算の立て方と実際の問題との説明をして下さい。収納割合の推移というところですね。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) この予算を立てます場合に、まず第一に、この保険の給付費がどれだけかかるかということを計算するわけです。それをかりに百万円といたします。そうすると、今度それに見合うところの財源を作らなければいかぬ。おもなものといたしまして、ごく簡単に言いますと、まあ医療給付だけ言いますと、五割は一部負担でございます。それから大ざっぱに言いますと、残りの五十万のうちの二十五万は二割五分の国庫負担があるからよろしい。あと残りの二十五万を保険料でまかなわなければならぬと、こういう計算をするわけです。そういたしました場合に、二十五万円の保険料を得るためには、各保険者から何ぼずつ保険料を取って二十五万にしたらよろしいかという計算になってくるわけです。その際に予定した数字を金額がまるまる入れば問題はございませんが、多くの場合、ここにございますように、九一%とか九二%という収納率でございますから、でございますので、ある被保険者が、全保険者が平均して百円ずつ保険料を納めて百パーセント納めれば二十五万円になるというのでありますが、そういう勘定をいたしますと、その場合に一人当たり百円ずつでございますが、九二%ということになりますと八%マイナスが出て参ります。そうすると百円プラス八円というものを保険料にかけまして、そうして百八円という保険料をきめる。それにかける九二%といたしますと百円の百パーセント納まった場合と同じ結果が出て参ります。でございますので、この収納率というものを最初に幾らということを見込み立てまして、それを基礎として保険料を算定する、こういうことにいたすわけでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 だから私が一番最初に言った通りなんで、収納率が悪いからそれにおっかぶせて、たとえば保険料で取るとか、制限診療をするとか、これでも取れないところは市町村の負担になってくる。そういう悪循環が結局は逃げ場がないから制限診療になってくると私はそう思う。だからそういう問題から言っても非常に重大なことじゃありませんかというのが私の言い分です。僕は違った理屈があるのかと思ったら違ってないので、だから問題は、そういうところから少し何とか赤字が出ないようにやろうと言えば、地方財源、一般会計からうんと繰り入れなければ国保が今できないというのが、単に全国の市町村の一、二や、何割か主張するのじゃなしに、全部が四割負担をして七割に上げたいというところの問題はこういうところから出てくるわけです。実際問題、根を追っていけば。それを私は言っておるわけです。そういうことじゃありませんかと言ってるのです。だからそこでその問題は、その理屈はまずおいて、それで収納の要するに悪い人は、財政上の面から、家庭経済の面から出せない人と、横着で出せない人とあると思うのです。横着で出せない人には何らかの処置というものはとれるけれども、しかし、家庭生活で出せない人の逃げ場というのは、今度は生活保護の医療給付にもっていくのですか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 御存じのように、生活保護を受けている人は、これは国保に一応入らぬということでございます。それからそうでなくして生活保護者以外の者は、これは国保に入って参ります。その際に、最初に賦課徴一集いたしましたが、その後いろいろな事情で災害がある、あるいは事業に失敗するとか、あるいは仕事がうまくいかぬとかいうことで所定の保険料が納められないという事情がございますれば、保険料の減免という措置をやっております。すぐに生活保護に追い込まず保険料の減免をしていく、こういう扱いにしております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 減免した減免額はどこが負担するのですか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) これは保険経済において負担いたします。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そうすると、結局市町村の一般会計ということになるわけだね。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) その通りでございますが、その額によりまして、たとえば伝染病が非常にはやった場合とか、あるいは適用例は災害等でございますから、災害の場合におきましては、保険料を減免した分につきまして国庫負担調整交付金、それで穴埋めをする、そういう措置を講じております。軽微の場合は大体保険経済の負担でございますが、災害等によって非常に大幅な保険料の減免をしたという場合は、今申した調整交付金によって穴埋めをしております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 それでは今の調整交付金を全然やっていないところと、それから少しやっているところと、一番高いところと、幾らやっているか、そういうものの表を一つ下さい。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 関連して。今藤田委員の質問と同時にその調整交付金の交付方式ですね。一昨年、昨年と変わってきておりますが、何かまとまったものがありませんか。そうしたらその資料もいただきたい。それと一緒にその調整交付金の交付方式に従ってどういうふうに配分されているかという資料、これをいただきたい。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 これに関連して事務費の配分方法ですね。ちょっと一ぺんお答え願いたい。調整交付金と事務費。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 調整交付金の行ったところ、行っておらぬところの市町村の数とか、それからその他のその額の問題とか、そういう問題、これが第一点。それから調整交付金の交付方法、それから事務費の交付方法の御質問でございましたが、第一の点はこれは数字でございますので、これは整理してあとから差し上げます。  調整交付金の交付方法はこれは省令がございますので、これは法規集に載っておるかと思いますが、もし必要であればあとで差し上げます。それから事務費の交付方式、これも口で申し上げてもまた間違っていけませんので、資料として差し上げたいと思います。

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) ちょっと速記をやめて下さい。   〔速記中止〕

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。  それでは、午前中の質疑はこの程度といたしまして、午後一時半から再開をいたします。  暫時休憩をいたします。    午後零時三十一分休憩    ————・————    午後一時五十四分開会

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) これより委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、国民健康保険法の一部を改正する法律案の質疑を続行します。  御質疑のある方は、順次御発言を願います。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 私は一点だけ国保の問題について厚生省の所見をただしておきたいと思うのですが、まず最初に、事務当局がどういう考えで進んでおられるかということが先ほど来質疑の根本になっておったようでありますけれども、現在無医地区がどのくらいありますか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 昭和三十三年の調べでございますが、いわゆる無医地区と申しますのが千百八十四ございました。それからその後解消しておりますので、若干これより減っておるはずでございます。昭和三十三年の調べでございます。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 私の方の調べも大体同じようでありますが、そこで国の責任において、直接間接国の責任において社会保険を行なう、それで皆保険にもっていくということになっておる今日、こういうような、たとえば国保が全体の中心になる、中核になるわけですが、先般六大都市の療養給付の割合を厚生省側から御説明があったところによると、これでも京都、大阪、名古屋、横浜、神戸、東京とみんな違う。やれるところでも違う。それからまた、やりたくともやれない、医者のない無医地区がある。こういう対策は、私はこれは非常に均衡のとれた保険医療にもっていくために早くこの問題の解決をしなければいけないじゃないか。こう思うのですが、これはどういうふうにして無医地区に対する保険医療をやっていこうとされるかどうか。それを一つ一応まず保険局長の方の考え方を伺います。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) ただいま申しましたような数字の無医地区がございますが、それでこれはまず第一に、無医地区を解決するということが第一だと思います。この方法といたしましては、医務局関係におきまして、このうちの二百三十七という地区については七カ年計画をもちまして逐次解消をして参ることにいたしております。  それからもう一つはこの国保の直診でございますが、最近政府におきまして約二億の直診の補助金がございます。これを重点的にこの無医地区に優先的に補助金を交付する。さしあたりはこの二つの方法でやって参ることにいたしております。先ほど一千百八十四と申し上げましたが、これは確かに形の上から見ますと無医地区でございますけれども、実態を分析してみますと三種類に分かれまして、かりに第一種といいますか、これはなるほど無医地区ではございますが、ごく近くにまた交通が便利でございまして、実際そこに医療機関がなくても医療上支障がないという地区がございます。これが四百十六ほどあるように考えます。それから第三種と呼びますが、第三種という考え方がございまして、これはとうていこの地区は特に国が助成であるとかあるいは国保の直診を設けるとかという施策を講じなくても、諸般の情況からいたしまして民間の開業医の経営が十分成り立つであろう、特に国の施策を必要としないだろうという地区がこれが第三種の考え方でございます。これが百十二ございます。従いまして、千百八十四のうちからその一種四百十六と第三種の百十二を引きました残りの六百五十六というのが特に国の施策を必要とする地区でございまして、これに対しまして国保の直診と、医務局におきますところの僻地診療所の設置、この二つの方式によって解消して参りたいと考えております。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 ところで国保の直診ですが、いろいろとその方面を調べておられる方からお聞きしますと、無医地区に直診ができなくて、開業医が現存しておる地域に直診が設立される。それでは国保による、国保を利用しての直診による無医地区の解消には私はならぬと思う。それを今度二億の補助を出して直診による無医地区の解消に多少なりとも役立てるというのであれば、ほんとうの無医地区に直診ができなければ意味をなさない。それはどうなんですか。その辺のことは。だから今のあなたのお話のように、ある無医地区だけれども隣の地区の医者を利用ができるのだというような、こういうような地区がある。それでも統計上は無医地区になっておる。そうすると隣の地区に開業医が一人いる。そこに直診を置く。だからこの無医地区は隣の地区に行けば十分間に合うのだ、こういうようなことにも考えられるのですがね。あなたのお話を伺うと、今度医務局が七カ年計画を持って無医地区の解消に進むということ、それはけっこうだけれども、はたしてそれは確信を持ってやれるでしょうか。たとえば医師をどういうふうにして雇っていくとか、待遇問題とか、あるいは研究問題とか、そういうようなことについてわれわれも党でいろいろ研究しているのですが、なかなか案が浮かばない、率直に言って。それをただ解消する解消すると言ってみたところで、千幾つの無医地区というのは長い間解消されておらない。これは何年も前から無医地区の問題が出てきておって、今日なおこれが解消されずに、さらに今後医務局の行政措置によるやり方で七カ年かかる、その間皆保険の医療はすでに実施になる、こういうわけで、やっている地域の中でも不均衡だが、またやらない地域、やる地域、こういう不均衡があるということでは、国の責任においてやるべき社会保険医療としてはきわめて私は不完全だと思う。これもう少し具体的に保険局長はっきり、詳しくなくてもいいから簡潔に……。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 問題になります六百五十六の地域の解消の問題でございますが、国保と医務局の公的医療機関の整備と、この二つでやるわけでございます。医務局の計画はこれは予定通り進んで参っております。七ヵ年計画の予定通り進んで参っております。それから国保の方でございますが、気持としてはこれを二億全部を持っていってもいいのでございますが、ところが御存じのように、補助率が三分の一でございまして、三分の二という設備費の地元負担がございます。それで実際全額を投じますれば百ヵ所か二百ヵ所できますが、地元負担の関係で、その点は完全に二億を全部そういう意味で消化できたら、こういう状況でございますが、しかし、年々三、四十ぐらいは解消して参っております。だんだんと解消していくだろうと考えます。  それからもう一つあとの運営費の赤字の問題がございます。これは医務局の方におきましても二分の一の国庫補助をするという方針で参っております。それから国保の方におきましても、本年度から直診を経営いたしまして、赤字に対しまして調整交付金で調整をする、こういう措置を講じておりますので、今後直診の経営、それから設置ということが促進されていくであろうと考えております。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 かりに今あなた方が事務的にいろいろ行政的に考えておられるように、ある年限の間に無医地区が解消できるとしてみても、それまでの間はどうなるのですか。たとえば同じ市町村の中に無医地区がある、保険料を取るという場合は、差別をした保険料を取るようになっておりますか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 同じ町村の中で無医地区と無医地区でないところが現実にございます。その場合の保険料は、やはりそういう今おっしゃったような意味で無医地区の保険料を安くする、そうでないところを高くすると、そういうことは実際はいたしておりません。それから御存じのように、この皆保険になったわけでございまして、現実に無医地区のあるところも、利用には相当不便であろうと思いますけれども、まあバスであるとかあるいは自動車と、こういう交通機関を利用いたしまして、近くの医療機関を利用しておりますので、無医地区であるがゆえに不便ではございますけれども、医療が受けられない、著しく不便をする、また、程度問題でございますが、そういうことは思ったほどないじゃないか、大体無医地区の人もやや不便ではございますけれども、同じような保険料は払い、近くの医療機関を利用して参っておるという状況でございます。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 そういうような安易な考え方だから私はだめだと思っているのですよ。私の郷里の鹿児島なんかもたくさん無医地区がありますよ。バスに乗って一日がかりで、それではあなた町の中に診療に行って仕事もできないでしょう。バスに乗っていけば何時間かで行けるでしょうが、そんなむだなことはとてもやれっこない。ことにバスの代金も払わなければならない。だからほんとうの山間僻地の漁村あたりはともかくといたしまして、かりに隣の地区に医者がおっても、それを利用できない無医地区が実際多いのです。それはバスがあるから、鉄道があるから直ちに利用ができると、こういうようなところに、だから医者のいるところといないところと同じような恩典が受けられる、こういう考え方じゃ、私はこれはもう医務の行政というか、社会保険のそういうような医療機関の設置に対する物事の考え方がなまぬるくなるのは当然だと思う。それだからいかぬ。それだから、たとえば同じ市町村の中で保険料は同じに取る、この部落は医者がたくさんいるからふんだんに医者にかかれるが、こっちは無医地区だから、それこそバスで二時間、三時間行かなければならないところは町村合併の結果たくさんできておりますから、そうすると、それが同じ保険料を払う、同じ保険料を負担する、これはまあ社会互助の立場からいえばかまわぬようなものだが、恩典は受けられないわ、負担は同じだと、こういう、私はここに一つの保険料というものに対する、特に国民健康保険の保険料というものに対する考え方を私は変えてもらいたいと思う。これはどうですか、私は無医地区と無医地区でないところと同じ市町村の同じ組合の中で同じ額の保険料を負担されるということはよろしくない。まあ今はそうなっておるけれども、これは私は改正する必要があると思う。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) おっしゃる通りでございまして、まあ無医地区の人も何とかして医療を受けている、これは非常に不便なことは当然でございまして、まず第一には診療機関を設置する、それからあるいは巡回診療車でありますとかというものを極力整備して参る、それからなお補助的なものでございますが、保健婦の充実、巡回というようなことをむしろ積極的にその面から無医地区の解消をはからなきやならぬことはもちろんでございます。  それから無医地区については、保険料に差をつけてはどうかということでございますが、これは保険料の賦課徴収という点は、市町村におきまして条例でもってきめることになっておるわけでございまして、まあそれのきめ方として、今おっしゃったような無医地区については保険料を低くするという一つの賦課方法があるかと思いますが、現実に各市町村の状況を見ますと、無医地区なるがゆえにそういう無医地区の被保険者について安くしておるという姿はないわけでございまして、これは真に必要がありますれば、市町村における条例をもって賦課徴収の方法を変えますれば、できないことじゃございません、支障ないことでございますが、その辺やつぱり各市町村におきますところの実情から見まして、現在のところそう差をつける必要はないという判断でなされておると思いますが、必要があれば今言ったようなことをなし得るわけでございます。しかしともかく……。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 もういい、わかった。私は大臣にお尋ねしますが、今のそういうような説明では、少なくとも私は納得できない。なぜかなれば、市町村の条例できめることは、これは言わずして明らかだけれども、その差別をつければ経営が成り立たぬから、やはり無医地区であって恩典を与えられないところであっても、同額の保険料を取らざるを得ないのですよ、これは市町村として、財政上……。ところが、ここで私は大臣の見解をただしたいのは、社会保険医療というのは直接間接を問わず、国の責任においてなすべき行為でしょう。これがほんとうの社会保障制度であり、社会保障制度の中核をなす社会保険医療だと思う。直接、間接を問わず、国の責任においてなさるべきもの、国の責任においてなさるべきものであるその国民健康保険関係であるならば、そういうような差別をつけた条例で保険料を徴収しても十分経営が成り立っていくような国の責任の方法をなぜとることを考えないか、それは結局予算の金の問題なんです。金の問題なりが今までは考えておられない。だからその実現が容易であるか、むずかしいかは別として、そういうふうに私はいくべきものだと思うのだけれども、そういう点について何かお考えになったことはないか、もしあるとするならば、大臣としての私はお考えを伺っておきたい。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) 最終の医療に対する保障の責任は国がとらなければならぬわけでありますからして、各地区の事情でいろいろあろうと思いますけれども、最後の保障の責任は国が負うのが基本の建前だと思うのであります。民間の医療機関をまず前提にしておりますために今のようにない所がありましたりいたしまして、それを補うために法的なものをやっていこうというのでありますけれども、なかなか一挙に解消できないというために、お話のような事実も起こるのであろうと思うのであります。まあ私どもの郷里にもずいぶん不便な山の奥などがございまして、今合併町村で大きな区域になっておりますけれども、その中にはひどい所がある。で、まあ患者の輸送車を一台あるいは二台置きましたり、いろいろな工夫をしておるようでありますけれども、そこにやはり差が全然解消するというところまではなかなか行きにくい状況かと思うのであります。今も局長が言いましたように、町村の中でよくよく差があるべきものがあり、なかなか承知しないで、差別をつけるという要望も内部には起きているかもしれぬと思いますけれども黙ってしまっている場合が多いということがあるかもしれぬと思いますが、保険料に差別をつけて、その足らぬところを国が見てあげる、補うというような行き方ができれば、この問題は解消するわけでありますが、実情からいってうまく運用がつきますかどうか、私もすぐ判断がつきませんけれども、一つの研究問題のように思いますので、きょうすぐ私結論的には意見を申し上げるまでには至りませんけれども、研究して参りたいと思っております。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 私が言いたいことは、要するに、国が直接間接の責任を負うて、国の責任においてなさるべき皆保険、皆社会保険医療に対して、その地域によって、その人によって区別があるということが私はおかしいと、こう言うわけです。それがおかしい。その区別があるならば、無医地区、そうでない地区もそうだし、今度は他の保険料にも引っかかってくる。だからそれをいかにして早く解消するかということが、私は保険医療を担当している厚生省としては、一番大きい根本の問題じゃないか。金があるなしにかかわらず、一つの理想案かもしれぬけれども、一応の、一つの理想の姿はこうあるべきだという構想を作るべきではないか。青写真を作るべきではないか。それを私は厚生省に求めたいのです。  そこで、ついでにもう一つ伺いたいのは、それならばいっそある期間は今後いくら七年と言っても、七年や十年や十五年で全国の地域的の不均衡が是正されるとは、実際問題として考えられない。それならばよその国にもあるごとく、いっそ保険料というものを全廃し、完全に国の責任において直接間接を問わず、国の責任において社会保険医療がやれるようなふうに持っていく。ほんとうの社会保障の制度に持っていく。保険料を一切取らない。こういうことを考えられたことは、厚生省としてないかどうか。これができるできないは別です。理想論でもかまわないが・そうであるべきじゃないかというようなことを考えられたことはないかどうか。私は実現の可能性については、これはいろいろな金の問題、そのほか法律改正の問題、いろいろございますし、さらになお、各種の社会保険との調整の問題もありましょうが、それは今のところ問いませんが、そういうようなことも一つやはり理想に近づけていく一つの青写真であり、姿ではないかということを考えられたことがあるかどうか。これを一つあわせて最後にもう一ぺん伺って、ほかの委員に質疑を譲りたいと思います。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) すべての国民が均等な医療を受けられるようにしなければならないわけでありまして、その意味から申しますと、医療機関がないというふうな地区をそのまま置いておくことはいかにも困るのでありますから、これはきわめて重視しなければならないわけでありまして、先ほど来申しておるようなことでありますけれども、さらにこの点は重視しなければならない今後の問題だと思います。そのほかにやはり均等な医療ということを考えますというと、今日の段階ではまことに各保険によって給付内容も違いますし、国保のごとき給付率の低いものもございますし、つまり農村や小さい自営企業者などという者に対しては、半分は自分が持つ。ところが、健康保険の方では本人だけは十割を国費で負担する、こういうことでありまして、給付の程度も非常に違います。それから保険料の負担の程度もいろいろでありまして、そこでこれをなるべく均等にしなければならない。どうしたら均等にできるかという案の一つとしては、医療の給付を国営式に、つまり国が医療の給付をする式にするのも一つの案でありましょうし、国によってはそういう考え方のものがあるかのようですが、これは従来全然議論がなかったとは思いません。昨今も実は議論をしてみておりますが、ただきょうまでの医療保障は、保険という形で発達してきたという現実があるわけであります。健康保険として発達し、政府管掌の健康保険、日雇い、船員、こういうものとして発達してきたという現実があるわけでありますので、この保険主義の建前を根本からひっくり返して大混乱になっても困るのでありまして、この保険の主義をもとにしながら、しかし、均衡をとっていく。低いところを引き上げるとか調整をとっていく、こういう努力をする方がよかろうと、われわれのきょうの段階では考えておるところでありまして、これはこの問題も含めて医療制度上の重要な問題としまして次の予算段階までに考えを立てたいと思っている重要な一点であるところであります。

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 今、高野委員の指摘された点は、私も後ほどに質問しようと思っておった点でありますが、私は今の無医地区についての質問を別の角度でもう一度お尋ねしたい。それは国民健康保険については、受診率というものが明らかになっております。高いところでは三〇〇%ぐらいある。低いところでは、ずいぶん低いところもある。このいわゆる低受診率地域、こういったところの調査をやっておられるかどうかを一つ伺っておきたい。まず第一にその点。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 国保につきましては、全国的な平均受診率を年に二回程度やっております。これは市町村によってだいぶ違っておりますが、特に低いところについて特定の調査をしたということはございません。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 今の点は、非常に大事なことでございます。それは非常に低い受診率の地域は、健康である、そのために受診率が低いのではなくて、医療に恵まれていないということの結果起こってくる低受診率であって、先ほど無医地区の解消についていろいろと言われたけれども、どれもこれも一つも具体性がない。そうして特に低受診率の地域を私が取り上げる理由は、こういうところは、国保の財政が黒字財政となっている。私は前にも例をあげたことがありますが、高知県の山の中で物部という村がある。ここは受診率が六〇%以下である。ここの村長いわく「私のところも国保の財政は黒字である。これは黒字のはずなんです、取るだけでちっとも使わないから。だからこういう事情があるから厚生省としては、たとえば国保が黒字であると言っていばるけどれも、それはちっともいばることにはなりません。」その点を今まで私は指摘をしてきたわけです。だからその点は、これはあなた方が国民皆保険をおやりになる以上は、十分に検討し調査をして、この低受診率の地域を上げることによって、なおかつ黒字であるような経営にしなければならない。従って、今の問題とうらはらになって、この高野委員が指摘された保険料の差別的な徴収も問題になってこざるを得ない。実は、私は、この市町村で現にこれを問題としてこれを条例化しようとしているところがあるんですよ。ただそれについてこれをやらないというのは、当局の保険局の指導がそれを押えているから、今の段階ではこれが条例化されていないのであって、私はこの点、まず厚生大臣から御意見を伺って、御答弁によっては、私は市町村に向かって、条例を変えて差別的にとっていけと。そうしなければこれは非常に不平等である。国がこれは責任を負うて、たとえば自動車を出して、医者に離れたところでも十分な診療の機会を与えるとか何とかをやってくれるなら私も市町村には呼びかけませんが、そういうことをやらない以上は、市町村に向かって、積極的に条例を変えてやらなければ非常に差別が強過ぎるということを市町村に対して言うだけじゃありません、私は市町村民に対してこれから訴えをしていこうと思います。まず大臣の御見解を伺いたい。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) 初めのお話の、つまり受診率が低いため国保財政は黒字であると、そういう一面もこれは確かにあることだと思います。受診率が多い、利用度が高いからこそ国保財政に対する負担も大きくなるし、国保財政が窮屈になって赤字になったりする。受診率が高いことは警戒すべきことだけれども、財政はつらくなると、こういうふうな現象は私はその通りだと傾向は思いますね。ですから、黒字がりっぱじゃない。で、受診率があっても成り立つような強さに国保財政というものを持っていくところが問題だろうと思うのであります。それについてはやはりこの国保財政に対する国のめんどうの見方ということが一つどうしても急激に起こると思うのであります。  次の、同じ市町村の中で、地区によって保険料の差別をつける問題でありますが、これは町村の中でおさまる話とおさまらぬ話と、いろいろあるのでありまして、そういう差別をつけることで町村内でおさまるところ、これは厚生省の方でやっちゃいかぬと——町村が自主的にそうするのにですね。これはどうも多分そういうことはないと思いますけれども、やっていればこれは行き過ぎのように思うわけであります。ただ、町村の中の問題としますと、国保の点だけをとって地区的に差別をつけるか、そういう地区に対しては他のまた保険とは別の施設を設けたり、学校の分校のためによけい金を使ったり——そういう地区にですね。総合的に考えるというと——分けてみれば、国保の方の負担が利用がないのに多いということになるかもしれぬが、総合的に見ると、その地区に対する町村費のつぎ込み方とか、そういうものから見てまあいいんじゃないか。全体論からというようなことで差別をつけることがあるかもしれぬと思う。これは町村の実情にもよることでありますから一がいには一言えないと思いますが、どっちにせよ、まとまってきめる、自主的にきめる話をまぜ返して、いや差別つけちゃいかぬということも私はないと思いますし、実情に即してこれは扱ったらいいんじゃないかと思うのです。もっとも、そういうことがもしあったとすれば、これは私は知りませんから局長から訂正してもらいますけれども、多分ないだろうと思います。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 今の問題はたまたま高野委員が出されましたけれども、私はずっといなかを歩いていますと、今の要望というのは現実にあるんです。あって、かなりな責任者が、どうしても強制的に皆保険になれば、弔うこれは差別的なことでもしなければとうていこれはできない。全然一文もとらぬということもできませんが、少なくともこれほど大きな機会均等でない、機会不均等のある場合にはやむを得ないという気持はあります。これはまあこの高野委員の属せられる鹿児島県だとか、私の高知県などはこれは日本の中に入らぬと、これは山国だというならばこれははなはだ論外でございますけれども、われわれといえども日本国民であり、当然の権利としてこれは平等な扱いを受けるべきだと思うのです。そういう点で今の問題は現実にあるということは十分お考えになっていただきたい。そうして同時に、なぜそういうことを、ある意味では野党の立場からいうとまた一つのいやがらせ運動で年金の拠出反対みたいな運動にするかもしれませんが、これはいやがらせのためにするのじゃなくて、つまり皆保険の実施の条件ができていないから、これについては高野委員の言われたことと同じことなんです。つまり、無医地区がある。それからまた、無医地区に対しては、たとえばバスだとか診療車とか、診療船だとか、そういうものを、あるいは国立病院が無医地区に対する診療所を設置するとか、そういうふうな積極的な施策がなしにこの皆保険をやろうとするからこういう問題が起こってくる。だからそういう点を十分に御検討になって私は話を進めていただきたい。時間の関係がありますから、これはあとでまた大臣帰ってこられてからも伺いますが、先ほど一番大事な問題としてこういう議論が大臣の出席される前に出ておったのであります。それは・日本の経済は非常に発展してきた。ところが、厚生白書にも出ておったように、明暗の二相が非常に強く出ている。そしてその暗の方は、これは厚生白書にも農業及び中小零細企業に従事している人たち——従って、こういう人たちの所得が日本国民全体の所得の中でどれくらいあるかということを先ほど質問しましたので、これに対する、こういう暗の側の国民所得がどの程度を占めているかということについて、一つ事務当局から御説明いただきたい。それに基づいてまた質問いたします。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) これは数字の問題で非常にむずかしいことで、私の方でもとても調査できかねる問題でございますが、まあよその役所で、経済企画庁で調べてもらった資料でございますが、的確のお答えになるかどうかわかりませんが一例として申し上げます。  国民所得を産業別に分けますと、第一次産業約一兆六千億円、それから第二次産業約三兆四千億円、それから第三次産業四兆九千億円、合計約十兆億円というようなことになっておりまして、第一次産業、これは農村等でございましょうが、一番少ないという一つの例になっております。まあ、これ以上分析してやるのはちょっと厚生省、われわれの手では及びませんが、一応御参考までにこういう数字でございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 これはさらに一次、二次、三次についてそれぞれの人口数で割ればもっと明確に、一次産業がいかに零細な所得しか持っていないかということが明確になると思います。さらに保険局がこういうものの統計を持っておられないというのは常非に怠慢だと思うのです。たとえば、五人未満の事業所の健康保険の適用の問題あたり、これなどは当然こういう零細企業者の所得の問題、そこから当然保険料の支払い能力の問題などが出てくるので、そういうこともせられないでこの健康保険の問題を論ぜられるというの一ははなはだ私は不当であると思う。で、これはわれわれも調査して参りますが、あなた方直接行政の衝に当たる方々としては、これは一刻も早く調査をして、今後の保険行政に一つ資していただきたいと思うのです。  そこで先ほど次官に伺いまして、これほど明暗の暗の側に実は国民健康保険の対象というものはなっているのだから、従って、その明の方から暗の方に相当多数のものを持ってきて、いわゆる国民所得の再分配をするということがこれからの社会保障、特に国民健康保険をいじくる場合に一番大事なことではないか、そういう点でこれが、たとえば今度の改正の結核と精神を七割とすることもその一助だというのですが、今度扱うのはたった四億にしかすぎないのです。たった四億。それでは明から持ってきて暗がどれくらい明るくなるか、私はこれを少なくとも——次官は三百燭というような例をたとえて言いましたけれども、三百燭を暗の方の三百燭にするということは、一挙にとは言いません。言いませんが、わずかに四億を加えることでこの明暗二相、二つの姿を少しでも明るさを増そうということでは私はお話にならないと思う。この点について衆議院段階では非常に私は審議が手間取ったと思うのでありますが、参議院で審議を始めるにあたって、まず大臣としての決意並びに見解を一つ述べていただきたい。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) まず経済成長政策と社会保障との関係でありますが、経済が全体として大きく伸びることは間違いないと思うのでありますが、その伸び方が必ずしもそこもここも同じとはいかぬのでありまして、伸びる方面と伸びない方面とがある。ことに農村方面の経済の伸びというのが少ないことはもう数字にも出ておりますし、達観してもこれはわかり切っている話でありまして、そこでこの伸びに格差がつく、従って所得の格差がつく、こういうことにもなりますが、さらばといって伸びる方をとめるわけにいきませんからぐんぐん伸びていくんですけれども、伸びる方と伸びない方との格差をどうするか、これはやはり社会保障というものを強化してゆく、これによって所得の振りかえによって格差を縮めるということがどうしても大きな政策でなければならぬと私も実は強くそう思います。そこで、その意味ではひとりこの医療保障だけではないと思います。年金にしたって国民年金というのは結局農村とか零細の自営業者だけの低い——公務員に比べても、あるいは大きな企業に勤める者から比べても実に低いのであります。年金もそうであります。医療もまたこの方面が低い、給付率が五割、こういうようなことで低いのであります。これは今後の重要なポイントでありまして、医療制度の改革ということを考えますときにも、医療保障全体をながめてどうしても全体的な総合調整、内容的にはどうして毛低い方を引き上げる、こういうところに焦点を置かなければいけない、つまり国保をどうするか、次に日雇いをどうするか、こういうところに焦点を置かなければならない。それで内容を引き上げてつり合いをとってゆこうということを考えなければならぬと思いまするが、さらばといって、いっときに組合健保と同じように持ってゆけるかどうかというと持ってゆけないが、目標をそこに置いて段階的に持ってゆくという考え方で、この点も何とかぜひ改善したい、こういうふうに思っておる一つの大事な点であるわけで、ぜひそういう努力をしたいと思っておるところでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 一挙にはできないと言われますけれども、一挙にできる点も私はたくさんあると思うんですね。そこで一つ療養の給付の状況についてこの際一番新しい一つ資料の御説明をいただきたいんですが、今その点から大臣の言われた点の改革が私は一挙にでもできるという点を少し伺いたいんです。資料の四十一ページに「療養の給付の現状」というのがありますが、昭和三十四年度は総計九百十億出ております、それから昭和三十六年度の見通しの資料については、厚生省の発表せられておるものの中にも、あるものは千三百億程度、あるものは千四百億程度といろいろあります。そこでそちらの方でわかっておられる昭和三十五年度の療養の給付の現状の総額並びに見通しがあれば御説明いただきたい。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) ちょっと三十五年度の資料が今見当たりませんので、三十六年度で申し上げます。これは見込みでございますが、国民健康保険の医療費総額見込み千三百六十九億、これは九百十億に該当するものでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 この資料の三十年度あたりを見るというと、四百億以下であります。ところが急速にこの五、六年の間に伸びてきて昭和三十六年度の見込みとしては千三百六十九億という数をあげておられる。でこの給付のうちいわゆる保険料として今の明暗二相のうち暗の農業従事者並びに中小・零細企業の人たちが負担する分は大体どの程度になりますか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 総医療費の約千三百億でございますが、そのうちの五割は、これは患者負担でございます、それから二割五分は国庫負担、それから二割五分が保険料ということでございます。従いまして、五割の一部負担と、それから保険料の二割五分というのが、何と申しますか、被保険者または患者の負担になるわけでございます。特にこのうちで暗の方の・どういう意味かちょっとわかりかねますが、そのうち、特に国保の被保険者のうち低所得者の負担という意味かちょっとわかりかねますが、ちょっとその辺のことは数字としてお答えいたしかねます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 つまり千三百六十九億のこの療養の給付のうち約一千億というものは今の農業従事者並びに中小企業、零細企業者、こういう人たちが結局一千億は支払わざるを得ない金額だと、そういうことを私は聞いておるわけなんですね、つまり暗の人たちは医療のために一千億も負担しなければ十分な療養ができない、そしてこの金額は、これはもう少しこまかく計算していただくとわかってくると思うんですが、今のあなたの中には一次産業、二次産業、三次産業がばらばらに入っているんですね、これはこの中から国民健康保険の対象の人だけを引き抜いて、それがどの程度の国民所得を有しているか、そうしてその人たちがどの程度の医療費の負担をしているか、そこを出していただけば、これは低所得層の人たちが国民健康保険という名のもとに非常な莫大な負担をしょわされてる。従って、国民所得の再分配をやるためには、どの程度分配したならばこの暗の人たちに若干のともしびがつくようになるだろう、それから私は三百燭を三百燭まるまるあかりをつけろとは言わないけれども、少なくともバランスのとれた国民所得の再分配をするのにはどれくらい金を医療の面で出したらいいかという、私はある程度のめどがつくと思う。そういうめどをつけたならば、今度のような国民健康保険法の改正で、結核の、しかも世帯主だけ見るといって、たった四億の予算を組んでる、そんなたった四億で、国民皆保険をやろうという、ことしに当たって、こういう何といいますか、あの法律改正でお茶を濁すということは私はあり得なかっただろう、特に医療費を一〇%引き上げるという場合に、一番しわ寄せされてくるのは、国保と健保と、それらの中で金額の面において一番しわ寄せされてくるのは国保です。従って、そのしわ寄せられた国保の人たちを救うためにも、わずかの四億のこの結核の問題だけで片をつけるというのはあまりにもお粗末であり、冷淡過ぎるやり方ではないか、まあそういう点を実は厚生大臣に聞こうと思っておったのですが、今の一番基本的な国民所得の再分配の対象は、最も強く国民健康保険の対象の人たちに与えなければならない。このことについて保険局長はどういう考えを持っておられますか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) この点は御指摘の通りでございまして、まず第一暗い側と申しますか、国民保険の被保険者は御存じのように農民であるとか、それから中小企業者あるいは五人未満の従業員というように、先ほど来御指摘になっておりますところの最も所得の低い階層でございますから、国保の被保険者は、特殊な人を除きましては大体低所得の層の人が多い、こう考えるわけであります。それでそういう人の給付状況を見ますと五割の給付でございます。非常に少ない。給付率が低いということであります。それでこれを是正いたしますには、まず第一に考えにゃいけませんのが、患者負担をなくするという意味で五割の給付率を引き上げにゃいかぬ。午前中も話が出ましたように、これを七割にするか、八割にするか問題がございましょうが、ともかく給付率を引き上げることが第一段でありまして、それから第二段としましては、引き上げた給付率に応ずる保険料を全部かぶせることはできませんので、引き上げた分全額というのは困難かもしれませんが、相当程度に国庫負担を増額せにゃならぬという考えが出て参るわけでございます。まあいろいろ考え方がございますが、七割に引き上げた場合、国庫負担率を現在の二割五分を、五割に対する二割五分を七割の場合は四割程度まで引き上げにやならぬじゃないかというような問題、この数字はもう少し詰めにやなりませんが、ともかく給付率を引き上げた場合におきまして国庫負担率を引き上げる、まあこの二つの方法によって給付内容もよくなりますし、保険料の負担をそう大きくせずに医療を受けさせるということで、社会保険の内部でございますけれども、そこで一種の所得の再配分と申しますか、ができ、また、医療の保障もできる、こういう格好になって参ると思うのであります。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 給付率の引き上げということは当然なことですけれども、この資料の四十六ページの保険料の現状から見ますというと、被保険者の一人当たり及び一世帯当たりの保険料の額の推移を見ますというと、昭和二十六年のころの倍以上に全部はね上がっております。この間に国民所得の増は、特に国民健康保険の対象者のおるところの農村だとかそういうところでは、とうてい倍にはなっていないと私は思いますが、そうした一世帯当たりの保険料の額も倍以上にふえてきている。従って、今あなたの言われた給付率を引き上げるということはけっこうだが、その前にやはり一番問題になるのは国庫負担を、現在の二〇%を三〇%、四〇%に引き上げるということが私は先決問題だと思う。現在二〇%の国庫負担をこれを三〇%に上げた場合、さらに四〇%に上げた場合、どの程度の予算上措置が必要であるか、ちょっとその数字をあげていただきたい。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) ちょっとこの表について補足して申したいと思いますが、四十六ページの表でございます。これは確かにお話のように、昭和三十六年度の一世帯当たりの保険料が千六百三十二円であって、三十四年度には三千五百七十二円になっておる。年間の上昇率を見ますと、右にございますように約一〇%の上昇でございますが、それは他の保険と違いまして、一つ考えなければいけません点は、昭和二十六年におきますところの医療内容と申しますか、これが非常に制限的なものであったことが一つと、それから受診率がたしか覚えておりませんが、当時におきましてはおそらく年に〇・六回くらいだと思います。年一回の受診率に参らなかったと思います。そういうふうに国保の利用がアブノーマルといいますか、まだ発展過程でございまして、上記の状態になっておらぬという状態でございましたので、すなわち国保の利用が非常に少ない時代でございました。従いまして、これに見合うところの保険料も非常に安かったということが言えると思います。昭和三十年ごろになりますと、受診率と申しますか、利用率というものが多くなり、それから医療内容もよくなって参っておりますので、この辺が大体の国保の一つの医療内容あるいは受診率から見て安定した線だと私は思います。そういう特殊な事情がございますので、一がいに保険料が倍になったと申しましても、根っこが非常に悪かったという事情があったということを一つ御注意願いたいと思います。  それから第二点の、医療費を、五%国庫負担を増せばどのくらいになるかということでございますが、約千二百億の五%でございますから、約七十億、五分の国庫負担を増額いたしますと、約七十億の国庫負担額になる、そういう大体の見通しでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 そうすると、今知事会とか市町村長会が四〇%の国庫負担を求めておりますが、現在二〇%ですから、調整交付金を除いて二〇%ですから、今国庫負担を四〇%にすれば二百四十億の予算を組めばよろしいということになるわけですね。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 約二百七十億程度と思います。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 二百億、三百億というのはほんとうにこれはわずかな金額だと思うのですね。これは税の今度の自然増収の金額からいってごらんなさい、その十分の一以下ですよ。そうして今ほんとうに国民の皆医療保障をやろうとするならば、三百億くらいは私は踏み切ったって、これが決して国民の多くの人たちからむだづかいだといって非難を受けるような、そういうことは私は絶対あり得ないと思うのです。少なくとも世界のいろいろな情勢を見ても、所得保障に関してはどの国も最低賃金制が一番最初に出発している。しかし、年金保障という面からいうと、年金保障の前に医療保障の方がどの国だって先に出発した。そうして先に完成された。そういう点では国民年金、ことに拠出年金を強引に進められようとしている厚生省が、なぜこの三百億ぐらいの金を惜しむのだか、私はどうもわからない。さらに少しこまかい意見になりますけれども、先ほどの調整交付金を五%組んでおられますが、この調整交付金というのは、つまりいろいろな財政上の調整をとるために交付金として出すものだと思うのですが、調整の目的がどこにあるか。それから具体的にどういうふうに調整をしているか、これはこまかい点は資料をいただきましたから、大まかな点の調整の内容、それからどういうふうに調整の効果が現われているか、この三つのことについて御説明をいただきたい。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) この調整交付金は、お話のように、弱い国保財政に対しててこ入れをする、こういうのでございまして、これによって弱いところも何とかやっていけておるというのが現状でございます。  それから調整のやり方、その他につきましては小池課長から御説明させていただきます。  なお、午前中資料の要求がございました。それもあわせて……。

小池欣一厚生省保険局国民健康保険課長

○説明員(小池欣一君) 午前中御質問がございました問題もあわせまして御説明申し上げたいと思います。  まず調整交付金の配分の方法でございますが、調整交付金は、政令によりまして普通調整と特別調整に分けております。普通調整は八〇%、特別調整は二〇%というふうにワクを大きく分けております。そうして具体的な配分の方式は省令で規定をいたしております。普通調整につきましては、まず調整対象需要額と調整対象収入額、二つそれぞれ計算をする方式をきめております。調整対象需要額はその年度の四月から十二月まで、つまり一年その年度の四分の三に当たります医療費の実績をとりまして、残りの四分の一、年間の残りの四分の一の分につきましては、全国平均の医療費をとる。それぞれ保険者別に確定をいたします。一方調整対象収入額につきましては、この収入の全体を半々とみなして、半分は全国の医療費の平均をとっております。他の半分は所得の面でございまして、これは所得税法によりますところの収入を見込んでおります。そうしてそれぞれの配分につきまして、調整対象需要額、収入額を比較いたしまして、収入よりも需要の方が多い場合に、その金額を普通調整の必要な経費として配分をする、こういうような方式をとっております。ただ調整対象需要額を計算いたします場合、医療費のほか、一昨年は助産婦、葬祭費、保険施設費というものを加えておったわけでございますが、昨年は特に僻地にございますところの直営診療所の運営費の構造的な赤字に該当します分を調整対象需要額の中に算入をいたしまして、そういう方式によりまして普通調整を計算をいたしておるわけです。  それから次に特別調整でございますが、特別調整は、いろいろな特殊の事情に基づきまして、特殊の保険者に生じた財政上の負担を解消あるいは軽減をするというようなために設けておりまして、いろいろ項目はございますけれども、おもなものを申し上げますと、災害等による保険料あるいは一部負担金の減免額が総医療費の百分の五以上でありますときは、その減免をいたしました額の十分の八を交付をいたします。  次に流行病等によりますところの医療費の保険者増高が、総医療費の十分の一をこえるというような、保険財政に影響を及ぼす場合におきましては、これに対しましてこえる部分の十分の八を交付する、こういうような方式をいたしております。  次に結核、精神病にかかる給付費が多い場合には、やはり保険財政に大きな影響がございますので、この額が保険者の給付費の百分の二十をこえる場合、こういう場合に、特に影響があるということで、その場合は、そのこえる部分の二分の一につきまして調整をいたしております。  それからあと大きな項目だけを申し上げますと、過去に大きな赤字を持っております保険者は、立ち直りますのに苦労をいたしておりますが、やはり皆保険を使いましてこういう保険者の財政を立て直すということも非常に必要でございますので、三十三年度末の赤字に着目をいたしまして、この赤字につきまして、これを解消する計画を各保険者ごとに立てさしております。  それで、そういう財政計画を作りました保険者につきましては、三年間かかりまして、調整交付金をもちまして、その赤字の半分を解消する、他の半分は保険者がこれをみずから解消する、こういうような仕組みを特別に作っておるわけでございます。その他いろいろこまかいことがございますが、お手元に配付をいたしました資料がございますので、省略さしていただきたいと思います。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 ちょっとそこで……。またあとで御説明を続けて願いますが、今のところで調整交付金が前年度は四十七億程度出ていますが、これは百分の五ということですが、大体この高いところで百分の五、まるまる百分の五にいっているが、低いところではどの程度いっているか、その実績をちょっと説明していただきたい。

小池欣一厚生省保険局国民健康保険課長

○説明員(小池欣一君) 三十五年度の実績につきましては、実は今各保健所からとりまして調整をいたしている面もございますので、ただいまの御質問に対するぴったりしたお答えになるかどうかと疑問に思いますが、普通調整交付金を配分をいたしました保険者の数は、全体の保険者のうち、二千七百五の保険者に配分をいたしております。これは全保険者の八九%に当たっております。それから特別調整をいたしました保険者の数は千九百六十三でございまして、これは一五%に当たっております。そういうような状況でございまして、ただいま御質問がありました五%以上配分をしております保険者がどのぐらいだということは、ちょっと今数字は出ておりませんのですが、当然一〇%あるいは一五%、非常に多いところで二〇%程度のところはあるかと思います。それから全く配分を受けていない保険者というものも財政の豊かなところではあるわけでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 それでは必ずしも百分の五ではなくて、百分の二十の調整交付を受けたところもあるし、その数はどの程度かわからぬがそういうものもごくわずかはある。しかし、大体平均してはまず百分の五程度だ、そう解釈していいわけですね。そうしますと、今の百分の五の調整交付金がどの程度財政的な調整の効果を上げていると判断されるか、その点の見解をお伺いしたい。

小池欣一厚生省保険局国民健康保険課長

○説明員(小池欣一君) 国保の財政につきましては、二割の国庫負担金はこれは全部全保険者にその医療費の額に応じまして平等に配分をされるわけでありまして、残りの部分は、建前といたしましては保険料でまかなうということになるわけでございますが、この保険料の負担能力というものをただいま申し上げましたような方法で測定をいたしまして、そうしてその負担能力の低いところに調整交付金を配分をする、こういうような方式で配分をいたしておるわけでございまして、配分の実態を分析いたしてみました点から申し上げますと、特に財政の苦しいようなところには非常に金額的にも配分をいたされておるわけでございますので、もちろん総ワクは五%ということで限られておりますから、そのワクの中での調整ではございますけれども、現在の国民健康保険財政というものの苦しい面を相当程度調整をしておるというように考えております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 先ほどの三十四年度の実績から見ますと、一般会計からの繰り入れが五・四%、それから都道府県費の補助が〇・六%、合計これで六%、いわゆる市町村独自のものでない、保険財政に伴わないまあいわば一般会計的な繰り入れが約六%、それからさらにこの財政調整交付金が五%程度ある。しかもこれには高いところは二〇%から低いところはゼロまである。私はむしろ少なくとも国民健康保険の財政を軌道に乗せるためには現在ある二〇%に一般会計からの繰り入れの約六%と、この調整交付金の五%と合計して少なくとも三〇%をこれを国庫負担としてその上に財政調整交付金を若干つけ加える。そういう行き方の方が保険財政を、また、この国保の運営を健全化するこれは最小の方法じゃないかと思うのですが、この点いかがですか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) ただいま御指摘の点は、府県及び市町村の一般会計から入れているものを全部国庫負担で見てやれば一番いいじゃないかという点、さらに調整交付金もふやせばいいじゃないかという二点だと思いますが、一応これは受ける側からいたしますと、これが国から出ている五%にいたしましても、あるいは府県または市町村から出ている五%にいたしましても、国保会計としては同じ効果があるわけでございまして、それを市町で持つか国で持つかということが問題であろうと思います。それは政策論といたしまして今後市町村の持つのを国に肩がわりするか、あるいはそのままで置くかということが政策論においてあろうかと思います。  それから残りの調整交付金の五分をもう少し上げたらどうかというのは、これは新しい新規の事項として考えられまして、これはもう少し検討せにゃなりませんが、今の五%で、先ほど申したような財政力に応じてこれで保険料がまかなえるかどうかという調整をするわけですが、その仕方が不十分かどうかという点、もう少し詰めてみなければならぬと思いますが、これは多くなれば非常に楽になることは当然でございますが、その辺の限度と申しますか、その辺につきましては多くなる方向には考えるべきであるとは考えますが、どの程度ということになりますと、これはもう少し検討をしたいと思います。多くなることはこれはけっこうでございます。その数字的なことになりますともう少し詰める必要があろうかと存じます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 これは国の責任で国民皆保険をやっている以上は、先ほど高野委員が指摘した通り、医療機関を拡充し、とにかくすべての国民が機会均等の医療を受けることができるような、そういうことを積極的にすることと、もう一つ内容的には、各市町村の国保が健全な発育をするために、こうした今の一般会計から繰り入れるというような、そういう行き方をしない行き方が私は正しいのではないかと思う。少なくとも今の一般会計から繰り入れているこの行き方、これを今のままで残すとするならば、むしろ法律で法定してきめたらどうですか。そうしてそれに対して、たとえば自治省からこの交付金をやって、これをあと補なうとか、何かはっきりしなければ私は非常な、国保の財政が地方自治の財政を非常に脅かすことが大きいと思う。そういうことについてはどういう見解を持っておられますか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) この国保の制度は国の制度としてやる。それから国としては最終の責任を持つという建前でございますけれども、まあその間におきましてそれぞれ府県、市町村の実情に応じまして府県なり市町村なりがある程度の助成をするということもこれあながち否定すべきことでなかろうと思うのであります。国保の制度が発足しましてから二十数年になりますが、やはり過去におきましてももっとこれ以上の府県、市町村の国庫補助金を出しておりました。そういう傾向で、最近におきましては少なくなっておりますが、この際これを一挙に否定してしまうのもどうであろうかと思うわけであります。また、内容的に見ますと、これは市町村によりましていろいろ多く出しておるところもありますし、少ないところもあります。それから、あるいはまあ実情といたしましては、保険料の取り方とも関係しておるのでありまして、一般会計から相当見るから、保険料としては取るのは安く取るとか、あるいは保険料で全部まかなうという行き方をするか、その辺市町村の実情によりまして保険料と一般会計の、同じ市町村でみんな取るわけでありますから、その取り方につきましてもやはり従来のいきさつ、あるいは取りやすい方法とかというような点も若干あるようでありますから、これを全部国で見てしまうというならこれは一切問題はなくなりますが、そういう実情もございますので、今一気にやってしまうのはどうかという感じもいたすわけであります。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 今の一般会計繰り入れの問題について二つ伺いたい。それは今の局長の説明を聞いていると、一般会計の繰り入れをやって、やらせて各地方自治体に若干苦労させると、若干どころじゃない、かなり苦労させることがむしろ国保の運営上、あるいは国保を推進する上に何かこう必要な措置のような印象も受ける。これははなはだ私はおかしいと思う。で、今日この一般会計の繰り入れを喜んでやっている市町村がありますか。この点一つ明らかにしていただきたい。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) まあ好んで市町村に迷惑をかけるという気持はございませんが、申し上げました趣旨は、従来からそういう方法で来ておりますし、それがまあ漸減の方向ではございますが、来ておりますので、それからまあどうせ同じ市町村の住民が医療費をまかなうわけでございますから、その取り方として、従来のいきさつからいたしまして、一般会計でよけい見て保険料を少ない方がいい。あるいは全部保険で見た方がいいとかというようないろいろな事情がございますので、その辺も検討いたしたいということを申し上げたのでございます。そういう事情でございます。  それからこれも市町村の一般会計の繰り入れを制度として全然認めないという制度というのをとっていいかどうかという問題、これも若干問題があろうかと思います。この法律を作りますときにおきましても、全部国が国庫負担一本でいくか、あるいはもう少し負担率につきまして国と県と市町村と、まあ一般会計になりますか、それにある程度の比率をかけてやった方がいいんじゃないかという議論も相当ございましたわけでございまして、まあそういうように市町村の住民としては、府県なり市町村も相当利害関係があるわけでございますので、そういう問題も実は立案の過程においてあったわけでございます。それで、暫定的に今のところこういう一般会計の繰り入れを認めておるわけでございますが、基本の問題に上って参りますと、やはりそういろ問題も全部国で見るか、あるいは国、都道府県、市町村にある程度の率を見るかということもやはり残っておるのじゃないかと思います。それらの点もあわせて検討したいと思っております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 今の局長のお考えは、一般会計から繰り入れることは、要するに保険料を別の形で各地区の住民から徴収していくことだ、そういうことで安易にお考えになっておられる。が、なるほどこれは各地方自治団体としては、市会でも町村会でもこの国民健康保険の赤字については非常に頭を痛めておるし、かつこれを放置することは、今日のように福祉国家として育ってきている日本としては、市町村会といえどもなかなかこれは許さない。これで結局一般会計からの繰り入れをみんな泣く泣く認めているというのが私は現状だと思う。そこへもってきて、これはあなたに無関係だと言えば無関係かもしれないけれども、今度国民年金の拠出制が始まった。そうすると、あなたの方の統計を見ても一戸平均もう本年度は国保の徴収は四千円をこえていると思う。人によってははるかに高い人が出てくる。そうしますと国民年金の方もこれは御承知の通り、平均しますと、私がある市町村で調べたところでは三千三百円くらいになります、二月平均。そうしますと、合計一万円くらいの負担が社会保障という名のもとに強制されてくるわけなんです。そうしてくるというと、地区の住民にとっては実際上負担に耐えられない。それが経済成長率の高い人たちに課せられた負担ならばともかく、明暗のうちの暗の人たちに課されているからとうていこれは実際上の問題として負担に耐えられない。きょう年金局長がおられませんけれども、私たちは拠出制の年金に今でも反対しています。これは来年でも再来年でも私たちは反対します。なぜかというと、これはもう国民が払えなくなるかもしれない。この七月の第一回はこれは払えるかもしれません。あなたたちにいわばだまされて希望をもって払うかもしれない。第二回は十月にこれも払うかもしれません。が、三回目になったらこれは払えなくなる。今日の農村の実情では払えなくなる。そうした場合に、それを払えるように措置するのがやはり政治であり、そうなればこの一般会計の繰り入れなどを引き抜いていくということ、これが非常に大事でございます。ことに年金局長は、国保の保険料と年金の掛金を払えない場合どっちを優先するかというと、国保の保険料を先に納めてくれ、こういう発言をしております。あなたの方はいい気な顔をして、一般会計の繰り入れを認めて強行できるかもしれないけれども、これはとにかく国民に対しては不親切だと思う。だから、こういうものをすみやかに、この一般会計から繰り入れないで、これを困っている地方自治団体、これを国の方で全面的に見てやる、そうしてそれだけの余裕、能力ができたら国民年金の掛金を掛けさせるようにあなたの方でお勧めになったらいいでしょう。私たちは掛ける能力があったらそれは掛けなさいと言って勧めますよ。が、掛ける能力がないのに罰則をもってあなたが無理に取ろうとするから私たちは払らうなと言って抵抗しているのです。だから、そういうことからいっても、この一般会計の繰り入ればこれを国庫負担の方へ振りかえるということ、これは当面非常に必要な事項だと思う。もう一ぺんその点についてあなた方の決意を、腹の中をよく聞いておきたい。事務的にどうです。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 方向としましては、これは一般会計の繰り入れを減らしていく、それからできれば国庫負担に持っていくという方向としては考えられると思います。事務的に実施の場合のことを考えますと、これはいろいろの問題があろうと思います。たとえば現在全国平均しますれば、一般会計の中では五%ということになりますけれども、全然そういうことはやっておらずに、保険料一本でやるというところもございます。そういう方法で来ておるところもございますし、それから一般会計の繰り入れが一〇%のところほとんどございませんが、まあその辺いろいろ若干の問題があると思いますが、方向としては、一般会計の繰り入れば減らしていきたい。その財源として考えられますのは結局保険料かあるいは国庫負担、これしかないわけでございますから、結局国庫負担率と保険料の比率をどうするか、方向としましては国保の現状にかんがみてどっちをとるかといえば、やはり保険料負担は困難であるから国庫負担の方に依存する。この方向になろうと考えます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 そこで今の一般会計繰り入れが、やっているところとないところとあると一律にあなたの方は説明されましたが、市町村の財政力と、それから市町村のこの今の一般会計の金額と、これを一覧表で見せていただくものありませんか。たとえば東京都あたりは、これは一割近いくらい一般会計から繰り入れているのじゃなかったかと思うのです。そして、それで東京都は、これは財政力豊かだ、豊かだから都民の個人的な負担を減らしておいて、掛けている。ところが、今度はいなかの方の中小都市、たとえば高知市、これなどは熱心に私も国保を推進するためにずいぶん苦労してきた一人ですけれども、これは約一割、一〇%ぐらいの一般会計からの繰り入れをやっている。これはもうあっぷあっぷ言って非常な苦しみをしている、一般会計から繰り入れをやっておる。あなた方は上から見ておって、東京都の、都の場合の繰り入れと、高知市の場合の繰り入れと同じように見ておられるけれども、これは私もってのほかだと思うのです。その点についての認識を欠いているのではないか。私は東京都の場合、幾らだって一般会計を繰り入れすることを勧めるわけじゃありませんが、この東京都のような財政の豊かなところはそれでいいのです。が、そうでないところが私は過半数だと思う。ですから、今の一般会計繰り入れについてこの総額三十三億で五・四%というような数じゃなくて、個々別々についてあなた方の御説明をいただきたい。そうしてその中を通じてどういう事実が露呈されておるか、それについての見解を一ついただきたい。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) まあこの平均五・四%という数字が出ました根拠、これは市町村ごとに集めたものがあって出たわけでございますが、ただいまここにその資料を持ち合わせておりませんので、まあその数字を申し上げることができないわけでございますが、まあおっしゃるように平均で五・四でございましても、おっしゃったような一〇%のところもありますし、平均五でございますから、そうでないところもあって種々雑多だと思います。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 ですからね、私は東京都のような、これは都の人が聞いたら、怒られるかもしれませんが、都のような財政力の豊かなところでは国に肩がわりして都がこの一般会計の繰り入れをしてやるということも、これはそりゃある程度いいかもしれません。が、こういうことは私きわめて例外的だと思うのです。この国民健康保険が一番普及され、一番これをありがたく思っている中小都市、農村地帯、この東京都のような財政は日本中どこにもありませんよ。そういうところでは一般会計繰り入れは、これは非常に痛いのですよ。非常に痛い。私は調整交付金をこの高知市の場合に、最初の計算が六百万円ぐらいがあと計算をし直したら一千万円ぐらいになって、もう市長から皆さんがものすごく喜んだという実情も知っているのです。それほどこの中小都市にとっては非常にこの財政的な負担なんですよ。だからそのことをあなたの方が十分認識されないで、わずかに五・四%だからという見解で一律に一般会計の繰り入れを当分認めるというような行き方は私は非常に不親切だと思うのです。この点はあとで非常に基本的な問題ですから大臣にも伺いますが、これは十分に考え直していただきたい。少なくとも国民皆保険の段階に入った今日、かつ年金とそれから国保とが一緒に強行せられている今日に特に私は重要なことだと思う。  それで次に先ほどお尋ねしておきましたが、今度の法律改正の中で問題になるこの結核の患者さんと精神病の患者さんの数についていただきました資料には、五十ページに、結核、精神病の一件当たりの費用額が出ておるんです。費用額が出ておりますが、端的に申しまして、国保で入院している世帯主の患者さんは何人おるか、世帯員の患者さんは何人おるか。これは結核についても精神病についても、それからまた外来についても何人おるか。さらに国保と生保と両方でやっている人と、それからまた国保だけでやっている人と、この区別があるので、これは数字一つ説明いただきたい。

小池欣一厚生省保険局国民健康保険課長

○説明員(小池欣一君) 結核、精神病で世帯主に対する新政策で、入院、入院外に分けまして数を申し上げますと、結核の入院は九万四千四百九十一件、それから入院外でございますが、これが三十四万六千四百四十二件。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 ここに書いてある数と同じじゃありませんか。

小池欣一厚生省保険局国民健康保険課長

○説明員(小池欣一君) そうでございます。この資料の五十ページにございますのを申し上げました。これが件数でございます。ただこの件数は総医療費を一件当たりの金額で割った数でございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 その一件というのは、これは統計からいくと月別でしょう。だから私のお聞きしたいのは、国保というシステムの中で、結核の患者が年間何人入院しているか。たとえば昭和三十四年度あるいは三十三年度、何人国保で入院しているか、あるいは国保と生保と併用で入院しているか、外来は何人おるか、その数を私は伺いたい。

小池欣一厚生省保険局国民健康保険課長

○説明員(小池欣一君) この資料は、今回の新政策に関しまする数字を作りましたものでございまして、過去にどのくらい精神病患者がおり、かつ結核患者がおったかという数字は、ちょっと今手元に持ち合わしておりません。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 その過去の数がはっきりつかんでないというと、今度の新しい予算を作るのにも工合が悪いじゃないですか。たとえば結核の入院については、四月から九月までが七十一億何がし、それから十月から三月までが六十六億で、合計百三十八億という金額が出ている。しかし、その金額のもとになるのは四月から九月まで入院患者が何人おるか。この入院している患者さんは、おそらく十月から三月までも持ち続ける国保の結核なり精神病の患者さんだと思う。だから国保で見られている患者さんの数が何十人ということは、これはこの予算を作るためにも必要であったと思うので、その数を聞いておるんです。

小池欣一厚生省保険局国民健康保険課長

○説明員(小池欣一君) 予算を作ります場合は、まず総医療費を出しまして、その総医療費の出し方は、一件当たりの日数あるいは一日あたりの金額あるいは受診率ということを過去数年間とりまして、伸びを見まして総医療費といたしまして、その総医療費を基礎にいたしまして、結核なら結核の割合というものを乗じまして、また、そのうちで世帯主が、世帯員との数の比率でどのぐらいあるかということで比率をとりまして、今度の予算は十月からでございますので、その半分、一年間の半分ということで二分の一をかけまして計算をいたしております。そういう計算で結核の入院、入院外、精神病の入院、入院外、まあそれぞれ今度の新政策に要する総医療費というものが出て参るわけでございます。その総医療費を基礎にいたしまして、予算を計上いたしております関係上、その国保の結核、精神病の患者の数というものをとりまして基礎にはいたしておりませんので、ただいま申し上げましたような結論になるわけでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 そうしますと、世帯主と世帯員との数は、大体五十三ページの表で、大まかに言って一対三よりは世帯主が多いようですね。ですから今度は世帯主だけについて四億の予算を組んでいるので、非世帯主を合わせるというと、これは幾らの予算があればできることになりますか。

小池欣一厚生省保険局国民健康保険課長

○説明員(小池欣一君) 半年分で計算をいたしまして約十五億でございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 これは今回、なぜ世帯主に限って、非世帯主は入れなかったんですか。どういう根拠ですか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) これにはいろいろ考え方がございまして、財政上の問題もさることながら、これは健康保険との調整という問題も一つあるわけでございます。御存じのように、被用者保険におきましては、本人十割、家族五割という制度でございます。その関係で、片方国保におきましては五割、五割でございますが、国保だけにつきまして世帯主を七割にするという点におきましては、被用者保険の十割に及びませんので、これはバランス上問題ないと思います、低い数字かもしれませんが。ところが、非世帯主まで入りますと、被用者保険の家族が五割でございますので、その辺のバランスも一つあった。国保だけについて七割に上げてしまって、家族七割に上げて健保をそのままでよろしいかというような問題等もあったのでございます。これはそんなけちなことを言う必要もないという議論もありましょうが、やはりその辺、今後総合的に、各保険の給付を、本人、家族を通じてどの程度に持っていくかという問題にもからみますので、その辺の考慮が財政的の問題よりもむしろ大きかったと考えます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 財政的な考慮よりそれが多かったというのはこれはむしろ意外とするので、財政的な考慮が多かったというなら、これはやむを得ないとして認めますが、今問題になるのは、健康保険の中で、組合管掌は私は実質的に、被扶養者の場合、家族の場合も大方見てもらっているのが実情ではないかと推測する。そうすると、政府管掌の家族の結核の五割を七割にすることで、どの程度予算がふえるか、これは計算してありませんか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 作業の過程においてはしたことがあるかと思いますが、ちょっと数字を記憶いたしておりません。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 どうもあなたは、それでは厚生省だか大蔵省だかわからぬじゃないか、大蔵省がそういうことを言うならともかく、厚生省はともかくも患者の数を調べて、そうしてそれに七割負担した場合には、金が幾らかかるという、そこまではじいて、そうしてそれが、大蔵省ならそれだけの金が出せぬというような理屈はわかるけれども、あなたの方じゃ、初めからとにかく患者をなおすことよりも、同じ保険のバランスをとることに重点を置いて、そうして厚生行政を進めているというのは、これは何といっても私は理解することができない。これはあとでまた大臣が来てから、一つ追及いたします。そういうことではいつまでたっても、私は日本の医療保険というものが医療保障になることはできないと思う。  そうすると、今の事務当局の説明を聞くと、今度世帯主だけに限って、非世帯主にやらなかったことの最大の理由は、保険のバランスを考えたということが第一。それから第二の点の財政上の理由については、どの程度の隘路があったのですか。非常に困難であったのですか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) これは、保険局の立場として申し上げますが、午前中も申し上げましたように、保険局の試案といいますか、案といたしましては、一律に七割という線を持っておったわけでございます。それで、いろいろ折衝いたしましたところ、やはり詰めて参りますと、今申し上げましたような、被用者保険の家族とのバランスの問題といいますか、そういうような問題も出て参ったというのが、これは実情でございまして、それを全部こちらをやりますれば、被用者保険も同様な問題が起こると思います。そういたしますと、また一面、被用者保険と国保との世帯全体としての給付の問題もございますし、その辺の結論が割り切れなかったというところが、今申したように、国保の世帯主だけについて七割を考えたという、むしろ理論上の問題と申しますか、これが多かったように結論としましては考えます。最初の要求としましては、一応私どもの方として一律七割の線を考えたのでございますが、結果として今のようなことに落ちついたわけでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 今の局長の説明で非常によくわかったことは、日本の医療保険というのは、これは医療保障でないということがはっきりわかってきたわけです。今の医療保険をやっておる限りは、日本から結核をなくすとか、その他ほんとうに健康な福祉国家を作るということとはほど遠いのであって、あなたの方は、医療保険というものを国民の健康を守るとか、結核をなくすという立場では考えないで、あくまでも保険同士のバランスだとか、保険の財政だとか、そういうことにばかり終始しておる。これは私は非常に重大な問題であって、こういうようなことを日本の医療保険がやる限りは、保険局というものは要らぬと思うのです。もう一ぺんこれは解体して、もう一ぺんやり直しをする必要がある。この点は私ははなはだ遺憾だと思いますので、あとで大臣に伺います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 関連した問題から先に質問いたしますが、坂本委員の質問に関連して、市町村で一般会計から赤字を補てんしているところは、一体何パーセントくらいあるのですか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 先ほど申し上げましたように、平均的には五・四%一般会計から繰り入れがあるわけでございますが、現実に繰り入れしておるのは数字はどのくらいかということになると、ちょっともとの表を整理しませんと出て参りませんが、一口に申しますと、やはり額は別といたしまして、大部分のところがやっておるのじゃないかという感じでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 その実態は、保険局でとってはありましょうけれども、数字はないのですか。実態は把握しておられるのか。数字はあるけれども、きょうは持ってきていないからわからぬのか、その点どうですか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) もちろん数字はございますがきょうは持ってきておりませんし、それから数字を整理し直してはどうかという点はございますが、資料としてはございません。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 関連して。数字を持っているって、何を基準にした数字を持っているのですか。たとえば診療所を建てる、病院を建てる、そろいうものが国保の運営の根幹になっておるわけです。そういう数字を全部持っているんですか。それならこの五・四%に上がってきていないのじゃないか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 厚生省でとります一つの報告の様式がございまして、これは先ほど収入のついでに申し上げましたが、保険料の一部負担金、国庫支出金、都道府県支出金、繰入金、繰越金というような一つの様式がございまして、これの報告をもとにしているわけでございます。これを各市町村ごとに拾いますれば、今御指摘のような一般会計の繰り入れをやっておらぬところはなんぼという数字は、調べれば出てくるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それは数字を詳しく調べて、資料として出してもらいたいが、私の調べたところでは、昨年の十月現在で国保の適用の市町村が三千三百七十一、その中で赤字の町村が四百二十二、これでいきますと一・一何%になりますか、そのくらいの率ですので、数字の上で、金の方で五・四%というのが、実は私よく理解できなかったわけです。そのような地方自治体で各個ばらばらにずっと市町村を見てみると、三千三百七十一のうちで四百二十二が赤字であるのに、金額の上でなぜ五・四%になったのか理解ができなかったので質問しているわけですが、その点いかがですか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 今わかりましたが、一般会計から繰り入れをしているのは赤字ということではございませんので、これによって決算の上から見ますと、これは決算じりは黒字になって出てくるわけでございます。その分は、一般会計を繰り入れたものはすぐ赤字と、そういうことには出て参りません。で、別に決算上の赤字がなんぼかというのはやはり出ておりまして、これは昭和三十四年度でございますが、全国の保険者を通じまして収支の差引の赤字と申しますか、これが約十八億、こういう数字が出ております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 さっきの坂木委員の質問に関連して私は言っておるので、保険料が入るのは、市町村でわかるでしょう。それで、その保険関係の施設なりあるいは人件費なり出すのはわかるでしょう。一般市町村では。この国保関係の赤字として出ておるのが、今私が言ったような数字です。一般会計から繰り入れて赤字を補てんしておる。さっき坂本委員の質問はそうだったのでしょう。それを全国で集めるというと五・四%であるということでしょうか。医療費と保険費というのはすぐわかるのだから、それを各自治体に各個ばらばらにしてみたらどうなんですか−ということを私は質問しているのです。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) この決算の面を形式的に見ますと、五・四%、三十三億というのは、決算上は赤字が出て参らぬわけでございます。しかし、これを保険の国庫負担で足らぬ分がなんぼあるかという見方をしますと、実質上は赤字といいますか、すなわち収入面で、国庫負担とそれから保険料その他で財源をとるわけでございますので、その際に一般会計の繰り入れの三十三億がなければ、これは実質上の赤字になる、決算上はこれがありますので、形式的には赤にならぬけれども、実質的に赤字、そういう考え方もできるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 数字はまた詳しく資料を出していただきますが、私が言っているのは、保健所を作りたい、あるいはいい医者を呼びたい、看護婦をふやしたいと思いましても、もちろん国の負担はありますけれども、自治省自体で土やえる場合はあるが、地方自治体として現在ですら収入と支出とのアンバランスでやっていけない、従って、地方自治体の方で一般会計から相当の負担がある。その負担については、これは当然国からめんどうを見なければ、地方自治体の負担でやっておっては、国民皆保険ではないじゃないか——結論は坂本委員と一緒です。私は各地方自治体に自分を置いて考えた場合、地方自治体の市長なり村長が個々に参りまして、そういうことを厚生省の皆さんに言いたいだろう。それを私は代弁して言っておるわけです。従って、国民皆保険と名を打つ以上は、少なくとも保険行政の上で地方自治体に金銭的な苦労をかけてはほんとうの国民皆保険にはならぬのではないか、この対策を皆様はどう考えるか、結論的にはそこをお聞きしたいわけですが、それはあとで大臣がいらっしゃってからまた坂本委員も質問されるでしょうから、私もそのときにまた質問いたしますが、次の問題は、これに関連して、東京都、大阪府などで人口移動の激しいところで、病気したから保険に加入して治療を受ける、そしてまた、今度は保険料を払わぬというような、保険料徴収の不可能な人口移動というものが多数ありはせぬか、そういうものについての厚生省の把握はできておるのか、おらぬのか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 御質問の趣旨は、皆保険でございますので、どこかの被用者保険に入っておらぬ限りは国民保険に入らなければならぬという建前でございます。それで資格を持って保険料を払っておる場合はよろしいが、今お話のように、一度保険料を払って被保険者証をもらってかかる、それからその後病気がなおってしまったら逃げ出して保険料を払わなくなる者があるのじゃないか、こういうような意味だと思いますが、やはりそういうものは現にあるようでございまして、これは正確に申すわけには参りませんが、一応私たちの予定と申しますか、見込みとしましては、全国にそういうものが二、三十万程度出てくるのじゃないだろうか、とかく住居があちこち動いて定まらないというのは事務的に把握できないものでございますが、これが全国的に見ますと二、三十万ほどは出てくるのじゃないか、こういう見当をいたしております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 その問題についてはまだ十分な把握がないようでありますが、これはなかなか把握できないでしょうから、努めて全部把握できるような態勢についての要望だけいたします。  次の問題は、まあ今保険料のお話をしましたから保険料に関連いたしまして、保険料の最高の限界というものをお考えになったことがあるのかどうか、たとえば私どもが市におりまして、地方での国民健康保険に入りますとまあ相当の保険料を支払わなければならぬ。これは私だけでございませんが、たくさんの人がそうでありましょうが、一家非常に健康でありますというと、医者にかかった計算、かからない計算をいたしますと莫大な税金を納めるようなことでございますが、保険料の最高限界について厚生省としてお考えになったことがあるのか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 保険料の賦課徴収の方法は各市町村の条例できめることになっております。大体今のやり方は均等割、所得割、それから資産割という三者の組み合わせが多いわけでございますが、その結果所得の高い方はあるいは十万というようなことになるかもしれませんが、役所の方の指導としましては、最高は五万程度に抑えてはどうか、最高五万ということで指導して参っております。まあこの額がまだ高いという感じがするかもしれませんが、一応厚生省ではそういうふうに条例を作成するべきじゃないかという指導をいたして、五万という指導をいたしております。細部のきめ方は市町村のあれでございますから。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 今の指導ですね。指導は省令か何か、あるいは書面か何かで出ておるのですか、お教え願います。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) これは通牒でございますが、この市町村で作ります条例の準則の案を通牒いたしております。その中にその趣旨のことを書いておるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 ちょっと読んで下さい、そこで。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) ちょっと恐縮ですが、あとで調べますから、よろしゅうございますか。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それではさっきの高野委員の質問に関連して、この無医村の問題を質問したいと思いますが、現在この無医村がどのくらいあるか。これはこの前も私社労で大臣に質問いたしたんですが、まあ三月過ぎましたんですから、その現状について報告願いたいと思います。

小池欣一厚生省保険局国民健康保険課長

○説明員(小池欣一君) 先ほどの税の金額を五万円で押えておる条文でございますが、市町村国民健康保険税条例準則というものがございまして、これの第二条に課税額の条文がございます。そして五万円をこえる場合には課税額は五万円とするというふうに押えております。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) これは先ほどもお答え申し上げましたのでありますが、昭和三十三年八月現在におきまして、無医地区の総数が千百八十四でございます。それからこの内訳といたしまして、第一種というのがございます。これは現実には無医地区でありますが、交通機関の状況その他からいたしまして、医療上支障のないと考えられるところ、これが四百十六ございます。  それから第二種というのがございまして、これは無医地区でありますが、医療機関を設置する必要があって、これをやはり国なり地方公共団体の施策として解消する必要がある地区、これが六百五十六ございます。  第三種は医療機関は必要でございますが、これは特に国が施策をしなくても、開業医が営業して十分成り立つ可能性の多いところであって、むしろそれにまかせた方がいいと考えられる地区でございます。これが百十二ございます。これが三十三年八月末の状況でございます。  それからこれに対しまして医務局の方の僻地対策で、六百五十六のうちに対する二百三十七を解消するように、今七カ年計画で進めておるわけでございます。  それからそのほかにこの国保の直診といたしまして、これは必ずしも第二種に限りませんが、第二種または第三種を中心に直診の設置を進めて参っておる。こういう状況でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 無医村の対策については再々お尋ねし、また、大臣なり担当局長の意見を聞いております。たとえば僻地無医村対策として、外地から帰ってきておるお医者さんですね、引き揚げのお医者、相当これはもう試験も進んで、あとなかなか試験に通らぬような人であるそうだが、私どもはまだその態度ははっきりきまっておりませんが、いよいよになったらしろうとが行くよりもいいことです。それはまあ非常に人体を扱うことでして危険ではありますが、二百三十七というものが七カ年計画と言われるというと、私のこの数字では三百人以上の人が住んでおる村が、無医村が千二百カ村あるといわれておる。そういうようなことであるならば、この千二百カ所が厚生省の今の報告では千百八十四カ所、これを医者を配置するとなるとなかなか大へんではないかと思うが、具体的に今は二百三十七だけをおっしゃいましたけれども、あと千七百の無医村についてはどのようにしようとされるか。しようがございません、保険料だけ払って下さい。坂本委員の質問では、保険料についての格別の差引も考慮もないようでありますが、保険料だけ払うけれども、医者は配置できません、保健所も作れませんでは、保険料を払わぬというストライキをやられてもしようがない。そういうことでございますが、ぎりぎりの線の具体策について何かございますか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 医務局の僻地対策としては、今申し上げる通りでありますが、この千百八十四のうちで四百十六というのは、これは医療上支障がないということでございます。従いまして、その残りでございますが、六百五十六から二百二十引きました約四百程度、これが問題でございます。それで、これにつきまして、国保の立場でございますが、これは直診の施設の整備費というのを約二億、最近毎年計上いたしております。これの国保の立場としましては、これを重点的に優先的に無医地区に持っていきたい、こういう方針で参っておるのでございます。それで直診を作るのも一つの方法でございますが、それから場所によりましては巡回診療所でありますとか、患者輸送車、それから船についても同様でございます。それから出張した出張診察所と申しますか、親元から離れて出張所を持っておいて、週に何回行くとかというような方法、こういうどの方法でもよろしいから、優先的にこういう地区を解消してもらいたい。二億の直診の補助費は全部優先的にそれに使う、こういうかまえでおるわけでございます。しかし、まあ実情を申しますと、この地元のやはり負担もございまするから、三分の一補助、三分の二がございますから非常にこちらは勧奨しておりますが、一挙に解消することは困難だという事情もあろうと思います。しかし、私たちの方針といたしましては、優先的にこの直診の補助費を今言ったような方法で無医地区解消に使うというつもりでおります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 無医地区の問題についても大臣がまた見えるそうですから、あとで質問いたしましょう。技術的な問題で、私医者でありませんので質問いたしておきますが、保険で治療した場合に、請求書を家族なり看護婦が書いて請求しなければならぬ、その事務が繁雑であるということ、それからそれに対して不正があるということで摘発されてなくなられた医者があったということ。それから、出ました書類を審査するのが同じ医師会の仲間の医者であるということ。このような保険行政で金の動く面が私どもしろうとから見ると非常にずさんでないか。あるいは方向違いの人が仕事をやっておるのではないかという気がしてならぬのであります。一人々々開業医のところで事務員を置くわけには参りませんでしょうが、なかなかこれは大へんではないかという同情と、それから事務的に粗雑になりがちではないかという問題点を考えるわけですが、このような技術的な面については保険行政として、厚生省として検討されておるのかどうか、そういう点。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 御指摘のような問題があるわけでございます。請求される医師とされましては請求の手続がめんどうであったり、記入事項が非常に複雑で困るという問題がございます。それからまた、審査した場合に、査定を受けて減点されるというような問題がある等差し迫った問題になっております。  それからなお、今先生がお話しになりましたように、請求したものを審査するのが医師であるのはおかしいじゃないかというようなことをおっしゃいました。この点につきまして、やはり請求の内容が医療という特殊な専門的なことでございますので、やはり審査という仕事は専門の医師の方にお願いするほかはなかろうと思うのでございます。それで、まあ問題といたしましては、この請求書の請求事務を簡素にする方法はないか、それからまた、請求に対して支払う額が適正に審査できるかどうかという問題になると思います。まあこれはいろいろ検討いたしておりますが、一定事項についてはどうしても記載願わなければならぬし、それからまた、審査する場合も、一定事項がなければ審査ができぬという問題がございまして、そこに現在のような出来高払いの現物給付という方式をとります限り、これを簡素にするということは若干の余地はございましても限度があろうという感じがいたします。御指摘の点につきましては、目下関係の方面の意向を聞いたりいたしまして、合理化あるいは簡素化のことも検討いたしておるところでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 まあ検討中だそうですからいいですが、不正請求で個別指導を受けたというような医者が以前はあったと聞いておりますが、最近の情勢はどうですか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) この指導、監査の方法につきましては、実はいろいろ問題がございまして、たしか昨年の夏ごろでございましたか、関係団体の意向も聞きまして、こういう方法であれば指導、監査は必要な範囲で、しかもうまくいくのじゃないだろうかという一つのやり方をきめまして、その新しい方法でやっておるわけでございます。まあただいまのところ若干問題があろうと思いますが、指導のやり方あるいは指導をやってみてなお監査をしなければいかぬというものにつきましては、ピック・アップして監査をしておるのでございますが、まあ比較的順調に問題なくいっておるというように感じております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 数字を、不正請求で個別指導を受けた医者及び昨年でしたか保険医の取り消しを受けられた医者もあったようですけれども、その数を、概数をお教え願いたいと思います。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) ちょっと概数でございますが、これはやはり監査してあるいはその後取り消し処分をするとかあるいは戒告するとかいう処分はやっておるわけでございますが、ちょっと年にどのくらいになりますか、数字のことでございますので、ちょっとただいま記憶いたしておりませんから、あとほど申し上げたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私はそれは大きな問題だと思うのですよ。これはもう医者が、医師から保険医の取り消しをやるということは国民皆保険の問題で重大問題です。生活権の問題ですよ。その生活権の問題を私は善意で数字と申し上げましたけれども、これを取り消すまでには相当の問題だと思うのだが、その数字について保険局長が記憶がないということについては私は納得できないが、課長はどうですか。だれか担当者、その数字を持っていないですか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) ちょっと医療課長に……。

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) ちょっと速記をやめて下さい。   〔速記中止〕

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 今の問題は、これは非常に大切なことでございますし、それから私どもは医師ではございませんけれども、保険行政を現地でいろいろ見るわけですが、その場合に、医師仲間にも問題があるようにも見受ける。自分たちが治療したものも、同じ医師会の方で、委員をきめてちゃんと見ておられますけれども、そのことで、しかも今度はこれは直接被保険者にかかってくる治療の問題になります。技術的な問題でありますから、医者でなければわかりませんでしょうけれども、そのようなシステムでやっておる現在のこの医療費の取り扱いについて、どのような検討がなされておるか。今具体的にまた質問して参りますけれども、今の不正請求で、個別指導を受けた医師並びに保険医取り消しを受けた医師については、もう少し詳細に、具体的に、その事例についても調べておいて、報告願いたいと思うのです。  それから次の問題は、保健所の医師が補充困難である。保健所は給料も安い。あるいは医師としては研究もできないということで、医師としては横道に入ったようで、保健所の医師になりたがらないで、保健所から逃げ出したお医者さんがあるのではないか。直接は、表面はわかりませんけれども、保健所医師になりたがらないという実情、そういう実情について、医師の移動の状況について、保健所から開業したとか何とかということについて、少し実情を説明願いたいと思います。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) ちょっと所管が、公衆衛生の所管でございますので、私からちょっとお答えいたしかねますが、関係の局長呼んで参ります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それではさっきの問題をもう少しやりましょう。この保険行政、これは医師の方になりますと、保険局長が担当ではないわけですか、事務的に。請求書を家族が作って、そして請求する。窓口に請求する。その方法については保険局長の担当だと思うのですが、いかがですが。そうでしょう。そうしますと、その取り扱いについて、さっき検討中であるとおっしゃいましたけれども、たとえば医師の方から請求しないで、患者の方が料金を払って、領収書もらっていって受け取るということも、一つの方法でしょう。外国にあるようですけれども、いろいろ外国の例も、私、言わぬでも御存じでしょうが、私は中央医療協議会など、中央のシステムを検討する前に、末端組織のそういうところにこそ、医師会も厚生省も、根本的なメスを加えなければならぬのではないかと思うのですがいかがでしょう。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) お話の通りでございまして、この請求事務あるいは審査というようなことは、なぜ必要かと申しますと、今のような支払い方式、あるいは給付の方式をとっているがために必要でございまして、他の方法をとりますと、たとえば請負方式でございますとか、あるいは人頭式とかというような方法、これは極端なことで実施が不可能かもしれないが、俸給式の方法がございます。そういう方法になりますと、今のような請求事務が、全部変わってくるわけでございます。それからなお療養費払い式とかという方法もございます。それぞれ今の請求方式というのは、現在の支払い方式を基礎にしておるものであります。従いまして、この支払い方式あるいは給付の方式、これを変えるということが根っこ、基本的な問題でございます。これらの点につきまして、目下どうしたらいいかということで、検討を進めておりますが、大体考えられます方法としましては、今申しましたような方法、これをとるか、あるいはそれらを適当に組み合わすかというような方式になろうかと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 今度はその医師から出ました請求書を審査する審査委員は、医師会などの互選でもってかわっておられるそうですけれども、そういう人は厚生省に届け出るのですか。あなたの方に、保険局長なりあるいは厚生省に届け出るのですか。今月は審査委員の責任者はだれだと、こういうふうに、各医師会から、皆さんの方に報告が来て、皆さんはこれをちゃんと把握しておられるのですか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) この審査の事務でございますが、これは理屈でございますが、本来保険者がする仕事でございます。それをずいぶん前からでございますが、支払い基金にこれを委託しているのでございます。支払い基金において、審査委員というものを作りまして、保険者にかわって、審査をして、支払うという建前でございます。従いまして、審査委員の任命というものは、それぞれ各府県にございます基金におきまして、委嘱をしているわけでございます。それを委嘱します場合には、これはやはりそういう審査ということができるような経験者でありますとか、それから公平な人ということ、あるいはまた、科別者がございます、そういうものを慎重に検討して、人選をしております。それでその人選につきましては、これは基金の方でやっておりまして、個別的なこの人事につきましては、これは基金の本部もおそらくタッチしないのであります。それから厚生省もタッチすることはいたしておりません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 この問題については、私ども医師でなくて、しろうとですから、内部的には、保険行政の問題として検討してもらいたいと思うのです。  それから最後に、三十六年十月一日から、この改正案が実施されるようになっておりますが、十月一日になされたというのは、どういうことでしょうか。これは患者にとっては、なるべく早く実施してもらいたいと思いますし、事務的なものもあると思うけれども、今五月−十月一日ということに対する説明を願います。   〔委員長退席、理事高野一夫君着席〕

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) この点は、この健康保険法だけの問題じゃございませんので、すでに御審議を願いました結核予防法、精神衛生法との関連で、こちらがこうなるわけでございますので、向こうの法律が十月一日でございますので、それに関連しますところのこの法律も、十月一日といたしたわけでございます。時期につきましては、いろいろ問題があると思いますので、結核なり精神衛生法におきます法律施行の準備の問題、そういうことで十月一日にきめられたと思います。私の方は、それに右へならえをしてやったわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 さっき坂本さんの質問の中で、私の数字と違うのがあるから、教えてもらいたいと思いますのは、これは医療費の問題です。政府管掌の健康保険及び国民健康保険、それから日雇健康保険の年間の一人当たりの医療費、概算幾らになっておりましょうか。坂本さんの話と、私の数字と、うんと違いますので、お教え願いたいと思います。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 申し上げます。被保険者一人当たりの診療費でございますが、医療費の総額でございますか。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そうです。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 昭和三十六年度の見込みでございますが、国保におきまして、二千八百二十八円。それから政管の健保におきまして、これは家族とそれから本人と込みになっておりまして……。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 分けてありませんか、分けて。政府委員(森本潔君) 分けてやりましょうか。本人でございますが、本人が七千八百五十二円、それから家族の一人当たりにしますと、一人当たりは三千四百五十円。それから組合の健保、本人が七千四十九円、それから家族が四千百五円。それから日雇、本人が七千百九円、それから家族が二千八百二円。それから船員保険、本人が九千五百五十七円、それから家族が四千二百二十四円。一応こういうようなことでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 以上で・私はあと質問を保留いたします。

徳永正利自由民主党

○徳永正利君 私が質問しようと思ったことは大がいみなほかの方がやられましたから、私一つだけ最後にお聞きしたいんですが、今度のこの国民健康保険の改正のねらいというのが、療養が長期にわたってしかも金がよけい要るということが一つのねらいのようでございます。そこで、ここに結核性の疾病というのと精神障害というものが取り上げられたわけなんです。で、ほかにいろんな病気があるだろうと思うんです。特に脊髄損傷なんというような病気は、これは、箱根の療養所に行ってごらんになってもわかると思うんですが、いろんな保険によって手当を受けておりますけれども、国民健康保険によって入っている人たちもおるわけなんです。数は非常に少のうございます。全国的に見てもそれは私はそう大した数じゃないだろうと思うんです。それで、こういう人は、これはもう長期といったって、生きるしかばねと言われているように、おそらくもうほとんど彼らもなおる見込みはないといってあきらめているんですが、こういうようなところも、私は、長期、多額の二つを取り上げるとすれば、取り上げてやらなければ気の毒じゃないかというふうな気がするわけなんです。はなはだ私はしろうとで、病気にどんなのがあるかわかりませんけれども、気のついた一点を申し上げて、御所見を承りたいと思います。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) ごもっともな質問でございまして、まことにそうだと思います。それで、長期かつ多額の経費を要するものについては十分保険で世話せにゃいかぬという考えは同様でございます。今回特に精神と結核をあげましたのは、これは国民の総医療費の中から見ますと、この二つの口が一番大きいわけでございます。それで、むしろ各被保険者個人々々の世話をするという気持もございまするが、そのほかに、もう一つ保険財政全体として楽にすると、こういう見地もあるわけでございます。それで、今回の精神と結核を取り上げました点は、被保険者個人にしてみれば長期多額の経費を要するというほかに、保険経済全体として楽にするにはこの方が合理的であっていいじゃないかと、そういうような気持が強かったわけでございます。今御指摘の脊髄損傷でありますとか、あるいは長期でなくても一度に多額の経費を要しますむずかしい病気がございます。あるいは、成人病になりますと、これも相当長期で多額を要するものでございます。たくさんあろうと思いますが、いずれそういうものに対しても考慮をせにゃならぬと思いますが、今回といたしましては、先ほど申した被保険者個人の問題、保険財政全般というような気持という点から、第一段階としてこういう措置をしたわけでございます。今後の問題として検討を要することと考えます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 それじゃ私ももうちょっと聞いておきたいと思うんです。  今度の医療費値上げによる保険者負担、一部負担、その他国保に関する問題は、たとえば一〇%、もっと上がるかわかりませんが、一〇%にしたらどうなるかということをちょっと聞かしていただきたい。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 医療費の一〇%を上げた場合の予算でございますがこれは七月一日以降の実施ということで今回予算の御審議を願った数字がございます。それで申し上げます。総額といたしまして二百五十四億。一〇%を七月一日から値上げいたしますと、二百五十四億になります。それから内訳を申しますと、国保におきまして……。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 国保だけでいいんです。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 国保だけですか。九十五億でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 それを聞いているんじゃないですよ。それはもらってある。負担の内訳です。   〔理事高野一夫君退席、委員長着   席〕

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) それで、九十五億をどういうように処理するかという問題でございます。患者負担、これは五割の負担がございますので、この半額の、約半額でございますが、四十六億。これは患者負担でございます。それから保険料で負担すべきものが九・五億、約九億でございます。それから国庫負担で見ます分が三十九億でございます。以上合計いたしますと九十五億になります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 半額患者負担ということ、それから保険者の負担というのは九・五億、国で三十九億というのは、どういう按分でこうなるのですか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) この割り振りの考え方でございますが、患者負担は、これは機械的に出て参ります。それから一方国庫負担でございますが、この三十九億のうちの二十四億と申しますのは、これは現在の国庫負担が二割五分ございます。二割五分相当分の二十四億というのが出て参ります。その三十九億と二十四億の差額の十五億というのがございますが、これは今回の医療費値上げに伴いまして特に予算補助として国庫補助をいたすわけでございます。それが合計しまして三十九億になります。一部負担と国庫負担を除きましたものが結局九億でございまして、これは保険者で負担していただくと、こういうことになります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そうすると、来年度からはこの按分はどうなりますか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) これはやはり問題が、まあこれ自体につきましてはそう問題はないかと思いますが、この問題と離れまして、別に国保の給付率あるいは国庫負担率を考えるそういう問題の関連においていろいろ問題があると思います。一応そういう問題を考慮しないといたしますならば、大体この通りの数字で参る必要があると考えております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そうすると、予算によって今十五億を出したように補助するのか、これを患者負担の面まで広げていくのかというのは、議論のこれからあるところだけれども、この十五億に相当する額というのは、七月からだから九ヵ月だから、今度十二カ月になるのだけれども、この比率の十八億とか二十億というのは予算で補助をしていくということはきめているわけですか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) これは予算補助でございまして、法律に書いたものでございませんので、法律上どうかという問題ではございませんが、私たちの気持としましては、来年度におきましても、これを年間引き延ばしたものの補助が必要であろうと考えております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこで私はちょっとお聞きしておきたいのだけれども、この表の中にある保険者一人当たりの保険料ですね、保険料の率というのは相当これは高く上がってきていますね、それと受診率というのは、上がりがそう大きくないわけでしょう、受診率の上がりが。表があるでしょう。これはどういうことになりましょうか。どれと関係して保険料はどんどん上がっていく、非常に高い、高率で上がっていくが、受診率も上がっていますけれども、率が少ないというのはこれはどういうことですか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) この表をごらん願いますように、四十四ページの表とそれから四十六ページの表でございますが、昭和二十六年度の受診率をとりますと一〇九%、それが三十四年度に二二四%、倍以上になっているわけであります。それからこの保険料の方も、昭和二十六年度は千六百三十二円、昭和三十四年度が三千五百七十二円というのでございまして、これも三千五百ですから二倍になっております。若干、一%ないし五%の差はございますけれども、大体パラレルじゃないかと考えております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこで受診率の方は二十七、八、九というようなところ、三十年度までは一割から一割五分くらいこう上がってきて、最近では一割じゃなしに〇・〇……、一割以下のところもあるわけですが、三十三年度では。ところが、この保険料の上昇率というのは一割以下というのはほとんどないので、ずっと上がっていますね。で、これは国民が健康になったということなのか、薬がよくなって治療がよくなったということなのか。そこらあたりの関係はどうでしょうか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) これは非常にむずかしい問題で、もう少し解析をしないといかぬと思いますが、大体その受診率と保険料はかなり上がっておる、これは大体達観して言えると考えます。従いまして、受診率の上がり以上に保険料の上がりが大きいという感じを私は実は持たないのでございます。  それからもう一つ受診率に関係いたしまして、一件当たりの医療費でございますが、これはどうしても毎年高くなる傾向がございます。受診件数に比して一件当たりの医療費が高くなっておる、こういう傾向がございます。そういう傾向が加わりまして、今先生の御指摘になったように、受診率の伸びよりもやや医療費の伸びの方が大きいのじゃないか、こういう結論が出てくるのじゃないかと思います。大体パラレルでございますけれども、その面は若干あると思います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私のそこで聞きたいのは、最近になって受診率の下がっているという、この三十年くらいからこちらの数字を見ますというと、受診率は非常に下がっているから健康だといえばまことにけっこうだと思うけれども、しかし、国保が出発してから、二十五年ですか、になって、一時は四千万からのものがだんだん下がっていって、それでようやく皆保険になって、国保がことしは四千九百万に、皆保険になるということですけれども、しかし、実際問題としては、私はこの年度というのは、国の負担が少ないから、制限診療というのが非常に大きくて、受診率が下がったということのようなのが非常に影響しているのじゃないかと思うのだけれども、それはどうなんです。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) この御指摘のような、三十三年度の受診率が前年に比べて上がっておらぬという事実がございますが、今先生のおっしゃったような見方もあろうと思いますが、通常私どもお医者さんの方で言われておりますのは、三十二年にインフルエンザの大流行がございまして、これが割合受診率を高めたようでございます。それに比較しますと、三十三年度はそういう事実はなかったものでございますから、横ばいよりもやや少ないという傾向が出たんじゃないだろうかと言えると思います。  それからもう一つは、三十三年度において新規に国保を開始したところが相当ございます。新規に開始すると、初年度におきましては受診率が割合低いという事実がございます。それが新規開始の国保が多かった関係上、それが相当影響しているのではないかと、二つ考えております。

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) ちょっと速記やめて下さい。   〔速記中止〕

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 速記始めて。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 だから国保のその皆保険が出てきてから、国保を開始してそれで受診率が上がってないと言うのだが、私は、それも一つの理由になるでしょうけれども、どうもやはり、ここに統計が出ているように、二〇%以上の赤字というのが出ておりますね、三十年度から。二〇%以上の赤字が四百十三、最近三十四年度で百三十になっているようですけれども、結局良心的な市町村は赤字をかかえて問題を処理するけれども、そうでないところは、制限診療で頭をはねていくというところが多いのではないですか、それが非常に影響しているんではないか。私も京都ですが、京都の国保の診療科目をずうっと見て、制限診療をしているところと、してないところと項目別にある表を見て驚いたのです。ものすごい制限診療をしているのです。驚いたものですから、それで、それは地方財源が持たないからそうしたんだろうと思うのですけれども、そこらあたりの問題というのは、もっときびしくあなたの方でお調べにならないと、よくなるであろうとかいうことを言ったって、保険経済の面から処理されている問題でしょう、一般会計で補給ができればいいけれども、補給ができないから、結局そこへ逃げ場を持っていっているという現状じゃないかという気が私はするものですから、そういうことが非常にここらあたりは関係があったのではないかという気がしたもんですからお尋ねしているところです。だからまあこれは今ここで返事せいと言っても無理でしょうけれども、私はそういう点は健康保険並みの診療をやるという、医療内容をやるという原則に立って、この問題はやはりもっときびしく処理してもらわないといかぬ。そうすると何が行き当たってくるかというと、財政の問題です。財政の問題に行き当たってくるのですから、この財政の問題の処理をどうするかという問題もある、私はお医者さんの医療費単価を値上げすることについて、今のこのようなきびしい低額医療の中でお医者さんを使ってるということは反対ですよ。だから適正に上げる……、今度は三者構成によって適正に——政府は一〇%と言ってますけれども、私はそんな結論でなしに、ほんとにやるためにはこの医療費の値上げというのは一〇%じゃとても済まされるもんじゃないと私たちは思ってます。だから、そういう工合にして医療費の単価を上げるなら上げなきゃならぬし、上げるなら、その負担を、少しばかりならいいけれども、患者や国民にその問題まで負担さしていくというところに、もっと真剣に私は政府が考えなければいけない問題が来てるんじゃないか。それとあわせて私たちが議論をしたいところは、市町村の要求もその他もありますけれども、結局、保険経済をどう維持するか、国民皆保険をどうりっぱに育てるかというところに、もっとやっぱり気持をいたしてもらわないと、せっかく国保、皆保険というたところで、お医者さんは安いのでたたいて使う、国の方は、まあとにかく仕組みさえ置いといたらいいといった格好のものではあり得ない。高野さんの議論じゃないですけれども、私もその通りだと思うんです。無医地区において、この前の議論では、たとえば薬の入った箱でも部落の集会所あたりに置いといて自由に使えることにして、それで無医地区のところをカバーするんだというようなお話がこの前ありました。私は非常に残念なことだと思っていたんだけれども、それがきょうの質疑の中でもはっきりした問題が出てきてない。そういう問題もやっぱり総合して、あわせて考えてどうするかということを考えなければ、私はもうせっかく宣伝された、また、われわれとしてもやってもらいたいことなんですよ、皆保険というのは。だから、実質的にやっぱり負担の公平とそれから給付の公平という問題、それは単にこの医療費だけの取引の問題じゃなしに、国全体の経済の中における私は負担の公平という問題と給付の公平というものを、やっぱりそこまで考えなければこの国保というものはりっぱに育ちませんよ。それを朝から言ってるところなんですよ。まあこれ以上私は言いませんけれども、そういう点は一つ、午前中も申し上げたんですから、よく考えていただきたいと思うんだけれども、こういう一つのあなたが出された数字を見てみても、単に表面的な解釈でこれを分析するんじゃなしに、この出てきた数字には、指数にはどういう要素がつけ加わっておるかというようなことは、保険局はスタッフをたくさんお持ちになっているんですから、数字の集約企画だけじゃなしに、この分析というものをもっと、私から言えばもう少し血の通った分析をしておいてわれわれに答えてもらわないと、われわれも数字だけ見て、はあそうですがといって、人から尋ねられたときには、これにはこうありますと、こういう要素があるというて説明できないでしょう、権威者としてのあなた方が出された数字をですね。そんなことだけでわれわれがこれを……、一方でその問題を担当してよりよいものを作ろうとしている立場からいって、非常にむずかしい問題ができるんだから、私はやっぱりもう少しそういう問題については深く、あらゆる問題について深く、そしてよいものを作ろうとする意欲をあらゆるところに出してもらいたいと思うんですよ、ほんとうに。それをお願いしておきたいんです。そうでなければ私はいいものができないんじゃないかと。これはわれわれ社会党が今議論しているところですけど、きょうは議論をされてない方々でもいろいろの疑問をお持ちだと思うんですよ。その疑問が、質問の仕方が悪いから十分に解明ができない、質問の角度においてこれだけ答えておいたらいいというような、答弁技術の問題じゃないと思うんです。だから、実際に質問の形式が多少悪くとも、答弁の技術といいましょうか、技術じゃなしに、実体というものをもっと明らかにしてもらわなければ——。この前の無医村の保険の問題のときに、私が質問したときには努力をいたしますと、努力いたしますけれども、保健箱というような格好で薬を置いてやりますと、こう言ったよ。そういう返事をされた。きょう高野さんのときにもそれじゃそれも出てくるかなと、私聞いておったけれども、そういうものは出てこなかった。ほんとうにどうするかということが一つもはっきりしない間に、これも終わってしまった。そうでしょう。だからそこらあたりは、もっと質問の仕方の問題によって、答弁技術で答弁するようなことでなしに、もっと実体はこうやりたいと思うのだ、こうしたいものだということを明らかにあなたの方も実際をつかんでやってもらわないと困ると思うのですよ。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 答弁、説明につきましての不十分の点を御指摘いただきました。そういうこともあろうかと存じます。一応御説明申し上げたのでなお分析の足りない点、研究の足りない点、こういう点があろうかと思います。こういう点については一つ十分注意いたします。それから今後の点につきましてもう少し積極的にはっきりしたことを言うべきであるというような御意向も多分にあるようであります。気持としましては私も全く同感でございますが、ただ具体的なことになりますと、まだ私の口からこうしたい、ああしたいと言うのには少しまだ時期が早いようでございます。これは来年の予算編成の時期になりますと、どうしても具体的にしなければなりません。そういう意味でせっかく勉強いたしております。今後とも努力いたして参りたいと思います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 だから、私はあなた方の立場が、公式なここで発言をして問題が残って困るというなら、何もわれわれは形式を議論しているのでなく、実質を議論をしているのですよ。だから、こういうことはあなた方の今の立場から言えば、こういうことしか一言えないけれども、速記を落として、具体的にこうしたら、こうなりますというくらいのことは速記を落としてやればいいのです。速記を落として懇談であろうと何でもいいのですよ。より一歩でも前進さすために、こういうことを大いにやって、そしてやはり内容を深めて進めていくということがあって私はしかりと思う。そういうことを今後一つ委員長に頼んで私は大いにやってもらいたいと思うのです。問題があったら速記を落としてもっと深く大いに議論したらいい。そしていいものを見つけていく。それに何もかもさらけ出していいか悪いかと……。ただあなたこういう社会保障の問題というものは与党、野党と言うけれども、それは基本的にありましても、それをどうして高めていくかという熱意においてはみな一緒なんだから、そこらは大いに考えて、あなた方の今の質問に対する答弁を聞いているというと、質問用の答弁技術というものから抜けない答弁が非常に多いのです。私は非常に残念だと思うのです。倍増計画をどうするか、こういうことになってきたら、これは大いに一つ公式な場で議論した方がいいと思うのですけれども、社会保障の問題を進めるときには、それも必要ですが、そればかりでない場があっていいと私は思う。だから大いに一つ勉強して下さいよ。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 保険局長にさっき質問を忘れましたのですが、五十ページの費用のところで、十月一日法律が改正されますと、年度中に要る予算が四億ですか、その点について伺います。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) そうでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 平年度は……。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 平年度になりますと、受診率その他が変わらぬといたしますると、倍になるわけでございます。これは国庫負担額でございますから……。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 わかりました。

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。

勝俣稔自由民主党

○勝俣稔君 簡単に申し上げます。先ほど保険局長は結核あるいは精神病なんかのものを強制入所なり措置入院させるというのは保険経済の方では非常に助かる、国費に対しては。特にそういう面において経済的に非常にいいというようなお話を承わりました。まさにその通りであると思うのでございます。小さな町村の組合では結核患者が三名、精神病患者が二人くらい、これでは保険経済はくずれてしまう。だから私は非常にその意味においては疾病予防のためにも疾病治療のためにも非常にいいことであるし、また、結核については感染防止のためにも非常にいいことだと思うのですが、なお、一歩進めて結核の入院患者、精神病の入院患者は全部強制入所あるいは措置入院のような格好をとるということはできないだろうか、何かなまはんかのような運営であり、これはすぐさまやるということはできないと思うけれども、長期疾病を保険でやっていくということは無理ではなかろうか。短期疾病を保険でやるべき筋合いのものであろう、私はそう思っておる。それから同時にまた、保険の事業は私は受診率であるとか何とかいうよりも、治療日数が少なくなるということが一番私は大事なことではなかろうか、ことに健康保険においては傷病手当金も使わないことになるし、なおかつ、労働力も、一週間かかるのは三日か四日でなおるということになれば、傷病手当金及び労働力も、勤労力も助かるというようなことをやっぱり心がける筋合いのものではなかろうかと私は思うのであります。そこで、医療の技術の進歩に伴って、なるべくそういうものを取り入れるようにして、そうしてなるべく早くなおしてやるということに心がけるのが保険の進むべき道ではなかろうかと私は思うのでございますが、これは将来の問題でございますけれども、そういう観念で保険医療の方針を立てていただきたいと私は思うのでございますが、これに対する局長のお考えを承りたいと思います。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 第一点の結核、精神の扱いでございますが、今回とられました措置につきましても、大体そういうふうな気持でやったわけでございますが、非常に不徹底、不十分であるということは御指摘の通りであります。社会保障制度審議会におきましても、少なくとも結核については別個の制度を作るべきじゃないかという御意見も有力に出ております。そういう方向で先ほど申し上げましたが、長期多額のものにつきましては、特別の措置が必要である。保険の中でまかなって多額の国庫補助をするかあるいは全然別の制度におきまして公費負担を課していくかという問題もございますが、確かに御指摘の問題があると思いますが、今後これは研究さしていただきたいと思います。  第二の点の件数であるとか、一件当たりの治療費が伸びるという問題がございますが、また、国民の健康の面から見ましても、やはり早く治療内容をよくして、治療日数を短くするというのがこれが本来の治療のあり方であると思っております。その方法としましては、結局最新の治療方法といいますか、医学の進歩を保険にとり入れてやるということがまず第一だと思います。現在いろいろ問題はあると思いますが、単に保険の立場からでなく、国民の健康という立場から御指摘のことは十分考えていかなければならぬと思います。

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 医療課長に質問をいたしますが、健康保険で医者が治療をやった場合に、不正請求で個別指導を受けたことがあるということで昨年も問題があった。最近なおそういうような事態があるのかどうか。あれば具体的に報告願いたいと思います。

館林宣夫厚生省保険局医療課長

○説明員(館林宣夫君) 昭和三十五年度の四月から十二月の集計が今のところできておりますが、それによりますと、医療機関数は三千九百四十六カ所、指導をいたしました医師数は四千三百四十八名指導をいたしております。これはちょっと申し落としましたが歯科でございまして、一般は医療機関では五千四百八十九、医師は八千七百四十五でございます。この中で取り消しを受けました者が一般では九名でございます。歯科では四名でございます。戒告、注意の集計は報告を求めておりまして、まだ報告がそろっておりませんので、はっきりいたしませんが、今のところ以上のような状況でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 具体的にわかりましたが、この数字に対して、前年度、あるいは前々年度からの傾向ですね、三十四年度、三十三年度からの傾向はいかがですか、減りつつあるのか、ふえつつあるのか。

館林宣夫厚生省保険局医療課長

○説明員(館林宣夫君) 従来は、一般が百名ないし百五十名の取り消し、歯科が五十名前後の取り消しがあったわけでございますが、最近は、指導を特に重点的に強化いたしまして、指導によって改善をはかっていくということで、取り消しになる事例は非常に急激に減っておるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 従来はというのは、いつごろの統計ですか。

館林宣夫厚生省保険局医療課長

○説明員(館林宣夫君) 少し古い資料で恐縮でございますが、昭和三十年度は指定取り消しが一般が百八十九名、歯科が八十九名、ここには昭和三十一年度の半ばまでの集計しか持って参りませんでしたが、昭和三十一年十月までの間の、一般取り消し三十名、歯科十二名でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 その後国民皆保険になりましたが、取り消しされた保険医は、医師九名、歯科四名の方は、どういうふうに今度救済していかれるのか。

館林宣夫厚生省保険局医療課長

○説明員(館林宣夫君) 従来は、取り消しの際には、あまりどの程度の期間というようなことは明らかにしない扱いが多くはなされておったわけです。これは指定というようなことの取り消しでございますので、保険医をやらないということにすぎないわけでございますので、期間ということはあまり理論的には表立ってこないわけであります。最近は、取り消しに際しては、おおむねこの程度というようなことが取り消しを受ける医師にわかるような扱いを指導いたしておりまして、その意味で、比較的短期間に復活する事例が多いのでございます。ごく短いものは一カ月程度、長いものは、内容によりましてかなり長くなるものもございますが、ごく短期間の事例が相当多うございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 医療課長が直接の担当者ですが、保険医のところから、請求書を書くのがめんどうくさい、あるいは奥さんや看護婦さんが月末になったらもう病気になるほど事務が多忙であるそうであるが、そういうことに対して、皆さんが保険医から何か名案を授けられたことはないか、具体的にこうしたらよかろうとか、そういうような行政的に考えることはないか。

館林宣夫厚生省保険局医療課長

○説明員(館林宣夫君) これは、今日の支払い方式ではなかなかむずかしい問題でございまして、具体的な名案の明示というものはあまりはっきりございませんですが、まあ希望としては、一部の人では、何も書かないで、金幾らなりというようなことにならないものかというような希望もございますけれども、どうも出来高払いでございますので、そういう扱いもできぬということであります。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 大臣にお尋ねいたします。今回の国民健康保険法の一部を改正する法律案によって、世帯主のみこの適用とし、その予算が十月以降約四億と説明をされております。ところが、世帯員もこの適用に加わる場合には、予算的措置としては十五億程度でよろしいということであります。なぜこのわずか四億と十五億の差にしかすぎないにもかかわらず、世帯主にのみ適用して、世帯員をお省きになったか、大臣の一つ真意を伺いたいと思います。事務当局の説明はさっき聞きました。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) これはまあ予算編成の当時、ある程度考え方が進行しておった中途みたいなときに私も予算に関係したのでありますが、その当初以来の経過は、おそらく、家族の方を上げますというと、国保も国保だけれども、そのほかのすべての健康保険が家族は五割給付ということにみななっているわけで、全部同じように引き上げるという問題にならざるを得ない。それもけっこうには相違ないのですけれども、要するに、いわば金がたくさんかかる。そういうふうな財政上の問題があったのではなかろうか、多分そんなことではなかろうかと私は察しておるのであります。理屈の上でよいか悪いかということは別にいたしまして、そういうことではなかったかと思うのであります。それでは、こういうふうな世帯主だけ引き上げて、家族をもとのままにおいておくという格好がよいか悪いか、これは大きに今後の研究問題だと思うのであります。実は、さっきもちょっと申しましたけれども、いろいろな各種の保険というものを総合的に考えて、全体としてつり合いのとれるものに何とかしたいというのが、次の予算段階の問題として私どもが検討をしている問題でありますが、そのときに、何といっても国保が給付は低いですから、世帯主に対しても五割の給付だし、家族の低いのはむろんですけれども、国保というものをまず引き上げるということが実質的につり合いをとる一番の焦点ではないか。それでは、どういうふうな足取りで国保を引き上げていくか、高い方になるべく近づけていく足取りをどう考えたらよいかと、こういうことになってくるのであります。その意味で、世帯主と家族給付の違いの問題、また、世帯主にしましても、他の保険の十割給付と開きがある、その問題、そこをどうあんばいして引き上げていくかということを苦心をしておるという状況でございまして、とにかく問題は、そこに焦点を置いておる状況でありまするので、今日その次の段階のことまでまだ結論的に申し上げるだけの自信がある結論に来ておりませんが、問題をそこに置いて、どういうふうにこれを考えるかと、こういうことをいろいろ検討して、論議をしておる状態でございまして、問題はそこに置いておるわけでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 それでは端的に伺いますが、私は今国保法のみを考えて、しかも特に国保の対象になる人たちは、農民、あるいは中小零細企業という、明暗の中の暗の人たちだということをよく頭の中に入れて、さらにその点で重ねて伺いますが、ことしは十月から世帯主のみ対象にしましたが、来年度の計画の中でこの家族の結核世帯員もこの対象として入れるというお約束はできませんか。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) どうも私だけでお約束できない面もあります。しかしまた、その結核だけについてそれでは家族を引き上げるというところを最優先の問題にするか、さっき申しましたように、他の保険と国保とつり合いをとっていく問題の中でどうあんばいしていくか、他の保険との関係は世帯主の問題もあることですから、ちょっときょうは坂本さんには悪いのですけれども、そこをやるのだと、こう一口に簡単に言ってしまうだけの結論に来ておりませんので、そこに行くか、もっと基本的のところに行くか、もうちょっと研究させていただきたいと思います。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 ほかの場合ならもうちょっと研究を許しますけれども、今の場合はちょっと猶予するわけにはいきません。それは先ほど事務当局からいろいろ聞いたのです。聞きましたが、今の大臣の答弁でも、政府当局のものの考え方に、猶予のできない、もうきめてなくちゃならぬ点があるのです。それは、一体皆さんは保険のバランスを主として考えておられるのか、結核対策を主として考えておられるのか、どっちです、この点を一つこの際明らかにしていただきたい。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) これは、結核対策もここまできたものでありますから、いわばいま一息と言っては甘過ぎるのでありますけれども、もう一息馬力をかけなければいけないという面も一つありますね、これも否定できません。同時にまた、別の問題として、保険のいろいろの制度のアンバランスを直していきたい、こういう一つの問題もあるわけです。ことに、先ほど来お話のように、国保が低いですから、国保の問題になるというと、今の低所得の人が対象になっておりますから、その意味においても、この調整をとるということは国保を上げるということであり、低所得の人々に対する政策でもありますから、それ自身もまた重要な意味を持つわけでありますね。両方これは問題があるわけです、二つの観点があるわけです。どっちも重要なんでありますから、否定できません。こういうことでありますから、そこを二つの問題をどうあんばいしていくかというところに今われわれの研究点があるわけであります。問題としては、両方考え方は否定できないと思うのです。結核対策ということも、それから保険のアンバランスを直すということも、どっちも大切です。そういうわけで、両方とも問題は否定できない、こういうわけであります。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 俊敏なる古井大臣のお言葉としては、ちょっと受け取りかねる。一応今の御説明はわかったようで、実は非常に逃げ口上です。それは、もうすでに社会保障制度審議会あたりがこの社会保険に関する勧告の中で医療保障に関して一番先に出してきておったのは結核対策ですよ。そしてしかも、結核対策というのは、十年も二十年もかからないでも二、三年で片がつくからやかましく言ってきたので、これはこの段階に及んでもなおかつ保険のバランスの問題と結核対策とどっちが先かわからぬということを、保険局長ならともかく、厚生大臣が言っておったのでは、これはいささか古過ぎます。先ほど保険局長は一応保険のバランスということで答えたので、これは局長だから私はやむを得ないと思ったのだけれども、厚生大臣がこの保険のバランスにこの期に及んで今なお執着を持っているということは、おかしいと思うのです。ことに、今度の通常国会に出された幾つかの中には、たとえば結核予防法の命令入所についても、あるいは今度の国民健康保険法の改正にしても、結核を取り上げてきていることは、一段と進歩ですよ。ところが、私がずっと見ていると、政策として取り上げられていない。ちっとも政策として首尾一貫したもので、大臣が確信を持って日本から結核をなくす、こういう信念がなくて、継ぎはぎだらけな、とにかくこれもやろう、あれもやろうと、こんなことならやらぬ方がいいですよ。少なくとも、日本の医療保障の中で一番重要な問題であったのは結核なんです。結核が生活保護も食っている、それから健康保険も食っている、国民健康保険も食っておる。だからこれを一括してやろうというのが、もう社会保障制度審議会が十年も前からの主張であり、厚生省の中にも結核対策本部ができたゆえんなんですね。そして今度ここに出てきた。出てきたけれども、これを突き詰めて聞くと、相変わらず保険のバランスと結核対策とどっちが先かおわかりにならぬようなことを言っている。私は、こんなことなら、大臣おやめになった方が気がきいている。私は本気で言っているのですよ。これは、この間の結核予防法のときにも、実はそこまで追及しなかった。実は政策が一つもないのですよ。一つ腹を入れて、結核を今やるならやる。たった一つだけでも成果を上げて退陣して下さい。いろいろなものを突っつき回してやるから、成果を上げることができない。とにかく、古井厚生大臣は結核一つだけはやった−そういう点では、非常にこれははっきりしていないのです。それで私は来年ということをもう一ぺん聞きますけれども、今のような逃げ口上では、ほかの場合はいいですけれども、こうしたところまで来たときに、来年これは保険のバランスと結核対策とどっちがどうだかわからぬというのではいけません。私はもっと積極的に結核対策という面で、来年の予算——これはもう来月ぐらいから考えていかれますから、そのときに、少なくとも厚生大臣としては結核に重点を置いてなくしていくと、とにかくこれをなくすか、なくさぬか、そこだけの御返事を一ついただきたい。なくすおつもりなら、来年はこれは家族の方も入れていただけるというふうに一つ理解して、私たちも協力いたします。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) 少し申し上げ方が不十分だったせいで、行き違いがあったかと思うのであります。私は両方やりたいと言っているのです。つまり、結核対策も前進させたいし、保険のアンバランスを直すことも、両方やりたいと言っているのです。そこで、何年かの時間を下されば、両方りっぱに耳をそろえて実現する。来年の問題とおっしゃるから、両方ほんとうにそれもこれも耳をそろえてやれるかやれぬかという問題になってくるのです。しかし、それは私だけでなんぼ両方やりたいと言っても、そういきますときょう言えないのが現状でありまして、両方やりたいということを言っているのです。ことに、結核の対策にいたしましても、あの給付を引き上げるというだけのものとは思いません。もっと予防対策なども、結核を早期に発見して、軽いうちに手当をさせるなんということも非常に大事だと思うのでありまして、そういう面もあるのであります。そういうことでありますから、結核対策は大きにやりたい、やっていこうという考えでおりますが、今のお話のような意味において、家族の給付を引き上げるのかどうかとか、そういう意味では、私はきょうほかはみなほうってもそれだけやりますとは申し上げかねるというので、結核対策は大きにやりたいと思います。今のアンバランスもやりたいと思うのです。どっちもやりたいと思うのです。欲が深いかもしれませんが、社会保障制度審議会も、結核についても言っておると同時に、今の保険のアンバランスを直せということも言っておるのです。ですから、一口に言えば、両方やりたいのですよ。そういうことで、片方はどうでもよいということを言っておるのではないということを一つ御了承願っておきたいと思います。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 それは二兎を追う者は一兎を得ることもできませんよ。私は、そういう点では、非常に大臣勇ましく言われましたから、熱のほどは了といたしますけれども、これは明確に、立場をはっきりされて、社会保障制度審議会も、総合調整の問題などはあとから出てきたので、この結核対策というのはもう十年昔から言われてきたことです。だから私は一つ、これは今夜お家にお帰りになりまして、ふとんの中でずっと考えられてどっちにするか、これはもう結核の方は短い時間に問題を解決できる、そうして一ぺん乗せてしまえばあとはほっておいてもひとりでに解決ができるのです。ただしこの医療保険の問題などは、これはなかなか私は簡単にはいかないと思うのです。そういう点でこれはまあ両方やると言われましたが、その言われる熱意のほどは了といたします。私としてはこれは結核対策に重点をおいた方が、もっと賢明にしてかつ成果を得られやすいということを私は特にこの際御忠告を申し上げておきます。  さらに次の点で伺いたい点は、今のような、これは先ほど保険局長の話を聞いていると特にこの保険のバランス、特に政府管掌の健康保険の家族の場合は五割だ、だからこの国保の場合はこれを家族を七割にするとバランスがくずれる。実はくずれるのは政府管掌とこれとの間だけだと思う。組合管掌の場合はほとんど家族の場合の付加給付が相当行なわれておるのです。従って私は、さっき政府管掌の家族の結核が一体何件くらいあってどのくらい金が要るかと聞いたら、調べてない、わからないというのです。調べてないことはないでしょう。しかし、とにかく返事がなかったのです。私はこういうことはやはりほんとうに政府管掌の家族の人から結核をなくそうという熱意は保険当局にはない。やはりこの保険の財政とか、バランスということだけしか考えていないという点で、はなはだ遺憾に思った。従って、こういうふうに政策もない、またさらに、医療機関もないところで、私はこの国民皆保険の中で保険料だけは取っていこうという行き方については、私はこの際非常な不満と同時に、われわれとしてはこれは保険料不払い同盟の運動を一つ起こしていこうと思う。よろしいですか、その点一つよく伺っておきたいのです。これは本気でやります。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) 保険料が高い、国保などではことに保険料の相当ぎりぎりの辺までもう取っておるように思うのであります。ところが、だんだん受診率はふえるし、ますますもって保険経済における負担も大きくなるし、保険料は上げられない、こういうやっかいな状況におるのが実情であると思うのであります。で、これに対しては、それに対応して国としても考えなければならぬ部面があると思うのでありますが、しかし、とにもかくにもこれだけ保険を利用されるようになった、ある意味じゃ非常に喜ばしいことであります。保険料は重いかもわからぬけれども、それだけやはり医療が受けられる、こういうよい半面もあるのですから、ただで巻き上げられている保険料ではないのでありまして、結局医療保障が成り立っておるわけでありますから、そこで結核の関連において保険料は納めぬでもいいと、こういうことには一つなさらぬように、大きに一つ結核もやっていこうが、ほかの病気なら死んでもいいというわけにはいきませんので、ほかの方もなおさなければならぬし、要するに、この保険をさらに充実し向上するということが大事なんですから、その方向に、ことに大いに影響力のおありになる坂本さんなどは先に立って導いていただかぬと、国家のために、国民のために困ると思うのであります。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 私が今申し上げているのは、医療機関を作らないで保険料だけ取るという考え方はけしからぬから、大臣が保険行政だけじゃなく、医務行政も含めすべての行政をあげて無医地区、あるいは無医村をなくするために全面的に努力をするから保険料を払わぬというようなことを言わないで協力してくれと、大臣が答弁することを期待しておったのですが、そういうことを現実にして下さらない以上は、私は診療所のないようなところに行っては、保険料を払うな、払う必要はないといって回ります。それでよろしいかと念を押しているのです。これは御答弁は要りません。あとは実際の状況を見まして、今後私の方で政策指導をやって、納めるな、納めぬでもいい、病気になったところでどうせ見てもらえぬじゃないか、納めるなということでこれからやって参ります。  次に財政上の問題について伺いたいのですが、これは先ほどから保険局長にもいろいろ説明を伺いましたが、現在一般会計の繰り入れをしている分が五・四%あります。これは高いところでは一〇%以上も一般会計から繰り入れている。もちろん全然繰り入れていないところも少数はあるようであります。しかし、全体として五・四%繰り入れているし、さらにまた、都道府県費の補助としても〇・六%、合計して大体一割に近いとは言いませんが、まず四捨五入すれば一割になるほどの一般会計からの繰り入れが行なわれているということ、そうしてこれについて保険当局はあまり意に介しておられない。これは東京都のような場合はあまり意に介しなくてもいいかもしれないが、小都市、さらに農山村では一般会計の繰り入れというものは非常に痛いのです。四苦八苦しているのです。従って、少なくともこの一割に近い一般会計からの繰り入れというようなものは、はっきりと国庫負担として扱ったらどうか。さらにまた、調整交付金の問題も、これも全然やらないところもあれば、高いところは二〇%くらいやっている、平均して五%やっている。現行二〇%の国庫負担と合わせて少なくとも三〇%という額は国庫負担してもとにかく当然である。さらにほんとうの積極的な運営ができるためには市町村会や知事会の言っているような四〇%という国庫負担、そうしてさらに財政的な調整をやるという点で、この調整交付金についても五%がいいかどうかについては事務当局もあまり明確な答弁はありませんでしたが、多々ますます弁ずというような意見であったのであります。四月から皆保険となり、また、国民年金の拠出制も始められた。保険局長の説明では、一般会計の繰り入れというものはある意味では保険料の徴収であり、別にこれを推薦するわけでもないが、保険料を一人々々から取ることのかわりに、一般会計から繰り入れをするのであって、いわば国保の保険料を一般会計と個人とから合わせて取るのだというふうに理解をしておられるようですが、今度年金が始まりますというと、年金が一世帯に対して私が調べたのでは三千二、三百円、それから国民健康保険についても大体四千円をこしてくる、そうすると、二つ合わせて一万円近くなってくると考えられるから、いよいよこの年金の掛金を、拠出金を払う能力もなくなれば、同時に、国民健康保険の保険金を払う能力もなくなってくる。昨年来の質問に厚生省の答弁するところでは、国保を優先する、国保から取るだけは取って、あと取ることのできない国民年金の方は免除するということを言っておられますが、この際は、一般会計の繰り入れが一割に近いくらいあるのだから、この分を国で肩がわりをして国庫負担をやったらどうか、そうすれば各個人の国保に対する負担能力も増してくるし、同時に年金に対する拠出能力もできるじゃないか、こういうこともにらみ合わせて国庫負担を増したらどうですか。少なくとも一般会計の繰り入れをなくするという方向に行政指導したらどうですか、この点に、特に一般会計の繰り入れの問題について特にこの際大臣の方針をまず伺っておきたい。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) そこで同じ社会党に所属されておるお方でも、大いに一般会計からの繰り入れをやらせろという御意見を他の委員会で——市町村の一般会計からの——伺ったのでありますが、私はやはり坂本さんのおっしゃる御意見に賛成であるので、私はおっしゃる趣意に方向として同感なんであります。で、なぜかと言うと、市町村の一般会計から入れるということをどんどん奨励するというか、認めていきますというと、それにたよってしまって国費を出さなくなる。へたやると、あなたがおっしゃるように国で持っていく方がいいのに、いいことにして国費を渋ってしまう。こういうことになってしまうというと貧乏な団体の方では、自治体の方では低いことになってしまう。そういうことになるので、大局的に見て、なるべく一般会計で繰り入れて力のあるところはやっていけという行き方でなしに、国の方で持っていく、こういう行き方の方が私は当たっていると思う。そういうふうに思いますので、これはぜひその方向で一つ問題を解決していきたい、こういうふうに私は思っております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 その点でこそ初めて明暗二相の明の方から暗の方に光を分ける、国民所得の再分配という点が私は明らかになってくると思う。  そこで、実はこの国保の改正問題については、参議院、本院においては短かったのですが、非常に長い期間を経て審議をされて参りました。その間に厚生大臣としてはいろいろと御苦労もされ、また、池田内閣の重鎮として内閣総理大臣ともいろいろ話し合われたと私は聞いております。そこで、今一番大事なこの国庫負担のことについて、池田内閣は現段階において、当院においてどういう報告をしていただけるか。仄聞するところによれば、何パーセントかの国庫負担を増すということも聞いております。それを明確にここでその数並びに一体いつからそれを実施するか、さらに私はわずかなはした金ではなかなか承知できません。所得の再分配というものは相当なものを持っていかなければ、第一次産業を主とするこの国保の対象者にはほんとうの再分配にはならない。でありますから、一応池田内閣がお約束になっている内容をまずお聞きして、しかる後またお伺いいたしたいと思います。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) この国会のあとのたとえば臨時国会とか補正とか、どういういうふうになるかということもあったりいたしまして、いろんな場合がありますので、具体的にいつとか申し上げかねるのでありますけれども、できるだけすみやかに、おそくとも来年度においては、つまりできるだけすみやかにというのですね、それからかつどれだけの程度ときょう申せませんけれども、できることならこれをできるだけ多く国が負担をする、引き上げ方をおっつける方向で努力したいと思うのであります。それ以上はきょうは、臨時国会があるのかないのか、きょう予定するわけにはいきませんし、時期によっても違うと思います。これは幅も、そういうこともありますので、できるだけ早くできるだけたくさんという考え方のもとに、国庫負担の割合の引き上げということに努力していきたいと思います。こういうふうに思うのであります。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 先ほど次官は、この明暗二つの姿の中で、所得を再配分することについて、たとえば農業基本法だとか、そういった例も実はあげておられたのですが、私はもう明確に今日この国保の対象の人たちが一番困っている。従って、ここに最大のこの投資をしていただく。ここに一番国庫負担を入れていただくことが、これは最も現実的にこれは農民の救済であり、中小企業の救済であり、日本の社会保障の充実であると信じております。そういう点で今数を明言されなかったことはむしろ幸いであるかもしれないので、変なわずかな数などをあげられたのでははなはだ迷惑でありますから、これはまだ池田内閣の今後のいろいろな施策とも直接関係があるところで、一応厚生大臣として責任をもってとにかく一番早い時期に一番多数のパーセントをもって国庫負担率を引き上げるというふうに理解をし、同時に、そのことについては十分大臣として責任をとっていただきたいということを申し上げて要望しておきます。

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) ちょっと速記をやめて。   〔速記中止〕

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 簡単に御説明願いますが、保健所の方の仕事もひどいでしょうし、保健所から医師が、保健所の仕事をやめて開業したり、ほかの病院へ移るという傾向が非常に多いと、そうして、保健所の方の医師を確保するのに困っておるというようなことを聞いておりますが、このような具体的な数字でもあれば、最近の傾向をお話し願いたいと思います。

田波幸雄厚生省公衆衛生局保健所課長

○説明員(田波幸雄君) では局長にかわって御説明いたします。現在保健所に勤めております、これはフル・タイムのドクターでございますが、全部の数が千八百人おるわけでございます。これは三十三年十二月三十一日現在の、ちょっと古くなりますが、正確に申し上げますと千八百二十一人ということになります。この数はこの一、二年あまり増減がないのであります。あまり減っているということもないし、ふえているということもない。それで、これはまだ正確な数字が出ないのではっきり申し上げられませんけれども、去年——去年というのは三十五年でございますが、三十四年と比べまして、三十五年は三十人ほど、わずかでございますがふえているというようなことでございます。そこで、結局それでは医者がどういうことでやめていくかということを調べてみたのでございますが、それによりますと、大体昭和三十一年一月から三十三年十二月まで三年間のものを調べてみますと、約八百八十九人ほどの医者がやめております。約九百人です。従いまして、これはもう三年の延べでございますから、一年にいたしますと約三百人の医者が退職しておる。その理由といたしましては、このやはり勤務医になる、ほかの病院へ行くというのが約三分の一、開業するというのが約六分の一、研究所へ行くというのが八分の一、こんなようなことになっております。それで、そのうちの三分の一ぐらいは、これは死亡、転出というようなやむを得ない理由でございまするので、結局二百人ぐらいが外へ出てやめ、二百人ぐらいが入ってきて、それでバランスをとっているというのが現状ではないかと想像されるわけでございます。それでこれをふやす方法といたしまして、現在、去年もありましたが、べース・アップのほかに、医師に対しましては研究費というようなものを特別に支給しておるわけです。一番多いので一万三千円ぐらい月額になりますのでございますが、その研究費を支出するというようなことによりまして、給与を改善することによってやめていくのを防ぐという一方、公衆衛生修学生というような制度がございまして、現在医学生である者、あるいはインターン中の者に金を貸しまして、それによって公衆衛生の方へ来てもらうというような両面作戦をとっており、最近の傾向では給与改訂も十分とは言えませんが、ある程度まで改善されたので、府県の部長などに聞きますと、やめるのは少しとまったというようなことを聞いております。

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) ほかに御質疑はございませんか。——別に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 御異議ないものと認めます。  これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。  なお、修正意見のおありの方は、討論中にお述べを願います。——別に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 御異議ないと認めます。  これより採決に入ります。国民健康保険法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案の通り可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 全会一致でございます。よって国民健康保険法の一部を改正する法律案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、議長に提出する報告書の作成等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じまするが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたしました。  本日は、これにて終了いたします。    午後五時三十一分散会    ————・————

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