P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
38回国会参議院1961/04/25

社会労働委員会 第24号

発言数
78
登壇者
4
会派数
2
開催日
1961/04/25

会議録

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) それでは、ただいまから社会労働委員会を開会いたします。  結核予防法の一部を改正する法律案を議題といたします。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 一番最初に伺っておきたいことは、今回の結核予防法の改正の趣旨が、結核に対する責任、結核対策の責任を国がとるというような点を、少しでも明確にしようとする趣旨のもとになさっておられるのかどうか。   〔委員長退席、理事高野一夫君着席〕 大体この結核予防法というのは、法、自体は国が責任をとるという態度ではありません。地方自治体が結核予防に対する責任をとるという態度でできてきた法律であって、われわれとしては、そういう態度では、この社会的な疾病である結核に対する十分な国の責任というものはとれないと思うのです。そういう点で、今度の改正の趣旨の中に国が責任をとるという、そういう趣旨はどの程度できておるのか、この点をまず明らかにしていただきたい。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) 結核予防法について、もちろん従来も国も全国的な問題として重視し、それから府県、市町村もこれを大事に考えておった、こういう趣旨でございます。今回の改正では、その中において地方公共団体なり、あるいは他の結核に関係のある財政負担等をしておるいろいろな団体もあるわけでございます。それらとの関連では、国の方の責任をとる率は、財政面から強いそれの現われといたしましては、従来二分の一の補助というものを、十分の八の国庫補助にしたということにおきまして、地方のその負担の率を減らし、国が多くするという点につきまして、その点では国が責任をより重加した、こういうことが趣旨でございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 確かに財政的な金額の面においては、従来より強化されたことは認めます。が、子供が学校で勉強している、その子供がアルバイトをした分について親は幾ら補助をしてやる、そういう建前であるという——結局親が、その子供が学校で勉強することに対して親が責任をもって学資を送るということと、子供がアルバイトした分について、親がそれじゃ今までよりはよけい出してやろうということでは、今の子供の勉学についての親の責任という点で考えると、金額はふえたけれども、基本的な趣旨においてはあまり変わらない。今度の結核予防法の改正についても、二分の一が十分の八になるというその財政的な面は認めますが、しかし、一番大事なことは、国が責任をとるということではないか、そういう点では局長はどういうお考えをもっておられるか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) この点は、現行の結核予防法の二条にございます「国及び地方公共団体は、結核の予防及び結核患者の適正な医療につとめなければならない。」というので、法律の上で共同責任になるという形につきましては、今回改正をいたしておりませんので、大きくどこの責任かというような点については改正はいたしておりません。従って、その基本的な問題に関する限り、従来通り国並びに地方公共団体相ともにやっていこう、また、現在のところはそれでいいというふうな方針をとっておりまして、今言いましたように、財政的な面では、この相ともにやる部面の内容的なウエートを地方公共団体と折半でありましたのを、少なくとも今回のこの命令入所に関する限りは国の方が県に対して四倍、今度は四倍になった、二割対八割でございますから。そういうような形では変更した、こういうことでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 それではせっかく四倍というところまで財政的に国の責任が強化されてきたこの際に、国が十分の十負担するという、そこまでの決意をなぜもたないか。なぜ、国が責任を回避しているか、私はまあ国が責任を回避しているとしか考えられない。それで地方自治体がいわばなまけて十分な措置をしない場合には、それに応じてやはり国の金額そのものはふえても、地方自治体がやらない場合には、国もそれを見てやらなくてもよろしいということになってくる。私は、結核の問題は、地方自治体が責任をもつよりも、国が当然責任をもつべきではないか、その点についてはどう考えられますか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) 現在国が直轄でやっておりますのは、国立結核療養所というようなものは、端的にこれは国みずから経費を全額とりましてやっているという形がございますが、この結核予防法でいいます結核対策一般的な問題としては、やはりその手段方法としては、地方の医療機関なり、あるいは府県あるいは市の保健所、あるいは衛生機関なりの中心的な活動に待って、やはり結核対策というものが十分遂行されるわけでございまして、国だけでやるということは、結核対策全体には、これはなかなか不可能である。その意味でやはり現行の法律で規定しておりますように、公の側としては国並びに地方公共団体がともにやる、この線が現行においては適切だと、こう考えられますので、現在のように国のみで全面的責任でなくて、ともにやる。ただし、その場合に地方公共団体によりまして、全国的な結核対策を大いに推進するということに対して、財政的その他でいろいろな事情で水準よりも落ちた行政をやろうとするということについては、これはもちろん国がこの法律の趣旨に基づきまして十分指導監督する、これによりまして目的を達するようにする、これは当然必要でございますので、その点は努力いたしますが、ただ単に、十割の国庫負担で結核対策を遂行していく、こういうのは現行では今のところ考えておらぬわけでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 私は、特に結核の問題を国の責任でやるべきだということを主張している理由は、たとえばこの四月から国民皆保険が施行されるようになった。医療保険の皆保険制度は、御承知の通り、国保と健保に分かれております。そうして国保の場合は、それぞれ地方自治体、それも県単位ではなくて市町村単位がいわば責任をもっている。ところが、健康保険については政府管掌と組合管掌とがあり、政府管掌は国が責任をもっている。医療保険については非常に責任の主体がばらばらになっているのです、実際いうと。このばらばらになっているために、運営が非常にうまくいっている、たとえば組合管掌みたいな、いわば保険の貴族的な存在もある。それからまた、国保みたいに、いわゆる市町村で、特に貧弱な市町村で医療に乏しいようなところでは、名目だけは医療保険はあるけれども、いわば開店休業みたいなもので、これはむしろ保険局長に聞いた方がいいかもしれませんが、保険料だけとって、もう診療を受けないものだから保険金が余って黒字財政となっている、実際いうと。黒字財政であるということが保険の目的を達するということでなくて、保険の目的はみんな健康であるということなんです。だから赤字が出ても、それは私は村民なり市民が健康であればそれだけでけっこうだと思う。いずれにしても、こういうふうに医療保険は非常な矛盾があって、これはあなたにこのことをお尋ねするのはまとはずれであると思いますから私はお伺いしませんが、医療保険は、私はこのばらばらを、健康保険は健康保険でまとめていく、国民健康保険は国民健康保険でまとめていく。そうして総体的に国が責任を持つという体制をとらなければいかぬと私は思うのです。そういう点では私たち社会党は、そういう意味での医療の国家管理ということを考えております。そういう点の、つまり国家管理ということはほんとうに財政的な責任をもつ。だから、富裕なところは非常に高い医療が見られる、貧乏なところは医者にかかれない、同じ日本国民でありながら、そういうことは非常に不当である。だから、将来どうしても健保も国保もそれぞれ集大成していって、そしてその運営についてはともかく、その責任については国が責任をとるべきである、これが社会党の現段階におけるこれは基本政策であります。ところが、医療保険からおくれてできた年金の問題については、御承知の通り、今度国民年金の拠出制も、始まるか始まらぬかわかりませんが、一応この段階になってきておる。国民年金の場合には確かに国が責任をとっておるのです。このことは、ほんとうをいうと、私は少しあと先していると思うのです。医療保険の方は先に国が責任をとるべきであった。ところが、医療保険の現実的な中で一番困っているのは結核だと思う。たとえば健康保険についても、従来三割から二割は結核、それから国民健康保険についても同じで、さらにまた、これは保険ではありませんが、公的扶助の生活保護の場合は、六割方結核です。こういう点で、結核というものの存在は、医療保険制度の中核をなしている。そういう点でも私は保険を扱っている、保険事務的な面からも、結核だけについては特別な措置を必要としたのではないか。だから、結核の技術的な、いわゆる公衆衛生的な面を扱っておられる公衆衛生局としては、この結核に対する責任をまず国がもつという態度を打ち出すことによって、むしろ尾村局長の側がイニシアをとって、そうして各種の保険、あるいは公的扶助、それらに対する一貫した結核に対する国の責任というものを明確にしてくる必要があるのではないか。私はそういう点で、国が責任をとるべきだ、また、そうすることによって初めて、各種の保険も、保険財政が豊かになり、保険局が今医師会からつるし上げを受けているいろいろな問題も、結核対策という面で、十分緩和されるのではないか。まあ公衆衛生局長さんの立場としては、私は保険のことは知らぬ、あるいは貧乏のことは知らぬ、私はただ感染のことだけ考えていたらいいのだということでは済まないことだと思うのです。ですから、新しい年金の問題、あるいは保険の問題、それらを通じて、結核の占める社会的な地位をどうお考えになっていられるのか。だからその中で、結核を国が責任をもって対処するという、そういう基本的な考えが出てきてもいいのではないか。それらについての展望と申しますか、お考えを一つ基本的に伺いたい。同時に、このことはやはり法律改正につながっていると思うのです。ですから、事務当局として、そういう法律改正の御意図をもっておられるか。これはまた、あらためて大臣に直接これは伺いたいと思いますが、一応そういう意図がどの辺までおありか、この際御説明をいただきたい。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) 結核対策を所管しております公衆衛生局としての立場まででお答え申し上げますが、今結核対策について国が全部責任をとるといいましても、現実には結核対策をやります場合には、命令入所患者の経費だけの問題でなく、これは一部でございまして、やはり全面的に、保健所がやる健康診断を初め、保健所の従事員の人件費もこれは全部結核対策の中に含まれるものが多数あります。従いまして、現在のわが国の健康に関する行政制度の中で結核だけを引き抜いて、全部それは国オンリーで経費的にも、また、経費となりますれば、まる持ちになればそれはまた身分的の問題も考えなければいかぬ。これは現行の制度下では今は適当でない。むしろその中でできるだけ国がウエートをよけいに占める、ほとんど大部分のウエートを占めるのは何かというような形で、この事項ごとにやはり国と地方との分担の差にいろいろ色合いをつけて、国が国の段階で非常に多くの責任をとるというような費目については、今回のごとく八割というような、生活保護法の最終的な国の責任をもっておるような経費と同じまでにした。まあ現在ではこれが適当であろう。その他の問題につきましては、二分の一の運営費の問題もまだ残っている。かような意味でもちろんそうだからといって、あとの、まるまるから国の部分を引きました残余は地方公共団体だけの世話というのではなくて、むしろ地方交付税の算定にも結核は最初から重要に考えていくというような形で別の形でも入ってきます。さような意味でやはりこの結核対策というような多数の患者、あるいはまた、これの予備軍である家族なりあるいは虚弱者等も含めまして全国民を検診をすると、こういうような膨大な仕事でございますので、やはり広くみんなでやるという体制では、ウエートの差はございましても、現在のところ国一本に単純にというわけにはいかぬように現在は考えておるわけでございます。

勝俣稔自由民主党

○勝俣稔君 ちょっと関連するのですが、今まで私ちょっと休んでおりました関係上、いろいろその間に御質問あったかもしれませんけれども、今坂本さんの御意見に関連して私伺いたいのですが、もし答弁があったなら答弁したからと言うて下さればけっこうでございます。今の負担の問題でございまするが、入所命令だけでなくて、いやしくも結核に対しては国がもっと力を入れたらどうだろう。というのは、保険の方のワクから結核をはずしたらどうであろうか。ことに国民健康保険においては非常に財政的に医療の内容の向上等によって負担が大きくなる。こういうような関係のものはこの結核の医療負担を予防法の線に入所命令のような形でもっていくということが、私は国民健康保険の発達にも非常に益することじゃなかろうか。あちらこちらで結核の問題に対して財政的の支出の方法が違うというような行き方でやっていくということはどうか。私は結核だけは早くに国で責任をもっと感じて高度の国庫補助を出してもらえれば、保険経済というものはよくなってくるのじゃなかろうか。ことに国民健康保険においてはそういう感じを強うするものであるのでございますが、どういうようなお考えを、現在はとにかくとして、公衆衛生局方面ではお考えを持たれているのであるか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) ただいまの御質問のような趣旨でございますと、今回は生保のある部分をこの結核に吸収するというような形で、この命令入所の部分で結核対策の方にウエートをかけたわけです。これと同様な形で、その他の法律でいいます三十四条でやっているようなことにつきましても、こま切れにいたしまして、結核予防法でもやる、また、その半分の国保でやる、健保でやるというような形は、これはぜひそういうような形で将来逐次、いろいろな事情もございまして一挙にできなかった事情がございますけどれも、これはそういう意味での予防法というものになるべく一元化してやっていきたいということは結核対策上必要と思っておりますので、さような意味ではぜひそういう方に進めたい、こう思っているわけでございます。

勝俣稔自由民主党

○勝俣稔君 やはり財政的な関係から、医療の内容にまでも結核問題が影響してくることじゃなかろうかと思いまするので、新しいいい薬ができてもそれを保険経済で使えないという形になることは、国民の結核予防のために全く不幸なことじゃなかろうかと私は思うので、ぜひそういう線に邁進されるように私は希望をいたしまして、私の質問を終わります。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 ただいまの局長さんの御説明だけでは、結核対策に対する今後の大きな力を伸張させていくことはなかなか困難ではないかという感じを受けざるを得ません。前に厚生省の中に結核対策推進本部かなんかを作られたと思うのですね。そうしてそれはその後どうなっているのか。それからその推進本部というものは今勝俣委員からも指摘せられた通り、たとえば国保の中からも、健保の中からも、生活保護の中からも全部抜いてしまって一本にまとめるということは、私が先ほどから言ってきた国が責任をとるということの一つの具体的な事務的現われになる。私は大体そう見ているわけです。そうしてあくまで地方自治体よりも国自身が責任をもつという体制の中で、場合によればもちろん地方に若干財政的にも行政的にも責任をとらせる。しかし、国が責任をもつというそういう基本対策をとるとするならば、今のような行政的な機構も改める必要があると思います。そういう点で結核対策推進本部のその後のあり方並びに今後はどうされるか、その点を御説明いただきたい。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) 結核対策推進本部というのは、これは省内だけの連絡会議でございますが、これはそのまま残って一おります。ただし、ここ一、二年来、医療に関するいろいろな結核のみならず、保険関係その他重要な大きな事業の連絡会議が必要になったために、この結核だけというのを分離してやるよりも、一本で局長会議並びに関係の課長も入れました会議をひんぱんに行ないますために、そういう形で、局、課長会議という形でその事項を取り上げているという形になってきておりますので、対策本部という特別な形で特にこれだけを議するという形よりもむしろ能率的でございますので、さような形で、予算編成にあたりましても、その他今回の法律改正等にあたりましてもそういう形でやってきておりますので、結核対策推進本部という形がひんぴんと開催されないのは、結核問題に対する省内の意欲が衰えたのではなくて、むしろ能率化しているというような実情でございます。従いまして、今後先ほどからの御意見のように、今回の法律改正によりましてある程度結核予防法による一貫性の方がかなり強くなったわけでございます。さらにこれを一そう向上改善してその方針を進めるという点については、もちろんこの省内の連絡的なそういう会議でもちろん諮って、さらに結核予防審議会でございますか、これを、以前よりは相当活用されておりますが、まだこれの御審議を願うのに不十分でございましたので、これにもっとどしどしと御相談をかけて、専門的ないしはこの委員会の構成である、いろいろな面を網羅しておられる委員の構成でございますので、これらの御意見に基づいて進めるつもりでおるわけでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 今回の命令入所の対象、これはどこに置いておられますか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) もちろんこの命令入所の対象は、現行のこの法律にございますように、環境上公衆に感染のおそれがあるというような公衆衛生上の条件と、それからもう一つは、今度のねらいの一つであります低所得階層に、この経済的な負担が困難で、治療を受くべくしてその感染のおそれのあるような重症の結核患者が治療を受けておらないという点を救済するという意味で、その意味では、ある程度の、経済的困難なところに、優先的にまたこれを適用する。この二つの面で対象を考えておるわけでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 従って、公衆衛生上の面から、この感染源となると、これはガフキー陽性だとか、空洞があるとか、あるいは特別な環境、理髪とか、直接一般大衆に接するそういう特殊な環境、そういうことが感染源としての公衆衛生上の特性を示すと思うのですが、その厳格な数、特に要入院が八十六万あり、それから空洞があると思われる人が四十一万あるというふうな統計が出ておりますが、この要入院八十六万、空洞が四十一万、この中で、この公衆衛生上の今の感染源として危険だと見るその数はどの程度ですか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) これは、ただいまの八十六万といいますのは、ちょうど昭和二十八年の百三十四万に対照する昭和三十三年の実態調査からの推計数でございます。これに対しまして、現実に予防法を適用いたしまして今回の治療をさせるという基礎になります感染者の数となりますと、いわゆるこれは行政的に把握しておる数ということが現実の対象になるものでございますから、その点は何によるかといいますと、これは登録患者、これは予防法で必ず届け出ることになっておりますので、登録患者になるわけでございます。これが、過去五年間、たまりたまりまして、三十四年末で二百五十七万の登録数があるわけでございますが、これを、昨年から始めました整理によりまして、死亡者等もそのまま残っておりますから、それを整理いたしますと、すでに三十六年の三月までに、全国の半数の保健所では、これを整理終わりまして実績が出たわけでございます。今度の九月までに残りの半数をやっておりますが、これをやりますと、全国終わりますと、その実績から推計して、九月現在で百五十五万人の生きておる登録患者がつかめるという実数になるわけでございます。その百五十五万の登録患者のうち、肺結核で、もちろん活動性でございますが、感染性の患者二十四万ということでございます。それから、これはすでにはっきりいたしました感染性の患者でございまして、このほかに、活動性、非活動性がまだ未確定と、三月末の実績でございます、未確定のものが三十五万おりまして、この中で、在宅治療、入院中、これが九万おるわけでございます。約三割弱でございます。この中に、やはり感染性のものが、この九月末までにはっきりしてくるというわけでございます。これは全数とは限りませんが、そういたしますと、やはり三十万人近くが感染性としてつかめると、こういうことになるわけでございます。そのうち、当時入院しておる者が、この感染性の中で十万、それから今の活動性の未確定の者の中の入院中が三万ございますので、このうち半数といたしますれば十一万五千になります。こういう形になります。で、在宅治療を感染性でありながらしておる者がほぼ同数で十一万、こういうような形でございますので、対象といたしましては、ただいま申し上げましたように、おそらく三十万程度がこの百五十五万の中でいわゆる活動性であり、感染性である、こういう見込みでございます。これが先ほどの二条件のうちの、同居者に感染のおそれがあるという条件はこのうちから出てくるわけでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 それでは次に、今のもう一つの二条件のうちの、今度は経済的な条件の方からちょっと御説明伺いたいのですが、入院を必要とする患者さんの経済的な分類というものはできておりますか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) これはできておりまして、要するに、今回のまず一応線を引いてみるという点を、まだ仮定でございますが、これは法律が通りまして、まずどういう対象を第二の条件である低所得の対象者とするかという線を引かにゃいけません。これは政令並びに告示等できめるわけでありますが、一応今いろいろ算定の基礎として考えておりますのは、所得税を納めない階層という点でまず線を引いてみたというのが、今回は保健所で全部扱うものでございますから、こまかいミーンズ・テスト等をやりますと、そのための資料ばかり重なりまして、せっかくの保健所の技術的な妙味がそこなわれますので、そういうような簡単な線でやるということにいたしますと、所得税を納めない階層は、先般予防接種法改正のときに、ポリオの問題をそれで引いたものでございますから、この当時の三十五年の実績によりますと、国民世帯の五一%がその階層に当たる、こういうことでございます。その中でまず引くと、で、その場合に、そうなりますと世帯数の約半数がこの対象になるかといいますと、今度その中で、さらに感染性と比べ合わせまして、たとえば未感染の子供がいる、すなわち独身でおる場合は、これは独身世帯の場合は条件が少し、公衆衛生からの立場の方は悪くなる。そういうような線を引いていきますと、罹患率が低所得に高いというのといろいろと総和をいたしまして、大体今度の対象数によりまして必要な数のさしあたり七割程度はカバーできると、こういうような予定でございます。従いまして、将来は、やはりこれは実際に実績を出してみないとわかりませんが、逐次まだ増加する必要があると、こういうような見込みにいたしております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 私はもう少し、一般的な問題として、どうも局長さんの御説明は、結核の実態調査の統計が出てくる、それからもう一方では、保健所を通しての、登録患者を通しての統計が出てくる。確かにその統計の出し方にはそういう二つの出し方があると思うのですね。そうしてその二つを両方にらみ合わせることで、かなり実態がつかめると思う。たとえば要入院八十六万、あるいは空洞が四十一万という数、少なくともこの空洞等があるということは、これは活動性あるいは感染性と学問的に判断してもいいわけですね、これが四十万ある。それから、あなたの方で保健所を動員して調べた活動性、感染性は約三十万。若干四十万と三十万の食い違いがあるのですが、これは私はいいと思うのですよ。だから実数としては、まず三十万から四十万のところだろう、そうしてその辺がほんとうに感染源として危険な存在だろうということはわかってくる。  それからもう一つ、今度経済の問題について、所得税を納めない者が五一%、この納めないという意味は結核の患者についてのパーセントでは私はないと思うのですね。そこで、もとの統計の八十六万の患者について、その経済的な実情の分析がしてあるかどうか、してあるならば要入院患者八十六万のうち、たとえば所得税を納めてない者がこれくらいある、あるいは生活保護を受けている者がこれくらいある、ボーダー・ラインはこれくらいある、そうした分類が実態調査してどこかにあるのではないか、そういう意味で要入院患者八十六万についての一般的な経済調査の数がほしいということが一つ、と同時に、今あなたが保健所の登録患者の調査によると、活動性が三十万ある、その三十万については、たとえば経済別にはどういう状態になっているか、もちろんその貧困な者のパーセントが非常に高いと思うのだが、それがどういうふうにつかまれているか、その点もお聞きしたいのです。だから、今度の命令入所の数はどうこうというのではなくて、根本的な統計の数がほしい。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) これは全国的に、登録患者等の百五十五万の中で、この数に合わせての数として、開放性の所得別の患者の率と、率が出ますと、数が出るわけでございますが、これの調査は全国的なものはございません。これは部分的にはたとえば清瀬病院の入院患者というのを詳細にやっている、あるいは江東区その他全国で数個所で、地区の所得別の調査というようなものを総合いたしました資料も出ております。それによりますと、やはり三十三年の資料でございますが、かなり正確だとわれわれは確信しているのでございますが、それによりますと羅病率が非常に違う。たとえば月に四万円以上の場合、少なくとも二万円以上、二万円以上の四人世帯の結核の罹病率とそれから五千円程度、これは大体生活保護法にかかっている階層でございますが、これとの結核の罹病率を比べますと、三倍半の差があるというような率が出ております。これから見まして、今の所得階層の大体の罹病率の推定を、こういう資料から出しまして、従って、感染性の者もやはり同じように非常にこの率で高いであろう、こういうことを出しました数から算定いたしまして、先ほど申し上げましたように、今度の五万四千件というのを出したわけでございます。それは今のように出しました数の中から、今度は生活保護の併給患者、これは今度の対象になっておりません。といいますのが、生活保護でこれはまるまる見られているわけでございますが、無理にこれに切りかえる必要はない、現に受けている者についてはということで、そういうのをはずし、それからもちろん所得税を納めない階層でも、健康保険の被保険者自身も多数あるわけでございます。これらの者もまるまる見られておりますので、これらも必要ないということで、これは先ほどの結核予防法一元化という御意見には沿いませんが、差しあたりは本人のためを考えれば、自己負担がない部面はさしあたり置いておくという落とし方といたしまして、今の罹病数から必要な、今度の算定をした、こういうことになっております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 どうも今の五万四千の数を局長さん無理に出そうとするから、無理に出そうとするものなら、そのもとになる数を正確に出していただきたいのですが、私の聞いているのはこういうことです、そういうことよりも、あなたの方でも、とにかく所得の低いところに結核の患者がたまっている、そのたまっていることの私は大ざっぱな数でもいいから、もっと明確に知りたいと実は思っている。そこで、せっかくその要入院の八十六万おるというふうに出てきた場合に、その要入院の八十六万のうち、経済的に豊かな者が三十万、あと五十六万は貧乏な人、その貧乏の程度はどの程度だという、これは一番大事な数だと思うのです。それがどうも見るところないのですよ。たとえば空洞が四十一万ある、その空洞の四十一万のうち、所得四万以上が何人、二万以下が何人、そういう経済別に分類した数がないので、私はそれを伺っているので、貧乏な者に羅病率が高いとかいうのは、それはもうわかっているので、じゃ、現実にあるこの八十六万のうち幾らが貧困層であるか、その数を少し明確に出していただきたいということなんです。ですから、もう一つわかりのいい数を出していただきたいのは、現在入院している患者、現在入院している患者の中で生活保護が何人、それから健康保険が何人、国民健康保険が何人、その統計はどこかにお調べだと思うのですが、これを一つ示していただきたい。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) ただいまの数からお答え申し上げますと、差し上げました資料のうちの一番最後のページにございます。関係資料の一番最後のページにそこにございますように、「入院患者治療費支払方法別調」というのがございます。この資料では一番最近のは三十四年のものを出してありますが、ここにございますように、健保本人三五・一%、この基礎になりますものは二十万人の当時の入院患者でございますが、これにかけますと実数が出てくるわけでございますが、そこにございますように、健保本人三五、それからその次に多いのが生保の三四、それから国保の一三、健保の被扶養者一一・七、それから、その他、これは結核予防法の従来の三十四年までによる手術前後の入院とか、そういうのが入っております命令入所、これが六・一、こういうような、ほかに法律によるもの、こういうような内訳でございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 ところがこの参考のところに、健保家族と生活保護を併用している者は健保家族、それから国保と生活保護も国保と、こういう一番大事な経済の実態のところがこれでははっきりしないので、私はむしろこの点に焦点を合わせて、せっかくあなたの方で比較的所得の低い階層に結核患者が集積して、そしてこれが感染源となっている、私はこの事実はもう全く同感なんです、それを具体的な数字で明確に一つ出していただきたい。そういうことで先ほどからお尋ねしているわけです。これが出てこないというと、大蔵省との予算折衝についても、あるいはこの結核対策を基本的に立てる場合についても、非常にあいまいなものになって、そういう点でせっかくそこに治療費支払い方法別の調べはあるのだが、どうも肝心なところがぼけているわけですね。その点を私は少し明確にしていただきたい。さらに、これは現に入院中の人でしょう、さらに今度は入院を必要とする人についてはどういう状態になっているか。これが非常に今無理であるならば、これはもうおととしぐらいから私何度も何度もお尋ねしているのだけれども、なかなか出てこないのですよ。これがむしろ、結核の実態の調査の中ではこのことが非常に大事になってくるのではないかと思って、私も実は明確な数字を知りたいのです。その点でお伺いしているのです。そうしないと、せっかくこの提案理由の中で述べてこられたところの数が出てこないわけです。たとえばこの中で八十六万のうちに所得二万以下が五十万人おる、そういうような点ではっきり出てくると、その点を目標にして対策ができる、そう思うので、これは何か数があると思うのですが、いかがですか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) 入院患者につきましてのは、さらにこの今の御質問の、生保、国保がそれぞれダブり合っている、これを分析したものは今手元にございませんが、これは用意できますので差し上げたいと思います。といいますのが、これは坂本先生も御承知のように、国立結核療養所が全国患者の半分を占めておったとき以来、ずっと組み合わせ別にこれをとっておりますので、大体、国立結核療養所は、入院患者の主として中層以下の階層を入れておりますので、この分析が一番正しいかと思います。これはずっととっておりますので、この組み合わせ別の表を後ほど提出いたしたいと思います。  それから、いわゆる入院外の患者についての、要入院でしかも開放性患者まだうちにおるわけでございますが、これらを含めて全体の実数というのは、これは全国的な調べはないわけでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、私の方の手元にありますのは、幾つかの地区で調べまして、これを総合いたしました所得階層別の三十三年度末までの調べでございますが、少し動いておるかと思いますが、傾向はよくわかると思いますが、この階層別の罹病率というものがございますので、これも後ほどあわせて提出させていただきます。あるいは御質問にぴったりいく階層別のしかも開放者の数というわけにはいかぬかと思いますが、おそらくこの、罹病率が低所得に高いというはっきりした数字について計算いたしますので、傾向は十分お示しできると思います。後ほど提出いたします。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 今、国立結核療養所の統計の話が出ましたが、実は最近、国立結核療養所の統計の中にはこまかい支払い別の統計が出てないんですよ。だもんですから私も非常に困って、これはぜひ調べていただきたい。特に、結核実態調査の中では、どうしてもやはり公衆衛生局が指導されると、どうも医学的、公衆衛生学的、技術的の面が強く出て、せっかく今度改正されようとするその低所得という問題ですね、この調査がどうも不十分だという私印象を受ける。だから、そういう点で、結核対策推進本部あたりがせっかく各局長さん、課長さん集まっておられるならば、もっと明確な結核患者における経済の実態調査、これをその方からだけでも出していただきたい。そういう点の明確な数字が出てくると、私は今後、結核対策を進める上において予算的の措置など非常に明確になってくると思うのです。ですから一つ、この国立結核療養所の統計について、もう一ぺん医務局と御連絡の上、御調査いただきたい。実は、あの年報は、六、七年前まではあったのです。最近の年報にはないんですよ。ないものだから、どうも私はわからなくて、それで、わからない中で、今度こういうふうな経済問題を含めた予防法の改正が出てきた以上は、明確な数を私はこの際ぜひ出していただきたい。ですから、この点は私は何も追及するのではなくて、その資料によってわれわれの今後の予算的な措置ができると考えるので、ぜひこの点は——今までに実態調査の中にどうも十分盛られていないと思います。むしろその点に今後は重点を置いて、場合によれば地域的な調査、サンプル的なものでもいいですよ、それは。サンプル的に、農村地域とか、大都会地域とか、小都会地域とか、そういうことで、保健所のパターンによってある程度のものを見せていただいたら、それでも大かたの私は見当がつくと思う。そういう点で一つあらためて資料をこの委員会に、これは法律案の審議そのものとは直接関係なくてもけっこうですから、正確な資料を一つお願いしたいと思うのです。  それからなお、この間一般的な資料をいただきましたが、予防会などでできている資料ありましたら、各委員に新しいのを御配付いただきたい。その点よろしゅうございますか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) 承知いたしました。そのように取り計らいます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 それで、この一番の問題は、どうも少し数字がみんなぼけてきてますから困るんですが、今度の提案理由の中にある、「結核患者が比較的所得の低い階層に集積し、これらの患者が感染源となって」いるという事実についての具体的な数がどうも足りませんが、さしあたってこの、今問題になっている貧困層に集積している感染源となる患者の中で、緊急入院を必要とする数——まあ、あなたに言わせると五万四千だと言われるかもしれないけれども、とするならば、その五万四千の出てくる根拠となる数をちょっと説明していただきたい。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) 実は本年度のこの法律の改正はあくまでもそういうのを対象にするという目的で御改正をお願いするわけでございますが、本年度の予算に計上いたしましたのは、実際を言いますと、その全部でなくて、実際に本年度実行できる可能数、こういうことでまず半年分を算定したわけでございますので、五万四千のうちの三万六千は、十月一日現在入院しておりまして、ちょうど今の条件に合うものを、在院のままで予防法に切りかえる。これが三万六千人を占めておりますので、実際に新たに外から入れますのは一万八千ということになります。従いまして、この一万八千を一応われわれの方で、下から積み上げまして、一番ひどいものから、緊急必要なものをやろう。その程度ならば、この十月から開始が間に合う、こういうようなことで組んでおりますので、実際にたとえば今年を過ぎまして、来年四月になりますと、通年でお願いすることになるわけでございます。このときにまた残りが幾らいるかというのを今算定しております。これは今言いましたような所得階層の対象をどこに線を引くかということで、数はずっと動くわけであります。その線の引き方によりまして、必ずほとんど全額公費で、国庫補助八割の公費でやってしまおうという数は、それによって動くわけであります。上まで切りなく所得のあるものまでやりますと、先ほど言いました感染性の在野の十三万が全部対象になる、こういうことになります。従いまして、現実に今の一万八千、十月に新たに外から入れる必要性のあるものは、今度の措置では一万八千、こういうことにしているわけであります。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 だから率直に言えば、この一万八千というのは公衆衛生学的な緊急入院の必要な患者数じゃなくて、まあ一万八千人分の予算しかとれなかったということになるのですね。だとするならば、この一万八千の現段階における感染の医学的な危険度とそれから所得の低さ、そのかみ合わせば非常にむずかしいのですが、この命令入所の患者を選ぶ場合の基準が、非常に私は地区によってばらばらになってくるのではないかと思う。だから、むしろ所得が一万円以下幾ら、二万円以下幾ら、三万円以下幾ら、四万円以下幾ら、こういう経済別、階層別な要入院患者を作っておいて、それから今度は感染の危険度は、これも実際言ったら、感染の危険度といえば・菌が出るということ一つに私は尽きると思う。だから経済の方だけが私は絶対条件だと思う。それですから、特にこの所得階層別に幾ら幾らいるか、これをある程度つかんでおいたら、低い方からどんどん入れていけば、私は問題は解決できると思う。そうじゃないですか。   〔理事高野一夫君退席、委員長着席〕

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) 御意見の通りでございまして、低い方から選ぶ、その中でただし先ほど言いますように、生保の併給の対象者、被保険者本人というようなものは、これは引き取らない。従って、それでないものが入ってくる。その場合に所得階層で実はわれわれの方では算定しているのでございますが、その中でやはり二十九条を使うものでございますから、今のただ開放性というのはもう無条件だということでなく、やはり法律にありますように、その同居者に結核を感染させるおそれということが従来から明記してありますので、やはりその独身者の場合と、それからまだ未感染の、といいますか、免疫のできておらない子供のある場合、また、これも優先順位をつけるというふうに、低所得プラスやはり公衆衛生の法律に基づくものをかみ合せてやっておりますので、両方今算定いたしておりますが、それが先ほど申し上げました、今度提出さしていただくいわゆる羅病率それから所得階層別の羅病率と、それから開放性、それから家族のいわゆる世帯内容別、これは御承知のように、開放患者の家の子供がその他の子供より十倍も結核の要医療にまでいっているという実態調査がございますので、やはり同居患者との関係、これらをにらみ合わせてやるということでございまして、お話の通り、一万八千がちょうどぴったりその数ではなくて、必要として積み上げてこれに適用さすのをことしこの程度と、こういうふうに踏んでいるわけであります。後ほどの数である程度経過はおわかりになると思います。資料の方に譲らしていただきます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 そうしますと、だんだん公衆衛生局の考えが明確になりましたが、とりあえず十月から一万八千の新しい措置ができる。そうしますと、あとへ残る数はやはり十万をこえる。十五万はこえないんですか。十万ないし十五万ぐらいができたならば、来年度は十万ないし十五万ぐらいのところの命令入所をやれば公衆衛生学的には感染源を排除することができる、そう見ていいんですか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) この資料にありますように、感染性二十四万の中で、これは一切の健保本人からほかの法律による該当者も全部含んでおるわけであります。従いまして、このうちの治療しない、それから在宅治療中である、感染性でありながら、その中から今のような条件で除外していくということと、それからいま一つは、こういうふうな外におる患者の中で入院しない理由といたしまして、経済的に入院しないというのが三二%なんです、今までの実態調査では。約三分の一が経済的、社会的理由で入院しない。そのことは偶然かかっておる医師の診断が在宅医療で適切である、これは環境上の問題も現実に知っての上の部面も入っておると思いますが、さような形でございますので、これをしぼって参りますと、非常にこれは少なくなってしまう、今の実態調査でいきますと。ところが、われわれの考えでは三分の一が従来は経済的、社会的理由で入らぬという、入院しない理由がはっきりした実績が出ておりますけれども、残りの三分の二の中で、こういうような経費の問題が逆に十分講じられておるというバックにおきまして指導いたしますと、これはやはり入ってくる可能性が非常に多いわけでございます。で、そういうのを期待いたしますと、大体十万というふうにわれわれの方では算定をいたしておるわけであります。十万といいますのは、従来の入所命令の経費は一人当たり七カ月平均で点数をとったわけでございます。ところが、今回からは全部実は通年ベッドで、一ベッド二十二万円ほどでとってあるわけでございます。従って、従来の実績からいいますと、これが回転いたしていきますので、実際の在宅の患者は年間一・五件入る、一ベッドの通算で。従いまして、十万ベッド分を確保すると、さしあたりのところは十分これは運用できてくる、こういうふうに考えておるわけです。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 もう一ぺん念を押しておきたいと思うのですが、十万というのはことしの五万四千にさらに十万という意味、すなわち来年度予算を請求する場合には、命令入所を、あなたの方では十五万四千、十六万程度予算化することができれば、公衆衛生の面ではまずまず一応目的は達せられる、そういう意味なんですか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) 要するに、ただいまの十万ベッドの数が必要だといいますのは、私どもの方で相当程度の所得制限の線をかなり高く考えて、いわゆる有利に考えまして、将来入所命令制度を運用して、この部分での責任を果たしていくには大体十万ベッドが必要である、こういう意味でございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 ということは、非常にあいまいなことでちょっと困るのですが、あなたの方で考えられる命令入所分のベッドとしては、十万程度あればよろしいということは、ことしの五万四千も含めてということなんですか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) その通りでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 そうすると、先ほど来の話を聞いておって、まだ数のつじつまが合わないように思うのですが、あまりそんなに謙遜しないで、私は大蔵省じゃないので、むしろあなたの方を推進したいので、命令入所の数を明確に、ことしから、今までの話を伺っておりますと、大体十四、五万命令入所をとっておけば数年ならずして感染源が解決される、ずっと減っていく。ですから私は、毎年々々十数万ではなく、来年は十五万、その次になったら、十三万、その次になったら十万、それであとずっと落ちてくるのじゃないのですか。だから現段階で、公衆衛生の立場で所得の制限もできるだけ上げて、実はわれわれは高いところまで全部上げていって、全部国で見ろというのが私の持論ですが、そこまで私は言わないとしても、公衆衛生学的な意味からでも、一体命令入所を何万にすればあなたの方としては満足できるか。つまり、たとえば十五万の予算を確保してもらったら、もう保健所を全部動員して感染源を排除いたします、そうしてあとは金持ちの人たちですから、そういう人は自宅で療養してもらったらいいので、そういうことで日本の結核は貧困から、あるいは開放性ということから完全に切り離されますという自信のある数は現段階では何人か、そういうことを聞いておるのです。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) 先ほども申し上げましたように、大体三十万の感染性がおる。このうち従来の所得の問題として、下の方に少し濃厚ではございますが、約半数がいわゆる所得問題で入所できない階層である。すなわち、この半分である十五万、今のように下に濃厚でございますから、十八万人、そのうちにはいわゆる併給で入っている七万人が入っております。それから被保険者本人の感染性で入っておる者、これが三万ございます。この十万程度は、これは先ほどの勝俣先生のお話のように、全部これをこちらに切りかえれば、これはそっくりこれに該当するものとなりますが、現行の法律改正にありますように、一応被保険者本人と、生保併給は同じような保護を受けているから、これに切りかえないという建前になりますと、大体十万、その数からいたしまして十万あれば今のようなものを除いた、低所得のしかも同居者に感染のおそれがある、こういうようなものの数を十分含んでおりますが、ただ問題は、最終的に全部を毎年、新たに確実に、どこのだれということをつかまえられるかどうか。すなわち、いわゆる行政把握率でこれが動くわけでございまして、本年度はそういうようなことで五万八千という線を引いたわけでございます。私どもはそういうような、いわゆる患者管理の行政が確実に進行すれば十万はちょうど必要になろう、こういうような意味でございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 それではもう一ぺん念を押しておきますけれども、今の国保、健保それから生活保護の併給、その方の数は幾らになりますか。それから、全部が命令入所という言葉よりも、勝俣先生の論理の全部引き抜いてしまうという場合に、国保、健保、それから併給の分に含まれる大約の数は幾らになりますか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) 生保、健保のいわゆる本人の負担のない部分、これがほぼ十万人、それから先ほど言いましたそれ以外が十万、これを合わして二十万、こういうふうに踏んでいるわけであります。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 かなり明確になってきましたが、だから、私たちの社会党の考え、それからまた、勝俣先生は比較的それに近いような御意見を持っておられるように聞いたのですが、二十万の人間を国で見るなら、責任を持てば、結核の現実的な感染源対策というもの、言いかえれば結核対策ですね、まず完成される、そういうふうに大ざっぱな数は見てよろしいですね。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) いわゆるこの命令入所に該当するような開放性の重症患者、これの件数は大体そういうところであろう、これは八十六万の要入院患者の中からの比率から、実績におきます二二%というあの比率から見ましても、それからこの登録患者の実際の全国半数やりました実績から見ても、大体そういうのが妥当な数字である、こういうわけでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 ちょっと委員各位にお断わりしておかなければならないのですが、二十万人分だけ全部国の費用で見れば社会党はそれで満足しているというのじゃないのです。われわれとしては、入院だけでなくて外来の患者も全部国で見る。それは新しく外来で見ている間に悪くなったり、それからまた、新規発生患者もあるし、そういう意味で、入院だけでなくして治療を全部見ようというので、勝俣先生よりもわれわれの方が一歩先んじているという自信を持っているわけであります。まあお断わりをして、そこで次の大事な点をお伺いしたいのですが、非常にこの数は今まで尾村局長に伺ってあまり出てこなかった数ですが、一応こういう目安が出ましたから、今度は予算的な面では、これはもう吉武委員長初め参議院が責任をもって来年度の予算に大いに厚生省をバック・アップしますが、そこでこうした中でこの病床の計画を、結核ベッドの計画を公衆衛生局長としてどういうふうに立てておられますか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) 現在結核病床二十六万ベッドございまして、このほかに常時結核以外の内科病棟、外科病棟等に約三万強の患者を入れております。従って、実際の収容力は二十九万あって、その中で約二十万人が結核ベッドに入って、その今言いました三万人がそれ以外のベッドに入り、二十九万のうち二十三万入っております。六万ベッドの空床ベッドが現在あるわけであります。これに対しまして、ただいま言いましたような二十万というものを、年間でわれわれの希望はこれだけをやりますと著しく進歩する、こういうことに立ちますと、もしこれが従来の実績通り約七カ月で回転をしても、この対象がこれが実績通り今後も進むとするならば、大体二十万に対して十五万ベッドありますと、これらの併給者その他を入れましても毎年入れかわり立ちかわりでございますからこの治療ができる、こういうことになりますので、現在の全体の日本じゅうの結核療養所のいわゆる開放性の患者の収容率、これは療養所によっては非常に高いところがございますが、全国平均では大体五割以下を、最近の傾向では五割以下と踏んでおりますので、今の二十九万の結核に利用し得るベッドがあれば、大体その半数である十五万は、これは回転ができるであろう、こういうことでございまして、そのために今の空床も今度の対策によりましてある程度使われると、こういうことでございますので、現在のところは、現在結核ベッドを十分に使っていく。それに非常にこれが逆に貢献もいたしますし、また、この政策が幸いにして結核ベッドが現在余っておるために、これが十月からでもやすやすと遂行できる。このような計画をいたしておるわけでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 そうしますと、ある見方からすると、現在あいている六万ベッドに命令入所で五万四千入れる。若干のゆとりも置いて、命令入所で五万四千入れるということで、現在の空床を満たしてしまう、結果的には。そういうふうな病院管理の面からいうと、今回の措置で空床を満たしてしまうというふうに考えてもよろしいのですか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) これは先ほど申し上げましたように、五万四千のうちの三万六千は今の二十万なりの中に現に入っておるものを経済的に切りかえるだけでございますので、純増は一万八千が六万のうちの空床を理論的に満たす。こういう形になるわけでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 そうすると、依然として空床が相当残ってきますね。この空床の処理について、これは医務局では病院管理という面で病院ストライキがあったりいろんなことをするから何とかこれを満たしたいという管理上の問題がありますが、公衆衛生局としてはせっかく入院させなくちゃならぬ患者がおるにかかわらず、一方では空床もある。それについて何かもっと積極的な考えというものをおもちにならないですか。あるいはせめて少なくとも私はちょっと初めは、この空床を満たすぐらいの数かと思ったけれども、今のあなたの言われる通り、三十六年度は今までの患者なんですから、実質的には空床は相当余っておる。これはずいぶん病院管理というか、経済的にはむだな話だと思うのですね。少なくともこれくらいの予算は今度とるべきじゃなかったかと思うのですが、あなたの方の最初要求された数、さらに来年度どの程度のお考えを持っておられますか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) これは最初要求した数といいましても、これは今みたいな、今度の法律改正の裏づけになるごとき予算を最初から考えておりましたので、今度成立しましたものは政府としてのまとまった数と、こういうことでございまして、厚生省は八万だとか十万だとか出してしぼった数じゃなくて、ことしの私の方で実施可能の数で大体線を出しまして、省内で算定の過程にはいろいろなことがございましたけれども、大体それで各局とも結核に関係のあるところと連絡いたしまして妥当数として出した数でございますので、その点御了承願いたいと思います。  それから、将来の空床と、この今回のような命令患者の数に対する予算でございますけれども、直接空床を満たすためにこれを予算を裏づけるのじゃなくて、まあやはり実現可能であって、必要なこういう命令入所による患者を保護していくという形で、これは先ほどから申し上げたようないろいろ資料によってこれは算定するわけでございます。その結果それを入れるのが足らなければ増加を要求いたします、十分足りますところはそれに対しては要求しないと、こういうことになるわけでございます。従って、その点は先ほど言いましたような勝俣先生が言われたように、もし来年度また省内のいろいろな政策上被保険者もこちらへ引き取るとか、そういうことになりますと、私の方の計算はずっとふえますけれども、それによりましては今後健保の計画の方でどれだけの結核が減るかということでございます。差し引きをせにゃいけませんので、さような形ではまだ来年何ベッドを要求するかということは今後でございまして、六月ごろからいよいよ算定を始めますから、そのときに待ちたいと思いますが、ただ空床問題とはこの問題直接はからまない、余裕のある限りは私の方は安心して使っていくと、現在そういう立場でございます。

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) ちょっと速記やめて下さい。   〔速記中止〕

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) それでは速記を始めて。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 今の御説明によると、命令入所の患者が、保健所あたりで特別な審査機構を通じて命令入所をさした、そうした場合には、五万四千というワクをこえても、それはあとで補正予算を組むなりして追加される性質のものと理解していいですか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) これは府県知事が命令を出した以上は、その件数に対しては、公共団体と国が、義務費としてこれはあとで補充すると、こういう性質のものでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 それでは今回の改正要点の中での、今の命令入所を出した場合の審査機構ですね、この審査機構はどういうふうになっておりますか。それからまた、それに伴って不服の申し立てばどういうふうに行なわれるか、その点の説明をいただきたい。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) 今回の改正にございますように、従来の保健所にございました審査協議会を、今度は、命令入所関係、二十九条、三十五条両方でございますが、これをも審査するという改正を行ないましたので、この審査協議会に諮問という形になりますか、その結果に基づいて知事が命令を出す、こういうことになっております。  それに対しまして、不服の問題でございますが、実際問題といたしましては、不服の申し立てば非常に希有である、と思われますのは、本人が入りたくないのに、公衆衛生上のみの立場から、強制的に連れていくということの場合の不服が一つ考えられるわけでございます。ただ、従来の実績では、こういう事例は今までございません、結核に関しては。むしろほんとうは、自分は命令入所が受けられるはずだ、それによってまるまる公費で受けられるはずなのに、命令をしてくれないという不服の方が多いかと思います。そうなりますと、いわゆる国なり公共団体の公費による恩恵を受けられないことに対する不服、ちょうど生活保護の不服申し立てと同じような形になっておるわけです。そのためには、県に結核予防のやはり協議会を、県段階でもうすでに予算措置で昨年から置いておるわけでございますが、これを今回は一そう強化いたしまして、これによりましてその不服の事情を聞いて、命令を受けるのに該当するまでにいっておらぬという場合には、できるだけそれを適用してやるというような道を講ずる。こういうような道を考えてやる。もちろんこれは、民法に基づきます一般的な行政問題に対しまする訴訟は、これはむろん権利は留保してありますので、これはもちろんあります。さしあたりは行政上の運営としては、さような形でやっていきたい、こう考えておるわけであります。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 大体この命令という言葉そのものが、ほんとうはおかしいのですよ。こういう民主的な世の中で、公衆にいろいろな害を与える場合に、これは進んで療養したいし、また、しなければならないが、一番の原因は経済にあるので、この命令入所という言葉は、つまり入院費の義務負担ということのうらはらとして出てきた言葉で、従って、実質的にはこの審査機構、結核審査協議会が、私はすべての責任をもたざるを得ないと思います。だからここで、この人は公費負担で入院して、感染源としての危険を一つ社会からなくしていきたいというふうにきめた場合には、全部がその扱いを受けるべきであって、患者さんが自分で、主観的な立場で入院さしてくれということよりも、この審査機構そのものの強化とこの良心的な運営が一番必要だと私は思う。が、実際これがうまく行なわれているかどうか。いつもこの審査協議会の中には、県の予防課長だとかいろんな人が入っておって、予算がこうだからもうあまりこれ以上命令しないでくれとか、そういうことが私は多いのじゃないかと思う。だから、今の地方の審査協議会の内容ですね、ごく最近の実態は私よく知りませんので、何人で編成せられ、それは、どういう形で任命せられ、どういうふうに運営せられているか、その説明をして下さい。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) 県の段階に置いております審査協議会、これは一応結核予防協議会ということにいたしておりますが、これは法律に基づかない予算措置でやっておるものでありますから、県の段階に置いてありますのは、大体関係の衛生部を中心といたしまして、それに民生部、これは生活保護と関係がございます。それにいわゆる学識経験者としての国立療養所長、そういう方を入れまして、大体大きいところで十名というような形で編成しております。小さいところはもっと少ない。そこにおきまして各保健所でやっております結核の法律に基づくいろいろな条項、これは保健所ごとにばらばらになっております。あるいは保健所の審査協議会でやります基準の作成、そういうようなものを本省からの方針を受けまして、県単位で調整をはかる、こういうような運営をしております。大体月に一ぺんくらいということで私の方からは指導をいたしておりますが、もっとひんぱんにやっておる、これは件数の多いところ、それから、それより少ない県もございますが、今回は、こういうようなものは、受ける側からいいますと権利に類似でございますので、今のような内容からいいますと、まあそういうようなことで重大でございますので、これはもっと強化して学識経験者等も入れる、こういうような形でいきたい。保健所の審査協議会は、御承知のように、五人単位といたしましてやっておりますが、これは今度の法律改正では、定員増加の改正はいたさなかったのでございますが、できれば、実質的にはこの編成がえを若干いたしまして、民生関係者が入らないと、この三十五条、二十九条を運用するには不適当であるということで、学術的なもののほかにそういう者を入れ、さらに必要ならば、正委員ではございませんが、専門員的な者をこれに加える、かようなことでまともに運行したい、こう思っておるわけでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 そうしますと、今の審査協議会の県段階は、十人程度まで、それから各保健所は五人と、これは、政令できめられているのですか、それとも県の条例できめておられるのですか。そのことと、それから今度の法律改正に基づく措置との関連はどうなってきますか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) ただいまの県段階のものは法律に基づいておりませんので、これは政令でも何でもなくて、これはあくまで予算上の措置として作り、それから厚生省の通牒をもって結核予防行政の運用のために必要であるというので命じまして起こして運行しておる、こういうことでございます。従いまして、十人という定数も、予算上の措置と私どもの方の行政通牒できめた数でございます。  それから保健所単位の審査会は、これは法律にもあります通り、五人という定数はきまっておる、法律に書いてある。構成人員も種類が書いてございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 そうしますと、今の実質的に命令入所をきめる審査機構は保健所単位だと思うのですが、その場合、県の協議会と保健所の審査協議会との関係はどうなってきますか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) これはあくまで知事が、法律に基づいての成規の意見を聞く機関は、保健所単位の審査協議会、これは法的な責任でやる。それから県のは知事がそういうような命令を出す場合、もちろん今の結核審査会の答申に基づいて決定をするわけでございますが、その知事自身の頭脳として基準をあらかじめ作ったり、これはもちろん作る場合にも厚生省の中央の方針に基づいて当然作らしておるわけでございます。そういうものを作ったりあるいは保健所間の審査協議会にアンバランスがあってはいかぬ、そういうような調整、それから一般的な苦情の相談に応ずる、さような意味でございますので、これは協議会自身が県段階のものが保健所単位のものに対する上級機関というようなつながりはもっておらないわけでございます。あくまでこれは知事側のこれは頭脳、それから審査協議会は成規の法律的な単位、こういうことでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 そうしますと、今の審査の基準ですね。当然このように、従来もそうでしたけれども、今後は非常に国が一応結核対策の全責任を負うのでないが、財政的な大幅な責任をもつ以上は、国が基準を示して、たとえば東京ではこの程度は命令しなくちゃいかぬが、いなかでは命令しなくてもいいとか、私はそういうことはあり得ないはずだと思います。これはもちろん条件は、大部会は人間が密集しており、いなかは密集していないという、そういう区別はあるでしょうが、感染という医学的事実については変わりはない。だから、当然基準というものが示さるべきだと思いますが、その基準はどうなっておりますか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) これは基準は当然示すべきでございまして、従って、命令入所による入所の病状基準あるいは判定のためのいわゆる所得を含んだ環境条件基準というようなものは、これは当然作ることにいたしております。これはある部分は政令の段階できめるものもあり、さらに政令から譲られまして訓令、省令等できめる分もございます。もちろんこれは結核予防審議会に諮りまして、重要なことでございますから、まずそれで確定いたしまして、それで地方に準則として流す。政令等で基準というのは、準則でなくこれはそのものが法律に基づいた有効なものでございます。ただ、こまかいいろいろなこともございますので、その部分については、準則として補充して通牒で流す、こういうふうなつもりでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 そうすると、今の一番大事な医学的並びに社会的な基準というものは、主として中央にある結核予防審査会に諮問して作られるものと判断しますが、その作られる時期、いつまでにできますか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) これは私どもの方でももうすでに、ある部分専門家にもお願いいたしまして、すなわち結核予防審議会の医療部会にもまず素案を今御相談中でございまして、この法律が成立し次第、次々と政令以下を発布しなければいけませんので、すみやかに作るということでございまして、もちろん十月から実施でございますから、その以前であることは間違いない。できるだけ早いうちに作りたい、こう存じております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 改正要点の第二に、精密検査に要する費用、こういうのが出ていますが、この費用の中に、旅費、これは入るか入らないか。  それからまた、この間資料として出していただいた健康診断及び予防接種費算出内訳、この中に精密検査費四百二十三円あるいは予防接種費二十二円、こうした単価が打ち出されています。この単価を出した根拠をこの際説明いただきたい。というのは、御承知の通り、今度医療費の問題がずっと出てきて、七月から一〇%引き上げるかどうかという問題が今議論されておりますが、この結核予防についてはやはり特殊な診療機関、たとえば、結核予防会だとかそういうところがあって、そういうところではこういう精密検診やあるいは間接診断によっていわば経営をしておる。だからそういうところでは、今度の医療費の一〇%引き上げというようなことは、こういうものには出てきていない、出てきていないが、この精密検診費のこの単価によっていわば経営をしておるので、率直に申しますならば、結核予防会が去年からずっと長い間ストライキをやっておる。それも経営が困難なためにストライキをやっているのであって、今回皆さんでこの打ち出されている単価の根拠、もし今説明できなければ……この間、これの出てくるまた理由を実はお聞きしたかったのですが、ただここに出ているのは、この単価に基づいてどれくらい予算がかかるかというあれが出ているようで、こまかい点の説明がないように思うのですが、その点の説明をいただきたい。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) ただいまの精密検診の旅費は、これはもちろん保健所の方のいわゆる結核検診の事務旅費の中にはもちろんこれも算定に入っておるわけでございます。これは従来の家族検診等もございまして、これは一年間に何回行くという結核関係の総括旅費として算定してあるわけでございます。今の精密検診だけ幾らというのは、ちょっと今資料不足で私の方から申し上げられませんが、これは算定いたしております。  それから今の精密検診のお手元にあります資料の四百九円といいますのは、これは保健所関係で七五%やり、二五%は結核予防会その他の委託でやるというもののパーセンテージをウエート計算いたしまして、その平均単価を四百九円として積算したわけでございまして、実際に委託する方の単価は健康保険の例によっております。それから保健所の場合には、保健所にはすでに人件費その他の三分の一補助が保健所経費として別に出ておりますが、そういうのを勘案いたしまして実費計算をいたした。従来からの実績に年間の進行率を若干かけました単価とこれを合わせて平均を出した単価でございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 そうすると、精密検診費は、これは普通の健康保険の単価による。そうすると、これは医療費が上がれば上がってきますが、間接撮影の方が二十三円、これはどうなるのですか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) ただいま申し上げましたように、委託した部分が健康診断の、健康保険の例によりまして千百六十六円、精密検査、それから保健所の直接やります分は先ほど言いましたような実費計算で三百五十三円、これをやる件数のウエート計算で平均した積算単価が四百九円と、こういうことでございまして、間接撮影につきましても同様でございまして、間接撮影は一五%を委託、それから八五%が保健所でやるという形になっておりまして、その単価も同じようなやり方で区別しております。単価を申し上げますと二十三円になっておりまして、一五%が委託として三十五円四十三銭、それから保健所が直接やりますのが二十円七十九銭、これが八五%、こういうことを積算いたしまして、二十三円の積算単価、こういうことでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 ですから一番大事な点は、この三十五円四十三銭が適切な委託した場合の単価として見れるかどうかということなんです。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) これの単価につきましては、いろいろな使用材料等を全部積み上げまして、労務費、それからこの委託分については旅費、それから材料費、自動車維持費、被服費、雑費というようなものを積み上げましてそれの一件当たりの単価を出しておりますので、大体今までのところ考えられる資料に基づいては妥当なところと、こういうつもりでこの単価を出したわけでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 いや、それが妥当でないから結核予防会あたりにいろいろと病院ストの問題などが起こっているのであって、じゃ妥当な理由は今あなたの言われた労務費、旅費、材料費その他償却費等、どういうふうに積算しておられるか。そうしてそれが妥当ならばなぜどう妥当だと——私はこれは妥当じゃないと思うのですね。もう少し上げるべきではないか。そういう点でこの際三十五円四十三銭についてのこの積算の基礎を出していただき、さらにこれは結核予防会の診療所並びに病院がいろいろな経営上の困難に当たっているこの実態調査はまだ当委員会でやっておりません。おりませんが、この今度の結核予防法の改正に伴って、まあ感染源もなくなってきている。この感染源をなくして、それを治療する側については今度の医療費一〇%引き上げというような問題を通じて一生懸命医療を行なうことについて、まあ若干皆さん安心されている向きもあるが、この検診をやって、命令入所の患者さんを見つけるところの任務を委託されている医療機関、この医療機関はじゃどういうふうにして今回の医療費の問題についてはあなた方は対処しておられるか。だから、この三十五円四十三銭について、その根拠を出して、これで十分よろしいというこの根拠があるならばそれを出していただきたいし、さらにその前に、これをこまかく分けて、どういう根拠で労務費は幾らに、旅費は幾らに、材料費は幾らに、そしてそれを積み上げて三十五円四十三銭になったか、これはきょう、もう時間も割になくなってきたようですから、これだけ一つ資料を見せていただきたいのです。そうしたらそれをもとにして結核予防会という委託で一番結核検診をやっているところの運営問題について若干検討してみたいと思います。これはできますか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) 資料はございますので提出さしていただきます。  ただ、今の、予防会のお話がございましたが、私の方も一番委託しております予防会の意見を十分聞きまして、実は三十五年度までが二十二円であった、しかるがゆえに非常なこれはやればやるほど赤字になるということで、今回、結果におきましては四割の値上げをいたしまして三十五円四十三銭ということにしましたので、これは予防会を初め幾つかのこういう団体があるわけでございますが、それらの御意見を徴しまして、それにもちろん私どもの方で労務費等はいわゆる嘱託料として出す内規がございまして、大蔵省等に。まあそういう部分はどうしても従来の方式に合わさなければいかぬ点の修正はございますが、実際にやっていただいているところの御意見を聞きまして相当な大幅な値上げをした、こういう形になっておりますが、なお、資料は別に提出いたします。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 かなりそれは大幅に値上げをされたかもしれませんが、実はこれで僕は委託されている医療機関が満足しているのではないと見ているんですがね。その辺あらためて積算の基礎を出していただいて、これによってほんとうに結核の検診が十分に行なわれるように、そうしてその結果、命令入所が十分に行なわれて、現実に感染源がなくなる。そういうことにわれわれとしては全力をあげていきたいと思うのです。  以上でとりあえず私の質問は終わりますが、あと、今お願いしました資料ですね、特に最後のところはこまかいあれになると思いますから、こまかい数を出していただくことをお願いして、私の質問を終わります。

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 速記をやめて。   〔速記中止〕

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。  本案に対する本日の質疑は、この程度にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 御異議ないと認めます。  それではこれにて散会をいたします。    午後零時二十八分散会    ————・————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗