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38回国会参議院1961/02/28

社会労働委員会 第8号

発言数
103
登壇者
12
会派数
2
開催日
1961/02/28

会議録

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) それではただいまより社会労働委員会を開きます。  まず、委員の異動を報告いたします。二月二十七日付をもって江田三郎君が辞任し、その補欠として藤原道子君が選任されました。   —————————————

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 社会保障制度に関する調査の一環として一般厚生行政に関する件を議題といたします。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。  ちょっと速記をやめて下さい。   〔速記中止〕

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 速記を起こして。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 昨年来、参議院の当委員会で小児麻痺の予防の問題について再三審議をいたして参りました。その際に一番問題になっておりました最も新しく、かつ最も効果的な生ワクチンの問題について、先般答弁がございまして、イギリスのファイザーからセービン博士の指示する生ワクチンが到着をするということでありましたが、それが到着したということを聞いております。多分一型、二型、三型と分けて着いたと思いますが、何人分が着いているか。さらにまた、これの検定の予算はどうなっているか。まずその点を御説明いただきたい。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) 去る二十四日にセービン博士の指定する製造法に基づきまして、また、同博士が指定しましたところからということでございましたので、ファイザー会社の製造物、原液で一リットル到着いたしました。これを直ちに、先般通過いたしました国立予防衛生研究所の予備費千五百九十三万八千円を使用いたしまして、かねての毒力検査、あるいは安定性の検査の計画に基づきましてこの検査開始をする、こういうことになっているわけでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 それではこれはもう専門的なことにわたりますから、担当の予防衛生研究所から御説明いただきたいのですが、この原液一リットルというのは、その内容はどうなっているか。それからこれを用いて生ワクチンの予防接種をした場合には何人分くらいになるか。さらにまた、これによる実験計画、また、その実験計画に伴う予算がどうなっているか、それらの概況を説明いただきたい。

柳沢謙国立予防衛生研究所副所長

○説明員(柳沢謙君) ただいま坂本委員からお話しになりました生ワクチンは、大体十万人で、一型、二型、三型というふうに別々になって送ってきております。全部ドライアイスに詰めまして、今尾村局長からお話しになりましたように、二十四日に予防衛生研究所に無償で配付を受けております。これをまず予防衛生研究所におきまして、先ほど尾村局長からの御説明にありました予備金でいただいたお金でもってサルを中心にいたしまして、その安全性を検定いたしました。大体今の予想では、四月の下旬にそれが安全性であるかどうかが決定いたします。それ以後臨床家、特に小児科の方を中心にして各専門家に使っていただくことになっております。その使っていただきます方は、過日皆さんの御希望その他をお聞きしまして、大体十七、八施設か、あるいは二十くらいの施設の小児科のお医者さん、大学の施設で使っていただく、研究所の施設で使っていただくということに相なっている次第でございます。  なお、やり方といたしましては、その目的といたしましては、飲ませましたあとの臨床的の副作用という点、それから第二点といたしましては、飲みました生ワクチンがどういう状態で排便されるかということ、それから菌が便とともに出てくるにはどれくらいの期間出てくるであろうかということ、あるいは第四点といたしましては、菌が出てきました場合に、それが周囲の人にどういうふうに伝播するであろうかというような臨床的のところを調べております。なお、四、五の研究施設では、その出てきました菌、分離されました菌が前に飲んだ菌と毒力がいかに違うかということについて検査していただくということになっております。最初は、少し専門的になりますが、マーカー試験というのをやります。菌についてのそのマーカーが違っておるものについては、さらにサルについて、それがほんとうにマーカーが違っておるが毒力が変わってきたかということを調べるつもりでおります。これに要する費用は合わせまして五千七百五十九万という費用を厚生省がもらって、われわれ今度やっておりまするこの何はよけいございませんで、生ポリオヴィールスワクチン協議会という協議会に委託された形で行なうことになっております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 実は従来の文献を見ますというと、この生ワクの実施の場合には大量にかつ同時に行なわれることを原則とするというふうな報告が出ております。そういう点でこの十万人分というものを約十七、八施設から二十施設に分けて野外実験を行なわれるということですが、その人数が幾らほどになるか、十万人を一挙におやりになるのかどうか、それともどういうふうにしておやりになるか、そういうことをまずお伺いしたい。

柳沢謙国立予防衛生研究所副所長

○説明員(柳沢謙君) 人数につきましては、先ほど申しましたように、菌の分離あるいはマーカー試験というふうなことを丁寧にやります関係上、まず最初は、一施設で平均五十人に飲ませまして、その周囲の人、たとえば兄弟、妹とか弟とかあるいは兄とか、どうせ子供でございますから、そういう家族の者を、飲ませない人二人を調べましてやろうと、こういうふうに考えております。従いまして、一施設に対しては飲ませる者が五十人、その周囲で二人でございますから、百五十人を対象にして先ほど申し上げましたことをやりたい、こういうふうに考えております。きわめて基礎実験でございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 そうしますと、そのための今の約二十施設についての組織が十分信頼の置ける組織として編成され得るか、そういうことをまず伺っておきたい。従来の各地における実験を見ましても、たとえば医師あるいは看護婦で編成された接種班というようなものをソ連では編成いたしております。また、そのための顧問団を置いたりあるいは検査室の技師を動員したりしておりますが、そういう面の十分信頼の置ける研究体制ができているかということ、また、その内容はどうなっておるか、さらにまた、一施設百五十人とした場合に、この千七百五十九万という予算で十分充足しているかどうか、これは厚生省と研究所と両方から御返事をいただきたい。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) 組織編成につきましては、今回の弱毒生ポリオヴィールスワクチン研究協議会が中央でもうすでに二回総会をいたしたのであります。これは会長は田宮猛雄先生——日本医学会会長、それからここにおられる柳沢先生が幹事長、その他三つの部会を編成いたしましてやっております。それぞれの幹事をもうすでに決定して設けてあります。この幹事会を順次招集いたしまして、今の班の編成、それから実験のやり方の統一ということを、今着々と基準等、計画を作っているわけでございまして、いよいよ四月末の予研における毒力安全検査が終わってから始まるわけでございます。それまでにはきっちりした、今の御意見の通りの班編成をする。先般、集まりましたそれぞれの地域の班長になるべき権威者の方々は、そういう形でやろうということを、この間議事決定いたしまして、御意見通りやらぬと、日本としても権威ある実験の信憑性ということが最も大事である、こういうことでございますので、まだきっちりしたものはできておりませんが、今後、着々とできて十分間に合う、こういうことでございます。  それから予算につきまして、ただいま千七百万円とおっしゃいましたが、これは予研でやります国みずからやる毒力安全の分が千七百万円でございます。それからいよいよフィールド実験にかかってからの予算は、全然別個に、三十六年度予算に研究委託経費といたしまして五千七百五十九万円別個にこれは計上しておりまして、これの使用が四月末以降に始まりますので、三十六年度予算、これさえ決定いたしますればこれでいくわけでございます。  以上のような次第でございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 そうしますと、今の検定の予算は、三十五年度の予備費から、予研では千七百五十九万円と言われて、厚生省は千五百九十五万円と言われたが、これはどっちが正確なんですか。

柳沢謙国立予防衛生研究所副所長

○説明員(柳沢謙君) 予研の方では予備金として千五百九十三万八千円、これは予研の費用として、今、安全性を調べるいわゆる検定というものでもらっております。それから五千七百五十九万円というのは、厚生省からとっていただきまして、それを厚生省が弱毒生ポリオヴィールスワクチン研究協議会に委託されたという形をとっております。それは明年度の、三十六年度の予算で来ております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 そうしますと、この五千七百五十九万円というのは、約二十カ所の施設に、一カ所大体百五十人——三千人分に対する野外実験並びにいろいろな抗体の検査、そのための予算であるのか、あるいは最初は、この前私たちが伺ったときには、ファイザーから約三万人分以上のものが入ってくる、従って、私たちはこの三万人分に対する野外実験のいろいろな諸予算であるかと思っておったのです。その点、この五千七百五十九万円の内訳をもう少し明確におっしゃっていただきたい。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) これは、今のいわゆる実験対象者一人で幾らというのでは実験できないのでございまして、たとえば報酬を出すというなら人数で出ますけれども、それはあくまで総合的な、最後には糞便から血液をとりまして、また予研に戻ってきて検査する。従いまして、来年度の計画の中には、本省の所属機関である予研自身も班員として分担した部分はこの予算によって、つまり、いわゆる一貫した計画でございますので、そういう形になるわけでございます。  内訳は、ごく大きな内訳で申し上げますと、五千七百五十九万円のうち、諸謝金が、いわゆる研究協力者の協力謝金、これが百十二万五千円、それから旅費が六十万七千円、その他が庁費になるわけでございまして、それを除きますと五千五百八十五万八千円が庁費になるわけでございます。  この内訳を申し上げますと、事業用器具、それから消耗品、こういうふうに分かれるわけでございまして、さらにそのうちの一番大きいものが消耗品費でございまして、これが五千百四十二万円ということで、ほぼ全体の九〇%近くを占めるわけで、薬品と消耗器材と動物購入、それから飼料費というわけで、ほぼその半分が動物購入費になるわけでございまして、最終的に、今のそれぞれ人間を通過いたしました菌の毒力復帰をサルをもってもう一ぺん実験するのでございますから、これが一番金を食うわけでございます。それからあとは、今の、雇い上げたりなんかする賃金、光熱水料、というような形でございまして、そのほかに、本部の今の研究協議会の総会並びに幹事会を催す会議費、それから本部で今度は貸し付ける品物があるわけでございますが、これが本部で調達——たとえば、マーカー用の孵卵器とか冷凍装置——これは大きなものが要るわけでございます。冷凍装置、双眼顕微鏡——これは双眼顕微鏡を足らない所に貸し付けます購入費、こういう形になるわけでございます。それから全体を、これらの経費をまとめまして、地方の研究班にどれだけ行くかといいますと、これは約半分でありまして、二千七百万円が研究班に現実に分配される。その残りは、今言いましたような形で、本部で物を買って貸し付けるとか、そういうような形で本部で調達する、ないしは予研自身が買うというような形でございます。研究班に配分されましたもののおもなるものは、今言いましたようなサル関係、それから人間の雇用、採血、糞便、収集に関する薬品、消耗器材、こういうような内訳になるわけでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 明確なところの御答弁がないのですがね。つまり、今の予算の配分はわかりましたが、これは一体三千人を相手にした研究として組まれた予算か、あるいは三万人だか十万人だか、一体どれを目標としてこの予算は作られたか、施設としては大体二十カ所くらいの施設に配分されるということはわかりますが、その研究の目標が、たとえば十万の場合でも三万の場合でも三千の場合でも額は同じだというはずはないわけで、あなた方は一体何人の実験をやろうとしておられたかということを伺いたい。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) これは、計画から申し上げますと、今の投与対象者は七百五十名でございます。それに二人ずつの周辺者、合わせまして二千二百五十人という積算で、それにいろいろな必要な単価をかけましてでき上がったものでございます。それを、先般十五班の予定が二十班になりまして、これがこの予算でできるかどうか、検討いたした結果、この程度の二割程度の伸びはできるということで、先般会議で決定いたしました。従って、少し単価をどうしても下げなければいかぬわけでございますが、その結果きまったものでございまして、この五千七百万円は今のようなことを予定してのことでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 そうすると、他の言葉で言うと、今回の五千七百万円という予算は、現在の日本におけるポリオヴィールスの研究の実力といいますか、能力といいますかね、その能力の範囲内でやられることであって、もしこの能力がもっと広範なものであれば、三千名以下ではなく、場合によると五千とか一万とか、そういう可能性もあったという意味ですか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) これは、いわゆる統計的に大数統計によりまして推し計る、成績を出す方法と、それから精密に一つ一つ間違いなく、その検査項目を各種類のものを全部そろえてやるという二つがありまして、今回のは、基礎的にあらゆる項目を、まず日本で考えられる項目をやろう、それにはこれだけの数をやれば間違いないというので、出した方のいわゆる精密試験の対象でございます。従いまして、先般の第二回の総会におきましても、これがある程度進行すれば、今度いわゆるそんなめんどうくさいことでなくて、単に副作用だけを見るとか、それから臨床の副作用、いわゆる臨床症状が出るかどうか、若干発疹とか、そういうようなもの、そういうようなものは、また必要ならば二万人でも三万人でも、これは全然、今の基礎実験で一定の見込みがついてからならばできる。これを十倍にするような種類のものではない、こういう話であります。これは第一次の精密試験の成績の中間まで進行したところで決定しよう、こういうことになっているわけです。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 そうしますと、四月の終わりから三千人の野外実験が始まる。そうしますと、おそらく一型、二型、三型の投与の仕方についてもいろいろ議論しておられると思いますが、もしおわかりになれば、何回に分けて、この野外実験は、五月の初めに始まって六月の終わりに終わるとか、そういう大体のめどを一つ御説明いただきたい。

柳沢謙国立予防衛生研究所副所長

○説明員(柳沢謙君) 過日、第二回の協議会を開催いたしまして、大体四月下旬ないしは五月の上旬になるかもわかりませんが、四月の下旬に第一次のタイプのヴィールスを投与いたします。それから約一カ月ないし四週間くらいたちましてから第三のタイプのワクチンを投与いたします。それからさらに一カ月あるいは四週間たちましてから第二のタイプのものを投与するつもりでおります。その間に採血を四回、それから採便を七回行ないまして、ヴィールスの分離をいたすつもりでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 そうしますと、七月の終わりには一応この実験が完成されますが、今の局長の答弁のように、大体副作用などはその中間でわかるということでしたが、今不幸にして突発的な北海道のような流行が、たとえば九州とか四国とかというところに起こった場合、十万人分という非常に貴重な、しかも今日の新しい時点に基づけば最も効果的だといわれておる生ワクチンが日本に来ておる。そうした場合に、突発的な流行時に、この十万人分の中から三千人分は出されますが、あとの九万七千人についてのこの処置はどうなさるのですか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) 今の十万人のうち、これは最初の毒力安全検査に相当使うわけでございまして、原液の中に、これはサルに、すでにWHOから出ておりますソ連あるいはアメリカのこの実験の経過に従いまして、先に使うわけでございます。安定したものをやりますわけで、もう少しその間には相当量減りますが、ただ、人数の問題は問題でないのでございまして、今のような七月一ぱいまで、四週間、四週間とやりますのは、投与を終わるだけてございます。その間の一回目、二回目のからだの中における中和抗体のでき方等の推移はわかりますけれども、ほんとうの実験は三回目が終わってからもなおかつ糞便の中にいかなる形で出てくるかというのが、実は来年の三月まで実験計画は時期を追ってかかるわけでございまして、今柳沢副所長から言われましたのは、この三回目の投与を終わる期間の採便とかあるいは血液で、その後もずっと観察が続くわけでございます。従いまして、その中間の成績が七月末に出るということは、これは全然まだ予測できないわけでございまして、これは従って、流行予防のためにある程度の結論が出るのは、私のこの間総会において伺ったところでは、もう少し先になるのではないか、三回目の投与が終わってから若干の期間がかかる、こういうような印象を受けたわけであります。従いまして、その間にもし流行があった場合に、五万人でも六万人でもそれだけこれがプラスになるのじゃないかというような事態が起こったときに、これをすでにもうそのまま投与してしまうかどうかということは、これは軽々には申し上げられないのであります。といいますのは、現在のところ、今度法律改正をお願いいたしておりますが、ソーク・ワクチンが、今五万や十万じゃなくて何百万というものをこの夏までに供給計画も立て、また、実施計画も予算的にも全部立っておるわけでございますから、従いまして、これらとの見合いにおきましてやはり考えるべきじゃないかと思いますので、従って、ソークを相手にしないで、何としても種類として経口ワクチンに切りかえなくちゃいかぬのだということには、今からまだ私どもの行政当局では御返事はちょっと無理ではないか。あと柳沢先生から学問的なあるいは御観察があるかと思います。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 ちょっとその前にもう少し。これは柳沢博士から御答弁いただきたいのですが、結局、ファイザーからセービンが指定した無償で入った十万人分というものの所有権といいますか、管理権は、私は生ワクチン協議会にあると思うのです。従って、いざという非常時の場合に、これを経口投与の新しいセービン方式を使おうとすれば、これはもちろん行政的には厚生省の指示も受けなければならないので、研究協議会としては、この十万人の無償貸与によるところの好意に対して、これはどういうふうに将来利用していかれるおつもりか。また同時に、私もいろいろとアメリカやソ連の文献を読みましたが、大体学問の方向というものは生ワクの方向に向いておることはまず確実だろうと思われる。そうすればその中で、この今のソークのワクチンからセービンのワクチンヘ、研究協議会としては、これはとにかく予防という問題は一刻を争う問題であります、そうして一日おくれたならば、年間三千、四千人という、一生身体障害者で過ごさなければならない不幸な子供を作るのでありますから、研究協議会の任務は、単なる学者だけの任務じゃなくて、非常に行政的にも関係があるし、幸いにして、今日厚生当局も今の研究協議会の学者グループと密接な連絡をとっておられますので、とりあえず生ワク十万人の将来の使用の大体の腹がまえについて、もう一ぺん伺っておきたい。

柳沢謙国立予防衛生研究所副所長

○説明員(柳沢謙君) ただいま御質問になりましたこと、少し詳しく申し上げますが、二十四日に入ってきましたワクチンは、私のところのリケッチャ・ヴィールス部の北岡博士が、昨年六月、ワシントンにおけるポリオの国際会議にお出になりまして、そのときからの話でございまして、今回入ってきたのは北岡博士あてに参ったのであります。で、それを北岡博士が予防衛生研究所所長に差し上げました。従って、予研のものになっておるわけであります。当然これは予研から協議会の方にお願いをする、臨床実験その他についてお願いをするという形になっております。  それからなお、先ほど来、尾村局長並びに私が申し上げましたあの実験が完了するのは、明年の三月三十一日になります。しかし、その間にまたいろいろな研究の途上におきまして、いろいろな問題が起こってくるであろうということが、研究したいこと、あるいはこういうこともやらなければならぬということが起こってくると思いますから、そのときには、先ほど申されましたかなり多くのまだ残っておるワクチンを使用してやりたい、どこまでも研究でいきたい、研究のためのワクチンとしてとっておきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 ただ問題は、従来の文献を見ますというと、ソーク・ワクチンを使った場合には、やはり三回接種を受けても二割程度の発病がある。それから生ワクをやるということ、大体平均して十分の一くらいにさらに発病が減る、そういうことがわかっておる段階の中で、いつまでも今の貴重な、十万人、さらにソ連からは同じ数、十万人くらいならばいつでも寄贈しようというような話もある。そういう中で、私は、これは国民から、早く生ワクチンを使ってもらいたいという要請がかなり強く出るのではないか、だからそれらに対して、あなた方がどこまで研究者としての決意を持って臨まれ得るか、もう一ぺんお尋ねしておきたいと思う。ということは、同時にいろいろな文献から見ますと、このソーク・ワクチンと生ワクチンの製造能力について、たとえば経済的にも一匹のサルで、生ワクの場合五十倍くらい作ることができる。それから製造の経済的なコストは、生ワクになった方が百分の一くらいでできるやに聞いておる。そうしますというと、今日でも小児麻痺の予防接種については一回千円以上、三回三千円取られるということは、これはもう社会問題になっておった。しかるに外国から入るものは、百二、三十円で輸入されておる。日本で注射するときには一回千円以上もかかる、こんなばかなことがあるかという、そういう非難にこたえて、今度国が予防接種法を改正して、公費負担とするようになってきた。ところが、今度生ワクを作れば百分の一くらいで済む、現在の輸入価格でも、ソークのワクチンよりも生ワクの方が半分以下だという現実、しかも効果は発病率を十分の一に減らすということから見ますというと、研究者は来年の三月三十一日までおやりになるということはけっこうですが、同時に、もっと重大な問題を推進する義務があると私は思うのです。従って、協議会としては、もちろん純粋に研究の面でおやりになるでしょうが、同時にもはやもう、これはあとで申し上げたいと思いますが、世界の情勢から言うと、もう研究からさらに実施の段階に移りつつある、従って、年度内に、三十六年度内にそういう態勢をある程度整備する必要があると思う。で、これについてはまず研究所の御意見を聞き、さらに厚生省当局は、この重大関心を持たれているポリオ対策について、今後どういうふうな、たとえば生ワクを製造しようとするならば、いかなるところで、どういうようにやっていくか、今までと同じような商業ベースでおやりになるのかどうか、その辺のことを伺っておきたいと思います。

柳沢謙国立予防衛生研究所副所長

○説明員(柳沢謙君) 私からちょっと学問的なことを簡単に申し上げさしていただきますが、安全性の問題でございますが、諸外国の成績を見ますと、大かたは安全でございます。しかし、排泄されたヴィールスが飲んだヴィールスよりもやや高い毒力があるという成績もないことはございません。われわれ学問的に考えまして、細菌並びにヴィールスにおきまして、どっちみち弱毒の株が分かれたということは、学問的に言いますと、これは弱毒のヴィールスが変異によって起こったということでありますから、その逆方向の変異、逆変異ということも考えざるを得ないということで、それが一万株のうちで一つ逆変異が起こった、起こるということも私はあり得ると思うのであります。  それから第二点としまして、効果の点でございますが、効果におきましては、いろいろの腸内のヴィールスの干渉ということが問題になって参ります。環境の相違、たとえば食物、あるいは温度、気温、そういうようなものにおける、ヴィールスの腸内における干渉ということが問題になっておりますので、ソビエトその他の国におきまして効果があると言っても、わが国においては、はたしてそれだけの効果が望めるかどうかということは、ヴィールスの干渉現象から、私はもう一度わが国の国民についてやってみないと、はっきりした成績が出ないのではないか、これは私ばかりではありません。私の申し上げたことは協議会全体の専門家の御意見でございますので、そういう意味で非常にまだるっこしい研究のように見えますが、着実に慎重に研究をやる意図でやっておるのでございます。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) ただいまのように、安全性の問題が二つあるわけでございます。一つは、今度の現在握ったセービンの原液自身がBヴィールス、あるいは結核菌を含んでおらぬかどうか、今度の原液そのものに対する安全試験をこの四月までに予研がまずその部分をやるわけです。従いまして、これが通過した上は、今の七百五十人に投与するわけでありますから、この原液の安全性に関する限りは通過しておるわけです。従いまして、先ほど言われましたように、投与したための副作用がなければ、これのいわゆる大数統計を取るとか、また、有効に使い得るかどうかということは、これはたしかあり得ることだと思います。従って、それを直ちにその他の安全性を通過しないいわゆる生ワク——アメリカなりソ連から別に入るというのとはまたその部分では全然趣を異にすると、これは同じ安全性でもちょっと違うので、それだけは御了承願っておきます。  それからポリオ対策としてワクチン問題をどうするかという問題でございますが、これはもう私どもといたしましては、生きた菌によりまして、しかもそれが経口によって予防効果が上がるというのは昔からの一般的に望まれているところでありまして、現在まで生きたヴィールスを使っておりますのは、昔からのジェンナー以来の天然痘というように幾つかに限定されております。これはみんな皮膚を傷つけたり注射によっていると、従って、赤ん坊にやる場合には非常に接種率が悪くなりまして、きらわれる。従って、経口によってこういう予防効果が上がるというようなら、これは日本人であろうが外国人であろうが、いわゆる子供の性格から見ましても一番望ましいと、効果があるということで期待しておるわけであります。しかるがゆえに、これが政府といたしましても、ただ消毒しないで生きた菌を使うわけでございますから、ほかのよけいな菌が入っておりますと同時に、それも生きたまま排泄されるおそれがありますので、安全試験、つまり検定の厳重さは従来よりはるかに高度にしなければならぬということでございます。同時に生きた菌でございますので、今のインターフェヤーの問題と同じように、その後もし万一日本の、糞便をいつまでも家庭にとっておいたり、あるいは食物の上にかけるというような特殊な状態のもとにこの排泄された菌が培養されていくというような、他の国とある程度違ったような状況、そこで有毒に戻らぬかどうかというこの二つにつきましては、非常にこれはやはり日本の大多数の学者が納得できることでありませんと、法律で強制するとか、あるいは政府として国民に、もう安心して飲めと言うには非常に不安でございますので、ぜひそういう方向に行きたいが、その経過としては十分慎重な方法で納得がついてやると、こういうことにいたす、どういう方針でございます。  それから製造の問題、もしそういう前提が全部満たされましていよいよ使うとなった場合の製造は、当然日本の学問の水準から見ましても、それから工業力の水準から見ましてもソークをすぐに国産でやってほしい、日本でも作ってもらいたいと、外国からの輸入のみにたよっておりますと、これはやはり輸入行為の中に、たとえば船がどうなったとか、あるいは相手国の事情で必ずしも日本が百パーセント好きなときに使えるという保証は得られないわけでございますから、そういうことをおもんばかれば最小限度国産を早く作り出してもらいたいと、こう思っておりますが、どこでどうやったらいいかということになりますと、薬務局にわれわれとしては今の方針をお願いしておるわけでございますので、具体的のことでございますと、薬務局の担当官が参っておりますから、そちらから説明していただかないと、私の方ではありませんので御了承願います。

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。

柳沢謙国立予防衛生研究所副所長

○説明員(柳沢謙君) 今のことにつきましてちょっと学問的のことを申し述べたいと思います。  先ほど坂本議員からお話しになりましたサル一匹百分の一ですかでいいというようなお話でございましたが、そのサル一匹をセレクトするときに、というのは先ほど尾村局長も申されましたように、これは生きたヴィールス、あるいは菌が含まれていては因るわけでございます。サルにはいろいろな病気があるわけでございますので……。たとえば、じん臓を使いますが、その中には結核菌もいるわけです。あるいはまた、こわいBヴィールスというものもいるわけであります。あるいは麻疹のヴィールスもいるわけであります。また、リンパ性脈絡脳膜炎のヴィールスもいるわけでございますから、そういうもののいないサルのじん臓を使わなければならない。これを使うというためには、おそらくは十頭あるいは二十頭のサルからそういうものがいないということを証明したものを使わなけりゃならぬというようなことで、どこからサルを持ってきてもそれがみな生ヴィールスの材料になるとは限らないのでございます。そういう点は十分御考慮の上にいたしていただきたい、こう思っております。それからもう一つは、従いまして、そういう結果から出ましたりっぱなワクチンであるならば、おそらく、先ほど申されたように、百分の一あるいは五十分の一で済むのでございますから、われわれといたしましては、今六社がやっておりますけれども、六社の必要性は、行政的にはともかくとしまして、私たち学者として考えます場合には必要性はないと思うのであります。むしろ技術と設備がきちんとしたものが一カ所あればいい。あるいは、天変地変、あるいは火災とか、事故とかいうことを日本では考慮されますれば、そういうものがあった場合にはもう一カ所どこかに置けばいい。少なくとも二カ所くらいあれば十分日本国民に供給するに足るワクチンが、設備と技術がそれに伴えばでき得ると、私は学問的には考えております。

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) ちょっと速記やめて下さい。   〔速記中止〕

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) この際、お諮りをいたします。本日の案件に追加して、母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案を審議することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 御異議ないと認めます。  それでは母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案、予防接種法の一部を改正する法律案、医療金融公庫法の一部を改正する法律案、精神衛生法の一部を改正する法律案、結核予防法の一部を改正する法律案、右五法案を一括して議題といたします。提案理由の説明を願います。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) ただいま議題となりました母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。  母子福祉資金制度は、母子家庭または母子福祉団体に対し、事業開始資金、修学資金等の資金を貸し付け、母子家庭等の経済的自立の助成をはかることを目的としているものでありまして、昭和二十八年施行以来、わが国の母子福祉対策の一環として着実な歩みを続け、母子家庭の福祉に多大の寄与をいたしているのであります。しかしながら、その運用状況を見ますと、住宅の資金等について貸付限度額、償還期限等につき改善を要する点があると認められますので、本法案を提出した次第であります。  すなわち、今回の改正の第一点は、住宅の資金について、従来住宅補修についてのみなされていた貸付を増改築にまで及ぼすこととするとともに、その貸付限度額を十万円とし、また、償還期限を五年から六年に延長することであります。  改正の第二点は、事業継続資金について、その個人分の貸付限度額を三万円から五万円に引き上げ、償還期限を二年から三年に延長するとともに、事業開始資金の償還期限を四年から六年に延長することであります。  以上が、この法律案の提案理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。   —————————————  次に、予防接種法の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。  急性灰白髄炎いわゆる小児麻痺の罹病者は、近年大幅に増加し、特に昨年の流行期に際しては一部地域において著しい蔓延を見たのであります。  政府は、これに対処するため、伝染病予防法による各種防疫措置を行なうとともに、その最も有効な予防方法である予防接種の重点的な実施をはかってきたのでありますが、今回予防接種法を改正して、急性灰白髄炎を予防接種を行なうべき疾病に加え、予防措置の万全を期することとした次第であります。  以下簡単に法案の内容を御説明申し上げます。  まず第一に、急性灰白髄炎を定期及び臨時の予防接種を行なうべきものとして加え、その定期を、第一期を生後六月から生後二十一月に至る期間、第二期を第一期終了後十二月から十八月に至る期間と定めたことであります。  第二に、市町村長が定期の予防接種を実施したときは実費を徴収しなければならないものとされているのを改め、実費を徴収することができるものとし、その他必要な条文の整理を行なうこととしたのであります。  なお、改正法は、昭和三十六年四月一日から施行するものとし、急性灰白髄炎に最もかかりやすい年令層である生後三年までの乳幼児については、経過的に、別に定期を定めて予防接種を行なうことといたしております。  以上がこの法律案の概要でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。  次に、医療金融公庫法の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。  医療金融公庫は、私立の病院、診療所等の設置及び機能の向上に必要な長期かつ低利の資金であって一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通することを目的として昨年七月に設立されたのであります。  昭和三十五年度におきましては、二十九億五千万円の貸付を行なうことを予定して発足したのでありますが、その後本年一月末までに約二十六億円の貸付決定を行なっております。公庫に対する資金需要はかなり旺盛でありまして、私立の病院、診療所等の適正な整備及び機能の向上をはかるためには、公庫の資金量を増加し、その経営の基盤を拡充することが必要であります。このため、政府は、昭和三十六年度におきましては、公庫の貸付額として七十億円を予定し、これに要する資金として資金運用部資金の借入金四十八億円及び貸付回収金二億円のほか一般会計から二十億円を出資することといたしております。従いまして、公庫の資本金十億円を二十億円増加して三十億円とする必要があります。  以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。何とぞ慎重に御一審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。   —————————————  次に、精神衛生法の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。  精神障害者の医療及び保護につきましては、従来からその対策の推進をはかっているところでありますが、精神障害者の治療には長期に入院して高額な医療費を必要とする者が多いため、十分な入院治療が行なわれず、また、患者世帯が貧困階層へ転落していくことが多い実情であります。また、精神障害者は自身を傷つけまたは他人に害を及ぼすおそれがあり、社会不安の一因ともなっているのでありまして、精神障害者の医療費負担の軽減をはかるとともに、社会不安を除去する見地からその医療及び保護の徹底を期すべく、今回、精神衛生法に定める都道府県知事の行なう措置の制度を強力に推進する方途を講ずることといたしたのであります。  すなわち、第一に、措置患者の入院に要する費用について従来の二分の一の国庫補助率を十分の八の国庫負担率に引き上げ、都道府県における必要な予算化を容易ならしめ、入院措置制度の円滑化をはかることといたしました。  次に、措置患者の医療に関する診療方針及び費用についてその規定を整備するとともに、医療費の支払事務等を円滑に処理するため、これを社会保険診療報酬支払基金に委託し得ることといたしました。  なお、本改正は本年十月一日から実施するものであります。  以上がこの法律案の提案理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。  次に、結核予防法の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。  近年、結核対策の進展及び結核医療の進歩によって、結核による死亡率は著しく減少して参りましたが、なお年々新たに発病する患者は相当数に上っております。しかも、最近は結核患者が比較的所得の低い階層に集積し、これらの患者が感染源となって、結核対策の進展を妨げている点が大きく、これがため、今回、このような感染源患者に対する施策を強化し、もって、わが国の結核対策の一そうの推進を期すべく、ここに、この法律案を提出した次第であります。  すなわち、第一に、感染源患者に対し行政庁が命令入所等の措置をとった場合に必要とされる医療費について、全額を公費で負担することを原則とし、患者に負担能力のある場合に限って自己負担をさせることとするとともに、従来の二分の一の国庫補助率を十分の八の国庫負担率に引き上げる等の措置を講ずることによって、命令入所等の措置の円滑な実施をはかることといたしました。  また、この公費負担と社会保険各法との関係については、公費負担を保険給付に優先するように改め、その間の調整を行なうことといたしました。  以上のほか、本改正案におきましては、患者登録制度の整備を行ない、登録患者に対する精密検査の実施等について規定を設ける等、結核対策の強化徹底に資するため、所要の改正を行なうことといたしております。  なお、本改正は本年十月一日から実施するものであります。  以上がこの法律案の提出理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 次に、政府委員から細部についての説明を聴取いたします。説明を願います。

大山正厚生省児童局長

○政府委員(大山正君) 母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして補足説明を申し上げます。お手元の参考資料の、とじた参考資料がございますが、その五ページに法律案の要綱がございますので、その要綱について御説明申し上げます。  「一、住宅補修資金を住宅の増改築に必要な場合にも貸し付けることとし、その名称を住宅資金と改め、貸付限度額を三万円以内から十万円以内に増額し、償還期限を五年以内から六年以内に延長すること。」が第一点でございます。従来、住宅補修資金という名称で補修の場合だけ貸し付けておりましたのを、増築、改築の場合にも貸し得るということにいたしまして、名称を改め、貸付の限度額を引き上げ、償還期限を延長したということでございます。  第二点は、「事業継続資金の個人分の貸付限度額を三万円以内から五万円以内に増額し、償還期限を二年以内から三年以内に延長すること。」事業継続資金の個人分は従来三万円が限度でございましたが、これは五万円に限度を引き上げ、償還期限につきましてもこれを延長するということでございます。  第三点は、「事業開始資金の償還期限を四年以内から六年以内に延長すること。」事業開始資金の貸付限度額は十万円でございますが、その償還期限につきまして、これを四年以内から六年以内に延長するという改善をいたそうという改正案でございます。この新旧の制度の一覧表につきましては、その資料の四十一ページ、最後のページに新旧の制度の比較対照表がございますので、御参照いただきたいと存じます。簡単でございますが、補足説明を終わります。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) 予防接種法の一部を改正する法律案につきまして補足説明を申し上げます。法律の参考資料がお手元におありと思います。それの五ページに、法律案の要綱がございますので、それに基づき・まして簡単に御説明申し上げます。  改正の目的は「急性灰白髄炎を新たに予防接種を行なうべき疾病として加え、その予防を図ること。」でありまして、従来の十種目にさらにこれを加えた、こういうことでございます。  それから第二、改正の要点といたしまして、「急性灰白髄炎の定期の予防接種を行なうべき期間を定めること。」これは生後半年から一年九カ月の間に第一期をやる。この第一期と申しますのは三回やるわけでございます。それから第二期といたしまして、第一期が終わってから十二カ月ないし一年半の間にさらに一回いわゆる追加免疫を行なうのが第二期でございます。これを法定する、こういうことでございます。  第二、定期の予防接種につきまして市町村長は実費を従来徴収しなければならないとされておりましたのを、実費を徴収することができるといたしまして、現在の予定では全対象人員すなわち今の法律に基づく年令層の対象人員の約半数が実費を徴収する、半数は七割五分引きまたは全額引き、すなわちゼロ、こういうようなふうにいたすことに予定いたしております七その他必要な条文は、これは従来の法律の中で改正をやっておりました字句改正その他がございますので、そういうような事務的なものを整理する。それからもう一つの大事な点は、施行期日は四月一日からでございますが、この四月一日からの実施時期に、本年に限りまして生後六カ月から二十一カ月の者はこの法定の中に入りますが、三才に至るすなわち二十二カ月から三十六カ月までに至る者につきまして経過的に本年は予防接種を行なう、法律による前記の定期の者と準じてやると、こういうようなことを経過措置として入れておるわけでございます。三十七年度以降になりますと、ことしやりました者がその年令に施行済みに達しますので、この一年限りの経過措置、それから今の二十一カ月ということを申し上げましたが、従来は半年ないし一年半といっておりましたのを二十一カ月といいますのは、三カ月の余裕をとりまして、これはやはり大多数の町村が春季または秋季にまとめてやるために、ちょうどそれの前三カ月に生まれた者がその間やられずして経過する、その三カ月の余裕を与えまして、このせっかくやることの期限切れにならぬようにということで、救済するためにそういうことを入れたわけでございます。

川上六馬厚生省医務局長

○政府委員(川上六馬君) 医療金融公庫法の一部改正につきましては、ただいま大臣から提案理由について御説明がありました通りであります。  十ページにありますように、第四条に「公庫の資本金は、十億円とし、政府がその全額を出資する。」とありますが、その「十億円」を「三億円」に改めるものであります。  なお、事業計画案、資金計画案は十四ページ、十五ページにございますので、ごらん願いたいと思います。また、今までの貸付実績、資金需要額等につきましては、御審議をお願いいたす前に新しい資料を提出させていただきたいと思います。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) 精神衛生法の一部を改正する法律案につきまして補足説明いたします。  参考資料の五ページに法律案要綱が記載されております。  改正の目的は「自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれのある精神障害者の入院措置」——これをいわゆる精神病患者に対する措置入院と言っておりますが、この「入院措置を円滑に行なうことによって高額な医療費負担による措置患者世帯の貧困階層への転落の防止を図る等精神衛生対策の推進を期すること。」、第二、改正の要点でございますが、「1 措置患者の入院に要する費用の国庫負担率を現行の二分の一から一〇分の八に引き上げること。2 措置患者の医療に関する診療方針及び医療費の額の算定方法を法定し、健康保険の例によることとするとともに、医療費の支払事務を社会保険診療報酬支払基金に委託することができるようにすること。」、これは法定が従来ございませんで、県がそれぞれの相手方の病院と契約をいたしまして、概して、従来健康保険より一割ないし二割低い、こういうような弊害がございました。これは県の予算に左右されたということでございますので、これを妥当にいたすために法定をいたしまして、「健康保険の例による」ということにいたして公平を期する。それからなお、県庁みずからこの支払いをやっておりましたために、これは非常に県の行政事務の中でおくれをとりましたり、いろいろな工合の悪いことがございますので、他の諸経費と同様に診療報酬支払基金に委託する、こういうふうに、ほかと公平にしたわけでございます。  それから施行期日は、十月一日からの施行でございます。  以上でございます。  結核予防法の一部を改正する法律案につきまして、関係資料の一ページに法律案要綱がございますので、それによりまして補足説明を申し上げます。  第一が改正の目的でございますが、「命令入所患者等の医療費についての国庫負担率の引上げ等の措置を講ずることによって、結核対策の推進を期すること。」  第二、改正の要点。  「1 保健所長は、登録患者等について結核の予防又は医療上必要があると認めるときは、精密検査を行なうものとすること。」、これは、従来はこの規定がございませんために、一般健康診断の対象として、せっかくの登録患者も混ぜてまず始めるということになっておったために、間接撮影から始めるのを原則としておったわけでございますが、これはむだなことでございまして、むしろ直接、これらの対象につきましては、精密検査でねらい打ちにやれるようにする、こういうことが主たるねらいでございます。  それから「2 前項の精密検査に要する費用は、都道府県が支弁し、国庫がその二分の一を補助することとすること。」、これも全部公費、こういうことにいたしたわけでございます。  「3 従業禁止、命令入所患者の医療に要する費用は、当該患者又はその保護者の申請により、都道府県が負担することとすること。ただし、当該患者が費用の全部又は一部を負担することができると認められるときは、都道県はその限度において負担をすることを要しないこととすること。」、これは、従来と逆になりまして、従来は本人が負担する、ただし、本人が経済的に困難な場合には、都道府県がその部分だけを負担すると、こういうことになっておったわけでございますが、最初からこれは都道府県が原則として負担する、それに対して国費が十分の八を負担し、本人がもし一部でも負担ができる場合にのみそれだけをはずす、こういうようなふうで、この公費負担を優先にしたわけでございます。  「4 国庫は、都道府県が負担する前項の費用の十分の八を負担することとすること。」、これは、法律では従来二分の一になっておりまして、ただ予算措置で三十四年度から一部につきまして三分の二の国庫負担に、これは予算措置でやっておったのでございますが、今回は、法定によりまして二分の一を十分の八に改めるということにいたしたわけでございます。  「5 その他必要な条項の整理を行なうこと。」、これは事務的なものでございます。  それから施行期日は精神衛生法とともに十月一日から施行する。  以上でございます。

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 右法案に対する質疑は、次回以降にいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 御異議ないと認めます。

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) それでは一般質問を続行いたします。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 先ほど来、小児麻痺の生ワクチンの問題について御尋ねして参りましたが、大臣に、この際一言、専門的なことは省きまして、ちょうど大臣も聞かれた事項につきましてお尋ねいたしたい。  それは、ただいまも予防接種法の一部改正が出ましたが、われわれとしては、公衆衛生上不可欠のこうした伝染性の疾患に対して、予防接種は当然国の責任で無料にすべきだと思う。少なくとも無料の方向へ持っていくことが緊要だと思う。そして今回のこうした接種法の改正は、そういう点でわれわれも一歩前進するものだと認めるものであります。  ところで、小児麻痺ワクチンは、従来ソーク・ワクチンを使っておったのが、あとで申し上げますが、昨年の六月、ワシントンで世界の専門家の会議が行なわれ、次第に生ワクチン使用の方向に向きつつあるということは、これは現実の事実であります。そこで、いろいろ詳細にわたっては、まだ問題点もあります。また、ソーク・ワクチンから生ワクチンに切りかえるについて、経済的に単純に安上がりになるかどうかについても、それは確かに問題点はあるようです。しかし、先ほど専門家の柳沢博士も指摘しておられた通りに、こうした製造について国が責任を持ち、また、技術的に正確にこれを実施するために、六つも七つもたくさんの会社やあるいは企業家にまかせるよりは、一カ所で、少なくとも天変地異を考えるならば、他に一カ所ぐらい補充的な所を置くとして、そうした集中的に国がこれを製造し、かつまた、国がこの責任を持つということは、私は今日の資本制社会の中においても望ましいことではないかと思う。これについて大臣としての御見解を伺いたい。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) ワクチンの製造について、国が自分でこれを引き受けてやっていくということがよいのか、民間の事業としてりっぱにやっていけるものならばその道をとったらよいのか、あるいは混合の、両方の道を併用した方がよいのか、これはいろいろ研究してみる必要があると思うのであります。よくよく国がやった方がよい、こういうことでありますれば、これも一つの問題だと思いますが、とにもかくにも民間事業で成績が上がるということであるならば、それでよいものならばなるべくはそういう道を歩いていくのがよいのではないだろうかと一応私は思うのでありますけれども、しかし、まあこの辺はなおよく検討してみたいと思います。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 これには問題点が二つあると思うのですね。一つは予防という仕事、これは金もうけには大体ならぬ仕事で、そういう民間の企業として解釈することは私は不当ではないかと思う。病気がはやらなければ予防をしない場合もあるかもしれない。それからまた、経口的な予防でありますので、相当計画的に実施ができる。そしてまた、施設として六つも七つも多々ますます弁ずというような製鉄企業などとは全然基本的に違う。でありますから、私はそういう点で少数精鋭のものを作ることと、さらに国が公衆衛生の予防の接種に対して責任をとる体制ができつつある際に、しかも小児麻痺の今までの接種は、ソーク・ワクチンについても非常に高くて、高いために接種ができなくて、そのために小児麻痺が蔓延をするという事実もあった。そういう実情から見ても私はこの際——この際というのは大体三十六年度には生ワク製造のめどをつけなければならない立場に私は置かれつつあると思う。従って、厚生大臣が検討することは必要ですが、もう少し積極的に、ほかの企業とは違う、どんな企業でも民間にさせればいい、そういうものとは違って、私は公衆衛生上の目標、また、その接種の値段、また、今度新しく出た予防接種法の一部改正、これらを通して大臣としてもう少し明確な方向ぐらいは一つ説明をしていただきたいと思う。もう一度伺います。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) 国が国営でやった方がよいという強い、まあ理由がはっきりいたしますれば、これは大いに研究し、考えなければならぬと思いますけれども、国営だからいいとか、民間の事業だから悪いとかいうふうには一口にはなかなか言いにくいのでありまして、どうしても国が製造する、こういう量を確保する上においてあるいはよい品物を確保する上において必要だという強い理由があって、どうもそれでなければならぬということになりますればこれは一つでありますけれども、自分で作る。作る人間がいわば検定をすることが、必ずしも実際の運営の上でよい結果が起こるかどうか。その方がもう断然よいのだときめてしまえるかどうかもまだ問題点があるように私は思うのであります。事業にもよりますが、国の事業——国が直営でやるということしか仕方がないということならば、これはよくても悪くてもそれでありますけれども、国で作ったら必ずよいと言えるかどうか。やはりもう少し研究してから結論を出す方が私はよいのじゃないかと思うのであります。必要性なりそれからほんとうによい結果が得られるかどうかということでありますね。製造と監督、検定というものを一緒にしてほんとうに結果がよいかどうかはひっくるめてこれは一つ研究して見なきゃならぬと思いますから、否定するわけじゃありませんけれども、なおその辺を検討してみたいと思うのであります。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 では次の問題に移ります。  それはソーク・ワクチンから生ワクチンの方へだんだんとポリオの予防対策が向きつつある中で、大体この生ワクチンの問題が出てきたのは一九五〇年ごろ以来だと思うのですが、一九五五年にソ連ではコセルギンとチュマコフが責任者になってポリオの対策を立てております。これはわが国としても非常に参考とすべき点があると思うのです。  これには第一に、予防と治療の統一ということを考える。それから第二に、先進国の技術導入ということを考える。それから第三番目に、科学技術者の大量養成ということを考えて、このためにまず先進国の技術導入のために責任者のチュマコフ教授が一九五六年にアメリカを訪れ、ソークの製造その他を研究してきております。  それからさらにアメリカのこの方面の創始者である七一ビン、コックス、コプロスキー、これらの諸博士を一九五六年から毎年モスクワに呼んでそうして米ソの小児麻痺対策の共同作業を非常に強力に行なってきており、そうして一九五八年から五九年に、ソ連で大量の野外実験をやり、一九六〇年にいわば全面的な実施をやっているのであります。その結果に基づいて米ソの両者の署名に基づいて、これは一九六〇年五月モスクワで署名をやっておりますが、それに基づいて一九六〇年の六月ワシントンでたしか十九カ国が集まって、日本からも予研の北岡博士が行かれて、そうして相当詳しくいろいろなディスカッションをやっております。それらの事実を通し、なお一九六〇年にソ連では八千五百万人、これは接種の回数でいきますと、二億六千万回数、二億六千万回分になります。という非常に膨大な数に上っております。これはいわば八千五百万人も毎年接種すればまかり間違ったらソ連の子供はみんな麻痺を起こしてしまってこれはえらいことになりますので、これだけを実施する上においては相当な確信をもってやったと思わざるを得ない。しかもそのためにアメリカのほんとうの専門の研究者を三名毎年呼んでそうして共同作業をやった、その結果、今日十三カ国に対してこれは自由諸国を含めて輸出をやっていると私は聞いております。  こういうふうな、これはまことに、米ソ冷戦といわれておりますけれども、両国が文化交流をやって、そうして現実に米ソがその専門的な技術をあげて人類のために小児麻痺対策を強力に進めたいということは、私はこれはもう人類における一つの美談として取り上げてもいいのじゃないかと思う。  そこで私は、日本の実情を見ると、これは確かに一歩おくれておると思う。たとえばインドでももう生ワクの製造を始めているそうであります。お隣の中国でも国産を開始しているやに伝えられております。その中で日本は非常におくれている、私も日本の学者の名誉のために言いたくありませんけれども、一歩おくれていることは間違いない。従って、私は、今回従来の小児麻痺対策に比べて一躍約四億というふうに予算がふえたということに対して厚生当局に敬意を心から表します。が、まだまだ足りない点が幾つかある、特に専門技術者的な面でまずセービン博士がやられたいろいろな実績、あるいは検定の基準あるいはこの病理的な所見の意見交換これらについて早急にアメリカのセービン博士のものを見る必要があるのではないか、それらは予算を取っただけではだめであります。こういう科学的な研究というものは技術者の問題が中心になります。従って、そういうことで私はセービン博士のところで指示されたものを受け取ったことはいいのですが、早急にセービン博士のところに研究者を送って強力な研究的な意見交換、そして日本に、コセルギン博士とチュマコフ博士がアメリカの技術を導入したような体制、日本の場合だったら日本の技術者は進んでいますから、向こうへ行ってみればわかると思う。そういう体制をお取りになるべきだと思う。それはいかがでございますか。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) 技術的な見地から局長もお答えすると思いますけれども、お話し大いに参考になるように思って伺ったのであります。技術的に見てその辺の必要性等もあるかもしれませんが、その辺は局長から一応答弁をいたしますからお聞き願いたいと思います。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) 今回の生ヴィールスの研究計画の中に毛ただいまのお話は重要なことでございまして、とりあえず総括の、今まで会議に出ておりました北岡ヴィールス部長が本日アメリカに立ちまして、これはちょうどリケッチャ関係の学会の用務が前からありましたのを兼ねまして、まあ一般的にこれの研究計画のことも兼ねまして本日立ちました。一般的にやって参るということであります。一番大事な点は、予研での安全試験で、最後にサルの病理標本を切ってきまして、若干のこれは病変が出るわけです。それを一番初めのアメリカの創始者であるセービン博士のところにある標本と突き合わせるということが、一番今度の実験成績をもとの形と比べるのが大切なことでありますから、担当者が今年の四月に安全試験が進行した、それを持ちまして、その標本と比べてもらうということが一番さしあたり大事なことでありますので、アメリカに行けますように、現在そのお世話をしておるわけでございます。ぜひこれは何らかの方法で確実に実現するように、こういうふうに今折衝中でございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 これは私、大臣におかれて責任をもって一つそういう研究者を派遣していただきたい。そうしなければこれは重大な結果をもたらすであろうと思うのであります。アメリカの三人の学者が創始したこの生ワクの問題が研究的に完成せられたのは、どうもソ連における研究業績ではないかと私は思うのであります。先般来、治療薬のガランタミンなどがずいぶん騒がれていますが、これは民間の人の誤解が非常に多いと思う。ガランタミン一つで小児麻痺がなおるとは私たちには思われない。むしろその予防治療の統一というものの考え方の中で行なわれているそうした治療上の問題、あるいはソ連の場合にはモスクワの付近にチュマコフ教授が主宰する研究所があると聞いております。でありますので、私はこの際、日本の研究者が研究団を作って、そうした研究所の内容あるいは検定の仕方あるいはその実施の方法、これは特に大きいと思うのであります、アメリカでもかなり広く使われていますが、何といっても年間八千五百万人に二億六千回分にわたって実施したというのはこれはほかにはありません。従って、その間どういうあやまちが起こったか、あるいはそれをどう処理したか、それらのことについて、これも早急に一つソ連に対して研究団を派遣して、そして文化交流するということで、これこそ私は非常に外交的にも、また、文化的にもきわめて必要なことではないかと思います。このことについて大臣の一つお考えを承りたい。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) ただいまのソ連が昨年多数の人に実施をした、これはわれわれにとっても貴重な大きな資料になると思うのであります。この生ワクチン、日本の取り組んだのがお話のように、ちょっとおくれたような気がいたしますので、アメリカの方に対する研究もありましょうし、お話のソ連の方の状況の視察、研究もありましょうし、これはもう病気は人間の共通の敵なんでございまして、科学技術には国境はないわけでありますし、そういうことにはとらわれないで、日本の技術、また、病気に対する対策の進歩のために必要なことでありますれば、大いに研究して考えなければならないものだと思うのであります。技術的なことは私には十分わかりませんけれども、そういうふうに思うのです。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) とりあえずは、今お答え申し上げました通りのことで、さしあたりここ一、二カ月の問題は過ごしまして、今の研究協議会——田宮さん会長でございますが、これが国から委託されました研究の遂行のためにこういうことが必要であると、その中にはむろん外国へそれぞれの責任者が行って見てこないと結論が出せぬというような御要望が出て参りまして、今の総会なりあるいは部会の幹事会なりそのときには十分……、今度はわれわれの方はそういう御要望があれば、それを満たさなければせっかくの研究結果がまとめ得ないことと思われますので、そのときには、その実現のお世話役でございますから、十分これは将来大臣からもお願いいたしまして、その理由が正当なものであれば、お世話にできるだけ努力いたしたい、こういうふうにいたしたいと思っております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 この際、特に要望しておきたいのでありますが、科学者の研究費が、本年度の一二十六年度の予算では大体二割ずつ各研究で引き上げられております。これはあるいは人件費も含まれてのことかもしれませんが、こういうことはけっこうでございまするし、特に科学者の世界的な交流をするということ、このために予算の制限を受けてできないというようなことが絶対にないように、これはそのためには超党派的にわれわれとしても推進していきたい。従って、それらの国民の要望、また、われわれの要望に対しては十分努力していただきたい。  そこで最後に、小児麻痺の問題について伺っておきたいのは、昨年の六月のワシントンにおける報告の結論の中にこういう項目があるのであります。大蔵省来ておりますか……。そのワシントン報告の中にこういうことが書いてあるのです。かなり専門的なことですが、注意しなくてはならないことは、エコー、——ECHO、それからコクサッキー・ヴィールスによる干渉現象である、これは非常に専門的なことでありますが、私も今回だいぶ勉強いたしましたが、小児麻痺というのは、要するに腸の病気なんです。手足が麻痺するのですが、手足の病気じゃなくて、病源菌であるヴィールスが口から入って腸の中で感染してこういう麻痺を起こすのであります。ところが、そういう腸内には似たところのヴィールスが幾らもほかにあるということが非常に研究上、臨床上問題になる。そこで先ほど柳沢博士がアメリカ人、ソ連人と日本の場合には食い物も違うし、環境も違うから日本の事実をよく調べたいという御意見を聞いたわけでございますが、このワシントンの会議で言われたコクサッキー・ヴィールスというのは、これは今日は地方新聞でも出ているのであります。地方新聞では小児麻痺ではない小児麻痺というような言葉で、これは北海道の衛生研究所の調査によるものですが、約二千五百人についてヴィールスの検出をしたところが、その中から五百人ヴィールスを分離した、ヴィールスの種類は小児麻痺のポリオ・ヴィールスが四百六十人、残り四十人はコクサッキー・ヴィールス、それとエコー・ヴィールスを持っておった。私たちはどうも小児麻痺のポリオ・ヴィールスだけが問題だと思っておったところが、実はほかにいろいろあるのです。そして北海道の衛生研究所の発表、これは医学の通説のようですが、これを見ますと、コクサッキー・ヴィールスにはA型、B型があって、そしてA型には一型から二十四まであり、Bには一から五まである。それからそのAの九とBの三と五が麻痺を起こすのだ。それからエコー・ヴィールスというのも一から二十まであって、その中で六と九と十二というのが麻痺を起こす。だから私たちは小児麻痺一つが麻痺を起こすのだと思っておったら、そうでなくて、ほかにいろいろと腸内に入っているヴィールスがこういう麻痺を起こすという事実を初めて教えられたわけであります。今度の三十五年度の予算を見ますというと、これはこの前も聞きましたが、中央ヴィールス検査室を作りたいということで、去年は全国から二千件くらい検査を頼まれた。今年は三千件をこすだろう。そのために千四百十四万という中央ヴィールス検査室の整備の予算を組まれておったのであります。私たちしろうとから見ますと、中央ヴィールス検査室といいますと、たとえば感冒だとか、ほかのヴィールスの検査室と思ったのですが、実はそうでなくて、今のようなコクサッキーとかエコーというような小児麻痺とほとんど同じようなヴィールスがたくさんある。従って、こういうヴィールスで麻痺の起こったものには、ソーク・ワクチンをやったって七一ビンの生ワクチンをやったってきかないわけです。こういうことを検査する中央ヴィールス検査室がどうしても必要だったと思う。ところが、今度の予算では全部はずれて、一千四百十四万円ですか、はずされてしまったわけです。私はこれは画龍点睛を欠くというよりも、非常に大事な点を、名前が小児麻痺という、ポリオという名前がなかったばかりに落っことされてしまったのではないか、非常に非科学的な措置を受けておるのではないかと思って、これからの研究途上非常な障害になるのではないか。ですから、これは何らか具体的な方法によって検査のできるようにしなければ、これから出発する日本の小児麻痺対策上きわめて重大な欠陥を生じはしないか、そのことを心配しますので、一応専門的な面なので、研究者の御説明を聞き、また、厚生当局の対策もこの際伺っておきたい。

柳沢謙国立予防衛生研究所副所長

○説明員(柳沢謙君) 坂本議員の御指摘なさるように、三十六年度の予算に、予研から中央検査室の予算を組んであったのでありますが、これは全然落ちてしまったということは、私たちの説明も足らなかったかと思いますが、事実われわれがアメリカその他の国へ参りますと、たとえばアメリカを例に上げますと、アメリカのジョージア州にはCDC——コミュニケブル・ディシーズ・センターというものがございまして、これはヴィールスのみならず、伝染性の疾患の検査並びにそれに伴う疫学の研究をやっておるわけであります。まあ、そとまでいかないでも、少なくとも予研の中にきわめて小規模ではありますけれども、中央検査室くらいは作っていただかなければ、今申されたような、非常にポリオと似ておるような病気、たとえばエコーだとかあるいはコクサッキーとかいうようなものもずいぶんわが国にはあると思いますので、こういうものの検査ができないのではないか、あるいはそういう検査の研究並びに各地方の衛生研究所あるいは保健所などへの指導も不可能ではないかというようなことで申し上げたのでありますが、厚生省からもそれは出たのでありますが、大蔵省において、まあ、ポリオという名前が入っていなかったのが悪かったのかもしれませんが、落とされてしまったのであります。私たちとしては非常に隔靴掻痒の感があるのでございます。どうか一つわれわれ研究者としても、ぜひともそういうことを十分今後御考慮願いたいと考えております。また、ほかに各大学の場合でも細菌学教室というのがございますが、ヴィールス学教室というものはないのでありますが、文部省の方で毛、各大学でもヴィールス講座を設けなければ、今は時代におくれてしまうというような現状にある次第でございますので、厚生省当局においても十分そういうことは考慮されておると思いますけれども、どうか国会においても十分この点はお認めいただきたい、こう思っております。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) ただいま柳沢副所長が申し上げた通りの事情で、本年といいますか、三十六年度は実現いたしませんで、まことに残念で申しわけないわけでございます。もちろんこれが必要でないというわけで私どもがこれを元気を出さずにおろしたわけではないのでございますが、ただ、最後までポリオ政策というのを重点施策にずっといきましたときに、今のお話のようなミクロ・ヴィールス関係十三種類ほどの検査目的の内容で予定したわけでございまして、いろいろなものが入っておるわけでございます。どうもこの中に引っかけるのが工合が悪い。これはこれなりに別に並行してやったわけでございます。ただ、これにはやはり生きた菌、類似のミクロ・ヴィールスをやるわけでございますから、何と申しましても建物、施設、これを厳としたものを作りませんと、ただ、研究の運営費をいかにとりましても、生ヴィールスを一方でやりながら、いいかげんなことをやりますと、本来の方に差しつかえるわけでございますので、従って、人員と施設が今のポリオ関係のだけでも、現在の目黒の施設が不足で、いよいよ村山に作り出したわけでございまして、そういうような関係もございまして、ことし無理せぬで、これは従来もずっとやってきたわけでございますが、もう一年その程度で、融通できる範囲でがまんして、いよいよ村山のあの大きな土地ができて、今後の、第二研究所として両方の機能分化によりましてやるというのが今年度、三十六年度末には相当進むわけでございますから、これと見合って大々的に三十七年度にはお願いしよう、こういうような空気もわれわれの方が抱きまして、三十六年度は実現しなかったわけでございます。しかし、必要最小限度のものは従来に増しまして予研の全般の運営費の中にこれは認める、こういうふうにして、まあ若干つじつまを合わすことになりますが、今年度はそれで過ごしたい、こう思っておるわけでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 それでは、これから小児麻痺の流行が五月、六月ごろにあるいは出てくるかもしれない。その中で類似の小児麻痺でない小児麻痺あたりが出てくるかもしれない。そういう場合には臨時応急の措置をとっていただく。そうして場合によればそれはまたあとの追加補正ででもこれを完成していく、われわれとしてはそういう要求を抱いております。従って、それに対して、大臣としてもこうした一たんかかってしまえば一生身体障害でいく病気であります。十分の措置をとられることを要望しておきます。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) お話はまことにごもっともな点が多いのでありますから、私どももよく考慮して検討したいと思います。

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) ちょっと速記をやめて下さい。   〔速記中止〕

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 大臣に伺います前に、事務的な面をちょっと伺っておきたいのですが、われわれは二月の八日に今回の医療費算定問題について資料の要求をいたしました。その後提出が全然ない。そこで先週さらにまた要求をいたしております。  で、事務当局に伺いたいのですが、一体われわれが要求したことについてどういう準備を事務的にしてこられたか。その準備の内容を明らかにしていただきたい。

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) ちょっと速記をやめて。   〔速記中止〕

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 去る二月の八日に、医療費算定の問題についての資料の提出を要望して以来、特に先週にもまた要望しましたが、まだ出されていない。そこで事務当局に、どういうふうに準備してこられたか、その準備の内容、経過を御説明いただきたい。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 一〇%積算の基礎資料につきましては、かねてから当委員会で御要求がございました。それからなお先週の委員会におきましても重ねて、早く出すように御督促がございました。承知をいたしたわけでありますが、先週の委員会におきましては、ただいまの状況でございますと先週一ぱいくらいには出したいと思っております、また、できればもっと早く出したい、こういう気持を申し上げたわけでございますが、実際作業といいますか、整理をいたしてみますと、やはり数字がございましたり、あるいは先日の追加の御要求等がございまして、それらを一括整理して、ごらんになっておわかりやすいように作るというようなことをいたしますと、若干日が延びまして、なおもう少し整理をして提出いたしたいと思っておりますので、全般的には少しあっちこっち追加資料等で見やすくする、ごらん願いやすいようにするという気持で極力整理を急いでおります。先般申し上げました期日におくれましてまことに恐縮でございますが、できるだけ見やすいように、完全な資料にいたしたいと思いますので、しばらくの御猶予を願いたいと思います。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 私は三つ伺いたい。  一体われわれの要望にこたえて原稿を整理するなり作業をやったかどうか。昼寝をしておったのではまさかあるまいと思う。しかし、もうすでに三週間たっているし、その前に予算要求をする場合ある程度の資料というものを整理してなくては出せないということはわかっているはずです。だから、それは故意に出さなかったとしかわれわれとしては受け取れない。わかりやすくするために、あるいは追加、いろいろと修正するためにと言うけれども、何もわれわれはわかりやすくしてもらわぬでもいいのですよ。なまのままの、厚生当局が検討されたままのものを出して、これに基づいてあなた方がどういう考えを持ったかということがわかれば、その資料に基づいてわれわれはわれわれとしてのいろいろな考えをまとめていくだけのことであります。だから、私は保険局長にお尋ねしたいが、あなたたちは昼寝をしておったかどうかということが一点と、それから修正したりなんかするためにそんなに時間がかかるかということと、それからもうすでに現物はできておるのではないか、それをどうしているかということ、その三つを伺いたい。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 最初のお尋ねでございますが、これは決してそうなまけておるわけではございませんので、一つ御了承願います。  それから第二の点でございますが、修正というのはちょっと言葉が違いまして、いろいろたくさんの資料がございますので、それを見やすいように、またわかりやすいように統一的に整理をいたしておる、こういうようなわけでございます。  それから今どの辺まで刷りものというか、資料ができておるかということでございますが、一応原稿的なものはできておりますが、それも今申しましたように、もう少し整理しておきたいというので、まあ一応原稿的なものはできておりますが、これをそのまま外部に出していいかどうかという点について、なおもう少し整理をしたい、こういう段階でございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 外部に出していいかどうかということについての指示は、大臣がやっていますか。局長の自身の判断ですか、どちらですか。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 私たちの判断におきまして、まあこれだけ整理しておけば出していいかどうかという問題が一つございますが、その段階におきまして、もう少しこれを整理して出したがよかろうという段階でございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 大臣はその原稿を見られたはずだと思うのです。大臣がそれを金庫の中へしまっておけと命じておられるのですか。大臣のお考えでそういう措置をしておられるのか、その点明確にしていただきたい。あんたに聞いているのじゃない。大臣に聞いている。大臣の責任問題です。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) 今の事務的に整理をする、整備をする、整える段階でありますので、あながち怠っておる、むだに時間つぶしをしておるとは思いませんが、まあきょうに至っておるようなわけでありまして、今の事務当局の方でまとめる整理が済みましたら、私はそう事務的な、技術的なことは御承知のようにわかりませんから、なるべく早く、私の方ははっきりして出すようにいたしますから、もう少し事務的な整備を促進して、早く出しますから、お待ちを願いたいと思うのでございます。ことさらにおくらしておるわけでは決してありませんから、もうしばらくお待ちを願いたいと思います。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 そうしますと、今の話を伺うと、大臣が指示を与えて、今の資料の国会提出をとめている、そう考えてよろしいですね。大臣が指示を下して国会提出をはばんでおられる、そうわれわれとしては判断をいたしますが、その通りでしょう、こう申し上げておるわけです。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) 私がとめておるわけでも、それから事務の方でことさらにおくらしておるわけでもどっちでもないのでありまして、事務的整備を急いでおる、こういう状況でありますから、どっちもとめたりおくらしているというわけじゃありませんから、どっちにしても早いところ出したいと思っておるわけでございます。

横山フク自由民主党

○横山フク君 関連。今の局長なり大臣の御答弁、私はちょっとおかしいと思う。おかしいという言い方はちょっとあれですが、というのは、私も資料要求をした、また個人的にもらおうとしたがくれない、ところがほかへ出ている。ほかから私はもらってきた。国会議員には、うるさいし、質問されるし、詰められるからしてくれないけれども、ほかの人にはくれるんだと、そういうばかな話はないと思う。私は持っておる。局長が手をあげて答弁しようと、弁明されようとしておるけれども、私はとやかく言わないが、係官の方からちゃんとこういうふうに出ている。これは厚生省から出ているんで、ほかから出ているものではない、それははっきり私は聞いておる。そんなばかなことはないと思う。やっぱり資料の提出を求められたら、やっぱり提出すべきだと思う。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) 横山さんの今のお話はどういう資料でありますか、こっちの方で準備したもののことであるのか、別のものであるのか、ちょっと、それはわかりませんが、一つはっきり見せていただいてと思います。

横山フク自由民主党

○横山フク君 私、訂正するが、これは一〇%の資料ではないけれども、それは関連して、資料を出すこともある、出さぬこともあるということは、一〇%にしても……これは一〇%の資料ではない、私の言い方が足りなかったかもしれない。一〇%の資料ではないけれども、やっぱり資料として、求める人によっては出す、出さない人もあるというのは、これは事実なんだ。だから一〇%の資料はほかに出していないかもしれない、それは言えるかもしれませんけれども、厚生省全般的な問題として、資料を人によって出すことも出さないこともあるという事実をここで言うわけです。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) 横山さんの今のお話はよく研究いたしますけれども、この医療資の一〇%算定の基礎の資料でありましょうか、分べん費の何か資料か何か別の……。

横山フク自由民主党

○横山フク君 私が言い足りないこと、言葉が足りなかったので私は補足しますけれども、一〇%の資料には関連していないので大へん恐縮です。しかし、私は厚生省の資料の提出の仕方について、かねがね不平不満を持っておる。だからこの問題についても、ここでは四の五の言っていらっしゃるけれども、四の五の弁明であって、おそらく出すべきところには、あるいは出していらっしゃるところはあるだろうということは言える。だから、たまたまここに関連したことがあったので、もう少しこれに関連して、資料を国会議員から提出を求められたときには、資料は率直、すなおに、それで詰められようと詰められまいと、そういう問題でなくて、お出しになるべきであろうと思うのです。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) はい、わかりました。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 ただいまのは一〇%引き上げについての積算の資料の問題だと思いますので、その点についての御相談をお進め願いたいと思います。時間もありませんから……。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 ただいま横山委員の出されたのは一般的な資料の提出の問題ですが、ただ、今横山委員が、私が資料を持っていると言ったら、いまだかつてこの当委員会で見られない、政府委員がみずから現場におもむいて、その資料と思われるものをひそかに探索をして、冷汗をかきながらまた席へ戻りました。こういうことはいまだかつてありません。これは詳細に点検すると、すでに資料があって、あるいは盗まれたのではないかと思って政府委員があわてたとしか私は判断できない。だから、すでに資料はあって、どこかに置いてある。ただそれを大臣が何らかの理由で二月の八日以来提出を拒まさせている、はばんでいる。私はこれは資料を出さない限りは、きょう出たいろいろなたくさんの法案の提案理由も説明も受けましたけれども、われわれは審議やりませんよ。こんな国会のわれわれの要望を無視するような、そういうことに対してわれわれは審議をすることはできない。大臣として明確な見解を披瀝していただきたい。今与党の議員でさえも厚生省の従来の態度に対して非常な不満を打ちあけておられる。いわんや今一番問題になっている医療費の算定基礎の問題について厚生当局がどうしても出さない、出さないでおきながらしかも予算の請求をしておられる、こんな不合理なことはない。私は政治というものはもっと明るく、だれにでも見てもらって批判を受ける、と同時に自分の意見も言う、その中から政治を進めていかなければならないはずだと思うのであります。私は最も民主的だと思われる古井厚生大臣が、資料提出について最も頑迷固陋な古い態度をとっておられるということは、はなはだ解しがたい。大臣として責任ある御答弁をいただきたい。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) まずもって、よそに出せるものを国会に出さぬなんということはとんでもないことでありますから、そんなことは私はあろうはずがないと思うし、あればこれこそ戒めて、厳重に改めなければならないと思いますが、今の医療費の資料の問題になりますと、さっきも申しますように、ことさら出すのをとめているわけでも、また、事務的な作業をことさらおくれさせておるわけでもないと思います。別にとめておることもありません。でき次第これはそのまま出して、もう十分検討していただくのがあたりまえのことでありますから、ことさらのことにはお考え下さらぬようにお願いをいたしたいと思います。おくらしたりなど、出さぬとか、出すなと言ってとめたりはいたしません。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 これは一つ委員長で善処してもらいたい。これは与党からも再三この苦情が出ておられる通り、われわれとしては、一番強く要望してきた資料であります。それが今のような厚生大臣の答弁では、これは当委員会の権威というよりも、審議ができません。ですから私はこれに対して委員長は何らかの責任をとって処理していただかなければ、われわれとしてはこれ以上質問するわけにいきません。この際委員長の御意見を明確に承っておきたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 その前に関連して。  私はこの前の委員会でも発言を求めましたけれども、議事進行上発言は遠慮いたしました。その前の前の委員会で資料の問題では強く局長にも要請いたしておりますが、新聞紙上で伝えるところによりますと、あした保険医の総辞退まで起こるのではないかと国民ひとしく心配いたしておるのであります。われわれが国に帰りましても、聞かれるのは、医療問題はどうなるのか、それから一〇%というのは一体どういう基礎かと、こう聞かれましても、すでにもう二週間も答弁ができないのです。われわれは医師の言い分だけを支持しようと考えておらない。先般来しばしば申しますように、国会で基礎的な資料をもって十分に、しかも公正にこれを判断して、国民の納得できるような審議をしたいと念願して再三再四資料の要求をいたしておるわけであります。今、横山委員からちょっと発言がありまして若干訂正されましたけれども、私はあれだけの、一〇%の数字を出された以上、資料はないとは考えられない。従って、大臣の手元か局長の手元で保管されているものと思う。そういうものをなぜこのわれわれに示して、厚生省と大臣と一緒になって、しかも、医師会の意見も十分聞いて、あるいは医療労働者が、医療労働者はきのうもたくさん陳情に参りまして、一〇%の中におれたちの人件費は一体どのくらい入っているだろうか、非常に心配いたしまして、一〇%上がってもこれが全部医師会の方の、あるいは医療施設の方に入ってしまうのじゃないか、こういう心配もしている。そういうようなものを解消しなければ、おそらく医療労働者にいたしましても、三月にまた日赤ストと言われたものが再現せざるを得ない。そういう重要な段階にあって、なお、その資料をここに出すことを拒まれる大臣、局長が私はわからぬ。今、坂本委員の質問に答えると同時に、私のこの質問にも一つ大臣お答え願いたい。

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 委員長からも大臣に申し上げますが、本件については、二週間前からたびたび御要望があったんでございます。従いまして、ただいまのように御要求が強いのでありまするから、できるだけ一つ速急にお取りまとめいただいて御提出のほどをお願いいたします。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私はちょっと、大臣が答えられる前に一言申し上げたいのだが、三週間前に予算説明がありました、この月の初めに。そのときにみなの委員が医療問題を初めとして、この具体的なことしの会計は割に親切にしてもらったことは非常にいいことである。しかし、その予算全般についての積算の基礎がどういうところからこういう結果が出てきているかという資料を、一つこまかしいものを出してもらおうじゃないか、厚生省は来週のちょうど一週間日のその次の週までに出せないかどうかという話、それじゃ、できるだけそういう工合に努力をいたしましょう、医療費の問題については少し無理があるけれども努力いたしますという話であったんです。で、まあ見てみたところが、資料も全体の資料が十分に整っておりません。あの約束からもう三週間、四週間になりますけれども整っておりません。努力いたしましょうという格好であったが、しかし、予算を長い間大蔵省と折衝してこられたのですから、その予算がきまるときには、積算の基礎というものが固まって予算がきまり、きまった予算に対する、要するに、厚生省が他から聞かれても説明のできる状態、条件というものは整っていたはずだと私は思う。だから、積算の基礎をリプリントするための日数というものを加えて一週間ぐらいで大体努力しましょう、と言われるぐらいの余裕は、われわれも、きょう言うてきょう出せというわけにいかぬから、それぐらいの余裕は見て、心待ちに好意的にわれわれは待っておった。ところが、他の資料はともかくも、医療費の資料が、それからずっと来て今日までまだ出ない。私は、今時分言って、あるとかないとか、これから作っていくとかいう問題じゃないと思う。予算がきまったときに、予算を決定するときには、この条件に基づいてこういう予算が決定したというのですから、私は、資料がないということは、今やっていますということは、詭弁にすぎないと思う。なぜ、それじゃ、ここに出せないか、出せない理由をはっきり言ってもらいたい。それが一番肝心な問題じゃないかと思う。なぜ出せないか、出せない理由をはっきり言ってもらいたい。今時分、ないということは、大臣として言えないと思う。それをはっきりして下さいよ。それがはっきりしないと、この問題は前に進まぬのじゃないですか。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) 出さないという考えじゃないのでありまして、早く出してお目にかけたいと思うのであります。それで、事柄の考え方や、一〇%が出ました考え方の筋道は、私もこの委員会で御説明申し上げたかと思いますが、こういう考え方で算出して、その結果、医療費がどうしてもこの場合、総医療費に対して一〇%は埋めなければならぬという考えを持ったのだという筋道は話したと思いますから、その数字の何といいますか、数字の資料というものは、これは事務的に整理して——整理というと語弊がありますが、整備してそれをお目にかけたい、それを事務当局の方で急いで作ろうということで来ておるのでありますが、きょうまだおくれておるということでありまして、でき次第、お目にかけるのがあたりまえでありますし、よかろうが悪かろうが、こういうような基礎であるというなら、ありのままの御批判を請うて、まずい点、よい点、御批判を請えばよいのでありますから、でき次第、事務的に整い次第、お目にかけたいと今思っておるのであります。別にどこに隠しておるわけでもなんでもないのでありますから、事務的な整備を急いでおるというだけのことでありますから、そういう意味にこれは御了解願いたいと思います。

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) ちょっと速記をやめて下さい。   〔速記中止〕

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 それでは資料についてもう一つ伺いたいのは、いよいよあしたから保険医が総辞退をしようというので辞退届が出されようとしています。あなたの方では、この辞退届が引っ込むような条件ができたら今の資料を出す、そう言われるんですか。そういう政治的な含みの上に立って資料を出すか出さぬかをおきめになる、そういうことですか。その点を一つ確かめておきたい。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) これは全く関係がありません。そういう政治的な考慮は関係ありませんです。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 それでは、資料をお出しにならないというのはそういう諸般の政治的関係とは無関係である——実はそうは思えないんです。非常に政治的な処理をして国会やあるいはその他の諮問機関を無視する方向に、大臣、心ならずも動いているのではないかと思われる。まず、当面国民が心配しておりますこの保険医総辞退の辞退届の扱いについて、まず事務的な問題として、これの法律的な効果について事務当局の御説明をいただきたい。

森本潔厚生省保険局長

○政府委員(森本潔君) 保険医の辞退と申しますと、二つございまして、御存じのように、保険医療機関という機関の辞退と、それから個々の保険医の辞退と二つございますが、便宜一括して申し上げます。これが提出になりますと、受理いたします。受理いたしますと、一カ月の予告期間がございまして、一カ月経過いたしますと、その提出をいたした保険医療機関または保険医は、その日からそれぞれ保険医療機関または保険医でなくなると、こういうことでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 そうすると、国民皆保険の四月一日を控えてきわめて重大な段階にきていることは、もうこれは間違いのない事実であります。で、厚生大臣としては、この保険医総辞退の辞退届が一部提出をされておるところもあります。京都などはされております。これらの事実に対して、対策としてどういうお考えを立てておられるか。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) 今の京都の国保夫実施の地域に対しては現に辞退届が知事に提出されているわけでありますが、その他の地区またその他の府県では医師会の方であるいは歯科医師会の方で辞退届をまとめてお持ちになっている。まだ届け書をお出しになっているところは聞いておりません、そのほかには。ということでありますが、事柄はあらためて申すまでもなしにきわめて重大でありますから、何とかこういう大きなことが起こらないように済ませられないものか、でこういうことで苦慮していることはもうお察しの通りであります。それにつきまして、もう目の前に現われている事実でありますから包むことも隠すこともございませんが、自民党の三役中心となって何とかこれが円満に解決できぬか、保険医の辞退の問題も含めまして。で、ごらんの通りにせっかく尽力を続けている中途であるわけであります。この尽力が成果を上げて事態が円満に解決するということになりますれば、この事態は解消するわけであります。せっかく努力している中途でありますから、これをまあ努力の中心点としましてきょうは臨んできている、こういうことであるのであります。何とか保険医の総辞退というような事態が起こらないで済むようにということを望み、また、それを期待しているというのが現状であるのであります。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 それはそんなことを望んだり期待しておったってちっとも解決になりませんよ。私は両医師会から出されている四つの要望、その中には具体的な係数のあるものもあります。そうでないものもあります。で、私はむしろ大臣として、われわれから要望したいことは、何を両医師会との約束あるいは協定のもとに今回のこの難関を切り抜けるか。一体どこにめどを置いてそれを切り抜けようとしておられるか。われわれは与党の一部の人が、たとえば金額を幾らにするということで切り抜けられようとするならば、それはいささかルールに反しているのではないかという考えが持たれる。というのは一〇%で低過ぎるかもしれない。本来ならば三〇%いや四〇%上げなければいけないのが客観的事実かもしれない。その客観的事実がわからないからわれわれは資料を要望している。そのときにこれを一〇%ときめて押し切ったとするならば、これは両医師会に対してわれわれとしてはなはだ申しわけないことをする結果になる。また、あるいは五%でいいかもしれない。そうした場合に一〇%では多過ぎるかもしれない。それらの判断の基礎になる資料がないためにわれわれとしては今批判を避けている。もっぱらこれを軌道に乗せようと思っている。だからそうした軌道に乗せるということに大臣が御意思が決定しておられるならば、私はこれには二つ問題点があると思う。一つはその軌道に乗せ方、たとえば社会保障制度審議会の答申を待って、そしてそれに基づいてやるならばやる、それを明確に表明することと、ただそれを表明しただけではまだ問題解決できません。というのは事ここに追い込んできたということにおいては、中央医療協議会を初め、厚生行政の非民主的な扱いに対するこの医療担当者の不満の爆発であります。従って、これは行政をどうこうするということよりも、まず当局が反省の立場に立つ必要があると思う。私は古井厚生大臣が十分誠意の人だということを感じております。しかし、そういう行為を過去においてやってきた厚生行政の欠点あるいはあやまち、これらは誤っておったということを表明されたならば、それをはっきりと認識された大臣ならば、必ずやそれを正さなければならぬ。そういう期待のもとに今度は民主的なルールの上で一〇%がいいか三〇%がいいか、あるいはそれをいつから実施したらいいかという点が私は生まれてくると思うのです。それが全然大臣としての意思表示が出ていない。だからたとえば社会保障制度審議会がいくら審議をやったってあとでまたたなざらしになって何ら皆さんの厚生行政に勧告どころでない、何らの影響も与えない。それは過去の審議会の勧告あるいはいろんな意見というものが諮問が扱われてきたと全く同じことになる。そういう証拠をどこかでお見せにならない以上はわれわれ納得できないのでありますから、ただいまのようなその場ごまかしの御返事ではこれは国民だって納得できませんですよ。われわれだって納得できません。大臣の、一体どういう方向でどういうルールでこの問題を解決されようとされるか。われわれはそれが明確になれば、医師会といえどもこれに従わざるを得ない面があると思います。また、そのときにはわれわれも両医師会へ呼びかけて、あなた方の不満は必ずこういう方法で解消するから、たとえばストライキ、この総辞退という手段は思いとどまってもらいたい、もしわれわれの努力が足らないときには、そのときにはまた出してもらいたい、そういう呼びかけをいたします。今のところでわれわれぼんやり見ておって、国民もただ一カ月後のことだから一応不安は持つけれども、ただ見ているということだけれども、こういうことでは許されません。私は大臣のもっと責任あるお考えをこの際述べていただきたい。何も大臣のお考えが今両医師会との交渉を妨げるとは思いません。むろんそれを進めるような御見解を漏らしていただきたい。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) 私はかねがね申しておりますように、こういうふうな事態が起こっておりますについては、これには長い経過もあります。のみならず問題も相当根本的なものがある、こう思うのであります。これはいろいろな機会に私が申していることであります。つまり、このように保険医療というものが全国民を包容するようなところまで発展をしてきた。それが一方においてはここまでくるのに急いだ。その早く皆保険というところまでたどりつきたいというところに馬車馬のようにかけておったというせいでありますか、反面においては保険各制度との間にも不均衡を起こしておるし、いろいろな不均衡を起こしております。それから、つまりてんでんばらばらみたいになって不均衡が起こっております。それからまた、自由診療というもののよさ、長所というものをどうして保険の中で生かすか、こういう辺も未解決で残ってしまったし、そういたしますから、自由診療という考え方で立ってきておいでになる開業医の方々などの立場というものと、この保険医療制度とが衝突しておる点が根本的に起こってきておる。確かに制限診療であり、統制であり、財政経済の優先でありという行き方に反面がなっておるのでありますから、どうしても自由診療のよさ、医師の立場、医学の立場というものがぴったりこないような反面が起こっておる。根本的にここまできた医療制度というものを、そういう自由診療的なよさというものをどう生かして取り入れるかというその問題までこなければ解決にならぬ、根本的には、と思うのであります。しかし、そのことはいつときにそれもこれも大ふろしきを広げても、口先だけで言っても何もならぬことで、一足々々段階的に解決する以外に私は道がないのであります。でありますから、それは歩いていこう、こういう考え方は繰り返して申しておるのであります。ただし、きょうの当面の問題の処理といたしましては、そういう根本的なことばかり言っておってもきょうの問題の処理にならぬじゃないか、こういうきょうの問題にもなっておりますので、きょうを大体どういうふうに乗り切るか、こういう片方のきょうの問題に対処する道も考えなければならぬ、こういうわけでありまして、そこで今後のいろいろなまずさの改善という問題はむろんたなに上げているわけじゃなくて、きょうの問題を乗り切ってもう一つの問題にぶつかってきておるわけです。きょうの問題をどう乗り切るかという点について、先に申しましたようなわけで苦慮しておる、それは決して将来の希望図を描くだけではきょうが乗り切れるかどうか、それだけではわからぬと思うのであります。幾ら申しましても、それだけではきょう乗り切れるかどうかわからぬ非常に根本的な点があると思うのであります。そこできょうの問題を乗り切るという目の前に迫った問題の乗り切りということに対して長い長い過去がありますために、厚生省と医師会等と話し合っていくということで円満に順調に結果が上げられるかどうか、何も過去がなければでありますけれども、長いこじれた過去がありますので、なかなかむずかしい辺が、公式論にはつきそうなことでもむずかしい辺がありますというところが、きょう自民党の方で党の三役が乗り出してあのように尽力しておるということにもなってきているということでありますから、でありますから、きょうの問題に対処するということの問題として、先ほども申し上げておるのでありまして、根本的ないろいろな諸問題があることを否定しているわけでもないし、これに取り組んでみようということを一つも後退しているわけでもない、もとの通りにこれはその考え方を持って一おるのであります。そういうわけでありますから、当面の乗り切り、また、今後の根本的な解決を得る歩き道、この両面私は血与えていかなければならぬと思うのであります。根本的な問題についてはいろいろ御意見もあろうと思います。取り組んで解決しなければならぬ問題はわかっているにしましても、処理の改善の仕方、いろいろあると思います。これは大きに論議を尽くして、最善を尽くさなければならぬ。取り組むべき問題はいろいろあることはわかっている。取り組んで解決しようじゃないか。今のままじゃいけない。要するにいけないということなんです、改善しなければならぬということは。こういうきょうの問題、今後の問題、両方から考えなければならぬ。私はそう思うのであります。当面のことは今申す通りでありますから、まあきょうもまた午後会談が予定されているようなことでもありますし、この努力というものをできるだけ多として実を結ぶように、これは私きょうの問題としてする。これが一番だと思います。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 せっかく大臣長い御答弁をいただきましたけれども、今のような、党の三役が努力しているならばこれは厚生大臣要らないのです。私はもっとその辺を論理的に明確にしておいていただきたい。確かに全面的、根本的な問題と、当面の問題がある。そしてそのきょうの問題、きょうの問題と言われますが、きょうの問題については、やはり中央医療協議会の問題が、これはもうきょうの問題です。そしてまた、同時に、厚生省には医療制度調査会という、これはきょうとあすとあさってとを連ねた調査機関がある。あるけれども、現実には中央医療協議会は開かれずで年余にわたっている。また、医療制度調査会の内容たるや、一番肝心の健康保険の問題については、まだ調査を全然やっていない。こんなことで今日の問題、今日の問題と口にしておられても、何もしてないのが今の厚生行政の実態です。私はその中で一番中心になるのは医療実態調査だと思います。そしてその医療実態調査を、中立公正なものが出されて初めて厚生省の従来の見解が正しかったか、あるいは医師会の見解が正しかったか、そういうことを国民が認識できる。大体私が見て参りますと、国民はほったらかしですよ。国会もほったらかしですよ。国民の代表である国会に対して資料を出さない。そういうことで今後の問題を解決することは私たち許しません。国民はほったらかしだから、あとで国民の負担がどうなるかということも、非常に無責任な態度を皆さんとしてはとっておられるやに見受けられる。だから私は、全面と当面の問題が二つある。当面の中では確かに中央医療協議会の問題、医療制度調査会の問題、これらに新しい任務を負わさせる。そういう私は大臣としての意思表示があって、その新しい任務を負わさせるためにはいろいろ改組しなければならぬ。どう改組するかについてはそれぞれの審議機関に諮って、諮問をしてきめていきたい。その中で一番問題点としては医療の実態調査だろうと思う。これについて今まで非難があったのは、厚生省が、保険当局が調べた調査であるから問題になる。だからこれをもっと公正なものに変えなければならないという意思表示も当然あってもいいし、そのためにはわれわれとしては、こういうあやまちを犯しておったということで、資料を出されたらいいと思うのですよ。その資料を出さないでもって、そうして今のようなことを繰り返して言われても、これは納得できない。ですからもしこのままでじんぜん日を過ごす、時間を過ごすならばわれわれはもう審議に参加しません。そして委員長に対して私は先ほど来もっと責任のあることをしていただきたいということをお願いしておる。私は問題から言えば、この医療実態調査の資料となる厚生省の資料というものは非常に大事だと思う。たとえみんなから非難を受けてたたかれてもなおかつ出さなければならぬと思う。それをお出しにならないということが全部の問題の私はかぎを結局出さないということになる、私はそう思うのです。でありますから大臣、これはまた資料の問題に戻ってきました。私はまだいろいろお聞きしたいことがあるのです。たとえば保険の簡素化の問題なども出ております。これらの立法段階の毛のもあれば行政段階のものもある。そしてこれらがこの間から問題が起こって、ここで何回も審議しながら少しも前進していない。私はこんなことならば国会は要らないと思う。ですからこの際、私はもっと明確な、大臣としてある程度責任をとってもらいたいと思うのです。これは中央医療協議会が開かれなかったことについても責任をとってもらいたい。そのくらいしなければなかなか医師会もおさまらないのです。そしてあと筋を通してきめるべきところできめるという態度を明確にしていただきたい。きめる場合には一〇%が三〇%になり五〇%になってもなおかつかまわないという態度を表明していただきたいということなんです。大臣のもう少し明確な御答弁をいただかないと、資料も出ないということで、今の大臣の御答弁ではわれわれは納得できません。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) 先ほどは御質問もだいぶん広範でもありましたが、私はこの医療協議会の改組の問題は、あの当時も制度審議会にも御尽力を願ったのでありますが、これはきょうの問題でもあり将来の問題であると思っております。両面の意味を持っておると思います。ああいうことを一つ一つ積み重ねて、きょうも今後も一歩々々解決していかないと根本的な解決にならぬと思います。その第一歩として取り組んだのでありますが、あれはきょうの問題でもある医療協議会の改組をして、よい姿に直しそれに入ってもらう。それには党の三役も入ってくれということを医師会や歯科医師会にも強く呼びかけておる一点になっておるのであります。きょうの問題も大きにあれはからんでおるのであります。今までの姿では入りにくかろう、何年も、一年半も入らなかったそれだけのわけもあろう、だから直す、きょうの問題ともこれは関係を持つ。将来また軌道に乗せますためにあの問題は非常に大事だと私は思うのであります。家の外でけんかばかりしてもしようがない。家の中に入ってお互いに話し合う場がなければならぬ。そのために両面の意味を持って私は大事だと思うので、第一歩として私はあれはぜひと思っておったのであります。同時にまた、あれについては、今お話のように、実態についての資料を収集整備するようなそういう一面も一つ補わなければ、そういう機構も補わなければいかぬ。ただ、今までの医療協議会の構成を改めるだけではなしに、平素資料を収集整備する、そういう機構も、公正な機構も作りたいものである。それからもっとまた医療費を算定するルールを確立するような機構もほしいものである。そういうものがそろって医療費問題は将来軌道に乗るのです。こういうことで、これは制度審議会でも私おじやましてそういう趣意のことを申し上げてお願いしたような次第でございます。これはこれで進みたいとどうしても思うのであります。一歩々々ということで行きたいと思うのであります。第一歩としていきたいと思うのであります。当面の問題としましての資料問題はさっきの通りでありますから、いつまでもいつまでも言ってもきりのないことかもしれませんから、これは出せる程度で考えなければなるまいからその辺はよく相談したいとさっきも申し上げたようなことであります。実態調査の資料はあるものは出します。出していいと思う。それから今後のどういう資料を集める小という機構の問題は、今言うように思うのであります。資料のことはさっきの通りでありますから御了承を願いたいと思います。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 約束の時間が過ぎましたから、資料の問題が出てこないとなかなか議論ができないのです。だから私は委員長にげたを預けておいて委員長の責任であと取りしきって下さい。いつまでたっても出ないではこれはわれわれも審議ができないということだけ申し上げておきます。

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 本件に対する本日の質疑は、この程度にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉武恵市自由民主党

○委員長(吉武恵市君) 御異議ないと認めます。  本日はこれにて散会をいたします。    午後一時十九分散会    ————・————

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