社会労働委員会 第4号
- 発言数
- 164 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/02/14
会議録
○委員長(吉武恵市君) ただいまより社会労働委員会を開きます。 社会保障制度に関する調査の一環として、厚生省関係昭和三十六年度予算及び一般厚生行政に関する件を議題といたします。
○委員長(吉武恵市君) なお、委員の異動を報告いたします。 二月十四日付をもって藤原道子君が辞任し、その補欠として江田三郎君が選任されました。
○委員長(吉武恵市君) それでは御質疑のある方は順次発言を願います。
○鹿島俊雄君 大臣に直接御質問をしたいのでありますが、後ほど御出席だそうでございますので、総括的な質問につきましては大臣御出席の後でいたします。その前に事務的な事柄もございまするので、それについて二、三の御質問を申し上げます。 それでは第一に、保険局長に次の点を質問したい。まず第一点といたしまして、診療報酬の現行支払い方式は単価点数方式である。これについて単価の有しまする経済的価値要素と点数の配分方式に関する点についてこの際確認しておきたい。それについてはっきりと簡単に明解に答えて下さい。
○政府委員(森本潔君) 現行の社会保険の診療報酬でございますが、お話のように、点数といわゆる単価でなっております。この単価がどういう意味を持つかということでございますが、昭和三十三年の新しい支払い方法によりまして、一応単価というものは十円ということになりまして、一種の計算単位と申しますか、そういうような性格に変わったわけでございまして、診療報酬の額というものは、結局、点数かける単価によってこれらを総括いたしまして、それぞれの診療行為の価格がきまる、こういうことになっております。
○鹿島俊雄君 ただいまの答弁は納得できない。単価点数方式というのは、単価に医療報酬の経済的要素があり、点数は配分方式である、医療行為の配分方式をきめるべきであるのが原則である。ところが、単価を十円にまるめたということは、当時、三十二年の医療協議会においても、これは単なる計算単位にすぎないのだという質問に対して、これは経済要素を持つものである、従って、将来医療報酬の医療費の算定にあたっては、この十円単価というものも、経済的要素があるゆえに引き上げの対象になるものであるということを政府側から説明しておるわけであります。従って、現在、医療報酬を引き上げるという段階になれば、当然単価によって引き上げるべきであって、点数は配分方式にすぎないということは、はっきりした事実である。従って、また、そうでなければ、単価点数方式というものは意味をなさないのである。計算単位とすれば、現在の点数表というものは、単なる金額表示にすぎないのであるということになるわけです。現在に至って、十円というものは単なる計算単位であるということになるならば、単価点数方式というものは完全にくずれてしまう。従って、これについては私は納得できない。これについては後ほどまた私の意見を述べたい。 それから今回厚生省は一〇%の医療費の引き上げを行なうものとするが、この一〇%引き上げというものの計算基礎がどこから出たかということは、新聞紙上に保険局当局が発表したところによると、一般診療所が六%、病院においては一四%、平均値で一〇%であるとし、これが算定の結果出たと、こう言っている。ところが、一体適正な医療報酬として算出したものか、また、どういう根拠でこれを出したのか、その根拠、及び計算の基礎と、並びにこれが適正医療報酬として出されたものか、この点について承りたい。
○政府委員(森本潔君) 一〇%の医療費値上げの根拠でございますが、これは先般も資料要求がございましたので、ただいまどういう計算をしてこういう数字を一応事務的に出したかということを提出いたすように準備いたしておりますので、詳細はそれによってごらん願いたいと思います。一口で申しますと、昭和三十六年におきますところの診療所、それから病院におきますところの医療上必要な経費は幾らかかるか、人件費、それから薬剤の費用、それから諸経費等を含めまして幾らかかるであろうかということを推定いたしまして、そうして一方、昭和三十六年度におきますところの診医所、それから病院における収入は幾らあるであろうかということを推算いたしまして——いずれもこれは一カ月単位で計算をいたしましたが、それらをにらみ合わせてみますと、ただいまお話がございましたような数字が出て参りましたわけでございます。 それで、ついてはお話がございましたような、これを適正な診療報酬と思うかどうかという点でございますが、これはいろいろ見方がございまして、ほんとうにこれが適正かどうかと言われますと、全く適正でございますと申し上げるほどの実は自信もございません。あるいは適正かもしれませんし、あるいは不十分な点があるかもしれません。あるいはただいまのありますところの資料によりまして積算しました結果におきまして考えられるところにおきましては、これが一番妥当ではないか、こういうことでございます。 なお、これらの点につきましては、中央医療協議会等におきまして諮問いたしまして、十分御審議を願って、はたしてこれが適正かどうかという点についても御意見を承りたいと思いますが、一応役所にありますところの資料をもとにいたしまして算定いたしました場合においては、一応これが一番妥当な数字であろうという結果が出ております。
○坂本昭君 関連。今、政府から三十六年度について計算した資料をにらみ合わせて、その中から適正か不適正かというお話が出ておりましたが、その肝心の資料がわれわれの手元にないのです。だからあなたがそう言われたところでわれわれは見当がつきません。その資料を前から出してもらいたいということを先週の当委員会で申し上げているはずです。従って、それを出して、そうしてわれわれが見ながら、こういう点でもって適正か不適正かという問題点がある、そういうふうに説明していただくとわれわれも理解ができる。従って、その資料を取りあえず出していただきたい。そうしたらこれからのあとの審議を続けることができると思うのです。その資料の提出を要求いたします。
○政府委員(森本潔君) ただいまちょっと申し上げましたが、その資料を作成いたしておりまして、まあ今週中にはできるかと思っておりますが、それによって詳細御説明いたしたいと思っておりますが、ただいま提出をいたしておりませんので、大まかな計算の方法並びに感じを申し上げております。いずれその資料によって御審議を願いたいと思っております。
○坂本昭君 いつ出ますか。
○政府委員(森本潔君) 一応今週中という予定をいたしております。(「きょうまで出すというのはどうなった」と呼ぶ者あり、その他発言する者あり)
○委員長(吉武恵市君) ちょっと私語をやめていただきます。
○竹中恒夫君 言葉じりをつかまえるようで恐縮ですけれども、事はきわめて重大なことなんです。今の局長の答弁で、終わりごろの方で逃げられたような感じがしますが、少なくとも医療費の算定をするにあたって、今私は資料の要求をしているのじゃない。来週まで待つという約束ですから、それはお待ちいたしますが、概念的なあなたのお考えとして、適正であるか不適正であるかは、実は自分でもわからないのだと、こういう自信のないことで、一〇%という予算要求をなさったということは、私は国政に対して、厚生行政に対してきわめて無責任であり、ふまじめだと思うのです。少なくとも中央医療協議会でどういう結論が出るかは別として、厚生当局としては、保険局長としては一〇%が一番適正だという確信でもって予算要求をなさらなければ私はいかぬと思う。で、終わりの方では、適正か不適正かわからないが、手元の資料によっておおむね妥当だと思うというようなことをおっしゃいましたが、それは言葉のあやであって、あんたの本心は適正か不適正か、自信がないのでしょう。そういうことではわれわれは医療費に対する議論もできませんし、厚生当局を相手にしての国会としての質疑もできないわけです。もっと確信のある態度でやっていただきませんと、おそらく鹿島君もこれからの質問を続行するにあたって、のれんにぶちかますような格好で、話を進めていくわけに参りません。もう一回一〇%を出された根拠について、こまかい数字的なデータは別として、信念的なことを伺いたいと思います。
○政府委員(森本潔君) ただいまの申し上げました表現について、いろいろ疑義が生じているようでございますが、こういうことでございます。役所としまして、ありますところのいろいろの資料を参考にいたしまして、利用いたしましてやりました結果、これが最も適当な計算方法であり、従って、その出ました結果も最も妥当なものであるという数字が一〇%という引き上げ率でございます。なおあとであいまいなことをつけ加えましたのは、御存じのように、この一〇%について足るか足らぬか、これでは不十分であるとか、あるいは多過ぎるとか、まあいろいろ議論がございますので、そういうこともあり、またなお、この件につきましては、本来でありますと、中央医療協議会にあらかじめ諮問をいたしまして、そこで十分御審議を願って出たものでありますと、役所だけの作業と違いまして、相当権威と申しますか、さらに確信を持って言えるわけでございますが、そういう手続を踏んでおりらぬことが一つと、それからまあこの一〇%について適正かどうかという点についていろいろ議論もございますので、一応さような言葉のあやを申したわけでございますが、役所としてこれは適正と思うかどうかと言われましたならば、これは役所としまして最も適正と思うものを算出いたしました、こう申し上げるわけでございます。
○小柳勇君 議事進行について。 今竹中委員は資料の問題については来週まで待つということでありますが、私反対でございます。坂本委員の言われるように、直ちに資料をいただいて、この委員会でやりませんと、来週しか厚生省関係はありませんが、御存じのように、十九日は全国一斉に休診しまして、医師会は厚生省案に反対された意思表示をするわけです。その場合に、われわれ国会議員として、しかも、社会労働委員として現地でいろいろ国民から質問された場合に、どういう資料をもってこの厚生省案が出されたか説明に困る。従って、私は、わざわざ、きょうは重要な委員会でありますから、ノートを一々克明に取ろうと思ってノートを取っておったところが、数字の資料もないし、資料はあとで出しますと言う、しかも、局長の説明では数字らしいものは何もない、しかも、自信がなさそうな答弁であります。そのようなことできょう委員会に出ましても、私どもは、国民の前に厚生省の一〇%値上げについて根拠のある説明ができない、そのような委員会は時間の浪費でありますから、直ちに確固たる資料が出されるか、あるいは、そこに持っておられる数字を克明に読み上げて国民の納得するような説明がなされなければ、私はこの委員会に参加することは反対です。
○政府委員(森本潔君) 資料の点でございますが、先ほど申し上げましたように、今週中に提出できる予定で整理印刷しておりますので、今すぐこの委員会に提出せよと言われましても、実はちょっと今のような準備の都合上困難であります。
○小柳勇君 そのような印刷の原稿がありますならば、その原稿を持ってこられて、ここで質問者の要点だけを数字で説明するだけの誠意を示さなければ、この委員会は無意味だと思いますから、直ちにその原稿を持ってきて、その数字によって説明して下さい。私どもも関連していろいろ数字の上において説明を聞きませんと、もう問題はただ抽象論じゃありません、一〇%の数字がいいか悪いか、どういうところからきたか、これが今国民の焦点でありますから、そのことを一つ私は今要求いたします。
○委員長(吉武恵市君) ちょっと速記をやめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。
○鹿島俊雄君 算定基礎数字の問題については、各委員の御意見、私もごもっともと思うのであります。とにかく、本委員会に、予算を諮るのに、かような簡単なもの一枚で諮ること自体がすでに誤りである。なお、現在に至ってなおその資料が間に合わぬというようなことは、実に不誠意きわまる態度だと思う。私は、他の委員の意見を尊重いたしまして、資料が提出されてから個々の問題について質問したい。 ただいまの私の質問の要点は、一〇%引き上げというものが適正だとして要求したのかという点を聞いたわけです。そこで、私はこの際、医務局長にも質問したいのだが、一体、医療担当者の報酬についてたとえば同程度の文科系大学を出、同程度の家族をかかえた者と比較したとき、医療技術者としての報酬との立場がいかにあるべきかということと、また医療担当者としての生活基準あるいは報酬基準というものを検討したことがあるかどうか、そういったことが解明されない限り、これが適正か不適正かということは言えないと思う。従って、厚生省の考え方が、生活をやっていければいいというような考えが、算定の基準になっておるのじゃないかという点、もう一つは、保険医としての立場が単に医療技術者としての立場で考えておるのか、あるいは企業体として考えておるのか、こういう点も大きな問題になると思うのです。とにかく、自己資金によって診療所を開設し、その中で社会保険医療に従事しておるこの医療担当者に対して、単なる医療技術者としての立場で医療費が適正であるか不適正であるかということを論ずるのか、あるいは、企業形態の形において考えるのか、これも大きな問題だと思う。従って、この点について意見を聞きたいと思います。先に保険局長に。
○政府委員(森本潔君) 保険医療機関と申しますが、保険医というものは、ただいまお話がございましたような二つの性質をあわせ持っておると思うのであります。医療の技術の提供者という点は、これはもちろんでございますが、同時に、医療機関を経営する、ことに個人の医療機関におきましては、自己の資本をもちまして技術とあわせて各種の資本を投下いたしまして経営いたしておるのでございます。従いまして、保険の診療報酬を算定いたします場合におきましては、単なる医療の技術の提供者であるという見方でなしに、一つの病院なり診療所なり歯科診療所なりの経営できるという見地から考慮していかなければならぬと思います。
○鹿島俊雄君 そうすると、この算定の基礎の中に、かりに企業体として企業性を認めるとすれば、当然投下資本に対する利回りであるとか、それから企業そのものの危険負担というようなことも当然考えられなきゃならぬはずなんだが、そういった要素は入っていますか。
○政府委員(森本潔君) ただいまの資本に対する利子あるいは危険の問題でございますが、これは従来におきましても借り入れ資本に対する利子というものは見ておりました。それから今回の算定におきましては、自己資本と申しますか、投下資本に対する利率、利息というものを若干考慮いたしております。借り入れ資本に対する利息を見るということは当然でございますが、自己資本に対して若干の利率を見るということは、やはりこれは企業といたしまして、まあ言葉は適当じゃないかもしれませんんが、将来の拡大再生産というもの、まあ言葉は適当でないかもしれませんが、そういう意味の考慮も若干今回はいたしたわけでございます。
○鹿島俊雄君 その詳細については、数字の提出を待って私は質疑をいたします。そこで、ただいままでこの一〇%というものは大体適正であろうという観点に立っておるというわけですね。ところが、大臣の最近各方面における発言によると、この一〇%というものは確定的なものではない、医療協議会等において意見が出ればこの数字は動き得るものだ、上昇しても差しつかえないのだということが言われておる。そうなると、一体厚生省はこの数字の発表の根拠——また、ただいま保険局長の発言によると、確信をもってこれを発表したというが、大臣は、医療協議会の意見によれば、上昇もやむを得ないんだと、非常に民主的な発言があったわけです。ところが、これに対して現在まで厚生省の諮問機関等の状態を見てみると、たとえば社会保障制度審議会等において数次にわたって重要な諮問答申が行なわれておる。この中に、相当社会保険医療制度に関する重要なものが数次にわたって答申されておるわけです。しかしながら、これらがほとんど実施されておらない現状なんです。従って、私どもは、さような大臣の発言というものに対しましては非常に危惧を感ずる。同時に、この予算を要求する現状においてさような発言をされることにつきましても、私は、何と申しまするか、この予算要求の根底が薄弱で、単なる腰だめ要求であるというような感じが強いのであります。私ははっきり申し上げると、とにかくこの段階で一〇%の引き上げで医療担当者の診療報酬は適正になるのだというようなことは考えられない。とにかく昭和二十六年以来、今日までわずかに八・五%の上昇にすぎない。こういうことは、他のあらゆるものに比較いたしまして妥当と言えない。従って、この機会に一〇%を上げ、これで適正化されるのだ、しかも計算の結果一〇%出たというようなことは、私はおかしいと思う。これは逆算形式による単なる腰だめ要求にすぎないと私は思う。こういったところをはっきりしておかないと、医療担当者も納得しないのではないかと思う。資料が出てからこれについては大いに検討したいと思う。 それからこの算定にあたっては、実態調査の資料がない。従って、やむを得ず昭和二十七年の古いデータを補正して算出をしたと言っておる。とにかく補正をした、そこでこの補正に用いた資料について問題になる点が相当あるが、各医療行為の頻度等の点が大きな問題になると思います。従来厚生省は、この頻度の調査にあたっては、わずかに年間を通じて一カ月分程度を計上してこれをやっておる。ところが、医療行為というものはきわめて季節変動の多いものである。これは十分御承知の通りと思う。従って、できるだけこの季節変動を算定に入れた中で頻度を計算しないと、大きな誤りが出てくる。それで、過般の点数表改正においても、厚生省の予定した八・五%に達するものと達しないものが出てきておるのは、そういった頻度のとり方においてきわめて不適正なものがあることによると思う。数字についてあとで質問いたしますが、この頻度の算定についてはどういうように取り扱ったか、ちょっと聞いておきたいと思います。
○説明員(館林宣夫君) 昨年の五月の社会医療調査を使っております。
○鹿島俊雄君 年間の各医療行為、頻度はどういうような形になっておりますか。相当山と谷があるはずでしょう。なぜ五月を採用したか、聞いておきたい。
○説明員(館林宣夫君) 鹿島委員のお話のように、医療行為には季節的変動 がございまして、夏は非常に医療行為あるいは件数が多うございまして、冬 は少ないという特殊な傾向を示しております。従って、従来から頻度表は春または秋をとることが通例でございまして、春は三月とか、あるいは五月とかいうのがしばしば用いる季節でございます。秋は十月をしばしば使うわけでございます。社会医療調査は毎年五月を使っております。
○鹿島俊雄君 この頻度の取り扱いにつきましては、かつて昭和三十二年に医療費算定の際の医療協議会でも相当問題になった点でありまして、医療担当者は季節変動の補正を強く要求したはずであったのであると記憶する。その後依然として厚生省はこれを改めない。こういうような一方的な算定方式を用いるために、医療関係団体では実態調査等に応じないのであると思う。従って、この頻度の取り扱いについては季節変動があるのでありますから、これを当然考慮に入れてやらなければならぬ、私はこう思うのであります。この点についても、数字の出たとき触れてみたいと思います。 次に、医療技術の、医療費の算定の基本となる基準でありますが、過般の中間発表か何か知らぬが、当局は病院と個人診療所の格差を発表した。病院には高度の施設とまた構造上の差異があるのであるから、これにはある程度高い医療報酬を支払わなければならぬ。個人診療所については、その逆の形になるので、低い医療報酬の対象でいいのだということである。こういうことだと、医療技術の算定というものは、構造と施設に対して行なわれるものでということになる。医療技術算定は、当然医療技術そのものに対し行なわれるべきである。厚生事務当局の中間発表によると、全く医療技術の算定は、構造と施設が対象になるわけで納得できない。第一線に立つ個人診療所、一般診療所の適正医療技術料というものは全く等閑視されることになる。これについてはっきり所信を承りたいと思う。
○説明員(館林宣夫君) お説のように、病院でありましても、診療所でありましても、医療技術上の差異をつけるべきでないことは私どもも思っておりまして、かりに診療報酬の適正な点数表を作る場合にもそのような技術上の差異をつけるべきではないと思っております。
○鹿島俊雄君 今の発言ですと、絶対にさようなことはないというが、もちろん病院と個人診療所に格差がつくはずがない。しかし、発表したものは、計算の結果、収入、支出の、バランスにおいてそういうものが出たと言っておる。そこで私は突っ込んで聞きたいことは、個人診療所の方は必要経費その他の支出算定については一応低いものが出るが、それは実態をつかまないものであるのであって、これで所得算定を行なうことは大きな誤りである。病院等は少なくとも勤務医等によって運営されている。従って、一定稼働時間内において診療が行なわれるわけであるから、そこに稼働力の点においては限界がある。ところが、個人診療所においては、もしこの勤務医的な感覚状態で医療行為に従事した場合にはそこに当然赤字が出てくる。個人診療所は赤字を出したのではやっていけない。従って、そこで家族稼働であるとか、稼働時間の高度の延長であるとか、あらゆる方策を講じてようやく経営を保っているわけだ。この稼働アルファというものがきわめて私は重大だと思う。前回の委員会において山本保険局次長は、それらの点については心の底においてこれを考えると言っておる。かような不遜きわまる答弁をしている。心の底において考えるということは、こういったようなアルファの稼働力というものを考えていないことだ。無限の稼働力を増強して、莫大な事務量の繁雑に追われ、家族の稼働増加においてようやく経営を維持している個人診療医は立つ瀬がない。その実態というものをはっきり把握もしないで六%引き上げに持っていくことははなはだ不都合である。現在保険医の所得というものは非常にふえたというような錯覚を与えている。確かに総収入はふえた、自由診療がなくなるのであるから、当然社保診療報酬の収入はふえてくる。しかしながら、これはあくまで所得の増強ではないのであります。従って、直ちに、最近の保険医の所得がふえたという状況であると判断するようなことを厚生省が発表しているが、これは納得できない。個人診療所におきまする家族稼働等の諸アルファを精密に算定せずして六%になると発表したことはまことに軽卒と思う。この点についてはどういう見解を持っているか、これは保険局長からはっきり聞いておきたい。
○政府委員(森本潔君) ただいまの御発言は、病院は別として私立の診療所、個人の診療所におきましては、非常に患者数がふえて労働強化されたわけであります。それをどういうように考えておるか、あるいはさらに家族労働というものがあるが、そういうものを十分考慮しておるかどうか、こういう御質問と伺ったのでありますが、その点につきまして、まず最初の労働強化の点でございますが、いろいろ調査いたしてみますと、昭和二十七年ころの患者数が、当時約二十一人ぐらいかと思うのであります、診療所その他で。それが最近においては四十人近くの患者数になっている。従いまして、そういう点で労働強化というものはあると思います。この点につきましては、患者数がふえましたのに伴いまして、役所で言いますと超過勤務と申しましょうか、患者が見えたならばこれはどうしても見ていただかなければならぬのが、しかし非常に数が多くなると超過勤務的なものを考慮しなければならぬ、こういう配慮をいたしておるわけでございます。 それから二番目の家族労働の点でありますが、これも家族の中でまあ二種類あると思うのでありまして、一つは、家族の方が大部分その診療業務の援助をしておられる。たとえば事務の仕事であるとか、あるいは薬剤師の方であれば薬剤、調剤の仕事であるとかいうような、大部分、専従者的な態様で従事しておられる、この方につきましては、もちろんこれは専門の、一つの専業者としての給料を認めます。それから、そこまでいかなくても、部分的に診療の手伝いをしておられるという方がございますが、これにつきましては、昭和二十七年の三月調査において、そういうものを当時調査において基礎数字と見ておりますので、それを引き伸ばしておるわけでございます。従いまして、まあ見方について十分かどうかという点はございましょうが、一応労働強化分、あるいは家族労働分については計算上見込んでおるわけでございます。
○鹿島俊雄君 そうすると、そういったアルファの要素というものは今回の算定の中に数字的に証明できますか、完全にできますか。
○政府委員(森本潔君) あとほど数字で申し上げたいと思いますが、資料によって申し上げたいと思いますが、見込んでおります。
○鹿島俊雄君 そこで次に、総医療費の中には今回医療報酬引き上げに相当する部面と、薬剤あるいは資材の部面とがあります。そこでこの際、科学的に医療報酬引き上げを算定する場合は点数表の改正によらなければならぬということを事務当局は言っておるのであるが、そうなると、いわゆる点数表による科学的な医療報酬引き上げの算定にあたってはそのうちで問題になってくるのは当然薬剤、資材だと思う。特に薬剤の占めるワクは非常に大きいものである。この際どのような数字を持っているか、はっきり聞いておきたい。
○説明員(館林宣夫君) 詳細な具体的な数字は、後ほど資料を御提出する際に御説明申し上げますが、考え方といたしましては、御承知のように、今の甲乙両表とも薬剤の部分は別途支払いになっておりますので、点数表からある程度薬剤の部分を分離して計算することができるわけでございます。従って、診療報酬の頻度表から薬剤の部分を分離いたしまして、それから薬剤の原価を計算いたしてございます。
○鹿島俊雄君 頻度表から薬剤の部分を抜くということは数字があることになる、そうならば一応簡単に説明してもらいたい。一体薬剤の占める総額というものはどのくらいであるか。
○説明員(館林宣夫君) 総体的に申しますと、おおむね二〇%前後でございます。これは病院、診療所によって多少の違いがございますが、総医療費の中ではおおむね二〇%でございます。
○鹿島俊雄君 ここで問題になるのはおおむね二〇%というところなんです。莫大な総医療費の中でおおむね二〇%ということは大きい数字的要素を持っているわけです。たとえば総医療費四千億円とすれば一%の違いはもうすぐに四十億円というような莫大な変動を来たす。この薬剤あるいは資材の面と医療報酬の引き上げとは非常にからんだ関係にあるのであるから、こういったものを正確に把握しないで科学的に算定がされたなんということはおかしい、おおむね二〇%というならばそのおおむねというものに対しても何か根拠がなければならぬ、どうも私の今まで聞いたところ、また、厚生省の説明等の様子から見ると、これを算出した正確な資料がないと思う。また、その資料を完全に推算することは不可能であるというようなことをある場所で説明している。これについてなおはっきりとしておきたい。おおむね二〇%では私は了承しない。少なくとも総医療費の中で薬剤の占める額がわからぬ、おおむねだというようなことにおいて医療費の科学的算定ができるはずがない、これについてもっとはっきりした答弁をもらいたい。保険局長からはっきり明確に答えてもらいたい。
○政府委員(森本潔君) 医療課長から。
○説明員(館林宣夫君) お手元にあります資料から詳細な数字を申しますと、病院における甲表総点数を一〇〇といたしますと、投薬点数は二・九二八%、注射点数が七・五一八%、乙表は、病院において総点数を一〇〇といたしますと、投薬点数は二三・二七六%、注射点数は一九・七八二%でございます。 診療所におきましては、甲表におきましては、総点数を一〇〇といたしますと、投薬点数は一一・〇九四、注射点数は八・八三六、乙表におきまして、総点数を一〇〇といたしますと、一般診療所における投薬点数は三三・六六七、注射点数は二八・七八六、歯科におきましては、総点数を一〇〇といたしますと、投薬点数は〇・六三九、注射点数は〇・〇一であります。 これらの個々の点数中における投薬、注射の原価は、甲表投薬におきまして、診療所は一〇〇・〇%、甲表注射におきましては九四・二〇%、乙表投薬におきまして三九・八〇%、乙表注射におきまして三四・三五%。 病院におきましては、甲表投薬におきまして九九・二七%、甲表注射におきまして九三・七〇%、乙表投薬におきまして、病院は五四・五六%、病院乙表注射におきまして四五・四三%、歯科におきまして、甲表投薬一〇〇・〇%、注射におきましても一〇〇・〇%でございます。
○鹿島俊雄君 今説明された数字についてはよくわからないので、資料を作成して配付を当然願わなければならぬ。そこで、今読み上げられたものは−支払い基金等に関連のあるものだけでございます。それ以外のものはどうなっていますか。
○説明員(館林宣夫君) 社会保険並びに政府保険につきましては、昭和三十四年五月の、国保につきましては昭和三十四年九月の国民健康保険医療給付実態調査の結果を用いて算定いたしたわけであります。
○鹿島俊雄君 そうすると、おおむね二〇%ということじゃなくて、管掌別、それ以外のものを次回でけっこうですから、数字をはじめて表わしてもらいたい。それから今回算定をする時期に推計したということであれば、資料が出るはずなんです。とにかく科学的にやったのだという以上はそういったものをはっきりしておかなければこれは納得できない。今般、単価によって医療報酬を引き上げる要求がなされた、ところが、それはまずいのだ、単価によると科学的な算定ができない、まことに奇妙な答弁が厚生省で行なわれておる。最も簡単なのは単価である。単価によればこれは医療報酬の経済要素であるから、結局諸指数によってこれをスライドすれば簡単にできる。点数の方は配分方式でありますから、そうあってしかるべきことである。これをどうしても点数に持っていこうというところに、私は納得いかぬところがある。従って、この正確な薬価の数字とまた各医療行為の頻度というものが当然問題になってくる。この押え方で引き上げ算定というものは変ってくるから、その点についても今医療課長が読み上げられたその数字の裏づけをもっとはっきりと次回に、資料提出の際に出してもらいたい。
○藤田藤太郎君 今の総医療費に占める薬剤関係、薬価の問題ですが、そうすると、日本の医薬製造の量、皆保険になったときにどういう工合に医薬製造等の関係がなっていくか。それから医薬製造は国内消費と要するに輸出貿易に回る面とがあるわけですから、私らの聞いておる分では、今の総医療費の二〇%、来年から皆保険になることですから、四千億としても八百億になるわけですから、今の日本の薬品生産というものは千三、四百億ということになっておるのですが、その関係はどういうふうになっておるのか、そこのところを少し私は関連して聞いておきたいと思います。
○説明員(館林宣夫君) ただいま先生のお話のように、わが国の薬の総生産量は千数百億といわれております。正確なことはわからぬのでありますが、多分これは薬務局長の方からお答えがあることと思いますが、社会保険の方は今先生お話がありましたように、四千二、三百億の中の二〇%でございますから八百五十億ぐらいだと思います。従って、これにほとんど匹敵するか、これよりやや少ない程度のものが生産されてどこへ回っておるかという問題でございますが、私どもの総医療費の考え方から考えれば、一般の市販とかあるいは輸出の分を含めてそういうことになるんじゃなかろうか、かように推定しております。
○藤田藤太郎君 皆保険ですよ、今のような状態ではないですよ。皆保険の中における薬品の問題と薬品生産の問題との関係をどうするか。これはちょっと次官か薬務局長がおらぬので困るのですけれども、そこらあたりきようではなくてもいいのですけれども、そこのところを明らかにしておいて下さい。
○鹿島俊雄君 次に、医務局長に質問したい。従来までこの社会保険診療報酬の問題においてはなかなか医療担当者、保険者、被保険者側の意見の一致を見ない。これはある意味においてやむを得ない現象だとは思いますが、こういったようなことが過去十数年間行なわれてきた。そこで厚生省としては、ただいま保険局長は現行の状態において総医療費の一〇%を上げれば大体適正なんだと言う。一体医務局はこの医療担当者、医療技術者の報酬基準というものをどう考えておるか。もっと端的にいうと、同じ程度の法文科を出たサラリーマンの報酬基準と、医療担当、医系の報酬基準との比較問題についてはどう考えるか。これは同等に考えておるのか、格差をつけて考えておるのか。一般報酬基準から見たときに、医療担当者の技術とのいわゆるアルハアというものをどう算定しておるか。どのように基準を考えておるか。こういったことも適正診療報酬ということになってくると問題になってくると思うのです。こういったことは医務局においても当然考えてしかるべきだと思う。こういう点について今まで検討を加えたことがあるのか、こういう点について承りたいと思います。
○政府委員(川上六馬君) 医師は御承知のように、相当教育期間も長いわけでありますし、学校を出ましても、また相当の修練を経て初めて実際の診療に従事する人が多いわけでありますから、そういう点におきましても、私は、やはり法科などを出た一般事務員の方よりも優遇すべきだという考え方を持っているわけでございます。しかし、どの程度に他の職業の方と比較してどの程度優遇すべきかということについては、まだ調査もございませんので、今回、そういう点に目安をつけてやったということではないわけであります。先ほども説明がありましたように、もともと二十七年の実態調査を基礎に置いて、それからいろいろな資料を用いて算定したわけであります。しかし、私の方からもできるだけよい待遇をしてもらうように意見を申し出てあるわけです。資料が出たときに御審議を願うことになると思いますけれども、一応現在のところ、この程度を妥当ではなかろうかと考えております。
○鹿島俊雄君 熱心に答弁せられる努力は認めますが、どうもちょっと、今の答弁の趣旨は徹底しない。今の医務局長の答弁によると、現行の診療報酬というものはおおむね適当である、こういうわけですか。
○政府委員(川上六馬君) 現行のものは安い、それをよくするために今度改正したわけで、医師の待遇についてはおおむね妥当だと思うわけであります。
○鹿島俊雄君 そうすると、医務局長の考え方は、一〇%上げると現在の医療担当者の報酬は適正化される。それではこれはどこに基準を置いてあるのか。要するに、医療担当者の報酬基準を決定するものがないのに、一体、適正診療報酬といったところでこれは水かけ論になってくる。かりにも厚生省は医療団体の主務官庁である以上は、そういったことを一度でも考えたことがあるのかと言っているのです。あなたは、一〇%上げれば適正になってくる、プラス一〇%の現状というものが医療担当者の適正診療報酬であるということを言うが、それで間違いないのですか、そういう意見ですか。少し答弁がお困りのようであるから、十分考えて答えて下さい。 その前に保険局長に同様のことを私は質問したい。保険局長はどう考える。
○政府委員(森本潔君) ただいま医務局長から申し上げたと同様でございますが、医師の技術報酬と申しますか、あるいは生活費と申しますか、それを社会のどの階級のどの程度のものに考えるかという点がこれは問題でございます。これはなかなかむずかしい問題でございまして、イギリスあたりではいろいろな評価もしているようでありますが、日本におきましては、まだこういう評価をすれば一番いいというような結論は出ていないのであります。これは今後十分検討しなければならぬと思います。 それで、今回私たちの方で算定いたしました気持は、昭和二十七年三月の当時の実態調査によりますと、当時の医師一人当たりの生計費が出ております。その生計費を、二十七年三月当時の他の一般国民の生計費というものと−比較して参りますと、相当上位にあるわけでございます。ちょっと数字は今確実に覚えておりませんが、大体百人の人の中で、上から四番目くらいな格づけになるわけでございます。平均的に百人の人を選びますと、その中で上から四番目のランクにおったのであります、二十七年三月におきまして。百人中、上から四番目といいますと、これは相当高いレベルじゃないか。それが他の職業とどんな関係にあるかは別といたしましても、平均的に見ますと、そういう感じがいたします。一応そういう感じがいたしますので、その階級に属する人−上から四番目に属する人が、昭和二十七年の三月から三十六年におきまして、そういう生計費の伸びが非常に違っているわけでございます。低い人の伸びと所得の高い人の伸びというものは達っおりますので、上から四番目の方の高い生活費の伸び率をとって考える、こうすれば、いろいろ議論もございましょうが、まあ上から四番目の人の生計費の伸びというのでおおむね妥当な線じゃないだろうかというふうに思っております。この点は非常に議論のあることは承知いたしておりますし、それから他に適切な方法をとらなければいかぬということも存じておりますが、ただいまのところ、その研究がはっきりいたしておりませんので、今度はさように考えてやったわけであります。
○鹿島俊雄君 今の保険局長の答弁は要するに、結論的に言うと、適正な診療報酬というものは、何ら科学的根拠もない、むずかしいものだという答弁と受け取れる。ただし、昭和二十七年当時諸報酬の四番目のランクを持つものであるから、安くないのだ、というような意見にも聞えてくる。そうすると、厚生省は二十七年におけるデータを基準にしてその後大体各種の業態から、形態から見て、上から四番目の線が医療担当者の適正診療報酬の基準と考えて、いけばよいということにもなる。しかし、昭和二十七年の医療担当者の生活実態というものは必ずしも適正じゃない。昭和二十六年に医療担当者側において相当のデータを示して医療報酬の引き上げ要求をしたわけです。ところが、当時わずかに一円五十銭程度の引き上げに終わってしまった。結局、その当時の実態をもって、それをスライドすればいいのだというようなことは成り立たぬと思う。従って、もっと突っ込んで検討を加えない限り、適正診療報酬であるとか、適正でないとかいうようなことを厚生省が言う資格は私はないと思う。一〇%上げれば適正化される、どこに基準があるかということになってくる。 そこで私は、もう一回、こまかいことであるが、一〇%の引き上げによって、一体それで医療担当者の生計費指数なり、エンゲル係数というものがどうなってきますか。特にエンゲル係数はどの程度になるのか、一〇%上げれば。
○説明員(館林宣夫君) 総所得が幾らになるかという計算はいたしましたが、その中の食糧費がどの程度を占めるかという数字は持ち合わせておりません。
○鹿島俊雄君 報酬の基準を論ずるときに、生計費というものは重大なものです。その生活水準を示すものはエンゲル係数であって、これによって生活水準というものを一応判定しておるわけです。それを調べないで、一体一〇%上げてどの程度の指数向上を示すのかということがわからない状況において、それが適正だなんということは私はおかしいと思う。そういうようないいかげんなことで、診療報酬は一〇%引き上げが適正だということは全く私はおかしいと思う。かりにも診療報酬というものを決定するのには、生計費というものが重大な判定要素であるべきはずなんです。その中で重大なエンゲル係数等がわからないまま、ただ一〇%上げたら適正だというようなことを言うから問題になってくる。どうしてそれがはわからないのか。やったことはないのですか。またそうして他の業態と比較して初めてその報酬というものの判断がつくものである。さっき言ったような上から四番目だとか五番目とかいういいかげんな答弁じゃだめだ。諸係数そういったものによってその報酬というものの基準が論ぜられるわけです。これについて保険局長から重ねて聞きたい。
○政府委員(森本潔君) ただいま医師と申しますか、診療所の所長と申しますか、そういう方の所得、あるいは生計費の見方についていろいろ議論がございますが、こういうことも申せるのでございまして、私たちのやりました作業の仕方は、人件費であるとか、それから衛生材料費、薬品費あるいはその他の諸経費、それぞれの項目について計算いたしております。そうしました結果が一〇%になったわけでございますが、ものによりましてはこれはほとんど物価変動の影響がないものもございまして、横ばいであって上がらないものもございます。そういう部門につきましては、上昇率あるいは一%あるいは横ばいの場合は〇%でございます。ところが、人件費でございますとか、あるいは医師の所得とかいいますものは、これは平均一〇%以上に伸びておるわけでございます。そういう事情もございますので、院長の個人の生計費あるいは人件費が一〇%伸びたということではございませんので、個々の費目について見ますと、たとえば個人立院長の生計費でございますが、これは昭和三十三年に約七万円程度という当時積算をいたしておりますが、それが今回におきましては約十一万円程度になっておるということでございまして、その部分につきましては何。パーセントになりますか、七万円が十一万円でございますから、非常な上昇をいたしておりますというような事情もございますので、各費目について一律に一〇%でなくして、計算上はそれぞれの項目によって非常に差があるというととを申し上げたのでございます。
○鹿島俊雄君 あなたは私の質問に答えていない。結局そういったような積算がなければ数字は出ないわけなのです。一〇%も出ないはずだ。生計費の中で食費が幾らを占めておるのか、そういった計算がわからずしていいかげんにきめたものは何ら根拠はないのじゃないか。そういったものがあれば、簡単に生計費の中で食費の占める割合は幾らなんだというエンゲル係数はすぐ出る。割り算をやればできる。これがどうしてわからないのか。これはすぐわかるわけです。
○説明員(館林宣夫君) お話のように、総所得がどの程度であれば大体エンゲル係数はどの程度であるかということは他の資料からは推定できるわけでございますが、私どもが今度積算をいたしました根拠は、エンゲル係数から積み上げたものではないという事情を申し上げたわけでございまして、お尋ねのように、エンゲル係数はどの程度になるかということでございますれば、後ほどまた調べて御説明申し上げます。
○鹿島俊雄君 後ほど調べるのもいいけれども、一体それでは何を基準にしてその計算をやったのか、私は疑問に感ずる。当然生計費、そういったものを分析し、検討し、積算しなければ出ないはずだ。確かに今度の一〇%というものは単なる私は腰だめ方式であると思う。計算の結果ぴたりと一〇%が出るということはあり得ないと思う。前回もそうだ。三十二年にも診療報酬の検討を加えた結果、八・五%になりましたという発表があった。それを金額に直すと一円なんだ。そういうふうにぴたりぴたりと端数の出ないようなことが計算に出るはずがない。これは逆算にほかならない。私はそう思う。そうじゃないでしょうか。どうですか。計算した結果ぴたりと一〇%と出たのですか。前回も八・五%で金額に直すと一円なんだ。そんなことはあり得ない。結局医療費の引き上げというものは厚生省が腰だめでやったというならそうでいいのだが、科学的積算の基礎に立ったということになると、私は相当検討を加えないと納得できない。そこで今エンゲル係数もわからないという。そんなことでわれわれのランクが上から四番目だとか五番目だとか……。人間は生きておるのだから、ものを食べて生きておるのだから、そういったものの基礎もわからぬ、こういうことで完全なものと言えますか。もう一回はっきりしてもらいたい。
○政府委員(森本潔君) 一〇%の根拠について、一〇%という数字が腰だめ的なものではないか、逆算したんではないかというような意見でございますが、これは後ほど、先ほど申し上げましたように、資料をもって御検討を願います。ともかく一つの積み上げ計算をいたしましたそういう結果でございまして、正確に申しますと、たしか一〇・一%であったと思いますが……。
○鹿島俊雄君 もう一ぺんはっきりして下さい。
○政府委員(森本潔君) 正確に申しますと、一〇・〇四でございます。これを一〇%と言うのでございます。正確に申しますと、一〇・〇四でございますが、これはやはりいろいろ積み上げ計算した結果でございます。
○鹿島俊雄君 先ほど適正診療報酬に関して医務局長に質問しておりますが、医務局長は、これに対してお答えいただけますか。これに対してわからなければわからないで……。そこに問題がある。医務局長、私はあなたに質問していることは、現在重大な社会保険医療をこれを保険局だけにまかせてあなたは何も関係はないのだというような立場に置かれているかどうか知らないけれども、こういったものをあなたは十分検討を加えるべき責務があると思う。そうでないと医務局は不要だと思う。今の状態では医療報酬算定を一体どこに基準を置くのかわからない、今一〇%引き上げならよくなるということは、噴飯ものだと私は思う。そういうことであるから、社会保険医療制度というものに関しましては問題が起こるのであって、一部局の独裁が行なわれるので、物議をかもすと私は思う。あなたの明確なる答弁を求めたい。わからなければわかないで、この次に答えて下さい。でなければ、医務局長は、この医療報酬に関しては何も意見がないということであれば別です。
○政府委員(川上六馬君) この今度の医療費が、一〇%上げて適正かどうかということは、私の方も……。
○鹿島俊雄君 医務局長、私の言っていることは、一体医療担当者の生活基準なり技術料を定める場合に一体何を根拠にしたらいいか、そういうことを聞いているのです。そうでないと厚生省は一適方的に適正だ適正だと言い、医療担当者は適正でないと言い、そういうことになってくる場合、そこに何ら物さしがない、どこに基準を求めるかということを聞いている。監督官庁である厚生省が、そういうことを全然検討を加えないということがおかしいからこれを言っている。今の状態で一〇%上げたら適正化されたというようなことは、これはあとにして下さい。そういうことを一ぺん考えたことがあるか。先ほど保険局長が言ったように、二十七年に上から四番目であったら上から四番目であったということでいいというのか、上から二番目がいいのか、十番目がいいのか、こういうことを聞いているのです。そうでないと社会保険医療報酬というものは、当然一方的にきめられるものではない。しかしまた、保険者、被保険者等の負担等も一応考えて適正にきめられる、そうでないとお互いに納得いかない、医療報酬は十年間で八・五%しか上がっておらない、これに対して引き上げ要求をすると、単に見かけの生活が医者はいいから、その要求は頭から不当だということにされてしまう。さっきも言った通り、東京の例を引くと、大体医者で保険収入五万円以下の総収入のものが一八%もおる、歯科医師においては三七%が六万円以下である、こんな総収入の世界におるわけだ。そういったことを今まであなたは御存じであろうと思うが、そういうことについて聞いているのです。不幸にして医務局は、医療担当者は保険局の所管であって関係はない、と言うならそれでよろしい。医療技術者というものの報酬基準ですね、これをどこに置くかということがないと、適正診療報酬算出をしましたというようなことは厚生省は言えませんよ。それを私は聞いておるのです。
○政府委員(川上六馬君) 先ほども申しましたように、医者の社会的地位とかあるいは医療技術というものをどう評価していって、他の職業に比べてどういうランキングに置くかということは、日本ではまだ十分な調査がないわけでございます。そういうことで先ほど申しましたように、このたび二十七年の実態調査をもとにいたしまして、いろいろな資料を使って計算されたわけでありますが、私どもといたしましては、医療担当者の待遇はなるべくよくしたいと考えたわけでございます。先ほどお話ししましたように、不十分といえばそうでもありましょうが、一応従来よりもだいぶよくなっておるわけでありますので、われわれは保険局の計算されたこのたびの結果に対して一応了承いたしたわけであります。
○鹿島俊雄君 私はこれからよくなるとか相当しなければならぬとかいうことを聞いておるのじゃない、これは当然そうあってしかるべきだと思いますが、それを聞いているのじゃないです。たとえば今までもるる申し上げている通り、医療報酬をめぐって相当長い間論争が続けられてきておる。従って、いつかこれに終止符を打たなければならぬと思う。たとえば社会保険診療報酬を科学的にきめる委員会を作るという意見も出ております。そのときに必要なのはその算定のものさしなのであって、ただ他の業種と比較してやっただけでいいのか悪いのか、そういったことが起こってくると思うのです。従って、医療協議会も今後改組されてやるそうだが、どういうものができるか知りません。できたときにまたそういう問題が起こってくると思う。今あなたの御説明によると、少なくとも厚生省には適正診療報酬はもちろん、医療技術者の報酬基準というものは考えたこともない、まだ資料もないのだ、そういうことになると、現在のものが適正であるとか適正でないとか言う資格はないと思う。それではあくまでもただ他の比較による一定のバランスというか何というか、腰だめ的なものにすぎない。ただ一〇%引き上げをやれば適正なんだと言うところに問題が起こってくる。たとえば医療担当者においても、おそらくその要求するものが全部通らぬとは思っておるでしょう。今の国民生活の上から見て被保険者の負担力にも限界がある。しかし、そうなれば国がこれに一定の補助を加え、調整をするということは当然出てくるのです。その際に適正診療報酬はこうだということを納得するようなものがなければ、永久にこの報酬問題は解決つかないのです。今までない、今までないでぼうっとしておることはまずいと思う。今後厚生省は、適正診療報酬にいたしますなんということは私は言えないと思う。言わない方がいいと思う。この程度で私は質問を打ち切りますが、今政務次官がおいでになられましたので、二、三御質問いたします。
○小柳勇君 ちょっと今の関連質問です。さっき昭和二十七年の三月の実態調査ですね。それから百人中四番目で医者が格づけされて、それが三十三年にこう引き延ばしてきた、こういうことですね。それで三十三年に七万円とったのが、今度は医療担当者を十一万円に考えた、そう私は理解してよろしいわけですか。
○政府委員(森本潔君) お話の通りでございまして、昭和二十七年三月の実態調査におきますところのこの医師の所得というものを見ますと、これは当時におきますところのFIESでございますが、それを見ますと、上から約四番目になっておる。そしてその階級の人が二十七年から三十六年の今になりますとどういう伸びをしているかというこれも指数をかけてやりました、そういうことでございます。
○小柳勇君 そうしますと、三十三年の七万円というのも、この大体大数から言いますとそのランクにあったということでございますか、大体四番目くらいの格づけだった……。
○政府委員(森本潔君) もう少し正確に申しますと、三十三年というのは無視をいたしまして、二十七年三月から三十六年まで一度に引き延ばしたということでございまして、二十七年三月におきますところの十一万に対応いたしますのが三万三千円でございます。それから三十三年という時点は使っておりません、算用の上におきましては。二十七年からまっすぐに上昇率をかけまして十一万何がしを出した、こういうことでございます。
○小柳勇君 そうしますと、十一万円にいたしますと五七%プラスということになりますが、医療担当者については、三十三年に比べて今回の一〇%引き上げの内容は五七%プラスだということに理解していいのですか。
○政府委員(森本潔君) 平均的には一〇%の引き上げでございますが、個々の……私の申しますのは計算の基礎でございますが、一〇%の計算の基礎におきましては、今の生計費においては七万円が十一万円になった、このパーセンテージはちょっと計算いたしておりませんが、今お話のように、五十何パーセントに近い数字じゃないかと思います。
○小柳勇君 今、鹿島先生の御質問は、ただ計算の基礎を御質問したのじゃなくて、医療担当者の生計実態を基礎にして、一〇%の引き上げでは食えないのじゃないかというのが質問の根拠です。で私は、昭和三十三年で七万円の人が今度の基礎では十一万円になるのですから、五七%プラスでありますよと、私の質問は生活実態というものが生計費から考えて五七%プラスになりますぞ、こう理解していいですかと質問しているのです。
○政府委員(森本潔君) 積算の考え方におきましてはその通りでございます。
○小柳勇君 積算の基礎ではなく、数字ではなくて、生計実態として生計の面から考えて五七%、昭和三十三年から大体十一万円になったということは、ストレートに考えたらいろいろありましょう。いろいろありましょうが、医療担当者というものはそれまでに生計費も引き上げ得るものであると、こう理解していいかということであります。
○政府委員(森本潔君) 平均的に申しますればその通りであります。
○坂本昭君 関連。先ほどの鹿島委員からの質問に対する医務局長の答弁、その中で昨年の特別国会のときに当委員会で要請した資料がまだ未提出でございます。それは看護婦の賃金問題についてまだ資料を出してきていない。先ほど来、医務局長の答弁を聞くと、医療担当者について十分な検討も加えられていない、それからまた、医療労働者全般についての検討も加えられていないとすれば、先般あの病院ストを中心として、われわれが、特に看護婦の賃金状況はどうなっているか、それについて資料を出せということを幾たびも要請した、がしかし、まだ責任のある資料というものはあなた方の方から出していない。当然病院ストのあの問題のときに、これは医療担当者も含まれているけれども、さらに大きい意味で、これは保険局とか保険医の問題だけでなくて、医務局が医療労働者——医療機関に従事するすべての医療従業員の待遇について、たとえば労働時間、あるいは定員、あるいは賃金、それらについて検討しなくちゃいかぬといってわれわれは強く追及し、また要請もした。今回それらについて病院管理の指導の部面を新しく医務局に増設するということを聞いております。しかし、どういう指導をするか、指導するとすれば、当然その中で問題だなっている、あの病院スト以来提起された超過勤務の問題、あるいは定員の問題、あるいは労働条件、特に賃金の問題が出てこなければならない、従って、医療担当者、特に保険医、保険歯科医等の適正なる報酬、適正なる待遇の問題にとどまらず、総じて病院、診療所というものの適正なる労働条件、同時にそれを通じて適正な国民に対する診療の面における奉仕というものがこれは考えられなければならないと思います。実際は私は鹿島委員の追及に対して医務局長が答弁されたような、あんなふしだらな検討の実情じゃないと思う。厚生省はもっと賢明であります。そうしてそういう程度の資料はできているはずです。それは去年この委員会で医療金融公庫の問題等を審議したときに無医地区問題が出ました。そうした場合に、これから何カ年間かの計画によって無医地区をなくして、そして医師あるいは看護婦の適正な配置ということで、たしか数字は次長から若干の資料を出して説明があったはずです。だから当然そのときには、所得倍増に関連してではないでしょうが、適正な診療所、適正な病院における医師の報酬、看護婦の報酬あるいは労働時間そういったものは私はできておったと思う。だからそれを答弁しないとするならば、医務局長としては故意に答弁しないのか、それともその後検討を忘れてしまったのか、どちらかと思うので、この際、それらの去年のあの資料を忘れているならば、私はこれを速急に出していただきたい。去年試算された結果というものがあるはずであります。そしてこのことは保険局の答弁と私は食い違っていいと思う。当委員会では食い違ってもこれを別に追及いたしません。これは保険局のものの考え方は保険財政という面でいつも考えてきたと思う。そしてこれをわれわれもいいとは思わないが、保険財政という面の中で従来長い間厚生省は苦労しながらやってきた。しかし、保険財政というワクの中でものを考える時代は去っていると思う。保険局の資料は資料として、保険財政の面で非常に苦労して作ったものとわれわれは理解し、しかし、そういう時代ではないので、むしろもっと広い意味で病院ストを解決し、さらに正しい保険医療というよりも正しい社会保障の面の中で、いかなる賃金体系、労働条件を医療従事者に与えたらいいか、そういう面では医務局は別個の案を出していただいても恥かしいことはないと思う。われわれは矛盾があるからといって追及してけしからぬとは言いません。むしろそういう資料を出していただくことによって、われわれは保険財政も考えなければならぬが、より強く正しい医療のあり方という面で検討を加えたいと思う。しかし先ほど来、鹿島委員の追及に、質問に対して、保険局長は、たとえば修業年限が長いから、だから優遇しなくればならぬというようなことを言っておりますけれども、例をあげていえば、米価の問題でもそうですが、米価の審議会では、今までと違って、生産費並びに生産者の所得保障方式というものに変わって参りました。その中に農民の一時間労働に対する労働賃金、そういったものを農業会あるいは農業協同組合等では幾らというふうに算定して出してきております。従って、当然医療労働者、医療担当者、医師、歯科医師も含めて、そういう操作を私はやらなければならぬと思う。だからそういったものは、この程度までの検討を加えられている、そしてこれにはこういう試算が行なわれている、ということも率直にここに提出していただきたい。その点いかがでございますか。
○政府委員(川上六馬君) 看護婦の資料とはいつか黒木次長にお話があった分かと思うのでありますが、全体的なものはありませんけれども、国立、公立病院の一部のものにつきまして資料を提出いたすことにいたします。これはなかなか資料がとりにくい面がございますので、努力はいたしてみますけれども、一応私の方でありますものだけを先に出させていただきたいと思います。
○坂本昭君 とりにくいと言って、そんなことで監督官庁と言えますか。 それから、あとの問題答弁して下さい。今の看護婦の方は一つ資料を出して下さい。その次の問題……。
○政府委員(川上六馬君) まあ、御承知のように、病院ストもございまして、私ども病院の実態なども検討をしてみておるわけでございますが、確かにお話のように、ことに病院などは医療法によって、こういう施設をしなきゃならない、あるいはこれだけの、医者なり看護婦を置かなければならぬというような規定もあるものですから、従いまして、そういう人たちが、相当な待遇を受けるような.医療費にしなければならぬというような考え方をいたしております、つまり病院や診療所が健全に運営せられるという建前で、私どもの立場からは考えていかなければならぬと思いますが、しかし、実際におきましては、医療法でそういうようになっておりまするけれども、実態はなかなか、それだけの医者なり看護婦を置かないというような病院も御承知の通りかなりあるわけでございまして、そういう点から、保険局の方はその実情を考えて計算いたしておりますので、そういう点で開きが自然あるわけでございますが、方向はそういう方向に私どもはぜひ持っていってもらいたいという意見も申しておるわけであります。今回の医療費改定もそういう方向に向いてきておると私は考えております。
○坂本昭君 今局長は、今のような立場で病院、診療所の適正な運営の検討をいたした、これはいたしておるはずなんです。また、いたしてなければ、これこそ医務局というものは存在の価値がないので、だからそれらのあなたの方の資料を出していただきたいと私は要求しておる。もちろんそれについては保険局と医務局とは食い違いがあるだろう、あってもよろしいではないか、それを出してお互いが率直に検討をして、そうして今後の、この国民皆保険の成立する四月一日以降の問題として当委員会でも審議をしていきたい、だからその点を要求しておる。初めから出せと言えば、あなたの方でもお困りだろうから、若干の食い違いがあっても、その点は了承します、その上で出していただきたい。これはむしろ私の方で今のところはあなたの方に研究の結果を見せてくれと言って頼んでいるんです。それに対して適正なる答弁がないということは、はなはだ不都合であると思います。もう一ぺん御答弁いただきたい。
○政府委員(川上六馬君) 実はその病院、診療所の経営の実態を調査をしたことが最近はないわけであります。それから医師会の方も御承知の通り、実態調査に今なかなか応じてくれないということでございますので、先ほど申しましたような建前から、病院、診療所がどうあるべきかということは考えなければならぬと思って、今度そういうことのためにむしろ指導課なんかを作って、医業経営の実態もできるだけ把握しようと考えておるわけであります。しかし、今のところそういう立場から医務局としてどういう数字を持っているかと問われますと、現在のところ遺憾ながら御期待に沿えるものがないのでございます。厚生省といたしまして現在、私的医療機関の協力が得られませんので、官公立の病院や診療所を対象にいたしまして実態の調査をすることにいたしております。そういうことで大へん御期待に沿わないようでありますけれども……。
○坂本昭君 それは期待に沿う沿わぬの問題ではありません。何のために医務局が国立病院、療養所を持って、これの直接の監督並びに運営の責任に当たっておるのですか。これは何のために医務局は地方の県立病院や診察所の実態を統計的につかんでおらないのですか。私はそういうような、これからやるというような、ことし四月一日から国民皆保険をやって、とにかく皆医療保障をやろうという段階で、医務局は何もしていません、今後いたしますというような、そういう答弁では、私は納得しません。全然ないというならともかく、私はそれくらいの検討は加えられているはずだから、だから参考資料としてでもいいからお出しなさいと言っているのです。どうしてもそれは出さないと言われるのですか。それともそういうととは全然やっていないというのですか。
○政府委員(川上六馬君) 今お話のように、国立病院などはこれはむろん資料がありますから提出いたします。私が申しますのは、今一番問題になっている民間の私の診療所の実態というものにつきましては、遺憾ながら資料がございませんのですが、その国立病院でありますとか、あるいは県立病院などの資料につきましては、これは求めれば得られると思いますし、現在、きょう提出いたしましたものは、これは総体的なものでありますが、一応出しているわけでございます。
○坂本昭君 今、きょう出していただいたものを見ますと、たとえば国立病院なんか出ておりますけれども、ずいぶん不親切ですね、あれを見たら、第一、病院の数が幾らあるか、病床の数が幾らあるか、外来が幾らあるか、そこで働いている人の定員が幾らあるか、これだけ見たってわかりませんよ。規模がわからないのですからね。やはりそれくらいのことはつけ加えた資料を出していただかなければならぬ。 それから昨年医療金融公庫のときに、われわれは診療所の規模、病院の規模に応じてどれだけの貸付を出す、あるいは運営資金を出すということを議論をしたときに、あのときに、大体病院、診療所の規模について厚生省が、医務局が相当な研究をして、そうして医療金融公庫の貸付の一定の基準というものを作っておられる。もちろんだからあのときには当然これからの貸付の対象となる病院、診療所の運営についてあなた方はある程度の試算は行なっているはずです。そうしなければ、今後無医地区というものはどういうふうに運営していくか、どの程度の診療所を建てるのが最低必要であるかということを当然検討を加えなければ、あの金融公庫の貸付の新しい一つの基準というものは生まれてこないはずです。だからそのときの試算程度のものでもわれわれとしては必要なんです。そうしないというと、十分な研究ができない。だからそれを求めているわけです。これはどうしても出ないというならば、医務局としては私は非常な怠慢だと思う。これは局長の責任問題だと思いますよ。だから、試算程度のものでもいいから一つ出してくれぬか、そう言っているわけです。おそらくほかの委員の方も医務局の病院、診療所に対する一つの基本的な考え、それらはおそらく要求しておられると思うのです。そうしてそれらはもう去年ある程度は研究が行なわれているということは、医療金融公庫のあの検討のときにわれわれも若干仄聞して、そうして相当検討しておられるから、やがては無医地区もなくなるであろうという期待を持って、ああいう法律を通してきているわけです。もう一ぺん伺いますが、局長、今の私の要求に対してどういう態度をおとりになりますか。これは大臣や次官よりも、全く事務的な問題であると思うから、この際明確に伺っておきたい。
○政府委員(川上六馬君) 先ほど申し上げましたように、官公立などの資料はお申し出により提出するようにいたしますけれども、私の方の診療所の実態の方は、今申しましたようにわかりませんので、その辺は一つ御了承願います。 まあ理論数字はいろいろ考えられるわけでありますけれども、これも実際に即しないものが出るかと思います。
○坂本昭君 じゃ、理論数字を出すというのですね。理論数字を出すというならば、それで納得しますが、出さないというのですか、理論数字も。
○政府委員(川上六馬君) まあこれは理論数字と言ってあまり意味がないわけで、医療金融公庫のときに出しました数字は、御承知のように、このくらいのベッドの病院にはこれくらいの金がかかるとか、診療所はこのくらいの坪数にして、それを対象にして金融、融資をしようとかいうことを計算いたしたわけでございます。官公立などのわかったものを一つ出して、それで一つまず御検討を願ったらいかがでございましょうか。
○高野一夫君 ちょっと坂本さんのに関連して。 今、官公立関係の問題が出ましたが、要するに、結局医療費の問題で紛糾する一番の原因は、一番最近のほんとうの実態調査ができないということだろうと思う。これはどうしても医師会または歯科医師会が協力していただかないことには、政府としても病院、診療所の一般の——国立、官立は別として、一般の民間の実態調査はできない。従って、昭和二十七年なんという、今から六、七年前のものをもとにして、そうしてそれに指数をかけて割り出すと、これよりほか現在ない。まことにこれは私はここのところに一つの問題点があるのだと思うのですけれども、しかし、それもまあ現実においてはやむを得ない。やむを得ないが、そこで今坂本さんの資料要求について、せめて一つできるだけ完全にしたいために、厚生省所管の国立病院、療養所のほかに、たとえば大蔵省には専売公社の病院がある。造幣局の病院がある。国鉄には至るところ国鉄の病院、診療所がある。郵政省には郵政省直轄、また電電公社の病院がある。労働省には労災病院がある。文部省関係には大学の付属病院がある。せめてこれだけは政府の所管にある病院、診療所でありますから、これを厚生省の国立病院、診療所のほかに加えれば、数倍の一つの調査対象がここにあるわけなんです。これはおのおの特殊な病院でありますから、正確なる一般の病院、診療所の実態を判定することにはやや遠いかもしらぬけれども、厚生省関係の病院、診療所だけよりもまだ私はいいと思っております。従って、これは一つ政務次官に私お願いしておくのでありますが、厚生省の方が一つ音頭をとられて、各省に渡りをつけられて、そうして各省には調査があると思いますから、その調査を厚生省の医務局なり保険局で集めていただきたい。それをこのお出しになっている厚生省の病院、診療所と、こういうものと合わせて資料を作成されるならば、やや比較的実際に近いものが出てくるのじゃないか。なお望むならば、ここに日赤のも出ておりますが、もっと詳細に日赤の病院、診療所の調査を全国的にしてもらいたい。それから国保の直営並びに健保の組合の組合病院がある。こういうものにも一つ協力を頼まれて、資料の作成の参考にぜひしていただきたい。そうすると、当委員会が比較的納得のいくような実態調査の数字が出てぐるのじゃないか。従って、時間はかかりますけれども、これはぜひ一つ各省と協力をして、その資料を集めていただきたいと、こう思う。これは一つ政務次官に、御答弁要りませんから、希望しておきます。 そこで、なおわれわれよく新聞その他で聞くところによりますと、医師会等においても、医師会独自の実態調査があるやに聞いておりますが、そういうものも——それは厚生省と協力してやったものではない。医師会自体でおやりになったのかもしれませんけれども、そういうものも、それはそのまま一つのまた参考になし得ると思うので、それをただわれわれは疑うというのでなくして、それはそれとして、適正なる医師会の資料、歯科医師会の資料として、われわれは参考にしたいのでありますから、そういう面も、もしそういう資料が各団体にありましたならば、それもお求めになって、あわせて参考にしていただければ、われわれの医療費の問題についての検討の基本の問題がわかってくるのじゃないか、こういうふうに思うので、この点について特に私は政務次官にお願いをしておきたい。
○竹中恒夫君 関連質問ですから、簡単に申し上げます。 大体私の申し上げたいことを坂本先生が言われたので、同趣旨であるわけですが、本日の社労委員会の保険局、医務局の答弁、説明を聞きますというと、今回の社会保険医療費の引き上げについては、われわれこの委員会で今の時点では納得できません。われわれ自身が納得いかないのですから、まして両医師会が納得いかないのは当然だろうと思っておる。特に私この機会に医務局長にただしたいのだが、社会保険ができてからでも三十年以上になり、国民皆保険に突入しようとしている今日、お説のような、医師が非常に過去において資金の投資をして学校を出て、そして技術を体得するのに相当インターンをやったと、その高い医師の医療技術料をどう評価していいのか、あるいは社会的に医師の待遇はどこでいいのか、経済的にどこへ持っていくべきかということはいまだにわからない、的確にきまらないのだということについて私は非常に失望を感じるわけです。少なくとも保険局と違って、医務局としては、医者の総元締めの医務局としては、医師というものの社会的経済的な地位というものはこうあるべきだというふうな、一つの基本的な数字なり観点を立てての医療行政をしておられたと私は思っておったにかかわらず、ただいま聞きますというと、何ら自信のある的確な資料がない、こういうことでは、ひいては社会保険の報酬金を算定するにしても、私は医務局のスタンダードがなければ保険局としては医師の待遇問題についてどうしても逆算方式以外にないと、こういう点で私は非常に失望を感じておるわけであります。いま少し医務局としては、何でそういう仕事をしてないのか存じませんが、もっともっと医師と歯科医師、その他医療従事者に対する社会的経済的な地位における基準、標準というものを明確にお出し願いたいと思う。これは私はあなたのこの委員会における失言だろうと思う。 それから保険局長に……。まあ先ほどおっしゃったのは、明確な失言の取り消しはございませんが、はっきりと今回の一〇%は適切か不適切かということについてのあなたの失言はあるいは取り消すということがなければ私はいかぬと思う。私がお聞きしたいのは、一体社会保険の医療費の基本的な考え方は、先ほど坂本先生がおっしゃったように、医師の医療保障という観点から算定されたのか、あるいはそうではなくして、医師の技術料というものの評価をなさったのか、あるいは官公立病院の経営自体を考えられた、いわゆる経営というものを主体にしての考え方なのか明確でないわけです。あるときは厚生省の考え方は、高等な医療技術についてはそれにふさわしい医療報酬というものを出さなければならぬ。だから点数改正が必要だとおっしゃるが、こういう技術を基準にしたものの考え方であるのか。今日は米価審議会と同様に、昔は米価審議会は御承知のように、お百姓さんの所得保障ではなかったわけです、生産保障であったわけです。今日はお百姓さんの所得保障になったわけなんだが、医療報酬金というものも医師の所得保障なのか、技術の評価だけをするのか、基本的にはっきりしないで、適時に両方の考え方を織りまぜて答弁をしてごまかすというような魂胆が私はあると思う。明確に、どちらの方針で医療報酬金を定めていくのだということがなければいかぬと思う。その点がどうかという点をはっきりしたい。 それから、坂本さんの言われたように、医務局と保険局との間における医師の待遇問題等についての考え方の違いは当然だろうと思う。従いまして、食い違い一向差しつかえありませんが、差しつかえないということは、勝手に、お互いが勝手な答案を出してもいいということではない。医務局は医務局の考え、保険局は保険局の考えを相互交流してもらって、十二分に検討していただきませんというと、別々に立場が違うのだからということで、勝手な結論を出してもらうということは、また医療費算定に混乱を来たすゆえんでありますから、当然医務局は医務局の考え、保険局は保険局のことを考えた上での医師の待遇を考えられて、相互の意見交換、こういうものを十二分に交換をしていただきたいと思う。今高野先生言われた医業実態調査ですが、医務局長は実際の診療については実態は握っておらぬ。これはまた怠慢と思う。保険局から医業の実態経営調査の協力を求められても、いろんな事情で応じにくい点もあろうと思いますが、そうでなくして、保険に立脚せずして医務局から個人開業医の経営実態はどうだということについての調査を求められた場合に、はたしてやはり拒否するかということについては疑問だろうと思う。厚生省としては、基礎としては保険局から断わられたからということで、今日まで調査しなかったということについては、私は努力が足らぬ、こう思うのですが、そういう点についての御配慮を承りたい。以上三点です。
○政府委員(森本潔君) 第一点は医療費の算定について医師の所得保障をするのか、考え方は医師の所得保障という考え方なのか、あるいは技術料の評価というか、あるいは経営とか生計費というものを先に考えるのか、こういう非常にむずかしい御質問でございますが、表現は適当でないかもしれませんが、私たちの気持としましては、この医師、歯科医師という特有な専門技術を持っておられますその専門技術の技術料の評価を中心といたしまして、これによってその人が医業をやります場合に、それにふさわしい生活、あるいはその医業の経営ができるような保障をするための医療報酬をきめる。こういう気持で算定をいたしているわけでございます。 それから第二点の医療費の算定につきまして、医務局と保険局の意見交換の点でございますが、今回におきましては、相当両局の間に密接に意見交換をしたり、調査を進めた次第でございます。 それから第三点の医業実態調査の問題でございますが、ただいまお話のように、保険局が調査をしますと、いろいろやりにくい点があろうが、医務局その他でやればそういう支障はないのじゃなかろうかというお話でございますが、ごもっともの点があると思います。今後そういう方式の考えになると思いますが、実は最近の例としましても、今回今年度の予算におきまして千三百万からの医業実態調査の費用を組んでおります。この調査は官房において実施するようになっておりまして、一応関係団体の方に御協力を官房の方からお願いしているのでございますが、やはり公的医療機関の調査にとどまる、こういうような結果になっている事情でございます。
○委員長(吉武恵市君) ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(吉武恵市君) 速記始めて。 それでは午前の質疑はこの程度にいたします。 午後零時二十八分休憩 ————・———— 午後一時五十三分開会
○委員長(吉武恵市君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。 午前に引き続き、厚生省関係予算及び厚生行政について質疑を行ないます。 御質疑のある方は、順次御発言を願います。
○鹿島俊雄君 大臣に二、三点御質問をいたします。 第一点は、今回の医療費の引き上げ問題をめぐりまして、十九日に全国医師、歯科医師保険医の休診が行なわれます。これに対しまして、大臣はいかなるお考えと対策をお持ちになっておられるか、まずこの点についてお伺いいたします。
○国務大臣(古井喜實君) 十九日の一斉休診のことは、各方面で大へん心配しておいでにもなることでもありますし、私どもといたしましては、格別立場上もこれが円満に解決がつきますように願っているわけであります。それにつきまして、医師会とか歯科医師会とかという方面にもいろいろ御相談申し上げて、国民の不安、心配がその通りに起こりませんように、お考えを願ったりいたします一方、また、万が一の急患などのことが行き届かぬことになってもいけませんから、そういう方面については、手の届く限り私どもの方といたしましても心配をいたしまして、皆の心配を除くようにしたいと思いまして、今、手をつくしているところであります。きょうまでのところはそういう状況でございます。
○鹿島俊雄君 ただいまの御答弁によりますると、この一斉休診についてはこれをとどめるよう努力されておる。また、もしさようなことが行なわれた場合には、これに対する万全の措置を講じたい。−おそらくその場合におきまする患者の応急対策、保安というようなことを言われておると思いますが、これについて、一部地方医師会では保安要員を残さないと言ってりおます。そこで、厚生省は、官公立病院に対して当日保安要員措置をとるよう指示をした、ところが、官公立病院でこの指示を拒否したということを聞いておりますが、それは事実でありますか。
○国務大臣(古井喜實君) 病院の方で拒否したということはまだ聞いておりませんので、病院の方は、官公立病院は協力してくれるものと思っております。日本医労協、つまり従業員の関係の方の方面で、せんころ声明が出ておりまして、これは十分あの声明だけではよくわからぬところもありますし、そこで、傘下の地区あるいは職域的な組織の方がどうなっておるのか、これもできるだけ調べてみたりいたしておるのでありますが、まだ傘下の実際の第一線の方がはたしてあの声明の通りに動くか動かぬか、はっきりわからぬ状況でありまして、この点はまあ注意を払って、その方面のことも今気を使って、もしそのことがありますればと思いまして、その対策を考えておるところであります。
○鹿島俊雄君 ただいまの御答弁によりますると、官公立病院そのものは反対ではないが、それに勤務をする従事者の拒否というような事実があったように今解釈をいたしますが、そうなると、事実上保安の責任というものは政府は負えない、負わないような形が出てくる。一方、医療担当者側においては少なくとも個々の患者に対しては、もちろんおそらく、当日休診により急患の対策に対しましては障害になるようなことは避け、個々の担当医は措置はするものと思います。従って、一がいに保安措置を医師会がしないとしてこれを非難するに当たらない。むしろこういう場合は、厚生省みずからが官公立病院を動員してやるのが当然だと思う。その統制がきかぬということになると、むしろ私はその保安要員の配置の不完全な状況によりまして起こる問題の責任は厚生省が負わなければならないということを言わざるを得ないと思います。従って、この点については厳重にやられるのが私は至当だと思う。もしやられない場合は、将来そんなような状況であるならば、官公立病院の存在は私は必要ないとすら考えております。 それから引き続いて、この一斉休診というものがいかなる理由によって起こってきたかということについて、大臣はどのようにこれを解釈されておるか、それをお伺いいたしたい。
○坂本昭君 今十九日の対策としてどういうふうな対策があるかということを鹿島委員から質問があって、それに対して国立病院、療養所あるいはその他の公立病院を動員する計画であるという御答弁がありました。ところが御承知の通り、日本医労協はその際に支援をしないという声明を一応出したのであります。これは今の大臣の御答弁だと非常に楽観しておられるふうに感じたのでありますが、この日本医労協の数の上における一番中心をなしておるのは全医労であります。国立病院、療養所の組織であります。そしてこれはスト権はありません。しかし、それ以外の日本医労協に属しているものはスト権を持っておって、昨年以来の病院ストライキのときの主流というよりも全体をなしてきた組織であります。そしてそれらは去年の年末の一時金の問題についてはある程度妥結しました。しかし、全日赤のようにまだ妥結をしていない向きもたくさんあります。そしてこれらの組織は病院ストの問題をまだ解決していない。さらに今度のこの医師会が提案しているところの医療費の引き上げについては非常な大きな疑問点を持っております。ただこの組合を組織している労働者からは、医療費を引き上げることによって病院ストを解決しろというような打ち出し方をしていません。しかし、労働賃金は非常に低い。低いからこれは病院当局あるいはこれは何らかの形でこれを引き上げてもらいたい、そういう要求が出されていることはもう御承知の通り。それらが解決されていないということは、必然的に医師会の要望と同じ要素を含んでいる。従って、この日本医労協が今回厚生省の指示に従わないということは、私はもう相当明確な事実だと思います。だからそれに対して今のようなことでは、厚生省としては私はあまりにも楽観し過ぎた。そしてあまりにもこの事態を甘く見過ぎているのではないか、そう思う。でありますから、今の点については、もっと明確に日本医労協の人たちがいざという場合の支援をしないとなれば、たとえばレントゲンをとらなければいけないときにレントゲンの技師も手伝わない。あるいは看護婦も手伝わないということになれば、たとえば院長一人が私が見るといったって、それは実際上できないと思うのです。ですからそのことについては鹿島委員の質問に対する大臣の御答弁ではまだ不十分だと思います。もっと明確にそのときの責任の所在について明らかにしていただきたい。 また、日本医師会は今の情報では各県の知事に対して申し入れをして、知事の権限で保安要員を確保する、そういうふうなことも聞いております。それらについては大臣としてどういう態勢をとられるか、またどういう指示をなされるか、その点も一つ国民の一人として明らかにしていただくことを要望いたします。
○国務大臣(古井喜實君) 今の日本医労協の問題でございますが、今の医労協のは、中央の方の幹部の方からこの通りの発表があったことはそれは承知しておりますし、それが下部までずっとあの通りに徹底する筋のものでありましょうが、実際の状況はとにもかくにも、この急患とか重患とか人間の生命にかかるような場面も含まれているのでありますから、そういう場合にまで、それならばこの休診という一本やりで見殺しになっても仕方がないとまでお考えになっているとばかり私どもは思っておりません。 そこで単位の組合等が実際的にどういうふうに動かれるか、これは、私も楽観ばかりするわけではありませんけれども、おのずから良識によって行動されるということは、私どもは望んでもおるし、確信も持っておることでありますし、実情をよく見ながら、そうして状況によって、私どもは打っていく手は考えていきたい、こういうふうに思っておりますので、これは楽観ばかりではありませんけれども、まだ推移を見て、そこに遺漏がないように、こちらは、それだけの手は打っていきたい、こういうふうに今は思っている次第でございます。 なおまた、医師会におかれても、歯科医師会におかれても、きのうまでの状況などを拝見いたしますと、当初はあるいはいわゆる保安要員もみな当日は、休んでしまうのだというふうな様子でもありましたけれども、だんだんそこは良識のある方々ばかりのことでありますから、実際問題としては、だいぶ今の保安要員の方面については考慮を払っていただいている実情であるのでありまして、昨日も政務次官、局長に歯科医師会の方にも行ってもらったのでありますが、歯科医師会の方の例をとれば、初めから保安要員まで休むのだということは指令していない、あらわに。では、それから先は、指令はしていないが、全体的に含まれてこの休診になるのかどうかという点については、やはりよく実情を考えつつ良識的に行動されるもののような印象を私は持っておりますので、やはりそこは全部が全部というふうに額面通りのことのようにも事態を見ておらぬのであります。医師会の方におかれても、たとえば東京都の医師会とされても、ごらんのような各区ごとの考えにこの問題はまかせようじゃないかというふうな考え方もあるようでございます。 それから医師会の、日本医師会の方とされても、いろいろそれは気を使っておいでになる辺もあるかのように私は感じておりますし、それから私どもの手元で見ておりますところでは、全国の府県の中でまだ正確とばかりは申せませんけれども、二十府県ぐらいは昨日までの状況で、保安要員は考えるという、こういう方向に動いてきて下さっているようでもありますし、まだもう少し日もあるわけでありますから、事態の推移はこれからまだあろうと思います。それに対してこちらの方は実情に応じて、どうしても、これは手配をしておかなければならないという方面は、もう強力に手配をいたさなければなりませんし、実情を見つつやっていきますれば、とにかくえらい迷惑を国民にかけるということなしに、努力さえすれば乗り切れる道もあるのではなかろうか、こういうふうに考えております。
○坂本昭君 もう一つ今のことに関連して確かめておきたいのですが、先般来十九日の医療担当者の実力行使に関連して、責任ある人が若干暴言といいますか、失言に似たものを出して、非常に各報道関係にたたかれている事実があります。これはおそらく感情的に少し行き過ぎて発言をしたと思うのですが、それよりも前に、再三大臣は、医療担当者の良識に待つということを言っておられます。確かにこの良識に待つということは、表現として差しさわりないですが、もう一つ大臣が今までに繰り返された発言の中で、医療担当者の一人相撲ということをしばしば指摘された。これは私はなかなか重大な意味を持っていると思う。すでに先ほど来午前中にも若干議論が出ましたが、一〇%引き上げについて、厚生省が単独に医療協議会の審議も経ずしていわば独断的な結論を出して一応予算を編成した。そしてなおかついろいろな医療担当者の不満に対して、その不満を表現する方式としてとっている行動に対して、これを一人相撲であるというふうに表現することは、それをまた厚生省当局が単独に独断的に事を決するおそれなしとしない。私はそういう点で、大臣の良識に待つという表現は了としますが、一人相撲というふうに見られて、なおそういうことの中で厚生当局の持つ権力の上にあぐらをかいて、そして甘く見るというようなことであれは、これは十九日以降ゆゆしき問題を起こすのではないか、そういう点を懸念いたしますので、大臣の弁明なり御説明を承りたい。
○国務大臣(古井喜實君) まず、良識に待つという点でありますが、私は良識に期待し信頼しておるということを言ったのであります。つまりこれはこっちは強圧的な出方はしないということなんです。もっぱらお医者さん方の御自分の良識というものをたよりにするのであって、強圧的な出方はしない、これを言っておる意味であります。 それがそういう意味でありますし、それから一人相撲だということをしばしば言っておるというお話であるが、そんなことをしばしば言っていることはありません。それではなくて、まあ話はつまりわれわれの方に持ってきて、こうしろああしろ、これはけしからぬということはわれわれのところに持ってきて話していただいたらいいんじゃないか。それは抜きにして、すぐ実力行使というのは少し飛躍があるんじゃないかということは言っております。私は実際そう思っております。医師会がここまでのことをおやりになるについても、一ぺんだって私どものところにおいでになって、これはどうしろ、これはいかぬ、それで私どもの見解をお聞きになって、自分たちの考えに合わぬからいけない、こういう順序はお踏みになっていない。つまりもう厚生省あるいは厚生大臣はこういうふうに考えておるにきまっておるというふうにいわばおきめになって、それでそれを前提にしてのことのように見えるのであります。事実私どもの考えと全然違うことを、厚生省の考えはこうだと言っておいでになることはたくさんあるのであります。これはそういう点はよく話していただいたら私どもも申し上げたいこともある、それからはっきりしておきたいこともあるのですけれども、何さま来ていただけないものにはものの言いようもないというわけで、その辺のことはございますけれども、つまり医師会で一方的に行動されておるというふうに、私どもそう思ったときもありますが、今の一人相撲なんという別に何はありませんし、言葉じりの問題になりますと、ほかのことになりますが、私ども言いもしないことを、とんでもないことをああ言ったのだ、こう言ったのだということを雑誌などに相当えらい人が書いたりなんかしておるのです。そんなことをいつ言った、全く覚えもないことを、こう言ったああ言ったという工合に書かれたりしておる場合もあります。しかし、そんなことは一々気にすることでもありませんし、事柄さえよくなればよいことですから、まあそれはそれとしておるわけであります。これもそういう意味のことに御理解願いたいと思います。
○坂本昭君 関連質問ですからそう長くありませんが、今大臣みずから言わなかったことが再三出るということについて、私はこの際今後のこともありますから慎重に扱っていただきたいと思うが、去る二月八日、社会保障制度審議会に大臣みずから出られて医療費の将来の方途について諮問されたときです。あの日の朝の新聞には、初めから、厚生省は中央医療協議会を改組する、それから改組の内容については利害関係者を除いて中立的性格にしたい、相当明確に内容を提示して新聞に出た。これは審議会においても問題になりまして、事務次官から御答弁がありました。これは非常に大事な点だと思うのであります。確かに大臣はあのときに何とも言っておらないけれども、新聞記事ははっきり詳しく読んだ限りでは、朝日も毎日も中立的性格にする、そういう意向であるということをはっきり伝えている、にもかかわらず、大臣はそんなことを言った覚えはないと言う。にしても、これは一般国民は信じられない、なぜそういうふうな形に報道されていくか、また、なぜ大臣の発言がそういう形にゆがめられていくかということはほんとうに大事な点だと思います。この前この審議会で、保険局次長が医療費の引き上げ問題、それについて誤解があるのだということを発言しております。しかし、誤解というのが、従来の例としてそのまま厚生省の政策として通ってきているような事実があるのであります。従って、今大臣は、私の言ったことと違うことが書かれていると強調されましたが、それは新しい今度の大臣でありますから、われわれは今後そのつもりで純粋にすなおにお聞きいたしますが、少なくとも二月八日の記事以来、やはり古井大臣も同じ轍を踏むのじゃないかという非常に懸念を持っているのであります。だから、この点は一つ大臣の今後の明確な御決意を披瀝していただいて、あとは私は関連質問でございますから、鹿島委員にお返ししたいと思います。
○国務大臣(古井喜實君) 今の二月八日でありましたが、社会保障制度審議会に伺いまして、私の考えをあの節申し上げて坂本さんもお聞き下すったと思いますが、あれが私のあのときにあの場面で申し上げたことが私の考えであるわけであります。 その日の朝の新聞の記事についのお話で、ありましたが、これは私は、医療協議会が実際に円滑に動かぬのだから何とかこれをしたい、これは実際そう思いますし、それを改善というなら改善したいというふうに私は思うのであります。これは私はそう思うのです。それから、それならばどうするのだということは、考えを立てていないからこそ、こっちがある一つの考えを立ててでも社会保障制度審議会に御意見を聞くということは矛盾でありますので、十分御意見を聞いてから立てたいと思うから、白紙で一つ考えて、一つお知恵を拝借したいということを申してきているのであります。そこに書いてあるということは多分こういうことじゃないかと思うのであります。それならば一体どういういうふうに改組するのだということを新聞記者が言ったのだと思いますね。それは私の方は、今の社会保障制度審議会に御意見を聞いてよい知恵を出してもらって考えたい、これが私の筋道通りである。世間ではいや中立的なものにしろとか、あるいは三者構成にするとか、いろいろの意見があるじゃないか、変えるとすれば、きょうの四者構成を変えるとすれば。これは新聞記者のやりとりというものはそんなものですね。世間にはそういう意見がありますよ。そこらは審議会というものの方で世間の意見というものも考慮してこれが一番よいという意見をおきめになるだろう。世間にはそういう意見があることは事実なんですから。そういうくらいのやりとりはしております。それは新聞記者と話しておりますときにはそういうことはありますよ、その程度のことは。それがこういう意見だ。こういう意見だ。しかし、一つの意見というものが出ておることはなかったと思うのです、こういう考え、こういう考えということで。私に意見があるなら一つの意見しか出ないはずです。こちらの考えがありますからね、つまり世間にそういう意見があるという、変えるとするなら。こういうことを記事に書いておったのがあのときの記事じゃないかと思うのです。こういうことにしたいというなら一つの案があるはずです。複数あるはずないと思うのです。それからある雑誌に、社会保障制度審議会に諮問しておるけれども、ろくな案ができるはずがない。言葉はどうか、そうでなかったかもしれませんよ。なぜかといえば、森本保険局長が立案をするのだからろくな案ができるはずがないというようなことをお書きになっておるのを見たことがあります。一つも私の方では案を書かぬのであります、申しわけないくらい。その点は審議会の方にお願いして、白紙で一つ一番いいという案を作って下さいといって。何も保険局長原案を作成したことは一つもないはずです。ありもしないことを雑誌にはしかるべき人の名前で書かれておる場合もあります。これは事実に合わぬこともありますので、真相だけ、事柄だけはお答えを申し上げておかなければならぬと思いまして、今のように申し上げたわけであります。
○鹿島俊雄君 先ほど御質問いたしました、今回の十九日の一斉休診というのがどのような原因でこれが行なわれるのかということについて、率直に大臣の御見解を伺いたい。
○国務大臣(古井喜實君) これは私もいろいろ考えてみておるのでありますけれども、とりあえずはきょうの医療費の引き上げ問題だと思います。これがきょうの問題だと思います。つまり幅、方法などを含んだきょうの医療費引き上げ問題だと思いますが、さらに昨年の八月中山厚生大臣にお出しになった医師会から四つの要望がございますね。歯科医師会からの要望も別にございますね。これらの要望に対して、いわばさっぱりとどうも誠意ある解決を与えないじゃないか。きょうの前の段階から、こういう過去のあの問題に対する御不満も山々あるのではないかと思います。さらにさかのぼりますと、きょうの保険診療の姿というものに対する根本的な御不満もあるのじゃないかと思うのです。いわば制限診療になっている点ですね。あるいはいわゆる官僚統制の姿じゃないか、あるいは経済優先であるじゃないか、これは一応つながっておる問題だと思いますけれども、自由診療ということがもう殺されてしまっておるじゃないか、そして官僚統制のようなわけでお医者さんの立場というものを踏みにじるのじゃないか、それからまた、経済の方が先に立って、医学とか技術ですね、そういうことを軽んずる、こういうようなことになっているんじゃないか等を含んだ保険医療というものに対する根本的な御不満も強くあるように思うのであります。御要望などを見ましてもそういうことが一緒になって、やはりきょうのあの一斉休診等のことになってきておるのではないだろうか、まあ、私はそういうふうにこれを見るのであります。
○鹿島俊雄君 ただいま大臣は率直にお述べになられました。もちろん私もさようなものが多かろうと同感でありまするし、なかなかよく御理解をしておると思います。しかしながら、このほかに、今日かような状況になったという半面に、大臣は各医療団体から何ら申し入れを受けておらないと言われますが、要望書等のものをお受けになったことはございませんか、両医師会から。要望書ですね、医療報酬引き上げに関する要望書、そういったものをお受けになったはずです、陳情書のようなものを。それがございませんか。
○国務大臣(古井喜實君) つまり昨年の八月の四項目の中に、この御要望は、今の医療費の一律三円引き上げという趣意の御要望がありますね、これは昨年厚生省でいただいたものに、これは十分承知いたしております。それから昨今いよいよこういうふうに実力行使ということをおやりになるにあたって、いろいろな御会合があって御決定があったりいたしてきましたね、その段階で新聞の方に御発表になったりというようなことはだんだんあったようでありますけれども、私は日本医師会の代表、責任の方がお会い下さって、こういうふうに考えておる、こういうことを、書き物なり持っておいでになったのを受け取った記憶がないのであります。歯科医師会の方はお持ちになりました。これはかわりにあるいは次官等が受け取ったかもしれませんが、事はこれほど重要、重大なんでありますから、私をつかまえて、一体、ただ紙も紙でありますけれども、もっと切実に、これは一体どうするんだ、これをしないのはけしからぬじゃないか、ほんとうは私はおっしゃっていただきたい、それを待っておるのであります。けれども、まあ、私もそれは国会や、出たり入ったりはいたしておりますが、あらかじめいつ行くとおっしゃっていただけば、御了解を得て、大事なことですから、時間も作ってお目にかかりたいとも思うのであります。けれども、そういうこと、いろいろななにがあったり、御都合やら時間的な関係上いろいろおありになったのでしょうけれども、私にしてみれば、そういうふうにしていただくと、たとえば、制限診療の問題は私はこう考えておりますよ、こういうふうに取り運びたいと思っておりますということを率直に申し上げたいくらいに思っておるのであります。そういうことであります。
○鹿島俊雄君 大臣のお答え私の納得いかぬところがあるので……。口頭をもって言ってもらいたいものだというように聞えるが、われわれのところにまで医師会からも陳情書が来ております。そういったものは必ず厚生省にも行っておるんじゃないかと思うのですが、大臣はそれを見ておられないと言われれば別でありますが、とにかくその趣旨については十分御承知のはずである。また、前中山厚生大臣は、社労委員会等におきましても、数次にわたる委員の質問に対して、医療報酬につきましては、率直に単価を引き上げ、また、点数の改正を行ないます。なお、その作業についても指示をいたしましたというようなことを再三言っております。従って、医療団体側においては、さような受け取り方をしてずっと参った。ところが、最近に至ってそれが変わってきたというようなことは御承知の通りであります。大臣は今、すべては白紙である、配分方式等につきましても医療協議会の諮問によってきめるのだ、全部白紙だと言っておられますが、ところが、その間に新聞紙上等を通じて支払い方式の上に画期的な変革を来たすような病院と診療所の格差をつけるごとき案の発表をしている。これは、もう森本局長が発表したことは本人がはっきり言われておりますから、間違いない事実である、そういったことを発表している。大臣の御主張によると、当然そういったようなものは医療協議会等にかけて、それに諮問し、慎重に扱わなければならない事柄だと思うのであります。にもかかわらず、そういうものを中間試算の結果だとか称して、これを発表している。その発表の内容は、御承知の通り、画期的なものであって、病院と個人診療所とに格差をつけるということで第一線の個人診療所の内容、実態等を完全に無視した考え方だと私は思うのでありますが、そういったものを発表する。それでは医療団体としても率直にその厚生省そのものの誠意を受け取れないということは当然一であります。また、多年医療担当者側の意見というものは通っておりません。医療協議会も、大臣は必ずここに諮問して、その結論によってやると言っておりますが、過去昭和二十六年、昭和三十二年の医療協議会におきましても、決して医療協議会の答申通りにいっていないのであります。二十六年においても、最終段階は当時吉田総理の裁断によって単価の引き上げがきまった。三十二年においても、医療協議会の諮問以外の事柄によってこれがきめられております。あとで医療協議会に報告があった、了承を求められたというようないきさつを持っておりまして、従って、あるときには諮問事項を採用する、またしないというようなことが随時に行なわれている。そういったことが重なってきているわけでありまして白紙審議ということもこの状態ではとうてい厚生省のその誠意というものは汲み取れない、信頼し得ないのだというようなことが、今日一斉休診として現われたわけだ。この休診の対象もこれは国民に対するレジスタンスではない。厚生事務当局に対するこれはレジスタンスなのであります。従って、そういった点をよくお考えいただかぬと、ただ要望事項は何も来ないのだ、何も大臣に要望を行なわずして、突如ストを行なっているのだ、休診を行なうのだというようなことは、これはちょっと通らぬと思うのであります。そういうようなお考えでこれに接触されると、この問題はますますこじれるのではないかと思う。今、どうも直接口頭でなければまずいと言われるが、大臣は非公式にでも医師会長にお会いになったことはございませんか。その点もちょっとあわせて承っておきたいと思います。
○国務大臣(古井喜實君) まず今お話の中にだんだん問題点があったように思いますが、一つには将来の医療制度のあり方について、私が相当根本的な問題を取り上げてしゃべくったことがあるという点であります。私はそういう問題に取り組んでみたいと、取り組まなければならぬと思うものですから、取り組んでみたいと思うという自分の意見は述べたことがあります。つまり制限診療撤廃の是非、それからさらに進んで、現物給付以上に進んで、診療の内容は全部お医者さんに信頼しておまかせして、そうしてそれからあとはそれにかかった金に対して費用の上の保障をするというふうな療養費給付というところまで、これもそこまで突っ込んで是非を検討してみたい、この問題に取り組んでみたいと、私は実際にそう思っているのです。そういうことも言ったことがあります。これは私一人でできることじゃありませんから、いろいろな機関を経なければなりませんから、当然であります。取り組んでみたいと言っておるのであります。それらそのほかの相当根本的なことについても、取り組んでみたいという自分の熱意というか、気持は述べておることがあります。私はこれは述べたって悪いことだとは自分では思っていない、取り組んでみたいという気持をですね。 それから病院と診療所の格差をつけるようなことを発表したかどうかという点でありますが、これは私は初めから、そういうことを自分で、そういう技術的な問題について、私みずからが一ぺんだって、これはもうどこの機会だって言ったことはありません。ただ問題は、まあ百も御承知なさっているように、できれば予算を組む前にこの医療協議会を開いて、そこの意見を十分たたいて、どれだけの幅、また、どういう方式ですね、一律引き上げか、点数合理化かという方法論ですね、こういうことを十分審議してもらった上で、その意見をもとにして予算を組みたかったのであります。ところが、今回の場合にはどうしても予算を組むまでに医療協議会を開くという段取りまで、努力はしましたけれども、いきませんもので、そこで今回はやむなく——さればといって、この医療問題を一年見送るというわけにはいかない。順序を踏むということばかり言っていると、一年見送らなければならない。これはどう考えても困ると、こう思いますから、順序を転倒しまして、一通にいたしまして、先に予算を組んで、それからどうしてもかけなければならぬ医療協議会にかげて、そうしてそこの御意見を尊重して、順序が逆になったのでありますから、医療協議会を尊重しないようになってはいけませんから、御意見をたたいて、そうして方法論などもきめたいと、もし幅の点についてそこで御審議になったあげく、どうしてもこれはこういう根拠で幅が足らないがという御意見が出たときはどうするかという話も、衆議院の予算委員会でございました。私は自分の意見としては、経過から考えて、つまり医療協議会を先に開けなかった、まだ開いていないという経過から申しまして、医療協議会で御審議の結果どうしても足らぬということが結論として出ますならば、私どもはその御意見に対しては尊重して考えなければなりますまいと、これは私としてはどうもそう思えるのであります。順序がそうなっておりますので、今でもそういう気がしております。考えを持っておりますが、そういうふうに私はこれは思い、また、進めてきましたのですが、そこで協議会を開かないままで予算を組むにはどうしたらよいか。ただ手づかみじゃできません。そこで不十分ではありましょうけれども、厚生省の手元にある基礎と資料をもとにして、一番合理的と思われる医療費算定をやってみたのであります。事務的に——私じゃできませんが、事務的にやってきてもおりましたし、やらしてみたところが、大体総医療費に対して一〇%引き上げるということでやられるなら、全体として一応カバーできるじゃないか、それを一〇%であるか五%であるかということを算出しますために、技術的事務的にとった方法はございます。それはございます。それは結局全体として何パーセントという予算を組むための基礎を算出する問題であります。そういうふうにして、予算を組みましたものを、どうそれじゃ具体化していくか、こういう問題、また、一つ別個の問題になるのでありまして、予算を組むときにもいろいろ御意見がありました。あの当時のいろいろ御意見もありました。ありましたが、そのときのそれを具体化する方法については、私はもう算出のときに厚生省の事務当局で使いました方式、それに拘泥しないのだ、拘泥しないのだ、そのときから言っておるのであります。拘泥しないのだ、つまりこれは自由に考えて、そうして、しかしながら考えるべき場において考えてきめたいのだ、こういうつまり医療協議会において論じてもらってきめたいのだ、まだ一ペンも開いておらぬのですから、私はどうしてもそう思えてならぬのであります。そこで今までの経過はそういうことであります。 それから医療協議会を開かないで、私どもがこういうふうにする、ああいうふうにするということを、まあ独断的にきめるということは、これはただまあ諮問しなければならぬものだという、法の規定があるという、法を守りたいということのみならず、やはりこの問題は、一方、負担する側の立場もあることであります。一緒の、共通の場で十分話し意見を交換していただいて、そこでまとめていただきたいと思うのであります。そうでないと、私どもが独断でこうだああだといって、たとえば医師会の方とだけ取引というと言葉は悪いが、話し合いしてきめてしまっていきますといっても、負担する方が側が大体これじゃ困ると言ったときには、これはもう全く弱ったことになるのであります。だから、それも一応場においてこれは論じて話してもらいたい、つまり、これが医療協議会だと思うのであります。その医療協議会の場がどうも工合の悪い構成でうまくないとかいうことであるならば、これをいい姿に直して、そして、よくそこで論じて結論を出すということが筋でもあるし、結果としてもいいと、こういう考えを持ちますので、そういう方向で歩いてきたという状況であります。
○鹿島俊雄君 ただいまの医療協議会に対するお考え方、また、医療報酬を算定し、審議する場のお話がございました。これはその通りでありまして全く同感でございます。ただし、私は先ほどちょっと申し上げました通り、格差をつけるというような事柄は、そういうものを発表されたけれども、大臣は御存じないということであれば、さように解して私は一応その点については質問を打ち切ります。 続いて現在は少なくとも医療報酬を引き上げる前提に立っておるわけであります。そこで、現行の単価点数方式というものはどういうものであるか。これは大臣みずからがよくこれを把握していただかぬと、この点に将来ともまた物議の中心が参りますので、単価点数方式の意義については、どういうふうに大臣はお考えになっておられますか、現行の支払い方式について。
○国務大臣(古井喜實君) これは私も十分理解し切っておるかどうかわかりませんが、しかし、まあ過去の経過、ことに三十三年に今日の点数単価方式がきまったときの経過などから見まして、大体それは単価というのは、経済的な価値であり、点数は医学上のランキングとおっしゃるような意味のものだろうとは思いますけれども、何せ先ごろ来、その前からの医師会方面などの、ずっとこういう方面をお扱いになっておる方の御説明などを伺いましても、これにはいろいろ複雑な考慮でありますが入っておるということを、私の感じ方ではしたのであります。つまり、たとえば点数にいたしましても、純粋に医学上のランキングだけでこれはできておったのか。そうとすれば、その稼働率などの問題もありますから診療行為の、その通りで純粋にできておるというと、診療所としては経営の成り立たぬところも起こってしまう。つまり、多数の診療所の採算が成り立つようにというふうなこの経済的な考慮も、点数をきめる中には入っておるのじゃないかと、私はそういう資料も持っております。今までに現にそう書いてあるものもあります。そこで、これは純粋に点数は医学上のランキングであり、片方は経済的な価値だという基本はそこにあるに相違ありませんけれども、必ずしも今日の現状が純粋にそうなっておるかどうかといえば、厳密に見てみると、相当いろいろな考慮が入っておる点もあるのじゃないか。また、純粋に経済的な価値ならば、単価が十一円五十銭かなんか、十円より高かったものが、三十三年のときには十円になっている、経済的価値・が前よりも減っているのであります。そういうようなことはあり得ないというような気もするのであります。そこらの実際の経過などから見まして、これはいろいろ、私、十分自分の研究は行き届いておりませんよ、研究してみればみるほど、いろいろむずかしい点があるのでありまして、やはりこれはすなおにあの点数表の内容の、きょう、ぴったり合うか合わぬか、医学上の点からも、また、診療所の経営が成り立つ、成り立たぬという点からも見て、一番工合のいいものを考えるということが穏当じゃないだろうか。そういうふうに点数表、単価表については、私は十分であるかどうか知りませんが、理解しておるのであります。
○鹿島俊雄君 大臣の御答弁は大体わかるような気がするのですが、肝心の点についてはっきりと認識いただきたいことは、点数は配分方式である点、従って、アンバランスはどこまでも学問的な要素ももとにして、それで配分方式をきめる、そうすればいいのであります。医療報酬の経済要素というものはやはり単価の中に含まれておる、従って単価によって引き上げる、配分方式は、点数の改正によって行なうということが正しいやり方なんであって、これが単価点数方式の特質なんであります。従って、医療報酬を上げるということになれば、単価を引き上げることが正しい。ただし、昭和三十三年に上げられた際には、医療団体は相当強く反対したのでありますが、一部甲表の形で一応新医療費体系的なものとし物と医療技術を分離するという事柄で点数によって医療費引き上げの合理化をはかるのだということで、やむなく医療担当者が了承を与えたものであります。そこで、当時、その十円というものが単価であるか、単なる計算単位であるかということが問題になった。われわれは、もし十円なればこれは単価でない、単なる計算単位にすぎない。言いかえますと、金額表示器と変わらない。すなわち、点数にまるをつければいいのでありますから、そうなると、単価点数方式でない、支払い方式の変更だという意見を主張されたところが、当時の保険局長、現高田次官、あるいは、ここにおられる館林医療課長あたりはこの質問に対して、これはやはり単価だとはっきり言い切っておる。計算単位ではないのだ。将来、経済的変動のあったその場合にはこのものは動き得るのだということをはっきり言っておるのであります。私はここに当時の医療協議会の速記録を持っております。館林課長の発言もちゃんとここに載っておるのであります。こういったような事柄で、やはり十円というものは単価である、経済価値要素を持っておるとすれば点数改正はこの際に、学界の意見を無視し一方的にやるべきものじゃない、また、これは拙速をとうとぶべきものでないのでありまして、十分に意見を聞いてやらなければいけない。その結果、納得できる点数改正点数表ができると思います。従って、この際に、医療報酬を上げるという前提に立った以上、経済価値要素である単価を上げるのは当然である、私はこう考えておるのであります。そうでなければ、支払い方式を変える、単価点数方式でないのだということならば、これはもう論外であります。この点について、はっきり大臣の御見解を承りたい。
○国務大臣(古井喜實君) ちょっとお答えいたします。今回の医療費の引き上げの方式を一律引き上げにするかどうかということは、先ほども申し上げたように、私は、医療協議会できまったところを尊重いたしたい。医療協議会でいろいろ論ぜられた結果、今回は一律引き上げでやりたい、こういう結論になれば、それも一つだと私は思うのであります。ただ、医療協議会で十分話し合って結論がくるならいいのでありますけれども、そうでありませんで、あれを抜きにしてかりにそういうことをやるといたしますというと、一方、負担する側の方は、もう御案内のように、違った意見を持っております。発表もいたしておりますが、違った意見を持っております。払うの払わぬの言って、あとでまたやっかいなことになってもこれはうまくないのであります。そこで、そういうふうになっても、それはそれでよろしいのでありますが、つまり話し合いの場において結論を出していただきたい、要するに。それでなければおさまらぬ。円満にいかない。一山越したって次の大山にぶつかってしまう。こういうふうに私は思うのでありまして、お話の意味を否定しているわけでもありません。同時に、しかし、やり口の問題については、進め方の問題については、そういう方式においてきまりますことを望む希望は持っておるのであります。そういう考え方でおるのであります。
○鹿島俊雄君 ただいま御答弁がありましたが、私の申し上げておることは、単価点数方式というこの支払い方式の場においては、医療費の引き上げというものは単価によってやるべきものであるということをはっきり申し上げておるのであって、これは原則であります。従って、一律単価によって引き上げることが、保険者側の同意を得られるかどうかということは別問題であって、単価点数方式においては単価によって医療報酬引き上げを行なう。ただ、一律引き上げはいけない——大臣の言われる点数のアンバランスの点があるということであれば、一律引き上げた中でこの点数表の操作は幾らでもできる、ワク内において十分にできるわけであります。それによって十分にバランスの補正はできる、こういうことであります。従って、この点は私はっきり申し上げておる、単価点数方式である限りは単価で上げることが正しい。その方式のものであります。
○竹中恒夫君 きわめて重大な問題でありまするので、重ねてお聞きいたします。大体ただいまの鹿島委員に対する大臣の御答弁、ないしは過去における大臣の考え方等を、すべて、私は、筋が通っておって、いつまでも共感を持っておるということを申し上げておるわけです。ただ、この単価点数方式の認識だけは、大臣、残念ながら筋の通った考え方をしておられぬように私は思う。あるいは大臣になられてから、いろんな官僚の立場における御説明をお聞きになって、あるいは資料をお持ちだそうですが、そういうへんぱな資料をお持ちになっていることによって、考えがゆがめられたんじゃないかと私懸念するわけです。今鹿島君の言われまするように、現在の社会保険の報酬金の支払い方式は点数単価方式なんです。点数単価方式がいいということは、申すまでもなく、今お話のように、点数はランキングであり、日日の経済情勢の推移によって、単価によって経済的な裏づけをして上げたり下げたりするということは、これは三十年来続いてきておるんです。点数単価方式による社会保険報酬の支払いは、たまたま三十三年にああいう十円にまるめたということにつきましても、国会にも非常に議論がありました。決してこれは既成の事実にしない、ただこの際はこうしなきゃならないんだという厚生省の、まあ願いといいますか、説明を了として、われわれはあの当時認めたわけなんです。議事録にもありまするように、決して十円まるめたということによって、計算単価でないんだ、あくまでも経済要素のある単価であるということは、確言しておられるわけであります。それを今日になって、三十三年当時に十一円五十銭を十円にまるめたんだから今後も医療費の引き上げは点数でやるのだということは詭弁であり、あるいは既成事実を、われわれ憂えた既成事実をやっぱり作って積み上げていこうとしているわけであります。私はここでお聞きしたいんですが、では、来年所得倍増によって一般の国民の所得が八%ふえたという場合に、今の厚生省の考え方で、医療担当者の所得をどうして八%ふやすことができますか。点数を一律に八%上げればランキングは狂っちまうわけなんです。やはり点数というものはあくまでも今のが正しいんだという前提で、三十三年には甲表をお作りになったはずなんです。もしこれがいけない場合にはもちろん修正するということもございましたから、修正すればいいと思うのであって、ランキングの修正は別問題、医療費の引き上げとは別問題、そうしなければ、十年先に所得倍増を国民がした場合に、医療担当者は絶対所得倍増はなし得ない。あるいは所得倍増を無理にするなれば、ランキング、めちゃくちゃな点数の一律引き上げというようなことではとうてい合理的な私は増収は期待し得ない。やはり最初の考え通り点数単価方式を十二分に御認識になって、この際被保険者にもその間の事情をよくお話しなさって、おやりになり、鹿島君の言われたように、はなはだしい点数のアンバランスは一部是正もやむを得ないと思いますが、やはり基本的な考え方をそう変えられるということははなはだ穏当を欠くことだと思います。中央医療協議会で支払い方式の点数単価方式をおやめになったということ聞いておりません。あくまでも今の段階では点数単価方式でやるという医療協議会の考え方だろうと思うのであります。三十三年に事務報告しただけでありまして、決してあの当時単価を計算単価に変えたのだ、よしという了解のあった話のものではございませんし、当時医療担当の委員もそう了承しておりません。この点だけはどうしても古井厚生大臣の考え方が官僚に引っぱられているか、あるいは勉強が足らないのか、私は残念ながらこの点だけは筋が通らぬと思います。一つ明確に今御答弁をいただくか、あるいはなお十二分に研究して、やはり基本的な考え方に立ってやるんだということでないと、私はあなたのために惜しむのであります。お考えどうでしょう。
○国務大臣(古井喜實君) まず初めに誤解がないようにお願いしたいと思いますのは、私は単価引き上げをやらない、点数の是正をやるんだ、こういう前提を持っているのじゃないのであります。これはもうさっき以来申し上げているように、一律引き上げという御相談に医療協議会がなってもそれもよろしい。点数是正にしなければいけないのだという考えを持っているのじゃないという点はぜひ一つ誤解のないように、今までもやっていることでありますから、それはそれで御了解願っておきたいと思います。一つの先入的な考えを持っているのじゃないということですね。 そこでその次にあるいはその点で済むのか済まぬのかしれませんけれども、そうしますと、今度は点数と単価のその性格の問題でありますね、性格論。これは私も、十分それは正しく理解しているかどうかはわかりません。初め申し上げましたように、十分理解しているかどうかわかりません。それほど大きなことは、私は申しません。ただ、私のさっき申し上げたりしていることは、事務当局から一つも聞いたことではないのであります。あの二十七年ころか、八年ころ、医師会の方で三度実態調査をなさっておりますね。あの表なども拝見したり、御説明を伺ったりしているうちに、私の頭にある受け取り方が出てくる。それはどういうのかというと、今の点数と単価というものの性格というものがそれほどきっぱりしているだろうかどうだろうかという点については、私はまあやや疑問を持ちましたので、それが基本じゃありましょうけれども、他の複雑な考慮も入るのじゃなかろうかということを申し上げた程度でありまして、これはまた御教育を受けて、誤っておれば、私の印象を払拭することにしたいと、これは思うのであります。きょうの問題は初めに申し上げましたようなことなんであります。
○竹中恒夫君 よくわかりましたが、あなたの御答弁を受け取る方としては、やはり点数でやらなければ、単価では非常に不均衡な支払い方式になって困るという印象を受けるわけであります。一番今医療界が混乱している原因の、鹿島君お聞きしたところにきわめて明快な答弁ございましたが、一番大きな問題は、日本医師会が問題にしておりますのは、支払い方式をそういうふうに勝手に変えて点数でやるのではなかろうかという疑いを持っているわけであります。これが一番問題点であるわけであります。そこへもってきて大臣が今おっしゃったような答弁をなさるとよけい心配を持つわけなんです。私は今の混乱した状況をおさめるのには、やはり基本的な昔の考え方通りの引き上げ方法をとるということであれば、この混乱もだいぶんやわらいでくるのじゃないかという感じを持ちますので、特に申し上げておるわけであります。なお、今後研究するということでございますから、十二分に御研究願いたいのでございますが、早急にそういう疑心暗鬼のことによって大臣が何も点数でいくと言うておらないのに、医師会がそれを心配するということは、過去の実績がそうあらしめたという一つのことがございます。いろいろなもろもろの問題についてそういう点も十二分にお考え願いたいということを申し上げておきます。
○小柳勇君 私も話聞いておってよくわからないので、二点ばかり大臣に質問いたしたいと思いますが、十九日の一斉休診については医師会の話を聞きますと、厚生省に対して抵抗している点はやむを得ぬという気持もいたしておりましたが、今まで大臣の答弁聞いておりますというと、まだはっきりした厚生省案というものも示しておらないというような気がするわけであります。一応総医療費の一〇%引き上げを予算のうちではきめたけれども、あと価単で上げるのか、あるいは点数を調整するのか、そういうものもまだきめておらぬ。それに勝手に医師会の方がこうやるであろうということで騒いでおる。前もって何か話してくるならばどこかに氷解点もあると思うけれども、それすらやらない。それで十九日に一斉休診するというのはどうもけしからぬ、こういうように大臣の答弁を聞きますと理解するわけであります。そうしますと、就任以来大臣が言っていられるのは、一番中立的な機関の中央医療協の寝ているのを起こして、これに相談して、答申があったならばこれを中心に私どもの態度をきめて、直ちに医療費の引き上げを実施していきたい、こういうことをわれわれは再三聞いてきたわけであります。ところが、今日まで医療協はまだ動いておらぬ。寝たままである。ところが、厚生省の案も医療協が寝ておるものだから、厚生省の案もまだきまらぬ。一〇%は予算では一応きまろうとしておる。そこで、医師会としては、厚生省はこうであろうということで騒いでおるということになりますと、問題は医療協がどうしたら起きるかということと、あとは医療協の答申が出て厚生省はこれの細部の点をきめるが、医師会がその点を要求しておりますけれども、この点どうきめるかということが問題の解決のかぎのような気がするわけです。それは医師会と厚生省との話し合いしか解決の道がないような気がするわけですね。それに医師会の方からは陳情書を持ってこないと言われる。歯科医師会は持ってきたけれども……。それでは厚生省はその医師会に対して今までどのような働きかけをやってお話し合いになってきたのか。それをせぬことには、われわれが幾ら新聞で世論を聞きましても、ここで論議しましても、医療単独の問題を論議しましても問題は解決しないのではないかという気がするのです。従って、厚生省はあるいは大臣は医師会とどのような話し合いを、今まで向こうが来なければこっちからどうやっていって話をされたか、その点を第一に聞いておかなければならぬと思います。
○国務大臣(古井喜實君) それであの医師会の方の今度の一斉休診の発表は、九日に実はあの発表がありまして、あれは多分厚生省の記者クラブにおいでになって、クラブの方に医師会の方が会見を求められて、厚生省のクラブの者がお目にかかってあの発表を聞いたのであります。私どもは、その発表を聞いて初めて知ったのであります。実は今度の一斉休診等ですね、それならもうそこまでのことをおやりになるなら、これはどうだ、あれはどうだと、もう少しまあ話し合いというか、われわれの意向もたたいていただいたらよかったんじゃないかと思ったんですけれども、実際はそういうことになったんですから、もう事後の問題になった。それからその発表もありましたので、そこで私は、国会の方で時間が自由になりませんので、政務次官とそれから局長、医務局長それから別に公衆衛生局長も行きましたけれども、医師会の本部にやりまして、そしてこちらからお目にかかりたいということを申し上げて、よく経過やお気持もそれで承知をしたいし、それからなお一般もあれでびっくりして大へん心配をしておるわけですから、心配事が起らぬようにその辺もよくお願いをしなければならぬと、こういうわけで、政務次官、局長をやったわけであります。こっちの方からですよ。しかし、これは御案内のように、医師会の方で会見を拒否されて、十九日前は会って話すことはお断わりだということであったわけです。しかし、それだけではこちらはあっさりあきらめられませんから、なお、それに続いて経過もございますので、政務次官からぜひ会いたいのだということを直接会長にも電話をし、長々お話をして、ぜひ会いたいものだ、やはり十九日前は会わないと、こういうことでもございまして、まあしかし、これは時間の経過もありはしないかというようなことも思ってみたり、会わぬとおっしゃるにはどうしようもないのですから、お目にかかって話し合いをするということは今日まで断わられてそのままになっておるのであります。だんだん、しかし、いろいろな関係から御意向もああこういうことかということはわかってきたようには思いますが、しかし、厚生省あるいは厚生大臣はこの問題については一体どう思っておるのか、これはこうですよと、こういうことを申し上げるチャンスは遺憾ながら持ち得ないできておる。怠っておるわけでもございませんけれども、そういう経過で今まできておるのであります。
○小柳勇君 もう一つお伺いいたします。もう一つは、大臣は午前中おられませんでしたけれども、保険局長からこの一〇%の総医療費のワクをきめる考え方は述べられました。その中でたとえば技術あるいは薬価あるいは医療担当者の報酬など、大体の考えは述べられたのですけれども、その中で総医療費の中の一〇%の中では、医療担当者については、これは概算ですから、考え方だけでは五七%ばかりです。七万円から十一万円とか、あるいは薬価がどうとか、いろいろ基準を言われました。そこで、私は医師会があれだけ騒ぐのはゆえのないのではないではないか。大臣は、いや今医療協からの答申もないのだから、厚生省としてはどうでもなるのだ、話し合いをすればどうでもなるのだと言われますけれども、実際は一〇%をきめるときはそういうふうなばく然たるもので、将来はどうなるかわからぬということできめられたものではないと思う。従って、それをきめるときに、今医師会が騒いでいるように、もう厚生省の腹は大体きまっておった、それがそれとなく漏れていって、厚生省としてはこのまま黙っておったならば、一〇%の総医療費のワクがきまったならばこうなると、従って、こうしなければならぬというのが今の医師会の十九日の一斉休診の大きな理由ではないかと思うのです。そこで、それを解決するには、大臣が今おっしゃっておるように、将来はどうでもなるんだ、こういうことでは問題にならぬというような気がするのです。そこで一番根本になるのは午前中から要求しておるように、数字的にたとえば医療担当者の給料はどうなるのか、あるいは薬価についてはどういうウェートをとるか、注射はどうか、技術はどうか、こういうものが根本になるのですけれども、それはまだ自民党内の調整もつかぬ、あるいは政府と医師会との話し合いもつかぬので、故意にここで数字が出ぬのか、あるいはそれはまあ一生懸命やっているけれども、今週中出ないとさっき言われましたが、そういうものを明らかにして、そうすれば医師会も話してくるのではないかと思うのです。今大臣が、これは将来どうなるかわからぬと言われるから、十九日まで出ないということをもって対決しておられますけれども、そういうことでこの際大臣として私はお聞きしたいのは、もう少し厚生省全体の腹をはっきりきめて、そうして根拠を示して、われわれはこう思っている。医療協についてわれわれは全然白紙で医療協からの答申がそのままいくと言われますけれども、私どももいろいろ委員会に参画してきましたけれども、全然素材がないような委員会とは思わぬわけです。そのような、もう少し腹を割って、そして医師会にも国民の前にも明らかにしなければ、この問題解決せぬのではないかと思うのですけれども、大臣として今この段階で決意しないと医師会も話にならぬですよ。そういうときに大臣としてどう考えるのか。もう十九日というとあと四、五日です。大臣の決意を聞いておきたい。
○国務大臣(古井喜實君) そこで厚生省の考えを示せ、あるいは医師会と話し合って、話し合いできめたらどうかとかいうような意味にもお話が聞えるのでありますけれども、しかし、厚生省がこれは独断できめますということは、ルール、法律にも反するし、それからきめる内容は同じ結論になりましても、これはまあきめるべき場所できめるものでありますので、そういう場所で、つまり関係者も話し合して、これは一律に引き上げていいじゃないか、これは簡単な話ですが、一律引き上げでいい、こういう結論の場合にはそうするともうそれできまるわけであります。ただ、私が申し上げますのは、きょう今の医療協議会を開かぬでおいて、その前に厚生省の考えはこうであります、ああでありますということを、勝手に申し上げますことは、もう今のように、医師会のお考えはこれは非常に重要でありますけれども、違った考えの立場の人もいるのであります。負担する側の方は違った考えで立っているのでありますから、さらに今のように申し上げるのはいかが、医療協議会を開いてみたらどっちの線も出てくるのですから、今度まるでこう医療協議会も話がまとまらぬ、混乱に陥ってしまうということになっても、これはものがもうそこでこわれてしまうのであります。でありますから、やはり関係者もそっちにもこっちにもあるわけですから、かりに同じ結論になるにいたしましても、そういう話し合いの共通の場において結論を出すということで、円満にそれでおさまるのです。そうしたい。これがまあ私ども申している意味なんです。そのときに厚生省の考えが今のこうであるとか、ああであるとかいうことはありませんということは、私は何度も申し上げている道りでございまして、ただ、今の一律引き上げと私ども言っても、医療協議会を開いてもこんなになってしまった、これでもこれはまとまらぬことになるのであります。医療協議会を無視してあるというなら別でありますけれども、そこを考えるからやはり話し合いの場を、この土俵が悪いなら、私も実はその土俵がまずいとか、よいとかいうことは、きょう取り組むのは容易ならぬ大荷物です。きょうはきょうで避けて通っていくという行き方もあるかもしれませんけれども、考えてみますと、これは将来いつまでもいい工合に改善しなければ災いになると、きょうのことのみならず思いますので、まことに荷物は大きいけれども、土俵を直すということを、かたがたもってやろうじゃないかということを考えるのでありまして、そこの辺はよい円満な結論を出すというためには、なかなか苦心が要るのでありまして、その辺の事情はこれはもうあるいは十分おわかり下すっているかもしれませんけれども、十分お聞き取り願っておきたいと思います。
○藤田藤太郎君 大臣、私は今のお話を聞いていると何かわからなくなった。あなたは医療協議会がきめるのだから、だから云々、医療協議会というのは政策上は諮問委員会、しかし、民主的なその医療協議会の世論を尊重して行政をやっていくシステムというのは新しい日本の姿だ、これは私はその理由は一応うなずける。そうすると、今度はどうなってくるかというと、あなたの方、与党である特別委員会がきめたが、このくらいは必要であろう、それからまた、医師会の要求、歯科医師会の要求というものは並んでいるわけですね。そうでしょう。あなたの方の積算の基礎、それから方向というものはまだ明らかにならないのだけれども、あなたがおきめになったという一〇%、他はもっと高いわけでしょう。そうでしょう。そうして医療協議会がきめてくれるのだという今の御説明だったら、むしろ一〇%というのは厚生省お出しにならなければよかったと私は思う。そういうことでむしろ医療協議会が活動して前向きに歩くような姿をまず第一にそれだけ医療協議会、民主的な諮問機関の意見を尊重する、今になっておっしゃるなら、なぜそれを歩き出すようにもっと力をお入れにならなかったかということを私は強く感ずる。厚生省は一〇%ワクをはめておいて、お聞きするのだ。それじゃ医療協議会でいろいろなことをきわめてやるということは、むしろ厚生省の立場からいったら、ワクをちゃんとはめておいて、その中の配分について医療議協会で相談するのだというふうにしか聞けない。厚生大臣は、新聞やその他で談話の中でおっしゃっていることは、一応出したけれども、その民主的な機関がどこが適当だということなら、それで従いますというような、そうとは言っておらぬか知らぬけれども、そういう雰囲気が外へ流れているわけですね。そうでしょう。それじゃまず医療協議会を歩かすようにして、それを尊重するのだというなら、厚生省がこれだけのワクの中でしてもらいたいというような言い方は少し話が筋が通らぬのじゃないですか。私はよく点数、技術の価値その他の個々のそういうことはよくわからぬけれども、話の筋道というものはそういうことになっていきはしませんか。今のお話を聞いていると、今じゃ一応厚生省のお話しになっていることは、一〇%のワクの配分について医療協議会がきめなさい、こういうことを言っておられるとしか考えられない、そうしたらそのワクをおきめになったなら、その一〇%はどういう具合にして厚生省は計算したのだというやつをもっと明らかに一つ出して、そうしてこういう工合に考えるのだということをお出しにならないと、何かしらそこのところあたりにいくと、大臣のお話、今までの経過から考えて、ぼけてしまっているような気がするのです。そこのところあたりのずっと一貫した説明をして下さい。
○国務大臣(古井喜實君) これは私はきわめて明白だと思っておるのであります。初めから申している通りに、医療協議会を先に開いて、あなたのおっしゃるように歩けるように、動けるようにして、そこにかけた上で御意見をもとにして予算を組む、こういう順序に、これが一番よい行き方だと思いますのでそうしたかった、今度の予算を組むときも。そこで、医療協議会を何とか動くようにできないかと思って昨年以来努力してみた。しかし、予算をきめるときは時期があります。それまでにはどうしても医療協議会を動かすような状況にこない。そこでこないから、この問題は二つの道が起こってくる。やはり医療協議会というものを先に開いてという筋を通しますならば、開けるまで待って予算にはずれてしまって、一年医療費の引き上げを見送っても筋を通していくという道があります。まず先に医療協議会を開く、そういう道もある。開く方に努力しまして。そういう道をとるのも一つかと当時考えたのですけれども、一年医療費の引き上げというものを見送ることができるか、できないか。いろいろな情勢から考えて、これはどうも一年見送るわけにいかない、こう判断をいたしましたので、そこで順序を転倒して、一応厚生省なりの資料で医療費の引き上げの幅を出して予算を組んで、予算には間に合わせる、つまり、一年ずれないで間に合わせるようにする、しかし、医療協議会の問題がそういうふうになったのですから、あとさきになったのですから、医療協議会をなるべく早く開いて、意見を聞いて、その意見を尊重してこれを具体化する、こういうことにせざるを得ないようになった、こういう筋道を私はさっきから申し上げているのであります。初めに開いておけば一番いい——初めにということを言われると一年ずれてしまう。予算に乗りおくれる。それはできない、政治的な私の判断として。そこで、順序があとさきになってしまったのは、医療費をここで組むためにはやむを得ない。私は、延ばしてもいいというならば別として、一年見送るわけにいかぬというのが私の政治的な判断です。ですから、医療協議会の道が残った、こういうことになってくるのであります。この点は、私は、医療費の引き上げを見送ってしまうのが一番筋が立ったと思うのです。しかし、そうはいかぬと考えるから、順序が逆になった点がこれは変わってきているのであります。
○藤田藤太郎君 いや、医療費を一年見送った方が筋が通った……。私の言っているのはこういうのですよ。あなたが、今の一〇%というものは単なる腰だめとしてとっておられるのか。ことしからどうしてもやろうとするなら、予備費でとっておく手も予算の上では私はあると思うのです。しかし、私は、そんなに医療協議会の問題が、それだけ十分尊重してやっていこうというお気持があるのはけっこうなことだと思うのだけれども、早く上げなければならぬ。予算の時間的な問題とか、今度の四月から上げようという腹をきめる前に、何でもっと早く医療協議会が開けるようにしておかれなかったか。聞くところによると、今月一ぱいに社会保障制度審議会にあなたは白紙でおまかせしたのだとおっしゃるけれども、新聞はあげて、この医療協議会の改組の問題を社会保障制度審議会に言ったのだ、こういう工合に伝えているわけです。ですから、やはり何とかして合理的に医療協議会の議を経て、この一〇%が適当かどうかということをお聞きになるお気持がそこには動いていると私は思う。真の気持は知りませんが。しかし、そういうことなら、なぜそういう問題を来年に回して、きまるまでというようなことではなしに、行政ですから、四月から、また情勢によってはもっと早くからでも、一日でも早くやるように、医療協議会の改組という問題をもう昨年の半ばあたりに——大臣はそのときはなっていないけれども、筋としては私はそうじゃないかと思う。だから、予算が間に合わなかったから、ずっと……、こういうことですね。予算が間に合わないので、医療協議会に、あなたが大臣になられてから一応一〇%という腰だめといいましょうか、一応のワクだけとっておいた。それで、できる限り早く医療協議会を開いて、これが一〇%か何%になるかは知らないけれども、その答申によって四月から実施しよう、こういうことなんですか。
○国務大臣(古井喜實君) 大体の御趣意はその通りなんです。私は、お話のように、就任早々から何とかこの医療協議会を動けるようにしようと思って、去年以来、精一ぱいやってみたのです。今の機構のままで一体動くようにできないか。医師会の参加が求められれば動くようになるわけです。もうそれだけのことなんです。けれども、これには御承知のように、もう長い長い過去がありまして、医師会の方は、長い過去もあるし、かたがた容易に参加が得られないけれども、何とか参加してもらいたいと思ってずいぶんやりました。私は精一ぱい。けれども、結局、これは予算を組むまでには、医師会の参加を得て開こうと思えば、もう間に合わぬ、時日が。これはもう一年半以上の問題ですよ。私にぐちを言わせていただくならば、もっと早いときにこの医療協議会というものをなぜ動けるような機構にしておいてもらえなかったかと思う。しかし、ぐちを申しても仕方がありません。そこで、動かぬのですから、一年半以上の経過のある問題ですから、予算のときまで間に合わぬ。さらばといって、予算をここで見送るわけにいかぬから、仕方がないから、まあ一つの見方で、つまり厚生省にある手元の資料で、とにかくこれだけやれば全体的には一応カバーできるじゃないかというものをもって予算を組んだ。しかし、医療協議会にやっぱりかけたいから早く動くようにしたい。しかし、結局今の機構のままでは医療協議会は円満にこれはやれない。そこで、これはもっと動く機構に直す以外には医療協議会を動かすわけにいかぬと思いますから、そこで医療協議会をどうしたらいいかという問題に取り組んだ。早く軌道に乗せたい、こういうところに来ておるのが実情なんであります。これしか、どう考えても私どもとしては、誠意がないと言われるかもしれないが、道がないと、こういうわけなんであります。
○高野一夫君 私は藤田さんの今の質問に関連して、また、多少は違っている点もあるのですが、伺っておきたいことは、今までのことはともかくといたしまして、今後、中央社会保険医療協議会がある姿になるかならぬか別といたしまして、そこにかける、それに厚生省としては全く白紙で、何らの案もないのだ、皆さんの各委員のいわゆる世論に聞いて、案を作っていくんだと、こういうお話——私は、厚生省は一つの案を作ってもいいじゃないかと思う。毫も差しつかえないと思う。それは、こういう場合が二つ出てくると思う。会議をお開きになる、何も案がない、何も案がない、そうすると、各委員、各団体からそれぞれ案が出て、幾つかの案を片っぱしから審議していって、これはいかぬ、これがいいじゃないかということに落つくまでにはむしろ時間がかかる。そのときに、厚生省が、第一案、あるいは第二案——第(案)つでもいいし、あるいは二つぐらいの案を作って、かりにそれを一つの素案として話の材料に提供して、それが賛成を受ける受けないは別です。その是非賛否は別として、一応会議の話のきっかけを作るためには、ある場合には政府の方からのものの考え方、案を提示しなければならぬ場合が出てくると思います。ことに、その協議会の委員諸君が、おれたちは出さぬ、まず一つ厚生省の案、考え、構想を聞こうじゃないか、こういうふうに出るかもしれない。私は出る可能性が強いと思う。そのときは、厚生省は何にも案がありません、全く白紙です、あなた方におまかせします——これじゃ私は社会保険医療を担当していく厚生省としてはどうかと考えるわけなんです。それで、そういう場合もあり得るから、そのときにはやはり、是非賛否は別にして、案をお作りにならなければならぬはずだと私は考える。用意しておかなければならぬ。そういうふうに、協議会の委員諸君が、まず厚生省の構想を聞きたい、案を一つ出してくれ、賛否はあとできめるが、一応それを第一に審議していこう、こういうふうに委員の方から出た場合には、厚生省は案をお出しになりますかということを一応伺いたい。お出しになりますか。それでもなおかつ、白紙で、何にも案はございません、皆さんの方で一ついろいろ案を作ってまとめていただきたい、こういうふうに最後までそれを突っぱねられるか、いずれをおとりになるか、私は両方の場合があると思うので、会議をできるだけ円満に、そしてできるだけ迅速に協議会をお進めになる上において、この二つの場合を一つ伺っておきたい。もう一つあるのですが、一応それを伺っておきます。
○国務大臣(古井喜實君) 協議会を開きまして、そこで協議会のメンバーで御議論なさって、そこであるいは御議論の結果、この際はもう一律引き上げでいこうじゃないか、こうふうに御意見が簡単にまとまれば案を出すも出さぬもないと思うのです。これは簡単な話になってしまうのですね。十円を、単価を上げる、これは簡単にそこで話がそうなってしまえば、そういうことにあるいはならぬとも限らぬと思うのです。それでその協議会は済むわけです、意見は。それからそうならぬでいろいろ意見がある。そこで一体どういう考うる案があり得るか出してみろというような事情になるかもしらぬ。幾つかの考うる案を出してみろ。どれこれと言わずに、その中から検討してみて、これということをきめようじゃないかということになるかもしれぬ。それなら、そういうお言いつけがあるなら、それは幾つかの考うる案を出しもいたしましょう。参考案を、協議会のお求めによって。それからまあどういうお話になるか知らぬが、それは会議の御意向を尊重しまして、お求めに応じてこっちは、これは何というか、準備する案、差し出すものを考えなければなりませんから、そういたします。これはいたすにきまっておるのであります。ただお求めがあるかないかわからぬときに、こうだ、ああだというと、協議会を尊重した趣旨にならない。協議会の御意向をもとにしてこっちは出すべき資料は出すというふうにした方がよいのじゃないかと私は今思っておるのであります。
○高野一夫君 それで私の方は会議の運営の経過を予想いたしまして今申し上げたわけで、それは最初から厚生省が案を出すことを協議会の委員諸君が不愉快に思うという場合もありましょうから、それは出す必要はないでしょう。出す必要はないだろうが、もしも私が協議会の委員であるならば私が一つの案を持っておっても、どうも厚生省の案は、考えが違っておるらしい、こう思っても、一体厚生省はどう考えておるのですか、厚生省は何か案があるはずでしょう。一〇%の予算を獲得したについてはもちろん何か根拠もあるだろうし、それを説明しなければならないが、それをどういうふうにしたら厚生省としては一番いいと考えるか、どういう案かお示しなさい。私は協議会の委員だったら一応私が別な案を持っていてもそういう要求をいたします。必ずそういう要求は出てくる。そのときに私は先ほど来非常に大臣が白紙だ、白紙だとおっしゃることは非常に謙虚なきれいな気持に聞えるけれども、そういうような場合に案をお出しになる用意があるかどうかということを伺ったわけです。それで、そういう要求があれば案を出す、こういうふうなお考えですから、要求されない前にすでに案は御用意置きになるはずだと考える。 それでもう一つ、私は今の話で大体わかりましたが、案を要求されれば出さなければならぬということは当然のことであるということで、そういう準備もされるということはよくわかった。 ところでもう一つは、今度は万が一、これも予想ですからわかりません。手づかみじゃないが、一応の根拠があるのだが、予算を獲得した、一応握った、それが足りるものかあるいは余るかどうかわからない。単価引き上げでいくか、あるいは点数是正でいくか、また、その両方をちゃんぽんしたものでいくか。それも協議会にかけなければわからない。そのいずれかの案で、かりに単価引き上げという場合が出て、今十一円くらいなら——これは想像ですから、想像だけれども、あり得ることだと思うので、私は伺っておきたい。十一円くらいなら今の予算で何とか間に合う。しかし、自民党の特別委員会が要求したような十一円五十銭あるいは十二円と、こんなふうに協議会が案を出して厚生省に、政府に押しつけた場合、予算が足りない、そのときその予算をどうされるか、たとえば七月から実施する医療費値上げをずっと延ばして、十月なら十月にして、そうして十一円に上げたいけれども、協議会が十二円というから十二円に上げる、そのかわり実施期日を延ばして十月からにして、予算を間に合わせる、このつかんだ予算で間に合わせる、こういうようなことも協議会まかせだというと、そういうことも考えておかなければならないと思う。そういうようなことについて、予想することについて今大臣はどうこうするということもお立場上言いにくいかもしれませんけれども、私はそういう場合もあり得ると思うので、御返事がむずかしければこれは要りません、御答弁要りませんが、そういうような実施期の異動も要求される、予算をよけい別に予備費から取ることができなければそういうことも考えられる。そうすると、今度は七月からとりあえずの値上げを実施する、甲乙一本化が決議されている、そうすると、これはどうするのだということが当然出てくる。そうすると、七月から今度の値上げをする分には暫定的のやり方をやって、甲乙表はあらためて別個に協議をする、協議会にかける、こういうことなのか、協議会にかけるならば、七月からは甲乙表一本化の方式でいきたい、こう考えるのか、これによって私は協議会に対するかけ方、厚生省の案の作り方というものは、非常に変わってくると思う。私の考え方では、甲乙一本化の合理化をやってもらわなければならないと思うが、これはなかなかそう二ヵ月や三ヵ月ではできないと私は思っているので、この秋までに一応厚生省の案ができ、協議会の案ができれば早い方じゃないかというくらいの感じを持ちます。従って、甲乙二表の一本化を七月から間に合わせる、そういう考え方もお持ちであるのか、やはりそれはとてもだめであるから暫定的に七月から医療費の値上げを考える、こういうふうにお考えになっているのか、こうなりますと、それはもし万一甲乙一本化でできるならばいきたいというならば、その案を厚生省は協議会の劈頭から案をお出しにならなければ、協議会がにっちもさっちも相談の進めようがなくなる。この辺も一つ区別してお考え置きを願って、もしも返事がしにくければお考え願って、この次の御返事でもけっこうです。しかし、甲乙一本化はどうする、今度の医療費値上げと一緒にするか、できるならば一緒にやっていきたいのか、その点についてだけでも御答弁いただきたい。
○国務大臣(古井喜實君) いや前の問題も率直に私の考えをお答えいたしますが、今までも申しますように、医療協議会というものをまだ開いていないのでありますから、そこで開いてこの問題を審議してもらった結果、どうしてもこの医療費一〇%引き上げというのでは足らないのだということが、医療協議会の意見として審議の結果、ちゃんとそれの根拠があってということになりましたならば、私は今回のこの取り運び方の筋通から申しまして、つまり医療協議会にあらかじめかけていないのですから、あとでかけるのですから、そこでどうしてもこれは足らぬという結論が出ますならば、これは大いにその御意見を尊重してそれに対応して措置を講ずべきことが筋道だと私は思うのであります。協議会にかけていない問題ですから……。 それから甲乙一本化の今のことは、衆議院の予算委員会でも私は率直に私の意見としてはそうだということを、総理もいるところで申しました。大蔵大臣もいるところで。それから甲乙一本化の問題これは私は新米でありますが、実に今までの経過もあるようでありますが、むずかしい問題のようで、一本化ということには一致しておりましても、乙表をもとにした一本化であるのか、甲表をもとにした一本化であるのか、それとも両方を一本にして中間的な一本化であるのか、同じ一本化といっても非常に違うのであります。言葉は一本化でありましてもね。これは実に大きな問題だと思うのであります。そこで一体この際一本化に手をつけるべきか、いずれは一本化ということはもう理想でしょうからやらなければならぬにしても、この際一本化に手をつけるかっけないか、こういうことです。この際はやるのか、この次の問題にするのか、こういうことを医療協議会で論議してもらって、これはむしろ数字というより考え方、方針的な問題ですから、そして今度やるとか見送るとかいう方針的なことを御意見をまとめていただいて、これを大きに尊重したいと思います。それをまた一体厚生省は、お前たちの考えはどうだと協議会の方でおっしゃれば、それはこっちはこっちでそのときお言いつけがあれば申しませんわけではありませんが、これは方針的な考え方なものですから、論議をしていただいても十分結論が出る問題じゃないかと、こういうふうに思っております。
○高野一夫君 それでは保険局長でけっこうですが、現在医療費問題がここまで紛糾してきますと、過去の問題やら現在の現実の問題をとらえただけでは対策が生まれてこない。従って、今後起こり得るあらゆる事態を予想いたしまして、その場合の対策を今から考えておくのでなければ先のお話にもある通り、中央社会保険医療協議会の問題みたいなことになってしまうと思うのです。そこで、いろいろな場合を予想いたしました場合に、私は、先ほど予算が万一足りなくなるような単価引き上げのとき案が出た場合に、七月から実施ができなくなるから、今度は十月からか十一月からに延ばして、そしてとりあえずとってある予算でまかなって、しかも単価は最初厚生省が考えておったよりはよけい上げる、こういう案にかりにきまったそういう場合には、今度は十月から実施するということになるならば相当の期間がありますから、ついでに甲乙一本化のその最終のいわゆる案というものもかけられるのじゃないか、こう思うのです。そこで急いでどうしても七月から実施するのだということになれば、甲乙一本化の何はとてもこれは間に合いません。そうすると、当然これは何が何と言おうと、好むと好まざるとにかかわらず、暫定的の方法でいくより仕方がない。でありますから、その七月から完全に実施する方針でいくか、場合によっては十月からになってもやむを得ない、こういうことになるか、ということは、甲乙一本化を一緒にやってしまうか、次に延ばすかということの問題にひっかかっている、こういうように思うので、私は、そういうような実施期が延びる場合、そうして単価が予想されたるよりは上がる場合、こういうような場合を想定をいたしまして、その甲乙二表の一本化問題を申し上げたわけなんです。そこで、これはどうしてもやはり甲乙一本化については政府が責任を持って一応の案を作らなければならぬものだと考えます。どうせ甲の線に沿うた説もある、今のお話しのごとく、乙表の方に統一すべき線もある、中間の説も出て参りましょう。だから、これはいずれにしても一つかあるいは幾つかの案を厚生省で作って、協議会にもまた国会のわれわれにもお示し願わなければならぬ、こういうふうに私は思いますので、その実施期が七月からいく場合と十月ころになる場合とを予想して、この医療費のいわゆる値上げの方式について研究する必要があるのではないか、こう思ったわけであります。どうかこの点一つ研究しておいていただいて、また、次の適当な機会の委員会でけっこうですから、保険局長からでも、大臣からでも、政務次官からでも、いずれからでもけっこうですから、しかるべき説明をお願いしたい、これだけのことを一応お願いします。
○委員長(吉武恵市君) 速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。簡潔に願います。
○坂本昭君 関連でありますから、大きい点だけ二、三お答えいただきたいと思います。 第一の問題は、古井大臣の御説明を聞いておりますと、非常に民主主義者的な印象を受けるのです。これは非常にけっこうなことでありますが、この昭和二十五年三月に制定された社会保険審議会及び社会保険医療協議会法、この中で十三条に「適正な診療報酬額を審議し及び勧告するため、厚生省に、中央社会保険医療協議会を置く。」それから十四条に、「中央協議会は、」「厚生大臣の諮問に応じて審議し、」云々と書いてあります。そこで、大臣の非常に民主主義的なこういう諮問機関によって決定するのだという態度は、いまだかつて見られない、保守党内閣におけるほんとうにりっぱな民主主義的な態度であると私はその点で非常に敬意を表したい。しかし、過去の実例を見ますというと、たとえば昭和三十二年の健康保険法の一部改正のときに、今の社会保険審議会及び社会保険医療協議会法に基づいて、たとえば第一条の「健康保険事業」云々「運営に関する事項を審議するため、厚生省に、社会保険審議会を置く。」、こういうことにもかかわらず、当時この審議会に諮らないで健康保険法の一部改正をやった事実がある。そうして今までの長い沿革の中では、中央医療協議会はそのような民主的な処置をしてこなかった。そうして今ここに行き詰まってから、ある人が評しましたが、尼寺に駆け込むように、駆け込んだら何とかしてくれるだろうということは、非常に民主的に見えて、かつ率直に言えば、私は怠慢であると思うのです。責任のがれであると思います。そとでむしろ私は、率直にすなおに大臣の民主主義者としての評価を高く買います。高く買いますが、もしそれを買うとなれば、これは年余にわたって中央医療協議会が審議しないでストップし、あのカナマイシンのように、人道問題に及ぶようなことを放置してきたままやってきた責任はだれか。私は責任をとってもらいたい。そうしてこれを読むとはっきり「厚生省に、中央社会保険医療協議会を置く。」とあり、「厚生大臣の諮問に応じて審議し、」となっている以上は、この審議がストップされたことは、これは厚生省の責任だと思います。でありますから、この際責任を明らかにして、過去のことは問わないと言いますが、私は過去のことを問いたい。過去のことを問いただしてその責任をちゃんと明らかにしていただかなければ、この中央医療協議会のことについては、高野委員や鹿島委員が今るると御論議になりました意味がないと思います。でありますから、従来審議がストップしておった責任は那辺にあるか、そうしてこれをどう御処置になるか、承りたい。
○国務大臣(古井喜實君) とにかく長い間医療協議会が動けない状況で、麻痺状態のようなことになっておったということはうまくないことだと思います。そこで、その原因や責任がどこにあるのか、こういう問題になりますと、それは広く申しますれば、すべて厚生大臣の責任でありましよう、具体的に論じますれば、いろいろ意見が御承知のようにあるのであります。しかし、私は、広く言えば、これは厚生大臣の責任でもございましょうし、具体論を、どこに原因や責任があるかということを論じますことは、必要ではありますけれども、ますますこれは医療協議会の問題を、議論を感情的にも刺激し、紛糾する問題になると思うのであります。人によってこれは見方が違うと思いますので、そこで御意見ではありますけれども、原因や責任はともかくとして、動かない機構がここにあるのだ。これを何とか動くようにしたい。そこで将来の問題として医療協議会に私は取り組むべきだ、こう考えたのでありまして、社会保障制度審議会でそういう言い方をしたのであります。原因や責任はどこにあるかということはとにかくとして、動かない機構をこのままにしておくのはいかぬじゃないかということでありますから、ここは建設的にこれからをどうしたらいいかというふうに一つ重点を置いて考えさせてもらいたい、そう思うのであります。
○坂本昭君 大臣のお気持はよくわかるのであります。この前も言っておられた通り、車が動かない。車の動かないのを動くようにしてもらいたい。動かない理由が、そして責任問題が実は明らかなんです。その明らかなことを明らかにしないために動かないのですよ。これはいろいろな見方があるとおっしゃいますけれども、私はおそらく社会保障制度審議会で審議する場合には、その点が一番最初に審議の重点になるだろうと思います。その点を明らかにして、そして場合によれば私は責任問題として明確にして、場合によれば処置してもらいたい。それはそういう点を明らかにしなかったことが車を走らせなかった理由だと思う。その点は大臣がほんとうの民主主義者として、そして率直にお諮りになっておられますから、一応別の機会にその点を明らかにするとして、もう一つ同じように関連して大事な点は、今回社会保障制度審議会にお諮りになりまして、そして、それは結論的には診療費の問題についての方途を諮問するという格好ですが、社会保障制度審議会は、すでに昭和二十六年に医療制度の勧告を出している。そしてあの日近藤委員からも若干話が出ました通り、あの社会保障制度審議会の勧告の中ではこの問題に関連してもうすでに古い昔に二つの重大な点が指摘されている。第一点は、厚生省の当局が保険者と監督者とを兼ねている。二枚看板を持っている、この点はよろしくないということはすでに前回の勧告の中ではっきりと指摘されておる。のみならず、中央医療協議会の性格と構成が不適当であるということが明らかに指摘せられて勧告されている。その勧告が数年来無視されてきた事実にもかかわらず、今回大臣がその審議会へ諮問をする。だれだって諮問したところであとはただあと足でけってしまうだけのことだろうとそう思わざるを得ないのが今までの事実なんですよ。だからたとい厚生大臣が過去は問わぬでくれ、私は将来一生懸命やると言っても、今までがそういうことであったという事実はどうして大臣は保証してくれますか。私はそのためにはある程度の責任を明らかにして、非常に強い決意を持って、過去は過去で場合によれば責任を問うて改める。それだけの決意を見せて、初めて今度は社会保障制度審議会も、それならば自分の勧告を聞いてくれる、一つ結論を出そう。そうしてその結論に基づいて中央社会保障医療協議会ができる。そしてここでは今までは審議しかつ勧告をするということであったのが、新しい大臣によってこの中央医療協議会の結論に基づいて思い切った措置をするという具体的な事実が出てくるのです。でありますから、以上の点を明らかにしない以上は、幾らわれわれがここで議論したって、社会保障制度審議会で審議したところで無意味なことに終わると思う。無意味にさせないためには、大臣としても相当な決意を持ってある程度の証拠を見せていただかないとこれはまとまらないと思う。そうして今医療担当者が、この十九日の問題について、どういう具体的な行動に出るかはまだいざ知らず、大臣が直接会いたい、まだ会ってない。しかし、その前にそういう具体的な大臣の決意と行動をお見せしたならば、おそらく大臣に対する信頼感ができて、そうして交渉もするでしょうし、また、多くの問題が解決され得ると思うのです。その点の大臣のお考えを承りたい。
○国務大臣(古井喜實君) 今の、まず過去のことに対しての責任問題でありますけれども、これはさっき申し上げたように、私は御不満かもしらないけれども、思っておりますので、さっき申し上げたようなことに思っておりますので、それはそれといたしまして、やはりとにもかくにもかように医療問題がごたついていく原因が機構にありとするならば^この機構のままなら、私は将来も繰り返されると思うのです。それならやはり直すことはお互いの、国民のためですから、責任論は責任論としてありましょうとも、迷惑をこうむるのは、こういう機構をこのままでおいて、国民ですから、何とかこれは一つ早いところ国民本位に考えて、改めるべき点は改めるということで進行するように、ぜひ私はさしていただきたいと思うのであります。過去が怠慢だったとおっしゃればそういう点もなきにしもあらずでありましょうけれども、とにかくたくさんまだ厚生省には解決しなければならぬ大小の問題が山積しておるのであります。で、一日も休んでおる日はありません。一つ一つ片づくものから片づけて先向きにいきたい、こういうふうに思っておりますので、それも、きょう避けて通れば通れるということでも、それも私おもしろくないと思う。先のためになることならかぶりついても一つ片づけていきたい、こういうふうに思いますので、建設的に前向きのことを特に一つ御意見など伺わせていただいて、こうもしろ、ああもしろというところを教えていただくと大へんありがたいと、こう思っておるのであります。
○委員長(吉武恵市君) 坂本君、簡潔に願います。
○坂本昭君 それは、私は実は責任問題があると思うのですが、その点については大臣の言葉を了として、それでは一応保留しておいて、前向きということを言われる以上は、これは中央医療協議会の改組の内容についても入ってきますが、さらに私はもっと大きい点は、厚生省自体の改組ですよ。厚生省自体を改組しなければ、けさ来いろいろ聞いておりますと、保険局は、保険局で意見を持っておる、医務局も医務局で意見を持っておるのであります。その点厚生大臣はばらばらに聞いたり、ばらばらに意見を集めたり、とられたりしておるのではないかと思うので、私としては、一体厚生行政を、特にこの保険の問題、医療保障の問題、所得保障の問題を通じて、前向きにとにかく検討してもらいたいという以上は、厚生省自体の改組のことについても、この本国会を中心として今後十分な審議をされることについてもちろん御賛成だと思う。この内容については、私もきょう一々申しませんが、少なくとも厚生省の組織機構自体をも含めて改組しなければならない時期にきておるとお思いになるかどうか、その点を一つ承っておきたい。
○国務大臣(古井喜實君) この今の医療保障の関係だけから申しましても、いろいろ根本的な重大な問題が横たわっておると思います。先ほども触れましたような、今の制限診療の撤廃ないしは今の療養費払いの問題、これもずいぶん大きなことになると思います。けれども、これはぜひ取り組みたいと思います。また、いろいろ御意見もすでにもうあるように、いろいろな保険団体などがいわばそのつどのようにできまして、全体を見るとまことにどうもふぞろいであるし、不釣り合いであるというような事情もございます。事はきわめて重要だけれども、こういう問題も検討しなければならぬと、これは思います。それからまた、今の厚生省の機構の問題についても、いろいろすでに御意見もあっちゃこっちで聞くことであります。これも、右にせよ左にせよ、大いに検討して結論を出さなければならぬと私は思います。これはまあ医療協議会一つの改善もできないでおって、それもこれもといってふろしきを広げてばかりおっても、これはどうにもなりませんので、まあ一つ一ついいことなら片づけさせてもらって、そうして先行き歩けるように一つしたいものだと、こういうふうに思うのであります。
○鹿島俊雄君 関連質問でだいぶ私の時間をとられましたが、二、三点重ねて簡単にお伺いします。 その第一点は、先ほど来大臣は、日本医師会が大臣就任以来何ら医療費引き上げに関して意思表示がない、何の話もない、やみ討ちに一斉休診ということで、はなはだ納得できぬという御発言だった。私はこれはちょっと信じられない。また、かようなことであるとすると、これまた非常に問題であろうと思うのです。おそらく文書、あるいはその他によって日本医師会の意思表示はされているものだと私は考えるのですが、全然ないと言われるのでありますので、官房長あたりにもお伺いしておきますが、何らかの形でさようなものが出ているのではないかと、かように思うのであります。この点につきまして、もしお答えいただければお答えいただきたい。 それから先ほど来大臣は、医療協議会に対しましては白紙で臨む、これも一つの新しい考え方かも存じませんが、従来とも医療協議会の運営はやはり厚生省は政府案を出すわけであります。ただし、この場合に医療団体あるいは他の団体の対案も、それを協議会長は取り上げるという関係で並行審議が行なわれております。従って、最終段階にはその一案を採決するとかということでなく、少数意見、多数意見というような形でそれぞれ異った答申がされる。これによって大臣が裁決する形をとってきたわけでありますから、当然そのルールでいいと思います。従ってまた、厚生省としても、かなりに腰だめ要求であっても一〇%の医療引き上げを要求した、その場合に何らこれに関して配分方式の成案のない、白紙で臨むのだということは、私は非常におかしいと思う。あくまでもやはり政府案は出すべきである。あくまでもこれをしゃにむに通すとか、あるいは修正に応ずるとかというようなことについては良識の問題であって、それは別問題であります。あくまでもやはり政府案を出すべきです。従来の例によりましても、医療協議会開催の前に関係団体にはその成案を示して一応了解を求めた。しかし、その際におきましても、必ず厚生省案、事務局案に対しまして各団体一様に、賛意を表示するものでもなく、あるいは反対するところもある、その形でいいわけだと私は思うのです。従って、それを早く率直にやることが必要であると私は思います。 それから先ほど来、今回の一日ストの理由、その中でいろいろるる大臣も率直に述べられたが、私は次のことを一つお伺いしたいと思う。それはこの医療報酬につきましては、被保険者の負担その他の限界等の理由によって、これ以上上げられないというようなことをよく言われます。従って、医療担当者側も二十六年以来八・五のわずかな上昇に不満ながら甘んじてきた。被保険者側におきましては、保険料の料率の限界にきておるのであるから、これ以上の料率引き上げは反対。そこでこの場合、その報酬引き上げのもうめどもない。かような状況下におるにもかかわらず、政管において余剰金が約二百十五億円ある。またある説によりますと、二百八十五億もあるというようなことがはっきりいたしております。こうなると、少なくともこういったような余剰金のある状況下において、診療の制限を続け、ワクの拡大もいたさない。また、医療費の引き上げも何ら率直に行なわれないということは、私は納得できないのであります。この余剰金のよってくるところは、これは被保険者の保険料であります。以上のような状況下でいかなる理由によってかような莫大な余剰金をここに確保したか、確保しなければならぬかという点が納得いかないのであります。 もう一つは、かつて昭和二十九年、三十年当時に、政管においても赤字が出た。そこでやむを得ずその理由によって被保険者の一部負担金の増徴をはかったのであります。ただし、政府においても三十億円程度の補助を行なうという条件で、まあ一応三者泣きのような形で一部負担金を増徴した。そこで当然かような余剰金が出てくれは、当時条件として、黒字になれば当然一部負担金の問題については復元の考慮をいたしますというようなことで、たしかこれが取り上げられております。そういった面から考えても、どうもかような余剰金の中に一部負担制そのものを置くことは、大臣は先ほど国民のためのまず医療、国民のためと、盛んに主張されまするが、これはごもっともでありますが、その通りでありますが、どうもそういったことと現実と少しもそぐわない。なおこの余剰金の問題につきましては、医療担当者におきましても、非常に関心と同時に、不満の大きな対象になっております。この際にこれを明らかにしていただきたい。どのような理由で余剰金ができたのか。また、なぜかような余剰金を持たなければならないのか、かような点について、御質問したいと思います。
○国務大臣(古井喜實君) そこで一番初めからでありますが、医師会の方が言ってこなかったということは解せないという意味でありますが、私が申し上げているのは、今度のこういう一斉休診などの挙に出られるにあたって、そのことについて前も後も私は直接にお話を伺ったことは、どう考えても記憶にありませんので、そのことをもっと話していただけなかったものかと、実はぐちをこぼすようなわけでありますけれども、率直に申し上げたのであります。もっとも東京都の医師会が私の不在中に次官にお会いになったことはあるようであります。都の医師会であります。それ以外は今度の事態に関連しては、実はこっちが求めて断わられたというだけになってしまっておるのであります。 それから厚生省がとにもかくにも一〇%という引き上げの幅を出したのだから、おのずから引き上げの方式もあるのじゃないだろうか、まあ出したらどうかとまではおっしゃらなかったけれども、そういう意味合いに伺ったのでありますが、この一〇%という幅を出しますについては、それなりの根拠を持って出したのでありますから、これは事務当局から十分に御説明申し上げます、出した根拠をですね。ただ、一〇%を出しまして、ある金額が出る。それをどういうふうに具体化するかということは、たとえば例は悪うございますけれども、地方財政の問題を考えまして、地方財政全体としてはこれだけ財源が不足である、これだけの財源を全体としてカバーしなければならない、こういうことで、地方財源の足らぬ分を補う措置を講ずる。そこでこれだけのものは考えても、地方団体の事情がまちまちであります。富裕団体もあれば貧乏団体もあるというようなわけで、事情がまちまちであります。一律に分けた方がいい場合もあるかもしれぬが、一律でなくて今の財政の交付金のように、財政力と見合って逆比例的に分けた方がいいというような、そういう方式についても事情によって考えなければならぬのであります。これと事情が同じという意味で申し上げておるのじゃありませんですよ。全体論としてカバーできるといたしましても、多数の診療機関に満足を与えなければならぬと、それにはどうしたらいいかと、これだけの財源があってもどういう方式がいいかということは、これはきわめて技術的な専門的な問題だと、こう思うのであります。それが適当な結果になるようにこれが活用されれば一番いいことだと、この方式の問題については私は思うのであります。早い話が、医療協議会でおやりになって、みんなの御議論の結果、今度はもう簡単に点数の不合理なんというのは、これには触れないで、この際は一律に上げようじゃないかと、こういう話にまとまるとかりにいたしますれば、もう何にも厚生省がああだこうだというよけいな案を出す必要もありません。それから甲乙二本だってそのまま残ってしまうのでありますから、一本化の問題もこの際は見送りになる。そこで、そういうこともあるかもしれぬし、協議会の御意向によるのだから、御意向によって、いや厚生省はどんな考えを持っておるのか、案を出してみろと、こういう意向でお言いつけになるなら、それは、そのときはわれわれの方も出すようにしなければならぬと思うのですが、御意向を聞いてからでないと工合が悪いということを申し上げておるのであります。 なお、政府管掌の健康保険の積立金といいますか、余剰金といいますかの問題がございますが、これは私もちょっと十分に御説明申し上げるなにがありませんので、事務当局の方から御説明を申し上げたいと思います。
○政府委員(森本潔君) ただいまのお話は、政府管掌並びに組合管掌におきます法定積立金のお話かと思うのであります。これは御存じのように、医療費の支払い不足を生じました場合に支払いができないことを防ぐために、あらかじめ準備金を取っておるわけであります。政府管掌におきましては、昭和三十五年末現在におきまして二百十五億の積立金が決算に出る見込みであります。それから組合管掌におきましては、各組合のを合計いたしまして、昭和三十四年末でございますが、決算上百四十六億という支払い準備積立金が用意してある状況でございます。これにつきましては、大体御存じのように、医療費が、政府管掌におきまして年間約千億消化しております。従いまして、二月半分くらいな準備金でございます。それから組合管掌におきましても、やはり年間七百億ほどの医療費でございまして、それに対しましてやはり二月内外程度の準備金でございます。この程度の準備金は一応通常の状態においては持っておきたいと、過去におきましても従来この程度の準備金を持つことを建前として参っておりますので、ただいま一部負担金のお諸等、あるいは医療費引き上げの原資に充ててはどうかというようなお話がございましたが、それとはやはり別に、支払い準備金として保有しておく方が適当じゃないかと考えております。ことに組合におきましては、これがうまくいかない場合におきましては、政府が引き取らなければなりません。不健全な財政をいたしまして赤字を出して、そして政府が引き取るという事態が予想されますので、極力そういう事態にならないように、少なくとも、この程度の準備金は積み立てておく方が適当であろう、かように考えております。
○鹿島俊雄君 ただいまの御説明によると、支払い準備金であると言われるが、しかしながら、かつて一部負担金の増徴当時の状況から見ますと、その当時の見方から見ると、ただいまのただ御説明では私は納得ができない。要するに、現在健康保険経済というものは黒字であることは事実だ。そうなると、赤字が発生した理由として、予算措置をとったものにつきましては、どうするか、これはほってある。また、その後国庫補助金も三十億を漸次削ってしまった。そうなると、被保険者側からみると、極端な議論からいくと、この健康保険経済は常に赤字を出しておく方がよいというような結論が出てくる。また制限診療下でかつ低診療報酬の中で完全な治癒機転を要求される。さような世界に医療担当者は置かれておる状態において、診療報酬の適正化、そういったものはあと回しで、どんどん余剰金を出しておる現状というものは、これでは医療担当者は納得できない。この点について、私は大いに矛盾を感ずるわけであります。こういうことは医療担当者にとって当然納得できないということを私ははっきりと言いたい。
○政府委員(森本潔君) 大臣からお答えになるのが当然かと思いますが、私の考え方を申し上げておきます。この積立金でございますが、今回の医療費の引き上げにおきましても、実はこの二百十五億の中から初年度におきまして約三十億程度の積立金をくずすことにいたしております。そういう意味におきましては、医療費の増高に伴いまして、引き上げに伴いまして、積立金も医療費の支払いの原資に充てるということに一応はなっておるわけでございます。数字で申しますと、二百十五億ございますが、初年度三十億、あるいは、次年度になりますと三十億という数字が医療費に出る、あるいは、一年間に引き直すといたしますと、五、六十億になると思います。三、四年間、こういう意味でこの積立金の取りくずしでやって参る、こういうことでありまして、医療費の引き上げと積立金の使用は、今申し上げましたような意味で関係があると思います。
○鹿島俊雄君 そうすると、先ほど保険局長は、どうしても支払い準備金として必要だと言ったが、今回これを三十億くずしておるのだ、そうすると、必ずしも余剰金二百十五億というものは、いわゆる医療のワクの犠牲において、あるいは、医療担当者側の診療報酬の何と申しまするか、据え置き等の犠牲において積み立てた意義が、どうもはなはだ明快でないと思う。こういったところにもどうも納得いかぬものがあるわけであります。これは後ほど大臣にも私は重ねて質問するけれども、都合のいいときには一方的にこれをくずす、都合によってはこれをどんどん据え置いて余剰金としておく。これでは納得いきません。 続いて地域差の問題であります。大臣は今回の医療報酬引き上げに関連して、地域差の撤廃をはかると、はっきり言っておられます。現在、この地域差の撤廃については、どのような作業が行なわれておるか、どのような配意が行なわれておるか、事務的に、まず保険局長に聞きたい。
○政府委員(森本潔君) 地域差の撤廃につきましては、従来から関係団体からいろいろ要望があったところでございます。それで、ただいまの私の気持としましては、事務当局の気持としましては、一挙にこれを全国的に撤廃いたしますと、相当多額の金になります。引き上げを大幅にしなければまかない切れないのじゃないかという感じがいたしております。気持としては、段階的にだんだんと撤廃していく方がいろいろな面からいいじゃないかという気持を持っております。そして、今回のこの医療費改定に伴いましてどの程度やるかという問題でございますが、これは先ほど来いろいろ議論が出ておりました、総医療費の一〇%の引き上げがきまりましたが、一応政府としては予算要求しておるわけでございますが、そのうちでどの程度地域差の撤廃に充てるかという点につきましては、これは一律にやるとか、あるいは点数でやるとか、点数の中のどういうものを選ぶとか、あるいはいろいろな方式がございますので、その方式と関連いたしまして、中央医療協議会の御審議を願いたい、かように考えております。
○鹿島俊雄君 今地域差について説明があった。これはもうはっきりしたことであって、現在甲地区に五%の加算が行なわれておる。漸次行なうということは、この格差を少しずつ縮めていく。たとえば四%にするとか、三%にするとかいうようなことにするのか。あるいは全乙地区に対して甲地区並みの加算を漸次加えていくということに、どちらかになるわけだが、別にこれは操作は要らないわけなんです。加算の点だけ補正すればいいわけであります。予算措置も、大体三十六億程度でこの地域差は撤廃できる。すなわち、乙地を甲地並みに引き上げることができる、かように言っているわけです。この点について重ねて聞いておきたい。
○政府委員(森本潔君) 地域差撤廃の因と申しますのは、これはやはり乙地を甲地に引き上げていくわけでございます。従って、低いところを上へ上げていくことでございます。これを一挙に撤廃いたしますと、総医療費で大体五%くらい増高するんじゃないかと思います。他の方面に手をつけずに全面的な地域差撤廃をやりますと、総医療費の五%程度いくのではないか。それから、ただいまお話のございました三十六億というのは、これは国庫補助金がどのくらい要るかという計算で見ますと、三十六億というような荒見当の数字が出ておるわけでございます。医療費としましては大体四、五%ふえるのではないか、こういうふうに思っております。従いまして、今後この一〇%のワクがどうなるかという問題がございますが、一応一〇%のワクの中で四、五%まるまるを地域差撤廃に使うのは適当かというような問題とも関連して、今後検討していきたいと考えます。
○鹿島俊雄君 結局、地域差撤廃は乙地区を甲地区並み加算にこれを引き上げることである。そうすると、全医療費の五%というのは当たらないのであって、これは乙地区対象だけの上昇算定でよいわけである。全医療費の五%だということは、それは間違いだと思う。全医療費の五%ではない。その点重ねてお伺いしておきたい。
○政府委員(森本潔君) もちろん、この地域差撤廃によりまして報酬の増の影響を受けますのは乙地区でございますが、私が申し上げましたのは、これは全国の総医療費というワクから見ますと四、五%程度の増になる、こういうふうに申し上げたわけでございます。
○鹿島俊雄君 総医療費の四、五%の予算措置が撤廃に要するという点は疑問がある。
○政府委員(森本潔君) 現在地域差は、この甲表におきましては、甲地と乙地が五%の差があるわけです。それから乙表によると、甲地と乙地は八%の差があるわけでございます。これを加重平均いたしますと、これを一挙に甲表の五%、乙表の八%を全部一時に撤廃いたしますと、平均いたしまして約四%のこの総医療費に対して増になる、こういうように申し上げたわけでございます。従いまして、甲表におきましては、乙地を五%プラス上げますと甲地並み、それから乙表については八%上げますと乙地が甲地並み、こういうことでございます。
○鹿島俊雄君 この地域差の撤廃の数値説明については了承いたしますが、大臣に重ねてお伺いいたしておきたいことは、地域を撤廃するということについては大臣はすでに言明されているところである。どの程度にやるかということについては、やはり白紙でありますかどうですか。やるということについての御意見なり、一応御所見を承っておきたいと思います。
○国務大臣(古井喜實君) 地域差の撤廃はやっていきたいという考え方を持つのであります。それで問題は一挙に全部撤廃できるか、段階的、漸進的にやるかという問題が残るのであります。やっていくという考え方は方針はそれはそれでいいといたしまして、これは今のところは、医療費引き上げの、今の予算の範囲内においてできるだけの地域差撤廃をやっていきたい、きょうのところはそういう考え方でおります。
○鹿島俊雄君 それでは厚生省としてはすべて白紙で臨むと言っておりますが、地域差の問題についてのみはさような希望を持って医療協議会に臨まれるとかように解してよろしゅうございますか。 なお次回にすでに他の委員からも要求しております資料等の提出があると思いますので、そのときに関連していろいろいろ質疑をしてみたいと思います。本日は最後に一点、意見を申し上げて質問を終わります。それは来たる十九日の一斉休診これが単なる休診の一つのデモ的な行動に終わるかどうかという点であります。今回のこのあり方というものはまことに画期的なものである。保険制度始まって以来医師、歯科医師全保険医が一斉休診を同時に行なうということはかつてなかったことでありまして、これは一つの非常事態だと思うのであります。 〔委員長退席、理事加藤武徳君着 席〕 しかも今の状態から見ますと、依然として厚生省においては医療団体を納得せしめるべきような対策要素も今のところないように思う。また、大臣の御説明によると、相手方が協議に乗ってこないのだということになると、どうしても十九日の一日休診というものは不可避である、かように解せざるを得なくなって参ります。そうすると、この一日休診に続いていろいろな複雑な問題が相次いで起こってくると思うのであります。具体的に申し上げると、保安要員の関係上の責任とか、保安とのトラブル等が発生するかもしらない。こういう場合の責任はやはり厚生省としては当然考えておかなければならぬと私は思うのであります。同時に、これを契機として事態が抜き差しならぬ状況になるのではないかという危倶を持っております。従って、大臣は今まで非常に努力尽くした。従ってすでにもう医療協議会に諮ってすべてを決する以外手はないのだというようなことでは私は受け取れない。最後までやはり大臣は誠意を持ってこの解決の衝に当たることを私は特に要望いたします。次回に資料が出ましたらまた御質問をすることにいたして、質問を終わります。
○坂本昭君 一点だけお伺いしておきます。本日午前に医療担当者の生活基準はどの程度でいいかという質問がありまして、それに対して厚生省からの答弁の中で、たとえば修業年限が医師の場合、医療担当者の場合長いから優遇しなければならない、そういう説明も若干あったのですが、私はこの診療報酬の問題については、観点を今までと変えて一体医療労働者というものはどういうふうにその生活を保障すべきであるか、そういう従来の考えと厚生省の考えておることと観点を変えるべき時期にきているのではないか、ちょうど米価の審議会で今までの算定方式を変えて生産者の生産費並びに所得保障方式に昨年、一昨年から変わってきました。その中で議論されているのは、農民の一時間の労働賃金、これをたとえば農業会あるいは農林省あるいは農協それぞれ五十円とか六十円とかあるいは八十円とか出しております。私たちは大体三十人以上の工場労働者の平均賃金をもって農業労働者の最低賃金にすべきだ、 〔理事加藤武徳君退席、委員長着席〕 そういう意見を出し、農林省では全労働者の平均賃金と比較してきめるべきだ、そういうふうな、つまり米価の算定について農民の労働時間当たりの最低賃金制ということが考えられてきておる。一方この厚生省のいろいろな見方は、従来たとえば生活保護基準、これではたとえば労働科学研究所の藤本方式などのように、生存の最低は何カロリーである、そのカロリーを補うためには魚は幾ら、野菜は幾ら、それで幾らの金がいる、そういうことからこの藤本方式による生活保護基準というものを今まで算定してきているわけです。ところが、もう事態というのはそういう時期から変わってきて、最低賃金制そのものが私はもう生活保護あるいは年金、こういったものを先にきめる要素になってきている。今までは生活保護をきめておいてそれから年金をきめたり、あるいは労働賃金をきめたりしておったがそうじゃないのだ、もうすでにアメリカあたりでやっている通り、最初にまず最低賃金がある。どのような国民生活をするかということをきめて、それに伴って年金の額は大体六割、生活保護の額は大体四割、これは私は外国の通例だと思う。幸いにして昨年の厚生白書はその問題を取り上げてきたのです。私は、そういう点で昨年の厚生白書について、池田総理大臣いろいろ意見をさしはさんでいるようですが、あの厚生白書の基本で貫いているものは、生活保護基準をきめることで国民生活をきめるのではなくて、最低賃金をきめてもらわなければ社会保障も医療保障も所得保障もできない、そういう点が非常に明確になってきた、私はこれはさすがにこの古井厚生大臣が出現する条件として非常に喜ぶべきことだと実は心から信じております。きょうあたりの午前中の答弁を聞いていますと、まだその辺が非常にあいまいであります。せっかくそこまでの考えが出てきたならばさらに私は一歩を進めて、昨年来の病院ストについてもわかるように、医師、看護婦その他医療従事者——われわれは医療労働者と呼んでおりますが——それらの人についての最低賃金をもきめるべき段階ではないか。東京都内におきましては、昨年の病院ストの結果、主として都医労連の場合はまず一万円というものができてきたのです。これは平均賃金ではなくて最低賃金であります。たとえば看護婦あるいは准看護婦、ほぼ一万円と申し上げていいと思います。もちろん東京都の標準を各地域に押していいかどうかはおそらく問題もありましょう。が、そういう考えがこの病院ストを通じてこの医療労働者の中に出てきておるという現実の上に立って、これは保険局の行政ではなくてむしろ医務局の行政の中から医師、看護婦その他医療労働者の最低賃金を合理的にきめていく、私はそういう段階にきておるので、そういう操作と検討を行なっていただきたい。若干実は厚生省も始めていると思うので、それらの資料を出してもらいたい。それらに基づいて病院と診療所の合理的な運営の資料を出してくれといって午前中だいぶ迫ったところが、なかなか出てこなかったのですが、もしないとするならば、そういう見地に立った適正なる賃金、同時にこれが医療担当者については診療報酬になってくると思います。そういう検討をし、そういう作業をするお考えがあるか。また、現在しておるならばどういうことをしておられるか。それについての大臣の御所見を承っておきたいと思います。
○国務大臣(古井喜實君) 大きに検討をしてみなければならぬ問題だと、ほんとうにそう思います。それでは今までにどれだけのことをやってきたか、これは事務当局の方からきょうまでのことでありますが、お答えいたします。
○政府委員(川上六馬君) けさほど申しましたように、別にそういう調査をいたしておりません。いろいろな医療施設の医療関係者の部分の待遇をぼつぼつ調べております。さしあたりは国家公務員の医療関係者が人事院で調べてございますので、そういうものを今のところは信頼する標準といいますか、そういう程度でございまして、今後一つそういう点をさらに調べて参りたいと思います。
○坂本昭君 大臣は私の考えを非常に支持していただきましたし、また、厚生白書なども非常にいい思想としてその点を私は率直に認めておるのです。従って、この点については積極的に大臣から事務当局を働かしていただきたい。従来たとえば保健所あたりで医者が足りないというので、特別な学資金といいますか、修学金などを保障するとかいろいろなことをやっていますが、もう一歩進めて、積極的にこういう作業をしていただくことの中から、僕は新しい近代的な診療報酬の基礎が生まれてくると思うので、そういう点を十分督促をしていただきたいということを要望しておきます。
○委員長(吉武恵市君) 本日の質疑はこの程度にいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉武恵市君) 御異議ないと認めます。 本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十八分散会 ————・————