社会労働委員会 閉会後第3号
- 発言数
- 153 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1961/07/31
会議録
○理事(高野一夫君) それではただいまから本日の委員会を開会いたします。 この際、委員の異動について報告をいたします。 七月十八日付をもって阿具根登君、占部秀男君が辞任されまして、坂本昭君、久保等君が選任されました。 ———————————
○理事(高野一夫君) 次に、理事の補欠互選を行ないます。ただいま報告申し上げました通り、坂本理事が一時委員を辞任されましたために、理事に欠員を生じております。この際、理事の補欠互選を行ないたいと存じますが、従来の慣例に従いまして、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(高野一夫君) 御異議ないと認めます。 それでは坂本昭君の補欠に坂本昭君を指名いたします。 ———————————
○理事(高野一夫君) 次に、連合審査会に関する件についてお諮りいたしす。 本院規則第三十六条に基づいて、本調査の一環として、昭和三十六年梅雨前線豪雨等による災害対策に関する件について、建設委員会と連合審査会を開会することにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(高野一夫君) 御異議ないと認めます。 なお、審査会の開会日時等については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(高野一夫君) 御異議ないと認めます。 速記をやめて。 〔速記中止〕
○理事(高野一夫君) 速記を始めて。 ———————————
○理事(高野一夫君) この際、大臣並びに政務次官から発言を求められております。これを許します。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 先般の池田内閣の改造に伴いまして、私はからずも厚生大臣に就任することに相なりました。今後皆様方のお世話になるわけでございます。まことに至らない者でございますし、厚生行政のことにつきましても、現在の新しい時代における厚生行政につきましては、これからうんと勉強しなければならない、こういうような状況でございますので、格別御協力を賜わりますように心からお願いを申し上げる次第でございます。当面する問題もございまするし、また長期的な見通しを持って今後整備充実していかなければならない厚生行政のことでございますので、その任の重いことを痛感いたしている次第でございます。重ねて皆様方の御協力をお願い申し上げましてごあいさつにかえたいと存じます。
○説明員(森田重次郎君) 今回はからずも厚生政務次官の役割が与えられました。大へん未熟の者でございまして、はたしてその職責を全うし得るやいなや考えさせられるものが多うございます。しかし、練達たんのうの灘尾大臣もおいでになりまするし、できるだけ努力いたしまして、皆様方の御鞭撻を仰ぎ、かつ、御指導を仰ぎまして、その職責を尽くしたいものだと考えている次第でございます。今後ともどうかよろしく御叱正下さいますようお願い申し上げましてごあいさつにかえたいと思います。どうぞよろしく。
○国務大臣(福永健司君) 過般の内閣改造によりまして、労働大臣に任ぜられましたのでございますが、若輩、かつ、非才の者でございますが、全力を尽くして職責を果たすべく努力いたしたいと存じますので、どうぞ皆様方の御指導、御鞭撻をお願いを申し上げる次第でございます。
○説明員(加藤武徳君) このたび、労働省に参ることになったのでございますが、率直に申しまして、私は労働行政に関しましてはこの社労委員会で勉強いたしました、皆様からいろいろ教わったり、導いたりしていただいたその以外にはほとんど知識らしい知識は持ち合わせておらないのでございます。もちろん非才ではございますが、今後微力を尽くして職責を全うしたい、かような気持では一ぱいでおるわけでございまするが、どうぞ今日までともに社労委員としていろいろお教えや御指導願った、いわば今日までのつき合いに免じて、今後至らぬ点等がございましても、一つなるべくおしかりはお手やわらかに、かようにお願いをいたしまして、きわめて簡単ではございますが、ごあいさつを申し上げる次第でございます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手) ———————————
○理事(高野一夫君) 次に、社会保障制度に関する調査及び労働情勢に関する調査を議題といたします。 まず、六月下旬から七月上旬にかけまして、近畿方面、九州方面において調査いたしました派遣団から報告をお願いいたしたいと思います。 九州班の竹中委員にお願いいたします。
○竹中恒夫君 第二班の報告をいたします。 当委員会の決定に基づきまして、加藤委員、徳永委員、小柳委員及び私の四三が、去る七月二日から七日までの六日間、福岡、佐賀、長崎及び熊本の四県を視察いたしました。 調査項目は、小児麻痺の発生状況をその対策並びに炭鉱離職者の対策をおもなものとし、そのほか保育所、療育施設その他社会福祉施設の状況、病院、療養所及び環境衛生施設等の状況、社会保険及び国民年金の状況、自然公園その他レクリエーション施設等の状況、職業訓練及び職業安定行政の状況、労働基準行政の状況特に労働災害の対策であります。 われわれは各県庁において、県当局並びに労働基準局長、婦人少年室長、福岡鉱山保安監督部長からそれぞれ所管事項について説明を聞き、次の各施設等を視察しました。すなわち福岡県においては、県立戸畑職業訓練所、北九州総合職業訓練所、八幡訓練部、国立療養所清光園とこれに隣接するアフター・ケア施設の社会福祉法人千鳥園。佐賀県においては、佐賀市立城東保育所、肢体不自由児の療育施設である社会福祉法人佐賀整肢学園。長崎県においては、佐世保市役所において、駐留軍労務者対策について説明を聴取した後、長崎市において、明治十一年にカソリックの創立した女の子の養護施設マリア園、日赤の原爆病院。熊本県においては、熊本総合職業訓練所荒尾分所、小児麻痺の多発地区玉名郡天水町、熊本市において、ポリオ・ソークワクチンを製造している財団法人化学及び血清療法研究所を視察しました。 以下、調査の概要を報告いたしますが、主要項目以外は、特に注意すべき点だけを申し上げます。 なお、各地において、種々の問題について、陳情や要望を受けたのでありますが、多岐にわたりますので、印刷してお手元へお配りしました「要望事項」によって御承知を願いたいと存じます。 まず、小児麻痺の発生状況とその対策について申し上げます。 九州地方で最も多く発生した県は熊本県、次いで福岡県でありまして、熊本県は七月四日現在で二百三十一名、福岡県は六月二十七日現在で百六十六名と、昨年同期に比べて熊本県では七・九倍、福岡県では八・三倍となっております。他の二県につきましては、佐賀県の八名長崎県の十四名となっております。 熊本県の場合、ポリオの発生は夏に多いという常識を破り、冬から異常発生の徴候があったそうでありまして、熊本市を初め宇土、八代、人吉の各市と玉名郡天水町に集中発生したほか、全県下の各市、郡に散発しております。各県とも一才から三才までの児童が圧倒的に多く、福岡県においてはこの年令層が全患者の七四・七%となっております。対策といたしまして、厚生省は四月二十日、福岡県衛生部内に九州方面小児麻痺特別対策本部を設け、現地と中央との連絡、指導に当たり、また、熊本、福岡両県とも県の対策本部を設けて予防と医療に当たっております。予防接種については、熊本県においては生後六カ月以上六才未満の児童に対しソークワクチンの注射を、第一回分は一〇〇%、第二回分は五〇%実施済みであり、第二回分も近く完了の見込みであります。福岡県においてもほぼ同様の状況であります。また、なまワクチンの投与について、両県ともに多発地区を試験投与地区として指定し、視察のときまでに、熊本県においては、熊本市砂取校区の未就学児童八百五十一名に、福岡県においては、福岡市板付校区の未就学児童千四十一名に予備テストとして投与されましたが、その後懸念された事故はないようであります。各県は防疫対策の一環として、多発地区に対しては清掃や薬剤の散布を行ない、また、各地で小児麻痺に関するつどい等を催して住民に対する広報、啓蒙に努めております。われわれも多発地区である熊本県天水町に行き、保健所長、町長等の説明を聞き、患者の母たちとひざを交えて話し合ったのでありますが、これらの人々も子供が病気になるまでは小児麻痺のほんとうのおそろしさを知らなかったと述懐していました。当町は県下でも環境衛生状況は比較的によかったとのことで、患者は多発したが、各部落に散発的に発生して、伝染経路はわからないということでありました。また、佐賀県においては整肢学園を視察いたしましたが、この中には数多くの小児麻痺の後遺症患者が収容されておりますが、後遺症対策としてこれら肢体不自由児施設の拡充、整備が必要と存じます。 なお、小児麻痺の今後の問題として、第一に、六才以上の児童の任意接種に要するワクチンを確保すること、第二に、予防接種の個人負担を保護者の所得によって区別することは実施上適当でなく、これに要する費用は将来全額公費で負担することが望ましいとの要望が出されました。 次に、炭鉱離職者の状況と対策について申し上げます。 石炭鉱業の不振に伴って多数の炭鉱離職者が発生しておりますが、特に福岡県においては、三十二年度以降の炭鉱離職者の数は全国炭鉱離職者の六〇%を占め、三十四年度は大手業者からの離職者が多かったのでありますが、三十六年度は中小炭鉱の離職者の増加傾向が強まっております。産炭地域においては、これら炭鉱離職者の増加に伴い、日雇労働者が増加し、そしてこれらの人々が日雇いとして固定化する傾向を示しており、また、生活保護の状況については福岡県特に産炭地域である筑豊地帯においては、昭和二十九年の数を一〇〇とする昭和三十六年四月の保護人員の指数は四五六・七の高さを示し、保護世帯は一万九千四百三十世帯の多きに達しております。現在、各県とも離職者対策として、炭鉱離職者臨時措置法に基づく職業紹介による県内、県外の産業への就職促進と、炭鉱への優先雇用、緊急就労対策事業、公共事業及び鉱害復旧事業への就労に努めておりますが、広域職業紹介活動は相当の実績を上げ、就職先としては大阪、兵庫のいわゆる阪神地区、東京、神奈川の京浜地区が圧倒的に多く、愛知県がこれに次ぎ、産業別では製造業が多く、運輸通信業、建設業の順となっております。また、県によっては県独自の援護会を設置し、移住資金等を支給しておるところもあります。これらの離職者に対する職業訓練は現在各地の職業訓練所で行なわれておりますが、修了生の就職状況はおおむね良好の模様であります。ただし、妻子を有する中高年令者の就職は、就職先での住宅問題もあってむずかしく、また、これらの人々の訓練科目に対する適応性等、訓練並びに修了後の就職について考えさせられる問題があるようであります。 また、調査班一行は、雇用促進事業団の経営する熊本総合職業訓練所荒尾分所を視察いたしましたが、本分所は炭鉱離職者及びその子弟を収容し、炭鉱労務以外の業務につくことを容易にするための特別の職業訓練を行なう訓練所でありまして、三十五年九月十日に設置され、敷地一万八千坪、訓練定員三百名、訓練科目は電工、配管、溶接、建設機械、自動車整備、製カンの六つに分かれております。開設以来今日まで二百十七名の修了生を送り出しましたが、このうち、三池地区の離職者は百八十四名、また、在所訓練生二百四十名のうち、二百二十五名とその大半を占めておりまして、修了生のほとんどが就職を決定しております。就職先は従業員五百人未満の中小零細企業が多く、平均賃金は四百七十五円となっております。訓練生には中高年令者を含み、学力の関係もありますので、訓練生の能力に適した科目の選択、指導に努めているとのことであります。 次に、社会保険について申し上げます。 福岡県等の産炭地域においては、石炭産業不振の影響を受けて、健康保険の滞納保険料が累増しており、労災保険料についても同様であります。また、日雇健康保険は、福岡県の四月末の赤字二億五百万円を初めとして、各県ともに赤字対策に苦慮している模様であります。拠出制の国民年金の加入状況は、福岡県三十六年五月末八四・二%、佐賀県三十六年五月末九五・三%、長崎県三十六年六月末八五%、熊本県三十六年六月末七二・四%となっており、年金印紙の売りさばきも関係方面の協力を得つつあるようであります。 雇用情勢については、佐賀、長崎、熊本の各県においては、県外の重工業地帯からの求人増加により好転しつつある模様でありますが、戦後の出生激増の波及である新規学校卒業者の増加、石炭鉱業及び関連事業からの離職者増加によって、今後必ずしも楽観を許されないようであります。 労働災害の発生状況は、福岡、佐賀の二県においては、三十五年度の発生件数が前年度よりやや増加していますが、雇用指数増加を加味した発生率は減少の傾向にあり、長崎、熊本の二県においては発生件数、発生率ともに減少いたしております。監督官庁では、災害対策協議会組織の拡充強化、危険事業場及び中小企業に対する安全管理指導等災害防止に努力しております。 簡単でありますが、以上をもって報告を終わります。
○理事(高野一夫君) 次に、近畿班の調査視察報告を願います。
○鹿島俊雄君 関西班の報告をいたします。 去る六月二十八日から七月二日までの五日間、厚生及び労働行政の実情調査のため、高野、久保、村尾の各委員及び私の四名が京都府、大阪府及び兵庫県の視察を行ないました。なお、京都府においては藤田理事、大阪府においては加藤理事、大阪府及び兵庫県においては坂本理事が特に現地において参加せられ、終始熱心なる視察が行なわれたのであります。また、時あたかも集中豪雨による災害が発生し、特に兵庫県においては、各地に災害救助法が発動されましたので、兵庫県知事に対し心からお見舞を申し上げた次第であります。 まず、京都修学院離宮の見学を終え、京都府身体障害者福祉センターへ参りました。同センターは、全国で初めての試みとして昭和三十年十一月一日に発足した身体障害者福祉の総合的なサービス機関でありまして、従来の京都府では、身体障害者更生相談所、失明者更生施設、補装具製作施設が京都市内三カ所に分散して設置され、それぞれ活動を行なってきたのでありますが、身体障害者福祉事業は相談から医療、教育、職業、生活各部門の処理や指導が総合された施設で相互に連携協調して行なうことが必要とされております。そこで、肢体不自由者更生施設、ろうあ者更生施設、整形外科病院等の新設を機に、既存の二施設を移転し、そのすべてを失明者更生施設の敷地内に建設し、ここに身体障害者の福祉総合更生施設という新しい構想による組織機構をもった身体障害者福祉センターの誕生を見るに至ったものであります。現在府下には、約二万一千人が身体的な欠陥からいろいろな悩みや不安を背負いながら月々困離な生活を続けております。同センターは、これらの人々の悩みや不幸を少しでも軽減解決するよう相談助言の場となり、また、自立更生の足場となるよう努力されております。同センターの事業としては、第一に身体障害者更生相談所であって、ここでは広く身体障害者のあらゆる相談に応じ、どんな医療により障害を軽くすることができるか、性格及び障害から見てどんな職業が適しているか、あるいは家庭や経済上の悩み等について、障害者の身になって、医学的社会的に、また心理的な方面から問題解決の道を指導しております。 第二に、更生援護施設では、肢体不自由者、失明者及びろうあ者を入所させて、生活指導と職業指導を行なっております。 第三に、身体障害者更生病院では、障害者の職能向上のため、それぞれの必要に応じて手足の機能等を最も適するよう手術を行ない、またその症状に適する補装具を調整装着せしめるとともに、理学的療法、運動療法、作業療法等のいわゆる後療法を行ない、その潜在的代償機能を啓発し、さらには職業準備訓練に至るまで、いわば整形外科手術を職業能力に結びつけるところに特色があり、肢体不自由者更生施設と不離一体となって肢体不自由者の社会的更生をはかっております。 第四に、補装具製作施設では、更生相談所並びに更生病院の医師の指導のもとに、障害時の機能に即した補装具の製作修理を行なっております。 第五に、精神薄弱者更生相談所があります。次に、更生施設修了者と社会復帰の状況についてその概略を見ますと、身体障害者更生の最終目標は、就職、就業その他職業能力の回復にあるといわれるほどであります。当所へ入所した障害者は、それぞれの施設で更生指導の課程を修め、社会へ復帰するが、これが方途として、まず考えられるのは就職なり自営であり、修了者の中には、障害の状況などによって内職や家事手伝いといった多少でも家計にプラスする程度の者や、あるいは日常生活の身の回りのことの家族の介護の手を軽減するにとどまる者もあります。一般社会の身体障害者に対する理解が次第に深まってきた現在、就職にはある程度希望が持たれてきたものの一般企業や業者に雇用されることはなかなか困離であり、試みに同センターの修了者の収入状況は四千円ないし一万円、雇用事業場はその四〇%零細企業に属している一事をもっても、それがいかに困離であるかが容易に察せられます。また、自営の場合も、限られた期間での職業訓練では、経験も乏しく、資金などの関係もあり、まず就職または授産施設で実地の経験を重ね、それを生かして自営に入るのが順当であるのに、条件がそろってみずから進んで自営する一部の者のほかは就職がむずかしく、やむを得ず不完全ながら自営の道を選ぶことになってしまうのであります。なお、同センターには、現在四十九名の人々がおられますが、すべてが男子で、女子の科目が全くなく、かつ精薄者の福祉施設がいまだ設けられていない現状でありました。特に、食費が一日七十四円とはあまりにも少額で、職員がそのまかないにきわめて苦心されていることを訴えられ、われわれ一同強く同感いたしました。 大阪においては、薬局その他の医薬品販売業並びに製薬工場の視察を行ないましたが、まず薬局その他の医薬品販売業について申しますならば、ニュー阪急薬品株式会社が経営するところのニュー阪急薬局は、スーパーマーケットの一部を仕切って開設せられておりますが、この薬局は本年一月二十五日、すなわち新薬事法の実施直前において、旧薬事法により登録されたものであります。いわゆる乱売店と称せられておりますが、その調剤室を見ると、ただ一つしかない入口のガラス戸には、全面紙を張ってその中は見えないようになっており、その調剤室に入ってみると、調剤室の基準に全く適合しないものであって、一品の医薬品や試薬もなく、タオルやシャツ類がほしてあったり、金づち等の道具類が放置されであったりして、全く試験と調剤行為の不可能な調剤室であり、調剤を求められれば拒否するよりほかない状態であることを認めました。それは当委員会に提出してあります写真によって明瞭であります。私どもは、かような基準に適合しない調剤室を持っている店舗を薬局として登録した点を、きわめて遺憾として重視せざるを得ません。 南区灘波新地には、「コクミン薬局」と称する一般医薬品販売業が開設せられていることを知りました。これは「株式会社コクミン薬局」の経営にかかるものであるから、店頭に「コクミン薬局」の看板を掲げてあるとのことでありましたが、株式会社の商号発記がなされても、その商号が他の法律に触れる場合は変更を命ずべきものと考えます。すなわち「株式会社コクミン薬局」が薬局にあらざる一般医薬品販売業を開設する場合には、その店舗には薬局の名称を用いることはできないものであり、当然変更を命ずべきであります。しかも、この店舗には写真に示すがごとく「コクミン薬局」という看板が二、三カ所も掲げられているのであって、明らかに薬事法違反と認めなければなりません。また、当局に聞くところによれば、新薬事法においても、旧薬事法においても、必要施設として定められてある閉錠及び冷暗所の設備もなく、冷暗所には冷蔵庫をもって代用しているとのことであります。これらの点が今日まで放任せられていたことは遺憾にたえません。 東区平野町の現金問屋として乱売を行なっていると称せられる天理薬品株式会社及びサカエ薬品株式会社の経営にかかる店舗を視察いたしましたが、いずれもスーパー・マーケット式店舗であって、その一隅を薬品部と称して、対面販売をすることになっておりますが、医薬品たる殺虫剤のごときは、たとえばスリッパ、くつ下の敷皮、くつみがきクリーム、あるいはその他の雑貨類と一緒に雑然として陳列されてあり、薬品部とそれら雑貨類販売の場所との間に何らの仕切りもなく、しかもセルフサービスで販売せられております。ことに平町町の天理薬品は、一般医薬品販売業でありますから、新薬事法においても、旧薬事法においても、冷暗所を必要とする定めであるにもかかわらず、その施設もないままに放置せられている状態であります。 また、一般医薬品販売業のある店舗においては、医薬品が通行路の土間の上に積み重ねられてある状態であります。これらの医薬品の特殊性を軽視し、また薬局その他の医薬品販売業の適正なるあり方が無視されており、また当委員会が乱売阻止の必要を決議しているにかかわらず、依然として乱売の行なわれているこれらの事実は、単に大阪市内のみならず、東京都を初め、全国の多くの場所において見られる事実と考えられるので、当委員会としては、とりあえず厚生大臣並びに大阪府知事に警告を発することが適当と考えます。 大阪府において、薬局その他の医薬品販売業の開設許可に対し、内規をもって百メートルの距離制限による適正配置を行なわんとしておりますが、百メートルという距離の長短は別として、適正な内規だと考えます。この内規が憲法違反ではないかとの疑念を持たれる向きもあったのでありますが、当委員会においては、新薬事法審議の際に、薬局等の適正配置は憲法違反ではないとの意見の一致を見ておりまするので、右の大阪府の適正配置に対する内規は適当な施策として支持すべきものであると考えます。 日本の製薬工業技術は、きわめて水準の高いものであり、かつ大規模の工業施設を持つ企業体が少なくないのでありますが、私どもは武田薬品工業株式会社の大阪工場並びに研究所を視察いたしました。優秀なる学者が十分の施設を持った研究室において研究を重ねている事実を見、また製造のあらゆる工程において細心なる薬学的注意が払われている事実を視察いたしました。 なお、同社ポリオ・ワクチンの製造認可を受けておりますが、それは山口県光市の工場において製造しているためその現場を視察することができませんでしたが、カラー・スライド等でその工程の詳細を知ることができました。そうして同社幹部よりソークワクチンの生産の現状を聞き、また今後なまワクチンに転換する場合を予想しての諸問題について意見の交換を行ないました。 同社工場においては、食品衛生法に関する食品添加物等の製造にも従事しておりますが、飲食用に供するそれら添加物が、精密なる化学技術を建前とする製造工場において製造せられることは最も適当であると認めました。 次に尼崎市役所においては、まず中央及び塚口両保健所長から、両保健所の概要についての説明を求めました。特に小児麻痺については、六月三十日現在八名の患者の発生を見たが、七月九日に第一回の予防接種を行なうとのことでありました。 続いて鉱害について担当局長から説明を聴取いたしましたが、それによりますと、当市は阪神工業地帯の一環をなし、鉄鋼、機械工具、化学工業、紡績、ガラス、発電等の大工場を初め、中小工場を含めて九百六十二の工場があり、火力発電所からの煤煙を初めとして騒音、臭気ガス、排気等の鉱害が市民生活に有形無形の影響を及ぼし、産業の発展と市民生活の間の不可避的な摩擦現象として戦後の産業復興と期を同じくして、昭和二十六年ごろから市内各所にこの問題が惹起して参りました。そこで市はこの摩擦現象の減少を目ざし、学界、産業界を初め、関係方面の協力を得て鉱害の防止に着手したが、以下その例を大気汚染についてのべてみたいと思います。 各工場からの煤煙、化学工場からの各種の化学物質並びに交通機関の発散するガス等が原因で、その調査の概要と対策の実情は、まず燃料調査、降下煤煙量の測定、浮遊煤煙塵の測定、亜硫酸ガスの測定、人体に関する調査、気象観測、立体観測等の調査項目をあげ、その結果を見出して関西火力発電所の煤煙対策、汚染予報、煤煙調査連絡員、煤煙防止講習会及び施設の改善等の対策を講じております。 次に地盤沈下については、沈下の現象が目立って大きく認められるようになったのは、昭和の初期で、昭和八年ごろからは特に大きく認められるようになりました。この現象は昭和十六年を最高として徐々に減少し、終戦後一時工場の機能停止に伴い、地下水のくみ上げが中止されるに及んで暫時その停止を見ましたが、また工場が再開されるにつれて工場の地下用水使用が逐次増大するに従い、再び地盤沈下が台頭し始め、全工場が戦前以上に復興するに及んで沈下速度は顕著に進行してきたのであります。沈下の現象を見ると、南部より東部にかけまして二・五メートルから四メートルといわれ、地下水位の低下に伴って沈下現象が著しく促進せられ、これが地下水揚水量に比例しているのであります。これが対策として、工業用水布設の工事を行ない、すでにその第一期工事は終わり、第二期工事も来年度完成を目ざしておりますが、この基本的の対策は、単に尼崎のみの問題ではなく、各地の沈下対策として国の力をもってするよりほかないものと考えます。 次いで、兵庫県総合職業訓練所の視察を行ないました。当所は、昭和三十二年に起工し、本館、実習場及び大教室の建物を有し、職員三十名、二百七十名の訓練生が自動車整備、溶接、機械、板金電気機器修理、塗装、機械製図、精密機械、電工科の各科に分かれ、一年の訓練期間を修了して、それぞれの企業に雇用されていくのであります。訓練生の年令別構成を見ますと、十五才が四一%、次いで十六才、十七才の順で、最高三十九才、最少十四才、入所中の生活維持方法は、父母からがその七〇%で大部分を占めておりますが、八名が失業保険金で生活を営んでおります。就職状況を見ますと、百人以上の従業員を有する事業所に七五%が就業し、その初任給は大体七千円乃至九千円となっております。当所は、通うのにきわめて不便で、所要時間一時間以上を要する訓練生が四五%もおり、二〇%の者が自転車、スクーターを利用している現状であります。その対策としては、現在独身寮を建設中でありますが、家族寮はその予定がなく、ひいては中高年令者が当所へ入所するための大きなブレーキになっております。なお、職業訓練指導員手当が未支給になっていることを指摘しましたが、六月二十九日労働福祉事業団理事長から総額三百二十七万九千円がそれぞれの総合職業訓練所に交付されているとの報告がありました。 以上御報告いたします。
○理事(高野一夫君) 以上をもって、九州班、近畿班の報告を終了いたします。
○鹿島俊雄君 ただいまの関西班の報告に関連し、厚生大臣に要請をいたします。
○理事(高野一夫君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(高野一夫君) 速記を始めて。 ただいまの両報告に対して、御質疑がございましたら、順次御発言願います。
○小柳勇君 私はただいまの関西班の報告に対して、二点ばかり質問いたしたいと思います。 第一は、ニュー薬局、コクミン薬局などで、あれだけ新薬事法を作るときには取り締まり強化などについてここで論議いたしておるにかかわらず、ほとんど監督などをなされていないように思われるが、薬務局としてどのような指導をしているか、この点が第一であります。
○説明員(牛丸義留君) 薬事法が今年の二月一日に施行されまして、私どもとしましては、新旧薬事法の体制の切りかえその他について全国の薬務課長会議を開き、それから担当の係長等については各ブロック会議を開催いたしまして、新法の制定の趣旨並びにその内応の理解に努めたわけでございますが、ただいま鹿島委員の御報告の中にもありましたように、特に大阪地区におきまして、薬事法違反の件数のものが相当あるということを聞きまして、即刻大阪府の衛生部長にも来庁を求めまして、私どもも行政の立場からいろいろと事情を聞いたわけであります。不備の点あるいは法違反の点につきましては、即刻に改めるように指導するつもりでございますし、それからただいまのそういう違反件数の是正はもちろんのこと、将来こういうようなことのないように最大の努力をしていきたいと思っております。
○小柳勇君 今の点ですが、全国的にもこういうケースがあるのではないかと思うが、この一例を考えられて、全般的の調査監督についてどのような処置が今までなされておりますか。
○説明員(牛丸義留君) 全国に薬事監視員というものが各府県に配置されておりまして、これは前は補助金によって全部設置していたわけでございますが、戦後平衡交付金の設置によりまして都道府県の平衡交付金の交付対象ということになっております。現在各府県に平均いたしまして一府県十五名程度の薬事監視員が設置できるということに交付金法においてはなっております。これが現実にどのような設置状況になっているかと申しますと、平均で約全国で六、七十名ほど不足ということでございますので、大体平均十五名の線までいっておるわけでございます。特に大阪地区におきましては、大阪の交付基準からいいますと三十七人程度でございますが、実際は四十七人の設置をしておるわけでございまして、人数の点からいうと、大阪の監視業務というものはもっと正確にいっておるべきだと私どもは感ずるわけでございますが、このような事態があったことはまことに遺憾だと思いまして、早急に改めたいと思います。
○小柳勇君 コクミン薬局の場合に、ただいまの報告を聞きますというと、明らかに薬事法違反であるという報告がなされておる、このようなことで、写真を見ますというと相当大きな薬局であります。しかもそれをこれは薬局として認可を与えておると思うのだが、そういうものは、これは大臣の要請を待つまでもなく、当然薬局としての仕事をやらすべきでないと思うのだが、その後どういうふうな措置をとられたか。
○説明員(牛丸義留君) 「株式会社コクミン薬局」という申請で、一般薬局の販売上の許可が従来なされておる。それで「株式会社コクミン薬局」という名前のその会社の認可というようなことは、これは薬事法違反の問題とは関係ないものでございますが、しかし、「コクミン薬局販売所」ということが看板にそのまま書かれておるということは、その書き方によっては薬局の類似名称の掲載ということで薬事法違反になる疑いがある。それで私ども今日の写真の掲載の状況で見ますと、現地に私直接いきませんでしたので、お話を承ったその範囲におきましては、いわゆる薬局という看板と同じ意味の「コクミン薬局販売所」というような形になっているようでございますので、これは直ちに薬事法違反としてそういう掲示を改むべきものじゃないかと思います。しかし、それとは別に、一般のたとえば薬店とか、あるいはその他の名称で看板は掲示されておる。ただその下に「コクミン薬局販売所」というふうに小さく書いておるというようなことであれば、これは必ずしもそれが直ちに薬事法違反になるかどうかということは、なお検討の余地があると思います。しかし、写真による私どもの判定では、前段の事例に該当するのじゃないかというふうに考えております。
○小柳勇君 現地の報告ではどうですか、国会議員が調査したあとどのような措置をなされておるか、措置について何か報告がございますか。
○説明員(牛丸義留君) まだ最終の報告はきておりません。
○小柳勇君 それから第二点は、医薬品乱売の点ですが、これは一昨年及び昨年の当委員会で相当論議された問題です。東京、大阪で薬品乱売があって、普通の石けんや紙を売るようなことで薬を売っておるというようなことで問題にしたのですが、同じようなことがなされておるようですが、この点について厚生省としては過去一年くらいの間にどのような指導をしてこられたか。
○説明員(牛丸義留君) これは当委員会の薬事法制定の際の付帯決議の趣旨もございましたし、薬務局長の通達によって、たとえば、ちらしその他の広告類の取り締まりについての通達を出し、指導をやってきたわけでございます。しかし、乱売の現象は、ただいま御指摘がありましたように各県においてもなかなかこれはそういう行政指導だけでは終息しないような状態でございます。従って、私どもとしては、中小企業団体組織法の規定による調整規程の適用を現在考えております。関東、関西地区並びに近畿地区においてそれの発動を具体的に今関係官庁とも相談をし、その第一前提としまして調査票の発行を本日各関係府県に発行いたしました。具体的な調整規程の発動の今準備を進めているような段階でございます。
○小柳勇君 今準備を進めているというのは私は納得できない。一年前に相当ここで論議されて、大へん問題になった問題が、そのようなものがあるらしいからこれから措置するでは納得できないんです。薬務局は、相当あれだけ国会で論議になったことも御存じであるし、今までにこのようなことがなされないように措置をなされなければならなかったと私は理解いたしております。今までのやられた措置について報告を願うと同時に、たとえばこれに対して人間が足らないとか、予算が足らないとかいう点があったら卒直にここで御明示を願いたい。
○説明員(牛丸義留君) 現在の薬事法に基づく指導はできる限りいたしたつもりでございます。しかし、事経済問題でございますので、薬事法の規制の範囲外の問題があるわけでございます。従って、薬事法に基づく指導というものに対しては、昨年の法律の両院通過後、あるいはその以前からもちろんその乱売防止についていろいろと手を打ってきたわけでございますが、これは、どうしても法律上の問題として、直接それじゃ法律の違反にどの程度なるかということになると、そこに相当の問題があるわけでございまして、たとえば、薬価を公定するとか、そういうことによって乱売を防止する、あるいは廉売を防止するというような手は現在の法制下においては打てないわけでございますので、現在の法制上打つ手といたしましては、薬事法に基づく行政指導あるいは団体規制のそういう法律に基づく調整規程の発動というようなことでございまして、そのわれわれに与えられた現行法制下においての最終手段たる調整規程の発動ということに最後に踏み切って、現在その具体的な手続を進めているというようなことでございます。 それから今人員並びに予算につきましては、もちろんこれは各府県の平衡交付金の交付基準に基づいて一応の基準並みの人員の設置はもちろんなされているようでございますが、しかし、非常に薬局の数もふえ、それから製造業並びにその他の医薬品の取り扱いというものがますます複雑になってきておりますので、そういう点においてはたして現実のそういう薬品の製造販売の実態、交付金の基準になっている人員との間にバランスがとれているかどうかということは、これは当然私どもはとれていないように、特に新法施行後はそう思いますので、この点についても早急に検討して人員の措置なり、予算措置も講じたいと思うわけでございます。
○小柳勇君 質問しても同じだと思いますから質問やめますが、私は、こういうような、病人の、病気を持った者の弱みにつけ込んで詐欺をやるようなそういう医者とか薬屋というものは、一般国民から手が出ぬのです。従って、その関係当局が、厚生省の薬務局が、特に局長ですね、勇気を持って監督指導してもらわないと、一般の者は、看板が出たら、ほんとうの薬剤師であるのか、薬の調製ができるのかできぬかわからぬのですよ。そういう者を、調剤師という看板を掲げて、中が見えないようにして国民の目をごまかすような者は、即時営業停止ぐらいするくらいの勇気が必要だと思うのです。これはあなたの方でできなければ、警察でもよい。取り締まるくらいやらなければ……。病気を持った病人の弱みにつけ込むような医者、薬屋、そういう者について徹底的に取り締まりを強化してもらいたい。要請いたしておきます。
○相馬助治君 私小柳委員の質問に関連して、これは重大な問題だと思ってお尋ねしたいと思うのです。 われわれも気づいておりましたが、今鹿島委員からの報告を聞いて、あらためて、この委員会として考えてみる必要があろうと思うことは、この国民医療の向上上、まじめな医者、まじめな薬剤師、こういう人たちの努力に対しても、この種の薬屋の乱売、廉売、そして今度は薬事法にも明らかに違反するようなスーパーマーケット式のこの種の店舗、こういうものが現行法規で取り締まれないというならば、われわれは立法府にある者として、その法改正を行なわなければならないし、小柳委員が義憤を持って結論的に申した通りの私どもは気持を強く持つのです。 そこで私は三点ほどお聞きしておきたいと思うことは、この種の薬の乱売の問題についてさきに委員会で問題になりましたが、これはなかなかうまく解決しない。解決できない原因の一つとして、この間通産省の購買部へ行ったら、非常に安く薬が売られておる。おそらく厚生省の購買部へ行っても、この種薬品が安く並べられているのじゃないかと私は思うのです。で、この種のことがどこにでもある。そうすると、こういうことが取り締まれないで、一方町の店舗だけを取り締まるということでやってみても、抜本的解決ができがたいというのが現状だと思うのです。このことは厚生省だけでは解決しない。いわゆる公正取引委員会の問題とか物品流通関係の経済問題として、通産省等とも十分打ち合わせしなければならない問題を含んでいると思うのです。今局長の説明で、若干そういうふうな問題が問題になっているということですが、この種の乱売について、関係官庁とどういう相談をして、またどういう見通しあるのか。先ほどの答弁ではきわめて具体性がないので、もう一度私はお聞きしておきたいとこういうふうに思うのです。それから、行政指導だけでは現在の国民薬局などというこういうものに対して手の打ちようがないと、こうおっしゃるけれども、それならば、その薬事法というものを、厚生省としては何らか抜本的に改正する用意なり作業等を行なっておるかどうか。仕方がないと言うて放置しておるのかどうか。こういうことを尋ねたいと思うのです。 それから第三には、これは厚生省では答えられない問題だと言うかもしれないけれども、私は、必要上あなたたちに認識してもらわなければならないと思うことは、設置過剰で、薬の生産というものはきわめて過剰になっている。それですから、われわれしろうとにもわかるように、現金をしょっていって薬屋へ行くというと、四割、五割という買いたたきでもって薬が買えるというようなことが常識になっている。あるところで、余興をやるのに、景品買いに薬屋へ現金持っていって——薬屋というより薬の製造元に現金持って行って、そうして薬をたくさん買ってきたという例が現にある。こういうことが、国民医療上非常に重大な、薬についても一般商品と同じように取り扱われる、そういう薬がはんらんすることによって、適正に医者の診断を受けるべきものが、医者の診断も受けずに、医者の指導なくしてそういう薬が国民の間にのまれておる。その効果が的確にあったかないか、さっぱりわけがわからない。こういうふうになってきますと、もっと抜本的に、まじめな薬の製造工場と、まじめでないという言葉はおかしいが、誇大な広告だけをやって、きわものの薬を売っている会社と、これはしろうと目にも明らかなことですから、厚生省では明らかだと思うのです。こういうものに対して何らか手を打つ考慮があるかどうか、そういうことも局長から承っておきたいと思うのです。本来ならば大臣から承るところなんだが、あとで何か要請文が出るということですから、大臣に対する質問はこの際いたしませんが、一つ局長より、以上のことを総合してお答え願いたいと思うのです。再質問はいたしませんから委曲を尽くして大体述べて下さい。
○説明員(牛丸義留君) 第一の価格の取り締まりの問題でございますが、現在の日本の薬品の建前は、価格というものは経済的には自由の原則ということで、薬事法はもっぱら公衆衛生上の見地から取り締まりを行なうというような法の建前になっております。しかし、もちろん薬の価格というものがその薬の流通なりあるいは取り扱いについて重要な関係がございますので、行政指導上いろいろの指導はもちろんやっているわけでございますが、大きな建前としては、ただいま申し上げたような形になっているかと思います。 それで、今日乱売ということで非常に各地に現象が行われているその内容を詳細に検討してみますと、今の価格というものは、いわばメーカー価格でございますので、製造業者が自分で値段をつけて、そうしてそれが問屋を通じ小売店に配給され、そこから各消費者に渡るというような形になっておるわけでございます。この生産と流通というものが円滑に行くためには、そこに一つの適正な利潤というものによって流通がうまく流れることが望ましいわけでございますが、どうもそれが各地で非常に不当に安い値段で販売されるというようなことがあって、流通の秩序が乱されている。従って私どもとしては、そういうことから、小売店である薬局の大きな一つの不安というものが社会的現象として起こってきますので、その点について私どもとしてできるだけの指導をやっているわけでございます。ところが御承知のように、薬事法でそれじゃ指導し得るものは、私はもちろん限度があると思いますので、薬事法以上の法律規制となれば、商業組合の自主規制によってたとえば、その組合に入っていないものの員外者にそういうふうなものが起こった場合には、員外者に加入命令を出しまして、そうして員外者も商業組合の組合員と同じように価格の規制もしてもらうようにしていく。そういうふうなことが自主規制としての今の行ない得る手段じゃないかと思います。現在私どもが公取なりあるいは通産省と連絡をして、その手段を講じようということで準備を進めておるわけでございます。 それから、国民薬局という看板を掲げて、これが法律の取り締まりができないということではございませんので、これは薬局以外で薬局という名称は掲示してならないということは現行の薬事法にも明示、はっきりと書いてございますので、これは私は営業の停止なり、あるいは取り消しなりできると思います。この点については、別に法律を改正いたしませんでも現行法律で取り締りは可能であるというふうに思っており、これは即刻大阪府庁に対しましても私どもの方から連絡をしてその処置をとりたいと思います。 それから、第三点の、薬の過剰ではないかという御質問のように承りましたけれども、薬が全体として相当生産量は伸びております。大体三十五年におきましても千七百億ぐらいの生産ということで、その前の年に比べて一七%ぐらいの生産の量がふえておりまして、伸びは順調に伸びておりますが、しかし、全体としてそれじゃ生産が過剰になっているかというと、私は必ずしもそうじゃないと思います。今非常に大きく問題になっておりますのは、薬のうちではむしろ治療薬よりも保健薬が問題になっております。つまり、ビタミンとかそういうふうな保健薬の方が問題になっておりまして、治療薬についてはほとんど乱売現象も起こっていないんじゃないか。それで保健薬は、これは一般の治療薬ほど量を規制してのむということもいけませんし、まあビタミンがある程度補給されるということは、これは薬の面から見ても望ましいことですし、国民の一般栄養から見ても、そういうことは望ましいことでございますので、これをどの程度まで規制するということはなかなかむずかしい問題じゃないか。それから今の乱売現象が生産過剰から起きているかどうかということについては、私は一がいに言えないんじゃないか。むしろそういう価格の形式、特に価格の中で治療薬的なものは割合に、厳正な価格が守られていると思います。中にはもちろん例外はあると思います。非常に問題になっているのは、そういう一般保健薬、一般保健薬はここ数年の生産の伸びというものが大体三十一年ごろから比べても五倍ぐらいになっております、たとえばビタミン類なんかを見ますと。ところが価格は当時千円から八百円に売られているものが今でもやはり六百円、七百円くらいで売られているということで、生産と価格のアンバランスがやはり出てきているんじゃないか。そういう点で私どももっとこの点を考えてみる必要がある。要するに、メーカー価格という今の原則と、そういう保健薬の生産が非常に伸びたということの間に、今のような現象が起きてきている点があるんじゃないかというような点を私どもは現在考えておるわけでございますが、そういう点について、いきなり価格の統制までする必要があるか、あるいは価格の規制までする必要があるかどうか、その辺は私どもとしてはもうしばらく慎重に検討したいと思います。
○相馬助治君 広告の規制は考えておりませんか。
○説明員(牛丸義留君) それから、今のそういう問題に関しまして、一般の特に保健薬の広告というものが相当世間でも問題になっております。これは広告は自主規制で相当規制を受けてやられているわけでございますが、まだやはり私どもが見ても少し派手に思われるような広告もございますので、この点については将来とももっと私どもの方でできるだけの指導をして、必要以上の広告をしないような点を業界の方にも指導していきたいと考えておるわけでございます。
○理事(高野一夫君) 時間の都合もありますので、報告事項に対する質疑は、この程度で終了したいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(高野一夫君) 御異議ないと認めます。
○鹿島俊雄君 この際、当委員会の先ほど御報告いたしました視察に関して、大臣に要請を申し上げたいと思います。 参議院社会労働委員会の派遣視察団は、その調査視察の中で、特に大阪市内における薬局並びに一般医薬品販売業のあり方につき、次のごとき事項を発見したので、現場の写真を添付して実情を報告いたします。 なお、当委員会は、厚生省のすみやかなる善処方を要請する。 1 スーパーマーケット内に開設せられている薬局が、正規の基準に合致する試験調剤の施設を何ら持つことなくして、新薬事法実施直前、旧薬事法による開設登録を大阪府が認めたことは、きわめて適切でない。 2 スーパーマーケットで一般医薬品販売業を営むものであって、その一隅を薬品部として対面販売を行なっているようであるが、医薬品の一部は他の雑貨類と同様にセルフサービスの対象となっており、また雑貨類と混然として陳列されてある事実を見た。 さらにある店舗では、医薬品を土間に置いてあった。これらのことは、医薬品の特殊性を無視するものであり、かつ、適正ならざるあり方である。 3 薬局にあらざる一般医薬品販売業であって、「〇〇薬局」の看板を掲げてあった。これは明らかに違法行為である。しかるに、このことは「株式会社〇〇薬局」なる商号に由来するものであるとのことであったが、かかる商号があやまって登記せられた場合には、直ちにその商号変更の登記を命ずべきであるにかかわらず、これを認めた形になっていることは、当局みずからが違法行為を認めていることになる。 4 新薬事法審議に際して、当委員会は全会一致をもってする付帯決議を行ない、その第一に政府はすみやかに医薬品の乱売阻止の対策を講ずべきであることを要請しておいたが、今回の視察においても、乱売が依然として各所で行なわれている事実を見たことは、きわめて遺憾である。このことは、単に大阪市内にとどまらず、東京都を初め各地方でも同様の事態にあることを指摘する。 5 右の付帯決議の他の項に、薬局等の開設に当たり適正配置を考慮すべきことを要請したが、大阪府が内規をもって百メートルの距離制限を設けたことは、当委員会の決議に沿う施策と考える。 他の都道府県においても、この種の方針をもって薬局等の開設許可を吟味することが当委員会の決議の趣旨に沿うものと考える。 以上であります。
○理事(高野一夫君) 皆さんにお諮りいたしますが、すでに先ほどからの御審議、御質疑でおわかりであろうと思います。その結論がただいまの鹿島委員の案文に現われたものと考えまするが、鹿島委員が御朗読になりました案文を、当委員会の決議として政府に提出して強く善処方を要請することに御同意を願いたいと思いますが、賛成の委員の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○理事(高野一夫君) 全会一致でございます。従って、ただいまの案文は当委員会の全会一致の決議といたします。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 先ほど来、炎暑のおりから、わざわざ地方においでになりましていろいろ御視察をいただき、精細な御報告を拝聴しておりまして、皆さんの御苦労に対しまして深く敬意を表するものでございます。 なおまた、ただいまの御要請にかかわる事項につきましては、私といたしましてさらに十分実情を聴取いたしまして、善処いたしたいと考えておりますので、御了承いただきたいと思います。 ———————————
○理事(高野一夫君) それでは、次に、社会保険診療報酬に関する件、あわせて厚生省の機構改革問題に関する件を議題に供しまして、調査審議を行ないたいと思います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○坂本昭君 まず、灘尾大臣の御就任を心からお祝い申し上げますとともに、就任早々、医療費問題という難問題をかかえられましたことをまことに御苦労に存じます。しかし、灘尾大臣はすでに厚生行政におきましてはベテランであられますし、国民の期待する解決方法をお出しになるということをわれわれも実は待っておる次第であります。 そこで、この医療費問題はただ単に日本医師会と自由民主党、あるいは日本医師会と厚生省との間の問題としてとどまるだけではなく、国民の大多数はいかにも今沈黙を守っているようではありますけれども、国民ひとしく自分自身の身にかかる問題として国民は納得のいく筋道を経てこの医療費問題の解決されることを期待しております。特に民主的なルールで前向きの形で解決されることを全国民これを要望しております。そこで私はこの際、原則的、基本的な点について数点一大臣がこの難問題に処せられる心がまえ、あるいは方針について伺って参りたい。 第一の問題は、今日この惹起されている医療費問題の混乱の原因が一体どこにあるか、あるいはだれにあるか、簡単明瞭な大臣の御所感を承りたい。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私の厚生大臣に就任いたしました翌日、保険医総辞退という声明を出されたのでありまして、まことに残念に存じております。医療費の問題につきましては前々から関係の向きの間にいろいろ御議論がある、また御不満があるというようなことは承知いたしておりましたが、微力ではありますけれども就任する以上は何とか話し合いをつけて、将来の問題として今のような悪気流を一つ一掃したいものと、こういうような気持でおりましたところがああいうことになりましたので当惑もし、また遺憾にも存じましたような次第でございます。医療費に関する問題は、今お話にもございましたが、いわば売手と買手と申しますか、関係の向きが多いわけでございますので、一方的にこれをきめるということは私はよろしくないと、ことに国民生活に最も関係の深い事柄でございますだけに各方面のやはり納得のいく線で問題は解決されなければならぬと、こう思うのでございますが、従来医療費の問題につきまして、まあ時勢もだんだん変わって参ることでありますので、いわゆるお医者さん側において医療費の引き上げを要望するというその声は必ずしも私は無理とは思わないのでございますが、ただそれをきめるのについてはやはり今申しましたような姿でみんなが相談をして、そうして適正な結論を出していく、こういう姿でありたいものと思ったのでありますが、なかなかそれがスムーズに従来参っておらなかったようなこともあるようでございます。だんだん空気がおもしろくないような状態でございまして、今、端的に現在の状態をと、こうおっしゃるわけでございますが、私の考えまするのに、前に私の所属しております自由民主党の三役その他の方と医師会との間に、医師会のたしか一斉休診とか何とか問題があったころだと思いますが、それを調整しようというふうなことからだんだんお話をなさって何らかの結論が出た。それがいわば医師会にとってみれば党の三役が公約したとか約束したとかこういうふうにおとりになったんだろうと思うのであります。しかし、政党の幹部と医師会とが約束なさいましてもそれが直ちに正式のものになるはずのものではないことは、これはわかり切った話だと思うのでございますが、結局、古井厚生大臣の時代に医療費の引き上げにつきまして中央社会保険医療協議会、この協議会でいろいろ審議をいたしました結果出されましたものが、私どもの党の三役と医師会、歯科医師会の皆様と約束せられたと言われる事項と違っておると、こういうふうなことからなお医師会の皆様の不満がつのったのではなかろうかと私は思うのであります。そんなことから党の方に向かっていろいろ医師会側からお話もあったようでございますが、そのうちに御承知のような事情で内閣も改造されましたし、党の役員もかわって参ったと、こういうふうな段階に入ったのであります。そうして、そういう状態のもとに突如として今度の保険医総辞退、まあしかし、その理由は制限診療をやめた方がいいんだ、自由診療がいいのだというような御趣旨の声明であったように伺うのでありますが、おそらくこの総辞退の直接の原因と申しますか、直接医師会が不満を爆発せられましたのは、当初期待した通りの結論が出なかったというところにあるのじゃなかろうかと私も想像するのでございます。 この問題につきましては、もう申すまでもなく何とかできることなら保険医総辞退というような事態に突入しないようにいたしたいと存じまして、今日までいろいろ苦慮して参っておるようなわけでございます。しかし、いずれにいたしましても医療費の改訂とか引き上げとかいうような問題につきまして、政党側と何か約束があったからというのでそれが直ちに国の仕事になるわけじゃございません。政府は政府としてやはり正規の手続をとり、正規の機関に諮りましてその得た結論というものを尊重して実施するというのが当然だろうと私は考えておりますので、保険医総辞退の声明もさることながら、またこれをなるべく回避してほしい、やめてほしいということにおいてはもちろん最善の努力はいたすつもりでございますけれども、今のような筋だけはもちろん通して問題の解決に当たって参りたいというのが私の考え方でございます。
○坂本昭君 ただいまの大臣の御説明はただ経過の説明であって、私たち国民ひとしく今求めているのは、混乱の原因は一体だれにあるか、だれが一体責任を持ってこれを解決してくれるか。ただいま大臣の御説明だと、日本医師会と自民党の三役とどのような約束をしても、それが直ちに厚生行政の上に出るというふうには限らない。そういう御説明に終始して、混乱の原因がどなたにあるかその辺がきわめて明確を欠いていると私は思う。こういうことではなかなか解決できないのではないかと思うので、次に伺いたいのは、それではまあそのような経過の中で大臣としては一体どういう方針で、またどういうルールでこれを解決していく御所存であるか。そのプリンシプル、ルールについて一つ国民に説明をいただきたい。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 問題は、私は簡単に解決できるというような問題とは思わないのであります。従ってあすに迫っておる総辞退というふうな問題に対処するためにどうというふうな簡単なものじゃないというふうに思うのであります。従来の医療費について医師会側におきましてもかなり御不満がある。これも事実だと思います。また医療費の算定の仕方というものがはたして完全であるのかないのかということになりますれば、これまた決して完全とは言い切れないものがあると思います。大いに将来正確な資料を集め、調査もして、そうしてできるだけ合理的な医療費の算定をしていくというふうな方向に進むべきだと私は思うのであります。そういうことでありますので短兵急な話ということになりますとなかなか受け付けにくいのであります。ただ私の心持といたしましては、何さまどうもいろいろな問題をめぐりまして関係の向きの間の空気があまりおもしろくない。これではどの方面の方も御不満でしょうし、また同時に行政の任に当たる厚生省といたしましては施策の遂行にも困るということにもなるわけでございますので、微力ではございますけれどもできることなら何とかそういうふうなもやもやしたような心持を一掃していただいて、そうして関係の向きが大事な医療、大事な社会保障というふうなものの改善、充実に向かって関係者が気持よく協力する、こういうふうな姿を何とかこしらえあげたいものというのが、私就任を決意いたしましたときの心持であったわけでございます。その心持にはもちろん現在も変わりません。また、今のような事態であればあるほど一そうその感を深くするわけでございます。今回の医療費の問題につきましては、だれが一体その原因を作ったかということになりますと、いろいろございましょうが、おそらく長い間のいろいろなしこりがたまりたまってまたそういうふうなことにもなっておるということも言えるのではないかと思いますが、過去にさかのぼってどうとかこうとか申しますよりも、私はやはり将来に向かってみんなが協力して、話し合い、納得づくで物事の進展をはかるようにいたしたい、その念願を持って一つ努力してみたい、かように考えておるような次第でございます。
○坂本昭君 医師会の不満ももっともであるし、また、従来のいきさつについてもこれを否定するものではない、従って、遠い、長い将来にわたってとは言われますけれども、大臣として民主的な正しい方法によってこれを解決されようという御意図は明らかなのですが、そこで問題になるのは、前回の通常国会で流れましたこの中央医療協議会の改組案、あるいは臨時医療報酬調査会のこの法律案、私はこれらについても、大臣としての一つの取り扱い方についてこの際意思を明確にしておかれる必要が、これはその将来にわたって解決をしていく場合に非常に大事な点だと思うのであります。特にその中で、中央医療協議会の改組案の取り扱いについては、私たち社会党としては、これはたまたま医師会とも同じ意見になったのですが、中労委だとかあるいは公労委における公益代表の扱いの中でアグレマンを取りつけていくという態度をわれわれも明確にしたのであります。そして私たちは、別に日医におもねたというのではなくて、三者構成の場において最も正しいのは、アグレマンを取りつけて、いわば労使代表、あるいはペイする側と受ける側の両者がアグレマンを取りつけるということが、これは三者構成の私は一番正しい根本的な原則だと思うのであります。ところが、これを厚生当局の、特に事務官僚の諸君がどうしてもこれを受け入れることができなかったというところに私は一つの問題が破綻についに流れてしまった原因をなしている、私はそう思うのです。そういう点で一体中央医療協議会の改組案を、これは次の臨時国会にもまた当然出てくることですが、大臣としてはどういうふうにお考えになっておられるか、そうして当然中央医療協議会という一つの土俵で正しい民主的なルールを通じてこの問題を解決していこうというのが大臣のお考えと思う以上は、その点についての御見解を一つ明らかにしていただきたい。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 逃げ口上を申し上げるようでまことに恐縮でございますが、私もまだこの問題について十分検討をいたしておりません。ただ前回の国会におきまして医療報酬に関する調査会、それから中央医療協議会の改組、こういうふうなものの関係の二法案が提出せられました。それについていろいろ御議論があったことは伺っております。私の気持としましては、医療報酬の算定の問題を合理化するためにも、どうしてもそういうような調査会が要るだろう、また、現在のような医療協議会の状況はやはり改善する必要があろうということは、もちろんそう思いますけれども、また同時に、次の臨時国会にはこの二法案は引き続いて出したいと、かように考えておりますが、具体的に今アグレマン云云の問題につきましては、なお一つ検討さしていただきたいと存じております。前の二法案につきましては、閣議あるいは党の了承を得て出したものでございますが、いろいろと御意見のあったことは伺っておりますので、十分一つ検討さしていただきたいと思います。
○理事(高野一夫君) ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○理事(高野一夫君) 速記つけて。
○坂本昭君 今の中央医療協議会の改組についての大事な点について、私は事務当局の補佐がまだ不十分だと思う。今申し上げた点は、非常に大事な点であって、このアグレマンのことについては、これはもう即刻ただいまから交渉される場合も私は出てくる問題だと思いますので、こういうことについて大臣が十分検討されておられないということは非常に問題だと思うのです。私は臨時医療報酬調査会のことについてもお尋ねしたいと思ったのですが、これは総理府に所管するものであって、一応厚生大臣は直接関係はありません。が、今までのいきさつからいうと、非常に重大な密接な関係があるので、当然この調査会員に将来あげられるであろう人々の選考問題、こういったことについても、これは当然頭の中で案を練ってしかるべきだと思うのです。しかし、これらのことは今省略しまして、ただ一つ、これは大臣知らぬと言われるならば、あるいは保険局長からでもいいですが、この間の中央医療協議会の最終案、諮問案の出る前に、被保険者の代表、これは労働組合のいわば代表という形で出ておりますが、この人たちが一つの試案というか、一案を提出している、それは単価を十一円にする、そのほかに初診、それから往診、入院料、こうした比較的、事務的というと、これは語弊がありますが、従来低過ぎると見られておったもののみを点数の改正をやる、そして単価は十一円ということで、そういう案を出した。これについてはかなり賛成の向きもあったと伺っておりますが、厚生大臣はこの案をついにとらなかった、とらなかったのは厚生大臣その人であると私は聞いておる。やはりこの辺から私は問題が分かれてきたのではないかと思うのですが、今の事実は、これは大臣御承知ないかも知れませんから、この際保険局長からその事実の有無について簡単にお答えをいただきたい。
○説明員(森本潔君) 中央医療協議会の審議の過程におきまして、実はいろいろな案が出て参りました。それで会議としましては、速記録を付した公開の会議と、それからほんとうの懇談会、秘密の懇談会がありまして、その両者においていろいろな意見が出たわけでありますが、公開の席上におきます意見としましては、今御指摘のありましたような案は披露されておりません。非公開の懇談会におきましてその案が出たかどうかという点につきましては、会議が非公開でありかつ秘密の懇談会でありましたのでそういうことがあったかどうかいうことを申し上げるのは不適当でございます。差し控えたいと思います。
○坂本昭君 今の点は非常に実は大事な点だったと思うのです。この点が結局私は今回の分岐点になったのではないかと思うのです。このときの結局古井大臣の結論がこれをとらなかった。そして今告示されたところの案をとったというところに問題の紛糾を起こしたと私は思うのです。その点で古井さんの今までの努力を、われわれとしても古井さんが一生懸命前向きにやっておると思ったので支持しておったのですが、どうも最後の段階で政治的判断を誤ったのではないかというふうに私は見ております。その点はこれは非公開であったということですから、私もこれ以上追及しませんが、大臣としてはこういう一つの事実を通して、具体的な一つ御検討の上に立って、この前向きな解決をしていただきたい。 そこであしたから保険医総辞退、契約解除ということの話になっておりますが、大臣はこれは一体合法的とお考えになるかどうか。個人契約ですから、これは契約の解除の自由というものはあると思うのです。これを合法的と考えるか。また、合法的と見た場合に、その手続上においてさらにどういう形をとられるならば合法的であるか、あるいは非合法的であるかとか、これは大体そのくらいの見当をつけられておると思う。一応その辺の御意見を承りたい。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 行政上の問題でございますから、詳細は局長にお願いしたいと思いますが、私は保険医の諸君が現行法でも保険医をやめることはできる。法律にきめた要件を備えた辞退届を出されれば、これはこばむ理由はない、法律的にはですね。
○坂本昭君 局長の答弁は要らぬです。私も保険の契約ですから、これを解除すること、いわゆる保険医の総辞退ということは、合法的だと思うのです。少なくとも一カ月の猶予をおけば、私はこれは合法的であって、何人もこれを妨げる事由はない。ただイギリスの例などを見ると、イギリスは、たしか一昨年、イギリスは例の国家管理の医療をやっておりますから、イギリスの場合は三カ月の猶予をおいておる。その三カ月の間に新しい委員会ができて、そうしてあの場合は一〇%の引き上げをやっております。さらにピルキントン委員会という委員会ができて、三年間引き続いて調査をやっております。これはロイヤル・コミッティであります。王室調査委員会といいますか、三カ年調査をやって、そしてその結論を去年の暮れのイギリスの国会に出して、これは非常に問題になったのですが、過去三年にさかのぼって医者にもう一回払い戻せというわけです。過去一カ年にさかのぼってまでは払い戻しをやっておる。こうしたイギリスの場合は三カ月という猶予をおいておる。日本の場合も、実をいうと、一カ月ではほんとうに解決しようとするならば困難ではないか。しかし、私はあくまでもこれは合法的であって、大臣もその点についてお認めになっておりますから、私もこれは合法的な範囲内で一カ月の猶予を置いて、そして保険医総辞退ということは認められ、そしてその間に十分な解決をはかるべきだというふうに私も実は考えているわけです。だからみだりにやっちゃいかぬといってこれを弾圧することは、これは近代的な厚生大臣としてはやるべきでない。私はそう思うのであります。そこで、時間の関係でこの際伺っておききたいことは、もうこれは医師会も単価の問題も言っておりますが、さらに療養費払いの問題、いろいろの問題が出てきておる。そして冷静に見ていると、どこに焦点があるかいろいろと迷うような感がなきにしもあらずであります。しかし、一番大事なことは、ことしの春から国民皆保険の制度がしかれて、そして現在、健康保険法と国民健康保険法の二つの法律で日本の医療は進められている形になっている。昔は医療法あるいは医師法、歯科医師法という法律で医療というものが推進させられておった。そういうところに、保険局行政それ自体に一つの矛盾が出てきているわけなんです。従って、たとえばこまかい点で申し上げると、保険局の中に医療課というのがあるのですけれども、この医療課というのはむしろ医務局の中で所管して、そして大きな医療行政で扱うべきではないか、そういう行政自身としても、かなり根本的な改革の時期にきていると思うのです。それからまた、健康保険法にしても、国民健康保険法にしても、それ自体大きな転換期にきているんじゃないか、そういうことについて、これはもう今厚生大臣になったからというのじゃなしに、これは自由民主党のベテランとして、特に灘尾さんは前から社会保障、あるいは医療のエキスパートの一人であられるのですから、この際、厚生行政について基本的な改革をするおつもりがあるかどうか。むしろ私はそういうものを先に出して見せたら国民も納得するし、医師会も納得するのじゃないか、私は個人的な一人々々について、だれかこの日本の、医療行政を、保険局行政をスポイルしたかこの際申し上げません。しかし、スポイルした人間が確かにいるのです。だから私はそういう人の人的な処分といいますか、それから機構の改革、そういったことを先に、身みずからやることによって私は厚生省自体だって新しい事態に臨んで、われわれもこのくらいに改革をするのだということをお見せになるのが私は国民に対しても、医師会に対しても良心的でないかと思う。この点についてお考えを伺いたい。
○国務大臣(灘尾弘吉君) お話の御趣意はまことにごもっともだと思います。現在行なわれております社会保障、ことに医療保障関係の制度につきましても、なかなか複雑に日本はなっております。また、必ずしもそれぞれが均質だとも言えない。いろいろな制度が行なわれている。その間にまた問題も伏在するような気もいたすのでございますが、こういったふうの制度の全体にわたりまして検討を加えて、もっとすっきりした姿のものにする必要があるのじゃないかと前々から思っている一人でございます。また、厚生省の現在の機構というものを考えました場合に、一方においては医療関係、あるいは保険におきましても、監督とか、あるいは指導とかいうふな役割を持ち、一方においては政府の管掌する保険の保険者というような仕事を持ち、しかもそれが同じ部局で行なわれている。こういうふうなものもよほど検討を要するのじゃないか。よく監督と運営を分離しろというふうな御議論もございますが、私はそれにはとるべきものがあると思います。今のような考え方につきましては、なるべく早いうちに一つ結論を得まして皆さんの一つ御審議をわずらわしたいというような心持さえ現に持っているわけでございます。制度全般にわたる改善ということは、これはなかなか容易なことではないと思いますけれども、このままにしておいてよろしいというふうには私は考えません。何とか改善をしなければならぬ、また、現実の保険行政の運営につきまして、いわゆる監督と運営の分離というようなことにつきましても積極的に考えて参りたい、かような気持でおるわけでございます。
○坂本昭君 最後にもう一つ伺つておきますけれども、あまり抽象的でもってどうもそういうことでは国民も納得しないし、私も納得しないので、あとはあしたの結果を見るよりしょうがないと思いますけれども、特にこの際伺っておきたいのは、医師会というものについて厚生大臣としてはどういう考えでゆかれるつもりか、それはまず立法的にも、たとえばこれを日本医師会法といった法制化をするがいいかどうか、あるいは医師会にそういう立法化の上に立って権限を与えるような行き方をした方がいいか、医師会そのものの扱い方について、あるいは医師会の機構、そういうものについて、運営について、大臣として、これはもちろん内政干渉にわたらない範囲内において行政の監督の立場にある大臣としてどういう見解を持っておられるか、この点を一つ、医師会だけじゃありませんが、歯科医師会も入つてきますけれども伺つておきたい。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 医師会、歯科医師会、薬剤師会、まあ含めてのお答えになろうかと思いますが、私は実は昔の都医師会、歯科医師会、薬剤師会については多少関係を持ったこともございます。当時の状況と、現在のいわば任意の公益法人としての医師会というもののあり方というものについてよほどこれは比較して検討をする必要があるのではなかろうか、今直ちにどうしようというようなことはそこまで研究しておるわけじゃございませんけれども、現在の医師会のあり方につきましても、十分一つ検討してみたい、どちらにどうするというような考えはこれからの研究の結果に待ちたいと思いますけれども、昔のことを思い、今の状況を思いますときに、何かそこに考えさせられる点もあるような心持もいたしております。まことにばく然としたお答えでございますが、その問題も一つ私の検討の対象にはしたいというような心持でございます。
○坂本昭君 もう時間がないようでございますから、私はあしたに現われる結果を期待し、大臣の行政的な取り扱いが誤った場合はあくまでもこの委員会を通じて責任を追及いたします。同時に、大臣が前々から勤評の扱い等を通じて一部には筋金が入っていると言われるけれども、同時にまた、弾力性もないというふうにわれわれも見ております。で今度は言いかえれば厚生大臣としての勤評なんですよ。ですから事と場合によっては今の段階を誤って導かれる場合にはわれわれとしても大臣の責任を十分追及するつもりであるということを申し上げて、今非常に事態が切迫しておられるようですから、私の質問はこれで保留します。
○理事(高野一夫君) 先ほどお願い申し上げました通り、いろいろ御質疑があろうかと思いますが、あとわずか数時間の間に事態収拾ができるかできないか、厚生大臣いろいろ苦労されている最中でありますから、この辺で御退席を願うようにしたいと思います。あと政務次官、政府委員が残っておりますから。
○坂本昭君 今私は、厚生行政のいろいろな改革について大臣の決意のほどをちょっと承ったのですが、これは来年度の予算編成のときにもあたっておりますし、この際、政務次官なりあるいは官房長から具体的なことを一つ二つ伺っておきたい。 それは今私が一つ申し上げた保険局の中にある医療課をああいうようなことではどうもならぬじゃないか、医務局の方へ移してもっと医務局行政と保険局行政を一体化して進めてゆく必要があるのじゃないか、そういうことについての配慮があるかどうか。あるいはこれはあとでまたお尋ねしようと思ったんですが、看護婦の問題、というのは医療サービスの内容の問題として非常に日本は看護力が少ない、現在でも看護婦の養成というものは逐年減少しつつある、また、希望者も減りつつある、現在でも相当な欠員があるし、さらに今度皆さんの方で出された所得倍増十カ年計画に対応した厚生行政長期計画、あの中にも看護婦の養成については重大な考慮を払わなければならい、こういう点が指摘されている。そういう面でたとえば看護課というものの復活、こういうことについてまた竹中先生から何か御意見があるようですが、総括してこの際来年度の予算編成を前に御意見を伺っておきたい。
○説明員(高田浩運君) 第一段の保険局の医療課の問題につきまして、これは先ほど大臣から保険行政機構の改革の問題についてお話しがございました、それと関連をしてこれは十分一つ検討さしていただきたい、かように思います。 それから第二の看護課の問題につきましては、実は三十六年度予算編成の場合におきましても、厚生省としてはこの設置方を提案をいたしたのでございます。三十七年度の予算編成の方針につきましては、来月の下旬に厚生省としての方針をきめるようにいたしておりますし、従って、まだ現在確定はいたしておりませんけれども、十分お話の趣旨をくみまして、私どもこの問題に対処してゆきたい、かように考えます。
○坂本昭君 そのほか私の聞いただけでなくて、もう少し厚生省自体が考えておる機構改革というのはないんでか。
○説明員(高田浩運君) 機構全般の問題につきましては、ただいまも申し上げましたように、保険の問題がこれはおのずから中心になることであるし、それの関連においてどういうふうな幅において、どういうふうな取り扱いをするかということは、先ほども大臣が申し上げましたように、十分検討すべき事柄と考えておりますが、もちろんそのほかにもまた各局において実際にやっておりまする仕事の経験に徴し、あるいは将来の計画にかんがみまして機構の改革についての考え方がこれは当然あるわけでございますが、これらについては今申し上げましたように、厚生省としての最終的な考え方をまだ出しておりませんので、しばらく一つ検討さしていただきたいと思います。
○竹中恒夫君 では関連して質問しますが、厚生省の機構改革問題の中で今看護課の復活のお話が上りました。私がお聞きしたいのは、歯科衛生課の復活に関連してでございますが、お説のように、昨年の八月の省議で一応歯科衛生課を復活するというような内定といいますか、話し合いがきまったということを聞いておるわけなんですが、それに対して日本歯科医師会からいろいろな要望が出ておったことはすでに御承知のはずだと思う。大体歯科衛生課が復活するということは必要があって復活するのであって、人のための復活でないと思う。歯科衛生課が復活するということは歯科医師法並びに歯科衛生士法あるいは技工法の施行に関する一切の事項を歯科衛生課長が責任をもって行政する、こういう建前にあると思う。従いまして、これからお考えになられるんですが、歯科衛生課の主管する範囲については、私はこの機会に明確に他の課と二つにわたるようなことのないように一課でもって歯科医師の試験免許、身分、そうしたものは、歯科医師法施行のものはすべて歯科衛生課で行なうんだという観点に立ってお考え願いたいと思うわけであります。一例をあげますれば、国家試験の問題にしましても、国家試験審議会だけは歯科衛生課がするんだ、試験事務は他の課がするんだというようなことは、歯科衛生課長になる人が非常にやりにくいと思う。これは次官もお聞き願いたいのですが歯科衛生課を独立して一課にする限りは、歯科衛生の行政はすべて一課長の責任においてやる、他の課長となすり合いするようなことのないようにしてもらいたいといこうとをお考え願って、実はしてもらいたいと思うのですが、その点突然の話ですが、次官の御所見もあわせて承りたいと思います。
○説明員(高田浩運君) 政務次官からお答えがあります前に、事務的な点について私から申し上げたいと思います。歯科衛生課の独立については、お話のように、非常に要望の強いことでございます。先ほども申し上げましたように、来年度の予算編成、こういう機構の問題について決定をいたします来月の省議の場合においては十分御意見の趣旨をくみまして、厚生省としての考え方をきめるようにいたしたいと思います。ただお話のありました仕事の分け方、仕事の範囲等の問題につきましては、これはほかの仕事につきましても同様のことが言えると思いますが、行政の実際の仕事の横の連絡でありますとか、あるいはまた、能率でありますとか、その他いろんな点を勘案をいたしましてきめるのが、従来役所としてのならわしでございますので、それらの点を十分一つ考えて適切な案を立てたい、かように考えております。
○横山フク君 関連。ただいまの歯科衛生課と同じことになるのですけれども、看護課の場合も同様だと思う。看護課を独立させるのは認めてやる、しかし、看護課の国家試験に関する限りは残しておくということをのむんならば看護一課は独立することを認めてやるというお話があったやに聞いております。お話があったやに聞いておるということを言っておきます。私はなぜ国家試験を残しておけば独立さしてやるのかということを聞いたら、国家試験の方まで持っていってしまうと、看護課の方の予算は大きくなるからいいけれども、出ていかれたあとの方は予算が少なくなって何にもできなくなっちゃうから……それじゃ困るのであって、そういう予算の割り振りとか、課の大きさ小ささということでもって独立を認めるとか認めないという問題じゃないと思います。やっぱり役所というものの機構を独立させるのであるならば、その独立さした役所は、課がその仕事をするのにふさわしい状態におくということが、私は妥当なやり方だと思う。全体の予算を同じように割り振ってバランスをとって、そして課を作る、親の遺産を均分相続するような形において課を独立させる、それじゃ課が幾つかできる、それだけがいいんじゃなくて、仕事がよくできるために課を独立させたり併合さしたりするということがあると思う。あくまでもそれは看護行政をどうするか、あるいは歯科行政をどうするかということに中心を置いて、そして独立させるなり併合させるなりという形をとるべきだと思う。そして今の事態は看護課を独立させるということ、あるいは歯科衛生課を独立させるということ、そうしたら歯科衛生課がほんとうに仕事ができるように、あるいは看護課というものがほんとうに仕事ができるような形にするのが私は行政のあり方だと思う。ところが、聞いているのは間違いじゃないと思う。そんなにして、国家試験というものが、看護課にしても歯科衛生課にしても大きな予算がある。その予算をそっくり持っていかれたのではあとに残るものは何もなくなってしまうから、それでは困る、そんなばかな理由でもって私は独立をさせるとか、条件づきで独立させる、させないという問題じゃないと思う、竹中先生はそこら辺のところを衣を着せておっしゃったのだと思う。私はその点遠慮なく申し上げたのです。厚生省のやり方は筋を通すということがお家芸だと思う。今度の医師会でも、筋を通すということが最初からおしまいまでキャッチフレーズでもってやっていらっしゃった。それを行政機構の改革に対しては、筋を通すということが一つも出ていない。予算のバランスというような形をとるのは、私は当たっていないと思う。ですからそういう点をよく御勘案下さって、この面にも筋を通してやっていただくということを私はお願いいたしたいと思うわけです。
○説明員(高田浩運君) 看護課の問題について横山委員からお話がございました。これも先ほど申し上げましたように、機構の問題は仕事の同一性、あるいは医療の問題、横の連絡の問題、その辺のところを総合的に勘案して取り扱ってきめるのが筋であろうと思いますので、そういう立場から十分一つ今回の場合、検討さしていただきたいと思います。
○竹中恒夫君 今官房長は、そうすることが、横の連絡をとることが能率的であり、行政の筋だとおっしゃているのですが、これは私は非常に条件づきだと思う。やはり歯科衛生課というものをこしらえた以上は、歯科衛生行政は全部歯科衛生課でやるべきだと思う。今、横山先生がおっやったような、国家試験の事務をとられては予算が減る、看護の試験の事務をとられては予算が減るという、人によって、予算によって、事務間の与えるあなた方の関係においてそういうことをやるというならば、決して筋は通っておらない。それを通すのにしいてあなたは横の連絡とかなんとかおっしゃいますが、歯科衛生課において国家試験をするのに、どういう点に非能率の点があるか、むしろ事務はこの課がやって、試験だけはほかの課でやるというのでは、そのことの方が横の連絡がつかぬと思う。もう少しそうした点についてはお考え願って、われわれがよく了解つくような解決をしてもらいたい。歯科医師会におきましても、そうしてこそ厚生行政に協力できるのであって、歯科医師会の要求を何もかもそっちのけにして、役所の御都合だけでやるということでは困ると思う。明らかにそういう事実を私は仄聞しております。どうかそういう点について次官からもはっきり、それこそ厚生行政の筋を通すのに、常識的に考えてもそうあるべきであろうと思う。御所見を承りたいと思います。
○説明員(森田重次郎君) お答えいたします。歯科衛生課は、三十一年の行政機構改革において廃止されたものであります。その後各方面から復活の要望もあるのでありまするし、本日また御要望がありました。なお、看護のことにつきましても横山委員からの御要望がありました。要は、単なる形式にとらわれたり、あるいは便宜的な官僚だけの措置で、実質的な能率一本やりの立場に立たないということを御指摘になられたと思うのであります。これらの要望に対しましては私は、十分本日の御要望を体しまして、よく事務の方方と折衡いたしまして、御期待に沿うよう善処いしたいと存じます。
○竹中恒夫君 川上医務局長もお聞きになっただろうと思うので、医務局長の方でもこれを具体化する場合に、十分この委員会の意向を反映してもらいたいと思います。
○説明員(川上六馬君) ただいま次官からも答弁がありましたが、この問題はまだ局議として検討いたしておりません。御趣旨はよく体しまして、十分に善処いたしたいと思います。(「はっきり聞えない」、「もう一度」と呼ぶ者あり)
○理事(高野一夫君) 御趣旨をよく体しまして検討いたします、こういうふうに私には聞えましたから、お伝えいたします。
○小柳勇君 次官は、書いたものを責任もってここで御答弁になりまして、あとまた、局の方で局議がなされておらぬから、それであとの方は何かわかりませんが、次官は正式に御答弁になったら事務当局はその線に沿って検討していただきませんと、次官の答弁はもう必要でないわけです。そうすると、大臣もいられませんから、もう一回、そこのところを医務局長御答弁願います。
○説明員(川上六馬君) さきに局議と申しましたが、言い間違えました。省議であります。次官の御答弁の趣旨に沿って省議で検討をしていくように、いたします。
○理事(高野一夫君) それじゃただいまの社会保険診療問題、厚生省の機構問題については、これでよろしいですね。 ———————————
○理事(高野一夫君) それでは、次に小児麻痺ワクチンの問題に移りたいと思います。
○坂本昭君 ことしの流行の状況は、詳しい御説明は求めません。まず昨年とそれほど違っていない。 そこで伺いたい第一のことは、一体、なぜことしも引き続き流行を見たか、そうしてその原因はどこにあるとお考えになっておられるか。
○説明員(尾村偉久君) ただいま坂本委員から昨年と同じというお話でございましたが、七月に入りましてからは昨年より著しく少なくなりまして、好転いたしておりますので、その点がちょっと違いますので申し上げておきます。といいますのは昨年の先週末現在で二千二百三十八名の患者発生でござまいしたのが、本年同一時期現在で千八百八十一名ということでございまして、ほぼ二割、現在において少なくなっている。すなわち六月の中旬までは昨年と同じペースで参っておりましたのが、逐次減少いたしまして、特に最近に至りまして減少いたしまして、ことに最近の一週間すなわち週間の新発生数が昨年の一週間発生数二百六十名でありましたのが、本年の同一週の週間発生数において百二十七名、前年の一番の高発時期である現在の週間発生が半減したということでありますので、これは最近における実績としては著しい発生減少と、こういうふうに見ておるわけでございます。これは一昨年、異常流行でなかった総数三千名を出しました昭和三十四年の同じ週百四十八名という週間発生をさらに下回りまして、これはむしろいろいろな人為的な対策の効果が現在影響して、相当これは明白に現われておる、こう思われる状況であります。 なお、そういうような状況は別といたまして、ことしもそれにいたしまても一昨年よりは多くて、昨年に次ぐような異常流行の原因でございますけれども、これは的確な原因というものは今までのところまだわれわれこれだというそのものずばりの説はまだ確定いたしておりません。これは伝染病予防調査会、生ワク研究協議会等の学者団に聞きましても、これがあるので、この二年流行のそのものの原因であるということははっきりいたしておりけせんが、総合いたしましてわれわれが推測してそれに基づいてまあ防疫対策をとっております。その幾つかの観測もございますが、これはやはり気候その他との比較においてもことし冬以来流行を見ておる菌型は一型でございますけれども、その菌種の毒性はいろいな原因で相当強力である、これが一つ。しかもそれが九州地区にいろいろな条件で、二月ごろから、非常に低温の時期からよくたえた菌種が猛威をふるっておる。こういうような菌と人間と気候、この関連が相当やはり特有であるということが一つと、それからいま一つは、何と言いましてもやはり昨年の流行地はことしは比較的免疫ができておるせいか、そのまま継続はしておりませんで、昨年比較的発生数の少なかった地域である九州の大部分、ただしそのうち鹿児島県は昨年も相当数出しました。従って、九州各地ではことしは比較的流行はしておりますが、少ない。こういうような形から、やはり免疫と流行の年次の転換というものはやはりことし起こっておる。全数としては昨年に近い数を見ておりますけれども、地域的には今のような原則がある程度適用される。北海道は現在一昨年以下というような状況で、昨年の数分の一しか出ておらぬ。しかも今、週間発生ほとんど皆無というような状況から見ましても、さようなことではないか、こう思われます。
○坂本昭君 七月に入ってから著しく減少してきたということは、これは喜ばしいことで、おそらくはソークワクチンの注射のきき目が出てきたからであろうと思われます。しかし、今の局長の説明を全般的に聞いていると、小児麻痺の発生はあたかも自然減少——確かに自然減少かもしれません。しかし、今日の近代医学では自然減少として見るのでなくて、これは昨年より著しく減ってきたと言いながら、やはりことしだって三千、四千名はこえるだろうと思う。われわれは病気というものは一人もなくするというところに最大の目標があるべきであって、私は局長の今のようなお考えでは、まだまだ責任を十分果たすどころではない。むしろこの七月に至らなければソークのワクチンがきいてこないような状態を作ったのはだれかということを私はお伺いしたいのです。 むしろ、今までのずっと新聞のあれなどを見てみますというと、たとえばこれは群馬県の尾島町の場合なぞ、町役場の助役自身が「ワクチンは足りないし、消毒の予算も足りない。ないないづくしだ。」ということを言っている。また同じく引き続いて「厚生省の予想が甘過ぎたのです。月末までには二回目の注射ができて、患者がもう出なければ」という神頼みのような口ぶりであった。この記事は六月の記事です。さらに同じ地区に対して、六月の初め視察に来た厚生省の係員は、ワクチンの足りないのはここだけではないのですと言って帰ったそうです。こういった記事は何も群馬県の例だけではない。私はここの助役さんが指摘しておったように、ワクチンが不足しておった、また、当局の計画が、年令を最初半才から一年半というように非常に低く見積もっておったこと。さらに私が各地方の防疫当局に聞いてみると、大体去年の大流行に対してことしは甘く見ておったということは私は間違いのない事実じゃないかと思う。なるほど厚生省に行って担当の人に聞くと、いや、そんなことはないと言いますけれども、各地方の防疫の担当官はあまりきつく厚生省からの指示を受けていなかっということは私は事実じゃないかと思う。従って、幸いにしてソーク・ワクチンが七月ごろからきき始めて、若干頭が押えられてきたけれども、やはり全般として見通しの甘さやワクチンの不足やあるいは目標の年令を低くとり過ぎたということ、そういうところに私は大きなミスがあったのじゃないかと思う。 さらにもう一つ大きい問題は、昨年のWHOニューヨークの会に学者を送っているはずです。北岡博士がたしか派遣されたはずです。ところが、このWHOの結論というものが正しく日本の学界並びに行政の当局に入らなかったのじゃないか。何がこれを妨げたのか。北岡博士個人の誤認に基づくものかあるいはそれをとり上げる厚生省当局のあやまちにあったのか、それらの点について御説明いただきたい。
○説明員(尾村偉久君) 前段の、ことしの夏に至るまで、相当数昨年より出たことしの特有な原因については、坂本委員のおっしゃった点も確かにございまして、私ども従来の常識からは大体八年ないし九年、普通十年というような、一年の流行で大体秋ないし冬までにとまって、その翌年は、従来の実績では、著しく下がるということをみんな参考にしておったために、二年間特殊に継続したということに対しては若干甘かった、こういうような異常なことも今は起こり得るのだということを予測しなかった点は確かに甘うございました。従ってそういう前提に立っておったものでございますから、患者数の七割を占めておる最初は一才半まで、それからさらに三才——法律等お願いするときにも、それで総数の相当部分が押えられる、これで十分ことしの、そういう低流行の年ならばということも前提に立っておりましたので、確かにこの異常な状況がきたためにソークの計画も足りなくなりまして、生ワクを追加して緊急に使用するという、現在やっておる通りでございます。やはりそういう原因は十分あったわけでございます。これは今まで発生した患者に対しては、異例の年が、従来あまり経験のない年がきたということで言いわけにはなりますが、実際にはお気の毒と思いまして、これは今後こういうようなことのないように、十分変則なこともあり得るという予測で今後はやらなければならぬ、こういうふうに十分戒心しておるわけであります。 それからもう一つの、WHOの昨年のエキスパートの委員会でありました生ワクに対する意見の発表という点について、昨年じゅうになぜもっと真剣に取り上げなかったかということでございますが、十二月に始めました生ワクの協議会については、御承知のように、予算もとりましてやったわけでございまして、それ以前に伝染病予防調査会におきましても、このニュースについてはそれほど重大な形で、われわれの手元にでございますが、それほど実は認識ができるような形で入っておりません。昨年の夏、北岡博士にもおいでを願ったわけでございますけれども、そのときの空気がそうであったのか、中身の文書の重大なことの割に、私どもそれほど認識できるような状態ではなかった、こういうことを申し上げまして、これがだれの責任か、出席した者が内容の重大性と、その会議のいろいろな討論、日本の条件との結び合わせの判断の中に少し食い違いがあったのか、故意か、あるいはありのままやったのか、従来のこういう特別な専門家の委員会に学者が出た場合と、行政との結びつきの従来の長い間の慣習が災いしたのか、その点いろいろなことがあると思いますけれども、現実のことはそういうところでございます。むしろ私が本年五月にWHOの理事として理事会に出席いたしまして、八月末に発表を予測されます製造基準並びに国家検定基準の草案を理事会で一応条件つきで承認した、そのときに過去にもそういうような委員会があって、こういうことがあったということが紹介されまして、重大さを一そう認識したというようなことでございまして、以上の経過は、そういうことでございます。
○坂本昭君 局長の率直な御説明を了承いたします。確かに、こういう問題はうまくいってもあたりまえだと言われ、うまくいかないとこづきあげられることで、まことに行政当局にとってはお気の毒な事実なんですが、しかし、これは十分反省していただきたいと思います。あとまだ防疫問題で出てくるものは、何も小児麻痺だけではありません。また、あと、はしかもあれば日本脳炎もありますし、たくさん問題がありますから、今後学術研究と行政とが密着していくために、特にこれは御配慮していただきたい。それでちょうど私はこの委員会が済んでから高知へ帰っているときに、生ワク使用が決定されて千三百万人分輸入ということになってきたのですが、そのときに非常に不可解に思ったのは、そこに俊敏なる公衆衛生局長と薬務局長とがおられながら、お二人が責任をとられないで、古井厚生大臣が、私が最終責任をとると、これはなぜ大臣にそういう責任をとらせて、肝心のその局長は責任をおとりにならなかったのか、私はこれは非常に不可解に思う。こういうようなことでは、それはまあ古井さんはりっぱな人だと私は認識しましたけれども、今後こういうことではほんとうの厚生行政というものは伸びていかない。少なくとも所管の局長がそれぞれ責任を負うということが私は本来の行き方じゃないかと思う。まずその点について釈明していただきたい。
○説明員(尾村偉久君) まず私から今の点を。私なり薬務局長が厚生大臣の言った以上責任をとるということのつもりでございましたので、ただ当時厚生省の中でいろいろうわさをされまして、外から、公衆衛生局のポリオに対する方針と、薬務局の方針がいろいろ食い違っているじゃないかというような、事実ではなかったのでございますが、そういうようなことがありましたので、厚生省として国民に対して責任を持ってこのポリオの緊急対策をやるという場合には、それぞれやるよりも、最高のたばねである厚生大臣、すなわち厚生省の総代表ということでやっていただいた方が国民に対して一番の安心がいくであろう。そういう諸般の情勢を勘案した上で大臣みずから談話を発表されたわけでございます。もちろん二倍、三倍の責任を、その前提において公衆衛生局長としても、とるという自信があって初めて大臣の御統裁をいただいたわけでございますから、その点は特別なそういう環境下におけることでございますので、むしろあれがあったので、私がまず責任をとるかというので小出しに発表をし、薬務局長がし、それからまた、ごやごやしてから厚生大臣がまた何かさばいたような形でやるよりも、厚生省として、一丸としてああいう対策をとると決定したわけでございますので、しょっぱなから責任をもって出した。こういうふうに御了解を願いたいわけでございます。
○坂本昭君 そうすると、この生ワクの緊急輸入の決定の場合に、六才以下として、そうして六才以上の緊急輸入を中止した理由、これが一つ。 それからまた、生ワクの、その混合ワクチン、一型、二型、三型の混合ワクチン、つまり白色のボンボンを入れることに決定をして、先ほど来説明のあった通り一型が流行のヴイールスであるにもかかわらず一型を使用しなかった。この混合型の輸入を決定したのは、これはだれの責任であるか、またどういう理由でそういう決定をしたか、これは両局長から御説明いただきたい。
○説明員(尾村偉久君) 六才以上を中止したことはないのでございまして、最初からの決定で一番の重点は、三才から零点半才以上の部分はソークで、これを決定をするときに、相当な効果が現われておりまして、福岡、熊本ではすでに十分の一ないし二十分の一の同一年令の未接種者に対する発病率でありましたので、これを、第二順位といたしまして、一番多数を占めておる患者階層で、しかもまだ未接種である三才以上六才未満、これを一番重点を置きました。しかしながら、さような形でありましても、六才以上十才未満のところに全患者数の約一割がことしの流行においては、あるということでございましたので、ただし、これが割合偏しておりまして、大体出るときにはそこに今の六才未満の高発年令患者数が出たところに、やはりこんなところが連なって出るということもかなりはっきりしておりますので、罹病率が六才未満と比べて非常に少なく出ておりますが、非常に少ないこの年令で、しかもそういう傾向が明白でありますので、六才以上十才未満についてはある程度の流行の予測が実績上つかまえられるところということで、ことに全体といたしましてはその年令階層の三分の一強の人数をちゃんと算定いたしまして、これをやっておるわけでございます。最初決定した通りでございまして、この点につきましても大体学者の意見も、これは十分参考にいたしまして、ことしの流行状況から見て、こういう方式でやるということについては大体妥当であるという賛成を得たわけでございます。それから、一型だけになぜとどめないで三型混合をしたかという問題でございますが、これはことしの流行は確かに大部分が一型でございます。これは昨年の流行におきましても八割が一型の患者、二型、三型その他このいわゆるほんとうのポリオでなくてポリオ症状を現わすエコーあるいはコクサクキーを入れましたのが、あとの二割、こういうことでございます。従って、絶対に一型の地帯と、それ以外に二割ほど昨年出ました二、三型の地帯が、何らかの方法で明確に分けられますと、これは非常に能率的なわけでございます。それぞれにおいてやればいいんでありますが、 ことしも、すでに東京でも百名出ておる患者のうちでは、やはり三名か四名は二型の地区があっちこっちに出る。患者がでておる。それから九州におきましても、宮崎では二型が相当出る。従って、これが混合して出ないという保証が、今のところ疫学検査その他ではとても指向でき切れませんので不可能である。こうなると、やはり万全を期するために、両方を混合して、若干干渉現象等の免疫性を——初めはもちろん少しのマイナスはありましても、全然見当の違っておるというために重症患者を出すということは、これの方が非常に工合が悪いわけでございます。それでシロップにつきましても、ボンボン型につきましても一いずれも両方混合という決定をしたわけでございます。
○坂本昭君 私はむしろ最初に一型を飲まして、次に混合ボンボン飲ました方がいいんじゃないかと思ったのですが、それはいろいろな事情があって、一応今度は混合だけで済ましたと思いますが、もう少しあとお尋ねしたいのは、今度シロップは、二才以下が全部シロップとなっていますが、実際東京都内で使われているところでは、もう満二年ぐらいになるとやはりボンボンの方がいいという意見もかなりある。むしろ一年二カ月ぐらいのところ以下はシロップで、それ以上の方はボンボンを使った方がむしろよかったのではないか。そういうふうな使い方をされた理由と、それから、特にシロップをカナダから入れることにした理由であります。で、これはもちろんセービン博士の指示があったものと思いますけれども、セービン博士の指示がどうであったかということ、さらにまた、巷間いろいろなことがとやかく言われておるので、カナダにおける実験の例数、そういうものについての明白なデータを、どうなっているか、シロップについてお尋ねしたい。
○説明員(尾村偉久君) シロップ状の液状のものとボンボン型を十対三の割合にいたしましたのは、御指摘のように、ある年令階層を予定しまして、その比率で入れたためこうなったわけでございます。ただきょうの午前中も私シロップの現場を、新病区で現場を見て参りました。 比較的低年令の接種現場に行きまして、お母さんにも聞いてみまして実見いたしました。その結果、やはり小さい方はシロップに限るというような状況でございます。非常に簡単にさじで完全に飲まれる。ボンボンの場合には、これは三才ぐらいでもだいぶ吐き出すのが多かったようでございます。従いまして、できるだけ、飲むならば完全に飲ますということでございますので、これは満二年までがいいか、あるいは一年階級、すなわち一才十一カ月までがいいか、これは子供によりまして違うわけでございまして、われわれとしては実際にはほんとうに飲みいいものの方をとってもらう。小さいものは必ず影響が多いと思う。そういうことで、ボンボンにこだわったわけではございませんので、今度の実験例から見まして、あるいは将来にわたって、もし生ワクをやるとすれば、この液と年令の関係は全国的な実験例から適当に計算する、こうしたいと思います。ことしはまあ大体の常識で二才の線を引いて、大体これなら大丈夫だろうということでやったわけでございますから、他意はないわけでございます。 それから、カナダとソ連とに分けたという点は、これは御承知のように、先月の二十二日に厚生省として決定を発表いたしました直ちにその場で、この両種類のものが、現に製造品として最短期間に入手できるかという点が先決でございます。むしろ生産国全般に、さしあたり今あがりつつあるものが、液状ではこれがちょうどいい、ボンボンについてはソ連であると、こういうことに基づいて、ただしそれには検査を前提として、不合格では困るということで、直ちに原液が提供できるものということで、これはあの決定と同時に原液が入れられたのがこの二つということでございます。いずれも予研での三週間の検査では、両方ともけっこうな成績になっておる。それでいよいよ入国いたしまして現在使用中、こういう状況でございまして、特別にこれはセービン博士が、こういう比率でやれとか、そういうようなことに基づくものではございませんで、日本の厚生省自体が去る二十二日決定して、それを一日も早く完全な試験の上製品を使えるという条件に合うものを選んだのです。その結果がこうである、こういうことでございますので、御了承いただきたいと思います。
○坂本昭君 それで飲ませ方状況を見るというと、百粒入っているはずなのに、百粒の箱に八十五粒しか入っていないとか、あるいは大阪あたりでは一万人以上も不足するのではないか、非常に中身がばらばらだというような形があちらこちらに散見いたしております。また、私の直接聞いたのでは百よりももっとよけい入っておるような抜き取り調査もあったようですが、厚生省の全国的な調査の結果はどういうことになっているか。また、それらの原因はどうしてこういうことになったか、それらの実情について御説明いただきたい。
○説明員(牛丸義留君) ソ連から輸入いたしましたボンボンの最終の箱が百個以上ございまして、全数にわたって検収できませんしたけれども、私どもが検収した内容では非常にただいま先生から御指摘がありましたように、数が正確に百個入っていないわけでありまして、これはどういう理由か私どももよくわかりませんけれども、中には百個以上入っておるものもございます。これは一つの推測は、オーダーを出してから発送するまでの間が非常に短い期間であったので、相当……急いで数を間違えるということもちょっとあれですが、そういうことも一つの原因ではないかと思います。従いまして、これは発送の方からそういうこともあるとして、四十万個以上のものが……四十一万個でございますが、別に発送されておりまして、それは破損分という、品不足というふうなものを見込みに入れて私どもが発注した数量よりも四十数万個だけよけい送ってきておりますので、それと差し引きましても多少足りませんけれども、大体そういうふうな、原因ははっきりしませんけれども、事実があった。それに従って私どもも配給については箱プラスそういうような行政上のものを追加して配給する、そういうような考えを持っております。
○坂本昭君 各保健所から一般の国民に配付しておるプリントを見ますというと、急性の病気にかかっている人、なおっても二週間たたない人、こういものはやってはいかぬ。あるいは他の予防接種を一週間以内に受けた人もいけないと、かなりきつい禁忌が下されておる。いろいろな実例を見ますというと、二千例くらいの中で約百人くらい、千人のうち約六十人くらい、こういう今現場へ行って診察を受けても生ワクを飲んでいないというような例がかなりある。むしろ何といいますか、東京の実情などを見るとひどく診察医が予診を通じて飲ませないような方針でやっておるのではないかとさえ疑われるような扱いをしておる。これは私は非常に問題だと思うのです。 今回は緊急のことであったので、医師のいわゆる教育というか、伝達講習といったようなものも不十分ではなかったかと思うので、この点についてあなたの方ではこうしたプリントのもとになるものをこれはどうして得られたか。また、どういう権威をもって配付せられたか。特に非常に多数の人が飲まされなかったという事実に基づいてお伺いしたい。
○説明員(尾村偉久君) この禁忌症が……もっとも禁忌症がそのときありましても、異常の条件がなくなれば、あとから必ず追加するという指示はいたしておりまして用意はしておりますので飲めますが、禁忌症を作りましたのは、基本的の第一点は、ソ連でソ連の衛生次官が大量に強制的にやるというときの通牒で、相当各州ごとの衛生当局に注意を喚起しておりますが、その中の禁忌症でほぼ今度のような趣旨をうたっておりまして、ことに重症の病気というようなことを強調しておりますので、それがまあ先にやった国の有力なものと、これはまたアメリカでフロリダ等でやるときの非常に精細な注意書が出ておるそうでございますが、やはりほぼ同様なものなそうでございます。そういうようなデータを生ワク協議会で三十五万人分の第一回投与をやるときのいろいろな注意書を規定をきめて地方に指導する場合に参酌の上できめたものでございます。従って、これは臨床も入れ、それから細菌学者も入れた生ワク協議会の各部会の幹事会で決定した権威のあるもの、それを行政当局として今度の緊急投与で取り上げた、こういうことで、同様でございます。従いまして、これは要するに、一般に予防注射の場合にはほぼこれと類似のことが従来厚生省から通牒で出ておるわけでございます。熱をはかれとかいうようなことも出ておるわけでございます。大体予防接種の場合の注意書を尽くしておると思うのでございますが、経口投与でも同じものでいいかどうかということについては経験がないので、今の生ワク協議会の御意見に従って、むしろ万一まだこの生ワクについての成果が日本にそれほど大量の実験がないので、こういうような症状を悪化させたとか、あるいは発熱中にやってその発熱が万一ポリオの潜伏期で、あるいは初発状況であったという場合に、この生ワクが必要以上に何かくせ者だというふうになっても、これは正しい意味の将来の研究成績にもなりませんので、むしろ慎重を期してこういうことをきめた、こういうふうに存じておりまして、症状が去れば、当然その時期が来れば追加投与に集めてまたやる、これは続々と実施しておるわけでございます。
○理事(高野一夫君) 坂本さん、午前の分で厚生省の分全部済ませたいので、そのつもりで……。
○坂本昭君 それでは……、実は今度の小児麻痺の問題については、小児科のいろんな専門家なんかでもマスコミの取り扱い方についていろいろと皮肉な批評もしておるようですが、確かに一般に対する衛生教育、そういう点が不足なために、たとえば親がどうしても飲んではいかぬというので、子供は飲む適令で、また飲まなければならないのにもかかわらず、どうしても親ががえんじないということのために非常に苦労をしたという実例もあります。あるいはまた、今度、あるいは流行地域では、ちょっと学校を休んだらもうあれは発病しておるのだ、小児麻痺だ、あれとつき合ってはいかぬというので村八分みたいなつき合いをされたというような事実もある。あるいはこれは皆さんの方ではワクチンも来ない、それから病気がはやっておるというので、しょうがないもんだから大掃除やったり、畳をたたいたり、どぶに薬をまいたり、これは悪いとはいいませんよ、悪いとはいいませんが、何か町全体が恐怖症にかかっておる、これは私はむしろ簡単に早い時期に生ワクを飲ましてしまって、そういう不必要な恐怖症にかからせないところの措置が必要ではなかったかと思うのです。が、ある時期、薬は来ない、そして病気ははやっておる、そしてそのために処置ない方法として薬をまいたり、白衣の人が町を横行したり、何か町全体が恐怖に落とされておる、そういうようなことも実はあった。これは実は厚生行政をやる場合に非常に大事な点じゃないかと思うのです。これは今後特に御注意をしていただきたいので、これは意見は求めませんが、そこで、六才以上の者に対してこの際集団的な緊急生ワク使用というものの計画が今度はやられていなかった。これはつまり結局発病の数が少ないということだけでもっておやりにならないと思うのですが、実際言えば病人というものは一人でも二人でもとにかく出さいということが大事な目的なんですから、私はあなた方が千三百万人でストップしてしまって、それ以上なぜ輸入をせられようとしないのか、その理由について一つ御説明いただきたい。
○説明員(尾村偉久君) 先ほど申し上げましたように、六才以上全部ストップしたわけでなくて、ただ六才以上の全国民一斉にしなかったということで六才以下は一斉と。ですから、津々浦々まで希望者ならやる。むろん希望しなければどうにもなりませんが、そういうことでございます。従って、六才以上の場合には、きりなく全部、六才以上全国民ということも考えられますけれども、それが一番集団免疫ということも考えられますが、日本の患者の発生が欧米諸国とは非常に違う。欧米諸国では最近では十五才以上が三〇%、四〇%というふうな状況にここ数年なってきておる。日本では九五%までが十才未満、ことにそのうちのまた八六%が六才未満、こういうような日本人の今までの自然免疫のでき方が欧米諸国とは非常に格段の差がある。上の方には危険率が欧米諸国の何分の一、何十分の一というふうなことでございますので、それも十分念頭に入れまして、やはり続発しているような地帯については、万一免疫のできてないものが一割あってもその危険率が高かろうということで、ある地域をしぼりましてやったということでございまして、従って、六才未満の危険年令地域に全部やるのと同じでなければいかぬというふうには思わず、むしろこれはそういうふうな疫学的外国との違い、そういうふうなことを十分勘案して、日本としてはことしの緊急措置はこれでよかろうということでございます。 もう一つは、ソークによりまして緊急措置、大量のソークをもし可能なら使ってやる場合と、生ワクのように飲んでから一カ月以内に同一家族ないしは近隣に少なくとも大部分が伝播してある程度の免疫を成立させるという、いわゆる伝播免疫の可能性の強いものと、全然注射した者だけにきくというものとでは、またこれはだいぶ違うということでございまして、むしろ全国ある地域をしぼって高級年令まで一斉にやる場合と、六才未満は全国にくまなくやると、それによって次の伝播免疫を期待すると、それにたえるような日本の自然免疫の状況であり、患者発生の状況である、こういうような理由でございます。
○坂本昭君 今、局長の言われただけで二つ問題点がある。一つは年令が日本の場合は六才以下が多いというけれども、現に四十以上というような人もぼつぼつ出始めて、急激につまり日本の発生状況が欧米化しつつあるという事実、従って、今のような考えでいくと、また皆さんがことし甘く考えて流行に追われたように、今度は高年令層の者のまたこの流行に追われてくることが私は来ると思う。ですから、そういうことで六才以下で打ち切ったということについて疑問を持つ。さらに伝播によるところの免疫を期待しておられますが、これは私は実に無意味だと思う。全然意味がないとは言いませんが、そういう不確かなものによってこの防疫をするよりも、予防をするよりも、もっと積極的な計画のもとにやるべきであって、私は少なくとも二十才くらいまで、四十、五十とは言いませんよ、二十才くらいまでの全部の者に対して、この際緊急対策として全部やってしまうということが、私は来年のこの免疫について、予防について非常に大きな役割を果たすのじゃないかと思う。 で、この際一つ伺っておきたいことは、一体ポリオに対する予防接種計画、今日この時点で今の緊急対策は一応千三百万あなたの方で済んだけれども、あとは一体どうするのですか、あとは一体ソークでいかなる方法でやろうとしているのか、その点も一つ明らかにしていただきたい。
○説明員(尾村偉久君) ことしの緊急対策は、今お話がございましたが、今のような立脚点で、この夏の緊急対策はこれで乗り切ると、またそれに見合うだけの実施態勢はこの範囲ならばできると、保健所その他の手配、ということで現在実施中でございますので、ことしのこの七、八、九を目ざして急激に下げると、緊急対策はこれでいくというつもりでございます。なお今後の日本のポリオ対策、すなわち秋以後の問題になるわけですが、ことに来年度の予算も今編成中でございます。これはそのためも十分含めまして、視察団を国費で編成いたしまして、いよいよきょうあすにもお帰りになるということでございますので、このわれわれも知らない、また、リポートで知っておりましても、現実に裏づけのなかった現場を各国くまなく回っていただいたわけでございますから、帰朝されてからの御意見を十分取り入れて、これに生ワク協議会全般、あるいは伝染病予防調査会の御意向もまとめて、それに基づいて厚生省としては正規の方策を立てる。それじゃおそいじゃないかという見方もありますが、しかし、もう帰られることでございますから、これを最有効に使って、全部その意見に従うかどうかは別といたしまして、やはりこれを重要な中心として、科学的な根拠で総合対策を立てていきたい、こう思っておりますので、今日は今のソークの併用とか、今のお話のような点は、行政当局ではきめておらない。むしろ今のような基本に立ってすみやかにきめる、こういうことでございます。
○坂本昭君 しかし、今の実情では、これも薬務局長が一番よく知っておられると思うけれども、国内のメーカーに対する生産計画は変更してないです。どんどん作っている。月間約三億円くらいのものができている。そうして、しかもずっと地方を回ってみるというと、小児麻痺問題で相当恐怖心ができてきている。そこで生ワクの来る前に、小学校あたりではソークワクチンの第一回接種が行なわれつつある。第一回を七月にやって、第二回を八月にやって、第三回を来年の二月ごろやる、そういう計画が、現に地方の山の中に行くというと、組まれている。私はそういう現場に行って、今さらソークワクチンをやったって、ことしの流行には間に合わない、それよりもとにかく生ワクを飲んで下さい——学校としてみんな生ワクを飲むような状態になっているかというと、生ワクのことを知らない学校もある。私は、今さらソークをやったって間に合わないんですから、とにかく生ワクを飲むということが、これは緊急の対策ですよ。そういう話をすると、今度は保健婦さんあたりが、せっかく役場で買っておるソークワクチンが、坂本先生みたいなことを言われると、今度は売れなくなると言う。実際二百七十一円もして、痛い目にあって、きき目も悪いということになったら、使われないことになる。ですから、あなたの方では、一応緊急対策はそのまま置いてあるけれども、そうでない対策はそのまま従来通りにやっていくといっても、受ける国民の側からするというと、おそらく三回目だとか、あるいは初回のソークワクチンをやるについては、断わる向きが相当ふえてくるのじゃないか。そうしてこの断わる向きについて、一体あなた方はどう処置するのか、そのために余ったところのソークワクチンを一体どうされるのか、これは両方の局長さんに関係がありますから御見解を一つ承りたい。
○説明員(尾村偉久君) 先ほど申し上げましたように、基本的に今後の方策については、今の調査団等の御帰朝後、その報告を伺った上で総合的にきめたいと思いますが、現在ではあくまで、ことしの生ワクは、七、八、九に従来の基礎的にやるべきソークワクチンの量等も足らない。それも三才から六才までの間に集中的に患者が出ておる。これらをとにかく防遏するということでやったわけでございますから、従って、基本的なソークワクチンの接種計画は変えてないわけです。従って、すでに六月までに二回を終わった当時三才未満零・五才以上、この方々が、秋になりまして三回目をやることになりますが、三回目による基礎免疫の完成ということは、途中で生ワクを希望して飲んでも、なおかつこれは必要である、よりよいということで指導は続けていくつもりでございます。これは法でもさようになっておるわけで、決して法律があるから何でもかでもというのでなくて、やはりこれは理屈に合っておるので、ますます緊急措置のプラスと、それから二回までやった注射による免疫力の発生ということを、三回目もさらに期待してやる、それで完全にする、これは決して変えておらぬのです。まあ露骨に言えば、多々ますます弁ずる、その年令層は一番危険な年令だから一こういうふうにやっております。あくまでこれは法律できめておりますが、いわゆる即時強制ということはできない。これは従来何十年の間、腸チフスを法律によって強制しておりますが、おとなはほとんどやらない。われわれは全部毎年やらなければいかぬことになっておるのでありますが、これさえ全国で一番やるのは子供であって、学童が四〇%しかやっていないという状況でございますから、これに関してきつい即時強制はできませんから、これはある程度常識では減るかという見込みも立ちますが、指導としては今のような予定の対象年令層は両方ともやっておる、こういうことにいたしております。しかし、長期にわたっての問題は、諸外国においても、実際にその社会から有毒菌が減るまでの期間、いずれも完全免疫が、百人が百人できるわけでなくて、それで食い違いがあって、若干の免疫未成立者があるわけでございますから、まわりの菌がある両三年間は、いろいろな方法で埋め合わしていくというような経過を経ている国が多いわけでございますから、これらは今度の学者の意見も参考にして決定したい、こういうつもりでおります。
○説明員(牛丸義留君) ソークワクチンに対する需要の見込みは、ただいま公衆衛生局長のお話しになった通りでございますので、私どもといたしましても、大きな将来の方法はとにかくとして、当面の問題は、ソークワクチンの製造を直ちに停止するというわけにもいきませんので、少なくとも秋に予定される第三回分に対する供給の問題は確保しなければならぬ。しかし、来年以降につきましては、今までと同じように生産に対してこちらが拍車をかけるというようなことは、私どもはこれは常識的にも必要であるかどうかと思いますので、業界に対しては、関係のメーカーに対しては、生産をそういう意味で手控えするように、私どもの方から指示しておるわけでございます。
○坂本昭君 指示をしているのですか。
○説明員(牛丸義留君) はい。
○坂本昭君 そうしますと、この間われわれが関西へ視察に行ったときに、武田製薬の責任者の人たちから、いろいろ具体的な説明を聞きました。そうすると、設備投資に七千万くらいかかった。人件費その他を入れると倍の約一億四千万、その一億四千万で一体これまでにどれくらい採算を上げたか。実はこの前財団法人細菌製剤協会の決算報告書を求めたが、こんなものを見たって何の役にも立たないんですよ。それよりも実際に——国内メーカーと輸入メーカーとダブっておる。ですから私はこの際、こういう決算書じゃなしに、会社別の国内メーカーが、一体これは去年の一月から始めたのですが、いつどれだけの分量を生産した、そしてそれが一体幾らで配給ルートに乗っているか、それからまた、その各メーカー別の設備投資、あるいは人件費がどういうふうになっているか、こまかいそういう資料を出していただきたい。それからまた、今度は輸入をやっている会社、これは会社別に、これはおととしからのことですから、おととしのいつ幾らの分量が入ったか、そのときの検定料は幾らで関税が幾らで運賃が幾らであるか、そうしてそれが配給ルートでは幾らで出されたか、そうすれば、それぞれの同一資本による業者がどの程度この小児麻痺ワクチンによって利潤と損失を得ているかということが明確になると思うのです。そうしたら初めてあなたの方では一応業者に対して——明確なストップ命令じゃないと思うのです。しかし、何らかの指示をしているというが、非常にあいまいな指示なので、どういう指示だかもう少しはっきり聞きたいのですが、何らかの形で発表しなければ、これは今のような会社機構の中では会社としても責任をとれないのじゃないかと思う。だからそれらの点についてどういうようなお考えを現に持っおられるか。これは学者が帰ってきてどうこうということよりも、もっと差し迫った問題だと思うのです。局長としてはどういう計画を持っておられるかということを伺いたい。それから今私の申し上げた細菌製剤協会の決算書じゃなくてもっと具体的な各会社別の小児麻痺についての収支決算書を一つ出していただきたい。その程度は私はできると思うのです。
○説明員(牛丸義留君) 資料の提出につきましてはできるだけ御趣旨に沿いたいと思いますが、ソークワクチン生産の収支計算がはたしてできるかどうか、これは今の薬の生産状況がそういう品目ごとの収支計算をやっておりませんので、その辺は聞いてみなければわかりませんが、できましたら今の御趣旨に沿うような資料を作りたいと思います。 それからこれからの問題は、先ほど公衆衛生局長も、需要計算に対する国の方の供給の計画でございますので、ソークワクチンの将来の需要というものがはっきりとまだ今日の段階では定まらないのに、私の方で先走って計画を立てるわけにもいきませんので、そういう意味では、ここで具体的に申し上げるわけにはいかないと思います。しかし、当然将来から生ワクの方に切りかえられるということになると、ただいま坂本委員から申されましたような補償の問題なりそういう問題も起きてくるかと思いますので、そういう点については私どもも十分その方向で現在検討を進めたいと思っております。
○坂本昭君 そこで今は国内メーカー六社でやっておりますけれども、こういう予防の問題というものは採算を度外視しなければとうてい僕はやっていけないと思うのです。だからコレラだとか、ペストだとか、まあペストなんかもめったにきません。コレラはこの間インドあたりにちょっとはやっている。ああいったもののワクチンについては、これは利潤を追求する業者としては私はかなり大きな冒険を冒してまでもやるということはどこかに犠牲のしわ寄せが出てくる。現に一般国民に今まではずいぶん高い、三回千五百円というような非常に高いワクチンの接種費というものをもって犠牲のしわ寄せがされておった。ですから私はこの際これは原則として各会社にはある程度の補償をしてあげる。それから、こういう非常に将来もうヴィールスがなくなってしまった場合には、こういう経口的なセービンのワクチンを作らなくてもいい時代がくるかもしれない、そうしたら設備投資も要らなくなってしまう。だからやはりそういうことを考えれば、やはり国で採算を度外視してやっていくほかしょうがないじゃないか。そういうふうな考えというものを私はぼつぼつ作るべきではないか。これは何も私は社会党だから、社会党は何でも国営でやるのだということは別に、とにかくこれはもう採算を度外視してやらないというと、こんな大きな冒険のもとにやっておるこれは会社としたってどこかで埋め合わせをしなければなるまい。そういう犠牲はこういうワクチン問題については非常に無理だ。ほかの腸チフスとかなんとかいうものはもう数が固定してきたから一応その製造量も固定しておるかもしれませんですけれども、こういうものについては私は非常に問題があると思う。だからこの際一つそういう行き方を私はとるべきではないか。これは一つ局長並びに政務次官、新しい政務次官としては非常に重大な問題だと思いますから、一応見解を一つ披瀝していただきたい。
○説明員(牛丸義留君) 政務次官の御答弁の前に、私からこれは主管の局長としての考えでございますが、ただいま坂本委員がおっしゃったように、私もぜひ今のような建前では非常に危険な企業の負担においてワクチンの供給が行なわれるというようなことで、昨年以来のワクチン供給の体験にかんがみまして、私どもも非常に実は困ったわけでございますから、ぜひ何とかこの点については検討していきたい。ただそれを国が製造した方がいいか、あるいは製品を保証してその今やっております公費負担というものを、もっと国の責任に比重を置いた公費負担制ということで、実施の段階において国民に対する負担をなるべく軽減するという方向でやるか、その辺のあるいは両方の振り合いでこの問題を考えるか、いろいろと方法はあるかと思いますけれども、ちょうど来年の予算編成の時期でもございますので、関係局ともよく相談いたしまして、何らかの新しい方法を打ち出していきたいというふうに私どもは事務的には考えておるわけでございます。
○説明員(森田重次郎君) 着任早々でありまして、よく詳細な内容は存じておりませんが、問題は非常に差し迫っている問題でもあり、また、きわめて重大な問題であります。従いまして、よく事務当局に検討させまして、御期待に沿うように努力いたしたいとこう考えております。
○小柳勇君 生ワクチンを日本で作るように今対策を考えておるのかどうか。作るとすればいつ日本で生ワクチンができるかお聞きしておきたい。
○説明員(牛丸義留君) これは先ほど公衆衛生局長からもお答えしましたように、あすあさっての期間に調査団も参りますので、生ワクチンに全面的に切りかえるか、あるいはソークワクチンと併用するのか、その辺の問題がまだ残っておりますので、結論を得まして早急に実施の段階に移していきたいと思います。
○小柳勇君 いや、日本で作ることを検討してそうしてそれができるとすれば、いつごろから輸入しないで日本で作るようになるかという質問です。
○説明員(牛丸義留君) 今の直ちに切りかえるとしても、あと半年、来年の四月以内に、来年度の予防の対策を講ずるとすれば私は間に合わないんじゃないかと思います。少なくとも設備の準備、それから技術の問題が全然まだ未熟でございますので、私は少なくとも一年は最少期間として準備期間として要するんじゃないかというふうに、これは私の個人的な考え方でございますが、考えております。
○山本杉君 先ほど業務局長は切りかえるか切りかえないかわからないと申されましたが、ことし生ワクチンを飲ました小学校のことを聞きますと、三回注射した人もみんな飲みなさい。そうするともう切りかえちゃっておるんじゃないですか。
○説明員(尾村偉久君) ことしの夏は先ほど申し上げましたように、ソークが一定の免疫ができるまで時間がかかるということで、ことしの特有なああいう強い菌らしいから特別な流行なので、さらに安全がいくように緊急追加したこと、こういうことでございます。
○理事(高野一夫君) 小児麻痺生ワクチンに関する本日の調査審議は、この程度で終了いたします。
○坂本昭君 次に、年金問題について、ちょうど七月の末日でありますので、二、三の点を緊急に伺っておきたいと思います。 拠出制年金の登録進捗状況はさほど変わっていないと思いますが、いずれにしても先般の通常国会で法律改正は成立せず、われわれの側から率直に言いますならば、いわば悪法のものが残って七月も終わろうとしているわけなのであります。従って、政府みずからがやはり変えなければ国民もなかなか登録して下さらないだろうという段階に来ておりながら、ついにあの改正さえ成立しなかった段階であるから、私は国民に対してこの登録慫慂の態度としては、これはむしろ遠慮がちな慫慂の態度をとるべきだと思うのです。が、いろいろな実情においては若干そうでない面があるので、まず二点ほど伺いたいのは、まずこの年金の印紙売りさばきの実情がどうなっておるかということ、それに関連して先般ちょっと問題になりました京都のこれは八幡町と申しますか、八幡町の問題、すなわち印紙の委託販売を町としてこれを拒否している。そうしてこの町としての拒否に関しては、京都府の町村会の人たちが全面的にこれを支持しておる、こういう問題が今起こっていることについて局長から説明をいただきたい。
○説明員(小山進次郎君) まず、最初の印紙の売りさばき状況でございますが、御承知の通り、四、五、六という三カ月、つまり第一・四半期の保険料の徴収の期限がおっしゃるように今月一ぱい——今日いっぱいということでございます。それでこの結果は来月の中旬ころにわかりますが、現在までにわかっておりますところでは、六月の末の状況で二十四億二千万円ばかし出ております。その後の状況は全国的にまだつかんでおりませんけれども、当然のことながら七月に入ってから非常に順調にのびておるようでございますので、おそらくまだ即断することは禁物ではございますが、私どもが収支の計画の上で第一・四半期は全体の一六%、つまり三十二億というものを、これは最終の目標にしておったわけでございますが、これを相当こえることはほぼ確実であろうと、こういうふうに見通されております。 それから第二の八幡町の問題は、仰せの通り、私ども非常に解決に今苦しんでいるわけでございますが、事の真相はこういうことでございます。 現在の国民年金の仕組みからいいますと、保険料の収納は印紙をもってする。この印紙は先般改正されました印紙をもってする歳入金納付に関する法律に基づいて制定されました省令によって、市町村または厚生大臣の指定したものがこれを取り扱う、こういう仕組みになっているわけであります。それで原則としては、市町村に一つ引き受けてもらいたいというので、法律が成立いたしましてから各市町村に話をいたしまして、八幡町を除く全市町村は現在すでに引き受けてやってくれているわけであります。八幡町におきましては、若干の平信があってなお承知しておらない、こういう事情でございます。なお、この問題について京都府の町村会が云々ということはこれは間違いのようでございます。ただそうかと申しましても、やはり町長には町長の立場なり意見があるということでございますから、これは十分説得して解決に努めたい。ただし、どうしてもこれは解決つかぬという場合は、やはりほかの方法で八幡町内の分は解決をするということも最後の場合は考えなくてはいかぬと思いますが、まあ全国三千五、六百ある市町村のうち一つだけのことでありますから、これはいつかは解決つくものと考えております。
○坂本昭君 私はこの年金の、特に拠出制年金については、われわれとしてやはり登録に反対の立場を私はとっています。そして特に今度改正が行なわれなかった点で、ずっとそういう態度で、別に反対のための反対を言って回って歩いているのではありません。われわれの反対によって厚生省もだいぶ得している点もあるのです。たとえば積立金あたりが四分の一大蔵省から還元されるようになったとか、いろんな有利な点も実は皆さんにはできているわけです。ずっと地方の状況を見ると、今の局長の説明のように、予定よりも上回った掛金の納入もあるというふうな説明もありますが、その反面においては、さらに強く今まで出しておった申請書を引っ込めて、手帳ももう一ぺんもらい下げをしてくれというふうな動きもやはりあるのです。この今の年金ではだめだという理解が相当強くなっている面もある。従って、この七月という月は、各地方で相当強い何といいますか、私の方では出すなと言う、また、市町村では出せと言う。それで出せと言う方の中には非常に悪質な強要がある。一例をあげますと、これは場所も何もわかっていますけれども、社会党も賛成した法律案である、そして国できめた法律に反対するというのはけしからぬ、こういう登録を申請しない、登録しないというのはこれは非国民である、こういう言い方をしている向きがある。で、私は参りますというと、このお母さんたちから、私は非国民と言われたけれどもどうしたものでしょうかというふうな相談を受けることもある。あるいはまた、僻地診療所との引きかえ——あまり反対運動をやるというと僻地診療所を作ってやらぬぞというふうな、そういうあれもあるのです。私はこういう点、これはたびたび局長にも申し上げてきましたが、まあ末梢が七月という月を目標にして相当強引な勧誘というか強要ということをしている。これは私ははなはだけしからぬと思う。局長として一体今後どういふうな行政指導をされる御方針か承っておきたい。
○説明員(小山進次郎君) この問題については、もう坂本先生たびたびお話になっていることであり、私どもの考え方も申し上げている通りでございますけれども、少なくとも私は現在、大筋として全国を通じてやっております状態が行き過ぎであるとは毛頭考えておりません。少なくとも私に集まっている批判は、一体お前何という弱気なのか、強制適用の法律をきめながらあのざまは何だという批判でありまして、その批判に対して、私は、いや社会保障というものは時間をかけて説得してやっていくというのが本筋だということでやっているわけでありまして、この点私は今までのやり方を変えるというふうな考えは毛頭ございません。
○坂本昭君 私は局長自身のお考は了とします。ただ末梢においては、今までそういうことが行なわれていなかったにかかわらず、この七月という月にはそういうような事実もあったということを申し上げて、私はあなたの言われる通り、社会保障というものは強制というものではなくてお互いにほんとうに国民が心の中からこれを支持するということから始めて、この民主政治、あるいはこの社会保障制度というものが生かされていくのだから、私は、従来ともに局長の態度を変えないように、また、現にそういう事実があるのですからね、私は特に心していただきたい。そのことだけ申し上げて、それでは次に結核予防法の質問に移ります。 今回の予防法の改正は、ある意味じゃ画期的な改正であって、それに取り組んでおられる厚生当局が非常に熱意をもってやっておられることに私も敬意を表するものであります。で大体八月中には事務処理が終える方針だと私も思います。従って、この事務処理の過程で、この厚生当局が結核対策にほんとうに積極的である、そういう事実を示していただくことを私たちは期待しているわけです。 それにつきましてまず伺いたいのは、この命令入所の事務処理要領というものができていますが、この医療基準あるいは経済基準、これについて、これでずっと処理していかれると思いますが、その今までの経過、それから今までの経験、それらを通じて、この基準というものを修正したりあるいは補正したり、そういうふうなお考えを持っておられるか。また、補正修正する場合には、補足修正したりする場合には、どういう点を補足したりあるいは修正するお考えか。この際伺っておきたいと思います。
○説明員(若松栄一君) 今度の命令入所制度の改正にあたりまして、医学的な判定を行なう基準、それから経済的な標準というようなこの二木立になって参りますが、医学的な基準につきましては、これは開放性の患者であって他に感染させるおそれがあるというものは一応すべて包含できる建前にしておりますので、基準としてはきわめて広くかけております。従って、これをさらに改善するというようなことは、現在の段階では考える必要がない。むしろその中でどの程度の患者をこの予防法にかけていけるかという運用の面で問題があるというだけであろうと思います。 それから経済的な基準につきましては、これは大体前の法律改正のときにも国会の席でも申しましたように、大体所得税のあるなしという程度で費用の負担をきめていきたい、その線で現在最終的に大蔵省とも折衝を続けております。
○坂本昭君 それでは、これから進められる事務処理の中で問題とする点をお尋ねいたしますが、まず第一は、今度の予算的な数から言うと、大体適用者が五万四千件ということになっておりますが、この五万四千件という数には私はこだわらないで、これはこの前の予防法審議のときにも若干その話出たのですが、こだわらないで処理をしていかれると思いますが、その点いかがですか。
○説明員(若松栄一君) この前に大臣あるいは局長からも御答弁がありましたように、必ずしもこの予算の範囲内で全部をまかなうという気持はございません。法律の性格といたしましても、事務的経費になっておりますので、必要な限度においてはやむを得ない場合は将来の支出も考えるということでございます。
○坂本昭君 さらに健康保険だとか共済組合の家族、それから国保、これらについての適用の取り扱い、これは結局各地方、いわば都道府県に全部おまかせするかどうか。また、従来は、医学的に承認しても予算がないから不承認だという、そういうような事例もあったのですが、厚生省としては、県にまかせて、そうして県できめてきたことについては一切これを尊重していくという態度をおとりになるかどうか、ちょっと確かめておきたい。
○説明員(若松栄一君) すべてを県の判断にまかせるということもできかねるかと存じます。それは、ただいま申し上げました五万四千という予算の一応のワクがございますので、それを著しく逸脱するというようなことも、国あるいは県の財政計画に大きく響きまして、他の行政にも差しさわりがございますので、やはりその常識的な限度で、緊急やむを得ない分について予算が超過するという点は、この点はやむを得ないと思います。
○坂本昭君 作業療法のある施設、こういう場合の作業、これは予防法の対象としてお認めになられますか。
○説明員(若松栄一君) 従来、生活保護の入院におきまして、一部作業療法等が認められておりました。今度の、生活保護の患者を予防法に切りかえるという際にあたりまして、従来と生活保護の取り扱いを差別はつけないという方針をとっておりますので、菌は出なくなった、従って、直ちに予防法を打ち切るということではなしに、菌が出なくなっても、従来生活保護法で見ていた要入院期間は予防法でも見ていく。従って、従来生活保護法で作業療法をある程度認められていたという者については、同じような方針で扱っていきたいということでございます。
○坂本昭君 予防法に切りかえてからあとにほかの病気を併発した場合ですね。そうした場合は、この予防法で、この治療費を見ることになるかどうか、その点。
○説明員(若松栄一君) これは、結核の治療に影響のある合併症であれば、これは当然見ていく方針でございます。
○坂本昭君 ということは、結核に、たとえば胃が悪いとかいうような場合は、これは当然大事な関係がありますから、そういうものは当然見られると理解してよいですね。
○説明員(若松栄一君) 非常に具体的な問題になりまして、胃が悪い、どの程度までこれを結核医療に随伴して必要な治療であるかどうかというような点は、なかなかむずかしい点でございますが、きわめてわずかな費用を、これは生活保護で見てもらい、その他は予防法で見るというようなことは、手続上からいいましても、実態からいいましても、まことに不都合でございますので、そういう点は十分配慮して運用いたしたいと存じております。
○坂本昭君 県外の転院だとか入院、こういう場合、それから、さらに自分の希望する病院、こういったものは、これは今度の予防法の場合には認められる御方針ですか。
○説明員(若松栄一君) 知事は命令をいたしますけれども、入るべき医療機関の選定については、特に県は指示はしない、患者の選択にまかせるという立場をとっておりますので、府県間の転院あるいは県内の医療機関の転院ということは起こり得ると存じます。
○坂本昭君 さらに、患者の方からの不服の申請、これはたとえば保健所で却下した場合に、知事を経て厚生大臣に不服の申請を、これを認めるかどうか、この点はいかがです。
○説明員(若松栄一君) これは予防法にも訴願の規定がございますので、その手続に従って知事、厚生大臣という順序で訴願ができると思います。
○坂本昭君 要は、医療基準の幅をなるべく広げて、早い時期に入院させて、そして治療をするということが大事なので、今回のあなたの所管の範囲内でこの入退所基準、非常に厳格な入退所基準というようなもので当てはめてワクを作っていく、そういうような御方針は、大体今までのお話を伺うとおとりにならないように判断したのですが、大体そう考えてよろしいのでしょうか。
○説明員(若松栄一君) 入退所基準というような名称のものはございません。また、実態的に従来からいわゆる入退所基準という言葉で監督されておりますような、どちらかといいますと厳格な基準というようなものは制定いたさない所存でございます。
○坂本昭君 最後に一つ。これは私は所管の課長さんに、これはある意味じゃお願いということになりますが、各県の、現在は六月県会まででは、まだ結核予防法の十月からの改正についての予算というものを組んでないのですが、で、今のままだというと、大体所要の数分の一ぐらいしか各県手持ちの予算を持っていない。従って、これは次の秋の各県の県議会で追加予算でこの予防法の予算を組んでいかないというと、せっかくできた法律がこれは死んでしまう。そういう点で、あなたの方では、各県の今組まれている予算の実情はどうかということは十分つかんでおられるわけです。そしてつかんでおられたならば、やはりこれは各県の結核予防の担当者などはこれはもう一生懸命なんですよ。何とかして予算をふやして、この際に結核をなくしていきたいという気持を持っていますから、あなたの方では、同時に知事などに激励するのはもちろんのこと、いろいろな面で県会を動かすところの手段をとっていただきたい。そうすると、私は今回のこの法律改正が生きてきて、まあ、われわれとしてははなはだ不十分だとは思っておりますけれども、それでも相当な結核予防の実績を上げることができるのじゃないか。そいう点で、ここまで厚生省の態勢ができた以上は、各都道府県の態勢を強化されることを、特に予算の実情がどうだということも克明につかんで激励をしていただきたい。そのことをお願いして、約束の時間がきましたから、一応それでは終わります。
○理事(高野一夫君) それじゃ厚生問題に関する調査審議はこれで終了いたします。 ———————————
○理事(高野一夫君) 労働問題に移ります。 小倉市西南女学院教職員の解雇問題に関する件を議題に供しまして調査を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言願います。 まことに申しわけございませんが、大臣が都合が悪くて来れなくなりましたので、政務次官及び労政局長が見えておりますので、あしからずお許し願います。
○小柳勇君 この問題は相当根が深かくて、簡単に結論が出るような問題でありませんので、また時期を改めて、根本的に文部省なども来ていただいて論議いたしますが、きょうはとりあえず具体的な事態が発生いたしておりますので、政府に質問いたし、これが解決のために政府が善処されるというふうな期待をしつつ、質問をいたしたいと思います。 西南女学院というのは、小倉市にございまして、中学部、高等学部、それから短大がございます。約七十名の教職員がおりまして、組合を結成いたしておりますが、五月の九日の日から、五つの要求項目を掲げて、理事者側と交渉して参りました。 五つの要求項目というのは、どこの組合にでもあるような、非常に素朴な問題でございますが、職場を明朗化するためにということで、掲げられた要求でありまして、一つは、桐原先生の不当解雇の撤回。これは理事でありしまた牧師である桐原先生が解雇された。この解雇された理由にも非常に不明朗なものがございまして、この先生が学生に対しても人気がある。ただ学校理事者側に対してものを率直に申しておったというような点もあるようでありますが、解雇された。これの解雇撤回が第一の要求であった。第二の要求は、公務員給与の即時実施。これは現在九州の私立学校の中で一番給料が低い。初任給は九千八百円ぐらいであるということで、公務員並みの給与を即時実施してもらいたいということで、これも当然と考えられる要求であります。第三の問題は、人事に関しては組合の承認を得ること。これは桐原先生の不当解雇にも見られるように、学校当局が一方的に人事を支配しておって、首切ることすら簡単にやってのけるというようなことであるので、学院当局の勝手な判断で一方的に解雇ができる就業規則を、解雇できないように就業規則を新しく作成して、一方的に実施している人事の問題は、組合の承認を得てもらいたいという要求であります。第四の要求は、校長、教頭の公選制の実施。現在まで理事者側の一方的な任命であるので、これを公選制にしてもらいたいという要求、これはほかの大学等でも実施されておるものであるので要求するということであります。第五は、副院長制度というのがあるが、これを廃止してもらいたい。学院の定款の中に副院長制度が記載されていないのに、一方的に副院長制度を行なって、院長以上の権限を持っているというようなことで、この五つの要求を出して交渉に入ったのでありますが、途中、あまり交渉することもなく、理事者側と教職員組合が対立しておった。その間授業放棄するようなこともなかった。ただ、そこに地区労などの支援団体の組合の旗が十本ばかり校庭の隅に立っておった。そういうことが非常に理事者側を刺激したようでございますが、自来二カ月あまり交渉は繰り返されて参りまして、去る七月の十五日に、職員十四名に対して解雇の辞令を渡したのであります。その職員十四名というものは、組合長、それから副組合長二名、それから組合の委員九名、それから組合の役員で全然ない組合員二名、合計十四名に解雇の通告が参りました。こういうことでございまして、私も二回ほど参りまして、組合から実情を聞いたのでございまするが、私ども労働運動をやって参りました者としては、まことに不当な解雇であるというふうに判断をいたしております。そこで先般労働省にも私は電報を出しまして、このような不当労働行為が行なわれておるが、労政の面で一体こういう事実を知っておられるかどうかということで、労働省にも調査を依頼しておったような事情でございますが、この問題に対して、労働省当局から調査された事態について御報告を伺いたいと思います。
○説明員(冨樫総一君) 小倉の西南女学院の問題につきまして、先生からも御注意がありましたので、その後できるだけ事態について注視しておるのでありますが、現在までにわれわれの知っている限りにつきましての情勢を申し上げますと、ただいま先生の申されました五項目の要求を提示して、表面紛争が一段と表面化する前に、はや、昨年の秋ごろから、学校理事者側と院長さんとの間にいざこざがあり、その間に事務当局の総務課長という人が譴責処分を受けたりいたしまして、ごたごたを続けて、ことしの二月に入りまして、正式に組合と理事者側との折衝がありまして、一応の妥結点に到達したようであります。ところが、その妥結条件が歯切れよく実行されないということで、今先生の申されました、あらためて五項目の要求事項が出、さらにごちゃごちゃしているうちにこの七月の第一学期の授業の打ち切りが十三日となっているのを、組合をして言わしめれば、理事者側が一方的に七日に繰り上げ宣言をした。これに対して教授会は緊急教授会を開きまして授業計画上予定通り十三日まですべきであるということで、学長以下、理事者側の宣言に対抗して予定通りの授業を継続し、さらに十五日に今お話のありました十四名の解雇がなされたというふうに承っておりまして、事柄自体が非常に何と申しますか、率直に申しまして給料を公務員並みにせよということ以上にお家騒動と申しますか、何か学校のもめごとといったように、かつそれが非常に深刻であるという感じを私ども抱かざるを得ず憂慮しておるわであります。不幸中の幸いと申しますか、事柄の一番の中心課題であります十四名の解雇問題は地労委に不当労働行為として付議されております。一方情報によりますと、理事長側は、解雇問題につきまして別途理事会に諮って、自分個人の見解としては今までのとった措置に対しまして新たなる態度を理事会に付議した上で近く回答するというふうに、ある程度路線に乗っているというふうな報告も受けまして、不幸中の幸いとして半分愁眉を開いておるわけであります。しかし、事柄がこういう事柄でございまするので、解決しそうになってまたこじれるというようなこと、よくありがちのことでございまするので、私どもといたしましては、さらに少なくとも生徒に積極的な悪影響を与えませんように、この夏休み中に問題が解決されるよう、ことに私どもも形式的に申しますと、所管は県の所管であり、実質的に申しましても遠く離れておりまして、何と申しますか、土地感とかそういうものがございませんので、できるだけこの夏休みに地方レベルにおいて生徒に影響のないように、地方レベルで円満解決されるように衷心から希望し、県にもそういうふうに申しておる次第でございます。
○小柳勇君 この問題で、こういうこれは地方新聞でございますけれども、一番端的に内容を表現しておりますから、読んでおきますけれども、見出しとして、「人権争議の西南学院」「近江絹糸ばりの理事会」これは一つの見出しで、次の見出しに、「本家はアメリカ資本」「ヒステリーの理事会」それからもう一つサブ見出しとして「吉田若松市長が採配」「やくざじみたおどしで」そうしてずっと内容を読んでみますと、ミッションスクールとしての問題があります。神の御名において教職員などは労働組合張りのことをして理事者に刃向かうようなことを言うべきではないという観念。それからもう一つは、これが理事者の後押しとして、PTAというものはございませんが、後援会というのがございまして、その後援会の大将がここに書いてある吉田若松市長、これがかってバプテスト教会の牧師であり、かつ若松市の市長をしておって、しかもこの人は後援会長であるということで理事者の方で問題が解決しかかったときに後援会長が帰って来て、やくざじみたことをしてネジを巻いたというようなことが新聞にすっぱ抜かれております。私がもう一つ質問しておきたいのは、ミッションスクールという名において労働運動、特に労働組合結成などを理事者側が弾圧したり抑圧したり、ブレーキをかけているような例がございませんか。労政局の耳に入ったことはございませんか。これが第一の質問です。
○説明員(冨樫総一君) 遠く昔のことは私存じませんが、私が労政に入ってから特にそういうことを承ったことはございません。
○小柳勇君 それからミッションスクールであるから教員の首切られた中に、役員でもない人で組合員二名解雇されておりますが、この人が洗礼を受けておらない。もちろん礼拝には出る。礼拝には出るけれども洗礼を受けていない、いわゆるクリスチャンではないからということで組合員二名、一人は養護の先生、看護婦さんの先生、あとの一人は短大の先生、その短大の先生などは日曜の礼拝には欠かさずまじめに出ているそうですが、まだ洗礼を受けるまでの気にはならぬというので洗礼を受けておらない、そういうことで首切られているのですが、そういう憲法を侵害するような事態に対して労働省——労働運動などについても造詣の深い次官、どのようにお考えになりますか。
○説明員(加藤武徳君) 私はただいま小柳委員から初めて、組合の幹部ではないが組合員である二名の解雇者が洗礼を受けておらなかったこのことを聞いたわけでありますが、洗礼を受けておらないからというのみの理由で解雇等の措置を行ないますることは、私個人の考えといたしましてもきわめて不適当であり不穏当である。かように考えるわけでございます。
○小柳勇君 この問題は、単に西南学院の首切りということでなくて、問題を大きく分けますと三つばかり含んでいると思いますが、一つは私学の経営が理事者側の一方的な採算といいますか、計算でなされておって、私学の教職員に対する待遇が非常に悪いのではないか、この問題を一つ含んでおります。いま一つは、ただいま言いましたようにミッションスクールであるために、神の御名においてとか、仏の御名によってということで教職員の人権が無視されていないかという問題を含んでおります。第三は、ただいま発生しております労働組合運動に対する無理解、認識不足ということで、赤旗を持ってこの西南学院をうろつくということは何事かというので、労働組合運動に対する無理解がこの首切りの直接の原因ではないかと思うのであります。従って、根本的に討議しますならば、この三つの問題をまず討議しなければなりません。前の二つは文部省の管轄になります。ですから適当な機会に、私は、文部省の担当官に来ていただきまして、私学の経営に対する考えも聞かなければなりません。この前、予算委員会で文部大臣に対しては一、二、時間がなかったから簡単に質問いたしましたけれども、そのときにもこういう問題はすでに発生いたしておりました。私学の教職員に対する待遇は現在公立学校の人の八割ぐらいでしか待遇がないわけでございまして、そういうところに問題がある。それからミッションスクールの問題も神の御名においてとか、仏の御名においてということで人権が無視されるということならば、文部省の問題よりむしろ労働省の問題ではないかと思うのであります。第三の問題についても、もう少し何か労働組合意識といいますか、労働者の権利を守る意識の啓蒙について労働省として考える方法がありはしないか。労働組合が結成されることを慫慂しますことはこれは不適当でありましょうが、何か組合に対して理事者側にもっと理解させる方法があるのではないかと思いますが、労政局長いいお知恵はありませんか。
○説明員(冨樫総一君) 確かに仰せのように、今回の問題は基本的に三つの問題点を含んでいると存じます。そのうちわれわれの立場から申しましと、いかなる宗教的立場、経営的事情にございましょうとも、近代的な労使関係というものにつきましては、労使が、それはそれなりの時代即応の理解を持つべきであると考えております。いわばその観点につきまして、非常に前回の病院争議においても痛感したのでありますが、そのこと事態については相当商いインテリ的水準を持っておりながら、労使関係につきましては、いわば中小企業あるいは零細企業的なおくれを持っておるというようなことをこの前も病院争議で痛感したのであります。私どもここで一がいに理事者ばかり悪いとかどうとかということを言い切るだけのデータはございませんけれども、そういう感じを持つわけでございます。われわれの最近のここ二、三年来地方の県における労政行政の重点を所管内とは申しながら、助言勧告に基づきまして、中小企業の労使関係の安定、労使の問題に対する理解というところに重点を置いて参ったのでありますが、遺憾ながらいわゆる労使関係と申しますか、中小企業の製造業とか、商店街とか、そういうところについ重点が入りまして、病院あるいは今申しました学校といったところまで微力にして手が及んでおらないということは率直に認めざるを得ないと存じます。この点につきましては、今後も特に気をつけて参りたいと考えております。
○小柳勇君 次官に、この問題は学校が九月から始まりますが、それまで今のところ解決しそうにありません。しかし、解決しなければなりません。子供は進学の子供もいましょうし、就職の子供もいましょうから、それに対して労働省としても何らか方法があると思うのですが、今地方労働委員会にかかっているのは事実です。問題を解決するために今後どのように御努力願えるか、次官の気持を聞いておきたいと思います。
○説明員(加藤武徳君) 教育の場である学園でかような醜い争いがあるということは、きわめてまずい、好ましくない姿でございまして、先ほど労政局長が答弁いたしましたように、この解決が一日も早いようにこのことを念願いたしておりまするし、幸い、夏休暇にも入りましたので、この休暇中に解決される、このことを強く期待をいたしておるわけでございます。そこで、理事長は新たな態度で最近の理事会に自分の構想、考え方を述べたいのだ、かようなことを言っておるようでありますから、このことも私は解決の大きな糸口になりはしないだろうか、かように期待をいたしておるわけでありますし、同時にまた、地労委に対しましても早く解決をしていただくようなお願いを県を通じていたしておるようなわけでございまして、かような争いの姿が早く解決しますことを私も非常に期待をしておる、望んでおるような、かような心境でございます。
○小柳勇君 大体労働省の考え方はわかりましたから、質問はやめますが、委員長理事打合会に要望いたしておきますが、学園、非常にこれが私立学校としても今までわれわれはりっぱな学校だと思って参りました。こういう事態が起りましたのには何か理由がありますが、解決が長引く場合には、ここに関係当局者並びに組合側などから委員会にもあるいは来ていただいて、それから文部省なり労働省など、もう一回根本的にこの関連した問題、一般問題を討論する機会を一つ作っていただくことも、またお考え願うというようなことを、私は委員長である高野君にお願い申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
○理事(高野一夫君) ただいまの小柳委員からの御要望の点につきましては、委員長理事打合会に十分御相談をいたしまして、そういうような場合に、必要に応じて参考人として召喚をする、いろいろお聞きもしなければならぬという場合もあり得ると思いますから、十分こちらも留意をしながら御相談を進めて参ります。 大体この辺で、本日の調査審議を終了いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(高野一夫君) 御異議ないと認めます。よって、本日の調査は終了いたしました。 明日は、午前十時から社労委員会を開く予定でございましたが、先ほども申し上げました通りに、取りやめることにいたします。そのかわり、午後一時から、建設、地方行政、農林水産、社労の連合審査会を予算委員室で開きますから、御出席を願います。そうすると、それをもって旬月一回の委員会出席にかえたいと思います。 なお、正式には、連合審査会は、明日の十二時ごろ、各委員長の打ち合わせをやって、正式にきめるという形になるようでございますので、公報にはあるいは出ないかもしれませんが、必ず明日一時に開会を実際的にはいたしますから、そのおつもりで御参加を賜わりたいと思います。よろしゅうございますね……。 本日は、これをもって散会いたします。 午後二時二十六分散会