P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
38回国会参議院1961/05/30

建設委員会 第32号

発言数
120
登壇者
16
会派数
3
開催日
1961/05/30

会議録

稲浦鹿藏自由民主党

○委員長(稲浦鹿藏君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  先刻の委員長及び理事打合会におきまして協議いたしたところでありますが、本日は公共用地の取得に関する特別措置法案につきまして、午前中は建設省当局に対する質疑を大体十二時ないし十二時半まで、午後は建設省ほか特定公共事業の関係庁等の出席を求めて、質疑を続行することにいたしたいと存じます。  それでは、本日の審議に入ります。公共用地の取得に関する特別措置法案を議題といたします。これより質疑を行ないたいと存じますが、建設大臣は午前中は十一時までの予定で他の委員会に出席せねばなりませんので、この点あらかじめ御了承を願います。  御質疑のある方は順次御発言を願います。

松野孝一自由民主党

○松野孝一君 私は若干基本的な問題について御質問申し上げたいと思いますが、最近におけるわが国の経済の発展に伴いまして公共事業の非常な増加、あるいは民間における公益事業の増大に伴いまして、土地に対する利用というものが非常に多くなって、最近の状況を見ますと、非常に土地の取得に困難を来たしておる。そのためにせっかくの公共事業、あるいは公益事業が、その成果を見ることが非常に困難を来たしておるという現状にかんがみまして、何とかしてこれが打開策を講じなければならぬということはよくわかります。そのためにこの法案が提出されたことと思うのでありますけれでも、先般の公共用地取得制度調査会の答申にもあるようでありますが、現在の土地収用法、この現在の制度の運用の改善によって、公共用地の取得難が相当程度これは攻善されるのじゃないかというふうに思われる節があるのでありますが、たとえばわれわれよく思うのでありますが、起業者が事業計画を立てる前にあたりまして、よく地元の人の了解を得るとか、あるいはPRをよくやるとか、そういう措置を事前に講じていくというようなことをすれば、あとになって地元からの反対もなく、また計画変更なども起こらないというようなことも考えられる。それからまた、相当期間地元との折衝をする余裕を取っておくというようなことも考えれば、現在の制度の改善にも十分足りる面が多いのじゃないか、こういうふうに思うのでありますが、それにもかかわらず、こういうような特例法を必要とするようになった理由について、提案理由の説明にもあるのでありまするけれども、もっと詳しくお伺いいたしたいと思います。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) まことにごもっともな御意見でございますが、ただ従来の土地収用法が、事業認定の告示から土地細目等の申請までの問でも、三年も間を置いているという非常に慎重なやり方で、慎重であることはけっこうなのでありますが、そういう期間が法定されておりまする関係上自然に、法律上期間がある以上はその期間を待つような結果になりまして、全体の手続として相当に日子を要しますので、事業施行者もなるべく土地収用法でなしにやろうという努力を続けて、そうして努力の結果うまくいかないときに、初めて法律の適用に着手するというようなことで、一そうその事業の開始から最終までの間が時間がかかっておるような現状にあるわけでございます。  そこで、これらの点について、何とか特例を設けまして、特に緊急性及び公共性の高い事業について、事業の施行をすみやかにする必要があるというようなことから、この特別措置法の立法をするように公共用地取得制度調査会の御研究等を願いまして結果を得たような次第でございます。今、御指摘のございましたように、事前に極力このPRをして、関係方面の人達に理解を求める必要がある、この点はやはり公共用地取得制度調査会におきましても意見が出まして、今度の特別措置法ではこの点を取り入れまして、まず事業の施行者は、事前にそれらの理解を求める措置を十分に講じなければならない、ということを制度上明らかにいたしましたような次第でございます。いずれにいたしましてもこのような方法によりまして、必要やむを得ない公共性の高い事業につきましては、ぜひ今回の特別措置法を運用いたしまして、できるだけ事業の完成をすみやかに期したい、こういうような次第でございます。

松野孝一自由民主党

○松野孝一君 今、お話にありましたように、どうしてもこの法律を必要とするというようなことはわかったわけでありまするけれども、こういう特例法が出てきますと、実際この法律案の第二条に掲げている項目、こういうものは公共性が特に高い、かつ緊急度が高いというようなものを並べていまして、そうしてそれによって特定事業の認定をされた、そういうことができるものについては、結局収用法の適用というのは漸次これは薄らいでくるというようなことはないものでしょうか。その点の御見解、この方が便宜であるというので、みなこっちの方の特定事業の方に行ってしまって、土地収用法というものは漸次忘れられてくるような感じがするのでありますが、その点についての御見解を伺いたい。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) この特定事業として特別措置法を適用しようと思いまする事業は、ここに事業の種類を明記いたした次第でございますが、さらに審議会の議を経て、このうちから特定公共事業に認定するかどうかを審査いたしまして、努めて公共性、緊要度の高い事業にしぼって参りたいと思うのであります。従いましてこの審議会の議に付して認定を受けられるような事業は、自然この特別措置法の適用を期待するということに相なると思いますが、しかし、これはここに第二条でもしぼっており、さらに審議会の議を経て認定することになりますので、相当にしぼられますので、このほかに公共事業として土地収用法を適用すべきものの範囲は非常にまだ範囲としては膨大にあるわけでございます。従いまして、この特別措置法の適用されまするのは、公共性、緊急性の非常に強い事業だけということになって参るわけで、土地収用法の存在価値というものは薄らぐどころでなしに、やはり今後あらゆる事業について存在理由と申しますか、土地収用法の価値は、私は十分残っていくのだと思っております。

松野孝一自由民主党

○松野孝一君 今の、特例法の適用の範囲というものが第二条に掲げられておるのでありまするが、しかしわれわれの方から考えてみますと、まあこれらの事業もむろん公共性の高いものであるというように思うのですが、一面たとえば政府施策の住宅の用地取得とかいうようなものも、相当集団的に取得しなければならぬ場合が多いのでありまして、現下の住宅事情から考えてやはり緊急性、公共性の高いものではなかろうか、こういうものを適用しなかったという理由について、一つお聞きしたいと思います。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) この住宅用地につきましては、公共用地取得調査会の調査の段階から、一つの議論の対象になった問題でございますが、ただ今まで住宅用地の取得は、公共団体あるいは住宅公団等が施行するにあたりまして、土地収用法を適用せねばならないような事態になった問題が一件もございませんので、過去の事例がそういうふうになってきておるのに、それまで含めるということはいかがなものだろうかと、住宅用地の公共性の高いことは申すまでもないのでありますが、さような配慮から将来非常な必要度が起こってくれば別として、現段階におきましては住宅用地を入れない方がよかろうという結論に相なりまして、この法律案におきましても住宅用地はこの対象事業から除いたような次第でございます。これらはもっぱら過去の事例を参考にいたしまして、かような結論を得たような次第でございます。

松野孝一自由民主党

○松野孝一君 このいろいろな公共事業とか公益事業というのはたくさんあるのでありますが、しかし土地収用法はみな適用されておるのでありますが、これからピックアップしてこれだけの七項目かに限っておるのですが、この公共性の高いとかというものの基準ですが、どういうふうにして考えられたものでしょうか、他の対象にだって非常に公共性の高いものもあるように思うのであります。たとえばこれは審議会でも問題になったように聞いておりますが、糞尿の終末処理場とかそういうようなものもあるのです。小さいようではありますけれどもその地方では公共性が高い。それから緊急度も高いというように認められるのですが、何かここにこの七項目に限定して基準というものが考えられるものでありましようか。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) まあ結局考え方としましては、現行の土地収用法だけでは処理困難と思われる大規模なもので、そして大衆との影響度の高いもの、国民生活あるいは産業の発展と大きな関連を持ったもの、こういうような角度で大体しぼっていったようなわけで、今御指摘のございました汚水の終末処理場等も、これはなるほど重要な問題でございますが、これまた各都市の努力によりまして従来どうにか解決ができておりますので、特定公共事業の対象事業に含めなかったわけでございます。今申し上げたように、影響度の高いものという水準でピックアップしたようなわけであります。

松野孝一自由民主党

○松野孝一君 もう一つこれに関連してお伺いしたいのですが、特定公共事業の認定にあたりまして、緊急度、事業を緊急に施行することを要するということも条件になっておるのでありますが、この現在の土地収用法における百二十三条緊急使用でも、これは相当事足りるのじゃないかと、先ほど私が冒頭申し上げました現行制度のもとでも、緊急使用という制度がありますから、それで事足りるのじゃないか。これも調べてみますと、たとえばダムの築造なんかにも利用されておるように聞いておりますが、そういう百二十三条との関係について御説明いただきたいと思うのですが。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 土地収用法の緊急使用は御承知の通り六カ月と限られておりまして、しかもそれは延長を認められていないわけでございます。従って、この緊急使用を収用委員会が決定いたしまするときには、六カ月以内にもう間違いなく裁定ができると、すべての細目について計算も認定も終了できるという認定がついてからでないと、緊急収用の決定ができないわけであります。と同時にこれは使用だけでありまして収用は含まれておりませんので、今度の緊急裁決とは相当に運用が違っておるというような次第で、従来の緊急使用だけでは、今回この特別措置法に盛られました緊急裁決と同様の効果を期待することは、不可能なような次第であります。

松野孝一自由民主党

○松野孝一君 この百二十三条における実績というのですか、今までのどういうような例があったんでしょうか、ちょっと教えていただきたい。

関盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(関盛吉雄君) 百二十三条が運用されました実績につきましては、二十六件の緊急使用の許可の実例がございます。この二十六件のうち十六件はいわゆる進駐軍の関係で、どうしても駐留軍関係の宿舎として使用しなければならない、こういうものでございまして、その他十件は普通の場合のこの規定による緊急使用の実例でございます。

松野孝一自由民主党

○松野孝一君 今は百二十三条のことをお尋ねしましたが、この土地収用法が新たにできましてから十年もたっておるわけでありますが、その間における実績と申しますか、土地収用委員会にかかったものの件数、それで裁決をされたとか、そういうその件数をちょっと教えていただきたい。

関盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(関盛吉雄君) 現行土地収用法が施行されましてから、三十五年度までにおきまして建設大臣の事業認定にかかります件数は六百七十七件、それから都道府県知事の認定にかかりますものが二百四十件でございます。また収用委員会の裁決につきましては、百七十八件がその裁決の行なわれたものでございまして、さらに収用委員会としては和解調書の作成によって行なわれる裁決もありますが、それは十九件、それから協議の確認をいたしますものが、この現行収用法にもございますが、それが四十件、調停件数が五件、緊急使用の許可が二十六件等になっております。

松野孝一自由民主党

○松野孝一君 今度のこの法律によりましてどれだけたとえば期間が短縮するか、あるいは公共用地の取得期間が、今までどれほどかかったものがどれだけ短縮されるか、ということについてもちょっと御説明願いたい。

関盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(関盛吉雄君) 今回の特別措置について内容的に申し上げますれば、特例を定めました事項のうちで手続の関係の規定の特例がございます。御承知の通りに、起業者が行政機関の意見書を求めるのに長期間を要しますので、事業認定の遅延されることのないような措置がありますとか、あるいはこの市町村長が事業認定書の縦覧事務を怠るということで、収用手続が遅延することのないような特例措置とか、あるいは土地調書、物件調書を作成するために立ち入りが行なわれなければ、どうしても土地調書、物件調書が作成できない、それができませんと収用の裁決申請ができないというふうな場合における特例措置等もありますので、手続の進行という関係から申しますと、事業の準備を非常にまあ正確にやって、しかも関係住民の協力が得られるようなPR措置も事前措置として追加いたしておりますが、法律の段階に参りますれば、今申しましたような特例措置と並行いたしまして手続が順調に進んでいくと、協力が事前に得られるように、手続段階に入りますれば順調に手続が進んでいく、こういうことでございます。従いまして通常の場合でも、この従来の実績は、事業認定をしてから裁決があるまでに、一年なり二年以上要しておるものがしばしば見受けられるのでございますが、ただいま申しましたような特例措置と相合わせまして、事前の準備等も行ないますれば相当短縮されるものだと、こういうふうに考えておる次第でございます。

松野孝一自由民主党

○松野孝一君 もう一、二点お伺いしますが、この法案の最後のところに、公共用地審議会において、今後公共用地の取得に伴う損失の補償の基準を審議するということになっておるのでありますが、私も、これはやはり今まで土地収用法で非常にむずかしい問題になっているのは、収用の場合における補償の適正化、その基準というものがまちまちであるというふうに聞いておるのですが、それを統一して適正な補償基準を得られるようにすることは、非常に重要なことだと思うのですが、これについて何か政府の方で基準を作成する、どのような基準を作成するお考えか、その点について承っておきたいと思います。

関盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(関盛吉雄君) 現行土地収用法におきましては、土地収用法の七十条以下、損失の補償に関するそれぞれ基本的な規定を持っておるわけでございます。各省なりあるいは事業の執行者がこれとは別に事業を実施するにあたりまして用地、物件等を取得する場合に、それぞれの契約によって事業を実施をいたします場合の補償基準というものを各省が持っております。その中にはたとえば電源開発のような閣議によって決定されたものもございますし、あるいは予算の執行上検討して定められておるものもございます。今回御指摘のように、公共用地審議会におきまして補償基準という問題を検討すべきことであるということになりましたゆえんのものは、いわゆる公共用地の取得制度に関する事柄をいろいろ審議していただきました、昨年度まで存続いたしました調査会におきまして、この補償基準の問題を引き続き土地収用の、いわゆる損失補償の細目的なものとして十分検討すべきものであるという結論になって答申がありますので、主としてこの土地、物件等の損失基準の中で通常受けるべき、いわゆる損失基準等につきましては、現在の土地収用法が運用せられましてから、かなりの実績を具体の例について持っておりますので、その実例等も参酌いたしまして、さらに先ほど申しました各省あるいは各庁の長、あるいは起業者が定めております補償基準等の実例等も参酌いたしまして検討をするということで、必要な法律の設置法上の改正をいたしまして、今回の特別措置法の法案の中に入れまして御審議を願っておる、こういう次第でございます。

松野孝一自由民主党

○松野孝一君 従来私ども聞いているところによりますと、この土地収用法を適用するということは伝家の宝刀で、容易でない場合でないとできない、できるだけお互いの話し合いで土地の売買という形式で獲得していくと、こういうやり方だそうでありますけれども、そうなりますれば、任意売買でいきますと、どうしても各個的になり、そして非常にだんだん値をつり上げていく、土地の価格をつり上げていくということになる、それがかえって土地収用法の運用を阻害しているような感がするのですが、何か基準を早く設けて、任意売買においてもその基準を尊重していくと、収用裁決の場合の価格と、それから任意売買による価格の均衡を得るようにしていくということが必要じゃないかと思いますが、そういう点について何か適当な方策でもあるものですか、ちょっと伺いたい。

関盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(関盛吉雄君) この土地収用法の適用というものは、今日の状況におきましては、徐々に法律の制度が理解せられまして、先ほど申しましたような件数になっておりますが、これもここ二、三年の傾向がその土地収用法の、いわゆるワク内における用地取得という格好の申請件数の増加となって現われております。用地取得困難な場合につきましては、あらかじめ土地収用の法律によりまして、この全体としての重要な事業も進めていくべきであろうというのが、やはり用地制度調査会の統一された意見でもあるわけでございます。われわれもそのように各起業者に申し上げておるのでございます。従いまして、今後の方向といたしましても、用地取得に関する基本法というものが土地収用法の制度だ。こういうふうに考えまして、それに盛らるべき細目もさらに検討することによって、従って関係各省の持っておりますところの補償基準については、若干今の段階において区区たるものがありますけれども、それがひいては適当な、適正なものになっていくという形の姿になることをわれわれも考え、またそういうふうに努力すべきものだ、こういうふうに考えております。

松野孝一自由民主党

○松野孝一君 あと一点。この出しておる法案によりますと、緊急裁決などの規定を設けて収用手続の迅速化をはかっておるわけでありますけれども、このことによって私有財産権が不当に侵害されることはないか。これに関連して私有財産の保護についてどういう措置を講じておるか、ちょっとまとめて御説明願いたいと思います。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) この緊急裁決をいたしまする場合には、大体の補償の態勢が整いまして、概算見積額というものが出て参りました段階で、なおいろいろな計算を必要としたり、めんどうな資料を整えたりして、細目的な集計をやる必要があるけれども、概算はもう見当がついたという段階で緊急裁決を願うことになりまするわけで、この概算の金額を緊急裁決でいたしますと、その見積額を被収用者に対して支払いをし、さらに引き続いて極力すみやかに最終的な計算をまとめて収用裁決が行なわれる。その場合に若干概算額と最終的な金額とに差異を生じました場合には、その差異を生じた金額に利息を付しておりますので、努めてこのやり方は被収用者の財産権の保護ということについて配慮をいたしました考え方に立っておるわけでございます。従いまして憲法の規定におきましても適当な補償をして公共の用に供することができる、この趣旨はあくまでも貫くという建前に立って立法をいたしましたので、財産権の保護については欠くるところがないというように私ども考えております次第でございます。運用にあたりましても、もちろん不当に財産権を圧迫することのないように注意して参りたいと思います。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 お聞きするところでは、建設大臣は衆議院における何か合同審査会に御出席の予定で、すでにさっき予定された時間も過ぎておるようですが……。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) もう少しいいようです。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 もう少しよければ、この際こまかい質問はあとの事務当局の方にお伺いすることにして、大まかにこの際は建設大臣だけに対してお聞きしておきたいと思います。  冒頭に申し上げておきたいことは、近来の公共用地の取得がきわめて困難となって、そのことが今後の経済成長にとっての大きな隘路となるおそれが強くなってきた。そこでこれらの用地の収用をより円滑化せしめるための法律的措置が重要であるということは、これはもう議論の余地がないわけであります。従って公共用地取得の促進措置としての立場から考えてみまして、私どもはこの法案の趣旨については賛意を表する、いろいろ質疑をやっていきまする中に、誤解を受けるといけませんから、まずそのことを率直に申し上げておきまして、さらに私は私なりの一通りの、これに対するいろんな調査研究はまず遂げたこにでありまして、個人的な疑点というものは相当には解明されているわけですけれども、事の重要性にかんがみまして、多くの国民に明快に一つ政府がお答えになっておかないと、大へんないろいろな不要なる摩擦等を起こすであろうことを心配いたしまするから、むしろ御答弁はそういう方面にニュアンスをおかれてされるように希望しておきたい。  これを前提として申し上げるわけですが、まず問題点幾つもの中からさっき申し上げたようなことで、直接大臣にお聞きしておきたい点が、公共用地審議会を建設省の付属機関ということにされているわけですが、これでは国民が腹からその収用それ自体について、あるいは補償等について、あるいはもろもろの仕事の仕方等について、いろいろの疑惑を持たぬことのためには、むしろ内閣直属の公正な機関とすることがいいのじゃないだろうか、こう考えるのですが、これについての御見解をお答え願います。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) この審議会の委員をお願いするにあたりましては、法文にも明らかにいたしておりまするように、学識経験者のうちから内閣の承認を得て建設大臣がお願いをする、こういう建前をとっている次第でございます。努めて公正な御判断の願える学識経験者をお願いし、しかも建設大臣の専断でなしに、内閣の御承認を得るという手続にいたしておる次第でございますが、今御指摘のございましたように、建設大臣の任命という形でなしに内閣に置く審議会にしたらどうかという点でございますが、これはまあ私どもの考え方を率直に申しますと、内閣に置く審議会というのは、国策の大本に関するような事柄を御審議願う審議会を、内閣に置くべきであって、一部門の事業施行のようなことに関したものはやはり各省に置く審議会が建前として適当である、こういうように基本的には考えておる次第でございます。  それで、この審議会は第二条の特定公共事業の種目のうちでどの事業を緊急度や公共性から考えて、特定公共事業として認定をするかという事業認定をする機関でございまして、実際に土地を収用する場合の補償をきめたり審査したり、あるいは補償を裁決してきめたりいたしまする事業執行の方に関することは、各都道府県ごとに置かれておりまする土地収用委員会に御決定を願うわけで、この方は土地収用法が母法でございまして、母法である土地収用法に定められておるわけでございますが、それぞれ都道府県議会の承認を得て都道府県知事がこれを任命をするという建前をとっておりますから、個々の事業の収用、裁決等にはこの審議にはこの審議会は直接タッチをいたさないわけでございます。基本的にどの事業を取り上げて特定公共事業にするか、こういうことでございますから、その点に関する御疑念はないと思うのでございます。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 どうもこの問題では疑惑が深くなってしまったのですが、さっき松野委員が補償の基準、これを確立しなければいかないだろうということに関しまして質疑をされた。これに対して計画局長の御答弁では、その必要を感じておるのだ、だがこういうことについて基本的な問題をただすことのために、今までの審議会をその方に振り向けて基本的な問題を十分研究してもらうことに一つ努めてもらいたいのだ、こういうふうに答弁されたと私は今聞いたわけです。たった今聞いたばっかしです。そうしますると、私は今大臣が言われた、直接にはなるほど各都道府県、地方の収用委員会が実務に当たるだろうけれども、その基礎を作っていきまするものは、これは審議会が当たるのじゃないか。そこで、さっき申し上げた、むしろこういうことであるならば内閣直属の公正な機関にすることが一番いいのだと、疑惑を持たれぬのだ、これが一点。  それからさらには、大臣のお話では内閣直属とする機関は国策の大本に関する問題等を取り扱う機関、これならばそうであるけれども、このことは一つの省内の範囲内の問題であるから、まあ具体的にいえばそういうような御意図で今御答弁をされたように受け取れたわけです。私はそうでなくして、冒頭に申し上げましたように、われわれがこのことを必要とするのは、むしろ当面迫った緊急な問題のためであることは百も承知です。いろいろな問題がございます。ですけれども一番大きな問題は、やはり池田内閣が考えておるところの経済成長、この所得倍増にからむこの問題の基本をやはりなす性格のものである。従ってこれをなし遂げさせたいと念願しておる私どもの立場から立ってみますると、この問題の重要性というものは大きなものだ、国策的なものだとこう感じるので、以上申し上げた二点の立場から最も国民がよく納得し、そうして不必要な摩擦を起こさないことのためには、事務的にはいろいろなあれがあるだろうけれども、それは内輪の仕事といたしまして、国民の前にはただ小さな問題を扱う一省内の問題ではないのだということで、そのことを強く認識させることのために、やっぱりそこの公正機関という観念をまず植えつけさせる、このために必要でないのか、そう申し上げておるわけなんです。もう一ぺん重ねて御見解を承りたいと思います。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 先ほど申し落しましたが、審議会の使命としましては、先ほど申し上げましたこの特定公共事業にどれを取り上げるか、この事業認定をするための御審議を願うということが主たる使命でございますが、あわせて先ほど松野さんからも御意見がありましたように補償基準というものについて、土地収用法には一応基本的な補償基準というものは定めておりまするが、さらにこれはいろいろな場合を想定しまして、具体的に補償の適正を期するための基準と申しまするか、補償の方法あるいは補償の基準、こういうものについて検討をしてめどをつけておくことが、今後土地収用を全体として円滑にする上において必要である、かような角度からこの審議会にその点もあわせて急速に御審議を願う、という実は建前をとっておる次第でございます。  それから後段の点につきましては、御承知の通り土地収用は建設省の所感で従来もきております。なるほど事柄それ自体は経済成長等に重大な関連がございまして、国策の一環ではございますが、土地収用という一部門であることには間違いないと私も思いますので、内閣という高い角度のところよりは、やはり実務を担当いたしておりまする責任を持っておりまする建設省に、学識経験の高い方々にお集まりをいただいて審議会を構成していただくことが妥当であると、実はこのような角度に立ってこの立法を考えましたような次第でございます。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 少し感覧が違うようですがね。松野さんもさっきから聞かれたように、これの特例法のいわゆる適用範囲、申すまでもなく第二条で特定公共事業とは何をさしているのかということをあげて七項目、あるいはそれの付属機関を入れれば、しいていうならば八項目ともいえるでしょう。これは必ずしも建設省だけの問題ではないのですよ。それぞれの各省にわたる問題を見込んでおるわけです。だからその関係からいいましても、ただ土地収用法だけで建設省関連の法律であるからと一がいに言われることは、あまりにも何だか政治にならぬじゃないのかと、こう考えるわけなんです。これについてどうお考えですか。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) まあ御説の通り内閣に置く審議会ということになりますと、一々その意見を徴する諮問等は内閣総理大臣を通してしなければならぬということにもなって参りますので、土地収用について、責任大臣である建設大臣が、御相談を申し上げる機関ということになりますから建設省の付属機関というと何ですが、その委員の任命にあたって内閣全体の意向を尊重して、内閣の承認を得るという手続をとった慎重な任命方法をとれば、内閣に置くよりはどうもこの方が妥当である、若干どうも意見の食い違いで恐縮でございますが、私どもはさように考えておるような次第でございます。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 この私自身個人といたしましてもまだ相当納得しかねる点がありますのですが、しかしさっきのように建設大臣の時間の関係がありますから、これは今後のまた審議の場でこまかにお伺いすることにして、次の問題に移りますが、人口五十万以上の都市の「道路、駅前広場、鉄道又は軌道」、こういうようなことですね、「道路、駅前広場、鉄道又は軌道」、これに手っとり早く取り組まなきゃならぬこと、もちろん同感であります。しかし、この場合人口五十万以上の都市と限ったその根拠はどこにあるのか、裏から言いますならば、私どもはむしろこういう問題は人口でもって考えるのじゃなくして、少なくとも都市計画事業をやっておりまするすべての都市にこれは適用することが直ちに必要になってくる、こう考えるのでありまするが、この五十万以上に限った理由ないし根拠を承っておきたい。

関盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(関盛吉雄君) 大都市の交通関係は特に麻痺状態になっておる、こういうふうな傾向が顕著に現われて参りましたので、従って、その地域というものの範囲を特別措置法との関係においてどのような基準で規律するかということが、やはり制度調査会における議論の一つの中心でもあったのでございます。ただいま都市計画法の適用の関係との問題について、この法律の適用の範囲を規律すべきではなかろうかという御意見も出たわけでございますが、確かに都市計画法の適用区域につきましては、それぞれの計画は持っておりますが、何しろ全国で都市計画の適用されておる市町村というのは、千数百の市町村にまたがっております。従って、緊急かつ公共性の高い事業として限定いたします場合におきましては、相当にこの地域の範囲というものを限定列挙するということも、この法律の土地収用法の特例としての体系を確立する上では、重要な考慮を払うべき要点でありますので、従って、そういうこと等も考えまして交通麻痺の状態になっておる、しかも重要な幹線を整備しなくちゃならない、一般に難事業を相当に控ておる地域、こういう意味で制度調査会におきましても五十万という線で答申が行なわれておる、こういうのがその経過でありまして、政府の方におきましても関係各省とも相談をいたしまして、そのくらいが適当であろうというのが本案の理由になっております。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 答申案に大体基づいて、従って、この程度が適当だろうと考えたというのは、これは理屈にならぬと私は考えるんですよ。大体五十万以上の都市というのは、私の知る範囲では、東京都を加えて六大都市及び札幌、川崎、福岡、以上の九つだけでしょう、日本では。この九つの大都市だけの駅前の広場であるとか、鉄道または軌道あるいは道路なりというようなものが、非常に混雑しているとお考えになることがおかしいと思うんです。わかりやすく申し上げますけれども、私どもはできるだけこの適用は緊急性の高いものに限って、なるべくその対象を最小限度に食いとめていかなければならぬ、こういう考えを持ち、これを希望するわけです。それはそうした人口等をもってするのじゃなくして、対象の見方が違うんです。私どもの考えではそうではない。そうじゃなくしてその質をわれわれは言うのであって、ただ人口五十万なんというようなことではあまりにも、何かただ委員会がこうしたからそれに合うようにしたというようなことでは、あまりにもこの考えにまじめさを欠いているのだと言いたくなってくるわけなんです。もう一ぺんこれについてお答え願いたい。これは大臣からお聞きしたい。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) この点は調査会におきましてもずいぶん議論をし、どこで一体しぼるべきかという重要な一つのポイントであったようでございます。その後、立案段階におきまして私どももいろいろ検討を加え、また各方面の御意見等もそれとなく聞いてみたわけでございますが、中には今、田上さんのお話のように、五十万で切る必要はないんじゃないか。緊要度の高い事業ならどの都市にでも適用すべきじゃないか、という御意見等も拝聴いたしたわけでございますが、いろいろ検討いたしました結果、大体大きな都市はさばきようがありませんが、五十万未満のような都市でありますと、近来よくやっておりますように、道路にいたしましても、既成市街地を通っております道路を拡幅して非常な犠牲を求めるよりは、外にバイパス線を作って通り抜け道路のような、車両等はそのバイパスを通してしまう、あるいは鉄道等にいたしましても市街のはずれ、大体市街が細長く既設の道路等に面してなっておりますので、その市街にそう迷惑をかけないで鉄道等も敷設する可能性もあるというような角度から、まあ五十万以上の都市ということにしぼってこれで運用してみるのが、最初の特別措置法としては、できるだけしぼることが必要であるという角度に立って考えると、その辺でスタートすることが妥当であろうという結論に相なりまして、調査会の答申もそういうことでございましたし、われわれもいろいろ考慮いたしました結果、やはりこの辺でしぼりをかける必要があろうということになりまして、全面的に適用するということよりは、特別措置の精神からいって、まあしぼれるだけしぼった考え方で制定をした方がよかろうということに相なりましたような次第であります。この点、私どももいろいろ苦慮いたしました実態を率直に申し上げて御参考に供したいと思います。

木下友敬日本社会党

○木下友敬君 私からも田上委員と同じことをお尋ねするわけなんですが、五十万以下のところがだんだん発達してきて、五十万になったらばこの法律を適用するということになると、今三十万とか四十万のところが、だんだん、この間、防災街区のときの討論で申しましたように、ほったらかしておいて、だんだんだんだん手のつけられぬようになったから法律でカバーした、こういくというような行き方は、私はとるべきでなくて、五十万の都市であろうと四十万の都市であろうとなるたけこれは早めに手をつけて、そうして将来を見越して、こういう法律を適用していくというようにしないと、もう手のつけられないようになったのは手おくれなんですよ。そうすると、住民の迷惑は非常にひどいわけです。これはもうおわかりのことだと思う。だから、これは一つ、なんじゃないですか、せっかくこう作っておられますけれども、あとで考えていただいて、必ずしも五十万ということにとらわれないで、田上委員の言ったように、もう少し考えを広めていくようにしていただくべきだと思うので、あまりかたいことをおっしゃらぬで、これは一つ考えてみようぐらいのところはできませんか。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 率直に私どもの気持を申しますと、ただいまも申し上げましたように特別措置法でございますので、できるだけしぼって制定をいたしたい、いたすまた義務があると、こういうように考えまして、いろいろな角度でしぼりをかけておるわけでございますが、法律を制定していただきまして、執行いたしまして、また社会の反響、執行の成績等に照らして、私は今後検討すべき問題かと、こう思っておるわけでございます。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 今の問題ですがね、私は、さっきには、都市計画事業を行なっておるすべての都市と言いましたけれども、そのことはあまり、千何百もあるというものに対して、あんまりひどいということであるならば、その点については言葉を撤回しても差しつかえありません。ただ申し上げておきたいことは、今繰り返して建設大臣が言われた、最小限にこれを縮小すべきだというそこからきたと、そのことが、法の精神にかんがみてそうやったんだというような御意図のようですが、しぼり方が違いますね、これは。私は、しぼり方は、さっきも申しましたように、性質によってずいぶんしぼるべきであって、逆に考えてみますと、いろいろなことに関して政令にゆだねて、これこれの中のところで、それで政令で定めるこの区間というような文句を使って、これをしぼっておるわけでしょう。それはいいと思うんですよ。この場合も、さっきすべての都市ということを撤回したから、もう一つ案を申し上げますならば、五十万以上という文句を消して、大都市ということに直して、そうしてそれはどのくらいにするかということは、それこそ政令にゆだねたらいいじゃないのかと考えるわけですよ。今、木下さんも言われたように、これまでは四十九万であっても適用されない。来年は五十万になってしまうという場合があるんですよ。そうするならばそういうものについては、五十万になるのを待ってやるというようなそんなことじゃなしに、今から必要なあれについてはどんどんこれを適用し得ることを、それこそ政令で考えるような行き方にした方が利口ではないのかということなんです。さらに言葉を返すようですけれども、五十万以下の都市については現にバイパス道路等によっていろいろ緩和策が行なわれており、将来もそうやるのだと、そういう方法がつけられるからということを言われましたけれども、それは建設大臣、逆ですよ。現にバイパス道路やっておりますものは、どうにも、にっちもさっちもいかないところの大都市のこの周辺に行なわれておるのでありまして、そんな都市はまだそれほどのことではないのです。しかもほかの都市も、この中に指摘してありまするように、困難な事情、隘路がたくさんありまする実情を率直にお考えになったならば、必ず、官僚でないところのわが建設大臣は、面子にこだわらないで、もう、一ぺん考えたあれだから、何でも都市だけでいくんだ、面子だというようなけちな考えじゃなしに、大きく一つのいわゆる国策的な大きな見地に立ってお考え直しになることがいいのじゃないかと思うんですよ。繰り返して恐縮ですけれども、どうもさっきの私に対して、あるいは木下さんに対してのお答えの中でも、どうも満足するようなふうに受け取れませんから、もう一ぺん重ねて御所見を承りたいと思います。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) この法案で五十万以上の都市ということにしぼりましたので、まあ感じとして五十万未満の都市は、何か公共事業に置いていかれるような印象を受けるかもしれませんが、これは公共事業としましては、必要なものは、あるいは都市計画にせよその他の公共事業にせよ、これは全般的な計画のもとに立って実施をしていくわけで、差異はないわけでございます。ただ特別措置法を適用して速度を早めてやるかやらないか、そのやる区域はどこに一体しぼるべきかというのがこの問題であると思うのであります。さような角度から考えますときに、それはもちろん、五十万未満の都市といえどもやらなければならない事業がいろいろとあると思いますが、まあそれらは特別措置法によらなくても事業の実施が可能ではないだろうか。従って、この特別措置法の適用範囲としましては、とにかくこの程度の基準を設けて、どこへもここへも特別措置法を適用するのだという建前をとらないで、しぼりをかけることが妥当であろう、かような角度で、実は率直に申しまして考えましたような次第で、これはもう建設大臣の面子とか何とかいうことはありません。私のみならずどの大臣にせよ顔が曲がってしまっても、必要なことは、面子の問題などはどちらでもよいのでありますが、まあいろいろ研究をいたしました結果、特別措置法の適用をする事業としては差しあたりこの程度のしぼりをかけることが妥当であろうということで、ここにかようなワクを設けましたような次第であります。一つ委員の方々の御検討を願いたいと思います。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 あのね、建設大臣、あなた、人口五十万以下の都市には何も適用しないのだというわけではないのだと、こういうような言い回しをされますけれども、そうじゃないのですよ。この特定公共事業の第四に規定してありますこの範囲のことを私は申し上げておるわけなんですよ。「都の特別区の存する区域又は人口五十万以上の市の区域における交通の混雑を緩和するため整備することを要する道路、駅前広場、鉄道又は軌道で政令で定める主要なもの」を規定している、その点を申し上げておるわけなんですよ。言われるまでもなく人口五十万以上の都市だけに、全部のやっておる一切を五十万以上の都市だけにすることでないということは、これはわかり切った話である。これらの「道路、駅前広場、鉄道又は軌道」、さらにこれをなお縮めているわけなんです。そのうちで「政令で定める主要なもの」、まあこれはこれとして不必要なことをやることはないんだからいいとしましても、こういう事態というものは、四十九万の人口の場所でも四十万でも三十万でも、こういうようなところの緊急必要な場所があるはずだ。あるはずどころじゃない、むしろそういうところこそかえって今困っておる事態があるじゃないか。これは、大臣あまり実態を御承知にならないから、この四号に限ってだけのことをお伺いし意見を述べておるわけなんですよ。それを勘違いされないようにですね。ほかのことであっても、必要なものについては全部やるんだと言われる……。

稲浦鹿藏自由民主党

○委員長(稲浦鹿藏君) 建設大臣に内閣から約束通り来てくれと、こう言いますので……。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 大臣が衆議院の方から出席を求められているようです。お聞きしたい重要な問題がありますけれども、その項についてはまたおさしつかえない時間をいただいて、その機会に譲りたいと思います。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) それじゃそのように恐縮ですが、お願いいたします。

稲浦鹿藏自由民主党

○委員長(稲浦鹿藏君) じゃどうぞ。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 計画局長にお伺いしますが、さっき申し上げたような感覚でするんですから、それはよくおのみ込みだろうと思うんですが、この場合繰り返して認識を新たにしてもらうために特に申し上げておきますけれども、公共用地の円滑な取得をはかるようにしなければならぬと考えるのと同時に、反面、被収用者の既得権利が不当に侵害されないように、これらの権利並びに利益を擁護してかからなければならない、という気持で次の問題をお聞きするわけです。  被収用者に対してなされるところの(生活再建等のための措置)、今回はこれが従来の収用法と違っての大きな特徴だろうと考えるわけなんですが、非常にいいことなんですけれども、どうもこれで見ますると、生活再建の措置というものがぼやかされてしまっているんですよ。絵でかくと非常にいいことを言っとるわけなんですね。しかし、最後の締めくくりになってきますると、これは法文にはないけれども、いろんな説明あるいは解釈等をやってみますると、これをほんとうに約束いたしますることのための、国及び地方公共団体の義務がはずされているわけです。努力義務なんですね、言葉をかえて言うならば。正確な義務ではないんじゃないか。ここに「土地収用法による収用手続と特別措置法による収用手続との比較」というこれをきょう配付されたわけですね。この中の一番しまいの方に書いてあります。(2)のロです。「生活の基礎を失うこととなる者は生活再建対策として土地若しくは建物の取得・職業の紹介等又は環境の整備に関することの実施のあっせんを知事に申し出ることができ、知事は関係者と協議して生活再建計画を作成し、この計画に基づき、事業施行者は現物給付の義務を負い、」——大事な点はここですね、「国及び地方公共団体は実施努力義務を負うものとする。」、あくまで実施努力義務なんですね。どうしてこれを正当に義務づけないかということですよ。努力という文句で逃げておるようであれば、被収用者が一番心配する点はこの点なんです。これに対する的確な一つ御回答をいただきます。

関盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(関盛吉雄君) ただいまお尋ねの生活再建のための措置の内容についてのことでございますが、確かに四十七条の第五項の規定につきましては、法律の形といたしましては、実施に努めるということに国・地方公共団体がその面における関係は規律されております。今回の特別措置法におきましては、この(生活再建等のための措置)の前の条文で四十六条の規定も新たに入っておるわけでございまして、これは特定公共事業を実施する人と、いわゆる特定公共事業の起業者に必要な土地等を提供するという人との問におきまして、話し合いによってそれらの事柄がまとまります場合におきましても、土地等を提供する人から現物給付の要求をした場合におきましては、できるだけ起業者もその要求をいれるようにするという制度から、生活再建の措置を一緒になって考えるように規律したわけでございまして、従って、生活再建等の措置というものは、補償金の全部または一部として行なわれる生活再建の措置と、補償が収用委員会によって決定されまして、あるいは金でもってもらったという場合に、その金について土地、あるいは店舗を、あるいは営業資金をという問題と二つあるわけでございます。従いまして、この生活再建の措置というものは、補償の全部または一部として行なわれます場合におきましては、これは特定公共事業を実施する者がその義務者ということで規律しておるわけでございまして、補償金はもらって話は解決した、しかしながら、その金を用いて生活の基礎を失った人たちが四十七条に掲げてあります土地とか建物とか、あるいは生活環境の整備等の問題について、必要な措置を知事にあっせんをしてもらうことを要求するという場合におきましては、今回の規定によりましては、明らかに四十七条の三項におきましてその手続規定を置きまして、関係者と協議をいたしましてその実施を知事があっせんする。ものによりましては公営住宅の優先入居でありますとか、あるいはまた公団住宅というような制度は住宅についてとれるわけでございますからして、国あるいはその他の所掌の事務に関しましては、他の国の機関がその必要とする補償金にかえて、補償金の措置と相待って行なう措置について努力をするという意味で、その規定が入っておるわけでございます。従って、今回の特定公共事業の事業主体というのは国でありましたり、あるいは地方公共団体あるいは国の系統の公団、公社等が多いのでございますので、これらはこの規定によりまして、生活再建の措置が真に講ぜられることを期待いたしておるような次第でございます。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 四十六条ないし四十七条にどういうようなことを規定したかということは、今後説明されなくともちゃんと見てわかっておるし、それをお聞きしておるわけでもない。そうじゃなしに、言われるような精神でまとめてそういうことをやった場合に、魂が抜けてしまうのではないかということを申し上げておるわけです。四十六条についても、「特定公共事業を施行する者は、事情の許す限り、その要求に応ずるよう努めなければらない。」こう書いてある。それから四十七条においてこれこれのことをするのだが、その第五項にもってきて「国及び地方公共団体は、法令及び予算の範囲内において、事情の許す限り、生活再建計画の実施に努めなければならない。」こういう非常に美しい言葉であるけれども、どうもそこにはつかまえどころがないわけです。努力してみたけれどもどうも予算が足りないのだ、事情がどうもあっちこっち影響するところがあって困るのだ、努力してみたが仕方がなかったのだと言われればそれでおしまいになるのじゃないか。私は、それをしなければならないことに、完全に義務づけることが必要ではないのか、これをお聞きしておるわけなんです。繰り返して申し上げますが、本日配られたさっきの中にもこれをまとめて、こういう工合に特に努力義務を負わしておるというだけでもって逃げてしまう、これは率直に言われなければこれじゃ絵に書いたぼたもちですよ。

関盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(関盛吉雄君) 四十六条の意味は、話し合いを起業者と土地等を提供する人たちが、特定公共事業の実施にあたって相談をする場合におきましても、起業者は、現物給付の要求があった場合におきましては、その事情の許す限りその要求に応ずるようにするという規定があるわけでございますが、その反対の意味は、そのことによって現物給付の要求がいれられないという場合におきましては、相手方は収用委員会に現物補償の裁決申請をする手続が確保されておるわけでありますからして、このことによってその救済の方法を求めると、こういうことになるわけでございます。それから四十七条の意味は、先ほど場合を分けて申し上げましたが、補償金というのは一応済んだ、あるいは補償金は一部は現物でもらって、大部分は金でもらうように裁決が行なわれて話し合いが済んだという場合におきまして、これは対償補償の一部として行なわれることではないのでありますからして、それは国とか公共団体にあっせんの実施についての努力義務を課したわけでございます。しかしながら、これはただそういうふうにしておいては、この実施が確保いたされませんので、三項におきましてその手続規定を書きまして、いわゆるこの生活再建に関する具体の内容を、補償金は解決しておる、しかしながらその補償金とは別に、必要な生活再建なり、生活の基盤を整備するに必要な措置を、国なりあるいは公共団体が実施するにあたっては、まず知事さんにこの衝にあたってもらう、その定められた計画の実施について、この法律の規定によって整備をしていくようにするというのがこの法の精神でございます。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 どうも私がお伺いしている要点をはずされて困るのですが、それでは逆に的確にわかるように話します。大体特別措置法を作らなければならなかったということは、根本的には従来の土地収用法ではだめなんだ、いろいろこれまで思うような効果をあげられなかったという点については、いろいろあるだろうけれども、私どもが考えております点は、従来の土地収用法だってこれが完全なPRをして行なわれ、そうしていろい都道府県知事に対するあなた方の気持ち、国の要望というものが十分に行なわれて、まじめにやっていったならば、もっともっとこれは国民から十年間何をやっているとけなされなくても、できた面が多かったと考えておるわけなんですが、これができなかったということについては、もちろん被収用者側において常識はずれなことをやっている面があることはよく知っております。例をあげるまでもなく、今お困りになっている、名神高速自動車道路に関する京都府内に起こっているところの問題あるいはこれはどうかと思うけれども、大事な問題だから詳しく言いたいけれどもあっさり言うと、いい悪いは別として、熊本県におけるところのあの下筌ダムに関するあのにっちもさっちもいかないような問題、こういうようなことについては、まあ被収用者側において一般善良な国民とは常識を異にしたような場合があることもよく承知をしておりますよ。しかしながら、それにもましてこれが不首尾に終わっておるということは、いろいろ施行者に対しても都道府県知事に対しても、こういうようなことを努力してくれということを頼んで、それでいいだろうと思うことが、重要な点が期待はずれをなしているというところに大きな問題があるはずなんです。このことは、それを見越して、いろいろこの中にもこれでやっていけない場合、これに対する別の手当の方法がいろいろ打たれておる。この事実にかんがみても今申し上げたようなことは否定できないはずなんだ。ところがこれを見ますと、また努力義務、そうしてその中には予算の許す範囲あるいは事情の許す範囲、こういうようなことでもって、その中で努めなければならない、こういうことを頼むのだ。こういうことを繰り返しておる点を見て、まともな正直な国民の立場になってみると、まるでこれは逆に政府自体が、何かしらことさらに法の中に盲点を作っておるような疑いが濃くなってくるであろう。これを心配するわけなんです。こういう問題は、あっさりやはりこういう場合においてはこうしなければならない、ということの義務づけをしておくことが必要だ。問題の一番大きな点は、これだと思うのです。収用が非常に困難になっておる実情というものは。そこを突いて申し上げるならば、今までの補償額等の不満足な点、従ってあるいは今度訴訟が起こされてくる。そこで引っ張るということであるけれども、今度の特別措置法については特に訴訟等がはずされる場合もまたあるのであって、こういうことを考えてみるならば、国民が腹から協力するような、納得するような問題は実にここにかかってこなければならない。いわんや生活再建計画という一つの大きなものをここに負わせておくのだから、これをするのだから、一つ若干の先祖伝来のものに対する執着はあるだろうけれども、これにかわるものは必ずこういうことにするのだからということで、一つの約束がなされるのでなければだめだ。繰り返して申し上げます。この条文がどういう意味なんだ、そんなことを聞いておるのではない。その点についての考え方を的確に明示されたい。

関盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(関盛吉雄君) 生活再建等の措置というのは、補償金でもって収用使用の効果がすでに発生しておるわけでございまして、従って補償金の問題とは別個に新たに生活再建の措置を規定したわけでございます。従って今日のような時代になりますと、適正な金だけの解決では今後のいろいろな生活のなりわいを営むことが困難な事態になっておりますので、たとえて申しますれば、大都市で大きな幹線道路を東京あたりで作りますと、こういう場合におきましては、現実にその沿道におる人を、うしろの地域に大きな住宅団地を作りまして、そうして補償金は補償金で払うけれども、別途その人たちを収容するところの建物を都が作りまして、そういう人たちに入居をせしめる、こういうふうにいたしまして、現実の生活再建を都が実施いたしておるわけでございます。そういう意味の事柄をこの四十七条の規定に書いたわけでございまして、お説のように義務とすると、これは法律の体系といたしましては、確かにこの特定公共事業を実施する人が補償金の一部として行なうという場合におきましては、現物の給付は義務でございます。しかしそれはもうすでに解決をしておる。しかし金を持っているだけじゃこれはとても将来の生活の基盤を維持する適当な場所がないというふうな場合に、ただいま申し上げましたいわゆる公社あるいは都が、店舗付きの住宅をブロックで作りまして、その中に入居をしてもらうような計画を進めて、そうして道路の整備をやる、こういうのをこの生活再建の対償と相まって行なう措置と、こういっておるわけでございます。これはお言葉ではございますけれども、補償金はすでに解決いたしておりますので、法律の立場としては義務とはちょっと書きにくいのでございますが、今回の第五項の規定は、そのような趣旨を実施するように努めるということが、今申しましたように実効が上がる、生活再建措置を補償金の給付と相まって実施するということで、その手配を十分にいたすという精神の規定でございます。

稲浦鹿藏自由民主党

○委員長(稲浦鹿藏君) 午前中の質疑はこの程度といたしまして、午後一時半まで休憩いたします。    午後零時十四分休憩      —————・—————    午後二時二分開会

稲浦鹿藏自由民主党

○委員長(稲浦鹿藏君) 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。  武内委員から岩手、青森両県の大火について緊急に質問したいとの申し出がありますのでこれを許可いたします。  なお、大臣は衆議院における水資源の委員会が開かれるまでの約束ですから。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 すでに昨深夜から今朝にかけましてラジオ、新聞等で御了知と存じまするが、昨日来の台風四号の被害が特に東北、北海道地方に現われまして、しかもその風速が二十三メートルから四十メートルをこえるおそるべき速度をもって現われておったのでありまするが、私どもは昨夜非常に何か災害の起こることのないようにと心配しておったことがすでに現われて参りました。御承知の通り、岩手県、青森県において甚大なる災害をもたらしまして火災が各地に起こったのであります。  第一は、岩手県下閉伊郡田老町の部落四百四十八戸をこえる約五百戸の労働者家屋が焼失しております。さらに岩手県宮古市においても出火を見て数個部落が焼失しておる。青森県の八戸市において三島下地区から鮫にかけまして約五百戸に及ぶ災害が見られておるのであります。その前に青森県の八戸市の中学校の建築中の校舎が倒壊しております。弘前において小学校の校舎の屋根が吹き飛ばされまして、学童に三十数名の負傷者を出すに至っておるのであります。本日の新聞によりますると、青森県、岩手県を通じまして約千戸に及ぶ家屋が焼失し、死者並びに負傷者も多数の人数を出して、その被害はおそるべきものが出ておるのであります。御承知の通りこの地方は昨年チリ津波の被害を受けて惨たんたる状態に陥ったことは御承知の通りであります。チリ津波を受けまして満一年、ようやく一年を経過いたしました今日、またこのような火災に見舞われまして、あのような東北の辺地で復興の望みがほとんどないというのが想像されるのであります。ことに先ほど指摘いたしましたが、下閉伊郡田老町等においては、これは陸の孤島といわれているきわめて辺陬な地域でありまして、ただでさえ生活のきわめて低い地方でございまするので、この復興が私は真実に誠意のこもった政治によるあたたかい手が伸べられなければならないと考えるのでありますが、これにつきまして今にわかに詳細なる報告をいただけるかどうか私は存じませんが、もしいただけるならばいただきたいと思うのでありまするが、詳細なる調査が進められて参りまするときにその報告をできれば速急にいただきたい。三十一日かあるいは来月早々その報告によってまた御検討申し上げたいのでありまするが、これにつきまして建設大臣といたしましてこれが救済の手をどういうふうに伸べられるお考えであるかどうか、一応伺っておきたいと存じます。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 突如として田老町、宮古市及び関連の付近の町村、それから青森県、八戸市に異常な火災災害が起こりまして、私どもも急遽これに対する対策を今進めておるところでございます。本日、住宅局を初め計画局、まあ八戸市としては都市計画についてもこの際考慮をしたいという御意向のようでありますから、計画局からも都市計画関係の係官、それから住宅金融公庫からも、災害復興住宅資金の貸付を迅速にするために、現地と打ち合わせまして、じきじき調査に出張させることにいたしております。それからこの災害地域の住宅復興でございますが、一つは御承知のように住宅金融公庫の災害復旧住宅資金の貸付、これを十分に行き届くように現地の機関を動員しまして努力をまず第一にいたします。それから公営住宅の関係でございますが、これにつきましては公営住宅法の規定しておるこの第八条の運用で、できるだけ最高の道を一つ講じたいと思っておるのでありますが、条文の解釈上、目下大蔵省と実は交渉いたしておる段階でございます。この条文によりますると、被災全域が五百戸以上、または一市町村の区域で二百戸以上の火災、二百戸以上が地震、暴風雨洪水、高潮その他異常な天然現象により災害をこうむった場合、あるいは火災の方で申しますと、全域で二百戸以上、工市町村の住宅戸数一割以上、こういうことになっておりますので、八戸は当然これが適用できますが、岩手県下の災害の場合は、住宅戸数が一市町村の一割以上、あるいは二百戸以上とこういうのに直ちに該当しかねるような見方もありますので、しかしわれわれとしてはぜひこれを公営住宅法の八条を適用した住宅建設を進めるようにいたしたいと、これについては結局第八条の一号の方の「異常な天然現象」ということに入れられるかどうかということなんでありまして、ぜひ入れたいと思いまして今折衝をいたしております。万一入らないというような大蔵省の見解で、こちらの期待通りの法律解釈ができない場合がありましても、公営住宅についてはまだ保有分がございますから、この保有分を直ちに割り当てまして所期の目的を達成いたしたい。ただ保有分でありまする場合には、地方負担分三分の二がこの法律できめた国庫補助の範囲でございますが、三分の一を地方負担いたしますので、八条の規定の適用で参りました場合には、その三分の一について地方起債がすぐに認められぬという関係になりますし、保有分で割当をした場合には直ちにそういうふうには参りませんので、これらの関連もありますから、できるだけ地元市町村も都合がいいように結論を出したいと思いまして、目下せっかく努力中でございます。いずれにいたしましても、かような一地域に異常な災害が起こりましたので、われわれとしましてはでき得る限り最大限の処置を講じたいと思いましてやっておる最中でございます。できるだけ御期待に沿うようにいたしたいと思います。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 今大臣から誠意あるお話を承ったので、御承知の通り岩手県のこの地域はほとんど陸の孤島であります。しかも昨年のチリ津波の災害で全く叩きのめされた形になって、それでも歯を食いしばって復興のために立ち上がりつつあったときなのでありますので、法の許す限り最大なる御考慮を払っていただくように要望したいのであります。特にもうすでに災害救助法等が発動されておると思うのでありまするけれども、これなんかというのも全く天から笹の露を落とすようなものでありまするので、しかも、あるいは県当局等から見舞金等が入りましても、それも何らほとんど立ち上がりの力になるとは考えられません。しかも今日こういうただでさえ生活の程度の低く、生産力の低いところでありまするので、特に最大の御考慮と大幅な施策を要望したいと存じます。なるべくよろしくお願い申し上げます。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 承知いたしました。

内村清次日本社会党

○内村清次君 武内委員の方から大火に対するところの政府の今後の措置、それから現在までの調査ですね、これを要求されておりまするが、これは政府の方では一体いつの機会に一つ委員会の方に御報告ができるか、この答弁だけを一つしっかりやっておいていただきたいことと。  それからさらに委員長の方にお願いしたいことは、委員長の方ではまあ前例があることでもありますし、当然これは参議院として、院議でやはり関係委員会の委員、特にまた建設委員の現地慰問かたがた調査という問題が起こってくる問題であると思うのです。だから、まあ建設委員会としては、ぜひ委員のだれかを調査にやるように一つ議長の方に働きかけていただきたい、こういうことを要求いたしておきます。

稲浦鹿藏自由民主党

○委員長(稲浦鹿藏君) あと方は検討いたします。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 役所から参ります者は、ちょっと場所がへんぴなところですし、便利なところと違って行きますれば少なくとも五、六日かかると思います。できるだけ行きましたら諸般の打ち合わせを県や所在の市町村として帰りたいと思いますから、会期末までに間に合うように帰るはずですから、帰りましたらすぐに一番近い委員会の機会に御報告するようにいたします。

内村清次日本社会党

○内村清次君 ではお願いします。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 昨年この地方のチリ津波の災害の調査に委員会から委員が派遣されたはずなんであります。なお、当時の派遣されて見て参りました実情等を考慮いたしまして、今回も特に当委員会から委員を派遣されるように考慮願いたいと思います。

稲浦鹿藏自由民主党

○委員長(稲浦鹿藏君) 検討いたします。委員派遣は考慮いたします。この災害の問題につきましては、この程度にいたします。

稲浦鹿藏自由民主党

○委員長(稲浦鹿藏君) 次に休憩前に引き続いて、公共用地の取得に関する特別措置法について質疑を続行いたします。建設省関係のほかに、参考人として日本道路公団から上村副総裁、浅村理事、吉田調達部長、それから首都高速道路公団から神崎理事長、藤本理事、電源開発株式会社から藤井総裁、岡部理事、それから日本電信電話公社から平山理事、中田理事、日本国有鉄道から滝山常務理事、新幹線総局から赤木用地部長、厚生省の石橋水道課長、それから運輸省から吉田飛行場課長、それから通産省から藤岡工業用水課長が見えております。  なお、電源開発株式会社の役職員の方の参考人としての出席要求につきましては、公団の場合と同様に扱うことに致したいと存じますので御了承願います。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 それぞれの関係の方が見えておられるようですが、建設大臣が衆議院に呼ばれている関係を承知しておりますので、幾らも余裕を持っておられない。そこで私の質問中でも衆議院から要請がありましたら、そのまま出て行かれても差しつかえありません。  午前に引き続き質問申し上げますけれども、この際特に建設大臣にお聞きしておきたいことは、この中で本案の条項にわたる以外に、その前提をなしまする問題、憲法に定められてあるところのいわゆる私権と公共目的との関係です。私権の保護と公共目的遂行との調整が、この問題を検討するにあたっては一番関心を持つ問題です。これについてはいろいろ御説明の中でも違憲性はないと確信しておるというようなふうに表現され、私ども研究の途中においてもしばしばそういう工合には言われたわけです。言葉の上だけではそうですが、午前中申し上げましたような国民に腹から納得してもらえるために、もう少しそれを掘り下げてお聞きしておきたい。すなわち合憲であるか違憲であるか、少なくとも違憲性の疑いは全然ないだろうかという点について、重大な点です、これを確かめることのためは、いろいろ学者たちの意見が徴せられなければならなかったはずだと思うのです。そこでこれらの学者の意見発表の中で、何かこれに関する傾聴すべき意見がなかったかどうか、その点からお伺いしたい。どの学者も、具体的に言うならばことごとくがそろってこれは憲法十二条でも十三条でもないしは二十五条でも二十九条でもですね、どの条項に照らしてみても何らの違憲性はないものだと、頭からそういうようなふうな意思表示があったかどうか。もしそうでなかったとするならば、重要な参考にすべき意見の一、二を指摘して御説明願いたい。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) この特別措置法を制定立案するにあたりまして、憲法との関係につきまして私どもも最も重視をいたしまして、いろいろな角度から検討いたしたわけでありますが、この二十九条の「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」その正当な補償というのは、一体同時履行かどうかということについては、学説が一致して必ずしも同時履行を求めているものではない。正当な補償が行なわれることが確かであればよろしいのだ、こういう解釈に一致しているようでございます。そこで緊急裁決の場合におきましても、概算見積額をまずきめてこれを支払って、そうして最終的な補償裁決がありましたときに、差額についての金利を付して支払いの道等を明記いたしまして、必ずしも同時履行を求めていないのにしても、大体九分九厘は同時履行の形になるようにという考え方で立案をいたしましたような次第で、憲法の私権の保護との関係におきましては、まあ欠くるところはない、こういう確信を持っているようなわけでございます。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 私のお聞きしたのは、建設大臣もちろん法律家ですから、大臣の御見解だけでもあるいは満足する向きもあるだろうと思うけれども、けさから申し上げているように、大部分の国民が賛成しなければ、たとえば学者でありましても、憲法学者でありましても、一人や二人がこうだと言ったからといって、それをうのみにはしないはずなんです。いろいろ意見があるはずです、それぞれの立場において。特に、まことに不謹慎な言葉のようですけれども、むしろ今の建設大臣という一つの業業的な仕事をやっておられる大臣に対しては、純粋な法律家として、国民が満足に期待するのとは、また違った点があるだろうと思うのです。ただ大臣がこう考えたという点だけじゃなくして、重要なあれがあったのかどうか、くどいようですが、いろいろこれには問題があるわけなんです。今大臣は、主としてこれは補償についてのことですが、必ずしも同時履行でなければ憲法違反になるということではないので、九分九厘までは同時履行みたいなことになるのであるから、まずあるまい、このように言われているわけです。それを、今申し上げたように、非常に突っ込んでこのことは議論すべきはずのものであるし、されただろうと想像いたしますが、その中における意見を参考までにお聞きしたい。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) この問題は私、就任前から、昨年公共用地取得制度調査会が設置法改正によって設けられて以来、相当重点を置いて検討をした問題でございまして、その調査会当時から検討いたしました学者の意見その他内容につきましては、一つ政府委員から答えさした方が適切かと思いますから、そういうことにいたしたいと思います。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 さっきお断わりしたように、大臣がここにおられる時間がきわめて少ないでしょうから、政府委員の説明はあと回しにして、ただ大臣からはこの際私が聞いている要点についての御答弁をいただいておけばいいわけなんです、あとでそれは聞きますから。そこで結局、これを強行していくためには、補償の関係からいうと、いわゆる正当な、公正妥当な補償をすることが前提にならなければならないわけです。その正当な補償というのを、言葉だけではなくして、どういう工合にしてこれを実際になし遂げるとお考えになっておられるか。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) この点は、この特別措置法のいわば母法でございます土地収用法に、補償に関する基本的な規定をそれぞれ設けておりまするわけで、これを十分に基礎にして補償を算定することが正当な補償である、というふうに、私も実は考えておるわけでございますが、なおこの補償関係につきましては、事業の施行者によりまして若干まちまちな点もございますから、私ども午前中の会議でも申し上げましたように、用地取得審議会ができましたら、審議会でいろいろ想定のできる場面を予想し、また今まで土地収用法を適用しまして補償裁決をいたしました、各種の先例等の資料を集約いたしまして、できるだけ、だれが見ても、またどういう場合でも、同じような基準で補償の裁定ができるように、補償基準を検討をしていただきまして作成をいたしたい、こう思っておるわけでございます。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 これと関連を持つ問題ですが、衆議院でもたしか質疑が行なわれたように伺っておるわけなんです。すなわち、昭和三十五年の四月十五日に衆議院の内閣委員会で、公共用地取得制度調査会を設置するための建設省設置法の一部改正案が審議されたときのことです。そのときには次のような附帯決議がつけられておる。それは「政府及び公共用地取得制度調査会が、土地収用法の検討にあたっては、いやしくも、収用地その他の補償額決定以前に、起業者に対し、被収用者の意思に反して、その使用権を認めるがごとき公権力の強化に依り私有財産権を侵害することのないよう特に考慮せられんことを強く要望する。」という決議がなされておる。この決議をどういう工合に身につけておいでになりまするか、今の関連においてですね。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) これは補償額決定前に使用、収用するようなことは避けなければならないという趣旨の附帯決議については、極力その精神を尊重する建前で検討されまして、その結果大体最終的な補償裁決に近い概算見積りというものができて、概算補償額というものがきまってからでなければ緊急裁決はできないと、こういう建前をとっておるわけでございます。従来の土地収用法におきましても、御承知の通り緊急使用の制度がございまして、衆議院の附帯決議の精神は尊重されておるのでありますが、若干この事業の緊急性のある場合におきましては、全部の仕上げまでできなくても大体ここらが間違いのない見当であろうという見当をつけて、適正な補償の額がきめられて、概算額が収用委員会で決定されれば、この附帯決議の精神に反するものではないと、大体もうできる限り実はこの精神を尊重する建前で立案をいたしましたわけで、この附帯決議の精神は尊重しておるつもりで実はおるわけでございます。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 大臣のお答えをされるお気持の底に流れておるものは、概算見積りというものをできるだけ正確にやっていくんだからという点だと思うのですね。ところが、問題はここから出発いたしまして、その見積もりがいわゆる緊急裁決によってなされまする場合のことを言うのですが、ここまで行くんだから正確に見積ったのだと言われるけれども、そこに少なくとも起業者対被収用者との間に見解が分かれてしまうおそれがあるわけです。これは実際上の問題としてあるわけです。そこから問題が起こってしまうということを心配いたしまするから、こんなに繰り返してお尋ねしておるわけなんですが、手っ取り早くわかるように言いまするならば、たとえば土地の場合に限って考えてみると、土地の評価基準というものをどこに求められるか。今日土地というものに対する価値の考え方は、これはいろいろ違うのですよ。そのところどころによって、同じような用途に使うといたしましても、いろいろ違ってくるわけなんです。そこで、われわれが考えておることは、今日どうも的確な基準がないわけなんで、どこによられるか、どこに基準を求めた場合に多数の被収用者は納得するか、そこをどうお考えになっておるか、ちょっと伺いたい。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) たとえば、土地について申しますと、土地収用法の七十二条で、近傍類地の取引価格を考慮して、相当な価格をもって補償しなければならぬと、土地についての基準は収用法ではこういう基礎を置いておるわけでございます。従って、この特別措置法の場合におきましても土地収用法が基本法でありますから、この基本法に従いまして、やはり土地の評価をいたしまするのには、近傍における取引価格、俗に申しまする時価を標準に算定するとこういうことになるわけで、概算額を決定いたしまするについては、ただ目の子ではなしに、もちろん概算額を決定するに足るいろいろな基礎資料を得まして、それに基づいて適正な概算額を出していく。この最終的の補償裁決をしないで緊急裁決をしようというのは、大体建物とかその他施設などについて、こまかい数字の算出をしたり、集計をしたり、あるいはものによっては、他の資料によればもうこれで大体間違いないと思いましても、さらに念のため適切な鑑定等の手続を経る必要等がある。こういう手続や集計や細密の算出のために手間取って、そのために土地収用が遅延して困るというような場合に、緊急裁決が行なわれるということになるわけでございますから、まず緊急裁決の場合の概算見積り額というのは、どう結論が出るにしても、結論とそう開きのない数字と、こういうことになると思うのです。そこでたとえ多少でも開きが出ました場合には、ただ差額をあとから補てんをするというだけでなしに、その場合には金利を付して支払いをするということにしまして、できるだけ権利者の保護に欠くるところのないように努めていこう、というのが大体この立法についての考え方でございます。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 後段にお答えになりましたいわゆる補償裁決、それについてはよくわかっております。この点について申し上げておるのではないので、あくまで特別収用に関する緊急裁決の場でお伺いしているわけですが、そこで今お答えになりました基準というものを近傍におけるいわゆる取引相場というふうに言われたわけですが、私はそれは危険だと思うのです、実際は。私はけさから主として被収用者の利益擁護のために、その立場に立ってお伺いするということを前提としてしまったのですけれども、この場においてはそれだけではないのです。やっていきまする今度は公共の事業である限りにおいて、反対の立場に立つ一般国民の立場から考えてみると、ただそれだけの考えでは非常な危険なものがある、こう考えるのです。たとえば今土地がめくらめっぽうにまるきり思惑で、何一つのうなずける要素もないにかかわらずぐんぐん高騰し始めて、ほとんどとどまるところを知らぬという状態、そうであればこそこういうものをやることになったからこうしなければならぬということになってみたり、あるいはほかの住宅公団等の場合においても、これは本法によらない他の事業にいたしましても、いろいろ用地取得について悩んでおられることは、これは事実なんです。国民もまた何とかしてこれを押さえなければなるまいという声さえ非常にあがっておるわけです。そこで、いたずらにただ近傍における取引相場を基準にしてやっていくというようなことでいくならば、反面には非常な危険なものを引き起こしてしまうであろう。国民の大部分の者は押さえてくれろと要求しておるにかかわらず、逆に政府みずからがそういう方面をいかにも値上がりを正当づけてしまう、資格をつけてやってしまうという危険がないと言えるかどうか。私が申し上げるところの、いわゆる公正妥当という問題は、必ずしも幾らでも被収用者が喜ぶだけ、満足するだけという意味じゃ断じてありません。そうじゃないのです。あくまで公正なもの、しかも国民生活の上に悪い影響を来たさないような方法による、それを見つめながらの公正妥当な行き方でなければならぬはずだ。その基準をどこに求めるか、こう申し上げておるわけなんですよ。その点だけは非常に重要な問題ですから、これからかくかくの方法によってしょうとかなんという御見解がおありかどうか。午前中お聞きしました、いろいろ基準を作りまする審議会が肩がわりしていくような問題でも危険だと考えるし、あるいは都道府県におきまする収用委員会自体に実務を扱わせるようなことへ持っていくようなこの程度の考えでも、私はとてもそれではこの不安が去らないと思っておるのであります。この点について、いろいろさっき申し上げた憲法違反の疑いなきやの問題とあわせつつ、学者たちも何かこれに触れられて議論されたことはなかったでしょうか。さらに繰り返すようですが、これについてもっとはっきりした何か御信念をお聞かせいただきたいと思うのです。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) お話のように時価とは何ぞやについては非常にむずかしいことで、この点は収用しようという方と収用される立場の者とでは、やはり見方なり考え方に相当開きのある場合が多いと思うのです。それで収用法で基本的にきめておりまする精神は、通常受くべき損害を補償しなければならぬというのが建前でございますから、やはり考え方としましては、土地についていえばやはり時価を補償する、その時価が不当に高くてもいけないし安くてもいけない。そこでいずれ審議会ができましてあらゆる角度から補償基準をきめて、個々の統一の上に立ってこの法律の運用をしていきたい、こう思っておりますが、従って、この時価の見方については収用する方の施行者の立場もありますが、むしろ収用委員会の方で最も公正な立場で近隣の土地価格、取引価格、いわゆる時価というものの算定をして、その結論なり、緊急裁決をする場合の概算額なりを出していくことになると思うのであります。従来ややもすれば公共用地の取得が高値で、つり上げをして、それが一個所できますと右へならえをして、どうも地価がつり上げられているという非難が一部にございまして、われわれもそれを耳にいたしておるのでありますが、従来は土地収用法による土地収用手続を経て参りますと、非常に手間が長くかかりますので、何とか話し合いをつけたいということのために、ときにどうも奮発をし過ぎるという傾向もあったかと思うのでありますが、この法律ができますれば、不当に安くももちろん補償はいたしませんし、正当な補償で、またつり上げ等の非難される事態にもならないように、自然この法律がなかったときよりは私は適正なものになっていくことが可能である、ぜひそういうように努めて参りたいと思っておるようなわけでございます。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 この法律がなかったときよりかは、まあ一歩前進だ、それはそれに違いありません。そうでなけりゃならぬはずです。もう少しさかのぼってしまいまするならば、昭和二十五年にGHQ指令によって公益事業令というものが発令された。今までの公益事業者の公用使用権は、私有財産の所有者に対して公用収用の手続があまりに簡単過ぎて、私有財産軽視のおそれがあったので、そこで公共性と私権の対立については、私権に重点を置くように改めなきゃいかぬという趣意だったはずであります。これによりましてついには一般からは公共性の高いものとして考えられておったということ、たとえば電気事業法のごときものが改廃されてしまったということになっておるのだと承知しておるわけでありますが、ことほどこれには重要な問題が含まれておると実は考えるわけなんです。今論点になっておりまするところのいわゆる正当な補償なりやいなやの問題について、不必要な思わない難問題を提起してしまうことでございまするから、なるべくこういうものを、これは先般の法の適用に及ぶ問題でございますが、それはそれとしてとっておいてこういうような立場からしますると、ここに一つの評価の基準というものが整備される方法を真剣にお考えにならなければいけないと、こう考えるわけです。この事柄については非常にむずかしい問題であることは百も承知でございますので、これはあとになりましても、この際は注文申し上げておきまするが、どうぞ十分真剣に御検討願いまして、個々に脆弱さが現われてしまいますならば、これは根こそぎにだめになってしまうわけなんです。このことを特に一つ御検討いただきたい。むしろこれは、御答弁をいただくのはあまりにも無理だと考えますので、むしろ注文申し上げてこの点については終わります。  計画局長にお伺いいたしまするが、必要によって、時間の都合によっては大臣からお答えいただければなおいいし、それでなければ計画局長からでいいのですが、その問題に移ります。いろいろの関係者が貴重なる時間をさいて来ておられるわけです。あと他の委員に重要な点について聞いていただくことにいたしますけれども、もう一点だけ簡単にお聞きしておきます。起業者が事業の計画をやっていく、あるいは実施の方針を定めていくと、そういうことを前提として被収用者との問にできれば話し合いをやっていく。最悪の場合には緊急裁決に基づいてやってしまう。こういう場合において、そしてそれに基づいて補償に対する緊急裁決もやっていくと、こういうことをたどってきまして、途中でその事業の計画なり方針なり、あるいは現実の実施面というものに変更を来たした場合において、またそこで厄介なもんちゃくが起こってしまうわけですね。そういうことを阻止する道はどういうふうにお考えになっておりますか。

関盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(関盛吉雄君) ただいまのお尋ねは法律的に申しますと、特定公共事業の認定を受け、しかもその事業が土地収用法の事業認定の効果を持っておりますから、それに従って手続を進めていきますが、事業計画の変更は、まさに当初認定を受けました特定公共事業としての認定の効力の内容に影響を与えることは、もちろんでありますので、それは元からやり直していかなければならぬ、手続上。そういう形になるのでございます。今回の特別措置法におきましては、特定公共事業の認定を受ける前に、事業の説明等の規定を設けまして、事業計画を事前に十分に検討をいたしますと同時に、起業者とされましては、さらにその事業計画の内容の実施につきまして、関係地区内の人々の意見を十分に聞く機会を取りまして、できるだけ妥当なものはその計画の中に取り入れられるような措置等もあわせて考慮いたしまして、この事業の円滑な実施を考えておりますが、お尋ねのような、事業計画そのものが、特定公共事業の認定を受けた内容のものと違ってきているものでありますれば、本則に返りまして、事業計画の変更の手続をとらなければならないわけであります。

稲浦鹿藏自由民主党

○委員長(稲浦鹿藏君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

稲浦鹿藏自由民主党

○委員長(稲浦鹿藏君) 速記をつけて。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 さっき違憲性ありやなしやの問題について、大臣からはあらましのことで、詳細については計画局長の方から説明してもらいたいということだったので、その御答弁だけをこの際いただいておきたいと思います。それからさらに私はまだ他の質問が残っておりますので、これは次に留保したいと思います。

関盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(関盛吉雄君) 先ほどのお尋ねの点は憲法第二十九条の関係でございまして、憲法におきましては「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」という規定になっておりますので、今回の特別措置法におきまして、その補償金の支払いをもって、収用または使用の効果を達成するということにいたしておりますが、この特別措置法の規定は憲法の規定に違反するものではないということは、最高裁の判例及び学説の通説として認めているところであるということになっております。いわば、大臣も先ほどお答えになりましたように、いわゆる私有の、私人の財産を公共の用に供するためには、正当な補償をしなければならぬことはもちろんでございますが、その補償が財産の供与に先立って、またはこれと交換的に同時に履行されるということを、憲法は規定をそこまではしていないということでございます。この点につきましては用地制度調査会の委員の方には東大の田中二郎先生なり、また憲法の一橋大学の田上先生も委員として入っておられまして、同様な見解でございますし、また宮沢博士も、古くは美濃部博士も、また最近の公容取に関する著者を出しておられます柳瀬良幹、東北大学の先生、あるいは今村教授、その他各学説なりまた御意見等は、それぞれの著書において述べられておりますので、この点につきましてはそのような解釈を述べておられます。ただこの法律におきましては、それに即応いたしまして遅滞なく補償裁決をいたしますと同時に、先ほどお答えのありましたような清算金等に対する利息を付する、というふうな十全の措置をあわせて講じておりますという次第でございます。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 ちょっと答弁がピントがはずれてしまっているのですが、さっき私が、大臣がおられたときに、このことについては大臣がもし時間が許せるならば大臣からでいいし、そうでなければ計画局長からでもいいんだと、こう前提して申し上げたその趣旨というものは、今のこの程度を聞いているのじゃないのです。これは今あなたがお話しになったのは大臣が言った程度であって、それじゃなしに、概算見積りによるところの先払い制度というものが必ずしも正当な補償だということにはならないのだ、的確にいうと。むしろこうやってみてもそこにはさっきいろいろあれを具体的にお話ししたように、ここが被収容者と施行者との間に、いわゆる起業者、これとの間における分かれ道になってしまうのだ。しかも、これでやってすぐ起業者が収容委員会にこれだけの手続をとっていただいて概略見積りをやる。いわゆる仮補償です。収容の効力が発生するとすぐ着手してしまう。しかしそれをあとでいろいろ補償裁決を求めて、こういう工合にやっていくのだから、そこで必ずしも同時履行でなくても違憲性というにおいはすまいと、九分九厘まではそうだと大臣見ておったわけなんだけれども、実際問題としてはそうであっても、事業をやった方については、もう次に来るものは大きな政治力が加わってしまうのだから、なかなか被収容者の利益を完全に守っていくということにはならないのだ。そういう問題を含みつつ、憲法違反になるかならぬかの点を学者たちが議論されたはずだと思うのだが、それの中にこれに類似する傾聴すべき意見がなかったか。あったとすれば、それはどういうような工合に表現を用いられたかということを聞かしてくれぬかとこれを聞いたわけなんです。

稲浦鹿藏自由民主党

○委員長(稲浦鹿藏君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

稲浦鹿藏自由民主党

○委員長(稲浦鹿藏君) 速記をつけて。

藤田進日本社会党

○藤田進君 それではただいま議題になっておりますこの公共用地の取得に関する特別措置法について本日、日本道路公団、首都高速道路公団、電源開発株式会社、日本電信電話公社、日本国有鉄道、この方々に他の委員の質疑もあるようでありますから、若干の点を個別でなしに質疑をいたしますので、逐次一つお答えを各事業団体にお願いをいたしたいと思います。  この法律は、旧法の土地収容法についての特別措置法という形で提案されているのでありますが、それぞれの事業者におかれてこの特別措置法を必要とするという具体的な事例の最も顕著なものを一つだけずつ、こういうことで困ったということがありますれば、簡潔に一つそれぞれお答えをいただきたい。例は一つでよろしい。それから自分のところはそんな困ったことはないなら、はないということでよろしいのであります。まず日本道路公団から、このプリントをもらっておりますからその順位でお願いしたいと思います。

上村健太郎日本道路公団副総裁

○参考人(上村健太郎君) 例を一つというお話でございますので一つだけ申し上げますが、名神高速道路の山科というところで、ある個人が宗教の霊地であるということを理由にいたしまして、立ち入りも承諾いたしませんとしまた協議にももちろん応じないのでございます。一年半ほど前に事業認定を受けまして裁決申請を去年お願いをいたしておりますが、いまだに解決しておらないのでございます。一件だけ申し上げます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 首都高速道路公団……。

藤本勝満露首都高速道路公団理事

○参考人(藤本勝満露君) まず私の方では実は高速道路の一号線という中で一つ例を申し上げたいと思います。実は港区芝の海岸通でございまして、土地、家を持っておる者とそれを使っておる人とが違うわけなんです。しかも工事は三十四年からその場所においてはもうかかって、付近の場所については全部話も済んだわけでありますが、そこに持っておる方とそれからそれを使っておる方との間に争いがあり、訴訟にもなっておるような事態なのでございます。高速道路でございますので、そこにどうしてもピアを立てて高架にしなければならぬ場所でございますので、そこの場所だけが一本ピアを立てることができない、こういうような事態が起きております。たまたまその所有者側におきましては現在了解がつきましたが、利用しておる方との間にはどうしても話がつかない、こういうような事態については、もうその付近の仕事が全部進みつつあるものでございますので、こういう法律が活用できるならば非常に幸いであり、仕事もよりスムーズにいくんじゃないか、こういうことを期待しておる例の一つでございます。

稲浦鹿藏自由民主党

○委員長(稲浦鹿藏君) 次に電源開発の藤井総裁。

藤井崇治電源開発株式会社総裁

○参考人(藤井崇治君) 私の方にも数件そういう実例がございまするが、一件だけ典型的な事例を申し上げます。  昨年十月十日付をもちまして建設大臣に事業認定の申請を行ない、他の関係市町村に直ちに公衆縦覧を行なったのが、高地県の奈半利川の関係の魚梁瀬発電所の建設工事についてであります。ところが十一月中旬に大体の手続は完了したのでありますが、そのうちで安芸市だけが今日まで七カ月経過いたしておりまするのに、まだ縦覧の手続を拒否しておるのであります。その理由とするところは、全然発電所の建設に関係のない道路を建設せよ、作れという条件でございまして、これは関係のあることならばもちろん会社といたしましては十分考慮しなければなりませんが、発電所に全然関係のないところの道路を建設するということはできませんので、その点をお断りしておるのでありますが、先ほど申しまするように、今なおデッド・ロックに乗り上がっておりますので、未だに工事を着手するに至らないような次第であります。

稲浦鹿藏自由民主党

○委員長(稲浦鹿藏君) 次に日本電信電話公社の中田理事。

中田亮吉日本電信電話公社建築局長

○説明員(中田亮吉君) 電信電話公社関係におきましては、現在非常に困っております一例を申し上げますと、東京におきます兜電話局、御承知のように茅場、兜、あのあたりは非常に混んでおります。これの隣地を買収して電話局を増築しようという計画があります。前年からいろいろ交渉しておりまして、一人の持主だけはわれわれの方と大体協定が成立したわけでありますけれども、あとの方がどうしても譲っていただけませんので、これがすでに一年六カ月ないし二年近くも交渉を続けておりますので、どうしてもあそこに増築しようということが、未だにこれができないという状態であります。

稲浦鹿藏自由民主党

○委員長(稲浦鹿藏君) 次に、国鉄赤木用地部長。

赤木渉日本国有鉄道新幹線総局用地部長

○説明員(赤木渉君) 一件だけ申し上げますが、私どもの一等困りますのは立ち入り測量が拒否されますので、収用法の発動の前提として、設計ができないというのが第一前提で困っております。これは各所にございますが、今典型的なのは愛知県下でございます。御承知のように岐阜県のルートの問題でずいぶんあったのでありますが、最近ルートが確定いたしましたが、測量に入れないという次第でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 今の電信電話局は一年六カ月ないし二年ということですが、まず最初お答えいただきました道路公団の場合、その他昨年からもう行き詰まってきて困っているというふうにおっしゃるが、今度の特別措置法でいくと、それが一年もすれば解決するように理解されているんでしょうか、道路公団の方はどう考えておりますか。

上村健太郎日本道路公団副総裁

○参考人(上村健太郎君) 先ほど申し上げました一件のものが協議に応じませんために、あそこの区間全部が工事ができなくなっております。今回の法律で緊急裁決と申しますか、そういう手続きでお願いができるのではないかと思うのでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 最初に高速道路公団に資料をお出し願いたい。それは先ほど藤本君が述べられた高速道路一号線の全線にわたって買収が済んだ個所別、むろんこれは所有者別になりますが、その年月日、価額を一つ出していただきたい。それから未買収のもの、むろん個所別、所有者別ですね、その未買収の理由、たとえば先ほどお話しのように訴訟中だ、あるいはまだ話してないとか、それから法を適用した個所があったら、適用して収用委員会の方にかけているものがあればかけているもの、あっせん委員会にかけているものがあればかけているもの、こういう工合に出していただきたい。これは一番具体的に距離が短いから高速道路の方にお願いします。

稲浦鹿藏自由民主党

○委員長(稲浦鹿藏君) それではお願いします。

神崎丈二首都高速道路公団理事長

○参考人(神崎丈二君) 承知いたしました。さっそくお届けいたします。

田中一日本社会党

○田中一君 いつまでに出していただけますか。

神崎丈二首都高速道路公団理事長

○参考人(神崎丈二君) 来月の三日ごろまでに用意いたします。

田中一日本社会党

○田中一君 そこで、その資料をお出し願いますが、私、神崎さんが高速道路公団にお入りになったときに、土地の収用というものは非常に困難である。従って、もし最善な道を選ぼうとするならば、まず最初に着手するところの一号線なら一号線、二号線なら二号線というものは、一応全部正式な収用法の手続によって収用するような形をとったらどうだろうか、そうしなければおそらくあなたの仕事というものは計画通りに進まぬだろうということを、あなたはまだ御経験がないと思いまして、むろん今までは金にあかして何でもお買いになったことは御経験あることと思いますけれども、少なくともこうした法をもって取るというようなことは経験ないと思います。おそらくあなたは法を使えばすぐにでも取れるのだというような、藤本君あたりからの助言があったかもしれませんけれども、それが非常に危険であるということを再三申し上げたわけです。ほんとうに国民のためにそういう必要なものを作るならば、実際に法通りに一つやってごらんなさい。かつて今までこれを全面的に適用した例がない。ことにあの計画等は、われわれですらあの公団の法案が提案されではじめて内容を知ったようなものなんです。国会のわれわれすら知らない、ましてや国民は知りはしません。従って、オリンピック云々というような時期的な時限的な期間があるならばどうかということを申し上げたところが、あなたも一応考えてみようというお話がございました。もう御就任以来三年になりますね、二年ですか、どういう工合に今まで二年の間この事態を見て、どういうような御感想がおありになるか、まず最初に伺っておきます。これは率直に全部議事録に残してやるのですから、理事長の人柄のいいところを国民に知らしめようと思うのですから、そのつもりでほんとうのことを一つお述べ願いたい。

神崎丈二首都高速道路公団理事長

○参考人(神崎丈二君) 私、まだ実は二年になりませんけれども、二年になんなんとしているわけですが、就任当初、今、田中さんからお話の通りの御忠告を受けたことは事実であります。そうして私としても考慮いたしてみたいと考え、また考慮いたしたのがあります。がしかし一方に、これは田中さんも御理解願えると思うのでありますが、収用法等にかけずに相済むならばという気持がやはり私にはあったのであります。ことに民間から出た者でありますので、今のお金にあかせてということは経験ありませんけれども、気持としては、なるべく収用法のようなものを適用せずに話し合って相済めば、ということで考えておったのであります。幸いにして、もうどうしても収用法をかけなければならぬというところまで行ったケースもございますが、それもそのまぎわのところで片づきまして、今日までのところでは適用をせずに相済んでおるのであります。がしかし、用地問題がこんがらかるたびに田中さんの御忠言は思い出しておるのであります。今年度から来年度にかけて私の方の仕事も非常に多いわけであります。どうも御忠言に従わなければならぬような場面を生じやしないかと案じておったところへ、この特別措置法の問題が起こって、従ってこの法律の成り行きには、非常な期待を私、持っておるわけであります。

田中一日本社会党

○田中一君 これは神崎さん個人に向かって申し上げるのじゃなくて、理事長としての立場に申し上げるのですが、二年間、話し合いでもって買収ができるのだというような信念を持ちになり、かつまた、おそらく出席されておる藤本理事もその方の専門家でありますから、その自信はいまだに持っていると思うのです。実際にそういう気持をお持ちであれば、どうか自分の方だけはこの法の適用外にしていただきたいということの御意思を発表なさることが、神崎理事長としてりっぱな理事長のはずでございます。どうか自分の方だけは、自信がございます、この法律——土地収用法は適用しないで何とかやっていきます、これから除外していただきたいというくらいな決意がなくてはならぬと思うのです。私は、十年間——この法律ができ上がって十年間です、十年間るる再三再四にわたって、政府並びに各これで収用し得る事業団体に向かっては説いているわけです。第一に計画性の問題です。突如として起こるような問題はこれは別でございます。これには御承知のように災害というものが適用されておりません。災害復旧というのは適用されておらないのです。災害復旧並びにこれに関連する改良工事というのは含まれておりません、今回の法律には。これはなぜかと申しますると、復旧をする、また改良をする、その事業者に対する信頼があるからです。よりよいものを作ってくれるであろうと思うから、喜んで自分の土地をも提供することができ得るからです。しかしこれには本来ならば、災害復旧に関連するところのその部分以外の事業があるはずでございます。土地を収用しなければならぬ、全然災害を受けていない個所を用いなければならぬはずもあるわけでございます。これもこれに触れておりません。なぜ触れていないか。おそらく政府としての立案の過程においても、その場合には、災害復旧という大事な仕事であるから、その事業主体に対する信頼を持ってもよろしいのだ、また、信頼を持っているのだという前提に立つ除外だと思うのです。今、神崎さんのやっておられる仕事というのも、これは当然、国民的な大きな意味からして、当面の問題としてこれは国民が求めております、大部分の者は求めております。しかしこの事業の当初からあるところの計画性というもの、だれがこうしたかということになりますと、これは政治でございます。ことに今までの終戦後の都知事の行政の足りなさというものが、今日を招来したものです。私は全国の都市を見ております。小さな都市でも実にりっぱな戦災復興事業を行なっておる地域がたくさんございます。一体東京はどうしたかとなりますと、これはもうだれがしたか人為的なものです。自然発生的にきたものじゃございません。むろん自動車の台数が十年たったらこうなる、二十年たったらこうなるという予想が多小狂いがあろうとも、日本の歴史的な既成都市、ことに江戸時代からこの町並みというものはでき上がっておるのです。従ってあの大戦災によって大部分のものがなくなった場合に、これに対処するところの政治的な、行政的な熱意があったならばこういう不幸はみなかったわけなんです。そうして私は今、昭和二十六年に土地収用法というものを一これは政府がとうてい出し得ないので、議員提案で出したものでございますが、このときの提案者並びに政府の答弁というものを、これを皆さん方にお読みを願いたいと思うのです、なぜ、この新しい土地収用法ができたかという点。日本に新しい憲法ができまして、この憲法の精神を受け継いで、主権在民の思想から生まれたところのこの新しい収用法でございます。これはすべて国民のためにある収用法なんです。事業を行なおうとするものは、これによってすれば国民の理解のし得る——国民が納得し得る形の土地収用法なんです。私は、おそらく神崎さんは、土地収用法というもののよさというもの——いわば事業者のためにあるのでなく、国民のためにあるのだということに対する御認識が潔いものだから、土地収用法をお使いにならぬのじゃないか、こう思うのです。そこできょうはもう時間ありませんが、まだ相当四、五十時間、質問する時間がございます。あなた方にしても一日おきか毎日、こちらに御出席になっていただきたいのです。いろいろお仕事があると思いますけれども、どうか御出席いただきたいのです。私も体力の続く限り皆さん方の内容、実態というものを知りながら、かりにこの措置法が通った暁には、あなた方は何をするかという点を究極まで、あなた方の言質をとらなければ私はやめませんから、この私の心境というものは、決して神崎さん、あなた一人に申し上げておるのではないのです。いらっしゃる皆さんに申し上げておるので、従って今までどういうことをなすってきたかということが根底となります。私は今度のこの提案された法律が、ある一定の限定されたる事業であるならば、社会党としても賛成しようという態度でおったわけです。ところがまことに便乗主義——便乗的にどれもこれもみんな入ってきておる。私企業も入ってきておる。そうして一方、善良なる国民を、ごね得とか何とかマスコミも何も誹謗しながらこの法律を通そう、この法律によって安易な形で国民の財産権というものを収用しようという考え方に対しては、社会党は御承知のように数は少ないですから、これは強行すれば通るでございましょう。通った暁は何をなさるかということを究明しなければ、とうていわれわれは納得できるものではない。その意味で、神崎さんだけをつかまえて、こういうことを申し上げておるけれども、時間をかけてほんとうに慎重に審議をしてやっていきたいと思うのです。従って、きょうは私も、ちょっと四、五日旅行してきたものですから、資料が整っておりませんから、次回からできるならば当面、この収用法を担当する方々と、総裁あるいは副総裁がおいでを願うことが望ましいのであって、各政府機関並びに政府の方々も、そういう方々においでを願いたいと思うのです。従って私はきょうはこれ以上は質問いたしません、次回に譲りますが、どうか一つそういう点で十分に資料を、われわれ国民が納得する資料を御持参願いたい。それから電源開発、道路公団、電電公社、国鉄——国鉄の場合には新幹線の事例、新幹線の、今道路公団に言ったように、買収の所有者別、個所別、買収が済んだところの年月日、それから価格、未買収のもの、法適用のものというふうに分けて新幹線全線にわたってお出しを願いたいと思うのです。むろん道路公団も名神国道に対して全部お出し願いたい。それから電電公社の方は、これは今藤田委員は一つだけ言えと言ったのですが、それは全部資料としてお出し願いたい。問題のある場所、問題の理由。それから電源開発に対して申し上げておきますが、何年前ですか六、七年前になりますが、只見川で七、八軒の最後まで承知をしなかった農民がおったわけです。これは藤井さんは御存じないかもしれないけれども、そのときに反当たりたしか百十何万円という補償金を払おうとした。その七、八軒がどけばその年の年度にできるというので踏み切って、相当高額を補償しようとしたことがあった。その事実を当委員会がつかまえまして絶対にそういうことはいけない。過当な補償をしてはならないといって、八十何万かに、あなたの方に反省してもらって値下げをして妥結した。値下げというか、補償金を低くして妥結した事例があるのです。この事例を一つお出し願いたい。その経緯をすっかりお出し願いたい。

稲浦鹿藏自由民主党

○委員長(稲浦鹿藏君) 資料の要求に対しては御提出を願います。

赤木渉日本国有鉄道新幹線総局用地部長

○説明員(赤木渉君) ただいまの資料ですが、私のところ件数にすれば四、五万件ある。買収といいますか、うちの方に確保済みが約半数ございます。三十六年度一ぱいに全部完了いたしませんと、終了いたしませんと工事が間に合わないということころにきているのであります。その資料は全部のトータルの数にしていただけますれば……。個々の件数とおっしゃったが、個々ではとても出そうもない。いかがでしようか。

田中一日本社会党

○田中一君 新幹線はどこでも食いついて、うんといったところはそのまま買収していくというばらばらな計画でやっているのですか。それとも年次別に三十五年度はもっぱらこの区域、三十六年度はここからここというふうにやっているのですか。どういうふうなやり方でやっているのですか。

赤木渉日本国有鉄道新幹線総局用地部長

○説明員(赤木渉君) もちろん計画は持っておりますが、何しろ五百キロにわたります関係者であります。立ち入り禁止から、路線反対から、あらゆるケースが出ております。それで、全部こちらの計画通りにきめることは向こうが許さない。従ってできますところからやはり手をつけるという形になりますけれども、各市町村を一単位といたしまして代表者を選びまして、その対策委員会の方を選定していただきまして、その方たちと話し合いを進めておりますので不公平な価格は出ない。ただ百四市町村、東京大阪を除きまして百四市町村ございまして、その団体交渉だけでも百四カ所終了しなければなりません。その間にはいろいろな事情がございますので、部落々々で話がきまる場合がございます。あるいはまた個々に話がきまるという特別の場合もございます。

田中一日本社会党

○田中一君 それじゃ、こうして下さい。市町村が百四あるならば百四の事例を出して下さい。部落々々の話し合いのきまったもの、きまらないもの、数字だけでなくて……。

赤木渉日本国有鉄道新幹線総局用地部長

○説明員(赤木渉君) 市町村別にきまったか、きまらないかということの資料を作って差し上げます。

田中一日本社会党

○田中一君 不十分な資料ですとまた質問して資料を要求します。その点は御親切にお願いいたします。  電源開発並びに道路公団……。

藤井崇治電源開発株式会社総裁

○参考人(藤井崇治君) 電源開発の方は田子倉でございましょうか……。承知いたしました。

上村健太郎日本道路公団副総裁

○参考人(上村健太郎君) 道路公団でございますが、できるだけ資料お出しいたしたいと思いますが、今国鉄さんの方からお話がございましたように、やはり相当な距離になりますので、とても件数にしましても非常なものになりますから、従来私どもで資料として、手前どもの便宜のために作っておりますのは、大体どういうところに、どういう部分に対して地裁の抗告を申請したか、どういう件について土地収用委員会の裁決を申請したか、それがいかが相なっておるかというところを資料的にまとめて参っておるわけでございます。最初から話はまとめて——相当時間はかかりましたけれども、名神高速道路の滋賀県の栗東というところから尼崎まで、西の方の部分はおおむね話がまとまりまして、私どもはただ残った件数について最後の努力をいたしております。その中の一つに、先ほど副総裁が一つの事例として申し上げました件が入っておるわけでございます。それから栗東から東の部分等につきましては、ただいま個別交渉に全力をあげておるわけでございまして、これからまだ問題がいろいろ出てくるのじゃないかと思っております。資料的には、土地収用法の手続をとりまして、収用委員会にお願いしておりますものについての資料をまとめて持っております。それを一つ提出さしていただくということではいけませんでしょうか。

田中一日本社会党

○田中一君 それは当然今の資料をお出し願いたい。そのほかに今言う通り、南の方では大部分がきまるというなら、国鉄の方でいっているように、部落単位できめたのか、個々でやったのか、部落単位でやったのならば大したものじゃない、部落単位で出していただけばいいんです。というのは買収されたものは当然お出し願えると思うのです。おそらくその中にはでこぼこがあるに違いないと思うのです。従って買収されたものは全部出して下さい。そうしてそれが新幹線のように市町村なり、部落単位でまとめていったとするならば、その問題おわかりでしょうから出していただきたい。

上村健太郎日本道路公団副総裁

○参考人(上村健太郎君) ただいまここでどのような程度にできますか、ちょっと私も自信がございませんが、できるだけこまかくそういう点をじゃあ出さしていただくことにいたします。

藤井崇治電源開発株式会社総裁

○参考人(藤井崇治君) ちょっとお尋ねいたしますが、期日はいつごろまでに……。

田中一日本社会党

○田中一君 いつでもいいですよ。それを拝見しなければ採決ができませんから。いつでもいいですよ。会期は八日まででございます。しかしながら、もう会期延びても慎重にしなければならぬという場合には、あなたの方で十分に日をかけて正確なものをお出しになってけっこうです。しかし会期には間に合わぬことになりますから、その点は一つ……。  私皆さんに申し上げたいのは、あなた方がそういう資料をお待ちにならないで、なぜこの法律案を出すかということです。困難であるということを、あなたの方で国会議員、国民の前に明らかにしてこういう法律案を出すのが正しいのです。そういう資料がないというはずはございません。そういう資料がなしにこの法律案を出すということはあり得ないことです。国鉄にしても、道路公団にしても、かかる事例がないにかかわらず、こういう法律案が出るはずはございません。もしも従来のように、買収話し合いにおいて可能であるならば、あなた方の事業は除外するということを希望なさい。そういう調査がなくてこういう法律案が出るということはもうあり得ないのでございます。それが便乗というのです。実際に困難なものがあるならば、その困難というものをわれわれ国会を通じて国民に知らしめて後に、かかる法律案が出るのが正しいのでございます。その点につきましては、私はその資料は当然あるものと考えまして強く要求いたします。  それから政府に前回の委員会で要求いたしておきました資料は、月曜日ごろにというお話であったが、すっかりできましたか。

関盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(関盛吉雄君) 提出要求のございました資料の大部分は、調製いたしまして準備ができております。ただ一部につきまして、特に収用委員会の審議の経過を記録いたしました議事録につきましては、全体はきわめて困難な事情もございますので、サンプルをお持ちしておりますので、のちほどごらんに入れましてから御相談をいたしたいと、こういうふうに考えておったのでございますがそれを除きました資料につきましては、調製いたしまして準備をいたしております。

田中一日本社会党

○田中一君 まあ急いで作るといっているからお作りになると思うのでありますが、せんだっても申し上げたように、政府自身がどうしてもしなければならぬ仕事、決して社会党反対するのではないのです。公共事業というものは社会党が政権をとってもどうしてもやります。しかも国民が納得する形でやります。もう自衛隊の費用なんかはどんどん公共事業に回して、神崎さんの仕事、それから国鉄の仕事等をどんどん大いに援助します。しかし、今回こういう法律案を出すということになりますと、当然それらの問題点というものは事こまかに、観念的じゃなくて実体論として明らかにされて、こういうふうになったと思うのです。私は、いずれ明日、各参考人、学者等を呼んで伺います。その後にこの審議会のメンバーをそれから呼ぶのでございます。審議会の審議の過程において、ただ観念的な文字だけの諮問が出たのかどうか、実際に全国的な困難性というものをあらゆる面から検討されて、ああいう結論が出たのかどうかという点は、これから審議会の委員、調査会の委員には伺っていきたいのです。それには、まず、今伺ってみると、あなた方の手にはそういう資料の調製がない。ただイージーな気持でもってこのりっぱな土地収用法という法律をそのまま使わずして、仮収用なんという事態を犯していくなんということは、これはあり得ないことなんです。あなた方の事業というものは、あなた方の個人のものじゃないのです。またあなた方の企業体のものでもないのです。全部国民のものなんです。決して最善を尽くしているとは見られません。それには今申し上げたような資料がちゃんとあって、そうして調査会の委員並びに当国会に提案されなければならないのです。まあ政府から出るところの資料を拝見いたしまして、不十分なら追加して要求いたします。  きょうは、私はこの程度にしておきます。

稲浦鹿藏自由民主党

○委員長(稲浦鹿藏君) ほかに御質疑ありませんか。——ほかに御質疑がなければ、本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十五分散会      —————・—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗