建設委員会 第22号
- 発言数
- 76 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/04/20
会議録
○委員長(稲浦鹿藏君) ただいまから建設委員会を開会いたします。 本日は、初めに三案につきまして説明を聞いた後、防災建築街区造成法案について質疑を行ないたいと思います。 まず初めに、特殊土じょう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 提案理由の説明を願います。
○衆議院議員(瀬戸山三男君) ただいま上程になりました特殊土じょう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案は、衆議院におきましては建設委員会の提案となっておるわけでありまして、理事の私がかわりまして、その提案の理由を申し上げます。 本法案の目的といたしますところは、現行の特殊土じょう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正して、同法の有効期限をさらに五年間延長しようとするものであります。御承知の如く、九州、四国、中国から中部地方にまたがり、シラス、ボラ、コラ、赤ホヤ、花こう岩風化主、富士マサ等におおわれた、いわゆる特殊土じょう地帯は、その風土的悪条件から、台風、豪雨等による被害を特に著しく受けやすく、またその農業生産性も著しい低位を免れない状況にあるのでありまして、これが対策の実施は緊急の必要があるのであります。 かかる実情に対処するため、さきに、昭和二十七年四月、議員立法として特殊土じょう地帯災害防除及び振興臨時措置法が制定され、さらに三十一年三月に、期限延長の一部改正をいたしまして、同法に基づきまして、治山、砂防、農地保全、土壌改良等の対策事業が実施されて参ったのであります。 今日まで九年間におけるこれら対策事業の実績は、相当の効果を上げたと申すべく、同法の目的といたします災害防除と農業振興の両面にわたって著しい進歩改善がなされ、地域住民の福祉向上に多大の貢献をなし、大きく感謝されておる次第でありますが、翻ってその進捗状況をみますと、必ずしも満足すべき状態にあるとは言えないのであります。すなわち、さきに内閣総理大臣が定めた昭和三十二年度から昭和三十六年度に至る第二次五カ年計画の昭和三十五年度までの事業進捗状況は、ようやく計画の五七%程度にすぎないのでありまして、現在の五カ年計画は、実施可能の規模に極力圧縮したものであって、早急に実施を要する重要事業であっても、あえてこれを今後にゆだねているものが少なくないのであります。 かくして、この際、現計画の残事業の完遂はもちろん、さらに新たなる事業計画の策定によって、より効果的な対策を強力に推進することは、国土保全、民生安定のみならず、現在わが国施政の至上命題となっております所得格差縮小の見地からも、その重要性はまことに大きいものと言わざるを得ないのであります。 そこで、同法は来たる昭和三十七年三月を最終期限としておりますので、ここに同法の一部を改正し、昭和四十二年三月三十一日までその有効期限を延長して、所期の目的を完全に遂行したいと存ずるものであります。 以上、本法案の提案理由を簡単に御説明申し上げましたが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(稲浦鹿藏君) 本案についての質疑は、次回に譲ることといたします。
○委員長(稲浦鹿藏君) 次に、建築基準法の一部を改正する法律案を議題といたします。 提案理由の説明を願います。
○国務大臣(中村梅吉君) ただいま議題となりました建築基準法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨を御説明申し上げます。 御承知の通り、建築基準法は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護をはかり、もって公共の福祉の増進に資することを目的として昭和二十五年に制定され、数次の改正を経て今日に至っております。 しかしながら、近年における人口の著しい都市集中に伴う市街地における建築物の密集と自動車交通の激増等、社会情勢の変化に伴い種々実情に沿わない面も生じて参りましたので、今回、同法施行の実績に徴して慎重な検討を加え、所要の改正をいたそうとするものであります。 今回の改正の主要な事項は、次の通りでございます。 第一に、市街地の整備改善をはかるため、建築物に関する制限の特例を設けたことであります。すなわち、建設大臣が都市計画上市街地の整備改善をはかるため必要があると認める場合において、防災建築街区、住宅改良地区その他建築物及びその敷地の整備が行なわれる地区または街区について指定する特定街区におきましては、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合、高さ及び壁面の位置について、その街区の整備を主眼とする規制を行ない、そのかわりに、従来実施しております建築物の建蔽率、高さ等に関する制限規定を適用しないこととし、その街区の整備改善に関する制限の合理化をはかることといたしました。 第二に、自動車車庫及び自動車修理工場に関する規定を整備したことであります。自家用の自動車等を格納する小規模な自動車車庫に対する防火上の構造制限の一部を緩和し、また、自動車修理工場につきましては、自動車交通の発達に伴い、商業地域内に建築できる規模の限度を若干引き上げることといたしました。 第三に、特殊建築物の防火に関する規定を整備いたしたことであります。すなわち、最近の災害例にかんがみ、キャバレー等の用に供する建築物または自動車修理工場の用に供する建築物で一定規模以上のものについて、防火上の構造制限を強化することといたしました。 第四に、違反防止の措置を強化したことであります。法令に違反することが明らかな工事中の建築物について確実に工事を中止させるため、一定の場合に工事従事者に対しても、作業の停止を命ずることができることとし、違反防止の措置に遺憾なきを期することといたしました。 第五に、建築協定に関する規定を整備いたしたことであります。すなわち、住宅地としての環境または商店街としての利便を高度に維持増進するためには、現行の協定事項のみでは不十分でありますので、建築物の用途についての基準を協定することができることといたしました。 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨でございますが、何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいまするようお願いいたす次第でございます。 ——————————
○委員長(稲浦鹿藏君) 次に、測量法の一部を改正する法律案を議題といたします。 提案理由の説明を願います。
○国務大臣(中村梅吉君) ただいま議題となりました測量法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。 御承知のように、測量法は、昭和二十四年に制定されて以来、各種測量の調整と測量制度の改善発達に寄与して参ったのでありますが、最近において、国民生活及び国民経済の基盤を拡充するための公共事業等の進展に伴い測量業務は著しく増大し、かつ、その大部分が測量業者によって行なわれるようになりましたので、測量業者の測量実施において果たす役割はきわめて重要なものとなって参りました。 このような情勢に対応して、測量の正確さを確保し、その円滑な実施をはかるためには、測量業者に対して、適切な措置を講ずる必要が痛感されますので、測量業の適正な運営と健全な発達をはかるため、測量法の一部を改正して、測量業者の登録を実施し、業務の規制及び改善を行なうことといたしました。 以上が、この法律案を提案した理由でありますが、次に、その要旨を御説明申し上げます。 第一に、基本測量、公共測量またはこれらの測量の成果を使用して行なう測量を請け負う測量業者は、建設大臣の登録を受けなければならなしものとし、登録を受けた測量業者は、その営業所ごとに測量士を一人以上置かなければならないものといたしました。 第二に、建設大臣または都道府県知事は、登録簿等またはその写しを公衆の閲覧に供さなければならないものとし、測量の発注者の便利をはかることといたしました。 第三に、測量業者の業務処理の原則を規定し、測量業者の一括下請負を禁止する等必要な業務の規制を行なうとともに、他方、測量業者は、その業務の改善または測量技術の向上のために、建設大臣に対して必要な助言を求めることができることといたしました。 第四に、建設大臣は、測量業者が登録の要件を欠くに至ったとき等におきましては、その登録を取り消さなければならないものとし、測量業者が一括下請負の禁止に違反する等、業務に関して著しく不当な行為をしたとき等においては、その登録を取り消し、または営業の停止を命ずることができるものとするとともに、測量業の適正な運営を確保するために必要があると認めるときは、測量業を営む者に対して、その業務等に関し、必要な報告を求め、またはその職員に営業所等の立ち入り検査をさせることができることといたしました。 第五に、国土地理院の長の委任を受けた者についても、基本測量の実施のための土地の立ち入り等ができることといたしました。 以上が、測量法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいまするようお願いする次第でございます。
○委員長(稲浦鹿藏君) 本案の質疑は、次回に譲ることといたします。 ——————————
○委員長(稲浦鹿藏君) 次に、防災建築街区造成法案を議題といたします。 これより質疑を行ないます。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○内村清次君 防災建築街区造成法案は、耐火建築促進法を全面的に廃止して、これにかわるものとして立案されたものでありまするが、この耐火建築促進法のどの点をどのように改正しておるか、この点を一つ御説明願いたいと思います。
○政府委員(稗田治君) 耐火建築促進法を改正いたしました第一点といたしましては、従来の耐火建築促進法におきましては、防火建築帯の指定は、防火地域内だけに限られていたのでございますが、この法案におきましては、災害危険区域であって都市計画区域内にあります地域につきましても、防災建築街区を指定することができるようにしたことでございます。 第二点は、耐火建築促進法におきましては、防火建築帯といって、帯状に指定するようになっておったのでございますが、これをさらに都市の災害防止を徹底させるために、街区というように帯状を街区に広げたことでございます。 第三点は、防災建築街区造成組合という組合制度を、従来の耐火建築促進法になかったものを定めたわけでございます。 第四点は、地方公共団体が施行する場合が、耐火建築促進法の十二条以下にございますが、その方法が実情に沿わない点がございましたので、地方公共団体の施行方法を合理的に改正いたしたわけでございます。 次は、第五点といたしまして、国の補助の体系を改めたわけでございます。従来耐火建築促進法におきましては、木造と耐火建築物との単価の差額に対する補助でございましたけれども、今回の法案におきましては、この木造と耐火建築物の差額という考え方をやめて、費用の一部を補助することに改めたわけでございます。
○内村清次君 最近、都市の不燃化ということが非常に問題になっておりまするが、この都市の不燃化ということは、これは特に必要があると思いますけれども、その対策を、政府は一体どういうふうにとっておられるか、この点を一つ御説明を願いたい。
○政府委員(稗田治君) お説のように、都市の不燃化ということは非常に緊要なことでございますが、現状を申し上げますと、都市の不燃化は、既存の市街地面積が約九億坪に及ぶのでございますが、そのうち約五%が不燃化されておるという程度でございます。従いまして、これを積極的に推進していく政府の施策といたしましては、まず政府施策住宅の公営住宅あるいは改良住宅、公団住宅といったような政府施策住宅におきまして、不燃率をさらに高めまして、できるだけ木造の建築物を少なくしていくということと、さらに防災建築街区というものを積極的に造成をしていく。また住宅金融公庫の中高層耐火建築物の融資によりまして、市街地の中の建築物を耐火建築物に建てかえを促進していく。また先般御審議いただきました市街地改造法等によりまして、道路、広場等の都市施設と関連する街区におきましては、それらの市街地改造法等の施行によりまして積極的に都市の不燃化をはかるというようなことを、あわせて不燃化を推進して参りたいと、かように考えております。
○内村清次君 そうすると、この不燃化対策のこの法案は、その中心的な役割を今後果たしていくというような考え方もあると思いまするけれども、防火建築帯の造成状況は、今どういうふうな形で造成されておるのか、あるいはまた、この法案がかりに国会で審議されて、可決をするというような場合のときに、本年度におけるところの防災建築街区造成事業の事業量というものは、一体どのくらい政府の方は考えておられるか、この点、一つ承っておきたいと思います。
○政府委員(稗田治君) 昭和二十七年度から防火建築帯を指定しまして、その造成に努めて参ったわけでございますが、三十五年度までに、防火建築帯の造成事業としまして、国の補助を受けまして造成しました間口の延長は約四十五キロにわたっております。これに投入しました補助金の総額は約十億円でございます。昭和三十六年度に、この現在、御審議願っております法案が施行になりますれば、これに三十六年度といたしましては、国庫補助の総額は二億五千万円でございまして、施行を予定しております都市は約四十都市になろうかと存じております。
○内村清次君 ただいま国庫補助の総額というものは二億五千万円だ、そうしてその施行を予定している都市は約四十都市ばかり考えているということでございましたが、この四十都市の指定の仕方ということですね、これは大体、どういうような御計画ですか。 まあたとえば北は北海道から南は九州までの間で、どういうような形でやっていくというような、基準か何かありますか。
○政府委員(稗田治君) 防災建築街区の指定でございますが、法案の三条に規定してございますように、関係市町村の申し出に基づきまして、防火地域内、または都市計画区域内にある災害危険区域内におきまして指定をするわけでございます。 なお指定の仕方といたしましては、都市の枢要地帯におきまして、災害を効果的に防止するように、系統的にこの防災建築街区が配置されるように計画を立てるつもりでございます。
○内村清次君 私が申し上げますのは、そうやった第三条の規定で、関係市町村の申し出に基づいて、今後指定という問題が考えられましょうが、政府の一応の見通しとして、北は北海道から南は九州までの間に、やはり都市の非常に周密をしたところの市街地区ですね、そういった建物の混雑しているようなところを主眼としてやるということになれば、まあこの中部で、名古屋なら名古屋、大阪なら大阪を基準といたしまして、一体、どういうような割合になってくるような予想がされているかというわけです。
○政府委員(稗田治君) 従来耐火建築促進法におきまして、防火建築帯を指定しておったわけでございますが、その中で、まあ法律上の用語ではございませんけれども、重点防火帯と申しまして、ここだけは早期に完成しようというようなことを目標に努力を続けておったわけでございます。その従来指定されました防火帯の中で、重点防火帯というように計画されておりましたものは、今回の法律に基づきまして防災建築街区というように指定が手続を踏んで変えられるというように考えておるわけでございます。 なお全国の配分でございますけれども、もちろん災害の防止という使命を持っております関係上、災害が非常に起こり得ることが予想されるような大都市あるいは中小都市等におきまして、緩急の度合いを考慮して助成を進めていきたいと考えております。
○内村清次君 第二章に防災建築街区造成組合という章が設けられてありまして、その目的は第四条に規定されてありますけれども、なぜ組合制度というものを採用せられたのか、この理由を一つ御説明願いたいと思います。
○政府委員(稗田治君) この防災建築街区造成組合でございますが、法律上制定しようというのは、この法案が最初でございますけれども、従来の耐火建築促進法を施行して参りました場合にも、防火建築帯におきまして造成します防火帯が有効に防災の目的を果たしますように、できるだけ建物が連続して建てられるように指導をして参ったわけでございます。従いまして、従来の耐火建築促進法の施行の場合にも、地元におきまして期成同盟といったような組合が結成されまして、事業の実施を円滑に行なってきたわけでございます。目的といたしましては災害を防止する関係から申しまして、できるだけ連擔して、固まって耐火建築物が立ち並ぶ。なおその立ち並ぶ場合にも、できるだけ大規模な共同建築物の建設ということが望ましいように考えられますので、そういった大規模の共同建築ができますように、そのあっせんをする組合というような母体が必要かと存じまして、その組合制度の自主的な意図に基づきまして、都市の不燃化が促進されるようにという考え方をいたしたわけでございます。
○内村清次君 まあ第四条の防災建築街区造成組合の目的の中に、「防災建築物を建築しようとする者の共同の利益となる事業を行なうことにより、」云々という問題がございますね。こういう規定の中に、この組合が結成されておりますると、第五条は、その組合が法人格でなくちゃならない、こういった組合の性格からいたしまして、この組合に強制権というものが付与していないうようですが、これはどういうわけですか。
○政府委員(稗田治君) ただいま御意見にございましたような組合に強制権を付与するということにつきまして、われわれも十分検討をいたしたわけでございます。将来の方向といたしましては、そういうような強制権を付与するというような時期も参るかと思うのでございますが、御承知のようにこの事業は、耐火建築物を建設する事業を営みますので、非常に多額の経費を要するわけでございます。そこで、組合自体が土地を収用して、強制的に執行するということにしておりましても、その経済的な基礎等におきまして、今日の段階におきましては、なお慎重に検討をしなければならない点も若干あるわけでございます。従来の耐火建築促進の関係におきまして、できておる組合におきましても、工事の発注等におきましては、めいめいに組合員の計算において、それをあっせんして、組合が工事の委託を受けて担当しておるというような例が多いわけでございます。従いまして、組合の計算のもとに事業を執行するということは将来の方向として非常に望ましいと考えておるのでございますけれども、今日の実際の実情から申しますと、まだ組合計算で、この仕事を強制的に遂行していくというのは若干時期が早いというふうに判断したわけでございます。
○内村清次君 第四条の目的の項を見てみますと、先ほど言いましたように、共同の利益となる事業を行なうものである、これが組合結成の主たる目的ですね。それには防災建築街区における適切な防災建築物の建築を促進する、あるいは土地の合理的利用と環境の整備改善をはかる、こういった目的のために組合は強制加入というような、そういった性格を持たせておらない。もしそうであるとすれば、共同の利益となるような、こういう防災建築物の建築の促進なんというようなことをやって参ります上において、もし組合に加入をしないというような人たちが、これはまあ強制でない以上はあるわけですから、そういう組合加入を希望しないというような人たちに対しては、どういうような措置をとってありますか、これは。
○政府委員(稗田治君) 防災建築街区の造成上、できれば全員が合意で、全部漏れなく、建築物を建築できる権限を有する者が漏れなく加入することが非常に望ましいことでございます。これをできるだけ自主的に促進させようというわけでございますが、第五十一条の方にございますように、「都道府県知事又は市町村長は、組合の申請があった場合において、……組合員たる資格を有する者に対して組合への加入を勧告する」というようなことで、促進をしていきたいというように考えておるわけでございます。
○内村清次君 そうしますと、この十条によりまして、組合員の資格の問題ですが、「組合の地区内において土地の所有権又は借地権を有する者及び定款で定めるその他の者」ということに限定されておるようですけれども、「土地の所有権又は借地権を有する者」ということに限定した理由は、どういうわけですか。
○政府委員(稗田治君) この防災建築街区造成組合の組合員の資格でございますが、この法案の目的とするところは、防災建築街区内に防災建築物を建築するということが目的になっておりますので、やはりこの組合員の資格というのは、建築物を建築することのできる権限を持っていなければならないわけでございます。従いまして、「土地の所有権又は借地権を有する者」というように、一応限定したわけでございますけれども、借家人等で、でき上がりました建築物を買い取って自分のものにしたいというような方がございますれば、それらは組合の定款で、そういうものも含めるように定めることができるようにいたしたわけでございます。
○内村清次君 そうすると、まあ定款というものが、十条の規定の中に書いてあります「定款で定めるその他の者とする。」と、「その他の者」の中に、借地権者あるいはまた土地の所有権者という、たとえば家を買ったり、賃貸しているものですね、そういったものも組合員となるというようなことも、これはできるというわけですね。
○政府委員(稗田治君) 目的が、この防災建築物で街区を改造するというのが目的になっておりますので、定款で定めます場合にも、たとえば借家をしておる人が、でき上がった防災建築物の一部分の譲渡を受けようという意図のある方は、この定款で定めれば、組合員となるわけでございます。
○内村清次君 地方公共団体が、この法律の第五十五条第一項によって、この事業を行なうという場合と、それから耐火建築促進法の第十二条以下の規定によって事業を行なうという場合と、どう違っていくかですね。これを一つ、詳しく説明していただきたいと思うのです。
○政府委員(稗田治君) 従来のこの耐火建築促進法におきましては、十二条のところに、「防火建築帯の区域内において、その全部又は一部につき、当該地方公共団体の長が特に緊急に防火建築帯を造成する必要があると認める場合において、」というので強制的に造成ができるようになっておるわけでございますが、その違いを申しますと、今回の防災建築街区造成法案との違いは、従来の耐火建築促進法におきましては、土地を強制使用するということになっておったわけでございます。従いまして、強制使用されて、所有権だけを残されても非常に不利益でございましたので、その場合には、土地所有者は、逆に土地を収用してくれという請求ができることになっておったわけでございます。その点につきましては、防災建築街区造成法案におきましては、非常に都市の枢要な地区でございまして、地価の高いところでございますので、その土地を強制使用するというよりは、むしろ買い取るべきであるというので、土地を収用するということにしたわけでございます。 それから耐火建築促進法におきましては、地方公共団体が、緊急に造成する必要がある場合におきまして、強制的に執行いたします場合にも、限定されておりまして、その限定の仕方は、関係権利者が、それぞれ三分の二以上の申し出が、その限定された条件であったわけでございます。三分の二、これが土地所有者の三分の二、借地権者の三分の二、それから借家権者の三分の二と、それぞれの三分の二というようなことになっておったわけでございますが、今回の法案におきまして、は、関係権利者の総数の三分の二というように改めたわけでございます。 で、これはたとえて申しますと、都市の相当枢要な地区で行なわれまして、借地権あるいは土地所有者というものの数は、相当ございまして、場合によれば、借家権者が、たった一人というような場合もあるわけでございますが、そういうような場合に、その一人の人が反対をすれば、それぞれの三分の二という要件が満たされなかったわけでございます。それを今回は、関係権利者総数の三分の二というように、実際に運用できるように改正を考えたわけでございます。 それからなお、耐火建築促進法におきましては、地域的には、その他の付加されました条件はなかったのでございますが、今回のこの防災建築街区造成法におきまして、地方公共団体が強制的に執行できます場合には、場所的にも制限がございまして、五十五条の一項の後段の方にございますが、まず、そこに建っております建築物が適合しない、防火地域内なり災害危険区域の規定に適合しないという建築物の総数が、戸数の四分の三以上ある。なお、建築物が密集しているために災害の発生のおそれが著しいということが、一つの地区的な条件でございまして、それに二号といたしまして、当該区域内にある居住専用の建築物の建築面積が当該区域内にある建築物の建築面積の合計の四分の一以下であるというような条件がついておるわけでございます。なお、また、三号といたしましては、「防災建築街区造成事業の完成が、当該都市における災害の防止及び都市機能の向上に著しく貢献するものであること。」という抽象的な考えがなお付加されておるわけでございますが、具体的には、ただいま申し上げましたように、まあ二号が、一番関係が強いかと思うのでございますが、建築物のうち四分の一以下が住居専用の住宅の建築面積であるという制限がついておるわけでございます。 次に、従来の耐火建築促進法におきましては、地方公共団体が施行する場合には、補償金の担保の提供ということが必要であったわけでございます。従いまして、地方公共団体は一時、金を二重に準備する必要があったわけでございますが、今回の法案におきましては、補償金の担保の提供は不要というように改めたわけでございます。 次に、強制的に執行した場合のあとの補償の方法でございますが、これが従来の耐火建築促進法におきましては、一部の権利者につきましては、非常に不利になっておったわけでございますが、それを今回、市街地改造法の準用によりまして合理化いたしたわけでございます。 具体的に申しますと、もとの耐火建築促進法におきましては、旧土地所有者というのは、新たな建築物の一部の所有権及びその敷地の賃借権または新たな建築物の一部の賃借権を取得するということになっておりまして、また、旧借地権者は、新たな建築物の一部の賃借権を取得するというようになっておるわけでございます。それから旧借家権者は、新たな建築物の一部の転借権または賃借権を取得する、こういうことになっておったわけでございますが、今回の法案におきましては、旧土地所有者は、新たな建築物の一部及びその敷地の共有持分を取得する、また、旧借地権者は同様に、新たな建築物の一部及びその敷地の共有持分を取得する、また、旧借家権者は新たな建築物の一部の借家権を取得する、こういうように、市街地改造法にならいまして補償を講ずるわけでございます。借地権者の場合が、従来は借地して建物を持っておった人でも、新しくできました防災建築物の一部の賃借権を取得するはかなかったわけでございますが、今回は、やはりできました建築物の一部及びその敷地の共有持分、所有権も取得できるように変わった点が非常な相違でございます。
○内村清次君 この内容の点につきましては、また二、三私もお聞きしたい点もありますが、総括的な意味でございますから、あと耐火建築促進法の第七条ですね、この第七条によります、国庫補助の問題、それと、防災建築街区造成法案第五十七条の補助の問題、これが一体、どういうふうに違っておるかですね、この点を一つお聞きしておきましょう。
○政府委員(稗田治君) 耐火建築促進法におきましては、補助金は、防火建築帯の中に建つ建物につきまして、耐火建築物と木造建築物との標準建設費の差額の四分の一を国が補助することになっておったわけでございます。もちろん、この四分の一の国庫補助と申しますのは間接補助でございまして、地方公共団体が、さらに四分の一の補助金を加えまして、建築主には、差額の二分の一の補助金がいくようになっておったわけでございますが、今度のこの法案におきましては、木造と耐火建築物の差額という考え方を改めまして、法文には、「予算の範囲内において、政令で定めるところにより、その費用の一部を補助することができる。」となってございますが、大規模の共同建築物の建築を促進するために、その基本計画の作成でございますとか、また、既存建築物の除却工事、それから共同付帯施設、下水や水道等の屋外の付帯でございますが、そういうものの設置に要する費用等につきまして、国はその三分の一を補助するというように考えておるわけでございます。なお、この場合も、地方公共団体は、同様に三分の一の国と同額の補助を加えまして、三分の二の補助金がいくわけでございます。補助金を従来の四分の一から三分の一というように切りかえましたのは、木造と耐火建築物の標準建設費の差額の四分の一という従来の金額でございますが、出資されておった絶対的な金額を下回らないようにという配慮によりまして、調査設計費でございますとか、除却の費用でございますとか、共同付帯施設の費用ということになりますと、坪数が若干下回って参りますので、三分の一というようにいたしたわけでございます。
○田中一君 大臣どうしました。総括質問には、やはり大臣来なければ困るんですよ。総括質問の場合には、大臣が出席をしなかったら質疑はできないのですよ。われわれ政治的配慮というものがあるんだから、住宅局長だけ追及しても、どうにもならないからね。
○委員長(稲浦鹿藏君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(稲浦鹿藏君) 速記をつけて。
○田中一君 耐火建築促進法が二十七年にでき上がって以来、三十五年までの国が出資した補助金の額を一つ示して下さい。
○政府委員(稗田治君) 約十億でございます。
○田中一君 年次別に出ているはずでございますから、それを年次別に御報告願います。
○政府委員(稗田治君) 昭和二十七年が二億でございます。二十八年も二億でございます。二十九年が九千万でございます。三十年が六千二百万でございます。三十一年が三千八百万でございます。三十二年が一億五千三十八万でございます。三十三年が一億でございます。三十四年が九千九百九十万でございます。三十五年が一億一千三百九十三万でございます。
○田中一君 三十六年度、新法では。
○政府委員(稗田治君) 三十六年度の補助金の予算は二億五千万円でございます。
○田中一君 それから耐火建築促進法で行なわれた個人の防火建築帯の希望数——坪数はむずかしいから、希望された一つの計画でいい、大小があって非常に出し方がむずかしいから、正確なものは坪数ということになると、一番いいけれども、それはちょっと、手元にないと思うから、件数で一つ。それは二十七年から三十五年までの希望した件数、それから公共事業体が行なった件数、年次別に出して下さい。 もう一ぺん言います。耐火建築促進法で、法制定以来、個人として申し込んだ個人の申し込みの数、それから決定件数、それから公共団体の行なった件数、年次別に出して下さい。これは、むろんこの補助金で見合うわけなんですけれども、私が知りたいのは、個人の申し込みで、すでに決定された——決定ということは、結局予算で制約されるということになる。その分け方ですね、公共団体でやった場合には、どうなっているかということを知りたいわけです。
○政府委員(稗田治君) 詳細には、のちほど資料を調製いたしまして提出いたしますが、補助金を交付しまして完成しました延長——間口の延長でございますが、四十五キロになってございます。で、なお地方公共団体が、十二条以下の条文を使いまして強制的に実施したという例は、残念ながらなかったわけでございます。
○田中一君 それ一つ、個人の申し込みと申し込んだ間口ですか、間口で言っているわけですね、その申し込みの年次別キロ数というか間口数ね、それから決定されたもの、これは今言う通り決定は、実施したものは、予算に見合うものであります。それから府県別。出せるわね——私は、なぜそれを知りたいか。今この予算でわかる通り——、これはちょっと、大臣に言おうな。住宅局長の気持と僕の気持と同じなんだよ。同じでありながら、住宅局長にこういう質問するのは酷なんだ。住宅局長の心境と僕の心境と同じだからね、困ってしまう。だから、結局大臣に質問しなければならない。この法律の制定以来今日まで、常にこの予算の増加をはかってきた。ところが、常にこのように大きな波があって、政府の熱意というものに消長があったということです。 それでは、もう一つお聞きしますが、防災建築街区造成組合を結成させ、そして実施をさせるという場合の指導的役割を果たす予算というものは、どのくらいとっておりますか。この二億五千万が、全部補助金であるのか、その中に指導的な行政費が入っているかどうか。
○政府委員(稗田治君) 二億五千万円の補助金の中には、指導監督等につきます交付金も含めてございます。
○田中一君 大体、どれくらい入っておりますか。
○政府委員(稗田治君) 〇・三%程度でございます。
○田中一君 もう予算も通りましたから、これに対するところの交付先というか、府県というものが、大体わかっていると思うのですが、それはむろん、これに対する法律が通ったならばという準備の措置をしたと思うのです。従って、今回の街区造成に関する各都道府県の申し込み間口と、それから一応配分しようとしている間口——これは金はいいです、金は。これを出していただきたいと思うのです。まだそれが完全に配賦されて決定的な配賦先がきまっておらないというなら、それでもけっこうです、そういうものでも。 それから〇・三%といわれる行政費の補助、これは、今回もう見込まれている都道府県にだけ配賦をしようとするのか、さもなければ、一応建設省として、この地区は、どうしてもこうしなければならないのだという一つの考え方がある。ところが、なかなかそこまでは進まないという場合に、〇・三%を事業を行なわない都道府県、市町村等にも交付しようとしているのか、その点を一つ伺っておきたい。
○政府委員(稗田治君) 本年度施行を予定されている都市でございますが、約四十都市が申し込みをしているわけでございます。主な都市名を申しますと、東京、大阪、名古屋、横浜、神戸、釧路、山形、宇都宮、船橋、浜松、静岡、吉原、金沢、大垣、彦根、四日市、酒井、和歌山、姫路、岡山、福山、岩国、戸畑、鹿児島、今治等でございます。 なお、昨年の五月の末にありましたチリ津波の災害関係といたしまして、大船渡が従来の防火建築帯の制度で、本年度は行なうことになっております。 次に、ただいま申し上げました約四十都市の公共団体におきまして、防災建築街区の指定を行なうわけでございますが、帯状でなしに街区という指定になりましたので、その街区の造成事業も、単年度ということには必ずしもならないわけでございます。従いまして、補助金を交付いたします場合にも、その年次別の補助金ということになろうかと存じます。 それから街区というふうに面的に改正をいたしますので、間口の延長ということでなしに、面積で表示されるかと思うのでございます。 次に、指導監督関係の事務費のお金でございますが、これは、事業の行なわれるところの事務費の関係の交付になると思います。従いまして、事前にPRして、そういう気運を高めていくという費用につきましては、地方公共団体の方で負担していただこうというわけでございます。
○田中一君 この約四十の都市で、計画は全部出たと思いますが、一番長い、これは地方の、そういう各都市の財政状態にもよりましょうけれども、熱意等にもよると思いますが、大体、どんなものですか。どこは何カ年計画、どこは何カ年計画というような形でもって出ておりますか、あるいは単年度で終わるものもあるのか、その点の状況を知らせて下さい。
○政府委員(稗田治君) 基準といたしまして、年次計画でございますが、あまり長期になりましても、具体的な見通しが困難になりますので、三カ年というような年次計画で出していただくというように指導いたしているわけでございます。ただ都市によりましては、五カ年計画というので提出しているところもございます。
○米田正文君 ちょっと関連して……。今質問の中で、局長が答えられた問題で、旧法の施行の分を本年度に引き続いてやる分は、この一年間やるということになっておるのですね。旧法で指定された地域については、今言われた四十都市のうち旧法の分と今度新法でいく分と、二通りあるわけですね。その純然たる今度の新法でいく分が、その四十都市の中に幾らありますか。
○政府委員(稗田治君) この改正法案におきまして、純然たる耐火建築促進法の条文を使いまして施行いたしますのは大船渡の災害関連の高率補助の関係だけが残るわけでございます。その他のところにおきましては、新しい法律に基づいて施行されるわけでございます。ただ従来、防火建築帯として指定されたところでは、三階建を予定した二階建の耐火建築物も、中高層耐火建築物の融資の対象にいたしておりますので、それを一年間は融資の制度は、そのまま防火建築帯に残るわけでございます。
○田中一君 それから防火建築帯という考え方のものは、これではっきり解消するわけですね。なくなってしまうのですか、それとも、そのまま残るのですか。その考え方、その指定は。
○政府委員(稗田治君) 防火建築帯という考え方はなくなるわけでございます。ただ、路線上の防火地域として都市計画の地域としての地域指定は残るわけでございます。
○田中一君 大臣に伺います。今、防災建築街区造成法の質疑をやっているのですが、御承知のように、この前提となっているところの耐火建築促進法は、この法律の制定によって廃法になるということになっておりますが、二十七年に、この耐火建築促進法が成立以来、国の補助率というものは、おおむね十億程度にとどまっているのです。三十五年まで十億程度にとどまっている。年次別に申し上げますと、二十七年二億、二十八年二億、二十九年九千万、三十年六千二百万、三十一年三千八百万、三十二年一億五千万余、三十三年一億、三十四年九千九百九十万、三十五年一億一千万余、こういう形になっている。私は、ここに政府のこの耐火建築に対する考え方、認識というものが、このような消長があるということがわかるわけなんです。 私ども常に、この法律制定以来、当委員会でも予算委員会でも、常に補助金というものを増大して、そうして徹底的に防災都市としての出現を期待しておったのです。たとえば三十三年の一億にいたしましても、これは五千万というものは、たしか富山県の魚津の大火に持っていったはずでございます。よい法律を作っても、少数の国民のためのものである、常に熱意がないわけですね。今聞いてみますと、個人の希望——個人で補助金をくれという、事業を行なった申し込み数と、それから決定された数を年次別に伺っておるわけですが、そのほかに、この耐火建築促進法の一番大きな眼目というものは、また法律の大半を占めておるという条文は、公共団体が、この事業を行なうことができるんだということに尽きておるのです。これは、重要なる役割を果たすべき性質のものなんです。八〇%のその地域の市民が賛成するならば、二割は収用されて、この事業を一緒にしなければならなくなるような強制面もあったわけです。伺ってみますと、公共団体に、今日までに残念ながら約十年たって、一件もございませんということなんです。むろんこれに対しましては、地方公共団体も補助金を負担しなければならない。まあいろいろ財政上の問題もございましょうけれども、当委員会としては、常にこの問題に対する予算の増大あるいは予算の増加、増額を注文をつけて参りました。ある年などは、やむを得ない——政府の提案がゼロ、内示がゼロ、最後にゼロ——そのために、私は野党でありながら大蔵省へどなり込んで、主計官と取っ組み合うような激論をたたかわして、もちろんこれには、与党の諸君の中にも熱意を持った方がおりました。一緒になって、予算をぶん取ってきた経験も、一回や二回でないわけです。私は、いたずらに法を作って、そしてその精神を生かさないで、また形の変わった法律案を出すということになりますならば、やはり建設大臣が重大な決意を持って、反省をして、この提案をしなければならぬと思う。耐火建築促進法をごらんなさい。大部分のものは公共団体が行なう事業と書いてあるのです。それこそ望ましいと思っているのです。それが一件もない、今日までに。単に、大臣が説明された提案理由の説明の中には、こうなっております。「最近における都市災害の発生の状況と社会情勢を見ますとき、新たな見地からさらに対策を講じ、都市の防災化を強力に推進する必要が痛感されるのであります。」、こういうことを言っておられる。これが理由です。新法に持ってくるという理由です。ここに一つの反省もございません、政府は。何ら反省がないんですよ。国民の要求が熾烈にあるにかかわらず、予算化をしないで、事業を推進しようとしないで、そうしてこれだけの提案理由の説明では足りません。 私はこの際、建設大臣一つ腹をきめて、国民の名においてこの法律案を審議し、成立を願っているところのわれわれに対して、今次提案されましたところの新しい法律案というものに対する覚悟をお示し願わなければならぬと思うのです。 今も雑談で話したのですが、この私が申し上げていることは、歴代の住宅局長と、同じような熱意を持ってたたかってきたことなんです。それはむろん、道路も、河川も、その他の国土保全の事業も必要でございます。必要でございますが、建設省内部におきますところの力関係で、こういう重大な事業が等閑視されるということがあっちゃならない。私は、この法律を審議するにあたりましては、いずれ大蔵大臣にも来ていただきます。大蔵大臣にも来てもらわなければ、せっかくこうして……、今までの耐火建築促進法にしても、これが不備だから直すということじゃないのです。不備だから直すというならば、これはわかります。不備を直すということは、政府も反省したことになります。そうでない。新しい法律を出そうというこの提案が、社会性とかというような、国民に責任をかぶせるような形で提案されることは受け取りにくいです。建設大臣は、東京に選挙区を持っておられる方なんだから、これは痛感されていると思う。 それで将来の問題もありますから、この新法には、ことし二億五千万円の予算がついておりますけれども、これにまた、街区になりますと、規模も大きくなりますから、これはどうしても継続事業的な性格を持ってくる。その場合に、今住宅局長からは、大体基準を三カ年程度に押えているけれども、大都市では五カ年の所もある——そういたしますと、五カ年という計画的な事業を行なうことを約束をしているわけなんです。次年度——基準としては三年ならば、三十七年、三十八年までは継続される。その場合に、予算措置を、どういう工合に考えているか。その点を一つ十分に……。だめですよ、場当たり的な答弁をしては。これは重要な問題なんですからね。一つ大臣から、決意を披瀝していただきたい。その決意を受けて、私は大蔵大臣に来ていただいて、大蔵大臣に十分に念を押しておかなければならぬと思うのです。
○国務大臣(中村梅吉君) 今田中委員の御指摘の通り、過去の耐火建築促進法も、法律の不備というよりは、どうも政府の施策が不十分だったじゃないか、こういう御指摘でございました。実は、私ども例年関係をいたしまして、予算編成の当初に、この補助金の予算額がいつもゼロにされまして、この復活要求に努めたわけでございますが、十分な予算措置ができなかった。そのために、せっかく耐火建築促進ということが十分にはかどらなかった。この点確かに御指摘の通りだと思います。 ただ今回は、このような立法措置を講じまして、今までの防火建築帯という帯状を、今度は街区制に改めまして、これを機会に財政当局の理解も強めて、予算措置も講じて、災害の防止とあわせ、また都市の高度利用、高度建築ということも考えて、極力防災建築の促進をはかっていきたい、こう実は、私ども考えているわけでございます。 これについては、もちろん補助金の相当額を予算に計上する必要というものがあるわけでございますが、あわせて今度、この街区制によりまして、組合の制度等も新設をいたしまして、民間から盛り上がる力もこれによって一つ培養して参りたい。そうすることによりまして、補助もそうでございますが、片一方にございます住宅金融公庫の中高層建築の補助等も活用し、また自然、そういうこととからみ合って、住宅金融公庫の中高層建築の融資等の資金需要がふえて参りますれば、この方も、これは努力をいたしまして、十分の措置を——今でも不十分でございますが、充実をして参らなければならないと思っておるようなわけでございます。 私どもといたしましては、世相と現状にかんがみまして、こういうような新しい立法措置を講ずる機会に、財政当局の理解も強めて、われわれも努力をいたしまして、目的を果たすように努めて参りたい。これは、ほんとうに場当たりでなく、私ども真剣に、そう考えておるような次第でございます。
○田中一君 今ちょっと、言葉が間違いだと思うのですが、住宅金融公庫の補助じゃなく融資ですね。
○国務大臣(中村梅吉君) 融資です。補助と申し上げたのは間違いです。
○田中一君 全くその通りなんです。むろん、あらゆる面で防災街区を作るということは必要であります。どういう施策をとってもかまいません。しかし、もしも実際に他の方法で、それが促進されるならば、補助金なんか要らないです。 現に大体、これには資本金が豊かにあるとかないとかいう制限もありませんし、坪数に大小の制限も一これは政令できまっておるのかな。そういう点の対象が何であるかという場合も、今まで防火建築帯の場合には、一応の基準をきめて融資対象というものはきめておったように、規模がきまっておりますけれども、あまり、三井不動産かなんかがやるものには、たしか出していないと思うのですが、その点は住宅局長、どうですか。
○政府委員(稗田治君) 従来の耐火建築促進法におきましては、三階以上というのが、高度制限にあったわけでございます。法律上は防火建築帯の中に建つ規定に合いました建物でございますと、補助の対象になり得るわけでございますけれども、補助金の効果をできるだけ有効に活用しようというような観点から、実際の運用の面におきまして、あまり大きな資本のところとか負担力のあるところには出していなかったわけでございます。
○田中一君 今、住宅局長が言ったような行政指導をやってきたわけなんですけれども、しかしそれならば、これははっきり明記すべきです。社会保護法的な、社会保障的な、あるいはこういうことをいうと、ちょっとどぎつくなるけれども、社会主義的な思想を盛り込まなければ、こういうものの達成は見られないわけなんですよ。政府も幸いにして、そういう資金が豊かな繁栄企業には出しておられなかったということですが、それならば、もう一歩進んで具体的に対象を明らかにすべきなんです。そうして、おそらく住宅局では、全国の最も緊要な、どうしてもここは、もう他に優先してしなければならないというような個所を知っているはずです。四十都市から申し込みが、本年度の二億五千万をねらって補助してくれというような要求がきているそうですが、ただ、きているから、それに対してやるのだということでなくして、緊要性というものを、そこにまず持っていなければならないと思うのです。 そうして、たとえ申し出がなくても、国として、政府として、当然この地区はしなければならぬというような——とにかく市が単独でやる事業じゃございませんので、補助金を出す以上、政府としてこの地区こそ、どうしてもしなければならないという慫慂——行政指導と申しますかをしなければならないと思うのですよ。そういう点は、どういう工合に運用していこうとするのか伺っておきたいと思います。ただ単に申し込みがあったから、それに対して補助をするのだということだけでは、これは地方財政が、これらに出す資金があるものは申し出て参りますけれども、他の方に、いろんな問題があった場合、たとえば今の災害復旧的な役割を持つチリ津波の場合の大船渡、志津川なんていうところは、当然こういうものを作らなければならないと思うのですが、おそらく志津川なんかでは、そういう財政的な裏づけは、なかなかできないものだから、しないのじゃないかと思うのです。そういう意味で国の意思というものがこの法律を作る以上はなくちゃならぬと思うのです。造成法という、ただ単に法律を作って、地方公共団体にそれを知らしめて、地方公共団体が、単独で動けばいいのだということではないと思うのです。 その点は、どういう運用をしようとするのか、大臣に伺っておきたいと思います。
○国務大臣(中村梅吉君) ことに、今お話のありましたような津波防止等の地域等につきましては、極力こちらから推進をいたしまして、行政指導等も十分行ないまして、防災建築のできまするように努めていきたいと思います。 それから一般市街につきましても、十分に緊要性については検討をいたしまして、その緊要性がある所に向かいまして慫慂をして進めていきたい。三十六年度としましては、補功績はすでに予算で決定しておりますので、この範囲内でまかなうよりいたし方ございませんけれども、新しいこういうような新制度を、国会でおきめ願えて立法化することによりまして、私ども、次年度以降の予算編成にあたりましては、この緊要性を説いて、極力推進のできるように努めていきたいと思います。
○田中一君 基準として三カ年完成ということになっているそうですが、この年度別完成比率は、どういう工合に考えておりますか、住宅局長。三分の一ずつでいこうとするのか、あるいは初年度はどうするという、何か計画があると思いますが……。
○政府委員(稗田治君) 都市全体の防災建築街区は、枢要な地区で系統的に効果的に、やはりやるわけでございますが、先ほど三カ年といったような計画を申し上げましたのは、その都市全体についての防災街区の造成で申し上げたわけではないのであります。帯状から街区に広がりましたので、それは面的に、相当の工事量になるわけでございます。従いまして、そこで組合を結成して助成して参ります場合にも、単年度で一挙に一街区を竣工させるというふうな見通しが若干困難でございますので、これを街区の大きさに応じまして、三カ年程度に分けて実施をするわけでございます。 従いまして、当然街区の三つに年次別の分け方といたしましては、三分の一ずつというような形になるわけでございます。ただ、一街区が着工が始まりますと、次々と他の街区におきましても、組合結成の機運が高まってくるわけでございます。そういうようなわけで、今後の事業量というのは、相当の伸び率をもって伸ばしていきたい、こういうように考えております。
○田中一君 そうすると、とにかくこれは四十都市に、これを振り向けるとすると、この分は、明年度は確保することができると理解してよろしゅうございますか。——ということは、三カ年継続の事業を行なうという計画が組合にできた場合に、それが初年度三分の一ならば、あと三分の二、つまり三カ年は、この部分に対する補助金が確保されるというような予算措置がとられるということに了解してよろしゅうございますか。
○政府委員(稗田治君) 予算の編成や、その他形式上のことを申しますと、単年度事業でございますけれども、法律が制定になりまして、この事業を遂行してゆく上におきましては、われわれといたしましては、今お述べになりましたような線で、その街区が完成できるように最大の努力を払うつもりでおります。
○田中一君 法文に、そういう精神を織り込んであるところはありませんね。
○政府委員(稗田治君) 現在の予算の編成が、全部単年度ということになっておりますので、継続事業といったような意味のことを明定している条文はないわけでございます。
○田中一君 むろん予算の範囲内で行なうのですが、継続的な性格を持っているものは見てやる、それに努めるという条文くらいなければ不安です。継続事業というものは、財政法でもって認められておりますよ、たしか二十九年でしたか、二十七年でしたか、財政法は、継続事業を認めております。 私は、政府の実績からくる不信感があるのではないかと思う。二十七年から三十五年までの耐火建築促進法に対する熱意、これは、先ほど住宅局長が述べられたような、何か計画のそごを来たすことは、国民は迷惑です。精神規定でもいいから、そういうものはなければならぬと思うのです。それを明文化するということができないなら、これは大蔵大臣に、私ども念を押す以外にない。ほんとうに融資その他の方法でもって低利資金——利子補給とまで言いませんけれども、低利資金でこれを助成しようという考え方があるならば、場合によれば、こうした、補助金の制度なんというものがなくてもいい場合もあり得るのです。しかし一応耐火建築促進法の方法を継承して、こういう補助金制度というものができたのですから、これは、もう何ら反対しない、大賛成でございますけれども、しかし、それに対する今までの政府の怠慢さが、今度の新しい法律になったからといって是正されるということは、建設大臣も努力をすると言っておりますけれども、私は安心できない。組合等が、非常に苦しむわけなんですよ。そして組合なんというものは、大ぜいの意思を統一して、ものをきめるわけでして、国全体の予算の中からも、比率が、これ以上に上回らなければならないわけなんです。これに対する保証がないわけですよ。どうしても、これは大蔵大臣に来てもらって、この点を念を押さなければ、これは建設大臣としても、あんたの任期中に、こういうものができて、うそをついたということになると困りますから、これは一つ、もしもそれがはっきりと、精神規定でもいいから、そういう明文化することができないならばですよ、やはりその点は、念を押さなければならぬと思う。少なくとも明文化すべきだと思うのです。 それから対象を明らかにするということです。どういうものに補助するのだということです。御承知のように全国的に統一した不燃都市促進協議会がございます。そこからも、いろいろな注文も来ておりますけれども、そのうちで、住宅との併用建築物に対する融資だけに限っているような理解のもとに、純然たる事務所建築にも貸してくれというようなことを言ってきておりますが、その点は、どうなんですか。これは住宅だ何だという制限はないはずのものです、その点いかがですか。
○政府委員(稗田治君) 今回の法案におきます補助の制度の趣旨でございますけれども、これは災害防止に速効的に効果を現わすように、ばらばらでなしに、一街区にまとまって完成していくようにという配慮に基づく補助制度でございます。従いまして、共同建築をできるだけ奨励していくわけでございます。 中高層の耐火建築物に対する融資制度でございますが、もちろん一つの建物の中には、住宅部分がなければ中高層の耐火建築物は融資できないことになっておりますが、これは必ずしも、その店舗の上に住宅がなければならないという制度ではないわけでございます。従いまして、共同建築を設計の仕方によりまして、純然たる商業用の建築物がございましても、他の部分に住宅部分が相当数ございますと、全体として中高層の融資の要件を満たすというような運用ができるわけでございます。さような観点から災害の防止上、また土地の合理的な利用というような観点から、できるだけまとまって共同建築になるように指導して参りたいと考えております。
○田中一君 そうしますと、街区というものが、一つのブロックになって、そうしてたとえば、市街地改造事業と同じように、ある道をはさんで向こう側にアパートの建物がある、こっちは全部表は事務所建築、商業建築だということになった場合には、街区全体を合わせて中高層の融資対象になるということですか、そうでないのですか。
○政府委員(稗田治君) 今お尋ねの点につきましては、中高層の耐火建築物に対する融資制度を住宅局としまして立案したときからの問題点でございまして、将来とすれば、むねが変わりましても、一街区として、あるいは一つの敷地内で、住宅部分と商業用部分とが分離された場合であっても、融資が望ましいというように、建設省としては考えておったわけでございますけれども、いろいろ制度上、なお検討を要する問題がございましたので、ただいまのところは、中高層の耐火建築物融資としますると、むねに、その建物がまとまっておらなければいけないわけでございます。 ただ、その場合に、必ずしも二階、三階に住宅がなければならないということにはならないわけでございますので、つながっておれば、片方は、下から全部住宅でございましても、融資の対象になるわけでございます。
○田中一君 大臣、十二時半に、どっかに行かれるそうですから、私は、あとの質問は留保しておきます。
○委員長(稲浦鹿藏君) 他に、住宅局長に質疑のある方はありませんか。…… 本日は、これにて散会いたします。 午後零時二十八分散会