建設委員会 第21号
- 発言数
- 231 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1961/04/18
会議録
○委員長(稲浦鹿藏君) ただいまから建設委員会を開会いたします。 委員長及び理事打合会の結果について報告いたします。本日は初めに市街地改造法律案の審議を行ないます。次に砂防事業に関する調査及び由比の地すべりについてのその後の経過の報告を聴取し、そのあとで全建労の処分問題について調査いたすことに理事会で決定いたしました。 ——————————
○委員長(稲浦鹿藏君) それでは公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律案を議題といたします。前回に引き続き質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言願います。
○内村清次君 この市街地の改造に関する法律案につきまして、重要な問題の一つとしまして、各条文を検討をいたしてみますると、この条文の中に事業完成後、建築物は共同の建築物となる性格上、廊下だとかあるいはまた階段等の関係権利者の共有の部分が相当あると予想されますけれどもその維持管理についてはこの中にどういう条文があるかどうかですね、また政府の方ではこの維持管理はどうやってなされていくか、そして秩序を保っていかれるかどうかという問題が重要な点であろうと思うんですが、そういう点に対しまして、政府の見解を承りたいと思います。
○政府委員(關盛吉雄君) ただいまお尋ねのございました、完成後における新建築物の関係権利者が、共有することとなります廊下、階段等の建築物の共有部分と建築敷地の維持管理についての問題でございますが、この点につきましては、完成後におきましては関係の権利者が共同して維持管理を行なう、あるいはまたその維持管理を一括して第三者に委託して行なう。その場合におきましては単に関係権利者が維持管理費を支払うにすぎないと、こういう二つの方法が完成後におきましては考えられるわけでございます。この問題は完成後における問題でありますので、直接この法律の体系には入っておらないのでございますが、このような考え方につきましては、この法律によって新しい建築物ができますときに、施行者といたしましては十分行政指導をいたしまして、関係権利者の納得の得られる方法で話し合いができることを進めることが、一番重要な点だと思っております。そこで、そういう維持管理についての特約が行なわれますれば、その特約によってこの維持管理が実施せられるととになるわけでございます。特約がなされないという場合におきましては、現行民法の共有に関する規定が適用されると、こういうことになるわけでございます。現行の民法におきましては、共有物の管理につきましての共有部分の修繕費その他の負担でありますとか、あるいは管理行為についての共有物の変更の場合についての規定でありますとか、その他必要の手続関係の規定が備わっているわけでございますが、これは法務省の方におかれましても、現在このような共同建築物の共有部分の管理につきまして、さらに特別の立法措置を従来のこの種建築物の実際上の状況から見まして、目下検討中でございます。従いまして先ほど申しましたように、このような特別立法が今後行なわれるまでの間におきましては、この法律の実施に伴いまして新しい建築物なり、また敷地となりました部分の管理につきましては、日本住宅公団等の事例も勘案いたしまして行政指導によりまして、円滑な実施が行なわれるように指導して参りたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○内村清次君 そうしますと、この法律というものはとにかく市街地の指定地区の建築物を建てて、そうしてそれを共同建築にしなすのだ、しなしたあとについてはまだ民法その他におきまして法律的な内容が十分でないから、今法務省の方でもこの市街地のこの法律に対して適合するような立法措置が検討されておる。それまでには日本住宅公団の事例を勘案して行政指導するというような御答弁でございますね。そこで私も民法関係を検討いたしてみますると、民法の二百八条、これは建物の区分所有の件ですが、この中に「数人ニテ一棟ノ建物ヲ区分シ各其一部ヲ所有スルトキハ建物及ヒ其附属物ノ共用部分ハ其共有ニ属スルモノト推定ス」、二項におきまして「共用部分ノ修繕費其他ノ負担ハ各自ノ所有部分ノ価格ニ応シテ之ヲ分ツ」、まあこうやった二百八条共用部分に対するところの原則的な規定になっておりますね。それからまた二百五十二条の共有物の管理事項の中には「共有物ノ管理ニ関スル事項ハ前条ノ場合ヲ除ク外各共有者ノ持分ノ価格ニ従ヒ其過半数ヲ以テ之ヲ決ス但保存行為ハ各共有者之ヲ為スコトヲ得」まあこうやった規定があるのですね。まあそのほかたとえば二百四十九条共有物の使用、二百五十条の共有持ち分の割合、それから二百五十一条の共有物の変更、それから二百五十三条共有物の負担というような二百五十四条、二百五十五条、二百五十六条、二百五十七条、こうやった持ち分が規定されてありますけれども、これはどうもこの市街地の改造法に対するところの法律関係とは少し時代離れのしたような感じがするのです。だからして先ほど答弁にもありましたように、法務省の民事局において特別の立法が研究されておると言われておりますけれども、私たちはこれはもし、この法務省の民事局においてこれに該当したような立法措置がいつごろ完成して法律となって現われてくるか、そうやったその期間の見通しにつきまして政府の方では何か見当をつけておられますかどうですか。
○政府委員(關盛吉雄君) ただいまお尋ねの点でございますが、法務省の民事局におきましては非常に熱心に検討すべきことだということで、昨年の国会にこの法律案を上程すべき準備をいたしましたときから熱意を傾けておられる、検討すべき事項ということで了解をいたしております。しかもこういう法律によりまして新しい市街地改造事業の結果、建築物等ができるケースがだんだんと出て参りますし、さらに公団の市街処改造住宅等のものも出て参りましたので、いよいよその必要に迫られておるという事実であることはまさしく御推察の通りでございます。従いましてこの立法の過程におきましても、現実のケースがやはり適正な規律の重要な参考になりますので、よき慣行を作るということが、前段に申し上げましたわれわれの行政指導によって具体的な妥当な慣例を作っていきたい、こういうふうに考えておるのでございます。かりに具体の問題といたしましては、ただいま内村先生からお話のございましたように、民法の共有関係の規定の関係の条文をお示しになったわけでございます。当事者間、共有関係者の間において紛争が起きた場合には、民法の共有関係の規定が適用される、こういうことになるわけでございますので、まだまだそのようなことを民事法規といたしまして、規律すべき内容が、管理の方法でありますとか、管理の機構であるとか、手続等の問題についてまだ不十分な点があるわけでございまして、そういう点についての検討を至急にしようということに政府部内では話をしているわけでございます。そとで施行者がこの事業を実施いたします場合でも保留分を作りますので、保留分の管理は前回も大臣からお答えがありましたように、たとえば東京都のような場合でございますと、あるいは住宅協会がその部分を維持管理をするということになりますれば、その住宅協会が関係権利者の共有部分の管理も委託を受けてやるというふうな慣行もできると思います。その場合におきましては、その維持管理に相当する内容あるいはまたその経費の支弁の方法等は、やはりまた戻りまして、民法の共有持ち分の関係の規定がその費用負担の一つの重要な手がかりになる。現実にも日本住宅公団等の場合におきまして、そういうような形で実績がありますので、そういうふうな例と相待って一つの指導をいたしていきたい、こういうふうに考えておりますが、なお民事局の方に対しましても、十分この欠けた点についての法律制度の完備につきまして十分督促をして、相待って完璧なものにいたしていきたい、こういうふうに考えております。
○内村清次君 そこで大臣にお尋ねいたしておきますが、ただいま計画局長からるる答弁がございまして、大体大筋におきましては私も納得いたしますけれども、ただ問題は、先ほど申しましたように、民法の第二百八条のたとえば二項の「共有部分ノ修繕費其他ノ負担ハ各自ノ所有部分ノ価格ニ応シテ之ヲ分ツ」こういうふうになっておりますね。ところが同じく第二百五十二条の共有物の管理という規定の中に「共有物ノ管理ニ関スル事項ハ前条ノ場合ヲ除ク外容共有者ノ持分ノ価額ニ従ヒ其過半数ヲ以テ之ヲ決ス」と、こういうような項目があるのです。そうしますと、今回の市街恥改造法によって、これはまあ相当所有権者が財産の比較におきまして、財産を相当持った方もあるし持たない方もある。こういった大小いろいろな形の人たちが所有権者になるわけですからね。その人たちが今民法上から紛争が起きたときには、この価額に従って過半数できめてしまうというようなことになって参りますと、非常に不利を見るような所有権者という者が出てくるのですよ。こういったことはただ行政指導だけでは私たちは追っつかないというような事態も起きてきはしないか。そこで早くこれは別な法律を作って、この市街地改造法に照らしたところの法律規定というものを早く一つ作る必要があるのだ、かように思っておるわけです。局長の方では極力法務省の方とも連絡をとって、早くきめるというようなことも言っておられますけれども、大臣の方では、それはやはり監督者の立場から急速に作るというような法律形態を促進してもらいたいという希望があるのです。この点に対する御所信を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(中村梅吉君) 御指摘の点はできるだけ私ども制度化についても促進をいたしたいと思います。同時にこういった全く新しい制度でございますから、できるだけ具体的な事実も起こり、またよき慣行等も起こってきて、それが制度化されるという方が、ただ問題のいろいろな場合を想定して、想定で立法化するよりはさらにすぐれたものが、また現実に即したるものができるのではないかと思っておりますので、そうした具体的事例なり、よき慣行が生まれるということが、すべての法律のできてくる根本もそういう過程をたどっておりますので、私どもといたしましては、そういう点も期待をいたし、その間この市街地改造法を適用して実施をいたします施行者は、相当の地方団体等の有力な機関が実施をいたしますので、それらの行政指導によりまして、一般の共有者及び居住者の同意のもとにできるだけ円満に、合理的なケースを生み出しまして、それをすみやかに立法化するということについて極力努力をして参りたい、こう思っております。
○委員長(稲浦鹿藏君) ほかに質疑のある方。
○田中一君 住宅局長に聞いておきますが、この構造的に共有部分の専用部分、持ち分だね、この持ち分の構造的にどういう分け方が所有権というものを不動のものにするのかということです。図面でそれを示すということになるのか。たとえば柱間というものが何年ぐらいになるのか。何年後にその持ち分というものは柱間の全部持つのか。コンクリートでかこむというものはいいけれども、そうでない場合があるでしょう。その場合にはそれが移動し得るのです、簡単に。たとえばブロック一枚積んだって、ブロックというものは、すぐにはずせるわけです。その持ち分というやつは、壁体の真しんからのものを考えられるのだと思うけれども、移動するようなものに対する持ち分というものが、土地なんかは台帳で示しておりますけれども、どういう工合に技術的に今まで慣例として——慣例というか、技術的にそれを処置されておるか伺っておきたい。
○政府委員(稗田治君) 持ち分でございますが、専用部分につきましては、専用しておる面積に、またそれを表示するところの図面によりまして隣りとの境壁でございますと、壁のしんから専用するというような形になるかと思います。廊下や階段等になりますと、その共有しておる方々の専用面積の割合に応じまして、廊下の面積が三十坪だとしますと、その三十分の一を持つ、あるいは二十分の一を持つというようなことで、共有持ち分が確保されるというふうに考えております。
○田中一君 木造の場合ですよ、ベニヤ板一枚で間仕切りをかりにする。そうすると木造の場合の持ち分というか、というものを図面で現わせば、それも認められるということになるのですか。二、三十年前と思うが本郷の文化アパート、あれが四階、五階を作って、それが問題になったことがある。それから今度増築をして縦にくっつけてそれも問題になったことがある。そういうものに対する抵当権の問題ですがね、担保力というものが、どこからどこまであるのかということを知りたいために申し上げているわけですが、その面を技術的に見て、ベニヤ板一枚でも図面に現わせばいいのだということですか、ベニヤ板一枚で間仕切りしてある、一枚のベニヤ板のしんから計算して自分の持ち分というものがきめられ、またそれがそのまま抵当権になるのか、担保力があるかどうかということなんですよ。それを技術的にどういう工合に今までやっておったのか。
○政府委員(稗田治君) 現在住宅局関係で所管しておりますものの共有の形のものでございますが、公団の一般分譲のアパート等にあるわけでございます。御承知のようにアパート等は、各戸の境は不燃構造でコンクリートの壁になっておるわけでございます。従いましてその場合は壁の中心線ということで所有権がきまるわけでございます。ただ今後起こり得るいろいろな場合を考えますと、場合によれば木造の間仕切りというようなことも考えられるかと思うのでございます。その場合も木造の壁でございますと、おそらく太鼓になるのじゃないかと思うわけです。その太鼓の壁の中心線をもって所有権がきまるということに相なるかと思います。
○田中一君 これは香川君に聞いてみますが、御承知のようにそれこそ十五坪の所有権というものがどこにもここにも設定されるわけです、この仕事が終わると。店舗の場合は十五坪、住宅の場合はいいと思います。これはコンクリートで巻くからいいと思うのですけれども、その場合、中小業者ですから金がない場合、ことに七坪の家を持っている者が十五坪の家を与えられると必然的に金策しなければならぬ。金策する場合に板で間仕切りをするとか、あるいはブロックでするとかいう程度のものも実際に抵当権というものが設定されるかどうか、担保力があるかどうかということを確かめておきたいのです。それで極端な例をいうと、自分の少しでも有効面積を多くとるために、まあまあベニヤ板じゃやらないでしょうけれども、そうしたものでやる場合もあるかもしれない、自分でもって。あまり狭いから何としてもしなければならぬという場合には、そのベニヤ板の上に商品なんかでも置けば、ベニヤ板で決して悪いことはない。あったって一向さしつかえない。そういう場合もあるわけです。自分のものなんですからね、とにかく。そういう場合の抵当権の設定がどういう形で持たれるかという点を聞いておきたいのです。それで住宅局長に聞くと、コンクリートの場合には、まあはっきり区分されるからいいけれども、木造の場合にはどういうのですかね。
○政府委員(稗田治君) 木造の場合でございましても、おそらく木造の隣りとの境壁ということになりますと、片側だけで仕上げるというのじゃなしに太鼓になるのじゃないかと思うわけでございます。従いまして、その太鼓壁の中心線をもって所有権が分割されるということになるかと思います。
○田中一君 ベニヤ板一枚の場合は。
○政府委員(稗田治君) ベニヤ板の壁が両方の所有に、一枚のベニヤがなるわけでございます。まあ実際問題としてはあまり考えられぬことじゃないかと思うのであります。もし一枚のベニヤ板を境にということになりますと、ベニヤ板の中心線ということになるわけであります。
○田中一君 そうしたものはすぐに簡単に移動し得るものです。どうなんです。登記所で、あるいは金を貸す者が正しい価値を認められる条件にある担保物権として見られるかどうかということなんですよ。
○説明員(香川保一君) お尋ねの区分所有権の対象となる建物であるかどうかという問題でございますが、今ベニヤ板の話が出ておりますので、それを引用さしていただきますと、ただいまのところ、登記所におきましては、ベニヤ板程度で圏仕切りをしたものは区分所有権の客体にはならないというふうに考えております。
○田中一君 それが非常にこういう全く零細な業者なんですよ。それこそ今三軒茶屋の例をとりましても、間口一間、五坪くらいの細長いものを持っている人がいるのです。そういう人たちが、金がない場合には、それも今度耐火建築になって土地の評価、建物の評価というものが上がってきますからね。何十万、何百万という金にたえられるか、困難な場合がある。その場合に、でき上がったものを担保にして自分でやっていくというケースが相当あると思うのです。できなければお前出て行け、いやならばお前ここに住まなくていいということになる。それもできないということになると、自分はいいのだというのに対し、今度は十五坪以下のものは上げませんよ、十五坪にして今度あなたに売って上げるのですから、こう言われると、とても経済的に負担しきれないものが出てくるというのですよ。そういう場合に結局金融に待たなければならぬ場合も、金融の客体として相当なものになるわけですからね。いい環境になる。そういう場合にどの程度のもの、さらに今第三課長がベニヤ板の場合と言ったら、ベニヤ板はならない。そうすると、テックスはどうですか。木板なりであるでしょう、何ミリくらいかの厚さで、燃えないようにセメントを混合したものを張ったテックスなんかどうですか。
○説明員(香川保一君) お説の通り、区分所有権の客体になるかどうかの、実際、具体的問題になりますと、いろいろ問題があるのでございますけれども、抽象的に申し上げますと、その部分が構造上、あるいは効用上独立の所有権の客体になり得る。言いかえれば、建物としての構造、効用を有しておる、そういうものでなければ区分所有権の対象になり得ない。従って区画等が容易に変更されるようなものは独立の建物とは考えられないというふうにまあ考えておるわけでございますが、最近区分所有権が相当法律上問題になっておりまして、ただいま法務省では、民法が現在のような、区分所有権の対象になる建物の多いときに制定されたものでございませんので、まあ不備があると言えば不備がございますので、特別立法によってこの問題をはっきりさしたいというふうなことで、ただいま検討しておるわけでございます。ただ、ただいま議題になっておりまする法律案による建物は、おそらくはこの法律の目的から申しますと、ここで考えられておる区分所有権の客体というのは、この法律の目的から言えば、明確な区分所有権の客体になり得るような構造のものが作られるであろうということは考えられます。
○田中一君 そうならないのですよ。今考えているのはブロックなんですよ。コンクリートのやつで間仕切りをしよう、これは何といっても、この十五坪程度のものですから有効面積をとるのが親切です。相当の壁をコンクリートで打つということはおそらくしないはずです。またしたのでは気の毒です。ですから延焼しないような材料でなるべく有効面積を十分とるということが、これがやっぱり親切なはずなんです。それによってやっぱり協力者が出てくるということにならざるを得ないのですよ。大体ブロックは、御承知のように、ぽんぽんとハンマーでやるとすぐはずれます。大体ブロックを考えておるようなんですよ。そういう場合も、今の担保力というものを非常に僕は心配している。それですから申し上げるのですが、現在住宅公団の耐火構造のアパートなどは、大体認めておられるのですね、あの程度のものなら。しかしそうでないものがここに生まれるのじゃないかという懸念を持つ。またそういうふうな非常に新しい建築材料を使っても、何とかして有効な面積というものを余分にとってやろうという親切さがなければ、この事業は途中から相当抵抗が強くなってくるのですよ。そういう親切さがほしいわけですよ。だからきょうは住宅局長にも技術的の面でもって伺い、今度は法律的な面ではあなたに来てもらって念を押しておきたい。こう考えたのですが、これから云々じゃなくてブロックはどうですか。ブロックって知っていますね。
○説明員(香川保一君) ブロック作りの各部屋は、現在区分所有権の客体になり得るということで、独立の建物として登記もいたしております。
○田中一君 これもやはり、ハンマーでとんとんと打つととれますよ。しんは何も入っていないのですよ。しんというのは、動かないように鉄筋が一本入っておりますけれども、これは構造にくっついているのじゃないのですよ。積んであるのですからポンとハンマーでやればとれますよ。そんなものでいいですか。
○説明員(香川保一君) 先ほど申しました、容易に変更し得ると申しますのは、これも言葉だけの問題になるかもしれませんけれども、物理的にお説の通りブロックでもつぶそうと思えばつぶれましょうけれども、社会通念上ベニヤ板とかテックスの場合と比較いたしますと、ブロックで囲まれておりますれば、建物としての独立した効用もあると考えるべきでありましょうし、また構造上も現在の建築の点から申しますと、やはり先ほど申しましたベニヤ板とかテックスの場合とは違って取り扱うのが実情に合うのじゃなかろうかと考えます。
○田中一君 建設大臣それでいいですか。今の住宅局長、それから香川君の答弁通りのものを作るというやつですね。これから作るのですからね。今の両方の解釈でいいのですか。そういうものをお作りになるのですか。
○国務大臣(中村梅吉君) 実際に建設をする場合には、どういうものができますか、施行者の設計なり考え方、及び内部に居住して所有権をそれぞれ持ちます人たちの希望等も、これは施行者だけの考えでは設計ができないもので、大体分割所有を見込んだ設計から建設しなければならぬと思いますので、それらの希望も参酌されるものと思いますが、法律的の判断としては、ただいま民事局の香川課長が申し上げた通りでよろしかろうと私考えております。
○田中一君 次に、一つの物件に、これは三十一条で、所有になった場合には、抵当権とかあらゆる権利が消滅するわけですが、これを買い取る人が考えている価値よりも重い抵当権が乗った場合に、この場合には三十三条の供託等でもってこれをとってしまうのだ、その紛争をあとに残すのだという考え方に立っておるような法の建前になっておりますけれども、そうでないとするならば、私の誤解ならば、そうした二重、三重、四重の、いわゆる過重な価値以上の抵当権が設定された場合に、これをどう処理するかということなんです。これは今後ともあり得るのです。これは法律が通ると、またそういう問題が出てくるかもわからないのです。買い取ろうというものの価値以上の担保力があった場合には、抵当権、質権、いろいろな権利がその場合にありますが、それをどう消滅させて取得していくか。
○国務大臣(中村梅吉君) その場合は私の考えでは、結局前の建物に抵当権等が設定されておった、それが時価以上のものであったという場合でございましても、かわるべき今度の建設された抵当権設定者である所有者の受けるべき部分に物上代位して抵当権が移って参りまして、やはり過剰抵当権で存続するということになると思うのです。従って、抵当権を実行して、その共有権なり持ち分権が抵当権を満足させるに足るだけの競売ができない場合には、その不足額はやはり債権者の欠損になる、損害になるということになると思うのです。
○田中一君 やはり債務者の債務として残るということではないのですか。
○国務大臣(中村梅吉君) 担保のない債務として残るわけです。
○田中一君 その場合に、抵当権なり質権なりの抹消ということは——一番抵当、二番抵当、三番抵当というものがあった場合に、その抹消ということは、やはり抵当権者の承認がなくてはできないのではないですか、この法律によって、そのままの形で新しいものに継承されるのだということでいいのですか、法律上どうですか。
○説明員(香川保一君) 御質問の場合は、従来の土地なり建物に抵当権が存在しておって、その土地あるいは建築物が施行者との契約で買収される、あるいは収用される場合のことだろうと思いますが、この場合には、三十一条三項の規定によりまして、当然消滅するわけでございます。従って、消滅の合意がなしに抵当権が消えるということになるわけであります。しかし、消滅いたしますけれども、抵当権者の保護といたしまして、三十二条に、従来の設定者が新しくできた建築物なりあるいは土地の共有持ち分を取得する権利があるわけでございます。その権利に、抵当権者の物上代位権を認めて保護しようということになっておるわけであります、そうして、いよいよできました建物の一部なりを取得いたします場合に、抵当権者の先ほど申しました物上代位権か消滅するという合意がない限りは取得させないということにいたしまして、従いまして、物上代位権はそのまま存続するわけでございます。そうして、その際に、おそらくは、この法案の期待しておりますのは、物上代位権の消滅の合意をいたしまして、その際にあわせて取得すべき建築物なり土地の共有持ち分にあらためて抵当権を設定するということにして、この関係の円滑にいくように期待しておるわけでございます。従って、抵当権者の保護に欠けるところはないと思いますし、また設定者自身も新しくできた建物を取得するということが円滑になされるだろうということは考えられるわけであります。
○田中一君 もう一つ、共用部分の共有持ち分ですね、これは担保力というか、抵当権の対象になりますか。今言ったように、この法律では、自分の専用しておる持ち分に見合う共用部分の共有部分は、自分の専用しているものと合わせての担保力はあるような気がするのですが、共用部分の共有部分の自分の持ち分は単独で担保力を持ちますかどうか。
○説明員(香川保一君) 法律的には建物の共用部分の共有持ち分、あるいはその敷地の共有持ち分は単独で抵当権の目的になり得ますけれども、実際問題としましては抵当権者はそういった共有持ち分だけを担保に取りましてもあまり担保価値はございませんので、いいかえますならば、建物の単独所有の部分と、全体の建物の共用部分の共有持ち分と、それから敷地の共有持ち分が経済的には一体となっておるわけでございますから、この三つを合わせて抵当権の目的にするというのが通常でありますし、おそらくさような設定の仕方をするだろうと思います。
○田中一君 そうすると、法律的にはそれはあり得るけれども、実際としてはそれはあり得ないだろうということをおっしゃっているわけですね……。
○木下友敬君 関連。今の問題ですね。実際に私はそれを経験していますがね、共有部分を担保にとって……。だから非常に困った例があるのですよ。私自身が困っておる。これは土地に関連してですがね。だから建物の部分でもあり得ないことはないと思うのだ。故意に、これは高利貸にひっかかった。高利貸に持っていって担保に入れれば取るのです、喜んで。わざと取るのです。ある部分を高利貸みたいなのに占有されると、担保に取った場合には全体的に非常に困る。故意にゆする種にやられるということがある。これは私の場合は土地を言っていますけれども、同じ人ならば、そういう人ならば、私は建物の場合でもやりかれないから、それをただ社会通念でそういうケースは起こり得ないとして解釈しておくのは危険があると思う。
○説明員(香川保一君) 先ほど申しましたように、共有特ち分だけを担保にとるということは法律的に可能なんでございますが、さような担保の取り方をいたしました場合に、抵当権を実行いたしましてもおそらくは競落が非常に困難になってくると思われるのであります。従って抵当権の実行が非常に困難になる。競落が可能だといたしましても、ごく低い安い価格でしか競落されないということになるわけでございますので、設定者が困るというよりは担保権者が困るのが通常だろうと思うのであります。さような意味で先ほど申しましたように、通常は、正常な取引である限りは、経済上一体となっておるその一部だけを担保に取るというふうなことはまずなかろうと申し上げたのでありますが、今御質問の御趣旨は、おそらくはいやがらせと申しますか、たとえば敷地の共有持ち分だけに担保を取って、それを実行して所有者がかわる、共有者がかわるということになった場合に、いやがらせと申しますか、建物取払いというふうな請求をするというふうなことをおっしゃっているのじゃなかろうかと思いますが、さような意味から、立法的には先ほど申しましたような経済上一体になっておるものが一体としてしか取引の客体にならないというふうにすべきだという立法論もあるのでございます。しかしこれは現在のところ検討中でございましてまあ経済上取引の合理的な配慮ごまかしてはどうだろうかという考えで、現行法は一体としての取扱いをいたしていないのであります。
○田中一君 仮処分を行なった場合ですね。共同部分の共有部分の持ち分に対して、これはそういう場合に法律的に可能ならば、おそらくこれは認めると思うのです、裁判上、その点が一つ。 それからもう一つ、何かのこの仕事を進めていく上のトラブルで、現在のものに対して仮処分していく場合には、その仮処分の決定に対してはどういう工合に処理していくのか、香川君に聞けば、今までの関連、今質問した共用部分の共有持ち分の自分の持ち分に対する仮処分の申請があった場合に、裁判上はどうするか、どういう態度をとるか、法律的に可能なら可能だと思う。それを先に聞きましょう、その場合。物件が捕捉できないからしないということになりますか。
○説明員(香川保一君) 御質問の御趣旨は共有持ち分に対する仮処分だと思いますが、仮処分は当然にいわゆるその被保全権利というものが前提にあるわけでございます。たとえば共有持ち分を買い受けた人が持ち分の移転の登記を相手方がしない、その間に第三者に売られてしまっては困るというようなことで持ち分を他に譲渡してはいかぬという、いわゆる処分禁止の仮処分をするというようなことは法律上も可能でありますし、実際問題としてもあり得ると思いますけれども、それ以外はちょっと共有持ち分についての仮処分というものは考えられないのではないかと思いますが、ただ建物の共用部分につきまして当然共有者として共用部分に対する所有権の行使ができるわけでございます。これが他の者に対して、あるいは第三者の権利を侵害するおそれがあるというような場合に、現状を変更してはいかぬというような仮処分も理論的には考えられないことはないと思います。
○田中一君 現在施行者が買い入れというか、買収しようという物件が何かの争いで仮処分になっている、手がつけられないという場合にはどういう措置でそれを解除して持っていこうとするのか、そのままの形でもって、先ほどの話ですと抵当権があるものは抵当権そのままで物上代位で持ってくるのだというけれども、仮処分してあるものを、それを動かすことはやはりできないだろうと思うのです、そのままで。これはそういうものも物上代位でそのままのものが温存されて次の権利に移っていくということになるのですか。
○説明員(香川保一君) このでき上った建物ではなくて、その以前の土地なりあるいは借地権とか建物について、先ほど申しましたような所有権に争いがあるとかいうことで、譲渡禁止の仮処分がされておるということになりますと、結局施行者はその土地なり建物を買収するということが非常に困難になるわけでございます。と申しますのは、かりに売買いたしましても、その仮処分の本案訴訟でその人のものでなかった、所有権がなかったということになりますと、売買が結局無効になりますので、そういった処分禁止の仮処分がされておって、しかも登記がされておることがありますと、この関係での施行者の買収は非常に困難になろうかと思います。
○田中一君 私はこういう変な質問をするのは、仕事をスムーズに進めたいという気持からなんですよ。法というものに欠陥があれば、とにかく反対する側の人たちはあらゆる手を使って反対いたします。それでは実際やる仕事はできないことになる。そういう欠陥が少なくとも私権を守る形において、やっぱりスムーズにいくような立法が望ましいわけなんです。今の第三課長の説明を聞くと、やっぱりそこに一つの困難性が、欠陥ができたわけですけれども、この点についてはそういう場合はどうするかという点、これは簡単なんです。自分のものを自分の知っている者にやらせればいいんです。自分の合意されている者に処分禁止の仮処分をしていけばいい。やはりそこに一つの盲点がある。そういうものがつけ入れられるような法の欠陥——欠陥というのじゃないけれども、それが正しいのかしらぬけれども、そういうものをやっぱり何とか考えておかないと問題が解決しないわけなんですね。この点はあまりにも簡単な策でできるんですよ。自分のうちなり自分の土地を自分のおじさんなり自分の兄弟にやらしても一向差しつかえない。親子だからといって一向差しつかえない、やはりそういう盲点を、いわゆる故意に反対する側の反対を封ずるということが悪意に対する場合でしょう。善意の場合にはむろんあり得ると思う。悪意の場合に、そうした手段を封じることがこの法律を作った精神であろうと思う。考え方のもとであろうと思う。従ってその点はどうお考えになってどうするつもりか。私はあえてそういうものを議事録に残しておきたいのです。問題はこれは法律なんですよ。他の法律でもって合法的にそういう争いの起きないような形をとることが、立法としては一番正しいと思うのですよ。
○政府委員(關盛吉雄君) だたいまの問題は登記の権利についての争いのある場合でございますので、この法律の実施にあたりましては、努めてそういうことのないことを期待して制定をいたしておるわけでございますけれども、そのような場合におきましては、この法律のみならず他の法律の実施と同様な事態の免ずる場合でありますので、そういうことが起こらないように慎重に実施したい、こういうふうに考えております。
○田中一君 そういう争いがあったということを言っているのではないのです。そういうことはあり得るのですよ。しかしながら作為あるいは悪意で、そろいう平段を用いる場合があるというのです。反対せんがためにですよ。これは皆さん御承知のように下筌ダムの例もその通りです。私は賛成しているんです。下筌ダムでも反対の意思表示は賛成しているのです。合法的におやりなさい。合法的におやりになるなら一向さしつかえございません。違法はいけません。それじゃここでもって香川君にもう一ぺん聞いて、おきますが、それをとめる方策がございますか、そういう悪意というものをとめる法的な考え方は持ってますか。
○説明員(香川保一君) 仮処分がされておりまして、それが悪意と申しますのは仮処分する権限もないと申しますか、いわゆる被保全権利がないのに、なれ合いで、この施行を妨害する意味で仮処分がされているといたしますれば、さような仮処分は気にせずに施行を進めて間違いないわけでございます。問題はさような仮処分であるかどうかということが非常に問題になるわけであります。もしも被保全権利がほんとうにありまして登記簿に載っている、たとえば所有者が相手方に所有権がないということで、本来の所有者が争っている場合には、本来の所有者の権利はやはり一方で保護しなければなりませんので、従って、一般的に仮処分がされている場合には、そのような事業がスムーズに行くように、こういうことだけに重点をおきまして、仮処分、債権者、本来の権利者の権利をないがしろにするということはいかがであろうかと思われるのでありますけれども、仰せのように悪意である、言いかえれば、仮処分する本来の権利がないということがはっきりいたしておりますれば、これは次の本案訴訟でも敗訴するわけでありましょうし、またなれ合いのそういう訴訟が行なわれるということになりますれば、第三者が仮処分に対する異議を申し立てるなりするというような方法も考えられるわけでありまして、要は仮処分が悪意であるかどうかということが非常に問題になろうかと思うのであります。
○田中一君 むろんその場合にも裁判所の判決がそれを立証するわけですね。
○説明員(香川保一君) その通りであります。
○田中一君 大体施行者は建設大臣です。そうして委任行為として、委任されるのが東京の場合を考えますと都知事だと思うのですが、そういう争いをして、大体今までの裁判所では何年ぐらいでこれが終わりますか。むろんこれには双方から言い分がありますし、民事の問題になりますからなかなか一朝一夕には解決つかないと思うのですよ。今までの一番短かい例を一つ香川君から聞いておきたいのです。
○説明員(香川保一君) その点調査いたしておりませんので、後刻書面でなり調査の結果を御報告さしていただきたいと思います。
○田中一君 もう一つ、この法律が完全に成立し施行日がきまって……以前の問題です。最近、ちょっときょうこんなことを聞いたのですが、あそこに改築または新築の確認申請をするという問題です。これはおそらく、あの場所にこの法律が制定される前に、新築の確認申請を行なった場合には、これを拒否する何ものもないと思うのです。かつて砂防協会がその辺の自分の持っている空地に砂防会館を作るといった場合に、これは当然許可する。その場合許可しようとしたところが、国会からとんでもない、これは待ってくれ、建設省も一緒になって待ってくれといって許可をされなかった、日を延ばしておいて。ところが建築基準法では鉄筋コンクリートのものでも何週間ときまっているのです。期限があるわけです。いつまでに確認をしなければならないのだ、許可をしなければならないのだという時限があるわけですね。それを衆参両院で新しい法律を作って阻止しようといって大騒ぎしたことがあるのです、今から十年くらい前に。私が中に入って妥協さしたわけです。同じようなケースとして、この法律の制定の前に新たに鉄筋コンクリート等の確認申請をした場合には、これを阻止する何ものもないと思いますが、ありますか、ないか、住宅局長一つ……。
○政府委員(稗田治君) 御承知のように、建築基準法におきまして、その敷地、建物の構造、設備等につきまして、基準をきめておるわけでございますが、その基準に合致しておれば、これは確認するということになっておるわけでございます。従いまして、他の法律でそこに建築が禁止されておる場合は別でございますけれども、そういう事前の確認申請でございますと、基準法の各規制しておる条文に照合しまして、合致をしておれば確認をするということになるわけでございます。
○田中一君 確認をして認可をしなければならない期間は鉄筋の場合は何週間ですか。
○政府委員(稗田治君) 確認申請につきましては、簡単なものでございますと七日以内、それから規模の大きなもの、あるいは構造等かかなりむずかしいもの、それから用途によりまして三週間、二十一日というのがございます。ただしその七日とか二十一日と申しますのは、その設計が建築基準法に定めてございます制限に適合しておる申請の場合でございます。
○田中一君 そこでそういう申請が出た場合認可をしなければならない。認可をすれば工事を始めます。工事を始めている最中に、いわゆる道路敷に鉄筋コンクリートの工事を始めて、地下二階でも三階でもかりにどんどんやった場合、どんどん始めている場合、この法律が実施されて発効した場合に、それをとめる——それらのものをまた買収しなければならぬ、買収対象となると思いますが、その点はどうですか。
○政府委員(稗田治君) たとえば計画道路の境域内に入ってございますると、これは建築基準法で地下室などは作れなくなっております。それから容易に撤去できる構造ということで、木造の高さも二階建、場合によりましては、まあ容易に撤去し得る構造ということで、ブロック構造等も入る場合もございますけれども、一応地下室等は禁止されておるわけでございます。それから鉄筋コンクリートも禁止になっておるわけでございます。
○田中一君 それは木造であってもそれは買収の対象になりますね。買収しなければならない。その価値というものをそのままに認めた買収価格になりますね。その点はどうですか、計画局長。
○政府委員(關盛吉雄君) この第十三条には都市計画事業決定をいたしました市街地改造区域内につきましては、建築行為等の制限に関する規定がございます。従いまして市街地改造事業の施行のために、そのような区域の中におきましては、建築物その他の工作物の新改築につきましては制限を加えておりますので、第三項の規定によりましてかような許可をしなければならぬという例外の場合におきましては、その許可の条件を付するということもこの三項に規定されておりますので、もし撤去の場合には無償でというふうな条件もつき得るということになっております。
○田中一君 この法律の制定前に出願して工事を進めているのです。今計画街路を入れましても、計画街路等の内部に、かりにこの事業区域内に今住宅局長が言っているように許可をした。それで仕事を始めた。仕事を始めたら、その仕事を始めたままの形で買収交渉をするわけでしょう。また収用なら収用をそのままするわけでしょう。それを言っているわけです。
○政府委員(關盛吉雄君) この法律の対象になっているのは今申しました条文でございます。
○田中一君 法律の対象になっていないものを申し上げたのです。
○政府委員(關盛吉雄君) 法律の対象になっていない部分につきましては、都市計画の決定がすでになされている街路部分にのみ一定規模の永久構造物等の制限がある、こういうことでございますので、その他の地域につきましては、この法律が適用されるということになりましたからといって、直ちに建築制限とか何かが行なわれるわけではない。所要の手続を経て十三条の規定が働くという場合にのみ適用されるというわけでございます。
○田中一君 私が申し上げたのは、現在法律が成立しておらないのだ。おらない間にそういう行為が起こった場合に、それすら、何か良心的にこうなるのだからといってとめるような方法はないかと言っているのですがね。それを求めたいのです、そういうものを。
○政府委員(稗田治君) 先ほどの私のお答えで多少言葉が足りなかった点がございますので補足して申し上げますと、単なる計画道路と申しますのは、階数が二階以下で地階を有しない。それから主要構造が木造、鉄骨造、コンクリートブロック造といったようなことで撤去できるという構造のものでございますが、事業が近く施行されるというので、道路法や都市計画法または都市区画整理法によります事業計画の道路で、二年以内にその事業が施行される予定のものとしまして、特定行政庁が指定をいたしますと、そこは現在道路になっていなくても、基準法上は道路という扱いをしまして、そこは一切道路の扱いを受けまして建物は建てられなくなるわけでございます。従いまして、近く施行される、事業決定がされるというような計画街路につきましては、特定行政庁が道路という指定をすることによりまして、事前に事業計画に支障のあるような建物を押えるということはできることになっております。
○田中一君 その計画街路の背後の宅地はどうですか。それを制限することができるのですか。そういう計画があるという前提に立ってとめられますか。
○政府委員(稗田治君) 基準法の方におきましては、道路となる敷地についてだけでございます。
○田中一君 やっぱり多少心配がありまずね。そういう反対をしようといっていやがらせをやられる場合は、もうしょうがないですね。
○田上松衞君 審査委員会のことについてちょっとお聞きしたいのですが、お願いしておきたいことは、これはまあいろいろ受け取り方がまちまちであるために、大臣の方から一つ審査委員会の性格、それから権限及び責任、こういうものについてわかりやすく一つ御説明願いたい。
○国務大臣(中村梅吉君) 結局この審査委員会の性格は都道府県知事が、または市町村長が施行者として選任することになりますので、性格は特殊の地方公務員ということになるわけでございます。それから権限はこの五十三条以下できめてありますように、管理処分計画に対して、審査をして同意をする権能等があるわけでございます。それから先ほど申し上げたほかに管理処分計画、それから過小床面積の基準をどういうふうにきめるか、なお借用条件について協議が整わない場合に施行者が裁定をすることになりますが、裁定をするのに対する同意の権能、まあこまかく言いますとこういうことになるわけでございます。
○田上松衞君 一番前段の性格の問題ですが、私がお聞きしておる点は個々の委員についてお伺いしておるのではないのであって、構成されるであろう審査委員会というものについてお聞きしているわけなんです。わかりやすく申し上げまするならば、委員会というものは単なる諮問機関程度のものであるのか、あるいは自主的な権限を与えられるような性質のものであるかということなんですよ。
○国務大臣(中村梅吉君) これは諮問機関ではございませんで、それぞれ各条項で定めておりまする事項を審査し、同意をする権能ということに相なるわけであります。 それからあわせて申し上げておきますが、この「審査委員三名以上」ということになっておりますが、審査委員の権能は委員会として会を構成して決定するのじゃありませんので、審査委員としてそれぞれ同意をいたしまして、施行者は、その場合によってこれは違うかもしれませんが、二分の一以上の反対があってはできないとかというそれぞれの制限がございまして、その同意に基づいて施行者が管理処分計画をきめ、あるいは過小床面積の基準をきめ、あるいは借家条件の裁定をする、こういうことに相なるわけであります。
○田上松衞君 委員の選任についてですが、この法令で見る場合、委員の資格というものの中に、施行者は「土地又は建物の評価について経験を有し、かつ、市街地改造事業に関し、公正な判断をすることができる者のうちから選任」するというようにうたってあるわけなんです。そこで実際問題としては、各実施地区ごとにこれが選ばれなければならぬはずだと思うのですが、その人々は必ずしもその中に居住しなくてもいいものであるのか。関係のない土地から選べるのかどうかですね。
○政府委員(關盛吉雄君) 審査委員の選任に関する御質問でございますが、ただいまお話が出ましたように、審査委員は重要な職責を持ち土地建物の評価についての十分な経験を持った人でなければいけませんので、このような人を選ぶにあたりましては、施行地区にそういう人がおられればもとより選んでもよろしゅうございますし、また施行地区の中では必ずしも選ふことができない場面もあろうかということで、施行地区の中にとらわれないで選任できるような意味で、この選任についてその人を得られるような選考をお願いする、こういう考え方でございます。
○田上松衞君 法律案の逐条説明の中でうたっている文句は、五十三条は、市街地改造事業の的確な施行をはかるための規定であるのだ、そうして「譲受け希望の申出をした者及び賃借り希望の申出をした者」の過半数の賛成を得て、施行者が審査委員を三名以上選任して、それらの者を事業に関与せしめて市街地改造事業の円滑な推進を期そうとするものだ、こういうようにうたってあるわけなんですね、この文句の底意からいいますと、やはり施行地区の中から出さなければこうしたねらいというものは達成されないだろうと考えるのですが、この点について。
○政府委員(關盛吉雄君) ただいまお話にありましたように、この審査委員の選任というものは、選任されました審査委員の責任なり業務というものは、重要な関係権利者に影響を及ぼすことを担当していただきますので、その関係から譲り受け希望なり賃借り希望を申し出た者の一定数以上の反対のない者をお願いするということで、関係地区の権利者に対する権利関係が十分確保されるように、人柄によって、はかりたいというのがその念願でございまして、その人を得るのに一そうに的確を期する必要がありますので、施行地区の中にそういう適任者がおられればもとよりけっこうでございます。おられない場合におきましてもその施行地区外からこういう人を求めることは可能である、しかしそれには関係の譲り受け希望、賃借り希望を申し出る者の一定数の賛成を得なければならない、こういうことで調整をはかったのが、ただいまお話に出ました逐条説明の要旨でございます。
○田上松衞君 問題が具体的になって参るわけですが、今の御説明の通りあくまでそこの土地の半数以上の同意がなければならない。これがその地区でなかった場合、適格者を得られなかった場合、ほかから持ってくる、関係のないところから。ただ学識経験者、普通にいうところの。こういうものがふさわしいのだということでなくて、やむを得ずそれを持ってきたという場合に、それの二分の一以上の当該地区の住民から賛成を得られなかった場合のそのときにはどうしますか。
○政府委員(關盛吉雄君) そのような場合は選任できないことになるわけでございまして、適当な人を発見をいたしまして選任できるように施行者が努力をしなければならない、こういうふうに解釈をいたします。
○田上松衞君 これは実際に起こり得ることを心配して申し上げるわけですが、非常にこの問題は厄介だと思います。特にこの前痛感したことですが、三軒茶屋の方からああいう参考人に来てもらって、居住者代表ということで二人来ていただいてお伺いをしたのであるけれども、そのお二人の御意見が裏側と表側で明らかに対立しておる。もうたった一つの問題に手をつけてもああいう工合になる。特にこの場合は心配が多いと思います。そうしますると、ああだこうだということで、実際には同意が二分の一以上得られないという場合がある。ただ観念的にそれができるように努めなければならない、というようなことでは足りない問題だろうということが考えられるわけです。しかも私ども非常に、これは杞憂にすぎないかもしれないけれども、提案理由の説明をされたときのお言葉の中にある問題ですが、「管理処分計画全般について審査委員の同意を得ることを条件とする」と強くうたってある。どうしてもこれがなければ、これは条件になってしまっておりますから、仕事の遂行もさっきの大まかに円滑な事業を進めていくというためにこれをやったという、この広範な意味からいっても、最後に局限されるところの管理処分についての条件の意味からいっても、どうしてもとらなければならない。まあ私はそう解釈しておりますが、その通りなんですか。
○政府委員(關盛吉雄君) 法律の実施上はお説の通りでございまして、それだけに、同意を得られるような、反対のない人を施行者としては真剣に考えて、そのような人を選ぶようにするということが非常に大事な問題だと思います。
○田上松衞君 こういう的確なものを二分の一の同意を得られないというような場合にどうするかという点について、何か別個な考えがあるかと思ってお聞きしておりますが、どうもなかなかそこまでにはお考えがいっていないようですが、それはそれといたしまして、今度は施行令の中の審査委員の解任に関する件、施行令の十七条の三項に謳ってありますね。「審査委員が次の各号の一に該当するとき、その他審査委員たるに適しないと認めるときは、その審査委員を解任することができる」、そこでその該当する場合はこれこれと、それから同意を要しない場合にはこれこれと、ここまではわかるのですよ。ところが「その他審査委員たるに適しないと認める」というのはどういう場合になりますか。どういう場合を想定しておられるのですか。
○政府委員(關盛吉雄君) この「心身の故障のため職務の執行に堪えられない」とかへあるいは「職務上の義務違反」とか、これに相当するような事柄で、審査委員がこの重要な職責を果たすというためには、関係の住民の権利関係の仕事を審査または同意をいたしますので、その関係では工合が悪いというようなことが現実にはあり得るのじゃないかということで、その「その他審査委員たるに適しない」という意味を入れたわけでございまして、前回も御説明申しまして皆さんの御意見もあったのでございましたので、そういうふうな場合におきましては、やはりこの選任の場合と同様に関係の権利者の賛否を問いまして、そして解任をするということが、この仕事の円滑な実施の上からみて、信用という点において欠けることがあってはいかぬというので、こういう四項の規定を設けたわけでございまして、その他適しないという意味は一号、二号と同程度の場合と、こういう意味で掲げたわけでございます。
○田上松衞君 どうもそういうようなことを計画局長が言いまくるのじゃないかと思うから、私は前あらかじめ大臣の的確なお答えをいただきたいということを注文しているわけですよ。今御説明されたことはよくわかっているのです。私さっきお断わりしたように「次の各号の一に該当するとき」と、それは「心身の故障のため職務の執行に堪えられないと認められるとき」と、その二つは「職務上の義務違反があるとき」と、それはその前段の場合なんですよ。「その他審査委員たるに適しないと認めるとき」という「その他」という場合はどういうことを想像されているのか、ということをお聞きしているわけなんですよ。あとの今あんたがつけ加えられた問題は、それはその四、それから同意を必要としないのは五で詳しく説明しているのですから、それはわかりきっているのですよ、そんなことは。
○国務大臣(中村梅吉君) この「その他」の場合はまあいろいろな場合を想像してこういう「その他」の字句を挿入したわけでございますが、まあ問題は審査委員の職責というのは非常に公正にやっていただかなきゃならないわけでございますが、まあ一口にその権利者の一部の人と縁故が深い等の理由でどうも不公平な意見を述べる傾向があるとか、あるいは危険性があるとかというようなことで、場合によってはこの関係権利者のうちの多数からあの人は困るというようなことに相なってきたような場合には、やはり手続を経て解任をさせねばならないような事態も起こり得ると思うのであります。まあこれらの場合等も想定いたしまして、そういうような関係権利者が疑義を抱き、あるいはその人は適任でないからかえてもらいたいという多数の意向等がありました場合には、施行者は手続を経て、やはりその手続を取らなければならない場合も起こり得ると思いますので、まあこれらを「その他」と実は考えているわけでございます。
○田上松衞君 今お聞きしたところの第十七条の四で「施行者は、前項の規定により審査委員を解任しようとする場合においては」これこれをしなければならぬ。こういうかくかくの手続をしなければならぬが、しかしこれらの関係者の中の「二分の一をこえるものの反対があったときは、同項の規定にかかわらず、その審査委員を解任することができない」と、ここにきめつけておるわけですね。「前項の規定」というのは、今のお話の心身の故障で職務の執行ができないと認めたとき、あるいは職務上の義務違反があったときという、これだけを指すのですか、もっと広く、その他の審査委員たるにふさわしくないと認めた、それまで含めてになるんですか。
○政府委員(關盛吉雄君) この四項で言っております「前項」というのは、その他審査委員たるに適しないと認めるときも含めまして、すべてを言うわけでございます。
○田上松衞君 裏からお聞きしますが、この条項で審査委員に関するあれは解任のときだけを言っておるわけですね、ところが一たん審査委員を引き受けた者が辞任しようとする場合にどうなるか、この方がかえって聞きやすいですが、たとえばその人の健康上の都合があったり、あるいはいろいろな職務関係等でどこか転任しなければならぬということがあったり、あるいはさっき例に引きました三軒茶屋のあそこでも、ああいうようなやっかいな問題があるんですが、とても委員がそんなことでは、大きな円滑にこれを推進しなければいかぬというような責任を背負わせながらそれはできない、その煩にたえられない、やめたいというような者があった場合、これの辞任の申し出があった場合に、このときでもやはりそれの関係者に向かって同意を求めなければならぬはずだろうと思いますが、いろいろに掲げてあるいろいろなものを引っぱり出してみますと、そんなことに結論がなっていくのですが、その場合の辞任というようなことが認められるものであるかどうか。
○政府委員(關盛吉雄君) 辞任は解任とは違いまして、辞任は本人がおやめにならなければならぬということで、おやめになるということでありますので、これは関係住民の賛否を求める要もない、これはどうも職務上転任をするので仕事ができないとか、あるいはとても仕事は果せないということで本人が申し出された場合は、これは辞職でございますから、自分で辞められる場合でございます。施行者が一方的に解任をしようという場合を解任と、こう申し上げているわけであります。
○田上松衞君 この場合、個人の人の名を指して言うことは実際どうかと思って心配するんですが、実際問題を考えるから言わざるを得ないんですが、たびたび例を出すように、三軒茶屋の場合、裏側を代表しておられる若菜三郎さん、お医者さんです、この人は裏側全体の意向を会議を開いてまとめてきて、こういう発言をしてくれということで、七つか八つかの強い希望を出されたわけですよ。だがしかし、それはそれとして、そこの人の言われた言葉の中には、これは私は裏側の代表者ということで呼ばれたのであるから、こう発言をしますけれども、私一個のほんとうの腹というものは別にありますといって、そうして表側を代表した櫻井さんでしたね、商店会を代表された、この人の意見ももっともだと聞かなければなるまいということくらいまで実際触れられたわけですよ。私はこういう実際問題を考える場合に、裏側の多数の人々が、たとえば委員の中でこれを何とか自分たちの希望を強く入れたいというようなことで若菜さんを推せんし、建設大臣の方でも、できるだけ円滑にした方がよかろうというようなことで、そういうところを選任するという形にかりになったとすれば、この場合、どうもある場合においてはほんとの良心と違った行き方を、住民の意向によって代表しなければならぬということにされてしまって、やっかいな問題にぶつかってしまう。これはとてもじゃないがやりきれない。自分で大きなそこに煩悶が起きてしまって、それで断わりたい。しかし施行者の方では、そんなことをしたらこれは次から次へと受けてくれる人もない。しかし実際には管理処分等の問題については、この審査委員の同意を得ることが絶対必要な条件になってしまう。こういう事実問題にぶつかったときに、そこまで詳しくお考えになってきているだろうか。今計画局長のお話の中では、委員が御自分の都合でやめるということについては、解任とは違ってその自由は束縛するわけにはいかぬのだから、これはもう辞任を認めることは当然だというだけで、その程度までお考えになっているけれども、それはそうだが、今度あとに次から次へそんなことが出たら一体仕事が進むかということですよ、これは。それについてどう考えればいいのか。われわれはこのことをしっかりしておかないと、これは何のかんのと言ったって、ただ単に諮問機関であればこれでもいいのですけれども、そこまでじゃないのですから、これが。そこに非常に危惧を持たざるを得ない。この点について的確な一つお気持を承りたい。
○政府委員(關盛吉雄君) ただいま参考人の召喚の過程における特定地区のいろいろな意見交換からの本問題についての御質問がありましたわけでございますが、もとより、この市街地改造事業を実施するということになるまでの間におきましては、関係の地区内においてこの法律の徹底はもとより、十分な調査をいたしまして、表宅地なり裏宅地の方々の十分な協力を得る態勢ができなければ、法律の円滑な実施、改造事業の円滑な促進もできないわけでございます。そのような過程にはまだどの地区とも、法律の制定が行なわれませんので、まだそういう段階になっておらないのでございますが、いざそのような段階になりますれば、この法律に従って管理処分計画なんかでも、関係の権利者の権利の調整についての施行者の案を、審査委員の同意または審査によって進めることが、関係住民の要望であるということにもなりますので、従って現在の段階で想定されることよりは、いよいよこれをやるということに関係地区内の世論がなりますれば、ただいまの御懸念の点はさほどそう審査委員を選ぶについて、適当な人公正な人を得るという努力を施行者がいたせば、困難な点はかなり解消するのじゃないか・こういうふうにわれわれ考えているわけでございます。ことにこのような仕事には不動産関係の専門家でありますとか、あるいは建築界の学識経験者等を選んで、どういう人になりましてもこういう人よりほかに選任される適任者はいないという人を、これからやります場合はモデルケースでございますので、選んでいくということになろうとわれわれも考えておりますから、御懸念の点もごもっともでございますので、その点は十分遺憾のないように努めていきたい、こういうふうに考えております。
○田上松衞君 もっとこの問題については十分とことんまでいろいろただしておきたい点がありますけれども、時間の関係がございますのでこれ以上質問はやめまして、ただ私率直に希望を申し上げておきます。 区画整理事業が始まって、区画整理に関する委員会、あれがされてから実は私は横浜市において初めからずっと引き続いて委員をやっておるわけなんです。もう一体何年になるかということなんですよ、この問題は。こうしたわれわれ建設委員の中でもまだ十分にのみ込めぬほど、いわんやこれを一般に当てはめようとする土地の人々に対して、今の程度の建設省のPRではこれは実に不安なものがたくさんあると考えられるわけなんです。区画整理をやっても、今日でもなおまだこういうような問題について、しかもあの審査会等で−−審議会ですか、の中でも、人の問題のことですから、まあわかりやすく言えば、間にはさまって非常な苦心する点がたくさんあるわけですよ。そのことが事業をずっとおくらせて不完全なものにしているということは、これは争われない事実なんです。だから私はこの問題は審査委員という職の、あるいは私当初にお聞きしました責任といいますか、一方にはこれが少なくとも管理処分について条件とされておるというような強い意味のものであるだけに、十分これについては心を砕いて万全を期していただきたい。この点を強くお願いしておきます。
○委員長(稲浦鹿藏君) ほかに御質疑はございませんか。——他に御質疑もないようでございますので、質疑は終了したものと認め、これより本案の討論を行ないます。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
○内村清次君 私は日本社会党を代表いたしまして、公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律案につきまして、付帯決議案を付して賛成いたしたいと存じます。 本法律案は、今日最も重要な問題となっております都市における街路等の公共施設の用地取得難、あるいは繁華街における店舗等の無秩序な膨脹等に対処いたしまして、密集した建築物を除去し、新たに高層建築物を建設し、これに従来の居住者を収容することにより公共用地を容易に確保するとともに、土地の高度利用、都市不燃化をもはかるものでありまして、時宜を得た方策であると思うのであります。しかしながら、本案の円滑な実施のためにはなお次の諸点が十分に行なわれることが不可欠の条件であると思うのであります。そこで本案に付帯決議を付したいと存じます。まず付帯決議の案を朗読いたします。 附帯決議(案) 政府は、本法施行に当って次の各項について十分な配慮をなすべきである。 (一) 管理処分計画において、関係権利者相互間に不均衡を生じないようにし、権利者の保護に努めること。 (二) 零細な居住者で、新建築施設について権利を取得することのできない者の救済に関して、特段の措置を講ずること。 (三) 施設建築物の共用部分の維持管理に関して、紛争を生じないよう十分に指導すること。 (四) 事業施行区域内の住民に対しては、本法の趣旨の周知徹底を図るよう努めること。 右決議する まず第一項は、関係権利者相互間における均衡にあたり、従前の権利との関係で不均衡のないようにすることであります。この法案の均衡の考え方も、区画整理の換地計画における照応の原則と同じ考え方と思いまするが、この際は土地にかわるに建築物を与えるのでありまして、関係者の心理はきわめて敏感であり複雑であります。管理処分計画における配置設計におきまして、最も適切な措置がとられる必要があるのであります。 第二項は、零細な居住者で従前の権利価額が著しく少額であり、新たな建築物を給付されるためには多額の清算金を必要とするもの、または譲渡または賃貸のできないもの等の救済方法についてでありまするが、これに対しましては住宅金融公庫の融資、公営住宅の優先入居等により万全の措置がとられる必要があるのでございます。 第三項は、新たな建築物の共用部分、共用施設につきまして、その維持、管理を十分にはかることでありまして、これにつきましては施行者は事業が完了すれば万事終わりだということでは、将来におけるこの事業の円滑な発展は望めないのでありますから、共同建築物の維持管理に関する特別立法をする等、円滑な管理を確保する必要があるのでございます。 第四項は、参考人の意見にもありましたように、本法案は一般国民が内容を理解することが難解な点もございまするので、本案の趣旨を広くPRするとともに、事業施行区域の関係者には特に懇切に内容を説明して、いやしくも利害関係者の間に紛争を生ずることのないよう努力することが必要なのであります。 以上の四点は、この事業の推進のためには欠くべからざる条件でございまするから、委員全員の御賛同をお願いいたし、政府に対しましてはこの点につきまして十分善処せられんことを強く要望いたして賛成する次第であります。
○委員長(稲浦鹿藏君) ほかに御意見ございませんか。
○田上松衞君 民主社会党を代表いたしまして、まずこの法案の精神について賛成をいたします。むしろおそきに失したがと思うくらい、早くこういう問題がさるべきだと思います。この際特にお願いしておきたいことは、この法案が通過いたしまするならば、少なくとも直接影響を受けるであろうところの、差し迫っておりまするオリンピック等の問題にも間に合うようにどんどん進めていただきたい、ということを要望しておきたいと考えます。 なお、今、内村委員から出されたところの付帯決議については全面的にこれに賛同いたします。一日も早くこの中に盛られておることを取り入れられつつ実施されんことを要望いたします。
○武藤常介君 私は自由民主党を代表いたしまして討論をいたします。公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律案に賛成いたすものであります。現在雑然たる市街地は交通上に非常に混乱を感じているのであります。土地を立体的に利用することによって、住宅店舗の利用の効率を増大し、交通上も大いに緩和され、利便を大にする点より最も効果的であると思うのでございます。今日までの土地収用法によったのでは、十分その目的を達することは困難を感じつつあるのであります。現状のままで進みますならば、全く行き詰っていかんともしがたいような状態で、何とかこれを解決しなければならぬというのは、万人の認むるところであります。 本法案は、きわめて民主的で、しかも円満裏にその目的を達成することができるのでありまして、公共の施設と同時に住宅、店舗の環境を整備し、土地の今日の状態からみるときに、最もよき、しかも行き届いた法案であると考えるのであります。これによって都市の機能を維持し、かつ増進するとともに、土地の合理的利用が達成されるならば、公共の福祉に寄与するところが大なるものがあると信ずるのであります。 最後に、ただいま内村委員から付帯決議が提案されましたが、私もつけ加えまするが、申すまでもなく、ただいまの付帯決議は法案の趣旨には大体盛られておるのでありまするが、念のためこれに付帯決議をするということには、私も賛成をいたします。 実施にあたりましては、住民の権利の移行により不利益のないように、十分住民のために懇切に取り扱うように正当なる配慮をして、画期的法案である本法案の真に価値を発揮するように、執行に当たられる方には十分の配慮を願いたい。かようなことを、きわめて簡単でありまするが、つけ加えまして私は本案に賛成する次第であります。
○小平芳平君 本法案に付帯決議を含めて賛成いたします。公共施設の整備も市街地の改造も緊急を要する問題でありますから、一日も早くその目的を達成するよう本法が施行されていくことが、国民大多数の待望するところであると思います。 次に、本法の施行は、こまかい権利関係が入り乱れている市街地のことでありますから、付帯決議の第一、第二、第三、第四とも、十分配慮されていかなければならない。ただ道路ができればよろしいとか、高層建築ができさえずれば、あとは住民まかせと、強い者が得をする、弱い者が損をするような結果にならないような配慮が必要であると思います。 それから一つつけ加えさせていただきたいことは、住宅政策にしても、都市再開発に関連するいろいろな立法措置にしても、また公共事業等にしても、なるべく一元化されていくことが望ましいと思います。いろいろの場合があるから、法律も複雑になっていかざるを得ないことはやむを得ないといたしましても、道路とか市街地の再開発とか、そういう問題は住民に深い利害関係があるわけでありますから、住民の利益をよく尊重し、その利益を主体にしていかなければならない。各省間や建設省内部の各局間で縄張り争いをするとか、利権の争いの的になるとか、そうことのないように今後の総合的な配慮や運営が行なわれていかなければならないと思います。
○委員長(稲浦鹿藏君) ほかに御意見はございませんか——。ほかに御発言もなければ討論は終結したものと認め、これより本案の採決を行ないます。 公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律案全部を問題に供します。 本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(稲浦鹿藏君) 全会一致であります。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 次に、討論中に述べられました内村君提出の付帯決議案を問題といたします。 本付帯決議案を、公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律案について、本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(稲浦鹿藏君) 全会一致であります。よって、内村君提出の付帯決議案は、本案について本委員会の決議とすることに決定いたしました。 それでは、ただいまの付帯決議につきまして建設大臣の所信をお述べ願います。
○国務大臣(中村梅吉君) 付帯決議の御趣旨の点はまことにいずれももっともに存じますので、当局といたしましては、十分この各諸項目につきまして留意をいたしまして、万全を期したいと思います。
○委員長(稲浦鹿藏君) なお、本案の審査報告書につきましては、委員長に御一任願います。 ——————————
○小山邦太郎君 私は、お許しを得まして、かねて本委員会が最も重要なる問題の一つとして取り扱って参りました砂防行政組織の充実拡張、この点に対しまして政府に質問をいたし、進んで本委員会の態度を明らかにして、この際その目的を達成するようにいたしたいという希望を持って、まず政府に質問をいたしたいと思いますので、お許しを願います。
○委員長(稲浦鹿藏君) 小山君の動議に御異議ございませんですか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(稲浦鹿藏君) 御異議ないと認めます。それでは、建設事業並びに建設諸計画に関する調査といたしまして、砂防行政組織の充実拡張についてこの際質疑をいたしたいとの申し出でありますのでこれを行ないます。
○小山邦太郎君 この問題については過般社会党の田中委員からも、また私自身も、予算委員会において建設大臣に質問をいたしたのでございまするが、残念ながら、なおわれわれの満足できるような結果を生み出しておりません。本委員会が、砂防をもって治水上並びに水災防除の上から根本問題であるとしてこれを取り扱い、その施設の徹底を期するためには、現在のように建設省にわずか一課をもってしてではとうてい目的を達し得ない、よってすみやかにその機構の整備充実をはかるように二回にわたって決議をもってその実現ということを要望いたしておったのでありまして、政府もまたこれにこたえてぜひその実現をはかりたいと、されば昨年砂防事情十カ年計画実施にあたりましても、その実行を本委員会において公約されておったのでございます。しかるに、政府は、本議会に建設省設置法の一部改正案を提出して、今衆議院で審議中であるのでございまするが、その中に建政局の設置はうたってありまするが、砂防行政組織の充実については何ら触れておりません。これは一体どういうわけであるか。今日までの建設当局が決して怠慢であったとも思いませんが、今日までの経過及び今後この問題解決に対していかなる決意をもって取り組もうとするか、これについて政府の御答弁を願いたい。
○国務大臣(中村梅吉君) 実は、御承知の通り、三十六年度予算編成の段階におきましても、砂防課をさらに砂防部に機構を強化いたしまして、砂防事業の徹底を期したいという考えから、砂防部設置を行政管理庁及び大蔵省に要求をして参りましたような次第でございます。ただその際に御承知の建政局の設置と砂防部の新設と、この二項目の要求が並行に相なりましたような次第で、いろいろ行政管理庁及び大蔵当局と折衝の結果、建政局の方の新設は認められることになりましたが、砂防部の設置ということが認められるに至りませんで終わりましたことは、私どもまことに遺憾に存じておる次第でございます。今後、私ども建設省当局といたしましては、極力、できるだけ早い機会に砂防部の設置を見まして、砂防行政の徹底を期することができまするように努力をして参りたいと思います。
○小山邦太郎君 ただいま伺うところによりましても、政府はこの問題を決してなおざりにしておったのではない。すでに当年度の予算編成の際も、これを計画して進んで要望いたしたのであるが、政府部内のいろいろの都合から建政局と砂防部とを、ともに実施することは困難な事情にあったので、はなはだ遺憾であるが、今後引き続きその具現に尽くしたいという政府の熱意を示されておるのでありまするが、私はこの際お諮りをいたして建設大臣自身がそれだけの積極的な考えを持っておられまするので、私はこの際本委員会の総意といたしまして、この問題のすみやかに具現できますよう、委員長はこれを議題として全委員にお諮りを願いたいと思うのでございまするが、いかがでございますか。
○委員長(稲浦鹿藏君) 各党で一つこの問題が実現のできるように……
○村上義一君 私は、ただいま小山委員の御質疑に対して建設大臣から信念の御発表がありましたが、これに関連してのことでありますが、この砂防事業の機構拡充に関する決議案を提案して、皆様の御賛同をお願いしたいと思うのであります。 まずもって決議案を朗読いたします。 砂防事業の機構拡充に関する決議案 砂防事業の緊急かつ重要性にかんがみ、本委員会は機構の拡大と事業量の増大の促進について再度決議し、政府も治水事業十箇年計画においてその推進を約束している。 しかるに現行の砂防行政組織は建設省の一課に過ぎず、未だ決議の実施がなされていない。このような状況では砂防事業の完遂は甚だ不安である。よつて政府は三十六年度中に少くとも部程度のものにこの組織を拡大強化すべきである。 右決議する。 ということでありますが、御承知のごとく、わが国の地勢上、また年々惹起しております河川災害の実情にかんがみまして、砂防事業の重要性につきましては今さら多言を要しないと思うのでありまして、治水の要諦は砂防にあるというても決して過言ではないと信ずるのであります。 本委員会におきましては、先刻、小山委員からお話がありましたごとく、昭和三十三年九月及び昭和三十四年九月の再度にわたりまして、砂防予算の拡大並びに砂防機構の拡充に関して、全会一致決議を行なって参ったのであります。政府におかれましては昭和三十四年の伊勢湾台風を契機として、三十五年十二月治水十カ年計画を決定して、治水事業の推進をはかって来られたのでありまするが、治水事業十カ年計画における砂防事業費は、前期五ヵ年においてわずかに七百三十億円にとどまっておりまして、はなはだ遺憾でありまするが、これを昭和二十八年に政府が、全国にわたって詳細に検討を重ねて、策定せられた治山治水基本計画要綱に対比しまするとき、砂防事業は、なお、はなはだ遺憾な状態に残されておると言わざるを得ません。しかし、ともかく十カ年計画では千七百七十億円の事業を実現しようとしておるのでありまして、漸進的ではありまするが砂防事業が推進される機運にあることは多とする次第であります。が、一面現行の砂防行政組織を見ますと、建設省に砂防課一課を設置しているのみでありまして、かくのごとき機構では完全に砂防事業を実施推進することは、はなはだ困難であると言わざるを得ないのであります。 砂防課を砂防部に昇格すべき具体的な理由といたしましては、まず第一に、砂防事業は河川局内にあっては特殊な専門的知識、すなわち土木のほかに林学の知識も必要とするのでありまして、治山事業と有機的な関連をはかって工事の調査、計画及び実施の指導監督にも特に充実した機構を必要とするのであります。 また第二に、近時砂防指定地の業務も複雑化するとともに、施行個所も山間僻地に数多く、これが事業の実態把握、工事推進のため地方庁におきましても過半数は、土木部内に単独の砂防課を設置しております。また残余の府県におきましても、砂防課設置の機運にあるような実況であります。本省におきましても機構の拡充が必要となっておる次第であります。 さらに第三に、過去の機構を振り返ってみましても、昭和十三年から十五年の間、また昭和二十年から二十二年の間は、内務省土木局内にあるいは国土局内において、他の事業と独立して砂防課が設置されていましたことは御承知の通りであります。で、砂防事業の促進が強く要請されておりまする今日、機構の充実、砂防部の設置がきわめて必要となっていることは多言を要しないところであります。 以上の諸点にかんがみまして本決議案を提案いたしたような次第でありまするが、どうぞ委員各位の御賛同を得て全会一致御可決あらんことをお願い申し上げます。
○田中一君 私はこれに対する賛否を述べる前に、もう少し具体的にお伺いしておきたいと思うのです。 この決議案の内容は、本年度中に部にせいと、こういう決議でありますが、それはそのままの理解を私はしておりません。予算の編成権は政府が持っておりますから、従って政府自身が追加予算でこれを行なうというならいざ知らず、今日の段階ではそれも不可能と思いますので、不可能というのは、する意思が直ちにはないと思うのです、諸般の情勢から見て。従って、三十七年度四月一日からこれを実施するという含みがあるものだと私は解釈しています。そこで、かつて予算委員会でもしばしば建設大臣には質問しておったのでありますが、何といっても砂防事業の施行によって災害を守った例はたくさんあるのです。私ども十年近く当委員会に委員として出ておりますが、夏じゅうは、休みじゅうは、休みじゅうといいますか、休会中はよく山へ入りまして、その実態をよく知ってきております。伊勢湾台風でも、岐阜県等は砂防工事を施行した場所は、災害があっても軽微であることは事実です。しかし、何と申しましても仕事がふえる反面・地方自治体の地元負担というものは相当増大するのでありまして、第一の問題としては、補助率を三分の二から四分の三に上げる要求を、政府はする意思があるかないか、政府というか、建設省はあるかどうか。同時に農林省においても、砂防事業の地元負担並びに地方負担、地元負担並びに補助率を上げるかという点であります。提示された五ヵ年計画によって七百三十億のうち、かりにこれを四分の三の補助率にした場合にはたかだか六十一億の増加にしかすぎません。従って、十一、二億程度でこれが完成するということになろうと思うのですが、これと同時に、第二の問題として申し上げたいのは、砂防法を見ますと、砂防施設とは何かという点でありますけれども、これははなはだ明確を欠いております。建設大臣が指定するものが砂防施設だ、こういうきめ方をしておりますが、ことに心配するのは、多目的ダムあるいはダムサイトの上流における砂防施設、これを強制してもいいぐらい実施しなければならぬという考え方に立っております。一つの考え方としては、これに対する負担を水の利用者にかけても一向に差しつかえないのじゃないか。まあ発電の場合には電力にかかる、そのために国民が負担する料金が上がるなんて言っておりますけれども、その程度は非常に軽微なものだと思うのです。従ってダムの有効発電量というものが永続されるならば、それらのものは需用者が負担せずに、電力会社そのものがもっても一向差しつかえないのではないかという考え方が第二点。第三点としては、農林砂防は、復旧砂防ですね。これは大体において起債を認めております。しかしながら、建設省の緊急砂防については、起債を認めておりますけれども、通常砂防は起債を認めておらない。これも先般建設大臣並びに自治省の方に伺ったところによりますと、その意思が国会にあるならば、そういう措置も考えられるというような御答弁があったように記憶しておりますが、この三点について一つ建設大臣の所感を、考え方を伺っておきたいと思うのです。
○国務大臣(中村梅吉君) 補助率の引き上げにつきましては、私ども砂防の重要性にかんがみまして、財政当局との関係もございますが、建設省を担当している私どもとしましては、何とか改善の道を講じたい、かように考えて今後も一つ十分努力をして参りたいと思います。第二点の、ダムの上流地点における砂防の費用負担の関係でございますが、これは一つ今後研究をさせていただきたいと思います。それから第三の起債の問題につきましても、今後検討をいたしまして、できるだけ御期待に沿うように努力をいたしたいと思います。
○田中一君 そこで今村上委員が読み上げた決議でありますが、これはあなたが提案されたのだから、村上さんに御質問いたしますが、これは三十六年度中に、少なくともどの程度のものにその組織を拡大強化すべきであるかという点は、当然これには新しい予算を、何らかの形でもってその費用は予算化せよという意味が三十六年度中に含まれておるのですか。それともそうでなく、あるいは先ほど私が説明したように、三十七年四月一日から実施させようとしているのか、その点一つ。これは提案者だから村上委員に聞いていいのでしょうね。
○村上義一君 ただいまの御質問にお答えしまするが、御承知の通り、建設省設置法の一部改正法律案が現に衆議院の内閣委員会で審議継続しておる次第であります。この政府案によりますと、建政局のみが設置せられるということに相なっております。これにつきましては、前刻も大臣がお話のごとく、二本建で進んだのであるが、建政局については大蔵省、特に行政管理庁その他の賛成を得たが、ついに砂防部については賛成を得ることができなかった。もちろん法改正の内容について、砂防部設置という内容について、特段なる反対意見があったようにも聞いておりませんが、他の各省においての要望がかなりいろいろあって、一件にとどめるというようなことで整理をせられたやにほのかに聞いておるのであります。結局、建政局の設置のみが政府案として提案せられておることは、御承知の通りであります。この今決議案によりまして、少なくとも部を三十六年度において設置することにしたいという、これは決議の趣旨でありまするが、部を設置するにつきましては予算関係もあります。また定員法の関係もあるのでありまして、今日になって三十六年度から実施するということは、諸般の事情上非常に困難な点があろうと提案者みずからも考えております。で、できればまことにけっこうであります。できない場合には、少なくとも法改正だけをして、砂防部の実施は三十七年度からということで、われわれは隠忍せんければならないのじゃないか、かく考えておる次第であります。
○田中一君 かりに三十六年度中に部が誕生するといたしますと、予算としてはどのくらいかかる見込みですか、村上提案者にお伺いします。
○村上義一君 詳細なことはわかりませんが、とにかく人件費が明らかに予算に現われてこなければならぬと思うので、それには部長職の人件費、また部に少なくとも二課を設置する必要があろうかと私はそんたくしておるのであります。建設省当局におかれて、あるいは三課、四課置く必要があるという御見解ならば別であります。それにしても部長一人、課長一人の増員、また課員の増員も、勢い事業が広範、複雑になっていきます関係上、増員の必要もある。相当な人件費が、またこれに付随する物件費の増加が生じてくるというふうに考えております。
○田中一君 今私が村上委員に質問した点について、建設省としては、どのくらい費用がかかって、もしかりに今提案者の説明のように三十六年度予算の中にこれを織り込もうという努力をしたというならば、その努力という形はどういう形で具体的に示したのか、伺いたいと思うのです。
○政府委員(山内一郎君) 砂防の重要性にかんがみまして、河川局の砂防課を砂防部にしたい、こういうのを三十六年度の予算要求のときにして参りましたが、その構想は、部でございますから一人の部長、それから部に課を二つ置く、こういう構想でございます。現在すでに一課ございますので、一課ふえるわけでございます。一部一課がふえまして、課員も相当数ふえるわけでございますが、最小限度としては、一部長と一課長が増員になればいいわけでございます。その金額ははっきり覚えておりませんが、いずれにいたしましても二百万円か三百万円の程度である、こういうふうに考えております。
○田中一君 かりに今河川局長が答弁になったように、一部一課を増置しようという場合、これはむろん法律案件としては部の設置の問題が取り上げられるはずでございます。従って、考えとしては、これは建設大臣の権限で私は可能だと思う。従って一課を増置しようという考え方はお持ちなんでございますか。
○国務大臣(中村梅吉君) お答えいたします。最小限度そうせねばならないと思います。
○田中一君 その場合の人件費等予算措置は、これは大蔵省の方と話し合うならば、これは可能だとお考えになっていらっしゃるでしょうね。
○国務大臣(中村梅吉君) 金額は多くありませんでも、予算に関係いたしますから、建設省だけではできないと思います。
○田中一君 その実現は可能であるという見通しを持っていらっしゃいますか。
○国務大臣(中村梅吉君) 実は御承知の通り三十六年度の行政方針といたしましては、すでに予算も国会の議決をいただいておりますし、きまっておりますので、三十六年度に実施することは困難だと思っております。
○田中一君 今ちょっと議事録に載っておりますけれども、そういたしたいというような御答弁があったように私は耳にしておいたのですが、一課の増置はしようというような意図がおありのように聞いておったのですが、それは違っておりますか。ちょっと議事録を見ていただいて、はっきりしたいと思うのですが。
○国務大臣(中村梅吉君) それは、もしそうお聞き取りでしたら訂正をいたしておきます。一課と申しましたのは、部を新設する場合のことでございまして、部を新設する場合にはどの程度のことを現在考えているかというお尋ねのように伺いましたので、部を新設する場合には、最小限度一課は設けなければならない、こういう趣旨に申し上げましたので、三十六年度一課を設ける、こういう趣旨でお答えしたのではないのです。
○田中一君 これはもう一ぺん村上委員にお尋ねするのですが、私ども社会党、御承知のように、構造改革論をぶっておりまして、どこまでも不可能なものを押しつけよう、こういう考え方は持たないわけです。そこで、やはり具体的な可能な範囲の決議をした方がいいのではないかというような考え方に立っているわけなんです。こうしてこの決議になりますと、どうしても予算化せよという命令というか、希望の決議になりますから、その点は、これはかまわない、しようがしまいが、われわれはこの決議をすればいいのだというような点だけでは不十分だと思いますが、村上先生どうお考えになりますか。
○村上義一君 皆さんの御趣旨ごもっともでありまするが、大体わが建設委員会では、今までに二回決議をいたしているのでありまして、それで、とにかくこの程度の内容の決議は、そう不当ではないと私は信じているのでありまして、もちろん先刻御質問によって、お答えしましたごとく、予算の金額は小なりといえども、予算を直さなければならぬ関係がありますし、また・定員法にも、たとえ人数は少なくても関係がありますし、今日まで政府間の協議の複雑困難であったという事情もほのかに聞いております。本年度に実現できることを切望しますが、事態はそう安易のものではないと思うのであります。少なくともこういう決議をして、そうして各方面の深甚なる注意を、それについてできることならば、これはもちろん、この法案につきましての審査は内閣委員会にある次第であります。内閣委員会の方面とも十分打ち合わせをしまして、できることならば、今建設省設置法の一部改正法律案を修正して、これを取り入れる。しかし、予算の関係上困難である、どうしてもできないとするならば、実施時期を三十七年度としてもいいのじゃないか、やむを得ないのじゃないかというふうに考えておる次第であります。
○田中一君 私も前二回の決議案の提案には極力推進した一人でありますから、御趣旨はよくわかります。そこで、これは、われわれ建設委員会としては、今村上さんのおっしゃるように、設置法をいじる場合には、これは当然内閣委員会にかかることになっておりますので、十分に提案者並びに、もしこれが当委員会の決議になった場合には、委員長責任を持って一つ内閣委員の方と折衝し、三十六年度中にどうしても部、並びに建設省が言っておるような一課ふやし、予算化をするという決意がおありのことと思いますので、そういう意味合いでこの決議案に賛成いたします。しかしながら、そこまでの話し合いがなくてやる場合には、玉砕的な考え方を私はとるべきものではなかろうと思います。やはり可能なる範囲の決議が一番正しいのであろうと思う。従って一応この提案に対しては賛成いたしますが、その点は十分に委員長並びに各理事の諸君が善処されたいと、かように存じます。
○小山邦太郎君 だんだんの質疑応答で、政府の意図するところもわれわれの希望するところも一致しておる。ただ問題は時期とその方法にある。従って、これをなおお互いに意見を統一して、そうして内閣委員会の方に持っていくのにはどういう形で行ったらいいかということを一つ相談するために、協議会に移していただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○委員長(稲浦鹿藏君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(稲浦鹿藏君) 速記を始めて。 ただいま村上君から、砂防事業の拡充に関し決議案が提出されておりますが、本決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(稲浦鹿藏君) 全会一致でございます。 ただいまの決議案に対する建設大臣の所信を願います。
○国務大臣(中村梅吉君) ただいまの御決議の中には、三十六年度中に少なくとも部程度のものは、組織を拡大すべしという意味の事項がございますが、御承知の通り、三十六年度の行政方針は決定をいたしまして、これに関連する予算等、両院の議決をいただいておりますので、この点はまことに至難でございますが、砂防の重要性にかんがみまして、その他の部分につきましては、御趣旨の線に沿いまして、私ども極力努力をいたしたいと思います。
○田中一君 引き続き、先ほど委員長から報告があったように、理事会の決定に基づき、全建設省労働組合に関連する調査案件を食事の後に続けたいと思いますから……。
○委員長(稲浦鹿藏君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(稲浦鹿藏君) 速記をつけて。 ——————————
○委員長(稲浦鹿藏君) 次に、静岡県由比町寺尾山の地すべりにつきまして、その後の経過並びに処置について、林野庁から説明を願います。
○説明員(大野文夫君) 去る三月二十三日に委員会で御報告申し上げましたが、その後のことにつきまして簡単に経過報告を申し上げます。 三月二十二日に閣議で関係閣僚の懇談会の設置が決定されまして、同二十三日に、自治、防衛、科学技術、農林、運輸、郵政、建設の閣僚の懇談会が催されまして、その結果、排水路の掘さくのための排土は林野庁が主管いたしまして、緊急事業費をもって滑落の堆積土砂の排土をやることにいたしました。それから、恒久対策は、応急工事と並行いたしまして調査をいたしまして、応急工事に引き続いて実施する。三といたしまして、応急、恒久対策の総合的の運用を期するために、池田国務大臣を団長とします関係各省の共同の現地調査団を派遣することが決定されまして、三月二十九日、三十日の二日間にわたりまして、池田国務大臣を団長といたしまする現地調査が行なわれました。そして、現地で、建設当局及び地元の調査とともに、現地協議会を催しまして、その結果、由比地すべりに関しまする各省庁の連絡会議は科学技術庁が行なう。それから応急工事は林野庁が責任を持って行なう。地元の補償等の関係は静岡県が解決する。恒久対策は、各省の技術陣の協力によりまして、国営をもって行なう。このために必要な基礎的調査を至急に行なうということが、現地の協議会で決定されたわけでございます。続きまして、四月一日に、科学技術庁におきまして、関係各省が集まりまして、現地協議会の結果を再確認しておりまして、そこで中央連絡協議会というものが持たれたわけでございます。そこで、応急事業といたしましては、一応雨季までに完成するという目標を持ちまして、工事期間を五月末に目標を置いたわけでございます。で、それがためには、高度の機械力及び技術陣営が必要でございますので、業者は大手筋の社を選びまして、大成建設、鹿島、間、西松、能谷組によりまして、四月一日に現場説明、同四月四日に入札を行なったわけでございますが、いずれも工事期間を限定いたしましたものですから、なかなか工事期間内にこれを完成するということができないというような結果になったわけでございます。そこで、これは、応急工事は、先般お話ししましたように、県が実施するわけでございますが、そこで建設省の河川局長と私が現地に参りまして立会いたしまして、いろいろ業者に時期の、工事期間を五月末までにどうしてもやってもらいたいということにつきましての説明を行ないまして、最後に大成建設が、五月三十一日までに完成するということに意思表示をいたしましたので、大成建設と県が契約をすることに決定しております。で、そのために必要な経費というものは、補償費を含めまして、約二億円でございまして、これは緊急治山事業費から支出することになっております。そこで、工事の方は、排土排水工事のために、神社と民家を二軒、倉庫を一むね撤去いたさなければならないのでございまして、これが四月七日に終わりました。排土工事に要する付帯の道路開設、これが四月十日に開設されました。四月十日から四月十三日までにこの道路付近の排土をいたしたのでございますが、十四、十五日が雨天のために非常に道がこわれまして、重車両が上へ上がらないというような関係もございまして、昨日までにその搬出道路に栗石を入れる、あるいは古いまくら木を並べるというような工事が行なわれておりますと同時に、湿地用のブルドーザーを搬入して参っておるわけでございます。かわいたときは、二日ほど天気が続きますと、非常に重車両も上がるわけでございますが、一たん降りますと、十四日は約七十八ミリ程度の雨が降ったわけでございますが、そういたしますと非常に泥濘化してしまって、意のごとくいかぬということで、さらに、今申し上げましたような湿地用のブルドーザーを搬入するとともに、土石流化を防止するという目的のために、井戸掘りによりまする排水口路を目下考えて検討して、これを採用しようと思っておるわけでございます。 それと同時に、恒久対策の調査でございますが、これは四月十一日に、科学技術庁におきまして、建設省の土木研究所及び私どもの東京営林局によります調査方針の原案につきまして、各省の研究機関の技術陣営をお招きいたしまして検討していただいたわけでございます。そうしてその結果、種々建設的な意見を得まして、表面の移動量の調査、それから地質の調査、これはボーリング、物理探査による地下構造の解明でございます。それから地すべり面の調査、これは地すべりの深さの把握をする。それから地下水の調査、これは地下水と地すべりの相関関係の解明、これを調査の目的といたしまして、四月十二日に由比町に私どもの直轄事務所を開設いたしまして、県の土木研究所の方々二名、私どもの方から四名が常駐いたしておりまして、ボーリング地点弾性波及び電探の測線の選定をただいま実行中でございます。それでこれに並行いたしまして、この結果をもとといたしまして、四月二十四日に一応この中間報告を受けまして、応急工事に引き続いて実施いたします直轄の恒久対策工事の概要の方向を討議するということに、ただいま中央連絡協議会におきまして討議するということに、ただいまの経過が相なっておるわけでございます。 以上簡単でございますが、ただいままでの地すべりの対策の経過報告を終わります。
○委員長(稲浦鹿藏君) それでは、これにて一応休憩いたします。 午後一時四十九分休憩 ————・———— 午後三時二分開会
○委員長(稲浦鹿藏君) 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。 建設事業並びに建設諸計画に関する調査といたしまして、全建労組員懲戒処分問題について調査を行ないます。 建設省から大臣、事務次官、官房長のほか、参考人として、東北地方建設局長田坂榮美君が出席いたしております。それではまず大臣から御発言願います。
○国務大臣(中村梅吉君) 実はまことに遺憾な次第でありましたが、先般職員の違法行為がございましたので、私どもといたしましても、秩序維持のために、実は泣いて馬謖を切る思いで、十一名の馘首を含む百三十数名に対する懲戒処分を行なった次第でございます。この内容につきましては、いずれまた御質疑等に従いましてお答えをするといたしまして、さしあたり、先般御要求のありました資料も提出いたしておりますので、資料の説明及び実情について官房長から御説明を申し上げるようにいたしたいと思います。
○委員長(稲浦鹿藏君) 官房長から経過について御説明を願います。
○政府委員(鬼丸勝之君) 全建労が二月の下旬から三月の下旬にわたりまして、各地建管内において行ないました違法あるいは不当行為の状況をまず申し上げまして、それに対して建設省当局としてどういう対策、措置を講じたかということを次に申し上げ、最後に処分の内容につきまして、お手元にお配りいたしました資料に基づいて申し上げたいと思います。 まず、全建労は、ことしの一月下旬以来、昭和三十五年度の部分定員化について、採用を古い者順から行なえということが一つ、それからもう一つ、二番目は、三十六年度の定員化を定員法による全員定員化を行なうべきであるということ、最後に共済組合の長期掛金率を千分の四十一以下に引き下げるということ、この三つの要求事項を掲げて闘争を始めましたが、これらの要求につきまして、当局に入れられないという理由で、二月の下旬から三月の下旬にかけまして、勤務時間内の職場大会等の違法不当行為を繰り返して、各地建においてひんぱんに行なったものでございます。 概況を簡単に申し上げますと、まず勤務時間内の職場大会でございますが、これは全建労の全国統一行動によるものといたしましては、三月一日には全国百二十カ所で、参加人員が六千名、その時間はいろいろでございますが、最高は一日に及んでおります。まる一日やっておる。次は三月十五日には、全国約七十カ所で、参加人員は約四千名でございまして、このときも、大会の時間もいろいろございますが、最高時間は二時間以上に及んでおります。三月二十三日は、全国約四十カ所で、参加の人員は約二千六百名、これも最高時間二時間以上のものが相当ございます。こういう職場大会を勤務時間内に食い込ましてやっているという状況でございますが、この統一行動によるもののほか、さらに地本なり——地本と申しますのは、地方建設局の全建労の本部でございますが、そこであるとか、あるいは工事事務所段階に設けられております全建労の支部、こういうものが独自に職場大会をやったというのも相当ございまして、特に東北、四国、九州の各地建の管内におきまして、相当ひんぱんに行なわれまして、特に東北のある事務所のごときは、二月の二十日から三月の二十三日までの間に、実に二十一回の勤務時間内職場大会を実施している。あるいはまた、まる一日勤務時間をほとんど全部つぶした職場大会を二回も実施している工事事務所等もあるのであります。こういうことのために、勤務時間内職場大会を実施されました工事事務所におきましては、相当の期間業務が停滞しているという実情でございます。 次には、一斉休暇でございますが、これは東北地建の管内十一事務所、その出張所におきまして一斉に職員の五割の休暇闘争が二日間にわたって行なわれております。 第三番目は、怠業行為でございますが、これは東北のやはり二つの事務所で、半日程度の黙秘による怠業が行なわれておりますし、あるいは四国の管内では二つの事務所で職場放棄の怠業行為が行なわれているのであります。 四番目は、すわり込み、これも東北地建、四国地建、関東地建の各本局、そのほか相当数の工事事務所におきまして、二月の下旬からやはり三月の中旬にわたって相当行なわれております。そのほか、各地建の本局なり工事事務所におきまして長時間にわたる団体交渉の強要が行なわれておる。本局の局長なり事務所長なり、その他幹部職員がつるし上げを受けて、そのあげく疲労こんぱいに陥られまして、確約書を書かされた、こういうような事例が相当ございます。このために二人も事務所長が病気になりまして入院をした、こういう事実がございます。 こういう違法行為なり、あるいは不当な行為が激しく行なわれたわけでございますが、これに対しまして建設省当局といたしましては、これらの行為が行なわれると予想されます場合には、従来も常に全建労に対しまして厳重な警告を発しておったのでございますが、特に今回の二月下旬からの違法不当行為に対しましては、これらの予想され得る場合には、必ず事務次官名あるいは官房長名をもちまして、このような違法行為が行なわれないように厳重警告をいたしております。また警告したにもかかわらず、こういう行為が行なわれたという場合には、地建当局あるいは工事事務所長から中止命令を出すように、地建当局に対しましても十分注意を促しておったのでございます。また一般職員に対しては、特に三月の十一日に、建設大臣から、国家公務員としてこのような違法な行為を起こすことのないように訓示を発しておるのでございます。こういうような措置をとりましたにもかかわらず、勤務時間内職場大会に参加するというようなことをやった者に対しましては、賃金カットを行ないまして、一般参加者の反省を促しておるということでございますし、また今回は、特に違法行為を指導し、あるいは教唆、扇動いたしました責任者、組合の幹部指導者に対しまして、その組織上の責任とともに、違法行為の企画、指導あるいは教唆、扇動の行為をあわせて責任を問うことにいたしまして、国家公務員法に基づく当該処分を行なうことになった次第でございます。 この今回の処分の内容につきましては、「懲戒処分者一覧表」という印刷物をお手元にお配りしてございますので、これで御承知をいただきたいのでございますが、懲戒処分の種類別に総体の数を申し上げますると、免職が十一名であります。停職が三十二名、停職は一カ月から十カ月まで、いろいろございますが、三十二名、減給が六十八名、戒告が二十七名、以上合計百三十八名でございまするが、これは別の一枚紙で、これもお配りしてございますような処分の理由と処分の基準によりまして、今回の時間内職場大会なり職場放棄等一連の違法行為を、当局の警告を無視して行ないました。その違法行為の企画、指導なり、あるいは教唆、扇動いたしました責任者に対しまして、法に照らして懲戒処分を行なった、こういう次第でございます。 処分の基準といたしましては、ここにも書いてございますように、違法行為が相当はなはだしく行なわれた事例につきまして、その責任を問うという考え方で、まず処分の措置を検討いたしたのでございます。それから第二は、処分の対象とするものは、全建労の本部、それから地建の本局にありまする本部に相当する地方本部というもの、それから工事事務所にありまする支部、それから工事事務所の出張所なり、あるいは本所といいますか、そこに分会というものが設けられております。こういう全建労の組織のそれぞれの機関における違法行為の指導者、それも実質的な指導者に限った次第でございまして、従って単に職場大会、勤務時間内職場大会に参加いたしました一般職員は、今回の処分から除外されております。処分の量定にあたりましては、違法行為の態様、初めの処分理由に書いてございますような、いろいろな違法行為がございまするが、これらの種類とか、あるいは程度、まあ回数、頻度というようなものもございますが、こういうものを十分考える。同時に、これらの違法行為における当該本人の役割等を具体的に勘案いたしまして、これらの事情に即して処分の量定をいたしたのでございます。 以上かいつまんで申し上げましたが、今までの経過を申し上げた次第でございます。
○委員長(稲浦鹿藏君) 御質疑の方は順次御発言を願います。
○田中一君 田坂君が来ておるんだが、東北地建、今官房長が説明された以外の、東北地建として事態を報告して下さい。
○参考人(田坂榮美君) 職場大会、団体交渉、そういうものがございますが、その回数などにつきましては、先ほど官房長のおっしゃる通りでございます。なお、職場大会とも考えられないものはその数のうちに入っておりません。それは交渉に移っていったようなもの、それは職場大会としての取り扱いをしておりません。
○田中一君 私は、御承知のように長い間、全建労、並びに全建労に対する本省側の方の数々の交渉、それからまあ闘争的な交渉も含まれておりますけれども、見聞きしておりますけれども、今回、三月の二日に、政府がこれに対処する態度というものを明らかにして、これはむろん二月下旬に行なわれたところの職場大会から端を発したものだろうと思いますけれども、この政府が出しているところの、かかる行為に対する——かかる行為というのは、職場大会に対する態度ですよ、というのは異常なものである。私は、まあ今日議席を持って十一年になりますけれども、私が経験したものと比較してみますると、異常な決意と異常な態度であるというように受け取れるわけなんです。従って、三月二日に政府が出したところの通牒、いわゆる全建労、全建設省労働組合のどういうことを予想して出されたか、通牒を中心にして一つ御説明をしていただきたいと思うのです。私が申し上げたのは、たくさんあなたの方で通牒出しているから、いろいろ混乱するといかぬから申し上げますが、労務管理要領——われわれの見方では、昭和三十三年十月二十四日に労働省が出したところの、職員の労働運動に対する管理対策要領、これに見合うようなものとして出された通牒があるはずです、要領が。それを一つ内容を説明していただきたいと思うのです。
○政府委員(鬼丸勝之君) 田中先生から、三月の二日に労務管理要領という通達を出したというお話でございますが、そういう通達は出しておりません。三月の四日に地方建設局の局長の会議を持ちまして、その会議である程度今後の労務管理の対策をどうするかという話し合いをしたという事実だけでございます。
○田中一君 もう一ぺん伺いますよ。私の手元で収集いたしました資料の中に、三十六年三月二日に、第一、基本的態度、第二、職員団体との交渉、違法行為に対する対策、違法行為の例示等、四カ条にわたる指令が出ておるはずでございます。あるいはこれが人事課から出たのかもわかりませんが、通牒でなければ人事課あてのものでしょう。
○政府委員(鬼丸勝之君) お話のような通達あるいは指令といったものは出しておりません。ただ、そういうまあ職員団体との交渉の仕方あるいは違法行為はどういうものであるかという従来の解釈ですね、そういう事柄につきまして話し合いをしたという事実はございます。
○田中一君 それではその文書を読み上げてみます。「一、基本的態度 最近全建労は昭和三十五年度部分定員化の実施、共済組合長期掛金率の引下げ等について組合の要求が容れないことを名目的な理由として、事実上の団交権、スト権の奪還を目指し、局長、事務所長等に対するつるし上げ的な団体交渉、坐りこみ、長時間勤務時間にくいこむ職場大会、一斉休暇等激烈な斗争を広汎に展開している状況である。」、これが前文なんですが、これに対処するところの人事課通達といいますか、要領といいすすか、こういうものが出ているはずでございます。で、次は、「このような情勢に対処するためには、全省一致して、自主的努力により管理体制を固め、違法、不当行為に対しては毅然たる態度で管理者としてとるべき措置をとるととが絶対必要である。従って、今后は団体交渉については従来のゆがめられた慣習を反省して正しい規律に戻して行うように管理者も努力し、組合をも指導してゆくこととし、勤務時間内職場大会等の違法行為に対しては中止するよう厳重な警告を行い、かかる違法行為が発生した場合には特に証拠蒐集、保全に努め、厳重なる行政処分を励行するとともに、刑事犯については告発をも行うものとする。」、これが基本的態度なんです。これは官房長は御承知ございませんか。
○政府委員(鬼丸勝之君) ただいま田中先生が朗読されましたものは、ちょっと正確には私もその通りであるかどうか、記憶しておりませんが、地方建設局長と三月四日にいろいろ話し合いをいたしました際の何か資料としてそういうものを配ったという記憶はございます。しかし、これは決定されたものではございません。
○田中一君 どうも官房長の答弁が逃げ腰じゃいかぬですよ。これが資料であろうと何であろうと、少なくともこの意味の、口頭であろうと文書であろうと、少なくとも本省の態度としてこういう通達をしたことは間違いございませんね。
○政府委員(鬼丸勝之君) 会議資料としてそこで配って、話し合いの材料にしたというだけでございまして、それを決定して通達したということはございません。
○藤田進君 関連して。それでは聞きますが、これは資料として、交渉の一つの手本を示したにすぎないので、あるいは基本的態度のあらましを示したにすぎないので、地方の権限者は、この通りやろうがやるまいが、何ら拘束はされない。従って、それに対して責任を生じるわけもない、この通りやらないからと言ってですね。そういう拘束力はないものですか、あるものですか。
○説明員(柴田達夫君) ただいまお話しになっておりますのは、三月四日、地方建設局長の懇談会をやったわけなんです。これは先ほど官房長から御説明申し上げましたように、三月一日から違法行為が全国にわたりまして起こって参りましたものですから、管理者側としての地方建設局長の方も、これに対してどういうふうに管理者として対処したらいいか、今まで建設省といたしましては、こういうような単独の統一的な大きな違法行為というものにぶつかっておりませんでした。管理者側としてどういうふうにこれに対処するかを相談しようということで懇談会を開きまして、その際、今官房長が御説明いたしましたように、人事課が所管であると思いますが、人事課として、そういう懇談会としての一つの資料をまとめまして、地建局長の間でこういう態度で、また、こういうような方針で管理者側は臨んでいくのがよかろうかどうかということを、相談的に話した材料でございます。従いまして、官房長がお答えしましたように、それを何のだれ兵衛の名前で地建局長あてに指示とか通達を最初からする目的ではございません。懇談会の席でこういう方針でやろうか、これではまた強過ぎるか、弱過ぎるか、あるいはどういう点に配慮すべきかというような局長側の意見を聞こうということで、会議の席上、私も出席をいたしましたが、非常に活発に地建局長側から意見も出まして、直したような点もあったかと思います。そういうようなことで、まあ何と申しますか、考え方の統一を管理者側ではかったという資料でございまして、通達として、地建局長がそれでたちまち義務を負うという形には相なっておりませんけれども、地建局長会議としては、大体そういう考え方で、管理者側としては、秩序ある、秩序を重んずるという態度で臨もうという考え方を統一したことは事実でございます。初めから通達の形になっておらないし、最後も通達にはいたしておらないのでございます。そういうものであると私は了解いたしておる次第でございます。
○藤田進君 私の質問にお答えをいただきたいのですが。
○説明員(柴田達夫君) 通達ではございませんから、それによって直ちに拘束、いわゆる大臣の訓令とか上司の命令としての拘束を持つものではございません、それ自体は。
○藤田進君 そうすればこの内容は、以下あるわけですが、それはどの部分についても同様、拘束力は持たない。その事態なり、相手方のいろいろな事情に応じて、一つの目標であるにすぎないのであって、自由裁量で地建局長はやり得る。そういう性格のものだ、こう言い切れますか。
○説明員(柴田達夫君) これは非常にやはりこまかいものでございまして、考え方を一致さして、それに基づいて一こういう考え方でいこうという一つの申し合わせ式なものに最終的にはなっております。従いまして、自立的に地建局長はそういう基本方針については一致しております。やり方の個々の細目にわたって、しゃくし定木的にやるというものではないと思います。方向としてはそういう方向で、しかしその通りに拘束力を持っているというものではない。時宜に応じてやる。そういう意味においては、拘束力までは至っておらぬと思います。
○藤田進君 私は、直接今局長さんにも聞いたわけですが、本省から来ているから、その部分々々が、やはり本省からという前提のもとに発言をされ、そういう態度をとられているわけですが、これは間違いだったわけですね、本省から来ておるというのは。
○説明員(柴田達夫君) 本省から正式に、今お尋ねの拘束力を持つと申しますか、上司の命令という形で出しましたようなものは、先ほどもちょっと官房長が触れましたが、三月の十一日に、建設省の全職員に対しまして大臣訓示を出しております。これはこれではございません。大臣訓示は全然訓示体のものでありまして、国家公務員の義務にかんがみて違法行為だけはしないようにしなさい、職員は法を守って自重しなさいという趣旨のものでございます。にもかかわらず違法行為が行なわれる場合には、厳正な態度で臨むほかない。こういう異例の大臣訓示、まあこの訓示の目的はさとす意味を持っているもの、これは全職員の方でございます。組合の幹部に対する警告ではございません。これを出しまして、その訓示を受けまして、私の記憶では、事務次官名で、きょうこういうような大臣から訓示が出たから、この訓示の御趣旨を体して、間違いのないようにしてほしいというものを出しました。それが正式の通達でございます。 それからたしかそれは、また補足いたしますが、その日でございますか、その翌日か、それをまた受けまして、そういう事務次官の、大臣訓示の趣旨を体して間違いないようにしてほしいという依命通達を受けまして、官房長から最小限度の準拠すべき注意事項をたしか出したと思います。それに今お話がございましたようなことの大綱が載っていると思います。今お話がございました、三月四日に会議をやりましたようなことの、こまかいことじゃありませんけれども、大綱、きちんきちんと、違法行為がある場合にはあらかじめ警告をするように、にもかかわらず起こった場合には中止命令を出すようにとか、そういうようなことについての通達を官房長名で出したと思います。それがお尋ねのございました拘束力を持つ命令と申しますか、通達として、地建局長が、中央から来ているということが正式に言える文書でございます。 ただ私こういうように申しますのは、前の会議のやつが間違ったことが書いてあって、それは違うという意味で申し上げたのじゃない。形を申し上げているので、初めのは会議の資料で、しかしそういう方向で考え方は一致して、三月十一日の大臣訓示を出して、通達の形で、基本的なことは地建局長に通達で示している、こういうふうに御了解をいただきたいと思います。
○田中一君 至急に十一日にお出しになったその官房長通達ですか、それを一つ……。
○委員長(稲浦鹿藏君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(稲浦鹿藏君) 速記を始めて。
○藤田進君 今の答弁ですがね、私の聞いているのは、たとえば今提示されたものにはない、交渉のときの態度とか、たとえばこういうときには黙り戦術をとるとか、詳しく書いてありますよ。そういうものが、通達があるのでということなんだが、それは実際にどんな態度を局長がとろうが、何も拘束力はないというものなのか、そう言っている局長があるとすると、それは誤りなのかということを聞いたわけで、何かその官房長から出した、今のこれの方へ御答弁が飛んでしまいまして、それはまたあとから聞きますが、前段の方をお答えいただきたいと思います。
○説明員(柴田達夫君) 今お話がありました、最初のお取り上げになった方の資料も、個々の具体的なやり方というようなものについて、ある程度具体的に触れております条項は、それが命令とか通達で、守らなければならない方向であるというものそのものではございません。先ほど来お答えいたしました、一つの一番正しい管理のあり方というようなもの、そこの参考資料に配ったという性質のものでございます。しかし、それはきらんと管理体制をやっていこう、法を守るようにやつていこうという方向に沿った具体的な方法を、ただ会議の資料で指示をしたということでございます。そのやり方に、しゃくし定木に、みな従わなければ、一々命令違反であるというものとは考えられないのでございます。
○藤田進君 法を守る範囲のものもありましょうが、ほとんどは、たとえば団体交渉する場合には予備交渉をやる、その場合にはどういう人が当たった方がいいというようなことは、これはあなた方の団体交渉受け入れのことなんですね。だから私の言わんとすることは、そういうことがしゃくし定木に、局長あたり以下に、すぐに本省の通達というふうに解されて、かえってそのことが、団体交渉の円滑を欠いていると私は見ております。従って、念のために聞いたわけですが、そういうものではないということは、これは間違いないですか。
○説明員(柴田達夫君) 間違いございません。実際の交渉は、実際の状況に即して、管理者として正しいと信ずる道をやってもらうべきだ。ただ、それは一つのひな形と申しますか、そういう例を示したものにすぎません。
○藤田進君 これを検討しますと、建設省当局側の、これは中央もむろんそうでしょうが、大臣のお考えがどうかをお伺いをしたいのですが、この内容は、少なくとも相手方を説得し、そして建設省当局の実情といったようなものを十分徹底し、そのためには、交渉も親切、誠意をもって尽くしていくというものはどこにもない。もう全体を流れているのは、懲罰的な思想のもとに、そして相手には、知らしめずよらしむべしということしか出ていないです。ややこしくなれば、もう黙ってしまえというようなことを書いてあるところを見ても、もってのほかだと思うですね。交渉をするという意味は、これは当局側だけに求めるものじゃ私はない。両者がやはり十分話し合って、そして、まとまるものはまとまる、まとまらないものはまとまらないで仕方ないでしょう。けれども、態度としては、あくまでも当局側は説得され、組合も当局を説得する。当局の方の流れているものには全然そういう気持がない。ここに建設省の今度の大きなああいう事態を起こす責任があったように私は思うんです。従来並びに今後における建設大臣とされての、当該相手方の団体に対する態度としては、いろいろ従来いわれてはきたけれども、実際に割り切れてない気がします。使用者、被用者、以下これを労使と申しますが、労使に対処するやはり基本的な気持というものをこの際重ねてお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(中村梅吉君) 今の点でございますが、実は、こういうふうな事態が三月の初めから起こってしまいましたものですから、それに対して、現地の仕事の責任者はどういうふうにすべきかという、事態に備えることの相談が、三月の四日ですか、局長懇談会で意見の交換が行なわれて、それの続きなものですから、あるいは、表面から見ますと、そういうことになっておるかもしれません。しかし、従来建設省のとってきました態度としては、現地の人たちも、できるだけ職員の人たちとは、あるいは、職員団体とは円満に話し合って進める建前できておったわけでございます。ただ、事柄が今回は起こってしまって、もう違法行為があちらこちらで盛んに起こってしまってからの事柄でございますので、一見そういうふうに受け取られるかもしれませんが、精神としては、御指摘の通り、できるだけ職員組合とは円滑な行政事務を行なうように、その心がまえには変わりはないと思っております。
○藤田進君 たとえば、今度の処分について各地で交渉が持たれた模様ですが、処分についての交渉は、もう話してみてもだめだ、相手にしないというようなことで、団体交渉自身が持たれていない。そこに処分に関連してもかなりトラブルが出てきたように私は思うんです。病人が出たとかおっしゃいましたけれども、これは途中から、どうせそういうことをするんなら、向こうが向こうなら、こっちもこっちだという投げやりな感情的なように私は見受けるわけです。どうですか。
○国務大臣(中村梅吉君) ただ、今度の要求事項といいますか、それが、大体定員化の問題と長期掛金の千分の四十三を引き下げろという問題なんでありまして、これらは実際からいいますというと、事務所や局でどうにもなる問題じゃないわけで、建設省自体としても、これはどうにもならないわけで、努力はわれわれいたしてきておるわけでございますが、それぞれ行政管理庁や大蔵省との関連がございまして、まあ大量定員化のほうはやや、八、九割通り目的は達しましたけれども、なお、行管や大蔵省としては、残された部分につきましては、実態把握を三十六年度によくしっかりやってみて、その上のことにしようということで残されたのが一部あるわけでございます。そういうような事柄が事柄なんでありますから、実際問題としては、もう現地で要求するということでは、これは話し合いの余地のない——仕事のやりくりとか、いろいろな事柄ならば、これはもう現地で話し合ってもらう以外にないのでありますが、事柄自体がそういうことでございますから、また、先ほど申し上げたように、事態が起こってしまってから処置方法について協議をし、あるいはまた、本省として現地の人たちの指針をある程度示しませんと、みな扱い方に困るというような立場で出された書類等でございますから、まあ、それだけを表面から見ますと、そういう結果になるかと思いますが、そういうようなわけでございます。
○藤田進君 いや、私の申し上げる質疑は、この文書自体の性格とかじゃなくて、建設大臣とされて、今の言葉の片りんをとらえるわけじゃありませんが、定員化の問題にしろ掛金の問題にしろ、これはとうてい局長がどうにもならぬ、自分でもどうにもならぬのだというふうに言われて、あたかも団体交渉の課題として適当でないようなふうに言われておるわけです。しかし、あなたが建設大臣としての行政を執行される場合は、やはり建設省の設置法に基づいた行政機構を通して行なわれていると思う。従って、今度の処分も、ものによっては建設省の地方局長が独自の権限でやっているという分もあるように、たとえ局長ができなくても、局長の管轄下にある被用者の職員のいろいろな意見は聞く。それは職員組合という組合を作っておる以上、その代表を通して交渉の場において聞き、話し合いをする。それが局長において専決できないものについては、そのまま意見を付して建設大臣にも進達をする。みずからもそうあるべきだと思うものは、各局長はそのために大臣を説得して、さらに大臣は閣内の意思統一をされるということでなきゃならぬと思う。それが、何か今の御答弁では、交渉自体がどうも適当でなかったように響くので、この点を指摘をしてお伺いをするわけです。
○国務大臣(中村梅吉君) この点は、実は私どもも全建労の代表者に会いました際に、極力事情なり実情を説明をしたわけです。で、われわれの考え方を御説明し、あるいは問題のあり方も説明し、あるいはこの解決についてこういう措置をとろうじゃないか、こういう打開策を考えようじゃないかということを話し合ったわけでありますが、実は私どもの考え方では納得をされないで、まあこういうような違法行為が引き続いて起こったというのが現状でございます。従いまして、われわれの立場としましては、この違法行為をこのまま放置するというわけには遺憾ながら参りませんし、将来の規律保持の上からも、とるべき手段は講じておかなければならないというようなことで、まあ御承知のような先ほど御報告申し上げたような結果に相なったわけであります。
○田中一君 今、官房長も次官も言っておるように、三月四日の局長会議に資料として出されたものは、少なくとも本省の一つの意思というものが織り込まれてあると思うのです。これは上手に次官は逃げておるけれども、その受け取られたものもある、受け取られていないものもあるということを言っておりますが、各地建の局長が、この資料を持ち帰って、これはみんなむろん不法労働行為というものがあるとするならば、それに対処するだけの法的な根拠である一つの指針になるのです。従って田坂地建局長に伺いますが、あなたはこの三月四日の局長会議に出席されて、そうしてこの資料をお持ち帰りになったのでしょうね。
○参考人(田坂榮美君) それは、ほかの書類と一緒にいただいて持って帰りました。
○田中一君 局長は、この資料は自分が、どうもおれは技術家でわからぬけれども、なかなかそれは、そういうものに対する問題点をよく書いてある、なるほどこれはこういうものか、そうして、自分としては知っているものも知らぬものもある、内容については。しかし、相当これによって、あなたが行動されたということは三月十一日に出された通牒、それからこの局長会議に提出された資料、大体資料の方には、行動的な方法まで示してある、集約されたものがこの十一日の通牒になっておるわけです。 従って、資料を忠実に実行しようという気持はお持ちになったでしょうね。いろんな議論があったけれども、ははあこれが本省の意思であるというように理解なすったものと思いますが、その点どうですか。
○参考人(田坂榮美君) 必ずしも、そういうふうには考えておりません。
○田中一君 そう考えなくて行動だけは、これによって行なったということですね、そうすると。
○参考人(田坂榮美君) 必ずしも、そういうふうなものによって行動したとは、必ずしも言えません。
○田中一君 それでは処分は、これによって、この基準によって処分を行なったというわけですね。
○参考人(田坂榮美君) その処分は、これに基づいてやったものとは違います。
○田中一君 それじゃ残念ですが、時間がかかりますけれども、あなたの処分した一人々々の行動を、詳細にここで述べていただきたい。
○参考人(田坂榮美君) 私が処分したというのは、ちょっと異議があると思います。
○田中一君 どうも、田坂君をいじめても困るのだけれども、君も機構の一人だからやむを得ぬ。 じゃ申し上げますが、免職処分は、あなた自身で免職をすべきものであるという判断で上申したものですか。
○参考人(田坂榮美君) そうであります。
○田中一君 停職処分は。
○参考人(田坂榮美君) その処分につきましての上申は、一応いろいろ書きまして、本省とよく相談して、全国的に公平、不公平のないように、公平にやっていこう、不公平のないようにやっていこう、こういうふうに相談しております。
○田中一君 減給処分は。
○参考人(田坂榮美君) 同じでございます。
○田中一君 この資料に、最近、全建労は昭和三十七年度部分定員化の実施、共済組合長期掛金率の引き下げ等についての要求、これがいれられないという名目的な理由を付して、事実上の団交権、スト権の奪還を目指しているという認定は、これはどなたが、そういう認定をして資料として提出したものですか。これは建設大臣ですか。この資料には、そういう認定がしてございます、はっきりと。われわれが了解して——私が自分ではだに触れ、目に見、自分で接触する問題というのは、部分定員化の問題と共済組合の長期掛金引き下げ等の二点だと思うのです。これを名目的な理由として、事実上の団交権、スト権の奪還を目指しているという認定は、だれがしたのですか、あるいはどの機関でなさったのですか。建設大臣自身が行なったのですか、それとも省議でおきめになったものですか。少なくとも局長が、行動的な監督権を持っているところの局長が、一つの自分の判断をする場合には、本省の意思というものが反映されないことは絶対にないわけなんですよ。この決定はどういう……。もししたならば、建設大臣がなさったものならば、どういう根拠で、どういう情勢判断でなさったか、説明をしていただきます。
○国務大臣(中村梅吉君) それは今のお話の点は、懇談会の資料の中にあるのではないかと思うのですが、当時われわれ首脳部の間で、一体今度のこの定員化及び長期掛金の引き下げ問題で、こちらとしては努力しておることも、これはもう関係職員、全国の職員、わかっているはずです。それから長期掛金というものも、それは下げれば、できればけっこうなことだし、できることならばしたいことだし、また一般の全国におる職員が強く期待しておることも間違いありませんが、これも建設省だけでできないことで、そこで、まあ大蔵省まで完全に目的を果たそうというのには、これはどうしても長期掛金は下げられることができるかどうか、積算の基礎をいろいろな角度にとって、そうして綿密な資料を手間と金をかけても作りまして、そうしてやらなければならないということで、それはやろうという、こちらは考え方で、やろうじゃないか、やるについては、共済組合運営審議会の方々にも、全員一つ参加していただいて、相協力してやろう、まあ運営審議会には、御承知の通り職員団体の代表者も入っておりますから、ですから、そういう角度でやろうという考え方でおり、またその趣旨は、機会のあったときに説明しているわけで、これだけ何しているのに、それでも今起きてきてしまっているというように、時間内職場大会なんかが起こるということは、これは何かほかに意図するところがあるのじゃないだろうか、要するに、他のよく労働問題の論議に出て参りますスト権の確立というようなことが基本なんじゃないだろうか、公務員は、現在のところとしては国家公務員法によって争議行為やスト権というものはないのだが、これを確立しようという意図からでも出ているのじゃないかというようなことは、われわれの間で話し合っておったわけであります。 そこで私どもは、その内輪の会議の、それは資料でございますから、話題の資料でございますから、そういうことを事務的に、起案をして書いた者が書いたと思うのです。従って、そういうことは、どこで決定をしたというものではまだございません。また、だれが機関にかげて決定したものでもございません。多分その懇談会に配りました資料は、所管の課であります人事課が立案をして書いたものだと思うのですが、そういう程度のものでございまして、だれが、あるいはどういう機関にはかって決定した決定版でもないわけであります。
○田中一君 これは、そういう答弁をしておるわけですが、一斉休暇等の激烈な闘争を広範に展開しておる状況であるという本省の認定は、これは本省の立案者の認定といってもかまいませんが、地建局長会議に持ち込むべき性質のものではないと思うわけです。そういうものがあるのではないかといって各地建段階の報告を受け取るのが、資料としての、会議の資料なんです。ここに現われておるのは断定しております、はっきりと。これは、三月四日に出たとすれば、今、官房長の言われたのは、二月下旬から三月下旬にわたる不当違法行為があったということを説明しております。そうして、一番大きな問題としては、全国二十カ所で参加六千名の集会のあれを持ったということを書いてあります。従って、その事態というものに対する判断というものは、一応本省がしたのだと見なければならないわけです、これは。何の会議か知らないが、立案者が上司から言われて、おそらく次官あたりに言われたかもしれないが、書いたものに違いないわけです、断定しております。局長会議、各局長から、どういう申達があったか存じませんけれども、少くとも認定して、断定して書いております。 それから、その次にあるのは、報復的態度、挑発的態度が、ここに明らかになっておるのは、こういうことが書いてあります。今後は団体交渉については、従来のゆがめられた慣習を反省して正しい規律に戻そう、文書は、その通りでございます。しかしながら、慣習というものは、今次建設省、二十何年かに行なわれたレッド・パージ以来、新しい慣習というものは生れてきておるのです。私は今日まで十何年間の間に、数々のこれに類似した行動があったことを知っております。これに類似したところの行動があったのです、労働組合の、あったことを知っております。しかし、これも慣習として、またあの賃金カット等の処分は、かりにそれが不法行為であれば、当然賃金カットの処分を受けるべきでございましょう。おそらく受けた歴史もあるでしょう、あると思います。しかし、これが三月二日に、この時点で、こういう態度が決定されておる。慣行というものには、いい慣行も悪い慣行もございます。しかし、お互いに理解し合うことが慣行でございます。その慣行は、今までゆがめられておったという一方的な反省だけで、こういう意思が決定されるべきものではないと思う。慣行というものは尊いものです。立ち小便をしても、おまわりさんはそう激しくどならないのが慣習です。生理的な現象で立ち小便をしても、そうとがめるものはありません。これはあまり芳ばしい慣行ではないかもしれないが、そういう事例は、われわれ社会生活、日常生活の中でたくさんございます。それらを一挙に正常、正常というものは何か、これは慣行こそ正常だと思います。法律に無理がある。行き過ぎはないだろうけれども、条文としては正しいでしょうけれども、そこは、人間として、集団生活としての無理があった場合には、新しい秩序としての慣行が生まれるべきだ。これは建設大臣は弁護士として、十分私の言っている意味の弁護をなさったことと思います。これに対しては、それが不正当であるとか、ゆがめられたと見るべきものじゃない。きびしい法の前に容認される慣行というものはあり得るはずなんです。これは一方的に、もう三月四日に、この局長会議の議題として、このようなものが提案されるということは、私は一種の挑発行為ではなかろうかということを強調するわけです。 と同時に、まだございます。かかる違法行為が発生した場合には、特に証拠収集、保全に努め、厳重なる行政処分を励行するとともに、刑事犯については告発をも行なうものである、このくらいきびしい峻厳な法の執行者はございません。こういう態度をもって、今度は三月四日の時点において、この態度を確認しているという事実、私はこれに対しては、法は峻厳でございましょうけれども、涙のない一方的な挑発行為が裏にひそんでいるのではなかろうかという私はおそれを感じます。このような基本的な態度をもって臨もうという、労働組合に対する態度というものは、今までの容認されたよい慣行をも一方的にじゅうりんして、法の前にのみこれを照らして、この背景のもとに処分されたというこの事実に対しては、あなた方自身が反省しなければならぬ点が多々あろうと思う。 私は、これは建設大臣、あなたは練達な弁護士でいらっしゃいます。こういう背景のもとにこういう態度、少くとも拘束力がない一片の、ただ局長の会議の資料であるというのがれ言葉をもって、局長に対して行動的な一つの示唆を与えたという点につきましては、建設大臣、どうお考えになりますか。
○国務大臣(中村梅吉君) 懇談会に配付しました配付資料は、おそらく担当官が、大体思いつかれた話題になるべき事項を別記したものだと私は思うのであります。われわれその起案や、あるいは決裁をしたものでもございません。ですから、大体各地建及び出先におきましては、官房長名をもちまして、三月十一日ですか、公式に通達を出しておりますので、この通達の中を、私は今までこれを読んでおりましても、大体職員団体との交渉に当たっての措置等につきましては、人事院規則がございますが、人事院規則とほとんど並列のことを書いておるのでございまして、人事院規則の、こういう制度を守るべきであるという建前でやっておるわけでございます。 ただ、率直なことを申しますと、実はさきの安保闘争のころに、やはり各省が職員団体に相当の事態があったわけでございますが、どうも顧みて、建設省関係の処分等は非常に他に比較しても、ゆる過ぎたということは、われわれは実は過去の事態を、当時私は責任者でありませんけれども、反省をいたしているわけでございます。今度こういうような十分話し合い、十分またお互いに相協力して善処しなければ、解決のできない、建設省のみをもっては解決のできないような懸案を掲げて、このような混乱が起き始まっておるということは、どうも、そのころの処置が手ぬる過ぎた結果じゃないかというように私自身考えております。 従って、今回の事態に対しましては、あくまで制度上明記され、またわれわれに課せられておる責任を十分に遂行いたし、そうしてそれぞれ全職員にも反省していただいて、正しい姿になってもらわなければ困るという考え方は、私自身も持っておったわけでございます。今お読み上げになりました配付資料は、私ども関知し七おりませんので、討議の資料として、だれか担当官が起案をして提示したものと思いますが、公式には、役所の機関でございます官房長が、三月十一日付をもちまして示達いたしました文書が公式のもので、これが出先の各機関によって尊重されたという姿であろうと思います。
○田中一君 これは建設大臣ね、あなたの関知しないものだとおっしゃるけれども、少なくともこの問題に当面しているのは、各局長なんです。局長に事前に、このような資料を配付すれば、これは局長に与えられたところの当然の権限でありましょうけれども、またそれを行なっても、何ら差しつかえないのだという気持を持つのは当然でございます。むろんこれらのここにある十一日の通牒というものを集約すれば、こういうことになるのでしょう。しかし具体的な方法まで列記しておられるというこの資料は、これは重大な責任の問題、どなたも責任を負わないという点については、今大臣の言われているようなことが、むろん正しいかもしれませんけれども、少なくとも挑発的意思があったんではなかろうかと疑われるような文章が、怪文書として局長会議に配付されたと、まあ怪文書という言葉がおかしいなら、資料として配付されたというととは、やはり一つの示唆ですよ。もう役人というか、公務員というものは、おおむね自分の責任をのがれるために、上手な逃げ道を作っておくのが、これは保身の技術でございましょうけれども、しかしこの資料の内容をつぶさに読んでみますと、随所に、そうした挑発的な意思があったんではなかろうかと思うのです。 たとえば、これは議事録もテープコーダーもなかったでしょうからわかりませんが、二月の二十日に建設大臣並びに官房長その他と、全建労の職員が会見したときに、大臣の退席があったんですが、はっきりと官房長は、昨年の三月、村上建設大臣と私とが立ち会って行なったところの協定書というものは、こういうものは、全部一方的に破棄する、というようなことも言っているように聞いております。 それからこの二つの問題につきましては、この闘争の目標になっている問題につきましては、予算委員会等でも、私から建設大臣にもるると申し上げました。むろん建設大臣も、この問題になっております点は、十分に今後の問題として検討しようということでお約束しておるし、ことに鬼丸官房長が、そういうものは意味ないというようなことを——意味ないというか、一方的に、そういうものは御破算だというような発言というものは、昨年の三月協定というものを無視するという通告です。と同時に、部分定員化の問題につきましては、私は現業の四大臣に、一人々々質疑をいたしました。農林大臣も、はっきりとそのような無理はいたしません、運輸大臣もしかりです、北海道開発長官しかりです。ところが発令してしまったところの建設大臣は、その合法性を主張しておられた、決して非合法とは思いません、国会でもって議決したところの部分定員化という法律案が通った以上、事務的に事務当局は、その辞令を出すのは当然でございましょう、しかしながら建設大臣が所管するところの行政範囲内において末端の職員との摩擦というものは、政治的に避けなければなりません。そのために、従来ともいろいろな慣行がありました。北海道開発長官は発令しておりません。そういうような政治的配慮というものが、同じかまの飯を食っているあなた行政府の長として、あなたと血の通っているところの末端の職員が、どうしてもこれは古い者の順にしてくれというふうな切実な職員の労働組合の内部をおさめるための要求を、るる言っているにかかわらず、それを他の大臣は強行しないにかかわらず、建設大臣だけは行なったという、この時点において、地方の職員が、筋違いかもしれません、筋違いといいますか、直接に工事事務所長とかあるいは地建の局長等をつるし上げる云々とかいうことは、あるいはその権限がない方々の場合もあるかもしれませんですから、多少の無理はあったかもしれません、がこれらの政治的の配慮によって、他の大臣はそれを、そうした紛糾を避けておる、発令したものは一ぺん預かって、そのまま取り返した大臣もおります、ことに大蔵当局では、何も三十五年度に辞令を出さなければならないということはございません、御都合によって四月になっても五月になっても一向差しつかえございません、こういうような発言もしておるんです。そうして行政機関の一括定員化の法案も出ております、これと一緒に行なうことの方が、建設大臣としてあなたの分担する事業がスムーズに行なわれたことだと私は思うんです。この点は、相当建設大臣としても苦慮されたことを私も知っております、何とかして、この事態を早く解決したいという熱意はあなたも私も持っておりました、しかし他の大臣、現業所管の大臣が撤回まだは反省をし、政治的な配慮を払って、労働組合との摩擦を避けておる、これを、あなただけが強行しなければならなかったという点、やはり他の現業部門の大臣と比較いたしまして、これに挑発されたという、若い労働組合員の行動があったことは、あなたお認めになりませんか。他の現業部門の大臣と比較して、それに刺激されて、多少行き過ぎはあったというような情状酌量的な気持はお持ちになりませんか。
○国務大臣(中村梅吉君) この点は、実は今、私は正直過ぎたということであるかもしれませんけれども、部分定員化の場合には、予算の説明書にも行一、行二の制度が従来からございまして、行一から何人、行二から何人という説明を国会に出しております、また同時に、この行一と行二は事務職員と現場職員で職務の担当が違うわけであります、御承知の通り。そこで行一、行二の差別をなしにして、古い者順で部分定員化の採用をしろ、こういう注文は、私はどう考えても無理だと思うんです。やはり行一の職場におる人たちは、従来の例にならって、今度何人定員化ができるとするならば、自分らの仲間から何人定員になれるという期待をもっておるわけでありますから、従来の期待権を無視するということは、私はどうも常道でないと思うのです。将来、こういう制度が変わり、あるいは行一行二の区別の仕方を変えた場合は別でありますが、すでに先任者時代にきまって、そういうふうになっておるものでありまする以上は、私はこの期待をもっておる人たちの期待通り、また予算説明において行一何人、行二何人となっておる通りに行なうのが、私は本筋だと思うのであります。 そこで問題は、それにしても、今田中さんの御意見は、職場の諸君がたとえどうあろうとも、行一行二の区別なしに古い者順の採用の道を講じろといっておるのに、それとまつこうから対立するというのは下策じゃないか、こういう意味の御発言と承りましたが、そういう点は、私ども十分配慮いたしまして、三月多分末であったと思いますが、年度末まで実は引きずってきたわけであります。 そこで、もう一つ問題は、定員化した者の給与と、そうでない事業費支弁でやっております常勤的非常勤の給与とは、金の出し方の費目も違いますしいたしますから、年度末には、これはどうしてもさばかなければならないという考え方に立っておったわけでございます。そこで、三月の今御指摘がありました二十日という話でしたから、二十日と思いますが、全建労の代表者と私会見をいたしました際に、意見が対立をいたしました。私は正規の配分で発令をいたしたい、それは困るというような意見の対立を来たしました。結局するのに結論は、その直後に奈良で、全建労の中央委員会を開く、その中央委員会前にやられてはなお困るというような話もありましたので、いさぎよく私は、それじゃ奈良の中央委員会を目の前にして、あなた方の希望を頭からいれなかったということでは、お立場もないだろうから、その中央委員会済むまでお待ちしましょう、私は事務当局のだれの意見も聞かずに、そう実は申し上げたようなわけであります。その後まで待ったのでありますが、意見の調整がつきませんものですから、もう年度の末でありますし、われわれ責任者としては、当然本来のコースに乗って処理すべきものである、こういう考えで、実は発令をいたしましたようなわけでございます。承りますと、他の省庁では発令をしなかったようなお話があるようでございますが、私としては、そのような心理状態で実行に移しましたようなわけでございます。これも三十六年度には一万一千何百名という大量定員化が、すでに予算編成を通して約束づけられておりますので、年度末に行なえば三十六年度分は、これももう予算が成立し、それから定員の改正ができれば、国会の議決が両方ととのえば、すぐに発令できるんだから、そうすれば前後しても、みんな一斉になれるんだから、ここらがわれわれの決断のしどころである、こういう考えで実は意見対立のまま、われわれとしては、実行に移したようなわけなんであります。
○田中一君 そこでもう一つ、もう一息、どっちみち一万何千名という者は定員化するんだから、一緒にこれをやろうというお考えになれば、こいつは紛争はなかったであろうかということに、あるいは緩和されたのではなかろうかという反省はございませんか。反省と言っちゃ、あなたがうんと言わぬから、そういうようなこともあったろうかというような気持はもてませんか。
○国務大臣(中村梅吉君) あるいはそうであったかもしれません。しかし私どもは、そういうように、今申し上げたような所信に基づいて行ないましたので、不服があっても、違法行為だけは避けてもらいたいというのが私の真情でございます。
○田中一君 今言う——予算委員会でも、私があなた以外の現業の三大臣にも質問をしております。そういうことは避けたい。何といっても自分の現場、現場の仕事というものは、少しでもおくれちゃ困るんだ、避けたいということを言っておったにもかかわらず、あなたは当時、あのときは発令してしまったあとでありましたから、やむを得ずそれを強弁なすったのでありました。今、まああなた自身が、もしあのときに、どっちみち予算が通った後は、定員法の問題だけであるから、これが通れば、まずこういう争いがなかったのじゃなかろうかという気持があるということは、これはやはり、あなた自身の情状酌量論の一つの、一点か二点くらいはかせげるものであろうと私は考えております。 そこで、もう一ぺん田坂君に伺いますが、あなたは、この資料を自分だけの判断の資料とお考えになっておりましたか。自分が局長として局長会議に出たでしょう。これは通達でも何でもない、通牒でも何でもないという理解に立ったのだろうと思います。もう次官も官房長も、そう言っているのだから、あなた自身も、そういう理解に立たざるを得ないと思う。そうしてこれをどうなさいましたか。この資料は、それをあなたが自分のデスクにちゃんとしまって、何かあった場合には、この資料を出して、これがあるんだなと、確認しなければならぬ、写真とらなければならぬということに、参考に使っていましたか。それとも、この資料というものは、どういうふうに使いましたか。田坂君、僕は言っておきますが、ここは委員会で、参考人で見えているのですから、私はあなたの、局長としての身分をどうこうというのじゃありません。同時に、あなたの局長としての立場が、心にもないことを言って、それが通るものでもないことを、はっきりと一つ胸におさめて答弁してもらいたいと思います。
○参考人(田坂榮美君) 今の資料と申しますのは、三月四日の局長会議に出されたものと考えます。そのものにつきましては、私は帰りまして事務所長を招集して、そういう意見のあることを述べ、そうして、その問題について、これからこれでやる、あるいはやらないとか、そういう問題は話しませんでした。そうして、もし違法行為があるという場合には、別に本省からいいろいろ話があるだろうから、それからやってもおそくはないというふうに話をしております。 ですから十一日の何の出るまでにつきましては、私としては従来通り、あるいは違法行為のようなこともございましたが、従来通りのやり方で参っております。
○田中一君 これは、建設大臣御承知と思いますが、一昨年暮れに、たしか長期掛金の問題であったか、地建の局長、総務部長は、数十名かの警官を導入して、抗議の意思を伝えようとしてすわっているすわり込みの職員を、ゴボウ抜きにして、表に引っ張り出したということがあったのです。私は違法行為を取り締るのに、それをしてはならないというのじゃございません。しかしながら同じ職場の内部でもって、警官を導入して、つまみ出したというこの事例というのは、国会におきまする警官の、乱闘の場合の挑発行為がたとえあったとしても、われわれが警官につまみ出された事実も、あなたは目の前に見ていらっしゃる。やはりその場合にも、なぜそこに至ったかということが、やはり半分は考慮されなければならぬと思うのです。俗に言いますどろぼうにも三分の理あり、三分ぐらいは、どろぼうにすら、なぜそうなったかということの理屈はあると思うのです。東北地建の局長は、あの資料をプリントにいたしまして、工事事務長会議に全部配付しております。そうしてこの内容の趣旨徹底方をはかっております。おそらく他の局長も、同じようなことをしたのであろうと思います。巧妙に、確認した書類ではない、公文書ではない、何らの意思もない単なる作文であるという強弁をなさっても、やはり末端まで、この内容が相当徹底されているということを私どもは判断しなければならぬと思うのです。問題を解決しようとするのではなくて、問題を、もう少し複雑にしようという、何らかの意図があったんではないかという疑いを私が持つのは、私が予算委員会の総括質問を終り——この問題について、決して全建労からの委嘱があったのではありません。大臣と十分に話し合って、この問題を解決しようという努力を払ったけれども、影においては、はっきりと、そういう挑発行為と見られるようなととがあったというととは、大臣、あなたは御存じないかもしれない。東北地建の局長が、この資料を全工事事務所長に配付しておる。これは単なる資料ではございません。こういう事実も、大臣は、今度の大量処分に対する反省とまでは言いませんが、考慮されなければならぬ問題が伏在しているのではなかろうかというお考え方をお持ちになりませんか。どの地建でも、どの地建局長もおそらく同じような行為をしたと思います。またこれが局長としては、局長会議の一つの意思であるというような判断をされた方々もおったろうと思うのです。 大臣、一つこの点につきましては、単なる判断資料ではなかったのではなかろうかというお疑いをお持ちになりませんか、この事態から見て。
○国務大臣(中村梅吉君) それは確かに、会合の話題の資料として作られたものと思いますが、結果的には、今お話があったように、それを持ち帰った地建局長が、各事務所の責任者に配付したというようなことがあったかもしれませんが、ただ問題は、時期的にお考えいただきたいと思います。 二月末から、もう時間内の職場大会が起こりまして、先ほど官房長から御説明申し上げましたように、当初は六、七千名の参加者、第二次の場合には四千名になり、次は三千名を割るようになってきておるわけであります。ですから、最初が一番激しかった。そういう事態が起こりましたので、適正な人事管理を、どうしてもこれはしなければならぬということで、適正人事管理という角度で考えた。これ、すべて一貫したことでありまして、全く他意がないわけであります。他意はないのでありますが、その時期を離れてお読みいただきますと、何か他意があるように受け取れる危険性があるかもしれませんけれども、そういうような時期的な関係もございまして、私としては、統一的な時間内職場大会等が、当初の激しさからだんだん下火になったということは、私は、人事管理の適正に努力したということの効果が相当現われておるのじゃないか、こう思っておるようなわけでございます。
○田中一君 私は、あなた方の方から見れば、そういう見方をするでしょうけれども、私の受けた感じというものは、一応、たしか二十四日と思いましたけれども、大臣が、中央交渉に集約しようという意思表示を、むろんこれは、官房長も次官も了承している問題と思います。ここに、やはり相当落ち着いた空気が、落ち着いた態度が、末端に浸透したものだと私は理解しておるのです。 そこで、長期掛金の問題は、これはもはや大蔵大臣も、この問題については、建設共済の歴史的な経過からみて、あるいは一律四十三とか四十四という——千分の四十三とかいうことではなくて、あるいは四十一になり得るかもしれない、四十三になり得るかもしれない、その場合には、十分に基礎の数字の調査をやって、妥当な線に従うことが当然でございますという答弁をしていますから、私はこれでもいいと思いますが、これは官房長に伺っておきたいのは、官房長は、せんだってのたしか分科会だと思いますけれども、あなたは昨年の三月協定に対しては、これは白紙にするといった覚えはないという答弁をしておりますが、もう一ぺん、その点を確認しておきたいのですが、御答弁願います。
○政府委員(鬼丸勝之君) 昨年の共済組合の問題に関する三月協定の内容につきまして、実は、ことしの二月の二十日に全建労と交渉を持ちました際に、あるいは全建労の当時交渉に参加した執行委員が、私どもが一方的に協定を破棄したようなことをいっておるようでございまするが、これは事実と相違いたしておりまして、私どもといたしましては、今後も引き下げに努力をしたい、しかしその努力のやり方としては、新しい資料に基づいて実態調査をいたして、その結果得られた新しい資料に基づいて検討しなければならないから、相当の時日を要する、こういう話をいたしておったのであります。 そこで、概定の内容のうら、四十一以下を目途とし、三十五年四月一日から適用するよう努力するというこの事項のうら、三十五年四月一日から適用すろよう努力するという部分が実現不可能になった、そういう努力が実を結ばない結果に立ち至ったということを、この二月二十日の団体交渉の際にお話をしたのでありまして、それを、まあ一方的に破棄というふうにいわれているようでありますが、事実は、そういうことでございまして、私は、今後も努力するという意向を表明いたしておった次第でございます。
○田中一君 大蔵省の給与課長は、官房長から事前に四十一にするという——この通り四十一になるのだ、四十二になるのだというような交渉はなかった。結局四十三という運審の決定を待って自分のところへ報告をしたのだ、そこで、それを認めたのだという答弁をしております。これは議事録をお読みになればわかる。昨年の三月の場合、あの協定というものは、運審で四十三を決定したのちのたしか協定だと思います。従って、あなたは努力をしたという事実はないということを法規課長もはっきりいっております。四十三の決定した数字をもって自分のところに交渉して、それをかくかくでございますという答弁を給与課長はしております。 それから伺いたいのは、と同時に、その後の運審において、四十一に何とか下げる、あるいは四十に下げるというような運審の計算委員会を持った事実がございますか。もしこれが労働組合側が加入しておらない運審の委員がおやりになったのならば、おやりになったということでけっこうでございます。少なくとも四十三の結論を持ってきた以外には、四十一とか、四十二とかいうような合理的な計算の試算をもって一たん交渉になった例はないということを言っておりますから、逆に申しますというと、あの協定を無視して、そういう計算委員会等開かずして、そのまま押し通したという官房長の方に怠慢があると私は認めざるを得ないのですが、そうでない事実があるならば、一つ御答弁願います。
○政府委員(鬼丸勝之君) 大蔵省と折衝いたしました際は、現行掛金率の千分の四十三の基礎資料によりまして折衝いたしたのでございます。従いまして、千分の四十一という数値を出して折衝いたしたのではございません。ただ千分の四十三の基礎資料に基づいて、たとえば大きなファクターといたしましては、減額退職年金の受給の希望率とか、あるいはこの退職等を含みまする脱退率、こういうこの二つの要素だけでも、私どもの方で検討いたしますると千分の二程度は下がる可能性があるという検討をいたしましたので、主としてこの二つの要素につきまして、大蔵省と折衝をいたしたのでございます。 それから計算委員会のことでございますが、計算委員会は、昨年、全建労側から三名と、私どもの方から三名で計算委員会を設けまして、新年早々から検討いたしました。その検討の内容といたしましては、今申し上げたような減額退職年金の受給希望率とか、脱退率とか、そのほかまあ廃疾率の取り方とか追加使用の処理というような問題を取り上げましたが、結局、率につきましては、結論が出ないまま委員会を解消したと、こういう経過でございます。
○田中一君 昨年の協定書を交換したとき以後、計算委員会を持ったことはございますか。
○政府委員(鬼丸勝之君) 協定を締結した以後は、全建労との計算委員会は、もうすでに解消いたしておりまして、持っておりません。
○田中一君 それでは官房長、あなたは三月協定を結んだときには、千分の四十一にするよう努力するということを、あなたは努力すると言っている。四十一以下になるように努力すると言っている。あなたは努力していない。私は、四十一にはなるんだ、しかしながら四十一以下にまで努力をしようというような理解を持っておったのですが、なるほど文章を見ると、なかなか官房長は書き方が上手で、四十一になるかならぬかわからぬけれども、四十一以下まで努力するということは、四十一にならない場合もあり得るというのですね。四十一以下、四十一も含んだ四十一以下を努力するのだということを言っている。なるほどこれは僕は一ぱい食ったというような気がするのですが、しかし、それはそれとしても、少なくともこの協定書を結んだ以後において、真剣に、労働組合の運審委員も入れて新しい計算委員会を持って検討すべきが正しいと思うのです。それをしておらぬということは、あなた方は努力をしなかったということです。大蔵省、大蔵大臣にいたしましても、そういう計数が出るなら、喜んで四十一でも四十二でもいたしますという答弁をしているにかかわらず、官房長は、当時は副本部長だった。次官が本部長、それらの役員が、そうした努力をしなかったということは、あなた方の方に非があるのではないかということも言えるのだと思うのです。 なぜ計算委員会を持たないのですか。なぜ再検討をしないのですか。これも少なくとも、情状酌量の一点や五点にはなると大臣、お考えになりませんか。これは大臣は、その立会人でなかったから、その経緯は、報告によってお聞きになったでしょうけれども、私の感じたことが正しいのでございます。当然、四十一以下に努力するというなら努力すべきです。一ぺんも計算委員会を持たぬということは、努力をしないことです。そこに運審の副本部長に対する不信感をおのずから組合員は植えつけられてくるということは大臣、お考えになりませんか。
○国務大臣(中村梅吉君) これは、まあ考えようによりましては、新しい計算の基礎をさらに立てずに、先ほど官房長から御説明申し上げましたように、ファクターとして短期の退職者の問題とか、あるいは減額退職年金の受給者の問題とかいう、ここらの目の子で、そういう計算でも、大蔵省は何とか話し合いがつくのじゃないかと思っておったところに、少しは甘さがあった気もいたします。もとより大蔵省としては、御承知の通り建設共済組合は千分の四十三で、ほかの省は千分の四十四または四十五というので、一番安い方でありますから、よほど新しい資料で的確なものを出さない限りは、そういうファクターの見方の相違くらいのことで下げる同意は、なかなかしかねる立場におったと思うのです。それを、そういうファクターの見方を一つ説明して、大蔵省を説得して、四十三をもっと下げようということが見方によっては甘かったということが言えるかもしれませんが、とりあえずは、三月協定がありましてから後に、ことしの一月に至るまで、役所としては厚生課長の担当でございますが、厚生課で大蔵省給与課と交渉をパイプになってしてきたわけでございます。もちろん官房長もなっていますが、ところが、まあ大蔵省としては、そういうファクターの見方の変換ぐらいのことで、そうなまやさしく、君の方そんなことは虫がよ過ぎる、大蔵省としては、ほかが四十四、四十五があって、おれの方を下げろと言っているのに、それも下げられずにいるのに、君の方を、さらに下げろと言っても無理だということに、ぎりぎり、もうどうしてもだめだという見通しがついたのは今年の一月でございまして、私が十二月末就任いたしまして後に、そういうことを一月になって聞きましたわけでございます。 それならば、やっぱりこれは本格的に、経費が相当かかっても、手間が相当かかっても、これは全建労とも話し、あるいは運営審議会には、全建労の代表者も入っておりますから、この運営審議会の方々全員にも御協力を願って、そうして根本的に、この長期掛金の算出をいたしまする要素を、全体についてどういう拾い方をすべきか、それからまず研究をして、その拾い方の基本に基づいて資料の整備をすることがいいのではないかということで資料の整備をしようじゃないかということになってきたわけでございます。 従いまして、官房としましては、十分努力してきたわけでございますが、遺憾ながらほかの共済組合の掛金との関連等もございまして、大蔵省を説得することができるに至らなかったというわけでございます。従って、もう全建労の代表者にも、われわれがしばしば申し上げたことでございますが、どうしてもこれは新しい資料の作成に相互協力をして、下から積み上げていって、この資料ができたのだから、一つ大蔵省は、よそとの比較はどうあろうとも、建設省に関しては、大体、起こった共済組合の歴史から違うのだから、建設共済組合だけは下げてくれ、こういうきちんとした資料を整備してかかるべきであるということに腹を固めましたのが、本年になってからなのであります。 ところが、こういうようなことで意見の対立を来たし、われわれ役所の者も、自来国会開会中でございまして、思うように意にまかせないようなわけでございますが、運営審議会に出ておられる全建労の代表者の方々と意見の一致を見さえすれば、すみやかにこれは実行に移してやっていきたいと、今日も考えておるようなわけでございます。
○田中一君 その点は、大臣からも伺っておりますし、私からも申し上げておりますから異存はございませんが、なぜ昨年の三月の十二日に協定書が出たときから、そういう資料の整備をして進めなかったかという点です。 これは、ほかの共済が四十五であろうと四十であろうと——ほかは四十五だからお前の方も四十一など、とてもなれっこないのだから、お前の方は四十三だなんということは筋違いなんです。そういうことは言いませんということを、はっきり大蔵大臣は答弁しております。これは議事録に残っております。大体、考えてごらんなさい。共済年金法という法律が通ったために、歴史ある、三十年以上の歴史を持っている建設共済、この建設共済というものが、任官をされない雇用員がお互いにお互いの身分を守り合うための建設共済組合というものがあったのでございます。こうして自衛的な低所得者と申しますか、身分の低い者たちが集まった共済組合であったにかかわらず、法律改正によって、官房長、——今度は大臣も、そうだそうですが、大臣、次官その他の高級職員もなだれ込んできたために、料率が上がったという事実をあなた方は知らなければならないのですよ。従って、最善の努力をした上になおかつ、これであるというならばですよ、今まで恩給ももらえなかった自分たちの老後を守るための共済年金、共済組合というものが、あなた方のなだれ込みによって、こういう料率が上がったという事実をあなた方自身が知らなければならない。 それには十分な、昨年の三月十二日協定というものが行なわれた後に、直ちに、時間がかかろうが、金がかかろうが、そうした合理的な計数整理をして、そうして折衝しなければならない。すべくそういう協定を結んだように僕は承知しておるのです。それをしなかったという点にやはり労働組合の職員が政府に対する、いわゆる本部長、副本部長等に対する不信感というものが当然植え付けられるという点は、十分反省してもらわなきゃならぬと思うのです。これは、次官や官房長が入らなければ、——次官や官房長ばかりじゃないですよ、各任官者が入らなければ、何もこんな動揺はございません。この点は、相当反省してもらわなければならぬ。やはり官房長あたりが——君、副本部長として実際の衝に当たっておる者が、三月十二日の協定というものを、まるで遊び半分に考えて真剣に取っ組んでいないという証拠です。それが今日の事態をもたらしたということを、大臣はよく認識しておいていただきたいと思うのです。従って反省していただきたいと思うのです、この事実を。
○国務大臣(中村梅吉君) 実は田中さんから、だいぶおしかりございましたが、この三月協定は、田中さんお立ち合いいただいたので内容よく御存じなのでありますが、一つは長期掛金の千分の四十三を引き下げるという問題。一つは運営審議会の委員の中に、全建労の代表者を三名入れるということ。もう一つは、短期掛金の千分の三十五を千分の三十三まで引き下げるという問題であったのでありますが、あとの二項目の運営審議会に全建労の代表者を三名入れること、これは直ちに実行いたしました。三番目の短期掛金の千分の三十五を三十三まで下げようという努力目標でありましたが、これは大蔵省とも、うまく話がつきまして、予想以上に、三十三が努力目標であったのが三十一まで下げられたわけなんです。不幸にして長期掛金の四十三だけが、これを下げられないでおったのですが、三項目協定をしたうち二項目は協定が実行され、しかも一項目は努力目標以下にまでなったという点は、官房が、そう怠慢であったとも思いませんので、その点は、おしかりはおしかりとして、一つ御理解をいたただきたいと私の立場では考えておるようなわけでございます。 なお、残されたこの一項目の千分の四十三の引き下げにつきましては、私とも誠意をもって、また手段を合理的に講じて、引き続き努力をして参りたいと思っております。
○藤田進君 聞いておりますと、昨年の三月十二日ですかの協定は、いろいろな理由なり、大臣は大臣なりの釈明もあるわけでしょうけれども、現実問題としては、これが解決されないで団体交渉になり、行動が伴ったと言わざるを得ないと思う。 ところが、今度の大量の——十一名と言われたが、たぶん私どもは十二名じゃなかろうかと思っております、非常勤一人ありますから。——というような解雇処分というものは、これは本人にとっては、大へんなものですね。そういう相手方に解雇処分を与え、あるいはその他の停職等々を与えるというその目的は、一体どこにあるか。
○国務大臣(中村梅吉君) お答えいたします。 この点は、国家公務員としての規律を保持という上から、実は私とも非常に慎重に考慮いたしまして、単に参加したというような者には、処分の範囲を広げないように配慮をいたし、また当初の一回のみならず、時間内職場大会等も、その後続きましたので、前後の事情を勘案いたしまして、その間、先ほど御承知の通り大臣訓令も出しましたし、あるいは次官通牒、官房長示達のような手続もいたしまして十分警告をいたしたのでございますが、にもかかわらず、かくのごとき遺憾な事態が起こりましたことについては、なるほど先ほど来の御議論もございましたけれども、われわれの立場といたしましては職場の規律保持の上から、どうしてもこの程度のことは、最小限度としてやむを得ないという決意のもとに実行に移しましたような次第でございます。
○藤田進君 職場規律と言われるけれども、まああなたは法律関係の方で、法律運営いろいろありますがね。従来の、過去長い歴史の労働運動史なり、あるいは労働法制史といったようなものは御承知だと思うのです。職場規律の確立とかあるいは能率の増進とかいったようなことが、必ずしも、法に定めてあるからといって、その刀を抜くということが至上のものだとは考えられない。今度の全建労の組織の数等から見て、他の省庁あるいは公共企業体等から比較をしてみても、かなりの、これはあなたの宝刀だとすれば、抜かれたことになる。しかしその反響は意図されたことよりも、かえって逆の方向になりがちである。そういう犠牲になった人たち、自分たちのために犠牲になった人たちを見捨てるわけにいかない。お金でできることならば、これを出し合って守っていこうということに当然なると思う。 そういうことは、今日の労働攻勢がだんだんと進化してきた歴史の中にもあるわけですね。現実に全建労でも、今日の段階であると思う。これらについての御所見を伺いたい。
○国務大臣(中村梅吉君) 実際には、違法行為の激しかった部分についてのみ処分を行なったつもりでございます。実は、私の実感を率直に申しますと、従来全建労という組合は、他の組合に比して非常に穏健な組合であったように私は承知いたしておるのでありますが、そういう関係で、安保闘争の当時の処分等につきましては、そのころの責任者が、従来の全建労の組合のあり方等にかんがみて、よその職員組合の処分よりは、よほど考慮をされたものと思うのであります。それがいい結果をもたらしたかといえば、かえってこういうような激しい違法行為を連続するような事態を招いておりますので、私といたしましては、むしろ違法行為は、少数の犠牲者の立場はお気の毒でございますけれども、あくまで追及いたしまして明確にいたしませんと、本省なりわれわれ責任者の立場で、国会で御議論をいただくのは御自由でございますけれども、最も公務員法の精神に従って仕事に従事しなければならない人たちが、われわれに若干、あるいは国会でいうような意見の余地が万一あるにいたしましても、私は、さようなことは許しておくことが、かえって今後を乱すものである。実はそう思いましたので、かような決意をもって、今回の処分を実行いたした次第でございます。
○藤田進君 しかし客観的に見て、これが三月十二日の協定が、私法上にしろ公法上にしろ結ばれている。それが事務当局の段階でうまくいかないということにとどまっているように思う。国務大臣とされて、大蔵大臣に、あるいは関連する各省担当の国務大臣にも話し合って、相当な努力をされて、しかもそれが実現不可能であったという段階まできていないように、あなた自身の努力というものは、何ら今までも聞いていない。官房長以下が何らかの交渉を持たれたに過ぎないように思う。 それが、あなたの名において大量に、こういう免職をする。こっけいですよ。その点については、片手落ちがあるように私は思う。あなた自身も、しかしそういう閣僚の間における交渉を持ち、いろいろ心血を注いだ努力をされて、それもきかなかったということとは事態が違うように思うがどうです。
○国務大臣(中村梅吉君) 実はこの協定には、先ほど申し上げたような三項目があるわけでございますが、第一項目の長期掛金の引き下げという問題が、なかなかわれわれ建設省の者が考えただけのような工合にたやすくいかない問題であるということは、——協定にはなるほど書いてありますけれども、これはもう一般世間の人じゃありませんので、役所の職員として関係しておる人たち、あるいはまた、ことに、全建労の団体を指導しておるような人たちは、十分私は了解していただいておると思う。 これがわれわれの権限のみでやれることならば、これはやらなかったならば、怠慢であり、不都合であるという突き上げは、もっともでしょうけれども、建設省だけで、これを下げるということの決定版の処置のできない問題でありまして、しかも今まで当たった結果から見ますと、もう一応、手間ひまかけて積み上げをして、資料の整理をしてみなければ合理的な引き下げの要求というものの強い拠点ができないということも、これはだれがお考え願ってもわかる問題だと思うのです。 こういう問題に関連して行なわれる私は違法行為としては、どうも違法行為が目にあまるものがあったと、こう思っております。
○藤田進君 いや、私がお伺いしているのは、事務当局だけでなくて、国務大臣とされ、建設大臣とされているあなたの努力というものがないままに、あなたの意思によって、その協約の相手方だけを処分するということは、これは公務員法なり——法はありましょう、けれども、その間に片手落ちはなかっただろうか。あなた自身も努力をされたという片りんも、どうも今のところ見つからない、これが一つ。もう一つは、全建労の組合も建設省だけでは、どうにもいかないということで、協定は協定としてこれはやむを得なかったという了解をされているということは、私の認識と違います。 本日引き続いて、さらにこの調査を進めることは、委員長理事間でも了解がついたようでありますが、全建労に確かめてみて、私の認識が違うかどうかをただしたいと思いますが、私の知る限りでは、そういう問題は紛糾して、事態がむしろ発展している、これが第二の点であります。
○国務大臣(中村梅吉君) なるほど私の努力の片りんがなかったというお話、これはごもっともでございます。私実は、十二月末に就任をいたしまして、就任早々から一月の二十日過ぎまでの間は、ほとんど予算編成に没頭いたしております。その間一月のうちに、今までのようなファクターの見方の問題くらいのことでは、大蔵省は引き下げに乗ってくれる余地がないと、こういうことがはっきりいたしました。で、私自身冷静に考えてみましても、大蔵省の立場はそうだろうと思うのです。 今までの資料によって千分の四十三ができた。それを今度見方を変えるといっても、この見方が何年か経過をしまして、そうしてこの短期の退職者とかいうような実績ができてきて、これだけの実績になった、この実績を見て直してくれ、これならまた一つの筋でございます。まだ発足したばかりで、実績も出ていないうちに、そのファクターの見方の変更をしてくれと言っても、これは無理であると、だから、これは新規巻き直し、根本から積み直す必要があるということに決意をいたしまして、事務当局も、早くそういう考え方になって、それでいこうじゃないかということに頭の切りかえをいたしましたようなわけで、この点は、従来官房におきましても、そういうふうにしていこうと、私も代表者の方々にお会いをいたしましたときに、もうそうする以外にないんじゃないでしょうか、だから、それでいこうじゃありませんか、ということで実は話をいたしておったような次第なのでございます。
○藤田進君 しかし、昨年の三月十二日から昭和三十六年度の予算編成期ないし予算の確定の時点までは、相当の日時があったはずです。しかも外国に行かなければ資料が取れないというようなものでもない。一方協定をしているその段階においては、ほんとうに実現させなければならないという意思の合意によって、協定ができたものと私は善意に解釈をして、しかし今のようなことであれば、まことに無責任の協定を結ばれて、その場をのがれたことになる。ある種の幻想を抱かせて幻滅の悲哀を感じさせている。そこにやはり、いろいろの行動の変化というものが意思として行動に変化しているというふうにしか私は取れない。この点は、まことに遺憾であったと思うのです。 端的に聞きますが、今度のような相当な、従来にないような、解雇処分以下それぞれ大量の処分をされて、ほんとうに今後の建設行政を、工事を担当していこうという立場の皆さんとしては、あと味がいいですか、さっぱりした気持でまことによかったというような気がしますか。私はほんとうに冷酷な者でない限り、あと味が悪いはずだと思う、どういうふうに感じておりますか。
○国務大臣(中村梅吉君) 三十六年度は、御承知の通り建設関係の事業規模も非常に拡大をいたしましたので、これを完全に予算消化して、使命を達成していくということは容易なことではない、かような角度に立ちまして、建設業法の改正を初め、いろいろな立法措置について、国会に御審議を願って立法化としての努力もいたしておりますようなわけで、ことに全建労のあり方というものが、こういう今のような状態で、私は非常にその事業の目的を果たすのは至難であるということを強く感じまして、どうしてもこれは規律を確立いたしまして、全員の方々へ、よく理解のある立場でお互いに協力をしてもらわなければ、この事業の消化はできないだろうというような憂慮からも、私は、実は考えておるようなわけでございます。
○藤田進君 いや、そうすると、今後も刑罰主義で臨んでいこうというふうに考えておるわけでございますか。
○国務大臣(中村梅吉君) 激しい法処分、厳罰のような処置はとりません。努めて話し合いをして、努めて私はお互いに緊密な連絡をとりまして、そうして事業の執行にあたっていきたいと思います。
○藤田進君 ということは、話し合い等を重点に置いて、円満にいこうという方針なのか。あるいはとにかく刑罰主義で臨んでいこうというのか、これは心がまえというものがあるはずです。
○国務大臣(中村梅吉君) 心がまえとしましては、努めて話し合いによって、きわめて円満に、そして違法のない全建労の職員組合として発達をしていただいて、そうして建設の業務を円満に遂行するようにいたしたいと思っております。
○藤田進君 もう一つ落ちているのじゃないですか。そういう違法行為の起こらないようにすることが、もっと源を断つことが大事じゃありませんか、当局におかれても。
○国務大臣(中村梅吉君) その点は、ごもっともでございます。
○藤田進君 二時から五時までということであります。他の委員の御発言もあろうかと思って、遠慮しながら申し上げておったのですが、私は、引き続き調査を進められるそうでありますから、資料をさらに検討しながら継続いたしたいと思います。
○委員長(稲浦鹿藏君) ほかに御質疑はありませんか。——本日は、ないようですから、本件の調査としましては、本日は、一応この程度にいたしまして、散会いたします。 午後五時十三分散会 ————・————