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38回国会参議院1961/04/13

建設委員会 第20号

発言数
194
登壇者
12
会派数
3
開催日
1961/04/13

会議録

稲浦鹿藏自由民主党

○委員長(稲浦鹿藏君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律案を議題といたします。  本日は、まず初めに、本件について参考人の方から御意見を伺いまして、その後、質疑に入りたいと存じます。  参考人の方におかれましては、御多忙中のところ御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。  それでは、これより市街地改造事業予定地の代表の方から御意見を伺いたいと存じますが、東京都の山田首都整備局長は、他の会議から中座して出席されておりますので、十一時までに帰らなければならぬとのことでございますので、初めに山田局長に対して質疑をしていただきまして、次に地区代表の方から御意見をお伺いすることにいたしたいと存じます。なお、大河原都市計画部長はずっと出席しておりますので、その点御了承願いたいと思います。  それでは、まず山田局長から御意見を承りまして、その後、質疑を行ないたいと存じます。

山田正男東京都首都整備局長

○参考人(山田正男君) 私、東京都の山田でございます。実はこのたび御審議を賜わっておりますこの法律案につきましては、私ども実はかねてから切望いたしておった趣旨の法律案でございます。むしろおそきに失するぐらいに私どもは考えておるのであります。と申しますのは、東京のような大都市の都市計画は、従来のようなとかく平面的な、あるいは線的な、また言いかえますならば、公共施設のみの計画に走る傾向のございます都市計画を切りかえまして、もっと空間的な立体的な都市計画に改める必要があるのでございます。私どもといたしましては、都市計画を切りかえるための調査、立案作業をこの数年来続けておるのでございます。そういう意味におきまして、こういう市街地の中で、たとえば道路のような公共施設を造成しよう、こういうような場合に、単に道路の造成だけでなく、あわせまして建築物の能率的な改善をはかっていく、こういうことは喫緊の仕事であろうと存ずるのであります。また、この議会におきまして、これに関連する他の法律の改正案も審議されておると聞いておるのでありますが、こういう一連の措置によりまして、公共施設の造成とあわせまして、建築物の能率的な改善が行なわれまして、市街地そのものが需要と供給のバランスのとれた都市になっていく、こういうことが最も望ましいのであります。そういう意味におきまして、私といたしましては、この法律案が一日も早く制定されることを切望いたしておる次第でございます。  以上でございます。

稲浦鹿藏自由民主党

○委員長(稲浦鹿藏君) 山田局長に対して御質疑のある方は御発言下さい。

田中一日本社会党

○田中一君 現今の都市の状態から見ても、私ども社会党としても、このような施策がもっと早く持たれないということに対しては、今の参考人と同様の共感を覚えておりますけれども、ただ、なぜ今までこういう施策がとられなかったかという点であるのであります。幸いきょうここに建設大臣もあそこで聞いておられるからあえて言いますが、何の抵抗があって今までこういう、もう当然しなければならぬというような施策がとれなかったかという点を考えてみると、私は法律を十分に消化して使っておらなかったということだと思うのです。従って、第一に伺いたいのは、この法律案が通った暁には、どういう方法で、どういう実施計画でこれを推進していくかという点が第一です。従来公共施設を、あるいは公共事業を行なう場合、御承知のように土地収用法の第三条の規定による事業ならば、この国民の権利を守る法律によって、すべての施策は行なうべきである。これはここに、私の目の前にいるところの岩沢忠恭君が昭和二十六年に提案し、社会党もこれに同調して、共同提案という形でもって出したこの土地収用法という新しい法律案、ところがこの法律を完全に使って、この事業によって受けるところの被害者等の理解の上に立つ事業というものは今までなかったのです。従って従来通り旧土地収用法のあの強権的な思想を持っているところの精神で、この新しい土地収用法をも歪曲して、常に伝家の宝刀的な権力のにおいをかざしながら、あるいはPRする、あるいは用地買収を強要するという行為が行なわれておった。そこに国民の不信感があるわけです。ことに新しい憲法のもとでは、人民の権利というものが相当法律上も明記されておる現状から見て、このような法律の行き方をとらなかったというところに問題があると思うのです。結論的に言えば、土地収用法を完全に消化して、土地収用法の事業認定というよりも、いわゆる都市計画事業ですから、事業認定というものは当然きております。全面的に現在の土地収用法、これを活用して行なおうとするか、あるいは従来通り、買収という形によってこの事業を遂行しようとするのか、との点ですが、この土地収用法の特例では、これはこの事業は入っておりません。これは、せんだって建設大臣もそういう答弁をしておりますし、法案が提案されてきておりますが、これには入っておりません。従って、どういう方法で——現行法で完全にとれを実施しようとするか、あるいは従来通りの買収方式によって行なおうとするか、これをあわせ使うなんという言葉をあなたが言ったならば、そういう答弁をしたならば、もうこの事業はできません。ということは、そこに新しいごねとくというようないやな——国民はそんな気持を、都民はそんな気持を持っておらないのですが、いやな印象を与えて、ますます問題が紛糾してくるのです。一つ山田君の答弁を求めます。

山田正男東京都首都整備局長

○参考人(山田正男君) ただいまの御指摘の件は、この法律案がもし制定された後において、都はどういうこの法律の運用、推進をしていくか、こういう点であったと存ずるのであります。そこで、それに関連いたしまして、従来土地収用法の運用の仕方がまずいじゃないか、こういう御指摘があったわけでございます。この点につきましては、私ども都の内部におきましても、従来のような土地収用法の運用の仕方がいいかどうか、こういうことは、いろいろな協議会を設けまして研究をいたしておるわけでございますが、ただ、こういう点があると存ずるのであります。と申しますのは、土地収用法という意味が、とかく一般の市民には、これが伝家の宝刀であるというような観念を持たれておるのでございまして、私は土地収用法の精神は、一方的に土地を収用するという精神ではないと思っておるのであります。むしろ、私個人の考え方から申しますならば、公共施設を造成するために他人の土地を公共団体が取得したい、こういう場合におきましては、むしろ公正な第三者が評価をしてくれる、こういうことが一番望ましいと思うのであります。でき得ればそういう組織のできることを常々切望いたしておるのでございます。しかし、もちろん現在の土地収用法におきましても、そういう運用をすることによりまして、ただいま御指摘のように、現在の法律がうまく運用できるはずのものと私は考えております。それにいたしましても、とかく従来の惰性もございますし、あるいは市民側のこれに対する偏見と申しますか、受け方もございます。そういう意味におきまして、都といたしましては、この土地収用法の精神そのものを生かしまして、土地収用法によって収用する場合でなくても、任意協議によりまして話がととのう場合におきましても、たとえば、代替地を提供するとか、あるいは代替地をあっせんする、あるいは代替施設を提供する、公営住宅の優先入居を認めるとか、あるいは移転資金の貸し付けを行なうとか——こういうものは条例を作っておりますが、あらゆる施策を講じまして、土地収用法そのものの運用と同様な方法を講じつつある、こういうのが実情でございます。それにいたしましても、とかくこういう市街地の中の公共用地の取得につきましては、最近の地価の変動が非常に異常な高騰を示しておりますために、必ずしもうまくはいっていないのでございます。今後、ただいま申し上げましたような従来の方法も運用いたしますし、また、この従来の土地収用法に対する市民の理解、こういうことにも私ども努めまして、ともども事業の推進をはかっていきたい、こう考えるのでございます。  そこで、この法律案が実際に制定されましたといたしますならは、どういうふうにこれを適用していくか、こういうお話でございますが、あらゆる公共施設を作ります場合に、この法律案の精神が適用されていけば、これはまことに理想的であり、望ましいことでございますが、やはりそれぞれの土地柄によりまして、いろいろなケースが起こってくると思うのでございます。そこで、との法律案の内容にも、この法律案を適用するに必要な条件がいろいろ列挙してございます。都といたしましては、これを運用するにあたりましては、その条件の上に、都がまたこの事業を実施していく、こういう際の条件を、抽象的な条件でございますが、そういうものを作りまして、そうしてこの実際の運用をはかっていきたい、こういうふうに考えておるのであります。そういう意味におきまして、この市街地改造法が制定されました後に、むやみやたらに従来の土地収用法を振り回すというようなことを考えておるわけではございませんが、また、土地収用法というものの正しい理解が市民に得られるならば、その意味におきましてこの土地収用法を運用していく、こういうふうに考えておるのであります。

田中一日本社会党

○田中一君 どうも、今の山田君の答弁を聞いていると、できませんな。というのは、今あなたの言っておるように、今までの事業の施行者の方の側の情性があるということを言っておるのです。そうして部民の理解も求めたい。惰性というのは、今あなたが答弁している中に含まれておると思うのです、惰性というものは。何かというと、私が希望するのは、かかる事業こそ土地収用法を全面的にお使いなさいと言うのです。土地収用法を乱用いたしません——土地収用法は国民の権利を守るための保護法なんです、実際。これを重点に置いてあるのです。十年前に新しい憲法が生まれると同時に誕生したものだけに、何といっても国民の権利、人民の持つ権利というものを非常に大きく表わしておるのが現行法なんです。これを乱用なんという言葉を使っておる東京都首都整備局長の頭の惰性というもの、旧法による頭の惰性というものを払拭しなければ、この事業はできないと思うのです。あなた自身の答弁の中に、語るに落ちておるというところが見受けられるのです。私の希望するのは、全面的に土地収用法を使っておやりなさいということなんです。何がために、今別の法律案としての土地収用法の特例、公共用地取得に関する特例というものを出そうとしておるか、まあ、現存出ておりますが、これはどこまでも土地収用法の事業者側の方に不便なところはこれをカットして、時間的に便利なようにして、収用法を全面的に使ってやろうという意思表示なんです。不幸か幸いか知りませんが、この市街地改造事業というものに対しては、今度の特例は適用されておらないというような原案になっております。今までのような説得による買収等でかかる公共事業を行なうには、とうてい困難がある。早期の事業の遂行ができないというところから、政府は今度そういう土地収用法の特例法というものを提案しておるわけなんです。これは土地収用法を全面的に使うという意思なんです。これはまだ提案されて、審議に入っておりませんが、ここにやはり旧土地収用法の権力的な思想が織り込まれていれば、これはわれわれはとうてい容認できません。しかし、現行法というものは、乱用じゃなくて、完全にこれを使うことによってのみ、国民の利益というものが明らかになるわけなんですよ。先ほどの答弁の中にも、公正な第三者の評価、認定等によってスムーズに行ないたいという、あなたの気持は現われておりますけれども、公正な第三者の評価等という言葉は、法律によりますと、土地収用委員会以外にはないわけなんです。買収なんという行為は、事業を行なうというものが、一方的に、あなたの持っておる土地を売ってくれ、あなたの持っておる建物を売ってくれという契約行為なんです。この契約行為の中でもって、相手が十万円で売ってくれと言えば、百万円じゃなければいやだというのはあたりまえなんです。十万円のものを百万円なら売りましょうと言うと、あいつは太いやつだと、そういうことを言うのです。また、とんでもないやつだということを言ってて、村八分にするというような空気を、事業の執行者がその地域において醸成しているのです。そこに反国家的な、反人民的な、同じ区域の同じ該当者に対する離間策をはかるというのが、今までのあなた方の常套手段なんです、事業執行者の。私はたくさん知っております。事例を明らかにしてもかまいません。あの手この手を使って、何とか自分のところで持っておる予算内でもって買い取ろうというような意思が、あなた方のような上級地方公務員にはないかもしれないけれども、末端の出先関係の職員というものは、この予算はこれなんだといわれれば、それによってきゅうきゅうとして、それをおっつけようと努力するのは、これは当然なことなんです。  もう一ぺん伺います。あなたは土地収用法を完全にここで使って、そして買収行為を行なわない、収用委員会にまかして、収用委員会の正しい評価その他の問題はございます。まだ収用委員会の役目はありますから、それらのものにおまかせするという態度でこの事業を遂行しようとするか、さもなければ、現在まであなた方がやっておる、うしろに刀を隠して脅かすような、権力的な買収交渉を行なうか、どちらをとるかということを伺っておるのです。今までの答弁は、好意的に考えても、今の答弁は、あなたが、どっちをやったら田中は納得するかという思惑があったから、あいまいなことを言っております。従って、はっきりしていただきたいと思います。

山田正男東京都首都整備局長

○参考人(山田正男君) 私、先ほど御説明を申し上げました際にも、こういうことを申し上げたつもりでございますが、土地収用法そのものの精神は、公正な第三者の評価にすべてを委任することでございます。こういうことが一番私は望ましいということを申し上げたつもりでございます。そういう私どもの考え方にもかかわらず、実は市民の側には、土地収用法というものが適用されるということは、これはいかにも一方的な権力的行為である、こういうふうに判断する偏見といいますか、見方が、惰性的な考え方がある、こういうことを申し上げたのでございます。そこで、私どもとしましては、実は、すべて収用法を適用いたしまして、すべての公共施設の造成につきまして、この収用法を適用して、公正な第三者の判断にすべて一任いたしたい、こういう気持は十分に持っております。ただ、これを受け取る市民の側がなかなか理解をしてくれない、そういう意味におきまして、この土地収用法の精神をそっくり生かしましたいろいろな方法を従来講じながらやってきた、こういうことを申し上げたのでございます。それにもかかわらず、必ずしも公共用地の取得は円満にはいっていないのであります。そういう意味におきまして、今後市民の土地収用法に対する考え方を改めていただくように極力PRをいたします。それと同時に、この土地収用法を極力活用いたしていきたい、こう考えるのであります。そういう意味におきまして、この市街地改造法案が制定された際に、必ずこの法律を適用するかどうかというきつい御質問でございますが、この土地収用法によって土地を取得することが、私どもから考えましても最も理想的であり、望ましいことである、そう考えております。ただ、今申し上げましたように、これを受ける市民の側の頭の切りかえもあわせながら進めていきたい、こう考えるのでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 まだあなた自身の頭の切りかえがないわけです。十年前に土地収用法という法律ができた。国民はこれに従うのです。国民はこれに従うべきなんです。また、従うつもりを持っております。今日の日本の国は立憲国です。法律を知らないからといって守らなければ罰せられます。ことに、今日の大体の諸立法というものは、人民主権という立場に立って立案されているのが多いのです。たまには与党の諸君、じゃない、政府から妙な法律も出ますけれども、大体において国民の権利を中心に考えられている立法のみなんです。従って、あなた自身が、国民の理解とか国民に対するPRとかいうことは、あとの問題なんです。収用法によって収用委員会に一切まかせて、補償の問題その他の問題を全部やってもらうのだ、裁決を受けるのだという態度をとって、そこで初めて国民が理解をするのです。  じゃ伺っておきますが、今までに東京都において一つの計画されている事業を、全面的に収用法によって行なったことがございますか、私はないと思うのです。どうもあれが反対するからといって、その部分の買収行為が不調になって契約ができないで、その部分を収用委員会にかけた例は多々あると思いますが、事業そのものを全部、一つの計画を収用委員会にかけた例は私はないと思うのです。従って、あなた方は、このいい法律を使っておらないのです。使っておらなければ、どこに国民がこれに対する理解が得られるでございましょう。得られませんよ。国民が受けた印象というものは、あの人は、田中一はごねている、ごねているから、とうとう収用法にひっかかって収用委員会にやられた、こういう見方をしているのです。いいですか。あなた方自身が、また、どこまでも抵抗する者に対してのみ収用法を適用しているのが現状じゃありませんか。そういう実態において、国民の理解なんという言葉が、これはちょっと言い過ぎでございます。あなた自身の、事業の執行者の方の頭の入れかえをしなければならないのです。もし全面的に収用法によって収用委員会にゆだねて事業を遂行するならば、私どもは法律を作っている人間であり、その法律のよさ、その法律がいかに国民の権利を全面的に守っているかという事実を教え込みまして、この法律が通った暁に、特に三軒茶屋は私の地元です。喜んでこの法律のよさというものをPRして上げます。協力して上げます。しかし、そうでなくて、今まで通りの買収行為、これも一面必要であると思います。全面的に収用委員会にゆだねて・そうして後に、そうした裁決を経ないでも、買収によって話がきまる場合もあると思います。これは好ましいと思います。その場合には、収用委員会にゆだねたものと同じような数々の特例というものも、これは認めてやりながら行なうことが必要だと思うのですよ。現に東京都は一ぺんだって一つの事業計画に対して全面的に収用委員会にゆだねてもらった例がないじゃありませんか。あるなら一つ説明して下さい。私はあなたの頭こそ強い理解を持たせなければならぬと思うのです、この法律に対する。もう一ぺん伺います、重ねて。

山田正男東京都首都整備局長

○参考人(山田正男君) 土地収用法の運用についての頭の切りかえの問題でございますが、私は、先ほども申し上げました通り、土地収用法、すべての公共施設の造成に際しまして土地収用法を運用いたしまして、公正な第三者の判定にまかせる、評価をしていただく、こういうことが最もいいと存じております。そこで、今後、ただいま御指摘のございましたように、この土地収用法を十分に運用していきたい。と申しますのは、今後の、道路を初めといたします公共施設の造成、そのために必要な公共用地の取得につきましては、従来の経緯にかんがみまして、綿密な工程計画を立てまして、その工程の誤らないように事業を実施していきたい、こういうふうに考えております。従いまして、事業の実施にあたりましては、土地収用法の定むる、たとえば土地細目の公告、こういうような手続を可及的すみやかに進めまして、そうして、ただいま御指摘のありましたように、その間協議ととのうものは協議による買収を行なう、売買を行なう、こういうような進め方をとっていきたい、こう考えておりまして、実は寄り寄りその手続を進めておる次第でございます。そういうことでございます。従来全面的に土地収用法を適用したことがあるか、こういう御質問に対しましては、遺憾ながら従来そういう例はないのであります。以上でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 山田参考人は帰るそうですから、帰っていいですが、もう一度山田参考人を呼んでいただくことを申し入れておきます。どうぞ帰ってかまいませんから。

稲浦鹿藏自由民主党

○委員長(稲浦鹿藏君) どうも山田君ありがとうございました。  それでは次に、予定地区の代表の方から御意見を承りたいと存じますが、時間の関係上お一人大体十五分程度にてお願いいたしたいと存じます。

内村清次日本社会党

○内村清次君 ちょっとその前に山田参考人にお尋ねしますが、先ほどこの法律につきまして、むしろおそきに失する、こういうような御発言がありましたが、東京都の方では、たとえばこの法律が成立いたしたといたしまして、予定地区というのが、法律に従った地区があるだろうと思うのです、何カ所か、これをどういうふうな形で、順序で、また向こう何年ぐらいで造成していくか、そういう御計画がこの法律の立案当時と一緒にできておるかどうか。  それから、それに従いまして、その予定地区の付近の人方にPRと申しますか、いろいろな折衝過程というものがもうすでになされておるかどうか、こういう点を一つお聞かせ願いたいと思います。

山田正男東京都首都整備局長

○参考人(山田正男君) 実は都といたしましては、こういう趣旨の法律の制定をかねてから切望いたしておった次第でございます。そういう意味におきまして、こういう法律ができれば、どういう個所に、この法律の適用される、該当する個所があるか。こういうことはかねてから研究いたしておるのでございます。たとえば新宿にただいま都が副都心の建設をいたしております。その中に相当部分は都有地がございますが、その他の土地は民有地である、こういうところがございます。そういうところも一つのこの法律を適用する候補地でございます。そのほか都心部の駅広場の造成に関する場合、あるいは放射四号線とか、そういった重要幹線街路の沿線、こういうものは相当部分がこの法律を適用する候補地でございます。ただ、これは候補地でございまして、必ずしもこの法律のみが手段ではないと思うのでございます。と申しますのは、この法律の精神とおおむね類似する他の方法がないわけではないのでありまして、まあ法律的な制約がないというだけでございまして、結果として同様な目的が達せられる手段がないわけではない。たとえば中高層の建築物を作ることによりまして、関係者が全部その中に入られる、こういう行為が任意で行なわれている場合が若干ございます。あるいはこの国会で御審議を別に願っておると伺っておりますが、防災建築街区造成法案でございますとか、こういった法律がもし制定されれば、そういう手段でやり得る場合もある。こういうようなことでございます。候補地につきましては相当たくさん候補地を持っておる次第でございます。

稲浦鹿藏自由民主党

○委員長(稲浦鹿藏君) それでは初めに若菜参考人にお願いいたします。

若菜三郎市街地改造事業予定地区代表

○参考人(若菜三郎君) まず三軒茶屋の特性からちょっとお話ししたいと思っております。御承知のように、この三軒茶屋は周辺のセンターといたしまして、現在はこの交通がきわめてひんぱんのところになっております。それと同時に、最近のあの周辺は地価が非常に暴騰いたしまして、特にそれは銀行、あるいは今度証券会社の進出によりまして、もう極度に暴騰をしておるようでございまして、所によりましては、中央の銀座にあるいは匹敵する価格を呼んでおるのであります。こういう非常な特性のあるところでございまして、あるいは旧市内の中央とまた違った意味があるのでございます。それから、土地に対する観念が一般の人たちにいろいろこの異なるところがありまして、第一、現在では土地というものは私有財産のきわめて最大のものであるとは言えるのであります。それで私有財産ではありますけれども、この土地はきわめて公共性のあるものであるということを、一般の住民が認識しなければいけないと思っております。  それから、市街地改造法案というものは、私もこの法案を読んでみましたけれども、なかなか広範複雑なものでございまして、一たび目を通したところで、なかなか理解し得ないところがあるのであります。それで一般の人たちも、この法案は、おそらくはっきり理解していないんじゃないかと思うのです。それで、ごく少数の関心を持っておる人においても、はたしてこれを正しく理解しているかどうか、これはなかなか疑問であると思っております。ただ、この法案の趣旨、すなわち高層建築を作るということ、それから、この防災建築を作り、土地を高度に利用する、そういうことは、まあおぼろげながらも大体理解しておることと思っております。それで、ただ賛成、反対といいましても、この法案を正しくあるいは理解し、その場合においては、一ぺんの賛成、反対という意見もあるいは順次変わってくるものじゃないかと私は考えております。  私は、きょうここに参りますことについて、うしろ側を代表して参ったものでございます。うしろ側といいますと、表の商店の取り払われたうしろにあるもののあれでございまして、との次に申しますうしろ側というのは、残る部分のことを言っているのであります。私は、ここに参ります前に、二回ほどあのうしろ側の人たちの集会を求めまして、あるいは個人をたずねまして、その人の意見を聞き、それで全体の意見をまとめて私はここに参ったのでございまして、私自身の考えもそこに幾らかは、後ほど申し述べたいとは思っておりますけれども、ここでは、その集会における一同の意見を述べさしていただきたいと思っております。  概括的に言いますと、私の理解しておる範囲においては、この法案に対しては全面的に反対である。御承知のように、三軒茶屋の道路の拡張ということは、もうすでに二十数年前からの懸案であった。そして戦争のときにも、軍の指令によりまして、表側、今の前側でございますけれども、あすこは、当然無条件立ちのきを条件にしてできたものでありまして、それで前の、今の商店街の大多数は、これを、この条件のもとにあすこに店を開いて、それで住居をかまえたものであります。それが十年余りたった現在、転々と売買されて参りまして、当時の事情をあるいは正しく理解していない今の人たちもあるかもわかりませんけれども、こういう特別の条件のもとにできた商店街であるので、だからこの際、土地収用法によりまして、前の商店街が取り払われたところで、これはもう当然なものであります。ですから、うしろ側の人たちは、すでに前側の取り払われるということをもう予期しておることで、それで予期して、すでにその町作りの自分たちの将来の建築のことについても、いろいろのプランを持っておる。それを今になってうしろ側までも犠牲を要求するような新法案を作るというその必要はないと思う。これが第一の反対の理由であります。  それで、第二は、前側の人たちは、もちろん立ちのきには無条件で立ちのく、それでそのあとに、うしろ側の人が自主的に高層の建築なり不燃住宅というものを作って、そういうあれは、前から計画を持っておる人ももう多いのでありまして、今でもこの建築は、ブランが、ますます計画が熟成していく、そういう状態にあるのであります。  そうしますと、第三の反対の理由です。自主的に防災建築を、あるいは町作りをするなら、特に改造法の必要はないものじゃないかと思う。  それから第四、もしこの改造法案によりまして共同の建築物ができた場合、今までの隣にできた建物を見ますと、いわゆる既製服式のものでございまして、その中の個人の占有区分の配分、この配分にはきわめて不安な点が多いのでありまして、将来これが個人の間の紛争のもととなるのでないかと、こういう懸念は多分にあるのであります。さらに、この建築物が収益を得る利用価値が一体どれくらいあるのか、この点も非常に疑問を持っております。  それから第五です。前の側の商店街の人たちがかりに立ちのくといたしまして、幸いこの三軒茶屋の交差点から百メートルあるいは二、三百メートルのところに、もっと詳しく申し上げますと、三軒茶屋銀座に、武蔵野ビヤホール用の敷地というものが四百坪あるのであります。これはあき地になっております。聞くところによりますと、これはまあ売地になっているわけでございまして、それと同時に、下馬寄りの南東側になるわけでございますけれども、二、三百メートル離れたところに統計局の宿舎がございまして、その宿舎跡がやはり四百坪程度の公共用地があるのであります。それで前の側の人たちが八十軒、あるいはそれよりも多いかもわかりませんけれども、それらの人たちのための、集団のそこにビルディングですか、そういうものも作ることができるのじゃないかと思います。補償金額によっては、こういうこともあるいは可能じゃないか、そういうふうにうしろ側の人は考えております。  それから、土地の値段によりましていろいろそろばんをはじいてみますと、今の改造法によりますと、大体前の側の人の利益を主とするものであり、前の側とうしろ側では主従の関係になるのであります。それでこの法案には反対する。これが第六のものであります。  それで第七、本法によらずに、自主的に防災建築街区をうしろ側の人が作る場合においても、前の側の人たちをこれに収容することについては十分話し合いする用意がある、そういうことをうしろ側の人は言っております。以上七項目の理由から、本法の三軒茶屋地区の適用については反対する。しかし、本法の趣旨にはあえて反対するものではない、こういうことになっております。  最後に、ただいままでは、前の側とうしろ側の利害関係というものが相反するところがありまして、両者の話し合いの機会というものは今まで一度もなかったのでございます。当然なくてはならなかったものが、今までないということは、その両者の間に意思の疎通を欠くこともあったかもわかりませんけれども、今後十分に前とうしろ側でもって話し合いの機会を作りまして、そして自主的建築をする場合はもちろんのこと、もしこの立法によりまして補償額がきまったり何かすれば、さらに具体的に町作りの構想というものがお話し合いによってできていくものじゃないかと、私は思っておるのでありますけれども、ただいま補償額のあれもございませんし、ただ、ばく然と前後の人たちが寄りましたところで、何ら得るところが今のところはないのであります。  それに、最後に私の考えでございますけれども、この三軒茶屋周辺の地価の暴騰、あるいは前の側を取り払うということにつきまして、特に最近有力の銀行あるいは証券会社のあそこの土在の買収がひんぴんと起こって参りまして、地上権について地主あるいは今住んでおる借地人、それらの間に非常ないざこざが多いのでございまして、たとえば売りたいと思っても、地主のあれで売ることもできない。あるいは長く入っている借家人はそれを追い出されてしまうと、そういうような非常な訴訟事件が多いのでございまして、これはあの土地の市街地の造成にきわめて困難を来たしているのじゃないかと私思っております。これらの点を十分にお考えの上で、道路の予定の拡張がもしできるなら、御参考までにお聞きいただきたい。私の意見はこれだけでございます。

稲浦鹿藏自由民主党

○委員長(稲浦鹿藏君) ありがとうございました。  次に、櫻井参考人にお伺いいたします。

櫻井正信市街地改造事業予定地区代表

○参考人(櫻井正信君) せんだって参議院の方の御視察をいただいた三軒茶屋の地域でございます。御承知のように三軒茶屋は自然発生的な町でございます。そこに玉電が入り、あるいは拡幅されますところに地下鉄が入って参ります。さらにまたバス路線も次第にふえて参りまして、現在見ますところ、あの道幅の中に交通関係のもので一ぱいにふさがっている状況でございます。そういう放四の一つの問題であります地域、このたび御審議いただいています法律をもってこの地域を指定いたして下さいますれば、非常な楽な、あるいは私どもが希望いたします町作りに対して、新しい形で問題も解決されるのではないかというふうに私ども思うのでございます。ただいまもいろいろな意味で反対の意向もございましたけれども、私どもは商店街七十名の生命と財産を守る一つの理事長といたしまして、この法律には全面的に賛成さしていただきます。  同時に、私どもは、今まで過去数年にわたって、こういう法律がどうこうということは、私どもしろうとでございますからわかりませんけれども、三軒茶屋地域に対しましては、区の理事者並びに区議会当局あるいは東京都の方々と協力いたしまして、初期にはこの地域を区画整理してはどうかというような御意見もいただき、あるいはその方法によって、いろいろと地元並びに東京都とも組んで勉強して参りましたけれども、何分にもその地域がどこまでするかということも問題でありますし、区画整理そのものが実情には合ってこないというようなことも承って参りました。しかし、一部においては、今の区長さんも、そういうことはないのだという立場から、三十四年の十二月二十五日に三軒茶屋放四に関して、周辺の地域を一緒にした整理の実施に関するお願いを東京都や、あるいは関係官庁にいろいろとお願いしてございます。その後再びその趣旨を——われわれが希望いたします、今法律で審議なされておりますような、そういう考え方から、三十五年の二月の八日に、放四拡幅に関する意見書というものを提出いたしまして、建設大臣並びに東京都の方の都知事、区長あてにもそういう意見を出して、この法案に沿うような、そうして、われわれの町に沿うような意見を具申したはずでございます。  われわれはその後、そういうふうな運動とともに、御審議願っておりますような法律もできるということを仄聞しておりますので、でき得るならば、そういうものによって、われわれの町、特にわれわれのような弱小資本でございます商店を救っていただくような法律によって、裏の人たちと同じような権利を持って、ともどもにいける町にしていきたいということを希望してきたわけでございます。この間、ここに参りますのに渡されました新法の案を私ども読ましていただきましたところが、権利者として認められる、その平等の精神というものは、りっぱな法律であり、そのもとにいくならば、われわれの商店街も双手をあげて裏の人たちとともに新しい建設に入れるのではないかというふうに思ったのでございます。特に所有権の問題についても、諸外国でもそうでございましょうが、現在の新しい流れに対しては、そういう所有権の問題がここでもある程度解決され、新しい土地制度のもとにできておりますこの問題、そういうものが非常によく理解されるのではないか。交錯しております私どもの町、さらに一宅地うしろの人たち、さらにもう一つうしろの人たちと、いろいろな意味で話し合いの場もできるのではないか。今お隣りの若菜さんが申されましたように、反対の意思もたくさんございます。たとえば、われわれの商店の側にしましても、うしろ宅地の人とのいろいろな話し合いの場においてはどうかと申しますれば、一宅地うしろの人たちは、お前たちが五十万円もらうなら、われわれは二百万もらわなければならないのだ、いわゆる期待価格も現状において建言っておる姿でございます。これらも、今度の法律によっていろいろとその問題を解決するならば、お互いの権利が平等になり、さらにまたその権利を平等にして、理想的な都市を建設するという一つの希望条件さえあれば、うまく解決するのではないかと思います。  私どもは再三にわたって陳情をして参りましたその趣旨も、決してこういうものによってうしろ宅地の人たちを侵すのではないと、われわれが前進しようとするのは、ともどもに、日本の国民として恥じない公共的な場所を提供して、そうして新しい町を作っていきたいのだという、そういう希望にしかないのでございます。これが適用されるか適用されないか、わかりませんけれども、できまするならば、先生方にお願いいたしまして、この法律を通していただき、さらに法律を通した後までもよくお見守り願いまして、われわれの地域に決定されるようにお願いしたいのでございます。同時に、きょうは東京都の方もおいでになっていると思いますけれども、われわれの三軒茶屋という特殊条件、自然発生的な非常に不整理な町というものをよく御理解願って、そうしてここにこの法律の通過の後に御適用願って、一つのモデル・ケースとして、国も、そして都も、モデル・ケースの立場でこの町というものをお考え願いたい。そうしてできますれば、オリンピックまでにはこの町を整備して、外国の人たちにも、日本人の手によってこんな町もできたということをごらん願いたいと思うのでございます。われわれは決して反対というような立場でこの道をふさぐのではなくて、広くあけて、諸外国の人を迎えたいと思うのでございます。ささやかな商人の考えでございますけれども、どうかそういうことを御理解願って、この法をお通し願うことをお願いしたいと思います。

稲浦鹿藏自由民主党

○委員長(稲浦鹿藏君) ありがとうございました。  これにて参考人の方の意見聴取は、一応終了いたしました。  これから質疑に入ります。御質疑の方は、順次御発言願います。

内村清次日本社会党

○内村清次君 若菜さんにちょっと御質問申し上げますが、先ほど私もあえて東京都の首都整備の局長に簡単な前提的な質問をしたわけですけれども、まだ私の質問に対して、十分なお答えがなかったわけです。というのは、こういった法律ができて参りますると、所有権の移動というものが激しくなってくる。それから、あなたの御陳述のような、反対の方々も相当あるんであろうし、賛成の方々もあるんであろうし、あるいは地上権や所有権に対して、いろいろな紛争の問題もできてくるんだから、そういった毎日々々が不愉快な生活環境というものが生まれてきやしないかという点を心配しておりますんで、そこで、一体こういう御計画がある場合のときに、あなた方には、どういうような都なら都、あるいはまた区なら区からPRがなされておるかどうか。いつごろあなた方に、そういった改造法というものができて、ここは該当地区になるんだというようなことが、あるいは、法案は曲がりなりにも立案中だから、こういう形で行くんだというような大筋だけの話があったんだろうかという点を、実はまず責任者から聞きたかったんです。で、まあこの点は、一つあなた方から、いつごろから、そういうお話を聞いて、そして、お話によりますると、裏側の関係の方々は再三御会合もなさったと、こういうお話ですが、現在反対の側に立っておられる方々が、全地区の全戸数のとれぐらいの人たちが反対をしていらっしゃるかというようなことですね。  それから、先ほど——まあ、それだけ聞いて、またあと聞くことにいたしましょう。

若菜三郎市街地改造事業予定地区代表

○参考人(若菜三郎君) 私自身のことを申し上げますけれども、私が現在住んでおる所は、表側にきわめて近いのでありまして、それに表側の商店街の方とは、私個人非常に皆さんに近しいのでございます。  前の方の意見は、常に前から聞いておりまして、私自身も、個人ではきわめて賛成の考えを持っておりましたのでありますけれども、このたび、うしろ側の人たちと二、三日前に初めて私は総会において接する機会を持ったのでございまして、うしろ側の人とは、初めて私はひざを交えてみんなの意見を聞いたんでございます。ところが、法案自身に対して非常に不満を持っておるような方が多いのでありまして、法案自身の趣旨さえも理解していない状態じゃないかと思っております。  それで、中には、私有財産ということを非常に強調いたしまして、あるいは、中には、先祖代々の所なんだから、上に上がるのはもういやだとか、そういうことまでも言う人があるのでございます。それに、あそこは、はえ抜きの古い人も多い所でございますから、もちろんこんな簡単な感情的なことで反対する人もあると思っておりますけれども、昨晩、日本住宅公団の方が見えまして、改造法ではないんですけれども、それに類する高層住宅の町づくりについての話がきわめて詳細にございまして、それに上りますと、非常に従来の考えとは、また変わりまして、なるほどというようなところも見受けられるのであります。それで、現在のところ、確かにうしろ側の方も、ただ改造法々々々とは言いますけれども、非常に関心を持った方でもこの法案を読んでみて、それを正しく理解するということは、ちょっとむずかしいような状態でありますから、一般の方においては、さらにPRの必要も十分にあると思っておりますし、この点を当局においても十分御理解なさいましてやっていただきたいと思っております。  それから、さっき申し上げましたけれども、前と——今ここに桜井さんいらっしゃいますけれども、前とうしろと今まで話し合いをする機会がなかったということ、私は、常に、前の側があってこそうしろがあり、うしろがあっての前なんだから、なぜ今まで話し合いの場をつくる機会がなかったかということを非常に心配いたしまして、それでこの前に、つい一週間ぐらい前に、初めて前側の会長さんの櫻井さんと、うしろ側の会長の高橋信吉さんという方がおりますけれども、その方と、隣合わせの方が、初めて面会されたのでございます。そういうような状態ですから、との話し合いによって、さらにこの法案の趣旨をうしろ側の人も徹底的に理解し、前の側の方も、この法案さえ通れば、自分たちの権益が擁護されるという、一方的な考えを持つということも、これもうしろ側の人の反感の一つの原因になっているのでありますから、この話し合いによりまして、そうして正しくこの法案を理解していったら、もっと、あるいはこの法案以上の町づくりということが可能になるといえふうに私考えておるのであります。

内村清次日本社会党

○内村清次君 そこで、まあこの点は、あとで都市計画の部長さんから……。さきほど言いましたような私の局長に聞きましたようなことね、あれをいつごろからPRして、そうしてまた、その法案が通ったならば、何年後までに完成したいという、あなたたち具体的な御計画であるかどうかということについて、その点ひとつ御説明願いたいと思うんですが、ただ、若菜さんにお聞きしたいことは、反対側は、全地区のどれくらいあるかということが一つと、これが御答弁が抜けていますから……。

若菜三郎市街地改造事業予定地区代表

○参考人(若菜三郎君) それは……。

内村清次日本社会党

○内村清次君 ちょっと待って下さい。それから、あなたのおっしゃったことで、前側のほうは、土地収用によって当然立ちのいてもいいじゃないか、そうして前側が立ちのいて、裏側の人たちが道路面になって自主的に建築をしていくんだと、こういう御発言になったんですが、その立ちのいてもいいじゃないかというような明確な理由ですね。

若菜三郎市街地改造事業予定地区代表

○参考人(若菜三郎君) 前の……。

内村清次日本社会党

○内村清次君 前の人のね、明確な理由だな。現状の権利形態というものでなくて、あの人たちは、現状は現状だけれども、当然前側は道が広くなることは、これは既定の事実ですから、広くなるだけの、かかった前側の人たちは、当然立ちのいていいじゃないかというその理由ですね。この理由を、ひとつ、もう少し詳しく話していただきたい。

田中一日本社会党

○田中一君 関連。その問題は、僕も聞きたいのだが、大河原君、放四の土地計画事業というものが、これは戦前からあるのだが、こういうような都市計画事業というものを詳細に説明してくれればいいのです。これは若菜さんの言葉は伺わないでも、計画部長がいるのだから、計画部長の放四の計画というものを話して下さい。

内村清次日本社会党

○内村清次君 それからいま一つ、反対の理由で、四の理由ですね。共同建築物として、その個人の持ち分と申しますか、その区分が、一体どれくらいになるかというようなことがさっぱりわからない、そのために、やはり所有権者は不安のために反対しておるのだ、こういうようなお言葉があっておりますが、この点は法案の中でも、私たちは、確かにその点は、不安があるだろうと思いますから、十分今審議しておりますけれども、どういうような持ち分が不正確だというような根拠を持っておられるのか、この点を一つ、御説明願いたいと思います。

若菜三郎市街地改造事業予定地区代表

○参考人(若菜三郎君) ただいま、この土地収用法によらずに、最近は、青山、あるいはいろいろな所に、高層の住宅ができておるのであります。それは、自主的に組合を作ってできたものもあるでしょうし、それで前の立ちのきのすぐうしろに、いわゆる共同のビルディングができておるのでありますけれども、このビルディングの運営が、聞くところによりますと、非常にむずかしいようでございまして、その中の占有区分の配分ということは、きわめて数字的に専門家がはじき出した数で、いろいろにそれが、ある専門家によって初めて按分されているようでございまして、かっこのビルディングの運営というものが、ときには住宅公団、あるいは株式会社、あるいは合名会社というような、いろいろの形態でビルディングの運営がやられておるのであります。  それで自分の持ち場の登記、あるいは、個人でなくて、数人の共有による登記とか、聞くところによりますと、なかなか、ちょっと聞いただけでは非常にむずかしいことがあるようでございます。そういうことを、今までのビルディングの運営を聞いておるものですから、今度できましたビルディングに対しても、同じような懸念を持つのじゃないかと思っております。しかし具体的に、との法案を読んでみますと、非常にむずかしいあれがありますけれども、私自身読んでも、ちょっとなかなか理解できないわけでございます。

大河原春雄東京都首都都市計画部長

○参考人(大河原春雄君) ただいまの御質問の点でございますが、御存じのように、放射四号につきましては、戦前から計画がきまっておりますが、戦後もそれを引き続きまして、都市計画としては、あそこの道路が四十メートルに広がるということはきまっております。ただ、計画が決定をしておりましたので、それの事業の決定は、ちょっと今、日を調べておりませんのではっきりいたしませんが、たしか昭和三十四年だと思います。三十四年に、あそこの場所を事業に決定いたしまして、道路の拡張をいたしたいということでございます。  ただ、道路拡張の方法につきましては、現在御審議をいただいております市街地改造法によるか、あるいは単独買収によるか、そういう点は、きまっておらないという段階でございます。  それから、さっき、たしか商店街が無条件の立ちのきという条件が入っているというお話がございましたが、これは、こういうことだろうと思います。あそこの場所は、御存じのように、戦災直後は、俗にバラック令と称しまして、東京都区部全区域はバラック令の適用になりまして、そのバラック令の——勅令でございますが、それによって条件がございまして、区画整理とか、その他の事業をやる場合には立ちのきをいたしますという条件がついております。現在は、そのバラック令がなくなりまして、法律的には効果がないというのが現状でございます。それから二十五年で終わりましたから、昭和二十五年以後の建物につきましては、おそらくこういう条件は全然ついておらないというように考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 私は、若菜参考人に伺うのですが、御承知のように、道路の拡幅というものは買収です。それから区画整理事業がございます。新しく今度ここに市街地改造事業というものが、この法律案によって誕生するわけなんですが、そこで、これは酷なことを伺いますが、この法律が通った場合には、従いますね。

若菜三郎市街地改造事業予定地区代表

○参考人(若菜三郎君) 法案が通れば、それはあれですけれども、三軒茶屋地区に、はたして適用になるかどうか、これは……。

田中一日本社会党

○田中一君 この法律が通って、三軒茶屋が適用になった場合には、やはりあなたは法律を守る立場から、これに従うということになりますね。

若菜三郎市街地改造事業予定地区代表

○参考人(若菜三郎君) これはもう、もちろん国民である以上は、法律に従うべきじゃないかと思っております。

田中一日本社会党

○田中一君 そこで、私ども——私は、社会党の立場で申し上げるのですけれども、態度は、まだきめておりませんが、いやだという場合には、法律が。やはり最後までいやだという意思表示を貫く方法はあるのです。けれども、結局裁判できまれば、あなたもそれに服す、これは当然だと思います、日本人である以上。とにかくこれは十分に御理解になっておりますね。こんなことを申し上げては失礼だけれども……。

若菜三郎市街地改造事業予定地区代表

○参考人(若菜三郎君) まあ、その際は、田中さんのところにお願いに上がります。

田中一日本社会党

○田中一君 そこまで言われちゃ、弱っちゃう……。  そこで申し上げたいのは、この事業がどういう形になるかということに御理解がない一ないというお話ですが、私ども今審査中なんです、十分に。法文はわかるのです。しかし実際に、それが、そのものを適用して、だれか損するものがないかということが審議をしておる中心なんです。事実、あの放四という工事はしなければならぬ工事だと思うのです。これはだれが見てもしなければならぬ工事だと思うのです。そうして、損してはいけないことが第一です。あえてそれに得がつけば、なおさらいいでしょうけれども、これは評価の問題になりますけれども、とにかく損をしないということですね、おれだけがよけいにもうけようというための反対の考え方はないと私は信じております。  そこで、そういう立場からいって、十分に理解しようという考え方を持つには、ここにいる東京都の都市計画部長あたりに言ったのでは、だまされるのじゃないかというような気持をちらと持ちますね、あなた方は。それはどうですか。

若菜三郎市街地改造事業予定地区代表

○参考人(若菜三郎君) 私、これは個人の考えでございます。これは、前の側でもなし、うしろ側でもないのです。私はきょうは、うしろ側を代表してはきておりますけれども、ただいまは、私個人の考えを述べさしていただきます。  三軒茶屋は、特殊なところでありまして、特にあそこに地下鉄が入ってくる。それで高層住宅といいましても、私は住宅というよりも、収益的なものでなくちゃいかぬと思うのです。たとい同じビルディングであっても、あすこの坪に対する価格というものは、おそらくもっと離れたところの住宅を主にする建物とは、おのずから違った結果になってくると思うのです。たとえば商店にしましても、事務所のものに使っても、あるいはこの住宅の部分も、場合によりますと、もっと離れた住宅地のビルディングとは、もちろん違った性格を持ってくるものでなくちゃいかぬと思うんです。それで地理的な関係からいいますと、きわめて収益的の建物を作らなくちゃいかぬ。  それで、現在うしろの方は、とにかくあすこに住みたい、そういうことを考えるわけでありますけれども、私、五年、十年先のこのビルディングの運用ということを考えますと、下に商店街の方が入り、あすこにスーパー・マーケットができる、そういう方も、また上の方を利用する方もあるわけでございますが、最初は、うしろの側の方も、その上に入るということになりますけれども、高層住宅は、やはりこの衛生上のあれからいいまして、従来の日本人には、ときにはどうかと思う場合もあるのでありますから、この五年、十年先の高層住宅の下の方はとにかく、上の住宅部分というものは、大体あすこの商店街の人のおそらく利用するものになる結果になると私は思っております。あの交通頻繁の第一面に住宅を持つ必要はおそらくないのであります。私はこの市街地改造法の道路に面する部分は、確かに収益的なものにしなくちゃいかぬ。それから住宅を主にするものは、その第二列、三列のうしろに、あるいは数百メートル離れたところに、住宅を主にする市街地の造成というものが将来問題になってくるんじゃないかと私は思っておるのであります。  それで、ただいまのところは、反対といいましても感情的なことがあり、それと同時に、そろばんの勘定もあるかもわかりませんけれども、市街地の、東京のこの現在の交通のあれを考えてみましても、より高層化されなくちゃいかぬことは、これはもう事実なんでありまして、道路に面する、道路関係のところだけの市街地というものは、これは市街地造成のまだ第一歩なんであります。将来この旧市内、あるいは広い庭園を持っておる旧市内の住宅、そういうものが、順次市街地あるいはこの住宅地の造成ということになってくるものと思っておりまして、この法案は、この都市の造成のまだ第一歩だと私は思っておりまして、これから十年あるいは二十手先には、この住宅地の造成ということが、もっと大きな問題になってくるんじゃないかと私は思っております。

田中一日本社会党

○田中一君 櫻井さん、あなたのお店は、戦前からのお店ですか、それとも先ほど大河原部長が言っているように、バラック時代にあすこを借りて——あれは疎開地でしたね、戦争中は。

櫻井正信市街地改造事業予定地区代表

○参考人(櫻井正信君) 疎開地でございました。

田中一日本社会党

○田中一君 あれを借りてお建てになったんですか。

櫻井正信市街地改造事業予定地区代表

○参考人(櫻井正信君) 私の店は、戦前ではなくて、戦後でございます。初めはバラックでございました。その後それを建て直しまして、本建築にいたしました。大部分のところは、そういう形でございます。戦前からのバラックというものは、今の商店街にございません。

田中一日本社会党

○田中一君 大河原君ね、今お話でもって、バラックの立ちのきの条件でもって建築を許可したと、しかし戦時中の疎開地というものですね、これはやはり放四の幅まで疎開さしたんでしたかな、それとも、あるいはそれより四十メートルにならない程度でもって疎開さしたんでしょうか、どっちでしたか。

大河原春雄東京都首都都市計画部長

○参考人(大河原春雄君) そこまで調べて参りませんで、私、はっきりは申し上げかねますが、想像でありますが、おそらく四十メートルのところまで疎開したのじゃないかというふうに考えております。もっともちょっとはっきり調べてみませんと、違っておるかもしれませんが、おそらくそうじゃないかというふうに考えております。  それから先ほどの御質問で、ちょっと落としたものがございましたので、この際申し上げたいと思います。  それは、あそこの場所をいつまでに事業をやりたいのかということがございましたが、さっきお答えを忘れましたが、それは私どもとしましては、昭和三十八年度末までに完成をいたしたいというふうに考えております。  それから先ほどの放射四号の事業決定の日付が違っておりましたので、御訂正を申し上げたいと思います。あそこの事業決定をいたしましたのは、昭和三十四年の十一月二十一日でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 それからこの立ちのきを条件というやつは、本建築をしたといいますから、もう現在では、その条件は抹消されているのだという答弁でよかったのですか。

大河原春雄東京都首都都市計画部長

○参考人(大河原春雄君) 御説明申し上げます。御承知のように、バラック令は区画整理の関係上、昭和二十五年まで生きておりました。その際は、区画整理その他の事業の場合には無償で立ちのきますという条件がついております。それが、バラック令が、建築基準法が制定と同時に消滅をいたしまして、従ってバラック令がなくなっております。それで建築基準法におきましては、あそこの場所が計画道路内でございますので、木造の二階建あるいは鉄骨の二階まではできることになっております。それには条件は、従ってついておりません。先ほど本建築と申されたのは、おそらく木造の、バラックでないという意味の本建築でありまして、鉄筋コンクリートという意味ではないだろうと考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 そうずると、現在り条詞でやっておるのでしょうけれども、あそこは鉄筋の二階建ができるのですか、あの地域は……。

大河原春雄東京都首都都市計画部長

○参考人(大河原春雄君) これは条例でありませんで法律でございますが、計画道路の中でありますから、木造の二階あるいは鉄骨造の二階まではできることになっております。しかしこれは、昭和三十二年十一月以降は事業を決定いたしておりますから、そういうものは一切できない、改築も一切できないというような状態になっております。

田中一日本社会党

○田中一君 それから、バラックで作ったものが、だんだん手直しをして、そのまま現在まであるのは、どういう認定をするのですか。

大河原春雄東京都首都都市計画部長

○参考人(大河原春雄君) それは、そういう政令が切れた関係上、そういう条件がつかないと同様に扱うことになっております。

田中一日本社会党

○田中一君 若菜さんね。あなたの陳述の中の、いわゆる放射四号線の計画地であるから、立ちのくのは当然だという考え方は、あるいはその立ちのき条件があったじゃないかということは、今大河原部長の言っておることでもって御理解いただいたでしょうね。

若菜三郎市街地改造事業予定地区代表

○参考人(若菜三郎君) わかりました。

田中一日本社会党

○田中一君 それからもう一つ、これもあなた、答弁するのがいやだったら答弁しないでもけっこうですよ。道路の拡幅は、全部買収なんです。買収、または収用すると補償という関係になります。それでどいてしまえば、あなた個人は裏と表の中間だと思いますからいいですが、ちょうどあそこ二十五メートル程度家屋が除去されると、その次にある地主は表通りになりますね。これは当然現行法で道路の拡幅というものは買収というか、買い取りとか収用でもっていくのだから、当然自分が、——あなた地主とすればですよ、当然自分の土地は表通りに出るのだという主張は、これは私正しいと思うのですよ。一応正しいと思うのですよ。しかしそういうような主張をなさっておる方々が多いのですか、反対派の代表としての立場であなたの御答弁を願うと……。

若菜三郎市街地改造事業予定地区代表

○参考人(若菜三郎君) まあ大体、そうだろうと思っております。立ちのきの補償金、いろいろのことがありまして、大体、改造法によれば、まあ普通の常識から言いますと、第一列が補償金が一なら幾分なり後は、その何割ということになってくるのじゃないかと思うのです。たとえば、前のが十でその次が五、もっと後が三と、そういう割り振りに、常識的に考えるとなるのではないかと思うのですけれども、これが新法によらずに前の立ちのきになった場合は、あるいは十、二十、五ぐらい、あるいは十、二十、十ぐらいの割りに、その地価なり地上権というものの——大体想像される、あの辺の方が、そういうふうに考えるのでございますが、……。

田中一日本社会党

○田中一君 私は、そう考えないのです。現在、かりに本通りの方にその一なら一という価値は確かにあるわけです。経済価値というものは、今度その二十五メートルを取った裏は、今度それは、今二か三か五かわからぬけれども、今度一になるということなんです。そこが、その一という部分が一と評価されてどけば、そうすれば、その接点のところは、今度それが一になるということです。表が一なら、二倍、三倍、五倍じゃない。表通りが一ならば、その次の売ってしまえば今度表通りになりますから、これが一になるということですから、そしてなおかつ、それが道が広くなれば、価値としては三か五になるということが考えられる。これには事業というものは遂行しなければならぬ。そこにこの事業の公共性というものがあるわけですがね。そういうような考え方を持ってらっしゃるのですか、地元の方は。

若菜三郎市街地改造事業予定地区代表

○参考人(若菜三郎君) ただいまのところは、さっきお答えいたしましたように、きわめて具体的なところまでいってないのでございまして、大体、感情的のことが多いので、この法令自身が、正しくまだ理解をされてない状態でございますから——ただ反対といいましても、正しい意味の反対であるかどうか。ただいまのところみんなの考えは、私、そこまでいってないのじゃないかと思っております。

田中一日本社会党

○田中一君 大河原計画部長がいって、あなた方に説明するよりも、そうでない第三者にきてもらって説明してもらった方があなた理解しやすいでしょう。さっき伺ったのですが、御答弁なかったので、もう一回伺っておきます。

若菜三郎市街地改造事業予定地区代表

○参考人(若菜三郎君) 確かに、昨晩住宅公団の方が見えまして、高層住宅の収益性ということについて、それからこの各人の個人の占有区分の配分ということについてお話があったのであります。それを聞きますと、確かにビルの収益性は、普通の人の考えているようなささいなものでないということがわかってくる。

田中一日本社会党

○田中一君 それから今まで、この都市改造事業を推進した地元の方のうち何か最近反対に回ってるという方が若干おられるように伺ったのですが、その方は、どういう心境でそうなったか、お聞きになっておりませんか。

若菜三郎市街地改造事業予定地区代表

○参考人(若菜三郎君) それは、いろいろの感情的のことも入っておりますし、誤解ということもあるのじゃないかと私思うのでございますが、皆さんと私個人的におつき合いしておりますものですから、どなたのあれもよくわかっておりますけれども、まあよく法案のあれと同時に、すっかり理解されてみれば、やはりそういう推進的の方もなくちゃいけないと思っております。

田中一日本社会党

○田中一君 区画整理事業で、これを行なうこともできるのです。区画整理事業でこれを行なうことになりますと、これは大へんな損でしょうね。結局、平均したその区域の減歩ということが行なわれますから、仮換地でもって右だ左だ、前だ後だという問題が起こります。今度の場合は、それがないわけです。今度の場合、全部買収です。後も表も全部買収してしまうということなんですから、区画整理事業でいきますと、これはおのおのの方々が、自分の持ってるものを提供してよい環境を作るということが思想になっておりますから、この事業ですと、それがなくて、全部買収してもらって可配分してもらうという形なんですから、まあ、われわれは土地区画整理事業でやられるよりも、この方がましであるという考え方を持っております。  もう一つ、これは一つの例ですが、放射四号線の桜新町よりも手前の駒沢の方、あれは時の大臣が、これは区画整理事業であの部分だけをやろうということを言い出したので、私はまっこうから反対しまして、とうとうあれも道路の拡幅——道路事業であれを行なったんです。心配するのは、やはり政府が強い力を持っております——法律の裏づけによるところの。だから、今大河原部長が言ったように、三十八年までに完成したいということになりますと、とてつもなく強行すると思うのです。あなた方をどうかつしたり、あごをなでたり、肩をたたいたり、いろいろな行き方で三十八年までに完成しようというので猛烈なことをやってくると思うのです。さっき山田整備局長が言われたように、あなた方の中にくさびを打ち込んで、あなた方の中に、いろいろな動揺を与えたり、早く言うことを承知すれば特別に計らってやるというとふらふらっとくる。さっき伺っているように、少しでも得になればいいんだということで動いている方は、特に、君にこうしてやるというと、ふらふらっとくる。そういう点があってはいけない。こういう公共事業の場合は、みんながよくなる、みんなが損しないで、それで、なお得すれば幸いである。しかしながら今度の場合は、私は非常に皮肉なことは、現在の商店街の方々は、これは完成するまで商売ができるという形にある。裏の方々は、いやおうなしに一応仮越ししなければならぬ。あそこは今前側の人は、道路敷地になりますから、まあがんばると、何も動かないで、どういう事業をやるかというと、おそらく私は表側の人たちは、店はここは残しておいて、裏側はどんどんやって、裏側はできたら移って下さい。一番得するのが前側で、そんなことではいけない。工事を施行する上に、あなたが言っているように二百メートル先に四百坪の土地がある。これは、みんな表側を分散して、工事をしたらどうか。これはおそらく抵抗を強くしない、そういう方法でなく、表側の道路側を残しておいて、裏側から仕事していこうという考えなんでしょう。

大河原春雄東京都首都都市計画部長

○参考人(大河原春雄君) 方法の問題でございますが、おそらく全部買収をいたしまして、田中先生のお話のようなのが、普通の順序じゃないかと考えております。あそこの場所は、相当奥行きがありますから、奥行きの所を全部買収をしまして、住宅を一時取っ払って、そこにアパートを作って、そうしてちょうど今の道路側の拡張の道路にちょうど接する場所になると思いますが、そこの場所に商店を作り、上に住宅を作る。それが完成と同時に、前の商店の方が、うしろに移るということになります。従って裏の住宅の方が先にこわされるけれども、先に入り、前の商店の方がおそく立ちのくけれども、おそく入るという順番になると思います。  この場所は、おそらく道路が南北に通っておりますから、裏の住宅が、くしの歯のように作りますと南側になっていい、その面においてはいい住宅ができるのじゃないかと考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 私は地元にいる関係で、よく理解ができますから、非常に参考になりました。法案の審議にあたって、十分に今の参考人の方々の御意見を身に体して審議するつもりでございますから、きょうはこれで、質疑を終ります。

稲浦鹿藏自由民主党

○委員長(稲浦鹿藏君) 参考人に対する御質疑のある方はございませんか。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

稲浦鹿藏自由民主党

○委員長(稲浦鹿藏君) 速記をつけて。  それでは参考人に対する質疑は、これで終了いたします。  参考人の方、長時間にわたってありがとうございました。  午後一時まで休憩いたします。    午後零時一分休憩    ————・————    午後一時二十九分開会

稲浦鹿藏自由民主党

○委員長(稲浦鹿藏君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。  公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律案の質疑を続行いたします。  政府委員のほかに、大河原東京都都市計画部長が出席しております。御質疑のある方は、順次御発言下さい。  それから、なお大臣は衆議院の本会議のために、少しおくれるそうです。

田中一日本社会党

○田中一君 前回にいろいろ質疑をして、答弁を求めておいた問題についての説明を一つ願いたいと思います。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) 前回の答弁保留がありました点につきましてお答え申し上げます。  この市街地改造法の規定によりまして、第十六条の一時収容施設等の設置のための土地等の使用のうち、改造事業の実施のために欠くことができない材料置場等の施設の設置に関する事項について、東京都等における例を調査をいたしましたところ、現在までの状況では、主として買収いたしました道路、用地等を使用いたしております関係上、最近におきましては、材料置場等のために、特に一時使用のこういう趣旨の規定を働かした、他の例文の規定を働かした例はない模様であります。法律の条文にありますのは、諸般の事情から、このような措置がとれない場合には市街地改造事業の公共性、緊急性から見まして、一時使用の必要のある場合が生ずると考えられますので、この規定を他の法令の例にならいまして設けたのでございます。  それからいま一つは、法第二条の借地権及び借家権に関する事柄になる問題をめぐりまして、御質問がございましたわけでございまして、この法律で申しておりますところの借地権また借家権、これは第二条の定義にもありますように、借地権は建物所有を目的とする地上権及び賃借権、それから借家権は建物の賃借権ということでございまして、現在の区画整理法のいっております借地権と、第二条の借地権は同様のものでございます。  それからなお、前回に政令の案を要綱で御説明をする——審議のために御参考として提出いたしておきました部分の中でも御質問がありまして、本日お手元に第二次、施行規則並びに施行令の要綱案を調整いたしまして、訂正の上御配付申し上げたのでございますが、特にこの法律の施行令要綱案の中で、考え方につきまして答弁保留をいたしておきました部分で、審査委員の条項につきましては、あらためて、ここにその訂正をいたしまして差し上げてございます。施行令の要綱案の十四ページにおきまして、審査委員の資格等、第十七の第四項におきまして、審査委員を解任しようとする場合における規定を、本人が準禁治産者であったり、禁治産者であったり、あるいは一定の刑に処せられるというふうな客観的な事実が、審査委員の性格上その職務を執行するにふさわしくないということが明らかになったときにおきましては、第五項におきまして施行者が一方的に解任をすることができるものといたしまして、第三項に掲げるような事案の場合におきましては、その選任につきまして地元の関係の譲受人の意見を徴しました例にならいまして、審査委員は譲り受け希望の申し出をした者、賃借り希望の申し出をした者、それらの者の賛否を求めまして、二分の一をこえる者の反対があったときには初めて解任できる。つまりやめさすことを、二分の一以上の人が支持をした場合におきましては解任させられると、こういうふうにいたしまして、その規定を整備してございます。  それから全般に関係いたしまして、前回に施行令の要綱につきまして、第一回の御配付申し上げたものと変った点につきまして、特に第七及び第八、前回の委員会におきまして御説明申し上げました通り、第七の第二項におきましては、この施設建築物の共有部分のうち特定の階層の者だけが利用できるような、たとえば三階以上の人だけが利用するような避難階段というふうなものにつきましては、第一項の規定に対する補正をする、それからまた映画館のような場合につきましては、第三項におきまして映画館の床面積で、全体の共有持ち分の割合を定めますことは不適正でありますので、かような場合におきましては床面積の増額補正をする、あるいはまた減になります場合もありますので、理論的には。補正の増減をするという規定を入れさしていただきたいと思っております。  それから第八におきましては、前回の御説明で申しましたような内容に、第八の部分の建築敷地の共有持分の割合につきまして訂正をいたして差し上げてございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。  それから第九におきましては、でき上がりましたところの建築施設の部分の価額のうち、第二項の賃貸の場合の標準家賃の概算額についての条項につきましては、そこにありますように建築費の償却額に修繕費、管理事務費、地代相当額、保険料、公租公課を加えたものを一つの標準的な家賃の基準として定めると、こういうことに御訂正をさしていただきたいと思いまして、以上、前回配付申し上げました資料と今回の相違点につきまして、その概略の説明を申し上げさしていただきたいと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 そこで、最後に質問しておいた、一つの物件に対する権利関係の問題。これは、どういう権利があって、その買収された自分のかつての持ち分に対して復元するということが、思想的に考えられておるのですか。それを、どういう工合に配分を行なうか。何といっても、物件、一つです。それで、高さの関係、たとえば、土地を持っておる者は、土地というのは、御承知のように、地下地上とも、その部分に対する所有権というものは、当然民法上設定されておるわけです。そうすると、地下の場合、地上の場合、この制限をどうするかということ、それに対する価値はどうするか。それから、この諸権利というものは、むろんあるわけですから、従来も、今までの土地の所有、地主が地上権があった場合には、これはむろん別でございます。しかし地上権としての法の裏づけのない借地権というものの場合、それから借地権に対する、借地権を持っておる者が、他の者に建物の建築を許した場合、建築は許されておるけれども、その建築というものは、自分が使用しないで賃貸している場合等は、どういう形でもって、これを再配分と申しますか、権利関係を、おのおのの権利を復元される、買い取れる、買い戻しですね、どういう法律語になっていたかな、譲受けの場合の配分をどうするか。これを一つ聞いておきたいです。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) 今回の市街地改造法におきましては、地区内の関係権利者の権利を時価で評価をいたしまして、施行者が取得をする。その結果、でき上がりますところの建築物の部分と敷地の共有部分を一緒に持つというのが、一つのティピカルなタイプでございます。  なお、賃借人等がありますれば、その賃借人が、従前の建物所有者が、建築物の一部と敷地の共有持分に乗っかっていく、こういう格好をとるわけでございますので、従前の土地の所有権それから借地権、あるいは建物の所有権、賃借権というふうな形の、土地に根づいた物権的な権利につきましては、借地権を除きまして、これは明らかに譲受権として、一個の請求権に分離をしていくという建前になっております。この建前は、それを権利の確認をする方法が、一つの問題として事業実施の過程におきまして起こる問題であろうと思います。この手続につきましては、もとよりわが国の登記制度は、第三者に対する対抗要件でございますが、公信力そのものにつきましては、学説上認められておらないという形でありますけれども、しかしながら、現在のこういうふうな複雑化したところの権利関係を、集団的な一つの地区につきまして調整をするという一つの行政処分を行なっていくわけでございますので、十全の姿というものを、真実の権利に近い姿においてこれを発見をするという、その努力を努めなければならぬと思っております。  従って、この権利の譲り受け希望者に対する施行者に対しましての申し出の方法につきましては、お手元に御配付申し上げてございます法律施行令案要綱の第八におきまして、譲り受け希望の申し出及び賃借り希望の申し出の方法という条項を入れまして、第一項におきましては、この事業計画を施行者が定めましたときにおきましては、関係の譲り受け申し出者に対しまして、このような手続に従いまして、氏名、住所、職業、施行地内の土地借地権または建築物の明細、譲り受けを希望する建築施設の部分の戸数調査明細、用途を申告せしめると同時に、借地権またはその建築物にかかる土地に関する権原を証する書面を、借地権者または権原によって建築物を所有する者から提出せしめなければならないことといたしまして、関係の権利者の権利関係を知るに最も必要な最大限の手続を規定いたしておるわけでございます。  なお、第二項におきましても、人の賃借り希望の申し出者に対しまする借家権を証明する書類の提出につきましての規定を置きまして、施行者といたしまして、権利の実際のあり方の実情を確認するという方法につきまして、十全の努力をいたして参りたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 今の答弁のうちですね、第二条の九、十、これはもう総括的に申し上げるのですから、一つ了解しておいていただきたいのですが、「一時使用」という言葉は、一時使用という時限は、どういうような解釈をしておるのですか。一年でも一時使用という形もあり得ると思うのです。六カ月でもあり得ると思う、五時間でもあり得ると思う。それは、一町使用というのは、これこれであるというのは、どこできめようとしておるのですか、それが一点。それを先に聞きましょう。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) ただいまお尋ねのありました臨時設備その他一時使用ということでございますが、これは借地法の第九条の規定を引用したわけでございまして、建物の所有を目的とする借地権につきましての規定を一条から七条までその態様を規定いたしておりまして、堅固な建物であるとか、あるいは堅固でない建物の特約にあらざる存続期間等を書いてございまして、その場合におきまして、いわゆる臨時的な一時使用のためにつきましては、この借地法の規定を適用しない、こういうことの条項でございますので、この意味の建物の所有を目的とすることではない一時使用のための借地権、こういう意味でございまして、借地法第九条の規定の引用でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 だから一時使用の一時という、その一時使用の権利はあるわけなんですね。権利としては一時使用の権利というものが、ちょうどこの事業遂行のときのどの部分かにぶつかった場合、それは賃借権があるかないかの問題ですね。賃借希望の申し出ができるかどうかという問題です。一時使用というものの期限は何日ぐらいを一時というのですか。臨時一時使用というのは一年をいっているのか、十日をいっているのか、五時間をいっているのか、これはむろんそういう契約によってそういうものができるわけなんです。契約というのは文書による契約もあれば、口頭の契約もあるなら口頭契約も契約のはずなんです。それをどうきめていくのですか。ことにああいう既成市街地の相当経済的な利用度が高いところは、そうした権利がたくさん輻湊している。その場合の一時使用という時間的なものは適用から除外するということはどれくらいの期間をいっているのか聞いておきたいのです。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) これは本来の目的は、いわゆる臨時的なもので、しかも明らかである。従って具体の例につきましては、たとえば選挙期間中に臨時の選挙事務所としていわゆる建物を借りるというふうなもの、これはその性質上期間が臨時的一時的であると、こういうふうなことになろうと思います。従ってこの意味の場合は、具体的には当人たちの契約の内容によって明らかになることは、弔う具体の事案で、もう明らかになる場合が非常に多いと思いますが、またことの性質上、それが一時使用のものであるということが客観的に明らかである、ということをこの規定に入れておるわけでございまして、従ってこのような場合におきましては、譲り受け権は発生しない、こういうわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 たとえば先ほど大河原部長の言っておるように、店の前の方の商店街は商売はそのままやっていける、そうするとその間に三坪なら三坪を借りる場合ですね、竣工間近になって。ところが竣工が早まった場合に借りるという期間の中に入り込んだ場合には、それは認めるのか、というのは五月一日にいよいよ向うが竣工して移るのだ。ところが一年間の一時使用の契約を結んでいる。そうして八月まで借りられるのだという場合には、一時使用というけれども、一時使用というような契約は結んでおりません、一年なら一年という契約を結んでおるわけですよ。民法上の賃貸契約に何にも期限を限っていない場合は、これは永久ということになりますね。期限を限っておるものはその期間だけということになるのですがね。おおむね期限というものは一時使用か一時使用でないかという問題は文章にしないで、そのまま了解でやる場合が多いのですよ。三坪か四坪しかないという店舗を貸す場合はおおむねそれなんですよ。そういう場合の賃貸申し入れの権利は保有されるのかどうか、一時使用という期間はどのくらいに押さえておるか。本人同士の契約、一年間の契約だって一時使用ですよ、百年から見た場合はね。また口頭の契約もあるのですよ。そういうものが明文化されないと紛争を起こすもとなんです。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) この借地権の条章は、全体といたしまして借地法の規定を引用いたしたわけでございますので、ただいまの御設例は、これはもう明らかな一時使用だと解釈できると思います。撤去せられることが明らかなものを撤去寸前に使う、こういうふうなような意味の設例をおあげになりましたわけでありまして、本来の借地法はいろいろな存続期間の契約ができるわけでございますが、堅固な建物とかあるいは堅固でない建物につきまして、契約のない限りにおきましては、六十年とかあるいは三十年とかというふうな期間を借地法が定めておるわけでございますので、こういうふうな場合におきましては、もとよりこれはもう永久のものでございますが、契約の内容だけでなくて、その周囲の環境、あるいはまたその具体の現場によりまして一時使用のものであるということが明らかな場合におきましては、この借地権者につきましては建物の譲り受け権はない、こういう意味でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 実体法から聞きますが、実体論として普通借地権なんというものは長期契約をしておる例はまれにしかないのです。借家権毛しかりです。三年なら三年というきめ方をして、三年はそのまま継続するのだという前提で三年とやっておるのです。そこでそういう点を明文化できないかどうかということなんですよ。たとえばこういうことなんですよ。これは志村君よく聞いてくれ。自分の土地に自分の家を持っておる。自分で商売をしておる。しかし賃貸申し入れ権というものは設定されると、土地は自分のものにして、建物は女房に賃貸権を与え、地上権を与え、今度は息子に建物の所有権を与えて、営業は弟にさせるということになると、持っておる権利が四つに分割されると四つの要求ができるということです。土地区画整理法はその点を非常に心配してたしか制限があるわけです。たしかあったと思いますよ、調べてごらんなさい。自分の家に自分が家を建てて、そして自分で商売している。それを今度は四つに権利を分割すると、四つの賃貸、譲り受けもできるかもわからないし、賃貸希望の申し出でもできるわけです、権利としては。当然そうなりますね。そういう現象が起こる、こういうのです。しかしこれは否定することはできないのです。なぜならば実際にそういう形の権利が今までの実態としてあった場合には、それでいいけれども、今度悪用する場合にはそのように自分の権利を四つなり五つに分割すれば、そこにそれぞれの一つの権利が生まれる。譲受け権または賃貸希望権というものが生まれる、こういうことになるおそれが多分にあります。この点はどういう工合にそれもいいのだというような考えに立っておるのか、それは不当であるという考え方に立っておるのか聞いておきたいのです。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) 非常に理論的にむずかしい問題の御質問でございますが、これはもう理論的にはこの法律の体系から見まして、各権利に対応した、いわゆる補償金の額、それに見合った一戸の建物部分と敷地の持ち分を提供することになるわけでございます。しかしながらそのような場合におきましては、小規模な土地等について分割した権利の集積があります場合におきましては、あるいはその評価の結果その評価に見合った建物部分が非常に過小になるというふうなこともないとは言えないと思います。しかしながらそれはそれといたしまして、建前といたしましてはそういうふうな場合におきましても、権利に見合った一戸の建築物と敷地の持ち分を、評価によって等価のものを提供するということになるわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 大河原君、たとえば三軒茶屋の例を言うと、保有される建物の面積はどれくらい考えておるのか。そして現在の計画では、それらの分割し得る権利はどこまで分割して要求するという形になっても、それを充足するだけの準備ある計画でいるかどうかですね、それを伺っておきます。

大河原春雄東京都首都都市計画部長

○参考人(大河原春雄君) 三軒茶屋の場合でございますか。

田中一日本社会党

○田中一君 どこでも。

大河原春雄東京都首都都市計画部長

○参考人(大河原春雄君) 御承知のように三軒茶屋では、私どもの調査の範囲内におきましては、自分で自分の用地を持っておるというのは二〇%で、あとは借地になっております。それから借家というのが大体二%程度、それから今度改造計画を立てておりますが、その計画によりますと、店舗は現在は二百二十軒ばかりございます。それが今度は改造までには六百軒あまりになります。それから住宅等も現在は約二百軒ばかり、それが八百から九百になります。いま一つは保有室一千室も出て参ります。従って現在の状態から申し上げますと、今の状態ならば十分充足ができるだろうというふうに考えております。それから標準の単位と申されますが、これはきまっておりますが、大体住宅十二坪程度のものが一単位、それから店舗の方は十五坪程度のものが一単位だと考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると、たとえば自分が土地を所有し、建物を持ち、営業をしている者が、これはむろんそこに実態として存しておらない借地権なり、借家権なりというものは含まないものが譲受け権の範囲だという理解と、もう一つは、含めても、これは税の場合もあり得るわけですから含め得るものを全部含まれている。そういう諸権利が含まれているのだということになるのか。その点伺っておきたいのです。これはわかるでしょう。だってさっき言っているように四つか五つの権利を認めているということになれば、四つ、五つの権利は今一つしかないのですよ。四つなら四つの権利を重なって一つ持っているという場合、分割すれば四つの譲受権と賃貸権というものが新しく設定されるはずです。それは認めるのか認めないのかという点を聞いているのです。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) 一定の土地に人格を異にした権利者が借地権なり、あるいは建物所有権を持っている場合において、それぞれの権利者が譲受け権を持つというのと、各個人の場合におきましては、それは同様でございます。しかし全体としての財産価値というものは、そのことによって変わるわけではございませんで、経済的には譲受け権者の希望を聴取いたしまして、管理処分計画というものを立てますので、現実の管理処分計画の内容に、そのまま権利の要求権の内容が反映するかどうかにつきましては、別でございますけれども、権利といたしましてはこの立て方は別々でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 それじゃ一つこの単位を一としてその方程式を書いて下さい。単位を一として方程式を書いて下さい、方程式を。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) 今のお話は更地の所有権と、その所有権の上に借地権等がのっかっている、という場合における底地の所有権の価格の問題、ということの方程式のように理解したのですけれども、まあ全体として所有権というものは一と考えますれば、借地権がかりに市街地であります場合におきましては七十、底地の所有権に相当するものは建物が堅固な建物と、あるいは堅固の建物でない場合と場所によっていろいろ違いましょうが、かりにそれを借地権の部分を七十すりとられている。こうみれば残りが三十である。こういう考え方になるとわれわれ解釈しております。

田中一日本社会党

○田中一君 ちょっと図解してくれよ。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) 今申し上げましたのは、所有権は全体として一〇〇である、そのうち借地権を七〇とした場合に、底地権というものが三〇であると、こういう一つの例を申し上げたわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 これは非常に重大な問題ですから、今ここでもってすぐに図解もできぬと思うし、また、できてもいろんなケースがあるんで困るから、次までに一つよく考えて、これは、むろん今答弁になるように、それらの権利は全部認めますということなんですからね。人格が一緒であろうと、人格が異なるのであろうと、認めますということなんですよ。そう理解していいんでしょう。それがどういう形に分割されるか。それから、たとえば買い取られる。全部買い取りになりますけれども、買い取りになることは全部同じなんだから、今度のこの法律の事業の場合には。それがどういう形で希望者に対しては再譲渡されるか。それを一つ図解で次までに出してほしいんです。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) 管理処分計画のきめ方の問題の御質問もございましたが、同一の人がいわゆる土地を持っておる、建物を持っておるというふうな場合に、かりに形式上一個の権利ごとにそれぞれの譲受け権を主張するかどうかは、これは別問題だと思います。それを行なうかどうかは本人の意思にかかっておると思いますが、一応との権利がそれぞれ譲受け権を持つと、こういう形になって法律ができております。そこで、その場合の配分の方法というものも、この法律には第二十四条以下に二十五条に規定いたしてございまして、管理処分計画の基準というものを掲げてございますので、やはり建築施設の高層化、市街地の公共施設に見合った改造の高層の建築物を作るわけでございますから、それにふさわしい規模の最小限度のものを確保しなければならない。従って、二十四条と二十五条をあわせて御理解願いまして、そのようなことによって建築施設の部分が著しく過小な部分になるという場合につきましては、管理処分計画において適正基準に戻す、という規定も施行者が審査委員の意見を聞いて定めるということになりますので、施設建築物があまり細分化された床面積の陳列にならないようにする、ということも今度の改造事業によってできます、いわゆる管理処分計画の基準になっておるわけでございます。なお、従前の権利者が新たにできますところの建築物にどのような方式でどのような考え方で配分を受けるかというのが、二十五条の第二項に掲げてございまして、現在の権利者が有する施行地区内の土地建物の位置、あるいは床面積なり地積なり、それから環境、利用状況というものを考えまして、新たにでき上がりますところの建築物のそれぞれの機能を考慮いたしました、いわゆる現在実施いたしております土地区画整理法の照応の原則というものによって、現地々々で適正な各権利者相互間の不均衡のないように、管理処分計画が作らるべきことを規定いたしておるわけでございます。従いまして、具体の例で図示するというのは、今具体的にまだその土地を調査をいたしまして図面を書いておる、というわけのものがないわけでございますので、直ちに御質問の御要望にこたえられまます図面が差し上げられることができるかどうか、この点については検討さしていただきたいと思っております。

田中一日本社会党

○田中一君 問題は環境という文字が入っているから、環境というのは、表の環境は表の環境、裏の環境は裏の環境ということになると思うんです。先ほどあなた御承知のように反対派、賛成派の代表が来て話を聞いてみますとわかるように、裏といいますか、うしろ側にある所有者は絶対に前側に出られないのだからという考え方に立っているわけですね、この環境等を考慮するということは。そういうことでしょうね。裏側の者も表側に出られるんだというような解釈もしてもいいんですか。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) これは、やはり従前道路に面しておった土地に居住をしておる人は、新たに造られるところの道路に面するというのがこの環境、位置というものの一つの根本の考え方でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 そうだと思うんです。そういうことになりますと、なかなか問題がすなおには解決されないのじゃないかという心配があるわけですよ。そうしてかりに表道路に当然配分されるんだという考え方をされる人たちが、自分で辞退する、要らないと言った場合には、補充されるのはうしろの人たちが優先的に補充されるんですか、それとも、それはまた申し出のないものは保留地として他に何らかの形で譲り渡しをしようという考えなんですか。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) これは、すべての関係権利者の希望をまず第一次的に優先せしめるというのが建前でございますので、前面の土地に面する部分の関係権利者分が明きまして、しかも関係権利者の中で裏宅地等に居住しておった人で希望する者があるという場合におきましては、まずそれを順序として選考せしめ、しかる後保留分というものに充当すべきものであると、こういう考え方でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 その考え方はどこにあります。明文化されていますか。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) これは関係権利者の権利を全体として、新たな建築物に照応する原則に従いまして、移すのが配分の原則で、ございますので、保留分というものはそのいわゆる特別の必要のある余裕をもって実施するわけでございますので、これはこの全体の法律の規定の精神また運用の実際において、実施すべきこととわれわれ考えておる次第でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 おおむね照応の原則が守られないから問題が起きるんです。また、その解釈もはなはだまちまちなんです。たとえば、同じような希望の人たちが三軒あった。三軒どういう形でそれをきめるのか。一つ穴があって一人の希望者があったら充足するからいいかもしれませんけれども、十五坪の店舗に五人あった場合、これはおのおの同じような形で権利関係を持った人の場合にはどうきめますか。そういうこまかい問題までが、政令なりあるいは政令によるところの地方的な何らかの異なった性格があるならば、条例等できめるような形にしなければ納得しないのです。そういうものを全部、これは初めてこういう仕事をする上において明文化されてなければ納得しないことは、一番今までの事例で明らかなんですよ。土地区画整理法ですら仮換地の問題じゃ常に紛争がある。それこそ土地区画整理法の場合にはその区域内の五町も先の、全然商店街でない竹やぶがあって、これも所有権という立場で仮換地の対象として、それぞれを提供して、いい地方に、今までより余分な店舗の敷地の換地を受けるということ等があたりまえに行なわれているんですよ。そんなことはあたりまえです。同じ施行区域内における竹やぶを買って、その仮換地として今まで十坪のものが三十坪にふえて、そして換地処分を受けている、これは決してうそじゃございませんよ。まあ大河原部長は土地区画整理事業をやったことがないらしいから、あなたには聞きませんけれどもね、もし経験があるならば言って下さい。私は東京でもたくさんその事例を知っていますから。この地区この地区と指定しますがね、そういう点が一番問題のあるところなんですよ。金さえあれば何でも余分に取れるんだという考え方では納得しないのです。照応の原則をほんとうに守れるような、こうして守るんでございますというようなことが明文化されなければ納得できないわけなんですよ。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) ただいまの御質問の点でございますが、法律なりあるいはそれに相応する政令等の内容に必ずしもなるかどうかわからない面だとも思いますけれども、何しろただいまのようなお話は、確かに現場の実際面で発生するような場合があろうと思います。われわれといたしましては、法律外の問題ではかりにあったといたしましても、換地処分計画の適正化をはかるということが、これが一番重要な問題でございます。従いまして今回の場合におきましては、区画整理の関係と違いまして、当該市街地改造事業を実施いたします区域内の換地処分計画につきましては、知事に委任することなく、大臣の承認にかからしめる、同時に審査委員の制度を活用いたしまして、ただいまのような具体の配分についての適正化、現場の実態とこの法律の実施に伴う過程におきまして適正化をはかっていきたい、こういうふうに考えておるのでございまして、その上もし具体的な内容についての実施の方針が明らかになりました場合におきましては、紛争が生ずることのないように適正化をはかる必要があるという事項が出ました場合におきましては、先生のお尋ねのような準備もいたしていきたい、こういうふうに考えている次第でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 私はこういうこまかいことを伺うのは、当然この法律の条文としてはそんなこまかいことまで書けるものじゃございません、それはよく理解しております。しかしながらそういうこまかい問題について政府委員とわれわれとの間に質疑応答の末出た結論というものは、その法をその通り執行するのが法律の精神であるということを立証したいのですよ。私はこういう事業はどうしても一日も早く行なわれることを希望しているわけです。だからといって今までの戦災復興事業にいたしましても、土地区画整理事業にいたしましても、ことごとく陰にはいろいろな問題を含んでいるのです。災害等で共通なヒュウマニティというものが生まれて事業を行なう場合にはこれはいいのです。眠っている子を起こして、こうせい、ああせいというこまの組みかえをやるわけですから、その場合には冷静に多少の利害のうちの利に走る気持ちで、自分に有利に問題を解釈し、またさせようというところに常に問題があるのですよ、そういう点が条文の裏にあるところの実態の問題として、立法府であるところの国会で十分論議し尽くされ、それがこの法律の実施の精神であるということにならなければ、こういう各権利問題の輻湊しているこの種の問題については、あいまいなことでそれを過ごしますと、いたずらに問題を起こし、それから事業が進行しないということになるわけなんですよ、そういう実態の問題、ことに一番そういう紛争の多かったという戦災復興事業、または土地区画整理事業、その事例というものをあなた方が知って、東京都なんかは最後になれば無理やりにやってしまうという気持ちをもつのですから——そうじゃない、あまり紛争のなかったところでもそういう問題は泣き寝入りになって、各正しい権利者が泣いている姿がたくさんあるのです。そういうものから積み重ねて、かくあるべきだという精神をわれわれの前に披瀝して、私は初めてこの条文は生きてくると思う。特に権利に関する問題だけは、どうしてもそこまでの質疑が国会で行なわれることが、これはわれわれ立法府におる者としても正しいことであると思うのですよ。今の計画局長の答弁、一応あなた方の立場としてはそれは了承いたしますが、東京都に命じてさっそく各地の事例に照らし合わせて、問題点を残らず列記さして、そうして今たくさんまだあるのです。二回や三回じゃ尽きない、十分納得しない問題がたくさんあるのですよ、そういう問題を解明して初めて事業はスムースに行なわれるということになるのですから、今までたくさん問題があったところ、たとえば広島市あるいは浜松市その他二、三の事例をお取り寄せになって当委員会に、この場合はこういう精神と、こういう解釈でございますということを明らかにしていただきたいのですよ。ここでもって先ほど雑談的に委員長に話したように、なるべく早くあげてくれと、早くあげたいために、そのために事業がおくれることがあっちゃならないのです。この法律が出れば、その法律の条文の解釈はかくかくであるということが明らかになって初めて事業が進行するのです。今の計画局長の答弁では納得しない、そういう具体的な、あなたはきっと、口を開けば法律ができてからそれをやりますと言うのです。法律ができたらばそういうことも、実施計画というものを立てられるのだという、仮定でもいいです、仮定でも。実施計画というものが立って、そうした権利関係というものはこの場合どうするということを十分検討して、初めてわれわれの方に提出していただいて、なるほどそれならば心配ないということにならなければ、ほんとうの法律の審議にならないわけなんですよ。あなたは各関係法律というものを照らし合わせて、これならやれるんだということだけを考えておる。実体の問題御存じない。だから前回の委員会で質問した、たとえばこの審査委員の問題にしても訂正してまた持ち出すんです、また再提出、第二次案というものを出さなければならない羽目に陥るんです。どうも委員長からだいぶ急いで審議してくれという要求があるから、私も非常に困るんだけれども、そうした問題がたくさんあるんです。そういう問題を一々解明して、そうしてあなた方の言っておることが、なるほど当該関係者がこうなるのかという理解をもって事業を進めなければならぬと思うのです。もしもどうしてもそういうことをわれわれの方に明示しないで早くあげるとなれば、これはわれわれも反対せざるを得ないです。これも雑談的にさっき局長と話したときにも、法律が通れば実施計画立てますと、どうも少しこまかしというか、あなたの言うことは正しい、正しいけれども、じゃ仮定の計画を立てなさい、たくさん問題があると思うんですよ、その点どうですか。審議の態度として、一々その問題は実施計画やってみなければぶつかりませんということじゃ困る、こういう問題もぶつかるんじゃなかろうか、その場合にはこういう解釈しなければならぬ、こういう問題があるんじゃなかろうかということで、われわれの目の前に解明していただきたいと思うのです。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) いろいろこの法律の御審議の過程において審議すべき問題点、予想せられる将来の事柄についてのお尋ねでございまして、この法律を立案し、また実施いたします過程におきましては、いろいろお話のような具体の地域につきましては、権利関係につきましても、また譲受け権者相互間の希望の問題につきましても、いろいろな場合があると思っております。これはやはり実際の場において適切な処理をして御納得をいただくということが、われわれの現在の段階といたしまして、最も近道じゃないかというふうに考えておるわけでございまして、つまり法律の制定によって初めてこの事業も、将来いろいろ懸案になっておる地域についてのこの事業としての実施計画の調査も、正式にできるわけでございまして、関係住民に対する説明等につきましても、やはり施行者か正式にその実施の法律の精神と内容を理解いたしまして、初めて地元住民の方々の相談にのれる、こういう形になるわけでございますので、われわれといたしましてはいわゆる従前の試案的なものの調査で判明いたしている部分がございますけれども、ただいま先生のお尋ねの権利関係なり、あるいは管理処分計画において譲受け権をもらう人が、新しい建築物の同一部分に競合するようなことは、どういう業態とどういう職種についてあるか、ないかというふうなことは、いまだ関係住民と、そのような話を東京都の方におきましても、そこまで突っ込んだ話をしておらないのが実情でありますからして、御趣旨に合うようなことは、今直ちにここでお答えするわけには参らぬのがまことに残念でございまするけれども、努めて先ほどから申し上げているような方法で極力検討し、またこの法律の所期の事業をやっていきたい、こういうのがわれわれの念願でございます。  なお、土地区画整理の関係につきましては、戦災復興事業等は戦災復興事業といたしまして、かなり清算段階に入っているものがあるわけでございますが、これについての紛争なりまた事案の懸案事項については、それぞれの地域について目下指導をいたしているようなものが実際でございますので、お尋ねの個所等につきましては、その法律として必要な資料を調製いたしまして、また委員会でお話々申し上げたいと思っております。

田中一日本社会党

○田中一君 それは計画局の立場ではそれ以上できぬと思うのです。やはり実施するとなれば地方公共団体が苦い経験をなめているわけです。それを生かせというのです、私が言っているのは。何も戦災復興事業等のそういう紛争の事例をここへ出してくれぬでもいいのです。そういうものを十分比かせというのです。生かして、その場合に条文上に書けないことが多いと思うんです。従ってその範囲を、仮定の紛争として、そこでこの議事録に残しておきたい。との場合にはこういう解釈をするのだ、それがやはり裁判になっても、それが法律声作ったところの精神というものはこうあるべきものだ、運用はかくかくであるべきだということがきまれば、裁判もそれが勝つんです。たくさんそういう例がございます。紛争があった場合には早く解決したいということ、紛争がないように問題点をここで解明しておこうということなんですよ。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 簡単に二、三お伺いいたしたい。  きょう午前中に参考人の意見をお聞きしまして、それからまたこの法律施行令第二次案というのをいただきまして、それでちょっと第七になりますが、第七の「共用部分の共有持分の割合は、その者が譲り受ける施設建築物の一部の床面積の施設建築の床面積に対する割合」云々となっておりますが、この場合はこういう量的なものだけでよろしいわけでしょうか。ただ床面積だけで、たとえば同じ一階の部屋をもっている人でも、表に面した部屋とか裏の部屋とか、そういうようなことは考慮に入れる場合がないでしょうか、その点いかがでしょうか。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) ただいまお尋ねの「(施設建築物の共用部分の共有持分の割合)」、いわゆる廊下、階段等の共有持ち分をどのように考えるかということにつきましては、お話のようにこの立て方については学問的にもいろいろな議論のあるところでございます。しかしながらここでお示しいたしておりますのは、最近の実際のこの種建築物の実例の階層等毛考えまして、床面積の専用部分の割合に按分をいたしておる。この種建築物につきましては、第八にありますように、敷地の共有持ち分というものが経済的利便ということを考慮いたしまして、すなわちその土地の専用部分の、つまり質というものを考慮いたしておる。従ってこういう共同建築物でありますれば、道路に相当するのがまあ廊下であって階段もその通りである。だから、これは一つの床の専用部分の付属物である、まあこういう考え方でこの共用部分の共有持ち分の割合について質的な要素をこまかくとらえるのが実際に適したものかどうか、むしろ施設建築敷地の方の要素において各棟、各階層の位置による経済的利用可能性ということを考えまして、敷地でつまり総合的な判断をいたした方が、共有持ち分が割合の定め方としては適切ではなかろうかと、こういう学説なりまた実際の情勢にかんがみまして、このような考え方でお示しをいたしておるというわけでございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 どうしてこういうことをあらためてまたお伺いするかと言いますと、午前中の参考人の反対の方の御意見なんですが、これは三軒茶屋の特殊性から来ている反対理由がずいぶんあったと思いますが、大体、これがほかの方にも共通する一つの不安、実際にこれが運営施行される場合の不安として、そういう問題が起きると思いますからあらためてお伺いしたいのですが、そうしますとこの共用部分の共有持ち分は面積によってきめていく。それから施設建築敷地の共有部分は、質的な経済的利用可能性によってきめていく、こういうふうに割り切ってよろしいわけですか。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) ただいまのお尋ねのように、原則的にそのような考え方で出発をいたしまして、そして施設建築物の共用部分の共有持ち分、及び敷地につきましての共有持ち分については、容積補正なり特定部分の補正をいたすという考え方で進んだらどうかと、こういうふうに考えております。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 で、参考人の方も反対理由として言っておられた、その実際問題自分がどのくらいの部屋を割り当てられるものか。聞くところによると、共同ビルを建てた、だけれども、その専用室ですか、専用室をきめるについてずいぶんむずかしい問題にぶつかったというような事例もあるというようなことで、まあ不安が将来ともあるのではないかと思います。  で、この前いただいたこれですね、「分担率算定の基礎的一例」というので「経済的利用可能性により」……第一例、第二例、第三例とありまして、「商店街の住商併存ビル」「住宅地内の高層アパート」「商店街の商店ビル」というこの一つの例が示されているのですが、これは相当権威のある一つの例なんでしょうか。これの根拠について伺いたいのですが。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) この設例につきましては、お配りいたしましたときに、この掲げてある階層別の数字はすべての場所に適用する数字であろう、というふうな御理解はいただかないように、という前提で申し上げましたが、資料のこの第一例、第二例、第三例というのは、それぞれ具体的の場所があるわけでございます。これはこのようなたとえば第三例の「商店街の商店ビル」とこう書いてございますが、全体が商店ビルであるという建物で、五階の建物であって、そうしてその場合における各階層別の分担率は、商店の売上実績というものも重要な要素になって階層別の分担率ができている。これはやはり東京のある地区の商店ビルの例でございまして、このような分担率を定めます作業を、専門家の集まりであります学会に頼みまして出した作業を、現実にまた実績的な例として、たまたま扱っている例としてあげているわけでございます。その他第二例といたしましても、これはエレベーターがある場合とない場合とによって違いますが、これはエレベーターがある場合だと私聞いておりますが、九階の例でございますが、住宅専門の高層アパート、これもやはり学会の入れましたこのような数値が、現実の現物についてある例を申し上げておる、こういうわけでございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 それで現地の人に実際説明をしまして、実はこういう事業計画があるというような場合に、たとえば商店街の商店のビル、この例で言いますと五階建になっておりますが、こういうものを示して説明する。で、審査委員の過半数の承認を得てとなっておりますが、実際現地の人では利害がお互い対立したり相反する場合もあるのじゃないかと思うのですが、そういう場合、施行者がこういうような例を示して説明するというようなことが十分考えられますか。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) この事業計画をまず定めまして、それから事業計画に基づいて施行者が管理処分計画を立てるにあたって、譲受け希望者の賃借りなり譲受けの申し出を聞くわけでございます。そうしてその管理処分計画で、各人の部屋とかあるいは標準設計的なものをお示しをいたしましてそうして縦覧をいたしますので、設計の段階におきましてこのような考え方のものがおおむねわかるようになっておる、こういうふうに御理解願いたいと思います。法律的にはこの法律の第二十六条に、譲り渡す施設建築物の共用部分の共有持ち分、あるいは敷地の共有持ち分の割合というものをきめる規定がございますが、これはやはり第二十三条の管理処分計画の内容として具体的に示されます明細なり概算額の算定の際にこのようなものが使われる、こういうことになりますので、ただいま申しましたように関係地区の関係権利者にわかるようにという、こういうわけでございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 私がお尋ねしているのは、そういう場合に施行者がどの程度積極的にそういう格づけみたいなことをやるかということをお尋ねしているのですが。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) これは第二十六条の規定と第二十七条の規定は施行者が、管理処分計画、全体の一部でございますので、ただいまの内容につきましても施行者が審査委員の過半数の同意を得まして定めなければならない、こういうことになっておりますので、施行者がもしそのために必要な専門的な方面の知識を考えなければならぬというときには、その方面の知識の援助も得まして、実態に即応するようなものを必ず作って関係住民の十分御審議をいただく縦覧の内容になるわけでございますので、積極的に施行者がこのような作業を経ましてでなければ、第二十三条の管理処分の内容が明らかになりませんので、そのような形で作業にかかる。こういうことになるわけでございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 それでそこまではわかりましたから、将来紛争が起きたような場合は、一たん譲り渡してしまえば、前回の委員会で盛んに民法によって民法によってと計画局長が答弁なさっておられましたが、将来紛争が起きても一たん譲り渡してしまえば施行者はもうどうこう言えない。そこまではこの法律では考えていないということでしょうか。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) ただいまお話の将来の時期の問題でございますけれども、この法律によって施行者が最終的な建築施設の工事が完了いたしまして、関係権利者に譲り渡しが終わったという場合においては、もうこれはそれから以後の将来という場合でございますと、直接施行者には関係はないわけでございますが、それ以前の段階におきましては、施行者はそれの問題については当然関与して指導しなければならない、こういうことになります。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 最後に一つお伺いしておきたいのは、三軒茶屋の場合は昭和三十八年までに完成したいというような、そのものずばりのお話があったのですが、どの程度の計画が今なされておられるか、全国的にどの程度の計画があるかということをわかりましたら。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) この法律がいまだ実施されませんので、明らかに全体的な計画を申し述べるのは、おとり方によって正確を欠くと思いますけれども、三十六年度におきましては、三軒茶屋を含めた街路が放射四号線でございますので、この放射四号線の地区につきましては、東京都の方とも相談をいたしまして、二カ所の事業個所を予定している。それから他の地区におきましては、大阪市の駅前に面する付近地の問屋街等があります、都市計画で定まっております一級国道の拡幅なり、主要な街路の拡幅、これの事業をやりたい、こういう計画でおるわけでございます。しかもこの事業を実施するのにはこの法律の施行がなければ困難であるという地区でございます。従って、今後におきましては、五ヵ年計画上の全体量をいろいろ策定中でございますが、三十六年度におきましては、三十七年度以降において事業を実施するということになる候補地につきまして、東京、大阪以外の地域について、この法律に基づく調査を実施いたしたいというふうに考えております。その調査は名古屋市ほか三市六地区の調査に着手をいたしたい、こういう考え方でございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 もう少しはっきり言ったら工合が悪いですか、名古屋市と……。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) 調査地区につましては、大阪に一カ所、名古屋に二カ所、京都に二カ所、神戸に一カ所、以上でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 先だって僕が休んでいたものだから、いろいろ質疑があったと思うのだけれども、重複したらその旨説明してくれませんか。  物件の係争中のものは、係争が解決してから、むろんこれは各権利者というものが確定されるわけです。権利関の訴訟ですよ。係争中のものは、それは。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) これは一つの物件の係争と申しましても、存否についての争いと二つ以上がその物件に存するという争いと、いろいろ係争の意味があろうかと思いますが、これは管理処分計画ができるまでに、なるべく係争が解決されることが一番望ましいわけでございます。管理処分計画が作成されましてもなお紛争が続いている、こういう場合にどうするか、こういう問題があろうかと思います。これは現在の段階におきましては、この市街地改造事業にのっかってくる権利者は施行者に対しまして譲り受けなり、賃借り希望の申し出をしなければならないわけでございますので、その申し出を待ちまして、施行者といたしまして関係の権利者の権利を証するに足る十分な方法で調査をいたしまして、最終的な買収または収用までの段階で、ぜひ物事が明らかになるように努めていきたいと、こういうふうに考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 私は、そういううまいことを言わないで、率直に伺っておるのですから率直に答えて下さいよ。  立ち入り禁止の仮処分している物件に対してはどうなりますか、どういう処分をしますか、どういう態度をとりますか、それも越えて取れますかということです。係争中のものだから、どちらかから立ち入り禁止の仮処分でもしていれば、これは収用できませんわね。その場合にはそれは除外されるのでしょう。判決があるまで待たなければならないのじゃないですか。書類の上では所有権というものははっきりしている。しかしながら立ちのきの訴訟で係争中のものがある、その場合には、所有者が買収を応諾した場合には、直ちにそれを取ってしまう。そして借地権の争いというものは、譲り受け希望の申し出をした場合に、これはそういう権利がないと、あなたはそういう権利はございません、裁判が済んでから権利がございます、判決が確定してから権利がございますということになるのか。また所有権の問題は、これはおれのものだ、境界線の問題は、これはおれのものだという所有権はなるほどはっきりしている。区分が明らかにならなければ、むろんそれに対するところの収用はできないわけですね。その場合には、それを越えて、それが収用し得るようなことができますかと聞いておるのです。またできるならばどういうふうにやるのか教えて下さい。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) この問題は権利の確認の方法でございますが、これはいろいろな方法でたとえば施行者といたしましては、管理処分計画を定める場合には、権利を証するに足る資料というものを譲り受け希望者から取るということがまず一番必要なことだと思っております。たとえば賃借人と家主との間におきましては連署を求める、争いがあるから連署をとれないという場合におきましては、やはり対価の領収書でありますとか、あるいは契約書というふうなものも一つの証拠だと思います。また確定判決書がありますれば申し分ないわけでありますが、和解調書とかあるいは公正証書というようなものも権利を確認する一つの有力な資料だと思っております。従って、登記のないものにつきましては、その占有状態、これらをつまりよく調べまして、そして最善の注意を払いまして、権利関係を譲り受け希望者に対しまして調べた上で管理処分計画を定める、こういうことが施行者の責任であろうと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 おっしゃる通りそれが施行者の責任なんです。責任ですが、ここですべての処分等を決定する、決定したものが裁判でくつがえったこともあり得ると思うのですよ。その場合には裁判によってその確定した処分を無効だということになるのか、なるならなるということがどこに条文があるのかということ。それからまた高等裁判所に上告する。その場合には当然これは無効じゃないはずだ。最高裁判所の判決がなければその決定はないはずだ。日本の裁判権というものは三段階あるわけですから、その場合にはどういう処分をしようとするのか、この事業が優先するという建前ならば、それをつっくるめてそのままの現実のありのままの姿でもってこれが収用し狩るのかどうか。処分はおそらく一応の仮の処分をしても確定処分にはならぬと思う。それが三年五年かかる場合もあります。そういう問題は確かな証拠書類があればいいということはあたりまえなことなんですよ。その場合にはどうなりますかと伺っておる。それを越えて事業が前進するような準備をしておるかどうかということを伺っておるのです。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) 建前といたしましては買収……

田中一日本社会党

○田中一君 建前はいいんですよ。それを越えてできるというのか、そういう場合にはそれは手をつけられないのか、どちらか言ってくれればわかる。建前はここに書いてあるんだから。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) 買収契約から収用までの段階におきまして、申出人の適格者が発見されましたときは管理処分計画を変更するわけでございます。それから以後において現われたという場合はどうするか。これはこの法律の制度が権利者を分けまして、建物と敷地の共有持ち分を与える、こういうことになっておりますので、施行者はその責任におきましてこの十二分な調査をいたして、そうして最後の今申し上げました段階までに譲り受け希望というものの権利者をきめなければならないということになるわけでございます。しかしながら実質上の権利者の確定ということは裁判なりその他の方法によってきまる場合が出てくる。それが違ったと、こういう場合におきましては管理処分計画といたしましては一応終了いたしておりますので、その場合においては真の権利者がかりに現われたという場合におきましては、これはこの制度の問題ではなくって、もしそれが過失があり、あれした場合におきましては損害賠償という問題ということに施行者がなるんじゃないか。こういうふうに考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 判決がない、判決がね、たとえば所有権の問題の争いがあったとするんですね。そうすると二名の所有ということはあり得ないですね。双方の所有はあり得ない。同じ物件を持っている、これはあり得ないと思うのですよ。政治家ならば、大野さんならばそれは半分にしろと言うかもしれないけれども、それはしない。裁判の場合にそうすると一個のやはり譲り受け権というものを認めておくだけでしょう。係争中のものは。そうするとその人はたとえ完成してもそれを自分のものに譲り受けられないということなんですね。双方ともに。判決がくるまでは。短く答弁してくれればいいのですよ。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) 権利の実態について違ったという場合に、ただいまのように一個の建物について二個の人が争っているという場合においては、譲り受け希望者が二人でありましてもどちらか一つになると思います。従ってその場合はまず用地の取得、つまり補償の段階から物事が明らかになるわけでございまして、供託の方法によってその人が残らなければ供託をする、残る場合におきましては、その申請が適格者たるべき人が譲り受ける建物を予定するという形になると思います。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると反対の諸君はもうお互いに相談し合って、一番費用のかからない訴訟を一生懸命起こしていればいい。そうするとやはり時間かせぎになるわけだね。そういうこともあるね。これは一つ大河原さんに聞くが、そういうことが今まであったかどうか、係争中のものをどう扱っているか、土地区画整理法で説明して下さい。収用法を適用して収用するにも、相手が書類上じゃなるほど地主なら地主を相手にするということになるが、これはできますよ。そうするとこれ否認の訴訟もまたできるわけですね。ことに借地権の場合には、これはもう書類なんかないです。正式な契約をしてくれと、借地をしているものが地主に一つ契約してくれといったって、契約は絶対しませんよ。ただ領収書があったところで、その領収書というものはおそらく一年前の領収書でもいいというのか、二年前の領収書でもいいというのか、あるいは前月の地代の領収書を持たなければだめだというのか、そういう点は間違いないようにやれといっておりますけれども、そういう場合の判定というものが、やはり一つの基準をきめておかないと、紛争のもとになるのですよ。どうも法律を作る——建設省なんかそうです。法律を作るのはいいけれども、実際仕事をする者が困るようなことばかり考えているのですよ。法文だけで解釈するから、とれならいけるのだということになるけれども、損害賠償云々とか、今度立ちのきの要求をすると、はっきりと所有者がきまった場合には、そんなことだっててこでも動くものじゃないですよ、そういう場合にはね。判決の下る前にだれか確かにその土地を所有しているのだという証拠があるから、この人をかりに入れるとするその場合に今度裁判の結果、そうでない相手方の方が入ってない方の側の人間の所有ときまった場合には、立ちのきだどうだと損害賠償だといったところが、そんなものは結局何もならないのですよ。入っている方が勝つのです。強いのです。そんなことは戦後における土地の問題、家の問題でもってわれわれはたくさん知っているのですよ。戦後十六年たって、とにかく平和な一応安定した社会になったのだから、そういう問題がないような形の、そういうことにならないようなものを含みとして持っていただきたいのですよ。何でも裁判でもってきめればいいのだということじゃないのです。その点どうです、そういう場合には。それは供託すればいいのだとか、実際の登記されているものが所有者だとかいうものを判定して、それでいいのだということだけでは済まないということなんですね。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) この問題は、やはり最終段階の今のような段階の場合には、この法律でははっきり施行者が責任を持って判断をせざるを得ないと思います。それはあたかも現在の土地区画整理法の立体換地の場合につきましても、借地権なり、また所有権を分離することになっておりますので、その場合における権利関係につきまして、今のような御議論と同じような場面が今回の場合には出てくるわけでございます。しかしながら、権利の存否につきましては、民事上の問題として解決せられる最終段階が、管理処分計画において施行者が、最終的に責任を持って調査をいたしまして、定めた内容と違った権利者にかかるものが発見された、このようなときには、これは当該……、あとで現われました権利者に対しましては、これは施行者としては、もしその調査並びにその真偽の発見について遺憾な点があった場合、故意または重大な過失があった場合におきましては、これは今の法律によって損害賠償をすべきものだ、こういうふうに考えざるを得ないということを申し上げたわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると、事業の施行者が損害賠償の責に任ずるのたということですね。そうして先に入居してしまって譲り受けてしまっておる者に対して立ちのきを命ずることができるのか、あるいはその人居……、店舗なら店舗を占拠してしまった者に対しては、都の方は——事業の施行者の方はどういう権利を持っておるのか、施行者はその場合にはどういう基準でそれを支払おうとするのか、損害賠償責任というものを東京都なんか訴訟を起こしたら敗けちゃいますよ、こっちが。それはもう損害賠償の訴訟なんか起こそうものなら五年かかるか、十年かかるかわけがわかりゃしませんよ。結局その人間が損というか、非常な苦しい立場に追い込まれるのです。その場合どうしますか。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) 管理処分計画の内容について、事業施行者が申請の権利者をいろんな方法によって調査をいたしまして、なおかつその手続に遺憾な点がなかったということで、管理処分計画が一応適法に行なわれた、こういう解釈をせざるを得ないと思っております。従ってその後に現われましたところの権利者に対しましては、施行者は、民法の不法行為の責任がある場合におきまして損害賠償を支払うべきものであると、こういう意味で申し上げたのでございます。ただし、現在入居しておる人は権利がないということにまた反対的に自然になるわけでございますから、この者に対しては施行者はやはり不当利得の返還請求ができるというふうな場合も生ずるというふうにも考えられます。

田中一日本社会党

○田中一君 その手落ちがなかったということを施行者が認めるには裁判以外にないのです。どの場合でも都の今までた行政上の手落ちで民善良都民かどのくらい苦しめられたかわからないのです。これは都のある場によっては悪意、作意……、なるほどこれは書類じゃとってない、言葉一つでもって、それをやった例がたくさんあるのです。やるならあと裁判、そうしてここにあるように、異議の申し立てなんというのは二週間とか、三週間とか時限がきめられているのです。それをのがしたらもう再びこの通り期限が過ぎましたからだめでございますということで、すまされてしまうのです。私はこの事業を遂行し、円満に進めていこうとするには、そういう点の不信感というものを払拭しなければだめだと思うのです。裁判なんてやったんではとうていこれは解決する問題じゃないのです。解決するにも善良な市民の方が倒れてしまうのです。国や公共団体と訴訟を起こして、先だっての梅毒の血を国立病院で輸血されて梅毒になって、御主人からは離婚されて、そうして長い間煩悶しながら逼塞した生活をしている奥さんがございました。この奥さんが、いいですか、二十万の賠償金です、十七年間かかって、いいですか、そういうことが権力との訴訟の姿なんです。なるほど法は守られたということを言っております。法は守られてもそういう悲惨な目にあうのが現状なんですこれは。でありますからそういう場合にもそれを救うべき条文なり制度なりを設けなければならぬと思うのです。今局長が言っているように、窮極において判決は、不当なる入手だ、権利のない者がそれを取得しているのだということになると、その者に対しては返還の請求をしなければならない。これも訴訟できるでしょうけれども、これも一年かかるか二年かかるかわからぬです。そうして善良な、正当な権利者はそのために商売もできなくなる。あるいは生活までできなくなってしまうかもわかりません。ことに三軒茶屋の例をとれば、ああいう店舗といったって、二坪か三坪の店舗が櫛比しているところです。そういうところの人たちは、そんな東京都と訴訟を起こしたなんといったら、もう訴訟費用がありませんよ、民事訴訟を起こすのですから、そういうことがたくさん事例があるのです。そういうものに対して、そういう間違いがあった場合には、こうして救うのだというような明文、制度がなければ、やはりああいう零細な権利者というものは応じられなくなってくるのです。これはこの法律のすべての権利の問題の、民法関係の訴訟の実態です、実際どの場合でも。なるほど事業はしなければならない、事業をする法律案ですから事業を進めていく。善良な者がそうして取り残されて不幸な目にあうことがあり得るという盲点がある法律は、これは認めがたいです。そういう問題も早く解決される、そうして正当な権利者はその権利を守られるのだということにならなければいかぬ。条文ではなっておりますが、実態ではならない。それはさっきの梅毒を輸血された奥さんのように立ち上がることもできないような目にあうのです。それでも法を守ったというのが権力者の言葉なんです。法を作る關盛君はそういうことは知らぬだろうけれども、やはりそこまでのことを考えてくれなければ困る。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) ただいまのお尋ねは、この法律の実施にあたりまして、基礎になります関係地区の権利者に対する権利の確認ということ、また施行地区内の事前調査を十分行ないまして、また関係住民のそれらの紛争の存否等を十分見きわめまして、関係地区内の住民のこの法律上の権利の正当な行使に支障のないように実施する、ということに一番念願を置かなければならない、こういうふうに考えるのでございまして、権利の存否についての争いという場合におきましては、土地区画整理法では一応申告制度をとり、かつ申告してこなかったという場合には、施行者があとから借地権を換地の上にくっつけると、こういう平面的の換地の場合はそういたしておりますが、やはり立体換地につきましても施行者が同様に判断をしなければならない。ただいまのような設例の場合でございますと必ず出てくるわけでございます。しかしこれはやはり先ほど申しましたように、権利の存否全体の問題でございますので、それらの権利者がこの法律によって与えられるところの権利が行使できなくなることのないように、十分施行者並びに関係の住民に徹底をはかりまして、慎重に取り扱いたいと、こういうふうに考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 施行者が慎重に取り扱い、なおかつ正当なる権利者が権利を失ったという結論になった場合には、今言う通り施行者が正当なる判断をしなかった、という理由で損害賠償の責任があるのではないかと、こういうことを言っておりましたね、不当なる、権利のない者が権利者と誤認されて取得した者に対しては、当然これは施行者の方は、あるいは管理者の方ででき上がったあとは管理者の方で適当な処置をとるでしょうけれども、民法上の訴訟でそれを解決する以外にないということなんですね。責任はあるけれどもない、……それじゃやっぱり納得しないのですよ。やはりそういう紛争というものは直ちに処理できるような制度を作らなければいかぬと思うのですが、大河原君、今までそういう事例はない、今までは大てい泣き寝入りになるのですよ。

大河原春雄東京都首都都市計画部長

○参考人(大河原春雄君) 私区画整理専門でございませんのではっきり申し上げかねますが、さっき御説明がありましたように、区画整理の場合は大てい平面的でございますので、私が経験した例を申し上げますと、よく土地に対する争いがございます。自分の家であるとか象でないとか、そういう問題は換地上へ東京都が行政代執行的な方法をもちましてそこへ建物を移しまして、あとはその土地で争えという方法をとっております。そういう事例は東京都にもたくさんございます。

志村清一建設省計画局参事官

○説明員(志村清一君) ただいまの正当な権利者があとから出てきたという場合でございますが、局長から累次御説明申し上げましたように、さような事態のないような事前の調査を十分にいたしたい。しかし万一そのようなことが起きたというような場合におきましては、施行者といたしましてはその権利者を確認するのに過失があったという場合、当然損害賠償の責めにも応じなければなりませんし、また正当な権利者は権利の確認の訴えと同時に、それによって不当に、建物を得た者に対しその不当利得の返還請求もあわせてできるわけでございます。権利が正当な権利者に確認されました場合には、不当利得の判決も同時におり得るのではないかと考えられます。権利が確認されればさような問題は同時に解決されるのではないかと考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると、その権利のない者が物件を取得したという場合には、その判決によって直ちに強制執行でもできるような付帯判決か、が行なわれる場合にはその通りになりますがね。その誤認によって正当な権利者が何年か、あるいはそういう場合は最高裁——これはまあ建設大臣は弁護士だからよく知っている、町のこともずいぶんめんどうを見ているからよく知っていると思いますが、最高裁までいけば三年や五年かかるんです。その間の損害賠償は施行者がそれを払うという建前でしょう。その場合に、なるほど払うけれども、それには裁判所が付帯的な判決をしてやった場合にはいいけれども、——これまた問題ですがね、それこそ、幾らが損害賠償の額かということになると、これはまあ東京都の方では部民の税金ですから、一銭でも安く払おうという努力をするのが当然です。それでまた合法的に、何とかして延ばそうというのも、これは地方公務員として、公務員としては当然のことなんですよ。安く長くということにならざるを得ないんですよ、これは。その場合に、誤認されて相当な損害を受けた善良な権利者だけが不当に悲惨な目にあう。それはさっき言ったように、一番いい例が、十一年かかって二十万円の梅毒注射の国家賠償をもらったという悲惨なる例がありましょう。これと同じような悲惨な例が出てくるんです。やはりそういう者を守るということがなければ、地元の該当する人たちも協力はしないと思うのです。訴訟も東京都と訴訟を起こしたらえらいことになりますよ、金がかかって。そうして、あるいはその人が消えてしまうかもわからないです。こういう点は建設大臣、私はこの法律が早く成立して、早く実施される段階になることを希望しているがゆえに、こういうこまかい問題までも質問しているわけなんですよ。で、先ほども反対、賛成の両名の参考人、ともにこれは善良な市民です。やはりその不安がある。これはなるほど法律だから、法律でおやりなさい、争うなら法律で争いなさいといったらこれは参っちゃいます。これはあなたのよく知っている通りです。そういうことが守られるような基準なり制度なり、条文に書けなければ何らかの形で残さなきゃならぬと思うのです。しいて言うなら東京都はその場合には、裁判所からその紛争について正しい権利者だという判決が下った場合には、付帯して損害賠償というものはそれに、その事件が行なわれた場合には付帯してその訴訟もあわせて出され、そして、その判決と同時に東京都は自動的に——その施行者は自動的に損害賠償をするんだというようなことになれば、これはいいと思う。必ずそうしなければならぬ、訴訟する費用がない場合には東京都がそれを貸してやるんだというぐらいな扱いをしなければ、これは納得するものじゃないです。訴訟費用は当然都が払んだけれども、都はつかみ金で判断できないから、裁判の結果によって払いましょうということを言うのですから、その場合には訴訟費用がなければ東京都はこれを立てかえましょう、というぐらいあったっていいと思うのですよ。

志村清一建設省計画局参事官

○説明員(志村清一君) 先ほど不当利得の返還請求につきましてちょっと……。

田中一日本社会党

○田中一君 不当利得返還のことを言っているのでなく、善良な権利者のことを言っている。

志村清一建設省計画局参事官

○説明員(志村清一君) 説明が不十分でしたので追加して申し上げますが、民法の七百二条には、A、B両氏が争っておりまして、Aが正しいものと考えた場合、Aも善意であったという場合におきましては、しかし最後にきまったものが、Bがほんとうの権利者であるということが明らかになりました場合におきましても、それによって他人に損失を及ぼした者は、その利益の存する限度においてこれを返還せねばならぬというのが不当利得の返還請求でございます。またA、B両氏が争っておりまして、一応Aときめたが、後にBになったという場合であって、Aに悪意があったという場合におきましては、別の条文を立てまして、その場合におきましては、悪意の受益者が受けた利益に利息を附しまして、これを返還することが必要でありまして、なお損害があるときには、その賠償の責にも応ぜねばならぬわけであります。さような意味におきまして、A、B両氏で権利を争った場合、その権利の確認と同時に、当然不当利得の返還請求の訴えもあわせて行なわれると存ぜられますので、どちらが真正な権利者であるかということがわかり、そして不当利得を得た人も善意であるか、悪意であるかという判断がつきまするわけでございますので、その際におきましては、民法三は十分に真正な権利者は保護される形になっているわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 それは裁判所に出れば真正となりましょう。事業の施行者が正しい権利者を正しくないという判断をして、権利を持たない者は、窮極のところ判決は権利を持たない者になったわけですが、その人間が正しい権利者であるという誤認をして、判断をしてやった場合には、施行者がその損害賠償の責任があるのだということを、計画局長は言ったのです。

志村清一建設省計画局参事官

○説明員(志村清一君) 先ほど申しました不当利得の返還請求とあわせまして、起業者に対する損害賠償の訴えもできるわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 これは損害賠償の訴えをすればいいけども、損害賠償の訴えを国や公共団体に対してやった場合には、もうやっているうちに、こっちはつぶれっちゃいますよ。それを保護するようなことをやはり考えなさいというのです。そうしなければ、施行者の過失によって不当の損害を受けたら裁判をしなさいでは、裁判もできない人間が多いのですよ。こうして表側の、つまり道路沿いの諸君は現行法でいけば、常識的に考えますと、相当な利益が受けられる表側の道路沿いの商店街の人たちは、収用によって補償金をもらって立ちのけばいいのですよ。裏側の人たちはそうじゃないのです。表側の人を生かすために自分たちのねぐらを襲われるわけですよ。そしてもういい平和な生活を営んでいる者が、現行法では何も直接影響のない自分の土地がゆすぶられる、こういう一面から見れば、なるほど土地の整理というものに対しては、これは当然現実の問題として賛成するけれども、善良な平和な市民がねぐらを襲われ、ゆすぶられるということは戦争と同じですよ。侵略戦争と同じですよ。その人たちをやはり安心してこの事業に協力させるようなあたたかみのある、法でできなければ、含みとして、そういう具体的な制度を作るべきであるといっている。そうしなければ協力しないぞということを言っているのです。何でも訴訟できめるということであっちゃならぬと思う。何とか建設大臣、方法はないでしょうか。これはたとえば正当な権利者が除外されて、正しくない権利者が入ったという場合もある、いろいろな場合があります。施行者の誤認によって、正しくない判断によってということなんです。過失によってです、結局。その場合には、賠償等は訴訟を起こさないで、あるいは訴訟というものが一審の判決でもってものがきまるというようなことでいってくれれば一番いいのです。東京都は一審の判決には服さないですよ、いつも。国だって一審の判決に服したものは少ないのです。最高裁まで行って初めて服すという例が多いのです。こうして何にも罪とがのない市民がこの事業によってゆすぶられるということですね。というのは、何かそういう裁判によらないでてものが解決するような便法を含みとして持たなければならないと思うのですよ。これはもう民法上の訴訟でもっていらっしゃいと言うが、訴訟にたえられないのです。これは係争中の物件に対してはどうかということからそこまで発展したのですがね。係争中のものでも、それは書類上の権利者があれば、その権利者が承知すればそれは収用し得るという前提の議論なんですよ。何とか考えてみようとか、何とかかんとか言ってくれれば、一応これで別の問題に移るのだけれども……。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 実際この法律はそういうふうに現地に即して、建物なり土地について係争中があったらどうか、あるいは自分は借地権がある、あるいは借家権があると主張しておるけれども、土地所有者なり家屋所有者は、彼には所有権利はないのだ、期限が切れているのだとか、あるいは一時使用の約束であって、恒久の使用権はないのだとかいう主張をする場合ですね。そういうことは数多くのうちには、この法律を執行したらたくさん具体的に出てくると思うのです。これをさばくということ、一体どうここにさばいていくかということを、田中先生今こまかく配慮しての御説だと思うのですが、この法律の運用の上から言いますと、建前としましては、起業者は、現に住んでおるというものは、まず一応借地権がある、借家権がある、あるいは現に、ある土地に——他人の所有しておる土地に建物を所有している、土地を利用しているものは一応借地権があるものという前提に立って、その主張が裏づけられるかどうかということが問題だと思うのです。借地契約書があるか、借家契約書があるかですね。あるいは契約書はあったけれども、その契約書には明瞭に、これは一時使用、臨時使用であって、恒久的な権利ではないということをはっきり明記してあればこれはもう明らかであります。そういよ明記もない場合の実際の運用としては、現実を尊重するという建前をとっていく以外にはないのじゃないかと私は思うのですがね。もしそうでなければこれは大へんな現実を無視することになりますので、まあ借家の場合で申しますと御承知の通りとの四十三条、四十四条ですか、四十五条、この辺に規定がございまして、まず当事者にその条件とかそういうことについて協議をさせる。協議のととのわないときには、起業者が、審査委員会と言いますかね、その審査委員会の議を経て、過半数の同意を得て、そして「裁定」という言葉を使っておりますが、裁定をする。裁定は、結果的には「当事者間に協議が成立したものとみなす。」という四十五条の規定があります。これでさばけていく。それからなお当然そういう裁定に対して不服のものが出てくる。こちらは借地権とか借家権があるものと認めて、敷金は幾ら借家条件はこうという裁定をした場合に、家主の方はもう彼には借家権——住んでいる権利はないのだ、こういうことで異議がある場合には、結局六十三条以下の「異議の申し立て、訴願及び訴訟」の手続でまず異議の申し立てができますし、それがさらに不服なら訴願ができますし、その上さらに不服なら訴訟ができるという手続で、なるほど訴訟をするというととは、当事者にとっては、ひまもかかる、金もかかって迷惑なことでありますが、私権の紛争でありますから、私権の紛争に公的機関がいつまでも入っておるわけにいきませんので、結局は最終的にこの手続をごめんどうでもとっていただいて最後の決がきまる。果してその裁定をした、きめ方がよかったか、悪かったかという結論が出るわけだと思うのですがね。そういうようなことで裁いていく以外には道がないのじゃないかと私は思うのです。かりに現実に市街地改造法がそこで行なわれないにいたしましても、彼にはもう借地権がないのだ、家主が借家権がないのだといって、家主が借家人を出そうとする場合は、やはり話し合いで出てもらうか、調停で出てもらうか……それも、その調停がととのわなければ裁判をして出てもらわなければならぬ。地主が、彼は借地権がないという主張をされる場合に、その土地に建物を所有しておるものは、ああそうですかと言って建物をこわして立ちのいていくということは、現実社会としてあり得ない。やはりそれは地主としてはやはり訴訟を起こさなければならない。これがなくてもそうしなければ解決しない問題がそこに伏在しておるとすれば、やはり事業が行なわれても、できるだけ証拠に基づいて起業者は適正な判断をして実施をする。実施をする反面において適正な証拠というととも、書面証拠も必要でありますけれども、現実というものとある程度やはり私は関連があると思うのです。現実を無視してはお互いの水かけ論です。あるいは場合によっては両方に、借地権についても借家権についても契約書はどっちもない。両方の言い分によって水かけ論ということも起きてくると思うのです。そういう場合は現実というものを尊重し、その他の資料を調査して、これが適正であるという判断で進めていって、あとの争いはこの市街地改造によって変わった地所なり建物なり借家なりについて、やはり従前の不動産の争いと同じ争い方でいってもらうより手がないと思うのです。こまかく掘り下げていきますと、確かにこの法律は現実のいろいろの込み入った社会をさばいていくのだから、疑問の出てくるのは無理もないし、その疑問の出てくる前にお考えいただくということはありがたいことなんですが、どうも私ども実はそういうふうに考えるわけなんです。

田中一日本社会党

○田中一君 これは裁定に不服がある場合に訴訟があるのですよ。それから、私の言っておるのは、大臣はこの仕事を進めるための立場でものを言うから……それはいいでしょうよ。そのためにどれだけの人間が泣きの涙でいても一向に差しつかえないという気持を持っておるかもしらぬけれども、ほんとうに協力させるにはやはりそういうような間違いがあった場合には、こうすればあなたの方に損がいかないようになるのですよということにならなければPRにならないのですよ。あなたの言うように言ったら、おそらく全部立ち上がって反対々々となりますよ。そうなりますよ、ほんとうに。いやだったら訴訟でいらっしゃいと言ったら、なりますよ。そういうことにならない含みある答弁をしておきなさいと言っておるのです。もっとも計画局長はできないかもしらぬけれども、しかし……

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 大体これは特殊の、世田谷の話は私もよく知らないのですが、強制疎開になって道路が広がった——道路じゃないのですが、強制疎開で、道路の沿道になったものが、強制疎開後にまた建てたというのは、臨時使用のような話のようにも先ほど伺ったのでありますが、そういったような特殊の事情のあるところは別として、さもないところに土地を使わしておるものは借地権証書がある。あるいはもし証書を焼くなり紛失した場合は証人があるとか、あるいは地代の領収書というものがあります。家賃の場合は家賃の領収書があります。契約がなくても領収書に、これはこれこれのものであると、特殊の名義がなければ、やっぱり地代を払い、家賃を払っている者は借地権があり、借家権があると見なきゃならぬと私は思うのですが、具体的にはやっぱり双方の権利の保護ということには、起業者はこの問題を具体的にさばいていくのには、よほど考慮しなきゃならないと思うのです。  それから裏地の方々は、確かに特殊事情のあるところは別として、表が単なる土地収用法で収用されて道路が拡幅されれば、裏地が前面に出て地価が高騰するので、まあそういう関係にありますけれども、しかし都市計画決定で、これは市街地改造地域として市街地改造事業をやるんだということの都市計画決定になれば、もうこれはある程度あきらめていただいて、あとは裏地の人たちがいかに幸福になるかということの相談に入っていただくよりしようがないんじゃないかと思うのですが、できるだけ裏地の方々が幸福になれるような建物構造なり、あるいは高度利用なりを考えていくのがこの事業の施行者の努めなきゃならないところであり、また法律を運用する者の常に心がけねばならないところだと思うので、公正にいえば裏地の方々も、これをやって普通ならば損があるはずはないんで、必ず私はかえって古かった、裏にあった腐朽建物が、今度は高度利用された近代建築に、相当のスペースをとって住居ができるということになるんで、公正にいえば幸福になれる私は結論を作り上げることができると思うのですがね。

田中一日本社会党

○田中一君 建設大臣は池田内閣の閣僚で、所得倍増論の信奉者だろうからそんなこと言えるだろうけれども、まあとにかくその問題はあとにしましょう。  そこで、じゃあ、今大臣ちょっと触れていたけれども、四十四条の借家条件の裁定、これの第二に、家賃の額、これがありますがね。家賃の額は公団が上にのった場合には、公団の家賃を算定する基準によって家賃をきめようとするのか、公営住宅がのった場合には公営住宅の家賃の算定の基準によってこれはその額になるのか、あるいは市街地改造法という独自の、市街地改造事業によって行なわれた住宅の家賃というものはこれこれの基準によってきめるんだという形になるのか、そうしてそれぞれのものは住宅の部分だからこれは住宅局の主管になるのか、あるいは計画局が持つのか。それから建設も公団の場合には公団がやるのか、公営住宅の場合には独自で都が補助工事としてやるのか、そういうところ、一つ非常に広範に質問してますが、説明して下さい。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) この法律の、いわゆる施行者が、従前の関係権利者に譲り渡さないで、別途保留の部分、増加いたします部分について公団の住宅との関係についての御質問がございましたが、公団はこの法律では施行者の範囲から除外されております。公団は今後の検討におきまして、公団法では現在公団が建てるものを管理し分譲するということになっておりますので、施行者から除外されておりますので、現在の段階におきまして、三十六年度の予算におきましても、公団が直接市街地改造事業を実施するということはないことになっております。将来にわたってこれは検討いたしたいと思っておるわけでございます。従って、公営住宅がのっかるという場合は、理論的にはあるわけでございます。現に公営住宅は公共団体が実施いたしておりますので、その場合におきまして施行者が第六条三項によって行ない得る規定を入れておるわけでございます。ただ、今三十六年度において計画をいたしております場所が、公営住宅の基準に直ちに合致するというふうには思われませんので、この場合につきましては具体的の適用はないのじゃないか。しかし、ただいまのお尋ねの公営住宅がのっかる場合は公営住宅の基準でいくのかということでございますから、それはその基準でやるべきわけでございます。  それから、この計画全体の実施につきましては、建築物等、住宅局の街区の公共団体が実施する部分もこの法律を準用いたしておりますので、全体として両局で十分相談し、また指導をしながら関係の地方公共団体を指導していきたい。そうして財政投融資等の問題につきましても、住宅局で所管されておる部分もありますので、予算なり財政投融資につきましては、今後両方で協議をしてきめていきたい、こういうふうに相談をいたしております。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると、公団住宅はのることはあり得るのですか。公営は今の段階ではないのですか。公団の場合では、資金だけ出して預託して建設してもらうということなの、公団はあり得ないの。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) 日本住宅公団とこの法律の関係でございますが、日本住宅公団はこの施行者にはなっておらないのでございますから、ない。それから日本住宅公団は、従って、もしやるとすれば、保留分を買い上げる、こういう制度があるわけでございますが、これは今のところないわけでございます。公団法の業務の問題に関係いたしますので、これは今後検討いたしていきたいというふうに考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると、家賃の基準は、独自の市街地改造住宅ですか、市街地改造住宅という名称の住宅が生まれるわけですか、その市街地改造住宅の家賃の基準というものはきまるわけだね。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) ただいまのお話の通りでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 譲り渡し価格は。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) この事業によってできましたものは、この法律の定めるところに従いまして、施行者が四十六条の規定によりまして評価をいたしまして決定をするわけでございまして、要するに整備に要した費用、それを基準といたしまして近傍類地の価格の限度内において定める、こういうことになっております。

田中一日本社会党

○田中一君 御承知のように厚生省の住宅なんかでも、厚生年金住宅にしてもやはり住宅局の方に持ってこいといっているので、これはこの住宅に対する監督権というか指導権というか、管掌する部局は計画局であって住宅局にはないの。この事業に対しては国の補助も出るのでしょう。国自身の事業になっているのだこれは。これは委任することができることになっている。そうするとこの部分についてはこれは住宅局は関係がないのですか。

稗田治建設省住宅局長

○政府委員(稗田治君) もし施行者が住宅金融公庫の中高層の貸付資金等の融資を受けて施行する場合には、住宅金融公庫の関係の監督はいたすわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 大臣に伺いますが、どうも住宅行政というものはそういう多角的なものじゃいかぬというのですよ。一元的にしなければいかぬというのですよ。これは最近幸い徹底してきて、厚生省も相当折れてきております。そういう考え方はやめていただきたい。そうしてこれは公募をする部分も含むのです。これはかつての権利者だけが住むべきものじゃなくて、公募をするものも含むのですよ。そうして家賃の基準等もそれはどういう算定をするか知らぬけれども、あれもこれも違うのだという考え方はいけないですね。私どもは御承知のように、社会党としては地代家賃統制令の撤廃に対しては全面的に反対します。と同時に零細な家主がたくさんおるからこれも救わなければならぬと思うのですよ。そういうような形で家賃もそこで性格によってみな家賃か違ってくるのだということでは、これは私はとれないわけですよ、そういう行き方は。むろん原資の違いもありますから、だから合理的にやれば多少のでこぼこはあると思いますけれども、しかし家賃の体系としてはやはり一本のものになって、それで原資の部分がこれこれであるということできまるべきものです。家賃を一体どのくらいにきめようとするのか、今の予定では。これを一つ、算定の基準も公営住宅にもある通り、住宅公団のやつもありますからそれを一つ明らかにして下さい。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) この法律の実施に伴う政令の案をお手元に差し上げてございます。法律施行令案要綱、それの第九の二項でございます。六ページでございます。施行者が賃貸いたします場合の標準家賃の概算額を示しておりますが、これは建設費の償却額に修繕費、管理事務費、地代相当額、損害保険料並びに公租公課を加えたものを基準として定める、こういう考え方でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 これは公営住宅の何の基準とちっとも変わってないですか、住宅局長。

稗田治建設省住宅局長

○政府委員(稗田治君) 建設費の償却額というところに、公営住宅では御承知のように国の補助金が入っておりますから、補助金は差し引くわけでございます。それから地代相当額というところにおきましても、用地を買収した場合に国の補助金が入っておりますると、その補助金を差し引いた地代相当額になってくるわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 大体今三軒茶屋、渋谷等でこの市街地改造事業というものは十二坪の基準で考えていると、さっきそういう説明がありましたけれども、大体どうです、償却額というものから補助金を除外する、それから地代がなくなってくるということになると安くなりますか。同じ十二坪の規模で、住宅局長どう考えますか。

稗田治建設省住宅局長

○政府委員(稗田治君) もしたとえば三軒茶屋のところを市街地改造法を適用して施行いたします場合に、保有床につきまして公営住宅をのせるということになりますれば、建築費につきまして補助金を差し引いて償却するということになって参りますし、その場合は地代相当額というのは別な上にのる何といいますか、空中権を取得するような費用になって参りますが、その場合にも補助金の分だけは差し引いたことになりますので、もちろん家賃は安くなると思います。

田中一日本社会党

○田中一君 おかしいね、そいつは。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 住宅局長にお尋ねしたい。この市街地改造住宅と、それから公団の通称げたばき住宅ですか、それと比べた場合に、実際でき上ったものを見ると、商店街を下に入れて住宅街が上にのっている、こっちが改造住宅でこっちが公団の住宅だという見分けはつきませんね。実際問題としてどうでしょう。

稗田治建設省住宅局長

○政府委員(稗田治君) 公団の市街地住宅でございますが、御承知のように公団の市街地住宅は公団が所有いたしまして、公団がずっと管理をいたしていくわけでございます。従いまして家賃計算は普通の公団の団地住宅と同じように建設省令で計算の仕方が定めてございます。なお公団住宅の場合に、市街地住宅で下の店舗事務所等を所有する方々の使用人等に対する給与住宅、これを分譲いたす場合も若干ございます。この場合は給与住宅といたしまして、雇用者と使用人の間できまった使用料を払うということになっておるわけでございます。外観上見分けがつくかどうかということになりますると、公団の方でございますといろいろ住環境等につきましても、あるいは住居の規模等につきましても省令で定められておりますので、ある程度の規格というものが要求されるわけでございますが、そういった規格等につきまして、若干この市街地住宅の方が自由度があるということになるのではないかと思います。ざっと窓の並んだところだけ見れば、公団住宅と別に書いてなければ見分けはつかない場合もあるかと思います。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 いやお聞きしているのは簡単なことなんですけれどもね。外観上見分けがつかない、そうしますとたとえば今その三軒茶屋地区の人が、市街地改造、こちらの方の事業が行なわれるかもしれない。そうかと思うとまた公団の方から高層住宅についていろいろ説明を聞いた、そうするとやはり高層住宅でなければならないということが非常によくわかった、というようなお話が午前中あったわけであります。そういう場合にその町の人としてはどちらがいいかちょっと判断に迷うわけですが、そして国の行政、先ほど田中委員から言われたように、住宅行政がますます複雑になる。そうすると、困るのは民衆ではないかというような感じがしますが、どうでしょう。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 住宅行政の一元化ということは私どもも全く同感でございまして、今後強力に進めて参りたいと思うのでありますが、今のお尋ねの点は、たぶんこの市街地改造法を適用しようという区域について、そこの該当地区におる土地所有者、家屋所有者、居住者、これが相談の結果、これは東京都なら東京都に市街地改造でやってもらうよりは、前の地面をあけるから自分らは一つ相談して住宅公団にげたばき住宅を建ててもらって、協議による所有者、居住者になろうじゃないか、こういう相談が一致した場合はあり得ると思うのです。必ずしも市街地改造事業の都市計画をいたしましても、居住者が一致してそういうふうに十人なり二十人の人が話が円満にまとまって、そして私は公団に頼んで建ててもらうとか、あるいは住宅金融公庫から借りて、そしてあと手持ちの資金を出してみんなで話し合いで仲よくいこうではないかというようにまとまったところができれば、しいてこれを排除して市街地改造事業をやらなければいかぬということもないと思うのです。まあそういう場合があり得ると思うのですが。  それから先ほど来お話の出ておりました市街地改造事業をやりまして、前面の店舗の人、裏の住宅の人、それぞれが一階から数階までに入ってしまって上に保留分ができた、こういう場合の家賃の問題、標準はどう定めるかという点は、先ほどの政令案要綱で局長の御説明申し上げた通りなんでありますが、これらも考え方によりましては、大体市街地改造事業を適用するような地域は、都道府県あるいは五大市というところはほとんどみな都道府県の住宅公社というものを持っているように私は思います。ですから、そういうような公社があるので、いつまでも起業者である都道府県が家主としての管理をするよりは、一括してその保留分は公社に渡して適正な家賃で賃貸し、管理をさせたいというような場合も起きると思うのです。これらも考えとして起こってくることで、実施の面においてこの法律で支障はございませんから、やはり起業者がそういう建造物を建てた上に取り扱いを適正にやっていけばいい。大体この市街地改造法を適用する起業主体は都道府県及び五大都市というような公共団体でありますから、そういう処分についても、賃貸しについてこういう政令規定があれば、そのワクをはずれたようなことはしないと思います。また、させないようにこれは監督官庁である建設省としては行政指導を十分にやっていくべきだ、こう私は思っておるのです。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 そうしますと、かりに三軒茶屋の今例が出ておりますから三軒茶屋で申しますが、三軒茶屋の人が公団でいくか市街地改造でいくかということは、建設省の計画局の方の宣伝が浸透するか公団の方の宣伝が浸透するか、というようなことできまってしまうわけですか。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 問題はその地区におる、物件を所有しておる人たちの意見の問題だと思うのです。なかなか、現に放射四号の青山の通りなどでは話し合いで住宅公団に建物を建ててもらって、そうして、下がるべきところは下がって、前の土地は道路用地に買収してもらって、自分らで自治的にやろうというのがすでにでき上がっておるようでありますけれども、そう円満にいくということはなかなか実情至難だと思うのですね。ですから全員が一致した場合にはできると思うのですが、全員の一致ということの困難な場所が多いのじゃないかと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 この場合、保留部分も自分らが建てて、貸家業をやるのだと言ったらば認めますか。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) この保留分というのは管理処分計画にありますように施行者のみやれる。こういうことになっておりますからただいまのような場合は困難だと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 今度は土地の問題にちょっとかえりますけれども、共用部分の共有ですか、この共有というのはどっちみちこれはその土地の所有権はその共有者に所属するものですね、当然ね、そうなるですね。そうすると、この事業を行なったために固定資産税がびーんとはね上がるというような危険性はどうですか、またこれに対して何か促進するために緩和的な考え方を持っているのかどうか。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) この固定資産税につきましては、このことによってはね上がるということはないと思います。固定資産税につきましては他の法令の場合においてこの減免措置がありますように、減免をまず取得の場合にいたしております。それからなお評価につきましては、この時価で取得した価額に応ずるものを差し上げるわけでございますから、これはこのことだけのためにはね上がるということはないというわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 これ一つ出していただきたいのですがね、三軒茶屋でも渋谷でもけっこうです。現在の計画で、一応標準的な保留部分を施行者が所有して、そうして投資額それから償却その他全部合わせてみて、道路の拡幅に要する部分、公共施設に対しては、これは買収という資金を投ずるわけですね。そういうことだと思うのです。その部分を除いた事業費の全部から見てどういうバランスになるか一ぺん出してみていただきたいと思います。いいですか、公共施設の部分を除いて、そうして、市街地改造、これは資金の問題ですよ、道路用地は除いて、それで、他の実際の事業を完成した場合のバランス。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) ごく概算の資料でございますが、調製したものがありますので差し上げたいと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 それから審査委員には常任とも何とも書いてないんだな。常任ということになるんですか、審査委員は。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) 審査委員は非常勤でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 審査委員の非常勤というととは、賃金というか報酬はどういうふうになっておりますか。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) これは区画整理法にあります評価委員と同様に日当、手当等を支弁すべきものでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 幾らと考えております、日当は。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) 審査委員につきましては新しい問題でございますが、評価委員の例によって申し上げますと、神奈川県等におきましては日当千円ぐらいを出しております。

田中一日本社会党

○田中一君 あとの交通費その他は実費ですか。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) 交通費は実費でございまして、距離的に遠い人がおいでになるような場合は一等旅費を出す、こういうのが慣例でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 罰則の中に審査委員に対する罰則はありますか。ありませんね。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) 審査委員は罰則の規定はないのでございますが、これはここにありますように解任の手続があると、こういうことでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 問題は、この審査委員によって施行者は自分の責任を一応のがれようと、当面の責任というか、追及をのがれようという形の制度であるわけなんです。信頼されている施行者ならばこんな審査委員なんか要りませんよ。信頼される行政を行なうという信頼さがあるならば。そこで、むろんこれには審査委員に対する施行者の方のいろんな権限もありますけれども、しかし非常勤の人間だから罰則云々もいかぬと思うけれども、国民の利害に大きな影響がある事業なんですから、そういう意味の、こういう審査委員というものは決定的な判断をするんでないという前提に立っておりますけれども、ほかの法令にはありませんか、罰則というものは。どうですか。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) これは地方公務員で申しますと、非常勤の地方公務員であって非常勤の特別職でございます。従って刑法上も公務員という扱いを受けるわけでございまして、そのような事例がありますれば公務員に対する刑法上の規定がある。しかし他に実体法上の評価委員等についての罰則というものはないわけでございまして、非常勤でございますので、類似の制度につきましても。従ってその場合におきましては解任という処分をすると、こういうことになるわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 どうも今現在各種委員の中でも高いものも安いものもあります。しかしこれだけの仕事、国民の利害に大いに関係の深い仕事をやるのは、相当な決断力がなくてはできないわけです、責任がある仕事をしようとするならば、まず。従って十分に優遇するところは優遇する、そうしてきびしく責任を追及するところは追及するという形が望ましいと思うのです。私は、三分の二の同意があれば解任も任命もできるということになると、場合によればしょっちゅう審査委員がかわることも考えられるんです。考えられます、実際。そういう点でまあ収用委員と同じような、非常に大きな責任が、収用委員ほど責任はありませんけれども、国民の利害に非常に関係の深いものですから、これが何といいますか、感情的なことになりますとえらい問題が起きる。そこで審査委員に行なわせる仕事の分担ですね、政令できめるようになっておりますが、これはどれへ出ていますか。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) 審査委員の行ないます職務の範囲につきましては、本法の中にそれぞれ規定されておりまして、第二十二条の二項、いわゆる管理処分計画の決定、それから二十五条の四項の過小な床面積の基準の決定、それから二十九条の三項の管理処分計画を縦覧いたしました場合に、譲り受け希望なり賃借り希望者からの意見書の提出があった場合の、その意見書に対する審査を行ないますことなり、それから四十四条の規定によりまして、賃借人と家主との間における借家条件の裁定に関する事柄、これらが審査委員の職務のおもなるものでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 三名以上になっていますが、何名ぐらい考えておりますか。

關盛吉雄建設省計画局長

○政府委員(關盛吉雄君) この市街地改造事業の事業区域の大きさによりまして、審査委員の選任さるべき員数の違いがあろうと思いますけれども、地区が大きければやはりそれ相応に数をふやさなければならぬと思っております。現在まあ、先ほども申し上げました土地区画整理法の評価委員につきましては、はっきり全国的なあれがありませんが、置いておりますところの資料によりますと、五名というのが普通の状態でございます。五名ないし七名、そういうふうなことでございまして、これは地区の広狭の範囲によりまして審査委員の数にはおのずと違いがあると、こういうふうに考えまして、最低三名たければならない、こういうふうにいたしてあるのでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 もう四時半だから僕の質疑はこの次に譲ります。

稲浦鹿藏自由民主党

○委員長(稲浦鹿藏君) ちょっと速記を止めて下さい。   〔速記中止〕

稲浦鹿藏自由民主党

○委員長(稲浦鹿藏君) それでは速記をつけて下さい。  次回十八日は市街地改造法等の審議を行なった後調査案件といたしまして全建労の処分問題の調査を行ないます。  つきましては、当日、本件調査のため東北地方建設局長を参考人として出席要求することにいたしたいと存じます。さよう決定することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

稲浦鹿藏自由民主党

○委員長(稲浦鹿藏君) 御異議ないと認めます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十二分散会    ————・————

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