建設委員会 第12号
- 発言数
- 126 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/03/14
会議録
○委員長(稲浦鹿藏君) ただいまから建設委員会を開会いたします。 初めに、道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 逐条的に補足説明を聴取いたします。
○政府委員(高野務君) ただいま議題となりました道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案につきまして、条文を逐条的に御説明申し上げます。 この法律案は、昭和三十六年度を初年度とする道路整備五カ年計画及び積雪寒冷特別地域道路交通確保五カ年計画の策定、実施のため必要な規定を整備するためのものでありまして、本則二箇条及び附則二項からなっております。 まず、第一条は、道路整備緊急措置法の一部改正の規定でございます。 道路整備緊急措置法第二条第一項の改正は、昭和三十六年度を初年度とする道路整備五カ年計画策定の根拠規定を設けるためのものであります。すなわち、これによりまして、建設大臣は、昭和三十六年度以降五カ年間における新道路整備計画の案を作成して閣議の決定を求めなければならないこととしたのでございます。 第二条第三項の改正は、建設大臣と経済企画庁長官との協議に関するものであります。現行法におきましては、五カ年計画の案のうち高速自動車国道にかかわる部分について運輸大臣に協議することとなっておりますが、今回さらに道路整備計画と長期経済計画との調整をはかるため、建設大臣は、新五カ年計画の案を作成しようとするときは、あらかじめ経済企画庁長官に協議しなければならないこととしたものであります。 次に、道路整備費の財源に関する規定につきまして新計画の場合においても、現行計画と同様、揮発油税収入額に相当する額を道路整備費の財源に充てるものとするため、第三条第一項本文中昭和三十三年度とあるのを昭和三十六年度と改めるとともに、すでに不要となった部分を削るため、同項第三号を改めることといたしました。すなわち、昭和三十年度から昭和三十二年度までの直轄事業にかかわる地方負担金で現金納付のものは、すでに、全額道路整備費の財源に充当されましたので、これに関する部分の規定を削り、地方債証券の償還金にかかわる部分の規定のみを存置することとしたのであります。 次に、第四条の規定を削除いたしましたのは、道路整備特別会計における交付公債制度が昭和三十五年度から廃止されたことにより同じく不要となったからでございます。 また、新計画の実施期間中におきましても、現行計画の場合と同様、国の負担金の割合及び補助金の率につきまして、特例を定める必要がありますので、第五条中「昭和三十三年度」とありますのを「昭和三十六年度」と改めることといたしました。 次に第二条でございますが、これは、積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法の一部改正に関する規定でございます。 すなわち、積雪寒冷特別地域道路交通確保五カ年計画の期間を、新道路整備五カ年計画の期間と調整して、実施するため、第四条を改正することといたしました、これによりまして、今後、昭和三十六年度以降の毎五カ年を各一期とする五カ年計画が策定されることとなるのでございます。 第五条から第七条までの改正は、いずれも、第四条の改正に伴う技術的改正であります。 次に、附則でございますが、第二項におきまして、道路整備特別会計法の一部を改正することといたしました。これは、緊急措置法第二条及び第三条を改正いたします結果、特別会計法第一条の内容が自動的に変化し、現行五カ年計画に基づく道路整備事業につきましては、当然には、道路整備特別会計で経理し得ないものとなりますので、これを引き続き特別会計で経理するものといたしますため、附則に一項を加えたものでございます。 以上、道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案につきまして逐条説明申し上げた次第でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○田中一君 委員長、資料要求。揮発油税法の一部を改正する法律案、それから地方道路税法の一部を改正する法律案、これは共にこれに直接関係がありますか。——あると思いますから、これの法律案並びに説明資料を出していただきたい。
○政府委員(高野務君) さっそく関係省に交渉いたしまして提出いたします。
○田中一君 もう一つ、経済企画庁が持っておるところの、長期経済計画の全貌を明らかにできるような資料をお出し願いたい。
○政府委員(高野務君) 経済企画庁と相談いたしまして提出いたします。
○委員長(稲浦鹿藏君) 本案の質疑は次回に譲ることにいたします。 ——————————
○委員長(稲浦鹿藏君) 次に、住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 担当局長のほか、住宅金融公庫から鈴木総裁、師岡副総裁、江ケ崎貸付部長、村井建設指導部長、金沢経理部長が参考人として出席いたしております。御質疑の方は順次御発言を願います。
○田中一君 最初に、住宅金融公庫としては久しぶりに当委員会に法律改正案が出たわけですけれども、最近の住宅金融公庫の全貌が明らかになるような資料を一つお出し願いたいと思うんです。相当伸びておりますので、従って、ここまあ三年ぐらいのものでいいと思いますけれども、いろいろ変貌しております。それから事業の内容もいろいろ伸びておりますし、ことに宅地造成の点がどれくらいまで伸びているか、それからその内容としてはどういう所にどういう形の造成をやっているか。それからそれは大体宅地としはどのくらいの値段のものをどういう形でやっているかというような面と、それから回収状況、回収がどういう工合に進んでおるだろうかという点等、事業内容の大体わかるようなものを一つ出していただきたいと思います。
○政府委員(稗田治君) 資料を整えまして提出いたします。
○田中一君 それから金利の値上げということが、建設省としては、法律の提案者として、喜んで値上げをしなきゃならないんだという気持でやっておるのか、財政当局との今までの折衝の経緯を一つお話し願いたいと思います。
○政府委員(稗田治君) 今回の金利の引き上げにつきましては、もちろん建設省といたしまして、最初の要求にはそういった金利の改定の点はなかったわけでございます。今日の住宅事情、宅地事情等から考えまして、事業量を非常に増大するということが肝要であると考えまして、比較的一般の庶民に影響のなく、金利の高くなった分が容易に吸収できるというような点についての改定でございましたので、事業量を拡大するという見地から建設省といたしましては承認をしてこういうような改正をお願いいたしておるわけでございます。
○田中一君 この要綱にある三、四、五、これらの利率の値上げによってどれくらいの余裕ができるんです金として。それがどれくらい余裕ができて、それが戸数、資金面にどういうはね返りになっているか、一つ説明して下さい。三、四、五と分けて説明して下さい。
○政府委員(稗田治君) 一応全部について申し上げますると、御承知のように、住宅金融公庫の資金関係につきましては、後年度に金利負担の尾を引いていくものでございます。従いまして、本年度の産投資金の出資金をごらんになりますと、九十億というように、三十五年度よりも四十億もふやしておるわけでございます。で、かようなことで政府の無利子の金の出資は非常に努力されて出資しておるわけでございます。後年度に尾を引くというような考えから、第三、四、五等につきましてもこの程度の金利の引き上げというのは、むしろ事業量を拡大するということのために必要であると考えたわけでございます。 第三、四、五につきまして、ここに三十六年度の金利引き上げによってどれほどの戸数の伸びがあるか、あるいはどれほどの産投資金が必要であるかということにつきましては、事業内容が後年度に尾を引くということで三十六年度の最終の場合に赤字を生じないという建前でやっておるものですから、これが利子補給金というような形とは違いますので、資金構成そのものとしての考え方でございますので、的確に三十五年度で何戸分得をするというようなことを申し上げることは妥当でないと思うのでございますが、それらにつきましても計算いたしまして提出いたします。
○田中一君 金利は高いより安い方が国民は喜ぶのです。従って住宅行政に携わっておる住宅局長としては、国民が喜ばない方向に進むということになると、これに見合うだけの、国民へのサービスというものはここに盛られてこなければだめだと思うのです。従って、不本意な気持ちでおそらく財政当局と話し合いの上でこのような値上げがもたらされたと思うのですが、国民が損をしたか得をしたかというような見方をする場合には、やっぱり損と得とは相殺されて同じでございますというようなことにならなければならないと思うのです。得なのはどういう点ですか。戸数がふえたという面は具体的に数字として今計算できなければ後ほど出して下さればいいのですが、観念的にあなたがしようがない、踏み切るということになった利益はどういうものですか。
○政府委員(稗田治君) たとえば、私が事業量の伸びと申しましたのは、金利を引き上げた分についての伸びばかりでなしに、たとえば一般の個人貸し付けの住宅でございますが、これも個人貸し付けにつきましても、これは五分五厘という非常に低利な金で、その金利は動かさずに五千戸も事業量をふやしておるわけでございます。それから中小企業関係におきましては、これは金利、貸付条件等は三十五年度同様に維持しまして、しかも七千戸という戸数は中小企業のためにワクを設けて確保した。また賃貸住宅等におきましては、これは一般の中堅階層に対する住宅供給でございますので、これも五分五厘のままに置きまして、若干の戸数を伸ばしたわけでございます。 なお宅地造成は金利の上がった分でございますが、大体七分五厘というようなことにいたしまして、分譲する宅地の坪当たりの金利引き上げによる増加額と申しますのは、四千二百三十円から四千三百十九円ということに大体八十九円ほどの坪当たりの分譲価格で引き上がるという計算に相なりまして、約二%程度の分譲価格の引き上げに相なるわけでございます。御承知のように宅地の値上がりは最近毎年二〇%あるいはそれ以上の値上がりを示しているわけでございますので、先に宅地の取得を拡大して供給していくという方が、実際の宅地の価格の抑制には役立つものであるというように考えたわけでございます。 なお、中高層の耐火建築物等につきましては、今日の市街地の宅地を高度利用する、再開発が必要であるという観点に立ちまして、住宅部分と非住宅部分の割合も、従来二対一で資金が貸し付けされておりましたものを三対二というように地価の高いところでも住宅が建設されるような施策をとったわけでございます。そういうように事業対象の幅も若干広めてございますので、そういった市街地の地価の高いところにおける営業部分の貸付の金利というものは、この程度の引き上げは十分吸収される。むしろそれよりも事業量を拡大するということが今日の都市計画上の観点からも大切であるというように考えたわけでございます。
○田中一君 住宅金融公庫の方に伺いますが、三十六年度の中高層の準備資金はどのくらいになっておりますか。それから一般貸付の分、宅地造成の分、それから産労の分、この資金構成を一つ説明して下さい。
○参考人(師岡健四郎君) 三十六年度の中高層の資金量は、契約高は百六億となっております。前年度が六十八億でありましたから、三十八億ほど増加と相なっております。それから宅地造成は三十六年度取得におきまして百五十五万四千坪、造成におきまして九十八万九千坪、金額といたしましては合わせまして三十六億となっております。前年度は取得が五十六万、造成が四十万坪でございまして、合わせまして十四億でございます。従いまして、坪数におきましては大体三倍、金額におきましては二倍ほどに相なっております。
○田中一君 一般貸付及び産労の資金はどのくらいですか。
○参考人(師岡健四郎君) 産労住宅は三十六年度一万四千戸、金額にしまして五十二億と相なっております。三十五年度は一万二千戸の四十五億、戸数にしまして二千戸の伸び、金額にして六億三千万円ほど伸びております。全体から申し上げますと、戸教が三十六年度は十二万戸、契約高が五百二十一億八千七百万円と相なっております。三十五年度の戸数は十一万戸、金額にしまして四百十五億と相なっております。
○田中一君 そうすると、今度の別の法律で出ておる市街地の再開発ですね、既成市街地における市街地改造の問題、これをのせ得るということと、それから住宅公団が持っておるものものせ得るということになっておりますが、そういうものに対する考え方は、どういう調整をとるかということですね。
○政府委員(稗田治君) 住宅金融公庫の中高層耐火建築物に対する融資、また日本住宅公団のげたばき施設付きの住宅につきましても、ただいまお述べになりましたような市街地改造法、それから目下衆議院の方で審議をお願いしております防災建築街区造成法案等に、これらの資金は使われるわけでございます。このつり合いでございますが、実際の街区ごとの事業が実施される段階になりまして、それぞれ具体的に定まって参りますので、今どちらがどの程度使われるかというのは確定はいたしていないわけでございます。
○武内五郎君 住宅局長にお伺いしますが、ただいま公庫の貸付利上げについて田中委員から質問があったのでございますけれども、大体、公庫法の第一条からいってもこの際利上げされるということは、どういうふうにあなた方お考えになるのでございますか。たとえば、公庫法は一般の銀行その他の金融機関から、融資の困難な人に融資をするということになっております。従ってこれは、そういう人々に対する公庫というものがサービスの機関でなければならない。そこへもってきて今、利上げをしなければならないというのはどういうわけですか。
○政府委員(稗田治君) 今回金利の引き上げを行ないましたものは、一般の庶民に対して影響のないところで引き上げをはかったわけでございます。一般の個人貸付につきましては五分五厘で従来通り貸し付けますし、事業量も先ほど申し上げましたように五千戸拡大しております。それから賃貸住宅につきましても従来通り五分五厘でございます。中小企業の住宅につきましては、三十五年度と同様に六分五厘、これをそのまま据え置きまして、なお戸数を七千戸というふうに、大企業と分けまして確保いたしたわけでございます。 それから中高層の耐火建築物に対する融資制度でございますが、これは市街地の立体化が今日の都市問題から考えまして非常に重要でございますので、事業量を拡大したわけでございますが、御承知のように市街地における立体化をはかりまして、げたばき住宅を建設する場合には下の部分は商業用の建築物になるわけでございます。なお上に乗る住宅につきましては、もっぱらその企業者の住宅あるいは企業者の従業員の住宅というようなものが大部分でございまして、従いましてこれは企業者の負担になりまして、一般の家賃の値上がりというような傾向を生じないものでございます。そういうような立地上の観点からも考えまして、一般の庶民の住居費の負担になるような点は今回には全然排除いたしておるわけでございます。 なお宅地造成につきましては、先ほど述べましたように、わずかな坪数を低利の金で宅地造成をして供給するよりも、もっと値上がりの速度が早いものでございますから、若干の金利負担はございましても、大量に宅地を造成する方が、一般の住宅用地の希望者に対しては至当であるというように考えたわけでございます。先ほど申しましたように、三年間資金が寝るという計算で宅地造成の場合の分譲価格を計算いたしましても、その坪当りの値上がり価格は二%程度でございまして、毎年二割あるいは二割五分程度宅地の値上がりをいたしている現状から考えますと、事業量を拡大して若干の金利負担がございましても、この方が現状に合っておるというふうに考えたわけでございます。
○武内五郎君 それで、事業量の拡大をはかるというお話なんですが、たとえば昭和三十三年度の公庫の事業の状態を見ますると、申し入れば、個人と組合住宅の関係ですが、百六十八万七千余申し込みがあります。ところが審査で合格したものがわずか四十八万九千、大体三〇%に該当する。金額において、これもずっとまた落ちて参りましてようやく二〇%の状態、産労においても申し込みが九万八千七百余あります。ところが審査合格したものがわずかに五万余であります。これはほぼ五〇%弱なんです。金額においてようやく四〇%余になる、こういうような状態で、今日までまことにその申し込みと審査合格が非常に大きな開きがある。こういうようなことですが、これを今度のそういう計画で一体カバーできるものかどうか、お考えを一つ……。
○政府委員(稗田治君) 自力で住宅を建設し得ない方々に対しまして政府施策の住宅対策があるわけでございますが、やはりこの政府施策住宅の中のバランスというようなこともあるわけでございます。それぞれの住宅困窮者の所得階層分布に合ったようなバランスを立てて供給しなければならぬわけでございます。御承知のように公営住宅におきましては三十五年度よりも三千戸ふやしてございます。また不良住宅地区関係につきましては二千戸ふやしてございます。住宅金融公庫におきましては、この中には個人住宅もあり、産業対策上の産労住宅もございますし、都市不燃化というようないろいろの問題が含まれておるわけでございますが、一万戸前年度よりもふやしておるわけでございます。 なお公団住宅につきましては、賃貸と分譲にそれぞれ一千戸ふやしてございます。そういった全体のバランスを考えまして、住宅難世帯のそれぞれの所得階層分布に見合った供給をしていこうというわけでございます。従いまして三十六年度だけで今の倍率が一対一になるというような状態に相なるとは考えられないわけでございますが、そういうような観点から経済の長期計画に見合ったところの長期十カ年計画というようなことを目途に、この第一年度を始めようというわけで、案を立てたわけでございます。 なお産業労働者住宅につきましては、公団の分譲住宅、それから公庫の産業労働者住宅用の貸付並びに厚生年金の見返り融資等におきましても、これも昨年よりも五千戸ほどふえまして、一万一千戸くらいに相なっておるわけでございます。そういうような政府の施策住宅全体をあわせまして、計画的にこの住宅難を解消していこうという考え方でございます。
○武内五郎君 それで実は私今日の住宅難が実際において解消される状態にまだなっていないことから考えまして、いろいろ考えてみたのですが、たとえば昭和二十三年を中心としましてこれを一〇〇とすれば、その前後が特にその後二十四、二十五、二十六とずっと追っていきますと、昭和二十三年度よりも建設する率においてずっと下ってきております。こういうように下ってきたということは、年度計画が住宅難の解消率にマッチしてきたと解釈すればされるのでありますけれども、漸次こう下ってきている。これはどうしてもやはり実際において建設の方に重点がおかれないで、何三の方に動いているのじゃないか、こう考えられるような、これは悪い推量でありますけれども、そういうふうに考えざるを得ない、それだけ住宅建設について熱意が欠けてきているのじゃないかというふうにも考えられる。その点、最近住宅建設の三カ年計画の実践に昨年度から入っているわけなんですが、実際にどうなんですか、最近の傾向は。
○政府委員(稗田治君) ただいま建設省で毎年発表しております白書の数字で申し上げますると、最近におきましては、政府施策住宅というのは逐年戸数はふえているわけでございます。本年度の二十四万六千戸というのも、政府施策住宅といたしましては、かつてない数字でございます。お尋ねのこの二十三年の建設の戸数でございますが、これは民間自力建設等でふえているわけでございまして、当時は戦後のバラックを建てるというような時期でございましたので、とにかく雨露をしのぐという住宅が非常に建ったわけでございます。そこで、二十三年は相当に建設戸数は伸びているわけでございますが、政府施策といたしましては、それほどふえておったわけではないわけでございます。 なお、今日の住宅難の事情は戦後と多少変貌を来たしておりまして、なかなか住宅の質についても、非常に高い水準を望むようになってきているわけでございます。そういうような質的なことも勘案しまして、なお、今後の産業構造の変動に伴うところの人口の移動というようなことも考えまして、経済長期十カ年計画に合わせるところの住宅対策というものは、そういった将来への明るい前向きの姿で積極的に進めていこうという考え方でございます。
○武内五郎君 自力建設が漸次こう広がって拡大されてきているというお話なんですが、そこで、今までの考え方で言えば、民間の自力に期待するということになるのですか。
○政府委員(稗田治君) 民間自力建設の戸数等につきましては、これは統計上の資料に基づきまして無理のない推定の数字をあげておるだけでございます。特に政府施策住宅を民間自力建設にかわっていただく、さような考え方はしていないわけでございます。
○武内五郎君 そこで私は民間自力をうんと奨励し拡大してもらわにゃならぬと思うのでありまするが、従って公庫の貸付のワクの拡大ということもこれに伴ってこなければならぬと思う。そこへ持ってきて実際において住宅の困難を感じておる者というものは、これは勤労大衆、勤労者なんであります。家はほしいが金がないという人々が大部分だと思うのであります。住宅困難の実情なんかを考えてみましても、実際において賃金生活をやっておる人々の住宅希望者はその困窮者の全体の数の五四%、過半数を占めておる、こういう状態でございますので、従って私は公庫の貸付ワクというものを拡大する必要があると思うし、同時に楽々と借りられるような方法、道を講ぜねばならぬと思うときに、そこへいろいろな利子の値上げ等の場合は大きなこれは頭打ちになるのじゃないかと考えるのですが、そういうことにならぬでしょうか。
○政府委員(稗田治君) 先ほども述べましたように、一般の個人住宅を持ちたいという庶民階層に対しましては五分五厘というように従来通りでございまして、戸数もふやしておるのでございます。今回金利を引き上げました分は、中高層の耐火建築物に対する融資の利率、それから産業労働者住宅のうちの大企業向けの分を引き上げた、また宅地造成につきましては、土地を早期に手に入れて造成をして大量に安い宅地を供給していく方法が必要であるというように考えて、若干の引き上げとなったわけでございます。その影響率等におきましては先ほど述べましたようなわけでございます。従いまして、それぞれ一般の住宅困窮者としまして影響を受けるところにつきましては十分考慮を払いまして、金利につきましては触れなかったわけでございます。
○武内五郎君 そこで特に今産労についてのお話がありましたが、産労住宅建設の場合、大企業と中小企業との区別があるはずであります。中小企業と大企業との区別はどういう基準ですか。
○政府委員(稗田治君) これは大体考えてございますのは、中小規模の事業といたしましては、常時使用する従業員の数が三百人でございまして、商業またはサービス業を主たる事業とする事業者につきましては使用人の数は三十人、それから鉱業を主たる事業をする事業者につきましては千人という、従来の中小企業の線と大体同様の線で区切ろうという考え方でございます。 なお、産業労働者住宅は、こういった一般の民間会社ばかりでなしに、公益法人に類するようなものにも貸付をいたしておるのでございまして、学校法人でございますとか医療法人、宗教法人、社会福祉法人、そういうものにつきましては中小企業と同じように、従来の六分五厘という金利のままで主務大臣がそういった業種を定めようという考えをいたしておるわけでございます。
○武内五郎君 その大企業等についても上がって七分五厘になるわけなんですが、今日もうすでに一般金利が下がってくる情勢になってきております。一般の市中銀行の利子の状態を考えてみても、全国銀行の平均でさえも今日漸次下がっております。そこへもってきてたとえ大企業であっても入る者はその従業員である労働者でありまするから、特に私は中小企業等の場合を考えてみても、まあ三百人以下は中小企業だという規定であるとしても、まあ私は今日千人以下のものはこれは中小企業の部類だと思う。千人ぐらいのところの経営者でありますると、これはもう私は中小企業と考えますので、そこへもってきてかりにそこでその期間をそのまま据え置いてもその方面の利子を上げるということはどうも私はおかしいと思う。これは数年前の話だと思うのですけれども、今の状態はどうなっているかお聞きしたいのですが公庫の金を借りて、たとえば炭労住宅、炭街なんかへ今日行って見ても、そう年数がたっていないはずなのにもう壁がついたのかつかぬのかわからぬような荒れ果てた住宅が今日残っています。そういうような貸付の状態であれば、特にそういうような事業では公庫の金を借りていってちゃちなバラックみたいな飯場みたいのものを建ててそれでごまかす、また場合によってはそれを運転資金の方に回すというようなこともあったということを聞いておりますが、それは今日までの実際の状態はどうなんですか。
○政府委員(稗田治君) 産業労働者住宅の貸付につきましては、この中にはかなり鉄筋コンクリートのアパート建のものも単価で組まれておるわけでございまして、木造は若干しか入っていないわけでございます。従いまして、この産業労働者住宅の貸付にかかわるものといたしましては、今お述べになりましたような非常にちゃちな粗悪な住宅が建てられておるということはないものと思うわけでございます。 それからもう一つ貸付資金を運転資金に回しているかどうかということでございますが、これは御承知のように、公庫の資金と申しますのは出来高によって資金を融資いたしまして、最後はこの竣工いたしまして、担保等もきめましてから、全額が企業者の方に渡るわけでございます。従いまして、そのためにその金が運転資金に回るというようなことは、直接はないわけでございます。
○武内五郎君 特に住宅建設資金というようなものは、これは事業運営については間接投資、利潤を直接生んでこない。従って資本効率というものはきわめて低いわけです。そこへもってきて、これはまあなるべく借りてもそういう方面に使わない、一時でもどこかへ融通して運転資金等に流用するというようなことは今ないとおっしゃいますけれども、ないように私も希望したいのでありまして、それらについて、これは希望なんですが、厳重にそういうことのないように監督願いたいと思うのであります。
○木下友敬君 ちょっと関連。今度金利の上がる分は、六分五厘であったのが年七分になったり七分五厘になったりするのは、私もこれは今、武内君が言ったように、金利は全般的に下がっているのに、住宅金融公庫だけは上げてきているというのは、何か時代逆行のような気がするのです。何か納得のいく説明がございませんか、どうしても上げなければならぬというような。
○政府委員(稗田治君) この住宅金融公庫の資金でございますが、御承知のように資金運用部借入金、これは六分五厘でございます。その資金を借りまして、今引き上げが行なわれましたのは別としまして、大部分は五分五厘というような低利の融資をいたしているわけでございます。そこで政府の無利子の出資金が必要になってくるわけでございます。それで本年度におきましては、昨年度よりも四十億もふえたところの九十億という産投資金の出資を必要としているわけでございます。なお六分五厘の資金運用部の借入資金と、それから産投資金との平均の金利ばかりでなしに、銀行等に貸付の事務等を委託いたしております。それから都道府県にも貸付の有無にかかわるところの設計の審査等も委託いたしているわけでございます。それらの手数料もございますので、大体そういうような手数が全体を通じまして、平均一分くらいかかるわけでございます。非常に公庫といたしましては、逆ざやの仕事をいたしているわけでございます。そこで産業投資の特別会計の金がふんだんにございますれば、従来通り事業量を拡大しながら従来の金利のままで行なえるわけでございますけれども、やはり産投会計の資金というものも、ある程度限度があるわけでございます。そこで九十億というように昨年よりも四十億もふやしましたけれども、それでも今後の公庫の資金の運用にあたって、若干のこういった庶民に影響のないところで、しかもまたその金利が容易に負担できると考えられるようなところにおきまして、金利の引き上げを考えたわけでございます。むしろこれは単年度としてお考えにならずに、今後尾を引く問題といたしまして、逆ざやになっておりますので、本年度限りでございますれば、先ほど御指摘にもなりましたけれども、それほど産投資金の出資というものを、余分に要らないかもしらんわけでございますがずっと尾を引いていく関係もございますので、将来の事業の伸び等も考えまして、かような手当をいたしたわけでございます。
○木下友敬君 資金のコストが高いから逆ざやになっておるということでありますから、まあその点は一応納得ができるわけだけれども、これは根本的にいえば政府の資金運用部の金を使ってなお逆ざやになるということがうそであって、むしろその資金運用部の利子を値切っていくという方向に政治全体が進んでいかなければいけないわけだと思うのです。というのは、公定歩合を下げてくるのですから、公定歩合を下げておいて、資金運用部の利率をそのままにしておくのでこういうような逆ざやというものが生まれてくる、そういうことになるだろうと思うから、やはりこういうような公庫というようなもの、金庫というようなものを持っておるところとしては、コストを下げるということに私は努力すべきだと思います。それを利用する方の側におっかぶせてくるのでなくして、コストを下げるということにいかなければ世の中の進み方に行き方自体が逆行しておるので、利ざやの方で逆になるのではなくして、あなた方の施策の方が利子を安くしてもらおう、あなたの方が安くしてもらおうということに一段と努力をして、そしてお客さんの方には——お客さんといってはおかしいけれども、借り手の方には少しでも安く持っていくということでなくては、私は住宅政策というものが本気でやられておるというような気がしない。もともとこれはそのままにしておいて、そしておっかぶせていけるところにおっかぶせていけばいいじゃないかというようなととろに、私はちょっと無理があるように思うのですが、どうですか、大蔵省の方をたたいていくようなわけには、これは全然いかぬのですか。
○政府委員(稗田治君) 資金運用部の金でございますが、御承知のようにこれは郵便貯金でございますとかあるいは簡易保険とか、そういったような国民から預かりておる金の金利でございます。なおこれらの金融関係に従事する人たちのまた所得をどうするかというような問題も含んでおるわけでございます。従いましてもちろんわれわれとしましては国全体の金利が下がっていくということが望ましいとは思っておるのでございますけれども、ただその場合に住宅関係に運用するところの資金運用部の金についてだけ金利を下げる、ということも無理な点もあるかと思うわけでございます。
○木下友敬君 一私は、との公庫とかいうようなものは単に住宅金融公庫だけでなくして、たとえば医療金融公庫だとか、中小企業金融公庫その他たくさんのこの種類のものがありますから、一つそのほかのは利率がどうなっているか、一般のその利率がどうなっているか。それと、ほかのところでも本年は利子を上げるというような傾向にあるかどうか、きょうわからねばあとでもよろしゅうございますが、どこでも上げておれば、これはまた申しわけが立つわけだけれども、ほかのところはそうでないのに、住宅金融公庫だけが利子を上げたということではちょっとこれはおかしなことになるだろうと思うから、それを知りたいのと、一ぺんに申しますが、これだけ利率を上げることについての経済効果がどれくらいな額になるのか、そしてその上がったものがどういうふうに振り向けられるか、それを直接振り向けるというわけではないけれども、それがどういう運営上の効果をもたらしてくるかということを一つ説明してもらいたい。
○政府委員(稗田治君) 他の公庫関係の金利でございますが、これにつきましては国民金融公庫、中小企業金融公庫、一農林漁業金融公庫等ございますが、金利につきましては、もともとかなり高い金利になっておるわけでございます。たとえて申しますと、中小企業金融公庫でございますけれども、一般貸付は九分、災害復興資金が九分三厘、自転車産業向けが七分五厘、石炭産業向けが六分五厘というように、一例でございますが、そういうようなわけで、割と高い金利で行なわれておるわけでございます。国民金融公庫におきましても、普通貸付が九分、恩給担保の貸付が六分、更生資金の貸付が六分、引揚者国債担保貸付が六分というように、住宅金融公庫のように大半が五分五厘というような金利で貸付をいたしておったところは少ないわけでございます。 なお一体金利を引き上げましてどういうような効果があるかということでございますが、個人貸付の分につきまして五千戸、それから賃貸住宅等におきましても若干の戸数をふやしてございますが、その事業量をふやせて、しかも安い金利の住宅資金を貸し付けることができた、と申しますのは、若干の金利の引き上げが容易なところで吸収をしていただいたという結果に相なっておるわけでございますが、つまり政府の出資金が九十億しかないという場合に、一般の庶民の最も望んでおるところの個人貸付等におきまして、そのままの金利で戸数をふやすということを考えますと、若干大企業向けでございますとか、あるいは市街地の改造の相当地価の高いところで負担力のある方々に若干の金利を負担していただこう、こういうことでございます。
○木下友敬君 それで多少でもそのような階層向きに、家を建てることの比較的容易な人の方を上げていこうという趣旨は、それでけっこうです。ですから、そこでその金額が、これだけ上げることによってどれくらいになるか、どれくらいの効果があるかということを知りたいのです。ほんのわずかでもかまわんから上げようというつもりなのか、これだけ上げればこれだけの効果があるから、法律まで改正して上げるのですから、相当な効果がなければ、人聞きの悪い、今頃利子を上げて、というようなことはおかしいのだから、上げるなら上げるだけの効果をあらせたいというわけです。 それからもう一つ、さっき国民金融公庫と中小企業のなにの利子の例を示されましたが、この類似のものをこの次でもよろしゅうございますから、表にしてよその利率、よそでも六分で、まあ九分のところがあるから、六分のところは上げなくてすむという見解で上げてないかもしらないけれども、どうもよそでも上げていれば申し開きが言えるけれども、よそが上げてないのにこっちだけが上げるというのはおかしいですから、その他の資料といいますか、よその状況を全部調べて提出してもらいたい、こういうことです。
○政府委員(稗田治君) ただいま御要求のございました資料につきましては、整えまして提出いたします。 なお、ただいまお尋ねの点でございますが、住宅金融公庫の資金は長期資金で、年々、二十年あるいは三十五年というような長い期間にわたって回収をしていくわけでございます。従いまして、その金利負担というのは、ずっと今後の長期に影響を及ぼす関係がございます。従いまして、一番平易に御説明できる資料と申しますと、三十五年度並みの全部の金利で、三十五年度と同じような事業量を三十六年度にした場合に、産業特別会計の出資金があとどれだけ要るかというようなことになるかと思うわけでございます。そういうような点につきましても計算いたしまして提出いたします。
○参考人(師岡健四郎君) ただいまのことに関連しまして補足して申し上げます。 この金利の引き上げによりまして、どのくらい、つまり公庫の財政といいますか、経営内容に影響があるかというお尋ねだと思いまするが、この金利を引き上げました結果、平年度で、まあ事業量が同じと仮定いたしました説明になりまするが、本年度と同じように五百二十一億というふうにまあ事業量同じと仮定して申し上げまするが、その場合に、金利を引き上げましたものと、従来通りと比較しますると、約一億一千万円の利子の増収があるわけでございます。この利子の増収によりまして、借入金がざっと六十六億ほどよけいに借りられるという結果に相なるのでございます。従いまして、この金利の引き上げをいたしませんと、六十六億ほどの借り入れができませんから、従って同じ事業をやるとしますれば、それだけ政府出資をよけいに要する、こういうことになるのでありまして、先ほどから、局長から説明ありますように、すでに昨年五十億の出資をいただきまして、今年度は九十億というふうに、非常に大幅に政府出資もふえておるわけでありまして、そういう点を勘案しまして、借りる利用者の方からいえば、比較的影響の少ない面におきまして増収をはかりまして事業を伸ばしていく、こういうような方針であろうかと思います。
○武内五郎君 それで今政府投資が九十億になったと、こうおっしゃるのですが、その公庫の今年度の資金計画はどんな状態なんです。
○政府委員(稗田治君) 公庫におきましては、政府の出資金が九十億、低利資金が三百十億、合計四百億でございます。なお、このほかに公庫の回収資金の自己資金というものが事業の中に入ってくるわけでございます。
○武内五郎君 それはどのくらいありますか。
○参考人(師岡健四郎君) 八十四億でございます。
○武内五郎君 八十四億……。
○参考人(師岡健四郎君) はい。
○武内五郎君 四百八十四億になりますね。
○参考人(師岡健四郎君) そういうことです。
○武内五郎君 それで、三十四年度の宅地造成総数から考えて、これは建設省で何か発表したものらしいのですが、約五千ヘクタール、そのうち公庫その他を含めた公共機関というものは約三〇%、それから民間の土地業者が造成したものが約三〇%、それから縁故その他によって造成した個人のものが三〇%、これらを考えて見ても、従来、戦後特に住宅の困窮した実態に即応して、年来の各政府とも住宅政策に力を入れると、こうおっしゃって参りましたし、特に鳩山内閣以来、自民党内閣は住宅政策をかなり強く出してきておるようですが、三十四年度の実績を見ても、たった三〇%という、三分の一の状態できわめて低い造成成績だと思うのですが、こういうことで、しかも政府が力を入れておると、かなりキャッチ・フレーズに宣伝しておりまする住宅政策としてはどうも受け取りがたい状態なんです。これは特に大臣に希望したいのですが、先ほど木下委員からもお話がありましたように大蔵から押えられているのじゃないか、こういう政策が大蔵から押えられているのじゃないかという疑いがどうしても浮かんでくるのです。この点はどうなんですか、大臣は。
○国務大臣(中村梅吉君) 金利の問題ですか。
○武内五郎君 いいえ、金利の問題じゃなくて、宅地造成等についてきわめて成績が低い。大蔵省から頭押えにこういう点を押えられているのじゃないかと考える。もう少し私は強く住宅建設、宅地造成等の政策を推し進めていただくようにしていただきたいと思うのですけれども、それが、先ほど木下委員からお話がありましたように、どうも大蔵省から頭押えにされているのじゃないか、建設省が腰が弱いのじゃないかという疑いが持たれるのですが、大臣はどうなんですか。
○国務大臣(中村梅吉君) 率直に申し上げますと、実はこの宅地造成の資金は、住宅金融公庫の分については三十六年度約三倍にふやしてもらいました。公団関係は約二倍でございます。まあ相当大蔵当局も理解をして協力をしてくれておるという気持でおります。いずれにいたしましても、しかし住宅難及び宅地難ということは今後とも続いて参りますから、私どもといたしましては可能な限り、財政当局にも要求いたしまして、宅地造成及び住宅建設に向かいましては極力努力をして参りたいと思っております。
○武内五郎君 それで実は法案の方へちょっと戻りたいのですが、今度理事一名の増員の改正になるのであります。現在四名あるはずなんですが、四名では足らぬのですか、総裁。
○参考人(鈴木敬一君) 私どもの金融公庫は創設当時、資金量において、しかも見返り資金から大部分を頂戴いたしまして、初年度は百五十億で経過しているわけでありますが、ただいまの資金量、つまり業務分量から申しまして、逐次回収事務等も増大して参りまするし、職員の数も現在九百名に近いような状況になっておりまして、三十六年度はまさに九百名に達せんとするような状況でありまして、なるべく人員はふやしたくない。できるだけ事務を簡捷にいたしまして、また機械化等もあわせ行ないまして、という考えでおりまするけれども、何分現在までのところ十一年間に約七十万戸の庶民住宅を建設していただく資金を供給したような次第でありまして、貸付、回収ともに複雑多岐に漸次なりますので、これらの統督指導の意味合いからいたしましても、幹部のやはり人員も相当増さざるを得ないような次第でございます。特に私どもの方といたしましては、さきに理事の定員は五名でありましたのですが、昭和三十四年度でありましたか、副総裁を一名設置いたしました節に、理事の定員五名が四名に減員しておるような状況もございますので、ぜひこの際理事は一名増員を必要とする実情でございますので、さよう御了承を願っておきたいと思います。
○武内五郎君 まあ最近の経営の合理化の本旨からいえば、だんだん人間を減らして機械力に頼っていこうとかいう方面に傾向が強く出ておるわけなんですが、そこへ事業量がいささかふえたからといって、役員の増員をはからなければならぬということは、これもどうも先ほどの利子値上げと同じように時代に沿わぬような感じがするのであります。一体この理事の俸給というのはどれくらいなんですか。
○参考人(師岡健四郎君) 理事の俸給は十二万五千円で、よそと全然同じであります。
○武内五郎君 それで十二万五千あれば、たとえばその理事が現地の宅地造成の指導をする一わけでもないでしょうし、現地へ行って宅地の取得等についの折衝をするわけでもないでしょう。十二万五千あればそういう有能な現地指導者、あるいは現地で働く人間を何人かふやせるはずなんです。むしろ現在の理事四名を総裁一人でやって、あと人数をたくさんふやして働かしたり、機械をどんどん入れてやった方が能率が上がるんじゃないですか、その点はどうなんですか。
○参考人(鈴木敬一君) 総裁一人ででもというようなお話まで出ましたが、不敏にしてそこまではとても働きかねますので……。それから申し落しましたが、今度理事を一名増員していただくと申しましても、私どもの立場から申しますと、もとに復活するだけでございまして、三十二年度以来理事が一名欠員になっておりまして、それ以前二十七年度までは大阪支所長をやはり理事をもって充てたのでございますが、中央において必要ができましたので、その理事をやむなく本部に引き揚げたような情勢でございまして、御存じの通り、大阪支所管内は、われわれの取引先と申しましても、あそこの京都、大阪、兵庫等の大府県が委託先でございまするし、また金融機関としても、地方銀行とは申しながら中央銀行と肩を比するごとき大銀行を初めといたしまして、数多くの金融機関に委託をしておるような次第でございまして、これらとの取引折衝というようなことは、他の公団、公庫等と比較いたされましたならば、当然理事級の支所長、支店長を充つるのが適当であるということは、御理解願えるかと存じまするので、さような必要性で、今回具体的には大阪支所長にこの理事を充てたい、そういう考えでございまして、今までずいぶんしんぼうにしんぼういたしまして、また将来に向かいましては、事務の機械化等も、仰せの通り、できるだけ取り計らうようにいたしまして、努力いたしておる次第でございますから、なお理事はぜひ一名の増員をお認めいただきたい、かような次第でございますから、御理解をわずらわしたいと思います。
○武内五郎君 その姿、この条文に戻りまして、「居住者の利便に供する施設の用に供する土地を造成することが適当であるときは、」というような意味合いのものを造成の方にあわせて使っておりまするが、その利便に供する施設の用地というのは、一体どういうことを目的とするのですか。
○政府委員(稗田治君) 公庫の宅地造成の資金の貸付でございますが、これは大体地方公共団体、あるいは地方公共団体の出資しております住宅公社でございますとか協会等が、一般に住宅を建設する必要のために宅地造成をしまして、宅地分譲をいたしておるのでございます。 そこで、今日住宅用地、宅地なんかが非常な住宅建設の隘路になっておりますので、先ほど御質疑もございましたように、従来用地取得五十六万坪から自五十五万坪と、約三倍に事業量を仲はしておるわけでございます。それで、実際の地方公共団体なり住宅公社等で行なっております宅地造成は、規模といたしましては、大きいのになりますと、十万坪、十五万坪というような面積を宅地造成いたしておるわけでございます。従いまして、健全な住宅街区としまして形成するのには、当然その中に小学校の用地等も最初から計画して立てなければならないわけでございます。従来は小学校の用地等につきましては、別な資金で宅地造成をそこだけ穴をあけてやるというようなことをやっておったわけでございますが、計画性のある市街地の形成を考えます場合に、当然住宅街区としての必要な小学校の敷地でございますとか、あるいは診療所の施設でございますとか、また日用品を販売するところのスーパー・マーケット等の敷地というものは、当初、宅地造成のときから計画を立てて造成する必要があるかと思うのでございます。それで居住者の利便に供する施設の用地と申しますのは、学校、診療所、日用品の販売店の敷地といったようなものでございます。
○武内五郎君 この前住宅公団法の改正の際に審議されました、ああいうものを作ろうというのですか。
○政府委員(稗田治君) 住宅公団法の場合の「居住者の利便に供する施設」とは若干意味が違って参っております。御承知のように、住宅公団の場合は、大団地を、住宅管理者として、家主の立場として管理していく場合に、その賃借人の方から当然必要だというので、託児所でございますとかあるいは貸し倉庫といったようなものについての実際の要求があるわけでございますが、この場合は宅地造成をしまして、それでめいめいの個人の住宅を建てる方々が分譲を受けまして建てるということになりますので、宅地を分譲したあとは当然この管理者の立場ではなくなるわけでございます。ただ市街地をそう十万坪というように大きな範囲で形成します場合には、都市計画上から考えましても、当然学校用地でございますとか診療所の敷地というようなものは、近隣単位と考えまして必要な施設でございますので、それらの敷地につきましても、初めから計画性をもって一団地として宅地造成をしたい、こういう考え方でございます。
○武内五郎君 そういう利便はもちろん私も必要だと思う。思うが、そういう利便提供のためにそこにかなりな資金を使わなければならないということになってくると思うのでありまするが、そういう資金を使うために、一般の年度計画の公庫の運転資金の中では相当混乱が起きて参りますので、そこで利子の値上げで一億一千万円を浮かび上がらせて、それらを計画しようとする考えなのですか、どういうんですか。
○政府委員(稗田治君) ただいま申し上げましたような学校用地でございますとかあるいは診療所、商店等の用地面積は全体の住宅団地の面積から申し上げますと、これはわずかな比率でございます。従いまして、この宅地造成の金利を引き上げました点は、さような対象の用途を広げるという意味合いではございませんで、むしろ大量に供給して、今日の値上がりしていく宅地の状態を緩和しようというところに意味をおいているわけでございます。
○武内五郎君 宅地造成につきまして、先ほど申し上げましたように去年三十四年度で約五千ヘクタールが造成されているわけなんですが、かなり農地等にも食い込んでいる実情を私は見ておりまするが、今日まで相当これは六〇%くらいまで農地、山林に食い込んでおるのじゃないかと思うのです。そこで地方なんかにおいてはいろいろな問題が起きております。特に公共団体では宅地造成をやろうとしても農地問題にぶつかって困難を生じておるというような実情があるのでありまするが、この調整がどういうふうに考えられていますか。たとえば農地法でいえば農地法第三条で、これは権利についてですが、抵当権、所有権、耕作権の設定の制限の規定があります。第四条、第五条にもいろいろなそういう関連した規定がありまするが、かなり造成についての壁があるはずなんであります。今回かなり大きな計画で造成をやろうとするときに、相当こういう壁にぶつかる機会が多いと思うのですが、それらの調整はどういうふうに考えられておりますか。
○政府委員(稗田治君) 住宅金融公庫の宅地造成におきましては、もちろん農地を転用いたしまして宅地にするものもございますけれども、農地法の適用をされてない山林原野等をやっておる面積も相当の量でございます。なお農地法の適用を受けるものにつきましては、それぞれ規模に応じまして手続をとって農地法の中でやっておるわけでございます。なお今後この宅地造成を今日の宅地事情から考えまして大規模に推進していかなければならないと思いますので、まだ提案には至っていないわけでございますが、これらの事業がもっとなめらかに進むことができるように、宅地開発法というような法案につきまして建設省におきまして目下検討中でございます。
○武内五郎君 そこで私はこれは田中委員がしょっちゅう仰せられまするように、都心から遠く離れて農地をつぶすような造成の方法をとらないで、事業場に近い場所に幾らでも宅地造成の余地があるじゃないか、近代的な高層で幾らでもやれるのじゃないかというように田中委員がしょっちゅう前から言っておるようでありますが、私もそれには大賛成なんであります。しかも特にこれは私は建設当局に要望するのですが、何といっても日本は農地が狭隘で、従って今日農業基本法まで出して農業の調整をはからなければならぬという情勢になっておりまするときに、農地あるいは採草地をつぶして宅地造成を無計画に……、ではない、その計画があってもそういう方面のことの考慮がきわめて薄くて、農業を破壊するような状態にならぬように当局に実は要望したいのです。で、その調整を早急にやっていただきたいと思います。
○政府委員(稗田治君) 金融公庫の宅地造成でございますが、これは全国に行なっておるわけでございます。従いまして今日いろいろ論議されております産業の企業分散でございますとか、地域格差を短縮するといったような問題とも関連しておるものでございまして、必ずしも過大都市の周辺にだけ宅地造成をいたしておるわけではないわけでございます。むしろほとんどこの金融公庫の宅地造成の資金貸付は地方都市が主になっておるわけでございます。なお大都市の周辺等につきましては、お説のごとく、今後既成市街地の宅地をもっと合理的に利用するという方にさらに努力を続けて参りたいと考えておるわけでございます。さような観点から、中高層の耐火建築物に対する融資等も百六億というふうに大幅に額を引き上げて御審議を願っておるわけでございます。 なお、法案等におきましても、防災建築街区造成法でございますとか、市街地改造法——今後の大都市の既成市街地における宅地の合理的利用ということに全力を尽くして参りたいと思っております。
○田中一君 中高層の住宅を推進することは今度の目的にもしっかり出ておりますのですが、これもこの目的とするところは、銀行その他金融機関が融資をしないから貸してやるのだというものはむろんその範疇に入ると思うのです。まあ大体経済効果といいますか、の高い土地を持っている人たちは銀行が融資をしないという形にはならないわけです。おそらくそういう方々の多くは、相当なる企業を営んでおる、また自分のところの家業のために銀行等に融通資金は借りている面がたくさんあると思うのです。しかし乗せる住宅に対しては融資がないということだと思うのですがね。それでいいのでしょうね。住宅金融公庫法の目的とするところの精神は、中高層の住宅建築をする者にもその精神は及ぶのだというような理解でいいのでしょうね。ということは、ずいぶんひねくってものを言うけれどもね、この住宅金融公庫法の目的というものは、自分で金がない、人は金を貸してくれないという者に対して住宅資金を貸すのだということになっているのですよ、目的が。中高層の資金の借り入れ者はおそらく銀行から金を借りられる者であるかもしらぬ、それから自分で金を持っている者であるかもしらぬ、自分の家を作る場合にはね。だからその精神からいくとちょっと逸脱したような感じを受けるのですが、その精神は最初の目的を継承して、自分が住宅金融公庫からの融資を受けて他人、自分以外の者に提供する家を建てるのだ、そういう人たちに対しては第一条の目的と同じような中へ入れて、同じような精神で融資をするのだということなんでしょうね。
○政府委員(稗田治君) 中高層の耐火建築物の場合に、住宅が七分、店舗部分が七分五厘というように今回金利の引き上げがございますが、中高層の耐火建築の場合に、七分五厘の商店部分を借りまして上に住宅金融公庫の一般の五分五厘の住宅を乗せるということは可能でございます。それから従来から行なわれております全貸しの制度なども従来通り行なわれるわけでございます。
○田中一君 それは今、住宅局長言ったのをもう一ぺん僕が僕の理解したところを説明してみますよ。中高層と称する住宅に対して融資を受ける場合、自分が地下室一階、二階というものを自分の事業に使う、まあ三階、四階というものを賃貸住宅にしたいと、その際に上の部分が自分で二間を専用するだけの家族構成がある者は、店員その他が入ってやる場合には、その分に対しては五分五厘の金利だというのですか。そこで下の事業の部分、これは十年で月賦で払って七分五厘に今度たったわけですね。そういうことなんですね。ということは五分五厘の住宅部分のものを中高層の足貸しの上に乗せるのだということは、五分五厘の分でも乗せられるのだというならばそうなるのですがね。ところが融資を受ける対象というものは、同一人の場合にはどうなんです。
○政府委員(稗田治君) ただいま私申し上げましたのは、今度は防災建築街区造成法によって施行するようになると思いますけれども、防火帯の場合等におきまして中高層の融資が行なわれておったわけでございます。その場合に二階以上の自分の住宅というものには、五分五厘の融資をいたしておったわけでございます。ただ一般の個人貸付の五分五厘の融資でございますと、他との均衡等もございまして、公平に扱うということになっておりますので、貸付の坪数やあるいは住宅の規格等につきましてもある限度がございます。その限度で満足できない方は中高層の住宅の七分という融資を受けるということになるかと思うのでございます。
○田中一君 これはちょっとおかしいな。
○参考人(師岡健四郎君) 中高層の場合は原則としましてもちろん店舗部分も住宅部分も中高層貸付としまして行ないます。従いまして十カ年で返す住宅部分は今度の改正によりますれば七分、非住宅部分は七分五厘という貸付になります。その場合に住宅部分を自分で使う場合ももちろんありますし、現在のところは非常に少ないのでありますが、それを一般の人に貸すということもございます。この場合にこの住宅部分を自分の家族が使うと、こういう場合は非常に例外的に、たとえば区画整理とか災害とかあるいは立ちのき者の分がそこにまとまってくるという人の場合に、例外的に五分五厘で貸すということも行なわれておるわけです。しかし原則としましては十カ年の貸付、いわゆる中高層貸付ということをいたしておるわけでございます。
○田中一君 まだわからないのですがね。もう一ぺん言いますよ。中高層の場合に店舗部分は七分五厘、十カ年で分割払いをするのだと、それは十カ年間で払うのですね。それからその上に一階、二階、自分の住宅を乗せる場合、これは三十五年五分五厘でいいのですか、自分の使う住宅は。
○参考人(師岡健四郎君) 一応は差しつかえございません。
○田中一君 それからその上に今度三階、四階を賃貸住宅を作る、その場合は。
○参考人(師岡健四郎君) それは十カ年の七分という貸付になるわけでございます、一般に貸すのは。
○田中一君 もう一ぺん言いますよ。わからないから聞くのですがね、中高層の場合、一階は店舗にするのだと、その部分に対しては今度の法律の改正によって十カ年償還、七分五厘で融資を受けられます。それから二階、これは自分の住宅にするのだと、その場合には三十五年、五分五厘で、その部分は貸していただきます。その上に今度は三階、四階に対しては賃貸住宅を作るのだ、その場合に中高層と同じように十年償還で七分五厘ですか、幾らになるのです、それは。三十五年ですか。
○参考人(師岡健四郎君) この上に乗せまする住宅が賃貸住宅になる場合に二つあるわけでございます。協会も公社等が、うちで賃貸住宅をやりますのは、現在協会、いわゆる府県公共団体が出資しております協会、公社が事業主体になって賃貸住宅をやっている、そういうものが今の中高層という建物の上に乗せる場合には、これは五分五厘の三十五年ということで貸付するわけでございます。しかし、その下の同じまあ事業主体といいますか、施設の部分と同じ人が一般に貸す、これはまあ中高層賃貸住宅といっておりますが、その部分は十カ年の七分ということになるわけでございます。つまりいわばそれは協会住宅、低家賃住宅と違って普通の民間貸家になるわけでございます。
○田中一君 その際には家賃の制約、賃貸上の制約はありませんか。あるようになっていますね、ここには、法律の施行規則では。
○参考人(師岡健四郎君) 協会住宅の方の場合は五分五厘、三十五年で貸すわけでございまするから、相当低廉な家賃が設定されますように省令でそれをきめております。それから中高層の場合は、それよりも今申し上げましたように、いわば民間貸家というような性質のものでございまするから、それよりも家賃を緩和いたしまして、ことに十カ年で七分で返すわけでございますから、家賃の設定をもう少し高くしまして、在来は大体坪八百五十円ぐらいでやっております。今度の利上げで大体坪三十円ぐらい上がるかと思いますが、そういう家賃に相なるわけでございます。
○田中一君 家賃三十五年のやつ、十年ですか、上に民間企業で賃貸住宅を建てる場合の償還は十年ですか。
○参考人(師岡健四郎君) その通りでございます。
○田中一君 ずいぶんおかしいですね、一体、住宅金融公庫は地方公共団体の事業を伸ばすためにあるのですか、家を建てるためにあるのですか、家を持たない人に家を供給せんためにあるのか、何ですか、一体。それで同じように地方公共団体に対しては低廉な家賃ということでもって一応頭を押さえている、民間に対しても三十五年が十カ年に縮まって、そうして家賃の天井を押さえている、それでもっていいと思うのですか。それが合理的で、それが一番住宅金融公庫法の建前からいって正しい運営だと思うのですが、どこからそういう考え方が出たのか、ちょっと説明していただきたいのですよ。
○政府委員(稗田治君) 中高層の耐火建築の融資は、御承知のように市街地で相当に宅地を高度利用しなければならないというところに使われるわけでございます。それで実際の利用を考えますと、大部分はその企業者の住宅、あるいは企業者の従業員が入っておるというのが実情でございます。従いましてその場合は家賃というような形でなしに、たとえば従業員が入っておるにいたしましても番頭、でっち、小僧が入るというようなことでございますので、家賃という形態にはなっていないわけでございます。 それからなおその上に賃貸住宅を中高層の七分十カ年という融資条件で建設される場合の家賃でございます。これはまあ御指摘のように、相当高い家賃になるかと思うのでございます。しかしながら、住宅難世帯の階層部分等を考えますと、先ほど二万円以下の方が五〇%近いというお話もございました通り、そういうような実情でございますけれども、その上の階層にも住宅難世帯というのは相当あるわけでございます。それですから、そういうような方々は、つまりその家賃を負担できる方々はそういうような家に入っていただくということになるわけでございます。どうしても低家賃でなければ役に立たないという方々につきましては、公営住宅でございまするとか、公団住宅あるいは地方公共団体の出資にかかる公社住宅等で建設を行なっておるわけでございます。
○田中一君 今説明されたような差が正しいのであるという認識はどこから、どういう根拠から生まれてきたのかということを伺っておるわけです。住宅金融公庫は、自分の資金がなくて、銀行からも金を貸してくれなくて、家が建てられぬという人に家を供給するのが目的なんです。供給というか住宅資金を貸すのが目的なんです。公共団体が建てた場合には三十五年の償還であって、国民が建てた場合には十年の償還だなんてあり得ない、そんなことは。同じように公共団体も賃貸住宅というものを供給しようという考え方、個人も賃貸住宅を供給しようという考え方。両方とも同じように家賃の制限で天井を押えられておる。十年と三十五年の違いはどういうことなんです。公共団体の方は僕は十年でもよろしいけれども、一般の市民の方は経済効果の高い土地を提供して、そうしてそこに住宅を持って、そうすればその人たちは電車に乗らずに近いところにある職場に通勤もできるということになるわけなんです。それがどうして十年でもって、片っ方が三十五年だということが言えるのですか。どこに根拠があるのです。
○政府委員(稗田治君) たとえば中高層の七分、十カ年という融資条件の住宅でございますけれども、これは必ずしも賃貸住宅を経営しなさいという約束がないわけでございます。たとえば、住宅として使う分にはかなり程度の高い、非常に高い水準の住宅、一人で何十坪も持つというような住宅でもけっこうなわけでございます。そういうことでございますので、条件は変わっておるわけでございます。 なお、一般の貸家企業というものの育成、また、これの不燃化というものの促進等につきましては、まだ成案は得ていないわけでございますけれども、われわれ目下いろいろ検討中でございます。
○田中一君 矢つぎばやに公団法の改正とか金融公庫法の改正とか、街区の問題、市街地改造の問題等、少なくとも既成市街地における高度利用ということを主眼とし、そうして少なくとも国民生活をやっぱり豊かなものにしようというねらいがなくてはならぬと思うんですよ、実際本国会に提案されている数々の問題が。ところが今言う通り、個人だから庶民住宅対象の家は作らないんだ、幾らでも野放図に高いものを作りなさいというような考え方に立って、公共団体だから安いもので低収入層に対して住宅を供給するのだというきめ方は、だれがしているんですか、それは。私はそんなことはあり得ないと思うんですよ。だれがそういうきめ方をして、また、根拠にしているんですか。民間の場合なら、間数も制限いたしません、家賃も制限いたしませんと、だから十年ですと。公共団体の場合は低家賃の住宅を供給するのだから三十五年ですという根拠が明らかにならないですよ、それじゃ。
○政府委員(稗田治君) 中高層の融資でございますが、御承知のように、たとえば民間のそういった不動産に対する融資というものは、事実上は非常に困難でございます。それで、七分五厘、七分ぐらいの金利でございましても、なおこちらに需要者が集まってくるわけでございます。都市の不燃化は、もちろんわれわれとしても今後大いに促進しなければならぬというように考えておるわけですけれども、これまた、日本の国土自身の制約等がございまして、なかなか坪当たりの建築費等も諸外国に比べては高くなるわけでございます。とにかく一般の金利よりも安い金利で市街地の不燃化をできるところからやっていこうという考え方でございます。
○田中一君 土地区画整理をやった地域で、防火帯で、そうして少なくとも高度利用という多目的の奉仕をしようという市民の一人が、そこに低家賃の住宅を建設しようという場合には、それは償還が十年でございますと、それから地方公共団体等は不便の所で、そうしてなかなか宅地も高いという所に三十五年で貸してやるんだ、ということの思想的な根拠というものはわからぬ、僕には。一体何を目的に住宅政策を考えておるのかわからなくなってくるですよ。街区の問題とか都市改造の問題とかいろいろな寝言を言いながら、家賃の制約はしながら、民間がそこまで市民に奉仕をしよう、住宅供給をしよう、非常に高い地価の宅地であるから立体化することによって家賃も軽減されるという考え方でやっておる場合には、償還十年だなんというのは、住宅政策としては下の下です。そういう所こそ耐火建築促進法によるところの補助制度もある。そういう開発を推進しなきゃならぬ。そうした経済効果の高い宅地、価値の高い土地の場所こそ低収入者の住宅として適当なんですよ。自分の職場へも歩いて通える。買い物にも行ける。それがむだに使われているというものを開発して、宅地として提供しようという者こそ、助成してやらすべきが正しい住宅政策ですよ。おかしいじゃないですか。
○参考人(師岡健四郎君) ちょっと申し落としまして、はなはだ恐縮なんでありまするが、今のお話のうちにありました民間の企業者が安い家賃の家を供給したい、こういう場合に対しましては、いわゆる全貸し制度、土地担保般賃貸という貸付がございます。これは五分五厘で五十年という貸付をやっております。中高層の建物の下に店舗を設けましてその上へ今の全貸し住宅を乗せる、企業者がそういう事業計画をいたした場合には、これは全貸しの貸付をいたします。そうして安い家賃の民間貸家が供給されるわけでございます。これはしかし、ただいまも申しましたように、家賃の制限がきついものでございます。五分五厘で五十年でやる。いわゆる安い家賃の民間貸家を供給さすための制度でございまするから、したがって、家賃は非常に押さえられております。省令等で押さえられております。そこで、その土地をお持ちの方は、そういう安い家賃のものでなしに、高い家賃の取れるものを造りたいという場合もございます。それはまたその企業者はそれしかやらないわけでございます。そういう貸付も道が開かれているわけでございます。しかし、実際といたしましては、現在の公庫の貸付におきましては、中高層貸付におきましては、さきほど来局長も申し上げておるように、大体その住宅は、自分の家族または従業員の宿舎に使う。一般の賃貸に向けているという分は非常に少ないわけでございます。これが実情でございます。
○田中一君 そういう促進をしないから建たないんですよ。あなた方の考え方というのは、ことごとく宅地をいかに値上げしようか、宅地の値上がりを待っておるような考え方ですよ。そうして高度利用を忘れている。しかし、今の全貸しの制度は伺いました。中高層の足貸しの上に全貸しの家も融資できるんだということですね。もう一ぺん言いますよ。一階が店舗で、二階が自分の住宅で、店舗の場合には七分五厘十カ年の償還、それから自分の住宅の場合には五分五厘三十五年の償還、上に全貸し二、三、四、五、五なら五でもいい、建てる場合は全貸しで貸していただける、こうなんですか。
○参考人(師岡健四郎君) その通りでございます。
○田中一君 そうすると残っている問題は、地方公共団体が、非営利団体が賃貸住宅を持つのと、民間が非営利団体と同じような形でもって賃貸住宅を作る場合に、十年と三十五年の違いというのはどこに根拠があるのですか。
○参考人(師岡健四郎君) 公共団体の場合には、低家賃にするために五分五厘で三十五年ということで貸しておるわけでございます。一般の場合は、ただいま申しましたように、企業者がやる場合には、安い家賃で供給したいという場合には、全貸し制度によりまして五分五厘で五十年で貸しておるわけでございます。しかしこういういい場所だからもう少し家賃もとれるだろうという考えで事業計画をいたしました場合には、それは公庫の貸付の十年、七分という方を選ぶものだと思います。こちらで強制するわけではございません。
○田中一君 私はこれは建設大臣に伺いますが、今国会にたくさんいろんな……。少なくとも中央から、都心から離れたところの住宅というものはもう限界がきているのじゃないかというような考え方から、おそまきながらも、既成市街地のうちで高度利用をはかろうということで、数々の立法がなされておるわけなんですよ。一面この思想は、おそいけれども非常にけっこうです、全部。ところが今言う通り、それを促進するような、助成するような方法がとられておらないのですよ。街区の問題にしたって、そういうものこそ自分の土地、いわゆる自分の財産ですね。自分の財産によって、自分がその分で生活できるんだという根拠を与えないから提供する者はなくなってくるのです。これで自分たちの一家族が食えるんだということになれば、喜んで二百坪のいい土地を提供してくれますよ。全貸しの場合には一体どのぐらいに、かりに全貸しでもって三千万借りたと、それがどのぐらいになるか、正確にそれが見合うだけのものをもらえるのかどうか、こういう点は、それを全体を通ずる住宅政策として、ことに宅地造成という思想に、その範疇に入るわけですから、この点は一体どうお考えになっているか。建設大臣として私はいろんな矛盾があると思うのですよ。そんなことをするならば、住宅金融公庫も公団も、街区も既成市街地の問題も一つにしてしまって、体系を整えてやるべきだと思うのですよ。まるで数々の法律を、国民を惑わすような形でもって単行法を作って、それを積み重ねて、お前さんの生活はできるんだということを言っているように感じられるのですが、それには計画局という局と住宅局という局があってお互いになわ張り争いもあるでしょう、その中には。そういうものは統一しなければ、ほんとうに国民が乗ってこないと思うのですよ。ことに経済価値の高い土地を提供しようという者は、そこで少なくとも提供したことによって生活が守られるのだということにならなければ、なかなか乗ってこないと思うのですよ。建設大臣、どうお考えになりますか。どうもいろんな法律を比較してみると、おそらくあなた方は、そういう有能な法律家が集まって構成した住宅政策の体系でしょうから、これはもちろん寸分のゆるぎもない、釘一本欠けてないというような構成だと思うのですが、そういうもりじゃなくて、もっと大きな背景、思想のもとにそれらのものがなされなければならないと思うのですが、どうですか、建設大臣、私は、実に難解であり、かつ差別をし、そうして土地を提供しようとする者が、それで生活ができないということじゃいかぬと思うのですが、どうです。これはもう建設大臣、そんなこと言いにくかったら言いにくいでもかまいませんよ。どうも難解ですよ、これは。
○参考人(師岡健四郎君) 土地、高い土地を提供した場合にはもうけさした方がいいというお話でございまするが、むしろそういう必要を感じておる方、土地所有者は十カ年の貸付の方を受けまし七、そうして家賃制限のない方がこれはもうけが多いわけでございます。五分五厘の五十年という全貸し制度によりますれば、これは立法当時の考え方としまして、やはり低家賃の家を供給するという建前で出来上がったものでありますから、従って低家賃でありますから、どうしてももうけは少ないということになります。そこでやはり住宅需要者の側に立って考えてみましても、非常に所得もバラエティがありますし、従って家賃の支払い能力もいろいろバラエティがある。そこで住宅の供給というものも、公営住宅に始まって、今の公庫、公団でやっております市街地の一般賃貸住宅というものまで幅があるわけであります。そこで高い土地のところへは、政府としましては、むしろそこに安い家賃の家が建てられることが望ましいわけでありますが、土地所有者からすれば、高い家賃がとれなければ困るのでありまして、もうけという考え方からいえば、従いましてこの制度も、やはりそういう需要、また企業者の意欲等に対応しまして、いろいろのバラエティがこの数年間に自然と発達して構成されたものと私は考えるのであります。
○田中一君 師岡さん、あなたは東京とか大阪とか横浜とか、大都市ばかり考えているからですよ。大都市ばかり考えているから、もちろん三万円でも五万円でも家賃が払えるという者が住んでいる都市を考えているからですよ。地方の中小都市はどうですか、一体そういうものが払えますか。そうなればどうしても低家賃ということが、あなたの言っている低家賃と、僕の言っている低家賃とが違うか知らぬけれども、少なくとも自分の財産を出して国民に奉仕しようという場合には、それでもって最少限度の生活ができるという方途を持たなければだめだと思うのですよ。当然じゃないですか、実際。
○参考人(師岡健四郎君) お話の通り大都市の方がやはり高い家賃を払える力の人は多いわけです。従いましてこの中高層一般賃貸、中高層の高い家賃のものというものが、これは地方都市ではあまり行なわれていません。そういう計画はあまりいたしません。われわれとしましても、そういう計画で融資申し込みがありましても、実際にそういう高い家賃が払えるかどうか、そういう点をよく確めまして貸付を行なっているわけでございます。逆に今度は、従いまして安い家賃の住宅の計画というものは全貸しで行なわれるわけでございますから、そういう計画はどっちかというと地方都市で非常に多い、こういうことになっております。お話の通りの貸付の実態になっておるように考えております。
○田中一君 五十年分割払いでどのぐらいの手数料というか、家賃の中から償還する金と、それから自分のところに残る金とがどういう工合に残りますか。
○参考人(江ケ崎太郎君) ただいま田中委員からいろいろ御質問がございましたが、その考え方の中で、これは公庫の貸付がいろいろコンビになっておりますので、そういうコンビになった形がそれぞれ出ましたので、非常にわかりにくいのじゃないかと思うのであります。それで公庫の貸付の規定は、公庫法の十七条にちゃんと載っておりますが、その中でこういう組み合せがあるのです。その組み合せを申し上げますと、中高層貸付というのは十七条の八項にございますが、これが中高層の貸付というのは、非住宅部分については、今度改正になりますのは七分五厘で十年、住宅部分は七分で十年、こういうことが基本になりまして、その非住宅部分の上に一般個人が乗っかるか、分譲住宅が乗っかるか、産住が乗っかるか、あるいは一般賃貸住宅が乗っかるか、あるいは土地担保賃貸住宅が乗っかるか、こういう姿によって出てくるわけでございます。そこで、非住宅部分の上に中高層の住宅が乗った場合におきましては七分の十年ということになりまして、これを家賃計算いたしますと、坪で申し上げますが、大体私ども今まで坪当たり八百五十円程度で指導いたしております。計算いたしますともう少し高くなりますが……。それからその次に、中高層の上に土地担保賃貸住宅が乗った場合はどうか、これは五分五厘で五十年というものが上に乗るのでございます。この場合におきましては、大体坪当たり五百円から五百五十円程度、こういうことになるかと思います。それから、さらに一般賃貸住宅、これは先ほどお話ありましたように、地方公共団体が出資いたしております協会、公社の乗っける賃貸住宅でございます。これは公庫が七割五分お貸ししますけれども、二割五分というものは無利息、据え置きと、これは二五%については家賃計算しないのでございます。そこで一般の賃貸住宅の経営としてはちょっと成り立たぬのじゃないか、こういうように思っておりますが、この場合の家賃が大体どのくらいになるかと申しますと、これは三十五年ないし五十年でございますが、大体は五十年になると思いますが、坪当たり四百三十円程度になるかと思います。それでこれらの制限につきましては、公庫法の施行規則の十一条に計算の方法がこまかく載っておるのでございますが、それらで違う点を若干申し上げますと、今申し上げました金利と年限によって違うのは当然でございますけれども、土地担保賃貸住宅の場合を申し上げますと、土地費について固定資産税の千分の一、月ですね、千分の一の利回りを認めておる。こういう点が違ってきております。土地担保賃貸住宅は、先ほどの融資率の方は九九・四五%というふうになるわけでございます。それから中高層の賃貸住宅、中高層貸付の賃貸住宅というのはどういうことになりますかというと、七五%をお貸ししますが、二五%については、すなわち頭金については利息だけ十年間認めておる。こういうことと、それからもう一つは、土地の利回りを考えておる、こういう点が違ってきております。 それから最後に、地方公共団体の出資しておる協会、公社の部分については、七五%をお貸ししますけれども、それが五分五厘の三十五年ないし五十年で計算いたしております。二五%については地方公共団体から無利子で借りる。従って家賃の上には計算していない。こういう点が違ってきて、今申し上げましたように、一般賃貸では坪当たり四百三十円、土地担保賃貸住宅では五百五十円、それから中高層賃貸住宅では八百五十円程度、こういうような形になっておるのでございます。
○田中一君 それ図解して出して下さい。それから店舗は十年、七分五厘でしょう。それからその上に乗っかる自分の住宅はやっぱり十年、七分ですか。
○参考人(江ケ崎太郎君) それが二つに分かれる場合がございます。というのは、先ほど副総裁からもお話しいたしましたように、区画整理とか、あるいは道路の拡幅とかいうようなことでしもた屋が上に乗っかるというような場合に、例外として一般個人住宅でもよろしいという場合に、五分五厘の三十五年という問題が起こりますし、中高層の住宅に……。
○田中一君 ちょっと待って下さい。そうすると、中高層の店舗の場合には、どこまでも十年、七分五厘、それから区画整理その他でもってされる場合には三十五年の五分五厘、それで自分の自家が持てる。その上に今度は賃貸住宅を乗せた場合、これはやっぱり中高層ですね、賃貸住宅。そうした場合にはどうなの、それは同じ区画整理なら区画整理……。
○参考人(江ケ崎太郎君) いや、貸付住宅といっても、先ほど申し上げましたように三つの貸し方がありますので、その貸し方によって違ってくるわけであります。
○田中一君 まあ、いいや、それじゃ図解してこの次の委員会までに出して下さい。
○委員長(稲浦鹿藏君) この次までに図面ではっきりわかるように出して下さい。
○藤田進君 ちょっとその図解のときに、資金効率がどういうふうになってくるか。かりにAならAという地点に固定して、一千万なら一千万というものについて、貸し方によって資金の効率がどうなるのかということは、施行規則を作るときに相当試算されていると思うので、そう困難なことじゃないと思うのです。ただし、さような希望通りの型、種類のものが借りられるか借りられないかということは、事実問題としてはあるように思うのです。それ出ますか。
○参考人(師岡健四郎君) ちょっと、資金効率と言いましても……。もう少し御説明願いたいと思います。
○藤田進君 貸し力が、たとえば五十年の貸付期間、年賦償還ということになれば、その間に減価償却をするでしょう。しかし金利が今度違ってくるしね、それから家賃のいわゆる収益が変わってくる。これは物価その他の経済の変動ということは一応考えない場合ですね。かりに一千万を投資する場合に、どの種類で投資した方がいいかという、かりに長期見通しの上に立って、それはAよりB、BよりCの方が、金融公庫から借りた方がいいというようなことを、借りる側としては相当真剣に考えるはずです。たまたまそれが借りられないで、仕方なしに五十年にするとか、あるいは住宅公団管理ですか、そんなようなものもあるように思うのですが、金融公庫から金を借りて、三階以上は住宅公団の方の何か管理にするというような、あまり好まない、十カ年の方がほしかったけれども、それがいかないとかということは、運用の面で、必ずしも需要家の思うようにはいかないように思うけれども、しかし、もし選択自由で、しかもそれが望みの通りになるとすれば、どれが一番有利なのかということは出てくるはずです。
○参考人(師岡健四郎君) そういたしますと、今のお話の、たとえば一千万円借りた場合に、その借りた方の側に立ちまして、その収支といいますか、家賃はこれだけとれて、そして公庫にこれだけ返す、それで自分のところにはどう残る、そういうことでございますか。
○藤田進君 そうです。
○参考人(師岡健四郎君) それは作って出すことにいたします。
○内村清次君 それにつけ加えて、図面の横でもいいですから、たとえばげたばき住宅の店舗関係の方には住宅金融公庫としてはどれくらい貸しておる。それからその上に、個人貸しに対しては賃貸関係はどれくらい貸している。それからまた、協会住宅ですね、それから地方公共団体、こういうのにはどれくらい貸している。その資金の、現在の資金貸し付けの額を一つ記入しておいてくれませんか。
○参考人(師岡健四郎君) 整理しまして出すことにいたします。
○藤田進君 大臣がいないので、これはいずれ次回にでもお願いしたいと思いますが、住宅金融公庫としては、そのセクションだけでみれば、金利を上げて、何とか需要に見合っていこうということは、わからないでもないのですが、しかし、現内閣全体としては、諸外国との金利水準ということは、今度の施政方針演説でも出ておるのです。金利引き下げ方針ですね。これは、どの程度いくかということは、漸進的にいきたいということのようです。公定歩合を引き下げるとか、若干の手を打つというようなことでやってきたと思うのですね。そこで、大臣がいないので、住宅局長にお伺いしたい二点があるのですが、一つは、まずこの改正案によりますと、三十五年度以前についてはこれを遡及しないということのようです。そこで、家賃の査定というか、これは変わってくるのかどうかという点がありますし、それからさらに、従来は比較的、木材にしても、あるいは人件費にしても、およそ三十五年度までと三十六年度以降を比較してみると、今後の方が建築単価というものは上がってくるということは、これはもう総理府統計を見ても出てきております。そういう関係からすると、さらに金利が上がるということになれば、ここに相当な断層がつくように思うのです。こういう点をどうお考えになっているのか。加えて、私思うに、大蔵省自身がもし問題があるとすれば、最近旧軍港市の国有財産払い下げの国への延滞金について、今回これが金利を遡及して下げることにきまりました。そういう事情から見ても、少しどうも不合理のような気がするのです。
○政府委員(稗田治君) 住宅金融公庫の貸付のまず単価につきましては、鉄筋四%、簡易耐火構造五%、木造七%というように、貸付の標準建設費の単価の引き上げが行なわれております。従いまして、これから計算いたしますると、賃貸住宅等につきまして若干の値上がりはあろうかと思います。なお、金利関係につきましては、できるだけ一般の低額所得者のところに影響のないところで引き上げをはかっておるわけでございます。産労住宅等につきましては、従来から、これは使用料は非常に低い計算で供給されておりまして、むしろ公営住宅などよりも安い使用料を、企業者が従業員の労働対策の関係からきめておるようでございます。従いまして、大企業等におきましては、そういった五分程度の金利の引き上げは当然吸収できるというふうに考えたわけでございます。また、宅地造成等につきましては、先ほど申し上げましたように、分譲価格の坪当たりの値上がりというのは二%程度でございまして、毎年二割以上も宅地が値上がりしておるという現況からすれば、むしろ早期に大量の宅地を供給するということの方が、実際的な対策になるというような考え方をいたしたわけでございます。中高層の融資につきましては、地価の高いところの宅地を高度利用するという立場でございますし、また上に乗る住宅も、実際の問題としましては、企業者自体の住宅あるいは従業員の宿舎というようなものが大部分でございましたので、これも負担力から考えまして当然吸収できると、むしろ今日、都市の不燃化、宅地の高度利用ということで、事業量を増すということの方が大事じゃないかというような判断に基づいたわけでございます。 ただまあ、一般全体の金利の引き下げがだんだん行なわれていくというようなことと、これらの施策が一致しないじゃないかというようなことも、今御指摘になったわけでございますが、先ほど申しましたように、政府が扱っております各種の金融公庫等の金利を比べましても、いずれもかなり従来から、住宅金融公庫と比べまして、どちらかといえば少し高い金利で貸付が行なわれておったわけでございます。従いまして、一般の低額所得者に対する施策のところは、従来通り五分五厘という非常な低金利政策をそのまま維持するということで行なったわけでございます。今後市中の金利が全般としてだんだん下がっていくというようなことが達成できれば、これまた住宅政策上、非常に住宅金融公庫の事業量を伸ばす上にも役立ちますので、そういうような全般の改正が低金利政策に向いていくということにつきましては、私たちも期待をかけておるわけでございます。
○田上松衞君 時間がありませんから、質問は次に譲っておきます。ただこの際注文をつけておきたいと思うのですが、どうも今までの質疑応答をずっと聞いておりますると、ピントが合わないのですね。また、一方質疑される方の人たちの気持は、あくまで住宅金融公庫法の目的なり意義なり、そういうものを建前として、それがゆがめられやしないかという懸念の上に質疑をしておるわけなんです。ところが、説明され、あるいは答弁される人たちの言い分は、何かしら公庫法の目的や意義が、もういつの間にやら頭から取り去られてしまって、何か日本電建か殖産住宅等を対象に考えて、まだこの程度でもそっちよりかこっちの方に引きつけられるのだ、来る者が多いのだというようなことでやっておる。言葉をかえて言うならば、一体おかしなことをしておったならば、公庫がつぶれてしまいはしないかという心配を皆がしておるというような、そういう受け取り方でやっておるのではないかというような疑惑さえ抱くほど、合点のいかぬ点がたくさんあると思うのです。従って、この次には十分、住宅金融公庫法の目的、意義をすっかり頭に入れておかれて、国民の期待、要望、こういうものとはずれないことを、一つ役所の方も、公庫側も、これを整理され、統一されてやっていただきたい。こんなにたくさん時間をかけて今までやったのが、どうも食い違いだらけでいってしまうということもあると考えますので、これを特に要望しておきたいと思います。 それから次に、資料としてお願いしておきたいことは、経過規定で救われるものの件数と金額、これをそれぞれに区分して一つ表にしていただきたいと思います。すなわち、土地造成等に関し、あるいは中高層耐火建築物等あるいは産労住宅、こういう各種別ごとに区分して出していただきたい。それと、及び——これはここで答弁できるでしょうけれども、次のときでいいですから、そういうものが今度の新規の資金計画とどういうような影響あるいは関係を持ってしまうかという点を明確に一つ次に用意していただきたい。 それからもう一つ、法十七条の後段、要綱第二の二ですね、これの申込者が三十五年度以前にあったかなかったか、もしあったとした場合、どういう工合に、それを何か含みでも持たしてあるのかどうか、そういう点についても、まあこの点はもしここですぐ答弁できれば、簡単ですから答弁していただきたいと思いますが、できなければ、十分用意されて、次のときに一つお答え願いたい。おわかりですか。昭和三十五年度以前の事業計画にかかる資金の貸付の申し込みを受理した——これは前段に関することであり、それから今度十七条の後段にうたわれるところの、これに該当するところの申込者がすでにあったかなかったか、受理されたかされなかったか、十分お調べになって、次でいいです。もしあるならばどのくらいあるのかということ……。
○委員長(稲浦鹿藏君) それじゃ次に願います。 本日はこの程度といたしまして、この問題は次回に続行いたします。それで、各委員から要求いたしました資料は、全部取りそろえて次回に提出していただきたいとお願いいたします。それから田上委員から、後段の貸付の対比といいますか、それを資料として出してもらいたいという要求があったのです。 それから各委員に申し上げますが、次回の三月十六日は、公営住宅法第六条第三項の規定に基づき、承認を求める件というのを、提案理由の説明をまず聞いておきまして、それから現在もやっております住宅金融公庫法の一部改正、これの質疑を続行いたします。さらに、それが終われば、道路整備緊急措置法等の一部改正、その他、市街地改造等に移りたい、かように予定しておりますから、よろしく御了承願います。 それでは、本日はこれにて散会いたします。 午後一時十三分散会 ————・————