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38回国会参議院1961/04/26

決算委員会 第24号

発言数
144
登壇者
17
会派数
2
開催日
1961/04/26

会議録

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) これより決算委員会を開会いたします。  まず、本日の委員長理事打合会について報告いたします。  本日の総括質疑の順序については、相澤君、鳥畠君御要求の運輸大臣、国鉄副総裁に対する質疑を第一に行ない、次に大森君御要求の建設大臣、住宅金融公庫総裁に対する質疑、さらに千葉君御要求の通産大臣に対する質疑という順序に行なうことといたしました。  なお、先日の委員会で相澤君より答弁を求められておりました食糧庁関係の答弁は、最後に聴取することにいたします。  次に、鵜崎福岡県知事の出席問題については、本日午後五時より参考人として出席を求めておりました鵜崎福岡県知事は、文書をもって公務のため出席できないので藤井副知事をもって代理出席させたい旨の連絡がございましたが、副知事では了承しがたいので本日は参考人の意見聴取はとりやめ、後日これを行なうこととし、これに関する一切を委員長に一任することに意見が一致いたしました。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) それでは昭和三十三年度決算ほか三件を一括して議題といたします。本日は総括質疑を行ないます。質疑の通告がございます。順次発言を許します。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 運輸大臣並びに国鉄副総裁、大蔵次官ともに一つお答えをいただきたいと思うのでありますが、実は昨日、国鉄新線工事について鉄道建設審議会が持たれて、新たに十一路線のうちの八路線を建設するということを決定をされたようであります。私は、三十三年度の決算の中から国鉄が新五カ年計画、さらに東海道新幹線計画、さらに十一路線の建設、こういうような膨大な事業計画を持っておるのに、現在までの国鉄の投資額、それに対するところの国鉄の採算制の問題、経営上の問題について質疑を続けてきたわけです。そちして特に運輸大臣には、莫大な投資額を持った現在の国鉄経営というものを一体どういうふうに打開をしていくのかという質疑を通じて、三十六年度の中に利子補給三億八百五十万円、しかし昭和二十六年度以降建設審議会が取り上げた、二十七年度以降開業いたしておる現在の経営状況はどうか、こういう点を資料として私どもの手元に提出をしてもらったわけです。ところが現在までのところ、いわゆる新建設計画に伴って二十七年度以降開業したところについては、残念ながら全線が赤字である、そちしてまたこの建設資金の利子も実に莫大なものである、こういうことを政府から答弁をされたのであります。ところが突如として、そういう状況にあるにもかかわらず、国鉄運賃の値上げがきまるというと、国鉄の兼松常務はその翌日直ちに、来年はまた運賃値上げをしなければいかぬと、こういうような放言をして世間を騒がしたことは、前回の当委員会においてもこれは御承知の通りなんです。それはしかし総裁なり副総裁なりが関係方面にその真意の誤りであることの了解工作を行なったようでありますが、それは一応了といたしましても、ここにいわゆる国鉄が新たに建設計画を進める新規八工事、継続二十五工事を、赤字を見込んで進めるということに対しては、これは国民はなかなか納得をしない、こういう問題が私は出てくると思うのであります。運輸大臣は今まで当決算委員会において、国鉄の赤字が少なくとも投資において二十五億程度、開業において二十四、五億程度、こういう赤字については今日ではそれを政府の利子補給ということを行なう段階にない、こういうことを言っておりながら、さらにこの赤字を見込んだ新線を建設をするということは、一体どこに理由があるのか、これが第一。  それから赤字が見込まれておるならば、その赤字はどういう形で解消するのか、この点について国鉄副総裁も含んで、私ほお答えをいただきたいと思う。  それから特に大蔵次官に対しては国鉄に対する利子補給が今年度三億八百五十万円行なわれたけれども、運輸大臣は国鉄が今抱えておる固定資産税を国家に納入するのは約八十億、あるいはこれが八十五億になるかもしれません。こういうものについて少なくともこれを将来は国が負担をする、いわゆる公共という名義であるけれども、少なくとも国民の生活に直結した国鉄のためには国の投資、国の援助ということも必要であろう、こういうことを運輸大臣が答弁をされておるのでありますが、大蔵省としては一体これをどうするのか、こういう点について、大蔵省と運輸省との折衝過程における問題を私は御答弁をいただきたい、以上について運輸大臣、副総裁、それから大蔵省次官、ともに一つ御答弁をいただきたい。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) お答えを申し上げます。  ただいま御指摘の通りに、昨日鉄道建設審議会におきまして継続線二十五線、それから新しい線八線を本年度も約九十億円を投じて、新線建設を行なうことに鉄道建設審議会において決定をいたしたのであります。その他継続調査を要しまする線が五線、それから再審議を要しまする線が三線、これは小委員会におきまして今後十分検討を加えると、こういうことが大体昨日の会において決定をいたしたのでございます。従来も鉄道建設審議会のことについて御質問がございましたときに、当委員会におきまして私が御答弁を申し上げておきました通り、鉄道建設審議会は国会議員の、しかも与党、野党の代表者及び学識経験者二十七名をもって組織されました権威ある会でございますので、この審議会の権威並びに答申等は、運輸省といたしましては尊重をいたしたいと考えておる次第でございます。ただいま新しい線が赤字であるのに、従来の赤字に加えて国鉄の採算上好ましからざる点からいって、こういう赤字線を今度やるということはどういうわけかという御質問でございますが、これもまた当委員会並びにいろいろの機会に御質問がございましたときに、私から御答弁申し上げましたように、日本国有鉄道というものは公共企業体でございまして、国民の福祉を増進するところの目的を持って仕事をやっておるのでございます。国有鉄道が総体といたしまして黒字でありまするならば、この日本国有鉄道の特殊性でありまする、高い公共性から流れ出しまするところの公共負担というものをあえていたしまして、そうしてあるいは鉄道網を作り上げるとか、あるいは地方の産業を振興いたしまするとか、あるいは所得の地域的格差を是正いたしまするとかいうような見地から見て、新しい線を建設いたしまするということは、国鉄として、総体として黒字でありまする以上は当然のことであるとわれわれども信じておるのでございまして、ただ都会を中心といたしまする、営利的に採算の引き合う線だけをやるということだけでは、国鉄のいわゆる公共企業体としての目標を達するということはできない次第でございます。今日国鉄におきましては、新線ばかりでなく、ローカル線等を加えまして大体八割は赤字でございますけれども、しかし全体として国鉄が原価を償っておりまする以上は、八割の赤字を出しました線につきましても、これは国民生活の上から、国全体の産業振興の上から、また所得格差の是正の上からも、あえてこの赤字線を継続してやっているということは、きわめて妥当のことであると私どもは信じておるのでございます。また固定資産税につきましては、大蔵省御当局より御答弁があると思いますが、これは、こういうものを公共負担でやっておりまする国鉄としては、なるべく減免いたしてもらいたいことは、私どもとして希望するところでございますので、委員会におきましても大蔵当局に対して交渉をして努力をいたすことを申し上げた次第でございますけれども、御承知の通り、鉄道が敷かれて固定資産税を納付いたしておりまする町村が、地方におきましては貧弱町村でありますることと、もう一つは、固定資産税はいわゆる所得税と違いまして、地方で施設を行ないまして、地方自治体等にお世話になっておりまするものは、法人税、所得税と違って、所得のあるなしにかかわりませず負担をいたす税金でありますので、これを国鉄が赤字なるがゆえに今直ちに減免をするということはなかなか困難のことであるように考えますが、できるだけ、国鉄の公共負担の多額になることを考えまして、大蔵当局に対しては折衝して、減免をしていただくように努力をいたしたいと、こう考えておりますが、その実行の点は今申し上げましたようないろいろの理由から見まして、固定資産税を減免するということは困難である、こういうふうに考えております次第でございます。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○説明員(吾孫子豊君) お答申し上げます。  ただいま大臣から詳細に御答弁のございました通りで、私からつけ加えるべきことはあまりないと思うのでございますが、昨日鉄道建設審議会におきまして、三十六年度の国鉄の新線建設の方針の大綱につきまして御決定がございましたことは、ただいまの大臣の御答弁の通りでございまして、国鉄といたしましては、かねがねいろいろな機会に申し上げておりますように、鉄道建設審議会で御決定になりました線はあくまでも尊重いたしまして、できる限りの努力をいたすつもりでありまするが、ただこれらの各線についてしさいに検討いたしますと、なおいろいろ技術的に検討を加えなければならないような問題も含まれておりまするし、この予算の実行ということにつきましては、ただいま大臣からも御答弁のございました他の調査線の問題、その他と一緒にさらに小委員会において御検討を願うことになる予定でございます。で、ただ、これらの多くの線区が、いわゆるまあ赤字の問題で経営上いろいろ問題が含まれておりますことは、御指摘の通りであると思いまするが、この赤字の克服ということにつきましては、これまた、いろいろ私どもとしても今後最善を尽くして参りたいと思っております。幸いに、先般、国鉄の運賃の改定ということもお認めいただきましたし、また、今まで多年の懸案でありました新線建設のための借入金に対する利子の補給ということも、三十五年度の予算以後の分については、これまた、新たにお認めいただけることになりましたので、これらの点は従前とはよほど事情も変わってきたことでございます。しかしながら、これらの点にあわせまして、また、私ども国鉄の経営力によって、さらに赤字の幅をできるだけ縮めて参るような運営方法も、今後さらに検討いたしまして、それらの点につきましても、鉄道建設審議会あるいはその小委員会に私どもの考えを申し上げて、いろいろ御検討をいただきたいというようなふうに考えておる次第でございます。

田中茂穂自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(田中茂穂君) 新年度の新線建設に関連いたしまして、利子補給といたしましては、御指摘の通り三億八百万円を計上いたしております。  なお、今後将来に対して新線建設にからんで相当赤字が見込まれるが、固定資産税に対する国の減免の措置は考えていないかというお話でございましたが、固定資産税は御承知の通り地方税でございます。自治省が所管いたしておりますることは御承知の通りでございます。まだ正式に大蔵省に対しましてはそういう話は承っておりませんし、また、固定資産税の肩がわりを国がいたすということは、今のところ考えておりません。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) 間もなく本会議が開会されますので、委員会は暫時休憩をいたしたいと思いますが、なお、吾孫子副総裁は一時十五分発の汽車で出張される予定がずっと以前から組まれておったのでございます。従いまして、本会議の日程第六、七、最後の二つは全会一致の案件でございますので、日程第五が議決されました直後から再開をさしていただきたいと思います。なお、並行審議の件につきましては、すでに手続を終了しておりますることもつけ加えたいと思うのでございます。  暫時休憩をいたします。    午前十一時五分休憩      —————・—————    午前十一時四十七分開会

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) これより委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、昭和三十三年度決算外三件の総括質疑を続行いたします。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 先ほど、昨日発表いたしましたところの新線建設についての考え方が運輸大臣から述べられたのでありますが、国鉄の副総裁は、大臣が述べられたことで大体要約されていると、こういう御答弁をともに行なったのでありますが、副総裁にお尋ねしたいと思うのですが、昨日の建設審議会で、新規十一路線のうちの八路線を今度計画する。三路線については、なお小委員会で検討する、こういうことになっているという御説明をいただいたわけでありますが、この新規路線の八路線の工事を行なうについて、国鉄の考え方というものはどのように審議会の中に反映をされたのか、その点を一つお答えをいただきたいと思う。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○説明員(吾孫子豊君) 昨日の審議会における原案につきましては、運輸省御当局が事務当局として御説明になりまして、それにつきまして各委員の方々からいろいろな御意見が出ておったようなわけでございまするが、結論として、二十五線の現在着工中のものの今回の三十六年度の予算とあわせて、新規八路線についても御決定になったのでございますが、先ほども申し上げましたように、各路線の一つ一つについて見ますと、技術的な角度から見ましてもいろいろ問題がないわけではございません。従いましてこの予算を実行するにつきましては、さらに私どもまた事務的、技術的な立場からも検討を加えました上で、調査三路線の問題と一緒に、この予算の実行方法につきましては、あらためてまた小委員会で御検討を願いたい、かように考えまして目下あらゆる角度から慎重に検討をいたしておる段階でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 先ほどの運輸大臣の御答弁では、目下着工中の二十五路線並びにこの十一路線のうちの八路線、こういう線区を進めるにあたって総工費約九十億円、これを新年度として持つことになった、運輸大臣はこういう報告をしておるわけです。今の国鉄の吾孫子副総裁の御報告を聞いておると、確かに建設審議会ではそういうことになったけれども、これはこの具体的な工事に入るにはいわゆる小委員会等の意見もさらに聞いて、あるいは御相談をして、そして具体的に工事に入るというような印象を今私は受けておる。そういうことですか。今一度はっきりしてもらいたい。つまり国鉄の新線建設については、継続二十五路線、それから十一路線のうちの八路線、これを総工費約九十億をもって運輸省は今年度のいわゆる新線計画としていきたい、こういう考えであるという運輸大臣の答弁であるけれども、副総裁の答弁は、なお新規八路線について建設審議会なり小委員会の意見を聞いて、そして具体的にこの内容をきめていくのだ、こういうことなのか。とれでは大臣の先ほどの答弁と今の副総裁の答弁とは食い違っておる。この点は副総裁、いかがなんですか。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○説明員(吾孫子豊君) 私が申し上げた言葉が少し足りなかったかと思いまするが、昨日大綱を御決定を願いました予算の割り振りにつきましては、たとえば各線につきまして一億でありますとか、二億でありますとか、おおむねラウンド・ナンバーの予算の配賦になっておるわけでございます。これを実行いたしますのには、やはりそれぞれの線区の地形の問題もありまするし、技術的な問題もありまするから、やはりその工事の段取りというものをよく検討した上でございませんと、実際の実行額というものはそのラウンド・ナンバーの通りには参りませんので、そういうような点はいつものことで今度初めてのことではございません。過去の新線建設の場合も同様でございましたけれども、審議会でおきめ願いました大綱の線に沿うて、具体的な実行計画、工事指定というものはそれぞれまた実際の工事の段取りその他に応じまして行なうようになっておりますので、そういうような点につきまして、予算の実行ということについて、他の問題とともに小委員会にもさらに御了解を得なければならぬことでありますから、御相談申し上げるつもりでございます、そういう趣旨で申し上げたのでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 それから昨日の建設審議会の意見の中に、いわゆる路線によるところの特別料金を徴収するかしないか、こういう点が討議をされたように私は聞いておる。しかし昨年度日本国有鉄道法の改正については原価主義をとる。いわゆる今までの政策運賃から原価主義に転化をしておる。そうして独立採算の建前からこの新線建設については、その路線に従ったところの運賃、特別料金を徴収するということを決定している、その決定をしておったことが、今度の建設審議会の中では、これをまたやめようというような意見が出ている、これは事実であるのか事実でないのか運輸大臣から御答弁いただきたい。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) お答え申し上げます。今御指摘のような今まで実施いたして参りました新線についての特別運賃は、この際やめることにいたしましたことは事実でございます。この理由と申しますのは、御承知の通り今度新線建設につきまして一般会計から利子補給として三億八百余万円が出まして、新線によってできまする路線の経済というものが従来と変わって参りましたことと、元来日本の国有鉄道といたしましては、全国一律の運賃をもってこれを押し通すということが、原則であるのでございまして、この全国一律の運賃という点から考えてみますと、新線なるがゆえに特別の運賃をとるということは、これは変則であるのでございまして、でき得るならば、こういうものがないことを建前からいえば望むのでございまするが、今までは鉄道建設審議会におきまして、赤字線でありますることと、これに対して利子補給等の国家のあたたかい補助がございませんことにかんがみて、新線について特別運賃を設定実施することを建議されましたので、国鉄としては特別運賃を実施して参りましたのでございまするが、今申し上げましたような事情によりまして、新線建設借入金の利子補給もできましたので、変則を改めるということがよろしいと運輸当局におきましても考え、また鉄道建設審議会におきましても、そういう御意見が満場一致をもってきまりましたので、特別運賃はこの際廃止することにいたした次第でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 私ども社会党としてはもちろん、この線区によって料金が違う、運賃が違うというような考え方は、もともと反対なんです。これはもう国策上国鉄の輸送力というものに対する基本的な考えからいけば、今あなたが答弁することが当然である。しかし池田内閣としては、岸内閣の当時も同じ自民党の内閣である、自民党の内閣が昨年この鉄道の料金、運賃のあり方について方針を出して、その方針を国会審議によってきめて、それがわずか実施してから半年か一年のうちにこの方針が変わるということは、大きな理由がなくちゃならないわけです。だから私は今の木暮運輸大臣の言うことは、その考え方とかあなたの個人的な問題は私は了解しております。別にとやかく追及する腹はございません。しかし同じ自民党の内閣として、池田内閣が今取り上げる運輸政策、そうしてこの国鉄に対する考え方というものが、どうしてネコの目のように変わってくるのか、この点は今の運輸大臣の答弁だけでは了承できません。昨年の運賃をきめるときの料率改定の基本的な考え方というものは、国会の議事録に残っておりますから、その議事録をあらためて一つ提出してもらいましょう。提出をしてもらって、なぜ木暮運輸大臣になってから、そういうことをお考えになってやるようにしたのか、こういうやはり基本的な問題を説明をしてもらわなければ、単に鉄道建設審議会が満場一場であるからといっても、あなたは建設審議会のロボットじゃないでしょう。建設審議会は運輸大臣の諮問機関なんだ。だからその運輸大臣のあなたの方の政策としてきめてきて、そして原価主義というものをとってきた方針が、今さっと変わるということは、これは新たな理由がなければ許されぬ。私は、その根本理由は、賛成なんですよ、賛成だけれども、わずか半年か一年のうちに、そういう審議会が満場一致というような形で、しかもその審議会というものは運輸大臣の諮問機関である。この鉄道建設審議会といち諮問機関は一体何だ、こういうことを当決算委員会で何回もあなたに質問をしているわけです。そして国鉄総裁は、この鉄道建設審議会におけるところの諮問機関できめられたことは、これを拒否するとか受諾するとかという権能はあるのかないのか、こういう言葉であなたに質問しているわけだ。建設審議会は運輸大臣の諮問機関である、決して法律上拘束するものではない、こういうことははきりしておる。にもかかわらず、建設審議会できめられるというと、国鉄総裁はそれを受諾しなければならぬ、尊重をしてこれを実行しなければならぬということになる。国鉄総裁はその点では無能力者じゃないか、国鉄総裁がこれをいいとか悪いとかいうふるいにかける能力はない。こういうことになるかうこそ、鉄道建設審議会が戦後二十五年以降きめてきた四十五線というものが全部赤字じゃないか、現在開業しているのはみんな赤字じゃないか。これは鉄道当局としても、やめたいと思ってもやめることができない。こういうところに私は、現在の鉄道建設審議会の基本的なあり方についても、あなたは考えなければならぬじゃないかということをこの前言っておいた。そして鉄道建設審議会が、内閣に意見書を提出することについても、私はその意見書の取り扱いについても、手続上問題がある。こういう法律的な問題についても、当委員会として、これらの赤字のことを戦後のずっと統計をとってみて、この赤字に対して、全国鉄の路線の現状からして、私はもっと考えなければならぬじゃないか、そして幸いにして、今度のあなたの努力によって、とにかく三億八百五十万円という新線建設についての利子補給を出すことになった、これはけっこうなことである。しかしそれをやると同時に、この前のあるところの三百九十五億からの一体赤字路線に対するところの債券と債券の利子はどうする、営業した赤字はどうするのだ。こういう根本的な問題を解決しないで、その上にまた運賃値上げがきまったから、今度はさらに国会で答弁を得々として、原価主義に転換しましたと言って、この運賃値上げがきまったら、すぐ運賃を値上げをするというようなばかな放言をしておる。そしてそれは間違いでございまして、と関係方面の了解工作を行なって、今度はまた運輸審議会が満場一致答申をしましたからそういう方向でいきます、というようなたわけた答弁というものはないと思う。これは当決算委員会が、運輸省の決算をやり国鉄の決算をやってみて、これだけ莫大な赤字というものをかかえて、単に近代化、合理化という名前だけでは解決のできない問題がある。従って政府としては、先ほど田中政務次官も大蔵省の考えを述べたけれども、少なくとも国が国民に対して輸送力に対する問題を考えるならば、国民的な立場でとれは政府が考えるべきじゃないか、こういう点を指摘しているのだ。だからその一つの例として固定資産税はどういうふうになるのかという話をしている。だから委員長ね、私は今の木暮運輸大臣の答弁は了承しません。ということは、昨年の溝橋運輸大臣並びに十河国鉄総裁の国会における答弁というのは私は気に食わぬ、同じ自民党内閣で、そうして今わずか半年か七カ月過ぎたくらいでまたころりと変わった運輸大臣は答弁をしているのだ、これは速記録によって明らかにして下さい。この点については私は了承しません。これは委員長ね、先国会の政策運賃から原価主義に転換したそのときの政府の説明があるはずだ。この説明と今回の建設審議会において……、今木暮運輸大臣が答弁したことと、どうして池田内閣はそういうように変わってきたのか、国鉄はそういうことをのまざるを得なかったのかという点を明らかにしてもらいたい。そうでなければ国鉄の問題は非常に大きな問題でありますから私は了承しません。それはそれとして、あとで委員長に善処を願うことにして……。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) お答えを申し上げますが、同じことを繰り返すようでまことに恐縮でございますが、昨年とは事情が変わりましたので、変則でありまする新線に対する特別運賃を取りやめることにいたしたという一言に尽きるのでございまして、従来はありませない新線建設に対する借入金の利子補給を、少額ではございまするが、三億八百何万円か本年は新たに一般会計から補助することになりました、という新らしい情勢が発生して参りましたので、従いまして原則的には全国一律の運賃を維持すべき国鉄が、従来新線建設の経理上の赤字を幾分でもなくすために、特別運賃を設定、実施いたしましたことは、原則から見るとこれは除外例のようなものでございます。しかるに今回は、国として新線建設の借入金に対する利子補給という新しい補助がございましたので、かれこれ思い合わせますると、事情が前と変わりましたので、原則に戻って変則を改めて特別運賃制度を廃止いたしたい、こう考えましたことは、これは議論にはなりますけれども、私どもは当然ではないか、こういうふうに考えておる次第でございまして、いろいろ御非難のございましたことに対しては、お言葉を返すようでまことに恐縮でございまするが、当局といたしましては今のような考えで、変則の特別運賃制度をこの際廃止することが適当であると考え廃止をいたしましたようなわけでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 私は今の木暮運輸大臣が、今運輸省を担当して、そうして昨年と今年と考え方をさらに前進させたいということについては、それは了解しているのです、反対しているものじゃない。しかし国鉄当局にしても同じ内閣にしても、構成メンバーは若干の違いはあってもそう基本的な違いはない、こういうことで昨年と今年とはまず考え方が違ってきた。いま一つは、私の言うのは一いいですか、運輸大臣聞いておいて下さい。私の言うのは、あなたが努力されて若干の前進を見た…億八百五十万円の利子補給というのは大へんけっこうなことである。それはけっこうなことであるけれども、しかしその前の膨大な赤字についてどうするのか、これについてあなたは決算委員会において、私のたとえば固定資産税等に見合うものは、政府は何とか努力すべきではないだろうかと言ったときに、あなたは努力をしたいという答弁をされている。ところが先ほどのあなたの御答弁を私が聞いていると、あなたはそう言っておらない。それは固定資産税等についてはこの減免のことを話してみたけれども、これは地方の財政の貧弱なことや、あるいは所得税と違う固定資産税というものからいって、これはなかなか今減免をすることはむずかしいようだというあなたは答弁されておる。いいですか。ここで田中政務次官も、まあ基本的なお話については変わりがない。やはりそういうことで答弁されておるのです。そうすると、あなたが当決算委員会で、努力をしますと言ったことが、実際には具体的な話は関係大臣と話を進めておらない、こういうことになる。私は少なくとも運輸省並びに国鉄の決算をしたときに、総括質問の際までに、一つあなたは国務大臣として閣議の中で相談をして答弁のできるようにして下さいということを言っておいた。ところがそれはもう一日も進んでおらない。しかもそういうことを言った舌の根のかわかないうちに、きょうの総括質問が行なわれる前日のきのうですね、きのう建設審議会はあなたに、赤字を見込んでも新線建設をやりましょうと、こう言った。それならあなたは、それでは新線建設をやるのだから、こういうことになったならば赤字は全部負担をすると、答弁して下さいよ。それならば私どもは了承しますよ、私どもはそのこと賛成なんだから。やはりそういう建設をするということをあなた方がもし了解をするということになれば、私は赤字を政府が今後は埋めていきます、こういうことを首尾一貫をした主張をされるならば、私はもうちっとも不満足なことを言っておりません。もうあなたを全幅的に信頼をして、どうぞやって下さい、こういうふうに言うわけなんです。ところがそういうように書いたいのだけれども、今言った前段とあとと違うから、趣旨が一貫をしておらないから、私としてはどうも運輸大臣は場当たり的な答弁をしているのではないか、こういう私は印象を受ける。あなたの人格的な点から思えばそういうことはないと思う、けれども、今までの説明ではそういうような私どもは印象を受ける。この点について再度、——時間がないようだから、あなたの行く時間がないようだから、一つお答えを簡単にいただきたいと思うのですが、現在までの鉄道の責任によらない、いいですか、国鉄の十河総裁の責任によらない赤字というものは、一体政府が負担をするのかしないのか、この点を簡単にお答えをいただきたい。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) いろいろ言葉が足りず、また不なれなために誤解を生じまして恐縮でございましたが、私はいつでも答弁いたしておりますることは、日本国有鉄道というものは公共企業体であって、法律によって示しておりまするように、一方では高い公共性から、赤字をあえて負担しても社会福祉を増進するために線を敷いたりなんかするということはやむを得ない。しかしながらそういうことをいたしまする基礎は、やはり国鉄の健全な財政から出てくるのでございますから、一方では経理、経営の上から見まするならば、独立採算制によって能率本位の運営をいたさなければならぬ、こう考えておるのでございまして、先ほども申し上げました通り、国有鉄道の公共性から出て参りまする赤字であるといっても、国全体のために、また鉄道網を作ります全体の上から見て、また地域的格差などを是正するという大きな目的から参りまするならば、国鉄の全体の原価が償われて黒字でありますことにおいては、赤字線を新しく敷いていくということも、国鉄の特殊の高い公共性から見てこれはやむを得ないことでございまして、国鉄が都市を中心といたしまする、採算が引き合うだけの線を、もし敷いておることに満足しておりまするならば、これは公共企業体からはるかにはずれて、営利企業体本位であると言わざるを得ないと思うということを、先ほども申し上げたような次第でございます。しかし国鉄がこういう公共負担をやります根源は、国鉄全体が原価を償っておるということが必要であるのでございますからして、今後におきましても、この赤字をなるべく減少いたしまするように、いろいろの工夫をいたしますことは、先ほど国鉄副総裁がいろいろるる御説明申し上げたようなわけでございまして、運輸省といたしましても、国鉄を指導監督いたしまして、赤字の減少にはできるだけ努力をいたして参りたいと、こう考えておる次第でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 運輸大臣が言うところの公共のためにということについては、私も賛成なんです。反対をしておりません。その通りである。で、公共のためにということであるならば、あなたの御説明の通り、これは若干赤字が出ても、国全体のためなら敷かなければならぬ場合があると思うのです。私はその通りだと思うのですね、国鉄というその建前をとれば。そこでそういうことになれば、私は少なくとも政府が国策として、公共負担についての建前をやはりこれは明確にしておくべきだと思うのです。  そこで運輸大臣に端的にお答えをいただきたいのですが、公共負担法を政府は提案をする考えがあるかどうか。これについては各省にそれぞれいろいろなケースがあります。ですから、やはりこういう問題については、政府が意思を統一をして、そうしてお出しになる必要があると思う。そこで公共負担法というものを政府が提案をする意思があるかどうかを一つお尋ねをしておきたい。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) お答えを申し上げますが、ただいまお話のような御意見も、一応の御意見としてよく拝聴をいたすのでございまして、そういうことの意味から、今回新線建設の借入金の利子補給をやりましたり、あるいは戦傷病者の無賃乗車に対しまして、三十六年度は従来よりも国家として多分の負担をいたすというようなことも、これも一つの表われであると思うのでございますが、原則として公共負担、いわゆる赤字負担を一般会計、言葉をかえて申しますると、国民全体の所得税を初めとする、直接税その他間接税等を中心といたしまする一般会計からどの程度援助するかというようなことは、今日日本の財政の実情からまだ考えておりません次第でございまして、今御指摘のような法律を政府は出すという考えは持っておりませんのでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 そういう話になると、ますますその説明は趣旨が一貫をしない、言葉の上ではいろいろ理解がされておるようなことを言っておるけれども、根本においては、決して国鉄政策についての一貫した政策を持っておらない、こういう、ように私どもは受け取れるわけです。  そこでいま一つ端的にそれじゃ伺いましょう。先ほど、国鉄の運賃を値上げをいたしましたけれども、こうしたこの世界銀行の借款の問題について、今十河総裁がアメリカに行っておりますが、こういうような新線建設等を含んで、いいですか、含んでこれから国鉄が事業を遂行していった場合に、また赤字が出たから、これは一般財政で負担をしたいのだけれども、今の全体のバランスから見ると負担ができないから、従って受益者に負担をしてもらう、この鉄道を利用する者に若干一部を負担をしてもらう。言いかえるならば運賃料金の値上げをやらなければならぬ、こういうようなことを現在お考えになっておるのかどうか。兼松常務理事は運賃値上げをした翌日、これは二百億の仲裁裁定を受諾した限りにおいては、来年から運賃を値上げしなければいけないと言って、びっくりしたことは運輸大臣御承知の通りでしょう。あのときにもすぐあなたは、国鉄の少なくとも常務理事の言ったことに対し、あなた自身がそういう問題については、十河総裁や吾孫子副総裁がそこら中の新聞社を回って、頭を下げて、真意はこうだと言う以外に、あなた自身が国務大臣として、ああいう問題については明確な線を出すべきだ、そういうことがいわれておる最中でありますから、国民は非常な疑惑を持っておるのですよ。今度の新線建設をきのうきめたということを、きょうの各新聞は全部出しておる。そうしてこれは国鉄の兼松常務の言う通り、今アメリカに行って十河総裁が世銀との八千万ドルの借款をしてきたけれども、結局は鉄道はやりくりがつかなくなって、来年は兼松常務の言うように運賃値上げをするのだろう。木暮運輸大臣が国会で答弁をしても、その場はうまいことを言っておっても、政府の腹はそうじゃないかと、こういう疑惑を持たれますよ。だから私は、この際運輸大臣がこういう新しい工事をやるにしても、決して、今運賃値上げしたばかりで、この間の政府の国会における答弁と同じように、来年からすぐまた運賃を値上げするのじゃないと、そういうことをあなたが確約できるのか、それとも兼松常務の言うように、ああいう運賃値上げをするというのか、この点あなたの答弁を求めたい。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) お答えを申し上げます。  まず兼松常務理事が申し上げましたことは真意でなかったということは、本人が親しく本委員会におきましても釈明いたしたことでおわかり下さっていることと思うのでございますが、私といたしましては、四百八十六億という今回の利用者の方に負担を増していただきますことが、今回の新五カ年計画の財源として取り上げられまして、これをもってお約束いたしました鉄道の整備強化をやることになりますので、これを途中で運賃の改定をするというようなことは毛頭考えておりません。ただいま十河総裁がアメリカへ行っておりますが、借款八千万ドル、あるいはその他の借入金等によりまして新しい東海道線ができまするならば、できた暁においては、国鉄の経営内容というものは相当に改善さるることを私どもは確信をいたしておるのであります。かれこれ相待ちまして、利用者の負担を来年ふやしていくとか、一、二年の間に増徴するようなことを考えておるというようなことは毛頭今日は持っておらないことをはっきりお答え申し上げておきます。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) 午前の質疑はこの程度にいたしまして休憩をいたします。午後は一時三十分より再開いたしたいと存じます。  これにて休憩いたします。    午後零時二十五分休憩      —————・—————    午後二時一分開会

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) これより委員会を再開いたします。午前の委員会に引き続き、昭和三十三年度決算外三件についての質疑を行ないます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 午前中の大臣の御答弁をいただきましたが、その答弁の中で固定資産税等について、いわゆる国が国鉄に対する助成等の問題についてのお考えが述べられたわけでありますが、私は先ほども御質問いたしましたように、昨年の政府の国鉄運賃をきめるときに、路線による原価主義によるところの料金を徴収をするということと、今度は運輸審議会でそれを廃止をすると、こういう方向との関連をお尋ねした結果、大臣の御答弁をいただいたわけでありますが、このことについてはやはりそういう点を明らかにしないと国民の疑惑が持たれると、こういう点で実は心配をして御答弁をいただいたわけであります。  それから二つ目は、やはり国鉄の輸送力増強というのは、何といっても日本の産業上重要な問題である。従って公共の立場というものを十分に尊重する政府の態度があってほしいということで、今までの新線建設に対する借入金額並びにそれがもとで建設をした開業線区に対するところの赤字の解消、こういうような問題についていま少し政府も御努力をされてはどうか。こういう点についてぜひいま一度次年度から御検討を願いたい、こういう点が第二の問題である。従ってその中には固定資産税等の問題についてもお答えをいただいたわけでありますが、今年度は三十六年度予算が通ったばかりでありますから、おそらく大臣としてもそれ以上の御答弁はできないと思うのですが、第二次修正五カ年計画なり、国鉄、東海道新幹線なり、あるいは十一路線の建設ということをすれば、当然全般的にこの問題は次年度からもっと表面に現われて参る。従ってそういう点について政府のいま一段の努力を要請したいと思うのですが、運輸大臣としてのお考えをお答えをいただきたいと思うのです。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) いろいろ国鉄の健全な経営につきまして御注意をいただきましたことは、まことにありがたく感ずるのでございまして、国鉄が公共企業体としていわゆる赤字をあえて負担をいたしましても、公共性を発揮するためには、その基礎において国鉄の経営が健全に、しかも総体として原価を償う黒字の経営でありませんければ、国鉄がみずから進んで公共負担をやるということはできないのでございます。私といたしましても赤字の解消のためにはいろいろ努力をいたしたいと思うのでございます。さきに、午前中にもお答えを申し上げました通り、今回の新しい東海道線が三十九年に開通いたしますると、国鉄の経済というものも見違えるようになるように私どもは期待をいたし、また確信をいたしておるのでございます。また国鉄といたしましても努力をいたしまして、営業成績が上がりますように、一方では積極的に収入の方で努力をいたしますとともに、一方合理化、機械化等によりまして、企業の経営のむだを省いていくということに全力を尽くすように指導をいたしまして、ただいま御心配いただきましたような、公共負担をいたしながらも、国鉄が総体といたしまして黒字で原価を償い得るような経営になりますことに指導をいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 いま一つ運輸大臣にお答えをいただきたいのは、鉄道建設審議会の性格についてであります。何回も申し上げましたように、現在の審議会はこれは大臣の諮問機関である。しかし、実際にはこの建設審議会の答申を出されますと、国鉄総裁はこれを取捨選択をする自由をほとんど持っておらない、ほとんどこれは決定と同様であります。そこで鉄道建設審議会の性格について、あるいは今後の進め方についていま一度再検討される必要があるのではないか。もっと率直に言えば、日本国有鉄道法なり公共企業体法なり、あるいは鉄道建設審議会、そういうものの関連をやはり明確にして、国鉄がやはり国の政策の中で十分国民の期待に沿える態勢を作らせるべきだ、私はそう思う。ただ実際は審議会だからということで、いかにも大臣の諮問機関であるから、大臣がこれはその審議会の意見を一つの方向にきめることはできるといっておっても、実際にはそういうことにはなっておらない、歴史的な過程は。ましてや国鉄総裁はそういう取捨選択をする能力を持たないような形になっておる。こういうことでありますから、この点はやはり現在の時点に立って、しかも総合交通政策を立てる、私は、内閣なりあるいは担当の国務大臣としては、そろそろ御検討をする時期ではないか、こう思うわけです。そして、ほんとうに国鉄が国民のためになる、政府もその政策を十分反映ができる、こういう形に私はしてもらいたい、こう思うのですが、こういう点についてあなたのお考えを一つお聞かせいただきたい。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) お答え申し上げますが、国鉄総裁も鉄道建設審議会の委員になっておりますので、いろいろ審議の間におきまして国鉄としての希望なり意見なりを開陳をその会議においてはいたしておりますわけでございます。法律的には諮問機関であるから、この諮問をあるいは諮問に応じた答申、建議等を、運輸大臣あるいは国鉄等が採用するか否やの自由の権限が、法律的にはあるとも一応は考えられますけれども、鉄道建設審議会というものの成り立ち及び内容等を考えてみますると、政治的にはこういうところで権威ある建議あるいは答申がございました場合には、運輸省、国鉄はこれを尊重をいたすということが妥当のことであると私どもは存ずるのでございます。昨日の委員会はいつもの委員会のごとく非公開でございましたので、その内容を発表はいたしておりませんけれども、いろいろ御審議の途中におきましては赤字線を何とか解消するような努力をしなければならぬとか、あるいはまたバスを研究してみてはどうかというような、国会においての御意見と同じような御意見もたくさんに出まして、これらは小委員会において取り上げて検討をしていくことに相なっておりますわけでございまして、この審議会の意見というものも非常に妥当適切な意見が出てくるのではないか、と私どもは期待をいたしているようなわけでございまして、どうぞ今後ともこの審議会の成り立ちとその権威にかんがみて、十分に私どもは尊重をいたしまするが、国鉄もあるいは運輸省も、よくいろいろ国会における各法案の御審議の途中において、議員の方々から開陳されました貴重なる意見というものを体得いたしまして、この運営が時代に沿うように努力をいたしたいと、こう考える次第でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 木暮運輸大臣の率直なお考えが述べられましたので、私はぜひ努力をしていただきたいと思います。  そこで委員長にお願いをしておきますが、きょうの今までの私の質問と政府側の答弁の中で、やはりはっきりしておりますのは、今年度いわゆる三十五年以降の新建設線については利子補給はできたけれども、以前のものについてはこれは現在のところは考えられない、従って赤字についても当然これは国鉄の努力の負担であろう、こういう形になろうと思う。他面においては運賃値上げに伴うその増収を見込まれて、そうした経営というものを期待をしているということであります。従ってこの点については国鉄建設審議会についての今の運輸大臣のお考えと同じように、私は総理大臣と大蔵大臣に対して、この関係は非常に重要なものでありますからそういう点を残しまして、本日は以上をもって私の質問を終わります。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) この際、鳥畠君に申し上げておきますが、運輸大臣は陛下お出迎えのために二時四十分に退席をいたされますので、お含みの上御質疑あらんことを望みます。

鳥畠徳次郎自由民主党

○鳥畠徳次郎君 大臣がちょうどこれから駅へまたお迎えにお出ましのようでありますから、先に大臣の方へお尋ねをいたしたいと思います。なおあわせて国鉄にも関連する問題がありますので、御両所の御答弁をお願いしたいと思います。  最初にお尋ね申し上げたいのは、国鉄第二次近代化という問題について二、三の点からお尋ねをいたしたいと思います。国鉄の第二次五カ年計画、これにつきまして過去の第一次国鉄五カ年近代化という問題の仕上げといいますか、完成から考えて参りますと、第一次の計画は大体一年半ほど全部繰り越しになっている。完成がおくれておるという点でございますが、私この第二次の計画に対しましても新線の建設また既存路線の整備拡充、これらの問題が第一次の近代化の計画と比較いたしますと、非常に無理があるように考えられるのであります。今さら私がちょうちょう申し上げるまでもなく、輸送交通は何といっても文化社会面あるいは経済産業面に対しても、すべてのモーターの役割をやっておることは言うまでもないことであります。従いまして、国鉄が五カ年第一次あるいは第二次また来たるべき第三次というふうに、次から次へと近代化の計画を進められるということにつきましては、非常にけっこうなことであり、当然それを完成すべきことは言うまでもありませんが、そういうような計画を発表されると同時に、民間でもこれに対して何年になればこの東海道線はこういうふうな新線ができる、あるいはまた裏日本一帯、北陸線はどうなる、東北はこうなるという工合に、鉄道のいわゆる運輸省あるいは国鉄の計画される線に伴って、産業もずんずんとその方面に伸びていく。いろいろ施設や受け入れ態勢が着々と進められていく。しかしながらいよいよその計画に入って参ったときに、はたしてその通りに実行できるかできないかということは、民間とあくまでもその計画がピントが合わなければ、いつも国鉄が先行すべき計画が後手になってくる、あとあとになってくるということは民間としては非常に大きな損失を受けておるわけであります。計画がすべて狂ってくるということでありましょうが……。私はただ今度の第二次計画に対してはやや不安を持っておる点は、今度のベースアップによって二百億からの支出が相当ふくらんできた、増加してきた、それから世界銀行の資金の面でも借入金の八千万ドルということに過日の委員会でも承っておりますが、われわれは昨年あるいは一昨年の暮ごろ聞いたことは、大体一億ドルあるいは一億五千万ドルまでも世界銀行から借款する、それによって新しい近代設備の建設をやるというふうに実は聞いておったのが、現実には今度は八千万ドルに押さえられたということでありますが、これはいかなる理由で八千万ドルということに押さえられたか。また金利その他のいろいろな関係があればそれらも率直にお聞かせを願いたい、と同時に、そういうふうに資金の面におきましても、またベースアップによって二百億からの人件費が増額になっておる。そこで非常に国民からも不安がられ、相当の反対を受けておった、いわゆる近代化のために賃金の適正化をはかって、その金が総額ようやく四百九十億か五百億に足りないという金であるようであります。しかしながらこの五百億あるいは四百九十億というものは相当現在社会情勢から考えて、決して喜ぶべき現象ではないと思いますけれども、やはり国鉄がすべての基幹であり、基本であるという点から考えますと、これはやむを得ないことでありますが、その一方に二百億からのいわゆる賃金ベースのアップがされておる、こういう資金の面からあるいはまた収入の面からあわせて考えますと、どう本今度の第二次五カ年計画もはたしてこの予定通りの時期に完成するかどうかということについて、大臣の強い一つの御信念というか御決意を承りたいと思います。  たとえばわれわれの地方の北陸へ参りましても、北陸線の複線、電化の問題なんかもやはり相当に  一年半ばかり最初の計画よりおくれております。その他、東海道新線の建設にいたしましても、はたして予定の年に完成するものかどうかという非常な疑問をわれわれは持っているのであります。それは資金の面、あるいはまた資材の面、あるいは技術の面、すべてを総合いたしまして、完全にこれは完成するんだという一つの御信念をお持ちかどうかという点をまず最初にお尋ねいたしたいと思います。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) お答えを申し上げます。  第一次五カ年計画が、資金の面等によりまして阻害を受けまして、予定通り参りませんことはまことに遺憾であったのでございますが、しかしながら、第一次五カ年計画におきましても、老朽施設の取りかえ、改良ということにつきましては予定通り参っておりまして、輸送保安の点につきましては、心配がございませんことを御報告をいたしたいと思うのでございます。  今回の第二次五カ年計画にあたりまして、仲裁裁定により百九十億円の、出発当時予定いたしません出費がありますことはまことに遺憾でございましたが、ただいまこれが財源は種々検討をいたしまして、補正予算として近くお手元に御審議を願うことと存ずるのでございまするが、この方も手当をいたすことが可能であるのでございまして、このことが第二次五カ年計画の一大支障になるとは私どもは考えておらないのでございます。また、第二次五カ年計画の中の主要幹線の複線の工事等にいたしましても、地元の人たちの御協力によりまして、土地買収等もきわめてスムーズに進んでおります。また、ただいま御心配になりました東海道新幹線の広軌、複線につきましても、予定以上にただいまは着手することが進んでおります。一時は、場所によりましては、用地買収等につきまして心配をいたしました所もございましたが、そういう所も、そこの県の知事さんであるとか、あるいは沿道に関係のある市町村長、あるいは国会議員さん等のお力添えによりまして、もうただいまのところでは、非常に難関で困るというような所もないように聞いて、予定以上に新幹線の方も着手をみているような次第でございます。昭和三十六年度におきましては、四百四十億円をこの年度内に東海道新幹線に投じることに相なっておるのでございます。  ただいま国鉄総裁が渡米いたしまして、世銀との借款の最後の締めくくりを近くいたすことに相なっておりまする金額は、御指摘のように八千万ドルでございます。初めの申し込みは一億ドルという申し込みでございましたけれども、世銀の特殊性によって、各方面に資金の融通をやります部面が非常に多いものですから、八千万ドルということに決定をいたしましたのですが、これをもって第二次五カ年計画の中の東海道新幹線が一大支障をこうむる、というふうには私どもは考えておらないのでございます。大体におきまして、第一次五カ年計画における諸般の支障によって、これが進捗が十分されておりませんことを体験いたしました国鉄当局といたしましては、この第一次五カ年計画のときのいろいろの経験を生かして、そうして今回の第二次五カ年計画はいろいろ難関がございますけれども、予定の通りにこれを完成するという今意気込みに燃えてやっておりますような次第でございまして、運輸省といたしましては、第二次五カ年計画は目標通りに進むべきものであると確信をいたしておりますようなわけでございます。詳細の工事の進捗工合等につきましては、国鉄当局から御説明をさせていただきたいと思います。

鳥畠徳次郎自由民主党

○鳥畠徳次郎君 ただいまの大臣の御説明と強い御信念を承りまして、われわれは一応御信頼申し上げていいと思うのでありますが、重ねて申し上げたいのは、やはり東海道の新幹線の建設、これらも最近大阪へ参りましたところ、非常な大きな期待を持っております。またその周囲の人たちもどんな御協力でも惜しまないというくらいに真剣に完成を期待しておるのであります。また、さきに申し上げたわれわれの北陸線の方の問題につきましても、何分観光地帯をたくさん控えておりますので、またオリンピックの開催を目当てにホテル等、相当の建設をやっております。これらの複線電化の完成というものとほんとうに大きな関連を持っておりますので、これらもただいま大臣のお答えのように、何とか第二次五カ年計画だけは完全に執行するということに重ねて強くお願いをし、要望をしておきます。  次に、この前も一ぺんお尋ね申し上げたり、また最近は相当事故もなくなって、非常にいいことだというふうに考えておった韓国の李ラインの問題について、大臣に一応承りたいと思います。  先月の運輸委員会のときに、李ラインの問題について、過去における抑留者あるいはまたそれらの待遇の問題なり、あるいはまた漁獲の問題について外務省の参事官にも来てもらって、また抑留者の返還という問題につきましてもある程度お答えを願って、その当時は大体関係当局の皆さん方のお答え通り、非常にうまくいっておったかに見えたのでありますが、今回またぞろ四月の二十四日に済州島方面で大きなトラブルを起こしておるのでありますが、これにつきまして今日まで、まだ最近のできごとでありますから詳細なことはどうかと思いますが、これはやはり日本の国民感情からいたしましても、この日韓問題——しかも公海の地区においていつまでも李ラインなんていうものが不自然にもこれは厳存しておる。そうしてこの日本の漁業家がいつも非常な脅威にさらされておるにもかかわらず、政府の交渉なんかも非常にへっぴり腰で、もっともっと積極的にこれに対処して解決すべき問題であるにもかかわらず、忘れたころにはまたぞろこういう問題が公海で起きておる。私はきょうは運輸大臣にお尋ねしたいのは、これに関連して現在どういうような警備をやっておるのか、それからまた今度の二隻の船の食摘に対してはその後どういうようなことになっておるのか、それらに対して一つ経過をお聞かせを願いたいと思います。今度の問題については、新聞によりますと、大体どうもまさにこっちの警備船と正面衝突をするような場面もあったように見えます。また一方では停船しないからといって銃撃によって停船させ連行したというような、非常に今日までよりももっと、過去におけるトラブルよりも、もっともっと狂暴性を持った現実が現われておるようであります。ここにはやはりいわゆる李ラインといいますか、平和ラインといいますか、この辺へはわれわれ裏日本からも相当漁業に出ておるのでありますが、それらが常にこういうふうに脅威を感じて戦々きょうきょうとしておる。そしていつもたたかれ損で何も解決の曙光さえ見出すことができぬということは、これははなはだ遺憾な問題であります。これに対してどういうふうに処置されておられるか、経過等、また今後のこの李ライン問題の解決に対してはどういうお考えでおられますか、これを率直に一つお答えを願いたい。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) 運輸大臣に申し上げますが、ただいまの鳥畠君の御質問は御提出になっておる質問要項には載っていませんし、保安庁長官は出席されていないのでありますから、もしも大臣から総括的に何かお話がございましたらもう七分の間で一つ質問をされたいと思います。二時四十分に御退席になる予定ですから。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) ただいま海上保安庁長官を呼んでおりますので、詳細のことは保安庁長官から御説明さしたいと思うのでございまするが、ただいま御指摘のように、李ラインの周辺におきましていろいろの問題を惹起しておりますることはまことに遺憾でございまして、問題が起こりますたびに外務当局とも運輸当局は連絡をとりまして、韓国に抗議を申し込んでかかることの起こらないように気をつけておるのでございます。  一方におきましては巡視船は十分とは申せませんけれども、ただいまあの方に配置いたしておりまする巡視船をもちまして、できるだけ漁船の保護をいたし、いろいろ御心配になるようなことの起こらないように努力をいたしておるのでございますけれども、何せ韓国側の方が国際法を守らない態度に出ることが多いのでございまして、新聞などで御心配を招くようなことの事態を発生せしめておりますことは、当局としては非常に遺憾に存じ、現在ありまする巡視船をもちましてかかることのないようによく注意をいたし、事件が起こりますれば、外務省を通じて円満な解決をいたしますように、従来通り今後も努力をいたしたいと考える次第でございまして、詳細のことは今、海上保安庁の長官から御説明させます。

鳥畠徳次郎自由民主党

○鳥畠徳次郎君 それでは時間がないようですから、簡単にお尋ねをいたします。  災害の対策につきまして一言大臣のお答えを願いたいと思います。災害は御承知の通り忘れたころにくるというのが災害の特性であることは一応考えられるのでありますが、本年の特に雪害、豪雪といいますか、この災害も大きな一つの災害でありましたが、これからちょうど雪どけの時代、あるいはまたその他の台風というようなものも——天災はもう毎年々々相当の予備費を計上しておってもほとんどそれが出払うくらいの災害が繰り返されているようであります。  そこでこの災害を何とか防止しなければならないというようなことについては一応いろいろ考えられておりましょうが、聞くところによりますと、一番その災害の関係の多いのが何といっても国鉄ということになっているようでありますが、国鉄が災害が起きた場合に、災害対策本部というものを直ちに作って——災害を最低に押えるというために機関を作ったということは・過去われわれもよく存じているわけでございますが、私はさらにこれは平素すでに国鉄なりあるいは運輸省に災害対策本部というものを作って、そうしていろいろそれに必要なメンバーを網羅する、またそれから地方々々のいわゆる管理局といいますか、その方にもいわゆる支部といいますか、何か細胞的な対策組織を平素持っていると、そうして木部からそれらの支部に対策を指示、連絡するということになると、一たん事があった場合に、直ちにこれに対して立ち上がることができると思います。で、これについて、いろいろ恒久的な施策、対策を、対策本部が考究していくというようなことが最も望ましいと思うのでありますが、どうもこれまでは国をあげてどろなわ式で、災害が起こってから、やいやい騒いでいるのが現実であると思います。で大臣は、国鉄が最も大きな災害に関係があるようでありますから、平素これらの対策本部といいますか、法文化した一つの機関を作って、そうしてそういうところに人を網羅して、平素恒久的な施策を考えるというお考えがあるかないかということをお尋ねいたします。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) 災害のことにつきましては——運輸省といたしましては、まず台風の襲来等につきましては、御承知の通り気象庁がこれが予報等にあたっているのでありまして、本年度の予算におきましても重要なところに台風のレーダーを設置いたしましたり、あるいはまた災害気象官というものを各地に配置いたしまして、この台風の予報等を——地方の公共団体の消防組、その他の災害を防止する役所と連絡を緊密にとるように、災害気象官というものの配置をいたしているのでございます。また伊勢湾台風のごとき高潮が参りまして、被害を及ぼすことの再び起こりますことを防ぎますために、あの方におきましては、本年度から高潮対策としてすでに堤防などを作ることに努力いたしておりますわけでございます。国鉄の昨年の暮からことしの春へかけましての豪雪による被害というものにつきましては、まことに御迷惑をかけたことを遺憾といたすのでございまするが、御承知の通り近年いわゆる暖冬異変というようなことがございまして、割合に豪雪というものに見舞われることが少なくなったことが、あるいは気をゆるめさした一つの面かもしれませんけれども、豪雪による被害が起こりましたときには、災害本部を至急に作りまして、各方面から除雪の人夫を寄せるとか、あるいは自衛隊に呼びかけまして、これが力を借りるとかいうようなことで、できるだけのことをいたしたのでございます。しかしながら、こういう豪雪に見舞われて、被害を生じまする場所が、もし複線でありましたならば、おそらく豪雪を取り除いたあとの滞貨の輸送などにつきまして、現在皆様方から御指摘を受けるような失態を招くことなく、輸送の円滑を期し得たということは論を待たぬのでございまして、いわゆる雪の地帯に対しましては、今度の五カ年計画によりまして、東北本線あるいは北陸本線、上越線、信越線等の複線を促進をいたしまして、ああいう豪雪の跡始末を複線の力によりまして、一日も早く輸送の円滑を期するように努力をいたすように努めておる次第でございます。  詳細のことにつきましては、国鉄の側から一つ御説明をさせたいと思う次第でございます。

鳥畠徳次郎自由民主党

○鳥畠徳次郎君 もう一つお聞きしたいことがあったのだけれども、大臣がお帰りになったのでまた次回に譲りまして、国鉄側として今運輸大臣の話では、私の質問とはちょっと合わない点もありましたが、私のお尋ねしたのは、平素すでに対策本部なるものを作っておくというお考えがないか、災害の起きたときに対策本部を作るということは、これは当然で、過去そういうことになっておったが、私の申し上げるのは、災害が起きてからどろなわ式の対策本部を作るということは、時間的にもまた総合的に一つの力を結集してこれの解決に当たるということについては、時間的にも相当手おくれするんじゃないか、こういうことを考えるために、そういう意思があるかないかということをお尋ねしたわけなんです。

広瀬真一運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(広瀬真一君) お答え申し上げますが、平素国鉄において、災害の対策を中心に処理する何か組織を作ったらどうかというお尋ねかと存じますが、実は国鉄におきましては、国鉄の性格上、これは災害には非常に弱いものなんです。非常に何といいますか、線路がまんべんなく地形に沿いましてあるということで、国鉄におきましては大体災害に対して、雪害も含めまして、どういう個所が弱いかということは、平素から十分に把握をしておりまして、そういった点につきまして、特に組織を作りませんでも、の中央におきまして、年々たとえば水害に対してはこの辺が弱い、あるいは落石に対してはこういうところが弱い、雪害に対しましては大体こういうところが弱いということを十分把握しておりまして、予算の関係等もありまして、必ずしも十分には参っておりませんが、そういった点を総合的にまた組織的に判断をいたしまして、年々災害対策というものを着々講じつつあるわけであります。特に雪害につきましては、今回の経験にかんがみまして、除雪車のさらに近代的な装備、あるいは流雪溝とか、あるいは防雪林といったことも、従来よりも多額に計上しておりまして、一応全国的に組織的に今後推進をして参る。特に対策本部というものを平素から作りませんでも、主としてそういった点を所管しております部局が中心になりまして、強力に推進して参りますので、今のところ特に組織を設けるということは、さしあたりは必要がないかと存じます。先生のおっしゃるような効果は現在の組織で十分あげ得るというふうに考えております。

鳥畠徳次郎自由民主党

○鳥畠徳次郎君 ただいまの御答弁では私はどうも満足しない点があるわけなんで、そういうような災害の場合、いろいろ技術的にもあるいはまた資材の面、あるいは人間的な協力についても対策を講じられることは、これは当然でもあり、また平素もそういうことをいろいろ計画しておられるとは私は考えておりますが。しかしながら、それは各部とかあるいは各局ということで、てんでんばらばらの計画のもとにそういうことが考えられているのじゃないか、それらを一つに結集した機関を設けて、そうして常に計画を進めていくという必要があるのじゃないか、こういうことをお尋ねしているわけでありますが、どうも今のところではそういう必要がないというようなお話しでありますから、必要がないとすれば、今後災害の起きた場合に、そういうような必要がないと言われる以上は、相当自信のある対策ができているものと私は一応了解しまして、この点については質問を終わります。しかしながら、いつも申し上げることでありますが、災害が起きた後にどうも天災だとか、あるいはまたこういう点に手落ちがあったとか不都合があったということを、死んだ子供の年を数えるような泣き言を言っているというのが、役所のある程度の今日までの実績じゃないか、かように憂えているものであります。これで質問を終わります。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) 速記をやめて。   〔速記中止〕

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) 速記を起こして。

大森創造日本社会党

○大森創造君 本日は建設省の関係で住宅金融公庫の方からお答えをいただくわけでございますが、ますその前に、去る二十四日の当委員会で私の方から要求いたしました那珂湊の射爆場の問題について、政府の統一した御答弁をお願いした。私個人あてには、二十八日に都合があるから延ばすということでありますが、委員長において一つそのことを御確認いただきたいと思います。非常に重大な問題だから、そのことをまず委員長にお尋ねしてから本題に入りたいと思います。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) ただいま御発言の件につきましては、私より防衛庁長官に的確にお話をいたしておきたいと思います。さよう御了承願います。

大森創造日本社会党

○大森創造君 産業労働者住宅資金融通法という法律がございますが、まずお伺いしたいのは、この法律は、いついかなる趣旨で、いかなる目的で施行されましたか。

稗田治建設省住宅局長

○政府委員(稗田治君) お答え申し上げます。産業労働者住宅資金融通法は、昭和二十八年七月に公布になったものでございます。その目的とするところは、第一条にございますように、「健康で文化的な生活を営むに足りる産業労働者住宅を建設しようとする者に対し、産業労働者住宅の建設に必要な資金の一部を長期且つ低利で融通することにより、その建設を促進し、もって産業労働者の福祉の増進と産業の発展に寄与することを目的とする。」というのが第一条にございますが、さような趣旨から公布になりまして、実施になっておるわけでございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 そうすると、この融資を受ける際に、この法律を見ますというと、五人以上の企業団体もしくは使用主に融資をするということになっております。五人ということになるというと、中小企業でなく零細企業であろうと思います。そういう法律の規定がある。住宅金融公庫それから公営住宅のいろいろな貸付の方法があって、当時の住宅不足を解消するためにいろいろな方法がございますが、産業労働者の住宅を建設するのに融資をするという法律でありますから、今、住宅局長御説明のように、まことにけっこうな法律だと私も思います。一体この法律施行にあたって、融資が殺到するだろうと思うのですが、PRの方法をどういうふうにやっておられますか。

鈴木敬一住宅金融公庫総裁

○参考人(鈴木敬一君) お答え申し上げます。実施担当者といたしまして、世間一般に広く理解を求める方法を考えておりますが、さしあたり、平素より労働関係につきまして、労働省の出先官庁として、各府県に労働基準局及び監督署等がございますので、これらから各事業場の規模つまり使用人の人数その他及びこれらの住宅事情の充足程度いかんといったような諸般の事情を調べてもらいまして、その実情のいかん等をしんしゃくして公庫で貸付決定の手順をとっておる次第でございまして、近年はなるべく早く建設を終えまして、地方的の気候、風土等に合うように早く建設を終えて、関係の資金をすみやかに貸し出すというふうなことに努めるために、年度開始前後くらいの時期から、あるいは地方の中小商工業者の団体でありまする商工会議所等に実情の予備調査をいたしてもらいまして、かつは宣伝普及に努めておるというような方法もとっておるような次第でございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 初年度は二十億だと思いましたけれども、この融資の金額は逐年増加をしておると思いますが、今までの合計、どのくらいになりますか。

江ケ崎太郎住宅金融公庫貸付部長

○参考人(江ケ崎太郎君) お答え申し上げます。昭和二十八年度から三十五年度までの全体の事業が二百八十六億でございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 そこで、この法律成立の過程において、参議院の建設委員会で論議がございまして、小笠原二三男委員から、相当突っ込んだこの法律に対する要望がございます。産業労働者住宅資金融通法でございまして、その法律の趣旨からいっても、それから内容を見まするというと、これは償還期限が三十五年ということですから、今どき日本でこういうゆるい条件で、非常な低利でございます。そこで、五人以上の企業ということになりますというと、零細企業から中小企業まで法律の趣旨はそこの論議でもなされておりますが、零細企業、中小企業でも健全に営業をしているが、しかし運転資金に手一ぱいである。住宅を建てるとか福利厚生施設を設けるまでの余裕がないのが一般企業、健全な企業のあり方です。そういうものに一つそういう使用主が、事業体が、政府が融資をすることによって、そのことを呼び水として住宅あるいは厚生施設の方に事業主がお金を出していくということをねらった法律でございまして、だから五人以上の企業というと大企業は当然除外されてしかるべきだと思いますが、そのときの問答にも、大企業の方に集中しませんかという質問に対して、当局側はこう答えております。これはこの法律の第四条に、自己資金でもって住宅を建て得る能力のあるものは除外するのだ、これは該当しないのだという説明をされております。さらに第八条には、申し込みの総額を、これをまた申し込みの件数によって適当に配分するとか、具体的にその融資の方法をきめておりますので御心配要りませんということを御答弁になっております、当時の記録を見ますというと。ところが私が見るところによると、大企業どころか超大企業にのみ——のみとは言いませんが、集中されております。それでよろしゅうございますか。

鈴木敬一住宅金融公庫総裁

○参考人(鈴木敬一君) お説のごとく、常時五人以上の使用人を持っている事業者というように書いてございますが、これはむしろ四人以内の——仰せのような零細企業は、生産設備の拡充改善の方に自然主力が集中いたしますので、さしあたり非生産的でありまする住宅に向かいましてはなかなか金繰りが困難であろうというような意味で、零細企業を除外するような意味合いの規定であると心得ております。そういう趣旨からいいますと、立法当時御論議があったというお説でございまするが、なるほど大企業は比較的——それよりも中小企業になるべく主力を注いで、労働者の住宅建設を多く実現させるようにという御趣意であったと想像いたします。さように心得て運用はいたしておるんでありまするが、お説のように、小さい企業の事業者からは比較的申し込みが少ないのでございます。その実情は、仰せのような生産設備の拡充改良が先であって、住宅の建設供給が比較的あとになりがちであるというような実情からして、さように相なっておるかと思いますが、過去の実例から申しまして、中小企業が割合に申し出が少ないのが実情でございます。これを大中小を一括して審査いたします場合において、実数がさような態勢でございますものですから、その企業の確実さ、償還能力の多少というようなところに審査がどうしても集中しがちでございまして、中小企業を逸しないようにとは心がけておりまするけれども、現実の結果として零細企業はもとより、中小企業よりも大企業が比較的結果として多数になるというような状況であったことは事実でございます。数年前から私どもの実施の状況から考えまして、でき得るだけ中小企業が自己資金獲得が困難であろうというところに想像が参りますので、なるべくたくさん貸し付けてあげる。従って自己資金が少なくても、公庫の住宅資金を借りて比較的労働者の住宅供給が多いということに、中小企業の方々も実施できるようにあればということを希望いたしまして、貸付の条件を中小企業者に向かっては少し緩和してはどうかという希望を持ったこともございまするが、最近まで実現しないのはきわめて遺憾であると考えております。ただし今回は、今年度からいわゆる中小企業には今まで同様の利息、貸付割合等で、据置をいたしまして、比較的有利な条件ということに相なりまして、その他のつまり比較的大企業の向きに対しましては、利息、貸付割合等が、利息がふえ、貸付割合が減るといったような結果に今回は立案されまして、比較的中小企業によい貸付条件で貸し付けてあげるというようなことに、三十六年度から改まっておる次第でございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 どうも黙って聞いているというと、権威のある印刷物を読んでいるように、もっともらしく聞こえますが、私はそういうお話ではこんりんざい納得しない。第一法律の趣旨からいって、たとえば八幡製鉄などは該当すると思うか。

鈴木敬一住宅金融公庫総裁

○参考人(鈴木敬一君) お答え申し上げます。八幡製鉄所の類は、なるほど大企業に相違ないと存じます。ただやはり企業の大小にかかわらず、押しなべて生産設備の拡充、改良が金繰りの上から比較的しやすく、また必要性が多い。事業主といたしましてはそういうことに相ならざるを得ない実情であると思います。その意味で大企業といえども、やはり申せば労働者住宅を建設してこれを供給するということの関係の資金の方が比較的困難であり、思いながら十分にできないというのが大中小通じての実情であろうと存じます。八幡製鉄もまたしかりと、まあ概括的、大体に申し上げますと、それだということにお答え申し上げます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 どうしてそれほど見えすいた、私に言わせればいいかげんな御答弁をなさるのですか。私もこの問題を提起するからには、少し心得があるつもりです。この法の趣旨から、何回も参議院の建設委員会で、われわれ同僚議員から念を押されている。どなただったか、先ほどの御答弁で、五人以上のものはむしろ四人以内にどうのこうのという話がありました。あそこの項の説明はわからない。産業労働者住宅資金融通法という名前の趣旨から言っても、五人以上の企業に融資をすると、しかも衆議院かで訂正をされて、十八年の年賦が三十五年になった。しかもおそろしく低利だ。もらったようなものだ。今どきこんな有利な条件はない。そこで大企業に集中しやしないか、法の趣旨とは違う方向にどんどん使われやしまいかという意味の、まことにもっともな質問が法案成立の過程においてなされておる。そのときあなた方の答弁は、当時の責任者でございますが、そういうことはないのだ、第四条にはっきり書いてある。自己資金でもって建設できる能力のある者は除外すると書いてある。今のお話何ですか。八幡製鉄、それはお話のように、所得倍増計画によって、どんどん勢いづいて設備投資をいたします。これはどんどんもらった方が得ですよ。金はなんぼでもじゃまになりませんから。ただ、どういう大企業でも中小企業でも、設備投資というか、ほうっておきまするというと、この法律の趣旨のねらいがそこにありますように、産業労働者の住宅を作ろうとか、あるいは福利厚生をやろうという余裕がなくなることは中小企業一般、大企業だってそうですよ。たとえば年間一千億円もうけようとも、そういう余裕がないということにして金を借りたい、しかしそうなったならば、私はこっけいだと思う。そこで、この八幡製鉄株式会社が五人以上の企業として、住宅やその他のものを自己資金で建てられる能力がないと思いますか。株式だって上場株になっておる。日本で一番大きい会社です。八幡製鉄株式会社、日本鋼管株式会社、住友金属工業株式会社、三菱鋼材株式会社、東都製鋼株式会社、三井鉱山株式会社、日本電気株式会社、月本油脂株式会社、日本火薬株式会社、日本通運株式会社、財団法人日本労働研究所、一体こういうのは法律違反ではございませんか。

稗田治建設省住宅局長

○政府委員(稗田治君) お答えを申し上げます。お尋ねのごとく第四条に書いてありますのは「この法律による資金の融通は、一事業者に使用されている産業労働者の住宅不足が甚しい場合において、当該産業労働者のために産業労働者住宅を建設しようとする者で、住宅の建設に必要な資金の全額を調達することが困難であるものに対し、その住宅の建設資金の不足額を補足するためのものとして行わなければならない。」、こう書いてあるわけでございます。この第四条に違背するかどうかという問題でございますが、この第一条に全般の法律を貫いておる精神が書いてあるわけでございます。従いまして、第一条の精神で第四条の「必要な資金の全額を調達することが困難」かどうかというような判断をするわけでございます。もちろん中小企業の申し込みが多いにもかかわらず、それを断わって大企業の方に集中するということは、この法律の精神ではないと思います。しかしながら、公平に扱うという立場から、産業の発達あるいは産業労働者の福祉のために一部の資金を融通いたしまして、労働者の住宅事情を向上させるということは、日本の産業の進展上やはり必要ではないか、かように考えておるわけでございます。従いまして、今後中小企業の関係の申し込みもだんだんとふえて参っておりまするが、今後の方向といたしましては、中小企業の方により重点を置いて運営をいたしていくつもりでございますが、この四条に過去の実績が違背しておるかどうかということになりますると、必ずしも違背していないというように考えておるわけでございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 委員部の方、一つ当時の速記録を持ってきていただきたい。  それから当局の答弁を聞いてみまするというと、これは法の趣旨を、法の運用者をまるっきりはき価揮えている。非常に胸の中がおもはゆいと思います、そういう御答弁をされたんでは。第四条の趣旨は、第一条の趣旨を含んで、考えてやられてきておる、これははっきりしておる。道路交通取締法みたいなもののように、そういうように科料とか罰金とかを取ろうというものではございません。この法案の趣旨からいっても、完全に違反というか、好ましくない。なぜこういうことをやったのだかわけがわからぬ。そうして国会が私が御質問申し上げるというと、今のような、どなたの答弁もこれで差しつかえないような御答弁をされておる。これはとんでもないことだと私は思う。そういう答えならば、私の方の党としても、これは新たにこの問題を一つ研究して、あなたがおっしゃるように民間の意見を聴取してはっきりやってみましょう。八幡製鉄が五人以上の企業でもって、自己資金でもって住宅や福利厚生施設に手が回らないものに該当するか。今話が一貫しないことは、先ほどの御説明でも、今の住宅局長の御説明でも——最近、ことしあたりから中小企業というか、そういう方面にも融資の条件をよくして金を回すのだというようなお話があった。これはどこからかの圧力があって、今までのやり方では、とうていこれはもうこの法律の施行は困難であるという事情があったから、方向転換をことしあたりおざなりにしたのだろうと思う、私の想像では。こういう一連の、大会社どころか、超大企業に金を集中するといういき方は、これは法の趣旨を全く冒涜しておると思う。逆に聞きますが、五人以上ですから、一つ十五人以下の企業でもって茨城県に、これは急にはその資料も集められませんでしょうが、私は茨城県ですから、茨城で十五人以下の企業に貸した事例を一つあとから示していただきたいと思う。それから一番近い昭和三十五年度に、まず十人とか、あるいは八人とかいう企業にお貸した事例があるか、これをあとで資料を要求いたします。それから先ほどのお話に、償還能力云々ということがありましたが、この法の趣旨は、八幡製鉄や、こういう住友だの日本鋼管なんというのは、これは十分住宅を建設する余裕があります。ないとは言わしやしませんよ。設備投資もじゃんじゃんやっている、自民党に献金がどんどんなされている、八幡製鉄なんか。そこで、これは企業家意識としては——とうしても法律があって、これは気やすく政府の方で融資をしている、ただみたいなものだ、自分の財産にした方がいいというならば申し込みますよ。該当するでしょう、五人以上に違いないのだから、八幡製鉄は何万人かありますから。また労働基準法にも該当するでしょう。しかし法の趣旨は、どこまでも五人以上で健全な企業——いなかから集団就職といったって中小企業は人を採用できない。中学校の新規卒業者は大企業の方に流れていくのはどういうことかというと、住宅の施設がないから、福利厚生の施設がないから、大企業に比べて。そこで健全なる企業ではあるが、健全ではあるが、目前の事業の方に、運転資金の方に八〇%、九〇%、一〇〇%お金を使っておりますから、寄宿舎とか、そういうものにお金が回らない。それで償還能力がないかというとりっぱにあるのだ、そういう企業は。償還能力がないとは言わせない。確かにこの法律に書いてあるように、五人、八人、十五人、二十人、そういう企業で、りっぱに、確実に、がっちりやっておるけれども、さて寄宿舎というものにはお金が回らない。そこで政府の方は、産業労働者住宅資金融通法というありがたい法律を作ってくれた。これはわれわれのところが当然該当するはずだと思っておったところが、いつまでもこないはずですよ、超大企業にのみ集中されている。これは今申し上げましたように、一つ、五人とか八人とか、十五人以下のところの、昭和三十五年にどういう方面に貸したか。この実績をあとからお示し願いたい。たとえばわかりやすいように茨城県に貸し出した金額はどのくらい、何件ぐらいになるか、これを一つお聞きしたい。  そこで、ことしか去年か、おそらくことしからでしょう、業界の要望が強いのです。今は健全な企業でもって、神田の製本屋だとか、あれやらこれやらございますから、そういうところで共同で一つ出資をして、資金申し込みしようというのが殺到している。ところが全部これは門前払いで、これは該当しないということになる。あるいは返還能力があって、健全な企業で、この資金があったならばどんどん住宅が建てられるというふうな企業がオミットされていて、こんな大会社に集中されている。皮肉なことに、これは大会社はなれっこになっていて、またことしももらえるものだと思っている。たとえば、お伺いいたしますが、八幡製鉄、日本鋼管、住友金属、この会社には昭和二十八年から幾らの金が流れましたか。これを一つお伺いいたします。この三つの会社。一つでもよろしい。

江ケ崎太郎住宅金融公庫貸付部長

○参考人(江ケ崎太郎君) 二十八年度からの貸付の状況につきましては、詳細資料を持っておりませんが、三十三年度、三十四年度、三十五年度の状況について簡単に申し上げますが、三百人以下、これをまあ中小企業ということに考えまして、三十三年度におきまして、申し込み三百四十七件に対しまして百二十七件、すなわち四〇・七%の状況でお貸ししております。もちろん住宅の戸数におきましては、常用しておる労務者の数が少のうございますから、従って、住宅の戸数としては比率が落ちておりますけれども、件数といたしましては、三十二年度、今申し上げましたように申し込みに対して四〇・七%、それから三十四年度が四〇・二%、三十五年度が三八・八%と、大体まあ四〇%程度を中小企業の方へ件数としてはお貸ししております。それから住宅の戸数の方におきましては、今申し上げましたように、常用いたしておりますところの、常時使用しておりますところの労働者の数が少のうございますから、従って住宅の戸数としては少のうございますが、三百人以下におきまして、大体三十三年度が二八・五%、三十四年度が一六・七%、それから三十五年度が二八・五%と、こういちようになりまして、件数の部面においては大体六対四ということで、中小企業について特に貸さないというようなことにはなっていないのじゃないかと思います。  それから先ほど御質問がありました五人以上のところでございますが、これは三十五年度で申し上げますと、五人以上三百人以下につきまして、五人から五十人、五十一人から百人。百一人から百五十人、百五十一人から二百人、二百一人から二百五十人、二百五十一人から三百人というように一応調べております。それらの三十五年の状況について申し上げますと、どういうことになっておりますかと申しますと、五人から五十人までが、二十九件の二百九十一・五戸認めております。それから五十一人から百人までが、四十九件で五百八十九・五戸、百一人から百五十人までは、四十七件の七百十九戸、百五十一人から二百人までが、二十二件の二百八十七戸、二百一人から二百五十人までは、三十一件の四百八十四戸、二百五十一人から三百人は、十八件の二百七十・五戸と、要するにこれらの合計、三百人以下は百九十六件の二千六百四十一戸と、こういうものを認めておるのでございます。  それから資料として要求されました第一点の、十五人以下の茨城県下の貸付は何件で何戸かという問題と、それから全国はどうなっておるか。これは五十人以下の問題については私のところでまだ手元に資料を持っておりませんので、詳細調査いたします。

大森創造日本社会党

○大森創造君 それからお伺いしたいのは、そのPRの方法ですね。これは私の調べた限りでは、一部の大企業の方がわかるように日経連の新聞なんか出ているようでございますが、この法律のねらっているような適正な償還能力があって、しかも、住宅を建てたいという、この該当者の方が、このことをわからない。どんどん申し込みがあった場合は、それを審査する機関があって、審査すればいいのですから、そういうところ審査が煩瑣であっても、そのことを怠ってはいげないと思います。そこでですね。ちょっと参考までに当時の問答を読んでみますが、小笠原二三男君がこう言っております。「それで五人以上の……」、これははっきり今の答弁なんかとは違う趣旨が問答されている。「一般の住宅金融公庫のようにその申込が多ければ抽をするとか、同じ抽籖でも第一回、第二回には当らなかった者を優先的に抽蔵するとかいうふうに、大体偏在しないで行き亙るような方法を主体的に考えて行くようなことなら納得行きますが、あなたもおっしゃるように申込はあった、そして何千万或いは数億の会社、そういう者も申込んで行く、そうでない者も申込んでおる、そうして実際は申込は余計になった、こういうときにはくじ引きというほどもないでしょうし、それは公庫のほうで適宜に扱うだろうというだけでは、その基準がわからんのでは、これはいろいろ問題が起るのじゃないか、即ちそういう場合に有力なる政界の方々等がその会社に特定な繋り等があれば、その方向から特定にそこへ金を出させるというようなことがあり勝ちなことになるのじゃないか、そういうような点を規制するようなことがこの法案ではないのかどらか、こういう点をお伺いしたい。而も私としては、却って会社等でいうならば、資本金等の額等によって、或る限度以上の者にはこういう少い金だから……」。よろしゅうございますか。よく聞いておいて下さい。「ある種の制限を加えて、そうして業際上自力を以てやって行けない、資金調達の困難な者を何かの基準で順位を客観的につけておいて融資するというような方法もとらなければならんじゃないか、そういうふうなことを常識的に考えるわけなんです。そういうような具体的な基準というようなものが公庫の中なら中の内規として何でも細かくできるものかどらか、行き当りばったり公庫の理事者等においてまあこれはいいだろう、これはいけないというふうにチェックして行くのか、こういう点をお伺いしたい。」こういう御質問がなされております。それに対して政府委員の南好雄君が「お答え申し上げます。御質問の御趣旨は法案の第四条に……」、よろしゅうございますか、こういう答弁をされている、大企業の方に流れてしまうのじゃないかという念を押した質問に対して、あなた方の先輩の答弁はこう言っておる。「法案の第四条に「この法律による資金の融通け、一事業者に使用されている産業労働者の住宅不足が甚しい場合において、当該産業労働者のために産業労働者住宅を建設しようとする者で、住宅の建設に必要な資金の全額を調達することが困難であるものに対し……。」こうなっております。その住宅建設資金の不足額を補足するものとして行わなければならないと……」、はっきりこの四条は、「四条の趣旨が、今御質問になりましたように自己資金で十分に建て得るようなそういうような大きなものの住宅資金は賄ってはならないというふうに私たち解釈しております。従ってそういうものはもう当然この貸付けの対象にならないわけであります。」、これは当局の説明ですよ。「で、自分の金ではどうしても建たん連中で、それで一半分はこの金を貸してやろうというのでありますから、そこで大きな一つの制限が出て参ります。なお、そういう業者の貸付けをどういう基準でやって行くかと申しますことにつきましては、一応の基準なんかは公庫においてきめますけれども、住宅審議会に部会を設けまして、そうして実際の貸付けの状態が本当に公平に行っているかどうかとい、うことも監督させるように考えております。なお詳しい一応のどういう基準で貸付けて行くかは局長が考えているようでありまするからお答えいたさせます。」、こういう問等がなされておるのですが、今までのあなた方の私に対する答弁の趣旨と全然食い違いはございませんか、趣旨において。もち一回御答弁を願います。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) ちょっと答弁をお待ちを願いたいと思います。  大森先生に申し上げますが、実は先刻建設大臣秘書官から、建設大臣は三時半ごろにほかへ出向かなければならぬというような用件があるのですがということを私に伝えておったのを、私失念をいたしておりまして、大臣がお見えになったときにすぐそれを申し上げればよかったのですけれども、ただいま大臣からその点をまた念を押されまして実はびっくりいたしたのでございますが、従いまして、大臣に対する御質問がおありでございましたら今これか——ただいまの答弁はしばらく保留いたしまして、大臣に対する質疑がございましたら御発言を願いたいと思います。

大森創造日本社会党

○大森創造君 まあ、ここが根本でございますので、大臣いかがお考えになりますか、これは政府委員の南さんの御答弁でございます。で、あなたの部下の方々が、今私の質問に対して御答弁なされた内容は、お聞きの通りでございます。あなたの感想を一つ、時間がないようでございますからちょっぴりお漏らし願います。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 第四条の趣旨についての御指摘の点につきましては、今後われわれとしましては十分善処いたしまするように研究をしていきたいと思います。ただ、確かに大企業にも相当に融資されておるよちでございまして、これはまあ日本の住宅事情というものが、大企業、中小企業にかかわらず、おしなべて非常に逼迫した状態にありましたので、すみやかにその状況を改善をしたいということが、この産労住宅融資に関する法律だと私は思っております。かようなわけで、まあ大企業にいたしましても、先ほど総裁がお答えになりましたように、住宅建設の資金というものは、必ずしも、事業全体からいえば資金量はありましても、資金というものは乏しい。また、すべての企業がほとんど金融機関、銀行等から融資を受けて事業運営をやり、あるいは設備改良をやり、あるいは従業員の住宅の建設をやると、こういうことに相なりますので、設備資金等の場合は全額融資を受けることも可能でありましても、住宅資金となりますと金融機関としてはなかなか、もちろん全額は融資をしてくれない。そのうちの三分の一とか、あるいは半額ということに相なりますので、そこで、まあ結果的には大企業といえども住宅資金には行き詰まり、その行き詰まった分を補給して住宅事情の改善をしたいというようなことから、第四条の明記されているその規定を侵す意思はありませんでも、まあ運用としてそういうふうに進行して参っておるのだと私は思うのであります。しかしながら、これらの点につきましては、だんだん住宅事情もよくなって参りましたし、また、各企業と毛自己資金等の状況も以前とは逐次変わってきておりますから、これらの点につきましては十分検討いたしたいと思います。ただ三十六年度といたしましては、私どもの考えとしまして、若干その考え方の、御指摘のような点について考え方の相違といいますか、ニュアンスを織り込む必要があるというような気持から、融資の金利等につきましても、中小企業は従来の六分五厘で据え置きでございますが、大企業の分につきましては七分に金利の引き上げをいたしました。これについては、先般来ほかの委員会等で、やはり大企業の労働組合出身の議員の方々などから、大企業といえども、企業主体は大きくても、入る人間は労働者なんだ、なぜ差をつけるかという御議論をいただいたのでありますが、若干そういうニュアンスが入ったのが今度の金利の格差ができたわけでございします。  なお、大企業の方面の方がもちろん建設意欲が盛んでございますから、その方へ引かれやすい傾向にございますので、三十六年度の産労住宅資金としましては大体五十二億ばかりを予定いたしておりますが、そのうち大体建設戸数等も大企業向けをどのくらい、中小企業向けをどのくらいというふうに区別をいたしまして、まあ金利の格差ができた関係毛あります。金利の格差から算定をして、資金量をきめて参りますのには、量の算定をしなければなりませんので、かように大企業向け、中小企業向けの分量等を実はきめまして、大体この線でいこうということにいたしておるような次第でございます。  なお、先ほど御指摘がございまして、確かに四人以下の場合であっても、連合して借りたいという希望者に対してはできないのかという御趣旨もあったようでございますが、これらの点につきましても今後の研究に待ちたいと思います。ただ住宅金融公庫といたしましては、やはり融通を受けた資金を融通するわけでございまして、その資金はもちろん償還を公庫としてもしなければなりません。従って、回収ということが——貸し付けして、そして住宅の事情を改善するということに貢献しなければならぬと同時に、資金は結果的には回収をしなければならぬという責任を負った機関でございますから、まあその点は十分、抽せん等の方法によれば公正で確かにいいと思うのでありますが、単に抽せんということになりますと、申込者の中で抽せんというようなことになりますと、そういうような点の配慮ができないことになるわけでございますから、まあこの点も、抽せんも理想ではございますが、資金の回収という面からいえば、ある程度申込者の中で選別をするということもやむを得ない。ただ問題は、その選別が不公平であってはならない、この点は厳正に運用いたしまするように、私どもも監督上今後十分万遺憾なきを期して参りたい、かように考えておるような次第でございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 建設大臣からの御答弁でございますが、ことしからですか、貸付の利子について大企業と差をつけたのは。

稗田治建設省住宅局長

○政府委員(稗田治君) 実施となりまして法律改正をいたしましたのは三十六年度からでございます。ただ、住宅局におきましては、従来から中小企業の方にどうしたらもっと申込者が多く出てくるかということで、いろいろ検討して参りまして、二、三年前からその融資の条件を中小企業の方に厚くするように、そういうことで予算要求はして参ったわけでございます。ただ、本年から大企業の方の融資の割合、金利等が平衡になることが実現を見たわけでございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 この先ほど私が読みました小笠原委員の質問に対する当局側の答弁、これとただいま建設大臣以下の御答弁は、どうしても趣旨が違います。私の読んだ限りでは、どっちが正しいかと言えば、法律を改正しない現在では、この当時の昭和二十八年の参議院の建設委員会の南さんの答弁の方がそのものずばりだろうと思います。というのは、当時は法案を純粋に審議しているという立場——今から一つ情熱を持って産業労働者に住宅資金を融資してやろう。五人以上の零細な企業に対しても、堅実なもので償還能力のある者を審査をして——若干めんどうでしょう。償還能力やその他の問題については、しかしそれを調査して、それが審査ですから、ここに一つ融資をしてやろう、こういう返済能力を考えてみた場合には、申し込みは殺到しても、そしてその事務を怠らなかったならば、当然私はこれは無数には出てこない。初年度二十億、ととし三十何億という金は、これは有効に、法の趣旨のあるところに生かされて使われるだろうと思う。だけれども、あれから五年、六年、八年たちまするというと、あなた方の実績がある。これはよろしゅうございますか、これは実績がある。その実績の上に立った中村建設大臣、今までこれはこの法案の趣旨から言ったって、法制局に聞いてみてごらんなさい、ただいままでのような御答弁が通用するはずがない。超大企業になっている。今どきあすこへ入っておるのは、やはり産業労働者に違いないから、あすこへ融資することも差しつかえないとか、あるいはそういう超大企業で幾ら利潤をあげていても、住宅資金なんというものへはなかなか回らないのだということは、これはへ理屈、法の趣旨から言って。そういう方面に金を流すならば、別の法律を作ったらいい。そういうふうにまことに手前勝手な融通性のあるような法律の施行、解釈の上で施行されるということは迷惑だと思う、税金を納める国民の立場から言えば。私はこの問題については譲歩しない。これはしかるべき場所で一つ議論をしてみたい。  それから私の聞いた範囲では、近ごろはキャバレーで申し込みをしている。この産業労働者住宅資金融通をキャバレーで申し込んでいる。あるいはこれは事実あった話だけれども、ゴルフ場のクラブを作るのにこの金を使うという話があったらしい。これはさすがにけったらしい。大企業の方は、こんな有利な条件で長年ずっと借りている。大企業の方は来年度の予算を作るときは、もう当局から千五百万円なりお借りすることにきめてある。そういう書類がずっとできている。もらわなければならぬことになっている。あなた方のこの書類さえさっとパスしてくれれば、この金は無条件でうちの方にくることになっている。自己財産として扱っている。そうしてゴルフなどへ行ったときに、ただみたいな金で有利に貸してもらえる、だからゴルフ場でこれを申し込みしたらどうかということで、関係方面にそういう書類がきておる。それから職業野球のところからきておる。キャバレーからきておる。なめられ切っておる、この融資法は。そこで、どういうことか知らないが、少し去年あたりから戻ろうとしておる。この法の趣旨の方に正賞に立ち返ろうとしておる。これは初めからやるべきなんです。初めからやるべきどころか、この法律の解釈からするというと、大企業、超大企業などは除外してしかるべきです。相当多額の金が中小企業、零細企業の方に、しかも償還力健全で、中小企業でもって、何回も申し上げるようですが、現在はそっちの方の住宅の方に回す金がないが、健全だから返還能力がある。そういう企業を審査して、そっちの方に金を回す、これを今まで五年か八年かやらなかった。これは責任問題ですよ、私から言わせれば。適当な法の便乗的な解釈ということは、私はどうしても受け取れない。この法律を成立させる過程における論議にかんがみて、このときは実績はありませんから、縁故がありませんから、ほかのところと。だから純粋な答弁が当時においてはなされておる。ところがあれから現在までの時間的な経過において見ると、間違ったことをずっと累積しておる。ことしあたりからどういう事情か知らぬけれども、本来の趣旨に戻そうということで急カーブを切ってきた。これはとんでもない、これは罪悪だと思う。そういう法律の解釈で済まされるものならば、これはまかしておけない。あなた方は常識があるならば、この法案の趣旨から言ったって、こういう超大企業の方に回すべきじゃないと思う。この法案の趣旨ですよ。大企業が住宅の方にお金が回らないという事情は、私は言われなくてもわかっておる。だが、この法案の趣旨からいって、そういう方に流すべきではない。このことについてはあくまでも私は固執をいたします。そういう基本的な理念を建設当局並びに住宅金融公庫の方で撤回しない限りはどうもこれは承服できかねる。承服できかねるどころか、そういうふうにお答えになるならば、今までの実績、一体、これは私はまずいことだ、いいことではない。まずいどころか不適当なことだ、非常にまずいことです。完全に方向転換しなければならぬ、こういうことは。  別な角度からお尋ねいたしますが、社団法人産業住宅協会、この理事長を二十八日に呼んでいただきたいと思います。そこで建設省並びに住宅の関係の方にお伺いをいたしますが、産業住宅協会というものは、これはいつできたのか、どういう仕事をされているのか。この法律施行について、一体こういう協会なるものが必要なのか、これを設立した理由、それからこの協会というものは東京にあるのですか、地方はどうなっておるのか、お尋ねいたします。住宅協会の責任者の方に、きょうおいでになっていないと思いますが、次回一つお呼びを願いたいと思います。

稗田治建設省住宅局長

○政府委員(稗田治君) お答え申し上げます。産業労働者住宅協会等の設立の時期等につきましては、ただいま資料を持ち合わせておりませんので、後ほど調査してお答え申し上げますが、似たような形で私記憶しておりますのでは、大阪にもございます。これは各事業会社の従業員を入れるという目的で、産業労働者住宅協会が住宅を建設いたしまして、それぞれ出資に応じて事業会社の従業員を入れるということでやっておるわけでございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 この法律が施行された翌年かそこらに、社団法人産業住宅協会というものができておる。これはこの法律施行のためにはどうしても必要な協会ではない。この内容を見ますというと、非常に排他的にできておる。大体住宅金融公庫では、この発起人の名前が、八幡製鉄や日本鋼管や住友金属という、こういう大企業が名前を連ねておりますが、こういう産業住宅協会に入るというと、この融資を受けるについて特別に扱う事情がおありですか。

鈴木敬一住宅金融公庫総裁

○参考人(鈴木敬一君) お答え申し上げます。ただいまお尋ねの産業住宅協会、及び関西にも類似のものがございますが、これは各企業が、たとえば鉄筋コンクリートの一棟二十四戸あるいは三十二戸等を、一会社の従業員だけで使用する、入居するということよりも、むしろ同程度の各会社、業態を異にするような会社で一棟に入居するという事柄の方が、その環境が変わって、お互いの立場からもよろしかろうというような考え方で、ただいま仰せのような協会ができ上がりましたので、必ずしも大企業ばかりといったような考え方ではないように伺っております。  それで、法文の上から申しますと、第七条第一項の二号に書いてありますのですが、自己負担金をそれぞれの産業会社が、これらの会社、その他の法人、協会に出資いたしまして、公庫から借りた資金と合わせて、一定の規格のアパート等を建設して入居せしむるということで、七条の第二号法人と私ども申しておりますが、そういう類は、その団体として公共性があり、営利的でなければよろしいかと、かような運用のもとに認めている次第でございます。さよう御承知願っておきます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 産業住宅協会の理事長なり責任者、事務のわかった人に二十八日においでいただいてお伺いしますので、そのときまでこっちの方面の質問を留保いたします。しかし、私は、参考までに一つ私の知っている限りをあなた方に申し上げておきます。  これは大企業がずらっと顔を並べていて、今お話しのように出資をして、住宅金融公庫の融資と合わせて、そうして何か社宅を建設するというふうなものではない。この協会の運営資金というものは、一体どこから出るのか、私は非常に疑問に思います。  そこで、これはあとからお伺いいたしますが、一体大企業がこれに入って、しかも排他的なものになっております。この協会そのものは、私の想像するところでは、この点についてはあとから住宅局長にお伺いいたしますが、こういうものに名を連ねているものについて無条件に一応形式的に書類をとって、そうして連続的にずっと融資をしている。そうしてその政府資金というものを亨受している。そのうま味を味わっている。ここにこういうことが書いてあります。「正会員は生産、販売、運送その他の事業を営み常時五人以上の従業員を使用する会社」、こういうことはうたいたくないけれども、法律に書いてありますから、こういうことが書いてある。「常時五人以上を使用する会社で、第七条の手続により理事会の承認を受けるものとする。」、理事会というものがここに出ておる。私の想像では、現在こういう資金にぴったり該当するような健全な企業、こういう組織法人を作られることによって排除される、そういうからくりができている。正会員になれない、排除されておることになっております。そこで、今度は住宅金融公庫の方で融資をする場合には、こういう協会のメンバーに優先的に、文句なしに融資をするようなことが今まで平然と行なわれてきておる。そこで、これはあれだと思うのですが、この産業住宅協会の方に  個々の審査をしないで、こういうものに一括して融資をするという方法をとっているのですか。内部的な事務関係については、こういう住宅協会の方にまかせておいて、一括してこういうものにさっと許可を与えるということにやっているのと違いますか。

鈴木敬一住宅金融公庫総裁

○参考人(鈴木敬一君) さっき申し上げましたように、それらの財団法人等が選考をいたしてもちろん推薦してくるのでありまするが、われわれの方でも、その構成員たる産業会社を一々各般の観点から審査をいたしまして、認める認めないをきめておる次第であります。また、お話でございまするが、これらはせいぜい一年に一棟程度の事業しか行なっておりませんので、これらに加わっておれば、次から次へそれらの加盟産業会社には無条件で貸すといったようなことはいたしておりませんから、さように御承知おきを願っておきます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 千葉委員からの通産省に対する質問が待っておりますので、私は、きょうのところは今から時間をかけたくありません。簡単に今までのことを要約して申し上げます。それから冒頭に申し上げましたように、二十八日に当局の答弁を求めておりますので、それと関連してこの問題を続行したい。  申し上げたいことは、この法律趣旨が、まるきり故意に——偶然でありません。故意にはき違えられておる。超大企業にとれは回すべきじゃない。そのことをあなた方は撤回されません。中村建設大臣は、あとからなられた方でございますので、関係者の今までの実績の上に立って、そうしてその実績をどこまでも正当化する御説明が大臣の方でなされたのだろうと思います。しかし、大臣を含めてのあなた方の答弁については、どうしてもその実績を擁護するような趣旨に受け取れる。しかし、法律のねらうところは、本来の趣旨は、今私が申し上げたように一目瞭然である。これは政治的にできない。立場上できない。若干気がとがめたから、ことしあたりから融資の条件を超大企業から五人以上の零細中小企業の方に扱いを変えた。だけれども、これはそういうことをもって糊塗できる性質のものじゃございません。法律の施行から現在まで、はっきり超大企業というものは、自己資金で住宅なり厚生施設などに金を回す余裕があるものは除外されるということになっておる。当時の問答ではっきりしておる。この法律のあなた方の解釈と私の解釈とどっちが正しいか、次回に議論をしたいと思います。  さらに、産業住宅協会というものがありますが、この方の責任者を参考人として次回にお呼びしたいと思う。二十人目に譲りたいと思いますが、法律の趣旨と違う、そいつを正当化させるべく皆さん方の御答弁がなされておるというふうに私は解釈いたします。通産省の関係がありますので、きょうは私はこれで打ち切りたいと思います。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) 大森君の御発言中、産業住宅協会の方の出席を求められているのでありますが、求めるといたしますれば、参考人としてでなければなりませんので、大森君の御希望に関しましては、委員長、理事打合会に諮って決定をいたしたいと思います。  速記をとめて。   〔速記中止〕

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) 速記を起こして下さい。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 私は通産省関係のうちで繊維製品の輸入について質問をいたします。  貿易の自由化の問題の中で、繊維製品の輸出入は非常に大きな位置を占めると思いますので、伺ってみたいと思いますが、繊維製品と申しましても非常に範囲が広くて、綿製品あるいは合成繊維、毛織物等がございますが、時間の関係上、主として毛織物について伺いたいと思っております。  戦争後初めて毛織物についての貿易を開始した、輸入を始めたそのころの様子と、それから現在の状況とはどのようになっているかということを御説明していただきたいと思いますが、輸入関係と申しましても、御承知のように、イギリス、フランスその他の国があるようでございますので、これまた時間の関係上しぼって、まあ一番大きな比重を占めておりますイギリスから輸入する繊維製品、毛織物について伺いたいと思いますが、説明していただきたいと思います。

今井善衛通商産業省通商局長

○政府委員(今井善衛君) ただいま御質問の毛織物の輸入につきましては、一番初め毛織物が輸入されましたのは、二十八年からでございます。これは御承知のように、日英間には通商協定がございまして、日本から輸出すべきもの、向ころから輸入すべきものにつきまして、いろいろ両国で検討いたしまして、協定が品目別にできておるのでございますが、イギリスは御承知のように毛織物の生産につきまして古くから歴史を有する国でございまして、特に日本に対する輸出について関心を持っておったわけでございまして、かような関係からいたしまして、二十八年の通商協定から毛織物の輸入がこの協定の中に入りまして、わが方で二十八年から毛織物を輸入しておる次第でございまして、当時の実績、二十九年度の実績は五百二十万ドル程度でございましたものが、現在におきましては約八百八十万ドルまでふえております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 初めが五百二十万ドルで、現在が八百八十万ドルである、こういうわけで漸次増加しておる、こういう工合でございますね。増加の仕方は二十八年から今日に至るまで大体平均した増加率でございましょうか。

今井善衛通商産業省通商局長

○政府委員(今井善衛君) お答えいたします。大体平均した増加率でございまして、三十年はほとんど横ばいでございますが、三十一年に七百八十万ドルこれが三十二年、三十三年、三十四年と続きまして、三十五年から八百八十万ドル、こういうことになっております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 この輸入について今後の展望と申しますか、見通しを伺いたいと思います。

今井善衛通商産業省通商局長

○政府委員(今井善衛君) 八百八十万ドルと申しますのは、ポンドに直しますと、約三百万ポンドでございまして、三十五年度の日英協定につきましては、大体その程度の金額を計上されているのでございますが、イギリスは、わが方の輸入をもっとふやしてほしいということを常に要求している次第でございます。他方わが国の実情から申しますと、毛織物の産業につきましては、まだほかの繊維産業に比べまして多少おくれている面がございますので、従いまして、ワクをふやしますと、そのまま需要となりまして、輸入となって現われるというふうな状態でございます。わが方といたしましても、漸次輸入のワクというものは拡大していかなければならないと思います。またいずれはこの貿易自由化の線に沿いまして、まだ時期は未確定でございますが、自由化しなければならない、かように考えている次第でございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 ちょうど私はイギリスにおりまして、繊維工場を主として労働関係で見て回りましたわけですが、このときに、日本と貿易を始めると、やはり一番心配なことは、かつてありましたように、デザインの盗用とか、日本もなぞらって国内で生産するとか、それからワクの割当についてほんとうに公平な割当がされるであろうか、そういうふうなことを非常に心配されておったわけです。御案内のように、戦前には毛織物といえばイギリスと、こういうふうに感じておったものですから、特に私ども婦人でございますから、大きな関心を持って見てきたわけです。  そこでお伺いしたいのは、輸入についてのポンド、今ドルと申しますか、ポンドの割当ですね、その方法とか、標準とかになるようなものは、どこを目当てにしておきめになったんでしょうか。

今井善衛通商産業省通商局長

○政府委員(今井善衛君) 毛織物の輸入方式でございますが、これは現在におきましては実績割当でやっておるのでございますが、先ほど申しましたように、二十八年当時輸入を開始いたしました際には、毛織物の輸入の実績というものはないわけでございまして、当初一年間は、毛織物の輸出実績を持っておる人に輸入の割当をしたのでございまして、二年目から大体におきましてその実績を尊重して割り当てて参ったのでございます。この実績通りにやります場合と、それからたとえば金額が多少ふえました場合におきましては、そのふえた分につきましては、輸入実績があるものについて今までの輸入実績と、その均等割の実績をプラスして割当しておるのであります。かような状態でございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 二十八年に始めましたときに輸出の実績と、こういうわけでございますね。そうするとそれがずっと今日までその実績が続いているわけですか。たとえば一番初めワクの割当を実績によって申請しますね、その後たとえばAならAが申請している。これはずっとその後実際的に実績がなくても続いて割り当てているのでしょうか。

今井善衛通商産業省通商局長

○政府委員(今井善衛君) 少し技術的になりまして恐縮でございますが、二十八年の最初の割当のときは、輸出実績によって割当いたしました。そして次の年からそれを輸入実績に直しまして割当したのでございますが、約四年ばかりの間は権利の譲渡と申しますか、割当実績の転売というものを認めておったわけでございます。それによりまして、実績のある人でもほかから権利を買いまして、その結果次に割当を受ける場合には、必ずしも前の実績通りじゃなくて、そういうふうな状態で割当をしておったわけでございます。最近三年間におきましては、そういう権利の譲渡を禁じまして、実績通りに割当をいたしておる次第でございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 それと反対のことはございませんか。たとえば初め実績があるといって申請して外貨の割当をもらった。その後実績がなくなっても、名目上書類をそろえて申請すればワクの割当がある、こういう例はございませんでしょうか。

今井善衛通商産業省通商局長

○政府委員(今井善衛君) 先ほど申しましたように最近三年間におきましては、権利の譲渡を禁じておりますので、従いまして、他人に実績を売りまして、実績がなくなったというケースがあれば、これは問題なのでございますけれども、私どもいろいろ調べておるのでございますが、私どもの現われた表面上の現象といたしましては、前期に割当を受けましたものが、やはりその人の名前で輸入をしておる。従いまして、次の期においてやはり割当をしておるというような状態でございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 その割当についての申請書類でございますね。それは書類審査だけで通産省が割り当てている、こういうことでございますか。

今井善衛通商産業省通商局長

○政府委員(今井善衛君) その通りでございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 重ねてお尋ねいたしますけれども、そうしますというと、実際に実績がなくて、書類の上には名義がちゃんと一貫して、関税についても、申請についてもその他についても出ている。もしそうでない実際がございましたときには、何らかの査察制度とか、あるいはそういうものを調べる機構とか、そういうものはございませんでしょうか。つまり書類によって審査して、ワクを割り当てっぱなし、こういうことでございますか。

今井善衛通商産業省通商局長

○政府委員(今井善衛君) この権利の譲渡を禁じておる建前になっておりますので、実際銀行に行きまして輸入承認書をとるわけでございますが、その場合に、やはり割当を受けた人の名義でもって輸入承認をとり、通関します場合におきましても、その割当を受けました人の名前で通関しておりますので、従いまして、実態がなかなかつかめないわけでございまして、私ども割当を受けた人が輸入をしているというふうに見るより現在仕方がない状態になっておりますが、もしさような状態がございますれば、われわれとして十分検討いたしまして、善処したいと思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 やはり占領が解けまして直後でございますので、経済界でも非常に混乱があったし、個人の実績といいましても、はっきり言えばその場当たりの実績を持ったものもございましたが、それがその後踏襲されてきて、やはり経済界も相当整備されてきますというと、問題を含んだところがかなりあるのじむ、ないかと思いますけれども、端的に申し上げますれば、たとえば千葉なら千葉が書類をそちらに出して申請して、そうして私が外貨の割当をもらった、それを実際自分が輸入して、そうしてラシャ商とか、そういうところに売り渡すということですね。普通は割当をもらった者が自分で買って、それを洋服屋さんに売ったり個人に売ったりする、これが建前でしょう。そうしますと、たとえば千葉なら千葉が千ポンドなら千ポンドのワクをもらった。しかし自分のところでは何もないのですよ、実績というものは。実績といっても何も自分はやっていないで、ワクだけ割り当ててもらった。その割当をよそへ売るわけです。そうするとこれを大へんな高いお金で買うわけです。けれども、内々で売っておりますから、実際に申請する場合には千葉なら千葉の名義でやっている。こういうことを私はイギリスで方々で見てきて心配された点があったものですから、地方に行ったときに伺ったわけです。先般大阪に行ったときにちょっと聞いたのですが、それがかなり多いのじゃないか、ちょうど、おりもおり、大阪の新聞に出たのですが、これは繊維ではございませんけれども、大阪通産局の外貨割当についての汚職事件というのがございました。特別に外貨を割り当てるための便宜をはかったということで通産局の汚職事件になるわけです。これに関連いたしまして、表面には出ませんけれども、そういうことはかなりあるのじゃないか。各省の中で一番ゴルフがお上手なのはどこかと言ったら、通産省だということですが、これはほんとうでございますか。(笑声)もし間違っておりましたならば幸いですが、まあこれは余談でございますが、そういうことがあったところにこれが出たのです。私はあまり人を疑うことを知りませんから、ははあ、そうかなと思ったのですが、そういうくらいで、外貨の割当についてはこれは相当に慎重にしなければならないと思います。  具体的にお伺いしますが、イギリスから毛織物を輸入する、その場合にイギリスから出す原価ですね、イギリスでこれだけかかったという原価計算をしてそれで値段をきめる、それで一ヤール五十円なら五十円というふうにきめますね。そうしてイギリスの手を離れて業者の手を通って私が買って着る。私の買う値段は大体どのくらいが普通なんでしょうか、通産省の見込みでは。五十円でイギリスから出たものが、私が買って着る場合には幾らで買うのが普通でしょうか。

今井善衛通商産業省通商局長

○政府委員(今井善衛君) イギリスの毛織物の購入値段を一といたしますと、百貨店なり小売店で現在売られておりますものは約三倍でございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 大体三倍ですというと、イギリスから出て、私の手に入るまでにはどういうコースをたどってくるので、それで三倍ということになるのですか。

今井善衛通商産業省通商局長

○政府委員(今井善衛君) イギリスからFOBで入ったものを一といたしました場合に、それに輸入税がかかります。それから通関の倉敷料とかあるいは金利というふうな輸入原価がかかりまして、これが大体一に対しまして約三〇%程度かかります。それから、さらに輸入業者のマージンがございまして、これはまあこちらの営業費だとか、あるいは利益でございますが、それが約二六%、これは二六%というのは、一・三に対する二六%という意味でございます。それから輸入業者の手から、いわゆる内地の問屋と申しますか、切り売り商に回りまして、切り売り商が約五〇%程度の利益をとっているのじゃないかと、かように推定されるわけでございますが、切り売り商からさらに小売商あるいはデパートに行くわけでございまして、その利益が大体三〇%、これをまあそれぞれもとにそれだけのものが加算されてくるわけでございますので、結局消費者の手に渡る場合には三倍になる、かような状態でございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 イギリス側の意見を聞きますというと、やはり自分のところから出た値段の倍くらいまではいろいろな諸経費とか保険がかかるからやむを得ないけれども、今、局長さんが来従価二〇%の関税というものを、大体従価に直しますと三五%程度の関税にいたしまして、そうしてイギリスとの話し合いにおきましても漸次ワクをふやしていきたい、できれば将来におきまして自由化していきたい。かようなことになりますれば、さようなプレミアムを生ずるとか、あるいは消費者の手に高いものが渡るという事態というものはなくなると思うのでございます。  そこで、今は、ただいま申しましたように国内の生産業者等の関係を考えながら、約三百万ポンドという数字でもってやっているわけでございます。そういたしますと、いずれにいたしましても、この過当利潤なり何なりが生ぜざるを得ないわけでございまして、しからばこの割当方法をどうやるかということは、非常に頭の痛いむずかしい問題でございまして、先生のおっしゃいますように、過去の実績をもととして割当した場合には権利の上に眠るものがあるのじゃないか、私どもさような現象はあるのじゃないかというふうにおそれているわけでございますが、さりとて、いかなる方法で割当をするかという問題でございまして、先ほど申しましたように、若干はこの均等割ということで多少の変化をもたらすようにいたしておりますけれども、ほんとうに毛織物の輸入をしたいという人に機会を与えるということになりますと、交通整理ができないような状態になるわけでございまして、私ども決して現在の割当方法がいいとは思っていないのでございますけれども、いずれにいたしましても、輸入数量が需要に対して足りないという場合におきましては、輸入した人が非常にもうかるという状態にならざるを得ないのでございまして、当初四年間は割当の権利の譲渡を認めたと申し上げましたが、そのときはプレミアムが顕在化して、市中で大っぴらに割当証明書が売られたというふうに、何と申しますか、国際的に申しましても恥ずかしいような現象が現われたのでございます。そこで何と申しますか、権利の譲渡だけはやめて、もう少し秩序だった割当にしたいということで、現在は権利の譲渡を禁じておるのでございますが、さようなもうかるような事態がございますので、たとえば業者同士でさような裏でもって実際上譲渡しているような状態があるいはあるのじゃないかと、かように考えておるのでございますが、先ほど繰り返して申しますように、割当方法が非常にむずかしいという関係で、さような現象を生じておるのでございまして、抜本的な策といたしましては、やはり需要に合うだけ輸入をせざるを得ないと、それによりまして、消費者に安いものが手に入るようになると、かように考えておる次第でございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 やはり需要と供給との関係がそうさせているのでしょうけれども、やはり制度の上にも欠陥があるのじゃないか。たとえば輸入がふえたと、そうするとワクがふえた。ふえたならば、それは前々から望んでおって実際的に困っている業者——だれでもいいというわけじゃございません。実績をお調べになって、ほんとうにやはり輸入物についてお得意さんを持っているとか、そういう方々に新しいワクをやるという方法をしないで、ただ五十万ポンドなら五十万ポンドふえたならば、それを業者に総なめに均等割にしていったということですけれども、いつまでたっても、その人たちが自分の特権だと言っているわけなんです。新しい人たちはそこに入り込む余地が全然ない。そこに、問題だと思いますけれども、新しい人が全然入る余地がないのです。割当のメンバーの中に入る余地がございませんか。ありましたらば、たとえば三十四年なり三十三年なり、その中で二十八年から続いておったワクの割り当てられておった業者、そのほかに、自分もほしいのだけれども、どんなにしても入れられない。たとえば輸入協会とか、あるいは業者が結託してやっているのは独占禁止法違反じゃないかと思う点が——後ほど聞きたいと思いますが、そういう点がかなりあるのじゃないか、そう思いますけれども、ただふえたものを均等で割り当てるだけで当面を糊塗して一おったわけですか、それが輸入の健全かどうかということですね。

今井善衛通商産業省通商局長

○政府委員(今井善衛君) 今までの割当は、ふえたものを均等に割り当てるということで過ごしておったのでございます。先生のおっしゃいますように、営業を行なっている正規の業者で割当をほしいという人に何か均霑する機会を与えたらどうか、私どもも、できればさような方法を見つけ出したいとは思いますけれども、なかなかむずかしい状態でございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 何がむずかしいのですか。

今井善衛通商産業省通商局長

○政府委員(今井善衛君) と申しますのは、たとえば現在譲渡を禁止しておるわけでございます。ところで、この禁止の裏をくぐって譲渡を受けた、もしその実績を調べるということになりますと、さようなことが一つ、われわれの方で禁止しておる裏をかいておるというふうな状態になりはしないかということが一つございます。それから、そういう裏をかいて自分で輸入したという実績が、人がかりにわかりましても、その数量がそれじゃ幾らであるかどうか、たとえば、先ほど申しましたように、現実に輸入しておりますものは、輸入承認の場合におきましても、通関の場合でも、みな割当を受けた人の名義になっております。従いまして、半分譲っているのか、あるいは全額譲っているのか、そういうことも、これは調べましてもなかなかわからぬわけであります。そういうふうなことがございまして、結局申告の実績というものを信用するわけには、おそらくむずかしいのじゃないか。さようなことになりますれば、たとえば全体の一割なり二割を新規の業者に開放するというふうなことになりますれば、これは何と申しますか、入札的な方法になりまして、非常にまた世間体が悪いと申しますか、特にイギリス等から見ました場合に、毛織物の輸入がそれだけもうかるならば、もっと輸入を積極的にふやしたらいいじゃないか、こうイギリスに対しましていろいろの考え方を与えるというふうな問題が生ずるわけでございまして、おっしゃる御趣旨はもう非常にごもっともと思いますけれども、具体的に申しまして、その具体的な名案がなかなか浮かばないというのが現状でございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 そうすると、このままずるずると、いつ自由化になるかわりませんが、それにいくわけですね。今までのままずるずると、このまま……。

今井善衛通商産業省通商局長

○政府委員(今井善衛君) 数量を漸次ふやしますことによりまして、いわゆる超過利潤の額は減って参ると思いますけれども、二年になりますか三年になりますか、とにかく続けながら、自由化をしていくということになります。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 先ほどの御答弁の中で、たとえばやみで売り買いしたものが実績になって、そして、それを調べていくというと、どこまでいいのかわからないということになる。それだけでなくて、たとえば具体的にイギリスならイギリスのある会社——今井さんなら今井さんの会社があるとしますね。そこの、日本に代表人がいるとします。その人は実績が、いわゆるワクの昭和二十八年に実績がなかったために、実際に向こうの代理業をしておっても、ワクがなかったために、さっき言ったワクを持ってあぐらをかいている人から買わなければならない、こういう現状があるわけですけれども、そういうことは、どうなんでございましょうか。御存じでしょうか。耳打ちしている人から答えて下さい。私はどなたが答えても別に……。おわかりの方が答えていただけばけっこうです。

今井善衛通商産業省通商局長

○政府委員(今井善衛君) 私ども、さような事態を聞いていないのでございます。  ただ、おっしゃいますようなことがありますれば、われわれの方としては、何とか解決したい気持になるのでございますけれども、まあ先ほど申しましたように、いろいろむずかしい問題がありますので、今後慎重に検討したいと思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 あまりこの問題だけ長くやりたくないのですが、いろいろむずかしいむずかしいと言うんですけれども、頭をかかえただけでは、ものは解決できないので、たとえばどっかの基準に——イギリスの代理店なら代理店でやっていても、そういう人たちでも申請したらば、それはワクを与えるかどうかということ。何にもないところへワクを与える、あしたから輸入業をやりますからワクをくれなんて、そんなばかな人はいないと思います。それ相当の理由があってやる、こういう方に対しては広げる意思はございますか。

今井善衛通商産業省通商局長

○政府委員(今井善衛君) 現在広げる意思ありゃいなやということを、はっきり御答弁できないのでございますが、私どもとしまして、先生のおっしゃいますこと、よくわかるわけでございまして、たとえばワクがふえました場合に、ふえた分の一部を、もっと合理的な、新たにさような合理的な規模を持っている人に機会を与える方法があるかどうか、十分慎重に検討したいと思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 通産大臣にお尋ねいたしますけれども、先ほどから御答弁の中に、自由化に備える道として、関税の三六%引き上げでございますか、そういうふうないろいろな処置が考えられているようですけれども、自由化に関する方針と申しますか、対策、大体いつごろ、これを自由化の方向に持っていくか。そのために、予備通告ですか、発表とかをするかどうか。  たとえば原毛が自由化になりましたですね。それについては、かなり前から発表しておって、困難のないように、割合にスムーズにいったでしょう。そういうふうな処置がとられるかどうか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 自由化の計画につきましては、昨年の六月に、大体のスケジュールを発表いたしました。そしてその後このスケジュールに基づいて、逐次自由化を実行して参ってきております。ちょうどことしの六月で一年になる。三年間かかって、まあおおむね自由化したい。それが八〇%ないし九〇%、こういうことになっておるのでございます。八〇%と九〇%の差は、石油、石炭、そういうエネルギーの関係を入れるか入れぬかによって、九〇%になり、入れない場合は八〇%になる。八〇%のうちの最終の自由化が毛織物ということになっております。三年間でございますから、満三年とすると再来年の六月ということになりますが、それまでには毛織物の自由化をすると、こう計画を立てておる次第でございます。  それでその毛織物は、御承知の通り大企業もございますけれども、おおむね中小企業、それで相当経済力が、決して強靱とはいえない。ゆえに二〇%の関税を平均三六%に上げよう、こういうことになったのでございますが、なおそれだけで十分であるかどうか、いろいろ対策を考えまして、自由化した場合に、簡単に外国製品のために片っぱしから倒れていくというようなことのないように考えたいと存じます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 イタリアが自由貿易を始めたときに、これが国際通貨基金の規定でしょうか、自由化にしてほしいという国際通貨基金からの、定めですか、通告されて、三年以内に準備を完了してやると、こういう定めがございますね。日本の貿易自由化も、それにならってやるということですか、何か国際通貨基金に加入しておる状況をちょっと……。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 国際通貨基金の方から勧告を受けますと、早くて一年ちょっとあまりで、これを自由化しないといかぬ。もしそれを怠っておりますと、また報復的な、貿易上の復讐をされるわけですが、いずれにしても、これは日本の外貨資金の現状から見ますというと、日本だけが、自分の国の産業を保護していくというような工合では長続きいたしません。ことしの六月に通貨基金の会合がございまして、その際に勧告を受けることにあるいはなるかもしれぬ、こういう状況でございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 重ねて大臣に伺いますけれども、この貿易の自由化の問題については、アメリカからかなり強い勧めを受けているやに聞いているんですが、これは全く日本の自主的な立場でなさるんですか、それとも、経済協力の体制の一環としてお進めになるわけですか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) これはアメリカのみならず、イギリスでもフランスでも、日本が相当外貨事情がよくなったにかかわらず、まだ大部分鎖国政策をとっておるということに対しては、これは現実に出す出さぬの問題にかかわらず、これはまだ日本は、けしからぬじゃないか、やり方はどうも少しわがまま過ぎるというような、つまりそういう批判的な目を持って見られていることは事実でございますが、この自由化するかしないかということは、結局は日本の国際経済に処して、われわれの力というものを、これ以上強くするか、それともこのまま鎖国政策をとって縮こまる一方になるか、そういうどちらの道を選ぶかという今段階に立っておるのでございますから、日本自身の判断で、日本自身のために、これはやらざるを得ない。その時期方法の問題だと私は考えます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 まあ独占禁止法に関連してお尋ねするんですけれども、さっき私がくどく申し上げたように、たとえばワクを持っている人が、今度は業者に売り渡す。それで片方の方じゃ、今度は実績と申しますか、イギリスならイギリスの代表権を持って日本にいる、ワクがないために非常に困って、ワクを買わなければならない、一つこのワクの申請をして仲間に入れてもらおうと、輸入協会の方に話すというと、この輸入協会というのは、自分らがいろいろな通産省との折衝の窓口なんで、やたらな人が一人でも入れば、自分の方にもらえる割当が少なくなる、そういうふうに割当が少なくなっては困るというので、こういうふうな理由から、自分たちだけを守るために、初めは保護政策だったでしょうけれども、守るために全然排他的で、一人も入れていかない、こういうことは、独占禁止法の違反じゃないでしょうか。私法律のことは詳しく知りませんが、しろうとなりに考えたんですが、いかがでしょう。

今井善衛通商産業省通商局長

○政府委員(今井善衛君) 現在繊維製品輸入協会というのがございまして、実績のある人は大部分入っておるのでございますが、これはあくまでも割当団体、統制団体ではございませんで、業者の親睦団体でございます。割当をいたしますのは、これは役所自体でございまして、従いましてこの協会におきまして、申し合わせその他によりまして、いろいろなことをやっておるわけじゃございませんで、現に約二割程度のアウトサイダーもあるわけでございます。  ここは単なる親睦団体でございますので、従いまして、独占禁止法とは無関係の団体でございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 私できれば、三十四年度でも三十三年度でも、ここに輸入した実績を知りたいのですけれども、材料がございませんし、知るよしもございませんから、まあそれは伏せておきまして、伺いますが、今、輸入協会の規約をよそからもらいまして見たのです。そうしたら・その協会の目的の中に——今、単なる親睦団体ということをおっしゃったですが、その中に、「本会は繊維製品の輸入取引の公正な秩序を確立し、及び会員共通の利益を増進するために施設を行ない、もって繊維製品の輸入貿易の健全化と会員相互の親睦」となっており、会員相互の親睦は、一番あとの方についているのです。それから、「本会に加入せんとする者は本会理事会の承認により入会金一万円」……ですか、ずっとこうあるわけです。  これはどこの会則にしても、理事会の承認とか評議員会の承認とかで、これはまあ定款として普通でございますが、問題は、その目約の解釈が、通産省では、今おっしゃったような相互の親睦の機関だ、単なる連絡の機関だとおっしゃいますけれども、輸入協会の内容、輸入取引の公正な秩序を確立し云々、相互の共通な利益を増進するために云々、これは私、聞きますというと、通産省と業者との話し合いの窓口になっているのじゃないでしょうか。アウトサイダーが幾ら、二五%とかなんとか、協会員でないアウトサイダーがあるとおっしゃいましたが、それは非常に率が少ないですね。そうすると七五%は会員なわけでしょう。だから、アウトサイダーも入れておかないと名目上困るわけですね。そういう中で運営されていっているのじゃないか……。

今井善衛通商産業省通商局長

○政府委員(今井善衛君) 独占禁止法に、いわゆる共同行為と申しますのは、これは会員がお互いに話し合いました結果をお互いに守る、お互いに縛り合うということで、独占禁止法に問題になるわけでございまして、この繊維製品輸入協会の目的には、いろいろうたってありますけれども、この実体は、やはり親睦団体でございます。いろいろ前書きはございますけれども、こういうふうな団体は、輸入関係だけじゃなくて、ほかにもいろいろあると思いますが、実体は親睦団体でございまして、この団体は、たとえば話し合いまして何かをきめて、お互いにそれを守り合うということになれば、これは独占禁止法に触れるのでございますけれども、先ほど申しましたように、割当自体は役所がやっておりまして、もちろん業界の意見は、いろいろ聞きますけれども、あくまでも役所が割当を独自の立場できめておるわけでございます。この協会に、たとえば計算がむずかしいというようなときには、手伝わす場合もありますけれども、あくまでもこれは、性格的には親睦団体である。従いまして独占禁止法の分野とは関係がない、かようにわれわれ考えておる次第であります。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 表面は、そうでございましょうが、いろんな情報で聞きますというと、実際的にはなかなかそうではないらしいということを聞いていますので、大へん恐縮ですけれども、一つ実態をお調べいただいたらいいのじゃないか、こう考えております。  それから、この輸入協会に関連しますけれども、この協会に入っている者は、優先的だということですね。そうではございませんですか。

今井善衛通商産業省通商局長

○政府委員(今井善衛君) 協会に入っている人が、優先的だという意味では全然ないわけでございまして、要するに実績を持っている人たちが、たまたま集まったということでございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 わかりました。その各種の協会が、今、通産省当局のおっしゃったような運営にされておれば、何も問題はないのです。  そうでないところに問題があるのじゃないか。もっと具体的に言いますというと、今まで輸入協会が、大体通産省の窓口になっておって、その会員が、まず優先的にこの均等割を受ける。それだけでは困るから、アウトサイダーの二五%も入れて、均等に分ける。新しい者は、一つも入れないということをきちっときめて、自分の業者を守るためにという名目でやっている。そうすると、これが自由化になった場合はどうするかというと、自由化になったらば、やはり何か組合を作って、その組合員だけがやれる方法をとるのじゃないか、こう思うのです。それはおかしいじゃないかと私どもは考える。さればといって、野放しにもできない。  たとえばカン詰が、もう自由化になっておりますか。これからなるわけですか。繊維関係でないから、御存じなくてもけっこうですが、そのカン詰の申請は、自由化になったから出したかどうかわかりませんけれども、希望かなんかをとったそうですね。そうしたら、外貨の割当を分けてみたら、一人十ドルか十五ドルしか渡らなかった。それじゃ輸入の手続をとっても、全然商売にならないわけでしょう。そこで困って、やはりこれは業者同士話し合って、組合かなんか作っていったらいいじゃないか、こういうことも聞いているんです。繊維製品にしても、やはり一つの組合か申し合わせの会かなんかを作って、その人たちが今度は一つやっていこうじゃないかということをきめたわけです。で、組合員にならない者については、全然方法がないということを聞いたのですが、私、しろうとでございますから、これは大阪で聞いたので、東京と大阪とは違うかもしれませんが、そういう点はございませんでしょうか。

今井善衛通商産業省通商局長

○政府委員(今井善衛君) 先ほど申しましたように、繊維製品の輸入協会の会員であるから特権を与えているわけじゃございませんので、実績のある者は、会員であるとアウトサイダーであるとを問わず、平等に取り扱っておるのでございます。  先ほど来先生が、輸入協会でいろいろ希望しているのを役所がそのまま取り上げているのじゃないかというふうな趣旨の御質問、御意見があったと思いますが、私どもは、先ほど長く申しましたように割当方法自体、現在の割当方法で、もちろん完全であると思っているわけじゃございませんので、何とか工夫いたしまして改善したいという気持は持っておるのでございます。従いまして私どもの割当に対する態度というものが決定いたしますれば、輸入協会の存在とは無関係に割当できるわけでございます。私ども決してその輸入協会に縛られていろいろやっておるわけじゃございません。  それから、カン詰につきましては、詳細なことは今存じておりませんが、これは一部のカン詰につきまして、自動割当制度という制度がございまして、総体の金額をきめまして、そのうち先着順で来た人に割り当てるというふうな形をとりました関係上、かような現象になるわけでございます。従いまして、毛織物につきましても、かりに同じような制度をとりました場合には、非常にこま切れということになりまして、今までの流通秩序というものを全く乱してしまうというふうな形になるわけでございまして、まだ現在のやり方の方が、そういうやり方よりは、この毛織物については八年間の実績によりまして、ある程度流れの状態ができておりますので、先生おっしゃいますように、合理的な要求を持ちながら、まだその要求が入れられないという現象もございますけれども、全体としましては、大部分において、この流通経路はできておりまして、今後におきまして自由化になりましても、やはりこの流通経路というものは、おのずからものを言いながら、ある程度の秩序を保ちながら輸入の自由化が行なわれるのではないか、かように考えておる次第であります。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 もう二つ質問して終わりたいと思いますが、その一つは、業者といいますか、先ほど申し上げましたワクがなくてワクを買って、実際的に仕事をしているという、これは東京、大阪、名古屋、ずいぶんございますね。そういう方々に対する保護は、何にも考えていないでしょう。保護と申しますと、たとえばずっとワクを持った者が、実績だ、実績だと言っているけれども、実際は、その人たちの上にあぐらをかいて、実績と称しているわけです。そういう人たちがなければワクをもらったけれども、どうにもならないというものなんです。  ですから、ワクを持った者が、大体このラシャ商はだれのワク、このラシャ商はだれのワクというふうに、大体不文律できまっているのです。そうするといつまでも、この業者というものは浮ばれないわけです。これに対する保護政策が何らされていないのです。そういう保護政策については、もう考えられないわけですか。

今井善衛通商産業省通商局長

○政府委員(今井善衛君) 先ほど申しましたように、現在の割当制度上の結果において、やむを得ず権利の上に眠るというふうな非難を招いてもやむを得ぬということになっておりますが、他方先生おっしゃいましたように、合理的な要求を持っておる方もあるわけでございまして、これらにつきまして、私どもといたしましては、何とかしたいという気持はあるのでございます。ただ具体的な方法が今までございませんために、まあここまで遷延しておるというふうなことになっております。私どもといたしまして、何とかして合理的な要求がいれられるような仕組みを、この割当がふえました場合に、その一部で考えたいという気持は持っておるのでございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 気持はわかりましたけれども、気持だけでは、どうにもならないのでして、これはやっぱり具体化していくための方向を計画的にお考えいただいたらいいのじゃないか。これは外国に対しての信用、それから業者の圧迫、保護政策、それから一部の方々の利益という、こういう点で、御商売している以上、利益はお互いにあるのは当然ですけれども、一部が不当に利益をしているということですね。非常な問題じゃないか。さっき局長さんが、外国ものはいいのだから取るんだろうと、こうおっしゃっていたのですが、一つは、外国というものの名前にあこがれて取るのじゃないかというお話もあったのですが、私は、きょうは別にイギリスの手先になって、ここで言っているのじゃございませんで、別にそういう意味じゃございませんが、実際的にいいのですね、これは率直に言って。イギリスのスコットランドでやっているもの、イギリスの労働者のやっているものは、何年着ても、洗たく十二、三回しても、ぴんとしているのです。やっぱりいいものはいい。なぜいいかというと、気候もいいし、それから染色関係もいいし、いろいろあるわけですね。昔から研究して、ずっと昔から調べて、職業に誇りを持って生産している。サーとか何とかという称号をもらうところまで誇りを持っているのです。もう一つには、労働者の賃金が非常に生産に見合って——賃金というものがある程度、最低賃金制が確立されている。そういう点があるから、そういうものを盛り込んでいくから相当値段も高いけれども、実際的には働いている労働者が安心していられるという点、かたがた国策に沿って輸出をできる、こういう二つの面を持っている。そういう点で受ける方の側からいうと、外国ものがあまり来るというと、日本が困るから、業者が苦しまぎれに圧迫するものですから、一つの例を申しますと、ワクがなければ、いつも高いものを買ってもうけられてしまって、自分の方は困るというので、見本を切って、それを群馬なり一宮なり、そういう織物業者のところと結託して、そうして向こうから来た見本を、すぐ顕微鏡で見て分析して、色から何から全部見て、より方が一重になっているか、二重になっているか見て、それと同じようなものを作れといって作らしている。これが市場に出ている。これが問題になったでしょう、イギリスで。切り取りがあったと。これは新聞に出ていた。日本でも大騒ぎになった。国際信用がた落ち。そこで、その後イギリスから抗議が来たでしょう。それで大体形式上、ないようになったけれども、苦しまぎれに、そうしてしまうわけです。そういうふうに作ったものが、向こうのものと比べていいかどうかというと、大変悪い。率直に言って悪いです。私も着てためしてみました。私太っておりますから、普通のものを着たのじゃだめです、よれよれになってしまって。仕方がないから、男物を着ていると、こういう工合ですが、そういうことから考えて参った場合に、なぜかというと、日本は、賃金が非常に安いのです。織物労働者の賃金が徹底的に安い。近江絹糸から始まって、非常に問題になったように安いのです。労働者の犠牲が多くて、ものが悪いというわけですね。そういうものは外国産だから、あこがれているというわけでもなんでもなく、そのままを伝えているわけです。  そういう意味で、日本の製造業者、そういうふうな日本の労働者の犠牲とか、それから不当な競争ですね。自由経済ですから早いものがち、作ったものがちですから、早く作って、早く新しいものを出そうというので、押しかけてしまって、市場のぶん取り合戦になる、こういうふうな因果関係が出てきて、やはり製品についても非常に格差が出てくるのじゃないか。  こういう意味で、やはり内地のものを皆がほんとうに着たいようにやっていく計画的な経済とか、そういう問題と関連して、少し伺いたいと思いますが、時間がございませんので、このくらいにしたいと思いますが、最後にカン詰の申請みたように、毛織物が自由化になったからといって、やたらに、われがちに申請して列を作って、早いもの順にというふうなことでやったら、大へんなことになることは明らかなことで、やはりそれ相当の実績を持って健全に営んでいく、利潤についても、やはり考えていく、こういうふうな相関関係の指導がなされなければならないのじゃないか。  たとえば貿易が自由化になったときに、東京、大阪あたりの業者が、大体、どのくらい現実にやられて、そうして申請してきそうだというお見通しか、おわかりでしょうか。大体の……。

今井善衛通商産業省通商局長

○政府委員(今井善衛君) 的確に予想することは、もちろん困難でございますが、大体御承知のように、内地で国内産の毛織物を扱っておりますもの、業者の方が、大体エキスパートと申しますか、今後、毛織物を扱ってしかるべき方々でございます。現在輸入毛織物につきまして、実績を持っておりますものは、大部分はそういう連中でございますけれども、先ほど申しましたようにスタートが、輸出実績からスタートしておりますので、一部漏れている人も出ているわけでございます。  従いまして、輸入自由化になりました場合におきましては、毛織物の扱いにつきまして、経験を持っているそういう問屋さんが申請をするのじゃないか。従って、今よりは申請される人はふえるだろうと思いますが、しろうとさんが申請するわけじゃなくて、かような問屋さんが申請することになろうと思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 大体、何軒ぐらいになるとお思いになりますか。大体つかめるでしょう。割当をしておって、大体実績はわかるでしょう。現に、デパートを私方々聞いて歩いたのです、知りませんからね。デパートに行ったら、自由化になったら、めんどうくさくてごめんだという人もあった。今までのように買ってやった方がいいという人もおりましたし、大体、東京で十五軒ぐらいじゃないかと思いますね、現実に実績を持ってやっているのは。それを、どうしてふやすかという問題があるのですがそういうふうに聞いたわけです。それから大阪、名古屋等々、実績を持っている方も、六大都市では相当あるように聞いておりますが……。

今井善衛通商産業省通商局長

○政府委員(今井善衛君) 大体何軒かわからないのでございますが、現在輸入毛織物の割当をいたしております人たちは約九十八名ほどございまして、大体、先ほど申しましたように、毛織物の元卸輸入の段階と、それから内地の百貨店等に卸しますのは、そういう人たちじゃございませんで、切り売り——内地の比較的小さな問屋さん、それから小売商、こう三段階になっておるわけでございまして、この元卸の方でもって漏れている人があれば、その人たちは、当然輸入申請を考えるだろうというふうに考えておるわけでございまして、軒数はどのくらいになるか、的確にお答えはいたしかねるのでございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 やはり再三申し上げましたように、どこかが大きな利益をむさぼって、そのためにたくさんの犠牲者、特に私ども消費者にとってみますというと、大へんな問題じゃないか、これが輸入の毛織物だけではなくて、すべての輸出入に関係するとしたらば非常な大きな問題じゃないか、こういうふうに考えまして、一つ、できるだけワクを持っていらっしゃる通産省は、公正な立場で実情をよく把握されて、そうして不当な利益をむさぼる者がないような方途を講じていただきたいと思います。  以上で質問を終ります。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 食糧庁長官にお尋ねいたしますが、先日の御質問を申し上げました点について、資料をちょうだいをいたしたわけです。この資料によりますと、神戸港における輸入米穀の買い入れ実績、三十三、三十四、三十五会計年度の点も出ました。それから米穀販売業務についてと、三十六年四月二十四日現在の日付で卸売販売業者、東京の例をとってみまして、これによると平均、一卸売販売業者当て従業員数は、常勤役員が九・五人、従業員が五十五人、他に非常勤役員が二三・三。それから平均一卸売販売業者当て担当小売業者、甲二六二・三、これが三十五年四月一日の食糧庁の調査。それから小売販売業者が東京の場合、平均一小売販売業者当て従業員数は、家族従業員が一・一従業員が一・四、さらに店主が一。それから平均、一小売業者当て登録人口は千九百八十三人。そして平均、一小売販売業者当て運搬具調べは、自転車が二・五、リヤカーが二・六、原動機付のものが〇・二。  こういうふうに調査の報告をいただいたわけでありますが、前回のときに、あなたが御答弁になりました卸業者が年間に扱うものは幾らか。そのときに平均をして年間二十万俵、それから小売業者は年間千四百俵、こういうことをお答えになったと思うのですが、現在でも、そういうお考えでありますか。

須賀賢二食糧庁長官

○政府委員(須賀賢二君) こまかい計数は、さらに数字を整理しておりますが、大体の数字の見当といたしましては、前回申し上げました数字と、そう大きな狂いがないようでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 そこで、さらにですね、前回の配給については、基準といたしまして月十キロ、ところが、実際には六ないし七キロ、こういう御答弁をいただいておる。  そこで、このマージンは幾らかと、こういう点についてお尋ねをしたところが三百六十円、一俵に対する内訳は、卸が百三十円、小売が二百三十円、こういう御説明をいただいておると思うのですが、その通りに考えてよろしいですか。

須賀賢二食糧庁長官

○政府委員(須賀賢二君) マージンの内訳につきましては、今御指摘がありましたように卸が大体百三十円、小売が二百三十円、なおそのほかに卸、小売が米の搗精を、現在の実態としましては、米の搗精は大体小売がやっておるわけです。中には、卸がまとめてやっておるというのがございますが、搗精をやっておりまするそれぞれの実態に応じまして、搗精——これは米を白くする意味の米の搗精賃が見てございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 そこで、これは食糧庁長官、簡単に、数字ですから出ると思うのですが、卸の人が、年間扱う数量と手数料を合わせたならば、幾らになる。これは先ほどの東京都の例をとって、常勤が九・五、従業員が五五、他に非常勤役員が二二・三、こういうことですね。

須賀賢二食糧庁長官

○政府委員(須賀賢二君) そうです。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 それから千四百俵を扱う小売商——小売の人の場合ですね、一俵二百三十円の手数料で、家族従業員一・一、従業員が一・四、店主が一と、この人数でいわゆる扱った場合の金額というものは幾らか。こういうことは、簡単に出ると思うのですが、一人当たり幾らになりますか。一人当たりどのくらいになるとお考えになっておりますか。

須賀賢二食糧庁長官

○政府委員(須賀賢二君) ただいま計算をいたして御説明申し上げますが、小売の方は、大体、これは従業員が、実際にその業務に直接従事をいたしておるわけでございます。その人数で割りますれば、一人当たりの手数料というものが出て参るわけであります。ただ卸の場合は、そこにもございまするように、これは東京都から資料を取ったわけでございます。非常勤役員というような、おそらく通常のベースの給与をもらってないものもございますが、それを、ただそのままの数で割ります、割って計算をいたしますと、必ずしも適正でない。実際に就業しておる人数によりまして割りましたものを計算をして御報告申し上げますので、ちょっとお待ち下さい。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 数字ですから、そちらで計算をするとすれば、すぐ出ると思う。私も、暗算の方は非常に早い方なんです。今のそういう点を、たとえばこの卸売業者のこの二十万俵扱う。それが百三十円。それをたとえば非常勤役員を半分にして——一人前の半分、こういうことにすれば、大体七十五、六人、これを全部、このままの数字を入れるとすればですね、八十八人でございますね。そうですね。八七・八になるわけですから約八八。これでいくとですね、前者のいわゆる二三・三を、非常勤役員を半分に見る場合には、これが三十四万余円になる、これをこの七十六の半分に見た場合は、三十四万余円になるが、八十八人にして計算すれば三十万そこそこになる。ところがこれの場合は、これを家族と従業員と店主とまぜて三・五でしょう。三・五に千四百俵かける二百三十円というものを出せば、これは十万円そこそこということがはっきり出てしまうね。現在の大体、今食糧庁長官が言ったように、精白にしたり何かにして手数料を入れても、この東京都あたりで、大体四、五万の月収、そういうことですね。そういうようなことを考えた場合に、ずいぶんこの差が出ておると思う。  そこで、きょう私の時間がないから、私から政府にお尋ねをしておきたいのは、前回も申し上げましたように、三百六十億のいわゆる取り扱い額に対して、今年は二上二億増額をせられた。これは一つ、農林大臣が特にこの増額をした理由を一つお考えいただきたい。  この増額をした理由というのは、昨年の公務員のベース・アップがあった、一二・四%のベース・アップがあったので、これは当然米販業者といえども、これはやはりそういう手段をとらなければ気の毒であるとこういうことに基づいて二十三億の増額が行なわれたわけだ。従って前回私から長官なり政務次官にお話をしたのは、そういう労務費の値上がりによる対社会的な問題であるから、この配分については、当然小売商の人たちの、いわゆる実際の労務に従事する人たちに重点を置くべきである、こういうことで、きょう答弁するということはなかなかむずかしかろうから、総括質疑のある二十六日ないし二十八日に、よく大臣と御相談をされて、そうしてできるだけ早く、この内容を御決定をされたい。それを報告してもらいたい、こういうふうに私から前回申し上げたはずなんであります。  そこで食糧庁長官は、前回当決算委員会で、私からそういう御要請をしておいたのでありますが、その後どのようになっておるかお答えをいただきたいのです。

須賀賢二食糧庁長官

○政府委員(須賀賢二君) ただいま、現行マージンについて、これを卸、小売おのおの従業員一人当たりどのくらいになるかという見当についてのお尋ねが、まず前提にあったわけであります。これは百三十円と二百二十円のそれぞれ一俵当たりの価格について、それを一人当たりで出します際は、これは私の方で計算をして御説明申し上げますが、特に卸の方は、事業費部分が百三十円の中に相当大きな割合で入っておるわけでございます。事業費と申しますのは、卸の業務は、御承知のように米を小売まで運搬をして小売業者に届けるという業務でございますから、その政府から米の売り渡しを受けまして、それを小売業者まで回送をする仕事が卸の仕事の主たる業務になっております。従って、その部分も百三十円の中に入っておるわけでございます。この事業費も込みにいたしまして一人当たりを出して、それを小売の人々と比較いたしますと、ちょっと実態と変わってくるわけでございます。従いまして、その比較は、現在マージンの中に織り込まれておりまする人件費部分を主体といたしまして比較をいたしませんと、適正な比較ができない。そういうような趣旨で計算いたしまして御説明申し上げたのであります。  それから今回のマージンの手数料の改定でございます。これは、前回種々検討いたしておりまする経緯なり考え方につきまして、一応の御説明を申し上げたのでございます。二十六日ないし二十八日までに、さらにその後の状況を御報告をするようにという御要求があったわけでございます。私ども極力検討いたしておりまして、できる限り早く決定をいたしたいという方針で作業を進めておりますことは前回にも申し上げた通りであります。考え方といたしましては、今回の手数料の改定は、ただいまも御指摘がありましたように、昨年末公務員の給与が改定になりましたことが直接の動機になっておるわけであります。  従いまして、今回の二十三億の予算も人件費の改定を主体として積算をいたしたわけでございます。それで人件費を主体といたしますと、卸、小売の現在の手数料の積算の内容、また卸、小売の業務の実態からいたしまして、当然小売りに重点を置いたマージンの改定に相なるわけでございまして、今回の場合も、そういうことになりまするような方向で、目下作業を進めておるわけであります。大体の見当から申し上げますと、二十三億、まあ年間今回の引き上げ額は大よそ二十三億の見当でございますが、このうち八割、少なくとも八割は、これは小売に回ると考えております。残りの二割が卸、さらに人件費、それからその他の諸経費等の状況をしさいに詰めまして、おそくも来月の初めぐらいまでには、これは財政当局ともいろいろ打ち合わせをいたさなければいけない問題が残っております、おそくも来月初めぐらいまでには決定いたしたい。ただ来月の初めまでに決定をするということは非常におくれておるようでありますが、今回の手数料改定は、いろいろ作業にある程度の時間がかかるというようなことも考えまして、今月の十五日から、政府から卸業者に売りまする米の価格は、仮価格を作りまして改定をいたしまして、今月の十五日から実施をいたしておるわけであります。  と申しますのは、このマージンの引き上げは、政府から卸業者に売りまする米の価格をそのマージン引き上げ相当額だけ下げまして、それによって実際に卸、小売業者のマージンが引き上がるということになる。国の売却価格を引き下げることによりまして、これは消費者価格の方は、申し上げるまでもなくきまっておりますから、国の売却価格を引き下げることによりまして、卸、小売のマージンが、それだけ、引き下げました額に相当した額だけふえるということになるわけでございます。それで、今月の十五日から仮価格で今度の引き上げ額、卸、小売合せまして二十五円相当額を引き下げまして、実施をいたしておるわけであります。従いまして、卸、小売は、今月の十五日から実際にはマージンの改定に均霊をするようになっているわけでありますが、大体卸と小売りとの内訳が、まだ現実にきまっておりませんから、これがきまりましたら、十五日にさかのぼりまして卸、小売の配分が実際にきまって精算をされるわけでございます。従いまして、多少内訳の最終的決定に時間がかかりましても、業者の方には迷惑がかかりませんように、マージン改定の実際のその利益は、今月の十五日から、卸、小売を通じまして、これを受け取ることができますようにいたしておるわけでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 農林大臣、いかがですか。この、今の食糧庁長官の説明もわかるわけでありますが、少なくとも、政府が二十三億の増額をきめるには、やはり数字的に根拠を出しておるわけですね。ですから、食糧庁としても、作業というものは、もう進めておるわけなんです。また、今までの経験から言っても、あらゆる資料は整っておるだろうと思う。ただ問題は、政治的にどうかという点が、私は若干残されておると、まあ私はそういう判断をしておるわけなんです。  ですから、それがゆえに今の食糧庁長官の言うような形で作業が進められるなら、私は、やっぱりこの際は、大臣が、長官のよく数字を報告を受けて、そして、もう決定をする段階にある。何もその、五月初旬とお話あったけれども、まあそれもやむを得ない場合もあるかもしれません。しかし私は、少なくとも国の決算の上で、こうずっと、いろいろ調べてきて、それで最終的に、この金額については労務費を中心として支出をするということになれば、そういう際に、この締めくくりのときに回答が出せるような、やはり私は政策、政治的な考え方を、大臣に私は要望したいわけなんですね。まあしかし、あさっての当委員会の総理大臣初め関係大臣の御出席いかんでは、これは五月に、連休後に私どもも採決をしなければならぬと、こういうことも考えられますが、できれば当委員会としては、あさってで質疑を終了をして決定をしたいわけなんです。その決定をするときに、まあやっぱり、委員会が終わったんだからもういいや、こういうことでは——そういうことはないと思うよ、ないと思うけれども、そういう印象をわれわれが受けるのでは、私どもも残念だと思う。大臣としても、本意ではないと思う。  そこで大臣の、こういう点について、どういう御判断をされるか。お考えを一つこの際お聞かせいただきたいと思う。

井原岸高自由民主党農林政務次官

○政府委員(井原岸高君) お答えいたします。相澤先生の御質問の御趣旨は、よくわかりますし、また二十三億という手数料を増額いたしまするよってそのゆえんの、最もベース・アップに関連いたしまして、これに基づいて、予算を組んでおるわけでございますから、当然筋の通った割合といたしませんと、これは単に政治上の問題じゃございません、数字の問題でございますから、筋の通った、ただいま長官からお答えいたしましたような趣旨に沿って、御納得のいただけるような配分をやることに考えております。  従いまして、明後日の委員会に御報告を申し上げるようなふうにできるだけ努力をいたしますけれども、万一それがおくれましても、五月の早々には御報告を申し上げ、御了解得られるようなところまで必ず実現したいと存じますので、御了承いただきたいと存じます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 次官が大臣と打ち合わした上で、そういう善処方をしたいということでありますから、私はそれを信頼したいと思います。あさっては農林大臣にも、どうしても出ていただくことを委員長に要請しておりますから、ですから、大臣にも、今の答弁ができるように私は期待をしておきたい。  それからいま一つは、この前に、ちょっと食糧庁長官に話した、まずい米を食わせるなと、こう言ったことなんですが、これは現実にあるのですよ。現実に私は今横浜に住んでおりますが、横浜の南区というところで、ことしの二月ですね、まずい米が配達された。それで消費者の方から文句が出て、お米屋さんは、これを取りかえたわけです、急拠。こういう場合の損害は、だれが責任を負うのですか。つまり卸から小売屋さんは荷を割り当てられて、そうして消費者の家庭へ配達したけれども、消費者が文句を言って、こんなくさい米は食えぬ、こう言って取りかえなければならぬですね。こういうような場合には一体だれが責任を負うのか、こういう点を長官から一つお答えをいただきたい。

須賀賢二食糧庁長官

○政府委員(須賀賢二君) 最近までの事例といたしましては、大体古米その他で実際に食味が落ちておる。あるいは配給をするときに欠減を生ずる、目減りを生ずるというようなものにつきましては、これはある程度の値引き、欠減相当分を値引きをするというようなことで処理をいたしておるわけでございます。それから昨年も、関西で起きた事例でございますが、ある地区へ入りました米が、普通のものの水準以上に虫に食われておりまして、非常に配給が困難であるというような事例がありましたが、これは現物で、たしか取りかえたと思っております。まあいろいろ、だんだん米の需給もゆとりが出て参りまして、従前は一応配給ができたものが、現在の時点では配給が困難であるというような事例が、逐次従前に比較いたしますと、ふえてくる傾向にあるわけでございまして、私どもの方としましては、大体一部欠減等が出ますものは価格で処理をする。品質的にどうしても配給に向かないというようなものが、現実に卸の手に渡ったというような場合には、今後の処理としては、やはりこれは現物を見まして、これがどうしても配給不適品であれば、これを取りかえるというようなことは、今後、実際には考えていかなければならないと思います。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 長官の言う、値引きを一部して、悪い米についてはとってもらうということだと思うのです。それから、どうしてもいけないものは、これはか、えなければいかぬ、こういうお話だと思うのですが、消費者というのは、やはりうまい米を食わしてもらいたいということですよ、率直に言って。だから、まずい米だったならば、どんなに安くされても食いたくない、これが消費者の私は偽らざる気持だと思うのです。ですから、小売の人たちが、せっかく配達をしても、人情的には、重いものを持ってきたのだから、これは食えるものなら食ってやるという気持はあると思う。しかし、うまくない、まずい米を、何も同じ値段で、あるいは少しぐらいの値段を引かれたところで、食おうなんて人はいないでしょう、この豊作の時期において。私はそう思う。それくらいならば、配給のまずい米を食わないで、やみ米を食う方がいいなんというようなやからが出てくると思うのです、現実に。  そこで私は、そういうものは、やはり原則としては、私は今の長官の話とは逆に原則として、悪い米はかえるというのが私は農林省の方針でなくちゃならんだろう、こう思う。しかし、他に流用する道があれば、これは平常の米ではないのだから、これは値引きをしても、これはできるだけ欠損を少なくしていくという形が、やはりこの食糧庁としてのとるべき姿ではないか、こう思う。だから、長官のせっかくの——もう他意はないと思いますから、私も別に長官の言うことが悪いということでなくて、やはり考え方としては、とにかく消費者にうまい米を食わせる、そして、食うことに  輸送上の隘路等によって配給がおくれたとか、心配をさせないというのが、食糧庁のやり方だと、こう思いますから、悪いものは取りかえる、そしてこれを他に転用、流用できるものなら・その場合には、若干の値引きをしても、これを一つむだにしない、こういう方法であってしかるべきだと思う。  そこで、もしそういうことになると、卸は小売のとき、先ほど長官の言うようにトラックに積んで持ってくるわけです。ところが小売は、今度は一軒々々消費者に配達するわけです。その消費者に配達したところで、その配達したものを、これを取りかえてくれと言われたときには、手数料は取れません、相手は買っていないのだから。そういう手間というものは、実際これは計算に入ってこないでしょう。卸の方は、一ぺんに卸すわけですから、それが、たとえば何俵そのうちに悪いのがあったとか、全体がどうであるとかいうようなことは、小売の人たちから初めて報告を受けるわけです。こういう問題について、私はやはりさっきの労務費の問題で、卸の方は機械等のいわゆる設備等の問題で、多額の費用がかかると、こう言うけれども、逆に小売の場合は、消費者に直結しているだけに非常に私は苦労があるし、そういうむだ骨を折ることがある。こういう点で、むしろ先ほどのお話のように、私は現在の小売業者の設備等の——先ほども申し上げましたが、こういうことから言っても、私は労務費を重点に、やはり小売商にあたたかき方針をとるべきである、こういうふうに思う。  そこでこのくさい米、あるいはまずい米を配達された場合に、そういう処置についても、これはやはり貯蔵の仕方とか、あるいは輸送の途中の問題とか、いろいろあると思うのです。そういう点については、これはやはり卸とか小売の責任というよりは、政府の責任ではないですかね。この点は、長官どうですか。あなたが、今私のお話し申し上げたことでお考えになって、どうですか。

須賀賢二食糧庁長官

○政府委員(須賀賢二君) 米のもとは、私ども政府で扱っておるわけでございますから、米が一般的にまずければ、これはどこに責任があるかということになりますと、これは政府の責任でございます。しかし一般的に食味が悪い——北海道の米等の場合は、そういう批判を常に受けておるわけでありますが、一般的に悪いのは、現段階においては、ある程度これは御辛抱願わなければならない。今の段階において、全部の米の品質が短時間の間によくなるわけに参りませんから、これは御辛抱願わなければならぬわけでありますけれども、先ほど申し上げてございますように、実際に配給をいたしておりますものの中で、特に一般のものに比べて品質が著しく悪いものがあるというような場合には、私の方で、責任を持って処理をするという考え方をとっているわけであります。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 最後にお願いをしておきたいと思うのですが、いろいろ統計資料ももらいましたが、先ほどの長官の御説明もあったように、卸と小売の、そういう内容を一つ分析をして、当委員会に資料として提出をしてもらいたい。そうして今度の場合は、先ほど次官から大臣と御相談を願って、できれば明後日の当委員会に一つ結論を出せるように努力をしてほしい。こういうことで私はこれらの消費者と小売と卸、そうしてまた政府と、これらの点は、こういう関係を一つ友好的なものに、明るい希望を持たせるように一つ努めてほしい、こういうことを申し上げて、きょうは時間もございませんから質問を終わりたいと思います。そのことを一つやっていただけるかどうか、お答えいただきたいと思います。

須賀賢二食糧庁長官

○政府委員(須賀賢二君) 特にお尋ねのありました事柄の中で、手数料の配分につきましては、先ほど政務次官からもお答えがありましたように、できる限り明後日にでも結論的なことを申し上げるという趣旨で取り運びたいと考えております。いろいろ相談をいたさなければならないこれは政府部内の問題でございますから、そういう関係もございますので、万一明後日決定的なことを申し上げられませんような事情がございましても、今後のこれを決定いたしまする考え方なり方針につきましては、先般来いろいろ御指摘になっておりまする点を十分考慮いたしまして、また先ほど来私どもが申し上げておりますような方針でやって参るつもりでございますので、御質問、ないし御指摘の趣旨と、結果において反するようなことは絶対ないというふうに私考えております。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) 本日の総括質疑の通告分は、全部終了いたしましたので、これにて散会いたします。    午後五時四十六分散会      —————・—————

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