決算委員会 第19号
- 発言数
- 222 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/04/14
会議録
○委員長(佐藤芳男君) これより決算委員会を開会いたします。 本日の委員長・理事打合会においての事項を報告いたします。 昭和三十三年度決算審査の日程について協議いたしました結果、一、昭和三十三年度決算は予定通りの日程に従って四月二十八日に審査を終了する。二、福岡県知事らの参考人出席の件については、その時日を四月二十六日午後とする。以上のごとくに意見の一致を見ました次第でございますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤芳男君) 御異議ないと認めます。さよう決定をいたしました。 ———————————
○委員長(佐藤芳男君) 昭和三十三年度一般会計歳入歳出決算、同じく特別会計歳入歳出決算、同じく国税収納金整理資金受払計算書、同じく政府関係機関決算書を議題といたします。 本日は、住宅金融公庫、公営企業金融公庫の部を一括して審査いたします。 昭和三十三年度決算においては、両公庫とも不当事項の指摘を受けたものはございません。それでは会計検査院より検査報告記載の事案について説明を求めます。
○説明員(平松誠一君) 住宅金融公庫の三十三年度検査の結果につきましては、不当と認め、検査報告に掲記した事項はございません。業務の概要について百三十九ページから百四十ページにかけて記載してございますが、これにつきましても特に補足して説明申し上げる事項はございません。 公営企業金融公庫につきましても、検査の結果、特に不当と認め、検査報告に掲記した事項はございませんでした。業務の概要につきまして百四十四ページに記述してございますが、これにつきましても特に補足して御説明申し上げる事項はございません。以上でございます。
○委員長(佐藤芳男君) 次に住宅金庫公庫、公営企業金融公庫の順に、それぞれについて説明を求めます。
○参考人(鈴木敬一君) 昭和三十三年度におきまする住宅金融公庫のとり行ないました事業の実績につきまして概要を申し上げます。該年度の野業計画におきましては、戸数においては九万二千戸貸付契約金額においては、三百五十億余円ということに相なっております。これが実施にあたりましては、三百七十三億余円と約二十三億円上回る結果となったのでありますが、これは分譲住宅、中高層耐火建築物等の貸付が増加したためであったのでございます。前述の資金計画といたしましては、前年度の未交付分百二十八億余円と当年度分の百九十九億余円とを合計いたしまして、三百二十七億円余でありまして、その資金構成は出資金が二十五億円、繰入金が二百四十八億円、回収金などが五十四億余円でありますが、その実施にあたりまして、前年度よりの繰越分七億余円を合わせまして、三百五十三億余円の資金交付をいたしたのでございまして、予定金額よりも約十九億円の超過を見ることに相なったのでありますが、これらは回収金などの増収によりまして、充当いたし終わった次第でございます。 次に回収管理につきましては、回収予定高に対しましては、九七・九八%の成績を上げたのでございまして、金額にいたしましては百六十七億円、その一部は公庫の借入金の返済に充てますし、一部は事業資金に使用いたした次第でございます。 次に住宅融資保険業務についてでございまするが、保険契約額は五十七億円を予定いたしましたところ、実際の契約額は、約五十四億円と相なりましたし、そのうち保険関係の成立いたしましたものは、件数七百二十一件、金額四億三千万円にとどまった次第でございます。なお当年度における貸付業務による損益といたしましては、滞貸償却引当金繰入額は三億五千万円でございまして、大蔵省から指示せられました繰入率一千分の一五以内にとどまりますので、国庫への剰余金として納付する金額はなかった次第でございます。また住宅融資保険業務につきましては三百余万円の利益を生じましたが、これは住宅融資保険特別勘定の積立金として積み立てることにいたした次第でございます。 以上概要を申し述べました。
○委員長(佐藤芳男君) 続いて三好公営企業金融公庫総裁。
○参考人(三好重夫君) 昭和三十三年度の公庫の決算につきまして、概要を申し上げます。 当公庫は昭和三十二年六月に発足いたしましたので、昭和三十三年度は第二年度に当たるわけであります。昭和三十三年度におきましては、予算で定められましたとおり、政府出資金が五億円追加されまして、十億円となりました。債券は八十億円を発行し、その期末残高が百五十億円となっております。貸付は八十四億円を追加しその期末残高は百五十七億円となりました。資金の調達も融資もともに、きわめて順調に予期した成果をおさめることができたのであります。また、損益の状況におきましては、前年度からの繰延の分を含めた債券発行費の償却を千百六十万円計上いたし、総額一億五百三十七万円の約一一%に当り、前年度の六%に比しまして五%だけ多く償却をすることができました。また、支払期日は到来しておりませんが、損益に計上を要する未払債券利息も総額二千七百六十三万円の六五%に当たる千七百九十九万円を計上することができまして、損益の内容が、前年度に比しやや改善されたのでございます。なお、元利金の回収状況でございますが、千三百三十四件、その額が八億二千八百七十一万円で、これは指定した月中に、すべて収納され、延滞は一文もございません。 また、公庫の業務内容につきましては、昭和三十三年の公庫法改正法案に、国会修正をもちまして新たに一時借入金の資金の貸付が加わりました。また、その法案審議の過程におきまして、旧債借りかえのための融資と旧指定地方債団体への貸付もやってよいという解釈が確定いたしましたが、いずれも予算の決定後でございまして、資金に余裕がございませんでしたので、実施することができませんでしたが、昭和三十四年度からは、短期融資も旧債借りかえも実行いたしておる次第でございます。 なお、旧指定地方債団体への融資につきましては、そういう御解釈がきまったのでございますけれども、直接各団体とも市中公募で調達をされておりまして、今日まで申し込みもございませんし、融資もいたしておりません。 新しい公庫でございますので、御参考までに昭和三十四年度決算の問題その他についてかいつまんだ概要を申し上げます。 昭和三十四年度におきましては、政府出資金が五億円追加され、合計十五億円となりました。債券は前生度に比べまして二十億円増し、百億円を発行し、融資は前年に比し、二十二億円増の百六億円を実行いたしました。 損益の状況は、結局前年度からの繰延を含めました債券発行費の償却及び支払期の到来しない債券の経過利息の計上額の度合に集約されるのでありますが、創立第三年度となりましたので相当に改善されました。すなわち、支払期日の到来しない債券の経過利息は未払利息としてその全額二億五千百万円を損益に計上することができるようになりました。また、債券発行費の償却につきましては前年度からの繰延を含めた総額一億八千四十二万円の三七%に当たる六千七百万円を償却することができ、前年度に比し二六%の償却増となっております。 また元利回収状況でありますが、累増して件数二千三百五十一件、金額は十五億七千五百二十三万円となりましたが、全額期日までに収納されておりまして、滞納はございません。 業務内容につきましては、新たに宅地造成事業が追加され、予定通り融資を実行いたし、さらに前年度実行できなかった短期資金の貸付も旧債借替も手をつけ始めたのでございます。 以上昭和三十四年度決算の概要を申し上げました。 なお、昭和三十五年度の状況及び昭和三十六年度の計画につきましても簡単にお聞き取りを願いたいと思うのでありますが、政府資金につきましては、昭和三十五年度に三億円追加され、昭和三十六年度にも三億円追加されますので合計二十一億円が政府資金による出資になるわけでございます。 債券発行は昭和三十五年度に百三十五億円、昭和三十六年度は百八十億円予定されておりまして、その期末残高は五百五十一億円となる見込であります。 融資につきましては、昭和三十五年度百四十二億円、昭和三十六年度が二百億円予定され、その期末残高は五百七十三億円となる見込みであります。 なお、昭和三十五年度から農林漁業金融公庫の委託により、公有林の造林融資を実行いたしておりまして、昭和三十五年度六億九千万円はすでに全額貸付決定を了しました。なお、昭和三十六年度は八億円の融資が予定されております。 以上概要を申し上げました。何とぞよろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(佐藤芳男君) これより質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○相澤重明君 住宅金融公庫の総裁にお尋ねしたいと思うのですが、ただいま御報告いただきまして、別に決算上指摘されることはないわけで、大へんけっこうなことだと思うのですが、特に住宅の借入希望者が非常に多いのでありますが、三十三年度の個人住宅の融資状況から見ると、申し込みを受理したものと実際の貸付を契約したものとのバランスがどういうふうになっているか、御説明いただきたい。
○参考人(鈴木敬一君) ただいまのお尋ねにお答え申し上げます。 三十三年度について特にお尋ねでございますが、例年大体同じになっておりますが、三十三年度におきましても、個人住宅の申し込み倍率は、大体六倍程度に相なっております。これは個人住宅についてのお答えでございますが、個人住宅に似かよった木造りの分譲住宅などは、ところにより過不足ができておりますので、具体的の場所次第でもう少し倍率の多いところ、ことに具体的の一つの宅地について申しますと、甲乙がございます。これは御承知おきを願っておきますが、大体の平均率は約六倍と御承知下さって間違いないものと考えます。
○相澤重明君 そうしますと、六倍の競争率というふうに、反面解釈すればなるわけですね。つまり申し込みを受理した件数に対して契約したものは、実際には六分の一だということになると六倍のまあ競争率と、この場合に何回か回を重ねて申し込む場合があると思うのですが、結局申し込んでもその六分の一しか融資ができないのだから、その場合に何か特別な考慮というものが回を多くしたものにあるのかどうか、この点いかがですか。
○参考人(鈴木敬一君) ただいまのお尋ねにお答えいたしますが、大体個人住宅にまず抽せんを用います理由は、初めから詳細に審査いたすためにはいろいろなまあ材料が要るわけでございまして、それを初めからその申し出られたお客様に御注文申し上げるのは、ただいまのお話のように六人について一人実際に最後に契約をするような状況でありますから、なるべく自他ともに手数を省きたいということのために、大体抽せんを用いまして、当選した方だけにいろいろないよいよ最後まで審査できます材料を、お願いするようなことにいたしておるのでございまして、そういう考え方、実際も必要でございますから、何回かくじをお引きになって何べんやってもなかなか当選しない、くじ運というものは妙なものでございまして、一ぺん申し込んですぱっと当たる方がむしろ相当あるわけでございますが、どうもくじ運が悪い方になりますと、何べんお引きになってもだめだ、まことにこれは事情お察し申しまして、住宅のことでありますから、ほんとうに困られる、困窮されておる御事情をほんとに涙をともにするような実情も少なくないのでございます。で、そういうようなことも加味いたしまして、三回続いて落選されて四回目にお出しになったという方くらいは、何とかお助けしても落選された他の方と比較して不公平にもなるまい、こういうような考え方からいたしまして、できるだけ四回目くらいには無抽せんで審査だけでいく、こういうことにして差し上げたいという念願を持っております。ただこれはその年年で多少ずつ申し込みが非常に多いとか割合少ないとか、それからわれわれの方の予算の都合で、どうも思いながらたくさんワクを設定できないというような場合もございますから、必ず四回目の方は全部無抽せんとあらかじめお約束は遺憾ながらいたしかねますが、実際においては今まで大体そういうことになっておるつもりでございます。大体そんなことで、まあなるべく自他ともに手数を省きたいという念願と、実際に住宅に困窮されておりながらくじ運が悪い、お気の毒な方の救済と、両方の矛盾した立場を歩み寄っていただいて、その辺でがまんしていただく、こういうことにお願いしておる次第でございます。
○相澤重明君 大へんまあ私はけっこうなことだと思うのですね、そういうことは。ということは、実際にほしくて仕方がないものが何回やってもこれは当たるまで申し込みたいという、これはもう人情だと思うのです。うまくいけば当たったというそのときの気持だけじゃないと思うのです。従ってそういう必要に迫られておる者に何とかしてやはり早く家を与えるということは、これはやはり私どもとしては何としても考えなければならぬことだと思う。 そこで、今の総裁のお話は私どもけっうだと思うのですが、しからば三十三年度に貸付契約をした六分の一といいますか、公庫が。三万九千百四十五戸約四万戸近いですね、この契約をした中にそうした温情といいますか、無抽せん審査をしたのはどのくらいなパーセンテージになりますか。
○参考人(鈴木敬一君) 便宜、貸付部長からお答え申し上げます。
○参考人(江ケ崎太郎君) 三十三年度の第一回の個人で無抽せんになられた件数は六千百六十一件でございます。金額にして二十七億余円。第二回の方が九千二百四十六件で四十億余となっております。ただしこの中からいろんな事情で辞退された方もありますが、これらの方々は無抽せんで審査に進んでその後の手続をしていただく、こういうことになった方でございます。
○相澤重明君 そこで今のせっかく無抽せんで審査をしてやって、希望に沿うようにということで公庫の方で努力されても、せっかくそういう親心が出たときに要らなくなった、こういうのは、たとえば今まで資金を準備しておったけれども、その資金をほかに使わなければならなくなってやめたのか、それとも他の民間の住宅建築に契約ができたから、それでその際にせっかく申し込んでおったけれども棄権をするということになったのか、そういう事情についてはお調べになったことありますか、またわかったらその内容を御報告願いたい。
○参考人(江ケ崎太郎君) その調査は悉皆調査はできませんけれども、部分調査をやっております。それで大体の傾向はわかっておるのでございますが、実はここへそのこまい資料を持ってきませんでしたが、私の記憶で大体の概況を申し上げますと、借地の予定が借地ができなかった、あるいは土地を買う予定が買えなかったとか、あるいは先ほどもお話もありましたように、準備した頭金がいろんな事情で、たとえば病気するとかいろんな事情でやめて辞退する、そういう方々が大体三五%程度あるやに記憶いたしております。
○相澤重明君 今のお答えにある通りですね。私もいろいろ住宅公庫に申し込まれた人の意見を聞くと、自分ではなくて困っておるから、一日も早くうちがほしいと、こういうのでとにかく抽せんが当たるまでは何回でも申し込むんだと言いつつも、今のようなあまりに時期がずれてしまうと、せっかく今度当たったら土地をお貸ししましようという人が、ほかからいい条件の人が出てくるとその人に持っていかれてしまう、あるいは今の最後のお話のように、せっかく準備金を持っておったけれども、これがやむを得ざる家庭の事情でその方に使わなければならぬ、こういうことになって、時期というものが非常に私は問題だと思う、ですからこれはどうでしょう総裁、今の辞退が三五%あるということになると、まあ三分の一ですね。そうすると、六分の一しか実際は申し込みした者に対するところの抽せんができないので、そのうち、しかも抽せんができたと思っても、今言った無抽せんの人たちを含んで、かなりの件数が実はそのときにまたはずれてくるということが言えるわけですね。こういうのは、予備といいますか、補欠というのか、そういうことはもう全然考えないで、次の新しい抽せんということになるわけですか、その点はいかがでしょう。
○参考人(鈴木敬一君) ただいま御質問中に含んでおります御意見はしごくごもっともな事柄でございまして、私どもお客様に直接しておりまする者といたしましては、先ほど申し上げたように、ほんとうに住宅に困窮しておられまして、ほんとうに同情の上から何とかしてあげたいというような事例に接することもございますので、できるだけは御事情に沿うようにと思いますけれども、何分、この住宅事情というものは、多数の方が今日なお困っておられる方がおられますので、御希望もそれぞれ痛切なものがございまするし、どうも予備的に若干の戸数でも握っておって、万やむを得ないときにそれを供給するといったような考え方は、私ども創立時において内部においても論議されたことでございまして、何戸分ずつ予備を握っておると、そうして、ほんとうにだれが考えても公平だと思うような場合にはそういうものを出した方がいいのじゃなかろうか、というような意見も大いに戦わしたわけでございまするけれども、なかなか世の中はいろいろな方々が多うございまして、それからまた、お述べになりまする事柄も、私は天下に一人一番困っておるんだといったような御事情のみをお申し述べになる方が多いのでございまして、それはまあ人情自然の結果でございますが、その真偽がなかなか神ならぬ身の判別しにくいのでございまして、とかく不利なことは一切おっしゃらないというようなのが実情でありますものですから、もっと言いますと、積極的に、政府の金だからたまには間違ってもいいのじゃないかと、まあ創立当時の占領軍政下の時代ではございましたが、終戦、間もないような時代であったせいもございましょうけれども、いろいろな考えを持ってわれわれのところにおいでになる方が少なくもないのでございまして、ほんとうに神様だったらということはときどき考えたこともございますけれども、なかなかその鑑別が公平に、第三者はたくさん待っておられる方でありまして、それらの方に対しても一々納得がいくような御説明ができるという確信が、われわれに持てないような場合も少なくないのでありまするから、つい、別の余裕を持っておって、ときどき必要に応じて出すということを差し控えておるような状況でございます。ただ、お話の、家を建てたいと思い立ってからいよいよ建てられるまでに非常な日月の間隔ができてしまうということは、なるべくこれはお互いに避けるべきことと思いますので、個人住宅の申し込み受付は、これも原則としてでございまするけれども、年に二回は募集するということにしております。募集しましても、結局回し政府からいただいておる、国会の御議決によったワクから出すのでございますから、結局当該年度中においては総ワクにおいては回しことでございますけれども、やはり人間の情としまして、回し落選しても、二度に分けてやってもらって、チャンスが多かったにかかわらず落選したということであれば、またお諦めもつきやすいようなことも考えられますので、年に二回は原則として募集しております。さよういたしますと、三回落選なされ四回目というのは二年後になりますので、まあ無抽せんに扱ってあげられるのが、最大二年を経ないということに相なりますので、いささかお考えのようなことも加味して考えているつもりでございます。さよう御了承願っておきます。
○相澤重明君 次に、個人住宅の場合に、その家を建てる環境によっても違うと思うのですが、木造と鉄筋等との、そういう比率はどんなふうになっておりますか。都市の場合は、全部が木造ということじゃないと思うのですが、いかがですか。
○参考人(鈴木敬一君) 約四%程度に実績は相なっております。これは大体のわれわれの考え方としては、お申し込みが、御希望が、鉄筋コンクリートあるいは準耐火構造と申しておりますが、いわゆるコンクリート・ブロックその他で建てます構造、それから木造と、そのうち二つに分けまして、木造としからざるものと分けますと、大体四%が、年によって違いますが、差ができます。これはやはりお客様の希望によって受け付けてやる、そういうことにしております。と申しますのは、だいぶ建築費も違うものですから、それからまた都市の防火上、災害を防ぐ上などから申しますと、耐火造がいいにはさまっておりまするが、種々の個人的事情もございまするので、木造が大部分に相なっているような実情でございます。
○相澤重明君 次に、住宅を作る場合の、先ほど申し上げました土地を借りるとかあるいは購入するとか、いろいろあると思うのですが、この土地造成費というのは比較的近年高いわけですね。特に都市の場合には、一カ月違うともう坪の単価が違ってくるといわれるわけです。こういう土地の借入とかあるいは購入とかという問題で、土地入手ということは非常に困難な事情にあるわけですが、こうした土地の問題については公庫としてどういうふうに考慮を払っておりますか。
○参考人(鈴木敬一君) ごもっともなお尋ねでございまして、私どもも宅地の価額の増す情勢を見ておりまして、私どものお客様の、お相手であります庶民の住宅が獲得されます上に、宅地の獲得が最も困難な事情にあり、隘路になっておりますので、これらに対する宅地対策、ことに仰せのような市街地における宅地の対策、都市近傍における宅地の対策等につきましては、主務省においてしかるべき政策を特に樹立されまして、またこれに伴う必要な法案等も国会等にお諮りになりまして、まあ言い過ぎかもしれませんが、抜本的の土地政策を立てていただきたいということを念願しているわけでございますが、私ども住宅建設資金の供給をいたしますわれわれの立場といたしまして、宅地売買に関係される業者個人も、会社もございまするが、それらの方々の立場も考えなければならぬこととは思いまするけれども、土地を需要する側から考えますと、何とかして幾らかでも宅地を安く、そして多量に供給するような方途があってしかるべきもんじゃなかろうか、かようにも考えますので、これは主務省ともお諮りもいたしまして、また地方自治団体等からの希望、申し出も漸次ふえて参っておりますので、宅地造成事業に対しまして造成資金の貸付をいたしまして、比較的低廉なそして比較的多量に都市周辺において宅地を供給してもらう、こういうことでいささか貢献をしておるようなつもりでございます。少なくも都市周辺の宅地の地価の上がりますることを幾らかでも防止する作用をしておる考えでございます。なおこれらの事業に向かいましては、主務省においても大いにその必要性を認められまして、ただいまの三十六年度予算等におきましては、三十五年度までの土地買収費並びに宅地造成費のワクを広げまして、買収費においては約三倍余り、造成費においても三十六年度の買収予定が百五十五万四千坪、それから造成の坪数が九十八万九千坪というようなことに相なっておりまして、従前より二倍余から三倍余に一躍拡大されておるような次第でございます。私どものこれらの宅地造成事業にお貸付けする相手としましては、株式会社等のものを相手にいたしておりませんので、極力——極力というのは絶対と申してもいいんですが、公共性、公益性を主とした事業団体でなければ融資しないというかたい方針を立てておりまして、結果における実績としましては都道府県、市町村あるいはこれらの自治団体にかわる財団法人——ままお聞きでございましょうが、何々県住宅協会あるいは住宅公社というごとき財団法人を設立せられ、これらは財的にあるいはまた人的に都道府県その他の地方自治団体の力強い後援のある団体でございまして、またわれわれの方の貸付の条件、希望等におきましても絶対に中間搾取をしないという建前におきまして貸付をしておりますので、中間において事業を営むための利得があるというようなことは絶対に認めないというような趣旨において、さような相手方を選んで宅地造成の貸付をしておりまして、それぞれりっぱな成績をおさめておるように考えておる次第でございます。
○相澤重明君 建設省にお尋ねしたいのですが、今の公庫の総裁の言うように、宅地造成なり宅地買収については、非常な努力を払っているということがわかったのですか、建設省としては産業住宅、それから今の分譲住宅、あるいは賃貸住宅というようなそれぞれの部類に対して、どの程度のパーセンテージによって今のような資金の配分を考えているのか、建設省から一つお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(稗田治君) お答え申し上げます。この住宅問題の解決でございますが、同時に日本の今後の産業の変貌、急激な変化というものにも対応することが必要でございますので、住宅難の解決には一般的には賃貸住宅に特に主力をおいているわけでございます。なお給与住宅の関係でございますが、これは事業場と住宅との結びつき等もございますし、また地域格差をなくすというような意味から、新しく工業地帯が建設されるわけでございますが、その工業施設が活動をするためには、当然そこに従事する労働者の住宅が必要でございますので、そういう観点からも、この産業労働者住宅、給与住宅等に特に力を入れているわけでございます。しかしながらまた実際上、それぞれの所得階層によりましては、やはり自分で住宅を持ちたいという希望も、これは一がいに否定はできないわけでございます。で、そういう方々には個人の住宅の貸付をやっているわけでございます。ただ全般的に今後の傾向ということを申し上げますと、やはり住宅問題というのは、社会移動がある場合に、そこに現実の姿として住宅問題が発生するわけでございます。従いまして個人住宅だけでは、ほんとうのそういった社会移動に伴う住宅の供給というものにある摩擦が生ずるわけでございます。従いまして今後は、適正な家賃の賃貸住宅並びに産業構造の変動に伴うところの給与住宅というようなものにつきましては、さらに一段と努力をしていかなくちゃなるまい、かように考えているわけでございます。
○相澤重明君 考え方はわかったが、その配分について、たとえば分譲住宅が今の公庫の中で何パーセントぐらい資金の配分をしているのか、あるいは賃貸住宅が何パーセント持っているのか、そういう点を質問しているわけです。
○政府委員(稗田治君) 公庫について申し上げますと三十六年度の計画におきましては、戸数のパーセンテージを申し上げますると、個人の住宅でございますが、これが七二・七%、そのうち一般個人住宅が五四・五%、分譲住宅が一一・四%、そのほかに公社、協会等に賃貸住宅を経営させます戸数が六・八%、産業労働者住宅が一五・九%、それから市街地の宅地の高度利用、並びに都市の不燃化というふうな中高層耐火建築物に対する融資が一一・四%ということに相なっております。なお賃貸住宅並びに給与住宅といたしましては、このほかに低額所得者のための国庫補助の賃貸住宅としまして、公営住宅並びに改良住宅、また公団住宅の賃貸住宅等がございます。また産業労働者住宅用といたしまして、公団の分譲住宅等がございます。
○相澤重明君 次に宅地購入費なりあるいは造成費の値上がりということは、先ほどからお話している通りなんですが、この土地を入手する費用というものを坪単価どのくらいで今見ておるのか、これは公庫の方でいいでしょう。これをラインに分けて一つ御説明下さい。
○参考人(江ケ崎太郎君) 宅地造成の取得の単価でございますが、それは千六百七十円、造成が千五百円、こういうことになっております。
○相澤重明君 これは全部均一ですか。これは地域条件によって違うのじゃないですか、坪単価は。同じですか。
○参考人(江ケ崎太郎君) これは予算単価でございます。
○相澤重明君 そうしますと、先ほどから建設省から言われたように、特に都市における事業所と、それからその附近の住宅造成、こういうものと近傍のものと違いますね、条件は。そういう場合の差は認めるというのか、認めないというのか、その点はいかがですか。
○参考人(江ケ崎太郎君) 公庫の方といたしましては、土地の標準価格というものを設定いたしておりまして、各地域ごとにそういう標準価格によって貸付をする、こういうことに相なっております。
○相澤重明君 そうしますと、実情に沿ったその地域の標準価格による、こう理解してよいですな。
○参考人(江ケ崎太郎君) これは予算単価が先ほど申し上げました通りでございまして、従いまして、その予算の範囲内で実情に合ったような価格をきめるということにせざるを得ないのでございまして、従いまして、現実の価格と、私どもの定めますところの土地の価格というものに若干の開きがございます。それで申し上げますと、私どもが今この予算で考えておりますところの土地の価格というものを申し上げますと、今度は平方メートルに直りましたのでそれで申し上げますと、一平方メートル当たり千八百円という地域と千二百円の地域と八百五十円の地域、五百円の地域と、こういうように分かれております。千八百円の地域は東京都の区と武蔵野市とこういうことになっております。千二百円の地域は札幌市、三鷹市、立川市、八王子市、横浜市、川崎市、名古屋市、京都市、大阪市、豊中市、吹田市、守口市、布施市、八尾市、堺市、こういうように京浜、京阪神、北九州の地域及び人口が五十万以上の都市、こういうことになっております。八百五十円の地域というのは今申し上げました以外の市の地域ということになっております。五百円の地域というのは町村の地域でございます。
○相澤重明君 次に建設省。日本労働者住宅協会がありますね。この日本労働者住宅協会に対する三十六年度の資金はどのくらいお考えですね。
○政府委員(稗田治君) 日本労働者住宅協会に対しまする三十六年度の割当といたしましては、千三百戸を考えておるわけでございますが、これは公庫の方で、分譲住宅のワクの中から考えておる戸数でございます。
○相澤重明君 それでは公庫の方で答えて下さい。資金的にはどのくらいですか。
○参考人(江ケ崎太郎君) 建設単価につきましては、公庫で定めておりますところの建築に関する標準価格というのがございますので、地域によってその標準価格が違うわけでございます。従いまして、まだ千三百戸についての地域的な配分ははっきりきまりませんので、従いまして、総額はここで正確な数字を申し上げることできませんが、二戸当たりの平均単価が三十六万約二千円であったと思います。それの千三百倍、こういうことになると思います。
○相澤重明君 それでは今の日本労働者住宅協会に対する考え方はわかりましたが、政府の全般としての三十六年度以降における住宅の建設計画を一つ御発表願いたいと思う。それで公庫へ建設省としてはどのくらい出資を増額してやるのか、融資計画はどうするのか、こういう点を建設省から一つ答えてもらいたい。
○政府委員(稗田治君) 政府といたしましては、経済の長期計画の十カ年計画に即応するところの住宅建設計画を一応描いておるわけでございますが、具体的に十カ年ということになりますと、少し現在の事情から数字まで類推するということに若干の困難がございますので、前期五カ年といたしまして政府施策住宅を百六十万戸建設しようという考えを持っているわけでございます。そのうち三十六年度といたしましては、政府施策住宅が二十四万六千戸に相なっておるわけでございます。そのうち具体的に今後の計画として権威づけられておりますのは、今国会におきまして御承認をいただきました公営住宅三カ年計画というもので、閣議で決定の上国会の承認をすでに得たわけでございますが、三十六年度を起点といたしまして三十八年度まで十七万一千戸という公営住宅を建設いたすことに相なっておるわけでございます。なお、公営以外の公団住宅、公庫住宅等についてでございますが、これらの年次別の計画というものは、これは毎年先ほど申し上げました五カ年間百六十万戸建設するという伸びに応じまして、具体的にこの予算編成する場合に折衝してきまる数字でございますので、その内訳というものはまだ権威づけられてはいないわけでございます。
○相澤重明君 もちろんその年度に応じて国家の予算を編成するから、必ずしも決定的なものではないけれども、少なくとも十カ年計画というものが政府として検討をされているのですから、その第一次計画として三十六年を起点とするならばするで、その三カ年の中にはこれこれの住宅については何戸建てる計画であるということは、これはその計画というものが発表されなければならぬと私は思う。きょう私はここで直ちにお答えをいただくということではなくて、あとで資料を一つ提出をしてもらいたい。三十六年から三十八年度までに十七万一千戸を建てるというのであるが、分譲住宅それから産業住宅、賃貸住宅、そのうちの公団で扱う住宅、あるいは地方自治体の中で財団法人として持っている公社ですね、そういう公社、——地方自治体の持っている公社、そういうところに扱わせる戸数、こういうようなものを一つ資料として提出を願いたい。そうしてそのための融資というものはどの程度お考えになっておるのか。ただ単価がきまっておるからこうだというだけではこれは説明にならぬ。そういう三カ年計画なり第一次五カ年計画というものを、十カ年計画の前期の五カ年計画というものがあるならば出してもらうことが必要だと私は思う。それでとりあえず今の説明をされた三十六年から三十八年まででけっこうですから、それを一つ建設省は資料として提出をしていただきたい。これは委員長から一つ。
○委員長(佐藤芳男君) ただいま相澤委員より御要求のありました資料につきましては、できる限りすみやかに委員長の手元に御提出あらんことを望みます。
○政府委員(稗田治君) 住宅局として考えております一応の数字はこしらえてございます。先ほども申し上げましたように、予算折衝によってきまる戸数でもございますので、われわれの考え方の数字にとどまるわけでございます。 なお、その公庫の中の内訳あるいは公団の中の内訳等につきましては、御承知のように住宅難の事情というものは刻々変貌をいたしつつあるわけでございます。それに対応しました、実情に即応した配分をいたさなければなりませんので、内訳につきましてはわれわれ現在のところ考えていないわけでございますが、ものの考え方といたしましては、先ほど述べましたような、今後の住宅政策のあり方というような考え方につきましては考えておるわけでございます。できるだけ御要望に沿うようなわれわれの考え方をまとめましてお届けいたします。
○相澤重明君 住宅公団関係はきてないわけですね。これはやっぱり建設省ですね。 それでは住宅公団がきていないから、建設省から、三十六年度の住宅公団の計画わかりますか。三十六年度の住宅公団が考えている内容わかりますか。
○政府委員(稗田治君) 住宅公団の三十六年度の計画といたしましては、賃貸住宅が二万一千一尺 分譲住宅が一万一千戸、合わせまして三万二千戸を建設することに相なっております。
○相澤重明君 次に公庫にお尋ねしたいのですが、住宅融資の保険業務ですね、これはまあ、先ほども述べられておるわけですが、あまり好調ではない、依然低調を続けておる。そして保険の利用者というものは、いわゆる借入者、木造アパートの賃貸業者が多い、こういうようなことに考えて、どういうふうに今後この保険業務について進めていったらいいのかですね、この点については三十三年度、三十四年度の実際の経過から考えて公庫としてはどうするのか、その対策を御検討されたことだと思うのです。その具体例をあげて一つ説明をしていただきたい。どうしたらいいか。
○参考人(鈴木敬一君) 住宅融資保険につきましては、先ほど概況陳述の際一部申し上げたような次第でございまして、必ずしも大いにふるっておるとは遺憾ながら申し上げかねるのでございます。と申しますのは、根本が政府資金等の関係におきまして、住宅建設に関係のある資金を政府が援助すると言いましても程度がございますので、政府の住宅対策の計画といたしましても、民間に自力建設を相当程度期待しておるような次第でございまして、できるだけ民間から資金を吸収したいということは政府の念願であろうと存ずるのでありまして、その結果政府の資金にあらずして民間の金融機関の自己資金を、できるだけ庶民住宅の建設に向かって貸し付けてもらいたいという念願から、住宅融資保険制度が現われたことと承知いたしますので、従って、一般の民間の金融情勢次第によりまして、民間需要が多い、少ないを非常に敏感に作用いたしますので、そうすると金融機関自身としましては、できるだけ有利な貸付融通をはかりたいということを念願するのは、これは人情上きわめて自然のことと存じますので、とかく政府の意図するごとき民間住宅、庶民住宅の建設資金に貸付が少ないということは、根本においてはある程度やむを得ないのではなかろうかと存ずるような次第でございますが、先ほど相澤先生のお尋ねの中にもございましたような趣旨において、できるだけ都市の構成上なり住宅の構造を質において向上せしめたいというような考え方からいたしまして、民間の実際の庶民の念願する程度以上に木造にはなるべく力を入れない、鉄筋コンクリートその他の耐火造に重点をできるだけ置きたいということが、政府の念願であろうと想像されるのでありまして、私どもの貸付方式といたしましても、相当な木造をなお含んではおりますものの、賃貸住宅等の住宅におきましては、火災、風水害その他の災害の防止等の見地からいたしまして、ことに賃貸住宅等においては必ず耐火構造でなければ建設資金を貸さぬということにしておりますが、結果はただいまお申し述べのごとく、大体の観察といたしましては、木造の賃貸住宅、よく世間で言われる木造アパートの建設資金というようなものに融資がされておる実情でございまして、この方面において銀行その他の金融機関の責任において、自己資金を貸し出してもらうということは非常にけっこうなことだと思いまするが、思いながら宣伝その他の世間の理解を求めることには相当な努力はいたしておるつもりでございますけれども、なお及ばずして必ずしも旺盛であるという実績をおさめ得ないことは非常に遺憾でございますが、改善の方法といたしましては、われわれの融資保険の保険金の程度、つまり民間の金融機関が自己資金を貸し出しました金額の八〇%までを保証する。もし貸し倒れその他の事故発生に際しましては、貸付資金の八〇%だけは弁償、保証してあげる。残りの二〇%は銀行の努力に待つということにしておりますので、そういう点をもう少し何とかすべきではなかろうかというような点が一つ。いま一つは、保険料のパーセンテイジでございます。これは非常にこまかい数字で理解しにくい数字になっております、率が。これは大体年利で申しまして二分程度でございます、保険料負担が。それで市中金融機関が住宅建設資金に貸し出します金利は必ずしも一定しておりません。もちろんお客さんにもよりまするし、銀行とお客さんとの取引関係もございましょうし、しかし大体大観しまして年利八分程度ではなかろうか。そういたしますと、保険料が年二分、合わせて年一割程度の債務者の負担になるわけでございまして、これをもう少し上げるか下げるか、私どもの方は先ほど申し上げたように、住宅融資保険会計は別勘定にいたしておりまして、独立会計ではございませんけれども、勘定を別にしております。それから申しますと、先ほど申し上げたように、わずかながら公庫としては利益に回っているわけであります。公庫は必ずしも利益をむさぼる必要もございませんし、そういう趣旨ではないのでありまするが、割合に各貸し出た金融機関が自己資金が二〇%あるというようなこともございましょうし、非常に熱心に取り立て、貸付からして確実を期するのみならず、取り立てにも努力いたされます結果、めったに貸し倒れはないのでございます。ただいま決算としてお手元に審査されております三十三年度のごときは、貸し倒れは一件もなく年度を終了しております。しかし、その後の年度におきまして、件数において二件、四件と、金高におきまして四十万円とか六十万円とか、まあ総体から見ますと非常にりょうりょうたる貸し倒れに相なっております。その八〇%を公庫が保証しておる程度でございますから、保険料の収入と差引いたしまして黒に相なっておるということでございますから、場合によってもう少し保険料率を下げ得るということも考えられまするし、それからもう一つは、公庫は保証する限度八〇%程度というものをもう少し上げたらどうか。たとえば九〇%くらいにしたらどうかというような意見も出ております。かれこれこの二点について毎年のごとく協議し審査しておるのでありますが、まだ国会にこうなりました、していただきたいというまでに成案ができておりません。御報告いたしておきます。
○相澤重明君 最後に一つ。総裁、三十三年の災害等の場合、特に地すべり等については、三十四年度から公庫の所要の改正を行なって貸付をすることになっておる。そこで、地すべり等の災害が起きた場合に、現在まで公庫としてどの程度の貸付が行なわれておるか、わかったら年次別に一つ御報告いただきたい。
○参考人(鈴木敬一君) お尋ねでございまして、まさにこの年度に地すべり関連住宅の貸付が制度として始まりました。ただこの年度には全然関連の住宅の貸付ができておりません。と申しますのは、地すべり対策というので府県知事が地すべりの常時発生する、あるいは発生すべき見込みの地区に対しまして、この地すべり防止の計画を樹立して、建設大臣の承認を得て云々という手続になっておりますので、割合に地すべり防止対策の具体的な計画が樹立せられることがきわめておそいのであります。そのために地すべりの傾向があるから、その関係区域内の庶民住宅を公庫からの貸付金によって、あるいは移転し、あるいは修繕し、補強するといったようなことに貸し付けろ、こういうのがわれわれの方の任務でございますが、今までのところ総括いたしまして戸数で、今私のうろ覚えでございますが五十件なかったと思います。これはぼつぼつ出て参ります。現場等を私も視察してございましてなかなかゆるがせにできないことと思いまして、関連計画が樹立せられ要求されるごとに、できるだけ簡易敏速ということをモットーとしておりまして、これは御承知のごとく、災害復興住宅の貸付につきまして、一般の貸付でございましたら、借りられる方々にもできるだけ慎重な計画と対策をお持ち合わせであるかないかということを調べますと同時に、公庫側においてはできるだけ慎重なしかも公正な態度に出るように申しつけて、その趣旨にはまった行動をするように言っておりますが、この災害復興住宅貸付及び地すべり対策の貸付につきましては、できるだけ簡易敏速に貸し付けるようにということを、私どもの代理店であります金融機関、あるいは設計その他を承認を求めております公共団体等の業務委託先に対しまして、もっぱら簡易敏速ということを趣旨として実行するように申しておるようなわけでありますが、お尋ねの点につきましてはまだりょうりょうたる実績しか持ち合わせませんということをお答えいたします。
○野本品吉君 これで質問がなければ午前中は終わりますか。
○委員長(佐藤芳男君) なお公営企業が……
○野本品吉君 大蔵省のことで議事進行について。決算委員会は財政処理がどのように行なわれておるかということについて綿密な調査検討をとげることが使命でありますが、その財政処理の当否を検討する場合において、過去の政策が当を得ておったかどうかということがあわせて検討される。なおその当然の帰結といたしまして、将来の政策についても論議がされるわけで、従来の決算委員会におきまして各省の決算が行なわれる際に、担当の主計官は出ておられますが、しかし政策についての過去の反省と将来への展望、あるいは希望というものも相当述べられるのでありますから、大蔵省は政務次官も二人おる。従って、ほかの委員会等の関係もあろうと思いますけれども、政策についての論議等が行なわれるのですから、政務を担当する政務次官等もこの委員会にできるだけ出席されるように、委員長を通じて要望されることをこの際希望したいと思います。
○委員長(佐藤芳男君) 野本委員の御希望に関連することでございますが、会計検査院に対しましては必ず出席をされるようにということは申し入れてございます。これは当然のことでございますがなおまた大蔵省の方からも必ず毎回出席されるように強く申し入れてあるのであります。主計官に申し入れてあるのであります。なお、政策立案の衝に当たり、さらに各省からの政策につきまして話し合いをする立場にございまする大蔵省の政務次官に対する御要求については、ごもっともと考えますので申し入れをいたしたいと、かように御了承願います。
○参考人(江ケ崎太郎君) 先ほど相澤先生から御質問あったところで、私ちょうど語謬いたしましたが、訂正さしていただきます。 それは日本労働者住宅協会に対して千三百戸、三十六万二千円と申し上げましたが、これは一般個人住宅の木造平均単価で、分譲住宅の場合は土地が全部ついておりますので、五十一万円でございましたので訂正さしていただきます。五十一万円の千三百戸で六億六千三百万になると思います。ただし、これは先ほど申し上げましたように、地域によって土地の標準価格、建物の建築の標準価格が違いますので、若干変ってくるかと思います。
○委員長(佐藤芳男君) それではこの程度で住宅金融公庫に対する質疑は終了さしていただきまして、続いて公営企業金融公庫に対する質疑のおありの方の御発言を願います。
○相澤重明君 公営企業金融公庫の総裁にお尋ねしたいと思うのですが、何しろ歴史が新しいので、三十三年度の決算の中で御報告をいただいたように、全く微々たる事業内容です。しかし、この公営企業は地方の自治体にとっては非常な有益な資金になると思うのです。 そこで、三十三年度の先ほどの御説明をいただきますと、年度末貸付現在額は百五十七億円。そのうち、上水道事業が三六%の五十六億円、電気事業が二六%の四十一億、こういうことで、上水道、電気事業が全貸付額の六二%を占めておる、こういう御説明ですね。そこでこのあとの三八%、これはどういうものが主としてなっておるのか、それを一つ御説明いただきたい。
○参考人(三好重夫君) お手元に黄色なリブレットを差し上げてあります。これに累計が出ておるのでございますが、貸付の対象になりまする事業を上の方の欄に並べてございます。その下にある数字がそうでございますが、累計で見ますと上水道、電気等に次ぎますものは工業用水道でございますとか、あるいは港湾整備事業、そういうものがおもなものでございます。ただ、ここに並べてございまするような事業のうちで、御承知のように、各事業につきまして政府資金がやはり貸し付けられるのでありまして、それと協調融資のような格好で私どもの方の資金も出ていくわけでございます。その際、この少額のものにつきましては政府資金が一〇〇%出るものがございます。そういうふうな関係で統計上、表わしますとこういう数字になるわけでございます。ただ御了解願いたいのでございますが、私どもの方の貸付は他の公庫と異なりまして、政府において起債の許可をなさいます、その起債の許可の額に見合いまして当初の計画に従って貸付をするわけでございますので、私の方では今までのところ府県市町村の希望額に対しまして一〇〇%貸付をいたしておるのでございます。そういう状況でございますので、私の方で特にある事業、この事業という選択を加える余地はどちらかといえばない格好に今までのところなっておるのでございます。
○相澤重明君 大蔵省にお尋ねしますが、今公庫の総裁が言うように、小企業のものについては政府としての資金について一〇〇%貸付を行なう、こういう御説明をいただいたのですが、地方自治体において地方公共団体がかなりこれらの利用を要望しておったと思うのですが、現在まで、三十五年度末でけっこうですから融資の申し込みを受けたものはどのくらいあるのか、それを一つ御発表いただきたい。
○政府委員(奥野誠亮君) 三十五年度の起債の申請額と、それに対しまして起債を許可できます額の割合で申し上げますと、全体では大体六一%ぐらいになっておるわけでございます。事業によりまして若干違っておりますけれども、平均的にはその程度になろうかと思っております。
○相澤重明君 この六一%というのはどういうことなんですか、政府として考えた場合に地方公共団体が申請をしてもその自治体の予算等から見て、これは許可をしても無理であると、こういうのか、それとも政府の手持ち資金の運用について、この程度の許可をするのが一番理想だと考えておる、こういうことでこの六一%という数字が出ておるのか、それはいずれですか。
○政府委員(奥野誠亮君) 率直に申し上げまして両方あろうかと思います。自治省で話を聞いてみまして、とてもそれだけの事業の進捗を事実上期待できないというものもございましょうし、あるいはまた資金がありませんためにどうしてもがまんをしていただかざるを得ない、というようなものもあるわけでございます。
○相澤重明君 この債券の利子が発行者の利回りで年七分五厘二毛、こうなって、おるんですが、これは平均でしょう。大部分は長期貸付の七分六厘と、こういういうふうにわれわれ伺っておるのですが、その通りですか。
○参考人(三好重夫君) 私どもの発行いたしまする債券の発行者利回りは、七分五厘二毛五糸と正確に申しますとなっておるわけでございます。これを原資といたしまして、さらにこれに政府出資金も出して貸付けを行なうわけでありますが、その貸付の方の利子は七分六厘と、こういうことになっておるのであります。その差額の七毛五糸というものがございますが、これは私の方でそれだけの利ざやを見てかせぐという意味合いでございませんで、資金を調達しましてから貸付に回します間の日にちのロスがございます。そのロスをこの利ざやによって埋めるということでございます。建前といたしましては業務経費の一切は政府出資金の運用によって支弁する、貸付にあたりましては調達しました資金のコストのままで貸す、こういう建前でございますので、一応形式上この開きはございますが、それは実質上のコストに当たるものになるのでございます。ただ御承知のようにだんだん貸付額が年々ふえて参りますので、そのロスの額が多くなって参ります。これをどうしてカバーするかという問題が将来に多少残ろうかと思いますが、ただいまのところではほぼこれに見合ったような運営ができるようになっております。
○相澤重明君 大蔵省はどうなんですか、今の総裁の言うように、貸付原資の債券によるこの利ざやというものがきわめて少ない、そうすると資金がふえてくればくるほど公庫自体が運営が苦しくなると私は思う。どういうふうに大蔵省は考えておるか、公庫がだんだん運営が苦しくなっても仕方がないという考え方なのか、それともそれを打開する方策というものをどういうふうに考えておるのか。
○政府委員(奥野誠亮君) 自治省の方でお答えをさせていただきたいと思います。公営企業金融公庫かち融資いたします資金ができる限り低利なものであります方が、地方団体も料金をそれだけ低くすることができまして、住民の福祉向上に役立つことができるわけでございますので、そういう方向で今のことを考えてゆきたいという希望を持っておるわけでございます。従いましてできますことなら発行者利回りを下回って貸付が可能となるような方向に努力したい、という逆な気持を持っておるわけでございます。公営企業金融公庫の融資先は地方団体でございますので、一般の場合と違いましてまず貸し倒れという問題は起らないだろう、こう考えておるわけでございます。従いまして発行者利回りで少なくとも貸し付けてゆきたい、こういう希望を持っておるわけでございまして、その間に若干の利ざやをかせぐというようなことはあとう限り避けたい、むしろ事務費等につきましては、今総裁が申されましたように、政府出資の資金を運用するその利ざやで充ててゆきたい、こういう考え方を持っておるわけでございます。
○相澤重明君 大へんけっこうな話だと思うんですね、地方自治団体としては債券の利子をできるだけ安くしてもらいたい、これが私ども決算委員会で現地調査をした場合にいつも要請があるわけです。それから債券の発行期間ですね、これをできるだけ長くしてもらいたい、あまり短期でやられると——短期といってもいろいろありますが、なるべく長くしてもらわぬと、地方公共団体としては運営に支障を来たす、こういうことをよく聞くわけでありますが、現在の債券発行のいわゆる短いのと最高どのくらい長いのとあるのか。それから利子は先ほど七分六厘ということをお話になっておりますが、政府としては今自治省が言うように、自治省の立場では地方団体を育成するのが建前でありますから、一体この利子を下げる気はないのかどうか、もっと安くして地方自治団体を育成する、こういう考え方に立つかどうか、この二つについてお答えをいただきたいと思います。
○参考人(三好重夫君) 貸付金の償還期間でございますが、年限は長いもので最長十五年、最短四年、こういうふうになっておるのであります。たとえばバスのようなものにつきましては、償却期間が短いものでございますから四年ということにいたしております。また水道その他につきましては十五年という長期にいたしておるのでありますが、これは率直に申し上げまして私どもの気持といたしましては、現実の償却期間に比べまして非常に短きに失するのでありますから、せめて政府資金ぐらいの期間には延ばすようにしていただいた方がいいんじゃないかというつもりを持って、しばしばお願いをいたしておるのでございます。なお私どもの方で発行いたします債券の償還期間は七年でございます、従って十五年というような長期のものを貸しますと、途中で借りかえのための債券発行を私どもの方でやらなければならぬという問題が起こる次第であります。 それから利下げにつきましては、これも実際を申し上げますと、地方の公営企業経営の実態に顧みまして、もう少し安い利子で出す方がいいんじゃないかという相澤委員御指摘のような問題もございまして、私の方といたしましては何とかして安くなる道はないだろうかということで、予算要求をいたしたようなこともございますが、それがなかなかお取り上げにならないのが実情でございます。ただ幸いにいたしまして、今度の金利引き下げの措置に伴いまして、債券発行の利回りが引き下げられまして、発行者利回りにおいて二厘三毛低下することに本年度から相なったので、それに見合いましてどの程度の利下げをやるのがいいか、私どもとしては、地方団体の要望あるいは実情ないしは公庫創設の趣旨から申しまして、この際できる限りよけい下げていただくのがいいのじゃないかということで、欲ばった希望を申し出てございますが、政府においてただいませっかく大蔵省と自治省でお話し合っているところだと思うのでございます。七分三厘と申しましても本年度から正確に幾ら下がるかわかりませんが、ある程度引き下げになるということは、これは見通しとして間違いのないところと存じます。
○政府委員(奥野誠亮君) 公営企業金融公庫の資金の貸付期間の問題も、資金量がだんだんと増加してくるそれと見合いまして、あとう限り耐用年数を基礎とした償還の期間を延ばすことができるようにもっていきたい、かような考え方に立っておるわけでございます。 利回りの問題につきましても今総裁がお話になりましたように、債券の発行価額を引き下げることが可能になって参りますので、自治省といたしましては、現在の七分六厘を三十六年度分の資金から七分三厘程度に引き下げ得るということで、関係省との間で話し合いをいたしておる最中でございます。
○相澤重明君 これは私のこれから申し上げますのはあるいは意見になるかもしれませんが、実際には私どもが現地調査を決算委員会でやった場合に、必ず地方自治団体から要望があるんですから、自治省はもっと一つ地方公営企業について積極的な援助をしてもらいたい、こういうことで、せっかくできた公営企業金融公庫の資金をフルに使えるようにしてもらいたいという要望があるわけです。その要望の中で先ほど総裁がお話になったように、水道とか電気とかいうようなものは長期十五年であるけれども、その他のものによっては四年、七年のものもある。これはいかにも四年とか七年というのは短か過ぎる。地方自治団体が計画をして事業を行なう場合に、もう工事を終わる時分には償還しなければならぬ、実際それまでには収入があがるわけじゃない。そういうことからいって少なくとも独立採算がつく時期を考えるならば、もっと期間を長期にしてもらいたい、こういう意見が強いわけですよ。ですからその時期というものはどのくらいかということは、いろいろ議論のあるところだと思うのですが、私はやっぱり最低十年以上でなければ地方自治団体のほんとうの援助にはならぬだろうと思うのです。従って少なくとも現在発行債券七年なんというのは、もう最低を十年にする。そうしてある程度のものは十五年なり二十年に私どもはしてやるのがほんとうに魂を入れることになりやしないか、こう思うわけです。そういう点を検討されたかどうか。 いま一つは利子の問題ですが、二厘三毛下げて七分三厘くらいに自治省はこれから折衝したいというんだが、これは大蔵省がいないんだが、大蔵省に強い要望をしなければならぬと思うのですが、自治省の立場で大蔵省にできるだけ一つ資料を集めて要請をしてもらいたいと思うのです。今の時期に七分以上の利子を出してそうして公営企業をやらせるというようなことが、はたして長期的に見て地方自治団体の育成になるか。実際に私は利子というものは少なくとも六分前後のものであってしかるべきだと思う。本来の、地方公営企業を育成するなら、それが今まだ7分三厘でいこうかどうかというようなことを自治省が大蔵省、関係官庁と折衝するというのは、少し地方自治団体の実情の把握が私は乏しいのじゃないか、こういう今のお話で疑問をもつのですが、自治省はどうなんですか、もっと安くするほんとうの考えじゃないんですか、いま一度一つお答えいただきたいのですが。
○政府委員(奥野誠亮君) 第一点の償還期限を長くするという問題は、償還期間を長くいたしますと、かえってくるのはそれだけおくれるわけなものでございますので、資金の需要が多い、その場合に需要を充たせる資金が十分でなくなるというかね合いの問題になるわけでございます。そういうことから資金量は漸次潤沢にしながら、それと見合って償還期間というものを、施設の耐用年数に合わせるように延ばしていきたい、こういうことで努力いたしているわけでございますので、見のように将来とも一そう努力をしたいと、かように考えているわけでございます。 次に貸付金利の問題でございますが、おっしゃるようにあとう限り私たちは下げたいと思っております。できまするならば応募者利回りを下回っても下げたい、こういうことが一つの念願でございます。しかし大蔵省の立場といたしますと、それぞれ金融機関の系統別に金利の体系というものがあるわけだから、そういう点についてはなかなか納得しがたいということで、そういうところまでの話はずっとついていないわけでございます。しかしながら今回の発行価額の引き下げによりまして、発行者利回りが七分二厘九毛五糸というところまで下がって参りますので、ぜひ今の七分六厘を七分三厘にしたいということで話し合いをしております。総裁もそれを希望されておりますし、私たちもそういう考え方をもって、こういうことで政府部内に話をしておりますが、何も七分三厘まで引き下げなくてもよろしいという話も政府部内には一部あるわけでありますが、私たちはぜひ七分三厘にしたいということで話し合いをしている最中でございます。近いうちに決定をみることになるだろう、こういうふうに考えているのでございます。
○相澤重明君 せっかくの答弁だけれども、今の公営企業金融公庫の資金を借りているというのは大企業じゃないんですよ。これはもうこの大都市の大企業をやるところなら、こればかりの資金では仕事はできないのです。結局地方自治団体の中でももうやむを得ず自治省や公庫にすがらなければならぬという自治体が、この金融に手をつけているわけなんですよ。そういう面からいけば、いかに中小都市なりまた地方自治団体の諸君が苦しんでいるかということが私どもは目に見えるわけです。そういう意味でこれは一つの例ですが、自治省でも一つ相談をしてもらいたいと思うのですが、旧軍港市転換法という法律がある。これは広島や横須賀等の昔の軍港に対して平和産業への切りかえのための法律を作ったわけです。これに対しても利子が七分以上だけれども、これについては運用面によって、今回大蔵省としても七分以下に下げることにきまったわけです。これはさまったのです。だからこの利子は総額にして七千万かそこいらですが、そういう面からいけば、この公営企業公庫のこれだけの事業を地方の自治団体がやりたいというのは、いわゆる小都市の人たちです。そういう人たちが小さい事業をやるのに高い金利を払うということは、これはもう並み大ていのことではないと私は思う。そこで自治省はぜひそういう問題について七分三厘に下げるのが精一ぱいじゃなくて、とにかく七分以下にしろと、こういうことで一つ政府の中で私は努力をしてもらいたいと思うのです、どうですか。
○政府委員(奥野誠亮君) 金利引き下げの問題とからみまして、公営企業金融公庫発行の債券の発行価格を今回引き下げようとしておるわけでございます。それと見合って貸付利率をどうするかと、こういうことでお答え申し上げておるわけでございます。もちろん将来の大きな目標といたしましては、あとう限りこの貸付金利を引き下げたいわけでございまして、先ほどもちょっと申し上げましたように、私たちとしては発行者利回りを引き下げてでも、地方団体の事業の進展をはかる見地から、利回りを下げるようにもっていきたいという考え方を持っておるわけでございます。さしあたって、発行者価額の引き下げに伴って発行者金利をどうしようと思っているか、こういう意味で、七分三厘に下げるようにいたしたいと、こう申し上げておるわけでありますが、これにつきましても、そこまで引き下げることは穏当でないというような意見もあって、まだ解決をみていないわけでございますが、ぜひそこまでさしあたってもっていきたいと、こういうことでございます。
○北村暢君 今、相澤委員からいろいろ意見が出ていますが、これは今住宅金融公庫の方の利子を見ましても、貸付の利回りが五分五厘くらいでしょう。地方自治体が宅地造成する金を借りるのに七分五厘で借りて、これで七分六厘のやつを三厘にするとか言っているのだが、そんなことで営利団体でない地方公共団体に貸付をするというようなことは、大体公庫の存在意義というものがないですよ、ほかの公庫から比べてね。農林漁業金融公庫なり中小企業金融公庫の利回りにしても、大体五分五厘から六分なんか行っているところはないでしょう、それなのに、営利団体でない地方の公共団体に金を貸すのに、七分だなんてこんなばかげたことはない。大体私は公庫ができたとき自体に問題があると思うのですよ、そういう作り方の問題でね。何か債券を発行してやるようになっているようですけれども、この資金の構成において大体問題があるのじゃないか。自治省は、一体こういう公庫を作って、地方公共団体のためになると思っていたら、これは大間違いだよ。根本的に作り直す、考え方を改ためないと、だめだと思いますよ。この資金の内容は政府出資金が五億円で、債券発行が八十億というのでしょう。それでは、これは話にも何にもなったものじゃないので、やはり政府出資の無利子のものが半分以上出資されるような形にならないと、これはもう絶対にこの公庫の利子引き下げなんということは成り立ちませんよ。地方自治体が、一体貸付残高が今まででこれによると、総計で三百九十四億ですか、そのようになっていますが、この三百九十四億のうち政府出資はどのくらになっておりますか。何かこんな紙っぺら一枚で決算をやるというものは、さっぱりわけがわからないのですがね。
○参考人(三好重夫君) これは三十五年度末の現在でございますが、それに見合う政府出資は十八億、本年度三億増額になりまして二十一億でございます。
○北村暢君 三百九十四億のうち今言ったくらいしか政府出資はないのですか。
○参考人(三好重夫君) そうです。
○北村暢君 それでは、これはもう、三百九十四億のうち五億や六億の政府出資で金利を云々すること自体が、これはだめだよ。やり直しだよ。自治省はこんなものを作っておくこと自体がいかぬよ。問題にならないよ。
○参考人(三好重夫君) 手きびしいおしかりなんでありますけれども、実は私の方の貸し付けます資金というものは公募債に限定されておるわけで、受ける地方団体の方におきましては、これに抱き合わせでこれ以上の政府資金が六分五厘であるわけであります。従前は、私どもの方で今七分六厘で貸しておりますようなものが、八分五厘ないし九分、高いところでは一割、それでも調達できないというような実情であったわけであります。それを公募債を私の方で全部貸すという格好ができまして、もちろん公庫としましては、長期安定した低利な資金を貸すのだという使命を帯びているわけでありますけれども、そういう見地から考えますと、従前に比してはずいぶん改善されておるということになるわけであります。他の公庫の特別の低利なものはある種の目的に従ってやっておられると思うのでありますが、ちょっとその点において性質が違うところがある。私どもの方としては、運用の考え方を、公庫の運営につきましては、地方団体の起債の共同消化機関だというふうな頭でやっておるわけであります。従いまして、金利体系から見ましても政府資金は六分五厘、私どもの方は七分六厘、指定地方債は、先ほど相澤さんのお話のございましたような大都市、大府県におきましては、八分三厘幾らで調達いたしておるのが今までの状況でございます。従って、私自身は、何とかしてこの七分六厘を少しでも下げてもらいたいという希望は、機会あるごとに、地方の実情から考えまして、申し出ておるわけでありまして、ただいま御指摘のようなお考えと少しも違いませんけれども、公庫のできました当初からのいきさつを申し上げると、そういう状況に相なっております。
○北村暢君 私は非常に認識不足なのかもしれますんけれども、今までのほかの公庫等の実情を聞いて、このできた性格からいって、どう考えてみても、私企業としての企業に対する長期低利資金というものと、地方公共団体である営利団体でないものに対する融資の方法とで、かえって利子がうんと高いというようなことについては、これはずいぶん改善されたそうですけれども、もともとがそれはなっておらないのではないか。私は、地方自治体というものはかくもひどい目に会っておるのかということを、今びっくりしておるところなんですがね。ですから、これは改善せられていくのはけっこうでしょうけれども、これは自治省としては、もう少し抜本的な金利引き下げの方法というものを検討されるべきであると、私はそう思いますね。 それから、もう一つお伺いしたいのは、林業関係の造林の資金でありますが、これは三分五厘の二十年据え置き十五年年賦というやつですよ。この低利資金を、農林漁業金融公庫と公営企業金融公庫との間で、どっちにするかというので二、三年前からもめているのですね。これのいきさつはどういうふうになっておりますか。
○政府委員(奥野誠亮君) 前段の問題は、地方団体の資金が全部公営企業金融公庫から融資されておるわけではございませんで、三十六年度の計画で申し上げますと、地方債資金の総額が二千億円でございます。そのうち公営企業金融公庫から融資を予定しておりますものは百八十五億円、そのほかに十五億円ございますので、先ほど来二百億円と、こういう話になっておるわけであります。政府資金が千五百五十億円ございます。この政府資金は一般会計に対しては六分三厘、その他のものにつきましては六分五厘で貸し出されるわけでございます。従いまして、地方債資金全部が七分六厘とか七分三厘とかいうことでもございませんで、むしろそれ以下のものが多いということになっておるわけでございます。先ほど総裁からお話しになりましたように、債券発行であとう限り低利の資金を融通できるように集めていきたい、こういう考え方に立って運用されておるわけでございます。これを将来どう持っていくかということにつきましては、大きな問題がいろいろあるわけでございまして、できる限り単一の機関をもって運用した方が借り入れる者も便利じゃないか、また今のような資金についても、対象によりまして、それぞれ利率を分けていけばよろしいのでございますから、計画的な資金配分が可能になるのじゃないかと、こう思うわけでございます。 第二の、農林漁業金融公庫から委託を受けまして、公営企業金融公庫が公有林整備事業資金を貸し付けておる。これは現在のところ別にごたごたはないわけでございまして、三十五年度においてそういう方式をとったわけでございまして、三十六年度も同じ方式をとりたい、かように考えておるわけでございます。一応、その資金の予定を八億円と、こういたしておるわけでございます。
○相澤重明君 大蔵省の銀行局の財務調査官がお見えになったようだから、調査官にお尋ねしたいと思うのですが、ただいまも公営企業金融公庫の債券発行と利子の問題をお話ししておるところなんですが、大蔵省は、この公営企業金融公庫の債券発行について、地方自治団体の要望に沿って、この債券発行期間をもっと長期にする考えはないかどうか、これが一つ。 それから、貸付の利子の問題であるが、現在七分六厘、平均をして利子が高いと、こういうことが率直に言えるわけです。そこでこの利子は、この公営企業金融公庫を利用する地方自治団体に対する貸付けでありますから、もっと利子を下げる必要があるのではないか、自治省に言わせれば七分三厘ぐらいに今年度はしたいのだと、これではわれわれとしては不満なわけです。もっと安くして、地方自治団体の育成ということをはかるべきではないかというのが、今の私どもの質問の中心なんですが、どうですか、銀行局としては。
○説明員(大月高君) 全体の貸出の金利につきましては、大蔵省といたしましてできるだけ引き下げていきたいという方針のもとに、この一月、日本銀行の公定歩合を一厘引き下げを実施いたしました。それに伴いまして市中の標準金利も一厘引き下げたような次第でございます。それからこの四月一日からは郵便貯金の金利も引き下げ、それから銀行の預貯金の金利も引き下げを実施いたしました。で、引き続いてこの四月の事業債、政府保証債、これは公営企業債券も含むわけでございますが、そういう債券関係の金利も引き下げるということで実質的な話し合いまでついておりまして、この四月発行分から現実に下がった金利で発行になると思います。従来、この政府保証債の金利は応募者利回りにおきまして七分三厘一毛三糸、七・三一三%、それから発行者利回りにおきまして七分五厘二毛五糸、七・五二五%、こういうことであったわけでございますが、新しく改定いたしました後におきましては、応募者利回りは七分九毛六糸、つまり七・〇九六%になるわけでございます。発着者利回りにおきましては、七分二厘九毛五糸ということでございまして七・二九五%、そういたしますと、公営企業公庫の側から見まして、発行者の利回りは二厘三毛下げと、こういうことになるわけでございます。こういうふうに事業債その他政府保証債の金利を下げて参りますのは、これによって調達いたしました資金のコストを下げて、ひいては地方公共団体に対する貸出の金利を下げていきたい、こういうことでございますので、当然この政府保証債の金利の低下に伴いまして、貸出金利を引き下げて参りたい、こういうように考えているわけでございます。具体的にどのくらい下げていくかという問題につきましては、まだ具体的な結論は出ておりませんが、先ほど自治省の方のお考えでは、三厘方、〇・三%方下げたらどうかと、こういうような御意向のようでございますが、今申し上げましたように、事業債の発行者利回りの低下は 〇・二三%と、こういうことでございますので、その辺のところを勘案いたしまして、十分自治省と御相談いたしまして結論を出したい、こういうように考えております。 それから調達いたします資金の期間を、長くするというお話でございますが、現在事業債、政府保証債、いずれも期限は七年ということになっております。大蔵省の立場といたしまして、この政府保証債及び事業債の期間はできるだけ長くいたしたい。戦前におきましても、はるかに長かったわけでございますので、逐次延ばしていきたいという考えは持っておりますが、これは一般の金融情勢と関連もございまして、まだこれこれを具体的に延ばすという結論には達しておりません。債の期間が延びるというようなことになりますれば、これに並行いたしましてやはり延びると、こういうことになろうかと思いますが、まだ、今の段階で、これを延ばすという結論を申し上げる段階には至っておらないわけでございます。
○相澤重明君 銀行局は今の金融事情というものをどういうふうに把握しているかということを一つ聞きたいのです。政府が行なっている関係機関の事業というものがこういう形だから、実は地方自治団体というものはあまり伸びない。いつも地方自治団体の資金繰りは苦しくなる。今御承知のように証券界の趨勢というものはきわめて重要な問題だと私は思うのです。しかし証券投資ブームということはあっても、それでは一般の銀行預金というものが減るかというとそうではない。やはり歴史的な銀行預金というものは増加している。こういう問題からいって銀行といわゆる証券界というもののにらみ合わせというものは、これからの日本の金融問題については非常に大きな問題になるわけだと思う。ある一定の時期にくれば、金融関係というものの根本的な改革になってくる様相もないとはいえないと思う。そういうような点を考えていけば、これは政策上の問題としても議論のあるところだと思うけれども、とにかく一般の民間投資ということよりは地方公営企業というものが優先をするわけですね。とにかく自治省が地方打治団体を育成をするというなら、その地方住民のためには、時によれば赤字でもこれはやはり作っていかなければならぬ。政府もそのためには投資をしていかなければならぬ。それだけの大きないわゆるウェートを持っているものについて、政府出資が少ないということが現在の一番隘路になっている。政府出資が少ないと同時に、やはり地方自治団体の少ない予算の中で、債券が自転車のように短期間のうちに償還をされなければならない。しかも利子が安くない、地方自治団体が非常に、事業は住民のためにやっていかなきゃならぬけれども、実際金融面で縛られてしまう、仕事ができない、こういうことに私はなってくると思う。それが私どもが現地調査に行った場合にいつも地方自治団体の陳情や請願になってくるわけなんです。だから今の日本の経済情勢なり金融情勢を把握をすれば、もっと大蔵省で積極的に手を加えていくのが今年度あたりからやらなきゃならぬ仕事だと私は思うんだが、先ほどのお話を聞いておると、調達資金の期間についても七年を、そう動かすようなちょっと気配ないですね、これは。それから利子についても残念ながら七分を割るというような考えはなくて、七分三厘ですか、今。七分三厘を一つ今年度あたり何とかしようじゃないか、こういうような意向にしか聞えないんだがね。そういうようなことで今の地方自治団体を援助する公営企業金融公庫を私は十分利用しょうということにはならぬと思うのですよ。こういう点についていま一つ、大蔵省の銀行担当官なんだから、あなた方は。今の金融情勢の把握をどうしているのか、そしてこの地方公営企業育成のための公営企業金融公庫の資金コストのあり方というものを、どう考えているかということをいま一度一つ御答弁いただきたい。
○北村暢君 相澤君の問題に関連いたしまして、大体設立の趣旨からいって、何か債券を発行してやるようなことの考え方でできているようですが、できてしまったからには、これはこの利子ではいかぬというふうに私は思うんだが、政府出資ばかりでなしに、預金部資金の貸付なんていうのが考えられるべきでないかと思うのですが、大蔵省はそういう気持があるのかないのか、あわせてお答えを願いたい。
○説明員(大月高君) 全体といたしまして金融市場、証券市場の関係は、いずれも国民所得が伸びて参りまして、かつ通貨価値が安定いたしておる、こういう二つの条件がございますれば、毎年これは拡大していくということになると思います。そうしてそれが順調に拡大して参りますれば、逐次資金量がふえるに伴いまして金利も下がっていく、しかしこれをそのまま放置するにはあまりに重大な問題でございますので、相当の決意をもって行政的にも金利を下げるということに努力いたしておるわけでございます。で、かつ証券市場と金融市場の関係につきましても、従来の戦後のわが国の起債市場あるいは社債の流通市場は、まだまだ発達をささなくちゃいかぬという基本的な考えで努力いたしておりますが、なかなか理想の段階には参らない。しかし政策としては逐次その方向に持っていきたいというように努力いたしておるわけでございます。公営企業金融公庫の発行いたします政府保証債も、やっぱり起債市場の中の一つの手段でございますので、必ずしもほかの事業債とか金融債と異なった条件で発行するというわけには参らない。かりに今の期限のお話でございますが、事業債が七年というところを十年にいたしますと、やはりそれを持つ側から申しますと持ちにくくなる。そうすれば消化がむずかしい、こういうことになりまして、かえって公庫の立場といたしまして資金難に陥る、こういうことでございますので、起債市場全体として吸収し得る条件、期限もそうでございますし、金利もそうでございますし、そういうことを総合勘案いたしまして条件をきめておるわけでございます。で、事業債の金利、政府保証債の金利、いずれもそういう総合的な観点からこのくらいの格づけをもっていたしましても、政府の信用をバックにしておる、こういうことで、金利が卒業債よりも安くて発行できるであろう、こういう感覚でございますので、これ以上格差をふやしまして金利を極端に下げる、あるいは期限をむやみに延ばす、こういうことになりますと消化の方で支障が生じる、こういうことで総合的に今程度の条件がやむを得ないんじゃなかろうかというように、今考えておるわけでございます。 それで次に地方公共団体に対する貸付の金利をできるだけ安くしたい、こういうことでございますが、この公営公庫設立の趣旨から申しまして、地方公共団体みずから地方債を発行して資金を調達するかわりに、その公庫の信用力を使いまして資金の調達を容易にすると、こういう使命を持っておるわけでございます。その間に発行調達いたします資金の金利以下にして公共団体に金を貸すということになりますと、それは当然利子補給とかあるいは財政援助、こういう感覚になるわけでございますので、そういう思想はとらないということで発足いたしておりますので、やはり事業債の金利と均衡をとって貸出金利がきまっていく、こういうことであろうかと存ずる次第であります。 それから、資金運用部からこの公庫に金を貸したらどうかというお話でございますが、この点もやはりこの公庫設立の趣旨から申しまして、一般公募の地方債にかわってこの公庫が金を出して公共団体に供給していく、こういう建前から申しましてやはり現在のところ考え得べき段階ではない、こういうように考えております。
○相澤重明君 それは今の銀行担当官の立場で言う答弁では、これはこれ以上発展はないと私は思う。しかし今、日銀の政策委員会の中でも銀行並びに証券のこの金融問題については、非常に根本的な議論が今行なわれているのですよ。またそれを今までの、戦前や戦後の証券投資の問題のような考え方でおったら、これは国民金融、財政金融について非常に誤まりを犯す。私はもう今日では町の住宅の奥さんから、商売をやっている人たちから、ほとんどが金融問題について証券に関係しておる人が多い。だからもう戦前の投機的な金融のような考えで証券界を見ることは誤りであるという私どもは印象を、考えを持っております。ですから、根本的に日本の財政金融の問題についてメスを入れなければならぬのが、これからの問題だと私は思う。そういう中で、少なくとも政府が出資をして、そうして地方自治団体を育成強化するという建前のこの公営企業金融会席であるのだから、これはもっと、今のような答弁だけでは私は地方自治団体が決してよくなりはしない。これは一応大蔵大臣を呼んで、そうしてこういう基本問題をお互いに議論をしなければ、決算でこういうふうにしてやったところで、実際苦しいばかりで、私はほんとうの地方自治団体に対する援助にはならぬと思いますので、そういうことも一度委員長から手配をしてもらって、先ほどの野本委員の言うように、少なくとも次官、大臣が出席をして、こういう大蔵省関係の問題については私はやはり議論すべきだと思う。三十二年に公営企業を発足さしてそうして第二年度であるから、これはきわめて年が新しいからというだけでは、この本質的な問題は私は解決できないと思う。そういう意味で委員長にこういうことを一つ善処方を要望して、私は質問を終わります。
○北村暢君 一点だけ。この金融公庫は設立の趣旨、何だか大体わかってきたのですが、はなはだ申しわけないんですが、質問しているうちにわかってきたんだが、大体資金の申し込みなり需要にどの程度応じられておるのか。もう非常に多いものに対して応じ切れない形であるのかどうなのか。そうすればこれはやはり将来の問題としてよほど考えなければならない問題だろうと思いますので、その点だけをちょっとお伺いしておきたいと思います。
○参考人(三好重夫君) 先ほどもちょっと申し上げたのでありますが、特殊な公庫でございまして、資金の需要というものが政府の起債の許可で限定されておるわけで、そのワクに見合ってほぼ予算が組まれておりますから、特殊の何かの支障がない限りは百パーセント貸出要求に応じ得るという格好になっておるわけであります。で、現実の問題といたしましても、年度末に多少の追加等いろいろな数字の異動がございますけれども、自分で調達するところも中にはございますし、結局今までの実績から見まして、貸付の希望のございましたものには百パーセント貸付を了しておる、こういう実情でございます。
○委員長(佐藤芳男君) ほかに御質疑はございませんか。 別に御発言もございませんから、それでは昭和三十三年度決算中住宅金融公庫、公営企業金融公庫関係の質疑はこれをもって終了いたします。 午後は二時より委員会を再開いたします。暫時休憩いたします。 午後一時二分休憩 ————・———— 午後二時三十八分開会
○委員長(佐藤芳男君) これより決算委員会を再開いたします。 昭和三十三年度決算外三件を議題とし、大蔵省関係の質疑を行ないます。御質疑をお願いいたします。
○阿部竹松君 お尋ねする前に議事進行についてですが、さいぜん委員部を通じて大臣にお尋ねしたいので大臣の出席をお願いしておったわけですが、どうなりましたですか。
○委員長(佐藤芳男君) 委員部の方からその話がございましたので、大臣の出席方を要請をいたしたわけでありますが、大臣やむを得ざる用件のために出席できませんので、かわって政務次官が出席されることに相なった次第でございます。
○阿部竹松君 大蔵大臣はたまたまですね、両院を軽視するという話が御承知の通り伝わっております。特に参議院の委員会には出席がきわめて稀少である。やむを得ざるというのはどういうことですか。国会にかわるべき、あるいはそれ以上重大な御会合か何かに出席なさっておるんですか。
○政府委員(田中茂穂君) きょうは御連絡が昨日でございましたので、その前に大臣は、ただいま東南アジア関係の金融関係の幹部が参っておりまして、ちょうどおりあしくきょういろいろと打ち合わせをいたす予定になっておりましたために、もっと早く御連絡していただければ大臣はこられたと思うのでございます。そういう理由によりまして、私がかわって出席いたしましたので御了承賜わりたいと思います。
○阿部竹松君 東南アジアの金融関係を政務次官がおっしゃるのですが、私は内容を知りませんけれども、たまたま大蔵大臣ばかりでなく、きょうは外国の大使が来て、きょうは某国の使臣が来てというようなことで何度も委員会あるいは本会議をすっぽかされた経験がある。外国使臣とか東南アジアとかの国賓が来ておるということになると、事、外交の関係のやはり問題ですからそれは直ちにオーケーということで私どもも追及しない。ところがいつもあとで聞いてみると半数ないしは三割が、カクテル・パーティへ行って一ぱい飲んでなまかげんでやっておったと再三再四僕たちは承るわけです。今回はどうですか、政務次官。
○政府委員(田中茂穂君) 私の知る限りにおきましては、さようなことはきょうはないと思います。
○阿部竹松君 私の知る限りでは、そういう会議でないというように私は聞いておるわけですが、しかし、ここでその中身について田中政務次官と論争する気はごうもありませんけれども、これはもう一度三十四年度分に関して大蔵大臣とこういう会合でお互いに質疑応答をやる場所があるかどうか、委員長お尋ねします。
○委員長(佐藤芳男君) お答え申し上げます。 三十四年度はもちろんございますが、三十三年度の決算につきましても、総括質疑の際にはぜひ出席を求めたいと考えておる次第でございます。
○阿部竹松君 それでは委員長のお話あったそのときに私の質問せんとするところをお尋ねすることにいたしまして、たまたま政務次官がおいでになっておりまするので、政務次官から一つ伺いたいと思います。 ごく簡単な問題ですが、日本に今どのくらいドルが保有されておるかということと、それから国内の保有されておる分と、海外に保有されておる分があろうかと思うのでありますが、なければないでけっこうですが、海外にあれば大体どの地域にどのくらいドルが保有されているか、本国にはどのくらいかということをお聞かせ願いたいわけです。
○政府委員(田中茂穂君) 正確な数字は、ただいま為替局長が参りましたので、為替局長からお答えいたします。
○政府委員(賀屋正雄君) 正確な資料を準備して参りませんので、記憶によってお答えを申し上げますが、わが国の外貨準備高は、最近の数字といたしましては、三十六年三月末、つまり三十五年度末、十九億九千三百万ドルという数字になっております。これは御承知のように一部は金、それから一部は外国の銀行に対する預金、それから一部は外国の政府の発行しております短期証券への運用、大体およそこういう形で保有しておるわけでございます。さらにこのドルとポンドということになりますと、大部分がドルの形で保有しておるわけでございまして、私の記憶ではポンドは一億足らずのように記憶いたしております。
○阿部竹松君 大へん失礼ですが、田中政務次官は次長から御答弁させますと、こうおっしゃったが、委員長は局長とおっしゃったのですが、顔を存じないのですが、局長さんですか次長さんですか。
○政府委員(田中茂穂君) 為替局長の賀屋君であります。
○阿部竹松君 私の聞きたいのは最前申しました通りその国内分と国外分との差と、それからアメリカ地域なのかヨーロッパ地域のものか、そこに大別して何百何十ドルまで私お尋ねしているのじゃありませんけれども、どういうような分布図になっておりますかと、こういうことなんです。
○政府委員(賀屋正雄君) 従いまして、地域ということよりも大蔵省及び日本銀行が外国の銀行に預金という形で持っており、あるいは外国の政府の発行する証券という形で持っておるのが大部分でございまして、あとは金ということでございます。それがドル証券あるいはドルの預金が大部分であって、ポンドつまりイギリスの銀行に対する預金あるいはイギリス政府の発行する短期証券、こういったものは合わせまして一億足らず、従いまして金は御承知のように全体で二億四十七百万ドルしかございませんので、大部分がそういった預金と証券の形になっておる。こういうことでございます。
○阿部竹松君 そこで今御答弁をいただいた十九億九千三百万ドルですか、この中に使用にたえない、これは端的な言葉で使用にたえない焦げつき、そういうものは含まれておるのですか、含まれておらぬのですか。
○政府委員(賀屋正雄君) これは純粋な資産、今申しました銀行に対する債権と、それからいつでも換価処分可能な証券でございますが、そういういわゆる使用にたえない不確実な資産は全然含んでおりません純粋な資産でございます。
○阿部竹松君 そうしますと、このほかに日本のドルの所有にはなっておるのだが、帳簿上決済は明確にそのようになっておっても、直ちにそれを使用できないと、このような種類のものはございませんか、たとえば東南アジア等におきまして。
○政府委員(賀屋正雄君) 御承知のように日本の外貨は、先ほど申しましたように、日本銀行と大蔵省の外国為替特別会計と——外為特別会計と、こういうのがございまして、これで分けて持っておるわけでございます。毎月発表をいたしております分には、今申しましたようなどちらかといえば今すぐ資金化できないような債権、たとえば御承知のオープン・アカウント協定に基づきまして日本側が貸し越しになっておる債権、これはアルゼンチンに対する分でありますとか、ブラジルに対する分でありますとか、あるいは韓国、それから台湾に対する債権があるのでございます。これは外貨といたしまして、すぐ右から左に資金化できないわけでございます。そういった債権は外為特別会計で持っております。しかしながら、これは毎月発表いたしております外貨準備の中からは除外しておりまして、従いまして、毎月発表いたしております分、すなわち三月末の十九億九千三百万ドルというのは、これは純粋ないつでも資金化できる外貨準備と御了承いただいていいと思うのであります。
○阿部竹松君 この後段の方ですね、これはきわめて困ったことであるということを言うておる人があるのですが、額にしてどれくらいあって、なかなかその決済も、ことしやりなさい、来年やりなさいといっても簡単に決済ができないと思うのですが、省当局の見通しはいかがですか。
○政府委員(賀屋正雄君) ちょっと初めの部分私聞き落しましたが、もう一度失礼ですが。
○阿部竹松君 あなたが二つに分けて御答弁なすったから、前段に、説明して下すったことの中で前段のことを申し上げたのですが、たとえば今アルゼンチンとかあるいは韓国並びに台湾、そういう例をあげられましたね。われわれ考えますのに、それが大体どれくらいの額になって——新聞や経済雑誌等に出ておりますけれども、その経済雑誌、経済新聞とそれぞれ数字が違うわけですよ。ですから僕たちはどれをほんとうにしていいかわからないし、それからことし決済しなさいとか、ことし三十六年度、決算の分は三十五年度に入りますが、そういうことで一両年には解決できないといたしましても、やはり解決しなければならぬ問題ですから、省当局の見通しについてお尋ねしているわけです。
○政府委員(賀屋正雄君) オープン・アカウントの残高は一億ドル程度でございまして、これにつきましてはたとえばブラジル、アルゼンチン等に対する分につきましては一定の償還計画が立っておりまして、それに基づきまして着実に実行されております。それから台湾は、ただいま貿易交渉を東京において行なっております。これが妥結をみますればオープン・アカウント協定を廃止しまして、最後に現金決済取引、現金決済によって貿易を行なう、こういう方針になっております。協定上は、オープン・アカウントの協定を廃止いたしますと、たしか六カ月以内でしたかに残高を清算するということになっておりますので、これはその規定に従って支払われることになろうと思うのであります。韓国の分につきましてはまだはっきりしたものをどういう方法で払うという点については確定をいたしておりません。
○阿部竹松君 この台湾の分についてですね。これはあなたの省当局で直接担当しておらぬわけですが関係がある。バナナで解決しようという運動を盛んにやっておられるところがある。台湾産バナナを日本へ送り込んで、そしてパーにしてしまうという運動をされておる人を僕は知っておる。これはしかし通商産業省関係の担当ですから、あなたの方は直接関係はありませんけれども、ドル、ポンドの決済としてはあなたの方は権限を持っていらっしゃるし、関係省なんですから。そういう話は聞いておりませんか。
○政府委員(賀屋正雄君) 聞いておりません。
○阿部竹松君 次にお尋ねしたいのは、御承知の通りアメリカのドル防衛が始まってから、やみドルその他が非常にあなたの方で目が届かぬという御答弁になるかもしれませんが、市場を横行したり引き締まったりして混乱させておるという話なんです。しかしあなたの方は正式ルートしか取り扱っておらぬので、特にお尋ねするのはちょっとお門違いかもしれませんけれども、やはりそういうことに関してあなたの方も調査しておられると思うのですが、そういう点はいかがでしょうか。
○政府委員(賀屋正雄君) やみドルのことは耳に全然しないわけではございませんが、具体的にどういう問題がございますか、特にこれを目当てで調査をするとか、そういったことをいたしておりませんので、最近どういうふうな状況になっているかという点については私どもも承知はいたしておりません。
○阿部竹松君 そういう答弁でまことにけっこうなことで、あなたの立場からすれば正しい答弁ですね。しかし実際問題として、あなたも御承知の通り、日本の海外旅行者、これが一人三十ドルなり、あるいは二十五ドル、あるいは十九ドル、十六ドルというように、その人のお仕事と立場とか、あれによってあなたの方で、ドルを割り当てる。しかし、その海外旅行した人の半数以上はそれも五倍も十倍もドルを使ってくる、こういうことなんですよ。商社であれば、ある程度いろいろの取引で、結局自分が使用してもいいものがあるから、これはわかるのですが、こういうことを聞くと、まことにまかふしぎな、奇々怪々な、しかしあなたは全然知らぬとおっしゃる、僕は当然だと思うけれども、そういうことを全然知らんで、やはりやっておられるのですかね。全然耳にしません、私は知りませんということで……。
○政府委員(賀屋正雄君) 海外の渡航につきましては、規定と申しますか、方針と申しますか、だいぶん最近ゆるく取り扱う、これは外貨もだんだんふえて参りまして、自由化が進んでおります今日でございますので、だんだん取り扱いをゆるめて参っているわけでございます。御承知のように、最高一日三十五ドルづつまでは許可をする。その他特別の必要がある場合には、特別の経費を許可するという場合もあるわけでございまして、具体的にどういう例を目当てにお尋ねか存じませんが、私どもも、もちろんこれをこえた金を使われるという例が全然ないということはできないのかもしれませんが、私どもの考え方からいたしますれば、一日三十五ドルという外貨の割当量は相当ゆとりがあると考えるのでございまして、まあこの範囲内で許可される例がやはりこれは大部分であろうという感じがいたしているのでございまして、中には特殊の場合があろうかということは。あるいは考えられるのでございますけれども、今私ども、どういう例があって、これが規定の方法以外のルートによって得たドルを使われるというようなケースは、今承知いたしておらないわけであります。
○阿部竹松君 局長は今三十五ドルあれば十分だ、あるいは十分であろうという意味の御答弁ですが、なるほどそれだけあれば十分であるし、またなくても当然がまんしなければならぬということはわかるのですが、私は知らないからこういうお尋ねをするかもしれませんけれども、三十五ドルの割り当てでいく人はきわめて数が少なくて、ランクがあって、ずっとそれより以下の人が多いというように承っているのですよ。ですから全部が三十五ドルで行くということになれば、あなたの答弁で了解するのですが、全部がそうなっておらぬというように私は記憶しておったものですから、そのあたりを明快にしてもらいたい。大体海外に五万人行く、そうすると一万人が三十五ドルか、あるいは四万人が十九ドルか、二十ドルか、こういう大ざっぱにお知らせを願わないとわからない。五万人行く、五万人全部三十五ドルです……、こういうことになれば、あなたの御答弁で満足いたします。
○政府委員(賀屋正雄君) 私も数字を詳細に調べたわけではございませんが、円貨をそれだけ用意いたしますれば、三十五ドルまでは許可されるわけでございます。まあ普通の商社等で海外出張される方でありますれば、大体その限度まで一ばい外貨を持っていかれるものと確信いたします。ただ私ども公務員が出張いたします場合は、これは、別に旅費支給規程というものがございまして、とうてい円で一日三十五ドル分の旅費をいただけませんから、これはまた、大部分がもらった範囲内の旅費支給規程に基づいて、円貨で交換できる範囲内のドルを持っていくということになるのではないかと思いますが、これはどちらかといえば特殊の例でございまして、民間の方々で行かれる方々は、限度一ぱい三十五ドル持って行かれるものと考えております。
○阿部竹松君 そうしますと、それは私の記憶違いだったことになるわけですが、公務員の場合は、局長さんの答弁の通りだと思うのです。ただ労働組合の代表とかその他の代表がいくときは、あなたの方で、何か割当会議か何かあるようですが、そこで君は十九ドル割当だ、君は二十ドルの割当だというようなことだと私は聞いておったのですが、それは昔の話で、今は、そういうことがすっかりワクがなくなっている、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。
○政府委員(賀屋正雄君) その通りでございます。
○阿部竹松君 その次にお尋ねしますのは、やみドルが、大体国内にどのくらいあるかということがときどき、新聞、雑誌に載っているのですが、相当額が違いますので、これは速記をつけて答えられないことであれば、委員長に頼んで速記をストップしてお尋ねしておきたいのですが、やはりあなたの言葉を一番信用しなければ、経済雑誌を見たり、新聞を読んだりして、これくらいのやみドルが神戸、大阪地区、京浜地区にダブついておりますよということではいけませんし、政策論争としてでなく、純然たる、日本に害毒を流すドルが、どのくらいあるかということをお尋ねしておきたいわけなんです。
○政府委員(賀屋正雄君) 日本にあるやみドルの総量については、残念ながら私ども全然見当がつきません。またこれを調べるのも、なかなか容易なことではありません。今のところ、数字は持ち合しておりません。
○阿部竹松君 そうすると、つまりあなたの局であるか、あるいは室で調べておるということを、私これもまた、また聞きですから、はっきりわかりませんけれども、聞いておりますが、そういう仕事をやっているのは大蔵省にございませんか。
○政府委員(賀屋正雄君) 私どもいろんな課があります。海外送金のいろいろの許可をする課とか何とかもございますが、特にやみドルを調べておるようなところはないと承知しております。ただ検査をいたしておりますが、これは外国為替銀行でありますとか、あるいは貿易商社というものの検査、これはもう定期的にやっておりますが、これは、もちろんやみドルを調べる意味でやっているわけでございませんし、また、そういった検査を通じてやみドルが発見されたという例も聞いておりません。
○阿部竹松君 次官、どうですか、今のあれは、あなたの方の省で、明確にそういう仕事をやっている人がおるというふうに承っておるのです。ただ、今賀屋局長の局かどうかわかりません。しかしそういうことで、そういうやみドルが、国内にどのくらいはんらんして、商船ルートからどのくらい、香港、台湾あるいは米州本国、こういうことを調べておるということを聞いている。しかしその中身を言えぬなら言えぬでけっこうだが、調べておるところもありませんよということでよろしゅうございますか。
○政府委員(田中茂穂君) やみドルの問題は、ただいま為替局長がお答えいたしましたと同様に、私も、まるで見当もついておりません。なおまた、省内にやみドルを調査しておるような部局は私は承知いたしておりません。
○阿部竹松君 やみドル調査課とか、やみドル調査室という名目を設けてやっておらぬということは私も知っている。しかし仕事の中身で、そういうことをやっておられる、こういうことを聞いているわけですよ。それが国内に、どれくらい影響するかということは私は当然のことだと思うんです。いい悪いは別の問題として、これはやはり大蔵省としてもやらなければならぬでしょう。ただ、今申し上げた通り、やみドル調査課とか、やみドル調査係長というような職名の人は、一人もおらぬ。しかし、一つもやっておらぬという答弁であれば、きょうは、それ以上は言いませんが、あとで、あったら次官、あなたどうしますかね。
○政府委員(田中茂穂君) あとで、あったらどうするかというお尋ねでございますが、私といたしましては、次官に就任いたしまして以来約四カ月近くなり、その間におきまして、ドルのそういった不正な流れ等について、特別にそういったことを調査いたしているような係りがおるということは私は存じていないわけでございまして、もし、かりにあったといたしましたならば、その全般的な金融の調査というような面であるいは数字が出ているかもわかりません。さようなことは、今のところ私は承知いたしていないということを申し上げたわけでございます。
○阿部竹松君 政務次官、税関というのがありますね。あれはどこの省の管轄ですか。
○政府委員(田中茂穂君) 税関は大蔵省の税関部が主管いたしております。
○阿部竹松君 そうすると、税関は、あなたのやっておられる、田中政務次官管轄下にあると思うんですがね。大きい税関の何カ所かで、それを専門にやっているんじゃないですか、税関本来の仕事のほかに専門部を設けて。それを知らないのはちょっと、あなたは雲の上の人で、半とし前に政務次官になったばかりだから、そこを聞くのはおとなげないんだけれども、あなたが知りませんというのであれば、これは言わざるを得ない。税関は、あなたの省です。そうすると、京阪地区とか、京浜地区でやっているんじゃないですか、そこの報告書も確かにきているはずです。
○政府委員(田中茂穂君) なるほどおっしゃいますように、税関では、空港にいたしましても、あるいは港にいたしましても、携行の額、外貨の携行額、あるいは日本円を所持したまま海外に行く者はないかどうか、そういうことは、これは税関の慣習で調査はいたしております。お尋ねのように、やみドルを対象としたような調査をいたしているというようなところは私は存じていないということを申し上げたわけでございます。
○阿部竹松君 それでは次にお尋ねいたしますが、最前局長が御答弁になったドルとポンド、ドルの方はわかりましたが、ポンドは、大体あれですか、貿易地域はヨーロッパを中心として、東南アジアにも幾らかあるか知りませんが、ポンドに関連してこれはやはりあなたの方が取り引きずる局でありまんけれども、ポンド地域との取り引きが全然なくなって、ポンドが、だんだん減少してなくなるだろうという話をしている人がありますが、大蔵省の御見当はどうですか。ポンド地域との取り引き、従ってポンドがだんだん減少してしまって、ポンドがやがて保有できなくなるだろうということ。
○政府委員(田中茂穂君) 今のところ、省内でいろいろ会議その他はございますけれども、そのような話は私は全然聞きませんし、おそらくポンド地域との貿易というものも、今後活発にしていかなくちゃなりませんから、おそらく御懸念のようなことはないと考えます。
○阿部竹松君 活発にする、しないということは、通産省当局が中心になってやることですから、それに付随して、あなたの省が大蔵省なので、密接な連携を持ってやると思うんです。ただ私は、最前から申し上げました通り政策的な問題でなくして、結果をお尋ねしているわけですから。結果をお尋ねして、こうなりますよ、保有量が、どうなる、ふえますか減りますか、現有幾らですかという、結果だけ端的にお尋ねしているのですから。 そうすると、現在の見通しではどんどん減ってしまってなくなってしまうと、こういうことを言っている人がたくさんおるわけです。これはアメリカのドル防衛と関連しているかどうか知りませんよ、しかし、それは全然逆であって、あなたのお話を承っておりますと、逆に、今度経済が活発になるからふえます、こういう答弁ですね。きわめて安心していいわけです。
○政府委員(田中茂穂君) ポンドの保有が、貿易の活発になることによってふえますということは、私は希望いたしておるわけでございまして、先ほどのお尋ねは、ポンドの保有が減っていくんじゃないか、全然なくなってしまうんじゃないかという懸念はないかというお尋ねでございましたので、それにお答えいたしますれば、そういう懸念は、今のところないというふうに私は承知いたしております。
○阿部竹松君 今のところないということで、うまく御答弁なさるわけですが、そうしますと、それは安心してもよろしいんであると、まあこう理解してもいいわけですね。 それと同時に、もう一つドルの問題について、もう一点お尋ねしておきたいわけですが、ドル防衛後の大蔵省の手持ちドルとか、十九億九千三百万ドルに該当する額のことでしょう、これが漸次下降線をたどりつつあると、こういうことも言われておるわけです。で、実際問題として、それは政策的な意味も入りましょうし、善悪の判断が入りましょうけれども、あなたの方の判断で、世論通りにどんどんどんどん漸減の方向をたどっておるかどうか、その点をお尋ねいたします。
○政府委員(賀屋正雄君) ドル防衛の問題が起こりましたのは昨年の暮れあたりからでございまして、まあこれが日本の国際収支にどういう影響を与えるかという点、いろいろまあ世間でも騒がれまして、私どもも、具体的な数字の検討等もいたしたわけでございます。まあ直接響きますのは、御承知のように特需の関係、つまり日本で車両を修理しますとか、あるいはいろいろな物資を調達するとか、あるいは日本に駐留しておる軍人あるいは家族が、国内で消費するそれが減るとか、そういったこと、それともう一つは、ICAと申しましてアメリカが後進国を援助する資金を流しておりまして、その資金でもって日本から、いろいろな物資を買い付けておったわけでございますが、その日本からの買い付けをやめて、アメリカの品物を買うようにすると、こういうのは、ドル防衛策の一つとして掲げられておるわけでございます。そうしますと、一般に日本からのものが出にくくなるのではないか。それともう一つ大きな問題といたしまして、アメリカの国際収支を改善するという必要から、アメリカが輸出ドライブをかけると、そうしますと、今まで日本品がたやすく出ておったところに、アメリカとの競争が激しくなって出にくくなる。そうした一般貿易に及ぼす影響という、こういうものも当然考えられるわけでございますが、これがしからば、一年のうちに何億ドルという形でわが国の国際収支に響いてくるか、こういった計算はできないのでございますが、そういった面からの影響があろうということは当然予想されなければならないわけでございます。 しかしながらドル防衛が起こりましてからの、本年に入りましてからのわが国の外貨準備の状況は、御承知のように、毎月記録を更新いたしておりまして、私、先ほど数字を申し上げましたが、この機会に訂正させていただきたいと思いますが、三月末十九億九千七百万ドルでございました。これはもちろん今日までの新記録でございます。今後の見通しということになりますと、いろいろ考え方もあろうと思いますが、私どもは、これがジリ貧に減っていくと、こういうふうには見ておらないのでございまして、少なくともドル防衛問題が起きてから今日まで、外貨がじりじり減ってきた、そういう事実は、全然ございません。
○阿部竹松君 そこで、それ以上聞くということは、政策に関係してきますので、局長、答弁しにくかろうと思うのですが、御承知の通り池田さんはドル防衛のときに、特需一億二千万ドルにありますよと、これは影響します、しかし、一億二千万ドルぐらい大したことじゃないんであって、これくらいアメリカさんに協力しなければならぬというお話でしたが、しかし一億二千万ドル、池田さんのおっしゃる通りであればけっこうだが、どんどん減っていくような傾向なんで、私はあなたに数字的にお尋ねしておるわけです。どんどん新聞あるいはいろいろな番籍を読んでみると、下降線をたどって、さっぱり上昇するような気配がない、何を読んでも。そうすると、池田さんの言う一応二千万ドルぐらいのときはまだいいけれども、これ以上下がったら大へんなことになりゃせぬかということを私ども心配しているわけですが、その点あなたに、数字的に、ずっとこういう数字でいけば、どうなるということを、大づかみに、大蔵省の方の外貨の中心的役割を果たしておる局長さんですから、十分に御承知かと思うわけですね。 ですから、数字をもう少し具体的にあげていただいて、大体、何月はどのくらいになるか、あるいは何月どのくらい減るんじゃないかというような、やはり来年、再来年の見通しをお尋ねしているならめちゃくちゃな話ですが、ことしの八月、九月までは、どういう傾向をたどっていくか、もし御答弁できれば、お尋ねしておきたいわけです。
○政府委員(賀屋正雄君) 一億二千万ドルという数字を御指摘でございますが、これは、ドル防衛問題が起こりました当初、どういう影響があるかという、それを各省が事務的に検討いたしまして、一応のいろいろな仮定をおきまして作り出しました一応の試算でございまして、先ほど言いましたICAの買付の減少で六千万ドル、それから広い意味の特需の減少で六千万ドル、まあ一億二千万ドルぐらいの影響があろうかという計算をしたのがその数字でございますが、その後、いろいろ事情が変わってきております。 たとえば軍人家族の引き揚げでございますが、これは初めアイゼンハワーが、そういう政策を打ち出しまして、自後アメリカの国内におきましても計常に問題になりまして、不評を買いました結果、原則として引き揚げはやらない。ケネディの政権になってから、そういうふうに変わっております。それからICAの買付の点につきましても、絶対例外を認めないというふうにも一時言われておったのでございますが、その後、朝鮮向けの肥料の輸出等もございまして、これの影響も、それほど大きくはないようにも考えられるような情勢になっております。 従いまして、このドル防衛の直接の影響として金額的に幾らマイナス要因になるか、外貨のマイナス要因になるかという点は非常に計算がしにくいわけでございますが、そういった点を勘案いたしまして、ICAの買付も減るであろうと、それから特需も若干は減るであろう、そういった点を考慮いたしまして、全体のわが国の国際収支が、どうなるかという見通しといたしまして、ごく最近政府が公に発表いたしたものは、先日三十五年度末に、三十六年度の見通しの上期の外貨予算を策定いたしました。最近三十六年度の上期の国際収支の見込みを立てたわけでございまして、これによりますと、経常収支におきまして九千万ドルの赤字を見るであろう、しかしながら資本収支におきまして一億二千万ドルの黒字であろうと、従いまして、差し引き総合収支におきましては三千万ドルの黒字であろう、こういう見込みを立ったわけでございます。もちろん、将来の予想でございますので、これがぴったりその通り行くということを断言するわけには参りませんが、従来の実績等について、いろいろ輸出入の品目あるいは国別に事務的に個々に積み上げ計算をいたしまして、あるいは資本取引の面では、近く話し合いができております外資の導入がその通り話し合い一がうまく行くというような仮定、それからこの期間に従来借りました外資の返還がどれくらいあるかと、そういったような点をこまかく検討いたしまして一応作り上げましたのが、今申し上げましたような数字でございますので、まあいろいろの御批判はあろうかと思いますが、政府の見方といたしましては、ただいまのところでは、三十六年度の上期末までの予想といたしましては、総合収支においては三千万ドルの黒字であろう。従いまして、外貨準備高もふえこそすれ減らないという一応の見通しを立っておるわけでございます。
○阿部竹松君 まずドルの話は賀屋局長のおっしゃる通りになって黒字になることを大いに期待して、その話は質問を打ち切ります。あとであのとき局長うそを言ったなどとは言いませんから。私は局長さんのおっしゃるようにそう甘いものじゃないというふうに考えております。 それはそれで、その次にお尋ねしますのは、これは三十一年度、三十二年度、こういうときから外油輸入ですね、つまり東南アジアとか中近東から重油が入っておる。そのドルの割当は通産省がやるかもしれませんが、あなたの方で相当関与をしておるということを聞いておるのですが、ほんとうですか。それとも通産省がこれをお願いしますという割当を、それを大蔵省がオーケーということで簡単に了解するのですか、割当の中身ですね。
○政府委員(賀屋正雄君) わが国に対する石油の輸入は、外貨を割り当てるという方式でやっておるのでございまして、従いまして、まず、先ほども触れましたように、毎年上期と下期に分けまして外貨予算というものを組みまして、石油、原油の輸入には今期どれくらいの外貨を使うかという予算を立てるわけでございます。その外貨予算全体のまとめ役は大蔵省でございますが、各物資になりますと、大部分は通産省関係の物資、石油ももちろん通産物資でございますが、そのほか米でありますとか大豆、トウモロコシ、小麦とか砂糖といったような農林省関係の割当物資がございますが、そういったものにつきましては、この期にどれくらいの割当をするのかというのを農林省で検討いたしまして、それぞれ各省の積み上げ作業をされましたものを一つの予算という形にまとめ上げまして、閣僚審議会を開いて決定をいたしておるわけでございます。そうしてその決定になりましたところに従いまして、今度はその予算の実行といたしまして、申請に基づきまして、石油でありますれば各個々の精製業者に対して幾らまでの原油を輸入するかというような金額的な割当をするわけでございます。この割当の仕事はもちろん通産省が今やっておりまして、大蔵省は全然関係をいたしておりません。従いまして、大蔵省が関係いたしますのは、こういった予算の編成のまとめ役というところでございまして、幾ら石油に外貨予算を組むか、その組んだ外貨予算を個々の会社にどう配分するかといった、こういったことは一切通産省の権限として行なわれておるわけでございます。
○阿部竹松君 そうしますと、その大きなワクですね、今年の重油あるいは原油、あるいは石油にはどれだけ使うかという大きなワクはあなたの省がタッチするけれども、それを何億何千万ドルときめて、通産省にワクを与えた以後はあなたの方では関係しない、こういうことですね、一切タッチしないのだと。
○政府委員(賀屋正雄君) その通りでございます。
○阿部竹松君 そうすると、その重油に何億何千万ドル、鉄鉱石に何億何千万ドル、あるいは電気銅に何億何千万ドル、こういうのは今まで何を基準にしてあなたの方でやってきたのですか。ただ日本の産業の状態と経済状態をからみ合わせて算術計算でやられたのですか、その基準。
○政府委員(賀屋正雄君) 今申しましたように、各物資につきまして、たとえば鉄鉱石でありますれば通産省、原油も通産省でございますが、農産物資でありますれば農林省、そういったところが、それぞれの期にどれだけの量を輸入する必要があるかという算定をいたすわけでございまして、これは各省が、それぞれ過去の実績でありますとか、そのときどきの需要を測定いたしまして計算して持ってくるわけでございます。私どもは関係をいたしておりません。
○阿部竹松君 その過去の実績という経験の上に立った実績主義がわからないのですね、実績というのが。過去実績これこれありましたから、実績がありますとかいうのは、これは神武天皇以来の実績ですかね。私はまた大蔵省で一つの、日本の経済の発展状態とからみ合わせて、どれくらい各部門には必要だということでドルの割当をしておるものと思っておったのですが、実績主義というのは、去年君のところは一億ドルの割当だったから八千万ドルにしてくれ、君のところは八千万ドルだったから六千万ドルにしてくれという実績の積み重ねでやっておるわけですか。
○政府委員(賀屋正雄君) 今私が実績と申しましたのは、先ほど申しましたように、通産の物資でありますれば通産省が、上期、たとえばこの四月から五月までにどれくらいの量を日本の経済の、何と申しますか、成長発展のため輸入する必要があるかという数字を検討いたしまして、そうしてそれを外貨予算に組むわけでございまして、それを検討する際に、私がおそらく過去の実績も参照されるのであろうという想像に基づいて申し上げましたので、誤解のないようにしていただきたいと思いますが、どういう計算方法を用いまして、各期におけるそういった物資の輸入量を測定するかということは、私どもの権限でございませんので、御必要がございますれば通産当局からお聞きいただきたいと思います。
○阿部竹松君 通産当局でも農林当局でも、こういう主張をしても、大蔵省がなかなかやかましくて、これはうまくいきませんから大蔵省に一つ話してくれないかという、こういう各省はお互いに罪のなすり合いをするとか、弁解がうまいもんですから、そういうふうに言いのがれをするかもしれませんが、そういうことを言う。両方あわせて一堂に会してみませんとなかなか結論が出ないと思いますが……。 それからもう一つは、具体的な実例ですが、これは二、三年前から、たとえばビルマから雑豆を持ってくる。六十キロ向こうから持ってくると二千円である、国内では六千円、その差益金を取る。これは一般会計に繰り入れておるかどうかわかりませんけれども、大蔵省が差益金を全部取っておる。また、安いバナナを持ってきて、高いバナナを国民に食わせて、大蔵省は差益金を取る。そうですね。その差益金というものがはたして妥当なものかどうか、全部大蔵省で取る。国内の価格と外国の産地との差がハンディがあれば、持ってきて大蔵省が一切差益金を取る。これは決算の問題であるかどうかわかりませんが、一体どこへその金を持ってって、おそらく一般会計に繰り入れていくのではないかと思いますが、そういうことが政務次官妥当であるかどうか。ビルマから雑豆を持ってきて膨大な、どこでもうけるのかわからないが、もうけておる。具体的な例証としてあげておるのです。それを全部大蔵省がやっている、これはどうですか。
○政府委員(田中茂穂君) 今実例をあげられまして、豆の問題バナナの問題をあげられましたが、これやはり考え方といたしましては、国内価格をあまりくずさない、たとえば豆類にいたしますれば、大豆にしてもその通りでございますが、国内生産者のやはり保護という観点から、一応そういう措置をとっておるわけでございまして、その差益金を国庫に入れて、一般会計への財源にするという方法をこれはとっておりまするけれども、やはりそれは国内生産業者の保護育成の立場からやっておるわけでございまして、これがはたして妥当じゃないという御意見もおありでございましょうが、また一面、国内生産者の立場を考えた場合では、安いものが入ってくることによって国内の生産業者に脅威を与えるということをやはり防ぐ意味におきましても、私は一応そういった方法もあり得るのではないか、これが妥当であるか、妥当じゃないかという問題につきましては、これはいろいろ考え方があるかと思いますが、私個人の考え方といたしましては、やはりそういった方法も一つの方法である、かように考えております。
○阿部竹松君 外国から安い品物が入ってこられて安く販売されたら国内産業が成り立っていかぬ、安い製品を販売されたら。その言わんとするところはよくわかります。しかしバナナは日本の国で一つもとにかく生産しておらぬ。日本の国で一割でも二割でも生産しておったら、台湾とか、もしくは海南島から安いバナナが入ってきて、日本のバナナ業者が困るということはあり得るのだけれども、しかし全然これはそんなことはありません。国内の生産はしておらぬのですから。ですからあなたの理屈は成り立たぬ。それからもう一つ、雑豆の方ですが、これはあなたのおっしゃるような、このわが国の政府が一致してそれをやっておればいいですよ、一致してやっておれば。しかし、某省においては、たとえば銅なら銅のコストが二十七万二千円である、貿易自由化になると銅が十五万円ぐらいで入ってくる。そうすると国内産業の国内の産銅屋がたまらぬということで、外国から十五万の銅は入れるんだけれども、国内のあれとプールして販売して、そして国内の産業もとにかくつぶさないし、外国から安い銅を入れて、平均コストを下げる。入ってくる銅を国内産業とプールしてそういうことをやっておる。あなたの方は、今のお話でいくと、大蔵省として片手落じゃないか。片方は国内産業を保護するといって、安いやつを関税をたくさん取って、そうして価格を据え置くというのだったら、大蔵省として片手落ちですよ、これは。片方の方にはそういうことを認めている。片方はだめですよ、というのは大蔵省は関税を取っておるのですから、片方は。ですから、あなたの方策でいくなら、全部そうやればいい。全部銅をやるようにやったらいい。そういうことだったら政務次官のお説は成り立たぬように思いますが、私は決してあげ足取りをやっておるわけじゃないけれども、もう少し省として筋の通ることをやってもらわなければ困るのじゃないか。
○政府委員(田中茂穂君) 私は今の農産物のことだけを申し上げたのでありまして、バナナも農産物といえばそうでありますけれども、バナナにつきましては、私はさような差益金を取っておるのかどうか、まあお聞きいたしますと、差益金を取っておるようにおっしゃいましたけれども、その辺につきましては、私まだ未熟でございまして、勉強いたしておりません。 なお、その他の一般の輸入物資の安い価格と国内産の価格とプールして云々というお話がありましたけれども、やはりすべての国内の産業というものが、外国の生産費が非常に低廉であることにかんがみまして、やはりコストを下げていくという方向にみんなが努力しなければいかぬと思います。なお、これらの問題につきましては、大蔵省だけの所管の問題でもなかろうと思いまして、これは全般的に広い意味のやはり政策と申しますか、まあそういうことに関連するであろうと思いまするので、今御指摘になりました、この豆類の御指摘について、一応私の考え方を申し上げたのでありまして、その他につきましては、いろいろとやはり今後国内の生産そのものに対して、コストを下げる方向に努力をして、そのような差益金という制度はなくなるように努力をする必要があろうかと思っております。
○阿部竹松君 あと私の質問はですね。三十三年度分ですか、三十四年度になってもよろしゅうございますけれども、大蔵大臣にお尋ねしたい点が四、五点ある。その機会を一つ委員長にお願いして、もう一点だけお尋ねして質問をやめます。 それは実は終戦当時樺太で全部引き揚げる際ですね、これは担当の局長さん、おそらく賀屋局長さんでないと思うので、もし答弁できなければやむを得ませんが、終戦当時、樺太引き揚げにあたって北海道拓殖銀行、今でもありますが、北海道拓殖銀行の樺太の大泊支店とか真岡支店とか、こう支店がたくさんあった。どさくさまぎれに逃げてきたものですから、その当時二億円の金がそのままになっておるわけですよ。通帳を持ってきた人は、北海道に来て、払い下げを受けるとか、あるいはまた通帳の書きかえをやったんですが、当時通帳を持っておらぬで、命からがら逃げたとか、あるいはソ連に抑留されておそく帰ってきたとか、こういう人はそのまま払い戻しをせぬので、一億五千万円、約二億円近いお金だそうですが、そのまま北海道拓殖銀行の地下に眠っておるわけです。これを大蔵省としてどう処置するのか。もう法律を設けて処置してしまったやにも承っておるけれども、処置してしまったならしまったで、またお尋ねしたいことがあるので、その点どうなったということがもしわかっておる方があれば、お尋ねしておきたい。
○説明員(大月高君) 今の樺太の預金の問題は、銀行局の所管の問題でございますので、私から便宜お答え申し上げます。 終戦当時北拓に対して樺太の関係者が預金をしておられた分が、正確な数字は今記憶しておりませんが、多分やはり二億円程度あったと思います。それをどういうように処置いたしたかと申しますと、法律で申しますと、金融機関再建整備法という法律がございまして、これに基づいて戦前の預金を一応封鎖いたしたわけでございますけれども、それをその法律に基づいて逐次払い戻ししていったわけでございます。で、樺太の関係の預金につきましても、海外の関係の預金といたしまして、ほかの海外の預金と同じようにまあ払い戻しして参ったわけでございまして、預金通帳をお持ちの方、あるいはそういうものを紛失された方におきましても、銀行において帳簿上明らかになったものは逐次払い戻しをいたしまして、現在はむしろ御本人がどこに行っておられるかわからないというように、取りにこられない分が残っておるだけでございまして、それは多分数百万円程度のものであろうと思います。その金額は現在別段預金といたしまして、別として取ってございますので、請求があり次第お払いいたす。しかし現にそういう債権者はなかなか出てこないのではなかろうかと考えております。 それから別途樺太の市町村関係の公金預金というものがございまして、それは法律に基づきましてお払いしない。つまり内地に住所を持っておる者に対して払うという法律になっておりますので、樺太にございました市町村は、内地に住所はないということで払わないと、こういうことになっておりまして、その預金だけはお払いしない。こういうことになっておるわけでございます。で一般の個人、法人関係のものは、そういう関係で、全部大体所在のわかっておるものはお払いして、解決いたしておる。こういうふうな実態でございまして、北拓において預金者関係の資産がそれだけ利益として眠っておる、こういうことはないわけでございます。 なお、念のために申し上げますと、北拓といたしましては、樺太関係の預金もございましたけれども、別に樺太関係の債権、つまり樺太で金を貸しておった分もございます。それは全部回収が不可能になっておるわけでございまして、そういう、預金と貸し金のバランスから申しますと、むしろ樺太関係の計算だけでは持ち出しになっておる、こういう関係でございます。
○阿部竹松君 持ち出しになっておるとかおらぬとか、拓殖銀行というのは、抵当物件がなかったらお金貸さぬ銀行だ、御承知の通り。明治二十四年ですか、三年にできて、あの当時は国庫出資しておったのでしょう。今はしておらぬですね。ですから、おそらく会計検査院の検査も受けなくてもよろしいと思うのですが、会計検査院の方どうでしょうか。そうでしょうね。
○説明員(秋山昌平君) 銀行については、検査をいたしておりません。
○阿部竹松君 そこで、局長の答弁ですと、私聞き違いかもしれませんけれども、今でもわかれば、返済というか、払い戻しすると、こういうことなんですね。
○説明員(大月高君) 御本人が預金者であるということさえわかりますれば、今でもお返しするような建前になっております。
○阿部竹松君 そうしますと、それが、ただし樺太におる人ではいけないのであって、やはり本国におる人でなければいけないのだということと、それから、率はどういうことになりますか。当時のお金ですからね、おそらく百円だ二百円だと相当おるわけですよ、北海道に。それは、そういうことも知らない人が多いので、行ったとき陳情などをぽつぽつと受けるのです。率はどういうことになるのですか。
○説明員(大月高君) もちろん、たとえば千円の預金者でございましたら千円お返しする、こういうことでございます。
○木下友敬君 話が全然違うのです。私は、小さい銀行の話を少しお尋ねしたいと思うのですが、相互銀行というのがございますね。あれは、何ですか、審査といいますか、監査といいますか、毎年ずっとやっておりますか。やっておられるとすると、その結果、健全なものばかりであるか、不健全なものも幾らかあるか。確かに今七十以上ありましょう、相互銀行。その中にもし不健全なものがあるか、まあ、もし不健全なものがある場合、あれは大きな企業家を相手にするものでなく、私どものようなごく零細な者を相手にしておるから、こういう場所での、不健全なものがあるというような御発言が、非常に国民大衆に及ぼす影響があるとすれば、それは速記をとめてでもいいけれども、そうでなければ、もし審査などしておられれば、その結果についてお聞きしておきたいと思う。
○説明員(大月高君) 相互銀行は、相互銀行法に基づきまして大蔵省で監督いたしておる金融機関でございまして、銀行局におきまして検査を実行いたしておるわけでございます。大体におきまして、二年に一回程度の検査でございますが、仰せのように、数は七十二行でございます。で、大蔵省といたしましては、相当詳細に、その資産内容が健全であるかどうかということは、一行ごとに承知いたしておりまして、その資産内容の健全度によりまして、ある場合には相当検査の頻度を激しくする。それから、十分これは検査しなくてもいいというものについては、検査期間が若干長いと、こういうような取り扱いをいたしておるわけでございます。で、相互銀行法ができましてからおおむね十年もたちましたわけでございますが、その間におきまして、若干いろいろな事件を起こした例もございます。しかし現在のところ、経済の情勢もこのように良好でございますし、経営者も、新しい制度になりましてから大いに健全経営に心がけておるということもございまして、特に預金者に御心配をかけるというような相互銀行は現在ないというように承知いたしております。
○木下友敬君 そうすると相互銀行は大体において私ども信頼してもいいというように受け取るのですが、国民大衆も信頼するけれども、一体大蔵省自体は信頼しておるのかどうかという問題。というのは、昨年から医療金融公庫ができましたね。ところが医療金融公庫の取り扱いは、相互銀行では日本相互と西日本相互ともう一つ、三つかに限られて、ほかのは取り扱いが委託されていないという状況ですが、ああいう場合に、第三者的に見ますと、あの銀行三つは非常に信頼を受ける銀行だけれども、そのほかのはどうもそういう選にも漏れて、あまり近づかない方がいいかもわからないというような印象を受ける。そういうことはいずれの場合もあることですが、銀行などの場合は、特に信用などについてあまり好ましいことでないと思いますが、三つの銀行が選ばれて、ほかの銀行には委託されなかったというような、そのことのいきさつなり理由というようなものをお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(大月高君) 医療金融公庫は、昨年ようやく発足いたしただけでございまして、昨年の資金量は全部で多分、合計三十五億程度であったかと思います。ことしの予算においては若干それが増加されておりますけれども、まだ何分発足以来日も浅いわけでございまして、資金量が非常に小さいということでございます。それで、これに対して代理機関を設けまして、全国のお医者さんに金融をする、こういうことでございますが、その際に問題になりましたのは、何分資金量が非常に少ないものでございますので、多くの代理店を作りましても、非常に僅少な金額しか割当ができない。従いまして、当面非常に少数な代理店から始めようじゃないか、こういうのが基本的な考え方でございます。そういう意味におきまして、普通の銀行におきましても、都市銀行十二行と、それから地方銀行におきましては、当該本店を持っておる府県においてのみ代理をやらす。それから相互銀行、信用金庫におきましては、大体規模の相当大きなものを選びまして、三行ずつ選びました。こういうようないきさつでございまして、この代理制度というものは、これでおしまいというものでもございません。そういう意味で、資金量の増加あるいはその運用の実態に即しまして、いずれ検討して参る、こういうことでございまして、必ずしも相互銀行の内容がよくないので、非常にごく少数なものを選んだ、こういう意味は全然ございません。むしろ医療金融公庫の資金量が少ないので、代理店の数もまだ少ない方がよい、こういう考え方でございます。
○木下友敬君 医療金融公庫のことはわかりましたが、それでは供米代金の取り扱いですね、あれは相互銀行には委託されていないように思いますが、これはかなりな全国的なものでありますし、金額にしても相当なものだし、相互銀行にもやらしてよさそうなものであるが、これも相互銀行にやらしていないように私聞いておりますが、これは今のお話では解釈もつきにくい問題で、何かまだほかに理由があるだろうと思いますが。
○説明員(大月高君) 供米代金の問題につきましては、むしろ金融の制度の方からの制約があるわけでございまして、御存じのように、農林金融を実行いたします機関といたしましては、政府の機関としては農林漁業金融公庫、これは全額政府が出資いたしまして、かつその他の資金といたしましても、資金運用部から金を貸して金融をやっておる。そのほかに民間の農林金融の機構といたしましては、御存じのように農業協同組合があるわけでございます。で、その上に県単位でいわゆる信連と申しております、それの連合組織がございまして、さらにその連合組織の頂点に農林中央金庫がございます。そういうように農林金融の系列といたしまして、農林中央金庫を頂点といたします一つの全国組織がございまして、農林行政の便宜という点から申しまして、供米代金を一応全部この農中から農協の系統を通じて取り扱い、具体的にはそこで歩どまりました預金が、結局農村の人が物を買うという格好によりまして都市の方へ流れていく、流れていきました金がそこで初めて銀行であるとか、あるいは相互銀行であるとか、あるいは信用金庫であるとか、そういうような非農村の金融機関に流れていく、大体こういうような感覚でもって扱っておるわけでございます。そういう意味で、相互銀行も、供米代金の関係では第一義的に除外されておるわけでございますが、これは相互銀行だけでなしに、普通の銀行も信用金庫もいずれも取り扱っておらない。農林系統の金融機関だけが取り扱っておる、こういう性質のものでございます。
○木下友敬君 それはまあ考え方あるいは議論の立て方で、今やっておられることの正当性というものが認められるかもわからぬが、私どもはこのごく小さい、どっちかといえば弱い銀行に、もう少し資金を回して、そしてこれを健全化するという意味からでも、系統銀行だけではなくして、こういうものにも取り扱わせるというように考えを変えていくのがいいのじゃないか知らぬと、こう思うのです。衆議院の商工委員会でも、例の相互銀行の問題がかなり論議されていたようでございますが、そのときでも問題になったのは歩積み、両建というようなものをやっているのじゃないか、非常にやっている。これは銀行法から言ってもけしからぬ行為であるということが非常に責められておる。ところが、責めるのは当然のことでございましょうけれども、一体もう一つ掘り下げていけば、その歩積み、両建というのは、相互銀行のような小さいものだけがやっておるのか、あるいは市中銀行だとか、都市銀行などもそれをやってはいないか。そのやっている大きさといいますか、相互銀行の方がよけいやっていて、都市銀行の方にはそれが少ないのだというようなふうになっておるのかどうか、その点を一つ御説明願いたい。
○説明員(大月高君) 金融機関の歩積み、両建の問題は、なかなかむずかしい問題でございまして、単に歩積みをやる、両建をやるということが、金融機関としていけないことではないというようにわれわれは考えております。われわれが金融機関に対して、やめるようにということを指導いたしておりますのは、債務者の意に反して歩積みをさせ、あるいは両建をさせる、こういう点でございます。一般の商取引におきましても、当然一定の預金を持っておる人が金を借りるわけでございまして、結果においては両建の格好になることはございます。それから、たとえば中小企業の金融の面で考えてみましても、たとえば相当長期の金を借りた場合に、一挙に多額の金を返済するということはなかなかむずかしいわけでございますので、それを月賦償還あるいは年賦償還ということで返していく、その場合に少しずつそれは預金の格好で積んでおきまして、最後に落とすということにいたしますと、決済が容易である。こういうような場合には、これが歩積みになっていっておるわけでございまして、これが金融機関及び中小企業、双方の便宜のために行なわれておる限りにおいて、何ら非難すべきことはない。それを借り手の意に反して無理に預金を納めさせる、無理に歩積みを積ます、こういうことはいけないわけでございます。われわれは検査に際しまして、そういうよくない意味の歩積み、両建を厳禁するようにという指導はいたしておりますが、その判断がなかなかむずかしいわけでございまして、一々債務者に、これはその意に反したものかどうかというようなことを確かめてみなければわからないという、こういう性質のものでございます。ただ、一般的に申しまして、そういういわゆる無質の歩積み、両建が相互銀行に特に多いかという問題につきましては、われわれは必ずしもそうは考えておりませんので、やはり金融機関それぞれによりまして、経営の態度のよくないところは相当多いであろうし、非常に健全な、しかも良心的な経営をやっておられる個々の金融機関についてはそういうものは非常に少ない。こういうことでございまして、相互銀行であるから、歩積み、両建が多い、そうでないところは少ない、こういう結論は一がいに言えない、こういうふうに考えております。
○木下友敬君 両建あるいは歩積みについての御見解よくわかりました。しかし、これは非常に危険なことですね、あなたが言われる通りに。預金者の意思に反してということが非常にむずかしいところだと思うし、また、銀行は、今あなたのお言葉をたてにとって、決してこれは預金者の意思に反していないということで両建ということを進めることもあり得ると思うのです。ところが私はそのほかに、ことに相互銀行あるいは信用金庫もそうですけれども、資金量からいいましても、行員の一人当たりは都市銀行だと四千八百万、相互銀行だと千三百万というように資金量が非常に小さいわけでしょう。そうするといきなり資金のコストが高くなってくる。何とかかせがにゃいかぬということになってくれば相互銀行はあがくだろう。そこで私が、さっきの医療金融公庫にしましても、供米の代金の取り扱いにしても申しましたのは、そういう小さい銀行はあえいでいる。そいつを無理をしないで済むように資金量を増してやるような、補助をしてやったらどうか、援助をしてやったらどうか、それはただやるというような意味でなくして、政府の資金を貸してやるとかいう方法がとり得るはずであるから、一がいにこれは農協関係の系統銀行があるから扱わせぬのだとか、あるいは医療金融公庫の金が少ないから回さないのだということでなくして、全部そういうふうに育成していくという意味でも、もう少しコストの安い金を使えるように、相互銀行に仕向けていく考えはないかどうか、これをお聞きしたいと思うのです。実際はなんでしょう、中小企業金融公庫なんかの金は二〇%以上ぐらい相互銀行にも流れていると思う。その点から見ると、あながち相互銀行が信用がないとも思われない。政府の金、国民の金が二〇%もそこに流れていくのですから、信用がないから助けられないということでないとすれば、国民大衆が最も身近かに感じるこういう小さい銀行などに、もう少し政府はあたたかい気持でやっていくのはいいことではないか。それは結局大衆に対する銀行の態度が変わってくるもとになるわけです。政府の方からは検査をやかましく言うのはこれは当然のことですが、だからといって、資金量は行員一人に千三百万というようなことでは、とうていこれはだんだん経営が困難になっていきやしないか、利子も下がるでしょう、預金者が少なくなっていく、条件はむずかしいというようなことになってくると、私はこういうような銀行の将来というものに不安がありはしないかと思いますが、あなた方はそういうことはお考えにならないかどうか。もう少しこれを助けてやるというような気持はないかどうか、それは単に銀行という事業を助けるという意味でなくして、庶民——国民を助けるという意味でもそうすべきではないかというように私は考えるが……。
○説明員(大月高君) 金融機関に対しまして、大蔵省の行政が、どういうつまり角度から見ておるかという問題だと思いますが、ただいまお話のございましたいろいろな代理店の関係につきましては、各金融機関、特に個々的に見まして、内容のあまりよくないもの以外のものは、大体、政府金融機関の代理店をやらしておる、こういうのが原則でございまして、今までお話になりました中小企業金融公庫の代理店もやっております。それから国民金融公庫の代理店あるいは住宅金融公庫の代理店もあるわけでございます。ただ、特殊な事例としまして、供米の関係は、今農林金融という特殊な分野で、それから医療公庫は、発足以来非常に若い、資金の少ない点がございますので、特別でございますけれども、その他の政府金融機関におきましては、大体、普通銀行、相互銀行同じように扱っております。そういう意味で、代理をやっております。金額におきましては、やはり中小公庫、国民公庫の関係におきましては、最も多いのが信用金庫でございまして、その次は相互銀行、いずれも二、三〇%の分野を占めておると思います。 しかし政府の立場で、この問題考えますと、相互銀行に代理店を委託するというのは、相互銀行育成という意味ではございませんので、むしろ政府が、中小企業金融をやろうという意図を持って設立いたしました政府機関の金が、いかにして最も効率よく、適正に中小企業者に流れるかと、こういう観点で見るわけでございます。そういう観点で、相互銀行を使うのがいいという場合には使うということでございますので、必ずしも相互銀行育成のために、代理店をやらすという感覚じゃない。しからば、その他に何か政府の金でも流して育成するかということでございますが、金融機関は、大体におきまして免許事業でございます。で、非常に厳重な監督はいたしておりますか、これは、民間の機関でございますので、できるだけ自主責任の原則に基づきまして、みずからの努力によって健全経営をやってもらうというのが本質でございます。で、相互銀行に対しましても、われわれは不健全な経営をしないようにということを中心にして指導いたしておるわけでございまして、これを政府が、金を注ぎ込んで育成するというのは、やはりほかの企業とのつり合い等も考えますと、行き過ぎであろうと、そういう意味で、おのおのの努力において、ぜひ健全な経営をやってほしいと、こういうわれわれの指導あるいは監督の方針のもとにおきましても、相互銀行の将来は、決して危ないものではない。新しく金利が下がりましても、預金金利もあわせて下がってくるわけでございまして、コストの面においても、バランスはとれる、健全な経営をやっていく限り、金融の制度は健全であろうと、こういうように考えておるわけでございます。
○木下友敬君 私が質問の中で申しました育成も、あなたの言われる意味なんです。銀行を太らしてくれという意味ではないわけです。こういうような零細銀行を育てる、そして流していいような政府資金は流してやるというようなことは、結局銀行を太らすというのではなくして、庶民にしあわせがいくようにするという意味で言ったのですが、あなたのお話も、大体その点ではよさそうに思うのです。 そこで、健全だと言われるけれども、私は、内容が必ずしもよくないと思うのは、そこで働いている人たちの処遇ですね。これは市中銀行であるとか、あるいは都市銀行などの人に比べると、相互銀行に働いておるような人の処遇というものは非常にまずいように思う。これは一般の製造会社などの場合を見ましても、大企業の場合は、中小企業の倍以上もの身入りがあると同じように、銀行の場合におきましても、都市銀行などに比べますと、相互銀行などは非常に待遇が悪いわけなんですね。ある程度は、企業の大きさによってやむを得ないかもわかりませんけれども、一番心配するのは、どこでもそうだけれども、どういうところでも、そういうことは避けなければならないけれども、金融機関などにおいて、もし従業員の組合でストが起こるというような問題が起こってくると、これはもう非常に困った問題だと思うのです。銀行ストというようなことがくると、日本の財界を脅かすだけでなくして、われわれ庶民に非常に心配をかけることになる。ところが、今のように相互銀行の待遇が悪いということであると、そういう心配がないとはされないと思うのですが、あなた御存じならば話してもらいたいが、今の銀行で、一般銀行ですね——市中銀行とか、都市銀行とか、そういうところ及びこの相互銀行で、組合のできておるところとできていないところは、どういう割合になっておりますか。
○説明員(大月高君) 日本の銀行におきましては、大体ほとんどの銀行におきまして労働組合ができております。相互銀行も、大体できておるものが多いというのが現状であります。
○木下友敬君 何か、もう少し正確に近い数字、わかりませんか。たとえば相互銀行では……。
○説明員(大月高君) 今、具体的な数字は持っておりませんが、特に何パーセント、何パーセントというほど——何パーセントという割ほど組合のない銀行が多いというわけではございませんので、大部分のところに、組合があるというように御承知願ってけっこうだと思います。
○木下友敬君 これは銀行の業務の内容を検査され、あるいは調査され、監督されると同じウエートにおいて、そこの労働組合の動向などについては、十分大蔵省としては考えていかなきゃならぬことだと思うのです。私は正確に調べておりませんけれども、まだ小さい銀行などでは、組合のできていないところがかなりあるように思っております。それで私も調べますが、どうかあなたの方でも今のような答弁でなくして、大体七十二行のうち、どれだけは組合がある、それでその組合の状況等についても、労働省にまかせるだけでなくして、大蔵省としても、一つ把握しておいていただきたい、こういうふうに考えます。どうでしょう。
○説明員(大月高君) 実は、手元にございませんが、そういう問題は、常に関心を持って調査いたしておりますので、帰りますと数字がございますので、いずれまた、機会を見まして御報告申し上げます。
○木下友敬君 そこで政務次官にお願いしておきますがね、お願いをすると同時にお答えを願っておきたいですが、私今、相互銀行についてお尋ねしたのです。 と申しますのは、大きな企業については、日本で有数な市中銀行とか、都市銀行とか、まあございますから、不自由はかけていないと思うけれども、私どもが相互銀行などで金を借りようとすると、非常に困難を感ずるわけなんですよ。そういうような非常にむずかしい条件を出してくるというのは、相互銀行自体の、私は、そういう方針というだけでなくして、そうしなければならないような資金量が少ないとか、そういうようなことがあるためだろうと思いますが、これは決して、それでわれわれの庶民の金融に万全を期せられておるということにならないと思う。どうか大銀行だけでなくして、どんな小さい銀行に向かっても、政府としては、あたたかい手を伸ばして、銀行を太らすということでなくして、それによって、われわれ庶民が仕事を広げるなり、あるいは生活の向上をはかるなりというようなことに資するように御尽力が願いたいと思うのですが、政務次官一つ、その辺についての御所信を伺っておきたいと思います。
○政府委員(田中茂穂君) 先ほど来、木下委員のお尋ねなり、御所見、お考えをお聞きいたしまして、まことにごもっともな点をお突きになっていると思います。今おっしゃいました中小金融機関が、もっと幅広く国民全般のために、いわゆる庶民大衆のために、金融の道がつくように努力をしてもらいたいと、これはもう、なるほどごもっともな点でございます。 その点は、先ほど大月調査官が申しましたように、やはり中小金融機関を、もっとやはり育成、強化いたしますことが先決でございまして、まあそのためには、代理店その他によりまして、いろいろと育成の方途を講じております。まだ万全を期し得ない点もあろうかと思いますが、十分御意見を尊重して努力をいたしたい、そして庶民全般に対する金融の道が、もっと簡易に幅広く講ぜられるように、やはりお互いに努力をいたしたい。かように考えております。
○相澤重明君 政務次官と管財局長にお尋ねいたしたいのですが、まず第一は、昭和三十二年から国有財産台帳の整備、国有財産の実態調査を三カ年計画で行なうということをきめたわけですが、当時予算一億一千万円で、この三カ年間に完成をしたいということで発足をいたしましたが、翌年の三十三年の決算委員会においては、三カ年では、ちょっとむずかしいかもしれぬ、あと一カ年くらいはみなければならぬだろうというのが、当時大蔵大臣の答弁されたことだったのです。 そこで、この国有財産の実態調査というものが、できたのかできないのか、これから最初に一つお答えいただきたい。
○政府委員(山下武利君) ただいま相澤委員のお述べになりましたように、大蔵省におきましては、三十二年から四カ年計画、つまり三十五年度末までの計画をもちまして、約六万件に上る普通財産の実態不明なもので、比較的経済価値の高いと思われるものをまず選びまして、それの実態調査を進めたわけでございます。大体におきまして、三十五年度末をもちまして、予定通り約六万件に上るところの調査を終わった次第でございます。
○相澤重明君 今のお話ですと、約六万件ですかというものの実態調査が、三十五年度のうちに終わったと、予算はどのくらい追加されたのですか。当初は一億一千万、こういうことで実態調査の予算を計上されたわけですが、追加されたのは、どのくらいですか。
○政府委員(山下武利君) 突然のお尋ねでございますので、正確な資料を今手元に準備しておりませんが、大体毎年一億くらいの予算をもって実行して参っております。
○相澤重明君 次に、当時普通財産の管理については、旧軍用財産が、土地が一億七千九百万坪ですね、建物が四百八十六万延べ坪、旧雑種財産が、土地が九千万坪、建物が十五万一千坪、船舶の共有持ち分が二十九年度に二百十五隻あったものを、三十年度には百九十隻まで処分をして、そして三十三年に御報告いただいたときには、約九十一億の持ち分があるという御報告を受けておったわけです。それで、国有機械等については、三十年の一月には約二十万台、三十一年度末までに七割を整備をする。そうしてその後、さらにこの持ち分についても、できるだけ早い整備をしたい。こういうことが三十三年に、当時の決算委員会でお述べになっておった。 これは、どういう形に現在なっておるかおわかりになりますか。——管財局長、時間もおそいから、大きな数字の問題ですから、また御答弁が間違ってもいかぬと思うから今のような点は、一つ資料で提出して下さい。これが一番明らかになっていいと思う。 そこで、その次にお尋ねをいたしたいのは、昭和三十三年度に、公務員の宿舎を建てる、こういうことで一般会計で十三億、特別会計で七億八千万円、この予算を立てたわけですが、三十三年度の公務員宿舎は、全額使用されたのかどうか、この点いかがですか。
○政府委員(山下武利君) それも今突然のお尋ねで、正確な資料を、ちょっと持ち合わしておりませんですが、公務員宿舎は、御承知のように非常に払底いたしておりまして、それに対して予算額も少ないことでありますので、予算は全部消化したと思います。多少、翌年度に繰り越したものはあると思いますけれども、結論におきましては、予算を全部消化しているものと考えられます。
○相澤重明君 それでは、この国有財産の実態の調査が終わったようですから、これはいつごろ国会に発表されますか。三十四年度の決算の際 これは大体五月、当委員会としては三十四年度の決算をやるつもりなんです。開始するつもりなんです。そのときには、内容が発表できますか。
○政府委員(山下武利君) これは、全部六万件が済んだところでまとめて国会に御報告するという性質のものではございませんで、毎年調査をいたして参りますというと、実は、あると思った財産がなかったり、また台帳に登載していなかった財産が新しく出てきたり、そういうことが逐次起こってくるわけでありまして、それはわかったつど、台帳に載せまして、そうして、その翌年国会に報告する、かようなことをやっているわけであります。わかったところから、逐次報告するということになっております。
○相澤重明君 いや、だから私の聞いているのは、毎年報告しているのは当然の話なんです。毎年わかったのを報告している。そうじゃなくて、特に国有財産の処理について、衆参両院として、これは実態を調査しなければいけないといって、予算までつけて、三十二年から実施をしたわけです。そこで当初三カ年計画、一億一千万の予算で出たけれども、相当数多いから、さらに一カ年延びて四カ年で、これは実際は今日終わったと、こういうわけなんです。 だから、各年度は、それは報告があるから、それは当然の話だけれども、今言われた六万件有余にわたる膨大なものだけでも、一応それが済んだとすれば、それをまとめて一つ御報告いただきたい。それができますかということを聞いているわけなんです。いかがですか。
○政府委員(山下武利君) 三十五年度までの調査は、一応完了したわけでございますが、これは非常に膨大な数字であります。各財務局で、それぞれ担当してやっておりますので、それをまとめて、本省の方で全部を総括いたしますまでには、相当まだ時間がかかるということでございまして、おそらく今年一ぱいぐらいかかると思います。そこで、それができましたところで、いろいろ私の方でも、それを検討いたしまして、もし御要望があれば、それを国会に提出するというふうなことにいたしたいと思います。
○相澤重明君 その今の言葉じりをつかまえるわけではないけれども、御要望があれば国会へ提出しますとは何言だ。三十二年に三十二年度の国会の中で、国有財産の処理について不明確であるから、従って、国会として、当然この点は大蔵省に調査をしなければいかぬといって、それはさしたものなんだ。だから、当然それは報告する義務を、私は大蔵省は持っている。だから今言ったのは、私は時期的に問題もあろうから、出せるか出せないかということでお尋ねしているのであって、これは出すのは当然なんですよ。この点、どうですか。田中さん、いかがです。
○政府委員(田中茂穂君) 今、局長が申しました、もし御要望があればというあれがございましたけれども、相澤委員のお話の通り、国会が要望された理由もございまして、四カ年計画で、一応調査いたしたわけでございます。今、局長が言いましたように、全部調査がもう終わっておりまするし、その資料を十分整えまして、整え次第に報告をいたしたいと、かように考えております。
○相澤重明君 その次に、管財局長にお尋ねしたいのですが、これは、まあ調べてこいと言わなかったから、あるいはわからないかもしれぬけれども、先ほどの公務員宿舎について、三十三年度は何個所、総額幾らになったかと、こういうことについて、まあおわかりにあるいはならないかもしれぬが、特に三十二年、三年の決算委員会で私から指摘をしておる。その議事録がここにたくさんありますから、政府が答弁しているのも、たくさんここに載っていますから、それを一つお答えいただきたいと思うのですが、これは、政府の責任だと思うのですよ。横浜市の戸塚区公田町に公務員宿舎を建てるということをきめたわけです。当時は、予定をいたしております、と。予定をするということは、決定かどうかということで、岡三郎議員から、予定と決定とは違うであろうと、こういうことで当時白井政務次官が、予定は予定でありまして、決定ではございませんと、こういう答弁をされておる。 このことについて今、管財局では公務員宿舎が横浜市戸塚区の公田町に建てられておるということがおわかりになりますか。
○政府委員(山下武利君) お尋ねでございますが、私、まだ参りまして日が浅いものでございすから、具体的なことにつきましては、どうもお答えしかねるわけでございます。
○相澤重明君 それでは、私はまあ建てておらないと思うのです。ということは、どういうことかというと、まあ一つ政務次官も、きょうは初めて私が、こういうことをいうのですから、おわかりにならぬと思うのですが、三十二年の当決算委員会において、時の大蔵大臣は、今の総理大臣の池田さん。そのときに旧軍用財産についてということで、私から御質問申し上げた。その当時——戦時中は強制接収を軍がした、その事例として、私はこの横浜市戸塚区公田町の問題を申し上げたわけです、例を。この議事録にありますから、大蔵省にも読んでいただきたいのですが、私は今、その例を申し上げますと、戸塚区公田町掌中耕地五百十番、所有者金子良吉。そして、この国有財産の用地は四千五百十九坪、この土地を旧海軍燃料廠が持っておる。いわゆるこの口座名は旧第一海軍燃料廠となっている。そして二十年の十月三十一日にこれは接収をされている。そしてその土地が、昭和二十一年の四月一日から昭和三十一年の三月三十一日まで、国有鉄道に貸し付けをされておる。ところが、昭和三十一年の四月から、今の公務員宿舎等の問題について、大蔵省としてはこの候補地を探しておって、そしてそのうちの、四千五百十九坪のうちの八百九十七坪を公務員宿舎に充てたいと、建設したいと、こういうことで、その当時おったわけです。 ところが、それまでのことを、経緯を調べてみると、この金子良吉さんを初め数名の旧地主が強制接収をされたときには、金子さんが、田が四畝、畦畔が六歩ですから約百二十六坪ですかを接収されておるわけですが、こういう人たちが、たったの六百四十五円、こういう金で接収されている、当時の金で——接収をされたのは、昭和十八年の四月一日と、こうなっている、日付は。六百四十五円、この六百四十五円で接収された土地が、旧海軍燃料廠の土地となっており、それが今度は戦後は、国鉄の方に大蔵省が貸しつけた。そうして今度は、それを大蔵省は、そのうちの約九百坪ばかりを、公務員宿舎を建てるといって配置がえをしたわけです。ところが、昭和十八年から接収をして、軍のときには、仮登記を大蔵省はしたわけです。ところが、依然として固定資産税は本人にいっておる。固定資産税は、この旧地主の金子さんたちから大蔵省が徴収をしているんですよ。それが明らかになったのは、私が調べたところでは、固定資産税が三十二年に五千六百二十円というものを徴収をしておるわけなんです。わずか五百円か六百円で売ったものを五千幾らも固定資産税を取る。それが歴年なんですね。ずっと固定資産税を納めているわけです。これが、旧地主の人たちが幾人かおるわけです。 それでこの旧地主の人たちが私ども国会に陳情をされて、われわれももちろん正当な税金なら、これは当然だ、しかし少なくとも今、旧海軍燃料廠はなくなったんだし、国鉄に貸しつけておって、しかも国鉄の使っておる建物が、その用地の一部にはあるけれども、多数はあいておる。今言った、公務員宿舎を建てようというのだからあいておるわけです。あいておるのだから、これは一つすぐ目の前におるわれわれに払い下げてくれぬか、こういう陳情をしたわけです。そのときに政府の当時の答弁は、やはり区分をはっきりしなければならぬ、国有財産に一旦なったものはなったとして処理をして、そうして、しかしこれが実情を調査じた時に、もし返せるものならば処分をしましょう、こう言っておるわけです。これは三十三年に白井次官がそう言っておるのだけれども、今だにそのことが処理がされておらない。三十二年にときの池田大蔵大臣は、そういうことはいけないから、そういうことは、私ども国有財産の実態調査をやります。そうしてできるだけそういう迷惑のかからないように、これはやりますといって、翌年の三十三年には、これは当委員会で、当時満場一致、これは実情をよく調査をして、そうして、今すぐ必要でないものなら、大蔵省が、ここで必要だというなら別だけれども、そうでないものならば、これは実情を調査の上やるべきじゃないか、こう言ったんです。そうしてこの固定資産税を取ったのは、これは明らかに不当であるから払い戻しをしましょうと言ったんですよ。ところが、払い戻しもしていない。依然として、公務員宿舎は建っていない。土地はあいておる、こういうことになると、私はやはりこの点は、幾ら国会の答弁はその場限りといっても、これは国民感情として、私は納得できないのであります。 こういう点についてどうです、次官。どのようにお考えですか。
○政府委員(田中茂穂君) 今の御指摘のお話につきましては、私きょう初めて承ったのでありまして、なるほどおっしゃることが事実であれば、これは前の大臣並びに政務次官もはっきり言明いたしておる点でもございまするので、早急に実情を調査いたしまして、前の大臣並びに次官が申しましたように処置を早急にいたしたい、かように考えております。
○相澤重明君 特に、この三十三年のここに議事録がありますから、よく読んで下さい。三十三年の三月十二日の議事録には、それがこまかく載っております。 そこで私は、今の次官の御答弁のように、ぜひこの問題については、固定資産税もさることながら、今特に、そこでなければならないという理由がなければ、私は公務員住宅等は、できるだけ道路のはたよりは、やはり空気のよいところへ作るのが私はよかろうと思う。そういう意味で横浜に土地がほしいというのなら、私どもも幾らでもあっせんさせてやろうと思うのですけれども、感情にとらわれずに、感情でこういうふうなことを言ったからけしからぬと長引かせて、三年も五年も放置しないで、私はやはり、こういうような問題については処置をしてやる、これは、もう処分をしてやってよろしいと私は思うのです。そういうことで私は努力してもらいたい。 これは一つの例ですが、そういう意味で旧軍用財産にせよ、国有財産の調査をしていくというと、私は実際に持っておったはずのものがなかったり、あるいは新しく先ほど管財局長が言うように、大蔵省の、これは当然責任に帰すものと、こういうことで出てくるものがあると思う。そういうものを、できるだけ早く処理することが、私はやはり国家的にも、また国民の立場にも必要だとこう思う。そういう点を一つぜひとっていただきたいことを私は要望して終わりたいと思うのですが、管財局長、何か言うことあるでしょうね。
○政府委員(山下武利君) ただいまのお話は、私も初めて伺いましたので、具体的な結論につきまして、的確にこう申し上げるわけに参りませんが、前に、いろいろないきさつもございますので、そういう点もよく研究をいたしまして善処いたしたいと思います。 ただ、土地の払い下げ、建物の払い下げ等につきましては、今の法規上、随意契約をなし得る相手方というものが、法律できめられておりますので、その法律の範囲内でなければ契約ができないという制約を受ける場合が非常に多いわけでございます。できるだけよく、そういう点も考慮いたしました上で考えたいと思います。
○北村暢君 一点だけ、これは会計検査院と大蔵省にお尋ねしておきたいのですが、この普通財産の実態調査の把握、これを国有財産白書を見ましても、まだ相当処理されてないものがあります。これは実態調査の把握しただけの調査ですから、今後、これをどういうふうに処理するかということは、これは大へんな問題だと思いますね、額から言っても、件数から言っても大へんな問題だと思います。 それで調査の結果の報告をいただいてから、一体これをどのような方針で処理されるか、これをやはり国有財産の処理については、何か大蔵省で大きな方針を立ててやろうと考えておられるのかどうなのか。 それから会計検査院には、これは件数から言っても相当なものですし、しかもこれは実際に土地とか建物とかいうものの売買、売り払いというような問題が出てくる。私ども国有財産の処理について聞いているところによるとoいうと、この財産の払い下げは、必ずしもスムーズにいかぬ、しかも必ずといっていいくらい政治的なあっせん者が出てみたり、よけいな政治的に扱われたという問題を、ずいぶん耳にするわけですよ。しかもこの国有財産の処理にあたっては、役人そのものが相当腐敗堕落をしておる。何か、つけ届けか前金か、何か知らぬけれども、持っていかないというと、物事が早く進まない、こういう実態はあるですよ。大蔵省は、まあ監督上からいって、そういうことはないと言われるかもしれないけれども実際にある。これは私ども耳にしておる。何か持っていくというと、早く事が進み、持っていかないというと、一年も二年もほったらかされて、払い下げるようではあるのだけれども、口ぶりはそうであるけれども、なかなか払い下げられない。そして何か持っていくというと、ぱたぱたと解決すると、こういうのは、実際にあるのですよ。私はそれはちょいちょい聞いておる。これは公務員としてあるまじきことですから、そういうことは許されるべきはずのものではない、こういう点について国有財産なるがゆえに非常に特権として、何というか判こを押さない、役所が決済をしない限りは、これは払い下げられないわけですからね、そういう事実は、確かにあります。大きな問題で政治的にからむというのは、これはもうずいぶんあることは、田中政務次官よく知っているかもれしない、そういう実態にあるのです。 ですから、この国有財産の処理の問題については、会計検査院といえども、これは特別なやはり方針を持って当たらなければならない。特に四カ年間の調査ができて、払い下げるべきもの、未利用のもの、いろいろ今後の利用方針なり払い下げの方針なりというものがきめられるのだろうと思うのですけれども、これについては、会計検査院としても、私は重点的にやはりこの検査というものを、検査の方針ですか、そういうものについて、特に力を入れる必要があるのじゃないか、このように感ずるので、一つ方針だけをお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(田中茂穂君) 国有財産の処理につきましては、これは十分調査し、また法に照らして対処すべき重要な問題でございまして、今、お話がありましたような特権的な意識をもって、あるいはおっしゃいましたようなことは私はないと信じまするけれども、そういうことは、厳に慎しまなければならない問題でございまするし、大蔵省が、特にこういった国有財産の管理を管掌いたしておりまする立場上、特権的な意識を持つということは、私は今日ないと思います、そういう意識はないと思います。しかしおっしゃるようなことが、かりにあったといたしましたならば、これは厳重に処分すべき問題でございまして、お話のように、そうゆうつけ届け等によって処理をするというようなことにつきましては、厳にこれは慎しむべきことである、重ねて申し上げまして、かようなことはないということを私ははっきりこの席で申し上げる次第でございます。
○説明員(秋山昌平君) 実態調査の結果につきましては、私どもの方は、まだ三十四年度までしか拝見いたしておりませんけれども、なおその後の事後処理を要するものが、そのままになっておる、おくれておるという事実はございまして、三十三年度の決算検査報告の四十ページに掲記してございます。これにつきましては、手が足りないその他いろいろ御事情があると思いますけれども、せっかく調査されました結果でございます。早く処理されるようにお願いをいたしております。 次に、国有財産の売り払いでございますが、これにつきましては、御指摘のような事実があるかどうかは私どもは承知いたしませんけれども、常に法令に従って譲渡いたしておるかどうか、また価格が適正かどうか十分念査いたしておりますが、今後もお話の通り、十分注意して参りたいと思っております。
○北村暢君 管財局長に、今後の処理の方針をお伺いしたいと思います。特に考えておられるとか、その不正行為の起こらないようなことについては、政務次官御答弁になったようですから、今後の調査した結果に基づいて、これをどのように処理をしていくか。未利用のもの、あるいは売り払うもの、必要なもの、公務員宿舎を建てるとか何とか、いろいろ使用の方向はあるわけですよ。国有財産というのは、どちらかといえば、遊休して遊んでいるものがずいぶんだくさんおるわけですよ。それは国家的に見ても不経済ですし、ですから、払い下げるものは払い下げる、今後使用するものは使用するという計画を立ててやるべきだ。これは件数から言っても、金額から言っても、膨大なものですから、その点をどういう方針でやるか。 従って、今会計検査院も指摘しているように、調査の結果、未利用のものがあるので、これを早く使ったらよかろう、処理したらよかろうというものもあるわけですから、そういう点についての方針をお伺いしておきたいと思います。検討してないなら、これから検討するでもいいんですけれどもね。
○政府委員(山下武利君) 問題を少し分けてお答えいたしますが、これまでやって参りました実態不明財産の調査が完了しましたものにつきまして、それを処理いたしました実績は、三十二年度から三十四年度までの三カ年間におきまして、売り払いまたは貸付等で約一万一千件の処理を完了いたしております。また、そのほか、弁償金の徴収等で処理いたしましたものが約三千五百件、それから、売り払いとか貸付あるいは弁償金の徴収等で国の財産にいたしましたものが十七億五千万円、こういうふうな実績に相なっております。 これは、実態調査の結果明らかになったものの処理でございますが、このほかに、まだ実態はわかっておるけれども、処理が済んでいないという財産が相当たくさんあるわけでございまして、これを、どういうふうに適正に処理するかということにつきましては、先ほど概括的には、政務次官からお答えがありましたように、大蔵省といたしましては、あくまでガラス張りで公正な処理をいたしたいと、かように考えております。 具体的には、国有財産法で認められております国有財産審議会というものが各財務局ごとに設置されておりますので、重要な財産につきましては、全部その審議会に格間をいたしまして、かつ、価格等につきましても、公正妥当な価格を評定して、全体について決して疑義の起こることのないようにしたいと、かように考えておるわけでございます。何分にも非常に膨大な財産でございますので、これを急速に処理するということは、なかなか困難なわけでございます。これを国の需要あるいは民間の需要というものをできるだけ調整をいたしまして、それが最も妥当と認められるところで、今の審議会にお諮りをして処理をしていく、かようなことに方針をきめておるわけでございます。
○北村暢君 この白書の七十ページに出ておるんですが、三十五年度末までの調査の件数が、土地が六万一千件、先ほど六万件の調査が完了したと言われておるが、建物は五千三百六十六件ですか、そのほかに実態不明なものが、土地が十八万一千六百件、それから建物の件数が一万八千五百九十七件、こういうふうにあるわけですね。これは三十五年度までの実態調査の計画の数がこれの内数ではないかと思うんですが、実態調査をやらないもので、なおかつ実態不明なものが、この表からみるというと残るんじゃないかというふうに私は感ずるのです。 従って、実態調査の計画に基づいてやったものは、その処理の方針なり何なりが出てくるのだろうと思いますが、それ以外のまだ膨大な、これの三倍くらいずつあるような、実態不明なものと、こういうふうに書かれているようなんですが、三十五年度まで四年間でもって実態調査をした以外に、まだこんな膨大な実態不明なものがあるとすれば、一体、これらは今後また続けて実態調査をやっていくのかどうなのか、この点ひとつお伺いします。
○政府委員(山下武利君) ただいま御指摘になりました通りでありまして、件数で申しますというと、三十二年度末に、土地だけで申しますというと、実態不明の財産の件数が約十八万件ございまして、その中で最も利用効率も高い経済価値も高いと認められるようなものを約六万件選びまして、それを四年間でもって実態調査を完了したというのが現在までのところでございます。 そこで、機械的に申しますと、まだ十二万件残っておるということになるわけでございますが、実はこの中には、非常に零細なものも一件と数えられているものもございます。ほとんど沼とか池とか道路とかというふうなものになったかと思われるもので、調査をいたしましても、あまり実質的な価値のないというものも非常にたくさんあるわけでございます。それを台帳の上で、できるだけ整理をいたしまして、その中で比較的また経済的な価値の高いもの、つまりどうしても実態調査をしておかなければならないというものを、現在では約五万二千件ばかり選んでおります。その中で本年度三十六年度につきましては約一万三千五百件をさらに追加調査をいたすということで、予算は大体、六千五百万円計上いたしております。
○阿部竹松君 きわめて小さい問題ですが、国会図書館の横にあき地がありますね。あれはあなたのほうの管轄ですか、参議院の管轄ですか。
○政府委員(山下武利君) ちょっと具体的に、どこということを私はっきり存じませんが、おそらくは衆議院所管の財産ではないかと存じます。
○阿部竹松君 国会図書館と参議院の間ですから、衆議院管轄ではないわけです。この土地は、全部もと貴族院時代から参議院に続いて、あとまん中に二つに分かれたんです。そこです。
○政府委員(山下武利君) 正確に図面を拝見しないと、ちょっと申し上げかねるわけでございますが、あるいは、先刻衆議院と申し上げましたが、参議院の所管ではないかという説もございますですから、いずれにいたしましても、国会に所管替えをした土地のようでございます。
○阿部竹松君 こちらが国会図書館で、横が参議院議員全館で、ここが本建物なんです。その三角形の間にあるあき地ですね。わかりませんかな。
○政府委員(山下武利君) 詳細さらに調べた上でお答え申し上げます。
○阿部竹松君 調べた上でなければわからん。なるほど局長は大物だから、そういう小さいことは知らんかしらんけれども、そこは、私の知っている限りでは、参議院の敷地だと、こういうことです。ところが、そこのうちに、大蔵省の某役人が家を建てて入って動かんという、そういう所がある。あなたりっぱな答弁をなさっても、そういうことをやっている。東京のまん中でさえ、そういうことをやっているのだから、田中政務次官の出た鹿児島とか、僕の出た北海道とか、でたらめなことをやっているに違いない。一事が万事そういうことで、東京の大蔵省の地元で、そういうことをやっている。
○政府委員(山下武利君) 実は、具体的にその問題は私存じませんので、御答弁にならないわけでございますが、そういうふうな、つまり国有財産を正式な国との関係なしに使っておるという事例は、全国にも相当あるわけでございます。 われわれは、これをどういうふうに処理しようかということを国有財産処理のまた一つの柱として非常に重要に考えておるわけでございます。もちろん、情状酌量の余地のないような非常な悪質な不法占拠等に対しましては、これは訴訟を行なっているというものもたくさんあるわけでございますが、何ぶん終戦前後に、それ相応の理由があって入っておられる方が大部分でありまして、正式に契約関係はないと申しましても、直接に生活権に触れる問題でもございますので、私どもの方といたしましても、できるだけ円満にこれを解決したいということで、いろいろ財務局を督促して、できるだけ早く、こういうものを一掃したいというふうに、せっかく努力中でございます。
○阿部竹松君 そういうことをやっているのが、あなたの方の方なんですよ。国有財産取締まりの衡に当たる人が、そういうひとの敷地にきて家を立てて住んでおられる。おまわりさんが気が狂って番人をしているようなもので、危険でしょうがないと同じことです。わかりませんか。
○政府委員(山下武利君) ただいまお話のありました件でございますが、具体的に申し上げますというと、土地は、参議院の所管の土地でございまして、その上に大蔵省所管の普通財産の建物がありましたのを、大蔵省がその中の人に、正式な契約をして貸し付けておるという事例なようでございます。
○阿部竹松君 ところが参議院と正式なとにかく契約もやっておらぬ。やっておるなら、その証拠物件を見せてもらいたい。ここだけの答弁で終わるということであっては困りますよ。速記録に、あなたの発言が残っているのですから、だれと契約しているのですか。松野さんと契約しているのですか、大蔵省当局との地上権の家屋設定については。
○政府委員(田中茂穂君) 今の問題は、十分調査をいたしまして、次回の委員会で御報告申し上げたいと思います。
○阿部竹松君 委員長が顔を見間違うほど暗くなりましたから、これでやめますが、とにかく次回の委員会で報告はせぬでもいいから、私の言ったことが事実だったら、早々そこを引き取っていただきたい。円満に妥結しますなどといって、立ちのきに困るから移転料をよこせということになったら、天下の大問題ですから、そういうことで、私の言うことが事実であれば、その辺に建物を置くということは、やはり国有財産を番兵している大蔵省の役人だから、僕はきつく発言するわけじゃありませんけれども、やはり皆さんの目につく所ですから、工合が悪いですよ。そういうことを田中政務次官にお願いして、私の質問を終わります。
○委員長(佐藤芳男君) ほかに御質疑はございませんか。——別に御発言もございません。それでは、昭和三十三年度決算中大蔵省関係の質疑は、これをもって終了いたしました。 本日は、これにて散会いたします。 午後四時五十四分散会