決算委員会 第11号
- 発言数
- 82 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/03/20
会議録
○理事(谷口慶吉君) これより決算委員会を開会いたします。委員長の委託により本日の委員会は私が委員長の職務を行ないます。 委員の変更について御報告いたします。 三月十八日、野上進君が委員を辞任されその補欠として白井勇君が、また本日、下村定君が委員を辞任され、その補欠として野上進君が選任されました。 ——————————
○理事(谷口慶吉君) この際、理事の補欠互選についてお諮りいたします。 野上君が一時委員を辞任されましたので、理事が一名欠員となっておりますので、その補欠互選を行なう必要がありますが、これについては成規の手続を省略して、便宜その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(谷口慶吉君) 御異議がないと認めます。それでは私より野上進君を再び理事に指名いたします。 ——————————
○理事(谷口慶吉君) 昭和三十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和三十三年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十三年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十三年度政府関係機関決算書を議題といたします。 本日は郵政省の部を審査いたします。 なお念のため申し上げますが、郵政省関係の不当事項は検査報告第二百八十四号から第三百一号まででございます。 それではまず会計検査院から説明を求めます。
○説明員(保岡豊君) 不当事項の前に、郵政省三特別会計について七十八ページから記述しております。それを要約して申し上げます。 郵政事業特別会計の業務費は千二百十八億六千五百余万円で、前年度より八十七億ばかり増加しておりますが、一方収入も九十二億円ばかり増加いたしまして、当期利益金十二億九千余万円を計上し、これを繰り越し欠損金十七億八千二百余万円の減額に充てることとしております。 郵便貯金は、三十三年度八千億をこえておりますけれど依然として欠損で、しかも収入の割合が前年度より下がり、支払い利子率が上昇したため、逆ざやの状態が前年度よりひどくなっております。 次に、簡易生命保険は新たに保険料で十五億、保険金額で二千六百五十六億成立しました。収入保険料千百二十七億五千百余万円は前年度に比べ一〇・五%増加いたしまして、歳入歳出差引過剰金は九百四十八億、純剰余金は百億となっております。 次に不当事項に入りまして、不正行為でございますが、毎年の通り外務員、内務員、特定郵政局長などの領得したものでありますが、前年度報告いたしましたものより件数、金額とも逆に増加いたしておりますのは遺憾に存じます。五十万円以上のもの十八件、総額六千百三十六万円、昨年度は十一件、二千六百十八万円であったものであります。このうち一件を除き十七件は前年度から引き続いて犯罪が行なわれておりましたもので、これを発見しなかったため前年度の件数が少なかったということにもなります。早期に発見することが不正金額の増大を防ぎ、回収も容易となるのでありまして、早期発見の手段をいろいろと考えて、少なくとも犯罪の長期化を防ぐことが肝要なことと存じております。 以上で説明を終わります。
○理事(谷口慶吉君) 次に郵政省より説明を求めます。
○国務大臣(小金義照君) 郵政事業特別会計、郵便貯金特別会計、簡易生命保険及び郵便年金特別会計並びに一般会計の昭和三十三年度決算の概要と会計検査院から御指摘のありました事項について申し上げます。 郵政事業特別会計の歳入予算額は一千六百七億九千七百余万円、歳出予算現額は一千六百五十一億一千七百余万円でありまして、これに対する決算額は、歳入は一千六百二十八億九千九百余万円、歳出は一千六百二十九億一千四百余万円となっておりますが、この中には収入印紙などの業務外収入支出や借入金、建設費等の資本的収入支出が含まれていますので、これらを除きました事業の運営による歳入、歳出を見てみますと、歳入は一千二百三十九億一千二百余万円、歳出は一千二百十八億六千五百余万円となっております。この収支差額につきましては、予算編成の方針として、事業運営上の収支差額をもって建設費等の財源の一部をまかなうこととしておりますので、これに充当いたしました。 郵便貯金特別会計の歳入及び歳出の額は、ともに五百三十三億九千百余万円でありますが、歳入中には歳入不足を補てんするための他会計からの受入金がありますので、損益計算上は六十二億四千七百余万円の欠損という処理をいたしております。 簡易生保険及び郵便年金特別会計につきましては、保険勘定の歳入予算額は一千三百七十五億二千三百余万円、歳出予算現額は四百七十六億六千三百余万円でありまして、これに対する収納済み歳入額は一千三百九十億四千百余万円、支出済み歳出額は四百四十一億七千五百余万円となっております。この差額九百四十八億六千六百余万円は保険契約準備金等といたしております。 また、一般会計におきましては、十八億六千九百余万円の歳出予算現額に対し支出済み歳出額は十八億五千二百余万円となっております。 次に、昭和三十三年度の主要施策事項について申し上げますと、第一は窓口機関の拡充でありますが、これは三十三年度中に無集配特定局二百局等の増置方を決定いたしました。 第二は国民貯蓄の増強でございますが、まず郵便貯金は、増加目標額一千百五十億円に対し純増九百三十二億八千八百万円、また、簡易保険は、新契約の増加目標額二千八百九十億円に対し増加額は二千六百五十六億三千七百余万円であります。目標を達成できなかった原因といたしましては、金融引き締めによる経済の不況、その他不利な諸情勢が大きく影響いたしたためであります。なお、郵便貯金の三十三年度末現在高は八千三百三十九億八千七百余万円となり、これは運用部資金の五四を占めております。また、簡易保険の三十三年度末現在高は、保険金額では一兆七千三百五十三億二千六百余万円となっておりまして、三十三年度において財政投融資へ九百二十一億円、契約者貸付へ八十七億円の資金を運用しております。 第三は郵便集配施設の拡充強化でありますが、これは小包、速達郵便物の配達等の能率化をはかるため機動車等を増備し、その他市内通常取集めを専用自動車化する等の整備強化をはかりました。 第四としては要員の確保でありますが、郵政窓口機関の増置、郵便事務の増加、特定局における電話施設の増加並びに賃金者の定員化等で二千六百十五人の定員増加を行ないました。 最後に会計検査院から御指摘のありました事項について申し上げます。 昭和三十三年度におきましては、不正行為として十八件の指摘事項がありました。当省といたしましては、従前から不正行為の未然防止と早期発見に努力して参ったのでありますが、なお、この種犯罪があとを絶たないことは、郵政大臣としてまことに遺憾に存じます。 今後、監督者並びに全職員に対しましては、あらゆる機会を通じて責任観念を強め、防犯意識を高めて自治監査を行なうよう指導し、また、郵政監察官及び郵政監察官補等による考査並びに会計監査にあたっては、不正行為の防止を最重点事項として機動的に実施し、その絶滅に努力いたす所存でございます。 以上でございます。
○理事(谷口慶吉君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(谷口慶吉君) 速記を起こして。 これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言お願い申し上げます。
○相澤重明君 会計検査院にお尋ねをしたいと思うのですが、先ほど会計検査院の御報告によりますと、郵政省の内部監査というものはよくできておるが、業務考査体制を強化する必要があるのではないか、多年にわたってこの不正行為が行なわれておることが見受けられるということで、この件数が指摘されておったんですが、この不正行為の発見は、郵政省の監察局等によって摘発をされたものであって、会計検査院の摘発をされたというものはどういうものであるか、その点を最初に一つお尋ねしておきたいと思います。
○説明員(保岡豊君) 検査報告に掲げておりますものは、五十万円以上を基本といたしまして、五万円以上を集計の中に入れております。両方とも全額補てんされたものはここに掲げておりません。それは毎年のやり方でございまして、そうなっておるのでありますが、この掲げております中には、会計検査院が発見したものは一つもございません。この全額補てんされた意味で掲げていないのでありますけれども、三十三年度の検査の途中におきまして、五十五万円ばかりの切手類の犯罪を発見いたしております。これは全額補てんされたものでありますから、検査報告には掲げておりません。そういうわけであります。
○相澤重明君 私のなお保岡局長にお尋ねしたいのは、この郵政省の監察局自体が内部監査でこういうふうに発見をした内容を見ると、昭和二十九年あるいは昭和二十八年以来三十三年、三十四年というような長期にわたるものですね、従って、会計検査院も少なくとも全額補てんをされたものを掲上されておるというけれども、三十二年にも検査をしておる、三十一年にも検査をしておる、そうすると、二十八年、二十九年以来、こういう長期にわたり不正行為が行なわれておるのが発見できなかったというのはどういう理由か、ここが私はやはり会計検査院の摘出の仕方が問題になるのではないか、こういう点を疑問に思うのですが、そういう点は局長はどういうふうにお考えですか。
○説明員(保岡豊君) 検査院の検査をいたしまして、普通郵便局、特定郵便局の検査はいたしておりまして、その本件に掲げてございますものの中でも、会計検査院が会計検査院のやり方において発見できたものもございます。しかし、犯罪期間中にこの郵便局におきまして検査は一応行なっておりません。しかし、今まで行ないました会計検査院の検査で発見したものは非常に少ない。また、全額補てんの意味で掲げないということになったものも若干ありますけれども、全額補てんされなくてここに検査報告として掲げたものはまあないにひとしい。ないというのは、今、先生がおっしゃいましたように、やり方がおかしいのではないかということでございますけれども、郵便局におきまして、検査のやり方は郵政省の監察官または監察官補のやり方よりも以上にやっておる。まあ同じぐらいにはむろんやっておると考えております。ここで発見されたものも、たとえば申告によるものであるとか、または本人の逃亡によるものであるとかも含んでおりまして、なかなかその犯罪を見つけるということはむずかしいのでありますけれども、それをわれわれも郵政省とともに研究いたしまして、統計上おかしい、たとえば留置額が多いとかなんとかいうことで見つけることもできる。現に十八件のうちこの三つぐらいのものは、そういうので発覚の端緒になっておるものもあるわけであります。そういうことでありますから、早期に発見するという方法をわれわれ常に考えておりまして、検査の面にも反映しておるわけでございます。
○相澤重明君 政務次官にお尋ねをいたしたいと思うのですが、今、会計検査院の方は、指摘事項が出されておるものは内部監察として摘発をしておるということが報告されて、私もこの五年間決算をしておって、非常に郵政省はよくやっておると思うのです。事故は未然に防げてきて、大へん他の省よりはむしろいいくらいであると私は思うのです。ところが、三十三年の決算の報告書を見ると、三十二年度の不正行為件数あるいは金額よりは三十三年度の方がどうして多くなったか、つまり、これは内部検査が充実をしたということが一面言われるであろうが、しかし、会計検査にお尋ねしたときと同じように、二十八年以来のものは、どうして今日まで発見できなかったか、三十三年まで発見できなかったか、こういう点について内部で関係の局長を呼んで、郵政大臣、政務次官は研究されて答弁の材料を作ったと思うのだが、一つ政務次官から答弁をして下さい、どういう理由かということを。
○政府委員(森山欽司君) 三十三年度からは、従来の監察官による監査のほかに監察官補による特別考査を実施するようになりましたたために、こういうような結果になった次第でございます。われわれはそういう見方をいたしておるわけであります。
○相澤重明君 よくはっきり聞き取れなかったが、監察官よりも監察官補の摘発がよくなったから、こういうことですか。
○政府委員(森山欽司君) 従来は、監察につきましては、監察官がやっておったのでありますが、監察官補によりまして増強いたしまして特別の考査を実施した、その結果、従来よりも監査の奥行きが深まってきたということでこういう結果になってきた、こういうように見ております。
○相澤重明君 これは森山政務次官は今度政務次官になって、今の話を聞いて答弁されておると思うのですが、監察官の定員の問題と官補の定員、あるいは職務権限というものについては、これはずいぶん議論があったと思う。私は、きょうはその点については触れませんが、それでは、それだけでいわゆる事件というものが発覚できた、こういうふうに自負されることになると、もう事故というものはこれが最大のものであって、古いものはほとんど内部監査で終了した、こういう見方をしていいかどうか、この点は、今の監察官と官補との定員増、こういうようなものから今私がお聞きするようなことが思われるんですが、そういう点、いかがですか。
○政府委員(森山欽司君) 監察の仕事を強化はいたしておりますが、なお十全の効果を上げておるかどうかということについてに、卒直に申し上げまして、その後の犯罪発生状況等を見まして必ずしも十分とは申しがたいのでございますが、犯罪の発生状況は逐次減少の傾向はたどっておるというふうに見ております。
○相澤重明君 そこで、私のさらにお尋ねしておきたいのは、一方において監督を強化をし、あるいは内部監査を充実をして不正件数というものは摘発が多くなり、あるいはだんだん、そういう不正行為というものは少なくなっていく、これは私は郵政省が努力した結果だということは認めているわけです。しかし今考えるのに、職員の定員というものが実は無理があるのではないか。そういうところに、特定の人が不正行為を行なってもなかなか発見ができない、こういう点がありはしないかという点を心配をしておるわけなんです。そういう点について、職員の適正配置というものを、はたしてこういう業務上の問題についてどう考えておるのかという点を先にお尋ねをしておきたいと思う。 それからその次に、先ほど郵政大臣が御報告になった第四の「郵政窓口機関の増置」、あるいは事務のいわゆるスピード化といいますか、そういうようなことで、二千六百十五人の定員化を三十三年にはかったと、こういっておるが、それでは、三十三年にこうした件数を摘発ができて、三十四年には激減をしておる、まことにけっこうなことだと思う。しかし現在の郵便量というものから考えて、はたしてその定員の適正化ということについてはどう考えておるのか。で、その中でお尋ねしておきたいのは、臨時職員は現在何人おるか、これを一つ明らかにしていただきたいと思うんです。
○政府委員(森山欽司君) 定員の配置の問題と犯罪の問題でございますが、これは必ずしも結びつけられる問題かどうかというふうに考えておるわけでございます。直ちに定員問題が問題の発生と結びつけて考えるべき問題ではないのではないかというようなまあ感じは持っておるわけでございます。それから定員の過不足の問題につきましては、現時点から見まするならば、従前若干の問題等もなきを保しがたいという点はあろうかとも思っております。これらの問題につきましては、三十六年度予算等について相当大幅な是正はいたしたつもりでございます。で、従来の、現在の非常勤の状況等の問題につきましては事務当局の方から御説明申し上げます。
○説明員(長田裕二君) 定員の配置が完璧かどうかという面につきましては、見方によりましていろいろあるところでございますし、私どもも完璧であるというふうには考えているわけでもございませんが、いろいろな事情もからみ合わせまして、定員とし非常勤職員とし超過勤務というもの、いわば総労働力というものから考えますと、一応現在の社会の一般的な水準から申しまして、事業を何とかやっていくに足る体制である、こういうふうに考えている次第でございます。 なお非常勤職員がどのくらいいるかという面につきましては、実は非常勤職員の中でも本務者とほとんど同じような作業をしている者、それから作業形態から申しまして、たとえば厚生施設などに働いているような職員、これは期間は相当長くなりますが、その状況、あるいは世間のあれからしまして、必ずしも本務者としなければならないとまで私ども踏み切っておらない部分の者でございます、そういう者。それから季節的なあるいは時間的な繁忙のために雇っております非常勤職員、そういうようないろいろございまして、総数について現在少なくとも現時点で正確に把握しているというところまで参っておりませんが、去年の九月ごろにおきましては一万八千二百五十人程度になっておりまして、その後その問題が非常に組合側からも非常勤の定員化として大きく取り上げられ、私どもの方としましても解決しなければならない重要問題である、というふうに考えていろいろの措置をとって参ったのでございますが、昨年の昭和三十五年度の十二月に通過いたしました定員法の改正によりまして四千三百人ばかりが定員化されまして、さらに現在国会で御審議中の三十六年度予算におきましては、従来おりました非常勤の中の本務者と大体同様の仕事をしております非常勤につきましては、六千六百七十六人の定員化が認められるような案になっているのでございます。なおそのほか日常の職員の新陳代謝によりまして、これが一年に大体九千人前後ございますが、そのうち従来おります非常勤が本務者になり得るようなケースは、九千人前後の新陳代謝のうち、約五千人ぐらいについてそういうことが言えるのではないかというふうに私ども考えておりまして、それらをずっと取り進めますと、数の上からいたしますと本務者と同様の仕事をしている者と、あるいはそれに近いような者につきましては、三十六年度中におきましては大体本務者に数の上ではなり得る。ただ働いております局の場所等が必ずしも一致しておりませんので、そこらが完全に解消するかどうかという面につきましては、さらにもう少し事態の推移を眺め極力努力して参りたい、そういうふうに考えている次第でございます。
○相澤重明君 まず最初の政務次官からお答えになった、この定員の問題と不正行為早期発見の問題との必ずしも、からみ合わせという問題については、まあ検討の余地があるというような御答弁であったわけですが、私は実は前のここにおります上原委員長と一緒に決算で各地を回ったわけです。いろいろそういうところを郵政省の中の現地を調べてみると、やはりこの局長の奥さんが職員として従事している。それがために実際に内部でもしやりくりをやっているうちに自然に不正行為に突っ込んでしまう。あるいは特定の人、知人、親戚といいますか、そういう人を雇っているために、実は発見がおくれるというような問題が、これは私どもが現地調査をした結果実は出ているわけであります。これは全部ではないのですが、そういうところもあるわけであります。これはやはり郵政業務に対する認識の問題と、適正定員の配置の問題とにやはりからむ問題ではないか、こういう点で、今のまあ官公労については比較的知識をもっている政務次官が最初お答えになったことは、やはりこの定員化の問題については十分力を入れないと、相互牽制というものが実は実を結ばぬじゃないか。そして監察業務が非常によく行なわれておると私はほめておるのだけれども、これはやはり定員には限度があるわけですね。そうすると、やはりこれも何といってもまず仲間同士が事故をお互いに予防する、いわゆる相互牽制をする、こういうことが大事だ。そうでないと、なかなか犯罪というものが長期にわたって発見が困難になってしまう、こういうことが言えるのではないかという点を実はお尋ねしたかったのです。そういう点で、実は定員をふやせば何でも犯罪がなくなるということではありませんから、そういう点では別に意見を持っているわけではありませんが、今までの不正行為というものが、現地調査をしてみるとそういう点を私ども実は見ておるので、そういう点はどうかという点なんです。 それから第二の点の今、人事部長から答弁をされた臨時職員のいわゆる非常勤の問題ですが、これはまあ昨年九月に一万八千二百五十人程度のものがあった。しかし、この作業内容について必ずしも本務者としなくともいいじゃないかという考え方を今述べられておるわけですね。それで実際に全国に郵政省の業務を行なう者が郵政職員としての定員と、それから季節的なもちろん繁忙もあるからそのときに採用する者もあるかもしれませんけれども、先ほどの御答弁では全国の郵政業務に従事しておる者を全部把握しておらない、こういうような私は印象を受けたわけです。そうすると、これをもっと言葉を悪く言えば、人事部長は各地方についてどんぶり勘定で人間を使わしておるのじゃないか、こういうことが指摘できると思う。それではほんとうの郵政業務というものの遂行が私はできないのではないか、こういうふうに思うわけです。そこで具体的な例の中に昨年は四千三百人の定員化ができ、本年は特に六千六百七十六人の定員化を今予算でお願いをしておる、こういう御答弁をいただいたのだけれども、それではまだ半分しか実は非常勤の問題についても解決ができない、こういうことに私はなろうと思う。そこでまだ全部は把握しておらないので、その上に把握しておったものについても半分しか定員化ができない。こういうことだと、私が口を悪く言えばどんぶり勘定をやっているりではないか、こういう印象を受ける。その点について人事部長はどう把握して、そしてまた定員の適正化ということについて考えておるか、この点をいま一度御答弁をいただきたいと思う。
○政府委員(森山欽司君) 犯罪と定員の点につきましては、仰せの通りごもっともでございますが、御了承の通りに人員の量と犯罪の発生とは必ずしも結びつかない。むしろ定員の質、要員の質と犯罪の発生とに関係があるという御趣旨だと思うのございます。ただ郵政省では家族だけで全職員を構成させておるということはございません。必ず他人を入れておるわけでございます。しかし小さい局で相互牽制組織というようなものが十分にできないような、人数が少のうございますから、所ろでは、特に考査の上で防犯に注意して監察をやっておる、こういうふうなやり方をしておる次第でございます。 なお犯罪発生のあとを断たないということは事実でございますので、今後十分注意をいたしたいと思います。要員の問題につきましては人事部長からさらに重ねて御答弁いたさせます。
○説明員(長田裕二君) ただいま非常勤の職員の掌握の仕方につきましての御指摘がございましたのですが、実は先ほど申し上げました定員内の職員と同様の仕事をしておる者、あるいは仕事の性質は変わるけれども、厚生施設要員等で相当長く勤めている職員、そういう職員につきましては十分に掌握しているところでございます。ただ現在それにつきましての数字を今手元へ持参いたしておりませんでしたので、これはもしあれでございましたら、後刻資料等によりまして御回答申し上げたいと存じております。臨時的な季節的あるいは時間的に繁忙な時期に雇う非常勤職員につきましては、これは実は予算を郵政局、あるいは郵政局から郵便局に流しまして、そのときどきのたとえば職員の休暇の取り方であるとか、あるいは病気休暇の分等につきましては職員の病気の、あるいは訓練のあと補充とか、あるいは組合の専従者のあと補充の問題、そういう状況によりまして、予算の範囲内で現場の長が使っていくということになりますので、ある時期につきましての調査をした日現在につきましての状況のものはわかっておりますけれども、その状況は翌日あるいは翌々日というものはまた変わっておる。絶えず変動しておるわけでございます。昨年九月ごろにおきまして一万八千二百五十人ばかり、それの総数があったということは知っておりますし、大体それに似たような状況のもとにおきましては、そのような状態が続いておる。年末ころになりますと数が非常にふえて参る、あるいは今ごろはまたさらに減って参る、そういうような状況でございます。計数的なものにつきましては、それで後ほどあれがございましたならば資料によってお答えいたしたいと思います。
○相澤重明君 それでは今の人事部長の御答弁になったような内容を一つ資料を、きょうでなくていいですから後刻一つ提出していただきたい。 そこで一つ郵政次官にお尋ねをしておきたいのですが、三十年度を第一年度として局舎等の緊急改善対策として、八カ年計画を郵政省では作ったわけですが、その概要それからその計画というものはどういうふうに行なわれてきたか、実績を予算とともに一つ御報告いただきたい。
○政府委員(森山欽司君) 数字にわたることでございますので、事務当局より答弁をいたさせます。
○相澤重明君 それでは政務次官、きょうはなるべく午前中に終わりたいと思っておるので、そういう点について資料で一つ提出してください。時間がかかるようですから資料であとでそういうものを提出していただきたい。 その中で私が特に考えるのは郵政省もだんだん局舎を改善してよくなりつつあるが、まだやはり老朽化のものもある。こういうところで早急にやはり改善しなければならぬじゃないかという点を見受けられるので、この実情を報告願いたいと思いましたので、これはあとでけっこうです。資料で御報告願いたい。 その次に先ほど郵政大臣が御報告になった第二の項ですね。郵政大臣の御報告になった第二の国民貯蓄の増強の問題でありますが、特に最後の項の方の「目標を達成できなかった原因といたしましては、金融引き締めによる経済の不況、その他不利な諸情勢が大きく影響いたしたためであります。」こう郵政大臣は答えておる。「経済の不況」というのは私もわかりましたが、「その他不利な諸情勢」というのは一体何であるか、これを一つ御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(大塚茂君) 結局経済の不況が根本でございますが、まあそれによりまして貯金の利用者層の所得が頭打ちの状態に三十三年度においてはなった。それから生活水準の向上、特に農村における生活及び経営の高度化によりまして支出の方が増大をしてきた。あるいは不況の浸透によりまして中小企業の運転資金の不足等を来たした、というような事柄がおもな原因だったというふうに考えております。
○相澤重明君 これは今の御答弁ですと、結局積極的な勧誘政策というものか、それとも自然に局に預金にくるのを待っているか、こういうところにも私は一つの問題点があろうと思うのですよ。ですから経済が不況であるからという大筋はそれで私はけっこうだと思うのです。私どもそれを否定するわけじゃないけれども、不況であるとか好況であるとかいうだけでは、私は、当初目標というものがなぜ達成できないかということの検討を十分したとはいえないと思う。そういう点について今の御答弁で、それではどういうふうにしたらば一体預金の貯蓄増強ということがはかられるのか、こういう対策はどうとりましたか。どういうふうにこの郵政大臣の御報告について、これだけではいけないから今後はどうするのだ、その対策を一つ御説明いただきたい。
○政府委員(大塚茂君) 郵便貯金は、大体において根本はおっしゃられますように景気の好、不況によりまして影響されるところでございますが、やはり私ども及び従業員の努力いかんということも関係がございまして、三十三年度におきましては目標を達成できなかったわけでございますが、これにかんがみまして、私どもとしては郵便貯金の不振対策本部というものを本省に作りまして、経費等も若干ふやしましていろいろ手を打ちました結果、三十四年度においては目標をはるかに上回る好成績をあげております。これは三十四年度に至りまして景気が回復したということがこれまた根本ではございますが、まあその両方が相待って、三十四年度からは成績が回復したということであろうと考えます。
○相澤重明君 今の不振対策本部というものを本省の中に作ったということで、地方の郵政局についてはどういうふうになっているか。それに対する定員等の問題についてどの程度の配置をしたのか、そのことをおわかりになったら一つ御発表いただきたい。
○政府委員(大塚茂君) 落としましたが、地方郵政局においてもやはり同じような対策本部を作ってやったわけでございます。それから定員については三十三年度も三十四年度も全然変更ございません。
○相澤重明君 そうすると今の御答弁ですと今までの定員でやりくりをして、そしてこの貯蓄増強の方向に対策本部員を振り向けた、こういうことですね。
○政府委員(大塚茂君) 結局現在おります局長、課長あるいは部長というものが、そのまま対策本部の要員になったというだけでございまして、特にその対策本部というものを置いて不況の克服に仕事の重点を移したというだけでございまして、人をふやして特に別の人が対策本部を作ったということではございません。
○相澤重明君 そこでそれでは三十四年度は目標額をはるかに上回ったというのですが、これはまあ経済の好況も反映をしたと思うのですが、しかし従業員の努力というものは私は大へんなものだと思うのですね。ですからその従業員が目標額以上を達成した場合に一体どういう報酬を与えるのか。あるいはそれはもう仕事をやればそれでいいんだ、こういうことなのか、その点についてはどういう措置をとりましたか。
○政府委員(大塚茂君) 郵便貯金の募集につきましては、郵便局の窓口において受け入れたものについては、別に従業員の報酬手当というものを支給いたしておりませんが、局外におきまして勧誘をいたしまして、積立貯金あるいは定額貯金を募集いたしましたものにつきましては、一定の率によって募集手当というものを支給をいたしております。従ってよけい募集すれば本人の収入はよけいになるというふうな仕組みになっております。その他表彰等におきましても、成績優良な場合においては表彰を行なうという制度がございます。
○相澤重明君 局外で勧誘する場合の成績がよくなることは本人のためにもいいし、また郵政省自体としても貯蓄増強のために大へんけっこうなことと私は思う。そこで募集手当の内容について一つ御説明いただきたいと思います。どういうものについては幾らの率のものを出すのかという点を一つ御発表いただきたい。
○政府委員(大塚茂君) 定額郵便貯金につきましては、募集しました金額の千分の六の手当を支給をいたしております。それから積立貯金につきましては、新規加入額の百分の十を支給いたしておるわけであります。
○相澤重明君 私の質問はあとこれで終わりますが、この郵政省の貯金の三十三年度末現在高は八千三百三十九億八千七百余万円、これは大蔵省の運用部資金の中の五四%を占めておる、非常に大きな額だと私は思うのです。そこで直接財政投融資に投資した九百二十一億円あるいは契約者貸付が八十七億円と、こういうふうに運用をしておることが報告されておるわけですが、その八十七億円の内訳をおわかりになったら御説明いただきたい。
○政府委員(西村尚治君) ただいまの御質問は契約者貸付の八十七億円、これの内訳ということだったと思うのですが、これは簡易保険の方の関係でございまして、簡易保険の加入者に対しまして、約款に基づきまして一時の資金融通をしてほしいという申し出がありましたときには、還付金の七〇%以内におきまして貸しつけるという制度があるわけでございます。これは加入者だけに限って融資するものでございますので、契約者貸付と俗に言っておるのでございますが、内訳はちょっとここに手元に資料がございませんのですけれども、いろいろやはりそのつどの生活費とかその他もろもろのものに使われておるんだろうというふうに考えられる次第でございます。
○相澤重明君 それではこれは非常に参考になりますので、住宅等についてどうなっておるかわかりませんが、とにかく冠婚葬祭とか住宅とかあるいは進学とか、いろいろ利用の内容があると思うのです。そういう点をできれば項目を作って、それからこの八十七億円というのはどのくらいの契約者のうちどのくらいの率になっておるのか、何人になっておるのか、そういう点を一つ参考のために調べたいので、一つ資料を提出していただきたいと思います。
○政府委員(西村尚治君) 承知いたしました。
○相澤重明君 それではその次に、特定局の事務経費として物件費の一部について、従前から渡し切りの費用というものを支出しておるわけですが、この局長に渡し切った費用の中で購入したものはどういう形で郵政省としてはこれを保管をしておるのか、あるいはこれはもう金を渡してしまったのだから、あとは自由に買って、自由に消費をしていいものか、それともそれは国の負担行為になる、こういう考えでこれを保管をしておるものなのか、その監査の状況というものを一つ御報告をいただきたい。
○説明員(森田行正君) お答え申し上げます。 特定局の渡し切り費で買いました物品のすべては公のものとして取り扱っております。局長が自由に使っていいというものではございません。
○相澤重明君 ですからそれは国の負担的給付ということになるから、これは郵政省のものだということはわかったから、その監査状況を報告してくれ、こう言っておるのである。監査状況はどうなのですか。
○説明員(森田行正君) これは監察局における業務監査並びに郵政省における会計監査を通じまして、そういう渡し切りのみならず、いろんな経費の使用方については年に一度必ず検査をして、その当不当を見ております。
○相澤重明君 どうも私の方はぴんと来ないが、それは監査をやっておるということは当然の話で、そういう監査をやった結果がどういうことになっておるかという報告ができなければ意味がないじゃないか。監査をやっておるのは当然の話なのです。私が冒頭から申し上げますように、郵政省の内部監査というものは実によくできておる、こういうことをほめておるわけだ。ほめておるけれども一体そういうようなものに対して監査をした結果はどういうことだったかということを聞いておるのです。そういうことを調べて監査をした結果は別に間違いがなかったのか、あるいはあったのか、あるいはどういうところが間違いの起きやすいところであるのか、こういうことが報告ができなければ監査をやったということにはならぬじゃないですか。形式上の監査をやっておりますという答弁に過ぎないじゃないですか。
○政府委員(荘宏君) 特定局の渡し切り経費につきましても、残念なことでございますが、若干の犯罪がある次第でございます。
○相澤重明君 ですからそういうことを卒直にお話になって、なるほど郵政省が業務監査をやっておる。こういう内容で、しかしこういう点がまだ足りないという具体例を出されれば、そうすれば決算委員会としてはなるほどよくやったという実証になるわけなんだ。ところがそれを何も言わぬでただ監査をやっておりますという突つ放しの話をするから、一体監査をやっておるのか、やってないのか、こういうことになる。だから残念ながらそういう意見、内部監査をやったところが問題があった、こういうふうな事案があった、こういう事案については今後こうするのだというその対策をあなた方がやはり卒直に話されることが、この決算委員会でそういうふうに指摘されることについての答弁になるわけだ。だからそういうのは、たとえば三十三年度なり、三十三年度でなくとも、三十五年度でもいいから、あなたの方で、監察局で内部監査をやってみて、渡し切りのこの問題についてはこういうふうな結果が出ました、という郵政省から答弁があってしかるべきだと思うのですが、いかがですか。
○政府委員(荘宏君) 特定局長の渡し切り経費の横領ということになるわけでございますが、三十二年度におきましては、七件百万円ばかり、三十三年度で二件二百八十万円余、三十四年度におきましては四件、数は多うございますが、金額は五十余万円、三十五年度、ただいままでのところでは一件十一万円ばかりある次第でございます。
○相澤重明君 大へんけっこうだと思います。相互牽制なりそういう内部監査というものを郵政省は非常によくやっているのに、私は今後できるだけ件数をなくするように努力していただきたい、こう思います。 それから簡易生命保険及び郵便年金の特別会計ですが、新規契約が依然として伸び悩みの状態にあるように聞いているわけですが、それは年度計画とそれから前年度の実績と比較した場合にどの程度減少しているのか、こういう点について御答弁いただきたいと思う。私はこれをもって大体終わりたいと思います。
○政府委員(西村尚治君) お答え申し上げます。伸び悩んでいると申しましても前年度に比較いたしまして減っているというものではございませんで、毎年お蔭をもちまして保険契約金額といたしましては純増であるわけでございます。ただ目標をかなり上の方に設定しております関係で、それには及ばなかったというだけでございまして、民間保険その他に比較いたしますれば、伸び悩みがあるという程度でございますので、実はさしてそう心配は要らないのではないかというふうに考えております。 〔理事谷口慶吉君退席、理事野上 進君着席〕
○山田節男君 先ほどこれは相澤君からも若干触れられた問題ですが、毎年この会計検査院の決算報告の中で、特に郵政省関係の決算報告でやはり一番特徴的なのは、何といっても特定郵便局の不正行為が非常に多いということ、先ほど会計検査院からも説明があり、また郵政省当局からお話がありましたが、特定郵便局制度というものに対するこれは私は官房長は長く監察局長をやられているし、並びに荘局長にしても現在の特定郵便局制度と会計監査、業務監査という点について、これは白書くらい作るべきだと思う。一体特定郵便局制度で、いろいろな従来の封建的というか、そういうりっぱな人を人選されているにもかかわらず、依然として不正行為が絶えない、ことに三十三年度の会計検査院の決算報告によると、十八件の不正事件の中で全部特定郵便局であり、しかもその中に四名の特定郵便局長がかなり高額のこれはいわば公金、公の金を横領したというような結果になっている。郵政省としては、この特定郵便局制度の現状というものでは、どうしてもこの種の犯罪が絶えないのじゃないか、これについては会計検査、業務監査というものからいって、どうあるべきかという一つのプランがなければいかないと思うが、この点について政務次官御存じでなければ、他の政府委員の諸君から卒直に業務監査、ことに私の見解からすれば、会計検査よりも、むしろ行政監査というか、業務監査の力でチェックすべきものである。事態が起きてきて、それを早期に発見するというだけが監察じゃないのである。私はそういう見解を持つのですが、そういう点から、郵政当局として、一体この特定郵便局の業務監察、会計監査ということについて、どういう点に隘路があるのかということを卒直に伺いたいのですが。
○政府委員(荘宏君) 山田先生仰せのように、確かに特定郵便局関係に犯罪が多いことは事実でございます。この点につきましては、郵政省といたしましても非常に苦心をいたしておりまして、何とかしてこれを絶滅したいと、かように考えて努力中でございますが、何と申しましても、特定局の犯罪か多いということは、小局でありまして、事業経営の点から多人数が配置できないということから、相互牽制の組織がどうしても大きな局ほどうまくいかないということが根本にあるわけでございます。その間にあって犯罪を起こさせないためには一体どうしたらいいかということで苦心をいたしておるわけでございますが、何と申しましても、当事者に犯罪を犯してはならないという意識を強く持たせる、こういうことが根本であると考えております。そこで、業務考査にあたりましても、また各種の会議等におきましても、特定局の局長その他に対しまして十分その点を指示をいたし、強調いたして、注意を重ねておる次第でございます。また、特定局におきまして、最高の責任者として、局内で事故、犯罪を出さないようにしなければならない責務を持っておりますところの特定局長に対しまして、特にその点を強調する必要がございますので、昭和三十四年度以来、特定局の局長の重立ったところを各地域ごとに集めまして、防犯指導の研究会というようなものを催しておる次第であります。これが非常に効果が上がっているように見受けられるのでございまして、その後漸次特定局ことに特定局長自身による犯罪というようなものは減少して参っておる次第でございます。私どもにおいてそういうふうな措置をいたしましたのに応じまして、また、特定局長自身におきましても、特定局長の会の中におきまして、いろいろ防犯委員会とか防犯協力会とかいうようなものを作って、みずから、みずからを戒めるという態勢ができつつある次第でございます。 それから、何と申しましても、犯罪が起こらないように十分業務考査あるいは監察の目を届かせるということが必要なわけでございまして、その点につきましては、先ほど政務次官からもお話がございましたように、従来の監察官だけでは人的にも不十分でございますので、監察官補というものを相当数作りまして、もっぱら防犯関係に力を注いで、機動的な考査をやらしておるという実情にございます。 さらに、貯金関係の犯罪が非常に多いわけでございますが、この特定局におきまして貯金関係の犯罪を発見するということは、実は非常に困難でございます。と申しますのは、特定局にございます証拠書類を見るだけでは、なかなか犯罪があるということが発見しにくいわけでございまして、従いまして、この貯金業務に関連をいたしました大きな郵便局に調査局というのがございます。さらに原簿を所管しております地方貯金局というのがございます。また、今貯金のことを申し上げましたが、保険につきましても、地方保険局があるわけでございますが、これらの調査局とか地方貯金局、地方保険局、ここにいろいろ証拠書類があるわけでございまして、こちらの面の考査をやることによって、特定局の犯罪を見出すというようなことにも努力をいたしておるわけであります。また、ただいま申し上げました調査局、保険局、貯金局等において仕事をやっている間に、これはおかしいぞということをそれらの局において感づくこともできるわけでありまして、従いまして、それらの局の人たちに対しまして、いろいろ、こういう場合は犯罪が裏に隠れていることが多いから、十分防犯的な意識をもって証拠書類を扱ってもらいたい、こういうふうなことを頼みまして、その面からもいろいろと協力を求めており、それによって相当数の犯罪を発見しておる実情にございます。その他、いろいろと犯罪を犯す場合の態様につきまして分析をいたしまして、目のつけどころを関係方面に連絡をいたしまして、防犯の充実をはかり、さらに個々の局長あるいは職員等の服務ぶり、身辺の状況というようなことについて何かおかしなことがないかということを絶えず注意をし、また広く情報をとらえまして、そうしてなるべく早い機会に調査に着手して、不正行為を防止するということに努力をいたしております。 なお、ただいま申し上げましたことのほかに、いろいろと犯罪の事例等がありますれば、それがいかなる不備、欠陥に乗じて起こったものであるかということを克明に調べ、反省をいたしまして、業務の取扱規定、あるいは取扱手続といったようなものに改善を要することがあれば、関係の部局に監察当局といたしましてはお願いをいたしまして、どしどし改善をしていただいておる、こういうことでございます。 まあ、いろいろと手を尽くしまして、何とかして特定局における犯罪をなくしたい、かようにせっかく努力中でございますので御了承いただきたいと存じます。
○山田節男君 この十八件の不正事項の中で、四件特定郵便局長があげられているというこの事実ですがね。特定郵便局長の人選については、これは地方の郵政監察局が調査されて、郵政局長が任命する。これは順序としては相当手段を尽くしておられると思うのですけれども、この人選をされる場合に、いかにりっぱな人であり、信用があり、しかも学歴も相当あるというような人をお選びになっても、やはり、現在の特定郵便局長を選択する、選任する制度そのものが、なるべく地元の出身というように選ばれる人の条件がなっておるように私は考えるのですが、そうしないで、一つの事務的なものとして、人物の交流といいますか、従来の特定郵便局というようなものの制度を根本的に考えれば、やはり局長の問題であるということになれば、こういう点について、全然特定郵便局所在地の出身者の局長でない場合で非常に成功——成功と言ってはおかしいけれども、こうして摘発されるような会計上の不正行為が比較的少ないというような、こういう結論が出せるような事例はありませんか。
○政府委員(荘宏君) ただいまのお話の特定局長がその地の者であるか、よそから来た者であるかという分析は、ただいまちょっと手元に持ち合わせておりませんので、お答えいたしかねますが、御了承願います。
○山田節男君 私の見解からいえば、やはり特定郵便局というのは多数あるのですから、少なくとも局長の重大な一つの人的要素ですから、そういうものを監察当局から見て、やはり分析し、調査研究するということが、人事行政の上からも、特定郵便局の人事行政という点から見ても必要じゃないか、これほど多額な公金を扱うのであるし、しかも事務の内容がきわめて複雑な業務を預かるのですから、やはり全国の郵便局長の、単に地方監察局長、郵政局長にまかさないで、もっぱら監察事項として、特定郵便局長のそういう方面のことをまず事前に防止するという、防止する前の手段として、そういうヒューマン・ファクターというものも十分調査、分析研究されなければいかぬのじゃないか。こういう点に対する資料はないとおっしゃいますが、これは私は、少なくとも今後のそういったような、単に不正防止ということでなくて、業務の構成、能率的な扱いということから見ましても、十分私は研究に値するものだと思うのです。ですから、もしそういう資料を今お持ちにならないならば、質問してもむだですからしませんが、そういうことはいち早く始められるべきだと、こう考えます。 それから次に、こういう特定郵便局で扱う業務が非常に多岐多端にわたるわけですから、現在の日本の特定郵便局の数は欧米に比べると非常に少ないというように私は統計上なっておるように思うのですが、もう町村合併もどんどん進んでおるし、新農村建設運動もますます進んでおるのですから、そうなれば、郵便局というものも増局しなければならぬことは当然の勢いだと思う。不正行為を防止する意味においても、郵便局の数をふやせば、業務の量も少なくなり、それからその分担する人間も小刻みに少なくなるわけですから、おのずから会計検査、業務監査の点においても容易になるのではないかと思う。こういう過小な郵便局数というものをそういう業務監察の上からいってもふやす必要があるのだと思いますが、この点についての政府当局の御見解を承りたい。
○政府委員(荘宏君) 窓口機関をふやす必要は確かに先生仰せの通りあると思うのでございますが、ただ犯罪関係の点から申しますと、人数のきわめて少ない局といいますものは、たとえば貯金の関係で申しますと、窓口で受付をする者も、証拠書類を作ります者も、金を払い渡す者も、全部同じ人間がやるというようなこと、あるいはまたその監査をする人間もほとんどないというようなことになりがちでございまして、どうしても小人数のところでは犯罪が発生しやすいということは免れがたいことでございますので、小局を多くすることによって、それが直ちに防犯に役立つということにはあながちなりがたいのではなかろうか、かように考えるわけでございます。
○山田節男君 郵便局数が多い、少ないという問題、これは私は、今この会計検査業務、監査の点からあげたわけですけれども、実際欧米に比しまして、日本における郵便局は一体どのくらい少ないのか、比率からいって。たとえばアメリカあるいはイギリス、西ドイツ、フランスくらいと比較して、はたして日本が、非常に郵便局の窓口数が少ないのか、どうか、少ないというように私は了解するのですが、少なければどのくらい少ないか、三割少ないのか五割少ないのか、そういう点がおわかりになれば伺いたい。
○政府委員(荒巻伊勢雄君) お尋ねの点につきまして、欧米の状況の関係につきまして申し上げますと、一局当たりの受け持ち人口という面から見ました場合におきまして、日本の場合におきましては五千八百二十一名というようなことでございまして、アメリカは四千八百十四名、一番、一局当たりの人口の少ないところはノルウェーの七百十三名、あるいはスイスの一千二百八十一名というような数字が見られるわけでございます。なお、一局当たりの受け持ちの面積でございますが、日本の場合におきましては二三・四平方キロメートルでございます。一番、一局当たりの面積の少ない国は西ドイツでございまして、八・九平方メートル、その次はイギリスの九・九平方キロメートル、アメリカは二六・四平方キロメートルというようなことでございますが、お話のごとく、まだ日本の郵便局の配置状況は、人口並びに面積から見ても、なお改善を要するべき問題が多々あると存じます。
○山田節男君 特定郵便局で取り扱う、たとえば簡易保険あるいは郵便貯金、まあ今後、年金、郵便年金、それからNHKの受信料を受け付けるとか、そういう現金を特定郵便局で受け付ける場合、また、これを各関係本省なら本省に送るというようないわゆる事務処理上のチェック・システムというようなものが一非常に私はまだ日本にはその点について発達していないと思うのですけれども、郵政省のように、こういう数千の窓口を持たれておる。しかも業務の種類の異なる、しかも税金を扱う、こういう業務の性質からいって、全体的に一つチェック・システムということをもう少し私は科学的に研究——外国では研究できておるのですから、これは相当な金がかかりますけれども、また人員も増加する必要があるだろうと思いままけれども、しかし、そいういことを私は郵政省として、全般的な問題として、これは根本的な問題として一つお考えになるべきもう時期に達しておるのじゃないかと思うのですが、そういういわゆるチェック・システムに対しての相当科学的な研究を、日本の郵政事務の現実の上において研究されたことがあるかどうか。これははなはだ失礼な言い分ですけれども、そういうようなことがいまだかって行なわれたことがあるのかないのか、あるいは近き将来そういうことをやろうというお考えがあるのかどうか、これを一つお伺いしたい。
○政府委員(荘宏君) チェック・システムにつきましては、人数の多い郵便局におきましては、その局内でも相当のチェックが相互にできるように制度を組み立てております。それから特定郵便局、人数の少ない郵便局におきましても、できるだけ局内において相互チェックができるように工夫をいたしておるわけでございますが、しかしながら、小人数の局につきましては、その当該局の中だけでは不十分な点があること、先ほど申し上げた通りでございますので、さらにその証拠書類を扱いますところの大きな普通局であります調査局、あるいはさらに証拠書類が流れていきますところの地方貯金局、地方保険局、そういったところがチェック機能として動くという構造になっておりまして、それらの機関を最も有効に働かすべく常に事業部局においてもいろいろと工夫研究をしておられまして、逐次改善を加えまして今日の現状に至っているわけでございます。しかしながら、何と申しましても、相変わらず相当数の犯罪が出るということは遺憾のきわみでございますので、今後とも先生仰せのごとく、このチェックのシステムにつきまして、十分検討を重ねて改善を加えて参りたいと、かように考えております。
○山田節男君 この参議院の決算委員会の要求資料として郵政省から出しておられる、この「昭和三十三年度内部監査業務実績調」というのに三十二年度の、この会計監査に基づく関係者の処罰の処置の状況が出ているのですが、これを見ますと、会計監査の方は、件数において四十九、その処置された人員が六十七名と、こうなっておりますが、この内容をちょっと伺いたい。 今、調べていただいている間に、重ねて私はちょっとお願いしますが、2にあげてある、三十二年度中における業務監査に基づく関係責任者に対する処置状況として、件数において三百七十四、人数において六百十人、この両方ですが、特に私はこの中で、特定郵便局関係の件数と処置された人数ですね、これさえ伺えればけっこうです。こまかい分析でなくてけっこうですから。
○理事(野上進君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(野上進君) 速記を始めて。
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 詳細に、もう少し資料を整えまして、御報告申し上げました以外につきましても、御報告申し上げなければならないのでございますが、不当事項として三十三年度としまして御報告のございました二百八十四号以下三百一号までの事案につきましては、おおむね監督者並びに当務者につきましては減給、あるいは事案によりましては失官、退職というようなことになっているわけでございまして、全部処分が済んでいるわけでございます。
○山田節男君 この参議院の要求資料によって出されたものは、これはおそらく部内の会計監査の結果だろうと思うのですが、こういう数字をお出しになっているでしょう。
○説明員(森田行正君) この資料で特定局関係とそれ以外の関係はただいまこちらで内訳を調べてすぐお答え申し上げたいと思います。
○山田節男君 特に三十二年度に実施されたこの業務監査に基づいて懲戒免官件数五十、人数五十と、こういう極刑が多数あるわけですからね、合計六百十名という、この業務監査に基づく、ことにこの中における特定郵便局関係のものは、数字をそれじゃ後ほど調べて、一つ御説明して下さい。ただ、この審査がこれで終了する、しないという問題でなくて、別個としてこれは御提出願いたい。 これは私は、郵政省が昭和二十五年以来、ずっと会計検査の報告、並びに郵政省の監察状況、これは人員もずいぶんふやせということをわれわれ強く言いまして、この監察機構というのは、相当完備して、相澤君言われたように、郵政省のこういう方面における監察事項は非常に改善されたが、これは私は認めます。しかし、やはり依然として会計検査院が、毎年指摘される不正事項の中に、特定郵便局の事項が絶えないということは、これは私は、どうしても特定郵便局制度というものを根本的に考えなければいけないと思うのです。なるほどそれは普通郵便局にも比敵するほどの設備を持っておる特定郵便局も例外的にありますけれども、全体的に言うと、やはり人物から言えば、現代的なセンスを欠く人間であるとか、あるいは扱っている事務が非常に重要であり、しかも複雑な保険、あるいは貯金業務を扱いながら、かれらがやっていることは、依然として大福帳式な経営であるということは、これは争うべからざる事実です。これはやはり複式簿記的な科学的な事務の取り扱いをさせるように、郵政当局としては、特定郵便局制度を存置する限りは、責任を持って改善に努力をしなくてはいけない。今のこの郵政監察並びに会計監察等で約四億二千万円の金を使っている。監察事項で三億三千万円の金を使っておられますけれども、またその特定郵便局も、五千局に及ぶ部局を調査したことになっておりますけれども、特定郵便局の実態が、そういうものである限り、なかなかこれは——ことに経理の方において、あるいは事務の能率の上において、また事務の正確さにおいて、私は非常に不安がやはり依然として残ると思うのです。ですから、今日のこの特定郵便局の大福帳式な経営をいかに現代的な経営に持っていくか、これは再教育の問題もあるでしょう。それから道徳教育の問題もありましょうけれども、要は、やはり事務の取り扱いに対する私は処理の仕方を、本省として、特に特定郵便局長あるいは事務官等に対しまして、特別なやはり訓練というものを定期的に行なう必要があるのじゃないか。それをしない限り、やはり抜本的ないわゆる改革というものはできないのじゃないかと思うのです。 そういう点で、一つ私は、どの事業にしても、いわゆるオペレーション・リサーチということ、今日これは科学経営の根本なんですから、ですから、私は電電公社の場合にも非常にやかましく言っている。いわゆるあれほど膨大な資産と資金と人員とを擁しているのですから、今日のもう経営というもの、大経営について、オペレーション・リサーチということを行なわれないことは、これは、外国ではないわけなんです。しかし日本においては、どういうものか、こういうものに対て旧態依然として、やはり旧態を墨守するというような、ことに政府関係において、そういう傾向が絶えない。ですから、郵政省のように国民の非常なとうとい多額の金を保管し運営しなくちゃならない省としましては、ビジネスの取り扱い方というものに対して、やはりオペレーション・リサーチというものを根本的に私は研究されて、そして大都会から、順次これを施していく。ことに今後、電電公社の事業と郵政省の電信電話に関する限りにおいては、これはもう分離される必須の条件がありますから、この点につきましては、むしろ郵政省プロパーとしてのやる仕事は、かなり凝結してきている。ですから、この機会に、一つまた重ねて申し上げますが、特に郵政業務においてオペレーション・リサーチという、今日の近代科学経営の根本を成しておるセオリーを把握されて、これを郵政業務に、いかにアプライするかということは、今からやっておかなければ、とても二年三年でできるものじゃありません。 この点は私は特にお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
○野本品吉君 私がちょうど昨晩、郵政省から出されました「この郵政の問題点」という印刷物を一応目を通してみたのです。そこで、決算とは直接の関係がないようですけれども、将来の郵政行政の運営の上からいきますと、いろいろな問題点がこの中にあるように思う。総じて言えば、料金の値上げをせざるを得ないという、まあ郵政省の立場を、われわれ一般国民に知ってもらいたいという意図であろうと思いますが、このうち特に私がお伺いしておきたいと思いますことは、小包郵便における出血サービスの問題、三十三年の四月一日に鉄道の小荷物の料金が改正された。そうして鉄道の小荷物料金が上がったことによって、鉄道に回るべき小荷物が、小包が郵政省の方は回ってくる。そうして、まあ写真の示すところによれば、その荷物が、局舎の中に山を成して、事務を処理していく上にも非常な差しつかえがあるというようなことがいわれておるわけなんです。 そこで、私が問題だと思いますのは、この料金関係であって、たとえば鉄道の小荷物では千キロまで二百三十円、それから郵便の方では千キロまで百二十円、こういうことになれば、おのずから小荷物が郵便の方に回ることは、これはもう当然なんですが、従って、今申しましたように、それが局舎の影響を持つような、いろいろな事態が起こってくる。この両方のバランスをどうとるかということが大きな問題だと、こう思うのですが、上げた国鉄、さなきだに赤字で困っている鉄道料金というものを下げるわけにいかない。小包郵便の料金をどうするかというところに郵政当局の悩みがあろうと思う。この点は、今後の、これからの料金の改正その他で、どういうふうに処理されていくのか。時間もありませんから、要点を要領よく一つ御説明を願いたいと思う。
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 小包郵便の料金のことにつきましてのお尋ねでございますが、郵政事業といたしまして、元来、通常郵便物、すなわち、信書の送達という点は、非常に国民の基本的な権利に関することでございますし、また、郵便法におきましても、独占事業として規定されているわけでございます。しかしながら、この全国あまねくございまするこの通信施設を通しましての物件の輸送でございます小包につきましては、これは事業としましては、他にも競合する各般の制度があるわけでございまして、この小包郵便の料金をいかにするかということは、やはり単に公益的な立場ばかりでなく、そこに原価計算として他の類似した料金とのバランスをとった料金構成でいくべきであるというふうに、理論的には申し上げ得るのではないかと思います。 現在までのところ、郵政事業としましては、個々の計算をいたしませず、郵便収入全体といたしましてバランスをとって参ってきておるわけでございますけれども、少なくとも、ただいま仰せのごとく、小包料金につきましては、原価的に非常な赤字を出しておりまして、少なくとも、国鉄料金そのほか類似の運送料金につきましてのバランスを極力とりつつ、郵政事業の全体のバランスの中において、これを解決していくということで、今後も他の類似料金の動きその他を参考にいたしまして、慎重に料金改正等も考えていくべきが筋ではないかと存ずるわけでございます。
○野本品吉君 そうしますと、この運賃のアンバランスというものを逐次調整をして、いわゆる出血サービスといったようなことが、いつまでも続くことのないように対処していく、その見込みはありますか。
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 収支計画といたしましては、当面五カ年間の趨勢を見まして、この間におきまして、少なくとも、赤字が出ないように郵便収入全体として考えまして、やって参っておるわけでございますが、小包料金につきましては、さしむき、今後どうするかということも、ただいままでのところは、はっきりといたしておりません。今後も他の類似料金の構成等を考えまして、なお慎重に改正その他のことも考えて参りたいと存ずる次第でございます。
○野本品吉君 この問題は、将来十分御検討願いまして適正な解決のできますように御努力を願いたいと思います。 もう一つの問題は、やはりこれにあるのですが、「郵便貯金制限額三十万円は低過ぎないか」というタイトルでここにあるわけです。これも、私の頭にとまったことの一つです。そこで、三十万円で郵便貯金の額を制限しておる。これは一般市中銀行の三十万円と関連をしておる問題だと思うんですが、そこで、郵便貯金の制限額を引き上げるということになれば、市中銀行というものがこれを歓迎するわけはないと私は想像するのです。この点について郵政当局は、低過ぎるから上げたいという強い希望を持っておることが読み取れるわけであります。この点について、従来どういうふうになっておるか、今後どうするかということについての御説明をちょっといただきたい。
○政府委員(大塚茂君) 郵便貯金の総額制限三十万円では、私ども、確かに、今の経済情勢から見まして、また、生活向上の程度から見まして、低過ぎるというふうに考えまして、政府部内におきまして、いろいろ関係の方面と話し合い等を行なってきたわけでございますが、仰せがありますように、銀行におきます国民貯蓄組合の免税限度点の三十万円というものと現在見合っておりますので、郵便貯金の総額制度を引き上げました場合には、その方も引き上げなければならぬということになりますと、大蔵省の計算でいきますと、六十何億かの減税ということになる、それは減税の、租税収入の見込み等に、そごを来たしますというようなことから、これにはどうも賛成できないというようなことで現在に至っております。まあ従来も、大体国民貯蓄組合の免税限度点と郵便貯金の総額制限額とが大体見合ってきておりますが、しかし、必ずしもいつも一致をしておったというわけではございませんので、郵便貯金の総額制限だけを引き離して引き上げるということも考えられないことはないんではないかというふうに考えるわけでございまして、私どもとしては、今までのところでは、まあ大体、大蔵省におきましては引き離すことについては非常に強い異論がございまして、要するに次の減税のチャンスにおいて、一つ両方の引き上げを考えようということになっておるというのが現在の状態でございます。
○野本品吉君 私は、今の御答弁では、ここに制限額三十万円は低過ぎないかというタイトルで、下にいろいろ低過ぎる理由、引き上げることが適当であるということが、この印刷物では相当強く訴えられておるように受け取るんですよ。そこで、まあ大蔵省との、いろいろな話し合いがあろうと思いますが、そこで、さらにこれも将来のこと等、いろいろ考える上においてお伺いしておきたいんですが、郵政当局が三十万円というものを引き上ぐべきであるという御主張をなさる論拠と申しますか、主張の要点、これはどういうふうに従来御主張になっておるんですか。
○政府委員(大塚茂君) 一言に申しますと、現在の生活レベルから見て低過ぎるということでございますが、数字的に申しますと、戦前の基準、昭和九年から十一年ごろの総額制度がたしか二千円だったと思っております。それに比べて百五十倍にしかなっていない。これは物価が三百倍程度に上がっておるという点から見て、まだその半分にしか達していないという点から見ても低い。それから、一応私どもが実情調査を、これは抽出調査でございますが、いたしてみましても、二十五万円をこえて三十万円ぎりぎりというような貯蓄もある程度あるというような事柄等を理由にいたしまして、私どもとしては引き上げを主張してきたということでございます。
○野本品吉君 これは私のしろうとの感想ですがね、先ほどもお話がありますし、この図表の中にもあるんですか、資金運用部資金の五七%は郵政関係の金である。 そこで郵便貯金その他のあなた方のお扱いになっております金は、運用部を通してどういう方面に主として使われているか、こういうことになってきますと、これはやはり郵便貯金の運用部を通しての融資対象というものは、一般市中銀行のそれよりも多分に庶民的なものである。庶民性を持っている。国民のつまり中産階級以下の人たちのいろいろな仕事、市町村のための仕事、そういう庶民的な性格を持った融資が多いのだということは、堂々と大蔵省その他と渡り合う場合に、主張し得る私は有力な論拠になりはしないか、こう思うのですけれども、これは、どうですか、その点については。
○政府委員(大塚茂君) その通りでございまして、郵便貯金で集められました金は、あるいはまあ、いろいろ公団、公社等というようなものの事業資金その他を通じて一般国民、ことに低利の金で政府として助長しなければならぬ方面の金に、大いに使われているわけでございまして、これを集める必要性というものは、ますます大きくなるのじゃないかというふうにも考えているわけでございます。
○野本品吉君 ほかにもいろいろありますが、約束の時間が十五分過ぎておりますから、私は、さっきのやはり国鉄の小荷物の運賃とのバランスをどうとるかの問題、それからこの制限額を、どう調整するかの問題、これはやはり政府部内と申しますかの問題として、将来郵政当局が解決しなければならない相当重要な問題であると思うので、お伺いしたわけなんです。今後とも十分御検討を願いまして、適正妥当な解決点の発見に御努力願いたい、これを申し上げておきます。終わります。
○理事(野上進君) ほかに御質疑はございませんか。——別に御発言もございませんようですから、昭和三十三年度決算中、郵政省関係についての質疑は、これをもって終了いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十七分散会