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38回国会参議院1961/02/20

決算委員会 第6号

発言数
192
登壇者
15
会派数
3
開催日
1961/02/20

会議録

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) これより決算委員会を開会いたします。  この際、理事の補欠互選に関する件についてお諮りいたします。本委員会は、従来理事が一名欠員のままでありましたが、さらに野本君が委員を一時辞任されましたので、現在理事が二名欠員となっております。従って、その補欠互選を行ないたいと存じますが、その方法につきましては、成規の手続きを省略して、便宜、その指名を委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) 御異議ないと認めます。  それでは仲原善一君、野上進君を理事に指名をいたします。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) 昭和三十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和三十三年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十三年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十三年度政府関係機関決算書を議題といたします。  本日は、農林省の部の審査を行ないます。なお、念のために申し上げますが、農林省関係の批難事項は、検査報告第百九十六号より二百七十三号まででございます。  まず、会計検査院より説明を願います。

宇ノ沢智雄会計検査院事務総局第四局長

○説明員(宇ノ沢智雄君) 三十三年度の農林省所管の検査報告について、御説明いたします。  検査報告五十二ページの一般会計の部から申し上げたいと思います。  まず、工事の関係の検査について申し上げますと、三十三年度中に国が直轄で施行いたしましたものにつきましては、総工事個所百八十六カ所、総工事費百九億八千二百余万円のうち、三十五工事、金額にいたしまして八十億千六百万円について検査をいたしました。  それから都道府県に代行させました分につきましては、工事個所四百五十八カ所、工事費にいたしまして十九億六千余万円のうち、七十四工事、金額にいたしまして五億三千六百余万円について検査を実施いたしました。  その結果は、当局の工事に対します監督の強化、さらに的確な検収が行なわれておりまして、工事自体に対します出来方などにつきましては、特に不当として指摘すべき事項はございませんでした。  なお、三十二年度の検査報告に掲げました工事の施行実施にあたりまして、経費の配分が総花的になっており、従いまして、総体として事業の完了がおくれており、予算が効率的に使用されていないという点につきましても、改善の努力が見られますが、なお、こうした点については、今後とも本院として検討を続けて参りたいと考えており出す。  工事関係の指摘事項としましては、五十二ページの百九十六号に掲げてございますように、仙台農地事務局で、岩手県に代行施行させました開拓道路についての案件が一つだけでございます。  本件は、町道の改修工事を施行したものでございますが、工事の内容を見てみますと、既存の町道の一部を拡幅改修したもので、この町道は改修前にありましても、主としてその周辺にございます既存の農家百三十六戸の営農及び町有林千八百十町歩から切り出される木材の搬出等、あわせて氷内、石鍋両開拓地に二十三年度までに入植しました四十四戸の開拓農家の営農並びに酪農経営に利用されてきておったものでございまして、工事施行前の現地は、本件工事の設計に際しての横断図及び本件道路と接続しておりまする林道の現況から見ましても、幅員は三メートル程度のもので、格別使用に支障があったものとは認められない次第でございまして、かような道路の拡幅工事を、全額国費負担の開拓事業費で行なう必要はなかったものと認められるという趣旨の案件でございます。  次は物件で、これは五十三ページの百九十七号の国有財産の管理当を得ないものでございますが、本件は、農林省所管の一般会計に属します行政財産のうち、農林本省分ほか都内所在の十カ所の機関で管理しておりまする財産——台帳価格にいたしまして二十九億六千余万円のものにつきましての管理の適否を実地に検査いたしましたところ、行政財産が長期にわたりまして目的通りに使用されないで、民間の団体などに無償で貸付されているという案件でございまして、中にはこのような状態が引き続いて十数年にわたっておるものもございまして、新しい国有財産法の施行後は、本件のような使用または貸付状況にあるものについては、このような取り扱いを認めることは妥当な処置ではございませんので、こうした事項につきましては、早急に成親の手続をとることが必要であるという趣旨でございます。  次は、補助金について申し上げます。公共事業関係の補助金の経理につきましては、従来に引き続いて、三十四年度中、その経理及び工事施行の状況について、全国の工事現場三万一千四百二十二カ所のうち、北海道ほか三十六都府県につきまして、その八・四%に相当いたしまする二千六百六十カ所、工事費にいたしまして百六十七億八千六百余万円について検査を実施いたしましたが、前年に引き続いて関係当局の指導監督が強化され、当局の竣工検査におきましても、千余の工事につきまして、約二億円相当の手直し及び減額処置を講じて、その是正をはかっておるような次第でございまして、事業主体の自覚と相まって、前年に比べ、事態はさらに一層改善の跡が顕著でございます。  不正事項として指摘しましたものは、前年の二百二十四件、七千百三十五万二千余円に比べますと、本年度は六十三件、金額にしまして二千八十一万四千円と、件数、金額ともに減少しておるようなわけでございます。しかしながら、なお設計に比べまして、工事量が不足していたり、事業主体が、正当な自己負担をしていないものなど、例年指摘しておるような事態が依然として見受けられるような次第でございます。  なお、災害復旧工事の査定を了しまして、主務大臣から事業主体に対して、事業費の確定通知をいたしましたものに対しまする、いわゆる早期検査につきましては、これも前年に引き続いて、三十三年度発生災害について、復旧事業費の比較的多かった青森ほか八県を選んで、三十四年の三月から五月までの間に、三千百四十五工事、金額にいたしまして三十三億余円について検査を実施いたしました。その結果、これについても、当局が現地査定を強化されましたことなどによりまして、本院の検査による指摘件数も、前年に比べまして著しく減少し、改善の跡がうかがわれる次第でございます。  しこうして、検査の結果、修正減額を要するものとして、当局に注意いたし、減額是正されたものは五百四十二工事、八千四百余万円、国庫補助金にいたしまして、六千百六十余万円となっております。  次に、公共事業関係を除きました一般補助について申し上げますと、三十二年度における農林省所管の一般補助事業につきましては、農山漁村建設総合施設費補助金ほか二十二費目に限定いたしまして、特に補助事業の実施が全国的に広範で、かつ補助金交付額が多額でございます。農山漁村建設総合施設費補助金に重点を置きまして、全国の事業実施地域二千一カ所のうち、北海道ほか二十都府県までの百一地域を選んで、これら地域内の事業施行者に交付されました国庫補助金三億二千余万円につきまして検査を行ないますと同時に、これら二十一都府県下の市町村の一部とそれから各種組合に交付されました小団地開発整備費補助金ほか十八費目の補助金、金額にいたしまして一億二千五百余万円でございますが、それと、さらに北海道ほか五都県下の農業協同組合等に交付されました農業災害復旧利子補給補助金ほか二費目、金額にいたしまして六百七十余万円についても検査を行ないましたが、この結果不当事項として指摘しましたものは、前年の二百九十八件に比べまして、本年度は六十件に減少いたしております。これは検査件数が前年の二千三百五十件に対しまして、本年度は千三百二十五件に減少したことにもよりまするが、検査件数に対しまする指摘率が前年度二・六%に対しまして、本年は〇・六%に低下しておりますることから見ましても、これにつきましても、事業主体の自覚と、当局の指導監督の強化により、事業の実施にあたり改善の跡が顕著であるということが言えると思います。  次は、特別会計について申し上げます。  まず食糧管理特別会計につきまして、食糧庁及び三十食糧事務所につき実地検査を行ないましたが、この結果は食糧買い入れ、売り渡し、運送及び特別会計の経理自体については、特に指摘すべき事項はございませんでしたが、食糧の保管にあたりまして、検査報告の六十二ページに掲げてございますように、多量の米麦の亡失をきたし、多額の国損を生じたままになっている事態が、それぞれ青森、千葉、埼玉の各食糧事務所においてございます。これらは直接の原因は、保管業者等による不信行為によることはもちろんでございまするが、これら食糧事務所における担当官の寄託食糧の入出庫時における現品の確認とかあるいは業者の保管、管理に対する指導及び監督あるいは在庫数量の常時確認の処置が十分でなかったことにもよるものと認められます。  次に、農業共済再保険特別会計について申し上げます。  本特別会計の事業につきましては、三十四年度におきましても、共済金は組合員に正当に支払われているかどうか、保険金の請求に際し被害の評価及び府県農業共済組合連合会への報告は、事実に即して行なわれているかどうかということなどにつきまして、水稲及び蚕繭の被害の比較的多かった福島ほか八県の百四十七農業共済組合の共済金の十億千七百余万円の経理につきまして調査を行ないましたところ、共済金の経理当を得ないと認められるものが六十九組合、金額にいたしまして、三億七千四百余万円でございまして、その不当経理の態様を示しますと、六十四ページの表のような状態となっておりまして、従来から数多く見受けられた事例が、依然として跡を断たないような状態でございます。  次に、自作農創設特別措置特別会計につきましては、この特別会計が持っております三十三年の末現在の未墾地、既墾地その他のうち、ごく一部を検査いたしましたが、この特別会計の財産は、いずれも自作農創設の目的で取得した財産で処分未済となっておるものでございますが、三十四年度中これらの財産管理及び農地対価等の徴収状況に重点を置いて、おおむね各農地事務局管内から一つの県を選びまして、北海道ほか大県につき調査を行ないましたところ、六十七ページに掲げてありますように財産の管理、本会計の経理が適切を欠いているものと認められる事態がございました。  次に、国有林野事業特別会計について申し上げます。  本会計の事業につきましては、検査の重点を立木及び素材の売り渡し価格、あるいは売り渡し方法の妥当性並ぶに林道工事の施行につきまして、十四営林局七十二営林署の検査を行ないましたが、特に以上申し上げましたような点で、不当と指摘し得るほどの過誤は認められませんでした。特に連年予算が増加しております林道関係の工事につきましても、検査の結果は、全営林局を通じまして、局によって多少工事のできばえ等に優劣のあった程度でございまして、これらの点につきましても、特別な指摘事項は見られませんでした。指摘事項として提起いたしております二百七十号、二百七十一号は、いずれも関係職員により前渡資金を横領されたものでございますが、本件は、いずれも地方の比較的小さな部局で生じた事件でございますが、造林等の関係で、特定の職員に会計の事務の全般をまかせ切りにしておりまして、会計事務相互間といいますか、その間の牽制組織というものの運用に欠陥があったことに主たる原因があるようでございますので、こうした点につきまして、今後ともなお一そうの留意が必要かと存じます。  次に、特定土地改良工事特別会計について申し上げます。  本特別会計所属の工事につきましては、三十四年中直轄分三十九工事、金額にいたしまして六十六億二千余万円のうち、二十工事、金額にしましてうち五十六億二千八百余万円、約八四%相当額、それから代行工事分につきましては五十工事、金額九億六千余万円のうち、大工事、金額にいたしまして九千百余万円、約九%の検査を実施いたしました。その結果、工事の施行にあたりまして指摘いたしましたものは、二百七十二号と二百七十三号の二件だけでございます。  二百七十二号は、堤防盛土工事費の積算にあたりまして、この堤防工事費の原価の一部を占めます浚渫船の修理について、その検討が十分でなかったために、工事費が高価となっているものでございます。  それから次に二百七十三号は、堤防の盛土工事の施行にあたりまして、当初堤防の施工計画では二十三メートルと計画しておりましたところを、浚渫船の能力から見て、敷幅では、全敷幅にわたって一時に所定の高さに盛土することは困難であるといたしまして、堤防の法尻から十三・九メートルの個所に九十センチメートルの間隔で支柱を設けまして、これに松板を建て込んだものでございますが、盛土の敷幅を縮小することの当否の検討の決定が、もう少し早期に行なって工事に着手いたしましたならば、相当程度の経費が節約されたのではないかという案件でございました。  以上、簡単でございますが、説明を終わります。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) 次に、農林省より説明を願います。

八田貞義自由民主党農林政務次官

○政府委員(八田貞義君) ただいま議題となっております昭和三十三年度農林省経費の決算について御説明申し上げます。  農林省所管の昭和三十三年度歳出決算額は一般会計において一千七億二千四百余万円、食糧管理特別会計各勘定合計において一兆三千九百三十七億九千四百余万円、国有林野事業特別会計において四百四十億九千三百余万円、農業共済再保険特別会計各勘定合計ほか七特別会計の総合計において二百七十六億七千百余万円となっております。これらの経費は、農業生産基盤の強化、畑作の振興、畜産の振興、蚕糸業の振興、森林資源の開発育成、水産業の振興、試験研究・統計調査・技術普及、農林関係諸団体の活動促進、新農山漁村建設の推進、農村青年対策及び海外移住対策並びに食糧管理、農業共済再保険等の諸事業の実施に使用したものであります。これらの経費の執行につきましては、過去の会計検査の結果にかんがみまして、いやしくも不当な支出や批難さるべきことのないよう、常に経理の適正な運営に極力意を用いて参り、年々指摘件数も減少して参っておりますが、昭和三十三年度決算検査報告においてなお不当事項として七十八件の御指摘を受けておりますことはまことに遺憾に存じます。  御指摘の内容は、一般会計において工事、物件各一件、補助金関係三十九件、食糧管理特別会計において物件三件、農業共済再保険特別会計において三十件、国有林野事業特別会計において不正行為二件、特定土地改良工事特別会計において工事二件、計七十八件となっております。  御承知のように農林省関係の事業実施主体は直轄事業を除き地方公共団体、農業協同組合、土地改良区、森林組合、農業共済組合等多岐にわたっておりますが、従来ともこれら団体の関係者に対しては、補助事業の適正施行について指導監督の徹底をはかるとともに、農業土木技術その他の必須事項の研修を継続実施して施行技術の向上をはかって参っており、また災害復旧工事については現在査定を強化し不当事項の防止に努め、工事出来高検査を極力励行するよう指導いたして参っております。一方補助金の早期交付についても極力意を用いております。その結果年々の指摘件数は、減少の傾向を示してきておるのでありますが、なお相当数の不当事項の指摘を見ましたことにかんがみ、これら不当事項についてよく分析検討し、その結果を今後の事業実施の面に十分反映せしめるとともに、指導監督を強化徹底して、事業実施の適正化に努める所存であります。  なお農業共済事業については、その事業運営が適正を欠いたというばかりでなく、制度自体の問題も介在していると思われますので、農林省としては、目下改正法案の準備を進めており、近く国会に上程いたす段取りにいたしておりますことを申し添えます。何とぞよろしく御審議のほどを御願いいたします。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) それでは、これより質疑に入ります。御質疑のある方は、順次御発言をお願いいたします。

山田節男民主社会党

○山田節男君 本件に関して、会計検査院の方にちょっと質問したいのですが、先ほどこの三十三年度の農林省関係の会計検査の要綱を調べると、各特別会計を合わせて実際の調査件数というものがいずれも一〇%、一割以下になっている。  御承知のように農林、建設省は、現場といいますか、所管の会計が、一般会計、特別会計にわたる非常に多額な金額を要するものとして、会計検査院としても、少なくともこの建設、農林の両省に対しては会計検査の現場といいますか、検査個所をできるだけふやすということは、従来きびしく会計検査院に要求している。それがために要員を可能な限りにおいて最大限度にふやせ、これも、われわれの希望した通じゃないけれども、要員も若干ふやされる。しかるに、どうもこの農林省のごとき、検査個所が膨大な場合がありながら、その一割以下しか調べていない。しかも、これによって見ても、昭和三十三年度の会計検査において、不当あるいは不正として指摘されているような金額が約四億円。そうしますと、平均九%として四億円というと、全体から推せば少なくとも数十億はあるのじゃないか、こういうわれわれは推測をせざるを得ないのですね。  そこでわれわれは、毎年この会計検査院の報告を得るたびに感じることは、特に農林省に対する会計検査院の検査個所が、依然として数が少ないのじゃないか。これは一体どういうわけで、この会計検査の場所が、われわれの予期した通りにふえないのか、その根本的な理由をまずお伺いしておきたい。

宇ノ沢智雄会計検査院事務総局第四局長

○説明員(宇ノ沢智雄君) ただいま御指摘になりましたように、確かにわれわれが検査いたしましたパーセントというものは、大体三十年度以降を調査いたしましても、一〇%を出ない額でございまするが、先ほどお話がございましたように、たしか三十年度に補助工事について、もう少し検査を徹底したらということで、予算もいただきまして、その当時相当人員を増加いたしましたのですが、なおかつ三十年度について見ますと、総工事個所に対しまして検査を実施いたしました個所は八%、三十一年度は九%、三十二年度は八%、三十三年度は八・四%と、こういうふうになっておる次第でございます。  しかしながら金額について見ますと、三十年度は一四・一%、それから三十一年度は三三・五%、三十二年度は三七%、三十三年度は三九・九%、これは、ただいま申し上げましたのは、公共事業の補助について主として申し上げたわけでございまするけれども、やはり今お示しのように、検査個所のパーセンテージが上らないということは、人員の関係がおもな原因でございまして、この点につきましては、これは検査院全体としましての検査の方針にも関係することでございますし、なお予算措置も、これに伴って当然必要な措置でございまするので、ちょっと私一局長として、これに対して、今後どういうふうにしていったらいいか、ここで人員を増加して、もっと、こうした公共事業の税金の関係などは、徹底して検査をすべきかどうかということについては、ちょっと申し上げかねるのであります。

山田節男民主社会党

○山田節男君 これは、局長としての答弁は限定があるかもしれないけれども、少なくとも本委員会、ことに参議院の決算委員会としては、現在の会計検査院の要員をもってしては、平均一〇%以下の検査事項しかあげられないということは、これは何としても、いわゆる国損というもの全体から見れば、非常な何といいますか、まだ会計検査院としての態様が整備されていない。だから会計検査院の要員が、たとえば五千人になっても、そういう公金を扱う官庁の会計検査については、当然ペイするものだと、だから大いに、一時にたくさんの要員をふやすことは、もちろん技術的にできない、しかしながら漸次これを増加していけという本委員会の決議もあるわけですね。これは依然として、今日一割以下の検査しかできないということ、これが私は第一、毎年の会計検査院の報告を見て、それに対する積極的な監査に対する熱意というものがないのじゃないか、これは会計検査官なり事務総長にいうことかもしれないけれども、そういう点に対する会計検査院の意欲は積極的でない。  たとえば三十三年度の農林省の食管会計約一兆四千億円のこれは会計です。これに対して示されているものがわずかに三件、しかも食糧の管理が不当であったということ三件が述べられておる。もとより農林省が年々、ことに食管関係に関しては、監察が非常に徹底しておるということも、これは考えられます。考えられますけれども、少なくともわれわれ国民としても利害関係の深い、また国民としても、これに対しては約一兆四千億円の金を扱う特別会計として、いかにきれいにやっておるにしても、わずかに国会に提出される食管会計の不当事項として三件だと、これは何としてもわれわれ常識的に考えて了承しかねるのです。のみならず、会計検査院というものが、単なる数字上の会計検査というだけでない、事前の予算監査をやるのみならず、こういう金を支出する方法についてすら、これは会計検査院の職能としたら一つの勧告を行ない、会計の正確を期するというのが、会計検査院の職務であるというふうにわれわれは了解し、また会計検査院も、それを明らかに明言しているのですね。しかしそういう点から見て、どうも会計検査院の、ことに私どもが注視している農林省建設関係に対する会計検査院の態度は非常に消極的だと思うのですね。これは単なる人員の不足とかなんとかいうことでもって抗弁することはできない。すでにこの委員会としては、金が幾ら要ってもいいからとにかく検査院の人員はふやせということをたびたびいっている。  そういう点で、これは一局長にそういうことをいうのは、質問するのは当を得ないかもしれないけれども、これは一つ会計検査院長なり、会計検査院の事務総長が来て、そういう制約を……。われわれが要求して一回増員しただけでもって、自後そのままの陣容であるということ、これは私いげないと思うのです。この点、一つまた機を見まして、委員長から会計検査院において、もっと積極的な意欲を持つことがなぜできないのか、こういう点を一つ確かめていただきたい。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) ただいま山田君からの御要望につきましては、長において会計検査院長に対しまして、さらに意欲を旺盛にして、予算の要求をすべきであることを注意を喚起いたしたいと思います。なお、新年度予算編成につきまして、どれだけの人員増を要求いたしたかということも聞きただしたいと思います。了承いたしました。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 関連質問。会計検査院に伺いますけれども、この報告書を見ますというと、農林省関係で不当事項として七十八件の指摘を受けていると、そして年々減少していっているけれども、まことに遺憾なところだと、こうございますけれども、こういうふうに各省見ていきますというと、みんな年々減っていくけれども指摘されたのは遺憾であるということでございますが、これは、総合計したら大へんな額になるのじゃないかと思うのですが、今わかっておりますので、各省全部会計検査院で合計した指摘件数、特に財産の管理の不当なものとか、いろいろなものございますけれども、職員の不正によって国に損害を与えたものというもの、この合計がわかりましたら、ちょっと教えていただきたい、農林省だけでなくて各省の通算しましたもの……。

宇ノ沢智雄会計検査院事務総局第四局長

○説明員(宇ノ沢智雄君) 検査報告のお手元にございますかどうですか、九ページのところをおけ願います。九ページのところの第五節「不当事項および是正事項」という項目がございますが、ここにあげてございます表の中で、不正行為という欄がございます。これをずっと見ていただきまして、十ページの終りのととろに計という欄がございまして、不正行為三十件ということになっておりますが、金額につきましては、ちょっと私今全体の……、すぐ今お答えいたしかねますが、後ほど調査いたしまして、御報告いたしたいと思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 農林省に伺いますけれども、この会計検査院の報告の七十ページでございますが、そこに秋田営林局新庄営林診療所というのがございますね。ここで職員の不正行為が百八十万ございますが、それで三十四年九月三十日現在、一銭も補てんされていないのですが、現在まで、どうなっているのでしょうか、それ以後。

山崎齊林野庁長官

○政府委員(山崎齊君) 秋田営林局の新庄営林署の管内におきまして、御指摘のような不正事件が起きましたことは、まことに遺憾でありまして、これの回収に対しまする状況を申し上げますと、本人が、御存じの通りと申しますか、本人の資産といたしましては、わずかに秋田市内に二十七坪ばかりの土地を所有しておるにすぎないのでありまして、一時に全額の弁償は困難だというふうに認められましたので、山形地方法務局に依頼しまして、裁判上の和解を成立させることにしたのであります。三十四年十二月二十日に和解が成立いたしておるのであります。  それによりますと、国に対しまして損害の金額百八十万円余、これに対します遅延の損害金十九万円余、また元金に対する日歩二銭四厘の割合による延納利息というものが最後にあるわけであります。これに対しまして、昭和三十四年の十二月二十日、二十二日限りで三万二百六十八円、自後二十五年五月から三十六年四月までに、毎月末日限りで一万円、自後それぞれ一万五千円、二万円、二万五千円という工合に支払いをするということの和解が成立しておるのであります。これに基づきまして第一回分の三万二百六十八円は、三十四年の十二月二十二日に納入となっておりまして、その後一万五百円が納入され、合計が四万七百六十八円が納入済みとなっておるのであります。

宇ノ沢智雄会計検査院事務総局第四局長

○説明員(宇ノ沢智雄君) 先ほどの不正行為金額がわかりましたので申し上げますと、三十三年度は三十件に対しまして一億一千九十四万三千二十四円でございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 その中で、どの省が一番多いのでございましょうか。

宇ノ沢智雄会計検査院事務総局第四局長

○説明員(宇ノ沢智雄君) 金額の多いのは、またこれは、総額書は今私、手元に持っておりませんので、内訳はちょっとわかりかねますが、件数で申し上げますと、先ほどの九ページから十ページヘかけての表でごらんいただきますとおわかりのように、郵政省が十八件、あとはみな三件とか二件とか一件でございます。

山田節男民主社会党

○山田節男君 ちょっと議事進行。今、委員長、議事の進行の仕方ですが、やはり農林省は非常に所管の事項が広いし、ただ会計検査院に指摘されている事項のみならず、関連質問が相当会計検査についてはあるわけですね。ですから農林省の一般会計から特別会計へと順序を追って一つやっていただいて能率を上げていただきたいと田ふう。  それから資料の提出。これは私、今まであまりよく出ていないからわかりませんが、農林省のをきょうやりますね。そして資料身提出して再質問する。こういう場合には、また後日農林省を、他の省が終わった場合に、農林省に対する決算の質問ということはできるのですか。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) 進行状況によって処理していきたいと思います。

山田節男民主社会党

○山田節男君 一応各省ごとにおやりになったあとで、おやりになるのですか。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) 総括質問以外ですか。

山田節男民主社会党

○山田節男君 ええ。各省に関係して、どういう進行をしていらっしゃいますか。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) 大体、先般理事会で相談いたしまして、本委員会に御報告を申し上げ、了承を得ましたのは、原則としての取りきめでございますが、順を追うて各省をケリをつけていくということを原則といたしております。  ただし、たとえば一日という予定を大体いたしておりましたにかかわらず、質疑が残っておりまするならば、また後日、適当な機会に再開をするということにいたしておる次第であります。

山田節男民主社会党

○山田節男君 了解いたしました。どうかそういうふうに議事を進行していただきたい。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) じゃ一般会計の方からお願いします。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 これはやはり農林省の問題は、総括質問していきますと、当然また各省に関連を持って行くのです。やはりそういう点が明かにされた中で、農林省がどういう立場にあるかということを私知りたいと思うのです。  というのは防衛庁、それから農林省、通産省、ここらが、やはり一番不当支出や個人の不正が多いということを聞いておったのです。私初めてだから、やっぱり農林省はどういう立場にあってお金の使い方について、あるいは仕事の運営について問題があるか、私、聞きたいというのは、もう一点ございます。それはやはり昭和三十四年でしたけれども、参議院選挙の全国区のがございますときに、能代に行っておったわけです。そうしたら営林署と材木商と、それから営林署に働く村の人たちと、非常な選挙の腐れ縁があるわけです。御承知の通り、能代の問題なんかもずいぶんそういう点を、やっぱり明らかにされた中で、この報告書を審査していかなければ、問題点は、いつまでたっても解決されない、こういう観点で質問したわけです。私は関連事項だと思って、当然これは会計検査院なり、あるいは農林省で、はっきりすべき点はしていただきたいと、こういう意味です。  最後に一つ、それでは三十四年度に、そういう問題がかなりございましたけれども、やっぱり農林省関係の腐れ縁というのは、農林省の末端まで行っておる。選挙についての不正行為もさることながら、そういう原因が、一体どこにあるかとお考えになっておりますか、その点おわかりだけをお答えしていただきたいと思います。……具体的に申しましょうか。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) そうして下さい。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 営林署で人数の割増しとか、営林関係で受け持っておりますと、何人分の人夫の費用とか行きましょう、——営林署が割当を立てて。そうすると、それを水増していくのです。水増していくというと、これはおれの裁量でもってこうしたのだから、これは農林省の上の方にまで続いているのだ。だからこの村の人に人夫を雇うのに、たとえば青年にしろ婦人にしろ、杉の下校を刈るのは女だから、賃金が安いといって安くする。今度は次の時期になりますと、前と同じ賃金かというと、必ずしもそうじゃないのです。端的に言えばピンはねが行なわれておるという、この中で農村の末端の人たちは、営林関係と相当農林省の、こうずっと上までつながっているのかどうか、その点だけ……。

山崎齊林野庁長官

○政府委員(山崎齊君) お話がありました営林署の事業につきましては、もちろん事業の予定を年度当初に組むわけでありまして、営林署が事業計画を受け持たれ、それが営林局に出て参ります。また林野庁に参りまして、それが協議の上で実行されるという段階になるのでありますが、人夫いわゆる労務者の賃金につきましては、中央におきましては、林野庁と、現在におきましては全林野労働組合と、それぞれ地区別の賃金協定をいたしておるのであります。またその協定をもとにしまして、営林局で、その営林局に属しております全林野の地方本部と、それぞれ職種別に、あるいは地域別に賃金というものをきめて実行するわけでありまして、そういう前提に立って仕事をいたしておる関係からいたしまして、御指摘のようなピンはねとか、そういうものがあることは、全然予想もいたしていないというふうに考えております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 それでは、まあこの問題は打ち切りますけれども、やはり今後審議の場合に、やはり会計検査院あるいは農林省から説明があったらば、それに対して、やはり総括質問をさしていただきたいと、こういう要望をいたしまして、打ち切ります。

山田節男民主社会党

○山田節男君 今会計検査院から指摘されている百九十六号の農林省の一般会計の不当事項の、工事に関する件について、ここに指摘されている開拓事業費から、町道の拡張、改修に、全額国庫負担したことはけしからぬ。こういうように会計検査院は言っているのですが、少なくとも今日、開拓事業という観念からくれば、道路はこれは根本的なものです。外国の移住地を見てもそうであるが、道路なくして開拓はない。そういうことになれば、会計検査院のものの考え方が、事道路に関して、ことにこういう岩手県下の新農村が、こういう代行工事によって、全額国庫負担をさせたということは、これはものの考え方として必ずしも不当でない。どうもその点の会計検査院のものの考え方というものが、時代錯誤的なものがあるのじゃないかと思うのですが、この点に対する見解どうですか。

宇ノ沢智雄会計検査院事務総局第四局長

○説明員(宇ノ沢智雄君) ただいまの山田委員のお話、なるほどごもっともの点があろうかとも存じます。実は私、昨年農林省の上北地区の開墾現場を見まして、非常にあすこは道路がりっぱにできている。なるほど酪農経営をやっていくには、このくらいの道路は必要である。あの道路ができたために、従来非常にあすこは、前に入っておりました開墾者が、起死回生というか、非常にその後経営がうまくいっているということを聞きまして、なるほどそういった日本の開墾地におきましても、道路がりっぱになりますことは、これは開墾地の農業経営が、うまくいく根本要因だろうと思うのであります。  しかしながら本件は、先ほども御説明申し上げましたように、すでにこの改修以前に、この道路を、百三十六戸の、周辺にありまする既存の農家が利用しておりましたこと、それからその町の町有林から、相当の木材を切り出しまして、その運搬にも使っておった。それからすでに氷内、石鍋地区には、二十三年度までに四十四戸の農家が入植いたしまして、たしかこれは乳牛も百二十頭あまりすでに入れまして、酪農経営を行っていたわけであります。道路の幅員等を、当時の設計図等から推察いたしましても、それほどその地区の酪農経営には支障を来たさないのじゃないかというふうに考えた次第でございます。  それと、なお現在こういう大して困っていない地区に通ずる町道を改修するくらいなら、まだまだ農林省には、ほかに開拓地を開墾しながら、それに行く道路が、車も通らないようなところがあるような、これは一部でございますが、そういうところもあるやに聞いておりますので、むしろそうした方面の道路の方に金をお使いになって、そちらの方の開墾者が、農業に困らないような施設をすることが必要じゃないかというふうにも考えた次第でございます。しかしながら、なお御指摘の点もございますので、そうした点につきましては、今後検査上、十分注意はしていきたいと存じます。

山田節男民主社会党

○山田節男君 こういうこの百九十六号にあげられている案件は、ややこれは時代のセンスの問題であって、そこにやはり会計検査院の検査官の、この時代的なセンスというものがなくちゃいかぬということを言うのです。  たとえば、ここで幅員の三メートルを四メートルに広げたのはけしからぬということなんですけれども、しかし今日たとい幅員が四メートル、車が通り得る路面が四メートルとしても、自動車は、これは往復できないのじゃないですか。二台並ぶことはできない幅員でしょう。ですから、少なくとも今日の文化国家として、道路がぜいたく過ぎることはないでしょう。ですから、ある位置では、道路があるかないかというようなものでも、がまんしているのだから、こういうものはぜいたくだという考えが、もうすでに時代センスがない。  この点ももう少し、会計検査院の検査に当たるものが、あるいはこれはその後検査官の会議で決定して、国会に報告されるのだろうけれども、そういうセンスというものは、一体今日の文化国家というものに、日本というところに要求されているこれは道路ですよ。だから道路ということになれば、今あなたが言われるようなセンスでやるならば、これは、皆不当事項になってしまう。これは明らかに、政治でいえば不当行為というかもしらぬけれども、これはもっと高い次元に立ってものを考えると、これは決して国家の不利ではない。これは決して、そういう意味では、不当な支出ではないということは、われわれ政治的見地からいえば考えられる。その点を、これは私、答弁は要求しないけれども、そういう一つのものの考え方というものは、会計検査院として改めなくてはならない一つのもう時限に達しているのじゃないか。これはもう一事です。これは今後検査の条件によって、まだまだ会計検査院の検査に対する一つの観念といいますか、センスというものが、やはり問題になるのじゃないかと思います。  そこで農林省に聞きますが、この岩手県下で、こういう町道の拡張改修に、全額国庫支弁して、不当事項として指摘されているのですが、こういう例が、まだありますか、全国に。

清野保農林省農地局建設部長

○説明員(清野保君) 御質問になりました開拓道路の件でございますが、実は農林省といたしましては、市町村道のいわゆる改修は、原則として行なわないというふうにしております。  といいますのは、市町村道は、これは建設省所管でございます。建設省の道路費によって、当然改良をされるべきである。ただし本件に指摘を受けましたものにつきましては、実はこれらの地区は、いずれも営農臨時措置法によりまして、入植の不安定地区というふうに指摘されております。現に酪農におきまして、それらの酪農製品あるいはなま乳を運搬いたしますのに、どうしても道路が現状では不適当である、かような見解に達しました結果、町当局と協議をいたしまして、一部の町道を廃止し、残りの町道につきましては、町当局において改修をするというふうに話し合いました上で、この氷内線の開拓道路の着工を行なったわけであります。  ただ、町道の一部を廃止し、また一部を町費をもって改修を行なうというような場合に、農林省が開拓道路として実施します区間の経費と、町で行ないます区間の経費との間で、おのおのの利益の持ち分において、按分すべきだと思います。その点につきまして、十分利益の範囲においての経費のいわゆる割り振りが、検討が足らなかったことは、われわれといたしましても、はなはだ手落ちでありまして、今後こういうものを改良する場合には、そういうような事務手続を十分踏みまして、地方当局並びに国との間の費用の負担に適正な割りふりを行なった上で実施するように、今後とも注意をして参ります。

山田節男民主社会党

○山田節男君 今の御答弁によると、この案件に類似したもの、あるいは同一のものは、他に一件もないという御答弁のように理解してよろしいのですか。

清野保農林省農地局建設部長

○説明員(清野保君) ただいま申し上げました市町村道につきましては、市町村道の廃止等の手続を踏んだ上でもって、かような道路に着手する、従いまして現在市町村道として道路法による監督を受けているものにつきましては、開拓道路としては着手いたしません。

山田節男民主社会党

○山田節男君 市町村道については、そういうことは全然ない。そうすると、林道の問題ですが、これは私ども各個人としても農村に、非常に貧農の部落である農村において道路がなかなか拡張ができない。そういう場合に、林道の建設という方向で道路を改修あるいは新設をする、これは幾多の例がある。この林道に限らず農林省のそういう例はたくさんあるだろう、またあってしかるべきものだと私は思います。  こういう点に対する会計検査院の検査に対する林道問題について、これは同じような不当事項としてあげられる事項がありますかどうか。われわれには示されていないけれども、検査の過程において、林道の問題については、どういう見解を持っておりますか。

宇ノ沢智雄会計検査院事務総局第四局長

○説明員(宇ノ沢智雄君) ただいまのお尋ねのような件につきましては、検査の結果指摘したものはございません。

山田節男民主社会党

○山田節男君 それは会計検査院としては、一〇%に満たない検査であるから、あとの九〇%は見ていないのだから。しかしこれは、農林省にもお伺いをいたしますが、そういう意味において、この林道を普通の村道、町道に転換し得るような道路を作るということは、常識といってはおかしいが、そういう例はたくさんある。そういうことが不当事項になるかどうかという点についての見解を承わりたい。

宇ノ沢智雄会計検査院事務総局第四局長

○説明員(宇ノ沢智雄君) 林道に限らず、ただいま問題になっておりまするような町道につきましても、従来とも、それがどうしても開墾地帯に通ずる道でありまして、酪農経営なり農業経営に必要だという、幅員を拡張することが必要だということについては、そういうものがございましたが、今まで不当事項として指摘したものはございません。  本件につきましては、これは水掛け論となるかと思いますが、私どもの方で検査に参りましたときに、今まで道路として十分じゃないか、今まで十何年間酪農経営もやり、開墾にも支障がなく、附近の町も相当の木材をその道路を使って運び出せたではないか。トラックもりっぱに通るじゃないか。だから何もあえてこういう町道を、全額国費負担の経費で支弁する必要はないのじゃないか、そういうふうに考えております。

山田節男民主社会党

○山田節男君 そこが、あなたの言われる点が、最初から指摘しておるように、いわゆる開拓と言えば開拓なんですから、今日の常識から言えば、道路が根本なのであって、トラックが通るといっても、これは舗装であるべきものです。これは道路において日本が最低の文化国家であるから、そういう観念を会計検査院が持っているのだから、かりに舗装しても批難すべきものじゃないと思う。  そこで会計検査院としては、他の町村も、そういうふうに将来しなければならない。ですからものの見方が、どうも今の局長の答弁だと、道路に対する観念が、私は時代のセンスにマッチしてないと思うのです。  それで農林省にお伺いしますが、林道についての三十三年度の決算でよろしゅうございますから、林道に対して農林省が、いわゆる国庫の一部負担において、これは数と、それから国庫から支弁した補助金ですか、これがわかれば、ちょっと件数と金額をお示し願いたい。

山崎齊林野庁長官

○政府委員(山崎齊君) 林道の数並びに——数は、ちょっと今記憶にございませんので、後刻調査の上で回答いたしたいと思いますが、国が林道に対しまして補助いたしました金額が、約十九億円ばかりかと考えております。この補助は、四段階に分かれておりますが、平均いたしまして五二、三%国が補助するという形になっておるのであります。

山田節男民主社会党

○山田節男君 これに関連して質問しますが、林道の国庫負担の場合、半額国庫負担、それから四割負担、こういう格差が設けられているのですが、この基準は年々、毎年同じなのか。あるいはその年の状況によって、こういう格差が出るのか。その格差をつける基準というものは、どこにあるのですか。

山崎齊林野庁長官

○政府委員(山崎齊君) 林道の補助につきましては、ここ数年来その補助率をきめる基準というものは変更されていないのでありますが、その基準といたしましては、その予定されております利用区域を開発いたしますために林道の工事費がどれだけかかるのかということ。それからそこに材木の蓄積がどれくらいあるのかということ。面積がどれくらいであるかということ。そういうことを因子といたしまして路線ごとに計算をいたしまして、六割、五割、四割、三割という四段階に補助をすることにいたしております。

山田節男民主社会党

○山田節男君 これは農林省には、農村振興局という農村振興のための部局があるやに私は了解しておりますが、農村の振興、あるいは新農村建設、こういう時点から見、なお開拓、あるいは開発から見ても、この道路の問題に関しては、こういった例で会計検査院が不当事項として批難することのセンスを私は疑わざるを得ない。しかしながら今農林省から御答弁があったように、手続上遺憾な点があるということに対しての釈明はあったのですが、これは将来の農村振興、今日、日本に道路はあるじゃないかと、会計検査院は言うのですけれども、これは、道路じゃない。そういう観念では、私はいけないと思う。ですから農林省の農村振興に関する問題については、これは大いに私は金を出すべきだという観念です。  今日、西ヨーロッパに行きましても、どこの、デンマークにしても、オランダにしても、スエーデン、ノルウェーの山間僻地にしても、道路に関してだけは、どこの農村へ行っても舗装してあるのが常識です。だから他の村落が貧弱な道路だから、これはぜいたくだという観念を持った会計検査院の、こういう検査の仕方というものは、私は時代的に非常に逆らうものだと思う。だから農林省としては大いにやるべしという点から、この点については会計検査院と農林省が、一つこういったような不当事項、手続上の問題なら手続上妥当な了解に達するようにしておけばいいのですから、そういう点が、やはり一方において農村の振興に関しては根本的な問題、道路の問題について、大いにやらなければならない。会計検査院が、こんなことを不当事項として指摘するとなれば、農林省としては、それこそ積極的に意欲を燃やすことができなくなるのじゃないかと私は思う。国家的な見地から見るというと、ことに農村の開発ということは大きな問題ですから、ですからこの点から見ましても、農林省と会計検査院の当局は、もう少しよく話し合って、設備上の不備というか、こういう指摘されるような事項があるならば、これをいかにして是正するかというような、こういう積極的な農林省と会計検査院との、いわゆる了解といいますか、大胆にやる必要があるのじゃないかと私は思う。  との点についての農林省当局の御意向を承りたい。

八田貞義自由民主党農林政務次官

○政府委員(八田貞義君) ただいまいただきました御意見等につきましては、まことにごもっともでございます。農林省といたしましても、不当事項として取り扱われた事項につきましては、十分に分析検討いたしまして、今後の事業の実施に対しまして間違いのない、また円滑に進むように取り計らって参りたいと思います。

山田節男民主社会党

○山田節男君 この項について、質問を終わります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 私は、日高の牧場の件について畜産局長並びに政務次官にお尋ねいたします。  まずお伺いいたしたいのは、現在まあ有畜農業が、畜産というものが非常に振興する、こういう傾向にあるわけでございますが、馬産について、農林省は一体どのような考え方で臨もうとしておるのか、この点、まずお伺いいたしたい。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) 北村委員から、畜産振興上におきまする現在及び将来の馬産に対する考え方の御質問でございますが、各種の観点から、これを研究しまして農林省、特に畜産局は、農業全体のため及び畜産の見地から検討すべきだと思いまして、時期もおくればせながら、今は適当なときと思いまして、官民の学識経験者によりまする馬政協議会を設置していただきまして、昨年十月から、ちょうど御質問のような事項を検討中でございまして、その点においては、まだ結論をいただいておりません。これが出て参りましたならば、農林省で自分が持っておる意見とつき合わせまして、馬産政策あるいは馬政というものにつきましての、しっかりした見解を立てたいと思っておるのでございます。  しかし、農林省は平素馬産その他の馬政を取り扱っておりますので、未熟の点もございますが、意見がないわけではございません。  第一の点は、馬産は馬の頭数から見まして、また馬産をいたしまする農家といたしまして、その数といたしまして、またその馬の使用規模といたしまして、さらには馬の用途、畜産上のみならず国民経済上の意義はどうだということ等につきまして、まあ若干の考えを持って近くその馬政方針を立てたいと思っておるわけでございます。現在馬は過去の、終戦後に年々減少しまして六十七万頭くらいと思いますが、もう十年もたちますと、過去の趨勢をそのまま引き延ばしまする限りにおきましては、五十万頭台になるかと思います。また、馬の質の点でございますが、終戦前は、陸軍等を中心にしました国防といいますか軍との関係も多分にありましたので、品種、資質改良方針、飼養の仕方、その他資源の保持の仕方、必要なときの利用方法、これらを通じまして軍政というものの強い方針といいますか内容が加味されておりました。終戦後は、農業上に必要なこと、あるいは食肉上に必要なこと、その他の観点から、経済性が中心であるという強い特徴をもっていなくちゃいかぬと思いますが、あわせまして、農耕馬と軽種馬との間に差がありまして、軽種馬に対しまする限りは、農耕馬その他の産業用馬のための改良増殖の遺伝的性質といいますか、血液と申しますか、そういうものを、いかに利用するかということ以外は、サラブレッド、アラブ等を中心にいたしまして、競馬用の馬であるわけであります。そこでそれらの点からしました、馬の資質をいかに適切にするかの問題を農耕馬中心、産業用馬中心、そのようにもちたいと思っておるのであります。  そうしますと、勢い農業の機械化問題というものとの関係を考えなくちゃいけませんので、農業の近代化、特にそのための機械化との関係、畜力利用との関係、また土壌改良等の点からいたします肥料——堆肥、厩肥との関係、さらには経営形態を、馬ないしは農業機械と合わせるというのは、経営の共同あるいは経営規模の広さ、こういうものを考えなければいけませんが、馬に関しましては、農業経営に使われる場合が、従来より非常に多くなり、共同、または経営規模を拡大される要があるということとにらみ合わせなくちゃいかんと思っておるのであります。  そういうふうにいたしまして考えて参りますが、なお最近では乳、肉、卵を生産する畜産と、その他の畜産との間に、だんだん開きが出て参りまして、逐年、乳、肉、卵の生産をするいわゆる経済的畜産、この方は、どんどん伸びていきますが、それ以外のものは、むしろ停滞ないしは減少の傾向はいなめないと思っておるわけであります。とこにおきまする、国の施設、県の施設、団体の施設、民間の経営等は、それに相応して立てられるべきものだと思います。  あわせまして、先ほどふれました軽種馬につきましては、私は、いかに考えるべきや、または国の施設は、あるいは県の施設は、いかに置くべきやということを、適当な地位について考えて方向を、大胆に私の個人の試みの意見を申し上げますと、産業用馬にしかるべき地位を与えて重点化する反面、軽種馬というものは、国がだんだんと少しは手を抜いて、よりよき負担と、よりよき内容の方に向かっていくのがいいのではないか、こういうふうに考えております。  概略申し上げますと、以上であります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 今の方針、お伺いしたんですが、どうもはっきりわからないのですが、そうしますと、戦後の馬政は 農耕馬を中心とする生産というものが中心になるようにお伺いいたしましたが、それも、農業機械化との関係からいって、今後減少をしていくであろう、このことは、私どもも否定するわけではないのでございますけれども、現在考えられている農業基本問題調査会等の答申案による自立経営農家という構想です。この場合、一町五反から二町あるいは二町五反、こういうように北海道等においては、十町くらいまでいくわけでございますが、そういう経営規模の農家にとっては、機械化ということも、もちろん考えられますが、一面農耕馬による耕作ということが、とんでもない大規模の経営でない限り、比較的馬の占める地位というものは、決してその機械化と対比して、農業経営上極端に不利になるということはないのじゃないかという考え方があるようでございます。  従って、この農耕馬というものが、機械化によって減少していくという傾向については、そういう傾向が見られますけれども、それは一つのやはり機械化という非常にムード的な近代化の方向に、そういう方向があるのであって、やはり馬に対する研究なり何なりというものをじっくりやれば、やはり農耕馬の堆肥の点から言っても、農業経営上、十分ペイするのだという考え方があるというふうに考えているのですけれども、こういう点について、検討をされたことがあるのかないのか、お伺いいたしたい。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) 御指摘の点は研究を続けておりますが、材料が若干乏しいために、遺憾に思っておるのであります。農業経営のことでございますから、気候、風土あるいは自然条件、社会条件、経済条件等、簡単にいえばそういう諸条件との関係でございますし、農業の規模経営のやり方、労働力、あるいは収入の得られる度合いということなどが、重要だと思いますが、北村委員のお説が、あてはまるところはあると思います。特に北海道、東北、南九州等におきましては、相当たくさんある。ただ農業機械化との関係は、やはり考えなくちゃいけないことは、機械を購入し、馬を購入、飼育する、両方とも管理ないし飼育する、そこに資本が要りますので、これがどのくらいの利益を生み出すかということなんかにつきましては、稼働状況とか、それを使う場合の経費などの問題がございまして、もし農業機械が適当な大きさと能力をもちまして、稼働率が多い場合には、これはオペレーターとガソリンの燃料と、あるいは電力等のエネルギー等とのことと、馬の飼育管理上に要する手間、技術、さらには飼料、飼料費——えさでございますが、それらの点について、大きな差がある場合があるわけであります。今、日本の農業機械化は、どんどん進んで、五、六十万台のトラクターが入っているといいますが、先には大きいのを入れ過ぎ、最近は、小さいのを入れ過ぎ、稼働時間が非常に少ない。あとはほったらかしておって財産として楽しんでいるようなもの、ハイカラを楽しんでいるようなものもあるのじゃないか、そこで中型化——中型の機械を進めていくのが日本に適するじゃないかという、割合いい意見もあるようであります。実際にも、そういうように進みつつありますが、それも、なお研究中のところが多分にございます。  そこで御質問の点でございますが、過般行ないました緊急畜産センサスなど、最も有力な資料でございますので、いろいろ分析してみますが、東北なんかでは、馬が乳牛にかわった場合が多くて、機械とかわったということなどは割合少なくて、乳牛化と農業機械化とが並行しておるところ、これなど非常に多分にあります。まあ今のことは例を申し上げましたが、なお研究をいたさないと、また技術の進歩をもちませんと、なかなか結論は出せないことと思いますが、現状といたしまして、厳密なる農業経営上の自宗労力でも、労賃計算などをいたしますと、馬の飼養管理をして畜力利用をするということは、割合採算が悪いのであります。まあ乳牛、養豚、養鶏あるいは綿羊等でありますが、家畜の間では、かなり労働報酬が悪く出て参りますので、これは統計調査部の生産費調査の分析、——ある限りの調査の分析でございますが、それらの点について、大体の意見をもちまして、馬政協議会の御研究をまっておるところであります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 まだ結論が出てないようでございますけれども、戦前の馬政は、何といってもやはり軍馬の育成にあったわけでありますから、軍馬の育成と農耕馬に適する馬というものとの、非常に使用目的が違いますから、変えなければならない。従ってこの現在の馬というものの体格なり何なりが、農耕馬に適するものに改善をするということは今日必要である。少なくともそういう見通しでも、五十万頭からの農耕馬というものがおるということになれば、これはやはりとんでもない大型の、重量の重い農耕馬では、これはやはり採算の面からいっても適当でない。従って農耕馬に向くような改善というものが考えられなければならない。  そういう点については私の知っている範囲ではまだそういうところまでいっておらないじゃないか、そういう重要な任務というものは、まだ国営牧場の、種畜牧場の任務として目的が達成されていないじゃないか、こういうふうに思うのです。  従ってお伺いしたいのは、種畜牧場の中で馬の関係する牧場がどのぐらいで、そしてそれに対する品種改良の事業というものは、どの程度に進んでいるかということについて、お伺いいたしたいと思います。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) お尋ねの点の、産業用馬として適する馬を作るということなどは御承知のことと思いますが、北海道の陣釟三郎さんと、あるいは民間のお方の努力によりまして、釧路馬というのが——足に毛がはえた特徴があるものですが、できておりますが、現在はそのラインをねらいまして、国立の農業技術研究所、その中の畜産部、またその下にある国立関東東山地域試験場の那須の畜産関係部でありますが、そこで試験研究を、基本的に研究をいたしておりますが、どうも畜産に関します試験場は、終戦後に他の方に統合をされまして力が弱い。だから今年この国会に法律案を提案いたしまして、畜産試験場を独立させ、拡充させまして、その面も努力したいと思います。試験研究につながるものといたしましては、日高の種畜牧場、奥羽の種畜牧場、十勝の種畜牧場及び十勝種畜牧場の支揚である釧路の四カ所におきまして、育種また種馬の生産、生産した種馬の配付、飼料との関係、その他をあわせまして、国立牧場四カ所において努力をいたしておりますが、まだ貧弱でございます。どの程度現状を御説明申し上げていいかと思いますが、三十五年度予算について見ますと、日高では約五千万円、奥羽種畜牧場では約五千万円、十勝の今の農耕馬中心をやっておりますところでは八千五百万円、なおさっき申しました釧路馬の中心地の十勝の釧路支場では、千三百万円余の経費を使いまして、それらの事業をいたしておりますが、そこで経営をしております馬から生産しましたものは、県の種畜場とか、適当な場合は民間の種畜場に、貸与または払い下げをして、国の段階以下の下の方の種畜に使うことをやっておるわけであります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そこで私は、日高は馬専門の牧場であり、しかも農用馬を中心としておるところで、この日高の牧場が従来予算的にも、現在の畜産のあり方からいって、ある程度やむを得ない点もあったろうとは思いますが、馬専門なるが故に、経費も潤沢ではない。従って牧場の施設その他においても、どちらかというと荒廃しがちである。明治以来の牧場でございますので、相当施設等においても古くなっている状態でございます。  従ってまあそういう事情にあることが、何か今後におけるこの軽種馬の牧場に払い下げをするのだ、こういうような問題が起こって参りまして、今地元でも、これは非常に騒がしくなっている問題でございます。従って私は馬産の問題についても、まあ乳牛その他の今後の家畜の振興というものと勘案して、馬の場合は、まことに不利な状態にはあるにしても、全国で、ただ一つか二つしかない馬専門の牧場というものが、農用馬というものから軽種馬の牧場になって、しかもそれを民間に払い下げる、こういうようなことになって参りますと、畜産政策全体からいって、私はどうかと思うのでございます。  そこで、お伺いいたしたいのは、この日高の牧場というものを——私は馬の問題は、そういう事情があるにしても、今後の畜産全体の問題、まあ畜産を三倍にするという意気込みで今日やっているのでありますから、日高の牧場というものは、馬だけの問題でやはり考えるべきではないじゃないか。ほかの肉牛なり、あるいは豚なり、こういうものを含めて私は考えるべきではないか。しかも、この日高の牧場というのは、二千町歩から擁する非常に恵まれた牧場でありますから、こういうものを今後の種畜牧場の拡大というような点からいっても、簡単に手に入るようなことにはならないのです。ああいうりっぱな、しかも潤沢な牧場であります。従ってこれはもう終戦直後は、付近の農民から開放しろという要求が出た。それに対して農林省は、今まで持ちこたえてきたわけですね。開放をせずに今日まで持ちこたえてきた、これを今、日本軽種馬なり何なりに売って払い下げるということについては、私はちょっと畜産の今後の発展の上からいっても、これはとるべき方向ではないのではないかというふうに思っておるのです。  従ってこれは馬政協議会というところで論議をされ、しかも馬政協議会の性格、これについても、私は非常に疑義を持っております。というのは、これは法律で定められたものではないのじゃないかと思うのですが、農林省の諮問機関として作られたというのでありますけれども、この馬政協議会の構成メンバーというものを見ましても、これは軽種馬の関係者が非常にたくさん含まれておるのであります。従ってここから出てくる結論というものが、私は何か一つの目的というものを持っておって、それを合理化するために、この馬政協議会というものを作っているのではないか、こういうふうに邪推されてもいたし方ないような形になっているのではないか、このように思うのであります。  従ってお伺いいたしたいのは、今言ったように、今後の畜産全体の発展、振興という点からいって、日高牧場というものは、もっと総合的に運営されてしかるべきじゃないか。昨年私は暮に日高牧場へ行って参りましたが、牧場の関係者も、そういうことを主張いたしております。従って地元でも、そういう意見が非常に強くありますし、また軽種馬の育成のために、競馬会なり何なりに払い下げるということについて、私は軽種馬というものは、一つのギャンブルでありますから、これを畜産政策の中で保護しなければならないとかなんとかという問題には私はならないのではないか。国営牧場というのは、やはり今後の畜産振興の上に立って、この牧場の帰趨というものを決定すべきではないか。  このように考えるのですが、この点について考え方を一つお伺いいたしたいと思う。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) 北村先生の御質問及び御意見の中に、多少の幅の広さと狭さがありますが、お述べになりましたことは、すべてこれを含めて、私ども考えております。御質問になりましたり想像なさいました今の日高牧場の、中央競馬会の貸付その他は、一つの試案の中にはあり得ることかと思いますが、その案にも、まだなっておりませんで、もっといろいろなことが考えられるのであります。馬政協議会は、法律に基づきましたものではございませんが、農林省のそういうことをやれという、やってもよろしいという畜産局の庁費の中において、正当な経費を支弁してやっておりまして、責任を農林省がとって——最終的に運営上農林省が責任をとって、内容の決定につきましては、農林省がこの責任を持ちますれば、何ら差しつかえない。また協議会の委員も、お話のような構成ではございませんで、軽種馬の関係はより少なく、また各方面のいろいろな人が、権威者が集まっておられる、それとても、御意見をいただくという性質のものであります。また馬の今後につきましては、先ほど申し上げましたようにいろいろな論議が適正にまた適法に出てくれば、多ければ多いほどいい、今はそういう段階ではないかと思います。  従いまして、私どもも、今後そうすべきではないかと御意見を賜わりましたところは、十分尊重いたしまして、馬政協議会にも、その旨を伝えまして、審議材料にいたして参りますと同時に、私どもよく考えたいと存じます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そこで、まだ結論は出ていない、もちろん出ないのかと思いますが、この馬政協議会の中の第三部会ですが、第三部会というのは、軽種馬に関する会であるようですが、これは軽種馬関係者が大体おられるのですから、まあ私は結論を予測して、何か協議会が合法化するために協議会を持たれる、こういう憶測をしたんですが、そういう憶測ができるような形に、実はなっているのではないかというふうに思うのです。  しかも、この中央競馬会に払い下げるという方向については、なかなかやはり、地元の声として、相当出ておるわけです。従って、これはなかなか政治的な配慮でもって、そういうような方向へ持っていかれようとしておられることは、私は地元へ行って見て、よくそういう点を伺ってきたのです。従って憶測ではないので、そういう点から言ってそういう心配がある。従ってそういう心配ないというのであったら、私はここで明言していただきたい。地元民も安心しますし。そうでなくしてオリンピックを控えて、オリンピックの馬術競技のための馬というものを、どこで養成するかというようなことも問題になっている。こういうことも一つの理由として、何か日高の牧場というものは、この際払い下げる、このようなことも出ておるということで、問題の出ていることだけは如実に私は出ているだろうと思う。でありますから心配しているのでありまして、そういうことがなければ、けっこうなんでありますけれども、もしとれを払い下げるということになれば、国有財産として、一応普通財産ですか、何か国有財産法の規定によって、大蔵省の所管に返って、それから払い下げということになるかと思うのですけれども、その際に、そういう方法をやるというと、これはたいへんなことになるというので、何かそういう方法でなしに、スムーズに、今の農林省所管の国営牧場が出資の形をとるとか、あるいはその他の方法で、大蔵省の手にいかないような形で、スムーズに中央競馬会の方へ移管されていくというような方法をあみ出そうというようなことで、頭を悩ましているということすら伺っているわけであります。これは噂か何か知りませんけれども、そういうことすら聞いているのであります。  そうしますというと、ますます疑いを持たざるを得ない。しかも、今後の畜産というものを考える場合に、しかも中央競馬会というのは、国営競馬から民営に移った、年々何十億という黒字を出している国営競馬です。それが民営に移ったのでありますから、競馬というのは、相当な収益をあげているはずであります。しかもそういう競馬に携わる者というのは、国民の中でごく限られた層である。そういう者に、二千町歩からの得がたい貴重な牧場を軽種馬の競馬会に移管をするということになるというと、これはたいへんな一部の、しかも何といいますか、有産階級の、とにかく競馬で楽しむというのは、これは貧乏人はできないのでありますから、そういう人のために、国の牧場というものがもっていかれるというような、それが出資とか何とかという形で、みずからは金を出さずに、何とかいく方法はないかというような形で、政治的に処理されるというような噂を聞いているわけでありますけれども、これはたいへんなことだと思うのです。  従って私は、軽種馬の育成については、あの日高の周辺に行ってもらえばわかるので、二才駒なり三才駒というものをせりに出して、そうして馬持ちがおって馬を養っている、育成することを業にしている人ももちろんいる。いるが、あれはあれなりに、やはり商売ができていっているのですから、またそういうものが、まとめて育成する牧場が必要だというのであったならば、相当膨大な金を持っている競馬会なんですから、なにも日高の牧場を対象に、政治的にほとんど無償的に手に入れなければならないというようなことはないのじゃないか、こういうことを思っているのです。従って、これがどんな馬政協議会の結論が出ようといえども、畜産全体の立場からいえば、私は馬政協議会の意思だけではなしに、農林省としては、やはり確固たる態度でもって日高の牧場というものを、今後有効に運営していくべきではないか、こういうふうに考えているのです。  従って、そういう点については、一つこれは政務次官もおられることですから、農林省の考え方というものを明らかにしていただきたい。少なくとも競馬なんていうギャンブルに類するようなものを奨励するような形にやらなくても、彼らは相当金を持っている者ばかりでやっているわけですから、黙っておっても、民間で発展するべきものはしていくわけですから、なにも国の牧場を無償のような形で払い下げる必要はない、こういうふうに私は考えるのですけれども、私の考えが間違いかどうか、農林省のはっきりした態度をお伺いしておきたいと思うのです。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) 御論議は、質疑でない御意見が多かったと思いますが、お話のむきは、十分尊重しまして、先ほどのように協議会の審議の重要な参考にもいたされるようにいたします。と同時に、私どもも十分いい結論を出すために参考にいたしたいと思います。  ただ、いろいろの心配があるからということにつきましては、あるいはうわさであり、試案のようなものが一、二出ておりましたり、あなたが御想像になられたような、またお考えに従って御意見を言われたようなこともあるように今は伺いましたが、要は農林省が、しっかりして、公平に一番いいようにと思うようなことで案を固めることについては、決して御心配がないように、私ども努力したいと思います。なお国会の審議中にいつでも、今後も御審議をいただきたいと思います。  ただ、この協議会は、目下部会に分けて審議をしている状況であります。その部会とは、協議会の総会のような形で部会を自主的に設けられて、部会で協議する事項を自分できめられたのであります。  その第一は、農地経営における馬の評価に関する馬の地位ということですが、馬の評価に関する部会、二が馬産指導施設に関する部会、三が軽種馬に関する部会で、これは部会の意見は、また総会でみんなで御協議を願うつもりであります。  それから、かりにというお話でございますが、そういう試案は、まだほんとうはございませんが、払い下げというのは慎重を要すると思います。また適法に最も能率的に行なわれなければならない、それをのがれるために、貸付か何か考えて、あるいは貸付または出資ですね、中央競馬会に対する出資を考えておるというのを、のがれるために考えたとは考えておりませんが、出資となりますと、これは農林省勝手にできません。国が出資をするわけですから、行政財産を普通財産に移して、入札、それに準ずるようなことで、払い下げと同様に、大蔵省も政府全体も、閣議を要することであります。また中央競馬会が、ぜいたく者の集まりか何かというのは、これはまあ政府が全額出資をいたしておりますので、非常に特殊法人——特別法に基づく特殊法人、官庁の監督のやかましいものでございますし、また競馬を見に来る人や馬券の売り上げ等は、数百万の人が一年間に来るものでありまして、それ全体を考える必要もあると同時に、中央競馬会はぜいたく者ばかりとも私は思っておりません。あとのことは、十分に注意をしてやることだと思っておるわけです。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 今のお答えの中に、競馬というものの趣旨ですね、あれは馬種改良というのがおもな目的なんでしょう。あなたのを伺っていますと、何か数百万の人が来るから、その収益をほかの方にもやるから、自由なことをおしになっているように思うのですね、どうでしょう。  関連して、もう一つ。今のお答えを聞いていると、研究事業に、批評家みたいに、たとえば北村委員が言ったように、ものを憶測しているとか、意見を交えたとか、一々研究事業に、批評みたようなことを付け加えておっしゃるのですが、憶測かどうかということになると、これこれ資料を持って言ったとなると、それについては、そうではないという答弁がしかるべきではないでしょうか。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) 第一の競馬の目的でございますが、特徴的な言い方でしか、ちょっと自信がございませんが、終戦前は軍馬の品種改良、馬の能力を検定するというようなことを目的にして、その一つの手段として競馬が行なわれたと思います。終戦後は馬の能力の検定について、あるいは品種改良ということにつきまして、相当に関係はありますが、終戦前のように明快には出ません。そこがわれわれの協議会を開いて、教えてもいただきたいと思っておるところでありまして、競馬は、とかく軽種々々となりまして、中間種及び重種と申しますか、そういう方が、農用馬に適するのです。  そこで、だんだん品種改良上の目的が先ほど申しました産業用馬、競馬用と分かれてきておりまして、岐路に立っておりますから、そこでもう少し軽種以外の馬について、その馬産とか馬政をしかるべき地位につけて、国はそれに重要な方に重点を置いて、軽い方には肩を抜くのも一つの方法です。あるいは一定の予算ワクというものを考えますと、やはり重点と非重点と分けて、国の立場ではどうだろうかということが問題かと思うのです。そういうことを思っておりまして研究中でございます。  第二の点は、北村委員の御質問、御意見でございますが、御自身でも、うわさがあるとか、かりにこうだからと、それを前提とした御意見でございまして、私の方の実情と違ますから申し上げたのです。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 あの今の答弁、戦前と戦後は、競馬の趣旨が違うとおっしゃったのですね。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) 色採的に違います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 そういうふうな、ふわっとではなくて、今日競馬を行なっているのは、今の競馬を育成しているのは何が目的なんでしょうか。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) 先ほど私が申し上げましたのは、品種改良とその品種改良の目的は、軽種馬その他産業用馬と競馬ですね、そのウエートの置き方で、色合いがだいぶ変わりましたと申し上げたのでありますが、それは問題だろうと思いますが、もう一つは、やはり最近は国が監督して、射幸心を一般に自由奔放に出させないで、監督したところで、なるべく健全なリクリエーションのような意味も入っていると思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 非常に大へん問題だと思うのですが、私ども競輪の問題も廃止したいし、そういうようなやはり社会の中で、お互いが射幸心をあおるような方法を国がするということはいけないという観点を持っているのです。しかし競馬については、馬の品種の改良をしていって、そしてそれも国の畜産に役立つという、こういう見解から伺っておったのです。今伺いますと、ウェートのかけ方がどうのこうの言いますが、ウエートのかけ方は、そのときの政府のとっているものが、農林省のあなたが、あなたの方でウエートのかけ方が、こう思っているからといって、局長、大臣がやられるとかなわぬです。競馬協議会ですか、馬の協議会があるようです、馬政協議会とか、そういうような中で、それが論じられていって、そして構成なんかについてもいろんな不合理があるように聞いたのです。それは別として、根本的に馬をあずかるあなたが、畜産局長さんですか、あずかるあなたが、競馬についてウェートのかけ方について、どうにでもなるような答弁では納得しかねるのですが、競馬というものは、馬種改良が主であって、国がやっていく場合については、その馬種の改良について、いろいろ条件があるから、そのためにこれこれの競走馬なら競走馬を育てていって、そしていくということが本旨でございませんですか。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) そういうように、いろいろと意見が出るときは、私はすっぱりと答えにくい馬政の曲り角に立っていると思いますので、研究も続けておりますし、なお各方面の学識経験者の御意見も聞くという意味で馬政協議会が作られておりますということであります。  次は、内容の点にわたりますが、品種改良上に資するということは当然であるわけです。それは一生懸命馬が走るということは、走ったりその他のことで能力検定ができるという、品種と能力の関係ができるわけです。しかし競馬用のような走ることを重点にしました場合は、農用馬にいいことと悪いこととあるのです。もしこれを他の品種と軽種馬のそういう特徴の血液をまぜますと、いい馬ができることもございます。前は軍用馬で、騎兵の馬が競馬用のようなものでございます。そういうなかなかむずかしいことが出て専門事項にもわたりますから、協議会で研究をお願いしておるわけなんであります。私が明快にまだお答えできないのは、こういう問題はどうだろうかという問題があるから協議会をお開き願い、われわれも研究をいたしておるということと同様の理由で、明快にお答えできないことがあると思うんであります。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 大へん失礼ですけれども、あなたが馬政局か何かを担当していらっして、競馬の問題について明快に答えないのはおかしいと思うんです。それじゃ伺いますが、農林大臣がいらっしゃらないんですが、農林政務次官からお答えしていただきたいのですが、競馬は何のために今やっているんでしょうか。

八田貞義自由民主党農林政務次官

○政府委員(八田貞義君) 先ほどお話し申し上げましたように、今度の競馬の問題は、資質とか能力の検定に資すると、いわゆる品質の向上に競馬が少なくとも大きな力を与えていると、こういうわけで、競馬の成育が続けられておるわけでありますが、一方におきまして、国民に与えるいろんな影響面も考えてみなければならぬ。従って、今後健全娯楽として、やはりこの点について十分な指導とか監督もやっていかなければならぬと考えております。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 ちょっと関連。競馬の目的というのについて全くわからぬ。競馬は馬が走るのでしょう。走る能力を検定するのでしょう。そうなって参りますと御承知の通り、先ほど畜産局長の言っておりました今日の馬の用途はだんだんウエートが低くなってくるわけです。御承知の通り、戦争を目的とした軍備があった時代には、早く走る馬なりあるいはまた、運輸、運搬、交通機関等のための馬の能力というのが非常に重大であったはずなんです。ところが今日自動車があり、飛行機があり、何から何まで馬の使用というものの範囲はどんどん減っていくわけです。そこへもってきて競走馬を育成する必要がどこにあるか。かりに、競馬の中にも何か車を引いて走る——私は競馬を一回も見たことがないが、競馬の写真なんかを見ますると変な車を引いて走っているのがある。競馬だか何だか知らないが、輓馬能力、あんなものでは輓馬能力なんというものは育成するものじゃないですよ。むしろ私は、あの青森や秋田方面にあって使っている輓馬が、非常な重量、ブレーキをかけて競争するあの能力の方がむしろ馬の能力を向上させる。農民の間で自然に昔から行なわれてきている競争がある。ああいう競争ならば、むしろ競馬能力を育成向上させるために大きな力になっていると思う。ああやって一分間に何百メーター走るなんというような馬を今日育成したって何の役に立つか。そこで、競馬の目的というのは、はっきり何だかということをお伺いしたい。全く局長も農林政務次官もその点は何にもはっきりしてない。しかも全く射幸心をあおるとか競馬に行く者は、必ずしも有産階級、有閑階級ばかりではありませんと言う。今日、労働者や農民が行って馬券を買っているようなことがありますか。労働者がそういうような状態の競馬に行ったり——競馬の目的というのは何だかということをはっきり言ってもらいたい。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) 日本中央競馬会法に関する法律のところには、目的は馬の品種改良に資して畜産振興に資すると、書いてあるのです。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 もう古い、そんなのは。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) そこであなたが古いと言われるような問題が客観的にあると思いますので、そこで内閣の総理府で公営競技調査会を作って検討されることになっておりますし、しかも事実から見ますと法律のその関係の条文に書いてあること自身のほかに、国民の娯楽、射幸心をはやるようにやるといけないから、極力これを特殊法人のところへまとめて国が監督をしてやらせる。そうしてその益金の一部は国庫へ納付もさせるし、馬種、畜産振興にも充てる。もちろんその前に競馬を開催することに充てる。そういうことが法律のみならず予算の認可を通じましたり、その他から実際にあるのだろうと、こういうことを申し上げたのです。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 そうしますと、局長さんがさつきお答えになったのと違いますね。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) 違うと思っておりません。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 おりません——あなたはさっきこうおっしゃったでしょう。馬種改良もあるけれどもウェートのおき方によって云々ということをおっしゃったでしょう。今のは馬種改良が主となって……。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) ウェートのおき方というのは、産業用馬と軽種馬との点でウエートが非常に違います。畜産上の地位として他の畜産と馬産とはだいぶ終戦前とは違いましょう、そういうことを申し上げのです。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 私はそう聞いておったのではないのです。競馬というものは何のためになさるかということを伺ったのです。そうしたらあなたは馬種改良もあるけれども、そのときのウエートによって戦前と戦後はこれとれということをおっしゃったのです。そうすると今おっしゃったのは違うのではないでしょうか。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) まあ全体の趣旨で御了解を願いたいと思いますけれども、終戦前は競馬の馬種改良の意味を軍馬の改良に多くおいた。軍馬用の資源の保持を農村でさせまして、品種改良というそのための品種改良の目標を競馬の方に相当強く置いておった、と私は解釈しているわけです。そういうような意味の品種改良ほどのことは、終戦後の産業用馬の品種改良の方で、競馬用に当たる軽種馬というものが品種改良上に意義を持つのは、動いておる、ウェートが変わっているように。役所が勝手にどっちにウェートを、こっちにウエートをと、こうランダムにきめることでないと、そういう意味に申し上げたのです。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 さっきあなたがおっしゃったでしょう、何か書いたものか何かごらんになって。やはりそれは畜産振興のあれに資するということが主となっておれば、やはりその線で進めていただくということが馬や牛の行政ですか、管理ですか、そうしていに、北村さんが申し上げたように、日高の牧場云々の払い下げの件についても簡単にやはり考えるわけにいかない。ウエートがこっちへ変わったから今度はこっちへ払い下げようということは、これは腹を勘ぐるわけではないですけれども、やはりそういうふうに非常に何のために競馬をやっているかといえば、本質的なものをやはりお互いに把握してその上に立ってやらないと、これは間違ってぐるのではないかということを考えます。質疑を打ら切ります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 先ほど来競馬の目的とか何とか出ているわけですが、やはりみんなが疑問に思っているのは、局長の答弁についてもはっきりしない。まあ馬政の曲がり角だというようなことをいって、その結論が出ていないからはっきりしたことは言えないのかもしれませんけれども、とにかく私どもはこうやってここの委員会で取り上げてこの問題をやっているのは、——軽種馬協会の会長はどなたですか。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) 河野一郎氏であります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 だからね、軽種馬の協会の会長が河野一郎君なんですよ。そこら辺に普通の常識で考えられない政治的な問題でこのことが解決されるおそれがあるのです。だから私どもは、こういう問題をあらかじめ、問題が起こっちゃって変に解決されてから、何だかんだ言ったってしょうがないから言っておるのですよ。でありますから、私は先ほど来言っているのだが、馬政協議会の結論はどういうふうに出ようとも、今言ったように、畜産全体に占める馬の地位というもの、こういう点から考えて、日高の牧場は今、馬専門の牧場ですよ。だからこの日高の馬の専門の牧場が、馬というものに対する比重が非常に低くなったといった場合に、今言った、それに比して農耕馬は大した奨励とかなんとかという処置がなくなって、競馬は非常に盛んになってきている、オリンピックの馬術用の馬を何十頭か育成しなきゃならぬ、こういうようなことで、農耕馬よりも軽種馬に重点が置かれて、これが軽種馬の牧場になるんだと、こういうような心配がある。従って私は、軽種馬というものについては今言ったように、何も国営牧場を払い下げてまでやる必要がない、中央競馬会自身がやろうと思えばできる、どこでもやれる、相当な資力もあるのですからできる。従って、日高の牧場は畜産全体の立場からいって、馬の地位の低下する今日において、もっと総合的に日高の牧場を肉畜なり豚なり、そういうものを考えたところの牧場に有効に使っていくべきでないかという意見を出しているのですよ。それに対して、まあ御意見はわかりましたから、十分馬政協議会に反映するように参考にいたしましてという、参考ぐらいにされたんじゃ困るので、はっきり農林省の態度というものを表明していただきたいのですよ。今後、わずかな種畜牧場ですよ、種畜牧場として畜産全体を三倍にするという計画があって、今後の農業の中心になっていく畜産が、種畜牧場の拡大ということが考えられるそのやさきに、この貴重な日高の牧場をそういう方向ではなしに軽種馬の方へ持っていくというようなことは、これは私どもは考えるべきでないと、こう主張しているのです。だから農林省は、馬政協議会ではなしに、もっと高い、畜産全体の立場からいって、日高の牧場を今後どういうふうに使っていこうとするのか、その方針を聞いているわけです。私の主張が間違っておればだけれども、その点を一つはっきり表明していただきたい。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) 馬の牧場をいかにするかということにつきましては、先ほどお答え申し上げましたように、日高、青森の七戸です。北海道の十勝、支場ですが釧路、支場を入れれば四つ、本場だけですと三つありまして、その全体で考える要もある。また今ある牧場以外も使って、今ある牧場で適当でないものは廃止する要もあると思います。なお一そう重要なことは、先ほどお答え申し上げましたように馬と他の畜産、馬と機械化、こういうような各種の問題をとらえまして、国立牧場は牛、馬、羊、豚、鶏と、いろいろな家畜についてあります。これは全国に十五あります。この全体の中で、いかに任務を持たせ、いかに効率化して、いかに整備拡充してやるかが重要なことでございます。この二つを考えなくちゃいかぬと思う。もう一つは、その次に畜産試験場がまだ独立してしっかりやるほどになっておりませんから、これを今後独立するようにお願いいたしまして、その試験研究の上からまた牧場のある部分を使えるか使えないか検討する要があると思う。もう一つは、国、県、民間との間におきまして、国がどのくらいのウェートをかけたらいいかということは、馬については他の家畜以上あろうかと思うのだが、以上を考えまして、試験研究体制、それから国立の牧場の配置、規模、能率、産業との関係、そういうことを考えまして、広く全体の国立牧場の整備のプランを立てたいと思っているのであります。馬政協議会はその一つの参考資料になるわけであります。先生の御意見も馬に関しては最大限に尊重いたしまして、御趣旨を協議会の審議にも、私どもの研究にも入れたいと思いますが、なお以上申し上げましたように他の試験研究、他の家畜の牧場等との関係を検討すべきであり、検討中でございますから、先ほどのような意見を申し上げましたのであります。以上のことで御了解願えませんでしょうか。

北村暢日本社会党

○北村暢君 どうも了解できないのは、日高の牧場に関して軽種馬の方向をとるということで、何べん聞いておっても払い下げないという方針がさっぱり出ていない。これはやはり畜産全体の立場からいって、軽種馬のためにまかり間違っても払い下げるべきでないという考え方をとっているので、この点を……。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) 北村先生の御意見は十分わかりました。私の方から申し上げますのは、だから払い下げないと断定すべき時期でもございませんし、より一そう払い下げると言う時期でもございません。先生の御趣旨に沿うかと思われます国立牧場全体の整備というようなことから、農林省の試案ができましたら、お答えを申し上げたいと思います。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) 午前の質疑はこの程度にいたしまして、午後一時四十分より再開いたします。  一たん休憩いたします。    午後零時四十九分休憩    ————・————    午後二時六分開会

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) これより委員会を再開いたします。  午前に引き続き農林省関係の質疑を続行いたします。

岡村文四郎自由民主党

○岡村文四郎君 それではまず会計検査院にお尋ねをいたしますが、私の考え違いかもしれませんが、非常に不正指摘事項が多いのでまことに残念でございますが、役所自体が全然これを知らないで、下でばかりやっているものとは考えられない。ですから調べたことがあると思うのですが、役所の方に何か関連があるのではないかという気がしてしようがないのです。ですから全然役所のことは関係はございません、ごく指摘した事項だけでございますということかどうか、一応お聞きしたい。

宇ノ沢智雄会計検査院事務総局第四局長

○説明員(宇ノ沢智雄君) ちょっと御質問の趣旨がはなはだ失礼ですが、のみ込めませんのですが、不当事項について検査院が指摘したものにつきまして、役所との関連がないかどうか……。私どもが検査をいたしましたものにつきましてはそういう事態は見当たらなかったのでございますが、何か特別にこの件についてはという特定の事項について御疑問でもございましたら、また調査の上御回答申し上げたいと思いますが。

岡村文四郎自由民主党

○岡村文四郎君 別に疑問はございませんが、年々歳々大体あるところにきまって指摘をされておる。そこで私は非常に残念なことには私百姓でございます。そうして自分の仕事の所管を持つ農林省が一番多いのでございます。これは補助の仕事がございますから、補助事業というのは、どうも下の方でいろいろ会計検査院が指摘するような事項が起きることがございますから、これはやむを得ぬと思いますが、それにしても非常に多いことを残念に私は考えておりますが、先ほど政務次官から、だんだん減りつつあるというようなお話もございましたが、書類で見ると、そう減っていると思いません。ことに全体のものから見ますると大蔵省が一番指摘が多い、これは無理もないと思います。その次農林省なんです。そこでどういうわけで農林省が多いかと申しますると、農林省の七十八件でありますうちで三十件というものは共済事業にあるわけなんであります。これはどうも農林省の方でもこれを天下によく知らしめて、そうして今後なくしていこうという気がなくして、なるたけかくして、そうしていこうというのが今までの行き方なんですから、ですから今度、先ほどの政務次官のお話のように、抜本的改正をするように委員会が生れましてやっておりますが、この委員会そのものがどういうわけで抜本的改正をするかということがわかっておりません。でございますから、だんだん考えてみますと、今年度出ました委員さんがまとめられた答申案が提示されておりますが、答申をしておるその案ではおそらくだめだという気がいたしております。それで毎年大体農林省予算の一〇%ぐらいが農家の災害共済に使う金額でございます。そういう多額な金額を使いながら、下の方でごまかしばかりやっておったのでは、これは申しわけが立たない。だから農林省自体もこれではだめだから、何らか明かるいような方向に持っていかなければというのでやってもらえればいいのですけれども、なるたけ暗いところへ置いておいてそれでやろうとするから非常にいかぬと思うのです。政務次官の方はどうせ最近役目についたばかりでよくわからぬだろうから私は聞きませんが、局長はよく御承知だから、もう少し明かるみに出して、きれいな仕方でかようしかじかであるからこれはだめです、こういうふうになりませんといかぬと思うのです。  それで全体の保険事業は十二ごさいますが、そのうちで前年度は指摘事項というものは十一しかなかった。今年度は三十三件であります。三十三件でありますが、大かたそのうちで共済事業は三十件もある。こういうようなわけで、同じ保険事業でも非常に被害は少ないのでございますが、百姓がやっておりますので百姓が悪くてこうなったのならいいが、そうじゃない。農家の者はこれをきらってだめだと言っておる。ですから百姓が大事な金を出して、補償してもらう者がきらっておって、中途のものがきらわないということはあり得ないことなのです。ですから、ただいまの現状はそうでありますから、一つ政務次官はそれをよくお考えになって、また近いうちに法律が出ますから、この法律は並大ていではだめでございますから、いよいよ事業自体のものになりますことをおわかりであるかどうか、またもし知っておられましたら御答弁願ってもけっとうですが、私はどうせ政務次官は長いことやっていらっしゃるとは思いませんから、政務次官には責任を追及しません。だから御存じでなかったらけっこうですが、わかっておったら御答弁願いたい。局長はまっこうから反対しておるのですから、いよいよこれは根本的に直さなければだめだ。これは国の税金で給料もらってやっておるのですからはっきりしたものにする、まぎらわしいものにしない、こういうことはやる気があるかどうか。  さっき聞いたら党がどうだとかいう話だが、そうじゃない。ですから党が何と言っても、きめるべきものははっきりきめなければだめだ。局長は進言をして、こういうことにならなければならないということを大臣によく教えなければならない。全然大臣は知りません。世の中で一番困るのはわからぬと知らぬとです、それでは方法がつかぬのですから。あなたは教えて下さい、かようしかじかだからこれはだめでございますというように。毎年々々会計検査院にひどく指摘されて、われわれ百姓はまことに面目ない。ですから面目の立つようにやる気があるかどうか、一応お聞きしたい。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) ただいまの岡村委員の御質問でございますが、農業共済事業は、仰せのように大体農林省の総予算の一割くらいを占めております。非常に大きな金を使ってやっているわけでございまして、歴史からいいましても古く昭和十五年に遡ります。終戦後といたしましても昭和二十二年から非常に農政の大きな柱として動いて参っており、最近御承知のように、農民を初めといたしまして各方面の批判も非常に大きいわけでございます。それと同時に実際の運用面を見ますると、ただいま会計検査院からも御指摘がありましたように、運用上の不正不当事項というようなものも非常にございまして、毎年当委員会において御迷惑をかけているわけでございます。そういう事態でございますので、私どもといたしましてもこれが運営を改善しまして、ほんとうに農民の災害対策になるというようなことにつきまして、いろいろ努力を重ねて参っておるわけでございまして、数年前から比べてみますと、会計検査院の不正不当事項としての指摘の件数はだんだん減って参っておりますが、これは岡村委員か今おっしゃったように制度そのものにやはり相当問題があろうと思うのでございまして、いろいろな災害自体も変わって参りましたし、農家経済といいますか農業経営といいますか、そういうような姿も変わってきておりますし、それから技術の進歩というようなものもだんだんと出てきているわけでございまして、そういう実体に合わせまして制度を根本的に改正をしないと、せっかく大きな金を使っていながら農民に評判が悪いというのは非常に困ったことだと、このようなことで一、二年前から根本的な制度改正をやらなければならないという声が非常に強くなっていることは、仰せの通りでございます。  従いまして昨年の四月でございまするか、関係各方面の方々にお集まりをいただいて、制度改正のための協議会を設けまして、一年間にわたっていろいろ検討して参ったのでありますが、その間非常に御熱心な御検討をいただきまして、ようやく今月の十三日でございますが協議会の結論というのもを得まして、答申をいただいているようなことに相なっているわけでございます。  でもちろんとの制度といいますのは、非常な広がりをもった、非常に幅の広い制度でもございまして、各方面からいろいろ意見もございます。それからその裏にはいろいろ農業団体というようなものも関係いたしているわけでございまして、そういうような関係からもいろいろむずかしい問題があろうと思うのでございます。そういうようなことで私どもは長年の間いろいろ研究をし、あるいは苦慮して参りましたことが、ようやく制度協議会の結論によって、とにかくある程度改正の方向というものが出て参りましたわけでございますので、そういう方向を中心にいたしまして、今、本国会に改正のための法律案を提案する準備をいたしているわけでございます。できるだけ早く案を固めまして、国会で御審議いただきたいというふうに考えているわけでございます。その場合にやはり問題は今の実体を十分に見つめまして、そうして今までの制度の運営についての十分な反省を加えて、やっていかたければならないということは、十分私どもわかっているわけでございまして、そういう趣旨からほんとうに率直に今の制度の悪いところを直していく、こういうつもりで一つ取りかからねばならないというふうに考えているわけでございます。いろいろ問題のありましたことを私たちは決してこれを隠蔽したりしているつもりはございませんので、毎回この決算委員会におきましても御指摘いただいておりまするし、あるいはまた行政管理庁等からも運営についての監査結果の勧告というものもございまして、こういうようなものも十分公表いたされております。問題は、十分世間にも知らせまして、そしてその上で、そういう問題をどういう工合に直していくかというつもりで、真剣に取り組んでいきたいというふうに考えております。

岡村文四郎自由民主党

○岡村文四郎君 局長からいろいろお話がございましたが、私の心配は、この実態を知らせぬがために、幾ら自由民主党が勝手な措置をするといいましても、みんな改訂はせねばならぬと言うのであって、言わぬとは言いませんが……。ですから行政管理庁からたくさん資料が来ましたが、きのう日曜で全部見てしまいました。済まぬ、まことに相済まぬことです。あれだけもし、農林省が自分のやっていることだから、調べる気持があったら、絶対こういうことにはならぬと思う。ですから、自由党に知らせぬから、そういういろいろ局長が言うようなことになかなかなりにくいから、よく知らしめて、そして何ら行政管理庁の書いたようなものでなくてもけっこうですから、筋書でけっこうですから。これこれが悪いのだと……。こうなると、これはそのまま受けるなどということは、政務次官なんぼ自由民主党だって、そんなこと言いません、悪いとなれば。それはけっこうだけれども、教えぬことはどうも不思議なんで、どうもわからない。今度法律を作って出すまでに、ほんとうによく教えて、そしてこの実態が、なるほどこれなら長い間迷惑をこうむって気の毒をしてきたんだが、今度はそれがうまくいくなという、会計検査院には御迷惑をひげないで、火増しでないというふうなことになるようにしなければならぬと思うのですが、ほんとうにやる気さえあればできますよ。これは、大臣が何と言うても、政務次官が何と言うても、これはだめだ。局長自体がやる気にならなければ役所として運びません。ですから、局長がほんとうにやる気になって一つやつのけないと、これは、まだやすいことを言っているのだが、そうでないことを言いますよ。そうですから一つこれだけはあんたも、今に来て、長い間の局長がやらないできたんです。局長も知っとるんですよ。仕方ないから、坂村局長が、ほんとうにきれいにしてやる、日本の農業のために、農家のために役立つような制度を作ってやる、という心からの気持にならなければ、ここで岡村が何とかかんとか言うものだから——こんなに言うたんじゃ話が通らない。だから、きょう言ったことを忘れないで、速記もございますから。そこはもしそれができなかったら、どんどん追及して、やってもらいますが、今の局長のような感覚で出る法律ではおそらくだめだろうと思う。そうでなくて、ほんとうに掘り下げて、絶対ごまかしはできない、ごまかし場所がないという法律を作って出すんでございませんと、今までの感覚、きょうの御答弁の感覚じゃ、おそらくよかったなんというものが出ぬと思うのですから、もう一歩踏み込んで、どうせやるんですから、なるほどこれならごまかし場所はできない、幾ら政府が気の毒だといっても、ごまかし場所がないというふうにやってもらうように、ほんとうに本気になってやってもらわなければならねと思うが、どうですか。もう一ぺん聞きますが。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) お言葉でございますが、私がどうも実態を政務次官なり大臣なりにあまり知らしてないと、こういうようなふうに聞き取れたのでございますが、そういうことは毛頭ございません。今までいろいろ協議会で検討いたしまする場合におきましても、予算編成についても、それから今後法律改正をいたしますにつきましても、これは政務次官なり大臣なりの御指示によって事務当局としていろいろ仕事をするのでございまして、私どもが事実を政務次官や大臣に知らせないでやるというようなことは、これは全然役所の内部といたしましてはございませんから、そういう点はどうぞ一つ御心配のないようにお願いいたしたいと思います。  それからこの制度改正は、おっしゃる通り非常にむずかしい問題でございまして、何年とない大きな農林省の懸案でもございましたが、しかし、これに手をつけるということは何といいまするか、一大決心であろうと思うのでございまして、私ども、特に農林経済局長といたしましては、これに手をつけました以上は、おっしゃる通り農民のための制度にするために本気になって取っ組んでおるという心境でございまするので、そういう点、どうぞ一つ御了承いただきたいと思います。

谷口慶吉自由民主党

○谷口慶吉君 ちょっと関連で局長に伺いますが、三十五年度の今おっしゃる保険関係の予算、百十四億幾らであったと記憶しているのですが、あれが幾らふえましたかね。三十六年度の今国会で審議してもらっている予算、あれば幾らですか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) お答えいたしますが、三十五年度の共済関係の予算は百十四億でございますが、三十六年度の今御審議をいただいておりまする予算は、大体百三十億でございまして、十五億ばかり増加になっております。この大体中心になりまするのは、末端の共済組合、共済団体の事務費を、従来三分の二負担、こういうようなことでやっておりましたのを、大体基幹的な事務費については全額負担、こういう制度を通そうということでお願いをいたしておりますのでございます。といいまするのは今度の制度改正ともからみますが、農家負担を軽減しよう、こういう大きなねらいの一環でございます。

谷口慶吉自由民主党

○谷口慶吉君 そうしますと、共済組合の方から陳情しておった事務費の全額国庫負担という線に沿うて今後やられる、こういうことなんですか、要請していましたね。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 事務費の全額国庫負担といいまするものは、共済和合の方からの陳情があるからという趣旨じゃございません。今度の制度改正の一環といたしまして今まだ検討中でありまするが、方向といたしましては、合いろいろ文句が起こっており批判がありまするのは、この制度がどうも農民から遊離しているという点に根本的にはあるのではないかというふうに考えられまするので、とにかく制度の運営、それから責任というようなものを末端の農民に密着させるようにしてこれは考えてやらなければいかぬ、こういうようなことで一面は考えておるのでございまして、そこで、農民あるいは末端の農業共済組合の責任体制を十分確立いたしまして、そこで自主的な責任を持った運営ができるようにしていく。こういうところが一つの大きな柱になろうと思いますので、それに応じまして、国がとにかく災害対策として、保険といいますよりもどちらかといいますると、これには災害補償という性格がある程度ございまして、この災害補償という意味からいたしましても、事務費はとにかく農民の負担をできるだけ軽減して国が持っていこう、こういう体制で考えでいったらどうかというふうに考えておるわけでございます。

谷口慶吉自由民主党

○谷口慶吉君 そうしますと、共済組合で現在やっています任意共済ですね。この面まで政府が責任を持って、この事務費その他のめんどうを見なければならないということにお考えなんですか。その辺はどうですか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 現在行なわれております任意共済は、法律上政府が金を出すとか、あるいはその他のてこ入れをやっていっておる性格のものじゃございません。これについては農業協同組合も農業共済団体も、両方が認可を受けて任意共済でやっておるのでございまして、これらのいずれに対しても、政府としては補助金やなんかで援助をするという考えはございません。

谷口慶吉自由民主党

○谷口慶吉君 そうしますと、業務を分離する必要が当然起こってきやしませんか。任意共済についてはあなた方は勝手にやるんだから、それについて政府は事務費その他の責任はない、制度上の責任を負う必要はないのだから、それだけは別途の経営か何かでやって、採算が合うか合わぬかもわれわれ知ったところじゃないという、何かはっきりしたものはお考えなんですか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) そういうお考え方もあろうかと思いまするけれども、現在共済組合におきましては、共済組合として任意共済をやっておるというふうなことでございます。ただし経理ははっきり分離をいたしておると思っております。それから人間につきましても、たとえば事務費、人件費の補助等につきましても、これも共済組合の現実の姿に対しまして、国が補助しておるものは相当うちわのものでございまして、政府が補助をいたしておるものは農作物、家畜、それから蚕繭という現在の制度で法律上の必須共済事業となっております、そういう共済事業を相手にいたしまして、これに対する補助をしておる、こういうわけでございます。

谷口慶吉自由民主党

○谷口慶吉君 今局長が言われまするように、制度上の運営と責任ということをおっしゃるのですが、そのために政府が事務費のめんどうを見るのだ、農家の負担はさせないのだ、こうなりますと、任意共済の面に事務的にどれだけのウエートがあるかということは御研究になったことはありますか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) まことに申しわけございませんが、ただいまの御質問の趣旨がちょっとわかりかねます。

谷口慶吉自由民主党

○谷口慶吉君 もう一度申し上げます。建物更生共済を共済組合の方でもやっておりますね。農協の共済連でやっておりますのは、何ら政府に御迷惑をかけないでやっておるわけです。ところが共済組合のやっておる建物共済をやっている。ところが制度があってそれによって農民の負担をさしてはならないということで、運営の責任と円滑化をはかるために政府が事務費を負担しよう、こういうことなんでしょう、おっしゃることは。そうしたら任意共済について同じ職員がやっているのだが、政府が全額事務費をば負担するという、その中には任意共済に対するものは、責任上入れないでもいいと私は判断しているから申し上げている。だからそれはどうなっているか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) その通りでございまして、事務費の国庫負担という考え方は、とにかく先ほど申し上げましたように、現在の制度で必須共済として政府がやらしておりますその事業につきましての事務費の国庫負担でございます。

谷口慶吉自由民主党

○谷口慶吉君 そうしますと、大体百三十億近いものの中に、事務費を全額将来国庫負担とするという建前に立った場合に、任意共済はどういうふうにあなたの方では指導して、とれを分離させて経営させるという方針でもありますか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) もちろん先ほど申し上げましたように、そういう国の補助のある団体でございまするから、その団体が別の任意の事業をやります場合には、十分経理等もはっきりといたしまして、そうして事業の会計等の分離をしてはっきりしてやらなければいかぬと思っております。  それから、今後の問題といたしましては、これはいろいろ団体問題とも関連をいたす問題でございますので、十分一つ各方面の御意見等も伺いまして、これからの事業が問題を起こさないで、円滑に今後参りまするように検討して参りたいというふうに考えております。

谷口慶吉自由民主党

○谷口慶吉君 たしか昭和二十九年でしたか三十年だったか、はっきり記憶していないのですが、河野農林大臣の時代に、任意共済は農協に一元化しますということを国会で言明しているのですが、あの速記録、ごらんになったことありますか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 速記録をそのまま読んだことはございませんが、経過はよく承知いたしております。

谷口慶吉自由民主党

○谷口慶吉君 農林大臣がかわって違った人が農林大臣になれば、もうああいう大臣が国会で約束されたことはどうでもいいとお考えになりますか。その辺はどうですか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) そういう考え方は毛頭ございませんが、この問題の経過は、その当時の農林大臣の言明も衆議院と参議院と違った言明をされておるように私は伺っておりまして、そういう経過を伺っております。ですから、従いまして、そのあとといたしましては、むしろ農林大臣の責任において各県知事に指導をいたしまして、知事の現地に即しました裁定によって、この事業は農業協同組合とそれから共済団体とで円満に行なうようにと、こういうことで、県知事に対する指導の通牒を出しまして、それを基礎にいたしまして今まで運営して参っておるというふうに、経過としては私は承知をいたしております。

谷口慶吉自由民主党

○谷口慶吉君 政務次官に伺いますが、よくこれを一つ研究してみてくれませんか。そうして今の大臣はこの件についてどう考えておられるのか、まあきょうの機会でなくてもいいですから。どうも大臣自身が実はぼやけておられるから結論が出ないのじゃないかと思われる節が多いのですよ。だからはっきりした信念を打ち立てて下さい。何かの機会に、次の機会でもいいですから、大臣が書いたものか何か出して下さい。こういうものはどうしたらいいか、任意共済の農協への一元化について大臣の所見はどうですか。これについて一つ次の機会にお願いを申し上げます。文書でけっこうです。どうです。

八田貞義自由民主党農林政務次官

○政府委員(八田貞義君) ただいまの御意見につきましては十分検討さしていただきすすが、大臣にも御意見の趣旨をお伝えいたします。

北村暢日本社会党

○北村暢君 私はこれから中央卸売市場の問題について質問をいたします。これは相当長くなりますから、それ以外の関係の方はお引き取りいただいてけっこうですから。経済局長と次官、それから水産関係と通産省の方をお願いしたいと思います。それ以外の方は特に何でございますから、お引き取り願ってけっこうですから。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) 今お聞きの通りでございますから、それ以外の関係職員の方は御退席になっても差しつかえございません。

北村暢日本社会党

○北村暢君 第一にお尋ねいたしますが、中央卸売市場の買いつけの方法でございますが、これについてはせり売りが原則になっておる、こういうことが建前になっておりますけれども、それ以外の方法等については認可を受けてやらなければならない、こういうことになっておるようでございますが、現在中央卸売場における実情は一体どういうふうな取引状況になっておるのか。これは農産物のうち、特に生鮮食料品としての流通面において消費者、生産者に非常に重大な関係を持っておる中央卸売市場でございますから、この取引が公正になされるということが中央卸売市場の中心眼目でなければならない、このように思うのですが、ただいま申し上げたことについて、実情は一体どのようになっておるのか、一つ把握している状況を御説明願いたい。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 御質問でございまするが、現在の中央卸売市場法の第十四条でございますけれども、ここでは「中央卸売市場ニ於テ為ス売買ニ付テハ糶売ノ方法ニ依ルヘシ但シ業務規程ノ定ムル特別ノ事情アル場合ニ於テハ此ノ限ニ在ラス」こういう条文になっておるのでございまして、現行の制度は大体原則はせり売りだと、こういう建前をとっておるわけでございます。で、これはああいう非常に大量の腐敗しやすいものが集中されて取引をされるわけでございますから、こういう原則はもちろん大きな方向としてはもっともだことだろうと思っておるのでございます。現在各卸売市場の実情を見ますると、大体大部分がせり売りその他入札をやっておるところもございます。それからたとえば加工品等を上場しておるところにおきましては、加工品等においてはせりとかあるいは入札という方法でなくて、相対売りあるいは定価売りというようなもので売っておるものもございますが、大体生鮮なものについては大部分がせりを原則として行なわれておる、こういう実情でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そういう売買の方法等のあるととは知っておるのです。知っておるのですが、実情は一体どういうふうになっておるかということを聞いているのです。実情は、せり売りをやっているところはもちろんだが、そのほかの方法もとられているのか、実際これは業務規程によりますと、事前に知事の認可を受けなければできないことになっておるはずである。それが事実上認可を受けて、そうしてやっておるのかどうなのかということをお伺いしておるわけなんです。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 現在の中央卸売市場の売買状況の実態を見ますと、青果ではほとんど百パーセントがせりてございます。それから水産でも鮮魚につきましてはほとんど百パーセントがせり。それから加工品は先ほど申し上げましたように相対売りが大部分でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それでは農林省は実情を把握しておらないので、これは現状において行なわれているのは、買付という形で行なわれている、こういうことがあること知っていますか。しかもそれが事前に開設者の認可を受けなければならないことになっておるはずだ、それが認可を受けずに行なわれておる。受けずにというか、形式的には受けているかもしれないけれども、規程によればこれは事前に受けなければならないことになっておる。従ってその買付のやり方が、実際は買付が行なわれて、そうしてあとで何といいますか処理をされている。これはもう一つの格好としてはせりをやっておるのですよ。表面の形はせりをちゃんとやっておる、その裏の処理が買付で行わなれておる、この実情は御存じですか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 委託のほかに買付をやっておりますものもありますことは承知をいたしております。それは実情を申し上げますると、大体青果では委託販売のものが九〇%、買付が行なわれておりますものがおよそ一〇%見当というふうに見ておりますが、水産の場合にはこれが幾らか違いまして、大体買付を三〇%くらいやっているのじゃないだろうかというふうな調査になっております。もちろんこれは委託販売が原則でございますが、その場合に各都市におきましても、大体その開設者の承認にひっかけておりまして、大体承認を受けて買付をやっておる、こういうことで行なわれております。ですからものによっては承認というものが事後承認になっているというようなものもございまするけれども、大体承認制にひっかけられておるのでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 その事後承認といいますけれども、あなたその事後承認ということはこういう席上で言って差しつかえないのですか。事後承認でいいことになっているのですか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 承認にかけました場合に、事前に承認をする場合と、実際問題として事後承認をするような場合と事情々々によって……、そういうような場合もございまするので、必ずしも事後に承認したからといって、これが不当だとか不正であるとかいうふうには考える必要はないのじゃないかというふうに考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 経済局長がそういうことじゃ、法律を守れということを言っているのか、守らなくてもよろしいということを言っているのかわからないですよ。監督の立場にある経済局長がそういうことじゃ、農林省がそういう見解だというなら、どうでも都合のいいようにやれというのと同じだといっても何も差しつかえないですよ。そういうことだから市場行政なんかあってなきがごとし、何にもやってないような形になっておるのが実情だ。でありますから、私の言っておるのは、買付というものが今日多くなってきているということはあなたも認められておるようですけれども、これは大体原則はせりが建前なんでしょう。ところが表面はちゃんとせりはやっておるのですよ、そして裏の処理がちゃんと買付でやられているというのは、問題はせりによって手数料だけ取るということになっているわけですよ。買付ということになるとこれはもう卸売業者が生産者からすでに買ってしまっているわけですね。そしてそれを幾らに売ろうと今度はもうかまわないわけです、結局。そういう形のものが行なわれているという実情は知っておられるのですか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 先ほど申し上げましたように、委託が原則でございまするけれども、中には一部買付をやっておるものもございます、これは委託の原則に対するところの例外の業務規程等も定められておりまするので、買付をやっておるものもございます。それからそれに対しまして、物が参りましたときにせりをやりますが、せりの原則といいますることは、ああいう品物についてはそこで公正な価格をきめていく、こういうことでございまするから、市場に集まって参りました物を価格形成の上から言いましてせりにかけるといいますることは、これはその価格形成の上の公正な価格をきめていくという原則に合う方向であろうと思うのでございまして、委託買付の問題とせり売りの問題とはちょっと性格はそこは違うのじゃないかと思いますが、現実にはそういうことが行なわれておりますことは私も承知をいたしております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 私のお尋ねしているのは、法律はせりが原則なんでしょう。でありますから原則からはずれたものが多くなってきているということは、これは行政的からいって、法律が悪いのかどちらが悪いかわかりませんけれどもね、とにかくそういう事象が出てきておるということは、しかもそれが行なわれているということは、法律的からいえば私はやはり裏をいっているものだと思うのです。認可にしても事前に得ていなければいけないということになっておる。ところが事前の認可を受けるような形では、あの日々の忙がしい取引というものができないのです、実際問題として。今、局長が、事後承認になるものがあるというのだけれども、全部事後承認だよ、これは。事前に認可を得てなんてやっておる者はほとんどないくらい。そういうような形に実際上から言うと、運営ができない法律なり規定なりで縛っておるというところに問題がある。しかも、それについて監督ということはなかなかあなたの今おっしゃっているようなことでは、監督しているのか、してないのか私にはちょっとわからないのだが、そういう実情があるということをですね、農林省は知るべきだと思う。実情は私は知っておられないんじゃないかと思う。これは開設者がわかっているかもしれない、農林省はちょっと知らないかもしれない、この実情は。そういう点があるというととを指摘しておきますから、これはよく農林省で考えていただきたい。今後の法律改正の場合において、とんでもない無理な守れない規定を何ぼ作ったってだめなんだ。今、法律改正をやろうとしているのだけれども、そういう場合に私はこういう実情があるということだけは一つ指摘しておきたい。  それからもう一つ、公正取引の上において、この仕切りについて改ざんをやっているという事実、こういうものについて最近の状況を知っておられたならば御報告していただきたい。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 初めの前段のことでございますが、これはお話の点よくわかりましたので十分検討いたしたいと思います。ただ、そこで問題は、せりの原則というのと委託の原則というのは、これは各地の業務規程もこう見てみますと、区別されております。それで、せりの原則につきましては相対売りができる、こういう例外が規程においてもございます。それから委託の原則を立てておりまして、委託販売の原則として買付ができる、こういうことでございまして、買い付けたものも委託を受けたものも原則はせりならせりでやる、こういう建前になるわけでございますので、この点一つ申し添えておきたいと思います。  それから最近の市場の実態で、いろいろ農林省でも市場の検査をやっておるのでございますが、その実態によりますると、やはり仰せのように、各地でまま仕切書の改ざんをしているような者が見受けられます。そういう状況でございますので非常にまあ困ったことでございまして、私どもといたしましても十分そういうことがないように検査を厳重にいたして、いろいろ注意等もいたしておりますが、今までの最近の状況を申し上げますると、仕切りの改ざんをいたしまして発見された者は、大体最近四件ほどございまして、そのうち戒告処分にいたしました者が二件、それから過怠金を賦課した者が一件、それから業務停止をいたした者が一件ということであります。大体そういう処分をいたしております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 業務停止をされた者の名前を出すことはいかがかと思うのですけれども、こういう改ざんが行なわれている事実について、私の知っている者について訓告なり、あるいは戒告なり、過怠金が出ているかどうか、ちょっとこれは信用上の問題があるから、ここは私は避けたいと思いますけれども、とにもかくにもこの改ざんが行なわれておるというのは、これは戒告なり過怠金なりやった、処分をした、二、三カ月はいいが、また逆戻りするという傾向、これはちよいちょいあるわけです。それで、ここで公正な取引がなされておるか、なされておらぬかというところに非常に問題が出てくるので、私は、これが非常にやかましく言われるようになってから、中央卸売市場関係者の卸売業者の中で、ほんとうにこの方向に協力して、経理一切ガラス張りで、こういう傾向を持ってきた卸売業者、非常に良心的な業者がふえてきたということは、これは私ども認めるし、またその傾向は非常にいいことなんです。ところが反面いわゆる改ざん等をやっておる、ピンはねをやっておるという者が、実は業界の中では業界の者同士が非常によく知っておるわけであります。どこどこはどういうようなやり方をやっておる、こういうことは見ればすぐわかるのですね。協会の者同士よく知っておる。それに対してこの処分は四件されたそうでありますけれども、なかなかこの処分なり何なりというものは公正になされていない。また、市場そのものの旧来の封建性というか何といいますか、そういうものがあり、また政治的にも利用されて、なかなかこれがうまく監督が行き届いておらぬ。こういう実情である。開設者自身についても、開設者がわからないはずがないと思われることですら見のがしておる事実が訴えられておるわけなんです。これは市場の信用上からいっても、生産者あるいは消費者の点からいっても大へんな問題である。従って、私の言いたいことは、ここら辺の公正取引をなされることが主であるし、また、消費者にとっても食料品というのは今、非常に最近、昨年来から高い高いと言われておる。とにかく物によっては腐るので投げなければならない物があるにもかかわらず、消費者の手元にいくときには非常に高いという実情も出ておる。そういう点からいって、市場の公正取引ということは非常に問題になるととろなんです。でありますから、私は、この公正取引の方向に進んでおることは認めるわけですけれども、まだまだやはり改ざん等が現実に行なわれておるというようなものが実際の場合に出てきておるわけですね。私も何件か知っております。知っておりますが、そういうものに対しては、処置的にどういうふうになっておるか知りませんが、一つ大きな問題がある。姫路の問題について一体どういう処置をとられたのか、お伺いしておきたいと思います。姫路のだけは非常に特異でありますから。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 御質問の通りに、非常に改ざんがございますることは公正取引の上からいきまして、まことに遺憾なことでございまして、ぜひとも、こういうことがないようにしなければいかぬということで、私どももいろいろ努力をいたしておりまするし、それと同時にまたその開設者に対しましても、そういう点につきましての監督を十分にしていくようにしょっちゅういろいろ注意をし、それから指導をいたしておりますわけでございます。非常にまあ、そういうようなことがいろいろ努力をいたしましても、なかなか検査をやってみますると絶えませんので、非常に私どもも努力の足りないところは残念に思っておりますると同時に、今後の制度の上におきましても、あるいは法令の改正をするなり、あるいは実際の指導の面でも、そういう点をもう少しはっきりと一つやっていきたいというように考えておりますわけです。具体的なそういう問題といたしましては、姫路の問題を御質問でございますが、姫路の問題につきましても、非常に資金の改ざん等がございまして、どうもまことに工合の悪い運用をやっておりますわけでございますので、これは先般私どもで検査した結果でございまするが、その後いろいろ開設者あるいは県、そういうようなところとも十分連絡をとりまして、そういうふうにいたしまして、これについては開設者が業務規程によって処分をするように、農林省から指示をいたしまして、開設者の方で今その処分を検討いたしております段階でございます。大体ほかのものとのつり合い等も考えまして、十分厳重な処分が行なわれるというふうに私たちも期待をいたしております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 開設者において処分するというのですけれども、これはさきの方の四県は、これは農林省がやった処分ですか、それとも開設者がやった処分ですか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 農林省のやったものと、開設者のやったものと両方ございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 姫路のあのやつは、これはちょっともめているようでございますけれども、三年間にわたってやっておる問題なんですね。これは当然こういうことは中央卸売市場では許されるべき問題じゃない。しかも長期にわたってやっておるわけです。これはどうしたってやはり私は農林省が業界の粛正の意味においても、厳重なやはり処置をとるべきだと思うのだが、開設者くらいにまかせてという感覚自体が私はちょっとわからないのでありますけれども、どうなんですか。ほかの問題と比較して、そういう軽いものであるというふうに見ておられるのですか、どうですか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 行政処分におきまして、開設者がやる場合と農林大臣がやる場合とによって、特に軽重の差異があるわけじゃございません。第一次的には、中央卸売市場の監督は、業務規程による開設者の監督が第一次の監督になっておりまするので、非常に重いものでありましても、第一次的には大体においてこれは開設者がやるという建前が、大体今までの中心になっておるものでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 とにもかくにもこういう改ざんが行なわれているということについては、中央卸売市場の監督する意味においての立場からいっても、これは生産者にとっても消費者にとってもまことに不可解なことでありまして、特にこれはよくはなってきているのですが、一たびこれが行なわれ始めますと、良心的な業者ですらいや気がさしてくるというものなんです。ですから、これは十分きめられた手数料以外にピンはねをするのでありますから、こういうことはあり得べからさることである。それが行なわれておるということでは、これは消費者も生産者も信用できないことになってしまう。でありますから、これはもう絶対にあるべきものじゃないですよ。それが農林省等の感覚からすれは、局長自身にもそういう感覚もあるのだろうと思うのですが、改ざんをやってピンはねをするというのは、どこでもやっているという感じを持っておられる、これは、監督のしょうがないのだという感じを持っておられる節が受け取れる。それではこれだけの法律を制定し業務規程をきめてやっていくという上において、これは私は監督者として、どこでも行なわれているのだが、現われるか現われないだけの差という感じを持っておられるならばこれは大へんなことで、そういう傾向なしとしないので、一つこの点は十分に気をつけてやるべきである、このように考えておりますから、一つ善処を願いたいと思います。  次の質問は、神田市場の取り扱い数量、金額等の概略の数字でいいんですが、最近の数年間の趨勢をちょっと知りたいのです。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 神田市場の数字は今さしあたり持ち合わせがございませんので、いずれすぐ資料を取り寄せましてお答え申し上げたいと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それでは神田市場の数量、その他はちょっとわからないかもしれませんが、神田市場はほかの市場と違いまして、特にあそこは最近の集荷地域が、まあトラック輸送等による交通の便が非常によくなったという点から、相当の距離からトラックで入ってくる、こういうようなことで、取り扱い数量、金額、それから出荷者等においても非常な増加ぶりを示しておる、こういうふうに思っておるのです。これは現実に行って見ればわかる話なんで、あそこの市場の混雑ふりは大へんなものだ、これは都内の市場はほとんどそうなんですけれども、特に神田市場はひどいわけですね。そういう実情にあるのですが、一体この神田市場についての、市場の何といいますか、今後の計画とかなんとかいうようなものについて検討されたことがあるのかないのか、この点一つ伺いたい。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 仰せの通り、神田市場はもう非常な混雑でございまして、場所も狭いしなかなか現在の東京の入荷をあそこできれいにさばくということが非常にむずかしいような実情であろうと思います。私たち行って参りましても、非常な混雑で足の踏み場もないというような状況でございまして、これはいずれ何とかあの対策は考えなきゃあならぬというというので、私たちも非常に関心を持っておるところでございますが、現在東京都におきましても、神田市場をどういう工合にするかということでいろいろ内部で検討をいたしております。ただ実際問題といたしまして、非常にその設備が膨大なものでもございまするし、それからあれを改善いたして新しい施設を作る、あるいは改築するということを考えました場合にも、非常にあの大量の荷物をとにかくどういう工合にその間さばいていくかという問題が、非常に大きな問題になるわけでございます。と同時に、都市計画その他からいいましても、それじゃああいうまん中に青果物の市場があっていいのかどうか。将来これは何とか別の方法を考えるべきではないかという問題もございますが、いろいろ鉄道とかそれからそういう問題とかいろいろ関連をいたしまするもので、非常にこれは計画を立てるにいたしましても大問題であろうと思います。そこで、東京都におきましても結論的なものまでにはなかなかいっておりませんで、取りあえずは部分的にいろいろ改善を加えたり、何かというようなことを行なっておるような調子でございまして、まことに残念でございますけれどもああいう大事な問題でございまするので、今後とも農林省でも一緒になって一つ相談するような機会をもって、そうしてできるだけあの対策の具体化を一つ推進したい、こういうように考えておるわけでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そのように神田市場というのは非常に狭くて混雑する。混雑することで公正な取り引きがなかなかむずかしい、これは市場全般のことでございますけれども、混雑することで公正な取り引きができないということは、従来であるならば自分が買ったものがどんなものか、それから盗難といいますか、買わないものを持って行ってしまうのがずいぶんたくさんあるというようなことで、これは公正な取引がなされておらなかったということは、今まで言われており実情がそうなんですね。それが非常によく警備されてそういう点が改善がされて、今日そういう盗難というものもだんだん減ってきておるということは事実なんですが、そのくらい狭い神田市場で、その敷地であったところがある特定の人に処分されておるという問題、こういう問題があるのですが、農林省は御存じですか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) はなはだ残念ながらその事実は聞いておりません。

北村暢日本社会党

○北村暢君 これは開設者に聞けば最近のことでございまするから、最近といっても二、三年前のことですが、開設者に聞けばわかる。しかも、あの神田市場の土地でありますから時価にすれば大へんな価格であります。ところが、まことに安い、安いといってもお話にならない、坪一万円以下の価格で特定の人に払い下げられておる事実。これは坪数にしても大体二百坪くらいのもの、これを払い下げております。こういう点があるわけですね。これは市場の人でもあまり知っておらないということ、しかし開設者である東京都は十分これはわかっておるはずなんでありますが、こういうことが行なわれておる。その中においてどういう取引があったか私は知りませんけれども、これは常識的に考えて、東京のどまん中で坪一万円以下で売買できるということは、そんなばかげた話はないですね。だから結局市場は都の所有になっておるから都の財産を処分したということになるわけです。従って相当額のものであったなら都議会の承認を得なければならないはずなんです。ところがこれは価格が低いために都議会の承認も何もしないで処分されておる。これは正当に評価したなら都議会の承認を得なければならないのかもしれないけれども、そういう問題が起こっておる。あれだけ今混雑したものをどう防ごうかといっておるやさきに、そういう土地を払い下げて売られておるという事実。これに対して農林省は何も知らないでおるというくらい、農林省としては市場に対して監督ということにもぼうっとして抜けているところがある。これは明瞭に示している。これは局長が知らないのですから、それじゃ行政がうまくいっているとは考えられない。それくらいぼうっとしているのではないかと思う。この神田市場、あれだけの混雑しているところは……、あなたは見てきて、それだけの土地が特定の人にべらぼうな安い価格で払い下げられているという事実、これは一つ十分調査をしていっていただきたい。事実は歴然としてあります。これに対してはおわかりにならないというのですから、答弁を求めても無理と思いますが、それくらい市場というのは複雑怪奇ですから、一つ十分目を光らかしていないと何が起こり出すかわからないから、よく見ていただきたい。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) まことにそういう事実が、もしかりにあるといたしますれば、農林省としてこれを知らないことはどうも遺憾でございまするが、先ほど申し上げましたように市場の場合、第一次の監督者は開設者でございますので、北村委員のおっしゃるように、市場の内部の者でもわからないような状態でこれがやられたということになりますと、なかなか農林省でもてきぱきとこれを反映するような状態になっていないのではないかと思うのでありまして、十分一つ調査をいたしたいと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 第一次の監督者の東京都がやっているのですよ。だからその上に監督するのは農林省しかないわけなんです。監督すべき都が百も承知、二百も合点でやっているのだから私は言っている。それを監督すべき都がやっているのだから、その上の監督者は農林省しかないじゃありませんか。だから目を光らかして監督を怠らないようにしてくれということを言っている。  それから次にお伺いしたいのは、秋葉原の駅から神田の市場に来るまでの小回り運賃、小運送の運賃、これと鉄道輸送の運賃、こういうものとの比較からいって、あなた方はこういう問題について検討したことがありますか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 市場の問題につきましては、市場の内部にまでなかなか農林省でも厳重な、精密な調査をやっているというようなことは、今までも残念ながらございませんので、今いろいろ制度改正等も考えておるのでございまして、これらに関連をいたしまして、十分内部の小回りの運送の問題だとかあるいは設備の立体化の問題だとか、そういうようなものを十分今後検討していかなければならぬというように考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 何も検討していないようですね、そうすると。これは驚くなかれ、青森から東京、秋葉原までの鉄道運賃と、それからあそこへ着いてから市場のところまで行く運賃と大した差はないくらいかかるのですよ。驚くなかれ、そういうものなんです。しかもこれは全部あの市場に着いた庭先で運賃が計算される。従って、この小回り運賃は生産者の負担になっている。これは農林省として、農林生産物の流通過程において十分考えなければならない。生産費なり生産者に負担のかかることを軽減しなければならないものを、そういう取引上の運賃等について検討されていないというのはほんとうに手抜かりであると思うのです。大へんな運賃なんです、小回りの運賃が。これは一つ調査をしていただきたい。しかもこのオートメーションの時代に、あそこの荷役たるやまるで明治時代と同じ、肩でかつぐやり方をやっておる。そういう状態なんですよ。あそこで機械化されてあの貨車からおりてからすっと来るように、考えればできるはずのものなんですがね。それが一向改善されていない。大正、明治時代のそのままの形をあそこでやっておる。行ってごらんなさい。そういうことが何ら改善されていない、どういう理由かわからないのですけれども。そういう問題について検討されたことがないのでは——これから検討するというのですから、どうもこれは答弁を求めても話にならないのですけれども。あれだけの膨大な荷物を扱っているところでそういうことが今まで放っておかれるということ自体が私はわからないのです。農林省は、出てくるミカンだとか、そういうものの、何といいますか、品質がどうだのこうだのということはやかましく言うかしらないけれども、そういうところの流通面における施策というものですか、そういう面は非常に手抜かりがあるわけですよ。今まで何も行政としてやっていないと言っていいくらいだと思うのです。これはもう各市場全体について言えることなんですが、特に神田市場はひどいのですよ、それが。ですからあそこの集荷というのはものすごいのですから、取り扱い量というのは。ミカンにしてもほかの果実にしても大へんな取り扱い量でありますから、その点は一つ十分に検討をしてもらう必要があると思う。従って、市場の近代化だの何だのと言う前に、そういう点の検討というものが加えられるべきだ。これは一つ、運賃面において農民に非常に大きな負担をかけているのですから、その点は一つ十分検討をしていただきたい。  それから次にお伺いしたいのは、バナナの問題でございますが、バナナの輸入にあたっては、通産当局でこれに外貨の割当をやっているわけですが、バナナの輸入の状況は一体今どういうふうになっておりますか、通産省……。

本田早苗通商産業省通商局予算課長

○説明員(本田早苗君) 本年度は年間で八百五十万ドルの予定でございましたところ、上期に四百万ドルを七月に外割いたしまして、本年三月末までに入荷をいたしておりましたが、昨年秋の台風がたびたび台湾本土を襲った関係で大減収になりまして、現在の見通しでは上期の四百万ドルのうち約百四十万ドル程度が四月以降に到着が繰り延べになる見込みになっております。そういう事情もございましたので、下期に予定しておりました四百五十万ドルのうち約七十六万ドルを中南米、フィリピンその他の地区のバナナを輸入することにいたしまして、昨年の秋に七十六万ドルの割当をやっております。残額の三百七十数万ドルにつきましては、一応三月末までに割り当てる予定でございますが、現在、担当の輸入二課長が台湾に参っておりまして、台湾側が予定通り外割を発表することを要求しておりますが、出荷能力の点でかなり疑問がございますのと、御承知のように、特定物資で外貨割当にあたりまして、輸入差益を国に納めることになっておりまして、入着があまりおくれると、三カ月後には現金で国に納める規定になっておりますので、入着の見込みを明確にして割り当てたいということで、担当課長の帰ってきた後に判断いたしたいということに現在なっております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 この割当の仕方なんですが、私のお伺いしたいのは、これは国内の業者はいろいろあるわけです。市場業者もあるし、一般の業者もあるし、その他の方々もおられるわけですが、これはどういうことで割り当てられるか。私は実需者にこの割当はなすべきである、このように思いますが、その点はどういうふうになっておりましょうか。

本田早苗通商産業省通商局予算課長

○説明員(本田早苗君) 現在の割当の基準は輸入の実績に基づいてやっておると承知しておりますが、その輸入の実績は、かなり前に行ないました輸入業者の輸入実績と、その際新しく特定物資を始めるときに、いわゆる色づけ加工といっております加工業者に割り当てました輸入実績があるわけでございますが、現在は過去の輸入業者としての輸入実績と、加工業者が加工業者として割り立てられて輸入した輸入実績と二種類あります。現在はその輸入実績を基準にして割り当てております。従いまして輸入を割り当てられる人は全く純粋な輸入業者と加工業者とがあるということでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 その場合、具体的な問題でお伺いいたしますが、マル東の問題についてお伺いしたいのですが、マル東が業務停止——許可を取り消された場合に、当然これは輸入の割当というものが取り消されるべきであったと思うのですね。今日この東に対してそれが引き続き割当がなされたという事情について御存じございませんか。

本田早苗通商産業省通商局予算課長

○説明員(本田早苗君) ただいまその事情は承知いたしておりませんので、調べて御返事いたしたいと思いますが……。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それは、わからないのじゃ話にならないので……。それじゃ、そのときに、たしかマル東が神田市場の卸売業者としての農林大臣の許可が取り消されたときに、これはもう市場の卸売業者でなくなったわけですから、当然営業ができないわけですね、従ってこのマル東は外貨の割当を取り消されるべきであったのでありますが、そのときに通産省は取り消そうとしたが、どういう事情かわかりませんが、一札を入れて引き続き割当を出されておる、こういう問題があるわけなんです。それは一札を入れてというのは、マル東が受けたものはこれを卸売業者を通じて販売する、こういう約束で一札を入れておるはずなんです。そういう事実があるのかないのかをお伺いしたかったのですが、わからなければこれはどうにもしようがないですから、後ほど調べてお答え願いたいと思います。

本田早苗通商産業省通商局予算課長

○説明員(本田早苗君) 申しおけありませんが、その事情について現存全然承知いたしておりませんので、後刻調べて御返事いたしたいと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それで私の言っているのは、これはやはり全部が全部あなたの方でも割当をする場合に、その資格等について検討する場合に、だれでもかれでもやるわけでもない、輸入の実績のある者とかなんとかいうことでやっておるのですが、この輸入を受けている者がその資格がなくなったわけですね、その販売する方法が。そういう場合に当然取り消されるべきだと思うのですが、これは取り消されておらなかったわけです。そこに結局この切符だけを素通りで売買する、一つの利権化しておるわけです。そういう利権化することはこれはあなたの方としては望ましい方法でもないし、そういうととはあるべきでないと私は思うのです。でありますが、現実にそういうようなことになっているということがあるわけですね。でありますからその点はあなたの方でそういうことをやっているの業務上で落度があるのじゃないか、これは仮定の問題ですが、そういう場合あなたのところからもらった割当を直ちに人に転売をする、転ずる、そういうことがあっていけないわけでしょう、その点はどうですか。

本田早苗通商産業省通商局予算課長

○説明員(本田早苗君) 私の承知いたしておりますところでは、バナナの輸入につきましては入着した港で売り渡すということになっておりまして、そのあとで色づけ加工して取引に入るのじゃないかと存じます。と申しますのは、現在華僑の方が実績をたくさん持っておりまして、それで華僑の方が割当を受けて輸入しているという事情もございますので、輸入の段階と仲買人の資格の問題とでは一応離れていると思いますけれども、ただその輸入資格の生じた原因が、従来そういう関係で実績が出ておるんだとすれば問題が出る可能性もございますので、事情は調べさせていただきたいと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 これは農林省に聞いてももう農林省は業務のことは取り消してしまったのですから、そちらに聞いてもわからないことなんです。で、あなたの方にお伺いしているのですが、実情はこの東というのは重役三人しかいないわけなんですね。重役三人しか残っていない。そうして割当は受けているわけです。そして港に行って受け取っているのは東が受け取っているのじゃないのです。ほんとうの人はほかの人が行って東の名前で受け取っているわけです。そういうことになっているわけなんです。これは私は問題を解決して東のその割当を停止したというふうにも聞いているのですけれども、今のところそれがわからないから聞いているのですが、もう二、三年これをずっとやっているのです。これは莫大な利権なんですよ。下半期でやはり五、六百万のものが黙って、これはこの切符を売り渡すだけで五、六百万円のものが半期にそのくらい入ってくる。従ってつぶれたはずの東というものが、現実には黙っていて何にもしないでこの割当だけで年間莫大な金が入ってきているという事情になっておる。でありますから、これはあなた調査して、私でなくともこれはあとの決算委員会に報告していただきたい。  そこで農林省にお伺いいたしたいんですが、この問題はマル東が業務の許可を取り消しになって後、債務の処理にあたって、これが話し合いの結果五千五百万円で処理をした。これは東じるし以下残った三社でもってこれを負担をして、そうしてこれが債権者といいますか、に見舞金として処理をされたわけです。従ってこれは出荷した者としては債務に対する返済金として受け取っておらないんです。これは四億からありました債務でありますから、そのうち五千五百万円でけりをつけて、見舞金ということで処理をした。ところがマル東は債務償還の能力なしということで、ほかの三社が五千五百万も出して、東京都が中に入って、そうして処理をした。ところがマル東はその後わずか三人しか残っていない重役がバナナの割当だけで年間膨大な収入を得ている。先ほど言ったように半期で五、六百万入ってきている。そうすれば当然これはマル東としてはまだ会社は株主総会をやったわけでもなんでもない、つぶれたはつぶれたなりで、マル東というものは存在しておる。そういう状態の中で今出荷者団体なら出荷者がマル東は金が入ってきているんだから、支払い能力があるんだから、今まで未払いになっておったものは返済しろと言っている問題が起こっているんです。そういうことを御存じですか、農林省は。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) マル東事件につきましては、当時からいろいろ各方面に御迷惑をかけたのでございまするが、昨年でございまするか、東京都の方から連絡がありまして、あの問題の債務の処理については東京都を中心といたしまして、関係者の間で対策委員会かなんかを作りまして、生産者も入りまして、いろいろ相談をいたしました結果、こうこういう内容でということで、生産者の方も納得をいたした上で、この問題は最終的に処理をすることになりました、そういうようなことで生産者も十分納得いたしておりますから、それから市場内の従業員等についても納得をいたしておるということで、各方面協議の結果結論を得た、こういうようなことで報告を受けておりまして、まことにけっこうなことだということで、私どもも非常に喜んでおりましたのでございまするが、もし内部にそういう問題があるとすれば、それらの問題については聞いておりませんので、十分一つ調査をいたしたいと思っております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 今のことについては御存じなかったようでございますけれども、実際問題として生産者農民が、自分が信用して市場へ出したもので当時の債務が四億円なんですからね、それを五千五百万で処理をした。今東京都で円満解決をしたというのは五千五百万円で処理をしたんですよ。しかもそれはあのときの国会でもずいぶんやりましたが、見舞金として処理をした、見舞金として。債務ということではないんです。で見舞金だというととで受け取ってけりがついておるんです。だからマル東が支払い能力がないんですから、見舞金ということで終わってしまったわけなんです。終わってしまったんですが、あにはからんや二年か三年たってみたところがマル東というのがべらぼうな収入があるということがわかってきたわけなんですね、わかってきた。それについて特定の者がゆすったかなんか知りませんけれども、返済を受けておるのか知らないが、そこら辺のところの内幕が非常に複雑怪奇なんで、われわれにはちょっとわからないんだが、ある特定の債務者はそれを知っております。先に返済を求めたか何か知れない、そういうようなうわさが飛んでおる。これも私は明確に言わないが、うわさが飛んでおる。それについて、そういうバナナの問題で、そういう収入が入ってきておるということを知って、生産者団体もそれじゃ一つ正式に、あれは見舞金としてもらったんだから、債務の方は依然として解決していないんだから、債務の方は一つ債務の方でもらおうじゃないか、こういうことが事実起こっておるんですよ。ですから私はこのバナナの切符の割当の問題についても、そういう問題まで今発展してきておりますので、それがどういう都合で、どういう見解で、通産省はそうなったのか。もしそういうことができるんだったとするならば、これはもうあのときの問題の解決するときに、当然そういうことを考えるべきなんです。ところが業務停止になれば、バナナの輸入だってこれはもうてきね、ものだ。こういう判定に立っておったから、後に収入が入ってくるなんということは全然考えなかったんですね。だからあのときにはこのマル東の債務の処理なんということは、やはりマル東がやらないで、マル東じるし以下の三社がこれは犠牲を払ってやったものですよ。そういうことなんですから、自分が借金したものでない者が五千五百万円出しているわけですから、それについては、このマル東の持っておった売場の場所は、これは三社で分けておることは分けておりますけれども、それにしても、五千五百万円にしても問題はあるんです。私もその点はわからないわけじゃないんですが、問題はある。もっと高くてもよかったのじゃないかというんですが、そこら辺がもう農林省、東京都の問題の処理の仕方のまずさというか、何というか、そういう面からこれは生産者にとんでもない大きな迷惑をかけている。大体払ってもいないんです。農民は物を出して金が入ってこないなんという、市場を信用して出したものが、その代金が入ってこないなんというばかな何はない。だから農林省が監督しながらそういう問題が起きたのですから、しかも、その後において今言ったような問題が出ておるということについては、これは私どもは法律的にどういうことか知らないけれども、道義的にはこれはちょっと許さるべきことではない。マル東は事実の問題としても生産者に迷惑をかけておきながら、バナナ等で不当な利得を得ておるという点については、これは何もやっていない。この権利を買ってやっておる者がおる。とういうようなのが実態である。これは今後の市場行政をやっていく上において非常に大事なことであるから、一つまた東の二の舞を起こさなければならないような卸売業者もないわけではないので、これはもう農林省は十分そういう点注意しておく必要があると思うんですね。  次にバナナ問題についてもう一つお伺いいたしたいのですが、バナナ問題ばかりでないのですが、仲買というものは荷引きをすることができない、こういうことになっておりますね、どうですか、その点。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 仲買人は業務規程によりましても、本市場内、またはほかにおいても、販売の委託の引き受けをすることは禁止されております。また市場外においても買い付けを行なうことを禁止されております。大体仰せの通りでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 仲買というものは荷引きをすることはできないことになっているわけですよ、例外はあるでしょう。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 例外はございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 例外は、それは何ですか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 輸入を含まないという規定になっておりますから、輸入の場合には例外になっております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 その輸入を含まないというのが、これがバナナなんだよ。これは強行されたいわゆるバナナ事件と称するものなんですけれども、バナナに関しては仲買業者が荷引きできるようになっているのです。それで、事実そういうふうに今行なわれているんですね。そのために業務規程が命令で改正されたはずです。従ってバナナだけは、これは仲買業者が荷引きしているわけです、現実に。これは通産省も、その仲買業者といえども、従ってバナナに関する限りは荷引きを——外貨の割当をしているのです。そういう事実がある。ところが、このことが今神田市場において非常にまた複雑な問題を起こしている。そういうことを許したために、仲買は荷引きできないのに、バナナ——輸入品を輸入するものは荷引きができるわけですね。ところがそれ以外の国内のものは荷引きできないことになっているものを荷引きをしているのです。それくらい神田市場では力のある仲買人というものは、ごく少数の者ですけれどもおるのです。その実情を知っておりますか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 詳細の実情は存じておりませんので、まことに遺憾でございまするが……。

北村暢日本社会党

○北村暢君 経済局長は何を聞いても、あんたわからないじゃないですか。それであなた中央卸売市場の監督行政を一体やっているんですか。だから何にもやってないと私は言うんですよ。この仲買業者が荷引きをやっている事象はありますよ。これはよく調査して下さい。だから中央卸売市場というものの運営に混乱を来たしている。それが非常な力のある者がそういうことをやっているものだから、だれも書いたくても言えないで黙っている、それが実情ですよ。私はどこにもはばかるものも何にもないから言うけれども、だれもこういうことは言いたくても言えないのです。そういうところに、やはりあなた自身は、あの市場のあり方なり何なりというものについて複雑怪奇であることだけくらいは知っているのでしょうけれども、それをばく然として知っているだけじゃだめなんで、監督行政をやっている上において、私はやはり今行なわれているこの仲買が荷引きをやっているという問題は、もう法律にも、業務規程にもこれは違反をしているのですよ。ところが事実荷引きは行なわれている。これは私は品物を言ってもいいし、何を言ってもいいけれども、これは調査してもらえばわかるから調査して下さい。そういうことが行なわれることが、中央卸売市場の公正な取引というものを混乱さしているのです。そういう点を一つ監督行政として十分に見ていただきたい。何を聞いてもわからないような監督行政ならやめた方がいい。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 非常に市場の内部の詳細な調査がまだ現在では行き届いておりませんので、そういう事情まで精細に承知いたしておりませんことはまことに遺憾でございまするが、そういうようなことが最近あり得るようなことは、これは聞いてもおりまするし、第一次の監督は開設者でもございまするので、開設者を通じて十分に調査をいたしたいと思っておりまするし、また、今後の市場の法令の改正の問題、指導の問題等につきましても、卸売と仲買というようなもののほんとうの分野もきちんと守られて、そうして市場の秩序が保たれると、こういうことを私は一つの主根にしていろいろ考えていきたいというふうに思っております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 私がこの問題で特に言うのはどういうことかというと、やはりこのバナナの問題が原因をなしているのですよ、というのは、仲買人が荷引きをできないというのは、法律でも業務規程でもこれははっきりしているのですね。それをバナナに関する限り例外を認めたことが、今日ほかの国内の産物についても荷引きを仲買がやるという、そういうことになってきているのですね。そういう原因をなしているのです。ですから、世にバナナ事件としていわれた——結局大臣の命令であるから、業務規程を改正しろといって強行されてやられたことが、今日仲買人が他の品物を買い付けられるというようなことまで、しかもこの神田市場の中で行なわれておる。しかも神田市場は、ほかの市場だったならば、そういうことをやればすぐわかるが、神田市場は、幸いなるかな、混雑しちゃって、何が何だかわからないというような状態でしょう。それくらい混雑している。だから、仲買人が荷引きしたものなんだか、卸売人のものなんだか、わからないような状態にある。そういう混雑にまぎれて、そういうやっていけない仲買人の荷引きが行なわれている。これはなかなか混雑してわかりませんでした、監督が行き届きませんでしたということになるかもしれませんけれども、現実にこういう問題が行なわれている。これは、やはり行政の任にある者として、何か一つ原則をはずしてゆるめるというと、それに便乗してくるという点がある。これは何でもそうなんです。官庁の不当事項でも不正事項でも、官紀がゆるんだとか、何か一つきっかけにして大きな事件が出てくるのです。これをあえて政府みずからがやったのです。従って、私はこういう面について、仲買というものに対して、やはり原則は原則として守らないというと、これは行政というものは乱れる。そういうことを実は言いたいのです。従って、今後における法改正等においても、十分にその辺の秩序が守れるように、あの市場の混乱の中で秩序を守るということは大へんなことなんですよ。従って、中央卸売市場の中であの生鮮食料が迅速に、しかも公平に公正な取引をやるということは非常にむずかしい問題なんです。それを乱すような、行政監督の行き届かないような形に今日あるということね。仲買の荷引きをするということが行なわれているということは、これはもう混乱するもとなんです。だから、厳重に注意をいたしたいと思いますが、一つよく調べていただきたいと思います。  それから、次にお伺いいたしたいのは、類似市場の問題ですが、類似市場について農林当局の考え方は、現在は届出制になっているのだが、これはできてもやむを得ないという見解に立っておるようでございますけれども、私は、これは憲法の規定に違反するとか何とかいう説もあるのだが、中央卸売市場というものの公共性というものを考えた場合に、指定区域内における類似市場というものは当然制限を受けるべきだと、こういう考え方を持っておるわけなんです。ところが、これは中央卸売市場について信用なり何なりが拡大していくというと、自然に類似市場というものは整理されてくるものだと、こういう考え方に立っているようでございますけれども、これに対する所見、並びに今後の法律改正の場合にも関連して参りまするので、類似市場の問題についての見解を一つお伺いいたしたい。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 類似市場の問題は、御承知の通り、中央卸売市場法におきましては、開設をする場合に類似市場の閉鎖を命ずることができるという非常に強い規定があるのでございまして、これがお話のように、あるいは現在では憲法違反ではないかというような議論さえあるようなものでございまするが、その後、市場ができてしまいましたあとにおきましては、一定の基準に該当するようなものについては届出をすると、こういうようなことで、その届出によって開設者は監督をする、あるいは農林大臣も監督をする、こういう現在の実態になっておるわけであります。もちろん、これは非常に根本的に問題のあるところでございまするけれども、中央卸売市場という制度そのものは、とにかく消費地に大量の集中取引をやって、公正な価格をそこで決定をする、こういうことを中心にいたしまして考えておるのでございまして、とにかく自然にそういう公正な取引が行なわれ、きちんとした施設があるというようなところに自然に青果物、生鮮食料品が集まってくる、そうしてこれが指導的な役割を果たしまして、生鮮食料品の取引と価格決定を引っぱっていく、そういう考え方が私は中央卸売市場の中心の考え方じゃないかと思うのです。ですから、今までの考え方は、結局問題は、中央卸売市場をできるだけ国も開設者も力を入れて整備をして、そしてこれをきちんとさしていく、そして経済的に類似市場というものはなくなすというような考え方で、あるいはありましても、経済的に中央市場に引っぱられていく、追随してくるというような形に持っていくという考え方が理想じゃないかというふうに考えてきておるわけでございます。従いまして、私どもの現在の指導といたしましても、その類似市場を、これをやめろというようなことはなかなか言えないのでございまして、類似市場の業者ができるだけ中央市場に入り込みまして、そうして中央市場を中心として取引が行なわれるというふうにいくように、そういう考え方のもとに指導をいたしておるのでございます。ですから、今後法律等を改正いたしまする場合にも、その点はやはりそういう原則を中心にいたしまして、中央市場の整備に力を入れていく、中央市場の取引が公正に行なわれるということに力を入れていく、そうして類似市場を自然にこれに追随さしていくようにするというふうに持っていくべきではないかというふうに考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 ただいまの説明では、私はどうしても納得できないのですが、札幌の中央卸売市場と類似市場との関係はどういうふうになっておりますか、実情は把握されておりますか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 札幌におきましても、中央卸売市場に入り切らないものがまだございます。しかし、これらも、先ほど申し上げましたように、中央卸売市場法の精神に沿いまして、あそこは札幌市当局が中央卸売市場の整備に一生懸命力を尽くしておるのでございまして、そうしてだんだんと中央卸売市場の中にこれを取り入れていくと、そして、中央卸売市場を中心にして生鮮食料品の取引が行なわれるようにしようという、こういう考え方のもとにだんだんと指導して参っておるという実態でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そういうことを聞いておるのじゃなくして、類似市場はどういうふうになっておるのですか。中央卸売市場の取引高、類似市場の取引高、それから、しかも札幌の中央卸売市場というのは最近できたのでありますから、最近できたものの隣に類似市場ができておる。しかも、その取り扱い量というものは莫大なもので、中央卸売市場より逆に多くなってくるのじゃないかという状況にあるというふうに私は承知しておるのですが、そういう関係を聞いておるのです。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 失礼いたしました。数字といいますか、そういう実態で申し上げますと、札幌におきましては大体旅ものと申しまするか、外から参りまするものでございますが、これは大体九八%ぐらいが中央卸売市場に入っております。それで、わずかに二%ぐらいのものが中央卸売市場に参りませんで、類似市場に行っているということでございます。近在もので、近いところからリヤカーとかトラックで運ばれまするものは、これは非常に残念ながら、四〇%ぐらいが中央卸売市場で、六〇%ぐらいが類似市場で扱われるという実態でございます。  こういう実態でございまするが、先ほど申し上げましたように、市当局はこれに非常に熱意を持っておりまして、そうしていろいろな話し合いをいたしまして、中央卸売市場中心に、とにかく青果物の取引が行なわれるようにということで、努力いたしておるわけでございます。最近、近在ものと旅ものとのウエートはだいぶ変わって参りまして、北海道のようなところでございまするから、遠くから参りまするもののウエートはだんだんふえてきておるというような状況でございまして、札幌の青果物の消費の全体の数量に対しまして、中央卸売市場で扱われていくものが相当にウエートが高くなってきつつあるというふうに私たちは見ておるわけでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 問題は、中央卸売市場は施設その他について若干の国の補助を受ける。そのために相当大幅な監督を受ける。従って、非常な商取引等においても厳重な監督を受けるわけですから、自由な経済行為というものが規制をされている。ところが、類似市場というものは、これは経営のやり方その他についてはほとんどノータッチでしょう。届出制で、業務について勧告するとか何とかいうようなことも考えているようですけれども、とにもかくにも自由でしょう。そういうものと、規制を受けている中央卸売市場との競争というものは、これはもうなかなか簡単にいかない問題です。でありますから、そういう自由なものと、しかも、中央卸売市場の指定区域内、しかも、隣接して非常な混乱を起こすようなところが類似市場の中にたくさんあるわけですね。そこにあること自体が、もう非常に中央卸売市場の運営に妨害になっているという類似市場すらあるわけです。しかも、私ども何回も指摘しているのですが、新設される、新しくできる中央卸売市場の隣にすでにもう類似市場が堂々と敷地を買って、店を開くという事態まである。従って、私どもは、今まであったもの、中央卸売市場ができて、指定区域、その中に従来からあったものについてはあれですが、わざわざ中央卸売市場ができたことによって、その隣へ持っていって、妨害になるようなところへ持っていって、混雑させるようなところに類似市場が新たにできるのです。そういう事例がたくさんあります。札幌にしても江東にいたしましても、そういう実情は知っておられるだろうと思う。そういうものまで届出制なんです。従って、届出さえすればできる。そうして一方、中央卸売市場は厳格な指揮監督をする。私も、今経済局長に言いましたように、監督が足りない、監督が足りないといって、非常に局長をとっちめているわけなんだが、そのぐらい、監督の足りないというぐらい一方は監督を受けている。一方の類似市場は全く野放しです。それで同じ対等の卸売市場の機能を発揮しようといったってできないことじゃないですか。中央卸売市場には補助をし、規模を大きく、信用を増加して吸収するなんといいますけれども、そう簡単にいかない。そういけば類似市場なんというものはだんだんなくなってしまっていくはずなんですけれども、これは一向なくならない。なくならないような形にやはりあるのです。やっていける、やっていけるから残っておる、そういう実態にあるわけです。それに対して何らの規制処置というものはない。中央卸売市場の監督が行き届かないものが、類似市場の監督なんか行き届くはずがない。そうでしょう。あなた方類似市場についてどれだけの資料を持っておるか、持ってないでしょう。でありますから、中央卸売市場の卸売業者は、今度の法律改正にあたっでも、どんなりっぱな法律を作っても、類似市場というものをほったらかしておって、中央卸売市場だけなんぼ厳重に監督しようと言ったって、そんなもの、法律があるだけで守れない。現在の食管法みたいなもので、中央卸売市場法だって守られていないじゃないですか、実際問題として。守られない法律をなんぼ作ったってだめなんです。そういうところまできておるのですよ。これに対して、類似市場というものに対して放任しておくということについては、やはり何か考える方法があるのじゃないか、憲法違反の問題があるといいますから上そういう点については十分検討をし、公取とも協議をし、法制局とも協議をしてやるべきだと思うが、今の類似市場というものをやはり許可制にしなければ、私は問題は解決しないというふうに考えておるわけであります。その許可制ということがどうしてもできないものなのかどうなのか、この点についてちょっとお伺いしたい。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) おっしゃる通りに、類似市場の問題は非常にむずかしい問題でございまして、私たちも、実際実情から見まして、非常に苦慮いたしておるわけでございます。いろいろ法律改正等いたしましても、この問題がすっきりしませんと、なかなか既存の中央卸売市場といいまするものの運営にも相当響くのじゃないかという感じを持っているのでございますが、先ほど申し上げましたように、一面からいいますると、法律上の問題といたしましては根本問題がありますわけでして、たとえば先ほどの六条でございまするか、類似市場の閉鎖を命ずる、開設のときに閉鎖を命じるというような規定も、これは非常に昔の法律だからこういう規定が一応残っておるので、今この法律を作ろうと思ったら、おそらく憲法違反でできないんじゃないだろうかという議論が法制局でもありますわけでございます。そういうような状況でございまするし、それから、実際問題といたしまして、それでは類似市場に対して許可制というようなことを考えていく方法も一つの方法かと思いますが、許可制をいたしますると、かえって公認されたということになるんでございまして、ここがまた非常に痛しかゆしの問題で、そういう公に類似市場というものを認めていくのかどうか。それじゃそれを相当規制をいたしまして、この都市には中央卸売市場について幾つぐらいの類似市場があってもいいのかというようなところまでは、なかなかこれは実際問題としてやれないんじゃないかというような感じがいたしまするし、どうも許可制ということ自体が公認するということに通ずることにもなりますので、これはまあ非常に問題があるわけです。ですから、従いまして、私たちの考え方といたしましては、今までの中央卸売市場法の法規でできますることは最大限にこれはとにかくやらにゃいかぬと思いまするが、そのほかは中央市場をとにかく整備していく。そうして青果物あるいは生鮮食料品は中央市場におのずから集まるように持っていかにゃいかぬ。それと同時に小売とか、あるいは消費者とか、国民全般が中央市場というものを認識いたしまして、中央市場を通ることによって生産者も消費者も守られるんだというようなものにとにかく仕上げて、育てていかなきゃいかぬというふうに考えまするし、それと同時に、そういうような趣旨のいろいろPR等も十分やって、そうしてとにかく中央市場を育てると、こういうことでいかざるを得ないんじゃあるまいかというふうな感じがいたしておりまするけれども、まだいろいろ検討中でございまして、結論のようなものには至っておりませんが、大体考え方といたしましては、そういうふうな実は感じがいたすのでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 許可制にすれば公認して認めたことになるというけれども、認めたって認めなくたって現実に届ければ……。今現実にあるんだから、認めないといったところであるんですよ、これは。そんな許可制にすりゃ公然と認めたことになるなんて言ってみたところで、そんな理屈成り立ちませんよ。しかもこれは中央卸売市場の取引が混乱して、交通整理から何からとてもこれは混雑して、どうにもこうにもならないという、現在類似市場があって公正な取引を妨害しているという事実がある。そういうものすらあるのですよ。こういうものは、私はやはり何とか方法を講じて、公正な取引をやるために、中央卸売市場法でもって施設もやり補助もし、そして混雑を起こさないようにと言ってるんだが、わざわざ交通を妨害するようなところにできてる類似市場があるのですよ。江東地区だってそうだ。中央卸売市場の隣にどかんと作っているんだから。しかも畑であるところ、沼地みたいなところを埋め立てしてまで作っている。将来混雑することわかっている。そういうばかげたことがなされているのに、手がないということはない。私は少し能がなさ過ぎると思うのですよ。ですから、憲法違反の疑いもあるとか何とかいうなら、その届出制というものを許可制にするなりして、許可の基準というものについて考えるとか何とかいう点で、それは私は問題は憲法解釈からいっても、中央卸売市場というものが、公共ということを建前として、そういう国の施策としてやるということになれは、この公共を害するものをわざわざ認めていくという形は、私はやはり成り立たないんじゃないか。従って中央卸売市場の混乱を避ける意味においても、ある一定の距離以内にはこれを許可しないとか、区域内では認めたとしても、一定の距離以内には認めないとか何とかいう方法がとられない限り……。東京における中央卸売市場周辺の類似市場の混乱を来たしている状態は、一つ現実に行って見てごらんなさい、大へんなものですよ。これはやはり非常に地域も広くていいというようなところはいいとしても、公共の公正な取引の妨害になるようなことはやはり避けるべきじゃないか、そんなことができないはずはない、こういうふうに私は思います。  それから、公共優先的に考えて、中央卸売市場というものは生鮮食料という特殊な産物で、しかも大量に一カ所に集中されてきて、短時間にこれを処理しなければならぬ、こういう性格を持っている。しかも国民の食糧と重大な関係を持ち、衛生関係とも重大な関係を持っているがゆえに、中央卸売市場として法律でもって保護し何もする、こういう考え方でしょう。公共優先ということは考えられないのですか、どうなんですか、その点は。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) もちろん中央卸売市場は、ああいう大量の集中取引市場でございますし、また、こういう公共的な性格というものは、中央市場自体についても、それから卸売人についても相当強いものであろうということを考えておりますが、それを基礎にしていろいろ取り締まりの関係あるいは監督の関係、そういうようなものも現在行なわれておるのでございまして、今後の問題といたしましては、そういう考え方のもとに問題は考えていかなければならぬというふうに考えておるわけでございます。類似市場の問題はそういうようなことで、私も、中央市場のすぐ目の前に類似市場があって、いろいろ問題になっている実態もよく知っておるのでございますが、先ほど申し上げましたように、非常にむずかしい問題でございまして、いろいろ検討中でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 だから、私の言っているのは、目の前にあるのは前からあったのだし、しょうがないですから、新しくできる中央卸売市場の隣に新しい類似市場ができるというようなことは、ちょいちょいどこにもケースがあるのですよ。これは指導とか何とかいいますけれども、指導していたらそんなことになるはずがない。現実にあるでしょう、そういうことが。これは指導で解決できないですよ。できなかった、今まで。だからそういうものができている。札幌にしても江東にしても、私ども現実に行って見てきてそういうことになっておる。でありますから、この公正な取引をやるということになれば、先ほど言ったように、中央卸売市場というのは非常に制限を受けるのでありますから、監督もきびしいのですから、自由な個人商社と違うのですから。一方、類似市場というのは全くのフリーな市場ですよ。そういうものと、施設が若干いいか悪いかといっても、それは類似市場の方が施設の方に金をかけないとか、あるいは従業員の賃金を低くするとかといって、中央卸売市場と競争していく気になれば、幾らでもできる。そういう形にある。そういうところまでなかなかいけないですよ。ですから、自由な競争をやるというのだったら、中央卸売市場の監督なんかやめた方がいい。黙っていてもできますよ。監督なんかしなくても、食品衛生法などで、とにかく衛生が保たれているか保たれていないとか監督するだけで、商取引を自由にやらしておけば、中央卸売市場法なんというめんどくさい法律でもって何も縛らなくても、そういうことになる。従って、中央卸売市場ということで規制する限りにおいては、規制しただけの保護措置というものをやはり考えてやらなければならない。ここら辺は非常にむずかしいところですけれども、私ここで論議したってしょうがないですから、法律改正のときにまた論議いたしますけれども、これは十分一つ今後の法律改正においても考えるべき点である。経済局の考え方は、類似市場というのは仕方がないんだと、そんなものは憲法で営業の自由からいって規制することはできないんだ、頭からこういう考え方です。もうそれは自由に競争した方がいいんじゃないか、類似市場を何もおさえる必要はないじゃないか、こういうような考え方なんです。そういうことでは、これは中央卸売市場の卸売業者が不平言うのはあたりまえなんです。非常な大きな制約を受けるんですから。そういうふうな中で自由取引をやるものと競争せいといったって、これは無理なんですからね。だからそういう点についてもっとやはり相当な措置というものを考えるべきだという意見を持っているということだけで、その点は終わっておきます。  次に、一般市場についてお伺いいたしますが、この中央卸売市場と一般市場の取り扱い数量について、どんなことになっておりますか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 今正確な数字がございませんから、すぐ電話で取り寄せまするけれども、大体卸売市場に乗っかるものと、その他一般市場に現われるものと、大体半々ぐらいだろうというふうに思っております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 半々よりも一般市場の方が多いんですよ。従って大体この一般市場というものに対して——中央卸売市場に対しては、政府としては補助金その他で監督行政もやる。ところがこの一般市場については全然野放しで、行政らしいものはやっておらない。まあ地方条例のあるところもありますが、これは大体魚の方の卸売市場、これはまあ二十何軒かあるようです。それ以外は、青果等についてはごくわずか、そういうような状態の中で、府県の行政の中からもはずれておる。農林省はもちろん全然無関心で、もう手がないからやらないということですね。中央卸売市場が先ほどのような状態なんですから、類似市場はもう目が届かない。もう一般市場については関心がないというわけで、何にも関心がないわけです。これでは農林省が従来、この農業の生産々々ということに非常に重点を置いてきましたけれども、流通面についての関心というものはもうほとんどなかった。それのりっぱな証左なんですね。そういう状態です。それでこの一般市場については生産高の半分以上を取り扱っておる。しかも一般市場は中小都市が多いわけですから、そういう面については全く農林省の流通面の行政というものは行なわれていないという状態にあるわけですね。しかも数の面からいって、今中央卸売市場であるのが何個所ですか。ところが一般市場は、もう古い資料ですが、青果が千三百幾ら、それから水産関係が千六百幾ら、枝肉市場が十三、四あるようですね。そういうふうに数の面からいっても、これは莫大なものですよ。中央卸売市場というものは、大都市における市場で、数からいっても非常にわずかなもので、市場数で三十二、まあこれからふえているでしょうから三十五、六になっているかどうか知りませんが、まあそんなものでしょう。大体農林省の市場に対する行政というものは、中央卸売市場というこの何十かの問題を行政としてやっておって、なおかつ監督不行き届きで、内容がわからないという状態なんですね。そうして千なんぼのこの一般市場というものはほったらかし、これじゃ一体行政がどこにあるのか私にはわからない。しかも農産物の最終の流通面における、生産者にとっても消費者にとっても重大な関心のある市場というものに対して、何らの行政が行なわれないというようなことについては、これは前から私は指摘しているのですが、そのたびに善処いたしますと、こういうことを言っている。今度の法律改正にあたっても一般市場についてどれだけの改善をする考え方でおられるか、一つお伺いしたい。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 一般市場の問題と中央市場の問題でございまするが、先ほどの数字でございまするけれども、青果物と水産物とを合わせまして、これは合計が、数量にいたしまして、総販売高に対しまして中央市場の扱っておりますものが大体三六%でございます。しかし残りの六四%といいまするものが、必ずしも全部一般市場を通じているかどうかというところは明確ではないのでございまして、これはこの中の相当部分がその一般の市場を通じているだろう、こういう工合に考えられるのでございまして、市場を通じないものもございましょうから、そういう関係で大体半々、あるいは半々よりも中央市場の方が少ないのじゃなかろうか、こういう見当でございます。  それからついででございまするから、先ほど神田の市場の取り扱い数量の御質問に対しまして、数字がございまするので、お答えを留保しておきましたけれども、三十四年度の数量が四十万三千トンでございます。金額といたしまして百四十七億ということでございます。毎年大体一〇%程度ずつの増加の趨勢にございます。  それから一般市場につきましては、おっしゃる通りに農林省の直接の行政監督といいまするものは、現在まあほとんど見るべきものはないというふうに言っていいのじゃないかと思いますが、その考え方はこういう考え方からきているわけでございます。と申しまするのは、生鮮食料品のようなものは、御承知のように消費地に出荷をされまして、大量のものが出荷をされて、そこで消費者に配られるわけでございますが、そこでこの出荷——大消費地に対する出荷と、それからそとにおきまして公正な値段がきめられて、それで公正な価格で消費者に行く、あるいは生産者にとりましても公正な値段が取りきめられる、こういうようなものは、全国的に見ましても、大体その青果物、水産物が大量に集まってくるところを中心にいたしまして、そこで価格決定、あるいはその取引の方法というようなものが公正に行なわれますれば、これは全体の生鮮食料品の価格や出荷の調整に役立つ、こういう考え方のもとにだんだんとその大消費地から始めまして、そうしてそういう中央卸売市場を作っていく、こういう考え方できておるわけでございます。その卸売市場におきまして、せりをやることによって生産者の保護ということにもなるわけでございまするけれども、一面におきましては、そういう消費地に対しまして生産者の出荷のいろいろの調整をやって参る、出荷調整をやっていく。たとえば漁業協同組合の共同出荷であるとか、あるいは農業協同組合の共同出荷であるとか、そういうようなものを促進することによって、生産者に対する利益も確保できまするし、そういうものを通じまして、大消費地におきまして、公正な価格がきめられていく、こういうようなことになるのでございまするけれども、大体そういう観点から、大きな消費地から中央市場を作っていきたいという考え方できておるわけでございます。従いまして、そういうような関係で、中央市場ができておりますのは非常に大きな都市に限られております。今までそういうことでございましたが、最近におきましては、中央卸売市場自体も相当地方の都市まで中央市場を作ろう、こういうようなことで、たとえば新潟であるとかというようなところも最近中央市場を作ろうということで動いてきておりまして、これらについてもいろいろ具体的な建設等が行なわれておる、そういう機運が大体全国的に現われてきておるのでございます。しかしながら、そのままて大消費地中心でいきますということは、全国的に見ますると、今言いましたように、生鮮食料品の価格の公正な決定というような点を考えてみましても、全国的に見れば相当目的を達するのじゃないかというふうにも考えられまするけれども、地方的には地方的にまた集散地があるのでございますから、そういうところにおきましても、十分中央市場と同じような機能を果たすために、十分監督のできる規制等を行なう必要があるだろうというふうに考えられるのでございまして、昨年でしたか、一昨年でございまするか、中央市場の調査会におきましていろいろ検討された場合におきましても、一般市場についても政府としての規制の方法を十分考えるべきである、こういう御意見も非常に強くございまして、そういう意味からいたしまして、私ども現在考えておりまするのは、大体中央市場については、これはもちろん農林大臣が直接監督をするということで考えるべきことであると思いますけれども、地方的な集散地で、地方ではそういう影響のあるものにつきましては、都道府県知事に相当責任を負っていただいて、そこで施設の整備等も行なわれるようにいたしたいと思っておりまするし、また、その中で取引の規制等につきましても、大体中央市場と同じようなことに準じまして取引の規制も行なわれるように、そういうふうに考えていきたいというととで、そういう考え方のもとに検討いたしております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 十五万以上の都市に中央卸売市場を作っていこうということの計画でやっていくのですが、現在ことしで二十一都道府県にできるのですか、それにしても、今後二カ所か三カ所ぐらい中央卸売市場を作っていっても、もう十年かかって約三十県になるかならぬかということだろうと思う。それができても、一県に一カ所できるかできないかという状態でしょう。そういう状態で中央卸売市場というものを考えていくということになると、これは全くゆうちょうな話なんで、これではとても中小都市はもちろんいけない。それから一般市場においては、中小都市においてすら卸売業者の過当競争が起こって、混乱が起きておるという事態が随所に見られておる。これは農林省で実態調査されているのかどうか知りませんけれども、おそらく実情をごらんになっていないのじゃないかと思うのですね、大へんなものです。従ってこれらについては、どうしてもやはり中央市場も考えなければならない。水産庁で考えている産地市場というものを今検討中のようでございます。従って十五万の都市でなければ中央卸売市場というものができないということになれば、水産関係の産地市場というものは人口十五万ないというところがたくさんあるわけですから、そういう場合もう永久に中央卸売市場はできない。それかといって、取引というものは混乱をしていいかということになると、これは大へんなことです。産地市場についての考え方を水産庁から、どんなふうに考えておられるのかお伺いしたいと思いますが、この産地市場ばかりでなしに、やはり消費者の面からいえば、私は産地市場だけ、特にこの十五万以下の都市における一般市場というものを考えるだけでなしに、当然これは消費地においても考えられなければならない、こういうふうに思うのですよ。で、農林省の経済局では、もう一般市場は投げちまったというので、仕方なしに水産庁は産地市場というものを考える、こういうことになってきているのじゃないかと思う。それはやはりなぜかといえば、これはほうっておけないから、水産庁は考えざるを得なくなってきている。これが実態だと思うのです。従ってこれは一般市場については、私は水産庁の考え方をお伺いしたいと思うのですが、経済局として、農林省全体の施策として、産地市場は水産庁でやっているのだからいいんだ。従ってほかの一般市場については、これは農林省としてはもう無関心といったような形で、問題のあるところは水産庁がやってくれる。こういうような考え方なのかどうか知りませんけれども、水産庁は今産地市場というものを考えているようですけれども、その状況を承りたいのと、同時に産地市場だけでなしに、消費地市場について、やはり生鮮食料、特に魚については衛生関係も必要なんですから、そういう点について一つ見解を承っておきたい。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) まことに申し上げにくいのでございますが、少し誤解があるようでございますので御説明を申し上げたいと思います。中央卸売市場については、先ほど私申し上げましたような形で、大きな消費地を中心にして、全国的に価格等についても影響のあるようなところをとらえて考えていったらどうか、そういうようなことで、一応十五万以上の都市ということを目安にして今後も施設の整備等をはかっていきたい、こういうように考えておるわけでございます。その他の一般の消費地市場でございますが、これは先ほど申し上げましたように、中央市場のように全国的に生鮮食料品の価格あるいは取引、そういう関係に影響がないにしても、地方的な集散地がございまして、そこへたとえば県内なら県内でそれに集まってくるので、その地帯におきましては、その都市をつかまえて、やはりある程度規制をすることは、生産者にとっても消費者にとっても利益の保護になるのだというようなところにおいては、これは地方的なものでございまするので、知事に中央市場法に準じまして一つ権限を与えて、そうして中央市場に準じたことをやっていってもらったらどうかと、こういうことを考えておるわけでございます。  それから水産物の産地市場の問題は、これは御承知のように、非常に特殊な変わった形態でございまして、どちらかといいますれば、いわゆる生産物の生産者、漁業者の出荷というものが大体中心になって参るのでございまして、そこで取引をされましたものが、そこを中心に、足場にいたしまして消費地に送られる、こういう形態の市場でございますので、これはその場所におきましては、生産者の何といいますか、出荷というものを相当重く見ました関係の市場の規制といいまするか、あり方というものを考えなきゃならぬということでございまして、そういう意味から言いますると、中央市場といわず、一般の消費地の市場とはおのずから考え方が違うものであろうというように考えておるわけでございます。ですから、従いまして、昨年、一昨年行なわれました卸売市場の調査会におきましても、もちろん中央市場の問題も、それから一般の地方的な消費地の市場の問題も、それから産地の市場、水産地の産地市場の問題も十分取り上げられて議論もされたのでございまするが、これは水産庁の方でも次長がおりまするから答弁があると思いまするけれども、なかなかむずかしいので、調査会においても具体的にどういう工合にしたらいいかという結論がまだ出ていなかったわけでございます。そういう状況でございまするので、産地市場の問題は今水産庁で鋭意検討をいただいておる、こういう状態でございまして、決して経済局は水産庁の産地市場はむずかしいからほったらかしてあるということではございませんので、どうぞ御了解を得たいと思います。

高橋泰彦水産庁次長

○説明員(高橋泰彦君) ただいま経済局長から御説明ございました通りでございまして、水産物はまず水揚地におきましては、主として漁業協同組合の共同販売事業、という格好で魚の取引が行なわれておるような特殊な事情がございますので、その面からいたしまして、経済局がただいまやっておりまするいろいろな御検討に協力する必要があるというような見解のもとに、昨年以来水産庁の中に対策協議会を作りまして、特殊の漁業協同組合を中心にいたしました産地の市場の問題につきまして、各方面からの意見をただいまいただいております最中であります。本年もまた引き続きこの協議会を開いて各方面の御意見をちょうだいいたしたい、このように考えておる次第でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 経済局長にまずそれじゃお伺いしますが、一般市場については都道府県知事に権限を委任して、その監督をやってもらうのだ、こういうような意見のようですが、市場についてそれじゃ先ほど申しましたように、県条例でこれを監督するような形になっておるところは、先ほど言ったように魚菜の市場では三県くらいしかないでしょう。それから青果の市場では十県、それから水産物の市場では二十四県、枝肉では一県、三重県だけですね。そういうような状態になっている。これは三十三年の資料ですから、その後変わっているかもしれませんが、県条例ですらこの一般市場の条例で規制しておるところが、全国のうちで水産関係は半分しかない。青果物では十県しかないわけです。それから魚菜市場、両方やっているものは三県しかない。そういう状態で一体都道府県知事が監督するというのですが、条例も何もなしに監督行政をやるといったって、私は簡単にいかないのじゃないかと思うのです。それで一体それだけ都道府県知事に委任して監督行政をやろうというのならば、条例くらいやはり作らせるような指導をなされるべきだと思うのです。また法律の中でもできればそういう規制を加えるべきじゃないかと、こういうふうに考えるのですが、そういう点については今までの状況は一体どうなのか。これは三十三年の資料ですから、今三十六年の今日、どれだけ県条例なり何なりができて、農林省の考え方が徹底して、都道府県が積極的にこの市場行政というものをやろうとしているのか、そういうような点について一つ答弁願いたい。決して経済局長が言っているようなことは都道府県になかなか徹底してない、現実になかなか行政といっても、行政らしい行政というものが行なわれてない。まあある府県においては、まあ特に北海道等においては相当きびしい地方条例がありますから、これは特に許可制になっている。従ってこれは憲法違反になるというような疑いもあるということも聞いておるわけです。そういうところもありますけれども、全く指導行政の行なわれてないところもあるわけです。今市場でこわいのは、農林省でもなければ都でもなければ、府県でも何でもない。あれは食品衛生法の保健所が一番こわいのです。そういう状態なんですよ。そうして商取引の売買関係については全く混乱状態で手が出ない、こういう状態です。監督のおそろしいのは食品衛生法の保健所ぐらいで、ほかにこわいものはない。実情はそういう状態にある。経済局長の認識は少し——あなたはいかにも行政をまじめにやっているように、しかも末端にうまくいっているようなことを言っているけれども、何もやってない。そういう状態にあることを知っておいてもらわないと、法律改正だの何だのといったって、身の入った法律改正なんかできませんよ。どうですか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 県の条例で、県内の市場の取り締りをやっておりますものは、大体三十三年と、その後あまり進んでいません。大体その程度の数字で、青果については十県前後、魚については二十数県、それから魚菜については三県というような、そういう状況でございますから、一般市場についても何らかの規制を一つ考えなければいかぬのではないか、という空気が非常に強いのでございまして、そこで昨年の卸売市場の調査会におきましても、何とかこの実態に合わせて、とにかく何か規制の措置を考える必要があるのではないかというお話が強く出ておるわけであります。従いましてもし今度の法律改正をいたしまする場合には、そういうような点も十分頭におきまして、今の条例がこのままでいいというのではございませんので、一部大きな都市については、中央が相当力を入れていく、それから県内の問題については県知事が責任をもって力を入れていく、こういう態勢を作りたい、こういう工合に考えて、いろいろ検討しておるわけでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 先ほどの水産庁の産地市場の問題については漁業協同組合を中心にして、公正な取引が行なわれるように研究している、こういうお話のようでございましたが、産地の市場、特に例をいえば焼津とか三崎とかいうようなところについて、漁業協同組合中心の市場というような考え方で、うまく取引が公正にかつ円滑にいく、こういうような考え方でしょうか。一般のこの卸売市場というような考え方を取り入れなくとも、漁業協同組合のこの市場でやっていける、こういうふうなお考えですか。

高橋泰彦水産庁次長

○説明員(高橋泰彦君) お答えいたします。一口に産地と申しましてもはなはだ複雑でございまして、純粋の沿岸の漁村の場合と、海に面しておりますが相当消費人口をかかえておりまする都市の場合と、若干事情が異なることは申し上げるまでもないわけでございまして、まずこの沿岸の漁村におきましては、漁業協同組合が事実上の唯一の産地市場というものを形成することについては、これは事実でございますし、また将来もそういう方向に持っていって万誤りなかろうというふうに考えております。しかしながら都市をかかえ込んだ漁港、大漁港と申しますか、そういうような場所、さらに地元の漁業者だけの生産物ではなくて、相当他府県の漁業者も集中するような大漁港中心の漁港になりますと、はたして地元だけの漁業協同組合の共同販売事業としてだけで、市場というものを見ていいかどうかについては議論がございます。従いまして、そういう点もありまするので、生産者団体方面の御意見としてはやはり漁業協同組合を中心にという考え方が強いわけでございまするが、しかし実態がそのようでございまするので、そのほかにいろいろな広域的な事情を加味いたして考えていかなければならないというふうに考えております。しかしその点はなおいろいろ複雑な問題がございますので、生産者団体だけではなしに、その他の方々の御意見も聞きながら漁業協同組合を中心にしながらも、それらの御意見を参照して何らかの方法を見出してもらいたいというふうに考える次第であります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 どうもわからないのですけれどもね。たとえば焼津のように背後に加工業者が非常にたくさん控えておる、そうしてまた消費地としての東京とも近い、まあ三崎なんかもそうですがね、そういうところと先ほど今、次長が言われるように一般の漁港ですね。それは漁業協同組合の共同出荷とか市場で事足りるだろうと思うのですよ。ところがやはり今都市を背後に持つ、特に焼津のように——焼津というのは静岡県の船ばかり入るわけじゃないのですね。だからああいうところは大へんめんどうな問題だと思うのですね、これは。しかしながらあそこには今中央卸売市場が行なわれておるわけでないし、指定されているわけでないし、それかといって、この公正取引ということについては重要な問題だと思うのです。あの実情は私はどういうような不合理になっておるかとか、もっと改善すべき点がどこにあるかとか、そういった点は焼津等については知りませんけれども、確かにああいうところは普通の漁港と違った意味における公正取引を行なう、十分研究する余地のあるところだと思うのですよ。まあ例を焼津にとりましたけれども、そういうところがあると思いますね。だからそういう面における産地市場が問題になるわけです。一般の小さな漁港が問題になるのではなくて、産地市場としても特にそういうような点が問題になる。でありますから、これは今後のこの市場法の改正の中で考えられるといっていますけれども、中央卸売市場法の大体改正でいけば問題にならなくなってしまうのですよ。一般市場と同じような形でやはり特別な措置というものは考えられないことになってしまう。従って私の言っていることは、やはり産地市場ということについて、水揚げ高も相当な数量に上っているというところについては、人口十五万ということで、中央卸売市場の指定というものがそういうところなんですが、そうなると焼津のようなところははずれてしまう。しかしはずれたからといって取り扱い高なんかからみて放っておけない地域じゃないか、こう思うわけです。従って産地市場という言葉で特に研究せられる課題が出てきておると思うのです。でありますから、そういう面については、やはり私は中央卸売市場法の改正の場合に十分加味して特殊な問題として検討されるべきではないか、こう思うのです。ですから特にお伺いしたわけですがね。

高橋泰彦水産庁次長

○説明員(高橋泰彦君) ただいま北村先生のおっしゃるように、この魚の産地市場の問題につきましては、生産者としても非常に関心の大きい問題でございますので、先ほど申しましたように協議会を設けて検討いたしておりまするが、この結論をもって経済局とも協議いたしまして御趣旨に沿うような改正にいたしたいというふうに考える次第でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 特に私はこの水産関係について言うのは、農業と違いまして水産関係は資本漁業があるわけですよ。資本漁業があって、資本漁業との関係とか、ある市場の水産物関係の市場等については資本漁業がほとんどその市場を支配している、こういう実態が各所にあるのですよ。そのために沿岸漁民なり何なりというものが非常に取引面において不公正といいますか、圧迫を受けておる事態がある。まあ市場にくる前にもう海の上で取引されておるというような事情がたくさん出てきておるわけです。これは資本漁業に買い占めされておる、そういうような事態で公正な取引が行なわれないというような事態が出てきておる。でありますから、私は特にこの水産関係の産地市場というような問題については、これは相当検討を加えるべき要素を持っておるというふうに思っておるわけです。これは九州方面におきましてもそういうところが、市場そのものがほとんどこの資本漁業に押えられてしまっておる。従って独占価格を形成するような形のところすらあるのですよ。でありますから、これは私としては水産関係の産地市場の問題は、そういう観点からも非常に重要な問題を含んでおると思っておるのです。ですからこれはもちろん今度の市場法の改正の中で特別に一つ検討をしていただきたい、こういうふうに思っていますがね。

高橋泰彦水産庁次長

○説明員(高橋泰彦君) 漁業におきましては、ただいま先生の御指摘のように、農業と違いまして相当の階層分化が行なわれておりますことは御指摘の通りでございます。従いまして単なる市場の機構の問題だけではなしに、そのただいま言われましたようなことが、全体的に影響を及ぼすような問題もあろうかというふうに考えまして、憂えておる一人でございますので、このたびの改正につきましては、そういうことを幾らかでも防止できるように万全を期したいというふうに考えるものでございます。

八田貞義自由民主党農林政務次官

○政府委員(八田貞義君) ただいま北村委員から市場における公正なる卸売取引につきまして、貴重なる御意見を賜わりまして、まことにありがとうございます。  北村委員も御承知のように、生鮮食料品の卸売市場対策につきましては、昨年三月臨時生鮮食料品卸売市場対策調査会から答申がございまして、今後当答申の趣旨に沿いまして、市場施設の整備、市場取引の適正化をはかるため、具体的な措置を講じていくことにしておりますが、中央卸売市場につきましては整備計画の策定、開設等の勧告、施設の整備に必要な資金の確保、卸売業務の適正かつ健全な運営の確保、中央卸売市場審議会の設置等の処置を講じますために、本通常国会に中央卸売市場法の一部を改正する法案を提出したいと考えまして、目下鋭意準備中であることを申し述べさしていただきます。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) ほかに御発言ないようでございますから、昭和三十三年度決算の農林省の部に関する質疑は本日はこの程度とし、後日続行いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時三分散会    ————・————

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