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38回国会参議院1961/02/15

決算委員会 第5号

発言数
236
登壇者
15
会派数
3
開催日
1961/02/15

会議録

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) これより決算委員会を開会いたします。  委員の変更について御報告をいたします。本日中村順造君が辞任され、その補欠として大森創造君が選任されました。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) 昭和三十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和三十三年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十三年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十三年度政府関係機関決算書を議題といたします。  本日は防衛庁の部について質疑を続行いたします。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 批難事項について質問いたしたいと思いますが、まず物資の調達についてどうも一貫性を欠いているような面があるのですが、物資調達の機構といいますか、どういう工合になっているのかまず御説明を願いたいと思います。

保岡豊会計検査院事務総局第二局長

○説明員(保岡豊君) 会計検査院小ら、ではちょっと防衛庁の物資調達の機構を説明いたします。防衛庁からの方がいいと思いますけれども、御指名がありましたから申し上げます。  防衛庁の物資の調達は、中央調達と地方調達とありまして、中央調達は調達実施本部という専門の機関がやっております。その中央調達は全国のものをそこで調達する、大きな資材物資について調達をするのでありまして、地方調達というのは陸幕、海幕、空幕おのおのそのきめられたものを調達しておる機関であります。それで中央調達に対するものは陸幕、海幕、空幕から要求書が参ります。要求書が参りましたあとで、それを積算、見積もりをいたしまして契約をする。それで検収して納入をする。それまで調達実施本部でやっております。そのときに陸幕と海幕と空幕とが同じようなものが入ってくるときに調整がうまくいくように考えておられる、こういうわけでございます。だいぶ簡略でございますが。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 内部に立ち至って検討していないからよくわかりませんが、批難事項をずっと通読しますと、何か一貫した機構なり調整機構があれば買わなくてもいい、こういうものがあるという御指摘があるのですけれども、どうしてそういうような現象が起こるのですか。あるいは空幕、陸幕あるいは海幕ですか、おのおの共通したものを連絡不十分のために余分に買っておるという批難があるのですが、そういう現象はどうして起こるのですか。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) ただいまの御質問の陸海空間で同じものを買った例がある、そういうものをもう少し整備した機構があれば避けられるのではないか、こういう御質問であろうと思いますが、その点につきましては、従来そういった例が一、二あったわけでありまして、今検査院局長からお話がありましたように、調達の機構としては一応調達実施本部、それから地方調達、こういうふうにはっきりしておりますが、各三幕のものをまとめて調達実施本部で買います場合に、各幕で個々に保有しておりますものの、その保有状況が正確に統一的に把握されておらない。そのためにほかの方で保有しておったものを他の幕で買ったという例であります。こういう点につきましては、各幕通じての保有状況等を総合的に統計整備の上、従来そういった例がありましたものを今後なくしたいということで、統計の整備につきまして現在努力いたしておるわけであります。今後ともそういう面につきましては努力を重ねていきたい、かように考えております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 それで三十三年度の批難事項の中で、たとえば「航空機共通部品の購入にあたり処置当を得ないもの」、こういう批難事項の中に各部局間の連絡が不十分であったというふうにあるのですけれども、その後においてこういう事態が起こりませんでしたか。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) その後におきましてはそういう事態はまだ起こっておりません。ただ、ただいまも申しましたように、統計の機械をただいま整備いたしておりまして、その間できるだけわれわれ内局におきまして、そういうことのないように努力はいたしておるわけであります。その後そういう実績は起こっておりませんが、なるべく早くそういった統計機械の整備をいたしたい、かように考えております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 これは統計機械を買っただけでそういう目的が達成できるのですか。調達庁本部はもっと機構的に各部局の在庫品なりその他の実態を把握できるような機構にしなければいかぬと思うのですが……。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) 統計機械だけで整備できるわけではありませんが、もちろんその機構の中に働きます各機能が十分に発揮されなければならぬわけであります。ただ、その機能を十分に発揮させる前提といたしまして、各部隊で保有しております数量を的確につかむというのが第一前提であります。その面におきまして数字を的確につかむ、なおまた各部隊でいろいろ名称を使っております。その関係で名称の統一わゆる類別の徹底というようなことを漸次基本的に進めて参りませんと、どうしても、そういったバック・データがはっきりしませんと、各組織の機能の十分な発揮ができませんので、そういった意味におきまして統計機械あるいは類別の徹底ということをはかりたい、かように考えております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 そこで、批難事項のうちで、特に私は第四項のF86Fの購入に対する問題についてお伺いしたいのですが、F86Fという飛行機はもう全部生産が完了しているのですか。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) まだ完了いたしておりません。この二月一ぱいで大体完了する予定になっております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 百十機のうちで完了した機数は何機あるのですか。

三原桂防衛庁調達実施本部長

○説明員(三原桂君) F86Fの契約は第一次、第二次、第三次とございまして、ここで批難されましたのは第二次の契約でございます。従いまして、第二次の百十機は全部納入が完了いたしました。第三次分が二月末で納入される予定でございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 そうしますと、全部で何機作るのですか。

三原桂防衛庁調達実施本部長

○説明員(三原桂君) 全部で三百機作ることになっております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 そうしますと、今まで完成した機数、それからそのうちで墜落した機数は何機あるか、あるいは損傷して使いものにならない機数はどれだけあるか、あるいはアメリカの方に機材その他返還したものがあるかどうか、そういうものについて、御報告願いたいと思います。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) これは三十五年十二月末現在でございますが、減耗しましたものが三十六機、それから教材へ用途廃止をいたしたものが十二機、これは部隊の訓練用の学校等の教材であります。それから米国へ返還いたしたものが四十五機、こういうことになっております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 減耗というものの内訳はどんなのですか、三十六機の内訳は。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) これは事故で使えなくなったものが大部分でありますが、そのほかの分が少しあるかと思いますが、詳細につきましては後刻調査して御報告します。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 墜落したものはどれだけあるのですか、三十六機の中で。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) このうち墜落したものは何機かというのはあとで調査して御報告いたします。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 それじゃその他の減耗というのはどういう内容ですか。どういう内容を減耗というのか、内容は。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) 事故等によりまして大損傷を来たしたもので、修理すればかえって高くつく、こういうものはまあ大体全部減耗と見ております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 それから返還をした四十五機というのはどういう事情ですか。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) これは米側からもらいましたものにつきまして、一時防衛庁のパイロットの養成計画がおくれまして、そのためにわれわれが持っております86Fの余剰ができたわけであります。これにつきまして米側から現在当分の間余剰のようであるから返してもらいたいという要求がありまして、これに応じましてわれわれとしましては差しあたりそれを使う見通しがなかった関係、さらにまた将来は86Dを向こうからもらうということによりまして四十五機をアメリカに返還した、こういう事情でございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 それから第三十四国会における安保特別委員会において、木更津に格納してある飛行機があるということでありましたが、それは何機あってその後どうなったのですか。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) 木更津に以前四十五機、さっき申しました米側に対する返還のほかに四十五機格納してあったわけでありまして、それは現在大体その四十五機のうち旧型の分につきましてはこれを偵察機に改造するということで、現在までにその改造のために三菱の方の工場に持ち込みましたのが十機あります。そのほか部隊に配属いたしたものが二機、合計十二機でありまして、現在木更津に三十二機格納してあります。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 こういうことをこちらから聞かなければ報告がないということはおかしいと思うのだが、ことに先ほど調達実施本部がさらによく確認、把握するといっておられましたけれども、墜落した飛行機の数を調べなければわからぬということは一体どういうわけなのですか。そう何千機もあるわけじゃないでしょう。そういうものは調べなければわからぬようになっておるのですか。私の聞いておるのは今ここで何機墜落したかというのじゃなくて、それはもうわからぬとおっしゃるから、そういうものは調べなければわからぬという、どうしてそういうことになっておるかということを聞くのです。まるまる落ちても三十五機でしょう、まるまる落ちても。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) お答えいたします。  数字を的確につかみますのに手間取りまして申しわけございませんが、ただいま手元にございます資料では、一例を申し上げますと、たとえば86Fで日本の国産いたしましたものの破損いたしましたものは三十二年に二機、三十三年に四機、三十四年に七機となっております。しかしこの破損というのが全損で全然使えなくなった程度か、中損か、その辺の細部の区分け資料がございません。それで実はお答えがおくれたわけでございますが、それからアメリカからマップで受領いたしましたものは、破損のほかに、先ほど装備局長がその他ということで申し上げましたのは、飛行機のエンジンにつきまして何時間飛べるかという一つの限度がございますので、その限度まできましたものは、一応用途を廃止してほかの方に転用しておるということもございます。そういうものも含めましてその他ということをお答えしたわけでございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 私の聞いておるのはその破損したのを聞いておるのじゃないのですよ。墜落したのが何機あるかということを聞いておるのです。わからぬでしょう。委員長、わからなければわからぬで、わからぬと言ってもらえばいい。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) 御答弁はございませんか。

白浜仁吉自由民主党防衛政務次官

○政府委員(白濱仁吉君) 詳しく調べてみなければまことに申しわけありませんが、わかりませんので後刻調査してお届けしたいと思いますから、しばらく御猶余をお願いしたいと思います。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 まあこの程度の、何機墜落したかというようなことが調べなければわからぬという。どういうわけでそういうことになっているのですか。これはいやしくも相当高額なもので、国民の血税から買っておるものであり、さらにはまた国防というような大事な任務を持っておるのですね。しかもいろいろ世間の物議のあるものでございますから、それを一体調べなければ墜落した機数がわからぬというようなことは、これはどうですか。これは常識では考えられぬじゃないですか。どういうわけでそういうことになるのですか。先ほど各幕僚間における在庫品その他は的確に把握しておると、こういうようなお話があり、さらにまた批難事項以降にはそういうものはないと、こう言って答弁なさったのだが、そのあとから墜落した飛行機の数がわからない。これはちょっと常識では考えられぬように思うのですが、委員長どうですか。これはわかりませんか。どういうわけでそうなっておるのか、聞いてみて下さい。なっているのですか、一体これは。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) 防衛庁の方に申し上げますが、こうした問題は関心を十分お持ちであれば、おわかりだと思うのでありますが、もちろん的確な数字を発表されるという意味合いからさらに調査をいたしたいという御所存かと思いますが、本日の委員会はまだ時間をとる予定でございますので、本省の方とお打ち合わせて、でき得まするならば、本日の閉会前に報告をされることを望みます。  では次の質問願います。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 まあ委員長のそういう御発言できょうじゅうに御返答いただけるということになったんですが、私は、この墜落した機数云々を今質問して驚いたことには、そういうことはわからないというのはどうなっているわけなのか、一体、内部の機構がどういうわけでそういうものがわからぬのかということを非常に疑問を持つわけなんです。特に飛行機と墜落ということは、これは致命的な一つの大きな要素なんですよ、これは飛行機というのは。それを墜落に関してはほとんど関心がないような答弁があるということは、これは私、遺憾だと思う。ですから、これはいずれ報告されるだろうと思いますが、そこで現在作っているのは何機ですか、現在製作中のは、これから先作る機数は。

三原桂防衛庁調達実施本部長

○説明員(三原桂君) 先ほど申し上げましたように、第一次、第二次、第三次とございまして、第一次で七十機、第二次百十機、第三次で百二十機、合計三百機となっております。その最終の百二十機のうちの大部分がすでに納入されまして、今月中に四機入る予定でございまして、最終二月二十五日に三百機が全部終わるという予定になっております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 今月四機入るとあと何機残っているのですか。

三原桂防衛庁調達実施本部長

○説明員(三原桂君) 四機で全部終わるわけであります、三百機。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 全部終わりますか、四機で。そこで、全部終わった場合に、いわゆる格納をしておく予定のものは何機ぐらいあるのですか。木更津その他について、要するに飛行機ができても人間がおらぬという飛行機が何機ぐらいになるのですか。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) 木更津で格納いたしておりますのは、今年度末、三月末におきまして大体十三機の予定であります。それからだんだんパイロットも充実して参りますので木更津の格納もだんだん少なくなっていく、こういう状況でございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 そうしますと、新しくできたものは格納する予定計画はないというのですね。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) 新しくできたものは格納の予定はいたしておりません。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 さらにお尋ねするのですけれども、先ほどの御報告によりまして、木更津の四十五機中十機が偵察機に改造するために三菱に行っておる。こういうのはあれですか、偵察機が要るなら新しく作るということにはできないのですか。私の聞きたいのは、せっかくできたものを偵察機にして、さらにまた86を作って、何かこれは非常に不経済のような気がするのですが、しろうと目から見て。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) この偵察機に改造いたします予定のものは十八機でありますが、この十八機はアメリカからさっき申しました、もらったものの古い型の分であります。なお、偵察機に改造すると申しましても、写真機や何かをつけるための簡単なる改造でありまして、そう大改造ではありません。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 そこで、この総機数の三百機の当初予定の納期はいつでしたか。

三原桂防衛庁調達実施本部長

○説明員(三原桂君) 当初の予定納期は三十五年十二月ということになっておったと思います。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 それは納期を逐次変更されて、予定よりも相当延ばしたと私は思うのですが、たとえばロッキードはあのようないろいろな問題があっておくれた。こういうことから、新三菱の飛行機に対する仕事のブランクになるのを防ぐために納期をあえて延ばした、と私は聞いておるがそういうことはなかったのですか。

三原桂防衛庁調達実施本部長

○説明員(三原桂君) 私ども契約当事者といたしましては、ノースアメリカンからの部品が予定通り来なかったという事態が生じましたので、日米協定を改めまして、その部品はノースアメリカンから米軍が買い上げて供給するものでありますので、日米協定を改めて納期を延ばすというようになったと思っております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 なったと思うのですが、どうですか。と思うのですが、あなた、それは。

三原桂防衛庁調達実施本部長

○説明員(三原桂君) 少し古いことにもなりますので、私、当時の当の責任者でもありませんので、そういうふうに承知しておるということを申し上げたのであります。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 少し古いと言ったって十年も二十年も前じゃないのです。一、二年前ですからどなたか御存じの方、ありませんか。――質問のしょうがないじゃないですか、わからぬことばかりで。どなたか的確に御答弁願える方、おいでになりませんか。

三原桂防衛庁調達実施本部長

○説明員(三原桂君) もう一つ延びた原因といたしましては、新三菱の大江工場が伊勢湾台風によりまして非常な災害を受けたということによりまして、三十五年十二月三十一日納めのものを三十六年二月末納めに直したということがございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 これは、われわれもしろうとですからそのものを報告願わぬというと困るわけです。当時、新聞にいろいろ報道されておりましたが、この報道の記憶をたどってみますと、いわゆるロッキードの問題から新三菱の仕事に、生産に穴があく、それを埋めるために、あえてその生産を引き延ばした。しかも、あの当時に部品を仕方がないから何年分まとめて注文しようかという話もあったと新聞に書いてある。まるまるうそじゃないと思うのです。おそらく新三菱もそのF86の仕事が終われば、あと生産する飛行機がなくなってしまうだろうから非常に大問題ですよ。防衛庁として、日本の兵器産業、航空機産業に対して大きな関心をお持ちだろうと思うが、そういう事情もおありになるのですか、いかがですか。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) ただいまロッキードの関係で延ばしたのじゃないかというお話ですが、本部長から答弁いたしましたように、アメリカ側からの部品が非常に遅延いたしましたのが、第一番目に延ばした原因であります。  それからなお、十二月を二月に延ばしましたのは、これは風水害の関係でありまして、別にロッキードの関係を考えたわけではありません。事実、ロッキードとの関係は、現在一年ぐらいの間があいておりまして、別にそのために86の納期を延ばしたという事実はありません。なお部品につきましては、これは86の生産が終わりますので、将来新たに86の部品を作るということになりますと相当高くなります。そういう意味合いにおきまして、86の生産が終わる前に将来要るべき部品もまとめて発注する、こういう措置をとったわけであります。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 そうしますと、三百機全部、当初から昭和三十五年十二月に完成すると、こういう計画だったんですか、当初から。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) 昭和三十五年十二月は、ただいま私が申しましたように、途中で米側からの、いわゆるマップによりますところの部品の供給がおくれましたので、二回か延ばしております。正確な日付は本部長の方で調べて答弁されると思いますが、そういうような事情でその前にも二回か延ばしております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 ですから最初からそれを聞いておるんですがね、本部長どうですかね、二回ばかり延ばしておるというんですが。

三原桂防衛庁調達実施本部長

○説明員(三原桂君) 納期の点につきまして、第一次の契約では、当初三十二年八月三十一日納めの契約をいたしておりましたが、その後三十二年十月三十一日に延ばしまして、さらに三十二年十二月二十八日に延ばしております。それから第二次の百十機の契約につきましては、当初三十三年九月三十日納期でありましたものを、その後三十四年二月十五日納めに延ばしております。それから最後の第三次の百二十機分につきましては、当初三十五年三月三十一日の納期でありましたものを、三十五年十二月三十一日に延ばしまして、さらに三十六年二月二十五日に延ばしたということになっております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 では、一年も納期を延長しなければならぬという理由は、アメリカからの部品が届かなかったという、こういう御説明なんですがね、アメリカからの部品が届かなかったその理由はどこに理由があったんですか。今後もそんなことがあり得るんですか。こういう飛行機の生産工程で、非常に複雑な、あるいはわれわれしろうとにわからないような大へん大事な日程だと思うんですけれども、一年も延ばさなきゃならぬという、そういうことは今後もあり得るんですか。アメリカとの関係はどういうわけですか。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) これは86につきましては、われわれが始めます当初におきましては、たまたまアメリカでも使っておった飛行機でありまして、そういう関係でアメリカ側で援助をいたします条件といたしましても、アメリカで部品を買って日本に供給すると、こういう条件になっておったわけであります。そのアメリカで買ってくれるということは、アメリカが自分で作っておりますので、その作っておるのと同時に、一緒にアメリカが調達して日本に送ろうと、こういうことであったわけでありますが、やはりアメリカの生産計画と日本の生産計画がどうしてもずれまして、そういう関係で、アメリカで調達する時期の分が、こちらにとって考えますと非常におくれたと、こういうような事情があるわけでありまして、そういう関係で並等につきましては、これはアメリカでも生産いたしておりませんし、またアメリカ側もこういうような事態があってはならぬということで、日本だけで調達するというような方針に変えたわけであります。確かに86、33等につきましてはそういった事情があったということは事実であります。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 これはきわめて不確実な生産計画になるということになるんですが、一年も延ばされて、当方としては何らこれによって損害をこうむるようなことはないんですか。損害はないんですか、一年間延ばして。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) それだけ工期を延ばしたわけでありまして、ある程度経費は高くなっております。その分につきましては、損害といえば損害かもしらないんですが、アメリカからのわれわれが援助によった関係上、その程度の損害が生じたということはまことに遺憾であります。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 損害額はどのくらいに上りますか。

三原桂防衛庁調達実施本部長

○説明員(三原桂君) 正確な数字をここでちょっと資料を持ち合わせんので申し上げかねるのでございますが、第二次の百十機のものについて申し上げてみますと、これは当初概算契約をいたしまして、その後でき上がったところで精算確定をする、こういう内訳になっておりますが、当初の契約金額は六十九億九千万円という概算で契約をいたしました。その後更改いたしまして、七十二億五千百万円、こういう概算契約に改めております。この差が具体的にはいろいろと工数のその後の変化でありますとか、いろいろの要素がからみ合っておりますので、はっきり納期を延長したためにこれだけ契約金額がふえたというふうにも言い切れないのでございますが、若干上がっている。その中には納期延期によるものが入っているということは申し上げられるかと思います。なお精算いたしました金額は七十一億八千六百九十万円ということになっております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 若干と言われますけれども、大体概算価格とそれから確定価格、変更価格三億何千万円違うわけですが、こういうものに対するアメリカとの何らかの取りきめはないわけですか。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) その点につきましては、アメリカ側は援助の条件として、そういった納期の生産時期の延長があった場合に、アメリカ側がその増加分を負担するということは協定に入っておりません。アメリカとしては自分の援助分以外は日本側で処理しろというような条件になっております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 そうしますと、アメリカとして契約なりあるいは協定というもの、不確実なものになるんですけれども、どういうような要領であるいは方法でこういう協定なりあるいは約束をおやりになっているんですか。交渉する場合にですね、ただくちゃくちゃと何かもっと確実なきちんとしたものないのですか。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) 大体生産計画、供給計画は一応作っております。それに基づいて日米協定をいたしまして実施をいたしているわけでありますが、そういった将来起こり得べき事態についての負担はアメリカは負わない、こういうことははっきりしているわけでありまして、その他の点につきましてはいろいろアメリカとしても努力すべきいろいろの事項は協定の中にうたってあります。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 もう一ぺんお伺いいたしますが、アメリカから来る部品がおくれた理由をもう一回一つ御説明願いたと思います。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) これはたまたまアメリカで発注する分につきまして、あわせて日本の分も発注してやるというようなことがあった関係上、アメリカとしましては、その日本に対する部品もアメリカ政府が買いまして日本に供給してやるというような条件になっておったのであります。それがアメリカの生産計画と日本の生産計画との間にズレが起こった、その関係においてわれわれの方の生産計画をある程度延ばさざるを得なかったというような事情でございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 これは将来もあることですから、一年間も延ばさなければならぬという事態が起こるということは、これまた常識から考えられないんです。部品がおくれたって一カ月や二カ月おくれるかもしれないけれども、一年も延ばさなければならぬというようなことは、こんなおくれ方ってないですよ。これはもういかにずさんなものであるかということは常識としてわかりますね、これで。まあこれは大いに気をつけてもらいたいと思いますが、そこでF86の部品というものはやはりまとめてお作りになるんですか、これから。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) さっきもお話いたしましたように86の部品は今年度大体まとめて作っておきまして、将来はごく特別の場合以外はまあ作らないというように考えております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 それはどのくらいお作りになるのですか、部品の余分なものはどのくらい注文なさるのですか、もう注文なさったのですか。注文したかしないかぐらい答弁できませんか、おかしいですよこれは。数量を聞いているわけではない、どのくらいのものを注文したのかあるいは注文するつもりかということを聞いておるのです。これは相談しないと答えられませんか。ちょっとおかしい、これは。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) 的確な数字は私ちょっと今持ち合わせませんので、大体八億程度と考えております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 八億というと大体部品にして、これは何機分というかあるいは何年分使用というか、どのくらいになるのですか、それはわかりませんか。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) 大体四年分程度の部品をこの際買っておこうということであります。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 この際でありますから、これから注文されるのですか、いかがですか、注文したのですか。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) 発注はいたしておりますが、発注の月日を今手元に資料がございませんので、本部長の方で調べてあとで御報告いたします。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 発注したということなんですけれども、F86という飛行機はほんとうにこれから四年先も作戦に作えるのですか、これは。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) わが国だけでなしに各国におきましても、86Fの形の飛行機はここ数年間第一線の現用機で使われるものと私どもは考えております。御存じのようにいろいろと飛行機の種類によりまして任務別のものがございます。私どもは今第二次防衛計、画を検討をいたしておりますが、かりに四十年度ごろを見通しましても今後生産しようとしております104、86F、86Dというものが、わが航空自衛隊の第一線の飛行機隊の主要航空機とこう考えております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 あなたの答弁はまことに頼りなくて、それで国が守れるかどうか疑問ですよ。外国でも使っております、と。外国が使っておろうがどこで使っておろうが日本の室を守るのにこれでいいか。四年も先に、八億円もかけて部品を作って、予備品をもっていなければならんほどこの飛行機は四年先に期待できるのかどうか。またロッキードもできますが、今度任務分担はどうなんですか。ロッキードの任務分担は。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) 先ほど外国の例を申し上げましたのは、日本だけでなしに86Fという型の飛行機が、各国の防空のために使われております、ということを御説明するために申し上げたわけであります。  それから104は逐次生産で出て参りましても、この飛行機は主としていわゆるインターセプター、要撃機でございまして、高高度に短時間で上昇する特殊な生能がございますが、航続距離その他は必ずしも……86Fと比べました場合にそれぞれの特色がございます。専門家の中でいろいろと用途を検討いたさせまして、それぞれの用途を編成いたしましてここ当分防空の任を全うさしていきたいというふうに考えております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 そうすると104は要撃で86はどんな用ですか。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) お答えいたします。私の御説明が不十分で申しわけございませんが、86Fもいわゆるインターセプターの要撃の飛行機ではございます。しかしたとえば高度五万フィートの所へ短時間で上昇するということになりますと、104と86Fと比べました場合におのずからそこに到達のための時間的な差異がございます。そこで両方の飛行機をかみ合わせまして戦術的に合目的的な運営をしていきたい、このように考えております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 将来も現在もそうだが、戦闘というものをそう簡単に、何メートルまではF86で戦争し、それから何フィート以上はロッキードで要撃するのだ、こういう区分はできませんよ。しかもこれから両方とも要撃用に用いるというが高高度の要撃にはもうF86以下では役に立ちませんよ。これからの空中戦は低空では考えられませんよ。たとえば今のお話では小牧の航空本部長ですかにお伺いしたのですが、今マッハ二というような飛行機で航空戦をやる、この場合、機首をぐんと下げた場合、最小限三千メートル下降しなければ上へ上がれない、そういう性能の飛行機だということを聞いております。それをF86を四年先も要撃に使えるというようなことは、これはどうかと思うのですが、今も104でないと、五万フィート以上の上昇速度からいって使いものにならぬと言っている。そうであるならば86は使いものにならぬのですよ。それを四年分も八億円も出して部品を買わなければならぬということは一体どういうことなんですか。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) どういう形で外敵の、侵入があるか、具体的に申しますと、いかなる形の攻撃があり得るかということにつきましては、いろいろと専門家の間でももちろん意見が分かれております。航空自衛隊でもいろいろな場合に備えまして検討いたしております。一例を申し上げますと、必ずわが国に攻撃を加える飛行機が二マッハ五万フィートという高高度のハイスピードでくるかどうか問題であるのであります。御存じのようにレーダーというものは低高度に対しましては必ずしも十分な効力がございません。従いまして、五万フィートで入ってくるか五千フィートで入ってくるか、その中間の高度をとってくるかということにつきましてはいろいろと前提があるわけでございます。そういうことにつきまして私どもの航空自衛隊幕僚幹部におきましては、もっぱら専門的な検討をいたしておりますので、各種の航空機を組み合わせてこれで防空の任務を全うしたい、こういうことが私どもの現在の結論でございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 これは専門的にわたってわれわれの云々すべきことではないかもしれませんが、しかし、大体、世界の大勢としてもアメリカ自体がもう86は使えない、部品を作らない、こういうアメリカが作らないということをいうのですよ、アメリカが。日本だけはあれで戦争ができるということはないと思います。こういうものはさらに検討を加える必要がある。私は極端な勘ぐり方をすれば、何か新三菱に仕事を与えるためにということも考えられる。これは極端な勘ぐりかもしれませんが、私は八億もかけて、そうして四年分の部品を買うということはどうもふに落ちません。これは大いに一つ検討を加えてもらいたい。いつ注文したか注文の日時をあとからお知らせを願いたいと思います。  それから、この批難事項の中に七十一億九千何百万円というこの中に三十一年度分として六億二千万円、三十二年度分として三十億円払っております。これは概算の内払いということになるのですか。

三原桂防衛庁調達実施本部長

○説明員(三原桂君) そういうことになります。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 そうしますとこれもちょっとわからんのですけれども、この契約書によりますると、概算払いに、第十七条でですね、概算払いに関する付帯契約書に基づき、概算請負金額の四割以内の額を概算払いをすることができる、こうなっておるのですが、これは相当四割をこえておるのですが、この間の事情はどうなっておりますか。

三原桂防衛庁調達実施本部長

○説明員(三原桂君) 前金的な概算払いとしまして四割を払う。従って四割の先払いをするものと、それが入って参りますと、契約書にもございますが、残りの五割を払って一割だけを最後まで残すということになります。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 そうしますと三十二年度分の三十億というのはこれは検査済みのものですか、検査済みのものでいわゆる別途契約ですね、契約書の第五条ですね、第五条に基づいて支払われておるものですか。

三原桂防衛庁調達実施本部長

○説明員(三原桂君) その年度によって違って参りますが、年度の初めにその年に予算の関係もございまして、当初全部四割払えるという場合と、その年度の予算がない場合には、その年度に入る数の予定の四割というものを払いまして、そのあとでその年度に入ってきましたものの五割を払うというようなこともありますので、その今言われました金額が全部納入された分のものであるかどうかということはちょっとお答えしかねるわけであります。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 これは一つ調べて先般の件と一緒に御報告を願いたいと思うのだが、この三十億というのは四割を超過をしておるのですね。六十九億から見て……。ですからこれは別途契約によってやられておるものとするならば、これは概算払いの精算になるわけですね。概算額の精算になる、そうなっておるのか、あるいは前払いになっておるのですか。これは一ぺん調べて御返答願いたいと思います。

三原桂防衛庁調達実施本部長

○説明員(三原桂君) 今の御質問は何年度ですか。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 批難事項ありますね、批難事項の三十二年度、つまり七十一億九千万円というこういう金額ですね。この中のカッコの中に三十一年度分は六億二千何百万円、三十二年度分は三十億払ったと書いてありますが、その払った分を正確に……。

三原桂防衛庁調達実施本部長

○説明員(三原桂君) 御質問わかりましたので、調査して御報告申し上げます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 あの先般の件報告があってから質問しますので、一応保留いたします。

木下友敬日本社会党

○木下友敬君 関連して聞きますが、防衛庁は今、自衛隊は特車を持っていますね。私のところには新しい資料がございませんが、持っているのでは特車が八百五十三台、これはアメリカから供与だとなっておりますがね。三十四年の資料によったのですが、その中の軽特車M24、中特車M4A3の数はとうなっていますか。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) これは去年の十二月末現在で申し上げますが、M4A3二百九十九両、M24、これが四百七十四両、合計しまして七百七十三両、そのほかに新中特車といたしまして国産いたしましたものが二両別にあります。今申しましたM4A3とM24、これは全部アメリカから供与された分であります。

木下友敬日本社会党

○木下友敬君 三十四年のは八百五十三になっておりますが、今のは七百五十十三になりますが、あとは廃棄したんですか。その差は……。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) ええ、その他の分は廃棄した分でございます。これは中には相当古くなりまして部品がない、あるいはまたそのほかの特車を生かしますために部品取りする、そういう関係で廃棄したものであります。

木下友敬日本社会党

○木下友敬君 その四百七十四の軽特車及び二百九十九の中特車の製作年月日はどうなっておりますか。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) これは先ほど申しましたようにアメリカからもらったものでありまして、製作の年月日はちょっとアメリカの方に確めてみないとわからないと思います。

木下友敬日本社会党

○木下友敬君 あれは普通自動車などはエンジンなどでもいつ作ったものだと書いてありますが、そういう戦争の道具にはそういうものは書かないことになっておりますか。すべてたとえば自動車の運転免許を見ても、使っている自動車の番号とか、いつできたものとか、年式というものがわかっておりますが、昔の小銃でも三八式とか何とかありますが、今の自衛隊のはいつできたものか、新しいものか、古いものかわからんでやっておるということはおかしい、それは一つはっきりして下さい。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) これは全部ついていると思います。しかし現在まだ資料をここに持ちませんので、後刻いつ作ったものか調べまして御報告いたします。

木下友敬日本社会党

○木下友敬君 それだけ人数が集まってきておって、使っておる兵器は大体いつごろできたか、十年前か二十年前か大体わかりませんか。大体の見当でも言えないということはおかしいじゃありませんか。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) これは第二次大戦ごろに作った分であります。

木下友敬日本社会党

○木下友敬君 大体少なくも十五年以上は経過しておるとみていいですか。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) 多分十五年以上経過しておるものと思っております。

木下友敬日本社会党

○木下友敬君 そうすると、今の特車で十五年以上経過しておるものは役に立ちますか。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) 現在使っておりまして、中に役に立たなくなったものにつきましては部品を取りかえて使う、こういうふうになっております。

木下友敬日本社会党

○木下友敬君 役に立つということはどういうことですか。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) 役に立ちますというのは、もちろん通常の訓練には当然役に立つわけでありますが、そのほかいろいろ特車の用途としてまだ十分であるとは申しませんが、相当の役割を果たし得る、かように考えております。

木下友敬日本社会党

○木下友敬君 それでは特車の用途ですね、どういう目的で特車というものが存在しておるか、それの目的の一体どれくらいのパーセントの力を持っておるか。何の目的でおいてあるか、簡単に……。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) 一般的に申しまして、特車の任務は堅固な陣地、あらかじめ構築された障害物の破壊並びに同様な相手方の特車に対する攻撃、こういうものが主体になるかと思います。

木下友敬日本社会党

○木下友敬君 M24及びM4A3、これの耐え得る相手方の火器、口径幾らの火器には耐え得るというその性能があるでしょう、攻撃力でなく。たとえば飛行機から襲撃を受けた場合に、どれくらいの銃撃弾に耐えて進んでいくかということが戦車の任務でしょう。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) お答えいたします。御質問のように、特車を作ります場合には、特車に搭載しております砲の能力、すなわち、たとえば一キロあたりのところで何ミリの鉄板を貫徹することができるか、ないしはこちらの特車の部分々々によりまして、鉄板の五ミリの場合にはどの程度の弾に耐え得るかということは、全部要求性能としてございます。ただ、具体的にM24につきましてどういう数字を持っているかということにつきましては、まことに申しわけございませんが、ただいま私、手元に資料がございませんので、調査いたしましてお答えをさせていただきたい、このように考えます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 今、装備局長ですか、そういう戦車は部分品を取りかえて使うとおっしゃったのですが、それでできるのですか。先ほどもおっしゃたように、戦車は、対戦車火器に対してどれくらい抵抗度があるのかということは大きな問題ですよ。M4は大東亜戦争のときにアメリカ軍が使っておった戦車であって、もう今は対戦車火器が全然違うのですよ。部分品を取りかえただけで戦闘に役に立つという答弁は不満に思いますが、どうですか。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) これはエンジン等につきまして部分品を今作っておりませんので、その関係で、故障が起きたエンジン等の部分品をとりかえて使うということでありまして、装甲の厚さは、これはもちろん使いましてもそう変わるものではありませんので、火器に対する能力はそう落ちているとは思っておりません。

木下友敬日本社会党

○木下友敬君 今の軽特車、中特車は部分品を取りかえたのもありましょうが、これは今実戦に可能な性能を持っておりますか。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) M24にしましても、M4にしましても、その能力は、もちろん、いろいろ部品等の取りかえばいたしておりますが、能力は十分発揮できるようになっております。また砲等もそのまま搭載いたしておりまして、それによって性能が非常に落ちたということにはわれわれは考えておりません。

木下友敬日本社会党

○木下友敬君 これを自衛隊で持っているのは、日本内地で使うというおつもりですか。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) その通りでございます。

木下友敬日本社会党

○木下友敬君 日本内地で特車を使うというような戦闘を一つ想定して説明してくれませんか。どういう場合に日本内地で特車が使われるか。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) 想定して説明しろという御質問でございますが、私ども部隊を編成して参りますのには、特定の事態というものを考えているわけではございません。法律に明文がございますように、いわゆる直接侵略、間接侵略というものに対応いたしまして、わが国の国力、国情に応じて持ち得る範囲の自衛力で、一朝事ある場合に備えるということでございますので、先ほど特車の用法につきまして抽象的にお答えいたしましたように、そういう場合に特車を使うということ以外、具体的に想定を設けろということにつきましては、ちょっとお答えが困難かと存じます。

木下友敬日本社会党

○木下友敬君 いや、端的に言うと、大へん失礼ですけれども、こういう軍備ですね――軍備という言葉は悪いかもしらぬけれども、言葉のいかんにかかわらず、軍備というものを持った場合、飛行機はもちろん要るんだ、それから戦車も要るんだというような、そういう一通りものを備えるつもりで置いているのか。あるいはほんとに仮想敵が来襲した場合に、この戦車を使わなけいばならないような事態が想定されるかどうかということですね。どういう場合に使うということで、そのことが問題になってきましよう。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) 再度同じような趣旨のお答えをしましてまことに恐縮でございますが、ともかく法律に明文をもって規定されておりますように、自衛隊というものは、与えられておる装備の範囲内でできるだけのことをして参る任務を持っております。従いまして、特車を持っておりますのは、先ほど申しましたように、堅固なる陣地あるいは障害物、ないしは同じような特車というものに対する攻撃に備えるためのものでございます。

木下友敬日本社会党

○木下友敬君 そうしますと、今のお答えからすれば、外敵が日本に上陸して堅固な陣地を作ったという、そういう場合も含まれておりますね。そこを、日本の内地を日本の特車が進んでいって、そうしてその日本内地に敵が作った堅固な陣地に向かって日本の特車が進んでいくという、そういう場合が想定される。   〔委員長退席、理事野本品吉君着席〕

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) 外敵が国内に作った場合だけではございません。作ろうとする場合にもやはり特車は当然に使用されるものかと考えます。

木下友敬日本社会党

○木下友敬君 それならば軽特車と中特車があって、重特車が置いてないのはどうしたわけですか。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) 重特車という言葉の意味がよく具体的にわかりませんが、今新しい中型の特車を国産しようといたしておる。これには九十ミリの砲を搭載いたしております。私どもといたしましては、その程度の特車を持つことで差しあたり十分ではないか、このように考えております。

木下友敬日本社会党

○木下友敬君 差しあたりというようなことでなくて、軍備をするからには、こういう場合にはこれを使う、こういう場合にはこれだ、敵が上陸したときにはどうだ、ということを想定しないで、それを昔やっていた陸軍大演習というような、あるいは小さな普通の演習のときでも、想定というものをしたのです。いやしくも金を使って軍備するときに、どういうときどう使うか、というような想定がないはずはないと思うのですがね。もっと突き詰めて言えば、現在の時限で日本内地で特車を使うような戦争があり得るか。今日の戦争の仮想される状態で特車というものが日本内地でまだ必要であるか。日本内地で特車を使うような戦争が考えられるか。もし考えられるとすればなぜ考えられるか。航空機の発達、科学兵器の発達、この状況下で今のM24、M4A3というようなものが、はたして今日の原水爆というような戦争の場合に役に立つのか。私が今重特車と申しましたのは、今日の特車の分類は昔のように重量でなくしてその性能で分けてある、そこまでは知っている。しかし、いずれにしろ軽にせよ中にせよ重特車にせよ、これがはたして今日の戦争にどうしても必要なものであるか、航空機が今の戦闘で大きな役割を持つ、それほどでなくても、はたして特車というものが日本内地の戦争で必要なものか、そのことをお尋ねしている。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) 御意見に対しまして批判を加えるようなことになってはいけないと思いますので注意してお答えいたしますが、私どもといたしましては、具体的にいつどのようなことが起こり得るかという想定とは別個に、先ほども申しましたように、万一あるかもしれない外敵というものの侵略に対して、現在持っておりますこの装備で十分な活動をする任務を法律で与えられております。そのもとでいろいろなことを考えますというと、なるべく大きな性能のいい戦車を持ちたいということが当然ではございましょうが、自衛隊の全般的な建設の方向ということから考えますと、私どもといたしましては現在の米軍から供与を受けました特車及び今後作って参りますところの中型の特車、これで私どもの任務を果たして参りたい、このように考えております。

木下友敬日本社会党

○木下友敬君 それはその通りでもいいと思う。いろいろの場合を想定してね。あらゆる場合を想定してそして戦備をやっていく。今の自衛隊の頭で考え得るいろいろな場合を想定して、外敵に備えるという意味で自衛手段としてやっておるという。そうすると、あらゆる場合を想定するというあなたの答弁の中にどういう場合に戦車が使われるかということがきちっと出てくるはずだ。あらゆるケースを考えて戦備をしていくということであれば、どういう場合に戦車というものが使われるか、単にさっき言われたような強固な陣地ということではなく、それは外敵がどういうことになった場合に戦車を日本内地で使うのか。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) お答えにならないかもわかりませんですが、私どもとしましては……。

木下友敬日本社会党

○木下友敬君 お答えにならぬような答弁は聞きたくないから、答えになるようなのを一つやってもらいたい。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) 私の言葉がきわめて不十分でございまして申しわけございません。私どもとしましては、内地で行動する以外の事態は考えておりません。従いましてどういうことを想定しておるかとこういう御質問でございますけれども、先ほどから申し上げます通りの言葉以外には出ないのではないか、このように私は考えております。

木下友敬日本社会党

○木下友敬君 私も、自衛隊ですからね、これは昔の満州であばれたような事態を想像して、また中国の戦備などを見ましても、日本から戦車を船に積んで中国に攻めていくというようなことはなかなかあり得ないだろうと思う。自衛隊の任務としても目的としてもそういうことは考えていないことはわかっておる。日本内地だろうと思う。日本内地だから私は言うのですよ。日本内地で特車というものは私は要らぬのじゃない小と思う。要るとおっしゃるから、しかも軍備というものはいろいろの場合を想定していろいろなものを置いているのだと言われるから、日本内地で想定される特車はどういうときに実際使うかと具体的に私は聞いておるのです。たとえば敦賀の方へ敵が上陸してきて、そしてそこへ陣地を作ったというような場合、そこへ日本の特車が行って攻める、そういう必要があるか。特車で何かそういう敵の陣地を攻撃するよりも、飛行機からやった場合の方がもっと有効である。特車というものは要らぬのじゃないか。ただ今の、軍備だということで一応あらゆる軍備をそろえておく。十分な性能がない、部分品を変えなければならないようなものでも一応その一つの形として、あるいはけいごをさすとか練習さすとかいう意味で置いておるだけであるか、それにしてはちょっと代価が高過ぎはしないか。ただでもらっておるのでしょうけれども、ただがこわいのですからね。だから私は特車というものを今こういう中特車程度のものを置いて、そしてさらにこれは四十五年からですか、四十五年からは内地で作っていく。そういう方向に自衛隊の金を使っていくのは損じゃないかと思うから言っておるのです。特車なんか作らないでもっと有効な方法がありはしないかと思うからお尋ねをしておる。日本内地の戦いにおいて特車というものが要る場合が私の頭では想定しきれない。しろうとだけれども私は戦術を知っておるのです。なぜ置いておるかということを私ははっきり聞きたい。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) 今のお説にありましたように、外敵が参りましていわゆる橋頭堡を作るという場合には、航空機で反撃すればいいのじゃないか、このような御趣旨と承ったのでありますが、お説の通り外敵のそのような侵入に際しましては、航空機による攻撃ももちろんございますが、同時に陸上におきまして特車を集中使用いたしまして、外敵の上陸を封鎖するということが一応戦術的な常識のように考えておるわけでございます。従いまして、こういう自衛力の整備にあたりましては、いろいろな特徴を持ちました装備武器等を併用いたすことによりまして、それの総括的の運用によりまして目的を達成するというのが一応私どもの考えております原則でございます。従いまして、飛行機だけあればいいじゃないかということになりますと、もちろんその飛行機だけで事が足りる場合には、あるいは特車のようなものは不必要になるかと思いますが、その飛行機が使えないという場合も、もちろん考えねばならないわけでございます。そのような意味から最初に申し上げましたいろいろな場合を考えて、一応私どもの持ち得る装備というものを備えて置くということが、結果的にいわゆる防衛力、自衛力を総合いたしまして、最も効率的なものではないか、このように考えている次第でございます。

木下友敬日本社会党

○木下友敬君 それは私の意見と全然反対です。これからの戦争に少なくも日本内地で特車を使うという場合はあり得ないと思っております。ですからあなたの方ではそういうことであらゆる手をそろえて置く必要があるだろうということですが、それでは私は損な金の使い方たと思う、もっと有効適切な方に金を使って装備をすることがいいと思う。今のあなたの御答弁の中で数えると、これまで三つくらい一応という言葉が出ている、一応々々、一応そろえておく、一応常識でというようなお言葉が出ましたが、私は常識というようなことで軍備をしていくのではなくて、ほんとうに科学的に調べてこれがこうでなくちゃいかぬ、という常識以上の科学的なものでやってもらいたい。一応常識的に今の戦車を戦備としてそろえ置くものだと思うのは、これは子供におもちゃをやっているようなものである。それは往々にして金のむだ使いになるのじゃないか、労働のむだ使い、また教育の中でももっと有効適切な自衛隊を作る手があるということを申し上げたのですが、私は次の機会に……。日本にほんとうにこういう場合を想定すればどうしても特車が要るということに対して私は特車だけ取り上げて言っておるのです。潜水艦とか空車とかそういうものは言っていないが、特車というものがほんとうに要らないような気がするから言っておる。どうしてもなくちゃならぬ。そしてこれはこれだけの強い力を持っておるのだという説得力があるならば説明してもらいたい。しかし防衛庁庁内部で特車というものをほんとうに反省してもらったら、これからの戦争には軽特車あるいは中特車、これは要らぬのじゃないか。それからさっき私がずいぶん特車という言葉を使いましたが、防衛庁の中のこの特車に対する考えの中に、日本内地では軽特車と中特車、この方がいい。この重特車というのは日本には太過ぎる。内地で使うには太過ぎるということがはっきり誓い一、ある。なぜそうなっているか。日本は地理的にあるいは非常に川がクリークみたいなのがあるとか、あるいはいろいろなことが書いてあります。だから日本では軽特車、中特車の方がいいということが書いてある。書いてあるからにはそういうことを、日本の地理と土質というものを勘案して、軽特車、中特車が必要であって、重特車は置かないということが書いてある以上は、日本でたとえば内乱が起こった場合は、それもいいでしょう。どういう地点にどういう外敵が来た場合に特車というものを使うか。九州、北海道、四国、本土、そういうことも私はあわせて想定しなきゃいかぬ。それは軍の機密だから言見ないということであれば別だけれども、私はそれくらいのことは言わなければ、国民の金を使って特車をこれから作っていくのですから、軍需産業にただ奉仕するだけではいけない。もっと有効適切な兵器を作るならば私は文句を言わないけれども、特車というものと今日の一体科学戦との間の関係について、われわれが納得するような説明を与えてもらいたいと思う。きょうのところはあなたのお話は、法律によって与えられた戦備の中でやっておると言われます。そういうことを数回繰り返して、法律によって与えられたる戦備の中で最小のことを自分たちはやっていくのだ。ですけれどもあなたたちは予算を要求して、そうしてこういうものを作りたいといって物を集めておるのですから、法律によって与えられた戦備の中でやっておるのじゃない。自分たちが要求して、こういうものをほしいからといって予算を請求して、そうして軍備をなすっておるのだから、ただ一応常識的な軍備というものでそろえるのじゃなくて、科学的な意味で今日の戦備というものを考えてもらいたい。そういう意味で質問をし、私の意見を述べたわけです。

山田節男民主社会党

○山田節男君 先ほど来大倉委員と木下委員の質問に対する防衛庁の御答弁を拝聴しまして、国民のだれしも今日非常に不安に思っていることは、いわゆる近代戦、これは局地的戦争あるいは全面的戦争の場合に、日米安保条約のもとにおいて日本がどういう役目をやるのか、これは戦略的に考えまして、いわゆる直接侵略でわが国土に敵が侵略した場合にどうするか、こういう今の両委員の不安はこれは国民ひとしく持っておることだと思うのです。そこで先ほど来飛行機の問題あるいは特車の問題についての防衛庁側の御説明を聞きますと、やはり私ども一番感じることは、日米安保条約のもとにおける自衛隊の役目、それから、自主的に日本国内における直接、間接の侵略に対して防備力を持つ、そういう前に、たとえば日本の国土に対しての直接、間接侵略があった場合に、今日のたとえば仮想敵国はどうきめるか、これは私どものそう言うべきことじゃありませんが、少なくとも防衛庁としては、仮想敵国とかあるいはそれが来襲するかもしれぬという、この想定に対しては、相当な分析と準備が私はあるべきだと思う。そういう見地から見ますると、今日の日本の自衛隊の海、空、陸上部隊の装備が非常に貧弱じゃないか。今日いわゆる自衛隊と称しておるけれども、内容は、装備からいっても、実戦力からいっても非常に貧弱であって、時代おくれのものをアメリカからあてがわれている。極端に言えばこれはチョコレート兵隊じゃないか、こういう国民の批判の声もあるわけです。そういう点から見まして、私どもがもうこれは五、六年前ですけれども、たとえば練馬の第一管区に行って装備を見ましても、当時の状況を見ますと、全くこれはアメリカの古道具的なものをあてがわれている。これで果して、たとえば間接侵略の場合でも、防備力を発揮できるかどうかということをしろうとでも感じたわけです。  そこで、私御質問申し上げますが、一体アメリカから日本に対して貸与、供与、あるいは有償無償で譲与される兵器と、イギリスあるいは、ことにNATOに加盟している西ドイツの軍に対して貸与あるいは譲与している兵器と、比較検討されたことがあるかどうかですね、この点一つお聞きしたい。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) アメリカから西独その他の国と日本に対する供与について比較検討したことがあるかということでありますが、これは具体的にアメリカからどういうものがいっているということを日本以外の国につきまして調査いたしましても、なかなかアメリカ側で教えてくれないのじゃないかと思っております。ただ今度われわれがもらいますM41という戦車がありますが、これは西独等ももらっております。なおまた川等については、西独と同時に日本にも同じ時期に供与することになっておるわけでありまして、特に日本が古いものをもらっているというようにはわれわれは考えておりません。

山田節男民主社会党

○山田節男君 私はそういう装備局長のお言葉が実は非常に不安なんです。なるほどアメリカとしては、西独やイギリスその他ラオス、こういうような国々に対してどういう兵器を貸しておるか、これは言わないでしょう。言わないが、やはり日本としては出先に公館があるのですから、もちろん詳細にはわからないかもしれませんが、別にスパイ行為をしろとは私は言いませんけれども、アメリカがもし明示しなければ、これは私は調査する方法は幾らでもあるだろうと思う。これは何と申しましても、やはり日本にアメリカから供与されている兵器については、戦略的にいえば日本は西ドイツ、イギリスほど重安でないから、まあこんなものでがまんしろという気持があるかとも思いますけれども、一体日本の現在持っておる装備で、今おっしゃったような直接、間接に想定せられる戦闘にたえ得るかどうかということ、それに対する自信を装備あるいは防衛の見地からお持ちになっているかどうか、これをお伺いしたい。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) ただいま申しましたように、西独等と大体同じものを日本ももらっておるわけで、西独等におきましては供与というよりも技術の援助という面が多いわけでありまして、104につきましても同じでありますが、西独自体は自力で作る、こういう方向に進んでおりまして、そういう面におきましては技術の援助を受けて、相当進んだものも西独自体が自分の負担において作るということをやっておるかと思います。  なお、日本がもらっておりますものによって、日本の防衛ができるかどうかという問題でありますが、これはもちろんいろいろ日本の国力、国情に応じて整備していくわけでありまして、   〔理事野本品吉君退席、委員長着席〕 もちろん十分な段階に至っておるとはわれわれも思っておりませんが、アメリカからもらったものも相当役に立っている、かように考えております。

山田節男民主社会党

○山田節男君 三十五年度、これはまだ年度が終わりませんけれども、予算年度の末になっておりますから、今までの数字でよろしゅうございますから、自衛隊の使う防衛のための兵器、これは広い意味での兵器と申しますか、防衛力になるようなものについて、アメリカから貸与、供与、譲与されるものと純国産のものとのパーセンテージですね、品種などそうこまかいことはすぐ御答弁できないかもわかりませんけれども、全額あるいは量についての大体の比率がおわかりになっておれば、何かの形でお知らせ願えれば知らせていただきたい。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) 資料をちょっと持ち合わせておりませんので、大体のことを申し上げますと特車等につきましては現在のところ百パーセント、大体二両だけ中特車で国産のものがありますが、大体百パーセント、それから艦船につきましては、国産と供与のものとの大体の比率が五十対五十、それから航空機等につきましては国産が大体七割見当、それから弾薬につきましては、大口径はほとんど全部向こうの供与、小口径は全部国産、中口径が大体三割程度国産、七割程度はまだ向こうからもらっておる。大まかに申しましてそういうような率になっております。

山田節男民主社会党

○山田節男君 これは私専門家でありませんが、少なくとも今後の兵器に直接関係がある電子工学、エレクトロニクス、たとえば飛行機にしても大砲にしても戦車にしても、いわゆる電波と、電子工学、これが比較的――比較的じゃない、非常な比重を持ちつつあることは事実ですね。そういうエレクトロニクスの戦力として見ても必要なこういうものに対しての装備というものは、一体純国産でやり得るのか、あるいはアメリカの技術交換か、あるいは供与でも受けなければ日本で全然できないのかどうか、これについての国産とアメリカから来るものとのパーセントがおわかりになれば聞きたいと思います。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) エレトロニクス全般についての比率と申しますど、これは相当計算のやり方もむづかしいので一がいに申せませんが、従来の航空機に搭載いたしておりますT33、F86の分は大体全部国産いたしております。P2Vの分の大体エレクトロニクス関係は全部アメリカのものであります。それから104につきましては大体わが方で三割程度の国産はできるのじゃないか。それから通信関係でありますが、これは大部分国産いたしております。まだ向こうから当初もらった分がありますが、大部分通信関係は国産をいたしております。

山田節男民主社会党

○山田節男君 それから兵器として要求するものが、科学技術の非常に進歩した今日におきましては、所要の金属あるいはその他の物資において非常に質的に高度のものを要求するわけです。そういうものを、これは私も具体的に、質問しませんが、たとえば金属関係にしても鋼鉄じゃもういかぬ、さらにそれ以上の金属でなくてはいかない、こういうものが多数あると私は想像するわけです。そういうような自衛隊として要求される一つの資材で日本で満たし得るパーセント、これも非常にばく然としておりますが、たとえば金属であります。国産とそれから外来ものとを使う比率がわかればお示し願いたいと思います。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) 材料そのものにつきまして、技術的に現在防衛庁で使いますものにつきまして、材料を技術的に国産できないというものはほとんどといっていいほどありません。ただ航空機等のいろいろ材料がありますが、これがやはりたとえば卑近な例を申し上げますと、アルミの板でありますが、これ等につきましても非常に幅の広いもの、これは日本で作れないことはもちろんないわけでありますが、これを作りますと量が少ない関係上非常に高くなる。そういう関係でアメリカからもらうというものはあります。これがだんだんミサイル関係になりますと相当高級な材料が要るのじゃないか、かように考えますが、現在の防衛庁の装備の段階におきましては技術的にできないというものはありません。ただそういうものを経済上の理由からある程度もらっておる。それが大体材料といたしましては四割程度の材料をもらう必要があるのじゃないか、かように考えます。

山田節男民主社会党

○山田節男君 それから日米の安保条約の建前から、アメリカが日本に対する自衛力の補充といいますか、補足と申しますか、そういったようなこの貸与あるいは譲与、供与する場合に、この軍の機密として取り扱いを絶対に秘密にしなくちゃならないというような、そういう兵器があるのかないのか。あるとすればこれもパーセントを――パーセントを示すわけにいかないでしょうけれども、そういうものがあるのかないのか。もしある場合には機密の義務を負う兵器は、これはたとえ国産でできても国産にしてはいけないというような、こういう申し合わせか何かあるのかどうか、この点をお伺いしたい。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) 中には機密を守ってくれということで向こうから供与いたしておるものはあります。たとえばターターでありますが、今度警備艦に装備いたしますターター、これにつきましては当然向こうの機密を守ってくれという要求があるわけでありまして、それに基づきまして、こちらといたしましても必要なる措置をとらなければならぬわけであります。

山田節男民主社会党

○山田節男君 それからこれはやはり装備に関する問題ですが、将来の戦略といいますかの場合に、もとより優秀な兵器を持つということはもちろでありますが、将来最も大切な、たとえばレーダーにいたしましても、ともかく電波装備というものが非常に私は必要だと思う。たとえば電波の周波数は郵政省の電波監理局で取り扱っている。そういった場合に防衛庁としては防衛のための電波、すなわちどういう種類の波で、どういう周波数が要るというようなことは、もちろんこれは電波監理局に申請されていると思うのですけれども、御承知のようにおのおの長波、中波、短波、超短波、極超短波、極超々短波とありますけれども、防衛庁として今日の防衛力上所要の波、バンドですね、あるいは周波数帯を要求通り百。パーセントもらっているかどうか。それから防衛的見地から将来、こういう限られた周波数帯を、無限にこれは必ずしもできるものじゃないのです、そういった方面の技術的研究も、十分国内的必要をしめし合わせて、そういう調査研究をされているのかどうか。この二点をお聞きしたい。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) 周波数帯の問題につきましては、防衛庁も十分いろいろ調査いたしまして電波監理局の方と打ち合わせをいたしまして、これはしょちゅうやっておりますが、まあ必要十分とは申しませんが、ある程度われわれの希望を受け入れてもらっている状況であります。なお、その電波につきまして、いろいろ防衛上の技術的な問題、あるいは民需との競合の問題等、いろいろ調査研究すべき点は多々あるわけでありまして、そういう点につきましては電波監理局とも十分打ち合わせして参りたい、かように考えております。

山田節男民主社会党

○山田節男君 最後に先ほど同僚からの御質問のあったことに関連するのですが、一体自衛隊というのは外敵の直接、間接の侵略に対して防衛する、先ほど特車の場合にも問題になったように、近代戦の意味からいえば特車は必要としないのじゃないか、こういう御意見もありましたが、自衛隊としては、たとえば国内に非常な反乱、内乱的なものが起きた場合、これはまあ火炎びんぐらいのことならばいいけれども、そうでない、もっと計画的な高度な、いわゆる反乱、内乱的なものが起きたような場合なども想定して特車というものが必要だ、私はそういうふうに思うのですが、この点はどうなんですか。先ほど木下委員の御質問に対して、はっきりとした御答弁がないのですが、こういうものは私ははっきりすべきだと思う。自衛隊というものは、国内の反乱が起きたような場合は、これはやはり自衛隊がそれをしずめるといいますとおかしいけれども、そういう役割を持っていると私は了解しているのですがね、そういう点はどうなんですか。特車を必要とする理由がですよ、外敵の直接侵略の場合も考えられますけれども、それは今木下君の言われるような議論も成り立つのです。もう一ぺんこれに対しての防衛庁の見解を一つはっきり伺いたい。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) 御質問の趣旨は、内乱騒擾等の大規模な場合に警察力だけで足りないで、自衛隊がいわゆる出動を命ぜられました場合に、特車等を使うことがあり得るのじゃないかと、こういう御質問と拝聴いたしておりますが、そういうような場合に特車をどのように使うかということにつきましては、予想と申しますか、想定されます事態において、相手方の勢力がどのようなものであるかということが、まず想定されねばならないと思います。かつ特車は御存じのように大きな砲を持っておりますが、装甲がございまするのでその砲を使わずして特車を使う、という場合もこれはあり得るかと思います。従いまして、常に外敵が入ってきたときだけに特車を使うということではございませんで、場合によりましては、御質問の趣旨のようなときに特車を使うこともこれはあり得るかと思いますが、しかしその場合には、具体的にいかなる状態で使うことになるかということになりますと、いろいろと前提の条件が必要になってくると考えますので、そういうこともあり得るということではないかと思います。

山田節男民主社会党

○山田節男君 最後にもう一つお聞きしたいのですが、戦前は陸海空とも技術の研究所あるいは海軍では艦船本部というのがありまして、性能のいい兵力を増すことについての相当熱心さもあり、国費も使っておったわけです。今日ではアメリカにたよるという建前があるものですから、どうも日本の自衛隊はそういう方面に対して、もっと自主的な、それからわが国独創のものを研究するというようなことが、私は行なわれてないんじゃないかと思うのですが、あればどういう面におやりになっておるか、あるいは将来こういう方面において陸海空にわたっての技術研究、こういう何か構想を持っておられるのか、具体的に一つお示し願いたいと思います。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) 御質問の趣旨は、現有の装備品に加えましていろいろと技術の研究開発を進めまして、新しい装備品を持とうじゃないか、こういう御趣旨かと解しますと、私どもは現在持っております装備品につきまして、鋭意能力の向上等につきましては、技術研究本部及び各自衛隊の研究本部で逐次研究を重ねております。中にはたとえば有線の誘導弾のようなもので、特車に対する攻撃の新しい方法なんかも一応の結論を得まして、これを試作しておるような段階もございます。現在持っております装備品につきましてその能力を向上し、任務達成のためにより効果的な経済的な手段を見つけ出すように努力いたしております。

山田節男民主社会党

○山田節男君 そうしますと、今そういった方面に陸海空の技術の開発、向上、改善のために、予算的にはたとえば三十五年度でどのくらい使っておられますか。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) ただいま技術開発のためにどの程度の経費を使っておるかというお尋ねでございますが、ただいま防衛局長から申し上げましたように、この仕事は主として技術研究本部という機関がやっております。もちろん各幕からいろいろな委任を受けまして、テーマをきめましてそうしてやっております。そういう機関がございますが、その機関で今年度の予算は二十一億三千九百万、三十六年度のただいま国会に御要求申し上げておる金額が二十六億一千三百万、もちろんこの中には人件費、あるいは旅費等の経費も含まれておりますけれども、任務上主として技術開発を行なっておる機関でございます。

山田節男民主社会党

○山田節男君 たとえば三十五年度の防衛庁の予算をかりに千五百億円として、そういう最も兵力の性能を発揮するような研究に、たとえばこの二十一億という話ですが、そういたしますと一体何パーセントか、まことに微々たるものでもう二%以下。一体こういうようなことで、そういう独自な技術開発ができるかどうかということ。これは常識的に考えて非常に私は了解に苦しむんですがね。先ほど他の同僚議員からの質問で、たとえば特車の部分品をほかから補充してこれを役立てると、かようなことを言っておられましたが、一体この技術本部がこんな微々たる額で、そういう今日の日進月歩の兵力のなんといいますか設備、そういうものに対してこれは対応し得るものかどうか。これで十分なんですか。たとえば今年度二十六億とおっしゃるんですがね、それでいいんですかという気がするんですが、内容までは言いませんが、おもな金は一体技術本部でどういう方面の開発に費やされておるのかですね。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) この二十六億という全体の予算額が、はたしてこれで十分かどうかということでございますが、もちろん元の要求は相当これを数倍上回るというような額でございますけれども、全体といたしまして防衛予算が適正な規模におさまるためには、やはり技術研究本部におきましても、相当の圧縮をしなければならぬというような面もございまして、大体昨年に比べて四億六千万円の増という程度で要求を圧縮したわけでございます。ここで行なっております研究の内容は、これは私からお答えするのは必ずしも適当でないかもしれませんが、先ほど装備局長から御説明申し上げましたように、必ずしも非常に大きなテーマをとらえるということでございませんで、各部品等の非常にこまかなもの。あるいは材料の材質等についての試験研究、あるいは大きなものになりますと、先ほど申し上げましたGM関係の研究とか、あるいは飛行艇関係の研究とかそういうまとまったものもございますけれども、それ以外に非常にこまかい今申し上げました部品等についての研究が入っておりまして、これらのものを各幕からの希望に応じ、また自発的に必要に応じて行う。ただ、ただいま持っております自衛隊の技術と申しますのは、わが国で開発したものだけではとうてい追いつきませんので、国際交流という意味からアメリカの技術援助を受けるというような面もありまして、それらが総合されて現在のような段階に達しておる次第でございます。

山田節男民主社会党

○山田節男君 これは防衛局長なり装備局長に御答弁を願いたいんですが、先ほど申し上げたように科学技術の長足の日進月歩の建前において、兵器そのものも非常に変わりつつあると思う。概括的に申し上げますと、ちょうど一般の産業界においてオートメーションが非常に普及しつつある。戦争はいわゆるボタン戦争である。そういうような大勢下におきまして、自衛隊が年間に使う陸海空の要員に対して、人件費はもう莫大なものであります。しかも陸上部隊等におきましては、所要の応募員がない。非常に欠員がある。これを無理に満たすというようなことをしないで、むしろ装備をいわゆるボタン戦争の時代に対応するように持っていけば、私は必ずしもアメリカに依存するというのでなくて日本――防衛庁自体が、そういう方面に創意工夫、あるいは技術の交換、あるいは技術の援助等を積極的に受けて、今日の貧弱きわまる自衛隊の装備というものをもっと私は科学的根拠の上に置いて改善できるのじゃないか、今までの御答弁だと、何もかにもアメリカに依存するのだというところに、戦前におけるかつての陸海空軍に比べれば、そういうような意味においての積極性が足りない、こういうように思うのですが、これは防衛局長なり装備局長これはどうですか。現状で満足されておるのですか。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) ただいまの御意見の通り、われわれも現在の技術研究の段階で十分だとは思っておりません。いろいろ防衛局長からも申しましたように、研究はいたしておるわけでありまして、その研究の範囲がまだ非常に狭く、また浅いという点は、われわれも認めております。今後とも十分研究を進めていきたいと、かように考えております。

山田節男民主社会党

○山田節男君 今のたとえば三十六年度の予算で、そういう技術本部で使う二十六億円くらいですね、そんなもので、今装備局長のおっしゃるような目的を達し得るのかどうか、この点をお伺いしたい。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) 従来から、技術研究本部で議題として取り上げられておりますものがあるわけでありまして、従来そういったことで予算的に認められておるのを現在続けておるような次第でありまして、もちろん来年度におきまして、ある程度の新規のものは、たとえば飛行艇等の研究等の新規のものもあるわけでありますが、従来研究しておるものをまず第一に完成したいということでやっておる次第でありまして、来年度の予算につきましては、そういった意味合いにおきましては、これをこの程度の予算で、その限られた目的の研究は、十分やれるのじゃないだろうか、ただ新しい分野の研究をやるということになりますると、さらに一そうの予算が必要なわけであります。そういう面から、われわれは十分だとは思っておりませんので、今後とも十分努力いたしたいと、かように考えております。

山田節男民主社会党

○山田節男君 私の質問は、これはまだございますが、追って予算の分科会等で、詳細にまた質問することにして、これだけでやめておきます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 木下委員の質問に関連してお尋ねするのですけれども、現在特車の数は、どのくらいでありますか。特車の数、これはアメリカ軍から供与してもらった特車、それから国産の特車別にですね、それから軽、中、重特車別について。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) さっきも申し上げましたのでありますが、M4A3と申しておりまするが、これが二百九十九両、それからM24、これが四百七十四両、これは全部アメリカからの供与であります。合計七百七十三両、そのほかに国産いたしました新旧特車が二両、現在ございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 このM24というのは、中型戦車ですか。中型ですか、これは。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) M24、これはトン数は十八トンでありまして、載せております砲は七十五ミリ。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 そうしますと七百七十三両プラス国産二両ですか。稼働している戦車何両ありますか。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) これは、大体八〇%程度稼働いたしております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 稼働してない戦車何両ですか、約。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) 正確な数字、私ちょっと今資料持ち合わせておりませんが、大体百四、五十両は稼働いたしておりません。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 この稼働してない戦車は、どういう状況にありますか。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) これも正確に、私資料今持ち合わせていませんが、補給処に一部保管してあります。それと同時に、なお部隊で故障の分が幾らかあります。そういったものを合わせまして百四、五十両が稼働してない、こういうことであります。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 その稼働してないのは、どこかに集めて格納してあるのか、あるいは分散をしておるのですか。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) ただいま申しました補給処にある分は、これは一カ所にまとめてあるわけであります。それから各部隊で故障しておりますものは、故障の修理の手続をいたしまして、それぞれ修理の方向、修理の準備を進めるということをやっておりますので、全部一カ所にまとまったというような状況にはありません。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 この百五十両というのは、これは修理をして、さらに使用が可能な戦車であるのか、あるいはこれはもう将来廃却する予定なのかどっちなのですか。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) 的確には、私はまだそのうち何両を廃却しなければならないか、修理によって何両更生できるかということを手元に資料がございませんが、大部分はまだ使えるものでございまして、アメリカからもらいまして、さっきも申しましたように、いろいろ部品取りをして使った分がまだ残っております。その分から部品を取ることになるわけでありまして、現在の七百七十何両につきましては大体まだ稼働できるのではないか、かように考えています。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 そうしますと、百五十両という非稼働の戦車は、これはいつごろから非稼働になっておるのですか。いろいろあるでしょうが、この大部分は相当長く非稼働になっておるのか、最近の数字なんですか。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) 補給処に置いておりますのは、いろいろ整備の関係で、部隊で、アメリカからもらいました当初におきまして、部隊に全部を配属いたしておりませんで、いろいろそういった修理の関係で補給処に保有いたしております。その分がさっき申しましたように補給処にあるという数字でありまして、その分を順次各部隊の悪くなった分と取りかえるというような操作もいたしておりますので、的確にどの部分が何月何日から補給処にあるということは、今すぐにはちょっとお答えできないと思います。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 それじゃこれは、今的確におわかりにならぬようですから、大体どこに何両あるか、どういう状態かということを資料にして出してもらいたいと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 先ほど大倉委員から質問のありました墜落したのは何機かというお答えを。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) 先ほど御質問ございましたF86Fの墜落いたしました数字でございますが、これは三十一年に一件、三十二年に九件、三十三年に二件、三十四年が五件、三十五年昨年十二月末までに五件、件数にいたしますと二十三件でございますが、これによって失いました飛行機数は二十七機でございます。と申しますのは、この事故の中で空中でお互いに接触しましたもの、衡突しましたものがございますので、件数に比べまして、四機ばかり機数としましては多くなっております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それじゃお伺いしますが、F86Fの部品補給からいって、今後四、五年間は、F86を使う、こういうことのようですがね。それをロッキードにかえていくという考え方があるようですが、一体このロッキードの性能について若干お伺いしたいのですが、このロッキードの飛び立つときの音響、あるいは射撃する場合の演習のときの音響ですが、これはF86と比較してどの程度の音響を出すように試験でなっておるのか。  それからもう一つは、離着陸する場合における滑走距離の問題ですが、これについて、一体ロッキードは、どのくらいの滑走距離を必要とするのか。それからロッキードに切りかえる場合の計画、年次計画、これからまあ第二次防衛計画を作るのかどうか知りませんが、私しろうとですからお伺いするのですが、大体、どのような計画でF86とチェンジをしていくのか、この点、まずお伺いしたい。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) 音の問題でありますが、これは大体86Dの四倍程度になるのじゃないか、かように考えております。  それから滑走距離は八千フィート。それからこれは生産上、製造上どういうように切りかえるかという御質問かと思いますが、これは直接86とは結びつきません。ただ同じ三菱、新三菱、川崎で作ります関係上、そういった点である程度結びつくということでありまして、さっきも申しましたように、86は今月の末で大体生産終了いたします。で、104ができますのが三十七年の一月、初めて国産機ができるわけであります。その間には相当空間があるというような状況になっております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 ちょっと今の中でわからなかったのは滑走距離ですが、これは八千フィートですか。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) 八千フィートであります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 これはメートルにすると幾らになるのですかな。ちょっと換算してみてくれませんか。

塚本敏夫防衛庁装備局長

○政府委員(塚本敏夫君) 二千四百メートルであります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そうしますと、この二千四百メートルという滑走距離についてはだいぶん問題になっておることなんですよ、ご存じの通り。これは源田サーカスなら二千四百メートルでいいわけですけれども、実際の部隊訓練用としてやる場合に、実際の部隊では訓練する場合には、三千メートル必要だということが言われているんですよ。で、国会の答弁では二千四百メートルということで答弁になっておる。しかしそれでは実際の訓練用には実用化しないということは、これは実戦の司令がそういうふうに言明しているんですね。そういう要求もされておる。  で、この点については、まあ今後問題になるだろうと思うのですが、一体、今自衛隊で使っている飛行機で、二千四百メートル以上ある飛行場というのはどのくらいあるんですか。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) ただいまの御質問の二千四百メーター以上の滑走路を持っておる飛行場はどこどこかというお尋ねでございますが、浜松、それから岐阜、それから新田原、それから小松、この今申し上げたものが二千四百でございます。いずれも二千四百。そのほかに小牧が二千七百、千歳が同じく二千七百。それ以外の飛行場につきましては、大体千三百ないし千八百というような滑走路になっております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そうしますと、このロッキードを、今三十七年の一月から完成してくると、こういうことですが、その場合ロキードを配属する部隊というのは、飛行場の広かったり狭かったりすることによって、これは大きな問題が出てくるであろうと思うのです。  それでこの問題は、飛行場の拡張の問題と関連して、国会では二千四百メートルで飛べるんだ、こういう御答弁ですからこの二千四百以上の飛行場がだいぶあるわけですから、その中でこなしていける、そういう飛行場にしか配属しない、こういうふうに理解していいのかどうか。  それからまたこの小牧と千歳が二千七百メートルであるが、今後拡張をする必要性というものを認めないのかどうか、これを一つお伺いいたしたい。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) ただいま装備局長から申し上げましたように、F104の滑走距離というものは、もちろんこれは御承知のように、滑走路が長ければ長いほど航空機にとって安全性があるわけでございますから、長きにこしたことはございませんけれども、ただいま申し上げましたように、必要最小限度どの程度かという御質問ならば、二千四百ということになるわけでございます。  従って、今後104ができました場合に、ただいま申し上げましたような二千四百メーター以上の滑走路を持っておる飛行場以外には、これは配備できない。しからばそれ以外のところで、特に104を配置するために、飛行場の滑走路を拡張する予定があるかというお話でございますが、このロッキードのために、特にそういう滑走路を延長するという計画はただいまのところございません。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そういうことになりますと、もう一つお伺いしておきたいのは、訓練用でも二千四百で差しつかえないのか、実際の訓練用としては最低三千メートル必要だと、こう言われておる。ところが三千メートルある飛行場というのはないわけです、今のお話によって。それで飛行場を拡張する予定がないことになると、一体ロッキードというのは、飛んでもない初めからりっぱなパイロットが、熟練した、二千四百メートルで乗りこなせるようなパイロットが養成されておって、そうしてできるのか。一人のパイロットを養成するのに大へんな努力をしているわけでしょう。大体、ロッキードのF104に乗れるような一人のパイロットを養成するために、一体何人くらいその過程において必要なのか。大体一機の飛行機に、どのくらいということ、出ているわけでしょう。これは何人か訓練してみて、そのうちから適格なものは一人か二人しか――私の聞いた範囲では、これは百人か、二百人か、そのうちから一人くらいしか適格なパイロットというものは出てこないというふうに聞いている。飛行機の性能が緻密になってくればくるほど、そういう要求度が出てくる、こういうふうに考えられる。  従ってこれは非常な金を使って装備しなければならない問題だ。その場合に、飛行場が整備されていないで、一体飛べるのか、どうなのか。三十七年にできてくるロッキードの訓練をする者を乗せてやれるような整備ができているのかいないのか。今の話だと、飛行場の整備すらできていない、整備する計画がない。これでは、ロッキードを何のために使うのか、製作するのかわからない。まことに無計画もはなはだしいと思うのです。  しかもことしから本格的に製作に入るんでしょう。従って、できてきた飛行機に乗る者がいないという状態がまた出るんじゃないか。それから、先ほどF86の問題で、事故の問題がたくさん出た。このとぎにすでに相当検討が加えられて、三十二年に事故が多発する原因は何かということで調べてみた。これは研究しているわけですね、防衛庁でも。その研究した結果が、どうも飛行機を飛ばせるだけの基礎ができておらなかった、逆立ちしていて、飛行機はあるが飛べない状況を無理して飛ばしていたというところに大きな原因があるということは、もう結論的に出ているのです。その誤りを、また再びこのロッキード104を飛ばすときに繰り返そうとしておる。防衛庁当局は計画がない。無計画だ。そういうことで、一体国民の一機五億以上もするものを作ること自体がおかしいじゃないか、こういうふうに思う。  これについて一つ、明快な答弁をしていただきたい。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) ただいまの御質問になりました三千メートル以上、あるいは三千メートルなくてはならぬという、そういう点は、どこから資料が出ておりますか、ちょっとわれわれには理解がつかないのでございますが、防衛庁といたしましては、先ほど申し上げましたように、長ければ長いほどいいけれども、しかし二千四百あればまずできる。特に二千七百になれば、相当有利な訓練が行なわれる、こういう考えでございまして、三千メートルというのは、ちょっとどこから出ました数字か、私わからないのですが……。

北村暢日本社会党

○北村暢君 その点は、今後まあ拡張しなくても、あなた方今の状態でできるという自信があるならば、それでいい。従って今後は拡張するとい問題が起こってこないと私は理解する。今後の問題としてまたおそらく出てくるんだ、これは。だからそのときにまた論議することにいたします。  そこでお伺いしたいのは、現在のF86よりも四倍の音響が出る、こういうことになっているのですね。これは今飛行場周辺における、基地周辺における防音装置の問題で、非常に大きな問題が起こっておる。これは御存じの通りです。補償の問題その他について大きな問題ができているのだから、あなた方は島松という千歳の基地において、そこの部隊の司令と、それから千歳の町長との間に結ばれておる協定書というのがあることを御存じだと思う。これは、去る内閣委員会において、わが党の横川委員から、これは現地の司令官が結んだものであるが、これは防衛庁長官が結んだものと理解していいかという問に対して、これはその通りである、まあこういうことになっておるわけですね。これは国会で答弁されておるのですから、そのように理解する。  それに対して、その覚書の中に、八十フォン以上は出さない、こういう協定が結ばれておる。それに対して、四倍の音を出すということになるというと、飛行場は、なるほどあなたの説によって二千七百メートルで飛べるかもしれないけれども、今度は、八十フォン以内で飛ばないとだめだという問題が出てくるのだが、これは実際問題として、八十フォン以内で飛ぶということは不可能である、まあこういうことになるというと、飛行場の整備はできても、地元との協約の中において、音の問題から、これは飛べないという問題が出てくるのだが、一体これについて、どのように考えておられるのか。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) 島松におきまして、ただいまおっしゃったような協定を結んでおることは事実でございます。そして、これは先ごろ、防衛庁長官から御答弁を申し上げましたように――内閣委員会でございましたが、御答弁申し上げましたように、長官と地元とのお約束というふうに考えていただいてけっこうだと思います。  ただ、その協定の中に、八十フォン以上の音響を出さないということは、これは確かにございませんので、音響の測定を今後行なって、適切な措置を講ずるというような内容はございますけれども、ただいまの八十フォンで限っておるというようなことはないと思っております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 この問題は、八十フォンということは、明文の中に、協定書の中に書いてない、こういうふうに言われておるのですが、ここに協定書の内容も私持っていますが、これは後ほど明らかにしたいと思いますが、現在八十五フォンから九十フォン、射撃をやる場合に、射撃演習をやる場合に、低空でやる、その場合に、八十フォン以上出るという問題が出て、そして今現地との間に、一体これをどうするかということで交渉が行なわれているのですよ。あなたはそれを御存じないですか。八十五フォンから九十フォン――八十フォン以上出ているのだが、これに対して補償をどうするかという問題が出ている、実際問題として。これは協定書にないとか、あるとかじゃない。八十フォン以上は出しません、出すような場合があったならば、演習を直ちに中止いたしまして協議いたしましょう、こういうことになって言っておるのです、その現地で。これについてはもっと調査をいたしたいから、その補償の問題については、ちょっと待ってくれ、まあこういうようなところまで話がいっておるのですよ、実際問題として。  ところが、これは八十フォン――まあ百フォンでもいいでしょう。これは四倍の音響が出るということになるというと、今までやっておる、全国――これは千歳ばかりじゃないです。これはもう、全国の飛行場において、四倍の音響が出るということになるというと、今までやっておりました防音装置というものは、全部役に立たないことになる、こういうことが起こってくるでしょう。しかも、この音響に対する問題については、小学校その他学校関係いろいろ問題が起こって、今その対策に対して苦心していることは事実なのです。従ってもう四倍の音響が出るということになれば、これはもう現実問題として、現在の飛行場というものは、ほとんどのものが使えないという事態が起こってくると思う。そういう問題に対して、いかように対処されておるか。問題の起こらないように、今から準備があるのかないのか、これはおそらくないと思う。飛ぶ飛行場ですら、政府は考えておらないのですから、音のことなど、まずおそらく考えておらないと思う。こういう問題について、私どもの判断からするならば、八十フォンという音が問題であるにしても、四倍の音響ということになると、もはやこれは千歳には、これはジェットは配属することは不可能だと、こう判断せざるを得ない。あなた方は、今後この千歳が最もいい条件のところなんだが、この千歳に配属する意思があるのかないのか、ロッキードを。配属しないと理解していいのか。現地司令官は、もう配属しないというくらいまで言っている。それで理解をしていいのかどうかお伺いをしたい。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) ただいま御指摘になりました騒音の問題につきましては、われわれかねがね非常に頭を使っておるところでございますが、騒音防止の対策といたしましては、従来行なっております学校等に対する補助金というだけでは、これはとうてい今後の問題として不十分であろうということは、今御指摘になりましたように、われわれも考えておる次第でございます。  しからば、どういう対策があるかと、こう申しますと、従来のF86F、あるいはDに、装置しましたような消音器、サイレンサーでございますが、こういうようなものをできるだけ改善をいたしまして、そして、期に対して有効なものができるように、ただいま研究を進めておる次第でございますが、それ以外に、この飛行場の施設自体に消音のための施設を設けまして、たとえば地下を掘りまして、そこでエンジンのテストをするとか、あるいは始動音を発するとかというような面について、今後施設を作るという考えを持っております。もちろん従来やっておりました学校あるいは病院等に対する補助金も、そのまま継続いたしたい考えでございますが、なお付近の方で移転を御希望になる方がありますならば、そういう方に対しては移転のための補償を行ないたい、そういう感じを持っております。  御参考までに申し上げますと、三十五年度、本年度の騒音対策の予算が一億九千万でございまして、これに対しまして、来年度国会に御要求いたしておる同様の経費が、六億二千九百万、非常に画期的にわれわれとしては予算の要求をいたしたつもりでおります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 私の質問に答えておられないのだが、今後この、いろいろな装置をするというようなことなんだが、千歳に、このジェットの104ですね、これを今後配置する計画があるのかないのか。おそらくこの問題について現地ではそういうことはないだろうと、こういっておるのですよ。ですからその点をお答えを願いたい。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) 新しくできて参ります航空部隊を、どこに配置するかということにつきましては、先般ここで御説明いたしましたように、目下、次期の防衛力整備計画というものを事務的に検討いたしております。その過程におきまして、各スクオドロンの具体的な配置場所を決定いたしたい。このように考えております。千歳に104がいくかいかないかは、ただいまのところでは、いずれとも申し上げられない問題でございますので、御了解願いたいと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それでお伺いいたしたいのは、補償の問題なんです。これは非常にむずかしい問題でございますが、音響のために、酪農地帯において乳量が減ったり、あるいは鶏の卵を生むのが減ったり、こういう問題が出てきておる。こういう問題について被害が起こった場合に、防衛庁として、従来補償をした例があるのかないのか。  それからもう一つは、飛行場の拡張等によって、今言ったような音響の関係からいって今まで、拡張するまではよかったけれども、拡張したために、付近の農家が酪農なら酪農というものをやめなければならなくなった、こういうことで、酪農をやめて水田に転換をしたい、こういうような問題も出てきている。これは米軍の基地の問題も含めて、そういう問題が起こってきているわけであります。そういう場合における補償問題、それから農業の形を転換する問題、これも補償を要すると思います。土地改良その他でもって経費がかかるのでありますから、補償の問題というものが出てくるのでありますが、そういう問題について、一体あなた方はどのような補償措置をとったことがあるのかないのか、今後、一体どのように対処されようとするのか、この点についてお伺いいたしたい。  それで予算面については、今、昨年が一億九千万かで、今度六億要求しておる。これらの問題は、大部分学校とかあるいは病院の防音装置のための経費だと思うのです。従って、すでに起こった被害に対する補償のための経費というものは、一体どのように考えておるか、これについてお伺いいたしたい。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) 従来、騒音に関する補償をやったことがあるかというお話でございますが、これは従来、地域等で補償をいたしたことはございます。またこれは松島でございましたが、耕作用の役畜が非常に騒音に驚くというような事例がございまして、農機具等を便宜買って差し上げたと、形の変わった意味で補償と申しますか、そういう事例もございます。  今後どういうふうに考えるかという点でございますが、これは御承知のように防衛庁以外の、たとえば現在問題になっております羽田等との関連もございまして、ただいま来年度内閣に特別のそういう審議機関を設けられることになっておりますので、そういう辺にはかりまして、防衛庁のみならず、全体として飛行場の騒音について、どういう程度の補償をするか、あるいはその補償のやり方等について、内閣の審議機関において統一した結論を出していただきたいと思っております。  なお、先ほど申し上げました三十六年度の予算は、この予算の中には、すでに生じた損害に対する補償というものは、これは含まれておりません。すでに生じた損害に対しては、賠償償還払い戻し金という別の項目がございまして、そこから適切な補償をやっていきたいというように考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 ただいまの騒音による補償というのは、防衛庁は例がありますという程度で、何かそんなにやっておらない。たった一つやっておる、あなたのところでは。これは千歳で、たった一個所やっておるのです。それを例によって、全国的にやっているような例はありますというようなことではなしに、全国のこの種の被害に対する補償というものは、ほとんど泣き寝入りにされておるというのが実態です。あなた方は、どういうふうに認識されておるかわからないですけれども、それは、ほとんどがこの種の被害については補償はしておらない。しかも来年度予算でも、あなたは、今六億の中には入っておらない、入っておらないが、賠償云々ということを言っておるのですが、賠償費の何とかというのは、これは米車の被害に対してでしょう。米軍による被害に対して補償をしている。これは調達庁は来ておりますか。

真子傳次調達庁次長

○政府委員(真子傳次君) 参っております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 見えておったら、米軍のこの種の被害に対して、補償は従来どの程度やったことがあるか。  なお調達庁にお伺いしたいと思いますが、先ほど経理局長が言っておる賠償費云々というのは、自衛隊の被害に対して賠償云々というものから経費が出るのですか。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) これは、調達庁と防衛庁、組織が別になっておりまして、防衛庁には、防衛庁としての賠償償還払い戻し金という項がございまして、そこに予算が組んでございます。従って、地元に対して損害を与えた、騒音によって、たとえば先ほど御指摘になったように、牛が乳を出さなくなったというような損害が発生しましたならば、予算の目から適切な補償を出し得ることになっております。現に島松の地元の方とのお約束でも、そういう場合には、補償をいたしますというお約束になっておることは御承知の通りでございます。  今後損害が発生しました場合には、適切な補償措置を講じたいと思っております。

柏原益太郎調達庁不動産部長

○政府委員(柏原益太郎君) 航空機の騒音による被害につきましては、先ほど例としてあげられました酪農関係におきまして、実は島松演習場を米軍が使用しておりました時代に、ある牧場に騒音によって被害を与えた。それは乳牛の乳量が減少したとか、あるいは騒音によって牛が驚いて、妊娠中の牛が驚いて流産したとか早産したとか、そういったことによって被害を受けたということがございまして、それに対しまして、三十四年度で補償をいたした事例がございます。なおまた、農耕する場合に牛馬が驚くとか、あるいは農耕者自体が爆音に驚いて、なかなか十分な農耕ができないというようなことから、農作物の減収を来たすということに対して補償した事例もございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 私の聞きたいのは、この米軍の被害のときは、概して損害の補償というものはやってきておる。それはやはり調達庁という役所があって、被害をこうむった農民、地元民、これに対して損害というものを適正に評価する、第三者が評価する。こういうことで行なわれてきている。ところが、自衛隊は、これは自衛隊との直接交渉の中で、自衛隊の補償というものに対しては、調達庁はタッチしませんから、従って自衛隊と地元民と直接折衝をする、こういうことになるわけです。で、往々にしてその場合、何だかんだと理屈をつけて、結局その被害が何に原因するのかわからないような形で、農民の方は泣き寝入りになってしまう、これが実情なんです。地元民が泣き寝入りになっているというのが実情なんです。  従って、私はやかましく言っておるのですが、これは後ほどまた質問いたしたいと思いますけれども、そういう問題が一つあるということを理解しておいていただきたいと思います。  そこで、次にお伺いしたいのは、先ほどの演習場の八十フォン以上出すか出さないかという問題については、覚書では、私の理解では八十フォン以上は出さない。こういうふうに覚書をかわしておる、こういうふうに思いますが、これは後ほど、また私確かめてはっきりさしたいと思います。  それから、次にお伺いしたいのは、演習場の被害の問題で、これについては、前にも一応お伺いいたしたのでございますが、まず調達庁にお伺いしたいのですが、この前の計画で三十七年度以降の計画等について、一応の概略の点を説明を願ったわけなんですが、大体農林省と調達庁で島松の演習場における防災工事の予算というものが今の計画でいくというと、大体三十五億程度というふうに聞いておるのですが、これはまあ、設計の計画を見ますというと、それほどでもない。十八億五千万ですか、というふうになっておるようですが、三十五年度までに大体九億程度の仕事をしてきておる。従って、今後まだ相当の工事が残っておるところが、今年度は、今年度というか来年――三十六年度の予算ですか、それの中で演習場の中における防災堰堤の設計の経費というものが全部削られておる、こういうことが出ているようでありますが、これは事実かどうかということですね。  それから、大蔵省の主計局長、見えておりますかな、呼んでおったのですが、主計官来ておりますか。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) 来ております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 来ておられるようですから、大蔵省にもお伺いいたしたいと思いますが、今後自衛隊の使っておる演習場の中の防災工事というものは、自衛隊自身がやるという方針でおられるのかどうか。そのために今年度の防災堰堤の経費というものを切っておるのかどうか、この点一つお伺いいたしたい。  特に地元民が非常に不安に思っておるのは、三十六年度までは何とか事業が進んできておるけれども、今後、一体どうなるのかということについて、相当やはり心配をしておるわけです。というのは、適用の法規が、特損法という法律であるために、米軍がもう使用を終わってから相当たつわけですね。従ってそういうような点からいって、だんだんこの防災工事というものは、特損法によって処理していくというのが、しり細りになってしまうのではないかということで非常に心配をしておるわけです。  従って三十五年度以降におけるこの防災工事の計画というものについて、予定せられておるものを全部実施するという意思でおられるのかどうなのか、この点を一つお伺いいたしたい。

柏原益太郎調達庁不動産部長

○政府委員(柏原益太郎君) 島松演習場の防災工事につきましての全体計画は、前回の委員会でも申し上げたかとも思いますが、実績を申し上げますと、昭和三十五年度までに約五億二千万の工事をやっております。三十六年度の今御審議を願っております予算におきましては、一億四千万円が島松演習場の防災工事として予定されております。なお三十七年度以降といたしまして、調達庁といたしまして約九億五千万円の防災工事を計画しておるわけでございまして、三十五年度までの実績と合わせますると、総事業量といたしまして、約十六億の防災工事をいたすことになるわけであります。これとあわせて農林省の方としましても、工事を進めておられるわけでございますが、調達庁のいわゆる特損法に基づく防災工事計画といたしましては、三十七年度以降に約九億五千万円の工事を予定しておるというわけでございまして、かりに二億円の工事を持続していくということにいたしますれば、三十七年度以降約五年間の工事を継続しなくてはいけないということになろうかと思います。  三十六年度の予算におきまして、工事個所として演習場内の工事が認められていないというお話がございましたが、調達庁といたしましては、概算要求といたしましては、演習所内の盤尻地区というところがございまして、この盤尻地区の砂防堰堤工事というものを計画して要求いたしたのでございます。しかしながらこの工事につきましては、内示の段階におきまして一応削られまして、最終まで盤尻の砂防堰堤工事の予算がつかなかったという実情にございます。盤尻砂防工事につきましては、調達庁の計画といたしましては、三十六年度に二千五百万の概算要求をいたしております。

新保実生大蔵省主計局主計官

○説明員(新保実生君) まず第一点の、演習場周辺におけるいわゆる防災工事の予算区分の考え方でございますが、私どもとしましては、一応次のように考えております。  すなわち米軍に提供いたしておりました演習場、この演習場における米軍が使用当時に発生した被害、あるいはその使用に基因して起こりました被害、これを復旧するというような工事は、これは調達庁でやっていただくと。第二のケースといたしまして、米軍が使用中に、わが自衛隊も共同してその演習場を使っていた、で両方の演習行為によって被害が生じたと、これを復旧する場合にも、これは調達庁でやっていただくという考え方でございます。第三の型といたしまして施設区域が返還になりまして、それをわが方の自衛隊が使っておる、その自衛隊の行為によって発生した被害に対する措置、これは自衛隊の予算でやっていただくと、まあそういう考え方で予算計画をいたしておるわけでございます。  それから第二の御指摘の島松演習場内におけるいろんな工事が認められなかった理由ということでございますが、ちょっと私、具体的な全体計画なり、あるいは今御指摘になりました問題の工事内容なり、必要性なり、準備が不十分でございましたので、今的確にお答え申し上げられないのでございますが、一般的な考え方といたしましては、それが米軍使用当時に発生したものであれば、調達庁の方でやっていただくということになるわけでございますが、さらにそれを着手する時期の問題が別途あろうかと思います。私が聞いておりますところでは、島松演習場につきましては、ちょうどやりかけた河川改修の工事がありますので、それをある地点まで完成するということが、当面経済効果を上げる意味からいって順序であると、そういう考え方で、演習場内の工事は見送りになったのではないかと思いますが、さらに具体的に調査してみたいと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それじゃお伺いいたしますが、大蔵省の今の説明によるというと、下流の急ぐ方があるから、この盤尻のダムというのは、あと回しになったのだ、予算の関係でね。そういうふうに理解すると、そうすると演習場の中において、今後島松の演習場の中には、相当多数のダムの建設の予定があるわけです。それからまた農地に対する被害についても、それの農林省関係の分についても、一応の計画というものを持っておる。で、今調達庁の方からもお伺いしたのだが、そういう計画があるという程度で、今後それをやっていくのかやっていかないのかという点についての答弁が非常に、まあ金があればやる程度の、予算がつけばやる程度の受け取り方にしかならないのですが、実際に調達庁の技術的な観点からいって、今度の今設計されている予定というものは、三十七年度以降二億ずつやっていっても五カ年程度の工事量というものがあり、これをやらないというと、防災というものは、やはり徹底してできないのだという観点に立てば、これはやはりこの計画に従ってやるべきじゃないか、農林省もまた、三十七年度以降について予定というものは持っている。それに対してこれは技術的な面からいって、どうしてもこれはやらないというと、下流における――これは純然たる米軍の被害によってできたものとして、特損法に基ついての工事設計なんです。だから私どもは、当然これは三十七年度以降についてもこの工事は継続せらるべきものであるし、また地元からすれば、この工事を促進してもらいたい、早くしてもらいたいということが実は出ているわけです。そういうような点からいっても、これは打ち切られることなんて、ゆめゆめ考えておらない。ところが今の盤尻のダムの問題から関係してきて、地元民は今後この防災工事というものが予定通りいくのかいかないのか、非常に心配になっている。大蔵省の態度は、まあ長くなってきたので、だんだん冷淡になってきている、こういうようなふうにも心配をしているところなんです。この心配を除くためにも、やはり一つ明快な御答弁を願いたい、このまうに思います。農林省も見えておりますから、三者三様に一つお答えを願いたい。  特に大蔵省ですが、この三十七年度以降、こういう事業というものは継続してやっているのですから、その点やはり計画性をもってやっていくということになるわけですね。従って、このある程度の見通しというものは当然あると思うのですよ。これはやはり調達庁は調達庁の技術的な観点から、農林省は農林省の技術的な観点から、計画というものは組まれていると思うのです。従って、その理由がなくなれば別ですけれども、今調達庁はどういうふうな技術的な観点から考えておられるのか。ぜひともこれは必要だと考えておられるのか、それに対して大蔵省は、何が何でも、もうだいぶ長いのだから削ろうという考え方なのか、そこら辺をお伺いしているわけです。

新保実生大蔵省主計局主計官

○説明員(新保実生君) 実は島松演習場のその区域内における工事そのものにつきまして、私、本日事前の勉強をしておりませんので、それが全体計画の中に入っているのかどうか、実はその辺も非常に不勉強でございますので、ただ、私どもとしましては、演習場関係で、非常に周辺の農民の方々に御迷惑をかけていること、そこでこの特別損失補償工事というものの予算につきましては、年々総額をふやすように努力して参ってきているわけであります。ただ、最近いろいろな新しい問題、たとえば先ほど御指摘の騒音の問題とか、そういうのが出て参りましたので、思うようにもならない点がありまして、非常に申しわけなく思っておりますが、いずれにいたしましても、特別損失補償工事全体をできるだけ促進するように努力いたしたいと、かように考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 調達庁と農林省から、一つ計画の必要性――これは地元民を守る意味からいって、調達庁なり農林省に、農民なり地元民の期待というものは非常に大きいのです。従って、方針だけでも一つお伺いしておきたい。

柏原益太郎調達庁不動産部長

○政府委員(柏原益太郎君) 先ほど三十七年度以降の調達庁として考えておりまする防災工事の計画及びその額というものにつきまして申し上げたのでございまするが、全体工事についての調査というものも、なお今後引き続いて綿密な調査をする必要があると思いますが、先ほど申し上げました金額その通りが必要かどうかは別といたしまして、計画の内容そのものについては、調達庁の手によって防災工事をすべきである、かように考えております。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 農業関係も、大体全事業費十億ぐらいのところが、三十六年五億ぐらいでございます。将来どうするかという考え方につきましては、北村先生の御質問の御趣旨の通りで、私は同じに考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そこで島松の演習場の問題については、調達庁も農林省も、地元民が被害をこうむるものだから、非常に期待をしているのですが、その心がまえを示されたので、私はこれで非常にけっこうだと思います。ぜひそういう方向で、地元民の被害がすみやかに解決できるように御努力を願い、また大蔵省も一つ、これは机上の査定だけでは、ちょっと想像のできないものがあるわけです。これについては、主計官も機会を見て一つ島松の演習場を実際に行って見てもらいたいと思うのです。これは全国の演習場についてもそうなんですけれども、被害の状況というものについてやはり見ていただかないというと、これはわからないのです。私どもも行ってみて、びっくりするくらいで、これは非常な変わり方をしているので、この点は一つ大蔵省にも要求をしておきたい。  それから、次にお伺いをしたいのは、自衛隊ですが、米軍の基地であったものに対しては、特損法で現在やられているのですから、また現在も特損法は生きておりまして、基地の問題については、今後ともやられることはいいのでありますが、自衛隊独自の演習場というものがあるわけです。米軍から引き継いだものでもなんでもない、自衛隊独自の演習場というものがある。これに対する被害というものが相当起ってきている。これは私は、農林省にこの前資料を要求しておったのでありますが、きょうまだ手元にきておりません。従って、どの程度あるかわかりませんが、概略でいいですから、この被害の起こっている事象というものが出てきているという程度でもけっこうでございますから、一つ御答弁をいただきたいと思うのと、それから、先ほどの防災ダムの問題と関連して、調達庁の行なういわゆるこの特損法に基づくダムの問題については、今御説明になった通りでございますが、そうではなしに、先ほど私が質問したように、調達庁の問題であっても、また自衛隊独自の演習場であっても、今後の自衛隊独自の演習場に対する演習場の中の防災工事、これは原則として自衛隊がやるのだ、こういうような大蔵省の考え方のようにちょっと受け取れたのでございますが、これは自衛隊独自の問題については全部自衛隊でやる、こういうふうに大蔵省は理解せられているのですか、その点再度お伺いいたします。

新保実生大蔵省主計局主計官

○説明員(新保実生君) その被害が何によって起因したかと、その認定の問題もあろうかと思いますが、考え方としましては、日本側に返還をされました施設において、返還後に自衛隊の演習によって生じた被害の復旧、防災工事、こういったものは自衛隊の予算で処置すべきである、そういうふうに考えているわけでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それを聞いているじゃないのですよ。米軍から引き継いだ演習場でなくて、米軍から引き継がない、初めから自衛隊の演習場になっている演習場があるわけです。そういうところに現実に被害が出ているといった場合には、特損法で処理できないでしょう、これは。そういうところで全国に被害が出ているところがあるのだが、農林省でもその点御調査になっているはずなんだから、その点まあ農林省から御答弁がなかったのですが、今答弁いただきたいと思いますが、そういう米軍等の関係のない、自衛隊独自の演習場ですよ。そういう被害についての対策は一体どういうふうにとられているか、これを聞いている。まず農地局長から答弁して下さい。被害があるのかないのか。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) お答えいたします。自衛隊でおやりになっております演習場なりあるいは施設の設置に伴ういろいろの被害の問題の御質問でございますが、法律のないこと、先生おっしゃる通りでございます。それで、私の方で実は新しく演習場を設けられます、施設を設けられますというような場合には、いろいろ農地の関係のことにつきまして御協議願っておりますので、まあ条件といってはなんですけれども、こういう水路を作ってもらいたいとか、あるいは道路を作りかえてもらいたいとか、いろいろな御協議の際に要望を出しましてやっていただいておりますが、できてしまいました演習場なりあるいは施設から、さてどういう被害が出ているかということにつきましては、実は私の方で伺いますのは、地元の関係者から陳情といってはなんでございますが、そういう話があって初めてわかる、大体そういうようなケースでございます。先生おっしゃいましたように、全国的な統一的な調査があるかということでございますが、はなはだ申しわけないのでございますが、農地局で統一しまして、そういう自衛隊プロパーの演習場設置についての被害がどうかという調査は実はまだそろってございません。ただ、事務局等に地元から話が出てきておる――まあ道路が損壊したとか、あるいは排水が不良になったとか、用水不足になったとかというようなことで話の出てきている場所が約十カ所くらい実はございます。しかし、これにつきましてはまだ十分な調査はいたしておりません。ただ一カ所岩手県の岩手山演習場ですか、ここは具体的にいろいろ道路の問題、排水の問題、用水の問題で問題が出まして、昨年の七月ごろ農林省から防衛庁の方へ、実はこういうようないろいろな地元からもあり、被害も出ておるので、これの工事を一つやっていただきたいというふうなことでお願いといいますか、御依頼しまして、現実に仕事をやってもらっておりますところが一カ所でございます。この仕事は、道路等につきましては自衛隊でみずから直すというようなことをおやりのようでございますが、用水関係とか排水関係とか、そういうものについては、たしか県営というような形で調達庁でやってもらっております。用水関係と同じようなやり方で現在やっております。自余のものにつきましては、一つ統一的な調査をしたいというふうに思っております。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) ただいま御質問のございましたように自衛隊の固有の演習場等におきまして、その演習の結果地元の側に御迷惑をかけるというような場合、これを予防するためのいろいろな工事、あるいは不幸にして御迷惑をかけた場合に、それを復旧するための工事、こういうものは、ただいま御質問のございましたように、当然自衛隊でもって、防衛庁でもって行なうべきものでございまして、従来からこれは行なっておる状況でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 今の答弁によりますと、自衛隊独自のものは自衛隊でやる。従来もやっておるというのですが、一体この被害が出てきたというのは、今、農林省で言うのによると、ばく然たる形であるが、十件くらいのものは出てきておる、こういうことなんですが、そういう実情を把握されておるのかどうか。それからまた、これは自衛隊の内部に、今自衛隊がそういう措置をとるとか何とかということを言われておるけれども、自衛隊の建設部に防災関係の技術設計者、それから農業土木関係の技術者、こういう方々がおられてそういうことをせられるのかどうか。一体そういう起こった災害に対し、土木技術的にいってそういうものを処理するだけの能力というものが自衛隊の建設部ですか、の中にあるのかないのか、あったらお伺いいたしたいと思うのですが、その点を一つお答え願いたい。  それからもう一つ、施設本部の施設整備費というのですか、これは演習場の整備等の予算だと思うのですが、その内容が決算の中でははっきりいたしません。いたしませんが、防災関係に一体どのくらいの予算を使っておられるか。この前の話ですと、一億程度という話だったんですけれども、調達庁の今持っておる防災の予算、これも三十三年度の決算では大体九億五千万くらいの仕事をやっておる。ところが私は米軍だけの問題でなしに、自衛隊の被害等についても相当な被害が出ておる、こういう判断に立っているんですが、予算的にいっても全然問題にならない予算になっているのじゃないか、こういうふうに思うのです。従ってこの予算の面についても、もう少し詳しく御説明を願いたい。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) ただいまの御質問の、防衛庁で引き受けた工事と申しますか、防災工事にどういうものがあるかという御質問でございますが、これは地元の方からその土地におる部隊に対して苦情が出て参ります。そうすると会ってその苦情を地元の方と協議をいたしまして、それではどういう程度のどこの工事をやるかというようなことについても結論を出して、主として自衛隊の施設関係の部隊でもってその工事を行なう、こういうことになっております。昨年度におきます事例は、非常にこまかいのが全国にたくさんございますので、もし御必要ならば後ほど資料で提出させていただきたいと思います。  それから自衛隊の機構の中に土木建設あるいは農業土木、そういう関係の専門家がおるかどうか、こういう御質問でございますが、これは建設本部あるいは地方の建設部には土木建築関係の技術者がおります。もちろん、この防衛庁が持っておりますそれらの技術家だけではとうてい十分とは申せませんので、大きな問題については農林省なり建設省なりにいろいろ御相談を申し上げて、そうしてそのお力を拝借して自衛隊で工事をするということになっております。  なお、そういう防災工事についての予算でございますが、これは確かに今御指摘になりましたように必ずしも十分な予算とは申せません。しかしながら、通常この一般の請負に出す、請負契約によって工事をするという場合と比較しまして、材料費だけで、あとは施設関係の部隊が工事を施工するということになりますので、従来の実績から見ますと、大体三分の一あるいは四分の一でその工事が完成しているというような利点もございまして、必ずしもこの金額だけで工事の量を、一般の市中で行なわれている工事の量と比較するというようなこともいかがかと思いますが、いずれにいたしましても、予算的にはまだまだ不十分であるということは、われわれも気づいておりますので、今後ともこういう防災関係の工事、ことに地元に御迷惑をかけるような事態が発生しないような、また発生しました場合には、すみやかに復旧の工事をやるように努力をいたして参りたいと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 今経理局長の説明によりますと、いかにも自衛隊でそういう防災工事ができるように受け取れるのですけれども、あなたそれは非常な認識違いなんですよ。過去の例において、あなた方のその施設の部隊がやったという工事は、土木技術的な観点からやられたのかどうか知りませんけれども、とにかく被害が起こるということで地元の陳情を受けて、仕方なしにこの防災の施設をするという場合が、全く技術的な観点からいってもお話にならない工事をやっている。たとえば島松の演習場で土堰堤を二カ所ばかり作った。その土堰堤を作ったものが、全然土木技術者としての良心から言っても、張りつけこうやく的なもの、それを作った。不完全な土堰堤を作ったために、出水が起きたために、それが泥が一斉に流された。そういう土堰堤を作らなければまだ被害が少なかったのに、そういう土堰堤を作ったために、その泥を流して、被害はさらに拡大をしたという事実があるのですよ。そういう事実から言っても、あなた方の土木技術というものは、一体いかなるものかということを非常に疑いたい。信用するわけにいかない。あなた方の建設部のやっている設計というものは、演習場は演習を目的にする設計になっている。たとえば島松からどこどこへ行く、宿舎なら宿舎へ行く道路をつける、最短距離で、これは経済的とか防災とかいう関係でなしに、とにかく演習場に都合のいい道路をまっすぐつけるならまっすぐつけるで、そのためにそういう防災ということを考慮してないから、その作った道路が完全にこれは水の通る道路になってしまって、道路を作ったために、かえって水の道を作ったような形になって、しかもそれが地盤がよければいいんですが、ああいう火山灰地帯で、全く水がちょっと出れば道路が川になってしまう、こういう状態でしよう。そういう設計をやっているのですよ、あなた。防災なんていう観念においては設計はなされていない。たまたまやったのなら妨害になるような、やったことによって、かえって災いが拡大されるような設計をやっている、そういう実態なんですよ。だから自衛隊では、私は農業土木の関係の技術者なり、建設省の防災といった観点の技術者なんていうものはないんですよ。あなた方は確かに器材も持っている、人間も持っている、持っているでしょう。ただ災害復旧のときにはここの欠けた土をここへ盛るという、それは器材を持っている、人間を持っているからそれはできるのですね。しかしながら土木技術的な観点から言っても、この被害を防ぐために、一体どういう施設をすればこれが防げるかといったような観点の工事はできないんです。自衛隊の今の組織の中で、また予算の中でできない。もしかりにそういう予算があったとしても、自衛隊はそちらの方の予算に使わない。これは単に宿舎を整備する、あるいは施設といっても演習に必要な施設をする、防災のために使われる予算なんというものはごく――その資材費、そこら辺の柴をとってきて鹿砦を作る程度の、百万か二百万程度の施設費しか持っておらぬ、材料費しか持っておらぬ。事実は機械があるから資材だけあればいい、こういう頭なんですね。そういう頭で今日まで処置してきたから、演習場の被害というものは今日拡大をしているのですよ。だから私はここでお願いしたいのは、米軍の被害は、これは調達庁に技術者がおって、そして被害を査定をし、今日この防災というものは非常に有効にしかも地元民が安心するような工事がなされてきている。これは農林省もタッチしてやっておる。この自衛隊の独自の問題になるというと、これは全然それがない。これはやる機関がないでしょう。被害を受けた地元民、農民が自衛隊と直接交渉をする。自衛隊はやりましょう、やりましょうということを言っておるけれども、実際に問題は解決しておらないですよ。従って私はここで、先ほど来音響の問題から何から言ったのですけれども、どうしてもここで問題になってくるのは、自衛隊に被害というものをまかしておけない、復旧というものに対してまかしておけない。従って被害をこうむる農民、地元民というものと、その被害を適正に判断をし、適正に工事をするところの調達庁の、米軍の被害に対して調達庁が第三者として適正な被害の補償をするという考え方、これが出てこない限り、自衛隊はやはり自衛隊で、まあ少々陳情があっても、何とかかんとか言いくるめてしまう。特にこの演習場のある、自衛隊のあるところの市町村長というものは、これは島松の例をとれば、恵庭の町長というものは、町長になるためにはあそこの自衛隊の票をもらわないと町長に当選できない。従って町長は自衛隊の言うことはある程度聞かざるを得ない。従ってまあ町長は地元民の被害を、自衛隊の代弁者として農民なり地元民を説得することだけを一生懸命やっておる。そういう状態なんですよ。従って航空自衛隊の問題ならば、恵庭の町長も、場所が千歳なので、町村が違うから、あれはじゃんじゃんやれやれというけれども、肝心な部隊の問題になると、恵庭に部隊がおって、その部隊の自衛隊の票をもらわなければ当選できないのですから、従って自衛隊はきつく町長を締めつける、町長は仕方なしに地元民を締めつける、こういう結果になる。そういうところまであなた方は物事をはっきり調べられて、実際対処されておるのかどうなのか、こういうことが問題なのです。だから私はこの自衛隊の問題については、道路を作るにしても何にしても、施設の部隊というものは、演習に都合のいいように、たとえば特車の問題が出ておったけれども、特車の通る道というのは、大体演習場の効果からいえば、これは山のてっぺんなんかばかり走るのじゃないのですよ、丘の――これはやはり演習場の効果からいえば、沢の方にこう行ってそして戦闘をやるときにひょいと行って撃つのですよ。私は兵隊に行っておったのですからそういうことはわかっておるのだけれども、戦車は初めから地盤のいいところを歩くわけではない。一番荒らしちゃ悪い沢を特車がどんどん歩いておるのです。そういう形になっているのです。だから特車の歩いたところは水道になって、鹿砦をやろうが何をしょうが、これは被害が出るようになっている。だから私は、これは犬吠災害ではない、人災だ、人間が起こしている災害だ。従ってそういう演習場のためには私はそういう災害が起こるような施設のやり方をやっているのだから、道路のつけ方、道の状況がそういうことになっておるのだから、その災害が起こらないように、その肝要なところにがっちりした道路を作るなり何なりという、そういう処置をっとてから私は演習をやるべきだ。被害が出ちゃってから、農民から言われて、張りつけこうやくみたいな応急処置だけとって、それで事足れりとして、地元民の被害というものに対して泣き寝入りにさしているというのが実態であるから、もっと調達庁のような第三者の機関として、自衛隊の起こした被害に対しては、第三者がはっきり農民の被害を守るような形の役所というものが必要だ。そのためには特損法に――米軍の被害に対しては特損法という法律で規定しているけれども、自衛隊の被害に対しては民法上の損害賠償しかないんです、今日。従って、先ほど、この前の委員会においても、防衛庁長官に、この特損法に該当する自衛隊の被害に対する法律制定というものが絶対に必要だ。それでないというと地元民の、しかして農民の被害というものを守れない、こういうことを力説しているんです。従って、演習場の中における防災の仕事なり被害防止のための施設というものは自衛隊がやるんだと、そういう能力を持っているんだという頭に立って大蔵省が予算を査定し、自衛隊がやればいいじゃないかと、こういう資材費等だけで見ていく行き方に対して、私は疑問を持っているんです。それじゃ防げない。こういう立場に立って、この法的な検討もしてもらいたいということを要求しておるのです。この点は大蔵省も、自衛隊自身の被害に対しては、ぜひ一つそういうふうな方向で臨んでもらいたい。自衛隊自身が、そういう被害に対して実際どうするかということについての方策というものを講じてもらいたい。長官は、演習場周辺に対するいろいろな被害、防音の問題を含め、農業災害の問題を含めて、総合的に建設省なり農林省なりの協力を得てやらなければできない。ところが、農林省も建設省も、演習場から起こってくる被害に対して自分の予算は使いたくない。また、建設省は建設省、農林省は農林省の本来の土地改良事業にしても、災害の問題にしても、予算は持っておるんですから、そういう方に重点を置きたいんで、演習場からきた被害については、なるべく建設省なり農林省自体の予算は使いたくない、こういう考えが出てきているのはもちろんなんです。そういうものを調整してもらわなければならないのですが、そういう形にあるのですから、どうしても、やはり自衛隊の起こした損害というものについては自衛隊がしりぬぐいをする、それくらいのやはり腹がまえでこの防災の問題に対処しないというとできない、こういうふうに思っているのです。従って、この調達庁と自衛隊との間における技術上の、技術者のなわ張り争い的な考え方でいくというと、ばかを見るのは被害農民だけだ、地元民だけだ、こういうことになりまするので、私はやかましく、くどく言ってるのはそういう点なんです。従って、まあ問題は、米軍の使っていた演習場をさらに自衛隊が引き継いだというものを取り上げるというと、問題が複雑でわからなくなってしまいますから、私は特に先ほどは、自衛隊独自の、自衛隊しか使っていない、従来も自衛隊しか使っていない問題についてお話し申し上げたんですけれども、これは引き継いだ問題ももちろん含んでくるんです。わかりにくいから、そういうことに関連しないで申し上げているのでありますけれども、そういう点でありまするので、経理局長の頭の置きどころというものについて、あなたは事務的に予算が若干ふえた程度で事足れりと思っていること自体がこれは誤りなんです。従ってこの点について自衛隊では問題は解決しない。自衛隊は、やはりそういう被害に対しては、積極的に被害を受けた者に対して補償することも、防災のことも、予備的な防災工事も当然必要ですけれども、それはやはり専門の調達庁なり農林省なり建設省にやらせるべきである、こういうふうに思うんです。従って、自衛隊だけで物事を処理するといっても、その能力なしと私は断定せざるを得ない。従って、大蔵省もそういう点で一つ今後の予算なり法律関係なりを処理していただきたい、こういうことを要請しておるんです。これについて一つ各担当者から答弁を願いたい。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) 実は島松につきましては、先ほど調達庁の方からも御答弁がありましたように、米軍から引き継いだ演習場は原則として調達庁でおやりになるんだという観念がやはり地元にも若干――そういう安易な考え方と申しますか、そういう考えがあって、あるいは今御指摘になったようなあまり感心しないような工事を施した事例があるかと思いますが、これはこれでもって全部の防衛庁、自衛隊の防災工事が全くなっておらぬというように御判断をいただくのは、われわれとしても非常に残念な次第でございます。先ほど申し上げましたように、各地で非常にこまかい工事がたくさんございまして、それらのものにつきましても、ただいま――島松についておっしゃったように、もちろん御満足をいただいていないような工事も中にはあるかと思いますけれども、しかし、われわれといたしましては、その大部分について地元に御納得をいただいたものと、再び苦情が出てこないという点を確認いたしておる次第でございまして、今後島松につきましても、ただいま申し上げましたような理由から安易な考えに流れることがあっては困りますので、調達庁でおやりになる工事とは別に、また自衛隊でやる工事についても、おのおの責任をもって十分な工事をするように指図をいたしたいと思います。  なお、専門家がないという点に関連しましては、先ほど申し上げましたように、もちろん自衛隊で防災関係の専門家は十分おるということは申し上げておりませんので、力の足りないところは建設省なりあるいは農林省の専門の方々に御相談をいたしまして、そうして遺漏のないように取り計らうつもりでおります。  それから、特別損失補償法との関係でございますが、これは法律上の規定はございませんけれども、自衛隊の行為に基づいて損害が発生するおそれがある場合に、これを未然に防ぐような工事を施す、あるいは、不幸にして発生した場合におきましては、原状に回復するための工事を行のうということは、これは特別の法律はございませんけれども、当然やらなくてはならぬことであり、また現にやっておるところでございます。ただ、そういう一定の原因に基づく、訓練等に基づく損失が起きた場合に、この損失を補償するという規定につきましては、ただいま御指摘になりましたように、米軍の行為に基づく場合と自衛隊の行為に基づく場合と不権衡がございます。これは今後の研究課題として、できるだけそういう不権衡を生じないように規定を直していきたい、こういうふうに考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 今経理局長の話によると、技術面において農林省なり調達庁なり建設省に相談をすると言っておるけれども、まあここでの答弁としてはそういうこともいいでしょう。しかしながら現実は一体どうなっておるかというと、自衛隊が演習場で被害を起こして、そして被害を受けた者が農林省なり建設省なり調達庁なりに陳情に行って、それから農林省なり調達庁から、自衛隊に、一体これはどうするのかと言っても、それでもなおかつあなたの方では、なんだのかんだの理屈を引っつけて、それを受け付けないように、受け付けないようにしているのです。そういうことなんですよ、実情は。私の知っている範囲ではそうです。だから、この防災のために、演習場のこういう設計をやれば、防災としてどういうようなダムを作らなければならないかを、建設省に技術的に相談するとか、相談したとかいうことは、今までの段階でそういうことはおそらくないと言っていいのです。被害が出てきてしまってから――従ってまあ防災というような観念についてはまず考えておられない、と、こう言っていいのです。断定していいのです。従って、また、それをやるにしても技術者がいない、こういうことです。だから、私が今お尋ねしているのは、これは政務次官も見えておりますからお伺いしておきたいと思いますが、自衛隊にまかしておいたのでは、この問題は解決しない。従って防衛庁長官は、総合的にこの問題をやりたいと言っているのですが、私は一つの問題として提起しているのは、自衛隊に独自の防災工事というものはまかしておけない。従って被害をこうむる面からいって、まあ米軍の被害に対しては調達庁というものがあるように、何か第三者がはっきりおって、被害なり何なりというものを厳正に判断する機関がないというと、うやむやに葬られてしまう、こういう件数が非常に多い。それは先ほど私が町長の例をとって言ったように、町長は、被害が起きて非常に困っているということはわかっているが、自衛隊から何か圧力が加えられて、ほんとうに被害をこうむった農民なり地元民の意思を代表して、これをやってくれというようなことまですら言えないような状況になっている。そういうものが非常にたくさんあるということです。従って被害なり何なりというものを厳正に判断する機関がないのです、自衛隊については。米軍の被害については調達庁というものがある。第三者機関があって、はっきり被害というものを判定をしている。これに対しては、こういう工事をすればいい、損害の補償については、これだけの要求に対してこれだけの損害補償なり賠償なりした方がいい、こういう判定をする機関がある。ところが自衛隊の損害に対しては、そういう判定をする機関がない。従って私は先ほど、あとから申したいと思っておったのですが、この前もちょっと触れました島松の北部隊の、駐屯の部隊が起こしておる汚水の問題について、これが下流の澱粉工場が営業を停止しなければならないようになったという問題が提起されている。それは部隊が流した汚水によってこの澱粉工場が水が使えなくなった。かっては湧水で――あそこはわき水です、そして非常にきれいなわき水が出ていて、営業ができたものが、今日は泥水である。性能が悪くなって、泥水ばかりでなくして、大腸菌がうようよしている状態である、こういう問題があった。それでそれを陳情したところが、ではそれを処遇したし処置をして、今日では汚水の処理をされておるから、この水には被害がないのだ、こう言っているのです。しかし実際には部隊で汚水を処理した後においても、今日なおその下流においては大腸菌がうようよしているという状態において、これは厚生省関係の食品衛生法関係から、この水は飲用にもしてはいけないという問題で、それを食品関係に使ってはいけないという通達がある。ところが澱粉というのは食品衛生法にはひっかからない。食品ではない、原料だということになっているので、食品衛生法にはひっかかっておらない。従って業務停止の命令なり何なり、そういうことができないことになっているのです。そこら辺にも盲点があるのですが、そういう被害を受けておるというものに対して、その被害を適正に判断する機関というものがない。調達庁の方から言わせれば、こういう問題が出てきても、これが米軍がもしやった問題だとするならば、この補償はりっぱに解決していると言っている。ところが自衛隊であるがために、これが解決していない。結局泣き寝入りして、昨年はこの澱粉工場は閉鎖したままになっている。営業できない。新聞に堂堂と出て、汚水が入っている澱粉となると、買い手がなくなってしまう。実際問題としてそういう問題が実は起こっている。これについて私は今後どういうふうに処置せられるかお聞きしたいと思うのですが、そういう賠償問題についても、自衛隊と損害を受けた農民、地元民との折衡だけでは問題がスムーズに解決しないのですよ。これは一般の民法のような損害賠償で処理をすればいいというふうな考え方が通るかもしれませんけれども、どうしてもそういう問題の解決ができない。やはり自衛隊という大きなあれだけの機構を持ち、あれだけの何といいますか、地元民に非常に大きな影響を持っておる問題でありますから、従って、これはやはり特別法をもって被害の処理をする処置というものが講ぜられなければいけない。これは防災の問題も全体の問題を含んでいる問題です。そういう問題があるので、ぜひ一つ政務次官はこの問題の処理について、私は調達庁のような――調達庁に今後そういうものを含めてやらせるというような、米軍だけじゃなしに、調達庁がそういういろいろの自衛隊の被害というものを処理する役所になる、そういうこともいいことだと思うのです、一つの方法として。従ってこれは調達庁でも、米軍が行って、首の問題とも関連して非常な深刻な問題になっておりますが、失業救済という意味じゃないのですけれども、ともかく私は今言ったようないろいろ処理しなければならないというと、今後に大きな問題が残る、一般民法で処理できない問題が出てくるということを憂うるがゆえに、前から言っている点なんです。従ってこの点について政務次官からも、ぜひ一つ誠意のある御答弁をお願い申し上げたい。

白浜仁吉自由民主党防衛政務次官

○政府委員(白濱仁吉君) 西村長官も就任以来、自衛隊が民生協力を積極的にやろうというようなことを繰り返し申しておりますので、御意見の点を十分承りましたから、私どもの方でも十分検討して善処したいと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 今の澱粉工場の問題、これは具体的な問題として、もうすでに防衛庁に何回か言っている問題なんですが、現地の実情と、文書で部隊から防衛庁に報告されておることとは、実は非常な食い違いがあるのです。従って、私は、防衛庁としては、現地部隊の報告に基づいてこの問題を処理しようとしておるようですが、先ほど申しましたように、現地の部隊の報告というものが、いわゆる町村長なり何なりに圧力をかけたような形になってしまって、実際に地元民の被害について訴える形に出ておらないのです。従って現地の部隊報告に基づいて物事を処理するというと、今の具体的な澱粉工場の問題は処理を誤るのじゃないかというふうに思いますので、防衛庁としては、これは相当の額の損害を受けているわけですから、従ってこれについては再度この点調査をされて、地元の部隊だけの報告によって物事を処理するのではなくて、地元の町村長なり、実際に被害をこうむっている人についても十分一つ聞いて処理していただきたい、このことをお願いをしておきたいと思います。

白浜仁吉自由民主党防衛政務次官

○政府委員(白濱仁吉君) 澱粉工場の問題についても十分御趣旨に沿うように努力したいと思いますから、御了承お願いいたします。再検討して損害がはっきりしますと、十分賠償していきたいと考えておりますので、御了承お願いいたします。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) ほかに御質疑はございませんか。――別に御発言もないようですから、昭和三十三年度決算、防衛庁の分に関する質疑は、この程度で一応終わりますが、必要により後日続行いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後五時十一分散会

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