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38回国会参議院1961/02/08

決算委員会 第3号

発言数
104
登壇者
12
会派数
3
開催日
1961/02/08

会議録

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) これより決算委員会を開会いたします。  昭和三十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和三十三年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十三年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十三年度政府関係機関決算書を議題といたします。  防衛庁の部の審査を進めます。まず、会計検査院より説明を求めます。

保岡豊会計検査院事務総局第二局長

○説明員(保岡豊君) 検査報告番号一号から説明いたします。昭和三十二年十二月に下関吉見港で座礁事故を起こしました駆潜艇「きじ」の復旧工事に関するものであります。第一点といたしまして、本件契約に先立ちまして、海水につかりました各機器をそれぞれのメーカーに送付し、現場監督官の監督のもとにその分解修理をさせていたのでありますから、それぞれのメーカーとの修理契約は事実上きまっているわけでありますので、いまさらこの修理内容と見積書に基づいた代価をこめて、一括船体修理の会社に請け負わせて、下請経費を払う要なく、そのままそれぞれのメーカーと契約して、でき上がった完成品を支給して、下請経費を節減すべきであり、第二点として、下関から舞鶴までの曳航日数の見積りが多過ぎる。以上二点で六百三十万円節減できたと思うのであります。  二号は、航空機の修理部品の調達において、業者間の素材の取引の事情によって計画必要量よりはるかに余分に航空自衛隊分として購入しているので、本件海上自衛隊分として購入したうち、二百三十万円分はこの航空自衛隊の余分を充てることができ、購入の要はなかった、両自衛隊間の調整がよろしくなかったものであります。  三号は、技術研究本部でジェット燃料エンジン油を購入するにあたりまして、計画的に防衛庁全体の調達計画に入れて購入すべきであるのに、小口に十数回にわたって購入したため四百工十万円が不経済となっていたものであります。  四号は、F86F戦闘機の第二次契約の加工費は、あらかじめ基準工数を定めて、実績がこれを下回ったときはその差の一部を実績に付加し、上回ったときはその差の一部を実績より差し引いて工数を精算することとなっております。この基準工数の内容を見ますと、基準工数に含めるべきでない支給品代品製作工数、押型の試押し工数が含まれていたりなどして、基準工数が七万八千四百時間過大に決定されていたため、ひいて七百九十七万円高価の支払いとなっていたものであります。  五号は、海上自衛隊の艦船上の防火衣百八十二着を購入したうち、本院の会計実地検査においてそのうち五十着を調査したところ、全部不合格であることが判明し、その後当局は残りを調査されたところ全部同様であった、検収処置がよろしくなかったというものであります。  六号は、航空自衛隊で陸上自衛隊からカーゴ・トラックを伊丹で受け取り、木更津に送った上改修整備させたもので、これは、従来から陸上自衛隊で航空自衛隊のものも整備する建前となっており、西宮には経験ある工場もあるのに、わざわざ木更津に送って、部品の交換等において不経済なやり方をしているもので、部品費と輸送費において合計百二十二万円の不経済となっていたものであります。  七号は、調達庁で、北海道島松演習場周辺の承水溝工事費の全額を補助するにあたって、コンクリートに使用する砂の価格を高価に、水の量を過大に、また残土を必要以上遠方に処分することと査定していたもので、二百大十万円節減することができましたケースであります。  八号は、不正行為で、陸上自衛隊で購入額を付け増しにより領得したもの、それと海上自衛隊でガソリンを外部に売り払っていたものと、この二件、合計五十二万七千八百六十四円であります。  九号は、技術研究本部の弾道試験の所要地に下北半島の開拓地約十七万坪のうち一万二千坪がひっかかりますので、それを前年度に買収しましたが、残った土地では経営困難であり、被弾の危険もあるという理由で、残りの土地十五万六千余坪を買収方要望がありましたので、これに応じたのでありますが、しかし、その理由とするところは認められないので、防衛庁として補償の限度を越えたものと認め、不用の土地の購入として取り上げたものであります。  以上、説明を終わります。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) 次に防衛庁より説明を求めます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 私、初めてでございますので、恐縮でございますけれども、ただぽかんといきなり読み出されてもわからないのです。どの本の何ページのどこにあって、要点はこれこれ、こういう観点から説明しますということを前置きしていただきたいのですけれども。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) ただいまから、昭和三十三年度の防衛庁経費の決算の概要について御説明申し上げます。  まず、本庁関係について申し上げますと、昭和三十三年度の防衛庁本庁経費の当初の歳出予算額は千二百億六千万円でありまして、これに前年度から繰り越した金額九十四億七千二百九十七万円、大蔵省所管へ移用した減額一億三千九十五万円を増減いたしますと、歳出予算現額は千二百九十四億二百一万円となるのであります。この歳出予算現額のうち、支出済み歳出額は千二百十三億四百五十三万円でありまして、これを歳出予算現額に比較いたしますと八十億九千七百四十八万円の減少となっております。右の減少額のうち、翌年度へ繰り越した金額は、財政法第十四条の三の規定によって六十六億五百四十万円、財政法第四十二条ただし書きの規定によりまして四千百七十四万円、財政法第四十三条の二の規定によりまして八億八千七百七十一万円、計七十五億三千四百八十七万円でありまして、不用となった金額は五億六千二百六十一万円でございます。これを昭和三十二年度の決算と比較いたしますと、昭和三十二年度は翌年度へ繰り越した金額が九十四億七千二百九十七万円、不用となった金額が三十二億千百九万円でございましたので、繰越額において十九億三千八百十万円、不用額においては二十六億四千八百四十八万円の減少でございます。  従来、防衛庁本庁予算の執行における繰越額及び不用額が多額であったことにつきまして本委員会において御警告をいただいた次第でありますが、昭和三十二年度より実行可能、かつ確実な経費のみを歳出予算として計上し、所要の経費については国庫債務負担行為を活用する等、予算計上自体を適正化するとともに、その執行にあたっては、年度当初よりできるだけ予算の計画的、合理的な執行に努めた結果、前年度に引き続いて繰越額及び不用額を圧縮することができたのであります。  右に申し述べました繰越額七十五億三千四百八十七万円のうちおもなものは、器材費等四十二億六千百二十八万円、艦船建造費十五億五千八百二十六万円、施設整備費十六億千八百五十八万円などでありますが、この繰り越しを生じました理由の概要を以下申し上げますと、第一、器材費等につきましては、装備品の大部分が一般市販品と異なり、特殊の規格、性能が要求されており、調達に際しては規格の決定、仕様書の調整に慎重を期すること、また輸入部品等については、その手続等にやむを得ない日時を要したために契約が遅延したこと等によるものであります。  第二番目は、艦船建造費につきましては、要求性能の決定及び基本設計の作成に日時を要したこと、また搭載武器の米国よりの供与が遅延したため建造に不測の日時を要したこと等に基づくものであります。  施設整備費につきましては、用地取得に際し、所有者等の納得を得ることが困難な場合が多く、また補償価格の折衝に意外の日時を要したこと等により工事の着手が遅延したことに基づくものであります。  また、不用額の内訳は、器材費等五億一千三百八十六万円、その他四千八百七十五万円でありますが、器材費につきましては、航空機の購入契約が予定額より少なかったこと及び米国よりの航空機の供与が遅延したため、航空機用燃料費に不用額を生じたこと、並びに経費節約の結果によるものであり、その他につきましては、器材費以外の経費の節減等に伴うものであります。  次に、会計検査院の昭和三十三年度決算検査報告におきまして御指摘を受けましたものは、第一番より第六番及び第八番、第九番の八件となっており、批難金額は約四千百九十万円となっております。これを昭和三十二年度の決算検査報告における指摘件数十三件、その批難金額一億四千三百三十七万円と比較いたしますと、件数において五件、批難金額において約一億円の大幅な減少となっております。  これらを大別いたしますと、工事関係一件、物件関係四件、その他三件となっております。  なお調達庁関係について申し上げますと、防衛支出金における支出総額は五十五億四千四百万円となっており、今般右防衛支出金中約二十七%を占める特別損失補償関係費十五億五千余万円のうち、防災工事の一件について会計検査院の指摘を受けたのであります。  検査報告におきましては第七番として、批難金額は約二百六十万円となっております。  とれらの案件につきましては、それぞれの政府委員及び説明員から十分御説明申し上げるつもりであります。  当庁における物資の調達や予算の経理につきましては、一般国民から重大な関心を寄せられておりますので、特にこれが執行にあたっては、諸法規を順守することはもちろん、最も効果的に運用するよう戒め、また綱紀の粛正にも特に留意し、もって国民の負託と信崎にこたえるべく努力をいたしております。  今回、会計検査院の御指摘の次第もありますので、今後さらに一そうの反省を加え、この趣旨をよく部下に徹底せしめ、将来再びこのような過誤を繰り返さないよう万全の措置を講ずる考えであります。  なお、このたびの会計検査院の指摘事項につきましては、十分にその事実を究明し、厳正なる処分をいたした次第であります。  以上をもちまして御説明を終わります。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) それではこれより質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 防衛庁関係の決算につきまして、きわめて大まかな御質問を申し上げたいと思います。  当院の決算委員会といたしましては、防衛庁の予算経理につきまして多大の関心を持ちまして、かなり従来も詳細に検討を加えてきたわけであります。そしてその結果、防衛庁に対しては、まことに遺憾なことではありますけれども、何回かにわたりまして警告の決議をいたしておるわけであります。この決算委員会の警告決議等にかんがみられたのでありましょう。当局が相当経理の適正、公正を期するための努力をされておるということも、一応私どもはこれを認めておりまして、従って、その結果として、三十二年度に一億四千三百三十七万というのが、約一億円減少しておるというこの御説明に対しましては、これは努力に感謝すると同時に、われわれ委員といたしましても、心からこれを喜び、さらにその努力が継続されまして、かような事故が一つもないようにということを念願してやまないものであります。  しかし、しさいにこれを見ますというと、一億円という大幅の批難金額が減少したとは言いますけれども、ただいまも長官から御説明のございましたように、防衛庁関係と調達庁関係とを合わせますというと四千四百五十万という、相当数の批難金額に上っておる。で、私は、従来の本委員会の防衛庁の経理に対する深い関心という点から考えますというと、この合わせまして四千四百五十万という数字も、必ずしも少ない数字とは考えられません。  そこで、依然としてかような批難金額が現われてきておるという根本は、一体どこにあるかということでありますが、特に本日は大臣が御出席になっておりますので、その点に触れまして、大臣の御所見を承りたいと、こう思うのです。  で、四千四百五十万という数字をいろいろな角度から見たわけですが、私はこれを納税する者の立場からながめるというわけなんです。そこで、昭和三十三年度の日本の農家一戸当りの所得税は、私の調べたところによりますというと、平均農家一戸当たり所得税が八千六百円であります。この所得税八千六百円を納める農家というのは、地方におきましても小農ではありません。相当な規模の農業経営をしておる人の納める額が、これが八千六百円。そこで、四千四百五十万という、この指摘された金額を、農家負担、農民負担という立場から考えますというと、実に五千百戸ということになる。つまり相当の農家が五千百戸で納める税金が、この四千四百五十万になるということです。そこで、私が特に申したいと思いますことは、予算の経理にあたって、少なくもこの金額が、暑さ、寒さの中で、あるいは雨を冒し、あるいは風を冒して、文字通り血と汗の努力を続けた農家の税金五千百戸分を、端的に言えば、非常なむだな使い方をしておる、こういうことなんです。で、こういう点から考えますというと、私は経理担当者というものが、はたして自分たちの誤り犯した事務上の粗漏から、五千百戸の農家をみな食ってしまっておる、こういうような気持で考えなければ、とうてい経理の厳正は期し得ないと思うわけです。で、大臣は、これらの点についてどうお考えになりますか。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) ただいま野本委員からお話がございました、国民の税に対しましての支出担当者側の態度、これは全く私、心から御同感申し上げる次第でございます。税の徴収に当たる人間自体が、いかにして苦労して国民から税をとるか、また、出す国民自体としても、税がいかに大事に使われていくかということについては、非常に国をあげて——大体、単に防衛庁だけではないと思うのであります。この基本的な態度に対しましては、私も満幅の賛意を申し上げると同時に、また私どもが執行にあたりまして、日常坐臥これを心得ておかねばならぬ、こういうかたい決意があるということをまず冒頭に申し上げたいと思います。  次に、防衛庁について四千万円をこえる批難事項の対象金額がある。この点につきましては、必ずしも私はこれが非常な額であるとか、また件数が非常に多いとは申し上げません。しかしながら、少なくともこれだけのものが一応出、この件数があるということについては、やはり私どもといたして遺憾の意は表さなければならぬと考えております。防衛庁の特に一つの特色は、私も着任以来、予算等を拝見いたしましたが、非常に予算面においてある程度の膨大な金額を持っております立場から、対象になる品物、これが普通の官庁よりやや特色を持っております。種類も相当に多いということも一つの特徴でありまし、占う。いま一つは、基地その他、特に調達庁関係にあってもあるのでありますが、用地というもの、非常に摩擦の対象になりやすいような用地並びに用地の取得をめぐる諸条件に対する補償、こういうような関係が相当あろうと思うのであります。そこで誠意をもって努力する官庁の関係者諸君の中にも、時と場合によると不注意を起こす場合もありましょう。もし意識的にそこに批難を受けるようなことをやるならば、これは当然厳戒すべきであります。また、たとえ不注意でありましても、先ほど申し上げましたような点からくる不注意というものは避けるべきであります。それから場合によりますと、数は少ないと思いますが、多少用地の取得とか、諸条件を満たすという場合においての交渉段階において、会計検査院等の御見解とやや食い違うような結果、こういうふうになるものもたまにはあるのじゃないかというようなことも感ぜられるのでありますが、しかし、要は基本に申し上げました国民のいわゆる血税に対する、貴重な税に対する執行官吏としての態度の問題であります。この点は今後とも十分注意を払って参りたいという気持で参るつもりであります。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 ただいま大臣からお話のございましたように、税金に対する考え方は、これは各省庁を通じての考え方として持っていただかなければなりませんが、私が特に防衛庁の長官にこの点を申し上げますのは、これはいろいろな角度から批判されております防衛庁の経理を正確にするということは、一般国民のつまり国土防衛に対する信頼、国土防衛に対する自覚、そういうところにひびが入っていくことをおそれるから、特に防衛庁の長官の御出席の際にこれを申し上げるわけであります。私はやはり今後といえども防衛庁におきましては、やはり一事務官、一事務担当者の疎漏が、国民の防衛思想にひびを入れる、防衛に対する考え方に疑いを持たせる。ここに私は非常に重大な点があろうと思いますので、お話もございましたが、今後とも、いよいよその点につきましては、庁をあげましての最善の努力をしていただきたいということを希望を申し上げておきます。  さらに申し上げてお聞きしたいと思うのでありますが、この御報告のおしまいの方に「会計検査院の指摘事項につきましては、十分にその事実を究明し、厳正なる処分をいたした次第であります。」、こうありますが、どういうふうにそれぞれの担当者を厳正に処分なされたか、このことを具体的に御説明願いたいと思います。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) その点はさらに政府委員の方から具体的に御説明申し上げます。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) 責任者の処分の点につきまして御説明を申し上げます。  まず最初に総括して申し上げますと、八件に対しまして、免職が二人、減給が六人、戒告が一人、訓戒が四人、注意が四人、合計十七人となっております。  その内訳を申し上げますと、まず第一の「駆潜艇修理工事の施行にあたり処置当を得ないもの」でございますが、これにつきましては、行政上の処置としまして、責任者二人に注意を与えております。第二の「航空機共通部品の購入にあたり処置当を得ないもの」、これにつきましても、責任者一名に注意を与えております。第三に「航空ジェット燃料等の購入にあたり処置当を得ないもの」、これにつきましては責任者三名を訓戒いたしております。次に「航空機製造請負契約にあたり処置当を得ないもの」、これにつきましては特別の処置をいたしておりません。  その次に「防火衣の検収にあたり処置当を得ないもの」、これにつきましては、責任者一名、減給一カ月三十分の一の処分をいたしますと同時に、価格差九十二万六千六百五十一円を昭和三十四年十月三十一日に回収いたしております。  なお、そのほかに、契約保証金十四万三千円を昭和三十四年五月十一日に徴収いたしております。  その次に「車両整備の実施にあたり処置当を得ないもの」、これにつきましては、行政上の処置として、責任者一名を訓戒、さらに一名に注意を与えております。次に「職員の不正行為により国に損害を与えたもの」、これにつきましては、国家公務員法等による懲戒処分としては免職二人、さらに監督者等に対しましては、減給一カ月五分の一が二人、減給一カ月六分の一が二人、さらに戒告一名という処分をいたしております。最後の「不用の土地を購入しているもの」につきましては、特に処置をいたしておりません。  以上のような処置になっております。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 そこで私がさらにお聞きしたいことは、処分の対象になっておるそれぞれの立場におる者が、その人たちの起こした事案というものが、監督者にどれだけ考えられておるかということなんです。監督者の立場にある者がどういうふうに扱われておるかということをはっきり聞きたいと思います。と申しますのは、私のお聞きしたいことはこういうことなんです。そういう問題を起こしたその事務を担当しておる者は、それは当然事務担当者としての責任がある。それを監督する上層の人といいますか、そういう人にまでどの程度に及んでおるかということをはっきり聞きたい。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) これは事案の内容によりまして個々に検討をいたしておるわけでございまして、簡単に申しますと、通常の注意力をもってしては監督上発見できなかったというものと、もう少し注意をすれば、当然部下のやっておることに対して、そういう過失に対してこれを発見し、是正し得たであろうと思われるような場合とを分けて、個々にその事案々々によって決定をいたしておるわけでございます。  先ほど申し上げました事例のうちの若干について、監督者を処分した例を申し上げますと、たとえば「航空ジェット燃料等の購入にあたり処置当を得ないもの」という事例がございますが、これにつきましては、技術研究本部の総務部長は、これは監督者でございますが、これを訓戒処分にいたしております。また「車両整備の実施にあたり処置当を得ないもの」、これにつきましても、監督者でございます航空幕僚監部、装備部の装備第二課長並びにその三課の職員を監督者として処分いたしております。なお、その当事者は免職になっております。それから「職員の不正行為により国に損害を与えたもの、」、これにつきましては、当事者は当然でございますが、先ほど申し上げました減給、戒告等はすべて監督者たる地位にある人々を処分いたしたわけでございます。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 そこで大臣のお考えを承りたいと思うのですが、当面の事務を担当している者の手違いからいろいろ問題が起こった場合に、担当者の責任が追及されるということは、これは当然のことですが、私は、やはり防衛庁なら防衛庁全体の経理の厳正、公正を期するという点からいいますと、事務を直接担当している者はむろんのことでありますが、これを監督の地位にある者に対して行政上の責任をとってもらう、追及する。こういうことが折目がついていきませんというとほんとうによくならないんじゃないか、こう思うのですが、大臣の御所見はどうでしようか。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) その点は全く同感でございますが、ただ私着任して日が浅いのでございますが、一昨年、昨年、今年と、繰り返し批難件数等が漸次減って参ってきておることは、経理については前向きに改善はされつつある、こういうことは御報告申し上げたいのであります。  私大臣としての所感を申し上げますと、何と申しましても、やはり防衛庁あるいは警察というようなものは、組織と規律が大事な役所でございます。従って、私どもは、普通の常識、普通の官庁よりはやや重目ないろいろな処置が、すべてそういうような規律違反に対してはとられておる。また幅広くとられておる。これは少し過酷になったような印象でございますが、ここまできつい罰を課さぬでもいいじゃないかというような事案にも私はぶつかった、この会計経理じゃございませんが、他の規律違反についてでございますが、しかし、一面考えますれば、規律を非常に大事にしなければならない役所であり官吏でございますだけに、私どもとしては、そういう方向でやはりいかなければいかぬ、こういう考えでございます。また、今後ともできるだけこの跡始末よりは前向きに、今後こういう事態を起こさぬように、たびたびの通達、また、閣議の席等を通じて、経理の明朗化、特に経理の改善、こういう点に留意もいたしておりますが、今後も努めて参りたいというかたい決心でございます。特に先ほど野本委員から申されました、防衛庁の経費は、かりにも国民の疑いを受けるということは、他の官庁以上に、やはり国としていろいろな意味においての波紋を投げる立場であることは、重々私どもも了承いたしておる立場でございます。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 従来ややもしますというと、この種の問題が下の方で処理されて、監督責任を明瞭にする、責任をとってもらう、こういう考え方において私は足りない点があったのではないかということを全般的に感じておるわけです。そこで、先ほども申しましたように、防衛庁が特別に重くそういう点を考えるということはどうかと思いますけれども、やはりすべての事案に対しまして、監督者の責任を明らかにして、ほんとうに折目のついた防衛庁全体の運営が行なわれるようにすることが、日本の防衛の基本として大事だということを特に考えておりますので申し上げたわけなんです。きわめて大ざっぱなことでありますけれども、特に防衛庁に対しまして再び警告、決議等がなされませんように、大臣のただいまおっしゃいました前向きの姿勢をさらにおとりいただいて、決算委員会というと防衛庁がすぐ一番大きく問題にされるといったような事態が一口も早くなくなることを心から希望いたしまして、私の質問を終わります。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 会計検査院並びに防衛庁からるる説明を聞きましたが、これについて順次お尋ねしますが、何分にもしろうとが専門家にお尋ねするのですから、しろうとにわかるように御説明を願いたいと思います。  まず、会計検査院にお伺いするのですけれども、ただいまも野本さんから批難件数、金額が減ったということは非常にけっこうだ。これは私もその通りに考えております。が、しかしながら、これはこの前の委員会でも質問があっておりますので、私はきょうは差し控えますけれども、どうもしろうとがちょっと一見して不思議なことは、昭和二十八、九年ごろから批難件数が半分ずつ減っておる。二千件から一千件、一千件から五百件、三百件、二百件、これはどうもちょっと私は、けっこうな話ではあるが、中身をしさいに検討しないと、直ちにけっこうだといって喜ぶわけにはいかぬような気がするのですが、これはこの前の委員会にあったようですからきょうは省略します。ただここでお伺いしたいことは、今長官からの御説明の中で、昭和三十二年度より実行可能かつ確実な経費のみを歳出予算として計上したと、こういう説明があったのですけれども、こういう点についての果してこの通りに予算が計上されさらにまた支出をされておるかと、こういうことについて会計検査院はお調べになる任務があるのですか、ないのですか。あるいはお調べになるとするならばどういう御意見があるかお伺いしたいと思います。

保岡豊会計検査院事務総局第二局長

○説明員(保岡豊君) そういう予算に関しますことは、当局の説明を受けまして予算総則なり何なりに基き、また今の国庫債務負担行為に基いてやっておられる、そういうことがその予算通りに執行されておるということであれば、私の方はそれで検了といたします。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 どうもそういうことであれば個々の批難事項についても、若干の予算の使用過程において間違いがあっても、大体予算の規則に従ってやっておれば差しつかえないとこういうふうに相なると思うのですけれども……。

保岡豊会計検査院事務総局第二局長

○説明員(保岡豊君) 執行におきまして不経済事項、不当事項、違法事項があればこの検査報告において指摘することはもちろんでありますが、予算そのものにつきましては国会でおきめになったことでもあり、執行についてわれわれの方が予算通りに執行されているかどうかを検査いたしておる次第でございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 私はしろうとなりに三十三年度歳入決算明細書というものをきのうちょっとページをくって見ましたが、非常にどうも不思議に思うととろがあるのです。ただいま長官の説明によりますと、大体繰越金額と不用になった金額だけの説明がありましたが、そのほかに流用されておるところの金額がある。たとえば職員の俸給に対しまして航空機購入費から二億六千二百万円、油の購入費から二億七千万円、装備品等維持費から二億九千九百万円、被服費から一千七百万円、食糧費から二億四千万円という工合に流用されております。ここで私が不思議に思うことは、たとえば航空機の購入の場合に、不用になった金額が三億三千七百万円、そして職員の方へ流用の金額が二億六千二百万円、こうなりますと結局過大に計上しておったものが相当の金額に上る、こういうことに相なると思うのです。それから装備品等の維持費におきましても、流用されたものが二億九千九百万円、翌年度の繰り越しが十八億五千万円、不用になった金額は八百九十万円、合計しますと大体二十一億五千万円というような非常に大きな金額が不用な見積もりといいますか、計上過大になっている。さらにまた施設整備費におきましても流用されたものが一億三千万円、それから翌年度の繰り越しが十六億数千万円、不用になった額は百五十九万何がしと、合計十七億五千万円。さらにまた艦艇建造費に至りましては、これは当初予算が七億二千九百万円に対しまして、ほとんど全部七億二千二百万円を繰り越しておる。こういうような一体金の使い方がいいのか悪いのか、これは。今この不用になった金額、繰り越した金額の理由はいろいろありますけれども、この理由についてはあとからお尋ねしますけれども、こういうことは会計検査院としてどうでしょうか、まじめな——まじめなといっては語弊がありますけれども、こういう使い方をしていいのかどうか。

保岡豊会計検査院事務総局第二局長

○説明員(保岡豊君) 防衛庁の予算を取るときと——予算を取ると申しますか積算する、見積もるときと執行するときの一年そこいらのギャップで実施計画におきまして違ってくるということは、まあ防衛庁のようなところではあり得るのではないかと私思っております。そこで実施計画の承認を大蔵省に一々しておりまして、大蔵省の承認によってやっておりますし、今先生の申されました流用につきましても、成規の手続で大蔵省の承認を得てやっておりますので、そのこと自身につきましては会計検査院においては、特にそういうことはあまりおもしろいことではございませんけれども、これを指摘するということではなかろうかと考えております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 会計検査院としては、まあそういう答弁になるだろうと思うのですが、防衛庁の方いかがですか、御所見は。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) ただいま会計検査院からお話ございましたことと全く同意見でございますが、もちろん当初予算に組まれました通りの予算の実行ができるということは理想だと思います。ただ防衛庁の特色といたしまして相当、先ほど長官も触れましたように、土地等の購入等についても、あるいは兵器等の輸入につきましても、あるいは供与関係等につきましてもかなり外的な条件に支配される面もあるわけでございます。また先ほど御指摘のありました人件費等につきましても、募集の状況等によりまして相当弾力的な面も避けることができないような事情にございます。そういうような点から、必ずしもおもしろくないという今お話でございましたが、全くその通りでございますけれども、財政法に認められたルールに従ってやむを得ず御承認願っておるというような次第でございますので、御了承をいただきたいと思います。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 まあ私は政治家ですから財政法云々、けっこうですけれども、財政法からいけば間違いないかもしれません。しかしながらその中で特に私が不思議に思ってこう見ておりますと、たとえばこの不用になった金額にいたしましても、あるいは流用された金額にいたしましても防衛本庁の場合に不用額五億三千六百万円、この説明を聞きますと航空機の購入費が少くなった、こういうことがあるのですが、そういう航空機を購入しなくてもいいようになったという話になっておりますけれども、何か理由があると思います。それからもう一つは、特に航空機購入費の分から二億六千二百万円を流用しておりますけれども、二億六千二百万円、全くこれは飛行機を買う金には使えない金になってしまったわけですね。この場合にはたとえば翌年度に回せれば翌年度に使える金でしょう。また生産計画に従って使わなければならぬというような金じゃないかと思うのですけれども、しかし職員の給与の方に回してしまったら、これはもう航空機を買う金がそれだけ全く減ってしまう、なくなってしまう。こういうふうにも考えるのですが、まあしろうと考えかもしれませんが、これはどういう関係になるのですか、航空機の場合。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) 航空機のたとえば年度第三四半期、あるいは第四四半期の終りぐらいにいきまして、先ほど申し上げました募集の状況、あるいは退職者等の事情の変更等によりまして人件費が足りなくなるという場合に、各器材であるとか航空機であるとかいうもので、たとえば当該年度に購入ができない見込みが確実なもの、あるいは器材費等でございますとその輸入等を予定しておったが、これができないというようなもの、そういうようなものを拾い集めまして、そのほかになお契約残、契約をしたけれども入札の結果、実行額は予定額よりも低かったというようなものにつきましても、これは膨大な予算でございますので、そういう契約残とかいろいろな財源を検討いたしまして、そういうものの中から当該年度に流用をいたしましても業務の遂行に支障が比較的ない一ないと申しますか、比較的軽いというようなものを集計いたしまして、これを財源として流用の御承認を願っておる次第でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 今、御答弁を聞いておりますと何か用地取得のために不確定要素があって、それが取得できないとかなんとかいう答弁をされておりますけれども、今、大倉委員が指摘しておる点は、いずれも航空機、艦艇の建造費、これは明確なものですよ。そういうことで予算を計上するときと予算の運用面においての質疑をしておるので、その予算の流用の場合に、こういう予定をしているものが、しかも明確であるものが繰り越しをし、あるいは不用額になり流用している。これについて会計検査院もまた、財政法に違反しない程度であればやむを得ないのだといったような答弁をされていることはまことに遺憾なのであって、これはやはり予算は予算として実行を目途に予算を組んでいるのですから、それができないということについては、その運用においてどういう理由から実行ができないのかどうなのかということを明確に言ってもらいたいのですよ。艦艇建造費は七億二千九百万ですか、これをそのまま繰り越しているわけですよ。これを一つ具体的に答弁をしていただきたい。  それから三十三年度の決算で職員給与に繰り越し流用をいたして増額をいたしておるのですがね。三十三年というのは大体ベースアップもない年ですし、しかも防衛庁は相当多くの欠員を持っているはずなんです。それで給与予算というものを当初計上したものの不足を生じて他の費目から流用する、これはちょっと理解できない。三十三年度当時の欠員はどういうふうになっておるのか。それから費目の移流用をして増額をしなければならなかった理由は何なのか、これを一つ説明願いたい。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) ただいま御指摘の航空機購入費、器材購入費、それから艦艇建造費等についてでございますが、三十三年度の艦艇建造費の契約残——概算で契約をいたしまして生産をした場合に契約に残が出るというようなものとか、あるいは航空機、器材等につきましても、当該年度で購入する予定であったけれども購入することができなかったというようなものでございます。  なお、三十三年度の人件費はなぜ穴があいたかという御質問でございますが、これは御存じかと思いますけれども、防衛庁の人件費予算は百パーセント掲げておるのではございませんで、三十三年度におきましては、たとえば最も数の多い陸上自衛隊で申し上げますと、九六・八%の人件費予算が組まれておったわけであります。そういう次第でございまして、急に募集状況がよくなる、あるいは当然退職をするであろうと思われておった程度の退職者が出なかったというような場合におきましては、人件費が不足をするという事態もございますので、昭和三十三年度におきましては、そういう意味でこの人件費予算の不足が出たのでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 大蔵関係来ておりますか。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) 来ておられません。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それじゃ防衛庁の方にお伺いしますが、定員法との関係で予算を計上する場合に、九六・八%ということのようでしたが、定員法で何名という定員が設けられて、それに対して一人幾らという単価で給与というものが大体きめられると思うのですが、給与法との関係はどういうふうになりますか。そうしますと、定員というものとの関係は予算を編成する場合に、ほかの官庁全部そういうふうになっておるのか、防衛庁だけ九六・八%しか大蔵省は認めないのかどうなのか、この点は予算折衝の結果どういうふうになっておるのか。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) この防衛庁の場合はほかの各省と若干事情が異なっておりまして、御承知のように隊員には任期がございます。また定年制もございます。そのほかに志願制度でございますから、志願者の多寡によって人件費の金額が非常に違ってくるという面もございます。そういう関係で自衛隊法に予定されておる定員一ぱい一ぱいに予算は組まれない。しからば人件費予算はどういうめどで組むのか、こういうことになるわけでございますけれども、大体におきまして当該年度の募集状況、退職の状況、それから次の年度における募集の難易等を想定いたしまして、それで実際上の予算を組まれておるわけでございます。現に三十三年度におきましても、先ほど申し上げましたように九六・八%という率になっておるわけでございまして、人件費予算を多く見込んで不用に落とすということはできるだけ避けたいという趣旨をもちまして、できるだけ確実性のあるところで組んでいくということになっておるわけであります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 先ほどお伺いしたのですが、三十三年度の欠員はどのくらいあったのですか。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) 三十三年度の欠員は、年間を通じまして平均六千三百人でございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 どうもまだ釈然としないのですけれども、結局私が尋ねたことは、長官が報告の中で三十二年度から実行可能かつ確実な経費のみを計上したと、こうおっしゃっておったのですが、これはだいぶ食い違うのじゃないかということを私は指摘してきたのですけれども、特に航空機の場合はこれを見ましても前年度の繰り越しが十七億あるのですけれども、三十三年度におきましても流用費プラス翌年度繰り越し、これは十億円ちょっとあります。それから不用額三億何千万円、これだけやはり使い切れなかった。使い切れなかったものを翌年度に回す。そうすると二億何千万円というものは、昭和三十四年度におきましては、やはり今度新しく計上しなければならぬ。飛行機は計画生産でしょう、これは。でありまするから、これは繰り越して翌年度その計画生産に使うという、つまり逓次といいますか、何か繰り越しというのがありますね、財政法で。こういうものに使うべき性質のものでないですか。流用すべきものでないと思うのです。これはいかがですか。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) 航空機につきましても、この流用されました金額の大半は契約残でございまして、今そのうちの幾らが契約残かということは、ちょっと手元に数字を持っておりませんが、大部分が契約残であったということを記憶いたしております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 私はこの飛行機のことをしつこく言うようですけれども、さきにロッキード何だかんだといって非常に国民は注意しておるのです。関心を持っておるのです。そういう費目をよその方へ流用してしまう。しかも二億何千万円という膨大な費用を流用してしまうということは、これはやはり一つの問題だと思うのです。  それからもう一つ、これは何か私はしろうとでよくわからぬのだけれども、防衛庁本庁の決算の説明のところで、先ほども申し上げたように不用額の説明のところに、「不用額を生じたのは予算の節約を図ったので航空機購入費及び油購入費を要することが少かったこと等のためである。」予算の節約をすれば航空機は買う費用が少なくなるのか。あるいは航空機を買わなかったから本庁の経費が少なかったのか。どういうことなんですか、これは。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) それは言葉が少し舌足らずかと思いますが、予算の節約をはかったと申しますのは、契約をいたしますときに、要するに当初予算で予定されておったよりも低い値段で契約を結んだ、従ってそこに契約の残が出た、その残をかき集めて流用財源に充てた、こういう趣旨でございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 まあこれはその程度にしますけれども、要するに長官がここで実行が確実な経費のみを歳出予算として計上した、こう言い切ってしまうことは、これはできぬと思うのです。したのだが遺憾ながら何々云々、これがなければならぬのですが、それが抜けておると思うのです。これは一つ今後とも大いに注意してもらわなければならぬと思うのです。率直にやはりそういうことは意見なり実情を披瀝してもらって、われわれの審議の資料にしてもらいたいと思う。そこで、そういう食い違った理由について、ここにいろいろ書いてあるのですが、その中でたとえば艦船建造費につきましては、「要求性能の決定及び基本設計の作成に時日を要したこと、また搭載武器の米国よりの供与が遅延したため建造に不測の日時」云々とありますけれども、こういうものは非常に莫大な予算が要るのですけれども、これこそアメリカとの事前協議によってもっと確実に取りつけができぬものですか。この実情はどうなんです。いつもあやふやな取りつけのままに建造計画を立てあるいは予算を計上する、こういうことに相なるわけなんですか。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) アメリカ側との供与兵器等に対する交渉については、細心の注意をもって交渉にあたっておるわけでございまして、供与品等についての要請をいたします場合は、閣議に諮りましてそして正式に向とうに要請する、もちろんその前に顧問団側と事務的に打ち合わせをいたしまして、どういう品目について金額どれくらいのものをいつまでに入手できるか、というような点についての打ち合わせをいたしているわけでございますけれども、しかし現実にそのものが入ってくる段階になりますと、向こうの都合でたとえば日本向けに予定しておったものを、どこかほかの国にやるとか、あるいは向こうの製造が国内生産に追われて追っつかないとかいろいろな事情がございまして、実際にこちらが受ける時期というものは、必ずしも当初打ち合わせをしておった時期に間違いなく入ってくるというわけには参っておりません。はなはだ遺憾でございますが、そういう事情にあることを御了解いただきたいと思います。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 そうなってくると、私は日本の自衛隊というものがアメリカの極東の戦略の一環としてあるという、こういう性格から、厳密な意味において、防衛庁の予算というものは、できないのじゃないかというような気がするのですね。たとえば今そういう説明がありましたけれども、しろうと考えとしましても、今後においては世界の日進月歩の変転に応じて戦略も変わっていく、あるいは兵器も変わっていく。従って、ここにあるような艦船の性能の要求にしましてもこれは変わってくる。こうなってきて日本独自でどういうものを作ろうという決定ができないということになれば、これは防衛庁の予算ができないと私は思う。とりあえずどんぶり勘定でやっておいて、そうしてあとは流用したり繰り越したり不用額になったりする。こういうことになるのじゃないかと思う。  そこで私はこの際承っておきたいのは、これから先の情勢からいって、ますます防衛庁の予算というものは組めなくなるのじゃないか。たとえば今アメリカではドル防衛、あるいはまたケネディさんにかわって戦略基地も再検討する、こういうことも新聞でも拝見しております。そうなってくるとさらにまた義務の負担の公平ということも言っているようでありますけれども、日本が自由世界の一環としての防衛義務を一体どこまで負うのだ、これもはっきりしないかもしれません。そこであるいは伝えられるところによりますと、現在アメリカから供与を受けているその装備というものを日ならずして更新しなければならぬということを聞いております。一体そうなってくるとこれはどれくらいの金額になるのですか。何パーセントぐらいアメリカから供与を受けており、それを一体何パーセントぐらい更新しなければならぬか、あるいはそれが一体どのくらいの金額が予想されるものか、見当がついておったらこの際一つ承りたいと思います。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) 必要がありますれば、細部にわたりましてはまた政府委員からも御説明いたしてもいいのですが、基本の問題でありますから私からちょっとお答えさしていただきたいと思います。  ケネディ政権になってから対日軍事政策といいますか、あるいはその他変わってきて、日本の防衛自体に影響がありはせぬかという点でございますが、私どもの解釈いたしておりますところでは、ケネディ政権にかわりましても極東の戦略体制は基本的には変わらない、こういうふうに防衛庁としては考えているのでございます。ただ具体的にドル防衛、こういうものからくる影響がある。これも実は日本の対日軍事援助の面におきましては、年々減ってくることはすでに御存じの通りであります。特に域外調達、日本でドルを使っている分はもう現在ございません。それからアメリカから新しく調達する、というよりは現有装備の中から大部分は供与を受けている、これを現有無償援助と申しておりますが、これもだんだんに減りつつある段階であります。日本自体の予算で国力国情に応じた範囲内でやっているのが相当部分ございます。従いまして、アメリカのケネディ新政権になりましてからの国防政策から影響を受ける分というものは、非常に大きな変わりはないと私どもは考えております。ただし、具体的にやはり今後ケネディ新政権がいろいろ打ち出して参ります場合の多少の影響というものは、絶えずわれわれは看取しなければなりませんから、これの具体的転換というか具体的に動いて参るという点については、絶えず関心は払い、また在日軍事援助顧問団というものが若干おられますから、それらの関係部門とも、不断に接触いたしていくというのが現状でございます。  それからなお、日本の国自体のそれでは防衛についてはどういたしますか、三十六年度は先般国防会議を開きまして政府としましての態度をきめ、またその後における次期防衛計画については防衛庁当局で検討を加えた上、やがて国防会議の決定をみて政府の意思を決定する。いわゆる長期にわたるところの防衛力政府計画であります。当然これは財政との関連を持って参るわけです。こういう態度で参りたい。こう思っております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 それは前提となるのでお聞きしておきたいのですが、アメリカの政権が変わっても極東の戦略体制は変化はないとこうおっしゃいましたが、そのいうところの戦略体制というのはどういうことですか。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) 戦略体制と申します言葉が少しとっぴな言葉になるかもしれませんが、要するにアメリカとしましては、極東との関連においてはどう自国を守っていくか、あるいは極東の平和安全をどうやっていくか、そういう意味でその基礎にはもちろん日本とアメリカとの間に安全保障体制がございます。同時に日本自体の自衛隊には自分の国土の防衛という本来の任務があるわけであります。これは当然日本の安全、平和を守るというか、そういう任務でやっておりますが、その基礎には一つ安全体制というものが現在存しておりますから、そういう意味で私は申し上げたわけであります。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 戦略体制というのは、これは安保体制も戦略体制の一つかもしれませんが、やはり日本、朝鮮、フィリピン、沖繩、台湾を含めてソ連、中共を仮装敵国とした場合の戦略をどうするかという、いろいろ具体的な、たとえば兵員の配置なり、戦略配備なりがあると思いますが、そういう戦略戦術的なものが変わってくると思うのですよ。特にミサイル中距離弾道弾なり、あるいはICBM、こういう兵器からしてあるいはポラリス潜水艦の配置ということからして、戦略体制というものは日進月歩変わってきていると思いますがいかがですか。それは変わらぬでしょうか。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) 私どもは一応防衛庁というものの責任を持たされておりますが、防衛庁に関しましてそれほどの変化はない、こういうふうに考えてそういう意味で御説明を申し上げたわけであります。また防衛庁自体は日本の平和と安全を守るというのが任務でございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 これは長官、日本の防衛に関することですから、アメリカを防衛するのじゃないと思います、自衛隊は。でありますから日本の防衛に関すること、この極東の戦略体制というものに対するはっきりした認識なり確信がないということになると、結局国民は何のために金を使うかということがわからなくなってしまうと思う。これは非常に重大な問題であると思います。でありますから私は聞いているのでありますが、先ほどお伺いをいたしました、いわゆる何ら大した変化がないと、そういう認識が大へんあると思います。ケネディさんに向うへ行って直接会ったことはないからわかりませんが、新聞、ラジオ、テレビ等からくるニュアンスでは非常にアメリカの世界における戦略体制なり、あるいは外交の基本路線が変わると思います。基本路線が変わる、というと語弊があるかもしれませんが、相当やはり色合いは変わってきておると思います。そういう中で日本の自衛隊は大して変わらないということはないと思います。やはりそういうことを見通して日本は日本としての政策を立て、これに対する計画を作る、こういうことにならなければならぬと思いますが、私はやはり九%以上の成長率を持っておる日本の経済力に対しましては、アメリカはそういう今までのようないわゆる援助というものはしないということを考えていいと思います。そこでやはり日本が自分の国を守る——われわれは憲法違反だから反対です。大体憲法違反の金を審議することはおかしいと思っておりますが、しかしたがらアメリカからそういうほんとうに百パーセント使えないという武器が来て、さらにはまた今度これさえもアメリカから来なくなってしまう。そうすれば人間はおりますから使う兵器はやはりなければならない。あるいは今までの計画に従ってそれぞれの兵器を購入しなければならない。そうなってくるとまた供与兵器の更新というのが非常に大きな問題になって目の前にきていると思うのですよ。更新ということ。これに影響がないと言って大したことはなかろう、こういうことではこれはちょっと不安で仕方がないのですが、いかがでしょう。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) 先ほど申し上げましたように対日軍事援助はもちろんございますが、漸減いたしております。ですからたしか昨年と申しますか、三十五年度三百億前後でございます、供与が。それから将来を見越すと二百億くらいに下がる、こういう想定のもとにやっておりますが、全体の防衛庁の予算と申しますか、金の中ではその占める比率は必ずしも大きなものではない、一時よりはずっと下がってきております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 これは今まで漸減しておると言われますけれども、今度は相当早いスピードで減ると私は思うのですね。こういうことに対する認識なりあるいは見通しといいますか、持っていないときわめて今後ともに防衛庁予算というものは不確定なものになるのじゃないかと思う。特にケネディさんが戦略基地に対しては再検討するというのはどういう意味なんですか。政府としてその戦略基地を再検討するということをどういう工合に考えておられるのですか。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) この間この問題については総理大臣から本会議で御報告を申し上げたように、日本に関する限りそう基地の大きな変化はない、こういうふうな情報のもとにわれわれもまた観察いたしておるのであります。しかし具体的に個々の問題につきましては、いろいろな折衝はやっておる段階ではあろうと考えております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 まあ直ちに今月、来月変化があるということはないでしょう。ないでしょうが近い将来少なくともこの一年以内には相当な変化がある、来年度には大きな変化がある、こういうようにしろうと考えですが、私は考えているのです。そうでなければ戦略基地の再検討ということは一般教書でわざわざ言うはずはない。そういうところが少し甘いのじゃないか。要するに私の言いたいことは、こういう工合にせっかく計上してもほとんどすべてが不要になったり、あるいは取り消しをしなければならぬというようなことは、アメリカという柱によりかかっている自衛隊だから、この柱の動きによってどうにでもなる。こういう自衛隊、こういうところに私は原因があると思う。今後ともこういう不確定な要素を持った予算の計上というものは相当私は不安があると考えているわけです。そこでもう一回念のためにお伺いしておきますけれども、まあ当面、と言っては何ですけれども、近い将来にアメリカから供与されているところの兵器、資材というものは更新をしなければならぬ段階にあると思うのですが、そういう状況について御説明願い、かつそれに対する供与の費用、予想されるところの金額というものについてもお伺いしたいと思う。

北村暢日本社会党

○北村暢君 今の大倉君の質問に関連いたしまして防衛庁長官にお伺いしておきたいのですが、やはりこの大倉さんの今指摘しているように、ケネディ政権になってから、ドル防衛の立場から日本の自衛隊に対する兵器の無償供与というものは後退する、削減されるということは非常に想像せられている。これは一般に想像せられている。それに対して一面従来防衛庁が盛んに自衛力の強化を主張し、人員の増加というものも非常に強く要求をしてきている。ところが最近の経済成長によって自衛隊の募集もうまくいかない。欠員も膨大に抱えている。募集しても来ないのであるから、そこで第二次防衛庁防衛計画に変更を加えざるを得ないのじゃないか。こういうことがもう一般にいわれているわけです。従って今貸与を受けている装備等についても現実の問題としてF86Fというものは使いものにならなくて、今これを転換するという時期でしょう。これはまあ戦闘機だけの問題でなしに、装備全体の問題として今使いものにならなくなっている装備を充実するというようなことに考えられてきている。従って第二次防衛計画において重大な変更を必要とする。こういうことが今いわれているわけなんです。従って今、長官の言われるようなことですと、アメリカのケネディ政権における問題が日本の防衛には大した影響はないんだと、今まで通りの計画でいくんだと、こういうお話のようですけれども、私どもはそういうことにはならないんじゃないかと思う。防衛庁内部でもその論議はやはりあるのじゃないかと思うのです。従って、それを今、大倉委員がお伺いしているんだろうと思うのです。この点について、第二次防衛計画について変更されるのかされないのか、この辺のところを一つ明確に答えてもらいたい。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) 先ほどケネディ政権にかわったから非常に日本に大きな変化を与えるかといいますが、これは特に基地の関係、もう一つは従来の武器供与の関係、まあドル防衛というところから出てくると思います、特に。外交とかその他の面は別といたしまして、ドル防衛という線から特に基地の軍人を引き揚げるのだ、あるいは供与はうんと落とざれるのだと、こういう問題にしぼってお答えをしてみたいと思いますが、現在基地の状況を考えましても、軍人の家族の引き揚げは一時伝えられましたが、最近はそれを見合わせよう、こういうことが伝えられておりますので、今後の変化を見たいと思います。  それからドル防衛自体については、ドルを日本へ落とす域外調達というものは、もうすでに防衛庁においてはこれによって供与を受けているというのはないのです。問題は、現在米軍の持っておる装備の一部が供与されるということで、ドル防衛自体とは直接関係はないのでありますが、それ自体もわれわれの方に対しては、すでにドル防衛政策以前から減ってきておりまして、また今減りつつあるというのが現状でございます。そういう意味で私の方は大きな基本的変化はない。ただケネディ政権というものは、何と申しましても大きな影響力をいろいろの面で与えやすい立場の政権でございますから、それらの具体的な実施については不断に関心を持ってわれわれは考えておる。こういう角度から第二次防衛計画等も十分に練り、国防会議等に諮って参りたい、こういう考えでございます。  なお、細部について御必要がございますれば、本日防衛局長も参っておりますから、御説明してもよろしゅうございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 これは先ほどの答えを聞かなければならぬのですけれども、まあ何回言っておってもケネディ政権に、あるいはケネディさんとは言わないですよ、かりに政権がかわらなくても世界のいろいろ軍事情勢の変化からいって当然そういうことは考えられるのです。特にアメリカにおいても軍備関係から沖繩の米軍は引き揚げるのだとか、あるいは日本におけるアメリカの人員というものは引き揚げるのだと、こういう意見さえあるのです、今ね。私はそういうことについて聞いております。が、むろんこれは現実の問題になってきておりませんが、さらにまた今軍人家族のことをおっしゃったけれども、これは少し違いますよ。家族が引き揚げたらあとにどういう現象が起こるか、これはやっぱりそういう現象を考えるべきだろうと思う。要するに私は何と考えても今、日本の自衛隊の持っておる兵器の相当の部分というものは更新しなければならぬ段階にきておると思う。その更新を自分の費用でやらなければならぬということは、当然考えなければならぬ。だとすれば一体それはどのくらいの負担になるのかということを知りたいと思うのですよ。これはそういうものがないとおっしゃればそれまでのものです。しかし現に戦車なんかどうなっておりますか。特車といいますか、相当使えないものがたくさんあるでしょう。ああいうものは維持費がかかってしょうがないじゃないですか。そういうたくさんのものを更新しなければならぬ段階にきておると思う。一体どういう程度のものがどういう状況になっておるか、それを一つ聞かしてもらいたいと思う。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) お答えいたします。陸海空の三自衛隊の装備は、御指摘のように創設当時のいきさつからいたしまして大部分アメリカから供与を受けたものでございまして、これを逐次更新していかなければならぬ状況であることはお説の通りであります。第一次の防衛計画というのは本年をもちまして一応終わるわけでございますが、第一次の防衛計画の過程におきましても、逐次古い装備品につきましては新しい国産品をもって変えていく。さらに具体的に申しますと、たとえば車両の耐用年数というものがございまして、かりにそれが十年間で廃棄すべきものであるとしますと、その十分の一の更新ということをいわば毎年やって参るわけであります。そのときには国産のものをもって変えていくということで従来参ってきておりますので、現在の段階におきましては大部分がきわめて古いものであって、これを直ちに一挙に更新せねばならないというような事情ではございません。  一例を申し上げますと、現在海上自衛隊につきましては、三十五年の十二月三十一日現在におきまして約九万九千九百トンの船を持っております。この中で今後一応艦齢が十六年以上たっておりまして、もちろんこれは艦の状態にもよりますが、各艦の状況を見まして適宜更新していくことを必要と認められますものは、大体昭和四十年度ごろまでを見つくろいまして三万六千トンばかりございます。こういうものの更新につきましては、三十六年度以降の予算におきまして国会の方から所要の経費をいただきまして、逐次毎年若干ずつの更新をしていく、こういうふうに考えております。  さらには航空自衛隊につきましては御存じのように、現在第一線で使っております飛行機及び今後使います飛行機はすべて国産のものでございまして、練習機につきましても新しいT1Aと申しますジェットの中間練習機も逐次生産されて参りましたので、現有装備品を新しいものに変えるために巨額の金が直ちに要るということには参らないかと思います。  陸上自衛隊につきましては先ほど申し述べましたが、それぞれの装備品につきましては、いかなるものをどういうような順序で更新していくのが適当かということは、現在第二次の防衛力整備計画というものを事務的に検討いたしておりますので、この過程において一応の成案を得たい、このように考えております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 まあそういう程度の答弁だろうと思っておりましたが、どうでしょう、今度の第何次計画なりあるいは艦船建造計画なり航空機なり、これはアメリカと一々相談しなければ決定できないことでしょう。そこでどういうものをどういう工合に更新するか、あるいはどういう程度にということは、やはりアメリカと相談しなければできぬことであるから、今から日本独自では想定のできないことじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) 供与を受けるという部分においてはアメリカとの関係が起こりますが、それ以外の分につきましては、すでに国防会議で基本方針をわが国の国防について、わが国の国力、国情に応じてという点で独自にやるのでございます。一々防衛計画全体を持っていって、どの船はどういうふうにするからというような、そういう点はございません。供与を受ける分については、もちろんこれは当然そういうことが起こってくると思います。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 それはおかしい。あなたはそうおっしゃるけれども、現にこのあなたの報告の中に、艦船建造費が繰り越しになったのは、向こうから言ってくる性能の要求が決定をしなかったからとこういうことなんでしょう。でありますから船を作るにしてもどういう性能のものを作るか、これは向こうと相談をしなければならぬ、いわゆる戦略群の一環でしょう、日本は。その戦略群の一単位が勝手にきめることはできないですよ。いかがですか、これは。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) ただいまの船の装備品でございますが、これはたとえば五インチとか三インチとか大砲を積むことになっております。そういうものを日本でそれだけを作りますと非常に生産費もかさみますし、アメリカの方で持っておりますものを有償援助あるいは具体的な供与ということでいただきますと、経費も安上がりになりますし性能の優秀なものを直ちに入手できる、こういうことで経済的になる。これは一例でございますが、そういう船に積みます砲であるとかあるいはレーダーの機械であるとか、そういう具体的な個々の装備品を向こうからもらう、こういうことになっております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 どうも私の言うこと、少し質問が下手かもしれませんが、まあもっと大まかに申しまして、日本の計画というものは艦船の性能も含んで、あらゆる面において日本はどういう役割を受け持つか、この役割を受け持つについてはどういうものがどれだけ要るか、ということを総合的にアメリカと相談し、向うの意向を聞かなければできないでしょう、これは。日本独自で何カ年計画を作るといったってできないじゃありませんか。しかも総理大臣もいつもおっしゃっておるんだが、日本独自じゃ防衛ができないからアメリカと一緒になってやるんだ。一緒になってやるんじゃなくて、アメリカのいわゆる一単位となってやる。こういうことなんですから、これは総合的といいますか、アメリカの戦略意向というものを聞かなければ、すべての計画が立たんじゃないですか。それを立つようなことをおっしゃるところが私は変だと思うんだ。どうですか、これは。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) われわれは、たとえば二次防衛計画を作りますについて、それをもってアメリカと相談し合うというようなことはいたしておりません。今後ともそういう考えはないんでございます。問題はしかし供与を受ける、あるいはもちろんある程度の何と申しますか、下話ということはあり得るでありましょうけれども、全体としましてそういうような一々相談をしないで供与を受けるということを中心にして進めて参るというのが今までの考えでございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 これは何べん聞いても水かけ論になるかもしれませんが、私は残念ながらそれは信用することができません。日本の自衛隊というものの性格からいってできません。これはどうしても自由世界の防衛主体はアメリカでしょう。自由世界の防衛の主体がアメリカでないとおっしゃるなら、これは日本の戦略体制、日本自身の防衛体制を変えなければいかぬでしょう。私は、自由世界の防衛体制というものの軸はアメリカと思うんです。アメリカの周辺にくっついているんです、日本は。でありますから軸の計画を聞かなければ日本の防衛はできないのはあたりまえのことなんです。それを供与を受ける面だけ相談するがあとは相談しなくてもいい、ほんとうにそうですが。もう一回念のために伺っておきます。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) もちろん基本には日米安全保障体制というものがございます。そういう面から考慮はされますけれども、しかし、わが国としては自分の国の国力、国情というものがございます。これらがやっぱり何といっても一つの中心にならなければならぬ、こう思っております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 どうも、これは、まあわが国の国情があるという工合におっしゃるとややこしくなってくる。これは一体自衛隊は憲法違反かどうかということにまでなってくるのです。私はこういうことまで論及したくなかったのだが、たとえば自衛隊と憲法の関係についても、長官の考え方、認識は少し私はちょっと問題じゃないかと思う点があるんです。これはきょうお答えを願うかどうかあれですけれども、たとえばこの前の安保特別委員会のときに岸総理が横路君の質問に答えて、自衛力と戦力とはどう違うんだと、こういう質問に対して、岸さんは、確かに戦力というものは無限大である、こういう意味をおっしゃった。自衛力というものは、何か防衛という一つの条件のもとに持つ何とかという答弁があったんですが、ところがこの前ひょっとした機会に、「国会通信」の記事を見ますと、婦人の主幹とあんたと対談なすっておりますが、あんたは、はっきりと戦力とおっしゃった。いろいろあるだろうけれども、日本の戦力というものは戦前よりはうんと伸びておるんだと、こういうふうにおっしゃっておる。何かこの辺から憲法と自衛隊との関連に対する認識というものが、どうも、私はあの新聞を読んで割り切れぬものがあったので、そこであんたが国情から言われると、そういうことになる。さらにまた引いてくれば、憲法違反に使ったこの金を審議することがおかしい、こうなってくるんですが、そこまではきょうは申しません。申しませんが、私は、これはやっぱり初めあんたがおっしゃったように、国防ということは国民の信頼がなければできませんから、国民に隠してはできませんよ。こうならこうという工合に、この国会を通じてほんとうにあらゆる機会に率直に国民に訴えるという誠意がなかったら、国民に隠しての国防なんということはあり得ないです。でありまするから私は長官がおっしゃったことについてもうこれ以上聞きません。聞いてもむだですから聞きませんが、私はやはり、日本の自衛隊というものは単にアメリカという軸のまわりにくっついておるものだ、こう思っております。そこで関連質問がおありになるかもしれませんから関連質問していただいて、最後に私総括的なことでお伺いしたいのですけれども、さきほど野本さんの方から懲罰のことについて聞かれましたが、ただ一点こういうことが報告されておりますのでお伺いするんですけれども、昭和三十二年の検査報告の中で十二号のスタッキー二事件に対する批難の跡始末、処分はどうなっておりますか。あるいは始末ができておりますか。これを一つお伺いします。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) スタッキー二事件につきましては、現在イタリアにおきまして訴訟係属中でございます。たしかこの前の前でございますか、判決の確定を待って適当な方法をとりたいということを答弁しておるかと思いますが、現在まだ判決が出ておりません。そういう関係で特に処置をしたということはありません。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 この責任者は今どうしておりますか。

三原桂防衛庁調達実施本部長

○説明員(三原桂君) 当時の調達実施本部長は、昨年の五月に防衛庁の職を退きました。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 それは自然退職ですか、懲罰か何かのことで退職されたのですか。

三原桂防衛庁調達実施本部長

○説明員(三原桂君) 自然退職であります。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 これもやっぱり報告が違っておる。そういうことはやっぱりちゃんとまともに報告をしてもらわんと、うっかりすると、僕はしろうとですから、ああそうかなと聞き流してしまう。たまたまそういうことを気がついたものですからお伺いしたんですけれども、やっぱりそういうところに何か疑惑を投げるところがありゃしませんか。長官、いかがですか。こういうのはやっぱり抜け穴みたいなものがあるのですね。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) 過去のできごとでありまして、私着任しましてその説明を受けました。確かに非常に不手ぎわな何か結果になっているようでありますが、ただ問題は、最後まで努力をして訴訟によって問題を解決したいという段階であるという報告を受けておるのであります。その点については、契約当初に、契約当初と申しますか契約の過程においてああいうふうな契約不履行の、会社破産ですか、ああいうような事態に至ったという点は非常に遺憾に存じております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 これは長官、厳然とやってもらいたいと思うんですよ。あなたのまた新聞ですけれども、そういうことを言っておられた。それであなたのモットーに、「解りやすく、親しめる、規律訓練においてきびしく頼もしい」、こういう工合におっしゃっておりましたが、これをぜひきちんと一つおやり願いたいと思います。総合的に個別批難事項につきましてはまたお伺いしますけれども、前段ですね、総括的なあなたのさっき報告されたことは必ずしも当を得ていないと私は思います。いかがです。——もう一回質問の要旨がおわかりにならんようですから申しますが、今の懲罰の問題なり、それからここに言われておる実行可能かつ確実な経費のみを計上しておると言い切っておられる。このこと自体、前段は必ずしもその通りじゃないと思うのです。ほんとうではないと思うのです。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) この防衛庁の予算の性格は、多少御理解はいただけると思うのであります。不確定要素を含みやすいといういろいろ状態もありますが、しかし、できる限りそういう方向に、先ほど野本委員のお話もありましたように、前向きに今後とも予算を作る場合にもそういうふうに……ただ、現実のたとえば人件費などでも、普通の官庁のような定数でぴしゃっとできれば一番いいのでありますが、募集、志願、それに自然退職が二年契約でその間に行なわれており、不確定要素を非常に含むという点は、御了解を願いたいと思うのであります。それからさらに経理の執行につきましては、最初に申し上げましたように十分私としては貴重な国民の税金を使わせていただくのでありますから、改善また明確化を期して参りたい、こういう考えでございます。

山田節男民主社会党

○山田節男君 私、幸い西村長官がお見えになっておりますから、総括的な質問を二、三いたしたいと思います。  実はこの平和条約ができまして、警察予備隊が自衛隊に変わって早々、まあ昭和二十七、八年の間は、自衛隊の創設といいますか、拡張のために会計が非常にずさんであった。当時参議院の決算委員会におきましても、各省のうちで、防衛庁が一番会計検査院の批難事項、不当事項が多かった。この事実から見まして、私は三十三年度の決算を見まして、防衛庁のいゆわる業務監査というものが相当改善されているということは、これは認めます。  ただしかし、三十三年度の決算においても、報告を見ましても、なお億に余る金額の不当な支出ということが指摘されておるわけであります。そこで私お伺いしたいことは、この二十七年、八年のころ、防衛庁の発足早々、非常にずさんな、極端にずさんなことをやっておる。たとえば物を調達する場合におきましても、アメリカから自衛隊員の制服の服地が供与されておるにもかかわらず、防衛庁が二重にこれを発注しておる。あるいはひどいのになると、物品の発注に対して〇を一つ間違えた、こういうようなことが実はあったのです。そこで防衛庁としては、調達の最高責任者を置かなければならないというので、今現に行なわれておるように調達実施本部というものを設けて、調達に対する最高責任者をきめたわけです。そして同時に監査業務を組織的に科学的にやれというので、これを見ますというと経理局の下に、監査というものをちゃんと置いておられますが、今与えられた資料を見ますというと、一体これだけの千数百億の予算の執行にあたって、業務監査というものに対しての予算が全然計上されていない。しかも、この与えられたる資料を見ますというと、陸上、海上、それから航空自衛隊、この三自衛隊に対しての、そういう予算が、全然予算に計上してない、監査の費目がないように、これは報告されておるのですが、一体こういう点は、どういうようなことですか。監査業務に対して、これは普通の省におきましては監査局、あるいは監査部という独立のものがあるわけです。この自衛隊において業務監査というのは非常にルーズに見えるのですが、人員から見ましても、海上、航空、陸上合わせて百九十一人、この人員から申しましても非常に少ないのです。  こういう点について、一体防衛庁の業務監査というものに対する、私はどうも熱意が足りないような気がするのですが、その間の事情を一つお伺いいたします。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) 防衛庁におきまして、今御指摘のありました会計経理を適正に行なわせるために、監査業務を厳重に励行いたしておるわけでございますが、この監査の機構と申しますか、機構といたしましては、陸上自衛隊におきましては、会計監査隊というものがございまして、これは百五十人程度、それから海上自衛隊におきましては、海幕の監査課、六十五人、それから空幕におきましては、監理課というのがございまして、これが大体三十人くらい、こういう機構でもって、各出先部隊の監査をいたしておるわけでございます。  なお、特に予算上特掲してないじゃないかというととでございますが、これは一般の事務費あるいは旅費等でまかなっておりまして、特に監査のために費目を設定しておりませんけれども、ただいま申しましたように各自衛隊ごとに内部監査を励行いたしておる次第であります。

山田節男民主社会党

○山田節男君 これは、各省を見ましても、これは今まで問題になっておった、つねに予算の執行上問題になる。建設省あるいは農林省それから郵政省——郵政省のごときは、別個に監察局という独立の局をもってやっておるのですが、現在の防衛庁の会計監査の機構を見ますというと、最も数も多いし、また現場も多い陸上自衛隊のごときは、監理部の下に監察課、海上自衛隊が経理補給部の下に監査課、航空隊も監理部の下に監理班あるいは監理課というものを置いておられますが、別に班と課とで、人員が多いとか少ないとか、こういう意味じゃないといたしましても、これだけの膨大な国税を使う場合には、少なくとも監査ないし監察に対する独立の機構をはっきり設けてやるべきです。  これを見るというと、海上、航空、陸上の各部隊に、幕僚長のもとに監査課とか監査班を置く、これは私は業務の監査という点からいえば、これはやはり中央に監理課、監査課というものがございますけれども、そこの権限強化というか、これは場合によったらば……、これを監察の最高責任者は経理局長じゃない、長官に対する責任というような監察業務を行なう、これが常識じゃないかと思う。そういう点について、あまりにずっと監察業務としての系統からいいますと、またその性質からいいますと、少し現在の防衛庁のやっていらっしゃる監察業務——厳重、厳重といいますけれども、そういうものに当たる地位というものを充てない、充てがってやらないのでは、公平厳正な業務監査、監察はできない。これは各省の常識です。  そういう点に対して、われわれ参議院の決算委員会として特にいうた調達実施本部、これは大いに機能を発揮しておられると思うのですね、しかし、大事な監査、監察に対する機構が、非常に私はないがしろにされているとは申しませんが、機構的に見まして、もう少しこれを独立的な地位を与えて強化する必要があるのじゃないか。従って今私は資料を見ますというと、最も現場あるいは部局の多い陸上自衛隊、なるほど対象の部局は、陸上自衛隊は三十三年度において四百四十四、現場で十四、この海上あるいは航空自衛隊に比較して非常に多いことは、これは数字で比較されまするけれども、実際から言えば、もっとある、こういうことなんですね。ですから、次第に改善している、こういうことは認めておりますけれども、この監査、監察業務というものを、もう少し機構を、監察機構としての独立の地位を与えられれば、もっと私は決算委員会で、あるいは会計検査院で批難されることは少なくなるのではないかと思う。この点に関する御見解を承りたい。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) これは内部の会計その他行政のやり方についての監査の事務というものは、非常にむずかしい問題でございまして、御承知のように会計検査院が、独立の機関として、外部的に監査をされるというものと違いまして、被疑行為あるいは不当事項等が発生しているかいないかという監察的な面もございますけれども、また一方におきましては、そういう間違いが起こらないように事務上の指導をするという、いわゆる事前に防止するという面が非常に監査事務の主眼と申しますか、大きな役割となっております。  従いまして、これを全く独立の機関にした場合に、陸海空おのおの各幕で、特殊な事情もございますし、また内部の事情によく通じた人間が行って、そうして指導をするということが、指導の実績もあげるし、また事情もよく詳しい説明を受けなくてもわかるというような面もございまして、ただいまのようないわゆる独立性のない、各幕僚長に直結した機構になっております。ただ、今御指摘になりました独立の地位を与えて、そうしてもっと強い権限をやるというのも、これももちろん、たとえば被疑行為あるいは不当行為を防圧するという意味におきましては、非常に有効な手段かと存じます。いずれにいたしましても、御指摘のような面もございますので、今後研究いたしまして善処いたしたいと思います。

山田節男民主社会党

○山田節男君 先ほど来、問題になっておる人件費に対して物件費を流用した、これは、防衛庁の予算総則が、私は特別なそういう彼此流用——人件費に対して物件費を流用するというような、こういう特別な予算総則が防衛庁にありますか。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) 特に予算総則にはございませんが、財政法三十三条でございましたか——二十三条で認められておると存じます。

山田節男民主社会党

○山田節男君 会計検査院にお聞きしますが、これは大体、予算が款項目と分かれていて、予算総則あるいは財政法においても彼此流用ということは、これはちゃんと法律できまっているわけです。あるいは規則によってきめてあるわけです。会計検査院が不当事項として指摘したのは、そういう、今の経理局長の答弁によると、どうなんですか、会計検査院の見解は。

保岡豊会計検査院事務総局第二局長

○説明員(保岡豊君) 経理局長がおっしゃいましたように、防衛庁の予算は項が非常に数が少ない。すなわち項の中には、いろいろな目があるということなんです。それで、その目に、人件費もあれば物件費もたくさんある。それで項の中の目の流用は、大蔵省の承認で許されている。それは財政法の三十三条とおっしゃったものであります。項の彼此移用——これは移用と申しますが、項間の移用は、これは予算総則なんかに定められている範囲内でなければなりませんけれども、項の中の目間の流用は、大蔵省の方の承認でできるというのが財政法の規定でございます。

山田節男民主社会党

○山田節男君 そうすると、今同じ項の中にあるならば、職員人件費に対して物件費を、いわゆる彼此流用ということになれば、別にこれは不法な支出ではないということになるのですか。

保岡豊会計検査院事務総局第二局長

○説明員(保岡豊君) 財政法で許されているやり方でございます。

山田節男民主社会党

○山田節男君 ですから、今の防衛庁の経理局長の言われたように、財政法で許されている目の間の彼此流用である、不当じゃない、ということになるのですか。

保岡豊会計検査院事務総局第二局長

○説明員(保岡豊君) 私どもは、不当と申しません。

山田節男民主社会党

○山田節男君 不当というか、この次に説明がありますけれども、とにかく指摘されていることは指摘されていますよ。残っている合計で五億なんぼの金が不用となったような理由は何か、こういうふうに書いてありますね。ですから会計検査院としては、今の財政法に定められているから、人件費を物件費によってまかなったということは不当じゃない、そういう認識ですか。

保岡豊会計検査院事務総局第二局長

○説明員(保岡豊君) 財政法によりまして、大蔵省の承認を得て正規の手続きによって流用しておりますから、その点については、不当とは指摘いたしません。こういうことであります。

山田節男民主社会党

○山田節男君 それから先ほど来話がありましたように、アメリカからの無償供与された兵器と申しますか、武器は、これは最近は知りませんけれども、たとえば練馬の第一管区に行って現物をずっと精査しますと、たとえば戦車のごとき——特車というのですが、戦車のごときも、ほとんど半数以上はえんごして動かない、部品がない。こういったようなものは、防衛庁の会計から申しますと、消却というのはおかしいけれども、廃却か何か、財産目録の中には、たとえもうこれが廃車になって、使用に耐えないというようなものも、これは全部財産目録に載るのですか。そういうものに対する処置は、どういうふうにしていらっしゃるのですか。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) 航空機等、国有財産法に規定されておりますいわゆる国有財産以外の物につきましては、物品管理法の規定によりまして、不用品にする場合は、これを不用品として落として整理しております。使用中のものにつきましては、これは台帳に記載して使用しておりますという次第でございます。

山田節男民主社会党

○山田節男君 最後に会計検査院にお聞きしますが、防衛庁に関してアメリカからの無償供与、特に有償で贈与されたような場合に、この物品は、これは国有財産になると私は思うのですが、そうしますと、この物品に対する、つまり兵器、装備品に対しての会計検査というものは、この防衛庁に属する限り、会計検査院としては、いわゆる国有財産としての対象として検査をされるのですか。

保岡豊会計検査院事務総局第二局長

○説明員(保岡豊君) 物品として検査をいたしております。有償援助、MSA物資と申しますけれども、これによって向こうから参りましたものは、供与もそうでございますけれども、供与品と同じように、物品管理法上の物品でございます。それで物品としての検査をいたしております。

山田節男民主社会党

○山田節男君 これはちょっと別の問題になりますけれども、一体、たとえば三十四年度において、これは大体決算が出ていると思うからお聞きするのですが、自衛隊要員の募集に対する費用というものは、実際の支出は、たとえば三十四年度、わからなければ三十三年度でもよろしゅうございますが、どのくらいの支出をしておられるか。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) 募集のための経費でございますが、ただいま持っております数字で、三十五年度、今年度の数字でよろしゅうございますか。

山田節男民主社会党

○山田節男君 よろしゅうございます。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) 今年度は一億七千二百九十六万七千円、こういう数字になっております。なお来年度予算で要求いたしております分が一億九千四百八十一万九千円、こういう数字になっております。

山田節男民主社会党

○山田節男君 これは、まあ陸海空等の全部の募集費だと思うのですが、この募集にあたりまして地方自治体なんかにポスターが出ている。で、こういう自治体に募集の事務を委託するという場合があるかもしれませんが、こういう募集をされる場合に、そういうポスターを張らし、その他の受付等の用務があるのじゃないかと思うのですが、これに対しては防衛庁として幾分かの交付金といいますか、支出をしておられるのですか、支出を。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) 地方公共団体に対する委託費といたしまして、先ほど申し上げた総額のうち三十五年度につきましては三千百二十万三千円、それから三十六年度要求としましては四千四十九万七千円、こういう金額を委託費として交付しております。

山田節男民主社会党

○山田節男君 私、これで打ち切りましよう。

北村暢日本社会党

○北村暢君 私は、議事の運営の都合から、大体一時を目途に御質問を申し上げまするので、ごく総括的な問題で防衛庁長官にお伺いいたしたいと思います。総括といいましても、前回当委員会から視察をいたしました演習場関係の防災工事の問題についてお伺いいたしたいと思います。  まずこのお伺いいたしたいのは、島松演習場の防災の補償工事の件についてでございますが、この工事は三十七年度まで一応の計画ができておるようでございます。それで地元からは、この工事についての促進方の要望が非常に強く出ておるわけでございます。と申しますのは、三十四年度に豪雨がありまして相当なやはり被害が出ておる、従って、まあ現在の防災工事を計画通りやっていっても、なおかつ現在までやはり、予算的にいって半分くらいしかできておらぬ、従って三十七年度の計画であるようであるが、さらにこれが延長されるのじゃないか、こういう気持がいたしておるのでございます。  従って、この防災工事についての工事の見通し、工事の効果的な点からいけば、もう少しスピードを早める必要があるのじゃないか、こういうような感じがいたしておりまするので、との防災工事の進捗の状況並びに計画の実施状況等の概略の説明をいただきまして、この工事の見通しについて承りたいと思う次第であります。  第二点は、この工事は特損法によって実施せられておるわけでございますが、これは演習場全体の問題でございますけれども、特損法は、これはアメリカに対する日本国民の国民的な感情、こういう点からして、ああいう処置が講ぜられておると思う、補償等の考え方が、出ているのではないかと思いますが、現在基地が返還になって引き続き自衛隊が演習場を使用しておるというところが非常にたくさんあるわけでございます。  ところが、自衛隊のその後における使用からして、相当の演習場が荒れて、下流の農地その他に被害を及ぼしているという事例も数あるじゃないかと思うのです。この点については私は委員長を通じて農林省からも資料を、現状について全国の演習場の被害状況について資料を提出していただきたいと思います。それにそういうような被害が相当起こっておるのでありますが、現在自衛隊のこの起こしました被害については、大体米軍のやったものに対しては、国民感情というような感じで特損法を適用して、防災工事でやるというような考え方に立っておるようですが、自衛隊は、同じ国民間の問題であるからということでもって、被害を受けている農民、そういうものに対しては、農民が犠牲をこうむりながら、これを押えられてしまうということが大いにあるのじゃないか、実情としても島松にも、こういう問題が出ております。  というのは、もう御存じかと思うのですが、あそこの駐屯部隊ができまして、それが汚水を流す、まあ炊事その他の汚水を流しちゃう、そのために下流における澱粉工場が被害を受けて、これは衛生的にいって不適当だというようなことになりまして、しかもそれが大々的に新聞に出るというようなことで、食品に関係ある産業でございますから、とたんにその工場は閉鎖せざるを得なくなっておる、こういう事態が起こったのに対して自衛隊は、その後処置をしたのかしないのかということで、結局補償の問題がなかなか難行してケリがつかない、これはまあ水質汚濁の問題とも関連するのですが、ところが、澱粉というのは食品衛生法、これは食品じゃない、穀物だ、こういう取り扱いからいっても、食品衛生法で取り締まることができない、こういうことで被害をこうむりっぱなしという事態が出ておるわけです。それに対して特損法的なものがないので、自衛隊なるがゆえに、同じ国民同士だから、がまんするといったようなことで、何べん話をしてもらちがあかない、結局澱粉工場は閉鎖したままと、こういうようなことになっておる事例があるわけです。  そのほか防災等についても、先ほど私が申しましたような意味で、全国の演習場の被害をこうむっている問題がたくさんあるわけでありますが、この特損法に該当する、自衛隊の演習場の被害に基づく問題について、一体防衛庁はどのように対処されようとするのか、これについては、またどういうふうな事例をもって対処してきたのか、まあ非常にうるさい騒音防止の点については、若干予算もつけているようでございますけれども、とにかくそういうものの財政支出をする法的な根拠というものが、今のところは、特損法にかわるようなものはないわけであります。  従ってこれについては、私は早急に特損法にかわるものを考えるべきだと思うのです、考えるべきだと思うのですが、これについては、防衛庁の建設本部ですかは自衛隊の演習場建設そのものはやるけれども、なかなか防災その他を考慮したものができておらぬ、こういう実情であるのでありますので、一つこの点に対する見解を承りたいと思います。まあ実情からいって、島松の演習場を私ども行ってみて痛切に感じたのでありますが、もう、これは米軍が非常に荒らした、あそこは地質的に火山灰地帯でありますから、表土を一度はがすというと、なかなか復旧しない、そのために非常に大きな被害が出てきているのでありますが、それを演習場の設計からいって、どのようにやっておられるのか知りませんけれども自衛隊が使うようになってからの防災処置あるいは演習の規制、こういうようなものがなされないというと、自衛隊で荒らしたやつに上回って災害が出てくるというと、現在の計画というものは、米軍の荒らした当時の計画になっておりますから、これをさらに自衛隊が荒らすということになるというと、そこに特損法との非常にむずかしい問題が出てくる。自衛隊の被害なのか米軍の被害なのかという非常にむずかしい問題が出てくるのです。これに対する法的な措置というものは何らなされておらない。こういうことで非常にむずかしい問題が出ている。  しかも現在島松の演習場を見まして、実弾射撃の着弾するという地点におけるエロージョンを起こしているということは現実にわかっている。それに対して自衛隊は防災措置というものを講じていないということになるというと、これは災害は、どっちの災害だかわからなくなってくるわけなんですね。でありますから、演習場の整備の上において、防衛庁はいかなる配慮をもってこの設計がなされているのか。防災というような点について、もちろんあらかじめ人為的に破壊するのでありますから、そういうものは、やはり万全な措置を講じておかなければ演習なんかやはりやるべきでないと思う。そういうことがなされないで、平気で演習をやって災害が出てから、人為的にこれは防げるものを、災害ができてしまう。こういうことではいけないと思うのですが、こういう配慮というものが、どのようになされているか。例をとって言えば、島松等においては演習場の防災を加味したところの設計というものがどういうふうになっているのか。あるいはこの予算的な措置というものはどういうふうになっているのか。自衛隊自身の労力をもって防災もやっていることは知っております。見て来てわかっておりますけれども、あんなちゃちなものでは、とうていとめられない状態にあるというふうに思いますが、それを予算化する法的な根拠がない。こういうところに大蔵省は要求しても認めないということにもなりかねないと思うのです。そういうような点についての一つ対策について、一体演習場の設定なり設計において、そういう面の配慮がなされているのかなされていないのか、この点についてお伺いしておきたいと思う。  それからもう一つは、被害を現実にこうむった者に対する補償の問題でありますけれども、これは、なかなか理論的にも実証することは非常にむずかしい。現実には、やはり自衛隊の被害をこうむっているというのがどんどん出てきている。農地等においても被害が出てきている。ところが、これは特損法のようなものがございませんから、一般民法の損害賠償とかなんとかいうことになれば、とんでもないむずかしいことになりまして、問題の早急な解決にはならない。こういう事態にあるわけなんですが、一体この演習場の演習のために起こる被害、こういうものについての対策というものを、防衛庁でやはり明確にしておく必要があるのではないか、こういうふうに思うのですが、そういう点についての一つ、どういうような措置を講じられておるか、お伺いいたしたいと思います。

眞子傳次調達庁次長

○政府委員(眞子傳次君) 調達庁関係分について、私からまずお答え申し上げます。  島松演習場の防災工事につきましては、米軍によって荒らされた演習場内のいろいろな悪影響が外部に及ぶ等のために、いろいろな工事をあるいは手段を計画し実施しておるのでありますが、その方針といたしましては、まず被害の大きい方から進め、放っておけば、ざらにその被害が増大するというおそれがあるというようなものに重点をおいて進めておる次第でございます。  島松演習場について、これまでの工事の事業量から申しますと、昭和三十三年度から開始いたしまして、昭和三十五年度までに五億二千六百万円をかけて、いろいろな防災工事をやりつつあり、やる予定でございます。しこうして昭和三十六年度の要求では一億四千万円を予定いたしております。その後私どもの計算では、今まで実施した分は総計の約必要量の三分の一と思っておりますので、昭和三十七年度以降において、これを約五年間の計画で毎年約二億円ずつの経費をかけまして約十億近く、九億四千九百万円、これくらいの金がかかるものと思っております。  これは今御指摘のように、早急に、もっと早く一ぺんにそこを片づけたらいいじゃないかというお考えもございますが、調達庁といたしましては、昭和二十八年以降、特撮法に基づく被害防止対策工事を日本全国の各基地について行なっておりまして、その工事総事業量は五十一基地にわたり、概算約百一億七千五百万円を要しております。それで、今後昭和三十六年度の工事予算を九億七千九百万円と見ておりまして、昭和三十七年以降においても、なお、今申しましたような関係基地に、相当量の工事をしていかなきゃならぬ関係にございますために、島松演習場に関してだけ、重点的にこれをもっと思い切った工事をある年度内に、あるいは近い年度内に実施するということができないような状況になっております。  しかしながら、今申しましたようにできるだけ努力をして、災害が今後発生しないように、また、荒れておりましたところについてはこれを原状を回復するように、いろいろな手段を講じて参りたいと思っておるわけでございます。これが、私どもの特損法に基づく工事の現況でございます。  また、将来の見通しでございますが、ただいまお尋ねのように自衛隊に引き継がれておりまして、本施設は、現在においては自衛隊の用に供されておる施設でございます。それがために、自衛隊において、この演習場が若干荒れるというようなことは事実であります。しかしながら、これは自衛隊でも、いろいろやっておられますが、大部分は米駐留軍の行為に基づいて起こった損害に当たりますので、私どもが責任をもって、これを今、将来にわたって直していかなきゃならぬ、工事を施していかなきゃならぬと思っているわけでございまして、今後しかし、自衛隊がこの演習場内に、あるいは演習場外に、いろいろな被害を及ぼすというような関係のものに対する防衛本庁の施すべき手段等につきましては、私どもは緊密な連絡をとって、有効な、効率的な工事、手段をはかっていかなきゃならぬと、こういうふうに考えておる次第でございます。  以上で概略……。

木村秀弘防衛庁経理局長

○政府委員(木村秀弘君) ただいまの御質問の、防衛庁に米軍から引き継がれた演習場、あるいは防衛庁自体が持っておる演習場、そういうところに関する防災工事の御質問につきましてお答え申し上げます。  防衛庁といたしましては、特別のこのための法律というものはございませんが、演習場等の維持管理面からいたしまして、植林、砂防、道路整備等を実施しまして、演習場外に災害が及ばないように配慮をいたしております。ただいま御指摘の島松演習場につきましては砂防工事を実施しております。材料費百万円でございまして、これは主として自衛隊の施設部隊を動員いたしまして、延べ人員四千人近くの人間を出しまして砂防工事を実施いたしております。そのほか、たとえば日出生台の演習場の植林工事であるとか、岩手演習場の道路であるとかいうふうに、防災工事については、従来からもやっております。  御参考までに予算について申し上げますと、三十五年度のこの種演習場の管理費は八千三百万円でございまして、三十六年度におきましては九千九百万円を要求いたしております。  次に、損害賠償と申しますか、損失補償の問題でございますが、御承知のように、自衛隊の隊員が、その職務の執行に際して損害を与え、あるいは自衛隊で持っておる工作物等の設置に瑕疵があるというような原因から、不法に第三者に損害を与えた場合につきましては、これは民法の不法行為損害賠償の規定が適用されますので、現在の米軍におきます損害賠償の問題と全く同一でございます。次に公務以外に損害を与えた場合、この場合につきましては、米軍におきましては行政協定の規定がございまして、見舞金が出せる仕組みになっておりますけれども、自衛隊におきましては、この規定はございません、次に、故意または過失に基づかないいわゆる適法な行為に基づいて発生した損失に対する補てんでございますけれども、これはただいま御指摘になりましたように、米軍につきましては、特損法等の規定がございまして、たとえば水中工作物の設置あるいは防風施設等の除去、その他射撃等によりまして農林漁業等を営む者に損失を与えた場合に対しては補償ができるという規定が特損法にございます。ただ自衛隊の場合におきましては、自衛隊法の百五条に、訓練のため漁船の操業を禁止、制限した場合には、その漁業に対する損失を補償しなくちゃならぬという規定がございます。  しかしながらただいま申し上げましたように、米軍の場合のように広い規定にはなっておりませんので、これを今後研究いたしまして、両方の間のギャップを生じないようにいたしたいと思っております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 今寺弁をいただきましたように、防災関係の予算一つ見ましても、自衛隊の予算が八千万円か九千万円程度で一億足らずです。今特損法で実施している予算というのは、これは大へんなものですよ。ですから予算から見たって、大体自衛隊が一体防災について、どれだけ熱意を持って演習場の整備をやっているか、はっきりうかがわれる。それで現実に、きょうは農林省見えておりませんようですが、被害をこうむっているのが出ている。実際にデータも出てきている。それを農林省は押えているということも私ども知っております。  でありますから、そういうものの、なかなか予算が通らないというのは、先ほど言ったように、米軍のやった被害については、国民感情からして特損法で、どうしてもやらなければならない、そういう感じがある。自衛隊については、同じ国民同士の間だから泣き寝入りというので、大蔵省も、まあそういうつもりのようですし、予算の面から見ても、なかなかつかない。  ところが自衛隊の演習場の被害というものは、そういう民法上の規定とか何かで今検討するとおっしゃられるけれども、そういう問題では、とても解決できない問題がある。それは被害の状況から言っても、そういうことが出てきている。これは一つ十分検討をしていただきたい。自衛隊の演習場の建設の経費が、どのくらいかはっきりわかりませんけれども、その中に占める防災工事の比率というものは、どんなものであるか、防災というものが、適法のものについては、ある程度補償する必要はもちろん出てくるのであるが、これに対して、これは資料が出てから、もう一ぺんやりたいと思いますけれども、大へんな被害をこうむりながら、泣き寝入りというのが非常に多いのです。そういう点についての基本的なことを聞いておきたい。やはり特損法に該当するものでなければ、直接の被害をこうむったものについて補償するというようなことは、なかなかできないのです。それじゃそういう被害が起こらないように、演習場の設定なりやり方なり規制をして、まず下流の農民なり農地なりに被害を及ぼさない形でやったらいいじゃないか、こういうことも出るのですが、そういう面についても、これはなかなか言うべくしてできないことなんです。従って演習場のそういう被害が起こるという予想があり、そういうものについては万全な処置を講じてから演習をやるとか何とかいうことがなけりゃならないと思うのです。  たとえばまあこの島松の例で、着弾地のところで、もう遠くから見たってエロージョンを起こしていることは事実なんです。そのすぐ下のところに堰堤なり何なり築いてやれば、下流の被害というものが防げるにかかわらず、そっちの方はやらない。特損法で今調達庁の方から説明がありましたように、三十七年以降についても、まだ相当長い期間かかって防災工事をやらなきゃならないのですけれども、そういう時期に、実際に弾着地点でエロージョンを起こしている。それに対する何らの措置も防衛庁は講じていない。これはあんた百万や二百万で四千人かのやつでやったという工事を見て、これも私どもよく見てきましたが、その人員でやった芝で組んで、それで土をとめている、下流の方ですよ、はるか下の方で、そういう処置をとっている。実際には演習場で問題の起こっているところは何ら手をつけていない、こういう状態です。ですから防災に関する観念というものが防衛庁そのものにない、全然ないといっていいくらいですよ。そういう技術——戦闘訓練とか何とかいうものは専門家がおるけれども、防災という面についての技術者といいますか、そういう感覚を持った技術者がおるのかおらないのか疑わしいくらいの工事しかやっておらぬ。しろうとの工事くらいしか、私ども見に行ってそういう感じしか受けない。だからやっているやっているといっても、やったうちに入らないような仕事しかやっていない、そういう実態ですよ。  これはやはり防衛庁長官としても、よく認識をしてもらいたい。演習場が、その地元民に与える影響というものは、十分一つ考慮してもらわなきゃならない。そういう配慮というものが非常に足りないということですね。全然やっていないということは私は言いませんけれども、非常に薄いのです。しかも農民の被害というものが押えられておる、こういう点が多いのでありますから、特損法にかわるものを、今検討中ということですが、これは早急に一つ私はやるべきだと思う。それでなければ一般の民法による損害補償、損害賠償の請求をやって、裁判やってなんてやっていたら、これはとてもお話にならないのです。やはりそういう点からいって、この配慮というものをしていただきたい。  この点を一つ防衛庁長官から心にとめて、一つしっかりした答弁をしておいていただきたいと思います。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) 実は、私も同感な面もございますし、実は自衛隊というものに引き移っていく演習場もあるし、自衛隊のみならず米軍の基地にも、いろいろ問題がありますが、ことに総合問題では、民間航空にも、いろいろ基地的な、基地周辺の作民に非常に迷惑をかける問題が起こっております。そこで先般来全般といたしまして、政府で取り上げてもらいまして、もちろん防衛庁あるいは調達庁がやるべきことは進めなければならぬ、と同時に関係省、たとえば農林省、建設省等々で、やはり基地に対する認識を深めると同時に、基地問題を積極的に、基地と申しますか、飛行場の騒音等も含めまして、積極的な態勢で問題の解決に臨んでいくという意味から、先般来内閣総理府に飛行場等すべてを含めました仮りの名前でありますが、環境改善と申しますか、そういうような協議会を起こして、すでに第一回の関係各省の集まりを、事務当局においてやってもらっております。  そういう面から、私は政府が全体として、基地の住民が、いわゆる自衛隊のベースも同じでありますが、あるいは民間航空のベースも同じでありますから、そういうような面から各省が協力し合いながら、積極的に、これにはもちろん財政当局も参加すべきであります。そうして問題は、そういう面からだんだんとほどきつつ、同時に防衛庁なり調達庁、特に防衛庁には、御批判もありましたから、そういう面では、率直に申せば、基地住民の方々にも御協力願って、そのかわり同時に環境改善について、積極的に政府は乗り出すべきである、こういう所信のもとに、現実にただいまそういう協議会の第一歩を始めさした段階であることを申し上げて、私の心がまえとして御報告しておきたいと思います。  同時に、さらに具体的な島松の問題につきましては、防衛庁側におきましても十分今後検討すると同時に、特損法のような法律の自衛隊に関する問題等も、そういう協議会が関係各省でありますれば、私どもは、そういうものを通じて、将来立法化とか、もちろん立法化するには財政的な裏打ちのない立法化というものはナンセンスでございますから、そういう面からも打開したい、こういうふうな方向で参りたいというふうに考えております。

佐藤芳男自由民主党

○委員長(佐藤芳男君) ほかに御質疑はございませんか。——別に御発言もございませんようですから、昭和三十三年度決算、防衛庁の部に関する質疑は、本日は、この程度で終わりますが、必要により、後日続行いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後一時八分散会

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