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38回国会参議院1961/05/16

運輸委員会 第29号

発言数
41
登壇者
4
会派数
2
開催日
1961/05/16

会議録

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) ただいまより委員会を開会いたします。  日本開発銀行に関する外航船舶煙造融資利子補給臨時措置法案を議題といたします。  前回に引き続いて質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 昨日の連合審査の内容について、若干まだ疑問が残っておりますので、そういう点について二、三お尋ねしたいと思います。  まず第一に、端的にお尋ねを申し上げますが、十年間のこの計画によって、実際の経済効果というものはどのくらい期待できるものか、これを一つ数字をあげて、しろうとにわかりやすいように御説明願いたいと思います。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 所得倍増計画に基づきます船腹整備を遂行してゆきますときの経済効果という御質問でございますが、まず第一に、日本の国際収支に貢献するという点であります。御承知のように、ただいまでは私どもの調べによりますというと、二億四千万ドルの海運関係だけでの国際収支の赤字を計上しておるわけであります。貿易規模が四十五年度おきまして非常に大きくふくれ上がるわけでありますから、その際の輸入量が約二億トンでございますので、それに対応する積み取り比率を確保して参りませんと、国際収支に及ぼす影響は非常に深刻なものがあるということがまず第一点に言い得ると思うのでございます。そこで為替収支でございますが、積み取り比率を一般貨物六〇%、石油類六五%として算定いたしましても、その際におきますところの、しかもそれに見合う船腹は、今後九百七十万トン程度建造して参らなければなりませんが、それを建造することができたといたしましても、為替収支におきましては三億一千万ドルの赤字であるわけでございます。そこで、もしそれに見合う船腹の整備ができないと仮定いたしますならば、国際収支はさらにそれ以上悪化するということが言い得るかと思うのでございます。私どもの方で試算をいたしましたところによりますというと、五十万トン程度作って参りますと、IMF方式によりますと、最終年次の四十五年度におきましては約十億ドルの赤字になる、全然船を作らないといたしますならば十四億ドルの赤字になる。こういう試算をいたしておるわけでございます。まず第一に、そういった経済効果におきましては、日本の国民経済に及ぼします影響としてあげなければならぬ点は、国際収支の点にあると思うのでございます。  第二番目におきましては、これは数字で計上できませんけれども、日本の輸出というものの伸びが、日本の商船隊を基礎にして考えられておる。これは所得倍増計画におきます背後にある一つの要素であると私ども考えておるのでございますが、現在の日本海運の力や発言権を国際海運界において持つということを前提にして輸出が伸びるんだと、あるいは輸出の伸びについての海運におきますところの発言権というものが非常に大きな密接な関係を持っておるということは申し上げるまでもないのでありますが、この点につきましては、数字で表わすことのできない一つの効果であろうかと思うのでございます。  その他、原材料の安定的な供給なり、高度経済成長の基礎になりますところのそういった基幹産業の原材料の安定した供給ということについては、欠くべからざる手段としてこの船腹の整備をはかってゆかなければならぬ、こういうように考えるのでございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 そうしますと、年間五十万トン建造して、なおかつ十億ドルの赤字、全然建造しなければ十四億ドルの赤字が出る、こういうことになりますというと、やはりこれだけ助成をしても、なおかつ海運については赤字である。こういう結果になると思うんです。そこで補給に要する資金ですけれども、本年度計上は大体千八百万、それから本年度以降七年間を通じて、三十六年度の建造計画に対しては、九億六千二百三十九万三千円、こうなっておるんでございますけれども、今後の年次計画というものはわかりますか、あるいはこの法律によれば、三カ月間でありますから、三十七年、三十八年度の計画造船に対する予想される予算はどのくらいになるんですか。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 昨日も申し上げたのでございますが、所得倍増計画の前半期の五カ年計画というものを私どもの手元で立案をいたしたのでございますが、これは経済企画庁とも今後打ち合わせを完了いたしまして、正式な計画にしていただきたいと思うのでございます。前半期におきまして、四百万トンの建造計画を立てまして、三十六年度、本年度におきましては、二十五万五千トンの、ただいま計画をいたしております開銀融資によります新造船の計画にプラスいたしまして、約二十万トンの追加建造を行ないたいという考えを持っておるのでございます。来年度におきましては、財政融資によりますところの計画が六十五万、三十八年におきましては七十万トン、三十九年度におきましては七十二万六千トン、こういう計画を立てておるのでございます。従いまして、開銀の利子補給の対象になりますところの新造船は、本年度と三十七年度、三十八年度の一応三カ年の新造船に限っておりますので、ただいま申し上げましたこの三年度にまたがる計画に対応しての利子補給というものは、予算額として計上されなければならぬということになるのでございますが、その計算をただいましておりませんが、建造量は大体今申し上げたような考え方をいたしておるわけでございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 そうしますと、今の建造量に見合うところの予算措置については、まだ計策はされておらぬわけですか。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) その通りでございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 市中銀行の利子補給についてはどうなっておりますか。本年度、この資料によりますというと、三十五年度末までで大体百二億五千四百万円となっておるのですけれども、あと三十六年、七年、八年という数字は出ておりませんが。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 市中の利子補給につきましても、ただいま申しました建造量が一応政府部内で確定いたしますならば、不定期船、タンカーにつきましては五〇%の市中融資に対して利子補給をされるわけでございます。また現在の方針でいきますというと、定期船は三判の市中融資に対して利子補給をされることになるのでございます。同様に、予算額としてはまだ策定をいたしておりません。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 そこで、資料も出てきましたが、きのう問題になりました、いわゆる市中の金利は下がった。これに対して、当初の計画が狂ってきたのではないか、積算の基礎が違っておるから、これは考慮すべきではないかという質問に対して、明確な答えがないようなふうでしたが、きょうはその御説明願えますか。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 市中の利子補給につきましては、昨日も申し上げました通り、一分九厘九毛の補給率でございまして、予算の額は変わりはないのでございます。市中金利が下がりましたことは、下がる傾向に予算編成当時すでに予測されておったわけでございますので、下がっても一分九厘九毛の補給率は変えないということで予算折衝をしておったわけでございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 そうしますと、大体当初の時期においては七分五厘との差を補給すると、こうなっておりましたね。そうしますと、七分五厘まではこれは船会社は負担能力があったのじゃないですか。それが今度一分下がれば、やはりそれだけ船会社に対して補給率が実質的に多くなるということになるのじゃないですか。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 先ほど申し上げましたように予算編成当時、市中の金利の低下傾向というものは予測しておったのでございますが、七分五厘ということに、線を切らないで、市中金融の利子に対して一分九厘九毛を補給する。下がることを予測されておったということは、法律の条文から申し上げますというと、市中金利と五分との差額の範囲内において利子補給をすることになっておりますから、従いまして、一分九厘九毛の補給では、幾ら金利が低下傾向にあるといいながら、そう大幅に下がるわけのものではない。従って、過去において五分まで利子補給をいたしましたような経緯がありますけれども、現在市中金利は低下の傾向にあるので、一分九厘九毛程度でいいのではないかというような議論が出たわけでございます。従いまして、五分を切るまで、切るというような大幅の金利低下というようなことは考えられませんので、しかもまだ、開銀の利子を一分五厘補給いたしましても、平均金利負担はなおかつ外国船のコストと比べても差が残っておるということにおきまして、一分九厘九毛の補給率は変えないということになったのでございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 そうしますと、市中銀行の利子に対して船会社はどれだけの利率を負担する能力があるというような判断をなさっておられるのですか。五分までで限る、五分まではこれは補給する、しかしながら、六分でも七分五厘でもそれまでの負担能力がある。ここがちょっとわれわれにはわからぬのですが。どれだけ補給したらいいかというのは率でもってきめるのか、あるいは市中の金利を何分見るのか、どういう工合にこれをきめるのですか。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) この利子補給制度の眼目は、しばしば申し上げておりますように、日本海運の国際競争力の強化という点が一番の重点でございます。従いまして、海運企業の負担能力の問題という考え方でなくして、外国船と同じベースに立たせようというのが、この海運政策の一つのねらいであるわけでございます。従いまして、開銀が六分五厘の現行金利を五分にいたします。また、市中金利が下がって、一分九厘九毛を補給いたしました場合の市中金利との平均金利負担は、外国船と同じベースにまだ立つのには不十分であるということは言う得るのでございますが、負担能力という点は、全然考えないわけではございませんが、重点は、国際競争力の強化、外国船と同一のベースに置くというようなことから考えたのでございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 これは負担能力という表現が適当じゃないかどうかわかりませんけれども、しかし、その企業の実力からいって、現在の金利では外国船との競争能力がない、だから利子補給するのだ。こういう考えだというのですね。だから、一体その利子の負担能力がどれくらいあるかということを聞いたわけです。今の説明によりますというと、負担能力というよりも、むしろ外国船との競争ということに重点を置いてやる、こういうことになっておりまするけれども、外国の今の金利はどのくらいになっておるのですか、五分一厘くらいですか。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 大体各国において国内金利は違いますが、専用船のような場合におきまして、輸出入銀行——発注して、輸出船形式として作られておるものの金利食掛は、大体五分二厘六毛というふうに考えておるわけでございます。従いまして、一分九厘九毛の市中の利子補給をいたし、また一分五厘の開銀金利の補給をいたしましても、なおかつ六分弱という程度でございますので、五分一厘六毛との間においてはなお相当の格差が残っておる、こういうわけでございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 これは初めからたとえば五分一厘なら五分一厘、五分二厘なら五分二厘という、国際競争というものを、競争してくい能力はどのくらいだということになれば、五分一厘か二厘、そこまで補給しなければ目的達成はできないわけですね。それを七分五厘との差額となっておったのは、一体どういうわけですか。七分五厘との差額ということになれば、七分五厘の利子負担では、国際競争力に勝つという条件は出てこないじゃないですか。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 私どもの考え方といたしましては、今御指摘の通りの考え方で予算要求をいたしたのでございますが、昨年度一分九厘九毛の補給率を決定されましたのは、やはり企業の努力といったものを前提にしてやるべきだ、こういうこともあります。それには非常に大幅の格差がまだ残りますので、最近御承知のような石炭専用船というような輸出船が出て参りまして、日本海運に対して深刻な影響を与えておるというような実情も考え、あるいは輸出入銀行との金利との関連を考慮いたしまして、六分弱というようなことになったのでございますが、仰せの通り、これではまだ外国船とのコストにおいて格差が生ずるので、不十分ではないか、一体それではどうして競争に耐えていけるかという問題になるのでございますが、私どもは従来からとっておりますところの企業の経営基盤強化方策にのっとりまして、その間の格差は、日本海運の真剣な自主的な経営努力あるいは合理化努力ということによって、当分の間埋めて参りたいというふうに考えておるのでございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 それじゃこの問題は、国際金利水準に一歩近ずいたという工合に解決しますけれども、そのほかにお尋ねしたいことは、国際競争をやっていくために、金利以外の何か不利な条件があるんじゃないですか、日本には。そういう問題はどうなのです。金利以外の条件について御説明願いたいと思います。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 金利以外の点につきましても、問題は仰せの通りあるのでございますが、たとえて申しますならば、輸出船に対しまして鉄鋼会社が供給いたしております鋼材価格の問題も一つでございます。大体二千円ないし四千円程度、国内船よりも外国船に対して、輸出振興という見地から鉄鋼会社の方で割安の鋼材を供給いたしておるようなわけでございますので、こういう点につきましても、今後の膨大な船腹整備に対応して、ただいま鉄鋼業界の御協力を求めておるような次第でございます。  その他、税制の問題等につきましても、私どもも税制調査会その他に対して意見を求めておるところでございますが、固定資産税その他につきましても、各国において非常に低率な船舶税制度の税金しか海運に課せられていないものでありますから、こういう点に改善をはかって参りたい、こういうふうに考えております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 運輸大臣に一つお伺いしますが、今お話があったように、金融利子以外に、鉄鋼なり、あるいは税制の問題なり、その他もあると思いますけれども、それはやはり高度な政治的な解決をなす以外にないと思うのですけれども、そういう点について大臣どういう工合にお考えになっているか、どういう方針でこれからおやりになろうと考えておられるか、今の利子以外の鉄鋼の問題とか、あるいは税金の問題とか、その他の問題があるでしょう。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) 昨日当委員会と大蔵委員会の連合審査の場合にも御質問がありました、国内造船に使いまする鉄鋼と、それから輸出に使いまする鉄鋼の仕入れ値段と申しますか、従来相当の差額があるということでございまして、お手元に多分けさ資料を御要求によって配付をいたしておると思うのでございますが、鉄鋼は幾分か従来差額がありましたものが、昨日海運局長から話がありましたように、近ごろは漸次その幅を狭めて参ってきておるのでございます。それで、輸出船と国内船とのトン当たり、価格は、むしろ単価の安い鋼材を使っておるにかかわらず、輸出船の方が諸般の事情でもってトン当たり囲いことが今日は通例になっておるように考えるわけでございまして、運輸省といたしましては、従来の輸出船と同様の値段でもって内地における船主の注文する造船の鋼材を支給するようにということについて、始終折衝をいたしておりますのでございますが、輸出奨励という意味におきまして、輸出船に対しては幾分か従来安い値段で鋼材を供給していた。しかしながら、これは鉄鋼会社と造船所との取引でございますので、実際どの程度でやっておるかということもなかなかわからぬと、船舶局の方でも申しておりますようなわけでございますが、できるだけ輸出船に使いますような値段で国内の造船の方の鋼材も安く供給させるように、今後とも努力をいたしていきたいと、こういうふうに昨日もお答えを申し上げたような次第でございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 今、鋼材の説明があったんですけれども、そのほかに、諸外国にいろいろ例を見るように、税制の問題についてもいろいろ外国では考慮されておるようですけれども、その問題についてはどうですか。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 税制の問題につきましては、先ほども申し上げましたように、船舶税のようなものも創設を年来主張いたしておるのでございますが、固定資産税といった今の税制につきましても、各国においてもそのような高い税率の税金をとられておるようなところはないということで、なお折衝を続けておるわけでございます。そのほかの点につきましては、建造利子補給制度の創設というようなこともあるのでございますが、ただいまの税制の検討に際しては、これはまだ実現されておらないのでございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 そのほかですね、私は外国のよくわかりませんですけれども、いろいろ聞いておりますと、国によっては定期航路の航路補助もやっておるとか、あるいは国で船を作って、それを輸出船並みに払い下げるとか、いろいろな方法をやっておるようですが、日本では利子補給一点張りで外国船に競争しようとする。しかも、先ほど聞いてみると、これほど補助し、しかもなお十年後においても海運収支は赤字であるということですが、どうですか、この際抜本的な検討をして、ほんとうにこの外国船と競争できるような、そういう抜本的な方策を考える必要があるんじゃないかと思うのですが、いかがですか。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) まことに御指摘の通りでございまして、私どもも実は利子補給制度一本にすがって海運企業を立て直そうということで固執をいたしておるわけではございません。一昨年、たびたび申し上げるようでございますが、政党あるいは経済団体、その他各種の審議会から海運対策が提唱されました際にも、そういったことが根本的な対策として問題になったわけでございますが、いろいろの案がその際検討された結果、あくまでも私企業ベースで新船の建造と海運企業の立て直しをはかっていこうということになったのでございます。一方において、特殊政府機関を創設いたしまして、あるいは公団のようなものを創設いたしまして、船舶建造と、現在の非常に悪化しておる企業と分離して、新船建造をしていこうという考え方もあったのでございますが、実は私どもの方からそういう構想を打ち出したのでございますが、あくまでも私企業ベースで問題を処理していくことが、国際海運界におきますところの共通した形でありますし、また、国際海運活動においてもその方が好ましいということと、同時に、企業自体が、別の機関によります新船建造ということにつきましては、別の意味におけるイージー・ゴーイングな面も出て参るというような批判がございまして、ただいまとっておりますような償却前利益方式ということで、不健全な借金というもので船を作らないで、その範囲内において設備拡張をしていこうということになったのでございます。ただ、先に申しましたように、こういったことが、私どもの考え方として固執するわけでございませんで、虚心たんかいに各方面の御意見をさらにお伺いいたしまして、抜本的な対策について検討を進めていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 いろいろ専門的な考え方から別の案も、考え方もあるようなんですけれども、そういうことは実現できないというネックは一体どこにあるのですか。つまり今、きのうからお話を聞いておりますというと、運輸省当局もいろいろな案を考えておる。が、しかしながら、結局は商業ベースという一方になついてしまって、利子補給一本やりでいかざるを得ぬ、こういうような状況になるというお話なんですが、抜本的な考え方なり対策が立たないというネックは、どこにあるのですか。ただ、今お話のように、いろいろ考え方があるが、そうするというと、いわゆる安易に流れ過ぎるという傾向もあるので、あくまでも商業ベース、企業努力、こういう一本やりで、結果においては利子補給一本やりと、こういうことに落ちつくわけなんですが、これはどうなんですか。長年考えておいでになると思うのですが、そういうことが前進できないというネックはどこにあるのですか。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 抜本的な対策の内容いかんにもよるわけでございますが、ただいま申し上げたような公団システムのような場合に例をとりまして申し上げたのでございます。いろいろの批判がありまするし、構想自体に対しても、現実的であるかどうかという問題もございます。最近産業計画会議等において提唱されておりますのも一つの方法であろうと思うのでございますが、財政負担の問題も一方においてあるわけでございます。従って、私どもは、一度御答申をいただいた方策を尊重いたしまして、中途半端な程度に終わらないで、実行されていないわけでございますので、中途半端で政策を転換いたしまするよりも、ただいま、あらゆる態勢で企業の合理化あるいは経営の努力を要請して参っておるわけでございますので、そういうものが実行されていない部面について、十分対策を百パーセント実現していただけば、これまた一つの根本対策になると思うのでございます。  別の観点からして、そういうことよりも、他の方策なり、あるいは、抜本対策というものを考えるべきではないか、利子補給制度以外に考えるべきではないかという御説ごもっともでありますので、今後われわれも真剣に検討してみたいと思うのでございますが、何分昨年度市中融資に対する利子補給の復店が、企業の強化計画を前提といたしまして、また、言葉をかえて申し上げますならば、企業自体の自主的な真剣な努力というものを前提にいたしておりますので、こういう前提の上に立って、金融機関も政府も協力をして参ろうということでございますので、こういう線に沿った方策というものが中途半端に終わるということは、むしろ国家財政の上から見ても、海運行政の上からいっても、これは好ましくない、こういうふうに考えておるのでございます。なお、そういった制度が復活され、今回御審議願っておりますところの開銀融資の利子補給にいたしましても、こういうものが一度軌道に乗りますならば、相当日本海運に対する競争力がついて参るというふうに考えるのでございますが、これでもなお十分とは御指摘の通り申せません。今後よく各方面の御意見を拝聴いたしまして、抜本対策についても検討を進めて参りたいと、こういうふうに考えるわけであります。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 これは久しい問題なんですけれども、やっぱり依然として今後ともという言葉が出るのですけれども、今説明をされた企業努力ないしは企業基盤の強化ということは、具体的に言えば、いわゆる償却前の利益の範囲内で船を作る、あるいは経費を節約する、これに尽きるのですか、具体的な内容としては。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 経費の節減はもとよりでございますが、償却前利益の限度内で船を作ることだけではございません。できるだけ早い機会において海運企業が立ち直るような、企業自身の努力というものが、この強化対策に集中されなければならぬと思うのでございます。私どもが当時考えましたことは、経費節減の問題はもとよりのことでございますが、経営機構の簡素化あるいは資産処分、保証債務を含んでの債務処理、船舶の建造及び船質改善、減資または増資、企業間の協調、提携、合併あるいはその他、企業強化のためのあらゆる企業みずからがお考えになる措置ということを頭に想定しておるわけでございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 そこで、今おっしゃったような、そういう企業努力の期待、現在これは非常に抽象的かもしれませんけれども、大体どのくらい達成できておりますか、あなたの方で期待される企業努力あるいは企業基盤の強化ということは、どの程度達成されたとお考えになっているのですか。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 経費節減を中心といたします合理化につきましては、三十三年の上期から実施いたしておりまして、昨日申し上げた通りでございます。その他の積極的な強化対策というものにつきましては、昨年度初めて御提出を願ったわけでありまして、それはまだ計画の範囲にとどまっておるわけでございます。今後それを実行するかどうかという問題はあるわけでございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 これは非常に抽象的なんですがね。私はずっと今しろうとなりに聞いていますと、企業努力、さらに企業の体質改善ですかこういうものに期待されるのが非常に大きいと思うのですがね。ところが今の答弁によりますと、非常に抽象的であって、どのくらい期待のできるものか、さっぱりこれはわからぬじゃないですか。ですから、去年そうした施策をなさった。あるいは三十三年ですか、そういう施策をなすって、現在すでに三年たっているのですけれども、この間において経費節減は、あなたの数字をお示しになりましたけれども、その他の積極的な方策について、はたして将来ともに期待ができるものかどうか、どういうお見通しなんですか。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) この強化計画の一つの目標は、五カ年間に企業が健全化の方向に向かうということをめどにいたしまして、各企業から強化計画を提出していただいておるわけであります。従いまして、どの程度期待できるか、あるいはどの程度すでに達成しておるかということにつきましては、実は昨年度からこういう企業の強化対策というものを要請したわけでございますので、実効の問題は今後に残っておるということを申し上げたわけであります。ただ、こういった機運が非常に醸成されて、各企業とも厳重な予算統制なり、あるいはその他の強化方策というものを真剣に実施していただいておると私は思います。ただ、こういったものが抽象的でわからぬじゃないかというお話がございますが、すでに合併統合の問題にいたしても、二、三年前までは非常に批判的であり、むしろ反発的な企業側の空気であったのでありますが、最近におきましても、御承知の通り、日本油槽船と東洋汽船、第一汽船と中央汽船、あるいは浜根汽船と武庫汽船、こういった数個の合併統合の例も現われておることは、私はこういつた雰囲気が逐次醸成されておると信じておるのであります。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 きのうも質問がありましたが、何か抽象的で、たとえば業務監査にしましても、きのう大臣もおっしゃったけれども、十分でなかったという話がありましたけれども、こういう点についても、どうもまだほんとうに真剣に海運政策に取り組んでおるという気魄が見えぬように思うのですね。特に何か一貫した方針がない。利子補給をやってみたり、やめてみたり、やってみたり、どうもその辺が国民としては、なるほど国際競争力も増さなければならぬけれども、しかしながら、その方法なり実績なり、あるいはその中身の実体なりについてどうもふに落ちないところがある、納得できぬ点がある、そういう感情的なものがあると思うのですが、しかも、この問題については、非常に大きな汚職等の、疑獄事件も発生しましたことですから、これは国民の記憶も新たなことですけれども、そういう、こうするんだ、ああするんだというような具体的な、国民にアッピールするものが何か欠けているような気がするんですね。ですから監査にしても、これから十分やるんだ、やるんだが、一体どうしてやるのだ、あるいは企業努力は一体どういう期待が持てるんだ、あるいはこれをもって国際競争力がはたして復活できるのかどうか、ほかに積極的な方策を考え、あるいはまた、そういうことを立案、実行しないのか、こういう点がみな疑問を持っているんですけれども、大臣どうでしょうか、この際、抜本的な一つ海運政策について検討を立てるという、そういうお考えありませんか。  もう一つは、この汚職とか疑獄とかいうようなものは、きのうの御発言によりますというと、少なくとも私の在職中はという御発言がありましたけれども、これは在職中そういうことがあっては大へんだけれども、さらに将来ともにそういうことのないようなことを考え、こういうことを一つ現職大臣としてお考えなら、この際御発表になって、国民にアッピールする必要があると思うのですが、いかがですか。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) ただいま、るる大倉委員からお述べになりましたことは、まことにごもっともなお話でございまして、先ほど来海運局長からも、今までの海運助成の方式というものはどうも十分でない。これをもって日本のゼロから戦後出発した海運の振興の全部であるということは申し上げられない。ただ、昨日来も申し上げます通りに、いかにも経理を圧迫している金利の過重がありますので、さしあたり、こういうものに対して、市中銀行に対しても、あるいは開発銀行の金利に対しても、その負担を除いてやるということが、幾分か効果があるということでやっておりますわけでございまして、今お話しのような海運の振興に対しましては、こういうことだけで、とうてい商船隊を戦争前におけるがごとく有力なものに、競争力の他国に比較して劣らないようなものに作り上げることは、このままではとうてい至難であるというふうに私ども考えているのでございまして、ただいまも海運局長からもお話し申し上げました通り、いろいろ御意見のある方もたくさんあるのでありますが、何か公団組織によってやってみたらどうか、あるいはまた現在禍根となっているところの開銀の借入金というものを、この際、世間でよく弱った会社を助けるときのように、たな上げにして、新らしく出発するような構想を持ったらどうかとか、いろいろの名案が出ているわけでありまして、われわれもこういう問題について慎重に研究をして、今お話しのように、なるべく早い機会に、ただ利息の負担を国家が片棒かついでやるというような程度の助長策でなく、もっと抜本塞源的な海運を振興する方策について、各省とも緊密な連絡をとりまして、案を具して、法律の必要なものは法律を提案して国会の御審議を願う、あるいは行政指導によってできますものならば、なるべく早くこれをやるということに実はやりたいと考えているところでございまして、今まで大倉委員からお話になりましたことは、まことにわれわれの考えているところと同じ、肯綮に当たったことをおっしゃられているので、同感の意を表するとともに、われわれも大いに激励されるところがありましたような次第でございます。現在のままでいいとは私どもは絶対に考えておらないわけでございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 まあ何か答弁を聞いておりますと、さしあたりこれをやる、幾分でも何とかなるという御答弁ですけれども、もう二十五年に外航が復活してから十年になるのです。十年間もこの大事な海運政策に、さしあたり、あるいは幾分は……。結局、日本は海運政策がないということになる。これは海運局長、どうですか、抜本塞源的ということをおっしゃったけれども、言うことはやすいですが、抜本塞源的というのは、十年間抜本塞源的でやってきたのです、これは。このままいけば、やはり利子補給一本やりで、さしあたりは、幾分でもということが、また十年間続くのじゃないかと思うのです。ここに日本の海運政策がないということがいわれるゆえんだと思うのですが、いかがですか。この際、ほんとうに本腰を据えて海運政策に取り組む——大臣が抜本塞源的と言っておられる間にまたかわってしまえば、おしまいになってしまうわけですけれども、ほんとうに腰を落ちつけて、抜本塞源的なものを考えて、ほんとうに強力な海運政策を推進するという、そういうお考えはありませんか。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) たびたび申し上げて恐縮でございますが、開銀の利子補給なり市中の利子補給という問題につきましては、私どもは外国船と同一のベースに立たせるということを眼目に考えておったわけでありますが、海運企業自体の立ち直り策というものについて、あるいは利子補給制度というものに限定しないで、抜本的な対策を講ずべきであるということは、私どもも同感でございます。従いまして、私どももそういう方向でものを考えておるわけでございますが、仰せの通り、今後海運対策を一体どうするかということを、根本的にもう一つ考え直してもいいと思うのでございます。ただ、ただいま御審議を願っております開銀の利子補給というものにつきましては、たびたび申し上げて恐縮でございますが、外国船と同一のベースに立たせるということは、最小限の措置であるというふうに考えておるわけでございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 いろいろ資料をいただきましたが、さらにこの資料について検討を加え、要すればこの次にもう一回お尋ねをしたいと思うのですけれども、本日はこれで一応質問は保留します。

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 他に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。    午後二時三十二分散会    ————・————

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