運輸委員会 第18号
- 発言数
- 81 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/03/30
会議録
○委員長(三木與吉郎君) これより委員会を開会いたします。 国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案を議題とし、昨日に引き続き質疑を行ないます。
○中村順造君 国鉄当局にお尋ねいたしますが、今日まで数次の運賃値上げが現実行なわれたわけでありますが、この際今回は値上げの目的というものが従来と異なっておるという判断に立ちましてお尋ねいたしますが、今まで行なわれました数次の運賃値上げに対しましてどういう趣旨でそれぞれ行なわれたのか、一応説明を承りたいと思います。
○説明員(十河信二君) これはたびたび申し上げましたように、国鉄は今輸送力増強の必要に迫られ、また近代化を推進する必要に迫られております。これには相当多額の資金を要する。その資金をどうして調達したらいいか。また、国鉄の財政は次第に窮迫して参りまして、とのままでは国鉄の財政の健全性を維持することもだんだん困難になって参りました。そこでこの資金を調達するにあたりまして考えられることは、国鉄部内における合理化を推進してできるだけ経費を節約して、これによりまして自己資金を調達するという方法、それから借金をして、借金でもって資金を調達する方法、それからいわゆる公共負担というものを幾らかでも軽減していただくという方法と、この三つの手段しかないと思うのであります。国鉄は高度の公共性を持っているところから、ある程度の公共負担はどうしてもこれはやむを得ない。公共性と企業性という問題がありますが、この問題は非常にデリケートでありますが、ある程度の公共負担は避けられない。たとえば定期の運賃の割引率が非常に高くて運賃が非常に安いというふうなことをもう少しゆるめていただけないものか。また財政投融資等はもう少し増してもらえないものか。いろいろなことをお願いし御相談をいたしました結果、多少の要望はいれられて、たとえば新線建設の利息の補助というようなことも認められましたし、また財政投融資というような面においても、ある程度増していただけましたが、それ以上は、国家の財政経済の全体を総合的に勘案した結果、これ以上はできないということでやむを得ず運賃の値上げをお願いして、そうしてこの新五カ年計画に要する資金を調達するということと相なった次第であります。この資金が調達されまして、国鉄の輸送力がある程度増強し、近代化が進みますと、国民に対する国鉄のサービスもだんだん向上いたしますから、そういう点において運賃価上げに対する何といいますか報償といいますか、償いをできるだけいたしたいとこう考えまして、はなはだ御迷惑ではあるが、との程度の運賃値上げをしていただきたい。たびたび説明がありましたように、国鉄の運賃は従来比較的低位に押えられておりまして、この程度の運賃値上げは承諾してもらえるものと考えまして、提案をいたしたような次第であります。
○中村順造君 私の質問につきましてお答えがありましたが、今の総裁のお答えは大体今次の運賃値上げに対する考え方なりその理由と、こういうものを含めて総裁お答えになりました。お答えいただくのは総裁でなくてもけっこうですが、私がお尋ねしておるのは、国鉄が戦後今日まで何回か運賃値上げを行なった。そのつど運賃値上げを行なわなければならないという理由があったはずなんです。こういう点を数次にわたって行なっておるとするならば、第一回はこういう理由だ、第三回はこういう理由だ、こういう点を今日までの沿革についてお尋ねをしておるわけでありますから、当局の中で、そういう方面を担当しておられれば、担当の方でけっこうでございますから、お答えいただきたい。
○説明員(磯崎叡君) 私からお答え申し上げます。便宜上、逆に最近のところから昭和二十一年までさかのぼって申し上げます。昨年の七月に当委員会の御承諾を得まして行ないました運賃の改正は、これは運賃のレベル・アップでなしに、運賃体系の是正を主眼といたしまして、御承知の通り、旅客にございましては、旅客の遠距離逓減制を改正する、あるいは、三等級を二等級にする、急行料金を下げるという問題、貨物につきましては、貨物の等級を根本的に二年がかりで再検計いたしました結果できましたので、この再検討の結果によりまして貨物等級を改めまして、従来の十二等級を十等級にする、今までの負担力主義を多少ほんのごく一部分原価主義に近づけたという程度の申請をいたしましたが、この昨年の七月の改正は、国鉄運賃全体としてみますと、増収減収なしという運賃制度の是正をいたしたのであります。 その一つ前が昭和三十二年四月でございます。これは、過般来当委員会でも御質問の出ました第一次五カ年計画を実施するための値上げでございます。当時は主として老朽施設の取りかえ、輸送設備の増強その他諸設備の近代化のために要する設備資金の一部をまかなうということをいたしました。同時に、貨物につきましては、御承知の通り、青函航路のキロ程を四百五十キロメートルから三百キロメートルに引き下げる、その他種々の制度改正を同時にいたしたわけでございます。 その前は昭和二十八年の一月、これは旅客運費、同じく二十八年の二月が貨物運賃であります。これは、当時の、石炭及び、電力の値上がり並びに給与改訂によります経費の増加のために、国鉄財政の収支のバランスをはかるということを考えましたことが一つ、貨物につきましては、等級をやはり根本的に改めまして、そして、こりときに六十五品目程度の公共割引ができました。旅客が一〇%、貨物が一〇%でございます。 この二十八年の改正、これから申し上げます以前のものは、ほとんど全部が経費のつじつまを合わせるという意味の値上げでございます。その前は昭和二十六年の十一月でありまして、これは一般物価の騰貴及び給与ベースの改訂による支出増加というやはり経費の収支の均衡を保つという意味で、旅客が二五%、貨物が三〇%。それから、その前が昭和二十五年一月で、これは当時の占領下におきますドッジ政策の実施によりまして、いわゆる収支均衡した予算というために、約九十億の不足を補うために行ないました運賃値上げでございまして、これは貨物だけ約八〇%上げております。 その前は昭和二十四年の五月で、これは御承知の通り、当時インフレーションの高進が依然として続きまして、経費に非常に大きな赤を生じておりましたが、このときは、貨物運賃の値上げは物価に影響するということで、旅客運賃のみ約六〇%上げております。 その前は昭和二十三年の二月に貨物運賃、同じく二十三年の七月に旅客運賃、それ以前は非常に急激な御承知の通りのインフレの高進が早かった時代でございましたが、旅客が一五五%、貨物が二五〇%という非常に大きな値上げをいたしました。 さらにその前が二十二年七月、その前が二十二年三月、それから終戦直後二十一年三月と、いずれもこの三回は当時のインフレ高進によるところの運賃値上げでございます。以上でございます。
○中村順造君 今のお答えで大体今日までの運賃値上げの沿革についてはわかりましたが、ずっと以前のインフレ高進ということは別にいたしまして、今回の運賃値上げの必要性と似たような意味の値上げというのは三十二年四月の第一次五カ年計画で、これはもちろん今回のように線増その他は含まれておらないかもしれませんけれども、老朽施設あるいは車両その他を含めて増強する、こういう意味でありましたから、目的においてはそう大きな差異はなかったと思うんですが、さらに、この歴史的な沿革の中で、最近五カ年間、きわめて抽象的で大ざっぱなんですが、国鉄の輸送力の増強という生産性の向上、こういうものの数字があれば、なるべく近いものがいいんですが、一つお示しをいただきたいと思う。
○説明員(吾孫子豊君) 最近数年間における生産性の向上がどういうふうな経過であったかというお尋ねでございまするが、これはいろいろな指摘がございますが、まず普通に使われております換算車両キロでふえて参りました業務量並びにその職員の数当たりの換算車両キロというものの指数で申し上げますと、換算車両キロそのものは、昭和二十七年を一〇〇といたしますと、二十九年が一〇八、三十一年が一二一、三十三年が一二五、三十四年が一三三というような上がり方を示しております。それに対して、職員の数のほうは、これも指数で申し上げますが、昭和二十七年を一〇〇といたしますと、二十九年は九九、三十一年は一〇〇、三十三年は一〇一、三十四年は一〇〇ということで、職員の数は横ばいでございますので、換算車両キロで言いますというと、職員一人当たりの業務量はそれだけ上がってきておるということが言えると思います。そのほか、人トンキロ当たりというような見方もございましょうし、いろいろ見方はあると思いまするが、一番普通に一般的に換算車両キロ当たりの人員というものを生産性の目安として使っておりますので、なお、ほかのデータも必要でございましたらば調べまして申し上げようと思いますが……。
○中村順造君 そういたしますと、二十七年が一〇〇で、三十四年が換算車両キロにおいて一三三、職員で一〇〇だ、こういうことになりますと、だいたい三〇%以上生産性を上げておる。これはお認めになると思いますが、一体国鉄の生産性の上がった分について、生産性の向上については、どういう基本的な考え方におられるのか、その点をまずお聞きしたいと思います。
○説明員(吾孫子豊君) 基本的な考え方というお尋ねでございまするが、国鉄というものが他の諸産業に比べて、一つの企業体として立ちおくれないようにして参りますためには、なおさらに、この生産性というものを引き上げるように努力しなければならぬ、そのためにたとえば新たな投資をいたしますにあたりましても、職員の生産性を向上し得るような対象にやはり投資していくのが、企業体として当然のことであるというような考え方に立っておる次第でございます。
○中村順造君 私の尋ね方が悪かったのかもしれませんが、生産性を上げさえすればいい、生産性そのものについては、なるほど経営者の立場からすれば、どんどん生産性が上がりさえすればよいと単純に考えて、しかし、生産性の向上というものは、これは無条件でそういう単純なものではないと私は考えるわけです。そこで、今副総裁のお答えでございましたけれども、なるほど生産性は三二%上がっているけれども、今日以降においても、さらに生産性を向上させたい。特に私は生産性と申しましても、労働生産性の面からいいまして、これはこういう今日まで、今までの説明を聞きますと、確かに生産は三三%上がっておる。けれども労働生産性の向上については、できるだけの裏づけがしてあるかどうか、こういう点がやはり私は考えられるのであります。そこで一般に生産性が向上すれば、この生産性の基本的な考え方として、私ども理解しておるのは、やはり三三%の生産性の向上については、その三三%の向上した分の何%かは、これはやはり労働者に還元されるべきものである。あるいは一般の、国鉄なんかと違いまして、ほんとうの生産部門における生産性の向上については、やはりこれはコストを下げて国民なりあるいは購買者に対する一つの還元をする、その残りでもって設備の増強なり、あるいはこれは株式会社の場合は株主に配当をする、還元をする。こういう考え方に、大体いわれておる生産性の向上というものは立つべきだと考えるわけです。しかし、今の説明では、その点については副総裁の説明がないわけですが、ただ経営者的な感覚から生産を上げさえすればそれでよい、これから先も合理化をし、あるいは近代化して生産を上げる、これは経営者の考えとしてはもっともなことだと思う。しかし生産性の向上というものは、そういうものが無条件で、ただ馬の鼻先にぶら下げたニンジンのように、どんどん生産を上げさえすればよろしい、こういうものじゃないと思う。私が今申し上げたような観点から、一体生産性の向上というものについては、国鉄はどのようにお考えになっているか、再度その点をお答えいただきたい。
○説明員(吾孫子豊君) 職員の生産性の向上、別の書架で申せば能率の向上ということに見合いまして、当然それに対する給与というものも並行して改善されていかなければならないものと考えておりまするが、今までの、先ほど換算車両キロの伸び方を申し上げましたが、職員一人当たりの人件費の指数を御参考までに申し上げますと、これは昭和二十八年を一〇〇にいたしまして、二十九年が一〇八、三十年が一一八、三十一年が一二六、三十二年が二三五、三十三年が一四三、三十四年が一六三、三十五年は一八八というようなふうに、一人当りの人件費のふえ方は換算車輌キロの伸び方よりもはるかに上回っているのでございます。こういうふうになって参りましたのは、それぞれそれだけの理由があって上がってきたに違いありませんけれども、今日の国鉄の経営費というもの、経営の内容というものを見ますというと、その中で人件費が占めております割合というものは、きわめて大きな割合になっております。この人件費がこれ以上ふえて参りますというと、企業体の基礎にもひびが入るおそれもありますし、能率の向上ということについては、なお一そう力を入れなければならないということを監査委員会等からも指摘されておりますし、その他いろいろな方面からも、そういう意見が述べられていることは御承知の通りでございまして、私どもといたしましては、職員の生産性の向上ということは、まだまだもっともっと努力しなければならないと思っております。もちろんそれに並行いたしまして、その功労率にはふさわしい高賃金を確保するということもあわせて考えなければならないことは当然でございます。そういうような考え方で、今度の新五カ年計画の投資におきましても、生産性の向上にできるだけ寄与するような面にやはり投資の重点を、一つの重点として考えているようなわけでございます。
○中村順造君 大体労働者に対する還元という意味は、これは幸か不幸か、説明では一八八先ということになっておりますが、これはやはり今副総裁もお話しになりましたが、ただ生産性の還元という意味ではなくして、いろいろな他の要素によって、あるいは物価の値上がりとか、一般賃金の値上がりとか、民間産業の賃金の値上がりとか、たくさんの要素を含んでいると思う。そこで人件費云々についていろいろ監査委員会あたりの指摘もあったと言われておりますけれども、これはまたその事業の業種によってはやはり多分に人手を要する産業、あるいは割かたオートメーションの可能のような産業で人手を要しない、こういうことで、これはまた画一的に五〇%をこえておるとかおらないとかいう議論も適切ではないと思うのです。そこでこれは現実に人件費のパーセンテージの場合は、郵政省あたりは非常に違うわけなんですが、労働者に対する還元という点については、一応説明はそのまま聞くとしまして、私が今あげました三つの要素の中で、これは国有事業でありますから、株主に配当するという必要はないと思いますが、問題は、いわゆる設備の増強、投資というふうな形でやはり何分の一か、生産の上がった部面の何分の一かは設備に充てなければならぬ、これは一般的な通念からいえば。そこで大体工事勘定に幾ら繰り入れたか、こういうことになると思うのです。国鉄の場合は、総収入の中から何%かをこれに充てているわけですが、この点のバランスが、ただ生産を三三%上げたけれども、職員に対する還元と設備に対する還元をする、設備増強、輸送力の増強に還元する割合が、過大であるとか過小であるとかいう問題が出てくると思いますが、この点についてはどのようにお考えになっておりますか。
○説明員(兼松学君) お答えいたします。国鉄の会計制度の上で資本勘定繰り入れという形をとっておりますけれども、国鉄の資本勘定の支出の相当な部分はいわゆる減価償却に見合う車両の更新とか建物の更新とかでございます。それで現在までのところ利益として繰り入れられたものは非常に少ないのでございまして、ほとんど減価償却相当額を繰り入れてやってきて、そうして更新をしてきたというのが過去の実情でございます。今回御審議いただいております三十六年度の予算として初めてそこに四百五十六億円の利益、法律をお認めいただきましたならば出るところの利益というものが資本勘定に繰り入れられることに予想されておるのでございまして、過去数年間の資本勘定への繰り入れというものは、いわゆる設備の維持に見合うものを損益の中から繰り入れた、通常の会社の会計の場合に、経費として落とされる、いわゆる償却の部分がほぼそのほとんど大部分であると申し上げておるのでございます。
○中村順造君 私は会計上の取り扱いを聞いているのじゃないのですよ。たとえば、私の質問でおわかりにならなかったかもしれませんが、この三十六年度の場合、これはまだ運賃値上げが承認になったわけではありませんけれども、この中で、まあこの数字でいいますと、全体の二三%を、千百八億ですか、これは資本勘定に繰り入れられるけれども、これは明らかに収入の面が、生産性が上がっておらない、逆に生産性が下がっておるとするならば、これだけの金額はこれに入らない。だから私は生産性の面からみて、これはたとえばことしは何%ですか、かなりないわゆる生産性の向上の分を見込んでおるわけですが、その中からやはりものの見方として、こちらは資本勘定に繰り入れるものは、生産性の向上の部門の何%かを資本勘定に繰り入れるという考え方があるはずだ、ただもし、それがないとするなら、これは生産性の向上はやりっぱなしだ、幾らでもお前たちは一生懸命働いて上げさえすればいい、こういうことになるから三三%の向上の分については、一つは労働者に還元をする、一つはやはりこの設備の増強、すなわち輸送力の増強という面に振り当てるのだ、この考え方がこの中に入っておるはずなんです。その点は兼松常務理事、どうですか、私の申し上げておること。
○説明員(兼松学君) 御趣旨の点は、もし利益が出ましたならば、その利益について、そういった考え方をすべきではないか、こういうふうに了解いたしますが、もしそれの了解で間違いがないといたしますならば、国鉄の三十六年度の予算の中には、こちらでお認めいただこうと思う運賃値上げによる収入量も見込んでございまするが、一方それに見合う輸送力の増強の設備投資と、それからまたその間における改善なり一般的な生産性の向上の結果も経費の方に実は反映いたしておりまして、その方は人権費の増加の原資にもなっておるわけでございまして、そういったところで国鉄の今までの経理に大きな余裕がございません以上は、生産性の増加分で人件費の単価の上がりをになっていくということが結果としてやっと追いついて行くというようなのが実情であったように思います。
○中村順造君 それは金に色がついていないから、これは生産性の上がった分が何億だ、これは通常の状態で何億だと、たとえば千百八億の中でこれは借入金が何億だ、こういうようなことに説明をされても、それはなるほどその色がついておらないからわからないけれども、ものの考え方としては、たとえば三〇%生産性が上がったとするならば、これは算術的にいうならば、そのうちの一〇%分は労働者に還元をする、一〇%の分についてはこれは輸送力の増強としていわゆる資本勘定に繰り入れて、これは工事のために使う、こういう考え方がなければいけないのであるが、その点はあるかどうか。もしあるとするならば、そのバランスはうまくいっておるかどうか、こういうことを聞いているわけなんですよ。
○説明員(吾孫子豊君) この三十六年度の予算で千百八億という資本勘定への繰り入れ額が計上されておりますが、この中にはただいまお願いしております四百八十六億の運賃値上げ分が当然入っているわけでございます。それでこの額からさらに減価償却費の五百五十四億円、それから除却費の九十八億円、両方合わせまして六百五十二億円というものを差し引いた四百五十六億円というものが三十六年度における損益計算上の利益として見込まれているのでございまして、もし四百八十六億の運賃改定ということがなければ、それだけの四百五十六億との差額は赤字になる、こういうような実情にあるわけでございます。それで人件費の問題は先ほども申し上げましたように、換算車両キロの指数では三三%三十四年までにふえておるのでありますが、それまでの間に人件費の方は八八%ふえておる、こういうようなことでございまして、少なくとも国鉄職員の生産性の向上に見合うだけの給与の改善というものは行なわれている、また今後も生産性の向上に見合うだけの待遇の改善ということは私どもとしてやっていくつもりであるというふうに申し上げたいと思うわけでございます。
○中村順造君 生産性のことはこの程度でやめたいと思うのですが、大体この三三%を、昭和二十七年を一〇〇として三十四年七年間に三三%上がっている、三三%生産性が上がっているとするならば、私のお尋ねしているのは、もちろんこれは労働者に還元をされたとかされないとかいうことは別にして、やはりこの上がった分から設備の増強、輸送力の増強に若干振り向けられておるはずだ。それから本来この一〇〇から芸二%上がったということは、それだけ収入もふえているわけですから、その分を普通の、たとえばカン詰工場ならばカン詰工場とすれば、それだけの生産が上がればもちろんカン詰工場に働いている労働者の賃金も上がるであろうし、それからカン詰工場の工場自身の一つの拡張ということにも振り向けられるでありましょうし、さらに大切なことはカン詰のコストそのものを下げていわゆる国民に還元をする、その利益の上がった分をですね、こういう考え方に立たなければならぬのが、国鉄の場合は三三%上がりっぱなしじゃないか、大体ものの考え方としては、先ほど来言っているように、金に色がついておらないから、これが生産性の向上の分、これが一般の向上の分でない一〇〇%のうちに含まれる分という差別はつけられないと思いますけれども、ものの考え方とすれば、そういうふうなものがこれはコストを下げる分と——下がっておらないのですから、先ほど冒頭説明を聞いた分では逐次ずっとこの運賃は上がっているわけですから、これはコストを低下して国民にサービスをするということは、残念ながら国鉄の場合はできなかった。カン詰工場のように、生産は三三%上がっておるけれども、このコストを下げて国民にそれを還元するというわけには国鉄の場合は現実いかなかった。それから設備の増強のために幾ら使ったということもとれは見分けがつかないからわからぬ、こういう御説明、ただわかっておるのは労働者の貸金が一八八%になったということだけがわかっておるだけで、ものの考え方としては、そういう考え方に立って処理をしなきゃならぬという考え方だが、その点はどう考えておるかということを聞いておるわけです。わかりましたか。
○説明員(兼松学君) お話の点は、結局国鉄の職員の生産性の考え方にあると存ずるのでございますが、これを他の公社、たとえば電電公社というようなものに比較いたしました場合に、職員一人当たりそれでは収入がどれだけになっておるかというような点から見ますれば、国鉄の収入というものは非常に低いのでございます。これはいわゆる運賃というものが自由価格でございません関係上、職員の能率が悪いというわけには参らないとは存じますけれども、今先生のおっしゃいましたような一般の自由市場の場合に、コストが下がったならば還元して消費者にも労働者にも分けろとおっしゃいますだけの値段に余裕がないのでございます。従いましてそういう中から利潤を生み出して分けるというような状況にない国鉄の価格そのものである、従いまして結果としてはいわゆる金銭に換算いたします生産性は、職員一人当たりにいたしました場合には、年間他公社に比べましても低くならざるを得ないというような関係でございまして、利益が出て参りません以上、現在までの価格の実績の上に立ちまして、どれだけ配分できるかということを申し上げることはむずかしいのではないかと存じます。
○中村順造君 その点は労働者に対する還元ということは私はもう言わないのです、これ以上。それはある程度、一八八%上がっておると言われるから、それをまるのみするわけにはいかないけれども、現実は上がっておるとするならば、多少の還元はできたと解釈しても差しつかえないし、ただ生産を上げろ上げろで、毎年前年の実績に何%かどんどん付加されて、ことしの目標額は幾らだ、こういうことをずっとやってこられているわけです。そうすると、ここに必然的に、少なくとも前年よりかあるいは前々年度よりか生産性が上がってきておる、これは現実、人が一〇〇ですからね。そうすると、そとにやはり利潤というものがあるはずだ、その利潤を全部国鉄の場合は国民に還元することもできないし、それからこれは株主がおりませんから株主に配当するわけにはいきませんけれども、一部を労働者に還元しただけで、あとは全部国鉄の、すなわち輸送力の増強に使わざるを得なかった、こういうことを聞いておるわけですよ。だから国民に本来なら、カン詰会社を例にとりましたけれども、カン詰会社の場合ならば、生産性がそれだけ上がれば、カン詰のコストを下げて国民にサービスをするべきだが、それも国鉄の場合はできない、生産性の上がったものは、あげてこれらを輸送力の増強に今日までつぎ込んできた、こういうふうな解釈になるがその通りかどうかということを聞いているわけです。
○説明員(兼松学君) 大体増強にまで手が回らない、維持にやっとつぎ込んできたというのが過去の実情であって、増強は主として借入金の方によってやってきたと言えると思います。
○中村順造君 大体この点についてはこれ以上、生産性の配分については私は今の兼松理事の話で、今日まで四十数万の職員が一生懸命に努力して、三三%という三十四年度の生産をあげているけれども、そのことは一部は労働者に還元をされたかもしれないけれども、全部あげて国鉄のいわゆる現状の維持、こういうところに使った、あとの設備増強についてはことごとく借入金だ、そういたしますと、今の生産性の向上の分については、少なくとも国鉄の場合は一般的な生産性の向上というこの考え方からとは全然変わった姿にならざるを得なかったということになるわけですね。
○説明員(兼松学君) 現在の財政上やむを得ない結果でございまして、仰せの通りでございます。
○中村順造君 それではその点は一応私はわかりました。 そこで次にお尋ねをいたしますが、そういう考え方に立ち、そういう国有鉄道のあり方であった、そこで、先ほどの説明では、三十二年の四月に第一次五カ年計画というものを策定をして、これから五カ年間に今の老朽施設の取りかえだとか、いろいろなことを言われておりますけれども、これはやはり一つの輸送力増強だと思いますがね、三十二年四月に策定をされて五カ年間にやるということです。これは従来断片的には説明を受けておりますが、大体第一次五カ年計画というものはどういう考え方に立ち、具体的にどういうことに進めてきたのか、その経過を一つ説明をしていただきたいと思います。
○説明員(吾孫子豊君) その点は前回の委員会の際に、一応御説明を申し上げたかと思いまするが、現在の五カ年計画は大体三本の柱があったわけでございまして、一つは老朽荒廃したあぶない施設を取りかえるということ、もう一つは輸送力の増強、さらにもう一つは近代化、サービスの改善というようなことであったと言えると思います。その実際の実績はどうであったかということも前回申し上げましたが、資金投入の状況の方から申し上げますと、三本の柱のうちの第一番に申し上げました老朽荒廃した施設の取りかえ、改良ということにつきましては、三十五年度末までに計画に対して二二%の資金を投入いたしております。おかげさまでこの老朽荒廃した施設の取りかえということだけは、おおむね完了したと申し上げてもよろしいのではないかと思われます。しかし他の輸送力の増強、あるいは動力の近代化というような事柄につきましては、遺憾ながら収入が予定の通りなかったこと、あるいは支出が、たび重なる仲裁裁定等による人件費の膨張で、大福に支出がふえたというようなことから、資金の不足というようなことになりまして、輸送力増強や電化を含む近代化というような項目は、実行の時期をずらせる、それをおくらせることによってつじつまを合わせざるを得ないような状況になったわけでございます。それではとうてい国民経済の発展に追いついていけませんので、これではいかぬということで、今度の新五カ年計画を策定いたすようなことになったわけでございます。
○中村順造君 一一二%で老朽の取りかえというものはほぼ完了した、こういう説明でございましたが、これは重点的でいいですが、どういう面が済んだのですか、この老朽施設の取りかえというのは。どなたからでもいいですから。
○説明員(関四郎君) お答え申し上げます。この一一二%と申しますのは、実は四ヵ年でございますから、平均で申しますと八〇%で予定通りということに対して一二一%でございますが、これの主要なもので申しますと、これは緊急取りかえと言って、ほうっておいたら数年間に非常に危険になるというものについてやりましたんで、たとえて申しますと、橋げたの腐食状態がはなはだしくて、実耐率という言葉を使っておりますが——実際の実という字と、それから耐は耐久力の耐であります。実耐率という言葉で言っておりますが、これは大体断面が鉄のさびによってだんだん小さくなっていく。それが当初の設計に対して何%になるかというのが実耐率でございます。これの七五%以下のものは緊急に取りかえる。こういうことを一応基準をきめまして、その基準のものは一応全部完了した。こういうようなことでございます。それから、たとえばD52のボイラーでございます。これが戦中、戦後の悪い鋼材を使っておったために、これが非常に亀裂を起こす危険があるというので、これについては全部取りかえを完了した。それから、たとえば川崎の火力発電所でございますが、これも非常にボイラーの腐食がはなはだしくて、これも危険に瀕した、これも全部完了しました。たとえば一、二の例をあけますとそういうようなものでございます。
○中村順造君 一、二の例では、やはり老朽施設というものがほんとうになくなったのかどうかほんとうに心配なんですが、もう少し詳しく説明願いたいですがね。
○説明員(関四郎君) 詳細なデータはただいま手元に持ちませんですが、大体緊急取りかえというのは数年間に——ただいま申しましたように、そのままおくと、たとえばトンネルの壁がくずれて非常に危険になる、こういうようなもの、また今申しました通り、橋梁なんかも非常に腐食がはなはだしくて強度が不安になるというようなものを取りかえたのでございまして、まだこれはしかし技術的な判断の問題でございまして、現在実耐率をさらに一〇%ぐらい上げて考えた場合どうなるかということになりますと、これは緊急取りかえではなくて、今後数年間また十年ぐらいの間に取りかえていかなければならないというものがそこに出てくるわけでございます。こういうものについては順次——現在まだ取りかえ諸改良という項目でこのものが載っておりますから、順次やっていくわけでございまして、完了と先ほど副総裁が申しましたのは緊急取りかえというものについてのことでございます。そのために、その後生じました調査の結果、こういうところを直しておこうというようなものがありましたのを、安全のために特に重点を置いてやったということから予定よりももっと決算額がふえた、こういうような状態でございます。
○中村順造君 第一次五カ年計画の全体の予算の何%ぐらい使って、どのくらいの金額を使ったんですか。
○説明員(吾孫子豊君) 全体の計画に対する資金の投入率は、昨日天埜委員からお尋ねがありました際に項目別に申し上げたのでございますが、全部平均で申しますと六七%計画に対して三十五年末までに資金を投資したことになります。
○中村順造君 その六七%というのは前から言われておることで、四カ年だから八〇%やらなければならぬが、いろいろな事情で六七%しかやれなかった、こういう数字は私も聞いておるのです。この特に完全了したと、こういうふうに言われるから、従来国鉄には老朽施設があって危険だとか、いろいろなことがPRされておるわけです。だからその点は文字通り完了したのかどうか。完了したとするなら、今関理事の言われるように、今後改良工事としてこの実耐値を一〇%上げて逐次その安全度を高めると、こういうことはわかるのですが、これは今説明のように、やはり橋げたのように鉄の断面が酸食をして、年々これは実耐値は下がるんだ、これは当然のことだと思いますが、そういたしますと、これは全部完了したという考え方に立つなら、多少まだ危険も残っておるんじゃないか。どの程度の完了の度合いか、どのくらいの予算を使ってどうなったのか、こういうところをもう少し詳しく、担当理事の方からでけっこうですから説明を願いたいと思います。
○説明員(関四郎君) 先ほどの御質問は取りかえ諸改良について、第一次五カ年計画で大体どれくらいの金を投じたかという御質問だったかと思いますが、これは取りかえば、老朽取りかえと、それからそれに対して、取りかえのついでに近代化も含めるというようなこともございますので、その内訳が、ちょっとこまかい数字はわかりませんが、取りかえ諸改良という項目で申しますと、全体の約四〇%を投じております。 それから今後の問題でございます。先ほど完了と申しましたのは、繰り返して申し上げますように緊急取りかえの分ということでございまして、第一次五カ年計画の取りかえ諸改良の年間平均の、最近三十二年から三十五年までの四カ年の平均の取りかえ諸改良の投資額は三百九十五億でございます。それで、新五カ年計画に盛りました取りかえ諸改良は、年平均四百九十九億、約五百億を投じておりまして、前よりだいぶ増額しておりますので、安全度はさらに高まっているものだと考えて一おります。
○中村順造君 第一次五カ年計画というのは、この緊急取りかえの分だけを組んであると言われたのですが、老朽の分については……。
○説明員(関四郎君) これは行政管理庁からの指摘によりまして、当時その方面の学識経験の方々に調査班を作っていただきまして、そして調査の結果、これは緊急にやるべきだというものを予算に盛ったわけであります。その後の調査の結果、多少、もっとやった方がいいというので安全を期して計画より以上に取りかえをやったというわけであります。
○中村順造君 そうすると、第一次五カ年計画でいう老朽、非常に安全の面から見て心配な面があった。しかし今日ではそれはことごとく解消した、こういうふうに理解をしていいわけですね。
○説明員(関四郎君) 施設は年々やっぱり老朽して参りますので、それについては、どの程度までが絶対安全で、どの程度からあぶないというふうなきちんとした線を引くことは非常にむずかしいのでございまして、なるべく財政に余裕のある限り安全を期していくということをわれわれ常に心がけていかなければならないと思います。ただ、最近は、とにかく三十二年度の第一次五カ年計画の発足当時のような、そのような危険な状態のところは非常に少なくなっていると、こういうふうに考えております。
○中村順造君 関理事はたしか技術関係の人だと思いますがね。かりに今説明をされたような巨額の予算を使ってやって、結果的にどの程度が安全でどの程度が安全でない、私はことに運転部門のことを言っているわけです。詰め所が倒れるとかどうとか、そういうことを言っているわけではないのです。私、運転の施設に関して、どの程度が安全で、どの程度が安全でないのかわからぬということは、これは私はわからぬのですがね。だから、それは年々老朽するということはわかりますよ。わかりますが、少なくともこれだけの施設を今日維持していけば絶対安全だ、そこまでの確信がなければ、これは国民は大へんなことになると思うのです。特に技術関係のそういう担当の理事をしておられるお方から、これは年々古くもなるものだから、どの程度が安全かどの程度が安全でないかわからぬようなことでは、せっかく莫大な予算をつぎ込んでもはたしてその効果があったかどうか、こういう心配がしたくなるのですがね。これはどうなんですか、その点は。
○説明員(関四郎君) ただいま私の御説明が非常にまずくて誤解を招いたと思いますが、とにかく、御承知かとも思いますが、いろいろな材料の設計をいたします場合に、その計算値でもってここまでがどうしても必要だという、これだけの力に耐えるということを計算したものに、大体鋼材で申しますと安全率を普通三以上かける、どうも大へんこういうことを申しまして失礼でございますが、普通鋼材の強度は平方センチ当たり千二百五十キロということで設計いたしておりますが、実際の鋼材が、これが折れたり切れたりするというのは、現在の規定では大体四千キロということになっておるわけでございます。そういうふうに大体三以上の強度をとっておりますが、先ほど申しました実耐率の七五%と申しますのは、たとえば四千キロというような計算をしていたものが三千キロしかなくなってくるということになるわけでございます。しかし計算としましては、大体千二百五十キロの荷がかかっても大丈夫だというような計算をしますから、まだそれでも二倍以上の余裕があるわけでございますが、ただその場合にどういう不測の荷重がかかるかわからないというようなことで、より安全を見ているわけでございまして、これを技術的に見ますと、絶対安全というものはあり得ないわけでございますが、これを、たとえば確率というようなことを申しますと、とにかく何万分の一とか何億分の一というような非常に少ない場合になるということになってくる。これを普通に申しますと、絶対安全ということになると思いますが、これが十万分の一回起こるのか、十億分の一回起こるのかという、程度をどの程度にきめるかということが私ども技術をやっているもののいつも、それと経済とのにらみ合わせできめるということでございます。それですから、先ほど申しましたように、実耐率七五%ということで、多分これで非常にもう安全度は高まったと、しかしもし、その後に順次にやっていきますから、一ぺんにできませんから、その間、全体を直すのに五年とか十年かかった場合に、その間に腐食していく、その分の余裕をもし見るならば、あとどれくらい見たらいいかということが、私ども、経済問題その他と、それから実際の安全度とをにらみ合わせたところが、私ども一番苦労するところでございまして、この点何もどの程度がいいかわからないと、こういう意味ではございませんので、私どもは常に絶対安全ということを意図しているわけでございますが、ほんとうに技術的に申しますと、絶対というものはまああり得ないんだということも私ども常に考えております。ただその起こる割合がどの緯度に小さくなるかということの程度の問題でありますために、非常に何といいますか、技術的に申し上げたために、かえって誤解を招いたわけでございますが、安心して乗っていただいて大丈夫だと、こう確信しております。
○中村順造君 それは安心して乗っていただいて大丈夫だということで安心しますが、これは今あなたのお話じゃ何か材料力学で学校で講義を聞いているような気がするのですが、そういうことでなしに、ここは国会ですから、結局第一次五カ年計画で、先ほどの副総裁の説明では一一二%を達成したと、この老朽施設の取りかえについては。そうすると、あなたの言われるように、なるほどそれは経済の面とにらみ合わせてできるだけのことは、その安全に対する確率を高めたいと、これはわかるのですけれども、そこでまあ済んだと一応説明されているから、従来言われているように、国鉄は戦争によって疲弊をし、大きな被害をこうむった、しかも施設は老朽化しておる、こういうことはしばしば言われておるわけなんです。だからこの点はこれだけの巨額の予算を使ったのであるから、当たらない、こういうことが言い切れるかどうか、私は今にしてやはり聞くところは、いろいろ線路の擁壁の割れ目が非常に大きくなっているとか、やはり危険な面だけを聞いておるわけです。そういう面はただその橋げたの材料の強度の云々でなくして、あらゆる部門についてのいわゆる安全性というものは第一次五カ年計画のこの老朽施設の取りかえということで全部解消したかどうかというととを尋ねておるわけです。
○説明員(関四郎君) それは先ほど申しましたように、三十二年の当初において調査しました緊急取りかえすべきだというものについては完了いたしまして、その後自体の推移でまた出たものについても、これは安全を期するためにやったために当初の計画よりも決算額はふえております。ただその後大体均分の原因で——自分の原因と申しますのは、国鉄の設備が老朽したり、悪かったりしたための事故は非常に減りまして、むしろ他動的に災害とかまたは地すべりとかいうことに対するものが、自体のものでなくて、ほかのものがまた起きてきている。これについては今後も新五カ年計画においても、この予算額を積極的にやってゆくというととでふやしておりますので、緊急以外の、緊急の次に属するようなものについては、万全を期するために今後とも進めてゆく、こういうつもりでございます。
○中村順造君 それではこの点についての不安といいますか、第一次五カ年計画においては、幸いにしてこの点は完全に消化をして、今日国鉄ではそういう老朽の面における不安というものはなくなった、こういうことに国民は理解をしていいと思うんですが、そこで、六七%の達成だということですが、この六七%、いわゆる老朽施設を除いて、いわゆる電化の促進とかあるいは漸増とかあるいは輸送力の増強とかサービスとか、こういう面に対するいわゆる第一次五カ年計画から見た残された部門というのを少し詳しく説明を願いたいんですがね。
○説明員(吾孫子豊君) 残された部門という方から申し上げるのも一つの申し上げ方だと思いますが、どれだけやったかという面でまず御説明申し上げたいと思います。 現在の五カ年計画で今まで具体的に行なって参りました改善のおもな項目を申し上げますと、まず第一に、中距離、長距離列車の大幅な増発をいたして参りました。昭和三十一年には特急が八本でありましたのを、これはちょっと数字が古くて——三十五年には十八本になっております。それから急行は八十本であったものが百十六本になっている、準急が八十五本であったものが三百十七本というようなふうに、列車の本数がふえております。それから主要都市間の到着時分、列車運転時分の短縮が相当行なわれておりまして、たとえば東京−大阪間の特急列車が二十九年の十月には八時間でありましたのが三十五年六月に、御承知のように、六時間半になっております。それから普通の急行は当時十時間五十一分でありましたものが八時間三十九分に昨年の六月に改められております。それからたとえば貨物列車で申しますと、汐留−梅田間で二十九年の十月には二十七時間五十分でありましたものが三十五年六月の列車では十一時間という時間になっております。それからたとえば東京−名古屋の間で申しますと、東京−名古屋間の準急列車が三十二年には五時間四十分でありましたのが現在は五時間二十分、これは二十分の短縮であります。それから東京−博多間の特急は三十二年には十七時間二十五分でありましたものが三十三年六月には十六時間五十五分になっています。急行は東京−博多間で二十九年には二十二時間十分でありましたものが現在二十時間五十八分に短縮されております。こういうようなふうに列車の運転時分というものが相当現在の五カ年計画で短縮されております。 それから電車化、ディーゼル化というようなものが、どういうふうに進行してきたかと申しますと、これは指数で申し上げたらと思いますが、電車列車キロの指数は、昭和三十一年度を一〇〇といたしますと、三十五年度は一三一になっております。それから、ディーゼル動車の列車キロは、昭和三十一年度を一〇〇といたしますと、三十五年度には二二四になっております。 それから、車両がどういうふうに増備されてきたかと申しますと、電気機関車について申しますと、昭和三十二年度に八十三両、三十三年度九十三両、三十四年度四十八両、三十五年度二十四両というように新製されております。それから、ディーゼル機関車は、三十二年度十二両に対して、三十三年度八十七両、三十四年度七十五両、三十五年度五十二両、電車は三十二年度四百二十五価の新製に対して、三十三年度三百五十二両、三十四年度二百四十六両、三十五年度三百六十一両、気動車は三十二年度二百五十三両に対して、三十三年度二百四十四両、三十四年度三百二十両、三十五年度四百三十五両、客車は三十二年度百五十四両に対して、三十三年度百三十七両、三十四年度四十九両、三十五年度四十九両というふうに増備されております。それから貨車は、三十二年度の新製は六千四百三十七両でありますが、三十三年度に三千三百八十両、三十四年度四千九十両、三十五年度には八千二百四十九両というようなふうに新製をされております。 それで、年度末の車両の両数を申しますと、蒸気機関車だけは、これは減っておりますが、三十一年度末四千七百八十四両でありましたが、三十五年度末は四千七十一両になっております。そのかわり、電気機関車は、三十一年度五百八十三両でありましたものが、三十五年度末は七百九十四両になっております。ディーゼル機関単は、三十一年度末二十三両でありましたものが、三十五年度末二百四十九両になっております。電車は、三十一年度三千二百五十六両でありましたものが、三十五年度には四千五百二十一両になっております。気動車は、千二十両でありましたが、二千二百二十二両になっております。それから客車は、一万一千三百八十八両であったものが、一万一千四百六十八両になっております。貨車は、十万八千九百五十三両であったものが、十一万八千七百二十両というようなふうにふえております。また、旅客サービス上大切であります寝台車の数のごときは、三十一年度末に一等寝台車数は百四十五両でありましたが、三十三年度末には百九十三両になっております。二等寝台車数も、三十一年度末百二十三両でありましたものが、三十三年度末には二百五十九両というようなふうになっております。 それから、電化工事が相当各所において行なわれておりまして、御承知のごとく、東北本線においては、現在大宮から福島まで電化が完成いたしたわけでありますし、山陽本線は、これはあちこち少し切れておりますけれども、この五カ年間に西明石から倉敷まで完成いたしましたし、さらに西宇部との間も完成をいたしております。それから北陸本線では、田村−敦賀間の交流電化が完成いたしました。そのほか、仙山線の交流電化も完成いたしました。両毛線も、新前橋−前橋間の電化が完成しております。それから、東海道の貨物線では、吹田−尼崎間、美濃赤坂線で大垣−美濃赤坂間、また大糸線では信濃大町から信濃森上まで、日光線が宇都宮−日光間、宇野線が岡山−宇野間というように電化が完成いたしており、現在工事中のもので近く完成予定のものといたしましても、東北本線で福島−仙台問、山陽本線では岡山−糸崎間、また小郡−下関間も近いうちに完成いたします。北陸本線は、これは三十六年度末になりますが、敦賀−福井間、常磐線の上野−水戸間が近く完成をいたします。鹿児島本線の門司港−久留米の間が近く完成いたしまして、電車運転が開始されます。そういった工合に、電化は相当進んでおります。 また、複線化工華といたしましては、これまた急速に進みつつありまして、東北本線の宇都宮−福島間では二九・六キロ、仙台−盛岡間では一〇〇・五キロ、北陸本線の米原−富山間で六三・九キロ、全国の複線化の合計は三十五年度末に二千六百四十七キロに達するのでございまして、三十一年末の複線キロは当時二千四百十八・五キロであって、複線化の率は一二・一%であったのでございますが、それが三十五年度末には一三%になる、こういうような工合で、全体として申しまして、輸送力増強並びに近代化は、時間的にずらさざるを得ないような姿になったと申しますものの、しかし振り返って見ますというと、輸送力の増強の面におきましても、近代化の面におきましても、相当見るべき成果はあったと申し上げてよろしくはないかと思っております。
○中村順造君 いろいろ説明がありまして、その内容について大きく改善をされ、また進歩があったということは、わかります。わかりますが、これはしばしば言われておるように、大体四年を経過して八〇%でき上らなければならないものが六七%だけしかできない。そこでなぜできなかったかという点については、副総裁もしばしば説明をされております。私がお尋ねするのは、いろいろ資金面で非常に困難な面もあるし、経費の面でなかなか思うようにならなかった、こういう面もあろてうかと思いますが、四年、五年、こういう期間における、先日来しばしば言われておるように、物価の上昇、特に工事資材その他の上昇によって、そういう面からやはり一つのそごがあったんではないか、こういうことも考えられるわけです。これは今副総裁が言われたことを決して過小評価するわけではないけれども、それだけの大きな改良遊歩があったということを認めながら、やはり全体の諸目標を十分達成できなかった、こういう点を新しく第二次五カ年計画を策定するにあたっては、やはり判断の中に入れなければならない、そういたしますと、従来第一次五カ年計画の総体的な評価について、どういうような御判断をされておるのか、まあ私の言葉でいえば、一つの自己反省ですか、そういうふうな、第一次五カ年計画策定後における今日までの進捗状況、あるいはそれらの成果から見て、やはり一応の前進があり、進歩があったといいながら、それはそれなりに一つの評価をし、これは完成をしないなら、無反省にそれらの実態を全然検討されることなく第二次五カ年計画に入っておられるとは考えられない。そこで、第一次五カ年計画なるものを総体的にどういうふうに判断をされておるか。第二次五カ年計画を策定するにあたって、その点を一つお伺いしたいと思います。
○説明員(吾孫子豊君) 総体的にどういうふうに反省をしておるかというお尋ねでございますが、先ほどお話が出ておりますように、戦時中に非常に酷使しました施設やあるいは戦時中に製作された材料不良の機材などは、とにかく一応おおむね一掃いたしまして保安度を高めましたことは、輸送サービスに基本的な条件を確保し得たものと考えておるわけでございます。そのほか輸送力の増強、近代化の推進等の施策としても、先ほど申し上げましたように、若干の特急、急行、準急等の増発、支線区のディーゼル化、貨物列車の拡充等を行ないまして、しかも乗員については増加しないという線を保ち得たということ、これは言葉を返せば、生産性をそれだけあげたということになるわけでございますが、そういう点については相当見るべき成果を上げておるというふうに申し上げてもよろしいのではないかと思うのでございます。しかしながら、五カ年計画が当初ねらいました効果は、輸送力増強の面につきましては、単に輸送される輸送量の増大に追いついていくということのほかに、同時にさらに旅客の方で約八%の混雑緩和と、貨物で約五%の貨車配給難の解消を上積みする予定でありましたのが、現在では辛うじて輸送増加の要請にどうにか追随してきたという程度でございまして、当初考えておりましたような輸送力緩和の上積みというようなことは全然できなかったといってもよろしいのでございまして、こういう点はまことに遺憾であったと思っておりまするし、まあこういうふうにどうにか追随してきたというのも、今日までのことでございまして、もし今後国鉄が現在の五カ年計画程度の計画しか持たないといたしましたならば、輸送需要の逼迫というものの状況はまことにおそるべきものになるだろうと考えますので、そういう意味におきましても、このままでは放っとけない。早く新五カ年計画の実行に着手しなければならない。そのためには必要資金も確保したいし、運賃の改定もぜひお願いしたい、そういうようなふうに考えておるわけでございます。
○中村順造君 第一次五カ年計画の実施をして、これは四カ年たったというなら、その四カ年のやはり内容が問題になるわけだと思うのです。もちろんその所期の目的を八〇%到達すればまた説明がつこうかと思いますけれどもね。事実六七%達成したと、これをそのまま認めても、なお、その内容についてはたくさん問題が出てきておると思うのです。言われておるように、この第一次五カ年計画を策定するときに、もしこういうことで運賃の値上げが認められるということならば、輸送の混雑は大いに緩和される、こういうこともやはり当時のうたい文句の一つとしてはあったと思う。ところが、これは内容にわたって恐縮ですが、実は昨年の暮からことしにかけて、あの中央線、山手線の混雑ということは、まさに殺人的だ。いろいろなことが週刊誌あるいは一般識者の中からひんしゅくを買っておるわけです。そういう点について、どういうところに、それは老朽施設の取りかえだとか、あるいは急行列車の時間短縮、あるいはデラックス電車の製作とか、そういう点は、目にうつる面もあります。でありますが、特に大都市を中心にして、この輸送の混雑というのは、むしろ第一次五カ年計画策定以前の問題よりか、四カ年にわたって実施したのちにおいて、そういう現象が現われておるというふうな皮相な見方をしている人もある。そういう点を第一次五カ年計画を策定するにあたっての判断の中には入れておらないのかどうか。入れておるとするなら、こういうことはあり得ないと思うのですが、その点はどうなんです。内容にわかって恐縮なんですが。
○説明員(吾孫子豊君) ただいま特に通勤輸送の問題等を例に引かれてのお言葉でございましたが、通勤輸送も、輸送力増強、設備改善というようなことも、車両を新しく作り、また両数もふやし、駅の設備等も相当程度整備いたしてきたのでございまするけれども、実際の通勤者の数のふえ方というものは、五カ年計画の当初において私どもが想定しておったよりも以上に、お客様の数の方がふえてしまった。出初の計画としては、ただいまも申し上げましたように、ある程度、八%ぐらい混雑緩和ができるというつもりでおったのでございますが、お零様の数の伸び方の方が非常に大きかったということが大きく影響しておるわけでございます。それから特にお正月以来問題になりました中央線につきましては、実は中央線のお茶の水−東京の間の複々線化ということも計画に入れておりまして、予算を計上したこともあったのでございますけれども、これは用地の問題で暗礁にぶつかってしまいまして、どうしても用地の確保ができないというようなことでこの計画は実行が不可能になったようなわけでございます。今度新五カ年計画におきましては、三十六年度から中野−三鷹間の複々線化に着手いたしますと同時に、たまたま地下鉄の営団の五号線というのが今予定されております。この営団の中野から高田馬場を経まして大手町に至る線と、これを中央線の複々線の代替と申しますか、そういうような使命も持ってもらうように考えまして、この営団の線路に対しては、国鉄の電車も直通できるというようなことで計画をいたしたいというようなふうにただいま考えております。
○中村順造君 これは私は今、本委員会で中央線、山手線の混雑緩和の問題で、大切な時間を長々ととるつもりはありませんがね。これは、私の意見なんですが、この線は、やはり抜本的に考えなければ、——ただ人が都市周辺に集まったからとか、冬で厚着をしたから混雑したということでは、これは何年たっても、ことしの冬は、また同じことになると思うのです。モノレールなんという話もありますけれども、そこまで考えなくても、これはいずれ、いろいろな困難はあろうと思いますけれども、この点は、一般のデラックス電車もけっこうです。それから急行列車の時間の短縮もけっこうですが、当面こういう長期計画を策定する場合には、やはり五年先には都市の人口がどういう状態になるということも、十分検討されていると思いますから、これは当然配慮の中に入れるべきだと思います。そのことなくして、ただどこか、青森なりあるいは山形あるいは広島、鳥取あたりの単線区間が一部複線になった、こういうことでは、やはり国民は、そのための五カ年計画だということでは納得できないと思いますから、この点は一つ新しい五カ年計画が策定されるとするなら、この中に、当然考えの中に入れるべきだと思う。 それから内容にわたりましたので、もう一点だけお尋ねをいたしますが、第一次五カ年計画、——以前に問題もありましたけれども、電化が促進をされました。そこで、これは昨年もちょうど本委員会で問題になりましたが、交流電化、交流を今度は、将来は北九州あるいは山陽の下の方を通じて、交直両用だというふうなこともいわれておりますが、これは関理事も、そういう面の専門家ですが、これは結果的に見て非常に失敗の面もあったわけなんですね。やはり第一次五カ年計画の総体的な、ここで判断をするというなら、交流電化に対して、ほんとうに自信を持っておるのかどうか、こういう点は事実、それは事実問題としてせっかく電化の開通式はやったけれども、電気機関車は動かない、こういう実態も、——昨年東北本線の開通当時にはあったわけなんですが、これは内容にわたって恐縮なんですが、やはりこういう面は、新しい五カ年計画の中にも、やはり当然交直両用だというふうなことで判断をされる面があるわけなんですが、こういう点についての国鉄の、この交流電化に対する自信といいますか、確信といいますか、そういう面を一つお伺いしたいと思います。
○説明員(関四郎君) 交流電化につきまして、どうかという御質問でございまして、この点先生に、以前にED71という東北本線を走っている機関車についての御質問がございまして、そのときに、ちょうどいろいろ故障が出ておりまして、そのために非常に不安ではないかというような御疑問がお起こりになったことと思っております。 これにつきましては、ED71は御承知のように、東北線を走らせるために千分の十の勾配で千トンの列車を引くということで設計されまして、従来、たとえば直流機関車で申しますと、EF15で千分の十の勾配を千トンの列車を引っぱりますのに、この機関車の目方が百六トンでございました。それに対してED71は六十四トンの目方で、しかも出力は、EFの15よりも大きくて千九百キロワット、馬力にしますと約二千六百馬力というような非常な高性能のものでございまして、これは実は、大へん申しわけないのですが、われわれ技術屋の野心的な製作でございまして、狭軌で馬力当たりの目方というものが世界の記録になるものでございまして、この点、ただ開通式が、試作期間から、本製作に移るのに時間が短かかったために、この点で、試験に多少不備な点がございまして、このために、しばらく故障が起きたということで、大へんこれは、一般の利用者の方に申しわけないと、こう考えておりますが、現在は、もうほとんどこの故障はなくなっております。この目方の点からいっても、動力費の点からいきましても非常な経済になっておりまして、それに対して、さらに最近交流を直流に直します整流器にシリコン整流器というのができまして、これが日本が、やっぱり機関車用の整流器では、世界でトップ・レベルになっておりまして、こういう関係から、日本の交直両用電車というのが非常に進歩して参りました。 それが世界的にどんなレベルにあるかと申しますと、三年前にインドの国鉄の電化に対して、日本の機関車を輸出することがきまりまして、一方は欧州連合——欧州のフランス、ベルギー、ドイツ、スイス、イタリー五カ国連合というものと日本とが競争入札しまして、欧州連合百両の日本が十両というものを製作しまして、実は先月の二月の初旬に、インドのカルカッタの近所でもって試運転をしまして、この引き継ぎの試運転をしましたときに、日本の交流機関車が欧州連合よりも非常にすぐれていたという点が出まして、私ども非常に自信を持ったわけでございますが、今まで何と申しましても、全く新しいものを切り開いていくために、多少の故障はやむを得なかったと——まあこういうことを言っちゃしかられるかもしれませんが——思っておりますが、このために、日本の電化技術というものは非常に進歩もいたしましたし、また世界の水準まで引き上げることができ、今後この交流電化によって、大いに電化を安く確実なものにしていきたい、こういうふうに、今後私どもも努力していきたい、こういうふうに考えております。
○中村順造君 まあ、しかられるかもしれぬという前提で話をされたのですが、私は決して、しかるとか何とかということじゃないのですがね。事実昨年も、ちょうど——あれは何月でしたか——開通式のあった当時ですよ。はなばなしくきょうは電化の開通式だと、だけれども、動いている電気機関車は微々たるものだと、こういう非常に、まあ国民の前にさらけ出した場合に、これは目にうつることですから、一方では万国旗を飾って開通式をおめでたくやっておる。何か走っておるのは、煙をふく機関車が走っておる。これは不細工なわけですが、こんなことがしばらく続いたわけです。 これは開通式は一日で済みましたが、事実電化区間に蒸気機関車が走らなければならぬという実態も、今の説明では、なるほどあなた方の、いわゆるこの野心的な世界的な記録を作ろうというふうな気持があったかもしれませんけれども、それでは電化がせっかく開通して、非常にそれに対して大きな期待を持ち、喜びを感じておった国民の側からすれば、これは大へんなことだと思う。今、その交直両用にしても、このシリコンの整流器ができて非常に進歩したものができたと、こういうことでありますけれども、今説明されたのではですね、ああいう説明の口振りでは、どうもまだ自信がないように思うのですがね。この点は、重ねて一つ。
○説明員(関四郎君) 何か誤解がおありのようかと思いますが、実は、東北線の福島までの電化の開通以来、これまでは開通式といいますと、全部電気機関車——客車も貨物列車も、全部蒸気機関車を電気機関車にとりかえるということで、機関車が全部揃わないときは、電気運転を開始しない、電化開通をやらないというのが、それまでのやり方でございましたが、この福島の電化から、機関車が入り次第これを逐次、蒸気機関車を電気機関車に置きかえていく、そして開通式は、地元の一番都合のいいときに開通するのだ、こういうことになっていたわけであります。 それともう一つは、このときは、すぐダイヤを電気機関車のダイヤに引きかえるということで、現地で計画しておりましたので、これについては、とにかく逐次置きかえていって、全部そろったときに、たとえば旅客列車なら旅客列車全部電気にかわったときに、それを電気列車のダイヤということに引きかえなければ困るだろうということで、これをかえさしたわけでございます。 そういうふうなことが誤解の種になったんじゃないかと思うのでありますが、そういうことでございますから、直流電化におきましても、交流電化におきましても、今後は電化は、相当期間の間、蒸気と電気——電車が一緒に走るという場合があるわけでございます。現在でも岡山、倉敷の間は、蒸気機関車がたくさん走っております。その中に電車が走っているという状態でございます。
○中村順造君 開き直った言い方をされるのですが、岡山−倉敷の条件と、東北本線の電化の開通とは、これは条件が違う。それから、何か私が誤解をしておって云々と言われるけれども、それじゃ実際に、当時不都合がなかったかということをお尋ねすると、これはあなたとしても、そういう面の不都合はあったとお答えにならざるを得ないと思うんですよ。現に本線の営業線路の上で、一カ月間に十回も救援列車を運転するという状態では、これは国民の側からすれば、不都合がなかったとは言い切れないと私は思う。特に今、あなたは電気の非常にエキスパートであるから、自信を持って物事をやられていると思いますけれども、しかし、それにおいても、まだあなたの説明の中では、やはり電化においては、日本が世界に誇るべきものがある。しかも技術者の野心的な云々とか、こういうことで、国鉄の営業というものが、一技術者の野心的な気持でやられたのではたまったものではないと思うのです。現実に何もない、あなたが確信を持ってやられておられたら、この営業線区——事実東北線という営業路線の上で、一カ月の間に十回も、その上も救援列車を運転するということはあり得ないと思う。救援列車を運転するということは、貨物にしても、旅客にしても、ある程度、その間に汽車は動いていないわけです。その点を私は言っているわけです。別に、これは過ぎたことですから、私は、第一次五カ年計画の中で、今内容はこの中央線の混雑その他の点を含めて、そういう面が、将来も心配をされるし、今日までも、そういうことがあったから、私は、このことを指摘して、あなたにお話しているわけです。どうですその点は。
○説明員(関四郎君) 私大へん、開き直ったような感じを与えまして、大へん申しわけなく思っております。 最初に申し上げましたときに、これまでも故障があったということを申し上げましたのですが、蒸気機関車が一緒に走っているのは、その次に申し上げましたような理由で走っていたので、決して故障のためばかりではないというようなつもりで申し上げましたのですが、それが、あとの方を強調したために、大へん御不快の念を与えたかと思いますが、その点は、御訂正申し上げます。 それで、私ども、それからもう一つは、技術者の野心というふうにとられましたことも、大へん私の言葉が足りなかったと思うのでありますが、御承知のように、いろいろな産業が、みな技術革新の時代でございまして、絶対に安全だと、みんな試験済みだというものをやっていけば、これは一番間違いのないことでございますが、私、先の技術の進歩は、このくらいだという見通しをつけましてやるということも、ある程度必要ではないか、こういうふうに私ども考えているわけでございます。実はシリコン整流器ということを申しまして、非常に自慢話をしたようなことになりまして、そういう意味ではない、これもやはり交流電化に着手しますときに、あと四、五年すれば、シリコン整流器というものは、日本で非常に進歩するということの見通しをつけてやりましたところが、ちょうどその予定よりも、まだ一年ぐらい早くできたので、それが嬉しさのあまり申し上げましたところ、これが非常に自慢のように聞えまして、これはほんとうに申しわけないと思っております。 そういう点で、決して野望を抱いたり、何かいたしているつもりではなく、少しでも安い原価で大ぜいのお客さんを愉快にお運びしよう、そうして、しかも職員の生産性を労働環境をよくしながら上げて、そうして給与が上がっていくというような、みんなに喜ばれる国鉄を作りたい、これが私どもの技術をやっている者の念願で、そのために一生懸命やっているわけでございます。
○中村順造君 関理事の、その良心的な面は私はわかります、それはわかりますが、現実、そういう東北本線の開通の際には、そういう面もあった。 それから、この話が出ましたから、これは将来の問題もありますからお尋ねをいたしますが、この交流電気機関車の故障の原因、これはいろいろ、その後対策委員会等を作って、国鉄でもその原因の把握について御努力をされているというふうに聞いております。しかし、現地で苦労をしている、それらの業務に携わっている職員の側からいいますと、この交流の電気機関単なるものが、従来は、やはり一メーカーによって全部が組み立てられた。ところが、今度の分からは、そういうことでなくして、いろいろコストが安いとか、いろいろのことが言われて、寄せ集めで、それぞれのメーカーの寄せ集めで、一台の機関庫が組み立てられる。そういうところに非常に故障の原因の把握なり、あるいは将来新しい、せっかく関常務の言われる高度の技術によって、この輸送部門に対する貢献ということが、わずかな、いわゆる国鉄の経理上の面か何か知りませんが、納入する際の、いわゆる値段の安いということに原因をしているかどうか知りませんけれども、そういうところで、非常に、せっかくの技術を生かして、国有鉄道の発達に貢献をする、こういう気持が台なしになる、こういう面が非常に現地の、これらに携わっている職員の側からすれば、そういう意見が出ているわけです。私は、聞いておられるかどうか知りませんが、その点は、どうなんですか。
○説明員(関四郎君) それについては、これは新しい試みをしたわけでございますが、そのために、現地の職員に非常に御苦労をかけたという点は、大へん気の毒なことをした、こういうふうに考えております。 ただ、これは日本の市両製作のあり方としまして、最もそのメーカーの得意なものを、そこにまとめて作らせる。すなわち部品を量産体系に持っていくということを、今後進めていかなければ、車両の値段は下がらない、たとえて申しますと、今度FD71のの機関車は、高圧タップ制御装置というのがございまして、これが日立製作所が非常に新しい型を出しまして、これの試験の結果が非常によかったものですから、これを日立製作所の型をもってやるということにきめた。またモーターは、これは主電動機が、これは三菱が非常にいいために、三菱のものを使うということにしまして、約四十両の機関車でございますが、これの部品を各メーカーに全部別々に作らせて、これを国鉄で標準図面を作りまして、それを全部集めて、一台の機関車にする、こういう方式をとったわけでございます。 これは欧州の機関車メーカは、全部その方式をとっているわけでありまして、そういうようなことで、部品の大量生産によって値段を下げようというような方法をとったわけでございますが、これがまだ各社の打ち合せとか、協調とかというものが、まだ軌道に乗らなかったために、そういう点で、現場に非常に苦労をかけた。この点も現場に苦労かけたばかりじゃなくて、一般の利用者の方々にも御迷惑をおかけしたということで、この点は、私ども深く反省しておりまして、今後、こういうことのないように車両の発注を、やはり安い機関車を、いかにいい機関車を安く作るかということについて、今後とも研究を進め、実行していきたい、こう考えております。
○中村順造君 時間もだいぶ長くなりましたから、私だけそう長く質問するわけにも参りませんが、私は今まで大体お尋ねをしたのは、第一次五カ年計画の達成の度合い、あるいは内容等につきましては、今度の提案をされておる趣旨からいきまして、今度の運賃値上げによって年間四百八十六億というこの財源を新しく第二次五カ年計画に充てる、こういう説明がありましたので、新しい計画を策定する場合には、やはり第二次の計画を策定するとするならば、第一次の五ヵ年計画は、どういう内容を含めて、自己批判に立っておるか、そういう点をお尋ねをして、これはいろいろ議論の余地はたくさん、第一次五カ年計画については結果が出ておるわけでありますから、その内容について検討をし、いい悪いの議論はたくさんあると思います。あると思いますが、少なくとも先ほど説明されたように、いい面は前進をした、内容が充実したといういい面は、それは高く評価をしてもいいと思うし、反面やはりこれだけのことをやりたかった、しかしできなかったのだ、できないだけの要素も、またあったと思いますけれども、第二次五カ年計画を策定するについては、それらのできなかった面を克服していかなければならぬ、それからやってみた結果、まだまだ、こういうところに国有鉄道としての輸送の欠陥が出てきておる、たとえば中央線を例に引きましてあるいは技術的に交流電化の問題を一つ例に引きまして、第一次五カ年計画の実施の内容についての質問を繰り返しましたが、これは第二次五カ年計画が、今回の運賃値上げのよってきたる原因ということになるなら、また私は角度を変えて、第二次五カ年計画の内容について、質問をまた、どんどん展開していかなければならぬと思いますが、一応そういう意味で、この第一次五カ年計画の内容なりあるいは今日まで第一次五カ年計画が達成するまでの、いわゆる生産性の向上の部門に対して、一体国鉄の、きのうの議論じゃございませんけれども、能率的にやる、やるけれども、ただ能率を上げろ、上げろということじゃなくして、上げれば、どういうことになるのだということも、よく一般国民なりあるいは国鉄の中で働いている職員に理解をさせる、こういうことが必要だ、このように考えて、若干の質問をいたしたわけでございます。 新しい計画についての質問は、ほかの同僚議員からもあると思いますが、私もまだ若干行なっていきたいと思いますが、きょうは第一次五カ年計画に対する私の質問は、これで打ち切りまして、新しい部門については新らしい角度から、また質問いたしたいと思いますけれども、きょうは、私は、その点については保留をいたします。
○重盛壽治君 議事進行。まだ日にちもあることだし、きょうは、この程度で閉会をして、明日やはり規定の時間からお始めになったらいいと思います。
○委員長(三木與吉郎君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(三木與吉郎君) では速記をつけて下さい。
○金丸冨夫君 私、この運輸委員会及び予算委員会で、いろいろ伺ってはおりましたけれども、まだ私のお伺いしたいことは一つあるわけです。それは二月の九日に、経済団体連合会の会長石川さんの名前で、国鉄経営上の基本的問題点に関する意見ということで、私どもにも送付がされたのでありますが、これはおそらく運輸大臣並びに国鉄総裁にはお届けになっておることと存じますが、この点について、御質問申し上げたいと思うのです。 国鉄経営上の基本的問題として、いろいろ理由を掲げてございます。これは省略いたしまして、その具体的問題として指摘せられておりまするのが、大体六点あるわけでありまして、予算委員会その他に対して御答弁になっておること、また、今度の運賃の改正の議案について、いろいろとお答えになっておる問題が、多々あるわけでありまするが、その第一は、国鉄経営に関する諸制度の合理化という名のもとに、非採算線の整理合理化ということで、新線建設の問題、また現にやっておりまするものの整理の問題、それから同時に、この合理化によって赤字をできるだけ少なくするということに対する点について意見が述べられておりまするが、この点に関しまして、国鉄総裁は、どういうお考えでおられましょうかお伺いしたいと思います。
○説明員(十河信二君) 非採算線についてでありますが、国鉄は、強力に合理化を進めていくという必要があると考えますが、なかんずく今お話のありました非採算線については、一そう合理化を促進していかなければならないと考えております。それでいろいろな合理化をやっております。 たとえば本日まで、大きな機関車を動かして、そうして列車回数の非常に少ないところ、これはそういう重い列車を動かさないで、ディーゼル・カーのような軽いものをしばしば動かして、地方の方々の御便利に供することが必要じゃないか。そうして国鉄といたしましても、一面においては収入を増加し、一面においては、経費を節約するということもできますから、そういうことをやるべきであると考えましてやって参りました。 また管理組織の面におきましても、なるべく地方の実情に沿うて、地方の方々のできる限り御満足のできるようなサービスをするためには、地方のある線ごとに一つの管理所長とかあるいは管理長とかいうものを置きまして、そうして広範な権限を委譲いたしまして、それらのものと地方の皆さんと、よく意思の疎通をはかって、そうしてサービスをよくして、なるべく経費を少なくするように、いわゆる企業的精神に沿うて経営のできるようにすることがよかろう、こう考えまして、たしか今日まで、九十あまりのそういう特別の組織を作りまして、人の面では千四百人ばかり人が浮いて、これを他の繁激な方面に従事してもらうようにできまして、収入の増加、支出の節約で、たしか年間十億程度の——収入の増加と支出の節約で十億程度の金が浮いてくるというふうなことになっております。 これらの点につきましては、初めは、地方の方々の非常に反対をせられた向きもありましたし、またうちには、従業員諸君もいろいろと不安を持ってこられた向きもありましたが、いろいろとお話をいたしまして、それらの方面の了解も得て実施いたしました結果が、皆さんが恵んでいただけるようになって、そうして、そういう成績を上げることができたのであります。そういうふうにいたしましてわれわれは、でき得る限りこの赤字を少なくする。そうしてあわよくば赤字を黒字にかえたい、こういうふうに考えまして、小さな支線だけでなく、たとえば関西線というような相当な幹線の部分につきましても、赤字を少なくするために合理化を進めております。 関西線で申しますと湊町から奈良の間を、これをディーゼル・カーにいたしまして、サービスをよくして収入を増し、経費を節約する。それからまた関西線の名古屋、湊町間に準急列車を二、三本入れまして、ディーゼル・カーの準急列車を入れまして、サービスの向上と、収入の増加、経費の節約をはかるといったようなことをやっております。四国は離れ島で、モデル地区としてオール・ディーゼル化に一番適当だと考えまして、四国は全部ディーゼル化いたしまして、列車回数を増し、そして収入の増加、経費の節約をはかることができましたが、この三月で、ほぼディーゼル化が完了いたします。来月は、皆さんにお集まり願って、皆さんが、いろいろ御尽力、御協力下さいましたそれらの面のお礼をいって、ともに喜んでいただきたいというふうに考えております。 そういうふうに電化、ディーゼル化を、電化は、まあ赤字線区の幹線のところは、将来は電化する必要がありますが、支線区は電化をしないで、ディーゼル化で進んでいきたい、こう考えまして五カ年計画完成の暁には、たしか四千五百キロ電化し、残りは八割五分程度——ちょっとその割合は間違っておるかもしれませんが、そういうふうに進めていって、今申し上げましたような合理化を促進して参りたい、こう考えております。
○金丸冨夫君 これは最も適切なやり方だと私どもも考えるわけでございますが、このうちでも、特に今のディーゼル化あるいはまた電化等の関係は、積極面でございまするから、もちろんけっこうでございまするが、消極的な、いわゆる今までの非採算線の非常にひどかった一例として、仙台の塩釜から石巻ですか、あそこまで参ります線の管理所経営というものを、私去年でしたか参りましたときに説明を聴取いたしまして、調べましたのですが、その例によりましても、従来相当の赤字であったものが、大体とんとん程度になったというようなことを伺っております。 しかし、かような線を今の管理所組織に切りかえましても、これは大体、今までの支出というものを相当に詰めていくということの消極的利益だと思いまするが、ある場所におきましては、こういう組織に変えること自体で、非常にそれが効果が上がり、採算上利益になったというような線もあるかと思いますが、政府委員でよろしゅうございますから、そういう例がございましたら承りたい。あるいはまた九十カ所のうちに、どのくらいの程度は、前より利益を上げるようになったという線がおありでしょうかどうか、その点を承りたいと思います。
○説明員(磯崎叡君) これは、一線一線に資料を持って参りませんでしたが、総体から申しますと、先ほどの総裁のと、ちょっと重複するかもしれませんが、全体でそういった特殊な管理組織をいたしましたところは、名称はいろいろ違っております。 たとえば今先生のおっしゃったことは、仙石線管理所という、これは昭和三十一年の十月に作ったものでございます。そういった管理所というのは、少し規模の大きなものでございます。これが二十二カ所、約これでもって二千百キロばかりを所管いたしております。そのもう少し規模の小さいものを管理長といっております。これが四十四カ所、これが約二千五百キロ、さらに、もう少し小さいもので、主として駅の関係だけを統合いたしましたものを運輸区といっておりますが、これが十五カ所で三百三十七キロ、合計いたしますと、全部で八十一カ所約五千キロになります。国鉄全体の中の約四分の一を、こういう特殊組織で今運営をいたしておりますが、この結果、総体的にいたしまして、経費の節減になりました数字だけを全体として申し上げますと、この線から全体で約千四百人程度の人間が捻出されまして、これが幹線筋の非常に輸送力の張ってきたところの列車の増発、あるいは駅の要員の仕事の方に転換いたしまして、また資産をたな上げいたしましたものは約十億九千万、それから先ほどの人件費も含めまして、経費の節減が約八億六千万、それらのほかに、さらに積極的に列車回数をふやす等によりまして増収をはかりました。その結果約二億程度のものが増収になっておりますので、全体といたしますと約十億程度、差し引きの計算上のプラスになっておるわけであります。 以上、各線別の資料もございますが、非常に詳しくなりますので、一、二例を申し上げたいと存じますが、たとえば先ほどお話に出ました仙石線の管理所、これは昭和三十一年にできたと申しましたが、その所管の人間は約七百四十人ばかりで所管をいたしております。昭和三十一年ころこれを設置いたしましたときは、営業係数が一五〇ぐらいでございましたが、その後逐年、営業状態がよくなって参りました。また、いろいろな施策をいたしまして、人間の数も減らしました結果、昭和三十三年度におきましては、営業係数が約一二〇というふうに好転いたしました。また、さらに昭和三十四年度には、それが一一七というふうに、逐次好転いたしてきております。その結果、現在、多少まだ損失は出ておりますが、一時一億近かった赤字が、現在は七千七百万円というふうに減ってきております。 それは、一例でございますが、大体、先ほど申し上げました四十何カ所の特殊管理方式を作りましたところにつきましては、おおむねそのような成果を上げておりますと同時に、主としてこれらの線路につきましては、ディーゼル・カーを投入いたしましたので、列車回数等は、前の蒸気の時代に比較いたしまして、逆にふえております。それらの関係上、非常に地元の方々からもかえって歓迎されておるといったようなことでございまして、全般といたしましての数字は、先ほど申し上げましたように、約十億程度の計算上の利益があったと、こういうふうになっております。
○金丸冨夫君 私のお伺いいたしましたのは、おそらくかような場合においては、いわゆる支出の削減ということによって、営業係数を少なくするということだと思います。それにしても、これをやることによって約十億円といいうようなものが、すでに生まれておるということは、なかなか軽視できない問題でありまして、これは各閑散線における経営については、ほんとうにいい制度だと私どもも考えておるわけでありまするが、大体この問題としては消極的利益——削減によって業績を上げる、またこれが回数等を若干ふやしても、積極的に利益の採算ということになるものは、今日の段階においてはあまりない、かように承知してよろしいでございましょうか。
○説明員(磯崎叡君) 今までやりました特殊管理形態によりましても、その結果、営業係数が一〇〇以下、すなわち今御指摘の、何と申しますか、利益の段階になったという線は、まだございません。と申しますことは、いずれにいたしましても、非常に輸送密度の低い、また輸送要請の割に少ないところでございまして、旅客にいたしましても、また貨物にいたしましても、いかに積極的に努力いたしましても、付近の人口が少ない、あるいは生産物資が少ないというところにおきましては、収入は、一定限度に限られてしまいます。一方列車回数その他は、最小限は動かさなくてはいけないということになりますので、これらの非常な苦労をいたしましても、全体として、その線全部が赤字から黒字になったという例は、残念ながらまだ出ておらないのでございまするが、ただ、先ほど総裁から申し上げましたように、四国全体とあるいは関西線といったような、もう少し——今申し上げましたような線区、先ほど申しました四十何線区という、ほんとうの閑散線区でない、もう少し輸送密度の高い、人口の多いところにつきまして、先ほど申し上げましたような積極的な増収策を講じますと、これは、たとえば四国あたりにつきましても、非常にまだ三十五年度の成果が、はっきり上がっておりませんが、一年約七、八十両のディーゼル・カーを投入いたしまして、非常に積極的に旅客誘致の手段を講じました結果、大体三十億近かった赤字が非常に急激に減ってきたということもございます。いずれ、これはまた間もなく年度が終わりましてから、御報告できると思いますが、非常にいい結果になっております。 また関西線などにつきましても、今計画しておるようなことをやりますと、営業状態がよくなるということも想定されるわけであります。 すなわち今まで申し上げました。ほんとうの閑散線区の次に来る中間線区につきましては、やり方によりましては、相当いい成果が期待できるのじゃないかというふうに考えております。
○金丸冨夫君 それで、今の関西線とかあるいは四国等の、ある程度貨客の密度の多いところにおきましては、今総裁のお話になりましたようなディーゼル・カー化であるとか、急行列車を設置するということになりますと、それはもう、見違えたように、私は旅客の足も貨物も伸びて来ると思うのであります。 現に旭川も三年前ですか、国鉄が、まだ本腰を入れてディーゼル化をやっておるようには受け取れなかったときでも、従来のような蒸気列車を動かす場合と、それからこれをディーゼル・カーに変えた場合とは、われわれの目で見ても、非常に乗客の数が多い、また地方も非常に喜んで好評を博しておるというようなことでございましたから、おそらくこういうものとあわせて、さらに新しい工夫をいたして参りまするならば、そういうところは非常に私は伸びると思うのです。ただあまり量の少ないところというものの管理所においての経営においては、できることならば、もう少し工夫が要るんじゃないかという感じがいたします。それは一般事業界において、ただいま独算制というようなことがとられております。国有鉄道も企業性を発揮して、ある場合においては、公共目的ということを損わない範囲において企業性というもの、すなわち独立採算制によって、これをおやりになっておるということは承っておりますが、ほんとうの意味における独立採算制というものを、鉄道においてほんとうにやろうとするならば、かような管理所のような少さいところに、これにはっきりやって権限を十分にまかせ、そうしていろいろの部局から来る指示等も、すべて断ち切って、この経営を一任するというような形になって参りますというと、ほんとうに収益の点からいきましても、いわゆる能率の点からいきましても、われわれの庶幾するようなことが、ほんとうに実現せられるのじゃないかと、かように存じます。 ただ、ここで産業界あるいは経済界における独算制には、もう一つ鉄道の今おやりになっておる以上の、ちょっと魅力が加わっておるわけなんです。それは何かといえば、結局能率に対する報奨の意味であります。鉄道はかような手かせ足かせされておるような経理関係、監督関係から営業をなさるのでありますから、なかなか思うにまかせないと思いまするが、何かこういう方面について、ほんとうに業績が上がったならば、そういう区間におけるほんとうの意欲というものを盛り立てるために報奨的措置がとられておりましょうか。またあるとすれば、それはどういう程度のものでありましょうか。お答えいただきたいと思います。
○説明員(中村卓君) お答え申し上げます。 仙石線におきましては相当、今磯崎国鉄常務理事から御説明申し上げましたように、かなり業績がしがっておりますので、これは支社から、毎年度ある程度の報償金を出しております。その他の管理所あるいは管理長あるいは運輸区というようなものにつきましては、数字ははっきりわかりませんが、年度末におきまして大体ある程度の報償金を出しております。ただこれだけ業績が上がったから、これだけやろうというような、はっきりしたルールはまだ残念ながらできておりませんので、まあ各支社の財政状態なり、各経営単位の業績の上がり方、そういうものをみまして、わずかなものでございますけれども、ある程度のものを支給しております。 ただあともう一つ、私たちが非常にこの制度が効果があると考えました点につきまして、ちょっと質問からそれるかもしれませんが、ちょっと補足的に御説明させていただきたいと思いますが、これは非常に関係の従業員の経営意欲と申しますか、それが高まってきております。そして、何とかして自分の線を黒字にもっていきたいという気持を非常に関係職員全部が持って、現場長というか、管理長以下非常にそういう気持を強く持って、努力しているというようなことが、目に見えない大きな効果じゃないかと思います。
○金丸冨夫君 あまり私ばかりお聞きしてもどうかと思いますので、問題をとりかえて、その第二項に入るわけでございまするが、過度の公共負担の軽減という問題につきまして、やはり経団連が、第二の問題として取り上げておりますが、これは予算委員会あるいはその他におきまして、だいぶ問題になっておりまするので、この点につきましては、詳しくはお伺いをいたしませんが、運輸大臣に、これに対する政府の方針として、この問題を、どういう工合にお考えになっておりまするか、この点を承わりたいと思います。
○国務大臣(木暮武太夫君) 御指摘の通り国鉄は公共の福祉を増進することを目的といたす、いわゆる公共企業体であるというゆえをもちまして、いろいろ通勤、通学等に過度の割引率を用いることなど、あるいはまた赤字が出る線といえども、それが国民の産業の開発になるということであるならば、これをあえて行なう等の、いわゆる公共負担をいたしておりまして、この金額は約五百二十五億円の多きに達しておるのでございます。 これがたびたびの問題になるのでございますが、毎々私が申し上げまする通りに、国鉄は、一方におきましては、公共という名前を頭に乗せておりますけれども、企業体であるのでございますので、能率を増進するために独立採算制をとらなければならない。そして国鉄の経営の内容をよくして、その力をもって国鉄の大きな目標であるところの公共的な仕事をいたすということに相なっておるのでございまして、この公共的の負担と、また一方企業として能率を上げるために、独立採算制を持していくということとは、まことに一見矛盾を感ずるようなものでございまするが、これの調和をはかってバランスをとりながら、一方では公共の目的を達し、一方では企業体としての経営内容を、だんだんよくしていくということに努めるところに、国鉄の経営の非常にむずかしいところがあるように思うのでございます。 そこで政府といたしましては、従来は、御承知の通り日本の政府が直営して、特別会計でやっておりましたときにも、一般会計からの補助ということはいたしませなんだ。国鉄は、自分のみずからの捻出するところの命、すなわち言葉をかえて申しますると、利用者に負担してもらう運賃の収入と、一方では借入金によって経営を運営して参りましたのでございます。戦後におきましては、公共企業体という企業体になりましたので、もちろん公共的の使命を帯びておりまするために、政府として、財政投融資をできるだけお世話をしてやる。そうしてまた、その金利なども十五年という長い期間で、六分五厘という、今の市中銀行から見ますれば幾分か低利の金融をつけるということには努力をいたしまするが、従来一般会計からの補助ということはいたさなかったことは御存じの通りでございます。 しかしながらだんだん国鉄というものの公共負担というものが増して参りまして、また国鉄が、従前のごとくに日本の輸送界における独占的地位を持ってのことのみとは今日は申し上げられませんで、新しいトラックやバスの競争の相手となるようなことになりましたことを勘案いたしまして、本年度からは、御存じの通りに金額としては少ないのでございますが、三億八百七十五万円という金を新線建設の借入金の利子補給に出しましたり、あるいはまた傷病兵の無賃乗車に対する援助といたしまして、三十六年度におきましては六千二百万円以上の、従来よりも大幅の補助をいたすというように、一般会計からも国鉄の経営に対しまして、補助をいたして参るというようなことに相なりましたようなわけでございまして、これはまあ金額は小なりといえども、政府として国鉄の使命と、かつその経営の独立採算制ということをよく理解した上で、国鉄の経営の困難なることをよく理解いたしまして、一般会計で補助する方に踏み切ったということの意味におきましては、私は国鉄経営の上から見て、まあこれは喜ぶべき補助であると思うのでございます。しかしこういうことが、今後もっと拡大強化されるかということは、今後の国の財政の実態によることでございますが、こういうような方針に踏み切って参りましたことは、今後におきまして、われわれ国鉄を指導育成する立場にある者としても、大いに意な強ういたしまして、今、御心配になりましたような公共負担に対する国の理解を増すように、これから大いに努力をする。そこに因縁ができたということを喜んで、今後は大蔵当局に対しまして、こういう点につきましては、十分の一つ努力をいたしたい。こういうふうに考えておりますわけでございます。
○金丸冨夫君 ただいま御説明をいただきましたし、また前にも、予算委員会等でお話になりましたように、この公共性と企業性というものの調和というものは、実際、わが国の国有鉄道の歴史というもの、さらにまた最近におきましては、この政府からの一切のこの一般財源からの補助というものはないということで、自前でいくということにも、自然独占的性格というものが次々に薄らいできまして、民間企業のあおりを食うような、ああいう状況になってきたということからいたしまして、この問の調節をとるということは非常にむずかしいと思うのでありますが、ただ、具体的に現状を見ますというと、先ほど御答弁になっておりましたように、戦後におきましても、数次の運賃改正というものをやっているという、この事実——この事実から考えれば、国鉄経営が、なかなかなまやさしいものではないということは、これははっきりといたしたと思うのであります。 私がかりに国鉄総裁の立場であったとするならば、おそらくこの公共負担五百二十五億は、もちろん新線建設等におきましても、ほんとうに一方、この納付金なんかは、かりに免除されているとはいいましても、具体的経営の衝に当たっている人は、こういうことでは、とうていたまらんというお気持に拝察ができると思うのであります。 そこで、今の公共性のうちで、われわれが普通で考えてみて、これは何としてもひどいと思うのが、いろいろと御事情が政府の方にはあられるかもしれないけれども、学生の通勤における九割というような高額の、ほとんどの利用者に対しては、わずかの負担でやられるようなものについて、これはやはり、ものにはほどほどというものがあるのであって、これをいつまでも、いかなる過去の事情によって、かようなことが生まれたかは知りませんけれども、これは一面企業性というものを発揮して健全なる経営に持っていくということに努力するかたわら、私どもは、こういう無理というものは、これは、もう少し進んで是正すべきじゃないか、こういう考えを持っておるわけです。それは一久その過程等を判断いたしますれば、これは同情に値いするものが何かございましょう、ございましょうけれども、国鉄自体に非常に重荷になるそのために、利用者でない一般の方々から、血の税金を取り上げた、そのものでもって、これをカバーするという段階になるならば、こういうものは、もう少しほどほどの値上げは、これは当然じゃないか。このごろになって、いろいろと最後の結論で拝見いたしましたその値上げの学生定期というものについては、もう少し思い切って、私、国有鉄道自身の取り上げられた原案なるものが、はなはだ俗な言葉でありますけれども、なまぬるいという工合に、私は実は感じがいたしたわけであります。それがまた今度は、また、それを引き下げられるというような結果に陥ったことは、私は非常に遺憾だと思います。また、もう一つ、貨物の方にいたしましても、およそ国鉄というものが、経常上この利用者に対して課すべき対価としての運賃というものは、これはやはり公平であるべきで、何が公平かということによって、従来の負担力主義、こういうものがこれは決して正しいとは私は思いません、思いませんけれども、ほんとうに特定の割引がしてある、また、それに臨時的の割引があるというような、こういう問題については、ほんとうに今度の運賃改正等において、はなはだそういう御関係の方々には、ほんとうにお気の毒ということになるかもしれませんが、こういう正しい運賃のあり方というものをきめてやります場合には、それはやはりある程度、それを敷衍していくということが、私は当然ではないか、それがほんとうに正しい運賃であり、正しい国鉄の経営であり、正しい政府の政治であるというような工合に考えるわけでありまするが、こういうものにつきましては、今度はお手をお触れにならないということでございまするが、今後に対する御所見を伺えるならばけっこうだと思います。
○国務大臣(木暮武太夫君) ただいまお話のように、定期の割引が九二・二%というような、まことに、どこの国にもないような大きな割引をやっておりますことは事実でございまして、この点に対しましては、たとえば運輸審議会等の諮問委員会におきましても、これを逐次是正をしていくべきではないかというような御議論があり、また御意見として当局に出されておるわけでございます。今回の運賃改正にあたりましても、この定期運賃の過大なる割引を是正したいという考えが国鉄にはございましたのでございますけれども、政府といたしましては、なるほど非常に九二・二%という割引は過大ではございますけれども、今日長い間、それが生活費の中へ溶け込んでおりますことと、もう一つは賃率を今回一斉に実収一二%上げました等のことによりまして、割引は割引でございまするが、その根底の賃率は上がっておるものでございますから、いろいろそういう人たちの生計費に及ぼす影響等を考えまして、最後には賃率を上げることだけを認めまして、ただいま御指摘の割引率は、今まで通りにいたしておくということに踏み切ったようなわけでございます。
○金丸冨夫君 よくわかりましたが、この第三の問題として、こういうことがあがっておりますですね。監督事項の整理と合理化、この文面をとりますれば「経営業務への政府の介入を最小限度に止め、監督事項を整理するとともに、とくに国鉄運賃の決定に国会の議決を要する現行制度を改める必要がある。」、こういうことでございまするが、これは当面の運賃問題等のような問題も、この制度改正によって御自由にできるというようなことになれば、こんな問題は起こらぬことになるわけですが、これは当たりさわりが多いようでございますから、これはお伺いしないことにいたします。 〔「やらぬのですか」と呼ぶ者あり〕 いや控えておきましょう。私も、ちょっとくらい聞いてみたいような気もしますが……。 ところで、第四の問題に移りますが、現金国庫預託制度の廃止ということでございます。これは大蔵大臣がおられないというと、どうも、ぬかにくきのきらいがございますけれども、政府の代表であられる運輸大臣がおられますから、この点を一つお伺いしたいのであります。 これはつまり国庫預託金制度というものがあって、そして、これが国鉄の業務上生じた手持ち現金というものを、ほかに利用させないということが一つと、それからそれを預ける場合において、一定額は無利子、それから一定額を過ぎたものは、きわめて低利な金利で取り上げてしまう。ただし、国鉄に貸す場合には、すべて利子を取り上げる、こういうような、これはいつの制定か知りませんが、何でも太政官布告時代のもんじゃないかと思うのですが、そういうことであるとすれば、これは、もう少し早く政府も取り上げて、これを改正する必要があるのじゃないか。理屈に合わない、しかも最も事業において大事なこの金融というものについて、かほどに過酷、なおかつ不合理なる制度を前提として国鉄経営を改善しろの、能率を上げろのということは、私は非常に無理を強いるものである、かように考えておるわけでありまして、この点に対して、まずもって国鉄に、この実情を一つ御説明願いたいと思うのです。そうむずかしい実情ではないと思います。
○説明員(吾孫子豊君) 預託金制度の問題につきましては、ただいま御質問の中でお話がございました通りでありまして、四十億までは無利子でございますが、それをこえます分につきまして、日歩八厘の利子がつけられると、こういうことになっております。 それで、実は国鉄といたしましては、この預託金制度については、御検討いただきたいということを政府の方にお願いは申し上げておるわけでございますけれども、今、御検討をいただいておる段階であります。
○金丸冨夫君 御検討といいましても、取り上げられてやっておられるということであれば、あえて私は追及申し上げるわけではないのでありますけれども、不合理はほんとうにある、しかも運賃の値上げまでして経営を建て直し、輸送力を増強しようという時期において、この大事な金融について、かような理屈の通らないことをやられるということは、私国民が、だれが聞いても摩訶不可思議な世の中だというふうにお考えになるだろうと思う。まずもって、この利子が八厘というところは、これはまあ親心ということが、私はわかると思いまするが、借りる場合には八厘であって、預託をした場合には、預託として取り上げたものについては、四十億までただだという理屈が、どうもわからないのです。しかも、これについての資金の運用については、一切がんじがらめ許さない。との場合において、もし民間会社のようなことにもいきますまいが、少なくとも従来の直営というものを、公共企業体にしたゆえんは、その動き方を民間に近い状況において、そうして簡単に、俗な言葉で言えば、役人らしい経営から商売人らしい経営に移して、そうして国鉄の活動を敏感にし、そうしてより以上の効果を上げようというのが、私はこの公共企業体ということに政府がお踏み切りになったゆえんであると思うのであります。 従いましてこの資金の運用につきましても、全然、自分のところにもってこなければならない。いわゆる四十億までは、月々に出入りは相当違いましょうが、何ぼでありましょうか、二十五、六億か、三十億、四十億こす場合もありましょうし、たくさんあると思うのです。そういう場合を、みな無利子のところを、関門をくぐらなければ、金の出入りができないというようなことでは、私はほんとうにお気の毒の一語に尽きると思うのです。 だから、こういうのは、政府がほんとうに早く取り上げて、この打開の道を開くということを一つお願いしたいと思うのでありますが、運輸大臣の一つ御所見並びにこの努力に対して、どういう程度まで効果がおあがりになっておるか、伺えますれば、まことにけっこうだと思います。
○国務大臣(木暮武太夫君) ただいま御質問の国鉄の収入と支出のズレのありますものを、国庫預託金として政府へ預けておいて、四十億までは無利子で、残りのものは二分九厘という低利でもって政府が預かっておる、こういうことでございます。 昭和三十四年度におきましては、この金額は百五十四億円という大きな金額になっておるのでございまして、ただいまお話のございましたことは、まことにごもっともなことだと思うのでございます。しかしながら政府といたしましては、これは国鉄ばかりではございませんで、ほかの、こういうような公社の余裕金というものを、国庫預託をするという制度は従来からございます。これは太政官布告かどうか、まだ私よく存じませんが、よほど古い時代からあるようでございまするが、また政府としては、この金を短期に貸す場合には二分九厘で貸しておるものですから、そこで貸しておる金利より高い金利で預かるということは、政府としてもこれはできないと、こういうわけになるわけでございます。 しかしながら、先日来予算委員会その他におきまして、この御質問が国会方面からなされましたときに、大蔵大臣は、この問題については、とくと大蔵省においても理屈のあることであるから考えて、そうして各公社等の振り合いを見て検討をして、御期待に沿うようにいたしたいということを、国会の予算委員会の席上でも、はっきり申し述べられておりますわけでございます。われわれといたしましても、国鉄の経営、財政の健全化のために、ぜひそうあってほしいと考えておりますので、できるだけすみやかに大蔵省に折衝をいたしまして、御期待に沿うようにいたしたいと、こう考えておる次第でございます。
○金丸冨夫君 今無利子のところが、まだほかにもあるというお話でございましたが、これは電電公社ですか、源開発は違うんですね、いかがですか。
○政府委員(岡本悟君) この制度は、日本国有鉄道だけではございませんで、いわゆる政府関係機関におきましては、おおむねそういうことになっております。ただ最近できました住宅公団であるとか、道路公団、あるいは愛知用水公団、あるいは農地開発機械公団、こういったところにおきましては、各公団とも、国庫の預託金はございません。従いまして、余裕金の一定の運用は認められておるわけでございます。 ただ、この際、申し上げておきたいことは、金丸先生の御表現には、多少誤解があるのではないかと存じております。と申しますのは、何しろこれは一時的に出る余裕金でありますから、いわゆる長期で有利に、本来有利に運用しようと思えば有利に運用できるという筋合いの金ではないわけでございまして、ただ一時的に、この宗裕金ができるというわけでございますから、だからむしろ国鉄の経営の観点から申しますと、こういう一時的の余裕金がたくさん出るというのは、あまりほめた現象ではないのでございまして、率直に申し上げますと、相なるべくなら、あまりこういう余裕金が出るということはぼかして、ただ、まあできるだけ先ほども大臣が申し上げましたように、国有鉄道の経営も非常に苦しい、しかも今までのとかく官僚的な経営というものから脱却しまして、商事的な考え方といいますか、観念というものを植えつけるということから、日本国有鉄道としては、ぜひともこの余裕金の運用につきまして、もっと有利な方法を考えてほしい、こういうことを申しておられるのでございまして、金丸先生のお話では、四十億までは無利子だと、それから今度は、政府から逆に貸すときには七分五厘、六分五厘の商い利息を取りつける、こういうふうに極端な表現をなすったのでございますが、これは長期の貸付でございますからそういうふうな金利になっておりますが、短期の余裕金を借り入れる場合には、逆にやはり今大臣が申し上げましたように、二分九厘で借りておるわけでございます。余裕金を借りてやりくりをつけておるわけでございますので、その点において、そう政府側がひどいことをしておるということにはならぬかと思います。
○金丸冨夫君 その内容についても、私は存じております。ただ、今の私の言葉が足らなかったからでありまするが、一般の事業界を考えた場合における利益金というようなものは、政府であろうがどこであろうが、本来これを有利に回すというようなことが、ある程度考えられます、もしこの金融というものを考えた場合にはですね。だから、そういうものに対して、政府は一切金縛りになっているわけじゃないですか。たとえば、さらに借りる場合においては、政府から借りなければならない。これはしかし借りる場合が八厘という金利であるならば、これは決して高いものではないから、民間の二銭何ぼあるいは一銭九厘というようなものを借りる必要はないわけでありまするから、その面においては、私はいいと思うのですが、今の無利子という問題は、どちらにおいても、どこでバランスをとる意味で、そういうことをやったかしりませんが、むしろそれは公平に出す場合も、預託金から立てかえをする場合も、また受け入れる場合も、これは同様の金利で八厘がいけなければ九厘でもいいし、あるいはまた七厘でもいいし、無利子というようなことは、どうもやはり理屈が通らぬということの一点は、私は動かないと思うのです。 さらにまた今の預託金にかかる金が多いことが、これは好ましい現象じゃないということでありまするが、好ましかろうが、好ましくなかろうが、実際集約される国鉄運賃というものは、各地方から集まってきて、そしてその金というものは、これは事業自体の伸びることによって、これはどうしても、額は小さく押えようといっても、これは押えることはできないだろうと思う。現に一週間の間においては、銀行にお預けをお許しになっておると思うんです、政府は。そうすると、それを一週間以上の場合には、すべてまた無利子、こういうところの関門をくぐらせなければやっていかないというようなことに相なるわけでありまするから、まあこの点については、私は多くを申し上げませんが、ほんとうに政府自体の金融の点について、でき得べくんば、企業体の全体の経営という面からいって、ある程度の、自由に、この制限というものを緩和されるということは、これは当然ではなかろうかと、まあこの問題について、出たのに関しまして、さように考えるわけであります。 では、あまり私ばかりでも工合が悪うございますから、最後に、もう一点だけお伺いしたいと思いまするが、五の問題につきましては、投資制限の再検討というようなことが載っております。これは、「国鉄は本来の業務以外の部門への投資を厳重に制限されており、積極的な合理化努力が妨げられている面も少なくないので、国鉄合理化のために行なう事業で民営と競合しないものは積極的にこれを認むべきである」こういうことをいっております。これは一体、どういうものを、これにおいて、この経済団体連合会が指示しておりまするか、詳しいことはありませんので、私、ちょっと迷うわけでございますが、国鉄以外の部門に投資をするというようなことは、一体どういうことを想像せられておりましょうか。これをごらんになりましたについての御見解を、国鉄側からお伺いできれば、まことにけっこうだと思います。
○説明員(吾孫子豊君) 国鉄の、まあかかえております問題を経済団体連合会で、いろいろな角度から、そのとき御検討をいただいたと思っているのでございますが、直接の動機といたしましては、御承知の国鉄の例の要員問題に関連をしまして、国鉄の要員の年令別構成が非常に不自然な形になっている。いわゆる中ぶくれのちょうちん型という三十二、三くらいの年令の男が非常にふくらんでいる。それを解決しないというと、やはり人件費の問題やなんかあるいはむずかしい影響も出てくるから、それをどうして解決したらいいかというようなことを、要員対策委員会というものを作りまして、そこに諮問したことがございます。その際に要員対策委員会からの答申の姿で、まあ意見が出まして、その意見書の中で、その中ぶくれになっているようなところは、もしこれが民間の企業で、かりにありとすれば、当然まあ子会社的なものや何かを作って、そこに投資をして、はみ出る人間をそういうところへ送り込むというような格好で、そういうような方法で、不自然な要員構成を直すということをやるはずだ。しかしまあ国鉄の場合は、いろいろ制度的な、また法律的な制限があって、そう自由に関連の事業だからといって投資のできないように、今は縛られておる。従って、そういう方法は、なかなかむずかしいであろうというようなことを要員対策委員会が答申の意見書の中で、そういうことを述べておられたわけであります。 それで経済団体連合会としては、国鉄の経営上の問題の一つとして、そういう要員の問題があるのだということを知っておられまするから、その要員対策委員会の答申等でもって、もう少し国鉄も、何と申しますか、国鉄の提供するサービスに関連して、直接サービス面で、いろいろ今国鉄としてはやれないような仕事で、しかも国鉄に非常に関連が深いというような、たとえば旅客関係で申しますれば、いろいろなあっせん業であるとか、媒介をする事業であるとか、いろいろございますが、そういうようなところに投資ができるという道を開けば、そういう国鉄がかかえているような要員の問題なんかの解決の助けにもなるし、また、その国鉄を中心としてのサービスの、さらに徹底した向上、もう少し大きくいえば、このごろの言葉で申しますマーケット・リサーチというようなことの助けにもなるし、そういう意味で、今の国鉄というものは制度的にあまり窮屈だから、そういうような関連事業や何かに対して、民営圧迫にならない範囲内において投資のできるような道を開くべきではないか、そういうようなことで、そういう御意見が出てきたのだと思っております。
○金丸冨夫君 これは、以外の投資ということでありますから、今例を引かれたようなことは、民間におきましては簡単にやっておるととであって、それによって従業員の転換というかそういうものも、老若の転換、あらゆる問題の処理に、私は非常に効果があることは認めるわけでありますが、ただ、これにもありまするように、民営と競合しないものと、こういうことが載っております。これはやはり国鉄自体が、かりに公共企業体とはいえ、やはり何といっても親方日の丸の国を中心とした機関であり、また公務員であるというようなこの団体において、もしかような投資を、民間財閥のごとくやっていくならば、これはもう、どこのいかなる会社にも決して負けないというような恐るべき力に私はなってくると思うのです。もっともそういうことが、今の公共企業体という性格をはっきり現わしておる国有鉄道法によっては、おそらくそういうことは考えられていないと思いまするが、この改正は、おそらくそう、今おやりになろうと思っていられるわけではないと思いまするから、多くを質問を申し上げませんけれども、民営等に競合するというような問題は、随所に大小となく私は現われてくるのではないかと、かように考えるのであります。今の例程度でお話を伺っておりますし、また今、直ちにこれをおやりになるということもまだ聞いておりませんので、私はあえて、これ以上質問はいたさないことにいたします。 第六といたしまして、取り上げておりまするのは、固定資産税等の減免という問題が最後にあるわけでありまするが、これはもう、私もよく大体承知をいたしておりまするので、以上長時間まことにありがとうございましたが、大体、この取り扱いについての政府並びに国鉄のお考えというものを拝聴することができましたので、これで、私の質問は打ち切ることにいたします。
○委員長(三木與吉郎君) 他に御質疑の方はございませんか。——ないようでございますから、本日は、これにて散会いたします。 午後九時二十六分散会 ————・————