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38回国会参議院1961/03/29

運輸委員会 第17号

発言数
199
登壇者
20
会派数
4
開催日
1961/03/29

会議録

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) これより委員会を開会いたします。  国有鉄道運貨法の一部を改正する法律案を議題といたします。  昨日に引き続き質疑を行ないます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 きのうの委員会で大倉委員から質問がなされておりまして、大倉委員はちょっと都合によりまして若干おくれますので、私は関連をしてお尋ねをいたしたいと思います。法制局長官の御出席をお願いしておったはずですが、お見えになっておりますね。  昨日問題になりましたのは、日本国有鉄道法のこの目的の中で、第一条ですか、昨日当委員会で国有鉄道の性格ということが、冒頭からいろいろ審議がされたわけであります。そこで公共企業体ということが言われておりますけれども、きのうの審議の過程では、その点がやはり私たちの十分納得、了解する点まで到達をしておらないわけでございます。従いまして、本日は法制局の長官の出席をわずらわしまして、非常に話が固いことになりますけれども、日本国有鉄道の目的、すなわち第一条をどういうふうに解釈をするのが正しいか、こういう点をまずお尋ねをして、それから内容に入りたいと思います。その点を一つ冒頭お尋ねをいたします。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) 実は昨日のこの委員会における御質疑あるいは御答弁のいきさつを私聞いておりませんので、あるいは御質問にぴったり当たるような答弁になるかどうか、ちょっと多少心もとないわけでございますけれど、ただいまの御質問でございますが、御承知のように今の日本国有鉄道は、以前は政府の特別会計として経営されておったわけでございます。それが昭和二十四年に公共企業体になったわけでございます。そのことを考えますと、この第一条で要するに国鉄の性格と申しますか、目的をうたっているわけです。第一に公共企業体にしたということは、これを一つの企業体で能率的運営をやらせるということが企業体にした理由だと思います。しかし同時に、国有鉄道というのは、日本全国の鉄道の運営を経営するという意味において非常に公共的性格が強い。従ってこれを公法的な法人として、いろいろなそこに公法的なワクをはめていく、こういう二つのところからできている、一口に言えば、私はそういうことだと思います。つまり企業体として、企業的運営をさせるということが、これがやはり公共企業体という独立の法人にした一つの理由だと思います。しかし同時に、公共的性格、その事業が公共的な性格を持っておりますから、その法人の企業体の運営は、公法的な見地による制約はいろいろある、こういうことじゃないかと私考えます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 昨日の委員会のあとで、いろいろ私ども打ち合わせをいたしましたが、特に問題になるのは、一条の今お話のありました能率的ということでございます。これは、能率的即企業体、こういうことにはならぬと思います。やはり能率的ということがそこにあげられておるということは、これは企業の形になれば、これは常識としても能率的でなければならぬ。特に国鉄の場合こういう能率的という文章になっておるその点を少し掘り下げて具体的に一つ御説明いただきたいと思います。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) 結局能率的運営と申しますか、あるいは三十九条で予算の原則として企業性が発揮されるようにという言葉もあるわけであります。そういうところはやはり一つの独立の法人として経営さしていく以上は、その経営が能率的にかつ企業的に行なわれなければならないことは、これは常識だと思います。また当然に、そういうものでなければ独立の企業体にする意味もないわけでございますから、独立の企業体として、独立の法人として経営される以上、企業経営が能率的に行なわれる、かつ企業的に行なわれなければならないのは当然でございまして、そういう原則をうたったものである、かように考えます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 私のお尋ねしておる趣旨がわからないかもしれませんが、ことさらにここで能率的ということを第一条で、国鉄企業について入れなければならぬ、こういう点が、これは現実に今の国鉄の企業体は能率的にやられておるか、やられておらないかという議論は別にいたしまして、この第一条の目的の項になぜことさらに、今の御説明によるときわめて常識的なことが、企業体としては常識的なことがことさらにそこに入れられなければならないか、そういう点でございます。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) これはやはり従来この国有鉄道は、御承知の通りに、政府の特別会計で経営しておったわけでございます。これが二十四年にいわゆる公共企業体として独立の法人となったというようないきさつもございまして、当然に公共企業体というものは、そういう能率的運営と申しますか、そういう企業的運営をする一つの建前ということをここでやはりはっきりさせないと、従来との関連からいいまして、いろいろの疑問も起こる、こういうことも一つの理由だったかと思います。要するに企業体になった以上は、そこで能率的に、企業的に運営する、そこに一つの大きなねらいがあるのだ、しかしまあその公共的性格がなくなったわけではない、もちろん強い性格を持っておりますが、そういうことを特にやはり日本国有鉄道の目的として強調することが必要だと、かように考えるわけでございます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 それでは法制局長官の方にはまた別の面の質問がありますから、この点についての質問はちょっと保留しておきます。  そこで、国鉄にお尋ねをいたしますけれども、この第一条の目的を今いろいろ私は質問いたしましたが、どういう観点に立ってどういうふうにこの運営の面でお考えになっておるか、その点をまずお尋ねいたしたいと思います。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) 公共の福祉を増進するために、能率よく、企業的に見て、きわめて能率のいい企業であるように運営いたしたい、そうしてますます公共の福祉を増進するようにしたい、こういう趣旨で運営いたしております。

中村順造日本社会党

○中村順造君 まあこれはきわめて常識的なことを常識的に議論する場合には、そういうことになろうと思います。しかし私がお尋ねしているのは、現実に、今やられておることが、総裁としてはこれは当然能率的にやっておる、こう言われておるわけなんですが、労働問題だとか人間関係とか、いろいろあるわけでございます。これらのものもやはり私どもは能率の中に入ると判断をいたしますが、そのように考えていいか悪いか、ただ機械的に財政的だとか、そういう面だけでなくして、国鉄の経営全体を含めて判断をすべきだと考えておるが、その点はどういうようにお考えになっておるか。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) 私も同様に考えて、できるだけ能率よく企業の成績をあげて、皆さんに御満足を与えるようにやっておりますが、まだまだきわめて十分に皆さんの御満足を得ることができないということを深く反省して日々、努力をいたしております。

中村順造日本社会党

○中村順造君 これはまあ今申し上げますように当然のことで、だれも非能率的な経営をやるという経営者はおらないと思います。しかし監査委員会の監査報告などを見ますと、いろいろな中にたくさんの指摘事項があるわけです。これは見方を変えて言いますならば、やはりその面は少なくとも能率的でない、こういうことも言えると思うのです。そういう点につきまして、やはりこの能率的ということは、従来ややもすればこれが即企業の、いわゆる企業本位に立ったところの能率さえあげればよろしい、非常にこれは言い方が適切でないのでおわかりにくいかと思いますけれども、私どもの脅えておるのは、これはどうしても能率的だということば、全部を含めて能率的だ、しかもそれが、一々ここで私は指摘することを避けますけれども、監査委員会あたりで指摘をされている面については、やはりこの目的の、第一条の趣旨に立っておらないのではないか、こういうふうに判断をしても差しつかえないかどうか、こういうことをお尋ねしておるわけです。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) 私は先ほど申し上げましたように、やっておるつもりでありますけれども、監査委員会はもちろん、その他方々からいろいろと御意見があって、それらの御意見をも参酌いたしまして、できるだけ国民の福祉を増進できるようにということを努力いたしておるつもりであります。

中村順造日本社会党

○中村順造君 この質問の提起をいたしました大倉委員はまた別の角度から質問されると思いますが、私はそこまで関連の立場で質問いたしておるのでありますが、そういたしますと、しばしば私は申し上げておるように、国鉄の経営をこの第一条の趣旨に基づいて能率的にやるということになりますれば、本委員会でしばしば申し上げましたように、この職員に対する理解と協力があるかないかということは、非常にそういう態度が国鉄経営者の中にあるかないかで非常に能率に影響すると思います。俗にいう能率に、今までお尋ねをしたことに関する能率には大きく影響すると思います。そういう点で今日具体的にどのような態度で国鉄四十数万の職員に対する国鉄企業について、しかも能率の維持増進をはかる、こういう趣旨から具体的にどういうふうな協力の態度を示されたか。こういう点を、一つやや具体的になりますけれども、お答えをいただきたいと思います。これは総裁でなくてもけっこうです。副総裁でけっこうです。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○説明員(吾孫子豊君) どういうふうに能率的運営、特にその中での職員の理解と協力を得るために具体的な方法をとっておるかと、そういうお尋ねであると思うのでございますが、その具体的とおっしゃることの御質問の御趣旨にぴったり沿うたお答えになるかどうかわかりませんが、第一段には、申し上げるまでもなく国鉄には国鉄の業務運営の組織というものがございますから、その組織を通じて絶えず事業の目的、またその仕事の進め方、考え方というようなことについては、組織を通して全体の職員を動かしていくように二面においては努力をいたしておりますと同時に、他面におきましては、労働者の代表としての労働組合というものがございますので、問題のそれぞれの性格に応じて、あるいは懇談をし、あるいは話し合いをし、あるいは団体交渉を行なうというような方法によって、職員の協力を求めるというような方法をとっておるのでございます。具体的とおっしゃいましたけれども、少しお答えが抽象的過ぎるかもしれませんけれども、業務組織の面で片方では協力をし、また他の面では労働組合という組織を通して職員との間に理解を深めていくというような方法をとっておる、一言に申し上げれば、そういうことになるのではないかと思うのでございます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 副総裁のお答えでは、それぞれの組織を通じてと、こういうことでございますが、これはぼく然として私はいろんな解釈の方法もあろうかと思いますが、何かお話の内容を承っておりますと、団体交渉などを通じてと、こういうことになっておりますが、団体交渉は、これは何も国鉄が持っておる労働組合に対する一つの何か支えておる団体交渉を行なってやるんだと、こういう考え方では私は間違いだと思います。団体交渉を通じてというのは、団体交渉は、やはりそれぞれの労働組合なら労働組合の要求なり要望を掲げて、その内容がそのまま取り入れられる、取り入れられないか、あるいはその折衷点はどこにあるかと、こういうことを話し合う場面でありまして、これはこうやるから、このことによって職員の理解と協力を求めておる、こういうふうには私は受け取れないのです。この点はどうですか。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○説明員(吾孫子豊君) だいま私が申し上げました気持は、業務組織を通してという面は、いわゆる上下の関係で、上から下へと組織の姿で業務の能率的な運営について協力もし、指導もし、監督もする、こういう面が片方にあります。その反面、労使が対等であるという立場での組合と当局という関係がございます。その当局と組合との関係においては、あるいは懇談というようなこともございまするし、あるいは話し合いというようなこともございまするし、また団体交渉というようなこともございます。そういう気持で申し上げたのでございます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 問題は能率的な経営ということから端を発したわけでございますけれども、今申し上げておるような内容が全部国鉄の、国有鉄道法の第一条に示されておる能率的な経営の範疇に属するものだということになりますと、この一面を私は取り上げても従来の国鉄当局のやっておること、考えておること、これは必ずしもそういう場面では能率をあげるために理解と協力を求める態度とは言えない。具体的に今副総裁からお話がございましたが、上下の関係というのは私は職制の関係だと理解をいたします。これは当然仕事をする関係でございますから、当然それぞれの任務に基づいて国鉄の仕事をすれば、それで足りるわけであります。ただ、問題は団体交渉を通じてあるいは懇談の機会を通じて、いずれの機会にいたしましても、国鉄四十数万の労働者には労働者としての要求があると思うのです。これをかなえるかどうかというところに、すなわち協力をする態度が生れるかどうか、こういうことになろうと思う。これを不必要に、そのことを、労働者の要求そのものをいれることによって重大な支障がないにもかかわらず、それを先般来より問題になっておりますように、何か国鉄当局の側が一段高いところにおるというような考え方で、固執をしていれない、こういうことはやはり理解と協力を求める態度ではない、逆作用を起こす態度である、こういうことになろうと思う。具体的に話をするということなら、いろいろの何がございますけれども、基本的な理念として大体労働者の要求については、少くとも最少限度の要求ならこれをいれる。そうしてお互いに国鉄の業務運営については協力と理解を求める、こういう態度でなければならないと思うのですが、今日までのいきさつでは、そういう態度ではないと思いますが、この点副総裁どう思いますか。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○説明員(吾孫子豊君) 組合側からいろいろの要求が出て参ります。それらの要求の中で、それはたとえば団体交渉というような方法を通して御要求があった場合には、ルールに従いまして団体交渉を行なう。そうして当局側の立場から考えてももっともである、またそれが実行できるということの場合には、その組合側の申し入れをいれて協定を結ぶとか、あるいは覚え書をかわすとか、あるいは協約を結ぶとかいうような方法で解決をいたしております。しかし、要求の内容いかんによりましては、組合側の強い要望もあるということはわかりましても、経営全体の立場から考えて、直ちにそれを受けいれることができないというような場合もございますから、そういう場合にはお断わりをするということもあるわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、ただいまお話がございましたが、何か上の方から、高い立場から押えつけるとか何とかいうような考え方ではなく、いわゆる労使の関係というのは、相互に平等の立場からということは、十分に念頭に置きつつ、それを承知の上でお話し合いなり、団体交渉なりをいたいておる気持でございますけれども、そういうふうな見方をされる場合が出てくるということは、私どもの態度の中に足らない点があるからであると思いますが、そういう点は十分反省をいたして参りたい、こう思っております。

中村順造日本社会党

○中村順造君 少し話が具体的になりましたが、二十三日の本委員会だと思いますが、私は個々の能率的という字句から発端をした問題でなくて、事実問題として本委員会で問題を提起した内容でございますが、これは二十三日には労務担当の中村理事と職員局長が本委員会に出席をされて、私の質問に答えられたのでありますが、その中で、まだ議事録もできておりませんけれども、私の聞いた範囲ではこういう事実があるわけです。それはどういうことかと申しますと、いろいろ労働組合と団体交渉をやる。しかし、労働組合が何を要求しているのか、この点の理解がさっぱり大事な段階に把握されておらなかったという事実が、私はあとで検討した場合にあった。これはそういう事実がまさにその通りだといたしますならば、これは副総裁のせっかくのお答えでございますけれども、全く的をはずれておる。これは国鉄動力車の労働組合の説明は、十五日に休暇という実力行使をとったことに関連をして尋ねたわけでありますが、事態の収拾ということが、この前の委員金で早く収拾をせよという委員会の御意見で、収拾の方向をたどったということは事実でございますけれども、私は職員局長にその際になぜそういうふうに妥結がおくれたのか、やはり事態に突入する前に収拾できなかったかということに対しまして、それはとうてい国鉄当局がいれることのできない、いわゆる近代化、合理化の一方的実施をやらないと固執したから、そういうふうに事態妥結がおくれたのだ、こういう御答弁がなされておる。間違いはございませんかと私が念を押したところが、間違いはない、こういうふうに、あとで議事録を見ますが、そういうことでその日は別れたわけでありますが、私があとで調査をいたしますと、労働組合の要求は決して近代化、合理化を一方的に実施をさせないという要求ではなかった。それに関連をする労働条件の問題について意見の一致を期したい、こういう要求を上手にまとめる方向で進んだにもかかわらず、それが三次にも四次にもなる、こういう事実があるわけです。そういたしますと、私はその要求をいれるいれないの以前の問題として、一体労働組合なるものが多数の意思を代表して団体交渉に臨む場合に、何を望んでおるのか、どこが組合の要求か、これに対して重大な誤まりだと思う。近代化、合理化に伴うところの労働条件に関連をして、なるほど妥結した協定の内容を私は見ますと、その通りの字句になっておる。意見の一致を期するものとするというようになっておりますが、対立点は、意見の一致を期したあとに、実施をするということと、意見の一致を期するものとするとこういうふうに両君の意見が対立いたしまして、最終的には近代化、合理化に伴う労働条件には意見の一致を期するものとするということで妥結している。そういたしますと、全然職員同一長の言っている、これは中村理事もおられましたから職員局長に誤まりがあれば、その場で訂正されるはずでありますが、訂正されておらない。そうなりますと、労働組合の理解を深め協力を求めるという態度があるとすれば、そういう問題は十分私は知り尽された上で、それに対する措置がされなければならない。そういうことがないために、あれだけ不必要な長い間時間をかけて、結果的にはそういう結果に陥らざるを得ない、こういう事実があるわけです。もし、私が言っていることが間違いなら、その二十三日の本委員会に出席をしておられた中村理事から、私の間違った点を指摘されてけっこうですけれども、私どもが承った点はそういう事実があるわけですが、そういう事実をここに私は今副総裁の答弁と並べて考えてみまするときに、必ずしも総裁、副総裁の考えておられるこの日本国有鉄道法第一条に基づく能率的な運営という考え方から、広く四十数万の職員に理解を深め、協力を求めるという基本的な考え方は、この団体交渉の窓口だと副総裁がお認めになっておる職員局長の間では、そういう事実になっておらないんではないか、こういうことを私は申し上げたいのですが、これに対する総裁なり副総裁のお考えがあれば、一つこの際承っておきたい。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○説明員(吾孫子豊君) 今お話のございました三月の十五日の出来事につきましては、実はあの日は十四日の晩から十五日の明け方、最後の組合員と当局との間の話がまとまりますまでの間、私は徹夜しておりました。よく記憶しておるつもりでございますが、まあこまかい字句の点等は、あるいは正確にはおぼえておりませんかもしれませんが、明け方の四時ごろ最終的な組合側からの返事をいただくまでの間は、話がまとまっていなかったことは事実でございます。で、まあ組合側の真意というものは、あるいは言葉に表われたこととは違っておったのかもしれませんけれども、とにかく当日の夜、十四日の夜から十五日の朝へかけての団体交渉におきましては、言葉の表現の問題等について、私の記憶いたしておりますところでは、組合側の同意がなければ要するに近代化等の工事その他ができないと、こういうような趣旨の表現にかなりこだわっておられました。最後は中村先生の言われたような字句で協定がまとまったわけでございますけれども、そうなりますまでの間、何度か途中で休憩等があったり、いろいろいたしまして、明け方になるまでまとまらずにおったということは事実でございます。まことに残念でございました。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○説明員(中村卓君) ただいま大体の大筋は副総裁から申し上げた通りでございますが、その後、この前の委員会のあとで職員局長がいろいろ当時の事情を思い起こしてみましたが、若干職員局長の答弁にそごのあったということがわかりましたので、釈明かたがた補足説明さしていただきたいと思います。と申しますことは、管理運営の事項につきましては、職員局長の当時の記憶をもう一回たどってみますと、多分十時前に一応話がついたということのようでございます。ただしそれに伴う労働条件の変更につきましては、やはり依然として組合側は両者の意見の一致を見ない以上は、一方的に実施しないという点について非常にこだわっておられた。それで結局当局といたしましては、両方は団体交渉の問題といたしましては非常に関連がある、密接な問題であるので、それを一つ一つ離して、別々に妥結するというわけにもいかないので、労働条件の問題は、結論としては今先生がお話しになりましたようなことで意見が一致したのでございますけれども、それまでに時間がかかって、ああいう事態になったということのようでございます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 二十三日の委員会で、わが党のここにおられる重盛委員から指摘がされましたけれども、十四日でしたか、今の説明がされるような状態で国鉄の日常の運営がされるというなら、これは重大な問題だと思うんです。その組織上に欠陥があるのか、あるいは運営に欠陥があるのか、私は以下申し上げますが、たとえば団体交渉に出ている人は、国鉄のすなわち代表的な立場から出ていると思うんです。その人の香ったこと、考え方が副総裁のこの考え方、あるいは言わんとされることと違っておるとするなら、これは重大な問題だと思う。しかもこれが、十五日の出来事が今日今なお解明をされておらない。あれだけ本委員会で私はやかましくその真相について申し上げたが、そのことが依然として誤り伝えられて、国鉄の副総裁のこの当時の実態についての認識が改まっておらない。十四日の日から団体交渉に、これは早くから入っておるわけですが、数次の、あるいはこれは第五次案だと思いますが、これは考え方、気持の上で議論したわけではないわけです。お互いに文亀を提示して、この文章の字句のどこが悪いかということから前進をしておるわけです。少なくとも私の一手元にあるこの数次の前進の過程を見ますと、当初は労働条件の問題においてすら、一方的な解雇もあり得るというふうな職員局上長のこの文章になっておるから、この問題から端を発して——労使の関係は決してそういうものではない、こういうことから端を発して、漸次これが中身が字句上で改善をされて、そうして最終的な文章になってまとまっている。何も架空の観念的な一つの議論をして交渉をしたわけではないと思います、私の聞いている範囲では……。しかも職員局長が、今別総裁もお話しございましたけれども、一方的な実施を阻止した——管理運営の事項にまでそれを阻止している態度を依然として改めないから妥結の時期がおくれた、私は事実と相違することはなはだしいと思う。どこが一番問題になったかということを私は聞いたわけです。そうしたら、ここが一番問題になりました、あとは全部もう早くからまとまっておったものでございます。どこでひっかかったかと申しますと、私は読み上げますが、すなわち文章にされて当局から提示された四項の中の「近代化等に伴い労働条件に変更がある場合は、甲は計画中のものを含めてその概要を提示し、事前に団体交渉を行い、」——これは問題ないのです。ここまでは何にも問題なかった。「双方意見の一致を期するものとする。」というのが、これは妥結の姿です。これはこの前にそれじゃ組合の主張は何だったかと申しますと、組合の主張は、双方の意見の一致を見て実施をする。ここで、この字句だけで三時間も四時間も六時間もひっかかっておった。そういたしますと、私が今読み上げましたこれはたくさんの項目、五項目からなりまして、付則が一つついております。そういたしますと、労働組合の主張しておったのは、これはあとの、一から五まである中で、一から三までは全部まとまって、四が問題になっている。四の最後のこの結びの字句が問題になって、私が読み上げましたように、「近代化等に伴い労働条件に変更がある場合は、」と、こういう四項はその場合、これが管理運営事項に労働組合がこだわったという解釈になりますか。私は十四日の委員会でも、二十一日の委員会でも労働組合はこの近代化、合理化については基本的な反対をしておらない。金丸委員から御指摘がありました。そこで私は申し上げましたけれども、その事典に、一つの深い事実に立ってこの問題を提起をして、そうして最終的にはここだ。今読み上げた中で、近代化、合理化に伴い労働条件に変更がある場合という前提条件に立って、意見の一致を期するものか、あるいは意見の一致を見たのちに実施をするのかと、こういう論争になった場合に、これは国鉄の管理運営事項に労働組合がこだわったという解釈をされますか。もしそれがされるとあくまでも言われるならば別ですけれども、そうでないとするならば、これはすなわちその四十数万の組合、動力車の組合は五万三千でありますけれども、これらの総意を代表して持ち込んだ問題の事実の把握、認識というものが私は足らないのだ、その認識が足らずして、ここに理解と協力を求め、能率的な経営をすることができるかどうか。このように考えますならば、国鉄の機構の中で、この運営の中で、どこかにそこに問題がある、この点はどうなんですか。これは総裁、副総裁から私はお答えをいただきたいと思います。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○説明員(吾孫子豊君) ただいまおっしゃった点は非常に大事な点であると思うのでございますが、最後まで話がひっかかっておりましたのは、今おっしゃった通りであったと思います。つまり、団体交渉を行なって意見の一致を見た上でなければ、合理化の実行はできないのだ、その文章をそのまま読みますと、そういうふうに読めるわけでありまして、団体交渉というものは、もちろん意見の一致を期することがその目的でございますけれども、場合によりましては、当事者の間の団体交渉だけで話がつかない場合もありまするし、決裂をする場合もございまするし、また決裂の前に調停、仲裁というような第三者を入れて解決をはかる場合、いろいろあるわけでございます。それを団体交渉で意見が一致したあとでなければ合理化の実行ができないということになりますと、これは非常な問題で、ございまして、むろん団体交渉は意見の一致を期するために行なうのでありますけれども、意見の一致がない限りは絶対合理化ができないということでは、非常な問題がありますので、その問題でひっかかっておったわけずございます。それでその話がつくのに明け方までかかったということでございまして、なるほどその字句にひっかかっておったことは、いわゆる管理運営事項とは離れた労働条件に関する事項についての争いであったわけでありますけれども、その団体交渉で意見がまとまったあとでなければ合理化ができないのだということでは問題になりますので、団体交渉で意見の一致を期せられるということが目標でありますけれども、そこの表現が非常に大切であるということで話がつかずに明け方までかかっておったというわけでございます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 本日は、この法律問題から出たわけでありまして、この面は別に機会をまた改めてお話を申し上げたいと思いますが、まあこじつけられた説明かどうかしりませんけれども、私から言えば、近代化、合理化は労働条件に深い関係があるということは私もしばしば言っております。しかしだからといって、この労働条件に関して意見の一致を見ようという主張に対して、これは管理運営の事項だからということで断固としてこれをいれない、こういうことは、これは非常に私は詭弁というふうに解釈をせざるを得ないわけです。すなわち近代化、合理化をしても、労働条件に影響を及ぼさないようなやり方も必ずしもなきにしもあらずと思う。それから意見の一致を見ない——なるほど意見の一致を見ることが望ましいのですけれども、これは見たものから逐次実施をしていくというやり方も従来あったわけです。だから一挙にこれが意見の一致を見ない場合、これを想定して、それではできない、こういう断定をすることもまた私は適切でないと思う。意見の一致を見たものから逐次実施をしていく、あるいは労働条件に関係の及ぼさないようにやっていくという方法もあると思う。それをこの字句が通らない、この組合の主張をそのままいれると、これは管理運営の事項だ、これはあまりに副総裁のお話としては理論が飛躍し過ぎていると思う。しかもこれは明確に、文字になったものは「労働条件に変更がある場合は、」と、こういう「場合」があるわけでありますから、これは必ずしもいれたら、組合の主張をいれれば管理運営に大きな支障がある、こういうふうに飛躍されることは間違いだと思う。この点はどうですか。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○説明員(吾孫子豊君) 別に大きな飛躍があるとか何とかというふうには思わないのでございますが、まあ本来の管理運営事項ということについては、事前にまあ内容を示して話をする。それから労働条件の問題については、これは団体交渉の対象事項でありますから、団体交渉を行なって、双方の意見の一致をはかろうということをお約束しておるわけでありまして、ただそこのところの表現が、団体交渉で意見の一致をみた上でなければ合理化その他のことが行なえないのだということでは困りますから、できるだけ意見の一致を期するように努めるけれども、団体交渉は団体交渉のルールに従って、ときにはまとまらない場合もあり得ることですから、そこのところをはっきりけじめをつけておきたいという意味で、こういうような協定になったわけでございます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 同じことを何回もやるようで、もうやめますがね。いずれにしても、この二十三日の委員会で間違いはございませんかと言ったところが、この点について私は職員局長に電話でまた事実を確かめたわけであります。ところが、この四項については、これはあなたの言われる通り、こういう話です。その他の問題でひっかかっておったから、管理運営の事項に組合が了承しなかったから妥結が長引いたのだ、こういう私はお答えをいただいておるわけです。だから、職員局長はこの四項については、これは管理運営の事項ではない、こういう判断をしておるわけですが、副総裁の答弁では、あくまでこれは管理運営の事項だ、これが妥結をしなければ実施できないということは、近代化合理化ができないのだ、こういうふうに理解をされておるようです。これは、私が飛躍しておると言うのは、そこを飛躍しておると言っておるわけですが、あくまでこれは「労働条件に変更がある場合」——「ある場合」というからにはない場合もあり得ると、そういたしますと、この四項のひっかかりがですね、現実この字句の「意見の一致を期するものとする。」というのと、意見の一致を見た後実施をするというこの二つの対立した意見は、これが管理運営の事項に労働組合はこだわっておる、こう理解をされることが私は飛躍しておると、こう言っているのです。まだおわかりにならないようですがね。それはもう別にそういうことに組合に対して譲歩するなら近代化、合理化が一切できないのだ、こういう考え方に立たれる、故意に立たれれば別ですけれどもね。この通りの字句をそのまま少なくとも両者の交渉の中で、最後にひっかかった問題をとらえてみた場合に、これは管理運営の事項ではない。組合もまたそういうことを管理運営の事項に、これはまあこの前も申し上げましたけれども、今日の、ちゃんと法律できめられた、公労法下における、すなわち団体交渉の形として管理運営の事項に組合が了承を与えなければ一方的に実施させないのだ、こういうばかげた主張は私は従来ともしておらない。けれども今もって副総裁が、そういう交渉の経緯であったし、おれの報告を受けたところはその内容だったと言うなら、これは事実に私は重大な誤りがある、こういうことを言っておるわけです。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○説明員(吾孫子豊君) 管理運営の事項と労働条件に関する事項、これは別ものでございます。それで、まあ今回の交渉が開始されました初めのころは、管理運営に関する事項についてもやはり組合側の同意がなければ困るというような御主張であったことは事実であったと思いますが、最後の十四日の晩に残された、もみ合っておりました問題の団体交渉に関する事項というのは、それはおっしゃる通り管理運営の事項そのものではございません。ただ団体交渉でもって妥結をしたあとでなければ実行ができないというようなふうにとれる表現に非常にまあ組合側でこだわっておられましたので、それは困りますと、団体交渉の本来の目的はもちろん意見の一致を期することが目的であるわけですけれども、団体交渉には、すらすら妥結する場合もありまするし、そうでない、対立して決裂する場合もありまするし、いろいろな場合がありますから、何でもかんでもまとまらなければいけないという表現で、それが条件になるような表現では困るということでもめておったのであります。

中村順造日本社会党

○中村順造君 副総裁がこの四項の、最終的に妥結の瞬間までこだわっておった問題は管理運営の事項ではない。こういう点を率直にお認めになりましたから、これは職員局長とようやく今考え方が一致したけれども、私はここまで申し上げなければ群集がそのまま把握されない。こういうところに私は一段高いところだと、表現が適切であるかどうかしりませんけれども、少なくとも対等な立場で行なうべき交渉が副総裁の立場からして、これは総裁にしても副総裁にしても、すなわち経営の最高のいわゆる責任者であろうと思いますけれども、それが何万という職員の代表をしておる人の真意がくみ入れられない。ましてやここにこの理解を深め、協力を求める態度がどこに出てくるかというと、要求提案の真意さえつかめないものが、お前たちの要求をいれてやるとかやらないとかいう問題に発展をしないと思う。何を労働組合は要求しておるのか。管理運営の事項ではないんだ。少なくともこれに関連するであろうところの、またある場合の労働条件についてのみ意見の一致を期したいのだ。そのためには多くの時間もかけ、努力も必要でありましょう。けれどもそれをしてやってでも意見の一致を見た後に実施をしていきたいんだ。こういう要求を、お前たちの要求はこれは管理運営の事項だ、お前たちの要求をいれることは国鉄の近代化、合理化ができない。こういう飛躍したものが交渉に臨む今までの職員局長の態度であるとするならば、これは運営の面で私は重大な欠陥がある。そういう点で私はきょうは、本来の質問を提起されたのは大倉委員でありましたので、私はやめますけれども、日をあらためてこういう問題については、まだまだ多くの問題がその中にはある。監査委員会が指摘しておりますように、国鉄の問題をほぐしていくためには、ことごとくと言ってもいいほど労資の問題がある。こういう表現がありますけれども、これはまた日をあらためて当事者である職員局長にも御出席をお願いして、その晩の実態についてはまだまだ私は多分に疑義を持っている。議事録もこの二十三日のができましたならば、その内容について私の質問を行ないたいと思いますから、きょうはこれでこの点についての質問は保留いたします。

大和与一日本社会党

○大和与一君 国鉄初め三公社の性格について、法制局長官が来られていますから、お尋ねしたいと思いますが、公労法の立法の本旨といいますか、それについてまずお尋ねします。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) 公労法ですか。これはよく御承知だと思いますが、昭和二十三年の、いわゆるマッカーサー書簡が契機になって、この公共企業体等、いわゆる公労法が制定されたわけでございます。あのときは結局いわゆる公務員については団体交渉、あるいは争議行為というものはその性格上許されない。しかし国の職員であっても、従来いわゆる企業的な事業に従出している職員につきましては、これはやはりそういうふうに労働問題についての強い制約をかけるのは多少問題があるということで、これはやはり一つの独立の法人として公共企業体として経営していくべきである、こういう考え方で、当時においては国鉄、専売、その後に電電公社ができたわけでありますが、そういう公共企業体というものができた。この場合の労働関係につきまして、しかしこの公共企業体というのは、やはり一つの企業体ではございますけれども、公共的性格が非常に強い。そういう見地から一般の労働組合法をそのまま適用するについてはやはり問題があるということで、多少それに、公共的性格に合わせて、それが職員の労働条件、労働関係というものに及ぼす影響を考えて、一般の労働組合法上の問題を多少、何といいますか、修正したような形で、そういう趣旨でできたのでございます。

大和与一日本社会党

○大和与一君 従来は国有国営であったわけです。これは公共性がうんと強くて、あとはどんなにうまくいかぬときでも国がやる。それが公共企業体に変わったということですね。これは何も公共性をなくするというわけではないけれども、やはり企業体になったということは、その企業自体が独立採算でやっていける、こういうようにならなければならないと思いますが、別に甲乙をつけるのではないけれども、それでは一体公共企業体にした場合に、その事業ができるようなその立法の本旨は一体どこにあるのか。ただ口だけで言ったのではだめですからね。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) これは実はそこまでいきますと、法律問題を離れて経済的な問題になると思いますが、結局この国鉄とか、当時の専売事業特別会計、国有鉄道事業特別会計、あるいは今の通信事業の電気通信関係、こういうものをそれぞれ一つの独立の企業体に独立させるというときにおいては、当然にその経営の基礎というものは考えられたことだろうと思います。一例をもって言えば、国鉄の場合においては、政府が全額出資をし、当時国鉄事業に対して投資をしておったのをそのまま投資をした。これに対してはもちろん配当を求めるということはないのです。要するに利子がつかないような金で国鉄が公共的性格を発揮しつつ一つの企業として運営を発揮できる、こういう建前で作られたものと、かように考えます。

大和与一日本社会党

○大和与一君 そうすると法制局長官は、ただ法律を字だけで書いてあとは責任はないと言うのですか。今おっしゃった経済性その他も含めて立法の本旨というものは当然それに含まれておる。言葉の表現は別ですけども、表現は簡単に書いてあっても、やはりそういうものを論議をされて、この法律によって公共企業体としてやっていける、こういう保障とまではいかぬでも、見通しを持って法律が出ると思う。それを経済問題に入らないで、それは違うとおっしゃるけれども、立法の本旨を聞いておるのであって、だからそこに当然含めていなければ、ただ字を書いたって、そんなものは法律ではないと思います。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) それは日本国有鉄道法全体をごらんになれば、予算も当然従来国有鉄道特別会計時代はこれは一般の国の会計法規の適用を受けておりました。いわゆる多少企業会計的な色彩を持ってはおりましたけれども、やはり何といっても国の、言ってみれば大福帳的な会計法規に近いものの適用を受けておった。国鉄の独立当時におきましては、当時の占領軍との関係がございまして、最初は国の会計法規をそのまま字句は適用するという問題もあったのでありますが、これは後に改められまして、現在のような企業会計的な、あるいは企業経営的な予算を作るという建前も取り入れた。そういうものも総合して、われわれとしては、このほかにこの国鉄の企業経営を保障するに足る規定は私は国有鉄道法の中にいろいろ盛り込まれておる、かように考えるわけです。同時に、これはどの程度の、たとえば借入金をするについての経済的環境をどうするとか、借入金の基礎をどうするかというのは、これは経済的な問題です。しかし国鉄は必要な資金を調達する方法、あるいはその予算をいかに運営していくか、あるいは事業の収支をいかにやっていくかということについて企業的なことをやり得る法律的基礎は私はこの法律の中に盛り込まれておると、かように考えます。

大和与一日本社会党

○大和与一君 こまかいことは別として、たとえば人の問題であったら国鉄総裁の権限、税の問題だったら財政的措置、これは当然やはり今おっしゃる中に盛り込まれておると思うのですが、そうすると、その後の経過を見れば、まるっきりなっていなくて、一つも思うように動いていないということになると思う。これはあなたその当時提案の内容にちゃんと書いてあるのです。「十分時間的に詳細研究を遂げるひまもなかったので内容はほとんど国の機関と大差ないものになって、公共企業体としての本来の内容を完備しているとは言われない」、こんなことを言っておる、当時の提案の国務大臣が。そうすると一体立法したときの本旨というものがどこにあるか。ほんとうに企業体にするためには企業体としての健全な経営ができるというところまで当然僕は考えてやっていいと思うのですが、その点をお尋ねしているのです。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) 今御引用になったことは、あるいは二十三年の第三回国会に日本国有鉄道法が提案されたときの提案の理由かと思います。このときは、まあ御承知だと思いますが、いろいろ当時は占領下でもございまして、今の企業的な経営につきまして非常な強い実は制約があったわけでございまして、当時は、実は私は立案にも参与しておりますからよく記憶しておりますが、会計法規等も、さしあたり、いわゆる国の特別会計法をそのまま使うというような形で実は発足することになっておりました。しかし、これは当然にそのときの法案でも予定されておりましたが、企業会計的な経営の基礎を将来作るんだということは、その法案にも入っておった。それが翌年の二十四年に至りましてできております。その後年々そういうまた改正が行なわれまして、その今の三十九条のような規定も入りまして、企業の経営性と申しますか、経営的にうまくやっていけるような弾力ある予算を作れるような建前になっておるわけであります。それからもちろん、総裁に対しての監督権限は、これはもう私は公共性がある以上政府が監督権を持つのは当然のことだと思います。しかし、総裁がやはり総裁として、この企業の経営についての責任を持つという体制も私は法律上はできておると思います。それから、あるいは税制につきましても、今のお話で、当初すべて国税、地方税が免除されていたのに対して、後に多少——いわゆる地方税についてのことを御指摘なのかもわかりませんが、これはやはり地方税というものの性格から見まして、特別の措置がとられるということはある程度やむを得ないんだと、これは実は国鉄の企業性をそこなうものと、そういうふうには私は考えません。

大和与一日本社会党

○大和与一君 私は立法の本旨というものは、その後二十数回改正をしてよくなったと言うかもわかりませんが、それはわかるけれども、立法の本旨というものは変わるべきでないと思うのですよ。しかしそれを、当時はやっぱり占領軍なんかおって、政府も自主性がなくて、そっちの方から押えられたから、立法の本旨すら、ほんとうはまっすぐに企業体としてやっていこうという見通しがなくて、そうしてやっちゃったということになるのか、大体そういう一体言い方をしていいのか、そうするとその後二十数回変えたから今ではいいとおっしゃるのですか、それはどうですか。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) これは実は一番最初の法案をごらんになっても私はわかると思いますが、主として当初の法案で問題がございましたのは、この財政あるいは予算関係の問題だったと思います。これにつきましては、当時の特殊の事情で、さしあたりは特別会計法をそのまま使わなくちゃいけないという事情があったわけでございます。これにつきましても、当時の法案にはうたってあったはずでございまして、これは当然に会計的な基準を作って、それによるんだと、しかしそれができるまでの間は暫定的にやむを得ないから、国の当時の特別会計法規等によるんだということを明らかにしてあったはずでございます。その後経営関係、財政関係の条項も、たしか翌年だったと思いますが、できております。当初から何でもかんでも企業体を作ったというものでは私はなかろうかと思います。当然独立採算といいますか、企業性を発揮させる基礎は考えられておったと、かように考えます。

大和与一日本社会党

○大和与一君 私は立法の本旨というものは変わるべきじゃないと思うのですが、ちょっとそれは議論になりますからやめて、しかし、ほんとうは労働関係問題の、いい言葉でいえば調整工合ですね、これをするためにこの法律を作ったのであって、何もほんとうは公共企業体にしたいのではなくて、そういうことが本旨だったと思うのですが、そういうふうに考えていいのですか。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) これはいろいろの当時の事情について見方もございますが、必ずしもそう一本に見るべきでもないと私は思います。やはり国有鉄道あるいは専売等につきましては、特に専売だったと思いますが、いわゆる公社的なものを作ろうという動きは当然日本側にも当時はあったわけであります。それと、一方の労働関係のマッカーサー書簡というものがかみ合わさって、その機運が非常に促進されたということでなかったかと私は考えております。

大和与一日本社会党

○大和与一君 もう一つ、これは企業体になったのですから、何といっても公正性は無視できないけれども、やはり企業体として全力を尽くして独立採算ができるように、当事者もしなくてはならないし、また、立法の本旨もやはりそこにある、こういうふうに考えてよろしいですか。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) これはやはり独立の法人にした以上は、企業的な経営ができる、あるいは能率的運営ができるということが実は建前であります。同町に公共性は無視できないわけでございますが、従って、法律的なワクと申しますか、ワクを作る上においても、それに正面から矛盾するようなものを法律のワクとしてかけるべきではない、さように考えるわけでございます。

大和与一日本社会党

○大和与一君 それじゃ総裁にお尋ねしますが、この前いろいろな質問の中で、別当五分左右というような言い方ばなさらなかったのですが、公共性を強く主張しておられたように思うのですが、私はやはり企業体として独立採算性が必ずできるように全力を尽くさなければいかぬと思いますが、その場合に、総裁として現在どうしてもやりにくい、なかなかうまくいかぬ、赤字であるという点が幾つかあるわけですが、それをもう一度お尋ねをしたいと思います。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) これは御承知のように赤字になっているところが約八割ございます。二割が黒字になっている、こういうことになっております。さればといって、この赤字の路線がなければ黒字がこれだけ上がるかというと、そうは上がらない。赤字の路線から黒字の路線へ旅客貨物が流れ込んでくる。あるいは黒字の路線から赤字の路線へ流れていくというようなことがあるために黒字のところが黒字になっているということもあります。そういう点は、まあある程度、程度問題になるかと思います。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 法制局長官にお伺いするのですが、当面この運賃問題に関連をして問題になっている法律改正の点を二、三お伺いしたい。特に一つお願いしたいことは、いわゆる条文解釈じゃなくて、その法律の精神についてお聞かせ願いたいと思う。  その第一点は、今現在国鉄というものが公共性と企業性というものの間にはさまって、非常にジレンマに陥っているような格好になっているのです。そうしてその根源になっている日本国有鉄道法の第一条に、「国が国有鉄道事業特別会計をもって経営している鉄道事業その他一切の事業を経営し、能率的な運営により、これを発展せしめ、」となっておりますが、この能率的な運営という意味ですね、精神ですね。これはどうもきのうからの当局並びに大臣等の発言を聞いておりますると、営利事業的な解釈なり、あるいはまた、そういう意図をたぶんにお持ちになっているようでありますけれども、ここでいう日本国有鉄道の能率的運営というものはどういう精神をいっているのか、これを一つ伺いたい。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) これは、結局この法律の立法趣旨から申せば、結局そこの一条にもうたってございますように、従来特別会計でやっておりましたことを、実は独立の法人として経営させようというわけでございます。独立の法人として経営させるということは、当然にこれは独立採算ということが予定だと思うのであります。そうでなければ、特別会計のままで実はよかったのでありますけれども、独立させるということは、やはり当然にそこに企業性と申しますか、独立採算ということが前提であると思います。そういうことを表わす一つの趣旨として能率的運営——これは国の企業であっても非能率であっていいということはもちろんないわけでございますが、より一そうその考え方を、企業体になったことについては、能率の増進をはからなければいけないということを強調する趣旨で考えたものでございます。しかし、同時に、一方で、公共性というものが非常にあるので、その点も考えなくちゃいけないということも同時にうたってあるわけでございますが、やはり、独立の法人なり、企業的な運営がなされなければならないという趣旨が含まれておると思います。しかし、あとで入ってきたのでございますが、第三十九条には、予算は企業の経営性を発揮するように作らなくちゃならぬという趣旨が入っております。そういうことと相待って解釈すべきものと、かように考えております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 なるほど、国有鉄道法の中で「企業的」という字句の入っておるのは三十九条だけなんですね。この三十九条をじっくり読んでみますというと、予算の公正運用の形をここで規定したものであって、当然これは、国鉄というものは、貨物にしろ旅客にしろ増減があるわけなんですよ。ですから企業的な様相はあるのですね、国鉄は、いわゆる一般官庁と違って。ですから、企業的な様相があるから、予算もあるいは会計の組み方も企業的なものにしなければならない。これはそうでないというと実情に合わないと思うのですよ。ですから、私の問題にしているのは、確かに能率的でなければならぬということは、これはもう否定しませんが、能率的という意味が、一般の私企業における能率的というのは、いわゆる最小の費用をもって最大の利潤を生むという、そういうふうに考えられていると私は思うのですよ。ところが、国鉄の場合は、言うところの能率というものは、いわゆる利潤を生むための能率という、そういうものではないと思うのです、国鉄の場合には。国鉄というものは、いわゆる公共のサービス、総裁の言葉で言うならば、公共に対して最大のサービスをすることだ、こうおっしゃる。ですから、私は、それは利潤を生むためのサービスではない。利潤を生むための能率ではないと、私は思うのですよ。いわゆる公共性を百パーセント発揮できるのだ、こういう意味の能率だと思うのですが、その点の解釈はどうなんですか。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) もちろん純然たる私営事業と違いますから、いわゆる利潤追求という建前のものでないことは、これは当然だと思います。しかし、それなら損をしてもいいかということになりますと、そうではない。やはり企業体として、独立の企業体として、法人としてやっていく以上は、これはやはりそこで収支償うようにやっていくというのが私は雄前だと思います。そういう収支償うという建前において、たまたまある年度において利益が出、あるいは、ある年度において、たまたまいろいろな不測の事態で損失が出るということは、これはあり得ますけれども、建前は、やはりその公共性を発揮するためには幾ら赤を出してもいいのだというような性質のものではないことは、これは当然だと思うのでございます。これはやはり独立の法人として、独立の企業体として経営さしていく以上は、少なくとも収支は償って、あるいは年々の、何と申しますか、国鉄の事業更新事業の近代化と申しますか、事業の何と申しますか、経営が維持できる程度の少なくとも利益をあげていかなければいけないというのが、私はやはり企業性という——独立の企業になっている以上は、そういうことではないかと私は思うわけでございまして、そういうことを実現するために、運営も能率的にしていかなければならない、かようなことではないかと思うわけでございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 だんだんわかってきたような気がするのですけれども、これは確かに国の事業でありますから、の事業であるがゆえに赤字を出してもいいのだ、あるいは野放図な経営をしてもいいのだとは考えられない。むしろそういうことはいけないと思う。今の御答弁で、公共企業体としての、企業体としての運営を維持できる程度の利益をあげなければならぬ。これは利益じゃないと思うのです。そういう収益をあげなければならぬと思うのですね、収入を。利益というものは、そういうものじゃないと私は思う。ですから、いわゆる原価主義というようなこともおっしゃっておりますから、これはやはり国鉄の企業体としての運営のできる程度の収益を得る。これは、いわゆる私は適正運賃だと思うのですよ。適正運賃だと思う。ところが、どうも最近の考え方が、もっといわゆる純然たる企業的な考え方が非常に強くなって、いや、多角経営だ、何だかんだというようなことまで飛び出している。言うところの利潤を生むという、こういう積極的な利潤追求の面に、どうも思想的な移行があるような気がするのです。ですから、この立法当時の能率的な運営ということも、そういう工合に解釈されていくというと、これは国鉄の性格というものは一変してくるのじゃないか。きのうも言ったんですけれども、そういうような、ほんとうに企業的な、あるいは営利事業的な性格が維持されるとすれば、極端に言うならば、人的構成も変えなければいかぬのじゃないか。極端に言うならば、法学者と技術者だけの経営ではいかぬから、経営畑の人材も要るのじゃないかというような気がします。ですから、私はこの能率的な運営というのは、あくまでも企業体でありますから、企業体を運営するに必要な収益を得るようにするのはあたりまえだと思う。それは能率じゃないと思う。能率的の経営というのは、運営というのは、そういう収益もさることながら、やはり公共のためのサービス、奉仕ですね、これをよりょく、むだなくできるように、こういうふうにしなければならぬと私は思うのですがね。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) 建前は、抽象的に申せば、おっしゃるごとくだと思います。結局しかし、国鉄は一つの企業体である以上は、その設備の更新あるいは設備を輸送状況にマッチさせるように、それをある程度改良整備していくものも、これはやはり原則としては自分で生み出していくということが建前であると思うのでございまして、それに足るだけの収益をあげることがやはり必要だと思うわけであります。そういう意味において、それ以上の、いわゆる普通の私企業のように、幾らでも利潤をあげて、それを配当するという問題でないことは、これはお話の通りでございます。しかし、自分が企業体としての経営を維持するというのはともかく、今のままでじっとしていていいことじゃなく、輸送もふえて、設備も古くなります。そういうものがやはり適切に更新でき、あるいは改良できるだけのものを生み出していくということが私は必要じゃないかと思うわけでございます。しかし、公共的性格はもちろんあるわけでございますから、これは法律でもごらんになります通り、関連事業の投資とか何とかいうことは、もちろん普通の会社とは違って制限されております。役員の構成も、いろいろ公共的な性格が入っておるわけであります。そういうことも両方かみ合わせて私はできておるものと考えます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 どうも総裁のきのうのお話あるいは大臣のお話、少しニュアンスが違うところがあると思うのですけれども、たとえば、この設備の更新等は当然しなければならぬ。更新は、これはやはり企業体の維持の中に入るのですね。企業体の維持の中に入るのですよ。しかし今度は、たとえば東海道新線を建設するとか、あるいはそういう方面に広がってくるというと、これは企業体の維持に必要なるべき経費ということになるのかどうか。そういう、いわゆる設備の更新というものを非常に拡大解釈して、新線建設あるいはその他の新しい企画に対する費用まで運賃収入でもって生み出すと、そういう工合になっても差しつかえないのですか、これは。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) その点はさっきもちょっと申し上げたつもりでございますが、いわゆる設備の更新はもとより、輸送状況、つまり国鉄というのは、国民の旅客、あるいは国民的な国家的な貨物を輸送する責任を持っておるわけでありますから、そういうものの増大に伴って、それに見合うように設備を改良整備していく実際責務が当然あると思います。そういうことに使う資金も、独立の企業体である以上は、やはり自分で生み出していくというのが建前だと私は思います。しかし、御承知の通り、新線建設等で非常に負担になるというものについては、一部国が当然利子補給をする、それはもちろん場合によっては考えられるわけでございまして、それを一切いけないというものではございませんが、建前としては、やはり設備の純然たる更新のみならず、ある程度そういうふうな現在の輸送状況にマッチする設備の改良、増設といいますか、こういうものを、やはり企業体である以上は原則としては自分でまかなっていく。しかしどうしても採算が合わないというようなものについて、場合によって、たとえば今回とられたような措置をとること、これはもちろん、しかしその企業性と矛盾するものではないと思います。本則はやはり企業体としてみずからやっていくのが建前じゃないかと思います。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 どうもすっきりしないのですがね。先ほどおっしゃった企業体としての運営に必要なる経費というものを、これを生み出すのは当然である。それからさらに進んで、その企業体としての運営を維持するというものは、これは今の設備の更新等もむろんあるでしょうが、そのほかにさらに東海道新線建設とか、あるいはその他のものを拡張する設備の費用、こういうものをまかなってもいいのかということになると、一体適正運賃というものは、どういうものを基準にして作り出すか。たとえば普通の経営上の設備を更新する費用は、これはいいとしまして、いわゆる国鉄が企業運営に赤字になる、だから運賃値上げしなければならぬというのは、これはまた適正運賃という原則からいって、これはいいと思うのです。そうじゃなくて、たとえば黒字を出しているのだから、新線建設については、あれもやりたい、これもやりたい、だから運賃値上げをするのだということになると、一体適正運賃の基準というものは何だ、こうなってくるのですね。ですから私は法第一条の「能率的な運営」というものに疑問を持ち出したわけなんです。これが基本的な意味の能率という解釈で参りますというと、これは運賃というものが、いわゆる私企業における運賃、あるいはまた何といいますか、一般物価というようないろいろな広い意味の内容を持つことになると思うのです。あくまでも公共企業体の運賃というものは、これは先ほどおっしゃったように、企業体の維持運営に必要な経費、収入というものを適正運賃の基準にしなければならぬと思うのですね。ですから、こういうことから能率的運営という、その能率的運営という解釈が、いろいろ現在においては拡大解釈されておるというふうに思うのでお尋ねしておるわけです。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) これは結局運賃は、まあ一種の使用料と申しますか、使用の対価、結局国鉄というもののサービスを利用する者が、その使用に対して払う、性質は本来税金じゃないわけでございますから、従ってやはり国鉄としても、必要な経営をやっていく金は、まずそれを利用する者が払うというのが、これが建前であります。従いまして、国鉄として全体的に考えて、国鉄の使命を達っする上に必要な金としてこれだけ要る。まあ借入金等ももちろんありますが、借入金の利子等を払うために、あるいはどうしても借入金そのものでまかなえない範囲をまかなうために、これだけどうしても金が要るという場合に、それを私はやはり国鉄というものを利用する者が払うというのが、これはやはり運賃というものの建前からいえば、運賃というものは税金じゃないわけでございますから、利用者が払うというのは、まず第一の建前です。しかしまあ運賃というものは、建前からいえば、国鉄の運賃というものは非常に独占的な性格もございますし、あるいは公共的な面もないわけじゃございませんから、国有鉄道運賃法の第一条で一つの原則を掲げてあるわけでございますから、そういうような配慮ももちろん必要であるだけに、これは法律になっておるわけで、あるいは財政法三条等の関係もございまして、単なる私契約、私契約と申しますか、利用契約にまかせずに、今のような法律ができておるわけです。本来の性質からいえば、利用する者と利用させる者の間の個人的と申しますか、そういう私契約的な関係できまるべき本来の性格を持っておるわけであります。しかしそれが多少公共的な性格もあり、独占的な性格もあるので、国有鉄道運賃法というものができておる、かようなことでございまして、本来はやはり国鉄としてこれだけの金が要り、どうしても金が要るとすれば、まずそれは利用者が払うというのが本来の建前じゃないか、かように考えます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 長官、それは利用者が払うのはこれはあたりまえのことですよ。汽車にただ乗せろというわけじゃないのですよ。ですから払う限度ですよ。利用者に負担させる限度が問題なんです。しかも国鉄はこれだけ金が要るという根拠が問題なんです。今度の運賃値上げの理由の中に、東海道新線を建設しなければならないという理由があるのですよ。そういうものをやはり利用者は負担しなければならぬかということになってきますね。ですから、一体利用者が負担をすること、あるいは国鉄の金の要るという限度ですね、中身、これが問題なんですよ。ですから、総裁は、能率的な運営によって、最終目的は公共の福祉を増進するのが目的だと、こう言うのです。これはその通りなんです。その通りなんですけれども、その過程において、能率的運営というものの解釈というものが問題になって、いわゆるそれがためには、大きく解釈して、能率的運営によって、たくさんの収益を得、より多くの利潤を得て、そうしてこれをもってより多くの建設をして、それで公共の福祉にするのだ。であるから、東海道新線ができればみんなよくなるからいいじゃないか、運賃値上げしてもいいじゃないかというような理論展開をするわけですよ。しかし、それは私は、公共の福祉を増進することを目的とする、このための能率増進ということは、収益というもの、いわゆる何といいますか、営利的な能率的な運営、こういう意味とは全然違った意味だと思うのですね。この公共企業体に関する限りは。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) やはり国鉄としていかなる範囲において輸送の増強あるいは輸送力を確保する、サービスを確保する、そういう義務があるかということも、実は認識の問題から出発すべき問題でありまして、単に事業を拡張してもうければいいものではもちろんないわけでありますが、しかしやはり、国の幹線の鉄道を経営している以上は、今後の輸送見通しに応じた計画を立てて、それが混乱を生じないような輸送を確保するだけの責務は、国鉄当局は当然負っているものと思っておるわけであります。従いまして、その計画が大き過ぎるか過ぎないか、もちろんこの予算とか何とかということで、これは国会の御批判もあり、あるいは世間の批判もあることと思いますけれども、しかし国鉄当局としては、もちろん、これが必要なりと考えてやっておられるわけでございます。また、政府もその予算を出しておるわけであります。そういう範囲においては、これは国鉄の使命に反するものにあらず、こういう考え方で出発しておるわけであります。その前提に対するお疑いがあれば、いろいろ議論はまた別でございますけれども、これは私は国鉄は決して要らないことをやっておるものではないと、かように考えるわけであります。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 なかなかややこしいものの言い回しで、一体どこがポイントであるか、なかなかつかみにくいと思います。私はずっとこの当局者等の言葉の端々を勘案しますと、能率的運営というものは、いわゆる公共サービスもさることながら、それ以前に収益をあげるということが先行するような気がして仕方がないのですよ。国鉄さんあたりで、経営の大眼目は、赤字線をいかにして黒字にするかというのが眼目だというような発言もあったように記憶しておりますが、そうなってくると、そういうものが能率的な運営だということになってくると、これは私はやはり私企業と選ぶところがないのじゃないか、あるいはまた最近聞けば、この乗合自動車の方にも免許申請をして民間の分野にも入っていこう、それで競争しようという、そういう資金はどんどん出てくる。自分のものは自分でまかなえという、独算制の中では、前から仕方がないじゃないかと、こうなれば、これは私企業と何ら選ぶところがない。ただ株式配当しなくてもいい、税金を納めなくてもいいということになるのですね。ですから、そういうあり方でいいのかどうか、そうなってくれば、赤字線なんか問題になりますけれども、収益をあげることが第一眼目であれば、赤字線なんというものは、どんなことがあっても敷かないということになると思うのです。ですから赤字線、黒字線なんという個々の問題でなくて、国鉄全体がどうだという問題ですから、個々の線を問題にすべきものでないと思うのです。要は精神は、能率的運営というものが、どうも最近利潤について収益をあげるということが、公共のサービスに先行するという工合に考えられて仕方がないのですよ。ですからして、答弁としては、むろん公共性は第一でございますけれども、企業性をないがしろにするわけにいきません。この調和は非常にむずかしゅうございますけれども、これを調和しまして云々と、こういう答弁はきまっておる。一見矛盾があるようでありますという発言がありましたけれども、一見どころじゃない、矛盾があるのですよ。この能率的な運営ということが問題になるのであって、私はこれはあくまでも公共のサービスというのが先行するのであって、この利潤追求というものは、それに付随して起こる従属的なものだというふうに私は考えるのですね。いわゆる公共のサービスをするがために必要なる収益、いわゆる適正運賃ですね。こういう考え方を持っておりますよ。ですから、どうもその辺があなたのおっしゃる企業体としての運営を維持するのに必要な収益、まあこういう解釈は、私はいいと思う。企業体としての運営をする必要な収益を得る、これはもういいと思うのですよ。これをただ企業体の運営をするに必要な収益という、そいつを拡大解釈するというと際限がないのです。際限がない。それじゃ企業体を運営するに必要なために、いわゆる民間企業との競争もやるし、あるいは合併もやると、こういうところにまで私は発展してくるのじゃないかと思う。ですから、これは私少し間違いじゃないかというような気もするのですね。ですから収益関係については、今おっしゃった公共企業体としての運営を維持するのに必要な経費を得ると収益に関する限りはそれでいいと思う。あとは、能率的運営というのは、いわゆるむだな経費を省いて、そうして能率的に公共にサービスするような、そういう機能を発揮する、こういうことで私はいいと思うのです。これは、そういう点についてはいかがですか。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) 国鉄の業務の内容は、法律に明確に書いてあります。これをある意味で独占的にやる地位を持っておりますが、またその責務もあるわけです。こういうことをやることが、公共の福祉にもちろん合致するわけでございますから、そういうことを支障なくやっていくに必要な、何と申しますか、資金は、これは確保しなければならないわけであります。あるいはそのためには、要するに事業も、独立の事業体でございますから、一々国の御厄介になるというようなことでなくて、要するに独立採算でもって、そういう国鉄が責務を持っている事業を円滑にできるだけの収益は、能率的運営によってあげていくという建前だと思います。先ほど申しましたように、そういう意味の国鉄の責務を果たすための必要な経費と申しますか、あるいは資金と申しますか、そういうものを確保するに必要な範囲のものは、みずからがまかなっていくというのが建前です。まあその範囲の考え方については、私は具体的ないろいろ広い狭いも出てくる可能性があり、また、御意見もあるかと思います。しかし、その建前は抽象的に言えばそういうことだと思う。国鉄当局としても抽象的にはそういう考えだろうと思うわけでございまして、決して一般の私企業並みのお考えでおられるわけではないと思うわけでございます。やはり公共的な性格を確保するために、必要な金は、しかし独立企業体である以上は自分でまかなうという建前をとられるのは、これは当然なことだと思う。法律の建前もそうだと思うわけであります。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 言葉の端をとるようですけれども、これはあなた法律家だから、いろいろと非常に重大な意味があると思うのですが、今の答弁ですね、能率的な運営によって利潤をあげると、こうおっしゃいますがね、いかがですか。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) やはり、要するに国鉄は、法律によって与えられた責務を果たすために必要な——果たすことは、これは国鉄の責務でございます。そのために、これは独立の法人でございますから、その必要な資金とか経費というのはみずからがまかなっていくというのが建前でございます。で、そういったものをいかにうまくまかなっていくかについては、能率的な経営をやっていくと、こういうことじゃないかと思うのです。そういう意味で申し上げたわけです。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 どうもちょっと私納得できないところがあるのだが、あなた法律家だから、あなたが、法律はこうだと言われればそれまでのものですけれども、能率的な運営によって与えられた使命を能率的に達成すると、こうだと思うのですよ。いわゆる国鉄はこれこれこれこれの使命があるのだ、任務があるのだ、それを能率的にそういう使命を果たす。その能率的という意味は、いわゆる経費の節減なり、あるいは合理化なり、いろいろあるでしょう。そういうむだのないようにして、しかも最大の効果を上げるようにして、能率的に使命を達成していくという、これがために必要な収益というものは、運賃法にちゃんと原則がありますから、このために必要な収益というものは二次的に出てくるのですけれども、能率的な運営によって利潤をあげていくということになりますと、これは私企業と変わりがなくなりますから、これはですからこの辺が何度お尋ねしても、これはまあなかなかむずかしい問題であって、私これ以上申し上げませんけれども、法律の専門家のあなたが、能率的な運営というものについての解釈を慎重にしてもらわないというと、大へんなことになると私は思います。  私まだこれで納得しませんけれども、どうもやぶの中に入ってしまうような気がしますので、この辺で終わりますが、次にお伺いしたいことは、公共料金のストップということについてお伺いしたい。  これは私は冒頭申し上げたように、法律の精神をお伺いするのであって、条文はどういう解釈だということをお伺いするわけじゃない。まあ言うならば、私は法律というものは適用すべきものじゃない、運用すべきものだと思うのですよ。これはあなたに言うのは釈迦に説法みたいなものですけれども、たとえば車馬通行止と書いてあるから、だから馬と車だけで、牛やトラや象はいいかというと、そうはいかぬと私は思うのですよ。そういうようなもので、法律の精神についてお伺いしたい。  たとえば私がちょっと疑問に思うことは、公共料金というものはこれは認可料金であって、国が認可しなければならぬのですね、大臣が。運輸審議会なりその他の機関があって、いわゆる運賃料金の値上げの申請がくると、大臣はこれを運輸審議会なら運輸審議会に諮問をする、運輸審議会は審議をして答申をしなければならぬ。答申を得れば、運輸大臣はこれを実行しなければならぬ、こういう建前になるのです。そこでストップをするということは、公共料金をストップをするということは、これは法律の精神からいってどういうことになるのだろうという疑問を持ったわけなんですよ。たとえば、今言ったように、国鉄でも経営に必要な適正料金というものを、たとえば今度の運賃値上げでも、これだけ値上げしなければ国鉄の運営というものが、企業体の運営が維持できないという、こういうことになって運賃値上げを申請してこられるわけです。国会で今審議しておるところが、地方の鉄道、軌道あるいはバス、トラック等においても、これは公共企業体、公益事業体として国が免許しておるものです。この免許しておるものが、公益事業としての運営上、これこれの運賃料金を値上げしてもらわないというと企業体の維持ができない、こういう趣旨のもとに申請をしてこられる。これは国鉄の運賃と同じようにやはり運輸大臣がその内容を検討して、そうして運輸審議会に諮り、審議会の答申を待って、それを尊重してこれを行なうというのですが、これを一方的に政治的にストップをするということは、法律の精神から見てどういうことになるのか。私は運賃値上げ賛成の考えから言っているわけじゃなくて、法律の建前はどうなるのだということをお伺いするだけなんです。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) 先般の閣議了解されました、いわゆる世間に出たものとしては、公共料金のストップという言葉で出ておるわけでございます。これはあくまでも、もちろん行政措置でございまして、別に法律を変更するような効力のあるものでないことは当然でございます。従って、これは要するに政府としていわゆる行政的措置、いわゆる行政的裁量によって行ない得る範囲のことについて、こういう措置をとるという方針を了解したということでございます。また、地方公共団体等に対しても、これを行政的に働らかせると、こういうことでございまして、もちろん、これは法律的効力という問題はないわけでございまして、今おっしゃった、いろいろな法律に基づいていろいろの運賃の決定方法がございますが、そういうことも決定の手続面におきまして、あるいは事前のいろいろな面におきまして、行政的に裁量を入れ得る余地もございますし、あるいは行政的指導をやり得る余地もあるわけでございます。そういう面の方針をきめたものでございまして、に、たとえば法律上認可すべきものを認可しない、そういうことではないわけでございまして、要するに行政的指導あるいは行政的裁量で行ない得る範囲のものについてこういう措置をとると、こういうことだと私は了解いたします。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 むろんその通りですね、むろんその通りであるが、たとえば運輸省設置法の中に、運輸審議会の方につきましても、運輸大臣はこれこれをせんとするときにはこうしなければならぬ。——せんとしなければいいわけなんです。せんとしなければ、やらぬでも違反ではない。法律違反ではないが、私の聞いておるのは、法の精神を聞いておる、建前です。つまり政府の認可、許可、免許を必要とするものについて、その必要があるということでもって運賃の改正を申請してくる。改正の陳情、申請をしてくる。こういう場合に、それが何といいますか、そういう運賃改正をしてもらわないというと、公益事業としての運営ができない。そういう建前から出てくるに違いないと思う。あるいは、そうではないかもしれませんが、審議してみないとわかりませんが、建前はそうだと思うのです。ところが、大臣の答弁の中でも、たとえ運賃改正をしなければ、企業体が維持できないものがあるとしても、個々の場合にあるとしても、現在のこの情勢下においては、これはストップして、がまんしてもらうのが建前だ、あたりまえだ、当然だという、そういう御意見があったと思うのです。法律というものは、そういう精神でいいかどうか。つまり免許、許可、認可というものは、つまり国家において規制をしておる半面において保護政策をとっておる。そういうものが、いわゆる公益企業体としての維持運営ができない、ないしは困難だ。であるから、これこれの適正運賃料金に改めてもらいたいという。これを政治的に、一方的にストップする。こういうことが、行政的には違法ではないかもしれませんが、やれるかもしれませんが、法律の精神としていかがなものだろうか、こういう疑問を持つわけです。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) 法律の運用とすれば、いろいろのそういう料金改正申請が出てきた場合には、いかなる手続をとるか、それで処置する場合に、行政的にどう処する余地があるか。たとえば違法になるかならぬかという問題があるかと思います。それ以前に、行政当局は一般の民間に協力を呼びかける、あるいは、そういう申請が出てきたものについて裁量の認められる範囲において、それをたとえば極力抑制する。こういうことは、私は法律の精神に別に反するものではない、かように考えるわけでございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 まあ法律というものは、法律家というものは、大体そういう冷淡な、冷たいような感じがするものですが、たとえば運輸審議会の場合でも、大臣がこれこれをしようとする場合には、運輸審議会に諮るということになっております。だから、しようとする場合には、と書いてあるから、しようとしなければいいじゃないかということになる。あるいは「車馬通行を禁ず」と書いてあるから、牛や象は書いてないから、牛や象は引っぱっていってもいいじゃないかということになる。ですから、ここは牛や象もトラもいかぬぞということです、精神というものは。でありますから、法律では大臣がやろうとする場合と書いてありますから、やろうとしなければ何も諮る必要はない。そういうしゃくし定木なことでは、私は政治家としては工合が悪いのではないか。法律家としてならいいかもしれませんが、政治家としては……。私は公益事業として国家が許可をして、免許をしておる。これが免許をされた者に対して、こうこうでなければ運営ができませんという、そういう申請に対して、免許した権限、権利者が、今こうだから待っていてくれ、少しぐらいつぶれてもかまわぬからがまんをしておれ、そういうことは、法律の精神とは違うと思う。一応審議はしなければならぬ。たとえば道路運送法における免許の場合には、これはほうっておくわけにはいきませんよ。申請が出て、形式が整っておれば、これを審議し、これこれの条件があれば免許しなければならない。放置するわけにはいかない。運賃の場合はそうではない。特に私鉄の場合は、軌道の場合というものは、非常に厳格なもので、運賃をこうこうしようとする場合には、届出をして、国の許可を受けなければならない、ただその一条だけです。ですから、そういうあれは、そう法解釈を、権力者が勝手に法解釈をして、そうして国有鉄道のような大きなところはいい、小さなところはがまんをしろと、そういうような精神ではないと思うのですが、これ以上お伺いしても、法律家としては同じことですか、御答弁は。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) もちろん、おっしゃるようにしようとするときはとしか書いてなければ、しなければいいのだというような形式的な解釈をすべき問題ではもちろんないと思うのです。法律の解釈は、やはり全体の立法の精神をとらえて解釈すべきものでございます。しかし、そういう解釈をもちろんすべきものでございますけれども、しかし、そういういわゆる幅の中において行政庁として、たとえばいろいろそういう申請が出てくる事前において打つべき手もございますし、あるいは申請が出てきました場合に、いろいろ審査をする心がまえもございます。そういう行政庁の心がまえとして、当分これはストップしておくのだ、そういうことを一般にも呼びかけよう、こういう精神であり、閣議了解である、かように考えております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 法律というのは、そういう工合に抜け穴ができているのです。かりにそういう国家の行政措置によって運賃値上げをストップされたがために、極端な言い方をするならば、たとえば公益事業がつぶれたとする。これは国家の行政措置によった大きな災害です。損害ですが、ところが、国家賠償法の面からいうと、違法な行為によって損害を受けた場合となっている。これは違法でないから国家は賠償しなくてもいい、これまた抜け穴ですよ。実際は国の行政措置によって犠牲になった。本来ならば国が損害賠償をすべきものです。ところが法律でいうと、違法でないということになれば、損害賠償の責任はないわけです、国家賠償法では。これも抜け穴があるのですけれども、この抜け穴によってたくさんの国民が大へんな迷惑をしている。泣き寝入りをしなければならぬ。ですから法律の解釈というものは、そういうしゃくし定木に解釈すべきものじゃない。ですから私は冒頭に言ったように運用すべきです。運用するのは政治家ですよ。政治家が悪い運用をするものだから、みんな泣かなければならぬ。ですからこれ以上は、あなたの法律家としてのお答えはその程度だと思いますから、私はやめますけれども、法律家でも、やはり法政局長官としての法律の解釈なり、あるいは精神の置きどころの解釈なりというものに対する見解は、非常に社会的に重要な影響を及ぼしますので、どうか一つ慎重に、良心的に、あまり冷たいような解釈をなさらないようにやってもらいたいと思います。

重盛壽治日本社会党

○重盛壽治君 大へん時間を気にしているようだから、要約すれば、今まで聞いていると、法政局長官の答弁も、ちょうど運輸大臣の答弁と同じで、国鉄は独立採算制でやらなければならないのだ、結論的にいうとこういう意味のようです。それから今まで聞いておった運輸大臣のもろもろの答弁の中から現われてくるものは、われわれ当然国鉄運賃の値上げ云々という問題にまで入っておらぬが、その問題に入っていく前にいろいろ聞いておると、何としても国鉄を上げてもらわなければ、輸送力の増強をはかり、そして新線計画なり、五カ年計画が遂行できないのだ。それに準じてあらゆる物価の上がることも当然だし、交通機関もそれに準じた値上げを申請してくることも、これも当然である。そういうものをどう処理する考えかという質問に対しては、これは当分の間——当分の間という言葉にもいろいろ問題があったが、当分の間は一つがまんをしてもらうのだ、こういう結論であったかと私は考える。そういうことで問題が解決し得るかというと、やっぱり国鉄自身にすれば、一方において国家が何ほどかの責任を持たなければならぬ。公共性の幅広い国鉄自身すら行き詰まってきたので、運賃を値上げしたい。こんな運賃の値上げの弥縫策において五カ年計画が遂行できるとは思わぬけれども、そういう方針をとろうとしている。いわんや、私企業が全く行き詰まってきたし、運賃を値上げしなければやっていけないということが続々と出てくる。その場合に、大臣の言われるような形で、当分がまんをしてもらう、あるいはあなたのおっしゃるように、行政措置等でしてもらうとか何とかでできるようにお考えになるのか、そういう事態が当然出てきますね。これは出てこないとお考えになるのがおかしい。国鉄だけ上げて、その他のものは当分の間ストップだ、こんなばかげたことは……。しかも国家が、公共性の建前から、一体になってやっていかなければならぬ、国鉄の料金を上げたら、その他のものは上がらないということはあり得ない。そういう事態が出てきたときにはどうするか、そういうことを私も一つお聞きしておきたい。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) そういう事態が出るか出ないかの認識は、私の所管の範囲外でございまして、これは運輸大臣なり企画庁長官にお答え願うべきことと思うのでありますが、問題としては、結局、そうは言っても、たとえば値上げ申請が出た場合にどうするのだということだと思うのでありますが、それは認可申請が出た場合の取り扱いは、各官庁としては、もちろん法律の命ずるところによってやるわけでございます。しかし、法律の範囲内においても、いわゆる行政措置でいろいろ措置し得る問題があるわけでございます。こういう問題については、さきの閣議で決定した線によってやっていく、行政各省としては、閣議了解に従う義務もあるわけでございます。こういうものに従って行政措置をやり得る範囲でやる、抽象的に言えばそういうことを言う以外に出てこないと思います。

重盛壽治日本社会党

○重盛壽治君 どうも法制局長官の言うのは、大倉君の言いようじゃないが、法律の面だけから言って、かなり冷たいものの言い方をするのだけれども、実際には当然こういう形で国鉄の値上げがなされれば、そうでなくても、かなり行き詰まって、値上げの申請をしなければならないものがかなり出てくる。出てくるか出てこないか、出てこなければわからぬというようななまやさしい事態ではない。法律を作り、法律を守らしていこうというのには、こういうことが起きた場合に、事態というものはどういう方面に波及するかというようなことは、やはりお考えになっていただきたいと思いますが、それは私の責任じゃないのだということになりますれば、それはそれで終わりだけれども、従って、そういうことになれば、これはこういう問題も含めて、大蔵大臣なり、あるいは総理大臣なりに意向を聞かなければ、結論が出ないということになるから、私はこれ以上はお聞きしません。

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 速記をつけて下さい。  午後二時半まで休憩をいたします。    午後一時三十五分休憩    ————・————    午後二時五十四分開会

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) これより委員会を再開いたします。  午前に引き続き質疑を行ないます。

天埜良吉自由民主党

○天埜良吉君 今回の国有鉄道運賃法を一部改正することにつきましては、これは現在の輸送事情が非常に悪い。今後二の輸送事情を改善しなければならぬというような点から、新五カ年計画というものが策定をせられておるわけであります。この新五カ年計画について、その計画の内容等を詳しくお尋ねをいたしたいのでございますが、まずそれに先立って、現行の五カ年計画というものがございます。これが現在どういう程度に進捗をしておるのか、その点について一つ御説明をいただきたいと思います。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○説明員(吾孫子豊君) それでは現行五カ年計画の進捗状況から御説明申し上げたいと思います。  現在の五カ年計画は、昭和三十二年度からスタートをいたしたわけでございまするが、これに対して今まで資金を投入して参りました状況は、三十五年度末までの見通しを含めまして、平均して当初の計画に対して、資金の面では六七%を投入したことになっております。それからこれを項目別に見ますというと、項目によっていろいろ違っておりまして、新線建設は八四%、通勤輸送の関係は六一%、幹線輸送の関係は四五%、それから幹線電化、電車化は四七%、ディーゼル化は四八%、車両増備は五四%、取りかえ及び諸改良は一一二%というような割合になっております。  内容的に、ただいま申し上げましたのは資金の投入の状況でございまするが、これをさらに事項別にと申しますか、実態の進捗率がどうなっておるかという点を申し上げますと、これは現在の五カ年計画が、当初計画しておりました計画に比べまして、資金面において、収入が減りましたり、また予想外の支出があったりいたしました関係上、資金は、先ほど申し上げたように六七%程度しか最初の四年間で投入できなかったわけでございますが、別に実態の進捗率を見ますというと、これはさらにいろいろでございまして、たとえば車両のごときものについて見ましても、電車のようなものは四七%、また気動車のようなものは五二%というふうになっておりまするが、その他の電気機関車のごときは二六%、あるいは貨車のごときは六〇%というような、いろいろの状態になっております。全体として見ました場合に、当初の五カ年計画の三本の柱の一つでございました、戦時中、戦後の老朽荒廃した施設の取りかえ更新ということだけは、先ほど資金投入について申し上げましても一一二%になっておるということを申し上げましたが、最も危険に瀕しておったような老朽荒廃した施設の取りかえということは、ほぼ完了いたしたような次第でございます。しかし、それ以外の輸送力の増強でありますとか、あるいは近代化の投資というものは、遺憾ながら当初の計画よりもだいぶおくれたという状況でございます。

天埜良吉自由民主党

○天埜良吉君 今の説明で、全体としては六七%しかできていない、こういうようなお話でございまして、これについては非常な支出があったし、資金面の投入がままならなかったという点でございますが、その進捗率が予定通り進まなかった点を、さらにもう少し詳しくお話をいただきたいと思います。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○説明員(吾孫子豊君) 計画と実績との間に大きなずれが生じて参りました原因の一つは、ただいまも申し上げましたように、資金面の事情にあったわけでありますが、昭和三十三年度の不況のために、収入累計において、計画に対して約七十億円の収入減を生じ、また支出の方の面においては、当初考えておりませんでした仲裁裁定の実施等による人件費の膨張によりまして、支出累計で約九百七十億円の支出増を生じたのであります。この自己資金の不足の千四十億円は、そのうちの約四百億円を借入金の増加によってまかなったのでありますが、差し引き七百億円の資金不足は、結局幹線輸送力の増強とかあるいは幹線電化でありますとか、あるいはディーゼル化等の項目の実行をおくらせて、つじつまを合わせざるを得なかったようなわけでございます。  それで事項別にもう一度、計画と実行との相違を申し上げますというと、同じことを少し重複して申し上げて恐縮でございますけれども、まず線増の関係では、一千キロほどの計画であったわけでございまするが、それが三十五年度までに実現いたしましたキロ程は三百二十三・三キロ、進捗率は三二%ということになっております。それから電化計画は、千六百六十五キロの計画でございましたが、これが三十五年度末までに九百五十二・三キロでございまして、この進捗率は五七%というふうになっております。それから車両の新製につきましては、電気機関車が九百四十二両の計画でございましたのに対して、実績は二百四十八両でございまして、二六%でございます。それからディーゼル機関単は六百二十両の計画が、実績は二百二十五両でございまして、三六%でございます。それから電車は、二千九百五十両の計画に対して、実績は千三百八十三両、四七%、気動車は二千四百七両の計画に対して千二百五十九両、進捗率は五二%であります。客車が千四百五十五両の計画に対して実績は三百八十九両、二七%ということになっております。それから貨車は、三万七千両の計画に対して、実績は二万二千百五十六両、進捗率は六〇%というようになっております。このようになって参りましたおもな原因は、もともと現計画は、投資の総ワクを包括的に定めたものでございまして、個々について見ますというと、計画の目標については比較的高いところを望みながら、工事の内容と単価についてはきわめて切り詰めたものを考えていたばかりでなく、特に計画の最終の修正段階における工事費を一割圧縮して、全体計画を六千億円のワク内におさめるようにいたしたということが大きく原因いたしております。大体そういうような状況でございます。

金丸冨夫自由民主党

○金丸冨夫君 関連して。ただいま、今までの旧五カ年計画においても六七%しか完成しなかった、予想外に支出があったのだ。その内容についておもなものは、三十三年度の不況で七十億、その他仲裁裁定における人件費の増加というものがあった、こういうお話でございますが、新聞紙においてももうすでに報道されておりまするが、今回のベースアップに対する要求について、政府の方におきましては、あの仲裁裁定を受諾するという方針がきまったようでございまして、これは一体どのくらいに年額なるのか、それをお伺いしたい。  それから、これがひいては新五カ年計画に及ぼす影響がきわめて大なるものがあるだろうと思うのでありますが、国民は今あの新聞を見まして、運賃の値上げはやむを得ないとする者でも、それは電車がきれいになるとか、ふえるとか、あるいは貨車がふえて配車がうまくいくであろうとか、あるいはまた、ネックになっておる線路増設の問題、あるいは自分の地方では電化の計画に入っておるからこれはやむを得ないとか、あるいは全線にわたってディーゼル・カーを運転するからというような、国鉄の御方針というものを承知して、楽しみに実は待っておるだろうと思うのであります。ところが、今回のあの裁定が実施されるとすれば、どういうことについてこれが資金あるいは収入の両面にわたってやるお見通しなのか。もちろんまだはっきりきまってはおらないと思いまするが、御当局としては一応の胸算用というものもあるのではないか、かように考えまして、そういう点について一つお伺いしたいと思うのですが、第一、この人件費は、今回で国鉄全体でどのくらい上るのでございましょうか、それをお伺いしたいと思います。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○説明員(吾孫子豊君) 従来の慣行といたしましては、仲裁裁定しばしば出ましたが、給与については、いつも職員一本で取り扱っておったのでございますけれども、今回の裁定は、組合員のみを対象にいたして引き上げ率を示してございますので、正確な数字につきましては目下まだ検討中でございます。しかし概算で申し上げれば、組合員が約四十一万ございまして、その所要額はおおむね二百億円程度であると思います。

金丸冨夫自由民主党

○金丸冨夫君 二百億円といたしますれば、この予算に載っておりまするものについての人件費は、運輸大臣の御説明によりますというと、三十六年度の昇給及び期末、それから奨励手当等、合計二・八五カ月分を見込んでおる、こういうことでありまするから、この額が一千五百十七億円という工合になっておるようでありますが、その点からどういうことになるんでありましょうか。これは昇給の分だけがどのくらいになるか、そしてあとどういう工合にお考えか、その点を一つお聞かせ願いたいと思います。

兼松学日本国有鉄道常務理事

○説明員(兼松学君) お答え申し上げます。ただいま副総裁から申し上げましたように、精密な計算はまだできておりませんけれども、二百億円を若干こす、二百億内外という大体の目安をつけております。この額は、給与の総額と、いわゆるはね返りと申しますか、期末手当、その他全体に及ぶ額を考えたものでございます。大体そのうちで給与総額に入りますものは、約八割強が給与総額になるであろうと考えます。

金丸冨夫自由民主党

○金丸冨夫君 二・八五カ月分という三十六年度の予算に組みました昇給と、期末、奨励手当の合計は何ぼになりますか、これはおわかりですね。

兼松学日本国有鉄道常務理事

○説明員(兼松学君) 予算では、二・八五カ月分というのは、基準内の総額全体を各項目に分けて基準に組んでおりますので、その分だけを、今ちょっと正確な数字がございませんけれども、大体その金額は三百億円でございます。

金丸冨夫自由民主党

○金丸冨夫君 そうするというと、運輸大臣おいででございますからお伺いいたしたいのでありますが、かような大きい二百億円内外というものが新たに加わって参りまするので、自然今度の運賃値上げ総額四百八十億円というようなものの、半分まではいかないまでも、四割何分というようなものが消えてなくなるようなことになるのですが、これに対する政府の御方針はどういう工合に処置されるという御気持でいられますか、この点を一つお伺いしておきたいと思います。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) 御承知の通り、三月の二十七日に公労委から国鉄職員のベース・アップについて、一月一日現在の賃金の一割引き上げを四月一日から実施することを内容とする仲裁裁定が出ました。政府におきましては、これを尊重して実施することにいたしましたので、私どもといたしましては、これは初めから三十六年度予算には見込んでおりませんでしたが、今回の仲裁裁定による人件費の増額というものをどうするかということは、一方におきましては、国鉄に対して経営合理化をさらに徹底させて、新五カ年計画にはいささかの支障も生じさせないようにいたしたいということで、いろいろ今検討中であるのでございます。具体的にお返事することはただいまできませんけれども、この財源等はいろいろと検討を今いたしておるところでございます。

金丸冨夫自由民主党

○金丸冨夫君 御検討はまことにけっこうでありますが、大体二十億とか三十億ないし五十億程度のものでしたら、あるいは国鉄の収入面における見込みの変化とか、あるいはまた合理化等によってこれは捻出でき得ると思うのですけれども、二百億円、ほとんど今度の運賃値上げの半分にも達しようというものが、今回のスト解決の方策としてとられました以上、政府がこれをただ国鉄に片づけろというようなことをされることは、もちろんないと思いますし、それについては政府が何らかの措置をやられるということは、これは間違いないと思うのでありまするが、この点はいかがでございましょう。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) ただいま国鉄の方からもお答えを申し上げましたように、所要資金は約二百億円くらいでございまして、それに対しまする財源措置につきましては、いろいろ目下検討中でございます。それで新五カ年計画には絶対に影響させないという運輸省としては決意を持っておりますわけでございます。今これに所要する資金をどういうふうに捻出するかということは、いろいろ検討中でございまして、今これをどういうふうにいたすということをはっきりと申し上げることはできないことを非常に残念に思いまするけれども、今所要財源をどうするかということを大いに検討いたしているわけでございます。それで御質問の新五カ年計画に対しましては、こういうことが影響して、第一次五カ年計画のときにあったようなことのないようにはさせたいという決意を、運輸省としてはかたく固めておる次第でございます。

金丸冨夫自由民主党

○金丸冨夫君 今御検討中だという言葉を伺いました。御検討ということは、結局何らかの措置を政府としてはやるということに了解し得ると思うのでありますが、あえてそれ以上のことは私は追及いたしません。それを前提として、新五カ年については影響がない、こういう工合に了解して差しつかえないのでございますか。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) 繰り返して申し上げますが、所要財源につきましては、目下検討中でございます。御心配になりました新しい五カ年計画については、このことによって影響のないようにさせたいという決意を持っておる次第でございます。

金丸冨夫自由民主党

○金丸冨夫君 国鉄の御当局にお伺いしたいんですが、私どもの考えでは、おそらく先ほど、初めには、運輸大臣は、合理化その他によって新五カ年計画には影響はさせない。こういうお話でございましたから、取りようによれば、結局国鉄の経営においてこれにまあ相当するというか、そういうものも実際においてつじつまを合わせ得るというようなお見込みのような言葉もございますのでお伺いしたわけでございまするが、国鉄といたしましては、予算には予備費というものもやはり八十億ほど計上いたしておるようでありまするし、さらにまた、委託工事費とか業務の委託費とかそれから修繕費、動力費、あらゆるものが支出の面に設けてある。こういうものをかりにどのくらい使えるか、そういうお見込みと、それから輸送量の面において旅客は七・五%増を見込み、また貨物輸送には八・六%という相当の予想数量を計上いたしておりますので、こういう面におきましては、おそらく収入の面においては、現状のような景気がかりに続くといたしましても、二百億またはそれの半額に近いようなものが出るとは考えられないのでありまするが、こういう点においてのお考えはどうお見込みになっておりましょうか、お伺いしたいと思います。

兼松学日本国有鉄道常務理事

○説明員(兼松学君) 国鉄といたしましては、財源的には今大臣の御方針に沿うようにいろいろ検討はいたしておりますけれども、大へん苦しい実情であることは事実でございます。で、収入の方は先生からお話もございました通り、多く見積もることは見込みとしては非常に無理があるものと考えております。  それから経費の方では私どもといたしまして単年度の処理ということで、長期間ではできませんけれども、三十六年度の予算も、経営的には非常に問題がございますけれども、予算という見地から申しますならば、さしあたり御指摘の予備費というようなものと、あるいは退職金の一部を流用するというようなことが考えられる方法でございまして、これでなかなか大臣の御方針に沿えるかどうか今苦慮して検討している次第でございます。

金丸冨夫自由民主党

○金丸冨夫君 これは結局まあ私も考えまするに、政府の新しいこれに対する対策として御検討中とある問題も、私の考えでは結局資金手当の方法を考えるということになるのじゃないかと思うわけですが、それが何がしになるかという問題は別としまして、さようなことになるとすれば、国鉄関係のほかのいわゆる支出の面においてまだはっきりお伺いしてない点があるわけでありまするが、たとえば東海道新幹線につきまして今年は三年目を迎えておるのだから、前年度より二百三十三億円を増額して四百四十億円をつぎ込むと、またそれだけの工事をやるんだということを御説明いただいておりまするが、このうちには世界銀行よりの借り入れというような問題を予算委員会で伺っておるわけですが、これはまだその御決定というようなことについて一向伺っておりませんが、あるいはそういうことがおきまりになりましたか。もしおきまりにならないとすればこの方面のある程度の進捗ができないということになれば、予備費等と組み合わせてお考え、御処置になることもあながちできないことではないとこう思うわけですが、それはいかがですか。

兼松学日本国有鉄道常務理事

○説明員(兼松学君) 東海道の新幹線は全額借入金で——社債ないし世銀の借り入れと公社債その他でやることになっておりますので、これを給与の財源に振り向けるということはできないものと考えております。全額借入金でございまして、できないものと考えております。  それからお尋ねのございました世銀の交渉は、この一月から二月にかけまして約一カ月の間に二十回ほど両方で会談いたしまして、条件の大体は、政府の申し込み一億ドルに対して向こうが受け入れるのは八千万ドルである。それから期限は二十年というようなその他細密の大体の原則はもう協定されておりますが、調印は電電債の発行の模様と見合ってやるということで、過日ナップ副総裁が大蔵大臣にお会いいたしましたときには、おそくも一、二カ月のうちにと言っておりますので、その方の進捗状況もございますが、今から一、二カ月のうちには調印に至るものと考えておりますので、これは資金として考えておりますが、この方はあくまで建設の財源であります。

金丸冨夫自由民主党

○金丸冨夫君 そういうことになれば、結局政府が新たにこれに対する手当を講じない限り、私の考えでは結局五カ年計画に影響はないが、先に押しやるというような形になって、初年度と計画を立てておるものが、これは自然年送りというようなことに相なると思いまするが、そういうことについて政府といたしまして十分御了承の上に、一つ力強くこの措置について御配慮を賜わりたいとかように考えるわけであります。なおこれはお答えは要りません。  最後に一つお伺いいたしたいのでありまするが、この収入の面において先ほど申し上げましたように、旅客輸送については七・五%それから貨物については八・六%増ということで、四月から見込んでおるわけでございまするが、これに対して本年に入ってからの一月、二月及び三月の見込みとして大体何パーセント旅客、貨物等いずれも収入が実際として上っておるか、一月、二月の実績並びに三月のお見込み、これをお伺いしたいと思うのですが。

兼松学日本国有鉄道常務理事

○説明員(兼松学君) 最近の見込みでは予算に対しまして二百二十六億の増加で、大体年度としましては収支とんとんにいくという最近の見込みでございます。

金丸冨夫自由民主党

○金丸冨夫君 今の二百二十六億収支とんとんということは七・五%と八・六%というお見込みの線としてはどうなっておるのでしょうか。つまり今の状況で参りまして四月以降は七・五%、それは月々違いましょうが、八・六%三十六年度には上がり得るお見込みがあるのかどうか、ことしに入りましてからの、実績と比べてどんなものになっておるかそれをお伺いいたします。

兼松学日本国有鉄道常務理事

○説明員(兼松学君) 最近の実績から判定いたしまして、大体経済界が現在のままでございますならば、予算の収入はほぼ確保できるものという見当でございます。

金丸冨夫自由民主党

○金丸冨夫君 ありがとうございました。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 関連してお尋ねするのですけれども、先ほど金丸委員の質問に対しまして、大臣は新五カ年計画には影響がないようにする、こういうような御答弁がありましたが、さよう確認して差しつかえございませんか。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) 先ほど金丸委員にお答えした通りでございまして、所要財源につきましては目下いろいろ検討を加えておる次第でございますが、これがために新しい五カ年計画に影響を及ぼすことのないようにいたしたい、という決意をもって考えておるわけでございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 新聞に発表されておる官房長官淡によりますと、新五カ年計画には若干の修正を必要とすると、こういう談話があるのですけれども、これと食い違っておるように思うのですけど、そうしますと、政府の方でだいぶ資金関係についてはめんどうを見ると、こういうことに解釈して差しつかえありませんか。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) 私の方の新聞発表ではないのでございますが、官房長官が何か、新聞にそういうようなお話をしたようなことも聞いたのでございますが、運輸省といたしましては、このことが新五カ年計画に影響を及ぼさせないようにいたしたい、ということで努力をいたしておりますわけでございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 先ほどの御答弁では、影響のないようにしたいと決意をしておると、こういうお話でありますので、これはもう影響がないものと私は思うのですが、その場合に、新五カ年計画に対する資金計画についても変化がない、いわゆる資金計画についても変化のないようにするという決意と思うのですが、その点いかがですか。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) 御承知の通り、新五カ年計画というものは、たびたび申し上げる通りの資金計画でやっておりますわけでございますので、今回の仲裁裁定の結果の財源につきましては、私どもいろいろ検討を加えておる最中でございまして、このことが新五カ年計画の資金に影響をいたさないようにさせたいという決意を持っておる、こういうわけでございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 それでは一応運輸大臣としては、資金計画においても、あるいはその他の建設計画においても、新五カ年計画に対しては影響、変化を及ぼさない、かように大臣としては決意をされておる、方針である、こういう工合に承知しても差しつかえないと思いますが、いいですか。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) ただいま繰り返し同じことを申し上げるわけでありますが、——どういうことでございましようか。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 質問の要点がおわかりにならぬようですけれども、端的に言うならば、新五カ年計画の所要資金並びに建設計画については一切変化がない、こういうことでいいですね。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) 今、私が繰り返し同じことを申し上げておそれ入るのですけれども、今回の仲裁裁定によりまする財源については、私ども今検討を加えて、そのあんばいを工夫いたしておりますわけでございます。こう言うことは、新しく仲裁裁定による人件費の増というものが起こりましたことによって、新五カ年計画の方に影響を及ぼさせないように私どもはいたしたいという決意をもってやっておる、こういうわけでございます。

天埜良吉自由民主党

○天埜良吉君 そこでお尋ねしたいのは、新五カ年計画のもととなるものは、何といっても輸送需要の推定ということになるのでございます。この点について、新五カ年計画については、どのような輸送需要を推定されておりますか、また、さきの現行の五カ年計画の策定のときの輸送需要推定と、現実の輸送量とはどんなふうになっておりますか、この点の御説明をしていただきたいと思います。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○説明員(吾孫子豊君) 新五カ年計画で推定いたしております輸送需要は、大体昭和四十年までの間に、旅客につきましては、三十四年の旅客輸送人キロが、千百四十二億人キロで、三十四年度の人キロに対して、昭和四十年までの六年間に三百八十五億人キロふえる、率にいたしまして三四%ふえるというふうに見ております。貨物につきましては、昭和三十四年の四百九十七億トンキロに対し、昭和四十年までの間に百三億トンキロ、パーセンテージにいたしまして、二一%ふえるというふうに見ております。年率で申しますと、旅客の方は平均いたしまして年率五%の割合、貨物の方は三・三%の割合でふえていくというふうに見ております。  それから現在の五カ年計画で想定しておりました、計画輸送量の伸びと実績との比率につきましては、旅客の方で申しますと、計画の際の想定は千百五十億人キロでありましたものが、実績は千百九十二億人キロということになっております。それから貨物の方で申しますと、三十五年には五百四十億トンキロの輸送量があるものと推定しておりましたのですが、実績は五百三十三億トンキロでございます。大体そのようなことになっております。

天埜良吉自由民主党

○天埜良吉君 そうしますと、大体の現行の輸送量の推定については予定通りであったというふうに考えてよろしゅうございますか。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○説明員(吾孫子豊君) 旅客は若干計画より上回ったことになっております。貨物はおおむねとんとんで、大体見通しの通りということになっております。

天埜良吉自由民主党

○天埜良吉君 そこで、現行の五カ年計画と新しい五カ年計画との移りかわりと申しますか、こういうような点で、現行の五カ年計画においてできなかったところをさらに新しいものに織り込んでやるというほかに、何か特に新しい点が加味されているのでしょうか。それとも、ただそれを伸ばしていくというだけのことでしょうか。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○説明員(吾孫子豊君) 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、現在の五カ年計画、今までやっておりましたもの中では、老朽荒廃施設の取りかえということが非常に重要な要素になっておったわけでございます。これは、先ほども申し上げましたように、ほぼ目的を達成いたしましたので、今度の新五カ年計画ではむろんそれは取りかえもいたしますけれども、重点はそれ以外の、幹線の輸送力の増強、それから輸送サービス全体の近代化というような点に重点を移しかえております。でございますから、今までのものそのままの引き伸ばしということとは、少し思想が変わっております。

天埜良吉自由民主党

○天埜良吉君 そこで、新五カ年計画の内容についてお尋ねをしておきたいのでございますが、まず、東北本線、北陸本線等の主要幹線千百キロの複線化をしていくというようなことが掲げてございますが、このような点についてさらに詳細な御説明をいただきたいと思います。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○説明員(吾孫子豊君) ただいまも申し上げましたように、今度の新五カ年一画の重点は、主要幹線の複線化を主眼にいたしました輸送力の増強並びに輸送方式の近代化というとをやりますと同時に、あわせて経営の合理化を推進するということが目標になっているわけでございますが、今度の新五カ年計画の基本的な考え方につきまして、おもな点について二心一通り申し上げます。  まず第一番の幹線の増強ということにつきましては、国鉄の幹線が御承知の通りその大部分が建設当時のままの単線でございまして、逐年増加して参ります輸送需要に対しては、今までは車両を増備して対処してきておったわけでございますが、現在では線路容量をほとんど利用し尽くしてしまいまして、もはや多くの列車増発を望めない状態になってしまったわけでございます。そこで、現在及び将来の輸送力不足に対する抜本的な対策として、東海道本線を初めとする主要幹線の線路を早急に増強いたしまして、あわせて車両並びにその他の輸送施設を拡充整備をするというふうに考えております。  それから、輸送方式の近代化ということにつきましては、質的なサービス向上に対する要望にこたえますために、複線化及び動力方式の近代化を主眼といたしまして、次のように輸送方式の近代化をはかりたいと思っております。まず旅客輸送でございますが、旅客輸送につきましては電車化、ディーゼル動車化を積極的に推進いたしますとともに、主要都市間及び主要都市とリクリエーション地帯との間に高速列車を頻発いたしまして、便利かつ快的なサービスを提供するようにいたしたいと思っております。それから貨物輸送につきましては貨車を増備いたしまして、基本的輸送能力の充実をはかりますほか、コンテナー輸送方式、あるいはパレット輸送方式等、自動車との一貫輸送体制の推進をはかりますとともに、貨物取り扱いの集約、荷役設備の近代化等を実施いたしまして、輸送速度を向上するということをやりたいと思っております。  それから第三番目に、通勤輸送の増強改善につきましては、東京、大阪を初めとする都市周辺の通勤、通学輸送は今後ともさらに著しい増勢を示すものと思われますので、車両の増備を初め施設の改良に努めまして、輸送需要の増大に対応するとともに混雑緩和に努めたいと思っております。しかし、特に東京周辺における国鉄の線路輸送力はすでに限界に達しておりまして、抜本的な対策を必要とする段階に至っております。この問題はひとり国鉄のみではなかなか解決できないような状態になっておりますので、関係機関の総合的な施策があわせてすみやかに確立されることを期待しておるような次第でございます。  それから次に、踏切の立体交差化を初め、保安設備の強化をはかり、列車の高速化、高頻度化に対応するようにいたしたいと思っております。  最後に、企業努力をなお旧そう重ねまして増収をはかると同時に、徹底的に合理化を推進いたしまして、経費の節減に努めるようにいたしたいというふうに考えております。各線別に申し上げますと、かなりこまかくなるのでございますが、いかがいたしましょうか。

天埜良吉自由民主党

○天埜良吉君 そこのところをお尋ねいたしたわけです。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○説明員(吾孫子豊君) それでは各線別に申し上げますと、まず線路増設の関係におきましては、東海道線は御承知のように、新幹線を増設することになっております。その他の主要幹線約千百キロをおおむね九百億の予算をもって複線化することになっておりますが、その結果この五カ年間に複線化が完成いたします区間はおおむね次の通りでございます。東北本線は上野−好摩の間、それから北陸本線が米原−富山の間、上越線はほとんど全線、それから中央本線は東京−甲府間、名古屋−多治見間、それから鹿児島本線は門司港−熊本間、ほとんど全線を複線化いたします。これによりまして、現在一三%程度の複線区間が一八・五%ということになりまして、現在の輸送隘路は相当程度解消されることになると思います。  それから電化、電車化につきましては、主要幹線を中心にしまして、約二千八百キロの電化、電車化を行なう計画になっております。その所要資金はおおむね千三百億円でございます。この結果この五カ年間に電化が完成いたします区間は次の通りでございます。東北本線は全線でございます。常磐線も全線でございます。それから信越本線は高崎−長野間、長岡−新潟間を電化いたします。それから中央本線は全線電化いたします。この中には塩尻−松本間を含んでおります。北陸本線は米原−富山間、山陽本線は全線、鹿児島本線は門司港−熊本間。これによりまして、線路の電化率は現在一二・九%程度でありますものが二二%になります。かようにいたしまして、これら電化区間は積極的に電車化いたしまして、列車回数を増加することになります。この電化区間に対して、すでに電化されております区間をも含めて約二千二百両の電車を新たに投入する計画でございます。  それから三番目にディーゼル・カーでございますが、電化されませんいわゆる非電化区間の主要線区に高速列車網を編成いたしますとともに、支線区の輸送改善をはかるために約千八百両のディーゼル気動車と、約五百両のディーゼル機関車を投入する予定でございます。その予算額がおおむね五百九十億円と考えております。  これによりまして、先ほども申し上げました電化とこのディーゼル化とを合わして、旅客列車の無煙化は約八五%達成されることになります。  それから通勤輸送対策、特に東京、大阪周辺につきましては、約一千両の電車を投入いたしますとともに、駅施設等を改良いたしまして輸送量の増加に対処し、かつ混雑の緩和に努めることといたしております。  それから踏切の改善といたしましては、自動車の発達に伴って激増しつつある踏切事故を防止いたしますために、二百億円を投じて約三百個所の立体交差化並びに高架にすることを実施いたしますとともに、踏切警報機でありますとか、自動遮断機の整備等、踏切施設の改良を行なうつもりでございます。  以上のほか能率の向上、経費の節減のために有効な投資を行なうということを積極的に実行して参る予定でございます。  大体そのようなことでございますが、なお主要線区について運転時間の短縮その他についても、一応の目標を立てておりまするが、それらのことについてはいかがいたしましょうか。

天埜良吉自由民主党

○天埜良吉君 ちょっとそこで切っていただきましょうか……。  ただいま五カ年計画の大体のところを御説明いただいたんでありますが、その中で通勤輸送対策の件でございますが、ただいまの御説明では電車を一千両投入するとともに駅施設を改良するということにとどまっておるようでありますが、いろいろ仄聞するところによると、新しく複々線の区間を延ばすとか、そういうような計画が中央線あたりにもあるというふうに聞いておりますが、これらのことは、これは五カ年計画のうちには予定をされておらないのでしょうか。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○説明員(吾孫子豊君) ただいま、まあ電車の両数のことだけ申し上げましたが、お尋ねがございましたような線路の増強等も当然入っておるわけでございまして、たとえばこの東京近傍における中央線の複々線化工事等は、三十六年度から着手いたす予定にいたしております。

天埜良吉自由民主党

○天埜良吉君 さらに踏切の改善の点でありますが、これについては特に非常な関心が世上にあるわけでございまして、この点については道路の管理者というものと非常に関連があることでございますが、これらの点について今後の状況はどういうようなふうに打ち合わせが進み、計画が立てられつつあるか、さらに御説明願いたいと思います。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○説明員(吾孫子豊君) 踏切の立体交差化その他整備の計画につきましては、−その中でまず立体交差の関係について申し上げますと、国鉄自身の計画と建設省の計画とがございますが、これを交差協議会というもので調整をいたしております。それから建設省の計画は道路改良都市計画に関連して起きたものでございます。国鉄の計画は道路の交通量または列車回数ともに多く、踏切保安上危険なもの、特に踏切遮断時間が長くて、一般の国民にも非常な御迷惑をかけておると考えられるようなものを対象にしております。国鉄の施行希望個所は千百カ所でありまして、これの工事費概算は八百十五億円ということになりますが、そのうち国鉄の負担額は三百二十五億円になります。で、この中でさらに緊急に施行を要するものは三百四十個所、工事の概算額にいたしまして三百七十五億円ということになりますが、これに対する国鉄の負担額は百五十億円ということで、この五カ年計画の中にこれが含まれておるわけでございます。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) ただいま国鉄の方から、国鉄の今後における計画を御報告申し上げましたが、運輸省といたしましては御承知のように踏切問題は非常に重要になって参りましたので、これに対処いたしますために、立法措置を目下関係省との間において進めております。  で、その経過をごく簡単に申し上げますと、踏切道改善促進法といったような名称の法律案をぜひとも今国会に御提案申し上げたいと、かように準備いたしております。で、その目的は踏切道の改善を促進することによりまして、交通事故の防止と交通の能率増進に寄与するということでございまして、これは当然のことでございます。  まず第一の要点は、改善を要する踏切道につきまして、建設大臣と運輸大臣が相談いたしまして、政令で定める基準に従いましてこれを指定いたします。で、この指定されましたものはあるいは立体交差をしなければならない所、あるいは踏切の構造そのものを改良しなければならない所、つまりもっと具体的に申し上げますと、踏切の道の幅が道路の幅よりも狭い所がまだたくさんございます。そういうふうな所は当然車馬の通行には著しい支障がございますので、そういう所の構造を改良するように指示するわけでございます。あるいは例の保安設備、警報機であるとか遮断機であるとか、そういう保安設備を改良する必要があるというふうな踏切道を指定する。で、その指定する必要のある所に指定をいたしまして、その指定したということを、当該の指定されました踏切道を所管しておりますところの鉄道事業者、あるいは道路管理者に通知いたします、と同時にまた行政官庁の方ではそういった指定された踏切道の名称、位置及び改善の目標を公示いたします。そういたしますと鉄道事業者とか道路管理者は、こういう通知を受けますると、すみやかに立体交差すべきものと指定されたものにつきましては立体交差計画、それから踏切道の構造を改良しなければならぬと指定を受けましたものはその計画、そういった計画を作成するために協議いたしまして、協議がととのいましたときには、すぐにこの計画を主務大臣に提出するわけでございます。こういたしまして早急にこの改善を実施すると、こういうことになりましていわば法律上義務づけられるわけでございます。もちろん、その出しました改善計画というものが不当であるとか、あるいはそれでは足りないというような場合には、主務大臣においてその変更を命ずることができるようにいたしたい、かように考えております。  その次に踏切道の改善について必要といたします費用の問題でございますが、これは先ほど国鉄の副総裁が申し上げましたように、日本国有鉄道につきましては、すでに建設省との間におきまして協定が成立いたしておりまして、費用の分担割合につきましてもそれに従って負担いたしておるわけでございますが、相なるべくなら、これは道路管理者との間の費用分担につきまして、はっきり法律できめることが望ましいと、こういうことでもございますので、できるだけ建設省あるいはその他の関係省と相談いたしまして、その分担割合を法定いたしたい、かように考えておりますが、この一点につきましてまだ最終的には話し合いがまとまっておりませんけれども、なるべく早急にまとめまして、その改善促進法案を御提案申し上げたい、こういうふうに考えております。

村上春藏自由民主党

○村上春藏君 地方的なことでありまするが、国鉄にもう一つお伺いしたいと思います。  それは、先ほど吾孫子副総裁のお話のいわゆる主要幹線の複線化という中に、日豊線が入っていないことは非常にさびしいのでありますが、日豊線をどういう工合にお考えになっておるか。特に最近、この鶴崎、大分の工場地帯の発展というようなことで、現在においても大分と別府の間が非常に輻湊しておることは事実であります。従って、今日、日豊線は行橋まで大体複線化されるということに決定されておりますが、その先におきましても、鶴崎、大分のこの工場地帯の発展に伴いまして、どうしても複線化が必要だろうと私どもは考えておるのであります。これが一点。  それからもう一つは立体交差の問題ですが、御案内の通り別府市は観光都市でほとんど平面交差、特に主要道路十二、三本のうち、踏切番のついております所はわずか三カ所、そういうような状態で、この観光都市として発展しつつある別府は非常に交通量も多いことはむろんのことでございまするが、非常な危険と混雑を呈しておる次第でございます。で、ありまするから、むしろ立体交差というよりも高架線という方が適切なように考えますが、この点について、一つそういうことをやられる御意思があるかどうか、ということをお尋ねしておきたいと思います。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○説明員(吾孫子豊君) 先ほどは比較的区間の長いところについて申し上げましたので、日豊線のことを申し上げませんで恐縮でございましたが、日豊線につきましては、やはり一番ネックになっております行橋までの複線化と、やはり列車回数の非常に多い大分−別府間の複線化を新五カ年計画の中に入れております。なお、さらに続きまして日豊本線の複線化ということは、ぜひやらなければならないと考えておるわけでございます。  それから別府市内の線路の問題につきましてお話がございましたが、これらの点につきましては十分お話のございました点を考えまして、今後検討して参りたいと存じます。

村上春藏自由民主党

○村上春藏君 それから日豊線というのは九州における三本の主要幹線だと私考えるのであります。特に観光地を日豊線内には非常に多く持っております。ところがいまだに特急が走っていない、こういうようなことになっておりますが、この運賃改定に伴いまして私どもがまず聞かれることは、何を利益したかということを一番われわれ質問されるわけであります。利益を受ければ運賃改定も決して悪いことじゃない、こう考えるわけです。そこでわれわれもそういういわゆるPR、宣伝をする意味におきまして、一つぜひとも特急をやっていただきたいが、一体やるとすればいつごろそれが実現できるかということを伺いたい。

磯崎叡日本国有鉄道常務理事

○説明員(磯崎叡君) 日豊線の特急の問題につきましては、実は今回の運賃の改定をお願いいたします原因が、何と申しましても日本の大都市間の交通需要を、非常に距離を短縮したいというような意味からいたしますことも一つのあれでございますが、特急の運転につきましては、できればことしの秋から日豊線あるいは裏縦貫線等、日本の主要幹線につきましては運転いたしたいというふうに考えております。ただ蒸気機関車牽引ではスピードが出ませんので、今ディーゼルの特急を考えておりまして、すでに東北線におきまして、その試作並びに実際使用にほぼ成功いたしましたので、これと同じようなものを今お話の日豊線その他裏縦貫とか、今まで比較的交通に恵まれない線につきまして、設定いたして参りたいというふうに考えております。

金丸冨夫自由民主党

○金丸冨夫君 関連して。予算についての運輸大臣の御説明の中でも、これを全部通覧しましても非常に遺憾に思うことは、今度の値上げは旅客は一四・六%でありまするが、貨物は一五%上がるというような工合にずいぶんと値上げが多いにもかかわらず、いろいろの新計画については、もちろん幹線に主力を置くとはいえ貨物の貨の字も載っておらぬということは、国鉄御当局では一体どうお考えになっておるか。また入っておるとすればどこにどういう工合にお入れになっておるのか、その点を伺いたいと思うのであります。過ぐる年、国鉄十河総裁におかれては、三十三年は大いに旅客輸送について力を入れた、「こだま」もできるし、いろいろ特急なども延長されるという格好になるし、電化も相当進んできたというようなことで、相当手を尽くしてきたから、三十五年度には大いに貨物に力を入れるというお言葉で、非常に貨物関係については喜んでおったわけでありまするが、この実際のやることについて今の工事の施行状況等、あるいは新たにこの打ち出された新五カ年計画の予算計画三十六年度予算といたしました中には、車両等とかなんとかというようなことでもそれだけしか入っておらないのでございまするが、これを軽視されたお気持はもちろんないと思いまするが、この点の御所見を一つ伺って、なおかつそのおもな貨物に対する新計画の問題について、初年度どういう工合にやっていただけるかということを承りたいと思います。

磯崎叡日本国有鉄道常務理事

○説明員(磯崎叡君) 貨物輸送につきましては、全体として輸送量が年率三・三%程度に伸びているというふうに考えておりますので、これの消化につきましてはもちろん全力をあげなければいけないのでありまして、まず先ほど副総裁から御説明申し上げました線路の増設、これはもちろん旅客関係だけでなしに、どちらかと申しますれば東北線あるいは裏縦貫、あるいは上越線、そういったものは旅客はもちろんでございますが、貨物輸送のために単線を複線にするということが実は非常に大きな目的であります。ことに北海道開発、東北開発等が進みまして、東北線、上越線の重要性が非常に増して参りましたので、主としてこれは貨物輸送を円滑に行なうという意味で線路をふやす。単線を複線にするという趣旨でございますので、先ほど申し上げました主要幹線の線増は、まあ半分以上は貨物輸送のためにやるんだというふうに御理解願いたいと存じます。それから貨物輸送に一番必要になります貨車でございますが、貨車は現在まで第一次五カ年計画で約一万両ほどふやして参りましたが、今回は約五年間で二万一千両というふうに考えております。もちろん貨車の数だけでなしに貨車の種類につきましても、たとえば普通の有蓋単でなしに、側が全部開く有蓋車にするとか、あるいは有蓋車を無蓋車と兼用のものにするとか、いろいろ貨車の車種につきましても新しい構想をいろいろ考えております。またその他にいろいろな停車場の貨物設備あるいは荷役機械の設備等につきましても、これは項目は上がっておりませんが、取りかえ諸改良という中のほとんど半分以上のものがやはり貨物関係のための費用でございまして、大体全体の今度の五カ年計画の投資を旅客貨物に配分いたしますと、おおむね旅客、貨物が半々程度ということになるのではないかというふうに考えております。

金丸冨夫自由民主党

○金丸冨夫君 いろいろと幹線のネックを解いていただくということは、貨車の運用効率からいっても非常によくなりますし、まことにありがたいことだと思うのですが、車両について三万一千両を新五カ年計画で増備をするんだという御計画はまことにけっこうでございますが、ただいま困っているのは線増に対するネックの問題と同時に、まあ今日ただいま困っておりまする貨物の滞貨に対して、貨車の配給が非常にうまくいかないというようなことで、各地方とも非常な運動をするとか毎日歎願に上京するとか、いろいろなことをやっておるのが実情でありますので、第一年度すなわち三十六年度に一体思い切ってどういう工合に御処置が願えるか、まあこういうことが一つあわせてお聞かせ願えればけっこうだと思います。

磯崎叡日本国有鉄道常務理事

○説明員(磯崎叡君) ただいま現在非常に荷物が多いということは事実でございますが、実は昨年からの雪害以来ずっと滞貨が落ちませんで、非常に現在でも二百万トン前後の滞貨を持っております。今の貨車につきましては根本的に幹線の輸送力を増強するということが何といっても第一でございますが、それのできますまでには、やはり貨車をふやせばある地域の輸送はよくなるということも当然考えられますので、三十五年の下半期以来貨車の増備に非常に勢力を集中いたしまして、三十五年度に約六千五百両現在計画いたしております。三十六年度は八千両の貨車を新造いたします。もちろんこの中には二千五百両ないし三千両の廃車の補充もございますので、実際の増加は五千両ないし五千五百両に相なります。主としてことしの秋の輸送繁忙時期には絶対間に合うようにということで、すでに発注いたしまして、八千両の貨車を作って参りたいと思っております。ただ現在差し迫っております滞貨の処理につきましては、ことに現在非常に急ぎます春の肥料あるいは生鮮野菜類等につきましては、各地域別、物資別に重点的に貨車を配給いたしまして、そうしてその三月−四月初めの輸送の繁忙を切り抜けて参りたいというふうに考えております。

金丸冨夫自由民主党

○金丸冨夫君 三十六年度に八千両とかいうことでございますから、先ほどのベースアツプに影響なく八千両をぜひやっていただきたい。それにいたしましても五千両ぐらいしかできないということになれば今、線路増設等につきましては、なかなかそう一朝一夕に今年度内にどれどれが完成するというようなお見通しはなかなかっかないのじゃないかと思いますので、この点は一つぜひ車両について三十五年度の分の単急な完成と、それから三十六年度の増価を一つ繰り上げて発注等をしていただきまするように、お願い申し上げたいと思うのであります。  それからこの車の形式でございますが、先ほど副総裁のお話によりますと、コンテナー方式によられるというようなことを申されたわけでありますが、今の五トン・コンテナーの方式を拡充するという意味でしょうか、あるいは新しい方式のコンテナーを御計画になっておられるであろうか、この点はいかがでございましょうか。またこれに伴って大型コンテナーを積載する貨車をこしらえるという意味か、それからまた総裁がかって御抱負に述べられたピギーバックという、あの車両というものはこの三十六年度からさらにこれを増備するというようなことについてお考えがありますかどうか、この点をお伺いしたいと思います。

磯崎叡日本国有鉄道常務理事

○説明員(磯崎叡君) 貨物輸送の新しい方式といたしまして、コンテナー方式を一部採用いたしましてから約二年経過いたしました。大体荷主筋も固定いたしましたし、一年中ほとんど同じように利用していただいておりますので、非常に結果がよかったというふうに考えております。今後大体現在の五トン・コンテナーの方式を中心といたしまして、東京−大阪間だけでなしに東京−仙台、大阪−金沢といったようなふうに全国的にコンテナー網を広げて参りたいと思っておりますが、一部に五トン・コンテナーでは大き過ぎるという荷主もございますし、また小さ過ぎるという荷もございますので、現在いろいろ試作をいたしておりますが、一応現在の五トン・コンテナー方式をもう少しやっていきたいと思っておりますが、新しい輸送方式といたしましてただいま御指摘のピギーバックなり、あるいはフレクシバーンと申しますか、特殊な自動車と鉄道とのボディを一緒に使うというというような方式も徐々にできております。また外国にもすでに実用化されているものもございますので、そういった新しいコンテナー、あるいはコンテナーに類似した輸送の方式及びこれにマッチいたします貨車の新製等につきましても、極力試作を進めながら実用化できるものはどんどん実用化して参りたいというふうに考えております。

金丸冨夫自由民主党

○金丸冨夫君 なお貨車の型式でありまして、きょうは技術の方がお見えになっておりませんようですが、調べによりますれば今の客車の幅はこれは建築規程に十分に入り、また車両定規にも入っておるんだと思いますが、あの幅を持ちますと約二尺一寸か二寸か一これは私はメートルを言わないで、はなはだ明治時代の人間であるわけですが、二尺一寸か二寸幅が広くなるということであれば、これはまた積載量が非常に違ってくるんでありますが、従来そういうことを取り上げていなかったものを一つ御研究になってやれば、同じ車両一両について少なくとも一トン半から二トンよけいに積めるというようなことになると思いまするが、こういう点は御研究になっておらないんでしょうかどうでしょうか。

磯崎叡日本国有鉄道常務理事

○説明員(磯崎叡君) 貨車の大きさにつきましては、長さだけでなくて幅につきましても、ことにこれから発達いたしますパレットの大きさ、ことに国際標準のございますパレットの大きさ等と関連して、いろいろ検討いたしております。最近試作いたしましたのはちょっと寸法を忘れましたが、現在の有蓋車より少し幅の広いものを作っております。ただ、あまり大きくいたしますと、大へんこまかいことで恐縮でございますが、一軍の一軸の軸重当たりが非常に重くなりますことが一つと、それから私鉄の車両の限界を侵しますので、私鉄にその貨車が入らないといったような不便も出て参ります。また逆に、そのために私鉄の設備を改良するためにも、非常に金がかかるといったような制約もございまして、いろいろ試作をいたしておりますが、そういった支障等も十分検討した上で新しい貨車の大きさ、内容、寸法等につきましても検討を現在もいたしておりますので、今後とも続けて参りたいと思っております。

片岡文重民主社会党

○片岡文重君 関連。今の貨車の貨物輸送についての御質問ですが、まことに当を得たと思うんですが、そこで今の問題は既存のレールの上に立ってどう増送するか、荷をさばくかということにあるようですけれども、しばしば申し上げるように、国鉄の経営はもっと積極化すべきであるという見地からお伺いしたいのですけれども、たとえば最近問題になっておるモノレール等を臨港地帯などに国鉄が付設をして、そしてトラックに取られる荷物をどんどんこの国鉄で確保するなり、あるいは引き受けるということをすれば、道路の輻湊も避けられるし荷さばきも早いということで、たとえば京葉地帯であるとか、京浜地帯、あるいは京阪神というような海岸線を通ってさばくような荷物は、モノレール等を積極的に付設してみたらどうか。それから、現に東京湾ではもうフェリーボートをやっているようですけれども、ああいう施設ももっと国鉄側として手をつけてやったらどうか。これは別に日鉄法で定めておる制限のワクを逸脱するものではない。国鉄の事業として当然私はやるべきことだと、むしろそういうように考えるのですけれども、この点についてはどうですか。まだ御研究になっておられないのか。あるいはなっているとすれば、具体的にどの程度のことをお考えになっているか、伺っておきたい。

磯崎叡日本国有鉄道常務理事

○説明員(磯崎叡君) 現在モノレールにつきましては、主として旅客輸送を中心に、今の世界のあれが、あるようでございます。また、最近外国ヘモノレールの研究の目的で参りました連中も、主として旅客輸送のために参っておるわけでございますが、しかしこれは旅客輸送でなければ使えないというものではないと思います。将来そういった研究は大いにしなければなりませんが、今先生の御指摘の、ことに工場地帯、今後できます京葉あるいは大きくなります川崎地帯、あるいはさっき村上先生の御指摘になりました大分県の鶴崎地帯、といったような非常に新しい工業地帯につきましては、御指摘の通り原料品はこれは海から参ると思いますが、製品につきましては私の方から申しましてもトン当たり運賃が非常に高い貨物でございまするし、ぜひ私の方でほしい貨物でございますので、ただいま御指摘のような臨港鉄道につきまして、積極的に国鉄といたしましても協力できるように、現在のあるいは投資規程その他で不十分ならそれも修正していただく、といったようないろいろな方法によりまして臨港地帯の、ことに製品輸送につきましては、極積的に運営方法につきましても今までのやり方と違ったことを考えていかなきゃいけないというふうに考えております。

金丸冨夫自由民主党

○金丸冨夫君 今新しい考え方に立って国鉄は考えたらどうかというようなお話もありましたが、私ニュージーランドにこの二月に参りまして、あの南島と北島の間の輸送を、ウェリントン駅から向かい側の島まで、飛行機輸送をやっておるんですね。一個が五トンぐらいのコンテナーを六つばかり一つの飛行機に載せ約五十回余りやっている。ああいうことは、わが国で明石から徳島とか撫養間をやればいいのじゃないかと思うんですが、こういうことの御研究はおやりになっておらないのですか。

磯崎叡日本国有鉄道常務理事

○説明員(磯崎叡君) まだ飛行機輸送は研究いたしておりませんが、将来コンテナー制度等も発達いたしますれば、ただいま御指摘のような輸送もできるようになるというふうに考えますので、もっとそういった方面につきましても十分研究いたして参りたいと思っております。

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 速記を止めて下さい。   〔速記中止〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 速記をつけて下さい。

井野碩哉自由民主党

○井野碩哉君 さきほど公労委の裁定と鉄道の新計画について、運輸大臣は、目下検討中だというお答えでありました。もちろん検討中でありますからその内容についてどうという結論を伺うわけでございませんが、ただ新計画を変更しないという御決意と、その財源については新計画の方には影響を及ぼさないというようなお答えのように聞いたのであります。これはもちろんそうなくちゃならないので、新計画がもしも今度の裁定をいれて財源を今度の計画から出せるというならば、運賃値上げはもっと低くできるじゃないかという議論を必ず私は誘発すると思うんです。ですからどうしても今の計画に対しては、今度の裁定等は全然予想していなかった裁定であるから財源はないというのでなければ、これは運賃値上げに非常に大きな影響を及ぼすと思う。そこで、これは企画庁長官にも聞いておいていただきたいのですが、裁定を政府がのむという決心をされた。これは総理がされた。総理は財政については全然しろうとじゃなく、非常なくろうとで、その財源は政府のどこかにあることは御承知で私はのまれたと思うんです。ですから運輸大臣とされては、これはどうしてもあるいは補正予算その他の方法で、新計画とは別途に、この財源を出すということに御努力を願わなければ、これは国鉄の新計画に非常に大きな影響を与えて、運賃値上げにも響いてくると思うのです。ですから、この点ははっきり一つ総理にも申し述べられ、その主張をお通し願いたい、こう思うのでありますが、その御決意はいかがでございますか。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) ただいま井野委員からお話になりましたような、私は考えをもちまして、この問題の処理に当たろうという気持でございます。

加賀山之雄参議院同志会

○加賀山之雄君 ちょうど企画庁長官見えましたから、一点だけお伺いします。国鉄の新五カ年計画によれば、貨物の伸びが年率三・三%となっておるのですが、この経済企画庁で立案しておられる今後のわが国の経済産業の伸び率といかなる関係に立つか、私はこの貨物の伸び率は非常にこれは少な目に過ぎるのじゃないか。現在においても、私は輸送力の不足からかなりの貨物が抑制されておるように理解しておる。とすれば、こういう抑制された貨物を引き受け、さらに今後増産される貨物について、年率三・三%と見積ったことは、いかにも少なきに失するように考えるのですが、企画庁長官としていかに考えられるか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 所得倍増計画に掲げられた貨物の輸送量は、昭和四十五年度の数字は二千百七十一億トンキロ、こういうことになっておりまして、昭和三十三年度というものを基準にして、この小委員会でははじいたものですから、それに対する増加は年率六・九%ということになっております。これを国鉄の五カ年計画は、おそらく三十四年度を基準にしてやっておられますから、その数字、もう少し年率が小さくなって出てくるのじゃないかと思いますが、お話のように、三%なにがしというのは、この計画からいくというと、やや低目ではありますが、それは生産がしり上がりにふえていきますから、最初の五カ年の間は年率がこれほどいくか、いかないか、つまり次の五カ年間でもう少しふえてくる格好になるのじゃないか、まあ率直に言いまして、やや低目ではあるけれども、おおむねぶつかってくるのじゃないかというのがうちの観測であります。

加賀山之雄参議院同志会

○加賀山之雄君 国鉄、運輸省の方からも、今企画庁長官が言われたように説明されておるわけです。私はたしか企画庁の計算によれば、五・六%かなんかになっておる。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 国鉄が……

加賀山之雄参議院同志会

○加賀山之雄君 企画庁の策定されておる伸び率ですね。それは鉄道だけではなくて、おそらく船や、トラックや、いろいろなものも入れた総貨物輸送量で言っておられるものもあろうし、ですから、そういう経緯も考えて策定されていると思うのですが、私、意見述べさしていただければ、そのあとにしり上がりになると言われるが、実をいうと、経済の伸び、産業の伸びは初めが大事なんです。鉄道で初め運ばなければ、その経済の伸びを押えることは当然なんで、あとでしり上がりに伸びるよりも先に、経済産業の伸びに先んじて鉄道輸送を強化する必要がある、私はそういうふうに確信するので、どう考えてもこの三・三%の伸び率は、これはいかにも控え目に過ぎる。これは控え目も、運賃を上げない、できるだけ高くしないための遠慮から出たもの、やむを得ないものと考えれば、まあそれも一つの考えでしょうけれども、しかし実際に日本の経済産業に貢献するという大使命から考えると、私はこういう数字こそは、あまり控え目に策定することは、かえって日本の経済の伸びを抑制する。鉄道輸送の点からせっかく伸びようとする産業を押える。特に今後開発されようとする鉄道は、いわゆる池田内閣も言っておられる地域的格差を少なくするということで、鉄道でも今まで、むしろほったらかしておったところを増強して、そしてそこらの地域に産業を起こそう。こういう計画ですから、私はその計画に支障があってはならぬ。かように考えましてお伺いした次第です。もう一度お伺いしたい。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) もう少しはっきり御説明しますと、昭和三十五年度、六年度あたりは、昭和三十四年度を基準にして、四十五年度の見通しに線を引きましたよりも、国鉄の計画が少し多いのですが、三十八年度におきまして、ほとんど同じくらいなところにきて、昭和四十年度で画線がぴったりよりも少し低いところに出てしまうのです、その計画は。従ってまあこの際もっと大きな計画を立てて、従って運賃ももう少しよけい上げて、大きな計画を立てておいた方がよかったじゃないかという御意見もあるかもしれませんけれども、一応これで所得倍増計画の上半期における、上の五カ年間におけるところとしてはほぼ所得倍増計画の線と見合っているという考えで、まあ私の方はそれでいいんじゃないかと思っております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 長官にお伺いしますけれども、公共料金の値上げと、それから物価並びに国民生活に対する影響というものについて、昨日の質疑応答の中でどうも疑問を生じたので、長官の御意見を伺いたいと思って御足労をわずらわしたわけですけれども、今政府では、公共料金の値上げをストップする、こういう方針をお出しになって、一切の申請に対しまして取り扱いの中止をされておる。これで私はまずお伺いしたいのは、公共料金をストップされたというその理由ですね。その理由を一つ経企長官の方から最初にお伺いしたいと思います。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 公共料金の値上げを一切させないという、当分そういうものは認可をしない方針をとるということを閣議では了解をしたのでありまして、これはどこまでも行政指導の行政方針の問題でございまして、法律的な問題では私はないと思っておりますが、どうしてそういうことをしたかという趣旨につきましては、御承知のように、はなはだ申しにくいことでありますが、国鉄運賃が上がるということを一つのきっかけといたしまして、公共料金というものがみんな上がりそうなムードが出てきました。ガソリン税の引き上げによってバスの値上げが起こる。ところが、ガソリン税の引き上げによってバスの運賃にはね返るのは、バス運賃の構成要件からいいますというと、せいぜい二、三%じゃないかと思われておるのであります。それなのにかかわらず、バスの値上げの幅というものは、何割という数字が出てきそうな、情勢としまして、いわゆるムードが出てきたものでありまするから、これを一ぺんみんなよく考えて、そのムードに乗ってどうこうということじゃないようにしてほしい。そして国民全般が納得する時間をかせがないというと、この公共料金値上げということ、その企業自体からいって、当然しかるべきだということが説明がつきましても、全体的な社会的に及ぼす影響というものを考えなければならぬと思ったものでありまするから、当分の間認可をしないで、いわば国民の納得される状態ができるまで、一つストップさせようと、こういう趣旨でそういう方針を立てたのでございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 そこで、私はきわめて重大な矛盾を感じてあなたにお伺いするわけなんですけれども、国鉄料金値上げというのをきっかけにして、公共料金値上げ、あるいは物価の値上げというムードが出てきた。そのムードを押えるために、いわゆる値上げをしなければならぬ——個々の場合、企業があっても、これはがまんしてもらって、当分の間値上げを押えるのだと、こういうお話しです。きのうの質問では、運輸大臣の見解としては、国鉄運賃というのは決してムードを作ったものではない、これはムード以前のものであって、どちらが先か後かわからぬけれども、とにかく国鉄運賃が出たからそういうムードを作ったというものじゃないから、今国鉄運賃の値上げというものを当分の間見合わす考えはないと、こういう仰せであった。ところが、今経企長官は、やはり国鉄運賃の値上げというものをきっかけとしてムードが出たと、こうおっしゃる。そこで私がお伺いしたいのは、はたして値上げムードというものを押えるために公共料金というものを当分の間ストップさせると、こういうことであるなら、それは最も大きな本もとの国鉄料金というものについては、これまた当分の間見合わせてもいいんじゃないかと私は思うのです。そこに矛盾を感ずるわけです。つまり言うならば、国鉄運賃という、いわゆる物価あるいは国民生活あるいは、いわゆるムードといいますか、それに一番大きな影響を与える国鉄運賃をそのままにしておいて、そして地方鉄道、軌道あるいはバス、トラックというような、こういうもののいわゆる値上げムードを押えるために、当分の間抑制すると、何か本末転倒しておるような気がするのです。ですから、この値上げというものが、そういうムードに影響するならば、国鉄運賃というものは最も大きなものではないか。これを上げておいて、ほかのものは上げないと、ここに私はきわめてどうも割り切れない矛盾を感ずるのですけれども、経企長官いかにお考えですか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 私は、別にそこに矛盾はないように思います。というのは、国鉄運賃というものは、上げずに済むなら上げない方がよほどいいことは、これは申し上げるまでもないことでありますけれども、いろいろ事情を聞いてみますと、国の輸送体系を整える意味からいいまして、どうしても国鉄の運賃を上げなければいけないという立場であるということを了解したものですから、経済企画庁としても、これに同意したわけでありますけれども、その当時においては、なるほど運輸大臣のおっしゃる通り、ムード以前のものであったと思います。しかし、国鉄運賃の問題が簡単に片づかずに、ずいぶん長い間国会でも審議をされるし、これがムードのもとである、もとであるというようなことをいわれると、自然それがまたもとになってきたのじゃないかとも思うのでありまして、私はムードのもとと申し上げたのは、そういう事実上のことを申し上げたのであります。従って、そういえば確かに私鉄やバスには悪いような気がしますけれども、全体のことから見るというと、まあちょっと待ってくれ、国鉄ほど非常な、日本全体にわたる運輸の、貨物輸送及び旅客輸送の大宗である大きな責任を持っていることでないし、するものですから、まあちょっと待ってくれということを言うのは、ちっとも差しつかえないのじゃないかと私は思っております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 私は大いに差しつかえがあると思うのです。そこで、たとえば国鉄は今運賃値上げしなければ、日本の輸送態勢というものを整え向上させることはできないから、であるから国鉄運賃値上げというのは社会全般のためから必要だという工合にお考えになっている。しかし、輸送というものは、何も国鉄が通っているところだけが輸送ではないのです。いわゆる地方鉄道、国鉄でない地方鉄道も、これまた輸送の大きな社会的公共的な役割を果たしているのです。そういう会社、企業も、今運賃値上げをしなければ会社の適正な、公共事業あるいは公益事業としての適正な運営はできないという、これは国鉄と、大きいか小さいかの違いであって、少しも違いはないのです。しかも、今非常に大きな要素としまして、こういうものをストップするという要素として、値上げムードという、これは政府が作ったムードなんです。値上げムードというものを大きく取り上げられている。であるから、今ここで国鉄運賃というものが値上げムードに対しまして大きな一つの要素になるとするならば、いわゆるムードを押える目的からいうならば、国鉄の運賃値上げというのはこの際当分の間、きのうも当分の間の論議がありましたけれども、いつまでかわかりませんが、あなたの言葉を借りるならば、ムードの消えるまで、おさまるまでの間はストップする、その間において、いわゆる建設に対する所要資金の手当ては、これは政府ができるはずです。たとえばきょう、つい先ほどのこの質問に対しましても、仲裁裁定に出た二百億円ぐらいの資金が要る。要るが、それは何とか敢行すると政府はおっしゃる。ですから、先般も予算委員会において、なお余剰資金が五百億も出てくる、こういうことでありますから、当分の間、資金面の都合というものはやり方によってはつくわけだと、私はしろうと考えからいって思うのです。ですから、いわゆるムードを抑えるという、そういう大きな目標からいうならば、国鉄運賃値上げというものは、この際当分の間見送って、そうして建設に対する所要資金の手当ては別途の方面から考える、これは可能性があると思う。私はこう思うので、非常に矛盾があっておかしいと思う。あなたはおかしくないと言われるが、私はおかしいと思う。国民もそう思っている。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 私鉄とかバスとかも、どうしても値上げをしなければ会社の経理をやっていけないというよりも、そうしなければ輸送体系をこわすことになる、本来の輸送の任務を果たし得ないのだということがきわめて明らかになりますれば、認可していいと思うのです。従って、当分の間認可をしない方針をとるといって、いわゆる便乗的に上げてくるものは押えてしまう。私のところにずいぶん陳情者が見えますけれども、たとえばバスの運賃の値上げなんかについても、ガソリン税が上がったから、上がったからというのをたった一つの理由にして値上げの要求を一バス会社の方もおっしゃいます。それでは幾ら上げるのですかと伺うと、十五円のものを二十円にする、こういうような話になってくると、それは違うじゃないか、そういうような空気がありますから、一応ここでよく便乗的なものは押える、これは運輸大臣も最初から言っておられることでありまして、そういうことを整理をするためには、一応全部ストップをしておこうというのが趣旨でございまして、今お話しのように、その値上げをしないためには、鉄道なら鉄道、私鉄なら私鉄というものの輸送ができなくなってしまう。こういうようなことだったらあげて認可をして差しつかえないと私は信じておるのです。国鉄の方はほかに資金を調達する手段というものは私の聞いた範囲ではございません。国が税金で取りました一般会計からこれを補てんしてやるか、あるいは利用者が少しずつその利用のつどに金を出し合ってその資金を調達するか、二つのうちの一つしかない、こういうような状態のように私は了解をいたしましたものですから、国が一般会計で税金から補てんをするということよりも、利用者がそのつど、利用するつど少しずつ金を出し合いしてやることの方が適当だと思いましたので、国鉄の運賃は値上げをすべきだ、こう考えたのでありまして、両方の間に私は何も矛盾はないように思っております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 どうも運輸大臣の答弁から受ける感じと、それから経企長官の言われる言葉から受ける感じと少し違うように思うのですね。私は速記録、今全部読む暇がありませんでしたが、昨日は運輸大臣は、個々の会社はケース・バイ・ケースで調べて、そうして公益事業として会社の企業の運営上運賃値上げをしなければならぬということがあっても、そういうことがあっても、当分の間はがまんしてもらうのだ、やらないのだ、極端な言い方をするならば、それでもってつぶれるということがあってもがまんしてもらうのだ、しかしながら当分の間やってもつぶれるというようなことはまあまあないと思う、こういう御答弁であった。これは極端な言い方だと思う。ですからつぶれる、つぶれぬかではなくて、やはりそこに大きな企業として負担がある。当分の間といいますけれども、大きな負担をしなければならぬ。いうなれば政府の政策の犠牲にならなければならぬのですね。そういうことが起こるわけですよ。しかもいわゆる労働賃金なり、あるいはその他の諸条件も刻々変わっていくのですからね、今。そういう中でいわゆる今あなたがこれはもう内容やむを得ぬものは仕方がない、便乗的なものだけはいけない、こうおっしゃる。便乗的なものだけはいけない、これはいけないでしょう。私はだからといって値上げを奨励しておるわけじゃない、賛成しておるわけじゃない。一貫したものがない内容に見えるから、かように質問しておるのですが、便乗的なものは値上げはいけないというのはこれはもっともなんですよ。ところがきのうはそうじゃない。やはり企業経営上値上げをしなければならぬというものがケース・バイ・ケースとしてあっても、この際は値上げしない。当分の間は値上げしない、こういうように大臣はおっしゃった。そこにニュアンスが食い違っておるのか、全く意見が食い違っておるのか、若干私は違うと思うのですよ。運輸大臣からもう一ぺんお伺いしたいと思うのですが、この点、大臣、いかがですか、違っておりませんか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 私は運輸大臣のおっしゃることと私とは違っていないと思うのでありますが、便乗的の値上げがいけないことは、これはもう当然であって、これは永久にいけないのだと思います。当分の間じゃない。結局当分の間ストップするのは、むしろあま上げなければならぬようなものについての意味だと思います。ただそういうようなことをすることによって、端から端から一つ一つそういうようなものをやることによって、一つのムードができてしまって、物価全体に大きな影響を与えてくるということは、政府の政策の犠牲じゃなしに、国民全体が迷惑することなんでありますから、その私鉄は国民全体の迷惑を考えて当分の間がまんしてもらおう、こういうことが趣旨でございます。従って選別をし、まあみながそれを受け入れることができるような態勢になるまでは、ちょっと待ってもらう。おそらく現在の状態においてやりましたならば、当然上がるべきものであっても便乗だ便乗だということを、必ずみな言うのじゃないかと逆に思うのでありまして、そういうような空気を一つ鎮静せしめるためには当分待ってもらう。正しいものさえ正しくないと思われるのは、かえってその私鉄でも困るのじゃないかと私は思うのです。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 ちょっと今も速記録の上に出ておったところだけ読んでみましてもこういう答弁をされておる。「答弁を繰り返しまして、まことにおそれ入りますが、私といたしましては、値上げムードのありますときには、どういう理由がありましても、当分の間はこれを遠慮してもらって」と、こういうことになるのです。どういう理由があってもというのですね。こことあなたのおっしゃるいわゆる便乗値上げはいけない、やむを得ぬものは、これは考えるのだというのと、だいぶ違うのじゃないですか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) さっき申し上げましたように、便乗のものはこれは永久にいけないのですから、当然、当分の間ストップどころじゃなくて、永久にこれはいかぬわけです。問題は認可されるべきものについて、当分の間ストップするというのが、そこに意味があることでありまして、当分の間、鎮静するまでは一般の物価体系に及ぼす影響、国民経済全体に対する影響で、その会社が、国民経済全体が悪くなってしまったら、その会社も非常な悪影響を受けるのはあたりまえでありますから、しばらく待ってもらう、こういう趣旨であります。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 それで私も繰り返すようでありますけれども、一般国民経済が悪くなる、そうなればめぐりめぐってその会社も悪くなるのだから、だから待ってもらうのだ、こういうことのようですけれども、これも一つの理由があるでしょう。そうすれば国鉄は別格官幣社になるのですか、これは前に戻るようですけれども。ですから、いわゆるきのうの運輸大臣もこういうことを言っておられる、「当分の間は、そういうものについて申請がありましても、公共料金が一般国民の生活に影響する等のことを考えまして」云々とこうなっている。そうすれば一般国民の生活に影響するから、いわゆる当然上げなければならぬというような、そういうものについても抑制するのだという方針であれば、これは国鉄もやはり一般国民の生活に影響する最も大きなものですよ、この料金というものは。ですからこんなに大さわぎになっているわけで、ですからまず政府の物価政策からいくならば、まずもって筆頭に国鉄運賃値上げというものを、これこそ当分の間やはり延期すべきじゃないか、こういう考えが、これは矛盾しておりますか。私はこれはだれが考えても矛盾してしていないと思うのです。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 私はその国鉄とか、私鉄とかいうものを同列に考えるところに若干の問題があるのではないかと思うのです。国鉄というものは、とにかく日本の交通の動脈でありまして、これが非常によくなるかよくならないかということは、日本産業全体の上に非常に大きな影響があると思います。たとえば私鉄の部分はきわめて一部的なものでありますが、全国たくさんに数がありまして、あっちの私鉄も値上げをした、こっちのバス会社も値上げをしたということになれば、ムードを形成する七においてよほどその数の方が多いと私は率直に言って思います。従いまして実際上の問題として、物価に具体的にはね返ってくるところのものは、国鉄にしてさえ〇・一%程度なんですから、一私鉄が、どっか地方の一地域において上げても、消費者物価指数それ自身にはほとんど影響はないでしょう。しかし便乗的に公共料金まで全部こう上がってきたといえば、あるいはほかの一般の公共料金以外の問題についてたって、みな同じような一つの値上げムードが起こってくるのでありまして、値上げのムードを押えるということについては、どうしてもどっかで一ぺん切らなければならない、国鉄のあとで切ったという実情であります。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 ますます経企長官、私はどうも頭が悪いせいか、どうもつじつまがさっぱりぴんとこないのですが、私は決して国鉄とあるいは私鉄、バス、トラックは同列に見ていないのですよ。見ていないから重大な関心を持っているわけなんです。国鉄ほど国民生活に大きな、あるいは日本の経済、産業に大きな影響のある産業はないですよ。ですからこの国鉄の建設をやめろ、おくらせろということは一言も言っていないのだ、私は。ただお金の面だけなんですよ。資金の面だけを問題にしているのですよ。ですから、今あなたは地方の私鉄やバスは大した物価に影響はないが数が多いから、あっちも上がった、こっちも上がったといえば、これはムードになって、国鉄はたった一つだからムードにならぬような口ぶりだけれども、しかし国鉄は全国的関心の的ですよ。あるいは私鉄が、山口の山陽電鉄が上がったといっても、東京の人は知りません。国鉄が上がったということは全国的なものですから、ですから値上げムードの本源についてもあるいは原因について私とあなたとの考え方は違うのです。ですから今国策として、国の政策として、値上げムードだから物価政策として物価抑制をしなくちゃならぬという至上命令があるならば、まずその本源の国鉄運賃というものは、当分の間ストップすべきである。しかし建設はしなければならぬから、建設に使用する資金については、別途にこれは考える道があると私は思うのです。政府において考える道はある。現に運輸大臣は仲裁裁定で二百億円払っても国鉄の建設をやる、その資金には変更は及ぼしません、こう言っている。二百億円という金を、そういう道があるのだからこれはやはり得るでしょう。ですからそういうことは、国鉄はムードにならぬが私鉄はムードになる、こうおっしゃる。これは間違いで、あなたの答弁の冒頭には、国鉄運賃は今出てきた、これがムードに拍車をかけたということであって、これは矛盾です、今の言葉は。ですから国鉄運賃値上げということが、一般の値上げのムードの本源になっておるか、ないしは大きな拍車をかけておる。ですからやはり物価政策からいって今のような御方針であるならば、当分の間国鉄運賃というものは、いわゆるムードがおさまるまで見合わせる、そこから出発しなければつじつま合わぬじゃないですか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 国鉄が建設しなければならないということは大倉さんもおっしゃっていらっしゃるのですが、その資金の調達をどういう方法でやるかという問題になりますと、国が税金の収入の一般会計からこれを補てんしてやるという方法は、私は現在の国鉄の建前その他からいって適当でないと思うのです。ですから運賃の値上げをやめるなら、建設をやめるということと取りかえになるのだと私は思っております。国が一般会計の方から補てんをして、そうして建設をしていくという方向は私としては考えられない方法だと思っておりますので、従って運賃の値上げをやめるならば、建設をやめる以外にはない。こういう立場で運賃の値上げというものはどうしても認める、やらざるを得ない、こう思います。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 これまた私は少し違うんですけれども、かりに今物価政策というものは非常に重大な問題ということは、あなたの方の十カ年計画ですか、倍増計画にも非常に大きな影響があると思いますから、物価政策は非常に重要なんですね。ですからそういう時期に、少なくとも物価値上げの大きな原因になるところの国鉄通貨値上げというものをそのままにしておいて、その他の群小企業といいますか、そういうものをその政策の犠牲に供するということは、これはもう私どものとらないところであって、建設するに必要な資金について、今の法律ではほかから金の出しようがなかったならば、あるいはいわゆる臨時措置法というようなものがちょくちょく出ますね、そういうものが考えられるのですよ。私ども社会党の方としては国鉄軌道等の公共負担に対する国の補償なり何なりという法律案も出しましたが、そういうあらゆることを考えてやれば何も運賃料金を上げないから、だから建設もやめだというような、そんなだだっ子のようなことを国の政府が言ったって始まらぬと思うのですよ。ことに物価政策というものと国鉄運賃値上げというものが、非常に矛盾しておるということをきょうはあなたにお聞きしたいと、こう思って御出席願ったわけなんですけれども、どうもお聞きしてもやはりぴんとこない、しかも、きのうの運輸大臣のおっしゃったこととはだいぶニュアンスが違う、つまり公共料金のストップについても、運輸大臣は、公共料金の値上げはいかなる理由があってもやめるべきだ、あなたは便乗的なものはいかんが、これは調査をして、やむを得ないものは、これは考えなければならぬということをおっしゃる、これも違っている。そこにどうも国鉄運賃、物価政策、あるいは公共料金の値上げストップというものに対しまして、閣僚の間においてどうも一致した方針といいますか、確信がないように私は思うのですが、これはいかがですか、運輸大臣からも今の問題について御意見をお伺いしたい。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) まず最初にストップの方から申し上げますが、ストップはかけたけれども、便乗的でないものは認可をする。運輸大臣は理由のいかんにかかわらず当分の間待ってもらうとおっしゃった、矛盾があるのじゃないかとおっしゃるけれども、私は便乗的なものは永久にいけないのです。ですからストップをかけるのは、要するに理由のいかんにかかわらず、といいますか、上げてならぬ、理由があるにしても当分の間ストップというのですから、私は同じだと思うのです。その間には、何も運輸大臣との間に矛盾はないと思います。  それからもう一つの点でありますけれども、物価政策だけの見地から言いましたら、私は国鉄の運賃というものは上げてもらいたくないということは最初から言っておりましたから、物価政策の立場だけから言うならば、運賃というものはぜひ上げないでほしい。ですから皆さん御存じの通り、運賃の引き上げにずいぶん抵抗しましたのは私たちの役所であったわけで、これは御存じであると思います。しかしながら、今度は所得倍増計画その他日本の計画を立てていく上において、国鉄というものは非常に大きな輸送の責任を持っている、その責任を持っているとすれば、五カ年計画を実施する上においては、どうしてもこれだけの利息のつかない金が要るのだ、この金が要る、その金を使わなければ所得倍増計画それ自身が遂行できない、結局日本経済の成長が、そこにネックがあると思うのだ、こういうことになりますれば、物価対策という見地からは好ましくないけれども、その建設をしてこなければ、もっとそれより大きな害が出てくる、こういうことになれば、それはやむを得ない。そこで大倉さんと私の考え方の違いは、その建設資金というものは、運賃の引き上げでまかなうのか、あるいは他の方法でやるべきかと、そこがものの考え方の分かれ目になってくるのではないか、物価対策からいえば、運賃引き上げはしてもらいたくないということは今でも言えます。それは何といいますか、大小と言って比べるのはおかしいかもしれませんが、物価の問題については非常に希望しないことであるけれども、全体の輸送体系整備の点からいえば、その方は犠牲にしなければならぬというので、運賃の値上げに同意したのでありまして、結局大倉さんと私ともし意見が違っているとしますれば、それはその建設資金というものを値上げ以外の方法でまかなうべきだと思うが、というのが大倉さんの立場。私の立場は物価、財政に対してはいい影響はございませんけれども、しかし建前としては、どうしても運賃の値上げによる以外は方法はございません。従って、物価政策からすればいやでありますけれども同意いたしましたというのが私の立場、こういうことだと思います。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 物価政策といいましても、通常の場合と非常の場合とあるんですよ。今日は私は非常の場合だと思う。それですからあなた方は公共料金引き上げをストップなさるのだと思う。ですから、こういう非常の場合における物価対策、これはもう最優先しなければならぬと思うのですね。ですから、鉄道建設は、これはしなければなりませんが、これは未来永劫に国家財政から出すと私は言っていない、あの法律案、私どもの出したあの法律案を通していただければいいのでありますけれども、この法案が通らない今日におきましては、未来永劫に出すということは言いませんけれども、この際最優先しなければらぬ物価政策について、この建設資金については、いわゆる特別立法を作らなければならぬ必要があれば、それもあえてやり、そうして、当分、当面の間として資金対策としてとるべき措置はあるのじゃないか、そうして今言われるところの当分の間が過ぎたならば、いわゆる運賃値上げということも出てくるでしょう。そういうときから向うは、これは正常な形になるかもしれませんけれども、この今の非常な事態、物価に関する非常の事態に対しては、やはり非常な措置があると思う。ですから、たとえば国鉄の何カ年計画というのもできたためしがない、できたためしがないということは、物価の見通しがつかないからです。来年は一体鉄鋼の相場は幾らになり、セメントの相場は幾らになり、人件費は幾らになる、そういう見通しがつかないから、これはお金の面でできない。ですから、そういう面からいたしましても、現在ただいまのいわゆる公共料金の値上げをストップしなければならぬというような、そういう事態の物価政策におきましては、これは国鉄料金などについては格段の配慮があってしかるべきものである。ですから、長官も、物価政策としては、運賃値上げは好ましくないとおっしゃった。好ましくないならやめて、他の方法を考究するというのが、これは至当じゃないかと思うのです。それをやらずに、いわゆる国鉄は重要だということでもって、ほかの交通運輸に従事する業者、あるいは企業労働者、こういうものが、あなた方のそういう政策の犠牲にならなければならぬということは、これは政治の公平の原則に反すると思う。ですから私は、この際あえて今のお説から言うならば、まずもって国鉄の値上げというものは延期すべきだというのが、私の立場ですが、お考えはいかがですか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 審議の過程におきましては、こういうことを申し上げましてどうかわかりませんけれども、もう一年国鉄の運賃値上げを延ばしてもらえないかということを言ったことがあります。(「それはいいな」と呼ぶ者あり)しかしいろいろ研究をいたしまして、つまり前の五カ年計画が本年度までまだあるのですから、前の五カ年計画を一応やって、新しい五カ年計画は三十七年度からにしてもらえないか、そうすればその間に国民所得の増加もあって、みんな国鉄の運賃の値上げというものを、なかなか納得はしないかもしれませんけれども、やや納得するような状態になるかもしれませんから、一年延ばしていただけないだろうかということも研究はいたしました。研究はいたしましたけれども、とにかく国鉄の輸送増強ということは焦眉の急であって、もう一年を持てない。こういうようなことは、これは所得倍増計画の、さっき加賀山委員の御質問がありまして、国鉄の五カ年計画をもってしても、昭和四十年度においては、私たち所得倍増計画の中間の年次には、はっきりと数字は出しておりませんけれども、線を引っ張ったところよりは輸送力が少し低い格好になりそうなんです。そういうようなことであるから、もう一年を待てない焦眉の急である、そう言われていろいろ慎重に研究をいたしました結果、全くそれはそうだということが納得いきましたので、それでは、物価政策の上では非常に好ましくないことではあるけれども、この際これは一つ思い切ってやってもらうことの方が、将来における物価の問題を、物資の需給調整の上からいっても、物価の問題にもプラスになる要件であるから、この際思い切ってやることにしようと、こう同意をした次第です。従って、私の申し上げておりまするように、この国鉄の輸送増強計画というものが焦眉の急であって、ぜひとも本年度から着工しなければならないということを納得しましたので、物価の上からいえば好ましくないけれども同意をした、こういうことなんでありまして、決してそこには矛盾はないように私は割り切っております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 そこで、運輸大臣にお伺いするのですが、今までお聞き及びの通り、経企長官の国鉄運賃と物価に対する考え方、この考え方と昨日以来の運輸大臣の考え方とは、相当食い偉いがあると私は思うのです。運輸大臣は、国鉄運賃の値上げというものは、これはムードを作ったものではない、しかもこれはほとんど物価には影響しないのだとおっしゃる。従ってこれを裏返して別の言葉で言うならば、物価政策上からいっても、運賃値上げというものは、そんなに問題にすべきものじゃない、こうおっしゃる。しかし経企長官は、物価政策からいけば運賃値上げというものは好ましくない。好ましくないけれども建設の費用を考えればこれはやむを得ない、こういう考えですね。ですから物価と国鉄運賃というものに関する根本的な考え方が、閣僚の中において意見が一致していないということは、これは必然的に物価政策に対する矛盾がここに出ているわけなんですよ。私はもう一回念のために、国鉄運賃と物価の問題について、運輸大臣の御所見をお伺いしてみたいと思う。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) 結論におきましては、今長官の言われたこと、まあ私は同じだと思うのですけれども、(「そんなことはないでしょう」と呼ぶ者あり)これは人間の言葉ですから、てにおはやなんかいろいろ違ったりなんかするが、片言隻句でなく、よく大体の意味をとっていただけば、大体わかると思うのです。私は、昨日物価のことを申し上げましたのは、御承知の通り前回二十六年のときと、二十八年と三十二年のとき、国鉄運賃の改定がありました。その結果を見ると卸売物価にはほとんど影響しないで、場合によると卸売物価は下がっているような状態になっている。しかしこれは国鉄運賃を改定して値上げしたから物価が下がったのではなくして、そのときの需要供給とか、あるいは金融の梗塞による景気の下降であるとかいろいろな問題がそこに作用したということから、おそらく前回三回のときも物価に対しては影響がなかった、場合によっては下がったようなものもあるのだ。で、それでわかるように一定物価の問題というものは国鉄運賃が改定されたからすぐはね返って上がるというようなものには私どもは考えておらぬで、それよりも需要供給とかその他その時におけるいわゆる景気の好況とか不況とかいうようなものであるとか、場合によっては金利を上げたとか金融が梗塞したとかいうようなことのいろいろのエレメントが物価というものを左右するものだから、世間よく言うように国鉄運賃改定があればすぐ物価が上向きになるというようなことには、私はにわかに賛意を表するわけにはいかないということを物価の問題については申し上げたわけで、おそらく私が考えていることは、大倉委員も御賛成下さることじゃないかと思いますけれども、そういうことを私は言ったわけなのです。ただ、昨日申し上げましたのは、これはだれが作ったかしりませんけれども、とにかくいわゆるマスコミとかなんとかいう魔法の手かなんかから(笑声)そういうことになったのかもしれませんが、世の中に現在値上げムードというようなものがあるということは——それじゃ値上げムードというものはどんなものかと言われましたから、価上げムードというものは、どうもはっきりしないで、何かこう、風のような空気のようなものがあるらしいと、しかしすでに値上げムードというものがあるときに、この際いろいろの公共料金を上げるというようなことは、現在ある値上げムードというものに拍車をかけるような結果になることをおそれて、当分の間はそういうものを認可しないような行政的な方法をとって、そうして、ぜひこの際上げたいとか何とかいう人があっても、まあ一つごがまんを願うということが、これが政治のいいやり方じゃないかというふうに思うと。  それからもう一つは、バスの問題がありましたから、バスの問題につきましては、いわゆるガソリン税の値上げや、地方道路税の上がったことや、あるいは軽油引取税などの上がりましたことは、一方におきましては、料金を上げるところの因子をそこに含んでおることはもちろんであるけれども、それによって道路がよくなって、あるいは舗装されるようなことになってくると、バスであるとか自動車を動かす者から見れば、車体であるとかあるいはタイヤの摩滅は非常に減ってきて、また使用する燃料の使用量というものも減ってきて、一方ではこのガソリン税のね上げによってできた道路のいいことが、料金を下げる方の因子になるようなことにも一つはなるから、必ずしも、今のガソリン税等の他上げというものが直ちにバス料金の値上げというものに響いていくというふうに考えることも無理だと。しかしながら、運輸省に、もし申請がありまするならばケース・バイ・ケースに調べてみて、勤労者の待遇が非常にこれじゃまだ悪いとか、あるいは経理の点から見てこれではとてもやりきれないというような、個々別々に検討した上で、そういうものは将来私はよく経済企画庁と緊密な連絡をとって、消費者の利益をまず勘案した上で、そういうものは許可すべきものであると思うと。しかし、そういうものは、申請があってもここ当分の間は、今のような値上げムードがあるときにこれを許可するということは、好ましくない影響を及ぼすことをおそれますので、がまんをしてもらうのが政府のやり方としてはこれは当然ではないかと、こういうことを申し上げたわけで、言い方が下手ですから、ふなれのために、あるいは今の長官の言葉と非常に考え方が違うようなものが出てくるかもしれませんけれども、よく、まあなるべく同じようにこれを見ていただくような気持で聞いていただけば、同じだと思いますが、何か違っているところがありはせぬかというふうにごらんになったり、聞いたりすると、二人の人の言葉でございますから、顔の違うごとく言葉の使い方にも差がありますもんですから、そういう片言隻句をとらえられた場合には違っているようですが、御親切にどうぞお考え下されば、大して違いがないと、こう考える次第でございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 いや、言い方が下手などころか非常にうまいので、わかりました。わかりましたが、わかればわかるほど、どうも違っておるのですね。ですから、大臣は、私は、もうあまりこれは違っておるのですから、関連質問もあるようでありますから、違っておるところを指摘さしてもらいますが、あなたは、国鉄運賃値上げというものは、これはまず第一に、ムードを作ったものではない。これはムードを作ったものじゃない。ムードというものはどっから来たかわからぬとおっしゃる。経企長官の方はそうじゃない。国鉄運賃というものがアピールされてこれが値上げムードになってきた、あるいは、ないしは拍車をかけてきたと、こう言う。事ほどさように食い違いがある。同時に、根本的には、国鉄運賃というものの値上げというものは、物価には影響はしないのだ。そういうものは直ちにこれが物価にはね返ってというようなことはない。だから、そういうような物価については心配ないのだとおっしゃるが、経企長官の方は、国鉄運賃というものは、物価政策上これは好ましくないから、私は抵抗したのだと、こうおっしゃる。だいぶ違うでしょう。  それから、今の後段におきましても、今運賃料金を上げなければならぬというような、でないとやっていけないような機運はあっても、これは、将来はこういうものは認可しなければならぬが、当分の間はがまんしてもらうのがいいことじゃないか。経企長官の方は、これは上げなければやっていけないというようなものは、こういうものは考慮しなければならぬ。便乗主義はいけないと、こうおっしゃる。違うじゃないですか。ですから、物価と国鉄運賃……、まあ物価と国鉄運賃に対する関連性についての、長官と大胆の考え方、認識というものは、これは全く違っておりますね、これは。違っておる。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 卸売物価にはね返りは、私も、ないということをどこでも申しております。私が、なるべく国鉄運賃というものを上げてもらいたくないなと思いましたのは、たとえ〇・一という、きわめて軽微でありましても、消費者物価に対するはね返りがあるから、つまり貨物運賃よりも私は旅客運賃の方が消費者物価に対しては、〇・一の程度のはね返りが、たったそれだけではあるけれども、はね返りがあるから、この際まあ好ましくないなと、これは思ったのでありまして、物価と国鉄運賃という問題を、分けていただいて考えていただかなければならぬのは、運輸大臣はもっぱら貨物運賃のことを言っておられると思います。これは私は運輸大臣と全く同じであります。消費者物価の点については〇・一の影響がある、これも事実でありますが、しかしこの消費者物価に対するはね返りをがまんしてもこの際建設をしてもらいたいと、全体的から見て建設をしてもらいたいと思いました。すなわち、その点についてはごうまつも運輸大臣と私の間には差はない。  それで、もう一つは、ストップの問題について、当分の間は理由のあるものもしないのだという点は何べんも申し上げておりますけれども、そこのところ、大倉さんは、どういうわけかしらぬが、違う違うとおっしゃるのですが、それも違いは私はないと思います。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 理由があってもやらないのだと大臣は言った。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) もし違いがあるとすれば、ちょっと私の言葉がすべったのですが、国鉄運賃というものの値上げがムードのきっかけになったということを最初私が申し上げたところが、運輸大臣の方は、ムードのきっかけになったということは、私は、言いたくないだろうと思うのですが、この点がやや違うといえば違うのですが、あとの点は、物価の値上げの点もストップの点も、一つも違いありません。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 違っているのですよ、それは。

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 速記をつけて。

加賀山之雄参議院同志会

○加賀山之雄君 迫水国務大臣に伺いたいと思うのですが、国鉄運賃が上がるときにあなたは非常に抵抗された。これは私も聞いておる。経済企画庁長官なら当然のことだと思います。それは私は今の論議になっているムードのもとになりはせんかということもあったんじゃないかと思うんですが、私は何回も運賃値上げに関係を実は持った経験があるわけです、あのインフレーションの時代に、たびたび。しかしながら、上げるのはなかなかむずかしい。従って、国鉄運賃の値上げは一番あとに、あとにとなって、それが今非常に国鉄の経営のガンになっているんじゃないかという私は憂いを持っている。ということは、やはりいろいろな取りかえをしていく、あるいは新しい改善をしていくという場合に資金が要る。そうするとやはり一般会計からの財政資金の放出ということでは限度があって、どうしても予算上十分これはとっていただくことが非常に困難である。そういうようなことが積もり積もって国鉄の改善が非常におくれてきた。ようやくさっきのお話では、昨年までである程度古いものの取りかえも進んできたということで、五年もおくれてきておる。これがまず第一番の迫水長官が心境の変化をされたとするならば、私はそういう点に思い至られたのではないかと思います。  そのほかに運賃を上げたくない、これは安いほどいいということですが、一つ重大な問題を見落としはせぬか。それは運輸の疎通というものがないと、この方からくる物価の値上がりというものがこわいのです。これは大雪のときの新潟辺の野菜の値上がり、こういうものを見ていただきたい。これは非常に極端な例です。それから昨日も論議が出ておったんですが、ダフ屋が起きる。これはなぜかといえば、これは座席券がとれない。そういう運輸の疎通が欠けるから、そういうことが起きるので、これは運賃の値上げどころじゃない。これは非常に大きな負担を国民にかけることになる。こういうものがこわい。私はこれが一つのやはり点として考えたんじゃないかと思います。  それからさらにもう一つ、国鉄運賃にして見落とされていることは、他の輸送機関、これは国鉄は非常に大きな独占をやっているようでありますが、トラックや船といった他の輸送機関がたくさんあるのです。それらとの運賃の比較というものは非常に大事な問題になってくるので、これはソ連の例なんかで、運賃は安いほどいいのだ。ただにしていた。ところがこれはもうとうてい輸送統制ができなくなって、ソ連のような国でもこれは失敗だということですぐにやめてしまったという例があるわけです。安ければ安いほどいいとはいいながら、やはり他の交通機関との運賃の調整というか、バランスが、これは国の交通秩序の上からいったらぜひとも必要になってくる。そういう問題がある。  それからもう一つ、先ほどから議論が出ている一般会計から補てんしたらいいじゃないかということですが、これも私ども運賃改正に携わって学者やいろいろな方から伺った。たとえば、あのインフレ時代に運賃を上げたらインフレをあおるという議論も一方にあったけれども、しかし、財政支出ならインフレに関係ないということはない。むしろその方の影響の方が強い、こわいという考え方があるはずなんです。かようなことをおそらく経済企画庁長官は考えられて心境の変化をされたのじゃないかというように思うのです。それを一つ承りたいと思って……。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 私が国鉄の運賃の値上げに同意をするに至りましたいろいろな経過につきましては、国鉄及び運輸省当局からいろいろ説明を受けました。その説明を受け私が心境の変化をするに至った段取りを、もし加賀山さんがその段取りを話をせいとおっしゃったら、またおそらく加賀山さんの言われた通りのことを今ここで言ったと思うのです。逆に今加賀山さんの方からずっと説明があったのですから、それを今さらここで繰り返す必要もないと思いますけれども、全体的に考えて今お話の中で一番大事なことは、やっぱり運輸がネックになったら物が上がってくる。この前の三十二年の、例の神武景気の逆戻りをしましたときは、輸送がネックであったことが一つの非常に大きな原因です。そういうようなことから考えて、輸送にネックが出てくるというようなことは、物価体系全体の上で非常に大きな重大な問題であるから、そこを疏通させるためには、どうしても建設を急いでやってもらわなければならぬというところが、私の今度の一番大きな理由でございまして、ただそのときに、それならば、その運賃の値上げをしないで国家の財政支出によってまかなったらどうか、という議論が当然そこに出てくるわけなんですが、それは先ほどから申し上げております通りとるべき筋ではない。これは財政の建前からいったって、鉄道の企業体の建前からいっても、まあ素朴な議論ですけれども、これから先、建設する部分については国民がただ乗させろということになると思うのですね。これから改良せられる部分のサービスがよくなる。そのサービスのよくなる部分については国民がだんだん新しい対価を払わないのですから、ただ乗せろということになるので、これは非常におかしいと思っておりますし、結局、どうしたってそうなれば利用者がそのつど、少しずつ金を出し合わせることによってまかなっていく。すなわち、運賃の値上げによるのが妥当である、こういうことでそれに賛成をした次第でございます。それで運賃の値上げ自身が物価に直接響くかというと、卸売物価に対してはおそらく響かないだろうということも考えられます。結局、問題は、消費者物価に〇・一はね返ることを消費者にがまんしてもらえばよろしい、こういうことで値上げに賛成をしたわけでございます。

加賀山之雄参議院同志会

○加賀山之雄君 確かに物価そのものに対する面接のはね返りとしては、旅客の面でも貨物の面でもパーセンテージは私は非常に低いと思う。しかし、何よりもこわいのは、やはりムード、ムードといわれておるいわゆる心理的影響、これはやはり国鉄運賃たるものは、これは絶大なものがあると思うわけです。そこで私は、先ほどどうしてああいうことを長官に申し上げたかというと、一般の国民もやっぱり上げられるのはいやだ。それからまた新聞等の書きぶりも反対のあれが出ている。心をたたけば上がらない方がいいのはだれもわかるのですが、そこをもう一つ乗り越えてやはり解明をする必要がある。今後運輸委員会等をもってそういう点を改良していかなければならぬと思うのですが、私は、たまたま迫水長官すら初めにおいてはこの問題に対してはやはり消極的であったというお話、そういうことであるならば、そういうことをやはり、こういうことがある、こういうことがあるということを事を分けて、やはり国民に知らせる義務が国会としてあると思います。そういうような気持でお伺いをしたわけです。これは大へんあなたをダシに使って恐縮だけれども、あなたが心境の変化をされた過程というものは、これはまた、あなたの理論なり、考え方として当然国民に納得させる必要がある。政府としても、またその義務があるように思うから申し上げた次第であります。

重盛壽治日本社会党

○重盛壽治君 私は、きょう迫水さんにここへお出を願ったのは、私の考え方からいうと、国鉄運賃もさることながら、国鉄運賃の影響する、これは大倉さんや加賀山さんがおっしゃった通りのことで、影響するところは非常に甚大である。私は、その前に一つお聞きをしなければならぬ事柄がある。私は、予算委員会ではないから、数字をあげて一々申し上げませんけれども、いわゆる値上げムードというようなもの、それからあなた方がよく〇・一%のはね上がりだと言って、その程度で大したことはないというようなことを言われておるが、これはもうすっかり物が上がったあとで、いつお調べになった、どういう数字か知らぬけれども、上がったあとで、さらに〇・一上がったと、よく解釈してもそういう解釈なんです。それより以前にもうあらゆる農産物、水産物、林産物、すべてのものが、いわゆる国民経済を脅かす、台所に関連したものが全部上がっちゃったあとです。それからあとおそらくお考えになったと思うのです。そういうことは別といたしましても、いわゆる自民党が言ってきた所得倍増あるいは減税というような見地からお考えになった場合に、国鉄運賃を値上げするということが、どういうふうに影響を及ぼすというふうに考えておられるのか、大綱はよくわかりました。今までにある程度のお話を、大倉委員や加賀山さんの言うことを聞いておって、あなたのお考えはわかりましたが、大へん正直にお話を願っておるかと思うと、無理をして運輸大臣に合わせようとするようなところにまた矛盾を来たすというようなことがあるので、私は単なる国鉄運賃値上げというような問題より、そのよってきたるいろいろの日本の経済の現実からいって、あるいは自民党の経済政策からいって、あるいは所得倍増というような問題からいって、どういうような影響をし、どういうところからこういう事態になってきたかということを、一言簡潔にお伺いをしておきたい。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 所得倍増計面といいますのは、十年先における日本の経済の見通しを立てたものでありますが、その見通しを立てたものから申しますれば、国鉄が負担するところの、国鉄が将来負担していくであろうところの輸送の分量の増加というものを一応はじき出されているわけであります。従って、それに見合うだけの国鉄が実は建設をしてくれなければ、所得倍増計画による経済の環境はでき上がらないという立場から、国鉄にそういう建設をしてもらうことが、経済企画庁としては第一番のまあ要請なんです。その場合において、運賃の値上げをしないでそういうことができるということが一番いいことですが、どうしたって運賃の値上げをしなければ、利子のつかない金がないのだ。利子のつかない金を、これだけの金がそれには要るがということになりますれば、国家の財政で負担するよりも、一般の利用者がそのつど少しずつ金を出し合う。すなわち、運賃の値上げによるものの方が非常に合理的であるし、正しい行き方だ、こう考えます。しかし、その運賃がもし物価に非常にはね返ってくるというようなことになりますれば、また、その点からも検討しなければならなかったわけでありますが、今回程度の値上げならば卸売物価に影響することはない。消費者物価に対しては〇・一%程度の影響である。これもいやではあるけれども、これくらいのところは一つしのいでもらうことの方が、日本の国全体の経済のために、経済ということは、要するに国民全体の利益なんですから、その国民全体の利益のためにやむを得ないことであるというのが、まあ国鉄運賃値上げに対する私の立場なんです。

重盛壽治日本社会党

○重盛壽治君 もう一つ、ちょっと私は幅広いと申しては失礼ですけれども、幅広い全体的な日本の経済のあり方というものが、極端に言ってこれでよいのか。私はあなたの考えている角度とは少し、総理大臣の考え方であるのか、大蔵大臣の考え方であるのか、はたまた、それはまあ閣僚全体の考え方であろうということになるかもしれません。もしそうであるとすれば、その考え方が、極端な例を言うならば、選挙当時あなた方が戦ってきたスローガンの線とはかなり違ってきておりはせぬか。もっと露骨に言うならば、国民に公約違反をやっていやせぬか。ここまで私は考える。私は何も野党だからものを追及的な意味で申し上げているのじゃなくて、私はこの半年の間に非常に心配をしている問題がたくさん出てきている。いわゆる今日の所得倍増論なるものに関連をして今日までとられてきたあなた方の政策の中に、日本の経済の将来ということは、一体どうなるだろうかということを考えさせられる場合に、私はそう専門家ではございませんから、あなたのようには安易には考えられない。非常にその点に疑問を持つわけです。そこらを明確にもう少しできぬかということです。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) どういうふうな……。

重盛壽治日本社会党

○重盛壽治君 質問が悪いかな。そうすると私は一つの例を申し上げます。池田総理が所得倍増の一環として、あなたは所得倍増は五カ年計画なり、ないし十カ年計画で、当然私もそうあるべきだと考える。そのときに突然、突如として国会議員の給料あるいは総理大臣の給料、特別職の給料が三十数パーセントも引き上げられた。そのときに、これはとにかく、あなたもお考えになったかと思うが、私自身は非常に驚いた。これは大へんなことになった。みずからの給料がふえることは必ずしも、貧乏人育ちですからいやではありまん。しかし、これがはたして国家の経済、国民生活の上にどういうふうに波及していくであろうかということを考える場合には、非常な大きな驚きを持ち、そしてどう収拾していくであろうか、当然これに関連をして、地方の市長、地方議会、各級の議員と名のつく者の給与の引き上げがなされる。さらにはまた、仲裁裁定で二日ほど前に官公労も、わずかではあるが引き上がっております。そうしたものが引き上げられて、それに中小企業、零細企業がついていけるような日本の経済状態であるかどうか、こうしたものを考えた場合に、私はこれは大へんな問題だと、このように考えて心配をした一人であります。そこにさらに国鉄運賃引き上げなるものが現われた。これより先に議員も総理大臣の給料も上がると同時に、あらゆる物価はうなぎ上りにどんどん上がってきたでしょう。あなた方は〇・一だという数字をいつおとりになったか、これはあとで資料をお出し願いたいと思うのですが、そういう事態がくる前にもう上がって、かなり苦しい段階まで追い込まれた。従ってこれをやはり押えて、平常な状態に返すということならば、私から言うならば、これはまず公共料金の値上げということを一時ストップする。あなた方がよくお使いになる一時ストップして、もっと幅広く、深く、大局的な立場から、全体的な経済の面をやっぱり検討した上に立って、一年先に、半年先でもよろしい。臨時国会を開いて、値上げをおやりになってもよろしいが、はっきり軌道に乗せた姿で値上げをしていくという態勢が作られなけば、日本の経済全体が危機に瀕する、私はあのとき考えた。そればかりではない。従って貨幣価値は下落をしていく、国際信用は失墜する、大きくいうならば。そうした非常なる広義な意味からも、何とか経済的に考え方を建て直しをしなければならぬのじゃないか。もっと露骨にいいますならば、これは所得倍増で池田内閣のやったことだからよろしいといって、国民が、あるいは国会議員の一人として、それで安閑としていられるのかどうか。ここまで私は心配した一人だが、そうした面から現われてくるところのこの運賃値上げというものに対しては、非常なる関心を持たざるを得ない。これは好むと好まざるとにかかわらず、国鉄運賃の値上げということに便乗するとか便乗しないといっても、これは全部が便乗します。これは過去の例に歴然といたしております。これは私どもの方で例をとるなら、あなた方の方に出していただかなくても出しますが、その点をあなたはどういうふうにお考えになったか。先ほどちらっとそういう感覚が出てきたので私はうれしく思ったが、また逆戻りして、運輸大臣に意見を一致せしめてしまったが、そこらをあなた方の考え方から、ただ単なる国鉄運賃の値上げという問題ばかりでなく、経済全般にこれでやり得るか、やり得るということならば、また別な考え方がわれわれにはあるわけで、それらの点を私は一つ明確にしていただきたいということをきょうは私はあなたに質問しているのです。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 御質問の要点は、国鉄の運賃をここで上げても、日本の経済全体には悪い影響はないかと、こういう……。

重盛壽治日本社会党

○重盛壽治君 まあそうしぼってもいいでしょう。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) まあ、こういうふうに了解をいたしましてお答えを申し上げます。  先ほど申し上げましたように、私も当初におきましては、国鉄運賃というものは、何も所得倍増計画の初年度の初っぱなに上げなくても、せめて一年くらいたって、所得が少しふえたという印象をみんな持ったところに上げてもらった方が、万事スムーズにいくなと確かに私もそう思いまして、そういうことを閣内でも主張をいたしました。しかし、だんだんにいろいろなことを聞いてみまするというと、所得倍増計画それ自体を進行せしめるためには、輸送という問題が非常なネックになるおそれがある。この前、昭和三十二年、神武景気が逆戻りいたしました一つの大きな原因は、あの当時輸送がネックになっていたということも、皆さん御承知の通りでございますが、そういうことからいっても、所得倍増計画を進行する上からいっても、どうしても国鉄の建設というものは急がなければならない。これは一年を経過することによって、かえって所得倍増計画の進行を阻害する。すなわち日本の国民経済成長を阻害するということになれば、非常な大きな害があることがだんだんわかって参りましたので、先ほど加賀山君がいろいろ申しましたけれども、ああいうような考え方、いろいろな説明を受けるに及んで、それではやむを得ない、国鉄の運賃はできるだけ上げ方を少なくしてほしいという希望を申し上げまして、結局当初の一七%の要求を一二%まで押えることに成功しまして、そして、その程度なら物価への影響も少ないであろう。卸売物価については、一方生産の増加もあるし、輸送の疎通ということもあれば、それも物価安定の一つの要素になるから、それなら卸売物価には影響しないであろうという立場から、同意をしたような次第でございまして、もし、できるならば一年待ってもらった方がよいということは、最初は確かに思ったのですけれども、全体を比較考量してみますというと、私がただそういう考え方からだけ主張することも、経済全体の問題としては当たらないと、こう反省をして同意をしたような次第でございます。

重盛壽治日本社会党

○重盛壽治君 これは大へん重大なことで、先ほど私が申しましたように、与党の立場とか野党の立場とかというようなことを抜きにして、私はやはり、日本の経済を安定せしめていくという意味合いからいうならば、国鉄の新設計画あるいは五カ年計画を一時待てとは言いませんし、それは大倉君の筆法とわれわれの筆法も同じことになるかもしれませんが、それはおやりになっていいのじゃないか。そのことのために要る予算を、補正予算を作ろうと、どういう予算を作ろうと、それは国民は納得すると思う。こういう方法に対して、逆に、あなた方の言う、先に取って与えるよりは、先にこっちでお立てかえして、それから国民に協力してもらうという態勢もあるわけです。政治の行き方としては、どうも依然として、いわゆるなわ張り根性というのか、なわ張り政策というのか、そういう形が抜け切っておらぬのではないか。私はやはり、経済企画庁長官という立場におられる人は、やはり運輸、建設、自治、一体になってやり得る一つの形を作り上げていくことが、私ども年来からの主張でありますが、そういうところまで踏み切らなければ、日本の現状というものはほんとうの軌道に乗らない段階まで私はきていると思う。ですから、国鉄運賃の値上げ——こんなことば、僕は妙なことを言いますけれども、結論を言いますれば、あなたがどのような答弁をなさっても、運輸大臣がどんな名答弁をなさっても、理論的にきまりがついて、あなた方の言われるような状態にはなりませんよ。あなた方も、相当長くやっておられるし、もといろいろな立場におられた人で、わかり切ったことをまことしやかに説明をして、理論的に納得させようとするから、いろいろな無理がある。そうではなく、実際の実情から言うならば、なんぼやったって、いわゆるイタチごっこになりますよ。悪循環になりますよ。もっと率直に言うならば、これは国鉄というものの経営の基本的な方針まで考えなければならぬ。私は、むしろその段階に今日きているのじゃないか。思い切って一体になってやる。野党が言ったから、与党が言ったからということではなくて、衆議院ではいろいろな角度できめられたけれども、今度参議院に来たら、いろいろな意見が出てきた。私がもしあなたの立場だったら、あるいは政府の立場にいるならば、無条件で、一年間なら一年間この値上げはストップして、苦しいがこの中でどうしてもやりくりをするというなら、何とかやりくりをしながら、国の経済全般からにらみ合わせて、今度どうするかという答えを出していかなければ、これはやはり順序が違ってこやせぬか、このように私は考える。この点をやっぱりあなたに努力をしてもらいたい。ふんばってもらいたい。  いわばそういう結論になろうかと思うのですが、もう一つは、政務次官もおるけれども、運輸大臣の御答弁のようなことでは、それは値上げをして賛成だということにはどうしてもなりませんよ。それは長い間、きのうからここへかけてのお話の中では、国鉄の値上げをしてもそう影響を来たさないんだ。その他のものに対しては、これは一つ一時忍んでもらおう。忍ぶんなら国家が中心になって、国がやるべき事業が一番先に忍んで、国民を指導し、国民にその見本を見せるべきだ。自分の方だけは格好をつけて、運輸大臣としての立場、運輸省として、国鉄としての立場として上げたが、その他の諸君は一時待ってくれ、これは中小企業、弱小企業、私企業への、むしろ私に言わせるならば圧迫です。そんな考え方でものをおやりになるということは好ましくないと思う。そこできょうはあなたにおいでを願って、経済全般の意味から考えてこの問題を処理していくという高度な立場に立てないのか、これを私はあえて、あなたの御答弁によっては池田総理にもおいでを願いたい。あるいは水田氏にもおいでを願いたい、このように考えている問題なんです。一応その点もう一ぺん一つ答弁をしてもらいたいと思います。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 国鉄の運営全体の問題についてどう考えるかという問題は、これはきわめて重大な問題でございまして、この国鉄の経営いかんによっては、こういう運賃値上げをしなくても建設はできるじゃないかという、そういうお立場に立ってのお話かもしれませんが、私はその点については、今まで説明を受けて納得しました範囲では、この際としては運賃値上げによるか、そうでなければ、国家の財政から補てんをやるか、どっちかしなければ、この建設計画はできないというふうに私は理解をいたしました。従って、この建設計画それ自身を一年繰り延べることができない限りは、また、そういうことが所得倍増計画の遂行上差しつかえないことでない限りは、結局それが所得倍増計画といいますか、日本の高度成長を支持するためには、どうしても一年待てないという事態が明らかになりましたから、私は一年待ってほしいということを言うのをやめたのだけれども、そうなりますれば、運賃でやるか、あるいは財政負担でやるか、どっちかの道を選ばなければならぬという二者択一の立場だと思います。で、私どもといたしましては、運賃の道を選んだのでありまして、結局さっき大倉先生との意見がもし違うとすれば、その二つのうちどっちをとるかというところで意見が分かれてくるのじゃないかと思うのです。それを、それ以外の道があるとかないとかという問題になりますれば、私の実は理解を越えた範囲でありまして、おそらく総理大臣もその理解を越えた範囲じゃなかろうかと思います。

重盛壽治日本社会党

○重盛壽治君 私は何度も申し上げたように、あなたに理屈を言おうとか、追及しようという意味で申し上げるのじゃないのです。立場が違うということを言いましたが、そういう立場の違ったということで私は論議をいたしたくない。少なくとも、国家の経済の将来、国鉄のなす重要な役割、そういうようなことを考える場合に、あなたの言うように、運賃によってのみ国鉄の五カ年計画を推し進めていくという考え方を一ぺん脱皮しなければならぬところにきているのじゃないか、これが基本線なんです。  関連して、吾孫子さんもおるし、その他国鉄の諸君がいるからお尋ねをしたいのですが、これは、国鉄に対して政府が出している出資、出資というか、これはきわめてわずかな予算でありますが、戦後、国鉄に対して国が、もっと露骨な言葉でいうならば、戦争で非常に痛めつけられて、大きな損害をきたしておる。過去十五年間にわたって、どういう処置を国家は国鉄に対してとられてきたか、これをちょっと簡単でいいからお聞きをしたい。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○説明員(吾孫子豊君) 戦後十五年間に国家として国鉄に対してどういう処置をとられてきたかというお尋ねでございますけれども、これは戦争中並びに戦争後に非常に老朽荒廃いたしました国鉄の疲弊した状態の回復ということにつきましては、一応国鉄自身の手で、特別に政府から財政的な援助なり出資を受けるというようなことはなしに、やって参りました。しかし、むろんそのとき以来の国鉄の経営状態から申しまして、自己資金で全部必要な原資を調達するということは困難な事情でございましたので、多額の借入金をいたして参ったわけでございます。本年度末までに三千七百億に達する借金を持っておるわけでありますが、そういう借入金等を調弁いたします際に、いわゆる財政投融資でいろいろめんどうをみていただくというようなことは、これは政府のお世話でできた点がたくさんございまするし、またそれぞれの予算を実行して参ります年度の途中におけるいろいろな資金上の問題等について、政府のお世話になったこともしばしばございます。ただ出資というような形で政府のお世話になりましたのは、公共企業体になりました際の資本金の政府出資というものと、三十六年度の予算で初めて実現したのでございますが、今度の新線建設に対する借入金の利子補給というようなことを今度やっていただいた、そういうような経過でございます。

重盛壽治日本社会党

○重盛壽治君 これは一つの全くの例であって、私は思いつきというか、まあお聞きをしたのだが、そういう過去を振り返ってみても、これは国鉄の幹部のだれが悪いのか、そういうことになると、加賀山さんなんかもここにおられるが若干責任は私はあると思う。あるかと思うのだが、いわゆる戦争によって輸送増強ということで、戦争をやる時代には、国鉄が国の一番重要な役割をなし、一番国家に奉仕をした。そうして戦争に勝つべく努力をしてきた。しかし残念ながら敗戦日本の姿になって、それから日本は敗戦国家としてあらゆる弁償をやってきた。外国に対しても、ビルマから、インドネシアから、フィリピンから、まあ私どもからいえば、その必要もないという南ベトナムまで弁償をして、それが多過ぎるといってインドネシアから因縁をつけられて、それじゃ考え直しましょうというところまできている。国内ではどうだろうかというと、傷痍軍人、あるいは恩給制度を復活しよう、これは当然戦争の犠牲になったものについてみんなめんどうを見ている。レールが黙っているから、貨車が黙っているからといって、国鉄をさんざん痛めつけておいて、その復旧資金を、これは国鉄幹部も従来長い間おかしいと思うのだが、政府が当然、借金、借入金というような形でなくて、特別の金額を助成して、日本の産業の動脈である国鉄復旧は、政府の力によって確保すべきだ、そういうところまでなぜ要求をし、なぜそういう形で従来やってこなかったか、これは当然やり得る要素がある。それはあるいは理論的ではないと言うかもしれないけれども、常識論からいっても、そのくらいのことをやったあとで、なおかつ不足を来たすというならば、若干の値上げをして国鉄の運営をはかるということはいいが、根本的に、たくさん借金をしたり、いろいろしているものを、それなりにかかえておいて、ちっとばかりの運賃の値上げをしたり、貨物料の値上げをして五カ年計画を完成させようなんというけちな考え方をしないで、私はいかに国鉄の諸君が、あるいは運輸大臣が、どんな名答弁をしても、現実にはやっぱりこれは絵にかいたぼたもちに終わる、このように心配をするわけです。ですから、先ほど来、迫水さんの言われることは——これは今私の申し上げたのは一例ですよ。戦争の被害に対する云々ということは一例ですが、そういうことを取り上げてみても、国鉄に対する一時的な融資は一つやろうじゃないか、あるいは国家の支出によって何とかしようじゃないかということを考えて、思い切った国鉄の再建案、言いかえるならば、消極的な再建案ではなくて、積極的な再建案を立てなければ、もうどうにもならない。必ずや行き詰まる。今日こんなものをかりに認めて値上げをして、二年たってごらんなさい。今度はまたそこで五カ年計画を作らなければならない。もっと悪い状態になってまた作っていかなければならない。三年たてば、またそこで作って、三カ年計画、五カ年計画をまた新しく作っていかなければならない。またそれから二年、三年たってそこで……。こういう方針を繰り返す限りにおいては、これはいつまでたっても同じ悪循環を来たしてくる。しかも、その問私企業にかなりの圧迫を加えながら、政府は横暴だというふうな非難を受けながら、そういうところにだんだん追い込められてくる。露骨な言葉で言うならば、国鉄をますますじり貧に追い込んでくる要素になってくる。今のコンヴィーニアンスとしてはそれはいいですよ。そうしてあなた方が、だんだん申し上げて——自分のみずからの立場から、そうして自分の今与えられた立場から、こうあらねばならぬという、感想としてはいいのですよ。けれども、私はほんとうに国鉄の将来を考え、将来、国鉄が国の動脈だとして考えるならば、これはやっぱり迫水さんが最初に言われた角度に立って、ほんとうに踏み切って、閣議の中であばれ回って、一つこの問題はやらなければならぬぞというところで、若い威勢のいい政務次官もいることだし、一体になって、国鉄問題は解決をつけるということにしなければ、それをわれわれがかりにのんでも、国民は納得しないと、私はこのように考えるがどうですか。私のしゃべるのばかり長くなって申しわけないのですが。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) だんだんの重盛さんのお話、私も何と申しますか、国全体及び国鉄全体の問題を御心配下さるお気持というものもよくわかりますし、私も、個人的な立場からすれば同感する点もございます。ございますけれども、しかし、この国鉄運賃の値上げの問題を審議する過程におきまして、今お話しになりました、政府が公共負担を肩がわりしたらどうかという議論もございました。もともと、国鉄というところは全額政府の金でやっておるものでありまして、これは純粋に何と申しますか、企業体として利益を生むような組織にはこれはなっていない立場でもございますので、結局問題は、最後にいきますと、国の負担で一般会計からやるか、あるいは運賃の値上げでやるかという、そこのところの議論になってくるわけなんです。そうした場合には、どうしても国の負担でやるということは、合理的に私は説明がつかないと思います。公共負担を政府が全部して、そうして国鉄の方は一銭もしないのだという建前をとる、それも一つの考え方かもしれませんけれども、そうなってくると、今度は政府に対して納付金をさせるべきじゃないかというような問題も逆に出てくるのでありまして、運賃の問題にも影響が出てくる立場もございます。  結局当面の問題は、この建設資金というものを、運賃の値上げでやるか、国からの出資でやるか、要するに利子のつかない金でやるためには、二つに一つの選択でいえば、やはり先ほどから申し上げております通り、利用者が利用のたびに少しずつ金を出し合っていくというような運賃値上げの方式が一番スムーズだ、こういう結論になったのでありまして、同じ答弁を繰り返してまことに相済みませんけれども、御了承願いたいと思います。

重盛壽治日本社会党

○重盛壽治君 この問題は、何といいますか、相当幅も広いし、幾らでもお聞きすることもあるし、申し上げることはありますが、かなり時間もおそいし、ほかに関連質問もあるので、私の質問は迫水さんに打ち切りでなくて、保留をさしていただきます。

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 速記をつけて下さい。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 きょう私は大臣と長官に対しまして、運賃問題の基本的な問題としての国鉄運賃問題、物価の問題、国民生活の問題、こういう問題についていろいろお尋ねしてみたんですけれども、どうも担当大臣と企画庁長官との考え方あるいは認識が違っておる、どうしても私はそう思う。でありますから、本日はこれ以上お二方にお尋ねしても、これは平行線だと思いますので、この相違点を速記録によってあらためて調査をして、その上に立ってまたの機会にお尋ねしたいと思うので、本日はこの問題に対する質問は一応保留をいたします。

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 本日は、これにて散会いたします。    午後六時十七分散会

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