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38回国会参議院1961/02/09

運輸委員会 第4号

発言数
42
登壇者
7
会派数
4
開催日
1961/02/09

会議録

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) ただいまより委員会を開会いたします。  運輸事情等に関する調査を議題といたします。  まず、通勤輸送に関して御説明を願います。

遠藤鉄二日本国有鉄道営業局長

○説明員(遠藤鉄二君) 前回の委員会に配付されております通勤通学輸送の現状とその当面の対策という資料の順序によりまして御説明申し上げます。  東京の国電利用旅客は逐年増加の一途をたどりまして、三十五年十月現在では一日六百九万人、全国鉄の輸送人員に対して四六%という大きな数字を占めております。また、国電利用客のうち、定期旅客の増加は、二十八年には二百九十万人でありましたが、三十四年には三百九十四万人、六カ年に百四万人の増加、一三六%というふうに増加をいたしております。  で、問題は、この一月初めから起こりました電車のおくれ等に伴いますところの、非常に東京の通勤客に御迷惑をかけましたこの問題でございまするけれども、この四百万人という大量の通勤通学旅客が、都心に向かう上り電車で、朝の七時三十分から八時三十分の一時間に集中して輸送が行なわれなければならないのでありまして、ラッシュ・アワーの旅客は終日の国電利用旅客の五〇%という多数に上っております。で、朝の七時三十分から八時三十分の一時間の間には、通勤と通学旅客が競合いたしまして、特に東京中心の主要駅の朝の八時から九時までに到着する電車でございます。この電車が定員に対しまして三倍というような大きな混雑になっておるのでございます。例年、一月から二月の中ごろまでかけまして、非常な混乱と電車の遅延が発生する傾向があったのでありますけれども、ことしは特にその傾向がひどくて、一月の半ばごろから急に運転状況が悪くなりまして、最悪の状態は一月の二十日でございました。中央線の上り急行電車が五十六分遅延するという結果を生じたのでございます。この原因は、これは大へん国鉄としては申し上げにくい点なんでございまするけれども、冬、寒いために、ぎりぎり一ぱいに出勤しようという旅客が多いということと、どうしても冬季は外套等の関係で厚着になりますので、車内に収容できる人数が減ってしまうというような関係から、かような結果になったのでございます。  国鉄といたしましては、通勤通学の電車はラッシュ・アワーに対応するため、可能な限り運転時隔を短縮いたしまして、編成両数もホームの限度一ぱいに連結をして運転いたしております。例を中央線の急行電車にとりますと、東京駅着で七時五十五分から八時五十五分という、ちょうど一時間の間でありますが、この時間帯に東京駅に到着する電車につきましては、二分ヘッドの十両編成の運転をやっておるのでございます。これは第一次五カ年計画の資金によりまして逐次、設備と車両を増強いたしましてここまで参ったのでございますが、現在の国鉄の技術をもってしてはこれ以上の増発はできない、ぎりぎり一ぱいの限度にまで達しているのでございます。輸送力としては現状設備ではぎりぎり一ぱいでございます。国鉄といたしましては、ぎりぎり一ぱいの運転をやっているにもかかわらず、かように乗客に御迷惑をおかけして大へん申しわけないのでございますけれども、一月にこういうような事態になりましたので、東京鉄道管理局を中心に緊急対策を実施いたしたのであります。  まず、緊急対策本部を設置いたしまして、特発電車、折り返し電車の計画をし、通勤通学旅客の波動に対処することにいたしました。また、特に混雑のはなはだしい中央線につきまして、新宿、高円寺、阿佐ケ谷、荻窪等から特発電車を出しました。また電車の絶対量も不足でありますので、冬季間の通勤通学旅客の輸送の緩和のため、電車の工場への入場、これを計画的におくらせまして、約四十両を特発用の電車として捻出をいたしました。また駅ホームの整理要員が不十分でございますので、約千人程度の職員及びアルバイト学生等を配置いたしましたのを、約三百人ふやして千三百人にいたしたのであります。それから、こういうようなことによりましても、混雑の緩和にはそれほど大きな効果が上がりませんので、実は部外に從漂いたしまして、時差通勤通学をお願いをして参ったのであります。時差通勤通学は今回のことで初めて行なったわけではございません。以前から機会あるたびに部外の方にお願いを申し上げているのでございまして、学校が比較的早くこれを実施していただいたのであります。この一月になります前にも、すでに東京都でもって約八万人くらいの学生が時差通学をやっていただいておりました。また東京、有楽町、新橋、神田の四駅は、都心の最も混雑する駅でございますけれども、ここを利用される事業所の、一事業所二百人以上の勤務者がある大きな事業所でありますが、その事業所の通勤者を調査いたしましたところ、九時始業のものがその四五%を占めておったわけでありまして、こういう関係からいたしまして、九時の始業のため、八時半から九時の間に都内にある主要四駅におりるお客が非常に多いのであります。その実際の乗車人員を申し上げますと、ただいま申し上げました四駅で、八時五十分から九時までの十分間におりられる客が最も多いのでありまして、八時から九時の間を十分刻みに客を調査いたしますと、八時五十分から九時の間が最も多いのであります。五万三千人であります。これが九時十分から九時二十分という時間をとりますと、二万二千というように、非常に、半分以下に減ってしまうという結果になっておるのでございますので、われわれといたしましては、国鉄の輸送力の及ばない現状にかんがみまして、多少通学の方も調節していただくとともに、都心の事業所を少しずらして、出勤時間をおくらしていただくことはできまいかと、こういうことを東京鉄道管理局を中心に、財界の方にもお願いを申し上げて、逐次これを実施される会社がふえて参ったように考えておるのでございます。  このような対策を実施いたしまして、部外の御協力をお願いいたしました結果、一月の末から急に混乱がおさまって参りました。二月になりましてからは、事故などが少しありましたが、そういう場合を除きまして、中央線のおくれは三分とか一分とか、今朝あたりで一分半程度でございます。そういうような事態にまで緩和することができたのであります。しかしながら、われわれは決してこれをもって満足をしておるのではございませんので、放任いたしますれば、来年度の冬にはさらにこのような事態の激化する可能性もございますので、何とか新五カ年許画の一環といたしまして、車両も増価いたしまして、恒久的の対策も当然でございまするけれども、とりあえず、来年度かような混乱を起こし、社会に御迷惑のかかることのないよう、万端の用意をいたしたいと考えております。ただいままでも、東京の国電の通勤用の車両は年百両程度増備をして参ったのでありますけれども、今後はこれをさらに増価をいたしたいと思っております。お手元に差し上げました資料は、当面の対策といたしまして、三百八十八両を投入しなければならないという計画になっておりますけれども、これは新五カ年計画の通勤対策の全部ではございませんで、そのうちの当面対策の車両でございます。もっとも、この全部の車両が三十六年度にすべて投入できるかというと、それは施設の改善とも伴いますので、できないと思いますが、来年度は、特に重点となります中央線等につきましては、このような車両の増備をはかる考えでおります。  時差通勤をやっていただきました結果、通勤時間帯が多少前後に幅が広がったのであります。現在の一時間の幅を一時間半にする、来年は前後に二分ヘッドというものを延ばしていく、現在二分ヘッドの隣りはすぐ三分ヘッドになっております。この二分ヘッドを延ばし、三分ヘッドの幅も来年度は両端に延ばすということによりまして、輸送力がふえるのであります。ただやはり、しかしながら、東京にぴったり九時に到着するという電車につきましては、お客さんが現在のような利用状態でありますならば、来年もこういうような事態になる可能性もあるわけでありまして、今後も根本的な輸送力増強が実現するまでは、いろいろ御協力をお願いしなければならない事情にあるかと思うのであります。  一応今年の国電の混雑状態を起こしました原因、あるいはその緊急対策につきまして御説明を申し上げた次第であります。

石井健運輸省鉄道監督局民営鉄道部長

○説明員(石井健君) 私鉄関係の通勤通学輸送の現状について申し上げたいと思います。  通勤通学の定期客が年々七%ないし一〇%伸びておりますということは、ただいま国鉄からお話のあった通りでございまして、私鉄についても、輸送需要の伸びは同じようなものだとお考えになってけっこうだと思います。ただ、これは関西の私鉄もそうでございますが、私鉄各社は、三十二年以来、輸送力増強の五カ年計画を立てさせまして、大体毎年約一〇%程度の車両の増備と、それに伴います変電所の増強をやっておりまして、今年度も大体秋までにその程度の、一〇%程度の増強が済ましてありましたので、一般的に申し上げますと、特にことしの冬が例年よりも混雑がはなはだしいということはなかったのでございます。ただ、車両の購入のおくれました東武鉄道の東上線が例年よりひどかったということは申し上げられますし、もう一つは、十七日の小田急のダンプカーの事件で、予定していた予備軍がすっかりなくなってしまったために、予備車の特発ができないという事情が起こりまして、小田急が若干例年よりも混雑がひどかったというような状態でありますが、最近におきましては、大体例年通りの格好になっているわけでございます。  大体一番ひどうございました一月十四、五日から二十五、六日までの各私鉄の列車のおくれの状況を申し上げますとラッシュにおきまして、京浜、西武、京成、東武の本線、こういうものが大体毎列車一分ないし二分、ひどいときで四分なし五分おくれておりました。また、京王帝都線と東急の東横線が同じく一分ないし二分、ひどいときで五分ないし六分というおくれでございます。それから、先ほど申し上げました東武の東上線は普通四分ないし五分おくれ、ひどいときには十四分ないし十五分おくれたという状況でございますが、大体おくれもおおむね七時四十分——四十五分ごろから始まりまして、九時十分ないし九時二十分になると平常ダイヤに復するというような状況でございます。なお、各社ともそのために運休したというのは、東武が一月中に二、三本、小田急は十七日のダンプカーのときにほとんど運休したということ以外は、列車を運休する事態すでに至った会社はほとんどない状態でございます。  なお、通勤輸送の今のおくれを取り戻すために各社のとりました手段は、大体国鉄と同じでございまして、駅とか車掌区の関係者の勤務交代時間をダブらして客扱いに専念させるとか、それから本社の職員が主要の駅に出向きまして、旅客の誘導に従事させるとか、あるいはまた、混乱がひどいと思われるようなときには、特発列車を準備しまして、それで遅延の波及をとめるとか、それから混雑列車を駅ごとに掲示しまして、あらかじめ旅客にこの列車は非常に込むから別の列車を選んでくれるようにとお願いするとか、こういう方法をやっておりまして、混乱の起こらぬように努力をしております。大体二月に入りましてからは、普通の状態に入ったと、普通と申しますか、例年通りの状態と申し上げて差しつかえないと思います。  なお、東武鉄道の東上線の車の入手がおくれたと申しましたが、これは二月十日以降、大体十八両ぽつぽつ入る予定になっておりますので、東上線の混雑の心配もこれで大体済むのじゃないか、こう考えています。  それから地下鉄につきましては、帝都高速度交通営団は、去年と比べまして、銀座線については一部六両編成、去年までは五両編成でありましたが、六両編成をしましたし、丸ノ内線につきましては全部五両編成にしましたので、大体去年の二割程度の輸送力増強ができました。一番地下鉄で問題になります赤坂見附におきます銀座線と丸ノ内線の乗りかえ客の混雑もそれほどではなく済ませまして、ほとんど地下鉄についてはおくれるなどという問題はなかったというような状況であります。  以上大体現状を申し上げました。

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 本件に関して御質疑のある方は順次御発言を願います。

大和与一日本社会党

○大和与一君 この前運賃値上げをしたときに、国鉄はそのうちにみんなすわって乗っていけるようになります、こういうふうなことを国民にだいぶ宣伝をしたような記憶があるのですが、ことしは今一番頂点に達してどうにもならぬ、こういうことになってしまったのですけれども、これは毎年々々ふえていることはちゃんとわかっているのだから、それに対して、たとえば時差出勤でも、ことし初めて外部に勧誘するのじゃなしに、今までも時差出勤その他について、これは必ず毎日だんだんこういうふうにカーブが上がっているのだから、どうにもならなくなるということはおわかりだったと思うのですが、今までの対策はどうだったかということを一番初めにお聞きしたい。

遠藤鉄二日本国有鉄道営業局長

○説明員(遠藤鉄二君) 第一次五カ年計画におきましても、当然車両の増強と線路の増強ということが計画されておりました。車両の増強につきましては、先ほど申し上げましたように、年百両程度の車両を通勤用に増加をいたしております。  それから施設につきましても、中央線につきましては、お茶の水−東京の線増を国鉄は計画をいたしまして、用地の買収も話を進めたのでありますけれども、神田駅付近におきましてどうしても用地が買えないというようなことで、これはまだ実施の段階に入っておりません。  それから特にピーク時を救済するために、時差通勤通学の從憑の件でございますが、これは先ほども申し上げましたように、国鉄としては相当前からこの必要があるということを各方面に対しましてお話は申し上げておるのでありますけれども、国鉄がこれを強制するというようなことはこれはできない話でございます。学校の方は相当早くからやっていただきましたし、また鶴見線などはこれは昨年から始めていただきましたので相当に効果が上がっております。上がっておりますが、東京の中心部に対しましては、まだ一般の方の御認識、御協力が十分いただけなかったのでありますけれども、今回のこの一月の問題をきっかけといたしまして、ようやく通勤者の方の御協力を得られるようになったわけでございます。

大和与一日本社会党

○大和与一君 これは冬だけでなくてほかの時期に、やはりこれと似たようなことが夏だって時間的にあるわけです。あるいは秋にもある。冬だけでなくほかの時期に猛烈にふくれ上がって、爆発しそうな、そういうような非常に悪い状態があると思うのですが、それは一体何用ごろですか。  それからもう一つは、関西、大阪ですね。あっちの方の輸送状態というものは、東京と比較して、環状線でないから事情は違いますけれども、それがどういうことになっておりますか、その二つ。

遠藤鉄二日本国有鉄道営業局長

○説明員(遠藤鉄二君) 東京の最も混雑いたします時間は、昔は夏型、冬型ということで多少変化があったのでございますけれども、最近は夏型、冬型の変化がないのでありまして、やはり年間を通じて、東京駅九時ちょっと前に着くのが一番の混雑のピークでございまして、そうしてその度合いは、学生は学校の休暇がありますので相当波がありますが、しかし通勤の方は年間を通じての波はありません。やはり冬一月から二月にかけてが年間の最も混雑期になっておると思います。  それから大阪につきましては、東京に比べますとある程度余裕がございまして、乗車効率が三倍というのも大阪地帯でございます。しかしそれは阪和線が大阪に入ってくる最後の一駅、二駅の問題でありまして、全般といたしますれば、大阪については現在もかような混乱は生じておりませんし、大阪も新五カ年計画等によりまして、だんだん車両もふえていきますので、将来もこのような混乱を起こすことはないと考えております。

大和与一日本社会党

○大和与一君 二分ヘッドは何分から何分ぐらいですか。

遠藤鉄二日本国有鉄道営業局長

○説明員(遠藤鉄二君) 東京駅着で七時五十五分から八時五十五分までのちょうど一時間であります。

大和与一日本社会党

○大和与一君 そうすると、その間は二分ヘッドだから物理的に不可能だと、こういうことですね。それのあとは三分になっているから、その両側を広げていこう、こういう努力をしたい。それにはやっぱり車両がなくちゃいかぬし、いろいろな条件がある、こういうお話ですね。今の冬夏の比較でなくて、全体的にどんどんふえているわけですから、そういう点の配慮がよほどうまくなっていないといけないと思うのですね、その点はどうなんですか。

遠藤鉄二日本国有鉄道営業局長

○説明員(遠藤鉄二君) 国鉄の希望といたしましては、時差通勤は単に一月、二月の問題だけでなく、できますれば年間を通じてやっていただいた方が望ましいのであります。

大和与一日本社会党

○大和与一君 しり押し専門のアルバイトというので約三百名ですか、それは一体いつまで続く予定なんですか、あれは大体期間がきまっているのですか。

遠藤鉄二日本国有鉄道営業局長

○説明員(遠藤鉄二君) 年間を通じてやっております。

大和与一日本社会党

○大和与一君 そうすると、その雇用条件というか、やや常時的になっているわけですからね、そういうところまでちゃんと約束ができて出ておるわけですか。それからその雇われた人の内容ですね、学生とかその他おると思うのですが、その辺。それから大体何名。

遠藤鉄二日本国有鉄道営業局長

○説明員(遠藤鉄二君) あれはラッシュ時間だけ頼んでおるのでありますけれども、私、労働条件について詳しく知りませんので、ちょっとお答えいたしかねるのですけれども。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○説明員(中村卓君) 実は私も詳しいとは存じないのですが、おそらく、いわゆるパート・タイマーでして、今営業局長からお話し申し上げたように、時間制でやっているわけでございまして、大阪にも若干城東線関係にあったと思いますが、毎日契約じゃないと思いますけれども、そう長い契約の期間じゃないと思います。

大和与一日本社会党

○大和与一君 もう一つ事故ですね。事故の内容ですね、程度といいますが、どれぐらいあって、どういう事故ですか、大体でいいですよ。

遠藤鉄二日本国有鉄道営業局長

○説明員(遠藤鉄二君) 事故は鉄道側の被害という方面から見ますと、窓がこわれるとか、それからお客さんにとりますれば、かすり傷というようなことでありまして、そう大きく死傷というまでには至らずに、件数とすれば、私数字は覚えておりませんが、相当そういうこまかい、こまかいと申しますか、軽傷程度はあったと聞いておりますけれども、特別大きな死傷事故というふうにはならぬで済みましたことは、不幸中の幸いだったと思うのです。

大和与一日本社会党

○大和与一君 そうすると、これは電車の一番混雑のときだけでなくて、たとえば普通の客車でも、年末年始の輸送ですね、臨時、特発をうんと出す。そうすると一ぱいダイヤが入ってくるから、たとえば上野駅なんか、私上野駅をしょっちゅう利用しておるからわかるわけなんですが、非常なおくれが早くから目立つわけなんですね。これをお尋ねすると、これはダイヤの無理ではなくて、それは十分にまかなえるのだけれども、お客さんの乗り降りが十分でないためだ。そうなってくると、それじゃ冬はお客さんの方にオーバーを脱いでもらわなければ正常運転ができないということになるのか。二分ヘッドが無理だから、これで必ずおくれるのはきまっておる。冬になったらオーバーを着ちゃうのだから、そういう点のわかりきった混雑のおくれが出るということは、どうしても避けられぬという格好になるのか。オーバーは取れない、脱げませんよ。これは脱がすことはできぬけれども、そうなるとおくれちゃうことはさまってしまうということになるのだね。その辺はどうですかね。

遠藤鉄二日本国有鉄道営業局長

○説明員(遠藤鉄二君) 先ほど申し上げましたのは、国鉄の来年に対する緊急の対策でございまして、根本的に東京の通勤事情を改善いたしますには、国鉄といたしましては、新五カ年計画のうちにおきましても、中央線の中野−三鷹間の線増でありますとか、あるいは車両の増でありますとか、いろんな計画が織り込まれておるのでありまして、また、通勤問題の解決は、これはとうてい一国鉄だけでなし遂げられる問題ではございませんので、われわれといたしましては、地下鉄との輸送の調整と申しますか、来年度は荻窪までの地下鉄線の開通も来年度終わりにはでき上がるのではないか。さらには地下鉄の五号線でございます、中野から東陽町に至る、そういうような路線と国鉄との直通輸送でありますとか、そういう基本的な問題は、全体の東京都の交通網をどう作るかという問題の一部として、国鉄も十分にその責任を果たして参りたいと存じておるわけでございます。

大和与一日本社会党

○大和与一君 やっぱりそうなると、たとえば上信越と東北線ですね。あれを全部上野から出しているから無理なんだ。そうすると、たとえば上信越線なんか池袋から出す、こういう計画があると、ちょっと聞いておるのだけれども、そういうことを具体的に考えられているかどうか。東北線の急行なんか大宮まできてスピード。ダウンしちゃうから損している。すっとくれば十分以上短縮できるのだけれども、あの上野−大宮問の線増はどうなっておるのですか。

遠藤鉄二日本国有鉄道営業局長

○説明員(遠藤鉄二君) 上野−大宮の線増も構想としてはあるのでございますけれども、まだ具体的にどうと申し上げるまでの段階に入っていないわけです。それから常磐線なども、これは近いうちに相当危ない状態になるのじゃないかというようなことで、これをそれでは都内にどうやって抜くかというような点につきましても、構想としてはないことはございませんけれども、そういういろんな構想をもとにいたしまして、政府でいろいろ御検討願う機会が持たれるのではないか、かように思っておるのであります。

大和与一日本社会党

○大和与一君 結局そうなると、時間がおくれて、大混乱、大混雑をして、そうしてけががあっては困るという心配の極限が今出たのですけれども、全体的にもう少しやはりこのお客さんが、そんなにいつでも立っておらなければ乗れないというような状態じゃ困るので、そういう状態がやや解消されると思われる時期は大体いつごろなのか。それから新五カ年計画というけれども、あるいは東海道新幹線、これは回ですからね。そうなると、東京の電車の全体の輸送状況から考えて、これはまあ全部すわって行くなんというのじゃないですよ。そういう意味じゃないけれども、やっぱり今のような状態では、いつ不測の事態が起こるかわからぬという状態なので、極限のところだけちょっと手直ししていくというのじゃどうしてもだめなんで、そうすると、その辺の国鉄の目安として、もうちょっと、普通にどんどん乗れるという状態になるのは、客車がもっとどんどんできたときとかですね。今おっしゃったような、工場の出勤をおくらすなんというのは、こんなのはこそくな手段であって、根本対策じゃないのですから。そういうことでない。絶対不足の客車の線路を直すと、ふやすことですからね。そういう点ができないままでは、これはしようがないと、何年たってもしようがないということですからね。その辺の御計画があれば一つ聞かしていただきたい。

遠藤鉄二日本国有鉄道営業局長

○説明員(遠藤鉄二君) 新五カ年計画の中に、東京、大阪を含めまして約六百億以上の投資を通勤対策として予定をいたしておるわけでございます。そのプランを実施いたしますと、各線区とも現在の波乱状態より徐々に乗車効率といいますか、混雑度合いも下がっていくというふうに考えております。今の状態より悪くなることはない。中央線などにおきましても、今の状態よりはだんだんよくなるのであります。しかしながら、来年ということになりますと、地下鉄の開通も、まだ来年の最繁忙期には地下鉄線の利用もそうふえないと思いまするし、国鉄は電車をふやして対処するだけでございますから、結局今の二分間隔の時間の両端を広げるという程度でございますから、やはり最高のピークの時間にはことしのような現象が起こりますので、一般の御協力をお願い申し上げなきゃならぬ事態が残ると思いまするが、大局的に見ますればどの線も逐年ごとに混雑を緩和できるようなプランになっておるわけでございます。

片岡文重民主社会党

○片岡文重君 総合的な問題として少しお尋ねしておきたいのですが、これはちょっと国鉄だけでも無理でしょうし、私鉄だけでも無理でしょうから、むしろ、御答弁を願う方がきょうはおいでにならないかもしれませんけれども、一応こういう問題が討議されたことがあるのか、議論されたことがあるのかという程度でけっこうですから、お尋ねしておきたいのです。  それは、今伺っておりましても、国鉄は国鉄だけで対策を立てておられる。私鉄は私鉄だけでその対策を立てておられる。しかし、この人道問題にまで発展をしたような混雑を緩和させていくためには、国鉄、私鉄が協力をして対策を立てるのはもちろんのこと、都市人口の問題にまでやっぱり思いをいたして計画を立てていかなければ、いつもいつも混雑のあとを国鉄と私鉄が汗を出して追っかけていく、しかもそれが解決をしないということに私はなるじゃなかろうかと思うのです。で、今営業局長が述べられたその対策の中でも、たとえばお茶の水−東京間の線区をさらに複線をふやす。しかしそれは神田付近の用地買収で行き悩んでできない。こういう線区を平面的に広げるような考え方は、すでに神田ばかりでなしに、私はおそらく限界にきていると思う。そこで、さらに、そういうその限界にきておる問題でなしに、もっと高度なところから、これは糊塗的な問題でなしに、恒久対策として私は考えなきゃならぬと思うのですが、これらの点について国鉄と私鉄で何かこう、たとえば新宿、渋谷あるいは新橋、上野、日暮里ですか、こういう私鉄と国鉄とで一そう混雑を殺人的にしているような面、それからこの輸送方法等について時間的な対策とか、いろいろな問題があると思うのですが、それらの点について何か話し合ったことがあるのかどうか。それから、あるいは常時お互いが情報を持ち寄り、これの対策を検討しておることがあるのかどうか。そういう点について一つ今までの経過なり、国鉄としてのお考えを聞かしていただきたい。

石井健運輸省鉄道監督局民営鉄道部長

○説明員(石井健君) 運輸大臣の諮問機関の都市交通対策審議会というのがございまして、今申されたようなことは、大体都市交通対策審議会にお願いしまして、諮問しまして、その答申に基づいてやっておるような状況でございます。さしあたってのことを申し上げますと、都市交通審議会は、三十一年に通勤通学輸送に対する対策について答申しまして、その中で主として力を入れておりますのが、環状線の中は国鉄はもう増強の余地がないのだから、環状線の中は主として地下鉄でやれということでありまして、現在三十一年の答申していただいております地下鉄のキロ数は、環状線の中で百八キロになっております。そして百八キロのうち、現在すでに開通しておりますのは三十キロ、きのうですか、中野まで開通いたしましたから三十六、七キロ、東京都が押上から秋葉原までやりましたから、大体百八キロのうち四十キロ程度の地下鉄が稼働しておるという状況でございまして、今後とも地下鉄の増強に対しましては一段と努力したいと考えております。  なお、今申し上げました百八キロの地下鉄は、当時の首都圏整備委員会の推定に基づきまして、東京都の人口が一千万になるということを前提のもとに立てた計画でございまして、ところが現在国鉄はもとより、私鉄、地下鉄等の輸送の伸びを申しますと、とうてい百八キロ程度の地下鉄では話にならぬという状態が大体はっきりしておりますので、あらためまして、去年の九月に、運輸大臣から都市交通審議会に対しまして、現在の高速鉄道網が改定をする要があるかどうかということを諮問いたしておりまして、これにつきましては、大体今年の四月ないし五月に答申をいただきまして、それ以降はその答申に基づいて地下鉄の促進をしていきたい、こういうふうに考えております。  なお、時差出勤、その他につきましての問題でございますが、今年は大体一応冬の混雑の山は越したと思って差しつかえないと思いますが、来年は中央線を中心といたしまして同じような状態が起こると思われますので、来年につきましては、私ども国鉄に限らず、私鉄その他を含めまして、もう少し計面的にといいますか、組織的にといいますか、時差出勤の懲憑をまずもって努めていきたいと、こう考えております。

片岡文重民主社会党

○片岡文重君 都市交通審議会の答申の内容というのは、今御説明の通り、これからの事態を解消していくところに重点が置かれておるわけですが、今さしあたっての、それから混雑緩和について国鉄、私鉄の間で何か話し合いをされたことがあるのですか。

石井健運輸省鉄道監督局民営鉄道部長

○説明員(石井健君) 現場の各駅ごとにはしょっちゅう話し合いをして、現場同士の対策をやっておるはずでありますが、幹部同士の話し合いということは、今までなかったように記憶しております。

片岡文重民主社会党

○片岡文重君 これは当面の対策と、それから将来に対する両方の関係、もちろんあるわけですが、審議会の答申でも、これはいわゆる答申だけであって、いわばこうあってほしい、望ましいというだけであって、私鉄の営業方針を変更させることもできなければ、国鉄の経営対策を変えるわけにもいかない。従って、たとえば私鉄ではどんどん沿線に団地を作って、そうして都心の人口を吸収していく。結局通勤通学がさらにふえていく、これを受け入れるのが環状線である。また都心の中央線なり何なりがふえていく、一そう混雑を増していく。これを引き受ける国鉄は、ただ出てくる洪水を結局受けとめるというようなことであって、起こされてくるその原因については、国鉄としては何ら手の打ちようがない。起こってきた現象だけを国鉄一つががぶってうめておる。こういう状況にあると思うのですけれども、こういう点の解消について、何か強力に、そういう都市計画の重要な一つの部門ですから、私鉄も国鉄も引っくるめて、そういう交通路線を画一といいますか、今日の自由主義経済の中で、はなはだむずかしいことでしょうけれども、そういう点で何か運輸省としては、もっと強力な機関を持っていくことを考えたことはありませんですか。

石井健運輸省鉄道監督局民営鉄道部長

○説明員(石井健君) 特に東京の都市政策といいますか、につきましては、政府機関としては首都圏整備委員会がございまして、首都圏整備委員会で人口の検討、その他やっておりまして、私どもにも連絡があるのでございますが、この点につきまして、人口の分散その他につきまして、私ども機会あるごとに申し入れをしておりますが、まだ首都閥整備委員会で、人口計画を、どの程度で押えるというような実行力のあるような方法はないように聞いております。

片岡文重民主社会党

○片岡文重君 答申を見ましても、それから首都圏整備委員会の内容をちょっと拝見してみても、どうも今私が要望しているような内容はなかりそうなんですね。しかし、何といいますか、この難問題の解決の衝に当たっておられる運輸省の民営部なりあるいは国鉄なりは、もっと真剣にそういう恒久的な解決策を私は考慮すべきだと思うのです。車両の増価とか線路の増幅とか、こういうことももちろん必要なんですけれども、あとからあとからとこれを追っかけていくようなやり方でなしに、やはり抜本的に私は対策を立てる必要があると思いまするが、これが東京ばかりでなしに、大阪にしても神戸にしても、福岡にしても、あるいは特に千葉あたりでは京葉工業地帯の造成とかいって、東京湾を埋め立てていってしまうようなところが出てきて、こういったようなところの交通対策も、私は今から考えておくべきだと思う。こういうときに、国鉄だけが責任を持って解決するということも困難でしょうし、さればといっても、もちろん、私鉄だけにこれを負わせることはできない、結局、経営の主体は違っても、一国の交通機関として、やはりもっと権威のあるといいますか、力のある機関が中に入って私は総合的に立てるべきじゃないか、こう思うのですけれども、これはちょっとお尋ねする方が無理かもしれませんが、民営部あたりではどうなんですか、そういう点について何か案を練ってみる考えはないですか。

石井健運輸省鉄道監督局民営鉄道部長

○説明員(石井健君) 先ほど申し上げました都市交通審議会の答申の中にも、将来のこととしましては、個々の事業者にやらせるのじゃなくして、大きな、統合をして、それによって輸送難の解決に当たるべきだというような答申をいただいておりますし、われわれとしましても、今すぐ統合というようなことを考えるかと言われますと、ちょっと今すぐというような時期ではないと思いますが、将来についてはそういうことも考えなければいかぬのじゃないかということで、研究してみたいと、こう考えております。

片岡文重民主社会党

○片岡文重君 それじゃ私は、きょうはあまりこまかい問題に触れないで、この程度で保留しておきます。

加賀山之雄参議院同志会

○加賀山之雄君 私は一つ希望があるのですが、今片岡君が話をされたことは私も全く同感で、これはもうとてもこそくなことじゃ東京の首都の交通はもたなくなっておると思うんです。これは国鉄の機能は、通勤輸送もそうだし、また街路の自動車交通だってそうだし、全くふん詰まりの状態で、これはうまくいっても、むしろ僥幸にたよっておるような私は状態だと思うんです。そこで、この交通審議会、運輸省に設けられたのもあるし、それから首都圏整備委員会も交通の問題を取り扱っておるが、この扱い方なんか、全く交通を、実を言って、従に扱っておる感じで、勝手に衛星都市なんかも作るのだけれども、これは国鉄なんかの交通から見ると、交通需要がかえってふえるのです、東京を中心として。これは外国の例でいうと、ロンドンなんか衛星都市を八つばかり都市の疎開をやって作っておるが、これなんかの考えは全く違うのです。これは独立した都市を作って、ロンドンをほんとうに疎開しようという根本的な計画でやっておるが、東京のはそういう計画がない。そうすると、ほんとうに交通機関をあずかるものは、こういうものができたら、それというわけで、全くあとから追っかけていくような格好になる。そこで私は、首都圏の形成というものをはっきりして、そして、それは交通の立場からは、道路交通と通勤通学の輸送、そういうものを含めて、一体どうしていくのか、五年後を目標にしていいのですが、そういうものを根本的に一つ本委員会あたりで私は全貌を検討する必要ありと思うんですがね。これはまあそうしてほかの機関をもっと鞭撻しなければいかぬ。本委員会にはそういう使命があると思うんです。これを運輸委員長に私は要望しておきたい。そういう機会をとらえて、関係者を一つ——今日は運輸省からお三人の局長さん、部長さんが見えておるが、もう少しお集まりいただいて、もっと委員も出て、そういう機会をぜひ一ぺん持ちたいと思う。国会中にぜひそれを委員長にお願いします。

大和与一日本社会党

○大和与一君 もう一つ、営業局長がおられますから。経営の合理化に伴って民間委託ですね、というようなことを考えておられるんじゃないかと思うんですが、そういうことは実際実行したことが今まであるか。あるいはそれに対してはどんな計画でおやりになっておられるのですか。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○説明員(中村卓君) 経営の合理化につきまして、いろいろ私の方でも研究いたし、できるだけまあ能率のいい経営をやっていきたいというような気持から、必ずしも国鉄の甲で直営をしないでもいいと思われるような業務につきましては、一部民間委託ということをあちらこちらで始めております。たとえば客車の清掃、そういうものが一番代表的なものでございますけれども、それからこれはごく最近、若干労働関係の問題になりました室蘭の桟橋のタグ・ボートの問題とか、ああいうものは、ぼつぼつ組合と事前の協議をやりながら、一般の荷主あるいは旅客にも御迷惑のかからないような方法で具体化をやっておるわけでございます。

大和与一日本社会党

○大和与一君 それがなかなか経営とかその他が、非常に評判がよくて問題がなければいいんですが、なかなかありますね。もう一つ聞きたいのは、閑散駅ですね、小さい駅で民間委託するというような場合は、どんな基準といいますか、どういう考え方で……。ぼこっと、ある線でこんなものをやったって、商売うまくいかないからというようなことで、そんな程度のことでやられるのか、そこら辺の基本的な本社の考え方、何かおありですか。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○説明員(中村卓君) 自動車関係につきましては相当前から民間に業務委託をやっておる駅がございます。鉄道につきましては、これは最近なんで、大体地方の支社なり管理局が考えまして、特に非常に赤字がひどい、いわゆる赤字線の経営の合理化の一つの方法といたしまして、全国的にはまだ業務委託をやっておる駅は非常に少ないと思いますけれども、若干あるんじゃないかと思います。これは赤字線区の合理化をする場合、輸送需要のある程度ある駅で、駅員無配置駅にするにはあまりお客さんに御迷惑をかけ過ぎる。しかし普通の本来の職員で仕事をやるには業務量が少ないというようなところが一つの目安になって民間委託をやっておるかと思います。

大和与一日本社会党

○大和与一君 もう一つ。たとえば清掃なんかでも、この仕事をやっぱり企業として成り立たせなくちゃなりませんね、あまりもうけてもらっては困るけれども。それを最小限度にかりに考えた場合に、国鉄退職職員をそこでめんどう見てもらう、これも私は反対ではない。しかし国鉄では一ぱい働いて、あとひやかしというと怒られるけれども、楽な気持で、あまり一生懸命やらぬで、ほんとうの小づかい取りのような気持でやっては、サービス機関として十分に機能を発揮しない、こういうこともあると思う。そういう点までの適切な指導を一応お考えになっておるのか、あったら一つ……。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○説明員(中村卓君) たとえば庁舎の清掃とか、東京駅なんかの清掃の一部をいたしますけれども、ああいう点につきましても指導をし、特に客車のような、実際直接営業に使うようなもの、また運転事故に関係するようなものは、たとえば清掃といたしましても、管理局なり何なり、責任のある個所におきまして相当厳重な指導を行なっておるわけでございます。

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) ほかに御発言はございませんか。——ございませんようでございますから、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時三十八分散会

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