P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
38回国会参議院1961/05/15

運輸、大蔵委員会連合審査会 第1号

発言数
134
登壇者
8
会派数
2
開催日
1961/05/15

会議録

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) ただいまより運輸・大蔵委員会連合審査会を開きます。  先例により私が連合審査会の委員長の職務を行ないます。  まず、参考人の出席についてお諮りいたします。  日本開発銀行理事吉岡千代三君及び営業第二部長淡河正君を参考人として本日の連合審査会に出席願うことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。   —————————————

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) それでは日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補給臨時措置法案を議題といたします。  本法案について説明を願います。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) ただいま議題になりました日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補給臨時措置法案の提案理由につきましては、過般運輸大臣から運輸委員会その他において御説明をいたしました通りでございますが、なおこの機会に私からそれにつけ加えて若干御説明を申し上げたいと思うのでございます。  御承知の通りわが国海運は、戦後におきます国民経済上の要請に応ずるために、戦争によりまして喪失いたしました商船隊の急速かつ大量の回復に努めて参ったのでございます。しかしながら、わが海運企業は、御承知のように戦時補償の打ち切りによりまして、全く自己資金を持たずに、もっぱら新造船をやります場合には借入金によって行なわざるを得なくなりましたので、その資本構成も逐次悪化いたしまして、これにわが国の金利水準が、国際水準から見まして著しく割高であるという事情が加わりまして、その企業内容は極度に悪化することとなったのでございます。従いまして、こういった割高な金利負担を国際水準並みに軽減いたしまして、日本海運の国際競争力を強化いたしますことは、海運政策上最も必要なことでございまするので、昨年市中金融機関の行なう融資につきましても利子補給を行なうことをお認め願った次第でございます。しかしながら、わが国海運の国際競争力のためには、市中融資に対する利子補給のみでなく、船舶建造費の大半を占めております日本開発銀行の融資につきましても、その金利負担を軽減することがぜひとも必要なのでございます。特に最近、輸出入銀行の輸出船に対する金利と開銀金利との不均衡が表面化して参りましたので、この間の事情も考慮いたしまして、本年度から日本開発銀行の融資に対しましても利子補給を行なうことといたしましてこの法案を提出いたしましたようなわけでございます。  この日本開発銀行に対しまする利子補給はい本年度から開発銀行融資によります造船に対して適用されるのでございます。補給率は一分五厘といたしまして、すなわち、現行の六分五厘に対しまして一分五厘補給いたしまして、結局船主負担は五分ということになるのでございますが、また、その最初の融資後五カ年間行なうことにいたしておるのでございます。ただ、今後におきますわが国経済の動向あるいは金利低下の傾向を勘案いたしまして、一応契約締結期間を三年間といたしておるのでございます。これに必要な本年度の予算措置は、支出額は本年度は千八百万円、債務負担行為額は約九億六千万円でございます。  この法律案の概要につきましては、まず第一に、政府は日本開発銀行と契約を結びまして、外航船舶建造のための同行の融資につきまして、当該融資の契約上の利率、ただいま申し上げました現行六分五厘と年五分との差を限度といたしまして利子補給金を支給することができるようにいたしたことであります。  第二の、利子補給金の支給年限、予算による制限支給限度額及び日本開発銀行の利子引き下げ義務といったような事柄につきまして、利子補給制度の基本的事項を市中金融に対しまする利子補給制度にならって規定しております。利子補給金は、政府から日本開発銀行に支給されるのでございますが、開発銀行がその受けた利子補給金に相当する額だけ船主から受ける利子額を差し引かなければならないことにいたしておりまして、船主の利子負担はそれだけ減少することになるのは申すまでもないところでございます。  次に、海運会社が一定率以上の利益を計上いたしました場合の国庫返納義務、海運会社に対します監査、勧告、海運会社及び開発銀行の義務違反に対する措置等につきまして、市中融資に対する利子補給の場合と同様に規制をするために、外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法の中の関係条文の適用ないし準用をいたしております。  最後に、ただいま申し上げましたように、この日本開発銀行に対しまする利子補給は、昭和三十六年度以降三年間の開発銀行融資による造船に限りまして行なうことにいたしておりますので、契約締結期間を昭和三十九年三月三十一日までとすることにいたしておるのであります。  以上が概略のこの法律案の提案理由の御説明でございます。

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) これより本案に対する質疑を行ないます。  質疑の通告がございます。まず成瀬君より御発言をお願いします。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 時間的な制限もございますですから、簡単に一つ御質問を申し上げたいと思います。  非常に船会社の内容が悪いということですが、ここに銀行関係の方はお見えになっておりますか……。普通、資本構成が、自己資本が二一・四%、そうして他人資本、借入金が七八・六%こうなっておるといわれる。他の会社、そういうものと比較しても、大体自己資本が三に対して負債が七というような率が大体今の大きな会社の率じゃないかと思います。それなのに、なおさらこれが非常に悪いのだといわれる理由はどういうところにあるのか、まず最初にお伺いしたい。

吉岡千代三日本開発銀行理事

○参考人(吉岡千代三君) 開発銀行の吉岡でございます。ただいま成瀬先生からお話しのごとく、御承知のように日本の産業全体を通じまして、戦前の自己資本と外部負債との比率は、たしか自己資本二に対して外部負債一である、あるいは自己資本六割に対して外部負債四割という程度の状況であったと思います。しかしながら、ただいま御指摘のように、戦争によりまして資本蓄積を喪失いたしまして、戦後外部負債に依存する傾向が強くなって参りまして、現状では一般に、平均いたしまして、戦前とほぼ逆の関係、自己資本一に対して外部負債二というような程度の形になっておろうかと思います。しかしながら、御承知のように、負債比率の比較的高い企業は、いわばそれだけ成長率が高いというふうにも考えられるわけでございまして、負債比率だけの高いことをもって企業の内容が悪いということは申せないかと思います。ただ海運企業の場合におきましては、現在私どもの方で外航船関係につきまして、本年三月末現在におきまして千六百九十七億円の残高を持っております。これは開発銀行の国内関係の貸付残高の三一%を占めておりますが、これに対しまして元本の内入れ猶予と申しておりますが、最終期限は到来いたしておりませんが、中間的の期限に返済を受けることができませんで、期限の延長の措置をとっております額が、同じく本年三月末現在におきまして二百七十二億円という状況になっております。これはただ本行たけでありませんで、市中銀行のやはり海運関係の設備資金貸付について見ましても、本年三月末現在におきまして千五百十九億の残高を持っておりますが、これに対してやはり三百九十億の内入れ猶予をいたしております。このように約定の回収額に対しましてこれを履行できないということは、現在一般の企業につきましては、その中の特異な例を除きましては非常に異例の状態であるのであります。これはいろいろ原因はあろうと思いますが、要するにこの点から考えましても、海運事業が非常に苦しい状態にある。自己資本比率が非常に低く、また収益も十分あがらないので、返済等も支障を来たしておるということは御承知願えるかと思います。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 これは開発銀行にお答え願うのはむしろいかなんだかもしれませんが、私が指摘したいと思いますことは、戦前のことではなくて、戦後の一般産業の自己資本と他人資本との比率というものは大体三対七くらいの割合である。で、造船を見ると、大体それは一対二になっているといわれているけれども、大体似たようなものだ。それなのに特に——そうは言うけれども、片方では配当もしておるし、収益率も相当あげておるじゃないかと言われればそれまでかもしれませんが、一般産業は大体資本構成がみんな悪いわけです。だから大蔵省としては資産償却の特別措置等をみんなやっておるわけですから、その恩典はこの造船も受けておるわけですが、特に造船会社が悪いのだと言われるその理由は那辺にあるのかということを御説明が願いたい、こう申しておるのです。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) ただいま御指摘になりました、なぜ海運会社のみが資本構成比率が極端に悪いのか、こういうことでございますが……。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 そうじゃなくて、よそもみんな同じじゃないか、資本構成比率は。それであるのに特に悪いと指摘される理由がわからないのです。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 予算委員会でもその点につきまして御説明申し上げたのでございますが、まず借入金のみによって新船を建造したということは、先ほど申し上げた通りでございまして、それと同時に、なぜ海運へ会社が他の一般産業に比して特に不振難業であるかという点につきましては、第一に、昭和二十五年当時までは、司令部の政策によりまして外航活動を全然許されておらなかったということによりまして、その間に長年にわたりまして、日本を中心にいたしますところの航路の経営が外国海運によって奪われてしまった。従いまして、その後外航活動が許されますときにあたりましては、国際海運界に復帰するのに多大の犠牲をしいられたという点が一点あると思います。  第二番目には、船腹拡充の急速大量の建造をいたして参りましたために、相当企業自体に無理があったということがいえると思うのであります。その点につきましては、国民経済上の要請といいながら、急速大量の船腹拡充におきまして、船価の高いときに融資がつく、金融がつくというような、悪循環といいますか、船価の安いときにはなかなか金融がつかない。しかしながら、一方において船腹の拡充と国際海運界に復帰するための手段を整備いたしませんと、海運会社としての戦後における再建もできませんし、かたがた、国民経済上の要請にこたえられませんので、そういった悪循環というようなものが伴って参ったということがいえると思うのであります。また、他の産業におきましては、国内市場というものを持っておりますが、海運は完全に海外市場だけの活動しかないわけでございますから、一般のその収入の源になります基準は、国際間の荷動きと国際間の世界的な船腹の需給によってきまって参りますので、これは申すまでもないのでございますが、他動的な因子によって、そういった運賃等につきましては、国内におけるような、国内市場に見られますような調整が困難であるということであろうかと存ずるのであります。そういうことに加えまして、借入金が膨大に絶対額が上りますと同時に、国際水準から考えまして割高な金利というものがつきまとって参りまして、他方、外国海運におきましては、長年の蓄積と、手厚い国家助成というものにつきましては、十分の手当を受けておりますところの外国海運と、なま身で国際競争場裏において競争して参らなければならないという点が、ますます経営の内容を悪化させたと、私はこういうふうに考えるのでございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 私はその次の問題に入りますが、海運界が不況というのは、日本ばかりではなくて、世界が不況だと私は思っている。その原因はどこにあるのか、これが一つ。それからもう一つは、今後大体よくなるという見通しを持っておいでになるのか、見通しの点についてお答え願いたい。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) まことにむずかしい問題でございまして、現在の海運市況の不況は、もちろん、ただいま申し上げました点に関連がございますが、荷動きと船腹の需給関係から、運賃がこの足かけ三、四年にわたって不振をきわめておるわけでございます。これは、一に船腹過剰であるということは言い得るのでございますが、相当の係船量も、実はスエズ・ブーム以後にあったのでございますが、少し市況が上向きますというと、その係船が解除されまして、市場に参加して参るということになりますので、締まりかけた市況がまたゆるみがちである、こういうようなことでございます。しかしながら、こういった係船量も逐次減って参りますと同時に、解体量も、スクラップにする船腹量もふえて参っております。ただ、そういったことからして、近い将来において海運市況が好転するかどうかという点につきましては、直ちに好転の材料は見出らない、こういうふうに考えておるわけでございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 私も船が多過ぎるじゃないかと思うのです、世界的に見ればですよ。日本は足るか足らぬかということは別問題として。そこで、しかし、日本としては船が足らないのだから、どんどんふやせばいいといわれると、需給関係からいってどういうことになるのか。そこで、なおかつ今後の見通しが、非常に明るくなるのだという見通しがあるなら、また別の考え方もあるわけです。あくまで国策上こういったものが必要なんだということになれば議論は別になる。一体どのくらいの船に日本を持っていったらいいのか。所得倍増計画があってどうだというような話も、ちょっと衆議院の方の速記録を読まさしておっていただきますからわかりますが、そういういろいろなことから勘案してみて、どうもいろいろな利子補給をやってみたって、こんなことをやってみても、何にも役に立たぬじゃないか、絶えず利子補給をやっていかなくちゃならない世話のやける産業で、絶えず国民が背負っていかなければならない、そういう運命にあるのかどうなのか、その辺のところが私は承っておきたいと思う。前のときは、いろいろなことを聞きますと、いや、少したったらまたすぐ収益が上がってきて、必ずもうかるのだというようなことをしばしばお聞かせ願っておったのですが、そういう甘い話じゃなくて、これはもう絶えず日本の国がめんどう見ていかなくちゃならない国策上必要な産業だ、こういうふうに規定をされるのかどうか、その辺のところを明らかにしておいていただきたい。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 現在、ただいま申し上げましたように、不況にもかかわらず、世界の各国はどうかと申し上げますと、世界各国も新造の需要が今なおあるわけでございます。現在の建造中の船舶は千八百万トンを数えておるのでございますが、なぜ船腹過剰で、しかも海運市況が慢性的な不振であるにもかかわらず、船を作っておるかという問題になると思うのでありますが、これは海運市場が、工業用原材料物資の大幅な増加によりまして、構造変化によりますところの当然の要請でございますが、世界の海運が大型化し、専用船化するということが世界的な傾向でございます。従いまして、そういったことに対処いたしまして、輸送手段の近代化というものがはかられつつあるわけでございますが、わが国の場合にも、こういった構造変化は、経済の高度成長あるいは重化学工業化というようなものに関連いたしまして、輸入量が非常に膨大になって参ります。従いまして、大型専用船あるいはタンカーの整備というのは、今後の経済成長達成のために欠くべからざる要請であろうと思うのでございます。現在そういった要請に加えて、低船価の時代でありまして、企業の力に応じました新造を行なっていくということば、かえって企業の全体の収益力を向上させることにもなりますので、企業基盤の強化に資するものもあると思われるのでございます。  なおさらに、御指摘がございました利子補給をしても先のめどがつかないではないかとの御質問でございますが、先ほど御説明申し上げましたように、輸出入銀行によりますところの金融をバックにいたしまして、日本の基幹産業が、外国船の発注という形式によりまして、外国船を十年あるいは十五年といった長きにわたって原料物資を外国船に依存する、長期運送契約をし、長期運賃契約をするということになりますと、将来所得倍増計画で増加いたして参ります基幹産業の輸入原材料の輸送が外国船によって奪われることになりまするし、こういったことが、将来において日本海運がその中に参加したいと思いましてもチャンスを失する。同時に、日本海運業の発展を阻害いたしまするとともに、国際収支全体の上から見まして好ましいことではない。それは一に輸出船といいますか、そういったもののコストと、国内で建造いたします自国船舶の建造のコストが初めから違うというところに基因をしておりますので、少なくとも外国海運と同一のベースに立って競争せしめるべきだと、こういう考え方で、できるだけ割高な金利——金利が原因になっておりますから、そういったものの是正をいたしまして、外国海運と同じベースに立たしたい、こういうのが私どもの念願でございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 日本の立場でものを言えばわかるのですけれども、世界で船が多いわけです。ですから、日本が輸入が多くなれば、日本が船を持っておってやれば、そうすれば運賃等は日本に収入になりますから非常にいいじゃないか、日本の立場ではそれでいいと思う。しかし、片方で見れば、どこかで今度は不況のしわ寄せを受けなければならぬ国が出てくる。そうすると、またその不況が、かりにアメリカであるなら、日本に対するはね返りが大きく響いてくる。そういういろいろな角度から検討してみたときに、ほんとうに船の規模をどのくらいにしたらいいのか。もう一つは、日本が船をたくさん作れば、もうかって、もうめんどうを見なくてもいいのだというようなところにはこないじゃないかと思っておる。なぜならば、片一方では船賃の協定があるわけです、定期航路ですか、日本が主として物を持ってくるときには。ですから、そういうような面からものを考えてみると、どう見ても将来も不況産業だと思う。たとえば、朝鮮動乱やスエズ動乱のときにもうかっておっても、少しももうかったことになっていない、内容は、資料によりますと。何かそういうような動乱、あるいはそういう突発的たことがあっても、一つも会社は内容をよくしておらぬ。もうかったときには何か、だらしなく使ってしまっておるのか、そういうことはわかりませんけれども、それにしても、監査などをしっかりやっておみえになっておる、監督なんかやっておみえになると思いますけれども、何にしても見通しが暗いじゃないか。だから国民は覚悟をして、みな絶えずこれから船に対しては利子補給、名目は何にしろ、みんな税金でめんどうを見ていかなくちゃならない産業だと規定されるのか。そうでなくて、いや、しばらくみんなの税金で助けておってやれば、後は明るくなるのだから、しんぼうせよと、こう言われるのか、どういうのか、その辺のところを明らかにしていただきたい。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 将来の事業の見通しは、これはまことにむずかしい問題でございまして、どう好転するかということは、なかなか世界各国で研究いたしましても、その通りにならないことはおわかり願えると思うのでありますが、少なくとも、日本の海運と外国の海運、しかも、私どもは、日本の造船所に発注をされて、日本の原材料を運ぶというもののコストを、少くとも企業経営の問題以前に、同じペースに置くことが正しい海運政策だ、こういうふうに考えるのでございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 私は、運輸省は一つの責任の場所ですから、長期的な考えがなくちゃいかぬと思う。ただ単に利子補給、昭和二十八年から始まって約八年かそこらやってきたわけです。これしか知恵がないのか、こういうやり方が最上の方法で、これしかないものか、私はある程度外国がみんな補助を出しておることはわかりますから、とすれば、何かめんどうを見ていかなければならぬ産業だと思うわけです。とするなら、何か抜本的な対策というものを考えていく必要があるじゃないかということを言いたいから、その点でいろいろと承ろうとしているわけです。で、ただ単に金利が世界の水準金利よりも高いから、それを低くさえすれば解決するのだ、こういう簡単なものだとは思わない。だからその点の見通しが承りたい、こういうことなんです。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) まことによくわかりましたのでございますが、私どもも実は、一昨年、海運の国際競争力強化対策ということにつきまして、海運造船合理化審議会あるいは経済団体あるいは政党、各方面から御意見を拝聴いたしたのでございまして、各方面から提唱されました競争力強化対策というものにつきまして、大体似たような案が出て参ったのでございます。それによりまして、いろいろな構想、抜本的な強化方策というものが、いろいろな内容のものが考えられるのでございますけれども、私どもの結論といたしましては、合理化審議会の答申を尊重いたしました結果、現在の企業の悪化をこれ以上来たさないように新船を建造していく。従いまして、不健全な借金ではいけませんが、償却前利益の限度において船を作って、企業力に見合ったものでやっていくべきであるというようなことで、新造船と企業力の問題はそういう方針をとっておるわけであります。そうしますと同時に、企業みずからが企業の強化計画というものを立てまして、たとえば五年間に企業がどのくらい自主的な経営努力でもって改革できるかということをまず第一に前提にいたしまして、それに応じて政府も利子補給をしていく、あるいはその他の助成をしていく、それからまた金融機関もそれに応じて御協力を願う。三者三様の努力でもって海運企業に対して国際競争力をつけていこうということで、今日その方針を踏襲いたしておるのでございますが、これは十分とまでまだ答申の内容全部は実現をいたしておりません。問題を残しておりますが、ただいま御指摘のように、観点を変えまして、もっと抜本的な構想なり根本的な対策につきまして、なお将来ともに慎重に検討したい、こういうふうに考えております。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 私は利子補給のやり方もいろいろあると思います。受け入れる方の側でも、たとえば今船会社は大体五十九社ある。これはもちろん船主と経営者と両方合わせて五十九社になっておりますが、こういうのが少し多過ぎやしないか、もしずっとめんどうを見ていくとしてですよ、少し整理されたらいいじゃないか。そういうものに対して、何ら、自主規制に待つんだとか、船会社の自主的な、あるいはそういうふうな企業の合理化等の問題に待つんだというようなことで済まされない問題じゃないかと思うわけです。そういうものに対する一つの考え方もあると思います。それから利子補給以外のやり方というものがありはしないかと思いますが、こういうことについては、私たちが指摘するよりも、これは運輸委員会で指摘される問題だと思うから、私は省略しますけれども、やめますけれども、とにかくもう少し抜本的な対策というものを立てていただく必要がありはしないかということだけ一つ申し上げておきます。  それから次に承りたいのは、金利の問題は、十分資料でわかりましたから、私はやめますが、所得倍増計画に基づいて十カ年間に九百七十万トンの船をお作りになる。そうして前五カ年間の間に約四百万トンの船を作られるというようなふうになっておりますが、これは間違いはございませんですね、大体計画は。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) ただいまこれで政府部内全部統一した計画ということにまだなっておりませんので、私どもの考え方といたしまして、そういう計画をいたしたのでございます。企画庁その他ともお打ち合わせをしなければならぬ問題が残っておると思うのでございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 そうしますと、大体前の五カ年間にかりに四百万トンの船を作られるとすると、トンどのくらいかかるか知りませんけれども、どのくらい金がかかるものと予測をして、それの需要計画、資金の関係を、資金獲得が非常に問題である。かりにトン十万円とすれば四百億の金が必要になってくるわけですが、そういう資金計画ですね、これはどういうふうになっておるのか。それと関連して、開発銀行の方はこれから約五〇%負担をされるとするなら、今年度はまあ百五十億ですか、海運に予定されておると思うのですが、それでもこれは何も外航船舶ばかりでなくて、その他にもなっておると思いますから、そうすると開発銀行の事業計画というもの、資金量というものがうんとふえてこなければならぬ。ですからこれと見合う、今承りますと、これは運輸省だけのもので、まだよそと全然やってないんだから何にもないんだとおっしゃればそれまでかもしれませんけれども、かりに四百億要るとするなら、どういう資金需要計画を立てておみえになるのか。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 仰せの通り、前期の計画としまして四百万トンといたしますと、トン当たり十万円として四百億は御指摘の通りでございます。そこで、ことしの、今年度の追加建造をやるかやらぬか、当面の問題といたしましては、私どもは償却前利益方式の範囲において新造の計画を考えますというと、開発銀行融資によります造船が二十五万五千トン、自己建造合わせましても約五十万トン程度が限度である、こういうことの想定を立てておるわけでございます。そこで四百万トンの年次計画を一応私どもの考え通りといたしますならば、二十万トン程度の追加建造を行なわねばならないということになりまして、その重点は、鉄鉱石あるいは石炭等のような大型専用船、それからタンカーというようなことに重点が置かれるわけでございますが、それによりますというと、本年度だけの開発銀行融資は五十億程度を期待しておるわけでございます。そこでこういったものの予算的な措置あるいは利子補給を、当然外国海運との現行通りのベースでものを考えていった場合に必要でございます。そういうようなことを考えますというと、五十億なりあるいは利子補給等の予算措置といったものにつきましては、まだ何らの結論を出しておりませんのですが、これからの問題として検討を進めて参りたい、こう考えるのでございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 それじゃ償却前利益が——あなたかおっしゃる企業力と新造船計画ですね、このものに対しては償却前利益の範囲内の建造は認めるという一つの条件があるわけですね。それでいくと大体五十万トンだと、こういうお答えだと思うのですよ。ところが片っ方の所得倍増計画でという、年間平均して八十万トンずつ船を作っていかなくちゃならぬと、こういうところに一つ矛盾がある。まあ、いや、そうじゃなくて、利益があがってくるのだから、大体それくらいになるのだろう、こうおっしゃるなら、また非常にいいことだと思うのです。片っ方は利益が出てくるということになるなら、船が作られたら船賃が入ってくるからいいのだ、こうおっしゃるかもしれませんが、その辺のところに私は大ざっぱなあなたの方の計画を、たとえば昭和三十六年は、今言ったように二十万トンの追加造船計画をどうするかというようなことは別として、三十七年はこうだ、三十八年はこうだというような計画はあると思う。それを一つお聞かせを願いたい。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 私どものただいま考えております年次計画を申し上げますと、三十六年度におきましては約七十万トンになるわけでありますが、三十七年度も七十万五千トン、三十八年度に至りまして九十万トン、三十九年度九十五万トン、四十年度九十七万六千トンということで、大体前期の五カ年計画は四百万トン、こういうふうに考えているわけでございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 まあそれにからんで、先ほどちょっと触れました資金計画というものが非常に必要になってくると思うのです。そこで、開発銀行の方にお伺いするわけですが、まあトン当たりどれくらいになるかということは一つの問題だと思いますが、かりに十万円とすれば四千億のお金が必要になってくるわけです。それを開発銀行が半分ずつ見ていくということになれば、年に大体四百億の融資額を想定しなければならない計算になってくるわけです。そういうことですね。そういう資金量の確保が開発銀行でできるのかどうか。  それからもう一つは、これは開発銀行に伺うわけでないのですが、市中銀行からもそういうところに一体資金が年間造船関係だけに四百億の市中金融ができるかどうか。もしできないとするならば、何か別途な考えをされるのかどうか、そういう点はどうですか。

吉岡千代三日本開発銀行理事

○参考人(吉岡千代三君) 所得倍増計画に関連いたします船腹増強計画前期四百万トンの希望を運輸省でお持ちになっておることは、先日運輸省と懇談をいたしまして、知っております。なお、ただこれはきわめて最近に第一回の会合ということでいたしまして、本行におきましてもただいま研究中でございますが、ただ先ほど海運局長からお話がございましたように、いわゆる償却前利益方式と申しますか、これ以上借入金を原則としてふやさない、企業の体質を改善しながら船腹増強をはかっていくという方式を昨年来とっておりますので、これは海運企業が現在のような非常に苦しい状況に立ち至りましたことにつきまして、もちろん戦後船腹の増強を急速にはからなければならぬという要請もあったわけでございますが、一面やはり海運市況の好況時には、船腹建造の意欲が急速に上がって参りまして、しかもそういう場合にはおおむね船価が非常に高い。それがブームが去ったあとにおいて高船価の負担増と低運賃との両面から、非常に不況の原因をなしておるという関係があるわけでございまして、そういう過去の経験にも徴しまして、ただいまのような償却前利益方式というのをきめたわけでありまして、現在海運企業の経営者もその点を十分理解されて、事業計画なり今後の強化計画をお立てになっておるわけでございます。従いまして、私どもといたしましても、この考え方は、せっかく過去の苦境から生まれた方式であるので、この方式はぜひ堅持したいということをお願いしておるわけであります。  それでは、そのような条件のもとにおいて、はたして四百万トンの建造ができるかということでございますが、これは先ほど海運局長からもお話がございましたように、このうちの相当大きな部分を鉄鉱石その他の専用船、あるいは今後消費量の急増を予想されますタンカーの建造に考えておるわけであります。これらの専用船とかあるいはタンカーの場合には、この需要者でありまする製鉄会社、あるいはアルミの製造会社、ないしは石油会社等も直接建造費を負担する場合もあり、また、運賃なり積荷の保証をやるという形の場合と、いろいろございますが、その辺でやはり長期的に見れば安定した運賃で原料を運びたいという希望を持っておるわけであります。従いまして、現在自己資金船も一件一件運輸省並びに関係金融機関で承認制度をしいておりますが、最近作られております自己資金船は、本船採算は少なくとも十分とれる。で、その場合には償却前利益方式の例外と申しますか、精神には反しないというふうに考えるわけでございますが、要するに本船の建造費が調達され、その利払い並びに元本の償還が本船から発生する運賃収入でまかなえるという場合には、例外としてこの建造を認めておるわけであります。従いまして、そういう方式に合致するものがどの程度出てくるだろうかということは、これは今年度の問題につきましても、いましばらく時間がありませんとはっきりいたしませんが、たとえば昨年度におきましては、これは計画造船は御承知のように十九万トンでございましたが、そのほかに自己資金船として五十六万トンという建造ができておるわけであります。これは、一つは前年、三十四年度からのズレの分も若干含んでおりますので、今後このペースでいくかどうかは疑問があると思いますが、先ほど申しましたように、これは一件々々厳密に審査いたしまして、本船としては十分資金調達もでき、またその借入金の償還をしながら収益をあげていくという条件に合致したものでございまして、先ほど海運局長からお話がございましたように、現在まだ船価は非常に安いわけでありますので、この辺の自己資金船の建造意欲も、今後の原材料なり貿易量の増加を考えますと、相当根強いものがあるんではなかろうか。従いまして、この四百万トンの分を全部開発銀行で負担せよといわれますと、これはとうてい困難だと思いますが、自己資金船の建造可能量、財政事情等を考えまして、ただいまの海運政策上の要請とどの辺のところで調整をとっていくかということになろうと思います。しかし、先ほど申しましたように、海運企業の体力を強化しながら、できるだけ船腹をふやしていきたいという考え方でありますので、おそらく当初は年平均という形には参らぬかと思いますが、幸いに所期の効果をあげて参りますれば、逐次建造量はふやし得るのではなかろうか、このように考えております。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 私のお尋ねしておるのは、大体開発銀行で、金は、今の御答弁を聞きますと、むしろ自己資金の方が多いような御答弁ですが、私の承知しておるのは、今後所得倍増計画に基づいての造船計画は、大体開発銀行で半分を持つ、市中銀行で半分を持つ、従って平均金利が五分九厘くらいになってくるんだ、これは大体世界水準の五分五厘に見合うのだというふうに聞いておる。従って、五年間に四百万トンお作りになるとするなら、トン十万円とすれば四千億のお金が五年間に要る。年にすれば八百億だ。そのうち半分の四百億は開銀が大体めんどうを見られるのだと、こういう計画になってこなければいかぬと思う。しかし三十七年は七十五万トン、三十八年は九十万トンという一応年次計画をお出しになりましたが、五年間、平均して八百億、それに対して開銀の四百億、そういう計画は開銀としてはできないのじゃないかということが言えると思うのです。それとも、いいえ、開銀は大体資金量としてそれくらいの金は、外航船舶だけに年間四百億、向こう五年間平均確保することができるのだと、こうおっしゃるのか、そこを承りたいと思います。

吉岡千代三日本開発銀行理事

○参考人(吉岡千代三君) ただいまお話がございましたように、計画造船で融資いたしておる分につきましては、これは年度によって多少融資の比率が異なりますが、現状では大体定期船につきましては、昨年度が財政資金の割合が八割、今年度は大体七割という予定をしております。それから不定期船並びにタンカーにつきましては、両年度とも大体五〇%を財政資金で融資しておる、こういう関係でございまして、その数量が二十万トン、二十五万トンということになるわけでございます。そのほかに、先ほど申し上げました、いわゆる自己資金船と申しております、市中金融機関なり、あるいは荷主自己資金、造船主の協力等、合わせまして作る船が毎年何十万トンかあるわけでございます。従いまして、全体として財政資金の比率が半分になるというふうには必ずしも参らないのではなかろうか、こういう意味で申し上げたわけでございます。もちろん国際競争力等考えますと、なるべく金利の低い資金の割合の多い方が好ましいわけでございますが、先ほど申し上げましたように、自己資金船につきまして、特に専用船、タンカー等につきましては、荷主との契約なり荷主の協力等によりまして、必ずしも財政資金をつけなくても、そういう運賃、積荷保証等の形において採算のとれる船ができ得るということを申し上げたわけでございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 どうも私の勘違いなのか、この提案理由も、おっしゃるように、市中金融に対する利子云々とあるでしょう、「船舶建造融資の五〇%以上を占める日本開発銀行の融資についても、」云々と、こうなっておる。従いまして、今後やられんとされる造船計画は、大体五〇%は開銀に依存するのだと、そういう態度じゃないですか、運輸省の態度は。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) ただいま吉岡理事が御説明になりましたように、いわゆる造船計画といいますか、開発銀行融資によりますところの新造船につきましては、不定期船、タンカーといったようなものについては、開発銀行五〇%、市中融資五〇%、本年度は定期船につきましては七〇%開銀融資、三〇%市中融資と、こうやって進めておるのでございますが、自己資金によります建造というものが別にあるわけでございますので、ただこういったものが将来非常に多く伸びるかというと、私はそう伸びないと思うのでございます。実はそういったものが可能でありますのは、インパクト・ローンとか、あるいはスエズ・ブーム当時の契約がまだ約束として残っておったというようなものがございますので、長期の意味でなおかつ考えてみますと、非常に有利な運賃契約がまだ存続しておる。従って石油会社等においても建造を承認しておったというようなものが残っておりますので、将来そういった、先ほど申し上げました輸出船とのコストの格差というようなものから考えまして、そう多くはできないというふうに考えておるのでございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 まあ私も予定しておりました時間も参りますからやめますが、こういうふうに片方じゃ船をどんどん作れと、それじゃ船会社の方は経営が悪いわけなんです。船会社は一体どういうふうに思っておるのか。船をうんと作らにゃいかぬと、こういうふうに考えておるのか。少なくともあまり利益をあげておらない。また今のままでいけば、船を作ればもうからぬというようなことで、経営が悪化する方に向くのじゃないかということを心配しておる。片一方では、その悪化させぬような方に船を作れというのが一つの国の方針だと思うわけです。またそうあってほしいとも思っておるのですよ、私個人的にはですね。そこら辺のところは、どういうふうに調整するかというところに問題があって、一つ利子補給でいこうじゃないかというような結論になっておったと思うのですが、運輸省としちゃ今後一体どういうような角度で、この船会社が赤字でとにかくやっていけないようなことに対してどうされるのか。この前の何か新聞によると、経企庁長官の迫水さんが、船舶保有の政府機関というのですか、公団というのですか、何かそんなようなのを作ってみたらどうだというような意見も出されたように聞いておるのですが、将来これは迫水さんの私的なものかもしれませんけれども、運輸省としてはどういうふうに考えておりますか。とにかく、私はむずかしいところだと思う。ですから、運輸省もそう簡単にはいかないと思う。迫水長官のこれは意見かどうか知りませんですよ。あるいは私的な意見かもしれません、経企庁の意見かもしれない、こういうものに対してはどういうお考えですか。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 実は先ほども申し上げましたように、一昨年海運対策が各方面で論議されました際にも、私どもの構想といたしまして、新船建造と経営内容をよくしていくということは、二律背反の感じがいたすものでございますから、私といたしましては、今後の新造船は、いわゆる国家機関的な公団あるいは特殊機関が保有をするということで、一度在来の企業というものを分離して新船の建造をやって、国民経済の要請にこたえるべきではなかろうかという構想を出したのでございます。まあ各方面の御意見につきましては、一部そういった考え方も提唱されましたけれども、全般の結論といたしましては、あくまでも私企業ベースで新船建造をしていくべきだ、海運の国際的な面からながめましても、経営形態というものはほとんど全部が私企業の形をとっておりまするし、国際海運の活動におきましても好ましい姿であるということは申すまでもないのであります。また、私企業ベースで経営を改善していかねば、むしろ、そういった国家的な機関が保有をいたしますと、別な意味でのイージー・ゴーイングであるというような、いろいろな批判が行なわれまして、ただいま私どもはやはり私企業ベースを守っていく。従って、企業内容を強化して、しかも、国民経済の要請にこたえる新船建造を進めていかなければならない。まことにむずかしい困難な問題ではございますけれども、その点につきまして、なお今後とも検討を進めて参りたい。一昨年対策が出たからといって、これを墨守するつもりはございませんが、将来の問題として真剣に考えて参りたい、こう考えておるわけです。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 最後に、まあ政府の造船を認める条件といいますか、条件としては、あくまでも償却前利益の範囲内で、やっていく。片一方は所得倍増計画で国の造船計画というものがある。しかし、それよりもより尊重される条件は、償却前利益の範囲内の造船の方が強いのだ、こういう考えかどうかということが一つ。  もう一つは、これはそういうことになると、これは会社が大体主点になってきて、船主というのは消えていくと思いますが、そういう条件というものは、これは一つ船主も仲間に入るのかどうか、これに対してお答えを承りたいと思います。私は、所得倍増計画というものはあるけれども、やはり償却前の利益を企業は守っていくのだという方が優先するのだということで、これはどんなことがあっても動かさないのだという考えだとすると、片っ方において所得倍増計画というものとおかしな形になる、そういうことは別として、議論すれば私はあると思いますけれども、そうじゃなくて、どちらをとられるかが一点。  もう一つは、こちらの方じゃ、五十四社で償却前利益が百五十三億ですか、これだけあるのだ。来年は、これは九月決算ですから半期になりますけれども、そうすると、三百億、大体三十万トンの船が動いていくということになる。いろいろな問題が出てくると思いますけれども、その限界が守られるかどうかという点、そんなような点についてかいつまんで一つお答え願いたい。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 船を建造して参ります場合の考え方といたしまして、企業力といいますか、企業基盤の強化ということを考えるために、私企業ベースを守っていくのだということで私どもはいきたいと思います。  第二の御質問につきましては、百五十億程度の償却前利益、これは半期でございますから、御指摘の通り三百億になるわけでございまして、当分私企業ベースを守っていくといたしまするならば、この点につきましても、償却前利益方式というのは続けて参りたい。ただ、先ほど開発銀行の吉岡理事からお話がありましたように、償却前利益の限度だけで船を作っていくということでは、実情になかなか合わない面がございますので、鉄鉱石、石炭あるいは石油といったようなものにつきまして、今度のこういった海運利子補給を並び行なって、長期の運賃契約あるいは荷物の保証というようなものがありますならば、本船の採算がそれで十分とれる。それからプロフィットとしていささかでも残りますならば、過去の重圧にも貢献するというようなものはある程度認めて参りたい。しかし、原則は先ほど申し上げましたように、償却前利益方式の限度内において船を作るという原則は動かしたくない、こういうふうに考えております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 私は、こういう角度から質問いたしたいのですが、それは、前に利子補給につきまして、これは昭和二十八年でしたか、十三億の利子補給を一挙に百六十七億に増額したことがあります。それを中心として、いわゆる造船疑獄の問題が起こったのでありますが、利子補給については、ただ頭から、日本の海運振興のために利子補給とか、その他の補助を全然やってはいけないというような、頭からそういう議論をするわけじゃないのです。船会社が経営に非常に合理化に努力をして、ほんとうにどういう点から見ても利子補給をしなければならぬという合理的な根拠があって、その上に立っての利子補給でなくちゃならないと思う。従いまして、私は、これからどうしても、今度の法案は開発銀行の利子補給でありますが、その前に市中銀行の利子補給というものは、三十五年すでに復活さしたわけでありますが、市中銀行の利子補給も含めて、この開発銀行の利子補給の問題についてお尋ねしたいのです。  私、まずお伺いしたいのは、利子補給の対象となる会社が何社になりますか。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) ただいま市中の利子補給の対象会社が五十八社でございます。開銀の方はこれからやるものでございますので、本年度の開銀融資によります新造船の船主が決定をいたしましたものから実施をするつもりでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 そうすると何社くらいになる予定ですか。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 約二十社前後、二十社足らずと考えております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 大体わかっているんじゃないかと思うんですが、市中融資の方の五十何社でしたか。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 五十八社。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 五十八社、そのうち、いわゆる運航会社、オペレーターとオーナーに分けて、オペレーターが何社、オーナーが何社、それから開銀の方もそうです。開銀融資の利子補給の対象になる会社についても、オペレーターとオーナーに分けて、会社数をお聞きしたい。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 五十八社のうち、オペレーターが十三社、タンカー会社も含めましたオペレーターを申し上げますと二十三社でございます。従いまして、三十五社というのがオーナーでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それから開銀の方。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 開発銀行の分は、これから船主が開発銀行で選考されますので、その結果になりませんとオペレーターとオーナーの数は具体的にはわからないわけでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 これまで開銀融資しておりますね、その内訳を言って下さい。これまでの実績に基づいて言って下さい。

吉岡千代三日本開発銀行理事

○参考人(吉岡千代三君) 御承知と思いますが、前回の利子補給、昭和二十八年の利子補給に関する法律が施行されまして、二十八年の八月から開発銀行も一・五%の利子補給を受けられるということになったわけでございますが、二十九年度予算の方針からいたしまして、開発銀行に対する利子補給は十月一日に打ち切られたのでございます。従いまして、現実に前回の利子補給制度の施行によりまして、開発銀行が利子補給をいただきましたのは約一カ月半という状況でございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 そういうことを質問しているんじゃないんですよ。開発銀行がこの法律に基づいて利子補給をする会社ですね、大体二十数社ですか、というようなお話ですが、そのうち大体オペレーターとオーナーを分けてみればどのくらいか。それを正確にはまだこれから決定するんだからわからぬというんですが、それじゃ過去においてどういうふうな比率になっておるか、大体わかるでしょう。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 大体二十社のうちでオペレーターが十六社程度だと私は考えております。あと三社ないし四社程度がオーナーというふうに考えておるわけでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 その過去においてわからないというのはおかしいですね、過去の実績について。それはまああとでまた……。オーナーという制度はこれは諸外国にあるんですか、こういう制度。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) オーナーという制度は、世界的に海運経営の共通した経営の形でございます。外国においても、欧州諸国においてもあるわけでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 このオペレーターとオーナーとは、どういうふうに違うんですか。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) オーナーとオペレーターの区別でございますが、オペレーターは、もちろん荷主と運送契約を締結をいたしまして、集荷あるいは運送の当事者になるわけでございまして、オーナーは御承知の通り、オペレーターに船腹を提供するということでございまして、そのときどきの海運市況によってオーナーの一部がみずからオペレートした方が採算がいいということになれば、オペレーターにかわって参るというような事態も起こりますが、大体において低コストの船腹をオペレーターに提供するという形であろうと思います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 そうしますと、このオペレーターというのは、実際の運航を担当する会社ですね。オーナーというのは、その船を貸し付ける、用船料をとって。これは世界的な傾向というのですが、日本のような船主ですね、そういう形は世界的なんですか、日本のような形の。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 御指摘のオーナーとオペレーターの経営形態は、世界的に海運の経営形態として存在いたしますが、日本のようなオーナーというものが共通であるとは申せません。戦後自己資本を喪失いたしましたのはオペレーター、オーナーともに同様でございますが、むしろ資本を自己資金をもって安いときに船を作り、またそれの船員の労務管理あるいは保船といったようなものにつきまして、十分それぞれのメリットを発揮する、こういう点については世界共通のオーナーの形であろうと思うのでございます。日本の場合におきましては、自己資金というものはオーナーにもなかった、こういう点においてはいささか違うと思います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 そこが問題なんでして、私は、さっき海運局長さんが、まあ私は一般的に——日本のオペレーターとオーナーとの区別をというふうに質問しなかったから、一般的にお答えになったと思うんですが、日本のようなそのオーナーの制度が世界的であるといったら、これは非常に私はおかしいと思うんです。世界まれに見る計画造船で、金を借りてそれで船を作る。それで貸して、それがもうからなくなれば補償してもらうという、そういうやり方ですね。ちょうど大家さんが金を借りて家を建てて、そうしてもうからなくなった。家賃が——まあ用船料ですか、これが安くなったとか、あるいはこれが延滞して、そういうときに国が補償する、そういうふうなことと似ているのじゃないかと思うんですね、日本の場合ですよ。ですから、今後計画造船やっていく場合に、こういうオーナー制度というものを、オーナーの形を、これはさっきちょっと成瀬さんもお話しされましたけれども、こういう形は続けていっていいのかどうか、われわれ非常に割り切れない、不合理なんです。それでこの日本の海運政策、これにはいろいろ今まで私は矛盾があると思うんですけれども、その中の一つとして、この制度にもやはり問題があるのじゃないかと思うんですよ。この点どういうふうにお考えですか。ちょうどこれは不在地主を救うようなものですね。たとえば家主さんを救ってやるようなものだと思うんですが、その点どうなんですか。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 日本のオペレーターとオーナーの問題については、確かに特異な関連なり形というものがございますが、しかしオーナーというもののメリットは一体どこにあるかということでお答え申し上げますというと、父祖伝来の海運業をやっておった方が、今でもなお相当おられるわけでありまして、それに対して船員の雇用関係において非常に血の通った労務管理が行なわれておる。あるいは店費を大会社のオペレーターのそれと比較いたしますというと、非常に割安であるということになりまして、保船費あるいは人件費あるいは店費といったようなものの格差が、大企業のオペレーターとだいぶ違っておりますので、そういたしますというと、コストの低い船腹をオペレーターに提供できるということに、ハイヤー・ベースがつまり低いわけでございますから、そういったものを提供するところに一つのメリットがあると私は考えるのでございます。ただ将来、こういった今までの過去において、今日まで日本の商船隊が整備されて参りましたのは、オペレーターの力だけで船腹を整備するということでかりにありますれば、今日のような船隊整備はできなかっただろうと思うのでございます。急速大量の新船建造の要請にこたえて、早く今日まで、六百五十万トンまでできて参りましたのは、一にやはり危険分散あるいは資本の導入、あるいはそういった低コストの船腹をオペレーターに提供するということで、日本海運のコストをある程度下げておったというメリットがあるのじゃなかろうかと思います。ただし、あくまでも海運業の運航の中心はもちろんオペレーターでございますので、私どもは最近数年間におきましては、定期船はもちろん、オペレーターに限って新造を許して参っておりまして、オーナーというものを完全に定期船の船腹整備についてはそのチャンスを与えておりません。また、ことに、どこまでも中心は御指摘のオペレーターでございますので、不定期船、タンカーにつきましても、同様に重点をオペレーターに置いておる、私どもの行政の上から見まして、そういう重点の置き方をいたしておると、こういうことでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 さっき市中融資五十八社のうち、タンカーを入れてオペレーター二十三社、オーナー三十五社でしょう。そういうオーナーも利子補給の恩典を受けているわけですね。それからまた、開銀についても、先ほどお話のように、約二十社のうち、オペレーター十六社でオーナー三、四社、こういうんでしょう。こういう人たちも利子補給の恩典を受けるわけですよね。それでオペレーター中心に新造船の、外航船舶についてですが、新建造を許しておるといいますけれども、この利子補給制度自体について、ここで根本的にやはり考え直さなければならない段階にきているんじゃないですか。そういう実際に運航しなきゃならない人に、航路補助をやるとか、その他のいろいろな補助をやって、海運振興をやるなら話はまだわかりますよ。また、補助する場合に、その経理内容を公正に監査するということももちろん必要なんですけれどもね。しかし、オーナーに補助した場合、オーナーがどの程度に造船の、建造を注文する、そういう場合に、合理化に貢献するかですね、いわゆる低コストの。それでまあいい船を作ることに努力するかですよ。私は政府から金を借りられると、それから計画造船の割当をもらえば市中からも借りられると、そういうことで金を借りて、そして非常に安易な造船をやる。だからコストが高い。そこでやはり十分に利益があがらない、そういう点も出てくるんじゃないかと思うんですよ。経営合理化にどの程度努力するか、企業努力は私はやらぬと思うんですよ、そのはずでしょう。オペレーターならそれは企業努力は直結していますからね。ですからオーナー制度というものはどうしても割り切れない。オーナーというものに対して利子補給をするということね。前に割当をもらえばどんちゃん騒ぎをやったという例があるんですよ、これは。それでまたいろいろなそこに不明朗な問題が起こる可能性が出てくると思うのです。リベートの問題とか、前に問題になりましたそういう問題がですよ。それで国民の血税を必要以上にそこで使うと、こういう問題が起こってくる。この利子補給についてはまだ今後も続くような——もう打ち切るんだという見通しも必ずしもないというお話でしたが、それだけに私は利子補給の制度と関連して、オーナーの問題についてここでやはり根本的に考える必要があるんじゃないかと思うのですが、その点どうですか。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 昭和三十五年度から復活いたしました市中の利子補給におきまして、私どもが持っております数字はオペレーターが大部分でございまして、オーナーはごく少数になっておるのでございます。復活された利子補給の対象になりますもののうち、オペレーターは百三十一隻、百四十二万トンということでありまして、利子補給が七億一千万円でございます。オーナーの方は二十三隻で十九万トンでございます。その利子補給の額は九千八百万円、こういうことになっておるのでございまして、われわれは、かたがた、今計画造船を通じまして、劣悪な低性能の船舶の解撤、こういったようなこともあわせて推進して参っておるのでございます。ただいま申し上げましたような償却前利益方式、あるいは企業の合理化を十分徹底的にやって、しかも償却前利益があげられるような限度の優秀なオーナーについて、ごくウエートは少ないんでございますが、ある程度認めて参っておるというのが最近の私どもの方針でございます。なお今後におきましても、そういう方針は継続して参りたいと思うのでございますが、あくまでも財政資金による新造船は、オペレーター中心に考えて参りたい、こういうふうに考えております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 その外航船舶の建造融資利子補給について監査を実施していると思うのです。前に監査実施要領というものが出されて、それに基づいて監査が行なわれていると思うのですが、実際にこの監査実施要領に基づいて監査が行なわれているんですか。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 監査実施要領に基づいて行なっております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 この監査の目的ですね、目的はどういう点にあるんですか。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 監査の目的は、海運企業の不当経理の是正あるいは業務の改善の指導、こういった点に重点を置いておるわけでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それは了承しましたが、そうして経費を節減して、利子補給金返還の要否を審査する、あるいはまた政府が損失補償を行なうような事態が起こらないように……、前に損失補償もついておりましたが、今度三十五年の復活のときに、これは一時中止ですか、廃止したわけじゃないけれども、中断しておるようですが、政府補償の問題も起こってくると思うのです。それで御承知のように、大体市中及び政府から、全体で二千七百億くらいですか、融資を受けているのでしょう。そうして損失補償の問題が起こった場合、これは非常に重大な問題にもなりますし、この監査は厳重にやらなければならぬと思うのです。それで、これまでの監査をわれわれが見ると、実際に私は実績を上げてきてないのじゃないかと思うのですね。どういう監査をしてきたか、まず第一に具体的に伺っておきたいのですが、利子補給につきまして国庫返納の場合がありますね。ところがこれまで大体百二億ばかり利子補給をしてきておって、三十五年度末現在で三億七千万円しか返してないのですね。こういう状態で一体これは適当と思われるかどうか、これはどういうふうに監査されたか、お伺いします。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) ただいま御指摘をいただきました通りでございまして、利子補給金を支給いたしました総額は百二億二千三百六十八万三千円でございますが、そのうち返納義務を利子補給法で規定しておりますものに対応して返納されたものが、三億七千六百七十九万七千円、こういう数字になっておるのでございますが、これは利子補給法の十二条及び十三条に基づきまして返納されたものでございます。十二条の規定は、御承知のように、一定利益率を当期においてあげ得ました場合には、その当期の利子補給金額は返納するわけでありまして、さらに一定率以上の利益率をあげました場合は、過去の受けました利子補給金までさかのぼって国旗に返納するわけでございますが、この十二条と十三条によりますところの返納が、ただいま申し上げました三億七千六百七十九万七千円でございます。私どもは監査をいたしまして、こういった法十二条、十三条による返納額がこれ以外にあるかどうかというようなことも、十分監査実施要領に基づいて監査しておるつもりでございます。そのために計上すべき収入があり、あるいは支出をすべからざる経費がありましたものにつきましては、実地監査の上、そういったものについて適切な指示を与えるということをやっておるわけでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 私は、十分な監査をやってないのじゃないかと思うのです。それで、あるいはもっと監査を合理的に徹底してやれば、もっと返納額も大きくなり、それから海運の利子補給なんかやらなくても追っついてくるのじゃないかというくらいに私は思っているのです。  そこでスエズ動乱のときに、船会社はどのくらいもうかったものか、一つの例として、前に朝鮮動乱のときにずいぶんもうかったんですね。たとえば三井船舶、飯野海運の例をとりますと、十五億くらいもうかっているんですね。それで、こういう利益をあげておりながら、あとになって海運不況だというので、二十八年のときに大幅な利子補給を要求したのですが、昭和三十年、三十一年、三十二年における主要船舶会社の純益表、こういうものがあったら資料を提供してもらいたいのです。大体スエズ動乱のときに主要会社でどのくらい純益をあげたか。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) スエズ動乱の当時、たとえて申し上げますと、三十二年度の上期でございますから、三十二年の九月期決算になるわけでございますが、利子補給対象会社全体で、営業収益は千二百八億でございます。営業外収益が十四億ございますので、合計いたしまして収益といたしましては千二百二十二億でございます。費用が九百五十七億でございますので、償却前利益は二百六十四億あげております。大体三十二年の上期を申し上げますとそういうような状況でございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 たとえば飯野海運なんかどうですか。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) ただいまちょっと会社別の資料はございませんが、後刻お届けを申し上げます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それでは、具体的な資料がないと私は質問しにくいのですが、今、大臣が参りましたから、まず大臣に、今、私がどういう質問をしているか申し上げまして、一応大臣から、抽象的な、一般的な答弁でいいのですが、事務当局から具体的な答弁を伺いたいのです。  この利子補給に関連して監査が行なわれることになっているわけですね。これは前に、昭和二十八年に、十三億の利子補給を一挙に十三倍もふやした例があるわけです、改進党の要求によりまして。それがもとになって、造船疑獄が起こったのでありますが、そのときに外航船舶建造利子補給及び損失補償に基づく監査実施要領というものが出ておりまして、それに基づいてずっと監査をやっておった。その監査の目的は、利子補給及び損失補償の対象となる会社に対して利子補給金返還の要否を審査すると、そして経費を節減する、そして不当競争を排除すると、それで企業の健全化をはかって、融資について政府が損失補償を行なうような事態の発生を予防することを目的とするということになっておるのですね。それでこの利子補給は国民の税金ですし、企業努力によって——そしてどうしても利子補給しなければ海運振興上差しつかえがあるという場合には、国民も納得すると思うのです。ところがそういう企業の経理上監査も十分に行なわれない。そして企業が十分に努力すれば利子補給、特に今度の開銀の利子補給くらいしなくても済むんだと。にもかかわらず、この利子補給が行なわれるということになれば、これは国民が納得できないと思うのです。市中銀行の融資に対する利子補給についてもこういう問題がやはり起こると思うのです。そこで海運局長にこれまで十分監査を行なってきておるかと伺ったら、十分行なってきておるという御答弁があったのです。それに基づいて具体的に私は質問をしようと思ったのですが、これまで、たとえば朝鮮動乱とか、あるいはスエズ動乱のときに船会社は非常にもうけているわけですね。そしてそのもうけは一体どういうふうに処理されてきておるのか。そしてもうかったときは、いろいろな交際費をうんと使っちゃったり、あるいは配当をしちゃったり、あるいは飯野海運はあそこに大きなものすごいビルディングを建てまして、国会議員を招待した。そうしておいて経営困難だから利子補給をしてくれというのでは、これはやはりやり切れないのです。この点大臣はどういうふうにお考えになっておりますか。海運業は非常に変動が多いわけです。その変動を見込んで長期的に——これは企業でありますから、当然採算は、それにあわせて作るべきだと思うのです。それでもうかったときは得しちゃって、それで損になったときだけ補償してくれというのは、これは国民に納得できないと思うのです。この点大臣はどういうふうにお考えになりますか。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) 予算委員会に出席しておりましたため、おくれてまことに失礼をいたしました。御承知の通りに、日本の海運というものが、戦後におきましてゼロから出発したといわれております通りでございまして、御承知の通り、戦時補償は全部打ち切られてしまいました。しかるに、外国のイギリスあたりにしても、その他にしても、これは西ドイツは負けた国ですから、もちろん戦時補償は打ち切られたわけでございますが、ほかの、日本と競争をいたします海外の海運業というものは、非常に有利な地位から戦後出発をいたしましたのに対して、日本の海運業というものは、戦時補償、金額にいたしますと、おそらく現在の貨幣価値に直しますれば、五千億円以上のものを打ち切られたというようなみじめな状態から、借入金によって船を作って今日に至りましたわけでございます。従いまして、経理の内容から申しますると、いわゆる借入金に対しまする利払いというものが非常に過大で、どの海運業者の経理も圧迫しているのでございまして、ようやく立ち直って外航船舶六百万トンに近いものになりましたものを、外国の海運と競争させる場合に、競争力を強めてやろうといたしまするならば、まあ、利子を下げてやるということが一番いいことであると、われわれは考えたのでございますが、御承知の通り、外国の世間並みの金利と日本の金利とは、比較にならない程度に日本の方が高いのでございます。そこで、前には市中銀行からの融資に対しまして利子補給を行ない、またこのたびは、建造いたしまする資金の約半ばを占めておりまする開銀からの融資に対する利子補給をいたしまして、そうして海運の経理の立て直しを外からやってやろう。もちろん、内におきまして、海運企業みずからが合理化を行ないまして、海運の立て直しに努力をいたすことは申すまでもないのでございます。従いまして、今御指摘になりましたような国民の血と汗とあぶらの結晶である税金から利子補給をいたしますのですから、その経理内容に立ち入って監査をして、十分この目的を達して、日本の海運を再び立ち直ることができるように指導をいたしたいと考えているのでございます。  いろいろ具体的にまだ監査の十分に行なわれないような点がございますることは遺憾でございますので、こういう点につきましては、今後市中銀行の利子補給ばかりでなく、開銀の利子補給を幸いに御賛意を得て実行ができるようなことを機会に、一段と経理内容の監査指導をいたしまして、内部の合理化の方からもこの日本の海運が立て直って、外国の海運との競争力に一段と力をつけていくという方向に指導育成していくようにいたしたいと、こういうふうに考えております次第でございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 ただいま大臣の御答弁では、その監査にまだ不十分な点があることは遺憾だという話だが、確かにわれわれしろうとから見ても不十分な点があると思うのです。で、われわれ割り切れないのは、海運は景気のいいときにはもうけちゃって、景気が悪くなるとすぐ利子補給の問題が出てくるのですよ。それで借入金が多いと金利が高い。外国よりも高い。だから、金利を国際金利水準並みに下げて、それで競争力をつける、そのたびに利子補給、国民の税金で利子補給するという問題が起こってくるわけですね。で、私は、もうそれだけで海運が立ち直るとは思いませんし、かりにまた、利子補給しなければならぬとしても、その前にやるべきことがあるわけですよ。十分にやるべきことをやっておいて利子補給するならわかります。しかし、十分にやってない。で、今、たとえばスエズ動乱のときに非常に海運会社はもうけているわけですね。今お話承っても、全体で、利子補給対象会社だけでも二百六十四億、利益を償却前にあげているのでしょう。前に私は調べたことがあるのですが、某会社について、交際費が非常に多いですよ、交際費が。その交際費も、何に使っているかがまた問題だと思うのですね。あるいは政治献金の方に使っているかもわかりません。あるいは、その海運融資の割当をもらって、そのために銀行と、その他政治家とですよ、どっかでどんちゃん騒ぎをやるのに使っているかもしれません。それから広告費なんかも、これは広告費も非常に多いと思うのですね。ものすごく多いです。そういうふうに、まだ経理上ですね、十分監査して、そうして、企業努力をもっとさせなければならない点もあると思うのです。それで配当を、もうかったといえば、配当をしちゃう。あるいは政党に献金をしている。そういうような点ですね、割り切れない点がたくさんあるわけです。  そこで、具体的に私は伺ったわけです。たとえば、飯野海運についてのスエズ動乱のときの収益はどのくらいだった。そうしてその経理、経理内容ですね、ちょっと伺いたいと思うのです。それで、大臣も御承知のように、飯野海運は、あすこにりっぱな建物を建てましたね。ああいう資金、ああいう資金は一体どこから出るのですか。そういう飯野海運に対する利子補給は、ああいうものすごい建物を建てる資金の金利負担を軽めるということになりはしませんか、間接的に。そうしておいて、国の方から補助を受ける、利子補給を受けるということではね。これは私は、経理の監査が十分であるとは言えないと思うのです。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 飯野海運のスエズ動乱当時の経理内容につきましては、後刻資料をお渡しするということを先ほど申し上げましたのでございますが……。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それじゃ、それと、ついでに、これだけお願いします。三井船舶と山下汽船、飯野海運、三菱造船、日東商船、新日本汽船、日本郵船、大阪商船、それだけお願いします。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 承知しました。  そこで、当時の動乱のときの経営のやり方が、あまりにも合理化にそぐわないものがあるのじゃないかということにつきましては、私どももそういう御批判を過去においても十分再三聞いておったわけでございますので、一昨年、先ほども申し上げました一昨年、各方面から海運強化対策が出る以前に、私どもは、企業経営の面においてさらに自主的な合理化努力を続けるべきであるということで、三十三年の上期から経費節減につきまして、私どもから指示をいたしたのでございます。そこで、あまりに積極的な、好況に際して積極的な設備投資の拡充あるいは業務の拡張というようなことが行なわれましたために、どちらかといえば、海運企業経営の合理化というものがおろそかになったということを、私どもはそういう感じがいたしたのでございますので、三十二年の下期、すなわち三十三年三月期の決算を基準期といたしまして、経費節減につきまして非常にこまかい指示をいたしたのでございます。そこで、三十三年上期からこれを実施いたしておりまして、非常な反発が実は企業側からあったのでございますが、私どもは、ただいま木村先生の御指摘になりますように、国民の税金を使うのでありますから、そのときはもちろん利子補給は停止されておりましたが、そういうことを要望する前にやるべきことがあるということで、ただいま申し上げましたように、三十三年上期から厳重な予算統制というようなものを実施いたしまして、不急不要な経費の支出というものを抑制するように、各社において合理化に鋭意努力を重ねてもらいたいということを申し上げたのでございます。  海運企業のような、どちらかといいますというと、サービス業の本質を備えておりますところに、いわゆる国内の製造工業のような、どちらかといいますと、経費の合理化とかいったような形で進めることはどうかという議論が相当激しくあったのでございますが、私どもは、それを排除いたしまして、厳重にそういった経費節減、自主的経営努力といったものの推進に努力して参っておるのでございます。現在もなおそういう方針を続けております。昨年度の市中の利子補給を復活していただきます際にも、企業強化計画というものにこれを移しかえまして、依然として合理化の努力を要請いたしておるわけでございます。  そこで、一例を申し上げますというと、三十五年の上期、すなわち三十五年九月期決算におきます実績を申し上げますというと、運航費は、基準期、三十三年三月期でございますが、期の六千六円に対しまして、この期、三十五年上期、九月期におきましては五千百七十六円でございまして、一三・八%の節減になっておるのでございます。この強化方策では五%程度の節減を要望されておるのでございますが、一三・八%の節減をいたしております。船費、まあ船員費を除きますところの船費でございますが、これは重量トン当たり基準期の千八百二十一円に対しまして、この期の実績は千五百六十五円でございまして、一四・一%の節減になっております。これは、五%の節減目標を設定いたしたのでございますが、一四・一%の節減になっておるのでございます。一般管理費におきまして、この一般管理費が、要するに経営態度のまじめであるかどうかという点に、しばしば論議がこの項目に集中されるのでございますので、この点について、船腹が非常に増加いたしておるのでございますが、基準期に比べますというと、この期におきましては、すでに二百万トンからの船腹の増加があるわけでございます。三六・二%の船腹増強が行なわれまして、従いまして、営業規模というものも、これを拡大しておるにもかかわらず、支出額におきましては、基準期の三十五億円に対しまして、この期は三十二億五千万円という絶対額が節減されて、約二億五千万円の絶対額が節減されておる。一般管理費におきましても、船腹の増加にかかわらず、絶対額の節減まではかられておるということでございます。人件費の面におきましても、役員報酬が支出額におきまして基準期の三億八千二百万円に対しまして、この期の実績は、三億三千百万円でございます。従って、節減率は、一三・二%の節減になっておるのでございます。もちろん退職金といったようなものが入り組んで、入ったり出たり、入ってくる期と、入ってこない期とございますので、そういうものは除いて申し上げた数字が、以上の人件費の面での数字でございます。用船量は、これは基準期に対しまして三七・七%の節減、これは節減に当らぬじゃないかという議論がございますが、これは市況が悪くなりますと、用船量も自然安くなるのがあたりまえなんで、非常な大きな節減努力とは考えられないということでございますが、従来はどちらかといいますと、先ほど御指摘がありましたオーナーとオペレーターとの関係におきまして、いわゆる採算ベースということをあまり深刻に考えないで、何といいますか、そういった政策的な意味で設定された用船量というようなものもありましたので、そういう弊害を除去するために、採算ベースに合う川船量というものを強く要請いたしました結果、三七・七%の節減になっておるわけでございます。こういうことにいたしまして、結局全部の主要費用というものを、節減努力とあわせて考えてみますというと、先ほど申し上げましたように、運航船腹は増加いたしましたにもかかわらず、こういった節減をいたしておりますので、基準期以降の推移を見ると、費用の運航船腹一重量トン当たりのコストは、基準期を一〇〇といたしました場合、この期——三十五年九月期におきましては、八一・三%に低下した実績を示しておるのでございます。これを言いかえまするならば、この経費に関する限り、利子補給会社全体としての運航トン当たりのコストは、基準期に比較いたしまして一八%以上の合理化をしたということになると思われるのであります。  従いまして、合理化の具体的な方法としては、各社ごとに、各社の実情に応じた企業努力を続けておるのでありますが、いろいろ重箱のすみをつつくようなこまかいことまで言うということで反撃もございますが、こういう方針をなお今後とも踏襲して参りたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 この船会社は私的企業でやっておるわけでしょう。もうけを中心としてやっておるわけですから、やはり採算ということが重要だと思うのです。採算に乗らなければ船を作ったりなんかするのはおかしいわけです。そこで船会社に船を作る場合見積書というものを出しますね。それがどうしても要る。そうして見積書に基づいて、それで損がいかないというならば、銀行は金を貸す。政府も計画造船の場合、船を作ってみすみす損がいくという見積りの場合、これを割り当てるはずがないと思います。採算がとれるというので割り当て、開発銀行も貸し、市中銀行も貸すでしょう。エスティメートというものを出して、それを見て割り当てを行ない、金融をするわけなんです。それにもかかわらず船会社というものはもうからなくなってきたわけです。だから、その点が、どうもわからなくなるのです。エスティメート、これは監査されるわけでしょう。みんな出ていると思うのですよ。  たとえば、市中の今度は利子補給を復活した場合、昭和三十五年の改正で復活しましたが、そのとき、たとえば、三十年度第十一次の計画造船ですね、それから三十一年度、十二次の計画造船、三十二年度の第十三次計画造船、これについて、みんな市中融資の利子補給を行なってきたわけです。この場合、市中銀行が貸す場合には、エスティメートに基づいて貸すわけです。そうして、あとになって、その経営が困難になる。それで、これを利子補給をする、それでは、そのエスティメートというものは、うそであったということにならざるを得ないじゃないですか。ごまかしのエスティメートだ、そういうことはちゃんと監査されたかどうか。海運は御承知のように非常に変動があるでしょう。ですから、長期的な見通しでやはりエスティメートを出すべきだと思うのですよ。そこで、私はエスティメートを前に私は資料を出してもらった例があるのです。第九次造船のときに、第九次前後期の船舶建造希望書中の収支予算額調というのがある。それから、六次以降の、新造船貨物建造当時の収支予想、収支実績、それから現在市況による収支予想、こういうものを出してもらったことがあるのです。  そうしますと、これによると、最初の収支予想と結果と、うんと違ってくるのですね。エスティメートを出して、それに基づいて金融を受ける。そうすると、このエスティメートというものが非常にずさんであるということになると思うのですよ。そこで私は、それをどういうふうにエスティメートを監査されているのか。今度の市中の利子補給の対象になった、三十、三十一、三十二年について、そういう資料を一ついただきたいのです。それはもうエスティメートと、実際はうんと違ってきていると思うのですよ。いつもそうなんですよ。それでもいいかどうかですよ。エスティメートと実際と、こんなにかけ離れては、これはおかしいと思うのですよ。普通の営業……、事業会社でしょう。私的企業でありながら、それで銀行から借りるときのエスティメート自体はもうかるというふうに、わざと作って銀行に出すのかどうかしりませんが、そこはもっと監査をしなければならないのであって、私は、そういう点の監査が怠られているのではないかと思うのですよ。いつもそういうふうにエスティメートと実績が、こんなにかけ離れて、それでいいという法はないのですよ。もっと実際に近いエスティメートを出されるべきだと思う。それに基づいて融資の問題なり、あるいは利子補給の問題も考えなければならないのであって、その点、どういうふうにお考えですか。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 十三次の場合の御指摘がありましたが、もちろん五次の計画造船についても、そういうことがあったと思うのでございます。それは当時におきますところの市況というものが、非常に動乱当時の高騰した市況でございます。そういう環境のもとにエスティメートをやるのでございますので、あとで市況がダウンしたときの問題について、どうしても、そういうような形になることがむずかしいというような条件もございますが、しかし、仰せの通り、船舶金融というものにつきましては、長期にわたって船の寿命の間あるいは償還期限の間において、御指摘の通り市況の変動がございますので、長期にわたって見て行かなければならぬ、こう思うのでございます。  それにしても、エスティメーションと実績とは非常にかけ離れておるから監査すべきであるということでございますが、実は私どもは、そういう点も考慮いたしまして、一昨年から定期船につきましては、定期航路政策という世界的に国際カルテルというものが結成されておりますので、それを一応別といたしまして、不定期船タンカーにつきましては、これは銀行の金融判断に全部まかせるということに方針を変えておるのでございます。私どもから、これについて推薦をいたすとか、あるいは決定をするときの重要な発言をするとかいうふうなことは差し控えておるのでございまして、一に不定期船タンカーについては、金融ベースで判断を願いたい。そういうことをすることの方が、企業の現段階におきますところの企業の合理化に役立つことであるというふうな考え方をいたしておるのであります。基本的な共通の政策問題は、もちろん注意をいたしますが、A社にするかB社にするか、あるいは具体的な償還計画、そういったものについては、全部銀行におまかせをいたしておるようなことにしておるのでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 そのエスチメートを出していただけるのですね。さっきのエスチメートと実績との違いですね。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 私どもの手元にございますのは、先ほど申し上げました方針を、ここ両三年以前から変更をいたしておりますので、それ以前のものについては、私どもの方にありますので、十四次以前のものにつきましては提出できると思います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それじゃ御提出をぜひ願いたいと思います。そういう具体的な資料を見ませんと抽象論になって、ただ日本海運振興のため利子補給はいたし方ないというのじゃ、それじゃあまり抽象的で話にならぬと思うのですよ。具体的にやはり調べなければならぬと思います。あわせてさっき要求しました資料も——利益処分の問題ですね、特に交際費それから配当、重役賞与、そういう点、それから広告費とか、そういう点、特に私は注目しているのですが、注意を払って、経営内容を一つ資料として御提出願いたいと思うのです。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 資料として提出をいたします。  ただ、先ほど申し上げましたように、動乱当時の海運経営というものについては、拡張の方向をたどりました結果、合理化の努力が足りなかったうらみがあるということを先ほど申し上げたのでございまして、それの裏づけになる資料になるわけでございますが、私が先ほどから申し上げております通り、三十三年から厳重な予算統制をしくように、あるいはそれ以後企業の合理化、自主的な経営努力というのを強く推進しておるということにつきましても御了解いただきたいと思うのであります。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 次に伺いたいのですが、船価ですね。船価のもっと引き下げに努力できないかどうかと思うのですね。今船価は、トン当たりどのくらいしておるか、これはいろいろ貨物船、輸送船等々によって違うと思うのですね。前に造船工業会で、何か適正船価といいますか、大体あれの見積もりを出したことがありますね。あるのです。それでそのときは七千七百重量トン五千馬力、そういう基準で船価をあれしたことがあるのですが、今大体、トン当たりどのくらいと見たらよろしいのでしょうか。  それで、この船価は下がってきているのかどうか、ずいぶんオートメとか生産性向上によって、鉄鋼とかその他には生産性が上がってコストが下がっているのですが、船価については、どういうふうになっておるのでしょうか。最近の十三次船を例にとってもらってもいいのですよ。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 御承知のように、好況のときと比較いたしまして、最近におきましては、船価は下がっております。三十四年度の開発銀行融資によりまする新造船につきましては、定期船、不定期船の貨物船と輸送船、タンカーの全部の平均船価を申し上げますと、総トン当たり十一万三百三十円でございます。三十五年度の、つまり昨年度の開銀融資によります新造船の船価は十万飛んで九百円でございますので、約一割方三十四年度より三十五年度の方が引き下げられておるということでございます。この中で、ただいま御指摘になりました七千七百トンでございますか、五千馬力の船は、大体不定期船の範疇に属するのでございまして、不定期船のトン出たりの船価は、三十四年度におきましては九万二千百五十円、三十五年度におきましては八万三千五百二十円と低下をいたしておるわけでございまして最近におきまして造船所の外国船の受注先細り、あるいは国内船の需要がダウンをしたというようなことも手伝い、かたがた造船工業会におきますところの合理化の推進といったようなことも役立ちまして、最近におきましては、船価は低減しておるような状況でございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 輸出船はどのくらいですか。輸出船のトン当たりのコストは。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 大体、似たような水準だと思いますが、詳しい資料は後刻提出いたします。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 どうもそれでは困るのですがね、似たようなというようなのじゃね。実は、はっきりしたそういう数字をもとにして議論をしないと。ぼくは、輸出船よりは国内船のあれの方が高いのじゃないかと思うのですがね、そう思いますよ。ですからそこで問題は、そこにあると思うのですよ。輸出船の場合は安くて、なぜ国内の方が高いかという問題が起こる。だから、もっと企業努力をすれば、本来ならば船価が安くなるべきだと思う。こう思うわけです。それからあとでまたそれの資料も出していただきたいと思います。  それからもう一つは、船価の中で占める鉄ですね。鋼材のコスト、費用の割合は、どのくらいでしょうか、船を作る場合。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) これは船舶局長の所管で、私からお答えするのもどうかと思いますが、大体建造船価の二〇%——船体におきまして二〇%と承知しております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それは、もっと下がらないものですかね。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 冒頭に御説明申し上げましたように、輸出船の形式で、石炭、鉄鉱石というような原材料を長期にわたって鉄鋼界が運ぶ、こういうようなことで、輸銀との関係が出て参ったことは冒頭に申し上げた通りでございますが、この際に、鉄鋼価格というものが、その開銀と輸銀の金利の問題以外に存在することは御指摘の通りでございます。そういった外国船の輸出船に対しましては、大体トン当たり二千円ないし四千円程度安い鋼材価格を供給いたしておるのであります。日本の海運に対しましては、価格向けの価格でございますので、その点につきましても、私どもは鉄鋼業界の強い協力を要請いたしておるようなわけでございます。外国船に安くして日本船に高くするということで、金利の問題と同様に、鋼材の価格の問題はあるということは事実でございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 その点、大臣にお伺いをしたいのですが、そういう点の船価を引き下げるということも、これは一つの経理の監査の要素でありますし、前は利子補給のときは、鉄鋼会社の造船に供給する鉄材生産に必要な融資についての金利を補給したことがありますね。そういったことがあったのです。ですから原料を、鉄を安くすることによって船価を引き下げるという方法があるでしょう。製鉄会社はものすごい景気ですよ、独占価格によって。また上げようとしているでしょう。これが上がったら、また船価が上がりますよ。御承知のように最近発表されたでしょう。鉄鋼五社の三月期の決算表——八幡は半期に七十一億ですよ。一カ年約百四十億もうかっております。百四十億の利益です。売り上げじゃないのです。富士製鉄か五十九億です。ですから一カ年に百十何億です。日本鋼管は半期で二十九億、住友金属は二十三億です。神戸製鋼が二十三億、この五社で二百億です、半期で。一年に四百十何億ですね。ものすごいもうけですよ。それでまた上げるというんでしょう。ですから、私はこの鉄材の独占価格を引き下げさせる。特に造船に必要な鉄の値段を下げさせるということを、政府が、そういうことを通産省と相談して、それはできないのですか。また公販の値段を上げるということが新聞に出ておりますが、その点、どうなんですか。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) ただいま海運局長から御説明申し上げましたように、従来から今の国内船に対する鉄鋼の材料と、輸出船に対する鉄鋼の材料の価格の開きのありまする事実にかんがみまして、いろいろ折衝をいたしておりますのですが、まだその了解を得るに至らぬというようなことは事実でございますので、この問題は、早急に通産当局とよく連絡をとりまして、ただいま御指摘のような日本の海運のコストを下げるという意味からも、きわめて重要なことでございますので、努力をいたしたいと、こう考える次第でございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それから大臣にお尋ねしますが、どうも一般国民として割り切れないのは、船会社が利子補給を受けておりながら、他方で政党献金をやったり、それから配当ですね。それから重役賞与ですか、また交際費とか、そういうものについて非常な不当なケースがあると思うんです。そういう点について、どうお考えですか。政府の方から、そういう国民の税金で補助を受けながら、片一方で政党献金をやるという、そういう金があるならば、それを節減して経営の合理化の方に運転できるでしょう。監査というのは、やはりそういうところに監査が及ばなければいけないと思うのですが、いかがですか、船会社の監査について。あるいは造船工業界、それから船舶協会ですか、船主協会ですか。そういうところ皆献金をやっているんですよ。政党献金ですよ。それは法律に基づいてやればいいということかもしれませんが、しかし道義的にみても変だと思うんですよ。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) ただいま海運局長からもお話申し上げました通りに、海運の合理化につきましては、いろいろ努力をいたして監査などにつきましても、ただいま詳細にお話申し上げましたような、まだ不足してはおりましょうが、いろいろの点につきまして、相当の実績を上げ得るような行政指導をやっておるんでございますけれども、これは統制経済のときのような、いわゆる配当の制限とか、あるいは重役賞与の制限とかいうような強制的の方法ではございませんものですから、なまぬるい点はございますけれども、ただいま御承知のように自由主義経済で、企業者の創意と工夫によって、いわゆるコスト切り下げということを指導しておりますわけなんで、この点については満足せざるものがあるということは、まことにごもっともな点があるのでございますが、まあ今後におきましては、ただいままでやり来たっております行政指導というものを徹底化いたしまして、監査の面において、経理の指導をやって交際費とか、あるいは広告費というようなものについて、ある程度のコスト・ダウンというものをやらなくちゃならぬと考えますが、ただ普通の生産工場などと違いまして船会社などというものは、一つの何と申しますか、つきあいの広いサービス業であるということも、また一方では認めなくちゃならぬものですから、広告費であるとか、あるいはある程度の交際費というようなものも、またやむを得ないことになり、あまりこういうことを、重箱のすみをほじくるようなきびしいことをやることが、あるいは企業家の気持を非常に落させるようなことになっても、自分みずから創意と工夫によってコストを下げようという、合理化の仕事を阻害するようなことがあってもいかがなものと考える次第でございまして、その間に処して上手に、これは指導をしていかなくちゃならぬ。ただいまの運輸省の海運局の合理化に対する指導に対しても、いろいろ企業家側では、事ごとに、まあ反対といいますか、レジスタンスのあるような実情でございますが、しかし、私どもは、いやしくも国民の税金によって利子補給の挙に出ております以上は、これはどこまでも、その利子補給というものがむだにならないように、コストを下げる、合理化ということには勇気を持って一つ行政指導をやっていくべきだ、こういう考えには、もう以前から少しも変わっておりません次第でございまして、今後も、ますますこういう方向に従って、御指摘のありましたいかにも多過ぎるではないかという面につきましては、今後行政指導によりまして、これが何割か引き下げられるように指導いたしたい、こういうふうに考える次第でございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 この政府から補助金をもらっている会社が政党献金することについては、どうお考えですか。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) どうも私は最近出ましたので、あまり政党献金やなんかのことは、政党の方に詳しくないものですから、お答えするような事実をよく承知しておらないんでございますが、これは、どういうふうな政党献金が補助金を受けている会社において行なわれておるかというような事実につきましても、まことに申しわけない話ですが、詳細なことは私知りません。それは、あなたの方の社会党にしても、あるいは保守党にしても、党の運営の枢機に関係した者でないと、あまりそういうようなことには興味も持たないし、また、そういう事実を知ることの機会が少ないもんですから、私のような性格の人間は、あまり今の一般の財界から、どういう援助を受けて、どうなっておるかということに興味も持たぬし、従来も、あまり知りませんものですから、お答えすることはあるいは不適格な人間であるかと思いますので、この点は、御容赦を願いたいと思います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それはおかしいじゃないですか。私は、今、開銀に関する外航船舶建造融資利子補給の法律を審議して、大臣を呼んだんです。国民の税金で利子補給して、その会社が、政党献金をやっていいかどうかということを聞いているんで、これにも関係してくるんです。今まで利子補給を受けている会社に対して監査をしなきゃならぬということで、いろいろ監査しているということを言われましたが、企業が、十分企業努力をやり、そして、国民のだれの目から見てもこの企業は、なるほどこれだけ努力して、どうしても経営が成り立たぬ、そんなら利子補給しても仕方ないと納得した上で、きれいな条件の上に立って利子補給すべきですよ、国民の税金を使うんですから。そういう問題と関連しているんですよ。これは非常に重要なことですから、あらゆる企業努力の一つの要素を聞いているんであって、政党献金に興味もないし、関心もないとか言ってそんなことで、一体勤まるかというのです。それは興味があろうがなかろうが、そういう海運政策と関係があるんですよ。そういう意味においては、やっぱり考えなければ——海運政策だけじゃないんですよ。もっと全体の政府の政策とも関連があるんです。それで、またいろんな汚職とかスキャンダル、そういう不明朗な政治とも関連してくるんであって、これは政治家としては、重大な関心を持たなければならぬですよ、きれいな政治をやる上に。  それで、まあこれは質問しても、大臣が答えにくいかもしれませんがね。(「常識の問題だよ」と呼ぶ者あり)それじゃ、常識の問題ですから、次に、最後にちょっと伺いますが——答えてもらいましょうか。今、企業努力について、いろいろ聞いたんです。だんだん聞いていって、最後にその点に来たんですがこれは海運局長に聞いてもちょっと無理だと思う。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) 実際、私は、どういう海運会社が、どういう献金をしているかなんとかいうような具体的なことは知らんわけです。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それは、またあとで聞きます。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) それで、原則として政府の補助金をもらっている者が献金をしていいかどうかというようなことの問題なんですが、これは、まああるいは会社として献金していかんということになれば、個人で献金するようなことになると思いますし、いくらでもいろいろのことを工夫をする人ができると思いますが、ただ、政府から補助金をもらわなければ立っていかないような者が、ほかへむだな費用を出すということは、これはいいことじゃないことだけは群雲ですね。それ以上は、どうも私は具体的に言うべき資料がありませんから……。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 海運政策について最後に伺いたいんですが、どうも私は海運政策の立て方が逆ではないかというふうに感じています。  その理由は、海運を振興するために船を造るのじゃなくて、造船の設備をフルに動かすことが前提になって、そうして船を造るということじゃないですか。造船設備は非常に過剰である。それを船台を明けちゃいけないというので、それをフルに動かすということから、船を造るということになっているのじゃないですか、実際には。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) いわゆる計画造船の初期の時代におきましては、そういうことがあったと思います。地方産業あるいは雇用の問題としてとり上げられたことは事実でございますが、最近の両三年間は、そういうことではございません。  といいますことは、造船業も合理化が進捗いたしまして、あるいは近代化なり、溶接あるいは運搬、設備その他の経営合理化が実を結んで、造船工業としての国際競争力を持って参りましたので、スエズ動乱以降、日本の輸出船というものが非常に大きくなりましたので、船台も、その面において好況のときにはいっぱいになっておったことは、御承知の通りであります。その後海運経営も非常に不振を極めておりますので、国内造船というウエートは非常に少なくなって参っております。一時は、三割程度が国内船で七割が輸出船、こういったようなことでありますので、私どもが行ないますところの開銀融資によります新造船は、造船の船台を埋めるという感覚は今はないと申し上げていいと思います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 これまでの長期的に海運政策を見ますと、不景気のときに、前に私はストック・ボートというのを作っておけ、一つの景気政策にもなる、それで船が必要なときには、それが、船価も高くなるし——そういう政策をとるべきだと言ったんですが、それはやらなかったんですけれども、今度は輸出される、それで、輸出に努力をしたんですよ、船の。どんどん輸出をやって、そうして国内船が足りなくなってきたでしょう、所得倍増計画等で。そういう、どうも一貫性がないということ、こういう点を、私は過去の経験から感じておるんですがね。一貫性がないじゃないですか、その点は。ですから、輸出に努力することは、外貨獲得でいいかもしれませんが、一生懸命輸出に努力して、今度は国内船が足らない。そういう点、非常に矛盾していると思うのですが、どうなんですか。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 好況の際は、確かにそういう時代もあったのでございますが、ただいまにおきましては、輸出船の受注も先細り、あるいは非常に盛んでない、世界的な船腹需要の熱がさめておりますので、ただいまそういう事態は起こっておりません。ただストック・ボートの御提案を当時されたことも、私も伺っておったわけでございますが、なかなかその程度まで造船工業としての企業力が伴わなかったし、あるいはまた、それがアップ・ツー・デートの船舶であるかどうかということにもまた問題があるんじゃないかと、私は個人的にも思うわけでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 私の質問はこれで終わります。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 一点だけ大臣にお尋ねしておきます。今までずっと聞いておりますと、造船汚職が起きたとき、疑獄が出たとき、御承知のように船主があって、そうして一つはオペレーターがあった。結局オーナーがオペレーターの方に、不当というか、とにかく高く船を売りつけて、そうしてリベートもらって政治献金をする、こういう形なんですね。それが今度また同じような形でやられるわけなんです。その理由は何だと言って聞いたら、審議会の答申があったのでやるんだ、それが隠れみのになってしまった。どうも審議会というのですか、合理化審議会の答申というか、何かそういう委員会の答申があったように……。そうじゃないですか。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) そうじゃありません。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 そうじゃなくて、運輸省が自発的におやりになったかどうか知りませんけれども、とにかく造船の汚職のときと形が何ら変わっていないわけです。もう少し私はやり方というものに、何かもし全体が振興政策をとろうとするならば、何か私は違った角度から答えというものが出てこなければいかぬと思う。知恵がないと思う。どうも真剣味が足らないように思う。  もう一つは、お聞きしておりますと、スエズ・ブームのときには、あまり一生懸命で検査はしておみえにならない。あのときにすでに百億の利子補給がされておるのに、三十四年以降一生懸命やっておられない、こういうお話だ。どうも納得がいかない。ですから、前にも、こういう具体的にどういうふうなことをおやりになったらいいかということも、案を出すのは、運輸委員の人たちのことであるから、私たちのとやかく言うことじゃないと思うけれども、どうも物足りないと思うわけです。大臣はこれが最善の方途であって、これ以外に道はないとして今度お選びになったのか、それでなくて、業界からわんわん言われてきた。片一方では所得倍増計画が出てきて、貿易がこれだけ伸びるから船がこれだけ要るというようなところからしてこの問題が出ているのか、どこからこの問題が出てきたのか。私は、基本的なと申しますか、信念的な、こうしなければならぬ、これしかないのだというきめ手としてこの法律案を出されたのかどうか、信念的なものを大臣から一つ承っておきたい。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) 御承知の通り、所得倍増の構想というものができて、そうして今後十年間にわたります輸出、輸入の、これは大体でございますけれども、見込みができて、そうしてそういう物を運んで、日本の所有する船の積み取り率をある程度維持していって、それでもなおかつ海運収入というものは、必ずしも黒字に転換するということはできないのではございますけれども、赤字を大きくいたしませんために、十年後に千三百数十万トンの船腹が必要だというふうなことがここに、机の上の議論ではございますけれども、出たわけでございます。それに対しまして、現在あります外航船からそれに達しますまでには、一方においては、先ほど来お話しがございましたような、日本の船会社の基盤の非常に脆弱であることにかんがみて、これをだんだんと合理化あるいはその他の方法によって基盤を強化しながら船を年々ふやしていかなければならぬ、こういう考えのもとに今度の考え方を推し進めて、それがためには、外国と競争力を強めるためには、外国並みにまではいきませんけれども、市中銀行においてすでにやったごとく、建造資金の半分を年々まかなっております開銀の金利に対しても一分五厘の補給をやって、そうして船会社の負担を減らしていってはどうか、こういうことでこの案を出しましたわけでございます。  それから今の造船疑獄とか汚職とかいうお話がありましたが、新聞で私は当時ちょっと見ておったのですが、幸いなことに、当時私は国会に議席を持っておりませんものですから、ああいう実情を詳しく存じておりません。その前には衆議院におりまして、自由党の政調会長をやっておりましたが、私のときには、そういう疑いのような話もありませんし、私は参考人にも呼ばれたことはない。私は、まつりごとは正しいのだという、古い話ですが、孔子の政は正なりということを信念として、大正十三年以来やって、あまりはしっこいことができないことをもってみずから誇っている人間でございますから、私が運輸大臣でおります限りにおいては、その今の、この前いろいろのうわさのありましたようなことの絶対に起こらないように私は努力をいたすつもりでございますから、私がいるときは、一つ今の汚職とか、昔でいえば涜職ですか、疑獄というようなことがうわさにも上らぬであろうというふうに私も確信いたしておりますが、どうぞこの点だけは御安心を願いたいと思います。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 大臣の心がまえとか、そういうことについては、これは異議がないわけです。ただ、前のときに、あなたがお見えになる前に、実は木村委員からの話によりますと、市中銀行の融資は、オーナーに三十五社、オペレーターの方が二十三社といっております。むしろ船主にたくさんやっているわけです。これはこういう比率というものは、どう見ても造船汚職のときの比率と同じなんです。だから、そうじゃなくて、むしろ船会社の方にたくさんのものをやって、船主というようなものに対しては、これは何かチェックしていった方がいいのじゃないかというような意見があるのです。しかし、こういうようなことは、運輸委員会の方でこまかくおやりになった方がいい問題だと思うが、しかし、形態が何か造船汚職のときと同じようなものがある。これはあなたがおやりになるというのじゃなくて、何か知恵がないというような感じがする。今度はそういうことがないように、早急にそういうことに措置されることの方がいいのじゃないか、こういうことを申しておるわけです。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) ただいまの成幡委員の御注意は、まことにありがたい話でございまして、私は、自分が悪いことをしないつもりなものだから、うっかりしていることが多いと思うのですが、今も海運局長と私語したのですが、一つ大いに研究してみようじゃないか、そういうことで、前と同じようなことを繰り返すというのはどうかという御意見がありますれば、何とか研究をしていく余地があるならば研究してみたい、こういうふうに考えております。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 先ほど五十八社のうち、オペレーターが二十八社と申し上げましたのは、すでに初めから利子補給を受けているもののトータルの数字を申し上げておったわけでございますが、先ほども申し上げましたように、昨年度復活をしていただきました市中の利子補給の対象会社におきましても百三十一隻、百四十二万総トンがオペレーターでありまして、二十三隻、わずか十九万トンがオーナーになっておりますので、この点は一つ御了承を得たいと思います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それはわかりますが、全体として、オペレーターに重点を置くという最近の方針は、それはわかるわけです。しかし全体として、最初からの融資について見ればそうなんでしょう。ですから、そこにやはり問題があるわけなんですから、利子補給を続けているのですから……。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) お言葉でございますが、これはもうすでに十一次以降の利子補給しか残っておりませんので、かつて利子補給したもののトータルの数字でございますから、今後はますますそれが狭まっていくと、先ほども申し上げましたように、十七次造船におきましては、二十隻程度が三隻か四隻程度である、こういうことでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それで最後に。大臣は個人的にはそういうことは清潔な人だと思いますよ。しかし、制度的に機構的に、たとえば政治献金とか監査が私には不満です。いろんなまだ努力すべき点があると思うのです。そういう努力がまだわれわれから見れば、国民の税金を、補助金を使うにあたっては、まだ不十分じゃないか、やるべきところがたくさんある。それをやれば、開銀の利子補給、これをやらなくても済むのじゃないかという疑問を持つのです。そういう点に対して、それがなされていないということは、結果において機構的、制度的に、やはり汚職とまで言わなくても、結果的にそういうことになるのじゃないか、いわゆる不当な利子補給になるのじゃないかということを指摘したわけです。これまでいろいろ具体的に御質問して、どうもまだ十分割り切れないわけです。まだこれは運輸委員会で十分審議されると思いますので、大蔵委員としての立場でいろいろ御質問したのですが、一応まあ私の質問を終わることにいたしますが、そういう意味なんです。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木暮武太夫君) 今木村さんからお話がございましたが、お言葉を返すようでおそれ入りますが、私の方とすると、今の海運企業が戦後ああいう形で出発をして、現在におきまして大きな借入金に対する利子の負担が非常に過大で、経理を圧迫しているという事実がございますものですから、それはあとにして、ほかの方でやるべきことがあるではないかということも一つの御意見でございますけれども、一方では合理化等によりまして、基盤を脆弱なものから強固なものに立て直すとともに、同時に一方では、今経理の圧迫の最大原因である金利負担の過重であるという点に着眼しまして、ほかのことをやりながら、一方では金利を一つ、負担をあまりかけないようにやっていくことも、基盤を強化していくことで、両々相待ってやっていくことが適当であるというふうにも実は考えたものですから、ほかのことを決してやらぬわけではございません。ほかのこともやりながら、一方、たれが見ても今の海運界の基盤の脆弱な根源をなしている過重なる金利負担というものにメスを入れて、両々相待ってやっていった方が立ち直りが早いのではないかという考えでやっておりますわけでございますから、どうぞ御了承をお願い申し上げたいと思います。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 きょうは連合審査で大へん参考になる御意見なり、あるいは御質問がありましたが、われわれとしても、頭からこれを否定するものじゃありませんが、しかしながら、きょうの御答弁の中身は、歯切れのよかったものばかりじゃない。また貴重な新しい問題も提起されておりますので、以後運輸委員会におきまして十分審議したいと思いますが、ついては、きょう木村委員ないしは成瀬委員から要求されました資料は、運輸委員会にも早急に一つ出してもらいたい。  それからつけ加えまして、この国庫返納額三億七千六百八十万円というのがありますが、この内訳も一つあわせて資料として出してもらいたい。かようなことを要望いたしまして、私はきょうは質問を保留します。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 最後に一つ簡単に。市中金利は一月から一厘下がりましたね。この予算措置には、その市中金利の下っている分はこれを織り込んであるわけですか、織り込まれてこの予算措置になったのか。そうでないと、市中金利は下がっているのですよ、一厘。もし、そうでないとすれば、利子補給の額が変わってこなければならないと思うのですよ。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 利子補給の復活をいたしますのは、既契約の場合につきましては十次、十一次でございますが、これは既契約でございますので、昨年度自動的に復活したわけでございますから五分になっており、市中金利五分との差額の二分の一というわけで、十二次でございますが、十二次については、市中金利五分との差の二分の一になっておるわけです。新しく契約を結びます十三次以降、昨年三十五年までの新造船につきましては、市中金利が下がっただけ、それだけ負担が軽くなる、こういうことにいたしておるわけでございますが、開発銀行の方は、現行の六分五厘を五分ということで、明確に告示で一分五厘と、こういうふうに告示をいたすつもりでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 だって、これは開発銀行の資金だけで船ができるのではないでしょう。開発銀行と市中から借りているのでやるでしょう。市中金利は、これは一月から下がっている、一月末。その市中の金利が下がれば、合わせてですから、開発銀行の資金と市中の資金と合わせて、コストが違ってくる。そうすれば、開発銀行、必ずしもこの予算措置をやっただけの措置をとらなければならないということにはならない。前提が違ってきている。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 私どもが開銀の利子補給をやろうといたしました考え方は、冒頭に申し上げましたように、外国船と同じベースに少なくとも置く。企業の合理化の問題ももちろん継続してやるのでございますが、輸出入銀行を通じて、日本の輸出金融をバックにいたしまして外国船ができるコストは五分一厘六毛でございます。いわゆる外国の国内金利と日本の輸出入銀行の輸出金融のセイバーを受けて作る平均のコストは五分一厘六毛でございます。今までの、金利低下以前のものにつきましては七分一厘程度になっておりますから、約二分の差がございますので、従いまして、私どもは、開銀の金利一分五厘と、市中の金利が下がりましたものを全部ひっくるめましても六分弱になるわけでございますから、五分一厘六毛と六分弱にはまだ相当の開きがあるわけでございますけれども、その差額は、先ほどから申し上げておりますように、海運企業の合理化あるいは鉄鋼界の協力と、鋼材価格の問題も御指摘になりましたが、あらゆる方面でそういったものを埋めていきたい、こういう考えでおるわけでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 どうもその説明はちょっとおかしいと思うのですね。予算の積算の基礎としての問題を聞いているんですよ。そんならまだまだ幾らでも、今度金利を下げても、やはり依然としてやっていくのかというのですよ。市中の金利がどんどん下がっていくでしょう。かりに、もし下がったら、いわゆる予算の積算の基礎が違ってくるんですから、そんならそれで、やはり積算の基礎は違ったとして提案しなきゃならない。これは間違いですよ。それは外国との金利の差があるから、幾らでも市中が下がっても、依然として利子補給するという、予算の積算の基礎としての前提が違うのです。そういう御答弁では、これはおかしいと思うのです。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 少し御説明が不適当であったかと思いますが、予算では、補給率が一分九厘九毛といっておるわけでございますから、その補給率は変わらないということでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 じゃあ開銀の方に伺いましょう。開銀の方で予算措置をやる場合ですよ、市中金利を幾らとごらんになっていますか。僕は利下げ前だと思うのですよ。そうですよ。出てきた経過を見ればそうですよ、利下げ前ですよ。

吉岡千代三日本開発銀行理事

○参考人(吉岡千代三君) これは運輸省からいただいておる資料だと思いますが、定期と不定期とタンカーと分けまして、不定期の場合は、本行六分五厘に対して一分五厘の利子補給を受けまして、これが七〇%と考えております。それから市中は九分四厘九毛、これから一分九厘九毛の利子補給、それから利下げが日歩一厘でありますから三厘六毛五、これに昨年来でありますが、実施されております一厘のたな上げ、これを加えまして、市中融資を三割と考えまして、定期船の場合に平均金利は五分五厘になる。不定期並びにタンカーの場合は、同様の計算で、本行五〇%、市中五〇%といたしまして、平均金利が五分九厘ということで、この五分九厘というのも、先ほど海運局長がお答えになったものと同様と了解をいたしております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それは平均金利でしょう。市中と開銀と合わせた平均金利でしょう。ですから、市中がもし一厘下がれば平均金利は違ってくるんですよ。

吉岡千代三日本開発銀行理事

○参考人(吉岡千代三君) 市中の利下げ日歩一厘を織り込んで、ただいまのような計算になっているそうでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 一厘利下げを織り込んでですか。

吉岡千代三日本開発銀行理事

○参考人(吉岡千代三君) 織り込み済みでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 織り込み済みなんですが、それとの平均金利ですか。しかしこれは一月から……。この法案いつ出たのですか、衆議院にいつ出たのですか。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 予算のときは確定的にきまってはおりませんでしたが、そういう金利低下の情勢もあるので、それを織り込んで編成をいたしたのでありまして、一分九厘九毛の補給率は五分までという法律にございますので、一分九厘九毛の補給率は変わりはないのでございまして、予算額においても金額は変わりはないのでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 そこのところ少しおかしい、もう少し検討してみます。だって三十六年度予算はこの利下げの前にきまっているのですよ、三十六年度予算は。そうでしょう。それだのにそれを金利が下がるから……。あとで市中金利を下げるか下げないか、ずいぶん問題になったんですよ、日銀の利下げに関連して。それなのに、織り込んでというのはおかしいですよ。織り込むというのはなおおかしいですよ、それは。何かわれわれ非常に愚弄されたようなものですよ。そういうことはもう少し……。

中村順造日本社会党

○中村順造君 私、たくさん資料を出されるようですから、私もちょっと追加をお願いしたいのですがね。この法律案は、日本開発銀行に関するとこうなっておりますので、先ほど開発銀行の説明を聞きますと、いろいろ数字をあげられ、千六百七十七億の貸付で、それが全体の三一%とかいろいろなお話がありましたが、資料としてお願いしたいのは、大体開発銀行の、大ざっぱでいいですから、どういうふうな形に貸付とか資本構成とかなっているのか、出していただきたい。委員長にお願いいたします。

吉岡千代三日本開発銀行理事

○参考人(吉岡千代三君) 承知いたしました。

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 他に御質疑もなければ、これをもって連合審査会を終了いたします。    午後五時七分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗