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38回国会衆議院1961/02/28

予算委員会第二分科会 第3号

発言数
368
登壇者
20
会派数
2
開催日
1961/02/28

会議録

北澤直吉自由民主党

○北澤主査 これより会議を開きます。  昭和三十六年度一般会計予算中文部省所管について質疑を行ないます。床次徳二君。

床次徳二自由民主党

○床次分科員 私は義務教育費の問題につきまして質問したいと思います。  教育の充実に対しましては、何と申しましても十分なる経費を準備いたしまして、そうして教育の基礎をつちかうことが必要だと思うのでございまするが、特に義務教育に対しましては、すでに、長い間国庫負担法によりましてこれが実施されておるのでありまするが、しかし国庫負担法そのものにつきましても、もうそろそろ内容におきまして改善をする必要があるのではないかと思うのであります。すなわち従来から見ますると、教育費のために支出すべき部面が次第にふえてきているんじゃないか。従来国旗負担法の対象としましては給与とか教材費に限られておるのでありまするが、義務教育の充実のためにはもっともっとその対象をふやすということと、同時にこれが従来二分の一という額に制限されておりまするが、この額をもっと増加いたしまして、そうして義務教育の振興をはかることが必要だと思うのでありまするが、この点に対しまして大臣の御所見を伺いたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 御案内の通り今お示しの経費について精算のときに二分の一を国が負担し、設置者がその残りを負担するということでやってきておることは万々御承知でございますが、今日ただいま再検討をするという意向は実は持っておりませんのでございますが、さしあたりとしてはどうやらこれでいいんじゃないかという考え方でございます。もっともPTAが年額二百億円くらい負担しているので、何とかこれを解消すべきだという意向はたくさんあるのでございまして、そういうことと関連してのお話かとも拝察いたしますが、将来の問題としては検討をしていくべき課題とは思いますが、さしむきとしましては現行のやり方でごかんべん願いたいと思っているような次第でございます。

床次徳二自由民主党

○床次分科員 教育費の負担につきましては、ただいまお話がありましたように各方面において負担しておる。PTAあるいは町村、公共団体が負担しておる分が相当あると思われるのであります。この負担を緩和することによりまして一そう充実ができるのではないかと考えておるわけなのであります。従って増率等も御検討いただきたいと思うのでございます。  なおこれに関連いたしまして実はお伺いいたしたいことは、義務教育費の配分の方法なんです。今日地方団体の経費に対しまして二分の一の額になっておりまして、なおその例外といたしましては、基準財政収入が基準財政需要をこえるところの府県におきましては政令の定めるところによりまして最高限を押えるといういき方があるだけであります。しかし現実に地方の状態を見ますると、ずいぶん財政の事情によりまして、単純にかような一律二分の一負担という方法でいいかどうかということについて実は考えて見るべきものではないかと私は思うのであります。  一例を申し上げますると、今日義務教育に対しまして相当経費を支出しておって、その経費がはたして十分な利益をその地方に与えているかと申しますると、実は地方によってずいぶん差があるのであります。具体的に申し上げますると、後進地方のごときは義務教育によりまして青年の教育を一生懸命やる。そうしてせっかく育て上げましたところの青年というものが就職活動をいたしまして、ほんとうに教育の効果が上がりますのは実は富裕地方において利益が上がるという見方ができるのではないかと思うのであります。いわゆる教育費の国民の負担の割合から申しますると、実はいわゆる後進地方、青年をどんどん教育しておる地方につきましては、負担が実際は相当過重なんです。私はそういう地方に対しましては、むしろ義務教育費の配分をもっと増率してよいのではないかということを考えておるわけであります。最近はいわゆる所得倍増論によりまして、後進地方に対しましても、開発事業に対して増率するということを考えるのは当然でありますが、教育につきましても、実はその団体の負担の状態を見ますと、非常に不公平があるように思うのでありまして、後進地方の教育の充実に対しましては、さような方法によってむしろ公平が期せられるのじゃないか、むしろ発展が期せられるのじゃないかと思う。文部省でやっておられるのは、富裕県において頭を押えるという消極的な部分だけやっておられるのでありますが、積極的に教育の内容を振興する意味におきましては、どうも配分の操作があまりに単純に過ぎるので、効果が上がらないと思うのです。この点は十分に一つお考えをいただきたいと思うのでありますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 義務教育はおよそ子供たちにとりましては共通の課題でございますから、最低限は公平に、富裕府県だろうとそうでなかろうと、負担する、富裕府県の方でおっしゃるような趣旨を調整するという考え方の方が適切じゃないかと、私見ではございますが、思います。しかしながら、御指摘のように、教育以外の点では、富裕府県とそうでないところをなるべく公平に扱うような考慮がだんだんと考えられつつあるのに、義務教育の経費だけはそのことがあまり積極的に脅えられていないうらみがあるのじゃないかというお説かと思いますが、気持においては、お説はわかるような気持がいたします。ただ、当面のやり方としましては、富裕府県において調整するというやり方でやっておる。これをもっと幅広くするかどうか等につきましては、根本の問題でございますから軽々に申し上げられませんが、検討していくべき課題かとは存じます。さしむきは、お答えになりませんかしれませんけれども、以上のようなことを考えておる次第でございます。

床次徳二自由民主党

○床次分科員 ただいまの問題は、義務教育費に対する二分の一の補助が十分であるという立場に立ちましては、従来の配分でいいと思うのでありますが、地方においてだんだん財政の負担がかかって参りますと、どうしても増率をする、単純に増率がむずかしければ現在の配分方法においても考慮する。むしろ積極的に申しますと、そういう地方の振興のために義務教育費をよけい配分してもらうということが必要だという意味におきまして、ぜひ御検討いただきたいと思うのであります。  なお、これに関連して一再申し上げてみたいのでありまするが、産業教育の問題であります。今日青年に産業教育が必要なことにつきましては、今さら申し上げるまでもないのでありまするが、特に後進地方の青少年に対しまして、だんだん高等学校に入ってくる者がふえてきた、しかもこれがいわゆる工業教育、理工科教育というものをよけい受けなければならないという事情になって参ったのであります。単純に普通科で出て参りましたのは、他の府県に就職いたしまする場合におきましては、成績がとかくよくない。どういたしましても、やはり高等学校までやって、しかもそれが理化学教育を十分して出たという者は、他地方に出まして、ほんとうにその就職率もいいというわけです。この点は、産業の少ない地方にとりましては、まことに重大な影響があるわけです。しかもこれが相当の経費を食うということになりますと、いわゆる産業教育の振興、青少年に対する職業補導を、将来を考慮する場合におきましても、十分な経費をつけて実行させなければならない。この点は、いわゆる工業の発達した地方とはだいぶ違うのでございます。先ほど義務教育の問題についても申しましたけれども、職業教育になりますと、一そうこれがクローズ・アップされて、その必要が感ぜられて参る次第であるわけなんです。この点につきましては、将来一つ十分な予算上の考慮をしていただきたいと思うのでありますが、これにつきまして、政府の御所見を伺いたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 御指摘につきましては、いわゆる所得倍増計画の実施のいわば裏づけといたしまして、科学技術教育に特に力を入れていこう、ことに高等学校の教育につきましても産業教育、なかんずく工業方面に重点を置いて生徒急増対策の一環としても意味があるわけでございますが、普通高校のほかに工業高校に特別の考慮を払って従来の産振法に基づく補助率も幾らか高めますと同時に一般校倉につきましても普通高校を含めて財源措置を今まで以上に十分につけたい。特に工業の学校につきましては、普通校舎につきましてもわずかではありますけれども、政府の補助金を出すことによって地方の負担を幾らかでも軽減し、かつ産業教育の目的を達しよう、こういう考え方で予算も御審議願っておりますし、関連の法案等も提案いたしておるような次第でございます。この点は従来よりも一歩少なくとも前進をして、御指摘のような地方々々の御要望にこたえ得るのではないかと思っておる次第でございます。

床次徳二自由民主党

○床次分科員 ただいまのように政府の努力の趣旨はわかるのでありまするが、私は特に強調したいのは、この地方の配分についてやはり後進地方とそうでない地方との間におけるところの地元の負担力ということを十分考慮してやっていただきたいというところが重点なんでありますので、どこの地方も同じ率でもってやるという現在までの建前につきましては、これは相当検討を要するのじゃないか、かような意味において申し上げた次第であります。十分一つこの点につきましては善処してもらいたい、以上をもって終わります。

北澤直吉自由民主党

○北澤主査 羽田武嗣郎君。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田分科員 私といたしましては、去る二月五日に日教組本部の小林委員長以下三十四名の諸君が日本社会党に集団入党したことは、日教組ばかりではなく、各方面に非常に強い反響を与えておると思うんです。ちょうど朝日新聞の投書欄の「声」というところに「教師の任務と教育の中立性」と題して東京の中学校校長の阿川昔という方が投書をしておるのでありますから、この反響の一つとして読み上げたいと思うのでございます。   校長になって十一年、しみじみ思うことは教師として学級をもっていたときの楽しさである。いまでもつとめて補教に出るようにしているが、校長と生徒とではその親近感がまるでちがう。   私の長い経験からいって、教師の生徒に及ぼす感化力は、おどろくほど大きい。生徒の教科に対する興味は、その担任に対する好悪感に左右され勝ちである。自分の親愛する先生の授業には熱心になるが、自分のきらいな先生の授業にはそっぽを向く。   教師の何気ない一言が、生徒に強い刺激と反応を与える。教師は教壇での一言一行に十分慎重にしなければならない。  学校にはそれぞれ校風があるが、学級にもそれぞれのふんいきと色彩がある。それは如実に担任教師の性格・熱意・指導力を反映している。担任にその人を得るか得ないかは、その学校の生命となる。だから教師はその責任の重大さを考え、教師たるの本務をおろそかにしてはならない。   教師も労働者であるという考えはよいとしても、こうした感化力を持つ教師の任務を一刻も忘れてはなるまい。組合員という意識の前に、教師たる本務の重大さを十分自覚する必要があろう。   小林委員長以下、日教組幹部が社会党に入党したので、今後日教組の動向が社会党的になることは必然であろう。しかし組合員である教師のすべてが社会党的な意向で生徒を指導したら問題である。   信仰は個人の自由であるし、入党もまた個人の権利である。しかし一方に偏向した人が、真に中正な意見を述べることができるであろうか。安保反対・勤評反対を熱心に唱える教師が、まさか教壇でもその考えを述べたとは思わないが、その人の担任する生徒が、先生と同一意見でないという事実を私は知っている。すぐれた教師であればあるほど、先生の考え方、見方が生徒に強く影響してゆくのである。   教師が教育の中正を守るためには、特定の政党や宗教にははいらないことが、いちばん正しい道ではないかと思う。  まあ、こういうただいま読み上げたような阿川校長の意見のように教師個人がどの政党を支持しようともそれは自由でありますが、日教組五十万の組織員に絶対的な影響力を持ったこれら中央幹部の集団入党は、教育の中立性を侵すゆゆしい重大事と考えておりますが、これに対しては文部大臣はどういう御所見を持っていらっしゃいますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 ただいま読み上げられました投書者の気持は、一般国民の率直な気持だろうと理解いたします。ただ理論的に申し上げれば、御指摘の通り、その投書にも書いてあります通り、日本人がいかなる政党を、共産党といえども支持し、入党するということは自由である、これは疑いないことだと思います。しかしながらそういう事実上相当の影響力を持つであろうところの幹部諸公が集団で入党するというようなものは好ましくはない、御自由ではあるにしましても好ましくはないという気持は、私は国民の大多数の意見であろうと思います。それはよしんば共産党であれ、社会党であれ、自由民主党であれ、集団入党するということは私は好ましくないのじゃないか、かように思う次第であります。もっとも概念的にいえば、党員である教師と教師たる教師の教壇における言動とは截然と区別されるわけですから、理論上は弊害ありなぞと言いにくいかとは思いますけれども、なにさまなまな人間でありますから、全然影響なしとも言いかねる。そういうことを一般的には懸念した気持がその投書になっておろうかと思うのであります。奨励すべきことでなくて、必ずしも好ましくないという感じを持つ次第でございます。教育が中立でなければならぬということは厳然たる教育基本法からの命令でもありますし、教師諸君がそういうことはないとは信じますけれども、ともすれば、事実上脱線したことがないとはいえない。そういうことをいささか懸念はいたしますものの制度上そいつがけしからぬことだとはむろん思いません。自重してもらいたいと私は要望したいと思っております。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田分科員 好ましくないという御答弁でございまして、全くそれは良識ある国民の心であろうと思います。そこで今さら入党した者に取り消しを勧告するということをいたしても、これはどうにもなるものではないと存じますが、全国の先生たちに何らかの方法で教育の中立性を守るように厳に戒める必要があると思いますが、これに対して文部大臣としてどういう対策をお考えになっていますか、それを承りたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 特別の対策というものを今考えておるわけじゃございません。教育が中立を保持さるべきことは憲法の趣旨からいっても、基本法の明文からいっても当然のことでありますし、ことにまた義務教育課程の担当教師に対しましては、特に政治的に中立であらねばならぬという趣旨の特別立法も出ておるようなわけですから、教師が教育の本質的な要請である中立厳守のためには今後も努力していくことを良識に訴えて期待する次第でございます。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田分科員 これで私の質問を終わります。

北澤直吉自由民主党

○北澤主査 野原覺君。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 私どもは荒木文部大臣の教育に対するものの考え方、それからあなたが文部大臣になられましてから、あちらこちらでお話になられたことなり、それからなさっておられる文部行政につきまして実は若干の批判を持つのであります。問題点がかなりあるのではなかろうかと実は思っておるのでございます。そこで私は、実はきょうはそれらの点についてもたださなければなるまいかと思ったのでございますが、この文教の予算分科会における質問者が十数名もございます。しかも予算分科会という性格から考えまして、その問題は他の機会に譲って、いずれあらためて掘り下げてお尋ねいたすことにいたしまして、予算に関係のある重要な点の二、三について幾らかお尋ねをしてみようと思うのであります。  まず第一にお尋ねしたいことは、教員の定数の問題、それから義務教育学校の小学校、中学校の学級編制の基準に関する問題についてであります。三十六年度の義務教育学校における学級編制の基準は、小学校、中学校それぞれ何名と置いて予算の積算をなされたのか、まずこの点からお尋ねいたします。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 小学校は五十六人以上を解消する、中学校は五十四人以上を解消する、こういうことにいたしたわけでございます。これは小学校五十六人、中学校五十四人に据え置くという意味じゃございませんので、現実に五十人、五十一人あるいは五十数人のところもあるし、四十何人のところもあるわけです。全国平均は四十四、五人になっておりますが、今回の措置としては小学校は五十六人以上、中学校は五十四人以上のところをとりあえず解消する、こういう趣旨でございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 そういたしますと、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律というのが、初中局長御承知のようにできております。それの第三条の二項を見てみますと、「各都道府県ごとの、公立の小学校又は中学校の一学級の児童又は生徒の数の基準は、次の表の上欄に揚げる」云々という規定がございまして、この法律は小学校は五十名と書かれておるわけである。それから第四条によりますと、「都道府県の教育委員会は、前条二項又は第三項の規定により公立の義務教育諸学校の一学級の児童又は生徒の数の基準を定めるに当り、当該義務教育諸学校の学級編制の区分に応ずる同条第二項の表の下欄に掲げる数又は同条第三項に規定する数に五人を加えた数(同条第二項ただし書の規定により別に政令で定める数を標準とする場合にあっては、政令で定める数)」となっております。「五人を加えた数をこえる数によろうとするときは」云々という規定もここにあるわけでございます。なお公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律施行令第三条を見ますと「法第四条に規定する政令で定める数は、五十五人とする。」となっております。こういうような法律なり政令をずっと調べてみますと、学級編制基準の数は五十人から五十五人というのが実は法の定めておることではないかと私は思うのであります。そうなると三十六年度は小学校は五十六人、中学校は五十四人でございますが、法律は五十人ですから、それよりも四人オーバーしております。しかし政令は五十五人以内でございますからこれは問題ないとしても、三十六年度の予算の積算基礎に置いた五十六人は、これは法律違反じゃないか。この点をどうお考えになっておるか。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 ただいまお述べになりました法律の附則第三項に教職員定数の標準に関する経過措置というのがございます。この経過措置でごらんいただきますと、一ぺんに定数までいかないで政令で逐次やる。これは校舎の設備状況、校舎の建築状況その他を勘案してやるということになっておりますので、政令でこれを逐年きめていく仕組みになっておるわけでございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 そうなりますと、これは経過規定によってなされておることだということでございますが、これは文部省としてはこの法律の定めておる五十人の学級を編制することのできるための具体的な対策、措置というものが脅えられなければならないと私は思うのであります。従ってこの小中学校とも五十人にするためのいわゆるすし詰め学級の解消計画というものが文部省にあるのかないのか、野放しなのか。せっかく法律が五十人だと規定しておるにかかわらず、いつまでもこういう経過措置でやられるということは私どもはあり得ないと思う。だから法律のねらっておる五十人を達成するための解消計画というものを文部省はお立てにならなければならぬのでありますが、その計画があるならばお示し願いたい。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 この法律が三十三年にできましてから、経過的に、三十三年度は小学校は六十人以上を解消する、中学校は五十五人以上を解消する。それから三十四年度につきましては、小学校は五十八人以上を解消する、中学校は五十四人以上を解消するという措置をすでにとって参ったわけであります。三十五年度は、小学校の方は五十六人以上を解消する、中学校は五十四人以上を解消するということでやって参ったわけでございまして、三十六年はそれを踏襲して参ったわけでございます。と申しますのは、三十六年は中学校の生徒はちょうど百万人ふえましたので、この百万人の急増のために八千五百人ほどの増員をせざるを得なかったという事情で小中とも据え置いたわけでございます。しかし三十七、八年の両年度におきまして双方とも五十人になるように、計画を進めておるわけでございます。今日京でのところ、このすし詰め学級解消の方向が出ましてから、当時五十人以上の学級は十四、五万ございましたが、現在のところ八万程度になっておりますので、その効果は着々と上がっておるものと考えます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 そういたしますと、文部省のこの五ヵ年間による解消計画は、三十六年度は小学校が五十六名、中学校が五十二名だと私は拝承しておるのですが、あなたの今の答弁を聞くと、計画自体が五十四名だ、こういうことでございますが、これは最初文部省が打ち出しておった計画は、五十三名ではありませんでしたか。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 三十五年度は、お話しのように五十三にしたいという気持を持っておりましたが、三十五年はやむを得ず五十四にいたしましたので、三十五と六の間は据え置くという当初計画でございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 それならそのように御答弁をしてもらわなければ、これは誤解を与えると思うのです。当初の計画は、従って三十五年は中学校五十三、三十六年も五十三、こういうことだった。ところがその計画を、文部省のやり方からいきますと達成することができないのですね。もうすでに五ヵ年年計画の二年目か三年目になって、五十名を達成するための解消が、もうここでつまずいておるのです。五十三と置きながら五十四で学級編制をなさっておるわけであります。私はやはりこれは考えなければならぬ点だと思います。もう一度お尋ねいたしますが、再来年度、三十七年度には小学校は幾らで中学校は幾らですか。小学校はもう三十七年度になりますと、五十になりますか。中学校は五十になれますか、お尋ねします。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 これは先ほど申し上げましたように、三十八年で小中ともお約束通り五十にしたい、こういうことでございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 これはぜひとも五十にしたいということで、単なる希望ではなしに、この義務教育学校における学級編制基準の法律ができてからすでに久しいのでございますから、もういいかげんで五十名くらいの学級というものを日本においても作り上げなければならぬのではないかと実は考えるわけです。これはぜひとも、ただいま初中局長からのあのような答弁がございましたが、実現をしてもらいたい。これに対する大臣の御所信を承ります。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 ただいま政府委員から申し上げた通りに、実現をはかりたいと存じます。これはそう思うのみならず、実際問題といたしましても校舎の整備もいわばできておる状態になりまするし、それから先生の数も、学童が高等学校に移行していきます関係から、一応整っておる。ですから実行可能である、めども具体的につくわけでございまして、極力これが実現をはかりたいと思っております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 そこでさらにこの問題についてお尋ねをしたいのですが、五十名が達成できたあとにおいて、文部省としては第二次の学級編制基準計画を立てる必要が、私はやはりあろうかと思うのであります。五十名が最高の理想だなんと考えておったら、とんでもないことなのです。この点に対する文部省側のお考えを承っておきたい。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 次の計画をどうするかは今検討中でございますが、諸外国等の実例も十分考慮いたしまして、できますれば四十人くらいに理想としては持っていきたいと考えております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 諸外国の資料等は十分御研究なさっておられると思うのでありますが、もう日本と同じような工業水準の状態にある欧米の各国は、これは初中局長御承知のように、三十名から四十名です。四十名以上のところはほとんどないのです。どうかすると、二十何名というようなところもあります。ところが依然として日本はいまだに五十六名をさまよっておる。私はこういう点から見て、日本の文部行政と申しますか、教育政策というものは、国民は非常に素朴に、あたかも教育は尊重されておられるかのような受け取り方をしておるかもわかりませんが、しさいにこういう数字を検討してみますとまだまだなんです。これはだめなんです。野蛮未開の状態とは申しません。それは日本くらい義務教育が徹底した国はない。日本はいかなる山間僻地に行きましてもすでに明治の時代から読み書きそろばんができたのでありますから、その辺は徹底しておりますけれども、政府の施策としては私どもきわめて反省しなければならぬと思うのであります。そこでやはり昭和三十八年の第一次五ヵ年計画の五十名を達成する以前に、第二次計画というものをお立てになる必要があろうかと思う。そうしてすみやかに一流先進国並みの学級編制基準というものを実は予算の上でも行政指導の上でもお立てにならなければ、なかなかこの五ヵ年計画とか十ヵ年計画というものはその理想を達成することが困難ではなかろうかと思うのであります。この点に対して大臣はどのようにお考えになるか承りたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 今お示しの通りの方向づけをあらゆる努力をもってやらねばならぬと思っております。おそらく四十年くらいになりますれば四十名見当には優に持っていけるのではないか、あるいはそれ以下にもなすことも不可能ではなさそうに見当をつけております。もちろん校舎ないしは学習設備等の整備をしなければならぬし、特殊学級その他の整備もするとなると、そうそう簡単でもございませんが、少なくとも諸外国の一流国並みには持っていくべきだという意気込みはみんな持っておる次第であります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 定員の問題でもう一点だけお尋ねしておきたいのであります。それは高等学校の定員の問題です。第三十四回国会でございましたか、公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律案というのを出されたのか出すという方針であったのか、私は当時は国会におりませんでしたが、何か第三十四国会にたしか出したような気もいたすのでありますが、この国会は安保のために混乱いたしまして成立をしておりません。こういうことであれば、この三十八国会にこの高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律案というものをお出しになるおつもりであるのかどうか、もしお出しになるとすればその中身を承りたいのであります。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 一度出しまして、時間切れになりまして廃案になったと記憶しております。今度の国会にも提案するつもりで具体的に検討中でございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 提案をするということで目下検討中であるということでありますれば、私はその御検討の参考までに申し上げておきますが、これは文部省がよく御承知のように、高等学校の標準定数というものは実は甲号とか乙号とかいうような厄介な計算方式が出されておるようであります。私どもが高等学校の職員から聞くところによりますと、現在はほとんど乙号の九五%が達成されておる、こういう状態です。それでもなお高等学校の教員の受け持つ時間その他は非常な過重な状態に置かれておりますから、乙号程度の中身のものを出されてもこの法案を出す価値はない。だから、やはり甲号をねらったところの中身の標準定数のものでなければ、せっかく単独法として出しても実効がない。これは念のために申し上げておきますから、一つ御検討の参考に供していただきたいのであります。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 今野原分科員から質問のありました来年度のすし詰め解消、つまり定数の問題について、なお関連してお尋ねをいたしたいと思います。  それは、今いろいろ御答弁がありましたが、当初公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律案が出されたときに、政府の方から、中学校の場合のすし詰め解消、つまり五十名にするという計画は三年程度でやりたい、小学校の場合は五ヵ年間を見ておるという御答弁があったはずです。これは局長、あなたの口から出たことですから御記憶だと思いますが、覚えておられるかどうか、まず承りたい。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 実は、中学校につきましては、ちょうどこの法案が出たころは下り坂でございまして、できますれば五十人にしたいという気持は持っておりました。ところが、御承知の通り、中学校の急増が昭和三十五年、六年、七年と大きな山にかかってしまいましたので、五ヵ年計画を新たに作成いたしまして正確に処理したわけでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 今御答弁のように、この法律ができたときには、中学は三年間ですし詰めを解消する、従って、三十三年が第一年ですから、三十六年度には、中学は、当初の計画からいえば五十名以下になっているはずであったのですね。それがとにかくあとで五ヵ年計画に修正されたというのですけれども、当時の中学校の生徒が三年向こうで幾らになる、五年向こうで幾らになるということは、それからあとで生まれた子供じゃないのですから、それを急にふえたということを今おっしゃるのは、ちょっと私は納得できないのですけれども、それはいたし方ないとして、一応そういう約束をなさったわけです。ところが、それを今度は五ヵ年計画に変更された。その五ヵ年計画というのは――大臣、こういう書物を文部省が出しているのを御存じですか。これは口だけでなくて、文部省で責任を持ってすし詰め学級の解消をします、こういう約束をした。これは文部省が出したりっぱな書物です。この中には、今野原委員に御答弁になりましたようなことではなくてはっきり五ヵ年計画の内容が示されてあります。それによれば、当然三十五年度には、小学校は五十六名、中学校は五十三名になっているはずなんです。それから三十六年度には五十六、五十三、三十七年度には五十四、五十二、三十八年度からは五十人、五十人、こうはっきり印刷物にして出して、教育委員会に配って、これで広報をしてくれというただし書きまでちゃんと書いてあるのです。しかも、これについていろいろ説明してある中にこういうことがあります。この計画は一体政府あるいは関係各省を拘束するものかどうかという御疑問があるかもしれない。ところが、これは、確かに法的には、財政法、会計法の建前からいって、継続費でもないし、国庫債務負担行為でもないのだから、これが政府や各省を拘束する力はない。しかしながら、この計画というものは――今のような計画をいっておるのですが、関係各省で合意のあった内容だから、特別の事情の変更のない限り尊重して扱われるのが予算編成の常道であるという説明がこの中に書いてあります。そうして、この五ヵ年計画の内容は、よほどの理由のない限り変更され得ないものと信じている。これも文部省の見解です。そうすると、今、野原委員の質問に対して、三十八年度からは五十名以下にするというような御答弁をなさったけれども、法律ができるときには中学は三年間で五十名以下にする、小学校は五年間、それから今度、その後検討した結果、こういう書物にして出した内容は、今御指摘のあったように年次を追ってやっておって、よほどの事情のない限りこれはやれるものだという自信のほどを見せております。それがまたぐらついてきておるのです。当然三十六年度には五十六、五十三であるべきものが、五十四が三年間も中学では続いてきておる、こういうようにくずれてきております。そうすると、今大臣が三十八年度には五十名にするということをおっしゃりへ局長もそういう答弁をなさったけれども、その保証は一体だれがするのですか。記録に残っておりますよ。あなたの三年と五年の計画は、三十四年四月二十二日の委員会の答弁で、ちゃんと出ているのです。それがくずれ、またこういうふうに印刷物にして出したものがくずれて、そうして今また三十八年度から五十以下にしますということをおっしゃっても、今のように財政法の拘束もなければ会計法の拘束もないし、もちろん継続費でもなければ、国庫債務負担行為でもない。そうだとすれば、あなた方は、また工合が悪いから延ばす、こういうことになるのじゃないですか。それだと一体何のことかわからない。三十七年度はこうする、三十八年度から必ずこうする、その保証は一体だれがどこでするのですか。どうも今の言葉だけでは私は信用できないので関連してお尋ねいたします。これはむしろ大臣から御答弁を願う性質のものじゃないかと思います。あとでまた局長の方から補足していただきたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 先ほど野原さんにお答え申し上げたことと同じでございますが、数年前からのいきさつは私も詳しく存じませんのでお答えいたしかねますけれども、考えますのに、今までは生徒がだんだんふえてくる、前向きに予算、設備等に努力すべき点がたくさんあって、パンフレットに書いた通りのことを実現すべく努力はしたでしょうけれども、まあ率直に申し上げれば、努力が足りないために一名だけはお約束と違ったという結果が五十四名ということになったのだろうと想像するわけでございますが、三十八年以降は五十名になし得ると申し上げますのは、百万人もの急激な増員、それを受け入れるための施設、設備、人的設備等も一応整うわけでございますから、三十八年度以降急激にまた学童数が減る、としますれば、人的、物的設備が一応あるわけでございますので、関連して新たな経費等が必要になりましょうけれども、今までに比べれば、その実現の可能性ははるかに確実性を増す内容を持っておるということが雄弁に物語ってくれると思うわけでございます。従って、先ほど申し上げましたような五十名、さらに先行きは四十名近くにだんだんと整備していける可能性が多分にある。その可能性を生かしていく努力をするならば、御期待に沿い得るのではないかということで申し上げたわけでございます。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 このパンフレットは、実は調査局長がお出しになったので、私も一々は拝見しておりませんが、五ヵ年計画で五十にするということを関係各省が約束なさっておる。年次計画まで大蔵省の承認を得ているわけではございません。三十八年度に五十にするということは、大蔵省も自治省も了解済みなんです。ですから年度別については、この文章がどう書いてあるか私もよく存じませんけれども、そういう趣旨のものではなかったわけでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 今局長がおっしゃったのは、この計画とちゃんと書いてあるのです。この年次計画について述べてある構想だからこそ、継続費だとか今のような予算外の支出ですか、そういうことがいってあるのであって、この計画についてのおそらくできないのじゃないかということに対する今の説明がそうなっているのだから、今の御答弁についてはもう一度よく読んでからにしていただきたいと思うのです。今の大臣の御答弁から、やはりそう簡単に三十八年度からがらりと生徒の数が減るわけじゃございません。大臣御存じの通りです。そうすると、今の御答弁から見てもやはりこれはあやしいのじゃないか、三十八年度から五十名にするという保証は、結局今そうしたいという希望だけであって、するという保証になっていないのじゃないかという心配があります。  そこで大蔵省、自治省はお見えになっておりますか。

北澤直吉自由民主党

○北澤主査 主計官が見えております。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 自治省はどうですか。

北澤直吉自由民主党

○北澤主査 衆議院の地方行政委員会に出ておりまして、こちらへまだ見えておりませんが……。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 それでは呼んでいただいて、今内藤局長の言葉によれば、大蔵省、自治省が全部三十八年度から五十名以下にするということはちゃんと了承しておるということですから、そのことをしっかり確かめておかないと、従来の経緯から見て安心できないので、その機会をぜひ作っていただきたいと思います。  もう一つこれと関連して大臣にお尋ねいたしたいのですが、こういうふうに政府が当初五十三にするといっておったのを五十四にしたために、市町村はずいぶん苦労をしておるということを、大臣はあるいは御存じないのじゃないかと思います。というのは、今政令がこの計画と違ったために、やむを得ず市町村が県費負担じゃなくて――本来法律によれば市町村立の義務教育の諸学校には県費負担の教職員以外はないのが建前なんです。ところが市町村費で負担しておる教職員がまだ相当あるのですが、大臣、そういうことを御存じでしょうか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 聞いております。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 どれくらいございますか。これは事務当局からでけっこうです。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 私も正確に記憶しておりませんが、六千五百人くらいじゃなかろうかと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 市町村費で負担しておる教職員の給与については国の負担がないのです。これは大臣御存じの通りです。そうすると、この苦しい地方財政の中で市町村は、この政令が五十三にするといったのがそうしてくれない、そうかといって今のすし詰めをほっておくわけにいかないというので、今の局長のお話によれば六千名もの教員が結局市町村費で置かれている。これが現実なんです。こういうのを一体今の段階でほっておいていいものかどうか。もし政府の方で来年度の政令を五十三にしてやれば、うんと緩和できるはずです。少し中学の方が多いですが、少なくとも中学の教員で当然そうなるべき者が市町村費でまかなわれておるのが九百八十二名、これは確かにあるわけです。こういうものを文教行政として一体ほっておけるかほっておけないか、これは一つ大臣からもう一度伺いたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 国と地方自治体と半々持ちだという建前の例外をなしておりまして、好ましいことではないと思います。解消する努力をすべき課題だと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 これが解消すべきことが当然なんで、実は法律違反ではないにしても、適法ではありません。そうすればこれは責任を持って直ちに解消する、三十六年度にこれは解消する。そうでなければ地方自治体、特に市町村は困っておるのですから、そういうことをしなければならないはずだと思います。  それから大臣は御存じないかもしれませんが、PTA等で教員費を出して雇っておる先生もあるのです。私は具体的な例も知っております。ことに養護学級などでは子供の数が少ないために、その父兄がお金を出し合って、学校の校舎のあいたところを借りて養護学級をやっているという例もあるわけです。詳細に調べていけばそういうしわ寄せがずいぶんあると思うのです。それを今のような政令で、定数のきめ方に無理があり、すし詰め解消ができないというところから来ておるのであって、こういうことを考えてみると、当然三十六年度の政令についても三十八年度から五十にするというだけではなくて、――三十六年度の政令もまだ出ていないわけですから、当然御配慮あってしかるべきだと思いますが、いかがでしょうか。大臣にお尋ねいたします。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 ちょっと事情の説明をさせていただきたいのですが、この政令とは直接関係ないと思うのです。と申しますのは、今御指摘になった例は、養護婦とか何かに確かにPTA負担のものがございます。それから市町村で負担するものの中にも当然県で負担しなければならぬ事務職員を市町村で負担している分もかなりあるわけです。この政令は小学校五十六人以上は認めない、中学校は五十四人以上は認めない。その場合どうしても認めなければならぬものは文部大臣と協議しろということで、現在の国庫負担法は実績の二分の一を負担しているわけですから、五十六とか五十四に関係なく、県によっては五十以下のところがたくさんあるわけなんです。私どもの方は実績の二分の一を負担しますので、必要な教員は県が置いてあるはずなんです。置かないというところは何か特別な事情があるのではなかろうか、この政令とは直接関係がないということだけを御理解いただきたいと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 関連ですから、簡単にしようと思うのですが、そういう御答弁をするから困るのです。県で定数をきめるのでしょう。県で定数をきめた分以外はこれはもうふえないわけですから、市町村で幾ら持っておっても、それについては国の負担がないわけです。そこで仕方がない、県の定数というのは何によってきめられるかというと、この政令と、それから地方財政計画とによってきめられるわけなので、それが見られていないのです。そこで市町村は養護教員でも、養護婦でも置きたいけれども、涙をのんでそうやっている。  それから今申し上げるのは純粋な教員の数です。小学校で五百二名、中学校で九百八十二名、これは文部省でいう純粋な教員がこれだけ市町村に置かれている。これが三十五年度の実情なんです。それ以外に今おっしゃった養護婦、つまり養護教員のかわりですね。それから事務職員、当然県費で負担して、国で半額持ってもらうべきものが、それが今のような実情でやられていない。その半額国で見るべきものまで市町村で持っている。その事態を解消することが文教行政の重大な責任だと思いますので、そのことを文部大臣にお尋ねしておるわけです。当然早急に解消すべきものだと思いますが、大臣の御所見はいかがでしょうか。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 解消することについては私どもも一生懸命努力しますけれども、政令はこれはあくまでもマキシマムをきめておるので、県では五十人以上の学級は全国で八万くらいに減っておるわけです。ですからマキシマムをきめておるので、それ以下の場合はもちろん半額国庫負担の対象にもなりますし、自治省の方も五十人までは地方財政計画の中で見るという約束ができておるわけですから、直接、政令とは関係ないということを申し上げます。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 先刻申し上げました通り、本来、義務教育費国庫負担法の建前からいきまして当然国が半分持つべき経費を、今御指摘のようないきさつから、やむを得ずPTA負担等になっておるということがありせば、なるべくすみやかに解消する努力をすべき事柄だと心得ます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 定数の問題は、なお問題がございますので、私は自治省の自治大臣を要求しておったのですが、後刻参る予定だそうでございますから、そのときあらためてお尋ねをしたいと思うのであります。  第二点は、私が承りたいことは、学校給食の問題です。いつでございましたか、私、ラジオを久しぶりにかけておりましたら、荒木文部大臣の学校給食視察の放送を実は聞いたのであります。大臣、学校給食問題には非常に御熱心だなと思って、心から敬意を表する次第でございますが、今日の学校給食について、いろいろ御視察もなされ、御検討もされておられることと思いますので、あえてお尋ねをいたしますが、一体、現状のままでよいのかどうかですね。こういう尋ね方はあまりにも問題が広いので、あとで各論的に承りたい点もあるのですけれども、概括して、大臣の所見を承りたいのです。改めるべき点があるとすればどういうところだ。率直に言って、今の学校給食の問題点はどこだろうかというようなことを、まず承りたいと思うのです。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 今の御質問に具体的にお答えするほどの知識を持ち合わせませんけれども、少なくとも、給食率をもっと全国的に普及してしかるべきじゃないか。さらに、支給しております給食そのもののカロリーが、はたして発育盛りの子供たちにとって十分であろうかどうか。まあそういうふうなことを漫然と感じる程度でございますけれども、とにかくこれは継続し、だんだんと普及していって、全員給食まで持っていくべき筋合いのものだ、こういうふうに感じておる次第でございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 私、学校給食の問題でお尋ねしようと思いましたやさきに、けさの朝日新聞は「給食を受けられぬ子供たち」という社説を実は掲げておるわけであります。私が尋ねようと思っておることと同じようなことを書いておるのでございますが、私が、文教委員会に出まして歴代の文部大臣に実は執拗にお伺いをしてきたことが学校給食の問題で一点あるのです。それはどういうことかと申しますと、給食費が払えないために、給食を受けることのできない子供がたくさんあるということです。松村文部大臣のときにこのことを申し上げますと、さっそく松村さんは非常に努力されて、要保護児童だけではなしに、準要保護児童の予算化をも実は考えられた。今度の予算を見てみますと、五億円余りの給食予算が二分の一補助としてとられておる。これはすこぶるけっこうなことであります。けっこうなことでございますけれども、これでもなお給食費一ヵ月三百数十円の給食代が払えないために給食を受けられない子供があるのであります。莫大な数あるのであります。一体、文部省がこの実情をどう認識しておられるか、どのくらいの数だとお考えになっておりますか。あなた方がここに数を出しておるのですね。準要保護は四%、要保護は三%として計算をされて出されておる以上は、私は、文部省としても、この数については、一体ボーダー・ライン階級のどの程度のものが今日もなお給食を受けることができない、これだけの予算措置をしても、なお何十万かの者が残る、各府県別はどうなんだという実態調査をされておるはずであります。御発表願いたいと思う。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 具体的には、そういうものは未納というような形で現われて参ると思いますが、未納者の調べについては近くすることになっておりますから、詳細な数字は今把握いたしておりません。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 それはどうも怠慢じゃないかと私は思うのです。一体、国の予算から二分の一補助で五億六千九百万という、こういう給食の補助金をあなた方が算定をされるにあたっては、要保護児童は幾らで、準要保護児童はどのくらいだ、しかし、全体の消化は不可能であるからこの程度にしたのだという、綿密な調査がなされて、これは出されたものだと私は考えます。そういうものがなしに、ただばく然とまあこの程度やったらよいのだろう、こういうことで御計算になられたのですか。もう一ぺん御答弁を願いたい。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 私どもも準要保護児童の範囲をなお拡大することが適当である、こういうふうな考え方を持っておりまして、準要保護児童の範囲を生徒数の七%に引き上げたい、こういう希望と計画は持っておるのでございますが、国の財政状況のために現在四%になっております。なお、今後ともこの引き上げには努力いたしたいと考えます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 この点は、私はすみやかに調査をしてもらわなければならぬと思うのであります。そうして、あなた方がこのような予算を出されても、なおこの金がないために給食を受けることができない、昼休みの時間には、子供たちが給食を受けるのをしょんぼりとして待っておる。廊下の外に立っておる。こういう気の毒な子供が――私は大阪でございますが、大阪の西成、浪速というスラム街に行けば山ほどあるのです。現実に、給食の時間に私はそういうところ々視察に行ったのです。私は、体育局長なりあるいは文部省の責任者は、ああいうスラム街の給食状態がどういう設備のもとに行なわれて、どういう状態であるのかということを一体見られたのかどうか、承りたいのです。おそらくごらんにはなっていないだろうと思う。そこで校長にも会い、PTAの会長も呼んでいろいろ聞きましたけれども、PTA会費でまかなうこともできないのです、PTAが貧乏でありますから。もうガラス窓は破れておる。そこで大阪市もしびれを切らして、最近調査をしたのでありますが、三十二万の学童のうちに、文部当局からこのような施策をされても、救済できない者が、昨年度でなお一万二千人おる。一・万二千人の小学校の生徒が金を払えぬために受けられない。こういう実情が大阪で出されておる。東京都においてはおそらく三万ではなかろうかということがいわれておるのであります。私は、こういうものはやはり基礎的な調査をされて、あなた方がこの予算の積算基礎を立てる上には、そういう十分な配慮をされた上でしていただきたいということを、要望いたしておきます。  そこで、大臣にお尋ねいたしますが、私は率直にいって五億円では少ないと思うのです。一体、文部省は大蔵省に対してどれだけのものを要求されたのですか、お尋ねいたします。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 ちょっと数字を忘れましたので、便宜政府委員から申し上げさせます。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 先ほど申し上げましたように私ども準要保護の。パーセンテージを広げる計画をもちましてこの予算を要求いたしました。その金額はただいま手元に持っておりませんから正確なところは後ほど申し上げたいと思います。給食の方は昨年度御存じの通り二%を四%に引き上げて御趣旨のような点は相当実現したわけでございますが、なお私どもこれで十分だとは考えておりません。今後ともこの引き上げに努力したいと考えます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 私は学校給食に関してはあらゆる角度からお尋ねいたしますからあらゆる資料をそろえておってもらいたい、こういうことを文部当局には要請しておったのであります。資料が今なければあとで承りたいと思う。  けさの朝日の社説も書いておるのですが、金がないためにしょんぼりしておるという子供をなくすることが今日の教育では大事なことじゃないか。戦闘機二台つぶしたらこれができるのです。私どもの計算によりますと、大体二十万ぐらいおるのではないかという見当を実は立てておるのであります。ボーダー・ラインでそのためになおまだ給食の受けられない子供が二十万。そうなればこの二十万の学童の給食代を解消するためには大体自衛隊のロケットの二台分を――あれは役に立たぬ飛行機ですから文部省がもらってくる。ああいうようなことに文部省としては目をつけて、国の予算を要求するときにはやってもらわなければならぬかと実は思うのであります。  そこでなお続けて給食問題でお尋ねいたしますが、学校給食に従事しておる調理員ですね。学校給食従業員と申しますか、この人の身分と給与については今日必ずしも安定しておるとは言えない、すこぶる不安定であろうと思うのであります。私は、この人たちの身分なり給与というものについて不安定の状態にあるのでございますから、文部省としても努力されておると思うのでございますが、まずそのことについて承っておきたい。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 給食調理員の問題は現場で前々から困っておる問題でございまして、私どもこれが充実について努力して参っております。ちなみに現在の状況を三十五年度五月一日現在の統計で申し上げますと、町村負担の者が二万八千二百七十二人、PTA負担の者が七千四百五十二人ございます。給与も低い者が中にございます。PTA負担を公費負担に切りかえ、なおその給与を引き上げることについては今後とも努力したいと思います。なお調理員の定数等については交付税積算の基礎について昨年度においても自治省と打ち合わせまして改善を見ております。ただいまもこれが改善について折衝を続けておる現状でございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 この給食従業員の身分ですが、局長どうお考えですか。これは法的にはどうあるべきだと考えておられますか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 市町村の職員であるべきが建前でございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 市町村の職員ということであれば地方公務員です。ところがPTAから雇われておる者があなたの今の発表によっても七千四百五十二名。これは市町村の職員にはなっていないのですね。準職員にもなっていない、嘱託にもなっていない、PTAがPTAの金で雇ってまかなっておる、こういうことですね。だからこれはその身分としてはあるべき姿から見てはなはだしく違法じゃないかと思うのです。  そこで大臣にお聞きしますが、学校教育法の二十八条を見ますと、「必要な職員」ということがこの中でうたわれておるのです。学校教育法の二十八条「小学校には、校長、教諭、養護教諭及び事務職員を置かなければならない。但し、特別の事情のあるときは、事務職員を置かないことができる。」その次に「小学校には、前項の外、助教諭その他必要な職員を置くことができる。」これが学校教育法の規定なんです。私は学校給食というものが教育上必要であるとして設けられた以上は、この給食に従事する職員が学校教育法二十八条の「必要は職員」に該当するのではないかと思うのであります。文部大臣はどう考えていますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 御指摘のように給食を続けていく限りは、給食がやれる最小限の人員を整備することは必要であると思います。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 二十八条の「必要な職員」という言葉の、その中身に当てはまると思うがどうかと聞いておるのであります。いかがですか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 二十八条のこの条項に該当すると考えます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 そうなって参りますと、事は一そうまた問題になるのであります。PTAによって雇われておる、それから失対雇用がなされておる、こういうことになれば、これは違法な使用ということになる。法律違反の使用を実はやっておるのだ。市町村の職員でなければならぬ、学校教育法二十八条の「必要な職員」に入るのだということであれば、七千四百名という給食従業員のこの雇われ方というものは違法な使用ではないかと私は思うのでありますが、これは私のこれからの質問を正しく発展させる意味で重ねてお尋ねいたします。どうお考えですか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 この二十八条の規定は「必要な職員を置くことができる。」と、こういうふうに規定されてございますので、今までの状況が直ちに違法だとは考えません。ただ先般地方財政法、地方財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律によって、学校給食に従事する市町村の職員の給与については公費をもって負担すべきものだという原則が明らかにされましたので、その法律の趣旨によりまして、ただいまのPTA負担の職員は当然公費に切りかえられるべきものだと考えておるわけであります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 昭和三十五年の四月三十日に法律第六十九号で、地方財政法及び地方財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律として、今局長が御指摘のように出されておる。その第二十七条の三を見てみますと、市町村が住民にその負担を転嫁してはならない経費を規定している。その施行令の第十六条の三で経費とは何かとして、市町村の吏員その他の職員の給料その他の支給に要する経費ということが入っておるわけです。そこでこの地方財政法が昭和三十六年の四月一日から効力を生ずるわけであります。そうなると、七千四百人というのは、もう四月一日からはPTAは雇うことができなくなるのだ、こういうことに私はなろうかと思う。そのように受け取ってよろしゅうございますか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 この法律改正によりまして七千四百五十二人の者は原則として公費に切りかえらるべきものだと考えます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 切りかえられなければ違法です。四月一日からこの地方財政法が実施されるのですから。去年のこれはたしか昭和三十五年四月三十日に公布されて、今年の四月一日から実施ということになる。そこで文部省は、それでもなお法律違反をやってPTAが雇っておる、雇わなければまかなうことのできない市町村ができるかもわからぬのですが、これはどうなさるのです。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 その点につきましては前々から地方教育委員会等に対して、この法律の実施に関連して調理員の身分の取り扱いについていろいろ指導をして参っております。三十五年十二月三日には次官通達を出しまして、これはこういう法律ができたから原則として公費負担にすべきだ、本年度一ぱいにそういう措置をとるように、こういう通達を出しております。  なお実際問題としまして、この中には地方財政等の需要のために、なかなか切りかえの困難な向きもあるという実情も考えまして、その際にはこれを直ちに首を切るというような点については慎重な考慮をされたい。その意味は、この調理員の中には、身分が非常にあいまいでありまして、必ずしも町村の職員とみなすことのできないものも中にあるのでございます。もしそれらがすべて市町村の職員であり、この法律の適用を受けるとなりますと、市町村によりましては、それでは一つやめてもらおう、こういうことに、身分の不明瞭なもの、必ずしも市町村の職員と言い得ないようなものまで、そういうふうな形式的な取り扱いをする場合も生じますので、その点は弾力性を持って考慮し、直ちに首を切るというようなことのないように私どもは指導いたしております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 指導したってだめですよ。あなた方が何ぼ指導しても金をやらなければ首切りが行なわれ、そうしてやはり違法な状態は続くのです。いいですか、あなた方が一片の紙切れで通牒を出して聞くような市町村じゃありませんよ。金がないのだからPTAに頼んでいるんだということなのだ。だから大事な点は、昭和三十六年四月一日からこの地財法が実施されるに当たって、政府は一体どれだけの予算措置を考えておるのかという点が大事になるのです。法律を作るだけ作っておって、そうしてその裏打ちの予算をしないで、お前その法律があるのだから守れ、こう言ったってだれが守りますか。守るならば今までに守っているのだ。だれも違法な状態は好ましくない。こういうものをPTAが雇うということはだれだって反対なんだ。どんな市町村長だって反対なんだ。しかし金がないからしようがない。子供には給食をやらなければならぬ。だからPTAに頼むんだ。そこで私は一体どれだけの財政措置がとられておるのかという点をお尋ねしたいのです。  これは言うまでもありませんが、この給与費というものは地方交付税として出されておるはずであります。地方交付税でこの措置をされておる。これも安井大臣が来ていないので、文部省としては十分な答弁ができるかどうかわかりませんが、しかし学校給食は文部省の所管でございますからお尋ねいたしますが、今日の基準は十八学級九百人について従業員は三人だ。こういう基準になっておりますが、間違いございませんね。この基準を私はやはりもっとふやさなければならぬかと思うのでございますが、一人の単価はどれだけになっておりますか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 一人月額八千百三十円の計算になっております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 そうなりますと、今度の地方交付税としての算定に、PTAから雇われた七千四百五十二名の分は一人八千百三十円で交付税の中に入れて出しておりますか、自治庁の財政局長が参ったようでございますから自治庁から御答弁願いたい。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 税外負担を解消したいということを三十五年の計画に取り上げたわけでございますが、三十五年度におきましては地方財政計画に九十億円の財源を計上し、同時にまた関係地方団体の基準財政需要額をそれだけ増額をいたしたいわけであります。同時に今御指摘になりましたように地方財政法の改正を行ないまして、転嫁禁止の規定を置いたわけでございます。ただこの禁止規定の適用は三十六年度からということにしておるわけでございまして、財源措置から始めていこう、こういうことで一年間、その間のずれを置きまして円滑な法の施行を見たい、かように考えておるわけであります。  そこで給食関係の問題でございますが、三十五年度に、今申し上げましたようなことから九百人の学校について給食婦三人必要だろう、こういうことで単位費用の引き上げを行なったわけであります。しかしさらに文部省としてはもう少し弾力を持ちたいというお考えもございましたので、三十六年度におきまして賃金を半年分見込むというような計算のもとにおける単位費用の引き上げを行ないたいと考えておりまして、地方交付税法の改正法律案を近く国会に提案をいたしたい、かように考えておるわけであります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 そこで今問題は財政局長、PTAが七千四百五十二名雇っておるわけです。実は市町村の雇いでなしに、市町村の職員でなければならぬのに、あなた方が財政措置をしてやらぬために市町村はPTAに転嫁をして、PTAが雇っておる。PTAが払った金から給食調理に二千円とか三千円という、きわめて薄給で雇っておるわけです。私は、こういう安月給で人を使って子供の教育に重大だ何だと口先だけ言って、一体何が重大なことになるかと言いたい。だからここで問題があるので今文部省の局長に聞きますと、二万八千二百何名かが市町村が雇っておるもので、それ以外に七千四百五十二名がPTAだ。だからこれの分も一切含めて、あなた方の地方交付税の算定には一人八千百三十円の単価で入っておるのかどうか聞いておるのです。いかがです。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 先ほども申し上げましたように、各学校において給食を実施するのにどの程度の給食婦を必要とするかということにかかってくると思うのでございます。そういう計算につきましては、昨年は九百人の学校で三人でよろしいと考えたわけでございますけれども、さらに文部省から強い要請がございましたので、三十六年度において賃金分半年をさらに追加算入をしたい、こうしてその関係の経費を充実していきたい、かように考えておるわけであります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 それでは文部省の局長に聞きます。これは入っておるのでしょうか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 明年度の先ほど財政局長の言われた数字の中にと、こういう趣旨ですね。これは数字の総ワクにおいては入っておりますが、なお市町村個別に見ますと多少問題は残ると考えております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 わけがわからぬ答弁です。これはわけがわかりませんよ。総ワクの中に入っているが個別に問題がある、こう言ったってわからぬです。七千四百五十何名というものが地方交付税の中に入っておるとすれば、八千百三十円には問題があります。私は八千百三十円というこの単価は低いと思う。今日の一般職の初任給が九千八百円なのだ。一人前のおばさんを使っておるのです、朝から晩まで。朝八時に出勤をして夜帰りは―大臣は視察をされたと思う。夜の帰りは、跡始末をして五時か六時まで汗みどろになって働く。九百人について三名ですから、このおばさんたちは横を見る間もないのです。そうなると実は教育についての十分な配慮ということもなくなるので、十八学級九百人の三名は少ないじゃないか、八千百三十円は少ないではないかと考えておりますが、そのことは伏せておいても、今日PTAが雇っておるこのものを見ていないとするならば、やはり問題なのです。これを文部省が見るように、自治省に交渉をしないでおって、そうして一片の通達を出しておるだけでは、私は事は解決しないと思う。どうお考えですか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 総体の数字においては、先ほど財政局長の言われた数字の中に、これらを解消し得る数字が出ております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 そうなりますと、今日給食をやっておる小学校は、六五%だということでございますが、この給食従業員の予算措置というものは、国としては見ておるのだ、こう承ってよろしいですね。あとで違うと言っても、大へんですよ。はっきりしておきたいと思います。国はもう完全に見ておるのだ、だから市町村がPTAに転嫁しておるのは、その市町村は地方交付税を、橋を作ったりどぶさらいに横流しをして、PTAに転嫁させておるのだ、こういうことになれば、この市町村長は刑事犯罪者になりますよ。あなたの答弁で事が重大になるのだ。だからここで一時のがれをやっては困る。一切見ておりますね。見ておるとすれば、私は今日どこどこ県のどこどこ市、どこどこ村においてはPTAでやっておる、その市長は一体地方交付税をどうしたのだ、こういう摘発を、私はここでやりますよ。いかがですか。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 私は総体においてこれを見ておるということを申し上げておるわけでありますが、それは先ほどのように改善をされたといたしましても、なお市町村によりましては九百人当たり五人とか六人の調理員を置いている場合が、例外としてあるわけでございます。しかしその市町村においては実施しない学校もある。ならして考えればこれは大体において処理できると考えますが、ただ特殊の場合においてそのすべてを見る数字にはなっておらない。これは地方交付税算定の基礎の性格からもくる性質のものだと考えるわけであります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 これは自治省の財政局長に聞きますが、あなた方が一人八千百三十円の計算をして地方交付税を出す、その場合に、これが学校給食に使われないで、他の面に使われておるとすれば、問題があると思うのです。そういう実情をあなたの方では調べたことはこざいませんか。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 私たちも給食の仕事を各小学校において実施してもらうことを期待しておりますし、その関係の経費をPTA等父兄の負担に転嫁することはぜひ避けさせていきたい、こういうふうな考え方のもとに、三十五年度税外負担の解消を強く取り上げて参ったわけでございます。三十六年度から法律ができるようになりますので、御心配になっているような問題はおそらく解決していくものだと確信をいたしておるわけでございます。また当然給食として必要な員数をPTAに負担を転嫁していく市町村が、もしありといたしますならば、それはお教えを願いまして、どうしてそういうような市町村の行政運営にならざるを得ないのか、十分私どもの方でも助言をして参りたい。そうしてせっかく法律を制定し、財源措置をしたわけでございますので、その法の趣旨にのっとって運営させるように指導助言をして参りたい、こういう強い覚悟でおるわけでございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 今自治省の財政局長のお話を聞くと、非常に学校給食については熱意を持っておるのです。一体文部省は、基準を計算するのに十八学級九百人、三名でけっこうです、それから単価は八千百三十円でけっこうでございます。こういうお考えで学校給食に臨んでおるのかどうか、これを承っておきたい。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 私どもその数字を十分だとは考えておりません。これは通達でも私どもが望ましいと考える基準は、九百人について四人だ、こう考えておるわけでございます。そのことは通達もいたしております。今後そういうふうな点について、努力を重ねて参りたいと考えております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 言葉は悪うございますが、子供のときから学校の小使いさんと呼んできておったが、正確な名前は校務員というか用務員というか、これと今日の学校給食の調理員は同じものだろうと思うのです。ところが現実には二千円、三千円――八千百三十円の計算で出されておりますけれども八千百三十円もらっておる人は大都会においてはいざ知らず、少ない。その大都会におきましても退職金の規定もなければ何もない。こういうことでは、子供の給食は大事だ、大事だという宣伝ばかり文部省はやって、学校給食の調理員の身分それから給食についての熱意がきわめて稀薄ではないかと思うのであります。  そこで、大臣にお尋ねしますが、荒木大臣に今日の給食で問題点はどうだと言ったら、給食の普及率をもっと高めなければならぬ、それからカロリーが十分でないのではなかろうか、こういう御心配でありました。これはごもっともでありまして、給食の普及率は非常に低いのです。小学校で六五%、中学校はたしか一二%、定時制は数でたった八万人しかいない、こういうことなんです。普及をもっと高からしめるために、文部大臣としては具体的な方策を持っておるかどうか。それからカロリーが十分でないのではなかろうかと大臣は御心配をされておるのですが、十分なカロリーを持たせるためにはどういう配慮を今日の学校給食に加えていったらよいとお考えなのか、これは大臣から承りたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 もっとほかにも全般的な課題があろうかと思いますが、十分調査し研究しました上で充実させて参りたいと思います。事務当局でどの程度今研究しておるか知りませんけれども、現在、今お尋ねの線に沿ってお答えする程度の検討をしておれば、政府委員からお答えすることをお許しいただきます。極力これは推し進めていくに値するもの、そういう努力をなすべきものと心得ておることを重ねて申し添えます。

杉江清文部事務官(体育局長)

○杉江政府委員 普及率の問題につきましては私どももその普及率をぜひ高めたいと考えまして、実は給食の五ヵ年計画というものを立てまして漸次その普及率を引き上げる計画を持っておるのであります。特に問題なのは農山村への普及だと考えております。この点について今までも指導はいたして参っておりますが、今後とも一そうその点について指導して参りたいと思います。なお、質の向上については、いろんな問題に実は関係するわけでありますが、本年度わずかではありますけれども、おかず代の引き上げをいたしております。これは一に栄養価を高めたいという配慮からそういうこともいたしております。それから質の向上につきまして、私どもは栄養職員の充実ということに努力しなければならない、こう考えております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 普及率の問題で文部大臣にお尋ねしたいのですが、学校給食法は奨励法になっておって、今日義務法になっていないのです。だからこれを思い切って義務法にしてはどうかという私見を持っております。このことに対して大臣はどう考えておるか承りたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 気持としては義務制度にしてもするだけの値打がありそうな気持もいたしますが、それが今までそういう制度になし得なかった事情等がどういうことであったか明確にわかりませんので、そういうことも含めて十分検討してみたいと思います。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 これはぜひ御検討願いたいのです。そうしなければ、普及率を高めなければいかぬといっても、現状から高まりはしない。むしろ中央の財政措置が不十分であるために違法な状態になって、四月一日から今度は首切りが始まりますよ。そうなれば、学校給食法というりっぱな法律が作られて、教育上価値がある。体位の向上に非常に価値があるといわれながら、学校給食というものは、私は今度低下するのではないかという心配を実は持っておるのです。だから、これは財政措置を十分考えながら、普及率を高めるように義務法化の検討を一つ要望しておきたいと思います。  それからカロリーの問題でございますが、これは局長からも御答弁がありましたが、専門栄養士というのがいないのです。おるところは、これは市が特別に市の金で雇っておる、PTAで雇っておるという金持ち学校はいざ知らず、専門栄養士については文部省は何ら配慮をしていない。二千人、三千人の給食をまかなうのですよ。これを四千円や五千円でおばさんを雇ってきて、そうしてまかないをさせて、専門栄養士も置いてない。学校教育法の二十八条には「必要な職員」とそのためにうたっておる。こういう幅の広いものを置いておる。それで学校給食法ができて今日十年余り、いまだに専門栄養士も置かない。今日どこの工場に行っても、二百人や三百人の中小企業の工場だってちゃんと栄養士がおとなのまかないをするのにいるのです。大事な子供の給食、しかもそのお昼は三千人も二千五百人もまかなうというのに専門栄養士を置いてないというこの問題は、私は手落ちであろうと思うのです。これはすみやかに専門栄養士を置かなければならぬものだろうと思うのです。大臣はどう考えますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 私もそう思います。それまた含めまして検討させていただきます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 これは思いっぱなしでは困るのであります。荒木さんは、先ほどから申し上げましたように、この前給食の御視察をなさったくらい非常な御熱意を持っておるのでありますから、この問題については、私は非常な期待を持っておるのです。ぜひともこれは早急な機会に専門栄養士を置き、義務法についても御検討願いたいのであります。  そこで、次にお尋ねをしたいことは、高等学校の生徒の急増対策であります。三十八年度からは高等学校の生徒が非常にふえてくる。このふえてくるのは、終戦子と申しますか、いわゆる社会的な理由によって人口がふえ、そのために生徒がふえてくるのでございますが、まず一体どのくらい高等学校の生徒がふえるのか、三十八、三十九――四十がピークだろうと思いますが、四十、四十一、四十二くらいでよろしゅうございますから、その生徒のふえ方の状態を一つ御説明願いたいと思います。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 この中学校の生徒が高等学校に入りますのが三十八年からでございます。三十八年から三十九年、四十年、御承知の通り四十年がピークになるわけですが、この期間に中学校を卒業した者の生徒数が約二百万ほど増加いたします。そこで、この期間中に少なくとも百万から百十万くらいを入れないと、現在の進学率が低下いたすおそれがあります。そこで、現在の進学率は、全日制で中学校卒業数の五割、定時制、通信教育を含めまして約六割になっておりますので、この六割程度は三十八、三十九、四十年を通じて保証して参りたいというのが基本的な考えでございます。これを収容するのに、大体現在公私立が七対三の割合になっておりますので、私立の方で三割程度、公立で七割程度吸収するという計画を持っておるわけでございます。  そこで、どの程度新設するかという問題が一つあるわけです。新設の問題と、既設の学校の学級増加、それからこの期間中の一割程度のすし詰めを考えているわけであります。五十人のところは五十五人まで詰める。一割のすし詰めをいたしますと、公立で大体二十七、八万見込まれるわけでございます。それから、既設の学校に一割程度の学級増加をいたしますと、これで二十七、八万、合わせて五十五万程度は救われるものと考えております。それからあと残りが十五万、一学年五万、三学年で十五万を新設で収容する、こういう計画を立てているわけであります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 そういたしますと、昭和三十五年に比べて、昭和四十年が一番ピークだろうと思うのですが、その増加は百十万だ。その百十万を、七割は公立、三割は私立ということで考える、こういうことですね。その数はどのくらい計画しておりますか。公立に収容する者は何万だ、私立へは何万やるのだという具体的な計画の数字があろうと思うのですが、的確な数字を一つ出してもらいたい。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 公立で収容するのが六十五万ないし七十万、それから私立で収容するのが三十万から四十万の間というふうに考えております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 幅がとてもあり過ぎるのですね。こういう計画は、校舎の新築、増築、それからすし詰めということに発展していくのですから、もっと緻密な計画を立てないというとつまずくのじゃないかと私は思うのです。予算が必要になってきますからね。東京には何校だ、大阪は何校だ、長野県は何校だというように建ててもらわないというと、さしあたり三十八年にはもう高等学校受験児が殺倒して困るのです。百十万もふえるのですからね。百十万もふえたものを、七対三で、六十五万から七十万、三十万から四十万、この幅があまりあり過ぎるということについて一つ私は異議を申し上げておきます。  そこで、これはこれとして、それでは公立の方が問題なんだが、私立も問題があります。しかし、公立の方は国の予算に関係がありますからとりあえずお尋ねをいたしますが、新築、増築、すし詰めということを今局長は言われたですね。そうすると、六十五万から七十万のものを、新築はどのくらい、増築はどのくらい、それからすし詰めにどのくらい持っていく――これは法律違反になりますが、法律の精神から見ると逆コースでございますけれども、もうしょうがない、すし詰めをやる、こういうことなんですが、この数字を一つ言って下さい。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 小学校、中学校の急増の場合にはすし詰めをごしんほう願ったわけですから、高等学校の場合でも一割程度のすし詰めばごしんぼう願いたい。その数が、五十人の定員のところが五十五でございますが、この程度は私どもは可能であろうと考えております。これによるものが二十七万程度でございます。それから既設の学校に一割程度の学級増加を行ないますと、これでやはり二十七万程度が収容できるわけであります。合わせて五十四、五万のものが解決するわけでございます。  それから新設につきましては、一学年五万で、三学年で十五万という数字で、今地方に呼びかけをしているわけです。ですから、基本的な計画がきまりまして、今各地方で、どういうふうに作っていくか、普通課程をどうするか、社会課程をどうするか、特に工業の場合には所得倍増十ヵ年計画も。ございますので、工業課程をどの程度伸ばすか、こういうことを今地方で検討いたしておりますので、その集計を待ってさらに調整をいたしたいと考えております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 局長はいとも簡単に、五十人のところに五人ふえるのだ、ごしんぼう願いたいとおっしゃっていますけれども、あの大きな高等学校の生徒、今でも五十人で一ぱいなんです。それに五人ふやす、そう簡単に事が片づけられるようにはいかぬということを私は申し上げておきたい。今日高等学校で五十五人という学級が世界の先進国家のどこにございますか。これは一時的な現象だからやむを得ぬといえばそれまでですけれども、先ほど湯山委員が申しましたように、この子供たちは昭和二十二年に生まれておるのです。文部省は足元に火がつかないとこういう対策はやらぬ。昭和二十二年に生まれておる子供は、昭和三十八年まで十六年あるのですよ。財政計画から一切ひっくるめた長期の計画をなぜ立ててこないのか。これをやらないで、もうことしは昭和三十六年です。三十八年度から百万に近い子供をどう一体さばこうかというので頭痛はち巻。文部省がぼんやりしておるから、都道府県の教育委員会もまあ文部省が考えて下さるだろうというので、これまたぼやっとしておる。そこで問題は子供の親なんです。頭痛はち巻なんです。どうなるんでございましょうか。私はこれは文部行政としては責任を痛感してもらわなければ困ると思うのです。そこで、そのことはまたあらためて追及もいたしますが、お尋ねしたいことは、昭和三十六年度から昭和四十年度まで五ヵ年計画をやはり立てなければなるまいかと思うのです。もう立っておりますか。詳細な財政措置の伴った五ヵ年計画ができておるはずだと思うのです。来年は三十七年、再来年の四月ですよ。もうきておるのですよ。五ヶ年計画ができておりますか。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 現在までのところ、先ほど申しましたように、小学校のすし詰め解消、中学校の解消、今回は高等学校のところに波が及ぶわけでございます。そこで一応文部省の計画を立てますけれども、義務教育のようなわけには参らぬと思う。そこで高等学校の場合に、どういうような高等学校を建てるのか、各県がそれぞれ自主的に計画をおきめにならなければならぬ。その計画をきめる場合に、文部省側としては基本的な構想をお示しして、それに基づいて各県が実情に合うように検討されて今計画が集まりつつあるわけなのです。ですから、その計画によってさらに支障があれば再調整をしなければならぬか、こう思いますが、私どもの基本的な計画は数字の上では持っておりますけれども、これは各県の要望によって十分検討し直さなければならぬと考えております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 あなたは十五万の新卒と言われたのですが、一体どのくらいの学校を建てれば十五万の解消ができると考えていますか。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 七百三十人の規模で約二百でございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 全国で二百校の高等学校を新設するのだ、こういうことだろうと思うのであります。そのための自信がございますか。二百校を建てるとあなたは簡単に言いますけれども、それでは東京は幾ら、大阪は幾らという計画は鹿児島県に至るまで一切できておりますか。できておれば一つ御発表願いたい。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 ですから、文部省としては百万人をどういうふうにして収容するかということが基本計画なんです。各県がそれぞれの実情によって、今新設計画を建てておる。たとえば東京都は二十五校作る、こういう具体的計画がきまっておる。各県からそれを集計いたしまして――もちろん二百校と申しましても、学校の規模にもよると思うのです。ですからそういう規模その他について各県がそれぞれ計画されたものを集計して、さらにそれに必要な財政措置を講じなければならぬ。起債をどうするか、あるいは国庫補助をどうするかという問題は、これからの作業にいたしたいと考えております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 学校を建てるのに、まず校地の買収が要りますよ。しかも高等学校は幼稚園と違いまして、非常に膨大な運動場敷地が要りますよ。校舎にしてもそうです。昭和三十八年度はもうすぐ目の前に来ておるのです。そうして二百校建てるのであります、各県はよろしく考えているでございましょう、これで一体文部省の責任がとれますか。社会増というのは、これは国の責任なんです。百十万人は、勝手に生まれたのではない、戦争のためにこういう変態人口が生じてきたのです。こうなれば国が考えなければならぬ。あなたは東京は二十五校だ、大阪は幾らだ、こういう涼しい顔をしておりますけれども、それは各県は金がないからほったらかしだ、こうなったらどうなさる。私はいやしくも文部省というものがあるならば、二百校建てなければならぬというならば、なぜ具体的な計画をここでしっかり立てて示さぬのか、そうして具体的な計画の裏づけを、起債は幾らだ、補助金は幾らだ――高等学校の建築には補助金の法律はない、私も知っております。しかしながら今度はこれは社会増ということで、こういう非常事態には特別な法案の必要があるならば、この国会に出すなり何なり、今やってでもどろなわでございますけれども、私は実はこの第三十八国会に出てくるものと思っておったのです。それでもどろなわだと考えておった。ところが出てこないじゃないですか。予算を見ても、一体補助金が幾らあるのです。工業高等学校の補助金が約二億円、これは確かに予算にはある。一億九千二百九十七万円、これは科学技術教育の振興として、財界の要望等もあるので、それに応ずるために一億九千、これだけの補助金を出しておりながら、社会増の高等学校の建築には一体どれだけの補助金が予算にあるのですか。私の予算を見る目が足らぬのかもわからぬ。これは文部大臣に承りたい。新卒十五万だとあなたの方は計算をしておりますが、どれだけの補助金を一体この社会増の高等学校の建築に考えておるのか、これを伺いたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 高等学校につきましては、先刻も話が出ました通り、都道府県が一応設置者として主たる責任の立場にあるわけであります。しかしながら、御指摘の通り、高等学校の生徒急増というのは、社会的なもしくは国家的な立場で、従来とは違った角度から考慮する必要があるということからいたしまして、従来は都道府県の全責任において財政的にも設置しておりましたことに対して、経済界の人材需要の面も考え合わせまして、工業高等学校の新設分につきましては増設を相当考慮すべきであろうというので、二百校のうち六割ぐらいを工業高等学校として新設をしたい、その残りは一般の普通高等学校で新設をしていきたい、そういう三十六年度予算を通じまして三十八年度を目ざして、予算措置も一応のことをやっておるような次第でございます。なお従来からあります産業教育振興法に基づく実験実習施設、設備につきましては、従来の補助率を幾らか引き上げるという考慮を払いますとともに、工業高等学校分につきましては、これまた新たに三分の一の補助を国庫から出すことによって促進をしていきたい。その他の普通高等学校につきましては、起債を十分つけてやることによって、当面は何とかなるであろうと見当つけておるような次第であります。具体的数字は、工業高校の新設に要する施設設備費の補助としまして約三億三千万円、同じくその一般教室整備費の補助約一億九千万円、そのほかに工業教員養成所設置の関係、私立高校拡充のための融資及び先刻申し上げた地方債を約三十億円確保することによって、その必要に応じたいという財政措置を三十六年度としては考えておるような次第であります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 二百校建てる中で工業高等学校は何校ですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 六割でございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 局長、間違いありませんか。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 さようでございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 そうすると二百校のうち百二十校は工業高等学校だ、こう受け取ってよろしゅうございますか。――そうなると、局長にお尋ねしますが、普通制の高等学校の新設は差引八十校だと考えていいのですか。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 一応そういう計画をしております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 そうなると、百二十校の工業高等学校についてはすでに予算化を見ておるのであります。そこでお尋ねしますが、百二十校はどの県にどう建てるのだという具体的なものがもうできておるはずです。それがなければ予算の要求はしないはずです。金だけつかんであとから計画することはないと思う。学校は簡単に建たぬのです。住民の人口密度の状態もありますし、交通の便利等も考えなければならぬし、地域住民の要望等も考えなければならぬから、最終的なものはまだ確定はしていないかもわからぬが、四十六都道府県にどういうようなバランスで工業高等学校の建築を文部省は考えておるのか承りたい。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 三十六年度におきましては一万人の生徒増だけを予算化したわけでございます。全体計画は、先ほど来申しましたように、各府県の御要望を十分承って検討いたしたいと思います。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 百二十校の建築計画に対して、各都道府県からどういう要望が来ておりますか。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 まだ全部出そろっておりません。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 遠慮しないで出したらいい。今出そろっておるものだけでけっこうですから、その中身を一つお教え願いたい。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 出そろってないと申しますのは、各県の確定計画じゃございませんで、希望その他の意見もございますので、ここで申し上げる段階になっておりませんから、御了承いただきたいと思います。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 私はこれはぜひ聞きたいと思いましたが申し上げる段階でないといってあなたの方が口をつぐむとすればどうにもなりませんけれども、これはまた各都道府県で奪い合いになって、醜い状態を現出しないように要望しておきたいと思うのです。文部省としては教育的見地から自信を持って一つやってもらわなければならぬ、このように思うのであります。  それから、そうなると二百校建てる、そのうち百二十校は工業高校、八十校が普通制高校ということでありますが、普通制高校に対しては起債だけだ。起債は幾らですか。三十六年度の普通制高校の新築に要する起債はどれだけ見ておりますか。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 高等学校の地方債は総額で三十億円を要求いたしております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 この三十億円というのは、全部新築校舎に回るものと考えていいですか。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 七億円を従来の継続関係の費用に向けたい、二十三億円を工業高校の新設に向けたいというような案を持っておりまして、関係各省との間で意見の調整をしておるような状況でございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 そうすると新築分は二十三億ですか。これは私の調査によれば、何か十億円が危険校舎の改修、残り二十億円ではないかと私は思うのですがね。こういう金の問題は的確な答弁をしてもらわなければ困るのですよ。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 今申し上げましたように、七億円を従来の系統の高等学校の新増築、改築、そういうものの費用に振り向けていきたい、継続のものに振り向けていきたい。工業高校の新設に二十三億円を向けていきたい。お話しのように、いろいろの計画が立っておりますが、さしあたり各県少なくとも工業高校一校を建てる分についてはめんどうを見ていきたい。かりに一県当たり五千万円といたしますと二十三億円ということになるわけでございます。府県が学校対策に自信を持ってやっていけるようにしなければなりませんので、そういう意味で府県の計画にのっとって、工業高校の新設の資金のめんどうを、三十六年度だけじゃなしに、その分については三十七年にも尾を引いていくだろうと思いますけれども、引き続いてめんどうを見ていきたい、こういう意味で府県の財政当局者には話をいたしておるわけであります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 二十三億円とすれば、一県当たり仰せの通り平均して五千万円だ。五千万円くらいの起債で一体何ができるのかという問題もあるわけであります。しかし、このことはあとに譲りたいと思う。  そこで文部大臣に重ねてお尋ねいたしますが、私はあなたの大蔵大臣に対する予算要求を何かで拝見したのです。ところが当初文部省はこういうことではなかった。たしか十何億かの、これは社会増であるから荒木さんのお考えによって普通制高校の建築はぜひとも国として考えねばならぬというので、予算要求をされたはずです。その額は幾らでございましたか。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田政府委員 政府委員から御答弁申し上げますが、当初要求は約十二億円でございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 その十二億円は、大蔵大臣からけられたわけですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 そうでございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 私は、この点はあくまでもがんばってもらいたかったのであります。文部大臣の御答弁には私は敬意を表するのです。これは何といっても確かに社会増、国の責任なんですから、こういうものを大蔵大臣は――きょうは大蔵大臣がここに見えてないし、時間もございませんので、主査にお願いしますが、適当な機会に大蔵大臣にここへ来てもらいまして、数問ほど関連して尋ねたいことがございますので、御配慮願いたいと思うのであります。これが削られた理由はどこにあるのか、一体大蔵大臣は何と言って削ったのですか。十二億四千万円の補助金が必要だ。文部省が要求を出しておきながら、大蔵省がこれを削ってしまった。これは一体大蔵省の言い分は何でございましたか。これを御参考までにお聞かせ願いたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 三十六年度の予算規模が、大蔵省としては一応念頭にあったろうと思います。なお私どもの方としましては、工業高校の一般校舎の補助率をもっとよけいに、二分の一ということでできればと思っておったわけでございますが、それが三分の一に譲歩することになったこと。それと、従来は、たとえば三十六年度に学校を建てるとすれば、その年度の予算として組むのが通例だったようですけれども、それでは生徒急増を迎え入れるべき三十八年度の学年初頭に間に合わない。野天で授業をするということになりますから、それではいけないので、三十八年度の学年初頭に間に合わせるべく三十六年から手を染めていこう。六、七、八と三ヵ年かけまして急増に間に合わせたい、こういう構想であったわけですが、先ほど申し上げましたように、全体の予算規模というものも、大蔵当局としては考えねばならぬ一つの課題であったろうと思うのですが、そういうことで補助率を幾分譲歩しましたことと、三十六年度に着手する百二十校のうちの着手すべき学校数を――数と申しますか坪数と言っていいかわかりませんが、前向きに、第一年度として三十六年度に着手する分量を譲歩するということになりまして、初めの要求よりは金額が減ったようなわけであります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 十二億四千万円が、おそらくこれは補助金としては普通制高等学校に対してはゼロなのでございます。工業高等学校だけなのです。これは、主計官が見えておりますけれども、私は主計官の事務的な答弁を要求しない。大蔵省の教育に対する、こういった高等学校の急増という問題に対する認識の度合いについては徹底的に追及したいと思います。だからあらためて大蔵大臣の出席を要求しておきます。  時間もありませんから、次に簡単にお尋ねをしておきますが、高等学校の急増を都道府県で収容できる対策があると文部大臣は本気で考えていますか、いかがですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 これは制度の建前からいって、都道府県知事たる者は当然そういう構想を持っておると思います。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 それは所管的にはそうなのです。都道府県知事になったのだからそのくらいのことは考えろといえば、それきりでありますが、現実に都道府県の財政状態から見て、これの消化ができるだろうかという、やはり事教育に関しては財政的な思いやりと申しますか、そういうことを聞いておる。お前知事になったのだからお前の責任だ、考えろ、義務制はこっちが半分持ってやるわい、私はそう簡単ではないと思うのですよ。あなたの先ほどの御答弁から聞いても、これはどうも私が尋ねても十分な御答弁がないようでありますから、私申し上げておきますが、これは対策はないのです。今都道府県はてんやわんやです。大阪市のごときもてんやわんやです。文部省はどうしてくれるのだとみな口をそろえてわれわれのところまで来ておる。一文の補助金も出さないで、これをどうしてくれるのか、五千万円くらいの起債で何ができるのか、こう言っておるのです。このことについては、私は、これは真剣に考えて、補正予算なり何なりのすみやかな措置を一ぺん検討してもらわなければならぬと思うのです。  第二に申し上げたいことは、工業高等学校だけ認めて、普通制の高校は全くほったらかしだ。二百校のうち百二十が工業制高校で八十校が普通だ、これは片手落ちじゃないかと私は思うのです。今日の教育のあり方から見て、六・三・三制のねらいから見て、こういう考え方というものは私はどうかと思うのですよ。しかしこれを私が言い出すと、また時間をとりますから、これはあらためて適当な文教委員会その他の機会におじやまをして、私はまたお尋ねをしておきたいと思うのですが、一点だけ、普通制高等学校は振興の必要がないのか。工業制高校には何億円かの予算をとった、普通制高校はゼロだ。こうなれば、普通制高等学校は振興の必要はないのか。こういう反論が国民の中に起こってきておりますが、大臣どうお考えになりますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 一般高校につきましても、できれば国庫の助成をという考えを持っておりましたが、撃退されたわけです。しかし、起債は十分つけて、めんどうを見るということで一応ケリをつけておるわけであります。もしそのままでいくとしますれば、御指摘のように、都道府県貧富の差が相当ございますから、富裕県は別といたしまして、そうでないところでは、起債だけあっても、県の財政全般から見て容易でないという県もあるいはあろうかと思います。それはそれなりに地方公共団体の財政を何らかの方法でもって考えるべき筋道の課題として残るかと思いますが、差し寄り予算折衝で撃退されました結果がこういうことになったわけですけれども、できることならば一般高校にも、先ほども申し上げましたように、急増対策は原則として都道府県が責任を持って施設整備すべきであるという制度になっておりますが、まあ一種の社会的な、あるいは国家的な立場において考うべき急増対策である以上は、何らか特別の臨時の考慮があってしかるべきもの、かように考えだけは持っておる次第であります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 時間がありませんので、なおその他私立大学あるいは義務教育費国庫負担法の問題等々あるわけでございますが、質問者もたくさんありますから、これで終わりたいと思うのであります。  そこで終わりにあたって、私はここで要望なり若干のことを申し上げておきたいと思うのです。それは、内藤局長から五ヵ年計画の説明がありましたけれども、私はまだ十分ではない。ああいう雑駁とした計画ではなしに、高等学校生徒の急激な増加に対応する文部省の五ヵ年計画の詳細なものを一ぺん出してもらいたい。これは文書で一つお出し願いたい。このことを要求いたしておきたいと思うのであります。  それから、この新築だけではなしに、高等学校の増築のために二十七万考えておるようでありますが、私はこの増築についても国の補助金というものを考えなければならぬと思うのです、新築について考えるとともに。このことに対しては、あらためて文部大臣の御所見等も承りましたが、私と同じようなお考えを持たれておるようでございますから、一つすみやかに検討をして、場合によっては補正予算その他の措置をとらなければ、昭和四十年の百十万、昭和三十八年からの急激な生徒増に対する消化というものは不可能ではなかろうかと思うのであります。  このことを申し上げて私の質問を終わります。

北澤直吉自由民主党

○北澤主査 岡良一君。

岡良一日本社会党

○岡分科員 ただいま野原委員の御質疑に対して、来年度、本年度工業高等学校を重点的に増設をされるということでございましたが、この学校に収容され卒業されていく若い技能者の諸君は、大体年次的にどういう数字になるという見通しでございますか。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 三十六年度に一万人新たに定員の増を考えておるわけでございます。文部省の数字といたしましては、八ヵ年で八万人を養成したいということで、今後の問題につきましては、これは大蔵省と十分数字の突き合わせをしなければならぬかと考えております。

岡良一日本社会党

○岡分科員 現在技術革新ということで、どの工場の現場へ行っても年の若い諸君がきわめて単純な作業をやっておるようであります。しかしながら相当高度な機械の操作などもやっておりますから、勢いかなり基礎的な教養も必要な、そういうものを持った技能工が必要とされておる。また事実産業界も労働市場では技能工が非常に不足されておる。そういうような要請にこたえて、いわば産業界の要請にこたえて、そうしてそのような工業高等学校の増設ということに踏み切られたのでございましょうが、しかし問題は、自然科学の発展に伴って、技術革新が日進月歩の形で進められ、産業界の要請だけではなく、やはり自然科学そのものの研究というものに打ち込んでいけるような態勢を私はぜひとってもらいたいという気持で若干文部大臣等にお尋ねをしてみたいと思います。  そこで、まず第一に昭和三十五年、本年度の国立、公立、私立の大学における人文科学と自然科学の卒業生は、数字的に大体どういうことになっておりますか。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 お答え申し上げます。国公私立全体を通じましての文科系、理科系の比率は、大体文科系が七で理科系が三ということでございます。ただ国立、公立、私立それぞれその数には変化がございまして、国立では大体七割が理科系でございまして、文科系は三割、私学の方ではそれが大体逆になっておりまして、全体の数字としては、その数字に多少の出入りはございますが、七、三という割合で文科系が多いという計算になっております。

岡良一日本社会党

○岡分科員 科学技術の振興ということは内閣の公約の一つでもあり、いわば表看板でございますが、大学の卒業生の比率が国、私立を通じまして七、三、非常に人文科学に重点が置かれておるという現状は、これではたしていいのであろうかという点でございますが、大臣の御所見を承りたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 これは大学に入学を志望する者の側から見ますれば、いい悪いということは言いにくいかと思いますが、問題は、今岡さんも御指摘のように世界をあげて科学技術教育の振興競争をやっておる。また日本国内としましても、産業界方面からは、もっと高度の科学技術を身につけた人材の要請がしきりでございます。かてて加えまして、池田内閣は所得倍増を打ち出して政治目標といたしておりますが、そういう方面のことを総合的に考えあわせてみますと、今大学局長から御説明申し上げたあのままでは適当でない。さりとて間引きするわけにも参りませんので、前向きに将来に向かってその人材養成に応ずるような考慮で適当な措置を講じていくべきものである、かように考えております。

岡良一日本社会党

○岡分科員 私は産業界の要請ということではなく――と申しますのは、日本の現在の新しい技術というものはほとんど外国から導入したものだ。先般も予算委員会で申し上げておりましたが、経済成長が高度になったというが、昭和三十一年から五ヵ年の間に七百十六億というロイアリティを外国に払っておる。日本の受取勘定というのは七億。こういうようなことでは技術的にはいつまでも日本は後進国でなければならぬ。そういう意味で、やはり基礎研究というものが何と申しましても科学技術振興の大前提でございますから、豊かな自由な環境において多くの人材を基礎研究の場に吸収をするという対策が私は今度の予算において欠けておるのではないかということを痛感するのでございます。もしそういうことであれば、科学技術振興という政府の看板に大いに偽りありと言わなければならないのでございますが、大臣の御所見を承りたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 ただいまは人材養成について、実業界、産業界の人材需要に応ずる供給面という量的なことを中心に申し上げたのでございますが、そのことは同時に岡さんがおっしゃる日本自体の科学技術のレベルを高めていく必要ありということにも通じようかと思うわけでありますが、将来長きにわたって考えますれば、小中学校の時代から科学技術教育を通じて児童、生徒の基礎的な常識を高めていく。高等学校についてまたしかり。それを受けて大学において、世界のどの国にも負けないようなレベルを目ざしての大学当局の真剣な努力を通じまして初めて期待できるかと思いますが、その意味で大学につきましては、各大学校からの要請等を取りまとめまして、努めて岡さん御指摘のような方向づけをしていかなければなるまいという気持で三十六年度の大学関係の予算案を提出しておるような次第でございます。

岡良一日本社会党

○岡分科員 ただ外国から導入した技術、設備に従事するということでは、いかに優秀な卒業生といえども、たかだかそれを改良する程度以外には出ない。やはり本質的には日本が国産技術を確立する、そのためにはやはり充実した基礎研究の場を作ってやる。これが前提だということを私は申し上げておるわけなんです。  そこで先ほど局長のお話でございますが、大体国立の大学における人文科学と自然科学の卒業生の比率が三、七であるが、総体としては七、三で人文科学と自然科学が逆転しておるということですが、今度の予算を見ますと、私学振興費目の中で相当私学に実験講座を設ける、これに助成をしようという計らいのようでございまするが、一講座当たりどの程度の助成、なおまたそれに関連する具体的な予算措置についてのお示しを願いたいと思います。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田政府委員 ただいまの御質問でございますが、私立大学の理科特別助成の問題につきましては、これは講座当たり幾らというような計算はいたしておりません。従来の私立大学の設備が国公立の大学に比較いたしましてどの程度の差があるかということを実績から勘案いたしまして計算いたしましたものでございますので、大体この基準に達するまでのその差を埋めていくというやり方と、もう一つ新設のものについてもございますが、これはどちらも講座当たりということではなくて、補助金の執行といたしましては一学科当たり、場合によりましては一学部当たりの計算で出しました。

岡良一日本社会党

○岡分科員 それでは本年度国立大学に理工学部系統の新講座が若干新設されるのではないかと思いますが、その場合における講座新設一講座当たりの予算というようなものはあるのでございましょうか。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 御承知のように国立大学では、所得倍増に伴う科学技術者の養成の計画を立てまして、大体今後七年間の間に一万人の理工系の学生の増募を行ないたいと考えておるわけでございますが、明年度はそのうち国立大学で千七百八十人という学生の増募をするための学部の新設、学科の新設等を考えております。それで単に新設の場合には、御承知のように教官は当然新たに新規に増加されるわけでございます。またそれに伴って当然教官の研究費も、もちろんこれは実験関係の講座でございますので、その単価に応じてそれぞれ大学に配付になるわけでございます。実験で申しますと、大体一講座当たり二百万の教官研究費ということで計算されておるわけでございます。施設、設備につきましても、明年度は、施設関係については、学生の増募に関する必要な施設を三十六年度以降は新たに建築するということで、施設費の予算も計上されております。また設備につきましても、従来比較的低かった一講座当たりあるいは一学科当たりの単価を大幅に増加いたしまして、三十六年度の予算に計上いたしておるような次第でございます。

岡良一日本社会党

○岡分科員 設備については、それでは一講座当たり大体どの程度の予算ということになりますか。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 大体一学科当たり二千万という単価で一応の計算をいたしております。

岡良一日本社会党

○岡分科員 これは東大工学部の研究設備の状況、昭和三十五年度の調べでありますが、東大工学部といえば、工学系統では日本の中核とでも申さなければなりません。ところが、この研究設備が、明治年間のものが二一%、大正年間が三〇%、昭和になってからのものではあるが、戦前のものが二六%戦後のものが昭和三十四年まで二三%、こういうことになっておる。今お聞きすると、新講座当たり二千万円というようなことでございまするが、しかしそういう程度のもので、今後の時代の要請にこたえ得る新しい自然科学の研究、またそのための施設、設備として、一体それで足りると思いますか。しかも東大の工学部の、ごときは、まだこういう陳腐な状態です。なお、三十五年度には東大工学部では、設備充実のために一億一千八百万円の要求をしておる。ところが、それがゼロである。昭和三十六年には一千四百万の要求をやった。ところが、わずかに三百八十万円しか見込まれていないというように、現在の日本の基礎研究の中心ともいうべき東大工学部でさえも、その設備の現状はこういう状態であり、しかも要求はこのようにしか満たされておらない。そうしてまた新しく実験講座を作り、設備は二千万円程度、こういうことで、基礎研究という立場から見て、はたしてほんとうの基礎研究ができるのかどうかという点でございますが、私はとうていできないと思う。こういうことでやっていけると思われますか。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 東大工学部の例をおとりになって、そうして設備の更新のことについてのお尋ねでございますが、確かに全国の国立大学の中で理工系の学部の設備をとりますと、すでに老朽になった設備しかないという点は大いにあるわけでございます。この老朽設備の更新改善ということで年々予算は組まれておりますが、三十六年度には特にこの点に力を入れまして、従来二十五、六億の予算でありましたものを、四十一億という予算にいたしておるわけでございます。大体五割見当の増額をいたしたわけでございますが、しかし、もちろんそれではまだ不十分でございまして、この老朽設備の充実、更新ということには、今後さらに年次計画をもって推進していかなければならぬと思っております。なお、老朽ではございませんが、先ほど申しましたように、新たにできる学部、学科の設備につきましても、従来にも増して――従来大体二十債見当のものが三十六億という数字になっております。約十六億の増額になっておりまして、両者合わせまして、前年に比較いたしまして三十億見当の増額ということにいたしております。将来努力いたしまして、さらに充実するようにいたして参りたいと思っております。

岡良一日本社会党

○岡分科員 それは東大工学部だけの話でございますが、各大学に行けばもっと条件は私は悪いとう。そこで重ねて大臣にお尋ねをしたいのですが、要するに、先ほど来答弁のつどよく申されます所得倍増計画、産業界の要請、ところが産業界は、繰り返し申しまするように、外国からの技術導入が九〇%をこえておる。従って設備もそれについて入ってくる。ただそれを操作するという、そういう意味の技能者しか要請しておらない。たかだか現在の日本の産業界における研究所は、それをどの程度に改良できるかという程度なんです。新しい国産的な新技術を作り上げようというような努力はほとんど見られない。またし得ない状態なんです。だから、日本が今後貿易の自由化などに伴って国際競争というものが激化してくれば、いよいよ国産技術というものを確立しなければならない。それには基礎研究というものを充実しなければならない。ところが、今のこの予算から見ると、要するに新しい、特に電子工業関係とか、そういうふうな新しい講座を作って、実験の設備もあまり十分じゃない、研究設備も十分じゃないが、人さえ卒業させればいい。産業界はそれを要求しているでしょう。しかし、それは決して日本の真の国産技術の確立のための基礎研究の充実にはならない。ここに私は、自然科学に対する文部省の力の入れ方の大きな偏向があるのではないかと言わざるを得ないのです。文部大臣の御所見をもう一度お聞きしたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 先ほど来所管局長からも申し上げましたように、いささかの努力はしたつもりでございますが、岡さんの意図せられる線には相去ること遠いことも感じられるのであります。今後年々歳々なるべくテンポを早めて、その必要に応じ得る努力をすることは私は当然だと思います。同時に、予算だけに関して申しますと、各大学からの要請を聞いて、そうしてそれをいわば取りまとめて受け売りをするという形でございますから、一つの理想を持って、この線まで何年度までには到達したいというがごとき構想はございませんし、またできない仕組みのようでもございまして、実際上はそういう点に努力しようにもしにくい不便さがあるように思います。私は、端的に各大学が、おっしゃるような線を見つめつつ、熱意を込めて見識の高い予算要求をしていただくならば、だんだんによくなっていくのじゃないかという気持もあわせ考えて、努力不足を痛感しておるような次第でございます。

岡良一日本社会党

○岡分科員 大臣の御熱意もさることながら、それでは具体的な内容について若干お尋ねをしてみたいと思いますが、今年度は教官研究費は若干の増額を見ましたが、具体的な数字をお示し願いたいと思います。一実験講座当たりどの程度でございますか。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 三十六年度におきましては、これは御承知のように、大学の学部におきましては、講座制の大学と学科目別の新制大学とあるわけでありますが、講座制の大学におきましては、非実験講座で五十二万二千円、実験講座で二百六万三千円、臨床講座で二百二十三万八千円、三十五年度、本年度の額を申し上げますと、非実験の単価は四十三万五千円、実験が百七十八万九千円、臨床で百八十六万五千円、こういう数字でございます。なお、学科目制のいわゆる新制大学の教官研究費もそれぞれ単価が引き上げになっておるわけであります。

岡良一日本社会党

○岡分科員 自分のことを申し上げて恐縮ですが、しかし一番確実なことでございます。私どもが昭和四年ごろ大学を出て研究室に残りましたときには、これは臨床部門でございますが、ウサギ一匹あるいは試薬一本、文献一冊でも、伝票で全部くれたものです。ところがたまたま私は二十八年から三十二年まで母校の大学の研究室に入りました。ところが、これは全部自弁をしなければならぬということで、一講座当たりの研究費というものが非常に窮屈な感をいたしておるのでございますが、戦前における一講座当たりの研究費というものはどの程度であったのでございましょうか。それに対して現状はどういう比率になっておりますか。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 戦前の昭和十年ごろの数字で、先ほど申し上げましたものに該当するものについて申し上げますと、講座制の非実験の教官研究費は四千八十一円、実験は八千六百五十二円、臨床が九千七百七十六円という数字ございます。これを一といたしまして、三十六年度、明年度の比率を申し上げますと、非実験では一二八、実験では二三八、臨床では二二九という数字になっております。

岡良一日本社会党

○岡分科員 戦争中の空白を取り返すためには、私は戦前に対しての比率以上の予算的な努力が必要だと思う。ところがそれ以下に下回る程度に今押えられている。こういうことは私はほんとうに基礎研究の充実という観点からまことに遺憾なことだと思うのであります。これも大臣正直に先ほどおっしゃいましたが、年々ふやしていこうという御見解のようでございますが、この現状をどう思われますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 十分でないと思います。大体文部省として大蔵省に今の研究費等を予算要求します目標は、せめて戦前並みに早くしたいということが正直なところでございます。最初に言われましたような飛躍的な基礎的研究を期待するとなれば、戦前並みではまだ足りない。おしなべては言えないか知れませんが、少なくとも相当の科目について戦前以上でなければとても外国に追いつき、塁を摩するというようなことはできない相談だ。これは常識的にそう思うのでございますが、実際としますと、一挙に何倍といきませんものですから、毎年々々熱意を込めた努力の積み重ねで、なるべくすみやかに期待の線までもっていきたい、かように考えるわけであります。

岡良一日本社会党

○岡分科員 昭和十年に比較して二三八、二百六万円の線までいったという局長の御説明ですが、これも教官研究費は管理的な経費その他の費目で何かと削られて少額になっておる。事実その講座に直接振り向けられた講座研究費、教官研究費というのは大体どのぐらいになりますか。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 御承知のようにこの教官研究費、学生経費も同様の性質を持っておる経費でございますが、物件費でございまして、従って教官が光熱水料を使う、あるいはいろいろ消耗品を使うという場合に、すべてこの教官研究費からまかなわれるわけでございます。個々の教官がそれぞれ光熱水料を払うというようなことはできませんので、従って大学の本部におきましてかかった光熱水料を一括支払うという建前から、本部で教官研究費の中からある程度の部分をとめ置いて支払いに充当するのが実情でございます。前に行政管理庁がこの科学研究費についていろいろと御調査をなさったことがございます。これはもちろん全国的な調査ではございませんで、幾つかの大学に当たっての調査であったわけでありますが、大体この教官研究費の六割程度が実際に講座に配当になって、教官が使っておるという実績が出ておるわけであります。

岡良一日本社会党

○岡分科員 この資料で見ると、実験講座二百六万円とはいいながら、事実上百三万円、ちょうど半分ぐらいになる、こういう積算の結果が出ておるわけであります。いずれにいたしましても、事実一講座当たりの狭義の講座研究費、教官研究費が非常に低いということも、ぜひ大臣は着目してもらいたい。おそらく戦前における私どもの研究室時代においては、そういうような意味での差し引きがあまりなかったので、臨床一万円というものがフルに研究に回されたということで、私どものきわめて自由で豊かな研究室生活を送れたのではないかと思うのです。実際に教官研究費というものが研究に生きる、こういう点については、まだまだ戦前に比べては半分以下でないかとさえ私は思われますので、この点は格段の御配慮を願いたいと思います。  それから一講座当たり定員の問題でありますが、今度はこれは講師が設けられることになったのでございますか。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 従来は御承知のように教授、助教授だけに教官研究費がついておったわけでございますが、明年度から新たに常勤の講師にもこの教官研究費を積算するということにいたしたわけでございます。

岡良一日本社会党

○岡分科員 そうしますと、実験講座については大体教授、助教授、講師、助手二名という定員が原則でございますか。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 大体一・一・二という――もっとも二は助手でございます。講師については特に定数はございません。それで大体講師についての研究費の単価はやはり教授、助教授に比べますとかなり低く計算されております。非実験では四万八千円、実験では十四万五千円というような単価で計算をいたしております。

岡良一日本社会党

○岡分科員 研究室の実態から、私どもの率直な実感でございますが、研究補助員というものがどうしても最近の研究では不可欠のようです。それから助手二名ではなかなかまとまった体系的な研究はその教室でできない、定員はもっとふやさなければほんとうに研究室としての十分な活動が望めないと私は思うのでございますが、その点はどうお考えでございますか。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 ことに自然科学系のいわゆる基礎研究の規模が最近非常に大きくなって参る傾向がございます。そのために従来昔からやっておりますような一、一、二というような教官組織では不十分である。ことに教官、助教授の手足になるような者が非常に不足しておるという声が学界にまた大学にございます。ただそれにつきましては理工系と一がいに申しましても、それぞれの専門の分野において実はかなり違っております。概していえば、全般的に手足が足らぬということをいわれておりますが、今後いわゆる助手あるいは教室雇員というものの数をふやすように研究しなければならぬと思います。しかし、一がいにまた一律に一気に全体をふやすということにはなかなか困難があろうと思います。

岡良一日本社会党

○岡分科員 とにかく助手定員の増、あるいはオペレーターの定員化などは近代的な科学の研究から当然だと思う。おそらくどこの国へ行っても教授一名、助教授、助手二名で研究をやれという実験講座なんかないと思う。この点はぜひ今後における大きな課題として解決していただきたいと思います。  さらに教官の待遇の点でございますが、いろいろな新聞、雑誌などを見ますると、日本の自然科学の研究に従事する教授諸君の待遇というものがおそろしく低いということがしばしば指摘・されておる。今度の予算措置では具体的にどのように改善されましたか。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 御承知のように国家公務員の給与の改善に関しましては、昨年人事院から勧告がございまして、この勧告に従ってそれぞれベースの改定をいたしておるわけでございます。全体の公務員の給与の引き上げにつきましては、大体一二%程度ということになっておりますが、国立大学の教官につきましては全体が二二%程度の平均で、かなり一般の公務員よりはよくなっております。そのうち教授につきましては三三%、助教授につきましては二二%というような上昇率になっておるわけでございまして、三十六年度におきましては、この改定された国家公務員の給与に従って、教授、助教授その他の教官の給与を予算化いたしておるわけでございます。なお、このほかに文部省といたしましては、特にこの大学院の教育というものを重視いたしまして、従来大学院を担当する教授には、大学院担当の手当が出ておりましたが、この教授だけであった大学院担当の手当を、明年度以降助教授、講師にまで新たに支給をするということにいたしまして、その予算を組んでおるわけであります。

岡良一日本社会党

○岡分科員 大学院の担当手当が教授百七十円、助教授百二十円、講師九十円プラス・アルファー。今教育職の俸給表が人事院勧告によって大体二二%ということでございまするが、しかしながら、事実上ははたしてそのように処遇が改善をされたかどうかというと、私どものいただいた資料で見ますると、これは昭和三十三年の十二月一日現在ということになっておりまするが、大学を卒業して三十年たって、そうすると彼は次官になる。大体月額九万六千七百二十円。裁判官になった、所長級一号、これが九万五千八百四十円。ところが大学の教授では、東大の教授になって六万九百九十五円、こういう数字が出ておるわけです。だから自然、とにかく大学を出て、あるいは官庁に入りあるいは裁判所に勤めた人に対して、大学の教官を勤めると、三十年たって三に対して二の給与にしかならない。こういう数字が出ておるわけです。現在ベース・アップによって若干のベースがアップされた。あるいはまたとるに足らないところの特殊勤務手当等が付加されたとしても、やはり大学に残って教授になった諸君の処遇というものは、一般行政職なりあるいは裁判官に比べては三対二というように非常に低い。これは今日の給与改善においても私は解決されておらないのではないかと存ずるのでありますが、解決されておるのでございますか。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 教官の給与につきましては、従来から文部省といたしましては裁判官並みにベースを改定してもらいたいということを一つの目標としております。御承知のように終戦後裁判官につきましては特別の給与体系ができておりまして、一般の公務員に比べてかなり高度の給与を受けておるわけであります。戦前におき一ましては、大学の教官はまあ裁判官以上の給与を受けておった実例があるわけでございますので、何とかしてそれを回復したいというとでやっておったわけでございます。先ほど来御説明申しましたように、教官は一般の公務員よりは確かにベースは高くなっております。ただし、裁判官の給与体系までには現状はまだいっておらぬと思います。

岡良一日本社会党

○岡分科員 この大学研究設備の問題、また教官の研究費また定員、あるいは教官の処遇等、私どもとしては著しく納得しがたいのでございまして、この点はほんとうに基礎科学の充実という基本的な方針によって、私は文部省の格段な努力を望まざるを得ないのでございます。  なお最近、これは非常に着目すべきアイデアだと思うのでございますが、あるいはプラズマ研究所ができる、蛋白質の研究所ができる、京大には基礎物理の研究所ができる、田無には原子核の研究所がある。最新の設備と優秀な俊秀を集めた研究所が相当できております。私はこれは非常に今後の期待を持てる施設と思いまして、先般も原子核研究所へ行っていろいろ現場の声を聞いて参ったのでございますが、問題は、やはり給与の問題が、ここでもあの諸君のまじめなパイオニア的な精神に対して非常な動揺を与えておるようであります。とにかくあそこで働いておる諸君は、教官をも含めて、民間の産業におけるベースよりおそろしく低い、勤めれば勤めるほど低くなってくるというような状態にある。あれは今後も期待されるだけに放置すべきものではないと私は考えておるのでございますが、あなた方の方はどうお考えでしょうか。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 確かに理工系の教官の給与につきましては、民間との格差が現状でも相当まだ多いわけでございまして、そういったことも影響いたしまして、大学の若手の助教授あるいは講師といったものが民間へ去って行くという現状が実はございます。そういった点からも考えまして、何とか私ども文部省としては、大学教官の給与はその仕事にふさわしいような待遇にするようにしたい。そして大学の教官がほんとうに国の基礎研究のために打ち込んで仕事ができるようにしたいものであるということを考えておるわけでございまして、教官の待遇改善につきましては、今後も大いに力を入れて実現して参りたいと考えておるわけでございます。

岡良一日本社会党

○岡分科員 時間もなんでございますから、詳しい数字は申し上げませんが、とにかく非常に民間給与との差がある。あるいは政府が間接ではあるが事実上管理しておる原子力研究所と同じ作業をしておっても、非常にこの研究所の人たちは低い。これではやはりなかなか心を安らげて勉強しにくい。われわれが行けばそれを訴えるのも当然かと思いますので、ぜひ一つこういう点は十分に今後配慮していただかなければならぬと思います。  それからもう一つは、私どもには非常に理解しにくいような、何と申しましょうか、職階制と申しましょうか、身分の制度があって、それが給与を縛り、同時にまた運営にもいろいろな点で問題を起こしておるようです。私はこういう点は、やはり研究室というのは、そこに働く労働者も研究者も技術者も、ほんとうに全き協力がなくては、今後の新しい基礎研究というものは進まないのであるからして、身分的な職階制というふうなものは、これが研究を拘束しないようにいろいろ現場の声を聞いて善処をしてもらいたい。定員の問題にいたしましても、非常にこのいわば定員ではなく臨時に入っておるという人がおる。ある部面では半数以上が臨時で入っておる。しかも入ってやっておることは、これはもう臨時どころか、定員の中でやっておられる方と同じである。しかもあそこでやっておる仕事はシンクロトロンとか、サイクロトロンとか、全く専門的な技術を要することである。身を打ち込んでやっておるけれども、彼は依然として一年たっても臨時であるというような状態があるわけであります。こういう点は、やはり研究者がほんとうに自由で豊かな研究環境の中で、ああいうこれからの新しきアイデアとして発足した研究所において十分な成果を上げられるように、私は文部省の格段な努力をこの機会に心から要求をいたしておきます。  なお、先般学術会議のシンポジュームで大内さんから提案されておったのでございますが、自然科学と同時に人文科学の総合的な研究所を作るべきではないかという意見が出ておったわけです。政治なり経済なりあるいは社会学なりというふうなものについて、やはり総合的な研究所を作る必要があるのではないか、これにはその運営、予算等もつけた具体的な提案が大内博士から出ておりました。私は自然科学の振興々々といって、人文科学方面が軽んぜられることはきわめて遺憾ではございまするし、現在の人文科学の系統における大学の講座の運営というものは、しばしば私どもとしては納得しがたい面もありまするので、そういう弊害をためる意味においても一、やはりこの人文科学の総合研究所というふうなものをすみやかに発足せしめる必要があるのではないかと考えるのでありますが、この点文部大臣の御所見をお聞かせ願いたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 おっしゃる内容が私には理解できないほどむずかしいことでございますが、今御指摘の大内さんの御提案等も見る機会に恵まれまして、文部省として、役所として、御説のようなことの必要性の有無等も十分検討した上でお答え申し上げませんと、見当違いになることをおそれますが、概念的には検討さるべき課題かとも心得ます。十分研究させていただきます。

北澤直吉自由民主党

○北澤主査 臼井莊一君の関連質問を許します。

臼井莊一自由民主党

○臼井分科員 岡君の御質問に関連して、一点だけこの機会にお伺いしたいのですが、ただいま岡分科員から、日本の科学技術振興、これに関係してのいろいろ適切な御質問があったのですが、事実科学技術を飛躍的に発展させるには、やはり施設、設備並びにいろいろの研究費等が必要である。これについては、今いろいろ文部省、大蔵省からも御説明のありましたように、いろいろ努力はされておりまして、その効果はある程度出ております。しかしながら、やはり飛躍的に増額ということが予算の他の面から制約を受けて、なかなか文部省や、また私どもが考えているようなところまでは急激には至らない。そこでこれはどうしても国家の限られた予算のうちからばかりではなく、一般の民間からの学校なり研究機関に対する自由な寄付ということ、そしてこれに対して税制面で、贈与税は今までも取っていないようですが、経費として落として、そして要するに所得税等をかけない、こういうような考え方が必要だろうと思う。最近この要望を一部入れられて、研究機関に対しては、会社等で別ワクで一部認めるような考えに、大蔵省でもおなりになったというようにお伺いいたしました。その際にぜひ研究機関ばかりでなく、学校に対してもできればさらにもう一つワクをふやして、これをやってもらいたい、こういう要望を強く予算の折衝のときに申し上げておいたのですが、この点について当然――きょうは大蔵省の係官がお見えにならぬようですが、しかし文教関係の主計官であられる以上は、佐々木さんあたりも当然相談もあったことであろうし、また文部省に対しては当然相談があったはずだと思いますが、現在御承知している範囲内を一つ伺いたいと思います。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田政府委員 ただいまの税制改正の問題でありますが、御承知のように、現在の民間会社等からあります寄付金に対する減税措置というものは、必ずしも御承知のように十分でありません。ことに私立学校の面においては、しばしば要望されておるにもかかわらず、そのワクが非常に狭い。こういうようなことでありますので、文部省といたしましては、従来から大蔵省といろいろ相談をして参ったのでありますが、今回大蔵省におきましては、大体われわれの希望するような線をいれて参りまして、今おっしゃいましたような試験研究機関並びに私立学校を経営しますところの学校法人に対して、一般の寄付金の損金算入制度の別ワクといたしまして、新しくワクを設けて、損金算入制度を採用しよう、こういうようなことを現在研究いたしております。これによりますと、試験研究機関も、これは特殊法人による場合もございますし、公益法人による場合もございますが、そういった研究機関並びに私立学校法に基づいておりますところの学校法人、こういうものに対して一定の範囲で免税措置を講じよう、こういうものでございます。そのやり方といたしましては、大体従来のやり方を踏襲しているわけでありますが、一応のワクを設けまして、その新しいワクの限度といたしましては資本金額に千分の二・五を、それから所得金額に対しまして百分の二・五をおのおの乗じまして、そうして算出した合計金額の大体二分の一に相当する金額というものを一応この限度額にいたしまして、それ以内にありますと民間の会社等は損金算入が認められる、こういうようなことでございます。建前はそういうことでございますが、従来に比較いたしまして特典は今申し上げましたように新しくこういう別ワクを設けたという点でございます。従ってこれに対しますいろいろな実施の準備を現在大蔵省へお願いしているわけでございまして、具体的には法人税法の施行規則の一部改正という大蔵省令の改正によって本年度内に実現しよう、こういうことでございます。

臼井莊一自由民主党

○臼井分科員 そうすると、その研究機関というのは民間の研究機関ばかりでありますか、あるいは大学の付置研究所等に対してもそれが適用されるのでありますか。  それからさらに学校に対しても認めるというが、今お話を伺うと私学だけに限られているようですが、国立、公立等の学校に対しては、これは適用がないのでありますかどうですか。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田政府委員 今回の別ワクの建前は特別の法律によって設けられました法人並びに民法三十四条の規定によって設けられました法人、そういういわゆる公益団体に限られているわけでございます。もちろんそのほかに今申し上げましたような学校教育法、私立学校法に基づく私立の学校が含まれるわけでございますが、国公立の学校につきましては、従来ともこういう損金算入制度を待つまでもなく、免税をされないということになっておるわけであります。

臼井莊一自由民主党

○臼井分科員 これは一つの新しい行き方の突破口といいますか、それを広げたように思うのですが、さらに額等についても従来の寄付は今おっしゃったような資本金の千分の二・五、それから利益金の百分の二・五を加えた分の二分の一でございますか、これは別ワクでありますが、これに対して大体年額従来の一般の寄付に加えて別ワクで出てくるわけですか。それ等に関しておよそどれぐらいの額がある見込みだということはお考えでありますかどうですか。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田政府委員 一応推定いたしました額といたしましては大体二百六十億円程度でございます。ただしそれはワクでございまして、従来の実績から考えますと、そのワクが全部その通りに寄付されるということは考えられませんので、大体七十億ないし八十億というのが実績のようでございます。今回の別ワクの中でそういう道が開ければ将来は過去におけるよりももう少し増加するとは考えられますが、一応の実績はその程度でございます。

臼井莊一自由民主党

○臼井分科員 そこで考えられることは、力のある私立学校でございますが、これは相当集めるようだが、過去の伝統、歴史の少ない学校等は関係者が少なくてそういう力が及ばぬのでできない。いい学校はますますよくなるが、地方の戦後できたような学校等はますます格差が開くというように、そういう点ができると思うのです。きょうは時間がありませんから、またいずれそういう法案等が出たときに少しく伺いますが、やはり文部省あたりでそういうことに関してある程度――そういう寄付する人なり会社なりの考えがありますから、それを尊重するということはもちろん必要で、従って希望しない方面へ回るということについては問題でしょうが、文部省で、ことに科学技術方面について広く地方の学校も発達するというような指導なり、配慮なり、あるいはあっせんまでいけるかどうかわかりませんが、そういうような考慮もやってやる必要があるのじゃないかと思います。  それからもう一つ、今度のは会社だけに限られておるようですが、やはり私は個人でも相当大きな仕事をやっている個人もあり、そういう篤志家に対して、寄付がしやすくなるような考慮というものも必要なのじゃないかと思うのです。ただ個人ということになると、非常に範囲が広くなるということで、また所得税あるいは事業税等の収入面での影響がありますけれども、これは一つよく御研究をいただきたい。今後私は相当の額がいわゆる産学協同と言われていて、一部は指定の研究題目に対しては大学と連絡しているようですが、そういうひもつきでなく、自由に研究させるという意味においてこれが実現されたら、相当広く利用するように文部省でも進んで一つやっていただきたい。それから今申し上げたように、これが進んで個人の事業の経費の一部とも認められるような――これはもちろんある種の制限がありましょう。相当の利益が上がった、そのうちからというようなことは、今でも資本金とか会社の利益に制限がありますから、個人でも私はある程度制限を置いてでもいいから、そういう方面にできるようにすることが、私はやはり国民全般が科学技術振興ということに関心を持ち、熱心になることにも力があると考えるのです。  もう一つ、これが起こったのは、何か私立大学の授業料値上げとの関連があるのでございますか、どうですか。その点もちょっとお伺いしておきたい。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田政府委員 まず第一点でございますが、寄付金の受け入れの問題につきましては、おっしゃいましたように、それぞれ学校の特殊な事情によって異なると思います。従って寄付は非常に行なわれやすいという学校もございます。また一般的に寄付が集まりにくいという学校もございます。従って全般の私立学校に寄付金を及ぼすということを考えますと、何かそこに受け入れ機関が必要になってくるわけでございまして、将来私どもはそういった面についても検討していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。  それから第二点の、個人が寄付した場合でございますが、これは現在全く免税の措置は認められておりません。従って所得税法によりまして、いかなる寄付にいたしましても、これは課税されるわけでございます。外国等におきましては、個人の寄付金につきましても、慈善とか教育とかいうような目的に寄付されたものについては、一定限度あるいは全額を免除するという措置をとっておる国が多いようでございます。従って私どもとしては、今回は一応法人税法の改正に伴いますワクを設定してもらったわけでございますが、できれば、やはり個人の寄付というものにつきましてもそういう免税措置が講ぜられることが望ましい、こういうことで研究して参りたいと考えております。  それから第三点でございますが、免税措置につきましては、従来からいろいろ希望されておったことでございまして、必ずしも今回の私立学校の授業料の値上げと直接の関係はございませんが、しかしながら、授業料値上げをしなければならないというような、経営上の非常な困難なときに立ち至っておりますので、従ってこの私立学校に対する自己資金の増加という点から申しますと、こういった免税措置が非常に望ましいわけでございまして、従来の懸案がここで一つ解決した、こういうようなことになろうかと思います。以上でございます。

臼井莊一自由民主党

○臼井分科員 時間がありませんからこれでやめますが、今お話しにも出ていたように、外国では個人でもそういうものを認める。日本ではそういう面でもおくれているというところから、科学技術というものが外国に比べておくれていて、多額の外貨を使って技術を輸入するということをしなければならぬようになってきたのだと思います。そこでこれは主税局の担当でありましょうけれども、文教の方の担当の佐々木主計官も、同じ大蔵省の中で文教については十分御理解があるのですから、一つそういう点を大きな見地からお考えいただいて、学校に対しては大きな投資である、日本では述べるまでもなく人間の頭を生かすよりほかに将来の発展をはかる道はないのですから、そこで公共投資の仕事であるという――公共投資は道路その他いろいろなものに相当幅を広げたのですが、学校に対しては(「人間投資だ」と呼ぶ者あり)今お話しのように人間投資、人間を生かす大きな投資であるという、こういう新しいというか、今までもそういう考えはあるのでしょうけれども、そういう見地から思い切ってやってもらいたいと思います。私はある会社の人に聞いたら、民間の会社でも、研究機関に金を使うことは非常に有効な投資であるというような見地で、外国はもとより日本でも研究機関にだいぶ力を尽くしてきた。国としてもそういう研究機関なり学術の研究、こういうものに対しては公共投資であるというような考え方から、今後大いに力を入れていただきたい。このことをこの機会に御希望申し上げて私の質問を終わります。

北澤直吉自由民主党

○北澤主査 午後二時三十分まで休憩いたします。    午後二時四分休憩      ――――◇―――――    午後二時五十五分開議

北澤直吉自由民主党

○北澤主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。湯山勇君。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 来年度の義務教育費国庫負担金の中の定数の問題につきましては、大蔵省、自治省がおそろいになったときにお聞きいたしたいと思いますが、それまでに順次数点についてお尋ねいたしたいと思います。  その第一点は、南極観測についてでございます。本年度の予算を拝見いたしますと、第五次の越冬ということは考えられているようでございますけれども、第六次の越冬ということは考えられていないんじゃないかというような予算の立て方のように拝見いたします。これに対して学術会議の方は、この観測をさらに継続すべきであるというような勧告といいますか強い要望があったように承っておりますが、実際に平和利用の点あるいは資源の整備、そういう関係から言えば、これは今後さらに継続すべきが妥当ではないか、せっかくここまでやってきたものをここで打ち切るというのもいかがかと思いますので、この点については、文部省あるいは政府としてはどのようにお考えになっておられるのか承りたいと思います。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 南極地域の観測につきましては、三十年度以来本年度まで年々継続して越冬隊を派遣して観測いたしておるわけでございます。元来南極地域の観測は御承知のことと思いますが、地球観測年の事業といたしまして発足いたしたわけでございます。いろいろな装備等も臨時的な準備程度で発足いたしたわけでございます。その後地球観測年は終わりましたけれども、さらに二ヵ年間継続してもらいたいという学術会議の強い御要望がございまして、実施をいたしました。また昨年になりまして、学術会議から、少なくとも現体制のままであと二ヵ年間継続してもらいたいという御要望が出て参ったわけでございます。この南極地域の統合推進本部といたしましては、この学術会議の勧告を慎重にいろいろと検討いたしたのでございますが、先ほど申しましたような臨時的な体制のままで観測を継続するということについては、二ヵ年以上は無理であるという判断をいたしまして、一応三十五年度で――ただいま行っております越冬隊をもって現在の体制における南極観測は打ち切る、今後南極観測をどうするかということにつきましては、これも統合推進本部でいろいろな点を検討する。と申しますのは大体観測船あるいは航空機、それから観測に従事する人員あるいは現在わが国が使っております基地、そういったあらゆる点を検討いたしまして、今後どうするかということを決定したいということにいたしておるわけでございます。最近にもこの統合推進本部におきまして、関係者が集まりまして、寄り寄り相談を始めたところでございますが、まだこの結論が出るまでには相当時間がかかるのではなかろうかと思っております。先ほど申しましたように、現在の臨時的な体制のもとにおいて行なっておる南極観測は、現在のもので一応打ち切るということにいたしておるわけでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 大体の経緯はわかりましたけれども、以前に、国際地球観測年が終わったときに、継続するかどうかということをいろいろ問題にいたしましたが、そのときも決定がおくれまして、当時は今の総理大臣が大蔵大臣でして、ちょうど予算の分科会でもうきまっておりますかどうかということをお聞きしましたところが、まだきまっていないのだ、そういうことじゃ困るから早くきめてほしいということを要望した記憶がございます。今度は特に臨時体制における観測はこれで打ち切って、いよいよ本格的な取り組みをするかどうかという御検討の段階だそうでございますけれども、これは今行なっておる観測隊が帰ってきてからの部面もあると思いますけれども、早くきめないと、やはりあと今度やるということになった場合に準備が不十分であるというようなことにも一なりかねないと思います。そこで一体いつごろまでに結論をお出しになる御予定なのか、そして大勢としては本格的な観測を続けるという御意向なのか、あるいはむしろこの際再検討するために、まあ第六次の越冬と申しますか、今度の越冬は見のがすというような御意向なのか。それからもしそういうふうになった場合、続いて越冬しない場合に、基地の権利といいますか、その基地についての国際的な関連は一体どうなるだろうか。聞くところによりますと、すでに幾つかの国が、もし日本が観測をしないならば、あとその基地を使いたいというような希望も述べているというようなことも伝えられておりますので、その二点についてお尋ねいたしたいと思います。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 これを続ける方向で検討するのかどうかというような御趣旨のお尋ねでございますが、少なくとも現在の体制で、臨時編成的な体制でやる、今後続けるということは、これは無理かと思います。先ほど申しましたように、たとえば船の関係あるいは航空機の関係といった物理的な面、並びに観測隊員の人的な面等から言いましても、これは現在の体制のままでは無理かと思います。しからば継続するとして、たとえば砕氷船を新たに建造するとか、あるいはこの観測用の航空機を新たに購入するとか、いろいろな問題が実は出てくるわけでございまして、継続するとしても非常に大きな経費を必要とすることになろうと思います。そういった点等も十分検討して、明年以降、たとえば現在の宗谷がだめならば、さしあたっては、あるいは外国船に乗せてもらって基地へ行って越冬するというようなことも一つ考えられるわけでございますが、そういったいろいろな面を先ほど申しましたように検討し始めたところでございまして、これらの結果が大体どういう方向にいくかということについては、これはまだ全然見当がついておりません。  それからこれは御承知のように、ただいま参っております村山越冬隊が出発いたしましたのは、たしか九月であったと思います。これはもちろん越冬をするということがきまれば、早い方がいいわけでございますので、的確には申し上げられませんが、なるべく会合をひんぱんに開いて、大体のめどだけは早くつけたいと思っております。  それから基地の権利と申しますか、既得権がどうなるかというようなことでございますが、この点につきましては非公式にSCAR等で――SCARと申しますか宇宙空間の委員会でございますが、いろいろ意見は出ておるようでございますが、別にはっきりした結論は出ておらないようでございます。私どもといたしましては、日本が越冬しないのならば日本の昭和基地を使わしてもらいたいというような申し込みの話はまだ聞いておりません。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 この問題はなおお聞きしたいこともありますけれども、いずれにしても早急に結論を出さなければ、もはや出発はずっと先のようでも、九月あるいは十月ということですから、早急に結論をお出しになることが私は望ましいと思います。  この際、先ほど自治省、大蔵省にお尋ねすることになっておりました件についてお尋ねいたしたいと思います。  まず自治省の政務次官にお尋ねいたしますが、三十六年度小学校、中学校の学級編制の基準でございます。これについては、先ほど文部省の方では、その基準が大体五十名までは見る、つまり政令では五十六、五十四となっておるけれども、五十になっても見られるように財政計画ができているのだというような意味の御答弁がありましたが、これは私は従来の慣例からいって少しおかしいのじゃないかと思うのです。それは、義務教育費国庫負担の予算の中での今のような費用と自治省の地方財政の半額負担の費用とは大体合っていなければならないと思いますので、国庫負担の分が政令の五十四、五十六で組まれておるのに、地方財政計画の方では五十というのを最大に見ておるということはおかしいと思うのですが、この点は自治省の方はどうなっておるでしょうか。

渡海元三郎自由民主党自治政務次官

○渡海政府委員 地方財政計画に盛りました義務教育関係の費用は、算出の基礎といたしましては、小学校五十六名、中学校五十四名となっておりまして、教員の増加の数は大体九千三百名、この計算によって出しておったと思います。ただし国の出しました補助額の倍額、半額国庫負担でございますから、それが例年財政計画に載っておるのでございますが、本俸の見方につきましては、従来二年前の決算によったために、非常に実給与と違っておった。あるいは昇給率の見方が違っておったために、実際と違って精算が絶えず行なわれておったというような実情でございましたが、本年度はそういうようなことがないように、本俸の決定にあたりましては、昨年三十五年の五月一日現在の実給与額をもって算定基礎とするように、または退職手当にいたしましても、今まで千分の二十五として計算しましたのをこのたびは倍額に計算する等、いろいろ実施面におきまして財政計画上と実際の支給と差が出ないように措置をさしていただいたような次第でございまして、その結果は、本年度は大体義務教育関係で二千六百九十億、昨年と比べ約五百億近い増額となっております。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 今の御説明でよくわかりましたし、当然そうだと思います。そこで今政務次官がおっしゃったように、五十六、五十四というかなりきびしい押え方をしておるために、実は国の半額負担の対象にならないで、市町村費でまかなっておる純粋の教壇に立つ教員、これが相当数ございます。私の手元の資料では約千五百名ばかりございます。その他の養護教員に当るた養護婦等を合わせますと六千名からそういう市町村費負担のものがあるという文部省の御調査ですが、これは当然すみやかに法律がある通りの五十名にしなければならないことだと思います。そこでこれについて文部省の方へいろいろ聞いたわけです。ところが途中の過程については自治省、大蔵省、文部省三省の協議が十分してない、ただ三十八年度から五十名以下にするということについては三省の間で確約ができておるから、そのことについては責任が持てる。今までは実はずいぶん約束はしておったし、委員会で御答弁もあったわけですけれども、今日まではその通りいってないわけです。本来は五十六、五十四じゃなくて、計画からいえば五十六、五十三がほんとうなんですよ。これが守られていない。そこで今まで一度ならず二度までもそういう国会での御言明と違ってきておるから、三十八年度から五十名以下にするということをおっしゃっても、それじゃやはり今までと同じようにそのときになって違ったのじゃ困るじゃないかということをお尋ねいたしましたところが、三十八年度からについては、三省問できちっと申し合わせができておることだからそれについては責任が持てる、こういうことでございました。そこで三十八年度からは今おっしゃった地方財政計画の基準と申しますか水準と申しますか、それも小学校中学校とも五十名以下でやるようにちゃんと了解がついておるかどうか。それから大蔵省へも、主計局の次長お見えになっておられますが、今の点について三省間で話し合いがついておるのかどうか、そして三省ともと申しますか、文部省は御言明ありましたから、大蔵省、自治省ともに三十八年度からは五十名以下にするということを御確約が願えるのかどうか、お二人から御答弁願いたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治政務次官

○渡海政府委員 御承知の通り本年度、三十六年度等おきましては、中学生徒の急増の状態もございまして、私たちも努めて文部省の計画通り財政計画におきましても地方団体がこれをまかない得るように組んでいくよう努力をいたしておりますが、急増関係等がございまして先ほど御説明申し上げましたような財政計画で本年はとどまっております。しかしながら三十八年度には文部省の計画で五十名にするということになっておりますので、自治省といたしましても努めてそういう方法で財源の措置をするようただいまから努力いたしておるような次第でございます。

谷村裕大蔵事務官(主計局次長)

○谷村政府委員 ただいま自治省の方からお話しがございましたのと大体同じような考え方でございます。三十八年度に標準法の線に進みますように、そういう方向で進めて参るつもりであります。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 三省問でそういう合意に達しておるのかどうか、そういうことについて協議なさったかどうか、これもあわせて御答弁願いたいと思います。

谷村裕大蔵事務官(主計局次長)

○谷村政府委員 協議とか確約とかいうふうにいたしますと、これは政府として最終的にはそのときそのとき閣議その他でおきめになることでございますが、事務的にはかってさようなことをいろいろお話ししたことはございます。またそういうことで一つ進めましょうということを大よその今後における予算編成の腹づもりとして話し合ったことはございましたというふうに私は聞いております。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 自治省の方はどうですか。

渡海元三郎自由民主党自治政務次官

○渡海政府委員 私就任いたしましてからまだ日も浅いのでございまして、そういった記憶はございませんが、文部省が立てられました計画は、長期的なものでありましても当然そのつど協議にあずかっておると思いますし、またその方向で決定いたしました以上は、政府といたしましてその方向に沿うよう、地方自治団体の自治省関係の措置ができるようにするということで、省といたしましてもその方向で了承を与えたものだと思っております。毎年の計画につきましてはそのつど長期計画が立てられた際におきましてそういうふうなことを協議し合ったものであろう、かように考えます。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 私がお尋ねし、願っておることは、今日の実際は、法律を作るときにお約束になったこと、それ以後文部省が出版物としてお出しになったこと、そういうことが守られていないで、そうして五十名とはかなり開きのある五十六、五十四という数字で三十六年度を迎えようとしております。あと間に入るのは三十七年度だけしかありません。そういう中でほんとうに文部省が言うように五十名ということの確約ができるかどうか。また今までのようにこれを口約束だけに終わらせるのではないかという心配があってお尋ねしたわけですけれども、今自治省の方も大蔵省の方も、ああいう意味の御答弁がありましたから、この際私はそれを信頼するし、信用いたしたいと思います。ただしこの信用、信頼を裏切らないようにぜひしていただきたい。ことに文部省はあれは前の文部大臣がお約束したことであったからというようなことじゃなくて、ぜひ一つ荒木文部大臣もこの点についてはやはり責任をもって、そういうことの実現のために今後も御尽力願いたいと思います。  それから次にお尋ねいたしたいことは、学校給食の問題でございますが、学校給食の小麦粉についての補助が、本年は何か百グラム一円ぐらいのことなら打ち切ったらいいじゃないかというようなことが大蔵省の方から言われたということが新聞に伝えられまして、給食に関係しておるすべての父兄の大へん大きな心配であったわけでございます。幸いにして予算を拝見しますとこれが残っておりますことは、大へん喜ばしいことだと思いますけれども、元来この補助については、経過を御存じだと思いますけれども、MSAの贈与があったときに、これは本来MSAの贈与があんなにたくさんあるのだから一円ぐらいではなくて、もっとたくさん補助をしてもいいんじゃないかというようなことも問題になりました。ところがこの贈与というものは、必ずしも一度にどっとくるのではなくて、ずっと何年にもわたってくるものだし、それからかりにそれがこなくなったからといってこういうふうに補助しておるものを打ち切る筋合いのものでもない、こういう御答弁があってその当時はそれで了解をされました。それからこの補助が本来食管会計にあったものが、文部省の予算の中に移されたときにも、同じように、食管会計ならば給食の人員が減ろうがふえようが弾力性があるから非常に操作しやすいけれども、一般会計の文部省の予算の中に入ってくれば弾力性を失うのではないか、あるいはまたそういうことが将来この補助の打ち切りというようなことにつながってくるんじゃないかということを当時お尋ねいたしました。ところがこれについては、これは食生活の改善ということだけではなくして、教育の一環としてやることであって、これが食管会計にあろうが、一般会計の文教予算の方に移ろうが、そういう心配はないのだというはっきりした答弁を当時いただいております。そこでそういう本来の性格に返って本年は続けられたものと考えますし、そうだとすれば当然将来にわたってもこの補助は続けられるものと私は判断をしておりますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 午前中もお答え申し上げました通り、この学校給食はもっと普及率を高め、要すればカロリーにつきましてもさらに充実させるという考え方で続けていくべきものと心得ます。予算折衝の途中におきまして、初め大蔵省の意見としては削るということで、削った姿で査定を受けたのでありますが、その必要はゆえんを十分御説明をいたしまして、復活をしてもらったような次第でございます。ただ、一円の補助という食管会計とのつながりでのやり方が、今後もあのやり方そのままで続けていけるかどうか、続けていくべきかどうかということについても、文部省自体はもちろんのこと、大蔵省あるいは農林省等とも十分相談いたしまして、国の食糧政策との関連において、続けていけ得るものならば、むろんあの姿でいきまするし、そうでなくて、もっとこういう考え方でいった方がなおいいのだ、合理的だということが発見されますれば、そういう線に沿って続けるという、形は違うことがあり得るとは思いますけれども、実質的に今申したような方向を続けながら、児童、生徒の体位の向上等の教育的目的を果たし得るように続けていくべきものと考えております。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 ただいまの形態は非常に簡明でよくわかるやり方だと思います。もし形を変えて続けるとすれば、たとえばどういうケースが考えられるのでございましょうか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 その具体案は持ち合わせございません。ただ、一応懸念しますことは、一方において、米の生産を非常に奨励をしておる。また、新たに国内産麦を質量ともに充実せねばならないという建前からの政策も考えられておるやに承知いたします。現状は、外国の麦を安く輸入して、高く売るという形になっておる。そのままでは値段が高くなるであろうし、適切でないから、あのやり方で、わずか一円とば申しながら、現実的には実質上相当の働きを価格の面でもしておるようでございますから、それはそれといたしましても、だんだん学校給食の率が一〇〇%になってきますと、もし国内産の麦が増産されて、しかも一パン食、粉食に適当なものが確保されるめどがはっきりつけば、その方向をたどることも、国内産麦について考えることもあり得ましょうけれども、それが相当長い間かからなければ実現できないとするならば、米はあるのに、外国からの輸入麦を使ったパン食一点張りではたしてやっていけるかどうかということが、まあ一応概念論として、しろうと考えで連想されることなんでして、しからばそういうことを考慮に入れてどうしたらいいのかということになりますと、私の乏しい知識では具体案は出て参りません。いずれにしましても、先刻申し上げた通り、関係省と十分に相談をいたしまして、結論は続けていく。方法はあるいは検討の結果違うことになることがあるかも一しれない。その辺がどうもはっきり申し上げかねますけれども、続けていくことだけは、これは断じてやらなければならないことと心得ます。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 大臣のお考えはよくわかりました。ただ、これは腹の減った者に食べさせるというのではなくて、教育の一環として、また食生活の改善ということですから、単に麦を米にかえてというようなものとは違うわけです。よくおわかりと思いますけれども、今の続けるという御方針はさらに堅持願いたいと思います。  それから、さっきの大臣の御答弁の中にも、大蔵省の第一次の査定で落とされておったということがございましたが、ただいまの大臣の御答弁の通り現在では大蔵省もお考えになっておられるのかどうか、一つ大蔵省の方の御意見も伺いたいと思います。

谷村裕大蔵事務官(主計局次長)

○谷村政府委員 御質問の中に出ましたように、当初の大蔵省査定案といたしましては、小麦粉の一円分、総計約十七億を落としておったわけであります。その考え方につきましては、別の機会に大臣などからも予算委員会で申し上げることと思いますので、今ここでは申し上げませんが、要は、零細と申しますか、もう少し効果的に補助金を使ったらどうか。一人一日一円、年間にして二百十五円ほどの金額を、それぞれ非常に、富んだ者もあればいろいろな階層の方にまんべんなく配るということよりも、もう少しこれを集中して使ったらば、なお効果的な学校給食のための補助あるいはその他のことができるのではないかという考え方があったわけでございますが、いろいろ政府部内で議論を尽くしました結果は、先ほど大臣から御答弁になったようなことになったわけでございます。  そこで、今湯山委員のおっしゃいましたように、将来はどういうふうな考え方をするかという問題でございますが、今大臣が御答弁になりました点を、私どもはいろいろな問題まで含めて広く解釈いたしまして、今後の学童給食あるいはその他もっと広い意味での学校教育に役立つような補助金の使い方として検討さしていただきたい、かように考えております。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 要望いたしておきたいと思いますことは、これは主計局次長も御存じのように、この一円というのは、実際は、出しておる補助金の中では一番効率を上げておると思います。この一円が実際は二円にも三円にも効果を発揮しておることは御存じの通りなので、先ほどからの大臣の御言明から見ましても、もっと給食を伸ばしていきたい、そういう中で、この補助金を打ち切るというようなことは、これは大へん大きな問題なのです。補助の大小という問題じゃなくて、そういうふうに給食の補助の方針が変わるということが、給食自体を不安にする。これはかつて終戦直後やった給食が、いろいろなことでつぶれて、結局新たな法律のもとにやり始めて、なかなかこれをふやすのに骨が折れたそのことからも明らかなことで、こういう方針というものはやはり堅持していく。ことに、事教育に関するものですから、そうぐるぐる変えないように、多少効率がどうだとかなんとかいうことがありましても、そういう基本的には変えないという態度を堅持していただきたいと思うわけです。  それで、次にお尋ねいたしたいのは、育英資金についてでございますが、育英資金の返済状況が非常に悪いということが伝えられておりますが、その実情はどうなっておるか、一つその実情をまずお聞かせ願いたいと思います。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 日本育英会の現在までに貸与いたしました債権の総額は、三百四十二億という数字でございますが、この三十四年度末までに返還されるべき金額は、そのうちで四十四億でございます。ただ、この四十四億のうち、実際に返還された金額は二十三億ということでございまして、返還率は大体五三%、こういうことになっております。その他の債権につきましては、これは現在まだ学校に入っておる者並びに学校は卒業いたしましたけれども、返還の時期がまだ到来していないという分でございます。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 この四十四億という設定は、従来文部省の御計画を聞いてみますと、そんなに無理な設定ではなかったと思うのですが、それがこんなふうに非常に悪いというのは、どこに原因があるとお考えですか。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 従来も、育英資金の返還につきましては、貸与をいたしますときにその趣旨をよく説明して貸与の開始をいたしておったわけでございますが、しかし現在考えてみますと、まだいろいろ不十分な点があったように思います。やはり貸与を開始する際によく趣旨を徹底すること、それからいよいよ学校を卒業いたしまして、学窓を離れて社会人となりました場合にも、貸与の趣旨についてよく理解をしてもらうようにする努力に、私どもまだ不十分な点があったと思います。それから育英会のいろいろな業務運営につきましても、債権確保という点でいろいろ制度上不整備な点があったと思うのでございます。こういった点は育英会自体、また学校当局者ともども改めていかなければならぬと思います。しかし、ごく一部でありましても、悪質な者があるということでは、善良な者が損をするというような事態になるわけでございますので、そういった一部きわめて悪質な者に対しては、できれば強制的にこれを取り立てるような方策を講じたいと考えているわけであります。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 一部悪質な者があるにしても、計画に対して約五割しか達成されていないというところには、もっと根本的な原因があるんじゃないだろうか。単に制度とか、機構だけじゃなくて、実際は卒業して就職したが払えないというような実態もあるいはあるんじゃないかというようなことも考えるわけですが、そういうのはございませんか。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 確かに学校は出たけれども、健康上の理由その他で返還ができないという者もあろうと思います。ただ、実は本年度から東京周辺におきまして、集金人による返還制度というものを始めたのでございます。まだ半年程度でございまするけれども、集金人がその当事者のところへ参りまして返還の催促をする、その結果の実績は、大体八割見当は入ってきておるというようなことでございますので、一部には確かに実際経済上支払うことのできないような状況の者もございますが、中には、悪意ではなくとも、忘れておって返還していないというような者もあるわけでございまして、こういう者についてはできるだけ早急に返還が成就するように、今後措置していきたいと思っております。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 どういう理由で返還できなかったかということの統計のようなものはございませんでしょうか。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 現在のところ、まだ私どもでその点については確実な把握をいたしておりません。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 実は返還の制度上の整備というようなこと、予算の説明書にもそういうことが書かれてございますが、集金人が集めに行く、そうすると、集金人というのは、集めることが仕事なものですから、かなり無理な面も出るのではないかということを心配しておるわけであります。そういうことになりますと、かえってそういうことが本人のいろいろな点での支障になってくるということもあると思いますので、この運用にはよほど注意を要するということを思いますし、それをおやりになるとすれば、ぜひすみやかに今のような資料をお整えになって、無理な者から無理に返還させるというようなことのないような、何か緩和措置、たとえばその職場なら職場の責任者が、こうこうで延期してもらいたいというようなことがあれば延期するというようなことを考えないと、無理のいく者もこの中には相当数あるんじゃないかと思いますが、そういう点についての御配慮はなされておるだろうかどうだろうか、伺いたいと思います。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 先ほど申しました、いわゆる集金人による返還でございますが、この集金人の仕事を始めますにあたりましては、相当期間をかけて集金人の仕事ついての研修をさせておるわけであります。もちろん採用にあたっては相当人を選んでおりますし、そういったような研修もいたしておりまして、これは確かにいわゆる強制徴収の権限はないものでございますので、そういったいわば心理的な強制というようなことにいやしくもならぬようには十分注意しておるつもりでございます。実は三十六年の予算におきましては、大阪にも今度は支部を設けまして、集金人による返還という制度を始めたいと思っておりますが、この制度の開始につきましても、ただいま申し上げましたような配慮は十分いたすつもりでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 そういう訓練上の配慮、心がまえだけの問題でなくて、具体的に、たとえば役所であれば、役所の責任者から、こうこうだから延期してもらいたいというような申請があれば延期する。あるいは会社、工場等、それもいろいろ問題はあるかと思いますけれども、ともかくも責任の持てる者が正当なそういう証明をして延期してもらいたいという者については、そういう取り立ての制度を強化すればするだけ配慮が必要だと思いますし、現にそういう事例も一、二にとどまらずあるようです。そういう制度をお考えになる御計画はございませんか。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 いわゆる雇用主と申しますか、責任者が、十分納得できる証明をされるというような場合には、ただいまお話のございましたような制度を十分研究すべきものと思っております。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 大臣にお尋ねいたしたいのですが、この育英資金の返済免除を拡大しようというような御計画がおありになるということですが、具体的にはどういう御計画なのか。大臣が何か閣議でおっしゃったとかどうとかいうようなことが新聞に出ておりましたので、今の問題と関連して、非常にいいことでもございますし、重要なことだと思いますので伺いたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 学校の先生になったらば免除してやるとか、いろいろ現在もあるようですが、それを保母あるいは職業訓練所の指導官と申しますか、そういう方面にまで拡大するようなことを検討したらどうだろうという話が閣議で出まして、趣旨においては実質的に免除してもよかりそうな課題だと思いますので、検討したい、こう申したわけであります。事務当局にも伝えまして、目下検討に着手させておるところでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 現在は義務教育諸学校の教職員に対してとられておる措置を、さらに高校、大学そういうところまで延長なさる、それから今おっしゃったように保育所の保母とか、訓練所の訓練官、こういうところにも拡大していこうというのが、大体のお話のように承ります。それは一体いつから実施する御予定であるのか。それからその構想は大体わかりましたのですけれども、もう少し具体的なことはどうなっておるか。これは局長の方からでもけっこうですから伺いたいと思います。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 返還の免除範囲の拡大につきましては、私ども少なくとも高等学校あるいは大学の先生になるような場合にも、できれば範囲を拡大したいということで、関係当局と今話し合いをいたしております。これは話し合いがつきますれば、この国会に育英会法の一部改正の法律として御提案申し上げて、御審議を願いたいと思っているわけでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 いま一つ、これは育英資金とは直接関係はございませんけれども、夜間中学校というのがあることを大臣は御存じだと思います。今夜間中学校へ行っておる生徒の数はどれくらいございますか。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 たしか千人くらいだと記憶しています。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 もう少しあるのじゃないでしょうか。それは数はいいといたします。こういう夜間中学というのは端的にいえば法律違反です。これを大臣は放置されるお考えなのか、何か対策をお考えでしょうか、伺いたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 これは制度の建前からいえばやみの中学でありまして、あってはならないものだと心得ます。しかし遺憾ながら現実にはある。それは夜間中学でオーバーワークをしながら教えてもらっておる先生たちの御苦労も思いますが、そういうものが起こらねばならない原因は、やむにやまれない理由は一体何だろうかということに具体的に手を染めて、そのもとを正すことからして、結果としてはこのやみ中学なんかなくするという方向に考えを持っていかなければならないかと心得ております。一々具体的な理由等も発見し、私自身はまだよくわかりませんけれども、想像しまするに、家庭の事情が、義務教育年令ではあるけれども、昼間はアルバイトをしながら、しかし学校を放擲したくはないからという事情からして、必要悪として生まれ出たものかと思うのでありますが、その根源をため直しながら、今申し上げたように結論的にはそういうものがなくなるようにどうすればいいか、こういうことを考えていきたいと思っております。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 これは私は非常に簡単な問題だと思います。そんなにむずかしくお考えにならなくたっていい問題で、今度の予算では準要保護児童の範囲が相当拡大されて、これは私ども御努力に大へん敬意を表しておるわけです。そういう中で、結局この夜間中学に行っておる子供たちは、生活保護の中の教育扶助にも当たらないし、準要保護児童のワクにも入れてもらえない、そういう場に置かれている。そこでこの子供たちがなぜそうなるかというと、結局大臣が今おっしゃったように、昼間の仕事の所得の補償ということができれば、そんな無理をしなくたっていいわけです。局長がおっしゃったように千名とすれば、実態を調べてみますと、この子供たちは一ヵ月せいぜい二千円か三千円で働いております。そうしますと千名として一ヵ月三百万もあればいいわけなので、年間三千万の金があれば、その子供たちに月三千円の補償をしてやって昼間学校にやることができる。こういうことができるわけですが、こういうことはもう規則とか法律とかいう問題を離れて、こういうことに対する対策は非常に大きなワクでやっていかなければならないし、またやる責任が国にはあると思います。今年度のうちでも、あと三千万円ばかりのことですから、何とかならないことはないと思いますけれども、三十六年度にどうにもならなければ、三十七年度にとにかく三千万か四千万の金があれば、この向学心に燃えて、しかも昼間学校に行けない子供たちを昼間学校にやれる。やみの学校をなくす、必要悪をなくす、こういうことができるわけですが、そういうことについて一つ大臣として対策を立てていただくような御決意があるかどうか伺いたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 先刻申しましたような意味合いで検討を加え、なくするような方向に努力したいと思います。ただ実態をよく見きわめませんとわかりませんけれども、たとえば生活保護の面で救済される対象もございましょうし、あるいはまた家庭的には同じ程度の家一庭の事情で、ちゃんとまともに学校に行っておる家庭の生徒もあろうかと思うわけですけれども、その家庭なり環境なりが、ことさら義務教育の制度を無視して児童を酷使するような好ましからざるものがあって、余儀なくそんな夜間中学に行ってしまっておるというようなこともございましょうし、原因は種々雑多と思いますけれども、いずれにしましてもその原因を探求して、それぞれ措置して、結果としてやみの中学がなくて済むようにするという努力をいたしたいと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 いろいろあるのですけれども、高校の急増対策もさっきの数字では納得できかねますけれども、また委員会等でお伺いすることにして、きょうはいろいろ御決意をたくさんお述べいただいて、ある意味では安心する面もありますし、心配する面でありますけれども、一つ今度のすし詰め解消で二度も国民を、悪い言葉で言えばだましてきたわけでありますから、そういうことにならないようにぜひ御尽力をお願いして私の質問を終わります。

北澤直吉自由民主党

○北澤主査 滝井義高君。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 まず第一に日本の学制の六・三・三・四制の中に一つ六・三・三・一ないし二が入って、それから四になるという、一ないし二あるいは三とか四になるかもしれませんが、最近はいわゆる予備校というものが非常に多くなってきた。特にここ数年しますと、戦後ベビー・ブームの時代に生まれた子供が高校なり大学に殺到するということになりますと、ますますその現象が強くなってくる可能性があるわけであります。われわれがたとえば労働可能な人口を推計する場合においても、いわゆる学制の中にずっと進学をしておる人口の把握は非常に可能でございますけれども、学制の外に出てしまった若年人口というものが一体どういう状態であるかということを非常に把握しにくいわけです。従ってそういう意味から日本の予備校、特に高等学校を卒業した人で、大学に行けずに就職もせずに、さらに進学の希望を持って勉強しておる。そういう者のために私塾があったり予備校があったりしておる。最近は中学校を卒業して――さらに予備校やあるいは私塾というものが至るところに雨後のタケノコのごとくできておるのです。文部省はそういう私塾というか、予備校というか、そういうものをどういう工合に現状を把握されておるのか、これを一つ御説明願いたいと思います。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 中学校から高等学校へ行く場合に浪人の問題がございますが、これは非常に数が少ないのでございまして、大体毎年入学志願者百十万くらいに対しまして九五%程度が進学をいたしておりますので、五万人くらいが入らないという状況でございます。従って中学校から高等学校へ行く場合の浪人の問題は数が少ない。しかし特に最近有名校に志願者が殺到いたしますので、できるだけ進学指導を適正に行ないまして、これはなくするように努力していきたいと思っております。ただ高等学校から大学に参ります場合に、大学の収容力が少ないので、志願者の方が非常に数が多いという現状でございまして、大学の場合にはお説のような浪人がおるわけでございます。特に大学の場合でも有名校に殺到しておるというような現状で、いわば学校教育法にない各種学校として受験学校が存在しておるということは事実でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 中学から高校にいく分については九五%程度が進学できるので、五万人程度。そうすると高校から大学への進学というのはどういう状態ですか。できない人はおそらく浪人をして予備校その他に入っておると思うのですが、その現状について特にあなたの方で把握せられておる予備校の数というものは、一体どの程度あるのですか。そこにどの程度の学生が収容されておるのですか。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 年々の大学の入学志願の状況を見てみますと、大体志願者の実数は三十五、六万ということでございますが、そのうち三分の一に近い十二万くらいがいわゆる浪人の経験者であるというふうに数字が出ております。この浪人がすべて予備校に行っているわけではないと思いますが、大体文部省で調べておりますところの各種学校として認可されておるいわゆる予備校は、昼間、夜間あるわけでございますが、大体全国で二百三十校、生徒の数が約六万三千というような数字になっておるようでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 二百三十校、六万三千人というと、これは相当な数になると思うのです。これらの青年の諸君が日夜非常に苦労をしておるわけですが、特にたとえば、私ちょっと調べてみたのですが、東京大学でみますと、現役で入学できた人が三十五年度では三九・四%、約四割が現役で入学ができておりますが、一年浪人が四割四分七厘、二年以上の浪人が一割五分九厘くらいになっておるようであります。そうしますと、これは結局六割近くというのは浪人をしておる。少なくとも大部分のものがおそらく予備校に行っておると思うのですが、今十二万人程度が浪人をして入っておる。しかも六万人というのですから、六万全部が浪人しておっても一入るというわけにいきませんでしょうが、相当の者が入っておる。早稲田で調べてみても、大体同じように現役で入るのが三割五分五厘、一年以上浪人しておる者が六割四分以上、こういう形になっておるわけです。この実態は、日本の六・三・三・四の学制の中に何が一つ大きな壁ができているということが私は言えるのじゃないかと思うのです。少なくとも高校に関する限りは一挙には行けないのだ、一挙に行けるのは三分の一しかいない。こういうことを文部省としては一体どうお考えになるのかということです。昔からもちろん浪人というものはありました。私も浪人はしました。しかし最近、特に戦後生まれた新しい青年層が、いわゆる高校の急増対策等でぐっとふえて参りますと――所得倍増計画で各人の所得がふえるのですから、みんな学校に行きたくなるのは理の当然ですし、人情の自然なんです。そうしますと、それに対して急激な、いわゆる学校の収容能力、特に大学の拡充ができないということになれば、この壁というものはさらに厚くなってくるわけです。こういうものに対して一体文部省は何か具体策というものをお持ちなのかどうかということです。こういうところが右翼対策、青少年対策等の問題についてもまた非常に大きな盲点になっているのではないかという感じがするのですが、こういう点荒木文部大臣は、六・三・三・四の三・四の間に、高等学校と大学の間に、何か一つできておる、これを今後一体どう処理をしていくのか、今までのように各種学校で予備校というものを野放しにそのままにしておいていいのかどうか。たとえば予備校の授業料等を調べてみますと、夜間でも一万円です。それから昼間だと一万三千円から一万六千円くらい取っているのです。これも普通の大学と同じくらいに取ることになるわけです。そうしますと、これは父兄にとっても相当大へんなことだと思うのです。こういう点は何らか国としても一つ考えなければならぬ問題点です。ベビー・ブームの諸君が高等学校から大学にいく段階になると、もっと激しくなるのですから、考える必要があると思いますが、文部大臣この点どうお考えになっておりますか。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 現実の大学志願者につきましては、ただいま申しましたような数字でございまして、確かに相当数の者が浪人しておるわけでございます。これが日本の国全体の立場から申しまして好ましいことと私ども考えておりません。ただ大学の入学定員、それから高校卒の志願者の実数から申しまして、まあやむを得ない悪であると私は思っております。ただこれが原因をいろいろ調べてみますと、たとえば志願者の中には有名校に非常にあこがれる、東京でいえば東京大学とか、東京工業大学とか、あるいは一橋、私学におきましても早稲田、慶応というような有名校に非常に集中する。そのために結果的に浪人になるというようなことがございますので、文部省としてはできるだけ高等学校の学生に対する進路指導と申しますか、自分の能力、才能に応じた学校を受験するように進学指導を強化してきているわけでございます。なおこれと同時にやはり有名校に対して――地方の大学の施設あるいは設備の充実、あるいは教官の充実ということをやりませんと、ただ集中するなといっても無理でございますので、そういった面も極力地方大学の充実ということを念願しておりまして、予算等もつけておるわけでございます。と同時に、またこれば就職等も非常に関係するものでございます。やはり地方大学を出て、それぞれ適当な就職口がないということでありますと、大都会の一部有名校に集中するわけでございますので、いろいろ雇用促進の協議会等におきましても、できるだけ地方大学の学生を優先的にとってもらいたいという依頼を私ども繰り返しいたしているわけでございます。なお一つには、入学試験の問題等もございますので、この点につきましても、関係の専門家に集まってもらって協議会を設けまして、いろいろと検討をいたしておりまして、入学試験の問題のために高等学校の教育課程が乱されないようにできるだけ努力をして参っておるわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 今の局長さんから御答弁のありました浪人対策というのは、地方大学の施設の充実、教官の充実、それから就職に関係をして地方大学をある程度優先的にとるようにしてもらいたい、それから入学試験の問題、確かにそれらの御指摘になった点が、これは重要な影響があるわけです。ところが現実はなかなかそうはいかぬというところに問題があるわけです。これは口で言うことはやさしのいだが、こういうことが現実の社会でここ二、三年のうちに実施できる見通しがつけば問題ないのですが、それができないところに大きな悩みがあり、われわれがこうして問題にしなければならぬところがあると思うのです。この問題が今度はうらはらの関係になっていわゆる私学に現われてくるわけです。いわば授業料が安くて、比較的就職のいい、設備の整っている、教官の充実している官学に行けない、そこで私学に殺到をする。こういう形になってくるわけです。私、もう少し予備校の問題をやりたいのですが、時間がありませんから、その私学の問題に移りたいと思うのですが、現在そういう官学に行けなかった――あるいは特に私学の学風を慕って行く人は別として、官学に行けなかった、だから従ってこの際私学に行こうということで相当殺到しておると思うのです。現在私学経営の経常収入の実態というものは、一体何によっておもにまかなわれておるのですか。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田政府委員 お尋ねでございますが、日本の私学の場合におきましては、諸外国におきますような経営の実態と若干異なる点がございまして、大体におきましてその収入の大部分を授業料、入学金その他の学生納付金によってこれをまかなっておるというのが現状でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 そうしますと、私学経営の大部分が授業料やら入学金、その他学生の納付金でまかなわれておるということですが、一体経常費の何割くらいをそういうものが占めておりますか。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田政府委員 大体最近におきましては七〇%以上を占めております。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 そうしますと、私学経営というものは、主として理工学系が比較的少なくて、自然人文科学と申しますか、法科とか経済、文科、そういうものが多いと思うのです。そうすると、こういうものは、優秀な先生がおって、机と腰かけがあり、マイクがあれば大体事足りていっておるわけです。それでその七割程度が入学金なり授業料で支払われておるということですが、教授というか、教官というか、そういう人件費が経常費の中で一体どの程度を占めておりますか。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田政府委員 大体私の記憶いたしておりますところでは五〇%以上を占めております。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 経常費の五割以上が結局人件費で占めておるとすれば、いわば授業料でその人件費というものがほとんどまかなわれる、こういう形になってきておるわけですね。国家公務員の昨年十月にさかのぼって一二・四のベース・アップが行なわれれば、当然私学の諸先生方のベース・アップも行なうことが人情であり、しかも優秀な教授を私学にとどめようとすれば、ますますそうせざるを得ないことになるわけです。ここにおそらく私学の授業料値上げの問題が私は起こってきているのだと思うのです。最近の私学における給与の体系というものは、国立の諸学校の先生方に比してどういう程度になっておりますか。ほとんど同じくらいですか、それともその割合は、おそらく非常に低いのだろうと思うのですが、低いとすれば大体何%くらいに当たりますか。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田政府委員 大体パーセントをとりますと、一五%ないし二〇%弱くらい違うと思います。具体的に申し上げますと、大学につきまして、国立の大学は、現在三万七千八百九十四円でございますが、私立の大学におきましては、現在給与は三万一千七百三十九円、それから高校におきましては、国立、公立におきまして大体三万一千六百九十円、私立におきまして二万九百二十六円、こういうような差があるのでございまして、平均いたしますと大体二〇%弱あるいは一五%以上というのが普通でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 そうしますと、さいぜん一つの問題として、たとえば教官の充実をはかる、そしてできるだけ他の大学に分散させてやってもらうというようなことですが、この給与の体系を見ても、失礼な言い分ですが、官学に比べて私立学校に優秀な教官が集まりにくい現状があることは確実です。そうしますと、優秀な教官をとどめて、学校の充実をはかろうとするならば、現実に経常費の七割以上というものが授業料やあるいは入学金でまかなわれておるというのならば、学校が現状を維持し、あるいは現状より伸び上がろうと承るならば、授業料を上げる以外にない、こういうことです。授業料を上げれば、これは結果としてどうなるかというと、結局授業料を払える金持ちの子しか私学に行けないという実態が出てくる。教育の機会均等というものはここで破れることになるわけです。官学というものが一定の収容能力しかない。そこであとは私学に行かざるを得ない。そうすると、私学は授業料を上げなければ優秀な教官を求めることができない。優秀な教官を求めるほどの高い授業料を取れば、普通の貧しい家庭の子弟は行くことができないということが出てくる。さいぜん人間投資という言葉を使われておりますが、これをやはりどこかで国の教育行政として打開する道を今の文部行政は考えてもらわなければならぬ。これを文部省としてはどう考えておられるか。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田政府委員 おっしゃいましたように、国公立の学校と私立の学校におきまして授業料が非常に差があるということになりますと、今仰せのような教育の機会均等という立場から申しますと、非常に好ましからざる事態が生ずるわけでございます。私立学校におきまして授業料を上げると申しましても、やはりいろいろそういった客観的なあるいは社会的な要請がありますので、そう無制限に上げることはできませんけれども、現状において相当開きがあることは事実でございます。従って私どもといたしましては、今申しましたような私学の授業料値上げをなるべくしない、あるいはやむを得なければ、最小限度にこれを押えるというような考え方をとりますと、どうしても私学経営の上から申しまして財源に不足を生ずるわけでございます。従って根本的にはこれは私学の問題でありますから、そういった経常費的なものにつきましては、私立学校自身が工面をして、そうして学校経営に当たるというのが建前でございます。しかし、今申しましたような要請がございますので、やはりある程度国あるいは地方公共団体からの助成金というものを法令上許される範囲においてこれを増額することが一つの方法であろうかと思います。  それからまた私立学校は、御承知のように伝統のある学校におきましては、同窓生それから卒業生その他関係の者が非常に多いわけでございます。従ってその学校を維持経営するということにつきましては、非常な熱意を持っておるわけでございます。そういった面から、この学校の経営自体に対するいわゆる広い意味の関係の方々が資金を出し合う、こういうような意味におきまして民間の会社等による、あるいは個人による寄付金というものがそこに集まって参りますと、やはり学校の経営上非常にプラスになるわけであります。そういった意味で、そういう資金の蓄積が行なわれやすいような方法をとるということが、私は第二番目において必要なことだと考えておるわけでございます。そういった意味におきまして、三十六年度の予算においてもそうでございますが、従来から文部省といたしましては、私立学校振興会の融資を増額してくるということと、あるいは施設、設備に対する助成金をできる限り増額していくということをはかりますと同時に、民間のそういった資金が私立学校に集まりやすいような方法を講じていくというようなことを考えておりまして、今回新しく会社等が学校法人に対しまして寄付金を行ないます際の損金算入制度の新しいワクを設けるということも一つの方法でございます。そういった意味で、できる限り自己資金をふやしていくと同時に、そういう助成の道も講じていく。これが根本的に考えるべき筋道じゃないか、こういうように考えておるわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 現在私立大学に全大学生の何割が収容されておりますか。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田政府委員 大体六五%くらい私立の方に収容しております。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 全大学生の六割五分が私立大学に収容されておる。そしてしかもそこでは最近の日本の重要な池田内閣の政策の一環であるいわゆる技術者の養成等も相当やっておる。そういう点から考えてみますと、これは非常な公共性があることは明らかなんですね。それは公共性があるから、今福田さんが言われたようないろいろの助成措置が、私学振興の措置がとられると思うのです。そうしますと、それをあまり強く進めていって、官学と同じ程度の金をつぎ込むということになると、福田さんの言われた私学にはそれぞれ伝統があるという自主性をそこなう。問題は公共性と自主性とがどう調和するかということが一つの大きな問題点だと私は思うのです。この調和ということは、結局思い切って国がある程度助成をやるということでないと、子弟が私学に行った者は、たとえば日本国民として税金を払うけれども、自分の子弟は私学に行ったためにその税金の恩典に浴さぬ。こういう形の不均衡が税法上からいっても出てくるわけです。そこで私はある程度その自主性を、国が金は出すけれども、最小限度の監督というか監査というか、そういうところをおやりになることでいいんじゃないかと思うのです。そうしないと、現状で私学をほうっておけば、これは金持ちの子弟だけしか私学に行けないという状態が出てくる。特に私立の有名校には金持ちの子供か、特に頭のいい子供以外には行けない。こういう実態がもうすでに出てきていますよ。これは日本の人物経済からいっても非常に損だと私は思うのです。こういう点もう少し国は政治としてやはり考えてみる必要があると思う。われわれの明治維新の先覚者というものは、日本の近代的な資本主義を発展させ、工業を発展させるためには、やはり教育に金を一番入れたのだ。いわゆる体系的な知識というものが一つの大きな資源であるということを当時の先覚者が悟ったということを、アメリカのピーター・F・ドラッカーという博士が日本に来てわれわれに演説をしてくれました。われわれは日本の明治の先覚者がそういうことをやったということを知って、それが私の一つの知識になっております。ということを多分共済会館か何かでドラッカー博士が演説したのを聞いたのですが、やはり今にして、所得倍増計画その他をおやりになろうとするならば、やはり私学の振興というものをふんどしを締めて、国が一つの政策として考えなければならぬ時期がきていると思うのです。そうでないと、これは日本の技術者の充実その他ができないのじゃないかという感じがするのですがね。今から技術者の問題に少し触れていきますが、そういう点荒木文部大臣どうですか。あなたのそこらあたりの漸新な考え方を一つお聞かせ願いたいと思うのです。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 あまり漸新な考えは持ちませんが、さっきも主管局長が申し上げました通り、国立、公立と私学というものは、これはまあ制度上せつ然と区別して理解すべきものと思っております。私学はあくまでも私学らしい伝統と特徴を持ち、国立、公立と相拮抗して今日に参っておるわけでありますが、御承知の通り授業料の点でこれを観察してみましても、なるほど私学が高い。あるいは教授面の給与から見ましても一差があるということは、私は原則的にはやむを得ないのじゃないかと思うわけであります。これが同じであらねばならぬとおっしゃる意味でもないと理解しましたが、そういう考え方は私学の存在そのものをスポイルするのではないか、こう思うわけであります。しかし、公共性を持った教育に従事する私学に対して、国民全体の立場で国が助成し援助するという考え方も当然あるべきだと思うのでございますが、だからこそ昔からやり続けておるわけですけれども、それにはおのずから限界があるんじゃないか、一定の線があるのではないかと思うのであります。それはすでに主管局長から申し上げました通り、学校施設、設備についてなるべく低利の資金をあっせんするというやり方と、国として私学に対して国の政策に協力してもらうということを要請するとするならば、その範囲に関しては経常費の支弁に充てるべき助成金なども考えてしかるべし、そういうふうな基本的な考え方から私学には臨んでいくべきものではなかろうか。それ以上にわたりますれば、もう私学独自の存在理由がだんだんと薄れてくる。そういうことはだから、やるべきではない、おのずから限界がある。こういう考え方で臨んでいくべきものかと心得ております。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 私はその限界点を一体どこに置くかということが今問題だと思うのです。現実に授業料がウナギ上りになって、もはや社会的な制約を加えなければならないという限界点に、常識的に見るときておると思うのです。たとえば官学と比べた場合に、そういう情勢があるのじゃないかという感じがします。そして入学金その他を莫大に取らなければ私学の経営が成り立たないという。これは明らかに社会的な限界をそういうとこで示してきていると思うのですね。そうしますと問題は私学の自主性というものは何にあるかということ、校風であり、教育の内容にあると思う。そうしますと国のやり得るところはどこかというと、設備と施設には国は幾ら金を出してもいいんじゃないかと思うのです。そこにおいてどういう教授を雇い、どういう教育をやるかということが私学の校風であって、建物や設備というものはこれは物なんですから、だから国はそこは出してもいいと思うのです。そして人間に出す分はたとえば奨学金で出す。その生徒に対する奨学金で出せばいいと思うのです。そうすると授業料の面はカバーされてくると思うのです。そういう点荒木文部大臣としてはどう考えるか。私の個人的な考えでいけば、限界というものは、設備や施設というものは国のお金で出しても差しつかえないじゃないか、出し得る最大限のものを出しても差しつかえない。官学ほど一〇〇%出す必要はないけれども、出し得る最大限出してもいい。しかし、そこにおける教育の内容その他については、私学独自の校風とやり方があるだろう。うまみがあるだろう。それに干渉する必要はない。それから、そとにおける生徒、学生については、いわゆる育英資金を拡充して、できるだけやってやる。これならば、私学の公共性と自主性とをそこなうことは私はちっともないと思う。ところが、問題はそれが行なわれていないところにある。結局授業料で全部やろうとする。わずかに国が二十四、五億しか金を出さないでいる。こういうことがやはり問題だと思うのです。その点どうですか。私は、限界はそういう限界でいったらいいのじゃないかと思う。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 まあ、大体お説に同感でございますが、学生に対する貧乏なるがゆえに困るという人々に対しては、奨学、育英の制度を拡充するにとによって幾らかでもそれを緩和する、そのやり方は当然やるべきものと私は思います。施設、設備につきましては、国が設備をしてやって、所有権はいわば国にある、あるいは公共団体にあるというふうなことは、私は、私学の独自性と申しますか、それをいささか侵すものではなかろうかと思う。従って、先刻も申し上げた通り、相当近代的な建築を施設として提供しようとするならば、莫大なる建設資金が要るわけでございますが、それを銀行等の民間資金では金利に追われて、それがまた授業料をよけい取らなければならぬ、入学金を値上げしなければならぬという要素にもなるわけでございますから、極力安い金を提供して、そして元利償還はみずからの計算においてやる。言いかえれば、所有権は自分のものだという姿はあくまで堅持させながら協力してやっていくのが施設、設備についての限界点ではなかろうかと思うわけでございます。そういう気持で先刻お答えしたわけであります。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 委員長、本会議ですから、本会議が終わったあとまた質問いたします。

北澤直吉自由民主党

○北澤主査 本会議散会後まで休憩いたします。    午後四時二十二分休憩      ――――◇―――――    午後六時十三分開議

北澤直吉自由民主党

○北澤主査 再開いたします。  質疑を続行いたします。滝井義高君。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 本会議前に引き続いて質問いたしますが、私学振興の問題で、いろいろと政府当局から当面の私学振興の対策をお聞かせ願ったのですが、しかし将来も国家公務員なり教職員のベース・アップがあるわけですから、そのたびごとに授業料を上げていくということは、これはなかなか大へんだと思う。従って、今後こういう場合に対する長期の見通しに立った対策というものはぜひ一つ御検討を願いたいと思うのです。  それから、国が私学の助成をやるからには、その自主性をそこなってはなりませんが、助成した金が正当に使われなければならぬことはまた当然だと思うのです。実はきょうの新聞に、都の監査委員が都の私立の小学校、中学校、高等学校、幼稚園に二度目の監査をやった結果がちょっと出ておるわけです。それを見てみますと、都では昭和二十五年以来私立学校の助成をやっておるようでございますが、監査を始めたのは昭和三十四年からのようです。今年で二度目だ。助成の金は三十四年に四億二千万円、三十五年度、今年度は四億九千六百万円の助成金を出している。ところがその監査をやってみると、三分の二くらいはどうもお小言をちょうだいしなければならぬようないろいろなミステークがある。たとえば三万円なら三万円の地所を買ったようにしているから調べてみると、それが二万六千円だったとか、八千円だったというようなこともちょっと出ておりましたが、これは私学の方が惑いのであって、こういう点は戒めなければならぬと思うのです。しかし都あたりでも四億をこえる金を義務教育諸学校を中心にして助成をしているとするならば、国もこういう監査制度をある程度自主性をそこなわない程度で活用しながらやっていくということも一つの方法ではないか、こう考えられるわけです。ぜひ一つこういう時代ですから総合的な私学振興の方針を立ててもらいたいと思うのです。  一体ことしは、文部省としては私学振興のためにどの程度の予算を当初お考えになっておったのですか。最終的には予算書には多分二十四億ばかり出ておるのですが、当初は一体どの程度お考えになっておったか。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田政府委員 私立学校の振興費につきましては、これは文部省のいろいろな局に関係いたしますが、私どもとしては、先ほどいろいろおっしゃいましたように、私立学校の振興という問題は現在の教育行政の中でも相当重要な問題でございますので、三十六年度におきましては、これは画期的に一つふやしていきたい。ふやすにつきましては、先ほどお述べになりましたように、いろいろ私立学校の自主性といわゆる公共性との調和の問題がありますので、自主性をそこなわないような方法におきまして助成を拡充していきたい。こういうような意味で、私立学校振興会を通じての融資、それから私立大学の理科設備に対する助成金、私立大学の研究設備に対する助成金、私立学校の教職員共済組合に対する補助金、そういうものを中心にいたしまして、まだそのほかにも産業教育関係の経費の補助がございますが、そういうものを、全体といたしまして約八十億近くの予算を一応計画したわけでございます。ところで、それはなかなか計画通りには参りませんので、三十六年度におきましては、今申し上げましたような私学振興関係の予算は、総ワクにおきまして二十七億七千万というような額になっているわけでございます。そのほかに若干のこまかいものもございますが、大体以上がその概要でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 荒木文部大臣の限界点は、やはり低利長期の金を融資するということが主眼になられておるようでございます。そうしますと、それが八十億程度の計画が、私学振興の部面では総ワクにおいて二十七億七千万円ということで、これは全国の大学の学生の六割以上を収容しておる私学の振興部面からいくと、なかなか少額で、すべての学校に潤沢とはいかなくても、まあまあ施設の整備だけのための長期低利の金を貸すほどにもほど遠いであろうと思うのです。従ってやはりその限界点を長期低利の融資ということにお置きになるならば、もう少しこういう点についても検討する必要があると思うのです。幸い国民年金なり厚生年金の金が相当潤沢に今後財政投融資計画の中に入ってくるわけです。そしてそれは今、住宅とか、病院とか、あるいは社会福祉施設とかいうものに使われようとしておりますけれども、私は、場合によったら、こういう私学の振興部面にも文部省は出してもらってみることも一つの方法じゃないかと思うのです。こういうところに一般会計から莫大な金をつぎ込むことが不可能だとするならば、何かそういう国民年金のような長期のものでやっていただくということになると、学校なんというものはやはり非常に長期の見通しのもので、簡単につぶれるものではございませんから、こういう点も今後御検討を願う必要があると私は思うのです。全国民的な規模で国民年金なり厚生年金なりが発足をすれば、どうせこの金は長期低利のものなんですから、それは今後軍需産業とかなんとかにはつぎ込んではいかぬ。政府もつぎ込みませんとおっしゃっておる。そうしますと、住宅その他にある程度いってしまいますと、その後には何兆という金が積もるわけですから、こういう教育部面、特に私的な学校の振興部面にも、文部省としてはこういう金に目をおつけになって考えてみる必要があると思うのです。どうですか文部大臣、そういう点お考えになったことはございませんか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 私も同感でございます。そのほかにもまた教職員共済組合の積立金等も出てくることと思いますが、こういうものにつきましても、内々事務当局と、雑談ではございますが、話しておるような次第でございまして、確かにお話しのような資金源も活用されてしかるべきものではなかろうかというふうに思います。検討させていただきます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 関連してお尋ねしたい。私学の問題は非常に重大な問題であります。そこでお尋ねをするのですが、文部当局は、日本の私立学校、特に私学の中でも私立大学の経営その他について、諸外国と比較して調査検討してみたことがあるの-かどうかということであります。と申しますのは、私学の経常収入の何%くらいが授業料におぶさっておるのか、私はそれをまずお尋ねしてみたい。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田政府委員 これは先ほども滝井委員の御質問にお答え申し上げたのでございますが、たとえばアメリカあたりの私立大学の経営の実態と日本の場合とは相当違うようでございまして、日本の場合におきましては、基本金といったような基本財産を持って、その果実として生ずる収益で学校を経常するというような考え方に立っていないのであります。従って校地、校舎が一応ございますれば、あとは経常収入だけでこれを経営していくという考え方に立っております。従って、その経常収入の大体七割近くが授業料その他に  よってまかなわれておるというのが現状でございます。その点、アメリカあたりの大学は、もちろん民間の寄付金も相当集まるのでございましょうが、相当な基本財産を持ってこれを経営しているというのが実情のようでございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 それだけではないと思うのです。私の調査ではそれだけではない営業しており、あるいは基本財産があるから、そういう収入だけでアメリカの大学はまかなわれてはいない。これは連邦政府なり州政府の補助金というものが相当の分野を占めておると思う。これは国会図書館の立法考査局の調査でありますが、アメリカでは授業料が経常収入の平均して三〇%くらい、英国になりますと十何%なんですね。だから物価に相当変動がございましょうとも、実は授業料に影響してこないのです。ところが日本の場合には、底が浅いものだから、今度の私立大学の授業料の値上げのようにいろいろな面で非常に影響してくる。私はやはりここが問題なんだろうと思うのです。そこで今直ちに基本財産がどうの、あるいは営業をやらしたらどうかというようなことを言っても、これはなかなかむずかしい問題でございますから、私も、滝井委員が申しましたように、長期のそういったような国家資金というものを何らかの形で教育の面に考えていくことが非常に大事になってくるのではないか。授業料のみによって私学をまかなうというこの考方をまず変えてかからないと、結局私立大学は金持ちの子供だけしか入ることができない、こういうことになろうかと思うのであります。今度の授業料値上げによる昭和三十六年度の私大の授業料、入学金その他を調査してみて驚いたのであります。文部省は、私立大学の授業料の一年間に納める最高額は、どこの大学で、その金額はトータルして幾らになるとお考えでありますか、念のためにお尋ねしておきたい。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田政府委員 私の方で調べました授業料の最高でございますが、文科系統におきましては甲南大学の五万八千円、理工系統におきましては慶応、日大等の六万円、それから医科、歯科におきましては慈恵医大等の十万円、大体そういうところが最高のようでございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 それは年ですか、月ですか。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田政府委員 もちろん年間でございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 私は今ここに資料を持ち合わせておりませんが、私が国会図書館で調べた数字とはだいぶ違うようです。実はその額よりももっと多  いのであります。いずれにしても、とにかく学生の六割ないし七割が私立大学を卒業したならば国の仕出に携わっておる。国立大学においては授業料がきわめて低廉であるのに引き比べて、私大の授業料は上がる一方なんですね。これは来年も上がるかもしれない、再来年も上がるかもしれない。こうなってくると、現実に国が学生を収容できないから私立大学に流れていくのですから、国が責任を持たなければならぬ。だから、そういう点からも文部大臣は一つ真剣に、単に授業料値上げという小さな問題でなしに、今後の私立大学の学校経営というものはどうなければならぬのか、学校財政はどうしたら確立するかということを御検討下さるように私は要望しておきたいと思います。これに対して文部大臣の所見を聞きまして私の質問を終わります。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 休憩前にも申し上げましたような考え方で、私学が公共性を持っておることも明らかなことですから、私学の特色、自主性をそこなわない限度であらゆる努力をし協力すべきものと心掛ます。先般も話が出ておりましたように、何としましても、私学の資金の獲得ないしは基本財産の形成ということが行く行くは当然問題にならねばならぬと私は思いますが、そういう意味でもすでにお答え申し上げた指定寄付制度をもっと窓口を広げて、私学に資金が集まりやすくする。さらに行く行くは個人の生前の贈与ないしは相続税との関連等も考え合わせた制度が考慮されてよくはなかろうか、私見でございますが思います。それらのことを総合的に、私学が、もっと堅実に安定して、しかもそのたびごとに授業料値上げにすべてを依存するということでないように、できることならばしたいものだ、そういう考えでおる次第であります。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 では私学振興の問題はそのくらいにして、次は理科系の教育の問題を少し聞いてみたいのです。所得倍増計画によりますと、昭和四十五年度になりますと、工業高等学校程度の技術者の不足が四十四万人、さらに技能者を見てみますと、技能者については新たに職業訓練によって充足をしなければならないものが百六十万人、再訓練を要する者が百八十万人と、こういうように所得倍増計画におきましては、これらの技術を持った新しい労働力あるいは労働力の再編成が行なわれなければ、所得倍増計画というものは絵にかいたもちになるおそれがあるわけです。この面は文部行政における科学技術の振興あるいは技術教育の実践ときわめて重要な関連を持つわけですが、この高校生の急増対策として、ことし三十六年度の予算を見ると、工業高等学校に一億九千二百九十七万六千円の予算が計上してありますが、そのほかに産業教育の振興の面で、施設の充実その他の予算が計上されておるわけです。三十六年から四十年までのこの生徒急増において、高等学校は、さいぜんちょっと野原さんの質問に答えておったようですが、それをちょっと聞き落としたので、もう一回ごめんどうでしょうが、高等学校は幾ら作って、そうしてその中で工業高校と普通高校の配分はどうなるのか、ちょっと御説明願いたいのです。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 生徒急増につきまして、大体百万から百十万くらいの収容をいたしたい。この中で七割を公立で、三割を私立で見るという建前をとっておるわけでございます。従って六十五万から七十万程度を公立で収容する。この場合に一割程度のすし詰めで二十六、七万を想定いたしておるわけでございます。それから今三千校でございますが、既設の学校に一割程度の学級増加をいたしまして、二十七万程度を収容したい、残り十五万を新設でまかないたい、こういう基本的な考えを持っておるわけでございます。そこで新設の場合に、十五万を七百五十人の規模で換算しますと、約二百校ぐらいになると申し上げたわけでございます。そのうち六割程度は工業高校に充てたい、こういうことでございまして、先ほどお話の四十四万人に対応いたしまして、大体工業技術者の不足が私どもの計算によりますと、八万ぐらいは必要ではなかろうか。しかしこの数字は、まだ大蔵省と十分に今後検討しなければならない数字でございます。本年は、とりあえず一万人の増募計画をいたしまして、八十五課程の予算を組んだのでございまして、これが産業教育振興法の中にありますところの新設の課程等による分でございまして、実験実習費と設備合わせて三億三千万計上したわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 そうしますと、その百万ないし百十万の収容ということになりますと、これはどういう算定の基礎から出てきた数字でしょうか。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 これは現在の、昭和三十四年を基礎にいたしまして、その進学率を落とさないということで計算をしたわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 そうしますと、中学校から高等学校に年々百万ずつ進学をするという、そういう見方ですか。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 急増期間中に中学校の生徒のふえる分が約二百万でございます。その二百万に対応いたしまして、百十万程度のものは収容いたしたい、こういうことでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 関連して。今の資料ですね、百十万というのに対する対策というのは、相当かたい踏み方をしておられると思うのですが、今のお話だと、百万ないし百十万が今度は百十万ないし百二十万になるというので、この数字はちょっとさっき私お聞きしようかと思ったのですが、もう少し厳密に三十六年度の中学校の生徒の総数は幾らか、そしてピークのときには中学校の在籍総数は幾ら、高等学校の場合はどう、これは卒業生の数から出てくると思いますから、それをあげて御説明願わないと、ちょっと納得がいきかねると思います。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 中学校の卒業者の数というのは、例年百八十万から二百万くらいでございます。昭和三十一年が百八十七万で三十二年が百九十九万、三十三年が百八十九万、三十四年は百九十七万五千、三十五年の卒業が百七十八万でございまして、三十六年になりますと、これががたっと落ちまして、百四十万に落ちるわけでございます。これは三十七年に百九十五万、三十八年が二百五十万、三十九年が二百四十万、四十年が二百三十六万、こういう数字になっておるわけでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 今の資料からすると、三十六年が一番少ないところになると思います。そうするとこのときの中学の在籍の総数というのは、大体五百万程度、それの六割が進学するとすれば大体三百万ですね。ところがピークの場合は、二百百五十万と二百四十万と二百三十六万、そうすると七百二十六万、約七百三十万。そうすると六割としても四苦三十万強で、これは百三十万ぐらいふえることになるのじゃないですか。そうするとさっきおっしゃったように百万ないし百十万が、今度は百十万から百二十万になって、今の資料からすると、六割進学するとすれば百三十万になって、実際は今の計画とは二十万くらいズレができるのじゃないですか。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 それはあなたの資料は一番低い百四十万を基礎とされておりますが、中学校の平均をとってみますと、過去数ヵ年間の平均は一学年の進学が大体二百万に近いわけです。これは三十一年から見ていただきますれば、三十一年が百八十七万、三十二年が百九十九万、ですから一番低い百四十万をとられるとそういう数字になろうかと思います。これは三十六年が百四十一万。ですからその後ピークになりましても二百五十万がピークでございます。私どもの推定では急増の分は二百万以下だと推定しているわけです。その六割を見ておりますから、百十万で十分間に合うという計算でございます。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 ちょっとおかしいんですね。二百万と見て、二百万の六割は百二十万でしょう。だから百十万ではそこに十万食い違いができる。この場合十万という数はかなり大きい数だと思うのです。それじゃ百二十万を対象にして建てなければいかぬのじゃないかということを言っているのです。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 私が二百万と申しましたのは、中学校の生徒が急増期間中にどの程度ふえるかという卒業生の数でございます。かりに二百万が二百五十万になりましても、一学年五十万でありますから、三学年で百五十万、百五十万の六割ということになるわけです。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 私は実はそこを少し労働力との関連でお尋ねしようと思って、技術者の問題を出してきておるわけですが、所得倍増計画における労働可能人口の推移を検討した――その委員会は忘れましたが、実は委員会に出しておるわけですが、これによりますると、昭和三十五年における中学卒の労働可能人口は七十二万人です。三十六年は五十一万人、それから三十七年は七十六万人です。三十八年は百五万です。三十九年は九十八万です。四十年は九十一万とこうなってきているわけです。そうしますと、あなたの方の労働可能人口は卒業してから進学しないという人たちですから、あとは進学をすることになってくるわけですから、そうしますと三十五年で百七十八万卒業して七十二万ですから、ここはいいわけです。百万ちょっとです。その次の三十六年は五十一万ですからこれはいいわけです。三十七年ごろになってきますとがたっと違ってくるわけです。三十七年で百九十五万で七十六万就職しますから、これも百二十万そこそこになる。それから三十八年になると二百五十万が百五万ですから、百四十万ぐらいになってしまう。その次、三十九年が二百四十万で九十八万ですから、ここも百四、五十万になってくる。こういうように三十八年から四十年における急増というのが百万から百十万をはるかにこえてくるわけです。この推計は労働力の方からの推計で、従って当然これは教育の方の進学がそれとうらはらの関係で合っておらなければならないはずですが、今の局長さんの説明とは合わないわけです。同じ所得倍増計画から出ている推計です。ところが四十年になりますと中学卒の労働力人口は四十六万です。そうすると高等学校卒の労働可能人口がふえて、これが百七万になってくるわけです。こういう形になってきておるわけですが、今の御説明の百万から百十万の急増対策のところと少し違ってくるのですが、その辺の食い違いをちょっと説明していただかないと……。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 お話しの点は、私、百十万と申しましたのは、これからふえる分が百十万と申し上げたのです。あなたの御指摘になったのは三十六年に百四十万出てその高校の進学率を六〇%以上と見て九十数万が高校に行く。それから三十七年度は六一%の進学率と見て百二十万が高校に入る。それから三十八年が百四、五十万、三十九年も百四、五十万、四十年も百四、五十万、これはみな合っております。そこで私どもの申し上げたのは、要するに総数でどの程度今から規模をふやすかということで百万から百十万と申し上げたわけなんです。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 そうしますと、総数で百十万ぐらいふやすとすると、総数が三十八年から四十年までは一年、二年、三年が全部百四十万になってしまうわけですから、だから総数で百十万ずつふやすということになれば三百三、四十万から三百六十万でしょう。そうするとこちらは四百二十万になるわけです。三十八年、三十九年、四十年は百四十万になってしまうわけですから、そうしますとそこに収容能力というものについては格段の違いが出てくるわけです。今局長が私の数字と同じだというのも、三十八年は百四十万でしょう、三十九年も百四十万、四十年も百四十万ならば、一年、二年、三年は全部百四十万ずつあるわけですから、従ってこれは四百二十数万になるわけです。そうするとあなたの方の百十万が百二十万に見ても三百四、五十万しかないから、そこに五、六十万の差が出てくるわけです。そこら辺どうですか。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 私ども基準年度を三十四年にとっておりますが、三十四年の収容力は百十二万ございます。ですから今御指摘のように三十八、三十九、四十年が百四十数万といたしましても、その差の三倍になるから大体合うと思っております。もう一度御説明しますと、三十四年の高等学校の入学者の数が百十二万になっております。そこで三十八、九、四十年が百四十数万でありますから、差引三十数万の差が一学年ずつ出るから三学年で百万くらいになるわけです。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 わかりました。三十万ずつの差がでるから、従って三ヵ年なら三三が九、九十万ないし百万を今後ふやしていく、こういうことですね。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 そうです。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 わかりました。それで数字が合った。百十万程度ふやすということがわかりました。問題はそういう工合にふえていくと、その中で六割を理科教育をふやすわけですね。いわゆる百十万のうちの六割は理科系の高校をふやすのではないですか。どの程度理科系をふやすか。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 理科教育で特に工業技術者をふやすのは八万予定しておるわけでございます――失礼いたしました、八万の三倍でございますから二十四万でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 そうしますと、さいぜん所得倍増計画で工業高校程度の技術者が四十四万ほど不足をするというのに、それから先の四十五年までに四十四万不足ですから、そうするとこの二十四万人の充足というのは昭和四十年までの充足が二十四万になるのですか。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 この計画は卒業生が出ますから、そうすると四十五年にはこの計画のテンポで参りますと四十四万になる、こういう数字でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 それで大体数字が合いそうです。そうしますと問題は、八万人の理科教育をやる先生の問題になるのです。その先生はすし詰め教室や既設の設備の中における学級の増等をやれば、この分についての先生はそうたくさん理科系の先生を増加しなくてもいいが、新設分については全部新たに持ってこなければならぬことになるわけですね。そこで現在神奈川県で理数系の先生を募集しておるのですが、数学百十人に対して応募したのは六十一人、物理が四十五人に対して十人、化学が三十五人に対して二十七人、工業が六十五人に対して十三人です。そこで小学校の先生の中で、こういう数学とか物理とか化学の資格を持っている先生を全部回すと、物理と化学はどうにか充足ができる。ところが数学に至ってはなお二十人、工業も三十人不足する。ところがそれを全部回したのでは小学校が大へんだ。そこで高等学校の先生の募集で今までは制限年令三十才以下としておったのを取っ払って三十以上でもいい、こういう形でしてもなお集まらぬという情勢が出てきておるわけです。この問題は、教える側の充足を一体どうするかということですが、これを一つお聞かせ願いたい。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤政府委員 まず第一に、教職員免許法という法律がございまして、その中で、先生になるためには特別に、技術者のほかに教員としての教養が必要なのですが、その単位がなくても先生になれる。これによって、民間会社におりますけれどもどうも会社には不向きだという方もございますので、それを一つ給源に充てているわけです。そのほかに、工業教員の臨時養成所で大体一万人近くの養成を見込んでいるわけです。今お話しのように、なお中学校や高等学校で工業の先生もおることでございますので、ことに旧制の専門学校を出た先生方もおりますので、こういう点も活用いたしまして何とか間に合わせたい。それからお話しのように、採用の年限を三十才で切っているのを上げるとか、あるいは定年になった先生を延ばすとか、いろいろな方法を講ずることが、一つでございますが、そのほかに工業につきましては初任給調整をぜひつけたいということで、人事院とも今協議をいたしておるところでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 これは非常に重要な問題になってきたわけですが、そうしますと問題は、教職員の免許の特例をやらなければならぬことになるから法律改正を必要としますね。当然そういうことになるでしょう。そこでさっき出た、全国に九ヵ所お作りになる工業教員の臨時養成の問題ですが、これは予算を見ますと、大学の付属として九ヵ所お作りになるようになっており、多分三ヵ年だったと思うのですが、三ヵ年で一体工業高等学校の先生になれるのかどうかということが一つです。三ヵ年でそれだけの指導をする実力ができるかどうかということ。これは六・三・三・四の体制とは違うわけですよね。四ではない、三です。それで一体資格ができるかどうかということが一つ。  もう一つは、今、初任給の調整を工業学校の先生についてやるということは、初任給を引き上げるということだと思うのです。その点で、すでに現実に教務をとっておられる先生方の給与の格差をどうするかということの問題を私はお尋ねしようと思ったが、あなたの方から先に上げるとおっしゃったのだが、そうすると既存の教師との間の関係が一つ出てくる。  もう一つは、この工業教員の養成所を卒業して、そうして一定の期間学校に勤めた場合には、授業料の免除をやることになっております。そうしますと、今どこでも技術者が不足である。だからそこを三ヵ年で出たということになると、これは昔の専門学校程度で、技術者としては中堅技術者でみんな引っぱりだこですよ。それでもし民間に、学校の先生になるよりは高い給与で引っぱられたりしたら、月謝を負けてやったくらいでは問題になりませんよ。月謝といっても百万も二百万もとる月謝ではないのですから、問題にならない。そういうところに引っぱられてしまうおそれがある。こういう三点に対する対策を一体どうされるのかということです。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 工業高等学校教員養成のために、明年度から国立の工業教員養成所を特に設置する計画でございますが、これに関連いたしまして、ただいまのお尋ねは、要するに三ヵ年の修業年限で、はたして工業高等学校で教育をする力のある先生ができるかということでありますが、確かに従来は、四年の修業年限である工学部で教育を受けて、さらに教養科目等をとって先生になるというのが原則でありましたが、現状では御承知のように、この四年の課程を出た学生は、たとい免許状をとりましても産業界の方に入って、先生になる数が非常に少ないわけであります。そういう点も考え合わせまして、三ヵ年という一年短い年限の間に、できるだけの実力をつけるような特別の教育をやりたいということで、この工業教員養成所の課程では、教養科目と基礎科目と専門科目と、この三つに重点を置いて、もっともそのうち一番重点を置きますのは専門教育科目でありますが、少なくとも基礎教育並びに専門教育の実力の点からいえば、大学の四年の課程を終わった先生に劣らない実力を持たせたいということを念願してこれらの学科目を定めたいと考えております。  それから既存の先生との給与の点でありますが、この修業年限は三ヵ年でありましても、この卒業生には大学卒と同等の給与の格づけができるように何とかしたいと思っております。まだ格づけはいたしておりませんが、そういうような一つの恩恵と申しますか、効果を与えて、優秀な学生をこの養成所に吸収するように努めたいと思っております。そのために今までの先生の給与を特にどうということは、現状では考えておりません。  それから、単に授業料の猶予あるいは免除というような、きわめて名目的な、一種の拘束と申しますか、それだけで卒業生が産業界に行くことをとめることはできないのじゃないかというお尋ねであります。確かにこの養成所を卒業いたしましても、就職の義務というものは課せられないと思います。従って猶予された、あるいは免除された授業料を払って他に行くということは可能でございますが、しかし私どもとしては、もちろんそういう者もある程度出るとは思いますけれども、この養成所に入る者については、初めから教員を志望するという者をなるべく入所と申しますか、入学させるようにして、できるだけその養成所の卒業後の先生になる歩どまりを高くしたいというふうに考えておるわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 現状における日本の理工科系の学生が一体どういう形態で就職をしているかということは、これは実態をお調べになればすぐおわかりになる。これは娘一人に婿八人です。引っぱりだこです。だから理工科系の学生というものは、夏のころにはほとんど就職がきまっているというような状態です。自分の希望するところにみんな実習に行っていますよ。従って今なかなかうまいことを言っていらっしゃるけれども、三年後になってみたら、その者は全部有力な会社に行ってしまっておったという形になりかねない。これはどこに関連してくるかというと、さいぜん私が御指摘を申し上げましたいわゆる日本の今度労働省の方でやっております職業訓練あるいは技能者の養成、こういう面と関連してくる。もう日本の重要産業では技術者が足らぬので困っておるのです。たとえば最近われわれの故郷における炭鉱、炭鉱が斜陽だというので、炭鉱から工学部その他を出た技術者というものを引っこ抜きを始めておる。だから炭鉱会社というものは周章ろうばいをしておるわけなんです。そういうような現状です。生産力を拡充しようとすれば、そういう優秀な技術者を持っておらなければどうにもならない。ところが今あなたのおっしゃるような基礎学科についても、専門科目についても、三年であっても四年の実力を備えるような優秀な人を作ろうとすれば、それが優秀であればあるほど民間会社の垂涎おくあたわざるものにはなるわけです。そうなんですよ。だから一生懸命なけなしの財布をふるって文部省の予算の中からとって、人物は八百八十人ずつ養成した、将来一万人にもなるという。養成したけれども、それは民間の企業にとられてしまったということにならないとも限らないのですよ。トンビがあぶらげをさらっちゃうということにならないように、よほど努力をしてもらわなければならぬと思うのです。  あとの技術者との関連はいずれ労働で、職業訓練との関連がありますが、時間がありませんが、あと一つありますから、そういう点をぜひ注意をしていただきたいと思います。労働省の方の職業訓練と技術者養成との関係というものは一つ十分連絡をとって、総合的な見地に立って調整してやってもらいたいと思うのです。それだけ希望しておきます。これで技術教育関係はいいです。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 関連して。教職教育課程を履修しない者を教師に採用する、こういう考え方は戦前の臨時教員制度の復活なんですね。これは新しい教育制度の根本的な改編に通ずると思うのです。これは重大な問題です。小学校の教師といえども、旧制の師範学校では、だめなんだというので、学芸大学を作ったのであります。これは新しい教育制度のねらいです。それを今度は間に合わせの教師をにわか仕立てをしてやろうというのですね。だから私はこの法案が出たときに十分審議もし、検討もしたいと思うのでありますけれども、文部省の提出予定法案の中に、国立工業教員養成所の臨時設置等に関する法案が二月中旬として予算委員会では配付をされた。これはまだ出ていない。もう三月なんです。私どもは予算委員会でこういう学制の根本に関するもので、しかも予算審議にきわめて重大なものはすみやかに出してもらわなければ貫任は持てないということを、川俣理事から予算委員会の議事進行で発言をしております。この法案はいつ出すのか。予算が通ってからこんなものを出して押しつけてきても社会党は責任を持ちませんぞ。これはいつ出すのです。お尋ねします。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 その内容につきましていろいろ検討に手間をとりましたが、すでに閣議決定を経まして数日のうちに御提案申し上げる順序になっております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 予算が通過してから、予算審議に文部予算の関係で最も関係の深いものなんです。だから予算に関係のある議案だというマークまで打っておる。これは予算がいつ通過するかわかりませんが、まあ数日のうちにこれは通るでしょう、おそらく。それを予算通過のぎりぎりになってから出すというようなこういうやり方は、この法案審議の上にマイナスだろうと私は思う。堂々とこういうものは出さなければならぬ。文部省は予算要求したのですから、そのための予算要求をしたときに、臨時教員のことは頭にあったわけだ。それを故意におくらせておるという、こういうやり方は、あらためてこれは追及いたしますけれども、私は承服できない。これは党を代表してこのことを申し上げておきます。これで終わります。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 臨時の工業教員養成所の問題は非常に大きい問題をはらんでおりますから、いずれこれはまた法案が出てから予算との関連で検討させていただきたいと思います。  次は大学の付属病院のことです。御存じの通り、この大学の付属病院は研究もやるし、治療もやるし、そこではインターンの学生なり医学部の学生の実習、臨床の教育も行なわれる。こういう研究、治療、教育の三足のわらじをはいておるわけですが、これは昨年か一昨年の予算委員会でも私ば問題にして、同時に社会労働委員会でも特に主計官に来ていただきまして、多分あなたの前任者だと思いますが、いろいろとお尋ねをしたわけです。なお最近問題がありますのでお尋ねをするわけですが、この付属病院の院長なり部長というものは、これは医学部のプロフェッサーが多分おなりになっておると思うのです。そうなった場合にこの給与の関係は、大学の付属病院、予算書でいえば付属病院の方でお払いになるのか、それとも国立学校の給与の中からお払いになるのか、これはどちらでお払いになるのですか。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 国立学校の場合でございますと、院長の俸給は国立学校の方でございまして、病院の方ではございません。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 そうしますと、病院長を兼ねる場合は医学部長を兼ねたりしておるわけですが、その場合病院の方からは全然手当も何ももらわずに、病院では無給で働くことになるわけですか。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 病院長を医学部の教授が兼ねましても、その給与は医学部の教授としての方で支払われるわけでございます。病院の方からは特にそれに関しての病院長としての給与を受けるということはございません。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 そうしますと、現在全国で大学の付属病院は、公立と私立と分けて、総数幾らで、国立幾ら、公立幾ら、私立幾ら、これはどういう工合になっておりますか。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 大体医学の方を申しますと、医学の方は国公立私立合わせまして四十六でございまして、歯の方が七つありまして、合わせて全部で五十三ということになっております。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 今のお話では、プロフェッサー等が病院長を兼ねておっても、俸給の方は国立学校の方で出ている。もちろん病院長としての管理職の手当は、これはおそらく出ておると思いますが……。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 お話しの通りでございます。管理職手当は出ております。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 それはわかります。そうだろうと思います。それで私がお尋ねしたいのは、全国四十六の国立、公立の付属病院と、歯科の七つの付属病院、計五十三は、これは全部保険の治療に当たっておりますか。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 今私が申し上げました数字は大学の数でございまして、医学関係の大学が四十六、歯学関係の大学が七ということで、病院数の方は別でございます。たとえば分院を持っているところもございますので、病院の数といたしましては医学関係が八十五、それから歯の方の歯学の方は八、こういう数字になっております。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 その八十五の病院と八の歯科の病院というものは、これは分院も加わっておるのでしょうが、全部保険を見ておりますか。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 国立の病院は、これは全部社会保険を扱っております。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 そうしますと、これらは全部保険医療機関になっておるわけです。そこで保険局の医療課長さんにお尋ねしますが、これらの八十五の病院と、八の歯科の病院は保険医療機関になっているわけですが、そこに従事しておる人はみんな保険医になっているんでしょうね。

館林宣夫厚生技官(保険局医療課長)

○館林説明員 多くの従事員は保険医に登録されておりますが、一部保険医に登録されていない者もあると思います。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 多くの者は保険医になっておって一部保険医でないという、その一部保険医でない者というのはどういうものですか。

館林宣夫厚生技官(保険局医療課長)

○館林説明員 研究室勤務の者あるいは助手としまして主任医師の下で働いておる者の一部にはそのようなものがあるかと存じます。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 大蔵省でもいいし、小林さんの方でもいいですが、この八十五の病院に働いていらっしゃる方で給料をもらっている人が何人で、無給が何人かおわかりですか。病院の定員は、ここに予算も出ておるわけですから、これを指摘いただけばわかると思うのですがね。ちょっと僕らがこれを見ても、たとえばこの予算書の三十一ページをごらんになると、医療職俸給表(一)の適用を受けるものと書いて医師六十二人と書いておるのですよ。そのくらいしかないのですが、大学付属病院に医師が六十二人とはおかしいんですね。その六十二人で八十五の病院をやっていけるはずもないし、だから一体給料をもらっている人が何人おるのかですね。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 医学部と付属病院との関連におきましては、御承知のように臨床関係の研究室は大体付属病院の方にあるわけでございまして、そして臨床関係の先生は医学部の教授でございますが、これはすべて臨床と申しますか診療に当たるわけでございます。その方々は先ほども申し上げましたように医学部の方で給料を受けているものでございますが、しかし実際には診療に当たっている。それ以外に病院専属のたとえば助手、あるいは場合によっては分院等の助教授というようなものもあるわけでございます。そういう人の数が六十二ということであるわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 それでは、学部の方から聞かしていただけばわかると思います。全国で八十五の付属病院なり分院があるわけでしょうが、医学部なら医学部で、内科学なら内科学の教室、たとえば小林内科学教室というものがあるとしますと、その小林内科教室というものは、付属病院で当然小林内科を持ってやっておるわけですね。そうすると、その一つの講座を握っていらっしゃるプロフェッサーのもとにおいては、給料をもらっておる人が何人おるのですか。教授、助教授、講師と、こうおると思うのですが、そのほかにたくさんの助手がおるわけですね。研究生もおるでしょう。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 大体講座に属するものといたしましては、教授、助教授それから助手、これは臨床関係におきましては、普通一、一、三ということで講座を編成し、研究室を形成しているわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 一教授、一助教授で助手が三と、こうなるわけですね。そうすると、教授、助教授、助手の三の五人は、全部保険医になっておりますか。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 これは全部保険医になっておるはずでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 だんだんわかってきましたが、そうしますと、小林教授なら小林教授の教室に五十人の教室員がおって、同時に病院の臨床も見ている、こういう形になるわけです。そうすると、その五十人なら五十人のうちで、五人のほかに何人が給料をもらっておることになるのかです。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 これは有給の診療助手が配属されておる場合がありますので、それにつきましては、これは病院専属でございますから、当然国から給与を受けているわけでございます。それ以外の者、たとえば研究生とか無給の副手といっております者は、国からは給与を受けていないはずであります。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 そうしますと結局五人のほかに、今の病院から給与を受けているというのは、医療職の俸給表の(一)では六十二人のわけですから、従って一人あるかないか、こういうことになるのですね。そう理解して差しつかえないでしょうか。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 この各日明細の三十一ページにございます数字で申しますと、その中段の備考にあります助教授四十二、講師四百七十二、助手一千四百一、教務員六十九、これがいわゆる病院から給与を受けている職員であります。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 そうしますと、教育職の俸給表の(一)の適用を受ける助教授、講師、助手というものは、これは医学部の教授なんだけれども、病院に配属されておる。従って、給与は国立学校の方ではもらっていないこういうものなんですか。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 これは大体病院専属の教職員でございまして、従って、基礎の医学部の方からは給与を受けてない者の数でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 そうしますと、助教授は付属病院の助教授と、それからいわゆる国立学校の教育職の方の助教授と二通りになっておるわけですね。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 さようでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 わかりました。そうしますと、全国八十五の病院ないし分院に約二千人程度の者が給与をもらっておるわけですね。これを一つの病院に割り当ててみますと、二十人ちょっとになるわけです。そうすると、各科別にいきますと、やはり五人の教授と助教授と、それから助手の三人とあと一人か二人、こういうことになるわけです。これは間違いありませんか。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 頭割りにいたしますと、大体そういう数字になるわけでございます。要するに、国家公務員として国から正規に給与を受けておる病院の職員は一病院、一学科、一診療科当たりにしますと、非常に数は少ないということでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 そこでお尋ねするわけですが、そうしますと、館林さんの方の現状としては、おそらく保険医というものは、教授と助教授とそれから助手の三人と、ほかに一、二が保険医ではないかと思うのですね。これは保険医療機関としては違反をしておるわけです。医者の大部分が保険医でないくせに、たった四人か五人しかいないのに、保険を全部見ておるということになると、これは大学としては明らかに健康保険法違反です。だから、おそらく大部分の者が保険医であって、保険医でない者が少ないというのが実情でなければならぬわけですが、これはそういう実情になっておるのでしょうね。

館林宣夫厚生技官(保険局医療課長)

○館林説明員 特に大学についてただいま正確な資料はございませんが、私どもとしては、診療に差しつかえない程度の医師が保険医になっておるものと思っております。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 そうしますと、これから主計局にお尋ねするわけですが、保険医ということにするとその診療について責任を持たなければならぬわけです。健康保険法では診療に従事するのは保険医でなければならぬ。従って、間違いが起こればそれは保険医を取り消されるわけです。取り消されるばかりでなくて、不都合があれば、大学病院は保険医療機関の取り消しを受けることになります。厚生大臣が、文部大臣が所管をする保険医療機関を取り消すなんということは、実際問題としてはできないのですが、法理論としてはできることになるわけです。そうしますとそこに働いておる保険医が、毎日大学の診療料をかせいでおるにかかわらず、これは無給であるはずはない保険医の身分を与えて責任を持たしておるわけです。そうして、これは、もし間違いがあれば罪に落とされるわけですよ。そういうものが無給であってはならぬと思うのです。この点に対する主計局の考えは、一体どうしてこういう実態になっておるのかということですね。一人か二人しか給与を払っていない。

佐々木達夫大蔵事務官(主計官)

○佐々木説明員 お説の通りだと思います。保険医として働いている限り俸給をもらっているというふうに考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 そうすると、当然俸給は払わなければならぬわけでしょう。現実は払っていない。有給の者は全部で五人か六人しかいないわけですから、全部無給で働かせておるわけです。そして、保険医になっているのですから……。

佐々木達夫大蔵事務官(主計官)

○佐々木説明員 無給の者は副手といいますか、副手として入っているのは研究的な意味で入っておるのでありまして、保険医として働いておる者につきましては、今回の予算で、ほんとうに診療にタッチする者については、ある程度増員をして定員化いたしておるようなわけであります。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 主計官、あなたがこれを査定されてこの予算というものができておるわけなんですが、現在大学において働いている総数というものは何万人とおるのですよ。ところが実際に俸給の項目に出てきておる者は二千人かそこらしか実は頭は頭が出ていないわけです。しかし、大学があれだけの患者をあれだけの財力をもってやっておるというのは、そこにたくさんの保険医が働いていることによって、あれだけの収入も上げておるし、あれだけの患者も見ておるわけです。ところが、金をもらっている人は、今御説明の通りプロフェッサーと助教授と助手とあと一人か二人しかいない、こういうことなんです。五人か六人でやっておるわけです。しかし、保険医というものは三十人か四十人おるわけです。だから、保険医ならば当然給与を出さなければ責任を持てないわけです。だから、私は、これをなぜ給料を出さないのか、こう言うわけです。

佐々木達夫大蔵事務官(主計官)

○佐々木説明員 御説明申し上げます。  今のは副手といいますか研究員といいますか、その関係のことを先生はおっしゃっておると思いますけれども、この研究員は研究のために入っているということで、これは保険医としては、私どもはなっていないのじやないかというふうに考えております。従いまして、保険医となっておる者につきましては、先生の御説のように、今回の予算においても、要求等を勘案いたしまして、ある程度の増員といいますか、現実に診療にタッチしている者について今度増員をいたしまして、定員化いたしておるような次第であります。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 そうしますと、保険医になった者は定員化をして給与を出すようにしておる、こうおっしゃるのですか。

佐々木達夫大蔵事務官(主計官)

○佐々木説明員 完全に保険医となれば、研究生というものに対してではなく、ほんとうに保険医として診療にタッチするという者につきましては――ただ、文部省からの御要求にそういう保険医というような説明がございませんでしたから、その点私どもも現状にタッチしておりませんけれども、現実に国の診療機関におきまして、保険医として診療している者につきましては、その定員化をはかっていくという方針で査定をいたしております。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 先般、あなたの前任者はどういう答弁を私にしたかというと、大学では教授と助教授と助手の三人以外は認めておりません。あとは全部そんなものを認めたらこれはやみだぐらいに御答弁されたのです。ところが、今度は、大学が保険医療機関というものに指定をされて、それで、そこの研究生であろうと何であろうと、保険の患者を見るからには保険医でなければならぬ、こういう法律の体制が昭和三十三年からできたわけです。従って、あなたのおっしゃるように責任を持って、保険医として患者を見ておるなら、これは当然何がしかの給与を与えないと責任が持てなくなるわけです。これは理論的に筋が通っておるわけです。ところが、現実はそれが与えられていないのです、いないところに問題があるのです。だから、それを今後は、保険医であるからには助手であろうと副手であろうと研究生であろうと、保険医となったからには与えなければいかぬというのが、私の主張なんです。それを今後与えますかというわけです。

佐々木達夫大蔵事務官(主計官)

○佐々木説明員 今の実態をよく調査いたしまして今後対処いたしたいと思います。ただ私ども査定をいたします場合に、一応基準といたしまして、教授一人一助教授一人、それから助手ですか、こういうことになっておりまして、そういう資格が与えられるならば、大学の形態といたしまして、何か助手という名前か何かそういうところの増員というような正式な形で採用すべきだと私ども考えております。ただそれ以外は私どもは一応研究生ということで現在解釈いたしておりますので、ほんとうにそういう資格があっても、現状がそういうことであるならば現状をよく調査いたしまして対処いたしたいと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 これは館林さんに、今大蔵省は現状はそういう実態であるならば対処したい、こういうことなんです。これは日本の今もめている医療制度にやはりメスを入れるのはここから入れていかなければ私はだめだと思うんです。それは現実に医療に従事する技術者の俸給が安いということは一体何でこういうことがきておるかというと、無給で働いておる人たちがいる。そういう人たちがプロフェッサーの命令で、あなたは山形県の東根の病院へ行きなさいということで行くわけです。ところがそこで問題が起こって教授が、気に入らないからと言うと、全部引き揚げてしまうんです。給料をもらっておらぬから責任がない。全部プロフェッサーの命令で動かなければいけない。山形県の東根に行ってごらんなさい。東北大学のプロフェッサーが腹を立てて全部引き揚げちゃったんです。そういう問題が起こってきているわけです。だから問題は保険医として大学に働く場合には、保険医としての俸給というものを、たとい大学であろうとどこであろうと、与えなければならぬわけです。これをやっていないところに問題があるわけです。どうですか、今大蔵省がそういうはっきりした言明をしました。保険医としてはっきりとした名称をもって働いている人には、これは当然俸給を出すことについては、定員化その他を検討しなければならぬとおっしゃったわけです。前の主計官とは違ったわけなんですね。あなたの方はどうですか。現在の大学でお調べになって、私は、診療をやっておるからにはほとんど全部保険医でなければならぬと思うんです。そうするとその保険医は全部給料をもらわなければならぬわけですよ。もらわぬことはうそですよ。無給で働くなんということはないです。研究は研究、治療は治療、保険医として治療をするのですから、そうでなければ大学を保健医療機関としてやめるかどうかしないとその矛盾は解決しないと思うんです。どうですか、館林さん、保険を見る者は申請をしてもらって、きちっと保険医にして給料をやるということになると、研究態勢というものはずっと進んでくると思うんですが、どうですか。そこらあたりはあなたは責任をもってやれますか。監督官庁としてどうですか。

館林宣夫厚生技官(保険局医療課長)

○館林説明員 大学は一般の、たとえば国立病院あるいは他の日赤、済生会病院と違った主義を持っておりまして、特に研究を主眼とした職員が相当おることと思います。それらの諸君は、主任教授の指導を受けて診療に従事をしておるわけでございまして、その意味においては必ずしもそれらの中に保険医ならざる者がおりましても、その診療の一切の責任は教授にあるというような取り扱いの場合もございますので、あるいは診療助手という立場の人たちもおることと思います。しかしながらご指摘のように大部分の責任をもって診療に従事する医師が保険医でなければならないという要請はあるわけでございまして、それらの職員がそれに相応する待遇を受けて診療に従事することは望ましいことではございますが、ただ社会保険の診療報酬が大学の経営ということを対象にきめられるものではございませんので、診療報酬はわが国の一般の医療機関の維持管理あるいは内容の向上ということをはかってきめられるわけでございますので、大学という特殊状態の病院に対して収支をはかって考えるという扱いをいたしておらぬわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 私は何も大学の診療報酬で大学の収支をはかるとは言っていないのです。責任がある。助手であろうと何であろうと患者さんを見るということはこれは保険医でなければ見れないはずなんです。健康保険のものはそうでしょう保保険医でなければ見れないはずなんです。これをあなた、見れるというなら、もう今までの立法をやったものは全部くつがえりますよ。大学であろうと何であろうと保険医でなければ、保険の患者は免れないというのは、医師でなければ患者を見ることができないのと同じですよ。そうでしょう。それはどうですか。イロハからもう一ぺん詰めていかないと話にならないじゃありませんか、それじゃ。

館林宣夫厚生技官(保険局医療課長)

○館林説明員 診療に従事する医師は当然保険医でなければなりませんので、責任を持って患者の治療に当たるものは保険医でなければなりません。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 そうしますと、大学で何百人という患者を扱っている外科なら外科のある教室がたった五人だけ俸給をもらっている保険医であったらよろしいというわけにはいかぬと思うのです。それであなたがいいというならば、あなたの責任においてよろしいというならば、私はきょうはこれで質問をやめます。引き下がりましょう。それでいいですか。

館林宣夫厚生技官(保険局医療課長)

○館林説明員 大学の診療の個々の実態は私もまだ詳細は存じませんけれども、多数の患者を診療するのに非常に少数で足りるというような実態はおそらくないと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 そういうことを言っているのじゃないのですよ。五人の保険医でいいのですかと言っているのです。教授と助教授と助手三人でいいのですか。そのほかにあっても一人ですよ。それでは大学の保険診療というものはできないはずなんです。大学の収支とはこれは無関係なんです。制度として保険医というものを作って、保険医療機関というものを大学病院に指定されたわけでしょう、そうすると、保険医療機関に働くのは、その保険医として診療に医師が従事するのです、プロフェッサーの指導があろうとなかろうと、その助手というものはインターンを出て、そうして国家試験を通ったれっきとしたお医者さんですよ。お医者さんならば、これは指導を受けようと保険医になることはできるはずなんです。そうでしょう。それならば保険医になって診療に従事するには、指導を受けようと受けまいと、これは当然俸給を払わなければならぬじゃないですか。無給というはずはないです。責任を持たしておるのだから、その人がやりそこなえば保険医を剥奪されるか、罰金をとられるか、やりそこなったら懲役に行かなければならぬ。あるいは大学が保険医療機関として指定の取り消しを受けるかもしれない、重大な過失があったならば……。そういう責任を負わしておる医者を使っておって、そうしてそれが無給というわけにはいかぬじゃないかと私は言っているのです。これは私は筋が通っておると思う。どうしてあなたは有給でなければならぬと言えないのですか。どうですか、そこらあたりは……。

館林宣夫厚生技官(保険局医療課長)

○館林説明員 保険診療に従事する医師が保険医であることは当然必要であると私どもは思っております。また保険診療に従事する医師がそれに相応する報酬を受けることも当然であると思っております。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 そうすると、春山さん、実態をお伺いしますがね、たとえば東京大学なら東京大学で保険医というのはどの程度各教室におりますか。これは各教室によってその教室員の人数が違うと思いますけれども、もう何回もあなたには御質問申し上げておるのだからおわかりになっていると思いますが……。

春山順之輔文部事務官(大学学術局大学課長)

○春山説明員 ただいまの御質問でございますが、大学の診療は、まず講座組織が主体になっておることは御承知の通りでございます。先ほど局長から教授、助教授、講師、助手、助手の三というのは講座の大小によって若干違いがありまして、内科とか外科とか大きい講座ですと、たとえば五人とか、六人とかという配置がしてあります。そのほかに先ほどもお話が出ました診療助手、この診療助手の約二千名が各大学の病院に配置されておるわけでございますが、その配置は、これはやはり診療科の大小によって、ある場合は一人か二人しか配置されておりませんが、ある場合には十人とか十五人とか配置されている科もございます。これは滝井先生御承知だと思いますが、従いまして内科の診療科では今講座と診療助手を合わせて約二十人から二十五人くらいの有給の医局員のいるところがございます。また小さい科ですとさほどでもない、十人程度のところもございます。そのほかにお話の研究生あるいは専攻生等いわゆる無給副手と称する――これは旧制大学時代からあります無給副手がいまだに残っております。この無給副手はいろいろな意味において重要な役割を病院では果たしておるわけですが、その無給副手が東京大学には大体五百人くらいはおろうかと思うのです。従いまして各科ですと、大きい科には二、三十人くらいおるかも存じません。またこの無給副手は一年目の者もございましょうし、二年、三年とおる方もございましょう。もちろん診療に直接当たっている者もございましょうし、あるいは研究の方だけをやっておる方もあろうかと思うのです。つまり大きな診療科で申しますると、やはり有給の医局員のほかに二、三十人の人がおりますから、四、五十人くらいの科は。ございましょう。小さいところでは二十人程度のところもあろうかと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 東京大学だけでも今お聞きの通り五百人以上の無給で働いておる人がおるわけです。これらの者はすでに医師の免許を持ち、しかも保険の診療に当たっておるわけです。そううしますと、今の世の中にこういう大学を卒業して三年も四年も無料で働かせるという制度があることがそもそもおかしいんですよ。これがいわゆる医学部の封建制なんです。やはり日本の大学ではこういうところにメスを入れないと、今のような医療問題が解決しない。ここですよ。ガンはここにあるんです。だからこれは全部有給にすべきです。保険をやらせるなら有給にすべきです、大学はその分かせいでいるんですから。かせいでいなければいいんですよ。大学病院は何億という金をかせいでいるんですからね。たとえば大学病院の医療費が四十三億三千二百三十一万四千円と予算に出ている。これは薬代かなんかかもしれませんが、医療費と出ているわけです。しかし、四十三億を使えばその二倍、三倍のものはかせいできているわけですから、かせいできたからには当然そのかせいだ人に、責位を持ってやっておるのですから、俸給を払うのは資本主義の建前ですよ。自由民主党の主張する自由主義の建前ですよ。それを長年ただで使って、そうして教授のもとに、何と申しますか、親分、子分関係みたいに隷属せしめるということはいかぬことだと思う。それは先生から習うことは習うことで、研究生としての月謝は別に払ったらいい。しかし病院で働いただけのものに対しては、正当の俸給はいただきますよ、これでなくちゃいかぬですよ。これがごっちゃにされておるから、今国立大学の給与と病院の給与は一体どうなんですかということなんです。だからプロフェッサーはプロフェッサーとしての給料はお上げする、病院の院長で今度出た場合は管理職手当のほかに、院長としてお働きになる分はやったらいい。それをお上げにならぬから特診なんてものが起こる。自宅においでといって呼んで、一万とか二万とかもらうんです。そういう悪いことが行なわれるのです。だからそういうことをやめさせるために、病院の制度というのはきちっとする、プロフェッサーとして学問を教えるのは教えるできちっとするというようにはっきり分ける必要があるんです。そうして研究のための経費は研究のための経費として別に出す。保険は保険で見ていく。こういうようにけじめをつけないところに今問題がある。保険も研究も学習もみんな一緒にやらして、そうして給料を払わぬ。こういうやり方でやるから、何もかもみんなぐしゃぐしゃですよ。こういう点どうですか。一つ練達堪能な、誠実な荒木文部大臣の時代に、この日本の医療問題を解決するまず一番の急所に当たるところはここからです。ここから改めていかなければだめなんです。これから日赤に行き、健保連の病院に行き、国立病院に禍根が行くのです。無料で働いているのだから、今度一万円も一万二千円ももらったら、富んで、教授の命令ならば行くことになるのですよ。それは、お前今まで助手でただでおったのだから、二万円くれればいいじゃないか、こういうことで行くのです。そこで独立採算制のワクで締め上げる、こういう明治時代の積弊が今うみとなって現われているというのが日本の医療制度なんです。どうなんです。日本の大学の医学部がこの点にメスを入れるよりやはり方法はない。それは、幸い保険ができておるのですから、保険は保険、研究は研究として、きちっと分ける。そして保険になったら払うべき給料は払う。研究生として習う分については、月謝は一万円でも二万円でも取る。こういう形にすべきだと思うのです。この予算書を見ても、今私が質問しても、専門家の皆さんにもどうかこうかと繰らなければわからぬようなことでは仕方がないと思う。私たちもこれを見てもさっぱりわからぬ。一体大学病院の機構がどうなっているのか、予算書を見てもさっぱりわからないのですよ。だからどうですか文部大臣、ここに一つメスを入れて、日本の医療制度に清新はつらつたる機運を、まず医学部教育の面からやってもらいたいと思うのですが、どうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 実態を知りませんであれですけれども、大体いわゆる診療助手あるいは診療副手などと通称されながら無給で働いている人が、先刻の説明員からも話がありましたように戦前からあったらしいのですが、その惰性で、普通の病院とは違うものだから存在しておろうかと思いますが、そこで滝井さんのお話のような考え方で、文部省としても何とか制度の上に乗せるようなことを予算的にもしたらどうだろうというので予算要求は一応したのですけれども、これも説明が十分でなかったかどうか、そこら辺まではわかりませんが、先刻ちょっと話が出ましたように、診療助手について三十三人でございますか、そのくらいのものはどうやら予算をつけてもらったようであります。今後さらに同じような努力を積み重ねて善処したいと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 これは大蔵省に言うわけですが、今私が指摘した通り非常に矛盾があるわけです。健康保険法の建前と大学の体制というのは全くマッチしていないのですね。従ってこれは十分あなたの方でも御検討いただいて、厚生と文部省とあなたの方と三者が十分検討していただいて、今の世の中で長年無料で働かせるなんという、こんなばかなことはないと思うのですよ。どこの社会に行ったってない。ところが医学部の社会では公然と行なわれているわけです。これにまずメスを入れてやめてもらう。やめなければ来年はまたもっとくどく質問をしますが、これはもう私は三回目ですよ。だから一つ前進のためにぜひやっていただきたいと思います。  それからもう一つ、さいぜんの医療費の四十三億というのは、三十六年度の四十三億、三十五年度の三十五億とあるが、これはどういうものなんですか、大学の薬品なんかの経費ですか。

安嶋彌文部事務官(大臣官房会計課長)

○安嶋政府委員 医療費の内容でございますが、御指摘の通り薬品類、それから脳波心電図等の記録用の類、レントゲン・フィルム等の感光材の類、ガーゼ、包帯の衛生材料の類、注射器具、酸素、水素ガス等の治療材料の類、アルコール・ランプその他の治療薬品の類、薬びん、濾紙、その他の調剤材料の類、そういったものがこの内容になっております。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 実はわれわれの手元に大学の医学部の諸先生から現在の社会保険では学問的、良心的医療が行なえない、それから技術者が認められていないということを書いて全部こうしてきておるわけです。これは大学の医学部の教授が連署してやってきているわけです。従って今の日本の保険制度では学問的、良心的治療が行なえないということが大学の先生方によって表明をされておる。しかもその中に、今の保険治療というものが、医学生にほんとうの医学技術を教えたにもかかわらず保険治療ではそれが行なえないということも書いてきておる。従って医学の進歩にとっても、今の制度というのは非常に困ったものだという意味のことを書いてきておるわけです。その制度を、今大学の保険医療機関としての治療を大学はおやりになっておるわけです。そこでは新しい治療薬の自由な駆使ができないわけです。そういう経費は当然国から出してもらわなければならぬことになるわけです。新しい研究の経費というものは出してもらわなければいかぬ。ところが今大学病院はどうしておるかというと、そういう経費を国が出してくれないのです。今言ったように全国の大学に四十三億しか薬品その他に出しておらない。そこでそういうものは今全部大学は患者に買わしておるわけです。ところが患者も貧しければそういうものが費えないわけです。お金持ちば買えますが貧しい者は買えない、こういう結果が出てきておる。保険医療が大学に入れば入るほどいわゆるプロフェッサーの学問的な良心というものの比重はだんだん薄くならざるを得ないのです。それがこの陳情書と申しますか声明書となって現われてきたわけです。これもやはり私は二、三年前に言ったのです。ところが昨年が三十五億で今年が四十三億ですから、八億かそこらしかふえていない。これでは医学教育ができなくなるばかりでなくて、近代の医学の進歩が統制をされて、自由ないわゆる科学的精神を発揮することができないわけです。だからさいぜん言うように保険は保険、研究は研究でやる体制を作っていただかなければならぬわけですが、この点に対する大蔵当局の考え方は一体どうなっておるかお尋ねいたします。

佐々木達夫大蔵事務官(主計官)

○佐々木説明員 今先生がおっしゃったように、研究は研究、治療は治療という体制に基づきまして、研究費の方につきまして、午前中に御説明ありましたと思いますけれども、前年度の約二割増、それから今度の診療費の中にもそういう特別な研究的なものの経費としまして約二億程度というものをきめまして、研究は研究、治療は治療という体制のもとに予算を作成いたしております。

滝井義高日本社会党

○滝井分科員 そうしますと、教官の研究費二割増の一億三千九百八十四万八千円というのはそういう意味でお出しになったわけですね。――わかりました。この実績を見さしていただいて、その上でまた来年やりたいと思います。きょうはこれでやめておきますが、どうぞ大学の医学部教育をぜひ大臣に御検討をお願いして終わります。

北澤直吉自由民主党

○北澤主査 文部省所管に関する質疑は本日はこの程度とし、明三月一日は午前十時より開会し、厚生省所管について質疑を行なうこととし、本日はこれにて散会いたします。    午後七時五十五分散会

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