予算委員会第四分科会 第4号
- 発言数
- 225 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/03/01
会議録
○中野主査 これより会議を開きます。 昭和三十六年度一般会計予算、同特別会計予算、及び同政府関係機関予算中、運輸省所管を議題といたします。 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。勝澤芳雄君。
○勝澤分科員 大臣にお尋ねいたしたいと思いますが、最近の政府の交通政策を見ておりますと、まことに継ぎはぎだらけで、行き当たりばったりで、総合的なものの見方というものがされていないと私は思うのです。たとえて申し上げますならば、大へんりっぱな道路が通って、バスが通っているところに、赤字の鉄道線路が作られたり、あるいは国電は命がけで交通輸送が行なわれているようでありまして、それがいつになって解消するかわからないというような状態であります。また、道路は自動車で一ぱいで、都市交通は麻痺している状況です。一方、東京−大阪間夢の超特急が三時間で走るのだ、その新線を作ったら飛行機と競争するのだ、こう言っておったら、片方で飛行機の方は、もう一足先にジェット機時代で、四十五分で走る。東海道の高速自動車国道も作る、そうして鉄道と自動車と飛行機というものが競争している。自由主義経済だから、競争することはまことにけっこうだと思うのですが、道路や飛行場や鉄道は、国やあるいはまた公共企業体としての国の監督を受ける国鉄でやられておるのでありますから、こういう投資というものは最も効果的に、むだのない、しかも総合的な見地に立った交通投資というものが行なわれるべきだと思うのです。しかも輸送の独占体といわれておった国鉄も、今日では公共企業体としての企業性を強いられて、特に自動車交通や交通輸送の著しい発達によって、輸送の独占的地位も変わりつつあるわけであります。従って、この際あらゆる角度から、陸上、海上、航空輸送の総合的な交通政策が打ち立てられてしかるべきだと存じますけれども、政府の御所見を承りたいと思います。
○木暮国務大臣 お答えを申し上げます。まことにごもっともな御意見だと拝承する次第でございますが、ただいろいろの沿革がございますので、総合的に、あるところで交通を一手に握って、これを最も効率的に行なうということが望ましいことでありながら、日本の長い行政の沿革の上からできないということは、まことに遺憾だと思います。ドイツのようなところでは、日本の運輸省に当たるようなものが交通省で、道路まで、ガソリン税まで握ってやっておるというように仄聞いたしておりますが、その西ドイツあたりでも、そこに至るまでには、ずいぶん激しい努力があったようなことも聞いておるわけでございます。あなたがただいまお話しの、総合的に、陸海でも、航空でも一手にやって、そうして全体としての投資をやり、効率的な仕事をやるべきだという御意見は、まことにごもっともだと思いますし、反対する理由は少しもございません。従いまして、ただいまでも建設省あるいは運輸省——もちろん国鉄は運輸省の指導監督のもとにありますから、今の道路政策とよく緊密な連絡をとりまして、そして万遺憾なきようにやって、今の御趣旨に沿うような、効率的な投資、効率的な運営ということに努力をいたしたいと考えておりますけれども、国鉄なら国鉄、運輸省なら運輸省が、道路とか一切の総合的交通を握ることによって御意見のようにやるということは、御趣旨はまことに賛成でございますけれども、今直ちにそうすることはなかなかできないことだろう。そこで御趣旨に相沿いますように、それぞれの機関と緊密な連絡をとりまして、仕事の上で御趣旨を達成するようにいたしたい、こう考えておる次第でございます。詳細のことは政府委員から答弁させます。
○勝澤分科員 大臣も交通省の構想については賛成されておるようでありますけれども、できないと、こう言われておるわけです。実はできない理由が、今のお話の中では明確になっていないわけです。どこに隘路があるかという中で、苦しい話ながら、西ドイツにおいても激しい努力をされたと言われた。激しい努力というのは、どうも実にわかりにくい言葉で、わかったような気もするのですが、しかし、いいと思われているのですから、やはりそれについての積極的な努力ということをされるべきだと思うのです。ましてや運輸省の中においてすら、やはり総合的なものがないと思うのですが、この点どうでしょう。
○木暮国務大臣 運輸省の中では、たとえば貨物輸送などにつきまして、国鉄による陸上の輸送と、海上による船の輸送との総合的な甚案をいたしまして、片寄らぬようにいたすとか、いろいろそういうことを努力をいたしておるわけでございますが、何か具体的に御指摘をいただきましたなら、その係の者からよく御説明申し上げさせますが、運輸省それ自体の中において、総合的な輸送について欠くるところがあるというようなことがもしございますならば、大いに反省して改めなくてはならぬ、こう考えております。
○勝澤分科員 たとえば、内航輸送と国鉄との競合で、運賃割引制度があります。その中で、たとえばきのうも本会議で質問されましたように、石炭輸送というような問題があります。こういう問題を運輸省は、運輸省の海と陸との関係の中でどういうふうに調整されているかというような問題、あるいは国内の航空の問題、これと国鉄との問題、こういう点はどういうようにお考えになっておりますか。
○辻政府委員 ただいま大臣から基本的な問題について御答弁がございましたが、私から補足的に申し上げたいと思います。 御承知のように、運輸省といたしましては、航空、海運それから鉄道、自動車、そういうふうな総合的な交通機関の行政を担当しておるのでございますが、現在の経済は、私企業の自由意思を尊重して経済を運営していくというのが基本的な考え方になっております。また各交通機関の果たします役割も、おのおの各交通機関における技術的な進歩の段階とも、スピードあるいはそのコスト、及びそれに伴います料金等は、おのおの関連があるわけでありまして、そういうふうな条件のもとで総合的に、あるいは政府が、いわば統制的に、ある距離の貨物は鉄道で運ぶべきであるとか、あるいは自動車で運ぶべきであるとかいうふうなことを決定するわけには参りませんし、またいわゆる交通サービスの利用者の立場からいたしましても、相当程度交通機関の選択を自由にしたいという要望があるわけでございまして、そういうふうな条件のもとでわれわれは行政をやっておるわけでございます。一般論的に申し上げますれば、長距離の、また運賃負担力の高いものにつきましては、これは航空が一番適しておるわけでございまして、いわゆる大量貨物で、ある程度距離の長いものにつきましては海運が最も適した交通機関であると考えております。それから鉄道と自動車の関係につきましては、鉄道は中距離の輸送というものを主眼にすべきであるというのが現在のところ一番適当だと存じます。自動車が一番短距離で、ある程度負担力のあるという貨客を対象としている次第でございまして、私どもとしましては、大体今申し上げたような世界的な交通の趨勢を念頭に入れまして、個々の問題につきまして処理して参っているような状態でございます。簡単でございますが、補足的に申し上げます。
○勝澤分科員 個々の問題で調節しておるという段階は私は過ぎておると思いますし、自由経済ですから、企業間競争をやるのもけっこうだと思うのですが、その投資そのものが一切がっさい国で行なわれておるわけでありますから、そういう点については十分お考えを願いたいと思いますし、あるいは国鉄の五カ年計画、あるいは道路の五カ年計画、あるいは港湾の五カ年計画、あるいは飛行場の整備、これがみな個々のばらばらな状態の中で、これは総合的にやられていると言われましても、見れば見るほどそれはばらばらなんです。しかしあまりこの問題を討論しても時間もかかりますので、次に国鉄と私鉄とそれから自動車の輸送、こういうものの輸送分野の確保といいますか、調整といいますかこういう点についてどういうようにお考えになっておられますか。
○岡本政府委員 国鉄と私鉄と自動車との輸送分野の調整と申しますか、あるいはどういうふうに考えるかということでございますが、御承和のように、国鉄は中距離の大量輸送、しかも相当スピーディな大量輸送をやるというようなことで、大体その分野がはっきりしておるかと存じます。私鉄は大都市の近郊電鉄を除きますと、大部分はローカル輸送でございまして、従いましてその観点から申しますと、道路の整備と相待ちまして、道路運送すなわち自動車輸送が相当発達して参っておりますので、漸次質的にも優秀な道路運送機関にその立場を譲るのが至当ではないかというふうに考えられます。しかし、なかなか観念通りには現実には参らないのが実情でございまして、いろいろな条件が成熟いたしまして、逐次そういう近代的な輸送機関にその席を譲りつつあるというのが実情であろうかと思います。この間におきましていろいろ問題が出て参りますが、この問題の処理につきましては、運輸省といたしましては万全を期しまして、関係方面を指導しておるようなつもりでございます。
○勝澤分科員 輸送形態が変わりつつあるわけでありまから、その中でどういうふうに調整していくかというのが、今日大きな問題になっておると思うのです。その問題が明確にされないうちに今回国鉄の運賃の値上げというものがされているように私は思うのです。従いまして、いずれこれは運輸委員会でまた十分お伺いをするといたしまして、次に進みます。 次に私は国鉄の経営の問題についてお伺いしたいのですが、国鉄は公共体であり、企業体であるということで、なかなか不明確な状態になっていると思う。きのう、大臣も、本会議の答弁で、公共負担にあたってはバランスをどうするか、こう言われておったわけです。今国鉄が公共負担をしておるものは、私はいろいろあると思うのです。その一つの問題は、特にきのう大臣も言われておりましたように、各種の特殊割引なり、政策割引なり、あるいは定期の割引というのがある。次に赤字線区の経営に対する公共性というものもあると思う。三番目に私は線路の保守とか更新というようなものは、自動車に比べた場合においては、これはやはり国鉄自体が専用線をもってそれを保守しておるわけでありますから、これも公共負担だと思います。あるいはまた踏切の場合、これなんかでも道路に対して問題になりますし、あるいは踏切看守の問題も同様だと思います。また災害によって損害があった場合、国鉄自体でやっておる。こういうものも国鉄が公共性のために負担をされておる部分だ、こういうように私は思いますけれども、大臣、この点はいかがでしょうか。
○木暮国務大臣 ただいまお説の通りに、日本国有鉄道というものは独立採算制を持つ公共企業体という形をとっておりますけれども、公共性の高いものを持っておりまする関係上、いろいろ公共負担をいたしておるのでございます。今御指摘になりましたような割引でありますとか、あるいはそろばんに合わない路線といえども、国民経済の点から見て、あるいは輸送全体の上から見て必要ならば、あえてこれを行なっておるということもまた公共負担である、こういうように考える次第でございます。
○勝澤分科員 大臣も、公共負担の考え方については、私と意見が同じよう給与がふくらんだ、こういう言いわけをしておりますけれども、今度の新五カ年計画の中では、人事院勧告もあることですから、相当大幅の給与改定額が含まれておらなければ、もう一回やり直さなければならぬと思うのですが、そこら辺はどういうふうになっておりますか、御説明願いたい。
○吾孫子説明員 人件費のことが国鉄の経営にとって非常に大きな問題でありますことは、ただいまお尋ねの通りであります。そのための給与総額として予算に計上されております額も今お言葉にあった通りでありますが、それの流用の限度というようなことにつきましては、予算書の予算総則に書かれている通りでございます。 そこで、ただいま国鉄の職員のべース改定の問題その他についてお尋ねがございましたのですが、三十六年度の予算といたしましては、これは例年計上しておりますいわゆる昇給資金を四・五%程度計上してあるのでございまして、特にベース・アップのための予算というようなものは計上してございません。ただしかし、現在国鉄労働組合を初めその他の動力車労組でございますとか、あるいは職能労連でありますとかいうような組合とベース・アップの問題について団体交渉をしておりますことは御指摘の通りでございまして、これに対して、私どもといたしましては、過般人事院勧告に基づく公務員のベース・アップもあったことでございますので、公務員の方が現在では国鉄職員の給与水準よりも上回った状態になっておる。従って、公務員程度までは何とかしてベースが引き上げられるように私どもとしても努力をいたしたい。ただし、これは無条件ではできないのでございまして、予算にはそういうものは計上してございませんのですから、国鉄の職員、労働組合が国鉄の経営改善のため、経営合理化ということについて積極的に協力をして下さるなら、国鉄当局としても公務員程度の給与ができるというところまでは何とかして実現してあげたいと思っております。こういう意味で、新聞等に出ました九百円という額が出ておりますのは、これは過般の人事院勧告で公務員のベースが上がりました、そのベースと現在の国鉄従業員の給与のベースとの差額が単価にいたしましてほぼ九百円くらいになりますので、公務員程度のものには引き上げるように努力をしたい。むろんそれは組合が経営の合理化というようなことについて積極的に協力をして下さるということが条件であるということでお話した額が九百円のベース・アップを認めたというふうに新聞に報道されたのでございます。まだこの当局側の申し入れに対して、組合の方がそれでよろしいと言ったわけでもございませんし、問題はペンディングのままになっているわけでございます。 それから、現在の五カ年計画というものが、人件費が予想外に膨張したために実行ができなくなってしまったのじゃないのか、今度新しく来年度からスタートしようとしておる新五カ年計画も同じようなことになりはしないかという意味のお尋ねであったと思うのでございますが、現在の五カ年計画というものが予定の通り進捗できないことになった原因は、単に人件費の問題のみではございません。収入が予定しておった通りふえなかったということもございますし、その他の物価の値上がり等による物件費の増大ということも相当影響しておるのでございます。しかし、当時、三十二年に五カ年計画を発表いたしました際に、運賃の改定によって得られる財源というものは、すべていわゆる資本投下、輸送力増強あるいは老朽荒廃施設の取りかえ改善というようなことに使うのであって、人件費のことについては一切、ベース・アップその他も考えないという前提でスタートをいたしておりましたのが、五カ年計画に着手後間もなく仲裁その他が出るようになりまして、そのために人件費に相当大幅に財源を食われる結果になってきたということは事実でございます。そこで今度の新五カ年計画並びに新五カ年計画を実行いたしますために、運賃の改定もお願い申し上げておるわけでございますが、今後の新五カ年計画の見通しを立てるに際しましては、政府としても所得倍増計画という目標を掲げておいでになることでもございまするし、国鉄の職員の給与のみが他の一般の勤労者の給与の例外であるというようなことは考えるわけに参りませんので、五カ年間の収支の見通しを立てます際には、国鉄の職員の給与につきましても、応分なものと申しますか、やはり国民所得の増加に見合った程度の給与の増加は当然あるものと考えまして、それを前提にして将来の収支の見通しを立てたのでございます。従いまして、今度の新五カ年計画の実行にあたりましては、少なくとも現在やっております五カ年計画のような人件費面からのそごということは来たさせないつもりでおります。ただ三十六年度の予算に、それではベース・アップの財源が何か計上してあるのかということになりますと、これはただいま申し上げましたように、一般の昇給の資金が計上してあるだけでございまして、特にベース改定のための財源というものは計上してございません。しかし、これは労働組合並びに従業員諸君の積極的な経営合理化に対する協力があれば、その経営努力によって必要な財源は何とか生み出すようにいたしまして、公務員並みの給与まではやれるようにしたいというのが私どもの希望でもございますので、そのことを団体交渉の際にお話をいたした、そういういきさつでございます。
○中野主査 この際ちょっと政府委員の方に御注意申し上げますが、きょうは非常に質問者が多い。どうか答弁はなるべく簡明にして要を得ていただくように御留意を願いたいと思います。
○勝澤分科員 今の副総裁の答弁で、私はそろばんを間違っているのじゃないかと思う。公務員並みが九百円というのは、どうしても計算にならない。人事院勧告は一二・四%で、一二・四%が九百円には私はならないと思う。それから先ほどから聞いてると、公務員並み、公務員並みと言っておるわけです。国鉄労働者の給与と公務員の給与というのが同じでなければならぬという根拠もない。労働時間が違うわけですし、労働の内容が違うわけですから、その点で公務員よりも国鉄というものは、公務員を標準にした場合においては、いつも上回っておったというのが私は過去の事実だと思うんです。比較をするならば、当然私は民間私鉄だと思うのです。こういう点から考えてみますと、私は今の副総裁の九百円というのは、そろばんをやり直してみて、今の一二・四%が幾らになるかということで計算をして、一つ十分この給与の問題については認識をしていただいて、この問題は大へん重大な問題に発展すると私は思うので、大臣の方も十分お考えいただきたいと思うのです。 これを論争しても切りがありませんから、次の質問に移りますが、今度の予算を見ますと約六百九十二億の前年度比で増加になっております。増加率は五割の余だ。五割以上も予算が増加しているにかかわらず、人員の方はどうかといえば、新幹線で三百人しかふえていない。一体どうやって仕事をやっていくんだろうと私は心配でたまらないわけです。特に最近民間企業の中では時間の短縮ということが行なわれておるわけでありまして、松下電器の松下幸之助氏も、もううちの会社は五日労働だと言っておる。レジャー・ブームだといって、一生懸命やっているのに、国鉄だけが六百九十二億、五割も予算がふえておるにかかわらず、人がふえていない。どういうふうにやっていかれるのか、その点少しお答え願いたい。
○吾孫子説明員 来年度の作業量というものは、これは当然ふえてくるのでございますが、三十六年度の予算で増員を予定しておりますのは、ただいま御指摘のありました通り、新幹線関係の建設のための所要員の増員だけでございます。それ以外のふえて参ります仕事をどうしてこなすかということでございますが、これは経営の合理化と申しますか、内部の配置転換というようなことで、できるだけ合理化し得る人間は重点的な方面に振りかえるということで、また仕事のやり方もいろいろ研究することによりまして、人数をふやさないで仕事をやっていきたい、やっていく覚悟でおるつもりでおります。
○勝澤分科員 合理化あるいは配置転換をやると言っているんですが、実際にやっているものを見れば、民間に委託したり外注したり、切り売りをやっている。たとえば客貨車清掃業務を見ても、あるいは志免炭鉱のとき言われたんですけれども、今は採算がとれます、もうかります、もうかりますから買う人があるんです、もうかりますからやる人があるんです、こう言う。そうすると、ますますまる裸になった国鉄にしていくというふうに考えられて、人はそれでやりくりができる、こうやられておるわけなんですね。私は、こんな膨大な予算をかかえながら、そんな余裕はないと思う。今国鉄で、試験を受けて合格した人が一日幾らで使われているんですか。百八十円だ、二百円だ、こんなばかばかしい低賃金で使っておって、それで今度は、片方でもうかるところはどんどん下請に出して、また下請の方はもうかるから下請する、あたりまえです。そういう物の考え方をしていったら、一体いろいろの問題から起きてくる責任というものはだれがとるのですか。ですから工事が割高になって、監督が不十分で不良工事が起きる。不良工事が起きたらだれが責任を負うか、それは大臣なり総裁なりで、これは人をもっとふやせばいいのにふやさなかったからです。決算書を見れば、国鉄でいろいろ不正事件が起きている。起きているけれども、一年、二年、三年たってようやく見つかった。なぜかといえば、審査制度なんかでも、どんどんその辺の人が減らされている。今の機構の中でぎゅうぎゅう締めてきたから、その締めてきたのが、必らずどこかにはみ出ているのです。ですから、人員がどこが一番妥当かということもむずかしいと思うのですけれども、これだけ予算がふえ、これだけ工事量がふえて、新しい工事をこれだけやっておるのだから、人はふやさなくてもやっていけるということは、私は大へんな問題だと思う。一方、国鉄の経営には何も関係がない鉄道公安官というような制度も置いてあるが、この問題についてはほったらかしてる。片方は合理化、合理化でやっていく。これでは私は主客転倒だと思う。私はこの予算から見た国鉄の経営というものを考え、そしてまた今副総裁が、何とかやっていきます、こう言っているのは、大へん遺憾だと思う。一つ現場の方に行かれて、その二百か二百二、三十円で働かされておる、徹夜をさせられておる従業員のことも考えて、もっと積極的な、国鉄経営をどうするかという点に取り組んでいただきたいと思う。 もっと十分質問したいと思いますけれども、あとの人たちがおりますし、また運輸委員会の中でやらしていただきたいと思いますので、私の質問はこれで終わります。
○中野主査 上林山榮吉君。
○上林山分科員 まず最初にお伺いいたしたいのは、国際空港に関連してでございます。三十六年度もまた国際空港を整備するために必要な経費として、十八億二千百四十万円を計上しておるわけでございますが、ただ単に東京と大阪の国際空港に充当するための費用に見られるのであります。日本も終戦後立ち上がりがおくれたために、航空事業は遅々としてはかどらなかったのでありますけれども、ようやく充実の方向に向かっておるわけでありますが、御承知の通り国際的な航空路の開設あるいは延長、こうしたような問題とあわせて、日本の国際空港というものは、東京と大阪だけに一応重点を置くことはわかるけれども、近い将来——あるいは三十六年度、三十七年度に新たなる国際空港というものの整備を別に考えていかなければならぬ、こういうように考えておるのでございます。運輸省においてもそれぞれ検討を進めておるようでありますが、どの程度新たな国際空港を作っていこうとするのであるか、これが一点。 時間がありませんから、第二点は、国際空港にそれだけ力を入れていただかなければならぬが、国内空港、ローカル線、これも私はおろそかにできないものだと考えるのでありますが、残念ながら全日空ではどうも不十分である。またそれぞれ危険度というものも相当強く感ぜられる。こういうことから考えまして、日本航空と全日空とを一つの会社にしてしまう。いわゆる国際航空路と国内航空路とはそれぞれ経済ベースも違うのでありますけれども、いわゆる国鉄がもうかる線ともうからぬ線とあわせて、その公共性から経営していると同じように、ここ十年間ぐらいは、どうしてもそうしたような考え方で進んでいかなければ日本の航空事業というものは発展しない、私はこういう考えを持っておるのでありますが、これに対する大まかな御答弁をまずお伺いしたいと思います。
○今井(榮)政府委員 ただいまの御質問に対してお答え申し上げます。国際空港につきましては、先生が御指摘なさいましたように、現在は東京国際空港と大阪国際空港という二つの空港に主眼点を置きまして、予算その他の措置を実施いたしております。御承知のように東京国際空港もまだ建設途上でございまして、今後数十億の予算を投入しなければならない状況でございますし、それからまた大阪国際空港につきましては、まだ買収その他の基礎的な着手そのものもできない状況でございまして、鋭意これの実現について現在地元と協力して努力いたしておるような状況でございます。従いまして私どもといたしましては、今後の日本を中心とする国際航空事業の伸展に呼応いたしまして、まず東京と大阪の国際空港の整備に全力を注ぐという建前でおりますが、先生の御指摘なさいましたように、将来国際空港として他に考えられる地点はどこかというふうな問題、あるいはまたそういうふうな可能性がはたしてあるかどうかというふうな点について、現在でも十分検討を続けておるような状況でございますが、目下のところでは、具体的にどことどこについて将来国際空港になり得るというふうな点についてのはっきりした答えはまだ出ておらない状況でございます。 その次に国内線につきまして、日本航空と全日空とを一体化するようにというふうなお話がございました。実は一国の航空事業の経営につきましては、国際的に見ましても、たとえばイギリスのごとくBOACという国際線専門の会社と、BEAという主として国内線並びに近距離のところをやる会社というふうに二つに分かれて経営しておる例もございます。またアメリカのごとく、たくさんな国際線会社と、たくさんな国内線会社というものをもって運営しておる国もございます。日本におきましても、沿革的に日本航空が当初国内幹線と国際線を担当して参ってきておりますが、その後ローカル線の運営について全日空が発足いたしまして。逐次その社業を充実して今日に至っております、従いまして今後どういうふうにこの国内線を強化していくかという問題は、全日空並びにその他の既存の航空企業というものを、どういうふうに育てていくかという問題になるのではないかと思うのでありますが、現在のところでは私ども日航と全日空を一本にして、国内線と国際線を一本の会社でやらせるというような点までは実は考えておりません。
○上林山分科員 前段の国際空港は将来その可能性があるか、あるいはどの方面にそれを作った方がいいかということをただいま検討の段階であるからはっきりと答えられない、こういうことでありますが、現在の段階ではその必要性はあるのだ、しかしながらどこにするかということはまだ発表できる段階ではない、こういうふうに了解すべきものではないかと私は考えるのでありますが、この点はどうですか。
○今井(榮)政府委員 ただいまの点についてお答え申し上げますが、私どもが現在検討しておると申し上げました趣旨は、特に名古屋であるとか、あるいはその他特に地元の強い国際空港等の御要望等がございまして、そういうものについて検討いたしておるという意味でございまして、従ってはたして将来どの程度のものが政府自体の考え方で必要であるかどうかという点については、まだ考えがまとまっておらないという意味でございます。
○上林山分科員 どうもあなたの答弁があいまいで何べんも立たなければならぬのだが、運輸省なりあるいはあなた方なりが考えて必要だと思っているのだ。しかし要望のところが相当あちこちあるのだから、そんなにたくさん作っていいかどうかわからぬとか、あるいはその地域はまだ断定する段階でないというのか、皆目五里霧中で何ら見当はついていない、こういうことなのか、この辺は私ははっきりお答えになってもいいのではないかと思うのだが、どうですか。
○今井(榮)政府委員 お答え申し上げます。現在のところ私どもは国際線の今後の状況から判断いたしまして、さしあたってしばらくの間は東京並びに大阪を整備すれば、十分足りのではないかというふうに考えております。
○上林山分科員 そういうふうにはっきり言われた方がいい。東京と大阪を整備すれば当分はそれで事足りるので、たとえば名古屋がこれを要望し、あるいは福岡なり南九州方面でこれを要望しておる。これは当分だめなんだ。私どもは必ずしもそう考えないけれども、だめなんだ、こういうふうに言われたことになるのだが、大阪、東京は整備すれば当分はいいというのは、何年間を目標にしておられますか。
○今井(榮)政府委員 お答え申し上げます。ただいま先生の御質問の何年間くらいという点について、私どもここではっきり申し上げられないのでございますが、国際空港が将来大阪、東京以外にできるかできないかという点につきましては、私どもとして明確な考え方は実は持っておらないのでございます。ただ欧州その他の例によりますれば、政治的あるいは金融的経済的な中心地を中心にしまして、国際空港が近接した地域にも相当数できておるような状況でございまして、今後の日本の経済的なあるいはまた政治的な環境の変化、発展によりまして、そういったものが必要になってくる時期があるいはくるのではないかというふうに考えております。
○上林山分科員 どうものれんに腕押すような問答でございまして、私はぴんとこないのでございますが、私どもの考え方は、これは近い将来くると考えているのです。東南アジアの開発、日本の国際的な地位の向上、貿易の促進、いろいろな点から考えて、東京と大阪では足りなくなる。またそうならなければならぬのです。日本の航空事業というものはそこまでいかなければ私どもはならないと思っているのだが、しかし当分は東京と大阪を整備すれば今の国際情勢、あるいは日本の航空事業の実勢から考えていいのでございますとおっしゃるものだから、これはあと五年間くらいなのか、あるいはあと十年間くらいなのか、その辺の一応のめどというものを研究しておられなければ、十八億二千百四十万というものを投資するということにわれわれ異議があるのですよ。だから一応の、ここ五年なり何年なりというものは東京、大阪を整備することによって、日本の国際空港は十分でございます。だから十八億二千何がしの予算を今度もらって整備するのである、こういうふうにおっしゃるのでなければならぬ。ところがあなたと私の考え方は、あなたの答弁が少しあいまいなものだからはっきりしないのでありますが、われわれは一つもっと活眼をもって一歩前進した御研究を願っておきたい、こういうふうに考えます。 全日空の問題も、これは同じ会社にするのが日本ではいいと私は思うのです。なぜかというと、全日空にまかしておったのでは、私は危険度というものが今のようなやり方では非常に多いと思っているのです。だからもっと中型のいい飛行機をどしどしと入れるということをしなければならぬ。乗務員ももっといい者を訓練しなければならぬ。わずかここに二千万円の補助を国内航空事業の助成に充てておられるようでありますが、こんな微々たる金では、全日空と日航と比べてみると、乗務員の訓練から何から違っておる。乗っておるお客さんの立場からいえば、危険というものは同じものなんだ。だからこういうものには——これは決して大資本に対する奉仕ではないのですよ。全日空の会社に企業努力もしてもらわなければならぬが、同時に今のような段階において、こういうものに思い切って助成をしていいのですよ。決して大企業に対する奉仕ではなくて、国民に対する奉仕だ、私はこういうふうに考える。だから私はこういう問題を取り上げたわけです。もう少し全日空に対する監督なり指導、あるいは危険度というものを少なくする監督なり、内輪の助成なり、乗務員の訓練なり、あるいは飛行機の整備の問題なり、こうした問題に関心を持っていただきたい。そういう意味において、日航と一緒にしてプールしてしまうことが、すべてのレベルが上がっていくのじゃないか、こういうふうに考えているわけです。ただ会社の事情だけにとらわれるべきものではないじゃないか、こういうように考えるので申し上げたわけであります。 次にお聞きしたいのは、運輸技術研究所の研究の現段階における実情についであります。幸いことしもその方面の研究を拡充強化する意味で、二億一千十一万何がしの費用を原子力船の開発研究その他に充てておられるようでありますが、この原子力船の開発研究というのは、どの程度まで今進んでおるか、あるいは何年後ぐらいをめどにして、これが実際化できるというプランを立てておられるか、これが第一点。さらには電子航法技術の研究、これは私はりっぱな着想であると思います。やはりこれくらいの理想を運輸省は持っていかなければならぬと思います。賛意を表しているのでありますが、この電子航法の技術の研究、これはどこまで進んでおるのか、この現段階を私は承知したいのであります。
○水品政府委員 原研の所長からお答えする方が正確にお答えできるのだと思いますけれども、私の知っている範囲のことをまずお答え申し上げたいと思います。 原子力船の問題でございますが、現段階の原子力船に関する運輸省関係の研究といたしましては、御承知のように原子炉そのものは原子力研究所が主体でやっておりますので、運輸省の研究所におきましては、リアクターを積んだ船舶、船体、その他の艤装等を中心に研究いたしております。まず原子炉を積んだ船舶に対する振動の問題、あるいは衝突時のいろいろな事故の問題計器の問題、装備の問題等を研究いたしておりまして、いろいろのアイテムにつきましては、ある程度進んでいるものもございますが、まだ全般の問題としては研究の緒についたという程度でございます。それから原子力船の研究で非常に大きな問題は、原子炉を積んだ船舶の場合の放射性物質の遮蔽ということでございますが、この研究につきましては、いまだ日本では行なわれておりませんが、来年度の予算におきまして、遮蔽実験用の原子炉が原子力研究所に設けられることになっておりまして、これは運輸省その他の造船関係並びに原子力研究所が協力して研究を進めよう、こういうことになっておりますので、相当まとまった研究としては、その研究が一番大きな研究でございます。従って現段階において、原子力船全般としてみましては、部分的な研究以外に、そうまとまったところまで至っておりません。それから原子力船の今後の見通しでございますが、一応十年後に実船が経済的なベースに乗るであろうという仮定のもとに、昭和四十五年ごろには実験船の第一船を就航させるというところを目標に、諸般の研究及び設計等を進めることになっております。 次に電子航法の問題でございますが、これは御承知のようにレーダー、ローラン等を初めとして、いろいろな電子関係の航海計器ができておりますので、そういう一連の研究をすでに二、三年前から続けておるのでございますけれども、内容の詳細については、私は詳しくは存じておりませんので、お答えできません。
○上林山分科員 原子力船を十年後に経済ベースに乗るという目標のもとに実船を作るのだ、こういう感覚のようでございますが、私はそれは確かに一つの目標だと思います。思いますけれども、もう一皮むいて真剣にならなければいけない。海運日本といわれた日本が、戦争に負けたために、その優秀な技術を持っていながら、長い間窒息しておったのが、ようやく数年以来活気を呈してきておる。これは私はたくましい日本の海運事業の再出発として敬意を表しておる一人ですが、すでに外国では原子力軍艦ですか、潜航艇ですか、原子力船をそういうような方面に使っておるのです。この段階において、残念ながら日本では、十年を目標にして経済ベースに乗る原子力船を一応考えて研究しておるのだ、こういうことです。私は一応それもそうだろうと思うけれども、その程度では追いつかぬのじゃないか。もう少したくましい前進をあなた方が覚悟して、自分のこととして日本の将来の海運をどこへ持っていくのだという、一つの理想図を描かれるということが必要だと思う。役人根性ではだめだと思う。だからそういうような意味ではなくて、もう一皮むいて、日本の新しい時代の海運をここまでわれわれは持っていくのだという理想図を作るよう、やはり熱意を持って取り組んでいただかなければならぬ。その意味で今の運輸省から技術者が、あるいは運輸省の意向を受けた技術者が、外国船の原子力には乗れないでしょうが。そういう実地を、日本だけの研究にとどまらずして、あるいは運輸省だけの研究にとどまらずして、国内でもっと連携を密にして進んでいく一方において、今言うように、外国の進んだ原子力船を見ていらっしゃい。これくらいの熱意を持っていかなければ、わずかこれくらいの予算を組んでも、それは十年のものが十五年になり、やがて二十年になってしまって、また追っかけて仕事をしていかなければならぬというみじめな状態になるのじゃないか、こう思います。せっかく大きな理想図を描かれてこの予算を組まれたのだから、私はもっとこの方面に対する抱負経綸を聞きたかったけれども、どうも今の御答弁では、われわれしろうとを納得させて、まことにこれはいい案であるということを、われわれは承認する勇気が出ない。これには賛成しますよ。賛成しますが、どうも承認する勇気が積極的に出ない、こう思います。大臣よりお答えがあれば承りますが、時間の関係でまとめて答えてけっこうでございますから……。 その次にお伺いいたしたいことは、私は当委員会において三年前だったか四年前だったか、運輸省の合理化、特に国鉄の合理化がずさんである、こういうことを指摘したことがあります。私はその財産管理の状態を調べたのでありますが、これは管理者の監督の不行き届きか、第一線の職員が精神的に弛緩をしているのか、いずれであるかは知りませんが、これは双方が責任を負うべきものだと思います。その意味合いにおいて、当時指摘したのは過小評価と過大評価を合わせて、驚くなかれ二百数十億円帳じりが合わぬのだ。それがその後幸いにして運輸当局の監督あるいは国鉄自身の反省によって、それを縮めてこられたようでございます。私はその意味においては敬意を表しておりました。そこで最近だいぶよくなっておると私は考えるのでありますが、その中でそれとやはり関連した問題でまずお尋ねいたしたいのは、鉄道弘済会の問題です。弘済会の問題は、これは最初は福祉事業をやるというような意味で弘済会を始められたと聞いておりますが、その後無秩序な経営になっておる。これはだいぶ整理されたようでございますが、しかしながら私どもが聞くところによりますと、まだ弘済会の荷物を運ぶ場合は非常なる割引ないしは無料で運んでおるという。これが事実かどうか。だいぶ改まったと思いますが、そういうふうにいわれておる。これに対して中小企業者その他の方面から非常に文句が出ております。それは鉄道の人たちは弘済会の品物は鉄道運賃を割引するなり、あるいは無料でこれを運搬して、中小企業者が太刀打ちできるはずはないのです。だから中小企業者から鉄道弘済会に対して文句が出るのはあたりまえだと思うが、だいぶ最近は改まっているとは思いますが、その実態はどうなっておるか、これをまず承りたい。
○吾孫子説明員 ただいまの弘済会の荷物の運搬を割引しておる、あるいは無料のものがあったというお尋ねでございましたが、そういうことは今までもなかったと思うのでございます。実は中小企業との関係でいろいろ問題になりましたのは、国鉄共済組合の付帯事業をやっております物資部というものがございまして、その物資部の貨物を八割引をいたしております。これが中小企業に対する非常な圧迫になるのじゃないかというようなことで、いろいろお尋ねを受け、また御批判を受けたことがございました。これは三年ほど前にやめまして、今ではそういう扱いをいたしておりません。
○上林山分科員 そういう国鉄自体が疑いを受けるようなことを三年前にすでに除去した、こう言われておるから、私はそれは了承しますが、今でもそういう雑音をやはり聞く。これは大がかりなものではないと思うのでありますけれども、それに類したものが行なわれていなければよいがというふりに私は考えるわけでありますから、一つ注意して、もう一ぺん再検討してみていただきたい。これは私の要望であります。 これに引き続いて日本交通公社の問題、これも世間でいわれておることと実態とは相当隔たりがあるかもしらぬ。しらぬが、国鉄の運賃の値上げをする前にやらなければならないいろいろな仕事がある。その仕事の一つに、財産管理がいけないのではないかということを三年前に私は指摘したわけです。これはだいぶ改まった。鉄道弘済会か共済組合部かしらぬが、これも改まったという。そういう意味で今度は、日本交通公社の問題も改まっておるのか。というのは、乗車券なりあるいは周遊券なり、あるいはそうしたようなものを代行して事業を経営しているわけでありますが、その売上代金は迅速に国鉄に納入されているのですか。どのくらいの済度を持たしているのか。それとも売ったならば、直ちに国鉄に納入するような、いわゆるスピーディに納入できるような体制にあるのか。世間ではそう言わない。国鉄が運賃値上げをやる前にやらなければならない仕事の一つとして、この交通公社の問題が浮かび上がってきておるのです。その中の一つに、今申し上げるようないわゆる売った代金は、国鉄の窓口であるならば直ちに国鉄の収入に入るのですね。しかしながらそれが直ちに国鉄の収入に入っておらぬ。相当期間がある。こういうところにもいわゆる運賃値上げの前の合理化のやり方があるのではないか、こう言っておるのです。これは私はその取り扱い量が交通公社は多いだけに、この問題を指摘してみたいのであります。
○吾孫子説明員 交通公社につきまして、かって交通公社の経営が非常に乱脈な状態になりまして、いわゆる非常な不良資産みたいなものをたくさんかかえるような状態になりまして、そのために世間をお騒がせしたことは申しわけないと思っていたわけでございますが、その後、交通公社に対する国鉄としての監督の仕方は、できる限り積極的に強化してやって参りまして、その結果最近では不良な貸付みたいなものも、ほとんど今年度一ぱいには完全に整理できる予定ございます。 それからただいまの切符を代売さしております手数料の納入の経過等も、かつて非常におくれておったのでございますが、これもだんだん改善して参りまして、現在は大体一月おくれの該当日即日納めということで、前月分を一月たったところで納めるというところまで改善いたして参りました。
○上林山分科員 それは国鉄の代行機関であって、それで売った代金を貸し付けたり、しかも一カ月も二カ月もおくれてこれを納入しておる。その間資金繰りをやっておる。大体日本交通公社というのはどういう性格のものですか。公社ですか、それとも財団法人ですか、それとも普通の会社ですか。あなた方の資料によれば、財団法人資本金十三万円と載っておるが、財団法人の資本金十三万円で、驚くなかれ取り扱い量——数字をここで申し上げてもいいのだか、莫大な数字、私はどうも論理が合わぬと思います。日本交通公社の性格、これをもっと明確にし、これに不適当な部分があるならば監督官庁として運輸省ないし国鉄自体がお考えにならなければならぬのではないかと思うのですが、この点がどうかというのがまず第一点。 第二点は、改めてもまだ一カ月おくれで納めておるというのは私はひどいと思う。少なくとも一週間くらいでこれができぬものか、一週間くらいの済度で納入できないものかどうか。これが第二点。 第三点は、手数料の率をもう少し安くしたらどうか。これは日本交通公社はもうかっているのですよ。あまりにもうかっておるわけです。わずか十三万円の財団法人で、こういう莫大な取引をし、しかも貸付をやり、一カ月も二カ月も済度を置いて売掛代金を国鉄に納めておる。その間の利ざやを考えてごらんなさい。こういうところにメスを入れて、そうして国鉄運賃の値上げというものを一%でもいいから安くしていくというふうな考え方を持っていかなければならぬ、私はこう思うのですが、運輸大臣並びに副総裁、一つこの問題をお答え願いたいと思う。
○木暮国務大臣 お答え申し上げます。ただいまるる御開陳なさった御意見は全く御同感でございまして、私ども国鉄を指導監督いたしておりまする重大な責任に立っておりまするものといたしましては、今回の国鉄運賃改定の議が起こりましたときに、私は十二月に大臣に就任したのでございますが、直ちに国鉄の幹部を招致いたしまして、国民に負担をかける国鉄運賃改定をやらなければ、今後の国鉄の輸送増強整備ということができないというような話であるならば、過去においてとかくいろいろ疑惑の目をもって非難されておる国鉄自体において、まずこれだけ国民から不評判のことをやりたいというなら、みずから反省して神に向かってえりを正しゅうするような反省がなければ、国鉄運賃の改定ということを運輸省が取り上げるということはきわめて至難であるということを申し渡しました。その結果といたしまして、遊休不動産、遊休資材の処理をいたしますとか、ただいま御指摘のありました日本交通公社あるいは弘済会、あるいは国鉄の引き受けておりまするところの広告料というようなものも世間並みに適正にいたしますこと、また金額はきわめて小さいことでございますけれども、国鉄が運賃改定までして自己資本を捻出しなければならないときに、誤解を生ずる一つとして、国鉄が野球団に対する少額ではあるが補助をしているということはどうかと思う、こういう点にまできめこまやかに気を使って、そうして経理の合理化、経営の合理化をやって、そうして国鉄が捻出し得るだけのものを捻出して、それを自己資本として運賃改定に加えてやるぐらいの誠意がほしいものだということを申し渡した次第でございます。この詳細につきましては、ただいま国鉄副総裁からこれからお答えがございましょうと思いますけれども、従来とかくの御非難を受けましたような点につきましては、徹底的に皆様方の御了解を得るような経営の合理化をやっていくという熱意を持ってやっておると私どもは信じておるわけでございます。
○吾孫子説明員 ただいま大臣からお話のございました通りでございまして、私どもとしてもできる限りの努力をやるつもりでございますし、今後もさらにさらに努力をいたさなければならないと考えておる次第でございます。ただ交通公社の代売手数料の納入の期日の問題につきましては、これは私どもも決して一カ月で満足すべきだとは思っておりません。しかし最小限私鉄との連絡運賃の精算とか、あるいは旅館関係の周遊等の整理というような日数は、ある程度必要であると思われます。それにいたしましても、少なくとも十日くらいまでは縮められなければならぬはずだと思いますので、目下日数をさらに縮めて十日くらいにするということで、検討をいたしておる次第でございます。 それから手数料率につきましても御指摘の通りでございますので、さらにこれを改定して引き下げる——まだ何分下げるかというところまではっきりいたしておりませんけれども、引き下げる方向でただいま鋭意検討いたしておる次第で、ございます。
○上林山分科員 私は日本食堂あるいは日本通運、こういうような方面にも、運輸省としてはあるいは国鉄としては、もう少しメスを入れていいのじゃないか、こう考えておるのですけれども、時間の関係でこれは省略をしますが、ただ一言、お客さんの話を聞きますと、日本食堂ほどまずい食堂はない、金は非常に高い、こう言われておるのです。われわれは国際的に旅行をしてみたのでありますが、確かにまずい、高い。しかもこれに対して特別の便宜を国鉄が与えておりながら、そういう状態である。これはまことに遺憾なことだと思います。こういう方面にも私は監督指導をせられなければならぬと思う。運輸大臣、あなたはわずかばかり野球の費用などに国鉄が寄付をしておるのは悪い、きめこまやかにそういうものもやめて、そして運賃値上げをする以前の一切の合理化をやらなければならぬ、こういう意味の例に引かれたわけですが、私はそんなことを言っているのではない。国鉄は、営業からいっても、健全なるスポーツを育成するという意味からいっても、これは文部省の所管だ何だと言わないで、自分の汽車も利用してもらうのだから、わずかであれば、これは明るい方面のやり方ですから、そんなけちな考えはおやめになった方がいいと思う。野球などには、少しで済むことなら、一つ大いに費用をお出ししなさい。そういうところでなくて、今言ったように……(「徳武は五千万円だぞ」と呼ぶ者あり)いやよろしい、それくらいよろしい。そういうような今言ったような方面にメスを入れる方面がたくさんあるのです。 まだたくさんほかの委員の諸君が控えておられるのでやめたいのですが、最後に一点、運輸大臣にお尋ねしたい。国鉄が管理者もあるいは第一線の職員諸君も一体となって、国民にサービスするために建設的な考えを持って進んでおられるのなら、私は運賃の値上げを少しくらい適切にやったところでかまわぬと思う。安全に汽車を運行しなければならぬ、あるいはもうからぬところも経営をしていかなければならぬのでありますから、これはいいのですが、しかしながら今言うように、国鉄自体に対しあるいは運輸省自体に対し、国民の非難が管理者側に対してもあるだろう、あるいは第一線の職員に対してもあるだろう、こういうようにあるときに運賃の値上げをされると、小言がよけい出るのですよ。小言がよけい出ないような体制というものを運輸省みずからが、国鉄みずからが立体的にみんながしっかりやっていかなければならぬ。いわゆる単なるオシドリ闘争は困るけれども、ほんとうに腹を割った建設的な情熱に燃えたあるいは待遇改善もよかろうと思う。あるいはまた運賃の値上げも適切であればよかろうと思う。けれどもそうでない雑音のあまりあるときにこれを無理をしてやると、誤解を国民があまりにしてしまう。実態は違うにかかわらず誤解をしてしまう。ここが政治の私は大事なところだと思います。そういう点から考えまして、何だか国鉄の労働組合が鉄道の沿線を伝って陳情か反対か知らないけれども、そういうような意味を含んで鉄道を三十人なり二十人なり歩いてきた。これは新聞あるいはラジオで聞いた。いわゆる鉄道の線路を歩いちゃいかぬということは、国鉄従業員が一番よく知っている。また鉄道営業法によればこれが処罰を受けるということもはっきり知っている。それにもかかわらず、表面は運賃値上げ反対か、物価値上げ反対か知らないが、一方には待遇の改善を要求しておる。それで鉄道の線路に入っていかぬということを知りながら、営業法を犯してこれを歩いておる。これでは私はまじめな態度ではないと考える。こういうようなことをどうごらんになるか。こういうことは鉄道営業法に触れるのか触れないのか。私はきょうは時間の関係で検察当局に来てもらっておらぬが、いずれにしましても鉄道営業法によれば、鉄道の線路を歩いてはいかぬときめてある。罰金がちゃんと書いてある。それにもかかわらず、最もよく知っていなければならぬ国鉄の従業員の諸君が、一部とはいえこういうことをしていたということは、たしか十日くらい前の状態だったと思うが、現在はどうなのか。これでいいのか。(発言する者あり)私はこれは社会党の諸君も一つ静かにお聞き願いたいと思う。私はこういうことは断じていけないと思う。これが一点。もう一つは、国鉄が値上げをしたので、またぞろ私鉄が運賃の値上げをしようとする気配があるやに聞く。これは私は絶対まかりならぬと思う。私鉄は……(「どうしていかぬ」と呼び、その他発言する者多し)黙っていなさい。
○中野主査 静粛に願います。
○上林山分科員 そういうわけで、国鉄が運賃値上げをした。私鉄がこれに右へならえして申請する。私鉄は今社会党の諸君が言われるように非常にもうかっている。国鉄はまる裸になっているじゃないかと言っている。こういうときに私鉄の運賃の値上げをここ一年や二年はやるべきではない。それは部分的には知りませんよ。だが一体的にそういうものをやるべきではない。こういうように私は考える。だから私が申し上げているのは、右へならえではいかぬと言うのです。社会党の諸君は知りませんが、総評の諸君はいわゆるちょうちんデモなんかやっている。物価値上げ反対というが、私鉄運賃値上げも物価の値上げなんだから、これをまさか社会党の諸君も応援をすまい。だからそういうような意味で、私鉄の運賃の値上げに対しては大臣は大局的見地に立って、右へならえをするような値上げは一つこの議場を通じて国民にやるならやる、やらないならやらない、こういうことをはっきりしていただきない。
○木暮国務大臣 お答えを申し上げます。国鉄で働いている人たちの行動については、いろいろ今御意見がございましたが、全く私は同感でございます。これはあえてあまり申し上げると、またいろいろ御議論をここ紛糾させますから申し上げませんが、あなたの意見に全面的に賛成で、あなたのいわれることは正論であると思います。 それから私鉄の運賃の値上げのことにつきましては、私は本会議におきましても、予算委員会におきましても繰り返しお答え申しておりますが、同じことをここでも申し上げて大へん恐縮でございます。私鉄が国鉄運賃改定を好機会として、一斉に値上げをするという筋合いのものでないと私は考えております。また現にそういうことを私どもの方へ申し出てはおりません。今、従来私鉄はもうかっているというお話がございますが、調べて下さればわかるが、大きな私鉄と地方の私鉄を見ると、もうかっていないで配当のできないような私鉄が実にたくさんあるのでございます。そういうものをケース・バイ・ケースに、その鉄道が経理上あるいは経営上どうしても運賃の値上げをしなければいかぬというようなものを申請して参りましたときには、その一つの事業体ごとによく考究研覈をいたしまして、従来私鉄でもバスでも許可を与えてきているのであります。従来のこの方針はこのままで継続をいたします。今国鉄運賃改定に呼応して、一斉に私鉄の運賃を上げようというような動きもございませんし、またそういうことがあってもその値上げを取り上げる考えは私は持っておりません。
○上林山分科員 了承。
○中野主査 赤松勇君。
○赤松分科員 国鉄の労使関係の問題が出ますと、私も一言述べてみたい気がするのでありますけれども、許された時間がありませんので、ことに吾孫子さんがきょうは来ているので、非常にこっちも闘争心が燃えるわけでありますけれども、このことは別の機会に譲りまして、二点だけ伺っておきたいと思います。 その第一点は、御承知のように伊勢湾台風で、その対策の一つといたしまして、運輸省の方では防潮堤を作るということで、その着工の運びとなり、予算も計上されておるわけであります。ところが、この防潮堤の建設について伊勢湾一帯の十九漁業組合、六千人の生活保障の問題が喫緊の問題になっております。先般もこの漁業協同組合の総決起大会を開きまして、ここで決議をいたしましたのは、 一、高潮防波堤による漁民に与える影響、被害等を科学的に調査をしてもらいたい。 一、たとえ調査の結果、漁民に与える被害が甚大であっても、工事に入る場合は漁民との話し合いがついてからにしてもらいたい。 一、運輸省は直接補償を考えておるが、われわれ漁民は全面補償をお願いする。 一、以上三点のうち一点でも怠った場合には、そのときから絶対反対に切りかえる。 つまり条件闘争から絶対反対の戦いに切りかえる。これは十二月九日に知多郡、海部郡等伊勢湾一帯の十九の漁業組合の六千人総決起大会の決議であります。この点につきましては、話し合いがつかなければ工事に着工しないということは、横浜二建の宮崎次長が漁民代表の前で明確にしている。こういう点につきましては、港湾局長はどのようにお考えになっておるか、この際お聞きしておきます。
○中道政府委員 ただいまお話がございました伊勢湾の高潮防潮堤につきまして、これは御承知のように一昨年の伊勢湾台風に対します抜本的な防災事業といたしまして、名古屋港の沖合いに防潮堤を作りまして、将来台風の襲来に対して名古屋周辺を安全に守り、あわせて名古屋地区周辺の開発等にも貢献をするという趣旨で計画をいたしたわけでございます。その点でこの防波堤の影響が沿岸の漁業関係の方々に重大な支障を及ぼしてくるのではないかということでございますので、この点について科学的な調査をしてくれということで、現在京都大学にこの港内の自然現象についての模型実験を依頼いたしまして、それらの影響についての調査を進めておる段階でございます。 そこでこの漁業補償については、事が非常に重大でございますので、名古屋地区のこの問題に対して、知事及び名古屋港の管理者であります港湾の管理組合及び工事関係の第二港湾局及び愛知県、名古屋市の関係市町村、学識経験者、水産関係者、そういうような方々によって名古屋港周辺の漁業対策協議会——これはまだ正式な名前とはなっておらないかもしれませんけれども、そういうような方式によって、この港内における漁業権その他の支障についての公正妥当な補償、その他の問題を十分検討し、さらに十分関係者と話し合いをして、この問題の解決をはかっていきたいというようなことで、現在鋭意ただいま申しましたようなやり方を進めておるわけでございます。
○赤松分科員 昨年の十二月九日に、この関係漁民が集まりまして、二建の人を招いて説明会をやっている。その説明に満足しないで非常に憤慨しまして、この港内で漁民大会を開いて、生活権を守る立場から決議を行なって、運輸省の二建の方に出しております。二建の方はすみやかに回答すると言っているけれども、現在に至るまで何らの回答がない。一方工事の着工は四月から始めるということになっておるわけです。その間一カ月なんですね。京大に調査を依頼しているというけれども、この一カ月の間に調査をして、そして補償額及び補償方式をきめるというようなことは可能なんですか、どうですか。
○中道政府委員 ただいまお話しの、第二港建からの説明でございますが、昨年の十二月に漁業関係者の方々に対して説明をいたしたということでございます。これはまあ最初のことでございまして、まず工事の実態からよく御説明を申し上げて、その上でさらに補償関係その他に順次話し合いを進めていくということで、実は工事の説明から始めたということでございます。 そこでただいまお話しの補償問題につきまして、ただいま申し上げましたように科学的な調査が基礎になりますので、京都大学にこの実験を依頼いたしまして進めておりますが、一応できるだけ早い機会にこの結論を得るように京都大学の方にも常時連絡をしておるわけでございます。従いまして、一カ月ということになりますが、先ほど申しましたように、協議会等で話し合いなり調査を進めまして、できるだけ早く工事に着工したいというふうに考えておるわけでございます。問題が非常に困難な点もございますが、われわれといたしましては、皆さん方の御協力を得まして、公正妥当な補償を一日も早く得たいというふうに考えて、各方面にこれをお願いし、また指導監督を進めておるという状態でございます。
○赤松分科員 私どもの基本的な態度を申し上げますと、政府特に運輸省が、再び災害を起こさないために愛知県から三重県にかけて画期的な防潮堤を作るということに踏み切ったことは、これは国会の意思もあったでしょうけれども、私は非常に大きな事業だと思うし、そういう工事に対しましては全面的に協力もするし、またしなければならぬと思うのです。これは一つのモデルケースなんで、これができ上がって、そして十分に台風が防げるということになりますならば、これは日本全国に非常に大きな影響を与えると思うのです。その意味で、もう間もなく四月から工事が始まるのですけれども、九月、十月の台風期にはことしはとても間に合いません。間に合わないけれども、時間的な制約がありますから、全力をあげてやってもらいたい。従って今言ったように、このことに協力することはいささかも惜しまないし、私どもは漁民に対しましては絶対反対という態度をとってはいけない、それはあくまでも条件闘争だ、つまり生活権とそれから国のそういう防災事業とのコントロールをやっていくという、いわば国の政策に順応するという態度をとらなければいけない、こういうことを今まで言ってきたわけです。この点は岐阜の例の政治駅に対する保守党の国会議員の人たちの態度とわれわれは違うのです。非常にまじめに考えております。そこで、今も調査の上、公正妥当なる補償をしたい、こういうお話でありますけれども、もう四月からこれは着工するのですね。四月まではもう一カ月くらいしかないわけです。その間に京大の調査が完了するかどうか。十九カ町村にわたる六千人の漁民の被害状況の科学的な調査が四月までに完了するのかどうか。完了しない場合には、四月から着工できないのかどうか。着工できないとすれば、一面においては非常な不安を住民に与えるわけです。もし着工するとすれば、これまた漁民に対して非常な不安を与える、こういうことになるわけです。その点はいかがですか。
○中道政府委員 お話しの通りでございます。私たちもその点は非常に苦慮しておるのでございますが、京都大学の調査も現在相当進んでおるように聞いておりますので、できるだけ早く調査の見通しをつけまして、最終的な結論までいかなくても、その話し合いのできる程度の調査ができますれば、すみやかにそれをもとにして今の協議会その他の話し合いの方式で解決するように持っていきたいと思います。そういうような状態でございまして、時間的に非常に余裕がないような状態になっておりますのは仰せの通りでございますが、できるだけ全力をあげてその調査を進め、その話し合いを進めまして、漁民の皆さん方に不安のないように、妥当な解決の方法を見つけていきたいというように念願をいたしておるわけであります。
○赤松分科員 漁民の気持を率直に言えば、御承知のように、庄内川とか日光川とか山崎川とか、ずっとあの辺に大工場がどんどん建っていますね。そして汚水が流れてくる。それで非常な被害がある。一方では三重県、愛知県に防潮堤が作られる。これはたしか航路は二つになると思うんですけれども、これでふさがれてしまう。一方東海製鉄の今埋め立てをやっていますね。あそこが一大工場地帯になる。そこでもってノリなどの被害が非常に大きいというので、この補償の問題は、今県と東海製鉄によって進められている。そうしますと、一方では汚水で苦しむ、一方では防潮堤でもってその資源を絶たれるということになって参りますと、これは非常に漁民としては、といって遠洋漁業に転換するわけに参りませんので、そうなりますと、六千人の漁民というものは一体どうなるか。今のお話なんだが、できる限り早く調査を進めたい、こうおっしゃいますけれども、四月着工という、これはすでに調査費がついておりますね、予算がついておりますね。そうるすと四月から始まるのです。それまでに調査もし話し合いも進める、こう言うのですが、話し合いがつかなければ着工しない、こう宮崎次長は言っておりますが、これでよろしゅうございますか。
○中道政府委員 ただいま申しましたように、現在の段階では、できるだけ早く話し合いを進めましてその解決をすると申し上げるわけでございます。その話し合いによりまして、どういう姿で着工していくかということをきめる段階になると思いますので、その話し合いを進めるということで一つ御了承いただきたい。それに対しましては、全力をあげて、できるだけすみやかに話し合いを進めたい、そういうふうに考えております。
○赤松分科員 宮崎次長が、話し合いがつくまでは差工しないということを言明しているのです。漁民はそれを唯一のたよりにしておるわけです。その点を私は聞いているんだ。宮崎次長がこう言っている、これをあなたは確認するかどうかということなんです。
○中道政府委員 もちろん工事に着工することによって重大な支障を及ぼすということは、避けなければなりません。しかし工事の内容によりましては、あるいはこれは、実はいろいろ各省にこういう例がございますが、話し合いによりまして解決をする道もあるのではないかと思いますので、その点は関係の漁民の方々、その他の方々と十分話し合いをいたしましてきめたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○赤松分科員 関係の漁民との十分な話し合いをつけて、そうしてきめたい、こうおっしゃいますね。そこでお尋ねしたいんだが、この補償は全額国庫でおやりになりますか。
○中道政府委員 この補償のやり方なり額につきましても、ただいま申しましたように、協議会のような形で各方面の御意見を伺い、慎重に検討するわけでございます。ただ運輸省といたしましては、この補償問題は、防波堤の敷地になる部分は、もちろんこれは補償の対象になる。しかしそうでなくて、防波堤によって湾内全域について漁業者がこの影響を受けるわけでございますので、それに対する補償ということが、あわせまして重大な問題になります。その点について、今申しましたように、十分検討するわけであります。その補償の額は、そういうことでいろいろ検討されるわけでございます。その補償額の支出、どういうふうにして支出するかということでございますが、これは国の費用ももちろんございますし、それから地元の県なりあるいは管理組合等からの補償という点も考えられるわけであります。いずれにいたしましても、その協議会等で公正妥当な線が出ますれば、それに対する予算措置は、われわれの方としては講も、この一カ月の間に調査をして、そして補償額及び補償方式をきめるというようなことは可能なんですか、どうですか。
○中道政府委員 ただいまお話しの、第二港建からの説明でございますが、昨年の十二月に漁業関係者の方々に対して説明をいたしたということでございます。これはまあ最初のことでございまして、まず工事の実態からよく御説明を申し上げて、その上でさらに補償関係その他に順次話し合いを進めていくということで、実は工事の説明から始めたということでございます。 そこでただいまお話しの補償問題につきまして、ただいま申し上げましたように科学的な調査が基礎になりますので、京都大学にこの実験を依頼いたしまして進めておりますが、一応できるだけ早い機会にこの結論を得るように京都大学の方にも常時連絡をしておるわけでございます。従いまして、一カ月ということになりますが、先ほど申しましたように、協議会等で話し合いなり調査を進めまして、できるだけ早く工事に着工したいというふうに考えておるわけでございます。問題が非常に困難な点もございますが、われわれといたしましては、皆さん方の御協力を得まして、公正妥当な補償を一日も早く得たいというふうに考えて、各方面にこれをお願いし、また指導監督を進めておるという状態でございます。
○赤松分科員 私どもの基本的な態度を申し上げますと、政府特に運輸省が、再び災害を起こさないために愛知県から三重県にかけて画期的な防潮堤を作るということに踏み切ったことは、これは国会の意思もあったでしょうけれども、私は非常に大きな事業だと思うし、そういう工事に対しましては全面的に協力もするし、またしなければならぬと思うのです。これは一つのモデルケースなんで、これができ上がって、そして十分に台風が防げるということになりますならば、これは日本全国に非常に大きな影響を与えると思うのです。その意味で、もう間もなく四月から工事が始まるのですけれども、九月、十月の台風期にはことしはとても間に合いません。間に合わないけれども、時間的な制約がありますから、全力をあげてやってもらいたい。従って今言ったように、このことに協力することはいささかも惜しまないし、私どもは漁民に対しましては絶対反対という態度をとってはいけない、それはあくまでも条件闘争だ、つまり生活権とそれから国のそういう防災事業とのコントロールをやっていくという、いわば国の政策に順応するという態度をとらなければいけない、こういうことを今まで言ってきたわけです。この点は岐阜の例の政治駅に対する保守党の国会議員の人たちの態度とわれわれは違うのです。非常にまじめに考えております。そこで、今も調査の上、公正妥当なる補償をしたい、こういうお話でありますけれども、もう四月からこれは着工するのですね。四月まではもう一カ月くらいしかないわけです。その間に京大の調査が完了するかどうか。十九カ町村にわたる六千人の漁民の被害状況の科学的な調査が四月までに完了するのかどうか。完了しない場合には、四月から着工できないのかどうか。着工できないとすれば、一面においては非常な不安を住民に与えるわけです。もし着工するとすれば、これまた漁民に対して非常な不安を与える、こういうことになるわけです。その点はいかがですか。
○中道政府委員 お話しの通りでございます。私たちもその点は非常に苦慮しておるのでございますが、京都大学の調査も現在相当進んでおるように聞いておりますので、できるだけ早く調査の見通しをつけまして、最終的な結論までいかなくても、その話し合いのできる程度の調査ができますれば、すみやかにそれをもとにして今の協議会その他の話し合いの方式で解決するように持っていきたいと思います。そういうような状態でございまして、時間的に非常に余裕がないような状態になっておりますのは仰せの通りでございますが、できるだけ全力をあげてその調査を進め、その話し合いを進めまして、漁民の皆さん方に不安のないように、妥当な解決の方法を見つけていきたいというように念願をいたしておるわけであります。
○赤松分科員 漁民の気持を率直に言えば、御承知のように、庄内川とか日光川とか山崎川とか、ずっとあの辺に大工場がどんどん建っていますね。そして汚水が流れてくる。それで非常な被害がある。一方では三重県、愛知県に防潮堤が作られる。これはたしか航路は二つになると思うんですけれども、これでふさがれてしまう。一方東海製鉄の今埋め立てをやっていますね。あそこが一大工場地帯になる。そこでもってノリなどの被害が非常に大きいというので、この補償の問題は、今県と東海製鉄によって進められている。そうしますと、一方では汚水で苦しむ、一方では防潮堤でもってその資源を絶たれるということになって参りますと、これは非常に漁民としては、といって遠洋漁業に転換するわけに参りませんので、そうなりますと、六千人の漁民というものは一体どうなるか。今のお話なんだが、できる限り早く調査を進めたい、こうおっしゃいますけれども、四月着工という、これはすでに調査費がついておりますね、予算がついておりますね。そうるすと四月から始まるのです。それまでに調査もし話し合いも進める、こう言うのですが、話し合いがつかなければ着工しない、こう宮崎次長は言っておりますが、これでよろしゅうございますか。
○中道政府委員 ただいま申しましたように、現在の段階では、できるだけ早く話し合いを進めましてその解決をすると申し上げるわけでございます。その話し合いによりまして、どういう姿で着工していくかということをきめる段階になると思いますので、その話し合いを進めるということで一つ御了承いただきたい。それに対しましては、全力をあげて、できるだけすみやかに話し合いを進めたい、そういうふうに考えております。
○赤松分科員 宮崎次長が、話し合いがつくまでは差工しないということを言明しているのです。漁民はそれを唯一のたよりにしておるわけです。その点を私は聞いているんだ。宮崎次長がこう言っている、これをあなたは確認するかどうかということなんです。
○中道政府委員 もちろん工事に着工することによって重大な支障を及ぼすということは、避けなければなりません。しかし工事の内容によりましては、あるいはこれは、実はいろいろ各省にこういう例がございますが、話し合いによりまして解決をする道もあるのではないかと思いますので、その点は関係の漁民の方々、その他の方々と十分話し合いをいたしましてきめたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○赤松分科員 関係の漁民との十分な話し合いをつけて、そうしてきめたい、こうおっしゃいますね。そこでお尋ねしたいんだが、この補償は全額国庫でおやりになりますか。
○中道政府委員 この補償のやり方なり額につきましても、ただいま申しましたように、協議会のような形で各方面の御意見を伺い、慎重に検討するわけでございます。ただ運輸省といたしましては、この補償問題は、防波堤の敷地になる部分は、もちろんこれは補償の対象になる。しかしそうでなくて、防波堤によって湾内全域について漁業者がこの影響を受けるわけでございますので、それに対する補償ということが、あわせまして重大な問題になります。その点について、今申しましたように、十分検討するわけであります。その補償の額は、そういうことでいろいろ検討されるわけでございます。その補償額の支出、どういうふうにして支出するかということでございますが、これは国の費用ももちろんございますし、それから地元の県なりあるいは管理組合等からの補償という点も考えられるわけであります。いずれにいたしましても、その協議会等で公正妥当な線が出ますれば、それに対する予算措置は、われわれの方としては講海道線、名鉄、中央線、こういうようにあの一番市内の繁華なところが、全部この土盛りでふさがれてしまう。今名古屋のあの付近を見てごらんなさい。ほとんどあれでもって交通が遮断されてしまって、非常に交通が不便であるということは、吾孫子さんはあすこを通るからよく知っておるはずです。ですからこれは再検討してもらわぬと、岐阜のように騒げば目的が達成できる、騒がなければいいかげんにやってやろうということでは困る。やはり日本の都市形成、産業形成の全体の大きな構想の上からいって、ぜひこの点を一つ考えてもらいたい、こう思うのですが、いかがですか。
○吾孫子説明員 市街地における路線の建設ということにつきましては、お話の通り、土盛りにしたのでは工合が悪いところもたくさんあろうかと思います。そういうような場所につきましては、よく全体の情勢を見まして、そういう必要のあるところは高架にしていくというようなことで検討して参りたいと思います。
○赤松分科員 御承知のように、伊勢湾の知多方面は埋め立てまして、一千億円の資金を投じて東海製鉄ができ、関連工場が二十数社すでにあすこにできるわけですね。今度は四日市、桑名、あの方面も石油センターを中心に工業地帯としての大土地造成をやるわけです。そういうふうに東海地区一帯は今発展の一路をたどっておるときに、近代的な路線設備については、やはり近代的な構想でもってやってもらいたい。たとえば国鉄があの場合ああいう能のないことをやらないで、高架にして下を貸すというようなことになると、希望者は幾らもあるのです。決して損はいかないと私は思う。ただいろいろ変な条件で、よくいろいろなうわさがあるのですけれども、ああいう形で貸し付けるということになると、あるいは損失をこうむるかもわからないけれども、普通の状態で貸していくということになりますならば、私はあんな工事費ぐらいすぐ浮いてしまうと思うのです。ぜひこの点は再検討してもらいたい、いかがですか。
○吾孫子説明員 ただいまも申し上げましてたように、市街地における線路の新設につきましては、これはまた資金の問題や何かでいろいろ地元の御協力をお願いをしなければならぬ面も出てくるかと思いますが、再検討いたします。
○赤松分科員 以上です。
○中野主査 午前の会議はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時三十分休憩 ————◇————— 午後一時四十六分開議
○中野主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。楯兼次郎君。
○楯分科員 あとで質問者もたくさん見えますし、まだこまかい問題については運輸委員会等でお聞きしたいと思いますので、三点だけをお伺いをいたしたいと思います。 第一番は、運輸大臣と私は予算の本委員会でいろいろ議論をしたわけでありますが、われわれが一番心配をしておりますのは運賃の値上げて、一時的には国鉄の輸送というものが確保できましても、また三、四年たちますと再び運賃の値上げ、こういう悪循環を繰り返すおそれがある、こういうことをわれわれとしては一番心配をしておるわけであります。なぜそういうことを言うかといいますと、きのうの本会議の池田総理大臣の答弁あるいは運輸大臣の答弁は非常に楽観的でありましたけれども、私どもはそう考えておりません。それからきのうの本会議の答弁を聞きますと、誤りがあると思いますので、簡単に触れておきたいと思いますが、それは私調査をいたしておりませんから正確な数字でないかもわかりませんが、昭和二十六年と三十二年に運賃の値上げをした。ところが物価は、卸売物価は上がっておらぬ、こういうことを総理大臣は言われておったのですが、私の記憶では、たしか昭和二十六年に運賃の値上げをいたした直後は、政府の方では緊縮財政をしかれたと思います。新規事業は全部三年間くらいは打ち切り、こういうことで、俗に言う、景気が非常に悪くなった。従って卸売物価が値上がりにならなかったではないか、記憶をたどって、こういうふうに考えます。それから三十二年に運賃を値上げしたけれども、卸売物価が上がらなかったというのは、そのあとに答弁に立たれました運輸大臣の言葉で裏書きをしておるわけです。ということは、現行の五カ年計画が、べース・アップという問題もあるが、当初予期しただけの収入が上がらなかったというのが、五カ年計画が一〇〇%遂行されなかった大きな原因というふうにあなたは御答弁になっておるわけです。あの三十二年の運賃値上げがありました直後は、いわゆる一千億施策、一千億減税で、スエズ運河等の問題もありましたけれども、非常に景気が変わって参りまして、財政面から工事費は一割は使ってはならぬ、こういうようなときであったというように私は記憶をいたしております。国鉄も最初予期しただけの収入が上がらなかったということは、それだけ不景気であった、こういうことが実証されておるわけです。従って、卸売物価も上がらなかった。それと今度とは大いに違うと思います。これは運輸大臣にそんなことを言いましても、池田さんの言明でありますから、別の機会にお聞きをしたいと思いますけれども、それらをいろいろ考えてみますと、非常に楽観的の言明を当局はなさっておるのでありますが、われわれはそうは考えておらない。なぜかということを端的に申し上げますると、口の悪い言葉でありますが、いまだに国鉄はどんぶり勘定じゃないかと思うわけです。といいますのは、所得倍増計画等を見ますると、原価主義で、公共性の範囲で企業性を発揮するというようなことをおっしゃっておりますが、もう今の段階では、一体原価主義とは何ぞや、あるいは公共性も日本語としてはわかりまするが、国鉄が考えておる公共性とは一体——こまかいことは別として、大体これらの範囲であるという大ワクを、国鉄も、運輸省も、われわれ社会党も、国民も、理解をしながら国鉄の問題を議論する、こういう段階に私は来ておらなくてはならないと思うのです。ところが、やっていけぬから、所得倍増計画をやらなければならぬから、運賃の値上げだ、運賃の値上げだというので、それだけが先走ってしまっておる。だからこういう考え方では、またぞろ数年たちますと、またやっていけぬ、もう一回運賃の値上げをお願いしたいということになる。運賃の値上げの冒頭になさいます運輸大臣の演説は、昭和二十六年以来みな同じなんです。これでよくなりますよ、こうおっしゃっておりますが、結果はそうはならない。従ってもう現段階では、一体国鉄の原価主義とは何であるか、あるいは国鉄の考えておる公共性とは、大ワクはどういうものであるか、これは法律にきめるというわけにもいかぬでしょうが、国民も当局者も全部が納得する線を並行して議論をされ、きまってこなければならない、こういうふうに私は思うわけなんです。そこで原価主義、原価主義とおっしゃいますが、一体原価主義とはどういうものであるか、長い答弁は要りませんから、簡単におっしゃっていただきたいと思います。
○木暮国務大臣 お答えを申し上げます。 まず第一の物価の問題については、総理にまた違った機会に御質問になるようなお話でございましたから、多くは申し上げませんが、われわれが見た統計では、国鉄運賃の前回の値上げが物価には影響しておらぬように現われておりますものですから、総理もそういうことを言われたものと思うのであります。 それから今の国鉄が高度の公共性を持っておりまする関係上、いわゆる公共負担の仕事をやるべきものであるということは、われわれもそういうことを考えておるわけでございまして、それは先ほども委員の方からお話がございましたように、たとえば通学、通勤の定期の割引がかなり大きな割引になっておることであるとか、それから新線建設ばかりではございませんで、そうでない線におきましても、赤字を出しておっても、国民経済の成長発展あるいは運輸交通の連絡上そういうものをあえていたしておるというようなことが、やはり公共負担と見るべきものだと思うのでございますが、これは公共性の高いところからしからしむるものであると存ずるのでございます。 それから国鉄運賃の原価主義でございますか、これにつきましては、詳しいことを一つ専門家の方からよくお答えさせます。
○岡本政府委員 運賃法でいう原価主義は、やはり全体として原価がまかなっておればよい、こういうふうに考えております。従いまして、個々の問題をとってみますと、たとえば赤字線区の問題であるとか、いろいろございますけれども、全体としてバランスがとれておればよい、その範囲内で公共性のある仕事もやっていく、こういうような考え方であります。
○楯分科員 私は全体の収支がいわゆるとんとんであればよい、簡単に言いますと、こういうことだろうと思うのです。ただここで問題がありますのは、いわゆる減価償却費の中に国鉄の方で改良費が入っておるかいないか知りませんけれども、いわゆる時代に即応した近代化のためにある程度の改良費を含めての原価主義ということだろうと私は思うのです。ところが、予算書を見てみますと、約五百五十億でありますか、六百億近い減価償却費の中には、改良費というものが入っているかいないか存じませんけれども、私はあまり入っておらないと思います。その改良費を今度はどのくらいのところで線を引いたならば、収支がとんとんであって、なお増加する輸送需要を満たすことができるか、ここが国鉄にとって、運輸省にとって、原価主義という一番の問題点ではないか。ところがわれわれの方で一番重要だと思えますこの考え方についても、もう数年来私どもが運輸委員会において議論をいたしておるのでありますが、あなたの方は、部内だけはわかっておるかもしれません。しかし、少なくとも運輸省以外は、常識的にも国鉄の原価主義とは一体何かということがわかっておらぬ。だから今日の段階では、やはり国鉄の原価主義とは時代に即応する近代化のために、改良費もこのくらい盛ったのが妥当であるという議論を起こし、それを大衆の常識として植え付けていくという必要があるのではないか。それをほったらかしておいて、やっていけなくなったから今度は運賃値上げでは、また四、五年たつと運賃値上げになる。こういうふうに私は考えるのですが、こういう点どうですか。
○岡本政府委員 確かに御指摘のようなことはあると存じますので、今後十分検討いたしていきたいと存じます。御指摘の改良費的なものが原価計算上どういうふうな扱いになるのか、この点につきましては、過般来国会におきましても、大体千二百億円採算に乗らない工事費がある。この千二百億円程度のものは、採算に乗らないがゆえに、利息のつく金では困るのだ、利息のつかない自己資金でやらなければいけない、こういう説明をして参ったのでございます。原価計算上どういうふうにこれを扱うかということにつきましては、正直に申しまして、従来必ずしも徹底的に明確な結論を得ておるわけではございません。ただ経営調査会におきましては、こういう採算に乗らないものは、原価計算上原価に算入すべきだ、こういう結論を出しております。たとえば踏み切りの改善でございますね、こういう保安に関するようなものは当然原価に算入していいのだ。あるいは減債資金繰り入れの問題、こういったものも、原価理論からいうと原価に算入していい、こういうような結論になっております。そこでこういった考え方に基づいて今回の原価計算をいたしたのでございますけれども、これを勘定方式で明確にしていく必要はやはりあるように私は考えております。
○楯分科員 私の言っておるのは、こまかいいろいろなやり方があるでしょう、しかし大ワクとしては原価主義、原価主義と言っておられるのですから、その原価主義とは一体何であるか、あなた方だけ自分のみ込みして、国民大衆は知らずにこの活字を読んでおるだけです。だから、一体国鉄はもうかっておるのか、あるいは赤字になっておるのか、わからぬじゃないか、こういう疑惑が生まれてくると思うのです。だから、運賃の値上げは一応別として、とにかく国鉄が周期的に運賃の値上げをやらなくても済むように、これは先ほど申し上げました改良費の加味ということになるだろうと思いますが、そういう費用を加味した原価主義というものはどういうことになるのか。これはあなたの方でも大方針を打ち出され、国民もそれを納得するような方向にいかなければ、それを基本として論議が巻き起こるような状態にしなければいかぬじゃないか。そういうことをほうって、ただ足らなくなったから——われわれは政府が出せばいいと思うのですが、ところが運賃値上げだ、いや税金ではいかぬ、利用者負担だという。減税の恩典を受ける利用者が運賃の値上げによって痛手を受ける、これはいかぬじゃないか、こういうことをわれわれは言っておるわけです。利用者負担、税金の問題ではないと私は思うのです。一体国鉄の言う原価主義とは、いかなるものを含めたものが原価主義であって、それに足らないのか、足りるのかという、こういう基本を定めなくては、そのときばったりで、いやそうじゃない、こうじゃない、でもあろうというふうな議論ではもう時代おくれだ。なぜその基本をはっきりしていかないか、こういうことを私は申し上げたいのであります。確たる統一した意見がないようでありますので、こういうものも真剣に、今後一つ考えていっていただきたいと思います。 それから同じように公共性です。ただ公共性の範囲内において企業性を機動的に発揮するなんということを言っておりますが、一体公共性も雲をつかむような話なんです。ときによっては全部が公共性で、都合の悪いときには公共性でないという。だから、私はワクにはめて動かないような公共性の解釈ということを要求しておるわけではありませんけれども、大体国鉄あたりの公共企業体がいう公共性という意義の中にはどのくらいのものが入るのか、どういうことを言うのかという国民常識としての公共性の意義くらいは、運輸省なり国鉄が提案をされて国民の常識としていく必要があると思う。この点についてはどうお考えですか。
○岡本政府委員 この公共性につきましても、予算委員会の総括質問のときにお答えいたしましたように、やはりそれぞれの国によりまして沿革なり歴史がございまして、それによって律すべき点も多いかと思うのです。一概に観念的に、理論的に割り切るということはどうかと考えております。しかし現在国鉄が申しております公共性というのは、主として運賃制度上いろいろな割引をやっておる、これが結局計算してみると五百二十五億円に上っておる、この公共的負担を何とかしてくれということになっておるわけでございますが、御承知の通りでございます。しかしわれわれの現在の考え方では、やはり国鉄は公共性のある企業体であるということは国民一般の常識でございますので、国民から見れば、損のいく仕事であっても、国鉄はやるべきであるという一般常識があると思うのです。従いまして、国鉄の収支のバランスを失わない限りは、これは公共性のある仕事だ、これはそうでない仕事だというふうにせつ然として分けないで、全体としてバランスがとれる限りは、そういう国民一般常識の期待するような公共性のある仕事はやはりやっていかなければならぬ、こういうふうに考えております。もちろん御指摘のように、理論的にも公共性の問題は究明して、より国民の理解を深めるという方向には持っていく必要があるかと思います。
○楯分科員 公共性の定義とまではいきませんけれども、国鉄のいう公共性とは、大体の方角はこれくらいである、こういう範囲であるという国民常識くらいは、今日まですでに打ち出して議論して、そして常識として養っておかなくてはいかぬと思うのです。文字ではうたってあるけれども、公共性といえば、国鉄は何でもやる、やらせられるんだ、こういうことでは議論にならぬのじゃないですか。今鉄監局長は、収支がとんとんであればできるだけ最大限度に公共性を拡大するのが国鉄の使命だとおっしゃいましたね。ところが、それでは時代に即応する輸送ができぬから、運賃の値上げをする。別の意味でいけば赤字である、こういうことになってくるのじゃないですか。だからあなたのおっしゃることで、収支の範囲内での公共性というのは、すでに公共性をはみ出しておるということなのです。そうじゃないですか。国鉄は時代に即応するだけの輸送ができぬから、運賃の値上げをやってまかなうというのでしょう。あなたは、収支の範囲内において、公共性を最大限に拡大するとおっしゃるわけでしょう。ところがそれができぬのじゃないですか。だから運賃の値上げをしてもらいたいということでしょう。そういう面の解釈も私は統一をしておく必要があると思う。それから公共性の中心として運輸大臣もあるいは鉄監局長も言われますのは、いわゆる割引運賃のことですね。ところが、われわれは事情がわかっておるからいいのですが、法律的に解釈をすれば、国民は何を言っているかと言いますよ。そうでしょう、あなた方が今まで五百二十五億になんなんとする採算割れであるといって宣伝をされておるのは、これは一体だれがやったのか。運輸大臣と国鉄総裁の認可事項じゃないですか。自分たちが勝手に採算割れの取り扱いをしておいて、そうして金が足らなくなったら運賃の値上げをして下さい、私はこんな理屈に合わぬ話はないと思うのですが、どうですか。
○岡本政府委員 今私が申し上げました五百二十五億というのは、これは国鉄が申しておるのでございまして、こういう公共負担を何とかしてくれということは国鉄が申しておるわけでございます。政府といたしましては、全体の収支のバランスがとれる限りにおいては、つまり鉄道財政の健全なる姿を維持できれば、その範囲内において当然今国鉄が申しておりますような公共性のある仕事はやっていかなければならぬ、こう申しておるわけでございます。そこでそういういろいろな仕事をやっていきます場合に、その使命を遂行する必要上、どうしても資金が足りないとか、鉄道財政の健全性を維持することができないという場合には、一部所要の資金につきまして運賃改定によるということはやむを得ない、こういうふうに政府は判断したわけでございます。
○楯分科員 鉄監局長、われわれは事情がよくわかりますが、割引運賃も新聞雑誌の割引も運輸大臣の認可事項なんです。そのほかの学生特別割引あるいは貨物の暫定割引その他は国鉄総裁認可事項なのです。権限なんですよ。自分でやっておいて、時代に即応する設備投資が要る、金が足らぬから運賃値上げをしてもらいたい、これは国民の方から見れば何をぬかしておるかということになる、こういう点どうです。
○岡本政府委員 しかし、国民一般の感情は必ずしもそうでないと私は確信しております。つまり国鉄がいろいろな公共割引をするということは当然のことであるという認識が一般であるかと思います。従いまして、そういう公共的な使命を遂行しながら所要の輸送力の整備拡充を行なっていく必要上、所要の資金において不足するという場合において、多少の運賃値上げはやむを得ないというふうに是認してもらう結果になるんじゃないかというふうに考えております。
○楯分科員 それは政府の考え方であって、大衆は今私が申し上げましたように、大臣と総裁の認可事項でありますからね。金が足らなくなったら政府が出してやればいいじゃないか、これがおそらく国民の大多数の意見だと私は思うんです。そこで私は、今の運輸大臣や総裁は、相当の歴史がありまするから、その個人を責めるわけではないのでありますが、自分たちの認可事項であるから、国会の圧力もあるでしょう、いろいろな圧力もありまするが、そうなると運賃の値上げをしなければならぬから、その割引の何割かについては国の方で予算措置を講じてくれ、そうでなければ運賃値上げということになるから、困るから、その措置をしてもらいたいという抵抗があってもしかるべきだと思う。ところが、今度の運賃値上げの提案の書類を見ますると、それは最後にはちょっぴり書いてありまするけれども、これは申しわけだ。できる、できぬは別だけれども、常にこういう制度が新設をされる場合には、担当責任者としてはそのくらいの抵抗をやり、天下にその事実を発表したっていいと思います。ところが唯々諾々としてその割引をやった。それで金がない、運賃値上げだとなる。国民の方では、総裁、運輸大臣の認可事項ではないか、自分たちが勝手にやっておいて、金が足らぬから値上げということは、これは納得ができない。こういうのが、私はむずかしいことを言うわけじゃありませんが、常識だと思うのです。運輸大臣、どう思われますか。
○木暮国務大臣 国鉄総裁から申請してきて、今の割引のごとき、運輸大臣の認可事項であるものでも、従来そういうことを続けてやって参りまして、国民の生活費の中へ溶け込んでおる今日におきまして、しからばお前らが自由にできるんだからというお言葉に、裏を返して、それじゃ今度は通学、通勤の割引などを九二・二%は多過ぎるからと国鉄から言うてきたものを運輸大臣が認可するというようなことをやったら、おそらく国民は、なぜ国会などの世論を、国民の声を反映さしたところで聞かないかという御議論が出ると思います。それですから、今の国鉄総裁が申請して運輸大臣が認可するという法律上の手続からすれば、きわめて安易にできることでも、こういう時勢には広く国民の声なき声を聞くとでも申しましょうか、一般の声の反映を伺った上でやはりやりたいというふうにわれわれは考えておるのでございまして、今お話しのように、国鉄総裁が申請して運輸大臣が認可すればそれでいいものを、片方は法律改正の方にたよって運賃の改定をするというのはけしからぬではないかという御議論があるんですけれども、どうでございましょうか、国鉄総裁から言うてきたから運輸大臣が認可すればいいということをそのままにとって、今まで認可しておったものを、国民の声を聞かずに割引率などを変えるということをやれば、法律の改正にまでいかなくて済むようなことがあるとしても、そうやるべきではないのではなかろうかと私どもは考えて、今回の運賃の改定に踏み切ったようなわけなんです。これは意見の違いでございますからやむを得ませんが、私どもの考えは、今の運輸大臣の認可だけでやれることでも、今まで長く続いて国民の生活費の中に溶け込んでいるものを改める場合には、広く意見を聞いてやるべきだということで、それが国民の生活に影響を及ぼす場合には、これは法律改正の方の運賃改定の方にたよってもやむを得ないのではないかという考えで、今度の国鉄運賃の改定に踏み切ったわけでございます。
○楯分科員 私は割引率を上げよと言っているのではないのです。時間がないし、私も声が出ませんので簡単に申し上げましたが、過去のやり方を見れば、当然今回は、これは政府の方で新規投資の財源については措置すべきものである、その方が筋が通っている、こう思うわけです。国民なんてそう思っていますよ。こんな議論をしておりましても切りがございませんので進みたいと思いますが、先ほど申し上げました原価主義と公共性の大ワクだけはあなたの方で議論を起こして、国民にも常識的にこういうのが原価主義であり、国鉄公共企業体としても公共性の大ワクとはこういうものであるという統一した見解だけはお示しになるように、一つお願いをしておきたい。 それから、運賃値上げで一番問題になるのは、やはり新線建設と地方のもうからぬローカル線だと思うわけです。そこで、この間予算委員会で鉄道敷設法をなくした方がいいじゃないか、こういう質問を私は総理大臣にしたわけですが、現実にはこれはなかなかできないと思います。それで三月、今月中におそらく新線建設審議会が開催されると思っておりますが、そこで運輸大臣と国鉄総裁に、これは私個人の意見ですが、一つ強くお願いをしたいことがある。それは、今建設線、調査線を入れまして相当な数に上っているわけです。これを今直ちに廃止をしてしまう、もう建設をしないということは、口で言うことはやさしいけれども、なかなか実現はできぬだろうと思う。われわれ社会党は政府出資ということを言っておりますが、よしんば政府出資になったところで、建設費というもののたかは知れていると思います。そこで私が考えますのには、どうせ調査線に追加をしたところで十年や十五年は建設できぬのでありますから、いたずらに所在地の住民にバラ色のにじを描かせるだけでありますから、思い切って今度開催されます鉄道審議会で、調査線にはここ当分は追加をしない、そういう決定をしてもらう。調査線以上をここで切って取るということになりますと、なかなか問題が起きてできないと思いますので、運輸大臣、総裁として現状においてでき得ることを私は進言をしているわけです。そこでもう十年か十五年は今の配付予算ではとても工事ができませんから、追加をしないということでやってもらう。それから二番目には、地方のローカル線を自動車に切りかえたら営業係数がよくなるだろうということが盛んに言われております。新聞等で私どもは読んでおりますが、議論をいたしますけれども、国鉄の方ではほんとうに切りかえるという腹がないように思えるわけです。だから追加をしないことを決定をして、建設線と調査線については、思い切ってレールでなくてはいけない万やむを得ない線、これは貨物が非常に多いとかあるいは連絡線になって貨物列車の通過が非常に多いという面、それから都市交通の緩和、こういうところは別ですけれども、原則として自動車に全部切りかえてしまう。そうすれば建設費も安いし、旅客の便はよくなると私は思います。貨物輸送についてはちょっとこれは難があると思いますが、しかし切りかえてしまう。こういうことを今月中に開催されまする鉄道建設審議会に運輸省、国鉄として強力に発言をして、審議会委員の皆さん方に同意を得てもらいたい。こういう点どうですか。
○木暮国務大臣 お答えを申し上げますが、ただいまお話のような御意見はよく世間でも有力に唱えられる意見と拝聴をいたしておるのでございまして、鉄道建設審議会の委員の方々は非常に練達堪能の英知にすぐれたお方でございますから、そういうことについては十分御承知のことと思いますが、批評家や評論家でない実際行政を扱います運輸大臣が、今度の鉄道建設審議会でそういうことを委員の方に指示、要望するということは、少し御注文が無理なんじゃないかというふうに思いますので、私としてはすこぶる困難を感じて、そういうことを御意見としてはよく尊重して拝聴いたしますけれども、にわかに御賛成して、この場所で行政長官としての運輸大臣が鉄道建設審議会に御注文のようなことを言う、そういうことをいたすということをここで御返事できませんことをまことに遺憾といたす次第でございます。
○楯分科員 それはできぬことはないですよ。新線建設審議会は運輸大臣の諮問機関ですから、そういう諮問をしてもらいたい、そういう諮問をし、実行される方向にやってもらいたい、こういうことを言っておるわけです。国鉄の方、何かありますか。
○吾孫子説明員 ただいま大臣から御答弁がございまして、それにつけ加えるべきこともそうないと思うのでございますけれども、鉄道建設審議会は確かに大臣の諮問を受けてお答えになるという場合がたくさんございますが、同時にまた鉄道建設審議会御自身で意見をおまとめになって政府に献議をなさるというようなこともございますので、それに対して国鉄の事務当局というような立場で何か御注文を申し上げるということは、少し出過ぎたことではないかと思うのでございます。しかし、私どもとしては、できるだけいろいろの事情についての材料その他御説明申し上げるべきことについては十分御説明申し上げたいと思っておりまするし、また先般の鉄道建設審議会では、ただいま御質問の後段の方でお触れになりました自動車を選ぶか、レールにするかという問題については、国民経済的な見地からいずれが有利であるかということも今後はよく検討しようではないかということをおきめになっておられますので、私どもといたしましては、できる限りそういう御検討に御協力を申し上げる意味におきまして、十分に資料その他を整備いたしまして、御説明を申し上げるようにいたしたい、かように考えております。
○楯分科員 それから、これは総裁がそういうことはあり得ないと言って過日予算委員会で答弁がありましたから繰り返しませんが、地方の非常に営業係数の悪いローカル線を、総裁の言明とは別に、各支社、各管理局では相当レール撤去の要請を行なっております。相当長年月にわたって調査をし、要請を行なっております。私は、急がば回れという言葉もありますが、今言った調査線に新しい予定線を追加しない、思い切って自動車に切りかえる。そうしてその便利さが大衆に納得をされれば、現在の営業係数の悪い地方のローカル線も、ところによってはそうはいきませんけれども、自発的に自動車をという声が上がってくるのではないかという気がするわけです。それはレールでなくてはいかぬというところもあるでしょう。しかし、いずれにしても、政策の遂行としてはやり安い形になっていく。それを一方では同じ採算割れの非常に営業係数の悪い新線を建設しながら、一方においてはレールの撤去の要請を行なっても、これは議論がさか立ちをしているのです。それだけ、人とひまと金を使うだけ損だと思うわけです。この点どうお考えになりますか。
○吾孫子説明員 地方の非常に採算の悪い線区につきましては、私どもが考えましても、レールで運営するよりは自動車で運営した方がむろん経営的にはプラスになり、またそれで地元の方方にも実態をよく御理解願いますれば、その方が喜んでいただけるというような場所もあると考えております。また現に白棚線のように、前の鉄道線路を自動車専用道路に切りかえた結果、地元の方も便利になったと喜んでいただいているような例もございますので、各支社等におきまして、やはり経営全体を改善いたしますために、いろいろと地方の方に御説明を申し上げたり、また御理解をお願いするというような動きをいたしておる場所があることは事実でございます。申すまでもなく、国鉄の営業線の休止、廃止、自動車に切りかえというようなことは、政府のお許しがなければできない建前になっております。従いまして私どもといたしましては、いろいろ研究いたしましたことを当局にも申し上げ、また一方では地元の方々にもいろいろ御理解願うように今後も努力をいたしまして、全体としての国鉄の経営成績が少しでもよくなりますように御指導願いたいというふうに考えております。
○楯分科員 質問者が多いので時間もございませんから進みますけれども、私は国鉄のやり方を見ておると、新線建設はいやだ、だからどうせ押しつけられるのなら一番安いところがよろしい、こういう考え方が言わず語らずあるのではないか。しかしもう今日の段階では、そういうことでは根本的な国鉄の経営ということは解決しない。だから今建設線、調査線を切って捨てることは困難ですから、まず追加をしないということが次善の策としては最上だろう。そして安いところをやるということではなくして、ほんとうに自動車がいい、白棚線の実績から見てもいいということなら、もう積極的に自動車に切りかえていく、こういうことを、議論はいたしませんが、お願いをしておきます。そうすれば、この方が便利だといえば、そんな無理にレール撤去——レールについては、実際の便利よりも、レールに対する郷愁、それから貨物輸送という面が一つあります。そういう面があってなかなか困難だと思います。だから急がば回れ式で、この問題を解決していく方がいいじゃないか、こう思ったから申し上げたわけです。 そこで、今度は自動車局長に一つ御質問をいたしますが、数年前、私はここで国鉄自動車の団貸しについて相当長い時間あなたとやり合ったわけです。ところがその結果を見ておりますと、一向に実績が上がっておらぬ。国鉄自動車は公共事業でありますから、私は何ももうけるようにやれとは言いません。しかし独立採算制を強要されておるといいますか、とられておりまするから、多少の改良費を持った独算制が実行できるような状態に置いてやらなくちゃならぬと思うのです。そこで民間業者を圧迫するようなことはいけないのだが、私の知っておる限りでは、国鉄が要請しておる団体貸し切り制度の許可は、大して民間業者を圧迫しない、こう思っておるわけです。数年前國友さんと私とだいぶここでやり合ったわけですが、その後何ら積極的な動きが見えないように私は感じられるわけでありますが、どうですか。
○國友政府委員 国鉄自動車は、日本国有鉄道法の規定の中に、鉄道事業に関連する自動車運送事業という規定がございまして、その経営をし得るわけでございますが、先生の今おっしゃる独立採算制の問題等に関連して、貸し切りバスを許すべきではないかというお話につきましては、貸し切りバスを経営しますことによって、経営的に有利になることはあり得ると思いますけれども、私ども考えておりますのに、やはり貸し切りバスについても、民営と国鉄との調整を考えなければいけない。そういう観点から、現在は国鉄に対しまして一般貸し切りバスを四十三営業所、七十七両承認をしておるわけでございます。最近国鉄としまして非常にたくさんの貸し切りバスの申請をいたして参りまして、全国で三十九営業所、七十二両を申請して参っておるのでございます。これに対しましては、今申し上げましたように、民営貸し切りバスとの調整を考えながら処理をしていくべきだと考えておりますが、現在申請中のものについて、陸運局に対しまして調査を命じておる段階でございます。これらについて利用者の利便の確保、民営バスとの調整も考えて処理していきたいと思っております。
○楯分科員 われわれがなぜ主張するかというこまかい点については、自動車局長は十分お知りと思いますので繰り返しません。路線が許可になってとにかく営業しておるのですから、当然その沿線の住民は旅行をするときにはそのバスに乗っていけるのが常識だと思っております。ところが、数キロも数十キロも離れたところから回送をして輸送をするなんということは、これはお互い国家的の損害ですよ。だから民間業者をはなはだしく圧追をするということにはわれわれも不賛成です。しかし、今申請というか、あなたの方に出ておられるような程度では、民間会社を圧迫するというようなことは考えられないわけです。それをなぜ許可しないのかということを私は言っておるわけです。こまかい議論は要りませんが、とにかく私の言ったことは十分おわかりになると思う。だから積極的に民間業者を圧迫しない範囲内における許可は迅速にやってもらいたい、こう思うわけです。政治的じゃいかぬ、そういうことを言っている、どうですか。
○國友政府委員 現在国鉄が申請しております場所は、ほとんど従来貸し切りバスを許されておりますところを含めますと、全部の営業所について貸し切りバスを持ちたいという申請をしておるわけであります。これらの営業所につきましては、相当民間貸し切りバスのあるところにも所在しておりますので、従来民間との調整をはかり、民間貸し切りバスのないところ等に承認をしておったわけでございます。これらの点、目下のところ非常にたくさんの営業所が出ておりますので、民間との調整も考えながら審査をするという段階でございますので、陸運局からそういう調査があがって参りましたら、検討を加えてやりたいと思っております。
○楯分科員 国鉄自動車は公共事業でございますから、もうけなくてもいいと私は思います。だから採算の合うような経営ができるように、そういう点でも一つ配慮をしていただきたいと思います。これでやめます。
○中野主査 川俣清音君。
○川俣分科員 私はまず先に大臣にお尋ねし、あとで国鉄にお尋ねいたしたいと思います。第一は運輸大臣にお尋ねしたい点は、国鉄の資産内容等について就任後十分検討されたことがあるかないか。まだ期間が短いので十分な検討をしておらないというならおらないでけっこうですが、今度の値上げ問題を取り扱われておるわけですから、資産内容についてもかなりの検討をされておった結果、いろいろな大臣の意見が出るはずだ、私はそう理解する。こまかいことは知らないということを言われるかもしれませんけれども、一応は検討されていなければならなかったはずだと思いますので、されておりますか、その点を一つお聞きしたい。
○木暮国務大臣 このたび国民生活に影響する最低限度の範囲におきまして、国鉄が輸送力増強のための自己資金を捻出するために運賃の改定に踏み切るにあたりましては、もちろん国鉄からの説明を聞き、国鉄が今どういう経営の状態にあるかということをよく承知いたしまして、この程度は運賃改定によって自己資金として捻出するのが適当であると考えました次第です。
○川俣分科員 ちょっとこまかいことになるのですが、私ども鉄道の資産の中を見ますと、新設の停車場の敷地等は無償で地元に提供させておる。それから営業の専用線、これなどは敷地から敷設から提供させて国鉄の資産になっておるわけです。無償所得をして、台帳面積といいますか、資産としては、有償になった資産台帳になっておるわけです。これなどは不合理というふうに大臣お考えになりませんか。そうでないといえば別ですが、もしこうだとすれば不合理だと大臣お考えになりませんか。これは大臣の所見でいいです。人が寄付したものを、さも自分が買ったように資産台帳に載せておることは、正常な会計ではないというふうにお考えになりませんかどうか。
○吾孫子説明員 停車場やあるいは付属の工作物の敷地として寄付を受ける場合というのは、御指摘の通りございます。たとえば簡易駅でありますとか、駅の裏口でありますとか、あるいは民衆駅等で国鉄の用地が不足した、そういうような場合に寄付を受けるというようなことはございます。これは国鉄といたしましては、それぞれの場所の状況によりまして、地元の方の御賛成を得ておるというような場合には、そういう寄付を受けておるわけでございます。 それから専用線というのも長い歴史のあるものでございますが、会社あるいは工場等でもって専用線が必要だというような場合に、その専用線の軌道等につきまして、これを国鉄の財産に移すという意味で、これは日本国有鉄道専用線規則というのを作っておるわけでございます。この規則に基づきまして、軌道については国鉄がそれをちょうだいするというような例もございます。ただしかし専用線の場合には、敷地までは提供していただいておりませんけれども、軌道は国鉄の財産に移させていただくというような措置をとっております。そういう事実はございます。
○川俣分科員 私は寄付を受けて悪いとかいいとかいうことを今議論しておるのではないのです。新しい停車場を作るときなどは、地元の敷地の提供等があって、新停車場を作るということは国鉄の慣例になっておるようです。従ってそれを受けたならば、台帳は無償でなければならぬのに、全部評価されて有償になっておるのはどうしたわけか。寄付を受けていながら買ったという資産台帳になっておるのはおかしくないか、この議論なんです。大体どのくらい寄付を受けたということの資料の提供を求めているけれども、出てこない、わからないという。わからないような会計は、大臣、おかしいじゃないですか。部落からあるいは町村から寄付を受けて、その金額がどれくらいになっておるかわからない、その坪数もわからないというのです。自分の資産の内容が明確にならないで、運賃だけ上げなければならぬということはおかしいですよ。専用線の問題もありましたけれども、あなたの方の規則によりますと、専用線の申し込みがあると敷地も提供させています。もし敷地を提供させないでいるとするならば、それはどうするかという問題が起きてくる。議論は別にしまして、大臣、どうですか。無償で提供させておいて資産台帳には有償価格になっておる。
○中野主査 川俣さん、ちょっと兼松常務理事から答弁……。
○兼松説明員 ただいまの点について事実だけを申し上げさせていただきます。無償でいただきましたものは、財産価格としては、国鉄がその年度につきまして無償で得たものの合計を財産の評価には上げております。しかし経費が支出されておりませんから、経費の方には出しておりませんで、無償で取得したものとして上げております。それから長い昔からのものの統計と申しますと、古いものにつきまして必ずしも全部の記録が確実でないものも部分的にはあるかと思いますが、時間をかければわかるものではございます。 それから専用線につきましては、御寄付はいただいておりますが、私どもの財産の上では受託財産といたしまして、私どもとして別に計上いたしておりまして、用途が廃止されましたならば、受託財産なのでお返しするということで、現状がはっきりするように記録しております。
○川俣分科員 大臣、今お聞きの通りだと思う。かなり古いものもあるでしょうが、寄付を受けた資産がどのくらいあるかということが、常に明らかになっておらなければならぬはずだと思うのです。固定資産のうちで、寄付を受けた資産がどれだけあるか、これが明らかでないというのですからね。内容を聞いておるのじゃないのですよ。資産内容を調べるときに、どのくらい寄付を受けて、どのくらい自分の資産を使っているのかということを調べようと思ったところが、この問題が出てきたわけです。これが明らかでないということは、運賃計画の上に大きな狂いがあるのじゃないか。大臣は初めてお聞きになったかどうか知らぬが、これは当然検討されでなければならぬはずです。大臣の見解で答弁していただいてけっこうです。実際の問題を言うのではない。こういうものはたくさんある。
○木暮国務大臣 ただいま国鉄の理事からお話し申し上げました通り、無償で寄付を受けたものだから、つまり有償で手に入れたものでないから、経費の方の支出はないけれども、自分の財産になったものだから、それは時価として評価して財産の中に入れてある。こういう御説明なんですね。それでいいのじゃないでしょうか。帳簿の整理の方はそれでわかっておるでしょう。今御説明のようだったらいいと思う。それから運賃の問題ですが、今そういうことがよくわからぬで運賃の改定というのはけしからぬじゃないかというお話がございますけれども、運輸大臣が国鉄を指導監督するということは、そこまで目が通れば神様のようでけっこうだけれども、おそらく何人が運輸大臣になっても、そこまでは目は通らぬと思うのです。要するに国鉄の経営の上から見て、これだけの仕事をことしやらなければならぬ、現在借入金がこのくらいあって、それだけの仕事をやるのに借入金をもって、全部やれば五年後にはどんな借入金になって、そして利払いがどのくらいになるというような経理の計算をやってみて、それはどうも健全な経営ではないから、そのある部分はやはり利用者負担による自己資本を捻出しなければならぬというようなめどをつける程度で、運輸大臣がこれを判定していくということが、常識の上から見て当然じゃないかと思うのですがね。今の寄付されたところがどうとかなんとかいう、そういうこまかいことまで見て、今の国鉄全体の経理の見通しというものに狂いがあるというふうには私は考えずに、今回の運賃の改定に踏み切ったわけなんでございます。
○兼松説明員 ちょっと一言だけつけ加えさせていただきます。寄付を受けました施設は、受贈施設としてちゃんと毎年登録いたしております。財産にも上がっておりますが、過去の古いものにつきましてただいま調査中でございますので、合計をして差し上げます。一例を申し上げますと、実は東京駅の土地も本社の土地も、明治の末期に寄付を受けたものでございまして、仰せの通りそういうものが時価に評価されて現在帳簿に載っているものが全国的に多々ありまして、最近のものは毎年整理いたしております。古いものの評価のあれがございますので、正確にはいずれ調査してお届けいたします。
○川俣分科員 大臣にお尋ねしたのはこういうことですよ。国鉄は膨大なマンモスになってしまって、何十億とか何百億ということになると問題になるけれども、その何十億、何百億という内容は、何百円から何千円というものなんですね。どうも大きい。こういうものを扱う場合は、一億や二億は何でもない、そのくらいのものは一々わかっておりませんということが、おもに国鉄の言い分なんです。今まで私は資料を出していただきたいと言っても、そんな小さいことは一々やっておられませんと言うのです。ところが小さいことが積み重なって何億になるのですよ。そこで私は大臣にお尋ねしたわけなんです。 まだ一つお尋したいのですが、国鉄で評価の中に、電線路が評価額三億となっておりますが、この電線敷地につきましては国鉄の電柱の敷地料が、私の調べでは六三%程度、六二%幾らですか、三%に満たないより支払われていない。現に支払われていないのです。三〇何%は未支払いなんです。これをみんな大体支払われたことになっている。一本々々はわずかなものですよ。しかし国鉄沿線にある電線ですからね。数が非常に多い。この敷地代を、使用代を国鉄が一番支払いが悪いのです。電灯会社なんかは大体七二・三%いっているのですが、国鉄は六三%いってないのです。未支払い分があるのですよ。それもみんな支払ったような勘定で……。これは一本々々はわずかです。こういうことが人の方へ払う場合は、使用している場合は、てんとして何年も放任しておいて、もう既得権ができたでしょうし、あるいは使用権が設定されたような形になっているかもしれませんけれども、払わなければならぬものを払っていない。これもそういうずさんなやり方をしているという一例なんです。これは私は無理に言うことではないのですけれども、一例をいえば……。従って国鉄の資産の中を検討して参りますと、幾多の疑義が出てくるおそれがある。もちろんこまかいでしょうが、出てくるおそれがあるという点を指摘して、すぐ何でも値上げによって問題を解決するという考え方をやめなければならぬじゃないか。自分の資産内容をもう少し検討して——今の資産というものは、あるいは多くは寄付を受けたかもしれぬ。確かに膨大な資産を持っておるけれども、寄付を受けた資産だということになりますと、その利益も非常に大きいはずなんです。それをどう見ていくか、それは一体どう計算をしていくのか、評価していくのか、これらの点について当然検討を加えられなければならない時期にもうきているじゃないか、大臣、所見を伺いたい。
○木暮国務大臣 国鉄の経理におきまして、今御指摘のようなことがありといたしまするならば、これは改めなくちゃならぬ問題だと思います。今回の国鉄運賃改定にあたりましては、先ほどもこの席からお話し申し上げました通りに、昨年の暮れでございましたか、国鉄の幹部の人たちを私が呼びまして、親しくその方々にお話をして、国民の間から議論のある国鉄運賃改定に踏み切る以上は、とかく従来いろいろの非難のありました国鉄の経理としても、この際えりを正すつもりになって反省して、経営の合理化によって、たとい幾らなりとも自己資本を捻出するという誠意を示すべきじゃないかということを言いました。多分ここへおいでになる吾孫子副総裁もそこにおいでになりまして、正月早々その経営の合理化に乗り出しまして、その中に今御指摘のような国鉄の財産の中で遊んでいるものがある。遊休とでも申しましょうか、遊休の財産があるならば、それが土地であろうと、あるいは資材であろうと、国民に負担をかけて国鉄運賃改定に踏み切ろうというときであるから、こういうものはこの際処分をして、そうして経営の合理化について誠意を示すべきであるということを私の方からお話をいたしまして、この点も国鉄の方としてはよく了解をして、その方をやる。その他財産ばかりではございません。先ほど話のありました日本交通公社の手数料の問題であるとか、あるいはまた日本交通公社の預かりました金を一日も早く国鉄の方へ払い込んで、その間これを他に利用して焦げつきなどのできるような、過去の事実のようなことを再び繰り返さないようにすることであるとか、あるいはとかく話のありまする弘済会の関係の問題であるとか、あるいは国鉄がやっておりまするいろいろの広告料等も、世間並みに適正にやったらどうかというような、いろいろの題目をあげまして、この点についても考究研覈を加えて、その結果をわれわれの方へ報告しておるような次第でございまして、私は今回国鉄運賃改定に踏み切る場合に、何でもすぐイージ・ゴーイングに運賃さえ上げればいいじゃないかという方に踏み切ったわけでもないのであります。力が足りませんために、いろいろ御指摘のようなことで御不満を買っておりますことは、まことに微力のいたすところで遺憾でございますけれども、私といたしましては今申し上げましたような心がけで、国鉄の人にも大奮発をしていただくということを最初から期待をいたしておりましたようなわけでございまして、詳細のことは国鉄の方からお話があることと存じます。
○川俣分科員 大臣、それだけの決意をされておるのですから、あまりこまかいことはやめておこうと思います。ただ大臣がえりを正して今度はやるのだということと、一つは力及ばないでと、どうも木暮さんは昔からの方で相当実力も持っておられるにかかわらず、マンモス国鉄になるとなかなか動かしかねるということも、木暮さんの力が足りないのでなくて、相手があまりに大き過ぎて、むしろ動きが鈍くなっておるのではないかと思う。その動きの鈍いものを動かすのは容易でないだろうと思います。 そこでえりを正される大臣にもう一つだけ注意を喚起しておきたいと思うのですが、ここ五年間に、あなたの所管の陸運局から、今まで監督しておりましたバス会社等の職員または役員になられた人は、国鉄関係も入れますると七百人以上のようです。これは国家公務員法によりますれば運輸大臣の許可がなければならぬということになっておるはずですが、しかしどうも運輸省だけは、これは大臣のところまでいかないで決裁されておるように見受けられる。運輸省にこの数どのくらいかと言ってもわからない。これは決裁が上まで行っておれば何人かということがすぐわかるはずですが、これはほとんど国家公務員法百三条を無視して勝手に就職しているのじゃないか。離職後自分の監督しておった会社に入っておるのじゃないか。これは運輸省がルーズであったという一つの証拠じゃないか。よその省は非常にやかましい省もあるのですが、運輸省はとかくこの点については、世間からいってもだらしがないといわれておる。えりを正すというからには、これも当然おやりになっておるはずだと思う、大臣になってから何人くらい認可しましたか。おそらくそんなものがあることもお気がつかないでしょう。
○木暮国務大臣 今初めてそういうことを伺ったのです。私は昨年の十二月八日に運輸大臣に就任したのですけれども、その後幾人そういうところへ転職したかとかどうとかいうことは、これは微力ではなく、目が届かぬで知らぬということですか、まだいろいろの報告を受けておらないのでございます。
○辻政府委員 ただいまのお話でございますが、私も何人であるかという数字は覚えておりませんが、これは国家公務員法によりまして人事院にも御承認を得まして、適法に処理いたしておるつもりでございます。
○川俣分科員 人事院にも調べたのでございますが、運輸省の許可申請はいつもあとになったりして、その点非常に不満を持っておられることを知ったのです。もっと正確な数字ということですと、これはとうてい出しにくいということでございましたが、いずれにしても運輸省はそういう点についてだらしがないことだけは抽象的に言えるのです。それでは一つ人事院を呼んできましょうか。きょうはそういうことには及ばないと思うけれども、いわゆるだらしがないということだけは世評があるのです。従ってあまり膨大過ぎるために目が届かないという問題が起きるのでしょう。しかしながらそれらの人々がみな動いておって膨大になっておるだけであって、特に陸運局などについてはとかくのうわさがあるだけに、離職後二年間は在職中五年間関係しておったところには、上司の許可がなければ就職できないわけです。上司というと運輸省は運輸大臣です。ところがどうも運輸省の決裁ぶりを見ますと、大臣のところへも、事務次官のところへも行かぬ。そうじゃないですか。運輸省で上司というのはだれをさすのでしょう。運輸大臣でしょう。
○辻政府委員 これは御指摘の通り運輸大臣でございます。大体おもなものに関しましてはもちろん大臣の御了解を得ておりますが、あるものにつきましては、私のところなりあるいは事務次官のところで、人事院の御承認を得ました御通知をいただきますれば、そこで代決させていただいておるような慣例のものでございます。
○川俣分科員 大臣、今お聞きの通りです。法律によれば運輸大臣の許可を得なければならないというほどに厳格にしておるわけなんです。ですからこれは運輸大臣の決裁を得なければならぬ事項ですから、だれか責任者がなければならぬはずです。それを大臣が知らぬということは、決裁も得ないで大てい下の方でいいかげんにやっているということなんです。大臣がえりを正すなんと言われるからには、この点についても十分な関心が必要であろうと思う。まだいろいろと問題ございますが、木暮さんに敬意を表しまして、少し相手が身動きがならないほどになっておりますけれども、それを動かすことがあなたの責任だと思います。大いにえりを正しておやりになる、こういうことですから、一つ晩年を汚さないようにしっかりやっていただきたい。
○中野主査 島本虎三君。
○島本分科員 私の方は大体二点にしぼって聞きたいと思いますから、その点よろしくお願いいたします。 まず一つは、ただいままでの答弁で、岡本鉄道監督局長が料金改定等の問題に対しまして、公共性に立って行なう、損のいく仕事でもやるべきであるものはやる考えであるという表明があったのですが、大臣もこういうような問題については、経済の発展の隘路打開のためにも、今回の料金改定はやらなければならないものである、こういうように言っておられるようですが、その意味は産業の振興も考えた上で、このような料金の改定は行なったものであるというふうに理解してもよろしゅうございますか、一応御答弁を伺います。
○岡本政府委員 その通りでございます。
○島本分科員 そういたしますと今鉄道監督局長が申されたこと、大臣もその通りでございますか。
○木暮国務大臣 その通りであります。
○島本分科員 そのような考え方であるということを前提にしてお伺いいたします。これは昨日の本会議で、運賃の問題についての答弁のうち、農林水産関係の料金の低減の問題で大臣が答弁されたことですが、農林水産物関係百一品目は、これは特別低い位に料金を置いてあるほか、暫定割引をしているものである、改定したいという希望があるが、今回の改定期にあたってはこの百一品物の暫定割引は据え置くことにした、こういうように答弁されてあります。これはもうはっきり答弁されたことですから、あえて伺う必要もない事実だと思う。それでもしこういうようなことである場合には、農林漁業関係の現在の暫定的割引を据え置くことにしたという、この暫定割引の据え置き期間の問題、この割引をいつまでしておるものであるか、この点を一つお伺いしたいと思います。
○木暮国務大臣 昨日御答弁申し上げましたのは、農林水産物資等の暫定割引につきまして、今の暫定割引のあります農林水産物は、元来運賃の中でも低い格づけをしたものである上に暫定割引をやっておるので、つまり暫定割引をやっておるということが、運賃制度の上から見るとワク外のようになっておるから、理屈からいうとこの暫定割引というものはいすれば、いつかは整理してもらわねばならないということが、国鉄の純理の上からの意見のように聞いておるのでございますけれども、今回の運賃改定にあたりましては、広く国民生活に影響することを考慮いたしまして、これはそういういろいろの意見もありますけれども、据え置くことにいたしたいということを答弁いたしたのでございまして、それをいつからいつまでという期間を決定することは、まだ国鉄当局と相談いたしておりません。これは御承知の通り昭和三十六年三月三十一日まで暫定割引をいたしておるわけでございまして、四月一日からできますれば新しい運賃改定を実施いたしたいということを考えておりますものですから、それらをにらみ合わせまして国鉄とよく相談をいたしまして、その期間を決定したいと思いますので、ただいまのところはこれをどのくらいの期間やるかということは決定をいたしておらない次第でございます。
○島本分科員 それは重大な御意見のようであります。私としてはきのうも本会議でこれに対していろいろ質問がありました通りに、いかに料金の改定がなされても、現在ほとんど積雪寒冷の地であって、そのほかに擬制キロ数も付与されておったりして、また後進地域であって、いろいろの生産には悪条件が重なって生産費がかさむような北海道の現在の農水産物、こういうようなものについては、おそらくこういうような一つの割引制度を恒久的に考慮しなければ、貿易自由化の波にも耐えられないし、まさにこれは重大な北海道総合開発に違反するような結果を招来するおそれがある。従ってこれは重大なことです。私としては逆に、大臣が今のような政策の面から明確にこの問題に対して制度化して、いつでも廃止できるのだということをやめて、この暫定措置を制度化する必要が国の政策として当然考えられなければならないほど逼迫した問題だと思うのです。いつやめるいつやめるということを考えているのだということは重大なことですが、逆にこれを制度化しなければならないと思うのです。国務大臣としてこの問題についてはっきりした御意見を伺いたいと思います。
○木暮国務大臣 ただいま御指摘のように、こういう物資に対する暫定割引というものが必要でありますから、据え置くということを言明をいたしましたわけでございます。先ほど申し上げました通り、運賃制度の上から申しますると、こういう暫定割引というものは、いわばワク外であるからというような議論がいろいろあるときでございますので、今この席におきまして、これを制度化して、暫定というような意味でなく、新しい運賃にいかすというようなことをここで言明することは、すこぶる困難であると私は考えるのでございます。御承知の通り運賃制度というものは、その品物の運賃を負担する能力を考え、またただいまお話のような社会政策的の意味も入れまして、そうして等級を作って、その等級によって運賃の体系を作っているのでございますので、そういうものをもし恒久的にやるということになりますると、運賃制度全体に抜本塞源的な検討を加えまして、そうしていろいろ問題を解決するものが多いのではなかろうかと考えます。今直ちに、据え置くということは私は言明をいたしますけれども、これをただいまお話のような、今後手をつけられないような恒久的な割引に制度としていたすということには、ここであなたのお気持のいいようなお返事のできないことはまことに残念でございますが、どうぞあしからず御了承願います。
○島本分科員 その答弁を聞いて気持が悪くなったのですが、しかしやはり大臣が前に前提として言ったように、産業の振興も考えた上の全般的な料金の改定を考えたものであるということと、現在国として必要だから据え置くのだというこの考え方は、この上に立ったなら、必要な期間が今までずっと続いてきたのでしょう。続いてきたのだから、その続いて長くなっている以上、これは制度化する必要があるのじゃないかということは、産業の振興を考えた上で当然の措置じゃないかと思うのだがどうかということなんです。決してこれは無理な考えではないと思うのですが、これを恒久化することは大臣として一顧だに与えない考えですか。研究してみるつもりですか。
○木暮国務大臣 あなたの今のこれは国民生活あるいは産業振興の上から見て大切だという考えには、私ども御同感でございます。それだからこそ、今の運賃制度の上から見ると、ワク外とも見るべき暫定割引をこの際は一つ続けておこうではないかという気持になっておるわけでございます。ただ問題は、それを恒久の制度化していけというお話でございますけれども、今の運賃制度というものは、これは凡百のものにつきまして、各品目のいわゆる負担能力やあるいは社会政策的な見地や、いろいろなことを勘案をいたしまして等級を作って、それを体系づけることにありますものですから、これを今すぐここでこのまま恒久化する制度として残すということを言明いたしまするよりは、今後そういう御希望が多くの間から出まするならば、一つ検討してみるということをお答え申し上げても差しつかえございませんけれども、ここで恒久化する方がいいかどうかというようなことをにわかに肯定的なお返事をいたすことはできない、こういうわけでございまして、御趣旨はよくわかっておりますから、御趣旨にもし私が反対ならば据え置くということなど言わぬわけであります。据え置くということは今まで通りということでございますから、名前は恒久化するとか暫定とかありますが、今まで通りのものが続けば、名前はどうでも、いわゆる名を捨てて実をとる、こういうことになるわけでございます。その点は御安心下すっていいのではないかと思います。
○島本分科員 よくわかりました。そうすると暫定というのは、これはいつでもちょんちょんと変えられるおそれのあるもので、今かりにきめておくから暫定なんです。恒久というものは、そういうようなことがなくて、一つりっぱにそういうような制度をきめるから恒久なんですが、暫定であっても長く続くからいいじゃないか、名を捨てて実をとれというなら、そういうような意味で確認した上で私は実をとりましょう。しかしながらやはり今言ったことを明確に知っておいてもらって、大臣がやめても、今の言葉は議事録に永久に残りますから、これは引き継ぎによってその点だけは責任を持ってもらいたいと思います。 それとあわせて、今度の料金の改定の中では、今言ったように青森−函館間の運賃がそれぞれ上がっておりますこととあわせて、貨物料金の遠距離逓減制が修正されたということと、いま一つは普通運賃計算の場合の短縮キロ程を廃止したので、いわゆる最低料金の十円区間は残るけれども、その区間はきわめて少なくなるのだというのが特徴的なものではないかと思う。そういたしますと、私の方で今これを具体的に伺いたいのですけれども、遠距離の逓減制が修正されたということになったりいたしますと、かりに北海道から東京までのことを考えて運賃を計算する場合に、現在国鉄で使っている陸上一般の賃率表に合わしてずっと距離を計算するほかに、今度は逆に四百五十キロだけいわゆる擬制キロといってそれに加えておるでしょう。こういうようなことは的確なキロ数の上に立って設定するのだと言いながら、一方ではそういうふうにして百十三キロのところを四百五十キロにして計算しているというような矛盾が現在行なわれているわけです。この青函間の擬制キロ数の問題について十分検討しなければならない時期ではなかろうかと思うのですが、この点だけこのままに据え置くつもりですかどうか、はっきりと御答弁を承りたいと思います。
○岡本政府委員 今回の運賃の改正案におきましては、この青函間の航路キロ程はそのままでございます。仰せの四百五十キロではございませんで、現在はすでに三十二年の運賃改正によりまして三百キロに短縮しておるわけでございます。
○島本分科員 現在のところは三百キロの計算になっておるわけでございます。そういたしますとこれを普通のキロ数に明確に訂正するのは、大体いつごろの見込みでございましょうか。その計算等ありましたらはっきり御発表願いたいと思います。
○岡本政府委員 この青函航路のいわゆる擬制キロ程というような問題は非常に沿革が古うございまして、明治四十一年二月開設しまして以来、航路の特別の運賃を作って参ったのでございます。その根本的な考え方は、原価計算上この航路運賃は鉄道運賃と違いまして非常に高くつく、こういうことからこういう方法を採用したのでございまして、従いまして現在におきましてもあるいは今後におきましも、航路運賃というものは原価計算上、鉄道運賃と同等になるということがなければ、これを改正する考えはございません。
○島本分科員 この原価計算の上に立って現在青函間を見た場合に、もうすでに黒字になっているということが往々にして言われておりますが、この会計は現在どういうふうになっておりますか、そこも明らかにしてもらいたいと思います。
○吾孫子説明員 現在青函航路のキロ程は先ほど鉄監局長から御答弁のありましたように、三百キロメートルで計算しているわけでございますが、それでも現在原価割れということになっておりますので、現行制度のもとにおいて航路キロ程を引き下げるというようなことは、現在は考えられない状況にございます。
○島本分科員 将来の展望に立って、いわゆる現在このままでやって、百十三キロを三百キロに計算するのが正しいのであるという考え方でございますか。それともそれぞれお考えもあるだろうと思いまするけれども、一定の時期になったならば、この問題に対しては正式なキロ数に直して、修正すべきであるという考え方に立っておるか、この考え方を聞かしていただきます。
○吾孫子説明員 ただいまは鉄道運賃と通算しておりますので、通算ということが前提になって三百キロという擬制キロを用いておるわけでございますが、もし通算制度をやめて別に計算するということになりますと、ここの航路の出費というものを、原価を償う程度の運賃に直しませんと、今のままでは簡単に改められませんので、その辺は今後さらによく研究いたしたいと思っております。
○島本分科員 大体において大臣も、これはよく総理が答弁されていることで、御存じだろうと思うのです。これは地域の沿革またはその他慣例、いろいろと地域差をなくしていきたいという考え方や、所得の格差をなくしていく、こういう考え方で今後は行政を進めていかなければならないし、そういうような考え方でやっていくということは、たびたび言明されておることです。ところが現在の状態では、寒冷積雪の土地、こういうようなところは、御存じのようにあらゆる点で交通上は一番大事な問題ですけれども、これは不遇な状態に置かれております。一級国道であっても積雪のために十何日間も通れないというような現実の状態があるわけです。それに合わせたように、汽車もとまってしまっている、貨車は積載されたままである、そういうような人の生活を考える場合には、これはこのままにしておいたら大へんな問題であろうし、これは単に怠慢とだけは言えないような自然現象でもございましょうけれども、そういうことも考えた上で処置するのでなければ、これはりっぱな政治行政であるとは言えないと思います。同じような状態で、今回は裏日本の方は一帯が積雪に見舞われました。北海道の場合はほとんど毎年こういうような状態なんです。こういうような場合には、農産物の場合その他いろいろな産業上の不利益な点が、皆さんも御存じの通り露呈しておりますから、そのためでございましょうけれども、総合開発というような特別の行政を行なって、これによっていろいろ本州の都府県とも変わらないように、悪条件克服のための行政をとっておるような状態でございましょう。こういうような状態にあるのに、依然として——きのうの本会議だって沖繩の輸入品に対して関税を課さないようなことが議決されたような状態ですけれども、北海道の場合には、こういうようにして普通キロ数のほかに、別にその二倍、三倍に当たれるようなキロ数をかけられているというような状態は、もうすでに関税の障壁を高く掲げられているのと結果的に同じじゃないか。沖繩の方は障壁をとるように考えられ、そっちの方は依然として明治四十一年の二月に実施したまま、現在でもそれをそのまま実施しているという状態は、これはもっともっと考えなければならない問題があるのではないかと思うのです。こういうような寒冷積雪地の産業の振興ということももっと私は総合的に考えた上で、これは処置しなければならない問題であろうと思うのです。明治四十一年の二月にやったものであるから、将来未来永劫に変えなくてもいいのだ、こういうような考え方では決してなかろうと思うのです。この点等いろいろ考えていただきたいと思いますが、これはいかがなものでございましょうか。
○岡本政府委員 仰せのような点もございましょうと思いますけれども、一方、先般来国鉄財政の健全化につきましては、特に政府の施策により公共負担が大きいということで、これを極力排除してやるのが筋ではないかというふうな御意見も相当出ておる次第でございます。従いましてこれ以上公共負担は極力かけないようにということが、一つの大きな配慮になるべきではないかと思いますが、政府全体としては、もちろん積雪寒冷地帯における施策につきましては、いろいろな方面からお考えになっていることとわれわれは存じておりますが、ただ国鉄のみに特に公共負担のしわ寄せを持っていくということはどうかというふうに考えている次第でございます。
○島本分科員 どうも今の答弁は納得できません。こういうような国民の生活の実態を考え、日本の産業の振興というようなものを考え、それとあわせて今度公共性に立って損のいく仕事でもやるべきだというようなことを具体的に言っていながら、今のようにこれは公共負担が多過ぎるからいけないのだという考え方に立って答弁をされるということは、前の答弁と違うのではないかというふうに私は考えるのです。私どもとして国民に対してこういうような影響が多い、また関連して値上げを誘発するような危険性を伴っている国鉄運賃の場合には、ことに公共負担の方は遠慮なしにやっていただいて、国民に対する負担の方はなるべく避けた行き方の方が、前にあなたが答弁したこととそっくりなんですが、前にあなたが言った原則と今言ったのとは全然相反するような答弁です。これは了承できません。どういうわけです。
○岡本政府委員 現在程度の公共負担はまずやむを得ないといたしましても、その公共負担をさらに拡大していくという行き方は、必ずしもとるべきではないのではないかというふうな意味で申し上げたのでございます。
○島本分科員 現在鉄道というのは何%、何一〇%か、これ以上はだめなんてきめた人はなかろうと思う。おそらく料金を値上げしないで足りるように、これはいろいろ財政投融資の方、政府の方に措置させるべきだろうと思うのです。こういうようなことを何も遠慮する必要はありません。私どもはそういうような観点から大臣に対して、やはりあらゆる産業の振興の面からも、公共の利益を考えた上でも、慎重にこういう改正の問題は手をつけるべきであるということを前からもるる説明申し上げて、それに対して少しでも悪影響のあるものに対しては、将来はこれを排除すべきであるという見地に立って今まで質問してきているわけです。あなたの考えも大体似たものであろうと思って聞いていたのですが、財政投融資の面だとか、国家の方から直接国鉄に注がれる資金が多くなって悪いのだ。何ぼよけいもらったら悪いのか。私の方としてはよけいもらって国民負担をかけないようなやり方がいいと思います。では幾らもらったら悪いのです。そのパーセンテージかはっきりした基準がありましたら言って下さい。
○岡本政府委員 私としては具体的に何%に上がればいいか悪いかということではなくて、方針としてそういう方向でやはり指導すべきではあるまいかというふうに考えたものですから、申し上げたのでございます。
○島本分科員 私どもの方としては、この料金の問題やら現在までいろいろ言ってもらいました逓減制の問題等をも考えあわせて、国鉄の方は国鉄として、私はいつも痛感するのですが、現場を持っている役人の人、公社の人、皆さんなんかの場合はことに私どもが考えましても、お客さんに対する態度はものやわらかい。他の公社の人もそうです。現場を持っている人はそうなのです。ところがえてしてその現場ではなく、皆さんを相手にするような官庁の方は姿勢が割合に高いのです。これはどっちの方が国民のためになるか。これはいろいろ考えがあるでしょうけれども、皆さんの場合はよけいにへりくだってはいけないと思う。今までの答弁のようにあなたがはっきりこれは公共性に立って行なうのだ、損のいくような仕事でもその上に立ってやり抜くのが正しいのだという考え方であるならば、これは大衆の負担にさせないのでおいて、あくまでも財政投融資の面や国の方からこれはその分の負担をさせるような措置を講ずるのが筋道立って、はっきりしていていい方法です。それにもかかわらず今のようにして濁すことは、お客さんに対する、国民に対する態度だけは低姿勢でなかなかいいのですが、この他の大蔵官僚に対してはどうしてかあまりにもなめられているのではないか。あなた方が正しいと思うことを遠慮なくやって、それを貫くほど強くなってほしいのです。いつも向うの言われることをそのまま受け入れるような、今の答弁なんか急に後半になってから大蔵官僚の答弁に変わったようです。こんなばかなことはありませんよ。もっと骨のあるりっぱな態度に終始してもらいたいです。こういうような料金の値上げということに対しては、からだを張って総辞職を覚悟して、今の日本医師会、歯科医師会のやっているような総辞職覚悟の上でやるような態度でやらなければいかぬと思うのです。お客さんに対する態度のものやわらかいのはいいけれども、ものやわらかになれて、同じ大蔵官僚に対してもへいへいぺこぺこするような態度は私はとりません。今後は一つこういう問題に対してほとんど職を賭するくらい重大な決意を持って臨んでもらいたいし、今度私としてはこの料金値上げの問題でこれをやってほしかったのです。今の態度はまことに私としては遺憾です。どうですか。
○岡本政府委員 鉄道財政の健全化を維持しながら、鉄道に課せられた公共的な使命をいかにして遂行させるかということにつきましては、いろいろむずかしい議論がございます。御承知のように欧州諸国におきましては、もう運賃改定による自己資金の捻出にも限度が参りまして、鉄道財政の健全化のために、一般の国庫から相当補給するという段階になっているものもございますし、あるいはわが国の国鉄のように、まだある程度企業体として利用者に一部その負担増を願いながら経営していくというものもございます。もちろんわが国の国鉄は、全部が全部政府の援助を受けていないというわけではございません。御承知のように現在でも国の政策による公共負担につきましては、ごく一部ではございますけれども、国庫から援助をしております。あるいは財政資金の借り入れにつきましても、特段の援助を与えておるわけでございます。そこで来年度予算におきましては、先生御承知のように新線建設につきましては、一般会計からその利子に相当する額を援助するということにお願いしてございますが、多少部分的には一般会計から補てんするという思想も現われておりますけれども、まず現在、あるいは近い将来においては、やはり借入金とあわせて利用者に負担願うという態勢でもっていけるのではないか、かように考えておるわけでございます。
○島本分科員 この問題についてはその程度にしておきますが、大臣に先ほどの暫定措置の問題だけはやはり一つ制度化するような含みを持って、直ちに廃止するという方向でないということを確認しておりますから、よく研究していただきたいことを要請いたしまして次に移ります。 次は、一地域の問題ですが、国鉄自身としての計画が、きょうやったかと思えばあす変更だ、それが変更したかと思えばまた別な形で出てくる。まことに私としては解しかねるような一つの例がございますので、この点について一つお伺い申し上げたいと思うわけです。それは北海道の問題ですけれども、小樽の手宮線の旅客駅廃止の問題です。昭和二十四年と思いますが、これが復活した。それから十年たって今度は廃止というふうに出てきている。その場合にも小樽市からもいろいろ住民の援助を受けて、相当の寄付もあるようです。駅の敷地またはいろいろなそれに対する援助等もあるようです。御存じのように手宮駅のあるその辺一帯は、北洋漁業の基地のあるところの小樽の港の付近なのです。そういうような関係で、それを利用する人は、一部魚関係の人が多いし、からだと荷物が一緒に行くような、こういう種類の人が多いわけです。今度市内に平面交差を立体交差に切りかえを行なおうと、予算を組んでやろうとしたときに、国鉄の方ではローカル線の手宮線を結局廃止するという意向で出してきたわけです。当然これに対しておかしいということで、市をあげて反対した。反対というのは現状維持を要請して、それに対するいろいろな手段を尽くしました。これを議会で取り上げ、市長も先頭に立って反対ということで、四月から実施するという線を一応御破算にしておるわけです。ところがいつでもこれを出してきて、これは廃止するのだぞということをちらりほらりと見せるために、現在それを利用している住民の人たちは、いつどうなるかわからないという不安におののいている。こういうような状態があるわけです。これはおそらく現場の方ではこのままにしてもいいのではないかと考えているけれども、鉄道当局が合理化の線に沿って、上からの圧力によってやらせているのではないかというふうな危惧を持つものでございますけれども、そういうような点までも公共性に立って行なうはずの国鉄の指導が、下部に対しては強圧的な態度で臨むようなことになっているのかどうか、この点はなはなだ解しかねますが、この一部始終を承りたいと思います。
○吾孫子説明員 ただいまごく詳しいことまで実は私自身まだ承知しておらない点もございますけれども、小樽市内の鉄道本線を高架にするということに関連いたしまして、手宮線の方は最近では利用率というものも昔に比べて下がっておりますし、経営的な採算がとれない線路でもありますから、本線の方を高架にするということについては御希望に沿うように国鉄としてもやりたいと思っておりますけれども、この際便利になる面もあることでございますから、他面ではまた国鉄の経営の改善のために御協力、御理解をいただきたいというような意味で、手宮線の廃止ということを条件に、地元の関係の向きと支社との間で今交渉をさしていただいておるというふうに私は承知しております。
○島本分科員 私の手元にはそういうような関係からの資料が届いております。これはまず人員が不足である。利用者が少ないという点、これをあげられておるようですけれども、私はこの点は現実にこれを見、現在の皆さんの行なっている料金のキロ数の決定がそうさしたものであろうと思うのです。たとえば私の手元にある去年の十月の資料で、これは手宮−色内線ですが、乗降客の合計が十万六千七十三名という数字が出ているのですが、切符は四万五百九十名分しか出ていない、おそらく切符の売られているこのデータによって、利用者を測定しているのじゃないかと思うのです。私試みに聞いてみましたところが、小樽駅から札幌までの定期を買うと一千円だそうです。手宮から買うと一千十円だそうです、千円で小樽駅から買う場合には、小樽一円どこでも乗降ができるのだ、こういうことになっているので、買う人はみんな小樽駅から買っている。利用は手宮までしているのです。そういうような状態なら安い方を買うのは当然で、これだったら副総裁だって行って買うでしょう。実際はそっちを利用している人がこのようにして二倍以上になっているというのが事実なんです。こういうような事実も十分知った上で、乗降客が少なくなっているということを考えられているのかどうか。これに対して荷物はあの手宮方面は集散地でございますから、忙しくてしょうがないところであります。両方合わしたら赤字になる線ではないということが言われておるのですが、こういう点も十分御調査でございましょうかどうか。
○吾孫子説明員 私が今承知いたしておりますところでは、今度の手宮線の合理化ということは、旅客の関係だけをやめさせていただく。貨物の方はたしかやるということになっておるやに承知いたしておるのでございますが、先ほど申し上げましたように、一方において地元の御便宜をおはかりいたす、道路交通にも御協力するという意味で、本線の高架化ということもやらしていただくつもりでございますので、それのかわりといってはなんでございますが、また他面では国鉄の経営の合理化にも御協力願いたいということで、支社の方で地元の関係の向きとお話をいたしておるように承っております。それ以上詳しいことは実は私は今ここに資料を持ち合わしておりませんので、よくなお聞いてみたいと思います。
○島本分科員 なお副総裁にこの点は十分私として要請申し上げておきたいと思います。まあ人員の点から見ると、二倍以上もうすでに今のようにして別のところから切符を買ってやっているので、その指定されている手宮駅の収入に入っていない。逆に小樽駅の方からやっていって、一円全部使っているのが二倍以上の人員になっているという点でこれは単に売上高を見ても当たらないものであるから、そういうように神経をとがらして公共性を無視するようなやり方を——一方、端の方を高架にしたからそっちを取ってしまう、こっちをやったからそっちを取ってやる。ちょうど赤ん坊をあやすような手で、これで公共性を保持するのだというのでは公共性が泣きますから、少しこういうような点については国鉄として考えてやってもいいのじゃないか。ことにこれを利用している人は、産業の発展上やむを得ないような階級の人たちが多いのです。これはいわゆる行商部隊の人がよく利用しております。その人たちも小樽駅から定期を買っていますから、そこまで行けば十円安いのですから、安い方を買うのです。それでいいということを国鉄が言っているのですから……。皆さんの方でそれをやって、これは利用者が少ないというのだったら、皆さんがぺてんにかけているのと結果的には同じことになるのじゃないか、私はそういうふうに思います。これはもう少し慎重にしていただいて——市全部がこの問題では協力しながら、これをやめてもらいたいということで、市議会でも決定をやっております。これは革新系も保守系も全部あげてやっておるのです。いろいろな点で皆さん方の合理化に対して協力はしておるのでしょうが、この点だけはもっともっと考えた上で善処してもらいたいという意向ですから、あまり圧力をかけることなしに、住民に雪解けと一緒にあたたかい意向をここで示していただきたい、こういう希望ですから、その点くれぐれも要請しておきたいと思います。それはよろしゅうございますか。
○吾孫子説明員 支社の方でもそういうことを地元の関係の向きに御相談申し上げる際に、手宮線で旅客扱いをしなくなった場合のかわりの交通機関のことや何かも、おそらく考えながら申し上げておることだろうと思うのでございます。詳しいことをただいまのところよく存じておりませんので、これ以上申し上げられないことは申しわけないと思いますが、別に私の方で圧力をかけるというようなことはいたす考えはございません。支社の方で一つ地元の方ともよく相談をしてもらうようにいたしたい、さように考えております。
○島本分科員 今の問題は善処方を要望し、これで終わっておきます。 もう一つ最後に、これは大臣にお伺いしておきたい問題がございます。それはやはり先ほど申しましたように、産業の振興も考えた上でいろいろ鉄道行政は考えられておるのだ、こういうようなことなんですが、北海道では総合開発とあわせて、あの篠津開拓を今度はまた十数億の予算をつけてやっております。おそらく通るでしょう。こういうようにしてやっている。一方その近所の貨物取扱駅を、現在利用がないからという理由でだんだん廃止してきている。しかしながらこれは総合開発の一端として、そばで総合開発をやって、原野の開拓をどんどんやっていって、これができ上がった上にはすぐそれに必要になることがもう目の前に見えながら、現在それは少し予定を下回っておるから、全部民間へ委託するのだというふうにどんどんしている。こういうことでまた近い将来すぐ変更がくるようなことを現在おやりになっているようなことがあるようです。これは中小屋本中小屋、あの近所の駅を今度やはり民間委託にしておりますが、そばで篠津開拓が堂々と行なわれている、こういうようなこと、その結果、開拓が行なわれたあとを見るともうわかるのですが、十分国の政策と行政とを考えた上で、いろいろ駅の民間委託なんかも考えた方がいいのじゃなかろうかと私どもも思うのです。この点はどうも解しかねるのです。大臣としては総合開発の面もからみ合わせて、いろいろこの民間委託の問題や廃止の問題なんかを考えるべきじゃなかろうかと思うのですが、大臣、いかが考えますか。
○木暮国務大臣 国鉄といたしましては、御承知の通り経営合理化のために貨物駅の集中と申しますか、ただいま御指摘のような非常に少ないところを廃して、そうして集めることを方針といたしておるのでございます。しかしながら御指摘のように産業の開発とか国土開発、いろいろ地方の発展に見合いまして、現在におきまして貨物駅としての値打ちの少ないものでも、あるいは近く貨物駅としてそれが利用さるべき可能性のあるもの等を考慮いたしまして、こういうことは慎重に大きな見地に立って、各一つ一つについて検討を加えていくべきものだと考えますので、今どことどこをどう思うかということに対してはお答えはできませんけれども、方針といたしましては貨物駅を集中するという方針をとることを抽象的には認めますけれども、その駅ごとの重要性にかんがみて、適当よろしきを得るようにあんばいをしていき、指導をいたしたい、こう考える次第でございます。
○島本分科員 そういうような考えそのものではなんですけれども、これもすでに昭和十年にできた鉄道でございましょう。それも産業の開発上必要だということでできたものです。現在までそれが使われているような状態のもとに、篠津は政府の方で総合開発の中に入れて国費を投入して、それで原野の開発が行なわれているのです。今度も十数億の予算が組まれてあるのです。それができたあとは、その辺の利用状態はもうわかり切っているのです。しかし現在一年後、二年後のことを見通してやるならば、そのままにしておいた方がいいじゃないかと思うのですが、現在なおかつそれを予想して北海道ではいろいろな施設援助をその辺に対して考えているのです。しかしながら実収が上がらないということで、国鉄ではさっそくその駅を廃止して委託駅に切りかえてしまっている。おそらく篠津原野の開発が終わってごらんなさい。下手をするともう一回やらなければならぬ。いつも朝令暮改で、きょうやったらあした変更する、こういうような一貫性のないやり方では困るではないか。国鉄の行政も国の政策の上に乗っていく行き方をするならば、総合開発の面と遊離した面がはっきり現われているじゃないか、こういうようなことをもっともっと考えて、行政の一貫性ということも十分考慮してもらいたい、こういうように考えるわけです。私こういうような点で、今のやり方、料金の改定の仕方、これに対する考え方はいいけれども、答弁の仕方なんかまことに不満ですが、今これを一つの問題点として提起しておきますが、一貫されたような態度で臨むように、これは大臣にお願いしておきます。これで終わります。
○中野主査 井堀繁雄君。
○井堀分科員 本年度の通産省の予算説明なり内容を拝見いたしまして、政府の今回明らかにいたしております国民総生産倍増計画の長期計画に対する方面から判断いたしましても、また当面いたしておりまする交通事情、ことに運送隘路の当面の問題を解決する上からも、この予算では多く疑問が残ると思うのであります。あるいは不安すら感じますので、二、三お尋ねいたしたいと思うのであります。 長期計画の面からいたしますならば、政府の十年間、さらに運輸省の向こう五カ年間の計画などを検討してみますと、政府の言っておられる所得の倍増を満たすための生産を急速に引き上げる措置としては、とうてい及びもつかないものではないかと思われます。そこで具体的なものを二、三あげて御意見を承っておきたいと思いますが、当面の問題といたしましても、御存じのように物の面でも人の面でも、輸送はかなり混迷、混乱の状態にあると言ってもいい部分が随所に現われております。そういう問題の解決がまず可能であるかどうかということが、当面の問題でなければならぬと思うのであります。そういう当面の問題の解決が可能であり、さらに計画性の上に載せて全体的なものがどのように展開されるかということに発展しなければならぬと思うのであります。そこで極端な事例を一、二あげてその解決策を伺ってみたいと思います。 海運の問題についてはあとで同僚委員からお尋ねするようになっておりますから、私は陸運関係、ことに国鉄が中心になるかと存じますが、陸運の関係では国鉄が中心になり、さらにトラックにいたしましても、あるいは民間の自動車、バス、あるいは私鉄などの相互関係というものを、一体運輸省はどのように把握されておるかということについて、いずれの資料を拝見いたしましても不得要領に終わっております。この点からいきましても私は問題が起こると思うのでありますが、それよりも今目のあたり展開されておりまする国鉄の一、二例でございますが、たとえば東京や大阪、名古屋などの大きな都市を中心にする通勤時間に見られまする混乱だけでも、一体にわかに解決可能な見通しをわれわれはどこからもつけることができません。そこで一つ最もあなたの目に触れられ、近いところの例をとりましょう。中央線、あるいは京浜、あるいは、東北線などから東京を中心にして通勤時間に——物でありますととてもあのような倍率の輸送はできないのでありますが、人の問題だから何とか解決ができるというふうに輸送されているのかもしれませんが、この問題はここだけではいけないかもしれません。他の政策との関係があるでありましょうけれども、昨日も私は建設省に住宅計画の点でお尋ねいたしました。けれども、その面からは結論が出て参りません。さらに都市計画や全体の行政を担当いたしまする自治省の計画もお尋ねいたしましたけれども、ここからも何らの結論を得ることができません。そこで究極は直接輸送の責任にある運輸省の見解が最後のどたんばになるわけであります。きのうの新聞の夕刊をごらんになったと思いますが、十九才になる通勤しておりますお嬢さんがラッシュ・アワーに、これは大宮と日進の間でございますが、ここで押し合いへし合いしてホームに落ちて、実は汽車とホームの間に狭まれて即死をいたしております。私は実は二、三回ラッシュ時に大宮から東京までの間を乗ってみたのです。私は毎日川口からここへ国電で御厄介になっているのですが、朝二台ないし三台は待たなければ乗れません。それもかなりな無理をして乗り込んできております。体験をしておるのでありますが、こういう問題をどうして解決するか。私はたびたび個人的にもお尋ねをしたし、調査もいたしたのであります。さきには文書をもって運輸省に意見を求め、その回答を得たのであります。その回答を見、またさらに今日の予算の中で数字をあげていいますると、東京付近における予算の数字は、ここには五十六億数千万円を見込んでおりますが、この中でおそらくそういう問題の解決をはかろうというのであろうと思いますが、その具体的な点をきょうはお尋ねをいたしておきたい。中央線、あるいは今言うような殺人まで生じておりますきわめて不安な状態の交通地獄を、どうして一体解決されるのか、まずこの点だけでもいいですから、国民の納得のいくような御説明を願いたいと思います。
○吾孫子説明員 都市付近の通勤輸送の問題について、ことしの正月から最近にかけて大へん皆様に御迷惑をおかけいたしたことは、申しわけないと思っておるのでございます。これは区間にもよることでございますけれども、現在もうすでに限度一ぱいに列車回数を入れておりますようなところ、また電車の編成といたしましても、現在の設備としてはもうぎりぎり一ぱいまで長大化して、これ以上ふやせないというようなところもございますので、そういう区間については、やはり今日に至りますと線路そのものをふやすとか、あるいは別線を考えるとかいうような処置をとりませんと、どうにもならないような限度にまで達しておるところもございます。そういう場所については、これは利用される皆様には大へん御迷惑なことであったと思いますが、時差出勤その他をお願いいたしまして、当面の急場をしのぐようなことはさせていただいたのでありますが、そういうような区間については今度の五カ年計画においても、まず優先的に線路を増設するということをやろうと思っております。しかしまだ電車を投入すれば現在よりはある程度輸送力を増加し得るようなところももちろんございますので、そういう場所に対しては電車をできるだけ増備いたしまして、現在よりさらに運転時隔を縮め、また編成の車両もできるだけふやして輸送力をつけていくようにいたしたいと考えております。と同時に、もう大都市の今日の交通の状態というものは、国鉄だけがこれを何とかしようと幾ら努力いたしましても、もはや限度にきておるような点もございますので、今後だんだん完成いたしつつあります地下鉄等との連絡運転とか、あるいはまた私鉄が都心に乗り入れる方法であるとか、それらの点についても運輸省の御当局の御指導を得て、少しでも今日の混雑の状態を緩和いたしますように努力を続けて参りたい、かように考えておる次第でございます。
○井堀分科員 今の御答弁では、この今の交通地獄の解決の手はないというふうに受け取れるので、もう少しはっきり伺っておきたいと思います。 なるほど私の質問書に御答弁をなさったところによりますと、倍率から見ても二三〇%あるいは二七〇%というのですから、驚異的な輸送をやっているわけです。それを解決する暫定的なやり方としては、運転時間の時差を短縮する。たとえば京浜東北だけの例をとってみましても、今三分五十秒、それを二分四十秒ぐらいに縮めるとすれば、信号機を改造したり、あるいはまた今の八両連結を十両連結にすることをやっても、ホームを改造しなければならない。とにかく当面の輸送を何とか緩和しようということについても国鉄は限界にきている。今副総裁の御答弁によりまして、もしことしの予算で鉄道を増設するということになっておりますならば、一つその具体的な点を伺っておきたい。 全部を聞くわけに参りますまいから一例をとりますならば、今京浜東北線の例を申し上げましたが、一番込みますのは川口と赤羽の間であります。これは一つには山手線が池袋−赤羽折り返しでありますから、赤羽あたりで緩和されるわけであります。その間は、今言われますように増設しなければならぬ。説明書によりますと、本年度も東京近郊の予算を組んでおるようでございますが、この五十六億何千万という中にそういうものが入っておるのですか入っていないのか、その点を一つ伺います。
○吾孫子説明員 お答え申し上げます。まず最初に京浜東北線の現在の輸送状況についてお話がございましたので、その点について申し上げたいと思いまするが、お話にございました通り、現在赤羽−大宮間の運転時隔は最小三分で、七時から八時までの間の時間帯に八両編成の電車を十五本運転いたしております。また浦和から始発の電車八両編成三本を運転いたしまして、近距離からの都内通勤者の救済をはかっておるのでございますが、さらに今後信号機の設備の増強及び車両の増備をはかりまして、この時隔を短縮いたしたいと考えております。なお全部を大宮始発ということにいたしますと、近距離通勤者の救済が困難になりますので、赤羽で折り返す電車はやはり残す必要があると考えておる次第でございます。また編成両数の増大のためには、京浜東北線の全線のプラットホームを延ばさなければなりませんし、また折り返し線を長くいたしましたり、電車区の収容線を延長したりする工事が必要でございますので、相当多額の工事費が必要になるわけでございます。しかしそれらの問題につきましては、目下いろいろ検討いたしておるような次第でございます。 来年度の予算でさっそく手をつけようと考えておりますことは、まず中央線につきまして中野と三鷹の間の線増に着工いたしまして、これを今度の五カ年計画で完了するようにいたしたいと考えております。またこれは目下計画中でございますが、中野から東京までの間は帝都高速度交通営団が五号路線というのを計画しておりますので、これに国鉄の電車と双方乗り入れができるような設備にいたしまして、都心に対する輸送力をつけるということをやりたいと考えておるのでございます。東北本線につきましては、赤羽−大宮間の線増に着工するつもりでおります。それからやはり通勤輸送の緩和をはかりますために、帝都周辺の主要駅であります新宿、渋谷、五反田、目黒というような駅の設備の改良ということを、三十六年度の予算で計画いたしておるような次第でございます。
○井堀分科員 今国鉄の副総裁の御答弁を運輸大臣お聞きになった通りです。政府の輸送計画を数字の上で拝見してみますと、倍率で出ておりますが、昭和三十三年の実績に対して三十四年を推計し、さらに目標年次をきめて倍率を計算して出しておる。年率を見ると五・五の伸びを見ておるわけであります。こういうような計画なんというものは、私が今単なる一例を取り上げたのでありますが、ビジネス・センターとして、あるいは今後いろいろな意味における日本の政治経済の中心をなしていく東京都、それがこのような交通事情であります。今、地下鉄をとか言っておりました、あるいはバスだとか乗用車、いろいろ考えられると思いますが、この点では私は建設省の道路計画を検討し、一、二尋ねてみたのでありますが、これにかわるバスや乗用車によって緩和するということは、今日ではますます困難です。地下鉄ということになりますと限界がありまして、たとえば東北線の場合は、赤羽までは入るかもしれませんが、荒川をどうするかというような問題もありまして、しろうとが考えても、ちょっとやそっとではできないと思います。それに建設省は、勝手にどんどん土地の安いところに目をつけて団地を建てるといったようなこと、それから東京は、御案内のように毎日大きなビルがどんどんでき上がっております。夜の人口は全部この周辺にお願いをするより仕方がない状態であります。でありますからこの交通地獄は、だれが考えても今後ますます激しくなってくることは疑いの余地がない。それに対して、今国鉄の対策はとうていお手上げだ。当面の問題すら解決つかないものが、どうして一体五カ年計画だの十カ年計画というものが立つのでありますか。こういうものを出されますと、国民は所得倍増ができると思って、大喜びで待っている。生産が倍増できるだろうと思って、日本の企業は相当の意欲を燃やしておると思うのです。当てがはずれるだけではありません。その期待はずれは日本の経済に大きな混乱を起こし、反動が起こってくるのであります。私は運輸当局としては非常に重大な責任を担当する結果になると思うのです。当面しておる一つの事実すら解決できないような運輸政策で、どうして一体日本のこれから発展しようとする政策ができるでありましょうか、運輸大臣の御所見を伺っておきます。
○木暮国務大臣 最近東京を初めとして、都市が非常に膨張して参りましたので、大都市周辺の通勤輸送の問題が、今御指摘のように非常に混雑して参りました。国鉄ばかりではございませんで、いろいろ道路交通上、規則がますます強化して参るというような事態になっておるのでございますが、国鉄といたしましては、都市周辺の通勤、通学をおもに担当をいたしておりまして、ことに東京におきましては、大体一日に国鉄電車に乗る人の約半分が、いわゆるラッシュ・アワーに集中するというような統計上の数字もございますので、何とかしてこれの輸送を緩和いたさなければならぬ。ことに最近、新聞でも問題になりましたように、寒いときには厚着をする関係や、あるいは春、秋、夏ならば、通勤、通学の人が家を早く出ますのに、今は自然時間ぎりぎりまで家におられて、一時にラッシュ・アワーに集中することなどが相待ちまして、非常に交通を混雑させております。もちろん国鉄といたしまして、今後線路の増設をいたしますとか、あるいは電車の増両をはかるとか、あるいは国鉄の駅を長くいたしまして、現在よりも長い電車を運行することができるようにいたしますとか、電車の発車の間を、危険にならない程度なるべく短くいたすことなどに力をいたすとともに、広く通勤、通学の方々のお力添えを願いまして、皆さんすでに御存じの通り、時差通勤あるいは時差通学というようなことを、今後は大いに総合的に、また具体的に、計画的にやっていくことなどによりまして、都市周辺の国鉄に集まります混雑というものを、幾分でも緩和いたしたいと思います。もちろん国鉄自身としても、ただいま申し上げましたように中野から三鷹の線を、ことしの四月から新たに増設いたしますとか、あるいは大阪などにおきましては、この四月に環状線を開通させることに努力いたしますとか、あるいは電車の増両をはかるとか、駅のホームの延長をはかる等の具体的な努力をいたしたい、こう考えておる次第でございます。
○井堀分科員 私の今の質問を、あなたはお聞きになっていなかったのじゃないですか。今国鉄の副総裁の御答弁されたそういう措置では、問題の解決が困難だ。できない。だから地下鉄だとか、他の民間の交通機関の協力も望まなければならぬと言っておられるし、あるいは今年度の予算の計画の一部が漏らされておりますが、そういうものはこの解決には、ほんのスズメの涙のような政策じゃありませんか。なるほど冬は厚着をしておりますから、それは大へん違うでしょうけれども、この比率をごらんなさい。東海道線、常磐線の場合を見ましても、最高潮は東海道線で二六〇%、常磐線でも二四五%、中央線や今私の具体的に取り上げております東北線などは、とても問題にならない。まさか二五〇、二六〇あるいは三〇〇に近いような、こういうむちゃくちゃな輸送をやっているものが、ちょっとやそっとの手当で解決がつかないであろうということは、私どもも想像できるわけです。でありますから、これは国鉄だけにまかせておいたのでは、百年河清を待つようなものであります。政府が少なくともわれわれに予算審議をしてもらう際に、明らかに資料として出しておりますものは、五カ年、十カ年計画のうち、当面の輸送計画の初年度、すなわち三十六年度の予算をわれわれに提示して審議してくれと言っている。今申し上げますような当面している、人の生命にも影響するような、こういう状態の解決ができないで、一体三十六年度の、要するに政府の一枚看板の所得倍増計画の、初年度の運輸計画なんというようなことが言えるものですか。それは国務大臣としては重大な責任があると思う。われわれ国会議員といたしましても、そういう無計画といいますか、でたらめな政策というものがもし承認されますならば、要するに共同の責任を問われるのであります。責任をおそれるのではなくして、そのことはさっきも申し上げておりますように、日本の経済に重大な不安と混乱を与える結果になるからであります。この点に対するあなたの御答弁は非常に重大だと思いまするから、重ねてお伺いをいたしておきたい。この計画はあなたの方の御意思をいれて出されたものだと思うのであります。ごらんになりましたか。大臣の御所見を先に伺っておきましょう。数字的な、具体的な御答弁は事務当局から伺いますが、これは政策に関するものですから……。
○木暮国務大臣 今申し上げましたように、三十六年度から五カ年計画を新たに立てまして、従来の輸送増強の計画をもっていたしましてはなかなか困難であるという問題を解決するために、今度の新しい五カ年計画を立てたわけでございます。われわれといたしましてはこの五カ年計画に全力を注いで、そうして経済の成長による国民の輸送需要に相応ずるような、対処するような輸送力の増強をはかりたいという計画を立てておるわけでございまして、もちろんその他今まで鉄道の輸送によりましたものが、道路等の輸送のものに転移するものもございましょうけれども、鉄道としては三十六年度以降五カ年計画を遂行することによりまして、今の所得倍増に見合いまする国民的の需要に対処することのできるものとして計画を立てておるわけでございます。
○井堀分科員 あなたと問答を好むものではありませんけれども、何も私は抽象的に伺っているのではありません。昭和三十六年度の予算の審議を求められておりますから伺っておるのです。この三十六年度は、五カ年計画でも十カ年計画でも、その一番大切な初年度であります。ことに運輸計画というものは、他の政策に先んじて計画というものが遂行されてこなければ意味をなさぬことも説明を要しない。それどころではなくて、従来の輸送事情——これは人だけではありません。貨物もそうでありますが、それが隘路になって現われておる。これからの計画どころではなくて、従来のしわ寄せをどう解決するかという方針すら持たないで、次の計画がどんなにりっぱなことを述べられても、われわれはそれを理解する何ものもないわけであります。でありますから伺っておるのでありますが、もし事務当局の方でこれをお助けになるような、大臣の政策を上回るような御意見がありますならば、事務当局から一つ伺っておきます。
○岡本政府委員 確かに仰せの通りでございまして、運輸省といたしましては通勤輸送の解決には根本的な対策は、もちろん早急に実施しなければいかぬというふうに考えております。公平に見まして国鉄の通勤輸送の対策の実施は多少おくれておるのじゃないか、こういうふうにも見られますので、来年度から発足します五カ年計画におきましては十分重点を置かせまして、できるだけ解決に向かわせたい、かように考えております。もちろん都市交通の問題、特に通勤、通学輸送を中心とします都市交通の問題は、国鉄のみの問題ではございません。私鉄あるいは地下鉄を通じまして、一貫して輸送力の増強計画を実行させておるのでございます。公平に見まして、地下鉄の建設は予定に比較いたしますと割合進捗をいたしておりますが、一番大きい役割を持っております国電を中心とする輸送力の整備状況は、確かに御指摘のようにおくれておると思いますので、来年度からは特に力を入れまして督励いたしたいと考えております。
○井堀分科員 運輸大臣よりも局長の方がよほど政策に対して積極性を見せている。しかしこれは思うとかそうしたいとかいうことではなしに、初年度ですから予算の中に具体的に出てこなければ納得ができないのです。しかしそんなことをここで押し問答いたしておりましても、全体の関係がありますし、私に与えられた時間もありませんので、もう一、二具体的なことをお尋ねしてみようと思います。 そこで次に問題になってきますのは、国鉄が行き詰まっておるならば、今地下鉄々々々としきりに地下鉄にたよっておるようでありますが、通勤輸送の問題に対してはその一助になる、あるいは相当大きな力になることは私どもはわかる。しかしそれも限界があるわけです。自然現象の中に制約を受けてくるわけです。今も例をあげましたように、中央線の問題はだいぶいいでしょう。京浜になると問題でしょう。東北になると問題でしょう。それではバス、乗用車、こういう問題になってきます。そこでこの計画の中にもありますが、乗用車に相当期待をかけた数字が出ております。私は道路のないのにどうして乗用車を走らせるのだろうかと思って、実はこっけいに考えてこの数字を見ているのですが、その種あかしをしていただきたい。ここであげている乗用車の倍率は、驚くべき倍率をあげておるのであります。すなわち昭和三十三年を一〇〇にしてこれに対する倍率の計算をいたしておりますが、目標年次五〇四、増加率八〇〇、それから年度率は一九%、こんなパーセンテージがよしそのままいくとするならば、あなたの方は認可権を持っておりますからどんどん乗用車の認可をなさる方針でありましょうが、もしそういう方針でありますならば、われわれとしては今でさえ交通事故の跡を断たない状態に、あの狭い道路にどんどん自動車が走り出してどうするだろうか。一体そういう政策、対策についてどのような対案をお持ちでありましょうか。これを見るとわずかばかりの予算を組んでおるようでありますが、何か珍手がありますか。
○國友政府委員 私その数字につきましてつまびらかにいたしませんので、趨勢として申し上げますと、運輸省といたしまして、自動車に対しましてたとえば増加をいたします場合に許可権等は持っておりませんので、今お話のございましたのは乗用車の増加の趨勢及び倍率をそこにあげておるのだと思いますが、乗用車につきましては最近非常なふえ方でございます。昨年から本年にかけまして非常なふえ方なのでございますが、現在自家用車につきましては運輸省で陸運事務所を使いまして登録という制度は持っておりますが、これは要件を整えて出て参りますればそれを台帳に登録して車両番号票を渡す、こういうようなことで処理しておりますので、これにつきましては今後の問題としまして総合的に、たとえば自動車の生産についてどういうふうに考えるかとか、あるいはそれらについての交通規制をどういうふうにするとかいうようなことを考えなければならないと思いますが、首都公団等を設立いたしまして、現在東京都における自動車を専用に走らせる道路の建設ということも進めておりますが、これはとうていこの量に二、三年のうちには間に合わない、こういうような状態にありますので、実はそういうふうに自動車がふえて参りますれば、道路の拡幅及び建設が進みません場合には、だんだん走ります走行の時間がかかるようになってくるという状況になっておるのでございますが、それらにつきましては、内閣に交通対策本部を作っておりまして、これは昨年の十二月に発足したのでございますが、ここでそういうような問題につきましても現在検討するようにいたしておるのでございます。
○井堀分科員 これは驚くべき答弁だと思うのでありますが、総理府にそういう対策本部を設けておやりになるのはけっこうです。しかし今私のお伺いしているのは、運輸省の予算についてお尋ねしておるわけであります。これはあなたもごらんになっておるわけでありましょうが、国民所得倍増計画について経済企画庁の出したものなんです。この中で国内の貨物の輸送計画と、それから旅客輸送計画というものを——旅客の場合においては国鉄、それから民間鉄道、バス、乗用車、航空機、旅客船、こういうように分類して出しておるわけでございます。さっきも伺いますと、なるほどそれは手続さえしてくれればナンバーを出して、どんどん許可するということは、決して悪いとは思いません。それは徴税上のことや、あるいはその番号を受け付けて整理上、行政上そういうことを知る必要がある。それをつかみ得るのは運輸省であることは間違いがないのです。自動車の製造の方についてはどんどん大いに奨励されておることでありますからできましょうけれども、これは飛行機や船よりもむずかしいと思います。道路がなければ走れはしません。道路のことについてはあなたの方ではありませんから、これは建設省だと言われるから建設省にお尋ねしたのですが、しどうもどろで不得要領、これから何とかしましよう。——これからではなくて、もう第一年度の予算が出ておるのでありますから、初年度においてこういう計画が明確に出てこなければならぬ。道路とか輸送政策とかいうようなものは、生産に絶えず一足先に先にと手を打たなければ意味をなさぬものなんです。これは私がそういう講釈をするまでもない、皆さん御存じです。その一番先に手を打っておかなければならぬものがこういう状態でありましては、選挙のためのスローガンではなかったろうかというような悪口が出るのも——まさかそういうことで済まされる問題ではございません。それだけにこれは、それぞれの立場で一生懸命に解決するより仕方がないと思いましてお尋ねしたわけでありまして、私の心配はそのまま出てきたようであります。 もう一つ、ついでに伺っておきましょう。これと関係して、これも十カ年計画の重要な役割を持つのでありますが、首都圏整備法に基づいて、東京都を中心にして一つのモデル的なものをいろいろやろうとする意図が最初に盛られておったことに対しては、敬意を払うものであります。その首都圏に関連して、あなたの方のお仕事で、これも私は質問書でお尋ねをして、ここに回答が出ておる。私の質問いたしましたのは質問第二号できておりますが、これは首都圏整備の上からは、首都周辺衛星都市の育成及び地方産業の開発振興上ぜひ必要であるし、あるいは交通が今は麻痺状態にあるのを緩和するためにこの線は重要だと思われて、しかも当局はこれに認可を与えております。すなわち武蔵野線であります。この武蔵野線についての回答によりますと、昭和三十二年六月に我孫子から大宮間の新線建設を認可しております。そして「国鉄においては、前記建議並びに本線の使命を考慮し、経過地の選定については東京付近の輸送力増強方策並びに沿線住民の要望を慎重に検討し、目下測量調査を進めている。なお、認可区間の新線建設には約百三億円の工事費を必要とするが、三十五年度は一億五千万円の予算を配分している。」というのでありますから、一億五千万円の金はもう使われたわけであります。でありますからこの問題については、三十二年の六月に認可をしておる。国鉄はその認可を受けられてから、しかも三十五年度においては一億五千万円の金をお使いになっておるわけです。こういう扱い方についてどうなさっておりますか。さっきの副総裁の答弁によりますと、緊急なものについては三十六年度で格好をつけるような御意見でありましたが、この点はいかがでありますか、一つ伺っておきます。この問題は、言っておきますが、御案内のようにこの地域は最近土地ブーム、まごまごしておりますと、これにいろいろなものが結びついて思わざる悪弊が方々から上がっておるわけであります。こういうものは迅速に認可がありましたらすみやかにやはり所在を明らかにして——工事にかかる、かからないかは予算の関係もありましょう。これも先ほど言うようにきわめて喫緊な線であることは間違いない。そういう点に対する具体的な経過等を見ますことによって、こういう計画に対する何がしかの当局の計画を善意に信じたいと思いますから、お尋ねをいたしておきたいと思います。
○岡本政府委員 運輸省におきましては、すでに答弁書でお答え申し上げました通りに、昭和三十二年六月に認可しております。その後国鉄といたしましては測量調査を進めておるものと思っておりますが、経過地につきましていろいろな問題があるやに聞いております。詳細は国鉄の方からお答えを願いたいと思います。
○吾孫子説明員 ただいま鉄道監督局長から御答弁のございました通り、この線路につきましては経過地、それから特にどこで分岐するかという分岐地についていろいろ問題もあるようでございますので、現在までやっておりますのは、測量その他の調査をやっておるのでございまして、これから先の進め方につきましては、また建設審議会等にもお諮りいたしまして、御検討をいただきたい、そういうふうに思っております。
○井堀分科員 この問題は、いろいろな弊害が起こってくる問題でありますので、いずれにいたしましても早く片をつけておく必要性の強いものだと思いますから、御注意を申し上げておきたいと思います。 それからもう時間もありませんし、同僚の質問もあるようでありますから、まことに残念でありますが、ぜひ一つ——輸送政策というものは、さっきも実例をあげましたように、通勤労働者だけを考えましても、非常に大きな負担をかけておる。これは日本のように労働力をむだに使うことは一つの大きな恥だと思う。政府の言う生産は、二つの要素をあげておるようであります。ことに今までにない保守党としてほめていいと思うことは、労働力に対して大きな期待をかけておる。これを尊重しようとする傾向が、そのまま信じられませんけれども、ある程度芽を出してきていることは、ほめていいと思うのです。ところが今申し上げるようにこの通勤上の労働のロスは、おそるべき大きな数字に計算することができると思う。こういうようなことでは、これは生産の倍増計画などと言ったって、それは片腹痛い。そういう当然だれが見てもすぐ気がつくし、解決を急がなければならぬものについては、ただ単に国鉄やあるいは私鉄といったような一つの企業の計画を持っておるものだけに依存するということでは、もちろん役に立たぬかもしれませんが、しかし国鉄などは国策の前に当然順応してこなければならぬ性質のものでありますから、やはりこういうものに対しては従来の行きがかりや、従来の慣行だけにとらわれないで、大きな政策転換をやるのであります。それに見合うような大きな政策を運輸大臣お持ちになって、国鉄を指導され、監督される必要があると思う。そういうものが出てこない限りにおいては、ここら辺から池田内閣は崩壊の運命をたどるのではないか。悪い占いをするようですが、そう思われるくらいの性質のものだと思うのであります。これは池田内閣のためだけではありません。ひいては国民、国家が非常な迷惑を受けるのですから、十分性根を入れて、一つ運輸行政については抜本的な対策を、すなわち三十六年度からでも芽を出すように要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○中野主査 田原春次君。
○田原分科員 二、三こまかい問題を御質問申し上げたいと思います。その前に今同僚の井堀委員からの御質問の中ではっきりしたお答えが得られなかったのでありますが、交通地獄緩和の具体策というのは、運輸省だけでは無理だと思う。無理に運輸省だけでやろうとするところに、ただスピード・アップであるとか、増車とか、いいかげんなことを言うのでありますが、私は少なくとも、東京の交通緩和だけをかりにとってみますならば、東京の人口を減すような問題を持ってこなければならぬ。あるいは経済企画庁なり、あるいは自治省なりと話し合うというくらいのことでなければいかぬ。これ以上は運輸省は責任を持てません、だから何とかして人を減すようにしましようというところから話を持っていったらどうですか。これは今の役所の弊害でありますが、並進主義でございまして、運輸省は運輸省だけで問題を考えているところに、根本的な問題の解決が出てこないと思う。もちろん減すといってもやたらに減すわけにいきませんが、政府支弁の諸機関にして東京に絶対に置かなければならぬものだけを置く。それ以外のものは地方に分散するというような方法も考えられる。たとえば松沢病院だとか伝染病研究所とか、あるいは巣鴨の刑務所であるとか、あるいは逓信講習所、あるいは司法研修所、あるいは自治大学、こういったものは東京都内に置かなければならぬことはない。それはもう所管が違いますというようなことでいけば、いつまでたっても同じでありますから、従って、運輸大臣に練達堪能な木暮さんが出ておるから、この機会に根本的に、国費支弁の諸機関をどっか地方に移す。あるいは数カ所に移す、そしてそれに学生であるとか、教授であるとか、職員とかいうものは逆に向こうへ行くようにする。これはごく小さな今の思いつきですが、かりに、東京の国立大学でも都心にばかりある、それがたとえば一橋大学が中央沿線にある、ああいうところにもっとよけい行くようにすれば、朝の交通でも逆に向こうに向いて行く方が一ぱいになるわけです。今までは八王子までの下り線が朝はがらあきなんです。そういう点は運輸省だけで何か計画を建てたってできはしません。だから総合国策として人口の地方分散を考える。このことは大学の場合も、それは運輸省でありませんと言えばそれまででありますけれども、私は政治家として考えた場合に、東京の諸大学に地方から何十万という学生が来る。それで卒業しますと東京が好きになって地方に帰りたがらない。保険の外交とか何とか妙なことをやりながら東京で暮らしておる。いなかのおやじは毎月自分のもらった月給から一万なり一万五千せがれに送って、四年間で百万くらいかかる。いなかで働いたものの金が東京で使われるわけですから、いなかの財政はそれだけ枯渇するわけであります。そこで卒業したせがれは帰ってこない。こういうふうに人口が自然に積み上げてくるのですから、基本的にはきょう、あすというわけにはいかないでしょうけれども、運輸行政から逆にいって、これではやっていけぬ、だから総合国策で、文化機関は地方に移すようにやってもらいたいというくらいなことを考えてみたらどうかと思うのですが、大臣はどうお考えでございますか。場合によったらすべての国立大学を伊香保温泉近くに移すということにしたらいかがです。
○木暮国務大臣 ただいま高邁な御意見を承りましたが、私どもも平素考えておる通りでございまして、東京の戦災を受けましたあとの人口の集中の度合いというものを当時の当局者が見そこなっていたのじゃなかろうか、私どもは当時からそういうことを考えておったのですが、結局東京は二、三百万くらいしか集まらぬだろうと思ったのが一千万になんなんとするように集まっておる。年に二十五万ないし三十万の増加をするような状態になっておるわけでございます。今お話しのような人口の集中を防ぐのは、分散ということよりほかないのでございまして、ここで私が卒然としてどうこうお答えいたしますほど、これは軽い問題ではございませんが、今の御意見を体しまして、私どももこういう問題について一つ総合的に考えなければならぬ時期に到達しておることを痛感いたしておるわけでございます。
○田原分科員 次は予算の問題をお尋ねいたします。これは国鉄側の方にお答えいただきたい。私は九州ですから、よく特急で九州に帰るのでありますが、特急の列車時刻がはなはだしく偏するのですね。普通急行もそうです。午前十時に急行があり、十時半にまた中国から九州に行く急行がある。それから午後一時にあって一時半にある。四時半に特急があってその次は六時半に特急があって、七時に特急がある。三十分おきです。それで夜九時半に最後の普通急行があってそれっきりないのです。たとえば新橋あたりで一ぱい飲んでおって九時三十分に東京に着いたのでは、もうその日のうちに遠距離には乗れない。翌日はどうかというと、午前十時までないのです。だから一日二十四時間のうちで、東海道線の遠距離の急行、特急は十二時間しか動いていないのです。午後九時半から翌日の十時まではないのですね。金の余力のある方は夜中の飛行機でもありましょうけれども、普通の学生であるとか、そういう方はむなしく東京駅に泊まらなければならぬ。なぜ一体こんなふうに偏在するかということ、これは私疑問に思っていろいろ聞いてみますと、なんでも夜間に貨物列車が走る。それが名古屋まで走ってそこであとから来る急行を待避しておるというのですが、これは事務上の便利のためなんですね。技術的な問題なのです。一般の国民に対するサービスじゃないのです。貨車の都合があるからお前らは夜九時半以後は急行に乗るな。翌朝十時までは乗せてやらぬということはおかしいと思うのです。数年前までは午前八時に熊本行の急行がありました。それから昼ずっとあって、午後十一時に九州行の急行があったのです。いつの間にか午前八時の急行を廃止し、午後十一時の急行を廃止した。これは鉄道の事務上の都合で廃したのです。あるいはお客が少ないとかなんとかいうそろばん本位に廃している。サービスじゃない。私は九州までの急行八本は、ほんとうを言うたら、一日二十四時間ですから、三時間置きくらいに分散さしたらどうかとしろうと考えで思う。それを前提として貨物列車を考えたらどうか。少なくとも特急というものは普通急行より早いのですから、六時半の「あさかぜ」と七時の「はやぶさ」がありまして、九時半に普通急行、そんなばかなことはないです。普通急行が先に走って、問に合わぬ者があとから特急に乗って追いつくために特急が要る。従って六時半と七時のどれか一本夜の十一時くらいに東京駅を発するようにしたらどうか。そして九時半に出た「筑紫」がどこかで追いつくようにするのが特急と急行の意味じゃないかと思う。こういう列車時刻の編成がはなはだしく役所本位になっているということに、やはり国民の不満があると思うのです。これは今すぐに返事もできまいし、列車時刻の改正はなかなか困難ということはわかります。支線とか上りとかありますから。いろいろ鉄道建設審議会とかいうのがありますが、そんなのは大して役に立ちません。列車時刻編成審議会みたいなものを作って、遠距離の北海道や九州の、いうてみれば私みたいな者を委員にして、便利と重宝のために作り直す、こういうようにやりなさいときめたら、それに基づいて貨物列車なんかを編成したらいいと思うのです。今度運賃を値上げするとかなんとかべらぼうなことを考えているけれども、一日二十四時間のうち十二時間に国民を押し込めておいて、運賃だけ上げるなどというのはとんでもないことです。せめて編成でできるくらいのサービスはこの際約束されたらどうか、この点についてお尋ねいたします。
○磯崎説明員 お答えいたします。九州行きの特急が一つの時間帯にかたまっていることは事実でございます。これは先生も御承知の通り、特急の筋につきましては着の時刻も考えますし、着きましてからあとの連絡の時刻等も考えますので、非常に苦心して作っているわけでございます。これが七時に終わってしまう一番大きな原因は、七時半から御承知の通り大阪行きの急行が十五分置きに出ますので、これをどうしても途中で抜くことができない。一本抜きますと現在非常に東海道線が詰まっておりますので、私どもの言葉で等時隔ダイヤと申しておりますが、網の目のように入っているダイヤに一本特急が違ったスピードで走りますと、線路の使い方が非常にむだになり、現在ほど列車が入らなくなるという理由から、やむを得ず大阪行き急行群の前に特急を三本入れているわけでございます。これは私どもの方としましてもできるだけおそくいたしたいという気持を持っておりますが、大阪行き急行時間帯の前に入れたいということが一つ、もう一つは現在のスピードでは東京−博多間がどうしても十七時間かかるので、博多に着かれましてからのその日の仕事の都合とか、利用される方の立場を考えますと、十七時間を逆算して、どうしても夕方六時前後に出さなければ筋が入らないということになるわけでございます。この点は実はことしの秋に根本的なダイヤ改正をやりますので、今先生のおっしゃったような趣旨で極力九州行きの急行を下げたい。私どもの言葉で下げると申しますが、時刻を下げたいというふうに考えております。ただ東海道線は現状で一ぱいでございますので、あの十五分置きの急行時間帯を特急でくずすということは技術的に非常に困難でございます。十分、二十分は下がると思っておりますが、相当大幅な時刻変更は、現在の東海道線では大へん困難ではないかというふうに考えております。九時半の「筑紫」が最後でございますが、これ以上おくらせますと今度は博多なり何なりに着かれましてからあとの連絡が非常に悪くなる、非常におそくなるというようなこともございまして、九州行きの特急がやむを得ずこういう形になっいるわけでございます。その点は今度の秋の時刻改正の際にできるだけ下げる努力をいたしたいと思っておりますが、今の東海道線の線路の容量では、大幅に三時間、四時間ずらすということは非常にむずかしいのではないかというふうに考えております。
○田原分科員 十分、十五分延ばすことが技術的に不可能ならば、ずっとおそくして、夜中の二時ごろ立つようにしたらいいと思う。十二時ごろまでに東京駅に集まって乗ればいいのですから、特急を一本おくらせて出すということが技術的にできないものかという気持があるのですが、これは即答でなくてもいい、一つ研究して下さい。 それから今のお答えの中に着く時間の都合でどうとかこうとかいうことがあったが、私はそれはおかしいと思う。というのは、普通急行で行きますと岐阜あたりへ夜中の一時ぐらいに着くのがある。広島あたりでも夜中の三時ごろになるのがある。広島駅前や岐阜駅前の人はそれでもいい。しかしそこから五里、六里先の人は、むなしく宿屋に泊まるかホームで寝なければならぬ。どうも従来の列車編成の専門家は一種のマンネリズムに陥っていると思うのです。東京、名古屋、大阪、神戸、福岡というようなところに着きやすい時間、便利な時間ということだけ頭にあるからいかぬ。これは私は夜中の一時から五時までは一切の急行がとまらないように編成すべきだと思う。どこかに行きたい人は、一時前に着くようにすればいい。これも希望です。今あなたと議論してもしようがないから、研究しておいて下さい。 次はそれに関連して、実におもしろくないことがある。特急「あさかぜ」が決定した当時に、たまたま岸さんが総理大臣になったから、三田尻に停車することになった。朝の七時という便利な時間におりて、町長やその他大ぜいが出迎えにくるのは岸さんとしては非常に得意だったと思う。ところが山口県では佐藤榮作君の出身地の岩国にも特急がとまるのですが、私が往復の際に窓から見ておりますと、一人か二人しか乗りおりがない。こういう特急の停車時刻まで時の総理大臣とか元運輸省の先輩であった者があごの先でもってきめるというようなことは迷惑千万な話。時刻表を見たらわかるが、山口県では各普通急行が八回とまる。それでおりる者も乗る者も一人か二人です。岡山の倉敷あたりでは八本ある普通急行のうち下りも上りもある一本しかない。ですから乗る人は何時が上りの急行だとあらかじめわかっておるからその時間に駅に行く。山口県のように数を多くしますと、いつでも乗れると思うから、かえって列車のとまるところのロスが多い。ですから今度編成がえでもするときにはよく考えてもらいたい。たまたま岸信介も総理をやめたのでありますから、三田尻は普通急行だけとまるようにする。本人が帰るときには広島くらいで乗りかえるというくらいにしてほしいと思う。岐阜県の羽島駅、これが大野伴睦の一喝で負けたということはおもしろくないと思う。ですから一つそういうことはあなたたちもがんばって、テクニカルにこれはできぬというくらいの馬力をかけてもらわなければならぬと思う。こういうことは中国並びに九州の平素乗る人から見て、実に苦々しく思うことです。私の方の福岡県のごときは、特急は門司にとまってあとは博多までとまらない。山口県は小郡で特急がとまる、何となれば萩、大社に行く線があるからです。それなら福岡も小倉からは大分、宮崎に行く線があるんだから、特急をとめてもよさそうなもの、それがとまらない。私は今すぐに小倉にとめろというのじゃない。この山口県優遇主義は、あなたたちが佐藤榮作に少しにらまれておるからではないかと思う。技術的にできませんと言ってばっと断わるくらいの気魄を持ってもらわなければいけない。これも希望です。今あなたから答えをとってもどうにもならないと思うから、あとでよろしい。編成がえをするときによく乗降客の数を見て、これはモニターを出せば一カ月くらいの乗降客の多いところはすぐわかる。それから深夜停車しないような編成をする。これは大都会であろうが小都会であろうがかまわぬというくらいのつもりでやってもらいたい。 次にまた小さい問題になりますが、これもあなたには答弁できないかもしれませんが、それは列車の車内売りの物品の種類の問題です。おみやげばかり売って回る、これを買う、それもいいでしょう。ところがあわてて汽車に乗って、汽車の中で荷作りしようと思っても荷札がない、ハトロン紙がない、ひももない。また列車の中で手紙を書こうと思ってもはがきもなければ切手もない。あわてて乗ったので洗面用具を忘れたが、歯ブラシも歯みがき粉もタオルもない。列車内の娘さんたちが売って回るのは独占事業で、自分たちのもうけの多いものしか売っていないと思うのです。これを日用雑貨も一回くらいは持って回るようにしたらどうか。これはあなたたちの方から弘済会に言えばできることです。別に損をして売れということではない。一定の利益を見て売ればいい。特に長距離旅行者の必要なものを車内売りに備えたらどうか。これはあなたたちも海外旅行をしてわかっているでしょうが、ヨーロッパでもアメリカでもちゃんとそういう設備がある。売っているものは食べ物やおみやげばかりではありません。いろいろなものを売っている。こういうこともサービスになりますから、車内売りはもっとバラエティを持たせて、車内で必要なものを売る。こういうことを勧告したらどうかと思います。これくらいの御指導は一つどうでしょうか。
○磯崎説明員 ただいま先生の御指摘の通りに、今はそういうものを売っておりません。最近のお客様は大体そういうものは持っておられますが、しかし旅客にそういう需要がありますれば、たとえば切手その他は食堂車で売られておりますけれども、食堂車のついていない列車あたりは、そういう旅行必需品等につきまして、十分お客様の御意向を伺いまして、検討したいと思います。
○田原分科員 自動車局にこういうことをお尋ねしてみたいんですが、自動車の車体検査はどういう理由でやっておりますか。
○國友政府委員 一番根本的には事故防止の見地から、自動車の車体を、現在乗用車等におきましては二年に一回検査をいたします。十分走行を安全にし得る態勢に置いておきたいということで検査をいたしております。
○田原分科員 自家用車の検査はどういうつもりでおやりになっておるのか。これをお尋ねするのは、アメリカでは自家用車というものはどういう形であっても自家用車ですから、天井のないものも——私はアメリカの学校に行っとったんですけれども、シャシーだけで、腰かけを自分で作って運転したってかまわないのです。これは自分の自由だ。ところが、五人乗り、六人乗っちゃいかぬとか、ガラスが割れちゃいかぬとか、タイヤがどうではいかぬというのは、所有権の侵害だと思う。出しゃばりだと思う。どんな形であろうと、古かろうと、安いものをほったらかして勝手に乗るわけです。タクシーあるいはハイヤー等はお客を乗せるし、人の生命、財産を預かるのですから、これは途中で事故のないように検査することはわかります。しかし、自家用車に一定の基準を置いて、これ以上使ってはいかぬということになると、自動車の耐用年数の短縮になる。一年当たりが高値になる。自家用車は天井がなかろうが、窓がなかろうが、本人の危険においてやるのですから、何もそんなことを心配して、——検査のために一日休む。それからオーバーホールしますと、三万円から五万円かかかる。ところが自動車は一万円ぐらいで買ったものを、検査のために三万円かける。運輸省の方はアメリカのことといえば直立最敬礼するが、アメリカではそんなことをやっておらぬから、せめてアメリカ並みにしたらどうかと思うのですが、どうですか。
○國友政府委員 自家用車につきましても、ただいま申し上げましたように二年に一回の検査をいたしておるわけでありますが、これにつきましては、今先生のおっしゃいましたように、自家用車はどういう形でもいい、走れればいいというのでは、実は現在交通が非常に輻湊してきております。それからさらにぽつぽつではありますが、高速自動車国道というようなものもできて参っております時期に、実はその一つの車が車両欠陥で事故を起こしますと、大体他の車にその事故が波及するわけでありまして、ことに、アメリカの例をおっしゃいましたのでアメリカの例を申し上げますと、最近アメリカでは、たとえば一つの事故が起きますと非常に大きい事故が起きる。これはスピードが非常に早くなっておりますので、一つの車の事故によって二台、三台の車がぶつかってしまう、こういうようなこともございまして、その一人の人が自分の車を運転すればそれでいいではないかということには、現在の道路交通の上から申しますと、とても参りませんので、やはり車両欠陥事故を起こさないような車両検査というものをしていかなければならないと考えておるのでございまして、最近自動車の検査を相当厳重にやっておりますが、これによりまして車両欠陥事故というものが減ってきております。このことはやはり私どもとしてはぜひ必要なことであろうと思っておりまするし、アメリカ等におきましても、もちろん自動車の車体検査をしていないところはございますが、自動車の車体検査をしていないところでは、アメリカは大体保険をどの車にもつけております。日本ではこれをつける車が少ないのでございまして、これらについても実は励行させなければいけないと思うのでございますが、これは人身事故の場合には強制保険にしておりますが、物的保険についてはつけておる車が非常に少ないのであります。アメリカあたりではほとんど全部の車が保険をつけておりますが、自動車検査をしない州におきまする保険料というものは高いのであります。むしろ州における自動車検査をしてもらいたいという希望がアメリカにおいても最近起こっておる、こういう状況でありまして、われわれとしてはぜひ車体検査をすべきである、こういうふうに考えておる次第でございます。
○田原分科員 これは議論ですけれども、アメリカでも車体検査をするところもあるでしょう。しかし私はアメリカで、カリフォルニアで自動車を買って、ユタ州で事故を起こしたのです。その日すぐ保険で払ってくれた。ですからある州で検査しない、ある州で検査するといっても、検査した州で事故があるわけではないのですから、問題は、これは議論です。 それから、今のように厳重に検査されておっても、警視庁の前を通ってごらんなさい。昨日死亡四人、負傷者百三十人と書いてある。これは検査の欠陥ですよ。要するに運転手の不注意、それから交通法規を守らぬこと、そういうことが原因になって、自動車自身が格好が悪いから事故が起こるということではない。これは意見が違いますから討論になるが……。 ついでにあなたにお尋ねしたいのはタクシーの許可の問題。これはさんざん悪いことをして——特に運輸大臣も自民党だから、自民党を攻撃するわけではないが、自民党のボス連中が許可、認可を左右しているといううわさがしきりにある。自動車局長はなかなか公平だということも聞いている。その点は非常にいいと思うのですが、やり方を、今のような陸運事務所が許可、認可をするのでなく、僕は市町村当局に推薦権を与えて、その推薦したものにナンバー・プレートをやるようにしたらどうかと思う。一々厳重に、タクシーは資産がどのくらいあるとか、そういうことを少ない陸運事務所の人が調べるよりも、市町村に責任を持たしたらどうかと思う。陸運事務所の主としてやることは、たとえば交通法規の問題とか道路標識の問題とか、そういった一般的な問題でやってはどうかと思うのですが、これが第一点。 それから第二点は、タクシー業者の許可をするときに、一種の公平かもしれぬけれども、千何百台持った業者にも来年何台かふやす。新規に申請するとなかなか許可せぬ。こういうことでなくて、さしあたり百台以上持った業者には当分許可をせぬ。そうして内部の整備をやらせる。労働条件とかその他をやらせる。それから二十台あたりでやっているほんとうの小さい業者は、これは陸運局あたりで指導して、四社なり五社合併して百台単位にしてやる。新規に申請したものは、新規ですから、いろいろ規則のわからぬところがあると思うのです。だからこれを許可、不許可という二つにせぬで、指導して、お前のところはこういう条件が足らぬからこれを満たしてこい、あるいは近所に同じような業者がおるからこれと合併しろとか、そうしてすべてのタクシ業者が百台以上持っておれば、労働条件にしても交通法規を守る点においても、その他の運営についてもいいんじゃないかと思います。という意味は、大きい業者中心でなくて、中小企業を中心とし、これはむしろ合併勧告等によってだんだんふやしていったらどうか。これは意見ですが、これに対してお考えを聞かしてもらいたい。
○國友政府委員 タクシーの問題の前に、事故について一言だけ申し上げたいと思います。確かに警視庁の前に死亡者及びけがをした者の人数が上がっております。これは確かに運転手の不注意その他で起こりますが、自動車の車体検査と違いまして、これは運転手の不注意で起こるということで、全然無関係のものでございますから、その点ちょっと申し上げたいと思います。 それからタクシーの免許に関しましては、これは陸運事務所で調査はいたすのでございますが、陸運局で免許の審査をいたしまして、各地方の陸運局において免許か却下をきめておるわけでございまして、これはやはり公益事業としての立場から事業の経営等についても見なければなりませんし、その地域の輸送の需給の状態等についても見るべきでありますし、事業計画内容として公益事業にふさわしいかどうかというような、もろもろの観点から見るべきであるし、さらに今先生がおっしゃいましたように、規模が大きくなることはわれわれも望んでおるのでございますが、これらの資力というような点においても、つぶれてしまっては困るのでありまして、そういう点も見なければならないと思いまするので、むしろ私は陸運局でやっていくべきだと考えておるのでございます。免許のやり方につきましては、私どもとしましても大いに検討をしていくべきだと思っております。 それから、大きなたくさんの台数を持っているものについてではなくて、小さい少数の車両を持っておるものをむしろ統合して運営をさせるべきではないかというお話につきましては、私どもといたしましても、大業者もさることながら、むしろ中小企業者を保護すべきであるという考え方は持っておるのでありますが、しかしこれらの点は強制的に合併をさせるというようなことは、われわれとしては、現在の法体制のもとにおいては無理がございますので、われわれとして、できるだけ両数の少ないものについては両数をふやして、経営の相当によくいける方向に勧奨していきたい、こういう考え方のもとに行政をいたしております。
○田原分科員 もう一つ、これはどなたになりましょうか、道路局というのが建設省にあって、その上を走る自動車が運輸省というのは、いろいろ道路の構造やその他についてちぐはぐになっておるのです。そこで運輸省に道路局を移したらどうかと思うのですが、どなたか自信のある方は答えて下さい。
○國友政府委員 道路と自動車は今は不可分の関係にありまして、道路の建設運営と自動車の運用その他の行政とは統一的に総合的に施策していかなければならないと考えております。従いまして、私の理想なり考え方なりから申しますれば、自動車行政と道路行政とは一緒になるべきである。こう考えております。
○田原分科員 これで終わります。
○中野主査 田口誠治君。
○田口(誠)分科員 昔から国鉄の輸送につきましては、鉄道行政につきましては日本の動脈といわれておりまするし、それだけに日本経済の発展に大きな役割を果たしてもおりまするし、また果たさせるように行政をしなければならないと思うわけであります。従って新しく新線を作るような場合には、その地方の経済圏を無視して新線を作るということは、よほど慎重を期さなければならないと思います。前の質問者が名前をあげて言われましたが、私は名前をあげては申しませんけれども、今決定されておりまするところの東海道の新幹線の関係で、岐阜県に関する問題でございます。これは当時岐阜県の羽島駅がほんとうの岐阜県の端っこのたんぼのまん中にできるのだ、政治駅だというようなことから新聞や雑誌が取り上げまして、全国の国民が政治的にどんなことでもできるのだということで、非常にびっくりいたしたわけでございまするし、岐阜県民も初めてそれを見て、そんなところに駅を作るなら岐阜にはきちんとした東海道の岐阜の駅があるのだから、こちらに持ってくるべきものであるというように、そうした純情な考え方から県民の主張が盛り上がって参ったわけです。ところがこの新幹線は、やはり新幹線の性格そのものは地理的にいって岐阜県の方へぐっと回って入ってくることは、時間的な面からいっても、工事の費用という面からいっても不可能という面もありましたし、そうかといってそれを放置することによって岐阜とかあるいは大垣、羽島というような市の経済発展に大きな今後の支障を来たすのだということから、これは何とかしなくてはいけないというので、三市が相談をいたしまして、ここのところに駅を作ってもらえば不満ながらも経済の発展は三市とも伸びていくのではないか、こういうように一致をいたしまして、一つの県民案というものができました。これにつきましては自民党の議員さんもあるいは社会党の代議士も超党派的に協力して、いろいろと陳情その他も行なったわけでございます。そこで特定の代議士が脱落をいたしました。そして脱落をいたしました原因をあとから見ますと県民から要望されておった地点に駅ができておらないのだ、それをよく探していろいろ検討してみますと、過ぐる総選挙のときにこの辺に駅を作るのだから、作ってやるから、やはり投票してもらわなければいかぬのだということで、大へんにそこから票も出たというようなことで、そこに駅ができるということがやはり決定的のようなことになりました。またもや国鉄のいわれるところの最良案という表現で、駅も政治駅というようなことで、国鉄自体が特定の政治家に自由に引きずり回されておるのだというようなことで、非常に国鉄に対して不満を持ち、また政治家に対してももちろんでございますが、そこに県民感情として割り切れぬものがあるわけです。それで私は、これはほんとうに特定の政治家に引きずり回されているのか、それとも技術的な面からあそこは妥当であったのかどうかということをこれからお尋ねをいたしたいと思うわけです。こういうような県民感情の上に立って、今なおこの問題がいろいろと陳情闘争が続けられておるというのが実態であるわけです。そこで、岐阜の駅まで回ってもらいたいというなら、これは無理だったかもわからぬけれども、三市が経済発展ということを考えて、国鉄の公共的使命の本質を生かすために一つの案を作ったそのものを聞かずに、また最良案というような名前をつけて一つの案の決定をされたというこの経緯について、まず御説明を願わなくては、特定の政治家に引きずり回されておるということはいつまでも消えないと思いますので、この点について率直に御説明を願いたいと思うのです。
○吾孫子説明員 東海道新幹線の、特に岐阜県内の駅の問題並びに路線の問題についてお尋ねでございますが、まず岐阜県内に駅を置かなければならないということにつきましては、最初国鉄が大よそのルートをきめます際に、実は名古屋の駅でもってもう少し用地がたくさんとれて、待避線等ができれば必ずしも岐阜県下に駅を設ける必要はなかったのでございますけれども、用地の制約の関係で、どうしても列車の行き違え、その他の運転技術の上からいって岐阜県下に一駅を置かなければいけないということになりましたので、そのように運輸省の方にお伺いをいたしまして、そういうぼんやりした条件で一応御承認を得ておったわけでございます。その後、いろいろお聞き及びのように、地元の方から県民案とかいろいろな御要望等がございました。また岐阜県出身の国会の諸先生方からもいろいろお話もございました。これは何も与党だけということでなしに、与野党全都の先生方からいろいろお話がございまして、国鉄の事務当局と地元の方との間で——これは岐阜県だけではございません。愛知県も関係ございますが、一昨年の暮れごろからいろいろ御要望も伺いつつ、国鉄としては検討をしておったわけでございます。その結果、当時岐阜の地元の方でいわゆる県民案ということで御要望のありました路線は、現在の東海道線よりももっと北側と申しますか、東側と申しますか、ずっと山の方へ寄りましたような路線をとってもらいたいという御要望でございました。そしてそれらの御要望については国鉄としてもいろいろな角度から、特にまた技術的な角度から検討を加えました結果、結論として距離も短く、工費も安く、しかも構造的にも最も安全な路線ということで考えると、大体こういうような路線になります、この中できめさしていただきたいと思うのでございます、これが国鉄としていろいろな角度から検討いたしました最良の案でございますということで、お話を申し上げた、それがことしの一月の十一日でございます。その際に国鉄が申し上げましたおもな点を項目だけ申しますと、国鉄としては当然のことでございますけれども、できるだけ線路の延長が短くなるようにしたい、できるだけまっすぐに行きたいということが第一の条件になりますし、その次に路線として通過いたします地点の地盤の地耐力と申しておりますが、高速度の列車運転に十分耐えられるような安全な地耐力のあるところでなければ困るということ、特に岐阜県の地区の特殊性から考えまして、あそこに庄内川、木曽川、長良川、揖斐川というような大きな川がたくさんございますので、そこにかかる橋梁が、付近にあります橋梁との関連において、川の流れにできるだけ障害を与えないように考えなければならない。そういう地点でなければ川が渡れないというようなことをその次に考え、さらに名神高速自動車道との関連も考えなければならない。そういうようなことを考え、さらに通過地区の全線にわたって人家の密集したところでありますとか、あるいは工場がありますとか、そういうようなところはできるだけ避けていく。こういうような点を勘案いたしまして、結論的に申しますと、距離が短く工費も安く上がり、しかも構造的にも安全な路線ができるのは大体この範囲でございますというので、地元の県知事さんが代表して、地元の意見ということの折衝に当たっておられましたので、県知事さんにそのことを申し上げまして、国鉄としてはいろいろ県の現地案ということも検討いたしましたけれども、ただいま申し上げましたような諸種の基準に照らして、県民案というような路線をきめるわけには参りかねます、技術的にこれ以外にないと思いますので、これでぜひ御了承をお願いいたしたい。そういうように申し上げましてお別れした。それで現在は実はまだそのままになっておりまして、近いうちに、さらに今度は具体的にどこを通るかという路線を決定する測量その他にとりかかる予定でございますので、これからまた地元の県知事さん初め、関係の方々の御協力をお願いする予定にいたしておるわけでございます。
○田口(誠)分科員 時間も短く、費用もかからない、線路もなるべく短く行けるようにということは、ものを作る場合には常識としてお考えになると思うのですけれども、先ほど申し上げましたように、鉄道そのものがやはり経済発展というものと切り離すことのできないものであって、しかもその時間が五分も六分もよけいかかったり、あるいは三億も五億もよけい予算がかかったりするのなら、それは今お答えになった点も理由の一つにもなろうと思います。しかし、少なくとも県民案をそのままのんでいただいたとて、そんな五分も六分も時間がかかるものではなくて、私きちんとしたデータを持っておりませんけれども、一分か二分よけい回り道になるだけ、それから工事の関係も、技術屋でないので私はそう力めませんけれども、大体昔からあの地方の地形を知っておる者としては、南へ行くほど非常に地形が悪くて工事費がよけいかかるということであります。簡単に言うと、川の上にどろが埋まって地形ができておるということなんで、そういうようなところであるから、今の最良案という一応のめどをつけられた案そのものが安くいくということになるかならないか、これはやってみなくてはわからないのじゃないか。そういう点の測量が完全にされておるのか、その点がわかりませんけれども、私らの考え方といたしましては、費用の面につきましては、むしろ地盤のかたいところをお通しになった方がよけい安上がりになるのじゃないか。そうして時間の面も一分半や二分というような時間がかかる程度のものなら、少なくとも三つの市で話し合いがまとまって、ここにという案をそのままのまなくとも、なおもう少しお考えになっていただく余裕があるのじゃないか。それをいかにもひどい南の方に持っていってお作りになるということでは、先ほど申しましたように、やはり国鉄がいまだに一つの力のある人に振り回されておるのだとかどうとかいうような批判というものは免れませんので、実際に測量をされた結果、地盤その他から完全なものなりとして一応の案をおきめになったのか、それとも大体、この辺は悪いけれどもこの辺ならいいだろうというのでおやりになったのか、そういう経緯についてもう少し具体的に承りたいと思うのです。技術面も入れて一つお願いしたいと思います。
○吾孫子説明員 ただいまお話がございましたような地盤の問題、地質の問題というようなことにつきましては、県知事さんから詳しく承っております。また県の方でいろいろお調べになった材料等も国鉄としては拝見いたしました。そういうような御意見もございましたので、私どもの方といたしましても、数カ所において単なる測量だけでなしに、いわゆるボーリングで地質調査をやりまして、そうしてどこならばさっき申し上げた地耐力があるか、この辺ならば高速運転の線路をかけても大丈夫だというようなことをずっと調べまして、技術的な見地からきめさしていただいたわけでございます。それで当初発表されましたいわゆる原案と申しますのは、大体名古屋と米原間をまっすぐつなぐような線路でございまして、それは確かに南側の方の線路であったわけでございますが、当初伝えられましたいわゆる原案に比較いたしますと、今度技術的に詳細に地質調査等を行なって、その結果ここを通りたい、ここを通るということにいたしました路線はかなり北の方へ寄っておるわけでございます。そうして先ほども申し上げましたように、ここならまず大丈夫であるし、しかも先ほども申し上げましたようないろいろな条件にも合うということで、こういうふうにきめさせていただきたいということで、それらの技術的ないろいろな判断等につきましても、実は運輸大臣の方にも御報告を申し上げまして、ことしの一月にそれではその線でよろしかろうという御承認をいただいておりまして、あとは現在きめられております幅の中で、さらに今度具体的にどこを通るかということをこれからきめさせていただこうという段階になっておるのでございます。
○田口(誠)分科員 おきめになる理由について幾つかの項目を御説明いただいたわけでありますが、その中に経済発展を勘案してということはなかったわけです。私はやはり国鉄というものは、地方の経済発展というものを無視して敷くということは、将来に大きな禍根を残すことになるので、これではいけないからもう一回やり直すというわけにはいきませんので、それで作るときが大切でございますから、そういう項目が入っておらなかったので、非常にその点を遺憾に思っておるわけなんです。それは長らく国鉄の技術屋さんがいろいろ御検討になって一つの案をお作りになったと思うし、県民案そのものまでいかなくとも、おそらく知事なりその他の人が来ていろいろ説明したでしょうけれども、県民案のところまでいかなくとも——今のところではどう線を引いてみても、どう考えてみても実際のところ工合が悪いわけです。やはりもう少しちょっと北寄りにすれば三つの市が工合よくつながって、そうして経済発展にも大きな寄与をすることができるし、公共福祉に沿うこともできるわけなんです。それで私はただそういう点から一つの案を作ってこれにきめたのだということなら、もう一度一つその中間くらいのところを測量して、いろいろやってみて、それでやれば時間が何秒かよけいかかって、費用がどれだけかかるのだ、そうすればみなが満足できる所だというように、もう一カ所くらいは、これだけ問題になったのだから、測量もしていただいて、下試験をしていただいて、その上で最終的な決定をしていただかなければ、これは将来とも悪評が流れておるそのものが消えぬのではないか、こういう点が私も憂慮されますので、そうした点をおやりになるというお考えがあるかないかということと、それから今までにそれはやってみたんだということか、そういう点について一つお答えいただきたいと思います。
○吾孫子説明員 この路線をきめます際のよりどころとして、先ほど数項目のことを申し上げました。その中に高速自動車道との関連も考えてということを申し上げたのですが、実は項目として一々こまかくはそこまで申し上げませんでしたけれども、地方の利便ということももちろん考えておったわけでございます。現在予定されております新駅設置の場所は、大垣、岐阜、一宮というようなところからほぼ等距離にございまするし、また県の道路の計画とか国道の計画とかいうようなものとの関連も、私どもとしては十分検討さしていただいたつもりでおるわけでございます。ただ先ほども申し上げましたように、もし路線をきめるとすれば、この幅の中でということで、この間五百メートルないし一キロ弱だと思いましたが、幅をもってきめておりますので、その幅の中でいよいよ具体的にどこにするかということはこれから測量いたしまして、さらに精細な測量を経て、その幅の中できめさしていただきたい、そういうことで政府の御承認もお願いした、こういう事情でございます。
○田口(誠)分科員 その広い幅ですが、実際に測量をしてみて自信を持っておきめになったものとすれば、あんな広い幅のうちで作るのだというようなことはないと思うのです。それでああいうふうにおきめになったその裏には、なお調査をしなくてはならない面もあるだろうし、いろいろなものも含まっていると思うのです。だからそういうような現段階であるから、私はその幅のうらでどこへ線路を持っていくかということをおきめになる場合に、もう一歩北へ踏んでみて、そうして地形その他のものも見ていただいて最終的な決定をしていただけぬものかどうかという点をお聞きしておるわけなんです。その点は幾分余裕がありますか。
○吾孫子説明員 この路線はある幅を持ったものでございますけれども、これをきめさしていただく際には、現在ここが予定の路線であると申し上げておるよりもずっと北の方もやはり調べました上で、技術的にこの幅の中でなければ困るということできめさしていただいておりますので、この幅からさらにはみ出して北の方へということは、国鉄といたしましては、これは相当慎重にいろいろな角度から検討いたしました結論でございますので、この幅の範囲の中で具体的にどこということをこれからきめさしていただきたい、そういうように考えております。
○田口(誠)分科員 その幅以外の北の方も調査をした結果、その幅の範囲内でやるということになったんだから、この幅の範囲内よりは動かせないということなんですが、北の方は私らしろうとで考えると、北へ寄るほど地形もいいし、工事費もかからないという、昔からのあの辺の人たちが言っていることからいってそう考えられるわけなんですが、これは事実それより北はやはりだめでしたか。
○吾孫子説明員 先ほども申し上げましたように、地質のことも検討いたしましたが、庄内川、木曽川、長良川、揖斐川というような大きな川を渡る橋梁をどういう地点にどうかけるかというような点の制約もございまするし、そのほか途中の支障物の関係等も見なければなりませんし、いろいろな角度から考えまして、やはりこの幅の中に納める以外にはないではないかという結論になったような次第でございます。
○田口(誠)分科員 そうしますると、現段階ではその幅の範囲内より動かすことはちょっと不可能のようにお聞きするわけなんですが、そういたしますると、これで実際問題として、一つの経済圏内と申しますか、一つのそした面から考えてみまして、そのできる駅を中心に三つの市からそこに集中する、いろいろな今後の便宜的な工事が相当これから大きくクローズアップしてくると思うのです。最終案をお示しになる場合に、そういうことに対する最大の協力というような面について知事とお約束をされておるのか、されておらなくても、そうした点に対する努力の用意があるのか、その点を一つ承っておきたい。
○吾孫子説明員 それは今後具体的に現地に入っていろいろ測量もしなければなりませんし、また用地の買収というようなことについても、県知事さん初め、地元の御理解と御協力なしにそんなことをやれるわけでもございませんので、今後具体的な路線を決定することについても、またできます駅に対する道路網、その他アプローチの関係等についても、知事さん初め、関係の方とよく御相談申し上げたい、そういうふうに思っております。
○田口(誠)分科員 それで、現在のところでは、およそこの範囲に引くのだということがきまっておるだけで、高架にするのだとかどうとかいう面についてはまだ決定はなされておりませんですか。これは岐阜県だけでなく、どこでもそうですが、おそらく地元の方から、この地点は高架にしてほしいとか、ここはこうしてほしいとか、いろいろな要望が出ると思うので、そういう点の決定は今後の決定になるのか、もうそれまで決定なさっておられるのか、その点も承っておきたいと思います。
○吾孫子説明員 それはまだきまっておりません。この幅の中で具体的にいよいよ線路の中心点をきめるときに、あわせてそういう施行方法、その他についてもいろいろ御相談することになると思います。
○田口(誠)分科員 それでは、この問題について結論をつけますが、岐阜県民としてはやはり前の県民案の貫徹という気持を捨てずに現在までおるわけです。そういう事態から、正式に決定がなされたような場合には、要望は県民案、県民案でなければ、現在の案よりももうちょっと——もうちょっとということは、南にするか北にするかということだけで発展の度合いが非常に違うのです。やはりそういうようなことも頭に置いていただいて、決定された後も地元からのいろいろな面に対する協力の態勢があると思いますので、そのときには全面的な協力というか、御理解をいただきたいと思います。ただし御理解をいただきたいといっても、今決定されたものに賛成をしてそういうことを言っておるのではなくて、私の質問申し上げている心持は、あくまでも三市の経済発展ということからいって、それほどたくさんの費用がかかるわけでもなければ、時間がかかるものでもないのだから、県民案まで持ってきてもらいたい。もしこれがいかぬとしても、今最良案として作っておられる中間的なものでも一つ話し合いをしてもらいたいというのが私の気持なんでございます。そういういろいろな面を含めて一つお願いをしておきたいと思います。 それから第二点の質問は、今度の国鉄の新しい計画といたしまして、赤字解消といいますか、国鉄の今後の経営の強化といいますか、とにかく観光バスを七十四両設けて、三十九の営業所を持って地方に新しく進出したいという、このことなんです。このことにつきましては、考え方によってはそれはいいところもありましょうけれども、大ざっぱな考え方からいきますと、赤字になったから今度は国鉄がやはり観光バスをあちらへもこちらへもふやすということが将来も次から次へと続くということになれば、国の資本を注ぎ込んでやられるこの事業には、相当力のある経営者であっても、地方の民間企業者はやはり負けてくると思うし、ここに大きな混乱と不満というものが出てくるのじゃないかと思うのです。そして、場合によっては、競争をするために、料金は許可制だからダンピングはできぬとしても、やはり乗務員の労働強化とかあるいは賃金の低下というようなことから競争ができてきて、一つのゆゆしき労働問題として取り上げなければならぬようなことができぬとも限らぬと思いますので、どうしてもこうしたことをやらなければならないのか、将来ともまた赤字解消とか将来の国鉄経営の強化のためには、こうした方法もとるのか、とらないのか、こういう点についても一つお答えをいただきたいと思うのです。
○吾孫子説明員 国鉄のバスというのは、実はこれは私鉄や何かの場合ですと、鉄道の方ではもうからない、しかしバスを並行して一方でやって、鉄道の方の赤字をバスの方の黒字で埋めるというようなこともやっているわけでありますが、国鉄の場合はレールの方も今まで赤字に瀕するような状態でありまして、赤字で困っておるところもあるわけであります。それのかわりと申しますか、それを助ける役をなすべきはずのバスの方も実は赤字なものでございますから、これを何とかして黒字になるようにしようというので今いろいろ努力をいたしておるようなわけでございます。そういうことで、観光バスのごときもお許しがあればやらしていただきたいということで、運輸省の方に許可を申請いたしております。お許しがございましたならば、国鉄のバスとしては、やはりバス事業として一応採算のとれる姿でいかなければなりませんので、今後もお許しを得た範囲内において、できるだけ経営を改善するように努力をいたして参りたい、そのように考えております。
○田口(誠)分科員 そこでお伺いいたしたいことは、今のところでは路線を新設しても完全にもうかるという自信があるわけではないけれども、その方に努力をしたいというので新設の許可願いをされておられるのですが、そうしますと、今のお答えをちょっと聞いておりますると、あまり赤字解消にもならぬけれども、そうした路線を確保しておけば将来見込みが立つのじゃないか、他の観光バスが食い入る余地をなくして、将来よくなるのじゃないかというような、将来のことを希望されておるのか、それともまた、聞いておりますと、場合によっては、現在の国鉄の従業員の完全雇用をするためには、やはりそうした職場の拡大ということも必要であるから、それが目的でしようとされるのか、ただいまのお答えだけではいろいろとこちらの方で気を病まなければならぬお答えになっておりますので、その点をちょっと詳しく御説明をいただきたいと思うのです。
○吾孫子説明員 詳しくと申しましても、御説明が少しむずかしいかと思うのでございますが、多くの場合に国鉄のバスが営業の願いをしておりますのは、むろんバス事業自体としてそろばんに合うようにしたいという願望が一番根底にあることは申すまでもないことでございますけれども、地元の御要望というようなこともいろいろございますので、それらの点も考えまして、許可の申請をいたしておると思います。別に将来のために権利を確保しておこうとかなんとかいう、そういう考え方は私はないと思っておるのでございますが、しかしレールの方にいたしましても、自動車の方にいたしましても、それ自体一つの事業として採算がとれたものにすることは私どもの義務でもございますので、何とか持っております設備をできるだけ活用して黒字になるように経営したいということからお願いをいたしておる次第でございます。
○田口(誠)分科員 その点はそのくらいにしておきますが、ちょっと関連をしておりますのでお伺いいたしたいと思いますが、こういう時期でございまするから、いろいろ業者の自由競争を行なって、そして国民大衆の福祉のために努力されるという方法をとられることはいいと思いますけれども、最近事業の競争が激しくなって、たとえていうなら近鉄のバスが岐阜市の方まで入ってきて、今度は岐阜の方までもやってしまうのだ、そして名古屋にできておる名鉄バスは、北陸へ行って、北陸を全部自分の権限内にするのだということを計画されておるように聞いておるのです。この認可をされるような場合、たとえていうなら、北陸なら北陸に今どれだけかのそういう観光バスの車両がありまして、その車両でも、まだまだお客さんがあってもいいのだというような場合には、他から申請をされたような場合には、そういうことは全然勘案せずして、申請をされれば許可をするのか。今の車両ですらもなお余裕があるというようなところに新しく申請するような場合には、これは許可の対象にはならないのか。そういうような点についてちょっとお伺いしておきたいと思うのです。最近は遠いところへ遠いところへとどんどんと手を伸ばすのです。事業家が手を伸ばすことはいいと思うし、自由競争もある程度はいいと思いますけれども、しかしこれは運輸省で許可を手放しにされるということになりますと、非常に混乱を来たしますし、既往の事業所に勤めておる従業員がほんとうに完全雇用を守られぬということにもなりますので、これは一つの労働問題にも発展をしていくわけでございますから、こういう場合の取り扱いにつきましても、一つここで明確にお聞きをしておきたいと思います。
○國友政府委員 お話しの点につきましては、乗り合いバスの問題といわゆる貸し切りバス、観光バスの問題がありますが、御質問の点は、観光バスの方を主としてお答え申し上げたらいいのだと思いますが、観光バスにつきましても、今おっしゃいました需要供給の関係等につきましては、十分考慮して免許するか却下するかということを審査いたしております。これは道路運送法第六条の免許基準に、輸送需要の適切性とか、需給の均衡性とか、あるいは事業計画の適切性とか、そういうようなものを五項目ばかりにわたりまして検討をして、免許、却下をきめることになっておりますので、ある都市ならある一つの都市に貸し切りバスが申請をされました場合には、その土地の出資者の申請であろうとも、あるいは他からの申請者であろうとも、その都市の地域内における需要供給の関係を十分に考慮して、免許、却下をきめる、こういうことになっております。
○田口(誠)分科員 あとの関係もあるようですから、もう一問で終わりにしたいと思いますが、どこの会社が何をどうやられてもそのことはいいのですけれども、一つの例を申しますると、観光バスで熱海から十国峠に行く場合に、一つの会社のバスに乗ると、途中で乗りかえせんならぬ。それというのは、やはり一つの会社が独占的な認可をもらっておるのか、認可を与えておるのか、そこらのところはわかりませんけれども、こういうようなことについてはやはり観光客、大衆が非常に不便を感じておりまするので、私は、そういう場合には、やはり一般大衆に便利を与えるような許可の方法を今後考慮していただく必要があるのではないか、こういうように思うわけなんです。これは具体的に申し上げなくても、熱海から十国峠の辺のことですからお知りだと思いますが、そういう考え方については異議ございませんか。どうですか。
○國友政府委員 輸送の系絡を考えて免許をしなければならないことは当然だと考えております。このお話しの件は、乗り合いバスあるいは観光定期路線の関係等であろうかと思うのでございますが、それらに関しましては、今申し上げました道路運送法第六条の免許基準に基づきまして、その必要性、適切性等について十分に検討しなければならないのでございます。ことにまたこの十国峠の件につきましては、伊豆箱根鉄道の一般自動車道が十国峠から熱海峠までございますけれども、この自動車道の関係等についても、また免許の際に十分に考慮をしなければならないことでございまして、これらの点につきましては目下申請が提出されまして、現在陸運局において調査をしておる段階でございます。今後今申し上げましたような諸般の状況を勘案審査して決定するという運びになると思っております。
○田口(誠)分科員 そういう場合、つまり限定免許の場合に一番憂えられることは、そういう場合の将来の需要の見込みとかいう点は、取り扱いのいかんによっては、限定免許をした場合には、やはり特定の会社にのみ許可をして他は入れさせないということの非常に誤解を招く場合もありまするので、そういう点を私ども政治家として非常に心配をいたしております。またそのことが、先ほど申しましたような大衆の不便ということにもなるわけでございまので、今申請が出ておる、どうこうというようなお話もございましたが、限定免許の場合でございますれば、これはよほど慎重に取り扱っていただがなければいけないのじゃないかと思うのです。これは回答していただいても、いただかなくてもよろしゅうございますが、これで終わります。
○國友政府委員 限定免許という点に関しましては、これは自動車道事業の限定免許という形で、現在伊豆箱根鉄道から申請が出ておるのでございますが、これらの限定免許をする場合には、その合理的な理由があるかどうかというような点及び交道系絡上の問題点等について考えなければならない。この点は昭和三十四年の九月七日に内閣法制局長官から、こちらの照会に対する回答がございまして、その中にその合理的理由についての考え方等も述べられておりますので、それらを勘案しながら、現在審査をしておる段階でございます。
○中野主査 内海清君。
○内海(清)分科員 私は時間の関係もございますので、海運造船の問題で、主として造船に関係した重要だと考える問題を若干お尋ねいたしたいと思うのであります。 御承知のように現在わが国の造船業におきましては、大体直接工事関係の従業員からいたしましても九万八千、十万近い者がおると思うのであります。これにその他を加えますと、相当の従業員になるわけでありまするが、この従業員は、造船業としてはどうしてもこれを維持していかなければならない。これは言うまでもないことであります。ところが一面、御承知のように造船という仕事は、すべての産業の中でも最も起伏の多い産業であります。それに加えまして最近の海運市況の低迷、これと相待ちまして、この雇用規模の維持ということが非常に重大な問題であると思うのであります。このためには何といたしましても、やはり企業の基盤の安定強化をはからなければならぬと考えるのであります。これに対しまして運輸当局としてはどういうふうな施策をお持ちであるか、まずこれをお伺いいたしたいと思うのであります。
○水品政府委員 御指摘のように造船業の景気変動は、他の産業よりも激しい面が多いものでございますので、昨年の初め以来運輸省といたしましては、造船企業経営の基盤強化という観点から、造船以外の部門にも相当積極的に進出する必要があるのではないかというふうに業界に呼びかけまして、これも御承知と思いますが、相当各造船所とも積極的に造船以外の部門の進出をはかっております。ただ造船以外の部門の進出と申しましても、結局造船の施設あるいは技術を使うという範囲に、おのずから限定を受けますので、造船所の規模といいますか、仕事の内容によっておのずから進出の範囲が違っております。たとえば船体だけを作る造船所におきましては、なかなかその進出がむずかしいのでございまして、発電所等のパイプ工事とか、造船に非常に近い分野に限定をされておりますが、しかし強力な造機部門等を持っております造船所におきましては、非常に積極的に陸上関係その他広い範囲に現在進出しておりまして、これが今日の造船企業の経営安定に非常に大きな貢献をしておる、かように考えておるのでございます。
○内海(清)分科員 ただいまお答えのように、造船業の基盤強化ということからいえば、勢いこれが多角経営的な、いわゆる陸上部門への進出ということが当然考えられなければならぬと思います。しかしながら今お答えのように、やはり造船業としては何としても船を作ること、これが最大の仕事でなければならぬと思うのであります。この意味からいたしまして一番重要なことは、やはり新造船工事の確保ではないか、かように考えるのであります。この新造船の受注促進について、どういうふうなお考えを持っておられますか、お伺いいたしたい。
○水品政府委員 御指摘のように造船業の安定の第一の要件は、何と申しましても新造船の受注を促進するということになるのでございまして、これの関連といたしまして、いろいろ運輸省としても努力をいたしておりますが、第一に造船用の資材、材料をできるだけ安く入手するということにつきまして、これは鋼材の価格等もございますが、関係各省等に働きかけ、また御協力もいただいておるのでございます。また非常に大きな問題といたしましては、御承知のように造船業は関連した産業の製品を組み立てる工業でございますので、関連工業の製品がほとんど船価の五〇%程度を占める。従ってこの関連工業製品の価格を安くし、また品質を向上するということは、当面の造船業にとって非常に大きな問題でございますので、これも昨年春以来、大臣を先頭にいろいろと施策をやっておるのでございます。 それから造船業の受注を強化するという観点に立ちますと、最近世界的に船型が大きくなり、かつ自動操縦的な近代化と申しますか、技術的にもここ一、二年来目ざましい発展を遂げております。わが国の造船業におきましても各国に先がけまして、技術の面、施設の面の合理化が行なわれ、今日の繁栄を見たわけでございますが、今日におきましてもヨーロッパの造船事情調査した報告その他を聞きますと、安閑としておれる状況ではございませんので、大型船建造に対する施設の合理化及び特殊船、たとえばLPGとか、新しい型式の船舶の建造技術、その他船舶の自動繰縦による船内労力の減少等の方策につきまして、積極的に推進いたしておるのであります。それから新造船の対象といたしましては、まず第一にわが国の造船がわが国の国内船を建造するということが、何と申しましても最も重要な仕事でございますが、これは幸い現在は船価が非常に安いときでございますので、こういうときに大量の造船をするということが、海運業の強化のためにも、私どもの立場からは非常によいことではないかというふうに考えておるわけでございます。また一方新造船の潜在需要というようなものも非常に多いように感じております。従って低利な資金を大量に確保することによって、潜在需要を現わすことができますので、そういう面についても今後関係の向きと十分御連絡申し上げ、また御協力をいただきたいというふうに考えております。それから輸出船につきましては、これは金利の問題、それから延べ払いの条件等、いろいろむずかしい問題がございます。また最近は相当に国際競争も激しくなってきております。またドル防衛等の影響も現われてくるのではないかと心配しておりますので、少なくも現在の輸出船に対する諸般の国の措置を続けたい、そういうことによって輸出船の確保を少なくも現状通りは維持したい、かように考えておるのでございます。
○内海(清)分科員 そこでこの新造船の受注促進ということでありまするが、この新造船の受注の分野から申しまして、ただいまお話がありました潜在受注、これはわが国の今日における新造船の受注の形から申しますならば、きわめて重要な位置を占めると思うのであります。従ってわが国におきまするいわゆる大手の造船所あたりから考えますならば、輸出船の受注いかんということが、極端に申しますならば企業の興廃にも関係するというふうなきわめて重要なことだと思うのであります。 そこでおい伺いたしたいと思いまするのは、特に御承知のようにわが国は、輸出船を含めまして、三十一年以来英国なり西ドイツをしのいで世界第一の建造を続けてきておるのであります。わが国の造船におきまして、戦後から今日まで輸出船において大体どれだけの量の受注をしたか、またこれによってどれだけのドルをかせいで国際収支に寄与したか、これらの点につきましておわかりになったらお伺いしたいと思います。
○水品政府委員 戦後輸出いたしました船舶の合計トン数は、今手元に資料を持っておりませんので、後刻御報告申し上げますが、金額にいたしましては約二十億ドル輸出をやっております。
○内海(清)分科員 金額にいたしまして約二十億ドル、おそらく受注トン数も相当な数になっていると思う。特に最近数年間におきましては、わが国の輸出船はわが国の輸出産業の第一位を占めてきておるわけであります。これは御承知の通りであります。そうして国際収支に大きく寄与しておるということも言うまでもないのであります。この輸出船の受注ということは、大量に受注したことは造船業者みずからの努力はもちろんでありますけれども、この熾烈な国際競争に打ち勝ちますためには、一面において輸出船、輸出の助成策というものが今日までいろいろ行なわれてきたのだと思うのであります。その助成策につきまして今日までとられましたもののおもなるものをお伺いいたしたい。
○水品政府委員 輸出保護政策といたしましてとられているおもなるものといたしましては、輸銀によります延べ払い資金の貸付がございます。これは大体船価の七〇%程度になると思いますが、その額に対しまして四分の金利で従来貸し付けておるのでございます。その貸付条件といたしましては、大体包括的には船価の七〇%に対して七年の延べ払いというふうな貸付のやり方をやっておるのでございます。さらに輸出所得控除制度というのがございまして、輸出所得に対しましては大体船価の一・九%程度に該当する額を所得税の免除といいますか、引き下げをやっております。その他のこまかいものがございますけれども、それらがおもなる輸出振興対策であります。
○内海(清)分科員 ただいまの御答弁によりまする輸銀の融資でありますが、これはここ数年来非常に海運市況が低迷してこの輸出船の受注が困難である、こういうことでありますが、この商談は建造代金の長期の延べ払いということが前提になっていると思う。従ってこの受注にあたりましては長期かつ国際水準並みの運転資金が必要になってくる、これが今まで輸銀の融資によってまかなわれてきたと思うのであります。ところが最近わが国におきましても海運市況の不況ということに端を発しまして、そうして国内船との問題でいろいろ問題が起きておると思うのであります。その一つとしては、あるいは輸銀の金利を上げるべきではないかというような議論もたまに聞くのであります。特に最近におきましては貿易の自由化ということがだんだん推進されておる。さらにまた米国のドル防衛というふうな問題も起きておるときであります。わが国の輸出振興ということが一段と重要になってきておるときなのであります。そういうときにあたりまして、この輸銀の金利を引き上げようということにつきましては、輸出振興に逆行するものじゃないか、かように私は考えるのであります。そのためにその影響を受けまして、わが国の輸出船受注というものが一そう困難になってくるのではないか、かようなことを心配するのであります。 そこでお伺いいたしたいのは、輸銀の金利というものが引き上げられるような場合がかりに起きたといたしました場合に、それはいかに影響してくるか、これはいろいろな面があると思う。金利の引き上げによる船価の値上がりとか、あるいはまた造船所と船主の間におきまする延べ払いに対する金利の問題とか、あるいはまた延べ払いに対しまする船主の金利負担の問題とか、いろいろあると思うのです。そういう問題、いま一つは今日、特に今回の予算におきましても、国内船において開銀利子の補給が行なわれるようになっております。これらの点とにらみ合わして、国内船の場合と輸銀の金利が上がった場合、どういうふうな関係になるか、それらの点について一つお聞かせ願いたいと思います。
○水品政府委員 御指摘の輸銀の金利を上げるというふうな意見も実際一部あるのでございますが、私ども造船を担当しておる役所といたしまして、また通産等とも同じ立場に立ちまして、この問題は現在輸出振興に非常な阻害があるから、輸銀の金利を上げることに対して反対の立場をとっておるわけでございますが、まだそういう結論に達しておるわけではございません。 そこで御質問のございました輸銀の金利が上がったらどういう影響があるかということでございますが、御承知のように輸出船に対します金利は、船価に対するパーセンテージはちょっとあれでございますが、全体の造船所の借りる金の八〇%を輸銀で負担し、あとの二〇%を市中銀行と協調融資をやっておるでございます。それで市中銀行から借りる二〇%につきましては、八分七厘大毛の長期運転資金という形で、三年とか五年の年限で借りております。従ってこれをつきまぜて平均をいたしますと、大体全体の金利といしましては五分三厘三毛程度になるのでございます。これが実際にかかる金利でございますが、一方造船所と船主との延べ払い金に対しまする約手金利は、造船はなるべくこれは低く交渉するわけでございますけれども、ほとんど慣例的に五分ということになっております。しかし最近におきましては、相当大量に出ましたソ連船等の場合は、ヨーロッパの例等を引用いたしまして、どうしても四分でなければ契約をしないというようなところまでいきまして、これも関係各省相談いたしまして、それをのんだというようなのもございますが、いずれにいたしましても、大体造船所と船主の約手金利は五分になっております。従って三厘三毛はこれは船価の中に織り込んでおると見なければならぬわけでございます。一方さっき申しましたように、輸銀の金利が幾ら上がるか、あるいは実際に上がらないか、そういう点がきまっておりませんが、一時言われましたようにもし七厘五毛輸銀の金利が上がったと仮定して試算をいたしますと、これが船価の面に影響するのは、大体船価の一・四%、一分四厘程度の船価を高めるという結果になりまして、これは現在の激しい輸出競争の面からはまことに好ましくないことでございますので、私どもといたしましてはさっきも申しましたように、輸銀金利引き上げに反対の立場をとっているわけであります。 それから開銀と輸銀の金利の関係でございますが、これは貸付の条件が違っておりますので、開銀も十六次船についてはまだまだ——後ほど海運局長からお話があるかもしれませんけれども、私の聞いている範囲では、はっきり何年というふうなことについて、まだ必ずしも一致してないかもしれませんが、従来十五年というようなところをベースにいたしますと、十五年の年限で借りるのと、それから七年とかあるいは五年で借りるのと、そういう金利をどういう差をつけたら一番合理的であるかということにつきましては、実は私どももそれぞれ専門の方とも相談し研究をいたしておりますが、これがどうであることが一番合理的であるということを、実は現在では直ちにお答えができませんが、どういうふうな関係になることが一番合理的であるかということを現在研究しておる段階でございます。
○朝田政府委員 ただいま船舶局長から御説明を申し上げましたように、輸出入銀行の金利と国内船の融資を扱っておりますところの開発銀行の金利との問題が、最近特に石炭専用船あるいは南米からの鉱石の専用船の問題につきまして問題が表面化して参ったのでございます。金利体系をそろえるというようなことは、なかなかむずかしい問題でありますので、私どもといたしましては、いずれにいたしましても日本海運の国際競争力強化のために、国際水準から見て割高な金利負担を軽減する必要がある、こういう見地に立ちまして、昨年は市中金利に対まる利子補給の復活をお願いいたしましてお認め願ったわけでございますが、今度は五〇%以上の融資をやっておりますところの開発銀行の金利につきましても、現行の六分五厘から五分に船主負担がなるように利子補給をお願いをいたし、必要な法案も提出をいたしておるようなわけでございます。そういたしますと、もしかりに市中融資が現行通り一分九厘九毛の補給で、約九分五厘のものが七分五厘に負担が下がっておりますので、開発銀行の一分五厘の補給をいたしまして現行の六分五厘が五分に下がりますので、融資比率を開銀の融資が五〇%、市中融資が五〇%といたしまするならば、その平均金利負担は六分二厘五毛になるわけでございます。ただいまは市中金融機関が、政府のこういった国策に対応して日歩一厘のたな上げをしていただいておるわけであります。それも引き続き御協力を願えるということにいたしますならば、これは約六分六毛になる計算であります。従いまして先ほどの船舶局長の御説明のように五分三厘、あるいは外国金利の市中金利が五分五厘といたしますならば、五分一厘六毛というような現行のものが四分七厘五毛になりましても、その差はなお相当の差が生ずるという考え方ができるわけでございます。従いまして私どもとしては、国際競争力強化の上から見て、そういった開銀と輸銀の金利事情の勘案いたしまして利子補給という方法をとったわけでございます。
○内海(清)分科員 この問題はよほどむずかしい問題だと思いますが、いずれにいたしましてもこの輸銀の関係、さらに開銀の関係等におきまするこの利子体系の問題は、ただいまいろいろお話がございましたのは、仮定の上の問題もございますし、十分御検討、御研究願って、そうして先ほど申しましたように今輸出振興ということが、特に所得倍増の上から申しましてもきわめて重要な時期であります。この処置を誤って、今日さなきだに困難をきわめつつありまするこの輸出船舶の受注に支障を来たす、これは非常に重大な問題だと思うのであります。従って、以上のようなことから考えまして、輸出金利の引き上げ、これによって受注国、諸外国との受注競争に負けたのでは何にもならぬと思うのです。わが国の国際収支の上から申しましてもきわめて大きなマイナスである、かように考えるのであります。でありますから、この輸銀金利の引き上げということは絶対に排除いたさなければならぬと私は考えるのであります。これにつきまして一つ運輸大臣の確たる所信をお伺いいたしたいと思います。
○木暮国務大臣 お答え申し上げます。私どもといたしましては、これは日本の造船あるいは海運に関するばかりではございませんで、一般の金利が外国から比べますと相当高い地位にあるということが、日本のすべての産業の過重なる利子負担を来たしております。産業経営、企業経営の圧迫となっておることは、常に識者の非難しておるところでございます。こういうのは何とかして漸次世界並みに肩を並べるように、金利を下げていくということが必要だということを私ども考えておるわけでございます。政府といたしましての国会等における総理の御答弁などによりましても、日本の金利を外国水準並みに寄せるということに力を入れておりますことは御承知の通りでございます。従いまして私どもは輸銀の金利、すなわち輸出造船の金利、あるいは輸出プラントの金利が低いほどけっこうなことでありまして、これをいろいろ理屈をつけて、大蔵省などが金利体系がどうとかなんとか言うて、少しでも輸銀の金利を上げようということに対しましては、そうすべきものでないという主張を常に持って、その上がることに反対をいたしておるわけでございます。それに御承知の通り日本の海運事業が、戦争中に作りました船を約八割海の底へ沈めまして、アメリカの占領軍の、いわゆる占領政策の一端であります海運会社に対する戦時補償打ち切り、こういうことになりましたので、おそらく今日の金額に直しますならば五千数百億というものを海運会社は失ったわけでございます。従いましてとにかくも戦争前に匹敵するような五百万トン以上の船を商船隊として持ちましたが、それは自己資本によったものでなく、ゼロから始めました日本の海運業者が借入金によってやりましたものでございますので、一番経営を圧迫して、過重の金利として悩みの種になっておりますものは、やはり市中銀行の融資、開銀の融資が海運業界に対しましては一大圧迫となっておるのでございます。昨年は市中銀行融資に対しまして利子補給をやりましたが、しかしながらいわゆる海運事業に対します融資の五〇%をになっております開銀の方は従来そのままになっておりましたが、本年は政府におきましてこれまた利子補給をいたすということにいたしました。これは業界の人から見ますならば、まことに不十分のそしりを免れない点もあるやに仄聞をいたしますけれども、まずこういうことをやったらよかろうということで政府がやっておりますようなわけでございます。
○内海(清)分科員 ただいまの大臣の御答弁を聞きまして、大へん心強く感ずるわけであります。いずれにいたしましてもわが国の海運に対する施策というものが、諸外国よりもいろいろな面において劣っておる、手薄な面があることは御承知の通りであります。従いまして貿易の伸張ということから申しますならば、どうしても海運の振興、これはまた造船の繁栄ということに相なるわけであります。この点につきましては今後格段の御決意を持って臨んでいただきたいと強くお願い申し上げておくわけであります。これにつきましてはなおいろいろお聞きいたしたいと思いまするが、なお御研究の中途でもありますし、いずれまた時期を得まして詳細にお伺いいたしたいと思います。 次にお尋ねしてみたいと思いますことは、御承知のように最近アメリカにおきまして、いわゆるドル防衛の問題に端を発して、シップ・アメリカン運動というものが展開されておる。しかもこれが強力に推進されようといたしておるのであります。これは申すまでもございませんが、直接わが国の海運業に累を及ぼすことは明らかであります。特にわが国のドル航路でありますニューヨーク航路その他を初めといたしまして、わが国の重要航路にいろいろな甚大な影響を与えてくるのではないかということを覚悟せなければならぬと思うであります。わが国の海運業者の間におきましても、これに対する対策がいろいろ協議されておるように承るのでありますが、運輸省当局におかれましても、これにつきましてはいろいろ検討されておると思うのであります。わが国の海運業の基盤強化の上から申しましても、あるいはまた国際収支の上から考えましても、このことは絶対に排除、克服せなければならぬ問題ではないか、かように考えるのであります。つきましては、この状況がわが国の海運界に及ぼします影響、あるいは国除収支に及ぼします影響、さらにまたこれに対しまして運輸当局がいかなる方策を持っておられるか、お伺いいたしたいと思います。
○朝田政府委員 問題は二つ御指摘になったと思うのでございますが、ドル防衛措置に伴いましてのアメリカの措置と、それに関連いたしまするシップ・アメリカン運動の問題と、この二つに分けてお答えを申し上げておきたいと思うのであります。 最初のドル防衛措置で具体的になりましたのは、御承知のように昨年の十一月にアイゼンハワー大統領の政令によってハーター国務長官のICAの域外調達の禁止でございます。このICAの域外調達が、もし無条件に禁止されるといたしますならば、わが国の海運がどれだけの影響を受けるかということでございますが、もともとこういった物資の輸送はアメリカの船が優先的に運んでおりましたために、日本船が運んでおります数量はわずかであります。韓国、ベトナム、インドネシア、あるいはイラン、パキスタン、インド、こういったようなところで、肥料、セメント、鉄鉱、機械といったようなものが多いのでございますが年間にいたしまして大体三十万トンないし四十万トンが日本船の輸送量であると考えられるのであります。それに対する運賃は割合に低率のものが多いわけでございますので、六億円ないし七億円というふうに私どもは見込んでおるのであります。これは全体の外航運賃収入の四%程度に当たるものでありますので、全面的に域外調達が禁止になりました場合の想定は、ごく軽微であるというふうに判断をしておるわけであります。 そこで次のシップ・アメリカン問題でありますが、これは具体的にドル防衛措置に伴いまして、米国の国際収支の改善のために官民ともに強力な運動を展開いたしておりますことは、御指摘の通りでありますが、ただ具体的に今後どういう展開をするかということが明らかでございません。従いましてそういった影響の測定というものが現在の段階におきましては困難でございます。ただ最近起こりました問題は、御承知のようにトヨタ自動車の米国輸出入銀行からの融資による輸送物資の米船の参加の問題であります。この問題につきましては在米大使館に強硬な申し入れをしていただきまして、自由円であります——八百万ドルでありますが、その分につきましては米船の積み取りを撤回いたしておるようなわけでございます、ただ世界の海運諸国がアメリカのこういった海運政策あるいはシップ・アメリカン運動について非常に強い批判の態度をとっておりますので、私どももそういった欧州海運諸国の動向とにらみ合わせまして、今後具体的な問題が起こりました際には、正式な外交のルートを通じて強硬に申し入れをいたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○内海(清)分科員 この問題はまだ現実の問題としてそれほど進展をしていないようでありますが、さなきだにまことに基盤が脆弱なわが国海運業であります。これらの問題につきましては、あらゆる困難ができましょうとも、これを克服して、これの排除に当たっていただきたいと強く希望いたすわけであります。 いろいろお尋ねしたいことがございますが、時間がだいぶ過ぎておりますので、最後に造船の関連工業の育成の問題につきましてお尋ねして終わりたいと思います。御承知のように造舶業というのは、先ほど船舶局長からもお話がございましたように、まことに多くの関連工業製品をもって組み立てる総合工業であります。従ってこの関連工業製品の生産コストというものが、お話のように船舶建造原価の約五割に当たります。これをその造船所で主機などを作りますとまた変わってくると思いますが、約五割であるといわれておるのであります。ところがこれらの関連工業というのはほとんどが中小企業であります。特定の造船所の下請をやる、あるいはまたこれに類似した結びつきによりまして、いろいろの船舶用品を少量ずつ作っておる、受注生産の形をとっておるのが実情だと思う。わが国の造船業が今日世界の最高水準の技術を持っておるのでありますが、その中でこの関連工業の後進性ということが、わが国造船業におきまする最大の弱点だ、こういうふうに指摘されておるのであります。これはいろいろな問題がございましょう。ただいま申しましたような生産コストの割高の問題もございましょうし、あるいは設備の老朽化の問題もございましょう。あるいは技術上の問題、いろいろあると思います。特に先ほど来申しておりますように、貿易の自由化を目前に控えておる今日、造船関連工業の育成、強化ということが、造船業にとりましてはきわめて喫緊な要務だと思うのであります。これに対しましてはもちろん業者自身の努力も必要でございますし、さらにまた造船業者の協力も不可欠な問題でありますが、しかし最も大事なことは、政府としてこれの育成、強化に積極的に必要な措置を講ぜられることだと思うのであります。これに対しましてどういうふうな施策を持っておられるか、あるいはまたどういうふうに推進しておられるかということを、具体的にお伺いをいたしたい。
○水品政府委員 御指摘のように造船連関工業が造船所等と比較して非常に規模が小さく、従って技術の面におきまして、あるいは施設の面におきまして、非常に見劣りがする状況でございます。そして全部ではございませんが、関連工業製品の中には、品質、価格の面で国際的に見ましても相当劣っておると言わざるを得ないものがございますので、その問題は造船関係の対策といたしましては非常に重要な問題と考えられるのでございますが、運輸省といたしましても、まず施設の改良につきましては、ここ数年にわたりましてモーター・ボートの交付金の利用、その他金融機関を通じての改良資金の貸付等、積極的にやって参りました。そして関連工業の工場施設は、最近におきまして相当によくなったということが言えるのではないかと思うのございますが、しかしまだまだ十分でございませんので、モーター・ボートの交付金等は、主としてこの方面の施設の改善に貸し付けておるのでございます。それから技術の面におきましても相当劣っておりますので、これもいろいろのことをやっております。たとえば技術の指導講習会を開くとか、いろいろのことをやっておりますが、一番主たることは、この関係の団体に造船関連工業連合会というのがございますが、これを通じまして特に開発しなければならない技術等の研究補助金を出し、そういった指導も積極的にやっておるのでございます。それから御指摘のようにこの関係の改善は、この業者だけを対象として考えましてもなかなかむずかしいのでございまして、それはほとんど中小企業で造船所の下請的関係にあって、専門工場として認めてもらっていないと言えるのではないかと思います。と申しますのは、造船所が下請で何でも安く手近に注文する。従って一つの工場でいろいろな品種のものを少量ずつ作っておる。これが私どもの目から見ますと一番大きなガンではないかと思いまして、これも昨年の初め来運輸大臣が先頭に立たれまして、まずこれには造船業者自体の考え方を改めさす必要があるということで、造船工業会に特別の委員会を作って、こういう問題を研究させておるのでございますが、運輸省の希望といたしましては、専門工場の育成という線でこの問題を考えてもらいたい。というのは、非常に専門的なものにそれぞれの工場を育成していきたい、こういうことによって技術やあるいは価格の面も相当改善できるだろうというので、これは地方にも、たとえば大阪、神戸地区には関連工業と造船業者との懇談会を持ちまして、そして先ほど申しましたような方針の実行について具体的に打ち合わせを毎月やっておるような状況でございます。そしてさらにこの関係には何といっても工業規格を徹底することによって、この規格製品を使ってもらうということがまた一つの問題でございます。こういう方面についても積極的に推進しておる状況でございます。 それから先ほど御質問のございました戦後どれだけの船を輸出したかという数字でございますが、これは総トン数で約八百万トン輸出いたしております。
○内海(清)分科員 関連工業の育成強化の問題は、造船業にとってきわめて重大だと思うのであります。もちろん今日大手の造船所などにおきましては、若干いわゆる下請の系列化というようなことでこれに手をつけておるのでありますが、やはり運輸省におきましてこれらのことにつきましても十分なる指導をしていただかなければならぬと思うのであります。この点が西欧並みになって参りますならば、わが国の造船業というものは一そうの飛躍をなすことだと私は考えるのであります。今後一そう格別のこの点に対しまする御努力をお願いいたしたいと思います。 その他いろいろございまするが、時間がよほど過ぎましたので、他はまた委員会等に譲りまして、本日は以上で終わります。
○中野主査 ほかに御質疑はありませんか。——御質疑はないようでありまするから、運輸省所管に対する質疑は終了いたしました。 明二日は午前十時より開会し、郵政省所管の審査を行ないます。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時五十二分散会