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38回国会衆議院1961/03/03

予算委員会第三分科会 第6号

発言数
200
登壇者
9
会派数
2
開催日
1961/03/03

会議録

三浦一雄自由民主党

○三浦主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。  まず、昨日一応質疑を終了した昭和三十六年度一般会計予算案中、経済企画庁所管についての質疑が一点だけ残っておりますので、これを許します。淡谷悠藏君。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 昨日ちょっと統計の数字について基準が違っておりましたので、食い違いました。きょうはそれを確めておきたいと思いますので、あらためて企画庁の方に所得倍増計画の基準になる数字についてお伺いしたいと思うのであります。  まず現在における最も新しい耕地の面積をお知らせ願いたいと思います。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 農林省の統計調査、これの昭和三十四年でございますが、これに耕地面積として二つございまして、農家の経営する種類別土地面積、この方から見ました耕地面積は五百十八万町歩になっております。それから北海道分約八十万町歩を差し引きますと、四百三十八万町歩、これは昨日淡谷先生がおっしゃいました数字でございます。ところが、倍増計画ではこの耕地面積を、別に農林省統計調査部が実施した面積調査から出ておるのがございます。ただいまの農家からの土地台帳によりますものは、大体実測よりも一割五分くらい小さいという結果になっております。この方の面積、が三十四年度五百八十万五千町歩、これが私が昨日お答えいたしました面積でございまして、これは北海道を含めまして五百八十万、この方が倍増計画の基礎になっているわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 そうしますと、五百八十万町歩というのは、現在の実際に近い数字と考えてかまわないですか。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 そう考えておるわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 これは昨日も話に出ましたけれども、畜産などの伸長に伴いまして、山林原野などを牧野にして使うという構想がだいぶ大きく浮かび上がっているのですが、これは入っておりますか、入っておりませんか。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 これは耕地だけでございますので、山林原野は入っておらないわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 六百万町歩の十年後の構想の中には、山林原野は入っておりますか。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 それは入っておりません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 畜産を大きく伸ばす場合に、土地計画の中に畜産の最も大きな生産要因をなす山林牧野等を入れないで済みましょうか。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 私は非常に詳細には存じませんのですが、農地になりますと、農地法の適用を受けるわけでございまして、だんだんと牧野等でも肥料をやる牧草地にして参りますというような場合には、だんだん区別がぼやけてくるような点もあるようでございます。従って中間的なそういう牧野というものがふえる可能性もあるかと思うのでありますが、この計画では一応従来の観念で耕地といっておりますものを計画の対象に考えています。でございますから、耕地以外に今御指摘のような面がプラス・アルファで出てくる可能性はあるかと存じます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 この十年後の計画の中にあります、特に畜産などを対象にした協業農家の水田協農においては、経営面積二十ないし四十ヘクタール程度、畑協業においては四十ないし六十ヘクタール程度にするという構想ですが、畑協業というのは特に畜産に重点を置いたようですが、この面積はやはり山林牧野の新しく開かれる面積を入れての構想ですか、あるいは畑地、たんぼの現在の五百八十万町歩をさいた構想でしょうか。どちらでしょうか。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 この小委員会の討議の場合には、一応現在の耕地の概念ということになっておるわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 それではもう少し進めていきたいのですが、五百八十万町歩のうち、一ヘクタール以上と以下に分けますと、どういう数字になりますか。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 この耕地面積の今の統計では規模別面積がございませんで、昨日の申告に基づいた方にだけ規模別面積がございまして、先ほどの五百八十万町歩に相当する部分にはございません。一町歩以下の面といたしましては、ちょっと合計が出ておりませんので内訳を申し上げますが、三反歩未満が二十二万二千町歩、五反歩から三反歩までが三十九万六千町歩、五反歩から一町までが百四十二万町歩、これが内地でございまして、そのほかに北海道に一町歩以下の合計が二万三千町歩、これだけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 昨日私申し上げました一ヘクタール以下の二百三万七千三十一町歩、これに北海道の二万三千を加えた大体二百六万が、一ヘクタール以下の町歩ですね、こう解釈してよろしいですね。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 さようでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 一ヘクタール以上のものをお出し願いたい。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 これも内訳で恐縮でございますけれども、一町から一町五反が百十八万六千町歩、一町五反から二町歩が六十三万九千町歩、二町以上が五十二万五千町歩、これが内地の分でございます。それから北海道はずっと耕地面積が広いわけでございますが、全体で七十九万五千のうち、先ほど申し上げました二万三千が一ヘクタール以下になりますので、これを差し引きますと、七十七万二千、これが一ヘクタール以上ということになるわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 これも昨日私がお話しました内地の面積の二百三十五万町歩、それに今の七十七万二千を加えますと、全国で一ヘクタール以上のものは大体三百十万町歩、これくらいに確認してよろしいですか。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 さようでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 農家の分解の見通しを見ますと、一ヘクタールの経過的非自立経営は上下に分解しつつ相当数残存するというように見ておられる。そして〇・五ヘクタール程度の主として兼業に依存する完全非自立経営はおおむね現状を維持するか、若干減少するものと見込まれるというふうにいっております。そうしますと、一ヘクタール以上のものは大体自営農家の方にいく可能性があるものと見てかまわないと思う。従って、さっきの反別の大体三百万町歩、この三百万町歩のうち、二・五ヘクタール以上の自営農家百万戸というと二百五十万町歩、これはどうにかなります。これは非常に簡単にわかる数字なんですけれども、残る二百六万町歩を協業農家の対象にするということになるわけですね。そうじゃないですか。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 実は、ただいま最初に申し上げましたように、内訳は土地台帳によるわけでございますので、そこに全国で約七十万町歩くらいの開きがございます。総合計で、こちらの農家の経営は、種類別面積でいきますと五百十六万町歩、それから農林省の統計調査部の調査によりますと五百八十万町歩でございますから、そこで約六十何万町歩の統計上の開きがございます。それからただいま御指摘の点で、協業の方は、実は経過的非自立農家ないし完全非自立農家が協業をやるのだということではございませんで、自立農家も協業の可能性が多分にあるという考え方でございますので、この二・五町歩というのは、一応農業だけで都市勤労者の世帯と均衡のできる収入を上げ得るものは二・五町歩だという、いわば仮定といいますか、推定の経営規模でございます。百万戸が全部そういう形に必ずなるということでもございませんし、この分は協業をやらないのだというわけではございませんので、この分でも協業は相当あるという考え方になっておるわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 この統計の数字は、今打ち合わせしましたので、新しくきょう確認した数字で私は言っておるのですが、協業農家は、一ヘクタール以上のもの、あるいは以下のもの、両方からやるとしましても、これは絶対数字は変わらない。いずれにしてもこの耕地から二百五十万町歩はとられるわけですね。ただその場合に、三ヘクタール、五ヘクタールという北海道のような大きな農家は、それを減じて協業するということはめったにないことだろうと思います。これは自立農家になる可能性が多い。そこからきますと、やはり一ヘクタール以上のものは、自立経営ができる農家として、随時整理されていくというふうに見通した方が安全じゃないかと私は思うので申し上げておるのですが、いずれにしましても、協業農家に回るべき土地というものは、現在のままでは二百六万町歩しかない。それから自立農家の方に回る耕地は大体二百五十万町歩ということになります。そうすると、どうしても農業の先端をなす協業形態の農業に提供される土地が非常に少ない。たとえば四十ヘクタールから六十ヘクタールの中間をとった五十ヘクタールに見ましても、二百万町歩というと幾らもできないわけですね。ほとんど農村人口の一割減ったあとの全人口を収容するような形にはなれない。そこで、私冒頭に申しました山林原野に対する構想は一体どうだというような問題、特に開拓農家などでは山林原野などを開拓する場面が相当多いのであります。こういう方面に伸びていく新しい協業形態についてはどうお考えか、こう聞いておるのです。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 ただいま御指摘の点は、倍増計画の農業近代化委員会でも十分検討を経ておらない点でございます。実は牧町等がどの程度日本で経済的にいくかということについて、農林省の方でもまだ十分な確信が得られないというような点もございます。最近急速にいろいろ農林省でも研究を進めておられるようでありますので、基本法の長期見通しの裏づけとなる農地の見通しの場合には、この辺がかなりはっきりして参るかと思うのでございますが、現在の段階ではこの辺があまり明確になっておらない状況でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 そう明確にいわれますと、これはまた質問のしようがないのですけれども、これは長官に昨日も申し上げましたが、農業基本法を大体めどとしてこの倍増計画を立てられたと言われますが、今出ております農業基本法にもこの土地に対する構想がない。やはり伸びる農業としては畜産、果樹だということは一致した見解でございますので、畜産を伸ばすとすれば、協業形態で、特に未開発地の——国土のうち八割三分はまだ未開発地だといっておりますが、そのうちの可耕地に対する開拓ないし農地造成計画というものが入っておりませんと、この所得倍増計画における農業の位置が非常にあぶない。この点もまた長官は、もし新しく農業に対する構想を立てられるなら、十分御考慮されるかどうか、一つ御返事をいただきたい。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 昨日も申し上げました通り、昨日からの淡谷さんのいろいろなお話で、私も非常に啓発されまして、この所得倍増計画の中の農業の部分は、農業基本法の制定というようなことがちらちらありまして、非常にこまかく詰めているという感じが実はいたしておりませんことは昨日も申し上げた通りでありまして、お話の点は十分考慮に入れて一つ勉強したいと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 倍増計画の、特に農業に関する倍増計画は、長官大へん謙虚な態度で臨まれますけれども、実はこの倍増計画に非常な魅力を感じておりますのは農村なんです。自分たちの所得も倍増になるのだという魅力をかなり感じておるのですが、この実態がわかりますと大きな失望を感ずるので、これはどうしても農家の所得を伸ばすには畜産によらなければならないし、そのためには、何としても大胆に土地計画を進めなければならないのですけれども、逆にこの倍増計画が災いしまして、田畑の開発を押えるとか、買い入れ計画をとめるとかいうような消極的な面にこの計画が働いておることは、私は残念だと思う。これは誤解かも——誤解かほんとうのことかわかりませんけれども、そういう不安を一掃するために、やはりこの際、新しい計画をお立てになるならば、大胆に一つ踏み出していただきたい、これを御要望申し上げておきます。  それから麦の対策費、昨日法案が提案されましたが、大麦、裸麦は別にいたしまして、小麦の将来については長官は一体どういう構想をお持ちになっておりますか。つまり小麦は将来増反し開発していく必要のある作物であるかどうかというような問題です。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 どうもあまり率直に申し上げ過ぎて悪いかもしれないのですけれども、実際小麦の問題については、今農林大臣も非常に頭の痛いところだと私は思っております。それで、一面農家というものを当然考えなければならぬと同時に、一面消費者の立場からも考えていかなければならぬことでございますので、小麦の将来というものについては、農業基本法の需給見通しを作るときに一番大きな問題になってくるのだと了解をいたしておりますので、この際私は、今御質問にそのものずばりのお答えができないことを遺憾といたします。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 実は私この麦の対策については若干異見があるのですが、食糧生産でも、水田における米の生産というものは相当伸びています。また技術の方から申しましても、水田の技術というのはかなりすぐれた集約的な技術であっても伸びている。畑作の方は、同じ食糧生産であっても、まだまだ伸びる可能性を持っている。生産量で伸ばそうと思ったら、むしろ畑作の方がずっと伸びるのじゃないかと私は考えておりますが、特に畜産、果樹を進めるとしますと、日本人の食生活の構造が変わらなければ伸びないと私は思う。酪農製品が販路に困るということをしばしばいわれますけれども、従来米、麦のように農家が半分を食ってしまう食糧と違って全部商品化して売ってしまうところにその販路の狭さがある。従って非常に大きな人口を持っております農村自体が酪農製品を食べ、畜産物を食べるというところまでいかないと、これはただ販売ルートに乗せるだけでは畜産は伸びないと私は思う。果樹も伸びないと思う。それなら肉を食べ、牛乳を飲み、果物を食うという食生活は、主食をどこに求めるかというと、私は米よりも麦に求めたい。白い米にバターじゃ、食べる人もありますけれども、これはだめだ。やはり刺身の方がうまいのです。パンを食べた場合にはやはり肉になる。肉を食べるとパンにいきたい。牛乳もその通りです。同時に果物も食べる。食生活の構造が変わってくる。畜産を伸ばそうと思い、果樹を伸ばそうと思えば、どうしても主食が米から麦に転換する可能性がだいぶあるし、また農村食品に対しても、その点で伸ばすような政策をとらないと伸びていかないように思うのですが、これはどうでございますか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 淡谷さんがその次にどういうことをおっしゃるかということによって、実はどういう答弁をしていいか迷うのですけれども、今淡谷さんのおっしゃいましたところまでは、私は全く同感であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 これは農村でも年をとった人はそうでもないのですが、若い人たちはパン食、肉食に非常に魅力を持ってきた。それから都市などでも、パン食やバター、チーズ、肉などに対する要求は高いのです。けれども、農村で食べる場合のコストと都会のコストとは大へん違うのです。牛を持っており、麦を植えておる農民のパン食、肉食奨励というものと、これを買って食べる都会地における肉食、パン食の奨励とは、だいぶ趣が違って参ります。ところが案外肉食、パン食というのは、農村で生産をしておりながら農家の方にはない。これは自給的な性格が強くなっておりますから、都会地で高くつくというほどには農村では高くつきません。これは普及員の方々にも私はしょっちゅうお願いしているのですが、やはり非常に大きな人口を持っております農村がこの畜産の消化あるいは麦食という方面に非常に強い進出を見せることが、農業を伸ばすゆえんだと思うのです。そうしますと、小麦というものを斜陽農産物のような扱いをしないで、将来の国民食の大部分とは考えませんが、ある程度のものは麦食でまかなっていくというくらいに自信を打って進まれても私はいいのじゃないかと思いますが、長官どうですか、自信をお持ちになれませんか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 お話を聞いておりますと、全くその通りです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 そう言われますと実は続かないのですが、いずれにいたしましても、昨日から本日にかけまして非常にに率直に、長官は、所得倍増計画における農業のあり方はまだ検討すべき余地のあることを考えられ、特に伸びていく農業に対しては進歩的な考え方を持っていると私は信じまして、さらに新しい農業あるいはまた農民の生産倍増あるいは所存倍増の面に新しい構想を持っていただきたいと思うのです。同町にこれから審議されます農業基本法に関しましても、これは一つ党派を離れて、非常に難事中の難事といわれております農業の革新、長官に言わせますと、農業革命に邁進する一つの基本法でございますから、われわれも十分に審議を尽くしますし、率直に意見を申し述べますから、取り入れまして誤りのない所得倍増の方向に進まれますように一つお願いしたいと思います。御意見がございましたら何かどうぞ。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁総合計画局長)

○大來政府委員 ちょっと補足させていただきたいと存じます。倍増計画におきまして耕地面積の見積もりでございますが、一応作業といたしましては、日本人の所得増加と、増加所得に見合います米なり麦なり畜産物なりの所得弾性値をはじきまして、所得が上がった場合にそれらの物に対する需要の増加を見込み、その生産のための土地面積を計算するということはやっておりますが、その場合に穀物に対する所得弾性値は低いわけであります。所得がふえましても需要自体は少ない傾向がございますので、一応この六百万町歩の耕地でほぼまかなえる。もちろん相当量の飼料の輸入を考えております。結局先ほど来御指摘の、たとえば山林原野等相当耕地面積の拡大ということを考えます場合には、需要の弾性値なり、将来の農産物に対する需要の児積もりをこの倍増で考えましたよりももう少し大きく見るか、あるいは輸入をもっと減らして生産を上げるか、そういう前提を考えて参りますと、御指摘のような面積の問題が出て参りまするが、一応今後の倍増計画の小委員会の計算はそれなりに一応の筋道は持っておるわけでございますので、その点だけちょっと申し上げます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 そこらに非常に大きな問題があるのですが、農民が不思議に思うのは、外国の百姓さんよりは日本の百姓の方がはるかに激しい労働をし、長い時間働いているんだが、なぜ作る物がこんなに国際的な農産物価に合わないほど高いんだろうという一つの新しい疑問が生まれてきておる。そこに私はこの計画に考えられました近代的な農業、企業化した農業という形に発展していく根本の理由があるだろうと思うのです。やはり企業化してある程度まで農業が専業化しなければ——専業化するといっても多角農業ではなくて、麦百姓は麦百姓に、果実の百姓に、農業部門内でも専業化していって、大半のものを専業化させるというように進めば理想的と思うのですが、なかなか日本の農業はそこまでいかないと思う。やはりそこには自給といったようなものの強みを取り入れないと、農業所得の拡大はできない。農家の簿記なんかを見ましても、一番不自由を感じますのは現金収支の項目じゃなくて、自分でとった品物を家計にどう使ったかという記入が一番苦しいわけなんです。その欄もないし、指導もない。またこれが非常にわずらわしいのです。記帳が抜けております。そこに農家の所得を押えるには非常に困難な理由が一つございます。その点も一つ考えられて、何年度くらいまでは輸出の農産物はどれくらい、あるいは輸入の農産物はどのくらい、何年度までは自給がどれくらいというように刻んでいきませんと、正しい農業所得の構想は出てこないというように考えております。同町に山林原野に対してももっと大胆に農業川地として田畑並みに取り入れないと、畜産というものを取り入れた場合には、土地計画は立ちません。これはもうおっしゃるまでもなく、これからの草地というものは、耕地と同じような手入れをしないと高度な牧草はとれはしないのです。草はとにかく、一尺の野草を刈る場合と、七尺、八尺のライ麦を刈る場合には、同じ面積で収容量は七倍、八倍あるのですから、土地の広さだけでなくて、耕耘の進歩いかんということは非常に収穫にも関係があることを頭に入れますと、私は、やはり山林原野の草のためにも耕地にするという構想が立てられていいのじゃないかと思われる。これは従来の日本の非常に狭い耕地を扱い、零細農に立った農家経済の上に立った農業の傾向を離れまして、一つ新しい農場的な見地から計画を立てていただきませんと、これは計画を立ててもだめだったということに落ちつくのじゃないかと思いますので、その点の御意見を聞きたいと思います。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 国民所得倍増計画の目的が国民の各界各層みんなしあわせにしようということがねらいであることは申し上げるまでもございませんので、ことに人口の非常に大きな部分を占めている農村といいますか、農民といいますか、そういう人たちのことについては一番気をつけていかなければならぬということは申すまでもなく、従って農業基本法制定のゆえんもそこにあると思っております。それで、それに基づいてさらに所得倍増計画というものを再検討というと、すぐにこれは新聞記者諸君なんかおりまして、いつそれを変えるかときっと質問をしてきて弱るのですけれども、実行をする上において農林省ともよく相談をしまして、情熱を傾けて努力したいと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 これで終わりますが、率直に御意見を聞かしてもらいまして大へん私も愉快なんですが、正直に申し上げまして、国民所得倍増計画における農業の考え方というのはまだ不徹底で行き届がない点を遺憾に思いますので、この際早く新しい構想を立てられますようにお願い申し上げまして、質問を終わります。     —————————————

三浦一雄自由民主党

○三浦主査 次に昭和三十六年度一般会計予算、同特別会計予算中農林省所管予算案を議題として、質疑を続行いたします。淡谷悠藏君。   〔主査退席、赤澤主査代理着席〕

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 農林大臣に伺いますが、官行造林をやめてその仕事を森林開発公団に移すという構想が出て参りましたけれども、この理由と真意について大臣の御所見を伺いたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 官行造林も大体まとまった地域について今日まで大体目標を終わりましたのですが、これからの地域におきましては、かなりに小さいものが散在しておる地域が多いし、これらにつきましてはむしろ国が直接やるよりも公団にやらして、国がその資金的な問題については十分従来と変わらざる配慮を講じつつ行なわしめることが実行上適切であり、また能率も上がる、かように考えまして、公団に移したわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 私は官行造林の意義というものはもう少し大きいところにあったのじゃないかと思います。これは林野庁からいただきました水源造林拡大推進方策というのを読んでみましても、この官行造林の軍費性ははっきり書いてあるんです。森林資源を造成し、市町村の基本財産を育成し、民有林の振興をはかるとともに、水源涵峯、国土保全に資せんとする行政目的を持っているので、国有林野事業特別会計創設当時、その取り扱いについては疑問もあったが、一応国有林野卒業の付帯業務として運営されてきた、これは間違いないでしょうな。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 その通りであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 同時にこういうふうな性格を持って出てきました官行造林は、公共事業的性格が強いという理由もやっぱりあげられておりますが、これは今もなお変わっていないでしょうね。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 お説の通りであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 さらに木事業は、元来企業的に運営される国有林野事業とは、その性格を異にしているものであるという点も確認しておきたい。企業的に運営される国有林野山業とは、性格を異にしているわけですね。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 企業的というところにいろいろな議論もあるかと思いますが、国有林野業としてやるべきその本来の仕事という面からは、やや異質のものであるという意味に考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 しかしこれは企業的と書いてあるのですよ。それはちょっと言いのがれされなくても、これはやはり企業的にやるようなものではなくて、多少採算が合わなくとも、さっき述べましたような理由によって、公共的性格を持ったものだという点は、もう一ぺん確認しておく必要があると思う。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 国有林野塩業特別会計法におきましても、企業的に運営するということが載っておるのであります。公益企業という立場に立ちまして、企業的な運営と申し上げましても、こういう国の事業として持つべきいわゆる公共的な性格というものの大きいワクは当然あるわけでありまして、その中におきまして企業的と申し上げますのは、いわゆる能率的と申しまするか、そういう意味の色彩を大きく持つものだというふうにも解釈いたしておる次第であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 それでは結局公共的な性格を持つことは、今もなお変わっておりませんね。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 その通りであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 それからこの事業を森林開発公団に移す理由の最も大きなものとして、非常に零細化してきたということに重点を置いてあるようですが、この零細化の原因は何でしょうか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 零細化と申し上げます実態を率直に申し上げますと、大正九年からこの法律を施行いたしまして、昭和三十一年までその法律のままで施行して参りましたが、その段階におきます一団地当たりの面積と申しますか、を考えてみますと、当時におきましては、千六百件ばかりの契約をいたしたのでありますが、その中で一件当たり百町歩以上というふうな契約が全体の六二%を占めます九百八十七件、五十一町歩から百町歩という範囲のものが五百四件、パーセントにしまして約三一%、五十一町歩以上合わせまして九三%というふうな団地を対象にして契約がなされ、実行いたしてきたわけであります。三十一年の八月から最近までの状況を見てみますと、契約件数が七百九十四件でありまして、そのうちで五十一町歩以上という契約件数が三百四十五件、パーセントにいたしまして四四%で、五十町歩未満のものが五六%というふうな状況に推移して参っております。それと今後やろうといたします二十三万二千町歩につきましては、その契約件数が一万四千四百四十一件予定いたしております。その中で五町歩から十町歩という範囲のものが一万七百二十九件というふうになって参ります。パーセントでいきますと七十数%を占めるというようなことに相なって参りまして、まあ零細化、分散化ということが非常に強くなってきたというふうに現実は推移いたしておるのであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 零細化に対して、もっと仕事の効率が上がるように、また本来の目的にもかなうように何か打つ手はないでしょうか。あまりに繁雑だというならば、ちょっと手がありそうに思うのですが……。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 御存じの通り、国有林におきましても重要ないわゆる保安林というようなものを買い上げまして、国がこれの経営、維持管理というようなものをやることが最も適当だという意味で、昭和二十九年でありましたか、保安林整備臨時措置法を制定いたしまして、保安林の買い入れ等を行なっておるのでありますが、これらにおきましては、国がみずから管理、経営をやるという面からいたしまして、やはりそこに適当な規模というものがあることが必要だという観点から、一団地当たり三百町歩以上というような線を設けまして、買い上げをしておるというような現実にもあるわけであります。もちろん零細でありましても、人員を増加するとか、いろいろなことでやれば、絶対に不可能だというものではないと思いますが、こういう零細なものの造林の事業を行ない、これを維持、管理していくという林業経営の実態という面から見まして、従来のように営林局署という機構でやるということは、やはり適当でないというふうに考えておる次第であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 ちょっとお答えが飛躍しておるのですが、私はその前にもっと確かめておきたいのは、昭和三十二年度から昭和四十六年度までに部落有林、私有林をも含めて三十五万町歩の水源造林を行なうことになっておるということがこれに書いてあります。これはどういう理由だったのですか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 三十二年度におきまして、そういう計画を立てたのであります。その後におきまして、水源林造林事業、官行造林というものを通じまして実行いたしましたものが約四万町歩、それから国有林の保安林買い上げという面の仕事によりまして買い入れられた地域の仕事は国有林に移るという関係、それから治山事業等におきまして水源林造成事業というようなものを補助事業等で三十二、三年ごろやったわけであります。そういうものを差し引きまして、先ほど申し上げましたように、三十六年度以降残りますものが約二十三万二千町歩というふうに予定しております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 官行造林の規模が零細化し始めたのはいつごろからですか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 三十一年度からであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 部落有林、私有林をも含めて水源造林を行なうようになったのと、零細化したのとは何か関係がございませんか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 三十一年の三月に法律改正をしたわけであります。そういうものと、もちろん関係を持っておるわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 零細化した官行造林の所有関係を調べた場合に、私有林は、やはり多いですか、零細化したものは……。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 三十一年以降におきまして、私有林につきまして、官行造林の契約をいたしましたものが約七千町歩というふうに考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 これは法律的には零細化をとめる手はないのですね。どうしてもこの零細化したものを、零細性の官行造林をやらなければしようがないのですね。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 この二十三万二千町歩というふうに考えております対象地は、いわゆる水源地帯に現在残されております無立木地、散生林等を対象にして、これを水源地化して、保全と、あるいは市町村等につきましては、基本財産の造成の問題、それから森林生産の増強というような点をあわせて早急にやらなければいかぬという性格のものであるように思っておりますが、この地帯のこういうものの造林につきましては、三十年ごろからいわゆる水源造林という仕事で補助造林の制度をしいて実施したのであります。そのときにおきましては、国が三分の二、県が三分の一、合わせて全額でありますが、その新植に対しては補助するという制度でこの水源地帯のこういうものの造林に臨んだのでありますが、こういう地帯の造林というものは、やはりコストもある程度かかる、造林の成果についてもやはり経済林、里山のようにうまくいかぬというふうな点からいたしまして、これの事業がなかなか計画通り推進できないということ、それをやはり事後におきます手入れの問題、それから手入れしましたときに、やはり水源地域の造林としての適正な林業経営、維持管理というようなものがなかなか期待できないのじゃないかというふうな点からいたしまして、補助制度をやめまして、こういう制度に移るというふうな経過をとってきておるわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 これは公共事業の性格が強い事業ですから、ある程度利益採算を度外視してもやらなければならないことはわかっておりますし、特に私、官行造林の沿革をいろいろ伺ってみますと、なかなか複雑な経過をたどっているように思う。従来の地元の入会権が明治維新以来の新しい土地所有関係によりまして、ある場所では一方的に奪い取られてしまった例がだいぶございます。非常に窮之した山村の諸君に官行造林などその他の森林事業の労賃を与えるという一つの救済策を講じたような沿革があるように思っておりますが、これはどうでしょうか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 お話のような性格もあったように考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 これは各山村に残っておる形でございまして、 特に町村の窮之というのは、従来の入会権をいつの間にかなくしてしまった明治初年にさかのぼった事例に照らしてみませんと、なかなか理解できない。そこにやはりこの公有林野事業というもの、官行造林の事業というものは非常に重大な影響を与えるので、この制度をやめるということについては、慎重にお考えを願わなければならない理由があると思う。一体零細化することがやむを得ないならば、どうですか、これはやはり林野庁としてこの零細化に対応していくような構想は持てないのですか。森林開発公団にやる以外に方法はございませんか。これがただ一つの道だというのが、私にはどうしてものみ込めない。別の道がたくさんあって、そのうちのどれを選ぶというのならわかるのです。特に森林開発公団が発足するときに、私、農林水産委員会におりまして、この森林開発公団という形をとるかどうかにさえ非常に大きな論争のあったことは、これは長官も御存じでしょう。われわれも意見を徴されました。地元町村に直営をさした方がよかろうということもありましたし、民間に移した方がいいだろうというような話もあった。しかし、森林開発公団の形式を、委員会としてとることにきまった理由は、今のような官行造林の仕事までやらせるということじゃなかったわけです。これは当時の速記録をごらんになるとよくわかります。これはあくまでも林道開発に重点を置いて、やたらにこの仕事を拡大しないという申し合わせがあったはずなんです。これは当時の議事録をお読みになれば、さまざまな観点からこれが論じられております。その森林開発公団に百行造林を移さなければならないという道以外に、何か別の方法がなかったのですか。これを伺っておきたい。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 第一点の御質問でありますが、市町村有林、その中におきます入会権の問題というような点がもちろん問題になるわけであります。先般答申されました基本問題調査会の林業部門の答申を見ましても、やはりこの入会権のあるような山につきましては、特に里山等の部門等につきましては、これを家族林業、経営というふうな、山村農民が自主的な経営ができるような一つのものに考えるのが最も適当な対策ではないだろうかという点が非常に強く出ておるように考えるのであります。われわれといたしましては、そういう点を考えまして、またこれを可能ならしめるような政府としましての融資とかその他いろいろな措置を講じまして、生産性の向上と山村民の所得増大にどうしても合っていく大きい対象地であるというふうに考えて、私らとしましては、そういう方向にぜひとも進めていきたというふうに考えておるのであります。  後段の問題に対しましては、先ほど申し上げましたように、従来、補助という制度をとってやって参ったのでありますが、民有林等につきましてはなかなか思わしい成果が期待できない。それで造林はもちろん、維持管理というようなものにつきましても、国あるいは国の機関というようなものがそこに十分な指導監督の直接的な手を伸ばしてやっていくような措置が、こういうものにはぜひとも必要だという観点に立っておるのであります。また融資といったような制度も、こういうものには非常にかかって、造林をやることについては困難な点がありますことは御存じの通りでありますが、これが融資の程度によっては、なかなかこれの早急な計画的な造林は期待できない。やはり国なら国の機関がこの造林等に必要な経費、あとの維持管理の経費も含めまして、そういうものを全面的にめんどうを見てやる。しかも町村その他におきましても、融資と違いまして、年々その利子等を払わなければならないという制度でなしに、分収造林法の出資者という立場に立ちまして金のめんどうを見てやる。しかも造林、維持管理等については十分な指導監督の権限等を持つという形を考えなければいかぬというふうに考えておりまして、その点からいたしますと、いわゆる県とかいうものを通じてやっていくということは非常に不適当だ、やはり国の機関である公団のようなものが最も適当ではないかというふうに考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 森林開発公団以外には、零細化した官行造林事業をやる方法は思いつきませんか。どうしても森林開発公団でなければいけませんか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 新しい機構でも作ればまた別でありますが、やはり国の機関というふうなものがやることが最もいいという見地に立ちますと、現存する公団というものを利用するということが最もいいように思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 森林開発公団が当面の目的として始めました熊野地区の林道開設の仕事、これはいつ完了するのですか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 これはこの委員会にも資料として提出いたしておりますが、昭和三十五年度をもちまして、熊野、剣山両地区については、開設の事業を終わる計画になっております。現在森林開発公団は、この熊野、剣山両地区の事業のほかに、地域主義でなくて、いわゆる路線主義という観点に立ちまして、大きな路線の林道開設を考えるべきであるという観点に立ちまして、現在林道行政の上で最も盲点と申しますか、計画的に実行しにくい形になっております国有林と民有林が一つの流域にそれぞれ存在いたしまして、民有林は補助事業として開設する、国有林は国の事業計画に従って林道開設をやるというふうな従来の建前に立ちますと、なかなか一本の林道としての路線が計画的に開設されないというものが全国に四十数路線あるように考えます。これの開発を公団が一元的にやるということを考えたらいいじゃないかというので、これの法律改正を行ないまして、いわゆる関連林道という名で呼んでおりますが、これの開設を全国的な地域においてやるということで三十四年度から開始いたしておるのであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 森林開発公団を作るときは、この公団の目的などはかなり厳重に討議をして決定したはずなんです。この公団法を改正しなければできないような仕事をあえてさせるというのが、今度の官行造林の委託ですね。今の公団法ではできないでしょう。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 先ほど説明いたしました辺り、森林開発公団法のできました当時は、熊野、剣山両地区の開発をやるということに地域も限定いたしております。次の改正にあたりまして、全国的な規模に立ちまして、先ほど申しましたような関連林道の開設ができるという改正をやりまして、現在に及んでおるわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 林道の開発はそれでいいのですが、造林事業はどうですか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 造林事業につきましても、この法律改正は国会における御決議を経なければできないということになっております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 今度はこの法律改正をやろうというのでしょう。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 その通りであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 なぜ一体森林開発公団は法律改正をしてまでもやらなければならないのですか。ほんとうに官行造林が今のままでうまくいかないならば、林野庁自体として、公共性のある事業ですから、林野庁の仕事のワク内でやった方がいいのではないか。公共性のある仕事ですから、公共事業費から金をとっておる仕事なんです。それをわざわざ仕事がなくなった森林開発公団に移さなければならないという理由がどうしてもわからないのです。第一、森林開発公団の事業内容というものをはっきりつかんでおられますか。年度別の出資金はどうなっておりますか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 森林開発公団の今お話がありました出資金というものは、今までは森林開発公団にはないのでありまして、借入金だけであるという出発をいたしておるのであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 賦課金などの徴収状況はどうですか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 賦課金につきましては、昭和三十四年度までに賦課金とし調定済額が三億二、三千万円だと考えておりますが、最近までにこのうちで未納となっておりますものが、約一千万円という程度であるように考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 未納の理由はどういう理由なんですか。未納の数字は少し違いませんか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 これはこの分科会に提出しております資料の十ページのところに計がありますが、三十四年度末までの調定済額が三億四千六百万円、それから年度内の収納済額が三億二千五百八十万円、それからこの未納額のうちで、三十六年の二月二十日までに納まりましたものが八百十七万円、差引収納未済として残っておりますものが一千百九十万円、こういうことになっております。その理由といたしましては、ここにありますように、納入義務者の資金の都合で、今山を売りにかかっているから少し待ってくれ、対象山林が所有権について第三者と係争が起こったから、その解決まで待ってもらいたいというもの、あるいは賦課の対象山林が共有林でありまして、今分割の手続を進めておるので、終了まで待ってもらいたいというもの、あるいは賦課対象山林の所有者に相続の問題が起こりまして、相続の関係があるから待ってもらいたいというふうなものでありまして、またこの賦課金の徴収につきましては、国税徴収法の例によって徴収できるという規定もありますし、また大きい山持ちに対しましては、山林を担保にとるというふうな制度もやっておりますので、大体徴収はできるものだというふうに考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 この表はいつの表なんですか。だいぶこのあとで取ったのがあると言っておりますが、締めたのはいつですか。これによりますと、収納未済額はまだ二千十万ございますね。三億四千五百九十六万のうちの二千万というと、小さいようだけれどもやはり大きい。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 収納済額といいますのは、この三十四年の年度末現在におけるものを計上いたしておるわけでありまして、収納未済額というのは、三十四年度末における収納未済額というふうに御了解願いたいと思います。ただこの調定は、調定いたしまして約六カ月くらいの納期を設定してやっているわけでありまして、その路線でずっと引き続きと言いますか、時期をきめないで、その林道に対する工事が終わりまして賦課が決定したときからやるわけでありまして、その年度の初めとかまん中とかいう形で賦課するということになっておりませんので、年度末で締め切ると、こんな格好になるというふうに御了解願いたいと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 あの地区は私有林が非常に多いのですが、この私有林と公有林のパーセンテージは出ておりますか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 私有林と公有林のパーセントは、実は手元に持っておりませんが、探してお知らせいたしたいと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 特にあそこには非常に大きな山林地主があったはずなのです。これはどうです。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 たしか熊野地区の中にも、和歌山等の方面に大きい所有者があったように考えております。浦木さんというような名前だと思っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 あの地区における北村又左工門氏の所有地はどれくらいありますか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 北村又左工門さんの所有地は、この林道の計画区域内にはそう大きいものはないように考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 この未納者は零細な人の未納が多いですか、大きい人の未納が多いですか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 これに差引収納未済額といたしまして千二百万円ばかり残っておりますが、この件数が三百八十二件ということになっておりますので、一件当たり四万円に満たない、三万一、二千円のものかと思いますが、大体中ぐらいのところじゃなかろうかと考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 私は官行造林が零細化してきたので、そのために森林開発公団に移すというのですから、特にこの点を重要視したいのです。やはり零細な、あるいは中ぐらいの山林所有者が、林道を作るくらいでこれくらいの未納を三百件も残してくるということになってくれば、はたして零細な官行造林のかわりの仕事をやるのに、この森林開発公団の構想と機構でやり得るものかどうか、非常に疑問を持つ。特に法律改正までやって百行造林を移すとすれば、国会の責任においてその点は明らかにしておく必要があるので、これは人名は要りませんから、一応こういう事業経理の内容について、もっと詳しいものを資料としてお出しを願いたいと私は思う。特に零細者の立場から見たものを一つ出してもらいたい。  それからさらに路線別の受益者負担の額はわかっておりますか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 先ほどお話のありました資料は、この未納者の個人別名前という意味でありましょうか。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 個人別の名前は要りません。階層別でよろしいです。大体あなたの方の書類別に従ってかまいません。一体どのくらいの森林所有者が未納しているかということです。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 この地域におきまして、どれだけ持っておるかという点はわかると思いますが、その所有者が他の地域等においてどれだけ持っておるというような点は、ちょっと調査困難かと思いますが、この地域におきますものはできるだけ詳細に調べまして、提出いたしたいと存じます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 路線別の受益者負担も同様でよろしいですか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 路線別の受益者の個人的内訳というものも、もちろん精細にわかっておるわけでありますから、そういうものも調査いたしまして、提出いたしたいと存じます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 私は森林開発公団を作るときに、いろいろな討論に参加をした責任も感じ議すし、同時にこの森林開発公団の最近の実態というのを知り得るような資料が配付されておりません。これだけではちょっとわからない。たとえば路線別の利用料の徴収状況はどうなっておりますか。林道復旧補修管理費などの使用状況はどうなっておるか。ちょっとこの資料を見ましたけれども出てこない。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 路線別のものはこれに計上はいたしてございませんが、トータルを計上いたしておりますので、そういう点も資料として提出いたしたいと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 さらに公団の「林道開設地区における森林伐採の実態に関する調査」というのが熊野地区に関しまして三十五年の七月に水利科学研究所から出ておりますが、長官、ごらんになっておりますか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 それもありますし、剣山地区のものもたしかあると思いますけれども、両者の話は開いております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 これは公団の方から提出してもらえましょうか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 資料として公団に残部のあります限度は提出いたしたいと存じます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 もう一つ、「熊野川及び剣山における林道開発による経済効果の調査」というのが三十四年の六月に森林開発公団から出されております。これも一つ提出していただくように、御配慮願いたいと思います。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 両方提出いたします。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 一体森林開発公団は、官行造林を移された場合に、今の機構そのままでやれましょうか。機構改革の点はどうなりますか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 この点は提出いたしました資料の一番最後の十二ページに載っておるのでございます。三十五年度の現在、三十六年度どういうふうにやるかというのを提出いたしておりまして、これがいわゆる正式職員というものを対象にした機構であります。このほかにこの契約その他のいろいろな関係を考えまして、児の造林等を担当いたします職員は、一県二名、多いところは三名程度嘱託としまして契約促進をはかるということをあわせて考えていきたいと思っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 その資料というのはこれですか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 これはこの分科会から要求されて新たに提出したものでありまして、その前に提出した資料の十二ページに載っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 機構は変わりましても、実際に仕事をするのは相当多くの労務者が必要とされるのでありますが、公団と労務者の関係は、今の林野庁がとっております方法と同じでよろしいのですか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 造林の仕事につきましては、たとえば市町村が造林いたします場合は、われわれといたしましては、市町村の責任において直営で仕事をしていただくということを予定しておるのであります。人につきましては、昨日も御説明いたしましたように、常用労務者あるいは定期、月雇いというふうないわゆる作業員につきましては、国有林といたしましても、国有林自体の造林という仕事、面積の拡大あるいは造林の仕事、手入れ、本数の増加とかいう質的な増大、こういう面からむしろ国有林として不足がちだというふうな現状にもなって参っておりますので、従来国有林が雇用しておりました労務者につきましては、公団に百行造林を移しましても、作業員は国有林自体で使っていくということを考えていきたいと思っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 末端における作業員、労務者が実態において変わらないのであれば、公団にはこの仕事ができて林野庁ではできないというのは、機構の問題じゃないですか。実際実務に携わる作業員は末端において変わらない。公団としてはできるが林野庁としてはできない、この理由が私にはどうしてものみ込めない。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 国自体でこれをやるということにいたしますと、やはり大ぜいの仕事の関係でありますので、日雇い労務とかあるいは月雇い労務というようなものの雇用の募集といいますか、そういう面まで営林局署の職員たちが責任を持ってやるということ、賃金の支払い、あとの維持管理につきましてのこまごました技術の仕事、いろいろなものがあるわけでありますが、そういうものを営林局署の直接の責任においてやるという形になるわけでありまして、その点は非常に大きい差が出てくるというふうに考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 そこに長官ちょっと逃げる形があるのじゃないですか。これまでもしばしば予算委員会で問題になりましたが、今定員外の職員というのは、農林省関係が一番多い。特に林野庁は多いのです。末端の作業員というのは、ほとんど定員化されていないでしょう。この点はどうですか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 林野庁の末端の職員と申しますのは、どういうことかはっきりわからないのでありますが、林野庁といたしまして、いわゆる定員化の問題は、常勤労務者並びにわれわれの方では三十七条の適用者といっておりますが、こういう常用の作業員、これは約一万ばかりおります。常勤労務者四千人ばかりおるわけであります。これらに対しましては、三十六年度の予算におきまして、両者を集めて一万三百かの定員化を行ないたいと考えておりますし、残りましたものにつきましては、大蔵省、行政管理庁、林野庁の三者で三十六年度中に早期に現実の調査を行ないまして、定員化もしようという話し合いになって、この計画でおるのであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 山林労務者というのは入会権の問題にもからみ、また山の利用の面からも考えまして、特に農閑期における山村の農民を非常に安い賃金で使ってきた歴史的な一つの事実がある。この古い労務管理の形が現在まだ解消されていないということは、長官御承知の通りなんです。これは大体国有林や公有林の労務者の方はむしろいいのですが、地元の私有林の労務者は、農閑期にかり出されて、雇用人夫としてやるという形がまだなかなか抜け切れない。これは正直に言って長官自体も困っておることだろうと思うのです。これを近代化するためにはかなり苦しい事情もあるし、予算の関係もあるだろうし、ただこれを近代的な労務管理に移そうとしないままに森林開発公団に移した場合に、こうした森林労務者の近代的な管理方法が森林開発公団というまあ特別会計でもない、何か公団法によって規定された、民間みたいな、国の機関みたいな形ではなかなか達成できまいと思うのです。これは答申案に盛られました森林労務者に対する態度とはかなり行き違った方向に出ていくと思うのですが、その点の配慮はどうですか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 先ほど申し上げましたように、国有林で従来雇用して働いていたいわゆる常用労務者、定期労務者、日雇い等はともかくといたしまして、四カ月とか六カ月とかという期間で固定して日雇いとして働いてもらったというふうな人々に対しましては、国有林としても前と違わない形態で、やはり国有自体が雇用していくという原則に立っておるわけでありまして、今後公団に官行造林という仕事が移ったといたしました場合には、そういう人々でない一般の雇用増という形で市町村等が造林を責任を持って行なうという形になるわけであります。労務者の待遇に対しましては、国有林といたしましても、いろいろな御批判があるかと思いますが、一般の民間林業の賃金等よりも、賃金自体におきまして、また退職金の制度あるいは失業保険の制度とかいうふうなものが相当よく行なわれておりまして、われわれとしましては、一般林業の労務者よりもより悪くはないというふうに考えておりますが、もちろんそれでいいというものではないと考えております。また、この場合に市町村等がみずから造林をやるといたしますと、やはり一般の民間が造林をやるのと違いまして、失業保険というようなものの対象にはなるわけでありますが、そういう点も十分考えまして、われわれとしても、移行後におきましても、現地指導、そういうものは十分強化してやっていきたいというふうに考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 定員外の日給作業員というのは、現在林野庁ではどのくらいありますか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 定員外の労務者と申しますのは、先ほど申し上げました三十六年度から定員化するという者も、一応現在の時点では含めて考えておるのであります。三十四年の一月一日現在におきましては、常用労務者、日雇い労務者まで集めまして五万六百六十二名、最盛期であります三十四年の八月一日現在におきましては、二十万二千名、こういうことになっております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 この定員外の日給作業員というのは、ここ二、三年賃金はストップしていますね。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 この一般労務者の賃金につきましては、たしか三十四年度は調停等におきましてもストップという形になっておりますが、三十五年度、三十三年度等におきましては、値上げをしておるという形になっております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 いずれにしても、定員内の作業員やあるいは職員などに比べまして、定員外の作業員はどうしても待遇が落ちるのはやむを得ないと思うのです。そこに一月も早く定員化してくれという動きもあるようですが、五万、六万、あるいは二十万という定員外の作業員を林野庁は定員化する見通しはどうですか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 今申し上げました三十四年の八月一日現在におきます二十万という労務者の内訳を見てみますと、常用的な労務者が一万八千、定期の労務者が二万六千、月雇いが三万五千、日雇いが十二万というような形になっておるのでありまして、これらが全部定員化するということには、性格的にもならないように思いますし、われわれといたしましては、この常用労務者の中で約一万というようなものを定員化しなければいかぬということを考えまして、三十六年度中にこれを解決したいというふうに考えておるわけであります。自余の者に対しましては、われわれといたしましても、これを現在の労務事情からいたしまして、国有林の仕事というものも、造林等も含めまして、コストの問題は第二といたしまして、機械化するということ、そういうものに伴いまして、同定化と申しますか、雇用の長期化というような点も考えまして、今後労務問題に対処しなければいかぬ。それを三十六、七年度におきまして、事業量の増加と関連して一つ計画的にやっていきたいというふうに考えておる次第であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 私は毎年長官とその点についていろいろ意見を戦わしますけれども、常用化したいというのが、大体最近の農村における労働者の悲願なんです。ただ、常用してもらうためには、仕事もなくなるし、しょうがないから、頼んでもらえるだけは頼んでもらおうという気持が、かなり潜在失業的な農村労働者の中にはあるようであります。今度は仕事が非常にふえる可能性を持ってきたのですから、森林開発公団なんか入れないで、林野庁自体が造林を拡大していったら、その定員化の悩みなんかもなくなるのじゃないか。あるいは非常用であった者が常用になるとか、随時繰り上がっていくような可能性も出てきて、そして近代的な労務管理ができるということは、これは林業に対する答申に表われた精神じゃないでしょうか。末端の仕事が同じ形をとっておって、わざわざ森林開発公団を入れて町村あたりをまた動かして、そこで同じ労働者を使って造林させるというのは、これは地元の仕事の都合よりは、これを管理する官庁の都合によりまして移管をやるのだというふうにしかとれないのですが、その点をもう少しはっきりわかるように御説明願いたいと思います。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 国有林の仕事というもの、今後造林事業等も増加するわけでありまして、三十六年度におきましては、面積だけの面を考えましても、全体、国有林としては約一割程度の造林新植面積の増加を計画しているわけであります。それと、三十六、七の両年度におきまして、植付本数を増加するとか、あるいは手入れの回数をふやすというようなことをいたしまして、造林成績の向上をはからなければいかぬというふうに考えておるのでありまして、こういう面におきます国有林の雇用量の増加、それから雇用というものを安定化すると申しますか、そういう方向に国有林自体としても強力に進んでいかなければいかぬというふうに考えているわけであります。従いまして、この官庁造林等に従来関係しておりました労務者にしましても、国有林本来の仕事の方にこういう者を計画的に織り込んで、今言ったような点で進んでいかなければいかぬというふうに考えているわけでありまして、零細化され、分散化されて、あちこち奥地に比較的国有林の所在と縁の薄い、そういう方面に点在いたします水源林造林というものを国でやるといたしましても、そういう点がなかなか困難というふうな見地に立って考えているわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 この非常に大きな組織と経験と才能を集めております林野庁自体が困難とされている仕事が、森林開発公団にはどうしても困難じゃないのですか。困難なのはやはり同じじゃないですか。特に私劈頭申し上げました通り、官行造林というものは、公共的性格を持っているのです。非常に地元に関係の深い公共的な性格を持った事業です。これを仕事が困難だからといって投げ出すようでは、これはやはり林野行政の上からいってもおもしろくない。むしろ困難であればあるほど公共的な性格を強くして、国がバック・アップしてやるべきだとおもいますが、どうして一体林野庁にできない仕事が森林開発公団でできるのですか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 お話の点、公団ができると申し上げますのは、公団のやります仕事は、分収造林特別措置法に言います出資者という立場に立ちまして、指導とか監督をあわせてやるというのが公団の仕事でありまして、造林の具体的な仕事、実行の問題あるいは防火線の器具とか害虫駆除をやるとかいうふうな維持管理面の仕事、そういうものはあげて地元の森林所有者、市町村でありますれば地元の市町村というふうなものがやるという形態になるわけでありますから、一般の民有林の造林事業というふうなものと考えあわせてみますと、この零細な分散化されたものをやるというのには、今お話のような形態が最も適しておるというふうに考えておるわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 なおさら私は不安なんです。これは公共的な性格を持ち、治山、治水の面からも非常に重要な仕事であるがゆえに、各地方々々で事情を異にする市町村などにはまかせないで、国がやってきたのが官行造林の今までの特色でしょう。いかに森林開発公団が有能で、そして衆知を集めているかは知りませんけれども、私がこの実態を見た場合に、形を変えた林野庁じゃないですか。この中に入っている幹部のメンバーを見てごらんなさい。これは森林開発公団だけじゃなくて、各官庁の外郭団体というものに対してこの際一つ考えなければならぬと私は思う。これは私は特に農林大臣にも御注意を促しておきたい。この森林開発公団の表が出されておりますけれども、これをごらんになるとわかりますが、前歴は、理事長が日本中央競馬会の理事です。それから総務部長兼務の理事は高知の営林局長です。業務部長を兼務しております理事は大阪営林局長です。監事は農林省の畜産局長、職員、総務課長は欠員ですが、総務部長の事務取扱中、こうなっております。それから経理課長は林野庁の林政部林政課厚生室長、業務課長が福島県林務監、支所は、奈良署の支所長が奈良県林務部林業施設課長、総務課長は奈良県経済部農政食糧課長、業務課長は和歌山県林業試験場長、それから徳島支所は支所長が徳島県林務部林業経営課長、総務課長が徳島県総務部人事課、業務課長が高知営林局事業部土木課長。これは林野庁が出された資料ですから、長官、間違いないでしょうな。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 その資料はもちろん間違いありません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 こういうメンバーでやりますと、才能でも技術でもとても現職の林野庁の職員には及ぶまいと私は思う。一応退職した人が幹部陣を占めておいて、そうして林野庁ができない仕事をわれわれがやりますということは、私はどうしても信用できない。どうですか、これは大臣にぜひ一つ聞いていただきたいのですが、大蔵省の古手官僚は銀行へ入ります。銀行監督官をした者は特に銀行へ入ります。農林省の官僚もその通りでしょう。みんな現職中に縁故のある団体にもぐり込んでいるのです。これはどこの汚職問題を扱いましても、銀行なんかの汚職問題に関連しては、大蔵省のかつての銀行監督官が暗躍しておるのがはっきりしているのです。福岡県のあの事件を見てもはっきりしているのです。明らかに官庁の綱紀が弛緩している一つの原因になる。みんなそうでしょう。林野庁でもやめた人が材木屋の番頭さんをしている人がたくさんいるでしょう。こういう形の森林開発公団が、全国でやらなければならぬ官行造林という、公益性を持ち非常に大きな治山治水のかぎを握っております仕事を、端的に移管するという構想は、私は根本的に間違いだと思うのですが、この点はどうですか。同じ陣容みたいなものでしょう、外郭団体でしょう。ただ官庁にいるよりは国会の目も届かないだろうし、やり得るという形になってしまうのじゃないですか。これが中に入って監督して指導してやるのは、町村の森林組合か何か知らないけれども、今まで営林署あたりで働いていた人たち、こうなれば、森林開発公団というのは、中に一枚入っただけで、末端とその上の指導はほとんど変わっていないという形になってしまうのです。むだじゃないですか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 現在の市町村等の行なっております造林事業というものを見て参りますと、昭和の三十年前後におきましては、大体市町村独自で行ないます造林、これは補助造林が全部であります。これは二万町歩前後をやって参ったのであります。昭和三十四年度から農林漁業金融公庫を通ずる長期据置の造林融資を町村にも出してやろうというような制度を設けまして、町村における造林の振興というものが大きく進展いたしまして、三十六年度には、当時の約倍程度のものが造林事業としてやられるというふうにして伸びて参っておるのでありまして、こういう線を今後さらに強化して参りますと、町村におきます拡大造林等も大体所期の計画に従って進んでいく。特に一般里山あるいは経済林につきましては、計画通り進んでいくんじゃないかというふうに見られるのでありまして、さらに三十六年度からは、資料にも提出いたしました通り、既往の官行造林による収入というものも相当多額に上ってくるわけでありまして、その跡地の造林というものは、町村みずからやっていただくというようなことにもなるわけであります。町村におきます造林の能力というものは、かつて官行造林が始まり、あるいは続けてきた過程におけるものとは非常に大きな差があるというふうに私たちは見ておるのであります。造林の仕事は市町村で十分にやり得るというふうに考えておるのであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 造林事業の契約の主体になるのは森林公団ですか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 森林開発公団が分収造林措置法による出資者と申しますか、あるいはその契約の途上等におきまして造林者が能力を失ったというふうな場合には、みずからも造林者になるというふうな形で契約の当事者になるわけでありまして、一方は土地所有者が契約の当事者になるという形になるわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 仕事は一種の請負形態でやられるわけですか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 民間で行なっております造林事業を見てみますと、新植等の事業が、請負というような形態でやられておるのはほとんどないと考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 森林開発公団自体がそれでは植林をするのですか、市町村に委託をするのですか、請負させるのですか、契約をするのですか、どっちですか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 森林開発公団が出資者となる場合におきましては、その造林の責任者は市町村であるわけであります。(三浦分科員「主体は市町村でしょう」と呼ぶ)造林の責任者はもちろん市町村であります。市町村自体が造林を主体となってやるということになるわけであります。

三浦一雄自由民主党

○三浦分科員 今の御答弁を聞いていると、非常にミス・リードしている点があると思うのです。私は一、二点ごく簡単にやりますが、今度のを官行造林と言うから、第一間違いが起きるのです。実態はこれは国と市町村の分収ということでやる。この分収の造林を今度に森林公団を主として、市町村、その他にもありますけれども、それと契約によって分収造林をやる、こういうことですね。従って、造林の主体は市町村その他の造林者にあると私は理解しているのですが、その点はいかがですか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 仰せの通りであります。

三浦一雄自由民主党

○三浦分科員 同時に、大正の初めに官行造林を創始した場合には、御承知の通り、町村有の管理区分もできて、おらぬ、それから従来旧藩時代からあった入会慣行等も整備されておらぬ、同時にまた市町村の森林経営の財政の力もなかったが、今日では官行造林によって相当巨大な森林収入も得られておる、さらにまた融資造林の道も開かれてきている、それから同時に町村の森林経営に関する技術的な経営的な経験も積んでおる。こういう客観情勢でございますから、市町村その他の造林者に造林を奨励し、これを勧奨してやらせるという実体を備えておると私は現在了解しているのですが、その点はいかように考えておりますか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 先生のお話の通り考えておるわけでありまして、先ほど申し上げました通り、市町村の造林能力と申しますか、そういうものはもう非常に増大しておるというふうに考えておる次第であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 今のお話を聞いていますと、私はますます不安を大きくするのです。もう官行造林の必要はないというお話のようなんですね。市町村自体が造林する能力があるし、力がついてきた、だからこの辺で一つもうやろうという形に見える。ところが逆に、官行造林であったればこそ市町村があれだけの力を入れてやったということも見のがしてはいけないと思うのです。この廃止によって各市町村が困るといって非常な反対の気勢を上げております。それからもう一つは、出資者になるならば、森林開発公団を経なくても、幾らも出資の方法はあるでしょう。森林開発公団に出資するかわりに、直接やったらいいじゃないですか。こういう膨大な機関を設けたら、無用の出費が高まります。私も川俣委員があと質問しますし、もう私の時間も経過しているからやめますけれども、参考のために申し上げますが、理事長の本俸は十七万円ですよ。それから理事は十二万五千円、期末の勤勉手当の年額は理事長は四十九万三千円、理事が三十六万二千五百円、これは長官よりもいいんじゃないですか。かつて林野庁におった人たちあるいは営林局におった人たちが退職したあとの穴を町村主体の造林の上に求めている形に見えて僕はしようがない。そうでなければ幸いです。この機構を大きくして、今度全国の町村造林を監督し指導するなら、林野庁がじかにやったらよろしい。わざわざ林野庁の下に監督、出資機関を設けるという森林開発公団に対する官行造林の移管ということは、これは慎重に考えなければならないことだと思いまするが、私また農林委員会等で機会がございましたら法案についての質問もいたしますが、この際長官にも農林大臣にもただいままでの質疑応答の間から十分なるお考えを願いたいと思うのですが、長官、いかがですか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 先ほど申し上げましたように、町村におきます造林能力はもちろん非常に増大しておるわけであります。こういう地帯におきまして、町村が主体になって造林するという能力はもちろんあるわけでありますが、それに必要な金というものを補助金でやるというようなことが非常に困難だし、また融資をやるにいたしましても、一般の里山の経済林というようなものに融資によって金を投ずるということも非常に困難で、町村にすれば、自己の責任において融資造林をやるといたしますならば、やはり里山等の経済性の高いところをやるということになるわけでありまして、町村等がその森林地帯の未林牧地、散生地等に造林をするといたしますれば、やはり国からなり、国の機関から出資という形を仰ぐということが最も必要だというふうにわれわれは考えるわけであります。それで費用負担者という考えをここに入れたのでありますが、そうすれば国自体が個個のものに出資したりするという問題がもちろん考えられぬことはないわけでありますが、国が直接個々の零細な所有者に出資いたしますと、分収造林特別措置法によりますと、それによって成立した森林というものに対する共有権もやはり国が持つわけでありますから、そういうものの維持管理その他についてもやはり国自体が責任を負わなければいかぬというような問題がそこへ出てくるわけでありまして、こういう零細なものに国が直接出資し、しかも共有権等を持ってこれの維持管理を国自体が責任を持ってやっていくというようなことは、やはり不適当だという考え方に立っておるのであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 最後に農林大臣に一つ伺っておきますが、今お聞きの通り、おそらく農林大臣自体も新しくお気づきになったことがたくさんあると思います。こさいにはこの内容にタッチしておらなかったかと思いますが、この問題については、官行造林という一つの公共的な性格を持った事業でもあり、森林開発公団の実体についてはいろいろとまだまだ考慮すべきものがあります。よしんば林野庁が、今までの官行造林についていろいろな隘路があっても、急いでこれを森林開発公団に移管しなければならぬという理由は絶対ないと思いますので、この点につきましてなお慎重に御考慮願いたいと思いますが、農林大臣どうですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 いろいろと御意見はよく拝聴しておりまして、淡谷さんの御意見非常に敬聴いたしますが、ただ、だんだんと国有林といいますか、林野庁の仕事も大きくなって参ります。   〔赤澤主査代理退席、主査着席〕 そこにある分野を設けつつ、しかも民間に移行さしていくということは、むしろ実が入って仕事をやっていけるんじゃないか。林野庁の職員を増加してやるのも一つの方法でありますが、これはこれとして増加していく、林野庁の仕事ということをさらにしっかり考えてやる、同時に一部分民間に移した仕事に対して国の意図するところを民間をしてやらせる、しかも地方の市町村等にその責任をある程度負わせつつ、金については国がめんどうを見ていくというような事柄も一つの方法ではないかと私は考えております。  なお、森林開発公団につきましては、御趣旨の点で、人間が多過ぎてむだな経費が使われていくとすれば、これはよく考えていかなければならぬと思いますが、御趣旨の点をよく拝聴しておりますから、研究はいたしたいと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 私の質問は終わります。

三浦一雄自由民主党

○三浦主査 川俣清音君。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 今いろいろな議論があったのですが、官行造林について十分な理解をしたいと思うので、お尋ねしたいと思います。少し根本論になるかもしれませんが、国有林野事業というものがなぜ必要なのであるか。その使命はどこにあるのだということを、先に大臣に一つお尋ねしたいのであります。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 私は、林野行政としての根本をお尋ねと思いますが、これはあくまで一面におきましては、山というものの公共性を見、治山治水上山の資源を保続しつつ、治水に対する処置を誤らぬようにすると同時に、経済的に見ると必要とする木材資源の涵養と適切なる木材の供給に関して、計画的にこれをやっていくということであると思います。なかんずく、これらの仕事は、できたものを切ることはかなり楽でありますが、植えて経済価値を高めるためには、年限がかかるというものに対して、多分にもうからぬといいますか、もうけがおそい、金の回りがおそい。こういう問題につきましては、国がその点は考えつつ指導し、補助していく必要があろうと思います。ここに国有林といいますか、林野行政の根本があると思います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 では、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。林政というものはその重要な役割を果たしておる。国有林野事業は、国土保全のための治山治水等の公益的な仕事をする面が一つと、それから木材の需給価格の安定等の役割を果たすことが一つ、及び民有林の育成指導をすることが一つ、大きな柱が三本だ、こう理解してよろしいでしょうか。——そこでお尋ねするのですが、公益性については、いずれまたあとで問題になるでしょうが、最近治山治水の問題はずいぶんやかましくなって参りましたし、水資源の問題もだいぶやかましくなって参りましたから、その役割を果たさなければならない一面において、また事業をもやっていかなければならぬのだからして、独立採算的な事業もやらなければならない。そこでただ普通の事業と違って、林野事業というものは、公益性のために多くの仕事をしなければならない面を持っておるであるからして、従って、あまり利益本位にはやれない面があるということを大臣は十分御承知だと思うのです。  もう一つ、同じ事業にいたしましても、最近非常に誤解があるのじゃないかと私はつくづく思うのです。それは国有林の蓄積が非常に多いのだからして、どんどん伐採してはどうだという意見が非常に多い。眼前要望まことにもっともな点があると思うのですけれども、これは私の見解ですが、大臣の御見解が違っておれば、一つ反駁してほしいと思いますが、国有林野が大きな蓄積を持っておって、いつでも切り出せる、供給に応じられるという態勢を持っておるために、間接的な価格統制をしておるところに林野事業の非常に大きな価値がある、私はそう見ている。大きな蓄積を持っておるところの林野が、市場価格が相場で上がるような場合には、それを規制するだけの材料を持っておるというところが、大きく木材価格の安定をさしておるゆえんだと私は思うのです。ところが急に切り出してしまってあとが続かないというようなことが起きますと、この威力が発揮できない結果になるのじゃないか。持っているところで威力がある。これを切り出してしまうとあとが続かないということになると、井出さんの方に関係してくるけれども、民有林の山は、大体国有林の方は底がついたということになってくると、光り出さないで、切らないで相場を見ているということになってくるのじゃないか。大体山の蓄積というものを山林業者は見ておりますから、国有林が無理に切り出したというと、底がついたということになると、大きな価格調整の役割を果たすべき林野がそこで破綻をするのじゃないかという憂いを私は持つのですが、大臣はどうでしょうか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 川俣さんの御意見の通り、国有林であればこそ、ただ目先の利益だけで乱伐せずに保続していき、また切れば直ちに国の力でもって植林をしてきたということは、今日民有林に比較して大きな林力を持っておるということでございます。ことに、それあるがために、ただいま御指摘のように、一面には価格の調整の役もしておりましょう。それだけに必要なときには、ある程度供給を増すということも、価格調整と需給調整をするという役目を持つことであると思います。この点は全く同感です。従って、私どもは、国有林は非常に大事なものですから、あまり世の中の価格がどうだからといって急激な伐採ということも別に考えておりませんが、やはり今御指摘のある程度の需給を調整しつつ価格の調整をするという役目があるとすれば、将来に向かっての林力保全に影響のない範囲で、また将来の成長度というものについて特殊に考えておりますが、そういうものと見合った形において、ある程度供給をふやすということも、時に応じて幅を持っていくということが必要だと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 それで大体いいのですが、ただ世間に間接統制の役割を果たしているという認識がやや足りないように思うのです。もしも国が間接統制をするということになりますと、一般経費で非常に大きな調節をしなければならないのに、国有林野事業が事業をしながらこの間接統制をしておるという意義を高く評価しなければならぬじゃないか、こう思いますので、今お尋ねいたしたのです。  次にもう少し具体的な問題に入りたいのですが、今問題になっておりますいわゆる官行造林、これは三浦さんからも御指摘があったのですが、三浦さんは大正九年から三十年までの御行造林のことのようでした。大正九年から三十年までの官行造林の考え方については今皆さんの言われた通りで、私はよろしいと思います。ところが三十一年になりましてから、官行造林の目標を変えたわけです。初めは町村の資産の育成あるいは森林資源の造成というようなことに目的があったのでございますから、町村に経営林的な考え方を推し進めていったのでございますから、これは問題はないと思うのです。ところが三十一年からは経営林的な考え方から官行造林が一歩前進しまして、経済価値のないところで経営難に陥っておるところへ官行造林をしようというふうに新しく治山治水の上から水源涵養、保全の上から、一歩踏み出したわけです。これは一つは、公益性を強調しようというところで踏み出したものだと思うのです。従って、官行造林の中には二つあると思うのです。経営林的な、いわゆる森林経営を育成していこうという考え方と、公益性を強調しようという考え方と二つの役目を持ってきたと思うのです。そこで、治山治水にも関係して参りますが、こういう水源百行林地帯については、これは保安林の部類にも入りましょうし、保安林の指定のあるなしにかかわらず、広義の保安林的な使命を持っておるようなところは、これは経営林としては成り立たないというのが本則だと思うのです。というのは、一方は公益的な強要があるわけです。たとえば土地などでも山腹砂防のためには、どんな小さい面積を持っておりましても、全部つぶれるようなところでも、砂防工事をしなければならないために、自分の持っている面積を全部出さなければならないというところがあります。砂防の恩恵は何もなくて、ただ土地を取られるだけになるわけです。そういうところもあるわけでございますから、従って、公益的な立場で考えていかなければならない造林である。従って、経営的な考え方よりも、経営を制約される場所にあるものがあるわけです。経営を制約されるような場所には、これは融資造林にいたしましてもあるいは出資造林にいたしましても、特に公団などはやはり何と言いましても、林野庁よりも事業団としての経営を考えていかなければなりませんでしょうし、また事業団と結んだ土地の所有者は、やはり事業経営が成り立つような考え方でなければ融資が受けられないということになっておる。事業として成り立たせるのが本来なのか、公益性を強調するのが本来なのか、という分かれ道に今来ているのじゃないか。水源培養だとかあるいは涵養だとかいうところに重点を置いてくると、経営林的でなくて、むしろ治山上あるいは国土保全の役割を果たさなければならない地帯と、経営林的な役割をする地帯とあるだろうと思う。その水源培養林的なものについては、保安林となっていようといまいと、大きく公益性の制約があって、経営を制約されるであろう。そういうところに出資をするというようなことは非常に困難ではないか。零細な所有者に出資するには、林野庁としては非常にやりにくい、こういうことでしょうけれども、これは出資の考え方ではなくて、やはり保安林的に買い上げていくとか、経営が成り立たないから国で一つ経営してやろうというふうに、むしろそちらにいくのが、治山治水の基本として考えられる方が、妥当ではないかというふうに感じるのですが、この点どうでしょうか。

山崎齋林野庁長官

○山崎政府委員 お説の通り、森林、特に水源林に対しましては、経済性がゼロというわけではなくて、経済性が低いわけでございますから、公益性が強いということになるわけでございます。従いまして、保安林整備臨時措置法等におきましては、重要な地域は国で民有林でも買い上げまして、因みずから管理、経営するのだという制度をしきまして、二十九年から出発して買い上げておるわけでございます。これにいたしましても、国という機構で管理、経営というようなものをやるといたしますと、やはり一定規模がなければ計画的な事業もやれないというふうな点からいたしまして、最小限度の一団地の面積を三百町歩という線で買い上げて、国自体がやるということにしてきているわけであります。一方また、そういうところでないところに対しましては、国自体がその管理、経営の責任を負うという形をとってないわけでありますので、今後そういう重要な地帯の造林、維持管理等につきましては、融資とかいう方法によって、森林所有者が経済的な負担というものを全部背負うという形でなしに、国ないし国の機関がそこに出資いたしまして、その経営成果を分収という形で分け合っていく。しかもその間に、機関が維持管理等に対して積極的な発言もできるということを考えているわけであります。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 大臣、どうですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 私も、先ほど申し上げましたように、どこもかも官行造林という形でいくのも一つの姿かもしれませんけれども、ただいま長官からお話をいたしましたように、ある場所についてはむしろ地元市町村に主体としてやらせて、これに国が責任を持ち、監督し、金を出資してやらせるということも一つの方法じゃないか。その方が——国の仕事は御承知のようにだんだんふえて参ります。国有林事業、それから民有林についてもやっていくというふうに、やらなければならぬことがふえているときに、分化できる面は一面民間に移して、それが効率を上げなければいかぬのですが、上げるように指導していくのは一つの方法じゃないか、かように思っております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 従来のように、収益を目的にして、資産造成の意味で土地を所有し山を所有しておったようなところには、ああいう融資造林もいいでしょう。分収造林も決してこれは悪いとは言えないと思う。すみやかに森林資源が増大することの方がより好ましいから、それは問題はないわけです。私は、これを二つに切って検討すべきじゃないか。一方、せっかく保安林整備臨時措置法がありまして、今後の治山治水の上から、保安林を買い上げていかなければならないという方向をとっておる。ただ、それが経営上大面積でなければやりにくいということをもって、これは面積が小さくても、やはり治山上からいけば、水源地でありますならば、そこに砂防工事をしなければならぬことも起こってきましょうし、あるいは治山工事をしなければならぬ場所も起こってきましょう。従って、そうなりますというと、伐採制限を加えていかなければならぬし、造林制限も加えていかなければならぬであろう場所も起こってくるだろうと思うのです。そこで、いわゆる収益を目的とした対象に対する——大体これは大臣よく知っておられる通り、私有林の中で、収益を上げたいと思いましても、比較的上げにくい、制約を受けているのがこういう公益性の強いところなんです。公共性の強いところなんです。そこはやはり経営の対象にすることよりも、むしろ国が、最初に私が言ったように、一面治山治水、国土保全という大使命を持っておるのであるからして、そこに手を伸ばしていく。個人のためでなくて、国全体の総合的な意味で、そこには国が手を伸ばしていくということの方が、私は妥当じゃないか、こう思う。ただ、どうもこれは大蔵省などが、水源涵養林までやると言わないというと、なかなか乗ってこないから、私はこれをえさにしたのじゃないか一まあそういうわけじゃないでしょうが、そうは思いますけれども、私は、本来の姿からいって、そういう感じを持つのであります。これは大蔵省などの理解が少ないから、結局こういう変則なことになった、こう思うのですが、やはり本来の姿に立ち返るべきであろう。これは周東さんのときでないとなかなか立ち返らないと思うのです。おだてるわけじゃないですけれども、長年あなたは治山治水に苦労されてきた人ですから、ほかの人よりも痛感しているであろうと思うから私はこのことを申し上げたのです。それで、今の点ですが、防砂工事なんかする場合でも、これは土地の提供をしなければならない。小面積だから提供しないというわけにはいかないのです。小面積の人は、そこのところに砂防工事をされると、自分の土地を全部失わなければならない、何にも利益がない。そういうことも実際にこれから積極的にやらなければならぬのですからね。  次に食糧庁に大豆なたね交付金法についてお尋ねしたいのですが、結論から言うと、大臣、これは少し未熟だと思うのです。問題点が非常に多いと思うのです。検討が不十分じゃないかという感じがするのです。そこで大臣、一番先に基本から一つ伺ってみたいと思うのです。これはなぜ交付金の必要が生じたかというと、「この法律は、外国産大豆の輸入の自由化が国内産の大豆及びなたねの価格に及ぼす影響が大であることにかんがみ、当分の間、国内産の大豆及びなたねについて交付金を交付する措置を講じ、」これは農民の救済の方法としてこういうことを考えられた。この考えられるに至ったのは、外国産大豆の輸入の自由化が、国内産の大豆に非常に大きな影響を与えるからだ、こういうことなんですね。そこで、この考え方は、どうも大臣のほかの施策と合わない点があるのじゃないかと思う。砂糖の自由化は見送りをした、こういうことなんですね。一般国民から言うと、大豆の値段もそうだけれども、砂糖の値段の方をもっと下げてもらいたいというのが、これは抽象的ですけれども大体強い要望だと見てよろしいと思う。ほかの物価が上がるときに、砂糖くらい下げたらどうだということは、俗な言葉だけれどもなかなか大きな力だと思うのです。砂糖の方は自由化はやめるが、大豆だけやるのだということがどうも納得できない。砂糖の方は非常にもうかって超過利潤も出ておる、関税もかけて、そして収入にして交付金に回しても、農林省からいえば、要は結局国内の甘味資源をどうするかという問題でしょう。甘味資源の保護の方法は、できないかと高いますと、関税政策によって十分できる。関税をかけましても、今よりも砂糖の値段が下がるだろう、超過利潤を吐き出させる結果になるだろう、こう思うわけです。大豆の交付金と同じような考え方で砂糖のことをどうして考えなかったのですか。砂糖とこれを区別をつけた理由がはっきりしないのです。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 御意見であります。砂糖につきましては、国内甘味資源の中で、将来を考えて希望をしております精製ブドウ糖なり結晶ブドウ糖の方は遅々として進みません。のみならず、これは製造の方は進んでも需要とぴったりこないのですね。なじんでこないということ、そういう点もあって、そういう際に自由化をして、これは理論的には無制限に入るわけです。しかしあまりこの値が下がっても困るのじゃないかと思いますから、対策はなかなか困難だということでしばらく見送ったのですが、御指摘のように、一般消費者のために砂糖くらいは下げたらいいじゃないか、これは同時に今度あわせ考えます。従来のように、糖価の高い水準をもって輸入のワクを小さくしなくても、ある程度糖価水準を低いところに見て、これは現在ロンドン相場は三、四セントですが、三・四五セントくらいのところを考えての糖価基準というのは高過ぎる、もっと低いところに見て、しかもその範囲に糖価を維持しつつ、輸入量のワクをもっとふやしました。これはもうはっきりしております。これは今後措置をとります。これは検討中でありますから確定はいたしませんが、来年度等においてはある程度外国の輸入市場の問題も考えなければいかぬし、ある程度片寄らない、月別にものを考えて、輸入を考えていくというようなことも考える必要があるのではないか、こういうこともあります。一面そうやってブドウ糖の原料生産の農家を保護し、てん菜の方の育成もはかっていきたい、こういうことで考えておるわけでございます。大豆の方と多少行き方は違っておりますが、国内の大豆をいつまでも自由化しないで割当制にしておいて、品種改良も、いろいろ生産についても努力しにくいという方に置いておくより、刺激をこしらえるといってはおかしいですが、自由化を考えながら、しかも私どもは大豆それ自体の品質の向上と、反当収量が引き上げられるような方向へ指導していくことがまず第一だ。これはあなた御承知の通り、麦とか米とかの品種改良と違って、品種の固定ということをあまり考えなくても、経営方法なり土壌の消毒なり、根瘤バクテリアの問題を考えるとかいうような方面なり、こういうことを考えつつ、品種については優良品種がずいぶんたくさんあるようでございます。そういう方向へ指導しながら反当収量を上げ、あるいは耕作についてもいろいろなまき方なり経営法を合理化して、生産コストを引き下げる問題もある、これらも今度の予算に計上しておりまして、指導しようと思っておりますが、そういう試験上及び経営上の問題を急速に進めていき、そして早く競争作物としての地位を上げさせよう、こういう考えであります。ただしかしそれには多少時間もかかりましょうが、その間において市場における取引価格と内地産大豆の価格の差というものは、やはり差損にならぬように交付金で補助していこう。同じく搾油原料としての影響を受けるであろう菜種の問題についても、同様な措置をとっていったらいいのじゃなかろうか、こう考えたのです。御指摘のように関税でもうんと高くして、砂糖の方の関係からの収入を全部目的税的に、甘味資源の育成に充てたらどうかというのも、私は一つのお説だと思って拝聴しておりますが、まあ今日の場合はむしろただいま申し上げたような形で砂糖に対しては臨んだ方がいいのじゃないかということで、自由化を延ばした方がいいのではないかと思っておるのであります。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 どうも農林議員が甘味資源保全に事を寄せて、ただ対策なしに自由化に反対しておるというような誤解が——とにかく大臣が首を振っても世間がそう思っているのだから、世間の大きな風潮というものは、何人かかってこれを防ごうと思っても防ぎ切れないと思うのです。甘味資源というけれども、大臣も言われる通り、てん菜糖とブドウ糖、これを分けて対策を講ずべきだと思うのです。ことにブドウ糖についてはなじみが少ないわけです。てん菜糖も一般の砂糖よりなじみが少ないですが、それよりブドウ糖はなお少ない。私はブドウ糖の利用は、もっともっとなじみを深くさせると合時に、利用の方法を農林省がほんとうに真剣に研究すべきだと思うのですよ。それこそ自由化を防ぐことだけを考えないで、やはり思い切った施策をする必要がある。たとえば肥料などについては必要性からして十四億の融資をするというように、やはり日本の産業のためにブドウ糖などについてのもっと改良と、今かなりよく進歩してきましたから、もう一段の進歩をさせてこれを活用する道はないとは言えないと思うのです。むしろブドウ糖の甘味は少ないとは言いながら、その価値を認めさせるならば、需要は決して少ないものではなくして、もっと急激に増大するであろうと思う。やはり農林省が、麦にいたしましても大麦にしても裸麦にしても、作ったものをああ困ったというような顔つきをしないで、やはり大麦にしてももっと利用度を高めていくような、日本の国民が米だけに依存してきたのであるけれども、やはり大麦についてもなじませるような食べ方を指導していくことがこれからの農林省の使命だと私は思う。ただお百姓さんを相手にするのが一番やさしいという方法だけをとらないで、これは大ぜいに抗することになるかもしらぬけれども、先を見て、こうした需要の消費面を開拓していくという役割を農林省はしなければならぬのじゃないか。今まで作る役目だったけれども、構造改革をやるというのですから、やはり消費面の開拓も——今まで消費面の開拓については農林省はほんとうはルーズであった。その点では少し温室的であった。もっとしっかりしなければならなかった。そういう点しっかりしないで、便宜的に砂糖のような一ほかのものはなるべく自由化を押えた方がいいと思うのですけれども、いろいろな物価が高くなっているときに、砂糖は国民全体が消費する一番普遍的なものですから、それだけにこの物価の高騰の際に役割を果たす面も大きいと思う。それをただ甘味資源だということだけで対抗していくことは、砂糖に限ってはむしろとるべきではないのじゃないか、こう思う。これは私の意見として、時間がないので次の問題に入ります。  生産者の販売数量をどのように見ておられるのですか。過去一定期間の大豆または菜種の生産者の販売数量基準とここにありますが、大体生産者の販売数量をどの程度にみておられますか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 大豆につきましては農林省の統計調査部等でも、農家が生産をいたしました大豆について実際にどの程度販売をしておるか、商品化率の調査をやっておるわけでありますが、そういうような資料を検討してみますと、大体私どもの推算では過去三年の実際の出回り数量を平均的に見ますと、およそ二十万トン程度に推定をしております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 俵数でどのくらいですか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 約三百二十万俵です。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そこで次にお尋ねしますが、この交付金は基準価格と標準価格のいろいろな経費を見て、差を交付金として出す、こういうわけですね。基準価格の基準年次はいつなんですか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 基準価格と申しますのは、従来農産物価格安定法によりますと、最近年次の数カ年をとりまして、その年次に、実際の農家が大豆をどの程度の価格で販売しておるかということを統計調査部の資料等で押えまして、それをもとにしてパリテイ価格をはじき出しているわけでございます。今回の場合もこの基準価格は、観念といたしましては農産物価格安定法の当時、大豆、菜種につきまして農家にその手取りを保障しておりました価格と同じような思想の価格でございますが、大体従来の農安法の価格形成方式をできる限り踏襲をして参りたい、そういう考え方で、実際の算定の方法を検討いたしておるわけでございます。パリテイ価格が一つの基準になりますので、パリティ価格のもととしましては、その価格をきめまする時期に、できるだけ近い期間の価格を幅を持たしてとりまして、パリテイ価格のもとに算定させるという考えでおります。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 パリティ数ではじくというのですが、基準年次が一年とか過去何年とかいう年次があって、その価格をパリティにするわけでしょうね。ですからその基準年次は単年度か何年から何年をとるのかとお尋ねしたのです。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 まだ具体的に昭和何年から何年までというふうにきめておりませんが、考え方としましては、価格を決定いたしまする年次からさかのぼりまして数カ年の平均をとるという考え方でおります。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 急ぎますから先に進みますが、三十六年度、三十七年度、三十八年度と交付金はどういう見通しですか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 基準価格の方は、これは現在昭和三十六年度産につきましては三千二十円というものが予算単価できまっております。三十六年度産の大豆については三千二十円ともしきまりますれば、三十六年度産大豆は一本できまるわけです。それから要綱にありまする標準販売価格というのは、これは実際に国内産大豆の市価が幾らになったかということがもとになるわけです。それで消費地における国内産大豆の取引価格から政令で定める流通経費を引いて、産地における標準的な販売価格というものを算定するという方法をとっております。これは実際に商品取引価格が幾らであったかということを調べまして、それをもとにして計算をしていく考え方でございます。今の考え方では、三十六年度産大豆に対して交付金を出すが、これは予算上のいろいろ仕組み、の問題がございまして、三十六年度に出るものと三十七年度に出ますものと、二回にわたって出るような仕組みになります。それで、三十六年度に出ますものは、ことしの出回り期から来年の三月ごろまでの市価の平均、それから三十七年度に出ますものは、来年四月から再来年の端境期までの市価の平均というものを出しまして、標準価格を算定する。これは実際の時価を目安にしてやって参るわけでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そうすると交付金の対象数量三百二十万俵の中で、どの程度対象になるのですか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 交付金の対象数量は、制度の建前といたしましては過去の平均出回り数量二十万トンを基準にいたしましてきめていく。従いまして三十六年度産の場合のごときは、大体従来の出回り数量に相当いたしますものは交付金の対象になると思います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そこが食糧庁の計算が非常に甘いのじゃないか、こう思うのです。大豆は商品取引所の対象になっていますか、なっていませんか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 大豆は現在穀物取引所の上場品目になっております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そういたしますと、小豆の例をとってみます。これは商品の穀物取引所の対象になりますと、数量というものが生産数量と必ずしも見合った形で出てこないのです。ときによると小豆の方は、取引の対象になる数量は、生産数量を何割か上回っている場合があるわけですね。これは統計で御存じでしょう。取引の対象は先物対象ですから、生産されたものでないのです。投機の対象になればなるだけ数量がふえてくるわけです。これは過去の実績で御存じでしょう。大豆が今販売数量二十万トンとおっしゃいましたけれども、きのう、おとといにわたって私取引所の連中に、もちろんじかには行きませんけれども聞きましたところが、人によりましてはこの交付金が出ることによって少なくとも五割くらい出回り高がふえると見る人もあり、倍ぐらいになるだろうということを言った人もありますが、いずれもふえることは明らかだということだった。そこで数量がふえるから非常におもしろみが出てきたとも言うのです。とにかくこういう補助金が出ているとあまりおもしろみがないという人もありますけれども、おもしろみが出てきたと見る方が多いような気がするのです。これは過去の大豆の取引の例を見ますと、これは経済局から拝借いたしたものですが、三十年は六万二千枚、ところが三十一年は六万三千枚、三十二年が二万九千枚、この二万九千枚の時代が価格の高低の差が一番なかった。出回れば出回るほど高低の差が激しいわけです。取引所の実態としてそうです。結局差があると、取引の対象になる数量が多いわけですね。差があるために取引が多くなるのかどうかは別にいたしまして、実績から見ますと、大臣御存じの通り、そこに三十年、三十一年、三十二年とありますが、集計を見ましても、三十二年が一番少ない取引高です。二万九千七百七十六枚です。これがまた東京におきましても最高価格、最低価格の開きが一番なかった。数量が少ないために差がないのか、差がないから取引高が少ないのか、これは因縁があると思います。どっちにしても実績が少ないために、価格の高低差がないために数量が少ないのかもしれません。しかし出回り率ということになりますと、これはやはり穀物の取引所の上場としてはおもしろいということが出てくるのじゃないか。おもしろいということになってくると、今までのような出回りでございますなんということは、机上の空論でないかということになる。これは取引所にあおられますよ。下の方は安定していますし、そうすると相当あおられるだろうと思う。役人の欠陥がそこにあると思うのです。過去の数量だけ見ても……。これはなぜ過去に大豆の取引高が割合に少なかったのか。少なかったのが今後どうして多くなるということになるのですか。その検討をされていますか。この検討をしないと、数量がこのくらいだなんということしか言えないことになる。検討された上ならこの数量を信頼できますけれども。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 今回の交付金法は大豆の輸入の自由化に伴いまして農家が受けまする経済的な影響をできるだけ少なくしたいという建前でございます。それで先ほど来申し上げておりますのは、私どもが統計的に計測したところによりますと、過去の実際の出回り数量というものは大約二十万トン程度と推定されるわけです。それで過去の出回り数量を対象としまして、その数量を目安としまして交付金の交付の対象とするわけであります。そしてこの法律の要綱にもありますように、その二十万トンの範囲内においてそれぞれ割当をしていくわけでございます。これから実際に農家が今お話しのような事情によって大豆をよけい売るというようなことがありましても、それとは一応関係はない。過去の出回り数量を基準にいたしまして、その数量をめどといたしまして、交付金の交付をするという考え方でございます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 私の質問に対して御答弁願いたいのですよ。あなたは過去の実績だと言っておりますけれども、従来の出回りが少なくてこれから多くなるという見込みを、そういう点について検討されたかどうか。従来通りだという判定をされる根拠がなければならない。将来もそうであろうということの検討がなければならない。ただ過去がこうだったからこうだろうというだけでは検討が不十分だ。そうじゃないでしょうか。大豆の生産と販売量とは、御中知の通り小豆の場合は販売量が非常に変動しているのですね。先物もありますから別ですけれども、先物にしても市場性を持った商品ですからね。そうすると生産量と小豆の市場取引、直物に先物取引も入れまするけれども、その数量というものが小豆の生産と必ずしも合っていない。むしろ生産の少ないときの方が小豆の取引高はふえている。あおられて取引がふえておる。それで停止をしなければならぬような事態が起きてくるわけです。これだけの生産数量があったから出るものはこれだというのでは、穀物取引の上場のものになっていなければその通りと言えないでしょう。これは一つの相場を形成する対象物になっているのですから、穀物取引所の上場品なんですね。従ってそれにあおられるということを計算に入れてないんじゃないかというのが、私の質問なんです。あなたはあおられないという自信がありますか。従来はどういうわけであおられなかったのか、過去もこれから将来もあおられないという根拠はどこにあるのですか。この点をはっきりしないと、あなたの机上論になるわけです。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 私どもが交付金の交付対象数量に考えておりますのは、取引所で幾ら取引をされたかというようなことは別に関係はないわけであります。お話のように小豆等の例をもって見ますれば、価格の変動が激しければ実際に取引所の取り扱い数量が多くなる、そういう傾向は確かにあると思います。しかしそれは現実に取引所の扱い数量が多くなるということではございません。私どもの方で考えておりましたのは、別に取引所の扱い数量がどうだということではない。農家が従来手放しております大豆の数量の見当を統計的に把握いたしまして、それを基準にしてやりたい、こういうことでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 全くこれはしろうとの議論で驚き入ったことです。小豆が市場で、取引が激しくなれば農家の庭先から中央へ来るのです。来ることを前提にしての取引なんです。生産者から消費市場へ持っていこうという操作の使命が取引所の使命なんです。そうでしょう。販売数量をふやそう、消費数量をふやそうというのに、その対象になっておるのが取引所なんです。市場で取引されて数量が多いと庭先から出てくる、ここに売った物が市場性を持ってくるわけです。そのために市場の対象物にしているのでしょう。従来庭で売った物が市場性を持ってくると売りものがふえるわけです。ふえないんだと言うのがおかしいと言っているのです。それでは取引所の使命が果たせないじゃないですか。から売りになる。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 どうもお尋ねと私の申し上げることが食い違っておりまして大へん遺憾であります。私の申し上げておりますのは、過去の出回り数壁を基準として今後の交付対象数量をきめるということであります。今後の出回り数量は今お話のような事情によってふえる場合もございましょうし、また実際に生産がふえまして、それに応じてふえるということもございましょう。そういうようないろいろな要因がございましょうけれども、本件の場合は、これが大豆の自由化に伴いまして農家が受けます影響をできるだけ軽くしたいという趣旨でやる制度でございますから、過去の出回り数量を基準として交付対象数量をきめるというふうに考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 趣旨は私ども別に反対しているのじゃないのです。そういういい意図でやっておるとすれば、結局販売数量の中で、ある程度制限をして交付するわけですが、この制度というものはそうじゃないでしょう。販売量に応じて集荷業者がいやこれだけの数量は対象にならないのだ、これだけはなるのだということはできますまい。買ったものの販売数量に対して交付金を払わなければならないでしょう、その辺はどうですか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 そこのところはこの要綱をよくごらんをいただきたいと思うのですが、これは交付対象数量を初めからきめてしまいまして、府県、町村を通じまして農家までその割当がいくわけでございます。その割当表がついたものだけ交付金の対象になるので、農家の売り渡す分だけ交付金の対象になるような制度にはなっておりません。今川俣先生御指摘のように、売れば光っただけ全部交付金がいくというふうにはなっておらないのであります。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 来年からもっとふやしていったらどうですか、市場性を持ってくるということで、今まで販売しなかったものを販売したらふえるでしょう。ふえたものに対しては交付金をやらなければ、この価格安定の使命を果たせないんじゃないですか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 繰り返し申し上げておりますように、これは自由化に伴いまして農家が受けます経済的な影響をできるだけ少なくするという趣旨でございますから、過去の出回り量を交付対象数量の目安に置いておるわけであります。ですから今後ふえます分というのは直接そのまま対象にしていくというふうには考えておらないのであります。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そうすると、一般に与えておる説明とあなたのとは違うのですね。農民の申し込みがなければならぬということは知っておるでしょう。要するに来年申し込んでもそれは対象にならないのだというふうには一般の人は理解していないと思うのです。一部よりやらないのだ、全部が対象にならない、これより予算がないのだからというのではやれない。幾らふえてもやらないということでは何ら安定策にならないじゃないですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 それはごもっともな仰せですが、一両には先ほど言ったように品種改良で反当収量を上げるとか、生産性を向上するように急いでやることと並行してこの問題を処置する、従ってなるほど全量ということになれば一番いいですけれども、問題はなかなか——これは価格にもよりますが、もしも市場価格と補助による価格というものが無制限ということになると、商品が何回も回転するという問題が起こってもいけないのじゃないかと思います。そこはある程度の規制をしつつ、できるだけ政府は差損を補っていくけれども、およその限度を考えていかなければならぬ。そこに努力も要るということです。その間にいろいろ議論が出るかもしれませんが、今度三十六年は一応実行しまして、またそれからの問題は情勢を判断するということもよろしかろうとも思いますし、大きく生産性の向上、反当収量の引き上げ、品質の改良ということで、国産大豆が消化し得るような形にまで持っていくという一つの意欲、それからその限度は大体過去における実取引の現状に即してものを考えていったらどうだろうか、これはある場合、一応自家消費までも全部一たん売っておいて買ってくるということがあるいはあるかもしれぬ、決して私どもはそういうことは全部あるとは思いませんが、そういう点も考慮して一応過去の取引の実数を保護しよう、こういうことであります。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 この目的はこういうことにあるのでしょう。大豆は麦と違って作付制限をするとか、減反させようという意向じゃないでしょう。むしろ国内需要としては足りないものであるから、何とか増産して外貨の流出を防ごう、こういうことが一つのねらいになっておるのだろうと思う。需要の多いものですから、これは採算上合うか合わぬかは別として、大豆の増産に力を入れていこうということですね。そうしたならば、作ったものはみな買ってやるのだという意気込みがなければ品種の改良もできない、増産もできないでしょう。大いに増産と品種の改良をやってもらって生産費を引き下げていきたい、こういうことでしょう。いや、作ったけれども、一部より買わないのだということがもしも言われるならばこの法律は何も意味をなさない。目的はそうじゃないでしょう。大臣の言われる通り、今後大いに生産性を上げていって増産をしてもらってコストを下げていこうというわけでしょう。その間交付金をやろう、こういうわけでしょう。それを、いや作ったものの一部より買わないのだ、最初の計画は予算がないからやむを得ないのだ、将来はこれだけ見込むけれども、これも金がふえればだめなんだということでは、こんな法律は意味をなさない。何のためなんですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 ただいま申し上げたように、三十七年度以降についてはもう少し実際の状況を見て研究はいたしたいと思いますが、基本は、増産もいたしまするが、それによって合理化されあるいは生産性が向上すれば、今までのような高い生産費にならぬわけです。おのずから競争的な立場が強くなってくるということになれば、市場取引価格もある程度合理的なところに落ちつくのじゃないかということもありますし、もう一つは、やはりこれはなかなかむずかしいところで、苦労しているところは一応価格の関係もありますが、全部恒久的なことをやっていくというようなことになってくると、生産消費というものがたびたび循環しはせぬかと思う。実際上の自己消費もあります。それであるから、ほんとうに市場に売られてきておる今までの現状を見て、その範囲を目標にして一応立てておるわけです。いろいろの関係で全部自己消費をやめて、外へ売る取引がふえる。こういうことになれば、またそのときに考えなければならぬし、それはそのときに合理化された形における国内産大豆の生産消費というものがだんだん違ってくる。反当収量がもしも、荒っぽい話ですけれども、今までよりも一倍半にもなってくるとおのずから違ってこようと思います。そういう点を考えてみたらよかろうと思います。そういうふうなことで、川俣さんのお話もよくわかりますが、まず一応目安としては、今まで市場に出ている実際の取引販売数量というものを見て、それから三カ年の平均とかなっておりましたが、非常に多いときもあるし、少ないときもある。それを平均して、大体今まで取引されてきた実態を目安に保護していこうということは、一つの立て方じゃないかと思うのです。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 大臣、あなたがどう弁解しましても、やはりこの法律を作るからには、もう少し意義がはっきりしなければならない。そうでなければ、これだけ三十億とか四十億とか金をつぎ込むからには、やはり将来に大きな目標を立てて、それの達成の一段階だということにならなければ、予算の効率はないと思うのです。それは大豆の生産なんかふえなくてもいいという考え方ならば、これは押えるということでしょうから、これは予算の制約だ。その予算が優先して、増産なんか押えるのだ。これならまたこれで話がわかりますけれども、そうでない説明でありながら、これは自家消費も市場に出てくる。大臣は基本法の説明のときには、商品生産をさせるのだということでありましたが、商品生産をさせるということになると、市場性を持たせるということになるのでしょう。売れるようなものを年産をせよということでしょう。そういうことをやれと一方で基本法の方でいっておりながら、一方では買わないようにするのだというようなことは、基本法みずから矛盾があるだろう。これは各局がみなまちまちだから、こういうことになると思うのですけれども、基本法を立てたところは立てたところ、いや実行の局はこれだ、こういうことで統一されていない。統一されていなければこれは大臣の責任ですよ。大臣は一生懸命輸入大豆を防ぐようなほどに国内生産を上げていきたいということが眼目だという、長官はそうじゃないのです。今なるべくたくさん売られたのじゃ困るという考え方です。取引を押えるということは、生産を上げるなということですよ。長官がどんなにその説明をしても、一般農民に与えるのは、取引をしても交付金をやらない。売ってもやらないということになると、生産を押えるということです。この点では自民党の人も同じだろうと思う。そうじゃなくて、大いにやろうという。長官の説明はそうじゃない。予定数量以上のものは買わないつもりだという。こういうのではこの意義が全くなくなると思うのです。だから来年予算がふえてもいい。ことしはそのつもりで、一つ初めてだから、この予算の範囲内でやるのだ。その説明なら了解しますよ。来年はふえるかもしれないということが予想されている法律でなければ意味をなさないだろう。減るかもしれないけれども、あるいはふえるかもしれない。いや全く従来と同じだというふうな考え方だけじゃ、この法律の効果はない、私はそう断言します。いかがですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 お話ですが、私は輸入大豆の輸入を防遏して国内にふえることをこれから指導していきますが、それは同時に、生産性の向上によって、反当収量が上がればおのずから生産コストも下がってくる。そこに一つの合理的な取引価格も生まれてくる。だから、そのことを一つは念願しつつ、まず一つのそこまでいかぬ場合における問題を考えているわけです。来年は、三十六年はすぐそこまでふえるかどうか問題ですが、一応取引に出たいというものの状態におかなければ、売られもせぬものを全量という計画は、かえっておかしいのじゃないか。あなたの方は、自分のところで食べるものも、みそを自分のところで作る材料も、一たん売ってから政府から買い取ってやるということもいいかもしれないけれども、それはやはり普通の姿においては、自己消費というものを除いたものが取引に出るのですから、その取引に出てきたものの量を、まずほかのものに影響されぬように保護していこう、それは一応の立て方だと思う。だからそれは三十六年、三十七年一足飛びに今までの倍も出て、輸入大豆の防遏ができた。まだ少し競争力が弱い、どうするかというようなときには、情勢を見て、私は将来は考えてもいいと思いますけれども、ただいまの状態においては一応私は局長の申し上げたように、自己消費は別として、現実取引されたものの数量において保護していくということは一つの立て方、目安じゃないかと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 役人がどんなに考えても、商人にはほんろうされるじゃないですか。小豆を見てごらんなさい。かつて手を焼いているじゃないですか。生産数量はこれだけよりないのだといって、少ないといえば少ないというほどあおられて市場上場が多くなったじゃないですか。上場される先物であろうと、品物は一応動かすことになる。動かさざるを得ないことになる。から売りはできないわけです。何とかして集めてこなければならないわけです。集めてくるということになると、庭の中にある食うものであっても、それを持ってきて積まなければならない。それが取引場法の本質です。いや家庭で食うものは売らないだろう、一応そう考えるかもしれないけれども、それで商人に対抗できない。今の自由社会におきましては、長官いかにがんばりましても、とてもそれはほんろうされる。計算は過去の計画でやったなどといっても、そういう格好だというと、なお一つ裏をかいてあおってやれということになると思う。幾らでもそれでは上場されるものは出すぞという勢いでやれば、あぶなくなってやめるかもしれないけれども、出さないなんということになると、これはあおってやれということになります。ほんろうされるのです。役人の欠陥はそこにあるのです。実物取引のことを知らないで、過去の数量でものをつかむところに——役人というものは学者と同じように過去の分析はうまい。これからのことについてはゼロなんです。それはやはり反省して、市場の意見などを聞いてやらないところに役人のあやまちがある。私だって取引業者に聞いておるときには——そんな自分の責任をもって一つも聞かれないなどということは検討が足りない理由です。どのくらいふえるか聞いてごらんなさい。今電話でもいいから聞いてごらんなさい。五割ふえるという人もあるし、倍になるという人もあります。そうなったら、それにつれまして、販売数量がふえてくるのじゃないか。ことしは規制するのです。来年はその勢いで出てくると、今度は数量を申し込むということになるのじゃないですか。大臣、あなた何でも事務当局のやったものは無条件でやらなければならないという情けない大臣でないようにしなければいかぬ。それはやはり大臣の方が見解が広いのだから、事務官と大臣の違いはどこかというと、見解が広いというだけです。ほかは何も違わない。見解が広くなければ大臣の価値はない。だからこれがどういう影響を農村に与えるか。農村にどういう経済的な変化がくるかということをほんとうは検討していかなければならぬと思う。国の予算を使うからには、その検討の上で——私はこの趣旨に反対しているのじゃない。これを生かすには生かすだけの検討をすることが必要だろう、こういうことです。農林省で作ったものはだめになっても、大蔵省から非難を受けて来年は引き下がらなければならぬような情けないことであってはならないという意味で、大いに鞭撻しておるのですよ。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 だからお答えをしておるのであって、今日のところは、三十六年産についての実際の販売数量をとっておる。それに対して交付金を出すということは一つの考えでございましょう。しかし今後幸いにして、われわれぜひそうしたいのですが、国産大豆が私どもの試験場の指導等によりまして、生産がふえ、反当収量がふえ、そして輸入大豆を何がしかでも防遏することができればいい。あなたのおっしゃるように、取引仲買人等があおってやる取引の増減というものは、私は一時的にはもちろんあると思うし、否定はしないのですけれども、実際のものがふえないで、そういう取引のあおり方は続かないと思う。一番あなたの心配されることは、そういう問題ではなくて、私どもの施策が徹底して国内産の大豆がふえてきた、外国品の防遏ができた、しかし価格から見ると、まだちょっと競争ができぬ、これを保護するというような立場において、それだけふえたというような場合においては、将来はその実情に即して考えてみたい、こう思うわけであります。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 その程度にしておかないと、これ以上周東さんも何でしょうから。これだけの検討ではあおられてしまいます。政府の指導よりも商人の方が末端にはよく徹底するんです。どんなことがあっても末端でくつがえされると、あなた方の政策が生きてこない、実例を多く御存じだと思うから、この点を指摘しただけでございます。  農地局長がせっかくおいでになりましたので。愛知用水公団が豊川水系にまで手を伸ばして大いにやろうとする。その意欲的な方策についてはあえて反対はしないのですけれども、この問題をめぐりまして、実はいろいろな関係からあまり深く私は言わないようにしたいと思うのですが、この機会に水資源について農地局は真剣に検討しなければならぬ時期にきている。従来愛知用水があるから、ただそれを拡大するという。これは当面の問題としてやられることは私は反対しませんけれども、それはイージーな考え方です。それだけ達成すればいいんだという考え方でなくて、将来ほんとうに水資源の問題については、農業水利の問題については、これをめぐって幸いというか不幸というか問題が出てきたんだから、これは農林省におきましても、今まで調査室などを持っておられますけれども、もう少し農業用水については、水源的にも水の効率的にも十分検討することが必要じゃないか。どうも農地局は、事業をすると喜ばれるので、そういう方にはやるけれども、基本的な問題についてはとかく等閑に付するおそれが多いのです。これは事業だというと、農民も言うし、また業者もわいわい言うものだから、引きずられていかれて、その日暮らしをする傾向があるので、この際基本的な調査に入る必要があるのじゃないか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 豊川の問題は、先生おっしゃいますように、これで愛知用水の問題を肩がわりするというような安易な考え方は持っておりません。これは全部の計画の一環として考えております。  それから事業だけすれば地元から喜ばれるからというので、それだけでやっていてはいかぬじゃないか、もっと基本的な負担の問題とか営農の問題とかいろいろな問題になろうかと思いますが、そういうことも一緒にやるべきだということは、われわれも過去においていささかそういう傾向があったということを反省いたしております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 豊川水系関係ばかりでなく、日本の各地にあります水資源については、農業構造の改革と相待って、選択的拡大などということを言うからには、水の配分をどうする、水の利用度をどう高めていくかということを検討する必要があるのではないか。今後は土地改良と同じように、今まではただ土地改良をやればいいことであったけれども、もう少し基本的に農業水利については検討されて、それに見合わせた計画を立てていかなければならぬ段階にきたのではないかということから、そうお答えいただけばよろしいのでございますから、この程度で農地局はけっこうです。  もう一つ、私ども非常にたびたび苦労をして、私自身が苦労しているわけですが、一般の予算全体からいたしますと、こういう重要な法案がまだ本ぎまりになっていないのに対して、予算審議すべからずという強硬意見も実はある。ところが内容を知っております私としては、下手なものを作られることも困るという次第なんです。これは率直に大臣に言うわけですが、何とかもう少し目安をつけられるように努力されるべきではないか。時間がないから、これだけ言えば百万言言ったのと同じだと思うから、御答弁願いたいと思う。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 法案の提出がおくれて御迷惑をかけておることはまことに相済まぬのであります。しかし今要綱で御指摘をいただきました麦に関する問題、大豆、菜種も畜産もきょうじゅうには持ち回り閣議をもって大体法案が決定されるという見込みになっております。ただ災害補助の方は、少し技術的に困難がありまして、時間がかかることをお許し願いたいと思います。

三浦一雄自由民主党

○三浦主査 他に農林省所管について御質疑はございませんか。——なければこれにて本分科会所管の予算両案に対する質疑は全部終了いたしました。     —————————————

三浦一雄自由民主党

○三浦主査 この際お諮りいたします。本分科会所管の予算両案に対する討論採決は、前例によりまして、予算委員会に譲ることといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三浦一雄自由民主党

○三浦主査 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  分科員各位の御協力によりまして、円満に議事を進行することができましたことを感謝いたしますとともに、厚く御礼を申し上げます。  これにて散会いたします。    午後一時四十九分散会

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