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38回国会衆議院1961/02/28

予算委員会第三分科会 第3号

発言数
304
登壇者
15
会派数
2
開催日
1961/02/28

会議録

三浦一雄自由民主党

○三浦主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。  本日は、昭和三十六年度一般会計予算、同特別会計予算中、農林省所管を議題といたします。  質疑を続行いたします。仮谷忠男君。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷分科員 私は、簡単に数点お伺いをいたしたいのでありますが、大臣がお見えになりませんので、時間を節約する意味で、大臣に対する質疑だけを残しまして、順次お伺いをいたしてみたいと思います。  農地局長に伺いますが、開拓事業費が九十九億三千万円計上されております。ところで、大臣説明を聞きましても、あなたの昨日の御答弁を承りましても、これは主として既入植地区に重点が置かれて、新規開拓は一時ストップだというような印象を受けるものがあったわけですが、これに対する御所見を承りたい。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 開拓事業費がふえておることは確かでございますが、どちらかといいますと、既入植者対策に重点が置かれて予算が組まれておることは、先生御指摘の通りでございます。これは、入植戸数等をごらんになりましても、大体ここ二年は一千戸というところで固定いたしまして、今まで入りました人の不振対策というものに重点を置いて、早くこの人たちを、同じスタート・ラインといいますか、ある水準まで上げまして、ある程度の営農安定をさせたいというようなことを中心に考えておりますことは、先生の御指摘の通りでございます。しかし、そうはいいましても、開拓の今後のことを考えますと、新規のものを全然ストップしてしまうということには問題がございますので、われわれとしましても、新規のものにつきましては、そう大きな数ではございませんが、入植戸数は毎年千戸ということで一応やってきております。きのうもちょっと御説明いたしましたように、開拓につきましては、従来の開拓と考え方を変えまして、従来ございませんでしたが、経営の拡大のために地元増反にも補助金を出そうということで、団体営のパイロット事業——これはほとんど地元増反でございます。これにつきましては、内地五割五分、北海道六割の補助をしようというような新しいことも考えておりますし、大きな機械開墾地区あるいは県営等につきましても、数は少のうございますが、やはり将来の芽として考えられるようなものはパイロット事業として考えていこう、こういうようなことを実はやっております。ただ、考え方の重点が既入植者対策にかなり置かれておりますことは、先生御指摘の通りでございます。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷分科員 既入植者に重点が置かれておるということは、とりもなおさず、新規開拓が中だるみになっておるということが考えられますし、しかも、そういった行政方針というものが大体府県にはいろいろ伝わっておると思うのです。そこで県としては、相当熱意を持って開拓計画を立てておったのが、一度頓挫したというふうな状態になっておる向きがあります。私は、未開発地域にはまだまだ開拓の余地は相当あると思うし、しかも農民は開拓意識が非常に旺盛であると考えるのであります。基本法にいう経営規模の拡大という趣旨からいっても、こういった未開発地域の新規開拓については、従来通り積極的に推進していくべきではないか、こういう考え方を持つのでありますが、御所見を重ねて承りたいと思います。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 未開発地の開拓の問題は、先生のおっしゃる通りでございまして、実は所得倍増計画等におきましても、開拓地は、一応の予定でございますが、二十一万七千町歩ばかり予定しております。そのほかに草地が二十万、この草地についてはその後いろいろ検討が行なわれておりますが、所得倍増計画におきましても、耕地としては約二十万くらいの開拓地を予定いたしております。これにつきましては、どういうところをとっていくかという問題になりますと、先生のおっしゃいましたような地域に重点的に指向していくというようなやり方を当然やっていくだろうというふうにわれわれも考えております。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷分科員 次に、農業共済制度の問題でお伺いしたいのでありますが、私どもは、農業共済制度が三十六年度において改正されるものと期待をいたしておりました。農民自体もそういう考え方を持って期待をいたしておったと思いますが、三十七年度から実施ということできわめて残念であります。それにしましても、一体どういうふうに共済制度が改正されるのか、私は過去の審議の過程は承知をいたしておりませんが、要は、今農民の一番知りたがっていることは、制度協議会の答申がどういうものであって、政府はこれを一体どういうふうに改正しようというのであるか、そのことであります。これは大綱でよろしゅうございますから、一つ御説明をいただきたいと思う。どなたでもけっこうです。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 農業共済制度の問題につきましては、御承知のようにこれは農政の基本とも申しまする非常に大事な制度でございますが、最近いろいろ災害の実態が変わって参りましたとか、あるいは農家経済の動き等もございまして、各方面から非常に不満があるのでございます。これは数年来そういう不満が非常に多かったのでございます。何とかして根本的な改正をして、この制度が農民に喜ばれるようにしたい、こういうようなことでいろいろ検討して参ったわけでございます。御承知の通り一昨年の秋から、農林省の内部で農業災害補償制度の研究会というものを設けまして、ここで制度の根本的な改正については、どういうことを考えたらいいかということを中心にいたしまして議論をいたしましたわけでございます。その後そこで検討されたものを大体基礎にいたしまして、昨年の四月一日から国会の関係者の方々もお入りいただきまして、各層を代表する委員をもって協議会を設けまして、四月一日から一年近くにわたりましていろいろ検討して参ったわけでございます。そういたしまして、実は今月の十三日でございますか、協議会の最終の農林大臣に対する答申を得ておるのでございます。  その内容は、今言いましたように、制度としても非常にむずかしい制度でございまして、幅も非常に広い制度でございますので、検討につきましても非常に時間がかかりまして、実は本来から言いますれば、三十六年から実施をしたい、こういうつもりで検討は始めたのでございますけれども、なかなかそういうわけにも参りませんので、従いまして今度の通常国会に法律改正案を提案いたしまして御審議をいただく。それが通りましたその後、いろいろ準備もございますので、三十七年度から実施をする、こういう考え方で法律案の方は検討いたしておるわけでございます。その考え方といたしましては、大体において制度の内容は、協議会の答申を取り入れました形で制度改正をしたい、こういうように考えておるわけでございます。  その要一点は、第一に今までの画一的強制加入方式といいますものが非常に批判があるのでございますので、実情に応じまして画一的な強制加入方式をある程度緩和をしたい、こういう考え方でございます。それは従来も任意加入のものが、たとえば耕作面積の規模等によって任意加入というものと、それから当然加入というものとの資格を区別しておったのでございます。その任意加入の層を実情においてある程度拡大したいということと、それから共済の目的によりまして、たとえばこういう地帯では麦を共済事業からはずしたらいいじゃないか、農家経済のウエートからいいましても非常に小さいものである、重要度がないということで、その地帯の希望で米はやりたいけれども、麦ははずしたらいいじゃないか、あるいは生繭をはずしたらいいじゃないかということがございましたら、そういう共済の目的ごとに事業をやるとかやらぬとかということをきめるようにしたらどうか、こういう考え方でございます。  それから次に大きな問題は、今まで共済制度をやって参りまする基礎は、筆単位で、収量建てで共済をかけておったのでございますが、農家の所得補償という点を非常に重視しまして考えますと、必ずしも一筆単位の共済というのが適当であるかどうかというところに問題があるのでございますので、これは農家単位の収量によって共済をかけるということを原則にして、一筆単位の方が適当である、あるいは一筆単位でなければどうも工合が悪いというようなところにおいては、一筆単位も併用してやっていくということで、原則としてはやはり農家単位でやっていく、こういうような考え方でございます。それと、それに応じまして損害を受けました場合の農家の損失補てん、災害における損失を補てんする場合の補てん額をもう少し引き上げていく、こういうことでございます。これは従来一筆単位でやっておりまして、大体最低が千五百円、最高が四千九百円くらいの間で五段階に農家が選んでおりましたわけであります。これは全損の場合の実質補てんでございます。それを、大よそのところでございますが、大体倍程度くらいには農家単位の場合には引き上げてもいいのではないか、こういうことが一つの改正の問題点になっておるわけであります。  それから今まで非常に問題の多かったのは、災害がないところにおきましては、農民が共済金の掛金をかけましても、いつもかけ捨てになっている、こういう問題がありまして、これを無事戻しを強化しろとか、こういう意見があったわけでございます。もちろんこれは無事戻し制度というようなものも制度として十分考えていかなければならぬということで考えておりますが、問題は今までのプール方式が大体通常災害については市町村の組合が一割の責任を持っておりまして、県の連合会が九割の責任を持っておったのです。それから異常災害は全額国が持っているわけでございます。そういうことでございますから、農民の掛金をかけましたものは、連合会に大部分がいってしまうわけです。そうして町村の組合に掛金として残っているものはせいぜい一割しかない、こういうことでございます。そこで県内におきましては相当災害のアンバランスがございます。たとえば安定地帯では毎年自分のかけた金が県の連合会へいってももらえない、この金はほかへいっているのではないか、こういう不満があるわけであります。農民感情としては当然のことだろうと思うのでございます。そこで通常災害の全責任を末端の共済組合におろそう、こういう考え方を一つの骨子として考えているわけでございます。それは掛金をかけたものは通常災害部分については少なくとも全部自分の手元にある、こういうふうになるのでございまして、これが災害がなかった場合におきましても自分の手元に金が残っておりますから、積立金がふえますし、あるいは無事戻しもできる。それを積んで参ります場合には、その他の事業等にもこれは使えるというようなことで、農民としても備荒貯蓄的な意味で安心して災害がなくても金がかけられるのではないか、こういうことが一つのねらいでございます。そういたしまして異常災害につきましては、町村の共済組合と国とが直結いたしまして、町村の共済組合員の共済に対しまして国が補てんする、こういう格好でやったらどうか、こういう案でございます。  さらに病虫害の問題があります。これは共済制度の中におきましても非常に問題になっておるのでございますが、病虫害防除もだんだんと技術も進んで参りますし、薬等も進歩したわけで、相当程度防除ができるという態勢になってきておるのであります。これにつきましては、病虫害を共済事故からはずしたらいいじゃないかという議論もあったのでございますが、なかなか急にそういうわけにもいかぬだろうということで、病虫害の防除対策の是非という点におきましては、病虫害の一定の基準によって、防除態勢のできているところにおきましては、病虫害に対する掛金の部分がございますから、その部分だけは掛金の割引をしたらどうかということにつきまして、それから当然それに対応する掛金の国庫負担部分がございますので、そのうちの一部を病虫害防除に対する補助金として交付したらどうか、こういう考え方で病虫害を将来はおいおい共済事故からはずしていくということに手をつけていったらどうか、こういうふうな考え方でございます。  そのほか市町村の共済組合の運営等につきまして、たとえば損害評価であるとか、あるいは地元負担に対する問題であるとか、そういうような問題も自分が責任を負いますから、相当官主的な運営にまかせていい部分が広範囲に出て参りますので、そういう関係で、相当自主的な運営を強化していくという考え方でいったらいいだろうということでございます。  それからそれに応じまして、今まで町村における事務に対しましては、国は三分の二の負担をやっておるのでございますが、基幹的な事務費については全額負担したいということで、町村の共済組合に対します基幹事務費、いわゆる人件費、庁費というようなものについては全額国庫負担するということでございます。これは今度の三十六年度の予算から実施をするということで、三十六年の七月から全額負担に切りかえる、こういうことで予算案にも計上いたしておるわけでございます。  内容といたしましては、大体そういうところをねらいといたしまして、制度改正のための法律案を準備中でございます。  ただ、この場合に機構の問題といたしまして、今まで連合会が通常災害の九割の責任を持っておりましたものが町村の組合に参りますものですから、そこで連合会の仕事についていろいろ問題があるわけでございます。そこで予算の小委員会といいますか、協議会の案におきましては連合会の部分まで取り込んで、中央と県とが事業団を作る、その事業団が町村の共済組合と直結して農業共済組合の運営をやっていったらどうか、こういう考え方になっておりますけれども、これはもちろん予算等の関係もございまして、三十六年度予算におきましては中央だけを事業団にいたしました。県の連合会は、とりあえずの問題といたしましては、農作物のほかに家畜共済とかあるいは蚕繭共済とかそういうものがあるのでございますので、これは県の連合会でやっておるのでございます。それは連合会としては一応そのまま残しておきまして、中央の事業団の損害補てんの事務、あるいはその他の事務は連合会に委託して仕事を進めていったらどうか、こういう考え方で現在予算案も編成し、それから法律案も準備をいたしておるわけでございます。おいおい家畜の問題あるいは蚕繭の問題等も、本度度調査費等も要求いたしておりますので、制度の内容についても検討を進めたい。このほか本年度におきましては果樹の共済であるとか、あるいは畑作の共済であるとか、そういうものをいろいろ予算に要求をいたしておるのでございまして、この点も本年度十分調査をいたしまして、今後広範囲に制度を改正し、将来の問題として考えていきたいというふうに考えておるわけでございます。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷分科員 大体わかりました、なお詳しく聞きたいと思いますが、大臣がお見えになりましたから、これでおきたいと思います。ただ、農民保護のために作られた法律が、実際には掛金等の強制徴収をやりまして農民を苦しめ、ときには怨嗟の的になった法律である、こういうふうな実態があるわけでありまして、こういったものをよく認識をいたされまして、一つ遺憾のないようにされることを希望いたします。  大臣お見えになりましたからお伺いいたしますが、第一点は山村の農業対策についてであります。農業基本法によりまして今後の農業政策の目標が明らかにされましたが、かりに基本法二条の八項目が計画通りに遂行されるといたしましても、山村農業はその自然的制約によりまして、依然として取り残されていくのじゃないかということを心配するものであります。たとえば四国地方を例にあげましても、山村農家二戸当たりの耕作面積が一町歩以上というのはきわめてまれであります。しかもその形態は御承知のように非常な急傾斜で、しかもきわめて小さい耕地で、農耕のための牛馬さえも満足に入れない、こういった小さいものが何十筆か集まって三反なり五反なりという耕作面積を構成いたしておる実情であります。このことは基本法の第二条第三項の農業構造の改善、すなわち経営規模の拡大あるいは集団化あるいは機械化、近代化という、この最も大切な基礎条件においてすでに失格しているのではないかという考え方を持ちます。そこで、大臣はこの実態を認めるとするならば、山村農業がはたして基本法によってよく所期の目的を達成することができるかどうか、こういった面について一応所見を承りたいと思います。なおできれば具体的に山村農業対策についても承りたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 ごもっともなお話で、山村が耕地等もなく、また林業経営等につきましても、必ずしもそれだけで十分やっていける地方ばかりとも思われないのであります。従来山村振興につきましては、御承知の通り急傾斜地帯に対して特別な措置を講ずるなり、あるいは山と耕地との比率が、耕地関係が三割くらいで山の関係が七割もある、特に小団地の開発整備という事業につきまして施策をするということも考えてきましたが、三十六年度からは新しく山村振興について多目的林道開発促進というようなことも計画してみたのであります。山村道と申しますか、必ずしも林道という関係だけでなく、少し広い意味のことも山村振興のために考えたらどうかというようなことが考えられたのであります。農業政策全般として農業基本法ができたのでありますが、その中にも特に山村地帯のことについては考えておりまして、基本法の中にもありますように、国の施策は地域的自然的経済的な条件を考慮して立てるというふうになっております。従って耕地が少なくて農業だけではいけない、また林業も中途半端でいけないというようなところには、むしろ農林業というものを一体にして、あわせて生活水準を上げ、所得を引き上げていくというような方向を考えてはどうだろうかということで、そういうふうな方向へ新しく考えを持っていきたいと考えておるわけであります。ことに山村経済の中で重要な薪炭の生産をしておるものについては、最近における事情からいうとかなり薪炭の需要が落ちておるので、そういうふうな山村をどうするかということになれば、そういうものに対しては今林野庁等で考えております新しい林業経営の一つとして、肥培管理といいますか栽培林業と申しますか、肥料等を施肥して成長力を早めていくという、つまり近代的な林業経営を行なうことによって、林力の早期拡大ということを考える一面、それに関しましては当然山村における労力を必要とします。そういう方向へもものを考えていったらどうか。これは各般の方向を総合的に立てねばならぬと思っておりますが、御指摘の山村の振興に関して、ただいまそういうふうな過去における施策及び今後における考え方を持って処していきたいと思います。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷分科員 山村農業に対するただいまの御答弁は大へん不安であります。林業関係の問題もございますが、これはあとでお伺いすることにいたします。  そこで私は、山村対策の重点を基本法第一条のいわゆる選択的拡大、果樹、畜産、この増大に集中していくということ以外に方法はないのじゃないか、こういうふうに考えるものであります。しかもこれは協業も可能であります。現在の状態におきましては、御承知のような実態では、土地改良もあるいは機械化も全く不可能でありまして、いわゆる構造改善というものが現在の状態では見込みが立たない。そうすると選択拡大ということによる果樹、畜産に重点を置いていくべきである、こういう考え方を持つものであります。しかもこれは全村、全地域がこぞって協業経営を行なう、こういうことによって初めて効果があり、発展が期し得られると考えております。ところで、ここで問題になるのは、その基盤であるところのいわゆる新しい土地の獲得の問題であります。大臣は、基盤造成のために実情によっては国有林の大幅解放をする用意があるか、この点をお伺いいたしたい。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 お話のように、地域によりましては傾斜地、山の地帯を開いて果樹を植えるとか、畜産をやるということはもちろん可能であり、またそれは地域的に自然的経済的条件を考えて、そういうことも実行していってよろしいと思うのです。またそれが必要になってくると思います。私が先ほど農村一体ということを地方で考えるということは、そこに一つの着眼点を置いているわけです。従ってお尋ねの、場合によっては大幅というお言葉をお使いになりましたが、これは地域に応じまして、具体的の問題を処理する場合において、国有林あるいは公有林等に関する払い下げとか貸し下げ、そういう問題については考えていきたいと思います。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷分科員 なお果樹の振興対策費というのがわずかに四千万しか計上されておりません。その他に十億の融資も予定されておるようでありますが、基本法にいういわゆる選択的拡大、果樹の大増産の目的というものがこういった程度のもので達成されるか、こういった面について所見を承りたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 初年度としてこういうふうな経費でありまして、必ずしもこれで十分だとは思いませんが、この果樹の振興に関しましては、私どもは別途果樹振興法を国会に出しまして、皆様の御協力、御審議をいただくということになり、本日提案の運びになると思いますが、この中にその方向を示しております。果樹振興に関しましては、できる限り共同的な方向でやる方がよろしかろうし、それにつきましては、果樹というものも地方、地域によりまして何を作らせるかということですね。この点ははなはだ今までの統計も完備しておりませんが、今後伸ばそうとしている果樹の種類というものを今考えております。そういう将来の果樹別の伸ばし方というものを目途として定めまして、地域的にどういうふうなものをどこの地方に育てるかというふうな事柄を考えてやって参りたいと思っております。従ってこれは、今後農業基本法が通り、さらに果樹振興法の通過を見ました暁におきましては、それぞれその規定の示すところに従いまして、今後の処理の方向を確定させていきます。そういう場合に、現在のような予算で足らないということになれば、増額しなければなりませんし、一面には、やはり今日提案をいたしました農業近代化資金融通法案というものに基づきまして、果樹振興に関し必要な資金の融通等も考え、予算つまり財政資金並びに融資によりまして、これが助長をはかっていきたいと思っております。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷分科員 山村農業がほとんど林業との兼業であるということは、先ほど大臣も御指摘なされた通りであります。そういう観点に立って林業振興策を見ますときに、治山、造林、林道、それにただいま御答弁のありました若干の木炭対策、こういうものが取り上げられておりますが、ほとんど新味がありません。これは農業政策に比してきわめて単調であって、見劣りがするというふうに私は思います。そこで大臣はこの際に林業構造の改善策というものを樹立する用意があるか、お伺いいたしたい。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 その点は、将来の林業というものはいろいろの問題を含んでおると思うのです。一面におきましては、わが国の経済発展に伴って必要なる木材の供給面から見ての林業政策、できるだけ早く成長させて供給し得る資源というものを拡大していくという面から行きますのが、植林あるいは林道というような方面の設置に関係をして参ります。もう一面は、それをやるについて、山の持ち主の大小というものがありましょう。そういう方の両面について物事を考えていかねばならぬと思います。  第二の点は、いわゆる山村振興として、木材の供給というものを離れて、山村に住む人に対する施策を立てていかねばならぬ。しかもそれらの人々は林業の消長によって自分らの生活に非常な影響を持つということでありますから、根本は林業というものに対する対策樹立も必要でありますが、そういう問題について、山村振興を含めての林業の対策をどうするかということであります。従ってお尋ねの、林業の構造というものを将来どう持っていくか、今のような大山主、また小さい山を経営しておる者、そういう者に対して自立し得るためにはどの程度まで山それ自体について考えて処置したらいいか、あるいはそこに林業の経営にやはり農業について考えたような協業的な部分があるとすれば、その方向に物事を考えていかねばならぬと思います。そういう面については今後さらに検討を加えていきたいと思っております。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷分科員 この問題については、いろいろお伺い申し上げたいことがありますが、時間がありませんから先へ進みます。  基本法の第二十条にいわゆる雇用機会の増大、すなわち職業転換対策がうたわれておるのでありますが、予算上具体的にどんな施策が盛られているか承りたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 これは三十六年度から新たに農業委員会を中心といたしまして、農家労働力の需給調整協議会を作って、一方では農村における基幹労働力を確保するということと、他方においては、過剰になって参りまする労働力を有利に流動化させるというような、農村における労働力の合理的な調整をはかるということを考えております。また、新たに農業協同組合が、農地等の貸付または売り渡しを目的とする信託を引き受ける、これによって信託期間中は、実質的には不在地主になるというような、事実上小作地の所有面積の制限を緩和するというような方向を考えながら、外へも出得るような形、またそれらの出る問題について職業紹介所等とも連絡いたしまして、職業の訓練あるいは技術の訓練という方向で、外に転職して参る人に対する処置を考えたいと思っております。しかしこれらの政策は、御案内のように農林省だけではいかない問題であります。特に労働なり通産、厚生という方面ともいろいろ総合連絡されなければならぬのであります。今後はそれらの問題について、各省と緊密な連絡をとりながら、ただいま申し上げたような方向を進めて参りたいと思っております。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷分科員 農業労働の調整費というのは三億七千万計上されております。そのうちの一億九千万は海外移住費であり、八千万余りが農業会議とか農業委員会を開催して就労のことを協議する会議費であります。こういった程度のもので、この一番むずかしいことが解決し得るかという問題でございます。この点についての所見を承りたい。  さらに、大臣から各省との連絡をはかるというお話がございましたが、労働省の方で職業訓練所が新設されることになっております。これは農家の子弟のみを対象にして、いわゆる農業基本法に基づく純粋の農家のための職業訓練所であるかどうか、こういう問題を確認いたしたいと思います。  さらにいま一点は、通産省の方で工場分散の問題がいろいろ検討されておるようでありますが、工場の計画というものは御承知のように立地条件に非常に支配されます。従って基本法の精神とは必ずしも一致するとは考えられない、こういうきらいがあるわけでありますが、この点について大臣は自信を持って遂行できるか。この問題は、農民は非常な関心を持って見ております。従いまして、農林大臣としての構想を私は承りたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 お話の点でありますが、実は昨年からも農村子弟対策としての職業訓練所を十四カ所設けておりますが、今年はさらに十八カ所新設することにいたしております。こういう施設を強化しつつ、農村における子弟の訓練をいたしたい。また新たに設けられます雇用促進事業団、これは労働省の関係でありますが、今日における労働移動というものをスムーズにして、しかもそれらの方に対して安定した就労の機会を与えるために、やはり農村からの労働力移動というものが第二次、第三次産業における労働力の資源となっていくとすれば、大きな面におきまして労働省関係の雇用促進事業団の動きはこれと関連を持つものと私は考えます。そういうふうな意味におきまして、地域間及び産業間における労働の移動というものを容易にするということは、一連の施策として、農林省プロパーの仕事と労働省というものとの間に密接不可分の関係を持つようにいたしまして、今後において農村が農村だけでは解決し得ない、他産業との間に総合一貫した計画のもとに推進しなければならぬということが、今度の農業基本法の精神でございます。そういう点で一括して考えていきたいと思います。  さらに、この数日間のうちに提出される予定であります低開発地域の開発促進法であります。これは、今日の場合といたしましては、雇用の機会を後進地域、農山村の人々に与えるということの意味からも、また水とか電気とかいうものの頭打ちをしている地域だけに工場が集中するということじゃなくて、そういう方面に工場等を誘致し分散して、そうして地域間の格差をなくするために施設をしようという考え方であり、後進地域開発促進法の内容とするものは、いずれ提案のときに御審議願うわけでありますが、特に県の施設するもの等につきましての補助率を引き上げるというような問題が内容になります。こういうことは、大きくそういう方面における開発を促進し、工場を誘致し、そのことは総合的に第二次、第三次産業の発展とともに農村における雇用の機会を与える、こういうことになると考えております。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷分科員 時間がないようでありますから先に進みます。  水産の振興対策について承りたいのでありますが、農林業と並んで水産業がわが国の第一次産業の基幹であり三本の柱の一つであることは申し上げるまでもありません。その水産行政が、従来ややもすると日陰に置かれがちである。それは、政府の施策を見ましても、あるいは国会の論議を通して見ましても、私はいなむことのできない事実だと思っております。今日私どもの常識では、農村よりも漁村の方がなお社会的にも経済的にも下積みになっておると思います。特に沿岸漁民の実態は農民の比ではございません。しかるに、三十六年度の水産施策を見ましてもまことに変わりばえがしないのであります。しいて言えば価格の流通対策で魚価の安定基金が創設されることになりましたけれども、これも実際問題としてはきわめて一部に限定された仕事であります。ただ一つ農業と同じように沿岸漁業の構造改善が取り上げられておるのでありまして、これはいささか根本的な問題にも触れておるし、しかも前進は一応認めます。しかしながら、これも本年はただ計画樹立のための調査指導の域を脱しておりません。しかも、よしんば計画ができたといたしましても、それ以後の施策については政府の責任ある方針は何ら明示されておらぬのであります。これは農業政策に比してどうも少し不親切ではないか。あるいは水産行政差別というふうに漁師は疑うかもしれません。そこで農林大臣にお伺いをいたしたいのは、この機会に沿岸漁業の基本法を制定して、農業と同様に今後の漁業政策の目標を明確にし、漁村の根本対策を樹立いたすべきである、かように私は思うのでありますが、御所見を承りたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 まことにごもっともな仰せでありまして、私どもの念願として、ことに漁業対策と申しましても資本漁業対策はもちろん、関連いたしましてむしろ沿岸漁業の振興のために小漁業なんかの漁場海面の調整をしてもらいたいくらいに思っております。だから、漁業対策の中心はやはり沿岸漁業対策であり、沿岸漁村対策だと私は思います。その意味におきましては、まだ少し隔靴掻痒のきらいがあるとおっしゃるのはごもっともだと思います。ただ私は、今の漁業基本法の制定というお話はごもっともであり、ただいま政府におきましてもいろいろ意向も聞いておりますが、実はこれを立てるにつきまして一番根本をなしまする漁業権制度の改正がまだ今年はできないのです。これは漁業権制度改正というものを三年間の調査会を立ててやっておる最中で、三十六年度もう一回、これは三年目に当たるのであります。漁業権制度の改正ということが、沿岸漁業というものを守るために非常に重要な点をなすのであります。その結論が出ておりませんので、ややいろいろな点において、応急処置として、沿岸漁業振興法という形で今準備しておりますが、しかし、これについてもう少し基礎的なものを、漁業権制度の改正を待たずにやり得る余地はないかということで、今審議をいたしておる最中でございます。この点は、沿岸漁業については、私は非常にむずかしい問題がたくさんあると思うのです。あなたの御指摘の、農村よりももっと大へんだとおっしゃるのはその通りだと思うのです。というのは、農村は毎年種をまいて育て、秋収穫するという形で、一応少ないながらも収入の目標がきまっております。今までの沿岸漁業というものは、泳いでくる魚を目当てにどこかでとっておるのですが、この間非常に心配しておるのは、ニシン、イワシ、アジ、サバが海流の変化によって減って海岸に来ない。こうなると非常に骨が折れるのですが、ことし考えている農業構造改革の内容というものは、どこかから生まれて泳いでくるのを待たないで、沿岸に泳ぐ魚の養殖をしたらどうかということで、これについては各データが出ております。しかし、魚の種類によって、海流によって、海岸によって、何をどういう形に持っていったらいいかということはなかなか困難でありますから、これは調査費を計上しております。しかし、地方によりまして、たとえばハマチといってブリの子、これはあなたも知っているが、小さい薄っぺらなものを持ってきて、半年養殖すれば大きくなる。これらの問題は、養殖場ができて、その措置さえできてるならば、それを放流して育てて不漁のときに売れば、漁業者としては安定してくる。それだから、大漁ならばとればいいが、とれないときは養殖したものを保全的に考えるというようなのが各種の業種にはありますが、そういうことが水産の構造改革における一つの対象になりはしないか。今まで魚介類というか、貝類の養殖をかなりやっております。そういう点について、さらに魚礁をふやして、魚が生まれたり繁殖したりするのを育てるということであります。しかし二、三日前に社会党の方からお話もありましたように、せっかく養殖をして育てても、泳いでいってしまって、以東底びきあたりでごっそりとってしまっては、育てても何にもならぬではないかということで、将来また漁場の調整という問題も私は出てくると思うのであります。こういうふうなものを総合的に考えまして、沿岸漁業振興に対して措置を進めていきたいと思っております。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷分科員 水産行政といいますか、沿岸漁業対策が非常に複雑多岐であって困難である。困難であるからほうられてきたと思うのです。そこに私は今日の漁村のいわゆる行き詰まった一つの原因があるのではないかと思うのです。漁民には、今、目標、希望というものが全くございません。むずかしいからといっていつまでも放任されたのでは、漁民は救われません。そこで、こういう画期的な農業基本法といったようなものが樹立される機会にあたって、同じ第一次産業の基幹としての水産漁民対策を根本的に立てるべきではないかというのが私どもの考え方なのであります。大臣は、水産振興の問題について非常に御心配をいたされておりまして、振興法のごときものも御検討いたされておるようでありますが、そういうふうにお考えになっていられるとするならば、むしろ振興法でなくて基本法でいけばいいのではないか。漁業権の問題が確かにございますけれども、これは非常にむずかしい問題でありまして、そういうむずかしい問題があるからこそ、なおさら基本法にして根本解決をつけていく、こういうところまで私は踏み切っていただきたいと思うわけであります。仄聞をいたしますと、振興法がいろいろ検討いたされておりまして、その内容の一例を聞いてみますと、たとえば水産庁の付属機関として審議会を設けるといったようなことなんかあるようであります。ところが、農業基本法では総理府に置く、そうして総理大臣外関係大臣が、その諮問に応ずるといったようなことになっております。そういった一つの条項のみを見ましても、非常に漁業対策というものが格を落としている、一階格を落とした、こういうふうな考え方を役人自体が持っているのではないか、こういう考え方を持つものであります。せっかく大臣が沿岸漁業の問題を真剣にお考えになって下さっておりますから、非常に困難な問題でもありますけれども、この機会にやらずんば機会はないと私は思う。せっかくの大臣のお気持をぜひ現わしてもらいまして、ぜひ基本法を制定してもらって、根本的な解決に踏み切ってもらいたいということを強く要望するものでありますが、御所見はいかがでありますか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 ただいま申し上げましたように、ただいま政府と党と慎重にこれに対する処置を考えております。これもむずかしいだけに、これをほうっておくのではなくして、むしろ農村よりも早くやってあげないとほんとうに困ると思う。この点は随所に出ております。それに対し、今までおくれておりますのは、先ほど申したように漁業権制度の問題もあります。これが確立しますと、相当に沿岸に対する処置はできるという観点に私は立っておりますが、それができないまでも、やはりただいま申し上げたような方向で、とにかく基本的に沿岸を守る一つの法律ができるだろうと思います。ただいま御指摘のような意味におきまして審議中であります。近く結果が出ることと思います。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷分科員 周東農林大臣の大英断を心から期待をいたします。  あとは大臣でなくてもいいですが、漁業調整委員会制度を改正する意思はないか、こういうことであります。時間がありませんから詳細は申し上げませんが、現在の漁調委というものは、単に地域代表あるいは利益代表に化してしまって、その本来の趣旨、目的とは全く相反した運営が行なわれております。かえって混乱を助長しておる、あるいはきわめて不自然、不合理な結論を出している、こういう形になっております。これは、漁業調整の目的というものはもう大体果たされたのではないかと思うから、そこで、この機会に、少なくとも一県一単位ぐらいの、いま少し権威のある調整委員会に改正をすべきではないか、こういう考え方を持っておりますが、御所見はいかがでありますか。

高橋泰彦水産庁次長

○高橋政府委員 漁業法におきましては、漁業調整委員会制度というものはかなり基本的な規定になっておりまして、この運営いかんによりましては、漁業法の趣旨が達するかどうかというきわめて重要な規定だと思います。ただいま御指摘のようにいろいろな問題がございまして、漁業制度調査会で目下審議中でございますが、近く御指摘のような方向の答申がいただけるものと私ども期待しておる次第でございます。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷分科員 さらに一点。最近打ち続く不漁で、沿岸漁民は、たった一つの財産である漁船を手放さなければならぬというふうな事態に追い込まれております。漁船と申しましても、沿岸漁業でございますから、ほとんど五トン未満の小さなものであります。これは要するに担保力がない。率直に言って信用がない。だから、系統機関でも低利の資金を容易に借りることができない。そこで、やむを得ず個人金融に依存している。従って、一年不漁が続くと、高い金利が払えないから城を明け渡さなければならない、こういうふうな事情に追い込まれてきております。こういう実態は全国的なものではないかと私は思っておるのであります。農業にはいわゆる自作農維持資金というものが創設されて、今までは一応転落防止をして参ったのであります。そういう意味から、漁業にもこの転落防止の意味の維持資金というものを創設する御意思はありませんか。こういった面についてお伺いをいたしたい。

高橋泰彦水産庁次長

○高橋政府委員 御指摘のように、不漁が続きます場合に、特に五トン未満階層の漁業者が、唯一の財産である漁船を手放すという傾向も確かにございますので、私どもそれを非常に憂えるのでございます。ただ、問題は、自作農創設維持資金という、それと同じような制度がはたして可能であるかどうかという点につきましては、かなり技術的に困難な点もございますが、いずれにしてもそのような零細漁民に対する金融制度をどうするかということにつきましては、なお一そう検討いたしまして、今後の重要問題として善処いたしたいというふうに考えております。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷分科員 御趣旨はよくわかりましたから、一つ実現されるように善処方をお願いしたいと思います。  時間が参りましたから最後にもう一点、畜産関係でお尋ねいたします 畜産振興についていろいろと積極的な施策が盛られておりまして心強いのでありますが、ただ当面の問題として、農民が非常に要望をしているのは、獣医さんの増員であります。このことは今度の基本法等によりまして、畜産事業がさらに発展をしていけばいくほど不可欠の問題として取り上げなくてはならぬ問題だと思うのでございますが、今回の予算関係ではその他の指導費というものは計上されておるようでありますが、この問題については触れていないように思うのであります。各県に家畜保健所がございます。この家畜保健所をもっと充実をして、少なくとも町村単位に一名くらいの獣医は確保すべきであるという考えを私は持つのでありますが、これに対して県への助成措置を講ずる御意思があるかどうか、最後に御説明を願いたいと思います。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 家畜衛生のこと、特に獣医さんのことにつきましての御質問でございますが、ただいま私どもは府県補助をもちまして家畜衛生保健所を大体郡市単位のところに目標を置いておる。そしてまたなお県あるいは郡市の地域の関係、畜産の普及度合いの関係等からいたしまして十分でございませんので、今後とも家畜衛生保健所の増設をはかりたい。また支所を設けるようにしたい。さらにはそれらに対する機動力を増しますように家畜衛生車の増加をはかりたい、これも補助でやりたい、こういうように思っておるのであります。それぞれ予算も計上してありますが、さらに民間の獣医さんに効率的に働いていただきますために雇い入れ獣医を保健所は持つようにいたしておりますが、その手当を増額するなどいたしまして、来年度予算におきましては保健所関係が千二百万円、雇い入れ獣医関係が二千四百万円、衛生所その他に家畜衛生車の増加等を考えておるわけでございます。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷分科員 わかりました。

三浦一雄自由民主党

○三浦主査 次に、淡谷悠藏君。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 私は新しい農業政策の伸びていく農業としてとらえられました畜産と果樹の問題につきまして若干お尋ねしたいと思います。  引き続き草地改良の予算がだいぶ組まれておりまして、本年などは特に新政策を象徴するように相当増額が見られております。草地改良の実績はどうなっておりますか。どういうふうな成績を上げておりますか、お答え願いたいと思います。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 草地と申しますのは、造成の対象といたしておりますものはおおむね三種類ございまして、高度集約牧野と申します開墾地に牧草を植えるもの、改良牧野と申しまして、野草を改良いたしまして、昔の馬の牧野をさらによくしていきますもの、北海道等にあります湿地牧野、泥炭地等において灌漑排水をしまして飼料作物、牧草等の栽培または混生させるようにするもの等でございますが、それに加えまして畑の餌料作物化といいますか、そういうものについて努力をいたしておるわけでございます。そのうち高度集約牧野といたしましては五万六千町歩くらい、三年間を中心にしまして、その前は実験をやっておりましたが、造成をいたしました。また改良牧町につきましては年々三千六百町歩ずつやっておるのであります。湿地牧野につきましては年千五百町歩を補助対象といたしまして、これらは大体におきまして予算を消化いたしております。特に重要で予算額も要ります高度集約牧野は、一昨年事業単価補助率等の関係をもちまして、七千町歩余を予定しましたが、五千六百町歩くらいになっておりますが、三十五年度は八千町歩を予算で要求しておりますものが、それを超過しつつある状況であります。  以上でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 今のお答えですと、畑で飼料作物をつけておるのまで草地改良に見ておられるわけですか。違うでしょう、これは。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 草地という中には耕地で飼料作物を作ること、あるいは食用両用の穀物を作りまして飼料用にも向くものを含まないように普通取り扱っております。先ほど申しましたのは追加を余分に申し上げたのであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 そこでこの三つの、高度集約、改良牧野と湿地の改良でしょうけれども、最も成績の上がっておりますのはどの部面ですか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 さっき申し上げました最初の三つ、すなわち高度集約牧野、改良牧野、湿地牧野は兄弟たりがたいわけでありますけれども、土地改良の事業への政府の補助などの関係もありましたりその他の理由がありまして、高度集約牧野の方がちょっと落ちる関係、ただし三十五年度は計画以上に完遂しつつある、こういうことでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 この高度集約牧野で作付をしております牧草の種類はどういうものですか。どういうものを用いておられますか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 これは淡谷先生御承知と思いますが、イタリアン・ライとかラデノ赤クローバー、ケンタッキー、その他いろいろございますが、網羅的にならば、また別に資料を提出いたします。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 お伺いしたいのは、これは何といっても牧草の収量が問題になりますから、日本の気候、風土に適した輸入牧草のうちで将来どういうのが見込みがあるのか、重点的にはどれを指導されるか、予算を使うという面だけではなくて、収量等についてもお聞かせ願いたいと思うのですが、どういう種類のものが一番多い収量を持っておりますか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 ちょっと資料をまぎれこませましたから、出て参りましたらまた補足をいたします。  レッド・クローバーは日本の気候、風土に合いませんで、特に西南暖地といいますか、そういう所に合いませんのと、種がうまく国産でできませんので注意を要すると思うのでございますが、その他のものは、三種類とか四種類とかをまぜて使うというようなことをいたしますと、家畜の状況、地域の状況、気候風土の状況で多少違いますが、目的によって多少違うのであります。またトウモロコシ、麦等の青刈りは、かなりの優良な質でもあり、たくさんの量をとり得る飼料作物と思いますが、これは御承知の品種を飼料用にするとか、またそれらが各地域に適するか適しないかによると思います。それからトウモロコシを粒でとる場合の飼料用のトウモロコシでございますが、これは御承知のように、日本ではレッド・クローバーとともに種を年々再生産していくことがむずかしい。従いまして、そういう日本でむずかしそうなもの以外が御質問のお答えになるわけであります。

三浦一雄自由民主党

○三浦主査 審議を能率的ならしめるために、資料と係官を、連絡して、そうして淡谷さんの質疑中にその説明をせられることを希望します。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 この高度集約牧場の中にはトウモロコシをやられているのですか、草地改良の中には。草には違いございませんが、これはさっきと同じように畑作の方ではないですか、高度集約牧場にトウモロコシの青刈りをずっとやっているところがありますか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 高度集約牧野は牧草を中心に考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 私がお聞きしたいのは、高度集約牧場でどういうふうな牧草が一番収量が多いのか、将来どれを奨励していくのか、こういう問題です。特にレッド・クローバーのお話がございましたが、ラデノ・クローバーは成績はどうです。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 必ずしも悪いと思いません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 ラデノ・クローバーは悪いというのですか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 いや悪くはございません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 私はレッド・クローバーは気候風土に合わないということよりも、クローバーの特性として、ホワイト・クローバーみたいにランナーが出てこない、そのレッド・クローバーの弱点であるランナーの出ないものを、多少ランナーが出るように改良したものがラデノ・クローバーだと思うので、ただこれはレッド・クローバーが気候風上に合わないという形だけではお話にならないと思うのです。そういうふうに考えますと、何かこの草地改良の中には、高度集約牧野であっても、草の種類に対するはっきりした指導方針がきまっていないのではないかという気がするのですが、あとで資料が整ってから伺いましょう。  その次に改良牧野の問題ですが、これはかなり古くからやっておる牧野改良の仕事ですが、あまり成功したためしがないのですがね。改良牧野等もいろいろな草がありますが、新しい牧草をまきつけるのでありますか、それとも従来ある牧草を改良するつもりですか、どっちです。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 まず第一にどんな牧草を考えているかの方のあれを申し上げますが、暖地におきましての飼料作物は、牧草と飼料作物と言った方がいいものがございますが、勧めたいと思っておりますのは、青刈り燕麦、イタリアン・ライグラス、この飼料作物の単播、またはコモンベッチ、レンゲ、クリムソン・クローバーなどとの混播がよいと思います。これは作物を主に申し上げます。寒地におきましては、青刈りライ麦、イタリアン・ライグラス、これらはヘヤリベッチなどとの混播をするとよいと思っております。それから北海道のような畑作地帯におきましては、東北の一部もそうでございますが、ラデノ・クローバー、レッド・クローバー、オーチャード・クローバー、オーチャード・グラス、イタリアン・ライグラスなどの永年的な牧草と混播するといいのではないかと思っております。さらに畑地帯で、夏作物まで転換するような、植付をするような場合としましては、永年牧草、すなわちラデノ・クローバー、レッド・クローバー、オーチャード・グラス、イタリアン・ライグラスなどが適当と思っております。  第二の点で、改良牧野は、在来の野生の革を改良するのか、新規の草を導入して入れるのかということでございますが、在来のものはいいものを選んで悪いものを減らしていく、あわせて、その草の状況では、先ほど申しました牧草類をまぜるようなことがいい、こういうふうに思っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 ちょっとあぶない御答弁ですな。これは在来のものでいいものというのは何で、悪いものとは何ですか。いいものはいいにきまっておりますけれども、具体的にいったら在来の牧草で奨励すべきものは何です。またこれはもちろん御承知でございましょうけれども、悪い草ほど非常に繁殖力が強いのです。また家畜なども食わないものですから、悪いものほど繁殖する傾向がある。よほど保護を加えませんとくいいものは出てこないのです。草もたくさんございますが、どういうふうな草をお選びになるか、具体的に一ついいものをお示し願いたいと思います。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 改良牧野のために使う奨励的ないい草及び牧草は、後刻専門家の意見を整理させまして提出しますが、在来の野草は強くはびこる、作物的な牧草は栽培上あるいは自然生との間で負けるというのは、必ずしもそうでないことがあるのでありまして、肥料をたくさんやりますと、改良した作物はたくさん肥料を吸収しまして、野草は吸収しないで、野草の方が負けるのであります。そこを牧草栽培の一つの——それだけではありませんが、一つの理論として進めておるわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 これは、時間もあまりたくさんいただいておりませんので、前に進みますけれども、私今になってそういう御答弁を承るのはまことに心外なんです。毎年私は農林関係の委員会があるたびごとに、草地の問題に触れておりますけれども、そのたびごとにいただきます答えは、後刻研究をしてというお答えしかもらっていない。私は高度集約牧野の場合は、お話の通りの方法でいいと思います。ただし野草を中心にした牧野改良の面では、これまで長い研究の成果が集まっているはずなんです。特にこれはいろいろな方法がございましょうけれども、ただ家畜の食わない草を抜き取るだけでは、失敗した例はたくさんございます。これは起こして、新しい野草を植えなければならないでしょうが、その場合に、高度集約牧野とは別に、日本在来の牧草の改良をされてはどうかということを私は毎年申し上げておる。たとえば禾本科のものにしましても、ススキもあるだろうし、豆科のものにしてはハギもあるでしょう、非常に日本の風土に密着した日本の牧草を、逆に外国へ種を持っていって、向こうで改良した例がたくさんあるのです。蛋白質飼料としてクズなんか特にその例です。こういうものを特に草地改良の計画が進んでいる場合ですから、思い切ってかたかなの名前でなく、日本在来の牧草の研究を徹底的におやり下さいということをずいぶん話しておりますけれども、まだ一向どうも具体的なものが上がってきませんので、この点をお伺いしたい。  その次にお伺いしたいのは、どうせ牧草の改良をやりますにも、これはとても在来のように放置したのではできないことはお答えの通りなんです。そこで牧野といえども改良するために、トラクターなども使わなければならない場合がたくさんあると思いますが、こういう草地改良に対するトラクターは、一体どの程度の馬力のものをお使いになっておりますか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 第一の点でございますが、野草改良につきましては、御指導的御意見を尊重いたしまして、省全体で、地方庁その他も加えまして、そのように努力いたしたいと思います。本年度は特に畜産試験場を独立させまして、従来扱っておりませんでしたこの草地の問題を、草地部を作って逐次これを拡充して、草地の問題を取り扱わせようと思っております。また林野庁に高萩試験場というものがありまして、お話の点は、今は山林の中においての野草というのは、そこを中心にやっておりますので、それとの連絡を密にして、先生の御方針と私同じ意見を持ちますので、努力をするつもりでございます。  第二の、従来牧野改良の機械は、国立牧場の牧野改良センターと、草地改良事業のために都道府県に機械を補助しておりますが、どちらかというと、比較的大型の機械を補助いたしております。これは今後営農上の関係ともにらみ合わせまして、もう少し中型化する要もあるのではないか、こういうふうに思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 私はやはり牧野改良の場合には、大型のものをおとりになった方がいいのではないかと思うのです。とてもこれは集約農業みたいな形の小さいものでは、牛や馬の食うものはとれないことは明らかなので、思い切って大型のものを取り入れた方がよろしいと思いますが、これはあとから農林大臣にお伺いしますが、協業の問題とも関連して参ります。ただその場合に、これはぜひ大臣にお願いしたいりですが、国立のいろいろなこういうふうな施設などでも悩んでおる問題が一つございます。というのは、トラクターが大型になりますと、深耕がよくできまして、耕度が非常に深くなるのです。その場合に、この深耕された土地を十分に肥やすような肥料の御配慮がなければならない。従って、八寸ないし一尺深耕しましても、この八寸ないし一尺の耕度が十分に力を発揮し得ないという悩みを末端の試験場では持っております。やはり予算をおつけになる場合に、そういう点も考慮されまして、草地改良などには肥料が要らないものだという従来の観念を一掃されまして、これは非常に大事な家畜奨励の将来に属する問題に対しては、そういう点についても、これは一つ十分な御配慮を願いたいと思います。これは御答弁は要りません。  それから一つ重要な問題を、これは畜産局長にお答え願いたいのですが、最近非常に発達して参りました人工授精です。人工授精は大へん便利でよろしいのですが、同時に種牡畜の育成が非常に困ってきておるわけです。この種牡畜は一体どういうふうな方針で育成、保育されているか、あるいは将来の見込みはどうなっておるのか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 種牡畜の問題でございますが、日本のような零細な畜産経営、有畜農業経営があります場合には、原々種といいますか、原々種を輸入したり国内で作って選び出して飼養管理しまして、そしていい原種を作る、こういうことを国でなるべくやっていく。その次は、国で生産されました優秀な種牡畜を、種牝も加えてでございますが、都道府県の種畜場あるいはこれにかわるべき試験場がございますが、都道府県に貸し付けましたり、払い下げましたりして、利用させたらいいと思いますが、なおそれが十分でありませんときには、民間の種畜業者も能力検定などを加えましたようなものを選び出しまして、府県が種畜を設置いたしたいというときに国が補助をする、そういう考えでおります。なお家畜別には、民間のいい種畜といいますか、種牝といいますか、そういうものが民間でもいるという場合には、家畜の種類等に応じまして、民間の方においても育成したいものもある。たとえば馬であるとかまた鶏であるとか、ウサギであるとか、そういうもの、色合いは違いますけれども、そういうふうに思っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 これは前の人工授精が盛んにならないときの種牡畜のこういう管理と、現在のように人工授精の方法が非常に発達した場合とでは方向を変えなければならないと思います。牛に限りますけれども、一体牛の精液は何日くらい持ちますか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 何日とおっしゃいましたか、ちょっと聞こえませんでしたが、間違っておりましたらあとで訂正をさせていただきたいと思いますけれども、比較的期間が短こうございまして、まあ一カ月未満——一カ月未満というよりは一週間未満、三、四日だろう。しかし、冷凍精液にいたしますと、親が死んでも残っておるくらい長く持ちます。そうでない人工授精の精液は二、三日と思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 二、三日持つはずはないのですが、私の申し上げたいのは、種畜を方々に置くのもいいでしょうけれども、種牡畜の飼育というのはよほど補助しないと民間じゃ持ち切れません。食べ物は二倍、三倍食べる、非常に危険が伴います。むしろ種畜は国営なり県営なりでやった方がいいのじゃないかと思いますが、ただその精液を持ち運ぶという施設をお考え願いたい。それはお話の通り夏になると魔法びんも使わなければなりませんし、あるいは冷たくしておくような方法も必要なんですが、持ち運ぶのに遠いところは飛行機で運ぶという形になっておりますので、そういう点で早く人工授精の要求にこたえるような——御承知の通り牛のあれは短いですから、こういう点に十分な御配慮を願いたいと思います。  そこで、そういう技術の問題はたくさんありますけれども、省きます。今度は大臣にお答え願いたいのですが、どうせ家畜などを中心として畜産というものを進めなければならないでしょうが、畜産が伸びるか伸びないかは、生産面の配慮も大事ですが、米麦の農業と違いまして、畜産、果樹は九割以上は流通過程に入るということを私は申し上げました。従って端的に申し上げまして、乳価のいかんかあるいは成畜の価格いかんが将来の畜産の伸びに非常に影響を持つと思う。それに対する御施策を見ますと、ことしの新しい予算措置として、畜産物事業団出資に必要な経費として約五億円組まれておるようであります。この説明を見ますと、「乳業者等の経営に要する資金の融通を円滑にする等のため、」としてあります。非常に含みの多い説明なんですが、これは乳業者等というのは一体何を含むのですか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 乳業者と申しますのは、その説明書におきましては乳製品の加工製造をするものを言っておりまして、会社もありますが、農業協同組合やその連合会も含むことにいたしております。酪振法にその旨を書いてありますので、それを簡単に端折って書いたのではないかと思います。それの固定設備に対する運転資金、また在庫が多過ぎるようなときには、滞貨融資の資金を金融機関から融資させましてその債務保証をする機関が今あります。これは酪農振興基金と申しまして、その法律に基づいてできておる特殊法人でありその事業であるわけでございますが、食肉、乳製品の価格安定を、今回の予算を計上しまして、法律を御提案申し上げ、御審議を得てから設立したいと思っております。その畜産物関係の事業団と申しますのは、酪農振興基金の仕事を吸収合併と申しますか、あわせて行なうようにする一事業団にしたいと思っておりますので、そういう文章が書いてあるわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 どうも本年の予算を見ますと、農林省関係に限らず非常に行政が事業を離すという結果が見えてきております。これは一歩誤ると非常に大きなあやまちを犯すもとになると思いますが、一体酪農振興基金がこの新しい事業団に吸収合併されなければならない理由というのはどこにあったのですか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 第一の理由は、設立にあたりましてこの基金は政府出資五億でございまして、民間出資は現在におきましては一億五千万円でございます。これは当時の国会の審議でも明らかになっておりますように、政府出資と民間出資とは一対一くらいになるように民間出資をふやしていくという考えでありました。従いましてこの一、二年は債務保証事業のためには、すでに行ないました政府出資五億円は全部は要らないと思います。あわせまして酪農振興基金は、法律によりまして、乳業者に対する資金の円滑化をはかる債務保証機関でありますと同時に、乳製品の需要増進を行なう事業を任務ともいたしております。それでその二点からいたしまして内部区分を乳製品や食肉類の買い入れ、売り渡し、保管、輸入というような事業、それを通じての価格の安定という事業と、従来ある乳業者に対する資金の債務保証事業というのを内部を特別勘定にいたしまして行なえばかえって有効であろう、そういうことでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 内部の事務的なやり方もいろいろあるでしょうけれども、酪農振興基金から出る金、今度の事業団から出ていく金というのは、ほとんどその使い方は末端において同じじゃないですか。需要を促進するというのは、この事業団は一体何をやるのですか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 一般市場及び一般国民の消費を増す事業を考えますと同時に、特別市場、例を申し上げますれば学校給食でありますとか、社会福祉事業的な方面の用途に使いますとか、そういうふうな需要を増すことでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 そうしますと、この五億円の新しく盛られました費目は、主としく生産者の手を離れて、乳業者あるいは経済連あたりの乳を取り扱っているところも含まれるでしょうけれども、おもに流通過程に入った場合の資金の運転ということに理解してかまいませんか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 その関係のことは法案をもって明らかにいたしまして、できるだけ早く提案を申し上げたい。それまではまた研究もさしていただきたい、こう思っておりますが、しかし予算に計上して御審議をお願いしておる内容としましては、新たに政府が三十六年度に出資をいたしまする五億につきましては債務保証の方は関係はない。さらにそれに借入金制度をもちまして取り扱いますのは、一応乳製品と豚肉で、特に乳製品の方におきましては方法は買い入れ、保管、売り渡し、輸入の行為を通じまして価格安定の事業を行ないたいと思うものでございますが、その乳製品を買いますときに、原料である生乳がどういう価格で乳業君から支払われたかを見まして、それに応じて乳製品を買うこともあり、買わないこともある。ちょうど農安法でございましたか、原料イモと同じようなことを考えております。もう一つは買い上げます乳製品は、生産者団体が生乳を普通は取り扱っておりまして、共同販売いたしておりますが、これを委託加工して、製品にしたものを、むしろ優先的な気持で買い上げる、こういうふうに思っております。なお生乳が農家の手を離れる場合のことを何かやるといいだろうというので、これは三十六年度からできるかできないか、その点を研究中でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 私畜産に関しましては当初申し上げました通り、生産そのものの拡大よりは、販売の面になってからの施策よろしきを得なければ——逆に生産を押えるということは、これは商品的な農産物の特質なんであります。今の乳の場合を考えましても、この予算の対象になっております乳業者と乳牛飼育者との関係というものは、決してまだ円滑にいっていない。たとえば生乳の価格と申しますが、加工用の乳と飲料用の乳の価格差は市場価格でどれくらいありますか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 全国平均にいたしましてごく最近では、一部未報告がございますが、原料乳地帯におきまする原料向けを主とする生乳価格は、生産者価格で四十四円または四十五円ぐらいにきております。大消費地の付近では、一升当たり七十円が実現しつつあります。あとは市乳用の原料生乳との比較を申し上げるときっとお答えになると思いますが、これは今値が動きつつありますけれども、全国平均で、一升当たり五円くらい差がある、そういうような状況でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 消費地における牛乳の一合の価格はどれくらいですか。局長、一合幾らで飲んでおられますか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 よくそういう御質問を淡谷先生からもいただきますが、青森市では飲用牛乳一びん九円から十二円の間にあります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 東京はどうです。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 東京は、普通牛乳といたしましては十四円、十円牛乳もあります。特別に加工をしましたものは二十円もありますし、乳飲料と申しましてさらに原料も特別なものを混合してあるのはさらに高いものもあります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 乳牛を飼育しております農民が、乳業者に持っていった場合に、生乳用あるいは市乳用の牛乳と、加工用の牛乳とが区別して扱われますか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 原則としては区別してありませんが、区別しておるところもあります。しかし一般的には乳製品が割合としてたくさん作られる原料乳地帯といってもいいところと、飲用乳の方へ主として回る市乳地帯といいますか、そういう地帯別価格で一本になっているところも多いのであります。また値段を仕切りまして、二等乳が多い場合とか、過剰の場合、そのある過剰の季節などにおいては余剰乳として二本立になって、加工用の方が安い場合のこともございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 これはむしろ大臣にお答え願った方がいいと思いますが、現実は加工用の乳も市乳の飲用乳も、生産者の手を離れるときは同じ価格ですよ。四円ないし四円二十銭なんというのが普通なんですね。ただしこれは、貿易自由化の関係もありますけれども、外国の乳製品に比べますと、国産の乳製品は高い、現在でも、市販されておりますバターは輸入品が多いでしょう。国内のものを押えておりますね。これはごく最近です。それで出されているものが、国内のものよりも安い。従って乳業者はバターやミルクを作ってもあまりもうけがない。一番もうかっているのは生乳の方の飲用乳でしょう、これは飲用乳で持っているのです。従って飲用乳の価格も加工用の乳も変わらないというのは、乳業者の営利観念には合わないということがある、最もいい方法は、流通過程において、製造業者の仕事と市乳販売の仕事とを分離することがいいと思うのですが、これは従来の乳業者ではできない。分離したら経営はつぶれます。その場合に協同組合その他の団体——さっきの局長の説明にありましたが、製品までいかない市乳のブラントみたいなものを方々に作るといったような構想はございませんか。生産者がそのプラントへ持ち込んで、バターやミルクにしない新鮮なものをまっすぐ配給するような、それだけの設備を作るお気持はございませんか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 農村におきます高温殺菌の施設補助をしておりますのもその一つでございますが、これは例外と先生はおっしゃるかもしれませんが、全酪連の系統をもち底して、主婦連に消費受け入れあるいは消費増進をするように安く売っておるのもそれでございますし、協同乳業の関係の長野の地域から東京牛乳会社、これは農協団体が全部を実は乳用に売っておるのでありますが、それなども一種のそれであります。また外国の例でありますが、プラントが直接の配達員を持ちまして、小売人は独立しておらないところもございます。消費骨のグループ、小売のグループ、メーカーのグループについて、先生のおっしゃることも逐次広めていくことがいいのじゃないだろうかというように思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 アメリカの例などを見ますと、生乳の方は別に出ていますね。大都市に生乳の会社があって、そこで余ったものを逆に乳業者にやるといったような組織も相当あるようであります。これは配達の手間がありますから、多ければ多いほど安い市乳の配達ができる。小さいものではできません。従って生産者がじかに持ってきて先っても合わない。当然大都市には市乳のための何らかの設備があった方が、将来の発展のためにはいいと思うのです。これはいろいろむずかしいでしょうが、ただ発足されておりますから、まずファースト・ステップで悪い点を直しませんと直るものじゃないのです。従来の乳業者と酪農農民の関係をもっと的確につかまれて、発足する当初にあたって間違いのないような十分なる御配慮をお願いしたいと思います。特にその際問題にしたいのは、脂肪率で買う場合と単なる量目で買う場合とありますが、脂肪率で買うのは加工のためのものが一番大きいのです。市乳は多少脂肪のパーセンテージが下がっても、大した問題になりません。そこでジャージーの問題が出てくる。これは青森県など特にそうでございますけれども、方々でジャージーがきらわれている、これは幾ら抗弁しましても、やはりきらわれているのです。一体ジャージーの脂肪率は幾らまで上がりましたか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 ジャージーはホルスタインより脂肪率が高いのが一般でございますが、日本では、ホルスタインが、三・二%くらいを基準にいたしまして三・五、六%のところにいくに対しまして、ジャージーは、低くて四・五、高くて五・五、六のところ、うんと濃いのは七%までいっております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 ジャージーの脂肪率と乳量との比率をおとりになったことがありますか。乳量の多い場合の脂肪率と少ない場合の脂肪率と、この差はどうでしょう。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 先ほど申し上げた通りであります。調べましたことは事例調査で調べました。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 四・五%から六・七%まで上がるといたしますと、脂肪率が高くなるのは乳量が落ちた場合でしょう。脂肪率が低くなった場合は乳構が多い場合でしょう。どうですか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 むしろ飼育管理、飼料事情等によります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 ジャージーの原産地における飼料管理の状態と日本に持ってきた場合の飼料管理の状態はまるで違ってしまった。むしろこれは放牧しておいてかなり粗飼料でも生きてもいくし乳も出すということに特徴があった。そのかわり原産地は大群飼育です。たくさんの牛があります。それを日本のホルスタインを飼育するように大事にやりましてもそれだけの飼料の経済効果が上がってこない。それからまた、脂肪率が高いということに対して乳業者はもう脂肪率による取引をやめようとして騒ぎを起こしたでしょう。この辺でもう一つジャージーに対しては前説にこだわらないで——輸入当時われわれも非常に農林水産で反対いたしましたけれども、そうじゃないというので押し切られました。だけれども、そういうことにこだわらないで、現実の農家が非常に迷惑をしておることもあるし、まずいジャージーの肉が市場に出ております。食えたものじゃない。私も貧乏しておりますから粗食には耐えますけれども、とても牛肉の中には入らぬような肉になっている。こういう点でジャージーがどんどん減っておることもわかっております。預かっておるうちでも困っておるでしょう。この点は一つ抜本的に御検討願いたいと思います。  まだありますけれどもやめておきまして、次に果樹の問題ですが、果樹振興法に従っていろいろ出るでしょう。特に果樹の場合は畜産と同じように流通過程に入ってからのことがだいぶ問題になりますが、この予算を見ますと、市場に対する予算がだいぶ組まれております。この中央卸売市場施設整備に必要なる経費として昨年度は三千万のものが今年は九千万円に上ってきております。それから青果物流通改善に必要な経費として千百五十八万四千円が、二千三百六十一万三千円に上がってきております。一体この市場の対策はどういう構想でやられるのですか。

齋藤誠農林事務官(振興局長)

○齋藤(誠)政府委員 果実の市場対策についてどう考えておるかという御質問でございます。御承知のように、果実におきましてはほとんど大部分が商品対策でございますが、市場対策は安定した経営を営むためには重要な要素であります。ところがわが国におきましては、大部分の果実がほとんど青果で出るという状況でありまして、加工に回される分はまだ一割以下という状況に相なっております。従って市場対策としては、おのずから青果に対する対策というものが従来の対策であったわけでございます。そこで青果に対する対策といたしてましては、やはり一つの生産の面から流通に至るまでだんだんに計画化していくということが、将来の方向としては望ましいのでありまして、われわれといたしましてもそういう考えかで今後指導していきたいと思っておるわけであります。現状におきましては、産地の出荷団体におきましてそういう意味における調整を指導していくようなことが第一であるという意味におきまして、今回の予算におきましては各県に流通対策、出荷対策の協議会を設けるということにいたしております。この協議会を通じまして、現在まだ計画生産あるいは計画出荷というところまではなかなかいけないと思いますけれども、市場に対する情報提供ということがこの計画出荷をいたす一つの重要な手段になろう、かように考えまして、本年度から各府県におきまする生産の見通しあるいは出荷の見通しあるいは加工団体における出荷、販売の状況、これらに対する情報調査の委託費を計上いたしまして、これに基づきまして定期的にこの協議会を通じて情報を流す、こういうことを第一の段階として考えておるわけであります それから市場に入りました価格の合理的な形成をはかるという意味におきましては、やはり市場の整備ということが大事でございます。今御指摘になりましたように、中央却売市場を漸次計画的に拡大していくという考え方のもとに、逐次施設を整備するということにいたしまして、本年度は中央卸売市場に対する施設の経費を、これは経済局の主管でございますが、前年度の施設費三千万円に対しまして九千万円の助成をする、こういうことにいたしたわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 私はその方針は決して間違ってないと思うのです。いいと思いますが、この程度の予算では、販売機構を改革するといってもその程度しかできないことはわかっております。しかしそれじゃ直りませんよ、大体協議会は今までも飽きるほどやっているのです。民間団体でも生産者団体でも、やはり過ぎるくらい協議会をやっております。ただ一つの運輸の例をとりましても、くだものなどはかなり遠方から来るものですから、東京あたりの市場で今相場がいいから送れといっても、貨車が間に合わぬということになります。やっと貨車が手に入ると、あとは値が下がっている。それを巧みに需要供給の場面で操作されるのです。呼んでおいて、入ればつぶすという手があります。この辺で一つ流通関係の問題で輸送と販売とを分離するという構想は浮かんで参りませんか。輸送と販売とを分離する。遠いところですと、一車、二車でくだものを積んだ場合、これの輸送が同時に販売になってしまうのです。市場へ入ったものを値段が合わないから取り返すということはできないのです。ということは、消費地に一つの大きな貯蔵設備を持つような販売改善の方法は考えたことはございませんか。

齋藤誠農林事務官(振興局長)

○齋藤(誠)政府委員 まさにお話の通りでございまして、青果に対する価格調整というものは、行政としては一番むずかしいものでございまして、一たんできたものは急速に売らざるを得ない、こういうことで従来きたために、特に価格の変動が大きく、生産地と消費地の価格の 開きもあった、こういうことになっておると思うのであります。ただ消費地における今お話しになりました点は、あるいは冷凍の施設を設けるとか、貯蔵庫を設けるとか、こういうふうなことであろうかと思いますけれども、もちろんそのこと自身はお説の通り私は必要だと思うのであります 融資等の措置によりまして、そういうふうなことは推進していく研究課題だと思うのでありますが、やはり将来大きく価格安定をやっていきますためには、今後の需要の伸びを考えてみますと、加工関係とある程度市場を開拓して、そこに安定性を見出していくということが考えられるのではないかと思うのであります。  第二には、そうはいたしましてもなかなか現実にはそこまでいきてませんので、現在でも果樹につきましては相当計画出荷というような形がとられ、あるいは計画出荷に伴う契約をいたしておるようなところが多いのであります。そういうことを今後も進めていって、これは従来からやっているからということでなしに、今申し上げましたような的確なる情報の提供、いわば短期の観測、長期の観測、これらに対する資料を情報として提供して、果樹については少なくとも全部が共同販売、共同集荷、計画出荷、こういうことにいくように持っていきたいと考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 これはいろいろ問題もございましょうし、むずかしい問題です。この前、私総括質問で申し上げましたけれども、生産者が零細性を持っておりますように、末端の販売機構、すなわち小売店がやはり零細なときに非常に大きな価格の問題があるわけなのでありまして、市場までの調整はいろいろできましょうけれども、市場と消費者との間の機構がかなりむずかしい問題として残ります。ただしその前の生産者の零細性を克服することが、新しい農政のあり方にもなるでしょうけれども、果樹におきましても畜産におけると同じように、ちょうど牛乳におけると同じように、なまで飲む乳と加工する乳の違いの面がくだものの面でもあるわけです。加工原料に使うくだものと、これをテーブル・フルーツ、つまりなまで食ベるくだもの、この間には品質、外観、幾ら違ってもかまわないということがありますね。その場合に生産者の頭にあるのは、ほとんどテーブル・フルーツだけであって、加工を考えない生産の仕方が相当に多いので、非常に集約的な栽培をします、そうして腐敗した物、くずの物を加工に回す、それで加工してできた品物もよくないということになるので、この辺で新しい政策として、加工のための栽培方針、テーブル・フルーツとしての栽培方針、これは生産者も非常に影響があると思いますし、これはまだ振興同か改良局あたりの段階でしょうけれども、何か思いつきでもございますか。

齋藤誠農林事務官(振興局長)

○齋藤(誠)政府委員 お話の通りでございまして、今後に対しまする加工市場としての需要開拓と同時にそれに合わせる品種面、あるいは栽培の面における指導が特に必要だろうと考えるのであります。最近のようにジュースが非常にふえるというようなことになりますれば、おのずからくずものばかりではなしに、相当こちらの方面に今後は需要が伸びていく可能性もあるわけであります。われわれといたしましても、試験場等における研究課題といたしまして、進めていくつもりであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 果樹を伸ばそうという計画がある一方において、今の生産者が手放すような価格では果樹はやっていけないというような悲観的な材料も生産地においてあるわけです。そうかといって、消費者の食べているのは高いので、抜本的な施策を果樹振興のためには必要といたしますけれども、やはりブドウにせよ、リンゴにせよ、加工面に回す生産というものが一定していないので、事業化しない原因はそこにあるのです。豊作の場合にはたくさん材料が来るが、凶作の場合にはぴたっととまる。事業採算が合わないからといって事業を手控えている面が加工方面にあります。ただしこれを生産者の方にやろうとしますと、やはり生産者の零細性が非常にじゃまをして、市場にしましても、販売手数料以上にかかっているのが集荷手数料なんです。一車のリンゴ、ミカンを積むためにたくさんの生産者を回り歩くといったようなことで、集荷費が非常に高くつく。これはどうしても今の新しい農業政策に関係を持って参りますので、これはまた大臣にお伺いをしますが、所得倍増計画に現われました、二・五ヘクタールの自営農家は別としまして、一体協業という構想の中に、こうした流通過程の中に入った畜産なり果樹が大きく浮かび上がってくると思いますが、あの協業というのはどの程度まで協業されるのか、たとえば薬剤散布のために噴霧機の共同購入をやって、薬剤散布面だけで協業をするという面もございますし、選果揚を設けて選果だけやろうという場合もございましょう。一体今度考えられております協業という構想は、どの程度までの協業を考えておられるのか。これは大事な問題でありますから聞いておきたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 この点は一律に何を どこまでということは私はきめにくいと思いますが、ことに伸びる畜産、果樹等に対しまする施策については、かなりまとまった地域にまとまった生産が必要だということも御承知の通りであります。そういう場合において、地方によりましては生産の部面に協業するという場合もございましょうし、あるいは生産は別々でも、今お示しのように販売加工の面において有力な企業家に対抗するために、しっかりした協業体系をとるというようなことも私は必要になってくると思う。これは淡谷さんも御承知でしょうが、一律に果樹についてはどの程度までやる、畜産についてはどの程度までやるということはきめられないので、その地方なり、その業態、業種によって部分的協業、全面的協業というような姿が出てくると思うのですが、それぞれの部面において。私は助長していきたいと思っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 これは前に河野農林大 臣のときに農山漁村の何か村作りの運動を始めましたが、やはりこれと同じ構想だったのです。中央では方針を持ちません。五万円出して論文を書かして、地方の特殊事情を入れて論文に基づいてやるというこの構想は一体どうなりましたか。この農政をやられるならば、その地方々々の実情に即するというのもいいけれども、私はやはりこういう方針で指導し育成するのだという予算措置の裏づけられた一本の強い筋を出さないと、なかなか新しい農業の発足はむずかしいと思う。一体、自営農家ができた、百戸ができた、あとはまあだいぶたくさんの協業農家が出てくるでしょう。それと協同組合との関係はどうするんです。今の総合農業協同組合でいくのか、あるいは果樹、畜産の特殊の農業協同組合を助けるのか、これはどうなんです。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 このたびの協業の形態でありますが、これは別に国会に農業協同組合法の改正法案を出しますが、その中におきまして農業協同組合が農業生産法人として協業の体系をとることができるような形を考えておるのであります。従ってそういうふうな場合におきまして、総合農協との関係はどうかというお尋ねだと思いますが、私はこれは農業生産法人として出発した農業協同組合法に基づく法人そのものは、場合によりましては地方によりまして特殊法人として総合農協と離れて、果実の生産あるいは果実の加工というものについてのみの特殊法人の場合もできると思うのであります。しかし一部農業協同組合が別個に従来からの法制のもとに共同加工場を設けて、そこに組合員たる農業者の果実を持ってきて共同加工するとか、あるいは先ほどからお示しの病害虫の予測をしてあらかじめ予防するというような場合、未然にこれを防除してしまうというような施設、こういうようなものを農業協同組合の共同施設として従来の形で持っていってこれを行なう場合と、ただいま申しました農業生産法人によってやる場合と、二つの形態が私はあると思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 大臣の言われる協業の構想というのは、協同組合とは違ったものなんですか、あるいはまた同じものなんですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 これは私は違った形が出て参ると思います。生産の法人として共同するという場合が、たとえば農作地あるいは果樹、園芸等の耕作地というものを出し合って、法人の借り受けのものになるか、あるいは法人の所有に変わって、そうして全面協業という形で出てきます場合と、農業協同組合で行なう場合には、そういう形でなくして、おのおのが生産について土地を利用しつつ生産物について共同加工というような施設を持って、そこで協業するという場合と、二つあると思うのであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 そうすると、農林大臣の考えておられる協業の中には、農地やら農機具やら労力までも出し合って法人化した一つの経営体としてやっていくという構想も入っているわけですね。確かめておきたいです。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 当然そういうふうな進んだ形の農業生産法人はあるわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 協同組合が生産部面を取り入れた場合、もしそういうふうな計画があったときには、許可されますか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 農業協同組合がやる場合においては、必ずしも全面的に土地その他を法人の所有として各個人の所有から離れていく場合だけでなくて、従来から行なっている形において、農業協同組合の施設を組合員たる人々が共同に利用し合う、またそこへ生産物を持ってきて加工してもらうという部面は、従来の農協でやり得る形であります。だから、そういう点は両立し得る場合がありまするし、進んでいく場合においては、先ほど御指摘のように土地なりあるいは資本財というものを法人の所有にして、それを全部法人という一つの形で経営を進めていくという場合は、実体的には変わって参ると思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 私は、農業協同組合の最大の弱点というのは、生産部面における共同がなかったということが一番の弱点だったと思っております。この生産における共同がいわゆる協業形態でいくならば、この協業という新しい言葉を持ってこなくとも、協同組合に生産面の共同もさせるという生産協同組合の構想でいいのじゃないかと思いますが、これは一体どうなんですか。生産協同組合の構想と協業の構想との違いは一体どうなのか。同じ法人、同じ共同体です。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 それは今度の法律が農業協同組合法の一部改正という形で出ておりますが、大体本来の姿は、これはもっと意見を異にしますが、大体は家族経営を中心にした農業者が中心となって、施設の共同という今までの形で進めていっていいと思いますが、今日の資本装備その他狭い土地を合理的に、しかも生産費を下げて、集めて機械化するというような必要が起こって参りますので、これは御承知の通り、生産法人を作ろうという考え方です。その点で、御指摘のそんならもう農業協同組合法だけ改正して、それがやるようにしたらどうかということでありますが、それも一つの考え方でございましょうけれども、私どもは、その点はやはり農業協同組合というものは、経済的な形を外にあって助けるという形が本来の姿でありますので、これは別の形に改正したわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 大臣の構想としては、協業体がそのままでずっと協同組合に入っていって、そしてやはり系統的な資金あるいはいろいろな制度なりを利用し得るというお考えなんですね。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 その農業協同組合との結びつきなんでありますが、農業生産法人は、農業者として農業協同組合の会員となり得ることは考えておりますから、それが結びつきまして、さらに個人の農業者と同じように、本来の農協から資金の融通を受けたりすることも、それはできるように考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 林野庁の長官見えておりますか。

三浦一雄自由民主党

○三浦主査 業務部長が来ております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷分科員 これは基本的な問題ですから、長官に対する質問は、あとで川俣さんの質問の関連で申し上げることにしまして、私の質問はこれでとめておきます。

三浦一雄自由民主党

○三浦主査 午前中はこの程度にとどめまして、午後一時十分から再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時四十分休憩      ————◇—————    午後一時三十二分開議

三浦一雄自由民主党

○三浦主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。  西村関一君。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 私は初めに内水面漁業の問題につきまして水産庁次長にお伺いいたします。  電源開発事業、化学工業の工場の設置、工場用水というような近代産業の発達に伴いまして、その大きな犠牲をこうむりました産業の一つが内水面漁業であると思うのであります。しかもその復旧にあたりましては、国、府県あるいは市町村の力にたよるよりは、地元の関係業者の負担にのしかかってきておるという現状ではないかと思うのでありまして、こういう非常にみじめな状態に置かれております内水面漁業に従事する者たちのために、国はこれが復旧に対する予算をどの程度計上しておられるか、これに対する施策をどのように考えておられるか、まずこの点をお伺いいたしたいと思います。

高橋泰彦水産庁次長

○高橋政府委員 予算についての御質問でございますが、まず内水面の資源維持の問題については、御指摘の通り内水面の漁族資源と申しますか魚類と申しますか、これらは現在の情勢のままにほおっておきますと減少するような傾向でございます。ただ、中には、養殖方面の発展もございますけれども、概観いたしますと、このままでは減産の傾向にありますことは、先生ただいま御指摘の通りでございます。  従いまして、予算面におきましては、まず内水面資源維持の経費といたしまして、三十六年度予算では、約二千九百万円ほどの予算を計上いたしました。これの内容は、アユの放流の問題及びサケ・マスの稚魚の放流の問題及びニジマス、アユ等の種苗の供給施設の補助金、これらを含めまして、約二千九百万円ほどを計上いたしておるわけでございます。  なおこのほか、日光の中禅寺湖におきまして国営の施設がございますが、これにつきましても、今般新しく施設費の、三百五十万円ほどですが、増加を見まして、この面からも拡充して参りたいというふうに考えておる次第でございます。  なお、内水面と若干関連があり、海面とも若干関連がある問題でございますが、このほか北海道のサケ・マスの孵化場及び養魚場の問題としては、本年度は一億八千五百万円を計上いたしまして、相当の拡充をして参りたい、このように考えておる次第でございます。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 全国約一千万近い内水面漁業に従事しております内水面漁家の漁況の復旧、増殖事業につぎ込んでおりまする総経費というものは、年間どのくらいであると御推定になりますか。

高橋泰彦水産庁次長

○高橋政府委員 ただいまの内水面資源維持費の約三千万円に、孵化場の一億八千五巨万円ですから、約二億一千万円、それに日光その他の施設を入れて、約二億五千万円程度に相なろうかと思います。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 私の伺っておりますのは、国の費用でいろいろやっているという予算の面だけではなくて、自己資本によりまして、どうしても自活のためにはやらざるを得ないというので、無理算段をしてやっている費用が相当にあると思う。あるいは電源開発のために電源会社から補償金として受け取っているところのものもありましょうし、県並びに市町村から受けているものもあろうと思いますが、それでもなお相当な自己負担というものがあろうと思うのでありますが、そういうものについては、水産庁としてはどのように推定をなすっていらっしゃいますか。

高橋泰彦水産庁次長

○高橋政府委員 これは制度の問題にもからむわけでございますが、ただいまの漁業法におきまする内水面の制度と申しますか、この内水面の中には、主として河川の問題になろうかと思いますが、河川及び琵琶湖、霞カ浦を除きました湖沼におきましては、現在の制度では増殖義務を付して漁業権の免許をするという制度に相なっております。従いまして、それらの場合は漁業者がみずからの負担をもって琵琶湖その他からたとえばアユの稚魚を購入して参ってそれを河川に放流する、それと見合いに河川におきまして共同漁業権が免許され、漁業権者たる地元の漁業協同組合は入漁料その他をもってこれをまかなうということを原則にしておるわけでございます。従いまして、それらの河川につきましてはその経費が相当多額であるわけでございまして、今、国の方で見ておりますのは、それだけでは不十分な場合に、県が県営事業として琵琶湖からアユを購入して放流するという場合に、これを補助の対象にするということでございます。従いまして、全体のそれらの増殖に関するボリュームとしては、主として都市近郊その他の入漁者の入漁料によってまかなわれております関係上、国から支出する金額はそれらに比較してはるかに小さいウエートのものであろう、このように見ておる次第でございます。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 私の推定によりますと、内水面漁業に従事しているところの人たちが、増殖あるいは魚族保護あるいは種苗の育成というようなことのために、概算国の補助を入れて十二億円くらいを支出しているのじゃないかと思うのであります。しかも、そのうち先ほどお話のございました入漁者の河川入漁料金というものは、かなりの額に上っているということが考えられますけれども、大体においてその三分の一くらいの金額ではないかと思うのであります。従いまして、その他先ほども申し上げました工場や電源開発によるところの補償金等を加えましても、なおこれはただいまの御説明にありました法によるところの自己負担による魚族の保護ということが建前になっておるということもございますが、とにかく自己負担によるところのものが相当なパーセンテージを占めておるということが考えられるのでございまして、私から言わしめるならば、近代産業の犠牲になっていわゆる斜陽産業として忘れられた状態に置き去りにされようとしておるところの内水面漁業に従事する人たちにとっては、これが振興にあたっては国に大幅に財政的なめんどうを見てもらわなければとてもできない、ますます衰微の傾向をたどらざるを得ないというような結果を招いておるのでありまして、こういう点から考えると、内水面漁業に対するところの国の予算は非常に低いというふうに私は考えるのであります。この犠牲は法の建前によって自己負担をしなければならないということでありましても、彼らの運営の間違いによって衰微してきたのじゃなくて、日本の産業の発達によるところの一つの犠牲として、内水面漁業が衰微の一途をたどっておるというのでありますならば、もっと国が厚い保護をこれらの内水面漁業に従事する人たちに対して加えていかなければならないじゃないかと思うのでありますが、その点につきましていかがでございますか。

高橋泰彦水産庁次長

○高橋政府委員 内水面と申しましても、いろいろな問題があろうかと存じます。たとえば琵琶湖、霞カ浦というような大湖沼におきましては、御案内のように相当数の専業漁民がおるわけであります。従いまして、このような内水面の問題については、やはり海の方の沿岸漁業と同様な考え方で今後持っていくべきであるというふうに思うわけであります。しかしながら、御指摘の通り、予算も決して十分とは申せないわけでございますが、なおその点につきましては後日御審議いただく沿岸漁業振興法等において、この問題を根本的にどうするかという点について御審議をいただきたいというふうに考えるのでございます。ただ一般の河川におきましては、御存じの通り専業者の数もきわめて少ない状況でございまして、都市近郊におきましては自分の営業または自家用と申しますよりも、もう少し視野の広い都市の勤労者のレクリエーションの場というような問題もありますので、そのような視点も加味して考えて参るべきであろう、従いましてそういう点につきましては、河川と琵琵湖、霞カ浦のような大湖沼とでは若干趣が違っておるのではあるまいか、このように考える次第でございます。この琵琶湖、霞カ浦の専業漁民の対策につきましては、今後とも相当力も入れたいし、都市近郊の河川につきましても、それがうまくいくような予算も組み、法律の構成も場合によっては改善して参りたい、このように考える次第でございます。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 高橋次長のお話でございますが、内水面漁業に従事している人たちの約三分の一がその仕事によって生計の道を立てておる。専業というわけにはいかないと思いますが、しかし主たる生計の道を内水面漁業によって立てておる、つまり生活を依存しておるという者が、これは遊漁者は別でありますが、三分の一くらいではないかと、私は漁業センサス等の統計によりまして考えるのでございますが、その他の人たちといえども、非常に零細な農地を耕作をして生活をしている、農地だけでは立っていかないから河川の魚をとって生計の足しにしている、こういう非常に低い生活の状態にある人たちが多いと思うのであります。このような非常な底辺にあるところの内水面漁業に従事する人たちのために、国はもっと積極的な施策を講じ、予算の裏づけをしなければならないということを考えまするがゆえに、ただ琵琶湖とか霞カ浦というような大きな湖を対象とする内水面漁業の問題だけではなしに、河川によっておりまするところの内水面漁家に対しても同様のことが考えられるのじゃないかと思うのであります。  そこで一つは種苗育成についてでありますが、琵琶湖の小アユの放流用の種苗の育成につきましても、まだ全国の要求に対する絶対量が満たされていない。琵琶湖だけではなくて、ほかの河川によるところの種苗の育成につきましても、まだ十分に需要を満たすだけの供給量がないという現状でありますが、この施設に対する補助を増していき、施設をふやしていくということによって、この需給の関係を調整することができるとお考えになるでしょうか。あるいはまた、アユだけではなくて、ウナギ、マス等の問題につきましても、これは累年の風水害のために施設が荒廃いたしまして、種苗の供給に非常に事欠くというような現状に相なっておるのではないかと思うのでございますが、これらの点につきまして水産庁はどのようにお考えになっておられますか。

高橋泰彦水産庁次長

○高橋政府委員 まずアユ、特に海産の稚アユの問題でございますが、これは御指摘のように平年と申しますか、普通の年であれば大体琵琶湖の稚アユでもって全国の需要をほぼまかない得るものというように考えております。しかしながら御案内のように、琵琶湖それ自体にも豊凶がございます。しかも一番困ったことには、放流する時期にとれなければ何にもならないわけでありまして、その時期を失したあとで琵琶湖に小アユがとれましても、これが放流用として使えないのは当然なわけでございます。従いましてそういう意味も込めまして、海のアユを河川に放流してやるということが現在の河川の状況ではかなり適切な考え方であろうというふうに信じておるわけでございます。従いましてその意味を込めて、来年度予算においては、新規に静岡及び神奈川で県が県営事業として海産の稚アユの施設をする場合に、国がこれの三分の一を見るというような構成になっておりますが、これは御案内のように、海から川下まで上ってきたアユをすぐ河川に放流しても、これは歩減りが非常に多いわけでございますから、これを約一カ月ほど適当な半鹹半水の水でならしまして、なれたところでそれを上流の方に放流するということでございまして、こういうような新しい考え方で施設の補助金も実は組んでみたわけでございます。もちろんこれだけでは十分でないかとも思いますけれども、こういうことを手始めにして漸次拡大して参りたいというような考えを持っている次第でございます。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 時間がありませんので、まだ尋ねたいことがございますがその問題はそのくらいにいたしまして、次に、内水面漁業に対する国並びに府県の試験研究機関が非常に不備であると思うのであります。淡水区水産研究所は全国でただ一カ所しかないという状態であり、しかもその内容は非常に貧弱である。これではとうてい全国の内水面漁業の振興のための試験研究機関ということはできないのじゃないかというふうに私は思うのであります。本館の建築ももうできたのでございましょうか、あるいは精密検査の設備も整ったのでございましょうか、あるいは基礎試験のための応用研究池等も完備されたのでございましょうか、あるいは近時淡水真珠の養殖が盛んになって参っておりますが、これが母貝となりますイケチョウ貝、雌カラス貝等の養殖については、まだ学問的にいろいろむずかしい問題があるというふうに伺っておりますが、こういったようなことに対しても国が試験研究をしなければならないわけなんでございますが、そういう点も今までの状態では非常に不備ではないかと私は思うのであります。また淡水区の水産研究所の内部の予算を見ましても、一例をあげれば、技術者の旅費等につきましても、頭割り七千円ぐらいにしかなっていない。これでは一ぺん調査に行ったらもうそれでおしまい。年間七千円くらいの旅費では、とうていほんとうのじみちな試験研究はできない。海区と違ってこれはやっぱり汽車や自動車を利用しなければならないわけなんでありまして、そういうこともどうかと思うのであります。また水質汚濁の問題も大きな問題でございまして、そういうことも国及び府県の試験研究機関によってやらなければならないのでありますが、これらの点が非常に不備であると私は思うのであります。一体三十六年度の予算案には、どのようにこういう要求に対して満たす努力を現実にお現わしになっておるか、また今私の御指摘申し上げたような点に対して、次長はどういうふうにお考えになっておるか、伺いたい。

高橋泰彦水産庁次長

○高橋政府委員 お尋ねの水産研究所の問題でございますが、これはまず全般の問題として御説明いたしますと、三十五年度におきましては約三億七千六百万円という予算が計上されておりましたが、三十六年度では約四億三千四百万円という予算と相なっておるわけでありまして、若干の増加を見たわけでございます。ただいま先生が淡水区水産研究所の施設の問題を取り上げまして、具体的にいろいろ御指摘になったわけでございますが、一々ごもっともでございます。私どもは今度の予算をもってしても、ただいま御指摘になりました老朽施設その他の事業内容につきまして、全部できるかどうか懸念している次第でございます。なお三十六年度の淡水区とほかの水研との間の内部の調整につきましては、ただいま技術会議その他事務局で検討中でございますが、そういうようなお答えをしても、おそらく先生ただいま御指摘の問題が十分に充足されるとは、私残念ながらお答えしかねるわけでございます。しかし、この研究費の問題は非常に重要な問題でございまして、この機関の充実がなければなかなか思うような内水面の問題を含めての沿岸振興が達成せられないので、なおさら今後一そうただいま御指摘の方向に向かって努力をするつもりでございます。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 もう一点、内水面漁業の問題についてお伺いをいたしまして、ほかの問題に移りたいと思いますが、それはダム建設によるところの人造湖、これが相当多数できていると思うのであります。これはどのくらいできておりましょうか。今ちょっと即座にお答えが願えないかもしれませんが、この人造湖に対して積極的にこれを利用して、内水面漁業の振興をはかるというようなことに対して、水産庁としては何らかのお考えを持っておいでになりますでしょうか。この点非常に大事な今後の問題があると思いますので、現在やっておられることがあれば、将来に対する計画があれば、その点もあわせてお答えをいただきたいと思います。

高橋泰彦水産庁次長

○高橋政府委員 ダムの建設によってできました人造湖の数の問題ですが、私、不勉強で、今覚えておりません。はなはだ申しわけございません。この人造湖に対する方針いかんという御質問でございますが、これは残された内水面における一つの資源というように考えまして、将来これを重要視して参りたいと 考えておるわけでございます。ただ遺憾ながら、現在の人造湖におきましては、御案内のようにこれが非常に深い湖になるわけでございまして、ここでできる魚類が、現在の状況においては、必ずしも生産量は十分ではございません。それはなぜかという点が、必ずしも科学的に解明できておりません。おそらくは、底の方の溶存酸素量の問題と、それから温度が相当違うという問題、もう一つは、非常に深いために適当な漁獲方法がない、特に障害物が多いために適当な漁獲方法がないというような幾つかのいろいろな困難な問題がございまして、それをまず研究機関によって確かめられた上で、その科学的な基礎に基づきまする適当な増殖のための経費を近い機会に組みたい。しかしながら、現在の段階では、ただいま申し上げたような点の科学的な解明が不十分であるということでございます。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 まだ内水面漁業の問題につきましてはお尋ねしたいことが多々残っておりますが、与えられておる時間が足りませんから、次の機会に譲りたいと思います。  次に、飼料の需給安定の問題につきまして、農林当局にお伺いをいたします。政府の農業政策の一つの柱は、農業経営の面におきまして、果樹、畜産に重点を置いていく、特に畜産については大いに振興をはかっていこう、こういうところに一つの柱が立てられておりますが、畜産振興につきましては、飼料の問題が重要な要素になりますことは申すまでもないところであります。この飼料の問題につきまして、農林当局は飼料の需給状態をどのように考えておられるか、飼料需給安定法によりまして、国内産の飼料と輸入飼料とをどのように調整しておられるか、またしようとしておられるか、この点をまずお伺いいたしたいと思います。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 まず第一に、飼料の需給をどういうふうに考えて取り扱っておるかということでございますが、これは毎会計年度につきまして推算をすることにいたしておりまして、午前中もお話が出ました栽培による牧草、あるいは改良牧野における粗飼料の供給、あるいは野草の飼料、こういうものを長年の統計資料によりまして、まず国内生産の粗飼料を概略つかみまして、それにビールかすとかパルプ廃液とか澱粉かすとかしょうゆかすとか、いろいろなものがありますが、国内の濃厚飼料、ついで国内製粉から出ますふすまとか米ぬかとか大麦から出ます麦ぬか、その他の国内産の濃厚飼料についてまず供給力を策定いたしておるのでありますこれは総養分量、粗蛋白と澱粉価を中心にいたしております。他の飼料要素も一応科学者の作成した基準により総養分量、粗蛋白、澱粉価の量によって計算いたしますと、総需要との間でどれだけが供給不足かということが出て参りますので、別途家畜の種類別の、毎年二月一日から翌年の二月一日、その間に生まれて消費される家畜あるいは畜産物がありますけれども、家畜頭数を原則としては年央にとりまして——ふえる場合と維持する場合と減る場合が一年間にありますが、まん中の場合をとりますと、ほぼ穏当な頭数が出ますので、そこでえさの需要量を出しまして、国内供給と需要との差を輸入量によってまかなう。そしてこれを従来の農家経済調査によります農家の使用状態から判断しまして、所要飼料穀物その他の飼料に基づきまして、ふすまとか、ふすまの原料である小麦あるいはトウモロコシに当てはめまして、これも総養分量、それから粗蛋白、澱粉価などと突き合わせております。目下の状況は、一年間の計画を今年度また来年度は予算上におきまして策定しまして、この年度末である三月までに飼料審議会を開いて需給計画としては確定いたしますが、その間に輸入品ならば豆かすの問題でありますとか、国産だと、国産大豆処理に伴う原料大豆の輸入発券の停止の問題でありますとか、魚かすについていえば、国内産のニシン、サンマ等、あるいは北洋の生産の魚かすでもやや少な目でございます。そこらあたりを中心にした不足量が出ておるのであります、これに対しましては、かす類といっておりますが、ふすまをもって米ぬかとか麦ぬかに代替せしめる意味を加えまして、小麦の量は前年度の数量の約五割、その他のものも相当増加いたしました。大豆の自由化等に伴い、大豆かす、また魚かすについては国内の不足分をペルーから輸入して調整いたすことにしております。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 三十五年度の輸入飼料についてでありますが、畜産局と水産庁との間に打ち合わせをせられまして、需給推算を行なわれたと思うのでありますが、それに基づいてどのような計画を立てられたかまたどのように輸入が行なわれたかということをお伺いいたします。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 ちょっと私、食糧庁か水産庁かわかりませんでしたが、食糧庁でしょうか。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 水産庁です

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 水産庁と協議いたしますものは必ずしも一つではございませんけれども、計画的需給調整をいたしておりますものは、ただいまは魚かす、魚粉でございます。これは三十五年度に関しまする限り、国産の供給は十八万トン、配合飼料その他の、需要との比較をいたしますと、本年度は計画上は約四万五千トン不足の計算になりましたけれども、国内水産との調整をはかる要がありますので、その約半分を輸入しました。来年度につきましては、水産庁と打ち合わせもいたしまして、食用その他を加えれば三十万トン出ずるものがありそうでありますが、飼料用としましては、一年間に、三十五年度約十八万トンの供給を見込みまして、この需要との関係を見ますと、約三万二千トン不足するのであります。そこで、この魚粉、魚かすの不足分三万二千トンを、海外から比較的良質な安いものを輸入することにいたしております。ペルー産のものは、目下のところ国際的に安いと認められますが、昨年は、食糧管理特別会計内のえさの勘定、これは正式の名前は農産物等勘定でありますが、その中で扱って政府が輸入飼料を買って国内に放出をして需給調節と価格安定をはかるというその方法をとりませんでした。来年度はこれをとるつもりであります。従いまして、えさ勘定、飼料勘定の中に、輸入としまして魚かす、魚粉三万二千トン分が入れてあります。水産庁との間は、安いものを輸入して幾らで国内で売るかということが今問題であるのであります。かりに差益を生じて国内に販売する場合は、産地におきまする漁民あるいは漁業の施設とか、何か役立つことにその差益を使ってくれないかという意見がありまして、検討中であるわけであります。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 私の伺ったのは、すでに水産庁と打ち合わせをして、三十五年度の輸入においてどのくらい入ったか。輸入魚かす、魚粉がいつの時期にどのくらい入ったか。政府が最初考えていたのは、今お話しになりましたように、約二万トンを入れるというのでありますが、それは最初大体いつごろまでに二万トンを入れるというお考えだったのですか、そしてそれがどのように入ったのですか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 魚かす、魚粉の飼料用としての入手が困難になりまして、また同時に、値もそのときは上がっておりましたので、従来直接に扱ってはおりませんでした魚かす、魚粉の飼料用のものを、政府が乗り出して、需給調整の重要な対象にしようとしましたのは、本年度、三十五年度の半ばでございます。そのときに、通年の需給推算もあらためて計画を立てるというような意味で作ってみましたとき、不足量が四万九千トンであったわけです。それを、まあ国産の魚かすが何しろ水産物でわかりませんので、いきなり四万九千トン輸入するのも、船の関係もあり、あれは海上輸送中に火事を起こすようなこともありまして、分割輸入したらどうだろうということがございました。かたがた、五万トンの不足量というのも手探りをしておる要素が入っておる。そこで分割輸入をすることにしました結果、三十五年の四月六日からの輸入は一万八千五百トン、その後到着見込みが二万トン、この到着見込みを入れますと、三万八千トンということになっております。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 私の聞いておる範囲におきましては、大体二万トンを五月三十一日までに入れようというのが、今お話しのように、火災その他見込み違いのために、予定通り入らなかったということでありますが、この海外の魚かす、魚粉を入れることにつきましては、これはさらに魚かす、魚粉だけではなくて海外から輸入する飼料につきましては、季節的に需給の調整をしなければならない、また適量輸入がなされなければならないということが、やはり原則であると思うのでございます。季節がおくれましたのでは、やはり国内産業、魚かす、魚粉を作るところの業者に対していろいろ影響があるということが考えられるのでありますが、今お話しのありましたペルーのフィッシュ・ミールが入ってくるのがおくれましたが、受け渡しは一体、いつごろなされたのでございますか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 昨年四月、五月に割り当てました一万八千トンは、六月到着いたしまして、これは夏分の需要に充てたわけでございます。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 完全に船が入ってくるのが一カ月おくれて、事故が発生したりその他の手続の不手ぎわなために荷おろしがおくれておるということは、国内のアジかすの生産期並びに北洋の工船魚かす、魚粉の生産と競合する面ができてきておると思うのでありますが、こういうようなことがありましては、国内産業に重要な影響を与える。もちろん、安い飼料を国内の農家に供給するということは私どもの望むところでありますけれども、こういう輸入の不手ぎわのために、また十分な調整が法の建前によってなされていないということのために、北海道及び三陸の沿岸漁業、特に魚かす、魚粉を製造しているところの漁業者に対して非常な影響を与えておる、こういうことは、これは一面におきまして、沿岸漁業振興の建前にも相反することであると思いますが、こういう点につきまして畜産局長は水産庁当局と十分な連絡をせられたのでありましょうか、その点畜産局長並びに水産庁次長にお伺いしたいと思います。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 今後円滑に輸入をいたしますのに、先生の御指摘の実情を十分考えましてやるつもりであります。  それから水産庁との打ち合わせにつきましては、御了承願いたいのは、従来民間の需要者団体が輸入申請しました為替割当を、必ずしも計画的にやっておりません。というのは、輸入不足量がそう大きくなかったからであります。昨年から不足量が大きくなり——輸入する魚かすの減と、家畜増産の需要の増でありますが、年度の途中から始めて、為替管理の運用で統一的な調整機関なしにやりましたので、そう私はへまとは思っておりませんけれども、若干荷おくれがあった、こういうことであります。  もう一つは、水産庁とは季節別の点も数例扱いまして、まず国産で入手し得るものを入手せしめることとして、北洋ミールのようなものは五万五千トンだったかと思いますが、水産庁のみならず関係業界にもまず出荷をしていただきまして、輸出の話もありましたが、少な目に抑えてもらう等の打ち合わせをいたしますと同時に、自後は魚粉、魚かす需給対策協議会を関係官庁と業者とともに行なうことにいたしまして、ただいまやっておりますが、円滑を期することにいたしておるのであります。

高橋泰彦水産庁次長

○高橋政府委員 水産庁と畜産局との間に立場の相違がございますので、若干いろいろな意見を戦わすことはございます。しかし、いずれにいたしましても魚かす、魚粉につきまして、魚価が安定するということは、漁業者のためにもなることでございますので、そういうような趣旨で随時打ち合わせをしておるような次第でございます。ただ遺憾ながら、主として問題になりますのはサンマの魚かすが主体になるわけでございますけれども、サンマの漁獲があらかじめ想定することができないという技術的な難点、それからこの生産量についても、ただいまの協同組合その他加工者の方面からの数量は、必ずしも確実でないという若干の技術的な難点がありますので、その技術的な難点をめぐっての水産庁及び畜産局の若干の意見の相違はありましても、趣旨は全くただいま畜産局長の御説明の通りの趣旨のもとに、今後ともなお十分連絡して参りたい、このように考えておるわけでござまいす。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 私のお伺いいたしたいと思います要点は、季節的な需給の調整と適量の輸入ということでありまして、それが、そうへまはやってないと局長は言われますが、私から言わせれば、不可抗力であったかもしれないけれども、火災があったり、入関手続の不手ぎわがあったり、いろいろなことのために、実際に荷物が揚げられたのが非常におくれた。またそれだけでなしに、実際に受け渡しされた期日がずっとおくれたということは、やはり国内産の魚かす、魚粉の業者に対してかなりの価格の影響を与えたし、またその間金利の問題でありますとか、あるいは保管料の問題でありますとかいったようなことについても損害を与えたと思うし、また同時に国内の製造業者が魚の値段の安いことのために意欲を失う、もう魚かすを作ることはだめだというように、そういうことから生産意欲を失ってしまうというような結果を来たすんじゃないかということをおそれるのでありまして、これはやはり魚価安定基金を作ろうとなさる政府の意図、また沿岸漁業振興の建前からいっても、やはりそういう点はよくこれから連絡をとって調整してやっていくというお答えでございますが、そういうことに対する問題をなくしていくようにしていただきたい、この点大臣いかがでございますか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 まことにごもっともな意見であります。私どもは、内地の魚かす製造に当たっておる沿岸漁業者、またミール工船等がやっておる方々に、その生産に関しての確たる出産見込みをはっきりしてもらう。これだけは内地の供給ができるのだ、しかもそれはできるだけ品質をよいものにしてもらいたい、合理化してコストを下げるという努力をしてもらって、内地生産を第一に使いたいというのは、ただいま畜産局長も申しておる通りであります。ただそれには、大体責任を持ってもらうようにして、内地生産見込み数量はこれだけで——いろいろ価格差のあるものでありますから、問題はありましょうが、これだけは供給し、生産見込みはこう、責任を持つというような形に進めてもらうように畜産局、水産庁は手を握っておるわけであります。水産庁は積極的な指導をしてもらいたい、また指導をしたいと思います。その上に今後伸ばすべき畜産対策として、飼料として必要なミールの不足分があれば、そのときに輸入する。輸入の問題に関しましては、さっきの生産見込み数量と将来の需要総数との問題を見きわめてきめて参りたい、かように思います。その点はあなたの御趣旨と同様であります。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 この魚かす、魚粉の輸入につきまして、飼料需給安定審議会の意見を聞かれたのでございましょうか、そしてまたこれを大臣指定にするということについては、これは畜産局と水産庁との間の意見調整と申しますか、話し合いというものが結論に達しているのでありましょうか、その点大臣いかがでございましょうか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 先ほど申し上げましたような魚かす、魚粉の食糧用の分の需給計画につきましては、本年度はまだかけておりません。来年度は近く開かれる審議会にかけるつもりでございます。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 この審議会には水産関係の人がどのくらい入っておりますか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 見方によるかもしれませんが、今お入りになっておらないわけでありまして、今水産庁とも相談しましてお願いを申し上げております。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 現在入ってないが、水産庁と話し合って水産関係の人も入ってもらうつもりだということですが、何名くらい入れるつもりですか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 目下のところは一名を予定しております。少し難航いたしております。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 一名でも難航するというのですから話にならぬと思う。やはりそれでは足りぬのではないかと思うのです。重要なる水産関係の飼料を輸入しようという場合において、やはりそういう点についても十分な配慮をしてもらわなければならないんじゃないかと思う。私の質問の意図するところは、できるだけ安い飼料を農家に供給するということは申すまでもないことでありますけれども、それとともに、やはり苦労しているところの沿岸漁家や工船ミールをやっている業者の利益のことも考えてやらなければいけないし、そういうことの利益の競合いたしまする面に対して、十分水産業者の側の意見も尊重するという建前をとるためには、審議会のメンバーの構成についても配慮が必要じゃないかと思うのであります。それから、水産庁関係の方はこの審議会には入ってないのですか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 従来は入っておりません。官房長が入っております。しかし飼料需給安定審議会は法律に基づく団体で、委員の数も法定されておりますから、現在のメンバーで、総員数で調整がつく範囲あるいは将来解消するという範囲で、先生がおっしゃった通り努力したいと思っております。水産庁も、ちょうど御発言がありましたが、先生方も代表がすらっと早くお入り願えるように御尽力願いたいと思います。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 次にお尋ねいたしたいのは輸入魚かす、魚粉の積立引当額あるいは調整金の問題であります。この算定、積み立て及び使用の要領と申しますか、この点につきまして、この調整金がどのような団体にどのように使われていったかということをお伺いいたします。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 輸入ミール買い上げ、売り渡しの、まず単価のことでありますが、輸入価格はトン当たり平均的に見まして四万四千円だったと思います。売り渡し価格はトン当たり四万九千円、これは水産庁が国産ミールを価格支持したいとしておられる価格でございます。それ以上がいいという意味と、飼料は安い方がいいということを調整したその結果といたしまして、七千五百七十三万円積み立てせられまして、それはあるところは全購連と飼料保税工場会、魚粉連に若干とでございまして、ほとんど使っておりません。積み立てたままであります。そのごく一部がチリ災害がありました際に罹災農民に販売される飼料を安くいたしますように輸送費の補助に使われました。それが約六十万円だったと思います。それだけ使っただけであります。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 この七千五百何がしという金額に相なるということでありますが、これが使われました内訳ですね、今名前をあげられました通りに二、三ございますが、その団体に幾らいったか、そしてチリ災害の罹災農民に対して行ったのがありますが、その他は積み立てておる額が何ぼか、その明細を一つお示しいただきたい。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 飼料保税工場会が四千八百八十一万円、全購連が一千七百八万五千円、このうち六十万円がチリ地震の際飼料価格を安くするのに使ったのであります。北海道飼料協会、ホクレン等が中心でありますが、四百五十三万九千円、全国魚粉飼料工業会が三百九万二千円、日本養鶏農協連が二百十二万五千円、全国酪農農協連が八万八千円、以上計が七千五百七十三万円であります。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 この積立引当額というものはどういうふうに使うようにきめられておるのでございますか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 これは輸入品から生ずる差益というわけでございます。税金でとられる場合はやむを得ない、その他は災害、異常事態が発生したような場合に飼料需給安定、価格安定に使うわけであります。第二に考えられますことは、国内産の魚かす、魚粉の需給や価格安定のために有効に使えるといいのじゃないか。第三点は飼料と魚かす類——魚かす類も飼料の中に入りますが、問題は魚かす類から発生しましたものですから、他の飼料及び魚かす類というのであります、その遠隔地輸送を、少し輸送補助をしたらいいのじゃないか、また未利用資源の魚などからまだ未利用の飼料化をはかり得ることがあろうと思いますので、そういうものを促進する試験研究費に使ったらいいのじゃないか。要するに形式は、需給安定、価格安定、飼料のためにする試験研究というものに使ったらどうか、その意味で農林省の承認を受けてお使い願いたい、こういうことを為替割当の条件に申し上げておるわけであります。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 今安田局長の言われた使用基準をさらに拡大していこう、もう少し広げていこうというようなお考えが当局におありではないのですか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 ないわけではありませんので、飼料業の発達とか他の輸入飼料の公益的な事業は検討に値するだろう、しかしこれは積み立てておる方の意思が重要なわけであります。そういうことで、読み上げましたものに限る、そういうふうには思っておらないのであります。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 聞くところによりますと、飼料輸入、市場の開拓または安定化のための調査旅費、会議費、資料費等に使ってもいいというような通牒を関係団体に出されたかのごとくに伺っておりますが、それは事実ですか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 通牒を出したことはございませんが、ただいまこの使用目的をどのように予定しておるか、こういうことに多少弾力性はあります。目的はあくまで飼料の需給安定、価格安定、試験研究、こう申し上げておりますが、ここに参考資料として持っております中にも、その全部を読み上げませんでした。読み上げますとそういうところも入っております。飼料の輸入、市場の開拓または安定のための調査費、こういうものも具体的に見て適切ならばけっこうじゃないかと思っております。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 今言われました使用基準は、畜産局でいつごろお立てになってこれをお流しになったのですか。そういう今読み上げられました資料はいつ出たのですか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 去年の六月ごろ担当の飼料課で研究して、一つの数字を案として持っておったらというつもりのものを、私が国会答弁資料としておるのでありまして、通達を流したり基準をきめた、そういう取り扱いにはなっておりません。何も目算がなくて何も方針がないではいけないから、積み立てをした団体からの申請によるものだけでも、いいか悪いか、どの方がどれよりはいいかというようなことの参考に局でもって考えたものであります。

三浦一雄自由民主党

○三浦主査 西村分科員に申し上げますが、一つ結論をお急ぎを願います。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 そのような基準に基づいて大臣が認可をしなければ使えないというわけなんでございますが、もう年度末も近づいているときに、これらの団体がどのように使おうとしているかということをおつかみになっておられますかどうですか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 多少情報として聞いておることもありますが、正確にはつかんでおりません。相手方から御申請や御相談があるのを待っておるのであります。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 これは私なぜこんなことを聞くかと申しますと、この差額によるところのものが適正に使われるかということがひとしく業者の願うところ、特に関係農民あるいはまた水産業者の願うところでありますから、そういうことに対しても、もう三月末日には何らかの処理をしてしまわないというと、これがこのまま税金の対象になるわけですから、そういうことはおそらく団体としてもしないと思うのです。そういう点については、早くこれが適正な処理をはかることが大事だと思います。聞くところによると、この金でもって相当多数の人が海外へ調査研究という名目で旅行するというような話も聞いているのです。そういったようなことが決してむだとは言いませんけれども、そういうようなことのためにこの金がむだに使われるというようなことでは、これは戒めねばならぬのでありまして、そういう点についても畜産当局としては十分な留意をせられる必要があるのじゃないかと思います。そういう意味から私はこの問題を取り上げて聞いておるわけなんであります。  次に、主査から急がれておりますから端折りましてお伺いをいたしたいと思いますが、昭和三十六年度農林予算の中で、品目追加指定をするということと関連をいたしまして、食管予算の中に予算が計上されておる、それは先ほど局長が言われたところでありますが、この点につきまして水産庁と十分な連絡をなすったのでありましょうか。これは水産庁次長にお伺いいたしたいと思います。連絡を受けられましたか。

高橋泰彦水産庁次長

○高橋政府委員 先ほど申し上げましたように多少技術的な点におきまして畜産側と水産庁側で見解の差が出ることはこれはやむを得ないことでございますが、食管の問題につきましては、ただいまはこれを承知しておるような工合でございます。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 魚かす、魚粉の認定につきまして水産庁の意見を徴せられましたか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 まず私からお答えを申し上げます。水産庁については十分な連絡をしたつもりでございます。十分なということと、つもりということは、予算折衝期の忙しい時期であるから、関係局と相談をしてやらなければならぬという程度は食糧庁にも御相談申し上げ、水産庁にも御相談申し上げてやったのであります、ただ私が水産庁長官に話したかと言えば、私は廊下で立ち話はいたしましたが、あとは課長と向こうの水産課長とやったはずであります。同様に水産庁の上の次長、長官のところは十分にわかりません。また大蔵省で査定をいたしますものは官房へ通知して復活要求もしたりしますので、大蔵省の場において農林省の官房の場においての協議は十分にいたしております。

高橋泰彦水産庁次長

○高橋政府委員 ただいまの安田局長のお答えの通りであります。

西村関一日本社会党

○西村(関)分科員 どうも話を聞いておりますと連絡が不十分なような気がするのです。私はこういう大事な問題についてやはり両責任者が——水産庁長官が海外へ旅行で留守であれば次長が責任者ですから、十分な連絡をとってこの大事な新しい、今までなかった予算を計上するのですから、そういうことが寝耳に水ではなかっただろうと思いますけれども、廊下の立ち話でとかなんとかいったようなことでは、私は農林省当局としては十分な連絡調整がついているというふうには受け取れないのであります。こういう点についても今後そういうことのないようにしていただかなければならぬと思うのであります。  魚かす、魚粉の認定につきましてもいろいろ問題があると思いまして、今私はその問題点を指摘する資料は持っておりますけれども、時間がございません。いろいろこれは大局的な見地から検討しなければならぬ問題があると思うのでございますが、こういう点につきまして今大臣もお聞きになっておられますように、畜産局と水産庁との間の連絡が不十分である、こういう点については今後よく連絡をとることにするという両者の御答弁でありますから、一応これを信用いたしましてこの問題はこれで終わらなければならぬわけでございますが、最後に大臣にお伺いをいたしたいと思いますことは、先ほど大臣がこの席においでにならぬときに、内水面漁業の問題についてお伺いをいたしました。政府委員からの説明を受けたのでありますが、近代産業の発達に伴う犠牲をこうむっておりますところの内水面漁業に対しまして、国の保護は非常に薄い。こういう点に対していろいろ御指摘を申し上げたのでありますが、こういう日の当たらない場所に置かれておるところの内水面漁家に対して、大臣としても今後十分な御留意をもって保護育成に当たっていただきたいということが一点と、ただいまの飼料需給安定につきましてはいろいろ沿岸漁家また多大の犠牲を払っておりますところの工船ミールの業者の立場をも十分に考慮しながら、需給安定法の精神にのっとって適切な調整をやっていただくということをお願いしたいのでありますが、最後に大臣の御所見を承りまして一応私の質問を終わることにいたします。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 お話しの点、全部前に聞いておりませんから、あるいは見当違いな御答弁になるかと思いますが、大体今のお話でお答えを申し上げます。  私は午前中にもお話ししましたように内水面沿岸漁業というものに対する処置は、まだ私も十分とは思っておりません。しかしこれは農業なんかよりもさらに一そうむずかしい。またいろいろな点に考えを及ぼさなければならぬのでありますが、何としても内水面沿岸漁業特に対する、零細な漁業者に対する施設を今後はさらに拡大をしていかなければならぬと思うので、多くは時間がございませんが、ともかくも農業のような一定の面積、寡少なりといえども農地に春播夏耕といいますか、秋収冬蔵つまり春まいて秋取り入れるという、将来もそういうことが計画的にできるものとは違った形に沿岸の漁業はある。最近においては特にニシンだとかアジ、サバ、イワシというようなものが海岸に寄らないためにどうにもならぬというようなこともございますが、これらに対する積極的な意図をもっての沿岸漁業の構造改善というような問題は、大きく漁業の実態に入って考えていかなければならぬということを思いますし、また農村、漁村というつながり合い等において背後地を持っている等の場所においては、農と漁とあわせて行なうような方法も考えなければなりませんし、また御指摘の大企業によって影響されるところが大きいとおっしゃったのは、おそらく大企業から排出される水質汚濁による内水面沿岸漁業の影響をどういうふうに防止するかという問題でありましょう。これなんかも一昨々年か通りました水質汚濁防止法というものに関して、水質汚濁の基準というものを各地ごとに立てて、それに対して責任者から補償をさせるという方向で進んでおりますが、まだ法律が通過して時期がありませんので十分とはいっておりませんが、さらにこれを進めて参りたいと思います。さらに今お話のフィッシュ・ミール、魚かすというものに対しては私は内地生産第二主義に考えていることは先ほど申した通りであります。これらはどうしてもむずかしさがある。と申しましても、一応内地の畜産の将来の発展の過程における飼料対策として、内地ではこれだけは責任をもって引き受けられるという態勢を一つとってもらわないと、外から侵入してはいかぬという話は、なるほど日本のためには必要ですけれども、畜産を拡大するという立場からは、いわば一定の計画に基づくあれですから、いろいろと内地の見込みが違って内地はそれだけ出せませんでした。しかし急に輸入するということになれば、先ほど御指摘のように計面的にならなければ商いものを輸入しなければならぬ。また間に合わぬということが起こってくると思うので、私は内地沿岸漁業並びに工船フィッシュ・ミールというものの品質というものが合理化されていくような方向に持っていく、それを第一にとるということは当然の措置だと思うのであります。そういうことに対して、一部は水産業者のためにも責任を持たしてもらって、それに対してはできるだけの保護措置を講じてもらうということがよかろうと思います。  それから先ほど特別会計に設置した問題についての農林省内部の連絡は不十分だということに対しては、これは明らかに今後は考えていかなければなりませんが、私どもはとにかく大きく伸びる畜産対策として内地のフィッシュ・ミール等についての伸びというものに対して不安があるので、万一の場合において業者に買わして、その差益をいろいろな形で議論されるよりも国に持っていった方がいいという形であったと思うのです。これなんかは、今後においてこの差益をどういうふうにするかということはよく御意見を伺って、さらに研究をいたしたいと思いますが、国に設けた趣旨というものは何もそれでもって輸入が優先するというのではなくて、あくまで内地生産のフィッシュ・ミールに対する供給の見通しをはっきり立ててもらって、その差額、足らぬところは計画的に外からのものを買うということだと思います。

三浦一雄自由民主党

○三浦主査 川俣清音君

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 私はこの際農林大臣に議事進行上ただしておきたいことがございますので、御答弁願いたいと存じます。それは、予算委会におきまして大蔵大臣、本分科会におきまして農林大臣から予算説明がございましたが、その予算の裏づけとなる法案といいますか、むしろその主体となる法律案で未提出の法律案があるように見受けますが、その案件名並びにその内容、またいつお出しになることができるか、この点に対して明確な御答弁を願いたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 大体あと五件ほどございます。御承知の農業災害補償法案関係が二つ。それから麦対策に関する法案、大豆、菜種に関する法案、それからもう一つ畜産物価格安定法案、この五つでございます。あとで申しました三つはもうすぐ提出ができる運びでございます。農業災害補償の方はもう少しおくれます。これはいろいろ問題もありますが、保険会計の内容というものを、実はこれは三十七年度予算に盛られるべきものをこまかく相談決定してしまわないと、なかなか技術的に困難な面があるというので、そういう点がまだまとまっておりません。しかし、これもほかの方がおくれましてあれですが、提出はできると思いますが、ちょっと二、三日中というわけにはいかぬと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 実は、農林省を責めるという気はないのですが、というのは、いずれも大蔵省との折衝で難航しておられるわけでございまして、あまり急ぐことによって農民の不利益を来たしては困るという懸念もありますので、実はその点では責める気はないのですが、しかし予算審議の上からいきますと、政府に対しまして二十四日の期限をつけまして、予算審議の上から二十四日までに法案を出すよう要求いたしておるのでございます。二十四日が困難だということで、二十八日という、今日限りの期限をつけて要求をいたしておりましたところ、農林省の案件が一番多く未提出になっておりまするので、今後の審議の上から非常な影響を与えると思いますのでお尋ねいたしたのです。それかといって、農民に不利益を来たすようなことまで急いでやれということも、これはまたなかなかつらいところでございますが、しかし、いずれにしても、予算の審議終了までにというよりも、二日までに、本分科会が終わるまでにお出し願わないというと、審議の対象にならないわけであります。予算の審議が一日、二日伸びるということにも相なるかと思いまするので、この際政府の注意を喚起しておきたいわけでございます。特にあとに述べられました農業災害の問題につきましては、まだなかなか議論が残っておるようでございます。しかもこれは予算が非常に大きいのでございまして、予算関係からいいますると、重要な法案となるわけでございます。それだけに分科会で審議を終了きせるおけにはいかないような事態が起こると思います。主査にお願いいたしますが、この分科会が終わるまでにこれらの法案が出て参りませんというと十分な審議ができませんので、もしかすると、この分科会が提出とにらみ合わせて一日延期、あるいは二日延期ということもあり得ることを政府に警告しておいていただきたい、こう思うわけです。

三浦一雄自由民主党

○三浦主査 主査からも農林当局に申し上げますが、今お聞き及びの通りですから、善処をお願いしたいと存じます。  なお質疑は継続さしていただきます。芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀分科員 最初に農林大臣にお尋ねしますが、畜産農業の振興と飼料の問題についてお尋ねしたいと思います。政府の国民所得倍増計画によっても、今後農業生産の面では牛乳並びに肉畜の需要が十年後には三倍に拡大される、その需要にこたえるために、今後の農業生産の拡大方向というものをその方面に大きく転換きせるという、こういう方向が明らかになっておりますが、最近、御承知の通り、特に飼料の価格が暴騰しております。こういうことは今後非常に大きな問題になると思うのですが、これに対して現在政府は全く無為無策で、これを傍観して、上がるにまかせておるという状態ですが、どういう理由で飼料価格の暴騰を傍観しておるのか、その意図を明らかにしてもらいたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 詳しいことは局長からお話ししますが、やはり現在におきまして、時期的に国内における飼料の供給数量が今ちょっと不足しておる部分もあります。こういうものについては、ふすまと小麦の関係等、あるいは必要なものについては輸入をするとかいう形はとっていきたいと思いまするが、全体的に、時期的に、多少需給の関係がバランスがとれていないというようなことでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀分科員 この飼料関係については、国の制度の中に飼料需給安定法というものがありまして、これに飼料需給安定審議会というものが法律に定められておって、毎年の飼料に対する需給計画というものを定めて、この線に沿って飼料の需給の安定並びに価格の安定をはかるということを目的としておるわけです。このように飼料の事情が悪化するという場合においては、これはそのもとをなす飼料需給の計画の中に大きな狂いがある、そういうことに当然なるわけですが、需給計画等についてはどういう形で現在進められておるか、その点を明らかにしてもらいたいと思います。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 失礼でございますが、かわりにさっきの説明をさしていただきたいと思います。  今年度の飼料需給計画は、飼料需給安定法に従いまして、昨年度の終わりごろに飼料需給安定審議会の議を経てきまっておるのであります。しかし、家畜の増加状況と、国内の粗飼料及び濃厚飼料の供給状況等に、非常にたくさんの品目がございまするが、その間にどうも供給不足があるやに認められましたので、昨年の十月上旬だったと思いますが、飼料需給安定審議会を開きまして、ふすまの原料であるところの小麦、大豆かすの原料である大豆等につきまして、輸入増加の計画変更をお願いする審議会を開きました。それで今日に至っておるのであります。それから、来年度につきましては、ちょうど予算面の食糧管理特別会計の飼料勘定に載っておるところが結論でありますがそこに至りまする国内の粗飼料、濃厚飼料、その需給等を見積もりまして、近く飼料需給安定審議会に付議して、それを決定するつもりであります。  それから、当面の供給不足と思われる点は、いろいろ原因がありましょうが、家畜の増加の伸びよりも、国内の濃厚飼料の供給量にする需要の方が大きくて、またはるかに輸入飼料に対する需要が大きく出ております。その関係を言いますと、家畜が一くらい伸びますと、国内の濃厚飼料販売高は二くらいに伸びまして、輸入飼料は三と四の間、四に近い、約倍というわけですが、そういうふうに需要が出て参る。これが農家の真の需要であるかどうかの点もございまするが、ともかく流通段階におきまする在庫が減っておりますから、小麦の輸入増加、あるいは一部トウモロコシの輸入増加、マイロの輸入、大豆かすの輸入増加、これを来年度の繰り上げ輸入をも考えながら検討中でございますが、さしあたりのところは相当量輸入増加の手を打ちまして、間もなく全部到着するようになっております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀分科員 政府は昭和三十四年に主要な飼料に対してその指示価格をきめておるわけです。当時の指示価格から見ると、品目によって違うけれども、高いのは大体七〇%くらい上がっておるわけです。二〇%、五〇%、七〇%と、非常な高騰を示しておるわけです。こういう状態に赴くということは、池田内閣に上って物価値上げが行なわれておるとしても、これはあまりにはなはだし過ぎると思うのです。ですから、これは当然政府の責任において飼料価格抑制策を早急に講ずる必要があると思うのでありますが、今のような畜産局長の答弁では、これは何ら効果が現われていないのです。現われるなら、もう現われていなければならぬけれども、何もできておらぬから、これは効果があがっていないということですから、一体どこに欠陥があるかということを、この際農林大臣から明らかにしてもらいたい。   〔主査退席、赤澤主査代理着席〕  特にその自給計画の場合は、最近政府は、農業経営の中で、家畜の自給飼料作物を増産するということに相当予算も計上しておるが、これが大きな成果をあげておれば、一面その濃厚飼料である購入飼料の依存度が下がらなければならぬのであるが、一向それが減少していないということになると、この自給飼料に対する指導とか計画の達成というものは、ほとんどその期待に沿っていないようにわれわれは考えておるのです。この自給飼料と購入飼料との関係というものは一体どういうふうに考えておるか、これをまた国の飼料自給計画の中においては、どのように取り扱ってきたか、その点はいかがですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 自給飼料と購入飼料の割合等につきましては、局長からお答えいたしますが、全般的にどこに欠陥があるかというお話ですが、これはただいま局長から申し上げましたように、家畜の頭数の伸びというものに関連して、内地生産の飼料よりも輸入飼料の割合が大幅に伸び足らない状況になっておる。それに対してただいま需給がバランスがとれていない形でありますので、早急に輸入の手を打って、近くこれが到着する予定だという御答弁を申し上げた次第であります。私はその点が一番今の価格の値上がりに対しての原因だと思うのであります。しからばそれに対する需給の見通しが少し間違ったのではないかというお話になるわけですが、それはあるいはそれらのことを予見し得なくて、急速に輸入飼料の需要が増加していて、供給が足らないということであるとすれば、これは確かにその見通しに対して検討しなければなりませんが、事情は、私は、輸入飼料及び内地の供給飼料の総計というものが、家畜の伸びとの関連において少し不足をしておるのじゃないか、それに対してすみやかに政府として手を打つとすれば、早く輸入を促進するということで対策を立てることが必要だと思います。御指摘のように、従来から私はある程度濃厚飼料等についても、国内における自給飼料を増加するということが大きく必要な問題になるように思います。その点は穀菽の濃厚飼料はもとよりですが、草地改良等による牧草の供給増加というものもこれとあわせて考えなければならぬ問題であろうと思います。要は、御指摘のように、家畜のこれからの大幅の伸びを期待しておるわれわれとしては、飼料に対する対策は、今まで以上に今後は対策を強化して考えていくべきものであり、私どももその線に沿うて今後考えていきたいと思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀分科員 それでは、家畜が案外ふえた、それに伴って当初の需給計画の一部を変更して速急に輸入手配をやったというのですが、どの程度の数量がどういう品目の形で一体いつごろ到達するのか、そういう点を明確にしていただきたい。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 三十五年度は、年度当初の飼料需給計画のうち、輸入数量につきましては、小麦で十万トン、大豆で五万トン輸入増加をしてございます。なお先ほど申し上げましたように、魚粉、魚かす等については計画的需給がやんわりやってあって、他の調整統制品目、飼料需給安定法取り扱い品目のようになっておりません。それを統制事業にすると同時に、安い大豆かすの輸入に努力しておるわけでございます。今年度はとりあえず為替割当をして、需要者団体割当を作ったわけです。  なお、大臣の言葉を簡単に補足をさせていただきますと、各飼料が、ことしになって、最近になって高くなりましたのは、一部の油かすとか魚かす、魚粉とか大豆かすというものでございますが、これは先ほど来需給が困難になった理由を申し上げましたように、飼料用の供給よりもっと大きな力を持っておる飼料外の供給が減っている。この方の供給が減るということがおもなことであったわけです。価格の値上げでございますが、これは別にあとで資料を印刷してお手元に届けた方がいいかと一応私は思いますが、そのうちの魚かす、大豆かす等も先生のおっしゃるほど上がらない。それから卸はかなり上がりましても、小売りはそれほど上がっておらない。それは卸は日銀や各業界の方で、小売りは統計調査部の物価賃金調査でやる。ただ全国プールをする制度を、国内では自由販売にしてありますから、全購連でも完全なプールをしてありませんから、不便なところに運賃等の増高がありまして、つけ加えがありまして、私の相場より違うところがある。大豆は、小売り価格においては三・四%の値上げ、それで三十二年を基準にいたしますれば、その後いろいろな手も、十分ではございませんが打って下がってきましたが、一〇〇%をこえるものはそうない。三十二年から比べればずっと以下になっておると思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀分科員 今の答弁だと、それでは麦十万トンと大豆五万トンの追加輸入が到着すれば、えさの値段がずっと下がるのですか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 従来、本年においても、当初の改定におきまして、飼料需給計画として飼料需給安定審議会に付議した計算の仕方では、それを輸入すればほぼいいんじゃないかと小麦については思いますが、ただ小麦粉の売れが従来より少ないので、一般製粉から出るふすまが去年までのようにはふえてない。去年からことしに家畜の伸びほどふえてない。それから大豆でいえば、油と大豆かすですが、食用油の関係があって、大豆かすはふえない。そのうちに国産大豆を荷さばきすることで輸入発券をして、その後急に大量の輸入大豆の許可をしたことがありまして、従ってそれが到着するまでは、そっちの方で減っておるわけでございます。そういう部分についての飼料にしわ寄せされた不足分が相当あるので、これは問題を片づけなくちゃいかぬ、こういうように思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀分科員 聞いておるのは、それが輸入されれば、飼料の値段が下がるのか下がらぬのかということを聞いておるのです。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 最近の現物でない見込みの相場よりは下がると思います。それから安定すると思います。現物取引の価格、たとえば一例にすぎませんが、日清製粉は他のところより優秀なふすまをそう上げないで売っておりますが、そういうようなものは安定的になると思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀分科員 とにかく需給計画というものをただおざなりに毎年作っておるところに問題があると思うのです。家畜の飼育が急に増加したという場合は、やはりそれを基本にして飼料の需給計画を立てなければいかぬと思うのです。当初より家畜が非常に増加しておる。乳牛なんかもちろんですが、特に鶏なんかは多頭飼育で、地域的に思わないところで何十万羽も養鶏するというような方針がとられておる。そういうのは最初予測できない事態である。そういうことが明らかになれば、それに対応したえさの計画を随時変えていって、それに合わせるようにしていかなければならぬと思うのです。私はそういうところに政府の大きな手抜かりがあったという点と、従来とかく飼料対策とかえさの政策というものに対して政府は全く放任しておったと考えられるのですが、それに間違いはないですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 芳賀さんよく御存じだと思うのですが、その点は需給の見通しを立てて、おおよその需給というものは立てておる。しかし、生産について、今後は地域的に頭数別にいろんな増加計画というものをもう少しきっちりさせて、計画的に指導したいと思います。しかし、ある程度増加羽数を予定しておるといっても、政府の計画上の増加羽数というもの以外に飼育者の、方が相当にまちまちでやっておる要素もあるという事情もある。そういうところはときにけっこうなことではありましょうけれども、大きくえさが不足するということも起こってくるかもしれません。ことに今申しましたように、えさになるべき大豆かすとか、あるいは小麦のかすというようなものがいろいろの面においてほかに作用される場合もある。そういう関係も、これからえさに対する需要供給の関係を確保する、他の方面へ行く分と飼料として回る分との調整をする必要があろうかと思うのであります。なるほどぴったり羽数計画通り、頭数の計画通りいけばいいでしょうが、必ずしもそういう形になっておらないのが現状でございます。今後は農業基本法に基づいて、国として今後の見通しにおいてどれだけ肉畜類をふやすか、またどれだけ酪農における乳をふやすか、また鶏をどういうふうにするかというおおよその体系は立てつつ、しかも今の自然に動いておることも一つのパーセンテージの中に入れつつ家畜の頭数の増を立てる、それに対する飼料の需給計画を立てていくという方向にだんだん改善されていかなければならない、かように思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀分科員 次に、たとえば政府が飼料安定法に基づいて食管で買いつけたふすまの払い下げについても問題があるのです。非常に払い下げ価格が高くなっておる。小麦等の購入価格というものは決して上がっていない。むしろ輸入価格は下がっておるというような状態の中で、政府の輸入ふすまの値段が前年度、前々年度に比べると非常に高くなっておる。ここに大きな欠陥があると思うのです。それは今の政府のふすまの払い下げ方式というのは、競争入札制度をとっておる。だから幾ら高くても落札価格が高いところへそれが落ちるわけです。そういうような競争入札制度をとっておる場合は、えさの安定にならないと思うのです。政府手持ちが非常に少ない、在庫が少ないということがわかれば、それは競争して高値で入札するということになるわけです。食管ではもうかるかもしれぬが、これが一つの基準をなして、たとえば一般の製粉会社から出るところのふすまの値段等も、大体これに準ずるような価格で取引が行なわれるわけです。これは大きな間違いがあると思うのですよ。われわれはこの点は従前から指摘してきたところです。特に昨年度養鶏振興法を審議する場合においても、社会党から飼料需給安定法の一部改正法案を出して、養鶏振興をやるという場合においても、えさ対策というものはこれに並行して確立されなければ意味をなさないからして、社会党が出した飼料需給安定法の改正もあわせて十分審議すべきであるということだったのですが、残念ながら与党の諸君が、養鶏振興法だけ通してくれれば、あと協力して勉強するということで、ある程度信用したところが、全然それで終わっちゃったような経過もあるわけです。ですから、この際払い下げ方式等についても、その目的が飼料価格の安定にあるとするならば、やはり今のような競争入札で、高いものにだけ落としてやるというやり方は間違いだと思うのですが、これは改善する意思はないですか。

安田善一郎農林事務官(畜産局長)

○安田政府委員 先生の御指摘の点は多分にあろうし、また今後改善に努力することについて、いろいろの案を研究して、すみやかに一番いい案を実行すべきだというのが農林省の意見でございまして、検討中でございます。ただいまは飼料需給安定法に関係条文がございまして、飼料の需給安定は畜産経営を旨としてやるのだが、原則は一般競争入札による。ただし特別の事由ある場合は随契によることができるとあるのであります。これに応じまして、他の改善方法も研究中でございますけれども、ふすまというものを輸入しますのには、海外ふすまの方が値段が高いのが原則でありまして、政府は安く売っておるわけです。赤字を一般会計から補てんしておるわけですが、これは一般競争入札によっておりまして、原料小麦をカナダ、豪州等から輸入して、これを専管工場と増産ふすま工場と言っております二種類の製粉工場で製粉させます場合は随契で売りまして、指示価格で売っておるわけであります。指示価格につきましては裸で三十キロですか、五百八十三円、卸で六百数十円でありますが、輸入ふすまを一般競争入札で売るのと、随契でやる専管と増産工場の生産するふすまの値は差があります。あとは市場価格で売ります。それを全部随契的にする御意見も社会党におありのようですけれども、随契で売るものよりも、より大きく一般市価を安定させる、すなわちできるだけ自由経済のもとで安定させるということがよいというので、その趣旨の現行法となっておると思います。大豆を輸入しまして指定団体に随契で売りまして、油脂業者に委託加工して、農村に流れていく方式の専管ふすまに類する方法があります。これも千二百五十円ラインで値が動かないように指示価格にいたしておると思いますので、市価とは違います。それらの点について、御趣旨を尊重しまして、研究することといたしたいと思います。   〔赤澤主査代理退席、三浦主査着席〕

芳賀貢日本社会党

○芳賀分科員 この点について農林大臣の所見を聞いておきたいのですが、政府から牛乳、畜産物の価格安定の法律が近日出る予定になっておるそうです。これはあわせてえさの問題も含めた対策でなければ、意味をなさないと思うのです。えさがどんどん高騰すれば、たとえば市乳等についても、生産者価格等についても、去年の七月政府が発展した乳価に比べると、東京を中心とした地域あるいは大阪を中心とした地域は一升について十円ぐらい上がっている。生産者価格が上がるのはいいが、それを理由にしてまた市乳価格を一合一円上げるとか二円上げるということを当然業者はやってくるわけです。そのおもなる理由は、購入飼料の価格が非常に急騰したから、コスト高になったから、どうしても上げなければならぬということになってくるわけです。こういう悪循環はやはりできるだけ避けた方がいいと思うわけですが、特にこの飼料需給安定法の根本改正の必要があると思うのです。たとえば、政府の購入したふすまとか飼料については、やはり価格というものを政府が決定して、その価格によって実際に飼料を用いる生産者団体なら生産者団体にこれを流すとか、あるいはもう一つは政府は外麦を払い下げておるのですが、一年間に小麦についても二百五十万トンくらいに及ぶわけですけれども、この小麦を製粉した場合の副産物であるふすま等に対しては、何ら規制が行なわれていないのです。ですから、これに対しても、やはり輸入小麦の払い下げを行なら場合においては、これに条件を付して、副製品の小麦等については大体政府の指示した価格以内においてこれを販売しなければならぬ、こういうことは、今後も輸入外麦は少なくならないのですから、政策の中で当然やっていける問題だと思うわけです。あるいは大豆かす等についても、先ほど言った通り、一昨年の指示価格から見ると約七七%価格が暴騰しておるわけです。ところが、一方においては大豆の自由化をやるということですね。当然これは安い大豆が入ってくるわけですから、気配としては、その副産物である大豆かすもすでに値下がり傾向を示しておるのは、これは当然なんですよ。それがますます上がっていくということになれば、何も自由化をして農民を苦しめる必要はないではないかということにもなるのですが、こういう点について、今度の牛乳、畜産物の価格安定法とあわせて飼料需給あるいは価格の安定のための根本的な制度の改正をやる意思があるかないか、お考えを聞かしてもらいたい。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 今度の畜産物価格安定法の中には、ただいま御指摘のようなのは入っていないと思いますが、しかし私ども先ほどからたびたび申しますように、畜産を伸ばすということの裏に、飼料というものに対する対策が十分立てられなければならぬということは御指摘の通りであり、私も賛成であります。今度の農業基本法等の中に、農業資材、農薬、肥料、飼料その他いろいろの問題につきまして必要な施策を立てる、その施策は法制上、財政上の処置を含みますので問題は多方面にわたると思いますが、飼料の需給安定法の改正によるか、あるいはその他の問題で別個に考えるか、いずれにいたしましても、飼料の問題については再検討をいたしたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀分科員 それから、当面の対策として、政府手持ち麦の飼料用の払い下げが非常に効果的だという説があるし、政府としてもことしの予算で、大麦、裸麦合わせて約四十万トンの払い下げを計画されておるのですが、これはやはり積極的にやる必要があると思うのです。これは決して、これをやったからといって国内麦の価格を押えるということにはならないと思うのです。畜産農業とか酪農発展のために政策的にやるとすれば、政府が買い上げした麦類についても、同じ食管で輸入飼料を扱っておるのですから、これを食管の中でやはり飼料用に切りかえて、そうして積極的に払い下げをやるということは当然なことだと思うのです。三十六年度を待たないで、緊急措置として、現在の手持ち麦の飼料用払い下げというものを積極的に行なうべきだと思います。さっき局長が言った程度のわずかなものが入って来たって、これは値段を下げることにはならないですよ。この値下げについてはどうお考えになりますか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 政府で手持ちをいたしておりまする大麦、裸麦につきまして、三十六年度予算を編成いたします際に、このうち相当量は飼料用に放出をする予定をいたして編成をいたしたわけでございます。具体的に申し上げますと、三十六年度に四十万トンを予定をいたしております。この放出の具体的な方法等につきましては、目下関係当局の間で検討を進めておるわけです。先ほどからもいろいろ御指摘がありますように、飼料事情が非常に窮屈になっておりますので、われわれとしてもできるだけ早く実際に市場に出回るようにいたしたいと考えております。三十五年度中からでも実施すべきだという御指摘でありましたが、この点は会計技術上の問題も若干ございまして、まだ十分にその辺はよく詰まっておらないわけであります。できるだけ早く現実に市場に出回るようにいたしたいというつもりで、目下準備を進めております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀分科員 私の聞いているのは、三十六年度は当然であるとしても、現在のこの飼料需給から考えた場合は、外国からわずかな数量の輸入をやりますくらいでは、これは価格を下げることにはならないと思うのですよ。ですから現在政府が手持ちをしておる国内麦があるのですから、来年からは今度は一反歩二千五百円ずつ出して麦を作らないでくれというくらいですから、そういうことをするくらいなら、むしろ、どうせ国の財政負担でやるとするならば、飼料需給が逼迫しておるのだからして、これを安売りするという措置を講ずることの方がさらに効果的だと思うのです。だから私は今やるべきだと思うのです。それに立法措置が必要であれば、あすでもお出しになれば、われわれはすぐ審議して即日通してあげてもいいのです。熱意を持ってやる意思があるかないか明らかにならぬと、協力のしようがないと思うのですね。その点はいかがですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 ただいま政府委員からも申し上げましたように、いろいろ会計法上の問題もあるようですが、できるだけ早く市場に出るように考えたいと申しておるのは、私どもも飼料の需給状況にかんがみまして、できるだけ早く処置をしたい、というのは、三十五年度内においてもできるならばそれをやらしたい、こういって研究を命じておるわけです。

芳賀貢日本社会党

○芳賀分科員 それにあわせて魚粉ですね。フィッシュ・ミールの、需要が相当伸びておるわけですね。これについても政府のやっておるやり方というのは非常に不明朗なんですね。たとえば、昨年魚粉等の自由化をやるということを発表してみたり、またそれをやめますと言ってみたり、一体一貫して何を考えているか、なかなかわからないのですね。特に養鶏等が、カッパが陸に上がって非常に盛んになっておるという場合に、これに対する対策というものを明らかにしておく必要があると思うわけなんですが、どうも飼料政策というものが何か伏魔殿のような誤解も受けて、国民の前に明らかになっていないわけですね。ですからこういう点に対しても事情をつまびらかにして、今度はこうやります、そうしてそのミールの輸入等についてはこれこれの方針でやるとか、この際もう少し大臣からはっきりした御答弁を願っておきたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 これは先ほどお尋ねがありましたので、私はお答えをしておいたのですが、決して不明朗な問題があるということじゃなくて、私は国内におけるフィッシュ・ミールの生産供給の見通しをはっきり立ててもらいたいというのですよ。これは実はおおよその見当で、これだけは出せるということで実際出てこなければ、今芳賀さんの御心配のように、急に足らぬからといわれてもこれは困る。この点私はあくまで沿岸漁業の作られるフィッシュ・ミールというものを計画的に、品物がよくてちゃんとできてくる、これだけは供給できますと引き受けてこられる、それは多少の変動はありましても、およその計画は出して下されば、それを中心として必要な輸入数量を考えていく、こういうことにいたしたいと、はっきり申し上げておきます。決して畜産当局は内地の問題をかまわずに、ほかの安いものばかり入れるという考えではありません。どうも今までとしては、国内のフィッシュ・ミール関係の生産にしても、なかなかはっきりしためどがつかめない。私はもっとしっかりした態度で水産当局を鞭撻して、内地のフィッシュ・ミールの生産対策ということも指導し、助長し、そしてしっかりした見通しを立ててもらって、それに応じて不足する分はほかから入れる、こういう格好をとりたいと思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀分科員 次に問題を変えて、貿易自由化に伴って農業関係にもいろいろ変化が来るのですが、私が大臣にお尋ねしたいのは、政府として大豆の自由化と砂糖の自由化というものは、一体いずれを先行すべきであったかということを率直に尋ねたいのです。昨年末には政府は砂糖の自由化をやるということを明らかにしたのですが、あなたが農林大臣に就任されて、今度はこれをやらないということにしたのです。現在では大豆の自由化だけが行なわれるようなことになっておるのですが、これは順序としては、国民経済的に考えた場合には、むしろ砂糖の自由化が先であって、大豆の自由化があとでしかるべきであったとわれわれは考えておるのですが、大臣はどうお考えになりますか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 これは芳賀さんのお言葉と思えませんが、私は砂糖に対しては内地の甘味資源の育成ということを考えていきたいと思います。これについては政府も党におきましても考えて、十カ年対策を立てておるわけです。いつまでもカンシャ糖の輸入に依存しているということはおかしいと思う。これは北欧諸国がてん菜に仰いでおるということは御承知の通りであります。そこであの毎年百二十万トン前後入れているものについて、将来甘味資源対策として、てん菜並びにイモ澱粉から作る精製ブドウ糖、結晶ブドウ糖を増加して、せめて半分ぐらいは十年ぐらいの間に内地甘味資源の供給確保をはかりたい、その裏には何と申しましてもてん菜を作り、イモを作っておる農家の方々を保護していく必要があるわけです。大体てん菜糖については、御承知の通りの保護政策を立てて、相当順調に進んでおります。けれども澱粉の方から作る精製ブドウ糖、結晶ブドウ糖については、まだ十分でございません。その間にカンシャ糖の原糖の輸入を自由化いたしますと、影響するところが大きいということで、まずその方を進めて参ろうということで、当分自由化は見送ってあるのであります。それらにつきましては、私ども十分な対策を立てていきたいと思います。  大豆につきましては、お話のように、これもあるいは長らくやらぬということもいいのかもしれませんが、これをある程度見込みを立ててきておるのは、現在における大豆に対する品種改良、反当収量等というような試験研究方面に対する施策と相待って、内地の大豆についての差損金を出さないような形で保護の対策を立てれば、これに対してある程度措置ができるのではないかということで、大豆の自由化というものは去年の十月に行なわれる予定でありましたけれども、それは予算的その他における農民保護の施策が確立しておりませんでしたので、今日まで延ばしておったわけであります。幸いにして予算措置並びに法制というものが、この国会におきまして皆さんの御承認を受ければできるようなことになりましたので、それで大豆を踏み切ったということであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀分科員 それでは大臣にお尋ねしますが、今の御答弁は、国内糖の保護政策をやるために自由化は早過ぎるということなんですが、そのような美名に隠れて自由化をやらないというところに問題があるんです。ほんとうに国産の保護育成をやりたいという熱意はないが、自由化をやるといろいろな支障が来る、そういうことで看板だけは国内糖業の育成発展のためということになっているが、そうではないとわれわれは見ているわけです。たとえば、年末に政府が発表した案によりますと、単に現状のままで砂糖を自由化するというわけじゃない、やはり一走の方向というものがあるわけです。たとえば、関税にしても、これは昭和三十三年に例のてん菜糖関係の三法案ができまして、あわせて甘味資源の長期計画を進めるために、その方法として砂糖の関税の引き上げを行なって、消費税の引き下げをやったわけであります。それによって国内糖を今後育成するという方針がきまったわけです。そのときの原則は、国内の糖価の水準をキロ当たり百二十五円の線に据える、これは標準糖価と当時言われておったのですが、一斤にすれば約七十三円というのが標準糖価になるのです。ですからこの線を堅持していけば、たとえばてん菜糖については一斤当たり五十三円十四銭の安定価格を維持できればそれでやっていける、そういう見合いの上に立っておるわけです。政府が当時発表した案によると、この関税については現行よりも六円五十銭引き上げる。そうなると、今度は現在の四十一円五十銭が四十八円ということになるわけです。ですから、六円五十銭関税が上がれば、たとえば百万トンの粗糖が入ってくれば、これで六十五億円の関税収入が国の税収としてふえていくということになる。百二十万トンの場合には七十数億円ということになるわけです。ですから、この明らかな関税の増収分を用いて国内の糖業の保護を行なっていく。そして一方自由化が行なわれた場合においては、自由化によって糖価がずっと下がって安定線をたどっていくということになる、そういう方針の上に立って自由化方針が発表になった。ほとんどの国民はこの方針を支持したと思うのです。ところがそれは名目だけで、それじゃ国内糖業育成ができないからやめたというようなことになるということは、非常に国民に疑惑を与えることになる。特にその裏面に八十億円の不当利潤を糖業界はおさめているということが明らかになっている。この不当利潤をどうやって吸収するかということも何ら政策的に明らかにされておらないで、うやむやに自由化をやめましたということでは、これは国民に対して相済まぬと思うのです。一体、総理大臣の命令かもしれぬが、農林大臣が自由化をやめた張本人なんですから、この点は経緯を明らかにしてもらわなければならぬ。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 お話しの点はごもっともでありますが、私どもは、関税を引き上げるということだけではまだ少し保護に欠くるところがあるのみならず、皆さんがいろいろ御指摘になりますように、関税の引き上げということは、それだけ消費者価格が上がることになる、そういう処置は私はとらないでいくということが一つと、それから理論的に申しますと、自由化によりまして数量の輸入ということは自由でありますから、どれだけ入れてもいいということになるが、あまりめちゃくちゃに下がっても因る。しかし今御指摘の糖業者に対する余剰利益八十億というのは、これは実際上は違っておるようでありますが、私どもはそういうことは将来に向かってとらせたくない。従って私どもは、糖価標準というものは百二十五円と今まで見ておるのが、実際上は今日の場合世界における砂糖の価格の水準からいえばおかしいのじゃないか、三セントというロンドン市場の相場からいえば、百二十二円ぐらいのところが支持さるべき価格だと思います。そういうところまで引き下げつつ、その糖価水準を維持する程度においては輸入の外貨割当をふやしていく。そうして差益の出ぬような形にしつつ、一面にはブドウ糖の生産を保護していく。しかも問題は、私は思うに、今度は公に発表いたしますけれども、てん菜糖と違って、一番問題は、結晶ブドウ糖に対する需要の伸びというものを何とかして宣伝指導していかなければならぬのであって、いい、いいと言われておっても、なかなか需要がこれにくっついていかないという現状です。そういう面に大きく力を入れて、消費増の指導をやっていく必要がある。だから今のお話のような事柄は、私どもはすべて頭に置きつつ、消費者のためを考えて、しかも糖業者が従来のような高い水準で輸入糖価の水準をきめておるということから生ずる差益が出ないように、もっと低い世界的糖価の水準のところまで下げる、それを目標に必要な外貨割当をして輸入をふやしていく。一面にはそれと並行して、結晶ブドウ糖、精製ブドウ糖の生産設備等の助成なり、その需要増加に対する処置を講ずるように持っていきたい、こういう両々相待っていけば、今お話しのように、看板だけ塗りかえて糖業者だけにもうけさせるのかというお話はごもっとものようでありますが、まさに私どもはそういうことの出ないようにしたい、こういうふうに思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀分科員 それではその八十億円の超過利潤というものは、もう過ぎたことはしようがないということで済ますのですか。これは実例があるのですよ。たとえば、てん菜糖の場合には、昭和三十四年に納付金法というものを作って、特にてん菜工業をやっておる会社のうち、施設が古くてもう償却の終わったような会社を指定して、これに対しては納付金を納めなさいという制度があって、毎年三億五千万ぐらいずつ五年間、指定された会社は国に利益の中から納付しなければならぬということになっておる。そこで現実に砂糖業者が八十億円の不当利潤を納めておるということが、これを扱っておる農林省なり通産省で明らかになっておる場合は、その根拠を示して、その不当利潤を吸収するということは当然なことだと思いますが、これはおやりになりますか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 ただいま申しましたように、八十億というのはどこから出るか知りませんが、この問題はどれだけ過去において出たかということを今慎重に関係当局で調査をさしております。それから、その出たものについてどうするかという処置は別個に考究をいたさせておりますから、確定したら申し上げたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀分科員 それでは委員長にお願いしますが、農林省が主となって超過利潤の計算をしているのですが、これを国会の資料として一つお出し願いたいと思うのです。これを委員長から要求してもらいたい。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 過去の精糖業者の利潤につきましては、目下私どもの方で精査をいたしております。なお若干時間がかかるかと思いますが、極力私の方で有価証券報告書あるいは税関係等につきましてはそれぞれ大蔵省の方に聞きまして、精査をいたしております。整いましたらすぐ提出いたします。

芳賀貢日本社会党

○芳賀分科員 その場合、大臣にお願いしておきますが、最近それほどないのだという作業をまだ農林省でやっておると聞いております。八十億実はないというので、そういう資料を作ってお出しになると、またそれは役に立たぬですからね。そういう自由化に踏み切ろうとしたときに根拠になった数字を正直に出してもらえば、一番参考になると思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 それは疑いのないように、その当時における話の伝わったものにどこに誤りがあるか、対照表をつけてお出しいたしますから……。

芳賀貢日本社会党

○芳賀分科員 それで、自由化をした場合、砂糖価格が国民の負担にならぬという点も、これは農林省で強調している資料があるのですが、それによりますと、自由化をやってキロ当たり六円五十銭の関税引き上げをやっても、キロ百二十五円の糖価が維持できるという根拠を示したものがあるわけです。それは自由化が行なわれれば、現在よりも輸入数量がふえることは当然なんですね。そうなれば、輸入数量がふえることによって今度操業度が高まるから、輸入糖の想定工場販売価格が低落するということがわかるわけです、それを百十七円九十三銭というふうに計算したわけです。そうすると、現在の標準価格から見ると、大体そこにキロ当たり七円七銭の差額というものが出てくるのです。その中から今度は六円工十銭の関税引き上げというものを引いても、これは十分百二十五円の糖価支持は可能である、こういう計算の上に立っておるわけですね。しかも、そのキロ六円五十銭ずつ国の税金収入がふえるわけですね。そういう一面国の収益がふえて、しかも糖価が百二十五円以下に長期的な安定をしていく、そうしてその関税収益のふえた分については、てん菜糖、特に、暖地ビートにしても、あるいは大臣の御心配になっておる結晶ブドウ糖についても、これを財源にして積極的に育成策を講ずることができる、これはもっともな案だと思うのですが、ただあなたのお考えは、関税も引き上げしない、ただ砂糖の割当だけ現在よりふやせば、それで不当利潤は押えられるという、その場合でもやはり百二十五円くらいを保つのはやっとのことなんですよ。そうすると、自由化になって関税引き上げをやれば、当然六十五億、七十億以上の国の収入があるのを、それをみすみす捨てて、結局その分はやはり砂糖業者の不当利得という形で温存される結果になる。そういうわかり切ったことを美名に隠れてやるということはけしからぬと思うのですよ。ですから、この際、一つは不当利潤の吸収をどうするかということを制度の中で明らかにすると同時に、国民経済の立場から見た場合には、この砂糖の価格の低い線における安定対策というものを確立して、そうして一面国内糖の育成、発展をはかるということは、これは当然の政府の責任だと思いますが、いかがでしょうか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 その点は、ただいま私が申し上げたように、百二十五で糖価維持をしない。それが計算された時期は、ロンドンの相場は三・四五セント、それが基準になっておるのです。御承知でしょうけれども、今キューバの建値、ロンドンの建値というものは三セントですから、あくまでも三・四五セントのものを基準として百二十五で糖価維持することはおかしいと思う。むしろ先ほど申しました百二十二というくらいまで下げて糖価基準をきめることが至当だと考えております。そういうことをやりつつ必要な外貨をやっていくようにして、不当利潤の出ないようにするという行き方が私はいいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀分科員 それはおかしいですよ。この表によっても、ニューヨークの価格は三二五セントということになっておるのです。何も三・四五なんてことになっていないのですよ。これが今の相場なんですよ。これは議論をすれば長くなるから、問題点だけを指摘しておくが、今後の砂糖政策から見ればこれは重大な点なんですね。貿易自由化をやめて、一部の業界に特殊利益を与えるということだけでまたこの方針が変わったことは、ごまかすことができない。だから、そうでないとすれば、具体的に案を作って、それを示してもらわなければならぬと思う。  次に、これにあわせて、国内の糖業発展を今後どう考えるかということ脅す。これは、大別すると、てん菜糖、寒地ビート、暖地ビート、それから結晶ブドウ糖に分かれるが、特に、結晶ブドウ糖の育成をするために砂糖の外貨割当を特別に行なっていることは、大臣も御承知の通りなんです。この割当を行なっておる。たとえば五万トンとか八万トンという割り当てられた砂糖が、実際政府が期待するような形で処理されて、結晶ブドウ糖の企業というものは伸びつつあるものであるか、それはどう考えているか、伺いたい。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 お話の点でありますが、これは新しい行き方としては、先ほど申し上げましたように、結晶ブドウ糖、精製ブドウ糖の生産工場に対して低利融資をするということのほかに、工場でできた砂糖というものが需要になじむような方法をとっていくことが必要だと思うのです。それらの商品の宣伝というようなことについて特殊ななにを作って、とにかく宣伝をさせ、これを売りに出す、その差損というものを何らかの形で助成する方法はないかというようなことを今考えているわけです。これは、私としては、芳賀さんの先ほどの御指摘にははなはだ不満なんですが、私は、糖業者に対して差益を重くさせるつもりはないのです。だから、むしろ積極的に外貨割当をしてふやす、これがよろしいということ、しかもそれに対して糖価の水準を下げ、必要なものについては入れる。しかし問題は、理論的な問題と実際問題と違うのでありましょうけれども、ただ単に自由化するといっても何ぼ入るかわからない、こういうことになるのです。そうすると、あなたのお考えのように、めちゃくちゃに下げさえすればよいということではなかろうと思う。それはもう少しブドウ糖とか結晶ブドウ糖が売れるように、商品になじむような形に持っていって、それが確立すれば、入れるにしてもよほど楽ではないか、そこにある程度の割当という障壁をつけつつ、しかも一般庶民のために、また糖業者が不当な利潤を得ないように外貨割当をふやしていこう、これは別にえらい問題じゃございません。御承知の通り、現在まで百五万トンくらいのものが百十万トンと五万トンふえると、下っていく。それは大体の限度はあると思うが、それをある程度狭めておいて、しかも百二十五円の糖価を置いてやるというところにやはりいろいろな点が出てくるわけですから、むしろ割当はもっと増加しつつ、しかも糖価水準というものは現在の相場に見合ってちょうどいいところを考える。そうして一面においては、今まで工場の設置について助成ばかりやっておりますけれども、もし商品がなじんで売れることになれば、てん菜糖について、糖業者の人が、わしにもやらせろ、わしにもやらせろといって大騒ぎをするような形になってくる。そうしてブドウ糖、結晶ブドウ糖についてはなかなか手を出さないところに、商品についての将来の見通しについて彼らは今不安を持っている。むしろその方を積極的にやっていって、消費者にそれをしっかりなじませれば、衛生的にもいいものであるし、最近における酵素糖化法がだんだんできてくれば、九九%に近い含有糖分があるのでよくなって参ります。こういういいものでも、何ぼ理屈ばかり言っておっても、売れなくてはしようがない。売らせる方法を考えなければならぬ。この点は、よく薬の例を引きますけれども、彼らは自分の商品をどんどんただで配布したりして広告、宣伝をしている。それとこれとは違うにしても、もう少し実際に新しい商品をいかにしてなじませるかということをやらなければ、なかなかふえないのじゃないかと思う。こういう方面に手をつけていったらどうか、こういうふうに考えておるわけであります。

三浦一雄自由民主党

○三浦主査 芳賀分科員に申し上げますが、大体お打ち合わせの時間が参りましたから、一つ簡潔に結論を急いで下さい。

芳賀貢日本社会党

○芳賀分科員 今聞いたのはそういうことじゃなくて、結晶ブドウ糖の育成のために、年度によって違いますが、大体五万トンの砂糖の輸入割当を行なっておるが、この目的は、結晶ブドウ糖の販路を拡大するために、砂糖をそれに混入して販売した方がなじみやすいのじゃないか、そういう配慮でこの結晶ブドウ糖関係に割当を行なっておる。これは今後お許しになるものと考えるが、その目的のために使われておるかどうかという点なんです。われわれの承知した範囲では、ほとんどこれを混入していないのですよ。それを横流しすれば、少なくても一トンについて二万円程度のリベートがついてくる。そうすると五万トンで十億円、八万トンならば十六億円。ですから、そういうことだけ黙認してやらしたのでは、先ほど言った通り、名目はいかにもブドウ糖に混入するんだから、これは奨励してやらせるというが、実際はそれをやっておらない。今度はそこへ目をつけて、この割当だけふやせばたくさんもうかるということになるのですよ。ある新聞等のごときは、現にことしは八万トンにふやすために相当有力な議員が動いておるということも報じておるわけです。こういう悪いことばかりやるような仕組みというものを、農林省が中心になってそういうすきを与えておるわけですね、悪意がなくても。ですから、こういう点に対しては、実際その目的のためにそれが用いられて効果をあげておるかどうかということを、一体確認されておるかどうかという点を実はお尋ねしたわけなんです。その点はどうですか。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 結晶ブドウ糖及び精製ブドウ糖の育成につきまして、昨年来砂糖の輸入割当をいたしておるわけでございます。これの実際の効果と申しますか、実績につきましては、私どもの方でも十分注意をして見ております。御指摘のように、これは建前といたしましては、ブドウ糖と砂糖とを抱き合わせ販売をする、あるいは一緒にしてこれを混糖して使うという建前で輸入割当をいたしておるのであります。お話のように、実際にはそういう形において処理をされませんで、一部ブドウ糖の原価と実際の市場における販売価格との差額補てん等に充てられておる向きもあるわけです。従いまして、私どもも、今後ブドウ糖の育成をして参るにつきましては、なお当分の間、実際のブドウ糖の生産コストと砂糖の市価等との関係におきまして、原価と実際の市場価格との間に出て参りまする差額につきましては、何らかの措置でめんどうを見ていくという措置はとらざるを得ないと考えておりますが、それを従来のような、粗糖によるいろいろな方法で実質的に処理することを継続することがいいか悪いかという点につきましては、なお検討を要すると考えております。むしろできるだけ早く、もっとすっきりした方法でブドウ糖の育成の裏づけをいたしたいという考え方をもちまして、目下いろいろ準備を進めておるわけであります。いずれまとまりましたら、そう遠くない機会に具体的に御説明申し上げることができるのじゃないかと考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀分科員 最後にもう一点だけお尋ねいたしますが、これは北海道におけるビート工場の建設の問題です。これは主査をやっている三浦さんから始まって、福田さん、南條さん、それからあなたで四代目です。周東農林大臣のもとにおいて北海道のビート工場の建設が方針としてきまるかきまらぬかということは、非常に注目の的になっているわけです。農林大臣は、在任中といっても、いつまでやられるかわからぬが、少なくとも五月一ぱいくらいに、あの混迷している問題を処理されるという方針で臨んでおられるかどうかという点と、特に甘味資源の十カ年計画達成のために北海道において三十万トンのビート糖を生産するということは、これは非常に大事な点になるわけです。最近の事情は、工場建設だけの申し込みが多くて、一体それでうまくいくか、いかぬかということがわかりかねているのと、あまりに政治的な色彩が加わってきて、特に北海道等において注目しているのは、実力者が背景になっている。たとえば、名古屋精糖は総理大臣の池田さんで、大日本製糖は前の外務大臣の藤山愛一郎君で、芝浦精糖は河野一郎君である。天下周知の事実の上に立って工場の設置競争が行なわれているわけです。今度の農林大臣はやはり自民党の大臣だし、しかも派閥からいうと池田派に属しているということだからして、はたして信念的に、だれが見ても、なるほど周東さんはよくやったというような方針をきめることができるだろうかということをみな老婆心ながら心配しているわけです。この点についてはまた機会があると思いますが、この際、決定の時期等については、国会の終わるまでにおきめになる御意思であるか、そういう実力者の影響を受けてやるのか、それを排除して信念的にやる御意思があるかどうか、この御意思のほどだけきょうは明らかにしておいてもらいたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 いろいろ私のために御心配いただきましてありがとうございます。しかし私は別にだれからもひもをつけられているわけではなし、各種の資料を得ますれば、自分の信念に基づいて決定をいたしたいと思います。しかしよく冗談に、私はきのうも言ったが、とにかく三人寄れば文殊の知恵というが、とにかく有力な三人の大臣がおってきまらなかったことを、私に早うやれ、早うやれと言っても、それは少し聞こえないじゃありませんか、こう言っておる。しかし、一面におきまして、ビートの生産は、あなたも御承知のように、結晶ブドウ糖よりも上ほど商品としてなじんでおりまして、商品的にもかなり売れております。しかも甘味資源増強という立場から申しまして、砂糖大根の増産は奨励してきております。どうしても今度は砂糖工場の能率からいいましても、今年じゅうには少なくとも一、二工場はふやさなければならぬという状況にあるようであります。従って、それをどうするかということは、できるだけ早い機会に処置をつけて明朗にしたいと私は思っております。しかし問題は、あまり先に工場の方が一ぱい出てきて、われもわれもといって、生産計画にマッチしてないところに問題があると思う。ほんとうを言えば、必要なものですから、この地域に一つ、この地域で一つというふうに、今後一工場に対する供給経済単位というものをその地域においてまとめて、そこに一工場というように、最初から計画的になっていると非常によかったと思いますが、いろいろないきさつで、多数が集中するところは一カ所に五工場もまとめてくるということで、なかなか私も弱っているわけです。しかしよく話を聞いて、皆さんに、予算なり農業基本法案なり、関係法案を通していただけば、その間によく調査をして、公平な判断のもとにやりたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀分科員 五月一ぱいにやるかどうか、その決定の時期を考えておりますか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 今申し上げましたように、できるだけ早く——正月くらいまでにはきめないといけないだろうと思って努力しております。

三浦一雄自由民主党

○三浦主査 この際、本会議散会後まで休憩いたします。    午後四時十分休憩      ————◇—————    午後六時九分開議

三浦一雄自由民主党

○三浦主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。川俣清音君。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 私はこの際、農林省に対しまして質問をいたしたいと思うのでありますが、大体質問の項目だけを先に申し上げておきます。主査においても、その点を御了承願いたいと思います。  第一は肥料問題、二が農機具の問題、三が農業水利権の問題、四が農業基盤拡充の問題、五に農産物の生産費及び農家経済調査、統計一般に関する問題、六が自作農創設特別会計に関する問題、七が農林省関係外郭団体の問題、八が食管会計に関する問題、九が林業関係に関する問題、十が農林省全体の予算でございます。さらに先ほど議事進行で申し上げましたように、農業災害補償法の一部改正法案、農業保険事業団の内容等についてお尋ねしなければなりませんし、畜産物の価格安定に関する法案の内容、あるいは麦の生産及び政府買い入れに関する特別措置法の内容、大豆菜種交付金法案の内容、それに大臣先ほど一つ落としておられましたが、愛知用水公団法の一部改正案、この六件がまだ未提出になっておるわけでございます。従ってこの内容等を幾らか明らかにしませんと予算審議が十分でないと思われますので、私ども賛否をきめる上からもこれらの内容を明らかにしていただきたいと思うので、以上十項目と六法案についてお尋ねすることにいたしたい。  主査これだけのあれですから……。

三浦一雄自由民主党

○三浦主査 よく練達しておられるのですから、直截簡明にお願いします。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 簡明というけれども、政府の方でいつでも出せるなら別ですが、出せないような事情もありますので、私どもは賛否を明らかにするために、これらの問題と取り組まざるを得ないのですから、その点主査において十分御了承を願っておきたいと思うのです。  そこで農林大臣にお尋ねいたしますが、農産物の主要な生産コストでありまする肥料問題について農林省の見解を伺いたいと思うのです。その理由は私が申し上げるまでもなく、日本農業を国際水準にまで高めなければならないといわれておるわけでございます。従って生産費をどうして引き下げるかということが重要な課題であるわけです。その生産費の重要な要素でありまする肥料価格の問題が、農産物の価格に大きく影響するわけでございます。価格問題は単に価格を上げるばかりが能でないという大臣の説明もあるわけですが、そこで農林省といたしまして、肥料のうちでも特にその主体でありまする硫安価格についてどのような見解を持っておられますか、お尋ねしたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 お話の点はごもっともであります。私どもも農業経営資材の中でも重要な肥料、ことに一番よけい使われる硫安の価格に関しては大へんな関心を持って処置をいたしております。これだけは戦後におきまして特に力を入れておりまして、硫安に対する価格は、ほかの物資がある程度上がりましても、年々合理化に伴って引き下げられた年産費をもとにして、年々下げて参っておることは川俣さん御承知の通りでありますが、今後におきましてもまだまだ合理化すべき余地はある。と申しますのは、日本ではかなり合理化は進んでおりますけれども、内地の農家に供給するものは、合理化された価格によって渡されておりますが、輸出いたしておりますものにつきましては、さらに外国のダンピング的傾向によって売られておるものに押されておる部分がありますので、肥料につきましてももっと合理化を進めて、しかもそれは早い時期に一定期間を限って合理化を進めて、そうして農家に対してもより安い硫安の供給のできるようにいたしたいと今日考えて、関係各省間において話を進めておる次第でございます。まだ最後の線に至っておりませんけれども、すみやかにその合理化の線をきめて、そして少なくとも三カ年間におけるだんだん下がっていく傾向のある姿を示しながら参りたい、かように考えております。さらに硫安のみならず、カリ肥料、燐酸肥料に至りましては、その原料であるカリ、あるいは燐鉱石等は大部分日本にないのであります。これらに対しての価格の引き下げ等に関しましては、これは不足せぬように必要量は輸入して、豊富にして安くしていきたい、かように考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 硫安の合理化政策につきましてはすでに立法措置が講ぜられて、政府資金と農民の購買力によって肥料産業はかなり発展を遂げてきたわけです。政府の援助と農民の購買力にささえられて発展してきたものと思うわけであります。そこでさらに具体的にお尋ねいたしますが、硫安の基本対策につきまして政府案を策定する作業が、二月九日でしたか、通産省と農林省において第一回の打ち合わせをいたされたようでございます。それ以来相当活発な動きを見せておられるようでありますが、肥料審議会がいまだ開かれておりませんのは、農林省と通産省の間において意見の一致を見ない結果のようでございます。聞くところによりますと、農林省は通産省の説明について合理化の内容、コストのとり方、今後の見通しなどについてかなり不満の様子でございます。不満の様子というのは不備であるからと思われます。私どもも通産省の最近の動向を見ますと、はなはだ不満な点が多いのでありますが、農林省はやはり農民の立場から、こうした角度からの批判を加えられておるようであります。そこで各社からいろいろ説明を求められておるようでございますが、種目別の原価の資料、それを各社工場別に提示を求めておられるようであります。そこで通産省のこの案が妥当でないという見解に農林省は立っておられるようでございますが、どういう点が妥当でないのか、どういうふうにすべきだという御意見がおありになるのじゃないか、またあってしかるべきだと思うのです。私どもは私どもの立場で不満も持ち、検討してもらわなければならぬ点がございますが、農林省としてすでに各硫安会社から工場別に資料をとられておるはずでございますから、そこでどういう点を一体農林省は主張しておられるのか、この点を明らかにしてほしいと思うのです。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 ごもっともなお尋ねですけれども、今ちょうど折衝中で、農林省は通産省の合理化対策に対する協力的態度で大いにやっております。農林省の側で考えることはいろいろやって、これも通産省でのんでもらっています。問題は合理化の速度なりいろいろな点について目下話し合いをしておる最中であります。今それを、どっちの主張がどう違っておるということをここで話をせよとおっしゃることは少し酷だと思いますから、いずれそう遠くない時期だと私は思います。その点はどうか御了承願いたいと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 ここで内容を明らかにすることは酷ではないのです。むしろ態度を明らかにして、農林省の態度が支持を受けるか、通産省の態度が支持を受けるかということを明瞭にすることが必要だと思うのです。私どもは農林省の考え方が割合に妥当でないかと思うので、ほんとうはそれほど聞きたくないわけだけれども、これは明らかにしておかなければ、農林省の考え方がわからないでこれを支持するわけにいかない。考え方が誤っておるならば誤っておる点を明らかにして、それで強く支持しなければならないと思うので、内容をお尋ねしておるわけです。これは大臣でなくとも局長でけっこうですから、一つ御答弁願いたい。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 ただいま通産省の方といろいろメーカー別の合理化計画の内容を検討中でございまして、あるいはこまかい問題にもなりますので、意見が合わないところもあります。ただ農林省としてはできるだけ今後の三十八肥料年度、第二次合理化計画完了までの間にとにかく硫安工場の中で一番安いのができるもの、これを作りまして、そして高いものを無理に存続しなければならぬというような建前で考える必要はないじゃないか、こういうようなことで一番コストの安いものに増産をさせる、こういう考え方でいったらいいじゃないか、そういう考え方でいろいろ話をしておるわけでございまして、そういう点が通産省とあるいは数字的の上でもぴったりと気分が合わないところが幾らかあるかもしれませんけれども、できるだけお互いに肥料の合理化と、それから農民の肥料を下げるということのために努力をしておるわけであります。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 非常に局長は遠慮しておられるのです。そんなだらしのないことではだめですよ。もうきまっているのです。通産省では三十八年度の不足能力を硫安換算として七十三万六千トンを必要だということで増設に踏み切っているわけです。この増設に踏み切ったのは、すでにもう増設を認めたものと、まだ認めないものとございますが、片肺五工場の増設を認めてほしいというわけでございますが、これらは必ずしもコストが引き下がる要素の工場ではないわけです。むしろ従来から見ましても、もっとコストの下がり得る余地のある工場、早く言えば合成硫安か回収硫安かという問題もあるわけですから、当然コストの下がるよう々工場を選定することが、硫安価格を引き下げる可能性のあることなんです。大臣はできるだけ安い硫安を合理化対策として考える、こういうことなんでしょう。そうしたら農林省の立場は明らかなんです。通産省のように小さな工場をも擁護するという立場にあるのか、あるいは日本全体の農業基本対策の上から、肥料のコストを下げて農産物のコストを下げていくという立場をとるのかという点につきましては、大臣は明瞭に、肥料価格は下げていくんだ。それならば無理のない下げ方をずる必要があるであろう、こういうことなんです。それには硫安コストの下がる工場に増設を認めていく。その肥料がふえればさらにコストが下がるということ、これは明らかです。ことにこの中には原油ガス加工を採用する工場もありまして、いわゆる鉄鋼合理化計画の進展や、石油化学の発展を考えると、むしろ能力増加は廃ガス利用の工場に転換すべきじゃないかというような農林省の主張になっておるじゃないですか。これらの根拠は、硫安価格を引き下げろという前提に立っておられるはずなんです。どうしてそれを秘密にしなければならないですか。おかしいじゃないですか。私工場名までここで出してもいいのですけれども、それまで出さないでも大体見当がついておるはずです。通産省の中には——私どもあとでもっと突っ込んでもいいですけれども、役人で、すでによそへ行く約束をしておった工場に増設を認めたようなことすらあるのです。これは国家公務員法違反の行為であるので、私はあとでまた大臣にこれを指摘しますけれども、そんなことで引きずられておるのでは、農業基本法なんというものは台なしですよ。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 大いに鞭撻を受けて恐縮でありますが、私どもも根本は今お話の通り、一定の年限を限って合理化を徹底せよという要求をしておるというのはその点であります。今局長からもお話をしたのですが、一定の年限を過ぎてどうも合理化できない高い工場のことはもうそのときは考えないで、必要あらばそれこそ自由化したらどうかというところまできておりますけれども、そのようなことについては、今通産省が非常な努力をしている最中で、さらに話し合いを進めておりますから、どうかその点は決定をしたあとに聞いていただきたい、こういうのであります。趣旨は私どもは全く同感で、今日までいつまでも合理化々々々といって延びてばかりおる。今度は年限を限ってこういうところでやっている最中ですから、どうか御了承いただきたい。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 できるだけ簡略にいたしますから農林省の主張をここで一つ明らかにしたいと思うのです。通産省では電気料金、運賃、労賃など、将来当然上昇する要素を無視して、総平均利潤抜き約四十一ドル九十セントという想定を出し、これとは別に値上がり率を織り込んだ場合として、約四十三ドル台の想定を参考としてあげているが、これについては今後三カ年の織り込み方のルールをきめて計算し直すべきだという主張を、農林省がしておるように聞くのであります。私もっともだと思うのですが、この点いかがですか。あなたは答弁しにくいようだから私の方から聞く。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 いろいろ各社のコストそのほかを検討しておるのでございまして、今川俣分科員のおっしゃいましたような問題も、もちろん一つの検討の材料にはなっておるわけでございますが、とにかく先ほど申し上げましたように、できるだけ安いものから生産を増していく、そうして全体のコストを下げていく、こういう線でできるだけ固めたいというつもりで考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 私どもは立法に当たったときに、わざわざ珍しい法律といたしまして、限界生産費をとるということを出しまして合理化の方針を進めたわけでございます。次に利潤の算定方式につきましても、農林省の見解が明らかになっておるようです。あなた方一生懸命隠すけれども、もうすでに農林省の見解、通産省の見解というのが外に伝わっておるわけですよ。そこで民間で議論されておることは国会で一つ議論する必要があるのです。というのは今度は日本開発銀行に融資として約十四億、硫安の合理化資金を見ておるわけです。国会に予算の審議を要求しておりながら、その内容を民間では議論してもいい、国会で議論してならないというのは大臣おかしくないですか。予算要求をしておりながら、ことで議論しちゃいけない、ひた隠しにしなければならないというばかな話はないじゃないですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 ごもっともな話ですが、やはり政府は一体ですから、農林省がこう言うた、通産省がこう言うたという話はあまりほめた話ではない。やはり早くまとめてきっちりしたところで御審議を願いたい。民間の方でそれを漏れ聞いていろいろ議論されるのは自由ですけれども、私どもはやっぱり政党内閣としては一体となり、政府は一致した形にまとまったところで御批判を願いたい、こう思います。もちろんお尋ねの点についてはお答えはいたしますけれども、まだきまらぬところを、あまりこっちがいいかどっちが悪いかというような話になってもいかがかと思って私は先ほど申し上げたのですが、私どもは方針は先ほど申し上げた方針ですべてを進めております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 これは抽象的には通産省といえども農林省といえども合理化するのだという基本方針には変わりがないわけです。肥料というものは硫安が安くなるのかならないのかという問題なんです。要は方針も明らかになって具体的でなければならない。具体的にするために十四億の金を融資しよう、こういうわけでしょう。価値のない融資であってはならないわけなんです。そこで有効にするために十四億融資しよう、こういうことでしょう。融資としても効果がないことでありますれば、これは救済資金なら別です。融資をして合理化しようという合理化資金ですから、救済資金じゃないわけです。——救済資金じゃないでしょう。合理化資金ですね。通産大臣の説明によると、硫安の合理化のために融資をするという説明ですから……。だからだれも安くしようということなんです。ただ小さいといいますか、今までのやり方でおくれをとっておる工場を通産省では救済しようという考えがあるのではないか。これは別に救済すればいいと思うのです。硫安の合理化というものは、工場を救済するものでなくして、いかに日本の硫安工業を発展させていくか、それについていけないものは救済をすればいいのであって、これは硫安の合理化にはならないと思うのです。そこで利潤の算定方式につきましても、従来から肥料審議会においても問題にされておりますように、目標のコストは総平均約四十二ドル、それでなければ外肥との対抗もできないということで四十二ドルを目標にしておることも、これは農林省の主張通り正しいのだと思うのです。そんなことまで隠す必要はないじゃないですか。これに対して利潤抜きのバルク内平均は四十ドル台と計算し、利潤は過去の実績から推算して、トン当たり約三ドルと見込んでいるが、実際には過去五期の製造工業総資本利益率平均を硫安資産にかけてきめており、この方式であると、新設備を持つ工場に大きな利潤を加えて平均値を出すことになって不合理であるという主張をあなた方しておられるんじゃないですか。これは主張してないのですか、どうですか。してなければ、だらしがないということです。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 政府の内部といたしまして、その合理化を進め、価格をどういうふうにしたらいいかということをいろいろの見地から検討しているのでございまして、ただいま申し上げました利潤をどういう工合に見るかというような問題につきましても、いろいろの各方面の見地から検討いたしております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 私がお話ししたことも検討の中に入っているでしょう。入っているかどうかということを聞いている。これを入れておかなければ農林省の案としてはだらしがないということになるのですが、入っておりますかと言って聞いている。あなた方が言うのは非常に困難だろうと思って私はわざわざ提示したのです。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 当然そういうような問題も一つの問題として検討の資料になると思います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 有力な検討の材料になっておると私は理解いたします。  さらに、過去の赤字の処理の問題についても農林省から意見が出ておるようでございます。約百十億の赤字処理につきましては、過払い税を環付し、残った赤字を特別積立法で解消するというが、具体的には、大蔵、通産の間でもなおきまっていないので、この具体的な方法をきめてからでたければ、基本対策は検討できないと主張しておられるはずなんです。そのために肥料審議会が延びておるのじゃないですか。ただ延びておるのじゃないでしょう。こういうととも検討しなければならないということで延びているのじゃないですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 私は別に隠すとかいうのではないのですけれども、そういうものはきちっと早くきめてやりたい。それでいろいろ援護射撃をいただいてけっこうですが、農林省の主張としては、とにかく値を下げるということだけははっきりきまっており、その方向で通産省も考えておりますから、その間に多少見方が違いまして、それらを取りまとめて申し上げたいと思ったわけです。それからことに私どもは、たびたび川俣さん御指摘のような合理化せられざる工場を基礎としたものの考え方、価格のきめ方をすることは間違いである。だから先ほどからたびたび申し上げましたように、期間を限って今度ははっきりと目標の合理化価格に引き下げろ、その計算を出せということでやっておるわけですが、その計算の仕方にもいろいろ見方があるので論争になった。しかしそうやっても、その制限の年限内ではまだ十分にできない工場も残っておる、しかしそれをいつまでも待っておるわけにいかぬ。それでそういうものははっきりと打ち切って、一定の制限年限以後は合理化されたる価格に引き合う工場をやったらいいというような立場をとって進めておる、それで一定の年限以後は、合理化された価格で取引ができなければ安い硫安を買うぞ、こういうような形で実際の具体案をもっともっとしっかりしてもらいたい。そうして参りますれば、おのずからある数残ります工場も、もっとしっかりと腹を据えて合理化の線をやらざるを得ないという格好になるだろうと思います。先ほど御指摘の廃ガスの利用というものは当然頭に入れて、私どもは一定年限に合理化のできるもの、こういう見込みのもとに話し合いを進めておりますから、ここまでは一つ御了承願います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 大臣なかなか熱心に説明せられますけれども、すでに七十八万六千トンのう ちで一部認可した分があるのです。それは東洋曹達十二万五千トン、これは原油の分解方式ですから、やったからといってちっとも生産費コストを引き下げる要素にはならない。それから徳山曹達が十二万五千トンです。それからはなはだしいのになりますと、八幡化学ですか、これが四万六千トン、この八幡化学というのは八幡鉄工の姉妹会社でありまして、ここにはすでに通産省からどなたか行くようにきまっておるのだ、こういう話ですが、もしもそういうことがあった場合、大臣どうしますか。国家公務員は、国家公務員法の百三条かと思いますが、大臣の許可がなければ二年以内にこれらの会社に入れないはずです。もしもそうだった場合、これは許可しますか。こういうふうな、農林省と打ち合わせもしないで勝手にきめた、そして何らの生産コストを引き下げる要素にならない工場に配分をしておきながら、そこへ役人が入っていくというようなことはゆゆしいことだと思うのです。政治を正しくするなんという主張をしておられる内閣といたしましては、おかしいと思うのです。あなたが今ここでいかに弁明しても、これは通産省はやっているんですよ。けつから抜かれておったのでは、何にもならないじゃないですか、大臣、ここでりっぱなことを言ったって。私、こんな例を出したくなかったけれども周東農林大臣、大いにやるのだと言っても、すでに三工場許可済みになっている。これからのものについてだけ、今農林省がおくればせながら主張しておられるのです。あなたのような人だったら、もっと早くからやるべきだったのですが、ややおくれておるのです。おくればせながらやる、こういうことですから、実にたよりないから、私は内容をここへ明らかにしているのです。私は事好んでこんなことを持ち出したくないのですけれども、あまりりっぱなことを言っても、けつが抜けているから一つここで問題にせざるを得ないわけです。まだ理解できなければ人の名前をあげてもやりますが、それじゃあまりひど過ぎると思うから控えますけれども、どうなんですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 ただいまの話は私は全く聞いてない話です。これはまあ通産大臣所管の人事でありますから全然私聞いておりません。しかし御指摘のような公務員法の規定から見ますと、二年以内は監督下にある工場には行けぬということになっておりますから、これはおそらく通産大臣はよく心得て処理することだろうと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 これは農林省に全然関係がない人じゃないのですよ。農林省に採用されて通産省に行っている人ですから、農林省に無関係じゃないのです。私名前を出すことは控えますよ。あえてこんなことを出したくないですよ。農林省がしっかりやりますというけれども、こういうふうにすべて抜けておったのでは、りっぱなことを言ってもどうも心配だというところから問題にしておるのだ、こういうことなんです。首をかしげておるのならもっと説明しましょうか。まあ控えた方がいいでしょう。  そこでこれは大胆御説明しますよ。私資料を要求したところが工場名は符号で出しているのだから通産省でかんべんしてくれというのです。それではかんべんならないということで知らしてくれたのですが、一方それでは肥料要覧をごらんなさい。肥料要覧と合わせますとちゃんと出てくるのです、どこの工場がどこだということは。そんなことはひた隠しに隠しておられるが、この肥料要覧の順序とこのイロハの順序と同じなんです。三十二年も三十三年も数量がちゃんと合っているのですから外にはイロハで示して、どこの工場にやったのではないということを言いますけれども、明瞭なんですよ。どうも役所というのはおかしいですね。肥料要覧には工場名も生産能力も出しておりながら、国会に出せというと、それは出せないからというので符号で出しておられる。そこでさらに通産省の検討の結果によりますと、「ト」には十二万五千トン、「ヌ」には十二万五千トン、「ヨ」には十二万五千トン、「ツ」には十二万五千トン、「カ」には六十九万トンの増設分を認めようということでございます。これを肥料要覧で見ますると、「ト」は東北肥料ですか、「ヌ」は東京ガスですか、「ヨ」は東海、「ツ」は協和、「カ」は——肥料要覧を見ないとわかりませんが、とにかくもう明らかなんです。そうでしょう、局長。肥料課長だって御存じでしょう。あなたの方からもらった肥料要覧を見るとちゃんと合っているでしょう。隠したって問題にならないんですよ。それをひた隠しに隠して国会の目をまごかして、予算だけぶんどろうなんということは許しがたいですよ。やはり法律に基づく合理化の方針に従ってやろうというところに国費の投資も出てくるということになると私は思う。大臣そうじゃないでしょうか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 その通りでありますから、先ほど申しましたように、私どもは今までのようにあまり長引かせないで、年間的に制限して、各工場別のいろいろな合理化の目標をはっきり出させ、そうして合理化を徹底させたい、こういう趣旨で進んでおります。その点は川俣さんのお考えと同じ形で出ているわけです。その間にいろいろ折衝があり、計算上の見方もありましょうから、まだ最終の決定に至ってないということだけです。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 大体了承したいのですが、それでは通産省であとの計画については検討されるということになりますか。無条件で認めるというのだとおかしいのですが、認めない、検討をするということなんですね。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 先ほどお話がありましたように、通産省としてもいろいろの考え等がございますし、こちらといたしましては先ほど申し上げましたように、一番安いところからということで合理化計画を進めていくという建前でいろいろお話をしておりますので、今後両者で十分検討する、こういう段階で、検討しつつある段階でございます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そういたしますと、通産省にもあとでお尋ねをするということになりますが、なお残っております五十六万九千トンの設備増加については、合理化方針が徹底するように検討する。そうでなければ開発銀行の融資は出さない、こういうふうに理解してよろしいのですか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 合理化計画につきましては、先ほど申し上げましたように十分検討するということでございまして、その線に応じまして開発銀行の資金等も出していく、こういうことで検討をしたいと考えておるわけでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そうすると五十六万九千トンの割当についてはまだきまっていない。通産省できまっておるのは通産省独自の見解であって農林省との協議は経ていない、こう了解してよろしゅうございますか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 農林省と通産省とがなおいろいろ検討中の問題でございます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 検討中だと聞いたが、通産省はこれでやろうとして肥料審議会に臨もうとしておりますが、これは通産省の原案のようですね。農林省で検討しているということは、検討が終わらなければ審議会に臨まないという意味なのか、またはこれを変えるというところまでいっているのか。協議中だというけれども、通産省ではもう原案ができているわけですね。これは各工場に内示しているのですよ。これはあなたお聞きになった通りでしょう。メーカーを呼んでお聞きになったら、内示のあったことはお聞きになっておるでしょう。協議しておるというけれども、一方においては内示して進行しているわけです。これでは合理化にならないということで、おくれたけれども、あわてて奮起されたわけだ。そこで、これが白紙に戻らなければあなた方の主張は通らない結果になる。そうじゃないですか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 あるいは通産省が原案としてそういう案を考えたということも私たちは承知いたしておるのでございますが、合理化を進めるために、はたしてそれが最善の方法であるかどうかということについては、農林省でもいろいろ意見がございますので、これは現在検討中でございます。ただ問題は、全体の三十八年度までの合理化を考えます場合に、通産省のいろいろな説明によりますと、一番安い、たとえば副産硫安であるとか、あるいは廃物利用の硫安であるとか、それから合成硫安の場合におきましても、たとえば天然ガスを利用いたしますとか、そういうものだけでは、三十八年度までの合理化計画では全部の需要をまかなえるというようなわけにはいきませんで、数量的にはそこらに限度がある。こういう事情もあるようでございますので、そういうあれからいきますと、一部については重油分解という方法で考えることが、合理化を一歩進めるという面もあるのではないかというような事情もあるように聞いておるのでございまして、そういう点もあわせて検討しておる段階でございます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 それでは説明にならない。じゃもう少し説明しますと、会社名を言っちゃ悪いと思いますから、符号の「リ」であるとか、符号の「オ」であるとか、符号の「ツ」であるとか、あるいは「タ」であるとか、「ソ」であるとかいう工場は、まだ余剰能力を持っておるのです。むしろそれは業界の協定でなるべく生産制限をしておるだけなんです。肥料価格を引き上げるために生産制限をしておるだけなんです。だから絶対量が不足だなんという認識はおかしいんですよ、業界協定で生産制限しておるんですよ。通産省は絶対量が不足だから下まで上げていかなければならないという説明ですけれども、一部コストの安いところでは、業界で生産制限をさしておるんです。それはもっと出いくるんですよ。やりたいと言うんですよ。コストの非常に高いところの工場を救済するなら私は救済でいいと思う。救済するなと必ずしも言わない。だけど肥料政策の上からいけば、そうした低コストのところにたくさん作らせていくことが、硫安価格を下げることになるのじゃないか。高くてコストの合わないその工場は別の方面から救済していけばいいじゃないか、こういうことなんですよ。それを全体の数量が足りないから下のものをやらしてもいいというような考え方はどうも局長おかしいですよ。もっとも抗弁があるなら一つ言ってごらんなさい。私はみんな反駁してみせます。参ったなら参ったと言ってもらえば……。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 ただいまおっしゃいましたように、あるところにおいては非常に安いコストで生産しておるところで、まだ実際は能力が余っておるというようなところはございます。ですからそういうふうなところにもう少し作らしたらいいじゃないか、こういう問題も当然あるわけでありまして、そういう生産能力等につきまして今これをいろいろ査定と申しますか、検討中でございます。ですからそういうようなことを十分検討いたしました上で、とにかく安いものを優先で合理化を進めていきたい、こういう考え方のもとにいろいろ話し合いをしているわけでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 あなた方は話し合い、話し合いと言うけれども、期待する結果にならなければ意味をなさないんですよ。そこでこの融資でありまする十四億を、予算上承認するかしないかという問題が起こってくるんですよ。資料をもらいますと、通産省は百五十億のうちでまだ百三十三億より予定しておらないんですね。まだ十七億どこへやるかということは、予定しておらない。その中でも十四億だけは硫安工場の合理化に向けるんだ、国の大切な予算ですから、やはり有効なところに使わなければならない。これは当然経済効果の上がるところに使わなければならぬのは、法律の目的でもあります。硫安合理化政策の目的でもあるわけです。そこで農林省の主張が正確でなければならないんですよ。通産省の言うように救済なら救済資金で別に出せばいい。開発銀行じゃない。これは開銀じゃなくて中小企業救済の資金として別に出せばいいんです。硫安の合理化のために出すというのは見当違いだと思います。そこでしつこく聞いているんですよ。それをただ相談中だと言う。相談中であればきまるまで予算全体を待たなければならぬということになる。相談がきまるまで有効に使われるのか無効に使われるのか、これは私どもにとっては非常に責任のあることですから、あなた方を信用したいと思ってわざわざ聞いておるんです。合理化のために使うのだ、農林省の主張はこうだ、それなら十四億を認めようか、こういう気持になっておるのに、そんなわけのわからないことでは認められないじゃないですか。どうです。局長、もう度はっきり答弁して下さい。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 お話の向きは非常にありがたいのでありまして、私たちもできるだけその線で、何というか検討しているところでございます。せっかくの開銀の融資がとにかく合理化のために有効に使われますように、そういう線で結論を得たいという考え方でやっております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 大臣はどうです。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 もうただいま局長の申した通りでけっこうでありますが、私は先ほども申しました通りであります。開銀の融資が合理化の効果を上げるように、今後とも話し合いは強く主張して実現をはかりたいと思っております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 大臣として責任持って強く要求する、話し合いじゃ当てにならない。もう一方は進行しているのですからね、既成事実が作られているので上すからね。これに対して厳重な抗議をしながら有効に国の予算が使われるように努力する、こういうことであればこれはその点で了承していいですよ。時間ばかりかかるのは因ります。まだたくさん問題が残っておりますので、この点は注意しておきます。  次に農機具についてお伺いしたいと思います。  大臣、日本の農機具というものは農業の発展に役立ったということよりも、日本の産業機械の不況時における産物として、農業機械に転換していったものじゃないかと思われる。従って産業機械が不況時においては農業機械の生産に入る。他の産業が盛んになりますと、他の産業に転換していくのが日本の産業機械工業の従来の行き方であったと思うのです。そこでやはり農産物の生産コストの重要な要素であります肥料に続いて、農機具に対しましては農林省はやはり無関心でおられないはずだ、こう思うのです。ところが今の機械工業界にまかしておきますと、農業機械を主体にしない。他の発展産業の方に力を入れて参りますと、農機具の価格が安くなるという方向ではないこれが実際現実の姿ではないかと思うのですが、大臣の見解はいかがでしょうか。見解が違えばこれまた長くなると思いますので、一つ前もって申し上げておきます。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 先官も当委員会で同僚の議員の方からお尋ねがありまして、お答えいたしました。なるほど従来におきましては川俣さんの御指摘のように、不承気の場合にメーカーが農機具製造に転換し、景気がよくなればほかへ行ってしまうというようなことがあったと思いますが、今後は私どもも大きく農業の近代化、機械化ということでその所得を引き上げ、生産効率を高めるという主張であります。従って積極的に今後は農機具に対していかなる形の機械が必要であるか、そのものについてあるいは中型だとか大型とか自動耕耘機とかトラクターとかいうものに対して、大体の方針がきまりますれば、積極的に日本の農機具のメーカーについても相当信用の置けるしっかりしたものがあるようでありますので、そういうものに対して優良農機具を考案し、優良農機具を供給し得るように農林省としては積極的に働きかけたい、こう思っております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 それではどうも不十分なんですが、不況時になって参りますと、農地局に対しましても、経済局に対しまして農機具メーカーが相当殺到する。ところが少し産業機械関係が好転して参りますと、農機具の売り込みなどよりもよその方へ力を入れるような結果、末梢の農機具製造業者が今やっておるというようなことになって、一流メーカーでやっているものは、だんだん工場の設備から申しましても、大半が農機具から他に転換していっておる。これは見のがすことができない現実だと思うのです。そこで大臣がいろいろ農業基本法において説明されましたが、農民の所得の均衡をはかる、あるいは国際競争に耐え得るようにする阻害の要素として、農機具の問題があるし、肥料の問題があるわけです。もう一つは水利の問題があるのです。こういう発展を阻害する要素があるわけですから、ブレーキをかけるこれらのものを取り除いていかなければ、大臣の説明するような農業の発展は期し得られないわけです。そこで私は農機具の問題を重視してここで取り上げているわけです。それで局長、今の農機具は、これは一般から言いまして、農村の過剰投資だというふうにも批判をされておるわけです。これは過剰投資だと言われるのは、おそらく耕耘機にいたしましても、小型のものがどんどんと捨てられて、新しく買うところに、農機具メーカーがまだ存在しておるわけですが、これが過剰投資の形となってできていると思うのです。そこでこれを、従来は振興局は機械化促進といいまして、こういう小機具メーカーでも相当検定をして、国定をして、優秀であればやるというふうにいたしてきましたけれども、ずいぶんつぶれていくんですね。去年のメーカーがことし継続していない、おととしのメーカーがことし継続し、ていないということになりますと、その部分品といい、あとの修理といい、なかなか対応できていかないのです。そこで過剰投資という問題が起こってきていると思うのです。やはり何年か継続して、さらに改善されていくというような農機具でなければ、効率的な利用にはならないと思うのです。ここに大きな生産費を引き下げる上のブレーキに農機具がなっておるということになる。これに対する対策をお考えですか。

齋藤誠農林事務官(振興局長)

○齋藤(誠)政府委員 今先生がお話しになりましたように、日本の農機具は大部分のメーカーが中小メーカーでございまして、おそらく一千万円以下の工場が八割を占めると思います。そういった状態でありますと同時に、最近におきます農機具の技術的ないろいろの進歩、改良がございますので、おのずから競争関係で立ち行かなくなるという面も出てくるわけでございます。これは農機具の、実は生産関係の所管は通産省の所管でございまして、われわれとしては今の技術水準におきまして、最も農作業の面から効率的な性能のいいものを普及していこう、こういう行政をやっておるわけでございます。従って、その面から見ますと、まず有能な機械が農村に入っていくようにする必要があるという意味で、御承知のように機械化促進法に基づきまして検査をやっておりまして、年々それによりまして合格した機械を作り、あるいは年々その合格の水準も高めて、時代に合うような形において指導するという形をとっております。今その結果といたしまして、農家に現実に入ってきた機械が、メーカーがつぶれたために修理の部品もなくなるというようなことが往々あるわけでございます。この点は今後の機械化の進展に伴いまして、われわれとしては十分指導に留意すべき点だろうと考えて、おります。これに対します指導といたしましては、作業面におけるいろいろな技術指導にあわせまして、やはり修理におけるアフター・サービスといいますか、そういうことには十分留意していく必要がある。現在そういうことにおきましては、たとえばできるだけ他の部品で取りかえられるような規格の統一であるとかいうようなことが重要な要素になっております。これは部品につきましては通産省の標準工業規格——JISと言っておりますが、さようなことで指導が行なわれておりますが、入ります場合におきてまして、われわれといたしましては、今後の修理のアフター・サービスの的確に行なわれるような機械が入ってくるようにする、あるいはその販売網等も考えて指導をやっていくという考え方を一般的に持っております。ただ、今お話しになりました中小企業が非常に倒産もし、競争の結果つぶれてくるものも出てくるということ自体に対します対策は、実は農林省として持ち得ませんから、これはいかんともしがたいのではないか、かように考えます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そこに問題があるのです。農林省が機械化促進で、地方へ行って共進会など開いて指導しておられます。そのときについていくところのメーカー及び農機具は、検定も受けているから優秀だということを説明されるのはけっこうだと思います。そのものがよくても、継続して使われるか使われないかということについての保証はしておらない。あなた方は、このものはいいと説明をする。しかし使用する農民の側からすれば、農林省が推薦するものであれば、機械もいいであろうし、アフター・サービスもいいであろうし、さらにまた新しいものとも取りかえてくれるであろうという期待を持っておる。その期待を裏切っている結果がある。もう一つは農協ですが、農協の宣伝する機械が必ずしも優秀だとは言えない。これはマージンの多いものを農協が取り扱うという結果になる。マージンの多いものというのはどういうものかというと、にわかの工場で新しく宣伝したいという場合は、往々にしてマージンを農協にやって宣伝してもらって、買ってもらう。これらがあとが続かない。倒産して競争負けをする。競争負けをするということは、その機械が必ずしも優秀でなかったといろ結果にもなるわけです。あなた方指導されて、どうですか。機械化共進会など開いて大いに宣伝していながら、その利用価値がなくなった、それは通産省だなんということは、私はこれは責任のがれだと思うのです。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 農業機械というものが大きく今後の農業に浮かび上がってきた今日、私ども農業機械に対するやり方は相当考えていかなければならぬ。実はあまり利用されずしてと申しますか、いいものがあるのです。鴻巣試験場においては、農機具の試験研究機関というのがある。予算は案外少ないが、しかし高等な、りっぱな研究所です。これぐらいは拡充しつつ、地方別に、耕耘転機にしてもあるいはプラウその他の問題にしても、これから発展さすべき農業に即応しての機械で何がいいかというようなことも研究を大いにして、しかもその結果から出たものを通産省との関係においても連絡して、こういうものを作ってもらいたい、こういう形をどこに作らせるかというようなしっかりした立場で作らせ、これが将来にも継続的に、部分品等がなくならぬような指導も必要でありましょうし、そういうことで研究されたものに、今度は基本法等に関連いたしましては、農機具の検定ということが別の形で、従来と違った形において責任を持って指導していって、そうして農村に損をかけぬようにし、しかも有効な農機具を研究するような総合的な行き方を考える必要があるのじゃなかろうか、今日までは、今局長が申しましたように、やむを符ざる形において、ややそういう点がおくれておった点もあると思うのです。鴻巣試験場のごときはもう少し拡大して、農機具のセンターというようなものを置いてやらせるぐらいのことを、今後研究はいたして参りたい、私はかように考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 時間がないから少し省略しますけれども、すでに農林省が推薦しておる工場で、ここ五年以来のものを見ますと、かなりの数つぶれている会社がたくさんあるわけです。それは一年間いかに有効でも、そのときいかにりっぱであっても、アフター・サービスのないものは一年より有効じゃないわけです。農機具としてやはり——統計調査部が来ているといいのですが、出産費計算では、八年とか七年の償却を見通して、それだけ継続して使えるものとして計算をしておる。ところが実際は一年くらいでもう使えない、部分品がなくて、あとが続かないというようなことであっては、これは過剰投資になって、農村の家計に大きなマイナスになっているわけです。これらを直していかなければ、大臣がどんなに農業所得を上げると言われても、こういうふうに抜けていくのです。ですから農林省で指導される場合は、かなり地方で講習会など開かれてやっています努力は認めるのですが、やはり継続性のある会社でなければ農民に不親切であるし、その機械が有効に働かないということ。もう一つは機械は通産省がやるのだといいましても、大きな農機具の需要者は何といっても農民なんです。従って農民に不利益を与えるようなことについては、無関心であってはならないし、大きな団体需要者であります農協等の指導も、これはあなた方責任があるわけです。結局そういうところに需要者の力が強ければ、そういうことが防ぎ得られるはずなんです。農村の場合は個々であるために、需要者の力がないわけですから、これを一つの力に現わすには、農林省がバックして、これらの機械が正常に発展するようなふうに指導していけるはずだと思うのです。大きな需要者ですから、これは農機具界を支配できるだけの力を持っているのです。それの支配もできないで、向こうの言いなりのものを作って、これは通産省の責任でございますなんというのは、農林省無責任きわまるのです。大きな需要団体じゃないですか、需要者の意見が反映しないというような機械工業はあり得ないですよ、農機具だけですよ、ここを反省しなければならないと思うのですが、局長一つ……。

齋藤誠農林事務官(振興局長)

○齋藤(誠)政府委員 ただいまお話がございました点は、まことにごもっともな点でありまして、そのことにつきましては私もそのように考えます。ただ申し上げましたのは、企業自身の育成につきましては、先ほど申し上げましたような関係でこれは通産省の行政でありますが、今お話しになりましたような需要者側における立場、需要者において最も利益になるような方法でやるということにつきましては、これは農林省として全責任を持っておるわけでございますから、いささかもそういうことにつきましては欠けることのないようにいたしたいという考えを申し上げたわけであります。従いまして今お話しになりました検査等につきましても、結局は農林省におきまする先ほど大臣から申し上げました鴻巣試験場におきまして検査をいたすわけであります。この検査基準がいわばそのときにおきます一つの基準、水準を現わし、あるいはまた今後普及すべき性能の水準を現わすわけでございますから、おのずからそれによりまして検査の合格を受けたものが——年々更新されるわけでございますけれども、その検査を受けたものが結局合格したということで会社もそういうものにだんだん変わっていく、こういうことでございます。事実また最近におけるような状態では、非常な日進月歩という状態に変わりつつありますけれども、これまた今申し上げました検査基準が年々更新されておりますので、そういうことを反映してやはり変わってきつつあるわけでございます。だからわれわれといたしましては、普及にあたりまして過剰投資つまりロスになるようなことがないような指貫については、今後重点的な指導をしていきたい、かようなことを申し上げたわけであります。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 時間がないからこり程度にとどめたいのですが、日進月歩だと言われるのですが、農業の生産費調査によると、これが七年も八年も有効に働くという生産費計算になっておるわけです。ここに大きな矛盾がある。農林省内部にあるのです。日進月歩だ、その通りですよ。機械は確かにその通りです。もう去年のメーカーとことしのメーカーは違っておる、その通りです。しかし過去の農機共は今有効に働いていないことも認めなければならぬ。これがなお依然として七年も八年も前から使っているのだという想定になっている。そういう使っているのだということでこの程度の農産物の価格決定の要素になっておるわけです。一方では近代化だと言いながら、一方においては旧時代のコスト計算をしておって、価格支持等においても日進月歩を認めていないじゃないですか。時間がないというから、この問題はその程度にして、次に移ります。  次に水資源についてお尋ねしたいのですが、水資源開発とその確保については農林省が異常な関心を持っておられるはずだと思うのです。そこで水資源の開発とその確保のために農林省の構想を大臣に伺いたいのです。この問題については、三十六年度に関係ある重要な予算案件もあるわけなんです。それで農林省案があり通産省案があり建設省案があり厚生省案があり自治庁案があるということで、五省にまたがっていろいろ主張があるようでございます。農林省も無関心ではおられないはずでありますが、建設省のごときは農林省の横やりでこの水資源確保が困難になっているなんというデマを飛ばしておるようなこともございますので、水資源に関する農林省の構想及び立場を明らかにしておいてほしい、こう思うわけであります。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 今後の国民経済発展における水の必要性はお話しの通りであります。ただこれには工業用水あり灌漑用水あり上水道あり、いろいろの点があります。従ってこれらの水資源開発につきましては、私どもは総合点な立場において一つの有力な水資源公団を作って、そうしておのおのの分野においてこれが指導をしていくということは、一つも私どもは異議はないのでありまして、もう経過的に言えばこれを大体まとめた一つの水資源公団を作る、これに対し監督関係だけが問題でありまして、これを企画庁等において総合して進めていくということについて、大体農林省、経済企画庁、厚生、通産は一致していたのですが、まあ妙な話ですが建設省はむしろ開発については全部一元的に建設省でというような話で多少もつれておったわけです。しかし私どもはこれを一元化することについてはちっとも反対はしておらないのでありまして、いろいろ所管関係で問題があるならば、一つ公団の監督だけを企画庁等にまかせて、そうしてその実施計画その他については総合的に企画庁で立て、その立てた案に基づいて企画庁関係の灌漑用水あるいは工業用水あるいは上水道の施設の計画を遂行していけばいいじゃないかという立場で進んで参りました。ちっとも私どもの方は異議はないのですが、そういうことで少しおくれております。しかしこれにはまだまだ一つにまとめることを急いでも、根本には、利根川用水とか、木曾川の水をどういうふうに利用することがいいのか、それについてどういうふうな形でどの地点でどういうふうに取り入れをするかという調査が残っております。ただいまのところでは、企画庁で水資源開発促進法というものを出して、一年これをしっかりと考えて、複雑なこれらの問題の解決を一年延ばしたというだけですが、しかしあくまでも水資源については総合的な見地に立って、私どもはまとめていきたいという気持はちっとも変わっておりません。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 先ほど第四分科会で建設大臣に意見を求め、河川局長にも意見を求めたのですが、非常にあぶないという感じを持ったのです。新しい社会情勢に応じて新しい水利使用ができるということは、社会の進展に伴って当然のことだと思うのです。これはそう思うのですよ。しかしながら、大臣も御承知の通り、徳川時代から日本には水利慣行がありまして、これらの水利権というものは親代々にわたって血を流して確保したところもあるわけです。それだけに、労力提供または物質的な提供をして、水利保全をやってきた慣行があるわけです。それらのものを無視して、下流に必要が生じたということで、親代々血を流して守ってきたものを無価値にするということは、これは大きな抵抗を生ずることになるであろうし、社会不安を起こすゆえんであると思う。一体水資源というのはどこをさすのか。建設省あたりは、水は流れてくるものをためて合理的配分をすればいいのだということなんです。それじゃ水というものはどこから出てくるのだ、建設省の所管はどこまでいくのだというと、わからないのです。建設省の所管がどこだという区画もなしに、これはおれのところでやるのだという。建設省の所管の河川はどこまでだ、上流はどこまでだ、それはわかりません、自分の管轄がどこかわからないものに一元化というのはどういうことなんですか、私はどうも不思議でしょうがない。中村建設大臣はよくわからないから、それ以上苦しめることも困る。河川局長も、河川の範囲は建設省だ、水資源はどこだ、河川法の適用を受けておるところの資源は私の方だけれども、その他の資源は私の方じゃない、こう言う。一元化とはどういうことだ、私の管轄のところだけ一元化だ、こういう説明ですよ。要は、日本のような天候のところにおきましては、洪水と旱魃とは交互に起こってくるものです。従って水資源ということになりますと、その上流の措置を講じなければならないということになると思うのです。これは周東さんのお得意のところでなければならぬと思う。そのために治山工事をやり、砂防工事をやり、森林の安定政策を講じてこられて、そこに水の資源が確保されていくわけです。しかしこの確保の仕方が悪いというと、かえって下流に流木などを流して洪水を起こす危険ももちろんありますけれども、どこまでが一体農林省の責任区域であり、どこからが建設省の区域か。治山の問題なんかが起きると、おれの区域だ、おれの区域だということを言います。砂防のときもそうなんです。ところが災害が起きると、それは建設省の責任だ、農林省の責任だといって責任をなすりつける。権利をとるときだけおれの権利だ、こういう争い方を今まで周東さんしてきたのじゃないでしょうか。あなたも官界におられて痛切に感じてこられたと思うのです。従って水資源ということになりますと、農林省としては無関係でおられないはずなんです。周東さんの見解を一つお伺いしたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 全くその点は同感であります。今日までの私どもの政府部内においての主張もそこにあったわけです。問題は治水というものと利水というもの、これは違っている。治水関係において工事をするのはだいぶまとまっておる。それによって温存される水をどういうふうに利水としてよく使うかということは、これは通産省、厚生省、農林省が考えなくちゃならぬ問題である。しかもそれについては、ただいま川俣さん仰せになりましたように、海潮用水としてはどこの地域からどういうふうに取り入れていくのが一番よろしいか、あるいは工業用水は一体どこから取り入れるか、工業用水と灌漑用水というものを二重に使って両方にうまく利用するなら、この点はどこの取り入れ口で一緒にしておいてもいいという場所もありましょうし、あるいは工業地帯の関係上それに対する取り入れ口が変わってくる場所もございましょう。しかし変わるということが、直ちに灌漑用水が減になっては困る、そこらにいろいろ問題がありますが、しかしそれらは話し合って複雑な関係を調整することが私はできると思うのです。いわんや今お話のありましたように、うっかりして妙なところから取り入れられたら、あなたのお話のように長年慣行というものがあって、水の灌漑が大へんだということもよくわかります。私どもはその意味においては、いろいろ問題がありましたが、今日としてはやはり水資源開発利用促進法のもとに一つ案を出して、慎重に一年の間いかなる形に治水と利水の関係で考えたらよろしいかという案を立てて臨むことがよろしい、その上で一つ公団を作るなり何かしてもよろしいんじゃなかろうか、ただ急速に急いで悔いをあとに残しちゃならぬ、こういうふうに今考えている次第です。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そこで大臣にお伺いしたいのですが、大臣よく御存じのところだからあえてお伺いするのですが、そうすると治水の所管は、農林省と建設省の分かれる所管の境はどこですか。どこからどこまでが農林省で、どこから建設省なんですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 これはなかなかむずかしい問題で、純治水というものだけで考えられる場合に、河川の改修とかあるいは山腹渓流というものの関係においては建設省がおやりになりましょうが、同じく治水でも、その治水の関係で山腹砂防で植林と関係するという部分におきましては農林省がやるべきである、これは長い間の慣行であります。それから多目的ダムと称するのが最近できております。これは治水をやりつつその水をあるときには灌漑に使い、あるいは工業発電に使うというような問題があります。もとより上水の関係もありますが、しかし個々には時期的に相いれないものが出てくる。たとえば電源に使うものと灌漑のものと、時に相いれないものが出てくると思うのです。そういう点はありますが、この多目的ダム等に関しましてダムの建設は建設省がやりたいということもありましょう。しかしそのダムで作られた水をどう処理するかという利水の問題については、あらかじめ計画を立てるときに農林省がしっかりその面については参加して立てるべきであって、ここに総合計画の中の一つとして関係の省が参加して総合計画を立てる、あるいはたとえば先ほどのような問題でありますと、企画庁において総合計画を立て、その計画に基づいてそれぞれの分野にわたって用排水の幹線を作るとか、あるいは工業用水の水路を作るとかいう問題が出てくると思うのです。一がいにどこからどこまでとはっきりと区画はできませんが、大よそのめどはそういうことが言えるのじゃないかと思いますが、これはなかなか複雑な問題がありますから、そういう点がよほど考えられて計画が立てられて、その計画のもとに水資源公団等がどうなるかということを考えていくのが一番よろしい、かように思っているわけです。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そのどこへ多目的ダムを作らせるかということを私は今問題にしているのではない。行政官庁でありますから、農林省の置かれておる立場、建設省の置かれておる立場、及び官庁設置法から見ましても、一体自分の責任区域がどこなのか、どこから建設省の区域かはっきりしなければならないと思うのです。ですから、何か作るというときになると権限争いになるけれども、責任問題が起きると、おれのところじゃない、おれのところじゃないという問題が起きてくる、そこに処置すべきものが怠慢であったという問題が起きてくるわけですが、それが一体農林省の責任なのか、一体建設省の責任なのかということがはっきりしないと追及のし場所がない。そこで農林大臣は、農林省として受け持つべき水源はどこまでが一体農林省所管に属するとお考えになっており、どこからが建設省の所管ということが、境がなければならぬと思うのですよ、その境をどういうふうに定義しておられますか、こういう質問なんです。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 それはただいま申し上げてあるいはまだおわかりになっていただけないかと思いますが、私は、水に関しては、治水の面というものが第一ありますね。それに関しては、河川砂防等に関する問題は、これは明らかに建設省、それから渓流砂防等につきましても従来の話し合いによって建設省、それから同じく水を治めるにつきまして、山腹砂防につきましてははっきりと農林省が責任を持っておる。それから今度利水の面になりますと、これは灌漑用水として必要な部面になって参ります。それをどこへどうするか。そうすると、従来は灌漑用水等に関しまして、ダムを作ってそうして水をためつつ灌漑用水の供給を確保するという問題は農林省の所管で大体やっている部面と、ただいまの豊川用水のごときは農林省がやっておりますが、その中にはあるいは工業用水の面が出てくるという面がありまして、一律に利水の面に対して農林省だけがやるか、あるいは工業用水の面において通産省が問題になるか、これは両様あると思うのです。あるいは多目的ダムで、一面治水の面のためにダムの建設によって水の調整をはかるということになると、その点についてはやはり建設省も関係があるわけです。だから従ってそういうものはどの方面かといいますと、利水の面についてはなかなか話しにくいと思いますが、結局私はこの水系、利根川を利用して利根川の周辺に畑地灌漑についてどれだけ水が要るか、あるいは水田用水に関してどれだけ水が要るか、こういう面については主として農林省が権限を持っていたしまして、しこうして、それがやられるならついでに当然関東地区における工業用水をどう考えるかということをあわせ考えつつ、ダムの建設なり水路の建設を考えていくということでなければならぬと思います。そこに私は総合計画を樹立する中に農林省の責任と権限というものは当然織り込まれてこなければならぬし、その灌漑用水の設置のために作った水路に何か不行き届きがあって水をあふれさせた、洪水を起こした、これは明らかに農林省の責任であります。またそういうところへ水を引くべきなのに水を引かないで、畑地灌漑ができなくて今後の畑作振興がやれないとなれば、これも明らかに農林省の責任であります。そういうことで将来の水資源というものをいかに考えていくかということは、全体の水田、畑作奨励と関連して、水がどの程度要るかということの、長期の見通しのもとに立って計画を進めていくということが、農林大臣の仕事であろうと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 農業水利権については、あとでお聞きするのですが、さっき建設省にいろいろ意見を尋ねたところ、かなり窮したけれども、結局河川法で指定されておる河川については建設省の所管であるし、その上流も、重要河川に適用されている地域は、山腹といえども建設省の所管である、河川法で指定されない地域は私の管轄ではない、一応こういう説明でした。そうすると、大臣のように、山腹砂防は農林省だという考え方は建設省にはない。重要河川の、河川法に適用されておる河川の上流の山腹砂防も建設省の所管だという見解のようです。それから重要河川でない場所は、私の方の所管じゃない、こういうことですから、水流があろうと、それが河川法の適用設定区域外は建設省の所管じゃない、こういう説明のようです。従って、山腹だから農林だ、山腹だから建設省でないという考え方でないようです。そういうところにまだ十分な見解の検討が行なわれていないのではないか、こら理解するのですよ。そこで農林省はどのように理解しておるかということをお聞きしたわけですが、まだ十分に水の問題については、最近重要になってきただけに、頭に上がってはおるでしょうけれども、これは水文的にも十分検討が行なわれていないのではないか。従って、十分検討した上で、これは処置しなければならぬじゃないか。国土総合開発審議会の水部会につきましても、この審議会だけなんですね、満場一致というものは一つもない。みな意見がある。有力者の間にみな意見が、比較的多数の意見、比較的少数の意見というようなことで、満場一致というものは一つもない、これは審議会として異例なものだと思うのです。そのように水についてはまだ日本でははっきりした水の秩序というものがないのではないか。水の資源についても、これをどう確保するかということについても、まだ人文的にも十分検討されていないのではないか、私はそういうふうに理解をするわけです。きょう一日の質問を通じて。そこで治山を受け持っております農林省といたしましては、治山というからには、下流に及ぼす水利のことがかなり影響して治山工事が行なわれるわけでございますから、一体どこまでが農林省の責任ある行政区域なのかということを、みずから農林省の内部において検討しなければならぬのじゃないか、こう思うのです。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 私は今の川俣さんの御意見でかなり同感の点もありますが、私はそれだけにまだ研究がしていないということはわかります。ことに私は工事というものの担当が建設省であるという、重要河川ということが頭に先になっているのではないか、私は利水——水というものは、重要河川に指定しておる川の水は、全部建設省でござるという話はおかしいと思うのです。私ども先ほどから申し上げておるのは、治水に関する仕事の権限と水を使う面における利水の面とは違うのだ、そこに建設省だけが河川改修その他で治水の面からやるということでやられただけでは、ほんとうは利水という面から見た計画というものにそごがあっていかぬ。そのおのおのの利水に対しては、利根川の水を使って、その地域における畑地、水田地帯に対して、どういうふうに水をもっとほしいのかということ、計画しなければならぬのかということは、これははっきりと利水の官庁がきめるべきものだ、そのきめられた計画に基づいてその建設、ダムをどこへ作るかということは個々に考えたらいいのではないか、しかし利水の権限官庁としては、こういう考えでおらなければいけないのではなかろうかと思います。なお山腹砂防との関係におきまして、治水上の問題につきましては、林野庁長官もおりますから、お答えさせます。

山崎齊林野庁長官

○山崎政府委員 山腹砂防、建設省でやっております砂防と林野庁の受け持っております治山事業との区分でありますが、これにつきましては、たしか昭和六年でありますか、両省の事務次官による覚書ができておるのであります。河川渓流等に直接関連する地域の山腹工事等は建設省でやる。直接関係しないところの工事は林野庁がやるというような、ことで覚書ができておりまして、そういう線で両者そう問題なしに従来円満にやっているということでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 すなわち建設省で考えられておる公団または豊川公団でも、大臣の説明によりますれば利水の公団である。別な言葉で言えば水の配分の問題であるし、水の利用秩序の問題である、こういうふうに思う。ところが最近の言葉に便乗してと申しますか、みんな水資源開発公団なんという言葉を使っている。開発するところには何らの力を入れてないみんな配分なのです。そうではないですか。愛知用水公団にしましてもこれは開発じゃなくて利用公団、水利利用公団であると同時に、豊川公団にいたしましても大臣に言わせれば利水公団なのです。それをわざわざ新しい言葉というか、予算をとるには水源開発公団ということにしないと予算がとれないと考えたのかどうか知りませんが、わざわざ水源開発公団というが、どこまであなた方は水源を開発するのかというと、そうじゃない。みな説明は大臣の説明のように利水なのです。利水は開発じゃないでしょう。配分でしょう。生産の方じゃなく配分でしょう。そう思う。生産といっても水の生産はないでしょうけれども、これは建設省と農林省の間においてはやはりまだ、未解決の問題が幾多残っておるのだ。一体水源を涵養すると申しますか、農林省では水源涵養林というものがある。これは水源涵養でしょうから開発の部類に入る方でしょう。大臣、多目的ダムは洪水の調節の役割を果たしたり、利用の役割を果たすということを建設省では言うのですが、これは大へんなことなのです。秋田県の集中豪雨の場合その他の場合の例を見ても、時間をとるから申しませんが、これは有効貯水量を確保するために、上流から土砂が流れてきて堆積で埋まりますと抵抗できない理由もありましょうし、今後の貯水量を確保することができないために、堆積のし砂を抜くんです。班に秋田県も抜かれた。そのために意外な水害が起きた。洪水のときに土砂を抜かれたら下流に一そうの水害が起きることは大臣御存じの通りです。だから下手すると、多目的ダムというものは洪水を倍化する役目をなすという結果になるのです。だから多目的ダムが貯水池として役割を果たすと同時に堆積の役割を果たして、洪水を防ぐこともできるけれども、それより上流に土砂堆積を防ぐ工事をしておきませんと、多目的ダムの役目を果たさない結果になるし、被害をかえって倍化する結果になる。この上流の措置はだれが一体やるのかという問題も出てくるわけです。そこで一体農林省と建設省がどこで責任を分配してそういうものを処置をとるのかという問題が起きてくるので、今まで長々と時間をかけたわけですけれども、将来の御検討を一つ願いたいと思うのです。というのは、農林省だけでやってもだめです。水部会においても今まで水利に関する検討がありますけれども、また判例等におきましても種々雑多です。農業用水についての判例を調べてみますと非常に種類が多い。たとえば上流に水利権があるのだという判例もありますれば、古田に水利権があるのだという判例もあります。両方に水利権があるのだという判例もあって、明治以来水利権に対する判例は非常に多い。ただ水利慣行として法的に認められているということだけは見のがすことはできない事実でありましょう。このために自己の水利権を守るために愛知県と岐阜県において大きな県会の問題にもなり、大きな人間が動員されまして対抗したこともあるわけですから、なかなかこれは根強い農民の持っておる権利でございます。それだけにこれをにわかに新しい秩序のもとに利水策を講ずるのだと言いましても、よほどそれは理解をしていただかないと、要らざる紛争を起こすことになると思います。  もう一つは大臣、いろいろな農業政策を立てる上に、水利権というものがどの程度確保されるのかどうかということにならないと、ただ規模が大きければ所得がふえるのだ、いや構造改革をやるだの、あるいは転換をするのだと言いましても、水の確保がどのようにできるか、あるいは慣行がどうなっているのかということを考えないと、これは机上の空論になってしまうのではないかと思うのです。大臣、この間のお説によりますと、ずいぶんりっぱな言葉をお使いになっておるのですが、言葉としては私は理解できるのですが、一体それにどういう裏づけをなさるのかということについてはやはり疑問があるのです。時間がないから一々申し上げませんが、今まで水がよく確保されていると、水の確保のいかんによりましては耕地整理もできるでしょう。非常に不便なところは耕地整理はできない、いわゆる基盤の拡充もできなかったわけです。そこでただ土地改良をやればいいのだと言いましても、水が確保されるかされないかによって、土地改良の効果が上がるところと上がらないところがあるのですから、水資源につきましては、農地局は非常に重大な関心を持っていかなければならぬ。ただ形式的に、いや一反歩の耕地を二反歩にすれば、あるいは長いようにやれば能率が上がりますと言いましても、これは水利をどうするか、または用水をどうするかばかりでなくて、排水をどうするかということも考えなければ、土地の条件を一改修することにはならないと思う。これは上流から水を入れてきますから、上流の方が解決しなければ、下流の方でどんなに早期栽培をやろうと思ってもできない。早期栽培がいいのではない、やはり水利と不可分の関係があり、これらに対する対策ができないで、農業構造を変えるのだというようなことは机上の空論に終わるのではないか。大臣、その点はいかがですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 私どもも十分それは心得ておりますので、今度の農業基本法等の制度にあたりましても、農業基盤の整備拡充ということを考えて、その中にはもちろん土地に対する条件、水の条件というものを一考えておるわけであります。お話のように水というものは農業生産に最も必要でありますので、今後におきましても、水田関係の地帯はもとよりのこと、大きく畑作振興をやっていく上におきまして考えに入れておかなければならぬと思うのであります。補助整備等の関係を今度計画的に出しておりますが、予算にも計上したと思いますが、こういう方面には必ず水の問題をつけて補助整備をいたす考えでおります。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 まだ七つほど残っておるわけですが、急いで一つやります。  そこで、統計調査部おいでになっていますか。大臣にちょっとお尋ねしたいのですが、池田内閣は非常に数字に明るいとかということで数字を非常にやかましく問題にしておるわけですが、農産物の生産費の計算、あるいは農家経済の調査等について、私どもが米価審議会において常に十分な調査をするようにという決議もあげておるわけですけれども、毎年予算を見ますと、われわれの決議を非常に無視せられておるように思うわけであります。項目は取り上げておりましても実際に動くことができない。紙一つ買うことができないような資料にたっておるようです。予算の詳しいことを申し上げていると時間がなくなりますが、生産費調査にいたしましても、家計費調査にいたしましても、これで日本の基本政策として足り得るような資料でございますということはちょっと言えないのじゃないかと思うんですが、統計調査部長、自信を持って今の資料で十分だというお考えであるかどうか。おそらく予算上十分なことができないでお困りだという返事になるのじゃないかと思うのですが、この点どうでしょうか。自信があるならば、こまかいところまで一つ……。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 新しい農業基本法に基づいて、特に将来の需給に関する長期見通しを立てて仕事を一やっていく、それからその実績を毎年国会に報告するというような義務を負わせられてきました今日としては、統計の整備については特に意を用いなければならぬと私も考えます。ただことしはお話の通り、ややまだ十分ではありません。問題といたしましては、たとえば農家経済調査にいたしましても、生産費調査にいたしましても、調査対象の人員とかいうようなものについても、もう少し考えてみたい、こういうふうな気もします。  それからこれはほかのことになりますが、農村の問題を解決するのに対する統計というものは、労働者の調査等も関連を持ちます。この農業基本法の趣旨の実行に当たって関連するいろいろの点の統計調査に対しましては、さらに検討を加えて整備をいたしたい、かように考えております。

久我通武農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○久我説明員 ただいま大臣からお話のございました通りでございますが、昭和三十七年度からの農家経済調査を拡充いたす予定でございまして、来年度はその新しい農家、約倍以上になりますが、その農家の選定等の準備を十分進めるつもりでおります。何分にも新しい仕事を始めますにあたりましては、先生のお話もございましたように、お役に立つものを出すために十分準備をする必要があると存じますので、来年度はその準備に充てていきたい、かように考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 本庁の米の生産費の調査費用は官三十八万六千円だと思います。それから麦については二十二万三千円、それから畜産については日四十八万円、米の地方事務所並びに出張所は千百五十三万四千円、麦が三百二十二万一千円、畜産が二百十二万九千円。ほかの省のそう緻密でない調査資料でもこれ以上経費をかけておられるのじゃないか。対象物件の非常に多いこれらのものを、しかも米全体の収量からいいましても、麦の収量からいいましても、その何%が調査資料になってしかるべきだというふうに見ますると、まことにお粗末で、これで十分なものができましたということは、調査部長言えないのじゃないかと私は思うんですよ。どうなんですか。

久我通武農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○久我説明員 ただいま先生のお話しの通りに、確かに全体といたしましては、そう多い数の調査をいたしておりません。しかしながら、来年度から、お話のございました生産費の調査は簿記による調査でありますが、この簿記調査だけを拡充いたしまして、生産費なり経済調査なりの全体を求めるということに非常に無理がございます。そこで農家約二十万戸につきましての基本的な調査を、これはほかの統計調査でございますが、それと結びつけまして、結果をより充実したい、かように考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 地方で調査しておる人が、自分の調査した結果がどのような集計になっておるかというようなことも知らないほどに集計したものが地方にも回っておらないのは、やはり予算が不足だからじゃないかと思う。自分がやったものが全国的にどんな集計になっておるかということを示すことによって自信を持たせる。これが自分の調査の検討にもなり得ると思う。どんな結果になっておるか知らない人がたくさんおられるようなことでは、あなたの指導が十分に行き届いていないのじゃないか、そこで問題にしたのです。今さら三十六年度の予算を追加しようといたしましても無理じゃないかと思いますが、来年度予算については十分な御検討が必要だと思います。  次に農地局長にお尋ねいたします。農地局の所管になっております自作農創設特別会計の中に、農地、宅地等の所有が相当おありのはずであります。農地局が宅地を持つというのはおかしいと思う。すみやかにこれは処置すべきものじゃないかと思いますし、また農地でありながら、すでに現状は宅地になっておるところもあると思うのです。これらについて当然な処置を講じなければならないと同時に、これは大蔵省の主計官が来ておったらお尋ねしなければならぬのだが、大蔵省の所管の中にも農耕地を所有しておるところがある。これは農地局長どうですか、現在の農地法によりますというと、農業者でなければ農地を所有することができないのですが、大蔵省等は農地を持ってもいいという特例がありますか。ありますればその法的根拠をお示し願いたいと思う。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 今御質問の最初の点で、国が持っておるものにつきまして、なるべく早く処分すべきじゃないかというお尋ねでございますが、これは御趣旨ごもっともでございます。私の方が実は持っておりますのは、農地その他で一万一千町歩くらいございますが、このうち大部分は農地でございますが、それに貸し付けておるのが七千五日くらいございます。そのほかは実は農地とはいいましても、大部分北海道でございますが、これはほとんど耕作の用にもならないところが大部分ですが、四千町歩ばかりございますので、こういうものにつきましては国としてもなるべく早く、農地であれば、農業者に転用できるものであればその人に売り払っていくということをやっていきたいと思っております。もう一つの大蔵省で持っておられる農地等の問題につきましては、これはすみやかに所管がえをしてもらって、私の方で処分をするというふうにしていきたいと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 大臣、今あなたの留守に、自作農創設特別会計の持っております農地及び宅地は、これは適当に処分すべきじゃないかということが一つの意見と、それから大蔵省が農耕地を持っておる、これは農地法によりますれば、農業者でなければ農地を所有できないのに、大蔵省なるがゆえに持てるという法律的根拠がありますか、こういう質問をしたのに対しましては、すみやかに所管がえをして自作農創設に入れる、こういうことですが、一体農地法はこれから改正になるでしょうけれども、従来の農地法でよそに対してはやかましく取り締まっていながら、大蔵省だけが寛大に扱わなければたらない根拠はないはすじゃないですか。この点大臣不思議に思いませんか、どうですか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 今の最後の点は、これは一応農地法の適用じゃなくて大蔵省が国営として持っているわけでございますが、これにつきましては先ほど申し上げましたように、すみやかに所管がえをしてもらって処分をしていく、農地であれば農民に売っていくということにしたいと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 だんだん時間がおそくなるので、あとに延ばしたいと思うのですが、どうでしょうか、まだ農林省関係の外郭団体の問題と、食管会計の問題と、林業の問題とが残っておりますが……。

三浦一雄自由民主党

○三浦主査 やはり持ち時間の間でやっていただかなければいけないのです。ですから簡潔にお願いします。あと五分くらいお願いします。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 急いで申し上げます。麦の生産及び政府買い入れに関する特別措置法が今日まで提出できない理由は一体どこにあるのか、どこが問題になって残っておるのでありますか、その点を御説明願いたい。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 もうこれは一両日のうちに提出いたします。結局麦の買い入れ価格に関していろいろ協議をいたしておりまして、大体まとまりましたから一両日のうちに提出をいたす運びでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 どういうふうにまとまったのですか。一両日というけれども出てこないと……。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 まだ最終の決定には至っておりません。きょうもあなた方にカン詰になっておりますのでちょっと動きがとれないのです。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 やはりこれは内容が明らかにならないといかぬと思うのです。審議を進めるばかりでなくて、主査としても内容がはっきりしなければ、この委員会においても採決できないでしょう。そこで私は便法的に内容を具体的に明らかにしていきたい、こう思うのです。あなたが五分でやれというから、これは議事進行について主査に尋ねているのです。

三浦一雄自由民主党

○三浦主査 この分科会の運営は皆さんと御相談の上に、持ち時間でやっていただくということにしておるのですから、その範囲でやっていただくということです。それでお願いします。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 次に大豆菜種交付金の法案でございます。これは予算上も非常に大きな内容を持っておるものでございますが、これもいろいろ問題点があって延びておるようですが、どういう点が問題になって延びておるのか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 これも今明日のうちに提出の運びになると思いますが、詳細は政府委員の方から御答弁申し上げます。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 大豆菜種交付金に関しまする法律も提出が非常に遅延をいたしております。大へん申しわけないと思いますが、これは主として技術的な問題でございまして、何分にもわが国の農産物に関しまする価格対策としては従来実施したことのない制度でいろいろ技術的な問題等も、こまかい点を十分詰めますので時間がかかりますが、ほとんど調整できましたので、これはごく近いうちに提出をする運びになると思います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 今、未提出の法案については二日に用意されて、その後にするということになったそうでございますから、この短い時間で無理にお尋ねすることをやめまして、未提出の法案についての審議はあと回しにすることに留保いたしておきます。

三浦一雄自由民主党

○三浦主査 二時間やっているのですから簡潔にお願いします。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 大臣、農林省にいろいろな外郭団体を持っておられますが、これは補助の外郭団体もあります。また農林省の認可許可を受けて、トンネル会社的な使命を果たしておるところの外郭団体もある。外郭団体については農林省から資料をいただいておりますから、一々時間がないので申し上げませんが、かなり農林省におんぶいたしまして特権的な役割を果たしております外郭団体もたくさんあるわけです。これは補助してないからということを言いますけれども、これは認可許可によってこのルートを通じなければ、ものの配給あるいはものの納入等ができない団体もあるわけです。そこでこういうものについて、大臣は、将来整理検討をするという用意がありますかどうか、この点をお聞きしたい。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 抽象的にお尋ねでございますが、農林省の外郭団体と申しましても、農業委員会とか農業協同組合とか畜産協同組合とか森林組合とか漁業組合とかいろいろあります。これらについては今後の農業政策を実行する上におきまして、これの基礎を強化して、しかもこれは十分中心になって働いてもらいたい。ただしこれは国家の助成とかいうものだけに目をつけられなくて、自治的にもかなり権力、権限を持って、そうして一緒になって農業の伸展、漁業の伸展、森林の伸展に尽くしてもらうように指導し、助長していきたい、かように考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 私は、そういう法制上の団体でなくて、農林省にはいろいろな認可許可の団体もあるわけです。これらについては一つ検討を願いたいと思いますが、いずれかの機会に譲ります。  そこで林業の問題に入りたいのですが、二言だけ触れておきたいと思います。治山の上からも水源培養林については特に保安林と指定いたしまして、経済林としてでなく、一つの公共施設として保護育成をしてきたわけです。これは経済林じゃないのです。ところが、今度水資源開発ということで一そう水源培養林の受け持つ役目が重要になってきたと思うのです。そこで、これらの役目を果たすために、むしろ保安林等の買い上げをやると同時に、これらの保安林的な役目を果たし得なかったところを改植等をいたしまして、十分な水源保安の涵養の役目を果たさなければならぬと思うのです。それが農林省の役目だと思うのです。ところが、ここに新しく治山治水とかいうものは公共的な役割を果たし、公益的な役割を果たさなければなりませんために、林野におきましてもこれは一般会計でやっておるわけであります。従って公共性の強いものは国の一般会計で仕事をする建前をとっておるにかかわらず、今度の水源地の官行造林は公団にやらせるという考え方がどうも私には解せないのです。今後治山の上からいっても、こうした小団地をまとめてむしろ保安林として指定して、国がこれを運営するということにならなければ治山対策にならないし、資源培養にはならないと私は思うのですが、大臣、どうでしょう。

周東英雄自由民主党農林大臣

○周東国務大臣 一応ごもっともなお尋ねでありますが、私ども従来水源涵養の場所について官庁造林でやってきたことはお話の通りでありますが、大体計画を終わってきた。残っている場所については今度これを森林開発公団にやらせることにいたしたのでありますが、その間におきまして官行造林でやることと森林開発公団でやることとそうえらい違いは私はないと思います。やはり森林開発公団においてやる場合において、責任は国が持ってそこに必要な金を出資する。これは主として国有林野特別会計から一般会計に繰り入れたものをさらにそこから持っては参りますけれども、その金は常に今後における国有林経営から出た利益の中から大きく出していってやるというわけでありますから、従来の特別会計において官行造林をやったことと別に変わらない形でいき得ると思いますし、ある程度国がやっていくよりも、民という形になってやらした方が能率的に行なわれる部面もあると思います。要はそれが、官行造林でやっておる形と同じように目的を完全にやれるかどうかという問題であります。ただいまのところ、その点については同様にやっていけると考えておりますから、一つの考え方で進めていきたいと思っております。

三浦一雄自由民主党

○三浦主査 本日はこの程度にとどめ、明日は午前十時より開会し、経済企画庁及び通商産業省所管予算の審査に入ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後八時十二分散会

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