予算委員会第三分科会 第2号
- 発言数
- 270 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/02/27
会議録
○三浦主査 これより、予算委員会第三分科会を開会いたします。 本日は、昭和三十六年度一般会計予算、同特別会計予算中、農林省所管を議題といたします。 質疑を続行いたします。井手以誠君。
○井手分科員 農林省関係については、いわゆる政策予算といわれております大きな問題がございますが、それは同僚議員やあるいは別の機会に譲るといたしまして、本日は移住の問題と、ほかに二、三点お伺いいたしたいと思います。外務省はまだ見えていないですね。——それじゃ移住の問題はあと回しにいたしまして、ほかに二、三点お伺いをいたします。 特定土地改良工事特別会計のことでお伺いをいたしますが、説明によりますと、この会計の国庫負担は従来八〇%であったものを七五%に引き下げて、地元負担を従来二〇%であったものを二五%に引き上げておりますが、これは地元の負担が重くなるわけで、すでに予算編成の過程においても相当問題になったことであります。これはこの前、三年ほど前でございますかこれをきめる際にも、この問題がずいぶん論議されまして、将来引き上げることはしないという答弁もあったようでありますが、どういうことでこういうふうに引き上げになったのか、所得倍増の問題とからんで、こういう行き方は今の池田内閣の政策に逆行するものではないかと思いますので、まず農林大臣にお伺いをいたします。
○周東国務大臣 これは詳しいことは今局長から具体的にお話しを申し上げたいと思いますが、私は必ずしも負担率の問題が直ちに所得倍増に影響するとも考えないのです。問題は、できるだけ多くの資金を出して財政負担をして多くの面積をやるということが一番望ましいことでありますが、その際にもできるだけ効率的に資金の運用をするということが一つと、ある程度地元にも責任を持たせながら進めていくということが一つの方法じゃなかろうかということが、今度多少負担率に変化を来たした点である、かように考えておる次第であります。
○伊東政府委員 大臣のお答えに私からちょっと補足させていただきます。 今御質問のありました国の負担が八〇というのが七五になったのは、農民負担が過重ではないかという御質疑でございますが、制度として若干変えましたのは、従来干拓付帯工事というものは特別会計から離しまして、一般会計で五割補助ということで実はやっております。これは工事を一貫施工していく上からいたしますと、やはり特別会計で付帯工事までも一貫施工してしまった方がいいんじゃなかろうかということで、これを特別会計に繰り入れております。これでやりますと、従来の八〇が七七ぐらいになるのでございますが、一つは、干拓につきましてほかの土地改良その他一括して農民負担の点でアンバランスがありはしないか、また干拓につきまして実は工事の事業費が伊勢湾台風その他の影響から考えまして、今までの事業費では、不十分ではなかろうかというようなことで、だいぶ大幅な改定をいたしたこともございます。干拓の付帯工事を特別会計に繰り入れましたこと、事業費がだいぶ膨張して参りましたこと、あるいは土地改良等のバランス等も考えまして、今先生のおっしゃいましたような七五というふうに一応きめたわけでございます。
○井手分科員 そういう弁解もあるようですけれども、いずれにしても払い下げ価格が上がってくるということは、これは農業経営にとって好ましいことではございません。私どもはそういうものには反対でありますが、本日は時間の点もございますので、論じ尽くされた問題でもありますし、議論をしようとは考えておりません。農林大臣、あなたの在任中ばかりではなくて、将来にわたっても、もうこれ以上は引き上げないというお約束ができますか。
○周東国務大臣 将来の問題といたしましては、農業基本法の制定等もあり、またそれに関連して施策中、ことに農業基盤の増強ということについては重きを置きたいと思っておりますので、それらの点とも関連いたしまして、将来の問題については、私どもはできれば国の負担の方を、変化するとすればよけい持って、そうして農民の負担を軽くするということがむしろ望ましいと思いますが、しかしそれは全体的の計画の総合的な立場にあって、いかに資金を効率的に使うかということからものを考え、またそういう場合においても、将来の問題でございますが、一部においては国家負担というものを考えつつ、できれば、よく問題になります安い長期の金が出ることができれば、その方を多く使うということが望ましいのじゃないか。もとより国営、県営の事業でございましても、一部負担等についてそういう面はあわせて考えて、全体の財政並びに融資関係も合わせて、将来は負担がどういうふうになるかということを考えてみたいと思います。
○井手分科員 それでは将来は引き上げない方針であると理解してよろしゅうございますか。
○周東国務大臣 大体そういう希望を持って考えていきたいと思います。
○井手分科員 少しあいまいですが、それでは局長にお伺いしますが、この二五%というのは三十六年度からであって、三十五年度までのものは二〇%、三十一年度までのものは一〇%でしたか、払い下げのときにはそういうふうな計算になりますか。
○伊東政府委員 今先生おっしゃった通りでございまして、三十一年度までは五%、それからその後は二〇%、三十六年度以降二五%ということで計算いたします。
○井手分科員 次に自作農資金について一言お伺いいたしますが、先日高田君の質問に対して、大臣は非常にあいまいな御答弁をなさいましたが、今の農村に対する資金では一番重宝がられておる、最も期待されておる自作農資金で、もし貸付対象が変わるということになれば、これは大へんでございますので念を押しておきたいと思いますが、大蔵省との間に何か約束ができておるという話ですが、それは間違いでございますか、ほんとうですか、その点のことを確かめておきたいと思います。
○伊東政府委員 私からかわってお答えいたします。予算の折衝をいたします際に、大蔵省からいろいろ注文が出たことは事実でございます。たとえば、なるべく大きなものの方へ融通したらどうか、あるいは取得資金と維持資金のワクは厳重にはめて動かさぬというふうにしたらどうかというような意味の注文といいますか、意見が出たことは事実でございます。これにつきまして私どもは、中庸規模につきまして自作農資金の融通の指定をしておりましたが、これにつきましては、一応従来も災害の場合は中庸規模という観念はやめておりましたが今後は中庸規模という制限をとることは認めよう。ただし第二点の彼此融通を認めるということにつきましては、これは急激にそういう運用というものは非常に困難だ。やはり維持資金の要望が相当ございますので、これは実情に合ったようになるべく弾力的に運用していきたい。少なくとも三十五年度の維持資金に使いましたくらいの維持資金は、三十六年度にも当然使いたいというふうなことを話しておりまして、大蔵省と農林省の間で約束をしまして、彼此融通しない、そういうようなことはいたしておりません。これは実情に合わせまして弾力的な運用をしていきたいというふうに考えております。
○井手分科員 端的にお伺いをいたしますが、従来の貸付の運用と全然変わりはございませんか、その点だけでけっこうです。
○伊東政府委員 従来と違っておりますのは、中庸規模という制限をはずしたことは従来と違っております。これはたとえば東北でございますと三反から二町、北海道は別でありますが、東北以外は三反から上は一町五反というくらいに中庸規模の面積をきめておりましたが、これをはずしたことは事実でございます。そのほか彼此融通の点につきましては、なるべく取得資金に重点を置いた運営をしようじゃないかというようなことは話し合ったことはございますが、それかといいまして厳重にワクを作って動かさぬというような運営はいたさぬというつもりでございます。
○井手分科員 三町から一町五反あるいは二町というワクは今後どういうふうに変わっていきますか。
○伊東政府委員 自作農資金の運用の実績を見ますと、大体五反から一町五反ぐらいの間で受理件数の七〇%ぐらいが運用されております。それで今後の見通しでございますが、私どもとしましては急激に大きなものだけに貸していくというような運用をいたすつもりはございません。それかといいまして従来通りの運用ということよりは、やはり取得資金にはある程度重点を置いたらいいではないかというふうに考えておりますが、上の方が何町歩に重点を履いて運用するということは今考えておりません。
○井手分科員 三反、四反のものが購入する場合も制限はやりませんか。希望があれば貸し付けることになりますか。その点をはっきりして下さい。
○伊東政府委員 その点も資金の需要の面とのにらみ合わせでございますが、そういうものは一切排除するというような考えはございません。
○井手分科員 資金の運用のことだとおっしゃいますが、その辺が非常に気にかかるのです。私どもの近所で一番必要としておりますのは、五反から一町以内の人が非常にこの資金を必要といたしております。そういうものが、一部で言われる通りに富農層、大農層に重点が置かれるということになりますと、借り入れを申し込んでもなかなかむずかしいことになることを非常に心配しておりますから念を押しておるわけでありますが、変わりはございませんか。
○伊東政府委員 地域によりまして二町五反とか二町とかいいましても、ほとんどそういう農家が少ない地域が、先生おっしゃる通りございます。でありますので、先生のおっしゃいましたような地域につきまして、そういうものは一切排除してしまうのだというような運用はいたしません。
○井手分科員 三町から一町五反あるいは二町を排除するという意味はどういうことですか。
○伊東政府委員 言葉が足りませんでしたが、その地帯で二町五反とか三町とかいうものだけに運用をして、それ以下のものには貸付をせぬという意味の排除はいたしません。一町なり一町前後の人で土地を取得していくとか維持していくという人に対しても、それは従来通り貸すつもりでございます。
○井手分科員 くどいようですが、三反、五反の人にも同様ですか。
○伊東政府委員 三反未満については貸しませんことは従来通りでございますが、三反、五反の人が非常にその地帯に多い、また現実の問題としてほかに転用するといってもなかなかできぬというようなところにつきましては、実情に合ったように運用することは従来通りでございます。
○井手分科員 次に大豆の対策でございますが、三十億円を三十六年度予算に組んでありますが、昨年の予算委員会において当時の福田農林大臣は、大豆の自由化に伴って大豆の価格を維持するのに三十二、三億円、それに関連する菜種の価格を維持するのに十四、五億円、合わせて四十七、八億円は要るであろうと、答弁を何回も繰り返されておったのであります。今度の予算によりますと両者合わせて三十億円になっておりますが、菜種の方の分が、二億程度は組んであるようでありますけれども、当時いわれておった金額には非常にほど遠いのでありますが、それでいいのですか。
○周東国務大臣 大体三十億円で予定の施策は行なえるという見込みのもとに計上いたしました。
○井手分科員 菜種の方もその程度で従来の価格を維持することができると確信をお持ちでございますか。
○周東国務大臣 さようでございます。
○井手分科員 説明によりますと、大豆の値段は、三十五年度三千二百円であったのを、三十六年度は三千二十円になっておるようでありますが、この価格支持の見通しはどういうふうにお考えになっておりますか。
○須賀政府委員 大豆の価格支持の基準でございますが、三十五年産につきましては三千二百円、三十六年産につきましては三千二十円という予算上の単価になっております。このうち三十五年産につきましては、これは従来しばしば申し上げておりますように、過去三年の農家手取りの平均を基準に考えておるわけでございまして、三十五年産は現在農業団体で集荷いたしておりますものが約五万トンございまして、これにつきましては三千二百円の農家手取りになりますように措置をいたしたいと考えております。それから三十六年産でございますが、これは予算上の単価は三千二十円で算定してございます。三十六年産は、今回私どもの方で準備をいたしておりまする大豆、菜種の交付金法の中にその価格をきめます基準を明らかにいたすつもりでございまして、大体の考え方は、従来の農安法の価格をきめます基準をおおむね踏襲をして参りたい、かように考えておるわけでございます。それで予算上の単価としては、従前の農安法できめました三千二十円を用いておりますが、実際にきめます場合は、そのときの農業パリティの価格でありますとかあるいは生産費、需給事情、経済事情、そういうようなものをそれぞれしんしゃくしてきめて参りたい、さように考えております。
○井手分科員 大臣にお伺いをいたしますが、農家の所得を守る農産物の価格を支持する場合には、また自由化に伴ってこういう措置をとる場合には、次年度が安くなるという計画を立てることは間違いだと思うのです。所得倍増の政策を考えましても、価格が下がっていくことをすでに計画に入れておくということは間違いではないか。少なくとも三千二百円を守っていくということでなくてはならぬと思うのです。この考えについてはどうでございますか。
○周東国務大臣 ごもっともな御意見でありますが、私は支持される価格というものは、やはりある程度実際上における取引または需給の実態に合った価格が支持され、またそれは他の一般経済事情も考えつつ考えられるということが必要だと思うのです。いろいろと今後における内地産大豆の品質の改良、反当収量の増というようなものによって、将来輸入大豆と国際競争力を持つ形にまで持っていこうというのもそこにあるわけでありまして、実際上品質もよく反当収量も上がる生産費も下がるという形を持っていきつつ、しかも需給の事情、経済事情を参酌した形で支持されなければ、実際上品興も悪くて取引の関係において非常に弱い立場にある。ただ価格支持だけでやっていくということは、需給の事情に合わない形で支持されるということはいかがかと思うのであります。しかしそこには段階的に——井出さん御指摘のように一足飛びにはなかなか行きますまい。そういう場合にはやはり一つの限度を設けて、徐々に下げていく形がいいのではなかろうかと思います。それがほんとうの意味においての農家に対する親切ではなかろうか。私はかように思っておるわけです。
○井手分科員 ずっと値段は下げていく建前ですか。
○周東国務大臣 これは実態においてはむしろ生産コストの引き下げ、反当収量の増ということになれば、おのずから生産費は下がっていく。その生産費を下げつつ、しかし下がってくるときに農家の手取りは上げられるような形、こういうことが実態にはまず考えられていかなければならない。実際の需給関係で売れないような場合のものを、ただ価格だけで支持していってそれで作らせるということは、かえって損害を大きくするばかりだと思うのであります。しかし私は、そういう形がだんだんできてこないのに、下げていくということを申したわけではなくて、生産それ自体における合理化、コストの引き下げというようなものの施策を講じつつ、実態的にも品質がよくなり、生産費も下がるような形に仕向けつつ、それに相呼応しつつ見合って実際に合うような形に持っていくことが親切であると思うのであって、一がいに価格引き下げを初めからねらってものを考えておるわけではございません。
○井手分科員 どうもそれは説明によるとおかしいのですよ。品質を改善していく、収量を引き上げていく、そうすれば値段を下げても所得は変わらぬではないか。ところが品質の改良も収穫の増大もまだ計画がはっきり立っていないのです。片一方は立っていないのに、価格の点だけは安くするような行き方はどうですかな。あなたの方の今の所得倍増計画から考えて初めから安くしていく、収穫がふえる、品質改良をする、それは考えはわかりますよ、わかりますけれども、それは努力によって農民の所得をふえさせていくという考え方でなければ、所得倍増計画に合わないわけです。これはおかしいじゃないですか。三千二百円を守っていくという考え方でなければ、自由化に対する保護政策にならぬじゃないですか。
○周東国務大臣 お話ですが、三千二百円というものは三十一、三十二、三十三年ですか、最近三カ年の平均の実際をとっていくということが、当時の考え方であったようであります。今後の問題といたしましては、一応予算単価には三千二十円としてありますが、それは今後における実際上の取引の実態をながめつつ一応きめてあるわけです。それが実際に買い入れる価格はどうなるか。ただいま局長から申しましたように、あるいは前後した形にまたきまるかもしれません。しかし方針といたしましては、このたびの予算の中にも大豆の品質改良その他に対する施策が相当金額を盛ってあります。そういう面はやはり考えていってしかもコストが下がり、品質、反当収量が上がったらそれだけうんと下げるのではなくて、そのコスト引き下げのものと見合って、農家の手取りを上げるということの考え方を持った指導をしていかないといけないし、それは農家の努力だけではなくして、かくすることに対する指導と予算的な措置は考えていくのであります。そうして早くこれを国際競争力を持つ農産物に仕立て上げていくことが必要だ、その競争力がつくまでは、今お話しのいろんな面から保護はいたして参りますが、根本は国際競争力を持ち得るように、生産その他を指導し、引き上げていくことが、私はこれからの農政の眼目になると思うのであります。
○井手分科員 競争力ができるようになってから合わせていけばいいんじゃないですか。競争力がどこまでできるかわからないのに、初めから安く見積もるというのはおかしいんじゃないですかな。まあ政府の意図はわかりましたから多くは申し上げませんが、そうすると、大豆の支持価格というものは当分の間となっていますが、あなたの言われる、競争力ができる、品質改善あるいは反当収量がふえていく、そういうことは大体何年くらいとお考えになっておりますか。
○周東国務大臣 その点は、当分の間ということを考えておりますが、期間をいつ切るということはまだきめておりません。
○井手分科員 それはなかなか言えないことでしょう。 それでは今大臣のお話のように品質改善あるいは反当収量の増大でいつごろ競争力ができるか、ことしは三千二百円、来年は三千二十円、ずっと下げられる計画ならば、いつどのようになる御計画でございますか、その資料を一つお示し願いたい。
○齋藤(誠)政府委員 大豆の今後の生産費の見通しなり今後の合理化の将来はどのように考えておるか、こういう御質問でございますが、大豆につきましては、御承知のように、従来の生産の形態というものを考えてみますると、技術的にはずいぶん改善する余地があることが指摘されておるわけでございます。たとえば品種を取り上げてみましても、品種自身に千七百種類もあるような状況でございまして、これは今後の品種の統一等によりまする反収の増という面におきましては改善する余地がきわめて多いんじゃないだろうか。現在農林省における一応の今後の生産の目標というものを計画いたしておりますが、現在の反収は平均いたしまして百十二キロでございます。しかし今後大豆につきまする、今申しました品種の統一であるとか、あるいは技術面におきましては、新しい技術といわれておりまする深耕あるいは密植、多肥、あるいは病害虫の防除対策等を講ずることによりまして、四十四年には大体その倍の二百八キロくらいには増収されることになるのではなかろうかというように一応の目標を立てておるわけであります。しかも生産地につきましては、従来の面積といたしましてはそう大きく変更はありませんけれども、商品化地帯というものが急速に反収の増を来たすことになるだろうというように考えておりますので、商品化地帯だけを考えますと、現在の百五十キロが二百六十キロくらいには反収が上がることになるのではなかろうかというように想定いたしているわけでございます。従って、御承知のように、畑作一般については労力部面の費用がきわめて多いのでございますが、これらの反収の増と、それから今後における機械化等の省力栽培方法を導入することによりまして生産費は相当下がっていくのではなかろうか、こういうふうに想定いたしている次第であります。
○井手分科員 菜種は、ことし、来年、再来年どのくらいで守っていこうというお考えですか。
○須賀政府委員 菜種の基準価格でありますが、これは予算上は、三十六年産につきましては、従前の農安法の基準価格と同額でありまする三千二十円が予算上の単価になっております。
○井手分科員 三十五年も三千二十円でしたね。
○須賀政府委員 菜種につきましては、三十五年もそうです。
○井手分科員 それでは三千二十円を守っていくのに二億円程度の資金で大丈夫ですか。
○須賀政府委員 菜種につきましては、大豆が自由化をいたしました場合にどういう価格の推移になりますか、なかなかこれは大豆と違いまして見通しがつけにくいわけであります。私どもいろいろ工夫をいたしまして積算をいたしたわけであります。それで現在予算の基礎になっておりますのは、一応大豆が九十五ドルで輸入をされまする場合を前提といたしまして、予算の計算の基礎に用いているわけであります。この場合は、一応の計算といたしましては、菜種の集荷をいたしまする業者に対しまして経費の補てんをいたしますれば、大体三千二十円見合いの価格が保証される見込みであります。菜種につきましては、予算上は、三十六年菜種の経費といたしまして合計四億六千八百万円を予算条件の中に見積もっております。
○井手分科員 次に振興関係で若干お伺いをいたしますが、グクタパラ地区における移住について、三十六年度予算では一億二千万円の補助を計上してあるようであります。その点についてお伺いをいたします。この地区は、どれほどの面積を幾らで買っておられるのか、それをどうして一億三千万円を計上されているのか、概略御説明をいただきたいと思います。
○齋藤(誠)政府委員 グクタパラ地区についての移住の御質問だと思いますが、このグクタパラ地区は、御承知のように、サンパウロ市から約三百キロ離れたところに位置しておりまして、総面積は約七千五百町歩でございます。この地帯は、同時に御承知のようなモジグワス川に沿うた沖積地帯の低湿部を一部かかえておりまして、その沖積平坦地約千六百町歩を含んでいるわけでございます。従いまして、当初の計画といたしましては、この地区は丘地部と低湿部とありまして、丘地部におきましては、主として果樹園芸等を実行するような計画を立てておったわけでございます。しかし現地におきまして、これらの地域をだんだんと調査いたしますと、今申しましたような沖積地の低湿部を持っておるので、これを水田として開発するならば十分の成果を上げることができるというふうなことがわかって参ったのであります。このことは、同時に今後ブラジルにおきます移住を考えていきます場合におきまして、従来は、大体におきまして、当初の移民は一定の土地に入植いたしていきますと、やがてその土地を放棄して次の土地に入っていくというような営農の形態をとっておったのでございます。ところが、この放棄された地区もその立地条件から見まして、日本の土木技術をそこに導入することによって、集約的な農法ができるというふうなことができますならば、そのこと自身についても非常な意義のあることである、かように考えまして、この地区につきましては、今申しました千六百町歩の低湿部につきまして土地改良聖業を行なって、そして事業を実施するということにいたした次第でございます。その結果これらの地帯、全体で七千五百ヘクタールの中で丘地部が四千百五十ヘクタール、それから低湿部のうちで土地改良工事をやりますところが千六百ヘクタールというふうに考えまして、この千六百ヘクタールについての土地改良事業を実施するという計画を立てたのでございます。大体の事業の内容といたしましては、この低湿部にありますモジグワス川の堤防のかさ上げ工事を九キロについて行なう、それからそれに伴いまして排水路を設ける、それから用水路を設ける、排水路につきましては、延べ約四十六キロメートルでございます。それから用水路については、これまた四十三キロメートルでございます。かような排水、用水路を設けると同時に、それに必要な排水ポンプ、揚水ポンプを設置する、こういうのが主要な事業の内容になっておるわけでございます。この事業の工事費はいろいろの経過をたどってはおりますけれども、予算計上の当時は三億六千七百万という工事費を計上いたした次第でございます。ところがその後いろいろの事情をさらに詳細に実施案等について検討いたしましたところ、現在におきましては三億一千七百万という事業計画を立てておるわけでございます。この事業計画につきましては、もちろん今後現地における物価、あるいは現地における意向等をいれましてさらに検討する点もできてくるかと思いますが、この工事費に対しまして、二分の一程度を目安に国並びに県が助成するということにいたしまして、そこで全体といたしましては一億五千万程度になるわけでございますが、その事業自身は、すでに先生御承知のことと思いますが、関係県における融資に基づきまして、土地の購入というようなことが行なわれる計画でおったわけでございます。従ってこれらの関係県におきましては、入植者についての確保のみならず、今後の事業を進める上につきまして非常な熱意を持っておいでになるわけでございますので、それらの県における助成に対して国も五分の四の補助をする、こういう考え方で予算を計上いたした次第でございます。その結果、一億二千万というのを農林省としては来年度予算要求として計上いたしたわけでございます。
○井手分科員 七千五百町歩をどこが幾らで買ったのですか。
○齋藤(誠)政府委員 七千五百町歩につきましては、その土地代としまして一億四千三百万という価額になっております。この土地の購入につきましては、当初全拓連が、各県の要望等もございまして、現地に適当な土地の購入についての、あるいは候補地についての希望があったのでございます。そこで全拓連としましては、コチア産業組合、これは現地の大きな産業組合でございますが、これの推薦を受けまして、この土地を候補地としてきめたわけでございますが、この土地の購入にあたりましては、現在移住会社の現地の法人であるジャミックが購入するという形式をとっておりまして、元のブラジル人の所有者からジャミックが売買予約の契約をいたしておりまして、形式上は旧所有者のブラジル人のモルガンディという人の所有になっておりますが、すでに手付も払い、代金も払いまして、三十三年の五月三十日には、今申しました両者間における土地の売買予約書ができまして、これによりましてジャミックがグクタパラ地区の管理処分をする権限を持つに至っておるわけでございます。
○井手分科員 振興局長、答弁を簡単に、骨だけでいいのです。 この七千五百町歩の入植地に何戸入植の予定ですか。また一人当たり幾らずつ分割してやるのですか。さらに一戸当たりの分割は幾らで払い下げをなさろうとしていらっしゃるのですか。
○齋藤(誠)政府委員 現在入植予定戸数といたしましては、三百七十五戸を予定いたしております。 それから一戸当たりの分譲価格はどうなるかということでございますが、一戸当たりの入植の配分計画といたしましては、水田部三ヘクタール、それから畑地部九ヘクタール、宅地部〇・五ヘクタール、一二・五ヘクタールを一応分譲面積と考えております。二戸当たりの分譲価格はどうなるかということでございますが、これは先ほど申し上げましたように、土地代あるいは工事費、それから事業実施機関の管理費あるいは現地の調査費、予備費等の諸経費を含めまして、事業計画を今立てておるわけでございますが、この事業計画につきましては、おおむね七億ぐらいの価額になるのではなかろうかと考えております。従って、これを先ほど申し上げました入植者二月当たりを出しますと、約百五十万程度になるだろう。もちろん今申しました事業費の中から国の助成金その他を控除いたしましてやりました場合は、おおむねそのくらいのことになるだろう、こういうことで、今のところ案を作っておるわけであります。
○井手分科員 第一点の土地の価格の問題ですが、今お聞きしますと、七千五百町歩、一億四千三百万円でお買いになった。一町歩当たり大体二万円。買った場合には十二町一五反ですから、二十五万円でお買いになって、そしてお売りになるときには百五十万円、国の補助はこれは別問題ですが、三億一千七百万円の工事とおっしゃいましたが、これらを考えても、かりに土地が十二町五反で、まあ改良工事費を入れて倍になっても、百五十万円で払い下げるというのはどうも筋が合わぬように思いますが、その点はどうなんですか。詳しいことは要りません。
○齋藤(誠)政府委員 先ほど御説明いたしましたように、この工事計画自身につきましては、一応従来の事業計画を中心にわれわれとして検討いたしました成案でございます。この成案に基づきまして、実は現在、現地におきまして、さらに現地の事情等も入れまして検討いたしておるわけでございます。この検討した結果に基づいて最終的な案を考える、こういうことになっておるわけでございます。
○井手分科員 大臣も一つ聞いておって下さい。現地から参りましたコチア産業組合の理事長の井上さんなんかの文書もここに持ってきておりますが、サンパウロから三百キロばかり離れたところの土地の価格というのは、ところによって違いはありましょうけれども、水田として利用され得るものは一町歩十万円ぐらいではなかろうか。丘地というのはそれよりずっと低いものだ。合わせて、十二町五反であれば、幾らよく見ても八十万まではとてもいくまいということが参っておるのであります。これはあなたの方にも報告があっただろうと思う。十二町五反を二十五万円弱で買い入れて、国と関係県がこれほど力を入れたものを、百五十万円で払い下げるということが——私は一々きょうはこまごまと内容のことは申しませんけれども、どうも納得がいかないのであります。金額については問題点だけあげておきますから、きょうは時間がございませんので、詳しく私は資料を持っておりますけれども、価格については、この程度にとどめておきたいと思いますが、どうも納得いたしかねる金額です。また、百五十万円で払い下げる、そこには住宅資金も要るでしょう、営農資金も要るでしょう。それほどの負債を持って経営をやっていくというのは、これは大へんなことだと思うのです。向こうに行けば十二町五反もらえる、まあ夢のような話で、夢の国に行くようなことで募集なさっておる向きもあるようですけれども、私は、この点についてはよほど将来の移住される人々——私の近所からも炭鉱に働いておった者がどうにもならぬでこれを希望した者もございますが、その点は一つ十分お考え願いたいと思うのであります。 それから、もう一つ二つこの点についてはありますが、外務省にお伺いをいたします。 三百七十五戸、十二町五反ずつ分割して払い下げる、三百七十五戸全部、日本から行けば分譲してもらえる、こういうことになっておりますけれども、ブラジルの移植民法によりますと、その第五十条には「植民地においては分割農地の最低三〇%はブラジル人である小作人に譲渡または売却しなければならない。残余の土地はその他の国籍の者に対し公平に分配されるが、一国籍者に対しては最高二五%とする。」とあるのであります。振興局長のお話によると三百七十五戸そっくり日本人が分割を受けるという御計画のようであります。このブラジルの移植民法によるとそうもいかないように思うのであります。今読み上げた通りです。一体、外務省はその点をどういうふうに交渉なさっておるのか。すでに関係県ではやっきとなって募集をされておる。それほど夢の国に移住させるようなところとは私は今のところ考えておりませんが、各県とも知事なり副知事なり県会議長なりが行って盛んに宣伝をなさっておりますが、一体その大事な移植民法との関係はどうなっておりますか。外務省にお伺いいたします。
○鶴我説明員 実は、ブラジルの移植民法によりますと、お話の通り一千町歩以上の土地に入る場合におきましては、二割五分まで入植できるということが現行法では建前になっております。しかし、昨年調印しました例の日伯移植民協定がありまして、その附属交換公文におきまして、特別にブラジル政府と日本政府との間で話をしまして、その入植比率について、ブラジル外務省においてあっせんをすることができるという条項がございまして、本件につきましても、その条項に基づきまして、七割入植を確保しなければならなくなるのじゃないかと考えております。
○井手分科員 農林省では、もうすでに、そんなふうに三百七十五戸入植させるという計画で、国費も一億二千万円出すことになっている。それほど進んでおるのに、一〇〇%入植できることがすでに交換公文その他できめておられなければならぬはずだと思うのでありますが、できておりますか。
○鶴我説明員 実は、一〇〇%というわけでございませんで、七割までの入植につきまして、あとの三割は現地の人たちが入植するという建前でございまして、この点につきましては、外務省としましても農林省その他移住関係機関と従来相談をして参ったのでございますが、この段階ではっきり問題を持ち出すということは、向こうの法律の建前上非常に問題解決に困難がある。日伯移植民協定も今国会で審議をお願いしておるわけでございまして、ブラジル側においてもブラジル政府当局はなるべくすみやかにブラジル側の議会審議を完了したいということでございまして、この発効もごく間近に迫っておるやに思われるのであります。従いまして、もし日伯移植民協定が成立しました暁には、問題の解決は非常に容易になるのではないかと考えられます。
○井手分科員 交渉中だそうでございますから、それに支障を与えるようなことを申し上げたくないと思いますが、そうすると、交渉ができて七〇%になるわけですか。
○鶴我説明員 さようでございます。
○井手分科員 振興局長にお伺いしますが、交渉がうまくいっても七〇%だということになりますと、三百七十五戸というのは、これは絶対困難だということになりますね。
○齋藤(誠)政府委員 その通りでございますが、先ほど三百七十五戸の入植ということについて多少私の説明不十分の点がございました。三百七十五戸というのはこの地区全体に入る入植総戸数でございます。わが方といたしましては、当然今先生の御指摘がありましたように、三割は現地ブラジル人を入れるということに当初からなっておるわけでございます。従って残りの数が日本から送るという計画になっておるわけであります。ただ、私が申し上げましたのは、総戸数三百七十五戸ということを申し上げたのであります。従って、初めから全部三百七十五戸をこちらから送り出す人で埋める、こういうことではないわけでございます。
○井手分科員 各関係県に割り当てたのは三百七十五戸じゃありませんか。
○齋藤(誠)政府委員 七割という目安で各県に割り当てております。
○井手分科員 外務省にお伺いをいたしますが、その協定はいつごろ効力を発する見込みでございますか。手続はいつごろでございますか。
○鶴我説明員 ただいま日本政府におきましては今国会に審議をお願いしておるわけでございまして、ブラジル側におきましてもなるべく早い機会ということでございまして、先方の方の事情もございますので、先方の方はまだはっきりしておりませんけれども、おそらく五、六月ころには成立するのではないかという情報がブラジル大使館から届いております。
○井手分科員 ブラジルのクルゼイロですか、向こうの通貨はその下落によってこれを償還するときには——まあ先のことをはっきり見通しはつきませんけれども、今の調子で参りますと、せっかく百五十万円もの資金を出して入植した者が、これを償還するときには非常に因るという話もよく承っておりますが、その点はどうですか。
○鶴我説明員 その問題につきましても、なるべく移住者に過度の負担をかけたくないというような気持から、現在農林省、海外協会連合会等とも相談中でございます。
○井手分科員 大臣、私がかように聞きますのは、移植民、移住というのはけっこうだと思うのです。大いにやってもらわなくちゃならぬと思っておりますが、今までの例にも若干ありましたように、かけ声ははなはだいいけれども、いざ行ってみるとなかなかそうではない。何でも思った通り、予定通りうまくいけば世の中に貧乏する者はございませんけれども、百五十万円の分割を受けて営農がやっていけるかどうかということについて私は非常に心配の点があると思う。まだ私はいろいろお聞きしたい点もありますけれども、委員長から一時間以内にという御注意もありますし、私はせっかく移住される人が不幸なことがないようにと思って注意のためにきょうは申し上げておるわけでございます。この問題は関係県の県会においても非常に問題になったことでございます。政府も一億二千万円を出すというのですから、これを機会に私は注意を促しておるわけでありますが、最初移植民の団長に予定された松谷俊夫さんという人ですか、その人もやめられたことを承っておるのであります、現地からのいろいろの情報によりましても、必ずしも見込み十分とは言えない、むしろ不安な材料が参っておるのであります。百五十万円、営農資金、住宅資金、いろいろ考えますと、これも最低ではないと思うのでありますが、あとでまた外務省関係で移住振興会社のことについて私はいろいろただしたいこともございます。大臣も、この点については、もう乗りかかった船だから何とかしなくちゃならぬという気持はあるかもしれませんけれども、その乗りかかっておる船があとで難破するようなことよりも、場合によっては引き返して再出発をした方がいいという場合もあるわけです。大臣もこの問題はおそらくけさお聞きになった程度じゃございませんか、——そうでないという顔ぶりですけれども、私はこの移住問題については、どうも少し準備不足、あるいは調査不足——調査にはずいぶん行っておられるようだけれども、まあ飛行機の上から見られただけかもしれません。どうも不安でなりませんが、大臣、どうですか、確信おありですか。
○周東国務大臣 井出さんのまじめな立場から御心配をいただいておることは、私は非常に感謝しております。この点は、ただいま振興局長からもお話したと思いますが、三十一年ごろからかなり紆余曲折を経てきております事情、並びに当初の移民の計画と今度と少し違っておりましょう、そういう点、計画にも途中からいろいろ変わらざるを得なかったような事情があるようであります。にもかかわらず、日本では関係府県、五つの府県の知事が大へん御苦労になって、すでに移植民を出す準備といいますか、もうほとんど出るだけになっておる、ところが、いろいろな経過でおくれてきたというようなことに問題もあると思います。私は今のこまかい井出さんのお話につきましてはまだつまびらかにしてない点もございますが、大局的に見て、せっかくブラジルも日本の移民を大きく歓迎しようとし、また日本の各府県知事等もいろいろ国内の事情も考えて移民をやっていこうとし、また国としても三、四年前から移住会社を作ったりしてこれに力を入れておりますが、私をして言わしめれば、ざっくばらんにいって、どうも今までの行き方には——関係各省の間で国策としてすらっとして、セクショナリズムにならずに、よほどよく再検討して、せっかくこういう機運が出ておるものを有効に、また実際にうまくいくように再検討し、進めていきたい、かように考えております。今のグクタパラ地帯の問題から端を発していろいろ問題がありますが、これを転じて将来への大きな指針にして考えていきたい、かように考えております。
○井手分科員 移民については、従来農林省と外務省との間になわ張り争いがあることは、何と言われようと事実です。その辺の連絡が不十分である。またこの地区については、一部の人が強引に押し切ったという事実もあるようです。今までのものを御破算にしろなどとは言えない問題でございますが、私が一番心配しておりますのは、せっかく移住した人のその後の農業経営ということを一番心配しておりますので、問題としてあげました払い下げ価格の点、あるいは現地通貨の下落の問題、あるいは三億円程度の改良工事ではたしていいのかどうかという問題などたくさんあるようです。その点を一つ十分注意をしてやってもらいたい。私はもっといろいろ申し上げたかったのですけれども、関係当局も非常に誠意をもってお答えになったようでございますから、本日は注意だけにとどめておきたいと思います。 なおもう一言申し上げたいことは、きのうの新聞でございますか、予算が計上されておる派米労務者の問題で、仕事がなくて九十名が帰ってきたということ、私も何年か前に現地のカリフォルニア州に参りまして、いろいろ向こうの事情、苦情を聞きました。雇う立場では奴隷的な——奴隷というと言い過ぎかもしれませんが、そういった気持で雇っている。日本側からいえば、うんと金がもうけられる、あるいは技術が覚えられるということで行っておるために、その食い違いからいろいろな問題が起きておるということを承ったのであります。すでに三十六年度予算にもこの派遣の費用が組んでございますので、この新聞に載っております仕事がなくなったという問題、これは将来非常に大事なことでございますから、見通しを一つお聞かせいただきたいと思います。
○齋藤(誠)政府委員 ただいま御指摘になりました短期派米労務者が、契約期間以前に九十名程度の者が引き揚げることになりましたのは、まことに遺憾なことだと考えております。これにつきましては、現地におけるいろいろの事情もございますが、たまたま農閑期にあります際にアメリカの労働事情のため、失業者数が相当の数に上ったというようなことで、現地の労働者から農場の労働者として雇用の希望が非常に多かったというような関係で、現地におきましては契約期間完了後に帰るように種々努力いたしたのでございますが、結果におきまして八十七名の者が契約期間前に帰ることになったわけでございます。ただこの八十七名につきましては、三カ年の契約でございますけれども、一番満期に近い者が帰ることになりました。従って帰ってくる人自身につきましては、当初の計画通りの期間は働けなかったのでございますけれども、たとえば帰ってくる費用につきましては派米労務者協議会において負担するというような措置をとりまして、結果におきましては大体三カ年間働いて持ち帰ってくるべき平均収入程度は持ち帰るというふうな状態になっておりますので、この点については不幸中の幸いであったと考えるのであります。 今後の見通しでございますが、これにつきましては、外務省を通じ、また現地においてもいろいろと現地機関と交渉いたしておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、たまたまこの期間におきましては非常な農閑期であり、その上に現地の労働事情からいって希望者が殺到したというようなことで今申し上げたような事態に相なったわけでございます。今後におきましては、毎年一千名、それから三カ年滞在するわけでありますから、派遣者総数は三千名を限度として受け入れる、こういう一般的な取りきめとなっていますので、日本人の労務者としての技能につきましては特に現地で十分認められておるわけでございますし、また農場主からは非常に歓迎を受けておるわけでございますので、われわれとしましては、なお引き続き現地におきまして交渉をし、そういうことのないようにということで努力を積み重ねて参りたい。従って、現在たまたまそういう事態になりましたけれども、今後におきましては、送り出しの時期であるとかあるいは受け入れ契約の締結につきまして、さらにそういうことのないように努力を重ねて参りたい、かように考えております。
○三浦主査 永井勝次郎君。
○永井分科員 農林大臣に第一に伺いますことは、開拓政策が変わったように思われますが、その変更されたことについては、今までの開拓のやり方のどの点が悪くてそれをどのように修正するためにどのように変えたのか、要点だけお示しを願いたい。
○周東国務大臣 開拓政策につきましては、まず第一の点は、従来の開拓政策は、御承知のように第二次世界戦争のあとを受けまして、各地から日本へ帰って参ります人々を受け入れるということが主でありまして、そこに完全に開拓地に対する施設をしないで送り込んだきらいがありますので、既入植者の地域におきましてもなかなかうまくいっておらぬような状況もありますので、今後の政策の第一点としては、そういう既入植地の、まだ完全にしてないのをしっかりとよくして、開拓政策の実が上がって入植した人々が安んじてそこにおられるようにする、その点におきまして一般的な事業を早く終わっていこうというのが第一点であります。 第二の点は、そうといたしましても、今度の農業政策の一つの面であります農業基盤の拡大をはかっていこうという立場からいたしますと、開拓地につきましても、既墾地をふやす意味において増反をしていくような形をとっていったらどうかという点でございます。 おもな点はそういう点でございます。詳しくは農地局長から説明いたさせます。
○伊東政府委員 開拓の問題は、今大臣からお話しがございましたが、従来の開拓の考え方が、一つは特に農家を農家として維持していくというような考え方で、入植中心といいますか、そういう見地でやっておりましたのが、従来の一つの大きなねらいでございます。それから食糧増産というような面からいたしまして、主食とを穀菽生産重点というようなことを考えたのが一つの柱でございます。それから農地の買収等につきましても、話し合いでというようなことよりも、むしろ強制買収というような形でやっていたわけでございます。それで、従来の開拓の不振原因を考えてみたのでございますが、一つは生産の面で穀菽生産を重点としたということよりは、開拓地といいますのは、今の日本の既存の農村よりも自然条件等も劣るところが多いのでございまして、いろいろ災害にあいまして、経営不振の点がございます。これにつきましては、今後の農産物の需要の面からいたしまして、今後は一つ開拓につきましては、おもに酪農でありますとか、果樹でありますとか、そういうものを重点的に考えていったらどうだろうということを考えております。それから入植中心の問題でございますが、これも大臣がおっしゃいましたように、開拓につきましては、既農村対策として考えていくべきではなかろうか、すなわち既農村の人々の増反ということを考えまして、あるいは一例をあげますと、入植します場合には、あとの農地を残った人に配分して、残った人の耕地を広くしますとか、あるいはそういうことのほかに、今後の農業経営のモデルとなりますような経営を開拓地でやっていって、既耕地のあるものをリードするというような形のモデル経営等も考えたらどうかというような既農村対策を中心に考えております。特に、入植重点ということよりも、増反というものが今後相当大幅に考えられるだろうというふうに思っております。 それからもう一点、従来のやり方は、どちらかといいますと、上からおろしていくといいますか、地元の要請ということを離れまして、市町村等の地方自治団体との連関が非常に悪いというところが、実は非常に多いのでございます。何といいますか、国、県、市町村を飛ばしまして、開拓農協という形で連帯されておるところが非常に多くて、これが一つの不振をなしておるところもございますので、今後は市町村等からぜひやってほしいという申請のあるところでやっていったらどうだというふうに考えております。 それからもう一つ大きな問題といたしまして、これは最終的には結論を出しておるわけではございません。私の方といたしましても、開拓の審議会も開いております。また草地関係の審議会もございますので、最終的ではございませんが、新しい一つの試みとしまして、パイロット事業として考えておりますことは、用地の問題につきましては、現実の問題としてなかなか適地の取得ということが困難であるという実情にございます。そこで地元の人が申請をし、話し合いがつきました用地につきましては、買収という議を経なくともやっていけるというところにつきましては、パイロット事業として法律改正を行なうことなく——これは最終的にはどういうふうにするか結論を出しましたら、当然法律の問題になりますが、それまでまだ時間がございますので、パイロット事業としまして、そういう形で話し合いのつきました土地で開拓をやっていくという場合には、これは従来のようなやり方でなくて、国営、県営、団体営というような考え方をもちまして、しかし事業自体は建設工事から開墾作業まで一貫してやっていくというような一貫施工方式をとりました新しい形のものをパイロット事業として試みに若干手をつけてみようというような頭を来年度予算に出しておるわけであります。ただ、従来そのほかにまだ用地買収に手をつけたところで用地買収等をしておらぬところがございますので、そういうところにつきましては、三十五年度と同様な八千五百町歩でございましたか、未墾地の買収は三十六年度も三十五年度と同様な予算を計上いたしたような次第でございます。
○永井分科員 従来と変わりました大きな点は、開拓地を国が取得してこれを個人に売り払う、力のある者がそれを買って政府の補助を待て開拓する、こういうようなことに変わったようでありますが、こういうように変えました理由は、既墾地をふやすという、増反をするということが理由になるのか、あるいは従来のような新しい入植者を入れてそこで国が国の責任においてやるという形でなくて、個人がやるというふうに変わりました根本の理由はどこにあるのですか。
○伊東政府委員 私からかわってお答えいたします。 これは従来の開拓で、国が強制買収をしまして個人に配分していくというやり方をやっていたのでございますが、これにつきまして現実の状態を見ますと、現実の問題としてなかなか開拓適地というものの買収が困難になっております。それで営農不振の状態をいろいろ見ましても、非常に不利なところに今まで開拓者が入っておるというところが営農不振の大きな原因になっております。それで開拓の試みとしまして、今後はそういう無理なといいますか、自然条件の悪いようなところを買っていくということよりも、今後は同じ配分にしましても、あるいは地元増反をいたすにしても、開拓適地と思われるようなところが、話し合いのつくものであれば、そういうところに開拓をやっていった方がむしろ開拓事業としてうまくいくのではないかという判断をいたしまして、パイロット事業としまして、三十六年度から若干そういう試みをやってみようということをいたしておるわけでございます。ただ三十六年度の事業の中でも、従来買いましたところの上にもちろんそういう補助というような体系でやっている中間的な形も実は考えております。
○永井分科員 その補助はあくまで個人対象ですか、一つの団地対象ですか。
○伊東政府委員 これは事業主体が大きいものでありますれば国が行ないます。その中間のものは県営でやる、小さい面積のものは団体営でやるというようなことを考えておりますので、国から出ます国営でやります場合は、負担金が県なりあるいは地元にかかることになりますが、県営の場合には県に国から補助するという形をとります。団体営の場合には国あるいは県も補助するかもしれないが、団体に補助していくという形をとろうかと思っております。
○永井分科員 こういうような転換をしますにあたって、既入植者についての救済措置はどういうふうにお考えでありますか。これは全く切り捨てて顧みない。今までの入植者は非常に政府の施策の不十分な点、あるいはでたらめな入植計画のために一生を棒に振ったような形において現地で苦しんでおるわけでありますが、これをどういうふうにか救済しつつ新しい方向に進むということでなければならない。重点は既入植者をどういうふうにして当面救済するかという点でなければならぬと思うのでありますが、この点はいかがでありますか。
○周東国務大臣 こまかいことは局長からお答えしますが、私先ほど申し上げましたように、終戦後と申しますか、行なわれた多数の外地から帰ってきた人その他を一応受け入れて仕事を与えるために行なった開拓政策の中に、十分に入植者のために措置すべき事柄が落ちておったのがずいぶんあるのじゃないか、そういうものについてまず固めていきたいというのが、今度の考え方の一つにあるわけです。住宅の問題なり道路の問題なりにつきましては、できるだけその入植地における金のかかる仕事を早く固めて、そうして落ちついてやれるような形に持っていきたい。ということは、やはり今までの既入植地に対するおくれを取り戻して既入植者に便宜を与えていくことを眼目としようというのでありますから、決して既入植地における措置を——すべて新しいもので行なっていくというのではないのであります。両々考えていることは事実でございます。 なおこまかい点につきましては、局長から答弁いたさせます。
○伊東政府委員 補足いたします。大臣おっしゃいましたように、開拓の予算につきましては新規のものに重点を置くという意味よりも、むしろ既入植者の対策をどうするかということがその重点になっております。建設工事等につきましても、直轄や代行のものにつきましても今年はだいぶふえておるわけでございますが、その八割程度のものは不振開拓地の建設工事向けというようなことで、建設工事自体も不振地区について非常に重点を置いて考えております。また補助開拓等につきまして開拓地の改良とかいろいろな予算をふやしておりますが、それも大体不振地区対策が中心になっておるわけでございます。その他住宅の問題でございますとか、あるいは電気とかガスとか水道の問題でございますとか、あるいは振興対策地の営農資金でございますとか、こういうものにつきましては従来の振興計画の達成をなるべく早くするというようなことで、十五万戸のうちに振興農家といわれておりますものは約十万戸ございますが、この農家を中心にした施策を考えておる次第でございます。
○永井分科員 不振地区についてはいろいろなケースがあるでしょうが、中には経営面積が非常に狭くて自立ができないというような条件のところがある。これは間引きをしていかなければならぬ。ところがその仕向け地については、政府は取得した分については力のある者に売って、そして力のある者がそれを取得してやるということになっておるようでありますが、そういう人をそこに入れてそうして転換地を国が用意してやるということでなければ、そういう面は動きがつかないのではないか。その点はどうでありますか。
○伊東政府委員 先生おっしゃいましたように、予算で、過剰入植地の人がほかの入植地に入る、あるいは他の産業に転業するというような人につきまして、補助金を一千戸約二億程度計上しております。その場合に、ほかの入植地に入るという人につきましては、今先生がおっしゃいましたようなところでなくて、現在買収を終わって手をつけております地区で今後まだ入植する余地がありますので、これは本人の希望にもよりますが、なるべくそういう土地の問題等はあまり問題ないというようなところに、国なり県なりで世話していくという方針でやっていきたいと思っております。
○永井分科員 三十六年度においては、開拓地の取得を内地では六千七百七十八町歩、北海道では千七百二十二町歩を予定している。売り渡し計画では内地で一万四千町歩、北海道で一万五千町歩を予定している。また開拓不要地の売り払いにつきましては、内地が九千二百二十八町歩、北海道が三万二千百三町歩、こういうものを予定しているようでありますが、こういうところは既入植者の転換としての対象にはしないわけですか。——そうすると、個人が買い取って入るというからには、それだけの採算が引き合わなければならぬところだろうと思う。売り払うというからには、どうしてもそういう有利な条件のところをまずそっちの方に出さなければならぬ。既入植者をまたぞろ転換さして、そういう対象にならないはずれたところに入れるというようなことにすると、さらに二重のあやまちを政府は犯すことになるのでありますが、こういう入植先及びこれらの売払計画、またこれの地価等については大体どういうふうにお考えでありますか。それから経営規模その他についても要点だけでいいですからお示し願いたい。
○伊東政府委員 たとえば過剰入植者を向けますときにどういうところに向けるかということでございますが、われわれの考え方としましては、今先生がおっしゃいました数字は今後新しく買うところでございまして、すでに買って持っておりますところで建設工事をやっておる場所がまだ入る余地もございますので、むしろそういう国がすでに買ってあります土地を世話した方がいいのじゃなかろうかと思っております。 価格につきましては、売り渡し価格は未墾地買収価格の一・一五倍ということでございますので、価格面については、国が買います価格の一・一五倍でございますから、そう高い価格じゃない。そういうところに過剰入植者の移転先等につきましては考えてやったらいいのじゃないかと考えております。 また経営規模の問題でございますが、これはいろいろ将来の問題がございますけれども、現在農地局では基本営農類型というものを作っておりまして、全国に六地区の六類型作っておりますが、できますならば、新しくまた入る人につきましては、基本営農類型地区等のどちらかというと融資の条件等もいい、今後の安定のはかられるところでございますとか、あるいは干拓地等を希望する者があれば干拓地等を世話してやる、そういうようなことをして、今後また不振にならぬように措置いたしたいと思っております。
○永井分科員 道営パイロットについては北海道七〇%補助でどこを対象にしておるか、それから、団体パイロットは北海道四地区を予定しておるようでありますが、それはどこどこであるか。
○伊東政府委員 今、地区の数だけきめておりますが、具体的な個所をどういうところにするかということにつきましては今後調査をいたします。道庁とも相談いたしまして場所をきめたいと思っております。ただ、機械開墾等につきましては、床丹の南でございますとか、矢臼別でございますとか、そういうところを新規にやることにしておりますが、道営パイロットにつきましては今後相談していきたいと思っております。
○永井分科員 パイロット方式でいくということはわかったわけです。それからまた開拓の方式を転換したということもわかったわけでありますが、そういたしますと、たとえばパイロットのモデル地区としてすでにやって参りました根釧原野、あの地区のパイロットは成功であったとお考えですか。あるいはあの点について、今後あの方式を進めるにあたってはどういう点について改めていかなければならぬとお考えですか。それについての現在のパイロット・ファームの実績についてどういうようにお考えでありますか伺いたい。
○伊東政府委員 パイロットでやっておりますのは上北でありますとか根釧であります。私ども相対的に見ましては、今までのやり方は従来のやり方に比しますと相当進歩したものであるというように考えております。たとえば上北等では、一戸平均粗収入三十五万くらいになっております。根釧では六十万くらいだったかと記憶いたしますが、これは目標はもっと高いのでありますが、今途中でございますのでそういう実績になっております。従来のやり方より見れば相当進歩していると思っております。ただ、最近におきまして根釧地方で若干離農者等も出たということを実は聞いております。これはもう少し実情、原因等について調査いたしてみませんとわからぬのでございますが、一つの問題は、入植にあたりまして、ほんとうに現地もよく見、営農意欲もあり、また営農資金もあるというような人を選んで、これをある期間訓練するというようなことに若干欠ける点があったのではなかろうかということが考えられますということと、その後の入りましてからの営農指導等につきまして、新しい試みでございましたので、今後もう少し重点的にやる必要があるのではなかろうかというふうには考ておりますが、相対的には従来の開拓地に比較いたしまして多大の進歩したやり方であるというふうに考えております。
○永井分科員 北海道開発庁の方が見えておるようでありますが、根釧原野のパイロット・ファームについてどういう反省を持っておられますか。
○木村(三)政府委員 パイロット・ファームの現状につきましては、開発庁といたしましては、あの方式でもってやられました開拓が前のに比べて非常な進歩をした成果を上げている。たとえば粗収入にいたしましても、多いところはすでに百五十万に達するものもある、それから乳牛にしましても十頭という目標を超過しているものもあるというようなことで、大観いたしますと、北海道の根釧におけるパイロット・ファーム事業というものは、当初の予定した成果を上げつつあると私どもは見ております。ただ、いろいろ実情を見てみますと、よくいっているところがある割合に、ただいま農地局長から話がありましたように、あまりよくない、平均以下のところもあるというようなことで、足並みが必ずしもそろっていない。こういうことは、土地の条件なりあるいはまた家畜がどうとかいろいろございますけれども、やはり指導の面におきましても、まだまだ徹底する必要があるのではなかろうか。一応入植者は厳選して入れておるのでありますけれども、まだ新しい畜産の方式や何かについてふなれな面もありますから、技術面の指導というのが今後必要ではなかろうかというような面がございますが、私どもとしましては、そういう面をさらに充実して参りますならば、もうすでに第二の方は入植完了しておりまして、第一の方も入れつつありますが、まずまずそういったところに注意いたしますならば、所期の目的は達し得るものと考えております。
○永井分科員 私は今の根釧原野のパイロット・ファームの実績についての掘り下げ方がこの程度で——前の投げっぱなしなやり方から比べれば、確かに機械開墾による実績というものが上がっておる、比較的な面において私は成果が上がっていることは認めます。しかしその結果として現在当面している問題点について掘り下げ方がいかに足りないか、上っつらだけなでているかということを私は非常に憂慮するものです。そういう事務的な感覚で開拓をやっているから、これは失敗するのだと思います。現地へ行ってごらんなさい。大臣よく聞いていただきたいのですが、開墾までは非常な優秀な機械で開墾していく。ですから全地域開墾が非常に早く行く、こういう形でその点の段階では成功です。成功ですが、開墾が終われば機械が引き揚げてしまう。そうすると、また昔のせいぜい畜力くらい、あとは人の力による経営の形が残されてしまう。二十町に近い経営面積と、十頭前後に達する乳牛の飼育というものを、夫婦二人——そういうところに入ってこれから大いにやろうというのですから、老年層はないわけです。中年層ですから、子供たちもまだ小さい。夫婦二人が中心になって経営をやっていかなければならない規模の中で、開墾までは機械が全部やってくれるけれども、開墾してしまえば機械が引き揚げて、あとは人力と畜力でやる。そこで労力不足の困難というものに当面しているわけです。ああいう原っぱの中にぽつんとやったのですから、季節的に労力不足のときに臨時にこれを補うというような労力の流動性はありません。ですから家族でやらなければならぬ。家族でやらなければなりませんから、娘なんかがかりに年ごろになりましても、娘を嫁にやったらあと経営ができないという状態に当面しているわけです。ですから現地に行って聞くと、こんなやり方ではだめだ、どうしてもこれからの経営はもう少し機械を入れて共同化をやっていかなければ、このままではとうていやっていけないというのが現地の状態です。これだけのわかり切った問題についてさえまだ農林省も開発庁も実態を把握していないという、これが私は大きな問題だと思うのです。これはどうしたって共同経営で、機械化開墾でやったあとは、今度は開墾地における機械化というものを引き継いでやっていくという態度でなければやっていけないだろうと思う。そこに離農者もできるし、病人ができたらもうその経営はつぶれてしまうという事態もできるでしょう。牛をもっとふやしたくてもふやせない、それからまた経営の合理化が十分できない、こういう条件が私はあると思う。ですから今後パイロット・ファームをああいう形ではなしに、最初から住宅なんかを集団にして、畜舎なんかもっと集団にして、機械化をした場合に共同経営に無理がなく移行できるような形でなければ、パイロット・ファームのあの形だけのまねをやっていたのでは私はまた失敗の繰り返しだと思う。現在根釧原野ではまだあれが共同化するために畜舎を一つのところに固めたり、住宅を集めたり、こういう二段がまえにならなければ是正ができないという段階、これが私は根釧原野におけるパイロット・ファームの大きな問題点だと思う。多頭飼育でなければだめだということを指導しておきながら、現実に指導していることはなってない、だから営農についての指導がどうこうといいますけれども、私は間違った指導をされるよりも、現地の者にまかした方がもっとりっぱな経営が確立すると思う。この点について農林大臣及び関係事務当局の答弁を願いたい。
○周東国務大臣 お話しの点ごもっともでありますが、今後における日本農業のあり方として、機械化、近代化、集団化というものに移行していこうというねらいであります。たまたま御指摘の、せっかくパイロット・ファームを作っておきながら、やはり集団化、機械化をするについては、初めから住宅その他が分散せずに、畜舎等も一緒になっておった方がよかったというお気づきの点は、具体的によく認否いたしまして、今後の新しい方向としての行き方に必要があれば沿わせて、それに助成していくことがよかろうと私も考えます。
○伊東政府委員 今先生おっしゃいましたように、機械が開墾まではやるけれども、あとの農作業の機械化がおくれているじゃないか、労力不足じゃないかというお話でございますが、今の段階ではまだ計画まで達しておりませんので、プラントの機械について計画の約半分ぐらいの実績だということはその通りでございます。私どももあれだけの面積をやるのですから、営農につきまして機械化していかなければならぬということは全然同感でございます。また入ります際の経営の方式としてどういう方式がいいのか、共同経営でやっていくのがいいのか、家族経営がいいのかということは、またいろいろ問題のあるところだと思います。実は内地で五カ所ばかり機械化しまして大同経営をやってみようということで、大きな特定地域の中で五カ所ばかり実施して、そういう試みをやっておるものがございます。共同経営でやってみようというものがございますが、今後のパイロット・ファームをどういう形へ持っていきますか、全部を共同へ持っていくのか一部を共同でやっていくのがいいのか、これは十分検討の余地のある問題かと思っております。
○木村(三)政府委員 永井先生の御指摘になりました諸点、まことに私どもも反省いたしているのでございまして、特に労力と経営の関係、要するに機械化の問題でありますとか、あるいは共同経営と申しますか、協業形態でやることによって、どういう効果が得られるかというような研究課題がございまして、現地の方におきましてもそれらの点を、一部協業の形態も見られておりますので、そういう点もよく実情を調査して意見も聞いて、それから関係の方面と連絡して、今後の新しい方向を見出したいというふうに考えております。
○永井分科員 鶏を飼うにも豚を飼うにも牛を飼うにも、多頭飼育でなければもうからぬということは、別なところで農林省は指導しているのです。そうしておきながら、ああいう広いところにばらばらな形でああいうふうに入れて——多頭飼育で共同でやればいいのはわかっています。牛十頭飼うのも五十頭飼うのも、熟練工になれば一人でやれるわけですから、労力の経済がずっとそこから出て参ります。そういうことに行きつくのだ、ちゃんと機械開墾して、そのあとは機械化して多頭飼育に畜産は持っていくのだ、こういう一つの設計があれば、最初から協業の形にしようと、共同経営がむずかしいにしろ、やろうと思っておったら経済的にすぐ移行できるような体系というものは計画の中になければならぬ。そういうことが全然なしに、一つ実験をやってみたらこういうところに行き詰まりができたということなら、実験過程でありますから仕方がないとしても、今後の実験過程においてこういう問題があるということがつかめないで、また今度は道県営だとか団体営だとか、そういう形によってまた同じことを繰り返すような愚だけはすべきでない。生活文化の上からいったって、部落を集中しなればならぬということは、これはあたりまえのことだと思うわけでありますから、そういう方向に考えてもらいたいと思うわけであります。開拓の問題については、金融の面及び指導の面その他においていろいろ申し上げたい問題がありますけれども、時間がありませんからこれは省略いたします。 次に自作農創設維持資金の運用の問題ですが、大臣、これは貸出限度をどのくらいに引き上げる予定でありますか。また引き上げるとすればいつごろからこれは実施に入るか。それから何か予算の折衝過程においては大蔵省からこの予算のうちのこれこれの部分は耕地の拡大の上に使え、それから本来的な自創資金の金はこれだけのワクだ、この中に使途についてのワクがあるように聞いておるのでありますが、これはどうでありますか。また私はこの自作農創設維持資金を、本来的な意味においてこれを百パーセント運用するということであれば、これはやはり私は農林省の考えておる、また池田内閣の考えておる所得倍増計画で有業人口が農村からどんどん落ちていく、そうして雇用にこれが変わっていく計画とは矛盾するものを持っておる、こういうふうに思うわけです。たとえば農家で負債で困っている者は経済的に弱い、あるいはほうっておけば転落していく農家であります。その転落していくことを期待しているのですか。池田内閣は、農村から早く六割がさっさと行ってくれれば、手をかけないで行ってくれればいいと思っているのに、そこに負債の整理や自作農を特別に維持していかなければならぬ、ますます人口を削っていく政策から逆な方向であります。相矛盾したものを持っていると思うのです。大蔵省がワクを入れてくるのは一応の筋は通っておると思うのですが、この自創資金の運用の事柄についてはっきりお示しをいただきたい。
○周東国務大臣 こまかくは事務から申し上げますが、決して池田内閣は離農していくことを待っているんだというふうなことはございません。これはおもしろくおっしゃったのかもしれませんが、おそろしいことをおっしゃると迷うて困りますから、それははっきりと申し上げておきます。そういうことは考えておりません。従って今度自作農創設維持資金についてのワクは、総ワクを百三十億から百六十億に変えたことは御承知の通りであります。またお尋ねの一人当たりの貸付のワクを二十万円から三十万円に引き上げてこれからやろうとしております。その間におきまして、一面には経営規模、面積を拡大するということの趣旨からいきまして、創設資金というものをよく見ていこうということはありました。しかし大蔵省から予算編成の過程においていろいろ話し合いはしましたけれども、従ってその話し合いによりまして一応の分け方は見ておりますが、しかし具体的の場合におきまして今お話しのような、借金でこのままでは土地を手放さなければならぬ、しかしこの際維持資金としてある程度融資を受ければやはり農業としてやっていけるというものに対しての資金の貸付をやめてしまうということではございませんし、これに対しましては必要な場合において一応の双方の分け方の目安はきめておりますけれども、その間において彼此融通ができるような形にはなっておりまするし、借金して出ていかなければならぬ、さっさと出なさいというような冷酷な考えは、決して農林省も池田内閣も持っておりませんから、その点はよろしく御賢察を願いたい。
○永井分科員 口ではうまいことを言って、手で頭をなでながらもう一つの方の手ではおしりをひねってひねり上げるというようなことをしているのが、池田内閣の農業政策だと思うのです。周東農林大臣の善意はわかっても、あなたのよって立っておる立場というものがそうでない。ですからこれはもうはっきりとしている問題だと思う。あなたの善意だけでこの大きな池田内閣の流れというものは転換できないと思う。大蔵省から予算の折衝過程で申し入れのあったことが杞憂であれば私はけっこうだと思う。実績を見たいと思います。 経済企画庁で非常に時間を急ぐということでありますから、飛びますけれども木材問題についてお尋ねをいたしたい。経済企画庁では卸売物価指数を引き下げるために、池田総理大臣から木材をもっと切れ、こういうふうに指図を受けて、そうして企画庁で農林省にもっと木を国内でこれこれ、輸入材でこれこれ手当するように、こういうふうにしたように新聞で伺っておるわけでありますが、企画庁で出しました数字の根拠を一つ明らかにしてもらいたい。それからまた、急に増伐をすることになりました背景をはっきりさせていただきたい。
○中野政府委員 今御指摘がありましたように、木材の価格につきましては三十五年度に相当値上がりを見ておりまして、卸売物価全体といたしましては相当落ちつきを示しております。特に金属関係あるいは化学製品等はむしろ値下がりを見ておるわけでありますが、木材を中心といたしました建築材料が相当の値上がりをいたしておりますので、この点については、経済企画庁といたしましても非常に関心を持っておるわけでございます。これは要するに、御承知のように建築用材、パルプ用材を中心にいたしまして、木材の国内消費が最近非常に堅調を続けておりまして、これに対して供給能力の増加の方が追いつかない。もちろんこれにつきてましては、輸入をできるだけやる、あるいはパルフ用材等につきましては廃材チップの利用を増加させるというような方法をいろいろやっておるわけでございますが、それでもなお需要量の伸びが、三十四年度に比べまして七、八%くらいは増加するのじゃないか。それに対して供給の方が六%程度にとどまるというような情勢にたっておりまして、そういう需給の関係で木材の値段が最近上がっておる、こういうことになっております。 三十六年度におきましても、現状のままほおっておけば需給緩和の見込みがなかなか立ちにくいのじゃないかという情勢でございますので、経済企画庁あるいは農林省あるいは通産省等の関係のところが寄りましていろいろ事務的にも検討いたしまして、これが対策をいろいろ検討しておるわけでございます。それで、去る二十一日に経済企画庁あるいは農林省、通産省関係の大臣がお集まりになりまして、木材対策の基本的な線について大体の相談をされまして、その線に従いまして関係省でそれぞれ対策の解決に当たる、こういうことになった次第でございます。 その内容について申し上げますと、まず国有林につきましては計画的伐採量の増加をできるだけはかる。これにつきましては国有林の伐採量の一割程度をふやしたらどうかということでスタートをいたしまして、三省大臣の打ち合わせでは、三十五年度に比べまして約二百万立米の伐採量の増加をはかる。この二百万立米といいますのは、一応われわれは素材で考えております。従って農林省なり林野庁で今まで個々に立てられておりました伐採計画を相当上回ることになるのじゃないか。そういう点につきましては、農林省の方におきまして、二百万立米を三十五年度に比べてよけい切るということについてはいろいろ問題がありますので、これは増加の目標数字として掲げる、そして実施面におきまして、農林省において十分これを検討する。これは検討をお願いいたしまして、実施官庁である農林省におまかせをしておる次第でございます。 それから次に外材の輸入でありますが、これは三十五年度に比べまして、三十六年度は約百万立米程度ふやしたいということで、木材は御承知のようにAAになっておりますので、輸入についてはいろいろ問題があるかと思いますが、関係業者を督励いたしまして、輸入の増加については百万立米程度考えております。 それからバルプ用の廃材チップの使用でありますが、これにつきましては農林省からも強い要望がございまして、三十五年度に比べて倍程度の増加をはかるようにしてもらいたいということで、倍増をはかるという目標になっております。廃材チップにつきましては、三十五年度は約二百二十万立米程度供給力があるようになっておりますので、これを少なくとも四百万立米くらいにふやすということで、これも努力目標として関係省では努力をするということになっておりまして、こういうふうな国有林の伐採について約二百万、外材輸入で百万、パルプ用材チップの使用の増加で百八十万、この程度の増加をはがれれば、大体三十六年度の需給は相当バランスがとれてきて、価格もある程度安定を見るのではないか、そういうふうに見て、さしあたりこういう対策をとる。もちろんこれ以外に恒久的な対策といたしましては、林道開発の促進あるいは木材利用の合理化、そのほかの対策については十分研究を進めて実施に当たっていく、こういうことが決定をされております。
○永井分科員 一体、所得倍増計画と言っているのですが、この所得倍増計画というものは、プランなんですか、あるいはポリシーなんですか、何が何だか正体がわからぬと思うのです。ことに、土地の問題であるとか、森林であるとか、こういったものは、所得倍増に比例して急に倍増されていくものではなくて、その過程においては、需要がうんと刺激されれば上がってくることは、供給力に限度がございますから、あたりまえです。ペルプは、設備を短い時間に三倍くらいにふやした、あるいは政府の倍増計画によって四十年度くらいに完成すべき設備関係は、投資ブームで非常に刺激されて、もうここ一両年に、四十年度に達成する水準まで設備が拡張される、こういうふうにぎゃっとふえてきた、そういうことになれば、その過程において、木材その他の値上がりが起こってくることは、もう当然計算に入れるべき事柄であるし、ことに林野に限度があって、何十年という周期をもって計算しなければ急に林野の増強ということが可能でない条件の中で、ただ物価指数が上がるから、これを時の政府の言いわけにたくさん切って、価格を一時的に下げよう、恒久的な問題に目をおおうてそういうことをさせよう、それも下から積み上げて、これだけがあるのだという数字がまとまったならともかくとして、そうではなくて、頭から、総理大臣から経済企画庁、森林の担当でない部分で切る量をきめてかかる、こういうようなやり方は、これは計画でも何でもないと思うのですが、一体所得倍増計画というものは、プランなのですか、ポリシーなのですか、あるいは何なんですか。そうしてそういう需給関係などについてはどういうように考えておるか、あるいは物価問題については、その過程で起こるこういう問題についてはどういうふうに検討されておりますか。時間がありませんから要点だけでいいですが、それだけ聞きたいのです。
○中野政府委員 所得倍増計画は、御承知のように、今後十年以内に所得を倍増したいということでございまして、一応数字的にははじいてございますが、これは一つの目安でございまして、むしろその所持を倍増するにあたってどういうところに問題があるか、どういう政策をとっていかなければならぬかというところに重点を置いた所得倍増計画でございます。 それから木材等については、もちろん一時的に需給の関係等で値上がりをするということはやむを得ないかと思います。しかし政府としては、できるだけこういうものについて、木材等も不足して、建築用材あるいはパルプ用材、その他坑木等で使われるわけでございますから、価格の安定ということについては、さしあたりの応急対策あるいは長期的な根本対策等につきまして十分検討を加えて、これの対策をやっていくという方針でおるわけであります。
○川俣分科員 ちょっと今の問題に関連して。経済企画庁で、今の説明によりますと、三十五年度と三十六年度では、国有林の伐採量を二百万立米ふやすということですが、これに対して農林省で問題があるという御説明です。問題の個所はどういう個所であるかその指摘と、並びにその問題であるということを企画庁はどういうふうに理解されておるのか、理解しておるのか反対しておるのか、その点を明らかにしてもらいたいと思います。
○中野政府委員 国有林の伐採の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、企画庁の方としては三十五年度に比べまして素材で二百万立米ふやせないかということを一応目標として掲げまして、実施にあたっては、これは全部農林省におまかせをするつもりでございます。
○川俣分科員 問題があるというが、問題をどのように理解されておるのかという質問です。
○中野政府委員 農林省で考えておられました今までの計画を相当上回るので、これについてはそれだけ伐採するのが適切かどうか、そういう点を農林省の方で十分検討しておられると思います。
○川俣分科員 問題があるということで、その問題はあなた方の方はどう理解しておられるか、問題点と理解点を明らかにしてもらいたいのです。
○中野政府委員 今まで農林省の方で考えておられました伐採量を相当上回りますので、そこに無理がありはせぬかということも考えられますので、これは農林省の方で十分深く実施にあたりまして……(「農林省ではない、あなたの方の見解を聞いているのだ。」と呼ぶ者あり)いや農林省からのそういう御意見でございますので、われわれとしては、そこらがはたして無理なくいくか、できるだけ無理なく近づけてもらいたいということで、希望意見を出しておるわけでございます。
○永井分科員 経済企画庁忙しそうだからそれだけ答弁を承ればいいのです。何のことだかわからなかったということですからもういいです。 次に林野庁長官にお伺いをいたしたいと思います。国有林の蓄積は、統計で見ますと大体三十一億石ですか、生長量は四千万石、こういうふうに計数には出ておるわけであります。ところが現在生長量が四千万石であるのに、実際はそれを上回った伐採を現在でもやっておるわけなんですね。そこへもってきて、急に天から降ったようにさらに二百万立米というと素材にして約一千万石ですが、約一千万石を恒久的にまた増伐する、こういうことになりますと、合理的な森林経営というものの根本がくずされる心配があるのではないか、こういうふうに考えますが、これら林力と生長量と需要と、これに見合って、その間にはさまった林野は、恒久的な森林を保続していかなければならない責任の立場において、どう基本的に対処されるのか、この点を一つ伺いたいと思います。
○山崎政府委員 お話しの通り、林においても現在の生長量というものよりも六割ぐらい多いものを伐採しておるのでありまして、三十五年度におきましては約二千万立米程度伐採いたしておるわけであります。生長量より多いものを伐採いたします根拠といたしましては、現在国有林におきまして一五%程度が人工造林地でありまして、残りは大部分が天然林という状況にあるのであります。この天然林は広葉樹を主体にしておるものでありまして、老齢過熟で生長量も非常に少ないという形にありますので、この一五%程度の人工造林地を約四〇%を越す程度、四五%程度になると思いますが、そういうものに切りかえていくということを骨子にいたしまして、そういたしますならば、現在の生長量をオーバーして切るといたしましても、将来の生産の保続が可能であるという計数的な根拠に立って、現在作業を続けておるのでございます。 先般来お話のありました企画庁の計画でありますが、国有林にいたしましても、この人工造林の実態——造林地を今後どの程度ふやすことができるかということをここ数年来検討を続けて参りまして、今まで考えておりました約三百二十万町歩程度が人工造林地にすることができるという計画を、さらに一割見当増大することができるという見通しに立つことができるわけであります。それにまた造林の技術にいたしましても、植付本数を増加するとかあるいは保育を強化するというようなこと、あるいは杉の造林地の一部につきまして肥培管理をやっていくというようなことによりまして、将来の造林地の伐採量の増加が期待できるわけでありまして、そういうものを前提にしまして、しかも生産の保続を今後続けていくということも前提にいたしまして計算いたしますと、先ほど話がありましたように、約二百万立米程度のものが今後継続的に増伐可能であるというふうな見通しに立てるわけでございます。そういう見通しに立って全国約二百万近い経営計画を持っておりますので、その経営計画ごとにさらに精細な検討をしておるという段階であります。
○永井分科員 今度の増伐するにあたっての閣議了解事項の中には、林業生産力の増強向上、高度の育林技術の確立というようなことが前提条件で増伐可能だ、こういうふうに推論してきたんだ、こう思うのですけれども、たとえば従来でもとにかく生長量を非常にオーバーして伐採しているわけでありますから、林業生産力の増強向上については、これは林野庁としてもこの程度はいいといってのんきにしていたわけではないと思います。また育林技術の問題にいたしましても、現在林野の持っている技術のすべてを傾倒していろいろやってきておる、こう思います。こういう問題を飛躍的に転換できる、飛躍的に躍進できるという、そういう目のさめるような条件というものが、余力がまだそういう面で林野に蓄積されていたのですか。私はこういう抽象的なことで、木を少しくらい切ったって、すぐ一年や二年、三年や五年ではそう目に見えてはこない、こないが現実に電力のダムなんかは、ダムを作ってからどんどん、どんどん土砂が流れ込んで容量が減っていく、あるいは治山治水の関係で、大臣は全国の会長でありますから、とにかく森林地帯で治山治水ということから始めなければならぬというまでに森林が荒廃しているという条件の中で、これだけの技術がまだ隠されていたというようなことは、私はそうないのではないか、こう思うのですが、この点はいかがでございますか。
○山崎政府委員 お説の通り、造林技術等につきまして、一般産業のように目のさめるような新しい技術というものが導入されるというふうなことにはなかなか困難があるのでありますが、最近の造林等を全体的に見てみますと、国有林が従来やって参りましたようなことでなしに、植付本数を積極的に増加する、あるいは植付後の手入れを十分にやるというようなこと、あるいは最近普及して参りました杉林等に対する肥培管理等をやるというふうなことによりまして、従来われわれが林野の技術というもので考えておりましたものよりも、かなりの生長量の増大が期待できるというふうに考えておるわけであります。また、先ほども申し上げましたように、造林地にいたしましても、従来三百二、三十万町歩の人工造林地を作ることが最大限であると考えておりましたが、いろいろと検討の結果、約一割程度の人工造林地の増加も可能であるというふうな見通しに立てるわけであります。そういうことを前提といたしまして考えますならば、将来の生産の保続に支障ないという前提に立ちましても、ある程度の増伐というものは可能だというふうに計数的にも明らかになってくるように考えております。
○永井分科員 林野が出しております、あるいは農林漁業基本問題調査会事務局が出しております「林業の基本問題と基本対策」、これによる資料によりますと、森林資源ですでに開発された森林は、蓄積が十億石、この生長量が七百七十万石、林道延長により開発し得る森林が十億石、この生長量が九百四十万石、林道の新設により開発し得る森林が七億石、これの生長量が七百万石、そうして開発の困難な森林二億九千万石、この生長量が百三十万石、こういういろいろな現存している技術及び合理的な経営の方式に基づいてやりましても、生長量はこういうふうに、一切のことをこうやればこうなるのだ、それをやりましてもこの生長量が四千五百六十万石でありまして、現在の伐採量に及ばない、こういう形になっております。この中には需要の面ではチップなんかは三十五年度は九百万石を期待しておる。ところがチップは九百万石なんかとてもこれは出ているものじゃないでしょう。これは非常に過大な期待をチップにしているわけでありますが、このような方向をとりましても、昭和四十四年になりますと需給の関係が二千百万石、これが赤字になってくる、ずっと将来にいきますとこの赤字がだんだん縮まっていく方向ではなくて、赤字、過伐の条件というものはますます拡大していく方向にある。こういたしますと、これはもうどうしたって特別な計数の上で、こういう技術をやって、こういう肥培管理をやって、こういう肥料をやって、こういうふうな経営をやればこれは埋めていけるのだと、こういう数字的なあるいは科学的な立証がない限り、この当面している今の需給の状況をこのままに放任して、さらにそれぞれの需要に引っぱられてどんどん森林資源を食いつぶしていくということについては、私は相当問題があるのではないか、これが縮まっていくというならいいけれども、年月がたてばたつほど食い込み量が拡大していく数字がこの基本調査にちゃんと出ているわけなんです。ですから、これはやはり林野庁長官といたしましても、日本の国土保全の立場に立って問題を考えるべきだ、農林大臣も単に農林大臣としてその席を汚すというだけではなくて、森林については特別に理解を持ち、食い荒らしたあとの始末に難渋されておるという仕事の上に立っておられるのでありますから、もう論より証拠で、電力のダムはどうなっているのだ、山はどういうふうに荒れているのだ、そうして山の姿はどうなっているのだという立場に立ちますと、私は経済企画庁あたりがこれだけを、一千万石増伐を期待するということをストレートで引き受けたりなんかとてもできぬ、こう思うのです。これはほんとうに国家百年の大計の上に立ってこの問題は真剣に検討していただきたい。国土の七割近くをおまかせして、そうして森林をお預けしているわけでありますから、これはやはり国民の信頼にこたえるような指貫をこの機会にとっていただかなければならないのではないか、こう思うわけでありますが、林野庁長官及び農林大臣の所見を承りたい。
○周東国務大臣 林力保続の問題について御心配をいただいておることは非常に感謝する次第であります。現在においてもある程度林力の伸びをこえて伐採せざるのやむなき状況にあることは御承知の通りでありまして、もちろん私どももこの立場に立って今日の木材価格その他に関してながめてみたときに、はたして数量の伐採増によってのみ価格を安定させ得るものかどうかということについては多分に研究の余地がある、私もかようには考えます。御指摘の一年における所得倍増等における工場その他建築物の増大、ことにパルプ材の需要の伸びが非常に大きいというような立場等、あらゆる問題を考えてみたときに、そういう問題が一面にあって当然伸びる関係において出てくる価格の現われというものが、一部の需要に応ずるために伐採量を増加しただけでとどまるものかどうかということについての根本は研究の余地があると思いますけれども、もし今日の場合においてさらに林業政策として新しい面について処置することによって応急的に考えられる増伐数量についての処置がつくならば、やはり国民生活一般を見て木材の値が上がらぬことがよろしいのでありますから、これは一つの目標を定めておりますけれども、先ほども御指摘のように、倍増計画はプランである、ポリシーであるということで、あくまでもこれは一つのプランでありましょうが、しかし、そのことは確定不動のものでなくて、時の経済情勢に応じ、国民生活に応ずるために、時に応急の処置をすることがあってもこれは私は差しつかえないと思う。ただ、その応急の処置をとることが永久に林力の涵養に非常に妨げになるというふうなことがないようにすることは、私どもお互いに治山治水で苦労した仲でありますから考えるべきことだと思います。ただいま林野庁長官が申しましたように、なかなか目新しいものがないにしたところで、最近における栽培林業というようなものなり、肥培管理の方法を積極的に人工的にやるとか、樹種転換及び人工栽培面積をふやすというようなことは、ある程度今までも行なわれてきておりますが、特にそれが最近大きく伸び得るという見込みに立ってただいま林野庁長官からお話したと思います。あくまで将来の問題について御指摘の点は深く深く反省し、考えていくべきことは私は同感でありまして、とにかく応急の処置として考えた次第であります。
○山崎政府委員 今後木材の消費というものが御承知の通り伸びていくということは当然であろうかと思うのでありますが、これを全部国内の生産によって大部分をまかなっていくということには、非常な困難があるというふうに私たちも考えておるわけであります。基本問題調査会等の答申におきましても、パルプ、紙等の製品輸入についても総合的な見地から十分検討しなければいかぬというふうにも答申されておるわけでありまして、国内の生産にしましても、治山治水等に支障のない限度、あるいはまた国有林におきましては将来の生産が確実に保続できるというような前提に立って、できるだけの伐採をしていくことは当然でありますが、そういうものとあわせまして総合的な検討を加えて保全をはかり、生産の保続もはかり、また木材関係の消費の円滑化をはかっていくというふうに、総合的な面の検討を十分行なっていきたいと考えております。
○三浦主査 永井さんに申し上げますが、大体の申し合わせの時間がきましたので、簡単に集約的にお願いいたします。
○永井分科員 大豆の問題と生糸の問題を簡単にお尋ねしたいのです。 大豆の輸入について、これもまた池田総理大臣から農林省当局に、アメリカから大豆をすみやかに輸入せよ、こういう天下りによって輸入が促進されてきたように伝えられておるのでありますが、その間の事情と、これはAA制移行については百万トン近くを輸入しなければならぬという状況の中で、国産の大豆というのは少量なんです。その少量の大豆をまず優先的に国内で処理しないで、そのままにほうっておいて、輸入大豆を先にするということは、私は何としても了解しがたいのでありますが、農林省当局も、従来から、国産大豆をまず優先的に消費しよう、そうして不足分を輸入に待つ、これを取り違えて、まず輸入をさせろ、こういうような形になりましたことは、AA制移行にあたりまして、その前提条件として、私は非常に危惧の念を持つのでありますが、これは今後どういうふうに処理されるお考えでありますか。価格の保証があるからといって、食管会計が赤字を出しっぱなしではいけないと思うのです。倉敷、金利というのはどんどん変わっていくわけですから、できるだけ早い機会にこれを処理するのが適切な処置ではないか、どうしてこういうことになりましたのか、これを伺いたいとともに、国産大豆の処理について見通しをお伺いいたします。
○周東国務大臣 ただいまのお話によりますと、不足措置として輸入をふやしたかのような御質問でありますが、これはこまかいことは御説明させますが、輸入すべき、外国から入れる大豆の数量というものは、三十五年度において幾らということはきまっておりまして、その輸入されるべき数字の中がおくれておるがために、たとえば搾油用大豆と、とうふその他みそとかいうものに対する原料が不足になってきておる。これがために当然三十五年度内に輸入すべき数量の一部を、この前外貨発券を許可するという処置をとったのであります。これはよくいわれますが、別に総理が話をしたからというのじゃなくて、すでにその計画遂行の途上にあって、今申し上げたように、国内における大豆の必要な部門における原料不足が訴えられたことが新聞に出て、そういう話が出たにすぎません。われわれは既定計画の遂行をいたしただけであります。お話のように、外国大豆を輸入する前に、まず国産大豆を使うべきじゃないかというお話、もっともであります。大部分の三十五年産の大豆は取り引きされて、売れております。残されたものは、聞くところによると五万トン程度、これらについては、今申しました搾油用とかいうものについては品質的に向かない、そういうものが当然国民の必要量としてやはり要求されている。それで三十五年度の計画数量の内輪のものを入れたというのにすぎません、御了承願います。
○須賀政府委員 ただいま大臣からお答えがございましたように、先般の輸入大豆五万トンの発券に関連をいたしまして、特別にどこかから指図があったような御指摘でございますが、われわれもかねてから発券の準備をいたしておったわけでございます。その過程の中では、あるいは国内産の大豆の農業団体が手持ちいたしておりますものの処理の状況でありますとか、あるいは菜種の処理の状況、そういうようなものをいろいろ検討いたしておりまして、それらとのかね合いについて発券の時期を検討したわけであります。それらの見通しもそれぞれつきまして、先般発券を許可したような次第であります。
○永井分科員 大臣も、長官も、経過について問題点に触れておらないのです。今までは輸入大豆は非常に安く入る。国産大豆は高い。従ってそれを抱き合わせで輸入大豆の発券をする、こういうことで国産大豆の処理のために農林省なり食糧庁が苦労なすったことは認めるわけです。ところが業者の関係では抱き合わせばごめんだ、こういうわけで、国産大豆を拒否してきたわけです。そういう経過をたどって、そうしてここへきて——ことしは中共の関係で値段がいいようでありますけれども、そうでなければ非常に安い大豆だけを期待して、そうして大量消費のみそなりしょうゆ、そういった関係は輸入大豆だけを使おうとしておる。国産大豆はほかの弱いところに押しつけよう、こういう形で出てきますと、これはやはり消流の関係で妥当ではないと思う。ですから、そういう問題の結果として、まず正方トンの輸入発券ということが総理大臣から強く言われて、農林省がふらちだ、抱き合わせで売るのでおくれておるのだ、こういうことでこうなったと思うのです。その関係をはっきり言ってもらいたいと思います。そうして今後、現在残っている国産大豆をどういうふうに処理されるのか。だらだらと七月ごろまで持っていくのですか。あるいは急速にこれを処理されるのですか。あるいは今後どういうふうに輸入大豆との関連において処理されるのか、この点を長官から示してもらいたい。
○須賀政府委員 現在農業団体が持っております国産大豆、これは北海道産の大豆が主体でございますが、約五万トンばかりでございます。これにつきましては、ただいま御指摘もありましたように、本年の上半期まではいわゆる輸入大豆との抱き合わせといったような形で処理して参った例もございますが、実際いろいろやってみまして、抱き合わせ処理という方法につきましては、種々問題もあるわけでございます。それでこの下半期からは、原則として抱き合わせの方法はとらないという方針で進めて参ったわけでございます。そのために、先ほどから出ておりますように、発券の時期等につきましても、国内産大豆の相場等も十分見ながら注意をしてやって参ったわけでございます。しかしながら、現在なお五万トン程度ございます。これにつきましての今後の処理の見通しでございますが、これは先ほど来申し上げておりますように、抱き合わせの方法はとらない方針でございます。しかしながら、かねがね繰り返し方針を明らかにいたしておりますように、三十五年産の国内産大豆につきましては、農家手取りが三千二百円になるように処理をするという方針をとっておりまして、現在もその考え方は変えておりません。それであまり長く持ちますと、金利、保管料もかかるわけでございますし、また将来自由化をいたしました場合に、相場もかなり変動いたしますので、できるだけ早くやはりこの大豆は処理をいたしておく、できるだけ早く処理させたい方針で、現在その方針を固めております。その場合、現在の市価の見通しによりますと、農家が三千三百円の手取りをいたしますのには、農業団体にある程度の経費差額の補給をいたさなければなりません。これは関係省との間でも打ち合わせまして、三十六年度予算の三十億の大豆、菜種の分から充当することにいたしまして、できるだけ早くこの手持ちの分を処分させるように、目下極力検討を進めておる次第であります。
○永井分科員 農家手取り三千二百円の保証があるから農家には損をかけない、こう言いましても、長く持ちますとこれは倉敷金利がどんどんかかっていくわけです。それを食管会計で負担しなければならぬ。早く処理すればそれだけ食管会計が赤字をしょい込まなくて済むものを、わざわざ輸入をして、国内大豆を手持ちさしておいて、そして保証があるからといったって、これはただ食管会計が損する形になる。運営上私は妥当な方法でないと思うので、これは急速に処理するよう期待したいと思います。 時間がありませんから、次に一つだけ、ビートの問題ですが、ビートの問題は、私は政府がだらしなさ過ぎるのじゃないかと思うのです。振興々々と言っておりながら、との大臣も——主査もそうですが、主査の農林大臣時代も、これはもうきめかねて、また次に譲る、そしてまた次に……。だらだら営利会社に振り回されて、農林省が皆骨をまっすぐにした行政をしないでふらふらしている、この醜態というものは見ておられないのです。ですから、必要ならばいろんな生産の原料と見合って、どういう工場配置をすれば適正かというしっかりした土台の上に立ってきめなければいけないと思うのですが、周東大臣はどういうふうにお考えですか。これはやはり、あの分だ、この分だ、ひもつきのなにに振り回されて、またあんまり手をやかない方がいいというようなことで、逡巡している形でありますかどうですか。今後のこの見通しや許可を与える基準、そういうものについて伺いたい。
○周東国務大臣 お話でございますが、このてん菜糖の工場設置問題について、別に業界から振り回されておるものでもないのであります。これは御承知であろうと思いますが、今日まであまりにたくさん、いわゆる財界以外に関係者が多くて、そうしてみな自分のところが一番いいようにという主張であります。これは従来も三人でかかったら、三人寄れば文殊の知恵できまりそうなものがきまらないのは、みながみないいようにというので、みなあちこちに有力ないろいろな後援者があって、それがおのおのまかすからとおっしゃっても、なかなかまかされないという状況であります。しかし私どもは今日たくさんてん菜大根の増産計画を進めておりまして、今日までは、工場というものは、既存の工場で能力が合っております。だんだん計画が進みましで、どうしても早く工場の設置を進めることが必要だと思いますが、目下慎重に、振り回されぬように、独自の判断ができますように、だれもの判断にも動かされないように研究中であります。
○永井分科員 もう一点、許可基準を聞いたのですが、どこの工場という固有氏名でなくて、基準を示していただきたいと思います。私は農村工業ということを非常に勧奨しておる。また農村が当面している現在の経済危機については、これの合理的経営を確立するという面から、農村工業を奨励している。最も有利で最も確実なこういう製糖工場は、農業団体にやらせないで営利会社にやらせるのだ、損のいくものだけ農協に押しつけるという形はおかしいと思いますが、そういうものを含めて許可基準というものがありましたら、一つくじ引きできめるのか、後援者が有力なところにきめるのか、そういうことも含めて答弁を願いたい。
○周東国務大臣 まだ私はしっかりとあらゆる面について聞き終わっておりません。今ここで基準をどうするかということを申し述べる時期は早いと思います。ただ私はそういうものと離れて考えて、今までのものは、永井さん御承知のように、ただあまりに無計画でなかったかと思う。一体一工場をどこに置くかということになれば、その工場を経済的にまかない得るてん菜の数量がどのくらいかということがきめられて、初めて白い紙に絵をかく場合ならば、各地域別に一つ一つできるというふうに持ってくるべきであったろうと思う。ところがあまりに錯綜して同じ地区に四つも五つもみなやりたい、そこだけのてん菜では足りない、ほかから交錯輸送するという状況をどういうふうに分けていくかということについては、なかなか簡単にいかぬと思いますが、十分研究いたします。
○三浦主査 午前中はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。 午後一時六分休憩 ————◇————— 午後二時十六分開議
○三浦主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。松浦周太郎君。
○松浦(周)分科員 大臣にお尋ね申し上げますが、せんだって予算総会では、大きい問題だけを申しまして、細目にわたってお聞きする時間がなかったので、その補足の意味のものが大部分でありますから、どうぞよろしくお願いいたします。 最初に、農家の負債整理の問題についてお伺いいたします。これは全国的に非常に大きな問題でございまして、所得格差を縮めるという問題の一番最初に行なわれなければならぬ問題でありますが、私は、きょうは、全国的な問題よりも、北海道の農家負債整理の問題について、かねて政府にそれぞれの手を打ってもらっておりますが、今後整理すべき金額並びにその方法は従来と同様にやっていただけますか、今年の自作農維持資金の中からやっていただけますか、別途に支出していただけますか、その二点についてお伺いしたいと思います。
○周東国務大臣 北海道の農家負債の整理に関しまして、自作農創設維持資金の中から充当してやっておることは御承知の通りであります。この点は今後も同様に考えていきたいと思っております。
○坂村政府委員 北海道の負債整理の問題につきましては、大臣の御答弁に補足させていただきますが、今まで自作農創設維持資金の中でやって参っておるのであります。実は実態等もあまり正確に把握をされていませんでしたものですから、三十五年度におきまして百万円余りの調査費を組みまして実態調査をいたしたわけであります。その結果、農林省と大蔵省と一緒になって調査したのでありますが、調査の結果の数字等につきまして現在調整中でございまして、三十六年度においてどれだけの金額をこれに充てるかという問題につきましては、なお現在検討中でございます。
○松浦(周)分科員 整理すべき負債の額等はまだ十分に決定いたしておりませんか。
○坂村政府委員 仰せの通り、実はまだ最終的に決定をいたしておりません。
○松浦(周)分科員 われわれ、前から特別に負債整理の単独法律によってやってもらいたいということでございましたけれども、自作農維持資金等の活用によりまして、早期に解決していただきたいと思いますが、それに対する御意見を伺っておきたいのであります。
○坂村政府委員 この問題は、今後の問題等も関連して参る問題でございまして、非常に大事な問題でもございますが、自作農創設維持資金の運用によりまして、できるだけ早く解決するようにというつもりでいろいろ検討いたしておる段階でございます。
○松浦(周)分科員 農家の負債整理に伴って考えなければならぬものは、今日の日本の国全体の沿岸漁業を見ましても、農家の生活よりも漁民生活の方が非常に劣っております。特に今日は、北海道のニシンの凶漁による沿岸漁民の生活状態に対しまして、産業指導によって救済ができない。結局社会保障でなければ、このニシン凶漁地域における漁民の生活、安定はできない、こういうふうなところまで追い込まれております。生活保護によらなければ生活できぬ人の方が半分くらいあるといってもいい状況でありますが、この農家の負債整理をするにあたりまして、これらの窮迫しておる漁民の個人負債の整理は——これは北海道の農家の負債がああいうふうに重なりましたのは、自然条件が悪いことによって累年災害というものが累積されて、ああいう大きな負債になったのですが、ニシン凶漁というものは海流の変化によって起こっておるものでありまして、一匹も来ないのです。今まで一場所で千石はとれたというようなところが一匹も来ない。それが五年も六年も続いている。そのためにそれをつないでいこうという意欲、生活していこうという意欲、いろいろな関係で負債が直なっております。この農家の凶作、冷害、水害の場合においては、これは政府は相当腰を入れておるが、漁民のかような状況に対しては全然手が打ってない。しかもその負債の整理も農家に優先してやらなければならぬものが捨ておかれておるということは、これはほんとうに政治として一つの大きな目こぼしだと私は思うのでありますが、この点は北海道の沿岸全体の大きな問題でございますから、一つ大臣にこれをどうされるかというお考えと、水産庁にはそれぞれの具体的な考え方をお示し願いたいと思います。
○周東国務大臣 お話の通りニシン漁業の不振といいますか、まあ最近ほとんどニシンが海岸に寄らぬという大へんな事態が出てきておるのですが、それがためニシンによって生活しておる人々の救済をどうするかというお尋ねであります。これはおそらくは海流の変化等による原因が大きなものを占めておると思いますが、これらをどういうふうな形に考えていったらよろしいかということにつきましては、一つ大急ぎで応急の処置は処置として考えるが、恒久的には調査をする必要があろうというので、ことしは予算的に百万円の調査費を計上して、その原因がどこにあるかということと、これに対してどういう対策をすべきかということについて深く掘り下げて検討して、しかる後、対策を進めたい、こういう考えでおります。
○林田説明員 ただいま大臣から御答弁がありましたように、北海道のニシン地帯の対策といたしましては、すでに北海道庁におきまして沖刺し網によりましてこの不漁を打開しようというふうな対策をやっておるわけでございますが、これもなかなか思うようにとれておりません。沖に出る場合に、北海道庁といたしましては融資の保証とかあるいは利子補給をやっておるわけでございますが、中央におきましてはただいま御答弁がございましたように、中小漁業融資保証特別会計がございまして、それによって道の基金が保証をしていく場合に、中央の方が再保険をするというふうなことによりまして、中小漁業一般として融資をやっていく。その像かに大体百万円の予算をつけまして今度は北海道の実態を十分よく調査いたしまして、手を打っていきたいというふうなことで今立案中でございます。
○松浦(周)分科員 百方円の調査費で調査されるのは負債の問題でございますか。
○林田説明員 そうでございます。
○松浦(周)分科員 これは調査されても、金額はわかるでありましょうけれども払う能力はありません。現在のニシン凶漁地帯は五年も六年も全然とれないものですから、そこに家はあるけれども人はあまりいないのです。どこに行くかというと陸地の奥地の方の伐採、造材あるいはイモ掘り、稲刈りというような出かせぎに全部行っているのです。私どもは選挙のときにそこを回るのですが、夕方になってその方に立ち寄りましたら、からっぽで電気も何も切られてしまってついておりません。そこで五、六人の子供が集まって夕飯を食べているのです。それを見たところがジャガイモとキャベツを塩汁で煮たものを五人の子供が食べている。お母さんやお父さんはどうしたんだいと言ったら、雪が降ると帰ってきますと言っている。二人とも出かけている。その小さい子供は、隣の子供も二人一緒にいるということで、六年生の女の子が主婦になって五カ月も六カ月もそういう生活をしている。これはどこのうちでもそうなのです。選挙のことを言うとおかしいのですが、全部地方に出かけますから投票は半分になっています。そういうことでその人口が相当な人口なのです。私の選挙区だけでは七、八万以上のものでありますが、全体であれば十七万くらいある。こういうことであの凶漁地帯に行きましたならば、所得倍増も何もないのです。これという手は全然打ってありません。私は、前途の日本の経済をよくするということを考えることももちろん必要でございますけれども、こういう大きな問題をそのまま捨てておいて所得倍増とかなんとか言ったってだめだと思うのです。でありますからこの問題については、私は与党でおってこういうことを質問いたしますのは、見るに忍びない。政調会長にもずいぶん訴えておりますが、みなあまり興味を持たないのです。これは実を言えば、余市はすでに十年くらい前あるいは十五年くらい前からニシンがとれませんからほかの方に転換してしまいましたが、小樽から宗谷半島を回って網走辺までの状況というものは全部そうなのです。沖刺し網という話がありましたが、沖刺し網が発見されてからもう五、六年になるのですが、深海魚ですからそれを探知して場所を見つけて、それであまりとるものですからこれもまたとれなくなった。今はソ連のアニア湾、樺太湾の内部でしかとれないのです。そこに行ったら拿捕されてしまうというようなことで、沖刺し網もできないのです。だからこれは何か彼らが生活することを政府が具体的に立ててやらなければ、これから百万円の調査をやるといったって、それは負債整理だけでしょう。生活の資料は上がってこない。生活の資料が上がってこなければ負債の整理はできないということになるのですから、この点は一つ真剣に取り組んでもらいたいと思うのです。それの一つの方法として、沿岸漁民は北海道だけではありませんが全般的に考えると、沿岸漁民というものは機船底びき網との摩擦の中に立っておって、片一方は資本の力、片方はそういう力がありませんから資源はとられてしまうのです。この例を一つ申し上げますと、ホッケの成魚は大体一尺五寸から二尺くらいの大きさになります。ところがこの間、選挙中でありましたけれども、宗谷半島の周辺にホッケの稚魚の大群が来たのです。ちょうどドジョウのちょっと大きいくらいのもの、それをうんと底びき網がとって何するかというと、これは全部フィッシュミールにしております。そのトン数は大へんなものです。少なくとも五百トンから八百トンはとっておると思う。そういう乱獲を一方にさせておいて、それで今度漁民を救うなんて言ったところで、それは話だけなんですよ。もっとひどい話はこういうことなんです。三浦農林大臣のときに私どもはあっせんいたしまして、底びき網の禁止区域の拡大をやったのです。海に区域を作るのですから、こっちの山との見通しで、ここが境だという程度のものなんです。そこで漁民は——そこはタコのうんととれるところで、タコのなわを何枚もやるのです。そうすると夜中に来てなわごと全部持っていってしまう。これも稚内で非常に大きな問題にして、支庁長が中に入ってあっせんしているということですが、底びき網の脅威から沿岸漁民を救ってやるということが政策の上に現われなければ、まず資源的にだめになります。それで今北海道の知事の方で立てておりますものは、三百隻くらい北海道の周辺にあるものを三分の一減らそう、それを遠洋に出そうということで、案を今立てつつありますが、これはもう地方の知事がそれくらいのことを考え出したら、農林省はもっと援助して、半分くらいは遠洋の方に行く、それも今交渉しておられますところの、ソ連との話のあのサケ・マスでなくて、タラであるとか、カスベであるとか、カジカであるとかいうような雑魚、その方を開いてこっちにやるという考えも持っておるようでありますが、そういうことが今度の交渉のガンになるものでありましょうけれども、ソ連との間にそういう話し合いが十分できる可能性があるかどうか、やっておられるかどうかということをお聞きいたしたいと思います。
○林田説明員 ただいま仰せになりましたニシン対策としまして、漁家の負債の調査のほかにどういうことをやっておるかという問題でございますが、これは私たちといたしましては、御承知のように、つきいその事業とか、あるいは魚礁を設置いたしましたり、帆立貝の採種、いろいろそういうふうな沿岸漁場の改良のために投融資をいたしまして、それによってニシンの漁業者をそういう沿岸漁業に転換していくというようなこともはかっておる次第でございまするし、あるいはまた特別助成事業といたしまして、たとえば魚道の測量施設を設けましたり、あるいは網ほし場を設けましたりして、いろいろ対策を立てておる次第であります。 最後に、北海道の底びき漁業をもっと遠いところへ出していきまして、そして沿岸漁業を、現在底びき漁業が網を引いておるところへ漁場を新しく作るというお話につきましては、これは数年前から西カムチャッカの方の調査を継続してやって参りまして、大体あの辺で採算が合うという見通しが立ちましたので、本年度から北洋の底びきに北海道の中型底びきを転換していきたいということを計画いたしまして、北海道では二百九十隻くらいの底びき船があるわけでございまするが、そのうちの百隻程度を大体三カ年ないし五年くらいで転換していきたいということで計画しておりまして、本年度は初年度といたしまして二十隻、西カムの方へ出していこうということで、いろいろそれの融資の問題とかそういうことでこれを助成していきたいということで、計画を練っておる次第であります。
○松浦(周)分科員 この底びき網の遠洋転換の問題は、沿岸漁民の救済に一番重要な問題ですから、まだ三百隻もあるのですから、もっともっと大きな計画で他に転換させることが必要であると思います。私はこれにつきまして、おととし農業基本法や漁業基本法調査のためにチリに行ったんです。それは移民の関係で南米を全部回ったのですが、チリのサンチャゴを中心にした方面から南の方は、気候が同じですから、北海道及びカムチャッカの漁業とよく似ているのです。だから、そういうところに船団を向けて五十隻なり百隻なり持っていくという構想も、これはヨーロッパの販路その他のところを考えながら政府は計画を立てるべきではないか。十隻や十五隻持っていったって、そんなものでは、とても魚がふえるということにはならない。魚礁を入れられるというのは非常におもしろい話だ。この前、三浦さんがやっておられるとき、相談して、建網の待ち舟に石を積んでそれを沈める。底びき網がこないように、その辺に魚礁ができるように——これは非常に成功しました。今コンクリートのやつを相当たくさんやっていただいておりますけれども、稚魚のうちは付近にいるんですよ。成魚になれば遊びにいきますよ。そうすればみなとられてしまう。それがふえるということには違いないが、とる方の考え方は、もっと制限せずに——やっても、よく考えてみると、何のために金を出しているのかわからぬのですよ。稚魚のうちはその辺にいます。アパートにいます。大きくなったら、えが足りませんから遊びに行きますよ。遊びに行ったら、底びき網に根こそぎとられてしまう。こういうことも研究しながら、予算をとってくればいいという考え方ではなしに、実際の仕事も見てきてやらぬと、この問題は実際私はいかぬと思うんですよ。だから、この底びき網の禁止区域を拡大し、底びき網の数を減らすということも必要であるが、そのやり方が——漁民はこう言うのです。禁止区域を拡大してくれたって船一隻に一隻ずつ監視船がついているわけじゃないというのです。オホーツク海の方に監視船が行ったとき、底びき網は日本海にきているのですから、そうすると、向こうの馬力が強いし、はえなわをもってやったって追っかけることもできぬというのです。底びき網と沿岸漁民というものは、全部弱肉強食ですよ。これは考えておられるでしょうけれども、この点は漁民のために大いに力を入れてもらいたいと思うのです。 それからもう一つ、私は沿岸漁民の連中と相談しながら今までやってきたことでおもしろいことは、ニシンのとれないときは、米になるものはコンブなんです。そのコンブですけれども、ニシンやその他の雑魚がとれる時分には海岸で処理をしますから、その肥料分が海に流れ込みまして、あるいは川が非常に清流であるような場合はコンブは伸びますけれども、もうほとんど付近の山が切られてしまって泥水が流れる。そうして海岸では、とれませんから、魚を処理しない。そうなると、年々コンブは短くなるんです。そこで私は東洋高圧の技師と相談しまして、四年くらい前に、コンブに肥料をやることを考えてみたらどうかということで、コンブに肥料をやることをやってみた。それは尿素を粘土の中に練り込んで、塩かますみたいなかますに入れて、縛って、ところどころにつるして置く。それが波にゆれて溶けて、それが沈下しますから、大体三割増産になります。これを今まで試験して参りましたのは、増毛の漁業組合が三年、稚内の漁業組合が二カ年試験しております。必ず成果がある。これは一方から見れば硫安の過剰生産の解決にもなりますし、漁民の救済にもなりますが、この肥料代を買う力が漁民にないのです。だから肥料を買ってかますに入れて粘土に練り込んでやる作業は組合でやる。肥料を買って漁民にやるという政策は、一つの沿岸漁民救済としておもしろいと思うのですが、そういうことを研究されたことがあるか。また具体的に試験場や技師をたくさん持っておられますから、今の実際やったあとを見、これを積極的にやる考えはないかということをお聞きしておきます。
○林田説明員 先生の大へん御造詣深いお言葉なんですが、まだ水産庁の研究所におきましては十分な研究は遂げておりません。これはやはり比較研究が必要であろうと存じますので、あちこちで比較研究をいたしまして、いいということになりましたら、そういうことを実施していくように十分検討いたすつもりであります。
○松浦(周)分科員 試験場で研究した結果はありませんか。
○林田説明員 そのデータはよく承知いたしておりません。
○松浦(周)分科員 東洋高圧の方から試験場の方に三年ぐらい前からやってみろと言っていることを聞きませんか。
○林田説明員 まだよく承っておりません。
○松浦(周)分科員 それを一つやって下さい。 もう一つ今度は沿岸漁民を救うのに、私は海へ向かって魚がとれなくなったならば、うしろの資源に目をつけようということを始終言っているのですが、北海道の、今までこの種のニシンの豊漁であった地方は、自然条件が悪いために海岸線がほとんど開拓されていないんです。去年とおととしと二年かかって増毛の町が背面に七十町歩の水田を開拓しまして、その金は私どもが農林省であっせんいたしまして、ダムやら溝路を作ったのです。そうして五反ずつ漁民に作らしている。五反作ると大体米は買わぬでもいいということになるわけですね。けれどもこれは小規模の考え方です。私は国会でも二、三回この議論をするのですが、農業の所得を倍増する場合に考えなければならぬことは、やはり農用地を開くということです。社会党は三百万町歩と言っておりますが、私はこの面積はもっとあると思うのです。おととしヨーロッパから帰りましたときに、もう予算の要求が済んだあとでありまして、日本にこの草地が相当見えるが、一体どのくらいの面積があって、どういう種類の土地があるか、どのくらいの金がかかるかという調査をさせたいということで五百万円計上していただきました。そのデータはできているはずだから、きょうのこの議論をするために出してもらいたいということを言っていたのです。まだ出ておりませんが、大臣の手元には、そういうものの調査はさせてあるんです。私は目の子算用で、大体現在の耕地が一五%ですから、もう一五%ぐらいの土地は果樹と畜産のためには使える、こういう確信を持っています。ヨーロッパその他を歩いてみて、日本のように土地を粗末にしているところはございませんよ。それが北海道は海岸線に多いのです。それが穀菽農業を中心に指導してきたものですから、潮風と冷風のために受粉作用ができない。それで土壌は悪くないのです。もう牧草でもその他の飼料作物なり何でもできるんです。それをただ今までみたいなちゃちな草地改良のような行き方でなく——オランダなんかでは海を埋め立てて、三十万町歩も海底を耕して、そこに牧畜を営んでオランダの民族の食糧の自給をやっておる。また輸出もしております。海の底を干拓したところからとれたもので、イギリスに乳製品その他を輸出しております。そういうふうに考えるならば、海の底をやらぬでもまだまだ陸地でやれると思うのです。今まで三千年の間観点が違っていた。今度は米もだんだん充足されて参りましたから、そういう草の点で——私はもう草地改良という言葉はやめたらいいと思うんですよ。草地というと今までの考え方があって何かこう軽んじられる。そうでなくて農用地であるとか耕地にしたらいい。飼料もやはり作物ですから草刈り場みたいな観念で飼料を作ってもだめなんです。一般の作物を作ると同じ考え方で草を作らなければいけない。ヨーロッパの平均統計は一ヘクタールに対して一頭半の牛を飼っておりますが、北海道なんかはこれからまだまだ——日本は草に対する技術者が少ないし、その研究が乏しいですから、一町歩に二頭ぐらいということを見たらいいと思うのですが、これは専業農家ならば十五町から二十町、半漁業半畜であるならば五町から七町ぐらいのものをパイロット・ファームのように完全にできるようにして、そのかかった金は長期低利で払うようにすればいい。まあ三十年年賦とか四十年年賦にする。デンマークには百三十九年年賦というのがございますが、そんなものでなくても、三十年か四十年年賦にして三分の金利で開拓して、その草地を預けるかその土地を預ける。そして漁民は七町耕して家族で牛を飼っておればそれで生活ができますから、沖へ行ってとってくるやつだけ余分になるのです。そのくらいの考えをしてやらぬと、ニシンの凶漁によってあえいでおる二十万近い漁民を救うことはできないと思うのでありますが、これは北海道だけ考えれば百五十万町歩くらいのそういう土地があります。これはやっぱりオランダ方式によらなければいかぬので、今までみたいに、端の方を馬がくそたれたみたいにあっちに五戸、こっちに三戸やったって、そんなものは成功するわけはない。やはり三千町歩なり五千町歩の集団地がありますから、それを完全に収穫のできるようにして、それを一団地として、そこの中に、教育についても経済についても、かりにいうならば一つの経済圏ができ上がる程度のものまでやって、そうしてでき上がったならば人を入れる。農道から外部の環境全部を作ってやる。十年も十五年も前に入れてそして開墾、建設の約束をしておっても、全国通じて三五%ぐらいしか開墾、建設ができておらぬというようなことでは、政府として、これらの十七万の人々に申しわけがないと思うのですよ。それで幾ら金がかかったというならば、今まで初めは金のかからぬような政策をとったけれども、どうにもならぬから、次から次に足し込んだ金が今日まで負債としてあるけれども、そんなものは返ってきませんよ。それを初めにかける、生産させながら回収するということを、先進国はみなやっているのです。この点は日本の農政の一つの大きな欠点であると私は思っている。従って、専業農家ならば五十町から二十町、半漁半畜であるならば五町から七町というようなことで、大規模の草地改良というか、新農地というか、新構想の畜産農業というか、そういうものを計画されて、それで、一ぺんにできませんからだんだんと計画を進めていくというような案が立っていなければならないのですよ。ところが、今年五億八千五百万円ばかり畜産基盤の拡充経費としていろいろな科目でとっておられるようでありますが、どういうことを具体的に今度やられるか。それでこの計画は一体どういうように立てられるかということも、今年の予算に対する内容の説明を伺いまして、さらに質問いたしたいと思います。
○周東国務大臣 畜産等に関する細目のお尋ねは、ただいま局長からいたさせますが、今お話しのように、私どもも農用地の拡大ということは、今後に向かって考えていかなければならぬと思います。がしかし、あくまでも私は、いつかも本会議等で申しましたように、今後は思いつきで生産物を作らせるわけにいかない、どうしても今後における農業のあり方として、長期にわたっての、需給の見通しのもとに、作れば売れるというものを作らせたいということであります。そういうふうな見地に立って、必要な土地の造成、農用地の拡大ということをはかって参りたいと思います。ただ、御意見としての理想的なお考え方は、私も根本においては賛成であります。ことにわれわれ将来考えなくちゃならぬことは、北海道においても、御指摘のように沿岸漁村が非常に痛められております。これは内地と申しますか、北海道以外の地方におきましても、かなりこのごろはイワシの回遊場所が変わって、ほとんどとれないという事情がたくさん出てきた。これは一時的現象か長い現象かは別として、この沿岸漁村の振興といいますか、所得を上げるためにも、背後地のあるところにおきましては、やはり農漁というものを一体的に考え、あるいは林漁を一体に考え、農林を一体に考えるということは、今後における所得増加に対する基盤の造成の上に、また営農形態において、あるいは漁業経営の面において、林業経営の面において当然考えられていかなければならぬ、この説は私は同感であります。これは地域的に、またできるところとできぬところがありますので、これをあげて、今後における生産増強に対する新しい施策の遂行に沿いまして考えて参りたいと思います。
○安田政府委員 お尋ねは、草地あるいは耕地におきます飼料の自給についてどんな予算を計上しておるか、あるいはまたどんなやり方をしておるかということを中心にしていることと思いますが、予算事項におきまして、畜産の基盤整備として考えておりますのは、ちょっと分類の関係でございますが、総額は六億三千七百万円計上いたしました。昨年度は二億六千六百万円であります。これはまだ、私どもの方としましても、先生御承知の通り、着手間ぎわといってもいい未完成の行政でございます。それだけに、いろいろのことを将来にわたりうんと伸ばすことを考えて一おるわけでございますが、それに照応いたしまして、内訳もいろいろあるのでございます。まず第一は、草地を、高度集約牧野と称しております、開墾をいたしまして、牧草地を作るということ、それから改良牧野と申しまして、従来の馬などに使いました改良された牧野で野草を改良せしめて行なうということ、さらに北海道を中心にいたしておりますが、湿地牧野と申しまして、泥炭地等の湿地に灌漑排水事業を加えまして、これをいい牧野にしていこうということ、さらにその三つ以外には、既耕地におきまする自給飼料を強化いたしていこうということ、そのほかには、従来の野草地の利用をどうするか、こういうことに中身は分かれるのでございますが、それに応じまして、適地を調査いたしまするところから、その開発利用ないしは造成改良ということにつきましての指導、監督、設計、計画を立てますることと、計画を立てたところを事業化いたしまして、いわば工事をする。工事をしまして、その利用施設を作らせる。たとえば電牧施設等の放牧利用施設等を整備する。耕地の飼料作物化を進め、そのため飼料化促進施設を設置させる。これらに対して指導監督を強化する等、各種の内容をまとめまして、畜産基盤整備として予算要求に計上してあります。なお、畜産基盤整備費という新しい事項の計上の仕方は、昭和三十五年度からいたしております。もし御必要でありましたならば、その内訳を御質問と御指示に従いまして、なお申し上げます。
○松浦(周)分科員 今のお話の中で、二つばかり、技術的に考えて、試験の結果やられておられるでありましょうけれども、従来の雑草を飼料作物にかえるという考え方は、これは飼料に適する天然牧草が基礎的にあるところはいいけれども、ほかのところは地下茎を残したままどんな耕作をやったって牧草にはならないのです。それが技術的にうまくいっていないものですから、お金はかけたけれども、五、六年たつと、もとの革になってしまう。捨ててありますよ。今までお金をかけたところを調べてごらんなさい。それは基礎的に蝦夷わらであるとか、ヨモギであるとか、天然牧草であるものが八割もあるものに対して、ササを退治するとかあるいはイタドリを退治するということなら効果があるのです。ところが、その天然牧草があまりないところの人たちは、よくわからぬものですから、何でも草地改良といってちゃちなことをやっておいて、かけた金が何にもならぬことになっておる。このことは日本だけではないのです。他の国もこれはずいぶん研究された結果、地下茎を置いた草地改良はだめだといわれているのです。だから、一ぺん完全に地下茎を取ってしまって、そして植えようとするものを新しく植えるのでなければ、それはだめなんです。だから、そこのところを聞きたかったから言ったのですが、これからの政策の中で、やはり日本でやっていこうとするなら、パイロット・ファームのような行き方で、完全に飼料ができるようになってから農村にやる。家も作ってやる。牛も買ってやる。そして、あとは年賦償還でやるのでなければこれはだめなんです。しかし、大臣の仰せになりました需給関係を見ていかなければならぬことは、これは経済上けだし当然なことでございまして、もっとコストを安くできるものならば他の国に輸出してもいいと思う。なかなかそこまでいきませんから、今のような足取りでいけば、今までのことを改めるのでなければ、結局、需給関係は肉資源に追い回されて、それで作っていくという結果になりますよ。これは大規模に大きくやっていけば余るかもしれない。しかし需給の関係と見合ってやるということはけだし当然のことだと思っております。そういうふうに御尽力をお願いしたいと思います。 それから、漁業の問題についてさっきちょっと落としたのですが、日本海の北緯四十五度のところから南の方はマスの流し綱をやってもいいのだけれども、それから上の方は、日ソ交渉の関係でマスの流し網ができないということになっております。それで、このマスの流し網を許してやればニシンの刺し網業者はマスの流し網で十分生活ができると言っているのです。ところが、同じ領土でありながら、四十五度ですから、稚内の抜海と天塩との間に四十五度線があるのです。そうすると利尻、礼文は半分はマスをとってもいい、半分はマスをとってはいかぬということになる。これは日ソ交渉の関係でこうなっておりますが、漁民に言わせれば、漁業組合で川を禁漁にして、全部養殖して放流している。それを、自分の家の前を通る魚をとってはいかぬということでは生活ができないではないかというのです。われわれが行ったらそう言ってすごいのです。これは日ソ交渉の関係で非常にむずかしかろうけれども、四十五度を四十五度半にすれば、これは稚内の先の宗谷岬が四十五度半です、そうすると、日本の民族は平均してマスをとることができる。島の半分の人はとることができぬが、半分の人はとることができるということでは、町村長も実に困ると言っているのです。これは日ソ交渉というむずかしい問題の中の問題ですから非常な問題でありましょうけれども、大臣はそのことを頭に入れまして、これは五分の問題、四十五度五分になればそのワクをはずれるのですから、それまでは同じように魚をとらすことができるようにしていただくことができぬものか、こういうことを一つお尋ねをいたしたい。
○周東国務大臣 規制区域に入る地域だと考えますが、今日のところ、規制区域に入っておるのが四十三度以北であるそうでございまして、これを改正することはなかなか困難な問題だと思いますが、お話の点は十分頭に置いて考えてみたいと思います。
○松浦(周)分科員 開発庁長官、さっきからこの牧野改良の問題でいろいろ話しておりますから内容はおわかりのことと思いますが、今度で四年目ですから来年は改定しなければならぬというときに迫ってきておりますが、今から調査官その他を動員して第三次計画をお立てになる段取りになっていると思いますが、今申しましたように、北海道には未開の草原が現在の既墾土地以上にありますことを一つ頭に入れて、新しい計画にはそれらが開発できるようなことを私は希望いたしておきますが、これに対しまして、第三次改定に対する大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○小澤国務大臣 第三次計画はまあ御承知の通り群来年度で終わりますから、そろそろ第三次計画と同時に所得倍増という計画も立てなくちゃならないと思うのであります。従って、そうした面につきましてはただいまお話の開墾ということを十分考慮に入れて作っていきたいと考えます。
○松浦(周)分科員 ちょうど農林大臣も御一緒でございますが、そういうふうに新しい構想による畜産計画をお立てになって、徹底的に全国的な草地及び傾斜地の果樹等をおやりになるということは新農村計画の一つに入っております。これが今まで非公共事業費でおおむねやられておりましたが、この間も予算総会のときにこのことは大蔵大臣にも質問いたしておりますが、大蔵大臣も次の時代からやりたいということを言明しておられます。お二人の構想を政治上に生かすためには、やはりこれは公共事業費にして思い切った資金を政府に投じさせるということが必要だと思いますが、それに対してお考えはどうでございますか。
○周東国務大臣 これは先日もお答えいたしましたように、ただいま草地問題協議会において調査させております。その答申を待って私どもも将来の畜産のあり方としての必要な牧野、草地の問題について、これが改善また拡大という問題に関連して、必要な経費を公共事業として計上するということは一つの行き方だと考えております。
○小澤国務大臣 大体において農林大臣の言った通りでありますが、北海道庁でも三十六年度から調査しておりますので、調査の暁にどうなるかわかりませんが、ただいまの予算の問題については思い切って努力をしたいと思っております。
○松浦(周)分科員 その次は畜産の方の問題で小さな問題ですけれども、牛乳の値上げに伴って乳製品の方を前の値段に直してもらいたい、つまり半ボンド百七十円にしてもらいたい、十円上げてもらいたいということをしきりに言ってきております。それをいろいろ検討しますと、一方において牛乳を上げたのですから、やはり乳製品も上げてやらなければならぬと思いますが、畜産局の方ではどういうお考えですか。
○安田政府委員 松浦先生の御質問は、おそらくは雪印を中心にしましたバター部分のことだと思いますが、ちょっと何が何単位で百七十川だかわかりませんが、そうでございますか。——それを含めて一応申し上げますと、現在牛乳製品の値段について問題がありますのは、雪印製造のバターで半ボンド当たり十円ばかり上げてもらいたいということです。それを同時に明治乳業や関東、京阪神の飲用牛乳ですか、これを上げたいと思うがどうかということでございます。他方、消費者団体からは、むずかしい問題であろうが値上げを阻止することを要望する、上げ方について独禁法違反のおそれがあれば、消団連と称するものから公取委員会に提訴をするということについて問題があるのであります、その原因といたしましては、やはり全国的に見られまする原料乳値段が三十三年の九月、大へん下がりました以降逐次上がって参りまして、最近に至りましてまた上がりつつあるのであります。なおそのほかに一般に国民所得の増加、生活水準の上昇等に伴いまして、消費の増加が確かにあるわけでございます。それから都会中心に、農村地方の都市でもそうでありますが、労務者の雇用がだんだんむずかしくなりまして、あわせてその賃上げが相当ある。そういうことがありますと同時に、国内の関税制度及び今の為替割当制度で将来の酪農、乳業のことも考えまして、貿易自由化はしない。輸入制限を国会等でも御審議をいただきましたところに従いまして、割合にかためにいたしておる。需給が勢い年間においても特に季節変動的ないろいろな事情がありまして窮屈になっておるということであります。さらに注目すべきことは、個々の乳業者間に業界の競争がござやまして、片寄った集乳競争等もあるわけでございます。 それらが重なり合いまして今のようなことにたっておるのでありますが、北海道の点についてます簡単に申し上げますと、北海道の原乳は三十三年九月には一升当たり三十六円でありました。最近まではこれが一升四十円、ごく最近四十四円で一割増加しておりますが、全国的にこれは値上がりをいたしておりますが、値上げの程度は北海道が特別大きい状態であります。原料乳であります。それから生産量のことでございますが、三十三年の九月以降値が下落し、その後は特に駄牛の淘汰その他の理由もありまして牛乳生産総量の年上昇率が少し鈍りました。また食肉の値段が上がりまして、かつ年々の増加が従来牛乳の生産対前年比一五%くらいでありましたが、昨年度は一〇%未満、一応三十五年度を通じましては約一一%増が推定をされるのであります。そのうち北海道はどうかと言えば、全国平均の上昇以下であります。生産が以下であります。これはいろいろ事由があろうと思います。需要の方といたしましては、飲用牛乳が対前年比に対して一五%増で、着実に伸びております。乳製品の需要はわれわれが業界とともに検討したところ、年度当初は八、九%増でありますが、実際はおよそ飲用牛乳の増くらいの増があるようであります。一部販売供給が足りないというので、年間は対前年比が二%増くらいになるわけでございます。これに対して供給は、バター、脱脂粉乳というものについてまず見ますと、なま牛乳はまず何に生産されるかというと飲用牛乳に生産される、その次は調製粉乳というような育児食に一番重要な面に製造、販売されます。これは需要を充足するわけでありますが、一番製造のある意味で弾力性があるとも見られる、一番あとで製造されるバターと脱脂粉乳というところへしわ寄せされるわけであります。その生産量は、その同じ原料乳の生産からできる飲用牛乳の種類のうち、生産量の伸びが少ないのであります。ところが他方消費が多いものですから、バターと脱脂粉乳の値段の問題が出ておるということでありますが、脱脂粉乳の価格につきましては、昨年の六月ころまでにすでに三割五分くらい上がりまして、バターはこの三年ばかり据え置きであるわけであります。この原乳の値上がりと製品の値上がりとを見る際には、やはりあるものは上がり、あるものは下がる。一つの牛乳から出てくるものだということも検討を要するのであります。他方輸送、加工、販売の中間経費はあまり上げない方がいいという世論もありましょうので、業界も努力しておられますが、私どもも相談を受ける意味で、その趣旨でやっておるのでありますが、どうも会社の経理が食品工業のうちで比較的よくはないが、牛乳会社間でも明治、森永に比較しては雪印は少ない。しかしこの二、三年間減ったことはない。利益率も利益も減ったことはない。そこでそれをお互いに検討しておるという段階であります。その検討はどういう態度であるかといいますと、いろいろ酪農、乳業に施策はありますけれども、あるいは為替管理、関税等がありますけれども、直接原料乳や乳製品の価格をどうこうするということは、今政府にはございませんので、業界との連絡と、これを指導調整するという建前でやっておって結論が出ない、そういう段階でございます。
○松浦(周)分科員 いろいろなデータが来ておりますから、おっしゃることはよくわかっているのです。けれどもなま乳が上がれば上げてやらなければならぬということになると私は思うのですが、さらに善処を要望します。 それからもう一つ、同じような価格の問題ですが、大豆の問題で、今度の予算にも大豆の関係の費用を相当とっておりますけれども、この価格を調整する関係で、これは全生産量の中で大豆は六万トン全販連が持っているのです。今二万トンぐらい売ったというような説もありますが、これも七月の自動承認制のときまで持っていると、政府も大へんな損をするという結果になるのですが、今からこれを三千二百円で手持ちを放出させるような方向をお考えになることはどうでしょうか。これは非常に急な問題のようでございますが、大臣と食糧庁長官。
○須賀政府委員 三十五年産の大豆は、農業団体で手持ちをしておりますものが約五万トン強ございます。これはただいまもお話がありましたように、自由化をいたします時期までこれを持っておるということになりますと経費も相当かかります。また値下がりもするわけでございます。それでなるべく早くこれを手放しまして、国がその差損を負担するにいたしましても、その額をなるべく少なくしたい、そういう方針で至急にこれは別途予算措置によりまして、三十億の中から予算措置で出すという方法によって処理をするように目下関係省の間で話を進めております。御趣旨のような線で至急進めたいと考えております。
○松浦(周)分科員 どうぞ善処を願います。 それから土地改良の問題について、これは総会のときに大体本筋は聞きましたが、米作中心の土地改良を畑地振興の方に転換するという考え方はいいけれども、農民に十年も十五年も約束して調査してきたものを今年からやらぬということは大きなショックです。この問題で予算編成のときに両大臣にずいぶん御苦労をかけましたが、こういうことは北海道だけでなく、全国であるのです。だから、ある程度米が余ってもやるという腹をきめなければ、全国の農民が非常にだまされたような気になるのです。十年もかかって調査しているのですから。これは北海道ばかりじゃありません。しかし、先ほどから申しますように、新農用地あるいは畑地の改良というものは重要な問題でありますから、その方向に農政の中心を変えられるということについては私は反対でありません。けれども、行きがかりの問題は処理すべきではないかということであります。その一つとして金山ダムがことしは非常な問題になりましたが、これは一億円もらったけれども、来年度の考え方では払いようがないと言っているのです。ということは、今五億円ばかりの土地の補償費が要るのです。またそれに付随する鉄道その他の関係になると、十億円ばかりの補償費関係のものが要るのです。官庁のものはともかくとして、農地の関係が五億円近く要るのです。そのうちの一億円ですね。そうすると、だれに払ったらいいかということが非常な問題なんです。急ぐ人はことし払ってやる、来年は全部払ってやるということでなければことしの処理がつかぬと言っている。これは実際長官の方が困っている。直接の関係ですから、あなたの方が困っているのですよ。こういう公の機関で、来年はこうしてやるということを約束してくれれば納得するというのでありますから、重要な問題ですけれども、今年は一億で、あと来年四億要るのですが、それ以上のものを来年やるということでなければ、あとのやつはいつ払ってくれるかということになって村がまとまらないのです。このことを一つ……。
○小澤国務大臣 それは御承知の通り、なかなか大蔵省としては一億もつける模様もなかったのでありまして、ようやく粘って一億円取ったので、一億じゃ不足だからということまで言いかねて引き下がったわけですが、いよいよ実施面にあたってそういう困難なところがございます。ですから私はこの実施にあたっては何とかして、今松浦さんのお話のように来年はこれだけのものをつけるというように確証を得て、そうして一応実施をやりたいと思っております。
○松浦(周)分科員 そのほかダムの問題、天塩川の上流の岩尾内のダムあるいは大雪山系における大雪ダム、それぞれ調査費を出して、岩尾内の方も一億円近い金が民間と両方で投ぜられておるということでありますから、この関係する農民は非常に不安に思っておるのです。これらについてもどういうお考えでございますか、将来の見通しを一つ大臣からお聞きしたい。
○小澤国務大臣 次々と米作の問題がありますけれども、このあれは農林大臣とよく相談いたしまして、そして適当な時期に地元民が安心するような方策を講じていきたいと思っております。
○松浦(周)分科員 その点は特に善処をお願いいたします。 最後に申し上げたいことは、木材の需給関係です。これもこの間の総会で聞きましたけれども、この内閣は低物価政策をやっていかなければならぬということは当然ですが、木材については値段が一七六%になっています。七割六分上がっている。これはどこからくるかというと需給関係からくるのであります。でありますから、その需給関係についてはどういう方法をこれからおとりになるかということをお伺いいたしましてからさらに質問いたしたいと思います。
○山崎政府委員 需給の問題に関しましては、先般経済企画庁から発表のありました通り、国内におきまする国有林等の生産を極力増大して参りますとともに、外材の輸入も積極的にこれを増加して参る。さらにまたパルプ等におきましては、製材の廃材等のチップあるいは山に残されております末大枝条等をチップ化して、極力使っていくというようなことを行ないまして、当面する需給のアンバランスに備えていくという考え方をとっております。
○松浦(周)分科員 今特別に値が高くなっているのは、住宅等に使う建築材等がほかのものより比較的高い。それはおおむね針葉樹が高いのです。針葉樹はそれほどではありません。しかしながら針葉樹がなぜそう高くなるかというと、国内における蓄積の関係もありますけれども、消費者の方が針葉樹を非常に使う。つまり紙パルプであります。紙パルプは資本系統の大きな事業なんです。はがらと俗にいいますが、建築材をやっている製材工場は大衆の産業なんです。そこで資本で圧倒される。つまり資材が手に入りにくいという悩みがあるのです。私は、こういう限られた資源の中に生活しているわが国といたしましては、それは憲法がありますけれども、適材を適所に使わせるような——戦時中はあんなことをやったんですけれども、あれほどじゃなくても、適材を適所に使うことのできるような方法を、法律でできなければ政府が指導するか、または憲法に抵触しないように適材適所に用途を指定するような法律を作るか、何かしなければ資本系統の大工場に全部資材を吸収されてしまって、そうしてはがらをやったり小さい製材工場をやったりしている連中はろくに資材が入らぬ。そこで俗にいう原木高の商品安、製材安ということになります。けれども原木が高いものだから、七割も高くしなければ引き合わぬようになったということも、もとはやはり資材からきているのです。今これに対する外材を輸入して、需給のバランスをとる、あるいは廃材を利用するという面も大いにお考えにならなければならぬが、もう一歩進んで、用途指定を大臣はおやりになるお考えはございませんか。
○山崎政府委員 用材の用途指定の問題でありますが、民有林材につきまして、それの用途を指定するというような問題は非常に困難な問題じゃないかというふうに考えるのでありますが、国有林材につきましては、随意契約、あるいは指名入札等によりまして、全体量の、両者合わせて約六〇%程度のものが売られておるわけでありまして、こういう制度を活用いたしまして、製材等の部門に原木が極力回るような措置は、今後とも講じていかなければならぬというように考えておるのであります。 また今後国有林といたしましても、造林等を前提にいたしまして、二百万立米程度の木材の増伐を予定目標数字として、現在検討いたしておりますが、こういうものにつきましても、それから出て参りますものが極力製材等の部門に適するものであり、またそういう方面にできるだけ多量に回っていくというふうな措置は、考えて参りたいというふうに考えております。
○松浦(周)分科員 いろいろ国内法律でできるだけのことは、この面において廃材利用、あるいは代用材あるいは輸入等でこの需給のバランスをとっていただきたいと思います。 もう一つ、貿易の自由化の問題と木材の問題は、ほかの産業と逆なんです。自由化でどんどん入れる方が国土の保全にもなるし、森林の擁護にもなる、でありますから、製材というようなものは運賃が高くなって、あまり入れられないかもしれませんけれども、紙とかパルプとかいうようなものは北欧並びにアメリカから入れれば、それが入るだけ日本のパルプ業者が原料を少なく使いますから、これらは慫慂して入れた方がいいと思うのです。それは日本の国土保全になるというふうに考えますが、これについての大臣のお考えを一つ承りたい。
○周東国務大臣 パルプの問題につきましては、総合的に考えていくつもりです。御指摘のように国内資源というものと十分な見合いをとらずに、パルプの製材工場ができたことにもいろいろ原因があります。これも、しかし国産をもって、これらの輸入防遏という考え方からできたのかもしれません。しかしその間には相当合理化さるべき工場もあるようです。そういう点も考え、輸入の問題についても総合的に考えていく。 先ほど用途の問題についてお話がありましたが、ただいま長官の申しましたように、統制時代ではございませんので、私は積極的に用途指定は困難かと思います。ただ、しかし指導面につきましては、単に木材同士の間における問題ではなくて、大きく日本の資源を保護し、活用するためには、建築用材等につきましても、だんだん木材を使わずして、建築をするという問題、また一番よけいと申しますか、相当建築用材なんかと並べてよく使っているのが薪炭、木炭であります。これなんかは当然山村経済というものにおいて、今の薪炭生産業者の労力をどこへ持っていくか、その収入をどうするかということの見合いはありますが、あれはただ燃やしてしまうよりは、あの方面をパルプならパルプに持っていく、それで薪炭関係においては、都会地においては電気、ガスというものが出てきております。戦争中にやりました豆炭、練炭というものは一体活用すべきものなのか、そういう問題についても研究すべきである。しこうして山の経済はどっちへ持っていくかというと、肥培管理あるいは栽培林業等の方面における労力で吸収し、パルプの問題に吸収する問題も起こって参りましょう。それらは相関関係をみな持ちますから、これらをあわせ総合的に考えていきたい。外国において、アメリカのようなところにおいてすら廃材チップの完全利用というものをパルプで考えているのですから、こういう問題は今わずかに二百万トンくらいが使われておるのは、せめて倍は使いたい、こういうことが総合的林業の一環として考えていきたい。もちろん今の輸入の問題についてもよく考えてみたいと思います。
○松浦(周)分科員 もう時間がないようですから、まだ三つ、四つありますけれども、これで……。
○三浦主査 時間の余裕があったら、またお許ししますから……。 次に有馬輝武君。
○有馬(輝)分科員 最初に大臣にお伺いいたしたいと思います。先だっての委員会におきまして、高田君の米価に対する質問に答えられまして、特に管理方式と関連して、大臣は生産費・所得方式を堅持して、現在の管理方式を維持していくという意味の答弁をされたと思います。それと関連いたしまして、本日お伺いしたいと思いますのは、米価につきまして本年度の予算では一万四百五円と、昨年度の決定米価を踏襲して予算を組んでおられます。実は昨年の十一月ごろだったと思いますけれども、大蔵省の意向として、陸稲格差を設けるとか、あるいは時期別格差をなくしていくとかいうような構想が出されておりまして、もちろん大臣の先ほどの答弁によりまして、こういつた点については懸念がないということだろうと思いますけれども、あらためてこの際大臣としての、こういった一部に流されております考え方について、はっきりとした態度をお伺いしておきたいと思います。
○周東国務大臣 お尋ねの点でありますが、いろいろと時期別格差をどうするとか、こうするとか話が出たということ、これは別に正式な政府の見解でもございません。現在予算に載っております一万四百五円というものは予算米価であります。当然この五、六月になりますか、三十六年産米の価格を決定する場合においていろいろ論議され、その当時の各資料に基づいて米価は決定されるわけであります。ただいまのところ、どの点をどうするということは、まだきめておりません。そのときに当然きめられるべき問題でありますが、その米価の基本となるべき算出の基礎は、お話のように生産費・所得補償方式という形を中心にもちろん考えて参ります。
○有馬(輝)分科員 それはもちろん政府の考え方じゃないかもしれませんけれども、新聞が大蔵省の考え方として、そういった陸稲格差なりあるいは時期別格差に対する考え方があるということが報ぜられておりましたので、もちろん米審の答申に基づいて決定されるわけでありますが、こういった問題に対する大臣のその際における姿勢といいますか、そういったことについてお伺いしておきたいと思うわけです。
○周東国務大臣 これは今申し上げたように、米価審議会において決定さるべきものであり、そのときまではいろいろ具体的なことも研究を進めて参りたい。いろいろと論議されておりましても、これは個人の見解でありまして、私ども農林当局といたしましては、農村の手取りが減らぬようにもちろん考えていくことが中心であります。それならいかなる形にやられるか。かりに今お話しのようなことが出たといたしましても、それは米価に織り込むときによく考えなければならない問題であります。そういうことは一切今日はまだ言うべきときでない。何か話をすればすぐにそれが都合のいいようにあっちこっちに宣伝される。一番農家にとって大事な米について、私は予算米価は二万四百五円より下がることはない、こういうことだけは申しておきます。
○有馬(輝)分科員 もうくどくなりますので、今の大臣の答弁を私は善意に解釈しまして、大蔵省なんかのそういった考え方は絶対に起こり得ないものだというふうに了解しておきたいと思うのであります。 次に、これは前の予算委員会で一楽さんあたりからも公述された際に指摘されておりましたが、前々から出ておりました問題として、農家の固定資産税を他の一般のものと少しニュアンスを変えて考えるとか、あるいは白色申告には専従者控除は設けられましたけれども、これは所得税だけの場合でして、住民税の方までは恩典は及びません。農家の場合には、ほとんど九割以上というものは所得税を納めていない。そういう点で、減税の恩典を住民税の面まで及ぼされるような措置とか、あるいは農協の農林漁業整備促進法に上る剰余金の内部保留に対する非課税の問題、それを四分の一からせめて二分の一にする、特に不振農協に対してはこういった措置が講ぜられなければ所得倍増計画といいましても、農林水産業の場合の伸びというものは、あらゆる総合的な施策を講じなければなかなかこれはむずかしい問題である。そういう面で、私、先だって大蔵委員会で大蔵省の考え方を聞きましたところ、他の部面との均衡論でもって、これについては非常に消極的なわけです、それで、現在まで、農林省としてこういった税制面で農家の実質所得の向上という面についてどのように御努力されてきたか。また、その見通し、今、私が申し上げましたような諸点を中心にして大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○周東国務大臣 所得倍増計画という場合の倍増ということは、いかなる場合にも、非常に広義に使われるようでありますが、これはよく検討してもらわなければいかぬと私は思う。農家の総所得というものをふやすという問題は、もとより私どもの願っているところでありますが、われわれが言います倍増計画としては、まず日本の国民総生産を倍にするということが考えられます。当然指向すべきところは農業の生産所得も倍にする、引き上げるということであります。農家については御承知のように農家所得というものを引き上げるというのでなければ、農業それ自体で、総生産という国民経済のもたらす各産業が倍になりましても、業だけの面からいうと、なかなか容易ならぬものがあるということ、これはよく御承知おき願っておきたいと思いますしことに私どもは一つ一つの物品をとらえて、その価格がどう動いたから所持倍増にならぬのじゃないかということは、私は総合計画の上に立ってものを考えるというところからいうと、これは必ずしも当たらぬのじゃないか、こう思います。余談ですが申し上げておきます。 それから今の税の問題、これは消極的な立場においては、支出を厳にするとか、家計費支出を少なくするという面からいえば、大きく所得に響く問題でありますので、私ども、これに対しては常に主張いたしておるわけであります。御承知のように、今度は大幅には地方税たる住民税、固定資産税の方にまだ手がつかなかったことはまことに遺憾であり、残念でありますが、このことは一面、日本の国の立っておる地方公共団体の財政収入の問題もよほど頭に置いていかないといかぬ問題でありますし、都道府県市町村の収入の柱である固定資産税、住民税というものに大変革を起こすということになって、当然これにかわる財源を考えることが必要でありましょう。そこに地方税の根本的改正が延ばされておるゆえんがあるのですが、これは私はそれでいいとは思っていない。すみやかに地方税の改正をして、国及び地方を通ずる税制というものから総合的に財政を考えていくべきだという見地はとっております。ことしはそれまで根本的にいかなかったことはやむを得ない事情がありますけれども、今後ともこれは続けていきたい。その中にあって今御指摘の固定資産税につきましては、ことしの三月が固定資産税の対象となるべき不動産等の評価がえのときになっております。そのときにおいては当然他の不動滝につきましても時価評価みたようになって——これが原則であります。しかし農地を時価評価されては困る。博価というものは類地価格というか、売買された工場地帯の価格に値上げをやられてはたまったものでないということで、この点強く農林当局としては主張して、これも一応農家の所得を見て、つまり、収益価格というような形にして非常にわずかな額の、価格の引き上げということでとめてあります。他の方は倍以上上がるのであります。 それからもう一つ、固定資産税で特に、要求して入れられたのは家屋であります。農家の家屋、納屋、そういうものは、ただ作業のために広い余地がありますので、そのままとられてはいかぬということで、これも他の宅地等が大幅に上がるのを、この方はむしろ減額してもらう、ほかの方は現在の率に据え置くのでありますが、農家の家屋、納屋、作業場というようなものにつきましては、三%くらい従来の評価水準より引き下げるというようなことで些少ながら努力をしております。今後なお努力を続けていきたいと考えております。
○有馬(輝)分科員 農協の減税につきまして……。局長からでけっこうです。
○周東国務大臣 その関係は私ちょっと知っておりませんので、あとで答えさせていただきたいと思います。
○有馬(輝)分科員 次に、農業就業人口の移動の問題でありますが、私どものところでは、たとえばある町村によりますと、大体月に六、七件ずつ農地の移動について委員会にかかっております。またひどいところになりますと二十四、五件もかかっておるような状態でありますが、その離農する形が、いわゆるよりいい職業に転換するという形ではなくて、やむを得ず生計が成り立たないから目当てもなく離農していくというような形が出ております。それと同時に、これはもうよく指摘されることでありますが、農村の実態といたしまして、就業農業者が老齢化していく。これは非常にハイ・スピードで進んでおりまして、ほんとうの意味で青壮年層がほとんど村にいないという状態が出ております。これはもちろん農業全般の問題として手を打たなければなりませんが、その実態についてどのように把握しておられるか、そうしてこれに対する手だてをどのように打たれようとしておるのか。土曜日ですか、大臣の予算説明の中で教育部面その他について力を入れるというようなことでありましたけれども、実態としてはそういった精神面ではどうともならないような状況にまでなってきております。その点についての大臣の御所見を伺いたいと思います。
○周東国務大臣 ごもっともなお話でありますが、私どもの見ておりますところ、なるほど最近における、ここ二、三年間における労働移動の状況というものは、三十四、五万ないし四十万というものが動いております。その中には、御指摘のように、経営が成り立たないで、しかも早く逃げますというような格好で、あまり収益も確実でないような就業の方へ逃げるということもありましょうが、一面においては、やはりしっかりした工場に就職をしていくのもあります。この点は、私は、物事は極端に考えたくないのでありますが、しかし私どもは、現実に第二次、第三次産業の発展とともに、その方に必要とする労働人口といいますか、これが要求されており、その方に出ていくという現実も育てていきたいと思います。ただ、今までのままで見ますと、御指摘のように、どうも苦しみながら逃げ出すというような場合があるかもしれませんが、私どもは、そういろ事態に処して、できればもっと職業訓練なり技術訓練なりをさせるような方向をとり、また職業紹介所等に連絡して、よき就業の場所を求めさせるということも考えていきたいと思うのであります。それらにつきましては、やはり進んでは、地方によりまして一律にはいきますまいけれども、できれば鉱工業、第二次、第三次産業というものの工場を誘致させつつ、うちにあってそこに就業させるという行き方も、私は一つのいい行き方だと思うのです。 なお、御案内のように、一口によく農村は老齢化していく、こういうお話であります。なるほど地方によってはそういうことも起こっておるところもあると思いますが、全般的に私は必ずしもそうでもないと思うし、またそれを防いでいくにつきましては、中堅となって今後の農村を背負っていく人に、農業というものは従来のような前近代的な経営でなくて、ある程度近代化された形において、そうして労働生産性の高い農業を、しかも資本装備その他の注入、機械化された農業というような形、さらにそれが個々の経営でいかない場合においては協業化によってその目的を達する、それから、価格の安定に関する諸施策を講ずるというような、政府の一連の農業基本法に基づく施策を行なうことによって、農村に対して魅力を持たせることが必要だと思うのです。ただ、今までのような形だけにおいて物を見ずに、新しい方向への農政というもの、またそれによっての、農村にとどまって中堅としてやっておって、これは最も貴重な仕事であるというふうに持っていくことが必要だと思いまするし、二面におきましては、今日、農業技術研究会なるものを組織しておる五、六十万の中堅青年がおりまするし、4Hクラブ等によって研究を進めておるもの、むしろ相当進んだ立場において研究しておるのが相当おります。いろいろな関係において、農業青年というものも新しい方向への希望を求めており、その方向に向かって進んでおる青年も私は相当あると思います。御指摘のように、最近における学卒等における離農の状況は、大体九十万ぐらい学卒がありましょうが、これが三年前までは半分くらい外へ出た。最近は、二十万人くらいしか残らないで、あとは全部出るというような状況であります。これらも、ただいま私どもの申し上げたような新しい政策に向かっての実践が進むにつれて、そこに魅力を持ちましょうし、今二十万近く残っておる人間は、学卒で残る人は、相当に筋金の入った人間が新しい農村に足をとどめてやらなければならぬという立場をとっておりますので、私どもは必ずしも悲観はしておりません。 御指摘の第二点の老齢化するということは、一つはよく言われておる、就農人口は減るけれども、農家序数は最近において二万足らずしか減っておらない、その残された戸数というものは、老齢な老人だけだという御指摘かもしれませんけれども、私がただいま申し上げたような中堅的な学卒者が二十万人でも残っており、これを新しい農政の方向に向かって理解させて持っていくということになれば、さらにこれはもっとふえていくことだろうし、またふやさなければならぬし、私どもは、別途に総合計画の一連において、とどめるべき中堅青年に対して、これが将来の農村指導のための技術なり再訓練というものに対して国家が施策することが必要であろうし、また新しい成長農産物としての畜産、果樹に対する指導というものに対して、ただやるだけではいけないので、それに対する技術指導として、農業改良普及員が一万九百何がしありますが、それらに特技を教え込ませて、しっかり農村に指導できるように、その中から畜産を指導させるための畜産の技術の再訓練、これは畜産会等において集めるということもやっておりますし、地方の農業試験場の畜産部というものについても集めていく、また、果樹については、興津の試験場その他者府県の試験場に集めて再訓練するという問題、さらに、それは指導者でありますが、同時に、農業者自体の中から年々五十人ずつ一個所——今まで七個所やっておりますが、今度十五府県においてやるというようなことを進めて参ることによって、近代的な技術を修得させ、それによって農業の経営、また成長農産物のあり方というものについての理解を求めつつ、中堅になってとどまってもらっていくということにすることが、私どもの今後の行き方であろうかと思っております。
○有馬(輝)分科員 農政全般についての大臣の丁寧な御答弁なんですが、先ほど、しっかりした職についていく者もあるので、君の質問は極端なことを言うというようなおっしゃり方をされたのですけれども、それでは、これは事務当局の方でけっこうでございますが、実際にどれくらいの人たちが年間離農して、そうしてどのような職業についておるのか。私が知っておる限りでは、私の周囲を見まして、すべてが臨時工であり、季節労働者で土方的な仕事しかやっていない。それからまた、学卒が相当数出ておるというお話でありましたけれども、その出ました者も、相当数の者が帰農しておる事実があるのですよ。低賃金で、見通しがなくて、あるいはその他いろいろな要件が重なって帰ってきておる。大臣がおっしゃるように、これは非常に楽観していいものじゃないと思うのです。その実態について事務当局の方から、把握しておられる面をお聞かせを願いたいと思います。
○周東国務大臣 今担当局長はほかの委員会に出ておりますから、あとで詳しいことは答えさせますが、私は、楽観しているとか悲観しているとかいうことでなくて、だからこそ今度新しい農政を立てて、そういうものをとどめるべき方向に持っていきたいし、それにはやはり現在でも、私の知っている中でも、先ほど申し上げましたように、相当なしっかりした中堅青年というものが、農業技術研究会あたりでやっている者が二十万人くらいおる。こういうふうに、ただいま4Hクラブというものを作って、農業技術の研究会というものを農村におってやっておる者もあるのであります。こういうものをもっと伸ばすということが、私どもは、今後において農村をしっかりさせるゆえんであるのだ。たまたま、今御指摘のような、転業あるいは離農した者もあるでしょう。それは私どもは否定しないということは、先ほど申した通りであります。それだからといって、今後もまたそのままのことが続いていくのだから農村は悲観すべきだというふうに見えるのも私は早いじゃないか。あくまでも私どもは、従来零細農法、零細土地所有で、やむなく小さい土地にたくさんの人がおった、これが今日、現実において第二次、第三次産業の成長発展というものと関連して、その方に動いていくということは、これは活用すべき問題だと思う。私は常に言いますけれども、それは従来だって、あなた方がよく言う近代化あるいは合理化という方向は、人間を淘汰することになるのじゃないか。よく言われます、これは日本の農村というものはやむなくたくさんの人間が零細農をやっておったのでしょうが、これはほんとういえば、近代的な農業を営んで所得を上げるということが必要なんです。しかしそれだけやってもほかへ就職することができない。国全体の事態からいく場合に、それをやることは無理だと思います。だから今日までやったことも一つのやむを得ぬ事態であったと思います。そういう事態が、今日は諸外国と同じような形で出てきているということであります。第一次、第二次、第三次産業の発展ということは、日本国全体の経済発展ということで、農業部門だけで農業が発展するものでなく、また他の産業といえどもその産業だけで発展するものではない、全体の中の一つとしてお互いが相互関係を持ち、相互助け合っていくというのが今日の状態でありますから、外へ出ていくのも強制的に出すのでなくて、自然的の事態に処して出ていく、それを活用しよう。しかしお話のような状態でありますから、私どもは、それらについてはよりよき就労の機会を与えるために処置を考えて今後の農政に当たりたい、こういうことを申し上げておるわけであります。
○有馬(輝)分科員 今の点につきましては、これはまだ見解の相違といいますか、議論の存するところでありますが、いずれ資料をいただきまして、別な機会に御意見を承りたいと思います。 次に、つい二、三日前、青梅のゴルフ場の五万九千平方メートルの農地を無断転用しておる事実が新聞に伝えられております。これはゴルフ場の元幹部の背任横領事件に関連して、こういった事実が明らかにされまして——東京都あたりでは三十三年ごろからこの事実について指摘しておりますが、少なくとも農地法によりますと、五千坪以上は大臣の許可を得なければならないことになっております。この点について現在までほうっておかれた理由をこの際お聞かせを願いたいと思うのです。この前も足鹿さんから香川県の問題についていろいろ御論議がございましたが、この経緯についてお伺いいたしたいと思いますと同時に、少なくともこういうケースがほかにも相当あるのじゃないかと思いますので、そういったケースがあるならば、その具体的な事実をお聞かせ願いたいと思います。
○伊東政府委員 御質問でございますが、青梅の件は、農地につきましては五千坪未満でございまして、地方長官の、知事の許可の問題だったと思います。それで私の方は所管の東京の農地事務局から、昭和三十四年度におきまして原状を回復するようにというようなことを都知事に対して申しまして、都から再三それにつきまして、現場に原状回復をするようにというような指示をしておりますうちに、まだ実行されずに御承知のようなことになったようなわけでございます。これにつきましては、実は例としましては大阪にも有名なゴルフ場がございまして、この場合には無断転用等がございまして、告発もあり、またこれについて罰金刑が出たというような事例もございます。われわれとしましては、農地転用につきましては三十四年の十月から新しい基準を作りまして、なるべく計画的に土地の転用はやっていきたいということで実はやっております。ゴルフ場等につきましても、従来は絶対いかぬという態度をとっておりましたが、現在では正式に許可のあったもののうちで、ゴルフ場の中のごくわずかの農地であって、それが野地だというような場合には、かえ地を作りますならば許可をすることもあり得るというような態度をとりまして、単にいかぬ、いかぬといってつぶされるという形でなくて、ごくわずかのものであればかえ地を作って、そして転用を認めていくというような措置をいたしておるわけでございますが、青梅につきましてはそういうことがございませんで、原状回復を都から再三申し渡していたのでございますが、ああいう結果になりましたことははなはだ遺憾でございます。この処置につきましては、よく都とも連絡をいたしまして処置を考えたいというように思っております。
○有馬(輝)分科員 青梅のやつは五千坪以下じゃないと聞いております。五万九千平方メートルと聞いて一おりますが、その点どうなんですか。 それからいま一つついでにお伺いします。ごくわずかなものについてはかえ地とおっしゃるのですが、どの程度を言っておられるのか、あわせてお答え願いたいと思います。
○伊東政府委員 私の記憶では、たしか農地となっておりました原状農地のものは三千三百くらいの記憶でございますが、もし間違っておれば訂正させていただきたいと思います。 それからごくわずかという表現をいたしましたが、これは相当な団地になっておるという場合は別でございますが、単にゴルフ場の中の野地が若干点在しておるごく小面積のもの、たとえば何町歩とかいうようなものが集団になっておるというような場合には、これは工合悪いのでありますが、ごくわずかのものが入っておる場合には、他に同等以上の面積を作るという条件があってはっきりすれば許可をするということでやったわけでありまして、たとえば何町歩以上はいかぬとかいうことは、面積をもって表示はいたしておりませんが、ごくわずかのものが点在しているというようなものだけ例外的に考えたいというふうに思っております。
○有馬(輝)分科員 大臣にお伺いいたしますが、大麦、裸麦の作付転換を奨励する意味で、ビートについても大きく取り上げていらっしゃるわけですが、私どもの県におきましても、知事が先頭に立ちまして、盛んに暖地ビートを奨励いたしております。問題はこの暖地ビートが、振興局が盛んにそのいろいろな点について検討を命じておられるようでありますけれども、その過程において、実際はすでに相当広面積のものが作付されておるわけです。問題は、昨年南條さん、迫水さん、水田さんの間で砂糖自由化の問題について四月上旬にするというあれをされたのを、つい最近周東さんが入られまして、自由化を延期する——これがいつになるかわかりませんけれども、延期されたはされたが、方向としてはすでに決定されておると思うのですが、その時期。 それから一方では暖地ビートなんかを奨励されながら、一方では砂糖自由化を促進されるというのでは、私どもちょっと解しかねる面があるわけです。少なくとも年間の消費量が私百二十万トンくらいだと聞いておりますが、そのうちの十分の一くらいしか国内ではできていない。こういう面から、私は相当自由化の問題については慎重でなければいかぬと思いますし、またそういった角度から、この問題の池田総理を交えたお話し合いになったのだろうと思いますけれども、一方では奨励しながら一方では自由化の構想がある、この関連について納得のいくように御説明をいただきたいということが一つ。 いま一つは、暖地ビートを奨励される場合に、てん菜糖臨時措置法を改正されまして暖地ビートにも適用されるような方法を考えておられるかどうか、あわせて御所見を伺いたいと思います。
○周東国務大臣 お尋ねの点でありますが、私どもあくまで甘味資源を輸入原糖にのみ仰ぐことはよろしくないということで、十年間に少なくとも将来の必要量の半分近くというものを国内の甘味資源によって得たいという目標を立てて奨励してきたことは御承知の通りであります。着々てん菜糖においては進んでおりまするし、また小笠原その他におけるカンシャ糖も進んでおる。また澱粉から作る結晶ブドウ糖、精製ブドウ糖についてもようやく進展の状況になって参りました。こういう際でありますので、それらの原料を作る農家の保護という立場から、砂糖の自由化の問題はしばらく見送ることにいたしたわけであります。従って、その点については、私は、てん菜糖の将来、結晶ブドウ糖、精製ブドウ糖の将来を十分考えつつ対処をして参りたいと思っておるわけであります。 それから第二点の、暖地ビートの奨励をなさるのだから、てん菜糖の振興奨励法が来年の三月で満期になるので延期するかどうかということでありますが、これは、私ども、当然延期ということは必要になって参ろうと思いまするし、その際に暖地ビートをどういうふうに取り扱って保護していくかということを決定いたしますれば、当然その改正法につけ加える必要があろうと思って今研究をいたしております。
○有馬(輝)分科員 今の甘味資源の問題に関連いたしまして、食糧庁長官にお伺いいたしますが、今バレイショ澱粉並びにカンショ澱粉の滞貨がどれくらいになっておるか、最近のあれに基づきましてお聞かせいただきたいと思います。
○須賀政府委員 カンショ澱粉及びバレイショ澱粉の政府手持ちは、年々ある程度の量を買い上げて参りますものですから、順次増加をいたしておりまして、本年の一月末現在で、カンショ澱粉が約二十万トン、バレイショ澱粉が七万トン、合わせまして二十七万トン程度の政府手持ちをかかえておるわけであります。
○有馬(輝)分科員 今も長官からお答えがありましたように、カンショ澱粉、バレイショ澱粉の滞貨がますますふえていくということ、これは農産物価格安定法に基づきます支持価格によりまして、ある程度値段を安定させるよすがになっておりますけれども、この滞貨の増大ということはその意味での圧迫になっているわけです。それで、私は、前、井出さん、赤城さんが農林大臣のときに、ぜひこの滞貨をなくする意味におきましても、精製ブドウ糖工場の積極的な融資その他によるところの増設を要望いたしまして、両大臣ともぜひやりたいというようなお話でございました。しかし、その当時は非常に技術もまずいし、工場数も少ないというようなことで、なかなか思うにまかせなかったのでありますけれども、少なくともこういった状態を一日も早く解決させるための措置がとられていかなければ、私どものところは全国一のサツマイモの県でございますが、台風災害その他でなかなか作付転換も思うにまかせない。やはりカンショは大きな換金作物の柱になっておるのでありまして、そういう意味で、特に工場配置法その他についても政府の方でも御考慮をいただいておるのでありますから、やはりそういう面からも積極的にこの線を推進していただくと同時に、ここでお伺いしたいと思いますのは、私聞きますところ、昨年農林水産委員会におきまして、支持価格以下で買ったものについては追加払いをやるべしという決議がなされたやに聞いておるわけです。これはどうか知りませんけれども、少なくとも安定法に基づきまして支持価格以下で買ったものは買い入れはやらないという一つの方針があるわけでありますから、昨年度のカンショ澱粉につきましても、その原料を二十五円以下で買ったものについては当然追加払いをするような措置をやらせるべきだと思いますし、また食糧庁長官も通達その他でそういった手だてをされたやに聞いております。この件について、この際、大臣の方から、その支持価格以下で買ったものに対する措置についてお聞かせをいただきたいと思います。食糧庁長官でもけっこうでございます。
○須賀政府委員 現在農産物価格安定法でカンショ及びバレイショの価格の支持をいたしておりますのは、御承知のように澱粉の政府買い上げを通じてなまカンショ及びバレイショの価格の支持をいたしておるわけでございます。それで、支持価格に見合う価格で原料イモを工場が入手いたしておりませんと、政府買い上げの対象にしない。これは農安法にもその趣旨が明らかにしてあるわけでございますが、過去の実際の扱いから見ますると、その点が必ずしも十分に徹底をしておらなかったというのが実情でございます。それで、昭和三十四年産以来、この点を強く指示をいたしまして、現在カンショの支持価格は二十五円でございますが、実際に二十五円見合いで買われておるイモを原料といたしまして生産されたものでなければ政府買い上げの対象にしない。逆に申しますと、政府の買い入れをいたしました澱粉に見合います原料カンショにつきましては、二十五円を必ず払ってもらう。これは実際の処理といたしまして、概算で農家へ払っておきまして、あとから清算で支持価格見合いの価格を払うという場合が多いわけでございます。従いまして、農協系統また商人系統の両方を通じまして、政府が買いましたものに見合いまする澱粉につきましては、必ず二十五円で清算をするように指示をいたして三十五年産からやっておるわけでございます。結果は、大体その趣旨で清算が行なわれておるようでございます。その制度を徹底いたしましてから以後におきましては、原料価格が支持価格見合いで払われておらないという苦情は、私どもの方ではほとんど聞いておらない実情でございます。
○有馬(輝)分科員 そういう措置をとっていただいておって、非常にありがたいのですけれども、実際には、一般の澱粉業者ばかりでなくて、農協あたりでも支持価格以下で買ってでんとしておるのがあるわけなんです。この澱粉は、二十三円で買ったのだ、この澱粉は二十五円で買ったサツマイモを原料とするのだという判こを押してあるわけじゃないから、そこら辺はのうのうとしているのですよ。それを苦慮されて長官も再々にわたって通達その他を出されて、今御答弁がありましたように強い措置をとっていただいておるわけでありますが、実際には残っておりますから、ぜひそういった工場のものは買わないように、こちらから、私、ここここの工場は二十五円以下で買っておるからという通知を差し上げますので、、それを出先食糧事務所を通じてはっきり通達さしていただきたい。その御用意があるかどうか、長官にお伺いしたいと思います。
○須賀政府委員 私どもの手元では、ただいまのところ、この処理につきまして苦情が出ておるのを聞き及んでおりません。そういう実情がなお末端にあるようでありましたら、私の方でもよく調べまして善処いたしたいと思います。
○有馬(輝)分科員 次に大臣にお伺いいたしますが、日ソ漁業交渉についてであります。これについてはことしは科学小委員会で資源論争もありましたが、わずか二週間ぐらいで片がつきまして、一面では明るい見通しもあるようでありますが、四月下旬あたりには結論が出るのじゃなかろうかという観測さえ行なわれたりいたしております。しかしやはりマスの資源その他については、ソ連側との間に相当の懸隔があるようでありますが、昨年も百六日にも及んでしかも最終的には六万七千五百トン、それに新しい禁漁区まで設けさせられたという結果に終わっております。ことしは日本側としては九万トンというようなめどでもって交渉されるようでありまするし、豊漁年の中でも資源が少し減っているというような点についてはソ連側と意見が一致しておるようでありますが、私がここでお尋ねしたいと考えておりますことは、これはことしで五回目になりますけれども、例年最後には大臣の政治的な折衝によってあれする、しかもそれが年々、第一回よりも第二回、第三回と、十二万トン、十一万トン、八万五千トン、六万七千五百トンと減ってきておりまして、あとからなった農林大臣はやぶへびだというようなことさえ考えさせられるような結果になっております。これは非常に憂うべき事態でありまして、やはりこういった点については本年度農林省の方としても、また代表とされましても、二、三年は云云というような構想を持って臨んでおられるようでありますが、こういう事態に追い込まれる根本的な問題について、日ソの外交上も非常に大事な問題であろうと思いますので、農林大臣としての姿勢といいますか、そういった考え方について——もちろん今交渉の過程でありますので非常に微妙な点もありますでしょうが、特にお聞かせを願いたいわけです。
○周東国務大臣 御指摘のようにことしは一番問題になる資源論争というものだけが、二十日くらいで済みました。去年一月かかっておるのが、二十日だったから、何ぼあとが同じようなテンポでいっても二十日ぐらいは早くなるだろうと新聞に話したのですが、実は正式に日ソ会談が本会議を開きましたのは二十三日だったと思いますが、これからプログラムに従って漁獲数量とか規制区域とかいろいろな問題が出てくると思います。実は漁獲量等にはまだ全然触れておりません。できるだけ努力をいたしまして、日本人がせっかく開拓した漁場、これによって日本の従事者が非常に恩恵をこうむっているのですから、それにできるだけ満足が与えられるように努力をいたして参るつもりであります。 それからついでに申し上げますが、先ほど結晶ブドウ糖と精製ブドウ糖工場設置に関して、低利その他の資金でうんと積極的にやってもらいたいということは、私の方も賛成で、やるつもりでありますが、だんだん調べてみますると、要するにてん菜糖は押すな押すなで、工場を建てたいというものがたくさん出てくるのだが、どうも納品ブドウ糖の方は業界においてもしりごみをしている格好がなきにしもあらずなんです。これは単に低利長期の金を貸すというだけの問題ではなくて、根本は需要の伸びを一つやらねばいかぬと思います。納品ブドウ糖、精製ブドウ糖に対してなじみがないのです。これの消費宣伝をしっかりやるべきではないだろうか。それの方が見捨てられるような格好——この間も関係者が見えましたが、酵素糖化法ですか、これはなかなかりっぱなものですが、相当いいブドウ糖ができていますが、両方並べておいたらどっちを買うかといいますと砂糖を買います。それではいかぬので、結晶ブドウ糖に十分なじませるような宣伝をやる、そういう方面に手を打つべきではだかろうかということを考えて、ただいま私どもも考究中であり、業界の奮起を促しておるようなところであります。
○有馬(輝)分科員 今の点につきましては私渡邊さんが次官のころ、めちゃくちゃな論議かもしないけれども、岡山あたりではすでに甘味一〇〇%のものができておるのだから、政府でたとえばだき合わせ販売なり何なりというような、これは大臣から考えられるとむちゃかもしれませんけれども、よほど強力な手を打たないと思うにまかせないのではないか。それをやはり砂糖業者と同じ系列に立たせれば、今大臣がおっしゃったようになかなか歩がない。これは宣伝が行き渡ってない面も御指摘のようにあるかと思いますけれども、やはりそういう点をこれは農家保護という立場から手当を加えていくのが、今のこまかい農政の妙味じゃなかろうかと思うわけであります。そういうについてこれはなかなかむずかしい問題があろうかと存じますけれども、やはり一応検討していただきたいと思います。 それから先ほどの日ソ漁業交渉に関連いたしまして、最近私どもの県では新しい漁場を探す意味で五月上旬にはインドネシアに二十七、八名の者が調査に出かけるということも考えておるようであります。また私が、これはもう古い話になりますけれども、昭和三十二年に南米を回りましたときに、チリなりあすこいら辺の国々で、これは友党の諸君でありますけれども、日本の漁業に関するブラント、技術の導入を歓迎するというような話があったわけであります。北の方が毎年々々制約されてきまして、これはのっぴきならないところに追い込まれつつあるのでありますから、やはりそういう面で新漁場の開拓という面についても、これは農林省だけでなくて関係各省歩み寄りまして、検討すべきではなかろうかと思うのでありますが、こういう点について検討を加えられた経緯があるかどうか、また将来の見通し等について、漁政部長の林田さんからでけっこうでありますから一つお聞かせを願いたいと思います。
○林田説明員 新漁場の開発につきましては水産庁の照洋丸という大きな船がございますが、それをインド洋とかあるいは大西洋方面にも毎年派遣をいたしまして、マグロの漁場調査をやっておりまするし、また北の方では東カムとかあるいは西カムの底びきの調査を継続しておりまして、三十六年度におきましては東カムの調査を継続して実施することにいたしております。それからまたマグロの調査といたしましては北太平洋のマグロ調査、それからインド洋のマグロ調査を継続して実施することにいたしております。それからまた新規の漁場調査といたしましては黄海のサバの漁場調査とかあるいは日本海の中部に前線があるわけでありますが、そこの底びきの調査を新たにやるというふうなことで、各地におきまして新しい漁場調査を実施いたしておるような次第であります。
○有馬(輝)分科員 引き続いて関係国とそういう面で折衝された経緯なりあるいは見通しをお聞かせ願いたいと思います。
○林田説明員 照洋丸が毎年大西洋その他へ出かけますにつきましては、今まで陸上の調査もやっておりまして、関係国とそういう調査について折衝をして調査の実施をいたしておるような次第であります、南米につきましては水産庁といたしましては昨年照洋丸が大西洋を回りますときに並行して実施したのでございますが、おもに県が海外進出のために南米の各国に出かけておりまして、調査をしておるような次第でございます。あるいはまたインドネシアにつきましても県が出かけておりますが、水産庁は、むしろ県を側面から助成しておるというふうな交渉をいたしております。
○有馬(輝)分科員 次に林野庁長官にお伺いしたいと思います。委員長とお約束の時間があと十分くらいでありますから、私も簡単に質問いたしますが、一つ長官の方でも簡単に御答弁をいただきたいと存じます。 今度官行造林をやめて公団にやらされる理由についてお伺いしたいと思います。
○山崎政府委員 市町村有林等につきましての造林の事業の実態は、最近におきまして長期措置の造林融資等を行ないました関係もあって、補助、融資合わせて四万五、六千町歩の造林を年々やっておるのでありますが、数年前の約倍程度のものが市町村で造林をされておるという段階になったのであります。その点からいたしまして、いわゆる水源地帯の無立木地あるいは散生地の造林、技術的あるいは経済的に困難なところを除きました一般経済的なところに対しましては、こういう方法によって所定の造林が大体計画の線に従って遂行されるのではないかと見通される段階にあるのであります。一方また三十一年度から、官行造林におきましても、治山治水の関係で水源地帯の造林に主力を注がなければならないということで、法律改正もいたしまして、市町村有林のほかに私有林に対しましても、水源林につきましては官行造林をやるように制度を改正して実施しておるのでありますが、漸次その対象地帯が奥地に進みますのと、またこれが零細に分散化されるというふうな状況にあるのであります。と申しますのは、最近までの契約を見てみますと、五十町歩未満の契約は、全体の中で二四、五%を占めておったように思います。三十年までの状況は、五十町歩未満の契約が七%程度であったのでありますが、水源林をやるようにたりまして二四、五%に高まって参ったのであります。今後水源林を造林いたすといたしますと、約二十三万町歩ばかりの対象地があるのでありますが、これのうちで十町歩未満というふうな非常に零細な単位の契約が全体の七四、五%も占めるというようなことになって参りまして、従来通り官行造林の形で営林局署が造林事業まで実施するということは、非常に困難になって参ったというふうな事情もありますので、この段階におきまして官行造林をやめたいというふうに考えておるのであります。
○有馬(輝)分科員 長官からだんだんの御説明がありましたけれども、四十年間続きましたこの官行造林を——四十年といいますと、私が生まれた大正九年からであります。そのずっと続けて参りましたものをこの際やめて、公団にやらせるその理由には私はちっともならぬような気がするのですよ。なぜ営林局でできないものが百五、六十名の公団でできるのか、その理由を少しお聞かせいただきたいと思います。
○山崎政府委員 先ほど御説明いたしましたように、営林局署の組織におきまして、従来のように造林の実行までやっていくということは、非常に困難になって参ったということは先ほど申し述べた通りであります。こういう地帯の造林を実行して参りますのには、いわゆる補助造林とか、あるいは融資というふうな方法によりましては、その場所の経済性あるいは技術上の困難性というふうな点からいたしまして、こういう地帯の造林が計画的に行なわれるということを期待し得ない実態にあるのでありまして、今後におきましても、やはりこの地帯の造林につきましては、国ないし国の機関がその新柄はもちろん、手入れ、維持管理等につきましても、その経済的なめんどうを十分に見るという前提を置かなければならぬと思うのでありまして、また治山治水の要請からいたしましても、その所有者個人の自由意思によりまして、適当にそれらが伐採されるというふうなことも適当でないのでありまして、国ないし国の機関がその経営が適切に行なわれるように指導なり監督というものが十分に行なわれるような形態が望ましいと思うのであります。そういう点からいたしまして、森林開発公団にこの地帯の造林を請け負わせまして、原則的には森林開発公団が分収造林の出資者という立場に立ちまして、事業の実行を土地の所有者等にまかせまして、その指導監督を公団がするという形が最も現実に即応するものであるというふうに考えているわけであります。
○有馬(輝)分科員 私は時間を守りたいと思いますので、なんですが、たとえば分収造林については分収歩合を五分五分にされるというお話も聞いておりますが、今の長官の再度の御説明の中でも、三十六年度の公団の予定人員は百七十四名とか聞いておりますが、この百七十四名でやれて、林野庁でやれないという理由にはどうしても私は納得がいかないわけです。今までやってこられて障害がなかった。むしろ公団のやってきた仕事は、長官も御承知のように、賦課金徴収にいたしましても、また計画途中で変更したり、いろいろな地元で不平不満が高まっておる。そういう中で、今おっしゃったようなあいまいもことした理由で、しかも基本問題調査会の答申でも、これを公団にやらせなさいというようなことは書いてございません。これは御承知の通りであります。それをあえて公団にさせられる理由というのがどうしてもわからない。その公団の理事長は月給十七万円もらって、二人の理事は十二万五千円、そういうことで長官の七万九千六百円の本俸より二倍くらいもらっていらっしゃいますが、こういった方々のめんどうを見られることも必要でしょうけれども、ひがみさえも感じさせられるような状況なんです。この点については、本日は時間がございませんから、きょうみたいな理由ではなしに、ほんとうに公団にやらせなければのっぴきならないのだという理由をぜひ一つ次の機会にお聞かせ願いたいと思います。きょうの御答弁ではどうしても納得がいきません。営林局でできなくて、公団でできるのだ、百七十四名の者でできるのだ、この点がわかりませんので、再度機会を見てお話を伺いたいと存じます。 私、約束のちょうど一時間になりましたので、本日の質問はこれで終わります。
○三浦主査 栗原俊夫君。
○栗原分科員 私は各般についてお伺いしたいのですが、時間の制約もあり、同僚からもいろいろと質疑が行なわれますので、土地改良の問題と蚕糸業の問題にしぼってお尋ねをいたしたいと思います。 まず農林大臣にお尋ねいたしますが、農業の中の重要な要件として土地があるわけでありますが、土地の開拓の問題については、先ほど同僚議員からいろいろと質疑がございました。土地改良がやはりこれと関連した大きな柱でございます。特に政府においては農業基本法を制定されて、重大な農政の方向を変えていくということでございますが、従来行なわれてきた土地改良の方向というものが、農業基本法の構想によって特に変えられるような点があるかどうか。今まではこのような土地改良の方向できたが、農業基本法というものを新たに制定して、農業基本政策を進めるにあたって特にこういう点の方向づけをするんだというようなことがありましたならば、一つお答えをいただきたいと思うのでございます。 先ほど来お伺いしておりますというと、大臣その他の方々もまことに懇切丁寧な御答弁でございますが、時間の制約もございますので、一つ簡単、率直に御答弁願って、わからないところは重ねてお尋ねするという形で取り運ばしていただきたい、こんな工合に考えますので、一つよろしくお願いいたします。
○周東国務大臣 土地改良の方向について、特に農業基本法の制定に関連して内容を変えていくかというお尋ねであります。基本は変わりない。というのは、とにかく日本の農業生産に関しましてあくまで総生産を上げるということ、また総生産をふやすについては、一面において土地が面積で広げられるということも必要でございましょうが、同時に土地の持つ生産性を上げるために、土地改良ということが大きく考えられなければならぬということは当然であります。この基本においては私は変わっていかないと思います。しかしよくお尋ねを受けますが、何か米の生産というものがもう要らぬのだから、土地改良なんというものは消すんじゃないかというようなお話を聞くのであります。それはいろいろなことが誤り伝えられておると思いますけれども、私は、米の生産というものも、たびたび申しますように、まだ相当数今後も数壁においては伸びていくと思う。そういう面においては、土地改良等が特に考えられていくというのは、全体的に見て土地の生産性を上げるために必要な改良ということは、今後もやっていかなければなりません、特に米についてどうというような関連を持ってものを考えてはおらないのであります。ただ、その際において、生産の目標は、米と並んで、新しく選択的拡大という言葉を使っておりますが、畜産とか果樹とかいうものが、今後大きく伸びるとすれば、そういう方面に必要な形においてものごとを考えていかなければなりませんし、また土地の整備と申しますか、圃場の整備と申しますか、そういう意味合いをも含めた関係において、ものごとを考えていく必要があろう、こういうことを考えております。
○栗原分科員 お話はよくわかりました。ただ、私が特にそうしたお伺いをするのは、農業基本法の中で、選択的に拡大されるという方向をたどっておるときに、米の成り行きは一体どうなのかという問題と、いま一つは、今日まで行なわれてきた土地改良の主たるねらいが、食糧増産というところへ焦点が合わされて、まあ数学的にあげると詳しくは違った答えが出るかもしれませんが、私の受けておる感じでは、やはり土地改良の中心点は水の利用、そしてその中心点はやはり新規水田の開発、こういうような方向が目ざされておるように思うのです。そのまま今後も推し進めていっていいのかどうか、この辺についての基本方な考え方をお伺いしたい、こういうことでございます。
○周東国務大臣 仰せごもっともでありますけれども、水というものは水田経営には絶対になくちゃならぬ、これは御指摘の通りですが、同時にまた今後発展させていこうとする畜産のための牧野にいたしましても、また果樹園経営にいたしましても、その他の畑作振興というものを考えますときに、当然畑地のイリゲーション、灌漑用水の問題は考えていかなければならない問題であります。この点は、水田の経営たると畑地の経営たるとを問わず、水というものの供給をほんとうに十分に得るようにものを考えていかなければならぬという基本的な考えについては変わりないと申し上げた次第であります。
○栗原分科員 作柄の安定による増産、こういう点でひでりを征服するばかりでなしに、水というものが必要だということはもう当然だと思いますが、ただやはりただいまの御説明の中からも、必ずしも水は必要なんだが、水田ということばかりでなくて、やはり畑地灌水というような方向が大きく指向されるのではないか、こんな工合に考えます。 そこで重ねてお尋ねするのですが、内容的にはそういう方向ではあるが、そういう方向の中で、農業基本法をここで制定するにあたって、今日ただいま行なわれておる土地改良法そのものを、このままでいいとお考えなのか、この中で何か基本的に変える点があるのではないかとお考えになったものか、この辺について一つお考えをお聞かせ願いたい。
○伊東政府委員 土地改良法の問題でございますが、今先生がおっしゃいましたように、基本法との関係においてこの法律をどうするかということでございますが、この法律のねらいは実は非常に広うございまして、たとえば農地の改良、開発、保全、集団化というふうなことまでねらいまして、食糧その他の農産物の生産の維持、増進ということを第一条の目的にいたしております。それで私どもとしましては、基本法が出ました際に、この問題についてどうするかということにつきましては、種々検討を今続けておるのでございますが、今の段階におきましては、この法律を抜本的に改正してこういう形の土地改良法にいたしますというような結論は、実はまだ得ておりません。得ておりませんが、われわれとしましては、この中でねらっておりますものの中で、特に集団化事業等の問題につきましては、これは今までの土地改良全般の形態の中ではそう重要視されなかったといっては語弊があるかもしれませんが、こういう問題は今後の基本的な問題としてもっと重要視していいのじゃないかというようなことも考えます。またいろいろこの土地改良のにない手であります団体の能力、団体の連合化への問題、そういうような問題万般にわたりまして、一つもう少し時間をかけまして再検討していきたいというふうに思っています。
○栗原分科員 今回の予算を見せていただきますと、土地改良関係の特定土地改良事業あるいは一般国営事業、県営事業、さらには団体営の事業等、大いに意欲的な予算が盛られておるようでありますが、さてこの中で国営の事業が新規に幾つか調査、設計が始められ、さらにはまた着工が始められるようになっておりますが、実は昨年のこの分科会でもいろいろお尋ねをし、心配をしたのですが、特に新規の事業をことしから着工せられる国営事業は、あちらこちらでいろいろ問題を起こしておる。このような心配を全部排除して、これから着工するものについてはそういう問題は起こらないのだ、こういう建前に立って着工なさる段階にいっておるのですか、この辺一つお聞かせ願いたいと思います。
○伊東政府委員 私からお答えいたします。ことし国営事業で内地で新規に考えましたものは、着工は実はございません。いわゆる着工の一段手前でございます。全体設計といいまして、われわれの方で申しますと計画の段階で、計画しましたものを建設の段階でもう一回計画をしてみようというものに取り入れましたものが、内地では一カ所ございます。北海道では実はもう一カ所、鵡川という、これも着工ではございませんで、全体設計にかかろうというところでございます。私どもとしましては三十六年はそうでございますが、三十五年に着工する場所で二カ所ばかり、やはり先生のおっしゃるように地元の一部の反対があるというようなことがございまして、こういうものにつきましては実は過去の例にかんがみまして、反対を押し切って手をつけるということではなくて、もう一ぺん同意を取りなしてみるとか、十分な手続を踏んだ上でやろうじゃないかというようなことで、予算はつけましても、たとえばそこへつけませんで、ほかの事業に回すというようなことがございます。三十五年度は新規着工というものはなくて、全体設計というものに取り入れただけでございます。
○栗原分科員 先ほどこの法律でこのままでいいのかと言った私の質問の中には、今の土地改良法が、前回も議論したように、いわゆる改良区が設定され、決定を見ますと受益面積は建設費負担の法的拘束を受ける、こういうあり方と、それからいわゆる農業基本法との関係で、中小の農業者が農業から離農していく、こういう傾向が当然出てき、政府自体はそのことを先ほどからいろいろと御説明なさっておったけれども、一方においては定着させるのだ、一方においては促進をさせるような政策が進むので、農民としてはまあなかなか定着しにくい。こういうときに、たまたまその受益面積の中に入っておるということで、その土地改良事業の建設費を負担するというあり方が、はたしてこのままでいいのかどうか。こういうことを私は非常に心配をし、またこのことが今日までいろいろな土地改良事業が暗礁に乗り上がっている最大の原因といってもいいくらいの原因になっておるのではないかと実は私は思うのです。そこでお尋ねしたいのは、国営なりあるいは県営段階で、受益面積全部に対して建設負担金を課金して円滑に納まっておるという実例があるのですか。この辺いかがですか。
○伊東政府委員 国営事業につきましては、まだ完成したものは非常に少なうございます。国営につきましては完成しましてから十年ということでございますので、まだ償還に入っておるものはごくわずかでございます。先生のおっしゃいますようにでき上がったもの、たとえば県営事業だとか、そういうもので納まっておるものがあるかというお話でございますが、これはむしろ納まっておらぬという例の方が実は私どもの知っておる限りでは少なうございます。ただ問題はかけ方が、これは平等にみなかけるということになってきますと、先生のおっしゃいますような問題がかなり出て参ります。負担のかけ方は受益の度合いに応じてやっていくということでございますので、在来の組合の運用費とかそういうものは別でありますが、建設工事の負担金というものにつきましては組合内部でそれぞれ話し合いをしまして、大小をつけてやっておるのが多うございまして、ほとんど集まっておらぬじゃないかと先生おっしゃいますが、私どもとしては実はそういうふうには聞いておりません。
○栗原分科員 まあ局長はそういう工合に説明しなければならぬのだろうと思いますけれども、実際の現地に入ると、それは確かにお金は集まっておるのです。お金は集まっておるのですけれども、これは法が言っておるような集め方をしていないから集まっておるのですね。実際からいうと、現実に水を引いた人たちが——これは県営段階のことを話しておるのですが、実際水を引いた者が建設費は負担する。もちろん受益面積に入った人たちは、組合の運営費等については、確かにこれは負担していますが、建設費を法でいう通り、お前もいつでも水を引ける条件ができたのだから負担せいというような形で押しつけられたのでは、これはなかなか実際納まりません。ところが昨今非常に問題が起こっておるのは、工事費がだんだん増高して参りまして、実際水を引いた人たちだけに割り当てたのでは、なかなかかかった建設費を集めることができないということで、受益面積に入っておる人たちから集めようと始めたとたんに、火花をふいたというのが実態なんです。実際は今までは納めなくてもやっていけた中で、いけなくなったので取りかかった。そこで衝突が起こった、こういう状況なのですが、私のところで特に毎回こんな土地改良のことばかり言いますが、局長も御承知の通り私のところで例の鏑川用水があるわけです。これが問題になっておる。それから県営で碓氷用水というのが問題になっておる。同じく同じところで小坂用水という団体営が問題になって、土地差し押えが起こっている。こういうような問題の中で、どうしてもいま少しこの土地改良の成り行きを農民が納得する方向に持っていかなければ、とてもどうにもならぬ。こういう立場からいろいろ御質問をし、さらにこれから要望もしたいと思います。 まず鏑川の問題でございますが、昨年は二億数千万円の予算をつけてもらったようでありますが、当局の方で把握しておる鏑川土地改良事業の現状はどうなっておるか、伺いたい。
○伊東政府委員 私からお答えいたします。昨年といいますか、三十五年に事業を大体二億ということで、先生御承知の竹沼でございますとか大塩でございますとか、そういうところに手をつけるというので予算を組んだわけでございます。ところが総代会の選挙が、これも先生御承知のように去年二度ございました。八十名の定員でございますが、結果においては六十一名の総代が今できているだけで、まだ八十名の定員が全部そろっておりません。それでこれにつきましては、先生御承知のような中村、八幡というような関係のところで脱退をしたという希望等がございまして、総代も出ないというような問題がございますので、私の方といたしましてもまだ完全、といっては何でございますが、そういうふうな大きな地区がある際に、いろいろ工事を進めるのもどうだろうかという判断に立ちまして、一部手をつけました竹沼だけにつきましては工事を続行いたしておりますが、その他の点につきましては工事を中止いたしまして、その金をほかの地区に流用したというような状態になっております。
○栗原分科員 竹沼は工事を始めて、昨年の春に、今まであった竹沼をさらに大きくするということで、たまっておった水も流して工事にかかったわけです。従って昨年はその用水地域は田植えもできませんでした。ことしはぜひとも鏡川用水事業そのものがいかような方向をたどるにしても、あった水池がなくなって、ことしも植わらぬということでは因るから、ぜひともやってくれという要望にこたえて、せっかく今工事を進めていただいておるわけなんですが、どだい事業をやるのに土地改良区の総代会が、総代会を成立するような数だけ選出できないような状態のもとで工事を進める、こういうこと自体がやはり事業の出発点にかなり無理があったのではないか、こう思うのです。法の中にももちろんこれを閲覧して異議を申し立てろというようないろいろなことも書いてございます。実際警察の取り調べにおいても、黙秘権はあるのだよというような親切なことまで言うてくれて取り調べを進めておるのだけれども、こういう判こを集めるときには、異議の申し立てもできるのだよというような親切な指導の仕方がないと、言うなれば農村はまことに封建的な残滓が残っておって、上の方から流れてきたものには判こを押さなければ、白い目で見られるというような気持もあって、つい判こを押す。あとになって、これは金を集める仕事でございますから、そういうことでは工合が悪い、こういうことになって出てくるわけなんですが、今後この鏑川用水については基本的にどんな考え方をもってお進みなんでしょうか。これはただ単に鏑川用水ばかりでなくて、どこにも起こり得る土地改良の問題の一番大きな問題だろうと思うのですが、これに対する基本的な考え方を一つ明らかにしていただきたい。
○伊東政府委員 鏑川は、実は先生も御承知のように三十三年の十月でございますか、関係者九千七百人のうち八千三百人くらいの同意で、八五%ぐらいの同意率で地元から申請があった事業でございます。これは関係者の三分の二以上の同意がございますれば法的には当然やれますし、相当高い同意率でございましたので、農林省といたしましては、地元の申請に基づきまして実はこの仕事を取り上げたわけでございます。その後種々な経緯がございまして、昨年総代の選挙をやります際には、千五百人ぐらい脱退したいというような申し出がございまして、実は地元で紛争が起きているわけでございます。こういう一度手をつけましたものの将来の問題でございますが、これは私どもとしましては地元の申請で取り上げた事業でございますが、いろいろ脱退したいという人の中には、あるいは先生おっしゃいますように、単に判こをついただけで事業の内容も知らなかったという人もおるのかもしれません。あるいはまた別のような人もおるのかもしれませんが、われわれ第一義的な考え方としましては、やはり土地改良区なり県なり農林省なり、これはみんな協力しまして、この事業の内容を関係者にもう一度説明しまして納得してもらって、そうして仕事をやっていくことが大切じゃないか。その間に一時仕事を休止するというようなことがあっても、私はやむを得ぬことだと思います。またどうしても理解してもらえぬというような場合に、その地区が全然利益がないということがわかっておりますれば、これは今の法律でも地区の減少ということができるのでございます。そういうこともあるいは必要になってくるかもしれませんが、われわれとしましては、第一義的にはやはりよく説明をいたしまして納得してもらって、地元の申請の事業でございますので、仕事をやっていくようにいたしたいというのが、われわれの基本的な態度でございます。
○栗原分科員 どうもあまりにも具体的過ぎるので何でございますが、とにもかくにも今当局が、まあ県が委任を受けていろいろ説得をしておるわけなんですが、四千五百町歩、一反歩三万五百円かかるというわけなんですね。その中で既設水田は一部補水という名前で軽減されるけれども、全面積が払ってくれることを前提として一反歩三万五百円かかる。地元の農民が心配しておることは、その受益面積に入っておる分の所有地全部に、そういう形でかかってきたのではどうにもならないし、また一町なり一町五反持っているうち半分だけ水を引くと、半分引いたものだけを払うということになれば、工事費は結局足らぬので、自分が半分水を引けば半分の方へみんなかかってくるのではないか。それ以外に農民負担分の工事費の出るところはないではないか、こういうことで、三万円とおっしゃるけれども、これは容易ならないことになる、こういうことを実は心配しておるわけです。特に碓氷用水においても、初め一億九千万円というものが今六億七千万円になったというようなことでこれまた大問題を起こしておるし、これは県営ですが、また団体営で百町歩二千万円の総工費でやる。四割補助の六割負担ということで、一反歩一万二千円、こういうことで工事を始めたところが、これが三十二町歩しか開発できない。水を引かないところはもちろん払わない、工事費の方は二千万円がさらにかさんでいったというようなことで、これは今一反歩七万五、六千円背負え、納められる、納められないということで、農地の差し押えというような問題が起こっておる。こういうようなことがからんでおりますから、これは農民がなかなか承知せぬのですよ。こういう点はやはりいま少しく農民に対して親切にやってくれぬというと、国営の段階があり、県営の段階があり、そしてその下に団体営を通じなければ、そのたんぼには水がこない。農民ははっきりいって、だれしも水はほしがっています。ただならばもろ手をあげて賛成です。問題は、引き合う範囲内の負担金か、そして払える範囲の負担金がどうなんだ、ここがやはり一番の問題点で、率直にいって水はほしいのです。水のほしくない農民はありません。こういう点をいま少しく制度的にやはり何とかしていかなくては、これは今後土地改良というものは必要なことであっても非常に困難に逢着する。地元の耕地課長あたりは実際においてねじりはち巻をしております。特に碓氷用水の関係のごときは昨今何とかこれを収拾するというので、県、地元、町村、これが農民負担分を約一億肩がわりをして事をおっつけよう、こうしておるわけですが、しかしそれでも農民はやはり水を引かないところえでも金を払うのはとてもこれはたえ切れない、こういうことで、やはりそういう努力をしておる中でもなおかつ農民が納得し切れない。水が引けるところへはそれは適当な金額なら払うけれども、とにかくその地域へ入ったものに全部払うということでは、これは納得できぬのだというようなことで今相対立しているのですけれども、これらに対して基本的にどうですか。今の法の建前からいえば、それは受益者は全部負担しなければならぬ。もちろんその中には段階をつけることは可能であるかもしれませんけれども、その段階には今の制度の中にはおのずから限度があって、その段階の内容では農民が納得し切れぬというような状況があると思うが、これは一体御意見はいかがでしょう。
○伊東政府委員 今おっしゃいました碓氷も鏑川も、これは碓氷は畑灌であり、鏑川は既成田の補水と、それから田畑輪換ということで計画さした地区でございます。両方ともこれは水をかけるということを前提にした地区でございます。それで負掛金の問題につきまして、県営と国営で若干違いますのは、県営は実は毎年々々地元負担を払うことにたっております。それで毎年毎年といいましても、先生がおっしゃいましたように、水路の延び方で水のかかるところとまだ完成しないところと、これは当然あるわけでございます。その場合に、県営の中で水のかかるところは払ってもいいが、水のかからぬところはなかなか金を払うことは困難だということは実は私もわかります。全国の土地改良区の促進状況を調べました中でも、先生のおっしゃったように、事業効果がまだ出ない場合に、水がまだこないのだというような県営について、その部分から金を納めるということは困難で問題になっておるということは、これはございます。でありますので先生のおっしゃいましたように、最終的の時点になりましても水がかからぬというような地区が、その区域の中にあると仮定いたしますれば、水をかけるということが前提の土地改良が、水がかからぬ地域にまで負担金を徴収するというのは、これは実は利益がそこにないのでございますから、そういう事態になりますれば、私はその計画が間違っていたか何かでございまして、水がかからぬような受益地というものは、灌漑が前提であればおかしいということであります。でありますので、計画の最終になりましても水がかからぬというところに負担金をかけていくということは、これは無理でございますので、当然私はそういう地区は地域から除外するということを考えていいのだと思います。ただ年度の途中でまだ水路が延びてこないために水がかからぬ、将来かかるというところは、これはその地域から除くというのは、これはおかしなことになってくるのだろう、こういうふうに考えております。
○栗原分科員 今の局長のお話は、そのお話の範囲内では了解できるのですが、必ずしも局長のお話は実態に沿うておらぬのですよ。それからまた私のお尋ねしておることと少しく行き違っている部分があるのです。というのは、それは水をかければいいことはみんな知っておりますが、一町五、六反も持って、それが受益面積に入って、それから技術的にも水はかけられるのだ、水もくるのだというけれども、みんな水をかけたくないという農民も、持っているやつにいるわけですよ。というのは、そろばんの関係で、それは皆さんは水をかければ経済的にいいのだとおっしゃるけれども、農民のふところ勘定というものはなかなかそんなものじゃありません。一町五、六反も金を一ぺんにかけるというようなことはできないということ、それからいま一つ大きな問題は、あの地区は三年間の田畑輪換です。ところが実際は桑畑がいわゆる畑地の六割も占めておるわけです。昨年も実は桑畑ということには頭を置かなかったという答弁があったわけですが、桑畑は二年間の田畑輪換はできません。田畑輪換ができるのは普通畑です。これは普通畑と田が輪換できるので、桑畑を二年間ずつそんなことをやったらどうにもならぬので、やはりこういう問題にも逢着しておる。これはなかなか容易でない問題でございます。特にまた群馬県には、今度おそらく実施設計という形で入るだろうと思いますが、群馬用水の問題が矢木沢ダムにからんで今始まっておるわけですが、ここの方は、現地へ行って聞いてみますと、五年間の田畑輪換という指導をしておるようです。しかしやはりここも御承知の通り群馬は軽鬆土地帯、火山灰土ですから桑畑が多い。普通畑ではなかなか畑作というものがとれないので、深根性の桑畑を作っておる。こういうことでやはりかなり問題があることと、またこの勧誘の仕方が、水はやるが、たとい引かなくても、やがて工場地帯にでもなれば工場の方へ売れるのだというような、鏑川用水をやるときの、まるでただできるような勧誘の仕方をまたまたほかの方法でやっておる。こういうことは、やがて来たるべきときには重大な問題がやはり起こる危険をはらんでおるわけなんです。 そこで私は特に大臣にお願いしたいのですが、こういうことでは今後農業基本法を作られて、そうして農業基本政策を進められる中においても、土地改良というものは、このままではこの土地改良の法律ではこれはなかなか推し進めることは困難だ。前に福田農林大臣のときにも、ちょうど私と同じ地元から出ておりますので特にお話もしたのですが、これはだめだ、農民の負担できる経済力にはおのずから限界があるのだし、従って比率で農民負担というものをきめるではなくて、やはり農民の国営、団体営、県営一切を含めて、水がもらえるには一反歩に幾ら出せばいいのだという一つの目安をつけた方法を講じないと、なかなか容易でない。そのことについては、これは制度としてなかなかむずかしい制度ではあるかもしれません。しかしそういう理解の上に立ってやらないと、率直に言って、多くの全国の土地改良の中には、肩を泣かせれば現金を出さぬでいいという理解で出発した土地改良もずいぶんあると思う。あんたが肩を泣かせればその日当で負担金は大体出るのだ、そうかというようなことで出発したものがいろいろあるので、これはとてもどうにもならぬ。そこでやはり農民負担の限界というものをきめるか、あるいは農民がほんとうに水をほしくなるまで国の線で土地改良というものを計画して、そうして農民がそのお金で水がほしいという線へ漸次入り込んでいけるような方向でもとらない限り、なかなか農村では土地改良というものを推し進めることは困難になってきておるわけです。こういう工合に考えますし、また特に農業基本法は、総理大臣のおっしゃる通り農家戸数が三分の一になるというようなことになる。その反面には、おれは農業から離れるのだという一つの妄想がやはり中小農には頭の中にございますから、これから離れる土地改良のために金をしっかりほうり込んでいくという意欲はなかなか困難です。またそういう意欲がほんとうに出るような農業ならば、これは数は減らなくてもいけるようなことになりましょうが、そういうことなので、このあたりについて一つ農林大臣が抜本的に土地改良のあり方を変えていく、こういうような、農業基本法と並行して、土地改良というものがほんとうに農民が喜ぶ中で進められる、安心して進められる、こういう方向を一つ打ち出していただきたい、こう思うのですが、何かうまい構想はございませんでしょうか。
○周東国務大臣 先ほど局長からもお話をいたしましたように、新しい農業基本法の制定に関連し、将来の土地改良に関して、その基礎法になっておりまする土地改良法については、十分各般の事情を考えて再検討してみたいということを申し上げたはずでございます。私もこれは同感であります。やはり新しい事態に即してどういうふうに持っていくかということは検討さるべきであると私は思います。がしかし、その際においても、常に国が全部を持つというような形にもいかぬかと思います。しかしそれらは、私はすべて新しい研究課題になって参ると思います。御指摘の点は、私はその具体的の場合はお話の通りだろうと思いますが、これは全国的にいろいろな問題がたくさん出て参ります。それを全部網羅して一つの法律の中に取り入れることも困難だと思うので、よく検討いたして参りたいと思います。
○高田(富之)分科員 関連して……。御質問を申し上げたいと思っておったが、ちょうど栗原委員とテーマも趣旨も同一でございましたので、委員会の運営に御協力申し上げる意味で、私は質問を取り下げまして、特に関連質問を若干お許し願いたい、こう思うわけです。 ただいま土地改良について非常に具体的な、切実な実情を栗原委員からお話しになったのですが、私も実は本日特にこの問題でお伺いしたかったのです。こういう事例は全国どこでも共通なんです。だからぜひ政府は深刻に取り組んでいただきたいのですが、実は私の関係しておる——関係ということではありませんが、地元で、中部荒川総合開発の用水工事がいよいよことしから始まるわけであります。それからまた下久保ダムの工事も始まるわけであります。こういう関係で、鏑川のような大きな問題は起こっておりません。またわれわれ何とか協力して、土地の基盤を造成することは、いずれにしでも基礎ですから、何とかうまくやろうということで、政府にも県当局にも大いに協力して、今日までやっておるわけであります。しかし何としても問題は、もう少し根本的に政府の方で本腰を入れて対策を立てていただきませんと、非常な不安でございます。中部荒川の用水工事の方はことしから始めまして、七カ年計画ということになっておりますが、これにしましても、今栗原委員のおっしゃられたことと全く同じでございます。第一はその負担の問題もあります。それから負担ばかりでなく、これは一番大きい問題ですが、桑園 やはりあの地帯は桑園地帯でございまして、最近また繭の値段もいいものですから、特にこの桑園のことにつきましては非常に関心が高くて、計画が明示されない限りとてもこれは判こを押せないというようなことで、なかなかあれは進捗しなかったのです。それを特に県の方で説明にくるからとか、大丈夫だというようなことで、どうやら三分の二くらいの判はとったのだろうと思いますけれども、事態はそんななまやさしいものではございませんで、特に田畑輪換と申しましても、これはなかなか、今までやって参りました農民が、そうそれがいいということに理解がついて、踏み切るまでには容易ならぬ。これは実験をしてみせるとか、あるいはいろいろそれについての政府がある程度の補償までつけてやらしてみるといったような本腰を入れたものがありませんと、理屈ではそうかもしれぬけれども、とてもそういう大きな転換には踏み切れないということなんです。今のままでいきますと、田畑輪換、田畑輪換といっておりますうちに、実際に末端へいきますときには輪換なんかやらない、そんなことをしないで、たんぼにたるところだけ集めて、たんぼにしてしまうということに終わる公算きわめて大だと思うのです。そうなりますと、最初にもお話がありましたが、これからたんぼを作るのが目的じゃないとおっしゃいましたけれども、畑地に水を揚げるのが目的だとおっしゃいますけれども、事実はやはり新たに水田を作っていくということに終わってしまう。ほんとうに新しい形態の生産性の高い田畑輪換で、収益を今までよりも上げるというふうな形でやるには、その地帯々々に適応した、政府自身のきわめて具体的な作付計画体系から何から全部示しまして、一地域の中でもまた小さな地帯別に、ここへ桑畑を集めてこうするのだとか、そういうところまでこまかい計画ができて、説明して、なるほどそれはよさそうだという気持にみんながならないうちは、ただ上から言われるからしようがない、判を押すということになる。押したあとどうなるかというと、必ずこれは、途中で脱退するとか、いや金を払わないとかいう問題が当然起こる。しかも、今後の七年間というものは、基本法も施行されますし、いろいろな農業施策の上にも大きな変化がありますし、経済変動も大きい時期ですから、七年先はわからないのです。七年先がわからないといったら、これは十年先、十五年先はなおわからないと私どもは言いたいくらいなんです。そうなりますと、その間には工場地帯になるようなところもずいぶん出てくる。すでに二、三年前に計画されておったところで、受益面積に入っておったところで、何とかして工場を誘致したいから、かんべんしてくれというのがあちこちから出てくる。数年のうちには、どんどんそういうところが出てくるのじゃないかと思う。これはよほど初めに、そういう可能性のあるところならば、ここは将来工場なり住宅を持ってくる地域として、初めから除外してしまう。そしてここはこういうふうにして田畑輪換でやる、ここはこういうふうにしてたんぼにするのだ、ここは桑園にして残すんだというような、最も緻密な計画をして、その上に今言った負担の問題は、効果が出てから取るというような方式に改めませんと、途中でどうなるかわからぬというようなときには、とてもこれは払い切れないだろうと思うのです。ですから、これからはこういう大きな計画については、ただ漫然と、工事がどんどん建設省の方で進んでいくというようなことではいけないと思いますので、工事の始まる前に、少なくとも着工されてしばらくたったところでは、それ以上進行しないうちに、その方に力を入れてもらいたいのですよ。どうも総合開発になりますとダムが先にできちゃって、そしてそっちの方で発電計画とか、あるいは下久保ダムの方でいいますと、東京の飲料水でしょう。そっちの方は需給関係もきちっと計算がつきますし、能力がきまりますから、これは実にはっきりしておるのです。しかし今度は農業に使う方になりますと、どういう利用方法をとつて、どれだけの実際の経済効果があるというようなことが全然わからないのですね。ですから、私はどうもこういう形でやられる開発は、地元から申請があったからやります——これは形式はそうでしょうが、実際はそうじゃないと思うのです。いろいろ上から出てきた——多目的ダムから出て参りまして、そこへたまたまそういうものがくっつけられてきた。従って上の方からぐんぐん計画が押しつけられてくる、こういった形にならざるを得ないのですね。これは本来からして非常にそういう性格を持っておると思うのですよ。ですからそういう計画については、農林省としましては、特段の本格的な取り組みをしてもらわないと、幾らわれわれが協力しようと思っても、実際にそれには協力のしようがないということになってしまうと思うのです。ですから先ほどもこまごまと具体的な事例のお話がありましたことは、他にも全部共通するのだということを特に私は申し上げて、早急にその具体的な精密な、農民を指導し、ほんとうに協力して立ち上がれるようなものを農林省は出してくれと言うのです。それが出せないのではこれは始まらぬ。私はこういうことを第一点に申し上げたいのです。 第二点には、たまたま始まったものを見ますと、今も群馬で実例が出ましたけれども、私のところにも実例があるのです。これは四年計画で始めて、千何百町歩かのかなり大きな団体営の事業なんですけれども、忍領の土地改良、これも荒川の総合開発の中にそのまま入ることになるのですが、これなんか四年計画で当初始めたものが、七、八年たっておりますが、いまだに幾らも進んでいない。当初の二割も進んではいない。いつごろ終わるのですかと聞いてみると、わかりませんね.十年で終わるか、どうもわかりません、二十年か、どうもわかりません。こんなような調子で、これは事実なんです。その間にやはり負担金は、工事をやっちゃったところの工事費はしようがないとしましても、払えなくなって払わないというものがどんどん出てくるわけです。共通費については今御説明になった通り、自分が実際工事をやる、やらぬにかかわらず、事務所がある限り永久に払わねばならぬ、こんなばかげたことがあるかということになりまして、あれしておるのですが、今そういう点もありますから、ここで一つお聞きしたいことは、全国でそういうような状態で計画通り進行せずに困っておる土地改良区、不振土地改良区といいますか、あまり振わない土地改良区についての全国的な御調査があると思うのですが、大体どんな状況にあるかということをちょっとお知らせを願いたいのです。
○伊東政府委員 問題が二つございましたが、第一点の営農計画なり、農民に計画をはっきりと知らせない、ものを作って見せるなり何かして、はっきり営農計画を立てて、その上に土地改良をやるべきだというお話は、私も全然同感でございます。これにつきましては、実は過去の土地改良事業の進め方がどちらかといいますと、建設工事が中心になりまして、営農の面の指導その他について若干手おくれがあるということは、私認めざるを得ない点があるだろうと思います。特に今両先生がおっしゃいました主体は、田畑輪換でありますとか、あるいは畑灌でございますとか、技術的にいいますと非常に新しい問題でございます。水田の問題等でございますと、比較的問題が少ないのでございますが、今両先生がおあげになりましたところは、新しい技術で、これからやっていくというところの実は代表的なところでございます。それでこれは若干おくればせではございますが、鏑川につきましては、実は事業費の中からまた実際に約八町くらいの圃場を作りまして、田畑輪換をやっていく、そして農民の人にも見てもらう、どういうふうにやったら一番いいかということで、圃場をわざわざ作りまして、そして営農をやっていくということを三十五年、今年度から実は実施をいたしております。荒川中部につきましても、八町まではいっていませんが、これも田畑輪換の圃場を約三町くらいでございますが作って、そこに人を入植の形で入れて、田畑輪換を実際にそこで——揚水機を新しくつけまして、水を揚げて、いろいろな水利の問題の研究とか、あるいは表作、裏作の研究とかいうものを実際やってみて、その辺の農民の人にも見てもらうというようなことを、若干おくればせでございますが、実は取り上げてやっております。 愛知用水等につきましても、畑灌が一万数千町歩ございますので、そういうことをやっておるような次第でございます。今後のこういう大規模な、特に新しい畑地の灌漑等につきましては、両先生のおっしゃるようなことを、先に十分やっておく必要があるということにつきましては、私も全然同感でございます。 それから団体営等の例がございましたが、過去に手をつけましたもので、おくれておりますものがあることも、事実として認めざるを得ないものも相当ございます。でありますので、最近に一おきましては、県営も、団体営も、新規につきましては、なるべく計画的にとりまして、手をつけたものについて、一つ完成をスピード・アップしようじゃないか。これは国営の特別会計もそうでございますが、実は基本的な考え方としては、そういうことをやっております。まだ十分とは申し上げられませんが、だんだん県営等につきましては、そういう成果が出て参るだろうというふうに思っております。 土地改良区のことでございますが、一万二千くらいの土地改良区がござます中で、非常に負債があり、延滞金等が出ているところ、これは全国土地改良区連合会がやった調査でございますが、約四百足らず実は出て参りまして、金を借りて、もうどうも金も払えぬというような状態になっておりますところの金を集計しますと、約十億くらい土地改良区の延滞金というものがたまっております。おもな理由は、さっき先生がおっしゃいましたように、事業効果がまだ出てこないのに、負担金は出せぬというようなことで、土地改良区が金を借りたり、あるいは負担金が重いじゃないかというようなことで、土地改良区が農民から金が取れませんで、ほかから金を借りてきて、返せなくなっておるというようなところとか、内部のいろいろな役員間の問題とか、組合間の問題等がありまして、内部にいろいろ紛争があって、金が集まらないので、金を借りて払っているので、結局延滞になっておるというような理由のところが大部分を占めているような状態でございます。 それから土地改良区につきましては、今申し上げましたように、一万二千もございますので、これにつきましては、一つ合併その他を慫慂していこうじゃないかというようなことで、本年度からそういう意味の土地改良区の整備の指導費を若干組みましたのと、全国の土地改良区の連合会に土地改良区の財産の状態、どうしたらこの負債等の償還の資金計画が立てられるかというようなことを、三十五年、三十六年度を通じまして、今依頼をしているような状態でございます。
○三浦主査 高田君、簡潔に願います。
○高田(富之)分科員 それからもう一つ、下久保ダムの問題です。これも着工されるらしいのですが、これは東京都の飲料水を供給するのが主目的だと思うのです。たまたまそれを下流の灌漑用水にも若干使う、これもまことに副次的なんですが、これがそういうことに使うというので下流の人たちが大いに喜んで飛びついているかと思いますと、そうではないのです。それでその地帯に行ってみますと、ほんとうにほとんど例外なしといっていいくらい非常な不安を持っているのです。つまりそのダムでせきとめられてしまいます関係で、あそこは神流川ですか、水が建設省の方でいっている量では非常に少なくなってしまうために、伏流水がかれて、今までよりも水がかえって少なくなってしまう。とてもこれではあの地帯の農業用水に事欠くだろう、あるいは飲料水にも事欠くだろう、こういう不安が非常に大きいのです。何のためにそういう計画をしてくれたのだかわからない、こういうことを皆さんがおっしゃるのです。私は行っておかしいと思いまして、そんなことをいっても、前から計画があることを、今さらそんな村の者が一人残らず不安を持っているようなことを一体始めるのだろうか、こういって村長さんに聞いたら、実は今こちらが陳情中なんだ、こういうような話なんですが、全く土地改良というものを何か付随的に、都会の仕事のことのついでみたいに行なわれまして、どうも住民が飛びついておらないようです。ですから、これでは初めからどうも負担金どころの騒ぎじゃないと思うのです。これらの点については、農林省としては重大な問題なんですから、もし、どうしてもだめらしいとはっきりした結論がつかないのだったら工事は一たんストップしてもらう。確実に大丈夫だというなら地元に行って、それこそみんなが納得するように、ほんとうに安心がいくように責任をもって説明してから始められませんと、どんどん計画の方は進んでいく、いよいよ着工になりそうだ、いや困った困ったと陳情をしておる、一体そういう土地改良というのがありますか。一体どうなさるおつもりですか。
○伊東政府委員 下久保は、今先生がおっしゃいましたように、東京都の上水道を主たる目的としました多目的ダムでございます。それでまだ実は建設省の方から私の方に、基本計画としまして、正式に幾ら水をためて、農業用として何トン流すというような正式な打ち合わせになる前の段階のところでございます。これは新聞等で見るだけでございまして、たとえば上水道十トン、農業灌漑用に八トン流す、非灌漑地には一トンというようなことが出ておる程度でございます。そういう程度で、先生がおっしゃいますように、下流地域が実は従来とっておりました水があるのでございますが、そういうものがはたしてとれるかどうか、また下流の群馬も含めますが、農業関係であの辺でまた畑灌で水がほしいとか、あるいは旧田補水をしたいというような要望が実はあるのでございますが、そういうものがまかなえるかどうかということにつきまして、まだわれわれとしまして建設省と十分話し合いをするというような段階に向こうも至らぬ計画だというふうに私どもは承知しております。ただし、これにつきましては、先生がおっしゃいますように、農業の面でも地元からわれわれはいろいろな話は聞いておりますが、この計画がだんだん具体化します際には、今おっしゃいましたような点につきましては、地元の人の意見もよく聞き、また先ほどからお話がありますように、負担の問題等も非常に問題になりますので、どういうことになるのかということは、十分判断をしまして、地元の人、県の人と十分相談した上で建設省と協議をしていきたいというふうに思っております。
○栗原分科員 最後に土地改良問題でいま一言だけ聞いて次に移りたいと思います。 鏑川用水は、農民負担の問題で、制度的には国が県へ委託する、県から条例で農民負担分と県負担分をきめるということになっております。ところがまだ群馬県では条例を作っておらぬと思うのです。農民の負担分もきめないで仕事は進んでいくという、こういうあり方は何としても——まあ、それはなるほど仕事が済んでから、経済効果が上がってから十カ年賦でもって払えばいいんだという金ではあっても、仕事を始めるときに、その仕事のおれの負担分は幾らかもきまらずに仕事が進むというようなあり方は、言うならばめちゃくちゃだと思うのですが、一体どうでしょう。そしてまたその問題に対する当局の御所見と、前にも一度聞いたこともございますが、その後も含めて国営の農民負担分は、どのようなパーセンテージで、高いものはどのくらい、一番安いところはどのくらいときまっておるか、これをお答えいただきたい。県の方でも、もちろん地元からお願いした仕事が国営という形になり、実際は地元の農民の反撃を食って、まあサンドイッチになって農林省に悪い、といって農民の納得が得られないままには進められないので、今盛んに努力をしながらやっておるのですが、今の形勢では総代の選挙等もことによると無理をやる形勢もあるのですよ。しかし無理をやってほんとうに関係農民の納得しない中で総代会などというものを作って仕事を進めると、あとで収拾がつかぬ事態が起こるのじゃないか、こう思います。これらについては、私もその仕事をよせとは言いません。水が必要なことは、これは農民の渇望なんです。しかし農民が納得できる線で軌道に乗せるならば乗せるということに万全の努力を払っていただきたい、こう考えますので、一つお答えをいただきながら要望をあわせて申し上げます。
○伊東政府委員 反当負担の問題でございますが、これは事業計画の縦覧公告をいたします場合に、事業費は幾らで、大体反当負担は幾らということを一応明示しております。ただそれは平均でございまして、またその金額が絶対動かぬというわけのものには実は参らぬわけでございます。実際われわれが負担徴収の段階になりますれば、先生おっしゃいましたように条例ではっきりきめまして、具体的な数字になってくるのでございますが、まだ事業をやります最初の段階では、大体の見通しとしてどのくらいというものが事業費——鏑川でございますれば、これは国営はたしか今労賃が若干上がりましたので二十六億くらいだと思いますが、そういうものを予定しておりまして、それに対しまして大体反当二万くらいの予定だと私は今覚えておりますが、そういうものを書いて縦覧公告でいたしておるのでございますが、それが実は最終的なものになるというわけではございません。いろいろ工事をやります間に若干変動がございますので、確定いたしますのは最後の段階でございます。ただそういう平均を出しましても、実は先生も先ほどからおっしゃいますように、利益の限度でいろいろ人によって厚薄が出て参りますので、これは実際徴収する段階になりまして初めて具体的にはっきりなってくるということでございますので、工事をやります段階では条例まで作ってぴっしゃりはしていかぬというのが大ていの例でございます。
○栗原分科員 それでは時間もだいぶ迫ってきましたので、養蚕関係の問題を幾つかお尋ねしたいと思います。 最初に農林大臣にお尋ねするわけでございますが、新しく農業基本政策を立てられ、農業基本法を作る、こういう中で、農業のあり方について拡大生産が方向づけられておるわけですが、その中でわが国の蚕糸業は一体どういう位置づけをされるものか、一つ大胆率直に大臣の御所見を承りたいのです。
○周東国務大臣 これはなかなかむずかしい問題ですが、御承知の通り三十二、三年は蚕糸業は大へん苦難な年でありまして、もはや他の化学繊維に押されて将来は伸びないであろう、斜陽産業であろうというような声さえ聞かれたのでありまして、同時に価格安定をいかにするかということでだいぶ苦労しました。時は移りまして、それ以後三十四年、三十五年と最近の状況は御案内のように相場も大へん持ち直してきております。今後は今の状況がそのまま続きますれば徐々にでも伸びていくであろうと思います。しかしこの点は今それを断定するには少し早過ぎるのじゃないか。輸出されている状態も御承知の通り昔と非常に用途が変わっております。また輸出されている相手先というものが、戦前と申しますか、以前はアメリカが主であってヨーロッパは少なかった。今日の輸出状況は御承知のようにヨーロッパとアメリカと半々くらいになっている。しかも従来は女の靴下の原料ばかり多く送っていたのですが、今日では主として織物原料として輸出する。しかも日本から出るものも織物が行く。ここに私はある程度安定した形における輸出品になってきたのではないかと思う。そういう点から申しますと、競争国であるシナとかあるいはイタリアとかフランスとかいう問題はありますが、徐々にでも、今日までは伸びてき、しかも相場はあの苦しかった三、四年前と違って二十二万、二十三万になろうとする。あまり高くなるので警戒して、今二十二万と三万の間を上下しているわけですが、そういう近い時期に非常な変動を見ておりますので、もう少し私は事情を見たいのですが、今のまま進むとするならば、化学繊維の発展があっても少しずつでも伸びるのじゃなかろうかと考えております。
○栗原分科員 特に今後十年間の展望の中での位置づけの問題をしつこくお聞きするのは、実は前の局長の大沢さんのときに、研究資料というようなもので出しまして、この当時の見方は、新しい化学繊維と対立してやはりノックアウトされるのだというものの考え方、それからいま一つ、私たちが子供の時代は、生糸は輸出産業の大宗にしてなんということを教わったのですが、そうまでいかぬまでも、やはり蚕糸業の対策として、主として輸出産業としていろいろな施策が行なわれてきたんですが、必ずしも輸出産業として今後伸びていけないのだという認識の上に立ったものの考え方、こういうことが農林省の蚕糸局の一つのものの考え方として提起されたわけなんです。しかし先ほど大臣もお述べになった通り、様子もだいぶ変わってきています。このことは、競合繊維である化学繊維との勝負の中で生糸というものは一体どうなんだということをしっかり見きわめること、それからもう一つ、それでは輸出産業として今後やはり生きていけるのかどうかということも見きわめること、このことが一番基本的な問題だと思うのですが、今のままでいけばというのではなくて、指導的な立場に立つ農林省そのものは、一体これらをどのような見方で、農業基本法の上に立って、所得倍増というような大旆をかざした中で今後十年間いかに指導していくのか、こういう点をもう一度お述べ願いたいと思います。
○周東国務大臣 ただいま申しましたように、今のままでいけばというのは消極的ではないのです。先ほど申しましたように、かつても輸出品としてはやされたのですけれども、御承知の通り当時は生産の五十万俵のうち八割五分から九割というものは女の靴下の原料のみであった。こういう姿はすっかり変わりまして、今日は織物原料として輸出されている。しかも日本からも織物となって行く。それがやや堅実な形における商品的な地位を占めてきたんじゃなかろうかと思うのです。さらにかつてはアメリカが今申しました輸出の八割五分から九割を引き受けておった。ヨーロッパヘはあまり行かなかったのが、今日では輸出総量の半分ずつヨーロッパとアメリカに分かれている、こういう状況です。輸出関係から見まして、化学繊維との間の地位ですけれども、いろいろ日本では混織なんというのはいやがるのですけれども、聞くところによりますれば、技術的に見て、ナイロン、ビニロン等に二割、三割絹をまぜたものの方が織物としていいやに聞かれ、そういう点が伸びているとも聞きます。従って私は、今後のヨーロッパ、アメリカにおける需要の宣伝、消費需要の喚起というものに対して、日本は相当に攻めることが一つであることと、もう一つは、内地の景気のよさと申しますか、内地における絹織物の需要が非常にふえておる。だからといって安心はできませんが、ある程度内地にも需要するものを同時に輸出するということが非常に安全性が出てくると思うのです。御存じのように、内地の絹織物はくつ下などアメリカに依存しているというような不安定な形が変わってきたのじゃないか。そういう意味におきましては、私はある程度伸びていくのじゃなかろうかと思いますが、その断定を下すまでにはしばらく間をおかしていただきたい。つまり時に需要の変化というものがあって、このまま伸びるかどうかという問題については、ただいまヨーロッパ関係の競争国の問題がどうだとか、内地における絹織物その他の需要の状況はどうだということは、もう少し安定した形においてしばらく調査をし、またその間には積極的に需要を伸ばすことの方策を政府はとるべきだ。こういうふうに考えつつ、所断は下したいけれども、一応今のような状況を是認されるならそう悲観せぬでもよかろう。しかし、昔のようにうんと伸びるだろうということはありませんが、堅実にものを考えてみたいと思います。
○栗原分科員 なかなかわかったようでわからぬような見通しなんで、まあ事実それがほんとうなのかもしれませんが、少なくとも斜陽産業としてこれからしまっていく産業ではない、こう受け取る程度ですか。それとも果樹園芸等、果樹は二倍、家畜は三倍というほど積極的ではなくても、かなり自信を持っていける、あの三十三年の波をかぶった当時とは違うんだ、新しい面が開けたんだ、こういうお考えの上に立っておられる。こう理解して、そこでこれは特に新しく局長さんになられました立川さんにお尋ねしたいのですが、今度の予算の中を見ますと、非常に共同作業が進んでおる。養蚕業の中で種も共同購入、稚蚕飼育の共同桑園、稚蚕共同飼育、そして繭はまた一括して統一して検査を受ける、繭処理をする。こういう中で、残されておったいわゆる壮蚕期の飼育が、全齢共同飼育、こういう方向が新たに打ち出されて、これが完成すると、養蚕に関する限りは、もちろん共同稚蚕飼育というものと見合って、共同稚蚕桑園というようなものがあって、全齢共同飼育ということになれば、桑園自体も共同化されていくことは当然見合って推進されると思うのですが、十年後の養蚕のあり方、こういうことを指導する場合に、どういうことを構想なさっておられるのか。言うなれば主産地形成とか、あるいはいろいろ問題を起こしておる主産地と製糸業の所在とのアンバランスとか、こういうものに対してかなり思い切った手を加えていこうという、十年後といえばかなり長い展望の上に構想をお持ちになって出発なさるのか、一つお答え願いたいと思います。
○立川政府委員 いろいろお話がございましたように、非常に多方面において共同作業が従来とも進んでいるわけでありますが、他面養蚕は非常に労働集約的な形で進行している。そこで反当粗収入が高い。そういうゆえをもって特に存在の意義をかなり発揮した。こういうことであったと思うのですが、最近の事態ではいろいろな条件がだんだん変わって参りまして、農村における労働条件というようなものも変わりましたし、非常に生産力が高いというか生産性が高い。そういう形で探求をしていかないと、従来のような形で安んじていくわけにいかない、こういう事態になってきていると思います。 そこで本年度の予算でも、ただいま御指摘のように一つの角度を出しておりますが、お話しの壮蚕の共同化あるいは年間条桑育とか、部屋の中で飼わないで屋外に飼うとか、そのために種にしても非常に強健な品種を育成するとか、そうしてそのベースになりますととろの桑園を共同化していく、こういったような形で全面的に推し進めて参りたい。その過程で、もちろんのことでありますが、主産地形成というようなものが大きく浮かび上がってくる、こういう工合に考えます。
○栗原分科員 今いろいろと養蚕と蚕糸との間で問題が起こるのは、やはり養蚕の多い県と製糸業が必ずしも同じ所にないというところに産繭処理でいろいろ問題が起こっているわけですが、この問題についてはあとからまたお尋ねするとして、そこでいろいろとこういう方向をとってなるべく集約的に労働効果を上げる。裏を返せば生産コストを引き下げる。こういう努力が払われているわけですが、そこで繭の値段、糸の値段の問題でございますが、特に繭の値段でございます。これまた大沢さんの構想によれば需給均衡価格、こういう形で繭糸価格安定法の中では生産費及び所得補償方式の線が出ている。これに一つのワクをかけて生産費の六〇%というような最低価格の線が打ち出されたわけです。しかしこれは今後の農民の所得を倍増していくという方向を今の政府がとるということになれば、そういうことではいかぬだろうと思います。実際は生産者米価においても、おそらく所得補償方式というものにいつゆるぎがくるかわからぬというような状況にあるかと思いますけれども、私たちは、それでは農村に対して何としても愛情がないやり方なので、今新たに新しい農業基本法の中で養蚕業というもの、蚕糸業というものをこれからしっかりやっていける位置づけができた以上は、やはりやっていけるだけの比較的めんどうも見てやらなければならぬ。もちろん生産費を下げなければならぬけれども、そしておそらく政府が今まで言うてきたことは、コストを下げることによって需給均衡価格に耐え得る体質を持て、こう主張して、その方向を推し進めたと思うのですが、その努力はもちろん欠いてはなりませんけれども、しかし農民の所得を保障して、蚕糸業、養蚕業というものを守っていく上には、やはり所得補償方式の最低価格の支持というようなものがなくてはならぬ。こう思うわけですが、繭糸価格、特に繭価格の安定の基本方針については、いずれの方法を指向しようとなさっておるか、この点を一つ。これはなかなか養蚕農民にとっても重大な問題でありますから、明快に御発表願いたいと思います。
○立川政府委員 実はその価格安定の問題につきまして、昨年一カ年蚕糸業振興審議会でいろいろ御審議をいただきました。その結果、昨年秋に御答申をいただいたわけです。そういう趣旨を尊重して進めていかなければならないと思っておりますが、その御答申の中で、価格安定の水準は、生産費を基準として、その他の経済事情を参酌して、養蚕経営を安定せしめる見地とともに、生糸需要が長期にわたって安定して増加することが妨げられることのないように、弾力的に決定するんだ、こういうお話であります。さらに、単に糸価安定だけではなくて、繭について具体的に繭価の支持を迅速にスムーズに発動できるように、従来ともいろいろ手続的な準備が欠けておったから、そういう点をちゃんとせよという御指摘であります。その趣旨で万全を期していきたい、こういう工合に考えております。
○栗原分科員 先ほど大臣の御発言になった三十三年の繭の暴落、糸価の暴落、あのときには政府が五万俵もかかえ込めば、これが一つの上押しになって業界は腰が立たぬのだというような心配まで実はされたのですが、実際経過してみると、十万俵抱いた生糸が今日底をついて、むしろ今上値を突破しておるのに上からかぶせるものがない。こういうような状況なので、このことはやはり先ほど大臣がおっしゃった通り、化学繊維等に対して生糸というものの存在価値がはっきりと立証されてきたと思うのです。それからまたあの大暴落がほんとうに他繊維に押された暴落ではなくて、言うならば輸出先、あるいは国内等の不景気が、趣味の繊維、ぜいたく繊維に影響して非常に値下がりになった。従って不景気を越すことによってやはり需要は十分あるものなんだ。こういうことがわかった以上は、やはり需給均衡価格ということで流れずに、答申にある通り生産費を償う所得補償方式の支持価格、こういうものを行なって、糸の段階で、あるいは繭の段階で、かりに政府が相当かかえても、これは時の移りによって必ず解消できるんだ、こういう一つの実験といいますか、経験の上に立った立場に立って一つの支持価格を作っていただきたいと思うのです。そういう意味からは、今の繭糸価格安定法の中に八割五分ということがあるが、これにかかわらずその云々という臨時措置を講じてあるのですけれども、現在二十二、三万というときにこそ、この下のかんぬきというものを、その趣旨に沿った線へ引き上げておく。こういうことが非常に大事なことではないかと思うのですが、これに対する御答弁を、これは一つ大臣にお願いしたいと思います。
○周東国務大臣 ごもっともですが、まだそのかんぬきをはずすのは早いと思うのです。それほどに非常な変動をしておるわけです。やはり今でも内地需要と外とが半々のような状況です。従来からの国内における生産は奨励して、そして価格安定支持の制度ができておるということだけでは、ほんとうはいけないと私は思うのです。本来は、もっと消費の宣伝、需要の増加に対する方策を講じて伸ばすことが必要だ。そうすれば私は、えらく高く売れることは必要ないけれども、安定した価格で取引することが必要だと思う。あるときには非常に高く売れ、あるときには非常に安くなるというような行き方ではいけないと思うのです。従ってもう少し需要の伸びというものがどうなるか、そこで大体どの辺ならば大丈夫だと見きわめてしませんと、今日の状況で、今度景気がよくなったから逆にはずしてしまってという——はずしてということはもっと高く売ろうという御意向だと思うのですが、そこまでは少し早いのじゃないか。一番きつい暴落のときと、今景気のよくなったのが出てきましたが、両極端になっている。もう少し推移を見て対策を立てたいと思います。
○栗原分科員 私がお尋ねし要望した線と、大臣の受け取り方がちょっと行き違っておるのです。今の高値の上値をはずせとかいうことではなくて、八割五分をカバーするという下値補償の価格安定法を、この前は八割五分が維持できないからといって六割に下げているわけなのです。しかし下値それ自体が今は全然関係ないわけです、上の方で踊っているわけですから。こういうときこそ、ここまでは支持するんだぞと、このことがやはり価格を安定させる、そしてまた関係業者である農民あるいは製糸家というものを守っていく道ではないかと思うのです。前にはとてもこれが守り切れないということで、そして国からも金のめんどうが見切れぬというので、とうとう下のかんぬきをとっぱずしにしちゃって、全く手に負えない、特に法律を守り切れなかった政府などと農民に不信を与えるようなことになったわけなのですが、あのときでも度胸よくかんぬきをはずさずに買っても、私は政策としていけたと思うのです。これはあとから見るからよくわかるというようなものですけれども、とにかく金と見合って品物があるわけです。しかもある程度長期に保有できるものなのですから、そういう点で、景気の谷間でもってあるいは浮動する非常にぜいたく繊維です。趣味の繊維ですから景気に一番鋭敏である。一番谷間に来るけれども、この谷間は橋をかけることによって渡れるんだということが、十万俵持ったけれども、回復すればこれが解消していけるのだという経験の中から、私は実証できたのじゃないかと思うのです。そういう意味において、下値について八割五分をめんどう見るというものを六割に下げて、実際はここまでは下がりっこないんだ。制度的にはあるのだけれども、めんどう見なくてもいいのだという制度に今実際は下げちゃったんですよ。しかしそうではなくて、やはり生産費及び所得補償方式に基づいて、それも一〇〇%じゃなくして八五%というところが価格安定法にあるのですから、その本来の姿にやはり戻していくべきじゃないか。しかも、おそらく来月には価格安定審議会が開かれて、来たるべき繭の年度の価格をきめるので、ぜひそういう方向を、上値にあるときに一つ——だあっと下がってきたときにさあといって抑えたって、これは勢いでもってだめなので、こういうときにこそやはり、下のささえをしっかりと固めておくべきだと思うのですが、この点いま一度……。
○周東国務大臣 私はよく研究をいたさせたいと思います。まだきょうすぐにはずしますともお答えをいたしかねます。
○栗原分科員 あと二、三で終わりたいと思いますが、今年の産繭の処理方式についてあちらこちらでなかなか問題が起こっておるために、かなり厳正な産繭処理方式をそれぞれの県段階でとろうとしております。実は二十九年に群馬でやった問題については、これは独禁法違反ということで公取から独禁法違反の判決が下りました。続いて埼玉でやった問題も、これまた独禁法の違反があるということで、当時の蚕糸課長が責任をとらなければならぬような事態にまでなりました。今年もまた群馬あたりではかなり厳重なことを今行なおうとしておるのですけれども、今年の蚕糸局から各地に対する産繭処理の指導方式というものはどの程度のものでしょうか。あらましを……。
○立川政府委員 やはり一つの基本は、繭は生産農民が系統で集めて、自主的に販売をするという筋が一つの筋だと思います。繭の取引は長い経過がありまして、いろいろな問題が存在をいたしますが、片方非常な不公正な競争が行なわれるということも適当ではなかろう。むろんおのずと従来特定の工場がそのお得意さんとして取引先がほぼきまっておるというような現状はあるわけでございますけれども、その取引の形態がいわば公正な競争を押えるという独占禁止法に触れるようなことのないように、さきの趣旨にのっとって取引をするようにというのが考え方であります。
○栗原分科員 そのことはまことに御趣旨けっこうなわけなんですが、現実にはそれぞれお互いに金を積み合って、そうしてもし違反があればその金を没収するとか、こういうことが単に製糸業ばかりではなくて、いわゆる仲買人である繭糸業者、こういう人たちにもかなり強制をされておる、こういう状況です。繭の製糸の状況が自動化されていく関係上、原料の繭が足らないという場面もありましょう。とにかく原料繭の獲得が非常に競争される、こういうことでございます。そこであまりむちゃな、とにかくこの地盤はおれの地盤なんだから、もう一切この地盤は生産農民の自由意思はないのだというような縛り方、こういう行き過ぎのないような指導をぜひやっていただきたい、こう思うわけです。 そこで、これは今まで常識的に行なわれてきたものだからほとんど問題にはならなかったのですが、そうした系統機関で繭を集める、一方では需要機関が団体になって団体交渉をする、これが産繭処理の方式になっておるわけですが、ここで問題になるのは、今まで製糸側からいろいろ集荷委託費であるとか、技術指導費であるとかいうものを養蚕団体が受けているわけですね。しかも製糸団体から受けておる養蚕団体が農民の利益代表として掛目の協定をやる、こういう形なんです。しかも具体的な場面を見ると、ことしは指導費を幾らくれるかということを先にやって、そのあとで糸目の方の掛目協定をやるのが慣行なんです。今までやられてきたから、普通のことだとだれも考えておるわけなんですが、よく考えてみると、売り込む相手から自分の方の団体の経費をちょうだいして、しかも委託された農民の繭の値段をきめるということはどうもまことにおかしな話なんで、双方代理よりまだひどいというような形になると思うのですが、これに対する御所見はいかがでございましょう。
○立川政府委員 集荷指導費というのは、やはりいろいろ養蚕団体の活動の一つの基礎財源をなすわけですが、従来そのような形になっておるわけですが、これはたまたま本来徴収すべきものを繭取引の過程においてまとめて徴収するというようなつもりでやるのかもしれません。しかし御指摘の問題の基本は、やはり協同組合の本来のあり方、これは組合員が構成をしておるわけですから、そういうところに問題が基本的にあるのではないか、こういう工合に考えます。
○栗原分科員 これはやはり僕らは僕らなりにおかしい。やはり養蚕農民は、そして養蚕農民の利益を代表する養蚕団体は、少なくとも製糸側から繭代金以外の金はいかなる名目でも取るべきではないのだ。筒一ぱい繭代金としてとるべきなんだ。そして筒一ぱいとった繭代金の中から、養蚕農民がみずからの組合を維持する経費を支払うべきなんだ。こういう指導をわれわれはわれわれなりにやってきているわけなんですが、なかなか農民から金が集められないために、言うなれば繭代金の中から製糸家を通じて金をいただいておるという形になっているのが実際だと思うのです。しかもこれがさらにいま一歩進んできて、今度養蚕団体がなかなか指導費もうまく受け取りにくいということから、繭の引取税という問題が起こってきたわけなんです。群馬県でも今年から繭の引取税を施行しよう、こういうことで、今このことが群馬県の蚕糸業界の重大問題になっておるのですが、繭の引取税というものについての当局の御所見はいかがでございましょう。
○立川政府委員 これはいろいろな角度から考えなければならないと思いますが、一つは、養蚕農民が実質的な負担にならない形で、それが養蚕業の振興のために養蚕農民に返されるような形で使われるということは、悪くはないというような考え方も成り立ち得るわけであります。また他方、これは農産物に対する課税である、そういう意味においては、これはやはり重要な問題であるという視角もあります。岐阜県ではそのような形で、法定外普通税というのですか、徴収をされておるという実例もありますし、これは主管はやはり自治省の主管として扱われるものと思いますけれども、いろいろな問題があって、なかなか判断が困難な問題ではないか、こう考えます。
○栗原分科員 これはなかなか重大な問題で、なるほど所管は確かに税関係で、地方税の問題ですから自治省でありますけれども、繭引取税という形は、繭を引き取る製糸業者あるいは仲買い、こういう人たちが課税の対象にはなるわけですけれども、今の蚕糸業の体系の中で一体だれが最終的にこの税を負担するか、こういうことになると思うのです。もちろん課税を設定する過程においては、課税対象が農民ではなくて製糸業者なんだ、これは製糸業者が払う税金なんだと盛んに説明をしておるわけです。農民も、製糸業者から税金をとって、おら方に使ってくれるならまことにありがたいじゃないか、こういうような受け取り方も説得の中ではしておったのですけれども、力関係からいってこれはそうはいかぬ。この税金はやはり最終的には農民にしわ寄せされる性格のものだ、こうわれわれは思うわけなんです。なるほど目的税としてそういう形で税をとって、そうして蚕糸業にこれを還元するのだ。そういう形の姿だけが悪いというような議論もにわかには立ちにくいかもしれませんけれども、蚕糸業の全体が、自分たちがみずから税金という形でこれを取り上げられてまで自分たちの手でほうり込む、こういうことはおかしいじゃないか、こういう議論が一方には出、私たちはそういう立場をとって、これは繭引取税というものが少しく無理なんだ、そういうことで出てくる主要点は、養蚕団体がなかなか思うように金が集められないから、県を徴収義務者として県に集めさして、そして養蚕団体にくれというのが一つ、いま一つは、群馬県のように他県からやり込まれる地帯では、地元蚕糸業者が、他県の人たちにも一つ課税をして、地元の業者を何とか保護育成するために金を使ってもらいたいということが一つ。さらに蚕糸業者がいろいろな形で農民からたかられる、こういうものを税金を払うことによって、ほかは一切ちり銭は出しませんよという形に持っていこうということが一つ、いろいろなねらいがあるわけです。しかし、これはやはりこういう形でなくて、地元の中小企業がもしも苦しいならば、それは蚕糸業の中小企業という形でなくて、一般的な中小企業の対策として、一つ国あるいは県の施策の中でめんどうを見てもらうべきだというのが私たちの議論であり、また他県の業者に荒らされて、地元の業者のみ一年じゅう原料繭を高く買わされるという問題点があるならば、これはやはり冒頭にお尋ねした十年の展望の中で、主産地形成、製糸も生産地に集約してくるという大きな展望の中で解決していくべきものだと思うのですが、これらに対してはいかがなものでございましょうか。
○立川政府委員 ただいまお話しのようないろいろな事情もありますし、私が先ほど申し上げたようないろいろな問題点もありますから、さらに慎重にいろいろな角度から研究いたしたいと思います。
○栗原分科員 最後に一つお願いしておきますが、この税金はとるべきだというような指導だけは、ぜひ一つお慎み願いたいものです。 最後に一点、これは農林省当局にはまことにつらい点なんですが、一昨年の秋にやめられた大沢局長が中心になって、時価十八万円という法案を出しまして、十八万という時価がどこにあるかという問題を起こしたときに、これはいきさつがあって繭糸価格安定法で買い上げられた五万俵を売り出したわけです。しかも最高価格でなしに、特別措置で売り出したわけなんです。これはどこまでも買いかえだということで売り出したのですが、一体売りと買いとの時間的なタイミングの問題はどうなんだというようなことで、同時に売り買いではなくても、最も近き機会——最も近き機会というのは、少なくとも一昨年の秋に売り出した見返りは昨年の春繭の糸あたりで買い埋めされていなければならぬと思うのですが、その後これは買い埋めになっておるのですか、いかがでございますか。
○立川政府委員 ただいまのお話は、率直に申しまして、当時の当局が非常な苦心のあげく、やむを得ずそういうことをやった、こういうことだと思うのです。 それで、今の質問にお答えいたしますと、買いません。買っておりません。
○栗原分科員 それではまた時をあらためましてこの問題は十分やることにして、今日は終わります。
○三浦主査 それでは、最後に玉置一徳君。
○玉置分科員 おそくなりましたので、ごく簡単に二、三十分で片づけたいと思います。基本問題に関しましていろいろと御質疑をいたしたいことがありますが、きょうは時間の関係で水のみにしぼってお尋ねをしたいと思うのであります。 農林省、政府は農業基本法の遂行につきましては、他産業の高度成長を非常に期待されておるわけでありますが、現在大阪、東京におきましても、工場の拡張に伴い、地盤の低下を来たしておりまして、結局水がこれからの工業の成長を規制するというような格好になっておりますので、水の有効な利用をはかるために、水資源公団のすみやかにできることをこいねがうわけであります。一方におきまして、先ほどの質問にもありました通り、農業に使う水があまりに高くなっては、今までほとんどただだと思っておった農民にとっては無理じゃないか、かように思うのですが、農林省の水資源公団についての現在お取り組みになっておる態度いかんということと、この計算をされますアロケーションの現在伝えられておる値段はトン二円くらいですか、幾らでしたか、企画庁のところで計算されておる値段は非常に高いと思うのです。これにつきましてどういうようにお考えになっておるか。
○伊東政府委員 公団の問題でございますが、これは御承知のように、農林省では特に今後問題になりますような地点といいますと、利根川水系、木曾川水系、淀川水系そのほかの地点も考えましたが、これから農業、工業、上水道等で水のいろいろ取り合いになる、あるいは今後非常に需要がふえてくる。過去に使っておりました水でも、調整しなければならぬというような地点につきましては、一つ水利開発管理公団を作りまして、その公団で開発をし、その水の管理をはかったらどうだろうということで、実は公団という考え方で大蔵省に予算の要求をしたのでございます。その場合にちょうど幸いに、愛知用水の事業が大部分三十五年度中に終わりますので、ここの今まで経験した人々もそこに行って働けるようにということで、公団の考えを出したわけでございます。これにつきまして、建設省、通産省、厚生省でもそれぞれ違った目的で、利根川でありますとか木曾川あるいは淀川あるいは筑後川という地点につきまして、水の開発管理をやるというようなこともありまして、これにつきましてできれば何とか一本の公団にいたしまして、ある地点をきめまして開発したらいいじゃないかというようなことで、だんだん参ったのでございます。予算をやりますまでには、まだそういう統一のとれました総合的な水の利用なり開発をする公団につきまして、いろいろな問題がありまして、話し合いがつきませんでしたので、予算の段階におきましては、はなはだ残念であったのであります。農林省では豊川で国営事業をやっております。これは工業用水、上水道もあり、規模もかなり大きな事業でありますので、その地点につきまして、公団で仕事をやっていこうというような予算措置をいたしたのでございますが、われわれとしましては、やはり先ほど申し上げましたように、利根とか木曾とかいうところにつきましては、何省といわず、統一のある公団を作りまして、権限等に問題もございますれば、あるいは次善の策といたしまして、企画庁あたりでそういう公団を監督するようにしたらどうかという考えを現在も持っておる次第でございます。 それから、申しおくれましたが、水の値段の問題でございます。これはまだ今の段階で、工業用水がどこの地点は幾ら、上水道幾ら、農業用水幾らということは、実ははじいておりません。ただ傾向としまして、工業用水等につきましては、特に工場が大体きまっておりまして、そこの生産のコストの面からいきますと、工業用水につきましてはトン当り四円五十銭とかあるいは六円とかいろいろな数字がございますが、それ以上のものになると、なかなかコスト高になって使えなくなるというようなことで、それを条件にいたしまして、補助金を出しておるというようなことがございまして、アロケーションをやります場合に、若干農業用水が負担する金と、工業用水等につきましては、今後検討していく問題があるだろうというふうに思っております。
○玉置分科員 アロケーションにつきましては、格別農業に割に合うような値段にきめるように御努力願いたいと希望しておきたいと思います。 次に、これに関連してでありますが、内水面の土地改良の費用の分担であります。御承知の通り、利根川、淀川、木曾川、ああいうように幾つもの川の流れが集まって参っておりますときには、それの川と川との間にあります内水と申しますか、これが奥地のかなり遠いところからの山や畑の水を全部集めてきましたものを一カ所で排水をしておる。これが全部土地改良の排水にかかっておるのが実例でございます。御承知のように、終戦後一時に出水が多くなりまして、本川の方が先に水が上がりまして、変えざるを得ないということになっておるわけでありますが、これはやはり山や市街地に降った水はそれぞれ集水面積に応じまして、地方自治体の町村河川なり府県の河川なり、あるいは建設省というように費用の配分をせなければ、非常に不公平だと思います。農業の土地改良にかかる農民の負担が非常に多くなっておるわけでありますが、こういうものにつきまして、局長の方でお考えになる意思があるかどうか、非常に事例はたくさんあると思います。
○伊東政府委員 排水の問題でございますが、これは今先生が例をあげられました災害のような場合も一つの例でございますが、市町村等が実はいろいろな工事をやりましたり、起債でやりますというような事例があることは、災害の場合、御承知の通りでございます。ただ一般的に排水の問題につきまして、負担の問題は、先生がおっしゃいましたように、これは実は排水だけでなくて、用水の問題、——農業用水だけでなくて、その辺の農民以外の人が使います雑用水とかいう問題も出てくることもございます。排水の場合は、先生がおっしゃいましたように、農地の排水をやれば、その中にありますあるいは市町村等の農地以外のところの排水がまたよくなるというようなことも考えられます。それで、私の方としましては、この問題は今市町村当局あるいは建設省というお話がございましたが、現実の問題はまだ解決いたしておりませんが、特に排水等の問題については、具体的な問題として一つ検討してみたいというふうに思っております。
○玉置分科員 このことにつきましては、岐阜県の大垣市が、低地帯なにやらというもので特別交付税をもらっております。それで土地改良のあれは分担しているわけですが、町村にはそういうなにがうまくいかないのです。自治省と御相談をいただきまして、特別交付税でもって町村分は町村にやらすというようなことを一つなるべく早くお取り計らいをいただきましたら非常にけっこうだと思います。 次に、河川でございますが、河川から樋門でもって今まで灌漑用水をとっておりますところが、河川の河床が低下していきますにつきまして、ごつい床どめ堰堤をこしらえなければいかぬようになるわけです。たとえば木津川の例をもっていたしますれば、一つで九億円くらいかかるような床どめ堰堤をこしらえなければならない。それを数本こしらえるということになりますから、とうてい思い切った灌漑水のとり方ができなくなってきておるわけです。こういう点につきましては、今まであたりのような考え方でとっておった水に対して、今後そういう思い切った工事をしなければならぬということになりますと、現在の補助率では、莫大なものがかかりまして、とうてい農民の負担には耐えかねるわけです。つきましては、こういう問題につきましては、補助率を建設省あたりと御相談をいただきまして、特別にお考えいただき、農民が負担できるような価格でもって水が入り得るような措置を講じていただきたいと思うのですが、局長の御所見をいただきたいと思います。
○伊東政府委員 その問題も、実は河川改修ではっきり、たとえば河川をつけかえするために従来ありました樋門を変えなければならぬというような場合には、これは河川の工事として、付帯工事として建設省でやってもらうというような事例もままございます。ただ一般的に河川改修の結果でそうなるのか、上にたとえば発電所のダム等ができまして、砂利が流れてこなくなって、河床が低下しておるという問題も出てきますのか、その辺の原因が実ははっきりしない問題がかなりございまして、今おっしゃいましたような事例につきまして、特に今まで特別な補助率をきめますとか、そういうことは実はやっておりません。はっきりいたしているものにつきましては、河川の工事と一緒に考慮してもらうということがあるのでございますが、原因がなかなかつかめないというようなものにつきましては、まだ措置をいたしておりません。これもさっき先生がおっしゃったような排水の問題がありますので、河川改修の問題についてはもう少し建設省と相談させていただきたいと思います。
○玉置分科員 もう一つ関連いたしまして、同じく水の問題でありますが、先ほどお話しなさった連年災害地帯であります。常襲地帯が大体どこになっているかということは、たとえば各府県ごとにほぼ想定されていると思います。これが現行の補助率では累進されますものですから、その超過した部分に対する補助率は上がりますけれども、一番もとが六割五分になっておりますから、通算いたしますと大したものにならない。そこで問題は、公共事業の問題の方は比較的わかりやすいわけですが、個人の施設になるようなものにつきまして現在のところ思い切っていただいていないと思うのです。その補助率を連年災害のところはどうするかという問題についてお答えいただきたいのと、もう一つは、各府県で非常に全国的に見て大きな様相を示した災害につきましては、議会その他の配慮もありまして、高率補助をいただくわけでありますが、局地的に連年同じようなひどい災害を受けているのに、ことしは規模が小さいから、面積が少ないからだめなんだというのでは、農家は非常にわかりにくいのです。その土地では昨年よりもひどいにかかわらず、ことしは面積が少ないからこれには当たらぬのだということでは、農家はなかなか合点がいきませんので、この二つにつきまして、局長でけっこうでありますが、御説明をいただきたい。
○伊東政府委員 連年災の問題につきましては、今先生がおっしゃいましたように、公共土木関係では連年災の規定がございますが、農地農業施設、すなわち農林省関係の林道等も入りますが、そういうものにつきましては、連年災の規定が今までございませんでした。これは昨年の災害が、特に連年災が多かったにもかかわらず、高率にならなかったということでだいぶ問題がございましたので、今私どもの方では、暫定法につきましても、連年災の規定を置こうということで、大蔵省と大体話し合いもつきましたので、今国会に法律改正をいたしまして、連年災につきましてある程度の高率の補助のできます規定を作るつもりでございます。これができますれば公共土木その他とのアンバランスが若干なくなってくるだろうというふうに思っております。 もう一点は、連年災の適用をします場合には、今まで先生がおっしゃいましたように、大被害が起こりまして特別法を作るというようなときだけでなくて、これは恒久的な立法として連年災をやるということでございます。
○玉置分科員 最後に農林大臣にお伺いいたしたいのでありますが、農家の所得をその他の産業の所得と見合うように、農業基本法を作って、農家の生活の向上、所得の向上を期されるわけでありますが、先般来からいろいろ本会議、予算委員会、農林委員会等における池田総理の説明によりましても、所得の比較の対象の問題、あるいは需給均衡価格の問題その他につきまして、なかなか農業を安定したものに持ってくるのはむずかしい、これは池田総理も率直におっしゃっている通りだと思います。本国会は、農業基本法を通じて、今後の日本の農政をどうするかという問題について、非常に全国の農民並びに農業団体が注目している国会でございます。しかもこのむずかしい農業の問題につきまして、皆さんで慎重に審議されておいでになるわけでありますが、こういうものが十分に納得がいけるまで、しかも全国の農民並びに農業団体の方々が十分に納得されるまで審議を続けるために、場合によっては国会を延長して審議される決意があるかどうかという問題と、それからなるほどいい案だというのが出た、あるいはこの基本法の草案で、非常に何と申しますか、あまり上等でないと思われるようなところがあった場合に、修正をされるのにやぶさかでないということを御言明願えるかどうか、最後に農林大臣にお伺い申し上げて、私の質問を終わることにいたします。
○周東国務大臣 私どもは、過去二カ年にわたって農業基本問題調査会及び農業基本政策調査会で検討して参りました結果を法案として出したわけであります。その間におきましては、各方面にわたっていろいろ意見も聴取してございます。従って、ただいま提案をいたしておりまする法案は、私どもとしてはすべての点において完全無欠とは言いませんけれども、しかし一応いいものができた、こう思っております。従って、この内容について十分に各方面に宣伝をし、理解を求め、解説をしていくつもりであります。従って、まだまだ本国会も会期もありまするので、今日、せっかくのお尋ねでございますけれども、延長してこれをやるかということは、そういう気持はむしろなくて、早く皆さんの御協力で通そう、こう思っております。そうして実施に移して、いろいろまた実行の面で直すべきところが出てくれば、それは直していくのにやぶさかでございません。あくまでも私は今までと違って、いろいろ御批判はありますけれども、大きく総合的に農村政策というものは立てていかなければならぬ。それには総生産量の増大という問題、しかも農民の一人当たりの生産性を高めるということ、そうしてそれをやるについて農業の近代化あるいは工業化、機械化、こういうふうなあらゆる面を考え、それらに対する施設だけでなくて、さらに一般に交通、労働、環境衛生、教育その他各般にわたって農村を全体としてその生活水準を高めるというような方向に向かって法律を立てているのであります。それらの施策をなすについて、国は財政上、法制上必要な措置をしなければならぬことになっております。このことは、私は何と申されても一大前進であると思います。国がそういうふうなものについての責任を負う、しかもそれは単なる従来のような予算を立てたからうまくいった、あとは知らぬというのではなくて、年々国会に実績を報告しなければならぬことになっておるし、そのことはすべてわれわれがやらんとする施策の実績を国会に出して、農政の批判を求めるということであります。しこうして、これに対して行き届かぬ点があれば、さらに修正して、農政をさらに前進させるということに大きな責任を持ち、決意を持って農政を進めようとするのでありますから、なかなかむずかしい問題ではありますけれども、私は理解を得ることができると思いまするし、そうしてりっぱに早く皆さんの御協力を得てこれを通して、実行に移したいと考えております。
○三浦主査 明日は午前十時より開会し、農林省所管の予算について審査を続けることとして、本日はこれにて散会いたします。 午後六時三十四分散会